【偽三次創作】どこかの誰かの話 その2【のんびり、まったり】

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25 :俯瞰者 ◆e/6HR7WSTU [sage saga]:2018/08/12(日) 19:18:05.99 ID:wCxRYpft0
「てめ……あの諸悪の根源女のモンか」
それには答えない。代わりに、

「またかよっ!」

気配も無しの一閃。だが今度はこっちも懐の短剣で応戦。
再び着地した奴に短剣と一緒に抜いておいた暗器を投げつける。だがあっさりと弾かれる。
……こらあれか?本気でいわさんとあかんか?
「許楮殿!」「はいっ!」「連中と一緒に髑髏共を頼む!足止めでいいが最悪はぶちのめしてくれ!」「はいっ!」
こちらが集団なのを幸い、全員に聞こえるように許楮殿に頼む。早口で言うと言い終わる前に馬から飛び降りる。当然、
「くそぼけぇ!」
再びの一閃。今度は相手に体当りするつもりで相手の軌道に合わせる。が、相手も読んでいる。双方外れ。
相手が勢いのまま距離を置いたのでこちらも勢いのまま奴とは反対側に距離を置いて一挙動で立ち上がり、構える。その際すでに得物は利き手に握っている。

……ゴリラなめんな、お!?

構えつつも周囲の気配を探ると、なぜか髑髏共は動こうとはしない。おかげで許楮殿達が余裕を持って髑髏共と対峙できたが。
丁度中間に馬の群れがいる状態を嫌ったか、横へ横へと隙を見せずに移動する奴。やっと奴の観察する余裕ができたが、覆面に暗部特有の体の動きを阻害されない格好で性別年齢不明ときやがった。
「ま、覆面してる時点で『怪しい者で御座い』と宣伝しているがな」
そう呟くと、つ。と少しだけ奴の反対側へ移動する。奴改め覆面はそれを見ても動じない。今度は睨み合いになった。
……罠か?それとも暗器か。ただな、覆面よ。おめ、結構隙見せてるんだぜ。
「もう一度聞くぞ。おめぇ、女狐の関係者か?」
動いた!
俺もそうだが人間てぇのは立ったままから急発進はできない、極限まで体動を殺してもかすかにだが無意識に動きが出る。
あのくそ忌々しい戦で、ひたすら匈奴を観察しぶん殴り続けたから分かった事だ。
来た!
死角から必殺の一閃。だがこっちもあの当時に戻っている、つまりだ。
「死んでたまるかぁ!」
剣を得物で受ける。というか刃を捕える。と同時に腕に肘でかちあげを食らわす。言葉にすると悠長だが、実際は刹那より少し長いかの刻。
肘に腕がめり込んだ感触を得た。後は身体が無意識に動いていた。目の前にある覆面の身体のどこかに噛みつく、文字通り食いちぎる為に。


勝負、いや生き残る事が確定した。


腕が折れても戦う奴。は結構いるだろう、身体のどこかを食いちぎられても戦う奴。も結構いるだろう。
だが、それを同時にされてそれでも殺すために動こうとする奴って多数派にいるのか。
明らかに動きが鈍った覆面に、
「俺の事を知っているなら、先祖が交わした盟約の事も知っているだろう。俺はそれに従って袁胤殿に会いに行くだけだ。後な、あの諸悪の根源女に直談判もだ。
あの諸悪の根源女のお陰で俺は史上最高の女と引き離されたのだぞ、南皮の全ての野郎を蹴散らして田豊つう最大の恋敵を破って勝ち取った金銀財宝栄華に権勢に権力、そんなものが塵芥と変わらん位大切で大事で二つとなくてそれを守れるなら死んでも惜しくなくていや死ねんな死んだらあの肌に二度と触れられんからな。
とにかくだ、おめぇがどういう流れで俺を如南に行かせないのかは知らん。だがな、俺ぁ再びあの女(ひと)の下に戻って俺史上最大最高の戦果とその褒賞の日々に戻る。その為にはだ、誰が何と言おうが」
そこで深呼吸すると、
「如南へ罷り通る!!!!!邪魔する奴ぁっ!!!!!ぶちのめぇすっ!!!!!」
魂の咆哮をあげた。
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