田中琴葉「劇場内野球監視注意ロボKOTOHA!?」永吉昴「ああ!」

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1 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 13:27:17.00 ID:bBMqw/ks0
昴「知り合いのいるプロダクションにさ、ロボットとかプログラミングとかに詳しい人たちがいて、作ってもらったんだ」

琴葉「ちょっと待って、昴ちゃん。色々と待って」

昴「なんだよ、琴葉」

琴葉「そもそも何なの? その劇場内野球監視注意ロボって」

昴「あのさ、劇場で野球をすると琴葉が注意してくるじゃんか」

琴葉「うん。でも、そもそも劇場内は野球禁止だからね? 危ないから」

昴「わかってるって。琴葉もオレたちがケガしたりするといけないから、注意してくれてるんだよな」

琴葉「そうだよ。良かった、わかってくれてるんだ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1533443236
2 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 13:30:16.89 ID:bBMqw/ks0
昴「当然だって。でもさ、オレ……野球のことになるとつい……夢中になっちゃってさ……」

琴葉「昴ちゃん……」

昴「良くないってわかってはいるんだよ。でもオレ、野球が大好きだから……」

琴葉「うん。野球を大好きなその気持ちは、私も素敵だし大事だと思う」

昴「へへっ、サンキュー。そういう時、琴葉に注意されてハッとするんだけど、いつもいつもは琴葉にメーワクかけらんないだろ



琴葉「迷惑なんて思ったことないよ?」

昴「でもさ、琴葉だって自分のレッスンや仕事もあるだろ。だからオレ、琴葉にばっかり頼っちゃいけないって思ったんだ」

琴葉「じゃあ、私のために……」

昴「ああ! このKOTOHAにオレが劇場で野球をやんないように、見張っててもらうんだ!」

琴葉「そうだったの。でも……」

昴「?」
3 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 13:33:58.05 ID:bBMqw/ks0
琴葉「このロボット、私に微妙に似てるような、そうじゃないような……」

昴「あ、作ってもらったのはよその事務所の娘だけど、デザインしたのは……」

ロコ「実にアーテスティックでクリエイティブでアグレッシヴなコトハになったのです!」

琴葉「……それでなのね」

昴「じゃあさっそく、起動スイッチを」

春日未来「あれ? これ、なんのスイッチなの?」ポチッ

KOTOHA「運動ズを起動しています」ウイーン

昴「あー! オレが最初にスイッチ入れたかったのに!」

未来「え? あ、ごめんね」

KOTOHA「おかあさん!」

昴「え?」
4 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 13:38:45.85 ID:bBMqw/ks0
KOTOHA「おかあさん……わたしの……おかあさん!」

未来「……え? 私のこと?」

昴「なんだよ! どういうことだよ?」

ロコ「スバル、この説明書によるとKOTOHAは最初に起動スイッチを押して起動した人を、無条件で親と認めるって書いてありますよ」

琴葉「え? 親ってなに?」

昴「なんだよー! だからオレが最初にスイッチ押したかったのにー!」

KOTOHA「おかあさーーーんんん!!!」

未来「え? あ、よしよし、いい子ねー」

琴葉「未来ちゃん、どうして普通にお母さん役ができるの!?」

KOTOHA「えへへ。おかあさーん」

未来「なあに。もう、この子ったら甘えちゃって」
5 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 13:39:25.84 ID:bBMqw/ks0
琴葉「ちょっと未来ちゃんったら。こんなところ、誰かに見られたら……」

高山紗代子「……ステージから戻ったら、琴葉さんが未来ちゃんに抱っこされてニコニコしていた」ガターン↓

琴葉「待ってそれ、私じゃないから! メガネかけて紗代子!、メガネ!!」

ロコ「とりあえずサヨコはロコが介抱していますから、スバルはKOTOHAをなんとかしてください。はい、説明書」

昴「わかった! えっと……出荷時の状態にするには……あった! なになに? 右の胸を5回触る……?」

琴葉「え?」

昴「よーし、じゃあいくぜ」

琴葉「ま、待って昴ちゃん。本当にそう書いてあるの?」
6 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 13:46:26.96 ID:bBMqw/ks0
昴「ああ。ほら、ここ」

琴葉「……本当だ。出荷時の状態に戻したい場合は、まずKOTOHAの右の胸を5回タッチしてください……」

昴「な」

琴葉「ただし、間違えて左の胸をタッチするとKOTOHAは激しく抵抗します?」

昴「え?」

琴葉「何の意味があるんだろう、この機能……ともかく昴ちゃん、間違えないでね。右の胸よ」

昴「わかった! じゃあ……えいっ!!」

KOTOHA「きゃあっ! ど、どこ触ってるんですか!!」

昴「え?」

KOTOHA「つ、通報……いいえ、訴えますよ!!!」

昴「なんでだよ、オレちゃんと右の胸を触ったぜ?」

琴葉「あ……ただし、あなたから見て右の胸です、だって」

昴「最初に書いといてくれよぉ!」
7 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 13:51:00.96 ID:bBMqw/ks0
KOTOHA「助けて! プロデューサーー!!」

琴葉「ちょっと、なんでそこでプロデューサーの名前が出てくるの!?////」

昴「いいからちょっと胸を触らせろって」

KOTOHA「いや! いや!! いや!!!」

昴「すぐ済むから暴れんなって。未来、ちょっと手を貸してくれよ」

未来「え?」

昴「暴れないように、おさえててくれよ」

未来「わ、わかった。す、すぐ終わるからごめんね」

紗代子「う、うーん……」

ロコ「気がつきましたか、サヨコ」

紗代子「私、いったい……」

KOTOHA「はなして! はなしてーー!!」

昴「いいからおとなしくしろって!」

未来「暴れないで!」

紗代子「……目が覚めたら、昴ちゃんと未来ちゃんが琴葉さんを襲っていた」ガターン↓

琴葉「だからそれ、私じゃないから!! メガネかけて紗代子、メガネ!!!」
8 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 13:53:05.60 ID:bBMqw/ks0
七尾百合子「何の騒ぎですか? え? 昴さん、何をしてるんですか!?」

昴「いいところに百合子、KOTOHAの胸を触るの手伝ってくれよ」

百合子「よくわからないけど、こうやっておさえればいいの?」

昴「いくぞ! 確かオレから見て右の胸を5回触るんだったな」

琴葉「これ以上ややこしいことになる前に、昴ちゃん急いで」

昴「わかった! じゃあKOTOHAの胸を触るぞ、えい」

KOTOHA「……」

昴「あれ?」

琴葉「ええと……胸へのタッチは、強すぎず弱すぎない絶妙なタッチが要求されます……だって」

昴「む、難しいな。これでどうだ?」

KOTOHA「……」

百合子「今のは弱すぎなのかも」
9 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 14:03:13.59 ID:bBMqw/ks0
昴「じゃあ……このぐらいで……どうだ!」

KOTOHA「アン」

未来「あ、反応があった! 今のはいいんじゃないかな」

昴「よーし、つかんできたぜ えい、えい、えい、えい!」

KOTOHA「アンアンアンアンアンアンアンアンアン」

琴葉「続いて左の胸を10回握るんだって」

昴「よしきた」

KOTOHA「アンアンアンアンアンアンアンアンアンアン」

百合子「なんだかちょっと、なろうっぽいですね」

昴「なろうってなんだ?」
10 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 14:08:18.97 ID:bBMqw/ks0
琴葉「あれ? 大人しくなったわね」

KOTOHA「シャットダウンを開始します」

琴葉「あ、うまくいったみたい」

KOTOHA「シャットダウン中です。完全にシャットダウンされるまで、胸には触らないでください」

昴「え?」モミモミ

琴葉「す、昴ちゃん! どうしてまだ触ってるの!?」

昴「え、ちょっと感触が良くて……琴葉の胸、すっげーな!」

琴葉「私じゃないから! 似てないから!!」

ロコ「コトハに似せて作ったんですけど……」

琴葉「あ、いや、ちょっと似てる……かな?」
11 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 14:17:35.96 ID:bBMqw/ks0
百合子「私もちょっと、触ってみてもいいですか?」

琴葉「駄目よ百合子ちゃん、シャットダウン中は触らないでって」

昴「そうだぞ百合子。触りたいなら、琴葉の胸にしろよ」

百合子「えー……はーい」シブシブ

琴葉「百合子ちゃん! ナチュラルに私の胸に触らないで!! しかもなんでちょっと不満げなの!?」

百合子「そういえば高速道路で走ってる車の窓から手を出すと、大きい胸を揉んでいるのと同じ感触って聞いた事ありませんか?」

琴葉「え? ないけど……」

百合子「今こうして琴葉さんの胸を揉んでいると、思い出します……その噂を聞いたからお父さんに車を出してもらって高速道路から手

を出して空気を掴んでいたあの時のことを……」

琴葉「なんだか逆な気がするけど、もう胸に触るのはやめて! 触るなら、自分の胸にして!!」

百合子「私……琴葉さんみたいに胸、ないですから……」

琴葉「え? あ……その……」
12 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 14:24:20.80 ID:bBMqw/ks0
周防桃子「みんな、なにやってるの?」

百合子「いいところに、桃子ちゃん。今ね、高速道路で走ってる車の窓から手を出す体験をしてたの」

桃子「なにそれ。全然わかんないんだけど」

百合子「琴葉さんが高速道路なら、私はさしずめ一般道……」

桃子「ますますわかんないんだけど」

百合子「桃子ちゃんは、渋滞の道路かな?」

桃子「わかんないけど、失礼な事言われてるのはわかった」

豊川風花「あら、みんなでなにしてるの?」

百合子「きゃあああ! 航空機から手を出している人おおお!!!」

風花「え? 私、そんなことしないわよ? というかそんなことしたら航空事故になるから」

琴葉「百合子ちゃん、話がややこしくなるからちょっと静かにしてて。ね」
13 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 14:30:27.51 ID:bBMqw/ks0
KOTOHA「運動ズを再起動しています……」ジャジャーン

昴「お、今度はちゃんと起動するかな」

KOTOHA「前回の起動終了時、正常にシャットダウンができませんでした」

昴「え?」

琴葉「ほら、昴ちゃんがシャットダウン中に胸を触ったから」

昴「あー、あれかあ!」

KOTOHA「このまま起動しますか? セーフモードで起動しますか?」

昴「セーフモード?」

琴葉「えーと……なになに、セーフモードは安全に起動できますが、機能や性能が制限されます……だって」

昴「えー、どうしようかな」

琴葉「とりあえず、最初はセーフモードがいいんじゃないかなあ。さっきみたいに突飛な行動をとられても困るし」

昴「オッケー! じゃあセーフモードで頼むよ」

KOTOHA「セーフモードで起動します……」ウィーン
14 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 14:33:27.10 ID:bBMqw/ks0
昴「さて、どうなのかな」

KOTOHA「わたし は KOTOHA です」

琴葉「あ、起動した。なんだかさっきと違って、すごくロボットって感じの喋り方だね」

桃子「なんなの? これ」

KOTOHA「KOTOHA は 劇場 内 野球監視注意ロボット です」

桃子「劇場内野球監視注意ロボット?」

昴「オレが劇場で野球やろうとしたら、注意してくれるんだぜ」

風化「なるほど、そういうことなのね」

KOTOHA「でも KOTOHA は 野球 が わかりません」

昴「え?」
15 : ◆VHvaOH2b6w [saga]:2018/08/05(日) 14:45:11.82 ID:bBMqw/ks0
桃子「野球をやってると注意するためのロボットなのに、野球がわからないの? なにそれ」

琴葉「あ! もしかしてセーフモードで起動してるからなのかな?」

風化「性能や機能が制限されてる、ってそういうことなのかしら」

KOTOHA「KOTOHA は 劇場内野球監視注意 の ための ロボット です どうか KOTOHA に 野球 を おしえてください」

百合子「本来の目的……この世に生まれ出た目的を見失ったロボットが、それを求めて必死になる……なんだか物悲しい物語ですね」

琴葉「私がセーフモードで、って言った事が原因だと考えると、ちょっと責任も感じるな」

KOTOHA「ミッション! 『KOTOHAに野球を教えろ!』」ジャジャーン

琴葉「……前言撤回」
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