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武内P「理由あって、飲み会」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 13:49:02.27 ID:kcSAMv/Yo
武内P「……」

武内P(こういった飲み会は、久しぶりだ)

武内P(仕事関係とは言え、本当に)


天道「それじゃ、乾杯の音頭はこの俺が!」

桜庭「君に任せたら、宴会の音頭になるだろう」

天道「何ぃ!? 良いじゃねえか、宴会!」

柏木「ふ、二人共! 今日は俺たちだけじゃないんですから!」


石川P「はははっ」ニコニコ!


武内P「……」

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旅にでんちう @ 2024/04/17(水) 20:27:26.83 ID:/EdK+WCRO
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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 13:53:27.90 ID:kcSAMv/Yo
桜庭「柏木の言う通りだ、あまり大声を出すな」

天道「お前も言われてるんだよ、桜庭!」

柏木「プロデューサー! お願いします!」

石川P「僕がですか?」

石川P「それでは……ゴホンッ!」


石川P「新しい出会いと、今日のお酒に――」

石川P「――乾杯っ!」


天道・柏木「乾杯ー!」

桜庭「乾杯」


武内P「……乾杯」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 13:57:20.39 ID:kcSAMv/Yo
天道「ングッングッ……プハーッ!」

天道「やっぱり、仕事終わりの酒は美味いな!」

桜庭「酔っぱらいの面倒を見る気は無いぞ」

天道「あぁ、そうですかい! 任せたぜ、翼!」

柏木「おっ、俺ですか!?」


石川P「皆さん、程々にしてくださいね」

石川P「あっ、プロデューサーさんは遠慮なさらず」

石川P「どんどんいっちゃってください♪」


武内P「それは……け、検討します」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:01:10.34 ID:kcSAMv/Yo
天道「とりあえず、呼び方を考えようぜ!」

石川P「えっ?」

桜庭「確かに、それはあるな」

武内P「呼び方、ですか?」

柏木「あー……実は、俺もそれ思ってたんです」


天道・桜庭・柏木「お互い――」

天道・桜庭・柏木「――プロデューサーさん」

天道・桜庭・柏木「……って呼び合ってるから」


石川P「あー……あはは、確かにそうでしたね」

武内P「アイドルの方が居る前では、自然とそうなってしまいますね……」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:05:13.15 ID:kcSAMv/Yo
天道「ようし! いっちょ、俺が考えてやるぜ!」

桜庭「君がか? 不安しか無いな……」

柏木「まっ、まあまあ! 一応、聞いてみましょうよ!」

天道「おい、翼! 一応って何だよ、一応って!」


天道「俺らのプロデューサーは――」

天道「――勿論、プロデューサー!」


石川P「はいっ♪」


天道「そんでもって、346さんの所のプロデューサーは――」

天道「――Pくん、ってのはどうだ!」


武内P「……Pくん、ですか」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:09:09.04 ID:kcSAMv/Yo
桜庭「初対面に近いのに、‘くん’付けか?」

天道「わかってねえなあ!」

天道「‘さん’付けだと、変に距離を感じるだろう?」

柏木「あっ、確かにそうかも知れませんね」


石川P「それでは……」

石川P「今日は楽しみましょう、Pくんさん!」


武内P「ええ、プロデューサーさん」

武内P「……良い、飲み会にしましょう」


天道「……おい、なんか二人揃ってズレてないか?」

柏木「あ、あはははは……」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:14:05.53 ID:kcSAMv/Yo
桜庭「それにしても……」

桜庭「プロデューサーは、よくPくんを誘えたな」

柏木「……サラッとPくんって言った」


石川P「今日の皆さんのLIVEに、来てらっしゃってましたから」

石川P「テレビの収録で、スタジオで姿を見かけていて……」

石川P「それで、良ければどうかと声をかけたんです」


武内P「よく、わかりましたね」

武内P「別段、おかしな格好はしていなかったのですが……」


天道「あっはっは! そりゃ、アンタの見た目ならなぁ!」

柏木「ちょっ、ちょっと! 輝さーん!?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:19:18.73 ID:kcSAMv/Yo
桜庭「すまない。コイツは、少しデリカシーに欠けている」

武内P「ああ、いえ……お気になさらず」

柏木「輝さん! 謝った方が良いですよ!」

天道「えっ!? ああいや、悪気があったわけじゃないんだ!」

天道「身長も高いし、ステージの上からでもわかったぞ!」

武内P「……」


武内P「……よく、警察の方に職務質問をされてしまいますが」

武内P「もう少し背が低ければ、目立たずに済んだのでしょうか」


天道・桜庭・柏木「……」

天道・桜庭・柏木「はいっ?」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:22:36.48 ID:kcSAMv/Yo
天道「職務質問?」

武内P「ええ……それも、何度も」

桜庭「何度も?」

武内P「はい」

柏木「ふ、普通に歩いててですか?」

武内P「それもありますが……」


武内P「シンデレラプロジェクトのメンバー……渋谷凛さん」

武内P「彼女をスカウトする時は、職務質問だけでなく――」

武内P「彼女の通う学校では、不審者が出るとも言われて……」


天道・桜庭・柏木「……」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:26:10.47 ID:kcSAMv/Yo
天道「……っくく! おいおい、マジかよ!」

武内P「残念ながら」

桜庭「おい! 笑うのは失礼……っふふ!」

武内P「……いえ、お気になさらず」

柏木「ほっ、他のメンバーの時は、大丈夫だったんですよね!」


武内P「はい、勿論です」

武内P「島村卯月さんには、ママー……と、叫ばれてしまいましたが」

武内P「……問題ありません」


天道・桜庭・柏木「……」

天道・桜庭・柏木「あっはっはっはっは!!」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:31:43.61 ID:kcSAMv/Yo
天道「あはっはっはっ! 問題大有りだろ!」

天道「ママー、って! あー、腹痛ぇ! あっはっは!」

武内P「いえ、島村さんは……まだ、問題ありませんでした」

桜庭「それで問題が無いと言えるとは……っくく!」

柏木「笑っちゃ悪……あっ、あははは!」


武内P「……島村さんと二人での活動をお願いした、小日向美穂さん」

武内P「彼女は……急に私の顔を見て、気絶されてしまって」

武内P「……あの時ばかりは、本当に焦りました」


天道・桜庭・柏木「……」

天道・桜庭・柏木「あっはっは! あーっはっはっは!!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:37:42.97 ID:kcSAMv/Yo
天道「気絶! 気絶って! あっはっは!」

武内P「それだけでなく、他にも……」

桜庭「まっ、待ってくれ! 少し、落ち着かせてっふうっ!」

武内P「……良い、笑顔です」

柏木「今!? 今、それを……あははははっ!」


天道「ングッングッ……プハーッ!」

天道「やべえな、Pくん! 良いネタ持ってんなぁ!」

桜庭「事実は小説より奇なりとは言うが……っくく!」

柏木「気絶なんてされたら、困っちゃいますよね! あははっ!」


武内P「……ええ、とても困りました」

武内P(……楽しい)
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:43:23.54 ID:kcSAMv/Yo
天道「よし! 間違って捕まったら俺が弁護してやるよ!」

武内P「弁護、ですか?」

桜庭「こう見えて、元弁護士だからな」

天道「こう見えてってのは、どういう意味だぁ?」

桜庭「そのままの意味だが」

桜庭「ちなみにだが、僕は元外科医で……」

柏木「? あっ! 俺は、元パイロットです!」


武内P「とても個性的で良いユニットだ、と」

武内P「……そう、思います」


天道「おうっ!」

桜庭「まあ、そうだな」

柏木「はいっ!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:48:41.87 ID:kcSAMv/Yo
天道「だから、俺たちのLIVEを見に来てくれたんだろ?」

武内P「ええ、何かの参考になるかと思いまして」

桜庭「成る程。担当するアイドルのために、か」

武内P「はい。初めは、そのつもりでした」

柏木「初めは? それって……参考にならなかったって事ですか?」


武内P「はい」


天道・桜庭・柏木「……」


武内P「皆さんのLIVEが、あまりにも素晴らしすぎて……」

武内P「……途中からは、ファンとして楽しんでしまいました」


天道・桜庭・柏木「……!」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:54:09.37 ID:kcSAMv/Yo
天道「っかー! 嬉しい事言ってくれるねぇ!」

武内P「いえ、自分としては当然の事を……」

桜庭「ふっ、仕事の邪魔をしてしまったかな」

武内P「……今日は休みなので、問題ありません」

柏木「あはは! だったら、大丈夫ですね!」

天道「プロデューサー! LIVE、思った以上の大成功だったな!」


石川P「……くくっ……職務質問……!」ピクピク…!

石川P「ふっ……ふふっ、不審者……!」ピクピク…!


柏木「ぷっ、ぷぷっ、プロデューサー!?」

桜庭「……静かだと思ったら、ツボに入っていたのか」
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 14:59:32.93 ID:kcSAMv/Yo
  ・  ・  ・

石川P「……すみません、失礼しました」

武内P「ああいえ、あまりお気になさらず」

天道「とりあえず、気を取り直して乾杯しようぜ!」

桜庭「そうだな。まだ時間は早い」

柏木「料理もどんどん頼みましょう!」

天道「翼は滅茶苦茶食うからなー!」

武内P「私も、食には関心があります」

石川P「ああ、だからお二人とも背が高いんですね」

桜庭「……乾杯はしないのか?」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 15:05:10.63 ID:kcSAMv/Yo
  ・  ・  ・

天道「……っあー……飲んだなぁ」

桜庭「明日がオフでなければ、こうはいかないな……」

柏木「あはは……俺、笑いすぎてお腹痛いです」


武内P「本日は、お招き頂きありがとうございました」

石川P「いえいえ、こちらこそ」

石川P「お陰様で、色々と……っふふ、聞けましたから!」


天道「渋谷の凛ちゃんが、怒ると滅茶苦茶怖いとかな!」


武内P「すみません……それは、オフレコで」


天道・桜庭・柏木・石川P「あはははは!」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 15:09:47.75 ID:kcSAMv/Yo
石川P「――アイドルの皆さんの、笑顔」

石川P「その笑顔の手助けがしたい……ですよね」

武内P「はい」

武内P「アイドルの皆さんの、輝くような笑顔」

武内P「そのために、私にも出来ることがあれば……と」


石川P「……」


武内P「どうか、されましたか?」


石川P「アイドルはどうでしょうか?」


武内P「……」

武内P「えっ?」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 15:13:19.15 ID:kcSAMv/Yo
天道「おいおい、プロデューサー!?」

桜庭「それは……スカウトか?」

柏木「ええっ!? い、良いんですか!?」


武内P「し、しかし……自分は」

武内P「……この通り、ですから」


石川P「そうでしょうか?」

石川P「今日、お話ししてみて……思いました」

石川P「貴方なら、沢山の人を笑顔に出来る、って」


武内P「……」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 15:16:14.24 ID:kcSAMv/Yo
石川P「人を笑顔にしたい、その思いは――」

石川P「プロデューサーも、アイドルも同じだと思います」


武内P「……ですが」


石川P「そして僕はアイドルなら――」

石川P「もっと沢山の人達に、それを伝えられると思いました」


武内P「……それは――」

武内P「――貴方にも言えることだ、と」

武内P「……そう、思います」


石川P「はい」

石川P「……」

石川P「え、ええっ!?」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 15:20:13.84 ID:kcSAMv/Yo
天道「な、なんか怪しい雲行きがもっと変になったぞ!?」

桜庭「あれは……逆スカウト、だな」

柏木「お、俺! こんな乱気流の中は飛べません!」


武内P「貴方の整ったルックス」

武内P「そして、落ち着いた喋り方に、穏やかな性格」

武内P「何より――笑顔」

武内P「貴方の笑顔は――アイドルとして、十分通用するものです」


石川P「まっ、待ってください!」

石川P「僕は、プロデューサーですよ!?」


武内P「はい、私もプロデューサーです」


石川P「……!?」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 15:25:26.41 ID:kcSAMv/Yo
武内P・石川P「……」


天道「……しょうがない、助け舟を出すか」

桜庭「……まあ、それが妥当だな」

柏木「が、頑張ってください! 輝さん!」


天道「――お二人さん!」

天道「そのまま黙りこくってたって、何も始まらないぜ!」


武内P・石川P「天道さん……」


天道「とりあえず、二軒目行こうぜっ!」ビシッ!


桜庭「……それは、問題を先送りしただけだろう」

柏木「て……輝さん……」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 15:32:18.16 ID:kcSAMv/Yo
  ・  ・  ・

天道「さぁ〜て、二軒目はどうしようかね!」

天道「二軒目に行くのが賢明、ってか!」

桜庭「……もう少し考えて物を言え、ダジャレ製造機」

天道「んだとぉ!?」

柏木「おっ、大声を出すと目立っちゃいますから! ねっ!」


石川P「二軒目は、カラオケなんてどうでしょうか?」

武内P「カラオケ、ですか?」

石川P「はい♪ 歌は、苦手だったりしますか?」

武内P「……いえ、そんな事はありませんが」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 15:39:22.18 ID:kcSAMv/Yo
天道「おっ、現役アイドルの居るカラオケなんて贅沢だぞ〜!」

桜庭「自分で言うことか」

柏木「あはは、ダンスは狭くて出来ないですけどね」


石川P「デュエットしましょう! デュエット!」


武内P「あの……」


石川P「――僕は、覚悟を決めました!」

石川P「もしも、それが貴方の願いに届くものだったら……」


石川P「プロデューサーズ」


石川P「……なんてユニット名は、どうでしょうか?」ニコッ!


武内P「……」

武内P「……良い、ユニット名です」ニコリ!
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga !美鳥_res]:2019/02/05(火) 15:40:55.08 ID:kcSAMv/Yo




    「プロデューサーさん?」



 
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 15:46:02.56 ID:kcSAMv/Yo
武内P「――っ!?」ビクゥッ!

石川P「ど、どうかしましたか?」

武内P「えっ!? ええ、ああ、いえ……」

天道「どっ、どうしたんだ!? 顔色が真っ青だぞ!?」

桜庭「飲み過ぎたのか? だが、さっきまでは……」

柏木「……普通、でしたよね」


武内P「こ……声が」

武内P「知っている方の声が聞こえたので……ですね」


天道・桜庭・柏木・石川P「……声?」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 15:52:12.80 ID:kcSAMv/Yo
天道「……気の所為じゃないのか?」

桜庭「ああ。この人の多さで、聞き取れるとは思えない」

柏木「……ですよね」

石川P「もしかして……カラオケが嫌だったりします?」

武内P「いっ、いえ! そんな事は、決して!」


武内P「……私の、勘違いだったのかも知れません」


石川P「本当に、大丈夫ですか?」


武内P「ええ、問題ありません」

武内P「むしろ、皆さんとの飲み会は非常に楽しく……」

武内P「……とても、充実しています」ニコリ!
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga !orz_res]:2019/02/05(火) 15:59:51.66 ID:kcSAMv/Yo
早苗「……あんな事言ってるけど、タイホする?」

瑞樹「する気満々でしょ? わかるわ」

ちひろ「今日は、珍しく休日出勤して来ないと思ったら……」

楓「……」

早苗「プロデューサーズとか、全部吐かせましょ」

瑞樹「洗いざらい、ね」

ちひろ「カラオケなら、大声を出しても平気ですね♪」ニコッ!

楓「……」

早苗「……楓ちゃん、何か言いなさいよ」


楓「……」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 16:06:06.48 ID:kcSAMv/Yo
武内P「――っ!?」ゾクゥッ!

石川P「ど、どうかしましたか!?」

武内P「す、すみません……! 急に、寒気が……!」ガクガク!

天道「なんだ、その震え方!?」

桜庭「これは……すぐに帰った方が良いな」

柏木「俺、送っていきますよ!」


武内P「い、いえ……此処で、大丈夫です」ビクビク!

武内P「病気だった場合、皆さんにうつしてしまうかも知れませんし……」ソワソワ!

武内P「きょ、今日はありがとうございました……」キョロキョロ!

武内P「お疲れ様でした……お先に、失礼します……」ブルブル!


天道・桜庭・柏木・石川P「お……お疲れ様でした」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 16:17:29.45 ID:kcSAMv/Yo
天道「あー……スカウト失敗、か?」

石川P「……残念です」

桜庭「しかし、プロデューサーもめげないな」

石川P「ええ 勿論! 笑顔のためですから!」

柏木「でも……プロデューサーをスカウトは……」


石川P「……どうしてでしょうね」

石川P「何故か、上手くいきません」

石川P「……良い感じだと思ったんですけど」


天道・桜庭・柏木「……」


石川P「765プロのプロデューサーさんの時も、途中で体調を崩されて……」


石川P「何か、理由でもあるんでしょうか?」




おわり
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/05(火) 16:21:27.77 ID:kcSAMv/Yo
埋めていきます
載せないでください
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 16:39:13.84 ID:LmAScsHpo
765Pもダメなんだ…
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 17:46:24.70 ID:DekS8UAzO
千川さんは自社のアイドル部門から売り出そうとか考えたりしたりするのだろうか…
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 19:15:40.05 ID:W04T6FG10
武内Pは男性キャラと絡んだ方が輝くと思うじぇ
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 19:22:21.96 ID:muXb7wjDO
諦めるな





283がいる
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 21:04:30.98 ID:/SdSQdbAO
助けて握野さーん!
ダメだー、アニメ時空だとアイドルになってない
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 21:38:11.92 ID:5KmECAZ5O


サイドMよく知らんけど
元弁護士に元医師なの?
懲戒でもくらった?
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 23:26:26.56 ID:Y+jhirtFo
資格は維持してるけど開業してないとかそんな感じじゃない?
ファータ・グランデでシンデレラプロジェクトとつるんでるいまげ

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/05(火) 23:38:07.22 ID:eGRq9KSBo
バネPなのかマジPなのかで全然イメージ違うけど
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 10:36:41.45 ID:Xwf5OYasO
元弁護士と元医者と元パイロットの高偏差値ユニットだぞアイドルやってるのはまあ理由あって
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 20:22:50.43 ID:22fcb13Yo
書きます


武内P「プレゼントは私、ですか」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 20:25:19.84 ID:22fcb13Yo
まゆ「はい♪ もうすぐ、バレンタインデーですから」

武内P「……成る程」

まゆ「プロデューサーさん、きっと喜んでくれると思うんです♪」

武内P「……」

まゆ「サプライズにしたいので――」


まゆ「――手伝って貰えますよね?」ニコッ!


武内P「……」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 20:30:19.66 ID:22fcb13Yo
武内P「……佐久間さん」

まゆ「何ですか?」

武内P「そういった事は、控えるのでは?」

まゆ「うふ♪ まゆ、気付いちゃったんです」

武内P「……気付いた?」


まゆ「……プロデューサーさんの望む、最高のまゆ」

まゆ「そうなるまで、待って貰おうと思ったんですけど――」

まゆ「――……ちょっと位なら、って♪」ニコッ!


武内P「……はあ」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 20:34:55.94 ID:22fcb13Yo
まゆ「当然、もっと上は目指します」

まゆ「……でも」

まゆ「それだと、今のまゆはどうなるんですかぁ?」

まゆ「1……6歳のまゆは、今だけしかあげられませんよね♪」

まゆ「だから――ちょっと位なら」


まゆ「さきっp」


武内P「お話はわかりました」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 20:39:22.15 ID:22fcb13Yo
武内P「手伝いと仰っていましたが……」

武内P「私に、何を協力させようと言うのでしょうか?」

まゆ「うふ、とっても簡単な事です♪」

武内P「簡単、ですか?」


まゆ「プロデューサーさんが出勤しなくなる予定の、三日間」

まゆ「その三日間の、業務上のフォローをお願いします」

まゆ「あっ、勿論まゆは事前にお休みを入れておきますね♪」


武内P「……」

武内P「……三日間、ですか」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 20:43:41.00 ID:22fcb13Yo
武内P「まさかとは思いますが……」

まゆ「はい?」

武内P「三日間、彼を閉じ込めておくつもりですか?」

まゆ「うふふ、そんな事はしませんよ♪」

武内P「ならば……何故、三日間の予定なのですか?」

まゆ「……うふ」


まゆ「今のまゆの魅力を考えると――」

まゆ「――プレゼントされたら、三日間は夢中になるからです♪」


武内P「……成る程」

武内P「想像以上に、ふわっとした計画で安心しました」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 20:48:03.57 ID:22fcb13Yo
武内P「宜しければ、当日の行動予定を教えて頂けますか?」

まゆ「良いですよぉ♪」

武内P「……」


まゆ「まず――大きな箱に入って、プロデューサーさんの帰りを待ちます」

まゆ「……疲れて家に帰ったら、紅いリボンに包まれた大きな箱が!」

まゆ「うふふ、素敵だと思いませんか? 思いますよねぇ?」


武内P「それ、は……」

武内P「……」

武内P「……とても、驚くと思います」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 20:54:50.73 ID:22fcb13Yo
まゆ「そうですよねぇ! あぁ、楽しみです!」

武内P「……」

まゆ「それでですね?」


まゆ「プロデューサーさんが箱を開けたら――」

まゆ「――中には、紅いリボンでラッピングされたまゆが!」

まゆ「サクマユ的にもオールオーケー!」

まゆ「……だって伝わっちゃいますよねぇ♪ うふふ♪」


武内P「それ、は……」

武内P「……」

武内P「……嫌でも、伝わると思います」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 21:00:53.90 ID:22fcb13Yo
まゆ「後はもう、激流に身を任せ同化するだけですよぉ♪」

武内P「……」

まゆ「うふ、とぉっても楽しみです」


まゆ「事務所内で出回ってる――」

まゆ「――スタドリ1000」

まゆ「――ムラムラスール」

まゆ「この二つがあれば、プロデューサーさんも……うふふ♪」


武内P「……」

武内P「――もしもし、部長」

武内P「緊急事態が発生しているので、後ほどお時間を頂けますか?」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 21:08:17.97 ID:22fcb13Yo
武内P「……佐久間さん」

まゆ「どうですか? 良いアイディアですよねぇ?」

武内P「……」


武内P「いえ、私はそうは思いません」


まゆ「……はい?」


武内P「貴女の考えは、間違っています」


まゆ「間違っている……?」オォ…

まゆ「プロデューサーさんに関する事で、まゆの考えが……」オォォ…

まゆ「……間違っている?」オォォ…!


武内P「……」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 21:13:53.42 ID:22fcb13Yo
武内P「佐久間さん」

まゆ「有り得ないですよ? まゆは、間違えません」オォォ…!

武内P「貴女は、ご存知でしょうか」

まゆ「何がですか? 何なんですか?」オォォ…!


武内P「近年のバレンタインデーでは――」

武内P「――男性から、女性にチョコを贈る」

武内P「……逆チョコ、というものが浸透してきているそうです」


まゆ「……」

まゆ「えっ?」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 21:17:04.81 ID:22fcb13Yo
まゆ「それって……」

武内P「佐久間さん」

まゆ「は、はい……」

武内P「……」


武内P「貴女の、彼に対する想い」

武内P「運命の紅い糸で結ばれていると言う、それは……」

武内P「……一方通行なものなのでしょうか?」


まゆ「!?」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 21:22:57.28 ID:22fcb13Yo
まゆ「そんな事ないです!」

まゆ「まゆとプロデューサーさんは――」

まゆ「――強い強い絆で、結ばれていますから……!」


武内P「では……彼も貴女と同じ想いだとして、ですね」

武内P「何が起こると思われますか?」


まゆ「お互いを贈り合いますよぉ♪」

まゆ「うふ、うふふふふふ……!」


武内P「貴女は、彼の部屋で箱に入っていて……」

武内P「……彼は、貴女の部屋で箱に入っています」


まゆ「うふぃー!?」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 21:27:32.49 ID:22fcb13Yo
まゆ「そんな……そんな事って……!?」

武内P「箱の中で、三日間……」

まゆ「いや、いやぁ……!」

武内P「スタミナ抜群で、ムラムラしながら……」

まゆ「やめて……やめてください……!」


武内P「お互いを想い合い、何事も無く日付が進みます」


まゆ「そんな……!」

まゆ「愛が深すぎると、運命は残酷になるんですか……!?」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 21:35:14.04 ID:22fcb13Yo
武内P「佐久間さん、手伝いの件ですが……」

武内P「私で良ければ、協力させて頂きます」

まゆ「まっ、待ってください!」

武内P「どうかされましたか?」


まゆ「まゆは……まゆは、どうすれば!?」

まゆ「どうすれば、運命のすれ違いを起こさずに済みますか!?」


武内P「……そう、ですね」

武内P「彼と相談するのが一番ですが……」

武内P「それでは、どちらのサプライズ計画も潰れてしまいます」


まゆ「……!」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 21:43:04.06 ID:22fcb13Yo
武内P「佐久間さん、貴女の考えを聞かせて頂けますか?」

まゆ「まゆの……考え……?」

武内P「はい」


武内P「彼が……貴女を喜ばせるため、驚かせるために――」

武内P「――自らをラッピングし、箱の中で待っている」

武内P「貴女の……笑顔のため」


まゆ「……!」

まゆ「ブロ゙デュ゙ーザーざぁ゙ん゙……!」ウットリ

ポタポタッ…


武内P「佐久間さん、鼻血が」
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 21:49:22.84 ID:22fcb13Yo
  ・  ・  ・

まゆ「……すみません、紅が深くなっちゃって」

武内P「いえ、お気になさらず」

まゆ「……」

武内P「……佐久間さん」


武内P「バレンタイデー当日」

武内P「その、行動予定を教えて頂けますか?」


まゆ「……うふ」

まゆ「その日は――少し時間を潰して、寮に帰ります♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 21:58:46.50 ID:22fcb13Yo
まゆ「本当に、事前に相談して良かったです」

武内P「ええ、本当に」

まゆ「相談してなかったら、大変な事になってましたから」

武内P「ええ、本当に」


武内P「……今日の、この会話」

武内P「これは、此処だけの話という事で」


まゆ「えっ?」

まゆ「――さっき、お会いしたばかりですよねぇ?」


武内P「……」

武内P「ええ、そうですね」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/06(水) 22:08:06.72 ID:22fcb13Yo
  ・  ・  ・

武内P「――もしもし、部長」

武内P「……はい、緊急事態です」

武内P「現在、プロダクション内において――」


武内P「――えっ?」


武内P「危険な薬物が出回っていると、もうご存知だったのですか?」

武内P「……はい……はい」


武内P「……相談を受けた、と」


武内P「…………はい」


武内P「……」


武内P「プレゼントは私、ですか」




おわり
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/06(水) 22:57:49.58 ID:qT0LJt9y0
バレンタインがまゆだけで終わるわけないよね
お願いします
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 03:38:06.46 ID:UGyaSYoQo
スタドリ1000ってタウリン1000mgみたいで
そんなに効きそうじゃないな
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 15:42:59.39 ID:pt3IbqkzO
この質量共に兼ね備えたSSはアンタだな
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 16:33:54.18 ID:zNGCMsIXo
身長149cmでバスト95cmのニューパッションアイドルか……
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 19:09:58.44 ID:QBP8lEuZo
趣味にポエムだと?
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 19:15:53.71 ID:zNGCMsIXo
(意味深)
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 20:17:19.79 ID:usZQX+qm0
おかえり
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/07(木) 21:42:25.07 ID:yjDNNIaMo

「はー……やむ」


 普段は入らないような喫茶店の、奥まった席で呟いた。
 向かいの席に座る人に聞こえてたらどうしよう。
 もしも聞こえてたら、どんな反応するんだろ。
 ぼくは、上目遣いで覗き込んだ。


「……」


 聞いてないし!! しー!!
 りあむちゃんの呟きをスルーするとか! はー!?
 やむやむ! チヤホヤしてよー!
 あ、ウソですすみませんでした。


「……」


 今日も学校に行かず、家でネット三昧。
 実家のある新潟から東京に出てきて、学校に馴染めなくて。
 学校を辞めたいと思ってるけど、それを親には言い出せない。
 言った時の事を考えただけで、やむ。やむ!!


「……」


 人生詰んだと思ってたけど、今はもっと詰んでる。
 ちょっとコンビニに飲み物買いに出たら、声をかけられた。
 普段のぼくだったら絶対に着いて来なかったけど、


 ――アイドルに興味はありませんか?


 の、一言がぼくの足を止めさせた。


「あの……」


 ……だけど、どう見ても不審者だし目つき悪すぎ背ぇ高すぎ!
 声も低いし怪しさ全開! どう見てもアイドル関係じゃない!
 明らかに、ぼくの乳目当てのえっちなビデオ関係の勧誘だよ!!
 やったね!! 人生オワタ!! はー、やむ!! やむー!!


「お話をしても、宜しいでしょうか?」


 声の出所が、さっきよりも近く感じられた。
 いつの間にか目の前のコーラのグラスに注がれていた視線を上げると、
鋭い二つの目が、少し覗き込むようにぼくを見ていた。


「はぁい!?」


 殺さないで!!


「……あ」


 思わず出た大声に自分でも驚き、周囲を見回すと、
喫茶店に居た他のお客さんからの注目がぼくに集まっていた。


「――すみません、お騒がせしました」


 向かいに座ってた勧誘の人が立ち上がり、謝ってくれた。
 まるで意図しない炎上。
 はー……やむ。
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/07(木) 22:16:50.19 ID:yjDNNIaMo

「驚かせてしまったようで、申し訳ありません」


 椅子に座り直して姿勢を正すと、勧誘の人はぼくに謝ってきた。
 そういう事言われると逆にきつい!
 だけど責められたら、やむ!
 ……から、


「……あ、いえ」


 なんて、当たり障りの無い返事をした。
 それから、どうして良いかわからずグラスに手を添え、
ストローからチュウと一口コーラを飲む。
 思っていた以上に喉が乾いていたようで、妙に美味しく感じられた。


「先程もお話しましたが……私、こう言う者です」


 勧誘の人は、大きな両手で小さな紙――名刺を差し出してきた。
 人生で名刺を差し出されるなんて初めての経験で、
なんとなく両手で受け取るものだって知識を頼りに、受け取る。
 ま、どうせぼくの知らない会社名なんだろうけど。


「……」


 受け取った名刺を見て、動きが止まった。


「……はっ?」


 体はくっそ健康に出来ている。
 血潮はAB型、心はガラス。
 幾度の――


「――346……プロダクション?」


 ――ステージを描き出してきた、大手芸能プロダクション。
 それが本当なら……いやいや!
 ナイナイ! あぶなっ! あぶなー!!
 そういう詐欺だコレー! うわ、うわうわうわ!!


「はい。自分は、346プロダクションで――」


 チャンス来た!!
 このやり取りをTwitterに載せればバズる! るー!
 うへへ、チヤホヤチヤッホヤされちゃうよう!!
 そうと決まれば、


「これが本物だって、証拠は?」


 質問タイム!
 ワンチャン、これでぼくも人気者!?


「……」


 詐欺師(仮)の人は、右手を首筋にやって少し困った顔をした後、
携帯電話を取り出して操作し、その画面をぼくに見せてきた。


「……プロデューサーをしています」


 画面の中では、ぼくの知っているアイドル達がこの人を取り囲んでいた。
 アイドル――シンデレラプロジェクトの、メンバー達が。
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/07(木) 22:48:03.88 ID:yjDNNIaMo

「……」


 シンデレラプロジェクトは、知ってる。
 知ってるって言うか、現場に参戦した事もある。
 この前、みくちゃんと杏ちゃんが炎上してた。
 あ、それは今は置いておいて、


「な、何が目的……?」


 シンデレラプロジェクトのプロデューサーが、ぼくに何の用!?
 アイドルの勧誘に見せかけた詐欺かと思いきやスタッフ募集とか!?
 えっ!? 芸能プロダクションのスタッフってこうやって集めてるの!?
 ちょっと待って、はー!? えっ、何!?


「君をアイドルにスカウトしたい……と」


 ……そう、考えています、だなんて言われても、追いつかない。
 あまりに唐突すぎて、脳が大炎上を起こしてる。
 素人ドッキリでしたと言われてもおかしくない発言に、
やみそうになりながら、


「や……やっぱり、良い乳してるから?」


 両腕で胸を挟み込んで寄せ、出来た山の上に両手を乗せる。
 眉は疑いから変な形になってるのが自分でもわかるし、
表情も右の頬がひくついて……って、このポーズはダメだよ!! よ!!
 また右手を首筋にやって困ってるもん!! でも、でっかくない!?



「――笑顔です」



 眼の前のこの人から出るとは思えない言葉。
 目つきが悪くて無表情で、アイドルとは無縁そう。



「貴女の笑顔が見たいと……そう、思いました」



 そんな、シンデレラプロジェクトのプロデューサーサマ。
 夜な夜なやんでポエってるぼくが、言われない台詞。


「あ、あのっ!」


 思わず立ち上がり、テーブルが音を立てる。


「ぼく、学校辞めたくてなんかもう人生詰んでて!」


 ……溢れる!


「そんなぼくでもアイドルになったらワンチャンあるかな!? な!?」


 溢れ出る!!



「それは……わかりません」



 ……うわーん!! なんだよそれ、やむ!!
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/07(木) 23:23:00.63 ID:yjDNNIaMo

「……私に出来るのは、手助けまでです」


 椅子に座り直そうとするぼくの耳に、声が届いてきた。


「アイドルになって、輝くのは……貴女自身の努力が必要になります」


 その声は、不思議とぼくの心に、響いた。


「貴女が笑顔で――楽しめるならば、ですが」


 ……楽しむ?


「詰む――行き止まりだと思っていた、貴女の眼の前の壁」


 ……前どころか、右も左も無い。



「その壁は、登っていくための階段なだけだ、と……気付けると思います」



 階段なだけ。
 ぼくが、やみにやんでる状況を階段だと言われた。
 ゆとったザコメンタルのぼくは、いつもなら、やむ。
 でも、


「プロデューサーサマ……!」


 詰んでるぼくにとっては、あまりにもキラキラしたポエムだった。
 だって、ぼくの笑顔を見たいって言ってくれる人が、
ぼくの人生は詰んでなんかない、スカウト――


 ――必要だって言ってくれてるんだから!!


 はー! めっちゃあがる! 何!? 神!?


「ですが……」


 何ですか、神!!


「学校に関しましては、親御さんとよくご相談された上で……」


 やむ!! やむー!!



 結局、名刺と資料を受け取って、後日また席を設けるという事で解散になった。
 それまでに、親に色々と話さなきゃいけない。
 夜、ベッドに寝転がりながら、必死で何て言おうか考えて。
 その上で、貰った資料に目を通しながらベッドに寝転がっていたら、
いつの間にか真夜中を通り過ぎて……朝になっていた。


「……寝癖、やば」


 ぼくは、誰に聞かせるでもなく呟いた。




おわり
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/07(木) 23:32:28.74 ID:yjDNNIaMo
>>67
新潟→鳥取

謎ミス申し訳ない
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 23:33:22.37 ID:1GalMytLo
おつ
巨乳アイドルをつれてきたのを見たしぶりんの心境やいかに
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/07(木) 23:46:39.15 ID:UGyaSYoQo
ふーん
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/08(金) 01:06:53.05 ID:RxgyCl2Go
かわいい
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/08(金) 01:42:25.10 ID:NwT1MS8Wo
かわいい


……346プロちちくらべは何時開幕で?
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/08(金) 01:49:56.31 ID:4hYGbC8u0
やむちゃ既存のテキストだとすごい依存体質っぽいから、蒼い子とバッティングしたら酷い事になりそう
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/08(金) 02:02:09.90 ID:vivpXcKt0
相変わらず早いのにいい仕事
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 21:34:30.01 ID:/sqp97/4o
書きます


武内P「ラミー、バッカス、カルヴァドス」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 21:35:46.54 ID:/sqp97/4o
武内P「ロッテさんから販売している――」

武内P「――それぞれ、お酒の入ったチョコレート、ですね」

文香「……はい」

武内P「それを……」


凛「……」

ひょいっ、ぱくっ!


武内P「……渋谷さんが食べ続けている、と」

文香「……そうなのです」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 21:38:43.55 ID:/sqp97/4o
武内P「飲酒には当たりませんが……」

文香「もう……かなりの量を食べていて……」

武内P「鷺沢さん。教えて頂き、ありがとうございます」

文香「……いえ、私では……止められませんでしたから」


凛「ふうううぅぅぅん!!」ジタバタ!

ぼすんぼすんっ!


武内P・文香「!?」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 21:41:13.52 ID:/sqp97/4o
武内P「し、渋谷さん!?」

文香「急に暴れだして……!?」


凛「ふうううぅぅぅん!! ふうううぅぅぅん!!」ジタバタ!

ぼすんっ! ぼすんっ!


武内P「渋谷さん、落ち着いてください!」


凛「……うん」

…ひょいっ、ぱくっ!


武内P「……!」

文香「酔って……いるのでしょうか……?」
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 21:43:38.53 ID:/sqp97/4o
武内P「渋谷さん、もう食べるのはやめましょう」

凛「嫌。私、チョコレート好きだから」

武内P「渋谷さん」


凛「……なら、ちょっとここ座って」

ぱんぱんっ


武内P「隣に、ですか?」


凛「……」

ひょいっ、ぱくっ!


武内P「わっ、わかりました!」

武内P「わかりましたから、食べるのをやめてください!」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 21:46:19.16 ID:/sqp97/4o
武内P「……失礼します」

凛「うん」


武内P「……」

ぼすっ

凛「遠いから」

ずずいっ! ぎゅっ!

武内P「!?」

武内P「あ、あのっ!? 腕を離し……!」

凛「何で」

武内P「……!?」


文香「……!?……!?」オロオロ!
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 21:49:19.66 ID:/sqp97/4o
凛「アンタ、私のプロデューサーでしょ」

武内P「そうですが! ですが、これは……!」

凛「良いでしょ、別に」

ぎゅっ!

武内P「っ!?」

凛「私、アンタのアイドルだから」

武内P「あ……さ……!」


武内P「鷺沢さん、助けてください……!」


文香「!?」ビクゥッ!
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 21:52:08.88 ID:/sqp97/4o
文香「た、助けろと言われても……!」オロオロ!

文香「ど……どの様にすれば……!?」ワタワタ!


武内P「それは――」

凛「プロデューサー」

ぎゅっ!

武内P「っ!?」

凛「何で文香と話してるの」

凛「……ちゃんと見ててよね」

ぎゅうっ!

武内P「……!」タスケテクダサイ!


文香「……!?」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 21:56:34.74 ID:/sqp97/4o
文香「わ、私にはどうする事も……!」オロオロ!


…ガチャッ!


アーニャ「ドーブラエ ウートラ。おはよう、ございます」

文香「あ、アナスタシアさん……!」パアッ!

アーニャ「フミカ。今は、フミカだけ、ですか?」

文香「いえ……それが……!」チラッ!

アーニャ「?」


凛「んふっ♪ ふーん♪」

ぎゅうっ!

武内P「あ、アナスタシアさん……これは……!」


アーニャ「……」

アーニャ「シトー?」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 22:01:24.82 ID:/sqp97/4o
アーニャ「プロデューサー? リン?」


凛「こうしてると、なんか落ち着く」ニコニコ!

ぎゅうっ!

武内P「ご……誤解です……!」


アーニャ「……すうっ――」

文香「これには、事情があっt」


アーニャ「ンニェェ――――〜〜〜〜ッット!!!」


文香「っ!?」ビクゥッ!

武内P「っ!?」ビクッ!

凛「あ、おはよアーニャ」

ぎゅっ!
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 22:07:15.97 ID:/sqp97/4o
アーニャ「有り得ない、です! おはよう、ございます!」

アーニャ「離れないとダメ、です!」

アーニャ「すぐ! すぐすぐすぐに、離れてください!」


凛「嫌」

ぎゅうっ!

武内P「っ!?」


アーニャ「ニェニェニェニェ――〜〜ット!!」


文香「あ、あの……!」

文香「り、凛さんは……お酒の入ったチョコを食べて……!」


アーニャ「……」

アーニャ「シトー?」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 22:13:54.38 ID:/sqp97/4o
アーニャ「それで、アー、酔ってしまった?」

文香「は、はい……」

アーニャ「……アレ、ですね?」

文香「はい。そこの……テーブルの上にあるチョコです」


アーニャ「……」

アーニャ「有り得ない、です!」

アーニャ「こんな、小さいチョコで!」

ひょいっ、ぱくっ!

アーニャ「オー! 地面が、揺れていますね?」


武内P「アナスタシアさん!?」

凛「んー♪ ふーん♪」ニコニコ!

ぎゅうっ!
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 22:16:52.64 ID:/sqp97/4o
アーニャ「大変、です。危ない、です」

とんっ、ぴょいんっ!


武内P「……良い、ステップです」

武内P「……」

武内P「ではなく!」


アーニャ「ウラー♪」

ぼすっ!

武内P「あの、何故私の隣に座ったのですか!?」

アーニャ「日本語、とても難しい、です♪」

ぎゅうっ!

武内P「!? あ、アナスタシアさん!?」


文香「……!?」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 22:20:18.81 ID:/sqp97/4o
武内P「いけません! 離れてください!」

アーニャ「アー、酔っていて、無理です♪」

ぎゅっ!

武内P「チョコ一個で、そんな筈は!」

アーニャ「ニェーニェニェ〜ット♪ ンーフフッ♪」ニコニコ!

ぎゅうっ!

武内P「あ、アナスタシアさん!」

凛「ちょっと。ちゃんとこっちも見てよね」プクー!

ぎゅうっ!

武内P「っ!?」


武内P「さ……鷺沢さん……!」タスケテクダサイ!


文香「……!?」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 22:25:10.23 ID:/sqp97/4o
文香「で、ですが……私では……!」オロオロ!


凛「プロデューサー♪」ニコニコ!

ぎゅうっ!

アーニャ「とっても、幸せ、です♪」ニコニコ!

ぎゅうっ!

武内P「お願いします……!」

武内P「せめて、助けを呼んで頂ければ……!」


文香「……!」オロオロ!

文香「……!」ワタワタ!

文香「す……すみません……!」

ひょいっ、ぱくっ!


武内P「何故!?」
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga !蒼_res]:2019/02/08(金) 22:32:42.27 ID:/sqp97/4o
武内P『――ありがとう、ございます』

文香『いえ、とてもお困りでしたから……』

武内P『貴女が居なければ、今頃どうなっていたか……』

文香『はい……本当に』

武内P『しかし、何故あの時チョコレートを?』

文香『ほんの少しでもお酒が入れば……』


文香『恐れずに、私も前に踏み出せると……思ったので……』ニコッ!


武内P『……良い、笑顔です』

…ぎゅっ


文香『えっ?/// あの、何を……?///』


武内P『貴女の輝くような笑顔に――』

武内P『――私も、酔ってしまいました』


文香『そ、そんな……///』
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 22:38:31.82 ID:/sqp97/4o
文香「ふぁ……ファンタジー……///」…スヤァ

…もぞもぞっ


武内P「待ってください!」

武内P「驚きの早さで熟睡は、あまりにも!」

凛「ねえ、プロデューサー」

凛「プロデューサーは、私の事どう思ってるの?」

ぎゅっ!

武内P「!?」

アーニャ「アーニャは、どう思っていますか?」

ぎゅっ!

武内P「!!?」


文香「あっ、そんな……フランス書院な……///」…スヤァ

…ころんころんっ
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 22:43:50.43 ID:/sqp97/4o
凛「ねえ、どう思ってるの」

ぎゅうっ!

武内P「た、大切なアイドルです!」

アーニャ「ニェート♪ それじゃダメ、です♪」

ぎゅうっ!

武内P「だ、駄目と言われましても……!」


ガチャッ!


武内P「! お願いします!」

武内P「助け――」



美波「皆の信頼を胸に、美波――イキます!」ビシッ!



武内P「っ――!?」
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 22:50:45.54 ID:/sqp97/4o
  ・  ・  ・

武内P「――と、言うような事がありまして」

ちひろ「……!?」

武内P「本当に、駄目かと思いました」

ちひろ「って、どうして無事なんですか!?」

武内P「……」


武内P「新田さんが、景気づけにとチョコを一つ食べ――」

武内P「――そして、怒り出したからです」


ちひろ「……」

ちひろ「はい?」
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 22:54:44.41 ID:/sqp97/4o
ちひろ「美波ちゃんが……怒ったんですか?」

武内P「はい」

武内P「私も、時には相手をちゃんと叱るべきだ、と」

武内P「……そう、言われてしまいました」

ちひろ「それは……はい、そうですね」


武内P「渋谷さんと、アナスタシアさんは……」

武内P「恐らく、今も怒られていると思います」


ちひろ「……」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/08(金) 23:13:56.39 ID:/sqp97/4o
ちひろ「……と、とにかく!」

ちひろ「アルコールの入った物は、今後注意しないといけませんね!」

武内P「……ええ、そうですね」

ちひろ「バレンタインデーも近いですし……」

武内P「……友チョコ、ですか」

武内P・ちひろ「……」


武内P「……アルコールには気をつけましょう」


ちひろ「そういえば……」

ちひろ「残ったチョコは、どうしたんですか?」


武内P「…………あっ」


ガチャッ!



「……――プロデューサー」




おわり
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/09(土) 09:34:34.06 ID:8USnkp2To
>>69
炎上したのってみくと杏だったか?
高森と裕美だったと記憶してるんだが?
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 14:26:38.24 ID:U6ndBXmRo
書きます


武内P「LiPPSで頼るなら、ですか」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 14:28:45.57 ID:U6ndBXmRo
ちひろ「はい。プロデューサーさんは、どう思いますか?」

武内P「それは……考えた事も、ありませんでした」

ちひろ「あっ、それじゃあ良い機会ですね♪」

武内P「はあ……」


ちひろ「LiPPSのメンバーの中で――」

ちひろ「――誰が、一番たよれる子だと思いますか?」


武内P「……」

武内P「……少し、考えてみます」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 14:33:35.94 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

フレデリカ「わお! このカメラ映りが良いね! 一眼レフだね!」

志希「五ヶ所設置されてるから、五眼レフだよフレちゃん!」

フレデリカ「おおっ! 二眼フレのアタシの十倍!?」

周子「それにしても、そんなに気になるものかな〜?」


奏「リーダーって柄じゃないんだけど……」

奏「ふふっ、チャーミングな彼に頼られるのも悪くないわね」


美嘉「でもまぁ、アタシは知らない仲じゃないしねー」

美嘉「やっぱりここは、カリスマJKアイドルが一番っしょ★」


LiPPS「……さてさて〜?」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 14:36:12.20 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

武内P「……決まりました」

ちひろ「えっ、もうですか?」

武内P「はい」

ちひろ「それじゃあ――」


ちひろ「LiPPSで、一番頼れると思う子は?」


武内P「塩見さんです」


ちひろ「……」

ちひろ「へっ?」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 14:39:39.65 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

周子「へっ? あたし?」

フレデリカ「凄いねシューコちゃん! 一番だよ、一番!」

志希「って事は、あたしとフレちゃんはオンリーワンだよ!」

周子「オンリーワンが二人って、不思議な気がするな〜」


奏「待って。ねえ、ちょっと待って」

奏「……カメラ止めて」


美嘉「はっ? 何それ? はっ?」

美嘉「いやいやいや! えっ、何?」


奏・美嘉「……理由を聞いて」
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 14:41:57.13 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

ちひろ「えっ、と……理由をお聞きしても?」

武内P「そう、ですね……」

ちひろ「……」

武内P「LiPPSのメンバーの方達は、とても個性的ですから……」

ちひろ「はい」


武内P「今回は、消去法で選びました」


ちひろ「……消去法」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 14:45:41.80 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

美嘉「ちょっと――っ!? 何なのそれ!?」

奏「美嘉、あんまり大声を出さないで」

美嘉「いや、だってさぁ!?」


奏「美嘉は三番目に頼れる――それで良いじゃない」


美嘉「まあ、そう――……三番目?」


奏・美嘉「……」

奏・美嘉「ふふっ♪」ニコッ!


フレデリカ「わお! 二人共、とっても仲良しだね!」

志希「あたし達も負けてられないね、フレちゃん!」

周子「あれって、そういうのと違うと思うな〜」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 14:50:12.62 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

武内P「……まず、一ノ瀬さんに関してですが」

ちひろ「はい」

武内P「彼女は、失踪癖があると聞いています」

ちひろ「はい……確かに、そうですね」


武内P「頼ろうと思った時に、居ない可能性がある……」

武内P「加えて、彼女は他の方を牽引していくタイプではありません」

武内P「頼る事で、彼女の魅力――自由さを損なう可能性があります」

武内P「……なので、一ノ瀬さんは除外させていただきました」


ちひろ「……なるほど」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 14:57:08.89 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

志希「その通り〜! 志希ちゃん、とっても甘えん坊さ〜ん♪」

フレデリカ「よしよし志希ちゃん! 甘いね〜、辛いの好きだね〜♪」

周子「あ、このお菓子美味しい。どこのかな〜?」


美嘉「もー、奏ったら★」

美嘉「アタシの次に頼れるのに、そんなんじゃ困るぞー★」ニコッ!


奏「ふふっ、どうしたのよ美嘉」

奏「私、これでもリーダーみたいなポジションなんだけどな」ニコッ!


LiPPS「……」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 15:04:24.66 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

武内P「……次に、宮本さんに関してですが」

ちひろ「はい」

武内P「彼女は、とても奔放な所があります」

ちひろ「はい……確かに、そうですね」


武内P「ですが、やはりLiPPSでも最年長の方です」

武内P「超えてはいけないラインを理解してらっしゃいます」

武内P「なので、彼女に頼る事はせず……」

武内P「宮本さん自身の判断に任せ、行動して頂く」

武内P「……その方が、全体としてのメリットがあると考えました」


ちひろ「な……なるほど……?」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 15:10:26.63 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

周子「へー、今のって結構信頼出来るって意味だよね」

フレデリカ「えっへん! フレちゃん、お姉さんですから!」

志希「にゃ〜ん♪ フレお姉ちゃ〜ん♪」

フレデリカ「えっへん! お姉ちゃん、フレさんですから!」


奏・美嘉「……」


美嘉「……次、アタシのコト聞いて貰って良い?」

奏「……譲るわ、お先にどうぞ」


LiPPS「……」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 15:15:44.55 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

ちひろ「えっ、と……それじゃあ、美嘉ちゃんは?」

武内P「城ヶ崎さん、ですか」

ちひろ「はい」

武内P「……そう、ですね」


武内P「確かに、城ヶ崎さんも頼りになる方です」

武内P「……ですが、LiPPSというユニットにおいて」

武内P「彼女を頼ったとしても……その……」

武内P「……すみません、コレ以上は」


ちひろ「……」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 15:21:47.53 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

周子「……あー、美嘉ちゃんはドンマイやねー」

美嘉「なぐさめになってないんだケド!?」

フレデリカ「大丈夫だよ! ミカちゃんは、ミカちゃんだから!」

美嘉「いや、だから! なぐさめになってないからね!?」

志希「美嘉ちゃんいい匂ーい♪ かーわーいーいー♪ ハスハスー♪」

美嘉「話の流れに何一つ関係ないよね、それ!?」


奏「……ふふっ!」

奏「これは、やっぱり私が二番目って事かな」

奏「良いじゃない、まだ上があるって……刺激的だわ」ニコッ!


LiPPS「……それで?」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 15:26:31.32 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

ちひろ「それじゃあ……奏ちゃんはどうなんですか?」

武内P「速水さん、ですか」

ちひろ「奏ちゃん、皆が認めるリーダーですから」

武内P「……そう、ですね」


武内P「速水さんは、メンバーの方からの信頼も厚いです」

武内P「年齢の割に大人びていて……はい」

武内P「ですが、頼った見返りに……ですね」

武内P「……なので、ある意味では――最も頼れない」

武内P「メンバー中、最も頼ってはいけない方だと思っています」


ちひろ「……」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 15:35:05.16 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

周子「……あー……まあ、しょーがない」

奏「ふふっ、カメラ止めて?」

フレデリカ「わお! カナデちゃん、見たこと無い顔してるよ!」

奏「とりあえず、カメラ止めて?」

志希「にゃはは! 珍しーい! 面白ーい!」

美嘉「今は、そっとしといたげて!?」

奏「……カメラ、止めて?」


周子「まあまあ、あたしの評価も聞いてからにしようよ」

周子「それからでも、レッスン間に合うしね〜」

周子「……このお菓子、美味しいわぁ」


LiPPS「……」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 15:44:32.14 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

ちひろ「……最後に、お聞きしても?」

武内P「塩見さんが一番の理由、ですか」

ちひろ「いくら消去法でも、残るだけの理由……ありますよね?」

武内P「……ええ、そうですね」


武内P「塩見さんは……飄々として居るようで、義理堅い一面もある、と」

武内P「なので――」

武内P「美味しいお菓子……特に、和菓子を差し入れておけば」

武内P「――いざと言う時、きっと活躍してくださる、と」

武内P「……そう、考えています」


ちひろ「は、はあ……」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 15:50:27.15 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

周子「……やってくれるわー」


フレデリカ「あっ! そろそろ、レッスンの時間だね!」

奏「そうね……でも、私は途中で寄る所があるの」

美嘉「奏も? アハッ★ 奇遇じゃん、アタシもなんだー★」

志希「それじゃあ、あたしも寄り道するー♪」

フレデリカ「皆で寄り道? じゃあ、お土産買わないとだね♪」


周子「……」

周子「……ほんま、やってくれるわー」

周子「……このお菓子、美味しいわー」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 15:58:10.96 ID:U6ndBXmRo
周子「……寄り道って、時間かかるー?」

奏「それはどうかしら。相手次第ね」

周子「それなら、レッスン後の方が良いと思うなー」

美嘉「えっ? 何で?」

周子「レッスンがありますよねー、とか言われないし」

奏・美嘉「……確かに」


志希「フレちゃん、どこに行こうか! 海外?」

フレデリカ「良いね良いねー! 空港でもお土産買えるね!」

周子「今から海外だと、疲れると思うわー」

周子「レッスン終わって、ゴハン食べてまったりー、とかどう?」

志希・フレデリカ「それもアリ!」

志希「っていうか、あたし達なら何でもアリだよね、フレちゃん♪」

フレデリカ「何でもアリなのが、アタシ達の魅力だからね♪」


周子「……おあとがよろしいようで」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 16:07:19.08 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

ちひろ「――ありがとうございます、プロデューサーさん」

武内P「いえ、問題ありません」

ちひろ「でも……周子ちゃんが一番なのは、意外でした」

武内P「そう、でしょうか?」

ちひろ「てっきり……奏ちゃんか、美嘉ちゃんかと」

武内P「……」


武内P「そのお二人に、明確な順位をつけた時」

武内P「その時に起こりうる事を考えたら……」

武内P「塩見さんと言うのが一番だ、と」

武内P「……そう、判断しました」


ちひろ「……」
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 16:14:02.88 ID:U6ndBXmRo
ちひろ「それじゃあ、本当は二人も頼れる、と?」

武内P「勿論です」

武内P「お二人共、方向性は違いますが――」

武内P「――とても、素晴らしい方ですから」

ちひろ「……ええ、そうですね♪」

武内P「今回の件ですが――」


武内P「レッスンが終わり、一息ついて」

武内P「それからまた、冷静になって考えて頂ければ……」

武内P「……彼女達なら、きっと理解して頂けると思います」


ちひろ「……」

ちひろ「は、はい?」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 16:43:59.21 ID:U6ndBXmRo
ちひろ「あの……」

武内P「はい」

ちひろ「……すみませんでした」

武内P「はい、今後は……このような事の無い様にお願いします」

ちひろ「……はい」


武内P「LiPPSは、素晴らしいユニットです」

武内P「メンバーの方達は、とても個性的で……」

武内P「ですが……はい」

武内P「自分には――荷が重い方達ですから」


ちひろ「……」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 16:47:22.28 ID:U6ndBXmRo
ちひろ「そうでしょうか?」

武内P「千川さん?」

ちひろ「プロデューサーさんなら、上手くやっていけると思うんです」

武内P「いえ、そんな事は……決して」


ちひろ「今回だって、上手く切り抜けたじゃないですか!」ニコッ!


武内P「……ええ、そうですね」ニコリ


ちひろ「はいっ♪」ニコッ!


武内P「千川さん、カメラを止めてください」

武内P「貴女には、少しお話があります」



おわり
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/09(土) 18:20:12.43 ID:8USnkp2To
ちっひすこ
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:04:55.88 ID:U6ndBXmRo
書きます


武内P「クビになりそう、ですか?」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:10:28.45 ID:U6ndBXmRo
武内P「あの……何故、そう思われたのでしょうか?」

裕子「……これを見てください」

…カサッ

武内P「これは?」

裕子「早苗さんの持っていたメモです」


『95!』


武内P「この数字は……一体?」

裕子「……」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:14:50.73 ID:U6ndBXmRo
裕子「……裏を見てください」

武内P「裏、ですか?」

…カサッ

武内P「! これは……」

裕子「もう、わかりますよね」


『あたし92 雫ちゃん105 ユッコちゃん81?』


裕子「さいきっく・おっぱいサイズのメモですよ!」


武内P「……さ」

武内P「さいきっくは、要らないのでは……」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:18:01.68 ID:U6ndBXmRo
裕子「どうしてなんでしょうかね!?」

武内P「な、何がでしょうか?」

裕子「95の後には、‘!’がついてて!」

武内P「は、はい」

裕子「81の後には、‘?’がついてるのは!」

武内P「そ、それは……」


武内P「……堀さんのスリーサイズg」


裕子「さいきっく・そのままですよ!」


武内P「……」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:21:53.42 ID:U6ndBXmRo
武内P「……片桐さんが、それを把握していない可能性も」

裕子「ノー! それは有り得ません!」

裕子「ついこの間、計測した時に居ましたから!」

武内P「……」


裕子「この95という数字――」

裕子「――明らかに、新人さんのバストサイズです!」


武内P「それは……どう、でしょうか」


裕子「それに、炎上――パイロキネシストですよ!」

裕子「さいきっく・おいろけファイヤーの使い手です!」


武内P「それは違います」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:25:57.58 ID:U6ndBXmRo
裕子「どこから炎を出すんですか!? 胸ですか!?」

裕子「ブレストファイヤーなんですか!?」

武内P「堀さん、落ち着いてください!」

裕子「それに……95の胸の持ち主は、もう一人!」

武内P「パッションならば、確か……向井拓海さんですね」


裕子「ひいい!? ダブル・ブレストファイヤーですよ!?」

裕子「私のサイキック・バリヤーなんかパリーンですよ!」


武内P「堀さん、冷静になってください!」

武内P「貴女がやられる側になる理由は、何もありません!」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:30:02.41 ID:U6ndBXmRo
裕子「……すみません、取り乱しました」

武内P「……いえ、大丈夫です」

裕子「でも、どうしても不安で……」

武内P「……」


武内P「……可能性の話になりますが」

武内P「このメモは――メンバーの追加」

武内P「向井さんと、夢見さんを新たに加えて――」

武内P「セクシーギルティを5人ユニットにする、という構想かも知れません」


裕子「!」
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:33:26.50 ID:U6ndBXmRo
裕子「セクシーギルティを……セクシーファイブに!?」

武内P「いえ、ユニット名はわかりませんが……」

裕子「でも、そんなのってアリなんですか!?」

武内P「セクシーギルティwith……という形もありますね」


裕子「さいきっく・ピンポンピンポーン!」

裕子「それです! きっと、それが正解ですよ!」

裕子「そうかぁ……セクシーファイブかぁ……!」


武内P「……」
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:36:30.93 ID:U6ndBXmRo
裕子「ありがとうございます!」

裕子「お陰様で、悩みが消え……テレポートしました!」

武内P「……テレポートした悩みは、どこへ?」

裕子「わかりません! それが、超能力です!」

武内P「そう、ですか」


裕子「あっ、もうこんな時間!」

裕子「お世話になりました! 失礼します!」

ガチャッ、バタンッ! ガチャッ!

裕子「――って、‘?’の謎がまだ残ってますよ!?」


武内P「……」

武内P「……気付かれましたか」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:41:52.58 ID:U6ndBXmRo
裕子「やっぱり……クビなんじゃないですか!?」

武内P「堀さん、落ち着いてください」

裕子「そうじゃなかったら‘?’なんて書きませんもん!」

武内P「堀さん」


武内P「バストの数字が、堀さんだけ低い」

武内P「……それは、今に始まったことではありません」


裕子「! 確かに、その通りです!」

裕子「……」

裕子「いやまあ、そうなんですけど……ムムムムーン!?」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:47:53.51 ID:U6ndBXmRo
裕子「私、小さい訳ではないですよ!?」

武内P「はい、確かにその通りです」

武内P「均整の取れたプロポーション」

武内P「加えて、天真爛漫な性格等、とても魅力的なアイドルです」

裕子「ムムッ! さいきっく・褒め殺しですね!?」

裕子「あ、魅力の一つ、超能力をお忘れなく!」


武内P「そして……笑顔です」

武内P「輝くような笑顔の堀さんは……決して、クビにはなりません」

武内P「貴女をクビにする事こそ――ギルティです」


裕子「!」
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:53:56.42 ID:U6ndBXmRo
裕子「確かに、セクシーギルティにあるまじき行為です!」

武内P「おわかり頂けて、何よりです」

裕子「ムムッ! ムムムッ! 今、ピンときました!」

裕子「紙とペンを貸して貰えますか!?」

武内P「? はい、どうぞ……こちらを」


裕子「……!」

かきかき

裕子「この数字が、私の頭にパッと浮かんだんです!」


『16 16 18 19 28』


武内P「……堀さん」

武内P「その数字の事は、忘れましょう」
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 22:57:20.84 ID:U6ndBXmRo
裕子「この数字は、一体……!?」

武内P「堀さん、その紙は今すぐ捨てましょう」

裕子「すみません、何かひっかかって……」

武内P「堀さん」


裕子「この数字だけ大きいのは、何かひっかかりますよ……!」


『16 16 18 19 28?』


武内P「堀さん! 待ってください!」

武内P「‘?’を付けるのは、あまりに危険すぎます!」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 23:02:14.71 ID:U6ndBXmRo
裕子「ムムムムーン!? 全然わかりません!」

武内P「是非、わからないままでいてください!」

裕子「この数字に、何か心当たりはありますか?」

武内P「…………ありません」

裕子「ムムッ!? 何ですか、今の間は!?」


裕子「こうなったら、LINEでさいきっく・オーディエンスを……」


武内P「堀さん」

武内P「超能力は、使い方次第では――」

武内P「――人を不幸にも、地獄絵図を作る事も出来ます」


裕子「えっ!? 不幸!? 地獄!?」
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 23:05:45.52 ID:U6ndBXmRo
裕子「私、幸せ側のサイキッカーなんですけど!?」

武内P「とりあえず……そのメモをこちらへ」

裕子「は、はあ……」

武内P「ありがとうございます」

裕子「? ゴミ箱に捨てないんですか?」

武内P「はい」


武内P「部長に、後ほどライターを借りて燃やします」

武内P「……証拠は、決して残せませんから」


裕子「そこまでなんですか!?」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/09(土) 23:08:49.55 ID:dPt3Raz60
不幸も地獄絵図も両方ダメじゃねえか
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 23:13:27.08 ID:U6ndBXmRo
裕子「その数字に、一体どんな秘密が……!?」

武内P「……堀さん」

裕子「? 何ですか?」


武内P「私が、片桐さんとお話をしてみます」

武内P「なので……この話は、これで終わりにしましょう」


裕子「いや、でも……‘?’の謎もまだ……」


武内P「全てを解き明かせないのが――超能力ではないでしょうか?」


裕子「! 確かに……その通りです!」ニコッ!

裕子「エスパーユッコ、納得しました!」


武内P「……良い、笑顔です」

武内P(……まさか、納得して頂けるとは)
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 23:16:59.10 ID:U6ndBXmRo
  ・  ・  ・

早苗「――メモの数字?」

武内P「はい」

武内P「堀さんの名前の横の、81という数字……」

武内P「……その隣に、‘?’が書かれていて」

早苗「あー、あれ?」


早苗「ユッコちゃんって、胸のサイズはいくつだったっけー、って」

早苗「ちょっとド忘れしちゃって、それで‘?’を書いたのよ」


武内P「……成る程」

武内P「そこまで……単純な話だったのですね」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 23:23:52.25 ID:U6ndBXmRo
早苗「測った時に一緒に居たんだけどねぇ……」

早苗「……ホント、歳は取りたくないわ」

武内P「あの、ド忘れは……誰にでもあるかと」

早苗「メモの事も、今の今まで忘れちゃってたし」

武内P「……」


武内P「片桐さんは、十分にお若いと思います」

武内P「他の方を牽引されていく、頼れる一面もありますが……」

武内P「飲み会の時は……はい、お若いです」


早苗「……ぷっ」

早苗「何それ、褒めてんの?」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/09(土) 23:25:33.99 ID:H3H8ILMDO
?「年を取ると忘れやすいからね」

?「わかるわ」

?「もーっ、二人ともアイドルなんですから、もっとシャキシャキしませんと!」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 23:28:45.34 ID:U6ndBXmRo
武内P「それに、容姿に関しましても……」

早苗「まあ、あたしって童顔よね」

早苗「背も低いし……で・も! セクシーでしょ?」ウッフン!

武内P「それは……はい、そう思います」


武内P「とても、セクシーです」


早苗「ヤダもう! 真顔で、改まらないでよ!」

早苗「さすがのあたしでも、照れちゃうじゃない!」

バシバシ!

武内P「たっ、痛っ……す、すみません」


…カサッ


早苗「ん? 何か落ちたわよ?」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 23:34:55.55 ID:U6ndBXmRo
武内P「っ!? それは……!」

早苗「若くて、あたしより胸が大きい子も入ってきたしねー」

ひょいっ

武内P「っ……!」

早苗「95でしょ? 負けてられな――……」


『16 16 18 19 28?』


早苗「……」


武内P「……!」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 23:40:03.51 ID:U6ndBXmRo
早苗「これは、何?」

武内P「それ、は……!」

早苗「この字――ユッコちゃんね」

武内P「待ってください! あまりに鋭すぎます!」

早苗「このメモは、何?」

武内P「それ、は……」

早苗「それは?」


武内P「……すみません」


早苗「……」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 23:44:07.18 ID:U6ndBXmRo
早苗「ゴメンで済むなら、警察は要らないのよ?」

武内P「……はい」

早苗「吐きなさい。怒らないから」

武内P「それ、は……」


武内P「……堀さんに、クイズを出されまして」

武内P「堀さん、及川さん、向井さん、夢見さん、片桐さん」

武内P「……その年齢を答えろ、と」

武内P「それで……片桐さんの年齢だけ、ハッキリと思い出せなく」

武内P「……はい」


早苗「……ふーん?」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/09(土) 23:51:58.12 ID:U6ndBXmRo
早苗「……何だ、そういう事だったのね!」パッ!

武内P「は、はい!」

早苗「あたしの歳をド忘れ? ひどいじゃないのよ、もうっ!」

バシバシ!

武内P「す、すみませんでした……」


早苗「今日の仕事が終わったら、取り調べがあるから」

早苗「テキトーに店、予約しといてね♡」

早苗「――忘れたら、シメる」


武内P「……はい」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/10(日) 00:01:11.56 ID:W/pEztXNo
  ・  ・  ・

武内P「……」

武内P(人は、忘れることもあれば――)

武内P(――不思議と、何故か覚えている事もある)


『16 16 18 19 28?』


武内P「……」

武内P(堀さんが、この数字を閃いたのは……)

武内P(それなのか、それとも超能力なのか……)

武内P(……今考えても、仕方のない事、か)

武内P(今は、何としてでも上手い言い訳を考えなければならない)


武内P「……首の皮一枚、繋がっている状態です」



おわり
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/10(日) 00:02:29.24 ID:J9GkNMeEo
アルハラで訴えろ
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/10(日) 00:25:31.92 ID:RYzjbGdMo
武内P新しい信号機担当するとして、
熊本弁以上に勉強しなきゃならんのか
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/10(日) 11:29:09.02 ID:Op/7LbM+o
炎上アイドルはなんかサイネリア臭がある
依存先が先輩かPかの違いはあるけど
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/10(日) 20:52:44.20 ID:W/pEztXNo


 ――ぼくは、今どんな顔をしてる?


「……」


 沢山のライトに照らされて、頭の中が真っ白になっていた。
 昨日の夜、必死で考えてきたポーズ。
 撮られる角度まで考えて、今日はバッチリのハズだった。
 なのに、


「……」


 ライトの中に、一歩踏み出したら。
 アイドルの世界への、大事な一歩を踏み出したら。
 ……何も考えられなくなっちゃった。


「ぅ……ぁ……」


 大勢の人。
 知らない人達に、ここまで注目されたのは初めて。
 注目されたい、目立ちたいと思ってたのに。
 なんで? どうして?


「……!」


 皆が、ぼくに‘ちゃんと’仕事をするのを望んでる。
 そりゃそうだよね。
 だって、そのために皆は此処に居るんだから。
 見たことも無い大きさのカメラのレンズが、ぼくに向けられてる。


「あぅ……ぁ……」


 えっと、今は……宣材写真の撮影をしてて。
 だから、見る人にアピール出来るような写真を撮らなきゃいけなくて。
 ぼくの前に撮った同期の子達は、少し手間取ってはいたけど、出来てて。
 それを見て、なんであんな簡単な事もー、なんて思って。
 それで、それで――



「すみませーん! 何かポーズをお願いしまーす!」



 ――あ、そっか。


「はっ、はいっ!」


 普通の人が、当たり前に出来ること。
 それが出来なかったから、人生が詰んだんだよね。
 アイドルにスカウトされて、浮かれてる場合じゃなかったんだ。
 だって、アイドルだもん。



「それと、表情がちょっとかたいねー! 柔らかく、柔らかく!」



 普通の人が出来る事も出来ないのに、
尊いアイドルサマがするような事が、ぼくに簡単に出来る訳ないもんね。
 柔らかくって言われても、わかんないし。
 だけど、やれって言われたからにはやらないと……はー、やむ。


 ……新人なので優しくしよう!! 頼むからさぁー!!
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/10(日) 21:25:03.21 ID:W/pEztXNo
  ・  ・  ・

「方向性?」


 ソファーに腰掛けながら、正面に座る人に問い返す。
 ぼくよりも、かなり身長の高いその人は、
座っていてもどうしても見上げるような形になる。
 その人――プロデューサーサマは、はい、と短く言って、


「貴女は、どんなアイドルになりたいと考えていますか?」


 そんな事を突然聞かれても、すぐには答えられない。
 だから、少し考えて、


「……売れるの」


 なんて、尊さの欠片も無い答えを返した。


「……成る程」


 噛み合わない会話。
 ぼく、ちょっとコミュ障入ってるけど……この人も割とそうじゃない?
 あんまり、お喋りするようなタイプには見えないし。
 いやまあ、この顔でマシンガントークされても困るけど。


「プロデュースの方向性は、お任せして頂ける……と?」


 この人は、シンデレラプロジェクトをプロデュースした人だ。
 だから、全部任せておけば大丈夫……だと思う。
 大手プロダクションだし、ぼくの知らない範囲もあると思う。


 あっ、でも――


「――……ういっす、そんな感じで」


 ――やめとこう。
 せっかくの人生逆転のチャンスなんだもん。
 それなのに、神の判断に口を挟むとかナイナイ。


「……そうですか」


 はー、やむ。
 今日の夜は、ポエろう。



「では――グラビア撮影は、極力控える方向で良いでしょうか?」



 ……はっ?


「えっ?」


 ……なんで?


「売れるの、というご希望を叶えるのに、少し時間はかかりますが……」


 こちらを見るプロデューサーサマの顔。
 ぼくは、それをアホ面で見続けた。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/10(日) 22:06:34.99 ID:W/pEztXNo

「いっ、いやいや!! なんで!?」


 スカウトされた時と同じ様に、ソファーから立ち上がった。
 今度は、テーブルに引っかかることなく、中腰の姿勢になる。
 勢い良く立ち上がったから、乳が揺れた。
 ぼくのいいとこなんて……この乳くらいなのに。


「なんでそう思ったの!? の!?」


 ぼくの、急激なテンションの上がり方に、
プロデューサーサマは右手を首筋にやって、少し困ったような顔をした後、


「……時間がかかるのは、どうしても」
「違う違う! そっちじゃなくてさぁ!?」


 あー! うー! うううー!



「ぼくが、その……えろっちいのイヤだ、って!」



 言った後、しまった……って思ったけど、もう遅い。
 沈黙が流れ、立ったままでもどうしようもないから、また座った。
 チラリと、前髪の隙間から上目遣いで視線を向ける。
 そこにあるのは、何を考えてるかわからない無表情。


「私も、あまり詳しい方ではありませんが――」


 そんな前置きの後に、淡々と語られた。


 ぼくの、これまでの……SNSでの活動に、違和感を感じた……って。
 構ってもらいたい――チヤホヤされたいのなら、いくらでも方法はあった。
 そうだよね、この乳だもん。でっかいし。
 だけど、ぼくはそれを避けての発言しかしてなかったし、
自分の写真なんかも公開してこなかった。


「――なので、そういった事に抵抗があるのかと……そう、考えました」


 事務所に入る時に、それまでのSNSでの発言はチェックされてた。
 そりゃそうだよね! 過去ツイートに問題があったら困るもんね!
 だけど、そう考えたら……やむ! うわーん、やむ!
 深夜に垂れ流してたポエムも、見られちゃってるって事だし!


「誰かに相手をして欲しいのならば、ポエムでそれを表現するよりも――」
「改めて言わないで!? めっちゃやむ!!」


 真っ直ぐな視線に耐えきれず、ソファーに膝立ちになって反対を向く。
 背中越しに見られてるのはわかるけど、どうしようもないよう!


「……申し訳ありません。私は、あまりコミュニケーションが得意な方ではなく、ですね」


 本当に申し訳無さそうな、低い声が聞こえてくる。
 だけど、振り返るには、ぼくのメンタルはザコすぎた。


「貴女に、不快な思いをさせてしまったでしょうか?」


 だけど、それでも。
 首を横に振って、今の言葉を否定する程度の事は出来る。
 ……出来て、良かった。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/10(日) 23:00:36.67 ID:W/pEztXNo

「……」


 何も言わずに、ただ、ソファーの背もたれに顔を埋めて待つ。
 いつもだったら、構ってもらうために何かを言ってばかりなのに。
 今は、何も言葉が浮かんでこない。
 メンタルというか、頭がザコい。


「……アイドルが、お好きだと」


 さっきまでとは、まるで違う話の流れ。
 だけど、この話なら――乗れる。
 だって、ぼくはアイドルが好きだから。
 そうじゃなかったら、スカウトも途中で逃げてたし。


「……うん」


 いつまでも、背中を向けてるわけにもいかない。
 コミュ障……とまではいかなくても、
得意な方じゃないって人が話しかけてきてるんだもん。
 もしも、ぼくが同じ事をされたら、やむ! 自信アリ!


「……」


 体をひねって、座り直そうとした時。
 プロデューサーサマの口元が、少し綻んでたような気がする。
 気がするだけで、本当はどうかわからないよ?
 聞くのは……あ、無理です。


「LIVEにも、ファンとして参加なさっていたのですか?」


 めっちゃしてた!
 おかげで、お財布はダメージだらけで傷だらけ!
 その代わりにメンタル回復!
 まあ、だからSNSくらいしか他にやれる事無かったんだけどね!


「……成る程」


 頷くだけのぼく、めっちゃコミュ障!



「ならば――貴女は、ファンの気持ちが理解出来るアイドル、になりますね」



 アイドル。
 ……そっか、アイドルになるんだ。


「少しだけ、先程の質問を変えようと思います」


 プロデューサーサマは、一度言葉を切り、


「貴女は、どんなアイドルが好きですか?」


 そう、聞いてきた。
 だから――



「顔がいいアイドルが……しゅき……」



 ――思わず、正直に答えた。
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/10(日) 23:28:22.62 ID:W/pEztXNo

「……」


 プロデューサーサマは、口元に手を当てて考え事をしてるようだった。
 ぼくの答えに不満があったのかな!?
 正直に答えて不満がられるとか、やむ!
 しょうがないじゃん! 好きなんだもん!


「……失礼しました」


 あれ?


「もしかして……笑ってただけ?」


 浮かんだ疑問をそのままぶつける。


「……すみません」


 謝られた。


「っはー!? 正直に言ったら、笑ったの!? やむ!」
「も、申し訳ありません……!」
「プロデ――」


 もう! もおお!


「――Pサマ! 頼むよPサマ!? 本気でやむよ!」


 せっかくさあ! なけなしのコミュ力振り絞ったのに! にー!


「……今後は、気をつけます」


 Pサマは、右手を首筋にやってそう言った。
 ぼくの気のせいじゃなければ、ちょっと頬のあたりがひくついてる気がする。
 そして、ゴホンと一つ咳払いをした後、また、無表情に戻った。


「では……例えば、ウチの事務所でしたら?」


 そりゃあ、皆可愛いよ。
 だけど、今聞いてるのはそういう事じゃないよね。
 Pサマは、ぼくの好みを聞いてるんだ……よね?


「えっとねぇ!……ちょっと待って!? 何人まで挙げて良いの!? の!?」


 ファンとして参加してきたLIVEの光景を思い出しながら、指折り数える。
 順番なんてつけられない! DD全推し!!
 誰かを雑く扱うとかマジ無いし!


「……」


 Pサマは、また、口元に手を当てた。
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/10(日) 23:55:48.12 ID:W/pEztXNo
  ・  ・  ・

「……」


 ――なんて、そんなやり取りを思い出した。
 あっれ!? 全然役に立つ記憶じゃないよ!?



「どうしたのー?」



 カメラマンさんが、心配そうに声をかけてきた。
 撮影中にボーッとするとか、やば!
 えっと、あっと……何だっけ!? ポーズ!?
 ポーズ……ポーズ……や――



「や――」



 右手を広げて、前に突き出し、



「――っ! こう!? どう!?」



 決め台詞は言わずに、止めた! 止まった!
 参考にしようとは思ってたけど、台詞まで言ったら丸パクリだよう!
 炎上どころか、訴訟問題になっちゃうんじゃない!?
 いやでも、同じ事務所だから平気!? かな!?



「良いねー、そんな感じで色々ポーズ変えてみようかー」



 シャッターが切られ、次のポーズを要求される。
 だから、ぼくの知ってる限りの色んなアイドルの取っていたポーズを。
 ……しょうがないじゃん!
 パッと思い浮かぶの、それ位なんだもん!


「……!」


 次々とフラッシュが焚かれ、その度にポーズを変える。
 次第に、いくらぼくでも余裕が生まれてきて、
スタジオの様子が目に入るようになってきた。
 そして、端の方に……背の高い、目立つ影が見つかった。


「……!?」


 事もあろうに、その影――Pサマは、携帯で誰かと話しているようだった。
 うわーん! 何だよそれ! ぼくの撮影中なのに!


「――!」


 ぼくをすこれ! よ!



 後で聞いた話だと、その電話はぼくの撮影の時間がが伸びてるって報告だったらしい。
 撮った写真の中に、ムッとした顔のがあったけど、それは……気にするな! よ!




おわり
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/11(月) 00:16:04.48 ID:UZqA0gqEo
乙 シーフ属性を身に着けて全力でPを貪って欲しい
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/11(月) 07:36:24.87 ID:kUgwufiDo
とりあえず新三人に変態になりそうな子がいなさそうでよかった
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/11(月) 11:01:36.56 ID:eTSCSKMz0
乙です。
不器用??不器用な組み合わせはなんだかほんわかする
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/11(月) 16:46:59.28 ID:tPpmj12jO
なんでとうふ民がアイドルデビューしているのか(困惑)
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/11(月) 18:53:34.65 ID:7Xf7aGZ80
あかりんごがギャグパートしかないのは不公平だと思うんご
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/11(月) 19:02:30.27 ID:vmHHN/Jd0
やの後の決め台詞ってなんだったんだろう?
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/11(月) 19:44:59.40 ID:zCRRkwQn0
熊本弁やろなあ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/11(月) 19:54:33.11 ID:oJ2h/8KOo
>>162
なんJ民やからしゃーない
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/11(月) 20:51:58.46 ID:Rdt/Vo7p0
ンゴ…すっかりネタキャラ
やむ…すっかりネタキャラ
デス…?
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/11(月) 21:43:50.55 ID:u2YgayRoo

「すっ、スキンケア……!」


 スカウトされて、アイドルになって。
 山形から東京に出てきて、色々と生活に変化があって。
 何か困ってることは無いかと、プロデューサーさんに聞かれて。
 強いて上げるなら、なんて感じで言った肌の悩み。


「はい」


 すぐ、ほっぺが赤くなる。
 これは、地元に居た時からの悩みの一つでもあった。
 小さい子供みたいで可愛い、なんて言われてたけど……。
 アイドルだったら、やっぱり白い肌が良いんだなぁ〜。


「今は、特にこれといった対策はしていますか?」


 してないんご。
 お母ちゃんには、そろそろしないとねって言われてたけど……。
 そのたんびに、お父ちゃんがからかってきてて!
 あっ、洗顔とかをちゃんとしてるのも対策かな!?


「お母ちゃんが使ってた洗顔フォームをずっと使ってるんご!」


 自分で選ぶってなっても、よくわからないし。
 山形に居た時、友達に聞いてみても皆同じ答えだった。
 大体、普通の女子高生には手が出にくいお値段だもん!
 そういうのにお金を使うと、ラーメン食べに行けなくなっちゃう!


「……成る程」


 プロデューサーさんが、小さな手帳にメモをとっていく。
 なっ、何か問題でもありましたか!?
 もしかして、都会では一家全員それぞれ違う洗顔フォームを使ってるとか!?
 ひいい!? やっぱり、都会は怖い!


「これからアイドルとして活動していく中で、メイクをする場面が出てきます」


 内心、恐れおののく私を尻目に、
プロデューサーさんは言い聞かせるように、真っ直ぐこちらを見ている。
 あっ! 別に、プロデューサーさんの顔が怖いんじゃないですからね!?
 いやでも怖……っとと、ちゃんと話を聞かなきゃ!


「なので、スキンケアは重要になってきます」


 ――仕事面だけじゃなく、私自身のためにも。


「はあ……」


 私自身のためと言われても、いまいちピンと来ない。
 地元は、こっちに比べてかなりのほほんとしてたから……。


「頬が赤くなりやすい、という問題も解消した方が良いかと」


 へっ?


「もっ、問題!? ほっぺが赤くなりやすいのって、問題なんですか!?」


 ビックリして、大きな声が出た。
 今、多分ほっぺが赤くなってるのは、なんとなくわかった。
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/11(月) 22:47:13.16 ID:u2YgayRoo

「え、ええ……」


 私の剣幕に押されてか、プロデューサーさんは少しだけ目を見開いた。
 その原因が、私が急に大声を出したからか、
ほっぺが赤くなりやすいのを問題と知らなかったからかは、わからない。
 うぅ……ど、どっちでも恥ずかしい……!


「……原因は、いくつか考えられますが」


 それから、プロデューサーさんはゆっくりと説明してくれた。
 ほっぺが赤くりやすい原因は、遺伝や体質等、色々とあるらしい。
 その一つ一つを頷きながら、真剣に聞く。
 だって、真面目な顔で問題なんて言われたら怖いもん!


「私の肌って、どうなんでしょうか?」


 これでも、生まれた時からずっと付き合ってきた顔。
 他の人と比べたことが無いから、あまりよくわからない。
 そりゃあ、ほっぺを突っつかれた事はよくあるけど……。
 りんごを食べて、ビタミンCを補給してるだけじゃ駄目だったんだー……。


「すみません。私も、そこまで詳しい方では……」


 プロデューサーさんは、右手を首筋にやって、そう言った。
 だけど、言われてみれば確かにその通りなんだよね。
 男の人って、メイクとかしないし。
 ……あっ、そうだ! 良い事を思いついた!


「ちょっと、ほっぺ触ってみてください!」


 我ながら、ナイスアイディア!
 詳しくなくても、触ってみれば何となくわかると思うっ!
 今は、いつも通りのすっぴんだし!
 あは♪ あかりんご、冴えてるんご!


「えっ!? いえ、それは……」


 テーブルに手をついて乗り出し、顔を突き出す。
 こうすれば、手が届きますよね!
 ほらほら、早く早くー!
 お肌のチェック……あ、チェキ!? チェキしてくださいなっ!


「……どうしたんですか?」


 いつまで待っても、プロデューサーさんは固まったまま。
 どうしたんだろ?
 もしかして、まじまじ見られてると駄目とか?
 もー、しょうがないですねー!


「あは♪ こういう事ですねっ!」


 目をつぶって、待つ。


「いえ、あの……!」


 プロデューサーさんが、焦った声を出した。
 ……なんでだろ?
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/11(月) 23:08:00.16 ID:u2YgayRoo

「えっ、と……スキンケア、大事なんですよねっ!」


 目を開けて、プロデューサーさんを真っ直ぐみつめる。
 普段は鋭い目つきが、今は妙に頼りなさげに揺れている。
 だから、私は思っていることをそのまま言うことにした。
 それが、この人には一番通じると思ったから。


「だから、今の肌の状態を知るって、重要な事だと思うんご!」


 私は、やるなら1番になりたい。
 その意志は、プロデューサーさんには伝えてあった。
 目立つのは得意じゃないし、自分がアイドルでよかったのかと思う時もある。


「でも、自分じゃよくわかないから……」


 苦手な事もあるし、変に浮かれちゃう時もある。
 りんごを推していく、っていう方向性も迷いながら。
 ……そんな私でも、確かなものがある。


「プロデューサーさん、お助けを〜!」


 私のプロデューサーさんは、この人なんだ、って!


「……!」


 また、目をつぶって、待つ。
 今のでほっぺが赤くなった気がするけど、気にしない。
 だって、私はアイドルだから。
 そのためだったら、出来る限りの事はがんばるんご!


「で、では……すみません、失礼します……」


 私の熱意が伝わったのか、そんな言葉が返ってきた。
 んー? 私が頼んだのに、どうして謝ったんだろ?
 あっ、都会ではそういう感じでやり取りするんですか!?
 よーし、早速!


「すみません、お世話になります!」


 あはっ♪ 今ので合ってますよね?
 父ちゃん、お母ちゃん……あかり、都会の女に一歩近づいたよ!
 でも、山形の事は忘れないから、安心してね!
 ……山形弁は、可愛くないから使わないけど。


「ん」


 プロデューサーさんの指先が、ほっぺに触れた。
 自分の手とは違う、男の人の手の感触。
 その違いに、かなりビックリ!
 ……って、


「それでわかります? もっと、りんごを掴むように!」


 遠慮なんてしないでください、プロデューサーさんっ!


「えっ!?」


 ……今、驚く所ありました?
 あ、今の例え駄目でした?
 愛ですよ! りんごを慈しむ、愛の心で触ってくださいなっ!
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/11(月) 23:35:44.73 ID:u2YgayRoo

「……!」


 プロデューサーさんの手の平が、ほっぺに当てられた。
 ほっぺで感じる、大きな手。
 小さい頃、父ちゃんに褒められた時にもこうされたっけ。
 懐かしさに、自然と笑みがこぼれた。


「あはっ♪ プロデューサーさんの手、温かいんごね〜♪」


 顔を手に擦り寄せ、言う。
 こうすれば、私もほっぺが温かいし、
プロデューサーさんも肌の感じがわかりやすくて一石二鳥ですね!


「私の肌、どんな感じですかね〜?」


 右側はプロデューサーさんの手が触れてるから、
反対側の左目を開けて、聞いてみる。
 何故か、プロデューサーさんは妙に背筋をピンと伸ばしてて、
左手は軽く拳を作って膝の上に置いていた。


「と、とてもきめ細かいですが……す、少し乾燥しています、ね」


 きめ細かい……これって、褒められてる!
 だけど、乾燥してるっていうのは……あっ、そっか!


「東京に来てから、まだ良いラーメン屋を見つけてないからですかね〜?」


 ラーメンの油分を補給してない。
 早く、こっちでの生活にも慣れて色々と行ってみたいんですよねー。
 電車なんかいっぱい走ってるから、すっごく便利ですよ!
 あは♪ 考えただけで、楽しみ!


「も……もう、良いでしょうか?」


 聞きながら、プロデューサーさんはサッと手を引っ込めた。
 そして、引っ込めた手を少し彷徨わせた後、
左手と同じように軽く拳を作って、膝の上に乗せた。
 どうしたんですか? 何か、緊張してません?


「……?」


 お肌のチェッ……チェキ!
 チェキするのって、そんなに緊張するような――


「――あっ」


 顔が、熱くなっていくのがわかる。
 ほっぺだけじゃなく、顔から首筋から、色々……全部。
 何も言えなくて、唇をまっすぐ引き絞る。
 頭上からは、湯気が立ち上ってるかも知れない。


「……!」


 あまりの熱に、りんごが一つ焼き上がってしまった。
 甘いそれは、心の準備を全くしていない私にとっては、あまりに甘すぎた。


「んごぉ……!」



おわり
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/12(火) 00:45:26.48 ID:nDx8KCmw0
やっぱあかりんごはこういう素朴さがいいな
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/12(火) 01:26:16.89 ID:Ae4JRlER0
いつ蒼いのが出て来るのかと内心ハラハラした
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/12(火) 01:52:36.66 ID:uxraG/BZO
あかりんご可愛いな……
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/12(火) 06:25:14.04 ID:XOXdC2tgo
口調はなんJ民なのに可愛いとは……
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/12(火) 06:40:49.39 ID:nZ8o03LDO
縛っておもちかえりしたくなる……
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/12(火) 12:14:09.08 ID:0UYjQaka0
あかりんごは出荷よー
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 14:24:01.88 ID:O3BjAo1Ho
書きます


武内P「新人の方を気にかけてあげてください」
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 14:28:14.59 ID:O3BjAo1Ho
武内P「まだ、わからない事も多いかと思います」

武内P「気がついた時に、でも構わないので……」

武内P「お願い、出来ますでしょうか?」


凛「そうだね……」

凛「うん、わかった。任せて」


武内P「ありがとうございます、渋谷さん」

武内P「――頼りにしています」ニコリ


凛「……ふ、ふーん?///」
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 14:31:45.27 ID:O3BjAo1Ho
凛「でも、どうして私に?」

武内P「渋谷さんと歳が同じ方もいらっしゃいますし……」

武内P「何より、渋谷さんは面倒見が良いですから」

凛「……私が?」

凛「そんな事無いと思うんだけど……」


武内P「……私も、貴女には何度も助けられましたから」

武内P「なので、渋谷さんにならば任せられる、と」

武内P「……そう、思いました」


凛「……ふ、ふーん?///」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 14:35:53.56 ID:O3BjAo1Ho
凛「……それで? どんな事をすれば良いの?」

武内P「そう、ですね――」


ガチャッ!


あきら「――おはようございまーす」


武内P「砂塚さん」

武内P「おはよう、ございます」

凛「おはよう、あきら」


凛「……ねえ、新人の方、って」

武内P「はい。彼女の事です」

凛「……成る程ね」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 14:40:25.33 ID:O3BjAo1Ho
あきら「? 自分の話をしてたんデスか?」

凛「うん。気にかけてくれ、って」

あきら「はぁ、どーもデス」

凛「同い歳なんだし、敬語は良いよ」

あきら「いや、でも……先輩デスから」


凛「気にしないで良いって」

凛「――ねえ、プロデューサー」

凛「プロデューサーも、そう思うでしょ?」


武内P「ええ、大事なのは――自分らしさ、ですから」


あきら「……」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 14:48:29.44 ID:O3BjAo1Ho
あきら「自分らしさ、デスか」

凛「仕事先の人とか、年上の人とかは別だったりするけど……」

凛「私とあきらは同い歳で、同じ事務所の仲間なんだから」

あきら「……確かに」

あきら「FPSしてる時も、敬語つかわないかな」

あきら「それに、敬語とか苦手で……」


武内P「勿論、敬語を使う場面もこれから出てきますが……」

武内P「事務所内には、気にされる方はほとんどいませんから」


あきら「そうなんデスか?」


凛「……ん?」
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 14:51:54.66 ID:O3BjAo1Ho
あきら「そっか。それ、自分的には#楽でありがたいデス」

武内P「そのあたりも、追々慣れて行くと思います」

あきら「そうデスね」


凛「――ちょっと待って」

凛「……ふふっ!」

凛「あきら、まだプロデューサーに敬語使ってるよ」


あきら「えっ?」

あきら「Pサンに敬語使うって、#当たり前じゃないデスか?」


凛「……」

凛「へっ?」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 14:55:54.85 ID:O3BjAo1Ho
凛「あ、当たり前?」

あきら「あっ、今流れで敬語使っちゃった」

あきら「Pサンに敬語って、当たり前じゃない?」

凛「あ、いや、そっちは良いんだけど……」

あきら「Pサンって、偉い人……なんじゃないの?」

あきら「敬語使わない、って距離感でも無いし」

凛「……」


武内P「あの……あまり、お気になさらず」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 15:00:52.93 ID:O3BjAo1Ho
あきら「ネットはともかく、リアルは普通でしょ」

あきら「年上の人に、敬語を使うって」

凛「……そういえば」


凛「私……プロデューサーに敬語使った事無いかも」


あきら「は? ヤバ」


凛「ヤバ!?」

あきら「冷静に考えてヤバいよ、#ヤバい」

凛「えっ……えっ……!?」


武内P「あっ、あの……私は、気にしていませんから」
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 15:05:15.73 ID:O3BjAo1Ho
凛「いや、確かにそうかも知れないけど……!」

あきら「あ、もしかして」

凛「なっ、何……!?」


あきら「初めて会った時――」

あきら「――何かあって、#好感度高かったとか?」


ッターン!!


凛「っ――!?///」

凛「そっ……そんな事無いですよ!?///」


武内P「!?」

武内P「渋谷さんが……敬語を!?」
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 15:09:54.54 ID:O3BjAo1Ho
あきら「あれ? 違った? まー良いけど」

凛「ふっ、普通! 普通だから!」

あきら「何だ。自分はてっきり……」


あきら「孤立してる時――」

あきら「――カバーに入って貰ったとか、そういうのかと」


ッターン!!


凛「っ――!?///」

凛「それは……ありましたけど!?///」


武内P「!?」

武内P「また……何故、敬語を!?」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 15:14:58.85 ID:O3BjAo1Ho
あきら「あれ、やっぱりあったんだ」

凛「あった、けど! その後、一緒に捕まったから!」

あきら「捕まったって、警察に? 笑う!」


あきら「でも、そういうのって――」

あきら「――試合に負けても、#嬉しいよね」


ッターン!!


凛「っ――!?///」

凛「も、もう……この話やめてください!///」


武内P「!?」

武内P「一体、渋谷さんの身に……何が!?」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 15:21:57.51 ID:O3BjAo1Ho
あきら「あ、だから今もかなり仲良さそうなのかな」


ッターン!!


凛「っ――!?///」

凛「そ……そんな風に見えますか!?///」


あきら「並んで立ってると、#パートナー感あるよ」


ッターン!!


凛「っ――!?///」

凛「ふっ、ふーん!?/// ふぅぅーん!?///」


武内P「……!?」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 15:25:18.44 ID:O3BjAo1Ho
武内P「あの……し、渋谷さん?」

凛「っ!?/// ちょ、ちょっと待って!///」

凛「なんか……頭を五回撃ち抜かれた感じがして……!///」

武内P「えっ!?」


凛「あ、頭冷やしてくる……!///」

ガチャッ…バタンッ!


武内P「……」


武内P「一体、何が……?」

あきら「さあ?」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 15:32:06.06 ID:O3BjAo1Ho
武内P「……ゴホン」

武内P「先程の、敬語に関する話ですが……」

武内P「砂塚さんの、話しやすいようで構いませんよ」

あきら「そっか。そういうの、あんまり気にしない人?」

武内P「はい」


武内P「アイドルの方の――笑顔」

武内P「その、自分らしい笑顔が出来る事が……」

武内P「……何よりも、重要だと思いますから」


あきら「じゃあ……たまに、敬語で」


武内P「……」

武内P「えっ?」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 15:39:00.92 ID:O3BjAo1Ho
武内P「あの……」

あきら「あ、#敬語の練習したいんデスよ」

武内P「敬語の練習、ですか?」

あきら「はい」


あきら「オンも大事だけど、オフのトレモも……」

あきら「あ、トレーニングモードの略デス」

あきら「トレモした方が、いざって時安心かなって」


武内P「……成る程、そういう事でしたか」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 15:48:35.23 ID:O3BjAo1Ho
あきら「苦手克服? 的な」

あきら「得意武器しか使えないと、困るし」

武内P「そういう事でしたら……はい」

あきら「敬語、変だったら教えて欲しいデス」

武内P「わかりました」


武内P「……しかし、オフ……ですか」


あきら「? はい、オフです」


武内P「オフ――プライベートの時、ですか」

武内P「それならば、スケジュールの調整が必要になりますね」


あきら「……」

あきら「はい?」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 15:53:38.52 ID:O3BjAo1Ho
武内P「少し、待って頂けますか?」

武内P「今、予定の確認をしますので」

あきら「いや、オフってのは……違くてデスね?」

あきら「オンラインじゃなく、って意味なんデスけど」

武内P「……成る程」

あきら「はい」


武内P「休日に――会って直接、ですか」

武内P「私は構いませんが、砂塚さんは良いのしょうか?」


あきら「……」

あきら「はい?」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 16:03:26.57 ID:O3BjAo1Ho
武内P「熱心なのは、とても嬉しいのですが……」

武内P「プライベートも、私としては重要だと考えています」

あきら「は……はぁ、そーデスか」

武内P「そう、ですね……スケジュール的には」

武内P「この日が、砂塚さんと――」


ガチャッ

凛「……ただ」


武内P「――私……そして、渋谷さんの休みが被っています」

武内P「なので、敬語の練習と親睦を深めるのを兼ねつつ――」

武内P「――東京の服屋を回ってみる、というのはどうでしょうか?」


ッターン!!


凛「っいまっ――!?///」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 16:12:52.10 ID:O3BjAo1Ho
あきら「それ、いいね。それなら楽しめそう」

武内P「それは良かったです」

あきら「合うファッション、押さえてるし」

武内P「はい。アイドルの方の、笑顔のためですから」

あきら「へへー! さすが、プロデューサー!」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


凛「わっ……私の居ない間に!///」

凛「なっ、ななっ、何話してたの!?///」


武内P「渋谷さん、戻られていたのですか?」

あきら「おかデース」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 16:19:59.68 ID:O3BjAo1Ho
凛「い、今戻ってきて……それで……!///」

凛「何なの!?/// はっ!?/// えっ、待って!///」


武内P「渋谷さん」

武内P「この日は、渋谷さんは休みなのですが……」

武内P「何か、予定はありますでしょうか?」


凛「ありませんけど!?///」

凛「……あっ、服! 服とか、買いに行こうかなって!」


武内P「それは……丁度良かったです」


ッターン!!


凛「っ――!?」

凛「そうなんですね!///」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/12(火) 16:30:19.32 ID:O3BjAo1Ho
凛「何が丁度良いか、全然わからないけど!///」

凛「その日は、すっごく暇で困ってたんだよね!///」

武内P「は、はあ……そうですか」

凛「そうなんですよ!///」

武内P「では、詳細は決まり次第連絡する、という事で」


凛「は――はいっ!///」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

あきら「へへー。#ショッピング、楽しみデスね!」


凛「…………ん?」


武内P「そう、ですね……」

武内P「渋谷さんと、砂塚さん以外にも、スケジュールが空いている方が居ます」

武内P「その方にも、声をかけてみましょう」ニコリ


ッターン!!


凛「…………はい?」




おわり
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 02:08:40.51 ID:jPkILKCe0
しぶりんチョロい
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 04:13:11.41 ID:sfCqH7IMO
前スレからしぶりんが可愛くて仕方ない
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 07:10:50.67 ID:RxJxpzgGo
買い物当日、プロフィール上自分より小さいはずのあきらの胸を見た凛ちゃん
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 09:03:53.93 ID:wXVQ49UZo
りあむ加入により
10代90over with 高森藍子
が実現可能になったのは喜ばしい
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 13:22:45.34 ID:Wa3BR51Xo
なんてひどいことをするんだ(棒)
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 19:26:52.00 ID:SrnCdOJno
武内P「高盛さんは及川さん、海老原さん、赤西さん、夢見さん、榊原さんとユニットを組んでいただきます」

武内P「高森さんは765プロの如月さん、283プロの杜野さんとユニットを組んでいただきます」

どっちがえぐい?
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 19:41:25.40 ID:ioj4/hgDO
瑞希「……」

結華「……」

珠美「……」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 19:48:49.67 ID:3S+KM7NPo
きも
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 20:19:35.45 ID:pGoHMq8zo
書きます


武内P「高森さんから……笑顔が消えた?」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 20:23:58.89 ID:pGoHMq8zo
未央「そうなんだよ! プロデューサー、どうしよう!?」

武内P「ほ、本田さん、落ち着いてください」

茜「どうしたら良いんでしょうか!? くすぐりですか!?」

武内P「ひ、日野さん、それはあまりに強引すぎます」


藍子「……」

藍子「まあ、無理に笑わなくても良いですよね」


武内P「……」

武内P「高森さん、一体何があったのですか!?」
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 20:26:43.20 ID:pGoHMq8zo
藍子「……」

藍子「別に、何も」


武内P「っ……!?」

未央「こうやって、完全に心を閉ざしてるんだよ!」

武内P「普段の彼女からは……想像も出来ない返しですね」

茜「見ててください!」


茜「――あっ!! あんな所に、ほかほかゴハンが!!」


藍子「……」


茜「……ほら! 全然反応しないんですよ!?」

武内P「あ、いや、それは……はい」

未央「あかねちん、それは……難しいって」
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 20:29:51.79 ID:pGoHMq8zo
藍子「……」

藍子「もう、寝ちゃおっかな」


武内P「っ……!?」

未央「聞いた!? あまりにゆるふわすぎるでしょ!?」

武内P「寝るならば、せめて仮眠室に……」

茜「……」


茜「――いや!! ゴハンが空を飛んでたら、気になりますよ!?」


武内P「あの……日野さん」

未央「あかねちん、ほら……今は、ね? ちゃんとしよ?」
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 20:33:12.11 ID:pGoHMq8zo
藍子「……」

藍子「よっこいしょういち」

…ごろんっ


武内P「っ……!?」

未央「そんなっ!? あーちゃん、それじゃおじさんだよ!」

武内P「せめて、よっこいしょ、までで……!」

茜「いえいえ!! 睡眠は大事ですよ!!」


茜「――寝る子は育つ!! ボンバー!!」


藍子「っ!」ビクッ!


武内P「っ! 今、微かに反応が!」

未央「そうなのかな!? 大声で、驚いただけじゃないよね!?」
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 20:38:18.45 ID:pGoHMq8zo
藍子「……」

藍子「神様、もう少しだけ」


武内P「っ……!?」

未央「神頼み!? あーちゃん、何がもう少しなの!?」

武内P「……古いドラマのタイトルでは、ありませんでしたか」

茜「藍子ちゃん!! せっかく、神様にお願いするんですから!!」


茜「――夢は大きく!! ビック・ボンバ――ッ!!」


藍子「っ!」ビクーンッ!


武内P「っ! 今、明らかに反応が!」

未央「そうかな!? 私は、大声で驚いたよ!?」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 20:42:59.19 ID:pGoHMq8zo
藍子「……」

藍子「お願いします……!」


武内P「っ……!?」

未央「あんなに真剣なあーちゃん、初めて見た……!」

武内P「普段の高森さんからは想像も出来ない、鬼気迫る表情……」

茜「っ!? 大変です、どうしましょう!?」


茜「――お腹が空いてきました!! お昼ご飯にしませんか!?」


藍子「ひぃああああ!?」


武内P・未央「!?」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 20:47:13.10 ID:pGoHMq8zo
藍子「ああっ、ひぃいいい!?」ビクビク!


武内P「高森さん!?」

未央「あーちゃん、どうしたの!?」

茜「藍子ちゃんも、お腹が空いたんですか!?」

未央「あかねちん、ちょっとそういうのタイム!」


藍子「ううっ、う、うううっ!?」ブルブル!


武内P「……!」

武内P「日野さん、頑張ってください!」

未央「プロデューサー!? えっ、何を!?」

茜「はいっ!! 力の限り、頑張りますっ!!」

未央「あかねちん!? 何がなの!?」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 20:55:10.37 ID:pGoHMq8zo
茜「……」スゥ…

茜「――!」カッ!


未央「!? あかねちん、何をやる気!?」


茜「Don't Stopです、でも焦りwhat?♪」スイスイ、キュキュクイッ!

武内P「ノーセンキュー!」


未央「!?」


藍子「スローライフで、Let's get the chance〜♪」フワ〜、ピョインッ!

武内P「フ――ッ!」


未央「!!?」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 21:00:19.68 ID:pGoHMq8zo
武内P・茜「……!」ジィッ!

未央「えっ!? あっ、こ……」


未央「こ〜こ〜ろ〜ゆ〜たかに〜……!?」ユ〜ラユラ〜


武内P・茜・藍子「5・4・3・2・1、イェ――!!」


茜「……藍子ちゃん! 大丈夫ですか!?」

藍子「……ありがとう、お蔭で心が豊かになったわ」

武内P「危ない所でした……」


未央「いやいや、ちょっと待って!?」

未央「良いんだけどさ!? いや、良くない!?」

未央「なんか……なんか、色々なんで!?」
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 21:05:07.66 ID:pGoHMq8zo
未央「なんで今ので冷静に……!?」

未央「っていうか、プロデューサーも参加してたし……!?」


武内P「……高森さん」

武内P「何か、悩みがあるのなら……私に、話してみませんか?」

藍子「でも……ご迷惑じゃ、ないでしょうか?」

武内P「いえ、そんな事は、決して」

武内P「担当には話しにくい事も、あるでしょうから」

茜「こう言ってくれてるんです!! 甘口でいきましょう!!」

藍子「……ふふっ、そうですね♪」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


未央「あっ、あっ、話が進んじゃった……!」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 21:09:33.29 ID:pGoHMq8zo
藍子「最近……新人の人が、入ってきましたよね」

武内P「ええ、そうですね」

武内P「辻野さん、砂塚さん、夢見さんの三人が……」

茜「もんのすごいボンバーな子も居ますよね!!」

藍子「っ!」ビクッ!

未央「あーちゃん? どうしたの?」

藍子「……」


藍子「それに伴って……」

藍子「専務が――新たなユニットを組む、って」


武内P「専務が……」

未央・茜「……新たなユニットを組む?」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 21:15:17.28 ID:pGoHMq8zo
藍子「それで……ちょっと、はい……」

未央「成る程、それでナーバスになってたんだ」

藍子「……うん、ごめんね」

茜「藍子ちゃん、元気を出してください!!」


茜「元気の無いアイドルなんて――」

茜「……『ごはんですよ』の無い、ごはんですよ!!」

茜「そんなの……あれ!? おいしい!!」


武内P・未央「……」

未央「……あかねちん、ちょっと落ち着こ?」
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 21:22:56.65 ID:pGoHMq8zo
未央「でも、ナーバスになる必要なんて……あっ」

藍子「……」

未央「あー……でっかいもんねぇ」

藍子「うん……それで、どうしても……気にしちゃって」

茜「? 何がですか? あっ、夢がですか!?」

未央「まー、夢とか愛とかが詰まってる所の話」

茜「?」キョトン

未央「炊飯器じゃないよ、あかねちん」


藍子「気にしないようにしてたら……」

藍子「……ふふ、逆に気になっちゃって」…ニコリ


未央「あーちゃん……」

武内P「高森さん……」

茜「パックごはん……?」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 21:31:18.69 ID:pGoHMq8zo
武内P「高森さん」

藍子「……はい、なんでしょうか?」

武内P「逆に――良い機会だと捉える事も出来ます」

藍子「良い機会……ですか?」

武内P「はい」


武内P「高森さんは、まだ16歳……高校一年生です」

武内P「これからの成長に、まだまだ期待が持てます」

武内P「栄養の管理や、運動等を今からすれば」


藍子「してます」


武内P「…………笑顔です」

未央「プロデューサー!? めげないで!?」
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 21:38:29.62 ID:pGoHMq8zo
武内P「……い、意識!」

藍子「はい」

武内P「意識が変わることで、肉体にも変化が現れる事が!」

未央「そうだよ! 大丈夫、私達育ち盛りだし!」

茜「! わかります! 今は、ごはんの話ですね!?」

未央「……うん! 合ってる! 合ってるよ、あかねちん!」


藍子「……うふふっ」

藍子「そうだよね……落ち込んでなんて、られませんもんね♪」ニコッ!


未央「うんっ!」茜「はいっ!!」


藍子・未央・茜「……えへへ♪」ニコニコ!


武内P「……良い、笑顔です」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 21:45:19.96 ID:pGoHMq8zo
武内P「しかし……新たなユニット、ですか」

未央「どんなユニットなんだろうね〜」

茜「新チーム! くーっ、ワクワクしてきますね!!」

未央「あはは、あかねちんの話じゃないじゃん!」

茜「はっ!? そうでした!」


藍子「――これからの成長に期待して」

藍子「って……ペアユニットです」


武内P「……ペア、ですか」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 21:49:52.99 ID:pGoHMq8zo
武内P「高森さんは、既に十分活躍されていますが……」

藍子「だから……先輩として引っ張くように、って」

未央「そういえば、あーちゃんもあかねちんも先輩だね」

茜「そうは言っても、少しだけですけどね!」

武内P「成る程、それで――」


ガチャッ!

みりあ「おはようございまーす!」


武内P「……赤城さん」

武内P「おはよう、ございます」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 21:53:15.25 ID:pGoHMq8zo
みりあ「ねえねえ、プロデューサー!」

みりあ「専務が、プロデューサーを連れてくるように、って!」

武内P「私を……ですか?」

みりあ「うんうん! それでねそれでね?」

みりあ「みりあも一緒に来なさいー、って!」

武内P「赤城さんも、一緒に……?」


藍子「……」


武内P「……」

武内P「っ!?」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 22:04:26.52 ID:pGoHMq8zo
藍子(16)「……新人の子に、負けないよう」

『155・42 74・60・79』


武内P「新人の方と組むのではなく……!」


みりあ(11)「えーっ!? 何の話なのー!?」

『140・36 75・55・78』


武内P「高森さんと赤城さんが……ユニットを……?」


藍子「良い刺激になるだろうからどうか、って♪」ニコッ!


武内P「それ、は……!」

武内P「……」

武内P「良い……話だとは、思います」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/13(水) 22:10:52.20 ID:pGoHMq8zo
みりあ「えーっ!? みりあと、藍子ちゃんが!?」

藍子「うふふ、まだ決まったわけじゃないんだけどね?」

みりあ「そうなの? ねえねえ、プロデューサー!」

武内P「……はい、何でしょうか?」


みりあ「みりあ、やりたい!」

みりあ「藍子ちゃんと一緒に、成長してくー!」ニコッ!


武内P「それ、は……」


藍子「……ふふっ♪」

藍子「無邪気な笑顔が――」


藍子「胸に来ます」




おわり
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 22:30:55.81 ID:ioj4/hgDO
U12で一番おっぱいがおっきな子……
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 23:27:39.23 ID:Wa3BR51Xo
U12組って、あと4,5年するとおっぱい大きくなりそうな子が多いよね(一人除いて)

そして珠美さんェ……
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/13(水) 23:42:44.98 ID:LcxXYwJVo
高森さんってみりあちゃんにも負けてるの…?マジで?
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 01:00:41.31 ID:jfo2XUY00
みりあ育つよ
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 01:05:40.47 ID:sm1rmMwno
ゆめ みりあ む
つまりみりあもあのサイズまで育つよ
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 02:19:47.69 ID:c5Qpd9IDO
成宮由愛「……」←13歳だけど桃華や小春と同じ72cm
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 08:37:05.29 ID:LYtVCTYHo
この類いのはかな子と同じ身長の奴を並べるのも惨いことになる
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 08:37:48.48 ID:iZaR5YEbo
橘さんは多分残念なことになりそう
千枝はうん、普通に大きくなりそうだから
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 12:20:13.70 ID:q+PkurLOo
珠美殿は藍子、千早の一族より若葉、このみさんルートだから

>>205
三峰はサイバーグラスにでも入ってて
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 13:11:51.64 ID:LYtVCTYHo
千早は藍子と違ってウエスト細いから同じ系統にしたら失礼やね
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 21:34:20.30 ID:M/Gg+a30o
書きます


武内P「今日は、定時で帰りました」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 21:36:44.47 ID:M/Gg+a30o
ちひろ『えっ?』

武内P「いつも、残業をしてばかりだと……はい」

ちひろ『そっ、そうなんですね!』

武内P「あの、何か問題でもありましたか!?」

ちひろ『えっ!? あ、あはははは』


ちひろ『……何でもありません』

ちひろ『すみません、失礼します……』


武内P「はい、また明日」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 21:40:54.37 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「――はい、もしもし」

卯月『あっ、ぷ……プロデューサーさん!』

卯月『えっと……今、どこに居ますか?』

武内P「えっ? 今は……はい、自宅に」

卯月『えっ、ええ〜っ!? 帰っちゃったんですか!?』

武内P「え、ええ……」 


卯月『そ、それなら大丈夫です!』

卯月『……島村卯月、頑張りました……』


武内P「は、はあ……」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 21:44:51.69 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「? また……はい、もしもし」

未央『やっほー、プロデューサー!』

武内P「本田さん、お疲れ様です」

未央『あのさ、今どこに居るの?』

武内P「えっ? 今は……自宅です」


未央『……うわ、本当に家に帰ってるっぽい』

未央『えっ? 電話代わr』


武内P「……切れた?」
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 21:48:31.25 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「また……はい、もしもし」

凛『ふざけないでよ!! ねえ、何なの!?』

武内P「っ!?」ビクッ!

凛『定時で帰るなんて、聞いてない!!』

武内P「いえ、あの……!?」


凛『アンタ、私のプロデューサーでしょ!?』

凛『っ……ちょっ、離しt』


武内P「……き」

武内P「キレていた……!?」
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 21:53:48.40 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「……っ!」

美波『もしもし、プロデューサーさん?』

武内P「……! 新田さん!」

美波『えっ、えっ? どうして嬉しそうなんですか?』

武内P「新田さんで……安心しました」


美波『そ、そんな……や、ヤダもう……♡』

美波『そんな事言われたら、んっ♡ 美波、イキま』


武内P「――っ!」

武内P「……ギリギリ、切れました」
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 22:03:30.95 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「……はい、もしもし」

アーニャ『アロー、もしもし、プロデューサー?』

武内P「アナスタシアさん」

アーニャ『今日は、何の日か知っていますね?』

武内P「ええ、勿論」


アーニャ『ダー♪ やっぱり、知ってました♪』

アーニャ『……なのに? どうして? 何故? 何故?』

アーニャ『パチェムゥ!? パチェムゥ!? パチェムゥ!?』


武内P「――っ!?」

武内P「お、驚いて……切ってしまった」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 22:10:46.93 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「……は、はい……もしもし」

蘭子『……我が友よ』

武内P「神崎さん?」

蘭子『……漆黒の魔力と天の川が織りなす至高の結晶』

武内P「えっ?」


蘭子『捧げられるべき供物は未だ我らが手にあり……』

蘭子『……乙女達の嘆きの宴が始まったわ』


武内P「神崎さん? あの、それはどういう……」

武内P「……切れた」
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 22:14:50.62 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「……もしもし?」

智絵里『おつかれさまです、プロデューサー』

武内P「緒方さん。お疲れ様です」

智絵里『今日は、もうお家なんですか?』

武内P「え、ええ……」


智絵里『……えへへ、そうなんですね』

智絵里『わたし達、びっくりさせようと思って……』

智絵里『でも……そっか、見捨てられちゃったんだ』


武内P「っ!? 緒方さん!?」

武内P「っ……切れている……!」
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 22:17:48.89 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「もしもし!?」

杏『あー、プロデューサー』

武内P「双葉さん! あの……!」

杏『とりあえず、こっちは任せておいてよ』

武内P「皆さん、一緒に居るのですか?」


杏『まー、うん。そんなとこ』

杏『あっ、ちょっとやばそうだから切るね』


武内P「……」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 22:21:46.02 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「……もしもし」

かな子『あっ、プロデューサーさん!』

武内P「三村さん」

かな子『心配しないでください、大丈夫です!』

武内P「あの……そちらは、どんな状況d」


かな子『チョコクリームたっぷりのケーキが美味しいです♪』

かな子『こういうのって、すぐ食べないとですもんね♪』

かな子『……美味しい〜♪ 美味しいから、ホールでも大丈夫です♪』


武内P「っ!? 待ってください!」

武内P「……切られた……!」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 22:26:37.70 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「……はい、もしもし」

莉嘉『もー! Pくん、今日に限って帰るのはーやーいー!』

武内P「城ヶ崎さん……その、すみません」

莉嘉『せっかくチョコ用意してたのにー!』

武内P「そう、だったのですね……」


莉嘉『お姉ちゃんなんか、セクシーな黒い下着d』

美嘉『ちょおおおおお!?/// 違っ、違ああああああ』


武内P「っ!?」

武内P「……切られた」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 22:30:03.59 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「……も、もしもし」

みりあ『あっ、プロデューサー!』

武内P「赤城さん」

みりあ『プロデューサーって、黒いエッチな下着好き?』

武内P「えっ!? あの、それはどういう……」


みりあ『美嘉ちゃーん! スケスケのだよn』

美嘉『みりあちゃあああ!?/// やめっ、やめえええええ』


武内P「っ!?」

武内P「……また、切られた」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 22:34:27.49 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「……もしもし?」

きらり『あっ、Pちゃん! きらりんだゆ!』

武内P「諸星さん」

きらり『ごめんにぃ。皆、Pちゃんをびっくりさせようと思ってて……』

武内P「……そう、だったのですね」


きらり『うぇへへ! でもでも、今日はゆっくり休んで!』

きらり『また明日、あま〜いチョコを食べてハピハピしようにぃ☆』


武内P「……」

武内P「はい……ありがとう、ございます」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 22:37:59.68 ID:M/Gg+a30o
みく『――んもーっ! どうして今日に限ってすぐ帰ったにゃ!』

武内P「ま、前川さん……」

みく『皆学校もあったし……』

みく『残業して、頑張ってるPチャンにって思ってたのにー!』

武内P「それは……すみませんでした」


みく『許さないにゃ!』

みく『罰として、明日はチョコまみれの刑にゃーっ!』


武内P「それは……」

武内P「……はい、楽しみにしておきます」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 22:50:17.06 ID:M/Gg+a30o
李衣菜『――あ、もしもしプロデューサー?』

武内P「多田さん」

李衣菜『そういう訳なんで、明日は覚悟しておいてくださいね!』

武内P「……はい、わかりました」

李衣菜『あっ、ちょっと待ってくださいね』


李衣菜『……えっ? 代わらなくて良いの?』

李衣菜『だって、さっきあんなに騒いで……あ、うん』

李衣菜『あっ、大丈夫でした!』

李衣菜『それじゃあ、また明日! お疲れ様でーす!』


武内P「はい、お疲れ様です」

武内P「……」

武内P「また明日……か」
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 23:00:49.04 ID:M/Gg+a30o
prrrr!prrrr!

武内P「……はい、もしもし」

ちひろ『あの……度々すみません』

武内P「いえ、問題ありません」

ちひろ『えっ、と……』


ちひろ『プロデューサーさん、明日お休みですよね?』

ちひろ『それで、その……』

ちひろ『よ……予定って、何かありますか……?』


武内P「はい」

武内P「明日は、出社します」


ちひろ『えっ?』
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 23:07:41.75 ID:M/Gg+a30o
ちひろ『あの……プロデューサーさん?』

ちひろ『……休日出勤を宣言されても、困るんですけど』

武内P「……すみません」

ちひろ『すみませんじゃありません』

武内P「明日は、どうしても社に居なければならなく……はい」


ちひろ『……全く、もうっ!』

ちひろ『私が休みの日に、珍しく残業をしないと思ったら……!』


武内P「……」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 23:12:14.81 ID:M/Gg+a30o
武内P「あの……千川さん」

ちひろ『何ですか?』

武内P「千川さんは、その……ご存知だったのでは?」

ちひろ『何をですか?』


武内P「プロジェクトのメンバーの皆さんが……」

武内P「私に、サプライズでチョコを……と」


ちひろ『えっ? 皆、そんな事を?』


武内P「……」

武内P「え……ええ」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 23:17:33.95 ID:M/Gg+a30o
ちひろ『へぇ、素敵じゃないですか!』

武内P「ですから、その……」

ちひろ『? どうかしましたか?』


武内P「私の所在を確認したのは……」

武内P「――皆さんの計画のため」

武内P「……では、無かったのでしょうか?」


ちひろ『……』

ちひろ『…………』


ちひろ『はい、そうです』
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/14(木) 23:34:15.64 ID:M/Gg+a30o
ちひろ『だから、プロデューサーさんに電話をしたんです』

武内P「えっ? あの……」

ちひろ『すみません、電車に乗るのでこれで』

武内P「電車? あの、千川さんは」

ちひろ『失礼します』

武内P「……切れた」


武内P「……」

武内P(千川さんは、何故私に電話を……?)

武内P(……それも、普段私が帰るような時間に)

武内P(私が定時で帰って、今回の問題が起きたから――)

武内P(千川さんに、連絡が行ったのだと考えていたが)


武内P「……」


武内P「明日、直接聞いてみよう」




おわり
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 23:41:03.95 ID:gY5swsVcO
ちひろは卑しか女ばい…
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/15(金) 00:41:46.18 ID:ZrA+SOA+0
かーっ!!
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/15(金) 01:50:23.96 ID:TXLjnhZU0
羨ましい羨ましい羨ましい羨ましい尊い羨ましい
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/15(金) 03:34:17.40 ID:1fcNsv+Y0
自宅に来るのはいなかったか…
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/15(金) 03:51:46.91 ID:Xt6C4ZRio
取りあえず智絵里はヤバそう
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/15(金) 08:10:15.05 ID:FHTTEAlko
すまん、結局ちっひはなんのために電話してきたんや?
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/15(金) 08:15:15.27 ID:b7rL5//OO
ちっひもみんなと一緒だったってことやろ
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/15(金) 08:59:54.98 ID:3m5yWFo/o
この武内Pは自宅が知られていないから平和だった感
じゃなきゃ今頃占拠されている、そうアダルトチルドレンたちに
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/15(金) 10:21:06.33 ID:+r5MTLM50
ちっひはみんなと目的は一緒だったけど一人で決行しようとしていた
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/15(金) 14:20:08.88 ID:maIX4KmKO
翌日編はよ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 21:27:22.78 ID:JzA/HGtGo
書きます


武内P「新曲発表、ですか?」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 21:30:13.24 ID:JzA/HGtGo
奏・美嘉・周子・志希「……」コクリ

武内P「それは、おめでとうございます」

奏・美嘉・周子・志希「……」

武内P「あの……何故、皆さん無言なのでしょうか?」

奏・美嘉・周子・志希「……」


ガチャッ!

フレデリカ「おっはよー♪」

フレデリカ「それじゃあ、新曲発表始めるよん♪」


武内P「……宮本さん?」
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 21:37:16.03 ID:JzA/HGtGo
フレデリカ「フンフフーンフーンフーンフ〜ン♪」


武内P「このメロディーは……」


フレデリカ「フンフフーンフーンフーンフ〜ン♪」


武内P「バースデーソングの――」


フレデリカ「フンフフーフーフーフフ・フレデリカ〜♪」


武内P「――『Happy Birthday to You』、ですね」


フレデリカ「フンフフーンフーンフーンフゥ〜〜ン♪」

フレデリカ「……おめでとう、アタシ! ありがとう、フレちゃん!」


奏・美嘉・周子・志希「……」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 21:42:49.16 ID:JzA/HGtGo
武内P「宮本さんは……昨日が、誕生日だったのですか?」

フレデリカ「そうだよん♪」

フレデリカ「バレンタインデーに、チョコと一緒に生まれたんだ〜♪」

武内P「は、はあ……」

武内P「すみません……担当外なので、把握していませんでした」

フレデリカ「そんなっ!? もっと、チョコの事を知ってあげて!」


武内P「その前に……」

武内P「誕生日、おめでとうございます」


フレデリカ「ンフフ♪ アリガトゥ・サンキュー!」

フレデリカ「フランス語っぽく言ってみたけど、通じた?」


奏・美嘉・周子・志希「……」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 21:47:55.42 ID:JzA/HGtGo
武内P「すみませんが、プレゼントは……」

フレデリカ「わお! もしかして、見えないプレゼント?」

武内P「いえ、そういう訳では……」

フレデリカ「なるほどなるほど!」

フレデリカ「それじゃあ、ギブミーチョコレ〜ト〜♪」

武内P「……」


武内P「あの……もし、昼食時に予定が無ければ、ですが」

武内P「宜しければ、ランチをご馳走させてください」


フレデリカ「へっ? ランチって……昼の?」

フレデリカ「朝でも夜でも夕方でもない、昼のゴハン?」


奏・美嘉・周子・志希「……!」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 21:52:34.17 ID:JzA/HGtGo
武内P「はい。昼食、ですね」

フレデリカ「ふむふむ、どんなご馳走が待ち受けてるの?」

武内P「ハンバーグです」

フレデリカ「おおっ、ハンバーグ! 茶色いし、チョコと似てるね!」

武内P「え、ええ……そうですね」

フレデリカ「それじゃあ、フレちゃんお出かけする準備してくるね♪」

武内P「あの、お昼時にはまだ早――」


フレデリカ「いざ、ハンバーグ! チョコレートハンバーグ!」

ガチャッ、バタンッ!


武内P「……行ってしまった」


奏・美嘉・周子・志希「何、今の!?」


武内P「えっ?」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 21:58:51.14 ID:JzA/HGtGo
奏「貴方……そんなに機転が利いたのね」

武内P「えっ?」

美嘉「まるで、大人の男の人みたいじゃん!★」

武内P「……見た通り、成人男性です」

周子「やるなぁ。かなり見直したよ」

武内P「はあ……」

志希「OH! I'm very proud of you〜!」

武内P「いえ、あの……」


武内P「一体、何があったのですか?」


奏・美嘉・周子・志希「……」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 22:02:30.85 ID:JzA/HGtGo
  ・  ・  ・

武内P「宮本さんの誕生日を忘れていた、と」


奏・美嘉・周子・志希「……」コクリ


武内P「……成る程」

武内P「宮本さんも、自分の誕生日を忘れていて……」

武内P「……今朝、思い出し」

武内P「先程の歌を気に入って歌い続け……いたたまれなくなった、と」


奏・美嘉・周子・志希「……」コクリ


武内P「……成る程、お話はわかりました」

武内P「……」

武内P「何故、皆さんは私を巻き込んだのですか?」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 22:09:07.61 ID:JzA/HGtGo
奏「私達だって、完全に忘れてた訳じゃないのよ?」

奏「ただ、フレデリカのテンションが高くて……」


武内P「あの」


美嘉「バレンタインデーだー、ってずっとはしゃいでて……さ」

美嘉「ひっかかりつつも、流されちゃって……」


武内P「待ってください」


周子「めっちゃ良い笑顔でチョコ食べてたしな〜」

周子「フレちゃん、一週間前からチョコチョコ言ってたし」


武内P「皆さん?」


志希「気まずい、っていうのがどんなのか初めて知ったんだよね」

志希「うーん、あたし的にはこれは知りたくなかったかなー」


武内P「……」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 22:13:47.77 ID:JzA/HGtGo
奏「でも、貴方のおかげで機嫌が良くなったみたい」

武内P「……そう、なのですか?」

美嘉「なんとなーく、いつもとカンジ違ったんだよね」

武内P「……成る程」

周子「それにしても、ハンバーグ楽しみやわ〜」

武内P「えっ?」

志希「にゃはは♪ エネルギー、補充〜♪」

武内P「あの……」


武内P「……皆さん?」


奏・美嘉・周子・志希「?」キョトン


武内P「……『?』ではなく」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 22:21:46.57 ID:JzA/HGtGo
武内P「皆さんもご一緒に……でしょうか?」


奏「だって……ねえ?」

美嘉・周子・志希「うん」


武内P「勿論、私は構いませんが……」


奏「ちなみに――」

奏「――私、7月1日が誕生日だったんだけどな」

美嘉「――アタシは、11月12日だったんだよねー」

周子「――あたしは、12月12日だったんだー」

志希「――あたしは、5月30日だから大分前だよん♪」


武内P「やはり!」

武内P「全員に、ご馳走しろと……!?」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 22:31:07.55 ID:JzA/HGtGo
奏「あら? もしかして、私達は駄目なのかな?」

武内P「……それだけで済むのならば!」

美嘉「アハハ★ もー、何焦ってるの★」

武内P「当然の結果です!」

周子「ゴハン食べた後、何処に連れてってくれるん?」

武内P「真っ直ぐ、プロダクションへ戻ります!」

志希「んふふ♪ 真っ直ぐがどっちか、わかるかにゃ〜?」

武内P「待ってください! あまりに不穏すぎます!」


武内P「あの……本当に、昼食だけに……!」


奏・美嘉・周子・志希「……」


武内P「急に無言にならないで頂けますか……!?」
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 22:37:49.29 ID:JzA/HGtGo
奏「何? そんなにフレデリカと二人っきりが良いの?」

武内P「いっ、いえ! 決して、そういう訳では!」

美嘉「ホントにー? な〜んかアヤシイ……」

武内P「……本当です」

周子「ハンバーグって言ってたけど、どんなやつなん?」

武内P「煮込みハンバーグです」

志希「ほうほう、それは色々仕込みが楽そうだねん♪」

武内P「いえ、手間暇かかったデミグラスソースが……何のですか!?」


武内P「……すみません」

武内P「また後日、改めて……では、いけませんか?」


奏・美嘉・周子・志希「……」


武内P「……!」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 22:47:21.16 ID:JzA/HGtGo
武内P「……わかりました」


奏・美嘉・周子・志希「んふふ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「では――これをどうぞ」

スッ…


奏・美嘉・周子・志希「……」


武内P「二万円です」


奏・美嘉・周子・志希「……」


武内P「これで……許して頂けませんか?」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 22:53:55.96 ID:JzA/HGtGo
奏「こういうの、良くないと思うんだけど?」

武内P「はい、私もそう思います」

美嘉「わかってるなら、ホラ。それしまって」

武内P「……」

周子「何なら、それでフレちゃんにプレゼント買ってあげてよ」

武内P「!? いえ、それは……!」

志希「にゃはは♪ それが知られたら、大変だよね〜♪」

武内P「ええ、ですから――」


奏・美嘉・周子・志希「ふふっ♪」ニコッ!


武内P「……」

武内P「……良い……笑顔ですね……!」
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 23:03:14.45 ID:JzA/HGtGo
  ・  ・  ・

武内P「――という事情がありまして」

専務「成る程、ご苦労だった」

武内P「……」

専務「彼女たちに、随分と連れ回されたそうだな?」

武内P「……はい」


武内P「ですが――皆さん、とても良い笑顔をしていました」


専務「そうか……やはり、君は優秀だな」

専務「今回の件を任せたのは、正解だった」


武内P「……」

武内P「えっ?」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 23:08:20.65 ID:JzA/HGtGo
武内P「あの……任せた、とは?」

専務「そのままの意味だが?」

武内P「……専務」

専務「私は、宮本フレデリカくんに言ったまでだ」

武内P「……何をでしょうか?」


専務「――君の新曲は、とても素晴らしい」

専務「――是非、彼に聞かせてあげるべきだ、と」


武内P「……」

武内P「待ってください」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 23:15:16.74 ID:JzA/HGtGo
武内P「彼女達が私の所へ来たのは……専務が?」

専務「私は、あまり気が長い方では無い」

武内P「すみません、それとこれとは……」

専務「ならば、私にあの歌を聞き続けろと?」


武内P「……宮本さんは、プロジェクトクローネの一員です」

武内P「専務が見つけたお姫様――シンデレラの一人です」

武内P「ならば、今回の件は……」

武内P「担当である、専務が対処するのが一番だったのではないでしょうか?」


専務「まるでおとぎ話だな」


武内P「いえ、現実的な話です」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 23:20:31.66 ID:JzA/HGtGo
専務「君は、私に意見するつもりか?」

武内P「お願いします、専務」

武内P「今回の様な事が続いては、私の身がもちません」

専務「君には期待している」


専務「宮本フレデリカくんだけでなく――城ヶ崎美嘉くん」

専務「彼女も、君が居る事でさらなる輝きを見せている」


武内P「えっ?」


専務「――イジられ役がアタシじゃなくなって、チョー楽★」

専務「彼女は、こう言っているが?」


武内P「……後で、城ヶ崎さんと直接話します」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/15(金) 23:31:26.72 ID:JzA/HGtGo
専務「とにかく、ご苦労だった」

武内P「お願いします。せめて、今回だけに」

専務「考えておこう。下がりなさい」

武内P「待ってください、専務!」


専務「そうだな……では、こうしよう」

専務「奇しくも、昨日はバレンタインデーだ」

専務「なので、君には――」


武内P「!? 待ってください!」


専務「箱入りのチョコレートのように、何が飛び出すかわからない」

専務「そんな、素晴らしい才能の持ち主である――」

専務「――彼女達の、面倒を見る権利を贈ろう」


武内P「ブラックにも程があります!」



おわり
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/15(金) 23:45:13.04 ID:1fcNsv+Y0
美嘉に裏切られたショックは大きそう
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 00:16:31.30 ID:jc4a/b0vo
そういえばこのシリーズじゃLiPPSクローネだと唯ちゃんがいまいち影薄いな
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 00:18:22.51 ID:iFXY+X1SO
キャサリン・フルボディやってて思ったが色々アプローチをかけられてるのにくっつく気がないプロデューサーは悪夢行きにあって箱を登るはめになるんじゃないだろうか?
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 03:50:43.55 ID:LwW2eW4n0
現金2万円ってのが生々しくて泣きそうになるけど笑った
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 05:15:17.77 ID:yVUx4Is3o
>>290
ありすも目立ってないな
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 09:34:06.12 ID:yfvqqQXjo
クローネに楓さん入ってたら
さらにストレスドンだったんだろうな
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 15:47:12.49 ID:lEAtJM3Jo
唯はちなったんの方向いてるから
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 19:50:03.61 ID:KQHh9fqEo
書きます


武内P「カラオケ、ですか?」
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 19:54:44.88 ID:KQHh9fqEo
美嘉「そっ! 今日は約束してたんだよねー★」

唯「ねぇねぇ、良かったら一緒に来る〜?」

美嘉「アハハ、来るわけ無いって!」

唯「えー? ゆい達に聞きたいコトがあるんでしょ?」


唯「だから、カラオケでマイクを使ってパーッとインタビュー!」

唯「みたいなカンジでどう? どう?」


武内P「……」
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 20:00:48.22 ID:KQHh9fqEo
  ・  ・  ・

唯「――んじゃ、とりあえず二時間でヨロで〜す☆」


美嘉「……まさか、本当に来ると思わなかった」

武内P「いえ……私も、そのつもりはなかったのですが」


唯「シンデレラプロジェクトのプロデューサーちゃん!」

唯「ワンドリンクだけど、飲み物何にする〜?」

唯「あっ、お酒いっとく? それでテンションアゲアゲでさっ!」


武内P「い、いえ……それは、さすがに」

美嘉「……どうなることやら」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 20:07:00.71 ID:KQHh9fqEo
  ・  ・  ・

武内P「――それでは、早速ですが」


唯「ストップストーップ! ちょっとターイム!」


武内P「……大槻さん?」

唯「もー! ちょっとは歌ってからにしようよー!」

美嘉「まあ、ドリンクもまだ来てないしねー」

唯「ゆい、喉カラカラ〜!」

武内P「そう、ですね……すみません」


唯「楽しんでからでも遅くないっしょ☆ ねっ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

美嘉「ま、たまにはこういうのも良いんじゃないの★」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 20:14:50.58 ID:KQHh9fqEo
  ・  ・  ・

美嘉「――ハイ♪」


唯「イェーイ! 美嘉ちゃーん、ヒューヒュー!」

武内P「城ヶ崎さんの歌う……」

武内P「大槻さんのソロ曲、『Radio Happy』」

武内P「……とても、素晴らしいステージでした」

唯「えへへ、でしょ〜? 最後もカワイかったっしょ?」

武内P「ええ、とても」

唯「アハッ☆ だってさ、美嘉ちゃ〜ん♪」


美嘉「いや、ちょっと……ずっとこの感じでいくの!?」

美嘉「歌うたびにこれだと、キツくない!?」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 20:20:20.39 ID:KQHh9fqEo
唯「えー? もしかして照れてるの? うりうり〜!」

美嘉「違うってば!……もー、早く次入れなって」

唯「そだね!」


唯「――はいっ、プロデューサーちゃん☆」


武内P「……えっ?」

唯「ゆい、プロデューサーちゃんの歌が聞きたいな〜♪」

武内P「いえ、私は……」

唯「イイじゃんイイじゃん☆ 後でインタビューに答えるお・れ・い☆」

武内P「はあ……」


美嘉「唯……アンタ、なんか凄いね」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 20:24:11.25 ID:KQHh9fqEo
唯「ホラホラ〜! どんなの歌う〜?」

ずいっ!

武内P「あ、あの……」

美嘉「こーら、距離近いって」

唯「おっと! アブないアブない!」

唯「密室で、プロデューサーちゃんをメロメロにしちゃう所だった☆」

美嘉「アタシも居るの、忘れないでよねー?」

唯「それじゃあ、美嘉ちゃんをメロメロにしよっかな〜♪」

美嘉「ちょっと、もう!……アハハ★」


武内P「では……とりあえず、一曲だけ」


美嘉・唯「オッケー♪」
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 20:31:06.93 ID:KQHh9fqEo
  ・  ・  ・

武内P「〜♪」

武内P「……」

武内P「……アイドルの方の前で歌うのは、緊張しますね」


唯「お……おおう!///」

唯「プロデューサーちゃん、歌上手いじゃ〜ん!」

武内P「そう、でしょうか? 自分では、よく……」

唯「うんうん! ゆい、ちょっとドキッとしちゃったもん!」

唯「ねっ、美嘉ちゃ――」


美嘉「うん……ヤバーイ……♥」


唯「――美嘉ちゃ――ん!?」
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 20:36:01.37 ID:KQHh9fqEo
美嘉「どうしたの? 大声出しちゃって♥」

美嘉「あっ、歌う前に声出し? やるじゃん♥」

唯「美嘉ちゃん!? いや、あの……違くない!?」

美嘉「? 何が?」

唯「ゆ……ゆいの気のせい……?」


美嘉「アタシは、カリスマJKアイドル♥」

美嘉「――城ヶ崎美嘉だよ♥」


唯「気のせい違う!!」
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 20:41:56.15 ID:KQHh9fqEo
美嘉「ねー♥ 他の曲も歌いなよー♥」

ずずいっ!

武内P「あ、あの……」

唯「美嘉ちゃん!? めっちゃ距離近いよ!?」

美嘉「おっと、アブナイ♥」

美嘉「だって……ここ、密室だからねー♥」

唯「ゆいも居ます! ゆいも、ここに居ます!」

美嘉「ねー♥ 良いでしょー?♥ お・ね・が・い♥」

武内P「じょ、城ヶ崎さん……?」


唯「……!」

唯(ゆいが……ゆいが、何とかしなきゃ!)
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 20:47:06.21 ID:KQHh9fqEo
唯「……!」

唯(ゆいが歌って、流れを変えないと!)

唯「――それじゃっ、次はゆいが歌うよー☆」

唯「テンションアゲアゲで、盛り上がってこー!」


〜♪


武内P「これは……城ヶ崎さんのソロ曲――」

美嘉「『TOKIMEKIエスカレート』……♥♥♥」


唯「――は、ナシで!」

唯「演奏中止! 演奏中止、ヨロ!」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 20:54:52.20 ID:KQHh9fqEo
唯「……!」

唯(どうしよ!? 何入れれば良い!?)


美嘉「ねえ、なんか部屋暑くない……?♥」

武内P「そう、でしょうか? でしたら、空調を……」

美嘉「シャツのボタン外せばオッケーかな♥」

武内P「そ、そう……ですか」

美嘉「ちょっとヤダー♥ エーローイー♥ んふっ♥」

武内P「いっ、いえ! 決して、その様な事は!」


唯「……!///」

唯(もおお! 考えがまとまらないよー!)
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 21:05:14.34 ID:KQHh9fqEo
唯「……!」

唯(とりあえず! クローネのメンバーの曲を――)


『in fact』:橘ありす


唯(――もっともっと素直になられたら、ヤバいよ〜!)


『薄荷 -ハッカ-』:北条加蓮


唯(――ずっとそばにいたいよ、とかアウト!)


『Hotel Moonside』:速水奏


唯(――ここがホテルムーンサイドになっちゃう!)
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 21:08:07.11 ID:QRQWw8bDO
ホテルで、もっと素直になって隣にいたい……


仁奈でも手を出すわ、こりゃ
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 21:11:29.76 ID:KQHh9fqEo
唯「どうしよ……何歌おう……!?」


美嘉「そういえば、莉嘉がライオンの衣装着たそうじゃん?」

武内P「え、ええ……そうですね」

美嘉「アタシは似合うと思う? がおー♥」

ずずずいっ!

武内P「じょ、城ヶ崎さん!?」

美嘉「んー……猫の方がカワイイ? にゃおー♥」

武内P「ど、どちらでも魅力的だと……あの、離れ……!」

美嘉「にゃおー♥ にゃおー♥ にゃー♥」


唯「――!」
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 21:17:05.47 ID:KQHh9fqEo
  ・  ・  ・

武内P「――大槻さんに、感謝された?」


みく「そうにゃ!」

みく「――やっぱり、みく達は凄いユニットだ、って!」

李衣菜「お陰で助かった……って言われたんですよね」

李衣菜「プロデューサー、何か知ってますか?」


武内P「そう、ですね……」


みく・李衣菜「……?」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 21:21:58.05 ID:KQHh9fqEo
  ・  ・  ・

みく・李衣菜「……なるほど」

みく「Pチャンの歌を聞いた美嘉チャンが――」

みく「――発情期のメス猫チャンになった、と」


武内P「あの、前川さん……!」

武内P「その表現は、あまりにも……」

武内P「……それに、私の歌がきっかけだったとは限りません」


李衣菜「でも! ロックな魂が溢れる!」

李衣菜「私達の『OωOver!!』を二人で歌って、正気に戻ったと!」


武内P「……はい、そうd」


みく「ちょお〜っと待つにゃ!!」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 21:26:13.69 ID:KQHh9fqEo
誤)>李衣菜「私達の『OωOver!!』を二人で歌って、正気に戻ったと!」

正)>李衣菜「私達の『ØωØver!!』を二人で歌って、正気に戻ったと!」
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 21:32:30.38 ID:KQHh9fqEo
李衣菜「? どうしたの、みくちゃん」

みく「『ØωØver!!』で正気に戻ったのは――」

みく「――ネコチャンパワーがきっかけにゃ!」

李衣菜「はあっ!? だって、発情期のメス猫って言ったじゃん!」

みく「……いっ、言ってないにゃ!」

李衣菜「正気に戻ったのは、ロックな魂のおかげ!」

李衣菜「その証拠に、唯ちゃん私に向けてお礼言ってたし!」

みく「そんな事ないもん! みくの方向いてた!」


武内P「あの……」

武内P「二人で歌ったから、というだけの可能性も……」


みく・李衣菜「ちょっと黙ってて!」


武内P「……はい」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 21:39:43.95 ID:KQHh9fqEo
みく「だったら――勝負にゃー!」

李衣菜「良いよ! やったろうじゃん!」

みく「Pチャン! カラオケ行くよ!」

李衣菜「それで、私達の前で歌ってください!」


武内P「えっ!?」


みく「ネコミミと!」

李衣菜「ロック!」

みく・李衣菜「――どっちが強いか、勝負!」


武内P「あ、あのっ!?」

武内P「仰っている意味が、よく……!」
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 21:46:48.74 ID:KQHh9fqEo
  ・  ・  ・

武内P「……何故、こんな事に」


夏樹「あはは! まあ、良いじゃないか!」

菜々「キャハッ!……JK! JKとして、カラオケはたしなみです!」

みく「さあ、Pチャン! 曲を入れるにゃ!」

李衣菜「本気で歌ってくださいね、プロデューサー!」


武内P「その……質問、なのですが」

武内P「それによって、何がわかるのでしょうか?」


みく・李衣菜・夏樹・菜々「……」

みく・李衣菜・夏樹・菜々「盛り上がっていこー!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 21:54:32.69 ID:KQHh9fqEo
武内P「では……歌います」


https://www.youtube.com/watch?v=fDF00TzjcfY


菜々「――っ!? これは……!」

みく「あっ、『勇気100%』は知ってるにゃ!」

李衣菜「でも……光GENJI……?」

夏樹「アタシ達の時は違う人が歌って……」


菜々「うっ……うええっ……!」ポロポロッ!


みく・李衣菜・夏樹「!?」
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/16(土) 21:59:19.45 ID:KQHh9fqEo
  ・  ・  ・

ちひろ「それで……泣き出しちゃったんですか」

武内P「……はい」

ちひろ「……刺さっちゃったんでしょうね」

武内P「……そのようです」

ちひろ「また、カラオケに行くんですか?」

武内P「誘われてはいますが……」


武内P「……世代の違う方とのカラオケは、難しいものがあります」


ちひろ「……色んなギャップがありますからね」



おわり
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/16(土) 22:23:18.47 ID:iFXY+X1SO
セイレーンかなにかかな?
武内Pはお酒飲まされてばかりだけどバーテンダーとか似合いそう
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 00:50:56.76 ID:s/XNUn6vo
突っ込み役が増えてよかったな武内P
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 02:27:17.72 ID:lU9wIAnYO
枷の外れたお姉ちゃん相手によく耐えたな
二人きりならまずアウトだったろう
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 09:32:40.57 ID:osZxhoeco
こないだゾンビアニメでラップ歌ってたな>武内
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 12:53:52.29 ID:q2B71JtWo
パパになっちゃえ 選手権が開かれそうだったな
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 17:13:57.99 ID:8mhZ1fHIO
年少組に赤ちゃんねだられる武内P見たい
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 19:21:01.96 ID:ij6NF0wpo
名誉CP小梅は年少組に入りますか!?
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 20:03:48.60 ID:TXiLzKFDO
L.M.B.G最年長が20歳。次点が14歳だから問題ない
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 21:24:29.34 ID:RVvhr/5Qo
書きます


武内P「赤ちゃん、ですか?」
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 21:29:51.28 ID:RVvhr/5Qo
仁奈「はいっ♪ 仁奈、赤ちゃんが見てーでごぜーます!」

薫「かおるも見たいんだー! おねがい、ねっ!」

武内P「あの……何故、私にそれを?」


仁奈「プロデューサーが――」

薫「せんせぇが――」

仁奈・薫「CPのプロデューサーに言いなさい、って♪」ニコッ!


武内P「…………」


楓「ふふっ! とっても微笑ましいですね♪」

早苗「……そう?」

瑞樹「……えぐいわ」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 21:35:33.00 ID:RVvhr/5Qo
武内P「担当プロデューサーが言った……と」

仁奈「はいっ♪ 言いやがりました!」

薫「あっ、せんせぇから、でんごんがあったんだ!」


仁奈・薫「――メンゴ」

仁奈・薫「……って♪」ニコッ!


武内P「…………」


瑞樹「……軽いわ」

早苗「……軽いわねぇ」

楓「ふふっ! 同僚の、あかるいわ、うふふっ!」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 21:39:49.98 ID:RVvhr/5Qo
武内P「……すみません」

仁奈「えっ? どうかしたでごぜーますか?」

武内P「突然の事なので、どうしようも……」

薫「あっ! かおる、きいたことあるよ!」


薫「――とつきとおか!」

仁奈「それは、何でごぜーますか!?」


武内P「…………」


早苗「あれは無理ね、助けに行きましょ」

瑞樹「そうね、さすがにまずいわ」

楓「はーい♪」
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 21:39:59.26 ID:sTZXdjiDo
米内Pやりやがったな…
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/17(日) 21:43:40.63 ID:TXiLzKFDO
内匠Pならもっとえらいことになってるな
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 21:45:04.85 ID:RVvhr/5Qo
早苗「――やっほー♪ 仁奈ちゃん、薫ちゃん!」

仁奈「あっ、お姉さん達! こんにちは!」

薫「おねーさん達、こんにちはー!」

瑞樹「こんにちはー。元気に挨拶出来て偉いわね〜♪」

仁奈・薫「はいっ♪」ニコッ!

楓「ふふっ♪ こんにちは〜♪」


武内P「あの……皆さん、いつから……!?」


早苗・瑞樹・楓「最初から?」


武内P「…………そうですか」
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 21:50:07.43 ID:RVvhr/5Qo
仁奈「お姉さん達! 仁奈達、赤ちゃんが見てーです!」

早苗「うーん、それはちょっと難しいかなぁ」

薫「ええっ、そうなの!? みられないの!?」

瑞樹「そうねぇ、すぐに……は難しいの」


仁奈・薫「……そんなぁ」ションボリ…


楓「……」

楓「あの……何とか、ならないでしょうか?」


武内P「えっ!?」


早苗「ちょっ、ちょっと楓ちゃん!?」

瑞樹「ほだされてるわ! いや、気持ちはわかるけど!」
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 21:54:24.91 ID:RVvhr/5Qo
楓「二人共……赤ちゃん、見たいのよね?」

仁奈・薫「……」コクリ

楓「でも、赤ちゃんはガッカリしちゃうんじゃないかしら」

仁奈・薫「えっ?」

楓「赤ちゃんに会うなら――」


楓「――ステキな笑顔でないと、ねっ♪」ニコッ!


仁奈・薫「……!」

仁奈・薫「うんっ♪」ニコッ!


早苗・瑞樹「ちょいちょ――い!?」

武内P「高垣さん!? あの……高垣さん!?」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 21:59:50.05 ID:RVvhr/5Qo
楓「それに、他の皆には内緒なんだけどね?」シーッ!

仁奈「内緒話でごぜーますね!」シーッ!

薫「かおる、だれにもいわないよ!」シーッ!

楓「あの人、笑顔でお願いごとされると弱いのよ♪」

仁奈「ふおお! そうだったのかー!」

薫「それじゃあ、もういちどおねがいしよっ!」

楓「ふふっ♪ それじゃあ、せーの――」


楓・仁奈・薫「おねがいしまーす♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「助けてください」


早苗・瑞樹「……」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 22:06:51.96 ID:RVvhr/5Qo
早苗「助けてください、って言われても……」

瑞樹「私達も、裏切り者が出たわ……」

武内P「……皆さん、とても良い笑顔をしています」


楓・仁奈・薫「〜♪」ニコニコ!


早苗「……9歳児、9歳児、25歳児ね」

瑞樹「……ずるいわ、あっち楽そうじゃない」

武内P「待ってください。高垣さんの、あの表情――」


楓・仁奈・薫「あ・か・ちゃん♪ あ・か・ちゃん♪」ニコニコ!


武内P「……本当に、楽しみにしてらっしゃいます」

早苗・瑞樹「……」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 22:10:48.33 ID:RVvhr/5Qo
早苗「いやもう、ちょっと……どうするのよ、あれ」

瑞樹「ねえ、キミ。何か良いプロデュース無いの?」

武内P「……あるには、あります」

早苗・瑞樹「えっ!? あるの!?」

武内P「はい。ですが――」


武内P「――お二人の内、どちらかの協力が必要です」


早苗・瑞樹「……」

早苗・瑞樹「はああっ!?」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 22:15:21.79 ID:RVvhr/5Qo
早苗「何言ってんの!? タイホするわよ!?」

武内P「っ! それで、私と片桐さんは此処を離れられ――」

瑞樹「――させないわ! 私一人で……」


楓「ふふっ♪ 赤ちゃん、楽しみね♪」ニコニコ!

仁奈「はいっ♪ すっげー楽しみだー♪」ニコニコ!

薫「うんっ♪ いっぱいナデナデしたいなー♪」ニコニコ!


瑞樹「……あの相手は辛いわ!」

早苗「じゃあ、どうするのよ!?」

武内P「話し合いで決まらないようでしたら、ジャンケンで」

早苗・瑞樹「ジャンケンとな!?」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 22:21:19.86 ID:RVvhr/5Qo
武内P「……では、失礼します」

早苗「待ちなさいって! 協力って、何すんのよ!?」

武内P「出さなきゃ負けよ――」

瑞樹「ねえ、聞いてる!? かなり大事な事でしょう!?」


武内P「最初はグー」


早苗・瑞樹「うおいっしょぉいっ!」グー!


早苗「ちょっと瑞樹ちゃん何グー出してるのよ!?」

瑞樹「早苗ちゃんこそ! ジャンケン始まったじゃないの!」
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 22:27:13.24 ID:RVvhr/5Qo
武内P「ジャンケン――」


早苗・瑞樹「……!」


武内P「――ポン」


早苗「おらあっ!」パー!

瑞樹「しょらっ!」グー!

早苗「! やった、勝っ――」パー


瑞樹「時は止まるわ!!」


ブゥ――ン! カチカチカチカチ…


早苗「――」パー

瑞樹「……」チョキ!


瑞樹「……そして時は動き出す」


…カチッ!


早苗「――って無い!? ま、負けてる!?」


瑞樹「……悪いわね、早苗ちゃん」
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 22:33:30.81 ID:RVvhr/5Qo
  ・  ・  ・

仁奈「えへへ! まだかな、まだかな〜!」ワクワク!

薫「かおる、すっごく楽しみーっ♪」ワクワク!


楓「あの、瑞樹さん」

瑞樹「……何、楓ちゃん?」

楓「二人は、どこへ行ったんでしょうか?」

瑞樹「知らないわ」


瑞樹「赤ちゃんを見せるため、何かしに行ってるのは確かよ」


楓「……」

楓「!?」


瑞樹「いや……驚かれても困るわ」
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 22:43:33.68 ID:RVvhr/5Qo
楓「早苗さんと、あの人が……一体、何を……?」

瑞樹「わからないわ」

楓「赤ちゃんを見せるため、って……」

瑞樹「まあ……何か、協力するみたいよ」


楓「……」

楓「……!」オロオロ!


仁奈「? 楓お姉さん、どうかしやがりましたか?」

薫「楓おねーさん、赤ちゃんは笑顔でおむかえ、だよね?」


楓「えっ……!?」ワタワタ!


瑞樹「楓ちゃんが言ったんじゃないの」
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 22:48:15.74 ID:RVvhr/5Qo
楓「それ、は――」


―ガラガラガラガラ…!

武内P「……」


仁奈・薫「あっ! 戻ってきたー!」パアッ!

楓「――っ!?」

瑞樹「彼が押してるの……何、あれ? 台車?」

楓「そんな……相談も無しに、早産で……!?」ガーン!

瑞樹「有り得ないわ」

瑞樹「……というか、余裕が有るのか無いのか、どっち?」


―ガラガラガラガラ…

武内P「これは――ベビーカーです」


一同「……ベビーカー?」
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 22:54:04.22 ID:RVvhr/5Qo
楓「まさか……本当に……?」

瑞樹「いや、それにしては……大きくない?」


武内P「……笑顔です」

??「……わかってるわよ、ぶっとばすわよ?」


瑞樹「っ……!?」

楓「今の声は……」

仁奈「ベビーカー……赤ちゃんが、居るでごぜーますか!?」

薫「わーっ! ほんとに、赤ちゃん見られるんだ〜!」


武内P「……笑顔です」

??「……何度も言うんじゃないわよ、泣くわよ?」


瑞樹「……え」

瑞樹「えぐいわ!!!!!」
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 23:01:17.54 ID:RVvhr/5Qo
仁奈・薫「わ〜っ♪」

たたたたっ!

仁奈・薫「こんにちは、赤ちゃん♪」ニコッ!


早苗「……ば」

早苗「バブー……!」

武内P「……笑顔です」

早苗「……!」

早苗「バブ〜♪」ニコッ!


仁奈「ふおお! 早苗お姉さんが、赤ちゃんになりやがりました!」

薫「すごいすごーい! 早苗おねーさん、可愛いーっ♪」


早苗「は……ハーイ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 23:04:52.57 ID:RVvhr/5Qo
楓「……」

瑞樹「待ちなさい、楓ちゃん」

ガシッ!

楓「瑞樹さん?」

瑞樹「……武士の情けよ」フルフル!

楓「でしたら……私は、大丈夫ですね」ニコッ!

瑞樹「何が?」


楓「だって――私は、アイドルですから♪」


瑞樹「そういう問題じゃなくね!?」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 23:09:52.25 ID:RVvhr/5Qo
仁奈「えへへ、ほっぺツンツンでごぜーます♪」ニコニコ!

つんつんっ

早苗「は……ハーイ♪」ニコッ!

薫「それじゃあ、かおるはねー! 頭、ナデナデ〜♪」ニコニコ!

ナデナデ

早苗「ば……バブー♪」ニコッ!


楓「一緒に、笑顔で! 一緒に、笑顔で!」ハナシテー!

瑞樹「駄目よ! 私、見たら笑いが止まらなくなるわ!」ハナサナーイ!
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 23:13:14.00 ID:RVvhr/5Qo
楓「……わかりました」

瑞樹「……わかってくれて、良かったわ」

楓「でも、一つだけお願いがあるんです」

瑞樹「お願い……?」


楓「あの……良いですか?」


武内P「? はい、何でしょうか?」


楓「せめて――だっこ、させて貰えませんか?」


瑞樹「何一つわかってないわ!!」
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 23:20:09.73 ID:RVvhr/5Qo
武内P「いえ……それは……」

早苗「……!」ジーッ…!

武内P「……」


仁奈「仁奈もだっこしてーでごぜーます!」

薫「かおるも! ねぇねぇ、だっこーっ!」

楓「……駄目、ですか?」


武内P「それ、は…………く……」

武内P「首がまだ座っていないので、コツが!」

早苗「ハーイ! ハーイ!」コクコクコクコク!


瑞樹「物凄く頷いてるわ!」

瑞樹「それで、チラッと見え……っふぅっ!」
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 23:30:25.67 ID:RVvhr/5Qo
武内P「それに……赤ちゃんの仕事は、寝る事です」

武内P「なので――」

武内P「――寝かせてあげて、貰えませんか?」


仁奈「そっかー、お仕事なら仕方ねーでごぜーますなぁ」

薫「かおるもレッスンがあるし、皆お仕事だね♪」

仁奈・薫「ねーっ♪」ニコッ!

楓「ふふっ! 早苗さんも備えないと、うふふっ!」ニコッ!

ナデナデ

早苗「…………そうね」


瑞樹「早苗ちゃんっぷふぅ! 皆のためにっくふふぅっ!」

瑞樹「頑張っははあはっ、てぇ……偉かったわ」


早苗「それ耐えてる内に入らないからね!?」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 23:40:26.49 ID:RVvhr/5Qo
  ・  ・  ・

武内P「――先日は、有難うございました」

早苗「その話、やめて」

楓「ふふっ♪ とっても、可愛らしかったです♪」ニコニコ!

早苗「楓ちゃん、やめて?」

瑞樹「まあでも、あの子達も満足して良かったわ」

早苗「……それが救いよ」


早苗「もう、あんな事二度とゴメン――」


仁奈・薫「あっ、居たー!」


早苗「――……よ?」
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 23:47:16.62 ID:RVvhr/5Qo
仁奈「おはよーごぜーます!」

薫「おはよーございまー!」

武内P「市原さん、龍崎さん」

武内P「……おはよう、ございます」


仁奈「今日は、だっこしにきやがりました!」

薫「もう首が座っただろうって、せんせぇが!」


武内P「…………」


瑞樹「どうするの? 早苗ちゃ――」

瑞樹「――……居ない?」
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/17(日) 23:57:52.67 ID:RVvhr/5Qo
仁奈「仁奈、ぬいぐるみでだっこの練習してきたですよ!」

薫「かおるはね、子守唄の練習してきたんだーっ!」

武内P「あの……何か、伝言を聞いていませんか?」


仁奈・薫「はいっ♪」

仁奈・薫「――ヨロ」

仁奈・薫「……って♪」ニコッ!


武内P「…………」


楓「一緒に、だっこしたいんです」

楓「一緒に――笑顔で♪」ニコッ!


瑞樹「…………」


瑞樹「……君、体重何キロ?」


武内P「私が赤ちゃんですか!?」




おわり
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/18(月) 00:34:03.15 ID:Dv5Fd/4SO
檻の中に入っている猫の数は欲しい赤ちゃんの数らしいですよ
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/18(月) 02:11:02.82 ID:6uolK7DDO
川島さん某黄色い吸血鬼みたいなことしなかった?
まさか彼女の実年齢は
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 20:49:59.57 ID:20djudAgo
>>355
書きます


武内P「心理テスト、ですか?」
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 20:53:11.72 ID:20djudAgo
未央「そう! プロデューサーって、自分の事話さないじゃん?」

武内P「そう、でしょうか?」

凛「まあ、あんまりお喋りなのもどうかと思うけど」

武内P「……」

卯月「プロデューサーさんの深層心理をチェック♪ な〜んて……」


未央・凛・卯月「……」ジーッ


武内P「はあ……わかりました」
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 20:56:18.34 ID:20djudAgo
未央「オッケー! それじゃ、早速始めようか!」

凛「でも、そんなに当たるものなの?」

卯月「はいっ! この本の心理テスト、当たるんですよ!」

凛「……ふーん、そうなんだ」

未央「それじゃあ質問はねぇ……あ、これ良いかも!」


未央「貴方の前に動物用の檻があります」

未央「その中に、猫は何匹入っていますか?」


武内P「……随分と、抽象的な質問ですね」
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:00:11.52 ID:20djudAgo
未央「……むふふ! これは答えが楽しみだねぇ!」

凛「ねえ、それで何がわかるの?」

卯月「ふふっ! これはですね……」ゴニョゴニョ

凛「……あんな質問で人の心がわかるの?」

未央「バッチリクッキリだよ!」

卯月「プロデューサーさん、何匹ですか?」

武内P「そう、ですね……」


武内P「20匹程、でしょうか」


未央・凛・卯月「へえぇ、に……」


未央・凛・卯月「にっ、20!?///」
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:04:16.52 ID:20djudAgo
武内P「あの……何か、おかしかったでしょうか?」


未央「いやいや、プロデューサー……20って!///」

卯月「そんなに……居るんですか……!?///」

凛「ねえ、本当に20なの!?///」


武内P「え、ええ……」

武内P「20と……5、6匹でしょうか」


未央・凛・卯月「増えた!?///」
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:07:57.38 ID:20djudAgo
武内P「あの……今の質問で、何がわかるのでしょうか?」


未央「にっ、ニュージェネ! 緊急会議!」

未央「……どうする!? ねえ、どうする!?」ヒソヒソ!

凛「どうするって言われても、言うしか無いんじゃないの!?」ヒソヒソ!

卯月「未央ちゃん! おおっ、お願いします!」ヒソヒソ!

未央「私が!?」ヒソヒソ!

凛「未央が言い出した事でしょ!」ヒソヒソ!

卯月「島村卯月、応援頑張ります!」ヒソヒソ!

未央「……!」


武内P「あの……皆さん……?」
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:13:13.07 ID:20djudAgo
未央「い、いやー……あはは……!///」

武内P「本田さん、今の質問は何がわかるのでしょうか?」

未央「えー……っと、それはぁ……///」

武内P「……」


未央「ずっ――随分と兄弟が多いんだねぇ!///」


凛・卯月(――行った!)


武内P「いえ……」

武内P「全て猫種は違う、と」

武内P「……そう、考えていました」


未央・凛・卯月「どういう事なの!?」
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:18:40.18 ID:20djudAgo
武内P「どういう事、と言われましても……」


未央「だっ、第二回! ニュージェネ! 緊急会議!」

未央「……どうする!? ねえ、複雑になってない!?」ヒソヒソ!

凛「未央が余計な事言うからでしょ!?」ヒソヒソ!

卯月「全て猫種は違う、って……どういう事なんでしょう!?」ヒソヒソ!

未央「さっき私が行ったんだし、次は二人が行ってよ!」ヒソヒソ!

凛「ちょっと、なんでそうなるの!?」ヒソヒソ!

卯月「でも、このままだと……モヤモヤします!」ヒソヒソ!

凛「それは……そうだけど……!」ヒソヒソ!


武内P「あの……皆さん……?」
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:23:29.66 ID:20djudAgo
卯月「ぷっ、プロデューサーさんっ!」

武内P「は、はい」

凛「本当に、全部種類が違うの!?」

武内P「え、ええ」


武内P「どの猫も……そうですね、個性的です」

武内P「一匹一匹、それぞれ違う輝きを放っています」

武内P「中には、似た猫も居るかと思いますが……」

武内P「……もしかしたら、姉妹かもしれませんね」


卯月「姉っ……!?★」

凛「妹……!?☆」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:29:11.15 ID:20djudAgo
卯月「ほっ、他には!? 他には、どんな猫が!?」

武内P「えっ? ええ……」


武内P「少し大人の猫と、白猫と、黒猫……でしょうか」

武内P「後は、仲良く餌を食べている細い猫と丸い猫」

武内P「それを見守るように寝ている、小さな猫」

武内P「……を咥えて持ち上げている、大きな猫」

武内P「先程言った、妹猫と戯れている子猫に……」

武内P「じゃれ合っている、二匹の猫……でしょうか?」


凛「ふざけないでよ!! その状況は何なの!!?」


武内P「えっ!?」


未央「しぶりん! しぶりん、落ち着いて!」
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:34:57.40 ID:20djudAgo
武内P「あの……この質問は、何がわかるのですか!?」


未央「どぅわぁい三回! ニュージェネ! 緊急会議!」

未央「どうする!? なんか、楽しくなってきちゃった!」ヒソヒソ!

凛「楽しくなんか無い! 笑顔になってなれない!」ヒソヒソ!

卯月「あ……あのっ!」ヒソッ!

未央「どうしたの、しまむー?」ヒソヒソ

卯月「あの……い、居るんでしょうか?///」ヒソヒソ!

凛「そんなの、決まって……」ヒソヒソ

未央・凛・卯月「……」


武内P「あの……皆さん……!?」
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:38:45.74 ID:20djudAgo
未央「――ねえ、プロデューサー!」

武内P「本田さん、この質問は……」

未央「まぁまぁ! いいからいいから!」

武内P「いえ、ですが……」


未央「明るくて元気な――パッション、って感じの猫!」

未央「……居る?」


武内P「それは……」

武内P「……はい、居ます」


未央「っし!」グッ!

未央「……あ、居るって事は……あー、あははは!///」


凛・卯月「……!」
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:42:36.56 ID:20djudAgo
卯月「あ、あのっ! プロデューサーさん!」

武内P「島村さん?」


卯月「えと……普通! 普通の猫も、居ますか!?」


武内P「それは……」

武内P「……いえ、居ませんね」


卯月「っ!?」ガーン!

未央「あっ、それじゃあ……」

未央「ふわふわの毛の、お尻の大きい猫は?」


武内P「……居ます」


未央「だってさ、しまむー!」

卯月「えっ、ええっ!?/// ええ〜っ!?///」


凛「……!」
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:47:02.77 ID:20djudAgo
凛「……ねえ、プロデューサー」

武内P「は、はい……」


凛「……一見怖そうなんだけど、さ」

凛「可愛くてスラッとした猫が、プロデューサーを見てるんだけど」


武内P「えっ?」


未央「しぶりん!?」

卯月「凛ちゃん!?」


凛「ねえ、アンタはその猫をどう思ってる?」


武内P「……あの」

武内P「次の質問でしょうか……?」
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 21:54:08.77 ID:20djudAgo
凛「真面目に答えて」

武内P「渋谷さん、その質問は……心理テストですか?」

凛「ねえ、聞いてるのは私なんだけど」

武内P「はあ……そう、ですね」


武内P「その猫が楽しめる……夢中になれる、何か」

武内P「それを一緒に探していこう、と」

武内P「……そう、思います」


凛「ふっ……ふ――ん!?///」キュンッ!


未央「しぶりーん、戻ってきてー!」

卯月「凛ちゃん、それ違いますよね!?」
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 22:01:14.49 ID:20djudAgo
武内P「あの……檻の中に猫が何匹居るか、という質問」

武内P「それは、何がわかるのでしょうか?」


未央・凛・卯月「……」

未央「ねえ、プロデューサー」

凛「ちょっと、気になることがあるんだけど」

卯月「たくさん居る猫の中で……」


未央・凛・卯月「ウチの子、っていうのはどの猫?」


武内P「皆さん……何故、答えてくれないのですか……!?」
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 22:08:50.50 ID:20djudAgo
未央「いや、ほんっと! これ、大事な質問!」

卯月「どの猫が、ウチの子だと思いますか!?」

凛「ちゃんと答えないと、承知しないから」

武内P「はあ……そう、ですね……」


武内P「先程挙げた猫達は、全て……でしょうか」

武内P「あ、いえ……ですが、姉妹の――」


ガチャッ!

美嘉「ヤッホー★ ちょっと顔出しに来たよー★」


武内P「――姉の方はウチの子ではありませんね」


美嘉「あ、はい」

バタンッ!


未央・凛・卯月「……」

未央・凛・卯月「!?」
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 22:15:48.03 ID:20djudAgo
武内P「? 今、城ヶ崎さんが――」

未央「プロデューサー!? ちょっ、まずいよ!」

武内P「えっ?」

卯月「お姉ちゃんの方は、違うんですか!?」

武内P「はい、違います」

凛「だったら何なの!? ねえ、どんな猫!?」

武内P「そう、ですね……」


武内P「時折遊びに来る子……でしょうか」

武内P「とても魅力的で、つい見惚れてしまいそうになる――」

武内P「――可愛らしい子です」


ガチャッ!

美嘉「ヤッホ――ッ★★★ 遊びに来たよ――ッ★★★」ニッコォッ!


未央・凛・卯月「……良い、笑顔です」
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/18(月) 22:25:14.70 ID:gitGCRvDO
ちょろい
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 22:28:12.82 ID:20djudAgo
  ・  ・  ・

美嘉「へー、心理テストなんてやってたんだ」

未央「うんうん! 美嘉ねぇ、一緒にやろうよ!」

凛「……まだ続けるの?」

卯月「ふふっ♪ こういうの、とっても楽しいです♪」


武内P「あの……先程の質問は、何が?」


未央「あっ! この質問なんか面白くない!?」

美嘉「うーわ、未央……えっ、マジで聞くの?」

凛「ねえ、ちょっと……これ、まずいんじゃないの?」

卯月「でも……き、気になりませんか?」


武内P「あの、皆さん!?」
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 22:37:35.14 ID:20djudAgo
未央「それじゃ、いくよー!」

美嘉「――貴方は今、薄暗い道を歩いています」

凛「――その時、後ろから肩を叩かれました」

卯月「――その人は、誰ですか?」


武内P「……あの、ヒントを」


未央・美嘉・凛・卯月「クイズじゃないので」


武内P「……」


未央・美嘉・凛・卯月「……」

未央(……47Pの二問目!)

美嘉(この質問は……)

凛(すっ……『好きな人』を暗示してるんだよね)

卯月(プロデューサーさん……な、何て答えるんでしょうか……!?)
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 22:44:03.27 ID:20djudAgo
武内P「そう、ですね……」

武内P「……警察の方です」


未央「プロデューサー、そういうの今は良いから」

美嘉「あのさー、アンタそういう所直しなよ?」


武内P「えっ?」

武内P「あの、心理テストでは……」


凛「何なの? ねえ、ふざけないでよ」

卯月「プロデューサーさん、いっちばんつまんないやつです」


武内P「そんな事を言われても……!?」
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/18(月) 22:58:57.23 ID:20djudAgo
未央「じゃあ……この四人の中からなら?」

美嘉・凛・卯月「っ!?」

美嘉「未央!?/// アンタ……マジ!?///」

凛「ちょっと!?/// いや……待って!///」

卯月「未央ちゃん……未央ちゃん!?///」


未央「さぁ、盛り上がってまいりました!」


武内P「……そう、ですね」


美嘉・凛・卯月「っ……!?///」

未央「さあ、答えは!?」


武内P「皆さんは、まだ若く……薄暗い道は危険です」

武内P「加えて、その様な状況は誤解を招く恐れがあります」

武内P「なので――」


武内P「誰も選べない、でしょうか」




おわり
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/18(月) 23:16:04.63 ID:Wfs/KJkq0
檻の中に入ってる子猫は子供の暗示
つまりCP+姉たちはせいぜい子供止まりなんだよなあ
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/18(月) 23:54:06.55 ID:Dv5Fd/4SO
早苗さん告白されてますぜ
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/19(火) 00:09:18.26 ID:qq5xSWHL0
いや、これは何度も取り調べを受けているにも関わらず学習しない
→抜けているところはあるがPは優秀である
→Pはわざと取り調べを受けている
→Pはアニメに登場した警察官の中に好きな人がいる

Q.E.Dだじぇ
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/19(火) 00:58:57.15 ID:MspYxvyh0
いやいや心理テストだから文字通り捉えるのは早急では
警察というイメージであって現役とは限らない、元警察という線も考えられる
偶然このスレで交流のあるプロダクション所属で目付きが悪いという共通点もあるアイドルが怪しいっスね!
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/19(火) 01:23:05.47 ID:NySAT9pJ0
時折遊び来る見とれてしまうほど魅力的な子は何垣さんなのか何坂さんなのか
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/19(火) 01:56:56.69 ID:MqK8LTBno
かぐや様パロか
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/19(火) 09:09:25.22 ID:AngrT8kco
早苗さんENDか
職務質問してくれないやらしいおまわりさん
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/19(火) 22:09:59.81 ID:eTYnncSBo

「っ……!」


 ドアを開け、歩を進める毎に強くなっていく異臭。
 これ以上進みたく無いとは思うが、そうも行かない。
 明らかに、プロジェクトルームに異変が起こっている。
 今は、その原因を確かめなければならないのだから。


「誰か……居ませんか?」


 そう呼びかけてみるものの、返事は無い。
 まさかとは思うが、用が済んだら行ってしまったのだろうか。
 だが、部屋にこもったこの臭いは、
危険物が未だこの部屋に存在している事を主張し続けていた。


「……」


 先ずは、窓を開けよう。
 粘性を感じる――いや、コレは気のせいか――空気の中、
革靴が立てる音を妙に耳に感じながら、窓へと向かう。
 当然、部屋の外に臭いが漏れないようドアは閉め、鍵をかけていた。


「……」


 窓を開けると、冬の肌寒い空気がピウと悪臭を切り裂いた。
 最近は乾燥しているので、部屋の換気をする機会も減っていた。
 良い機会だったのかも知れない、と……そう、自分に言い聞かせようとするが、
こんな事で与えられる機会は微塵も望んでいないので、考えるのをやめた。



「ひぇっくしゅん!!」



 くしゃみ。
 冷たい風が、この部屋に‘居た’彼女をくすぐったようだ。
 何かの間違いで合って欲しい。
 私の担当する彼女は、放つ言葉とは裏腹に、とても勤勉な一面が――



「……うぃ〜」



 ――あ、はい。
 今の声は、私の脳裏に浮かんだ小柄な彼女のものと、完全に一致していた。
 よくよく考えてみれば、誰かが居たとして姿が見えないのはおかしい。
 可能性があるとすれば、どこかの椅子の下。


「……」


 彼女ととても仲の良い、別の担当アイドルの方の様に、
「プロデューサーシャワー」とでも言いながら飴を投げれば、姿を見せるだろうか。
 ……いや、やめておこう。
 この様な状況に、食べ物を関わらせるのは今後に影響する。


「……」


 そういえば、『ピーピーキャンディー』というものがあった。
 舐めた人に向かって、「ピーピー」と言うと強烈な腹痛に襲われて下痢になる、という物。
 あれは……何の漫画だっただろう。
 私は、爆心地を特定するべく部屋を歩き回りながら、そんな事を考えていた。

「……」


 願わくば、下痢ではありませんように、と。
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/19(火) 22:39:45.75 ID:eTYnncSBo

「……」


 居た。
 椅子の下から覗く、くくられた彼女の二房の髪の一方。
 その長い髪が、彼女がこの下に居る事を示している。
 そして、臭いが彼女の身に起きている事態を語ってくる。


「……」


 ソファーの下を覗き込むべく、片膝をついた。
 染みが床には広がって居なかったのと、
私の身長ではそうしないと確認が出来ないからだ。
 恐らく下痢では無かったのは、不幸中の幸いと言うべきか、
それとも、そんな事を幸せと感じてしまう己の不幸を嘆くべきか。


「大丈夫ですか?」


 声をかけながら、ゆっくりと頭を下げる。
 そして、私の目に飛び込んできたのは、



「すぅ……すぅ……」



 思わず頬が緩みそうになる、可愛らしい寝顔。
 年齢よりも幼く見える彼女は、



「すぅ……すぅ……」



 尻を出し、糞を出し、寝ていたのだ。


「……」


 彼女が気に入っているのか、
いつも履いている緩めのスパッツが途中までずり下ろされている。
 大事な部分は、シャツに隠れて見えていない。
 そのシャツの胸に書かれている一文が、私の胸を締め付ける。


「……」


 寝たふり……では、無いだろう。
 そして、スパッツが下ろされている事から寝糞の可能性も低い。
 彼女の性格を考えると、現実逃避も恐らく違う。
 ビニール袋やウェットティッシュを取りに行くべく立ち上がりつつ、思考する。


「……」


 恐らくだが――「……という夢を見たんだ」と、判断したのかも知れない。
 トイレではなく、ここで大をしてしまった。
 ……そんな、現実ではやらかさないような事をやってしまった。
 ならば、この状況は夢だと……目を背け、瞼を閉じたのだ。


「……」


 私も、そうしたい。
 だが、出来ない。
 私は彼女のプロデューサーであり、彼女は私の大切なアイドルだ。
 夢を見る彼女の手助けをするのは、プロデューサーの役目なのだから。
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/19(火) 23:10:40.22 ID:eTYnncSBo
  ・  ・  ・

「……」


 夢を現実にしたい。
 ……そう、思っていました。
 ですが、現実というものはそう甘くはなく、
ロマンチシズムは一切の容赦無いリアリズムの前で、こんなにも無力なのか。


「……!」


 彼女を起こさずに、事後処理を済ますのは……不可能です。
 Master+も全裸で逃げ出す程の、高難易度。
 夢を叶えるためには最低でも、


 ――床に出現したアイランドの処理。


 ――尻を綺麗にする。


「……」


 ……という二つの作業をこなさなければならない。
 それも、彼女を起す事無く、だ。
 私にそんな魔法が使えるかと問われれば、答えは否。
 そんな魔法が有るのならば、世界はもっと優しく在るだろう。


「……」


 何と、声をかけようか。
 こうやって躊躇している間にも、他の方がこの部屋に来る恐れがある。
 やはりここは、おはようございます、と言えば良いのだろうか?
 それとも、早急に問題の解決を促す文言から入れば良いのだろうか?



「ふわあぁ……あ、プロデューサーじゃんか……」



 一瞬で、思考の海から現実に引き上げられた。
 目を覚ました。
 未だ瞼は開ききっていないが、目覚めてしまった。
 そして、



「――!?」



 目が、見開かれた。
 焦点の合っていない大きな瞳が揺れている。
 彼女をそうさせたのは、漂う異臭か、尻の心地悪さか。
 そのどちらにせよ、事態は動き出した。



「……んー……あと十分位寝かせて〜」



 ……かに思われたが、彼女は再び瞼を閉じた。
 自らの腕を枕とし、反対の腕を顔に被せて。


「あの……待ってください……!」


 彼女は、私に言外に願い出たのだ。
 ……夢を見させてくれ、と。
 働いたら負けとは、こういう状況の事を言うのだろうか。
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/19(火) 23:34:05.97 ID:0R6eN5UcO
そう言えば某漫画の子供と大人の違いの説明でトイレに行く夢を見てやらかすのが子供でやらかさずに済むのが大人ってのがあったなぁ…
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/19(火) 23:56:02.36 ID:eTYnncSBo
  ・  ・  ・

「……そんな所で寝ていては、風邪を引いてしまいます」


 努めて冷静に、彼女に声をかけた。
 彼女に与えられた猶予は十分だったが、処理は一分で済ませた。
 兵は神速を尊ぶ。
 グズグズしていては、何が起きるかわかったものではない。


「起きてください」


 最初の五秒で、彼女の体を隠していたソファーを力任せに持ち上げ、どかした。
 次の十秒で、床に落ちていた便をウェットティッシュでくるみ、ビニール袋へ。
 固形だったために、五秒で床は綺麗に拭き終わったが……後で、もう一度確認しよう。
 そして、二十秒悩み、


「……うーい」


 五秒で、そこそこのな量のウェットティッシュを発射口を覆う様に尻に被せた。
 残った時間で、ずり下げられていたスパッツをはかせ、ソファーを元に戻した。
 私はプロデューサーで、彼女はアイドルだ。
 大をした後の尻を拭くのは、スキンシップ過剰を通り越し、最早介護の域に達する。


「……んー」


 いくらメーデーメーデーと言われても、そこまでの手助けは出来ない。
 ……すみませんが、その位はご自分で何とかしてください。
 濡れたウェットティッシュがスパッツによってピッタリと尻に張り付いているせいで、
彼女は不快感を感じて眉をしかめているのだろう。


「……」


 そんな彼女の表情を見た私は、ため息をこらえるのに必死だった。
 それは、ため息を吐いた分、息を吸い込まなければいけなくなるからだ。
 幸せが逃げていくのを恐れてではなく、臭いを吸い込まないため。
 体が小さく量は少ないものの、食生活や生活リズムに乱れがある分、強烈なのだ。



「――もうちょい寝てて良いんじゃない?」



 ……えっ?


「えっ? あ、あの! 目を閉じないでください!」


 彼女は、何を言っているのだろう。
 まさか、本当に色々と面倒になって……また、眠る気なのか!?
 待ってください! お願いします!


「……なんちゃって、だってば」


 そう言いながら、彼女はモソモソとソファーの下から這い出てきた。
 たちの悪い冗談だと責める気持ちよりも、安堵の方が圧倒的に上回った。
 ほっと胸を撫で下ろし、息を吐く、吸う、臭い。


 部屋の外……恐らく、トイレに向かう彼女の小さな背を見ながら、思う。
 せめて、私の手に握られているスペクタクルな風呂敷を持って行って欲しい、と。
 ガサリと音を立てるビニール袋の重みが、右手を首筋にやるのを止めた。
 ほんの少しだけ、働きたくないという想いが、溢れそうになった。




おわり
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/19(火) 23:58:51.75 ID:eTYnncSBo
確かあと一人で制覇です
おやすみなさい
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/20(水) 00:01:58.82 ID:4uSFC4Ofo
忘れた頃に来るよね
杏は初だったっけ?
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/20(水) 06:08:22.71 ID:5y+703Uto
久しぶりで草
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/20(水) 18:41:48.85 ID:vGwXm1nz0
2行目で察するさすがの完成度
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/20(水) 19:23:25.13 ID:lozL/G8Oo
初期段階から手慣れてると思ったんだけどさ
武内くんが業界に入って最初に相手したのって誰だったんだろ
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/20(水) 19:31:12.43 ID:DPm96qcXo
手慣れてるって
アイドルのプロデュースの事なのか
下の処理の事なのか
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:08:05.48 ID:Bnyt/X8Ho
書きます


武内P「免疫力が低下している?」
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:10:38.69 ID:Bnyt/X8Ho
医者「はい、間違い無いでしょう」

武内P「それが、ここ最近の体調不良の原因だ……と」

医者「ええ」

武内P「すみません、原因は何なのでしょうか?」


医者「ここ最近、女性とのスキンシップを避けていませんか?」

医者「それも、周囲から見れば極端な程に」


武内P「……」

武内P「えっ?」
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:12:53.97 ID:Bnyt/X8Ho
武内P「あの……自分は、アイドルのプロデューサーをしていまして……」

医者「成る程、そういう事でしたか」

武内P「すみません、話がよく見えないのですが……」

医者「簡単に申し上げますと――」


医者「貴方は、女性への免疫力が極端に低下しています」

医者「今のままでは、いつ恋に落ちてもおかしくない状態です」


武内P「……」

武内P「えっ!?」
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:16:59.81 ID:Bnyt/X8Ho
武内P「待ってください! 何かの例えや冗談ですよね!?」

医者「事実です」

武内P「……!?」

医者「しかし、そこまで慌てる必要もありませんよ」


医者「――錠剤を処方しますので」

医者「その薬を一錠ずつ朝、昼、晩の食後に飲めば三日程で治りますよ」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「あのっ、飲み薬で治る症状なのですか!?」
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:20:27.87 ID:Bnyt/X8Ho
  ・  ・  ・

武内P「――と、診断されました」

武内P「試しに別の病院に行ってみましたが……」

武内P「……全く同じ症状だと診断されました」


CPアイドル達「……!?」

ざわっ…!


武内P「なので、三日間程は皆さんと接する機会を減らそう、と」

武内P「……すみません、ご迷惑をおかけする事に」


CPアイドル達「……」
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:24:57.52 ID:Bnyt/X8Ho
未央「――気にしないでよ、プロデューサー!」ニコッ!

武内P「本田さん」

未央「いつも良くしてくれてるし、三日間なんてすぐじゃん!」

武内P「そう……ですね」


未央「ただし! 治ったら――」

未央「――離れてた分、ちゃ〜んと構ってよね?」ニコッ!


武内P「っ!///」ドキッ!

武内P「え、ええ……約束します///」ドキドキ!


CPアイドル達「未央ちゃん!?」
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:28:35.84 ID:Bnyt/X8Ho
未央「ん? どうしたの皆?」

凛「ねえ、プロデューサーの話聞いてた!?」

未央「聞いてたよ?」

凛「じゃあ、なんであんな……露骨な感じ出したの!」


未央「いやぁ……ほら、さ?」

未央「恋に落ちたプロデューサー、見たくない?」


CPアイドル達「……!」

CPアイドル達「……」チラッ


武内P「あの……み、皆さん……?」
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:32:52.34 ID:Bnyt/X8Ho
卯月「――プロデューサーさんっ!」

武内P「島村さん?」

卯月「私、この三日間……一生懸命頑張ります!」

武内P「……はい、お願いします」


卯月「それで、治ったら――」

卯月「――これからも離れずに、ず〜っと一緒にお願いします♪」ニコッ!


武内P「っ!?///」ドキッ!

武内P「は、はい……頑張りましょう///」ドキドキ!


CPアイドル達「っ……!」
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:38:03.40 ID:Bnyt/X8Ho
凛「ねえ、プロデュ」

武内P「あ、あのっ!///」ドキドキ!

凛「ゥサ……ア……」

武内P「す、すみません!/// もう、この辺りで……!///」ドキドキ!

凛「いや……ちょっと……!」


武内P「私は、別室で作業をしていますので……!///」ドキドキ!

武内P「す、すみません……失礼します……!///」ドキドキ!

ガチャッ、バタンッ!


凛「……あ、ぉ」

凛「……」

凛「何なの……!?」
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:45:22.81 ID:Bnyt/X8Ho
アーニャ「プロデューサー、顔が真っ赤でしたね?」

蘭子「我が友の見せる事の無い、乙女が如き煌めき!」

智絵里「ほ、本当の話……みたいだね」

かな子「なんだか、可愛かったね〜!」

杏「でもさ、三日であの状態は治っちゃうんだよね〜」

きらり「あっ、杏ちゃん! 治っちゃうとか言ったらメッ、だゆ!」

莉嘉「でもさ、恋するPくんとかチョー見たい!」

みりあ「みりあもみりあも! ねぇねぇ、どんな顔するのかな!?」

みく「想像もつかないにゃ……」

李衣菜「‘あの’プロデューサーだしねぇ……」


卯月「……って、あれ?」

未央「みなみん、居なくない?」


CPアイドル達「っ!?」


凛「……まさか!?」
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:52:58.96 ID:Bnyt/X8Ho
  ・  ・  ・

武内P「……ふぅ」

武内P(……まさか、医師の診断が本当だったとは)

武内P(担当するアイドルの方に……いや、考えるのはやめよう」

武内P(とにかく、この三日間を何とか乗り切るしかない、か)


美波「でも、そんなにうまくいくでしょうか?」


武内P「プロジェクトメンバー全員でのイベントも控えています」

武内P「今、このタイミングで三日間も空ける訳にはいきませんから」


美波「はい、そうですね」

美波「プロデューサーさんでないと、わからない事もありますし」


武内P「っ!?」ビクゥッ!

武内P「に、新田さん!? いつからそこに……」

武内P「それに、心を読みませんでしたか!?」
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 22:59:13.21 ID:Bnyt/X8Ho
美波「ふふっ、プロデューサーさんの考えてる事ですよ?」

美波「そんなの、お見通しですよ♪」ニコッ!


武内P「っ!///」ドキッ!

武内P「そ、そう……ですか?///」ドキドキ!


美波「だから……リーダーの私がしっかりしなきゃ、って」

美波「他の誰でもない、プロデューサーさんが困ってるんですから」ニコリ!


武内P「っ!///」ドキッ!

武内P「お、お心遣いは有り難いのですが……!///」ドキドキ!

武内P「あの、今は……ひ、一人にしていただけませんか……!///」ドキドキ!
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 23:05:14.06 ID:Bnyt/X8Ho
美波「……私、考えたんです」

美波「不器用で、真面目なプロデューサーさんのために……」

美波「……何が出来るんだろう、って」


武内P「は、はあ……」

武内P(……少し、落ち着いてきた……か)


美波「そんな誠実なプロデューサーさんなら――」

美波「――恋する相手は、一人で足りますよね?」ニコッ!


武内P「っ!?///」ドキィッ!

武内P「に、新田さん!?///」ドキドキ!

武内P「あの……お、仰っている意味が、よく……!///」ドキドキ!
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 23:12:45.60 ID:Bnyt/X8Ho
美波「ふふっ、本当はわかってるんですよね?」クスッ

武内P「っ!?///」ドキッ!

美波「……もっ、もうっ!/// 私だって、恥ずかしいんですから!///」

武内P「に、新田さん……?///」ドキドキ!


美波「プロデューサーさん……///」ドキドキ!


武内P「新田さん……///」ドキドキ!


美波「……美波、イキま――」


ガチャッ!

CPアイドル達「スト――ップ!!」


武内P「っ!?」ビクッ!


美波「あぁん! もうちょっとでイケたのに!」
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 23:26:43.30 ID:Bnyt/X8Ho
  ・  ・  ・

未央「……確かに、みなみんの言うことも一理あるよね」

卯月「誰か一人に恋すれば……ですよね」

凛「ねえ、三日間そっとしておけば良いんじゃないの?」


智絵里「で、でも……もしもの時を考えたら……」

かな子「カステラ美味しい〜♪」

杏「誰か一人が、恋人になるのが安全だよね〜」


きらり「こっ、恋人になる!?/// ぴ、Pちゃんと?///」

莉嘉「でも、恋したからって付き合う事になるかなー?」

みりあ「うんうん、叶えられない恋をするのは辛いよねー」


みく「みく達はアイドルなんだよ! 付き合うなんて、絶対駄目!」

李衣菜「……プロデューサーって、ロマンチックに口説きそうだよね」


CPアイドル達「……」
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 23:34:59.71 ID:Bnyt/X8Ho
美波「――でしょう?」モゾモゾ!

美波「それに、プロデューサーさんって強引な所もあるし」モゾモゾ!


CPアイドル達「……」


美波「だったら、ねっ?」モゾモゾ!

美波「代表して、私に恋をして貰って……」モゾモゾ!

アーニャ「ニェート。いけません、美波」

蘭子「汝が望みは、この封印によって妨げられるだろう!」

美波「お願い、せめて簀巻きはやめて?」モゾモゾ!

美波「どうせだったら、麻縄とかで……!」モゾモゾ!


CPアイドル達「……」
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 23:43:45.32 ID:Bnyt/X8Ho
  ・  ・  ・

武内P「……ふぅ」

武内P(まさか、あそこまで気を遣って頂けるとは)

武内P(……しかし、危ない所だった)

武内P(これは……早急に、対策を立てなくては)


ガチャッ

ちひろ「――おはようございます」

ちひろ「すみません、電車が止まってて……」


武内P「――千川さん」

武内P「おはよう、ございます」

武内P「……すみません、お伝えしておきたい事が」


ちひろ「はい?」
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 23:47:32.45 ID:Bnyt/X8Ho
  ・  ・  ・

ちひろ「……成る程」

武内P「何か、良い方法はあるでしょうか?」

ちひろ「そうですねぇ……」

武内P「……」


ちひろ「――とりあえず、肩でも揉みましょうか?」

ちひろ「ふふっ♪ こう見えて、マッサージは得意なんですよ♪」ニコッ!


武内P「っ!///」ドキッ!

武内P「い、いえ……遠慮、しておきます……!///」ドキドキ!
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/20(水) 23:52:17.77 ID:Bnyt/X8Ho
ちひろ「プロデューサーさん、今後のためですよ」

武内P「今後のため……ですか?」

ちひろ「はい♪」ニコッ!

武内P「それは……何故、でしょうか……?///」ドキドキ!


ちひろ「――ある程度、スキンシップをしておいて」

ちひろ「免疫力が低下しないようにしておくんです♪」ニコッ!


武内P「な、なるほど……!」ドキドキ!

武内P「ですが、それは……その……!///」ドキドキ!

武内P「せめて、薬で症状が落ち着いてからでも……!///」ドキドキ!
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 00:01:06.72 ID:w5IsKJTpo
ちひろ「まあまあ、遠慮なさらず♪」ニコニコ!

武内P「いけません、千川さん……!///」ドキドキ!

ちひろ「大丈夫ですよ、プロデューサーさん♪」ニコッ!

武内P「な、何がですか……!?///」ドキドキ!


ちひろ「――問題ありませんから♪」ニコッ!


武内P「っ!?///」ドキィッ!

武内P「いや……それ、は……!///」

…ぽたっ


ちひろ「……あ」


武内P「……鼻血?」

武内P「……」

武内P「」

…どさりっ!


ちひろ「ぷっ……プロデューサーさんっ!?」
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 00:10:08.32 ID:w5IsKJTpo
  ・  ・  ・

武内P「……っ!?」

武内P「ここは……?」


部長「目が覚めたかい?」


武内P「部長? 私は、一体……」

部長「君は、プロジェクトルームで倒れたんだよ」

武内P「……思い出しました」


部長「……全く、だからあれ程キャバクラへ誘っていたのに」


武内P「……」

武内P「えっ?」
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 00:15:56.10 ID:w5IsKJTpo
部長「此処は、プロダクション内の医務室だ」

武内P「あの、部長。キャバクラへ誘っていたのは……」

部長「この様な事態を避けるためさ」

武内P「っ!?」


部長「何事も、極端なのはいけない」

部長「……時には、息抜きも必要という事だね」


武内P「……部長」
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 00:25:22.37 ID:w5IsKJTpo
  ・  ・  ・
三日後


武内P「――皆さん」

武内P「ご迷惑をおかけしました」ペコリ


CPアイドル達「……」

ちひろ「もう……大丈夫なんですか?」


武内P「はい」

武内P「薬のお蔭で、今はもう」


CPアイドル達「……!」ホッ!
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 00:34:33.23 ID:w5IsKJTpo
武内P「しかし……今回の事で――」

武内P「――私も、考えを改めました」


CPアイドル達「えっ?」

ちひろ「それは、つまり……?」


武内P「免疫力が低下しない程度に、ですが――」

武内P「――スキンシップをとっていこう、と」

武内P「……そう、考えています」


CPアイドル達「……えっ!?///」ドキッ!

ちひろ「そ、それって……つまり……!?///」ドキドキ!
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 00:46:12.28 ID:w5IsKJTpo
  ・  ・  ・

武内P「……と、言う訳なのです」ボロッ…


医者「ふむ……成る程」

医者「キャバクラへ定期的に行くと報告したのですか」


武内P「皆さんに、心配やご迷惑をおかけしないように、と」ボロッ…

武内P「……そう、思ったのですが」ボロッ…

武内P「皆さんに、ここまで反対されては……はい」ボロッ…

武内P「他に……何か、免疫力を高める方法はありますか?」ボロッ…


医者「そうですね……とりあえず」



医者「処方できる薬は、ありません」




おわり
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/21(木) 02:21:35.67 ID:WyzqhDQCO
もともとキャバクラみたいなものだもんね!
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/21(木) 02:22:25.89 ID:YPE9wQwDO
みなみんは縛られるのがお好き……メモメモ
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 20:15:42.30 ID:w5IsKJTpo
書きます


武内P「兄貴、ですか?」
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 20:19:37.72 ID:w5IsKJTpo
未央「あっ、あはははは!///」

凛「ぷっ……小学生みたいな間違いだね」

卯月「大丈夫ですよ、未央ちゃん!」

卯月「私も先生を『ママ』って呼んだ事ありますから!」

未央「しまむー、それ微妙にフォローになってないからね!?///」

武内P「……」



巴「……な」

巴「なん……じゃと……!?」
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 20:21:46.19 ID:w5IsKJTpo
  ・  ・  ・

武内P「……ふぅ」

武内P「少し、休憩するか――」


コンコン!


武内P「! はい、どうぞ」


ガチャッ

巴「……!」

巴「しっ、失礼します……!」



武内P「?」

武内P「村上さん……?」
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 20:24:46.35 ID:w5IsKJTpo
武内P「あの、何か御用でしょうか?」


巴「――今まで、すみませんでした!」ペコリ!


武内P「!?」

武内P「あの、村上さん!? 顔を上げてくださ……」


巴「只者じゃない思っちょりましたが……!」

巴「まさか、アニキが346組の若頭だったとは……!」


武内P「!?」
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 20:31:04.43 ID:w5IsKJTpo
武内P「村上さん、何故……!?」


巴「知らんかったとは言え、数々の無礼……!」

巴「どうか、許してください……!」ペコリ!


武内P「村上さん、とにかく頭を上げてください!」


巴「許すゆう言葉を頂けるまで、頭ぁ上げられません!」

巴「うちは、今は346組に世話になっとる身……」

巴「その若頭に、とんだ言葉を……!」ペコリ!


武内P「……!?」
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 20:36:59.88 ID:w5IsKJTpo
武内P「わ、私は構いませんので!」


巴「……!」

巴「アニキは許しても、姐さん達が許さん……ゆう事ですか」

巴「――うちも女! 必ず、ケジメはつけます!」ペコリ!


武内P「待ってください!」

武内P「そもそも、私はただのプロデューサーです!」


巴「……!」

巴「そうでした……こがー事するゆうんは、カタギと違いますな」

巴「……アニキ、許してください!」ペコリ!


武内P「何一つわかっていただけていませんね!?」
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 20:41:17.48 ID:w5IsKJTpo
武内P「……そもそも、私は若頭ではありません」

武内P「プロダクションに勤める、ただのプロデューサーです」

武内P「アニキ、と呼ばれる様な立場では……」


巴「……! わかりました!」

巴「アニキは――ただの、プロデューサー」


巴「……そう、ゆう事ですな?」ギラッ!


武内P「はい、そうです」ギラリ!
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 20:48:16.14 ID:w5IsKJTpo
  ・  ・  ・
夕方、プロダクション内玄関ホール

武内P「……あれは――」


巴「! Pの兄さん!」

巴「お勤め、ご苦労様です!」ペコリ!


武内P「!?」

武内P「む、村上さん!?」


巴「今まで、碌に挨拶もせんでしたから!」

巴「これからは、せめてこの位はさせてください!」ペコリ!


武内P「か、顔を上げてください!」
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 20:54:13.48 ID:w5IsKJTpo
武内P「そこまでしなくても、結構ですので……!」


巴「!? Pの兄さん!?」

巴「これは、うちなりに義理を通そうと……!」

巴「お願いです! 頭ぁ下げる許しをください!」ペコリ!


武内P「お、お願いします!」

武内P「せめて、今まで通りに……!」


巴「お願いです! Pの兄さん!」ペコリ!


武内P「……!?」
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 21:00:47.39 ID:w5IsKJTpo
  ・  ・  ・
談話スペース


巴「――こがいな事があったんじゃ」

巴「うちも、346プロに所属するアイドル……」

巴「……義理だけは、絶対に通したいんじゃ」

巴「アニキ――Pの兄さんに、挨拶する方法!」

巴「うちに、それを教えてください!」ペコリ!


巴「姉さん達、お願いします!」ペコリ!


大人組「――任せて!」ニコッ!


巴「おぉ……何て頼もしい笑顔なんじゃ……!」
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 21:08:49.48 ID:w5IsKJTpo
巴「じゃが……うちに出来るようになるんか」

巴「Pの兄さんは、うちを避けとるようなんじゃ」


楓「――酒、盗る?」

楓「ふふっ! それなら……取り返さなくちゃ、ね♪」ニコッ!


巴「楓さん……」


楓「あの人はね――笑顔に弱いの」

楓「だから、挨拶する時は笑ってないと♪」ニコッ!


巴「確かに……気ぃが入りすぎてた所は、ある」

巴「笑顔……なるほど、笑顔か……」
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 21:15:01.82 ID:w5IsKJTpo
巴「しかし、頭ぁ下げんゆうんは難しい」

巴「これ以上、礼を失するような真似は出来ん」


瑞樹「――でも、彼が良いって言ってるんでしょう?」

瑞樹「だったら、それ以外の方法を探さないと」


巴「瑞樹の姉御……」


瑞樹「例えば、相手の目をしっかりと見る」

瑞樹「せっかく可愛いんだから、後頭部ばかり見せても、ね♪」ニコッ!


巴「み、瑞樹の姉御!///」

巴「……じゃが……顔を上げて挨拶、か」
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 21:20:14.86 ID:w5IsKJTpo
巴「……くうっ! 良い方法が思いつかん!」


早苗「――なーに言ってるのよ!」


巴「っ!?」ビクッ!

巴「さ、早苗の姉御の世話になるような事は……!」ビクビク…!


早苗「ねえ、あたしを見てビクビクするのやめてくれない?」

早苗「……ゴホンッ!」

早苗「ま、テキトーにヒラヒラ手でも振っとけば良いんじゃない?」


巴「ひ、ヒラヒラは苦手じゃけぇ……!」ビクビク…!

巴「じゃが……手を振る、か……」
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 21:29:26.52 ID:w5IsKJTpo
巴「笑顔で、顔を上げて、手を振って……」

巴「それで、どんな風に声をかければ良いんじゃ……?」


心「そんなの当然、シュガシュガスウィート☆」

心「はぁとみたいに、かわいくだぞ☆ やっちまえ☆」


巴「心の姉御……」

巴「いや、姉御のようには……きついもんがある」


心「おーい、そりゃどう言う意味だー?」

心「……と・に・か・く☆」

心「巴ちゃんはアイドルで、相手はプロデューサーなんだから」

心「全力スウィートパワーの方が、喜ぶんじゃないの」


巴「うちの……全力……」


心「なんてな☆」
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 21:39:02.11 ID:w5IsKJTpo
菜々「そうですよ! ナナみたいに――」

菜々「キャハッ! 皆のアイドル、ウサミン星人こt」


巴「菜々、黙っとれや」

巴「おどれ、大事な話しとるのがわからんのか?」


菜々「塩対応!!」

菜々「……でっ、でもでも!」

菜々「ちょっと大げさな方が、良い時もありますよ!?」


巴「……成る程、確かにそうかも知れんな」

巴「期待はしとらんかったが、中々やるもんじゃの」


菜々「当然です! だって……」

菜々「……じぇ、JK! 現役リアルJKですから!」
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 21:44:34.61 ID:w5IsKJTpo
巴「っ、そうじゃ……肝心な事を忘れとった……!」


大人組「肝心なこと?」


巴「アニキとも、Pの兄さんとも呼んだらいかん言われたんじゃ……!」

巴「じゃが、今まで通りには、とても……!」

巴「くっ……!」

巴「うちは、アニキの事を何と呼べば良いんじゃ……!?」


大人組「……」

大人組「だったら――」
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 21:48:09.82 ID:w5IsKJTpo
  ・  ・  ・
翌朝


武内P「……」

武内P「っ!」


巴「……」キリッ!


武内P「村上さん……!」


巴「っ――!」

巴「……♪」ニコッ!


武内P「!?」

武内P「い……良い、笑顔……!?」
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 21:51:51.50 ID:w5IsKJTpo
武内P「お……おはようg」


巴「――お兄ちゃ〜〜ん♪」ニコニコ!

巴「おっはよ〜〜っ♪」ニコニコ!

ぴょいんっ!


武内P「!?」ビクッ!


巴「……う」

巴「うわああああっ!/// やっぱり無理じゃあああっ!///」

だだだだだっ…!


武内P「……!?……!?」
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 22:02:36.82 ID:w5IsKJTpo
  ・  ・  ・

巴「……」


武内P「全て、誤解です」

武内P「そもそも、私よりも立場が上の方は沢山いますし……」

武内P「……」

武内P「私は、若頭ではありません」


巴「……シンデレラプロジェクトのシマを任されとる」

巴「346組、アイドル部門の幹部の一人、ゆう事か?」


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「はい、そうです」
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/21(木) 22:18:19.04 ID:w5IsKJTpo
巴「本当に、若頭じゃないゆうんか?」

武内P「違います」

巴「専務――346のお嬢と衝突して勝ち、実権を握ったゆうんは?」

武内P「事実無根です」

巴「……何じゃ、そうだったんか」


巴「はっはっは!」

巴「――さっきのは忘れてください!」ペコリ!


武内P「いえ……とても、キラキラと輝く良い笑顔でした」

武内P「あの方向性のプロデュースも視野に入れるべきだ、と」

武内P「……そう、考えています」


巴「アニキ、お願いします!」



おわり
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/21(木) 23:39:58.36 ID:HzTGtv5SO
バックストリートガールゴクドルズかな?
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/22(金) 01:51:25.23 ID:VwC06+Uwo
巴におにんにん生えてたらちょっと
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/22(金) 09:48:50.04 ID:eufX/Ag6o
理由あってアイドルになって巴ちゃんかわいい
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:07:25.60 ID:3feh0P8Eo
書きます


武内P「猫カフェ、ですか?」
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:11:17.58 ID:3feh0P8Eo
みく「そうにゃ! Pチャン、行ったことある?」

武内P「いえ、ありません」

李衣菜「聞かなくても、何となく答えはわかってたけど……」

みく「Pチャン! 猫カフェに行かないのは、人生損してるよ!」

武内P「ですが……」


みく「きっと、良いネコチャン企画が思いつくにゃ!」


武内P「行きます」


李衣菜「プロデューサー、ちょろすぎません!?」
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:14:38.46 ID:3feh0P8Eo
  ・  ・  ・

猫カフェ、前


みく「――ここが、みくのオススメの猫カフェだよ!」

武内P「成る程。看板以外にも、ポップな外観ですね」

李衣菜「……って言うか、なんで私まで?」

武内P「そう、ですね……」


みく「にゅふふ! 楽しみにゃ〜!」ペカー!


武内P「……やはり、前川さんと多田さんはユニットですから」

李衣菜「いざと言う時の抑え役、って事ですか!?」

武内P「……すみません」
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:18:28.90 ID:3feh0P8Eo
  ・  ・  ・
猫カフェ、受付


みく「――Pチャン、本当に良いの?」

武内P「はい。今回は、取材のため……という名目ですので」

李衣菜「経費で落ちる、って事ですか?」


武内P「それは……千川さんの機嫌次第、ですね」


みく・李衣菜「……」

みく「とっ、とにかく! 今日は楽しもっ、ねっ!」

李衣菜「そっ、そうだね! せっかくなんだし!」


武内P「……はい」
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:22:30.05 ID:3feh0P8Eo
みく「このドアをくぐったら、そこには夢の世界が広がってるにゃ!」

武内P「夢の世界、ですか?」

みく「そう! 可愛いネコチャン達がい〜っぱいいるのー!」キラキラッ!

武内P「すみません、写真を撮っても?」

みく「良いけど、フラッシュは絶対ダメだからね!」


武内P「いえ、違います」

武内P「今の前川さんの笑顔を撮影して残しておきたい、と」

武内P「……そう、思いました」


みく「……も、もー!///」

みく「それならそうと、早く言ってにゃ!///」

李衣菜「うわぁ……みくちゃん、顔真っ赤」
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:26:28.44 ID:3feh0P8Eo
みく「もー! ドア、開けるからね!」

武内P「……はい。撮り終えたので、大丈夫です」

みく「それじゃ、そ〜っと開けるよ〜…」

…カチャッ

みく「にゃああ……可愛いネコチャン達が……」


猫達「!」ジーッ!


みく「み、皆こっちを見てるにゃ……!?」

武内P「すみません、猫カフェとは……こう、なのでしょうか?」

李衣菜「いやいや、明らかに様子が変ですよ!?」
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:30:58.56 ID:3feh0P8Eo
猫達「……!」ジーッ!


みく「な、なんで……!?」

みく「いつも、すぐに寄ってくる子まで……」

李衣菜「とりあえず……あそこ、座らない?」

みく「そっ、そうだね! 座ってれば寄ってくる子も居るし!」

武内P「では……私は、あちらのテーブルで」

李衣菜「? もしかして、仕事するんですか?」

武内P「はい、せっかくですので」

李衣菜「せっかく、って……」

みく「もー! せっかく猫カフェに来てるのに〜!」


猫達「……!」ジーッ!
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:34:37.18 ID:3feh0P8Eo
李衣菜「……まあ、プロデューサーらしいよね」

みく「帰る頃には、メロメロにさせてみせるにゃ!」

李衣菜「……なるかなぁ?」

みく「ぜ〜ったいになるにゃ!」


武内P「……!?」

猫達「……」

武内P「か、囲まれ……!?」

猫達「ニャ〜ン♡」


みく「ネコチャ――ンッ!?」

李衣菜「プロデューサ――ッ!?」
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:39:10.06 ID:3feh0P8Eo
李衣菜「みっ、みくちゃん!?」

みく「あ、あんなにネコチャンに囲まれて……ずっ、ずるいにゃ!」

李衣菜「ねえ! ねえってば!」

みく「もーっ! 李衣菜ちゃん、何!?」


武内P「あ、あの……座っても、良いですか?」

猫達「ニャーン」

…・ササッ

武内P「……ありがとう、ございます」


李衣菜「プロデューサーの周り以外、猫が居なくない!?」

みく「そんなっ!? ワガママな子が、言うことを素直に聞いてる……!?」

李衣菜「みくちゃんは、まず私の話を聞こう!?」
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:42:22.42 ID:3feh0P8Eo
李衣菜「ほら、よく見てみてよ!」

みく「そんな事、あるはず……」


しん…


みく「……!?」

李衣菜「でしょ!? 皆――」


武内P「……」

猫達「ニャ〜ン♡」


李衣菜「――プロデューサーに懐いてるんだよ!」

みく「そん……にゃ……!?」
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:52:22.36 ID:3feh0P8Eo
みく「いやいや……李衣菜ちゃん、いやいや」

李衣菜「ほら、だってあれ……」


黒猫「ニャ〜ン♡」

スリスリッ!

武内P「……人懐っこい子ですね」ホワッ

ナデナデ…

黒猫「フニャ〜ン……ゴロゴロゴロ♡」


みく「そんな……!?」

みく「まるで愛想が無い、でもそこが良いと評判の子まで……!?」

李衣菜「……デレッデレに見えるけど」
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 22:57:46.09 ID:3feh0P8Eo
李衣菜「もしかして、なんだけどさ」

みく「な、何?」


李衣菜「プロデューサーって、みくちゃんよりも猫に好かr」


みく「李衣菜ちゃん、あかん」フルフル!


李衣菜「……いや」

みく「李衣菜ちゃん、それはあかん」フルフル!

李衣菜「……でも」


みく「……証明してみせるにゃ!」

みく「みくの方が――ネコチャンに好かれる、って!」


李衣菜「! それ、ロックな感じがする!」
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:03:12.37 ID:3feh0P8Eo
李衣菜「でも、どうやって証明するの?」

みく「要は、Pチャンの所からみくの所にネコチャンが来れば良いにゃ!」

李衣菜「まあ……そう、かな?」


みく「ネコチャン達は、ちょっと勘違いしてるだけにゃ」

みく「Pチャンは背が高いから……」

みく「……――はっ!? キャットタワー!」

みく「そうにゃ! キャットタワーと勘違いしてるんだよ!」


李衣菜「それは……」

李衣菜「……なんか、ちょっとわかるかも」
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:11:09.98 ID:3feh0P8Eo
みく「……Pチャンタワーには絶対負けない!」

みく「みくには、愛があるもん……!」

みく「だから――この苦難、乗り切ってみせるにゃ!」

みく「みくは、自分を曲げないよ!」


李衣菜「……そうだよ」

李衣菜「その意気だよ、みくちゃん!」


みく「Pチャンに、わからせてあげるにゃ!」

みく「――勝負にゃー!」
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:13:52.45 ID:3feh0P8Eo
  ・  ・  ・

みく「」


白猫「……」

…のしっ

武内P「すみません……仕事をしているので」

武内P「ノートPCの上ではなく、膝の上でも?」

白猫「……ニャー♡」

ぴょんっ、ぽすんっ

武内P「……ありがとう、ございます」


李衣菜「……」

李衣菜「まあ、わかってた」
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:19:19.99 ID:3feh0P8Eo
みく「おかしいにゃ……絶対おかしいにゃ……!」


李衣菜「ま、まあ……今日来た目的はさ」

李衣菜「プロデューサーに、猫カフェの良さをわかって貰うため、だよね?」

李衣菜「だから、目的が達成出来て良かったんじゃない?」


みく「そうだけど……プライドの問題なの!」

みく「誰も、みくの所に来てくれないなんて……」

李衣菜「……」


三毛猫「ニャー」


みく・李衣菜「!?」
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:23:09.16 ID:3feh0P8Eo
李衣菜「みくちゃん! こっちに寄ってきた子が居るよ!?」

みく「李衣菜ちゃんうぅ落ち着つつつくくくっくっくくっ!」ニッコニコ!

李衣菜「喜びすぎじゃない!?」

みく「そっ、そんな事ないにゃ!」


みく「ま……まあ? ちょっとだけ?」

みく「嬉しくて、オシッコちびりそうになったけど?」


李衣菜「絶対やめてね!?」


三毛猫「ニャー」


みく・李衣菜「……んふふ!」ニコッ!
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:27:17.97 ID:3feh0P8Eo
みく「やっぱり、みくのネコチャンへの愛は通じてたんだね!」

李衣菜「あはは! 良かったねみくちゃん!」

みく「それじゃあ……失礼して」

李衣菜「はいはい」


みく「――おいでぇ〜〜ん、ネコチャ〜〜ン♡」


三毛猫「ニャー」

スリスリッ

李衣菜「えっ!? わ、私!?」アセアセ!


みく「なんでやねん!!!!!」
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:32:42.43 ID:3feh0P8Eo
武内P「……あの」


みく「しゃーっ!!」

李衣菜「みくちゃん、威嚇は!」

李衣菜「……プロデューサー、どうしたんですか?」


武内P「猫達が、寝てしまって……ですね」

猫達「……」スヤァ…

武内P「この場から、動けなくなってしまって……」


みく・李衣菜「……」
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:38:08.48 ID:3feh0P8Eo
武内P「こういう場合は、どうしたら良いのでしょうか?」


李衣菜「……ほら、みくちゃん。助けてあげなよ」

みく「……」

三毛猫「ニャー」

みく「ネコチャン……みくに、助けろって言ってるの?」

李衣菜「みくちゃん、私が先に言ったんだけど」

みく「……でも」チラッ


武内P「前川さん……力を貸して貰えませんか?」


みく「……」

みく「しょうがないにゃあ……いいよ」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/22(金) 23:41:58.32 ID:ZtkMTHwSO
猫の日だったねそういえば
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:46:04.84 ID:3feh0P8Eo
  ・  ・  ・
猫カフェ、前


武内P「――今日は、ありがとうございました」

李衣菜「猫カフェ、どうでしたか?」

武内P「そう、ですね……はい、とても良い場所だと思います」

李衣菜「……だってさ、みくちゃん!」

みく「それは良かったんだけど……」


みく「なんか……なんか、負けた気分にゃ!」


武内P・李衣菜「……」
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:51:23.41 ID:3feh0P8Eo
みく「ネコチャン達、Pチャンの方ばっかり行っちゃうし〜!」

武内P「す、すみません」

みく「……今回は、Pチャンの勝ちで良いよ」


みく「でも――次は、絶対にみくが勝つにゃ!」


武内P「次、ですか?」

李衣菜「それって……また一緒に行こうって意味?」

みく「りっ、李衣菜ちゃん!///」
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/22(金) 23:59:36.78 ID:3feh0P8Eo
みく「っ、Pチャン! この勝負、受けて貰うにゃ!」

武内P「……」


武内P「……はい」

武内P「喜んで、お受けします」


李衣菜「……ふふっ! 良かったね、みくちゃん!」

みく「うんっ! あっ、じゃ、じゃなくて!」ワタワタ!

みく「Pチャンが、今日は見られなかった――」

みく「――ネコチャンの、キュートな所も見せるからね!」


みく「例えば、素直じゃない所とか!」ビシッ!


武内P「それは……」


李衣菜「……今、見てますよね」




おわり
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 03:36:22.52 ID:2yArEItrO
可愛く纏めやがって、最高かよ
そういや犬だけどハナコに速攻懐かれてたよね武P
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 09:47:19.53 ID:0uJmo4p1o
渋谷さん達とドッグカフェ行くパティーン来る?
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 10:00:08.61 ID:R9M1N/emo
どうせ先回りしてドッグになってんでしょ!
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 10:15:03.72 ID:1HxNujWDO
智絵里「あ、あの……」バニー姿

菜々「うさぎさんも」バニー姿

千枝「か、可愛がってください」バニー姿

聖來「ペロペロシコシコファッキンナンバーワン!」バニー姿

のあ「お触りOK……?」バニー姿

芽衣子「だ、ダメだってば!」バニー姿
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/23(土) 14:32:13.95 ID:TcaaZLsqo
うさぎカフェV○VID RABBIT@オ○ゴトシ○ター7
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:03:51.95 ID:TNF13/eao
書きます


武内P「ドッグカフェ、ですか?」
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:06:54.88 ID:TNF13/eao
凛「うん。今度、ハナコと行ってみようと思って」

卯月「ハナコちゃんと?」

凛「そう。飼い犬と一緒に入れるカフェ、みたいなんだよね」

武内P「成る程、猫カフェとはシステムが違うのですね」

未央「へー! ちょっと調べてみよっと!」


未央「何々〜……?」

未央「――ん? 合コン?」


武内P・凛・卯月「……」

武内P・凛・卯月「えっ?」
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:10:44.23 ID:TNF13/eao
凛「ちょっと、未央。何言ってるの?」

未央「いやほら、書いてあるんだって!」

凛「そんな訳無いでしょ」

卯月「ええっと……あ、本当ですね」

未央「でしょ!?」


未央「――犬好き同士なら会話も弾む!」

未央「――飼い主さん同士も、癒やされながら合コンを!」

未央「……って、書いてあるんだって!」


凛「……本当に書いてある」

武内P「……」
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:12:39.48 ID:TNF13/eao
武内P「渋谷さん」

凛「? 何、プロデューサー」

武内P「……渋谷さんは、アイドルです」

凛「うん」


武内P「それに、まだ15歳ですし……」

武内P「……そういった催しは、早すぎると思うのですが」


凛「……」

凛「はあっ!?」
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:17:50.88 ID:TNF13/eao
凛「ねえ、今のってどういう意味!?」

卯月「り、凛ちゃん……合コンに参加しちゃうんですか……?」ウルッ!

凛「しないから! っていうか、どうして涙目なの!」

卯月「い、いえ……その」


卯月「……凛ちゃん達は、どんどん先に進んでっちゃうな、って」

卯月「私も、怖いけど合コンに行ったほうが良いのかな……って」

卯月「えへへ……そんな事、考えちゃって」


未央「待ってしまむー!?」

未央「‘達’って、私はそういうの行ったこと無いからね!?」
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:21:51.27 ID:TNF13/eao
卯月「でも、未央ちゃんは男の子の友達も多いですし……」

未央「それとこれとは話が別!」

凛「そうだよ、卯月! 行ったこと無い方が普通だから!」

卯月「……普通、ですか」

未央・凛「普通で良いでしょ!」


凛「……とにかく!」

凛「私は、合コンとか……そういうの興味無いから」

凛「変な誤解しないでよね?」


武内P「す、すみません」
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:25:27.01 ID:TNF13/eao
未央「でもさ、そういうのがあるなら……」

凛・卯月「?」

未央「プロデューサーとか、向いてるんじゃない?」

武内P「私が、ですか?」

未央「うんうん」


未央「プロデューサーって、ハナコちゃんに好かれてるっぽいじゃん?」

未央「だからさ、ちょ〜っと見た目は怖いけど――」

未央「犬を飼ってる美人さんと、良い出会いがあるかも知んないよ?」


武内P「はあ……」


卯月・凛「……」
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:29:02.96 ID:TNF13/eao
武内P「しかし、私は犬を飼っていませんし……」

未央「ところがどっこい! ここ見て、ここ!」

武内P「……犬好きならば誰でも、ですか」

未央「そう! 別に、飼ってなくても良いんだってさ!」

武内P「確かに、犬は好きですが……」

未央「良いねぇ! 参加資格はバッチリじゃ〜ん!」


卯月「ま、待ってください!」凛「ちょっと待って」


武内P「島村さん? 渋谷さん?」

未央「……どしたの?」


卯月・凛「……」
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:35:17.39 ID:TNF13/eao
卯月「そ、その……ええっ、と……!」

未央「ナイスアイディアじゃない?」

卯月「それは、ううっ……だから〜……!」

凛「そもそも、私がドッグカフェに行きたいって話だったでしょ」

凛「なのに、どうしてプロデューサーの話になるの」

卯月「! そう! それです!」


凛「そもそも、プロデューサーが犬好きだとしても――」

凛「――犬が好きな相手と、話が弾むと思う?」


未央「う〜ん……」

未央「あっ! それじゃあ、ちょっと練習してみようよ!」


卯月・凛「……練習?」


武内P「あの……仕事があるのですが……」
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:41:34.52 ID:TNF13/eao
  ・  ・  ・

武内P「……」

未央「――手を叩いたら、スタートねっ!」


凛「……私が飼い主役で」

卯月「……私がワンちゃん役、ですか」


未央「ほら、しまむーって……演技はちょっとアレだし」

未央「ワンコの役なら、台詞は『ワン』で何とかなるでしょ?」

未央「それにさ、くくってる髪もちょっと尻尾みたいじゃん」


卯月・凛「は、はあ……」


未央「ふっふっふ! 私のワンコの演技、見せたげる!」

未央「それじゃあ……スタート!」


―パンッ!
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:47:35.10 ID:TNF13/eao
凛・卯月「……」


未央「――わんっ!」


卯月「っ!?」

未央「わんわ〜ん」

卯月「み、未央ちゃん?」

未央「……しまむー」ボソッ!

卯月「あっ! わ、わんわーん」

未央「わんっ! わんっ!」


未央「――と、こんな感じで」

未央「プロデューサーの飼ってる犬と、他のお客さんの飼ってる犬」

未央「犬同士が、戯れだしました!」


武内P「……私は、犬を飼っていませんが」

凛「……言っても無駄だと思う。未央、楽しくなってるみたいだし」
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:52:30.39 ID:TNF13/eao
未央「で、そしたらさ?」

未央「飼い主同士も、会話を始めるでしょ?」


凛「……まあ、そうだね」


未央「ほら、しぶりん!」

未央「未央ちゃんドッグを可愛がり給えよ!」

未央「わんっ! わんっ!」


凛「よ、よーしよし……」

ナデナデ…

未央「わおーん♪」


未央「――はい! そこでプロデューサー!」

未央「飼い犬が、他のお客さんの所に居るんだよ?」

未央「これはもう、会話のチャンス!」


武内P「は、はあ……」
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 22:57:54.10 ID:TNF13/eao
武内P「……こ、こんにちは」


凛「えっと……こ、こんにちは?」


未央「……まあ、演技が硬いのはわかってた」

未央「っと、ここでしまむー! 出番だよ!」

卯月「えっ!? わ、私ですか!?」

未央「プロデューサーに、懐いてる感じで!」

卯月「そ、そう言われても……!?」


未央「まあ、そういう事でもないとさ……」

未央「プロデューサー顔怖いし、会話所じゃないと思うんだよね」

未央「見た目で悪い人だと誤解されて、終わるっぽくない?」


卯月「……っ!」

卯月「し……島村卯月、頑張りますっ!!」
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 23:01:31.14 ID:TNF13/eao
卯月「わ、わんっ! わんっ!」クイクイッ!

ふりふりっ!


未央「おおっ! 良いねぇ、しまむー!」

未央「物凄く尻尾振って喜んでる感じ出てるじゃーん!」


卯月「わんっ! わんっ!」クイクイッ!

ふりふりっ!

武内P「……」


未央「ほら、プロデューサー!」

未央「ボーッとしてないで、褒める褒める!」


武内P「えっ? ええと……とても、可愛いです」

卯月「! わんっ♪ わんっ♪」クイクイクイッ!

ふりふりふりっ!


凛「……」
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 23:06:34.25 ID:TNF13/eao
未央「もっと褒めて! どんどん褒めて!」


武内P「えっ? ええと……凄く、可愛いです」

卯月「! わんっ♪ わんっ♪」クイクイクイクイッ!

ふりふりふりふりっ!

武内P「キラキラと輝いて……本当に、可愛いです」

卯月「! わんっ♪ わーんっ♪」ニコニコ!

武内P「……良い、笑顔です」


未央「いや……可愛いしか言ってないし」

未央「それに、最後は普通に笑顔を褒めちゃってるし……」


凛「……」
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 23:11:54.33 ID:TNF13/eao
未央「……でもまぁ、掴みはオッケーじゃない?」

未央「お互いの飼ってるワンコが、お互い懐いててさ!」

凛「うん、そうだね」

未央「それじゃあ、しぶりんは――」


未央「――プロデューサーに、話しかけてみて!」

未央「う〜ん……そうだなぁ……」

未央「せっかくだし、未央ちゃんドッグを撫でながら!」


凛「わかった」

ガァキィッ!

未央「!?」パプリ!


未央「――ぅあいったたたた!? しぶりん!? しぶりん!?」

未央「撫でる通り越して掴むになってるって! おおあああ!?」
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 23:19:52.47 ID:TNF13/eao
凛「お宅の子、とっても元気ですね」

ガァキィッ!

未央「割れちゃう割れちゃう頭が割れちゃう!!」ジタバタ!


武内P「し、渋谷さん!?」

卯月「わんっ♪ わーん♪」ニコニコ!

武内P「あの、島村さん! 本田さんが!」

卯月「わお〜んっ♪」ニコニコ!

武内P「っ……!」


武内P「すみません、本田さん!」

武内P「島村さんの犬の演技がとても可愛らしいので――」

武内P「――動画を撮影するまで、待ってください!」


凛「……」

グワァキィッ!

未央「いやちょっ、無理無理無理無理! 漏れる! 痛みで漏れる!」
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 23:28:21.49 ID:TNF13/eao
  ・  ・  ・

未央「……しっ、死ぬかと思った……!」

凛「ご、ごめん、未央」

未央「演技に力を入れるのは良いさ!」

未央「でも、アイアンクローは違うよね!?」

凛「……あっ、ほらここ」

未央「……何?」


凛「――ドッグカフェに行く前は、さ」

凛「マナーとして、散歩してトイレを済ませてからって……」


未央「……成る程〜」

未央「マナーを守ってなかったから、ピンチになったんだね♪」


凛「……まあ、そんな感じ」


未央「な訳ないよね!?」
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 23:33:07.03 ID:TNF13/eao
未央「プロデューサーもすぐに助けてよ!」

武内P「す、すみません」

未央「飼い犬のピンチだよ!? すぐ動きなさいよ!」

武内P「こ……今後は、そういった調整をします」


卯月「わんっ♪ わふーん♪」クイクイッ!

ふりふりっ!

武内P「島村さん……慰めて、頂けるのですか?」

卯月「わおんっ♪」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


凛「……」

スッ…


未央「いや、しぶりん!? なんで私の頭に手を伸ばしてるの!?」
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 23:41:40.37 ID:TNF13/eao
凛「……やっぱり、やめておいたら?」

武内P「渋谷さん?」

凛「プロデューサー、合コンとか向いてないでしょ」

武内P「そう……ですね」

卯月「……わ、私もそう思います!」

武内P「島村さん?」

卯月「きっと、無理をしなくても出会いがあると思うんです!」

武内P「はあ……」


武内P「そもそも……今は、仕事が恋人のようなものですから」


卯月・凛「……」ホッ!

未央「……そりゃまあ、わかってたけどさ」
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/23(土) 23:47:50.24 ID:TNF13/eao
未央「ま、とりあえずドッグカフェは無しかなー」

卯月・凛「?」


未央「――嫉妬とか、凄そうだもん」


卯月・凛「!?」

卯月「みっ、みみみ、未央ちゃんっ!?///」

凛「何言ってるの!?/// そんなんじゃないから!///」


未央「へっ?」

未央「懐かれすぎちゃって、飼い主さんに嫉妬される……」

未央「……って演技じゃなかったの?」


卯月・凛「…………」

卯月・凛「……」


卯月・凛「はい、そうです」
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/24(日) 00:00:10.40 ID:qd07cZ/So
凛「……とりあえず、ドッグカフェはどうしようかな」

卯月「あはは……そういえば、最初そんな話でしたね」

凛「未央が変に脱線させたんでしょ」

凛「……まあ、プロデューサーがやめろって言うなら」

武内P「あ、いえ、プライベートにそこまで干渉は……」


未央「じゃあ、一緒に行けば良いんじゃない?」


凛「!? みっ、未央!?///」

未央「? しぶりん、どしたの?」

武内P「そう、ですね……それならば、はい」

凛「ぷっ、プロデューサー!?///」


凛「ほ……本当に……?///」オズオズ…


武内P「はい」


武内P「皆さんで、楽しんできてください」ニコリ




おわり
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 13:05:14.40 ID:iRsLRq4Go
凛ちゃんが報われる事はないのだろうか…
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 14:46:46.58 ID:M3uBOpCDO
みくに魚を食べさせたり、幸子をバンジーさせたり、美嘉を赤面させたり、杏を働かせたりするのと同様に


お約束というものですからね
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 17:29:33.19 ID:JTsgdnMdO
一昔前は正妻扱いだった時期もあったのに、どうしてこうなった
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 18:06:05.89 ID:57AeKM98o
逆にグイグイ行かれた途端チョロくなるのは楽しいな
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 21:43:17.15 ID:cH1AOAqu0
犬卯月かわいい
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 23:31:35.70 ID:zEx1m8T8O
凛わんわんだったら確実に嬉ションかましてたな
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/24(日) 23:34:02.09 ID:uZOpAdrGO
現行とは関係ないけど前に書いてたシティーハンターとのクロスで興味湧いて映画観てきたわ
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 21:53:22.96 ID:wXsMNfIwo
書きます


武内P「速水さん、部屋に戻ってください」
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 21:56:45.37 ID:wXsMNfIwo
奏「あら、随分とつれない事を言うのね」

武内P「今日は合宿初日で、明日も早いですから」

奏「そうね。貴方が同行してくれてて助かったわ」

武内P「……速水さん」


奏「そんなに私を寝かせたいなら、子守唄を歌ってちょうだい」

奏「でないと、今日は眠れそうにないの」


武内P「……」
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:01:44.83 ID:wXsMNfIwo
奏「私が寝不足になっても良いのかな?」

武内P「そうは言いません」

奏「だったら、早く部屋まで来て」

武内P「出来ません」


奏「もしかして何か勘違いしてる?」

奏「大丈夫、襲ったりなんかしないわ」

奏「……私からは……ふふっ! なんてね」


武内P「ホラー映画を見て怖かったのだろう、とは理解しています」

武内P「ですが、頑張って寝てください」
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:03:54.94 ID:wXsMNfIwo
奏「私が? 怖い?」

武内P「はい」

奏「……あのね、小さい子供じゃないんだから」

武内P「……速水さん」


武内P「先程、トイレに一緒に着いて来て欲しい、と」

武内P「……そう、私におっしゃいましたね?」


奏「そんな昔のことは忘れたわ」
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:07:47.01 ID:wXsMNfIwo
奏「ごめんなさいね、薄情な女で」

武内P「トイレの前で待っていろ、と」

奏「誰の話? 私、そんな変な趣味は無いんだけれど」

武内P「……」


武内P「実は、あの時私は男子トイレで用を足していました」


奏「ううう嘘でしょう!?」

奏「貴方って、そんなひどい事をする人だったの!?」


武内P「……いえ、冗談です」


奏「ふふっ、知ってたわよ」
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:12:49.67 ID:wXsMNfIwo
奏「ほら、早く行きましょう?」

武内P「それは、出来ません」

奏「ふぅん……随分と強情なのね」

武内P「頑張って、一人で眠れませんか?」


奏「――私が、枕を悲しみで濡らして良いのなら」

奏「布団に、夢の地図を描き出しても良いのなら」

奏「……おやすみの一言だけで済ませれば?」


武内P「……」

武内P「待ってください」
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:18:01.39 ID:wXsMNfIwo
奏「こんな時間に女を呼び止める意味って、何かしらね?」

武内P「夢の地図、とは?」

奏「そのままの意味よ。そして、貴方が決めるの」

武内P「……」


奏「明日の朝が――」

奏「――何の変哲もない、合宿二日目の朝になるか」

奏「――いたたまれない、気まずい合宿の幕開けか」


武内P「……」
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:25:10.67 ID:wXsMNfIwo
武内P「誰か、他の方と同じ部屋で寝るのはどうでしょうか?」

奏「あのね、もうちょっと考えて発言して貰える?」

武内P「えっ?」

奏「はぁ……」


奏「主人公の女の子が寝てて……ふと、目を覚ましたら……」

奏「……ルームメイトの子が居なくて、部屋が血まみれのシーンがあったの」


武内P「! すみません、失言でした……」

武内P「……」

武内P「失言でしたか?」
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:31:45.12 ID:wXsMNfIwo
奏「思い出させた責任、とってくれるんでしょうね?」

武内P「もしもそうしたら、私の責任問題になります」

奏「良いじゃない、減るものじゃないんだし」

武内P「減給どころでは済みませんね」


奏「……良いわ、子守唄は諦めてあげる」

奏「けど、その代わり――夜が明けるまで、部屋に居て」

奏「ふふっ! 寝顔はサービスしてあげるわ」

奏「――でも、唇はダメ」

奏「キスをしたら、目が覚めてしまうじゃない?」


武内P「すみません、難易度が上がっていませんか?」
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:36:06.20 ID:wXsMNfIwo
奏「はぁ……貴方って、本当に頑固ね」

武内P「すみません、自分では……よく」

武内P「――ですが、今言われるのは心外です」

奏「そうねぇ……じゃあ、こういうのはどうかしら」


奏「まず、貴方が寝るでしょう?」


武内P「駄目です」


奏「まだ、続きがあるんだけど」

武内P「聞かなくても、わかります」
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:41:20.36 ID:wXsMNfIwo
奏「貴方が、ベッドで寝ています。絶対に起きません」

武内P「待ってください。前提が強引すぎます」

奏「どこが?」

武内P「絶対に起きない、の部分です」


奏「寝たふりでも、私は構わないわ」

奏「……ふふっ! その方が、楽しいかも知れないわね」


武内P「そんな楽しさは求めないでください」
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:44:56.81 ID:wXsMNfIwo
奏「っ……そろそろ、まずいわね」

武内P「? どうかされましたか?」

奏「ねえ……今は、何時かしら?」

武内P「今は、はい……夜の十時ですね」


奏「……だと思ったわ」

奏「もう、瞼が重くてたまらないもの」トロンッ…


武内P「……」

武内P「えっ?」
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:52:15.59 ID:wXsMNfIwo
武内P「……演技、ですか?」

奏「女は、いくつもの顔を持ってるわ」トロンッ…

武内P「あの……速水さん?」

奏「確かに、私って年齢よりも大人に見られる事が多いわよね」トロンッ…


奏「でも……んん〜……」フニャッ…

こすこす…

奏「夜更かしって、あんまり得意じゃないの……」トロンッ…


武内P「あ……あの、目をこすっては……」

武内P「……」

武内P「えっ、演技だとおっしゃってください!」
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:55:42.97 ID:wXsMNfIwo
奏「もう……大声を出さないで……」トロンッ…

武内P「速水さん、ご自分の部屋に……!」

奏「……ちょっと待って」トロンッ…

武内P「えっ? え、ええ……」


奏「……」ウトウト…

ごそごそっ…すぽっ

奏「……これでよし、と」ホワッ!


武内P「待ってください! 何故、ここでナイトキャップを!?」

武内P「……」

武内P「……速水さんは、寝る時にナイトキャップを!?」
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 22:59:15.14 ID:wXsMNfIwo
奏「ん……何……?」ウトウト…

武内P「寝る直前ではないですか!」

奏「そんな事無いわよ……」ウトウト…

武内P「とにかく、早くご自分の部屋に――」


奏「……よいしょ、と」

…ころんっ!

奏「……すぅ……すぅ……」スヤァ…


武内P「起きてください!」

武内P「いくら清潔とは言え、廊下で寝るのはあまりにも!」
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 23:04:09.31 ID:wXsMNfIwo
奏「すぅ……すぅ……」スヤァ…

武内P「っ……!? 完全に、眠っている……!?」

奏「――おやすみのキス、待ってるんだけど?」

武内P「! 速水さん、その冗談は……」


奏「――ねえ、まだなの?」

奏「――それとも、私からして欲しいのかし……」

奏「……アナタ、誰!? いつの間にこの部屋に!?」


武内P「……寝言ですか!?」
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 23:14:03.59 ID:wXsMNfIwo
奏「や、やめて……来ないで!」ジタバタ!

武内P「速水さん!」

奏「っ……!?」ビクッ!

武内P「大丈夫ですか、速水さん!?」


奏「……やっぱり、貴方ってとってもチャーミングね」

奏「これは、助けてくれたお礼なんかじゃなく……」

奏「……私がしたいからする、ただのキスよ」ンー、チュパチュパ!



武内P「……」

武内P「いたたまれない……!」
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 23:23:05.10 ID:wXsMNfIwo
  ・  ・  ・

奏「――昨日の夜は、ごめんなさい」

奏「私、随分と迷惑をかけちゃったみたいね」

武内P「……いえ、それほどの事は」

奏「あら、そうなの?」


武内P「はい」

武内P「――眠った貴女を部屋まで抱えて運び、寝かしつける」

武内P「……この作業を誰にも見つからないよう、やっただけですから」


奏「……ふふっ!」

奏「もしかして、寝てる間に唇を奪われちゃったかな?」


武内P「大丈夫です」
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 23:30:13.73 ID:wXsMNfIwo
奏「……貴方って、本当に紳士なのね」

武内P「当然の事です」

奏「ちょっと強引なのも、悪くないと思うわよ?」

武内P「そうですか」


奏「でも、おかげでグッスリ眠れたわ」

奏「そうね……おやすみのキスはお預けだったし」

奏「――おはようのキスは、貰えるのかしら」


武内P「速水さん、今は朝の十時です」

武内P「言いたくはありませんが、あまりにグッスリすぎます」
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 23:34:21.96 ID:wXsMNfIwo
奏「はぁ……それが理由で、私の部屋を訪ねた訳ね」

武内P「速水さん。ため息を付きたいのは、こちらです」

奏「でもね、ちょっと勘違いを訂正させて」

武内P「……何ですか?」


奏「私、実はもっと前に起きてたのよ」

奏「……けれど、ベッドから出る気が起きなかった」

奏「この意味、わかる?」


武内P「……」

武内P「ひとまず、ベッドから起き上がってください」
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/25(月) 23:46:45.39 ID:wXsMNfIwo
奏「クローネのメンバーが訪ねても、反応をしなかった」

奏「……ううん、貴方が来るのを待ってた」


武内P「速水さん……?」


奏「他の誰でも無い――貴方だけ」

奏「他の誰かには、見せられない……って言った方が正しいかな」


武内P「あの……それは、どういう意味でしょうか?」


奏「ふふっ!」


奏「……怖い夢を見ちゃったの」


武内P「……!?」





おわり
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 23:52:51.83 ID:+WO6q1+wo
夢の地図描いちゃったか…
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/25(月) 23:58:23.84 ID:g82nF27W0
なんでこの子こんなに余裕たっぷりなの
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 00:05:47.58 ID:6ro2oCZbo
ご褒美だと理解してるのさベイビー
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 02:43:47.22 ID:CdRTm0I40
諸々目を瞑れば抱えてベッドまで運ばれたし奏さんは勝ったと言えるのでは
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/26(火) 12:44:16.43 ID:HRTWAs8do
目をつぶる箇所が多すぎるんだよなぁ
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 05:20:57.99 ID:RO4glF1To
夢の地図はレモンの色か、それとも大地の色か
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 13:50:52.98 ID:EgQ6WllDO
日の丸なら(ry
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/02/27(水) 15:56:33.32 ID:umo8aBPkO
ひな祭りが近いが、
男雛が武内Pなら女雛は誰になるのか
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 17:59:57.98 ID:/GX8m33ro
楓さんでしょうね
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/27(水) 18:36:16.75 ID:caVpmQit0
ageカスに構うな
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/27(水) 22:20:45.48 ID:jhyS+5wYo

「あら?」


 向こうから、彼が歩いてくるのが見えた。
 鞄を片手に、真っ直ぐ背を伸ばして。
 向こうも私に気づいたのか、視線が合う。
 だから私は、いつもの様に笑顔で、


「おはようございます」


 挨拶。
 正門の所で立ち止まっていた私の前で、彼も立ち止まる。
 そして、


「おはよう、ございます」


 挨拶。
 いつも通りの低い声。
 いつも通りのやり取り。


「……」


 特に話す事も無いけれど、一緒に。
 並んで、玄関ホールの扉へと向かう。
 何となく、チラリと横目で彼を見る。
 私も背が高いけれど、彼は男性でも大柄な人。


「……」


 自然と見上げる形になるのが、ちょっぴり新鮮。
 だからか、


「ふふっ」


 笑い声が漏れた。


「あの、何か?」


 彼が、そんな私に視線を向ける。
 最近では、随分と表情が柔らかくなりましたよね。
 これはきっと、あの子達のおかげなんじゃないかしら。


「いいえ、何でも」


 澄まし顔で前を向き、歩を進める。
 彼は、右手を首筋にちょっとだけやって、前を向く。
 そんな彼をチラリと横目でもう一度見る。


「……」


 時計の針は進んで、変わらないものは無い。
 けれど、変わらないものもある。
 そうね……例えば、


「……うふふっ」


 彼、寝癖がいつも立ってるの。
 とっても誠実で、真面目な人なのに。
 おかしくて笑っちゃうのは、しょうがないと思いません?
 いつになったら気付くのか、それは私の些細な楽しみの一つ。
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/27(水) 22:58:14.73 ID:jhyS+5wYo

「あら?」


 大きな扉が開いて中に入ると、あるものが目に飛び込んできた。
 それは、玄関ホールの脇。
 普段、何も置かれていない場所に飾られていた。


「あれは……」


 彼も、それに目を取られたのか、少しだけ歩いて立ち止まった。
 ……あっ、そうですね。
 此処で立ち止まってたら、邪魔になっちゃいますね。
 少しだけ足早に、彼の隣まで歩いていく。


「ふふっ! とっても可愛いですね」


 飾られていたのは、とても立派なお雛様。
 そして、それを彩るのは色とりどりの――折り紙の花。
 桃の花のピンクだけじゃなく、白や黄色と……本当に沢山。
 確か、年少組の子達が、一生懸命折っていたのを見た気がする。


「はい。皆さん、頑張っていましたから」


 彼も、同じ事を思い出していたみたい。
 花飾りに注がれる視線が、とても穏やか。
 それを見て、私も優しい気持ちになる。
 ほんの少しだけ、二人で無言。


「……自分は、専務は反対なさると思っていました」


 なんて、彼がポツリと呟いた。
 確かに、来たばかりの頃のあの人だったら、不要と切り捨ててたと思います。
 ……だけど、やっぱり時計の針は進んでいる。
 貴方と、プロジェクトの子達がその針を進めたんでしょう?


「けれど……女の子には、重要な事です」


 ひな祭りは、女の子の成長と健康を祝う日。
 そういった行事って、大切ですから。
 アメリカの研修では習わなかったでしょうけれど。


「女の子、ですか」


 そう言いながら、彼が私を見た。
 彼の事だから、深い意味は無いのかも知れない。
 だから私は、


「はーい、女の子でーす♪」


 と、思いっきり彼に笑いかけた。
 そうしたら……ふふっ!


「す、すみません……! そういった意味では……!」


 面白いように慌てちゃうんですもの。
 それがおかしくって……意地悪な顔を見られないよう、プイと顔をそらして。


「意味? 何の意味ですか?」


 と、質問する。
 普段無表情な彼が、今どんな顔をしているかは、見なくてもわかる。
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/27(水) 23:20:18.21 ID:jhyS+5wYo

「……」


 笑いをこらえながら、目だけで彼を見てみる。


「……!」


 右手を首筋にやって、必死で何を言おうか考えてる。
 けれど、あんまりからかっちゃかわいそうよね。
 それに、そろそろ限界。


「……っふふっ!」


 ええ、私が。
 左手の指を口元に添えて、大笑いをしないようにする。
 そうでもしないと、ね?
 今向けられてる彼の視線に、更に笑わされそうだもの。


「はぁ……それじゃあ、ここで……うふふっ!」


 こらえたつもりが、失敗しちゃった。


「……はい、ここで」


 いつもより低い声。
 でも、重苦しくは、無い。
 言葉とため息の中間のような、挨拶と笑い声を合わせたような。
 そんな、優しい声。


「……」


 少しだけ、雛飾りに目を向けて。
 私達は、歩き出した。



「「んっ」」



 同じ、方向へ。
 いつもだったらここで別れるんだけれど、
今日は、たまたま二人共二階に用があるみたい。
 二人して、玄関ホール正面の階段に、一歩、二歩、


「――うふふっ!」


 三歩目で、また、こらえきれなくなった。
 ……ああ、おかしい!
 貴方も、そう思いませんか?


「……!」


 彼は、右手を首筋――じゃなく、口元に当てていた。
 ほっぺたが少し上がって、耐えるためか、眉間に皺が寄っている。
 なんて不器用な大笑い。


「ふふっ! 階段で用があるのは、何階だん? うふふっ!」


 彼は、ゴホンと咳払いをし、いつもの調子を取り戻したみたい。
 もうっ、あとちょっとで見たことの無い表情が見られるかと思ったのに。
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/27(水) 23:52:46.79 ID:jhyS+5wYo
  ・  ・  ・

「雛祭り、は、暇な率、が高いんです」


 彼と一緒に階段を登りながら、再チャレンジ。
 あ、今言ったのは本当の事ですよ。
 どうしても、この時期になると年少組の子が忙しくなりますから。
 前、白酒を飲みすぎたのは……関係、あるのかしら?


「では……今度こそ、ここで」


 いつの間にか、階段の分かれ道。
 彼は、左へ。
 私は、右へ。
 それぞれ、違う方向へ。


「はい。それじゃあ、また」
「ええ、また」


 軽く頭を下げて、背を向け合う。


「……」


 分かれ道の、最初の一段目。
 そこに足をかけて、何気なく下を見る。
 見えたのは――お雛様。
 真っ赤なひな壇の上に、ちょこんと座ってる。


「……」


 階段にかけた足を下ろし、後ろを振り向く。
 その勢いのまま、少しだけ早足で、忍び足。
 真っ赤な深い絨毯が、私の足音を消してくれる。
 丁度良いタイミングで、追いついた。


「あの、何か?」


 私に気付いた彼が、不思議そうな顔でこちらを見た。
 ええ、と……あっ、こっち側ね。
 階下を確認して、立ち位置を入れ替える。


「……ふふっ!」


 彼は、右側。
 私は、左側。
 真っ赤な敷物の上で、あの子達は座ってる。
 でも、私達は階段を登っていくから、座ってはいられない。


「すみません……これに、何の意味が?」


 彼は、右手を首筋にやって困ってる。


「答えは、女の子でーす♪」


 そう言って笑いかけたら、彼はますます不思議そうな顔をした。


「うふふっ♪」




おわり
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 00:01:36.62 ID:8DosnxS70
強い
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 03:43:46.19 ID:4f9vCS0FO
意図に気付かれても気付かれなくても美味しい
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 09:02:25.59 ID:L0tdq4UPo
大だけではなく小ということにもなると
アイドル向けおむつが必要なのではないだろうか
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 16:51:12.45 ID:HPjtpY1RO
おむつよりおつむの方が絶対に必要だと強く思う
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:03:13.41 ID:TVe8XWUeo
書きます


武内P「美しい女の子が歩いている……」
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:04:48.85 ID:TVe8XWUeo
ちとせ「……」

武内P「……」

ちとせ「ふふっ」

武内P「あの――」


ちとせ「……」

スタスタスタ…


武内P「――待ってください」

ヒュバッ!


ちとせ「!?」
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:07:23.01 ID:TVe8XWUeo
ちとせ「あなた……何者?」

武内P「突然声をかけて、すみません」

ごそごそっ

武内P「――アイドルに、興味はありませんか?」

すっ…


ちとせ「……」

スタスタスタ…


武内P「――こちらが、名刺になります」

ヒュバッ!


ちとせ「!!?」
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:10:33.93 ID:TVe8XWUeo
ちとせ「……!」

武内P「アイドルに、興味はありませんか?」

すっ…


ちとせ「っ!」

スタスタスタスタ!


武内P「――待ってくだs」

――ガシィッ!

武内P「っ!?」

警察「ちょっと君! 何をしてるんだ!」

武内P「いえ、自分は……!」


武内P「あの……せめて、名刺だけでも!」
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:14:37.02 ID:TVe8XWUeo
  ・  ・  ・
翌日

ちとせ「……!?」


武内P「……」

すっ…


  ・  ・  ・
翌々日

ちとせ「ちょっと、あなた……!」


武内P「……」

すっ…


  ・  ・  ・
翌々々日

ちとせ「なんでいるの!?」


武内P「せめて、名刺だけでも」

すっ…


ちとせ「……!?」
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:18:06.63 ID:TVe8XWUeo
ちとせ「……あなたの望みは、なぁに?」

武内P「笑顔です」

ちとせ「……ふぅん、笑顔……ね」

武内P「はい」


ちとせ「――ふふっ」

ちとせ「覚えておくわね」

スウッ…


武内P「――せめて、名刺だけでも」

ヒュバッ!


ちとせ「後ろに回り込まないで貰える!?」
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:20:44.33 ID:TVe8XWUeo
武内P「いえ、ですが……」

ちとせ「ここは、一回仕切り直す場面でしょう!?」

武内P「そう、なのでしょうか?」

ちとせ「そうなの!」


ちとせ「明日、あなたが私を見つけられたら!」

ちとせ「その時、また話を聞くから!」


武内P「……そう、ですか」

武内P「では……また、明日」
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/02/28(木) 22:23:03.85 ID:yVdccZfDO
知ってるか。17歳にして72センチ(桃華、小春、莉嘉、由愛、珠美といった子ども達と同じ)の新人アイドルを
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:23:25.97 ID:TVe8XWUeo
  ・  ・  ・
翌朝

ちとせ「いる……!」コソッ!


武内P「……」


  ・  ・  ・
その昼

ちとせ「いる……!」コソコソッ!


武内P「……」


  ・  ・  ・
その夜

ちとせ「いる……!」コッソリ!


武内P「……」
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:28:21.56 ID:TVe8XWUeo
武内P「あの……」

ちとせ「会いたかった!?」

武内P「はい」コクリ

ちとせ「……ゴホンッ」


ちとせ「――あはっ。可愛いところあるんだ」


武内P「いえ……その」

武内P「今日、お会いして話をする、と」

武内P「……そう、仰っていましたから」


ちとせ「〜〜っ!」

ちとせ「そうね! そうだったわね!」
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:31:24.15 ID:TVe8XWUeo
ちとせ「……!」

ちとせ「良いわ……もう、容赦しないわよ」


フワアァ…


武内P「……?」

武内P(心地良い空気が……漂ってくる)

武内P「ん……む……」トロンッ…


ちとせ「……ふふっ!」


フワアァ…
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:36:02.17 ID:TVe8XWUeo
武内P「ぅ……ぁ……」トロンッ…

ちとせ「……ねぇ、聞いてる?」


フワアァ…


ちとせ「ボーッとしないで」

武内P「す、すみません……少々、お待ち下さい……」トロンッ…

ちとせ「ふふっ! 良いわよ」


武内P「――パワー・オブ・スマイル!」カッ!


ブワアッ!


武内P「……すみません、お待たせしました」キリッ!


ちとせ「何よそれ!?」
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:41:26.14 ID:TVe8XWUeo
武内P「今のは、笑顔の力――パワー・オブ・スマイルです」キリッ!

ちとせ「そういう事を聞いてるんじゃないの!」

武内P「せっかく、お話をさせて頂く機会を頂いたので……」キリッ!

ちとせ「そういう事でもなくて!」

武内P「っ!?」キリッ!

ちとせ「な、何!?」


武内P「すみません、ネクタイが曲がって――」キリッ!

キュッ!

武内P「――身だしなみが、乱れていました」キリリッ!


ちとせ「あなた、何者!?」
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:46:04.33 ID:TVe8XWUeo
武内P「自分は……」キリッ!

ちとせ「……ねえ」

武内P「346プロダクションに所属する、プロデューサーです」キリリッ!

ちとせ「……ちょっと」


武内P「こちらが、名刺になります」シャキーン!

すっ…


ちとせ「話しにくいから、キリッとするのやめて貰える!?」


武内P「……す、すみません」ショボン…

武内P「怖がらせて、しまったでしょうか……」ショボボーン…


ちとせ「やりにくい!」
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:49:50.43 ID:TVe8XWUeo
ちとせ「……ゴホンッ!」

武内P「風邪、ですか?」

ちとせ「違うわよ!」

武内P「は、はあ……」

ちとせ「……ふぅ」


ちとせ「――あなた、私が欲しいんでしょ?」


武内P「――はい。貴女に」

――ガシィッ!

武内P「っ!?」

警察「ちょっと君! 何をしてるんだ!」

武内P「いえ、自分は……!」


ちとせ「ああああもおおおお!?」
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:53:21.03 ID:TVe8XWUeo
  ・  ・  ・
翌日

武内P「――貴女に、アイドルになって欲しい、と」

武内P「……そう、考えています」


ちとせ「……めげないわね」

ちとせ「でも――あはっ、楽しそう」


武内P「はい」

武内P「貴女が、今まで見たことの無い景色」

武内P「それが……見られるかと思います」
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 22:56:57.05 ID:TVe8XWUeo
ちとせ「良いけど、いくつか条件を守ってね」

ちとせ「出来る?」


武内P「……私に、出来る事でしたら」コクリ


ちとせ「ひとつは、私を退屈させないこと」

ちとせ「ふたつめ。私に嘘をつかないこーと」


フワアァ…


武内P「――はい」キリッ!

武内P「プロデューサーとして、当然の事です」キリリッ!


ブワアッ!


ちとせ「ほんとやりにくい!」
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 23:00:44.11 ID:TVe8XWUeo
ちとせ「……!……!」


フワアァ…!


武内P「ん……むぅ……」トロンッ…

武内P「あ……あぁ……」トロ〜ンッ…


ちとせ「――っしゃ!」グッ!

ちとせ「みっつめは……なーに、その顔」

ちとせ「もう待てないの?」


武内P「……」トロロ〜ンッ…

こくり…


ちとせ「――っし!」グッ!
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 23:07:45.63 ID:TVe8XWUeo
武内P「ぁ……ぅぁ……」トロリラ〜ンッ…


ちとせ「じゃあ、契約しよっか」

ちとせ「……ふふっ」ニコッ!


武内P「――良い、笑顔です」キリッ!


ちとせ「!?」


武内P「貴女の……あの、夜空に輝く月のような笑顔」

武内P「……その笑顔が、私に力を与えてくれました」

武内P「ありがとう、ございます」ペコリ


ちとせ「お礼を言わないで貰える!?」
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 23:11:51.77 ID:TVe8XWUeo
武内P「それと……申し訳、ありません」

ちとせ「まだ何かあるの!?」

武内P「契約に関してですが……」

ちとせ「……ふふっ」


ちとせ「なぁに? あなた、私が欲しいんでしょう?」

ちとせ「それとも、怖くなっちゃった?」


武内P「あ、いえ」

武内P「書類に記入して頂くことになりますので……」

武内P「説明も兼ねて、どこか座れる場所へ移動しませんか?」


ちとせ「……」

ちとせ「あ、はい」
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 23:17:12.28 ID:TVe8XWUeo
武内P「では……そう、ですね」

武内P「あちらの喫茶店は、どうでしょうか?」

ちとせ「……良いんじゃない」


武内P「では、行きましょうか」

…くるっ!


ちとせ「……」

ちとせ(背中を向けた……もしかして、今がチャンス?)

ちとせ「……!」


武内P「――すみません。まだ、お名前を……」

…くるんっ!


ちとせ「……黒埼ちとせ、よ」
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/02/28(木) 23:32:30.60 ID:TVe8XWUeo
  ・  ・  ・

武内P「――説明は、以上になります」

ちとせ「ねえ」

武内P「はい、何でしょうか?」

ちとせ「これにサインしたら、契約成立?」

武内P「詳細は後日、という形になりますが……」

武内P「概ね、そういう事になりますね」


ちとせ「……もう、後戻りは出来ないよ」


ちとせ「……ってこと?」クスッ

武内P「そう……ですね」

ちとせ「ねえ、そういえばあなたの名前、なんだっけ?」

武内P「それは――」


武内P「先送りでお願いします」



おわり
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 02:10:39.32 ID:/bQ/8kyL0
また早いな
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 04:34:08.82 ID:dTC0JSJA0
脱糞の餌食がまた一人
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 06:55:42.63 ID:z55+VdCMo
残念な子臭がね
しかし本業?のスカウトしているときは突っ込み要素しかないな
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 12:15:04.13 ID:RIxlfNZJ0
もみやでの波動を感じる
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/03/01(金) 12:39:12.26 ID:MdxvejKSO
ブワァの所で武内Pからフェロモン出てそう
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 13:27:59.51 ID:n/cG1m8O0
この武内P相手に千夜がお前呼ばわりできるのか…わたし気になります!
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 13:41:57.78 ID:F2miWZGDO
千夜「甘兎庵をよろしくお願いしまーす」

ちとせ「まってちがう」
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 18:57:17.57 ID:x4a2j3P+O
もしプロデューサーが童貞を[ピーーー]服ならぬ処女を[ピーーー]服を着たらアイドル達はどうなるんだろう
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 19:37:26.74 ID:oZR2O4Xko
グラブルのべリアルみたいな服?

ハハハ、達する!達する!とか下ワード使いまくる?
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga sage]:2019/03/01(金) 19:50:33.38 ID:F2miWZGDO
「殺す」を使うときはメール蘭に「saga」を使いませふ


……とりあえず下は幼女、上は熟女まで落とす彼だから、水龍敬ランドネタなんてやったら何人死者が出るやら
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 19:59:42.66 ID:7thegeGr0
新田さんが花粉症になったらクシャミするたびにイくんだろな。
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 20:19:06.62 ID:gGeiMmVzO
>>550
後ろに回り込む効果音がヘルシングにしか思えないんだが…武内Pってヘルシング世界の女性でも躊躇いなくスカウトしそうだな(笑顔溢れる作品だし)
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 21:31:03.73 ID:cbkMAZbwo
書きます


武内P「白雪千夜さん、ですか」
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 21:36:06.18 ID:cbkMAZbwo
武内P「確か、黒埼さんが仰っていた……」

千夜「お嬢様から、私の話は聞いていましたか」

武内P「はい」

千夜「では、話は早いですね」


武内P「その前に、一つ質問なのですが……」

武内P「白雪さんと、僕(しもべ)さんは別の方、なのでしょうか?」


千夜「……」

千夜「お前……」
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 21:38:32.77 ID:cbkMAZbwo
武内P「……す、すみません」

千夜「分かればいい」

武内P「黒埼さんの仰っていた特徴と、似通っていたものですから」

千夜「そうですか」


武内P「申し訳、ありませんでした」

武内P「白雪さんは、僕さんではない、と」

武内P「……そういう事ですね」


千夜「……」

千夜「お前……!」
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 21:42:54.65 ID:cbkMAZbwo
武内P「あの……どうか、されましたか?」

千夜「私をその名前でもう一度呼んだら……」

武内P「あ、あの!」

千夜「……何だ」


武内P「黒埼さんから、僕さんが訪ねてくる、と」

武内P「……そう、言われていたのですが」

武内P「貴女は……やはり、僕さんなのですね?」

武内P「っ! す、すみません! 一応、確認だけお願いしたく!」


千夜「……」

千夜「……まあ、そうですね」
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 21:46:56.05 ID:cbkMAZbwo
ガチャッ!

ちとせ「――あはっ♪」

ちとせ「千夜ちゃん、言いつけ通りちゃんと来たのね♪」


千夜「お嬢様」

千夜「……今は、ご自宅に居られる筈では?」


ちとせ「来ちゃった♪ なんてね」

ちとせ「どう? 千夜ちゃん、可愛いでしょう!」

武内P「はい」

武内P「黒埼さんの仰っていた通り、ですね」


千夜「……」
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 21:51:29.87 ID:cbkMAZbwo
千夜「お嬢さま、今日はもう帰りましょう」

千夜「今後についての詳細は……」


ちとせ「……ん」


千夜「お嬢さま?」

千夜「何か、まだここに用があったのですか?」


武内P「――どうぞ、黒埼さん」

武内P「ミネラルウォーターです」

ちとせ「あら、ありがとう」

ちとせ「……ふふっ、案外気が利くのね♪」ニコッ!


千夜「……」

千夜「なん……だと……!?」
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 21:55:59.73 ID:cbkMAZbwo
千夜「……おい、お前」

武内P「? どうかされましたか?」

千夜「今……何故、お嬢さまが喉が渇いているとわかった?」

武内P「そう、ですね……」


武内P「――ここ数日は雨が降っているとは言え、乾燥しています」

武内P「加えて、この建物内は全館に暖房が」

武内P「そして――笑顔です」

武内P「黒埼さんの笑顔が、貴女と会話をする喜びだけでなく――」

武内P「――少し喉が渇いた、と」

武内P「……そう、告げていました」


千夜「何だお前!!?」
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:00:52.09 ID:cbkMAZbwo
千夜「笑顔で、そこまで判別出来る訳がないだろう!」

千夜「……偶然を必然としようとは、程度が知れますね」


ちとせ「……ん」


千夜「お嬢さま?」

千夜「……やはり、この男に合わせてやったのですね」


武内P「――どうぞ、黒埼さん」

スッ…

武内P「遠慮なく、チーンして頂いて構いません」

ちとせ「……ん゙ーっ゙」チーン!

武内P「……良い、遠慮のなさです」


千夜「……お」

千夜「お前ええええええっ!!」
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:05:42.68 ID:cbkMAZbwo
千夜「お前! お嬢さまに、何ということを!」

武内P「ま、待ってください!」


ちとせ「……あー」


千夜「お嬢さま!」

千夜「こんな奴に、付き合う必要はありません!」


武内P「――どうぞ、黒埼さん」

スッ…

武内P「二回目で、鼻のムズムズは解消されると思います」

ちとせ「……ん゙ぶーっ゙」チーンッ!

武内P「……良い、勢いです」


千夜「……お、おお、お」

千夜「お前はああああああっ!?」
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:12:03.73 ID:cbkMAZbwo
武内P「鼻のムズムズは、解消しましたか?」

ふきふき…

ちとせ「……ありがとっ♪ おかげでスーッキリ」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


千夜「お嬢さまから離れろおおおっ!」

ダダダダッ!


ちとせ「あっ! こら、千夜ちゃん! 暴力は駄目よ!」


武内P「っ!」

スウッ―

武内P・千夜「……!」

ピシ、ガシ、グッ、グッ


ちとせ「あら、仲良し」


千夜「〜〜っ! 違いますお嬢さま!」
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:15:20.48 ID:cbkMAZbwo
千夜「今のは、この男が!」

武内P「……すみません、白雪さん」

千夜「お前、今更謝った所で!」

武内P「……はい」


武内P「例え相手が担当プロデューサーとは言え……」

武内P「――過度なスキンシップを嫌がるファンの方も居る、と」

武内P「……そう、仰っしゃりたいのですね?」


千夜「全然違う!!」
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:20:46.48 ID:cbkMAZbwo
ちとせ「あら! でも、息ピッタリだったじゃなーい♪」

千夜「い、今のは違います!」

ちとせ「あぁん、妬けちゃうな〜」

千夜「……お嬢さま、お戯れも程々になさってください」


武内P「……わかりました」

武内P「では……黒埼さんも、先程の手遊びをやる、と」

武内P「……それで、宜しいでしょうか?」


ちとせ「あはっ♪ 良いわね、それ!」

千夜「おっ、お嬢さま!?」
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:24:38.09 ID:cbkMAZbwo
ちとせ「良いわよね、千夜ちゃん?」

千夜「わ、私は……構いませんが……」

ちとせ「ふふっ♪ それじゃあ、行くわよ――」

千夜「!……はい!」


武内P・ちとせ「……」

ピシ、ガシ、グッ、グッ


千夜「……!」

スカ、スカ、スカ、スカッ


ちとせ「イエーイ♪」ニコッ!

パシ!

武内P「……良い、笑顔です」


千夜「お前ええええええっ!!」
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:31:13.27 ID:cbkMAZbwo
千夜「何故、お前が、やった!?」

武内P「えっ?」

千夜「何故、お前が、やった!?」

武内P「……そう、ですね」


武内P「――笑顔です」

武内P「黒埼さんの笑顔が見たい、と」

武内P「……そう、思いました」


ちとせ「んっふふ」ニコッ!

ちとせ「今みたいなのも、案外悪くないわね♪」ニコニコ!


千夜「お……お嬢さま……!」
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:41:25.30 ID:cbkMAZbwo
武内P「……ですが、お二人はもうアイドルです」

武内P「今後は、こういった事は控えていきましょう」


ちとせ「……だって、千夜ちゃん?」

千夜「私は、それで全く構いません!」

ちとせ「そう? 本当に?」

千夜「ええ、勿論! やる必要がありませんから!」


武内P「黒埼さん……白雪さんの、言う通りです」

武内P「――ファンの方を笑顔にする」

武内P「そのために、ご協力をお願いします」


千夜「おい、お前! 私と仲間な感じを出すな!」
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:48:23.00 ID:cbkMAZbwo
千夜「……お嬢さま、もう行きましょう」

ちとせ「そうねぇ」


ちとせ「今ので、千夜ちゃんの魅力が少しは伝わった?」


千夜「……お嬢さま?」

ちとせ「ん、なぁに?」

千夜「まさか、先程のやり取りは……」


武内P「……そう、ですね」

武内P「お二人の関係性や、白雪さんの魅力」

武内P「それが……とても、伝わってきました」


千夜「お前は黙っていろ!」
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 22:56:20.73 ID:cbkMAZbwo
ちとせ「千夜ちゃん、無茶振りにも強いから♪」

武内P「……そう、なのですか?」

ちとせ「だって、私の僕ちゃんだもの」

武内P「成る程」


武内P「白雪さんは――」

武内P「――バンジージャンプや、スカイダイビング等」

武内P「体を張ったお仕事に、抵抗はありますか?」


千夜「お前は、私に何をさせる気だ!?」
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 23:11:23.62 ID:cbkMAZbwo
  ・  ・  ・

武内P「……ありがとうございます。質問は、以上になります」


ちとせ「あはっ♪ 千夜ちゃん、疲れちゃった?」

千夜「……いえ、それ程でもありません」

ちとせ「それじゃ、そろそろ帰りましょうか♪」

千夜「……はい、そうですね」


武内P「お疲れ様でした」

武内P「黒埼さん、白雪さん」

武内P「これから……宜しく、お願いします」


ちとせ「はいはーい♪」

千夜「……では、行きましょう」
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 23:16:59.07 ID:cbkMAZbwo
ちとせ「そうね、お腹が空いて来ちゃったし」

千夜「何か、今晩のリクエストはありますか?」


ちとせ「……んー」


千夜「……おい、お前」

武内P「? 何でしょうか?」

千夜「お嬢さまが、何を食べたいか……当ててみろ」

武内P「そう、ですね……」

千夜「……まあ、絶対に当たらないと思いますが」フンッ!


武内P「そう、ですね……――ハンバーグです」


ちとせ「あっ! 良いわね、ハンバーグ♪」

ちとせ「千夜ちゃん、今晩はハンバーグが良いな〜」


千夜「……かしこまりました」
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/01(金) 23:22:47.74 ID:cbkMAZbwo
千夜「……良いか? あまり調子に乗るな」


ちとせ「でも、今日はさっぱりの気分なのよね〜」

武内P「では、和風ハンバーグはどうでしょうか?」

ちとせ「うん、それなら!」

武内P「大葉も添えられた和風ハンバーグは、絶品ですから」


千夜「聞けや!!」


ちとせ「どうしたの? 大声なんて出して」

千夜「……忘れてください」

ちとせ「それじゃ、お先に〜♪」


武内P「はい、お疲れ様でした」


千夜「……覚えておけ」




おわり
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 01:10:28.56 ID:sq3Tcs1Io

短い期間で調教されたのか
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 04:38:30.70 ID:3IUg2121O
自分が和風ハンバーグ食いたいだけだな…
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 21:53:39.58 ID:3uUOkF2Do
書きます


武内P「生体尿管カテーテル、ですか」
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 21:56:33.43 ID:3uUOkF2Do
美嘉「そっ★ チョーヤバくない?」

武内P「あの」

美嘉「346プロ所属アイドルが総力を結集したんだってさ★」

武内P「城ヶ崎さん」


武内P「貴女が来ているキグルミに……」

武内P「……それが搭載されている、と?」


美嘉「アハッ★」

美嘉「……チョーヤバくない?」
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:03:14.50 ID:3uUOkF2Do
武内P「すみません。色々と、わからない事が」

美嘉「だよねー★ アタシだって詳しくは知らないし★」

武内P「そもそも、生体尿管カテーテル、とは?」

美嘉「しょーがないな、説明したげる」


美嘉「名前の通り、生きたカテーテル……とまではいかなかったみたい」

美嘉「でも、とにかくチョーヤバいらしいんだよね★」

美嘉「具体的には……スイッチを押したらね?」

美嘉「オシッコの穴に、勝手に管が入ってくみたい★」ニコッ!


武内P「……何故」

武内P「そのようなもののために、アイドルの方達は力を合わせたのですか……!」
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:08:03.49 ID:3uUOkF2Do
美嘉「初めは、奈緒が見てたアニメからでさ★」

武内P「……城ヶ崎さん」

美嘉「それを見た志希と晶葉にね?」

武内P「城ヶ崎さん……!」

美嘉「二人でも、これを作るのは難しいよねって誰かがね?」


武内P「城ヶ崎さん!」


美嘉「そしたら、ジャーン★」ニコッ!

美嘉「完成、しちゃったみたいなんだよねー★」ビシッ!


武内P「もう……もう、結構ですから……!」

武内P「今の貴女の笑顔は、見ていて辛すぎます……!」
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:11:58.27 ID:3uUOkF2Do
美嘉「それで、聞いてよー★」

武内P「まだ……何か?」

美嘉「アタシ、このキグルミの下何も着てないんだ★」

武内P「は、はあ……」


美嘉「あっ、もしかして今想像しちゃった?」

美嘉「もー! エーローイー★」

美嘉「エーロー……うっ……ううっ、おううっ!」ポロポロッ!


武内P「っ! ど、どうぞ……ハンカチです」
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:15:48.18 ID:3uUOkF2Do
美嘉「きっ、キグルミの着せ方が、こ、巧妙でさぁ……!」ポロポロッ!

武内P「はい……はい……」

美嘉「仁奈ちゃんに、お揃いだー、とか言わせちゃってぇ……!」チーンッ!

武内P「成る程……それは……」


美嘉「全裸にキグルミって、カリスマっぽいとかぁ……!」

美嘉「そんなの言われたら……」

美嘉「……カリスマJKアイドルとしては、服着られないじゃん!」


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「そうですね」
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 22:18:08.26 ID:zJbYJWnNo
チョロい
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:21:20.85 ID:3uUOkF2Do
武内P「あの……城ヶ崎さんは、今……その」

美嘉「……それは大丈夫」

武内P「えっ?」

美嘉「スイッチ、この腕の所についてるんだよね」


美嘉「それで、誰がスイッチを押すかチョーモメてさ」

美嘉「その隙をついて、逃げてきたってワケ★」ニコッ!


武内P「……城ヶ崎さん」

武内P「あの……どうしてここに逃げてきたのですか?」
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:26:55.85 ID:3uUOkF2Do
美嘉「だって、こんなカッコで外出らんないっしょ」

武内P「まあ……はい、キグルミですが」

美嘉「でしょ? 確かに、カワイイんだけどさ」

武内P「はあ……まあ」


美嘉「……身代わり」ボソッ

美嘉「アンタだったら、何とかしてくれるかなと思ったんだ」

美嘉「あ、アハハ★ なんか、そんなカンジ★」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「はい、全て理解しました」
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:32:17.76 ID:3uUOkF2Do
武内P「城ヶ崎さん」

美嘉「ん? 何ー?」ニコッ!

武内P「私が、頑張って皆さんを説得します」

美嘉「っ! それって――」


美嘉「――アタシを見捨てるってコト!?」

美嘉「ねえ、ひどいじゃん! ひどすぎるよ!」

美嘉「アタシが、シンデレラプロジェクトのメンバーじゃないから!?」

美嘉「そんなの……しょうがないじゃん!」


武内P「……」

武内P「すみません、少しだけ落ち込む時間を頂けますか?」
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 22:36:48.35 ID:jyiIkE9b0
尿結石の恐れがある酒飲みたちに着せればよかったのに
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:38:58.74 ID:3uUOkF2Do
美嘉「ねえ、代わってよ! 良いでしょ!?」

武内P「ま、待ってください! せめて、交渉だけでも!」


美嘉「――話の通じる相手じゃないんだってば!」

バンッ!


武内P「っ!?」ビクッ!


『――システム作動。心の準備をしてください』


武内P・美嘉「……」


美嘉「い……イヤ――ッ! イヤアア――ッ!」

美嘉「ちょっとおおお! もおおお! 何でえええ!?」

武内P「わ、私に……私に、言われましても……!」
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:43:06.59 ID:3uUOkF2Do
美嘉「心の準備って、何すれば良いの!?」

武内P「え……笑顔です!」

美嘉「イエーイ★」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」

美嘉「だから何!?」

武内P「あの! どこかに、停止スイッチは無いのでしょうか!?」

美嘉「停止スイッチって言われても……あ、何か膨らみが!」


ポチッ!


『〜TOKIMEKI どこまでも エスカレート♪』


美嘉「サイダーみたいにはじける恋モード♪」

美嘉「誰が音楽を流せなんて言った!? ねえ!?」

武内P「で、ですから……私に言われましても!」
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:49:16.52 ID:3uUOkF2Do
『ハートはデコらず、伝えるの〜♪』

…ウィィン!


美嘉「ひいいっ!? なんか音してる!」

武内P「他に! 他に、どこか膨らみは!?」

美嘉「そんなのあるワケ……あった!」


ポチッ!


美嘉「! 顔の周りに、何かせり上がって――」

パシュウンッ!

ぴにゃこら太(美嘉)「――顔が隠れた!」

武内P「! やりましたね、城ヶ崎さん!」


『本当の、わた〜し〜を見〜てね〜♪』

パカッ!


美嘉「なんですぐ開くのよ!? バカにしてんの!?」

武内P「で、ですから……もう、すみません!」
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 22:54:03.98 ID:3uUOkF2Do
美嘉「怖い怖い怖い怖い!」

武内P「っ……城ヶ崎さん!」

美嘉「何!? 何!?」

武内P「……頑張ってください」


美嘉「……そう、だね」

美嘉「こうなったらもう、覚悟決めるしかイイッタタタタタ!?」グニャァッ!

美嘉「バカじゃないの!? バカじゃないの!?」キョワアア…!

美嘉「ううぅ、お、おあああああ……!?」キョワアア…!


武内P「……」

武内P「すみません、目をそらす暇が……ありませんでした」
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:01:16.46 ID:3uUOkF2Do
美嘉「っ……! はぁ……! はぁっ……!」キョワアア…!

武内P「だ、大丈夫ですか……?」

美嘉「い、違和感……凄い……!」キョワアア…!

武内P「そう、ですか……」

美嘉「……でも、これで終わりでしょ?」


美嘉「……アイツら」

美嘉「して良いイタズラと、悪いイタズラがあるって――」

美嘉「――アタシが、キッチリ教えてやるんだから!」

バンッ!


『――排尿します。心の準備をしてください』


武内P・美嘉「……」


美嘉「何でよおおお!? 終わりじゃないじゃあああん!」

武内P「どうして私を責めるのですか、城ヶ崎さん!?」
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:07:08.94 ID:3uUOkF2Do
美嘉「絶対に見ないで! 早く、あっち向いて!」

さっ!

武内P「は、はい!」

さっ!


美嘉「絶対! ゼーッタイ、コッチ見ないでよ!?」

美嘉「……ぁっ」

美嘉「あー、あー……出る出る出てる……あー」

美嘉「うーわ、これヤバ……あぁー……出てるわー、ぁー」


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「……」
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 23:09:54.52 ID:4zN7ClxVo
尿道触手プレイ……
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:12:18.58 ID:3uUOkF2Do
美嘉「……ゴメン、お待たせ」

武内P「……いえ、お気になさらず」

美嘉「……」

武内P「……」


美嘉「……ねえ、ちょっと」

美嘉「な……何か言ってよ」


武内P「……すみません」

武内P「その、あまりに不憫で……はい……」


武内P・美嘉「……」
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:18:08.99 ID:3uUOkF2Do
美嘉「――よし! 落ち込んでても始まらない!」

武内P「城ヶ崎さん……」

美嘉「アイドルに落ち込んでる顔は似合わない、だよね★」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


美嘉「――ところで、このキグルミ似合う?」

美嘉「ホラ、アタシって何でも着こなせちゃうし★」ビシッ!


武内P「……!」

武内P(城ヶ崎さん……先程のを無かった事に……!?)


美嘉「どう? 似合う?」プルプル…!


武内P「はい……! とても、似合っています……!」
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:25:04.66 ID:3uUOkF2Do
美嘉「でもさ、キグルミってケッコー暑いんだよねー」

武内P「そう、ですね」

美嘉「そういえば、アンタも着たコトあるんだっけ?」

武内P「はい。水分補給はこまめにしろ、と……そう、言われました」


美嘉「水分補給……?」

美嘉「なんか、そんなようなコトを……」

美嘉「……キグルミを着た後、言われた気がする」


武内P「……そう、ですか」
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:31:32.81 ID:3uUOkF2Do
美嘉「何だっけ……タンクがどうとか……」

武内P「タンク、ですか?」

美嘉「うん。確か、キグルミにタンクがついてて……あ、あった」

武内P「首の所に……チューブ、ですか」


美嘉「あっ、思い出した!」

美嘉「緊急時には、これで水分補給出来るんだってさー★」

美嘉「チョー高性能だよね★」ニコッ!

美嘉「ざけんな!!!!!」カーッ!


武内P「……はい」
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:36:09.38 ID:3uUOkF2Do
美嘉「叫んだら、喉渇いたし……まあ、飲もうかな」

武内P「えっ? あの、大丈夫なのでしょうか……?」

美嘉「さすがにそこまで鬼じゃないっしょ★」

武内P「……そう、ですね」


美嘉「……ん」

美嘉「ヤバ……えっ?」

美嘉「……お、美味しい! 何コレ!?」

美嘉「えっ!?……んっ、お……美味しい!」パアッ!


武内P「それは……」

武内P「……本当に良かったですね、城ヶ崎さん」
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:39:32.94 ID:3uUOkF2Do
美嘉「何か……ここまで美味しいと、許せる気に――」

美嘉「――いや、やっぱりならない、うん」

武内P「……そう、ですか」

美嘉「いや、でも! ホント美味しいんだって! マジ!」

武内P「そこまで、ですか?」

美嘉「ちょっと飲んでみなって! ホラ!」

武内P「は、はあ……」


武内P「……ん」

武内P「! 確かに、これは……!」


美嘉「……」

美嘉「あっ!///」
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:44:03.90 ID:3uUOkF2Do
武内P「とてもフルーティーで……本当に美味しいですね」

美嘉「えっ!?/// う、うん!/// そうだね!///」

武内P「? 城ヶ崎さん?」

美嘉「な、何!?///」

武内P「顔が、赤いようですが……」


美嘉「べっ、べべ、別に!?///」

美嘉「間接キ……キグルミ!///」

美嘉「間接的に、キグルミで暑いだけ!///」


武内P「それは……直接的な理由では?」
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/02(土) 23:44:37.49 ID:4zN7ClxVo
ねぇ、これ……美嘉水なのでは?
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:51:38.35 ID:3uUOkF2Do
美嘉「はー、暑い暑い!///」

美嘉「……んー! これ、美味し★」

武内P「え、ええ……」

美嘉「これ、何て飲み物なんだろうね!」

武内P「……ん?」

美嘉「なっ、何?」


武内P「キグルミの首元に、何か書いてありますね」


美嘉「えっ? アタシからは、見えない位置?」

武内P「そう、ですね」

美嘉「あっ! もしかしてキグルミの脱ぎ方とか!?」

武内P「……かも知れません」


武内P「確認してみましょう」
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/02(土) 23:57:50.96 ID:3uUOkF2Do
武内P「……すみません、失礼します」

美嘉「中は裸なんだから、あんまり覗かないでよー?★」

武内P「それは……勿論、心得ています」

美嘉「それにしても、飲み物が入ってる重さは感じなかったケドなー」


武内P「っ……!?」


美嘉「? 何、どしたの?」

武内P「い、いえ! 何も書いてありませんでした!」

美嘉「いや、その反応しててそれは無いでしょ」


美嘉「……キグルミだし、体をちょっとひねれば見られるんじゃない?」

ぐぐっ…!


武内P「待ってください! 見てはいけま――」



『カリスマ由来』




おわり
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 00:01:28.08 ID:uVANpFTq0
おつ濾過
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 00:12:20.98 ID:ALubV81SO
助けて上野さん
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 00:36:32.95 ID:Jg9WlJu8o
飲尿プレイは高度すぎる
次は直飲みかな?
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 00:50:05.93 ID:qqmlxyvn0
生体尿管カテーテルからして尋常じゃなく狂った発想だな
すごい
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 02:53:17.98 ID:o/0SPq2Ho
おしっこの穴ってま●ことは違うんか?
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 05:24:44.77 ID:KdZJW/4Ho
後日346からカリスマ水が発売されるわけだな
それにしてもいきなりこんなネタ持ってくるから3期決まったのかとググっちまった
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 06:23:51.24 ID:SfqfRaNr0

まず間接キスから恥ずかしがってからのそれ以上の辱めの隙を生じぬ二段構え
何かアニソン大賞とかなんとかの1つに選ばれてた希ガス
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 09:51:06.66 ID:Jg9WlJu8o
フルーティーな美嘉水って、糖尿の気があるのでは… ?
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 14:40:36.99 ID:dbXvH8xM0
これまで多くのアイドルの下の世話をしていたが口に含むのは初なのでは?
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:14:53.13 ID:BaWprrmQo
書きます


武内P「永久脱毛、ですか」
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:18:31.39 ID:BaWprrmQo
奈緒「……うん。しようか、迷ってるんだ」

武内P「そう、ですか……」

奈緒「なあ、プロデューサーさんはどう思う?」

武内P「そうですね……」


武内P「……ちなみに、どこを永久脱毛しようと?」


奈緒「……」

奈緒「……下の毛」


武内P「……」

武内P「えっ?」
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:21:12.96 ID:BaWprrmQo
武内P「す、すみません……今、何と?」

奈緒「下の毛」

武内P「……」

奈緒「……」


武内P・奈緒「……」


武内P「……すみません」

武内P「私では……お力になれそうにありません」
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:24:34.31 ID:BaWprrmQo
奈緒「……なあ」

武内P「……はい」

奈緒「あたし、真剣に悩んでるんだよ」

武内P「……そう、ですか」


奈緒「もう一回だけ、聞くからな?」

奈緒「――あたしは、下の毛を永久脱毛しようか迷ってる」

奈緒「――プロデューサーさんは、どう思う?」


武内P「……」

武内P「何故、私に聞くのかと……とても、困惑しています」
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:28:05.30 ID:BaWprrmQo
奈緒「こういう事に、真剣に答えてくれそうだから、さ」

武内P「それは……はい」

奈緒「じゃあ、ちょっと質問を変えるぞ」

武内P「え、ええ……」


奈緒「あたし、下の毛がモジャモジャなんだよ」


武内P「……はい」


奈緒「‘はい’って言うなよなあああ!?」

奈緒「なんで!? なんで素直に受け取るんだよおおお!?」


武内P「っ!?」
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:33:36.90 ID:BaWprrmQo
奈緒「そりゃあ、皆に比べてちょっと濃いかなー、とは思うぞ!?」

武内P「す、すみません! 言葉を間違えました!」

奈緒「でもなぁ! モジャモジャって程じゃないからな!?」

武内P「は、はい! 覚えておきますので!」


奈緒「……」


武内P「っ……!」


奈緒「……モジャモジャだよおおおおおおっ!!」ピー!


武内P「か、神谷さん! お願いします!」

武内P「落ち着いてください、神谷さん!」
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:38:46.81 ID:BaWprrmQo
奈緒「しょうがないだろ!? モジャるのはさぁ!」

武内P「……神谷さん!」

奈緒「何だよ!?」

武内P「っ! し……」


武内P「下の毛が濃い方が良い、という方も!」

武内P「……いえ! 世の中には――」

武内P「――濃くなければ駄目だ、という方も居ます!」


奈緒「っ!? ほ、本当かっ!?」


武内P「……」

武内P「……え、ええ……はい」
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:43:00.09 ID:BaWprrmQo
奈緒「いや……でも……」

武内P「個性の一つ、と言いますか……」

奈緒「……個性?」

武内P「……はい」


武内P「永久脱毛は、それが失われてしまう事になります」

武内P「なので……はい」

武内P「よくお考えになった上で、決めるのが良いかと……」


奈緒「……じゃあ、さ」

奈緒「プロデューサーさんは……どっちが良い?」


武内P「……」

武内P「えっ?」
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:47:40.15 ID:BaWprrmQo
武内P「私、ですか?」

奈緒「ああ」

武内P「すみません……私の意見は、重要でしょうか?」

奈緒「いや、ちょっと気になったんだ」


奈緒「プロデューサーさんは、さ?」

奈緒「――あたしが、モジャモジャなのが良いか」

奈緒「――それとも、ツルツルなのが良いか」

奈緒「……どっちが良いと思うんだ?」


武内P「……そ」

武内P「そう、言われましても……!?」
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:52:18.19 ID:BaWprrmQo
奈緒「じゃあ……仮にだぞ?」

武内P「は、はい……」

奈緒「あたしが、今パンツを履いてなかったとして」

武内P「!?」


奈緒「パッ、と見えて……」

奈緒「……どっちの方が良い?」


武内P「あの……か、神谷さん……」

武内P「とても、その……答えにくくなったのですが……!」
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 22:56:35.41 ID:BaWprrmQo
奈緒「正直に答えてくれよな」

武内P「す、すみません……わかりません……!」

奈緒「あたし、真剣に悩んでるんだ」

武内P「私も、この状況に頭を抱えています……!」


奈緒「……ほい、っと」

ヒラッ!


武内P「モジャモジャングル!!!」


奈緒「毛糸のパンツだよおおおおおおっ!!」ピー!


武内P「す、すみません! ですが、あの……!」

武内P「毛糸とは言え、今の行為は……その、申し訳ありません!」
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:04:08.53 ID:BaWprrmQo
奈緒「やっぱり、モジャモジャじゃ駄目なんだろ!?」

武内P「っ……!」

奈緒「なあ、ハッキリ言ってくれよ! なあ、おい!」

武内P「か、神谷さんは……その……!」


武内P「永久脱毛をするつもり……なのですか?」


奈緒「っ!?」ビクッ!

奈緒「……な」

奈緒「何か怖いから嫌なんだよおおおっ……!」ウルウルッ!


武内P「……」
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:11:49.33 ID:BaWprrmQo
奈緒「調べてみたら、痛いらしいし……!」

武内P「ご自分でお調べに?」

奈緒「……うん」コクリ

武内P「……成る程」


武内P「神谷さん」

武内P「自分一人で悩む前に、まずは専門の方に相談されてはどうでしょうか」

武内P「プロダクション内にも、詳しい方は沢山います」


奈緒「……うん、だから」


武内P「すみません」

武内P「私は、そういった事の専門家では無いので……はい」
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:17:08.36 ID:BaWprrmQo
奈緒「そう、だよな……うん」

武内P「わかっていただけましたか?」

奈緒「ありがと……ごめんな、騒いじゃって」

武内P「いえ、神谷さんの笑顔のためならば」


奈緒「あー……それで、さ?」

奈緒「プロデューサーさんは、どっちの方が良いんだ?」


武内P「えっ?」


奈緒「モジャモジャと、ツルツル」


武内P「……」

武内P「えっ!?」
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:26:37.52 ID:BaWprrmQo
武内P「あの……か、神谷さん?」

奈緒「ほら、一応参考までに聞いておこうと思うんだよ」

武内P「……神谷さん」


武内P「相手が男性とは言え、ですね……」

武内P「……あまり、そういった質問をするのは」


奈緒「……わかってる」

奈緒「でも、恥ずかしがって下を向いてちゃ、前に進めない」

奈緒「しっかり前を向いて――ファンの人のために、輝きたいんだ!」

奈緒「そのために……あたしに力を貸して欲しい」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「待ってください……待ってください……!」
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:33:38.53 ID:BaWprrmQo
奈緒「なあ、どっちが良い?」

武内P「そ、そう……ですね……」

奈緒「……」

武内P「っ……!」


武内P「……じ、自分らしさ」

武内P「貴女が、自分らしいと思えるのは……」

武内P「……どちら、でしょうか?」


奈緒「……」

奈緒「あたし……らしさ……?」
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:38:42.68 ID:BaWprrmQo
奈緒「そりゃあ、モジャモジャだけど……でも……」

武内P「……それでは、いけませんか?」

奈緒「えっ?」

武内P「……」


武内P「貴女の歩んできた道は、決して間違っていません」

武内P「それは、先程の貴女の言葉からもよくわかります」

武内P「そして、ファンの方の事を思うなら――」

武内P「――下を向いている暇は無い、と」

武内P「……そう、思います」


奈緒「……!」
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:45:35.78 ID:BaWprrmQo
奈緒「そうか……そうだよな!」パッ!

武内P「はい」

奈緒「あたし……モジャモジャでも良いんだよな!」

武内P「それは、その……んん……まあ、はい」


奈緒「つ、つまり……その、なんだ……」

奈緒「ぷ、プロデューサーさんは――」

奈緒「――あ、あたしはモジャモジャが良いって事だよな?///」モジモジ…


武内P「えっ?」
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:51:13.23 ID:BaWprrmQo
奈緒「あ、いや! 変な意味じゃないぞ!?」

武内P「は、はあ……」

奈緒「そのままの自分で良いって言われて、その……!」

武内P「え、ええ……」


奈緒「悩んでたけど、嬉しかったって言うか……!///」

奈緒「〜〜っ!/// 無し!/// 今の無し!///」

奈緒「頼む!/// 忘れてくれ――っ!///」


武内P「……はい」

武内P「今日のことは、忘れるように努力します」ニコリ


奈緒「っ!?/// わっ、笑うなよなあああっ!?///」
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/03(日) 23:55:21.01 ID:BaWprrmQo
  ・  ・  ・

武内P「……その話が、ねじれて伝わったようですね」

ちひろ「成る程……」

武内P「その結果、プロジェクトルームに……」

ちひろ「……はい、これが」

…コトリ

武内P「……」


武内P「育毛促進、ですか」


ちひろ「……あの、プロデューサーさん」

武内P「……何ですか?」

ちひろ「……」



ちひろ「これ、お使いになられますか?」




おわり
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 00:12:11.32 ID:pEHa8buio
凛は下に
Pは頭に
使うのかw
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 00:12:14.54 ID:Ypk7l2Fco
つまりどういうことだってばよ…?
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 00:23:10.77 ID:pEHa8buio
莉嘉「PくんPくん!ねえ見て見て!ちょっと生えてきたよ!」
みりあ「え〜?いいなあ莉嘉ちゃん。みりあそれ使ってるのにまだツルツルなんだもん」
莉嘉「いいでしょ〜☆あ、でもお姉ちゃんみたいになるのはまだまだかな。最近剃ったりしてないからけっこうモジャモジャに…」
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 02:44:18.36 ID:ycypArSG0
薄そうな凛アニャ捕まえてきた男だからなぁ…
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 03:37:28.62 ID:5Pguc1Hq0
島村さんは下の毛も普通なのか、もしくは寝癖のようにもじゃむーなのか
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 04:55:20.04 ID:glN39AzDO
聖に桃華はやはり下も金髪なのか……


よしっ
664 :sage [sage]:2019/03/04(月) 11:32:51.69 ID:Kdo/xR9I0
水着グラビアでハミ出ると困るし、芸能やってるなら処理した方がいいのではとマジレス
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 12:48:53.75 ID:Ypk7l2Fco
>>664
all-or-nothingはやり過ぎなんじゃない?
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 20:16:15.83 ID:ygpzqO+to
書きます


武内P「ストリートファイターV、ですか」
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 20:20:46.30 ID:ygpzqO+to
杏「うわっ!?」

紗南「えへへ、隙ありぃ♪」

杏「……あ〜あ、やられちゃったじゃんかー」

武内P「えっ? す、すみません……」


紗南「じゃ、続きやろっか!」

杏「そだねー、次は誰を使おうかなー」


武内P「あ、あの……」

武内P「何故、ここでゲームをしているのですか……?」
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 20:24:29.70 ID:ygpzqO+to
武内P「それに、もうすぐレッスンの筈ですが……」

杏「さっきの勝負はケチがついたからさ、ノーカンノーカン」

紗南「あたしはそれでも良いよ!」

武内P「あの……」


杏「ほほう? 随分と余裕じゃんか〜」

紗南「へっへっへ! 余裕じゃなくて自信だよ!」


武内P「す、すみません!」

武内P「私の話を聞いていただけますか……!?」
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 20:27:41.68 ID:ygpzqO+to
杏「もー、ちょっとだけだってば」

武内P「いえ、ですが……」

紗南「あっ、良い事思いついた!」

武内P「良い事、ですか?」


紗南「あたし達に勝ったら、すぐレッスンに行くって事で!」

杏「成る程ね〜。うん、それなら納得出来るよ」


武内P「……あの」

武内P「それは、結局ゲームをしている事に……」
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 20:33:46.77 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・

武内P「……」


紗南「あー……何か、悪いことしちゃったかな?」

杏「気にする事無いって。弱肉強食、お気楽極楽、ってね」

紗南「とりあえず、時間もまだあるし……やっとく?」

杏「そだねー。思ったより早く勝てちゃったもんね」


武内P「……」


コンコン、ガチャッ!

まゆP「――うい〜っす……って、ん?」

まゆP「おいおいお前ら、事務所で何ゲームしてんだ」


杏・紗南「おっ!」
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 20:40:51.48 ID:ygpzqO+to
杏「良い所に来たじゃ〜ん」ニヤリ!

紗南「うわぁ、悪い顔してるなぁ……」


まゆP「しかも、やってるのは格ゲーかよ、ええ?」

まゆP「子供はね、皆でスマブラやりなさい、スマブラを」

まゆP「だけどコントローラー触る時は手を拭いてからだからね」

まゆP「じゃないと、ポテチの油で汚れちゃうから」

まゆP「お前あれだよ? 次の奴に代わる時に怒られちゃうよ?」


杏「いやー、プロデューサーとやったけど歯ごたえが無くてさぁ」

紗南「ねねね、ストリートファイターやった事ある?」


まゆP「はっはっは! バカな事聞くんじゃねえよ!」

まゆP「俺、学年で一番強かったから!」

まゆP「友達の兄ちゃんもボッコボコにしたことあるから!」
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 20:45:56.21 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・

まゆP「……」


杏「ん〜っ! そろそろお昼寝の時間かな〜!」

紗南「レッスンの時間だって! ほら、行こうよっ!」

杏「え〜? めんどくさ〜い」

紗南「……何ていうか、そっとしといてあげた方が良いんじゃない?」


武内P・まゆP「……」


杏「……ま、それもそうだね」

紗南「スカッとさせてくれたお礼! へへっ、なんてね!」


武内P・まゆP「……」
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 20:51:34.88 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・

まゆP「……なあ」

武内P「……はい」

まゆP「……お前、プレステ4持ってる?」

武内P「……いえ、持っていません」


まゆP「……なあ」

武内P「……はい」

まゆP「……お前、俺の言いたいことわかる?」

武内P「……はい、わかります」


武内P・まゆP「……」


まゆP「――残業すんじゃねえぞ」


武内P「――ええ、勿論」
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 20:57:23.84 ID:ygpzqO+to
https://www.youtube.com/watch?v=w5D3kIRCK2Q

  ・  ・  ・

まゆP「アケコン……どれにすっかな」

武内P「……私は、これにします」

まゆP「お前、それ……!」

武内P「今は、仕事が恋人のようなものですから」

まゆP「へっ! 良いじゃねえか、最高の恋人だぜ!」

まゆP「それじゃあ、俺は安いのにしようかな」

武内P「……」ジーッ!

まゆP「……あーもー、うるせえ目だな本当によぉ!」

まゆP「買えば良いんだろ、こっちのをよ!」

まゆP「手にシックリきやがるぜクソッタレ!」
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 21:05:48.61 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・

武内P「……」


まゆP「あーあー、相っ変わらず何もねえ部屋だなぁ!」

まゆP「はーい、そこにデーン! プレステフォ〜ンヌ」

まゆP「いやー、良いですねー! 部屋がグッと引き締まった!」


武内P「あの……その手の缶ビールは、一体?」

武内P「それに、何故私の部屋に……」


まゆP「良いじゃねえか、たまには」

まゆP「ほれ、さっさと繋ごうぜ。んで、対戦すんぞ」

まゆP「っていうか、まずはお前をボコってストレス解消させろや!」

まゆP「P勝ちしといてアクビするとかふざけんじゃねえぞコラァァァァ!!」


武内P「……私は、気の毒そうな目で見られました」
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 21:09:33.31 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・

prrrr!prrrr!

武内P「……と、すみません」

凛「うん」

武内P「……はい……ええ、勿論」

凛「……」

武内P「……では、今夜も」

凛「……」


武内P「……すみません、お待たせしました」


凛「ねえ、今の電話……誰からだったの?」


武内P「いえ、お気になさらず……」


凛「……ふーん、そう」
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 21:14:28.18 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・

武内P「……」

タンッ…タンッ…タンッ…タンッ…


リュウ『昇竜拳! 昇竜拳! 昇竜拳! 昇竜拳!』


武内P「…………」

タンッ…タンッ…タンッ…タンッ…


リュウ『昇竜拳! 昇竜拳! 昇竜拳! 昇竜拳! 昇竜――』


  ・  ・  ・

武内P「……」

クイッ…クイッ…クイッ…クイッ…


未央「ねえ……プロデューサーの左手の動き、何?」

卯月「さ、さあ……?」

凛「……」
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 21:22:56.57 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・

まゆP『――うし、やるか』

武内P「ええ、そうですね」

まゆP『っつーかよ、なんでリュウなんだよ』

まゆP『道着キャラだったら、豪鬼使えば良いだろ』

武内P「……それは、貴方にも言えることでは?」

まゆP『そ、そりゃあお前アレだよ、アレ』

まゆP『なんつーか、ガキの頃からの思い出っつーもんがよ?』

武内P「……はい、そうですね」


リュウ『――この道を進むのみ!』


武内P・まゆP「『……」』


ケン『――来いよ! 熱くさせてやるぜ!』


武内P・まゆP「『……っくく!」』
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 21:32:50.85 ID:ygpzqO+to
まゆP『ゲームは子供がするもんだ、って言葉があるよな』

武内P「ええ、そうですね」


『ROUND 1』


まゆP『俺、この歳になってやっと意味がわかった気がするぜ』

武内P「えっ?」


『FIGHT』


まゆP『なあ、聞いてくれるか?』


リュウ『波動拳!』・ケン『波動拳!』


まゆP『――聞けよ! サラッと波動拳うってんじゃねえぞ!』

武内P「実は、私も意味がわかった気がしています」

まゆP『あん? ってオイコラァァァ! ちょっ、待って!』


武内P「ゲームをすると、大人でも子供になる、と」

武内P「……そういう意味なのではと考えています」
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 21:42:03.02 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・

凛・まゆ「……!」


武内P「あの……渋谷さん、佐久間さん?」

まゆP「なんでぇなんでぇ、おっかねえツラしやがって」

まゆP「お前らどうした、殺意の波動か? 目覚めちゃったのか?」

武内P「それは……困りますね」

まゆP「まあ、お前は常にそんな顔してるけどな」

武内P「……」

まゆP「っつーか、二人して何だよ」

まゆP「俺ら、帰ってやる事あんだよ。なあ?」

武内P「ええ、そうですね」


凛・まゆ「……!」
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 21:48:25.33 ID:ygpzqO+to
凛「……最近、様子がおかしい」

武内P「そう、でしょうか?」

凛「全然、サービス残業してない!」

武内P「それは……良い事なのでは?」


まゆ「二人して、何をしてるんですか?」

まゆP「あぁん? 別に、大した事はしてねえよ」

まゆ「うふ、それにしては……最近、楽しそうですねぇ」

まゆP「そうか? まあ、滾ってきてはいるけれども」


凛「……ねえ、何してるの!?」

凛「納得のいく説明を聞かせて!」

まゆ「まゆも、ご一緒して良いですか?」

まゆ「言えないような事じゃないなら、良いですよねぇ」


武内P・まゆP「……」
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 21:52:54.08 ID:ygpzqO+to
武内P「渋谷さん……安心してください」

凛「でも……!」

武内P「……誰にも、言わないで頂けますか?」

凛「! うん、言わないから!」


武内P「――バレないよう、早出をしているので大丈夫です」ニコリ


凛「……ふーん、そうなんだ」

凛「なら、安心だね」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


凛「……」

凛「ふざけないでよ!! 答えになってない!!」
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 22:01:43.17 ID:ygpzqO+to
まゆP「……良いか、まゆ」

まゆP「男には、誰にも言わずにやり遂げなきゃいけない時がある」

まゆP「誰かに言った時点で、手の中からこぼれちまうんだ」

まゆP「思いとか、握りしめた100円玉とか……色々な」


まゆ「シンデレラプロジェクトのプロデューサーさんは?」


まゆP「……まゆ」

まゆP「お前はアイドルで、ファンの人達に笑顔を向けなきゃならねえ」

まゆP「でもな、そんなお前に……背中を見守ってもらえたら」

まゆP「男ってのは単純でな、気合が入るもんなんだよ」


まゆ「まゆには、教えてくれないんですかぁ?」


まゆP「ねえ、俺の話聞いてる!?」
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 22:07:32.48 ID:ygpzqO+to
凛「プロデューサー!」

まゆ「プロデューサーさん?」


まゆP「ああもう、うるせえうるせえ! ゲームだよ、ゲーム!」

武内P「……ええ、実は二人で同じゲームを」


凛「誤魔化さないでよ! 馬鹿にしてるの!?」

まゆ「二人みたいな大人が、真剣になるはずないですよねぇ?」


武内P・まゆP「……」

まゆP「本当の事は言ったから、俺らはもう行くからな」

武内P「すみません……ネット対戦もし、かなり仕上がってきたので」


凛「ちょっと! 逃げないでよ!」

まゆ「二人共、どこへ行くんですか?」


武内P・まゆP「……」


武内P・まゆP「――俺より強い奴に、会いに行く」


凛・まゆ「……」

凛・まゆ「……はっ?」
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 22:17:17.87 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・

武内P・まゆP「……!」


武内P「……少し、緊張しますね」

まゆP「おいおい、だらしねえな……ビビってんのか?」ブルブル!

武内P「……」ジーッ!

まゆP「ば、バッカお前これは違うから! 武者的な震えだからね!」ブルブル!

まゆP「あっ、トイレ! トイレ我慢してたからかも!」


武内P「コンボは?」

まゆP「――完璧にきまってんだろ」


まゆP「対空は?」

武内P「――笑顔です」


武内P「……では、行きましょう」


まゆP「見てろや、ピコピコガールズ共がぁ!」

まゆP「大人の立ち回りってのを見せてやんよォォォォォ!!」
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/04(月) 22:23:52.67 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・

武内P・まゆP「……」


杏「ま、こんなもんかな〜」

紗南「二人共、すっごい気合入ってたね!」

杏「いやー、気合で勝てれば苦労はしないっしょ」

紗南「……だねー、やりこみの差ってやつかなっ」


杏「んじゃ、気が向いたらまた四人で対戦しよっか」

紗南「あっ、良いね! アイテムとか色々有りにしてさ!」

ガチャッ、バタンッ!


武内P・まゆP「……」

武内P「……若い方は、色々なゲームをしますね」

まゆP「……す……す……!」


まゆP「スマブラかよオオオォォォォォ!!」



おわり
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 23:32:29.19 ID:27VMaQpUo

誰がPS4勢で誰が任天堂勢なんだろうか

しかしこのまゆP、まゆPというよりも銀とPだな
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 23:38:54.07 ID:bDr0wQ030
このまゆPゴーカイザーとかキカイオー好きでダンシングアイ上手そう
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 00:38:15.86 ID:G/7+cgWi0
2人でやるシューティングも良いよね
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 00:47:59.52 ID:v+Ls8F2U0
悔しいなんて感情持ち合わせてたんか
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 03:42:55.94 ID:6cJnYzJSo
この後、P二人がゲームにかまけて自分たちとの時間が減った元凶を知った蒼紅がどうなるか…
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 09:24:58.33 ID:tdrvTND8o
もう4人ならボンバーマンをやればいいと思うの
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 13:40:13.54 ID:UN3lXBnxo
武内Pにラブプラスやってもらいたい
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 15:26:19.65 ID:tU05hVSU0
武内pが女の子とのコミュニケーションを知るためにギャルゲーやって実践したら大変な事になりそうだな
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 18:15:12.66 ID:tdrvTND8o
>>693
この子の声高垣さんに似てる?とか絶対なる
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 20:28:50.24 ID:2KEiWMgoo
アマガミやらせて橘さんの行動学ばせていわ
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 20:33:27.13 ID:6cJnYzJSo
前川さんとか五十嵐さんとか白坂さんとか莉嘉さんとかが出るギャルゲーをやらせよう
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 20:48:43.70 ID:CBj45BuxO
理保子にアイドルができるくらいだから、ラブリーならトップアイドルになれる
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 20:56:12.09 ID:0qI/TSfAo
書きます


武内P「ゲームで女心を学べ?」
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 20:59:35.70 ID:0qI/TSfAo
未央「そう! プロデューサーは、女心を学ぶべきだよ!」

武内P「ですが……ゲームから、ですか?」

未央「と、言う訳で! 色々持ってきたからね〜!」

武内P「あの……本田さん?」


未央「……ほら、ウチって兄貴が居るじゃん?」

未央「処分したいんだけど、捨てるのは心苦しい、ってさ」

未央「だから、引き取り手を探してたんだよねっ☆」テヘペロ!


武内P「……それが理由、ですか」
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:01:56.22 ID:0qI/TSfAo
未央「なんか、思い出が詰まってて捨てたくないんだって」

武内P「しかし……女心を学べ、というのは?」

未央「あっ! それも理由だからね?」

武内P「えっ?」


未央「……ほら、プロデューサーって、ちょっとアレじゃん?」

未央「だから、何でも良いから……とにかく女心をさ?」

未央「うん……まあ……そんな感じ」


武内P「……アレ、ですか」
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:05:52.24 ID:0qI/TSfAo
未央「まあ、ゲームと現実は違うけどさ」

未央「ちょっとでも足しになるんじゃないかなー、って」

武内P「あの……私は、そこまでアレですか?」

未央「……プロデューサー」


未央「このゲームの山……ううん」

未央「――この子達、貰ってくれるかな」

未央「そうすれば……きっと、死んだ兄貴も喜んでくれるから……!」ウルウルッ!


武内P「いえ、あの……ご存命ですよね?」

武内P「こんな所で、演技力を発揮されても……」
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:09:48.38 ID:0qI/TSfAo
  ・  ・  ・

武内P「……勢いに押されて、受け取ってしまった」


どっさり…!


武内P「……」

武内P(本田さんにバレないよう、処分するか)

武内P(……いや、しかし)

武内P(彼女の言ったように……)


武内P「私は……ゲームから学ばなければならない程、アレなのだろうか」


武内P「……」

武内P「……一応、プレイしてみるか」
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:12:51.16 ID:0qI/TSfAo
  ・  ・  ・
二週間後


ガチャッ!

未央「――おはようございまーす!」


武内P「本田さん」

武内P「おはよう、ございます」


未央「ねね、ゲームやってみた?」

武内P「はい。一通りは、プレイしてみました」

未央「え、マジ? 結構な量が無かった?」


武内P「アイドルの皆さんの――笑顔のためですから」


未央「……うわぁ、なんか心苦しい」
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:19:03.24 ID:0qI/TSfAo
未央「でもさ、これで女心は完璧に理解出来たね!」グッ!

武内P「いえ、それは……」

未央「……ま、所詮はゲームだしね」

武内P「はい」


武内P「学んできた事が、本当に正しいのかどうか確認しながら……」

武内P「――皆さん一人一人の個性に合わせて実践する」

武内P「……そうする事で、女心が理解出来るだろう、と」

武内P「……そう、考えています」


未央「……」

未央「はい?」
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:25:02.62 ID:0qI/TSfAo
未央「えっと……つまり?」

武内P「ゲームで学んだ事を、実際に試してみよう、と」

武内P「……そういう事ですね」

未央「いや、ちょっと待って!? それって、まずくない!?」


武内P「安心してください」

武内P「――個別ルートに入らない程度の好感度調整」

武内P「これに関しては、自信があります」


未央「そっかぁ! それなら安心だねっ!」

未央「……」

未央「ものすっごいゲーム脳になってるうううううう!?」
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:30:45.33 ID:0qI/TSfAo
武内P「本田さん、お礼を言わせてください」

未央「なっ、何の!?」

武内P「貴女が、私に新しい道を示してくれた事に関してです」

未央「待って!? 私のせいみたく言わないで!?」


武内P「――本田さん」

武内P「やはり、私にとって貴女は……大切な存在です」

武内P「これからもずっと……私に――笑顔を向けてくれますか?」


未央「ふえっ!?/// ず、ずっと!?///」

未央「い、いや……まあ……向けるけど、さ?///」


武内P「今の会話で――」

武内P「――好感度が、3程上がったと思います」


未央「……なんじゃそらこら!!」
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:35:16.77 ID:0qI/TSfAo
武内P「……どう、でしょうか?」

未央「どうも何も、今みたいな事ばっかり言うつもり!?」

武内P「時と場合と……相手にもよりますね」

未央「……確かに、ドキッとしたけどさぁ!?」


武内P「大丈夫です」

武内P「――刺されない程度の好感度調整」

武内P「こちらに関しても、自信があります」


未央「……な〜んだ、それなら良かった!」

未央「……」

未央「いやいやいや! 修羅場にはなるって事でしょ!?」
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:38:36.43 ID:0qI/TSfAo
武内P「いえ、今のは最悪のケース、ですね」

未央「……そうなの?」

武内P「はい、当然です」

未央「……」


武内P「アイドルの皆さんの好感度を稼ぎ……」

武内P「コミュニケーションを円滑にし、仕事に打ち込んで頂く」

武内P「――それによって、魅力と輝きを引き出す」

武内P「……これが、目標ですね」


未央「……」

未央「恋愛マスターじゃなく、アイドルマスターって事……?」
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:42:40.08 ID:0qI/TSfAo
未央「でもまぁ、それなら……良い、のかな?」

武内P「いえ、正直……不安もあります」

未央「不安?」

武内P「はい」


武内P「なので……本田さん」

武内P「私が学んだ事を実践している場面を見て……」

武内P「――女性としての視点から、アドバイスを頂けませんか?」


未央「……」

未央「へっ?」
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:45:55.56 ID:0qI/TSfAo
  ・  ・  ・

未央「……」

未央(隠れて見てろ、って言われたけど……)

未央(……まあ、危なくなったら止めれば良いよね)


コンコン、ガチャッ

奏「――失礼します」


武内P「速水さん」

武内P「おはよう、ございます」


未央「……」

未央(……はやみん?)
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 21:53:14.73 ID:0qI/TSfAo
奏「どうしたの? 貴方が呼び出すなんて、珍しいじゃない」

武内P「そう、でしょうか?」

奏「そうよ。今も、無表情で何を考えてるかわからない……」

武内P「……」


奏「……ふふっ、だから知りたくなるのかしらね」

奏「無知は罪なり、って言葉があるでしょう?」

奏「私、罪を犯せる程度胸があるタイプじゃないの」クスリ


武内P「……」


未央「……」

未央(だ、誰も見てない時のはやみんって……あんな感じなんだ)
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:00:10.66 ID:0qI/TSfAo
奏「だから、唇を求める事はあっても、自分からは踏み出さない」

武内P「……」

奏「ズルい女だと思う?」

武内P「……」


奏「――女はね、ズルい生き物なの」

奏「でも、それを知ってるだけじゃ――知は空虚なり、ね」

奏「チャーミングな貴方は、どうなのかな?」

奏「私の唇の感触を知る――」

奏「――英知を持つ英雄になる覚悟は、ある?」クスッ!


武内P「……ソクラテス、ですか」


未央「……」

未央(はやみん、凄いよ……!)

未央(プロデューサーが、全然話を切り出せてない……!)
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:04:05.22 ID:0qI/TSfAo
奏「どうなの? 魔法使いさん?」

武内P「……覚悟、ですか」

奏「……ふふっ! 真面目な顔も、チャーミングね!」

武内P「……」


武内P「私の覚悟をお見せする訳には、いきません」

武内P「……私はプロデューサーで、貴女はアイドルですから」


奏「……そう言うと思ったわ」クスッ!


武内P「なので――目を閉じて頂けますか?」


奏「……」

奏「えっ?」


未央「……!?」

未央(えっ!? 何!? 何するつもりなの!?)
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:10:03.19 ID:0qI/TSfAo
奏「ちょっ、ちょっと? ねえ、冗談でしょう?」

武内P「……」

奏「……本気? 嘘でしょう?」

武内P「……」


武内P「私は、アイドルの方に嘘は言いません」

武内P「……私は、プロデューサーですから」

武内P「なので――」


奏「っ……!?」


武内P「――目を閉じて頂けますか?」


未央「……!?……!?」

未央(やばくない!? いやいやいや、ええっ!?)
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:15:03.83 ID:0qI/TSfAo
奏「……ふぅん、本気みたいね」

武内P「……」

奏「……ねえ、何か言ったら?」

武内P「……」


武内P「……私は、会話でのコミュニケーションが得意ではありません」

武内P「それに……」

武内P「――唇は喋るためじゃなく、と」

武内P「私の知る貴女は、歌っている筈です」


奏「……そ、そうね」


未央「……!」

未央(うーわ、マジ!? マジで!?)

未央(えっ、えっ、キスするの!? しちゃうの!?)
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:19:31.18 ID:0qI/TSfAo
奏「……良いわ、貴方の挑発に乗ってあげる」

武内P「挑発、ですか?」

奏「ええ、そうよ」

武内P「……」


奏「……こうやって、目をつぶっても」ソワソワ!

奏「……私の知る貴方は、何もしないもの」モジモジ!

奏「……でしょう?」ドッキドキドキ!


武内P「はい、なので――」

武内P「――目は閉じたままで、お願いします」


奏「えっ、ええ……良いわよ?///」プルプル…!


未央「……!///」

未央(ひゃあああ!/// うひゃあああ!///)
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:23:33.17 ID:0qI/TSfAo
武内P「……速水さん、そのままで」

奏「……!///」プルプル…!


未央「……!///」

未央(するじゃん!/// こんなの、しちゃうじゃん!///)


武内P「……」

スッ…

奏「……!///」プルプル…!


未央「……?」

未央(……ん?)

未央(人差し指と中指を……どうする気なんだろ?)
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 22:29:00.73 ID:PB4KAcKDO
うわ……古典的やん
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:29:52.74 ID:0qI/TSfAo
  ・  ・  ・

武内P「……どう、でしたか?」

未央「どう、って言われても……あれ、何?」

武内P「あれ、とは?」

未央「……指で、唇に触ったやつ」


武内P「ああ、あれですか」

武内P「あれも、私がゲームから学んだ技術です」

武内P「……何度も、試行錯誤を繰り返しました」


武内P「ラブプラスは、完全にキスと認識します」ニコリ!


未央「はやみんもそう認識してたからね!?」

未央「っていうか、ここぞとばかりに微笑まないでよ!」
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:34:59.97 ID:0qI/TSfAo
未央「ラブプラスって、そういうゲームじゃないと思うよ!?」

武内P「いえ、ですが……」

未央「何!?」


武内P「ゲームの画面に、何度も口を付けるのは……はい」

武内P「衛生的に、あまり良くないのでは、と」

武内P「……そう考えた結果、あのような形に」


未央「そうだね! 言ってる事は正しいね!」

未央「でも、どうするの!?」

未央「はやみん、完全にキスされたと思ってたじゃん!」


武内P「ええ……キラキラと、輝いていました」ニコリ!


未央「プロデューサーはちょっと笑顔引っ込めて!」
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:41:58.42 ID:0qI/TSfAo
未央「私、はやみんにどんな顔を向ければいいかわかんないよ!」

武内P「笑顔です」

未央「出来ないよ! 無理だよ!」

武内P「えっ?」

未央「だって――」


  ・  ・  ・

奏「――貴方の事が、一つ知れたわ」キラキラッ!

奏「意外と強引な所もあるんだな、って」キラキラッ!

奏「……ふふっ、私の唇の感触も知られちゃったわね」キラキラッ!


  ・  ・  ・


未央「――あんな……もおおおお!?」
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 22:43:03.80 ID:tU05hVSU0
School Daysじゃないだけマシ
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 22:49:12.13 ID:0qI/TSfAo
武内P「ですが……速水さんの魅力」

武内P「それは、今までよりもより一層――」

未央「じゃなくってぇ! バレたらマズいよ!?」

武内P「それは大丈夫だと思われます」


武内P「速水さんは、口が堅……唇は、柔らかいですが」

武内P「決して、ああいった事を口外する方ではありません」

武内P「……いえ、むしろ」

武内P「秘密が、彼女をより輝かせるための力になるかと」


未央「…………」

未央「……」


未央「へー! 唇、柔らかかったんだねっ!」
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/05(火) 23:05:49.04 ID:0qI/TSfAo
未央「いやー! そうなんだー! あっはっは!」

武内P「ですが……確かに、万が一に備える必要はありますね」

未央「……備えるって?」

武内P「千川さんが出勤されたら、報告をします」

未央「……はい? ほ、報告って……何て!?」


武内P「セーブなので、ありのまま全てを……ですね」


未央「ただの爆弾発言になるだけだから!」


武内P「爆弾は点火する前に処理すれば、大丈夫です」ニコリ!


未央「……あのね、プロデューサー」

未央「実際は、ギャルゲーみたいにチョロくないからね!?」


武内P「……『TOKIMEKIメモリアル』、ですか?」


未央「もう良いよ!」




おわり
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/05(火) 23:25:22.87 ID:hkpotBu5o
これ続けたら、確実にdead endだな…
蒼い炎が全てを焼き尽くす
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 00:13:32.91 ID:empHoIv/0
刺されるコースに突き進んでるのでは…
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 01:29:13.77 ID:C5aejyFm0
武内Pに刃物が通用するのか?
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 01:58:25.53 ID:8ZYHQS00o
寺生まれのT(akeuchi)さん
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 02:00:52.39 ID:qN5ywwCX0
どこかの埼玉県民みたいにスタドリかけたら治りそう
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 02:20:41.08 ID:21DUHVtDO
苦労人のほたるちゃんにアドバイスもらわないと

刺されても大丈夫な刺され方を
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 03:35:50.95 ID:XWhzz4/mo
これLiPPS全員分にやらかすんか
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 14:56:30.45 ID:psGa91Plo
よかった、ヘソ舐めたり膝裏舐めたりするPはいなかったんだね!
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 15:50:43.38 ID:nmtoiQMJO
フレちゃんには通じるのだろうか
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 18:45:49.77 ID:21DUHVtDO
スメルで大体わかるしきにゃんもね



逆に奈緒やあかりで様子を見たい
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/06(水) 22:19:57.71 ID:+dNDfx6co

「……」


 ソファーに寝転がり、薄目を開けて観察中。
 観察対象は、あたしの視線に気付いてない。
 一見おっかな〜い顔は、PCの画面とにらめっこ。
 たまに負けて、口元が綻んでるのをあたしは見逃さない。


「……」


 聞こえてくる、キーボードを叩く音。
 ノートPCのキーボードがタスタスと鳴っている。
 いつもよりも音が控えめなのは、あたしが寝てると思ってるから?
 ざ〜んね〜ん! それは要らぬ気遣いなのでーす♪


「……ふぅ」


 一段落ついたのか、息が吐き出された。
 今は、11時丁度。
 キミは、これからどうするのかな?
 今までと同じなら、志希ちゃんはスリープモードに移行しまーす。


「……んっ」


 右手を首筋にやって、首を軽く左右に。
 硬直した筋肉をほぐす動作。
 そして、その流れのまま右手を左の首筋にあて、押している。
 ふむふむ、お疲れモードみたいだね〜。


「……」


 視線があたしに向けられた。
 でも残念、今のあたしは観察と睡眠の中間。
 起きてるとは、とても言えないような状態なんだよね〜。
 だから、キミはあたしが起きてることに気付け無い。


「……」


 向けられていた視線が、またデスクの上のPCに戻った。
 さっきまでの疲れた顔は、もう見えない。
 たったあれだけの動作で疲労が取れるなんて事は有り得ない。
 そして、あたしは見逃さなかった。


「……」


 あたしを見て、微かに微笑んだのを。
 ……うーん、参ったなー。
 志希ちゃんの寝顔が、キミのカンフル剤になっちゃったみたいだねー、にゃははは!
 ……はぁ。



「んーっ……よく寝た〜……!」



 言いながら、ソファーの上でグーッと伸びをする。
 同じ体勢で居たから、あたしの筋肉も少し硬くなっていた。
 収縮していた筋肉が伸び、ピリリと微かに痛みが走る。
 そういえば、いつからここで寝転がってたんだっけ?


「……おはよう、ございます」


 低い声が、未だソファーにつっぷし続けるあたしにかけられた。
 あ、昨日は帰るのが面倒でここで寝ちゃってたんだった。
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/06(水) 23:06:45.85 ID:+dNDfx6co

「おはよう。そして、こんにちはー」


 寝転がったまま、右手をヒラヒラと振る。
 振って、振って、パタンッ。
 体勢を変えて、さっきよりも寝やすいように。
 このまま二度寝も、悪くな〜い。


「からの、おやすみなさ〜い」


 ゴロニャンと、猫みたいに丸まる。
 それを見て、向けられた目が、少し慌てた。
 んふふ、ジョーダンジョーダン!
 お腹も空いちゃったしねん♪


「疲れ、たまってるみたいだねー?」


 あたしの仮説によると、原因の一つはあたし!
 朝出勤して、ソファーにアイドルが寝ていたら!
 ……記憶には残っていない、毛布を肩まで引き上げる。
 これをかけたのが誰なのか、はたまた天からの贈り物か。


「いえ、問題ありません」


 なんて言ってるけど、ちょっとヒョージョーが強張った。
 さっきのを見られたのかと、気にしてるのかな。
 けれど、そう言ったのは、見られてても気にさせないようにかな?
 まあ、どちらにせよ、そして、どちらでも結果は変わらない。


「皆さんの、笑顔のためですから」


 ……んだよね、キミにとっては。
 だから、キョーミがある。
 良い匂いもするから、いい人だってのはわかるんだけどねー。
 あ、食べるのが好きって言うのは匂いで把握済み〜♪


「そんなお疲れなアナタに、よく効きすぎるお薬が〜♪」


 そう言うと、


「……ありがとうございます。ですが、お気持ちだけで」


 イヤ〜ン、つれない返事♪ なんて、わかってたけどねん。
 ジョーダンに、真面目に返してくるのがおかしくて、んふふと笑いが溢れた。
 そんなあたしに向けられた、呆れ顔。
 その口の端が、ほんの少しだけ上がっているのに釣られて、



「――じゃあ、肩でも揉んであげよっか?」



 あんまりにも、あたしらしくない言葉が口から飛び出た。
 驚いたのか、向けられた視線が変化した。
 さっきまであたしが観察してたのに……今は、逆。
 あたしは観察され、その結果として、


「では……お願い出来ますか?」


 予想外の返事が、返ってきた。
 キミがそんな返しをするだなんて、誰にも予想は出来ないだろうね〜。
 そして、それを聞いたあたしがパッと起き上がったのは、もっと予想出来ないよね。
 ……だって、あたしにも理由がワカラナイんだから。
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/06(水) 23:35:50.42 ID:+dNDfx6co
  ・  ・  ・

「……」


 座ってた椅子は、背もたれが大きく邪魔になるので、
ソファーの方に移動して貰った。
 今、あたしの目の前には、大きな背中と……あ、寝癖。
 にゃはは、さっきまで寝てたあたしも寝癖がついてるから、お揃いだね〜♪


「……」


 ハスハス……うん、いい匂い!
 じゃなくて、マッサージマッサージ。


「……」


 そっと、手を伸ばす。
 肩を揉みやすいようにと、スーツの上着は脱がれていて、
白いワイシャツが窓から差し込んでくる光を反射している。
 あたしは、この光景に覚えがある。


「それじゃあ、始めよ〜う♪」


 勿論、相手は違う。
 あたしの記憶の中の背中は、あたしが自由でいられる所――パパの背中。
 パパ……ダッド。
 ……にゃはは、身長差があるからそんな錯覚が起きるのかな?


「おおっ、お客サンこってますね〜!」


 グッ、グッと親指を軽く押し込む。
 カチカチになった僧帽筋をほぐすように、強くしすぎず。
 本当は、ストレッチをした方が効果が高いんだよね。
 ……でも、


「そう……っですか……?」


 あたしは、それを言わない。
 黙秘権をシュチョーしま〜す♪
 ……でも、その代りに念入りに。
 じゃないと、クジョーが来ちゃうかも知れないでしょ?


「かゆい所はありませんか〜?」


 右の人差し指で、寝癖をペチペチと弾きながら言う。


「いえ、それはありませんが……」
「はいは〜い♪ では、続けますね〜♪」


 息が上がらないように、丁寧に。
 あたしが疲れた様子を見せたら、それで即終了だから。
 ――もう大丈夫、ありがとう。
 ……って、そんな風に。


「……!」


 今のあたしは、小さい頃に比べて力も強くなった。
 闇雲に、力任せにグイグイ押すだけじゃないのデース♪
 でも、その代わり、


「これは……中々手強い……!」
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 00:15:55.24 ID:QTJy8Yroo
  ・  ・  ・

「――ありがとうございます。お陰様で、随分楽になりました」


 ソファーから立ち上がって、言われた。
 あたしとしては、まだヨユー……でも無かったけど、
もうちょっとだけやっても良いかにゃ〜、なんて思ってたんだよね。
 思ってただけで、手はお疲れだけど。


「……」


 ジーッと見つめる。
 心を見透かすように。
 余計なものは、全部取り払って。


「では、それを言葉じゃなく、態度で示しましょーう♪」


 両手を後ろに回して、腰を曲げる。
 でも、足はピンと伸ばしてダンスに誘うようで、無抵抗。
 高さ的には、この位がベストかな?
 上目遣いで、ジーッと見つめる。


「いえ、あの……!」


 案の定、右手を首筋にやって困ってる。


「……」


 あたしは、今、どんな顔をしてるのかな。
 多分だけど、肩を揉もうかと提案した時と同じ顔だよね。
 そこでクエスチョン。


 ――キミは、まともでいられるかな?


「……失礼、します」


 一度、二度。
 大きな手の平が包み込むような形で軽く触れ、離れていった。


「……んっふふっ!」


 それだけで、頑張った甲斐があると思える。
 本当、フシギだよね〜。
 レアだから、等価交換に思えるのかな?
 何にせよ――


「――頑張ったら、お腹空いたにゃ〜♪」


 上体を起こし、トン、トンと後ろに下がってデスクに体を預けた。
 あたしの言いたいこと、わかるでしょ?


「……ハンバーグで、良いでしょうか?」


 その問、答えは笑顔。


 さあ! デミグラスソースの匂いで、お揃いになろ〜う!




おわり
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 00:43:42.08 ID:q4jEE8aSO
清浄なる世界いいじゃない
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 06:38:48.11 ID:BKoYsDYIO
地の文が出てきたから警戒してしまったわ
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 16:18:08.05 ID:wnkttbe2O
清浄(正常)な話なのかご不浄の話なのか身構えるよな
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 17:47:40.21 ID:E+foGWST0
お揃いになるんですね。わかります
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 18:36:36.42 ID:QTJy8Yroo
書きます


武内P「私は洋菓子派、ですね」
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 18:41:39.01 ID:QTJy8Yroo
周子「……――なんて聞いたらさ〜」

紗枝「せやねぇ……」

周子「勿論、洋菓子が駄目って訳じゃないんだけどねー」

紗枝「京女としては、なぁ……」


周子「和菓子の魅力を伝えよう、って」

周子「ま、いい暇つぶしになるかなー、って思ったんだよ」


紗枝「なるほどなぁ……」
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 18:44:58.21 ID:QTJy8Yroo
周子「とりあえず、和菓子を差し入れしてさ」

紗枝「まず、そこからどすなぁ」

周子「まあ、そんなに高級なのじゃなかったけどねー」

紗枝「遠慮されてしまいまっしゃろからね」


周子「なのに、物凄く喜んでくれてね?」

周子「あー、これはもう勝ったと思ったんよ」


紗枝「せやねぇ……」
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 18:47:44.69 ID:QTJy8Yroo
周子「そうしたら、次の日になー」

紗枝「ふむふむ……」

周子「お返し、ってケーキを持ってきたんだよね〜」

紗枝「あらぁ、律儀どすなぁ」


周子「それが、もうすっごく美味しくてさー」

周子「あたし、危うく洋菓子派になるトコだったんよねぇ」


紗枝「……あれまぁ」
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 18:51:03.48 ID:QTJy8Yroo
周子「だけど、シューコちゃんはくじけない」

紗枝「ほして?」

周子「良い所の和菓子をまた差し入れたんよね」

紗枝「負けず嫌いどすなぁ」


周子「そうしたら、物凄く喜んでくれてね?」

周子「今度こそ、勝ったと思ったんよ」


紗枝「せやねぇ……」
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 18:55:27.63 ID:QTJy8Yroo
周子「そしたらなぁ、帰り道で偶然一緒になった時になー」

紗枝「成る程なぁ……」

周子「ちょっと時間はあるかー、って聞かれたんよ」

紗枝「……それで?」


周子「なんでそんなん聞くんやろー、って思ったらな?」

周子「ティラミスが美味しい店が近くにある、って言われてねー」


紗枝「はぁ……それはそれは……」
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:02:04.60 ID:QTJy8Yroo
周子「ああ、これはリベンジだなー、ってね?」

紗枝「考えはったんやねぇ……」

周子「お腹も空いてたし丁度良いわー、と」

紗枝「周子はんらしいわぁ」


周子「とりあえず、結論から言っちゃうとさ」

周子「ピザもパスタも絶品だった」


紗枝「……甘味の話は何処行かはったんどすか?」
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:05:53.44 ID:QTJy8Yroo
周子「――空腹時だと純粋に楽しめませんから、ってねー」

紗枝「調味料としては、最高やけどねぇ」

周子「でも、ちょっとやられたと思ったんだよねぇ」

紗枝「……それで?」


周子「やられたからには、やり返しとこっかなー、と」

周子「今度は、あたしがお蕎麦の美味しい店に連れてくよ、ってね?」


紗枝「……それは、メン食らったやろなぁ」
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:09:16.98 ID:QTJy8Yroo
周子「それで、休みが一緒の日に行ったんよ」

紗枝「……成る程なぁ」

周子「車出してくれたから、歩かなくてラッキーだったかなー」

紗枝「……そうどすなぁ」


周子「で、お蕎麦を食べ終わって気付いたんだよね」

周子「おや? 和菓子の話は何処行ったんだろ、って」


紗枝「……周子はんらしいわぁ」
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:22:42.68 ID:QTJy8Yroo
周子「食後のお茶を飲み終わって気付いたんだよねー」

紗枝「とろいどすなぁ……」

周子「でもね、それでは行きましょうか、って言われたんだよ」

紗枝「……何処にどすか?」


周子「や〜、近くに知る人ぞ知る和菓子屋があったみたいでさー」

周子「勘違いしてたみたいだから、ね?」

周子「くるみ餅、めちゃ美味しかったわー」


紗枝「……良かったどすなぁ」
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 19:26:48.00 ID:7lbBvrfDO
勝ち負けはいいから周子ちゃん、今すぐ紗枝から逃げて!

命の危険が危ないので、手遅れにならないうちに……
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:28:17.87 ID:QTJy8Yroo
周子「家に着いた後、電話をしてねー」

紗枝「お礼の電話やなんて、律儀やねぇ」

周子「いやいや、そんなんじゃないって」

紗枝「そうなんどすか?」


周子「次の洋菓子リベンジはいつか聞いときたくてね?」

周子「それに、せっかくだから晩ご飯で豪華によろしゅー、って」


紗枝「はぁ……それは、また……」
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:34:12.65 ID:QTJy8Yroo
周子「それで、対決は一週間後ー、って決まって」

紗枝「なんや、やる気に溢れてた時ありましたなぁ……」

周子「頑張り次第で、ご飯のランクが上がるかなぁって」

紗枝「……そういう事やったんやねぇ」


周子「……でもなぁ」

周子「前日に、仕事で行けない事になったって言われてなー……」


紗枝「それはそれは……残念どしたねぇ」
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:38:45.21 ID:QTJy8Yroo
周子「はー、不戦勝とか面白くないなー、って」

紗枝「周子はん、勝ちは勝ちどすえ」

周子「あの日は、なーんもやる気がしなかったなー」

紗枝「それでこそ、どす」


周子「だから、もうトドメだー、って感じでさ?」

周子「洋菓子を差し入れしに行ったんよ」


紗枝「……あきまへんなぁ」
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:42:14.69 ID:QTJy8Yroo
周子「シュークリーム……安いやつね?」

紗枝「はぁ……」

周子「ちょっとコンビニで買っただけのやつだったんよ」

紗枝「ほぉ……」


周子「なんでだろねー?」

周子「めちゃ美味しかったんだよねぇ……」

周子「あたし、危うく洋菓子派になるとこだったわー」


紗枝「あらぁ……」
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:46:42.96 ID:QTJy8Yroo
周子「そんなこんなで、勝負は続いてね?」

紗枝「まぁ……」

周子「ちょっと遠出したりもしたねー」

紗枝「……遠出?」


周子「あの人、本当に休まないからねー」

周子「あたしが休みを合わせてさ?」


紗枝「いややわぁ、周子はんたら……」
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:51:52.87 ID:QTJy8Yroo
周子「さすが、食には関心がある、って言うだけはあってさ」

紗枝「……そうなんどすか?」

周子「うん、色々美味しい所行ったねー」

紗枝「……それだけ、どすか?」


周子「時間に余裕がある時は、買い物とかもしたよー」

周子「プロデューサーとしての意見も聞きたかったしねぇ」


紗枝「まぁ……せやねぇ」
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 19:55:53.32 ID:QTJy8Yroo
周子「でも、さすがに勝負が長引きすぎてると思ってね」

紗枝「勝負って、何やろねぇ……」

周子「電話してる時、次の勝負の場所を提案したんだー」

紗枝「……仕事の電話の最中に?」


周子「ううん、夜に寝る前の電話してる時」

周子「10分位、軽ーくお喋りするとグッスリ眠れるんだよね」


紗枝「……睡眠は、大事やからねぇ」
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 20:01:14.53 ID:QTJy8Yroo
周子「まあ、丁度仕事で行く機会があったからねー」

紗枝「……また、遠い所なん?」

周子「そうでもないよ?」

紗枝「……あぁ」


周子「あたしが食べて育った味……」

周子「……京都の実家の和菓子で勝負をつけよう、ってね」


紗枝「……そないなりますわなぁ」
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 20:06:37.03 ID:QTJy8Yroo
周子「それで、あの人と一緒に実家に顔だしたんよ」

紗枝「あらぁ……」

周子「そしたらな? 人手が足りないー、ってなってて」

紗枝「まあぁ……」


周子「あの人が手伝うって言い出してさ」

周子「そしたら、さすがにあたしもやらざるを得ないなー、ってなって」

周子「ちょっと和菓子食べるだけのつもりが、もう夕方!」


紗枝「大変やったねぇ……」
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 20:12:38.67 ID:QTJy8Yroo
周子「せっかくだから晩ご飯食べていきなさいー、って言われて」

紗枝「そうなるやろねぇ……」

周子「あの人、お酒飲まされたんだよねぇ……押されて」

紗枝「それは、困りますなぁ……」


周子「結局、夜中まであたしの親と語ってたわー」

周子「新しいフレーバーの話とか、めちゃ盛り上がってた」

周子「あたしの話になったら、はたいて止めたけどね?」


紗枝「……はぁ」
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 20:17:10.20 ID:QTJy8Yroo
周子「で、あたしは実家に泊まって……」

紗枝「……プロデューサーはんは?」

周子「タクシーで、ホテルに帰ってったわー」

紗枝「せやね、それがええわぁ」


周子「それで、朝起きて……言われたんだよね」

周子「――あの人と、いつ結婚するのかー、って」

周子「そんなんわからんー、って返した時思ったんだよねー」


周子「おや?」


周子「……って」

紗枝「……」


周子・紗枝「……」
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/07(木) 20:22:53.36 ID:QTJy8Yroo
周子「ねえ、紗枝はん」

紗枝「……何、周子はん」

周子「正直に答えて欲しいんだけどさ」

紗枝「まぁ……うちに答えられる事なら、ええよ」


周子「……どう思う?」

周子「あたしと、あの人」

周子「……なんか、まずくない?」


紗枝「……せやねぇ」


紗枝「二人共、食べ過ぎやねぇ」

紗枝「話を聞いてるだけで、うちはもうお腹いっぱいやわぁ」



おわり
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 21:02:28.23 ID:eltoMF8Lo
次は、たけのこ派、きのこ派どっちって聞いてみたいね
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 22:53:29.05 ID:GQbI271A0
紗枝はん大人の対応
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 22:58:11.56 ID:ag6/HMQzo
京女の対応だゾ
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/07(木) 23:34:59.82 ID:CXXoyk6zo
よくぶぷちゃを出さずに落ちまでいったと思う
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 00:30:05.80 ID:CMXQKYZG0
こんちきちん(物理)されなかったか
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 02:33:59.99 ID:S4gtaO+Fo
ごちそうさまw
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 09:44:24.46 ID:6Akiya+vO
洋菓子で輪菓子のドーナツが1番だよ
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 10:39:58.25 ID:unEJmR0DO
ここは間を取って、おいしいパンを食べましょう
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 11:57:21.76 ID:E00ls4oTo
次はカレー論議させたい
カツカレー派とハンバーグカレー派の死闘をだね
京都人はカレーうどんにうるさいイメージあるけど
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 12:08:43.51 ID:ApWbbaxSo
録音してシンデレラプロジェクトの方々にに拡散したらえらいことになりそう
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 12:39:24.98 ID:4UJtChqUO
武内Pが自分に金使うイメージは無いけど、関わるアイドルみんなに奢ってたらさすがに金無くなるだろ

CPとクローネと他数名で直接関わるのは30人くらいか?
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 13:32:11.70 ID:55jO5z3Ho
ある程度は経費で落ちるんじゃね
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 16:32:40.63 ID:HzcNrxEhO
ちっひが果たして経費として処理してくれるかどうか…
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 17:50:25.98 ID:QJ0LPwEG0
かな子のおやつ代
智絵里のクローバー代
杏の飴代
美波のローション代
楓さんの酒代

いやいや、経費で落ちないだろw
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 18:49:44.71 ID:p/et24Flo
杏の飴くらいなら
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 19:14:01.66 ID:unEJmR0DO
美嘉の突撃一番(実際にやらない)

美穂のセクシーランジェリー(実際に着ない)

美優のピル(実際に中に出されない)

美波の女性用コンドーム(いつも生)



さて、一番消耗度合いが激しいのはどれでしょう
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 19:30:15.86 ID:mdmZth5p0
下らない雑談でスレが消耗されてるのはわかった
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/08(金) 20:12:33.72 ID:zP9ejbGzO
うわ
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 21:53:15.65 ID:ctCKnGD1o
書きます


武内P「友達では無いです」
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 21:56:34.17 ID:ctCKnGD1o
武内P「私はプロデューサーで、貴女は」

フレデリカ「がーん! ショックなアタシはフレちゃんです!」

武内P「ショック、ですか?」

フレデリカ「友達じゃないなんて、ひどいわ!」


フレデリカ「アタシの事は、遊びだったのね!」

フレデリカ「あれ?」

フレデリカ「つまり、友達って事だねー♪」


武内P「いえ、あの……」
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:00:08.44 ID:ctCKnGD1o
武内P「仕事関係、という意味で……」

フレデリカ「なるほど……そうだったかー」

武内P「え、ええ」

フレデリカ「それなら、友達じゃないよねぇ」


フレデリカ「仕事が恋人って言ってたから――」

フレデリカ「アタシ達、恋人同士だったんだね!」

フレデリカ「ごめんねぇ! 気づかなかったよ!」テヘペロ!


武内P「いえ、あの……!」

武内P「何故、そうなるのですか……!?」
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:04:10.54 ID:ctCKnGD1o
武内P「恋人では、決してありません」

フレデリカ「ええっ!? 初耳な気がする!」

武内P「……」

フレデリカ「そっかー……」


フレデリカ「じゃあ、アタシの体だけが目当てだったんだ」

フレデリカ「……でも、良いの」

フレデリカ「触れ合って、居る時だけが、フレデリカ……!」ウルルッ!


武内P「待ってください!」

武内P「その言い方は、誤解を招く恐れが!」
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:09:50.05 ID:ctCKnGD1o
武内P「そもそも、何故此処に……!?」

フレデリカ「ふっふっふ、知りたいかね?」

武内P「……教えて頂けますか?」

フレデリカ「そうだね……どこから話そうかな」


フレデリカ「……あれは、そう」

フレデリカ「アタシが、小学校に入った時の事……」


武内P「あ、あの……!」

武内P「もう少し、最近からでお願いします!」
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:13:41.76 ID:ctCKnGD1o
武内P「お願いします、宮本さん」

フレデリカ「あっ、待って! 言い忘れてた!」

武内P「えっ?」

フレデリカ「部屋に入る時、言おうと思ってた台詞があるんだー!」


フレデリカ「ちょっとフラフラフレフレフレデリカー、しててね?」

フレデリカ「この部屋に入るべし! ってお告げは無かったよ♪」


武内P「……すみません」

武内P「言おうと思っていた台詞とは、一体……?」
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:17:31.97 ID:ctCKnGD1o
武内P「……特に用は無い、と?」

フレデリカ「頼もーう!!」

武内P「っ!?」ビクッ!

フレデリカ「あ、今のが言おうとしてた台詞♪ 多分!」


フレデリカ「さあ、迷えるフレちゃんだよ〜」

フレデリカ「迷子のお呼び出しがかかるよ〜」


武内P「……」

武内P「あの……迷子、ですか?」
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:21:39.14 ID:ctCKnGD1o
武内P「宜しければ、お送りしますが……」

フレデリカ「いや〜ん♪ だ・い・た・ん♪」

武内P「違います」

フレデリカ「それじゃあ、慎重?」


フレデリカ「アタシって、もう少し慎重になれって言われるんだよねー」

フレデリカ「……ようし! アタシの分の慎重さは、頼んだよっ!」

フレデリカ「その分アタシが大胆かつダイナミックに!」


武内P「は……はあ……」
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:24:55.89 ID:ctCKnGD1o
武内P「それが……先程の質問ですか?」

フレデリカ「そうだぜ、マイフレンド!」グッ!

武内P「いえ……フレンドでは……」

フレデリカ「違うのぜ、マイフレンド!」グッ!


フレデリカ「それじゃ、友達になろっか♪」

フレデリカ「わお! アタシってば冴えてるぅ〜♪」ニコッ!


武内P「……」
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:30:34.93 ID:ctCKnGD1o
武内P「宮本さん」

フレデリカ「フレちゃん、って呼んで良いよん♪」ニコッ!

武内P「いえ、それは……」

フレデリカ「じゃあ、宮本さん、って呼ぶと罰ゲーム! いえーい!」


フレデリカ「……くうっ、何て事なの!」

フレデリカ「このままじゃ、フレちゃん大ピンチ!」

フレデリカ「……ミッシーに物凄く怒られちゃうよ!」


武内P「あ、あの……」

武内P「罰ゲームとは、専務に何かをするものなのですか!?」

武内P「しかも、貴女自身が!?」
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:35:25.70 ID:ctCKnGD1o
武内P「待ってください! あまりに危険すぎます!」

フレデリカ「そう? じゃあ、やめとくね♪」

武内P「……!」ホッ!

フレデリカ「じゃあ、アタシを宮本さん、って呼んだら……」

武内P「……?」


フレデリカ「……やるね!」

フレデリカ「こんなに自然に、アタシに宮本さんって呼ばせるなんて!」

フレデリカ「良かろう、願いを叶えてしんぜよう。しんぜよう、って何?」


武内P「……す、すみません」

武内P「ルールがよく、その……すみません」
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:40:41.59 ID:ctCKnGD1o
武内P「……では、仕事に戻って良いでしょうか?」

フレデリカ「えっ? もしかして、遊んでたの?」

武内P「いえ、そうでは無く……!」

フレデリカ「そうだよね! すっごく真面目だもんね!」


フレデリカ「友達になったら、見た事の無い一面も見られるし♪」

フレデリカ「今後の参考にもなったりするもんねー♪」


武内P「! それは、確かに……」


フレデリカ「それじゃ、何して遊ぶ?」


武内P「……」

武内P「いえ、遊びはしません」
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:45:43.45 ID:ctCKnGD1o
武内P「ですが、先程の言葉も一理ありますね……」

フレデリカ「おおっ! じゃあ、一理分だけ遊ぼっか♪」

武内P「い、いえ、そちらではなく」

フレデリカ「えっ? じゃあ、どっち?」


フレデリカ「どっち? そっち?……ドッジボール!」

フレデリカ「ルール決めよっか♪」

フレデリカ「アタシはアイドルだから、顔面アウト!」

フレデリカ「ボールは無いけど、キックオフ!」


武内P「……」

武内P「すみません……少し、速度を落として頂けますか?」
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:51:39.05 ID:ctCKnGD1o
武内P「大変申し訳無いのですが……」

フレデリカ「おっけー♪ アクセル全・開! 離陸します!」

武内P「!? これ以上、ですか!?」

フレデリカ「アタシはまだ、二回変身を残している……!」


フレデリカ「この意味が、わかりますか?」

フレデリカ「わからない人は、後で質問しに来て頂戴な」

フレデリカ「カナデちゃんが、多分答えてくれます」


武内P「……」

武内P「そうですね」
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 22:57:49.50 ID:ctCKnGD1o
武内P「……貴女は、本当に自由な方ですね」

フレデリカ「自由と引き換えに失ったものも、あるよ」

武内P「えっ?」

フレデリカ「……アタシは、いつだってそれを探してるんだよ?」


フレデリカ「自由と引き換えにしたもの……」

フレデリカ「それを探すため、アタシは自由になったの!」

フレデリカ「だから、一緒に探してしるぶぷれ?」


武内P「……あの」

武内P「色々と、本末転倒なのでは……?」
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 23:03:47.04 ID:ctCKnGD1o
武内P「それに、一緒にと言われましても……」

フレデリカ「恐れる事は無い! 漕ぎ出そう、未知なる湖に!」

武内P「……探しやすそう、ですね」

フレデリカ「本当に? やったね、ついてるね♪」


フレデリカ「……そうだ! 記念撮影しようよ!」

フレデリカ「探しものが見つかりやすそう記念に♪」

フレデリカ「おかげで、今日は良い日になったよっ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「早く、撮影を済ませてしまいましょう」
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 23:11:34.89 ID:ctCKnGD1o
武内P「撮影は、どういった構図で?」

フレデリカ「いえいえ、仕事の邪魔をする訳にはいきません!」

武内P「……はあ」

フレデリカ「どうぞそのまま、椅子に座ったままで!」


フレデリカ「――その上に、フレちゃんが座って〜」

ぽすんっ

武内P「!?」

フレデリカ「お客さん、表情が硬いですよ〜?」

武内P「待ってください! この体勢は!」

フレデリカ「――はい、チーズフォンデュ♪」ニコッ!

カシャッ!


フレデリカ「オッケーでーす♪」


武内P「い、いけません!」
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 23:16:53.38 ID:ctCKnGD1o
武内P「は、早くどいてください……!」

フレデリカ「わお! アタシ、美人! 誰かと思った♪」

武内P「聞く耳持たず!」

フレデリカ「撮った写真、送ったげるね♪」


フレデリカ「あっ、でも連絡先知らないや」

フレデリカ「LINEを教えてしるぶぷれ♪」


武内P「わ、わかりました!」

武内P「わかりましたから……か、勘弁してください……!」
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 23:24:37.92 ID:ctCKnGD1o
  ・  ・  ・

フレデリカ「はーい♪ これで、いつでもどこでもフレデリカ―♪」

武内P「……そう、ですね」

フレデリカ「そしてそして! グループ招待〜♪」

武内P「グループ、ですか?」


フレデリカ「クローネのLINEグループだよん♪」

フレデリカ「そこのアルバムに、さっきの写真も入れておいたー♪」


武内P「そう、なのですね……」

武内P「……」

武内P「待ってください」
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 23:32:20.26 ID:ctCKnGD1o
武内P「クローネの、という事は……」


ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ…


武内P「っ……!」

フレデリカ「わお! LINEがいっぱい来て、人気者だね!」

武内P「お、お願いがあるのですが!」

フレデリカ「? な〜に?」


武内P「先程の写真について、きちんと説明を!」


フレデリカ「えっへん! もう、してありまーす♪」


武内P「……」

武内P「えっ?」


ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ…
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/08(金) 23:57:19.36 ID:ctCKnGD1o
武内P「どう、説明したのでしょうか……?」

フレデリカ「どう?」

武内P「……はい」


ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ…


フレデリカ「――これから、二人で一緒に探していきます」

フレデリカ「――その記念に」

フレデリカ「……って♪」


武内P「それは……成る程」

武内P「……皆さん、誤解をされているでしょうね」


フレデリカ「それで、何を探すんだっけ?」ニコッ!


ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ、ヴッ…




おわり
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 03:18:21.98 ID:g5b0vneXo

予測可能予想不可能回避不能

この流れだと次はカリスマか
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 04:26:47.88 ID:HdrudxQgO
自由過ぎる…
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 05:52:33.45 ID:ZntrzaFNO
強すぎる…
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 08:47:10.92 ID:B2VGhvASO
奏はカメラを止めるなを見た?
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 09:15:43.77 ID:lzJ310GHo
この人ボーボボの世界から来たのかな?
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 21:50:49.18 ID:l81koe8fo
書きます


武内P「どちらかと言えば、妹ですね」
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 21:53:18.08 ID:l81koe8fo
莉嘉「そうなの? じゃあ、アタシとかサイコーじゃん☆」

武内P「えっ?」

莉嘉「何せ、カリスマJKのお姉ちゃんの妹だし☆」

武内P「そう、ですね……」


武内P「城ヶ崎さんの様な妹が居たら……」

武内P「……とても、大切にしていたと思います」


美嘉「……」
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 21:56:14.42 ID:l81koe8fo
莉嘉「じゃあ、アタシを妹と思って良いよ☆」

武内P「い、いえ……それは」

莉嘉「えーっ、駄目なの? その位イイじゃん!」

武内P「……プロデューサーと、アイドルという事もありますが」


武内P「何せ、かなり歳が離れていますから……」

武内P「もう少し年齢が近ければ……はい」


美嘉「!」
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 21:58:57.24 ID:l81koe8fo
莉嘉「ぶーっ! Pくんのケチ―!」

武内P「……すみません」

莉嘉「じゃあじゃあ、何歳くらいならオッケー?」

武内P「そう、ですね……」


武内P「――せめて、高校生」

武内P「それ位の年齢であれば、大丈夫かも知れません」


美嘉「!!」
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:03:03.73 ID:l81koe8fo
莉嘉「高校生で、ギャルの妹ってコト?」

武内P「ギャルでなければならない、という事はありませんが……」

莉嘉「うーん、ウチの事務所で言ったら誰だろ?」

武内P「そう、ですね……」


美嘉「もー★ 妹がどうとか――」

ガタッ!


武内P「――大槻唯さん、でしょうか」


美嘉「……」

…ストン
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:06:57.15 ID:l81koe8fo
莉嘉「えーっ!? Pくん、唯ちゃんが好きなのー!?」

武内P「い、いえ! そういう意味ではなく……!」

莉嘉「じゃあ、どうして唯ちゃんって言ったの?」

武内P「……」


武内P「笑顔です」

武内P「大槻さんの、弾けるような笑顔」

武内P「……それが、理由ですね」


美嘉「……」

美嘉「!」ニコッ!
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:10:27.34 ID:l81koe8fo
莉嘉「それじゃあ、アタシの笑顔はどう?☆」ニコッ!

武内P「良い、笑顔です」

莉嘉「じゃあ、アタシが妹でイイじゃん! ねえ、Pくぅーん!」

武内P「す、すみません……」


武内P「…………」

武内P「……やはり、年齢が離れすぎていて……はい」


美嘉「!」ニコッ!

美嘉「!!」ニコニコッ!
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:13:34.14 ID:l81koe8fo
莉嘉「もー! Pくんの意地っ張りー!」

武内P「……」

莉嘉「で・も! そーゆーコトならぁ〜……」ムフッ!

武内P「?」


莉嘉「アタシのコト、カノジョと思って良いよ☆」ニコッ!

莉嘉「愛があれば、歳の差なんてカンケー無いよねっ☆」ニコニコ!


美嘉「!!!」ニコニコニコッ!

美嘉「……」

美嘉「!?」
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:17:53.07 ID:l81koe8fo
武内P「い、いえ! それは……!」

莉嘉「Pくん……アタシのコト、キライなの?」ウルッ!

武内P「っ!? そんな事はありません!」

莉嘉「……じゃあ、スキ?」ウルウルッ!


武内P「……は……はい」

武内P「その……とても、大切に思っています」


美嘉「……」
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:21:04.22 ID:l81koe8fo
莉嘉「……そんなんじゃヤダ」プイッ!

武内P「えっ?」

莉嘉「スキって言ってくれなきゃ、許したげない!」ツーン!

武内P「……!」


武内P「――好きです」

武内P「……」

武内P「こ……これで、良いでしょうか……!?///」


美嘉「……」

美嘉「!!?」
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:25:00.26 ID:l81koe8fo
莉嘉「……どの位スキ?」チラッ!

武内P「ど、どの位と言われましても……」

莉嘉「……」ジーッ!

武内P「……!」


武内P「い……妹……!」

武内P「妹にしたい位……では、駄目でしょうか……?」


莉嘉「……」

莉嘉「えへへっ、それならオッケー☆」ニコッ!


美嘉「……!」

美嘉「……!!」
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:29:52.19 ID:l81koe8fo
莉嘉「カノジョじゃないのが、ちょーっとフマンだケドぉ……」

武内P「……すみません」

莉嘉「イイよっ☆ だって、PくんはPくんだもんね☆」ニコッ!

武内P「えっ?」


莉嘉「アイドルは恋愛禁止、ってカンジだし」

莉嘉「それにアタシ達、アイドルとプロデューサーだもん」

莉嘉「だったらぁ、カレシカノジョより――」

莉嘉「――妹の方が、甘えほーだいだもんねっ☆」ニコッ!


武内P「は……はあ……」


美嘉「……」

美嘉「!!!」
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:34:13.84 ID:l81koe8fo
莉嘉「これから、いーっぱい甘えちゃうんだから☆」ニコッ!

武内P「……はい、わかりました」…クスッ

莉嘉「あーっ! Pくん、今笑った!?」

武内P「えっ? 私は、笑っていましたか?」


莉嘉「笑ってた……って、ヤバーイ!」

莉嘉「もう、レッスンの時間だった!」

莉嘉「それじゃあ、行ってくるねーっ!」

ガチャッ、バタンッ!


武内P「……頑張ってください」…ニコリ


美嘉「……」
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:40:31.43 ID:l81koe8fo
美嘉「……ゴホンッ! あー……」

武内P「? 城ヶ崎さん?」

美嘉「ちょっとイイ?」

武内P「はい、何でしょうか?」


美嘉「例えば……例えばの話ね?」

美嘉「皆から慕われて、頼られてるカリスマ的存在が居て」

美嘉「でも、そんなカリスマでも誰かに甘えたい時があって」

美嘉「……例えば! 例えばの話だからね!?」


武内P「は、はあ……」
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:46:05.80 ID:l81koe8fo
美嘉「でも、甘えるのに慣れて無くてさ? 例えばね?」

武内P「は、はい」

美嘉「だけど、チョー甘えたいの。ねえ、どうしたらイイと思う?」

武内P「そう、ですね……」


武内P「誰か、身近な人に相談してみるのはどうでしょうか?」

武内P「その方をよく知る人ならば……」

武内P「何か、良い解決策が見つかるかも知れません」


美嘉「……うん」

美嘉「そうだケド……そうなんだケドぉ!」
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:52:11.47 ID:l81koe8fo
美嘉「色々あるの! カリスマだから! 例え話だケド!」

武内P「色々、ですか……」

美嘉「そう! 言い出しにくいんだって! わかる!?」

武内P「……成る程」


武内P「ですが……」

武内P「言い出しにくいような事も、伝えられる」

武内P「そんな相手にこそ、甘えられるのではないか、と」

武内P「……そう、思います」


美嘉「……そ」

美嘉「そうかも知れないケド! ケド……でもぉ!」
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 22:58:38.04 ID:l81koe8fo
美嘉「素直になるって、そんな簡単じゃないし……!」

武内P「……そう、ですね」

美嘉「だから、甘えるのが下手なんじゃん……!」

武内P「……」


武内P「甘えるのが下手では、いけませんか?」

武内P「例え、どんな形であっても……」

武内P「それを受け入れるかどうかは、相手次第です」


美嘉「!」
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:03:20.77 ID:l81koe8fo
美嘉「相手次第……」

武内P「はい」

美嘉「でも……もし、断られたら?」

武内P「……そう、ですね」


武内P「……その方が、甘えたいと思う人ならば」

武内P「受け入れてくれるのではないでしょうか?」

武内P「そうでなければ……甘える相手には、選ばないでしょうから」


美嘉「!!」
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:06:20.66 ID:l81koe8fo
美嘉「今の言葉……ホント?」

武内P「はい、恐らくは……ですが」

美嘉「……じゃあ、さ」

武内P「はい」


美嘉「こう、ギュッと頭を抱きしめながらナデナデして」

美嘉「耳元で――いつも頑張ってて偉いね、って囁く」

美嘉「……なんてのは、アリ!?」


武内P「……」

武内P「えっ?」
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:09:56.16 ID:l81koe8fo
美嘉「アリかナシかで言ったら、どっち!?」

武内P「ひ、人によっては……有りなのではないかと」

美嘉「マジ!? いや、ちょっ……マジで!?」

武内P「え、ええ……」


美嘉「じゃじゃじゃじゃあ! じゃあさ!?」

美嘉「その状態のまま、そう……良いトコロ」

美嘉「良いトコロを100個位挙げてってくれるのって、アリ!?」


武内P「ひゃ……100個、ですか」
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:15:16.10 ID:l81koe8fo
美嘉「100個はダメ!? じゃ、じゃ50……30は!?」

武内P「そ、その位でしたら……大丈夫かと」

美嘉「待って! ちょっと待って! 待って待って!」

武内P「えっ? え、ええ……」


美嘉「えっ、ええっ? はっ? えっ?」

美嘉「いや! いやいやいや! いやいや、ちょっと!」

美嘉「……マジで? ねえ、マジでそんなのアリなの!?」


武内P「じょ、城ヶ崎さん……?」
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:23:18.42 ID:l81koe8fo
美嘉「ウソじゃないよね? ねえ……ねえ!」

武内P「は、はい」

美嘉「……い」

武内P「……?」


美嘉「妹じゃなくても!」

美嘉「お姉ちゃんでも、甘えたい時があるんだよねー!」チラッチラッ!

美嘉「いやホラ、年齢的には妹なカンジだケド! ケドぉ!?」ニヘラッ!

美嘉「あー、どうしよ!? どうしよっかなー!? ふひひ★」ニヘラァッ!


武内P「じょ、城ヶ崎さん……!?」
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:27:25.26 ID:l81koe8fo
美嘉「……ゴホンッ!」

武内P「あの……一体、何が……?」

美嘉「えー? それ、聞く? 聞いちゃうー?★」ニマニマ!

武内P「……はい」


武内P「城ヶ崎さんには、いつもお世話になっていますから」

武内P「私で、力になれる事でしたら……」

武内P「……何でも、仰ってください」


美嘉「……」

美嘉「何でも?」
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:32:29.42 ID:l81koe8fo
美嘉「ねえ、今……何でも、って言った?」

武内P「? はい」

美嘉「……ちょっとタンマ。話変わったから」

武内P「えっ?」


美嘉「…………」

美嘉「……っ!///」ボフンッ!

美嘉「あ……アタシ、そんなにエロくないから――っ!///」


武内P「城ヶ崎さん!?」

武内P「何の話ですか!? あの、城ヶ崎さん!?」
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:38:32.22 ID:l81koe8fo
  ・  ・  ・

武内P「……落ち着かれましたか?」

美嘉「う、うん……何かゴメン」

武内P「いえ、お気になさらず」

美嘉「え、と……さっきの話なんだケド、さ……?」

武内P「? はい」


美嘉「……っ!」

美嘉「アタシ、カリスマJKギャルで!」

美嘉「甘えたい時があるんだケド!」

美嘉「きょ、きょ……きょっ……」


美嘉「協力……して、くれない……?///」オズオズ…


武内P「城ヶ崎さん……」

武内P「――ええ、勿論です」ニコリ


美嘉「!」パアッ!
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:43:12.28 ID:l81koe8fo
美嘉「そ、そそ、それじゃあ……!///」

武内P「はい」

美嘉「あー……/// うー……///」

武内P「? あの、城ヶ崎さん?」

美嘉「へあっ!?/// なっ、何!?///」


武内P「城ヶ崎さんが甘えたい方、と言うのは……」

武内P「……誰、なのでしょうか?」


美嘉「……」

美嘉「はっ?」
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/09(土) 23:58:31.78 ID:l81koe8fo
美嘉「いや……アンタ……!」イラァ!

武内P「えっ? 私、ですか?」

美嘉「ふえっ!? あっ、いや! 今のは違くて!」アセアセ!

武内P「はあ……では、誰なのでしょうか?」


美嘉「……」

美嘉「…………」


美嘉「……みりあちゃんだよ……!」プルプル…!


武内P「それは、あの……はい、わかりました」

武内P「その……赤城さんに、お伝えすれば宜しいですか?」


美嘉「アタシのコトは、もうほっといて!」ピー!




おわり
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 00:43:35.10 ID:v4QBcQ8m0
いいとこまでいったのに・・・
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 03:17:59.96 ID:pPD9k87b0
お姉ちゃんのコロコロ変わる表情が見える
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 06:46:41.67 ID:pP0DiyLKo
このカリスマJK()は
なぜ肝心な所でヘタれるww
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 08:56:06.97 ID:4RzTga8Wo
またネタフリしたら書いてくれんのかな
季節がら
・卒業式
・花粉症
・ホワイトデー
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 19:13:32.88 ID:IOlHiZZ0o
書きます


武内P「花粉症かも知れません」
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 19:15:45.00 ID:IOlHiZZ0o
美波「えっ? か、花粉症ですか?」

武内P「はい」

美波「風邪が長引いてるのかと思ってたんですけど……」

武内P「ひどい方は、そういった症状が」


美波「――イクシュッ♡」ビクンッ!


武内P「……」

武内P「えっ?」
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 19:18:29.41 ID:IOlHiZZ0o
美波「す、すみません……!」

武内P「い、いえ……」

美波「でも、花粉症だなんて……」

武内P「ある日、突然なるものですか」


美波「――イクシュンッ♡」ビクゥンッ!


武内P「!?」

武内P「……!?」
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 19:20:56.54 ID:IOlHiZZ0o
美波「ご、ごめんなさい! 何度も……!」

武内P「あの、今のは!?」

美波「? くしゃみですけど……?」

武内P「くしゃみ!?」


美波「は――イクシュッ♡」ビクンッ!

美波「すみま――イクシュゥッ♡」ビクーンッ!


武内P「ま、待ってください!」

武内P「貴女のそれは、私の知るくしゃみではありません!」
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 19:27:06.84 ID:IOlHiZZ0o
美波「す、すみません! すぐマスクを……!」

武内P「え、ええ……!」

美波「あぁ……なんだか、体がダルい……」クタッ…

武内P「に、新田さん!?」


美波「――イクシュッ♡」ビクンッ!

美波「――い、い……イクシュウンッ♡」ビクゥーンッ!

パプリッ!

美波「や、やだ……!/// すっごくヌルヌル……!///」


武内P「ど、どうぞ新田さん! ティッシュです!」
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 19:33:37.65 ID:IOlHiZZ0o
美波「だ、ダメぇ……止まらない……!///」タラーン…

武内P「新田さん、これを使ってください!」

美波「あ、ありがとうございます……!///」タラーン…

武内P「あまり、強くせずに……!」


美波「は――イクシュッ♡」ビクンッ!


――ぷおんっ!


武内P「!? う、おおおおっ!?」

サッ!


……べちょっ!


美波「ご、ごめんなさい! ソファーがヌルヌルに……!」タラーン…

武内P「そ、それは構わないので! 先に、鼻をかんでください!」
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 19:39:24.08 ID:IOlHiZZ0o
美波「でも、頭がボーッとしちゃって……///」タラーン…

武内P「っ、失礼します……!」

スッ…

美波「ぷ……プロデューサーさん?///」タラーン…

武内P「私がティッシュを抑えているので、遠慮せずに……!」


美波「そ、それは――イクシュッ♡」ビクンッ!

美波「恥ずかし――イクシュウンッ♡」ビックゥンッ!


武内P「……かも、知れません」

武内P「が、事態が事態ですので、どうか……!」
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 19:45:23.13 ID:IOlHiZZ0o
  ・  ・  ・

コンコン、ガチャッ

アーニャ「ドーブラエ ウートラ、おはようござ――」


美波「も、もう出ません……!///」

武内P「新田さん、我慢なさらず……」

美波「でも、あっ、あっ、また――イクシュンッ♡」ビクンッ!

武内P「……やはり、まだ出ましたね」

美波「ううっ……すみません、ヌルヌルに……!///」

武内P「大丈夫です」


アーニャ「ニェ―――ット!」

アーニャ「プロデューサー!? 美波!?」
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 19:51:23.93 ID:IOlHiZZ0o
アーニャ「二人は、何をしていましたか!?」


美波「あっ、アーニャちゃん!?///」

武内P「! アナスタシアさん」

美波「これは、違うの!/// その、どんどん溢れてきちゃうから……///」

武内P「はい。力が入らないとの事なので、私が」

美波「代わりに拭いてくれ――イクシュウンッ♡」ビクゥンッ!

武内P「っ! まだ、出るようですね……」


アーニャ「ニェ――ット!」

アーニャ「アー……アー……! ンンン、ダメ! です!」
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:01:27.99 ID:IOlHiZZ0o
アーニャ「ソファーの後ろで、何をしてますか!?」

アーニャ「ニェート! プロデューサー! 美波!」

ずんずんずんずん!


美波「っ!?――イクシュッ♡」ビクンッ!

武内P「! アナスタシアさんが、外から来たから……」

美波「イクシュンッ♡ イクシュゥンッ♡」ビクゥンッ! ビックゥンッ!

武内P「新田さん! くっ……新田さん!」

美波「あっ、い、いいっ――イックシュウウンッ♡」ビックウゥンッ!


アーニャ「フヴァーチット ウジェ――ッ!!」

アーニャ「い、アー! アー! いい加減にして、ください!!」
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:10:14.56 ID:IOlHiZZ0o
  ・  ・  ・

武内P「……間違いなく、花粉症ですね」

美波「はい、そうみたいですね……」

アーニャ「アーニャは、信じていました」

武内P「今は落ち着いていますが……」

美波「……病院、今日は休みですからね」

アーニャ「アーニャは、信じていましたよ?」


武内P「ひとまず、今日を乗り切る事を考えましょう」


美波「はい……さすがに、かなり辛くなってきましたから」


アーニャ「アーニャは、信じていましたからね?」
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:15:56.67 ID:IOlHiZZ0o
武内P「……今日は、大事を取って帰るのが良いかと」

美波「ええっ!?」

武内P「その、新田さんはくしゃみをすると……はい」

美波「でも、今日のレッスンは大事な合わせがあるんです!」

アーニャ「美波……」


美波「今日一日だけなら、何とかなりませんか?」

美波「そのためなら、私――イクシュンッ♡」ビクンッ!

美波「どんな事でも、耐えてみせます!」


アーニャ「……やっぱり、美波は凄い、です!」

武内P「新田さん……」


武内P「……わかりました。何とか、頑張りましょう」
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:20:57.61 ID:IOlHiZZ0o
  ・  ・  ・

美波「――イックシュウンッ♡」ビックウンッ!


武内P「新田さん、諦めましょう」

アーニャ「ダー。プロデューサーの言う通り、です」


美波「そんなっ!?」

美波「私、まだやれます!」

美波「何だって――イックシュンッ♡」ビクゥンッ!


武内P「改善どころか、ひどくなってきていますから!」

アーニャ「このままだと、美波の体が、アー、保たない、です!」
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:26:48.52 ID:IOlHiZZ0o
美波「でも……でも、私……!」

美波「諦めたくなイクシュッ♡」ビクッ!


アーニャ「……美波」

アーニャ「……」

アーニャ「プロデューサー! お願い、です!」

武内P「アナスタシアさん?」

アーニャ「何か、方法はありませんか?」

武内P「いえ、ですが……」


アーニャ「美波を、助けてください!」


美波「――イックシュゥンッ♡」ビックゥンッ!


武内P「……わかり、ました」

武内P「……少しだけ、待っていてください」
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:36:44.65 ID:IOlHiZZ0o
  ・  ・  ・

アーニャ「――ハナノア?」

武内P「はい」

アーニャ「それは、何ですか?」

武内P「ハナノアとは――」


武内P「鼻うがい専用の、洗浄器具と洗浄液のセットです」

武内P「鼻の奥の汚れや菌――この場合は、花粉ですね」

武内P「それを……洗浄液で丸ごと洗い流します」

武内P「小林製薬の、ハナノア」


アーニャ「小林製薬の、ハナノア」


美波「イクシュンッ♡」ビクンッ!
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:42:46.77 ID:IOlHiZZ0o
アーニャ「なら……アー、移動した方が良い、ですね?」

武内P「いえ、ここで洗面器を使用して行います」

アーニャ「ここで?」

武内P「はい」

アーニャ「シトー? トイレではダメ、ですか?」

武内P「……あまり、使用している姿を見られたくはないでしょうから」

アーニャ「……アー……そう、ですね」


武内P「――新田さん。どうぞ、これを使ってください」


美波「イクシュッ♡ イクシュンッ♡」ビクッ! ビクンッ!


アーニャ「……美波?」
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:47:50.63 ID:IOlHiZZ0o
美波「い、イックシュゥンッ♡」ビックゥンッ!


アーニャ「プロデューサー! 美波が、変です!」

武内P「! くしゃみが、止まらなく……!?」

アーニャ「美波が、死んでしまいます!」

武内P「アナスタシアさん! 私が新田さんを抑えているので!」


武内P「アナスタシアさんが、新田さんにハナノアを使ってください!」


アーニャ「ニェート! 手にかかると、バッチイ、です!」


武内P「で、では! 私がやりますので、新田さんの体を抑えていてください!」


アーニャ「ダー! プロデューサーの言うことは、絶対、です!」


美波「イックシュンッ♡」ビックンッ!
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:54:53.45 ID:IOlHiZZ0o
アーニャ「美波! 頑張って、ください!」

ガシイッ!

美波「イクシュッ♡」ビクッ!

アーニャ「プロデューサー! 今、です!」


武内P「新田さん――失礼します!」

…つぷり

美波「ふ、あ……!」ピクンッ…

武内P「――!」

ぎゅっ!

美波「へあああぁぁぁ……」ビクンビクン…!

たぱぱぱぱっ…


アーニャ「ハラショー! 凄い勢い、です!」
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 20:58:42.13 ID:IOlHiZZ0o
武内P「――!」

ぎゅっ!

美波「ふあああぁぁぁ……」ビクンビクン…!

たぱぱぱぱっ…


アーニャ「ニェ――ト! 何か、塊が出ました!」


武内P「――!」

ぎゅっ!

美波「!?」ビクッ!

ばぶっふ!


アーニャ「ニェニェニェニェ――ット! バッチイ、です!」
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 21:09:26.24 ID:IOlHiZZ0o
  ・  ・  ・

美波「――先日は、ご迷惑をおかけしました」

武内P「いえ、お気になさらず……」

美波「それで、病院に行ってみたんですけど……」

武内P「やはり、花粉症でしたか?」

美波「はい……それで、お薬を処方して貰ったんです」

武内P「病院で処方される薬は、よく効きますから」

美波「でも……」


美波「副作用で、眠くなっちゃうんです」

美波「だから、本当に辛くなった時以外は――イクシュッ♡」ビクンッ!

美波「……出来るだけ、頼らずに頑張ります!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


武内P「私が本当に辛いので、きちんと服用してください」




おわり
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 21:25:47.34 ID:sPoHtPoSO
(鼻の)中に出されちゃった……

とか言うものと思ったぞこの花粉少女
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/10(日) 21:43:48.70 ID:v4QBcQ8m0
アーニャの自分に都合のいいことしか聞かない感じ好き
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 22:29:59.33 ID:IOlHiZZ0o
書きます


武内P「棟方さんに注意してください」
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 22:35:30.31 ID:IOlHiZZ0o
りあむ「棟方さん……って、愛海ちゃん?」

武内P「ご存知なのですか?」

りあむ「愛海ちゃん、顔がいいから!」

武内P「そう、ですね……」

りあむ「でも、なんで注意しなきゃなの?」

武内P「それは……」


愛海「――おはようございます♪」ニコッ!


りあむ「! お、おおっ、おはよう! うひぃ!」

りあむ「か、可愛い〜! 癒やされるぅ〜!」

武内P「棟方さん……! おはよう、ございます……!」
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 22:40:08.31 ID:IOlHiZZ0o
愛海「新人の方、ですよね?」ニコニコ!


りあむ「う、うん! ぼく、りあむちゃんだよ!」

武内P「夢見さん、彼女に近づいてはいけません!」


愛海「棟方愛海です、これから宜しくお願いします♪」ニコニコ!


りあむ「おお、おおぅ……と、尊いよぉ!」

武内P「夢見さん、彼女から離れてください!」

りあむ「もう、うるさいなぁ! やむよ!?」

武内P「彼女は、危険ですから……!」


愛海「……」ニコニコ!
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 22:45:18.52 ID:IOlHiZZ0o
愛海「危険だなんて、ひどいです……」ウルルッ!


りあむ「!? ああっ、ほら! 何て事言うのさ!」

武内P「ですが、事実です!」

りあむ「はー!? そんな訳ないよ! よ!!」


愛海「私、新人の人と仲良くなりたいだけなのに……」ウルウル!


りあむ「うわーん! やまないでー!?」

武内P「夢見さん!」

りあむ「甘やかすぅー! しゅきしゅきするぅー!」


愛海「……」

愛海「!」ギラリ!
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 22:52:33.45 ID:IOlHiZZ0o
りあむ「泣かないで! ぼくが癒やしてあげ――」


愛海「うっひょひょ〜い! 山登りの始まりだ――っ!」

ぴょい〜んっ!


りあむ「――ひえっ!?」ビクッ!


愛海「春の風に誘われて! あたし、行っきま〜すっ!」ワキワキ!

…わしっ!


りあむ「っ!?」

りあむ「……!」

りあむ「……あれ?」


愛海「馬鹿な……! あの一瞬で、割り込んだだと……!?」

わしわしわしわし!

武内P「んっくっ……! うっ、お、おおっ……!」ビクンビクンッ!


りあむ「地獄絵図!」
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 22:59:02.95 ID:IOlHiZZ0o
愛海「もうっ! どうして邪魔するの!?」

もみもみもみもみっ!

武内P「え、笑顔で……すんっ!」ビクンッ!

愛海「……笑顔?」

もみもみもみもみっ!

武内P「くうっ!? おっ、は……はいっ……!」ビクビクッ!

愛海「……」

すっ…


愛海「……今回は、この位にしておいてあげるね」

愛海「でも、次こそは――その山、登らせて貰うから」


武内P「はぁ……! はぁっ……!」

武内P「止めてみせます……ええ、何度でも」


りあむ「ね、ねえ! ぼくの事忘れてない!? やむ!!」
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 23:03:58.53 ID:IOlHiZZ0o
愛海「……新人さん」

愛海「――そのお山、預けておくね」


りあむ「あ、預けるも何も、ぼくのなんだけど!?」

りあむ「……って、行っちゃったし」

武内P「……夢見さん」

武内P「私の言葉の意味が、わかりましたか?」

りあむ「えと、もしかして……」


りあむ「ち……ちっ、ちちを揉まれるの?///」


愛海「――全身全霊でね」ワキワキ!


りあむ「っ!?」
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 23:12:13.95 ID:IOlHiZZ0o
りあむ「いつの間に後ろに――!?」


愛海「山ある所、あたしあり……」

愛海「ちちある所、母なる大地!」


りあむ「うわーん!? 意味がわかんないよ! よ!!」


愛海「うっひょひょ〜い! 身をもって教えてあげるよ――っ!」ワキワキ!

ぴょい〜んっ!


…わしっ!


愛海「……んー! この触り心地! あはっ♪ またしても――」

わしわしわしわし!

武内P「あっ、かっ……! ん、んんうっ……!」ビクンビクンッ!


りあむ「地獄絵図!」
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 23:19:33.01 ID:IOlHiZZ0o
愛海「もおおっ! 何で!?」

もみもみもみもみっ!

武内P「あ、貴女は……おぁっ!」ビクッ!

愛海「何?」

もみもみもみもみっ!

武内P「ちょ、挑戦する心を……わっ、すれない方ですか、らっ!」ビクゥッ!

愛海「……」

すっ…


愛海「……わかった。今度こそ、今回はあたしの負けだよ」

愛海「だけど、次は――その山、登頂するからね」ニコッ!


武内P「はぁ……! はぁっ……!」

武内P「……良い、笑顔です」


りあむ「やっぱりぼくの扱い雑いよね!? やむ!!」
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 23:24:42.15 ID:IOlHiZZ0o
愛海「……りあむちゃん」

愛海「――今度、一緒にシャワー浴びようね」


りあむ「えっ!? 急に距離感近くない!?」

りあむ「……って、行っちゃったし」

武内P「……夢見さん」

武内P「シャワー室までは、助けに行けません」

りあむ「言われなくても、それ位わかるよう!」


りあむ「と、とりあえず……その……」

りあむ「……助けてくれて、ありがと」ボソボソッ…


武内P「いえ、当然の事をしたまでです」


りあむ「うわーん! 何でバッチリ聞こえてるの!? やむ!!」
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 23:30:56.97 ID:IOlHiZZ0o
武内P「ですが……今後は、気をつけてください」

りあむ「ううっ、山じゃなくて人として見て欲しい……」

武内P「夢見さん……」

りあむ「愛海ちゃん、ぼくのちちしか見てなかった……やむ」

武内P「……」


武内P「夢見さん」

武内P「世の中には、持つ者も居れば……持たざる者も居ます」

武内P「なので……その……」

武内P「特定の方の前では、そういった発言は控えた方が良いかと」


りあむ「……あ、はい」
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 23:37:04.08 ID:IOlHiZZ0o
武内P「では、私はこれで……」

りあむ「うぅ、放置プレイ? やむ」

武内P「……いえ、そうではありません」

りあむ「だって、さっきみたいな事があったら……」

武内P「……」


武内P「大丈夫です」

武内P「――私を信じてください」ニゴォッ!


りあむ「明らかに大丈夫だと思ってない顔だようわーん!!」


武内P「……すみません、笑顔は苦手で」
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 23:44:55.79 ID:IOlHiZZ0o
武内P「それでは……レッスン、頑張ってください」

りあむ「頑張りはするけど、もっと甘やかして……」

武内P「……そう、言われましても」

りあむ「……」


武内P「レッスンを真面目に頑張れば……」

武内P「CDデ」


りあむ「レッスン、やるぅー!」ペカー!

りあむ「めちゃ目立てるな!? な!?」ニコニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 23:49:05.50 ID:IOlHiZZ0o
  ・  ・  ・

りあむ「ウッ! ハッ! ウッ! ハッ!」

りあむ「う〜っ……!」

りあむ「狼牙風風拳♪」

りあむ「……って、これじゃ本当にヤムチャだ! だー!!」

りあむ「……」

りあむ「ロンリ〜ウ〜ルフ〜♪」


愛海「……」


りあむ「……」

りあむ「!?」
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 23:54:35.95 ID:IOlHiZZ0o
りあむ「こ、こんにちは……!?」


愛海「――レッスン」

愛海「それは、激しい運動をする時間」

愛海「なればこそ、アイドルはそのための服に着替える……」

愛海「……開始前の、更衣室」

愛海「……そして、終了後のシャワー室」


愛海「――ビフォー! そして、アフター!」

愛海「あたしは、どっちのお山も素晴らしいと思うんだよね!」


りあむ「ぼ、ぼくが今からやるのはボイスレッスンだよ!?」


愛海「えっ!? じゃあ……ワキワキさせて♪」


りあむ「じゃあ、って何!?」
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/10(日) 23:59:00.91 ID:IOlHiZZ0o
愛海「大丈夫、怖くない怖くない……ぐへへ!」

りあむ「いやいや! その顔!」

愛海「顔?」キャルンッ!

りあむ「あ……可愛い……」

愛海「えへへ♪」ニコニコ!

りあむ「と、尊い……!」



武内P「――待ってください!」



りあむ「!」


愛海「ちいっ! またしても、邪魔をする気!?」
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/11(月) 00:07:01.22 ID:vwvkyAJfo
愛海「でも、その距離なら何も出来ないよ! うっひょひょ〜い!」ワキワキ!

ぴょい〜んっ!


りあむ「っ!? たっ、助け――」



武内P「プロデュースゾーン!!」

ゴゴゴゴゴゴ!



愛海「山登りの始ま……何!? 引き寄せられ――」

ぐ…くくっ……!


…わしっ!


武内P「……説明しましょう」

武内P「アイドルの方が、プロデューサーを見かけた時」

武内P「何故か、近寄っていく時に気持ち早足になってしまう……」

武内P「その気持ちを最大まで引き出すのが、プロデュースゾー」


愛海「もおおおおっ! あとちょっとだったのにいいいいっ!」

もみもみもみもみっ!

武内P「んんんんんんっ!?」ビクンビクンッ!


りあむ「何度この絵面を見せられるの!? やむ!!」
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/11(月) 00:19:22.90 ID:vwvkyAJfo
  ・  ・  ・

部長「……どうだね? 新しく入った子達の様子は?」

武内P「皆さん、とても頑張っていると思います」

部長「おお、そうかそうか! それは良かった!」

武内P「……はい」

部長「だが……気をつけなければいけない」


部長「スキンシップは、程度によっては構わないさ」

部長「だがね……」

部長「胸を揉ませるというのは、さすがにまずい」

部長「……本当に、頼むよ?」


武内P「はい、勿論です」


部長「……本当の本当に、頼むよ?」


武内P「……待ってください! 誤解です!」


武内P「棟方さんに注意してください!」




おわり
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/11(月) 00:47:17.53 ID:zJEv1RBSO
りあむの身長について触れる話あんまないよね?
りあむとくるみ、早苗さん、菜々さんでユニット組まないかなー
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/11(月) 01:34:33.09 ID:PU8ypm/J0
標的外しても揉み続けるんだ……
大きなお山なのは確かだけど……
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/11(月) 21:36:12.48 ID:vwvkyAJfo

「はぁ……」


 長い廊下を歩きながら、ため息を吐く。
 いつもの戯れだとはわかっていても、私にも感情はある。
 だが、お嬢さまの命に背く事は有り得ない。
 例えそれが、指定された場所へ行く、というだけのものであっても。


「……」


 指定されていたのは、この部屋……会議室だろう。
 中に誰が居るのかはわからないし、関係の無い事だ。
 何故なら、考える必要が無いから。
 コンコン、とノックをし、反応を待つ。



「――どうぞ」



 どうやら、誰も居ない部屋からの返事を待つ羽目にはならなかったらしい。
 その可能性が、全く無いとは言い切れなかったからだ。
 お嬢さまは、気まぐれに私に対して無茶振りをする事がある。
 さて、今回はどういったものなのやら……。


「失礼します」


 ドアを開け、室内に。
 果たしてそこは会議室であったようで、奥には会議机が置かれていた。
 その会議机から品定めされるようにして、椅子が五脚並んでいる。
 これは、何か意図がある配置なのだろうか。



「――何か?」



 私が無言で居続けたからか、問いかけられた。
 しかし、問われた所で、返す答えを私は持たない。


「はぁ……聞きたいのは、私の方なのですが」


 また、ため息が出てしまった――


 ――次の瞬間、



「君は、何だ?」



 空気が、重くなった。


「っ……!」


 思い当たる理由は、一つしかない。
 会議室に居た、



「もう一度聞く。君は、何だ?」



 灰色のスーツに身を包み、長い黒髪を後ろで束ねた長身の女。
 その女の放つ眼光が、真っ直ぐに私を射抜いているからだった。
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/11(月) 22:10:06.65 ID:vwvkyAJfo

「それに……何故、此処に居る?」



 会議室に、声が響く。
 その声に……空気に、圧されそうになる。
 しかし、お嬢さまはそれを望まないだろう。
 私も、そう簡単に怖気づくようには出来ていない。


「……お嬢さまより、此処へ行けと言われました」


 努めて冷静に、言葉を返す。


「だから来た……それだけです」


 それを聞いた女は、一言――そうか、と言った後、



「ならば、私は君に用は無い。出て行きなさい」



 と、私から視線を外して椅子に座ると、
置かれていたのだろう資料に目を通し始めた。
 先程から漂っていた重苦しい空気は、まるで感じない。
 それ所か――


 ――私が、まるで此処に居ないかの様に、女は振る舞っている。


「……!」


 お前は、何だ?
 一体、何の権限があって私に命令をしている。
 私は、お嬢さまに命じられて此処に来た。
 私とて、お前に用があった訳では無い!



「……聞こえなかったのか?」



 女は、手元の資料から目を離すことなく言った。
 私の相手などしている暇は無いと言わんばかりに。



「……もう一度言う。出て行きなさい」



 女の視線が、再度私を射抜く。



「此処は、君の様な者が居て良い場所では無い」



 視線に込められた感情は、好意的とはまるで真逆。
 敵意とも取れるそれを向けられ、思わず半歩下がった……下がって、しまった。
 だが、このまま引き下がるわけには行かない。


「……!」


 私は、下がらされてしまった足を……逆に、半歩踏み出した。
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/11(月) 22:42:00.83 ID:vwvkyAJfo

「私が此処に居てはならない理由を説明して貰いたい」


 この状況も、お嬢さまの戯れの一つなのだろうか。
 だとしたら、帰り次第申し上げなければ。
 今回の様な戯れは、今後はご遠慮願いたい、と。
 何度も不愉快な思いをさせられるのは、私とて御免ですから。



「何故だ?」



 女が、眉をしかめた。



「私が、そうする理由がどこにある?」



 不機嫌そうに首を傾けた拍子に、エメラルドのイヤリングが揺れた。
 私が何か答えを返すか、それとも、大人しく退室するか。
 どちらかをしない限り、女の機嫌が直る事は無いだろう。
 ならば、私の取るべき選択肢は一つだけ。


「私が、何を求められているかを知る必要があるからです」


 本心を言えば、今すぐにでも帰りたくはある。
 だが、お嬢さまはそうする事を望まないだろう。



「それは、君が『お嬢さま』に命じられているからか?」



 そうだ。



「……ふん、程度が知れるな」



 ……何?


「おい、お前……」


 今の、「程度が知れる」という言葉。
 その言葉は、お嬢さまに対する侮辱だな?
 お前如きが、何を理解している。
 お嬢様は――



「礼儀も知らない子供に、その躾も満足に出来ない主、か」



 ――……っ!?



「この城には、相応しくない。それが理由だ」



 女は、もう顔を上げる気は無いだろう。



「出て行きなさい。私は、あまり気が長い方ではない」
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/11(月) 23:16:53.79 ID:vwvkyAJfo
  ・  ・  ・

「……」


 結局、何も言い返す事が出来なかった。
 あの女の言い分が正しいと、理解してしまったから。


「……」


 正門を通り抜け、後ろを振り返った。
 そして、建物正面の天辺にある時計を確認する。
 時間にして、およそ十五分。
 それが、私が此処に足を踏み入れて、おめおめと逃げ帰るまでの時間だった。


「……」


 ――346プロダクション。


 視線を落とした先には、その文字が刻まれていた。
 私は、此処がどんな場所なのかも知らず……知っておこうとすら、していなかった。


「……」


 ……例えば。
 もし、お嬢様の元へ見ず知らずの者が現れ、


 ――命じられて此処へ来た。
 ――説明して貰いたい。


 等と言えば、


「……この城には、相応しくない」


 と、私も断じていただろう。
 むしろ、あの女の態度は、寛容だったとすら言える。
 年齢は定かでは無いが、私よりも一回りは確実に歳を重ねている。
 そんな大人に対して、取るべき態度では……無かった。


「……」


 此処は、私が守りたいと思う城では無い。
 しかし、だからこそ、‘わきまえなければ’ならなかったのだ。
 私は、お嬢様に仕える身。
 今回の私の失態は、お嬢様に不利益をもたらす可能性がある。


「……」


 お優しいお嬢様は、そうなったとしても笑って許してくださるだろう。
 だが、そうやって許されているだけの私を……


 ……私は、許さない。


「……」


 踵を返し、今は、背を向けて歩き出す。
 帰ったら、お嬢様に許しを請わなくては。


 失態と、次なる機会を。
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/11(月) 23:46:27.82 ID:vwvkyAJfo
  ・  ・  ・

「……ふぅ」


 会議室のドアの前に立ち、軽く息を吐いて呼吸を整える。
 中に誰が居るのかはわかっているし、大いに関係があった。
 何故なら、考えさせられたから。
 コンコン、とノックをし、反応を待つ。



「――どうぞ」



 あの女の声では、無かった。
 あの女の他に、何人かの人間が居るのはわかっていた。
 此処は、オーディション会場。
 346プロダクションに所属し――アイドルを目指す者が集う場所。


「失礼します」


 ドアを開け、室内に。
 前回と同じ様に、奥には会議机が置かれていた。
 その会議机に座る人物達から品定めされるために置かれた椅子は、一脚。
 今回のオーディションは、一人ずつの形式だった。


「……」


 口を開きかけた男性を……女は、無言のまま手で制した。
 そして、



「君は、何だ?」



 あの時と同じ様に、問いかけてきた。
 オーディションを受ける他の者とは違う反応だったのだろう。
 横に座る男性が、女の態度に不審げな視線を送っている。
 しかし、私の取るべき選択肢は一つだけ。



「白雪千夜と申します。以後、お見知りおきを」



 お嬢様に仕える者として、恥じぬよう、侮られぬよう。
 完璧な所作でもって、挨拶をする。


「ふむ……良いでしょう」


 当然です。
 お前が誰かは知らないが、この間とは訳が違う。
 今回は、言われるがままに此処に来たのではありません。
 私は今、己の矜持を賭けて此処に立っているのですから。



「専務の美城です。では、オーディションを始めましょう」



 女――専務は、口の端を釣り上げ、宣言した。





おわり
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 00:01:59.84 ID:sk5Mckq10
確かに専務受けの良さそうなキャラだな
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 04:48:06.12 ID:6lNHZ5cR0
まさかカッコいい専務がここで見れるとは
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 05:59:02.92 ID:cD4+kIPuo
「自分」を持ってない人間をそのまま受け入れるような人じゃないからな
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 21:47:22.58 ID:uVoEwQHIo
書きます


武内P「泣かせたい、ですか?」
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 21:50:53.34 ID:uVoEwQHIo
みく「そうにゃ! Pチャン、協力して!」

武内P「あの……それは、どういった意味でしょうか?」

みく「李衣菜ちゃんをギャフンと言わせたいの!」

武内P「ま、前川さん!?」


みく「実写そのままじゃないと泣けない、って!」

みく「吹き替えとかロックじゃないー、なんて言われたんだよ!?」

みく「だから、教えてやるにゃー!」


武内P「……成る程、そういう事でしたか」
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 21:54:12.91 ID:uVoEwQHIo
みく「みく、声のお仕事ってすっごく大切だと思うの!」

武内P「ええ、とても頑張っていると思います」

みく「でしょー!? なのに……泣けない、だなんて!」

武内P「それで……協力、とは?」


みく「――泣ける、アニメ映画!」

みく「Pチャンのオススメの、泣けるアニメ映画を教えて欲しいにゃ!」

みく「Pチャン、アイドルを泣かせるの得意でしょ!?」


武内P「ま、待ってください!」

武内P「前川さんの、私へのイメージは……そういった感じなのですか!?」
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 21:58:17.25 ID:uVoEwQHIo
みく「ねえ、Pチャン! 何か無い?」

武内P「しかし、突然そう言われましても……」

みく「出来れば、不意をついて泣かせるのが良いにゃ!」

武内P「そう、ですね……」


武内P「――『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』」


武内P「……は、どうでしょうか?」


みく「……」

みく「えっ、ポケモン?」
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:02:12.58 ID:uVoEwQHIo
みく「えー? ポケモンって泣けるのー?」

武内P「今年、丁度リメイク版の映画がやりますから……」

みく「あっ、それと見比べたりも出来るから?」

武内P「はい。公開は先ですが、何かの参考になるかと」


みく「……そう、だね」

みく「わかったにゃ! 李衣菜ちゃんを誘って――」

みく「『ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』!」

みく「――この映画の鑑賞会をやってみるにゃー!」


武内P「はい」

武内P「……ハンカチは、忘れないでください」
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:07:26.69 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

みく「――さあ、李衣菜ちゃん! 覚悟は良い!?」

李衣菜「覚悟って……映画を見るだけでしょ?」

みく「ま、まあ、そうだけどぉ〜?」

李衣菜「……みくちゃん、何か企んでない?」

みく「べっ、別に!? そんな事ないにゃ!」

李衣菜「……なーんか怪しいなぁ」

みく「ほほっ、ほらほら! 始まるよ!」

李衣菜「……ま、良いか」


李衣菜「ポケットモンスターって、子供向けでしょ?」

李衣菜「それに、アニメだし……」

李衣菜「……ま、気楽に楽しもうかなー」


みく「にゅっふっふ……!」
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:11:37.36 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

後日


みく「――Pチャン! 聞いて聞いて!」

武内P「前川さん?」

みく「作戦、大成功だったにゃ! ボロッボロ泣いてた!」

武内P「それは……おめでとうございます、で良いのでしょうか……?」


みく「もうね! 最後の方なんか涙が止まらなくて!」

みく「ぷぷぷっ! 李衣菜ちゃんったら!」

みく「みくがティッシュ使い切ってて、鼻かめずに困ってたんだよ!」


武内P「あの……」

武内P「前川さんの方が、号泣していませんか……?」
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:16:31.78 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

ガチャッ!

菜々「――失礼しますっ!」


武内P「……安部さん?」

武内P「おはよう、ございます」


菜々「おはようございますっ☆ キャハッ!」ビシッ!

菜々「それで、早速本題なんですけど!」


菜々「――泣かせたいんです!」


武内P「……」

武内P「はい?」
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:22:19.23 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

武内P「……成る程。前川さんが、安部さんと話しているのを聞いて」

菜々「そうなんです!」


菜々「――さすがに、この歳になるとアニメじゃ泣けないわ」

菜々「――そうねぇ。あたし達、もうお姉さんだし」

菜々「――ふふっ、菜々さんのそういう所、可愛らしいですね」

菜々「――パイセンは、中身も若いんだな☆ 無理すんな?」


菜々「……って、生暖かい視線を向けられたんですよ!?」

武内P「は、はあ……そう、ですか」
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:27:54.94 ID:uVoEwQHIo
菜々「そりゃあ、アニメって子供っぽいかも知れませんけど……!」

武内P「……そういう考えも、否定は出来ませんね」

菜々「でもっ! 良いものは、良いですよね!?」

武内P「……はい、私もそう思います」


菜々「だから! 皆を泣かせる、オススメ映画!」

菜々「それをナナに教えてください!」

菜々「さりげなーく、それを見る流れにして……」

菜々「涙で化粧を落として、顔をグッチャグチャにしてやりたいんです!」


武内P「……安部さん」

武内P「その発想は、少し子供っぽすぎるのでは……?」
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:32:16.60 ID:uVoEwQHIo
菜々「お酒も入れて、倍率ドンですよー!」

武内P「ですが……安部さんは、お詳しいのでは?」

菜々「それは……そうなんですけど……」

武内P「?」


菜々「ナナは、その……」

菜々「……すぐ、感動しちゃって……ですね?」

菜々「この歳になると、何を見ても泣いちゃ――」

菜々「――じぇ、JK! JKだから、年代が違うかなー、って!?」


武内P「……成る程」
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:42:04.14 ID:uVoEwQHIo
菜々「お願いします! 何か、オススメを!」

武内P「そう、ですね……」

菜々「あの大人達に、目にもの見せられるようなのを!」

武内P「大人達……」


武内P「――『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』」


武内P「……は、どうでしょうか?」


菜々「……」

菜々「本気で、泣かせる気ですね……!?」
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:46:19.37 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

菜々「――せっかくの宅飲みで、話してるだけも何なので……」

菜々「……ちょっと、映画でも流しません?」


瑞樹「あら、良いじゃない」

早苗「たまにはそういうのも悪くないわね」

楓「映画は、何があるんですか?」

心「やっぱり、スウィーティーな恋愛映画かな☆ でしょ?」


菜々「まあまあ……それは、始まってからのお楽しみで」…ニヤリ


瑞樹・早苗・楓・心「……?」
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 22:47:08.70 ID:sk5Mckq10
ひどい顔になりそう
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 22:50:51.62 ID:yFWd+o9O0
これ歳食ってる人ほどぶっ刺さるヤツでは・・・?
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:51:35.39 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

鑑賞開始〜


瑞樹「……うわ、クレヨンしんちゃんじゃない」

早苗「懐かしいわねー! 小さい頃、たまに見てた!」

楓「オトナ帝国の逆襲? なんだか、物騒ですね」

心「ギャグアニメだから、どうせ大したこと無いぞ☆ 余裕☆」


菜々「泣けはしないでしょうけど、笑えますからね!」

菜々「まま、流し見程度で♪ キャハッ!」


菜々「……ふっふっふ」
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 22:58:55.19 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

鑑賞中〜


瑞樹「あはは、昔の作品って大らかよね〜!」

早苗「あっはは、下ネタきっつい! あっははは!」

楓「素敵ですよね、笑いの耐えない家庭って」

心「おーい? その感想はちょっとズレてるぞ?」


菜々「いやー、笑えますよね!」

菜々「やっぱり、アニメは泣けるものじゃなないですよねぇ!」


菜々「……ふっふっふ」
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 22:59:09.80 ID:1LhBCeUDO
マジでアカンて…
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 23:02:54.05 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

鑑賞中〜


瑞樹「ん……ん……? あ、グラス空だったわ……」

早苗「ちょっと何よ……って、あたしもだった……」

楓「皆……どう、なってしまうんでしょうか……」

心「ごめん、ちょっと……集中したい……」


菜々「……」ジーッ…


大人達「……」ジイイッ…
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 23:07:23.96 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

鑑賞中〜


瑞樹「いや、これは……ちょっと……」グスグスッ…!

早苗「ズルいでしょ……こんなの……」メソメソッ…!

楓「はい……これは……」ポロポロッ…!


心「パイセン、ティッシュ……ティッシュ……!」ダバー!

菜々「ずみ゙ま゙ぜん゙……ぢー゙ん゙っ!」グチャア!


大人達「……!」スンスンッ…!
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 23:07:34.57 ID:TTpw4WiMO
オトナ帝国とアッパレ戦国は覚悟してから見ないといけないわ
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 23:10:55.90 ID:uv39N8tL0
子供目線大人目線どちらでも泣けるから困る
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 23:12:41.89 ID:uVoEwQHIo
  ・  ・  ・

〜鑑賞終了


大人達「……」


瑞樹「はぁ……泣いたわ……」

早苗「そうね……やられた、って感じ……」

楓「……ふふっ、皆……ひどい顔ですね……」

心「ファンには見せられない……見せないぞ……」


菜々「……はふぅ」


菜々「やっぱり、映画って良いものですねぇ……!」


大人達「……!」クスクスッ…!
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 23:18:39.09 ID:L+kNPU430
あの頃の映画は子供大人関係なく泣かせにくるのやめてほしい
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 23:19:53.92 ID:uVoEwQHIo
瑞樹「駄目ね……涙もろくなってるのかしら」

早苗「子供が頑張ってるのを見ると、アレじゃない?」

楓「年少組の子達を思い出しちゃいました?」

心「そうそう! 頑張れー、ってなった! なれ!?」

菜々「なりましたよ!? 勿論じゃないですか!」


菜々「……それと、子供時代を思い出して」

早苗「そうそう! あたしも、無邪気だったわー!」

瑞樹「あら、今でも皆は無邪気だと思うわ」

楓「はーい♪ 無邪気でーす♪」

心「はぁとは、いつでもフレッシュだぞ☆」


大人達「……ふふふっ!」ニコッ!
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/12(火) 23:31:50.52 ID:uVoEwQHIo
瑞樹「でも、今日のこれは……」

早苗「この前の話の、逆襲ってわけ?」

楓「だとしたら……ふふっ、見事にやられちゃいましたね」

心「やるじゃん、ウサミンパイセン! やってくれたな?☆」

菜々「ぎくっ!?……あはは、実はそうなんですけどね」

菜々「でも……」

菜々「アニメ映画も、泣けますよね?」ニコッ!


瑞樹・早苗・楓・心「そうですね!」ニコッ!


大人達「ふふふふっ!」ニコニコ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「――しかし……何故、宅飲みの会場が私の家なのですか?」


大人達「?」キョトン


武内P「……」

武内P「泣いても、良いですか?」




おわり
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 23:42:01.43 ID:wPS7Q7Xgo
だって武内Pの家ってホームシアターとか置いてそうだし…
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/12(火) 23:43:14.69 ID:cD4+kIPuo
宵乙女+瑞樹-美優とか癒やしのかけらもないw
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 00:13:04.12 ID:qpON0aXDO
三十路近くで秒速5センチメートルを観終わった時自然と頬が濡れてた
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 00:38:14.42 ID:S6IZRG83O
確かに年食うともう何でも泣いてしまうんだよなあ
この前ヨヨとネネで泣いたわ
もう子供が青臭く頑張ってるので大体あかん
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 00:51:21.05 ID:AjBDpAKj0
そういや武Pが泣いてるところって想像つかないな
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 01:15:08.65 ID:27hIyuFj0
年取ると親の目線になってたまゆらでも泣ける様になるとか
カリスマさん年取ったらすごい涙脆くなりそう
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 01:29:59.53 ID:ojYYbtTko
逆に昔泣き虫だったキャラは凄く冷めた目で見るようになりそう
今回のSSRの娘とか、年取ったら時子様のようになったりして
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 08:33:31.25 ID:7JY8/ByLO
>>922
凛に舌打ちされて涙目だったし
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 12:47:39.84 ID:yUv1TNcd0
甘々と稲妻とユーフォニアム見たらガチ泣きしてしまったぞ
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 22:27:12.39 ID:vaUtCmZlo
書きます


武内P「今日は風が強いですね」
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 22:29:50.87 ID:vaUtCmZlo
武内P「皆さん、寒くはありませんか?」

莉嘉「トーゼン、アタシはヘーキだよ☆」

美嘉「アタシも大丈夫かなー」

きらり「きらりん、この位の風ならへっちゃらだゆ☆」

みりあ「うーん……ちょっと寒いかも」


武内P「では、私の後ろに――」

みりあ「良いの? えへへっ!」

ぎゅっ!

武内P「――あ、赤城さん!?」


莉嘉・美嘉・きらり「!?」
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 22:32:34.46 ID:vaUtCmZlo
みりあ「わーっ! プロデューサー、あったかーい♪」

武内P「あの、そういう意味では無く……!」

みりあ「えっ? 違うの?」

武内P「抱きついてください、という意味では無く、ですね!?」

みりあ「……あっ、そっか!」


みりあ「よいしょ、っと……」

もそもそっ!

武内P「あ、赤城さん!?」

みりあ「わーっ! スーツの中、もっとあったかーい♪」


莉嘉・美嘉・きらり「!!?」
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 22:35:11.60 ID:vaUtCmZlo
莉嘉「みりあちゃんズルーイ! アタシもー!」

美嘉「ちょっと莉嘉!? アンタ、何言ってんの!?」

きらり「みりあちゃん! Pちゃん、困っちゃってるゆ〜!」


みりあ「こうやって、前に手を回して……」

もぞもぞっ!

武内P「あ、赤城さん! わ、脇腹は……っく!?」ビクンッ!

みりあ「すごいすごい! あったかーい♪」


莉嘉・美嘉・きらり「……!?」
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 22:39:25.21 ID:vaUtCmZlo
莉嘉「えーっ!? アタシも入れてよー!」

美嘉「莉嘉ー!? その発言は誤解を招くからー!」

きらり「Pちゃん! 上着のボタンを外すにぃ!」


武内P「! 成る程、その手が……!」

プチ、プチッ!

みりあ「え〜っ!? もうちょっとだけ〜!」

ぎゅうっ!

武内P「……駄目です! 離れてくれません!」


莉嘉「Pくぅーん!?」

美嘉「ちょっとー!?」

きらり「頑張ってにぃ〜!」
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/13(水) 22:41:50.58 ID:c+gtpj6DO
うっかり胸か尻か前を触るのですな
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 22:43:00.89 ID:vaUtCmZlo
みりあ「えへへ♪ プロデューサー、独り占め〜♪」

武内P「あの、赤城さん!? そろそろ……!」

みりあ「それじゃあ……ん〜っ♪」

ぎゅうっ!


莉嘉・美嘉・きらり「……!」


みりあ「……はいっ! もう大丈夫♪」

ぱっ!

武内P「……!」ホッ!


みりあ「プロデューサーのおかげで、あったまっちゃった♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「ですが……お願いですから、今後は控えてください」


莉嘉・美嘉・きらり「……」
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 22:45:46.03 ID:vaUtCmZlo
みりあ「えへへ♪ もう、全然寒くないよ♪」ホクホク!

武内P「それは……はい、良かったです」

みりあ「うんっ! プロデューサーのおかげ!」

武内P「は、はあ……」


莉嘉「――Pくん」

莉嘉「なんか、アタシも寒くなっちゃったー☆」


武内P「えっ?」


美嘉・きらり「……」

美嘉「はいっ!?」きらり「にょわっ!?」
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 22:49:37.96 ID:vaUtCmZlo
莉嘉「ねぇ〜? どうしたら良いと思う〜?」ニンマリ!

武内P「わ、私の上着をお貸しますので……!」

ごそごそっ!

莉嘉「――隙ありっ! がおー☆」

ぎゅっ!

武内P「!?」

莉嘉「イヤーン☆ アタシ達、まるでラブラブだねっ☆」

ぎゅうっ!


美嘉「りっ、りりり、莉嘉!? 何してんの!?」

きらり「にょ、にょわっ、にょわわわわっ!?」
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 22:52:55.19 ID:vaUtCmZlo
みりあ「あーっ! 莉嘉ちゃん、前からなんてズルイー!」


莉嘉「エヘヘ☆ これも、ギャルのたしなみってカンジ?」

ぎゅっ!

武内P「っ……!? 上着で、腕が……!」

莉嘉「もー! そんなイイワケしちゃってー☆」

くりくりっ!

武内P「っ!?」ビクッ!

莉嘉「アハハッ♪ Pくん、ビクッってしたー☆」


美嘉「きらりちゃん! 莉嘉を止めるの手伝って!」

きらり「う、うん! このままじゃ、とぉ〜ってもまずいにぃ!」
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 22:58:12.17 ID:vaUtCmZlo
きらり「莉嘉ちゃん、Pちゃんとっても困ってるゆ!」


莉嘉「でもぉ、Pくんの困ってる顔ってカワイイよねっ☆」

ぎゅっ!

武内P「じょ、城ヶ崎さん!?」


きらり「わかります」

美嘉「きらりちゃん!? 説得されちゃ駄目だよ!?」

きらり「にょわっ!? ご、ごめんなしゃー!」

美嘉「コラ、莉嘉! いい加減離れな!」


莉嘉「え〜? お姉ちゃん、ジェラってるのぉ〜?」ニヤニヤ!

ぎゅうっ!

武内P「い、いけません! 離れてください!」


美嘉「ジェラっ!?/// じぇっ、ジェ、ジェララ!?/// ジェラランラ――っ!?///」

きらり「美嘉ちゃん!? 言葉を忘れちゃ駄目だゆ!?」
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 23:07:39.20 ID:vaUtCmZlo
武内P「っ! 上着が……!」

がしっ!

莉嘉「あっ、そんなに肩を強く……!」ピクッ!

武内P「! す、すみません!」

莉嘉「もー……コレで、許したげるっ☆」ンーッ…


美嘉「何で目ぇつぶってるの!? えっ!? 何で!?」

きらり「うっ、うっきゃ〜っ!? それはメッだゆ〜!?」

美嘉「それって何!? 何なの!? 何!? カリスマ!?」

きらり「にょわっ!? な、何と言われてもぉ〜……!?///」ワタワタ!


みりあ「わーっ! プロデューサー、キスするの!?」


美嘉「」ポロンッ――ミ★

きらり「美嘉ちゃん!? 何か落っこちたにぃ〜!?」
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 23:13:01.26 ID:vaUtCmZlo
武内P「……城ヶ崎さん」

莉嘉「エヘヘッ☆ ジョーダンだよ☆」

ぱっ!

武内P「……!」ホッ!

莉嘉「もしかして、ザンネンだった?☆」ニンマリ!

武内P「あまり……からかわないでください」

莉嘉「アハハッ☆ ゴメンね、Pくん♪」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


美嘉「」

きらり「美嘉ちゃん! しっかりしてにぃ! 今、元に――それーっ!」

――すぽんっ★

きらり「うっきゃー! 入って行ったにぃ!」

美嘉「……はっ!? 此処は……!?」
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 23:18:28.75 ID:vaUtCmZlo
莉嘉「でも、チョーあったかかったー☆」

みりあ「うんうん! 寒かったら、また良ーい?」

武内P「……もう、春になりますから」

莉嘉・みりあ「そっかー……」

莉嘉「それじゃあ、春が過ぎて夏が終わってぇ」

みりあ「秋になったら、またぎゅ〜っとさせてね♪」

莉嘉・みりあ「お願〜い♪」ニコッ!

武内P「……け、検討はします」


美嘉「……アイツ、またあんな曖昧な言い方して!」

きらり「……ここは、きらりん達がメッてしないとにぃ!」

美嘉・きらり「……!」フンス!
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 23:24:18.33 ID:vaUtCmZlo
美嘉・きらり「ふ」


莉嘉「ねえ、お姉ちゃん達はギュッてしなくてイイの?」

みりあ「せっかくだし、二人もあったまった方が良いよー!」


美嘉「ほあっ!?///」きらり「にょわっ!?///」


莉嘉「ねえ、Pくんもそう思うよね?」

武内P「えっ!?」

みりあ「あったまってた方が、良いパフォーマンスが出来るもんね?」

武内P「えっ!?」


美嘉「……確かにそうかも」

きらり「……知れないにぃ」

美嘉・きらり「……///」…チラッ


武内P「ま、待ってください!」

武内P「あの……冗談です、よね!?」
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 23:28:50.62 ID:vaUtCmZlo
美嘉「……ねえ、莉嘉ー?」

莉嘉「何? お姉ちゃん」

美嘉「あったまったお陰で、今日のLIVEは?」

莉嘉「バッチリ☆ サイッコーのアタシが見せられるよっ☆」

美嘉「へー! そっかー★」


きらり「……ねえ、みりあちゃん?」

みりあ「何? きらりちゃん」

きらり「あったまるって、とぉ〜っても大事だよにぃ?」

みりあ「うんうん! 元気いーっぱいになるよっ!」

きらり「うっきゃー☆ ハピハピすゆんだにぃ☆」


美嘉・きらり「……///」…チラッ


武内P「待ってください!」

武内P「あの、さすがに……お二人の年齢を考えると!」
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 23:35:11.43 ID:vaUtCmZlo
きらり「そっ、そうだよにぃ〜! きらりん達、17歳だもん!」

美嘉「さっすがにね!? マズいからね! うん!」


武内P「……!」ホッ!

武内P「はい……! その通りです……!」


莉嘉「でも、Pくんからしたらまだコドモなんじゃない?」

みりあ「うんうん、オトナになるのって難しいもん」

莉嘉・みりあ「ねー!」


美嘉「……等という意見も」

きらり「……ありますゆ?」

美嘉・きらり「……///」…チラッ


武内P「あの……アイドル!」

武内P「アイドルと、プロデューサーですから!」
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 23:40:09.23 ID:vaUtCmZlo
美嘉「!? そう、アイドル! カリスマJK、城ヶ崎美嘉! カリスマ!★」

きらり「!? きゅんきゅんぱわーで、魔法が解ける所だったにぃ!」


武内P「……!」ホッ!

武内P「はい……! よく、正気に戻って……!」


莉嘉「でも、ファンの皆にサイコーのLIVEを届けるのがアイドルで」

みりあ「うんうん、それを手助けしたいってプロデューサーは言ってたよ」

莉嘉・みりあ「ねー!」


美嘉「……等という意見も」

きらり「……ありますゆ?」

美嘉・きらり「……///」…チラッ


武内P「いえ、あの……!?」

武内P「待ってください……待ってください……!」
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 23:47:45.34 ID:vaUtCmZlo
美嘉「あ……なんか、両手を広げたくなったなー」

きらり「うきゅ……きらりんも、伸び〜っとしたくなったにぃ」

美嘉・きらり「……///」

すっ…

美嘉・きらり「……!///」ソワソワソワソワ!


武内P「!?」

武内P「あの、諸星さん!? 城ヶ崎さん!?」


莉嘉・みりあ「よいではないか♪ よいではないか♪」

莉嘉・みりあ「ほらほら、二人もー!」


美嘉「よっ、よよっ、よっ、よーよーおー……はー、ヤバー……!///」ソワソワ!

きらり「よいでは……うぇへへ、にょ、にょわ、は、恥ずかすぃー!///」ソワソワ!


武内P「……!?」
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 23:51:49.14 ID:vaUtCmZlo
武内P「……す、少しだけ」


美嘉・きらり「……?///」


武内P「少しだけ、時間を頂けますか……!?」


美嘉・きらり「……」

美嘉・きらり「……///」モジモジモジモジ!

美嘉・きらり「……///」…コクリ


武内P「……ありがとう、ございます」


美嘉・きらり「……///」

美嘉・きらり「……///」ソワソワソワソワ!


武内P「……」
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/13(水) 23:57:01.27 ID:vaUtCmZlo
  ・  ・  ・

翌日


ちひろ「……成る程、そんな事があったんですね」

武内P「……はい」

ちひろ「それで……ギュッとしたんですか?」

武内P「……いえ」


武内P「スタッフの方が来るまで、なんとか時間を稼ぎ……」

武内P「……やり過ごしました」


ちひろ「……ですよね」

ちひろ「そうじゃなかったら、説明がつきませんから」


武内P「……ですが、そのせいで」


武内P「昨日から風当たりが強いです」





おわり
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 02:04:28.62 ID:Myr6Xa2nO
お姉ちゃんズには敵わないだろうけど、みりあちゃんも結構な感触だったと思われる
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 20:15:27.91 ID:WKjEQ4FFo
書きます


武内P「卒業文集、ですか?」
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 20:18:41.85 ID:WKjEQ4FFo
拓海「おう、何に使うか心当たりはあるか?」

武内P「あの……それは、仕事の話でしょうか?」

拓海「あぁ? それ以外に何があるんだよ」

武内P「……そう、ですね」


武内P「例えばですが、TV番組等で――」

武内P「――子供の頃は、こんな子でした、と」

武内P「……そう、紹介する時でしょうか」


拓海「あぁ……成る程な」
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 20:22:38.29 ID:WKjEQ4FFo
拓海「……チッ! あの野郎……!」

武内P「何かあったのでしょうか?」

拓海「アイツが、卒業文集を持ってこいっつったんだよ」

武内P「向井さんの担当が、ですか?」


拓海「あの野郎……! 何が――」

拓海「――良いから良いから〜……だ、コラァ!」

拓海「何か狙ってたのはわかってたンだよ!」


武内P「……成る程」
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 20:25:29.87 ID:WKjEQ4FFo
拓海「ありがとな、お陰で助かったぜ」

武内P「いえ……」

拓海「オイ、まさか……アイツの肩持つってんじゃねェだろうな?」

武内P「……向井さん、落ち着いて聞いてください」


武内P「たった今、貴女の担当から……」

武内P「……画像が添付されたメールが届きました」


拓海「……」

拓海「はぁっ?」
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 20:27:42.14 ID:WKjEQ4FFo
拓海「それが何だよ?」

武内P「……私の予想が正しければ、ですが」

拓海「だから、何だってンだ?」

武内P「……」


武内P「――私の夢」


拓海「はぁ? いきなり何言ってンだ?」


武内P「――六年三組 向井拓海」


拓海「……」

拓海「!?」
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 20:31:20.61 ID:WKjEQ4FFo
拓海「オイ!? アンタ、それ!?」

武内P「……一応、確認させてください」

拓海「いや、待て! 待て待て待て待て!」

武内P「……」


武内P「卒業文集の、タイトル」

武内P「それは……『私の夢』ですか?」


拓海「……おい」

拓海「どこまで読んだ!? 答えろコラァ!」
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 20:35:33.07 ID:WKjEQ4FFo
拓海「チラッと見ただけだろ!? そうだよなぁ!?」

武内P「……は、はい」

拓海「そ、そうか……危ねぇ所だったぜ……」

武内P「……」


拓海「まさか、アタシが――動物のお医者さんになりたい」

拓海「……なんて、ガキの頃に思ってたなんて知られたらよォ」


武内P「えっ?」

武内P「――素敵なお母さんになりたい」

武内P「……では?」


武内P・拓海「……」


拓海「やっぱりガッツリ見てんじゃねェかコラァァァ!!///」


武内P「す、すみません! 向井さん、すみません!」
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 20:42:40.21 ID:WKjEQ4FFo
拓海「テメェ、コラぁ!/// 何がチラッとだよ、あぁ!?///」

武内P「そ、それは本当です!」

拓海「あらかじめ知ってたとかだったら、ぶっとばすぞ!?///」

武内P「いえ! そんな事は、決して!」


拓海「まさかとは思うが、アタシが――子供は沢山欲しい」

拓海「……なんて、書いてた所までは確認してねェよな?」


武内P「えっ?」

武内P「――女の子と男の子、一人ずつ」

武内P「……では?」


武内P・拓海「……」


拓海「ふっっっざけんじゃねェぞ!?/// テメェ、お、おお、あぁっ!?///」


武内P「す、すみません! つい、一瞬で全て目を通してしまいました!」
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 20:50:57.63 ID:WKjEQ4FFo
拓海「テメェ、もう全部読んだってのか!?///」

武内P「と……とても、大胆な字をお書きになるのですね」

拓海「おう! 何事も勢いが大事だからよ!」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


拓海「大事なのは、綺麗か汚いかじゃねぇ」

拓海「書いた時の気合が伝わるかどうかだぜ!」グッ!


武内P「……はい」

武内P「写真からでも、この文集を書いた時の向井さんの想い」

武内P「……それが、とても伝わってきます」


武内P・拓海「……」


拓海「伝わってンじゃねェぞコラァァァ!!?///」


武内P「えっ!? いえ、あの……す、すみません!?」
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 20:56:31.46 ID:WKjEQ4FFo
拓海「クソッ! 何で、アイツがアタシの卒業文集を!?」

武内P「……346プロダクションは、大手ですから」

拓海「ンだその理由!?」

武内P「……向井さん」


武内P「残念ですが……はい」

武内P「……」

武内P「笑顔です」


拓海「笑えねェんだよこっちはよォ!?」

拓海「っつーか、何でアイツはアンタに写真送ってんだァァァ!!」
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 21:01:33.60 ID:WKjEQ4FFo
拓海「さっさと画像を消してくれ! っつーか消せ、頼むから!」

武内P「は、はい」

拓海「……うし! 消したな!? 跡形もなく!」

武内P「……向井さん、落ち着いて聞いてください」


武内P「たった今、貴女の担当から……」

武内P「……LINEが来ました」


拓海「……」

拓海「はぁっ!?」
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 21:04:55.10 ID:WKjEQ4FFo
拓海「アイツ、何て言ってンだ!?」

武内P「……今、確認してみます」

拓海「ナメた事言ってたら、すぐ教えろよな!?」

武内P「……」


武内P「……私が、代わりに謝っておいてくれ、と」

武内P「そう……言っています」


武内P・拓海「……」


武内P「……申し訳、ありません」


拓海「謝ってんじゃねェェェ!!」
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 21:11:21.58 ID:WKjEQ4FFo
拓海「ふざけやがって! 今度会ったらただじゃおかねえ!」

武内P「……っ!?」

拓海「アンタじゃねえよ、アタシの担当のあの馬鹿だ」

武内P「そ、そうですね……!」


武内P・拓海「……」


拓海「……羅陰で、何か来たのか」


武内P「……!」


武内P・拓海「……」


拓海「見せろ、オイ! 何が送られてきた!? 見せろやぁ!」


武内P「見ない方が! 知らない方が、幸せでいられます!」
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 21:16:14.47 ID:tNReQT70o
拓海かわええな
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 21:17:58.47 ID:WKjEQ4FFo
拓海「良いから見せろコラァァ!!」

ヒュ―


武内P「プロデュゥ――ス!」クルッ!

―ルンッ!


拓海「う、おおおっ!? 何だ、今の!?」


武内P「……回し受け、です」


拓海「ざけんな!!」

拓海「さっさと見せろやオラァァ!!」

ヒュ―


武内P「プロデュゥ――ス!」クルッ!

―ルンッ!


拓海「〜〜〜っ!! 何なンだよ一体よォォォ!?」
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 21:25:11.85 ID:WKjEQ4FFo
拓海「アタシにも知る権利っつーもんがあンだろ!?」

武内P「それは、その通りですが……!」

拓海「今更、何が来たってビビるかよ! 見せろ!」

武内P「……わかり、ました」


拓海「卒業文集なんか、ガキの頃の話だっての!」

拓海「今のアタシは、気合の入った――」


『やああああ! サンリオ行くうううう!』ピー!

『キティちゃんに会いたいのおおおお!』ギャピー!


武内P・拓海「……」


拓海「ど……動画は汚ェだろうがよォォォォ!?///」ピー!


武内P「向井さん! あの、鼻水が! 向井さん!」
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 21:29:53.86 ID:WKjEQ4FFo
  ・  ・  ・

武内P「……もう、落ち着きましたか?」

拓海「……おう、悪かったな」

武内P「私の考えをお聞かせしても?」

拓海「……おう」


武内P「向井さんの担当は――貴女のご実家を訪れています」

武内P「ええ……恐らく、間違いありません」


拓海「……クソッ!」

拓海「何となくわかっちゃいたが……アイツ……!」
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 21:33:09.31 ID:WKjEQ4FFo
拓海「アタシに、恨みでもあンのか……!?」

武内P「待ってください、それは違います」

拓海「あぁ!? じゃあ、何でこんな事!」

武内P「……」


武内P「笑顔です」

武内P「貴女が、アイドルとして活動していく中で見せる、笑顔」

武内P「……その、笑顔のルーツ」

武内P「それを……確認しに行ったのではないか、と」

武内P「……そう、思います」


拓海「……」
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 21:35:22.97 ID:uUEVY4aVo
なんとなく拓海んPが女性のような感じがするww
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 21:40:15.35 ID:WKjEQ4FFo
拓海「アンタも……同じ事をしてたか?」

武内P「それは……」

拓海「……チッ! 兎に角、アイツはボコる!」

武内P「……」


拓海「――ちなみに」

拓海「アンタだったら、手に入れたモンをどう使う?」


武内P「最大限、活用すると思います」

武内P「特に――将来の夢が素敵なお母さん」

武内P「これに関しましては、活動の幅が」


拓海「オラァァ!」

ヒュ―


武内P「プロデュゥ――ス!」クルッ!

―ルンッ!


拓海「だっ……から! 避けんじゃねええええ!」
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 21:50:13.18 ID:WKjEQ4FFo
拓海「アタシに何をさせようってンだよ!?」

武内P「それは……わかりません」

拓海「あぁ!? ンだそりゃ!?」

武内P「……」


武内P「今後の方針につきましては――」

武内P「担当プロデューサーと、よくご相談の上で……はい」


武内P・拓海「……」


拓海「いや……まぁ、そうだけどよ」

拓海「なんつーか……何だ……急な正論やめろ?」


武内P「……すみません」
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 21:53:04.74 ID:g+VDyi92o
>>967
姪っ子を可愛がる叔母さん的な
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 21:58:33.41 ID:WKjEQ4FFo
拓海「兎に角……アイツと話つけるしかねぇな」

武内P「あの、向井さん」

拓海「わかってるよ。アタシだって馬鹿じゃねぇんだ」

武内P「……はい」


拓海「動画はふざけてだろうが……卒業文集!」

拓海「アレに関しちゃ、ぜってぇネタには使わせねぇ!」グッ!


武内P「あ、いえ」

武内P「貴女のご実家を訪れている、という事は……」

武内P「他にも、何か情報を仕入れているかも知れない、と」


武内P・拓海「……」


拓海「何でそんな怖ェ事言うんだコラァァァ!?」

拓海「いや、怖くねェけどよォォォ!?」


武内P「す、すみません!」
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 22:06:00.40 ID:WKjEQ4FFo
  ・  ・  ・

武内P「あの……お話、とは?」

拓海「……この前の、卒業文集の話だ」

武内P「……はい」

拓海「……アイツと話したら、よ」


拓海「――素敵なお母さんになるためには」

拓海「――子供の気持ちを知らなきゃいけない」

拓海「――それに丁度良いアイドルの仕事がある」

拓海「……って言われたンだよ」


武内P「……」

武内P「は、はあ……?」
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 22:09:54.81 ID:LrZj/QYNo
ああ、と
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 22:18:13.01 ID:pw9vIelDO
とときらー!
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/14(木) 22:20:58.78 ID:WKjEQ4FFo
武内P「あの……向井さん?」

拓海「その仕事を受けるのが、交換条件だった」

武内P「ご実家にあった素材を使用しない……ですか?」

拓海「素材って言うなコラァ!」


武内P「ですが……あの……」

武内P「何故、私に……その話を?」


拓海「さっき言った仕事に……」

拓海「……心当たり、あンだろ?」


武内P・拓海「……」


武内P「……とときら学園、ですか?」


拓海「へへっ! 入園するぜ、夜露士苦ッ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「今日、私の所へ来られたのは……」


武内P「……お礼参り、ですか」




おわり
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 22:33:31.12 ID:LrZj/QYNo
りなぽよ達も巻き添えにしそう

園陣
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/15(金) 07:16:34.07 ID:zDJ12z+SO
!?
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/15(金) 18:57:17.48 ID:O3rWiMXlo
宵乙女にもスモック着せてえなあ
979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 20:53:51.16 ID:JuG56uU8o
書きます


武内P「抜き、ですか」
980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 20:56:59.06 ID:JuG56uU8o
まゆP「シィ〜〜〜っ!!」ピッ!

まゆP「何考えてんの!? ねえ、お前何なの!?」ヒソヒソ!

まゆP「誰が何処で聞いてるかわかんねえんだぞ!?」ヒソヒソ!

武内P「そ、そうですね」


まゆP「こんな話が外に漏れてみろ……」

まゆP「……あっ、やめて! やめよう、考えるのぉー!」

まゆP「ちょっと考えただけでお前、俺のPちゃんがビビってんじゃねえか!」


武内P「……」
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:01:43.05 ID:JuG56uU8o
武内P「しかし……どういう事ですか?」

まゆP「お前も男なら、わかるだろ?」

武内P「いえ、全く」

まゆP「えっ? マジで言ってんの?」


まゆP「まさかとは思うが……何? お前ってアレなの?」

まゆP「病気じゃないから大丈夫ってペレ的なやつ?」

まゆP「始まったばかりなのに、OPじゃない方のやつ?」


武内P「違います」
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:05:24.20 ID:JuG56uU8o
武内P「何故、私を誘うのだろう、と」

まゆP「ああ、そういう事か。やめろよ、焦ったじゃねえか」

武内P「……はあ」

まゆP「しょうがねえな、説明してやるよ」


まゆP「――俺たちは、プロデューサーだ」

まゆP「当然、可愛かったり綺麗なアイドルに囲まれてるだろ?」

まゆP「……でもな、最近気がついちまったんだよ」


まゆP「あれれー? なんか、性欲が迷子だぞー?」


まゆP「……ってな」


武内P「……」

武内P「はあ……そう、ですか」
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:07:57.38 ID:JuG56uU8o
武内P「その……歳、では?」

まゆP「馬鹿野郎! 誰が今西部長だコラァ!」

武内P「そうは言っていません」

まゆP「なあ、よーく考えてみろって」


まゆP「最近、ムラムラした事ってあったか?」


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「!?」


まゆP「……ねえだろ?」
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:12:24.49 ID:JuG56uU8o
武内P「ですが、それは……仕事が忙しく……」

まゆP「それもあるだろうが、明らかに不自然だ」

武内P「しかし……!」

まゆP「お前も、薄々勘付いてるんだろ?」

武内P「それ、は……!」


まゆP「俺たち、346プロダクションに飼いならされてるんだよ」

まゆP「社畜だとか、そういう話じゃあねえ」

まゆP「アイドルに手を出さねえよう……ファンの人の笑顔のために!」


まゆP「俺たちの性欲が、犠牲になってんだ! チクショウ!」


武内P「……」
985 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:17:17.59 ID:JuG56uU8o
まゆP「だから、俺たちはナニの使い方を確認しなきゃならねえんだ」

まゆP「……このままじゃ、オシッコする時に便利なホースになっちまう」

まゆP「勿論――戦士よ、立ち上がれ!――ってなるかはわからねえ」

まゆP「でもな、触れ合ってみて……それで、思い出せるもんもある」

まゆP「……だろ?」


武内P「本音は?」


まゆP「バレた時、一人よりも二人の方が心強いからだ」

まゆP「言わせんじゃねえ、恥ずかしい!///」


武内P・まゆP「…………」


武内P「それでは、私は失礼します」

まゆP「あーっ! 待って待って! 良いお店知ってるから!」

まゆP「指名は、お前が先にして良いからぁ!」
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:22:37.54 ID:JuG56uU8o
まゆP「取り戻そうぜ!? 男の矜持ってやつをよぉ!」

武内P「結構です」

まゆP「結構? おお、結構乗り気って事だな! よーしよしよし!」

武内P「違います」


まゆP「まあ、真面目な話な」

まゆP「たまにゃあそういう所に行って、スッキリした方が良いと思うんだよ」

まゆP「何でも溜め込んじまったら、いつかは爆発するもんだ」

まゆP「……爆発に巻き込んじまったら、困るのは誰だ?」


武内P「……」
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:27:57.08 ID:JuG56uU8o
  ・  ・  ・

武内P「……ああ、言われたが」

武内P(言っている事が、完全に間違っている訳では……無い)

武内P(認めたくはないが、一理ある)

武内P(しかし……)


武内P「……ん?」

武内P「プロジェクトルームの前に、何か……」


『CINDERELLA』


武内P「……」

武内P「看板?」
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 21:31:01.01 ID:YEaeuK11O
お店に行くんじゃなくてお店が来ちゃったかぁ…
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:31:12.98 ID:JuG56uU8o
ガチャッ

武内P「あの看板は、一体……?」


ちひろ「――いらっしゃいませ♪」ニコニコ!


武内P「……いらっしゃいませ?」

武内P「千川さん、おはようございます」


ちひろ「はい♪」ニコニコ!

ちひろ「此処は、初めてですか?」ニコニコ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「いえ、あの……初めてでは……千川さん?」
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 21:33:22.75 ID:p/1NCA3DO
舞ちゃんとこずえちゃんと雪美ちゃんをお願いします
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:34:59.59 ID:JuG56uU8o
ちひろ「うふふっ♪ それじゃあ、説明は大丈夫ですね♪」ニコニコ!

武内P「あの……説明、とは?」

ちひろ「あら、要ります? それじゃあ、ご説明しますね♪」ニコニコ!

武内P「ええ、ルームの前の看板についても……」


ちひろ「――注意事項です♪」ニコニコ!

ちひろ「女の子が嫌がる事は、絶対にやめてくださいね?」ニコニコ!


武内P「……」

武内P「!?」
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 21:40:17.57 ID:p/1NCA3DO
いやんいやんあなたの指がだんだん激しく動き
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:41:25.85 ID:JuG56uU8o
武内P「待ってください! 千川さん、誤解です!」

ちひろ「うふふっ♪ 今居る子は、こちらになってます♪」ニコニコ!

武内P「あの、千川さん!?」

ちひろ「可愛い子、い〜っぱい揃ってますよ♪」ニコニコ!


ちひろ「特に、この――‘りん’ちゃん♪」ニコニコ!

ちひろ「ついさっきまで、ふざけないでよ、って言ってたんです♪」ニコニコ!

ちひろ「きっと、凄い事になっちゃいますよ〜♪」ニコニコ!


武内P「待ってください! 行っていませんよ!?」

武内P「にも関わらず、大激怒されているのですか!?」
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:46:31.94 ID:JuG56uU8o
ちひろ「さあ、どこの子にしますか?」ニコニコ!

武内P「そう、言われましても……!?」

ちひろ「指名料金は、ログインボーナスで無しにしておきますね♪」ニコニコ!

武内P「どんなシステムですか!?」


ちひろ「うふふっ♪」ニコニコ!

ちひろ「――まゆちゃんの、担当P」ニコニコ!

ちひろ「ちょっと問いただしたら、全部教えてくれましたよ♪」ニコニコ!


武内P「……」

武内P「さっきの今で、私は売られたのですか!?」
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:50:38.91 ID:JuG56uU8o
武内P「わ、私は用事を思い出したので……!」

ガチャ!

武内P「!? 開かない……!?」

武内P「反対側から、誰かが抑えて――」


『……悪いな』

『俺は、やっぱりプロデューサーだ』

『アイドルに笑顔で言われちゃ……断れねえ生き物らしい』

『手伝わなかったら、まゆに言いつけるって言うんだぜ?』

『そんなのお前、な?……今になって、命が惜しい』


武内P「……」

武内P「貴方という人は……!?」
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 21:55:09.49 ID:JuG56uU8o
ちひろ「――さあ、誰にしますか?」ニコニコ!


武内P「っ!?」

武内P「千川さん、誤解です!」


ちひろ「指名が無いようなので、フリーですね♪」ニコニコ!


武内P「千川さん!?」

武内P「ふ……フリーとは、一体!?」


ちひろ「全員が、お相手します♪」ニコニコ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」


武内P「これは……色々と、保ちそうにないですね」
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 22:01:18.21 ID:JuG56uU8o
  ・  ・  ・

まゆP「だ〜から、悪かったって! いつまでも男らしくねえぞ!」

武内P「……」

まゆP「でもよ? 考えようによっちゃ、良い機会だったんじゃねえか?」

武内P「……ええ、そうですね」


武内P「……皆さんから、色々と不満をぶつけられました」

武内P「大きな事から、小さな事まで……本当に、沢山」

武内P「私に遠慮して、言い出せない事を……です」


まゆP「はっは! そいつは災難だったな!」

まゆP「ある意味じゃ、アイドル達のガス抜きになった、っつうこったな!」

まゆP「よっ! 出来るプロデューサーだねぇ、お前も!」


武内P「はい、なので――」

武内P「――貴方の担当するアイドルの方にも、お伝えしておきました」


まゆP「…………はい?」

まゆP「お前、それ……おい……!?」



武内P「抜き差しならない状況、ですね」ニコリ




おわり
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 22:04:06.40 ID:VZToAJJSO
いやこれから抜いたり差したりするんやろ
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/16(土) 22:06:12.00 ID:p/1NCA3DO
みりあちゃんの前後にも挿したいな
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/03/16(土) 22:07:49.23 ID:JuG56uU8o
1000!
1001 :1001 :Over 1000 Thread
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