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【艦これ】提督「私と艦娘が険悪な関係だと?」 五隻目【安価・コンマ】

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513 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/02/05(火) 20:09:27.85 ID:3xBgIgGCO

ガンビアベイ「あ、あの、急に頭抱えてどうしたんです?」

アイオワ「……それ、MeたちのAdmiralのことね」

負傷兵「!? こ、このことはどうか内密に……」

アイオワ「OK,OK。もちろんよ」

負傷兵「ほっ……」

ガンビアベイ「ひぃぃ……あの、そんなに怖い人なんですか……?」

アイオワ「んー……Meはそんな風に思わないけどね。本家と違ってなんでもかんでも揉み消すことなかれ主義者ってわけじゃないし」

ガンビアベイ「本家……?」

アイオワ「Ernest Joseph Kingのことでしょ?」

ガンビアベイ「あー!」

アイオワ「!」

ガンビベイ「あの、急にそんな顔してどうしたんです?」

アイオワ「シー!」

ガンビアベイ「はぁ」

アイオワ「ゴホン、Meたちの英雄を蔑称みたいにつかわれるのは気持ちよくないわね」

負傷兵「あ、いや、その……すみません。あなたがたに配慮が足りませんでした」

アイオワ「ぷっ……」

ガンビアベイ「へ? あ、あの、どうかしたんですか?」

アイオワ「AHAHAHA……! ご、ごめんなさい、さっきのはJokeよ。It`s Joke.」

負傷兵「はぁ?」

アイオワ「Ernest についてはBullだってChesterだって悪く言ってるんだし、そんなことでMeは怒らないわ。And they are excellent Persons! まぁ、性格はアレだけどね」

負傷兵「はぁ……驚きましたが怒ってらっしゃらないようならよかった」

アイオワ「ふふ……MeたちのAdmiralを悪く言った罰よ」

負傷兵「はは……きつい冗談だなぁ」

アイオワ「よっこいっしょっと。いろいろとお話しできて楽しかっわ! Thank you!」

負傷兵「ええ、私も女性と話せて久しぶりに楽しかったです」

アイオワ「また会いましょうね、Bye!」

ガンビアベイ「ふぇ!? え、えっと、その、ありがとうございました!」

負傷兵「ええ、あなた方にご武運を」
514 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/02/05(火) 22:15:02.12 ID:3xBgIgGCO

――13:40――

ルソン島 海軍病院 提督病室

提督「くそ、打ったしりがまだ痛い」

鈴谷「はい、はい」

潮「あの、なにかあったんですか?」

提督「なんでもない!」

潮「ご、ごめんなさい」

鈴谷「はぁ……潮ちゃんにあたらないでよ」

提督「あたってない! 事実を告げたまでだ!」

鈴谷「もう! 子供じゃないんだから――」

潮「あ、あの、鈴谷さん、大丈夫ですから」

鈴谷「駄目だって。潮ちゃんは提督に甘すぎるんだよ」

潮「そ、そんなことは……」

バーン!

アイオワ「Hey! Admiral お見舞いにきたわよ!」

提督「……おい、ここはどこだ?」

アイオワ「? え、スズーヤ、Admiralって頭にもけがしてたの?」

提督「してない! 病院なのだからドアを開けるにしても静かにしろといっているのだ!」

アイオワ「アー、Sorry! それよりも元気そうでなによりよ!」

提督「うぐぐ……!! ちょっとは反省という――あん?」

アイオワ「? どうかしたの?」

提督「おい、お前の横にいる子だがどうしたのだ? 誘拐でもしてきたか?」

アイオワ「HAHAHA……! Nice Joke! ほら、挨拶して」

ガンビアベイ「あう……あの、その、きょ、今日から着任したGamb――」

提督「待て!」

ガンビアベイ「ひぃう!?」

提督「いま、着任といったか?」

ガンビアベイ「は、はい」

提督「ということは君――いや、お前は艦娘ということだな?」

ガンビアベイ「?」

提督「返事は早くしろ!」

ガンビアベイ「は、はい! そ、そうですぅ……」

提督「……」プルプル

鈴谷「はぁ……あの、耳ふさいだ方がいいよ?」

ガンビアベイ「へ? あの、どういう――」

提督「こんの……なにを考えているのだ、この馬鹿!!!」

ガンビアベイ「ひゃああ……!! ひぃぃぃ……!!」

提督「なんだお前に常識というものはないのか!? 病院で走るなどいまどき子供でもせんわ!! 海の底に常識――いや、頭の中身を忘れてきたというならばすぐに取りに行け!! いや、私がとりにいかせてやる!!」

潮「あわわ……あの、落ち着いてください」

提督「うるさい! こんな間抜けが私の部下になるなど耐え切れん! 砲塔に詰め込んですぐに亜米利加に送り返してやる! 覚悟しろよ!!」

ガンビアベイ「ひぃぃぃ……Sorry!!」

提督「なんだお前は密偵か何か!? 私の血管をきれさせることでの謀殺でも企んでいるのか!? 素直に言えば10年の独房送りで許してやるぞ!」

鈴谷「あ、あの、提督、落ち着いて?」
515 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/02/05(火) 23:02:37.94 ID:3xBgIgGCO

提督「これがおちついていられるか!」

ガンビアベイ「うぅぅ……ご、ごめんなさい……」

アイオワ「はぁ……Admiral!」

提督「はぁはぁ……あ? なんだ?」

アイオワ「Gambier Bayも謝ってるんだし、それぐらいでいいでしょ? ね?」

提督「そんなわけがないだろ! いいか、私だったからいいもののほかの病人にぶつかっていたらどうしたつもりなのだ!? 極端なことを言うが、取り返しのつかないことになっていた可能性もあるのだぞ!」

鈴谷「だから、あの時もちゃんと怒れっていったのに」ボソッ

提督「注意はした! しかし民間人ではなく私の部下ともなれば、あの程度で済ませるか! 徹底的に教育してやる! 覚悟しろよ、この馬鹿が!!」

Gambier Bay「うぅぅぅ……うううう……」

提督「ん?」

Gambier Bay「――うぇぇぇぇんん……!!!」

提督「!?」

鈴谷「あーあ、泣かせちゃった……」

提督「ば、馬鹿! ぐ、軍人がこの程度、泣くなど――う、潮!」

潮「は、はい!」

提督「何とかしろ! いや、なんとかしてくれ!」

潮「なんとかっていっても……あの、うーん……」

提督「うぐぐ……よし、分かった! 鈴谷、ココアでもいれてやれ!」

鈴谷「えー、提督が責任とっていれてあげなよ」

提督「この状態でどうしろというのだ! よし、分かった言い過ぎたかもしれん! よし、分かった! 飴をやろう!」

ガンビアベイ「うぅ……」

提督「ほっ……泣き止んだか……」

ガンビアベイ「ぐすっ……うぅぅ……ご、ごめんなさい……」

提督「……う、うむ」

アイオワ「Oh……これが雨降って地固まるってやつね!」

提督「うるさい!!」

ガンビアベイ「ひぃぃ……」

提督「いや、おまえにいったわけじゃない! よし、ほら煎餅を食え!」

潮「へぇ……」

提督「な、なんだ」

潮「あ、いえ、なんでもないです」

提督「うぐぐぐ……なぜこうなるのだ……!」
516 : ◆idiDHwDMwc :2019/02/05(火) 23:40:35.63 ID:3xBgIgGCO

――15:50――

ルソン島 港付近

アイオワ「ほら、あんまり怖くなかったでしょ?」

ガンビアベイ「あう……お菓子はいっぱいもらえたけど、怖かったです……」

アイオワ「うーん……意見の相違ね」

ガンビアベイ「あの……私、こんなのでちゃんとやっていけるんでしょうか……?」

アイオワ「hummm……鎮守府の子は皆優しいし、大丈夫よ」

ガンビアベイ「ほっ……よかったぁ……」

アイオワ「あ。一人、怖い子がいるわよ!」

ガンビアベイ「え……だ、誰なんですか!?」

アイオワ「空母のアカーギ。絶対に怒らせちゃだめよ?」

ガンビアベイ「く、空母……」

アイオワ「でも大丈夫。あなたに怒ったりすることはないと思うから」

ガンビアベイ「ほんとうですか……?」

アイオワ「Yes!」

ガンビアベイ「よかったぁ……」

アイオワ「あ……」

ガンビアベイ「え? こ、今度はどうしたんです!?」

アイオワ「もうこんな時間。もうすぐ船が出ちゃうわ! Hurry up!」

ガンビアベイ「へ? えぇぇぇ……!! ま、待ってくださーい!」
517 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/02/05(火) 23:44:32.90 ID:3xBgIgGCO
――15:50――

ルソン島 海軍病院 提督病室

提督「くそ……散々な目にあった。潮、これで何か甘いものでも買ってきてくれ」

潮「は、はい。えっと……」ウルウル

提督「? 早くいけ」

潮「……はい」

提督「あ、待て」

潮「! はい!」

提督「急ぐのはいいが走るなよ?」

潮「……はい」

提督「?? なにをあいつは残念そうな顔をしているのだ」

鈴谷「はぁ……教育に悪いなぁ」

提督「なんのことだ?」

鈴谷「別になんでもないよ」

提督「そうか。はぁ……しかし随分と骨を折らされた」

鈴谷「あー、うん、自分が蒔いた種だったけど大変だったね」

提督「まったくだ」

鈴谷「じゃあ、お疲れ様のココア入れてあげるね」

提督「うむ、頼むぞ」

鈴谷「素直でよろしい! けど意外だったなぁ、提督なら泣かれようが何しようが怒ったら怒りっぱなしだと思ったから」

提督「ふん……あれほど泣かれると普通の子供の相手をしているような気がしてしまってかなわん」

鈴谷「あはは……提督も人の子ってことか」

提督「お前なぁ……私をなんだとおもってるのだ!」

鈴谷「え? 私の大切な人……なーんちゃって!」

提督「……」

鈴谷「ちょ、ちょっとそんなあきれた顔しないでよ! ちょー恥ずかしいじゃん!」

提督「ははは……では、どういう顔をしろというのだ?」

鈴谷「うー、もう! 意地悪!」

提督「そんなこっぱずかしいことをいわれれば、こういう反応にもなるだろ!!」

ワー、ワー、ギャーギャ

 ガンビアベイ編 艦
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 23:53:45.70 ID:MOjeBMd5o
長時間の投稿お疲れ様です
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/06(水) 00:02:16.28 ID:8/+MrzbGO
ベーイ。やっぱり海外艦は英語の配分とかが難しいですね……
いまさらですが泣かせちゃったのは本当に申し訳ありませんでした。それにみんなの鎮守府のベーイは慌てても病院走ったりしないから……
内容に関しては提督のモデルの一人でも出てるキング元帥かかわらせようといろいろと試行錯誤しました。

安価やるってツイッターではいいましたが、時間が時間で人がいるか分からないので今日はコンマだけにして明日の投稿前にお品書き落としてその流れで安価やることにします。

怪我に関してはご心配いただきましてありがとうございます、
こんな状態ですので更新か、スマホでできるお事ぐらいしかすることがないので趣味に向ける時間が取れたと前向きに考えております。これだけ不定期の更新となってしまって虫のいい話とはおもいますがよろしければ今後もおつきあいください。

>>512
旧軍思考の提督だから訓練で死にかけるでしょうし……そこらへんと燃費は多門丸の悪いところがモデルになってます。

>>518
こちらこそ長時間お付き合いいただいてありがとうございます。
スマホと入院生活に慣れればもう少し早くできるようになると思います

それでは択捉のコンマやっていきます。

提督から択捉への感情度 ↓コンマ以下
択捉から提督への感情度 ↓↓コンマ以下
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:02:37.25 ID:KdH/6l9W0
ほいさっさ
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:02:59.00 ID:QPrOdrCNO
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:04:45.06 ID:QPrOdrCNO
そういえば択捉の前に安価募集だったような
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:05:28.59 ID:qkIrMV7Oo
これはヤバい
524 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/02/06(水) 00:10:00.06 ID:8/+MrzbGO
なんだと……?
そういえば幼い感じの艦娘には割かし好かれてるんですよね……

択捉から提督への感情度が90を超えています!
好感度コンマに移行します!

提督から択捉への好感度 ↓コンマ以下
択捉から提督への好感度 ↓↓コンマ以下

>>522
更新の時間がかかりすぎたので人がいるかなぁって思ったんですが、コンマの速さ的にできそうですね……
ただツイッターの方で報告しただけだったので、知らない人もいるだろうし明日にいつもどおりの5つ分で安価とります。
グダグダで申し訳ありません……
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:10:02.18 ID:70H2Jx/no
??「へぇ……」
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:10:32.10 ID:ESmpsdNDO
はい
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:11:51.85 ID:QPrOdrCNO
>>524
なら大変だと思いますがいつ頃更新かだけ教えてもらえれば…
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:12:34.49 ID:qkIrMV7Oo
草も生えない
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:12:58.40 ID:Gn8xzWAoo
爆弾いっちょあがり
530 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/02/06(水) 00:22:28.94 ID:8/+MrzbGO
あれ? これ爆弾じゃね?って調べたら案の定、爆弾ですね。
しかもこれ提督からの感情度低いから表現が悪いけどストカー型の爆弾ですね……
この数値はさすがに予防線張っておきますがこのスレの択捉はこの鎮守府の択捉です。皆さんのところの択捉じゃないからね……

提督から択捉への感情度:25  提督から択捉への好感度:18

択捉から提督への感情度:100  択捉から提督への好感度:10

>>527
更新自体はお昼ぐらいから初めて安価は20:00からとらせていただきます。
こちらの不適際でグダグダになってしまったのにお気遣いいただきありがとうございます。


読んでいただいてありがとうございます! それでは寝ます!おやすみなさい!
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:28:03.45 ID:qkIrMV7Oo
お休みなさい
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 00:40:39.92 ID:70H2Jx/no
おやすおつ
はたして赤城さんに目を付けられなさそうなのがよかったのかどうか……
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 04:30:56.42 ID:5J0eruy4O
爆弾は引かれ合う
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 18:16:55.37 ID:i6TFrMvg0
おつおつ
いっちお大事にね
535 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/02/06(水) 19:16:48.01 ID:te+0tG/sO
>>1です。
昼からすると言った更新ですが、現状、人に見せられる出来になってないのでもう少しお待ちください。
なんかとんでもな感じが拭えず……なんとか今日中に形にしたいと思います。

安価は時間通り20:00に行いますのでこれからお品書き投稿いたします。
よろしければご参加ください。

>>534
ありがとうございます。
ここ2年は胃潰瘍、骨折と付いてないです……
536 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/02/06(水) 19:18:03.20 ID:te+0tG/sO
現在、新規の艦娘選択によるコンマか既出の艦娘を使ったお話かを安価で決定しています。
既出の子のお話は後述のお品書きを参考にどうぞ。
※ ()内がメインのキャラになります。

安価で新規の艦娘をとる場合は名前を入れてください、既出のお話には番号もしくはタイトル名で対応します。艦娘の指定が複数or意図が読み取れない場合は下にずれますので御了承ください。 ※複数の艦娘同士の感情度を計りたい場合は書き込んでいただければ可能かどうかお返事するので、お気軽にどうぞ。

1、比叡と提督とうなぎのゼリー寄せU(比叡、金剛)
2、弥生の提督語教室V(弥生、川内)
3、赤城日記U(赤城)
4、曙ほのぼの(曙)
5、潮奮闘記(潮)
6、羽黒と加賀V(羽黒・加賀)
7、提督〜追想の刻・独逸編〜V(提督、グラーフ)
8、あきつ丸VS提督U(あきつ丸)
9、対潜哨戒部隊記録(朝潮、由良、五十鈴、択捉)←改
10、加賀の鎮守府ぶらり旅U(加賀)
11、霞の不覚(霞)
12、霧島と榛名と提督と(霧島、榛名)
13、懺悔(蒼龍)
14、我らの手に栄光をU(飛龍)
15、誰がために幸運の鶴は翔ぶU(五航戦)
16、五十鈴のなく頃にW(五十鈴)
17、不知火葛藤(不知火)
18、すすめ、すすめ(ポーラ)
19、提督から見た世界U(曙、霞、敷波)
20、COOL JAPAN(アイオワ)
21、忠臣(陽炎・神通)
22、お父さんと私と時々、加賀さん(山風)
23、女郎蜘蛛(赤城・蒼龍)
24、空谷の跫音V(鈴谷)
25、提督ラヂオV(間宮)
26、自由・平等・友愛(リシュリュー)
27、特務艦(間宮・大淀・明石)
28、群狼作戦(呂500)
29、美保関事件V (龍田)
30、華の二水戦(神通・不知火・陽炎・雪風・霞・黒潮)
31、幸運の価値(雪風)
32、アシカ作戦(浦風・金剛・間宮・敷波)
34、黒い海のそこから(伊26)
35、連合艦隊旗艦(長門・金剛)
36、石礫無告(川内)
37、海亀と古強者(神風)
38、昏冥流亡・終(龍驤)
39、初期艦はなんでもしっている(叢雲)
40、鎮守府資源事情(速吸・神威)
41、これはもぐらですか? いいえ、まるゆです(まるゆ)
42、あした天気になぁれ(朝風)
43、胡蝶乱舞(蒼龍)
44、降涙恋慕(赤城・鳳翔)
45、萩風提督観察日記(萩風、川内、赤城)
46、哀絶霖雨(川内、神通、那珂)
47、あの航路へと(隼鷹、飛鷹)
48、鎮守府料理大会(川内or由良or神通)
49.彼岸花の私(瑞鶴)
50.鹿島が来りて笛をふく(鹿島)
51、舞鶴鎮守府殺人事件←NEW
52、父の背におわれて(金剛)←NEW
その他、新艦好感度コンマ(記名)
537 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/02/06(水) 19:18:52.35 ID:te+0tG/sO
【未開放】

ドイツ組と観劇【プリンツの感情度コンマで開放】
潜水艦呼称争議【伊19・伊164・伊8・伊401の感情度コンマで開放】
提督改修工廠【暁型の感情度コンマで開放】
冷戦【多摩の感情度コンマで開放】
二航戦の憂鬱【葛城・天城の感情度コンマで開放】
第八駆逐隊、出撃!【大潮・荒潮の感情度コンマで開放】
行け、私が想いよ、黄金の翼に乗って【ローマ・イタリア・リベッチオの感情度コンマで開放】
海防艦とネコ【国後・占守の感情度コンマで開放】
さぁ、勝利の砲撃を【大和・矢矧の感情度コンマで開放】
工廠騒動記【夕張の感情度コンマで開放】
第四駆逐隊の見た鎮守府【野分・舞風の感情度コンマで開放】
我ら西村艦隊【山城・扶桑・朝雲・山雲の感情度コンマで開放】
第十一水雷戦隊【響・暁の感情度コンマで開放】
北号作戦【日向・朝霜の感情度コンマで解放】
UV【特殊コンマで解放】
水雷戦隊【阿武隈・夕張・名取の感情度コンマで解放】
眼帯U【鳥海の感情度コンマで解放】
パラワン水道の作戦会議【武蔵・山城・扶桑の感情度コンマで解放】
オフィーリア【扶桑の感情度コンマで解放】
青葉の鎮守府新聞禄【青葉の感情度コンマで解放】
静夜の思ひ【山城の感情度コンマで解放】
ダス・ゲマイネ【扶桑・山城・陸奥の感情度コンマで解放】
鉄のロバ【サラトガの感情度コンマで解放】←NEW
張耳と 陳余【次回中章終了で解放】←NEW
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 19:36:53.01 ID:qkIrMV7Oo
北号作戦に注目してたが金剛の追加シナリオも気になる
539 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/02/06(水) 19:46:00.29 ID:qn6GGn2P0
>>538
追加の内容はTwitterで呟いた提督が空襲をうけるまえのお話になります
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 20:00:09.89 ID:a45oQyRCO
22
541 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/02/06(水) 20:03:49.66 ID:te+0tG/sO
時間となりましたので安価とらせていただきます。

お品書きの番号もしくはコンマとる場合は艦娘の名前をご入力お願いします。
それでは先着で5つ採用となります


↓×2
↓×3
↓×4
↓×5
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 20:03:52.72 ID:wakTk94wO
16
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 20:03:53.07 ID:fTKg/kUp0
阿賀野
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 20:03:53.53 ID:DrU1qtBi0
6
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 20:03:54.01 ID:qkIrMV7Oo
日向
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 20:03:55.60 ID:9HCAIz0wO
佐渡さま
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 20:03:55.98 ID:eaHTaro+O
38
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 20:03:58.41 ID:ESmpsdNDO
浜波
549 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/02/06(水) 20:11:42.83 ID:te+0tG/sO
久しぶりだったので埋まるかなと思っていたのですが、凄まじい速さで驚きました。
いや、本当にありがとうございます

今後の流れですが

空谷の跫音U→五十鈴のなく頃にW→阿賀野→羽黒と加賀V→日向→佐渡

になります。次回安価は日向の更新前あたりを予定しております。
それでは択捉編書くのに戻ります!

550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 22:29:20.68 ID:lMTZanBto

ここの空母と対潜部隊はヤバい
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 22:35:23.25 ID:hKH4ifwpo
給糧艦もヤバいんだよなぁ
552 : ◆GU9rEi2owk [saga]:2019/02/07(木) 03:18:23.85 ID:yr+o4YUVo
提督がなんとか恋仲の頃程とまではいかなくとも誤解が解けたらいいなと思いつつ、安価が早すぎてプリンツ解放できない現実
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 23:42:28.69 ID:SOtcNSTcO
>>552
それ言ったら球磨型解放したいのにって俺も思ってるよ
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/08(金) 12:20:02.58 ID:9ziDk3ENO
阿賀野かぁ
安価次第なのはわかってるんだけど、
この提督相手だと性格がヤンデレか大嫌いかの極端な結果になりそう
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/09(土) 03:00:29.73 ID:EvKgW9kfO
あがのんは尽くす女になりそうな気がする
556 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/02/09(土) 13:02:33.54 ID:zrFa18ZoO
更新していきます。

祝・赤城改二決定

>>550>>551
対潜部隊には癒し枠で由良と神風がいるから大丈夫、大丈夫。
きゅ、給糧艦についてはまだ伊良湖がいるし……

>>552
プリンツのコンマで90overを出すと……?(攻略本風)

>>553
球磨型はのこり多摩ですね。ほかの姉妹が低いし、どういうコンマが出ても面白そう。

>>554>>555
現状だと尽くすタイプは鈴谷とか、間宮さんとかですかね? ここに割って入れるかは期待。
なんとなく阿賀野のヤンデレを想像してみたんですが……ポンコツそう

……まぁ、赤城さんも蒼龍もヤンデレになっても怖くなさそうな人たちではありますが
557 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/02/09(土) 13:08:32.75 ID:zrFa18ZoO
カッコイイ人。

それが私の司令に対する第一印象だった。

いつも背筋を伸ばして、自信の塊みたいな人で何をするにしても間違っているとは微塵も考えてないのがありありと伺えた。
そのせいなのか所作の一つ一つにも覇気が宿っている気がして、気づけば私はあの人のことを目で追いかけるようになっていた。
それからしばらくの間は私にとっては素晴らしい時間が流れた。
こんな素敵な人のもとで戦えるのが本当にうれしかったのだ。
きっと司令もそんな私のことを――してくれていたのだ。だから、つらい訓練も出撃もきっとはすべてが信頼の裏返しだったんだ。
だから私も必至でそれに応えた。
あの日までは。
558 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/02/09(土) 13:21:35.07 ID:zrFa18ZoO

ーー14:00ーー

XX17年 8月

鎮守府 執務室

蒼龍「あっつい……」

霧島「ええ……」

提督「……」ペラ

蒼龍「うぅ……こういう日は潜水艦の子たちと一緒に海で遊んでたいのになぁ」

霧島「私は空調のきいた部屋で本を読んでいたいです……」

提督「……」イラッ

蒼龍「あー、提督、空調の修理ってまだかかるんですか?」

提督「……あと3日間はこの調子だと聞いている。第一、冷房の調子が悪くなって昨日の今日ではないか。がまんしろ」

蒼龍「うへー……」

霧島「はぁ……」

提督「……」イライラ

霧島「しかし、こうも暑くては執務もままなりませんね……」

蒼龍「ほんとうにそうだよねぇ……」

提督「……」イライライラ

蒼龍「ねぇ、提督、どっか涼しいところ連れて行ってくださいよー」

霧島「ええ、ええ、いい案かと」

提督「……」イライライライラ

赤城「提督」

提督「……なんだ?」

赤城「麦茶をお持ちしました」

提督「ご苦労」

蒼龍「赤城さん、私の分って?」

赤城「無駄口ばかりで仕事もしない子に持ってきてるわけないでしょ? 自分で取りに行きなさい」

蒼龍「えー」

提督「……蒼龍、霧島」

蒼龍「あ、はい、どうかしましたか?」

霧島「はい」

提督「やる気がないなら出ていけ」

蒼龍「え、い、いや、やだなー。そんなことないですって、あ、アハハ……」

霧島「は、はい。蒼龍のいうとおりです」

提督「ならばそのやかましい口を閉じてさっさと目の前の書類をやっつけろ!! 暑いと思ってるのはお前たちだけじゃないんだ!」

蒼龍「ご、ごめんなさい……」

霧島「す、すみません……」

提督「ちっ……! ならば私はこれから対潜部隊の演習を見てくるが、それまでに書類を終わらせておけ」

蒼龍「それでしたら私が護衛だったはずなんで――」

提督「うるさい! 赤城、お前がついてこい! 黙々と作業をしていたお前ならばだいたい片付いているだろ」

赤城「ええ、大丈夫、大丈夫ですよ」
559 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/02/09(土) 13:48:18.31 ID:zrFa18ZoO

提督「ふん! そういうことだ!」

蒼龍「け、けど……」

赤城「蒼龍、耳を貸しなさい」

蒼龍「へ? いきなりどうしたんですか?」

赤城「いいから」

蒼龍「えっと、はぁ」

赤城「いいですか――」ヒソヒソ

蒼龍「――なるほど」ヒソヒソ

赤城「ということです。私の方が適任かと思いますがどうでしょう?」

蒼龍「うーん……分かりました……。今回は譲りますよ」

提督「なにをぐずぐずやってるんだ、早くしろ! このあとも予定はあるのだぞ!」

赤城「ええ、ええ、わかっております。けれど納得してことにあたらねば結果というのは上がらないと思ったので」

提督「ふん、一理あるがあの説明で了解できないのであれば私の中で蒼龍に対する評価を下げねばならんな」

蒼龍「あはは……いやだなぁ、ちゃんとわかってましたって……」

提督「どうだか」

赤城「ふふ……とにかくお待たせしてしまってすみませんでした、この赤城が提督のお供をいたしますね」

提督「ああ」
560 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/02/13(水) 09:55:13.14 ID:1Ea5AKyI0
申し訳ありません。
先日、投稿してからどうしてもこの状況が時系列的に起こり得ないことに気づいてしまい、なんとかすり合わせできないかと悪戦苦闘していたのですがどうしてもそれが出来ませんでした。
なので上の3レスはお蔵入りということにさせていただいて、新しく書き直したものを投稿いたします。
読んでいただいて方には方には本当に申し訳ありません……

1年ちょっともやって1スレ目のでXX17年10月に赤城が秘書艦に就任して、ここまでで作中時間3ヶ月しかたってないのをすっかり書いてる途中は失念したました……
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 10:17:32.03 ID:xxyqRCaVo
長くやってるとそういうこともある
待ってるからゆっくりでいいよ
いつもありがとう
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 16:02:33.55 ID:zwccfUiLo
全然気づかなかった
読み込みが甘くて申し訳ない
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 18:58:14.87 ID:ZcqPeCNHo
>>1は怪我の調子はどうなった?
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/12(火) 12:51:49.16 ID:N6igRhoQO
まだかな…
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 11:12:32.81 ID:Mj16m9Gj0
風呂敷広げるだけ広げて逃げたか
こうなると思ってたよ
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/15(金) 13:17:52.40 ID:Fn6bNUjTo
俺は信じてるぞ
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/17(日) 21:55:46.33 ID:sr3fyOu20
どうやらもう少し待っていたら戻ってくるそうだ
(ツイッターでのつぶやきによると)
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/15(月) 00:20:17.78 ID:BSij+qWZo
待つのは慣れてる
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/04/29(月) 15:18:51.23 ID:9bHw1eYuo
明後日再開ですってヤッター!
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/01(水) 00:01:45.54 ID:32DvAS3yo
令和元年
571 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/05/01(水) 22:14:41.91 ID:FYHp2lkZ0
ながらくあけてしまい申し訳ありませんでした。
ツイッターのほうでぶつぶつとやっていましたが、あらかた勉強しなおして出張からも戻りましたので更新再開していきます。
とりあえず昨日から5日までお休みなのでストックの放出も兼ねてGW中は毎日更新できるとおもいます。

再開いたします。
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/01(水) 22:16:59.93 ID:NpfizJ2/o
おかえりー
573 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/05/01(水) 22:19:00.68 ID:FYHp2lkZ0


 ーー14:00ーー

 XX17年 8月


 鎮守府 執務室


提督「……む」

蒼龍「? どうかしたんですか?」

提督「お前が気にすることではない」

蒼龍「えー、そんなふうに言わないで教えてくださいよ」

提督「ちっ……赤城、このあとの予定はどうなっていた?」

赤城「確認いたしますので少々お待ちください。――はい、ヒトサンサンマルより対潜部隊の訓練の視察となっています」

提督「そうか。たしか護衛の手配はお前に任せていたはずだがどうなっている」

赤城「ええ、ええ、大丈夫、大丈夫ですよ。鉄壁の布陣をご用意しております」

提督「……護衛の選出ぐらいならとお前に任せたのだ、くれぐれも私の信頼を裏切るなよ」

赤城「勿論です」

提督「……」

蒼龍「あー、それよりも提督が予定をわすれるなんて珍しいですね」

提督「先ほどから言っているが余計なことは気にせず、お前はお前の仕事をしろ」

蒼龍「大丈夫です! 手はちゃんと別に動かしてますから」

提督「はっ! だまれと言っているのだ。そんなこともわからんとはな」

蒼龍「あー、もう怒らないでくださいよ。心配してるんだから」

提督「おまえにあれこれと心配されるほど落ちぶれたつもりはない! いいから仕事に戻れ!」
574 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/05/01(水) 22:22:52.04 ID:FYHp2lkZ0
霧島「提督、ひとつよろしいでしょうか?」

提督「……なんだ」

霧島「蒼龍のいうように提督がご予定を失念されたことなど私の記憶にはありません」

提督「で、なにがいいたい?」

霧島「いえ、お疲れなのではないかと。よろしければ対潜部隊の視察に関しては私と蒼龍でいってきますのではおやすみをとられたほうがいいのではないでしょうか?」

提督「むーー」

赤城「いけません」

霧島「……赤城さんとはいえ、上官のことばをさえぎるというのは少し不敬なのでは?」

赤城「ふふ……いえ、あなたがあまりにおかしなことを言ったのでつい」

霧島「どういうことでしょう?」

赤城「理由は3つあります。対潜部隊の中にも提督に普段の成果をみていただこうと今日という日を待ちに待っている艦娘もいるかもしれません。そういった娘の士気を下げるようなことをするべきでないというのが一つ」

提督「そんなものがあそこにいるとはおもわんがな」ボソッ

蒼龍「? 提督、どうかしましたか?」

提督「なんでもない!」

蒼龍「あ、はい」

赤城「……二つ目に指揮下の艦娘の練度はしっかりと提督自身の目で確かめておくべきということです。そして最後に私の手配した護衛部隊にも提督をお守りするという経験を積んでほしいということです」

霧島「なるほど、あなたのいう理由は分かりました。しかし提督のおからだが第一です」

赤城「ええ、ええ、私もそうおもいます。心から」

霧島「……」

提督「もう結構だ。霧島、予定を失念していたのは別に疲れからなどではない。このあとは予定通り対潜部隊の視察に向かう」

霧島「……かしこまりました」

赤城「ふふ」
575 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/05/01(水) 22:38:13.14 ID:FYHp2lkZ0


 ――13:25――

 鎮守府 第二演習場 観覧席席付近


朝潮「本日はご足労ありがとうございます! 対潜部隊一同、普段の努力の成果をお見せできるように励む所存です!」ビシッ

提督「うむ、期待している」ビシッ!

朝潮「あの、ところで……なぜ二水戦の方たちが……?」

神通「はい。本日は私たち二水戦が身命をかけて提督の護衛に当たることになっています。対潜部隊の方々もよろしくお願いします」ビシッ!

提督「護衛任務にお前らが適当であるとは微塵も思わんがな。赤城」

赤城「いえいえ、こういったこともいい経験になるかと思いまして」

提督「……余計な考えを起こすな。私は二水戦にそういったことをもとめてはいない。こいつらは敵ののど笛に食いつければそれでよいのだ。それ以上でもそれ以下でもない。一人か二人を置いて、ほかは普段の訓練に戻せ」

赤城「しかし、二水戦は艤装をはずした格闘戦でも一番成績がいいんですよ? それをもてあますなんてもったいないじゃないですか」

提督「ちっ……護衛なんぞに第二水雷戦隊の全てを振り分けることはないと言っているのだ。不知火と陽炎でことが足りるであろう」

赤城「提督のおっしゃるとおりではあるかと思いますが、訓練場が湾内にあるとはいえ海に面している以上は一定の警戒は必要ですし、さきほども言ったように陸地でのこういった任務も訓練の一環としてもいいのではないかと思いまして」

神通「……秘書艦もたまにはいいことをおっしゃりますね」

赤城「ええ、ええ、そうでしょう、そうでしょう。ふふ」
576 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/05/01(水) 22:45:26.12 ID:FYHp2lkZ0
神通「……提督、大変申し上げにくいことですが白虹日を貫くという言葉があるほどに部下といっても油断ならないございます。鎮守府の中だからといってご油断なされるべきではないかと愚考いたします」

提督「馬鹿!」

神通「え、あの、そのーー」

提督「いいか!? 帝國では日といえば陛下をさすのだ!! 引用といえども不愉快だ! そんなことばは今後一切つかうな!」

神通「も、申し訳ありません。し、しかし、獅子身中の虫というのは――」

提督「もういい! 好きにしろ! 付き合っておれん! 陽炎、不知火、行くぞ! 朝潮も詳しい説明は歩きながらせよ!」

陽炎「はい!」

不知火「はっ!」

朝潮「は、はい!」

提督「まったく……なんということをいうのだ、あの馬鹿は……」ブツブツ

赤城「ふふ、怒られてしまいましたね」

神通「…・・・私の失言でした。提督のお怒りはごもっともです」

赤城「そうですねぇ。ただ気をつけてくださいね? これ以上、提督の血圧をあげてしまうのはご遠慮願いたいですし」

神通「あなたがいなければ私もあんなことをいう必要はなかったのですが」

赤城「はて? どういうことでしょう? 私ほど懸命に提督を支えている艦娘なんていないと思いますけれど?」

神通「よくもぬけぬけと……、まさにウサギに祭文というものですね。私は部隊全体の指揮をとるのでこれで失礼します」

赤城「ええ、ええ、がんばって下さいね。私はあなたがどうなろうとなんとも思いませんが、提督の御身は本当に大事に思っているんですから。せいぜい、死んでも提督をお守りして下さい」

神通「私も同じ気持ちです」スタスタ
577 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/05/01(水) 22:48:35.02 ID:FYHp2lkZ0


 ――13:25――

 鎮守府 第二演習場 観覧席


朝潮「――以上が本日の訓練内容になります!」ビシッ!

提督「ご苦労。ところで不知火、お前から見て何か改善案などあるか?」

不知火「はっ! …・・・え? あ、あの、不知火に落ち度を探せと?」

提督「そこまで言ってない。お前も駆逐艦であるのだから、なにか思いつくことも有るかと思って聞いただけだ」

不知火「は、はぁ。そうですね……うーん……むむむ…・・・」

提督「・・・・・・もういい。それと対潜部隊全体の指揮はお前ではなく、五十鈴に任せていたと思うがアレはどうしたのだ?」

朝潮「五十鈴さんでしたら下で訓練の内容を再度確認しているかと」

提督「そうか、それならばそれでいい」

朝潮「? なにかご懸念ありましたか?」

提督「あれのことだからな、体調を崩したなどと偽って出てこないかと思ったが杞憂であったようで何よりだ」

朝潮「さ、流石にそのようなことはないかと思います」

提督「ふん、それよりも時間が惜しい。朝潮、行動を開始せよ」

朝潮「はっ! それでは失礼します!」ビシッ

提督「……まずは潜水艦と協力しての索的訓練だったな。不知火、二水戦ではこのような形式での訓練はどの程度の頻度で行っている」

不知火「あれがこうだから……」ブツブツ

陽炎「ちょっ!? 不知火!? あ、あの、二時間の訓練を週に二度おこなっています!」

提督「はぁ……わかった。いくら切り込み部隊とはいえ、それではあまりに時間が少ないな。砲雷撃戦だけでなく、対潜にももう少し力を入れさせるべきか」

陽炎「えっと、それは神通さんじゃないと判断が・・・・・・」

提督「何も答えんのは論外だがな、独り言にまであれこれと答える必要は無い」

陽炎「うぇ……!? あ、あの、すみません」

提督「別に構わん。さて、それでは――」

不知火「・・・・・・はっ! 思いつきました! 」
578 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/05/01(水) 22:49:52.12 ID:FYHp2lkZ0
提督「・・・・・・いいだろう。聞くまでも無いと思うが、一応は聞いてやる」

不知火「はい! 先ほどの説明を聞くに休憩時間が多すぎると思います!」

提督「そうか、そうか」

不知火「……? あの、不知火になにか落度でも?」

提督「お前に聞いた私のミスだ。気にする必要は無い」

不知火「??」

陽炎「うわぁ・・・・・・」

不知火「あの、不知火に何か落ち度がありました……?」ヒソヒソ

陽炎「あんたも神通さんもよっぽどよね……」

不知火「??」
579 : ◆idiDHwDMwc [saga]:2019/05/01(水) 23:06:46.70 ID:FYHp2lkZ0


 ――13:40――

 鎮守府 第二演習場 観覧席



択捉「ふぁあああ……」

霞「? さっきからなにみてんのよ」

択捉「わっ!? え、えっと……」チラッ

霞「観覧席? ――ああ、そういうこと。あんなのみてなにが楽しいのかしらね」

択捉「あ、あんなのってそんないいかたはないとおもいます! 司令、格好いいじゃないですか!」

霞「……別にだれもあのクズのことなんて言ってないじゃない。それよりもちゃんと艤装の点検しておきなさいよ」

択捉「うぅぅ……それは分かってますけどどうしても緊張したりいろいろしちゃって……」

霞「はぁ、赤城さんもよくいってるけど私たちは女学生じゃないの。ちゃんとそこらへん理解しているのかしらね」

択捉「も、もちろんです! 艤装だってちゃんと確認しましたもん!」

霞「ふーん、それならいいけどね」

択捉「むー」

五十鈴「ちょっと、そこちゃんと話聞いてた?」

択捉「ご、ごめんなさい!」

霞「ふん」

五十鈴「いや、そうじゃなくて話を聞いてたかどうかを――」

朝潮「失礼します! 五十鈴さん、司令への説明をしてきました」

五十鈴「ご苦労様。すぅ――対潜部隊総員、傾注! 行動を開始する!」

対潜部隊一同「はい!」
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/02(木) 00:18:27.76 ID:yW5QwE1vo
一旦乙
581 : ◆GU9rEi2owk [saga]:2019/05/02(木) 02:15:29.30 ID:+gRVfPq7o
おっつおっつ
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/02(木) 02:16:03.67 ID:+gRVfPq7o
上げちゃった、すみません
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/02(木) 02:51:36.34 ID:h+oT3wFAO
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/06(月) 20:31:57.34 ID://AVpkamo
またしばらく時間空くかな。投下待ってます
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/21(火) 09:14:47.30 ID:2w1Mp1Gho
赤城改二来ましたね
このスレの赤城さんのヤバさも増しそう
586 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/05/22(水) 06:02:56.85 ID:jPdfuE780


 ――15:05――

 鎮守府 第二演習場 観覧席


提督「……」イライラ

不知火「……あ、あの」

提督「……なんだ」

不知火「い、いえ、失礼しました」

提督「……陽炎、お前はいま目の前で繰り広げられている金のかかったお遊戯をどう思う?」

陽炎「は、はい! あまりに集中力にかけていると思います!」

提督「だ、そうだ。対潜部隊の責任者の一人である朝潮はどうおもう?」

朝潮「……もうしわけありません」

提督「わたしはもう叱咤をとばす気力もうせているが、敵が飛ばしてきた砲弾や艦載機もあの無様さで消え失せることを祈っている」

不知火「っぷ……」クスッ

陽炎「馬鹿っ!」

不知火「はっ!?」クチオサエー

陽炎「今更、遅いのよ!」

提督「はぁ……不知火」

不知火「は、はい!」
587 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/05/22(水) 06:04:23.86 ID:jPdfuE780

提督「なにがおもしろかった? ちっともこの状況を楽しめていない私にぜひともご教授願いたいのだがね」

不知火「い、いえ、随分と司令がうまいことをおっしゃると思ったので……」

提督「ははは……そうか、そうか」

不知火「はい!」

陽炎「……あちゃー」ボソッ

不知火「へ?」

提督「馬鹿者! なにも面白くない! むしろこんなにも気分が悪いのは久しぶりだ!」

不知火「ひぃう!?」

提督「さきほどまでの組はまだマシになっていたが。今の組の動きはなんだ! 建造されたばかりの新兵以下だ! 朝潮、いつから対潜部隊は託児所になった!? 即刻、答えろ!」

朝潮「は、はい」

提督「はい!? 返事なんぞ求めていない! 私の質問に答えよ!:

朝潮「……お言葉ですが、あの組の4人も普段の訓練や出撃ではしっかりと成果を上げています。もう少しすれば調子を取り戻すかと思います」

提督「実戦であの見るだけで情けなくなる動きをされれば、それが一時のことだろうが即座に全線が崩壊するわ! それとも訓練でおこったことが本番ではおきんとでもおもっているのか!? だとすればお前の頭の中にはさぞ素晴らしい花畑が広がっているのだろうな!」

朝潮「……そ、それはおっしゃるとおりだとおもいますが」
588 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/05/22(水) 06:06:42.71 ID:jPdfuE780

提督「あたふたとするだけでろくに部隊を掌握できていない旗艦の神風! それにつられてフラフラと漂っているだけの朝風! 連携をあきらめて好きに動いている霞! そして極めつけは訓練をする気がないのか旗艦の指示をきかずに一人で部隊の動きを阻害している択捉! なんだこの組は!? 私の血管を破裂させるために五十鈴が送り込んだ暗殺部隊か何かか!?」

朝潮「……」

提督「即刻やつらを後方へ飛ばしてやる! あんな練度でこの鎮守府においておけるか!」

朝潮「……そのご意見に朝潮は頷くことはできません! 彼女たちは対潜部隊の中では珍しく普段の成果を提督にご覧になっていただくのを心待ちにしていた艦娘たちです。やる気がから回っているだけだと思います!」

提督「はっ! 私が欲しいのは心意気ではなく、結果だ!」

赤城「提督、それは流石に全体の士気にかかわるご発言かと」

提督「む……うるさい!」

赤城「失礼しました」
589 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/05/22(水) 06:07:47.73 ID:jPdfuE780

提督「朝潮、お前は奴らに次の砲撃訓練のあとに転属願いを書くようにつたえてこい! これがおわり次第、受理してやる!」

陽炎「……」

提督「返事はどうした!」

朝潮「……はい、了解しました」

提督「ふん!」

陽炎「あ、あの、司令、一つよろしいでしょうか?」

提督「……いってみろ」

陽炎「一度、護衛部隊の状況を確認するために神通さんと連絡をとってきもよろしいでしょうか?

提督「好きにしろ。護衛なんぞ赤城と不知火がいれば問題あるまい」

陽炎「ありがとうございます! それでは失礼します! ほら、朝潮、あんたもいくわよ!」

朝潮「……失礼しました」

バタン

提督「ちっ!」

赤城「……」

不知火「? どうかしましたか?」

赤城「いえ、大丈夫です、大丈夫。なにもあなたが心配するようなことはありません。提督の護衛を務めることだけに集中していなさい」

不知火「はっ!」
590 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/05/22(水) 06:10:32.04 ID:jPdfuE780


 ――15:30――

 鎮守府 第二演習場 観覧席前通路


朝潮「……」

陽炎「あのさ、朝潮、ちゃんと受けた命令の中身分かってるわよね?」

朝潮「? もちろん私でも日本語で下された命令ぐらい理解しているつもりですが?」

陽炎「……じゃあ、ちゃんとあの子たちをちゃんと激励してくるのよ。提督が次までは我慢するって言ってくれてるんだから」

朝潮「!?」

陽炎「余計なお節介だったみたいだし、それじゃあね」

 ガシッ

陽炎「へ?」

朝潮「今の話どういうことですか!? 朝潮は彼女たちに転属願いを書くように言われたはずです!」

陽炎「……やっぱりきてよかったみたい」
591 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/05/22(水) 06:12:58.08 ID:jPdfuE780

朝潮「このままでは私がうまく説明ができなかったせいで対潜部隊の皆さんにご迷惑をかけてしまうんです! 先ほどの言葉が嘘でないならそう判断する理由を教えてください!」

陽炎「まず言っておくけど対潜部隊全体の訓練内容としては提督、ほめてるってのはわかる?」

朝潮「は、はぁ。しかし、注意は他の組もいただいていますが」

陽炎「それはアドバイス。総評としては『マシになった』って言ってたじゃない。いいわよね、練度がそんなに高くないところはすぐに結果が出るから」

朝潮「色々と言いたいことはありますが……『マシになった』というのはそれほど褒めていただいているようには感じないのですが……」

陽炎「はぁ? 褒めてるわよ! 最上級ではないけど、それなりに成果を認めてるとき以外はつかわないもん!」

朝潮「えぇ……」

陽炎「それを念頭に考えればもう一度、チャンスをくれたってわかるんじゃない?」

朝潮「さっぱりです」

陽炎「……ちょっとは自分で考えて欲しいんだけど。私だって弥生にお菓子あげたり、司令の行動観察したりって努力はしてるのよ」

朝潮「いえ、今は時間が惜しいので」

陽炎「むー。仕方ないわね」
592 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/05/22(水) 06:19:02.82 ID:jPdfuE780


陽炎「いい? 『砲撃訓練を終わった後に転属願いを書け』って言ってるんだから、次の砲撃訓練までは提督も我慢するってことなのよ。それが終わってから転属願いを書けってことはまだチャンスはあるから書かせないように朝潮が叱咤激励して来いってこと」

朝潮「……にわかにしんじられません。ただ顔を真っ赤にして 怒っていらしたようにしか思えないのですが」

陽炎「甘いわね。私は弥生の次ぐらいには提督のいってることが正確に理解できるのよ!」

朝潮「むむむ……」

陽炎「なにが『むむむ……』よ! 悩むまでもなく私の言ってることはあってるの!」

朝潮「しかしどうして私にこのことをおしえてくれたのですか? 先日の満潮と不知火さんの一件もありましたし、陽炎型の皆さんは私たちのことを嫌っているのかなと思っていたのですが」

陽炎「あの件については理屈はともかく喧嘩買っちゃったうちの不知火にも問題があるとおもったからそのお詫びに、ね。それに駆逐艦の長女同士、仲良くやっていくべきだとも思うし」

朝潮「……」

陽炎「信じる、信じないは勝手だけど後ろ向きで伝えたくない命令よりもわたしの解釈した命令のほうがいいでしょ?」

朝潮「……そう、ですね。陽炎さん、ありがとうございます。お礼に今度間宮さんの羊羹をご馳走させてください」

陽炎「うん。楽しみにしてるわ」
593 : ◆idiDHwDMwc [sage saga]:2019/05/22(水) 06:21:12.70 ID:jPdfuE780

朝潮「……私はあなたを大勢の姉妹の長女なのに調子がよくて小心もので提督や神通さんに『はい』としか言えないのに二水戦であることを鼻にかけるばかりの艦娘だと思っていました。すみませんでした!」

陽炎「はぁ!? い、いや、そ、その評価が覆ったのなら伝えた甲斐があったわ……」ヒキツリ

朝潮「はい! それでは失礼します!」ビシッ

陽炎「あ、うん」ビシッ

 タッタッタ……

陽炎「はぁ……私ってそんな風にみんなに思われてるのかなぁ……」

陽炎「冗談じゃないわよ!?」

神通「? なにをさわいでいるんですか?」

陽炎「!? は、はい! なんでもないです!」
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/22(水) 09:08:46.93 ID:F+IsRfHzo
乙でした
陽炎強く生きろ
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/22(水) 11:52:23.98 ID:BfIw/SBEO
乙です
不知火より朝潮のほうがよっぽどヤバいw
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/22(水) 12:43:12.56 ID:GC53CPCzO

陽炎カワイソス
597 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/05/25(土) 13:38:31.24 ID:TDg5p2+d0


 ――15:20――

 鎮守府 第二演習場 第二会議室


霞「さっきのはどういうつもりよ!」バンッ!

択捉「うっ……ご、ごめんなさい」

霞「あやまるぐらいなら最初からまじめにやんなさいよ!!」

神風「霞、そこまでにして。あなたの行動だって褒められたものではなかったのよ?」

霞「はぁ!? そのどっちもどっちみたいな言い方やめてくれない! 私が一人で動いたのは旗艦のあんたがこの海防艦にかかりっきりになって指揮をおろそかにしたせいじゃない!」

朝風「なによそれ! 指揮云々言ってるけど貴女、神風姉さんの制止をきかなかったじゃない!」

霞「ふん! それに従ってたらあんたと同じように訓練時間一杯ふらふらと海の上で浮かんでるだけで終わったでしょうね」

朝風「なっ!? 失礼よ!」

霞「本当のことでしょ? 図星疲れたからって顔真っ赤にしてんじゃないわよ! でこっぱち!」

朝風「うぐぐ……」

神風「……とにかく、いったん落ち着きましょう。怒鳴りあってもなにも解決しないわ」

霞「ふん!」
598 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/05/25(土) 13:39:02.37 ID:TDg5p2+d0

神風「はぁ……まず択捉、なんで訓練中にあんな浮足立っていたの?」

択捉「そ、それは……」

神風「いいづらいようだったら――」

霞「あのクズのことずっと見てたせいでしょ! ふざけるんじゃないわよ!」

神風「――なんどきいてもその呼び方はどうかと思うのだけれど」

霞「今はそんなこといってる場合じゃないでしょ。それに私はそう呼んでもいいっていわれてるんだから! あんたとはちがうのよ!」

神風「それもそうね。はぁ……択捉、本当なの?」

択捉「あ、うっ……はい……」

神風「それは――流石にどうなのかしら」

択捉「わかってるんです。でも、司令が私をみてくれれると思うとどうしても……」

霞「自意識過剰ね」

択捉「そんなことないです!」

朝風「そうね。一人で訓練できると思ってる霞にいわれても説得力無いわよね」

朝潮「あ、あのぉ……」

霞「はぁ!? なによ、それ! 喧嘩なら言い値で買うわよ!」

神風「二人ともいい加減にしなさい! 怒鳴るだけで何が解決するの! それよりも話し合いましょう」
599 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/05/25(土) 13:45:29.88 ID:TDg5p2+d0

霞「ふん! この際、旗艦殿に教えてあげるけど、こういうのは教え諭すんじゃなくて鉄拳であろうが言葉であろうが徹底的に叩きのめして自分がなにをしたか分からせないとおんなじことを繰り返すのよ!」

神風「そんな乱暴なやり方はできません!」

霞「これだから対戦部隊なんてあまちゃんなところにくるのはいやだったのよ! 胃を空にするまで自身を追い込んで、何も考えられなくなるほど上官に怒鳴られるのが訓練っていうものなの!」

神風「それが通用するのは二水戦だけです! 私たち駆逐艦は未成年の体を模して誕生しているのだから、オーバーワークは避けるべきという論文もあります!」

霞「はっ! そんなわけないでしょ!」

神風「その論拠はなんですか!?」

霞「経験よ!」

神風「そんな乱暴な――」

朝潮「ご、ごほん! あの少し宜しいでしょうか!!」

神風「――なんですか? 朝潮さんは司令官に訓練の説明を行っているはずだと思いましたけど?」

朝潮「その司令官からお言葉を預かってきました」

択捉「!! 司令からですか! やった!」

朝潮「え? いや、その喜ぶようなことではないかと……」

神風「うっ……やはりお怒りでしたか?」

朝潮「それはそのとおりですが――」

択捉「そんなはずないです!」

霞「……はぁ?」

択捉「司令が択捉のことを怒るなんて絶対に無いんです!」

霞「あのねぇ……あんたの頭の中どうなってるわけ?」

択捉「だって司令は私を――」」

朝潮「と、とにかく! 提督からのお言葉を皆さんにお伝えします! 『この度の訓練では――』」

朝風「? いきなりつっかえてどうしたのよ?」

朝潮「えっと、その『――まことに遺憾ながら諸君の本来の力が出し切れていないように思われる。次の砲撃訓練は奮励努力し実力以上のものをみせてくれることを期待する』以上です!」

霞「……あんまり朝潮にこういうこといいたくないけど嘘くさいわね」

朝風「なっ!? なんていうことをいうんですか! ちょっと言葉は違いますがこういう意味だと聞いてます!」

霞「……」

朝潮「そ、そうだ! 霞、姉の言うことぐらい信じてください。それにそう喧嘩腰ではなかなか相手のことも見えなくなってくるものです。うん、不肖の姉も今日勉強したばかりですが先入観というものは時に――」

神風「朝潮さん、すみませんがそれぐらいで」

朝潮「あ、すみません」
600 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/05/25(土) 13:48:38.49 ID:TDg5p2+d0

神風「ごほん、みんな、たしかに朝潮さんのいうことはちょっと腑に落ちないけど提督が挽回を期待してくれているというのは間違いないとおもうの。次の砲撃訓練ではちゃんといつもどおりの結果を出しましょう!」

択捉「りょ、了解です!」

朝風「了解!」

霞「……了解」」

朝潮「うん、うん。是非とも次の訓練で先ほどの失点を挽回できることを祈ってます!」

霞「せっかくの空気に水を差すけど、私はそれだけじゃ納得しないわよ」

神風「……ええ、分かってるわ。択捉、司令官が気になるのは分かるけどあの人はあなたが一生懸命やっている姿を見られればとっても喜ぶと思うの。気にしないでというのは難しいかもしれないけど、それをしっかりと覚えておきなさい」

択捉「は、はい! 司令が喜んでくれるなら絶対に今回みたいなことはしません!」

朝風「神風姉さんも択捉もアレのどこがいいのかしらね?」

霞「ふん、まったくね」

朝潮「? 霞も提督のことは――」

霞「勘違いしないでわたしはこいつらみたいになよなよとした思いなんか微塵も持ち合わせて無いわよ」

朝潮「む。なるほど」

神風「そうときまったら艤装の点検を再度――」

コン、コン

神風「? はい」

伊26「ごめんくださーい。五十鈴さん、いますか?」

択捉「!?」ビクッ
601 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/05/25(土) 13:54:27.11 ID:TDg5p2+d0

神風「五十鈴さんなら第一会議室のほうにいるはずですが」

伊26「あー、やっぱりそっちかぁ。ちぇ、近くにいてくれたほうがありがたかったんだけどなぁ。あーあ、残念」

朝潮「? なにか潜水艦の方たちのほうで問題がありましたか?」

伊26「んーん、そういうわけじゃなくてちょっと細かい打ち合わせしたかったんだ。訓練は提督が支持してくれないからちゃんとつめないと間違っちゃうかもしれないからね」

神風「綿密な打ち合わせは大事ですからね。立派な心がけだと思います」

伊26「えへへ……そうでしょう? それじゃあ私はもういくね」

朝潮「はい! お疲れ様です!」

伊26「あ……択捉」

択捉「な、なんですか?」

伊26「さっきの訓練、どうしたの? あんなんじゃ違うよ。なんにも正しくない」

択捉「そ、それは……」

伊26「またあそこに帰りたいのならそれでもいいとおもうよ? だって、いわれた正しいことが出来ないなら提督の部下でいてもしょうがないもんね」

択捉「違います! 司令はそんなこと絶対にしない! 私をあそこから助けてくれた人だもん!」

伊26「……私だってあそこから転属してきたけど、そうは思わないなぁ。いい子だから、間違ってないから私たちはここにこられただけだよ。それに提督はいつも正しいからこそそんな優しいだけのことはしないよ、絶対に」

択捉「違う! 違うもん!」

伊26「はぁ、しょうがないなぁ。択捉がそう思うんなら、そうなんだろうね。択捉の中では」

択捉「……」

伊26「うん、おせっかいだったみたい。それじゃあね、ばいばい」

択捉「……はい。さようならです」

 バタン
602 : ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/05/25(土) 13:56:00.56 ID:TDg5p2+d0

朝潮「あ、あのそれでは私も提督の下にもどります。皆さん、ご健闘をいのってます!」

 バタン

神風「……択捉、いまはあなたと彼女の間になにがあったかは聞きません。ただ一回顔でも洗って心を落ち着かせなさい。酷い顔してるわ」

択捉「え……そ、そうですか?」

霞「ええ、。この世の終わりみたいなしみったれた顔してるわよ」

択捉「ご、ごめんなさい! えっと、ハンカチ、ハンカチ……」

霞「あー、もう! ほら、ハンカチなら貸してあげるからさっさっと顔洗って気tなさい」

択捉「え? い、いいんですか?」

霞「はぁ?」

択捉「すっごい怒ってたから……」

霞「私だってすきでおこってんじゃないわよ。あんたがちゃんとやればこんなこといわなくてすんだんだからね! そこんところよく考えなさい!」

択捉「は、はい!」
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/25(土) 14:56:36.33 ID:fzrIXSH3o
担乙
ニムちゃん闇が深くて怖い
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/25(土) 15:09:57.88 ID:mwCF+XfQO
ここよりひどい地獄ってどんなとこだよ……
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/26(日) 14:08:58.53 ID:TEJhA5ZZ0
この鎮守府は別にブラックではないでしょ
ただ上司が口下手で冗談のセンスが致命的で直情的なだけやし
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/27(月) 16:36:10.13 ID:l7pCE4FmO
提督より同僚が……
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/27(月) 20:03:13.62 ID:KKDmsM210
隙らば謀略を巡らせるヤンデレ達の笑顔が耐えない素敵な職場
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/28(火) 09:45:20.41 ID:OhqN/Z7O0
ヤン・デレ……?
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/28(火) 09:53:36.08 ID:Ju5WEFpko
やっぱこのSS好きだわ〜
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/29(水) 23:38:16.19 ID:/GZAOVCOo
E2軽量編成だと全然割れない
友軍を待つべきか重量に切り替えるべきか迷う
611 :択捉編 ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/06/02(日) 22:19:51.76 ID:JGWQVV/N0

 ――15:55――

 鎮守府 第二演習場 観覧席前通路


陽炎「うぅ……散々な目にあった……」

朝潮「? なにかあったのですか?」

陽炎「ああ、朝潮も戻ったのね。どうだった?」

朝潮「最後に気になることもありましたが、おかげさまで士気も上がりました。陽炎さん、改めてありがとうございます」

陽炎「あはは、べつにいいって」

朝潮「それでさきほどの散々な目というのは?」

陽炎「あの後、神通さんにみつかちゃって『護衛中に提督のおそばを離れるとは!』って怒られたのよ」

朝潮「それはご迷惑をおかけしてしまいました」

陽炎「別に好きでやったことだし気にしないでいいわよ」

朝潮「恐縮です」

陽炎「あはは……」

朝潮「ふふ……」

陽炎「……ねぇ、朝潮って提督のことどうおもう?」

朝潮「? 上官としては申し分ない方だと思いますが。私も一つ大切なことを教えていただきましたし」

陽炎「それならちょっと私の提案を聞いて欲しいのだけれ――」

 ドーン!!

陽炎「!?」

朝潮「!? な、なんの音ですか!?」

陽炎「え、いや、わ、わかんない!」
612 :択捉編 ◆idiDHwDMwc [sage]:2019/06/02(日) 22:21:33.36 ID:JGWQVV/N0

朝潮「わ、私はこの音の元を確認してきます! 陽炎さんは提督の護衛に!」

陽炎「そ、そうね!」

赤城「それでしたら私も陽炎とともに提督のところに戻りますので、朝潮は状況が判明次第、報告に来なさい」

陽炎「! あ、赤城さん! こんなところにどうして?」

赤城「いえ、少し花を摘みに。それよりも音の正体が不明な今は提督の御身をお守りするのが最優先です。陽炎、ついてきなさい」

陽炎「は、はい!」
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