【偽三次創作】どこかの誰かの話 その2【のんびり、まったり】

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18 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/04(土) 22:32:08.06 ID:J8LwcW0H0
まずは、如南へ


例の木っ端役人の件が片付いたので、ついに洛陽行きかと思っていると急に曹操様に呼び出された。
しかも呼び出された先には、軍師殿、夏候惇将軍、夏侯淵将軍が揃っており私が来た事を確認すると厳重な人払いまでする事態に、何やら大きな情勢変化を
感じ取った。

「皆様がお揃いで、袁に所縁ある私が呼び出された。ということは、袁家に何やら騒動でも起こりましたか?」
(それはそれで、義(麹義)の婚姻に影響が出そうで心配ではあるが)
内心そう思いつつ、曹家中枢の面々に問いかけてみる。

「如南に派遣されている袁胤が、謀叛を企んで失敗。更に袁重臣の張家にもなにがしかの影響があったそうよ」

曹操様より告げられたそれは、騒動というにはあまりにも大きすぎる事態であった。

「で、袁胤殿の生死は?」
「生きてはいるみたいだけど、さすがにどこでどうしているまでは掴めてないわ。如南にいるのはわかっているけど」
「ふむ、袁一族の身ゆえ現当主袁紹の判断も仰がずに軽率な真似はしなかったか。どうやら知恵者がその場におったようだな」
私が一番気にしている事を訊くと、それに軍師殿が入手している現状を知らせてくれ、それに対して夏侯淵将軍が私見を述べる。
袁胤殿が生きている事に安堵している私を見て、曹操様が、
「袁胤という人物、かなりの大物のようね。横着」
感想と質問を同時に放ってくる。
「現当主袁紹様が主流とするならば、袁胤殿は反主流の盟主ですからな。先代袁逢様がおられなかれば、袁胤殿が当主になられていたでしょう」
私の回答に頷くと、更に、
「もし、袁胤がどのような形であれ命を落としていたら袁内部は騒乱になっていた。その可能性も十分あったのよね?」
私としては望ましくない未来予想をさらっと質問してくる曹操様。
「有り得たでしょうな。反主流といっても謂わば不満分子、それをまとめあげて懐柔していた方ですからな」
「袁一族にして一勢力の領袖。うかつに誅すれば箍の無くなった有象無象が暴発する。それによって袁の勢力が大きく削がれた事態も、か」
曹操様への私の回答を受けて、軍師殿が感想を述べる。それに対して曹操様が、
「しかし、実際には身柄を如南より出さないという形で生かした。まぁ『誰が』そんな決着にしたかは想像つくけどね」
ふふ。と随分楽しそうに笑顔で結論を述べた。

「曹操様、一度如南に行きたいのですが」
私のこの発言に、
「私としては構わないけど。洛陽に早いこと出仕しないとそれこそ貴方がお尋ね者になるのではなくて?」
曹操様が悪い笑顔で痛い所を突いてくる。が、私の思考のどこかで如南行きを急かす声がする。それに対して反論できない自分も自覚していた。
(多分だが、如南に今のわが身の状態を開放する何かがあるのかもしれない。それに袁胤殿にも一度きちんと会ってみるべきだろう。洛陽からお尋ね者にされるのは困る事態ではあるが、本気で追手が来ないというのはひょっとすると……)
とにかく考えが纏まったので、
「そうなったとしても、私は一度如南に向かいます。多分そうしないと自分が後悔する何かがあるのかもしれませんので」
きっぱりと曹操様にそう返事した。
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