勇者「喋れない。呪いかけられた」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 20:04:12.82 ID:DCsOdRgbO
勇者「(としか思えん。起きたら急に喋れなくなってた…...やばい、どうしよう…..)」

勇者「(ーーいや、まぁそこまで悲観的になることもないか? 永続的な呪いなんてあるはずないし、いずれ解けるだろ)」

女僧侶「勇者様…..? お目覚めになられたのですか?」ガサ

勇者「(うむ)」コクリ

女僧侶「ちょうど朝餉の支度が済んだところなので呼びにきたんですよ」

勇者「(わかった。今行く)」ノソリ

女僧侶「……あの、口をパクパクさせてますが……なにか?」

勇者「(あっ。……いっけね。喋れないの秒で忘れてた。声がでないんだった)」

女僧侶「……?」

勇者「(うーん、どうやって……そうだ。棒で地面に文字書けばいいじゃん。俺ってば冴えてるぅ〜! ……えーと、たしかここに……)」ゴソゴソ

女僧侶「なにかお探しものでしょうか?」

勇者「(ーー……あった!)」


▼勇者はひのきのぼうを道具箱から取り出した!!


勇者「(おしおし、これでチョチョイのチョイ〜〜サラサラぁ〜〜と)」ガリガリ

女僧侶「……文字、ですか……?」

勇者「(オーケー! これでバッチリ! ……どや? 俺の声が出なくなってしもうたのは伝わったか?)」

女僧侶「ふむふむ……あー、なるほどっ!」ポンッ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1543489452
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 20:22:25.80 ID:DCsOdRgbO
勇者「(困っているんだ。教会に行って神父様にーー)」ガリガリ

女僧侶「ようやく効き目があらわれたんですねっ!」

勇者「(呪い解除の相談ーー……は?)」ピタッ

女僧侶「毎日毎日、飲料水に少しずつ毒を混ぜていたのにぃ〜。全然ケロッとしているんですものぉ〜〜」

勇者「(は? は?)」

女僧侶「安心してくださいっ! 勇者様っ! それは呪いの類ではありません! 毒ですっ!! 毒のせいなんですっ!!」

勇者「(えっ、毒……? ちょっ、どゆこと?)」ポカーン

女僧侶「したがってぇ、呪いではないので教会に行ったとしても手の施しようがありません☆」

勇者「………………」ポトッ

女僧侶「ひのきのぼうが手から落ちましたよ? ……どんまいっ☆」

勇者「(は、は、は……はぁぁぁぁあああんっ!?!? どゆことっ!?)」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 20:29:55.20 ID:sx8XpwA7o
支援
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 20:35:11.64 ID:R6tZGlWFO
ヤンデレのにおいがする
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 20:41:26.06 ID:DCsOdRgbO
女僧侶「突然で驚かれましたよね。びっくりしましたよね。......落ち着いて聞いてください、勇者様」

勇者「(な、ななっ、なんてことを…...! いや、ていうか僧侶がやっのコレっ!? なんで!? 毒盛るほど俺の事嫌いだったのっ!?)」

女僧侶「ーー……こうしなければ、勇者様が死んでしまっていたのです」

勇者「(えっ!?)」

女僧侶「だから...…だからっ! 私達もしかたなく……っ! 毒をっ!!」

勇者「(ちょっと待って!? 死ぬ……? 俺死んじゃうとこだったの? ……“私達”って)」

女魔法使い「ちょっとー、勇者はまだ起きないのぉ〜?」ガサ

女僧侶「あっ、魔法使いさん……」

女魔法使い「? 起きてるじゃん。どしたの勇者、└|∵|┐みたいなポーズして」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 21:01:06.04 ID:DCsOdRgbO
女僧侶「ついに、成功したんです。加護に打ち勝ちました……!」

女魔法使い「加護……? あ、もしかしてーー」

女僧侶「もしかしてですっ! やりましたっ! 勇者様が声を失われたのです!」

女魔法使い「あちゃぁ〜。それでハニワみたいなポーズのまま固まってるのね」

女僧侶「はいっ! はいっ!……あぁっ、これも女神様の導きのおかげ…..」

勇者「(なに……お前ら、なに? もしかしてグル?)」

女魔法使い「ちょっとぉ〜〜なによその目はぁ〜? 命の恩人である私達にむかってぇ〜」ジトー

女僧侶「仕方ありませんよ。心を強く持ってください。勇者様」

勇者「(ふっ.....ふっふっ、ふざけるなぁあああっっっ!! なんで仲間に裏切られなきゃならんのだ!! 死ぬってなんやねん!? )」ガバッ

女魔法使い「わっ!? ちょちょっ、ちちちちょちょちょっと、おち、おちちちついてっ!?」ガクガク

女僧侶「まぁっ! 勇者様ったら元気いっぱいっ☆ その意気です!」

勇者「(説明せんかいこらぁあああっ!! 説明はよぉっっっ!!)」ブンブン

女魔法使い「そんなっ揺すったらっ! しゃ、喋れっないっでじょ!?!? 」ガクガク

勇者「(いやじゃああああっ! 死ぬのも喋れなくなるんもいやじゃあああっっ!!)」

女魔法使い「〜〜〜〜っ!! ウザイっ!! メラゾーマッ!!」ゴオォッ

勇者「(ぎゃあっ!?)」ゴロゴロ
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 21:17:09.45 ID:DCsOdRgbO
女魔法使い「フンっ!! うっとおしいっ!! 男ならそれぐらいのことで取り乱してんじゃないわよっっ!!」

女僧侶「……せ、せめてメラとかでわ……」

女魔法使い「そんなの勇者に効くわけないじゃない」

勇者「(メラでも効くわボケェッ!!)」プスプス

女魔法使い「僧侶。どこまで話したの? 説明したげたの?」

僧侶「あ、いえ。こうしなければ死んでいたとはお伝えしましたが、詳細についてはまだこれからです」

女魔法使い「あっそ……それなら朝ごはん食べながら喋りましょっか。戦士と武闘家もテントの外で待ってるし」

勇者「(うっ、うっ、なんでっ、なんで俺がっ...…いきなりこんな目に……)」ムク

女魔法使い「説明…...聞きたくないってのなら引きこもっててもいーけど?」

女僧侶「よっぽどショックだったんですねぇ。ご納得いただけるかわかりませんが、理由はお話いたしますよぉ」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 21:51:00.11 ID:DCsOdRgbO
( 'ω'o[ テントの外草原]o

女僧侶「実はーー……勇者様の声に魔翌力がこめられてることがわかったんです」

女魔法使い「最初に異変に気がついたのは私ね。魔翌力を使う魔法職だから」

女戦士「魔法使いから聞いた時はにわかには信じられなかったんだが……」

女武闘家「うん。あたしもなにかの間違いだって思った……けど、言われてみればたしかにとも思って」

女僧侶「勇者様……っ! 事後報告のような形になってしまい申し訳ありません。でも……っ! そうしなければっ、勇者様のお命がっ! ぐすっ」ポロリ

女武闘家「僧侶だけじゃないっ! あたし達も同罪だよっ!」

勇者「(話がいっこーに前に進まねぇ)」イライラ

女魔法使い「いい? 耳かっぽじってよく聞いて。ーー勇者の声には、魅惑作用がある」

女戦士「私達は勇者以外、女のみのパーティー構成だろう? アンタの声は私達に毒なんだ」

女魔法使い「それも極めて猛毒。脳までとろけさせるほどのーー」

勇者「(なんですか...…? それって俺の声がイケボすぎてたまらんってこと?)」

女魔法使い「ーー……さっき、僧侶から聞いたんでしょ? こうしなければ勇者が死んでたって」

女僧侶「私たちが……っ……私たちがっ! 勇者様を奪い合いっ!! 殺していたかもしれないのですっ!!」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/29(木) 22:07:06.06 ID:DCsOdRgbO
疲れたんで今日はここまでにしとく
50〜100レスの間ぐらいで終わる予定
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/29(木) 22:14:52.27 ID:sx8XpwA7o

アホみたいな動機でワロタ
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/30(金) 15:50:09.60 ID:jdsooU2cO
勇者「(ちょっと待てや。生きてきてイケボなんて言われたことねーぞ)」

女魔法使い「どうせ勇者のことだから『 イケボなんて言われたことない』と思ってるんでしょ」

勇者「っ!?」ギクゥッ

女戦士「私達だって様子見をしながらあらゆる角度から検証を試みたんだ」

女武闘家「それで、言霊に篭められた魔力が表面化しだしたのはレベルアップしてるせいじゃないかって結論になった」

女魔法使い「確信するに至ったのは一週間前のダンジョン探索してた日」

僧侶「勇者様の“ガンガンいこうぜ”の号令がでた瞬間でした……」

女戦士「かけ声と共にモンスターに襲いかかるアンタの後ろ姿を見て、私達はーー」

女魔法使い「全員同じ気持ちになった。この人を独占したい、と」

女武闘家「瞬間、あたし達はお互いに武器を抜いた」

女僧侶「私はモーニングスターを戦士さんに向けて」

女戦士「私は隼の剣を魔法使いに」

女魔法使い「みぃ〜んな……あんたが戦ってる背後で……お互い、殺意をこめて睨み合ってた……」

勇者「(そんなことしとったんかお前ら。どうりで誰も命令に従わないと)」

女戦士「その場は武器を向けるだけでなんとか収まりがついた。ーーだけど」

女魔法使い「私たちに産まれた激情の炎は鎮火しなかった」

女僧侶「色々考えました。“どうやって相手を出し抜こうか”」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/30(金) 16:08:40.52 ID:jdsooU2cO
女戦士「私のものにならないならいっそーー……」

女魔法使い「私だけは持ち前の魔力障壁のおかけでなんとか踏みとどまった。夜、みんなに魔王討伐はどうするのって聞いたの」

女僧侶「私達の旅の目的ーー」

女戦士「本懐を遂げられないのはまずい」

女武闘家「ちっ、違うぞっ!? 目的を果たせないからじゃなくて、魔王を殺さなければ勇者との未来はないだろっ!?」

勇者「(俺との未来ってなんだよ)」

女僧侶「私たちが蹴落としあえば、いざって時に勇者様の足をひっぱってしまうんじゃないかとこわくて……うふ、うふふっ」

勇者「(やだ、目に光がなくてこわい)」

女戦士「それぞれ利害が一致したんだ。今は争う時期じゃない。タイミングがまずい」

女魔法使い「我慢する為には、勇者が喋ると私たちが、ひいては勇者の命まで危険だったの」

女僧侶「ご安心ください。ちゃんと解毒薬はあります」スッ…

女魔法使い「魔王を倒したら喋れるようになるから。我慢して」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/30(金) 16:27:33.06 ID:jdsooU2cO
勇者「(はぁ〜〜〜〜)」クソデカため息

女武闘家「すまない……あたし達でできることならーー」

勇者「(ふざけるんじゃねぇええっっ!!)」ガバッ

僧侶「っ!? ゆ、勇者さまっ!?」ビクゥッ

勇者「(なりたくもない勇者に任命されてこちとら私生活を犠牲にしとんじゃあっ!! おまけに今回は声もだとぉっ!?)」フーッフーッ

女武闘家「鼻息が荒く……発情期かっ!?」

勇者「(なんでそうなるッ!? 押し付けられるのは魔王討伐任務だけで充分だ!! 解毒剤よこせ……! っこのッ!!)」ガバッ

女僧侶「きゃあっ!?」

女戦士「ど、どうしたことだ。いったい、なぜ……」

女魔法使い「ーー……戦士、武闘家。さがって」ゴゴゴゴッ

女武闘家「だめだっ! 勇者をなだめないとっ!!」

女魔法使い「じゃあそのままでいたら?」ボオッ

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2018/11/30(金) 16:35:53.51 ID:jdsooU2cO
女戦士「……っ!? この殺気は……っ!? まずい、僧侶ッ!! 武闘家ッ!! 逃げッーー」

女僧侶「!? 勇者様っ!!」グィッ

勇者「(このっ!! よこせよぉっっ!! ……あ?) 」




女魔法使い「はぁぁぁあっ!! イ オ ナ ズ ン ッ ! !」ゴゴォーッ



15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/11/30(金) 17:03:16.11 ID:WNNq7kzQ0
巫山戯た理由でなんてことしやがると思ったら割と洒落にならない状況だった
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