ご主人様「メイドのくせに生意気だ!」メイド「ご主人様こそすぐ叩く!」

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70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/21(金) 00:24:54.71 ID:+X2qL1xEo
メイド「ご主人様、今夜なにが食べたいです?」

ご主人様「そうだなぁ…こう寒いとアレが食いてぇな」

メイド「おっ、寒い日に食べるものといえばアレですね!」

ご主人様「そうだ、アレだ」

メイド「鍋!」

ご主人様「麻婆豆腐!」

メイド「……いや麻婆豆腐って…別に寒い日じゃなくても食べません?」

ご主人様「しかも激辛のやつな。寒い中汗だくになりながら食うのがうめぇのよ」

メイド「……」

数時間後

メイド「できました…」ゴトッ

ご主人様「おっ来た!激辛麻婆豆…」

ご主人様「…???赤くないじゃん…」

メイド「やっぱり湯豆腐にしました」

ご主人様「どういうつもりだコラァ!!!」

メイド「ひぇー怒らないで!!違うんです!嫌な予感がするんです!」

ご主人様「なぁにが嫌な予感だ!馬鹿にしやがって!もういい!自分で作る!」

メイド「あっちょっ…」


ご主人様「できた!フフフフ!」グツグツ

メイド「……」

ご主人様「ハナからおめぇなんかに頼むんじゃなかったよ、まったく!」

メイド「うぅ…」

ご主人様「あっつ!でもうめぇ!!かっら!!!けどうめぇ!!!」ムシャムシャガツガツ

ご主人様「汗が止まらねぇ!!そうだ庭で冷たい風に当たりながら食おう!」ガラガラ

メイド「あーあ…」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/21(金) 00:27:51.74 ID:+X2qL1xEo
翌日

ご主人様「寒いぃ…震えが止まらん…」ブルブル

メイド「まぁ言うまでもなく風邪ですね」

ご主人様「なんでだ!?風邪ひくようなことなんかしたかぁ!?」

メイド「寒空の下、ダラダラ汗かきながら麻婆豆腐食べてたでしょう。そりゃこうなりますよ」

ご主人様「そんなことで…?」

メイド「ご主人様が激辛麻婆豆腐食べたいって言い出したときに、絶対こうなると思ってました」

ご主人様「じゃあ止めろよ!」

メイド「だから麻婆豆腐やめて湯豆腐にしたんですよ!なのにひとりで…」

ご主人様「そういうことだったのか…」

メイド「自業自得ですからね〜」


ご主人様「ちくしょう…ちくしょう…」ブルブル

メイド「……」ニヤニヤ

ご主人様「なにニヤニヤしてんだ、ぶっ飛ばすぞ!」

メイド「やれるもんならどーぞ」

ご主人様「こんにゃろう!!」ブンッ

ご主人様(…ダメだ!力が入らん)ヘニャヘニャ

ぺちっ

メイド「今なにかしました?」ニヤニヤ

ご主人様「クソっお前マジで覚えてろよ!」

メイド「でもま、そうやって悪態ついてられるってことは大丈夫そうですね」ガタッ

ご主人様「お、おい待てよ!」

メイド「お大事に〜」

ご主人様「待ってくれ!見捨てないでくれぇ!!」


しーーーん

ご主人様「なんて冷たいやつなんだ…ちくしょう…」ブルブル

ご主人様「あんなやつ…豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえばいいんだ…」ブルブル

ご主人様(ああ…意識が遠くなってきた…)ブルブル

ご主人様(麻婆豆腐もいいけど…あいつが作った湯豆腐もなかなか美味そうだったなぁ…)

ご主人様「一口くらい食っとけば…よかっ…た…」ガクッ


メイド「ご飯ですよぉー」ガチャッ

ご主人様「戻ってくんのかい!なにがしてぇんだおめぇは!」ガバッ

メイド「ご主人様が昨日食べなかった湯豆腐、あっため直してきたんですよ。食欲ないです?」ホカホカ

ご主人様「あっ」

メイド「?」


ご主人様「湯豆腐だ!夢にまで見た湯豆腐!これから毎日湯豆腐でもいい!」ムシャムシャ

メイド「そんなに…???」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/21(金) 00:47:43.31 ID:+X2qL1xEo
ご主人様「おいメイド、プレゼントやるよ」

メイド「なんですか?」ガサガサ

メイド「!こ、これって…」

ご主人様「ご存知ガーターベルトだ」

メイド「こ、こんなものを着けろって言うんですか!?ご主人様ってときどきすごいエッチですよね!!」

ご主人様「ガーターベルトは別にエッチなものじゃねぇよ!これはもともと靴下を留めるためのもんだ」

メイド「へぇー…」

ご主人様「この時期は靴下がずり落ちると脚が冷えるだろ?そのガーターをつけとけば一安心というわけだ」

メイド「なるほどぉ…」

ご主人様「だいたいそのメイド服、スカートの丈が長いんだからチラチラ見えるガーターを楽しむとかそういうことできないんだろ?」

メイド「確かにそうですね…疑ってすみませんでした」

ご主人様「分かればよろしい」

メイド「じゃあさっそく着けてみますね」イソイソ

ご主人様「待てい!お前、ガーターの正しい着けかたを知らないな?」

メイド「え?」

ご主人様「ガーターベルトはパンツの上じゃなくて下だ!」

メイド「…ってことは???」

ご主人様「まずはパンツ脱ぐところからだ」

メイド「やっぱりエッチな目的じゃないですか!!!」

ご主人様「まぁ結果的にそうなってしまうのは否めないな」フフフ

メイド「いりませんよこんなもの!!」

ご主人様「…そっかァ…せっかくのプレゼント、気に入らなかったかァ…」ションボリ

メイド「…わ、分かりましたよ!また今度着けますから!!」

ご主人様「いや、今ここで着けないならそれはもう必要ない」

メイド「もはやスケベを隠す気がない!」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/21(金) 02:00:37.51 ID:kPyS4ZUXo
見えなくても付けてるのがエロいんじゃろがい!
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/12/21(金) 07:26:46.37 ID:8Nz2tbueO
君達とは良い友人になれそうだ
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/24(月) 21:56:18.79 ID:eWAR0z2jo
メイド「メリーーークリスマーーース!!!」パーン!!!

ご主人様「…うるさいよいきなり」

メイド「メリークリスマーーーーース」パンパカパーン

ご主人様「だからうるせーって!ほらクラッカー片付けろ!!」

メイド「今日はクリスマスなのではりきってそれっぽいディナー作りました!」

ご主人様「ほお…」

メイド「クリスマスといえば…?」

ご主人様「…チキン?」

メイド「はい!チキンはチキンでも、鶏ではなく…」

メイド「スズメ!の丸焼き!」

ご主人様「すずめ!?!?」

メイド「他にも?クリスマスといえば???」

ご主人様「……ケーキ??」

メイド「はいケーキ!でもあんまり高いのは買えなかったのでホットケーキ焼きました!」

ご主人様「うーん、まぁ…いいんじゃね?」

メイド「ロウソクに火をつけましょうか」スッ

ご主人様「!?オイそれガスバーナー…」

メイド「ファイアー!!」ボォオオオオオオオ

ご主人様「あああああ!マトモだと思ったホットケーキが消し炭に!!!!」

メイド「はいはい、まだありますよ〜クリスマスといえば????」

ご主人様「え?…チキン、ケーキと来て、あとなにがある?」

メイド「……」ゴソゴソ

ご主人様「つけひげ……」

メイド「サンタさん!」

ご主人様「おっプレゼントくれるのか?」

メイド「ええ、この袋にね、貴重品をたくさん詰めて…」ポイポイ

ご主人様「ん????」

メイド「詰めるだけ詰めたら…」ギュウギュウ

ご主人様「……おい?」

メイド「じゃ!また来年!」バリーン

ご主人様「ふざけんな!!ただのドロボーじゃねえか!!戻ってこーい!!!」


ご主人様「うう…ドロボー…ドロボー…」ムニャムニャ

メイド「どんな夢見てるんですかね…」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/27(木) 23:38:14.57 ID:K/qaWyS/o
メイド「ご主人様、私このままでいいんでしょうか!?」

ご主人様「なんだ急に」

メイド「このままではよくない気がするんです」

ご主人様「メイドやめたくなったのか?」

メイド「いえ!そういう話じゃなくて…」

メイド「ほら、もう今年も九分九厘終わって、もうすぐ年が変わるでしょう?」

メイド「その前に、なにかやっておかなきゃいけないことがあったと思うんですよ」

メイド「私、これを忘れたまま年を越しちゃいけないはずなんです」

ご主人様「へー…なんだろな、年末だし…大掃除か?」

メイド「それもまぁぼちぼちやる予定ですが…そんなことではなかったはずです」

ご主人様「年賀状出したか?」

メイド「出す相手がいません…」

ご主人様「ポチ袋は買ったか?」

メイド「ええっ私からお年玉貰うつもりですか!?普通逆でしょ!?」

メイド「でも…そういえばなにか、お金に関係のあることだったような」

ご主人様「金に関係のある…?」

メイド「年末…お金……」

メイド「あっ思い出した、年末調整だ!」

ご主人様「…確定申告だろ?」

メイド「へ?」

ご主人様「お前は俺に雇われているが、この契約はあくまで個人間のものだから源泉徴収はしてない」

ご主人様「だからお前がやらなきゃいけないのは年末調整じゃなくて確定申告だ」

ご主人様「まぁそれも来年の2月3月の話だから、まだ時間はある。そんなに慌てることじゃない」

メイド「……」ポカーン

ご主人様「なんだそのマヌケ面」

メイド「いや、ご主人様が急に『できる主人』アピールし出したからビックリしちゃって…」

ご主人様「……」イラッ

メイド「いやぁ普段はだらしないのにことお金の扱いに関してはシビアなんですね!さすがご主人様!そこにシビれるあこがれるゥ!」

ご主人様「うるせぇ!」スパーン

メイド「いだぁ!?」

ご主人様「時期は教えたからな。あとは自分でやれよ」

メイド「ええっ!無理ですよ!あんなややこしいの一人でできるわけないじゃないですか〜」

ご主人様「みんなやってんだよ!」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/27(木) 23:52:44.73 ID:K/qaWyS/o
メイド「年末ですしカラオケでも行きませんか?」

ご主人様「は?やだよ」

メイド「……」

ご主人様「つーかなんでカラオケ」

メイド「私だってそのー…いろいろストレス溜まってますから、歌って発散したいんですよ」

ご主人様「おめぇ普段なにするにも鼻歌歌ってるじゃねぇか」

メイド「そういう控えめなのじゃなくてもっと大きな声で歌いたいんです〜…」

ご主人様「ふーん。なに歌いたいの」

メイド「そうですねぇ。この時期だと、ロマンスの神様とかー寒い夜だからとかー」

ご主人様「また微妙に古いチョイスだな…」

メイド「ご主人様もほんとはGLAYとか歌いたいんでしょう?」

ご主人様「いや、別に」

メイド「会いたいから?恋しくて?あなたを思うほど?」

ご主人様「……」

メイド「うーうー!でしょ!?」

ご主人様(うっぜ)

メイド「あーもう我慢できません!もうカラオケはいいです!家の中で歌います!」

ご主人様「は?」

メイド「はーてーしーなぁーいー星のひーかりのーよぉーにぃー…」

ご主人様「SPEEDかよ…おいうるせぇぞ」

メイド「胸いぃっぱーいのーあーいで〜いまあなーたーをつぅつぅー」

メイド「み〜」右手サッ

メイド「た〜」左手サッ

メイド「い〜」サーッ

ご主人様「振り付けやめろや」

メイド「天使がぁあ〜!くれたぁでぇ」

ご主人様「うるせーっつってんだよ!!」ゴンッ

メイド「あいたぁっ!?ちょっと!今一番盛り上がるところだったのに!」

ご主人様「これ以上キンキン声で騒がれたらかなわんわ!」

メイド「てーんーしがぁ〜!」

ご主人様「いい加減にしろよコラ…」ガシッ

メイド「ぐえぇ…分かりましたよぅ、もうやめますから…」

ご主人様「ったく」パッ

メイド「くれたーでぇあー↑いーわぁあー↑!!!!!」

ご主人様「よし分かった、てめぇ二度と歌えねえようにしてやらぁ!!!」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2018/12/31(月) 23:57:39.44 ID:QU+N5tP8O
メイド「ご主人様、そろそろ年越しそば茹でましょうか」

ご主人様「おう、頼むわ」

メイド「硬さはどうします?」

ご主人様「……硬さ?」

メイド「バリカタ、針金、粉落とし、湯気通しとありますけど…」

ご主人様「それ博多ラーメンじゃねぇか!」

メイド「天ぷらは?海老でいいですか?」

ご主人様「他になに買ったんだ?」

メイド「イカにかぼちゃにさつまいも…あとかきあげもありますよ」

ご主人様「全部入れちまおう」

メイド「そんなに食べれます?」

ご主人様「食う食う全部食う」

メイド「……ほんとに?」

ご主人様「……エビとかぼちゃで」

メイド「はいどーぞ」スッ

ご主人様「おう」

メイド「…の前に、クイズです!」

ご主人様「はぁ!?」

メイド「そもそもご主人様はなぜ年の瀬にそばを食べるのかご存じですか?」

ご主人様「いや、知らねぇけど…たぶんアレじゃねぇの?そばは細長いから、細く長く生きる…長寿の祈願とかそんな感じじゃねぇの」

メイド「…ふ〜ん」

ご主人様「ふーんて…答えは???」

メイド「さぁ、知りませんけど…」

ご主人様「なんやねん!」バシッ

メイド「いたぁっ!!…もう、来年は叩かないでくださいよ!?」

ご主人様「せっかくだし今年何回叩かれたか数えてみたらどうだ」

メイド「えぇ!?1、2、3、…えーと???到底数え切れるもんじゃないですよ!?」

ご主人様「それでは皆さん、よいお年を!!」

メイド「あ、ちょっとぉ!!?」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/01/10(木) 21:27:20.35 ID:I1jxIhlSo
ご主人様「メイド!おい、メイド!…おい?いないのか??」ガチャ

メイド「……」

ご主人様「なんだ、テレビ見てんのか…返事くらいしろよ」

メイド「なんでづか、ごじゅじんだばぁ」ブワッ

ご主人様「うわっおま、なんでそんな号泣してんの!?」

メイド「この映画が…あまりにも私の心に刺さって…」ウルウル

ご主人様「この犬の映画…見たことあるような…盲導犬クイールだっけ」

ご主人様「そうか…目の見えない主人のために尽くす盲導犬の健気な姿を見て、自分もかくありたいと強く思ったわけだ。いい心がけじゃないか」

メイド「いえ、違います。この映画は『獰猛犬グイール』です」

ご主人様「どうもうけん!?なんだそれ!?」

メイド「優しい夫婦に引き取られた子犬のグイールでしたが、実は彼らは犬を虐めるのが大好きという残忍非道な鬼畜夫婦でした。グイールはいつか復讐してやると心に誓い、虐待の日々を耐え続けます」

メイド「そして成犬になったグイールは、ついに夫婦の喉笛を噛みちぎって復讐を果たすわけです。しかしグイールも長年の虐待がたたって、もうその体は限界が近い」

メイド「グイールは、自分のような不幸な犬が少しでも減るようにと、各地を駆け回り虐待をする飼い主に襲い掛かります。その様はまさに獰猛犬!」

メイド「自らの誇り、そして同朋の命を守るために気高く生きたグイールの物語。どうです、涙なしには見られないでしょう!?」

ご主人様「なんちゅー話だ」

メイド「ところでご主人様、いったいなんの用だったんですか?」

ご主人様「…いやぁ、別に」

メイド「……もしかして、またくだらないことで私のこと叱ろうとしてましたぁ?」

ご主人様「!」

メイド「そんなに簡単に人のこと虐めるとね、私もグイールみたいに復讐しますよ!」

ご主人様「あ゛!?やってみろやコラ」ギロッ

メイド「…!?」ビクッ

ご主人様「くだらねぇことだぁ??てめぇ、そういうのはなぁ、自分がなにやったか、よーく思い返してから言いやがれ」

メイド「あわわわわ…私、なにかしましたっけ…?」

ご主人様「鍋!火ィ!つけっぱなし!!!!」

メイド「あっ…」

ご主人様「んでのんきに映画見て号泣して、あまつさえ俺に逆襲しますだとぉ!!??せっかく俺が不問にしてやろうと思ったのによぉ!!?」

メイド「ひぃいいい!嘘です!冗談ですから!靴でもなんでも舐めますからぁああああ!」

ご主人様「俺のやってることは虐待じゃなくて正当な仕置だよなぁ!?」

メイド「その高圧的な態度はかなりアウトだと思いますけどもうそういうことでいいです!!!」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/01/22(火) 14:49:10.80 ID:IOXjBWz/0
残念メイドだよなあ
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/04(月) 22:23:22.15 ID:AlfNQhP+o
この二人の掛け合い好き
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/01(水) 01:41:52.26 ID:E6UoZluWo
メイド「今日から令和ですよ、ご主人様!」

ご主人様「そうだなメイド!…ん???」

メイド「れーいーわ、ソーレれーいーわ!!あよいしょ!」

ご主人様「れーいーわ!!れーいー…」

ご主人様「イヤ、違う、なにかおかしい…おまえ今までなにやってたんだ???」

メイド「はい??」

ご主人様「なんか3、4ヶ月ぶりくらいじゃねぇか??」

メイド「なに言ってるんです?毎日見てるじゃないですかぁ!もーやだなー改元ボケしちゃったかな?」

ご主人様「そ、そうかぁ!毎日会ってるよな!そうだったそうだった!ていうか…」

ご主人様「改元ボケってなんだよ!」ベシッ

メイド「ったぁい!!」

ご主人様「……」ジンジン

ご主人様「うーんこの感覚も久々な気がするんだよなぁ…」

メイド「だから気のせいですって!毎日引っ叩かれてますよ!」

ご主人様「おかしいなぁ」

メイド「あんまり深く考えるとお待たせした皆さんに怒られちゃいますから、ここは素知らぬふりしてればいいんですよ!」ボソッ

ご主人様「れーいーわ!れーいーわ!」

メイド「ふぅ、これでごまかせましたね…」

ご主人様「ごまかされるかこのバカタレ!謝れ!皆さんに謝れ!」バシッ

メイド「なぁんで私なんですか!?なんにも悪いことしてないのに!」

ご主人様「だからだよ!お前がなんにもやらかさなかったせいでなんかこう話が進まなくなっちゃったんだよ!」

メイド「そんなむちゃくちゃな!」

メイド「ああ、でもこの理不尽な感じ、久しぶりですねぇ…」ホロリ

ご主人様「とりあえず2人でちゃんと謝ろう」

メイド「はい…真面目なメイドですみません」

ご主人様「俺の躾が行き届いててすみません」

メイド「こんな謝り方ないでしょー!?」ガルルル

ご主人様「うるさい!いいんだよこれで!!」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/01(水) 01:57:49.26 ID:E6UoZluWo
ご主人様「お前最近ほんとまじめになったよな!」

メイド「でしょう?」

ご主人様「つまらんわー」

メイド「なんで!いいことじゃないですか!」

ご主人様「そうは言ってもこう…ニーズってのがあるじゃん?みんなはさ、おまえが変なことして俺にビシバシ叩かれるところが見たいと思うのよ」

メイド「いーえそんなことないです!成り行き上そういうのが定着してしまっただけで、皆さんが見たいのは私とご主人様のドキドキ☆ラブコメディですよ!」

ご主人様「いーや違うね、血湧き肉躍るバキバキ☆バイオレンスだね。だいたいお前みたいな貧乳メイドにドキドキするわけねぇだろ」

メイド「はぁーん!?そんならたまには私がご主人様をボコボコ☆リベンジャーな感じも新鮮でいいんじゃないですかぁ!?」

ご主人様「それはないわ。そんなことされたら普通に警察呼ぶ」

メイド「ひ、ひどい!自分の悪逆非道を棚に上げて!」

ご主人様「…まぁでもさ、やっぱりお前はこういうふうにちょっと生意気でないと…落ち着かねぇんだよな」フッ

メイド「……ご、ご主人様…」

メイド「そうですね…ご主人様も、普段はクールぶってるけど、今みたいに鼻の下にごはんつぶずっとくっつけてるマヌケな姿のほうが安心感ありますよ」ニコッ

ご主人様「はよ言えコラァ!!!!」スパーン

メイド「だってハナ○ソっぽくも見えるしもしそうだったら指摘するのめっちゃ気まずいと思って!ほら私ってまじめですし!!??」

ご主人様「そんなとこでまじめになる必要ねぇわ!!」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/01(水) 05:36:10.57 ID:oGE8LaiJ0
まさかの続きだと!?
おかえり!
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/01(水) 21:49:58.76 ID:E6UoZluWo
メイド「ご主人様にひとつ文句を言いたいんですけどー」

ご主人様「あーん?文句ぅ〜?言ってみろや」

メイド「ご主人様っていつも夜遅くにお風呂入りますよねぇ?」

ご主人様「いけねぇのかよ」

メイド「だって…いつも私がお風呂入って、そのあと続けて入るか訊くじゃないですか」

ご主人様「おう」

メイド「そしたら大体入らないって言うじゃないですか。じゃあもうお風呂洗っちゃいますよ、って訊くと今みたいに『おう』って言うじゃないですか」

ご主人様「…おう」

メイド「なのになんで、あとからお風呂入っちゃうんですか?結局私、次の日の朝にまたお風呂掃除ですよ!」

ご主人様「なんでってそりゃ…入りたくなったからだよ」

メイド「私が出たあとすぐ入ればいいじゃないですか、そうしたらお風呂洗うの1回で済むんですよ?」

ご主人様「…あのなーお前、どうせ俺がワガママで気まぐれなやつだと思ってるんだろ?」

メイド「まぁ、正直…」

ご主人様「それは違う。俺はな、お前が入ったあとの風呂に入りたくないんだ」

メイド「…???」

ご主人様「一番風呂じゃないと嫌なんだよ」

メイド「…いや、あの、世間ではそーいうのをワガママと言うんですけど…?」

ご主人様「なーにをお前…俺のどこがワガママだよ。俺は浴槽に他人の髪の毛一本でも浮いてるともう入れないだけだよ」

メイド「これ以上ないほどにワガママですね」

ご主人様「どうしても風呂洗いたくないなら浴槽にお前が入った形跡を一切残すな!そうすりゃ俺も気にせず入れる」

メイド「そんなの無理ですよ!じゃあこれからはご主人様が私より先に入ってください!」

ご主人様「おま…俺の浸かった風呂の水でなにする気だよ???」

メイド「なにもしませんよ!!!なんですかその逆セクハラ!」

ご主人様「そもそも俺が夜中に風呂入るのはしょうがないんだよ。もう、そーいう習慣になってるんだから。」

ご主人様「というわけではい、この話は終わりっ!」

メイド「むむむ…」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/01(水) 21:54:59.44 ID:E6UoZluWo
メイド「じゃあ、これからは…」

ご主人様「?」

メイド「ご主人様がお風呂に入るまでずっと起きてます」

ご主人様「いやいやいや無理だろ、おまえ8時には眠くなっちゃうじゃん」

メイド「年寄りか!そこまで早くないですよ!」

ご主人様「…そんなに風呂洗うの嫌なのか?」

メイド「そりゃ2回も洗うのは無駄だと思いますよ。でも、それよりも…」

メイド「ご主人様が『私の入ったあとのお風呂に入りたくない』なんて言ったのがショックです。別に潔癖症でもないくせに…もしかして私のこと嫌いなんですか?」グスッ

ご主人様「な、なんだよ、泣くこたねーだろ!」

メイド「もういいですよ…私はご主人様のメイドですもんね、四の五の言わずに10回でも100回でもお風呂掃除すればいいんでしょう…」グスグス

ご主人様「分かったよ、これからはお前が入ったあと洗わなくていいよ!俺もすぐ入るから!」アタフタ

ご主人様「ていうかもう一緒に入ればいいだろ!?」

メイド「えっ?」

ご主人様(…やべぇ、テンパりすぎてガチのセクハラじみたこと言っちまった)

メイド「なーんだご主人様もそうだったんですか!貧乏なうちだけかと思ってました!」

ご主人様「!?」

メイド「水道代が勿体ないから家族まとめて狭いお風呂に…。でもあの時間が実はとても幸せだったと最近になって気づいたんですよね」ニコニコ

ご主人様「いやっ待て待て!それはお前がガキの頃の話だろ!?しかも親とだからなんの問題もないのであって、今のお前と俺が一緒に入るのは…」

メイド「大丈夫ですよ、隅々まで優し〜く洗ってあげますから…」

ご主人様「そ、そう?なら………」ゴクリ

ご主人様「…って悩むな!俺!」バシッ

メイド「自分を殴った!そういうパターンもあるんですね!?」

ご主人様「わわわ分かった!これからは自分が入ったあとの風呂掃除は自分でやることにしよう!な!それならいいよな!?よし!決まり!!」

メイド「もちろん、ご主人様がそうおっしゃるなら!」

メイド(ま…最初からその流れに持ってくつもりでしたけどね)ニヤリ
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/02(木) 23:11:17.42 ID:qiD8AMcao
メイド「……」ピクッ

ご主人様「ん…?どうした?」

メイド「ご主人様、今ちょっと揺れませんでした?」

ご主人様「いやぁ揺れてないだろ」

メイド「えー、気のせいかなぁ…そんな感じしたんですけどね」

メイド「そうだテレビつけよう」ピッ

テレビ『XX時XX分頃○○県沖を震源とする震度3の地震が〜』

メイド「あっほら、やっぱり!」

ご主人様「へー…この辺りは震度1か。よく気づいたな」

メイド「昔から揺れには敏感なんですよね」

ご主人様「おめーのその小さい胸が揺れるわけでもないのに?」

メイド「はぁーーん!?」

ご主人様「お、怒った」ケラケラ

メイド「てことは巨乳の人は地震で揺れるんですか!?すっご!!!」

ご主人様「ごめんそれはわかんねぇ…そんなマジで食いつかないで…」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/05(日) 13:10:32.66 ID:i8JNrRq+o
メイド「はぁー…」

ご主人様「……」

メイド「はあーああ…」

ご主人様「……」

メイド「はああぁーああああ!!!」

ご主人様「……」スタスタ

メイド「ちょっと!こんな大きな声でため息ついてるのになんでスルーするんですか!」

ご主人様「うるせぇな!それもうため息じゃねぇよ!」

メイド「聞いてくださいよ!!連休中に久しぶりに友達に会いたいな〜と思って連絡したのに誰も相手してくれないんです!」

ご主人様「へーそう、みんな忙しいんじゃねぇの」

メイド「で、よく考えたら、私がここでメイドやってることってまだ誰にも伝えてないんですよ」

ご主人様「…それで?」

メイド「だからみんな、しばらく会ってなくて今なにやってるかも分からない私から急に連絡が来て、たぶん『あっこれマルチか宗教の誘いだな』って思われた可能性があるんですよね」

ご主人様「それは考えすぎじゃねぇか?」

メイド「もー悲しくて悲しくて!」

ご主人様「メイドやってるって言やぁいいだろ」

メイド「いや、いきなり『実は私いまメイドやってて〜』ってそっちのほうがやばい感じしません?」

ご主人様「お前の中ではマルチ・宗教>メイドなのか…」

メイド「なんかリアリティないなーと思って…」

ご主人様「じゃあ『お手伝いさん』とか『家政婦』でごまかせ」

メイド「なんかおばちゃんっぽい…」

ご主人様「全国の家政婦に謝れ」

メイド「うーん…どうしたらみんなに怪しまれずに会ってもらえますかねぇ。いっそ結構したことにしようかな?」

メイド「てきとーに指輪付けとけばバレないはず…旦那さんって嘘ついてご主人様の写真使ってもいいです?」

ご主人様「……」

メイド「いや冗談ですよ…そんなしかめっ面しなくても…」

メイド「でも…ちょっと寂しいなって」

ご主人様「……どっか出かけるか?」

メイド「…今日は優しいですね」

ご主人様「いつも優しいだろ、バーカ」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/05(日) 15:01:03.23 ID:i8JNrRq+o
メイド「それで、どこに連れてってくれるんですか?」

ご主人様「お前が決めていいぞ」

メイド「動物園!」

ご主人様「動物くせーから嫌だ」

メイド「…私が決めていいんじゃ??」

ご主人様「次」

メイド「えーとじゃあ…映画館!」

ご主人様「この時期うるせぇ子供ばっかだろうし嫌だ」

メイド「ショッピング〜…」

ご主人様「すぐにいるものじゃないなら通販でいいだろ」

メイド「……じゃあ近所の公園でいいですよ!」

ご主人様「そんなのいつでもいけるだろが」

メイド「あーもう!!なんだったらいいんですか!!!」

ご主人様「……」

メイド「……」

ご主人様「え、エステとか…?」

メイド「絶対行きたいと思ってないでしょう」

ご主人様「家で大人しくしてようぜ」

メイド(言い出しっぺのくせに…)
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/10(金) 21:17:18.07 ID:UiH75/hIo
メイド「ご主人様知ってます?今日はメイドの日なんですって」

ご主人様「へー初めて知った」

メイド「そういうわけですから、たまには私のこと労ってみません?騙されたと思って」

ご主人様「たまには…ってなにを今さら…お前には普段から散々感謝してるじゃないか」

メイド「え?えー!?アレで!?感謝してるつもりなんですか!?あんだけ引っぱたいといて!?」

ご主人様「それはおめーあれだよ…愛のムチってやつだよ。感謝してるからこそだよ」

メイド「『謝』りたいと『感』じているから『感謝』ですよ!?やってること真逆じゃないですか!」

ご主人様「愚地克巳かてめーは」

メイド「だいたいご主人様、愛情とか優しさとかそういうのひと欠片も持ってないでしょ!」

ご主人様「…あのなァ、俺がお前に優しくしないのにはちゃんと理由があるんだぞ」

メイド「理由…?」

ご主人様「だって、俺が本気で優しくしたら、すぐにホレてきそうじゃん?」

メイド「は?ホレ…!?」

ご主人様「お前見るからにチョロそうだし」

メイド「チョロ…!?」

ご主人様「そういうのめんどくさいだろ?」

メイド「なっ…ご主人様、私のことそんなふうに思ってたんですか!?」

ご主人様「ああ、だから普段は意識して冷たく振舞ってんだ」

メイド「わ、わざと冷たく…!?いやないないない!あれが素でないとしたら逆に怖いですって!!!」

ご主人様「ま、どうしてもって言うなら今日くらいは優しくしてやってもいいけどな」スッ

メイド「!」ビクッ

ご主人様「フフフフフ」

メイド「な、なんですかその不敵な笑みは!何する気ですか!近寄らないでください!!」ビクビク

ご主人様「苦しゅうないぞ!!!!」バッ

メイド「ひいっ!ケダモノー!!!」

ぽん

メイド「へ!?」

ご主人様「……」ナデナデ

メイド「あのー…?」

ご主人様「…どうだ?これが俺の本気の優しさだ。ホレただろ?」

メイド「あのね…子供じゃないんですよ?これでホレるとかさすがにないでしょう…」

ご主人様「え?そーなの?」

メイド「………まぁ、もうちょっと続けてもらってもいいですけど」

ご主人様「ほら!やっぱチョロいじゃん!」ケタケタ

メイド「ううううるさいなー!!そういうのじゃないですから!!!!」

ご主人様「じゃあまた来年のメイドの日までおあずけだな」

メイド「いーです!もういいですよーだ!!だいたいなにメイドの日って!誰だよ今日メイドの日って言ったやつは出てこいよ!はっ!しょーもな!!」

ご主人様(自分から言い出したくせに…)
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/17(金) 19:32:04.73 ID:8YcFNeJbO
いいぞいいぞ
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/21(火) 23:20:58.50 ID:MGJzEhp9o
メイド「天気予報見てたら、今週は30度超えるところも出てくるんですって。もう夏ですね」

ご主人様「まだはえーだろ。梅雨入りもしてないのに」

ご主人様「でもあれだな…こないだから冷やし中華食べたいと思ってるんだよな…無意識に夏を感じてるのかもしれん」

メイド「冷やし中華か…いいですね」

翌日

メイド「ご要望にお答えして冷やし中華作りましたよ」

ご主人様「お!おーー……?」

ご主人様「ちょっと待て!ハムが入ってるじゃねぇか!」

メイド「…なにか問題が?」

ご主人様「普通、刻んだチャーシューだろうが!」

メイド「えぇ!?チャーシューなんて贅沢ですよ!」

ご主人様「あとクラゲも入ってねぇ!」

メイド「いらないですよそんなもの…ハム・たまご・キュウリ!この三種の神器が揃ってれば十分です!」

ご主人様「彩りってもんがあるだろ!こんな寂しい冷やし中華食いたくねぇよ」

メイド「は?」ムッカァ

メイド「…じゃートマトでも入れましょうか!鮮やかになりますからねぇ!!??」

ご主人様「ぐわーそれだけはヤメロ!わかった!このままでいいから! 」


ご主人様「……」ズルズル

メイド「どうですか?」

ご主人様「うまい」

メイド「でしょう?あ、マヨネーズいります?」

ご主人様「いらねぇだろ。何に使うんだよ…」

メイド「かけるんですよ冷やし中華に」

ご主人様「え?」

メイド「え?」

ご主人様「…なに言ってんだか」ズルズル

メイド「え??あれ???うそ????」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/21(火) 23:40:31.96 ID:MGJzEhp9o
ご主人様「髪切ってきたぞ」

メイド「随分さっぱりしましたねぇ」

ご主人様「セットまでしてもらったけどよ、どこか行くわけでもねーんだよな」

メイド「普段からセットしたほうがいいですよ。そうやってキチッと決めてればご主人様かっこいいんですから」

ご主人様「いや何もしなくてもかっこいいだろ?」

メイド「はは……」

ご主人様「なんだその乾いた笑いは!?」

ご主人様「つーかなんで家にいるのにセットしなきゃいけねーんだよ。おめーにかっこよく思われたって何の意味もねーよ」

メイド「意味というか…身なりを整えるということは気持ちを整えるということですから、生活にもメリハリがつきますよ」

ご主人様「どーだかねー。お前メイド服着てても全然気持ち整ってないじゃん」

メイド「は!?整ってますよ!めちゃくちゃ整ってるでしょ!!あぁん!?」

ご主人様(ならその態度をなんとかしろ)

メイド「そんなこと言うなら、これから高校の頃のジャージ着て仕事しますよ!?そっちのが動きやすいし!」

ご主人様「わかったわかった!これからはキチッとするよ!そんなんされたらもうメイドと言えねぇし」

メイド「分かればよし!」

ご主人様「さて、スーツはどこにしまってあったかな…」

メイド「いや、あの…それは極端すぎる気が…」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/25(土) 20:47:30.60 ID:HoFqMTTZo
久しぶりの中編です。前回よりだいぶ短いですが…
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/25(土) 20:48:14.98 ID:HoFqMTTZo
メイド「お買い物に行ってきますね。5時からタイムセールなので」

ご主人様「おう…」

ご主人様「ん…?待てよ、5時…?なんかやらなきゃ行けないことがあったような」

ご主人様「……」

ご主人様「そうだ!銀行で振り込まなきゃいけねぇ金があるんだ!確か今日までだったはず!」

メイド「思い出せてよかったですね」

ご主人様「よし、じゃまず銀行行ってそれから買い物だ」

メイド「えー一緒に行くんですかぁ?」

ご主人様「文句あっか?」

メイド「イエ別にー」

メイド(こっそり私の分だけおやつ買おうと思ったのに…)

ご主人様「自分だけこっそりなんか買うつもりだったろ」

メイド「!?」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/25(土) 20:49:10.70 ID:HoFqMTTZo
〇〇銀行ATM

ご主人様「おいメイド!暗証番号覗き見すんじゃねーぞ!」ピピピッ

メイド「んなことしませんよ!失礼な!」

ご主人様「えーと振込先がこれでこーして…」ピッピッ

キャーーーッ

メイド「なんか行内から悲鳴が聞こえたような?」

ご主人様「なに言ってんだよ。…よし、振込完了っ」

イヤーーーッ

メイド「ほらまた!!見てみましょうよ!」

ご主人様「なんだっつーんだ…ゴキブリでも出たのかぁ?」ウィーン

?「!なんだてめぇは!動くんじゃねぇ!」

ご主人様「…あぁ?てめぇこそなんだコラァ!」

メイド(秒でキレた…)

?「これ見ても分かんねぇのか?」カチャッ

ご主人様「!!」

メイド「じゅ…銃!?」

メイド(てことは…)

銀行強盗!!!
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/25(土) 20:50:03.63 ID:HoFqMTTZo
ご主人様「あー…なんだ…そのー…銃…はまずいん…じゃない…かな…?」

強盗「おら来い!」グイッ

ご主人様「ぐえっ」

強盗「こいつぁ人質だ!さっさと金を用意しろぉ!!」

ご主人様「うおおおお!嘘だろぉ!!?」

行員「お、落ち着いて!」

強盗「俺は冷静だ!いいから早く金を出しやがれ!!」

メイド(あわわわ…ご主人様が人質に!!なんで!?こんなことある!?)

メイド(たまたま二人で出かけたときに限って…ってそんな…)

メイド(………)

メイド(ははーん、さてはドッキリだな?)

メイド(そういえばこないだご主人様…テレビでモニ〇リング見ながら)

ご主人様『くっだらねー。こんなドッキリ引っかかるわけねーのに』

メイド(と口では言いつつも、初めから終わりまでしっかり見てた…。相当なドッキリ好きに違いない!)

メイド(おそらく普段の私があんまり生意気だから、ドッキリ仕掛けてビビらせようとしてるんですね?)

メイド(一緒に銀行に行こうって言い出したのがそもそも不自然だったんですよ!)

メイド(いつから考えてたのか知りませんが、よくもまぁこんな仕掛けが用意できたもんですね)

メイド「……」ニヤニヤ

ご主人様(アイツなに笑ってんだ!?この緊迫した状況で壊れちまったか…)
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/25(土) 20:51:42.53 ID:HoFqMTTZo
強盗「そこの女ァ!なにニヤついてんだ!!」

メイド「え?」ニヤニヤ

強盗「撃つぞコラァ!!」チャッ

メイド「……」

メイド「その銃…モデルガンですよね?」

強盗「なにっ!」

ご主人様「え!?」

メイド(だってドッキリで本物の銃使うわけないし…)

ご主人様(モデルガン?マジで??)

メイド「……」フフン

ご主人様(あの得意げな顔!相当自信あるみてーだぞ…でもなんでアイツにそんなこと分かるんだ?)

メイド「私にはすべて分かってますよ…」フフフ

強盗「な、なにが分かってるってんだ!?」

メイド「あなたの目的(ドッキリ)ですよ…残念ながらあなたの思い通りにはいきませんが」

強盗「俺の思い通り(金目当て)にはいかない…?」

強盗「ナメてんだろお前…!このままコイツの頭ぶち抜かれてもいいのか!」

ご主人様「そ、そうだ!さっきからニヤニヤしやがって!ふざけてるとぶっ[ピーーー]ぞ!」

強盗「おめぇがぶっ殺されんだよ!」

ご主人様「あっそうか、今そういう状況か!ついいつもの感じで…」

ご主人様「おい!俺がぶっ殺されるぞ!早くなんとかしろ!」

行員(なんつー人質だ)
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/25(土) 20:52:12.50 ID:HoFqMTTZo
行員「お、お金なら用意します、だから落ち着いて!」

メイド「その必要はありません!というか用意するつもりなんてないんでしょ?(ドッキリだし)」

強盗「ねぇのか!?」ギロッ

行員「そりゃほんとは出したくないですけど、出さなきゃまずい状況みたいなので」アタフタ

ご主人様「おいなんだそのふわふわした感じ!対応訓練とか受けてねぇのか!俺が殺されてもいいのか!?」

メイド「だから殺されませんって!」

ご主人様「なんなんだおめーさっきから!黙ってろ!俺と人質変わるか!?」

メイド「いや…私が人質になったら(ドッキリが)成立しないんじゃ?」

ご主人様「成立ってなんだよ!?」

強盗「なんだこいつら…」イライラ

強盗(しかしこの女、なぜ俺に[ピーーー]気がないと分かる?確かにこの銃は偽物だが…普通の女が一目で見抜けるもんじゃねーだろう…)

強盗(まさかコイツも『同業者』か!?スジ者には見えねぇが…この状況でこんなに堂々としてられるなんて普通じゃねぇ!)

メイド「ご主人様…私をこんなくだらない方法で試してどうするんです?」

ご主人様「試すぅ???」

メイド「こんなことしなくても、私はいざとなればご主人様のために体張れますよ!」

ご主人様「…確かにめちゃくちゃ体張ってるな、こっちが心配になるくらい大胆に」

ご主人様「ていうかもう大人しくしててくれよ !このままじゃ俺が殺されちまう!」

メイド「大人しく(騙されたふり)なんてできませんよ!」

ご主人様「状況を考えろよ!」

メイド「(ドッキリの)状況はわかってますよ!でもあまりにも雑すぎて…ww」

ご主人様「なに笑ってんだてめぇ!!ぶっ[ピーーー]…じゃなくてぶっ殺されるぞこの野郎!!!!」

強盗「もういい!俺の負けだ!」

ご主人様「はぁ?」
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/25(土) 20:53:30.95 ID:HoFqMTTZo
強盗「どうやらアンタにはすべてお見通しのようだな…」

メイド(そりゃこんなありがちな設定じゃね…)

メイド「でも演技はなかなか気合い入ってましたよ。次はもっとうまくやれるといいですね」

ご主人様「ダメだろ次やらせちゃ!」

強盗「いや、俺はアンタみたいな何事にも動じない鋼のメンタルにはなれねぇ…」

メイド「ま、ご主人様に鍛えられてますからね」

ご主人様「は?」

メイド「…さ、そろそろ出てきてもいいんじゃないですか?」

強盗「そうだな…堪忍するよ…もうすぐそこにいるみたいだしな」

ウィーン

警察「警察だ!そこを動くな!」

メイド「へ?」

警察「犯人発見!確保ーっ!」バタバタバタ

メイド「???」

ご主人様「よかった…ちゃんと行員が警察呼んでたのか!」

強盗「そ、そんなに強く抑えねぇでくれよ警察さん…この銃はモデルガンだからよ…」

警察「おふたりとも怪我はありませんか!?」

ご主人様「ああ…大丈夫…」

メイド「いや…あの…あれ???看板は?」

警察「看板?」

メイド「ドッキリ大成功〜!的な…」

警察「??いったい何を言ってるのか…」

ご主人様「…え、まさかお前…嘘だろ…?」

ご主人様「ドッキリだと思ってたの???この状況を???」

メイド「………」

メイド「マジなんですか?」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/25(土) 20:54:42.93 ID:HoFqMTTZo
警察「えーと、君は、犯人を止めようとしていたわけではなく、この状況をドッキリだと勘違いして、そもそも犯人を犯人として認識していなかった…」

警察「そういうことでいいんだね?」

メイド「いやぁ…いわゆる仕掛け人だと思ったんですよ…」

警察「君ねぇ…結果的に銃が偽物だったからよかったけど、もし犯人が君の言動に刺激されて発砲なんてしてたら、今頃とんでもないことになってたよ」

メイド「はい…おっしゃる通りです…」

ご主人様「ほんとすんませんした!よく言い聞かせておきますので!」

警察「いやぁまぁ、無事でよかったけどねぇ…」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/25(土) 20:55:40.57 ID:HoFqMTTZo
メイド「……」トボトボ

ご主人様「あのなぁ、言いたいことはいろいろあるけどな、まずお前、俺に謝れ」

メイド「はい…ご主人様のヘタなドッキリだと思い込んですみません」

ご主人様「マジで心臓バクバクだったんだからな!」

メイド「へへ…あれがガチならそりゃー焦りますよね」

ご主人様「へへ、じゃねぇわ!」スパーン

メイド「………」ジワッ

メイド「あ、あれ?」ボロボロ

ご主人様「な、なんで泣く!?」ギョッ

メイド「安心したら急に…ご、ご主人様が無事でよかった〜!殺されるかと思いましたよ〜!」

ご主人様「それ騙されたやつのリアクションだろ!!」

メイド「…あれ、そういえばなんで私も銀行に来たんでしたっけ」

ご主人様「このあと買い物行くんだろ?」

メイド「あ!タイムセールは!!」バッ

PM5:30

メイド「あああああダメだ!とてもじゃないけど間に合わない!」

ご主人様「ばーか、今日は俺もいるんだから、金なんて気にしねぇで好きなもん買えよ」

メイド「……え、いいんですか!」

ご主人様「…まぁ、結果的に、お前のおかげであの銀行は金盗られなくて済んだわけで」

ご主人様「あそこの金庫には俺の金もたっぷりあるはずだからな!」

メイド(銀行の金庫ってあんまり入ってないって聞いたけどな〜…)

おわり
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/26(日) 10:46:06.24 ID:LwhCYcO6o

104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/29(水) 02:44:25.05 ID:2LSQgmpB0
主人の命を狙うメイドもいいがこういうのもいいな
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/14(金) 00:45:03.26 ID:KjJi+viHo
メイド「ご、ご主人様…大変なことになりました」

ご主人様「どうした?」

メイド「掃除してたら…エプロンがやぶれちゃって…」ボロッ

ご主人様「どんだけ無理な体勢で掃除してたんだよ」

メイド「寝るときと外出るとき以外はずーーーっと着っぱなしだったので、多少傷んでたのかもしれません」

ご主人様「うーん…代わり用意してないからな…もうエプロンなしでいいか!」

メイド「それって大丈夫なんです?」

ご主人様「大丈夫って…?ないと支障あるか?平気だろ?」

メイド「支障というか、メイドとしてのアイデンティティがなくなってしまうよーな気がして」

ご主人様「…変わんねぇよ!なにがアイデンティティだ!一丁前に」

メイド「ま、そうですよね!エプロンがないくらいでね…」


メイド「……」ゴシゴシ

ご主人様(とは言ったものの、確かにエプロンつけてないだけでメイドっぽさが大幅に薄れたような気がする)

メイド「…なに見てるんです?」

ご主人様「なんかその格好だと、ピアノの発表会みたいだな」

メイド(ピアノの発表会見たことないからどう反応したらいいのか分からない…)

ご主人様「メイド服そのまんま着てるよりもコスプレするんだよな」

メイド「でも買い物とかで外に出るときはいつもこの格好ですよ。ちょっとシックなワンピースに見えるでしょう?」

ご主人様「いやシックっていうかゴシックだよ。お前たぶん街ゆく人に変なやつだと思われてるぞ」

メイド「…家の中とはいえ常にメイド服着てる時点でたいがい変だと思いますよ」

ご主人様「バカだな…メイド服は男のロマンなんだぞ」

メイド「そのロマンを実践するのがおかしいんですってば。別にお客さんお迎えするわけじゃないんだし、どんな格好でもいいはずでしょう?」

ご主人様「お前もしかして、そのメイド服…嫌々着てる?」

メイド「……!」

メイド「嫌々…ってことはないですけど…正直たまーに、なんでこんな格好してるんだろうって我に帰る瞬間はあります…」

ご主人様「…そうか…そうだったのか…そりゃそうだよな」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/14(金) 00:51:02.69 ID:KjJi+viHo
ご主人様(やることはきっちりやってるんだし、無理にメイド服着せる必要ももうないか…よし)

ご主人様「分かった!いい機会だし思い切ってメイド服は卒業ってことで…」

メイド「でも…」

ご主人様「…ん?」

メイド「今、エプロンつけてない自分に、すっごく違和感があるんですよ。なんか落ち着かないっていうか…」

メイド「たぶん私、ご主人様と一緒にいるうちに、変なところが移っちゃったんでしょうね」

ご主人様「……」

メイド「だから責任取って、新しいエプロン買ってくださいよ!」

ご主人様「…責任ってお前なぁ……ま、今回ばかりはしょうがねぇ。買ってやるよ!」

メイド「今度はもっと生地のちゃんとしたやつにしてくださいね。あんな安っぽいのじゃなくて!」

ご主人様「や…安っぽいだと!?そんなはずは…!」

メイド「だってしょせんはコスプレ用でしょう?年中着ることなんか想定してないだろうし…そりゃー糸も解れるし穴だって空きますよ」

メイド「そうだ!こうなったらもう職人さんに作ってもらおう!オートクチュールって言うんですか?いくらかかるか知らないけど、どうせご主人様が出してくれるんだし高級素材ふんだんに使って…」ブツブツ

ご主人様「…てめぇ、調子乗ってんなぁ!?」

ご主人様「よし!じゃあこれからは『メイド服風ビキニ』着て仕事しな!結構きわどいやつ!そしたら大事なところがこんにちはしないように大事に着るだろ!!」

メイド「なっ!?それじゃ私、変を通り越してただの変態じゃないですか!!」

ご主人様「いいじゃん変態メイド!もちろん買い物するときもそのまんまな!」ケタケタ

メイド「絶っっっ対イヤですよ!普通のでいいです!」

ご主人様「…普通の『で』?まだ立場が分かってねぇようだな?」

メイド「……普通の『が』いい!です!間違えました!お願いします!!ビキニだけはどうかご勘弁を!!!!」

ご主人様「分かればよろしい」


その後

ご主人様(うげー本格的なのってこんなに値段するのかー…)カチカチ
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/14(金) 00:54:09.67 ID:KjJi+viHo
また更新空いてしまってすみません
明日はチュー編です
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/14(金) 05:27:18.94 ID:UOXLuF5Fo
109 :ちゅー編@ :2019/06/14(金) 23:01:13.14 ID:KjJi+viHo
メイド「うぎゃー!!!」

ご主人様「!?な、なんだぁ?」

メイド「ちゅ…ちゅ…ちゅー!!!はひぇーーー!!!」

ご主人様「おいどうした!なにチューチュー騒いでんだ」

メイド「て、テレビでぇ…いきなり…ちゅ…注射のシーンが!!」

ご主人様「は…?それと今叫んでたのとなんの関係が?」

メイド「私!!注射!!!怖いんですよ!!!!!」

ご主人様「声がでけぇわ!」バシッ

メイド「だ、だってぇ…」

ご主人様「注射が怖いだぁ?そんなもん好きなやつのほうが珍しいだろ。痛いしな」

メイド「痛いのは別にいいんですよ。我慢できます。でも、でも…でも…」

メイド「どうしても、肌に刺さってるところを直視できないんです!ドラマとかでも無理!」

ご主人様「そりゃあれか?先端恐怖症ってやつか?」

メイド「違いますよ。画鋲とかは平気ですし…そんな大袈裟なものではないです」

ご主人様「悲鳴あげるほどビビってる時点で相当大袈裟だと思うが…」

メイド「注射以外にも、ピアスが怖いです。タトゥーも怖い。たぶん、体に針を刺すとか通すとかそういう行為全般が無理なんですよ…」

ご主人様「なるほど…まぁ分からなくもないが…」

メイド「あ、でも鍼治療はやってみたいなぁ」

ご主人様「こいつはどうだ?」ゴソゴソ

メイド「?ご主人様、なにしてるんです?」

ご主人様「爪楊枝」シャキーン

メイド「は?」

ご主人様「これでつんつんされるのも怖いのか?」ジリジリ

メイド「ちょっ…!!なにしてるんですか!!ほんと無理なんですって!!!」

ご主人様「ぐへへ」ジリジリ

メイド「……」フラッ

ご主人様「!?」

メイド「はっ…恐怖のあまり一瞬意識が…」

ご主人様「悪いやりすぎた…確かに重症だな」

メイド「ど、どうしたら克服できますかね…」

ご主人様「克服もなにも…実際に注射打ってるところ見て、大したことないと思い込むしかねーだろ」

メイド「でも私ご覧の通り超健康ですし、病院行く用なんてないですよ」

ご主人様「そういえば俺も、もう長いこと注射なんて打ってない気がする…最後に打ったのはいつだったかな」

メイド「なんか…病気じゃなくても使えて、元々な健康な体がさらにハッピーになれる薬とかないかなぁ」

ご主人様「それはいろいろとまずいだろ…」
110 :ちゅー編A :2019/06/14(金) 23:04:03.57 ID:KjJi+viHo
ある日の夜

ご主人様「おいメイド!起きろ!」

メイド「うーんむにゃむにゃ…もうこれ以上食べられないですよ…」

ご主人様「なんてベタな寝言だ…ほら!起きろって!」ペシペシ

メイド「うぅ…なんですかぁ…まだ真っ暗じゃないですか」

ご主人様「ネズミが出たんだ!!」

メイド「…ねずみ??」

ご主人様「さっき部屋で作業してたら天井のほうからカサカサ聞こえてきてな」

ご主人様「最初は無視してたんだがしばらくしたら…」

『キキキッ』

ご主人様「って鳴ったんだよ!これネズミだろ!?」

メイド「うーん。たしかに怪しいですけど…姿を見せたわけじゃないんでしょう?屋根裏でちょろちょろしてるだけなら別にいーじゃないですか」

ご主人様「よくねぇよ!家にネズミなんかがいるってだけで気分悪いわ!」

メイド「…ていうか作業ってなにを?」

ご主人様「仕事だよ!しれっと聞き出そうとするんじゃねぇよ。契約違反だぞ」

メイド「チッ…」

ご主人様「とにかく来い!」


メイド「ご主人様、ネズミ怖いんです?」

ご主人様「いや怖いとかじゃなくてフツーにキモいだろ」

メイド「キモいかなぁ。よく見たら結構かわいいですよ。瞳がつぶらで」

ご主人様「かわいくねーよネズミなんか!」

メイド「でもご主人様、ピカピー好きじゃないですか」

ご主人様「バカにしてんのか!あれはゲームのキャラだろが!」

メイド「わ、分かってますよ」

ご主人様「そもそもピカピーはネズミポコモンといいつつモチーフはキンクマハムスターなんだぞ。俺はハムスターは好きだ」

メイド(なにその蘊蓄…)

ご主人様「キモいのは見た目だけじゃねぇ。あいつら菌とかいっぱい持ってんだろ?」

メイド「それはたしかに気になりますけど…」

ご主人様「ペストにでもなったらどうする!」

メイド「なるかなぁ…」

ご主人様「俺、虫とかネズミとか汚ねぇの無理なんだよ。あと心が汚いメイドもダメ」

メイド「さーて寝よっと」

ご主人様「待て待て待て!!!冗談だから!!!!」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/14(金) 23:06:31.05 ID:KjJi+viHo
ご主人様「俺の部屋からは天井覗けないが、隣のこの部屋からなら入れるはずだ…」

ご主人様「よいしょ」パカッ

ぶわぁっ

メイド「うわー!すごい埃!」

ご主人様「ゲェッホゲッホ!!や、やばい!一旦閉めるからマスク持ってきてくれ!あとライトも」

メイド「はい」

メイド「…持ってきました」スチャ

ご主人様「じゃあ代わってくれ。いきなりネズミ出てきそうで怖い!」

メイド「分かりました……」モゾモゾ

ご主人様(今メイド服着てたら絶対パンツ見えてるな)

メイド「うーん…」スポッ

メイド「埃がひどくてよく分かりませんでしたが、特にネズミらしい姿は…」

ご主人様「そうか…まぁどのくらいの大きさかわかんねぇしな…」

メイド「…たぶん、ご主人様の手のひらと同じくらいか、それより少し大きいくらいだと思いますよ」スッ

ご主人様「!」ピクッ

メイド「そんな今さら、手を触られたくらいで照れなくても!乙女ですか!」

ご主人様「埃だらけのきたねぇ手で触られたからびっくりしたんだよ」

メイド「!?」ガーン

ご主人様「なんで見てないのに大きさが分かるんだ?」

メイド「もしこの屋根裏にネズミがいるとしたら、それはきっとクマネズミですよ。あれはだいたいこれくらいの大きさですから、ウロウロしていたら分かるはず…」

ご主人様「クマネズミ?強そうな名前だな…他になにネズミがいる? 」

メイド「有名なのはハツカネズミとドブネズミですね」

ご主人様「あー知ってる知ってる」

メイド「ハツカネズミはかなり小さいので、狭い家具の隙間などに入り込むことが多いです。一度入り込まれると見つけるのに苦労しそうですが、屋根裏にはあまり居着かないのでおそらく違うと思います。実験用のネズミで『マウス』と呼ぶのは小さなハツカネズミのことです」ペラペラ

メイド「逆にドブネズミはクマネズミ以上に大きいです。水がある場所を好むので床下にいることが多いです。やはり屋根裏にはなかなか現れないでしょうね。実験用のネズミで『ラット』と呼ぶのはドブネズミを改良して作られたやつです」ペラペラ

メイド「そもそもこういう民家に出没するネズミって大半がクマネズミなんですよね」

ご主人様「…なんか妙に詳しいな、おめーオタクか??ひくわ」

メイド「そっちから聞いてきたくせに!…別にオタクではないですけど、いろいろ調べてた時期がありまして」

ご主人様「…なんで?」

メイド「昔住んでた家がボロかったから、よくネズミが出たんですよ。捕まえなきゃいけない→そのためにはまず敵を知る必要がある→図書館でネズミの本を読む…という感じで」

ご主人様「捕まえて…食ってたのか!?貴重な食料として!?」

メイド「さすがに食べませんよ」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/14(金) 23:09:36.99 ID:KjJi+viHo
メイド「ついでにもうひとつ教えておきますと、クマネズミの中にはスーパーラットという優れた個体が存在するそうです」

ご主人様「スーパーラットぉ?なにがスーパーなんだ」

メイド「一見同じネズミでも、生き物ですから当然個体差がありますよね。たとえば罠に気づかずすぐに捕まってしまうおバカなネズミと、罠を罠と理解し警戒できる賢いネズミがいたとして…」

ご主人様「ネズミにバカとか賢いとかあんの?」

メイド「ありますよ!奴らの知能をナメちゃいけませんよ…」

メイド「で、その賢いほうのネズミが子供を産むと、その中に親から賢さを受け継いだのが出てきます」

ご主人様「遺伝か」

メイド「その賢い子供が、もし別の賢い個体と子供を産んだら、その子はさらに賢いネズミになるかもしれませんよね。ネズミの繁殖ペースはご存知のようにとても早いので…」

ご主人様「なるほど…繰り返すほどに賢いやつが誕生していくわけだ」

メイド「そう。そいつらがスーパーラットです」

ご主人様「へー…でもしょせんネズミだろ?」

メイド「だからそーやって侮ってはいけないんですって。知能に限らず、運動能力とか毒エサへの耐性とかで驚くほど優秀なのがいるそうですから…」

ご主人様「じゃあもしかしたら、おまえよりネズミのほうが優秀かもな」

メイド「寝ます」

ご主人様「だから冗談だよ!!」


メイド「さて、目視はできませんでしたが…一応『いるかもしれない』と仮定して、罠を仕掛けましょうか」

ご主人様「おっ!罠といえば…バチン!って挟むタイプのネズミ捕りだよな。粘着シートもあるか。スーパーラットも殺せる猛毒エサとか!?せっかくだし全部買おう!」

メイド「なにが全部ですか、バカなこと言わないでください!ひとつも買いません。家にあるもので作ります」

ご主人様「自作かよ!?」

メイド「そうです、Do It Yourself!ってやつですよ!わざわざ罠を買ったって、結局ネズミいませんでしたじゃお金の無駄になるでしょう?」

ご主人様「…それはネズミどもを子々孫々に至るまで根絶やしにできるような罠なのか?」

メイド「それはちょっと期待しすぎです。既製品でもそこまではたぶん無理ですよ。とりあえず、今から言うものを用意してもらえますか」

ご主人様「え、俺が?」

メイド「そうですよ。私はここで屋根裏見張ってますから。さぁ早く!」

ご主人様(くっ、こいつに知識でマウントを取られ、上から指示を出される日が来るなんて)
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/14(金) 23:11:48.31 ID:KjJi+viHo
ご主人様「持ってきたぞ!まずは水を半分くらい入れたバケツに、空のペットボトルだろ、細長いものってのは…竹ひごでいいよな?」

ご主人様「錐…はなかったからドライバー。あとガムテ。食パン、魚肉ソーセージ、バター。これ餌?チーズじゃなくていいのか?」

メイド「ありがとうございます。別にネズミはチーズしか食べないわけじゃないですよ。なんだって食べますよ」

メイド「あ、ちゃんと軍手してます?人間の匂いがついたものは避けられるかもしれませんからね」

ご主人様「してるよちゃんと。お前の分も持ってきた」

メイド「…では作り方を説明しましょう。最初に言っときますがわりと簡単です」

ご主人様「ふむ」

メイド「まず、ペットボトルの蓋と底、それぞれ中央にドライバーを使って、竹ひごが余裕で通るくらいの大きさの穴を開けます。ほんとは錐があれば楽なんですけどねー」

メイド「で、…竹ひごを、ペットボトルの穴に通します…長さが足りなければ2本をガムテープでつないで延長するか、なんだったら丈夫な紐とかで代用した方が早いかも」

メイド「そしたらバケツの縁に竹ひごの両端を乗せて、橋のようにかかってる状態にします。竹ひごは動かないようにガムテで固定しましょう」

ご主人様「ふむふむ」

メイド「あとはペットボトルの表面…できれば中央あたりにガムテをペタペタ貼って、そこに食パンとソーセージをちぎってくっつけるだけです。バターはそれ以外のところにテキトーに塗っておいてください」

ご主人様「…それだけ?これどういう罠なんだ?」

メイド「まず、ネズミがエサの匂いにつられてやってきますよね。ネズミはエサを取るためにペットボトルに乗るわけですが」

メイド「竹ひごを通しただけのペットボトルはゆるゆるですから、重さがかかった瞬間に、くるっと回転しちゃうわけです」

ご主人様「あー、それで乗ってるネズミは振り落とされると」

メイド「そう。で下の水にドボン。この高さを登る方法はありませんから、あとは溺れ死ぬか餓死するかのどちらかです」

ご主人様「たまんねーなそりゃ。でもよ、ネズミが落ちる寸前にペットボトルにしがみついたりしねぇのか?」

メイド「ネズミの小さな手でツルツルしたペットボトルを掴むのは無理でしょうね」

ご主人様「…そもそも、ネズミはどうやってこのペットボトルのところまでたどり着くんだ?バケツは内からも外からも登れないだろ」

メイド「あっ…それは素で忘れてました。バケツの縁まで登っていくための道を作っておかないといけませんでしたね…」

メイド「ダンボールを適当な長さに切って、バケツの縁から滑り台みたいにかけておけば、ネズミが登ってくれるはずです」

ご主人様「ふーん…なるほどね」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/14(金) 23:14:44.27 ID:KjJi+viHo
メイド「どうです?家にあるものだけで作れて、難しい工作はいらない」

メイド「一度の設置で、餌が残ってる限りは何匹でも捕獲できる可能性がある。電気とか使わないから危なくないし、中が水だからネズミの死骸もグロくない。…完璧じゃないですか!?」

ご主人様「たしかに聞いてる分にはいい感じだが、完璧かどうか決めるのは実際に捕獲できてからだろ?」

ご主人様「そう都合よく来るかなぁネズミ」

メイド「どうでしょうねぇ。こればかりはどんな罠だって一緒です。結局はネズミの気分次第。そもそもいると決まったわけでもありませんし」

メイド「まぁこんなの別に、うまくいくまでずーーーっと置いとけばいいんですよ」

ご主人様「…よし、じゃあさっそく作るか!」

メイド「一人でできますよね?やり方は教えましたし…」

ご主人様「だめだ!手伝え」

メイド「えー……」グラグラ

ご主人様「なんだよ…おまえもしかして眠いのか?」

メイド「当たり前でしょう…今何時だと思ってるんです」

ご主人様「えーと……2時…40分…」

メイド「5分で終わらせますよ」

ご主人様「…おう」

てきぱき…

ご主人様「できた。あとはこれを天井裏に置いとくだけだな」

メイド「……はい…」ウトウト

ご主人様「よし名付けて『地獄のプール』だ。頼むぞ〜」

ご主人様(でも寝てるときに、ネズミがバシャバシャ泳ぐ音とか聞こえてきたらすげー嫌だなぁ)
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/14(金) 23:20:07.92 ID:KjJi+viHo
翌日

メイド「おはよーございます…」

ご主人様「……」じーっ

メイド「あ、バケツ…どうですか?」

ご主人様「3匹浮いてる」

プカー…

メイド「おおー…まさか一晩で3匹も捕まるとは。ていうかほんとにいたんですね」

ご主人様「これはクマネズミか?」

メイド「…そうですね。この大きさなら間違いないと思いますよ」

ご主人様「……」

メイド「ど、どうしたんです?ネズミ捕まってよかったじゃないですか」

ご主人様「虚しい…」

メイド「はい…?」

ご主人様「こんな小動物をいたぶるなんて人間のすることじゃねぇよ」

メイド「…?…????」

ご主人様「こいつら3匹仲良く、美味しそうな匂いに惹かれてやってきただろうに…脱出不可能の水中にドボン。必死でもがいたんだろうな…」

メイド「いや…いやいやいやいや…ご主人様、キモいキモいって散々言ってたじゃないですか」

ご主人様「どこがキモいんだ。よく見ろよ。こんなにつぶらな瞳の可愛い生き物が他にいるか?」

メイド「それ私も言った覚えが…」

ご主人様「でもこいつらはもう動かない。かわいそうに。生きたまま捕まえる罠がよかったな。そんでどっかに離してやればよかった」

メイド「えー……」

ご主人様「…殺しちまったものはしょうがない。こいつらは丁寧に埋葬してやろう。それが俺にできるせめてもの償いだ」

メイド「あの…そんなに落ち込まなくてもよくないですか?」

ご主人様「俺はな…ダメなんだ…こういういたいけな生物をいじめることができないんだ…根っからの善人だからな」

メイド「は?私のことはいじめるのに?」

ご主人様「今日はやめよう…そういういがみ合いは」

メイド(えー…なにこの…悪いことしたみたいな空気。言われた通りにやっただけなのに)

メイド(しかし…ご主人様にこんなナイーブな面があるとは意外でしたね…見直したというか…らしくないというか…)
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/14(金) 23:21:48.38 ID:KjJi+viHo
その日の夜

ご主人様「おいメイド!!!また天井から音がした!」

メイド「そうですか…あの3匹以外にもまだ何匹かいたんでしょうね。生け捕りするなら、今度は空のバケツ設置しましょうか」

ご主人様「はぁ?生け捕り?」

メイド「え?」

ご主人様「ふざけんな、ぬるいこと言ってないでぶっ殺せよ!迷惑してんだぞこっちはよぉ」

メイド「いや…ご主人様?今朝はあんなに悲しんでたじゃないですか…」

ご主人様「知るか。気が変わったんだよ。というかお前の罠は確実性がなくてまどろっこしい!毒ガスでも炊いて全滅させろ!」

メイド「えぇ…こっわ…同一人物とは思えない。ご主人様マジで多重人格なんじゃないですか??」

ご主人様「いいからなんとかしてくれ!早くやれ!今やれ!すぐ殺れ!」バシバシ

メイド「痛たた!分かりましたから!なんでそう感情の振れ幅が大きいかなぁ!?」

メイド(…まぁでも…ご主人様はこうでなきゃって感じもしますけどね…)


このあとめちゃくちゃネズミ捕った。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/14(金) 23:25:48.06 ID:KjJi+viHo
ちゅー編@とAの2本立てでお送りしました
この物語はフィクションですが、ネズミの話は少しノンフィクションです
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/26(水) 00:01:06.32 ID:5x3iWTrGo
ご主人様「メイドのやつ、今日はやけに帰ってくるのが遅いな…余計なもの買ってんじゃねーだろな」

メイド「ただいま帰りましたよーっと」ガチャ

ご主人様「お、噂をすれば…」

メイド「いいもの買ってきましたよぉ〜」ニヤニヤ

ご主人様「…なんだそのでかい袋」

メイド「じゃーん!これです!」バッ

ご主人様「お…スイカじゃねーか」

メイド「はい!しかも大玉!」

ご主人様「本格的に夏らしくなってきたしな…よし食おうぜ。切ってくれ」

メイド「はぁ〜やれやれ…『切ってくれ』ですって。分かってないですねぇ」

ご主人様「…どういうことだ?自分で切れってことか?」

メイド「そんなの決まってるでしょう!」

メイド「ス!イ!カ!わ!り!!スイカ割り、ですよ!!」

ご主人様「はぁ!?家で!?バカか!」

メイド「大丈夫ですよ!ゆかが汚れないようにブルーシート買ってきましたから!もちろんスイカぶっ叩く角材も!」

ご主人様「おめーさてはホムセン寄ってて帰り遅くなったな…?」

ご主人様「つーかどんだけ周到に準備したって、フツー家の中でスイカ割りなんてやらねぇよ。アホ」

メイド「…そうですか。そうですよね」

メイド「せっかく立派なお庭があるんですから、太陽の下でやらなきゃ嘘ですよね!」

ご主人様「いや家の中じゃなくて庭ならいいとかそういうこと言ってんじゃねぇって」

メイド「とーもだちーがーでーきーたー、スイカの名産地〜♪」

ご主人様「聞けや話」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/26(水) 00:02:44.59 ID:5x3iWTrGo
メイド「用意できましたよ」

ご主人様「もう勝手にしろ…割ったスイカは俺にもよこせよ」

メイド「ご主人様はやらないんですか?」

ご主人様「アホか。誰がそんなガキみたいな…」

ご主人様(…いや、ガキの頃もスイカ割りはやったことねぇな。まったくの未体験だ。こんな機会、二度と来ないかもしれん)

ご主人様「しょーがねぇな〜」イソイソ

メイド「じゃ今から割りますから、ご主人様は見ててください」

ご主人様「おい!?」

メイド「なにか?」

ご主人様「今のは俺にやらせる流れじゃねぇのかよ」

メイド「いやぁでもスイカ買ったの私ですし…」

ご主人様「俺が渡した金だろ?」

メイド「言い出しっぺは私ですよ」

ご主人様「いーからやらせろや!!」グイッ

メイド「あ!返してくださいよ私の棒!」

ご主人様「おめーのじゃねーよ!名前書いてあんのか!?」

メイド「名前は書いてないですけど……あ!毛虫ついてる!」

ご主人様「うおっマジで!?」パッ

メイド「嘘ですよ!」パシッ

ご主人様「てめっ…!!」

メイド「ターゲット、ロックオーン!」

ご主人様「だめだ!よこせ!やらせろ!俺にやらせろー!」

メイド「でぇrrrrrrりゃああああああ!!!」ブンッ

ドチッッ

ご主人様「!!」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/26(水) 00:05:49.31 ID:5x3iWTrGo
メイド「…あれ?」

ポロッ

ご主人様「……」

メイド「……」

ご主人様「なんだ?この…中途半端な…」

メイド「割れ…っていうか欠けただけ…おかしいなぁ…」

ご主人様「はいお前の番おわり!つぎ俺な」バッ

メイド「あーずるい!!」

ご主人様「ずるくねぇわ!見てな、こういうのはコツがあるんだよ」

メイド「なんですかコツって」

ご主人様「それは…あの…なんか…こう…とにかく勢いよくドーンだ!!」ブンッ

メイド(ミスれミスれミスれミスれ…)

ボチッ

ご主人様「……」

メイド「ふっ…。なーんだやっぱりご主人様のほうがヘタじゃ…」

バカッ

ご主人様「きた!綺麗に真っ二つ!完璧なスイカ割り!」

メイド「えー!?ちょっ…なんですか今の間!?」

ご主人様「よし食うぞ!」ヒロイヒロイ

メイド「うぅ〜悔しい…もっと景気よく割りたかったのにー…」ヒョイ

メイド「あ、でも美味しい」ムシャムシャ

ご主人様「つーかさぁ、スイカ割りって目隠ししてやるもんじゃねぇの?」ムシャムシャ

メイド「…そういえばそうですね。あとグルグル回って…平衡感覚失った状態で…とか…」ムシャムシャ

ご主人様「今度はガチでやろうぜ!」

メイド(やろうぜ!って…最初あんだけバカにしたのに…)
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/26(水) 00:09:18.48 ID:5x3iWTrGo
二日後

メイド「あの…ご主人様…」ダラダラ

ご主人様「ど、どうした?」

メイド「これを…」スッ

ご主人様「なんだ…回覧板じゃねぇか」ペラッ


『○月○日○時頃、○○町○○にて、男性が棒状のものを振り回す事例が発生。
付近の住人は、「やらせろよ!」と叫ぶ声や、女性の叫び声を聞いていた。
また、男女間には以前から喧嘩や揉め事が確認されており、痴情のもつれから暴行に発展した恐れがあるとの通報があった。』


ご主人様「……これは…もしや…」

メイド「たぶん、こないだの私たちのことだと思うんですけど…」

ご主人様「………」パタン

ご主人様「…よし、スイカ持って近隣の皆様に謝りに行くぞ」

メイド「はい…」

ご主人様「でも(スイカ割り)やらせろよ!は言った覚えあるけど、女性の叫び声ってのはなんのことだ?」

メイド「でりゃあーって…私が…」

ご主人様「……」ペチッ

メイド「痛っ!」

ご主人様「もう絶っっっ対スイカ割りやらねぇかな」

メイド(やっぱりこういうのは然るべき場所でやらなきゃダメってことですね)

ご主人様「あと、『以前からの喧嘩や揉め事』ってのもなんのことだか…」

メイド「は?なにすっとぼけてんですか?」

ご主人様「あ?やんのかコラ??」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/06/26(水) 00:11:56.99 ID:5x3iWTrGo
× 「もう絶っっっ対スイカ割りやらねぇかな」
○ 「もう絶っっっ対スイカ割りやらねぇからな」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/26(水) 16:44:41.22 ID:6V09L1IWO
2828
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/27(木) 23:12:16.06 ID:+F3v5VkMo
ご主人様「……」むしゃむしゃ

メイド「今日のご飯はどうですか?」

ご主人様「ん?美味いよ」

メイド「実は、隠し味にアレをあーしてこーして…」ペラペラ

ご主人様「今さら言うことじゃないかもしれないけど、おまえの料理なかなかうまいよな」

メイド「ほんと今さらですね!もっと日頃から褒めてくれてもいいのに」

ご主人様「いったいどこで覚えてきたんだ?」

メイド「ほとんどは学生の頃やってたバイトですかね」

ご主人様「どこでバイトしてたんだ?」

メイド「えーと…居酒屋さん、中華料理屋さん、イタリア料理屋さん、タイ料理屋さん、お弁当屋さん…他にもあったかな?アイス屋…はちょっと違うか」

ご主人様「そんなにやってたのか!?」

メイド「はい…別にまかないがあるところならどこでもよかったんですけどね」

ご主人様「なるほど」

メイド「もちろんお金も稼ぎたかったんですが、家で料理できるようになるためにいろいろ教えてもらいました」

ご主人様「へー…」

ご主人様「そのわりに料理のラインナップはそこまで多くないような…?俺にもイタリア料理とか作ってくれよ」

メイド「そりゃー私が極めたのは『安い食材を無駄なく使えて美味しい料理』ですから。そういう高いのはお店で食べてください!」

ご主人様「…まぁとにかく料理の腕は自信あるんだな」

メイド「いやいや料理の腕『も』ですよ。他にもいろいろ自信ありますよ?」

ご主人様「うん?他にも?……???」

メイド「なんですかその白々しいリアクション!も少し私の仕事っぷりを評価してください!」

ご主人様「あーしてるしてる。えらいえらい」

メイド「ぜんっ…ぜん心がこもってませんよ。もっと大きな声ではっきりと!」

ご主人様「…えらいねぇ!!!!」バシッ

メイド「ぎゃ!!!褒めながら叩かないでくださいよ!プラマイゼロじゃないですか!」

ご主人様「なにがだよ」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/27(木) 23:27:12.57 ID:auChWGc+0
このメイドになにか特技なんかあったっけか?
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/28(金) 00:24:21.26 ID:JfDnDXsVO
主人に真っ向から噛み付けるのはある意味特技
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/28(金) 06:40:56.14 ID:d1b1iOZYO
峰不二子と同じ黄金比の体
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 22:26:32.99 ID:4k2Lf5Zvo
ご主人様「おいメイド、今からちょっと走ってくるわ」

メイド「え!?どうしたんですか急に」

ご主人様「……そういう気分になったんだよ」

メイド「ええ…?怪しいな…なんか企んでます?」

ご主人様「企むもクソもねーよ!ただのジョギングだっての」

メイド「いやいやいや。ご主人様がそんな健全なことするわけないじゃないですか」

ご主人様「あぁ!?どういう意味だそりゃ!?もういい!そんなに言うならおめーも着いてくりゃいいだろ!」

メイド「…いいですとも!着替えてきます!」


メイド「準備できましたー」

ご主人様「ん?おまえそれ…たまに家で運動するときに着てる高校ジャージじゃないな?他にも持ってたのか」

メイド「外で高校ジャージはいくらなんでも恥ずかしいですよ…」

ご主人様「そりゃーそうか」

メイド「これは中学のときのやつです」

ご主人様「…そっちのほうが恥ずかしくねぇか!?つーか物持ち良いな」

メイド「こっちは名前が入ってないし、ちょっとオシャレなんですよ。さすがに窮屈ですけど…」

ご主人様「じゃ、行くぞ!」ダッ

メイド「えっちょっ…いきなり全力ダッシュ!?」

ご主人様「あん?着いてこれねぇのか?」

メイド「いやジョギングってもっとゆっくり、一定のペースで走り続けるのが大事だと思うんですよ」

メイド「そのスピードだとすぐ息切れしちゃいませんか?ランニングなら分かりますが」

ご主人様「なんだよめんどくせーな…じゃあお前のペースでいいから先行きな!俺がついてくから」

メイド「えー…まぁいいですけど…。じゃあいきますよ」タッ

ご主人様「……」タッ
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 22:32:45.68 ID:4k2Lf5Zvo
メイド「いや〜それにしてもご主人様がジョギングに興味あっただなんて。意外ですね」タッタッ

ご主人様「……」タッタッ

メイド「こうやってご主人様と一緒に外を走る日が来るとは思いませんでしたよ。二人で外出ること自体わりと珍しいのに」タッタッ

ご主人様「……」タッタッ

メイド「これからも時々、こうやってジョギングするのもいいかもしれませんね」タッタッ

ご主人様「……」タッタッ

メイド「あのご主人様…聞いてます?」タッタッ

ご主人様「…ん?ああ悪い、お前のケツ凝視してた」

メイド「は!?なにしてんですか!!?」バッ

ご主人様「いやぁ…いつもはメイド服で隠れてて分からんが、ジャージだとラインがくっきり…」

メイド「はいやめーっ!!こんな下心丸出しのジョギングはもう終了です!撤収!」

ご主人様「待て待て!分かったよ!じゃあおまえの横並んで走るわ!それならいいだろ?」

メイド「まったく…」


メイド「ご主人様も、普段から体動かす習慣をつけといたほうがいいですよ」タッタッ

ご主人様「……」タッタッ

メイド「いつもずーっと部屋にこもってお仕事してるんでしょう?そんなの絶対体に悪いですよ」

ご主人様「……」タッタッ

メイド「室内でできる運動もいろいろありますけど、やっぱり外に出ると気持ちがすっきりしますよね」タッタッ

ご主人様「……」タッタッ

メイド「…ちょっと、また無視ですか?」チラッ

ご主人様「ん…?」ジーッ

メイド「なんですか!今度はどこ見てるんですか!」

ご主人様「思ってた以上に揺れないんだな…」

メイド「ああ胸ね、そりゃまあ揺れるほどありませんから……ってコラぁあ!!!!」

ご主人様「うおっしまった声に出てたか」

メイド「やめやめやめ!!これのどこが健全ですか、世界で一番不健全なスケベジョギングじゃないですか!!!」

ご主人様「わぁかった!分かったから!もうそーいう目では見ないって!な??」

メイド「次やったらマジで帰りますからね!?」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 22:34:12.50 ID:4k2Lf5Zvo
メイド「よく運動しながら音楽聞くんですけど、ジョギング中に限っては音楽なしのほうがいいかもしれないですね」タッタッ

ご主人様「……」タッタッ

メイド「単純に危ないからっていうのもありますけど、自分の足音とか街の音とか…自然と耳に入ってくるそういうのが、結構心地いいんですよね」タッタッ

ご主人様「………」タッタッ

メイド「ほら、こうやって耳をすませると…」

ハァ…ハァ…

メイド「ん?」チラッ

ご主人様「はぁ…はぁ……!」ヨロヨロ

メイド「ストップ!ストーップ!い、一旦やめましょう!顔色やばいですよ!」

ご主人様「えぇ…?何言ってんだよ、まだまだこれからだろ…?」

メイド「いやいや…そんな死にそうな顔で言うことじゃないですって!ちょっと飛ばしすぎました!すみません」

ご主人様「いいってことよ…さぁもうひと踏ん張りぃ…」ヨロヨロ

メイド「だからこれ以上はダメですよ!歩いて帰りましょう!ホラ肩貸しますから!」

ご主人様「はぁ…はぁ…お、おまえ…さては…」

メイド「?」

ご主人様「もう疲れちまって、ギブアップしたいんだろ…なっさけないやつだな…」

メイド「……」イラッ

メイド「よーしそうおっしゃるなら…今から全力疾走で家まで競走しましょうか」

ご主人様「ごめんさすがに無理!帰ろう!ゆっくり歩こう!!」


メイド「はぁー無事帰ってこれた。大丈夫ですか?ご主人様」

ご主人様「こ…こんくれー余裕だっての」ガクガクダラダラ

メイド「いや脚ガクガクで汗ダラダラですよ…」

メイド「あーでも私も…ジャージ暑っつい…」ヌギヌギ

ご主人様「…汗で透けてるぞ。なにがとは言わんが」ボソッ

メイド「…なんで今日そんないやらしい感じなんですかねぇ!?」ガクンガクン

ご主人様「やめ…まじ…死ぬぅ…」


1時間前

ご主人様『なんか無性にムラムラするな…ジョギングでもして気を鎮めるか』

ご主人様『おいメイド!今からちょっと走ってくるわ』

おわり
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 10:11:16.74 ID:yjvXdKXXo
ムラムラしてるとなんでもエロく見ちゃうよね…
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 22:49:04.64 ID:2Nv29mc6o
ご主人様「あっち〜〜〜…」

メイド「暑いですねぇ…湿気がすごい…」

ご主人様「窓閉めてエアコンつけるか…」

メイド「そうですね」ガラガラ

ご主人様「ほいピッと」ポチ

しーん

ご主人様「???」ポチポチ

しーーーん…

ご主人様「つかねぇ!!」

メイド「あらら…」

ご主人様「くっそー…修理してもらうか…」

メイド「連絡します?」

ご主人様「あーいーよいーよ俺が電話する」トトトトッ

ご主人様「あぁもしもし…エアコンが故障しまして…ええ修理を依頼したいんですが…」

ご主人様「え!?明後日の夕方まで来れない!?」

メイド「!」

ご主人様「…そうですか…じゃあそれで…ハイ、お願いします…」ピッ

ご主人様「……聞いての通りだ」

メイド「…い、忙しいみたいですね」

ご主人様「忙しいだぁ…?業者の都合なんて知らんわ!」

ご主人様「明後日までなんて待てるか!今日中になんとかしねぇと…」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 22:52:30.00 ID:2Nv29mc6o
メイド「あ…でもご主人様、部屋にもエアコンあるんでしょう?そっちが使えるなら部屋にこもってればいいじゃないですか」

ご主人様「今日はリビングでゆっくりしてたい気分なんだよ」

メイド「出た!謎のこだわり!わがまま!」

ご主人様「うるせえや!」デコピンッ

メイド「痛!…あ、そうだ!ちょっと待っててください」スタスタ

ご主人様「?」

メイド「うちわ持ってきましたよ!」ジャーン

ご主人様「…おう」

メイド「はい、どうぞ」スッ

ご主人様「……は?おまえが扇ぐんじゃねぇの?」

メイド「ああ、いいんですか??」パタパタ

ご主人様「自分に扇いでどうすんだ!俺に扇げよ!」

メイド「えー…ご主人様の気の済むまでやってたら私の腕もげちゃいますよ」パタパタ

ご主人様「もげるか!オラ貸せ!」バシッ

メイド「あー!」

ご主人様「……」パタパタ

ご主人様「大して涼しくねーなぁ…」ポイッ

メイド「……」

ご主人様「今どきこんな効率悪いもん使うの鰻屋くらいじゃねぇか?」パタパタ

メイド「…鰻屋??なんで鰻屋がうちわ使うんです?」

ご主人様「なんでって…そういうの見たことあるだろ?鰻焼きながらパタパタ〜って扇いでるとこ…」

メイド「いやぁ私、鰻屋行ったことないんで」

ご主人様「…それは経済的な理由で?」

メイド「もちろん」

ご主人様「そ、そのうち連れてってやるよ…」

メイド「ほんとですね?言質とりましたからね」

ご主人様「……そういえば、お前の部屋にはエアコンないよな?あの部屋ずっと使ってなかったし」

メイド「ええ、ついてないです。だから扇風機使ってます」

ご主人様「貸してくれよ」

メイド「いいですけどあんまり涼しくないですよ。アレたぶん相当古いやつでしょう?最近カタカタ音も鳴るようになったし…」

ご主人様「……」

ご主人様「新しい扇風機買いに行くかぁ…」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 22:58:50.05 ID:2Nv29mc6o
家電量販店

ズラァァァッ

メイド「これ全部扇風機ですか?」

ご主人様「おお…さすがにこの時期は気合い入ってんな」

メイド「よりどりみどりですねぇ」キョロキョロ

ご主人様「おい、見ろよメイド」

メイド「なんかいいのありました!?」

ご主人様「空気清浄機だ」

メイド「いや扇風機見ましょうよ…」

メイド「は!これは!」

ご主人様「どうした?」

メイド「お掃除ロボ!私これ欲しいです!」

ご主人様「いいね、こいつがいればお前の給料大幅カットだな!」

メイド「イヤですよ!!」

ご主人様「じゃ諦めな」


メイド「この…『いちぶんのエフゆらぎ』ってなんですかね?」

ご主人様「いちぶんのエフじゃなくて『1/fゆらぎ』だろ。人が心地良さとか快適さを感じるリズムがあるんだよ。たぶん自然の風を再現してるんじゃねぇか」

メイド「へぇー。風は風でしょう?なにが違うんだろう。水素水みたいなものかな。うさんくさー」

ご主人様「怒られるぞメーカーに」

メイド「羽のない扇風機はどうです?実物見るの初めてですけど、こんなのでもちゃんと風出るんですね」

ご主人様「でも羽ありと比べたらちょっと風が弱い気がするな」

メイド「サッカーボールみたいなのもありますよ。インテリアっぽくてかわいい」

ご主人様「…ん!?なんでそんなのが3万もするんだ!?」

メイド「はっ!よく見たらどれも結構高いですよ!扇風機って数千円で買えるものだとばかり思ってましたけど…」

ご主人様「今どきのは多機能に加え見た目も無駄にオシャレだからな…」

メイド「高級路線ってやつですかねぇ」

ご主人様「そういうこだわりも悪くないが、俺的にはもっとシンプルなのが…」

メイド「じゃあこのでかいのなんてどうです!?」ブォオオオ

ご主人様「それ送風機な!シンプル通り越して扇風機ですらねぇよ!!!」

メイド「でも涼しいですよ」

ご主人様「そんなの個人で使うのT.M.Revolutionくらいだろ」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 23:01:38.22 ID:2Nv29mc6o
20分後

ご主人様「よし!決めた!」

メイド「私も決めました!」

ご主人様「ん?俺が買うんだからお前が決める必要なくね?」

メイド「えーそういうこと言います〜?せっかく着いてきたのに…それにご主人様、こっちのほうが気に入るかもしれませんよ?」

ご主人様「別になんでもいいけどよ…」

メイド「お互いせーので選んだの指しましょう。いきますよ、せーの…」

ご主人様「これ」ピッ

メイド「それ!」ピッ

ご主人様「…一緒じゃねぇか!!」

メイド「本当だ…奇遇ですね」

ご主人様「やっぱやめよ」

メイド「なんでですか!!」

ご主人様「お前なんでこれにしたんだ?」

メイド「それはもちろんお手頃価格だからですよ。むしろそこしか見てませんでしたし」

ご主人様「俺はこのシンプルかつスタイリッシュなデザインが気に入った。値段なんて見てなかった」

メイド「いや見た目はだいぶしょぼいと思いますけど」

ご主人様「あ?俺のチョイスにケチつけるつもりか?…しかしこんな安いとすぐ壊れそうで不安だな」

メイド「は?安物=壊れやすいとは限りませんよ?というかエアコン直ったらもう使わないでしょう?」

ご主人様「ちっ。でもまぁ一致したなら悩むことねぇか…買ってくるわ」

メイド「あ、そうだ。ポイント使ったらもっと安くなりますよ」

ご主人様「ほんとケチくせーなおまえ…」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 23:06:00.67 ID:2Nv29mc6o
ご主人様「あ゛〜〜〜」

メイド「うわ…いい歳した大人がそんな子供みたいなこと…」

ご主人様「うるせぇ!強風くらえ!マリリン・モンローみたいにスカート捲れ上がりやがれ!」ブォオオオオ

メイド「ちょっ…やめてくださいよ!」バッ

ご主人様「ハッハッハッハ!エアコンなしの生活なんて考えたことなかったが、扇風機もなかなかいいもんだな!これならしばらくはやっていけそうだ」

メイド「まぁーはしゃいじゃって…」

メイド「…それにしてもエアコン…本当に壊れたんですかね?」ポチッ

ご主人様「つかねーだろ?」

メイド「これ、リモコンの電池切れてるんじゃないですか?」

ご主人様「え?」

メイド「だってほら…パネルの表示自体が消えてますよ」

ご主人様「…ま、まさか……そんな初歩的なミスなわけ…」

メイド「一応、電池取り替えてみますね…」ゴソゴソ

メイド「さぁこれで…」パチッ

メイド「どうかな?」ピッ

ウィイイーーーン…

ご主人様「……」

メイド「……」

ご主人様「…あーやっぱエアコンが一番涼しいわ!ん?なにこれ?扇風機??こんなガラクタはおまえにくれてやるよ!!」

メイド「そんな悲しそうな顔しなくても…」

おわり
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 23:53:46.81 ID:LRE4l8/ao
暑くなってきて、仕事がひとつ増えました

メイド「〜♪」

ピローン

メイド「えぇ?また?」スッ

LINE『コーヒーおかわり頼む』

メイド「はいはいすぐ用意しますよっと」

ご主人様が、やたらとアイスコーヒーを飲むのだ…

メイド「これで6杯目…そんなにガブガブ飲んで大丈夫なんですかね」

メイド「ご主人様、持ってきましたよ」コンコン

ご主人様「おうサンキュ。これ、空のコップ」ヒョイ

メイド(しかもコーヒーカップじゃなくてマグカップだから…氷で多少かさを増してるとしても、一杯200ml以上…)

バタン

メイド(てことは6杯で1200ml……あれ?そうやって考えるとそこまで大した量じゃないのかな?)

メイド「ちょっと調べてみよう…カフェイン、摂取量…」ドキドキ

メイド「目安としては…」

メイド「1日マグカップ3杯まで!?」※WHO基準

メイド「やばい!もう2時間で6杯!こんなの絶対致死量じゃないですか!」※そんなことはありません

ご主人様「うぅ…」

メイド「はっ!今の呻き声は!?まさかさっそく中毒症状が!?ご主人様!」ドンドン

ご主人様「ぐ…」ガチャッ

メイド「大丈夫ですか!?しっかりしてください!」ガシッ

ご主人様「おい、どけ!ウ〇コが漏れる!」

メイド「は?」

ご主人様「トイレトイレ…」バタバタ

メイド「なんだ…お腹壊しただけか…」ハァ


ジャーーーー

ご主人様「ふう」

メイド「冷たいの飲み過ぎですよ」

ご主人様「そうだな…」

メイド「ほら、温かいの入れましたから」スッ

ご主人様「ん…今日は気が利くな」

ご主人様「ってこれコーンスープだろ!ホットコーヒーじゃねぇのかよ!こんなんで仕事できるかよ!」

メイド「まぁまぁ、結構おいしいですよ」

ご主人様「……」ズズ

メイド「ああ、確かにうめぇわ」


翌日

LINE『コーンおかわり持ってきて』

メイド「これで8杯目…今度は塩分取りすぎなんじゃ…」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 20:23:44.27 ID:rctw2x1wO
うん…ハマるとしばらく同じもの摂り続けること…あるよね…
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/07(水) 00:47:26.48 ID:5Ah1mUMno
ご主人様「おいメイド…カレーにはらっきょうだって言ったよな」

メイド「……そーでしたっけ?」

ご主人様「前にも福神漬け出してたし、その時に言った!いい加減覚えろよ」

メイド「いやぁでも福神漬けのほうが美味しいですし…」

ご主人様「いーやカレーには絶対らっきょうだね。そんなごちゃごちゃしてて何が入ってるかわからんもののどこがいいんだか…」

メイド「むっ…らっきょうなんて、おじさん臭いったらありゃしないですよ!」

ご主人様「お前がなんと言おうが絶対にらっきょうだ」

メイド「絶っっっ対に福神漬けです」

ご主人様「…よし。表出な」ガタッ

メイド「上等ですよ…ただしカレーは残さず食べてくださいね」ムシャムシャ

ご主人様「……」スッ

ご主人様「だいたい、てめぇとは前々から好みが合わないと思ってたんだ」ムシャムシャ

メイド「別にいいじゃないですか、ご主人様が文句つけなきゃ済む話でしょう?」ムシャムシャ

ご主人様「ここらでハッキリさせようや」

メイド「…何をです?」

ご主人様「俺とお前の好みが、どのくらい一致してるのか…あるいはどのくらいかけ離れてんのかってことをだ」

メイド「それハッキリさせてどうなるんですか?」

ご主人様「あんまり合わねぇようならお前とはさよならバイバイだ」

メイド「え!?そんなむちゃくちゃな!」

ご主人様「まぁとにかくやってみようや…名付けて、究極の2択ゲーム!」ドン☆

メイド(なんじゃそら…)
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/07(水) 00:55:46.78 ID:5Ah1mUMno
ご主人様「いいか、これからお互いに『〇〇と××、どっちが好き?』てな具合に質問を投げ合う」

ご主人様「その答えが…そうだな、3回も一致すれば、俺たちはなんとか仲良くやっていけるってことになるだろう」

メイド「まーたくだらない遊びを…」

ご主人様「第1問、『きのこの山とたけのこの里、どっちが好き!?』」バン☆

メイド「!!!」

メイド(なるほどこれは確かに究極の2択!)

メイド(個人的にはどっちでもいいんだけど、答えが一致しなきゃいけないわけだから、ここはご主人様が好きそうな方を選ばないと…)

メイド(ご主人様は普段キノコの好き嫌いが多いから、たけのこの里?いやでも、これはしょせんキノコの形したチョコレート菓子…)

メイド(そういえば前にクッキー買ってきたときに硬くて好きじゃないとかぼやいてたような…たけのこの里はクッキーでできてる)

メイド(ということはクラッカーを使ってるきのこの山のほうが…よし、こっちだ!間違いない)

メイド(…いや、待てよ…?そもそもご主人様が素直にどちらかを選ぶだろうか?このひねくれ者のご主人様が!)

メイド「……」

ご主人様「長考だな…こういうのは直感が大事なんだぞ」

メイド「…わかりました!答えは…」

メイド「……ロッテ、パイの実!」

ご主人様「…バカかお前!2択だっつってんだろ。せめて同じ明治から選べよ」

メイド「…さすがに深読みしすぎたか〜」

ご主人様「正解はコアラのマーチでした」ニヤリ

メイド「はぁ!?やっぱり2択無視じゃないですか!!ていうかそれもロッテの商品だし!!!」

ご主人様「ん!?そうか、ロッテコアラのマーチか…」

ご主人様「なるほど…そう考えると、お前のパイの実は限りなく正解に近かったわけだな…」

ご主人様「やるじゃねーか。見直したよ」

メイド「ていうか2択捨てた時点で好みとか一切関係ないですよね」

ご主人様「そんなのどーでもいいからほれ、カレーのおかわり頼む」

メイド「あ…はぁ…」

ご主人様「ついでだからもうひとつ…『洋画は吹き替え派?字幕派?』」

メイド「ご主人様がお金出してくれるならどっちでもいーですよ」

ご主人様「…その答え方はずるいよな」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/08(木) 21:17:06.80 ID:YlIuAt7Co
メイド「ご主人様ごめんなさい」

ご主人様「…なんだ藪から棒に」

メイド「許してください」

ご主人様「何をだよ?」

メイド「それを言ってしまうと間違いなく怒られるので、まずは許してください」

ご主人様「ふざけんな!卑怯だぞ!いいから言えよ!」

メイド「これ……」スッ

パカーーーン

ご主人様「お、俺の茶碗…?」

メイド「…割ってしまいました。ご覧のように真っ二つに。申し訳ないです」

ご主人様「…落としたのか?」

メイド「はい。洗ってるときに、ツルッと…」

ご主人様「普段から俺のことが気に入らなくて、わざと落としたんじゃないかぁ〜?」

メイド「そんなことしませんって!もし自分でやるなら、もっと恨みを込めてバキバキに粉砕しますよ!」

ご主人様「おい」

メイド「とにかくやってしまいました。ごめんなさい。反省してます」フカブカ

ご主人様「……まぁ割っちまったもんはしゃーねぇよ。代わりの茶碗は…たぶんないよな」ゴソゴソ

メイド「……」

ご主人様「!…なんだよ、いつまでもしょげてんなって。わざとじゃねぇならもういいから」

メイド「いえ…私、初めて失敗らしい失敗しちゃいましたから…ちょっとショックで」

ご主人様「……」

ご主人様「今なんて??『初めて失敗らしい失敗した』???」

メイド「…なにかおかしなこと言いました?」

ご主人様「普段から失敗しまくってるじゃん。むしろ茶碗割っちゃうなんて失敗としちゃ可愛いほうだろ」

メイド「……?」

ご主人様「なんでピンと来てねぇんだよ。こないだ中身入った牛乳パック冷蔵庫から出したまま一晩放置してただろ。その前は、野菜の捨てる部分と間違えて切ったほうをゴミ箱に入れてたよな」

ご主人様「もうすぐ台風が来るってニュースでやってたのに忘れて洗濯物外に干してえらいことになってたし…あと玄関にムカデ出たとき咄嗟とは言え俺の靴で叩き潰しただろ!あれ地味にショックだったんだからな!」

メイド「…そりゃ、ひどいメイドがいるもんですねぇ」

ご主人様「全部おめーの話だよ!」バシッ

メイド「痛ぁ!すいません!」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/08(木) 21:18:33.97 ID:YlIuAt7Co
ご主人様「…それより、手は大丈夫だったのかよ?割れたところで指切ったりしてねぇか?」

メイド「!……あ、はい。それは大丈夫です。洗い物するときは必ずゴム手袋してますから…」

ご主人様「ふーん。そっか…」

ご主人様「ん?待てよ?ゴム手袋してんのに手が滑ったのか?」

メイド「!滑りますよ、そういうこともあるんです」

ご主人様「ほんとかぁ〜?」

メイド「わざとじゃないですってば!私…」

ご主人様「?」

メイド「…そんなことするほど、ご主人様のこと嫌ってませんよ…」

ご主人様「…分かってるよ。だからこっちも多少のミスは大目に見てやってるだろ?」

メイド「……」

ご主人様「ん?」

メイド「ご主人様って、結構私のこと気にかけてくれてるんですね。手、怪我してないか心配してくれましたし。ちょっと意外でした」

ご主人様「…なにおまえ、もしかして照れてんの?」

メイド「……茶化さないでくださいよ」

ご主人様「いいか?おめーのミスは、いちいち怒ってたらキリがないから見逃してやってんだよ。あと怪我してねーか心配するのは、ハサミを人に渡すときに刃の部分を持つくらい当たり前のことだ」ペラペラ

メイド「………」ムッ

メイド「はぁー。そうですか。そういう感じですか。せっかく人が素直に…。いや、もういいですよ。ハサミのくだりはいらなかったと思いますけどね!」

ご主人様「なんだ、やっぱ照れてたんだ」ニヤニヤ

メイド「うるさいなぁ、とにかく明日には新しい茶碗買ってきますから!どういうのがいいとか希望ありますか!」

ご主人様「割れたのと同じくらいの大きさのやつな」

メイド「わかりました。とびっきり可愛いデザインのやつ探してきますね」

ご主人様「フツーのでいいって」

メイド「お詫びの意味を込めて花柄にします」

ご主人様「いらねーよその気遣い!」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/08/08(木) 21:20:16.54 ID:YlIuAt7Co
ちなみにメイドがご主人様の靴で叩き潰したムカデですが、素手で触ろうとするのは危険なので出来れば箒などで追い払いましょう。
メイドは基本的に虫は平気で、なるべく殺さず逃がすよう心がけていますが
ムカデやヤスデ等の多足類は苦手で、ついパニクってしまうようです。
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/08/17(土) 20:14:38.41 ID:oP8PgDFTo
メイド「ご主人様!いつも行くスーパーの前の通りに、いつの間にかパン屋ができてたんですよ!!」

ご主人様「それで?」

メイド「買ってきました!」ドサッ

ご主人様「うおっ…これ全部パンかよ?他の食材は???」

メイド「予定を変更して、今週はパンパーティーにしましょう」

ご主人様「略してパンティーだな」

メイド「略す意味あります??」

ご主人様「つーか勝手に決められても困るぞ。俺、パン食えねぇのに」

メイド「え!?パンが食べれない!?まさかアレルギー!?」

ご主人様「いや、食えないことはないけど…元々あんまり好きじゃねぇんだよ」

メイド「パンが好きじゃない!?そんな人間がこの地上にいるんですか」

ご主人様「いるよ!なんつーかほら…米食わねぇと力が入らねぇんだよ。日本人ってそういうもんだろ?」

メイド「そんなのご主人様だけですよ…。でもほら、いっぱい買いましたから、なにか一個くらい食べたいのあるでしょう?」

ご主人様「うーんそうだな…メロンパンはあるか?」

メイド「メロンパンですか…ありますよ」ガサガサ

メイド「あ!」

メイド「ややややっぱり買ってないです!」サッ

ご主人様「おい!てめぇなに隠してんだ!それメロンパンだろ!!」

メイド「違うんです、これただのメロンパンじゃなくて『1日10個限定!やわらかさの暴力メロンパン』なんですよ!だから譲れません!!」

ご主人様「どんなメロンパンだよ……じゃあいいよ別の選ぶから」ガサガサ

ご主人様「クロワッサン、ベーコンエピ、クリームパン、焼きそばパン…この辺か…」

ご主人様「お前、メロンパン以外にどうしても食いたいのあるか?」

メイド「はー、パン屋でお金気にせず好きなだけパン買うのって、ちっちゃい頃からの憧れだったんですよね…夢がひとつ叶った…」

ご主人様「おいっ!聞けよ」

メイド「え?ああそのパン?もちろんぜーんぶ私のですよ。ご主人様にはひとつもあげません」

ご主人様「ふざけんな!!」スパーン

メイド「しまったつい本音が!」

ご主人様「もういい!お前ひとりで食ってろ!」

メイド「いやぁなんかすみませんね。我慢させてるみたいで…」

ご主人様「みたいじゃなくて我慢してんだよ!!!」


翌日

ご主人様「あぁ?お前なんで米食ってんだ?」

メイド「え!いや、その…」

ご主人様「昨日さんざんうめぇうめぇってパン食ってたじゃねぇか。『もう一生パンでもいい!』って言ってたろ。まさか全部食ったってことはねぇよな?」

メイド「まだ残ってますよ…でもその…あ…飽きちゃいまして…」ボソッ

ご主人様「……は?」

メイド「ほ、ほら、やっぱりご主人様の言う通り…日本人は米食べないと元気出ませんから!ね!?」

ご主人様「……」ベシッ

メイド「痛ぁ!」

ご主人様「お前もうパン屋禁止な…」

メイド「そ、そんな!それだけは勘弁を!!」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/30(月) 23:23:52.20 ID:0QG4EAg0O
ご主人様「この女優、最近よく見るなぁ…」

メイド「そうですね。なんかの映画の主演やって人気出たらしいですよ」

ご主人様「こんなぶちゃいくが主演かよ。この顔じゃせいぜい30点だ」

メイド「…ご主人様、よく知りもしない人に点数つけるなんて失礼ですよ」

ご主人様「よく知ってるやつならいいのか。点数つける時点で趣味悪いだろ?」

メイド「自覚あるならやめましょうよ…。それに人間顔だけじゃありませんから。顔が30点でも性格が100点の人だっていますよ」

ご主人様「じゃあお前俺に点数付けてみろよ」

メイド「…なんの『じゃあ』ですか。まぁでも、そうですねぇ…」

メイド「ご主人様は…顔だけなら…80点かな」

ご主人様「お?意外と高得点じゃん」

メイド「いや高すぎか…70点。…もっと低くてもいいな。60点にしよう。……もう少しおまけして55点…」

ご主人様「どんどん下がってるじゃねーか!」

メイド「でもご主人様全体として見ると、-800万点です!!なぜなら性格がアレすぎるから!!!」

ご主人様「桁が違いすぎるだろ…つーかアレってなんだアレって」

メイド「言ったらたぶん一発でクビにされるんで言いません」

ご主人様「お前もたいがい失礼……まぁいい、それじゃあ俺からも点数つけてやる」

メイド「ふん!えぇどうぞどうぞ!」

ご主人様「まず顔は…」

メイド(ご主人様のことだしどうせ-2億点とかだな)

ご主人様「すげーかわいいから100点満点!」

メイド「はっ!どんなのが来るかと思えば100点?そんな点数じゃ驚きませ…」

メイド「…………」

メイド「へ…???」カーッ

ご主人様「……っ」

ご主人様「だははははは!!!!照れてる!真に受けてるよ!!マジ単純!超純粋!ウソだよバーカ!!なにがカーッだよコイツ!!!」ゲタゲタ

メイド「……」プルプル

メイド「すぐそうやっておちょくって……!ご主人様のひとでなし!!溶けたアイス!!!腐ったアボカド!!気泡だらけのスマホ保護フィルム!!」

ご主人様「なんだよそれ!悪口ヘタクソか!」ゲラゲラ

メイド「じゃあ…なんだろ……覚せい剤所持!!!」

ご主人様「そういうご近所に聞かれたらマジで誤解されそうなのはやめろや!!?」

メイド「ま、真面目に採点してくださいよ!何点なんですか!?正直に言ってください!」

ご主人様「あ〜ん?教えな〜い。ヒトに点数つけるなんて失礼っつってたもんなぁ?」

メイド「…ご主人様ほんと最低ですね!ほんっとに!!800万なんて甘すぎました!マイナス8兆。いや京です京!もしくは垓!」

ご主人様「垓ってゼロ何個だよ?」

メイド「……えーと?いちじゅうひゃくせんまんじゅうまんひゃくまん……20くらい?」

ご主人様「し、知らねーでテキトー言ってやんの!!!」※合ってます

メイド「うるっさいですね!ご主人様なんてもはや数字じゃ測れない規格外のアレですから!!」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/09/30(月) 23:26:19.14 ID:0QG4EAg0O
元号が変わったり消費税が上がったり、何か大きな変化があるたびにこのふたり復活します。
嘘です。主な要因はネタ切れですが、他にもいろいろなことがあって1ヶ月以上空いてしまいました。
またそのうち書きますので気長に待っててください。
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/01(火) 04:44:02.32 ID:JvDsXJwKO
おつ
また楽しみにしてるよ
気が向いたときにでも書いてくれ
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/01(火) 11:28:04.28 ID:V5owKhBDO
おつです
この二人の掛け合い好き
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/01(火) 11:59:12.79 ID:QPe2Wt6qo
ほんわかするわー
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/01(火) 13:54:57.56 ID:wmHxlYmAo
数字の桁が小学生でも言わないレベルすぎて笑う
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 23:15:47.96 ID:92f2PrC/o
ご主人様「おいメイド」

メイド「はい?」

ご主人様「ん」スッ

メイド「…なんですかこの封筒。郵便ですか?宛先書いてないですよ」

ご主人様「寸志だよ」

メイド「すんし…」

メイド「…ぇあ!?は!?!?!?!?」

ご主人様「いや驚きすぎ」

メイド「な、なんのつもりですか?給料の前貸しですか!?」

ご主人様「寸志っつってんだろ。日頃のお前の仕事っぷりに、労いの気持ちとこれからも頑張れよという思いを込めて……」

メイド「ねぎらい!???!!!?!!?!???!??!!」

ご主人様「だから驚きすぎだろ……ケンカ売ってんのか」

メイド「な、中見てもいいです?」

ご主人様「もちろん」

メイド(まぁ寸志だし、せいぜい10000円とか、よくて2,3万かな…でもわりと分厚い気が……)カサッ

メイド「いち、にぃ、さん……」ぴら、ぴら

メイド「……」ピラピラピラ

メイド「け、結構……思ってたより……えぇ…?これが寸志…?こんなに貰っていいんです?」

ご主人様「ボーナスてのはだいたい、給料の何ヶ月分とかだからな…お前の月収が…えーと……いくらだっけ…」

ご主人様「…とにかく、そう考えるとボーナスと呼ぶにはちっと少ねぇから、一応寸志ってことで」

メイド「はぁ。あ…ありがとうございます。いやほんとに。まさかこういうの頂けるなんて夢にも思わず…喜びより驚きが勝ってますけど」

ご主人様「おう…」

メイド「……じわじわ嬉しくなってきた……どうしよう。とりあえず肩でも揉みましょうか」

ご主人様「露骨にこびへつらうなや」

メイド「えへへ……新しい靴とか買っちゃおうかな」

ご主人様「大事に使えよ」

メイド「株でもやってみようかな」

ご主人様「話聞いてた???」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 23:18:18.40 ID:92f2PrC/o
翌日

メイド「あの、ご主人様…昨日聞きそびれてましたけど、ボーナスってふつう年に2回貰えるものですよねぇ…」

ご主人様「……」

メイド「次はいつですか?冬ですか?」

ご主人様「あのな、もう1回言うけどあれはボーナスじゃなくて寸志。次がいつになるかなんて決まってねーよ」

メイド「え!?じゃあもうくれないんですか!?」

ご主人様「お前の働き次第ってことだ」

メイド「ケチなこと言わずに来週にでもくださいよぉ…」

ご主人様「はぁ?」

メイド「だってほら…ラルクが昔2週連続でシングル出してたじゃないですか。GLAYに至っては2枚同時にリリースしてましたよ」

ご主人様「なんだそのたとえ。いいか、ボーナス…じゃなくて寸志ってのはシングルじゃなくてアルバムみたいなもんだと思え」

ご主人様「そう気軽に出すもんじゃねぇんだよ」

メイド「でもB'zはベストアルバムいっぱい出してたじゃないですか」

ご主人様「うるせえな!あれは例外!キャリアがなげーからいいんだよ!」

ご主人様「そうだ、お前のボーナスもB'zのベストみたいに5年に1度とかにするか」

メイド「……」しお…

ご主人様「嘘だよ」

メイド「せめて来月…!」パァッ

ご主人様「それは早すぎ」

メイド「チッ」

ご主人様「そんな態度だとこの先1年は貰えないだろうなぁ…」

メイド「!?うそ!嘘です!今のはなんだろう…鳥の鳴き声かな!?」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 23:22:14.11 ID:92f2PrC/o
飴と鞭じゃないけど、たまにはこういうのも…と思ってこれを書いて保存しといたのが2ヶ月ほど前…
投稿しようかどうしようかと悩んでいるうちに、時期がちょっとズレてしまいました。
ネタは鮮度が大事ですね。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/28(月) 19:24:41.12 ID:nEuc+bJ4o
給料の0.5ヶ月分の人もいるんですよ!
いるんですよ…
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/07(木) 21:06:41.30 ID:qmeUW9uuo
メイド「大人の趣味が持ちたいです!」

ご主人様「…ん?」

メイド「大人の趣味が持ちたいんですよ!!!」

ご主人様「俺に言ってんのか??」

メイド「いや他にいないでしょ…」

ご主人様「大人の趣味…大人の趣味ね…」

ご主人様「ゴルフ…とかそういうのか…?」

メイド「それって大人の趣味っていうかオッサンのスポーツじゃないですか?」

ご主人様「おまえ全国のゴルファーにしばかれるぞ」

メイド「そういうのではなくて…もっとメイドやりながら片手間にできそうなのがいいんですよ」

ご主人様「なるほど。じゃあ御朱印集めとかどうだ」

メイド「あー御朱印集め!いいですねー最近若い女性にも人気があって…」

メイド「ってそれめちゃくちゃ時間かかるやつ!!」

メイド「そんなの絶対片手間にできませんよ!1日使うつもりでスケジュール組んで、しかもそれを何回も繰り返すやつ!!!話聞いてました!?」

ご主人様「怒るなよ、冗談だよ…じゃあ手芸だな。アクセサリー作りとかどうだ」

メイド「あ、それいいですね」

ご主人様「んで売って生活費の足しにしろ」

メイド「いや、小銭稼ぎがしたいわけじゃなくてですね…」

ご主人様「なにぃ?じゃあ作ったペンダントだのネックレスだのを身につけて過ごすわけか?年中メイド服のおまえが???コスプレ感増し増しだな!」

メイド「ううっ…そう言われるとちょっと違う気がしてきました…」

ご主人様「ま、せっかくやるならメイドの仕事の延長線上にあるものがいいんじゃねーの」

メイド「と言いますと…?」

ご主人様「マッサージだ!やっぱりメイドなんだからそれくらいはできないとな!」

メイド「その場合、ご主人様が練習台になりますけど…」

ご主人様「俺を実験台に!?やってみろ!ちょっとでも痛くしたらぶっ飛ばされるっつー覚悟があんならな!」

メイド「じゃあどうしろって言うんですか!」

ご主人様「本とかで勉強すりゃーいいだろ」

メイド「本読んだくらいでマッサージの技術なんて身につくわけないでしょう!エロ漫画読んだだけの童貞が初本番でいきなりテクニシャンになれると思いますか?」

ご主人様「うっ…た、確かに…」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/07(木) 21:10:58.67 ID:qmeUW9uuo
メイド「なにかないかなぁ。いい趣味ないかなぁ」

ご主人様「カメラはどうだ」

メイド「私、ファッションでカメラぶら下げてる女子とか死ぬほど嫌いなんですよね。あんな高いものを周囲へのアピールだけに使うとか!」

ご主人様(別にファッションなんて言ってねぇのに…)

ご主人様「じゃあ楽器はどうだ」

メイド「…結構いいかもしれません。ギターとか弾いてみたいです。でもギターこそ高そうですね」

ご主人様「あ、言い忘れてたけどうるせーのはダメだからな」

メイド「うるさくない楽器なんてあります???」

ご主人様「……静かに出来て、実用性があって…」

メイド「かつお金もあんまりかからない…そんな都合のいい趣味ないかぁ…」

ご主人様「…いや、ひとつだけあるな」

メイド「え、なんですか?」

ご主人様「おまえがいつもやってることだ」

メイド「…それってもしかして 」

ご主人様「料理」

メイド「……うぅーん…???」

ご主人様「露骨にイヤそうな顔すんなや」

メイド「イヤっていうか…なんか…結局それ?って感じが…いや料理好きですけどね…でも…うーん…趣味になるのかなぁ……」ブツブツ

ご主人様「…やり慣れてないことを無理に趣味にしようと思っても、すぐに飽きたり、自分に合わないと感じたりすると思うんだよな」

ご主人様「だったら、最初から馴染みがあることややり慣れてることをより深く掘り下げていくほうが、趣味として続けていけるんじゃないか?」

メイド「…なるほど!なんか今日のご主人様めちゃくちゃいい事言いますね!」

ご主人様「だろ?」

メイド「よーし、料理!分かりました!これからはいろんな料理に挑戦してみます!」

ご主人様「まぁ食費は今まで通りだけどな」

メイド「え?それじゃ買えませんよ?オマール海老とか国産和牛とか」

ご主人様「なに作る気だてめぇ」

メイド「なにって…人間の食への欲望をこれでもかというくらい体現した超高級料理を…」

ご主人様「大人しくパンでも作っとけや!!!!」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 01:01:37.73 ID:hpU4KWs2o
メイド「“ままどおる”を貰いましたよ」

ご主人様「…なんだぁそれ?」

メイド「東北のほうのお菓子です…こういうの」

ご主人様「へー?マーマレードみたいなもんかね」

メイド「ん…?」

ご主人様「なんだよマーマレードも知らねぇのか」

メイド「…柑橘系のジャムですよね??知ってますけど、これのどこがマーマレード…?中に入ってるのは白あんですよ」

ご主人様「は?マーマレードってのは丸い焼き菓子のことだよ。ジャムってお前なに言ってんだ?」

メイド「…?」

ご主人様「『?』じゃねぇよ、ったくこれだから貧乏人は…」

メイド「もしかして、ご主人様が言ってるの、マドレーヌじゃないですか」

ご主人様「………!?」

メイド「…え、マーマレードとマドレーヌ勘違いしてたんですか?」

ご主人様「………!!!」

メイド「そもそもこれ和菓子ですから、マドレーヌと大して似てませんし、その上マーマレードと間違えるなんて…」プークスクス

ご主人様「おめぇがややこしいもん持ってくるからだろ!」

メイド「うわぁ八つ当たりww」

ご主人様「マジぶっ飛ばすぞてめえ!!」ブンッ

メイド「ひゃー怖い!て包み紙投げないでください!」

ご主人様「ったく…バカにしやがって、おれはそもそもこういう甘いのはあんまり興味ねぇんだよ」パクッ

ご主人様「…あ、うめぇなこれ」モグモグ

メイド「でしょう?」

ご主人様「なんつったっけ?ままれーぬ??」

メイド「もうごっちゃになってるじゃないですか…」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 10:18:21.04 ID:634swL5EO
珍しくメイドがまともなこと言ってる
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 11:02:30.34 ID:Y7KCXVOLO
>>158
メイドはまともなことしか言ってないです
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/17(日) 02:36:24.11 ID:yEbtP6HFo
メイド「寒くなってきたし、ストール買っちゃいました」

ご主人様「ふーん」

メイド「ご主人様はこういうの持ってないんですか?」

ご主人様「探せばどっかから出てくるかもしれんが、もう何年も使ってねぇなぁ」

メイド「試しにこれ巻いてみてくださいよ」グルグル

ご主人様「いーよ俺は…!」

メイド「…うん、なかなかイケてるじゃないですか!やっぱご主人様、きちんとオシャレすればそれなりに…」

ご主人様「いらんっつーの!」ほどきほどき

メイド「ああっ!?」

ご主人様「素材がやっすいやつは首がチクチクするから嫌いなんだよ。買うならもっと上質なやつを買え!」

メイド「えー…ちょっと贅沢して高いやつ選んだのに」

ご主人様「お前が自分で使うために買ったんだろ?ほら巻いてやるよお嬢さん」グルグル

メイド「あの…ちょっと…」

ご主人様「これでよし!」

メイド「わぁインド人みたーい…」

メイド「じゃなくて!頭に巻いてどうするんですか!!!」

ご主人様「でもふざけてやったわりにはカワイイ感じになってるぞ」

メイド「カワイイ!?これが!?…ま、まぁこれは…私という素材が上質だということですね!」

ご主人様「……」イラッ

ご主人様「よォし今度はお望み通り首に巻いてやらぁ!!」グルグル

メイド「ぐえぇ…!じょ、冗談なのにぃ…!これ一番やっちゃダメなやつ…!」ギリギリ
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 22:56:03.99 ID:n+WRW5hMo
ご主人様「なぁお前、新しいポコモンやりたくないか?」

メイド「急になんですか…?新しいポコモン?えーと…塩と胡椒でしたっけ」

ご主人様「矛と盾だよ」

メイド「うーん。私は別に…そんなに興味ないですね」

ご主人様「…そうか。じゃあいい」

メイド「えっ…?ご主人様のほうがやりたいんじゃ?」

ご主人様「うっ…」

メイド「なにが『うっ』ですか、欲しいなら自分で買えばいいでしょう?前にピカピーのやつやってたし、今更…」

ご主人様「そこなんだよ」

メイド「はい?」

ご主人様「確かに去年、ピカブイ(※)は買った。だけど俺ぁ実はポコモンシリーズを長年追っかけてるわけじゃねーんだ」※Let's Goピカピー&デーブイ

メイド「?」

ご主人様「俺はゴリっゴリの初代厨なんだよ」

メイド「初代厨…つまりほかのシリーズは認めてないってことです?」

ご主人様「そうだ。ピカブイは初代のリメイクだからつい手が出ちまったが、純粋な新作はもう十何年とやってねぇ」

メイド「ふーん…でも、初代厨っていうなら当然今作もスルーでしょう?なんで興味持ってるんですか?」

ご主人様「…ネットで猛烈に叩かれててなぁ、逆にちょっとやってみたくなったんだよ」

メイド「そんな理由で…」

ご主人様「だからお前に買わせて、お前が遊んでる様子を見て、良さそうならご主人様権限でぶんどってやるつもりだった」

メイド「ガキ大将かな?」

ご主人様「今作は、ポコモンが巨大化する新機能『デカマックス』ってのがあるらしいぞ」

メイド「でかくなってどうすんです…?」

ご主人様「異なる種類の化石同士を組み合わせて復元できるらしいぞ」

メイド「いや同じ種類同士で組み合わせたらいいじゃないですか」

ご主人様「なんと、盾と矛とで一部ジムリーダーが違うらしいぞ!」

メイド「どうせなら全部変えたらいいのに」

ご主人様「テメエ文句ばっか言ってんじゃねえぞ!!買う気ねーのか!?」

メイド「なにキレてんですか!?別にいらないって言ってるのに!」

ご主人様「じゃあ俺が買っても絶対にやらせてやらんからな!」

メイド「いいですよ別に…てことは、やっぱ買うんですね?」

ご主人様「…いやぁ?買わないけど??」

メイド「あ…そう…」

翌日

ご主人様「なぁもし買うとして最初の3匹はどれがいいと思う?」

メイド「めちゃくちゃやりたがってんじゃないすか…」
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/24(日) 23:20:28.49 ID:n+WRW5hMo
メイド「朝ご飯できましたよ」

ご主人様「おうサンキュ…テレビつけてくれるか」

メイド「『サッパリ』ですよね。ご主人様ほんとこの番組好きですねぇ」

ご主人様「まぁ、情報番組なんてどれも一緒なんだよ。わざわざ見る必要ないんだが」

ご主人様「しかしこの『サッパリ』は女子アナがかわいい!」

メイド「あーたしかに可愛いですよねこのアナ…」

ご主人様「違う、こいつじゃない!このあと出てくるアナだ」

メイド「このあと?」

テレビ『お待たせしました、今日の占いコーナー♪』

ご主人様「これ!このアナ!めちゃ好み!おっぱいもでけぇしな」

メイド「……ふーん」

テレビ『2位から11位はコチラ!』ズラーッ

ご主人様「おうし座が入ってねぇな」

メイド「私のいて座も入ってません」

ご主人様「てことはどっちかが1位で、どっちかが最下位だな」

メイド「正直どーでもいいですけどねー…」

テレビ『今日の1位は…いて座のあなた!ラッキーカラーはエメラルドグリーン!』

メイド「やった!1位ですよ私!嬉し〜!」

ご主人様「どうでもいいんじゃなかったのかよ」

メイド「あ…てことは…」

テレビ『そしてざぁんね〜ん!本日最下位はおうし座のあなた!ラッキーカラーはどどめ色…』

ご主人様「……」

メイド「……」

ご主人様「…俺がヘコんでると思ってるだろ」

メイド「え?そ、そりゃ最下位だし…」

ご主人様「わかってねえな〜〜〜!これが目当てだったんだよ!」

メイド「目当て?」

ご主人様「聞いたか?今のアナの『ざぁんね〜ん!』あの嗜虐心たっぷりの言い方がゾクゾク来るわけよ!」

ご主人様「このために毎日占い見てんだからな!いやー今日はいい日になるぞ!」

メイド「ご主人様…ときどきナチュラルにキモいこと言いますよね」
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/26(火) 13:57:39.06 ID:Uvmmim6QO
この二人いつ見てもほっこりする
いいわぁ
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/26(火) 16:27:26.02 ID:rJoxszkxO
私はもっこりしているぞ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/01(日) 21:04:06.06 ID:t13kNQVWo
メイド「ご主人様、マナ雪2見にいきません?」

ご主人様「…マナ雪…『真夏の雪見だいふく2』か。そもそも1を見てねぇからなぁ」

メイド「ええ!あの名作を見ていない!?宗教上の理由ですか!?」

ご主人様「どんな宗教だ…俺は昔っからああいう3DCGのアニメーションが好きじゃねぇんだよ」

メイド「そうですか…。じゃあ諦めますね」ガックリ

ご主人様「なんでだよ。ひとりで観てくればいいだろが」

メイド「う〜ん…私、見たあとに『あれがよかったあそこはダメだった』って言い合うのが好きなんですよ。ひとりじゃそれができない…」

ご主人様「なら友達誘って…いや、そうか。友達なんていないんだったな…」

メイド「いますよ少しは!!!ただ急に誘って来てくれるかどうか…」

メイド「ていうか単純にひとり映画って…すごい寂しい感じするじゃないですか」

ご主人様(俺はそういうの全然気にしねぇんだけどな…)

ご主人様「よしわかった…じゃあお前、今から1の内容を俺に丁寧に教えろ」

メイド「え?」

ご主人様「それを聞いて、俺が『なるほど面白い映画だな、続編見に行くか』って気になったら俺もついてってやる」

メイド「なんでそんなめんどくさいことを…」

ご主人様「嫌ならひとりで寂しく観てくればいいさ…」

メイド「わ、分かりましたよ!えーとまず、雪が降る街で1人の少女が…」


10分後

メイド「で、ラストはでろでろに溶けた大福をみんなで囲んであの名曲を歌うわけですよ。ね?傑作と言われる理由が分か…」

ご主人様「zzz…」

メイド「……。しばいたろかコイツ…」

ご主人様「んお…終わったのか…。なげー映画なんだな。3時間くらい喋ってたんじゃないか?」

メイド「んなわけないでしょ!本編が2時間弱なのに!」

ご主人様「ま…長々と語ってくれたお礼に、着いてってやることにしよう」

メイド「着いてったってご主人様、絶対に映画館でも寝ちゃうじゃないですか!?」

ご主人様「そりゃ内容次第だろ、絶対ってことはない。(まぁ九分九厘寝ると思うが…)」

メイド「あ、じゃあ4DXとかどうです?座席が動いたり水がプシューって出てきたり…さすがに起きてられますよね?」

ご主人様「あれたぶん3000円くらいするぞ。俺は別にいいが、貧乏性のお前に出せるか?映画1本に3000円…」

メイド「た、高すぎる…!TSUTAYAなら好きな映画30本借りられるのに!」

ご主人様「旧作だけな」

メイド「しかも…ちょっと待ってくださいよ…!私、普段あんまり映画見ないから、たまに映画館行くと浮かれちゃって
欲しくもないパンフレットとかポップコーン買っちゃうタイプなんですよ!?ヘタすると諭吉が飛んでいってしまう…!」

ご主人様「それは我慢しろや」

メイド「なんか、見る気なくなっちゃったなぁ。やっぱりやめときましょうか。どうせまたテレビでやるでしょうし…」

ご主人様「そんときゃ俺も一緒に観てやる」

メイド「…約束ですよ」

ご主人様「ただしおめー、途中で寝たりしたら引っ叩いて起こすからな」

メイド「ど、どの口がそれを…!」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/01(日) 21:05:28.95 ID:t13kNQVWo
気がつけば、このスレ立てて丸一年経ってました(放置してた時期もありましたが…)
これからも、こんなゆるゆるペースで続けていきますので、よろしくお願いします。
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/12/07(土) 06:35:53.40 ID:V6M3BFLxo
乙ー
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/16(月) 01:34:22.79 ID:XgH/4jxa0
ゆるーく長く続けてもらえると助かる
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/17(火) 00:49:24.26 ID:Kve2pkkWo
メイド「ご主人様、今年の流行語が発表されましたけど、知ってるのありました?」

ご主人様「いやぁ毎年ちらっと聞くけど『流行ったか?』ってのばっかで興味ねぇんだよな」

メイド「あな番とかサブスクとか」

ご主人様「今年はそういう略語が多かったのか?」

メイド「いえ別に…なんか私的にも興味ないやつばっかでしたし。じゃ、ご主人様の中で流行った言葉ってあります?」

ご主人様「………」

メイド「ないんですね?」

ご主人様「…生ハメ」

メイド「…は?今、なんて??」

ご主人様「生ハメ」

メイド「急に下ネタぶっ込むのやめてくださいよ!心臓に悪いんで!」

ご主人様「下ネタじゃねーよ」

メイド「じゃあなんですか!」

ご主人様「略語だよ。『生』意気で『は』たらかない『メ』イドで生ハメ」

メイド「はあ…なるほど…」

メイド「…いやいやいやなるほどじゃなくて。それ私のこと言ってます?」

ご主人様「他にいねぇだろ」

メイド「生意気は100歩譲ってまぁいいとして、働かないは納得いかないんですけど!?」

ご主人様「なんだったらいいんだよ」

メイド「生意気だけど可愛くて働き者のメイド、にしましょう!」

ご主人様「生カハメ…?ダメだな、語呂がよくない」

メイド「語呂なんてどうでもいいじゃないですか」

ご主人様「…待てよ!閃いたぞ!…生意気で可愛くて働き者でだらしないメイドだ」

メイド「だ、だらしない!?私が!?」

ご主人様「まぁいいから、頭文字をとってみな」

メイド「…なま…か…は…だ…め…???」

ご主人様「『ま』はいらない」

メイド「なかは…だめ……」

メイド「ってちょっと!やっぱり下ネタじゃないですか!!いい加減にしてくださいよ!!!!」

ご主人様「うわマジで怒ってるよ。ぴえん」

メイド「……なんです?それ」

ご主人様「流行語だよ…」
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