【偽三次創作】どこかの誰かの話 その2【のんびり、まったり】

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212 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2020/04/29(水) 11:39:39.13 ID:ANmDVSv70
導入その3。喧嘩売る相手がとりあえず見えましたwww



頭痛い。と宮殿でぼやいていても事態は何も改善されないので、まずは左民曹として出来ることを検討するが正直よくわからん。
経験上大抵そういうのに詳しい奴が一人はいるだろうと、補佐に尋ねてみると、

「おるにはおりますが、民曹尚書様の御前に呼び出すにはその……」

随分と言葉の歯切れが悪い。あれか、身分じゃなんじゃどうたらか。まったく。

「身分がどうたらは関係ない。これは職務上の諮問だ、つべこべ言わずに呼べ」
「ははははいいっ」

補佐以下が何やらばたばたしていたが、どうやら本人を扉の前まで連れてきたようだ。

「民曹尚書様、お探しの者を連れてまいりました」

扉の向こうでそう声がする。

「おう、入れろ」

許可を与えると、補佐に続いて一人の若い女が入ってくる。

「この者なら民曹尚書様の諮問にお答えできるかと」

てっきり爺さんが来ると思っていたので、思わず目をしばかたたせる。

「お前さん、名は?」
「司馬晃(しば・こう)と申します」
俺にちゃんと礼を執りながらこちらの無作法な質問にそう名乗る女。

ちょっと待て、司馬だとぅ。まさかあの『司馬』じゃねぇだろうな?

「著名にうとい俺でも聞いたことのある姓だが、係累か?」
「はい、傍流ではありますが」
「なんとまぁ、あの名門の一員がいたとはな。こりゃ驚きだ」
「私の事はともかく、左民曹尚書様はいったいどのようなことをお知りになりたいのでしょう?」

田舎者丸出しのこちらに対し表情一つ変えずに本題を切り出す司馬晃。少なくとも権威や権勢なんぞは歯牙にもかけていない。そこは好感が持てる。

「こ、これ。控えよ」

慌ててたしなめる補佐。うーん、萎縮しすぎだろう。

「構わんよ。それにお前さんにも参加してもらわんと困るからな、そんなに俺を怖がるな」
「ですが」
「なら命令だ。補佐、お前さんも諮問に答えろ。言っとくが強制だからな」
「はぁ」
なんてぇかいかにも官吏、なんだよな。まぁ俺の後釜に推挙しとくから頼むぜ。
それはともかく、

「あのな、司馬晃」
「はい」
「今の洛陽の状態を左民曹として少しでもましな方向に改善する方法はねぇか?」
「無理ですね」
「無理か」
「そもそも、洛陽含む司隷の民政を担当するのはここではありませんので。我々はあくまで土木水利を司る部署であることをお忘れなきよう」
「そうだよなぁ」
「まぁ反則かもしれませんが、何か普請をするために資材を調達する際に別に民需物資を調達し左民曹から横流しする。という手段は取れますが」
「横流しとは穏やかじゃねぇなぁ、第一それじゃ官の銭を私してしまうじゃねぇか」
「いえ、民需物資の調達は別会計でやればよいのです。そうですね」

で、思わせぶりに俺を見る司馬晃。司馬晃の意図を察して、

「個人、もしくは個々の金をまとめて民需物資を調達し、横流しも確実に民に届くように経路を確保する。ということか」
「で、ですが洛陽の民がいったいどれくらいいるとお思いで?それに個人がいくら頑張ったところで限りがありまするが」

方法の一端を口にした俺に、補佐から現実的な反論が返ってくる。そりゃそうだよな。

「まぁ司馬晃の言ったことはあくまで手段の一つだし、そもそも職分から外れているわな」
「そうです!その通りでございます。民曹尚書様におかれましては、くれぐれも軽挙妄動なさらぬよう」

おお、諫められたぞ。補佐、お前さん結構根性あるじゃねぇか。唯唯諾諾の言いなり人形じゃねぇようだな。
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