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キーボ 「砕かれた先にある世界」【BLEACH】【ロンパV3】 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/03(日) 23:43:26.89 ID:IvAUS8fAO



ー注意書きー



ニューダンガンロンパV3とBLEACHのクロスオーバーSSです


ニューダンガンロンパV3をクリアしていない人は読まないようお願いします


独自解釈や独自設定が多分に含まれているので、苦手な人はブラウザバックを推奨します


また、クロスオーバーの結果、V3原作・BLEACH原作と別物と呼べるレベルになっています。というか、別物と断言しても差し支えないと思います

そういうのが苦手な人な場合も、ブラウザバックを推奨します




以上の注意を守れる方のみ、お読みください





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1551624206
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【安コFE】忙しい烈火の剣【駆け足】 @ 2020/06/07(日) 03:24:03.85 ID:a+WYhVcY0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1591467843/

▼ 萠龍会 ▼ @ 2020/06/06(土) 16:28:38.26 ID:inmiqiqd0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1591428518/

穂乃果「雨があがったら」 @ 2020/06/06(土) 16:13:29.98 ID:C64DeSw80
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1591427609/

VIP落ちた @ 2020/06/06(土) 13:16:44.58 ID:b/JHwZ200
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【モバマス】恋はストロベリームーン @ 2020/06/06(土) 10:43:55.99 ID:hHwqlfVDO
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【イナズマイレブンGOクロノ・ストーン】天馬「皆ともっと仲良くなりたい」【安価】 @ 2020/06/06(土) 09:57:57.66 ID:eJzzjP+H0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1591405077/

【リトバス】理樹「ストーカーに狙われるようになった」 @ 2020/06/06(土) 01:34:01.19 ID:3998YRn80
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1591374840/

【イナイレ安価】クロス・オリオン @ 2020/06/06(土) 00:14:53.35 ID:EA/3YXpu0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1591370093/

2 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/03(日) 23:46:29.64 ID:IvAUS8fAO



ー尸魂界・流魂街ー




キーボ「………」




ガヤガヤ…ワイワイ…




キーボ「………………」




ガヤガヤ…ワイワイ…




キーボ「…………なんなんですか、ここは?」



3 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/03(日) 23:48:15.87 ID:IvAUS8fAO




キーボ(…落ち着きましょう。まずは現状の整理からです)




ガヤガヤッ…ザワッ…




キーボ(…周囲の建造物や人の服装から見るに、ここは旧時代の日本を再現したテーマパークか何かでしょうか?)




ザワザワッ…




キーボ(…ですが、なぜ、そのようなところに、ボクがいるのでしょう)




ヒソヒソッ…ヒソヒソ…




キーボ(そもそも、ボクは確かーーーー)



4 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/03(日) 23:49:55.87 ID:IvAUS8fAO




「………あれれー? そこにいるの、ひょっとしてー、キーボ?」




キーボ「………っ、!?」




「………うん、キーボ君で間違いなさそうだネ」




キーボ「!??」




キーボ「…え? え? え?」




キーボ「ち、ちょっと待ってください! まさかキミ達はーーーー」



5 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/03(日) 23:52:17.36 ID:IvAUS8fAO




アンジー「キーボ! 久しぶりー!」ダキッ

キーボ「アンジーさん!?」



真宮寺「………まさか、ここで、それも君と再会することになるとはネ…」



キーボ「真宮寺クン!?」




アンジー「………うんうん、このゴテゴテでヒヤヒヤした感じーーーーーーやっぱり、キーボだー!」ナデナデ



6 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/03(日) 23:54:59.70 ID:IvAUS8fAO




キーボ「そ、そんな、どうして、キミ達がここに…!?」

キーボ「キミ達は、何日以上も前に、既にーーー」

真宮寺「………それはーーー」

アンジー「………あのよー、あの世ー、ここが死後の世界だからなのだー!」

キーボ「し、死後の世界!?」

真宮寺「…そういうことになるネ」







真宮寺「ようこそ、尸魂界(ソウル・ソサエティ)へ」



7 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/03(日) 23:57:12.36 ID:IvAUS8fAO




キーボ「…そ、ソウル・ソサエティ?」

真宮寺「この死後の世界は、そう呼ばれているヨ」

キーボ「…そ、そもそも、死後の世界だなんて、そんなーーー」

真宮寺「そうでもなければ、ボク達が再会するなんてありえないと思うけどネ」

真宮寺「というか、君もここに来ている以上、死後の世界に来る心当たりくらいあるんじゃないかな?」

キーボ「あっ、いや、それは…」

真宮寺「…それが、ここが死後の世界であるという証拠だヨ」

キーボ「っ、」

アンジー「………ところでー、キーボ、整理券はー?」



8 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 00:01:31.66 ID:MEqJ/zDlO




キーボ「………はい?」

アンジー「だからー、しにがみから貰った整理券はー、どこー?」

キーボ「死神? 整理券? アンジーさんは何を言っているんですか?」

真宮寺「………一応確認しておくけど、君は死神から何も説明を受けていないーーー」

真宮寺「ーーーそういうことで、良いのかな?」

キーボ「いや、説明も何もボクはここに来たばかりでーーーーーーそれに、死神って、いったい何の話をーーー」

真宮寺「…仕方がないネ。代わりに僕から説明させて貰うとするヨ」

キーボ「えっ、?」

真宮寺「本来なら死神に任せる話ではあるけれど、君には借りがあるし………それに君が死神と接触するとややこしくなりそうだからネ」

キーボ「はっ、? いや、でも…」

アンジー「キーボ? ここは、是清の言う通りにすべきだよー? 神さまもきっとそう言ってるよー?」

キーボ「えっ、あの、その…」

アンジー「とりまー、レッツゴーだよー!」

真宮寺「そうだネ、それにこの流魂街(ルコンがい)だと君は目立つし、こっちに来た方が良いヨ」

キーボ「えっ、あっ、?」






………………………………………………………………






9 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 00:03:11.28 ID:MEqJ/zDlO
今日はここまで
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/04(月) 02:09:38.05 ID:r9D2jJqR0
期待
11 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:08:15.16 ID:dYnceDWrO
投下します
12 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:17:08.35 ID:dYnceDWrO



ー流魂街・志波家の屋敷ー




スタスタ………



キーボ(…言われるがまま、引かれるがままについてきてしまいました)



真宮寺「………」

アンジー「えっほー、ほいさー」トテトテ



ガチャッ…ギイイッ…



キーボ「…ここは、どこなんですか? 見たところ、豪邸の地下のようですが」

真宮寺「………ここは、【志波家】の屋敷。僕と夜長さんが世話になっているところだヨ」バタンッ

キーボ「志波家? 世話?」

アンジー「そうだよー、アンジーと是清は、この家に居候させて貰っているのだー!」

キーボ「…えっ、」

真宮寺「………」

アンジー「…どうしたー、キーボ?」

キーボ「いや、その…」

キーボ「平気…なんですか?」



13 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:22:21.57 ID:dYnceDWrO



真宮寺「………」

アンジー「…にゃははー、大丈夫ー、大丈夫ー!」

アンジー「ここは、死後の世界、だよー?」

アンジー「… “ もう意味は無い ” 、そうでしょー?」



キーボ「………」



真宮寺「…それに、この死後の世界の住民から聞いたのサ」



キーボ「…何をですか?」



真宮寺「…僕が執着していた “ あの人 ” のことを」



14 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:25:40.24 ID:dYnceDWrO



キーボ「………………その人が、どうかしたんですか?」

真宮寺「… “ あの人 ” は、とうの昔に生まれ変わっていたそうだヨ」

キーボ「………!?!」

真宮寺「… “ あれ ” は、幻ーーー」

キーボ「………」

真宮寺「ーーーそういうこと、だったんだろうネ…」

アンジー「………………」

真宮寺「いまでは何も、聞こえはしないヨ………」

キーボ「…………………………」



15 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:29:12.67 ID:dYnceDWrO






キーボ(……… “ 元々 ” 有していた血縁関係ーーー)









真宮寺「………………………」









キーボ(ーーーなるほど、 “ 元々 ” 有していた関係だとすれば、それほど、おかしな話でもーーーー)





16 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:31:56.27 ID:dYnceDWrO



アンジー「ーーーとにかく、もう大丈夫だからー」

キーボ「…ですがーーー」

アンジー「…それに、なにかあったら、空鶴(くうかく)と岩鷲(ガンジュ)が黙ってないからねー!」

キーボ「………?」

キーボ「それは、ひょっとして、人の名前ですか?」

真宮寺「…そうだネ、この屋敷の主とその弟さんの名前だヨ」

キーボ「………」

真宮寺「もし、妙な真似をすれば、彼女達が黙っていない」

真宮寺「彼女達は抑止力…その力の前では、何もできはしない…」



17 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:36:48.22 ID:dYnceDWrO



キーボ「………」

真宮寺「それに、そんなに心配なら、君の目で直接確かめて見れば良いんじゃないかな?」

真宮寺「空鶴さん達が帰ってきた、その時に」

真宮寺「抑止力になり得るか、どうかを、ネ」

キーボ「…そうですね」

キーボ「…とりあえず、いまは、ボクが見張っていることにしますよ」

真宮寺「…うん、それがいいネ…」

アンジー「…………」



18 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:47:35.31 ID:dYnceDWrO



真宮寺「ーーーそれで話を戻すけど、いま僕達のいるこの部屋は、志波家の屋敷の一室、僕の部屋として使わせて貰っている空間サ」

キーボ「………」

真宮寺「…キーボ君、いろいろと混乱しているとは思うけど、まずは僕達のいるこの世界が死後の世界であるということーーー」

真宮寺「ーーーそこを、しっかりと受け入れて貰うヨ」

キーボ「…死後の世界………」

真宮寺「そう、この世界は、尸魂界と言ってネ。紛れも無い、正真正銘の、死後の世界なんだヨ」

真宮寺「現世…あァ、僕達がいた世界のことだけど、そこで死んだ人の魂が尸魂界に流れ着くのさ」

アンジー「…一部を除いてねー!」

キーボ「………やはり、にわかには信じがたいことですがーーーーーーこうして、お二人と会ってしまうと、信じざるを得ませんね」



19 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:50:09.09 ID:dYnceDWrO



アンジー「…アンジーはねー、キーボには、ホントにビックリしたよー!」

キーボ「…ビックリですか」

真宮寺「まァ、回覧板を渡しに行ったら、帰り際に生前の知り合いと…それもキーボ君と再会したわけだからネ…」

アンジー「ホントのホントにビックリー!」

アンジー「どわー、って! おわー、って!」

キーボ「いや、そんなリアクションはしていなかったはずですが」

真宮寺「…夜長さんの反応はさておき、機械文明の産物が死後の世界に迎えられるという事実ーーー」






真宮寺「ーーーそれには、僕としても、驚愕せざるを得ないヨ」



20 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:56:45.04 ID:dYnceDWrO



キーボ「…死後の世界でも、ロボット差別を受けるとは…そっちの方が驚きですよ」

真宮寺「…ンー、差別する意図は無かったんだけどネ」

キーボ「…どういう意味ですか?」

真宮寺「君は機械文明の産物でありながら、死後の世界に逝けるだけの器… “ 魂魄 ” を持っていた」

真宮寺「それだけ人に近いロボットもそうはいない。むしろ貴重な存在であることを誇るべきだと思うヨ」

アンジー「…うんうんー! キーボは『すごいもの』だったー!」

アンジー「ーーーって、きっと神さまも言ってるよー!」

キーボ「………」

アンジー「…アンジーも、そう思うー!」

キーボ「………そうですね! ほめていただき、ありがとうございます! アンジーさん!」



21 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:59:15.72 ID:dYnceDWrO



真宮寺「ーーーそう、君は、死後の世界………尸魂界の迷いを振り払い、こうしてここにやってくることができた存在だ」

真宮寺「それは、充分に誇るに値することだと思うヨ」



キーボ「………はい?」



アンジー「………」



キーボ「迷う?」



真宮寺「………」



キーボ「それは、どういう意味ですか?」



22 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 20:59:54.91 ID:dYnceDWrO
今はここまで
23 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 21:59:37.87 ID:dYnceDWrO
再開します
24 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 22:14:46.09 ID:dYnceDWrO



真宮寺「………それを話す前に、一応確認しておくけどサ」

真宮寺「さっき会ったばかりの君の発言から推測するに、君の認識では、僕達と何ヶ月かぶりに再会したわけではない……
…」

キーボ「………?」

真宮寺「………事実として、さっき君は、 “ 何日以上も前に、既にーーー ” という発言をしていた」

真宮寺「そうだよネ、キーボ君?」

キーボ「? え、ええ…そうですけど………?」

キーボ「それが、何かーーー」

アンジー「うーん、不思議ミラクルだねー?」



アンジー「アンジーたちには、2ヶ月ぶりー、なのにー!」



25 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 22:27:00.43 ID:dYnceDWrO



キーボ「ーーー2ヶ月!?」

真宮寺「そう、今日は、夜長さんと僕が尸魂界に来てから約2ヶ月となる」

真宮寺「その時に、君は来たんだ」

キーボ「そんな…あれから2ヶ月も経っているはずが…」

真宮寺「でも、実際に2ヶ月という時間が経過している」

真宮寺「それは、確かな事実だ」

キーボ「………!」

真宮寺「そして、君はこの世界の管理者から、この世界に関する説明を受けていない」

真宮寺「つまり、夜長さんと僕のように、最初は魂魄を説明会場に送られたわけではないことになる」

真宮寺「…事実として、君の認識では、さっきの、あの場所にその魂魄を直接送られたんでしョ?」

真宮寺「気がついた時には、さっきの、あの場所にいたんだよネ?」

キーボ「………」

アンジー「なんでだろー? なんでだろー?」



26 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 22:38:28.27 ID:dYnceDWrO



真宮寺「…死後の世界も迷っていた、ということなんだろうネ」

真宮寺「キーボ君を受け入れるべきかどうかを」

真宮寺「だからこそ、魂魄の移動に2ヶ月という時間がかかり、死者の住む街にいきなり送られることになった」

真宮寺「そうした不具合が起きてしまったんだろうネ」

キーボ「…世界が迷うだなんて、そんなことがあり得るんですか?」

真宮寺「…世界が、生物の一種だとすれば、あり得ない話ではないと思うヨ」

真宮寺「生物的な機能が、体内に受け入れても良い菌と、そうでない菌の判断に迷うというのは、よくある話だからネ」

キーボ「ちょっと! ボクを菌なんかと一緒にしないでください!」

真宮寺「………悪いネ、菌は生物と無機物の中間って言うから、つい、ネ…」

キーボ「王馬クンみたいなこと言わないでください! 流石にロボット差別でーーー」






キーボ「ーーーーーーえっ、?」



27 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 22:41:17.23 ID:dYnceDWrO



真宮寺「…どうしたんだい、キーボ君? 急に止まってしまって?」

アンジー「ひょっとしてー、ガソリンが切れちゃったりー?」

キーボ「…違いますよ! そもそもボクのエネルギー源はガソリンじゃありません!」

キーボ「ーーーって、そんなことより、ここが死後の世界ってことはーーー」







キーボ「ーーー王馬クン達、ほかの皆さんもいるんですか!?」



28 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 22:45:05.99 ID:dYnceDWrO



真宮寺「………」

アンジー「………そうだねー、キーボの言う通りだよー」

キーボ「!」

アンジー「………いるのは、小吉だけじゃないよー?」

アンジー「蘭太郎も、楓も、転子も、ゴン太も、解斗も、斬美も、竜馬も、美兎もーーー」

アンジー「みんな、ここにいてーーー」

キーボ「どこですか!?」

アンジー「えっ、」

キーボ「皆さんは、どこにいるんですか!?」



29 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 22:49:25.21 ID:dYnceDWrO



真宮寺「…キーボ君?」

キーボ「教えてください、二人とも! キミ達も含めて、皆さんには、早急にお伝えしなければならないことがーーー」

アンジー「…伝えなきゃいけないことって、どんなことー?」

キーボ「…えっ、」

真宮寺「そうだネ、まずはそれを教えてくれないかな。でないと、すぐに伝えるべきかどうか判断できないヨ」

キーボ「はっ、? いや、でもーーー」

アンジー「キーボ? まずはアンジーたちに教えてー?」

アンジー「…ショックな話だったらー、最初に知る人は、少ない方が良いはずだよー?」

キーボ「っ、」

真宮寺「…そういうわけで、教えてくれるかな、キーボ君」

真宮寺「君が知っていることについて」



30 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 22:51:43.56 ID:dYnceDWrO






キーボ「………………わかりました。お教えします」






真宮寺「………」



アンジー「………」






キーボ「実はーーーー」






………………………………………………………………





31 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/04(月) 22:52:33.32 ID:dYnceDWrO
今日はここまで
32 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 20:29:43.58 ID:BDs4YdjEO
投下します
33 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 20:34:30.50 ID:BDs4YdjEO



キーボ「ーーーということなんです」

アンジー「…なるなるー、よくわかったよー!」

真宮寺「それが、君の知っていることなんだネ…」

キーボ「ええ、まあ…」

キーボ「………なぜ、ボク達、【超高校級が集められて】【あんなことをさせられたのか】まではわかりませんでしたがーーー」

キーボ「ーーー【黒幕を突き止め】【全て終わらせた】」

キーボ「それは、確かな事実です」

アンジー「………」

キーボ「…ボクはこの話を今すぐ赤松さん達に伝えるべきだと思います」

キーボ「そうでないと、赤松さん達はーーー」







真宮寺「ーーーその必要はないヨ」



34 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 20:39:59.16 ID:BDs4YdjEO



キーボ「ーーーえっ、?」

真宮寺「今すぐ赤松さん達に伝える必要はないヨ」

キーボ「はっ、? いや、でもーーー」

真宮寺「というか、君の語ったことは、赤松さん達も大体検討の付いていることだからネ」

キーボ「………!?」

キーボ「それは、どういうことですか?」

アンジー「…実はねー、見てたんだよー」

キーボ「…見ていた?」

真宮寺「…そう、『彼』が殺された時、その魂魄が肉体から抜け出た瞬間ーーー」

真宮寺「ーーー【誰が】【どこに向かって行ったのか】をネ………」

キーボ「!?」



35 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 20:43:52.75 ID:BDs4YdjEO



真宮寺「そして、その後どんな理不尽が起きたのかは、僕達も知っての通り…」

真宮寺「つまりは、そういうことだったんだろうネ…」

アンジー「だからねー、楓たちも、アンジーたちも、キーボがいま言ったことについては大体わかってるんだー」

真宮寺「【何度も起きていた】という話も、『彼』の証言から、ある程度は検討の付いていたことーーー」

アンジー「ーーー【黒幕を突き止め】【全て終わらせた】っていうのは、いま、はじめて知ったことだけどーーー」

キーボ「………!!?」

アンジー「ーーーみんな、いつかそうなるってことは、信じてるからねー」

アンジー「だから、急いで伝えるような話でもないしー」

アンジー「…キーボの知ってること、いま伝えなくても良いと思うよー?」

キーボ「………」



36 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 20:49:15.82 ID:BDs4YdjEO



キーボ「………しかし、裏付けとなる証言は早めに知っておいた方が良いのではないでしょうか?」

キーボ「でなければ………あの人でなしが、赤松さん達のところに向かって、口八丁で騙して混乱させてくる可能性だって出てきます」

キーボ「ここが死後の世界である以上、可能性はゼロではありません」

キーボ「ならば、早めにボクの証言を伝えた方がーーー」

真宮寺「その必要もないヨ」

キーボ「…それは、何故でしょうか?」

真宮寺「君の語ったことが真実なのであれば、君が危惧しているような事態には絶対にならないからサ」

キーボ「?」

アンジー「さっきー、アンジーは言ったよねー?」

アンジー「 “ 一部を除いて ” 、って………」

キーボ「………それは、まさかーーー」

真宮寺「そう、現世で死を迎えたとしても、全ての魂魄が尸魂界に送られるわけじゃないんだ」

真宮寺「生前、非道な行為に手を染めた者は、地獄に送られる決まりだからネ」

キーボ「………」






キーボ「………………えっ、」



37 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 20:51:29.85 ID:BDs4YdjEO



真宮寺「………何かな?」

キーボ「………あっ、いや、その…」

アンジー「………」

真宮寺「………このことで何か気になることがあるなら、言ったらどうだい? いつだって受け付けるヨ?」

キーボ「………いえ、」

キーボ「…もう、 “ 意味は無い ” んでしょう…?」

真宮寺「………」

キーボ「なら、わざわざ『送る』必要もない…」

キーボ「そういう…こと、なんでしょう…」

アンジー「………」



38 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 20:55:54.33 ID:BDs4YdjEO



真宮寺「…話を戻すけど、兎に角、生前、非道な行為に手を染めた者は基本的に地獄に送られる決まりになっている」

真宮寺「【その時代の現世】【その場所における倫理から見て】【許されない行為】でーーー」

真宮寺「ーーー【死後の世界でも非道を行う気があるような者】ならば、尚更ネ」

キーボ「………」

真宮寺「そういう者は、 “ 地獄の鎖 ” に囚われ続けーーー」

真宮寺「ーーー “ クシャナーダ ” と呼ばれる地獄の管理者の手によって、責め苦を受け続けることになるのサ」

キーボ「………………」

真宮寺「 “ 人でなし ” は、地獄に送られる」

真宮寺「 “ 人でなし ” である限り、地獄から “ 解放 ” されることは無い」

真宮寺「だから、赤松さん達が騙されてーーーーーーなんてことには絶対にならないヨ」

キーボ「………なるほど、よくわかりました」

アンジー「………」



39 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 20:59:44.80 ID:BDs4YdjEO



キーボ「ーーーただ、真宮寺クン達の話で気になったことが二つあります」

真宮寺「…何かな?」

アンジー「なーにー? キーボ?」

キーボ「まず、一つ目に気になったことですがーーー」

キーボ「ーーーキミ達は、なぜボク達、【超高校級が集められて】【あんなことをさせられたのか】についてーーー」

キーボ「ーーーこの死後の世界から、何か突き止めることはできたのでしょうか?」

キーボ「もし、そうなら、是非とも教えて欲しいのですがーーー」







真宮寺「…いや、残念ながら、何もわかっていないままだヨ」

アンジー「…神さまも、きっとよくわかんないってー」



40 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:03:25.69 ID:BDs4YdjEO



キーボ「…一応確認しておきますけど、尸魂界の他の住民に対して、聞き込みはしていないんですか?」

真宮寺「…しているヨ」

真宮寺「…現在も過去も、僕達が巻き込まれた案件に関して何か突き止められることは無いか、定期的な聞き込みは行っている」

真宮寺「 “ 生き残った皆がどうなったか? ” なども含めてネ」

キーボ「………それは、キミ達よりも前に亡くなられた方に対してだけですか?」

アンジー「いやいやー? そんなことないよー?」

真宮寺「夜長さんの言う通りだヨ」

真宮寺「僕達は、僕達よりも後に亡くなった人に対しても、定期的な聞き込みをしているんだ」

アンジー「何度も何度もー、数えきれないくらいーーー」

アンジー「ーーーおとといだって、そうしてたからねー?」

キーボ「………そうでしたか」



41 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:05:27.54 ID:BDs4YdjEO



キーボ「………」









キーボ「………………」












キーボ「………………………………………」



42 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:08:18.90 ID:BDs4YdjEO



キーボ(………なるほど)


キーボ(どうやら、この死後の世界でも、『世界の管理者』が存在し、世界に住まう人々の記憶を操作しているーーー)


キーボ(ーーーそう、考えて、間違いなさそうですね)


キーボ(この世界が、死後の世界ならば、そこにいるアンジーさん達が何も知らないままでいる………という状況が成立するはずが無い)


キーボ(あれから2ヶ月も経過したというのならば、なおさらです)


キーボ( “ あの事実 ” を考慮すれば、そのような状況が、成立するはずが無いのです)


キーボ(ボクやアンジーさん達以外に人がいないなら話は別ですが、ボク達以外にも死者は存在するようですからね…)


キーボ(その条件下で、アンジーさん達が何も知らないままでいる………という状況など、 “ あの事実 ” を考慮すれば、成立するはずが無いのです。普通ならば)




キーボ(ならば、どうして、このような状況が成立しているのか?)


キーボ(………敢えて真相を隠しているということは無いでしょう)


キーボ(真相を知っているのならば、ボクに隠したところで意味が無いことは知っているはずですからね)


キーボ(さっきボクが、とっさに誤魔化した時だって、もっと追求するようなことを言ったはず)


キーボ(それでも、いまの状況が成立する理由があるとすればーーー)







キーボ(ーーーこの死後の世界に来た者達は、生前の倫理的価値観をもって死後の世界を混乱させないよう、『世界の管理者』からある程度の記憶操作を受けていると考える他ない)



43 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:13:17.49 ID:BDs4YdjEO



キーボ(アンジーさん達とボクの間に記憶の食い違いが無いことから見て、個人レベルならば内容はどうあれ、いちいち記憶操作は受けないようですがーーー)


キーボ(ーーー民衆レベルで溶け込んだ価値観は、それも偏ったものは、記憶操作の対象となる可能性は極めて高い)


キーボ(ボク達のように民衆から “ 外れた ” 存在とは異なる、ごくごく普通の民衆である他の死者達ーーー)


キーボ(ーーーすなわちボクがここに来た時に見た人々などは、きっと記憶操作を受けている)


キーボ(おそらくは、あの、 “ 人でなし ” の場合であっても、同じように記憶操作を受け、無害な存在へと変わるのでしょう)


キーボ(でなければ、時代によっては、偏った倫理的価値観が死後の世界でも蔓延し、無視できない混乱を発生させる可能性がある。それを避けるためには、記憶操作が必要となる)


キーボ(故に、アンジーさん達は、誰からも真相を聞くことができてないのでしょう。聞く対象の記憶が操作されているとすれば当然のこと)


キーボ(…さっき、とっさにああ言って誤魔化してしまいましたが、結果的には良かったかもしれませんね)


キーボ(何事も大勢に伝えるためには、最初に伝えるべき人・場所・状況を、よく考えなくてはならない)


キーボ(そうです。アンジーさんと真宮寺クンに対し、ここでいきなり “ あの事実 ” を伝えるべきではーーーー)



44 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:18:08.41 ID:BDs4YdjEO



真宮寺「…また、止まってしまったネ、キーボ君」

アンジー「ひょっとしてー、石炭が切れちゃったりー?」

キーボ「なっ、違いますって! ボクのエネルギー源は石炭でもありません!」

キーボ「…動きが止まったのは、単純に思考の処理に時間がかかったからです」

キーボ「人が考えごとをしている最中にじっとしているようなものです。大したことではありませんよ」

真宮寺「…そうかい? なら良いけどーーー」

アンジー「ーーーところでー、キーボ? さっき言ってたことの、ふたつ目って、なーにー?」

キーボ「…ああ、二つ目に気になったことについてですね」



キーボ「それなら単純にーーーー」



45 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:19:30.99 ID:BDs4YdjEO



キーボ「ーーーひょっとして、キミ達は、赤松さん達とボクが再会することを、避けようとしているのではないか?ーーー」







真宮寺「………」

アンジー「………」







キーボ「ーーーそれが、二つ目に気になったことです」



46 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:21:12.06 ID:BDs4YdjEO



真宮寺「………確かに、僕達は、キーボ君が赤松さん達と今すぐ再会することを避けようとはしているヨ…」

キーボ「やはり、ですか」

真宮寺「だけど、それはーーー」

アンジー「それはねー! いま、楓たちは、大事な時期だからなのだー!」

キーボ「…大事な時期?」

真宮寺「………うん、最近の赤松さん達は、この死後の世界での生活基盤を形作るのに忙しくてネ」

真宮寺「故に、君と赤松さん達をいま会わせるわけにはいかない」

アンジー「もし、キーボが来たって知ったらー、楓たちは、無理にでも会おうとするだろうねー」

真宮寺「だから、皆が落ち着くまで、我慢してくれると助かるヨ…」



47 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:23:23.08 ID:BDs4YdjEO



キーボ「…わかりました。そういう事情があるのであれば、仕方の無いことでしょう」

真宮寺「………」

キーボ「ですが、これだけは聞かせてください」

キーボ「赤松さん達は、いまどちらにいるのでしょうか?」

アンジー「………」

キーボ「彼女達の居場所を知っていると知っていないでは、有事の対処の仕方も変わってきます」

キーボ「なので、そこだけは聞かせて頂けますか?」



48 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:29:11.05 ID:BDs4YdjEO



真宮寺「…赤松さん達だったら、瀞霊廷(せいれいてい)に住んでいるヨ」

キーボ「セイレイテイ…ですか?」

真宮寺「そう、瀞霊廷」

真宮寺「この尸魂界の中心部にある首都のことサ」

キーボ「首都…」

アンジー「………」

真宮寺「ここから先の説明は、 “ 本来ならば ” 説明会場で、この世界の管理者から教えられる基本事項でもある」

キーボ「………」

真宮寺「………遅れちゃったけど、それをこれから僕が代わりに説明しようと思う」

真宮寺「基本事項について理解していた方が、これからの会話もスムーズに進みやすいだろうからネ」

真宮寺「だから、君にはまず、その説明を聞いて欲しい」



49 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:32:11.54 ID:BDs4YdjEO



キーボ「…わかりました、真宮寺クン」

キーボ「説明、お願いします」



真宮寺「………ありがとう、キーボ君」

アンジー「………」



真宮寺「それじゃあ、さっそく説明させて貰うネ」



キーボ「はい………!」



50 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/05(火) 21:32:49.52 ID:BDs4YdjEO
今日はここまで
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/06(水) 21:17:27.11 ID:antrTP4D0
どう着地するのかわからんな
52 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 21:46:45.48 ID:DyNN5LYIO
前回の続きを投下する前に、>>40の内容を修正したものを投下させて頂きます
53 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 21:50:04.94 ID:DyNN5LYIO



キーボ「…一応確認しておきますけど、ソウル・ソサエティの他の住民に対して、聞き込みはしていないんですか?」

真宮寺「…しているヨ」

真宮寺「…現在も過去も、僕達が巻き込まれた案件に関して何か突き止められることは無いか、定期的な聞き込みは行っている」

真宮寺「 “ 生き残った皆がどうなったか? ” なども含めてネ」

キーボ「………それは、キミ達よりも前に亡くなられた方に対してだけですか?」

アンジー「いやいやー? そんなことはないよー?」

真宮寺「夜長さんの言う通りだヨ」

真宮寺「僕達は、僕達よりも後に亡くなった人にも………それこそ今日から見て数日前に亡くなった、新しく死後の世界に来た人達に対してだって、聞き込みを続けている」

アンジー「今日から1ヶ月前の人でも、10日前の人でも、3日前の人でも、新しい人が来るたびに、いろいろ聞いてーーー」

アンジー「ーーーおとといだって、そうしてたからねー?」

キーボ「………そうでしたか」



54 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 21:51:42.18 ID:DyNN5LYIO
>>40の内容を、>>53の内容に差し替えます

いろいろ間違えた状態で投下してました。申し訳ない
55 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 21:52:59.05 ID:DyNN5LYIO
前回の続きから投下します
56 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 21:57:15.22 ID:DyNN5LYIO



真宮寺「ーーー尸魂界において、居住する場所は主に二つに分かれている」

真宮寺「一つは流魂街と呼ばれる場所で、僕達のいるこの屋敷、君と再会したあの街は、流魂街に位置している」

真宮寺「そして、尸魂界に来た魂魄は、説明会場で世界の管理者から、この世界における基本事項を教えて貰った後は、流魂街に住むことになる」

アンジー「整理券を貰ってねー!」

真宮寺「そう、整理券を貰い、それに記された通りの区域に住むことになる」

真宮寺「基本的にはネ」

キーボ「………」

真宮寺「だけど、条件を満たせるのであれば、瀞霊廷という、人が居住するもう一つの場所に住むことが可能なんだ」



57 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 21:59:52.03 ID:DyNN5LYIO



キーボ「…条件、ですか」

真宮寺「そう、条件」

真宮寺「その条件こそが、 “ 霊力 ” を有していることであり、それがあれば瀞霊廷の居住を許されるのサ」

キーボ「…霊力?」

アンジー「………」

真宮寺「…霊力とは、霊的な力を操る霊能力のことサ」

キーボ「霊能力………」

真宮寺「その力を、赤松さん達は死後に目覚めさせていた」

キーボ「………?」

キーボ「待ってください。どうして、赤松さん達にそんな力がーーー」

真宮寺「ーーーそれは、わからない」

真宮寺「ただ、少なくとも、2ヶ月前、君を除いた僕達全員がこちらに来た時には目覚めていたそうだヨ」

キーボ「………………」

真宮寺「そう、僕達全員が、尸魂界の同じ時間の同じ場所に送られた時に、ネ」



58 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:04:32.15 ID:DyNN5LYIO



キーボ「…時間や場所が同じだった?」

真宮寺「そうだヨ」

真宮寺「…後から聞いた話だけど、【心中でもしない限り】【送られる時間や場所が同じになるなんてことは】【まずありえない】らしいんだ」

真宮寺「だけど、なぜか、僕達は全員、同じ時間の同じ場所にいたんだ」

真宮寺「それぞれ、死亡した時、はたまた死亡して肉体から魂魄が出て少し経った時に、意識を失いーーー」

真宮寺「ーーー気づいた時には尸魂界、その説明会場まで来ていた」

真宮寺「………同じように、霊力が目覚めた状態で、ネ」

アンジー「………………」

キーボ「どうして、そんなことがーーー」

真宮寺「ーーーそれも、わからない」

キーボ「………………」

真宮寺「いま、わかることは、たった一つ」

真宮寺「君もまた霊力を持っているということだ」



59 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:06:16.75 ID:DyNN5LYIO



キーボ「………はい?」







アンジー「………」

真宮寺「………」







キーボ「それは、どういうーーーー」



60 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:08:36.92 ID:DyNN5LYIO



岩鷲「ーーーおおーい! オメーら! 帰ったぞー!!」バタンッ



キーボ「!?」



岩鷲「………っ、!?!?」



キーボ「えっ、あっ、」



岩鷲「………………」



キーボ「キ、キミはいったいーーー」



岩鷲「うおおおおおおおおおおおおお!!!」



61 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:10:05.50 ID:DyNN5LYIO



キーボ「!?」

岩鷲「オメーか!」ダダッ

キーボ「!?!」

岩鷲「オメーが、アンジーちゃんと真宮寺の言ってた “ ろぼっと ” って奴だな!?」ガシッ

キーボ「え、あ、その………」

岩鷲「そうなんだな!?」キラキラ…



62 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:14:10.07 ID:DyNN5LYIO



アンジー「…そうだよー、キーボはロボットなんだよー!」

真宮寺「…彼こそが、【超高校級のロボット】キーボ君。紛れもなく僕達が話した存在サ」

岩鷲「…そうかそうか! よろしくな、キーボ!!」ガシッ

キーボ「えっ、あっ、」

岩鷲「いやー、それにしてもホント、すげーなおい! こんなすげー “ ろぼっと ” なんて、俺はじめて見たぞ!」ベタベタ

キーボ「いや、ちょっと」

岩鷲「ロケットパンチとかどうなってんだ!? 変形とか合体とかどうやんだ!?」ユサユサ

キーボ「あ、え、う、」

岩鷲「…ああ、そうだ、まだ俺の自己紹介がまだだったな!」

岩鷲「俺こそ、自称、【西流魂街のーーー」



空鶴「うるっせえぞ、岩鷲!」ヒュンッ



ドゴオッッッ!!!



岩鷲「ぶほおっ、!?」



バッターンッッッ!!!



63 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:17:11.08 ID:DyNN5LYIO



キーボ「!?」



岩鷲「…いてて、姉ちゃん! 何すんだよ、いきなり!?」ガバァッ



キーボ「!?」



空鶴「それはこっちのセリフだ!」

空鶴「汚ねえ手でベタベタ触ってんじゃねえ!! 礼儀を忘れたのか!? ああ!!」

岩鷲「はっ、!?」



キーボ「」ポカーン



岩鷲「す、すまねえ! “ ろぼっと ” さん! この通りだ! 許してくれ!」ババッ



64 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:23:37.86 ID:DyNN5LYIO



キーボ(…この光景は、現実なのでしょうか?)


キーボ(細身の女性が、一瞬で部屋の中まで入り込み、体格の良い男性を一撃で部屋の外まで殴り飛ばすだなんてーーー)


キーボ(ーーーしかも、それだけの力を身に受けた男性の方もまた、すぐに立ち上がった………)


キーボ(………まさか、彼らがーーー)



空鶴「…おい、聞いてるか? “ ろぼっと ” っての」

キーボ「…あっ、」

空鶴「…安心しろ。岩鷲には、おれがよく言い聞かせておく」

キーボ「…えーと、はい、彼も謝っていることですし、それは構わないのですがーーー」

岩鷲「…お、おう! ありがとな、 “ ろぼっと ” さんーーー」

空鶴「黙ってろ」ゲシッ

岩鷲「ぶふぉう!?」ドザアッ



キーボ「ーーーもしかして、あなた達がーーーー」



65 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:27:02.01 ID:DyNN5LYIO



空鶴「…おれの名は志波空鶴! この志波家の家主、そして流魂街一の花火師だ!」

キーボ「やはりあなたが、クウカクさん…」

空鶴「ああ、ついでに、そこで土下座してるのが、弟の岩鷲だ」カラッ

岩鷲「つ、ついで、って…」

キーボ「………」

空鶴「…事情は真宮寺から全部聞いてる」

キーボ「えっ、」

真宮寺「あァ、実はここに向かう途中で、空鶴さん達に連絡しておいたんだヨ」

キーボ「なっ、!? そんなの、いつの間にーーー」

空鶴「ーーーしばらくこっちに泊めてやる」

キーボ「えっ、」

アンジー「!」

真宮寺「………」

空鶴「寝床はしばらく真宮寺に貸してる部屋を二人で使いな」



66 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:30:09.12 ID:DyNN5LYIO



キーボ「…いや、ちょっとーーー」

岩鷲「ん? ちょっと待ってくれよ、姉ちゃん。まずは俺の部屋じゃねえのか? 真宮寺の時はーーー」

空鶴「ベタベタ触る奴とされた奴を同じ部屋にできるか、バカ」

岩鷲「うっ、」

キーボ「…あのーーー」

空鶴「…気にすんな、死神とのゴチャゴチャした手続きはこっちでやっておく」

キーボ「えっ、」



67 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:33:08.11 ID:DyNN5LYIO



空鶴「今のテメエが、死神と直接かち合うわけにはいかねえだろ?」

空鶴「足元を示す手型一つ持たねえ今のテメエじゃあ、無駄に時間がかかることは目に見えてるからな」

キーボ「………」

空鶴「手続きが終われば、おれの元に通知が来る」

空鶴「テメエの手型が、おれのもとに来るんだ」

アンジー「………」

空鶴「瀞霊廷に住めるかどうかも、そこでわかるーーー」

空鶴「ーーーそんで住めるってなったら、実際に住める日まで、泊めてやる」

空鶴「まあ、手続きなんざ普通は即日で済むんだが、テメエの場合はそうもいかねえだろうからな…」



68 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:36:31.95 ID:DyNN5LYIO



キーボ「…えーと………」

空鶴「実際に、テメエが瀞霊廷に住めるかどうかはわからねえがーーー」

空鶴「ーーーもし、この流魂街に住み続けることになったら、転生の日まで正式に居候させてやるよ」

アンジー「!!」

真宮寺「………………」

キーボ「………あっ、えっ、?」

空鶴「…何年か前は、居候が三人もいたんだ。また居候を三人抱え込もうが、大したことでもねえ」

空鶴「まっ、なんにしろ、ここで食って寝る以上は、みっちり働いて貰う! そこは覚悟しとけ!」



69 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:38:43.06 ID:DyNN5LYIO



キーボ「ち、ちょっと待ってくださいよ!」

キーボ「ここに住むって、いきなりそんなーーー」

空鶴「ああ? なんだ、テメエ、おれの家に住めねえってか?」

キーボ「あっ、いや、そうではなくーーー」

アンジー「キーボ、ここは空鶴の言う通りにした方が良いって、きっと神さまも言ってるよー?」

真宮寺「…そうだネ、彼女には逆らわないことを勧めるヨ」

岩鷲「そうだ! “ ろぼっと ” さん…いや、キーボ! 姉ちゃんに逆らったらそれはもう恐ろしいことにーーーぶべえっ!?」ドザアッ

空鶴「雑音は兎も角、住むか住まねえかハッキリしな」ゲシゲシッ

空鶴「それで、テメエの今後が決まる…!」ゴオオッ



70 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:41:01.83 ID:DyNN5LYIO



キーボ「ーーーわ、わかりました! わかりましたから! どうか、ボクをここに住まわせてください!」

空鶴「よしっ、そんじゃあ、決まりだな!」



キーボ(ううっ、勢いで言ってしまいましたが、大丈夫なんでしょうか………)



空鶴「ーーーただ、もう遅いし、ゆっくりしな。今日はお前ら居候の休みの日でもあるしな」

キーボ「あっ、はい…」

空鶴「しばらくしたら飯にすんぞ」スタスタ

空鶴「…おい、岩鷲、いつまでも土下座してねえで、しゃんと立ちやがれ! そんで、ベタベタした罰として飯の準備手伝え!」グイッ

岩鷲「わ、わかったよ、姉ちゃん! いてて! そんな引っ張んなって!」ズルズル…



71 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/06(水) 22:42:02.20 ID:DyNN5LYIO
今日はここまで
72 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/07(木) 22:41:03.54 ID:6tIgPZ+tO
投下します
73 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/07(木) 22:44:13.24 ID:6tIgPZ+tO



キーボ「………」

アンジー「あれまー、キーボ、また固まっちゃってるねー」

アンジー「今度は、ゼンマイがほどけちゃったりー?」

キーボ「………」

アンジー「…うんうん、ホントにカチコチだよー、何も返さないしー」

真宮寺「まァ、空鶴さんも岩鷲君も、中々に強烈な個性の持ち主だからネ、思考処理のために動作を停止させてしまうのも無理は無いヨ」

真宮寺「ただ、彼女が言っていた通り、キーボ君にはしばらくボクの部屋に寝泊まりして貰うからネ」

真宮寺「そこは記憶領域に残して欲しいかな、でないとーーー」

キーボ「ーーーわかってますよ、クウカクさんに逆らうわけにはいかないのでしょう?」

キーボ「だったら、泊まりますよ! 誰の部屋であっても!」

真宮寺「ククク…助かるヨ」



74 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/07(木) 22:46:00.95 ID:6tIgPZ+tO



浦原「ーーーあー、あー、スイマセ〜ン! ちょおっと、お時間よろしいでしょうか〜?」トテトテ

キーボ「!?」

アンジー「………あー、喜助ー!」

真宮寺「これはこれは…もう到着したのかい?」

浦原「ええ、ただいま到着しました〜! 毎度ご贔屓に〜!」

真宮寺「今日は、商品を買うわけでは無いんだけれどネ」

浦原「わかってますよ〜! これは、毎度、ウチを贔屓にして貰ってる真宮寺サンに対する特別サービスでもあるんスから!」



75 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/07(木) 22:50:46.00 ID:6tIgPZ+tO



キーボ「………え、えーと、すいません?ーーー」

浦原「………」

キーボ「ーーーあなたは、いったいーーー」

浦原「………ああっ、これは失礼しました!」

浦原「アタシ、浦原喜助という者っス! 駄菓子屋の店主をしております!」

浦原「どうぞ、よろしく〜!」パッパラ〜!

キーボ「あっ、これは、どうも…」

浦原「………」

キーボ「それでは、ボクもーーー」

キーボ「ーーーボクは、キーボです。見ての通り、ロボットをしています」

浦原「…はじめまして、キーボさん! どうか、今後、浦原商店をご贔屓に〜!」



76 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/07(木) 22:52:20.66 ID:6tIgPZ+tO



真宮寺「ククク…浦原さん、商売も良いけど、まずはメールで頼んだことをお願いするヨ」

浦原「わかってますよ〜、それでは、キーボさん、さっそくーーー」スッ

キーボ「ち、ちょっと、急になんですか? 近づいてきてーーー」

浦原「あー、スイマセン、失礼ながらこれから検査をさせて頂きます」

キーボ「検査?」

浦原「…ええ、検査です」







浦原「そのステキなボディの中に、危険物でもあれば、大事になりかねませんから」



77 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/07(木) 22:54:16.40 ID:6tIgPZ+tO



キーボ「!?」

キーボ「き、危険物ってーーー」

浦原「ーーーいやあ〜、だって、ロボットと言ったらドリルやミサイルってイメージあるじゃないっスか?」

キーボ「………あっ、」

浦原「そういったものが付いていたら日常生活も大変でしょう?」

キーボ「………っ、」

浦原「それにアタシ、こんな成りしてますが、科学者の端くれではありましてね」

キーボ「科学者…?」

浦原「ええ、科学者です」

キーボ「…ここは、オカルトな死後の世界では無かったのですか?」

浦原「確かにここは、オカルト現象の吹き荒れる死後の世界ではありますがーーー、科学者は普通に存在していますよ」

浦原「実際に入間サンという科学者の方が、こちらに来ているじゃないっスか」

キーボ「………」

浦原「それで、もしキーボさんの身に何か大事があったらアタシの力でどうにか解決できたら、と思っています」

キーボ「………」

真宮寺「…大丈夫だとは思うけど、一応ネ」

アンジー「アンジーも、やった方が良いと思うなー」

浦原「ーーーというわけで、検査、させて頂けませんか?」



78 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/07(木) 22:56:32.80 ID:6tIgPZ+tO



キーボ「っ、しかしーーー」

アンジー「…キーボ、大丈夫だよー」

キーボ「…アンジーさん?」

アンジー「喜助はねー、ものすごーく、うさんくさいけど、信頼できる人だからー!」

真宮寺「そうだネ、非常に怪しい人物ではあるけど、信頼は大切にする人だヨ」

浦原「信頼第一、商売人として当然っス!」

キーボ「………」

真宮寺「ーーーどうか、彼を信じて、検査を受け入れてくれないかな、キーボ君?」



79 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/07(木) 22:58:40.91 ID:6tIgPZ+tO



キーボ「ーーーわかりました」

浦原「!」

キーボ「…たしかに、危険物があっては迷惑をかけかねませんからね」

キーボ「検査、お願いします」

浦原「ありがとうございます! それでは、さっそくーーー」

キーボ「ただし!」

真宮寺&アンジー「「!?」」

浦原「………」

キーボ「ボクの記憶領域には、決して干渉しないでください。それが検査の条件です」



80 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/07(木) 23:02:47.25 ID:6tIgPZ+tO



真宮寺「………」

アンジー「………」

浦原「………」

キーボ「良いですね?」

浦原「…もちろんっス。キーボさんの記憶領域には一切触れません。その条件で検査させて頂きます」

キーボ「…それでは、検査をーーー」

浦原「その前に、場所を変えようと思います」

キーボ「えっ、」

浦原「いやー、もし、ここで “ ドカン! ” ってなったら大変でしょう? なので空いている修練場…広く頑丈な部屋の方まで移動してから、検査させて頂きます」

浦原「いまのあの部屋は、防音設備も充実しているっスからねえ。いろいろと話しやすくもあると思うっスよ?」

キーボ「………」

浦原「…構わないっスよね?」

キーボ「…わかりました。移動しましょう」

浦原「ありがとうございます! それでは、さっそくレッツゴーといきましょう!」



スタスタ……





………………………………………………………………






81 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/07(木) 23:03:49.33 ID:6tIgPZ+tO
今日はここまで
82 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 19:28:42.88 ID:xnD0gfu6O
投下します
83 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 19:32:35.24 ID:xnD0gfu6O



………………………………………………………………






キーボ(ーーーそうして、ボクは、アンジーさんと真宮寺クンといったん別れて、浦原さんと共に修練場に行った)







キーボ(それから、検査が始まるーーー)







キーボ(ーーーそのはずだったんですがーーーー)



84 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 19:37:28.19 ID:xnD0gfu6O



ー志波家の屋敷・修練場ー



キーボ「………………」

浦原「…………………………」

キーボ「…あの、すいません」

浦原「…なんでしょう?」

キーボ「さっきからボク、浦原さんに言われた通り、ずっと目を瞑っているんですけど、いつ検査は始まるんでしょうか?」

浦原「…ああ、大丈夫っス」

キーボ「…なにがですか?」



浦原「もう検査は終わりましたから」



85 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 19:40:34.16 ID:xnD0gfu6O



キーボ「!?」

浦原「………」

キーボ「そんな、いつの間にーーー」

浦原「一応言っておきますが、インチキとかサギとかではありませんよ」

浦原「アタシは確かに、キーボさんが目を瞑っている間に検査させて頂きました」

浦原「というか、そうでもなければ、あのお強い空鶴さんからどんな目に遭わされるかわかりませんから」

浦原「いいかげんな商売は、できません」

浦原「まっ、具体的な方法は、企業秘密っスけどね」

キーボ「………」

浦原「その上で検査結果を報告させて貰いますがーーー」







浦原「ーーー現在のキーボさんには、危険な機能は、何一つ付いていませんでした」



86 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 19:43:22.05 ID:xnD0gfu6O



キーボ「………え?」

浦原「入間サンからお聞きしていた通りの設計っス」

浦原「人と一緒に生活していても、何ら危険の生じない、安全安心の設計っスよ!」

キーボ「ま、待ってください! そんなはずーーー」

浦原「おや、何かおかしなことでもあるんスか?」

キーボ「…っ、」

浦原「何か危険なものを取り付けたご記憶でも?」

キーボ「…………っ、」



87 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 19:47:41.28 ID:xnD0gfu6O



浦原「一応断っておきますが、この尸魂界で “ それら ” が付いていない状態になっていたとしても、何ら不思議は無いっスよ」

キーボ「………どういうことですか?」

浦原「尸魂界には、現世から持ち込めるものとそうでないものがあるんス」

浦原「例えば、最近身に付けた…いわゆる “ 外付け ” したような、肉体との繋がりの小さいものは、持ち込めない仕組みなんスよ」

キーボ「………」

浦原「まあ、それが生命活動の維持に必要なものだったりする場合は、肉体との繋がりも大きくなるため、尸魂界に持ち込むことは可能っスけどーーー」

浦原「ーーー裏を返せば、生命維持に必要の無い、 “ 外付け ” アイテムは全く持ち込めないってわけっス」



88 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 19:49:30.61 ID:xnD0gfu6O



キーボ「…なるほど」

キーボ「しかし、そうなると、衣服なども持ち込めないということになりますがーーー」

浦原「おっしゃる通り、衣服を持ち込むことはできません」

キーボ「………」

浦原「衣服は、定期的に着脱を繰り返すものですし、その情報が完全に魂魄に定着することは無い」

浦原「まず、持ち込めないっスね」

浦原「…もし、ずっと衣服を着用したままの人であれば、可能かもしれませんがーーーーーーそんな人は限りなくゼロに近しいでしょう」

浦原「故に、キーボさんのおっしゃる通り、衣服は尸魂界に持ち込めず、基本的に誰もが、ありのままの姿で送られるってわけっス」



89 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 19:57:51.12 ID:xnD0gfu6O



キーボ「ありのまま…つまりは、裸ってことですね」

浦原「ええ、現世で亡くなり魂魄だけとなった者は、現世では魂魄が衣服を着た状態にありますがーーー」

浦原「ーーーその衣服の情報定着が不充分であるため、尸魂界に送られる場合、基本的に裸の状態で、ということになります」

キーボ「………」

浦原「とは言っても、別に人が目を覆うような、あられもない、ふしだらな事態にはなりません」

浦原「きちんと、衣服は自動的に着用されることになります」

キーボ「………?」

浦原「尸魂界に来た魂魄は、その瞬間、真宮寺サンとアンジーさんがいま着ているような和服が自動で着用されるシステムなんスよ」

キーボ「………?!?」

浦原「…修多羅千手丸(しゅたら せんじゅまる)サンという科学者の方が、そのシステムを作ってくれたんス」



90 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 20:03:14.33 ID:xnD0gfu6O



キーボ「瞬間的に、着用………」

浦原「………」

キーボ「ーーーそんなこと、どうやってーーー」

浦原「…残念ながら、秘匿技術でして、アタシも詳しくは答えられません」

キーボ「…そうですか」

浦原「ーーーですが、何はともあれ、無償で和服を貰えて、あられもない姿を晒すことが無くなったわけっスからね」

浦原「現世で亡くなられた方たちにとっては安心できる話だと思うっスよ」

キーボ「…あれ、でも、真宮寺クンは、和服だけじゃなくて、マスクやバンダナをつけていたような気がーーー」

浦原「ああ! あれはウチの商品っス!」

キーボ「…商品? 駄菓子屋では無かったんですか?」

浦原「フフフ…駄菓子屋だからと言って、その名の通りのことばかりしていれば、時代に取り残されてしまいます」キラーンッ

浦原「浦原商店では、マスクやバンダナ、パンツだって売ってるんスからねー!」パッパラ〜!



91 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 20:06:41.59 ID:xnD0gfu6O



キーボ「…服屋も兼ねているってことですか」

浦原「服だけじゃあ無いんスけど………まあ、わかりやすく言うなら、そんな感じにはなるっスね」

キーボ「…ですが、気になることがあります」

浦原「…なんでしょう?」

キーボ「なぜ、ボクは、以前の装甲を着用したままなのでしょうか?」

浦原「………」

キーボ「先ほど、あなたの返答から、この尸魂界に衣服を持ち込めないということについて確認させて貰いました」

浦原「…ええ、そうっスね」

キーボ「しかし、そうだとすると、なぜボクは、この装甲を着用したままなのか…」

浦原「………」

キーボ「この装甲も、服とは違いますが、メンテナンスのために定期的に着脱はしています」

キーボ「なのに、どうして、着用したままなのかーーー」

浦原「…そこは、まあ、アレじゃないですかね?」

キーボ「……… “ アレ ” ? アレとはいったいーーー」

浦原「いや、単純に “ ロボットだから ” じゃ、ないんスかね?」

キーボ「ーーーあなたも、ロボット差別ですか」

浦原「とんでもありません! アタクシ共、浦原商店では、ロボットも人も関係なく、ステキな商品をお届けさせて頂く所存っスよ!」



92 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 20:13:48.00 ID:xnD0gfu6O



浦原「ーーーああ、それはそうとお気づきかもしれませんがーーー」

キーボ「?」

浦原「キーボさんの、カメラと集音器、どちらも情報伝達の際のフィルターがあったようですが、その両方が撤去されていますね」

キーボ「…フィルター、ですか」

浦原「ええ、キーボさんは、視力と聴力に関しては “ 元から ” 規格外の性能をお持ちだったようなのですがーーー」

キーボ「………」

浦原「ーーーそこから電子頭脳に伝達される情報が、外付けのフィルターを介して大幅に制限されていたようです」

浦原「実際問題、入間サンから教えて貰った内部構造には、フィルターの存在がありましたから」

浦原「それが、 “ どういうわけか ” 、撤去されているという話です」



93 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 20:17:52.19 ID:xnD0gfu6O



キーボ「………なぜ、フィルターなんてあったのでしょうね?」

浦原「………」

キーボ「ーーーなぜ、視力と聴力だけ、元から規格外の性能があったのでしょう?」

浦原「…なぜ、それをアタシに訊くんですか? アタシに答えられるはずが無いじゃないですか」

キーボ「………」

浦原「【キーボさんの開発者が】【どういう目的で】【視力と聴力だけ】【規格外の性能にして】【さらにはフィルターをかけて情報制限していたか】なんて、それこそ開発者の方しか答えられないことでしょう」

浦原「その辺りについて、アタシから答えられることは何もありません」

キーボ「…それもそうですね」

浦原「ーーー兎も角、ここで大切なのは、【なぜ規格外の性能があったか?】【なぜフィルターがかけられていたのか?】などではなくーーー」

浦原「ーーー【規格外の性能を制限するフィルターが取り付けられていたものの】【それが撤去された状態にある】ってことっス」

浦原「実際に、いまのキーボさんは、非常に高い視力と聴力を有し続けているのでは?」

キーボ「………」

浦原「キーボさん…アナタはその気になれば、この屋敷にいる小さな生き物たちの姿とその鳴き声がわかるんじゃないっスか?」



94 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 20:22:17.87 ID:xnD0gfu6O



キーボ「…言われてみれば、確かに、この屋敷では、小さな虫のような生き物の群れがさえずっているように見えますね」キュルキュル

キーボ「それらは主に、天井の穴と両わきの木枠の上にある植物らしきものから発生しているようですがーーー」ジー…

浦原「ご名答! その天井にあるのは、【ホタルカズラO】と言いまして、発光型の植物に品種改良を重ねて作り出した、浦原商店の自信作なんスよ!」

キーボ「発光…ああ、だから、こちらの屋敷は電球も無しにここまで明るいのですね」

浦原「その通り! なお、ここが地下にありながらこうまで明るいのも、全ては【ホタルカズラO】のお陰っス!」

浦原「そして、そのOの花粉から生まれる変種の菌が、この空気中を漂う小さな虫みたいな生き物なんスよ!」

キーボ「菌………」

浦原「この菌は、人の肉眼ではまず見えないサイズですがーーー」

浦原「ーーー有害となるような悪い菌、人や植物に悪影響を与える菌を捕食し、一瞬で無害なものに変換して取り込んでくれる良菌なんス!」

キーボ「………」

浦原「さらには、O本体の購入者の言葉一つで、本体の発光を止めるよう働きかけることも可能です!」

浦原「【ホタルカズラO】! 少々、お値段は張りますが、当店イチオシの商品ですよ!」

キーボ「…あー、その、申し訳無いのですが、今はお金の持ち合わせはおろか、ゲームに使用するようなメダルすら持っていない状況でしてーーー」

浦原「いえいえ、今回はあくまでキーボさんの視力や聴力が上がっていることの証明を兼ねて宣伝しただけっスから! 購入するかどうか決めるのはまた別の機会です!」

浦原「志波家で働けばご給金は充分に出ますしーーー」

浦原「ーーーもし、キーボさんにも個室が与えられる時があれば、是非ご一考を!」

キーボ「はあ………」



95 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 20:25:04.64 ID:xnD0gfu6O



浦原「………さて、話を元に戻しますがーーーーーーこの空気中の菌を、意識一つ切り替えることでキチンと認識できるくらいには、キーボさんの視力と聴力が規格外のレベルに達していることは証明されたわけです」

浦原「フィルターが撤去されたことについて、納得して頂けましたでしょうか?」

キーボ「…ええ、とてもよく理解しました」

浦原「…どうっスかね? いまなら、 サービスで、無料で似たようなフィルターを付け直すこともーーー」

キーボ「結構です」

浦原「…良いんスか? 本当に」

キーボ「ええ、構いません」

キーボ「………このカメラと集音器の機能は、オート及びマニュアルの両方で調整可能な状態にありますしーーー」キュルキュル

キーボ「ーーーそれに、今はむしろ、機能の高い状態がデフォルトである方が好都合ですから」

浦原「ーーーそうっスか。それじゃあ、今回のサービスはーーーー」






………………………………………………………………





96 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 20:25:57.84 ID:xnD0gfu6O
今はここまで
97 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 21:49:36.11 ID:xnD0gfu6O
続きを投下します
98 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 21:58:23.22 ID:xnD0gfu6O



………………………………………………………………




キーボ(ーーーそうして、話が脱線しながらも検査は終了し、さらなるサービスとして無料でボクの身体を洗浄してくれた後、浦原さんは帰り、ボクは真宮寺クンの部屋に戻りました)




真宮寺(…布団には予備があるし、一応それも敷いた方が良いかな………)


真宮寺(そして、それからーーー)




キーボ(………また、浦原さんは帰り際に、浦原商店初の “ ロボット消費者 ” であることを理由に、 “ 伝令神機 ” …いわゆる携帯電話のプレゼントをしてくださいました)


キーボ(もし、ボクの【機械の身体に異常が発生した時】【いつでも電話してくれて構いません】【いつでも修理にかけつけます】と言伝と、取扱説明書を残してーーー)


キーボ(ーーー浦原さん、あの人にはいずれ、キチンとお礼をしなくてはなりませんね)


キーボ(…浦原さんに検査をお願いしてくれた真宮寺クンにもお礼をするべきでしょうかーーー)チラッ



真宮寺「ーーーよし、あとは、 “ これ ” をーーー」スッ



キーボ(ーーーーーーーーーーーーーーーー)



99 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:00:13.95 ID:xnD0gfu6O













岩鷲「おーい! オメーら、飯ができたぞ!」バタンッ











100 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:01:38.83 ID:xnD0gfu6O



真宮寺「ありがとう、岩鷲君、すぐにでも行かせて貰うヨ」

岩鷲「おう! 先に行ってるぞ、オメーら!」スタスタ

真宮寺「さァ、キーボ君も」

キーボ「…ボクも行って良いんでしょうか?」

真宮寺「………」

キーボ「…キミも知っているでしょう?」

キーボ「…ボクは、皆さんのように、食事をーーー」

真宮寺「ーーー大丈夫だヨ、キーボ君」

キーボ「?」

真宮寺「 “ これ ” があれば、ネ」スッ

キーボ「? それはーーー」

真宮寺「はい、キーボ君」ポンッ



101 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:06:17.22 ID:xnD0gfu6O



キーボ「…なんですか、この、メカメカしい蚊取り線香みたいなものは?」ジー…

真宮寺「これは、入間さんがこっちで発明した、 “ 物質電力変換装置 ” ーーー」

真宮寺「ーーーその名も【エレキイーター】だヨ」

キーボ「【エレキイーター】…ですか?」

真宮寺「これが近くにあれば、その特殊な力場によって、君は食事が可能となる」

キーボ「………………」

キーボ「………………………………はい?」

真宮寺「そして、君の口の中にある物質…すなわち食料を電力に変換して、そのままエネルギーにできるのサ」

キーボ「………!?!?」

キーボ「ーーーな、なんなんですか!? その発明は!?」

キーボ「入間さんはそんなものまで発明したって言うんですか!?」

真宮寺「そうだネ、紆余曲折はあったものの、入間さんの発明品であることは間違い無いヨ」

キーボ「………」

真宮寺「効果が気になるならば、食事場まで向かうことだヨ」

真宮寺「僕が案内するからサ」

キーボ「………そうですね、試してみないことには始まりません」

キーボ「案内をお願いします、真宮寺クン」






………………………………………………………………





102 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:08:43.16 ID:xnD0gfu6O



ー志波家の屋敷・食事場ー



金彦「食事の準備が」

銀彦「整いました」

キーボ「………」

空鶴「よし、飯の時間だ、テメエら!」

空鶴「まずは、全員でーーー」

岩鷲「いっただっきまーす!」

アンジー「いただきまーす、だよー!」

真宮寺「ククク…今日も美味しく頂かせて貰うヨ」

キーボ「ーーーいただきます!」



103 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:11:47.92 ID:xnD0gfu6O



キーボ「………」ジー…



アンジー「………うんうん、ちゃんと美兎のキカイ持ってきてるね、キーボ」



キーボ「アンジーさん…」



アンジー「…でもでもー、食べないと、ご飯もキカイももったいないよー?」



岩鷲「そうだぞ、キーボ! この料理はウチの金彦(こがねひこ)と銀彦(しろがねひこ)が俺達のために! その機械は入間ちゃんがオメーのために! それぞれ真心込めて作ったもんだ!」

岩鷲「なのに、食わないってのは、人の心を大切にしないってことだ! 俺様の目の黒いうちは、そんな真似、させやしねえぞ!」



104 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:14:08.17 ID:xnD0gfu6O



キーボ「………そうですね。キミ達の言う通りです」

キーボ「さっそく、食べさせて頂きます」

岩鷲「よく言った! さあ、食え! 遠慮はいらねえぞ!」

アンジー「パクッといっちゃえー! キーボ!」

キーボ「…はい!」

真宮寺「………」


キーボ(…これで本当に食事がーーー)


キーボ(ーーーまずは、一口、いきましょうか)スッ…



キーボ「………」パクッ







キーボ「…はっーーーー!」



105 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:16:53.28 ID:xnD0gfu6O



キーボ「………」



アンジー「んー? どうしちゃったー、キーボ?」

真宮寺「…もし、何か気になることがあるなら、浦原さんから貰った電話でーーー」



キーボ「ーーー食える」



アンジー「…へっ、?」



キーボ「食える、食えますよ…入間さん!」



真宮寺「…キーボ君?」



キーボ「ふはははははははははははははは!!!」

キーボ「食える、食える、食える、食えますよー!!」




キーボ「これが、甘味か!」パクパク

キーボ「これが、辛味か!」ガツガツ




キーボ「これが、旨味か!」



106 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:18:52.77 ID:xnD0gfu6O



キーボ「そして、これが、旨味の染み渡る感覚……!」モグモグ



キーボ「ああ、思っていたよりーーー」



キーボ「悪くなーーー」







アンジー「ーーー静かにして、キーボ」

真宮寺「流石に叫ばれるのは、ちょっとネ」







キーボ「………すいません」



107 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:21:11.79 ID:xnD0gfu6O



………………………………………………………………




空鶴「ーーー食い終わったな、テメエら!」

空鶴「それならーーー」

岩鷲「ーーーごちそうさまでした!」

アンジー「神ったごちそう、ありがとー! にゃははー!」

真宮寺「ごちそうさま、だヨ」

キーボ「…ごちそうさまでした!」

空鶴「よし、あとは身体休めて明日に備えろ! そんで、みっちり働いて貰うからな!」



108 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:23:34.00 ID:xnD0gfu6O



キーボ「………」

真宮寺「ククク…どうだい? はじめて食事を摂ったことに対する気持ちは?」

真宮寺「食事の終わった今なら、多少は声を張り上げても許されると思うヨ?」

アンジー「そうだねー、それに美兎が言うには、そのキカイで食べるとお口の中にご飯がぜんぜん残んないんだってー! 口臭とか気にしなくて良いんだってー!」

アンジー「だから、いまなら元気な声でも大丈夫なんだよー!」

キーボ「…冷静になってみると居た堪れない気持ちになるので、声のボリュームは上げませんがーーーーーー食事を摂ったことへの気持ちについては答えます」

アンジー「…どんな気持ちー?」

キーボ「…嬉しいに決まってるじゃないですか。はじめての食事ですよ?」

キーボ「どうも、ありがとうございました。コガネヒコさん………シロガネヒコさん」

金彦「こちらこそ、味わって頂き光栄の極みです」

銀彦「それと出来れば、彼女の方にもお礼を」

キーボ「…そうですね」

キーボ「この美味しいという感覚…それをボクに味わって貰うため、入間さんはこの発明品を作ってくれたーーー」

キーボ「ーーー次にあなたに会った時には、必ずお礼を言わせて頂きます、入間さん!」

真宮寺「…そうだネ、それが良いヨ」

真宮寺「きっと、彼女も喜ぶだろうからサ…」

アンジー「………にゃははー! 美兎は、キカイには素直だからねー!」

キーボ「ええ…その通りですね」



109 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/08(金) 22:25:20.82 ID:xnD0gfu6O
今日はここまで
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/09(土) 00:02:46.69 ID:ar8ARQReo
今のところひたすらBLEACH世界の説明と日常トークでこれからどんな話になるのか全くわからないな
111 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:05:20.65 ID:sIOuNwy0O
このSSは、しばらくは基本的にBLEACH世界の説明や日常トークしながら話を進める予定です

なお、これからどんな話になるか、その着地点も考え済みです

いまは、(非)日常編みたいなものだと思って頂ければ







前回の続きから投下します
112 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:07:31.35 ID:sIOuNwy0O



金彦「…それでは、私どもはこれで」

銀彦「仕事がまだ残っておりますゆえ、申し訳ありませんが席を外させて頂きます」

キーボ「いえ、こちらこそ、お忙しい中、引き止めてしまって申し訳ありません」

キーボ「これからも、よろしくお願いしますね! コガネヒコさん!シロガネヒコさん!」

金彦「…ええ!」

銀彦「こちらからも、よろしくお願いします、キーボ殿!」




スタスタ………



113 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:11:31.07 ID:sIOuNwy0O



真宮寺「…礼儀正しいんだネ、君って」

キーボ「…相手は立派な社会人の方々です」

キーボ「だとすれば、親しい関係になるプログラムではなく、礼儀を尽くすプログラムに切り替えるのは当然でしょう」

アンジー「………うんうんー、ここで、そういうこと言っちゃうところ、キーボらしいねー」

真宮寺「…まさかとは思うけど、君は自分から行動するのを怠って、そのプログラムに任せて機械的かつ自動的に礼儀正しく振る舞っていたのかい?」

キーボ「そんなことしませんよ! 礼儀のプログラムも親しい関係になるプログラムも、あくまでも参考にしただけで、ボクはボク自身の意思によるマニュアル操作で動いています! 怠けてなんていません!」

真宮寺「………そう、それなら良かったヨ」

アンジー「そうだねー! そこでサボってたら、きっと神さまも罰を当ててたよー!」



114 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:16:43.58 ID:sIOuNwy0O



キーボ「ーーーしかし、入間さんも、よくこんな、すごい発明が出来ましたね」

真宮寺「? まァ、確かに、すごい発明ではあるけど…」

アンジー「でもでもー、美兎ならこのくらい普通にできるんじゃないのー?」

キーボ「いえ、入間さんがすごいことはボクも同感ですが、死後の世界でも生前と同じように発明できたことに驚いたんです」

キーボ「いくら、入間さんでも、自身の研究教室も無しに、ここまでの発明ができるとは思えません」

キーボ「いったい、どうやって発明をーーー」

真宮寺「あァ、その説明は簡単だヨ」

キーボ「え?」

真宮寺「さっきの人…浦原さんから、器具や機材を貸して貰ったんだヨ」



115 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:22:15.80 ID:sIOuNwy0O



キーボ「浦原さんが、ですか?」

アンジー「そうだよー、喜助が美兎にサービスしてくれたのだー!」

真宮寺「浦原さんは、入間さんに興味を持っていてネ」

真宮寺「自分の目の前で、入間さんの才能を披露して貰う代わりに、霊的科学に関する知識と、発明のための器具や機材を貸して………いや、ほぼ無償で提供してあげたのサ」

真宮寺「それを用いて誕生した発明の一つが、さっきの【エレキイーター】なんだヨ」



116 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:34:14.84 ID:sIOuNwy0O



キーボ「………一つ?」

キーボ「まさか、他にもあるんですか?」

真宮寺「そうだネ、たとえば、装着するだけで、片手の指の動きだけでメールを打てるようにするバングルがあるヨ」スチャッ

キーボ「………なっ、!?」

真宮寺「バングルから読み取られた片手の動きでメールが作成され、自動的に装着者の脳内に転送され、内容を確認した後は伝令神機に転送し、そこからメール送信ができる」

真宮寺「これなら、視覚や聴覚を阻害しないから、慣れてしまえば移動中に息をするようにメールの送信が可能となるんだヨ」

キーボ「そんなものまで…って、まさか、それはーーー」

真宮寺「そう、僕が気づかれることなく、空鶴さん達と浦原さんにキーボ君のことを伝えることができたのは、その方法を使ったからなんだヨ」

キーボ「なるほど…入間さんの発明品ならば納得です」

真宮寺「ちなみに、今は押し入れの中だけど、君の身体を自動で洗浄する【ロボットウォッシャー】、自動でメンテナンスを行う【ロボットチェッカー】というのもあるしーーー」

真宮寺「ーーーあと、最近発明したものの中には、霊力ある存在を感知する装置、【パワーセンサー】があるヨ」スッ

キーボ「霊力………」

真宮寺「この装置を使って、僕は君に霊力があることを確認したのサ」

キーボ「…そういえば、ガンジュ…クンが現れる直前、そういった話をしていましたね」

真宮寺「そう、そして、それは入間さんの【パワーセンサー】のおかげだったんだヨ」

キーボ「ーーーなるほど! 流石です、入間さん!」



117 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:37:33.11 ID:sIOuNwy0O



真宮寺(………本当に、彼女には恐れ入るヨ)


真宮寺(今の忙しい中、霊力ある存在を感知する装置を発明するなんてネ)


真宮寺(僕達が持っている伝令神機にも似たような機能はあるけれどーーー)


真宮寺(ーーーあれで反応するのは、悪霊だけだからネ。他の魂魄………ましてやロボットの霊力感知なんて出来やしない)


真宮寺(………他の発明といい、ここに来るかどうかもわからないキーボ君がために、ここまでするとはネ………)




真宮寺(入間さん、彼女は、本当にーーーー)



118 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:39:33.35 ID:sIOuNwy0O



キーボ「ーーーですが、同時に驚きましたよ」



キーボ「ボクに、霊力などというものが宿っているとは…」







真宮寺「…どういう理由かまでは、わからないけどネ」







アンジー「………」



119 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:42:00.54 ID:sIOuNwy0O



キーボ(ーーーなぜ、霊力などというものがボクに、ひいては赤松さん達に宿っているのか大変気になるところですがーーー)


キーボ(ーーーここで思考を繰り返したところで、おそらく結論は出ないでしょう)


キーボ(そういったことに時間を費やすくらいならば、そうーーー)


キーボ(ーーー赤松さん達の現状、それに加えてこの死後の世界のことを、もっと深く知るべきでしょう)


キーボ(その内容次第では、ボクがこの死後の世界でどう立ち回るべきかも変わってくるでしょうから)


キーボ(………これからしばらくは、情報収集に集中した方が良さそうですね)




キーボ(そうなると、まず聞くべきはーーーー)



120 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:44:35.83 ID:sIOuNwy0O



キーボ「ーーーこれまでの話を振り返るに、赤松さん達はセイレイテイに住んでいて、いま忙しいんですよね?」

真宮寺「…まァ、そうだネ」

キーボ「具体的に、どう忙しいのでしょうか?」

真宮寺「………」

アンジー「………」

キーボ「………?」

キーボ「真宮寺クン? どうかしましたーーー」







真宮寺「ーーー赤松さん達は、それぞれの目指すもののために、日夜努力しているんだヨ」



121 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:47:23.89 ID:sIOuNwy0O



キーボ「…目指すもの、ですか?」

真宮寺「そうだネ、それぞれ目指すものがある」

真宮寺「そのために、今を懸命に頑張っている」

アンジー「………」

キーボ「…具体的には、どういうことなのでしょうか?」

真宮寺「ーーー本来ならば、そうホイホイ話すようなことでも無いけどーーー」

キーボ「?」

真宮寺「ーーー赤松さん達は、【もし仲間が来たら】【無用な心配をかけることの無いよう】【自分達のことについて話してくれて構わない】って言ってたからネ」

真宮寺「だから、今回は特例で話すことにするヨ」

キーボ「ーーーわかりました、是非、お願いします」

真宮寺「ただ、その話は、僕が貸して貰ってる部屋に戻ってから行うとするヨ」

真宮寺「いつまでも、食事場で話すわけにはいかないからネ」

キーボ「…そうですね。それでは移動しましょう」

アンジー「…レディゴー、是清部屋ー!」






………………………………………………………………





122 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 19:49:43.79 ID:sIOuNwy0O
今はここまで
123 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:32:21.76 ID:sIOuNwy0O
続きを投下します
124 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:36:02.72 ID:sIOuNwy0O



………….………….………….………….………….……




真宮寺「ーーー部屋に戻ったし、さっそく皆について順番に説明させて貰うヨ」

キーボ「はい、お願いします」

アンジー「………」



真宮寺「まず………茶柱さん、東条さん、ゴン太君、入間さん、百田君の5名についてだけどーーー」

真宮寺「ーーー彼女たちは、死神を目指しているヨ」



キーボ「そうですか、死神にーーーー」



125 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:38:33.20 ID:sIOuNwy0O



キーボ「ーーーって、死神!?」

アンジー「んー? どうしたー、キーボ?」

アンジー「ここは死後の世界だよー?」

アンジー「しにがみがいても、おかしくはーーー」

キーボ「そういうことじゃありませんよ!?」

キーボ「たしかに、ここは死後の世界! 死神がいてもおかしくはないでしょう!」

キーボ「ですが、死神って言ったら、生きている人を無理やりあの世に連れて行く恐ろしい存在じゃないですか!?」

アンジー「…あー、なるほどねー」

キーボ「なぜ、彼女たちはそんな存在になろうとするんです!? というか、人が死神になれるんですか!!?」







真宮寺「…そうだネ、まずはそこから説明しないとネ」



126 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:41:09.87 ID:sIOuNwy0O



キーボ「? どういうことですか?」

真宮寺「キーボ君、この世界の死神とは、君が想像しているようなものじゃあないんだヨ」

キーボ「???」

真宮寺「まず、この尸魂界における死神とは、尸魂界、ひいては現世を守護するための存在ーーー」

真宮寺「ーーーいわゆる、世界の管理者なんだヨ」

キーボ「管理者……」

真宮寺「この世界が一つの国だとするならば、死神は兵士に該当するネ」

キーボ「………」

真宮寺「人の魂をあの世に持っていくというのも間違いでは無いけれどーーーーーーそれは何らかの理由で現世に残ってしまった魂魄を昇華…わかりやすい言い方にすれば、成仏させるということなんだ」

真宮寺「だから、生きている人を殺して、無理やりあの世に連れて行くだとかーーーーーー間違ってもそんな存在では無いヨ」



127 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:43:06.92 ID:sIOuNwy0O



キーボ「ーーーですが、茶柱さん達は、あくまでも人であって、妖怪などではありませんよね?」



アンジー「………」



キーボ「それが、死神になれるんですか?」



真宮寺「………おそらく君は、死神と聞いて、大鎌を手にした黒装束の骸骨を想像していると思うけどーーー」



キーボ「? 違うんですか?」







真宮寺「ーーー違うんだヨ」



128 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:45:44.95 ID:sIOuNwy0O



真宮寺「確かに、死覇装(しはくしょう)と呼ばれる黒い着物は着ているけれど、大鎌を手にしているとは限らないし、骸骨でもない」

真宮寺「なぜなら、この、尸魂界における死神とは、人の魂魄が進化した存在を指すのだから」

キーボ「進化?」

真宮寺「そう、進化」

アンジー「………」

真宮寺「人の魂魄は、 “ 真央霊術院 ” …死神の学校に入学して6年かけることで、完全なる死神の魂魄へと、進化を遂げることが出来る」

真宮寺「基本的に、ネ」

真宮寺「故に、人の魂魄である茶柱さん達も、死神になることは可能だしーーー」

真宮寺「ーーー元が人である以上、人と変わらない姿をしているってわけだヨ」

キーボ「………」



129 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:48:28.70 ID:sIOuNwy0O



真宮寺「キーボ君にもわかりやすく言うならーーーーーー尸魂界における死神とは、バージョンアップした人の魂魄なのサ」

キーボ「…人のバージョンアップって、サイボーグか何かですか?」

真宮寺「………サイボーグというよりも、エスパーと呼んだ方が、僕としては適切だと思うネ」

キーボ「エスパー?」

真宮寺「人から死神への昇華、それは人の魂魄が持つ霊能力、すなわち超能力を鍛えた末に起こる進化現象だ」

真宮寺「例えば、霊能力を鍛えると、【パワーセンサー】のようなものが無くとも、身体の感覚だけで、周囲に霊力ある魂魄がいるかどうか感知することができるしーーー」

キーボ「!」

真宮寺「ーーーその相手の霊力の “ 質 ” を感じ取り、相手が死神かそれとも別の存在か、細かく見分けることも可能となる」

真宮寺「それこそ、その霊力ある魂魄が何処の誰か? 個人レベルで見分けることだって可能となるのサ」

キーボ「………」

真宮寺「ならば、それはサイボーグというよりもエスパーと言った方が近い」

真宮寺「僕はそう思うヨ」



130 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:50:16.93 ID:sIOuNwy0O



キーボ「ーーーなるほど、勉強になります」

真宮寺「僕の説明が役に立ったようでなによりだヨ」

アンジー「………」

キーボ「ですが、気になることがあります」

真宮寺「何かな?」

キーボ「そもそも、なぜ茶柱さん達は死神になろうとしているのでしょうか?」



131 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:51:58.88 ID:sIOuNwy0O



真宮寺「ーーーそうだネ。それについても詳しく説明するヨ」

キーボ「お願いします」

アンジー「………」

真宮寺「………まずは、茶柱さん、東条さん、ゴン太くんの三人について説明させて貰うネ」

キーボ「………」

真宮寺「茶柱さん達三人が死神になろうとしている理由ーーーーーーそれは単純に、恐怖で心の弱った人達を助ける仕事がしたいからサ」

キーボ「恐怖…ですか?」

真宮寺「そう、恐怖」

真宮寺「死神の仕事には、悪霊との戦いも含まれていてネ。それには死の危険がつきまとうし、現実として殉職率も高い」

真宮寺「故に、恐怖に呑まれてしまう死神は、決して少なくは無いんだ」

アンジー「………」



132 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:54:30.00 ID:sIOuNwy0O



キーボ「…死神って、真宮寺クンが言うには、死者の魂が進化した存在ですよね? 既に死んでいる人が死ぬとはどういうことなのでしょうか?」

真宮寺「確かにおかしな話に感じるかもしれないけど、死者でも死ぬことはあるんだヨ」

真宮寺「そして、死者が死ぬということは、生身の肉体ではなく魂魄の死を意味している」

真宮寺「魂魄が死んでしまえば、転生することも不可能」

真宮寺「死の究極の形と言っても差し支えは無いヨ」

キーボ「なるほど…」

真宮寺「そうした死を、死神達は恐れている。その恐怖に呑まれることだってある」

真宮寺「それで、時に誤った判断を下してしまう人だっている」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「それは、覆しようの無い、確かな事実なのサ」



133 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:56:52.52 ID:sIOuNwy0O



真宮寺「………だからこそ、茶柱さん達は、誰よりも死を恐れる死神達のために、自分達も死神になろうとしているんだヨ」

キーボ「それは、茶柱さん達も、悪霊と戦う…ということですか?」

真宮寺「それも視野に入れてはいるけれど、第一志望は死神を救護する部隊に入ることみたいだネ」

キーボ「救護部隊、ですか」

真宮寺「そうだネ、さっき述べた通り、死神と言っても決して不死では無い」

真宮寺「故に、死なせないよう、壊さないよう、心身ともに支え、全身全霊を込めて救護する部隊も存在する」

真宮寺「そこを、茶柱さん達は第一志望として、入ろうとしているのサ」

真宮寺「それが、自分達だからこそ、できることであると信じてーーー」

キーボ「…茶柱さんらしいですね。生前も死後も、前向きに真っ直ぐ生きているなんて」

キーボ「彼女が死神になれば、影響されて元気になる人も、きっと多く現れることでしょうね」

真宮寺「…そうだネ、その通りだと思うヨ」

キーボ「………」

真宮寺「実際、東条さんも、ゴン太君も、茶柱さんに影響されて、同じ道を選んだわけだからネ」

アンジー「………」



134 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 21:59:24.23 ID:sIOuNwy0O



キーボ「…やはり、そうだったんですか」

真宮寺「そうだネ、君が察している通りだヨ」

真宮寺「東条さんも、ゴン太君も、茶柱さんの前向きな気持ちに影響されて、自分達も同じ道を歩むことに決めた」

真宮寺「だけど、それは決して流されたわけじゃない」

真宮寺「東条さん達が、熟慮の末に、決めたことだ」

真宮寺「それは、わかって欲しい」

キーボ「ーーーわかってますよ」

キーボ「東条さんも、ゴン太君も、それぞれ懸命に、必死になって考え抜こうとする人です」

キーボ「だからこそ、茶柱さんと、そして多くの死神達と協力しあった上で、人を恐怖から守ることに決めたーーー」

キーボ「ーーー少なくとも、ボクはそう思っています」

真宮寺「…そうーーー」

アンジー「………」



135 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:02:45.06 ID:sIOuNwy0O



真宮寺「ーーーとりあえずとして、以上が茶柱さん達が死神を目指す主な理由だネーーー」

キーボ「………」

真宮寺「ーーーそして、次は、入間さんと百田君が死神を目指す理由について、説明させて貰うヨ」

キーボ「…よろしくお願いします」

真宮寺「それで、入間さん達が死神を目指す理由だけどーーーーーーそれは、尸魂界の科学者となるためだヨ」

キーボ「…科学者? なぜ、科学者になるために死神になる必要があるんですか?」

真宮寺「その答えは単純明解」

真宮寺「尸魂界の科学は、基本的に死神が発展させているからサ」

真宮寺「霊術を扱える死神でないと、物理的に不可能な実験もあるからネ」



136 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:04:11.53 ID:sIOuNwy0O



キーボ(…なるほど、そういうことですか)


キーボ(だとすれば、浦原さんもーーー)




真宮寺「そういった実験を行う代表的な場所が、瀞霊廷の “ 技術開発局 ” であり、死神しか局員になることを許されない」



アンジー「………」



真宮寺「だから、入間さん達は、科学者になるため、死神を目指すことにしたのサ」



137 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:05:11.11 ID:sIOuNwy0O



キーボ「…入間さんらしいですね。死後の世界でも研究に打ち込むだなんて」

真宮寺「………」

アンジー「………」

キーボ「ですが、百田クンまで、科学者を目指すとは驚きでした」

真宮寺「………」

キーボ「いったい、百田クンに何があったのでしょうか?」



138 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:06:17.72 ID:sIOuNwy0O



真宮寺「…簡単な話だヨ」

真宮寺「百田君には、新たな夢ができたからサ」

キーボ「夢…?」

真宮寺「そう、夢」

真宮寺「ただ、それを達成するためには、科学者となる必要がある」

真宮寺「だから、死神となり、科学者を目指すことにしたのサ」

アンジー「………」



139 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:07:16.19 ID:sIOuNwy0O



キーボ「百田クンの夢って、いったいどのような夢なんでしょうか?」

真宮寺「…生前とそうは変わらないヨ」

真宮寺「ただ、目指すものが、 “ 宇宙 ” から、 “ 尸魂界の空の上 ” に、変わっただけの話サ」

キーボ「…空の上?」

真宮寺「そう、百田君は、確かめようとしているんだ」

真宮寺「尸魂界の空の上にあるものを、ネ」



140 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:09:05.31 ID:sIOuNwy0O



キーボ「ーーー空の上にあるものって、宇宙では無いのですか?」

真宮寺「それは違うヨ」

真宮寺「そもそも、尸魂界に宇宙という概念があるかどうか自体怪しいものだネ」

キーボ「宇宙が…無い?」

真宮寺「少なくとも、尸魂界が宇宙進出していることを示す文献は見当たらなかったネ」

キーボ「………」

真宮寺「だけど、宇宙の代わりに、 “ 霊王宮 ” なるものが存在しているということは知った」



141 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:11:04.53 ID:sIOuNwy0O



キーボ「…霊王宮?」

真宮寺「そこは、死神の王である “ 霊王 ” …様とその血族であるとされる王族、ひいてはその守護者である死神達が暮らす場所なのサ」

キーボ「王族…」

アンジー「………」

真宮寺「そこには、尸魂界、ならびに現世が始まった根源があるとされている」

キーボ「根源、ですか」

真宮寺「そう、根源」

真宮寺「それこそが、霊王様」

真宮寺「霊王様は、世界の始まりであり楔であり、過去から未来に渡り、世界を支え続けている存在とされている」

キーボ「………」

真宮寺「それがどういうことを意味しているのか、百田君はとても興味を持ったようでネ」

真宮寺「だから百田君は、まずは自身も死神となって、技術開発局で科学者としての腕を磨き、霊王宮の守護を任される立場を得ようとしているんだヨ」

アンジー「………」



142 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:12:53.54 ID:sIOuNwy0O



キーボ「…奇妙ですね。なぜ、王様の護衛になることと、科学者になることがイコールで結ばれるのでしょうか?」

真宮寺「その答えは簡単だヨ」

真宮寺「霊王様を守護する立場を得るためには、尸魂界全体にとって “ 歴史そのものとなるほどの価値ある何か ” を発明し、霊王様に認められる必要があるからサ」

キーボ「発明、ですか」

真宮寺「そう、発明。入間さんの得意分野だネ」

アンジー「………」

真宮寺「だけど、発明を成し遂げるには科学者として、相応の知識と実力を身に付けなければならない」

真宮寺「そのために百田君は、努力して科学者になろうとしているんだヨ」



143 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:14:12.44 ID:sIOuNwy0O



キーボ「…そうですか」

アンジー「………」

キーボ「死後の世界でも、なりたい自分を見つけられるなんて、流石は百田クンです」

キーボ「羨ましいですよ、本当に」

真宮寺「…そうだネ、僕もそう思うヨ」

キーボ「…百田クンも、入間さんも、きっとそれぞれの長所をもって、尸魂界の名だたる科学者にーーー」

真宮寺「ーーーそれは、まだちょっとわからないけどネ」






キーボ「ーーーえ?」



144 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:17:07.48 ID:sIOuNwy0O



キーボ「…どういうことですか、真宮寺クン?」

真宮寺「………」

キーボ「キミは、百田クンの心の強さを、入間さんの才能のすごさを、信じていないのですか?」

真宮寺「…いや、彼らならば、実力的には信じることはできるヨ」

キーボ「だったら、どうして、二人の未来を疑うようなことを言ったのですか?」

真宮寺「…単純な話サ」

真宮寺「それは、技術開発局という場所と、百田君や入間さんの性質が合致しているようには思えないからだヨ」

キーボ「性質?」

真宮寺「まァ、正確には、性質というよりも、性格的な相性の問題になるネ」

真宮寺「それも、技術開発局の、現局長との、ネ」



145 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:18:36.54 ID:sIOuNwy0O



キーボ「…どういうことです?」

真宮寺「…直接話したわけじゃないから断定するようなことは言いたくないのだけれどーーー」

真宮寺「ーーーただ、もし、技術開発局の現局長が、多数が証言する通りの人物だった場合ーーー」

真宮寺「ーーーその人の元で、百田君と入間さんがやっていけるとは、とても思えないネ」

キーボ「ちょっと待ってください。入間さんならまだしも、百田クンとまで相性が悪いんですか?」

真宮寺「そうだネ、それも致命的なまでに」

キーボ「致命的なまでに百田クンと相性が悪いだなんて、そんなーーー」

真宮寺「百田君のような人だからこそ、だヨ」

真宮寺「もし、技術開発局の現局長が、多数が証言する通りの人物だった場合、その人の元で百田君がやっていけるはずがない」

真宮寺「僕はそう信じているヨ」

キーボ「………」

アンジー「………」



146 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:20:51.28 ID:sIOuNwy0O



キーボ「…その現在の局長って、どのような人なんですか? ものすごく気になるんですけど………」

真宮寺「それは、言えないかな…」

キーボ「どうして、言えないんですか?」

真宮寺「さっきも言った通り、僕はその人と直接話すことができたわけじゃあ無い。だから、僕の口から断定するような…先入観を与えるようなことは、なるべく言いたく無いんだヨ」

キーボ「………」

真宮寺「僕は、個人を評する時は、その人と直接話をした上で評したい」

真宮寺「そうでないと失礼だと思う。たとえ、相手がどういう人であったとしても」

真宮寺「だから、僕の口から言うことは、とてもじゃないけどできないんだヨ」

キーボ「…そうですか。それなら仕方ないですね」

アンジー「………」



147 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:22:32.98 ID:sIOuNwy0O



キーボ「しかし、そうなると、入間さんも百田クンも、技術開発局に入るのは難しそうですね」

真宮寺「そうだネ、しかも技術開発局は、瀞霊廷における最先端技術の集まる場所」

真宮寺「そこに行かずして科学者として研究を行うのは、難しいと言わざるを得ないヨ」

キーボ「…他に、研究機関は無いんですか?」

真宮寺「そうだネ、他にあるとすれば、貴族が個人的に抱える研究機関になるだろうネ」

キーボ「………貴族?」

アンジー「………」

真宮寺「あァ、実は尸魂界には、王族だけでなく貴族も存在していてネ。充分な財源を確保できる裕福な家であれば、そこで個人的な研究機関を抱えていることはある」

真宮寺「そこでなら、技術開発局のそれには及ばないまでもーーーーーー科学者として研究を行うことはできるはずだヨ」



148 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:24:22.11 ID:sIOuNwy0O



キーボ「なるほど………」

アンジー「………」

真宮寺「まァ、都合よく貴族の研究機関に勤められるとは限らないけれどーーーーーー入間さんほどの才能や百田君ほどの心の強さがあれば、可能性は高いと思うヨ」

真宮寺「人事としても、あれほどの人材を遊ばせておくのは、避けたいことだろうからネ」

真宮寺「おそらくは、信頼できる貴族が抱える研究機関の元に、配属されるんじゃないかと思うヨ」

真宮寺「ただ、技術開発局ではない場所で、どこまで科学者として大成できるかはわからないけどネ」

キーボ「………」

真宮寺「いや、入間さんなら、持ち前の才能でどうにかできるかもしれないけど、この場合は貴族の元で働くことになるわけだからネ」

真宮寺「どんなに才能があったとしても、あの言動の根本を改めないと、最悪、不敬罪で処断されかねない」

真宮寺「それらを考慮するとーーー」



キーボ「ーーー大丈夫ですよ、入間さんと百田クンならば」



149 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:26:43.59 ID:sIOuNwy0O



真宮寺「………」

アンジー「………」



キーボ「入間さんと百田クンなら、きっと上手くやっていけます」

キーボ「 “ あの経験 ” が残っているのであれば、それを糧にできる」

キーボ「お互いに必要なところを学び合って補い、支え合うことだってできる」

キーボ「紆余曲折はあるかもしれませんが、それでも、いまの入間さん達ならば上手くやっていける」

キーボ「ボクは、そう、信じたいです」



真宮寺「…そうだネ」







真宮寺「実際、君の言う通り、入間さんと百田君は、今でもお互いに学び合っている」


150 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:28:31.45 ID:sIOuNwy0O



キーボ「!」

真宮寺「百田君は、 “ 常識的に ” 可能な限り入間さんと一緒にいるようにして、彼女から発想力を学んでいる」

真宮寺「入間さんも百田君を “ 信頼して ” 、彼が自分と一緒にいることを許し、その見返りに百田君からコミュニケーション能力や精神論を教わっている」

キーボ「………」

真宮寺「…過去を糧に、お互いに必要なところを学び合って補い、支え合っている」

真宮寺「これからも、そう在り続けることを望むヨ」

キーボ「…そうですね」

アンジー「………」



151 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/09(土) 22:29:28.33 ID:sIOuNwy0O
今日はここまで
152 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:04:01.16 ID:yWXoCVcyO
投下します
153 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:10:41.91 ID:yWXoCVcyO



真宮寺「ーーーとりあえずとして、以上が百田君達が死神を目指す主な理由だネ」

キーボ「………」

真宮寺「ーーー何か質問はあるかい?」

キーボ「…それなら、二つ、良いですか?」

真宮寺「何かな?」

キーボ「まず一つ目ですが、百田クン達は死神学校に入学しているのですか?」



154 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:14:39.13 ID:yWXoCVcyO



真宮寺「………いや、それはまだだヨ」

真宮寺「百田君達も熟慮の末に死神になる道を選んだからネ」

真宮寺「死神の学校に入学するための手続きをしたのも比較的最近の話だから、まだ入学はできていない。入学のための勉強と生活のためのアルバイトを重ねているのが現状だヨ」

キーボ「…わかりました。ありがとうございます」

アンジー「………」

キーボ「それでは、二つ目の質問ですがーーー」

キーボ「ーーーと、その前に確認しておきますが、キミの話によると、死神はこの世界の管理者側に位置する存在ですよね?」

真宮寺「…うん、まあ、確かにそうだネ」

キーボ「ーーーわかりました。それでは二つ目の質問に移ります」

真宮寺「………」

キーボ「…キミの話通り、6年かけて死神になれば、現世に関する詳しい情報を得ることは可能なのでしょうか?」



155 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:18:02.57 ID:yWXoCVcyO



真宮寺「…普通に可能だと思うヨ?」

キーボ「!」

真宮寺「どうしてそんなことを訊くんだい?」

キーボ「…いえ、単純に気になっただけです」

アンジー「………」

真宮寺「…まァ、現世の詳しい情報を得られるとしても、その情報の取り扱いには制限がかかるだろうけどネ」

キーボ「制限、ですか?」

真宮寺「そうだネ、例えば情報の伝達制限などが挙げられるかな」



156 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:20:32.08 ID:yWXoCVcyO



キーボ「………」

真宮寺「貴族や死神は、現世の情報を得たとしても、それが尸魂界に混乱を引き起こすような内容である場合、民間人に伝えることは禁止されている」

真宮寺「これは、何らかの理由で貴族や死神を辞めた場合でも同じだ」

キーボ「………」

真宮寺「だから、何でも伝えられるわけでは無い」

真宮寺「情報の伝達に、制限がかかってしまうんだヨ」

キーボ「…伝える相手が、一人だけでも、ですか?」

真宮寺「一人だけでも、充分に問題になるヨ」

真宮寺「一人だけだろうと、ルールを破ることを許してしまえば、それが前例となってしまう」

真宮寺「そして、一度ルール破りを許すという前例を作ってしまったが最後、何度も繰り返されかねない。そうなれば、致命的な破綻を引き起こす可能性が生じてくる」



157 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:22:46.93 ID:yWXoCVcyO



キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「だから、よほど特別な理由が無い限りは、一人たりとも認められないだろうネ」

キーボ「…なるほど、よくわかりました」



キーボ(浦原さんから、色々と訊くのは、難しそうですね………)



真宮寺「ーーーさて、そろそろ赤松さん達についての説明に移っても良いかな?」



キーボ「…お願いします」



アンジー「………」



158 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:25:10.01 ID:yWXoCVcyO



真宮寺「ーーーそれじゃあ、最後に赤松さん・天海君・星君・王馬君の四名について説明するヨ」

キーボ「…赤松さん達は死神になるわけでは無いんですよね? 何を目指しているのでしょうか?」

真宮寺「赤松さん達は、芸人を目指しているヨ」

キーボ「芸人…ひょっとして、音楽芸人でしょうか?」

真宮寺「そうだネ、だいたいイメージは合っているヨ」

アンジー「ーーー楓はねー、美兎が作ったピアノを弾いてるんだー!」

キーボ「…そうなんですか?」

アンジー「そうだよー!」

アンジー「その間に、小吉たちが踊ったり回ったり、いろいろ楽しいショーを見せてくれたりもー!」

真宮寺「…夜長さんの言う通りだヨ」

真宮寺「赤松さん達は、そういったことをして、生計を立てられるようになることを目指しているのサ」



159 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:29:12.19 ID:yWXoCVcyO



キーボ「ーーーピアノで、ショー、ですか」

キーボ「…ちなみに、この死後の世界において、ピアノはどのくらい一般的なものなのでしょうか?」

真宮寺「ーーー少なくとも、死神達にとっては、そこまで一般的なものでは無いネ」

キーボ「確かに、この屋敷やあの街の造形を見るに、この死後の世界の文化は平安から江戸時代のそれを彷彿とさせますからね」

キーボ「逆にピアノが大流行りしているという方が驚きです」

アンジー「でもでもー、それでも楓はーーー」

キーボ「ーーーわかっていますよ」

アンジー「…本当にー?」

キーボ「ええ、わかっています」

キーボ「演奏するのは、あの赤松さんですよ?」

キーボ「彼女なら、多少の文化の違いくらい、ものともしない…」

キーボ「『想い』のこもった演奏を、人々の心に届けようとしている。そうでしょう?」

アンジー「…にゃははー! 大アタリだねー、キーボ!」

真宮寺「…まったくもって、その通りと言わざるを得ないネ」



160 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:34:38.61 ID:yWXoCVcyO



キーボ「ーーーただ、それでも気になるところはありますけどね」

真宮寺「…それは、ひょっとして、赤松さんが王馬君と一緒に芸人となったことを気にしているのかな?」

キーボ「ええ、その通りです」

真宮寺「…確かに、違和感のある組み合わせではあるよネ」

アンジー「………」

キーボ「一緒に芸人になれるということは、今の王馬クンは無害なんでしょうけどーーー」

キーボ「ーーーどうすれば、あの王馬クンが無害になれるのかーーー」

キーボ「ーーーいったい王馬クンに、何があったというのでしょうか?」



真宮寺「ーーーまァ、赤松さん達と仲良くなったとでも言っておくヨ」



161 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:39:39.26 ID:yWXoCVcyO



キーボ「仲良く、ですか」

真宮寺「ーーーもっとも、王馬君に、はじめはそんなつもりは無かったらしい」

アンジー「だからー、最初は一人で、どこかに違うところに行こうとしてたんだってー」

キーボ「一人でーーー」

真宮寺「…まァ、王馬君としては、皆のことを思って、一人になろうとしたんだろうけどサ」

真宮寺「それに赤松さん達が気づいて、必死に引き止めたみたいなんだヨ」

真宮寺「………赤松さんは、今度こそ、皆で友達になることを、望んでいたから………」

キーボ「………」

真宮寺「僕はその引き止めた現場を見たわけでは無いけれどーーーーーー赤松さん達は王馬君を根気よく説得したようでネ」

アンジー「最後はー、すっごく仲良しになって、一緒に芸人になることに決めたんだってー!」

真宮寺「…ただ、王馬君が何を仕出かすかわからないということで、天海君と星君も、王馬君の監視という名目で一緒に芸人になることにはなったんだけどネ」

キーボ「なるほど…そういった事情が………」



162 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:42:53.47 ID:yWXoCVcyO



真宮寺「ーーー以上で、皆についての話を終えさせて貰うヨ」

キーボ「ありがとうございます、真宮寺クン、アンジーさんも…」

アンジー「………」

真宮寺「…何かわからないところがあれば、いつでも訊いてくれて構わないヨ?」

キーボ「それでは、一つ、良いですか?」

真宮寺「うん、何かな?」

キーボ「ーーーなぜ、キミ達は、赤松さん達のようにセイレイテイに住まないのでしょうか?」

真宮寺「………」

アンジー「………………」

キーボ「赤松さん達に何故か霊力があったことから考えて、キミ達にも霊力があると考えるのが自然です」

キーボ「なのに、どうして、キミ達は赤松さん達のようにセイレイテイに住まないのでしょうか?」

キーボ「………キミ達は、ボクのように、存在自体がイレギュラーというわけでも無いのですから」

キーボ「ならば、霊力さえあれば、普通に住めるのではありませんか?」



163 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:45:22.98 ID:yWXoCVcyO









真宮寺「………………」












アンジー「…………………………………」








164 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:47:29.94 ID:yWXoCVcyO



キーボ「…? 二人とも、どうかしたんですかーーー」

アンジー「さあねー? アンジーはよくわからないやー! にゃははー!」

キーボ「…わからない?」

真宮寺「………アー、とりあえず、僕については答えるヨ」

キーボ「真宮寺クン…?」

真宮寺「君の言う通り、僕は霊力を持っている。だけど、瀞霊廷には住めない」

キーボ「…え?」

アンジー「………」

キーボ「それは、どういうーーー」



真宮寺「近いうちに無くなるからサ」



165 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:50:19.32 ID:yWXoCVcyO



キーボ「無くなる…?」

真宮寺「僕の霊力は、赤松さん達のそれと違って、期間限定のものなんだヨ」

真宮寺「だから、瀞霊廷に住むことはできない」

キーボ「期間限定って、どういうことなんですか?」

真宮寺「…詳しいメカニズムは知らない」

アンジー「………」



真宮寺「ーーーただ、魂魄が酷く損壊すると、少しずつ霊力が失われていくこともあるようでネ………」



166 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:53:22.98 ID:yWXoCVcyO



キーボ「魂魄が、損壊………?」



真宮寺「………………」



キーボ「………………………」












キーボ「………………………………っ、!!!」



167 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 21:56:41.17 ID:yWXoCVcyO



キーボ(ーーーそんな、まさかーーー)



真宮寺「………………」



キーボ(ーーー “ あれ ” は、悪意による合成映像ではーーー)



真宮寺「ーーー兎に角、僕の霊力は期間限定のもの」



真宮寺「いずれは、跡形も無く消え去るだろうネ」



真宮寺「瀞霊廷への居住申請が通るはずが無いんだヨ」



168 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 22:00:17.89 ID:yWXoCVcyO



アンジー「…だからねー、アンジーは、是清もここに住めるよう、空鶴たちにお願いしたんだー」

キーボ「…アンジー、さん、が?」

アンジー「そうだよー、空鶴たちは優しくてねー。行く宛の無いアンジーに、この家のお掃除をお手伝いする、お仕事を紹介してくれたんだー」

アンジー「しかも、空鶴たちは、アンジーにお仕事を紹介してくれたあと、もう一人募集してたからねー」

アンジー「それで、アンジーが、 “ 是清も ” ってお願いしたら、叶えてくれたのー!」

アンジー「空鶴たちには感謝しか無いよー、にゃははー!」

キーボ「………」







キーボ「………なぜ、ですか?」



169 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 22:01:38.11 ID:yWXoCVcyO






アンジー「………………」












キーボ「なぜ、アンジーさんは、自分からーーーー」





170 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 22:04:32.75 ID:yWXoCVcyO



アンジー「あー、キーボ、ちょっとアンジーの部屋まで来てくれるー?」

キーボ「えっ、」

真宮寺「………」

アンジー「来てー?」

キーボ「いや、しかしーーー」

アンジー「いいから、来てー?」

キーボ「…はい」

アンジー「ごめんねー、是清! ちょっと、キーボとふたりでお話するから、男の方のお風呂にでも入っといてー」

真宮寺「…わかったヨ、夜長さん」

真宮寺「今のうちに入浴させて貰うとするヨ………」

キーボ「………」





………………………………………………………………





171 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 22:05:43.27 ID:yWXoCVcyO
今はここまで
172 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:21:29.57 ID:yWXoCVcyO
続きを投下します
173 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:25:46.71 ID:yWXoCVcyO



………………………………………………………………




スタスタ………



アンジー「とうちゃーく!」バタンッ

キーボ「…こちらがアンジーさんのお部屋ですか」

アンジー「………」ガチャリ

キーボ「…なんと言いますかーーー」

アンジー「………」

キーボ「ーーー思っていたよりも、さっぱりしているんですね」




ガラーン………




キーボ「アンジーさんの作品らしきものも見当たりませんしーーー」

アンジー「………」

キーボ「ーーー少し、意外でした」

アンジー「…キレイに使わないと空鶴に怒られちゃうからねー」

アンジー「アンジーはねー、岩鷲みたいにしばかれたくは無いんだー」

キーボ「…なるほど、充分に理解できる話です」



174 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:29:25.50 ID:yWXoCVcyO



アンジー「ーーーそんなことよりも、さっきの質問の続きだけど、一応その先を聞かせてくれるー?」

キーボ「…わかりました。続きを言います」

キーボ「なぜ、アンジーさんは、真宮寺クンと一緒に住まわせて貰うよう、お願いしたんですか?」

アンジー「………」

キーボ「…もし、 “ 寂しく無いように ” 、というのであれば、ガンジュ…クン達がいるじゃないですか」

キーボ「あの人達と一緒にいるだけでも、楽しく過ごせるのでは?」



175 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:31:11.43 ID:yWXoCVcyO



アンジー「…うんうん、それには島から見える海よりも深いものがあってねー」

アンジー「だから、それを話すと、どうしても是清のことまで話すことになるんだよー、そうしないと意味が通じないからねー」

キーボ「………」

アンジー「まー、是清に聞けば、答えてくれるだろうけどー、ちょっと是清の口から言わせるようなことじゃないからねー」

アンジー「だから、アンジーが今回だけ特別にー、是清と居候する理由について話すねー」

キーボ「…わかりました、お願いします」

アンジー「…それじゃー、話すよー」



176 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:33:53.48 ID:yWXoCVcyO






アンジー「アンジーが是清といっしょに居候する理由はねーーー」












アンジー「ーーーもう意味はないからだよー」





177 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:43:16.98 ID:yWXoCVcyO



キーボ「ーーー “ 意味はない ” ことは知っています」

キーボ「ここは死後の世界ですし、何より真宮寺クン自体が “ あの人 ” に執着しなくなったようですからね」

キーボ「だとすれば、真宮寺クンが…奇怪な行為に走る “ 意味はない ” 、故に、今の真宮寺クンは無害ーーー」

キーボ「ーーーそう、おっしゃりたいのでしょう?」

アンジー「…うんうん、その通りだよー、キーボ!」

キーボ「…確かに、それならば、一緒にいてあげても構わないと、思えることもあるのかもしれませんがーーー」

アンジー「………」

キーボ「ーーーだからといって、信じられるんですか?」

キーボ「あの、真宮寺クンのことを」

アンジー「………」

キーボ「ひょっとしたら、自身の所業の意味を否定し続けることに耐えられず、また、同じことをーーー」

アンジー「…それは無いよ」

キーボ「…なぜ、そう言いきれるんですか?」

アンジー「だって、いまの是清はーーーー」



178 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:45:30.13 ID:yWXoCVcyO






アンジー「ーーー本当の “ あの人 ” のーーー」












アンジー「ーーーそしてみんなの『想い』のために、生きているから」





179 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:46:59.37 ID:yWXoCVcyO



キーボ「………本当の、 “ あの人 ” ?」

アンジー「是清はねー、聞いたんだー」

アンジー「しにがみ、から、 “ あの人 ” の伝言を」

キーボ「………」

アンジー「伝言の内容はねー、是清はー、【是清自身とその友だちを大切にして欲しい】って話だったみたいだねー」

キーボ「真宮寺クン、自身の…?」

アンジー「そう、 “ あの人 ” は、それを、是清がこっちに来たら伝えるよう、しにがみに頼んだんだってー」

キーボ「………」



180 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:49:52.31 ID:yWXoCVcyO



アンジー「ーーーしにがみが言うにはー、 “ あの人 ” はどういうわけか、現世で生きていた時のことについて、ほとんど話さなかったみたいでねー」

アンジー「だけど、それでも、是清に言葉を送ることを選んだってー。それも、自分のことじゃなくてー、是清やその友だちのことを、大切にする言葉を」

キーボ「………」

アンジー「しかも、しにがみは、 “ あの人 ” は是清が言ってたような人じゃないって、根気よく話したみたいだねー」

アンジー「………だからかなー」

アンジー「是清は、 “ あの人 ” からの伝言を受けてからいろいろ考えてー、人の『想い』を大切にする生き方をするように決めたんだってー」

アンジー「………本気の本気で」

キーボ「………」

アンジー「だから、もう是清は、大丈夫なんだよー」



181 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:51:27.08 ID:yWXoCVcyO



キーボ「ーーーですが、それは、よく知らない人からの情報ですよね? 真宮寺クンがそういった情報を信じたんですか?」

アンジー「………そうだねー、信じたんだねー」

キーボ「なぜ、信じたのでしょうか?」

アンジー「それはねー、是清が人を観察し続けてきたからなんだってー」

キーボ「…観察ですか」

アンジー「うん、是清は人を観察し続けてきた」

アンジー「だから、長く話しているとー、その人が誰をどう大切に思っているかがわかるみたいー」

アンジー「実際に、しにがみは、 “ あの人 ” はもちろん、伝言の相手の是清のことも、大切に思ってたんだってー」

アンジー「その気持ちが、是清にも伝わったみたいだねー」



182 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:53:49.26 ID:yWXoCVcyO



キーボ「…大切って、その死神の方と “ あの人 ” は、いったいどんな関係だったんですか?」

アンジー「先生とー、教え子だねー」

キーボ「………」

アンジー「しにがみは先生でー、 “ あの人 ” は、見習いのしにがみだったんだってー」

キーボ「死神の………見習い?」

アンジー「………なんでもねー、しにがみガッコーの生徒は、しにがみとしての『すごい才能』があれば、しにがみの見習いになることがあるんだってー」

アンジー「実際に、 “ あの人 ” は、しにがみとして、『すごい才能』があったみたいー」

アンジー「だからー、 “ あの人 ” は、見習いのしにがみでーーー」

アンジー「ーーーその見習いを育てる先生が、是清と話をした、しにがみだったんだってー」



183 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:55:04.03 ID:yWXoCVcyO



キーボ「………ちょっと待ってください、 “ あの人 ” は見習いの死神だったんですか?」

アンジー「んー? そう言ってるけどー?」

キーボ「だったら、どうして正式に死神となる前に生まれ変わったんですか?」

アンジー「………」

キーボ「真宮寺クンが言うにはとっくに生まれ変わったってーーー」

アンジー「ーーーそうしないと、いけない事情があったからだよー」



184 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:57:13.46 ID:yWXoCVcyO



キーボ「…事情?」

アンジー「なんでもねー? “ あの人 ” は、虚(ホロウ)………しにがみが言う悪い幽霊の名前なんだけど、その悪い幽霊に襲われて死にかけたみたいなんだよー」

キーボ「………………」

アンジー「それで、なんとか、命は繋げたけど、代わりに魂がすごく傷ついたみたいでねー?」

アンジー「………それで、霊力を失ってー、しかも是清と違って、すぐに、ぜんぶ霊力を失ってー….……」

アンジー「………それで、瀞霊廷に住めなくなったあと、生まれ変わることになったんだってー………」

キーボ「………」

アンジー「 “ あの人 ” は、元しにがみだからー。瀞霊廷に住めない人から………差別されやすかったんだってー」

キーボ「差別…」

アンジー「しかも、 “ あの人 ” は、すごい美人さんだったみたいでねー? それでアブナイ目に遭うことをー、ものすごい怖がったみたいー」

アンジー「………だからー、瀞霊廷の外に住むんじゃなくて、すぐに生まれ変わることにしたんだってー」

キーボ「…なるほど」



185 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/10(日) 23:59:40.28 ID:yWXoCVcyO



アンジー「あー、話を戻すけどー、ふたりはとにかく仲が良い見習いと先生だったみたいでねー?」

アンジー「だから、しにがみの先生は、 “ あの人 ” を大切に思ってたしー、伝言相手の是清も、大切に思ってたみたいだねー」

アンジー「その気持ちが、是清にも伝わったみたいなんだよー」

キーボ「………」

アンジー「だから、是清は、しにがみの伝言を信じて、いろいろと考えて考えてーーー」

アンジー「ーーー最後には、 “ もう人の『想い』を踏みにじりたくない ” って思うようになって、これまでとは違う生き方を選んだんだー」

キーボ「………」

アンジー「それから、是清は、やらなきゃいけないことを考えた」

アンジー「 “ あの人 ” だけじゃない、みんなの『想い』をどう大切にすべきか考えた」

アンジー「それで、是清は、アンジーに、みんなに、頭を下げた」

アンジー「いっぱい、いっぱい、たくさん、たくさん、頭を下げたんだよ」



186 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:03:02.05 ID:L/qYhtqWO



キーボ「………」

アンジー「アンジーはねー? そんな是清なら、信じられると思ったんだー」

アンジー「そんな是清といっしょになら、それだけ寂しくなくなるって」

アンジー「そう、思ったんだー」

アンジー「だから、いっしょに居候させて貰うのを、空鶴たちにお願いしたんだよー」

キーボ「………」

アンジー「….……それから、是清は、アンジーが退屈しないように、この家や図書館から借りた本を読んでくれたりーーー」

アンジー「ーーー難しい本とかで勉強したりしてー、アンジーにいろいろ面白い話をしてくれるようになったんだー」

キーボ「………」

アンジー「………いまでは、そういう意味でも、いっしょにいたいって思える」

アンジー「…この気持ち、そんなにダメかな?」



187 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:04:48.72 ID:L/qYhtqWO















キーボ「………………………………………………」














188 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:08:13.60 ID:L/qYhtqWO



キーボ「………それが、アンジーさんの望みならば、誰かが無理に止めるようなことではありませんよ」

アンジー「………」

キーボ「実際に、百田クン達からも止められていないのでしょう?」

アンジー「…うん、解斗たちは、止めなかった」

アンジー「もちろん、最初は止めようとしたけど、アンジーが良いならって、認めてくれたんだ」

キーボ「それに加えて、ここの家主の空鶴さん達が信頼できる人だった」

キーボ「だからこそ、今の状況が成立している」

キーボ「きっと、そういうことなんでしょうね………」

アンジー「そう、だねー………」

キーボ「ならば、ボクも、アンジーさんの選択を尊重しますよ」

アンジー「ありがとね、キーボ………」







キーボ「………ただーーーー」



189 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:09:20.55 ID:L/qYhtqWO















キーボ「ーーーただ、一つ、訊かせて貰ってもよろしいでしょうか?」














190 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:10:50.33 ID:L/qYhtqWO



アンジー「ーーー何かな?」



キーボ「………」



アンジー「答えるよ?」



アンジー「それが、アンジーに答えられることなら」



キーボ「…ならば、訊かせて貰います」



キーボ「ボクが訊きたいこと、それはーーーー」






………………………………………………………………





191 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:13:50.53 ID:L/qYhtqWO



………………………………………………………………




バタンッ………



キーボ「………」ガチャリ

真宮寺「………お帰り、キーボ君」

真宮寺「これから僕達が “ 夜 ” を共にする、この部屋まで」

キーボ「…おかしな言い回しはしないでください」

真宮寺「…そうだネ、ちょっと誤解を招く言い方だったかもしれないネ」

真宮寺「これからは、気をつけるヨ」

キーボ「………」



真宮寺「…それで、夜長さんとの話は終わったのかい?」



192 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:16:01.74 ID:L/qYhtqWO



キーボ「………ええ、まあ」

真宮寺「………夜長さんは?」

キーボ「アンジーさんなら、女性用の浴槽場まで向かうとのことでした」

キーボ「入浴が終わり次第、睡眠に移るそうです」

真宮寺「確かに、そろそろ寝る時間に入る頃合いだネ」

真宮寺「………うん、僕も、もうそろそろ寝ることにするヨ」

キーボ「…ボクも一緒ですからね」

真宮寺「………ごめんネ」


193 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:17:52.54 ID:L/qYhtqWO



キーボ「…….…何に謝っているんですか」

真宮寺「………何もかもサ」

真宮寺「僕はーーー」

キーボ「ーーーボクにそれを言うくらいなら、 “ しっかりと ” 生きてください。それが、キミが一番やり続けなければならないことでしょう」

真宮寺「………」

キーボ「………これからもこの死後の世界について教えてください」

真宮寺「!」

キーボ「それが、ボクの、当面の望みです」



194 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:19:34.08 ID:L/qYhtqWO



真宮寺「………」









真宮寺「………………」












真宮寺「…………………………………」



195 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:20:58.91 ID:L/qYhtqWO






真宮寺「………もちろん、だヨ」









キーボ「………………」









真宮寺「それが許される限り………なんだって、答えてみせるヨ」





196 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:22:25.40 ID:L/qYhtqWO



キーボ「………それなら、いまボクの質問に一つ答えて頂けますか?」



真宮寺「…質問?」



キーボ「真宮寺クン」



真宮寺「…なんだい?」







キーボ「キミは、この死後の世界に来る前に、夢を見ましたか?」



197 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:27:46.63 ID:L/qYhtqWO



真宮寺「夢…?」

キーボ「…実はボクの記憶領域には、ここに来る前、夢ともエラーともわからない光景が残されているんです」

真宮寺「………」

キーボ「その内容は…ボク達死者が、みんな同じ場所に囚われているというものです」

真宮寺「…囚われる? まさか、あの学園のことかい?」

キーボ「いえ、違います。もっと、暗くて、狭い空間でした」

真宮寺「暗くて、狭い…」

キーボ「気づいたらそこにいて………しばらくするとエネルギー不足に陥ったかのように力が抜けて、うつぶせに身体が倒れてしまいました」

キーボ「その後も、急に重力が倍になったかのごとく、うまく身体を動すことが出来なくてーーー」

真宮寺「………」

キーボ「ーーーそうして、もがいている中、光が差し込んでくるのが見えたんです」

真宮寺「…光?」

キーボ「………ただの光じゃありません」







キーボ「天使の光です」



198 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:30:08.38 ID:L/qYhtqWO



真宮寺「…天使?」

キーボ「ええ、そうです」

キーボ「光が差し込んでくる中、見上げると光り輝く天使がいたんです」

真宮寺「天使…一応確認しておくけど、死神の間違いとかじゃないのかな?」

キーボ「………おそらく、違います」

真宮寺「………人型の黒装束では無いんだネ?」

キーボ「………明らかに、違います」

真宮寺「………」




キーボ(それに、あの、あたたかさーーー)







キーボ(ーーーあれは、まるでーーーー)





199 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:32:27.32 ID:L/qYhtqWO



真宮寺「…それ、写真にはできるかな?」

キーボ「………」

真宮寺「………あァ、もし良かったら入間さんが置いていった、君用の現像機を使うかい?」

真宮寺「あれなら、外付けではあるけど、写真にできるはずだヨ」

キーボ「…残念ですが、それも難しいですね」

真宮寺「…そうなの?」

キーボ「ええ…急に倒れたことによる衝撃が理由かは不明ですが、映像の解像度は高くありませんでした」

真宮寺「つまり、写真には、できないんだネ」

キーボ「…そうですね」

真宮寺「それは、残念だネ…」



200 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:36:26.69 ID:L/qYhtqWO



キーボ「…ですが、大まかな形は、一般的に天使と呼ばれるそれでした」

真宮寺「………」

キーボ「その天使を見上げていたら、何故か暗闇にヒビが入りましてね」

キーボ「そのヒビから、さらなる光が差したと思ったら気を失ってーーー」

キーボ「ーーー気づいた時には、ここにいたんです」

真宮寺「………」

キーボ「もしかしたら、キミも、そうした夢をーーー」

真宮寺「ーーー悪いけど、僕にはそんな記憶は無いヨ…」

キーボ「…そうですか」



201 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:37:35.99 ID:L/qYhtqWO



真宮寺「…ひょっとして、夜長さんにも、同じことを訊いたのかい?」

キーボ「ええ、去り際に、一応」

真宮寺「…夜長さんは、何て?」

キーボ「…実は、アンジーさんも同じように、夢を見ていたようでーーー」

真宮寺「!」

キーボ「ーーー先ほど話した “ 光 ” 」

キーボ「それは、あるいは、アンジーさんも、同じものを認識していたのかもしれません」



202 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:39:31.40 ID:L/qYhtqWO



真宮寺「…かも、しれない?」

キーボ「ええ…」

キーボ「アンジーさんは、夢の内容を語る際、 “ ビカビカー ” という擬音語を出していましたので」

キーボ「同じ光を、認識していた可能性はあると思います」

真宮寺「………」

キーボ「ただ、アンジーさんは、光以外、特に認識はしていなかったようですが」



203 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:45:03.16 ID:L/qYhtqWO



真宮寺「ーーー興味深い話だネ」

キーボ「………」

真宮寺「実に、実に、知的好奇心を刺激させられる題材だヨ」

真宮寺「想像力を、掻き立てる」

キーボ「………」

真宮寺「………ただ、僕は早起きでネ。もうそろそろ寝ないといけない時間が来てしまう」

真宮寺「夢の考察は、またの機会にさせて貰うヨ」

真宮寺「残念だけど、ネ」

キーボ「…そうですか」

真宮寺「…そろそろ電気、消しても良いかな?」

キーボ「…どうぞ」



204 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:46:18.72 ID:L/qYhtqWO






真宮寺「…ホタルカズラO」












真宮寺「今日も、照らしてくれて、ありがとう」












真宮寺「 “ お疲れ様 ” 」



205 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:49:38.89 ID:L/qYhtqWO



フッ………



真宮寺「………」

キーボ「ーーーキミが寝る前に断っておきますが、キミが寝ている間も、ボクは起きていますからね」

真宮寺「………まァ、君は寝る必要が無さそうだからネ」

キーボ「ええ、先ほど夢を見たかのようなことを言っておいてなんですが、ボクはキミ達で言うところの睡眠が必要ではありません」

キーボ「身体の動きを止めているだけでも充分な休息になります」

キーボ「なので、君が用意したこの布団の上で、そうさせて貰いますね」

真宮寺「………」

キーボ「また、今のボクの視力と聴力はとても高いです。そのため、この暗闇の中でも君が何か妙な真似をすれば、すぐにわかります」

真宮寺「…初耳だネ」

キーボ「事実です」

真宮寺「…僕の指、何本に見える?」

キーボ「現在立たせている指でしたら、左手の親指・薬指・小指と右手の親指・中指・薬指・小指の計7本です。ああ、いま、急いで小指2本に変えましたね」

真宮寺「…正解だヨ」



206 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:51:50.65 ID:L/qYhtqWO



真宮寺「…………………ねえ、いま僕がーーー」

キーボ「ああ、いまキミが、うっすら呟いた言葉ならわかりますよ」

キーボ「 “ 一昨日の夕飯はおでん ” 、そうでしょう?」

真宮寺「…それも正解だヨ」

キーボ「わかって頂けました?」

真宮寺「…充分にネ」

キーボ「そして、いまのボクは大した力はありませんが、音声のボリュームを上げる機能は付いています」

キーボ「それで叫び続ければ、近くにいるキミの脳はダメージを受け身体の動きは鈍ります」

キーボ「その後、ボクにのしかかられた場合、キミは碌な身動きが取れなくなるでしょうね」

真宮寺「………」

キーボ「それからも叫び続ければ、キミの脳のダメージは増大し、余りのうるささにクウカクさん達も起きて、ここに駆け付けてくるでしょう」

キーボ「そのことを決して忘れないよう、お願いします」

真宮寺「…肝に銘じておくとするヨ」



207 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:53:38.38 ID:L/qYhtqWO



キーボ「…それと最後にーーー」

真宮寺「…何かな?」

キーボ「ーーーおやすみなさい、真宮寺クン」

真宮寺「………」

キーボ「そして、今日は休日の中、いろいろ気遣ってくれて、本当にありがとうございました」

キーボ「物理的なお礼をするかはまだ未定ですが、精神的なお礼はいま実行いたします」

キーボ「…ありがとう、ございました」

真宮寺「…そうかい」

真宮寺「喜んでくれたのらなら、何よりだヨ…」






………………………………………………………………





208 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 00:54:49.77 ID:L/qYhtqWO
今日はここまで

ようやく作中1日目が終了、長かったー
209 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:31:45.29 ID:ukuEkj9zO
投下します
210 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:35:18.49 ID:ukuEkj9zO



ー翌日・志波家の庭ー



キーボ「………」

真宮寺「ーーー以上で、今日の仕事、今日の、この夕方までに行う分の掃除は終わりだヨ」

アンジー「お疲れー!是清ー、キーボ!」

真宮寺「お疲れ様だネ、夜長さん、キーボ君」

キーボ「…お疲れ様です、アンジーさん、真宮寺クン」



キーボ(ボクは疲れないのですがーーーそれでも、労わって貰うというのは悪いものではありませんね、やはり)



211 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:36:54.22 ID:ukuEkj9zO



キーボ「ーーーそれで、真宮寺クン」

キーボ「今日の朝食前の約束についてですがーーー」

真宮寺「ーーーわかっているヨ」

真宮寺「この世界について、改めて説明させて貰うヨ」

真宮寺「それに、昨日は、流魂街や瀞霊廷などについて、そこまで詳しく話せたわけじゃなかったからネ」

真宮寺「改めて君にも、しっかりと説明するヨ」

キーボ「ありがとうございます、真宮寺クン」

アンジー「…ねー、キーボ、是清、良かったらーーー」







岩鷲「おおう! オメーら、終わったか!」



212 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:38:59.34 ID:ukuEkj9zO



アンジー「………」

キーボ「あっ、岩鷲クン」

真宮寺「お帰り…薪拾いは終わったのかい?」

岩鷲「おう! そのくらい、朝飯前よ!」

キーボ「?」

キーボ「待ってください、朝御飯でしたら、既に終わって、今日の食事は夕飯を残すだけのはずですよ?」

キーボ「なのに、どうして、朝飯前なんてーーー」

アンジー「…キーボは、アンジー以上にニホンゴの勉強が必要みたいだねー」

真宮寺「キーボ君、君の語彙記録には、朝飯前という言葉の使い方が無いのかな?」

キーボ「えっ、あー、ちょっと待ってくださいーーー」

キーボ「ーーーああ、ありますね。申し訳ありません。データの認識が不充分だったようです」

岩鷲「はっはっは! 気にすんな! 誰にだって失敗はある!」

岩鷲「俺だって、ここに来る前、うっかりオメーのこと話しちまったからな!」

キーボ「…なっ、!?」

岩鷲「いや、そいつらは昔の居候共なんだがよ、 “ 流魂街に現れた謎のロボット ” について聞かれてな」

岩鷲「そうしたら、話の流れでポロっとーーー」







空鶴「ーーーどういうつもりだ、岩鷲?」



213 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:41:58.92 ID:ukuEkj9zO



岩鷲「ーーーね、姉ちゃん!」

空鶴「なんで、そんなことをした?」

岩鷲「あっ、いや、だから、そのーーー」

空鶴「テメエの今の狼狽えっぷりからして、コイツ本人が、 “ そうしてくれて構わない ” って言ったわけでもねえんだろ?」

岩鷲「うぐっ………」

キーボ「………」

空鶴「………それをする必要あっても、まずは、家主のおれに許可を取れっつったよな?」

空鶴「なのに、どうして、勝手に話した? ああ?」

岩鷲「…あ、いや、でも、無駄に話が広まんないように、あいつらが “ 場所 ” を作ってくれたしよ」

岩鷲「それに、あいつらなら、口だって固えしーーー」



空鶴「ーーーそれが、おれの “ 決まり付け ” を破った言い訳か? 岩鷲?」



214 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:43:47.09 ID:ukuEkj9zO






岩鷲「あ………」









空鶴「………………」









岩鷲「びゃああああああああああああ!!!」





215 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:47:01.09 ID:ukuEkj9zO






ーGAME OVERー



ガンジュくんがクロに決まりました。おしおきを開始します





216 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:49:26.50 ID:ukuEkj9zO



岩鷲「どわああああああああああああああ!!?」



チュッドーンッ!!



キーボ「岩鷲クーーーン!!?」



アンジー「あー、これまたよく飛んだねー」

真宮寺「そうだネ、毎度のことながら空鶴さんの腕には感心するヨ」

キーボ「な、何を言っているんですか、二人とも!」

アンジー「んー? どうしたー、キーボ?」

キーボ「どうもこうもありませんよ!?」

キーボ「目の前で処刑が行われたというのに、どうして、お二人はそんなーーー」

真宮寺「ーーー心配はいらないヨ」

アンジー「そうだねー、だって」



ドサッ………



キーボ「…えっ、?」



岩鷲「…いたたたた」ムクッ



アンジー&真宮寺「「普通に生きてるから」」



217 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:51:26.29 ID:ukuEkj9zO



キーボ「………!?」

岩鷲「…あっ、キーボ、すまねえ! 勝手にオメーのこと話しちまって!」

キーボ「あっ、えっ、」

岩鷲「でも安心しろ! あいつらは口が固えし、おかしなことはしねえからよ! 心配すんな!」

キーボ「うっ、あっ、」

岩鷲「自称、【数多の通り名を持つ男】の名にかけて、そこは保証ブゲオォッ!?」

空鶴「積もる話は、風呂と掃除の後だ、岩鷲! 煤まみれで長話してんじゃねえ! 無駄に汚れるだろうが!」ズルズル

岩鷲「ええっ!? 煤まみれなのは、姉ちゃんがーーー」

空鶴「………」ズルズル

岩鷲「ーーーわ、わかった! わかったから! ちゃんと風呂も入るし、煤で汚したとこも掃除するから! 大砲の方まで引きずんのはやめてくれ、姉ちゃん!」



218 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:53:38.89 ID:ukuEkj9zO



アンジー「あー、行っちゃったねー」

真宮寺「まァ、あれだけ派手に打ち上げたことだし、これ以上はフリだとは思うけどネ」



キーボ「ーーーなんですか、これは」



アンジー「んー?」

真宮寺「何ってそれはーーー」



キーボ「なんで大砲で打ち上げられた人が、生きているんですか!?」



219 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:56:52.77 ID:ukuEkj9zO



真宮寺「ーーーあァ、それについては、簡単だヨ」

キーボ「??」

真宮寺「それは、岩鷲君の “ 霊圧 ” がとても高いからサ」

キーボ「………霊圧?」

真宮寺「霊圧とは、霊力ある魂魄が持つ圧力のことだヨ」

キーボ「圧力…ですか?」

真宮寺「そう、霊力ある魂魄は圧力を持っており、霊力が多ければ多いほど、その圧力は高くなる」

真宮寺「圧力は、時に “ 気 ” のようなものとして体外に発せられ、周囲にいる人を地面に叩きつけたり、場合によっては押し潰すこともできるしーーー」

キーボ「!」

真宮寺「ーーーさっきの岩鷲君のように身に纏うことで、身体の強度を高め、損傷を防ぐこともできるのサ」

キーボ「………そんなことがーーー」

真宮寺「現世じゃあり得ないような現象ではあるけど、この “ 霊子 ” しか存在しない尸魂界では至極当たり前のことだヨ」



220 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 13:58:24.48 ID:ukuEkj9zO
今はここまで
221 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:05:20.90 ID:mzYmNtPTO
投下します
222 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:08:06.10 ID:mzYmNtPTO



キーボ「…霊子?」



真宮寺「霊子とは、僕達のこの魂魄など、霊的な物質を構成する原子のことサ」



キーボ「………」



真宮寺「霊子は、入間さん曰く、とても自由度の高い原子のようでネ」



真宮寺「現世では物理的にありえないような現象さえも起こし得るのサ」



223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/11(月) 21:09:22.06 ID:mzYmNtPTO



アンジー「…うんうん、今日も絶好調だねー【鰤清劇場】!」

真宮寺「…【ブリキ劇場】? どうして、そこでキーボ君が出てくるんだい?」

キーボ「なっ、違いますよ! いま、アンジーさんは、【ブリキ劇場】ではなく、【ブリキヨ劇場】と言ったんです! ロボット差別に繋がるような聞き間違いはやめてください!」

アンジー「そうだよー、キーボの言う通り、ブリキじゃなくて、ブリキヨなんだよー!」

アンジー「魚の “ 鰤 ” に、是清の “ 清 ” で、 “ 鰤清 ” なのだー! にゃははー!」

キーボ「…あれ? でも、なんで、そこで魚の鰤が登場するんですか? 普通に理解しがたいのですが」

真宮寺「…まァ、どういう基準を持って命名したかは兎も角、夜長さんが付けてくれた名前であることに変わりはないからネ………」







真宮寺「………うん、僕は良いと思うヨ? 【鰤清劇場】」

224 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:12:22.78 ID:mzYmNtPTO



アンジー「…にゃははー! 是清のお墨付きだねー! これからも【鰤清劇場】よろしくだよー!」

真宮寺「そうだネ………あァ、これからキーボ君にこの世界について更に詳しく説明するつもりだから、もし良ければ夜長さんもーーー」

アンジー「うん! アンジーも聴くよー! 何度聴いても飽きないからねー!」

アンジー「…アンジーも、いっしょに聴いても良いよね? キーボ?」

キーボ「? ええ、もちろんですよ。むしろ、そうしてくれた方が嬉しいくらいです」



キーボ(………アンジーさんと一緒の方が、和やかな気持ちで聴けますから)



アンジー「…ありがと、キーボ」

キーボ「? 何でアンジーさんがお礼をーーー」

アンジー「ーーーまー、とにかく、【鰤清劇場】楽しみだよー! にゃははー!」

真宮寺「………」



キーボ(…しかし、本当に大丈夫なんですかね? その名前でーーーー)



225 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:14:36.15 ID:mzYmNtPTO



真宮寺「ーーーただ、約束を果たす前に、留意しなければならないことがある」

真宮寺「その説明のため、いったん話題を岩鷲君の頑強さの件に戻させて貰うネ?」

キーボ「………?」

真宮寺「命に関わる大切な話サ」

真宮寺「どうか、しっかりと聞いて欲しい」

キーボ「命…」

アンジー「………」

真宮寺「ーーー岩鷲が空鶴さんに打ち上げられたけど、それは誰であっても、決して真似してはいけないヨ?」

真宮寺「それが、僕から伝える話サ」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「さっき、打ち上げられても死なないとは言ったけど、それはあくまで岩鷲君のような非常に高い霊圧の持ち主だからこそ、起こり得ることだ」

真宮寺「僕たちのような、小さな霊圧であんなことをやれば間違いなく死ぬだろうネ」

キーボ「………………」

アンジー「………」



226 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:16:21.52 ID:mzYmNtPTO
>>225はミスです

修正バージョンを投下します
227 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:17:31.14 ID:mzYmNtPTO



真宮寺「ーーーただ、約束を果たす前に、留意しなければならないことがある」

真宮寺「その説明のため、いったん話題を岩鷲君の頑強さの件に戻させて貰うネ?」

キーボ「………?」

真宮寺「命に関わる大切な話サ」

真宮寺「どうか、しっかりと聞いて欲しい」

キーボ「命…」

アンジー「………」

真宮寺「ーーー岩鷲君が空鶴さんに打ち上げられたけど、それは誰であっても、決して真似してはいけないヨ?」

真宮寺「それが、僕から伝える話サ」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「さっき、打ち上げられても死なないとは言ったけど、それはあくまで岩鷲君のような非常に高い霊圧の持ち主だからこそ、起こり得ることだ」

真宮寺「僕達のような、小さな霊圧であんなことをやれば間違いなく死ぬだろうネ」

キーボ「………………」

アンジー「………」



228 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:19:26.50 ID:mzYmNtPTO
>>225>>227の内容に差し替えます

流石に真宮寺が岩鷲を呼び捨てはあかん
229 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:20:50.72 ID:mzYmNtPTO



真宮寺「仮に、岩鷲君ほどの霊圧があったとしても、やり方を大きく誤れば死ぬことだってあり得る」

真宮寺「岩鷲君だけじゃない、下にいる人も巻き込まれ、死ぬかもしれない」

キーボ「………」

真宮寺「空鶴さんの岩鷲君に対する折檻ーーー」

真宮寺「ーーーそれは、岩鷲君が非常に高い霊圧の持ち主であること、そして空鶴さんの花火師としての腕が優れているが故に、死を乗り越えて成立しているんだヨ」

真宮寺「花火とは、時には人の命を奪う可能性を秘めた危険物であり、爆発物に他ならない。故に、花火師とは命の危険の伴う仕事だ」

真宮寺「相応の腕が無ければ、絶対に務まらない」



230 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:22:40.52 ID:mzYmNtPTO



アンジー「………………」

キーボ「………」

真宮寺「もし、花火師としての小手先の技術を鍛えて小器用になれたとしても、命の大切さを知らない者には務まらない」

真宮寺「打ち上げられる存在に宿る『想い』、そして地上に残された存在に宿る『想い』ーーー」

真宮寺「ーーーそれらの重みを誰よりも知っている人でなければ、油断して、加減を誤るかもしれないからネ」

真宮寺「死を乗り越えられないかもしれない」

真宮寺「あの折檻は、岩鷲君が空鶴さんの弟であり、空鶴さんが岩鷲君の姉で、お互いの命の大切さを誰よりも知っている間柄だからこそ、成立していると言って良い」

アンジー「………」

真宮寺「そう、お互いに、自身に込められた『想い』の大切さを誰よりも知っている関係性でーーー」

真宮寺「ーーーそして、下に残された人の『想い』さえも大切にできる精神性を持つが故に、空から光は降り注ぐのサ」



231 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:26:26.46 ID:mzYmNtPTO



真宮寺「だから、あの折檻は、絶対に真似してはならない」

真宮寺「そのことを、絶対に忘れてはいけない」

真宮寺「以上が、僕から伝える話サ」



キーボ「………………なるほど、よくわかりました。ボクの記憶領域にもしっかりと記録しておきますね」



アンジー「………アンジーも、改めて覚え直したよー!」



真宮寺「………………………………」






………………………………………………………………





232 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/11(月) 21:27:06.25 ID:mzYmNtPTO
今日はここまで
233 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 13:52:21.47 ID:cvGY5f0SO
投下します
234 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 13:57:25.72 ID:cvGY5f0SO



ー鰤清劇場・1日目ー



真宮寺「ーーーさて、それじゃあ、約束通りに劇場を開かせて貰うヨ」

キーボ「お願いします」

アンジー「よろしくだよー!」

真宮寺「こちらこそ、だヨ」

真宮寺「それでなんだけどーーーーーー、まずは、この尸魂界の基本的なことからおさらいさせて貰うネ」

キーボ「………」

真宮寺「…前にも説明した通り、この尸魂界は、現世で死んだ者達の魂魄が辿り着く死後の世界」

真宮寺「故にそこに存在する物は、全てが霊子という霊的な物質、魂を構成する原子で出来ている」

真宮寺「そして、そこでの居住区は、瀞霊廷と流魂街の二つに分けられる」

キーボ「二つ、だけなんですね」

真宮寺「………そうだネ、居住区と呼べる場所は、主にその二つしかない」

真宮寺「なお、瀞霊廷は前にも話した通り、霊力ある魂魄しか住めないけれど、流魂街は誰でも住むことが可能」

真宮寺「実際、現世で亡くなった人は、霊力の有無に関わらず、その魂魄を尸魂界の説明会場に送られ、死神から死後の世界についての説明を受けーーー」

真宮寺「ーーーその日のうちに、身元を示す手形や整理券などを貰い、記載された通りの流魂街の場所に、住むことになるのが基本だヨ」

真宮寺「………まァ、霊力ある魂魄の場合は、死神に案内されて、瀞霊廷に住むことになるのが基本ではあるのだけれどネ」

アンジー「………」



235 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:01:36.00 ID:cvGY5f0SO



キーボ「…それで、流魂街とは、具体的にどんな場所なんですか?」

真宮寺「そうだネ、それじゃあ、まずは流魂街の詳細について説明させて貰うヨ」

アンジー「………」

真宮寺「流魂街とは、基本的に霊力の無い魂魄が住み、生まれ変わりを待つ場所サ」

真宮寺「大まかには東西南北に分かれていて、細かには東西南北それぞれ一から八十までの番地に分かれている」

真宮寺「ちなみに、僕達が今いるここは西の区域になるネ」

真宮寺「なお、流魂街は非常に広大なため、円滑な移動のために、あちこちに空間転移装置が設置されている」

キーボ「………空間転移装置?」

アンジー「うん、なんか割と最近ねー、流魂街のいろんなところに置かれたんだってー」

真宮寺「そうだネ、現世でいうところのバス停のように設置され、流魂街の住民達の行き来を非常に楽なものにしているんだ」

キーボ「そんなものが………」

真宮寺「ちなみに、その装置は、君が最初に来た流魂街からこの屋敷まで移動する際にも使われている」

キーボ「えっ、?」

アンジー「本当はねー? この家と他の家ってすっごい遠いんだー」

キーボ「そうなんですか?」

アンジー「そうだよー」

真宮寺「だからこそ、空間転移装置が使われている」

キーボ「いや、しかし、ワープしたようにも見えなかったのですがーーー」

真宮寺「それは、その転移が、移動距離が短縮される形で行われたからだネ」



236 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:03:56.89 ID:cvGY5f0SO



キーボ「? どういうことです?」

真宮寺「空間転移装置とは言っても、すべてが瞬間移動させるタイプのものでは無いのサ」

真宮寺「空間を操作して、移動距離を短縮するタイプだってあるーーーーーーというか、それが殆どのはずだヨ」

アンジー「楽するのもほどほどにしないとー、大変なことに、なっちゃうからねー」

キーボ「………」

真宮寺「まァ、君には実感しづらいのかもしれないけど、通常の脊椎動物は運動をしなければ身体機能が落ちてしまうし、免疫機能が働かず病気にもなりやすくなる」

真宮寺「それを防ぐために、あくまでも移動距離の短縮という形を取っているんだヨ」



237 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:10:26.04 ID:cvGY5f0SO



キーボ「…既に病気にかかってしまい、身体を動かしづらい人も、そうした運動をする必要があるのでしょうか?」

真宮寺「…もちろん、そんなことは無いヨ」

真宮寺「病気の内容にもよるけれど、普段よりも明らかに、思ったように身体を動かせられない場合は、安静にした方が良いと思うネ」

キーボ「…病院のような場所に行って、医者からの診察や治療を受ける必要が生じた場合は、どうするんですか?」

真宮寺「その場合は、伝令神機で医者を呼ぶことになる」

キーボ「伝令神機…」

真宮寺「実は、尸魂界に来た魂魄が貰えるのは、整理券や身元を示す手形だけじゃないんだヨ」

真宮寺「最近では、死神から死後の世界についての説明を受けたあと、一人一つずつ伝令神機を貰えるのサ」

真宮寺「それで、流魂街の各地区の医療所で勤務する医者を呼べば、救急車のごとく駆けつけてくれる」

真宮寺「医療所にある、瞬間移動するタイプの空間転移装置を使ってネ」

キーボ「そうだったんですか…」

アンジー「………」

真宮寺「ただ、それは、医者に負担をかける行為だ」

真宮寺「あまりにそれをやり過ぎると、医療ミスに繋がりかねないし、他に必要としている患者のもとに駆けつけることだって困難となる」

真宮寺「だから、住民には可能な限り、運動して貰って、身体の免疫機能を維持して貰う必要があるのサ」

キーボ「なるほど…勉強になります」



238 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:16:11.15 ID:cvGY5f0SO



真宮寺「ーーーとりあえず、空間転移装置については、このくらいにして、次は流魂街の暮らし方に関する説明に移らせて貰うヨ」

キーボ「わかりました、よろしくお願いします」

アンジー「アンジーからもよろしくー!」

真宮寺「それならさっそく説明に移るけどーーーーーー流魂街では、基本的に魂魄達が互いの家族となる人を新しく決めて、その家族同士で暮らすことになっている」

キーボ「………?」

キーボ「家族となる人を新しく決める…? なぜ、そのようなことをする必要があるんですか?」

真宮寺「それは、家族という “ 集団 ” でいた方が犯罪のために狙われる確率が減るからだネ」



239 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:22:07.16 ID:cvGY5f0SO



キーボ「犯罪…」

アンジー「………」

真宮寺「君も尸魂界に来たばかりの時、流魂街のあの家屋がどういったものであるかは、確認しただろう?」

キーボ「ええ、まあ…」

真宮寺「あの街の建物は、住民の数に応じ、死神の霊術で幾らでも作り無償で提供することが可能ではあるもののーーーその代償として作りが古い」

真宮寺「その作りは、平安から江戸時代の民家を彷彿とさせる」

真宮寺「そういった家屋では、防犯能力も相応の物になる。現世と比較しても、犯罪がやりやすい傾向にあると言っても過言では無いのサ」

真宮寺「事実として、流魂街にだって、決して犯罪が無いわけでは無いんだヨ」

真宮寺「現在の流魂街の治安は、数年前に比べれば全体的に向上していて犯罪率も低下はしているけれど、それでも犯罪はある」

真宮寺「十年近く前は、かなり治安の悪い場所もあったようだからネ。それが尾を引いているとも言える」

キーボ「………」

真宮寺「そんな中、個人と集団、どちらが狙われやすいか?という話なのサ」



240 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:24:51.44 ID:cvGY5f0SO



キーボ(………なるほど、確かに集団でいれば狙うリスクも高くなる。それを思えば、集団でいる方が安心感を得られるでしょうね)



キーボ「ーーーですが、生前共に暮らしていた家族が、同じく死後の世界にいるケースが一般的ですよね?」

真宮寺「………」

アンジー「………」

キーボ「………人は、生まれの関係から、ほぼ間違いなく家族が存在するものですから」

キーボ「それなのに、新しく家族を決める必要があるんですか?」



241 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:26:59.88 ID:cvGY5f0SO






真宮寺「………あるんだヨ」












キーボ「………………」












真宮寺「自分よりも前に亡くなった家族と、こちらで再会できるとは限らないからネ」





242 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:30:03.36 ID:cvGY5f0SO



キーボ「………」



アンジー「………」



真宮寺「少なくとも、あの学園にいた僕達全員は、家族と再会できなかった」

真宮寺「そういったように、再会できなかった場合は、こちらで新しく家族を作る必要がある」

真宮寺「ただ、夜長さんと僕は、空鶴さん達のいる志波家の使用人として雇って貰えたし、赤松さん達は瀞霊廷という更に治安の良い場所に住めている」

真宮寺「故に、家族を作る必要も無く、例外的に家族関係を結んでいない状態にあるヨ」



243 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:34:20.90 ID:cvGY5f0SO



キーボ「………死神が “ 元々の ” 家族と、合わせてくれたりはしないのですか?」

真宮寺「…家族関係に関しては、DNAなどを調べるなどして、そういうことも試みるようになったようだけれど、必ず会えるとは限らない」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「…死んだタイミング次第では既に生まれ変わっているケースもあればーーー」

真宮寺「ーーーそもそも、既に家族関係を新しく結び直していて、いまさら前の家族と会うことができず、それを拒否しているケースもある」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「引き合わせなんて、つい最近まではやっていなかったわけだからネ」

真宮寺「新しく家族関係を結び直していて、それを壊さないために、前の家族に会うことができないというケースが、多々存在している」

真宮寺「生前で言うなら、なんらかの事情で家族と離れ離れになった人が、新しい場所で別の人と家族関係を結んだ後、前の家族と会いづらくなるようなものサ」

真宮寺「それを思えば、まだまだ新しく家族関係を結ぶ必要は生じてくるんだヨ」

キーボ「…勉強になります」

アンジー「………」



244 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:38:43.65 ID:cvGY5f0SO



キーボ「………話は変わりますがーーーーーー流魂街にいる他の人達はどこで働いているのですか?」

真宮寺「………」

アンジー「………」

キーボ「ボク達は、空鶴さんから、食べるからには働いて貰う必要があると言われました」

キーボ「だとしたら他の人達も同じはずでしょう。食べるためには働かないとーーー」

真宮寺「ーーー彼らに労働の義務は無いヨ」

キーボ「…えっ、?」

真宮寺「生前、人に労働の義務があるのは、いろいろな理由があるけれどーーーーーー最大の理由は食事をしないと生きていけないからだ」

真宮寺「だからこそ、労働を行い、金銭という対価を貰う必要が出てくる」

真宮寺「故に、食事を必要としなければ、金銭の必要性も減少し、必然的に労働の必要も無くなることになる」



245 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:42:18.98 ID:cvGY5f0SO



キーボ「…食事を必要としない?」

真宮寺「………流魂街の住民の大多数は霊力を持たない」

真宮寺「そして、霊力を持たない魂魄は、物を食べないんだ。水だけで生きていける」

キーボ「なっ、!?」

真宮寺「………余談ではあるけど、老化もしない」

キーボ「ーーー!!??」

真宮寺「霊力ある魂魄は、魂魄の生体機能を維持する限界…すなわち寿命があるけれど、霊力の無い魂魄には寿命が無いんだ」

真宮寺「霊力ある魂魄は、生前よりも遥かにゆるやかに老化するのだけれど、霊力の無い魂魄はそれすら無い」

真宮寺「現世で亡くなった時から、身体の年齢は何一つ変わらないんだ」

キーボ「そんなことがーーー」

真宮寺「まァ、その代わり、霊力が無いが故に魂魄の強度も低く、いずれ現世の生命に転生する義務もあるんだけどネ」



246 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:45:20.82 ID:cvGY5f0SO



アンジー「………」

真宮寺「…兎も角、霊力の無い多数の魂魄は、食事を必要としない」

真宮寺「故に、生前のように労働を行う必要が無く、労働義務が免除されている状態にあるんだヨ」

キーボ「………」

真宮寺「もちろん、僕達のいる屋敷のように、流魂街でも働いて金銭を稼ぐ場所は存在する」

真宮寺「例えば、流魂街に何箇所かある飲食店などがそうだヨ」

キーボ「…えっ、?」

真宮寺「そこにある店の店員として、働くこともできる」

キーボ「…いや、ちょっと、待ってください」

キーボ「確か、キミが言うには、多数の魂魄は霊力が無く、基本的に物を食べないのではーーー」

真宮寺「流魂街には、その治安維持を担当する死神達の住む基地が何箇所かあってネ」

真宮寺「飲食店などは、そうした死神達のためにあるんだヨ」

キーボ「ーーーなるほど」

真宮寺「ーーーただ、そうした働く場所があっても、霊力ある魂魄が優先して働く決まりになっている」

真宮寺「金銭という対価を得て、物を食べる必要のある、霊力ある魂魄が、ネ」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「故に、基本的な流魂街の住民…霊力無き多数の魂魄は、労働の義務が無いも同然なのサ」



247 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:47:38.45 ID:cvGY5f0SO



真宮寺「ーーーとりあえず、流魂街に関する説明は大体このくらいだネ」

真宮寺「他に、何か質問はあるかい?」



キーボ「…いえ、大丈夫です、ありがとうございました」

アンジー「…アンジーも、特に何も無いよー」



真宮寺「…それじゃあ、次は瀞霊廷の詳細について説明させて貰うネ」



キーボ「…よろしくお願いします」

アンジー「よろしくー!」



248 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 14:48:09.66 ID:cvGY5f0SO
今はここまで
249 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:22:28.04 ID:y4hxoiTKO
投下します
250 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:25:18.41 ID:y4hxoiTKO



真宮寺「…瀞霊廷はさっきも言った通り、霊力ある魂魄のみが住めるとされている場所サ」

真宮寺「流魂街の中心部に位置する、たった一つの都市でありーーー」

真宮寺「ーーー住めば輪廻転生の輪から脱却できる」

アンジー「………」

キーボ「………」

真宮寺「ちなみに、霊力の無い魂魄でも瀞霊廷の出入りは可能だヨ。住むことはできないけどネ」

真宮寺「まァ、少し前は深刻な労働力不足を理由に、流魂街の住民を住まわせることもあったけどーーーーーー今では、霊力ある魂魄以外の労働力を求めていない」

真宮寺「だから、霊力が無ければ基本的に瀞霊廷には住めないと考えて良いヨ」



251 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:28:26.81 ID:y4hxoiTKO



キーボ「…霊力があれば住めるということはよくわかりましたが、それ以外の意味では、具体的にどういった場所なんですか?」

真宮寺「そうだネ、具体的に述べるのなら、貴族の統治下にある死神の本拠地ってところかな」

キーボ「貴族…死神…」

アンジー「うんうん、そういうお金持ちの人が住む場所だねー。流魂街とは大違いだねー」

真宮寺「…流魂街も尸魂界である以上、厳密には同じ貴族の統治下にある死神の本拠地なんだけどネ」

真宮寺「それでも、瀞霊廷は流魂街よりも遥かに、貴族や死神の意思が非常に色濃い場所…ということなのサ」

キーボ「貴族…正直、ボクには馴染みの無い制度ですね」

真宮寺「…まァ、そうなるよネ」

アンジー「………」

真宮寺「だけど、尸魂界において貴族制度は、身分制度は確かに存在するんだヨ」



252 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:30:11.50 ID:y4hxoiTKO



キーボ「…そういえば、王族もいるんでしたね、こちらには」

真宮寺「そうだネ。実際に、百田君が目指そうとしている霊王宮は、霊王様をはじめとする王族達が住む場所とされている」

アンジー「………」

真宮寺「ただ、霊王様は絶対に霊王宮から降りることはなく、その王族達も特別な祭事でも無い限りは、決して降りないみたいでネ」

真宮寺「貴族や死神ですら、一部を除いて霊王様やその王族の御姿を見たことがないらしいヨ」

キーボ「………」

真宮寺「…とまァ、そういった身分社会ではあるけれど、奴隷身分など人権の保証されない身分があるわけじゃない」

真宮寺「そこは、安心して良いと思うヨ?」



253 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:33:25.23 ID:y4hxoiTKO



キーボ「…ボクにも人権は保証されるんですかね?」

真宮寺「それはーーー」

アンジー「…うんうん、大丈夫だよ、キーボ!」

キーボ「…アンジーさん?」

アンジー「主はきっと言いました… “ 空鶴たちが付いているから大丈夫だ ” ………と」

真宮寺「…確かに、空鶴さん達は、元貴族だからネ。それを思えば、彼女達の関係者であるキーボ君をぞんざいに扱うわけにも行かないはずだヨ」

キーボ「ーーーえっ、ちょっと待ってください。空鶴さんと岩鷲クン、あの人達も貴族だったんですか?」

真宮寺「そうだヨ、今は没落しているようだけど、かつての【志波家】は “ 五大貴族 ” と言って、尸魂界でもトップクラスの権威を持つ貴族だったみたいでネ」

真宮寺「そのおかげか、彼女達の顔は広く、彼女達に世話になった死神や貴族も決して少なくないみたいなんだ」

真宮寺「言ってしまえば、長年かけて色々な人に貸しを作っているんだヨ」

キーボ「貸し、ですか」

真宮寺「まァ、彼女達がそれを意識してやったかどうかは兎も角として、死神や貴族に影響力のある存在であることは間違い無い」

真宮寺「だから、君に人権があるかどうかは置いといて、彼女達が死神や貴族に強い影響力を持つ以上、関係者である君の身の安全は保証されていると言って良いヨ」



254 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:36:16.68 ID:y4hxoiTKO



キーボ「…ですがーーー」

真宮寺「あァ、一応断っておくけど、空鶴さん達が君より先に生まれ変わっていなくなる可能性はまず無いヨ」

キーボ「…どういうことですか?」

真宮寺「あの人達は輪廻転生を免除されているからサ」

キーボ「えっ、?」

真宮寺「没落したとはいえ、かつては五大貴族だったわけだからネ」

真宮寺「瀞霊廷の貴族達も、その血筋を絶やすことは、できる限り避けたいのサ」

真宮寺「魂魄同士でも、子を成すことは可能なのだから」

キーボ「………」

アンジー「…だからー、キーボも安心して、ここにいて良いのだー!」

キーボ「…なるほど、わかりました」







キーボ(空鶴さん達には、改めて感謝しないといけませんね………)



255 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:38:10.17 ID:y4hxoiTKO



真宮寺「ーーーちょっと話が脱線しちゃったネ。とりあえず瀞霊廷の話に戻すけど良いかな?」

キーボ「…ええ、お願いします」

真宮寺「うん、それじゃあ、瀞霊廷での生活についての話に移させて貰うネ」

真宮寺「それに関してなんだけどーーーーーーはっきり言って、生活水準は、流魂街よりも遥かに高いと言わざるを得ないかな」

キーボ「そんなに、生活水準に違いがあるんですか?」

真宮寺「文化水準に関してだったら、どちらも、平安から江戸時代並みなんだけどね…」

真宮寺「ただ、生活水準に関しては、井戸ではなく水道などが配備されていたりと、現世のものと相違ないーーーーーーいや場合によってはそれ以上の生活水準を誇っているヨ」

キーボ「そんなに…」

アンジー「………」

真宮寺「まァ、瀞霊廷は、死神と貴族の本拠地であり重要な拠点でもあるからネ」

真宮寺「故に、公共の交通機関はあっても、外敵に利用されかねない空間転移装置の設置は認められていないのだけれどーーー」

真宮寺「ーーーその代わり、セキュリティは盤石だ」

真宮寺「兵士たる死神達が居住している以上、兵力も潤沢だしーーー」

真宮寺「ーーー何より、瀞霊壁(せいれいへき)と遮魂膜(しゃこんまく)があるからネ」



256 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:39:55.83 ID:y4hxoiTKO



キーボ「…なんですか、それらは?」

真宮寺「まず、瀞霊壁についてだけど、これは瀞霊廷を囲む壁のことだヨ」

真宮寺「普段は、空の上にある霊王宮を守っている壁なんだけど、瀞霊廷に敵が攻め込むようなことがあれば、空から降ってきて瀞霊廷を守ってくれるんだ」

キーボ「空から降ってくるって…」

アンジー「…ありえない話じゃないと思うよー?」

キーボ「…まあ、ボクらにとっては、そうでしょうがーーー」

真宮寺「また、この瀞霊壁は、殺気石(せっきせき)という霊力を遮断する鉱物で作られていて、あらゆる攻撃を受け付けない」

真宮寺「それに加えて、瀞霊壁は切断面からも波動と呼ばれる圧力が出ており、それがドーム上となって、遮魂膜と呼ばれるバリアを空地両方に形成している」



257 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:41:29.23 ID:y4hxoiTKO



キーボ「バリア…」

真宮寺「空や地中から侵入しようとすれば、遮魂膜によって防がれてしまう」

真宮寺「だから、瀞霊廷に入るには、東西南北四つの門から入るしか無いんだけれど、そこには番人が一人ずつ存在し、敵が侵入できないよう立ち塞がっている」

キーボ「…ちょっと待ってください、番人はそれぞれの門に一人だけしかいなんですか?」

真宮寺「そうだネ、基本的には一人一門だヨ」

キーボ「…大丈夫なんですか、それは?」

アンジー「あー、大丈夫、大丈夫ー! 少なくとも、?丹坊(じだんぼう)はすっごい強いからー!」

キーボ「…ジダンボウ? まさか、門番の名前ですか?」

真宮寺「その通り、?丹坊さんは、西の門、白道門(はくとうもん)を守護する死神であり、門番なんだ」

真宮寺「そして、彼は、エグイサルの二倍以上の体躯を誇っている」



258 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:43:14.45 ID:y4hxoiTKO



キーボ「…なっ、!? あのエグイサルの二倍!? そんな人が実在するんですか!?」

真宮寺「言ったよネ? 霊子とは自由度が高く現世じゃあり得ないような現象も起こし得る、って」

キーボ「………」

真宮寺「だから、鍛錬の結果、巨体になる人も稀に出てくるんだ」

キーボ「…そうなんですか」

真宮寺「その巨体故に、膂力も非常に高い」

真宮寺「仮に彼が生前の僕達と同じ場所にいれば、どうとでもなったかもしれないネ」

アンジー「だから、一人だけでもー、だいたい大丈夫なんだよー!」

キーボ「…なるほど、そういうことなら納得ですね」



259 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/12(火) 19:43:44.16 ID:y4hxoiTKO
今日はここまで
260 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:02:34.00 ID:6Mt62CztO
>>257はミスでした

>>257の内容を修正したものを投下します
261 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:04:38.53 ID:6Mt62CztO



キーボ「バリア…」

真宮寺「空や地中から侵入しようとすれば、遮魂膜によって防がれてしまう」

真宮寺「だから、瀞霊廷に入るには、東西南北四つの門から入るしか無いんだけれど、そこには番人が一人ずつ存在し、敵が侵入出来ないよう立ち塞がっている」

キーボ「…ちょっと待ってください、番人はそれぞれの門に一人だけしかいなんですか?」

真宮寺「そうだネ、基本的には一人一門だヨ」

キーボ「…大丈夫なんですか、それは?」

アンジー「あー、大丈夫、大丈夫ー! 少なくとも、 “ ジダンボウ ” はすっごい強いからー!」

キーボ「…ジダンボウ? まさか、門番の名前ですか?」

真宮寺「その通り、彼は、西の門、白道門(はくとうもん)を守護する死神であり、門番なんだ」

真宮寺「そして、彼は、エグイサルの二倍以上の体躯を誇っている」



262 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:06:48.77 ID:6Mt62CztO
>>257>>261に差し替えます


ジダンボウのジの漢字が書き込めなかったのでカタカナ表記にしました

申し訳ない
263 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:07:56.21 ID:6Mt62CztO
前回の続きから投下します
264 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:12:42.97 ID:6Mt62CztO



キーボ「ーーーしかし、聞いた限りだと、瀞霊廷とは、随分と恵まれた場所なんですね」

真宮寺「………うん、確かに、その通りだネ」

アンジー「………」

キーボ「…流魂街の住民も、瀞霊廷の住民も、どちらも死者の魂でしょう? なのに、どうして、ここまで待遇に差があるのですか?」

真宮寺「…霊力ある魂魄は、物を食べる必要があるからネ。しっかりと栄養の補給ができる生活環境が必要になる」

真宮寺「それに加えて、死神になれる素質を持つ貴重な存在となれば、こうなるのも無理はないのかもしれないヨ」

真宮寺「…死神にも一応は寿命がある以上、人材確保のためにも、霊力ある魂魄を瀞霊廷で守る必要があるだろうからネ」

キーボ「…寿命って、それは具体的にどのくらいの長さなんですか?」

真宮寺「個人差はあるけど、二千年近く生きていた人もいるらしいヨ」

キーボ「そ、そんなに!?」

アンジー「………」

真宮寺「ただ、この寿命はその気になれば無限に伸ばせるとは思うけどネ」

キーボ「なっーーー」

アンジー「………………」

真宮寺「死神には様々な霊術があってネ………」

真宮寺「………中には、死んだ死神を蘇らせる霊術なんてのもあるくらいなんだ」



265 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:16:10.22 ID:6Mt62CztO



キーボ「…し、死者を蘇らせるってーーー」

アンジー「………………………………」

真宮寺「………死んだ死神の死体の何割かが残っていれば、蘇らせることは可能らしいヨ」

真宮寺「それを上手く用いれば、霊力ある全ての者達が、文字通り永遠を手にすることも可能なんじゃないかな?」

キーボ「………」

アンジー「………………………………」

真宮寺「だけど、倫理的な問題などがあって、未だそれはできないでいる」

キーボ「倫理、ですか」

真宮寺「…そう、倫理の壁だヨ」

アンジー「………」

真宮寺「実際、さっき話した蘇りの霊術は、行使されていた時期はあったものの、現在では禁術になっている」



266 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:17:53.33 ID:6Mt62CztO



キーボ「…なぜ、禁止にしたのでしょうか?」

真宮寺「………」

アンジー「………」

キーボ「一時期は行使していたのに、今更それを禁止したのは何か理由があるのでしょうか?」

真宮寺「その理由は、いろいろあるけれど、最大の理由としては、その霊術を行使する必要性が無いからだネ」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「この霊術が開発され行使された当時は、どうしても人材を補填しなければならない事情があった。だから、緊急的に倫理は取り外され、行使が許された」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「だけど、今ではそこまでして人材を補填する必要性は無い。だから、倫理が復活し、蘇りの行使が許されなくなった」

キーボ「…そうだったんですか」

アンジー「………」

真宮寺「…もし、尸魂界全体が実利のために、倫理を完全に廃するようになれば、蘇りの霊術は復活し、寿命は無くなるかもしれないネ」



267 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:19:42.05 ID:6Mt62CztO



キーボ「…逆に倫理を廃さなくても、二千年近くは生きられるわけですね」

真宮寺「…人にもよるけれどネ」

アンジー「………」

キーボ「…しかし、どうにも解せませんね」

真宮寺「…何がだい?」

キーボ「…死者の蘇りなんてことが可能ならば、別のことも出来るんじゃないですか?」

キーボ「たとえば、霊力無い人に霊力を与える、とかーーー」

真宮寺「………」

アンジー「………」

キーボ「それなら元々霊力の無い人でも瀞霊廷に住めるはずです」

キーボ「それに、霊力を与えることが、特に倫理に反するようにも思えません」

キーボ「そういったことを可能とする霊術は、存在しないのでしょうか?」



268 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:20:49.92 ID:6Mt62CztO



真宮寺「ーーーあると思うヨ」

キーボ「!」

アンジー「………」

真宮寺「実は、死神は人間の魂魄に対し、死神の力を譲渡することが可能らしいんだ」

キーボ「力の、譲渡…?」

真宮寺「死神の力の譲渡とは、すなわち霊力の譲渡を意味する」

真宮寺「それが可能なら、人間の魂魄に霊力を与えることは不可能ではないと思うヨ」

キーボ「だったらーーー」







真宮寺「ーーーだけど、そんなことはまず認められないだろうネ」



269 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:22:35.35 ID:6Mt62CztO



キーボ「ーーーそれは、どうしてですか?」

真宮寺「二つ、大きな問題があるからだヨ」

キーボ「問題…?」

真宮寺「一つ目の問題、それは、霊力ある人間は悪霊に襲われやすいということだ」

キーボ「悪霊…」

真宮寺「悪霊は自身の力を高めるために、霊力ある人間の魂魄を、その力を自らに取り込もうとする」

真宮寺「故に、霊力ある特別な魂魄は、積極的に襲われやすい傾向にある」

アンジー「………」

真宮寺「そう、霊力を与えるということは、与えられた魂魄が悪霊に危害を加えられる可能性を高めてしまうことを意味する」

真宮寺「だから、その人の安全を考慮するならば、霊力を与えることが必ずしも良いことであるとは言い切れないんだ」

キーボ「………」



270 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:24:37.80 ID:6Mt62CztO



真宮寺「そして、霊力を与える上での二つ目の問題だけどーーー」

真宮寺「ーーーそれは、人の輪廻転生を阻む結果を生むからだ」

キーボ「………?」

真宮寺「仮に流魂街の住民全てに霊力を与えて瀞霊廷に住まわせる…すなわち輪廻転生から脱却することを許可したらどうなると思う?」

キーボ「どうなるってーーー」

真宮寺「そうして、誰もが瀞霊廷に住むことを選んで、生まれ変わりをしなければ、現世はどうなるだろうネ?」

キーボ「…あっーーー」

真宮寺「そうなれば、現世で生命が生まれなくなる」

真宮寺「現世は、生命一つ無き、死の世界になるだろう」



271 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:26:44.52 ID:6Mt62CztO



キーボ「死の、世界…」

アンジー「………」

真宮寺「いや、その前に現世の魂魄が少なくなって、世界のバランスが崩れることになるかな」

キーボ「世界のバランス、ですか?」

真宮寺「世界とは、天秤のようなものでネ」

真宮寺「尸魂界と現世に存在する魂魄の数が、それぞれ適した量でなくなれば、天秤のようにバランスが崩れるんだ」

真宮寺「そうしてバランスが完全に崩れたが最後、現世と尸魂界を隔てる次元の壁が破壊され、最終的には両者が混じり合ってしまう」

キーボ「………」

アンジー「………」



272 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:28:42.67 ID:6Mt62CztO



真宮寺「…生と死の交わる混沌、どんな混乱と被害が起きるか想像もつかない」

真宮寺「それだけは、絶対に避けなければならない」

真宮寺「そういった問題がある以上、人間の魂魄に霊力を与える行為は、まず認められないだろうネ」

真宮寺「事実、僕が言った理由もあって、死神の力の譲渡は固く禁じられているんだヨ」

キーボ「………」

アンジー「………」



273 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:30:56.38 ID:6Mt62CztO



真宮寺「ーーーとまァ、以上が尸魂界の基本的な説明になるわけだけど、何か質問はあるかい?」



キーボ「ーーーそれでしたら、二つ、訊いても良いですか?」



真宮寺「ーーー何かな?」



キーボ「まず、一つ目ですがーーー」



キーボ「ーーー生まれ変わりは大体どのくらいまで待つことになりますか?」



274 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:33:02.76 ID:6Mt62CztO



アンジー「………」

真宮寺「………」

キーボ「ここに来たら、すぐに生まれ変わるということもあるのでしょうか?」

キーボ「その辺り、とても気になるのですがーーー」

真宮寺「ーーー転生に関しては、大体、六十年くらいを目安にしているしているようだヨ」

キーボ「六十年…ならば、ボク達はまだ大丈夫ですね」

真宮寺「…そうとも限らないヨ」

キーボ「…えっ?」

真宮寺「確かに普通に考えれば、尸魂界に来たばかりの僕達は、転生までの間、充分に時間は残されていることになる」

真宮寺「だけど、それは特に異常がなかった場合の話サ」



275 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:34:30.49 ID:6Mt62CztO



キーボ「異常…」

真宮寺「例えば、地球の人口が急激に増えるとなれば、必然的に生まれてくる人間の数も増える」

真宮寺「そうなると、現世に大量の魂魄を送る必要があるため、転生すべき魂魄は増えるだろうネ」

真宮寺「そうしたことが繰り返された場合、僕達が転生する順は繰り上がることになるはずだヨ」

キーボ「…なるほど、確かにそうですね」

アンジー「………」



276 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:37:09.46 ID:6Mt62CztO



キーボ「…それでは、二つ目の質問ですがーーー」

真宮寺「………」

キーボ「ーーーロボットのボクでも生まれ変わりは行われるんですか?」

アンジー「………」

真宮寺「…おそらくはそうなると思うヨ?」

キーボ「!」

アンジー「………」

真宮寺「転生の際は、輪廻の輪を通過し、そこで精神など魂魄に定着した情報を完全に消去した上で、霊子レベルまで分解される」

真宮寺「その後、まっさらな魂魄として再構築され、現世の生命として生まれ変わることになるんだ」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「浦原さんが言うには、精神を消去した上で霊子レベルまで分解された場合、もう以前の形を保つことは不可能だそうだ」

真宮寺「だとすれば、君が輪廻の輪を通過した場合であっても、鉄でも何でもない、普通の真っさらな魂魄になるはずだヨ」

キーボ「…なるほど、お答え頂きありがとうございました」



277 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:41:39.44 ID:6Mt62CztO



真宮寺「ーーーうん、もう夕飯の時間がかなり近づいていることだしーーーーーー以上で今日の分の説明は終了させて貰うヨ」

真宮寺「…聴いてくれて、ありがとう。キーボ君、アンジーさん」

キーボ「いえ、こちらこそ、ありがとうございます、真宮寺クン」

アンジー「そうだねー、今回もすごかったよー! 楽しかったー! にゃははー!」

アンジー「…また、いっしょに聴こうねー! キーボ!」ダキッ

キーボ「はい! そうですね、アンジーさん!」

アンジー「………」ギュッ

真宮寺「………」






………………………………………………………………





278 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:43:56.31 ID:6Mt62CztO
>>277はミスでした

修正バージョンを投下します
279 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:46:33.15 ID:6Mt62CztO



真宮寺「ーーーうん、もう夕飯の時間がかなり近づいていることだしーーーーーー以上で今日の分の説明を終了させて貰うヨ」

真宮寺「…聴いてくれて、ありがとう。キーボ君、夜長さん」

キーボ「いえ、こちらこそ、ありがとうございます、真宮寺クン」

アンジー「そうだねー、今回もすごかったよー! 楽しかったー! にゃははー!」

アンジー「…また、いっしょに聴こうねー! キーボ!」ダキッ

キーボ「はい! そうですね、アンジーさん!」

アンジー「………」ギュッ

真宮寺「………」






………………………………………………………………





280 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:48:11.81 ID:6Mt62CztO
>>277>>279に差し替えます
281 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 13:49:19.39 ID:6Mt62CztO
今はここまで
282 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 19:20:16.39 ID:vm0Co9MqO
投下します
283 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 19:23:58.96 ID:vm0Co9MqO



ー(翌日)鰤清劇場・2日目ー



真宮寺「ーーー今日は、死神の仕事と彼らの持つ力についての説明をさせて貰うヨ」

真宮寺「まァ、昨日と一昨日にも多少は説明したけれど、そこまで詳しく説明したわけでは無いからネ」

真宮寺「改めて聞くことで、きっと気になることも出てくると思う」

真宮寺「その説明のためにも、ここで、改めて話させて貰うヨ」

キーボ「…わかりました。お願いします」

アンジー「………」

真宮寺「それじゃあ、まずは確認のために、死神の仕事の基本から説明するネ」



284 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 19:27:29.43 ID:vm0Co9MqO



真宮寺「…死神の仕事、それは今の世界の形と秩序を守ることだ」

真宮寺「尸魂界が国だとすれば、死神はそこの兵士」

真宮寺「尸魂界の住民による犯罪を取り締まって治安を維持したり、悪霊などといった霊的な敵から魂魄を守り通す存在だ」

真宮寺「また、そうして守り通した魂魄を、輪廻転生によって循環させ、尸魂界と現世の魂魄の量を均等にする存在でもある」

真宮寺「それを怠れば、世界のバランスが崩れ、尸魂界と現世が混じり合ってしまうからネ」

真宮寺「ここまでが基本事項ではあるけれど、何か気になったことはあるかな?」



285 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 19:29:42.43 ID:vm0Co9MqO



キーボ「…あります」

真宮寺「何かな? なんでも構わないヨ」

キーボ「…もし、現世で人口爆発が起きた場合はどうやって二つの世界の魂魄を均等にするつもりなんでしょうか?」

アンジー「…あー、それは確かに、気になるねー」

キーボ「ええ、そうなってしまえば、現世で多くの命が産まれることになります」

キーボ「そして、そのためには、尸魂界から現世の妊婦のもとへと多数の魂魄を送らざるを得なくなり、世界のバランスが崩れてしまうはずです」

キーボ「いったい、どうやってーーー」

真宮寺「ーーーその場合は、現世とは異なる別の世界から尸魂界に魂魄を送り、バランスを保つことになるネ」

キーボ「別の世界?」

真宮寺「実は、尸魂界と現世の他にも、虚圏(ウェコムンド)と呼ばれる、悪霊達が住まう別世界があってネ」

真宮寺「その悪霊達を、特殊な霊術をもって誘き出し、無害な魂魄に昇華した上で尸魂界に送ってあげるのサ」

真宮寺「そうやって、尸魂界から消えた魂魄と同じ数の魂魄が、尸魂界に送られてくる仕組みとなっているヨ」

キーボ「…なるほど、そういうことでしたか…」



286 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 19:32:45.79 ID:vm0Co9MqO



アンジー「…でも、逆に現世の人間の数が減ったらどうするんだろうねー?」

キーボ「あっ、確かに、それも気になりますね…」

アンジー「でしょでしょー?」

真宮寺「…その場合は、流魂街に住む一定数の魂魄達が、輪廻の輪を通ることになるネ」

キーボ「? 輪廻の輪?」

キーボ「ちょっと待ってください、輪廻の輪というのを通って現世の人間に生まれ変わろうにも、その現世の人間の数が少なければ、生まれ変われる数も限られてくるはずです」

キーボ「それでは、結局のところ、尸魂界に魂魄が残ってしまうのでは?

真宮寺「その辺りは大丈夫。輪廻の輪の中にある魂魄は、別次元にある状態、すなわち現世にも尸魂界にも存在しない状態になるからネ」

キーボ「…そうなんですか?」

真宮寺「そうなんだヨ、だから現世の人間の数が減少した場合、流魂街の住人は大勢で輪廻の輪を通り、まっさらな魂魄の状態になったあと、別次元で生まれ変わりを待ち続けることになる」

アンジー「………」

真宮寺「そうして、魂魄のバランスを保つのサ」

キーボ「なるほど…」

真宮寺「…逆に現世の人間が増加すれば、それだけ生まれ変わり先が多くなり、別次元で生まれ変わりを待つ魂魄も減少するだろうネ」

アンジー「…教えてくれてありがとねー、是清! すごい、ためになったよー!」

キーボ「ボクからもお礼を言わせてください、ありがとうございます、真宮寺クン」

真宮寺「…どういたしまして、だヨ…」



287 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 19:35:52.91 ID:vm0Co9MqO



真宮寺「ーーーそれで、他に気になったことはあるかい? あるなら答えるけど」

キーボ「ーーーそれでは、一つ」

アンジー「?」

真宮寺「…何かな?」

キーボ「死神は、悪霊発生の原因を断つことはしないんですか?」

アンジー「??」

真宮寺「…どういうことだい?」

キーボ「…それを言う前に確認しておきたいのですが、キミのいう悪霊とは、【その魂魄が生前に受けた】【理不尽な仕打ち】によって生まれるものですよね?」

キーボ「そう、理不尽な仕打ちが、悪霊発生の “ 条件 ” に組み込まれている」

キーボ「違い、ますか?」

真宮寺「………そうだネ」

真宮寺「………ひょっとしたら他にも “ 条件 ” があるのかもしれないけど、死神が言うには、【悪霊発生の原因は】【生前に受けた理不尽な仕打ちが根幹にある】とのことだった」

真宮寺「それは確かな事実だヨ」



288 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 19:37:10.96 ID:vm0Co9MqO



キーボ「…お答え頂き、ありがとうございます」

キーボ「ただ、もし、キミの言う通りならば、悪霊発生の原因は明確に存在していることになります」

キーボ「ならば、その原因そのものを断つことはしないんですか?」

真宮寺「…あァ、そういうことかい」

アンジー「…なるほどねー」

キーボ「ーーー具体的には、戦争や災害みたいなそれだけで理不尽に死者が発生するような何かを止めたりだとかーーー」



真宮寺「それは、無いネ」



289 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 19:38:37.40 ID:vm0Co9MqO



キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「現世の問題は可能な限り現世で処理して貰うというのが、死神達の考え方なんだヨ」

キーボ「…そうなんですか」

真宮寺「そう、だから現世がどうなろうと、それこそ戦争や災害が起ころうと、魂魄のバランスに致命的な影響を与えない限り、死神が関与することは無い」

真宮寺「というか、そうでも無ければ、現世は今ごろ死神によって支配されてしまっているヨ」

真宮寺「現世に敬意を払うが故に、現世の問題は、可能な限り、現世で処理して貰うことになっているのサ」

キーボ「…なるほど、よくわかりました」

アンジー「………」

真宮寺「ーーー以上で、死神の仕事の説明を終えようと思うけど、他に質問はあるかい?」

キーボ「…いえ、ボクは特にありません」

アンジー「…アンジーも無いよー」



290 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/13(水) 19:39:19.85 ID:vm0Co9MqO
今日はここまで
291 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:28:15.76 ID:aF+oRNe/O
投下します
292 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:31:29.68 ID:aF+oRNe/O



真宮寺「それじゃあ、死神の仕事に関する説明はこの辺りにしてーーーーーー今度は、死神の持つ力に関する説明をするヨ」

キーボ「力…」

アンジー「………………」

真宮寺「死神の能力は、斬拳走鬼(ざんけんそうき)と言って、主に四種類に分類される」

真宮寺「まずは、斬拳走鬼の斬、斬魄刀(ざんぱくとう)についての話をするヨ」

キーボ「ザンパクトウ…?」

真宮寺「………簡単に言えば、刀だネ」

キーボ「………刀、ですか」

アンジー「………」

真宮寺「…ただの刀じゃあ無いヨ? その刀には迷える魂を死後の世界に送ったり、悪霊を無害な魂魄に昇華する力がある」

キーボ「…なっ、刀でそれをしていたというんですか!?」

真宮寺「それを可能とするのが斬魄刀なのサ」

キーボ「………」

真宮寺「ーーーだけど、斬魄刀の機能は、決してそれだけじゃないんだヨ」

キーボ「どういうことですか?」

真宮寺「斬魄刀には、固有の能力があるのサ」

キーボ「…はい?」

真宮寺「例えば、普通の刀から大鎌のような形状に変形したりーーー」

真宮寺「ーーー炎を生み出したり、氷を生み出したりと、その刀しか持たない特別な能力があるってことサ」



293 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:33:50.69 ID:aF+oRNe/O



キーボ「…変形したり、炎や氷を生み出せるくらいでは驚きません。刀で魂をどうこう出来るのなら、そのくらいは可能でしょう」

キーボ「…しかし、何故そんな能力が必要なんですか? ザンパクトウは魂を死後の世界に送り届けるためのものではないのですか?」

真宮寺「…死神は悪霊と戦う必要があるんだヨ?」

キーボ「………」

真宮寺「悪霊の中には、強大な霊力を持つ者だっている」

真宮寺「故に、固有能力があった方が都合が良いんだ」

キーボ「…まあ、それはそうでしょうが」

真宮寺「だから、斬魄刀には固有能力がある。相手がどんなに強力な悪霊であっても、勝てるようにネ」

キーボ「………」

アンジー「………」



294 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:38:44.83 ID:aF+oRNe/O



真宮寺「まァ、固有能力に目覚めてる斬魄刀なんて、全体から見ればかなり少ないんだけどネ」

キーボ「少ないんですか?」

真宮寺「そうだヨ」

真宮寺「固有能力に目覚めさせるためには、斬魄刀の名前を知る必要があるからネ」

キーボ「名前?」

真宮寺「そう、斬魄刀には、 刀一振りごとに固有の名前がある」

真宮寺「なお、その名前は二段階に分かれていてネ」

真宮寺「一段階目は、 “ 始解 ” と呼ばれる基本的な名前、二段階目は、 “ 卍解 ” と呼ばれる真の名前だ」

真宮寺「そうした名前を知ることによって、その段階に応じた固有能力を引き出せるようになるのサ」

キーボ「………」

真宮寺「ただし、斬魄刀は、はじめは “ 浅打 ” と呼ばれる、魂魄を転送する以外は何の能力も持たない刀の状態になっているため、いきなり名前を知ることはできない」

真宮寺「だけど、持ち主である死神が、浅打と寝食を共にし、錬磨を重ねることによって、浅打は持ち主の心を参考に、己が持つべきと判断した自我と固有能力を形作る」

キーボ「………………」

真宮寺「その自我と固有能力を現すものこそが斬魄刀の名前であり、そうした斬魄刀と “ 対話と同調 ” ーーー」

真宮寺「ーーーすなわち、コミュニケーションを試みて、斬魄刀から名前を教えて貰うことによって、死神は斬魄刀の固有能力を扱えるようになるんだヨ」



295 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:40:31.30 ID:aF+oRNe/O



キーボ「………」

アンジー「…どうしたー、キーボ?」

真宮寺「…どうかしたのかい? もし、わかりづらい部分があったのならーーー」

キーボ「いえ、似てるなって思いまして」

真宮寺「ーーー似てる?」

キーボ「ええ、ボクと」

アンジー「………」

真宮寺「…まさか、斬魄刀がかい?」

キーボ「…そうは思いませんか?」

キーボ「鉄の身体を持ち、人を観察して自己学習を繰り返す。そうして、なりたい自己を選択し、形成する人工知能…」

キーボ「まさに、ロボット…ボクそのものじゃないですか」



296 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:42:34.56 ID:aF+oRNe/O



アンジー「………あー、なるほどー! たしかに似てるかもねー!」

キーボ「でしょう?」

キーボ「もちろん、ザンパクトウがただの凶器であるならばこんなことは思わなかったかもしれませんがーーーーーー聞いた限りでは、斬魄刀とは、一概に凶器とは呼べないものです」

キーボ「ならば、ボクはそれをーーー」

真宮寺「………………ク、クク」

キーボ「ーーーえ?」

真宮寺「ク、クク…ククク…!」

アンジー「…どうしたー? 是清ー?」

真宮寺「クククッ…ククククククッ…クククッッ、!!!」

キーボ「…真宮寺クン? どうかしてーーー」

真宮寺「ーーーあァ、そうだヨ! 君の言う通りだヨ! キーボ君!」

キーボ「!?」

真宮寺「確かに、確かに似ているヨ!」



真宮寺「君と斬魄刀は!」



297 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:45:12.29 ID:aF+oRNe/O



キーボ「えっ、あの、その………」

アンジー「…あららー、是清、何かスイッチ入っちゃったみたいだねー」

真宮寺「ククク…まさか、そのことに君自らが気づくとはネ…!」

真宮寺「心ある者は、如何なる存在であろうと、進化を遂げることができる!」

真宮寺「その実例が、いま、目の前に、存在している!」

真宮寺「あァ、僕はいま、満たされている…!」

298 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:47:11.15 ID:aF+oRNe/O



キーボ「…ボクが成長するロボットであると、認めてくれたことには感謝しましょう」

キーボ「ですが、そういったタイプの喜び方は、あまりして欲しく無いですね」

真宮寺「ククク…ごめんヨ。ちょっとエキサイトし過ぎたネ。もうしないヨ」

キーボ「………」

真宮寺「ーーーだけど、今の君なら気づけるんじゃないかな?」

キーボ「ーーー何をですか?」



真宮寺「…君や斬魄刀に心を与えられた、その理由を、ネ」


299 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:48:32.65 ID:aF+oRNe/O



真宮寺「………斬魄刀もそうだけど、『物』というのは、その役目を果たすだけならば、心なんて必要が無いんだヨ」

真宮寺「なのに、どうして、心が与えられたのか?」

真宮寺「今の君なら気づけるはずだヨ?」



キーボ(…ボクや斬魄刀に心が与えられた理由?)



アンジー「………」



キーボ(…まさか、それってーーーー)



300 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:50:50.51 ID:aF+oRNe/O












キーボ「ーーー側にいる人に、 “ 希望を与えるため ” 、ですか?」











301 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:52:23.50 ID:aF+oRNe/O



真宮寺「ーーーその通りだヨ」

キーボ「!」

真宮寺「正解、大正解だヨ」

キーボ「………」

アンジー「………………」

真宮寺「『想い』を分かち合い、分かり合えるのは、心があるからだ」

真宮寺「心があるからこそ、その『想い』が他者に伝わる」

真宮寺「希望だって、伝染させられる」

真宮寺「そうして、人が絶望に心を折られないよう、必死になって働きかける」

真宮寺「そのために、君や斬魄刀は、心を与えられた」



真宮寺「少なくとも、僕は、そう思っているヨ」



302 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:54:04.82 ID:aF+oRNe/O



真宮寺「…まァ、それが本当に正解であるかどうかは、君や斬魄刀の開発者と話をしてみないとわからないことだけどネ」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「ただ、もし本当にそうだった場合、どこまで似ているか気になるところではあるネ?」

キーボ「どこまで似ているか…?」

真宮寺「ーーー斬魄刀には、生涯、従うべき主がいる」

キーボ「!?」

アンジー「………………」

真宮寺「キーボ君には、従うべき主がいるのかな?」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「その答えこそがーーーー」



303 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:55:36.36 ID:aF+oRNe/O



キーボ「ーーーいません」



真宮寺「………」

アンジー「………」



キーボ「ーーーボクは、存在している以上、開発者はいます」



キーボ「ですが、ボクに主なんて、いません」







キーボ「だれ、一人として………」



304 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:57:36.77 ID:aF+oRNe/O



真宮寺「…そうかい」



キーボ「………」



アンジー「………」







真宮寺「なら、この話は、ここまでにしておくとするヨ…」



305 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 14:58:40.97 ID:aF+oRNe/O
今はここまで
306 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 19:16:37.61 ID:Sh8PxwtSO
投下します
307 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 19:23:50.48 ID:Sh8PxwtSO



真宮寺「ーーーさて、次は、斬拳走鬼の拳、白打(はくだ)についての話に移させて貰うネ」

キーボ「………」

真宮寺「ちなみに白打というのは、死神特有の格闘術のことだヨ」

キーボ「…茶柱さんのネオ合気道みたいものですか?」

真宮寺「…僕は、彼女のネオ合気道についてそこまで詳しく知っているわけじゃないから、そこは何とも言えないネ」

アンジー「………」

真宮寺「ただ、彼女も白打という格闘術には興味があるみたいでネ。死神となる道の上で一通り修得するつもりらしいヨ」

キーボ「…茶柱さんが興味を惹くとはーーーーーーそんなに、すごい技があるんでしょうか?」

真宮寺「そうだネ、確かにすごい技がいくつもあるヨ」



308 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 19:26:15.83 ID:Sh8PxwtSO



キーボ「具体的には、どんな技があるんですか?」

真宮寺「ーーー僕が、もっとも目を引いたのが、 “ 千里通天掌 ” だネ」

キーボ「………せんりつうてんしょう…?」

真宮寺「この技は、その名の通り、手の平による張り手とそれが纏う “ 気 ” によって、人を千里先まで飛ばす技なのサ」

キーボ「………せ、千里先!?」

キーボ「4000キロメートル近くもですか!?」

真宮寺「そうだネ」

キーボ「…そんな技までーーー」

真宮寺「ただ、この技は修得が限りなく難しいようでネ。修得できるかどうかは茶柱さん次第かな」



309 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 19:27:37.48 ID:Sh8PxwtSO



アンジー「…転子なら大丈夫だと思うよー?

キーボ「…アンジーさん?」

アンジー「主はきっと言いました…転子はすごい子だと………」

アンジー「そんなすごい転子は、守りたい女の子のためなら、どんなことだって成し遂げられると」

キーボ「…そうですね、アンジーさんの言う通りです」

キーボ「茶柱さんなら、きっと大丈夫です! どんな技だって修得できますよ!」

アンジー「………」

真宮寺「………」



310 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 19:29:43.56 ID:Sh8PxwtSO



真宮寺「ーーー次は、斬拳走鬼の走、歩法についての説明をさせて貰うヨ」

キーボ「歩き方まで…」

真宮寺「死神の歩法には、代表的なものとして、瞬歩(しゅんぽ)が挙げられる」

キーボ「…シュンポ?」

真宮寺「その名の通り、瞬間移動したかのようにハイスピードな移動術のことサ」

キーボ「…瞬間移動、ゴン太クンならマスターできそうですね」

アンジー「………にゃははー! ゴン太なら、それで体当たりしただけで、悪霊退散できそうだよねー!」

キーボ「…確かに、ゴン太クンの身体は、鉄製のボクも驚愕せざるを得ないくらいには頑強ですからね」

キーボ「あの身体で突進されたら、大概の相手はただでは済まないでしょう」

真宮寺「そういった意味では、迂闊に瞬間移動して味方に体当たりしてしまうと大変なことになる、諸刃の剣とも言えるわけだけどーーー」

真宮寺「ーーー彼は小さな虫が傷つかないように、細心の注意を払える人だ。それを思えば、味方に体当たりしないよう、注意を払うことだって可能だろうネ」

キーボ「…ええ、ゴン太クンならば、きっと大丈夫でしょう」



311 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 19:31:41.09 ID:Sh8PxwtSO



真宮寺「ーーーさて、それじゃあ劇場の締め括りに、斬拳走鬼の鬼、鬼道(きどう)についての説明に移させて貰うヨ」

キーボ「キドウ、ですか」

真宮寺「鬼道とは、わかりやすく言うなら、魔法みたいなものだヨ」

キーボ「………魔法?」

真宮寺「手を伸ばしてから “ 詠唱 ” …すなわち呪文を唱えた後に、その言霊(コトダマ)に対応した霊術が手の平から発動される」

真宮寺「そうして、言霊を超常的な力に変換しているんだ」

真宮寺「まさに魔法と呼ぶに相応しい力だヨ」



312 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 19:33:41.41 ID:Sh8PxwtSO



キーボ「…夢野さんが積極的に習いそうな技なんですね」

アンジー「うーん、それはどうだろうねー?」

キーボ「? どういうことですか?」

アンジー「ちょっとねー、技の名前やコトダマの感じが秘密子と合わない気がするんだー」

キーボ「感じ…?」

真宮寺「鬼道とは、技名や言霊の内容が和風気味でネ。夢野さんみたいな、西洋の魔法使いを参考にしている人に合うかは微妙なところだヨ」

キーボ「なるほど、それならば夢野さんに合うかは判断しかねますね」

真宮寺「むしろ、夢野さんなら “ 西 ” のーーー」

キーボ「西?」

真宮寺「ーーーあァ、いや、なんでもないヨ。気にしないで」

キーボ「気にしないで、ってーーー」

真宮寺「ーーーいや、話しても良いヨ? ただ、ちょっと話が脱線するし、長くなるからネ。とりあえず今は気にしないで貰えると助かるヨ」

キーボ「ーーーわかりました。それでは、今は気にしないようにしましょう」



313 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/14(木) 19:35:03.95 ID:Sh8PxwtSO
今日はここまで
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 20:28:22.17 ID:nXbTHMXC0


実際どんな生き方すればあんな口上思い付くんでしょうね
315 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 14:10:44.98 ID:WR1CxSBwO
BLEACHの口上って素敵ですよね。あれほどまでにオサレなコトダマを思い付く原作者は本当に偉大


続きを投下します
316 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 14:14:34.97 ID:WR1CxSBwO



キーボ「ーーーところで、呪文って具体的にどういったものがあるんですか?」

キーボ「とても興味があるのですが」

真宮寺「…僕が気に入った技とその詠唱は、書き留めてあるから、それを見てくれれば良いヨ」スッ

キーボ「ありがとうございます、それではさっそくーーー」パラパラパラッ…







キーボ「ーーー【滲み出す混濁の紋章】」



317 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 14:18:42.55 ID:WR1CxSBwO



真宮寺「ーーーえっ、?」



アンジー「………」



キーボ「【不遜なる狂気の器】」



真宮寺「ちょっと、キーボ君」



キーボ「【湧き上がり】【否定し】【痺れ】【瞬き】【眠りを妨げる】」



アンジー「…あのねー、キーボ、その技はねー」



キーボ「【爬行する鉄の王女】【絶えず自壊する泥の人形】」



キーボ「【結合せよ】【反発せよ】」







キーボ「【地に満ち】【己の無力を知れ】!!」



318 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 14:23:10.75 ID:WR1CxSBwO












キーボ「破道の九十、【黒棺】!!!!」











319 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 14:25:37.21 ID:WR1CxSBwO



シーン………



キーボ「ーーーって、何も起こらないじゃないですか!」

アンジー「…キーボはしにがみじゃないからねー」

キーボ「えっ、?」

真宮寺「…これは死神の技だヨ?」

真宮寺「死神の霊圧を持たなければ発動は出来ない」

真宮寺「死神でない者が詠唱をしたところで、ただの言葉の羅列にしかならないヨ」



320 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 14:28:20.75 ID:WR1CxSBwO



キーボ「そ、そうだったんですか…」

アンジー「…というか、もし、本当にすごい力が出たらどうするつもりだったのー?」

キーボ「あっーーー」

アンジー「アンジーたち、巻き込まれたかもよー?」

キーボ「す、すいません! アンジーさん! 真宮寺クン!」

キーボ「あの呪文を見たら、どういうわけか口にしたい気持ちが溢れてつい………本当にすいません!」

アンジー「ーーーうんうん、ちゃんと謝れて偉いねー! アンジーは許すよー!」

真宮寺「…まァ、中々に神秘的な言葉だからネ。魅了される気持ちはよくわかるヨ」

真宮寺「とりあえず、これからは気をつけてネ?」

真宮寺「今回は何とも無かったから良いけど、不用意な言葉は人を悲しませる結果を生むこともあるからサ…」

キーボ「………はい! 本当にすいませんでした! アンジーさん、真宮寺クン…!」



321 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 14:34:41.00 ID:WR1CxSBwO



真宮寺「………鬼道の説明に話を戻すけど、鬼道は番号が大きくなるほど扱うのが難しい」

真宮寺「だから、さっきのような九十番台の鬼道を扱える人は、死神の中でも比較的少数になるだろうネ」

キーボ「………」

真宮寺「ちなみにさっきキーボ君が言ったのは “ 破道 ” と言って、攻撃に使う鬼道」

真宮寺「他にも攻撃の補助などに使うための “ 縛道 ” 、回復のための “ 回道 ” などが存在しているヨ」

キーボ「…勉強になります」

真宮寺「他の鬼道、特に縛道に関しては、詳しく説明をしたいところだけどーーー」

アンジー「ーーー是清ー? そろそろーーー」

真宮寺「ーーーわかっているヨ。夕飯までの時間も押しているし、死神の仕事と彼らが持つ力に関する説明も一通り終わった」

真宮寺「今日は、ここまで、ご静聴感謝するヨ」

キーボ「…わかりました、今日も、ありがとうございます、真宮寺クン!」

アンジー「…アンジーも楽しかったよー!」

真宮寺「………ありがとう」






………………………………………………………………





322 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 14:36:54.10 ID:WR1CxSBwO
今はここまで
323 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 19:23:19.13 ID:RsUDp+PjO
投下します
324 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 19:27:38.39 ID:RsUDp+PjO



ー翌日・志波家の庭ー



キュッ………



キーボ(ーーーよし、これでボクの分の掃除と、その最終チェックが終わりました)



キーボ(しばらくしたら、アンジーさんと真宮寺クンの方も終わるでしょう)



キーボ(これから合流して、そのあとーーー)キュルキュル






………………………………………………………………






銀城(………おい、見たか?)





325 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 19:30:28.58 ID:RsUDp+PjO



月島(………うん、見たよ)


ギリコ(見てしまいましたな)


銀城(まさか、本当にロボットがいるとはな………)


ギリコ(存在自体は、岩鷲さんから聞いてはおりましたが、いざ見るとなると、流石に驚きを隠せませんな)


銀城(月島、一応聞いておくが、幻覚って線はーーー)


月島(それはないよ、銀城)


月島(あのロボットには、過去の “ 厚み ” があるからね)


月島(それも、他の全員と同じ、 “ 厚み ” が、ね)


銀城(………そうか)


ギリコ(確かに、月島さんが、そうした “ 厚み ” を認識できている以上、幻覚の線は薄いと言わざるを得ませんな)


銀城(ああ、幻覚とはいえ、 “ 厚み ” まで再現するとなると、それを月島レベルで認識できる奴でねえと成立しないはずだ)


銀城(だが、そんなものを認識できるのは、月島本人くらいのもんだ。それを考慮すれば、幻覚の線は薄い)


銀城(ーーー何はともあれ仕方ねえな。ひとまずは、幻覚でないって方向で進めてくしかーーー)







キーボ「ーーーすいません、何か御用でしょうか?」



326 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 19:33:01.66 ID:RsUDp+PjO



銀城「………」


月島(…この距離で聴こえるような、声は出していなかったはずだけどね)


ギリコ(それに加えて、あの場所では、こちら側は死角となって見えないはず)


ギリコ(ふむ、どうやら、御姿だけではなく、聴力も人を外れているようですな)







キーボ「………ロボット差別しているところすいませんが、何か御用でしたら、こちらまで来て返事をして頂けないでしょうか?」



327 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 19:35:56.83 ID:RsUDp+PjO



銀城「…しゃあねえ、行くぞ、お前ら」

月島「………」

ギリコ「………」




スタスタ………




銀城「…あー、来たぞ、そのーーー」

キーボ「はじめまして、ボクはキーボと言います。見ての通り、ロボットをしていて、この志波家で住み込みで働いております」

キーボ「ああ、ちなみに、ボクは、幻覚などではなく現実に存在するロボットです。そこは間違えないようにお願いします」

月島「………」

キーボ「よろしければ、キミたちのお名前の方も教えて頂けますか?」



328 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 19:38:46.04 ID:RsUDp+PjO



銀城「………俺は、銀城空吾」



月島「僕は、月島秀九郎」



ギリコ「私、沓澤ギリコと申します」



キーボ「銀城さんに、月島さんに、沓澤さんですね! ありがとうございます! ボクの記憶領域に記録しました!」



329 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/15(金) 19:39:34.19 ID:RsUDp+PjO
今日はここまで
330 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:04:31.52 ID:Sxw0lkQWO
投下します
331 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:06:48.22 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「ーーーところで、皆さん、こちらに何か御用でしょうか?」

銀城「………」

キーボ「先ほどお聴きした内容によると、どうも岩鷲クンのお知り合いのようですが」

月島「………確かに、彼とは知り合いではあるけれど、別に大した用があって来たわけじゃないよ」

キーボ「大した用じゃ、ない?」

月島「ここにロボットがいると聞いてね。ちょっとばかり確かめたくなったのさ」

月島「 “ アルバイト ” も、ひと段落ついたことだし、そうして空いた時間を使って、なんとなくここに来た」



月島「ただ、それだけだよ」



332 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:08:21.10 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「…なるほど、よくわかりました」



月島「………」



キーボ「…ただ、これだけは言っておきます」



月島「…何かな?」







キーボ「ーーーボクは、見世物ではありませんよ」



333 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:10:19.03 ID:Sxw0lkQWO



月島「………」

ギリコ「………」

銀城「………」

キーボ「………」

銀城「………あー、悪かったな」

銀城「本当に、悪かった」

銀城「ーーー見世物にされんのは、気分の良い話じゃねえからな。多分それはロボットも同じなんだろうよ」

月島「………」

銀城「…お前も謝っとけ、月島」

月島「………そうだね、悪かったよ、キーボくん」

ギリコ「私からも謝罪させて頂きます。申し訳ありません」



キーボ「…いえ、気をつけて頂けるのなら、ボクはそれでーーーー」


334 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:13:22.73 ID:Sxw0lkQWO



銀城「ーーーあー、詫びと言っちゃあ何だが、何かわからないことや困っていることがあれば何でも言ってくれ。応えてやるし、力になるぜ?」

キーボ「ーーーわかりました。それでは三つほど質問してもよろしいでしょうか?」

銀城「おう、なんだ?」

キーボ「まず、一つ目ですがーーー」

キーボ「ーーーキミ達は、岩鷲クンや空鶴さんと、どのような関係にあるのでしょうか?」

銀城「………それはだな…」

ギリコ「…元居候、と言ったところですかな」

月島「………」

キーボ「…えっ、元居候ってーーー」

キーボ「ーーーということは、まさかキミ達が空鶴さん達の言っていたーーー」

銀城「そうだな。俺たち三人が、お前がいま住んでいる家にかつて居候していた連中だ」

ギリコ「もう、何年も前の話になりますがね………」

月島「………」



335 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:15:40.22 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「…まさか、ボクらの先輩に会うことになるとは、思いもしませんでした」

月島「僕も、まさかロボットが後輩になるなんて思いもよらなかったよ」

キーボ「…またロボット差別ですか」

月島「別に差別してはいないけどーーー、それともロボットは機械的にしか物事を考えられないのかな?」

銀城「やめろ、月島。こいつで遊ぼうとするな」

月島「はいはい、わかったよ、銀城」



336 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:17:20.00 ID:Sxw0lkQWO



キーボ(………この人、どうも王馬クンと同じ匂いがしますね………まあ、ボクに嗅覚は無いんですけどーーー)



銀城「ーーーそれで、次の質問は何だ? 遠慮なく訊いてくれて構わねえぜ?」



キーボ「…それでは、二つ目の質問ですがーーー」



キーボ「ーーー瀞霊廷の住み心地はどうですか?」



銀城「………」

月島「………」

ギリコ「………」



337 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:22:13.36 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「…実はボクは今、【パワーセンサー】という霊力ある存在を感知する装置を持っていましてね」スッ

銀城「………なに?」

キーボ「それで、誰かと一緒に掃除している最中は、お互いに現在何処にいるか把握できるようにしているのです」

銀城「………」

キーボ「そのおかげで、キミ達の存在に気づき、そこに向けて集音機能を集中し、キミ達の会話の内容を把握することができたんです」



銀城(………霊圧も、もっと抑えとくべきだったかーーー)



キーボ「ーーーともかく、【パワーセンサー】によって感知されたということは、キミ達は霊力を持っていて、瀞霊廷に住む資格があるということになります」

月島「………」

ギリコ「………」

キーボ「だからこそ、お訊きしたいのです」

キーボ「瀞霊廷の住み心地をーーー」



銀城「ーーー悪いが、そいつは無理だ」



338 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:25:16.68 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「ーーーどうして、ですか?」



銀城「ーーー簡単な話だ」

銀城「俺たちは、瀞霊廷に住んでねえからな」



キーボ「ーーーえっ、?」



月島「だから、瀞霊廷の住み心地なんてものを、話しようが無い」







月島「そういうことなんだよ」



339 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:27:01.75 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「…どうして、霊力があるのに瀞霊廷に住まないんですか?」



銀城「ーーーこっちにも色々あってな。多少の出入りだったり、飯代のための “ アルバイト ” をしに行ったりは出来るが、住むわけにはいかねえんだ」



キーボ「………」







銀城「悪いが、その理由は言えねえ。察してくれると助かる」



340 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:28:57.65 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「ーーーわかりました。それでは踏み込まないようにします」

銀城「…悪いな、本当に」

キーボ「いえ、誰にだって踏み込まれたく無い部分はありますからね」

キーボ「それを考慮すれば、当然のことです」

月島「………」

ギリコ「………」

キーボ「それでは、最後に、三つ目の質問に移りますがーーー、良いですか?」

銀城「ーーーああ、答えられる範囲で答えさせて貰うぜ」

キーボ「それでは、お訊きしますがーーー」



キーボ「ーーーなぜ、キミ達の服は、現代風なのでしょうか?」



341 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:30:25.84 ID:Sxw0lkQWO



月島「…ああ、そのこと」



キーボ「? ひょっとして、これも訊いたらいけませんでしたか?」



ギリコ「…いえ、このくらいならば、問題はありません。よくされる質問ですからな」



銀城「そうだな、とりあえず、わかりやすくざっくりと話させて貰うがーーーーーーそれで良いか?」



キーボ「ええ、お願いします」



342 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:32:40.64 ID:Sxw0lkQWO



銀城「………結論から言うとだな」

銀城「俺たちのこの服は、かつて俺たちの生きていた現世から持ってきたものなんだ」

キーボ「え? でもーーー」

ギリコ「言いたいことはわかります。生前の服は現世から持っていくことはできません」

月島「普通なら、ね」

キーボ「………」

銀城「逆に言えば、普通じゃない力があればできることでもある」

キーボ「普通じゃない、力………」

銀城「ああ、実は俺たちは、生前、霊能力者じみたことをしていてな。その力で、この尸魂界に服を持っていったんだ」



343 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:39:29.50 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「霊能力者…?」

銀城「ああ、霊能力ってのは、大概の場合は死んで肉体の束縛を受けなくなってから発現するもんなんだがーーー、中には生前の時点で持っている奴もいる」

キーボ「………」

銀城「その中でも、比較的 “ 器用 ” な奴は、自分の意思で服を尸魂界に持っていくことができるんだよ」

キーボ「…いや、ちょっと待ってください」

キーボ「霊能力で服を持ってきたとのことですがーーーーーー霊能力って、鍛えたりしない限り、超常能力を扱うことはできないんじゃないんですか?」

キーボ「少なくとも、【パワーセンサー】によればボクも霊能力を持っているようですが、だからといって霊的な超常能力を扱えるような感覚はありません」

キーボ「なので、霊能力を持っていても、特に鍛えたりしない限りは、超常能力を扱えないと解釈していたのですが………」



344 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:42:32.32 ID:Sxw0lkQWO



銀城「ーーーまあ、普通はそうだな」

キーボ「だとしたら、どうやって、その、 “ 器用 ” なことをしたんですか?」

キーボ「現世に、死神になるための学校があるとは思えません」

キーボ「ならば、独学で鍛えたところで死神としての力が手に入るとも思えませんし、その条件下で、 “ 器用 ” なことができるとも思えないのですが」

銀城「………それはーーー」







ギリコ「ーーー霊能力にも様々な形があるのですよ」



345 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:44:45.21 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「形?」

ギリコ「ええ、一口に霊能力と言っても様々な形があります」

ギリコ「その形次第で、できることも変わってくるのですよ」

月島「そう、全ては霊能力の形次第」

月島「形次第で僕たちのように、現世から服を持ってくると言った、 “ 器用 ” な真似も可能となるのさ」

キーボ「………」

銀城「…もちろん、これはあくまでも特殊な事例だ」

銀城「普通の霊能力は、さっきお前が言った通り、死神の学校で鍛錬して磨き上げない限り超常能力を扱うことなんざできやしねえからな」

月島「そうだね、銀城。普通は生前に幽霊を見たり、話したりするくらいが良いところだろうね」

ギリコ「磨かれていない力では限界がある、ということですな」

銀城「………まあ、とりあえずは、俺たちには普通とは違う霊能力があって、その力で服を尸魂界に持ってきた」

銀城「そう、思ってくれりゃあ良いさ」



346 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:46:53.81 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「…なるほど、よくわかりました」

キーボ「ただーーー」

月島「ああ、流石に僕たちの霊能力がどういったものであるかは教えないよ?」

キーボ「………」

月島「誰が何処で、どんな方法で聴き耳を立てているかわからない以上、教えたが最後、晒し者にされるかもしれない」

月島「それは、僕達としても望むところは無いからね」

キーボ「ーーーわかりました。ならば、そこは訊かないことにします」

ギリコ「…こちらへの配慮、誠に感謝します」

月島「………」



347 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:49:39.70 ID:Sxw0lkQWO



銀城「ーーーとりあえず、質問には三つとも答えたが、これで大丈夫か?」

キーボ「…はい、大丈夫です」

キーボ「お答え頂き、ありがとうございました」

銀城「どういたしまして、だな」

ギリコ「こちらこそ、お時間を割いて頂き、感謝します」

月島「………」

銀城「………それじゃあ、俺たちは自宅に帰るぜ。邪魔したな、キーボ」

キーボ「あっ、はい、お元気でーーー」

銀城「ーーーと、その前に、だ」

キーボ「?」

銀城「帰る前に一つ、こっちから訊いても良いか?」

キーボ「ーーー何でしょうか?」



銀城「ーーーアンジーたちと仲は良いのか?」



348 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:53:09.86 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「ーーーキミは、アンジーさん達を知っているんですか?」

銀城「ああ、さっきも言ったが、アンジーたちが来るずっと前は、この家で生活していたからな」

ギリコ「その繋がりから、いくらか彼女達と関わることがありましてな。あなたの存在についても聞いておりました」

月島「まあ、その君が尸魂界に来るだなんて、この目で見るまで半信半疑だったけどね…」



キーボ「………」



銀城「ーーーで、どうなんだ? キーボ?」



銀城「アンジーたちとは、仲良くやれてるのか?」



349 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:54:49.39 ID:Sxw0lkQWO



キーボ「ーーーそうですね。仲良くしていますよ」

銀城「ーーーそうか」

キーボ「…なぜ、そのようなことを?」

銀城「ーーー大した理由じゃねえよ」

銀城「ただ、一応は先輩だからな」

銀城「後輩が上手くやれてるかは、なんとなく気になるんだよ」

銀城「ーーーそんだけだ」

キーボ「………」

銀城「じゃあな」



スタスタ………






………………………………………………………………





350 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 14:58:25.34 ID:Sxw0lkQWO



………………………………………………………………




スタスタ………



銀城「ーーーこの辺りで良いか?」

ギリコ「そうですな」

ギリコ「【タイム・テルズ・ノー・ライズ】」ギリギリ…



ギュイーン…!



ギリコ「ーーーこれで、我々の声は、彼の元には絶対に届きません」

銀城「…そうか」

ギリコ「ここまで離れれば、もはや必要は無いかもしれませんがーーーーーー念には念を入れておくに越したことはありませんからな」

月島「ーーーそれじゃあ遠慮なく話すけど………あのロボット、随分と過激な過去を持っているようだね」

銀城「………」

月島「霊圧は、大きさも質も、一護たちのクラスメイトと同じくらいだっていうのにーーー」

月島「ーーーまさか、あんなピリピリした霊圧を放てるとはね」

銀城「…そんだけの気概がある奴なら、問題はねえかもな」

ギリコ「ですが、彼の過去もまたーーー」

月島「ーーー関係ないよ」



351 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 15:01:19.89 ID:Sxw0lkQWO



月島「 “ 彼ら ” の過去がどうだろうと、僕らが踏み込むようなことじゃあない」

月島「そう、一護が、僕や君たちの昔に、踏み込まなかったように、ね」

銀城「………」

月島「だから、話の種にはしても、気を揉む種として育むことは無い。そうだろう?」

銀城「………………」

ギリコ「………………」

月島「………というか、それ以前に、僕たちが気を揉む意義のある案件だとも思わないけどね」

ギリコ「? どういうことです?」

月島「………どれほど “ 変わった ” 過去があろうと無かろうと、決して変わらないものはある」

月島「だから、心配はいらない」

月島「そういうことなのさ」



352 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 15:04:19.68 ID:Sxw0lkQWO



月島「…僕がこんなことを言えるのはおかしいかい?」

銀城「………」

ギリコ「………」

月島「…確かに僕たちの能力は、一度固有能力に目覚めたが最後、それ以上能力が変化することは無いけれどーーー」

月島「ーーートレーニングを通じて、新しい能力の使い方に気づくことはある」

月島「だから、わかるのさ。 “ 変わらない ” 色ってやつを、ね」



月島「あの鉄の本は、そう彩られているよ」






………………………………………………………………





353 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 15:05:31.49 ID:Sxw0lkQWO
今はここまで
354 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 20:16:53.19 ID:M/PHvmzLO
投下します
355 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 20:20:09.15 ID:M/PHvmzLO



………………………………………………………………




アンジー「………よしよしー、これでーーー」

キーボ「ーーーそちらは終わりましたか? アンジーさん」スタスタ

アンジー「あっ、キーボ!」

アンジー「ーーーうん! アンジーも終わったよー!」

真宮寺「ーーーもっと言えば、僕の方も終わったヨ」スタスタ

アンジー「あー、是清もかー! おつかれー!」

真宮寺「ありがとう、夜長さん」

アンジー「ーーーところで、キーボに訊きたいことがあるんだけどーーー」

キーボ「? はい、なんでしょうかーーー」



アンジー「ーーーもしかして、さっき、空吾たちに会った?」



356 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 20:24:23.10 ID:M/PHvmzLO



キーボ「…? ええ、確かに会いましたけどーーー」

アンジー「…やっぱりー」

真宮寺「こっちの【パワーセンサー】にも三人分反応していたからネ。もしやとは思っていたけど…」

キーボ「それで、どうかされたんですか? 銀城さん達に何か用事があるのでしょうか?」

アンジー「ノンノン、違うよー」

キーボ「?」

アンジー「…何か、変なこと言われなかったかなー、って」

キーボ「? 変なこと、とは?」



357 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 20:27:49.57 ID:M/PHvmzLO



アンジー「………たとえば、ギリコからーーー」






キーボ「………………」






アンジー「ーーー別の、 “ 神さま ” のこととかーーー」







アンジー「ーーー言われ、なかった?」



358 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 20:31:24.41 ID:M/PHvmzLO



キーボ「ーーー神さま?」

アンジー「………」

キーボ「…いえ、そのような話はしていませんがーーー」

アンジー「………そう」

キーボ「…なぜ、そのようなことを?」

アンジー「………ギリコはねー、アンジーの神さまとは、違う神さまを信じてるんだよー」

キーボ「違う、神さま、ってーーー」

真宮寺「………彼は、それを、 “ 時の神 ” と呼んでいるヨ」

キーボ「時の神?」

真宮寺「まァ、聞いた限りだと、偶像崇拝というよりは、概念の崇拝に近いものみたいだけどネ」

キーボ「………………」

アンジー「………これから、ギリコに変なこと言われても、気にしちゃダメだからねー? キーボ?」

アンジー「………アンジーの信じる神さまは、アンジーの神さまだけだからさー」

アンジー「別の神さまに浮気したら………きっと罰が当たるよ?」



359 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 20:32:59.29 ID:M/PHvmzLO



キーボ「…大丈夫ですよ」






アンジー「………」

真宮寺「………」






キーボ「………ボクは神さまに頼ることが、できませんから」



360 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 20:35:33.90 ID:M/PHvmzLO



アンジー「………………」



真宮寺「………アー、とりあえず、屋敷の中に戻ったら、今日の分を、はじめようか」

真宮寺「そう、【鰤清劇場】を、ネ」



キーボ「!」



アンジー「………うんうん、それが良いよー!」



キーボ(………ついに自分からその名前をーーーー)



361 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 20:37:14.60 ID:M/PHvmzLO



真宮寺(………今日、話すこと)


真宮寺(それは、昨日話せなかった “ 西 ” についてーーー)


真宮寺(ーーーそう、この、日本人の集う、 “ 尸魂界・東梢局 ” とは、大きく異なる文化圏ーーー)


真宮寺(ーーー “ 尸魂界・西梢局 ” についての話をーーーー)






………………………………………………………………





362 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/16(土) 20:38:19.88 ID:M/PHvmzLO
今日はここまで
363 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:08:23.00 ID:2atGa08yO
今更ですが、>>203>>294の内容を修正します
364 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:09:40.93 ID:2atGa08yO



真宮寺「ーーー興味深い話だネ」

キーボ「………」

真宮寺「実に、実に、知的好奇心を刺激させられる題材だヨ」

真宮寺「想像力を掻き立てる」

キーボ「………………」

真宮寺「………ただ、残念ながら、僕は早起きでネ。もうそろそろ寝ないといけない時間が来てしまう」

真宮寺「夢の考察は、またの機会にさせて貰うヨ」

真宮寺「残念だけど、ネ」

キーボ「…そうですか」

真宮寺「…そろそろ部屋の明かり、消しても良いかな?」

キーボ「…どうぞ」



365 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:17:18.01 ID:9zhuUMFBO



真宮寺「まァ、固有能力に目覚めてる斬魄刀は、全体から見ればかなり少ないんだけどネ」

キーボ「少ないんですか?」

真宮寺「そうだヨ」

真宮寺「固有能力に目覚めさせるためには、斬魄刀の名前を知る必要があるからネ」

キーボ「名前?」

真宮寺「そう、斬魄刀には、刀一振りごとに固有の名前がある」

真宮寺「なお、その名前は二段階に分かれていてネ」

真宮寺「一段階目は、 “ 始解 ” と呼ばれる基本的な名前、二段階目は、 “ 卍解 ” と呼ばれる真の名前だ」

真宮寺「そうした名前を知ることによって、その段階に応じた固有能力を引き出せるようになるのサ」

キーボ「………」

真宮寺「ただし、斬魄刀は、はじめは “ 浅打 ” と呼ばれる、魂魄を昇華して死後の世界に転送する以外は何の能力も持たない刀の状態になっているため、いきなり名前を知ることはできない」

真宮寺「だけど、持ち主である死神が、浅打と寝食を共にし、錬磨を重ねることによって、浅打は持ち主の心を参考に、己が持つべきと判断した自我と固有能力を形作る」

キーボ「………………」

真宮寺「その自我と固有能力を現すものこそが斬魄刀の名前であり、そうした斬魄刀と “ 対話と同調 ” などを試みてーーー」

真宮寺「ーーーすなわち、コミュニケーションを試みて、斬魄刀から名前を教えて貰うことによって、死神は斬魄刀の固有能力を扱えるようになるんだヨ」



366 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:20:11.50 ID:9zhuUMFBO
>>203>>364に、>>294>>365に、それぞれ差し替えます

ミス多くてすいません



そして修正が終わったので、前回の続きから投下します
367 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:24:20.47 ID:AvGNnYzDO



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




アンジー「………」

シバタ「ーーーあっ、アンジーお姉ちゃん! おはよう!」

アンジー「…あー、ユウイチ! おはよー!」

シバタ「奇遇だねーーー」

シバタ「ーーーって、あれ?」

アンジー「んー? どうしたー?」

シバタ「今日は、真宮寺お兄ちゃんは一緒じゃないの?」

アンジー「あー、是清はいま、お花摘みに行ってるところだよー」

シバタ「………そうなんだ…」

アンジー「是清に、何か用かー?」

シバタ「…うん、実は、 “ 家族 ” のみんなに絵を描いてプレゼントしようって思ってるんだけどーーー」

アンジー「………………」

シバタ「ーーーそれと一緒に付ける手紙、それが出来たら、まずは真宮寺お兄ちゃんに出来を確かめてほしいと思ってさ」

シバタ「もし、変なこと書いちゃってたら、大変だし」

アンジー「………………」

シバタ「それを、伝えたくてーーーー」



368 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:26:00.45 ID:AvGNnYzDO



アンジー「…プレゼント、するんだー?」

シバタ「…うん、 “ 家族 ” のみんなに!」

アンジー「…にゃははー! 是清はすっかりユウイチに頼られてるねー!」

アンジー「アンジーもすごい嬉しいよー!」

シバタ「………」

アンジー「…? どうしたー、ユウイチ?」

シバタ「…ちょっと、ね…」

アンジー「ちょっと?」

シバタ「うん、ちょっとだけーーー」







シバタ「ーーーアンジーお姉ちゃんが羨ましいなあ、って」



369 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:30:33.31 ID:AvGNnYzDO



アンジー「………」

シバタ「ぼくは、真宮寺お兄ちゃんのこと、まだ全然知らないしーーー」

シバタ「ーーーだから、真宮寺お兄ちゃんと一緒に住めるアンジーお姉ちゃんが羨ましいって、思える時があるんだ」

シバタ「もっと、真宮寺お兄ちゃんに近づけたらな、って」

アンジー「…ユウイチ?」

シバタ「?」

アンジー「ユウイチには、 “ お兄さん ” がいるよね?」

シバタ「………そうだね」

アンジー「是清のことを好きになってくれるのは嬉しいけどーーー」

アンジー「ーーー “ お兄さん ” のことも大事にしないとダメだよー?」

シバタ「………」

アンジー「でないと…罰が当たるよ?」



370 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:33:42.40 ID:SPnDlK7PO



シバタ「………大事に、したいよ?」

シバタ「…いま、地球のどこで、どんな人になってるかはわからないけどーーー」

シバタ「ーーーぼくの “ お兄さん ” であることに変わりは無いから………」

アンジー「………」

シバタ「 “ お兄さん ” には、 “ 家族 ” のみんなには、なるべく良いものを渡したいんだ」

シバタ「だから、真宮寺お兄ちゃんに、手紙の出来を見て貰いたかったしーーー」

シバタ「ーーー前にも、いろいろ相談に乗ってくれた、真宮寺お兄ちゃんの、支えになりたい」

アンジー「………」

シバタ「誰よりも近くで、それができるアンジーお姉ちゃんが羨ましい」

シバタ「そう、思ったんだ」



371 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:36:52.89 ID:g6+orqPiO



アンジー「………アンジーが、是清を、支える、かー………」

シバタ「うん、アンジーお姉ちゃんなら、できるでしょ?」

アンジー「…どうかなー?」

シバタ「えっ…?」

アンジー「………むしろ、逆かもよー?」

シバタ「…?」

アンジー「アンジーが是清を支えているんじゃなくて、是清がアンジーを支えてくれてるんだー」

シバタ「………そうなの?」

アンジー「…そうだよー」

アンジー「………そうでないと、アンジーはーーー」






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜





372 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:38:35.27 ID:g6+orqPiO




チュンチュン………




アンジー「………」パチリッ






アンジー「………………」ムクッ









アンジー「………………………………」



373 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:42:08.87 ID:9f+dunqTO



アンジー(………夢かー)






アンジー(ーーーーーーーーーーーーーーー)






アンジー(ーーーなんでかなー………)









アンジー(………なんで、あの時のーーーー)




コンコンッ



374 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:44:48.56 ID:9f+dunqTO



アンジー「………」



キーボ「アンジーさん、アンジーさん」コンコンッ

キーボ「起きていますか?」



アンジー「…起きてるよー」ムクッ…スタスタ

アンジー「いま、開けるねー?」ガチャッ…バタンッ

キーボ「あっ、おはようございます、アンジーさん!」

アンジー「どうしたー、キーボ?」

キーボ「…ああ、いえ、この時間、アンジーさんは今まで、ボクと真宮寺クンのいる部屋まで来て、朝ごはんの誘いに来てましたので………」

アンジー「………うん、そうだね」

キーボ「でも、今日は無かったので、どうしたのか気になってーーー」

アンジー「………んー、ちょっと、変な夢みててねー」

キーボ「…夢、ですか」

アンジー「………どんなだったかはよく覚えてないけど、それで調子狂っちゃったのかもねー」

キーボ「………まあ、そういうこともありますよ」

キーボ「あまり気にしない方が良いですよ、アンジーさん」

アンジー「…そうだねー、そうするよー」



375 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:46:19.34 ID:9f+dunqTO



アンジー「………ねー、キーボ?」

キーボ「はい! なんでしょうか、アンジーさん!」

アンジー「いまさら、かもしれないけどねー?」

キーボ「?」

アンジー「ーーーこうしてまたキーボに会えてーーー」







アンジー「ーーーアンジーは、すごく嬉しいんだー………」



376 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:47:51.51 ID:9f+dunqTO



キーボ「………………」

アンジー「………もちろん、悲しまなきゃ、いけないことはわかってる」

アンジー「キーボも、アンジーたちと同じなんだから」

アンジー「そう、秘密子たちと、離ればなれ………」

キーボ「………………」

アンジー「アンジーは、それが、悲しい」

キーボ「アンジーさん…」



アンジー「………だけど、それでも、キーボとこうしてまた会えたことはーーーー」



377 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:49:05.81 ID:9f+dunqTO















アンジー「ーーーすっごく、嬉しいんだ…………」














378 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:50:47.99 ID:9f+dunqTO






キーボ「…………」












アンジー「………………」





379 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 12:52:15.89 ID:9f+dunqTO



キーボ「………奇遇ですね」



アンジー「!」



キーボ「ボクも嬉しいですよ、アンジーさん」



キーボ「また、アンジーさんに会えて」



キーボ「一緒にいられて」







キーボ「すごく、嬉しいです」



380 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 13:00:37.87 ID:9f+dunqTO






アンジー「………そう、」









キーボ「…………」









アンジー「………ありがとねー、キーボ」



キーボ「!」



アンジー「アンジーと “ 同じ ” でーーー」



アンジー「ーーー嬉しいって思ってくれてーーー」







アンジー「ーーー本当に、ありがとう………」





381 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 13:02:23.64 ID:9f+dunqTO






キーボ(………そうです)






アンジー「………………」






キーボ(今度こそ、アンジーさんが、 “ 喪われない ” ようにーーー)







キーボ(ーーーそれには、まずーーーー)






382 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 13:06:36.61 ID:/rx5YNNCO






キーボ「ーーーボクからも、お礼を言わせてください」









アンジー「………………」









キーボ「ありがとうございます、アンジーさん! またボクと一緒にいてくれて!」





383 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 13:07:07.08 ID:/rx5YNNCO
今はここまで
384 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:25:28.35 ID:/rx5YNNCO
投下します
385 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:26:58.26 ID:/rx5YNNCO



アンジー「………そんな風に言って貰えるなんてねー」

アンジー「アンジー、やっぱり嬉しいなー」

キーボ「アンジーさん…」

アンジー「………ねー、キーボ?」

キーボ「なんでしょうか?」

アンジー「これから朝ごはんの時間だよねー?」

キーボ「? ええ、そうですね」

アンジー「………アンジーが、食べさせてあげようかー?」

キーボ「………はい?」

アンジー「ほら、 “ あーん ” ってやつだよー」

キーボ「………」



キーボ「………??」



386 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:29:14.27 ID:/rx5YNNCO



アンジー「キーボ、そういうこと、されたこと無いでしょー?」



キーボ「………いや、まあ、確かにされたことはありませんがーーー」



アンジー「だったら、アンジーがそれをするはじめての相手なんだねー」



アンジー「なんだか、嬉しいなー」



キーボ「………?」



キーボ「………すいません、アンジーさん、どうかされたんですか?」



387 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:31:01.39 ID:/rx5YNNCO






アンジー「んー? どうしたー、キーボ?」









キーボ「…………」









アンジー「なにか、変かなー?」





388 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:32:40.59 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………ああ、いえーーー」



キーボ「ーーーそんなことは、ありません」



アンジー「…………」



キーボ「おかしくなんて、無いですよ」



キーボ「………アンジーさんは、誰に対してもーーー」







キーボ「ーーーすごく、あたたかい人ですから」



389 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:34:52.67 ID:/rx5YNNCO



アンジー「ーーーそれで、どうするのー? キーボ?」

キーボ「? どうするってーーー」

アンジー「アンジーの “ あーん ” のことだよー」

アンジー「どうするのー?」

キーボ「………お気持ちはとても嬉しいのですがーーー」

キーボ「ーーー食卓には真宮寺クン達もいますし、ボクも一応は高校生です」

キーボ「さすがに、ちょっと、恥ずかしいというかなんと言いますかーーー」

アンジー「にゃははー! ロボットでもこういうこと、恥ずかしかったりするんだねー!」

キーボ「なっ、ロボット差別ですか!?」

アンジー「ノンノン、嬉しいんだよー」

アンジー「キーボが、恥ずかしいって気持ちを知ってることがねー」

キーボ「………」



アンジー「それってー、 “ すごいこと ” だよねー?」



390 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:38:09.48 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………そうですね」

キーボ「ほめてくれて、ありがとうございます、アンジーさん」

アンジー「………ねー、キーボ?」

キーボ「なんでしょうか? アンジーさん?」

アンジー「 “ あーん ” が恥ずかしかったらさー」

アンジー「アンジーの、隣で食べるくらいは良いかな?」



キーボ「………」



アンジー「キーボ、今日から、アンジーの隣で食べて貰っても」



アンジー「良い、かな?」



391 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:40:11.47 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………もちろんですよ」

キーボ「むしろ、こっちからお願いしたいくらいです」

キーボ「隣に来させて貰います、アンジーさん」

アンジー「………ありがとね、キーボ」

キーボ「………」

アンジー「………そうと決まれば、さっそくいこー?」

アンジー「そろそろ、朝ご飯の時間だからねー!」



キーボ「…ええ、そうですね!」



392 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:46:08.13 ID:/rx5YNNCO



………………………………………………………………




キーボ(ーーーあれから、1週間以上もの時が経過しました)


キーボ(ボクら三人はこれといった問題も無く、こちらの屋敷での生活を続けていました)


キーボ(仕事の日は三人で掃除を行い、空いた時間にはアンジーさんと共に、真宮寺クンの………………【鰤清劇場】を聴いていたのです)


キーボ(その話の中には、護廷十三隊………尸魂界と現世を主だって守護する十三の部隊が、他勢力と交戦を繰り返していたという内容もありました)


キーボ(………藍染惣右介(あいぜん そうすけ)をリーダーとした裏切り者の死神達と、破面(アランカル)と名付けられた悪霊の軍団との戦争ーーー)


キーボ(ーーーそれに加えて、因幡影狼佐(いなば かげろうざ)という死神が率いる人造魂魄との戦争なんてものまでありました)


キーボ(そのすべてが、興味深いものでした)


キーボ(それは今でもボクの記憶領域に大切に記録されています)


キーボ(絶対に記録しなければ、なりません)


キーボ(なぜなら、その話は、真宮寺クンがボク達のために話してくれたことでーーー)


キーボ(ーーー他ならぬ、アンジーさんと一緒に聴いたことなのですから)


キーボ(そうして近くで、話題を共有することによって、ボクはアンジーさん達とこれまで以上に仲良くなれたように思います)


キーボ(真宮寺クンの持つカルタや花札で遊んだり、アンジーさんが購入したお菓子を一緒に食べたりもしました)


キーボ(………まあ、それでも、アンジーさんに、その……… “ あーん ” を、させて貰ったりはしませんでしたがーーーー)



393 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:52:19.74 ID:/rx5YNNCO



キーボ(………そんな中、とうとうボクに封筒が届きました)


キーボ(そう、ボクが瀞霊廷に住むための申請、その結果に関する通知の入った封筒が、です)


キーボ(空鶴さんが瀞霊廷に行った手続き、それに対する返事が今日ついに届き、空鶴さんからボクに手渡されたのです)


キーボ(それを知ったアンジーさんから、一緒に結果を見ても良いか頼まれ、その通り一緒に見ることにしました)


キーボ(ちなみに、真宮寺クンもその場にいて、アンジーさんと同様のことを頼んだため、三人で結果を見ることになりました)




キーボ(そして、その結果の内容はーーーー)



394 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:53:45.87 ID:/rx5YNNCO















キーボ(ーーー合格、でした…………)














395 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:55:12.08 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「………」



キーボ「…えーと、その、」



キーボ「これは、どういうーーー」







アンジー「ーーーすごいねー、キーボ!」



396 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:56:48.87 ID:/rx5YNNCO



キーボ「ーーーえっ、?」



アンジー「…だって、キーボは、瀞霊廷に住めるんだよー?」



真宮寺「………」



アンジー「魂があるだけじゃなくて、すごい場所に住めるんだよー?」



アンジー「それって、ものすごく、すごいことなんだよー!」



キーボ「………」



アンジー「だからーーーいってらっしゃい、なんだよー!」ニパアッ



397 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 15:58:48.85 ID:/rx5YNNCO



キーボ「…アンジー、さん…」

アンジー「………どうしたー、キーボ?」

アンジー「瀞霊廷に住めるなんて、めったに無い話だよー?」

アンジー「もっと、喜んだらー?」

キーボ「………いえ、そうではなくーーー」

アンジー「ーーー?」

キーボ「………アンジーさん、あなたは、いまーーー」



キーボ「ーーー笑いながらーーー」







キーボ「ーーー泣いてーーーー」



398 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 16:00:37.34 ID:/rx5YNNCO



アンジー「ーーーえっ、?」ジワッ…



ポロ…ポロポロ…



アンジー「…あっ、あれ?」ポロポロ

アンジー「………おかしいなー? なんでかなー?」ガクッ…

アンジー「あれ?」ガクガク…

アンジー「あれれ?」ガクガクブルブル…

キーボ「………」

真宮寺「………」

アンジー「…うーん、寒くて、身体ヘンになってるのなー?」ブルブル…

アンジー「キーボみたいには、いかないねー、にゃははー!」ガクガク…

キーボ「アンジーさん………」



399 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 16:02:27.75 ID:/rx5YNNCO



アンジー「………ごめんねー、ちょっと、アンジーの部屋で落ち着いてくるねー?」ブルブル…

キーボ「えっ………」

真宮寺「………」

アンジー「ーーー大丈夫! ちょっと、落ち着けば、なんとかなるからー! ぐっばいならー! にゃははー!」タッタッ…

キーボ「あっ、アンジーさんーーー」ダッ…



ガシッ!



キーボ「!?」

真宮寺「………」ググッ



400 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 16:04:39.58 ID:/rx5YNNCO



キーボ「…なんですか、真宮寺クン? この手は」

真宮寺「いま、君を夜長さんのところに行かせるわけにはいかない」

真宮寺「そう、思っただけだヨ」

キーボ「…どうして、そう思ったんですか?」

真宮寺「…逆に訊くけど、君はいま、夜長さんがああなった理由がわかるかい?」

キーボ「それは………」

真宮寺「わからないのなら、行くべきではないヨ」

キーボ「………」

真宮寺「不用意なことを言えば、傷つけてしまうかもしれない」

真宮寺「場合によっては、最悪の結果で終わりを迎えることになるかもしれない」

真宮寺「コトダマは時に、死を産む凶器にもなり得るのだから」



真宮寺「そうだろう、キーボ君?」



401 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 16:09:58.80 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………だったら、キミはわかるんですか?」

キーボ「アンジーさんの、あの様子について」

真宮寺「少なくとも、今の君よりはわかるつもりだヨ」

真宮寺「夜長さんとは、今の君よりもずっと長く時間を共有していたわけだからネ」



キーボ「………」



真宮寺「…一応言っておくけど、夜長さんがどうしてああなってしまったのは、自分で考えて欲しい」



キーボ「………………」



真宮寺「………君が今それをわからないのは、夜長さんと再会したことによって得られた、安心感による油断が原因だとは思うけどーーー」

真宮寺「ーーー逆に言えば、こうして自分と夜長さんの関係に不安を感じている今であれば、気づけるはずだヨ」



402 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 16:16:23.68 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………君は、斬魄刀に関する話題の際、自分に心が与えられた理由について、気づくことができたじゃないか」

真宮寺「その正解不正解は兎も角、僕が見出した結論と、同じ結論まで辿り着くことができたじゃないか」

真宮寺「それだけ頭を回転させることもできるのなら、夜長さんがああなってしまった理由にだって、自力で気づけるはずなんだ」

真宮寺「違うかい?」



キーボ「………」



真宮寺「………もし、どうしても自分から理由に気づけないというのなら、ある程度は僕から話しても良い」

真宮寺「だけど、それで夜長さんに対して、何かしてあげられるとは思わないことだヨ」



403 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 16:18:14.53 ID:/rx5YNNCO




キーボ「………」






キーボ「………………」









キーボ「………………………………」






………………………………………………………………






404 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 16:18:47.76 ID:/rx5YNNCO
今はここまで
405 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:00:06.72 ID:/rx5YNNCO
投下します
406 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:05:03.53 ID:/rx5YNNCO



………………………………………………………………




キーボ(ーーー真宮寺クンにああ言われてから、約半日の時が過ぎました………)


キーボ(今日は………偶然か必然かは不明ですが、休日であったため、充分な時間が用意されていました)


キーボ(その間に、ボクは計算を繰り返し、思考をまとめーーー)


キーボ(ーーーボクとしての “ 解 ” を出した)


キーボ(なぜ、アンジーさんが、ああなってしまったのか?)


キーボ(その解を携えて、ボクは、いま、修練場の扉の前にいる)


キーボ(ボクが、 “ 解を出した ” と、真宮寺クンにメールを送ったあと、 “ 指定した時間に修練場で話そう ” と返信されたのです)


キーボ(故に、ボクは、いま、修練場の扉の前にいる)




キーボ(…ボクの出した解が、完全に正しいとは限らない。いや、完全とは到底言えないものでしょう)


キーボ(だからこそ、より正しい解を、見出すために、ここにいる)


キーボ(最良の結果を求めて、こうしてここにいる)


キーボ(………………ボクに、痛覚は無いはずなのに)




キーボ(また、こんな、気持ちになるだなんて…………)



407 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:07:20.53 ID:/rx5YNNCO



キーボ(ーーーそれでも、ボクは歩み続ける)


キーボ(そうしないと、前に進めないから)


キーボ(辿り着けないものがあるから)


キーボ(向き合えないものがあるから)


キーボ(だから、ボクは歩む)


キーボ(いま、ここで)


キーボ(………共にーーー)







キーボ(………いざーーーー)



ガチャッ………



408 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:12:14.71 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………」



真宮寺「ーーー来たようだネ」



キーボ「ーーーええ、来ましたよ」

キーボ「ボクとしての、解を携えて」



バタンッ………ガチャッ!



真宮寺「ーーーそれなら、さっそく訊かせて貰うヨ? キーボ君」

真宮寺「なぜ、夜長さんは、ああなってしまったのか?」

真宮寺「その解をーーー」



真宮寺「ーーー他ならない、君の推理を、ネ」



409 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:13:36.09 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………」






キーボ「…………………」









キーボ「……………………………………………」



410 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:15:25.10 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………単刀直入に言いましょう」



真宮寺「………」



キーボ「アンジーさんが、ああなってしまったのはーーー」







キーボ「ーーー “ こわいから ” です」



411 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:16:43.37 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「ーーーこわい、ネ………」



キーボ「………」



真宮寺「一応確認しておくけど、夜長さんが、何をこわがっていると言うんだい?」



真宮寺「まさかとは思うけど、君が瀞霊廷に住むことで離ればなれになってしまうことーーー」







真宮寺「ーーー “ それだけ ” が、こわいなんて、言うつもりは無いよネ?」



412 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:18:36.83 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………そうですね」



キーボ「 “ それだけ ” ではありませんよ」



真宮寺「………」



キーボ「 “ それだけ ” ならば、あんな風に、震えたりはしない………」

キーボ「ならば、アンジーさんがこわがる理由は、他にもある」

キーボ「その理由こそが、あの身体の震えでーーー」



キーボ「ーーーボクが瀞霊廷に住めるという事実が、その震えを誘発してしまった」



キーボ「こわがる他の理由を、想起させてしまった」







キーボ「そういうこと、なのでしょう」



413 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:20:43.67 ID:/rx5YNNCO






真宮寺「………それで、結局それは、何なのかな? キーボ君?」









キーボ「…………」









真宮寺「夜長さんが、他に、こわがっていることって、サ」





414 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:22:07.20 ID:/rx5YNNCO






キーボ「………………………………………………」












真宮寺「………………………………………………」





415 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:23:18.23 ID:/rx5YNNCO






キーボ「………アンジーさんがこわがっているものーーー」









キーボ「ーーーそれは、 “ 死 ” です」





416 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:25:05.90 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………」



キーボ「これは、事故や事件に巻き込まれることだけを恐れているのではなく、寿命による死をも恐れているんです」



真宮寺「寿命、ネ」



キーボ「ええ、寿命です」

キーボ「事実として、流魂街の住民は、そのほぼすべてに明確な寿命があります」



キーボ「【瀞霊廷に住める者達とは異なり】【短い時間の中で】【新しい命に生まれ変わらなければならない】ーーー」







キーボ「ーーーそんな寿命が」



417 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:28:18.79 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………」



キーボ「………生まれ変わりとは、言い換えるのならば、今ある自分を抹消され、まったく違う新しい自分に存在を書き換えられることです」

キーボ「ボクは、それを、ある意味での “ 死 ” であると考えています」



真宮寺「………」



キーボ「アンジーさんもまた、同じように考えている」

キーボ「故に、それをこわがっている」

キーボ「しかも、この流魂街では、いつ自分が輪廻の輪を通り、生まれ変わることになるかわからない」



418 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:31:48.10 ID:/rx5YNNCO



キーボ「現世の出生率が増加した場合は、魂魄バランスを維持するため、尸魂界の魂魄には輪廻の輪を通って現世の命に生まれ変わって貰う必要が出て来ますしーーー」

キーボ「ーーー現世で多数の死亡者が出た場合は、そうして尸魂界に来た魂魄の数だけ、これまで尸魂界にいた魂魄は輪廻の輪を通り、別次元に行かなくてはならない」


キーボ「そう、現世の状況次第では、いつ自分が輪廻の輪を通らされるか、わからない」

キーボ「いつ、別次元に送られて、自身を抹消されることになるか、わからない」

キーボ「いつ、現世のどこの誰に生まれ変わることになるか、わからない」

キーボ「そうした、 “ 死 ” を、いつ迎えても、おかしくはない」

キーボ「それを思えば、アンジーさんがあんな風に震えて、こわがるのは当然ーーー」







キーボ「ーーーそういうこと、ですよね?」



419 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:34:31.19 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………転生イコール “ 死 ” 」

真宮寺「それを、こわがる、ネ………」

キーボ「………」

真宮寺「………だけど、それはあくまでもキーボ君の価値観でしョ?」

キーボ「………」

真宮寺「なぜ、夜長さんもキーボ君と同様にこわがる必要があるんだい?」

真宮寺「彼女が生前に抱いていた価値観は、知っているよネ?」

キーボ「………ええ、知っていますよ」



キーボ「アンジーさんは、生まれ変わりを肯定していましたから」



420 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:36:28.14 ID:/rx5YNNCO






真宮寺「だとしたら、なぜ、生まれ変わりをこわがる必要があるんだい?」









キーボ「…………」









真宮寺「生前に受け入れていたことを、なぜ死後になってからこわがるのかな?」





421 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:40:56.08 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………こわいに決まっているじゃないですか」

キーボ「いまのアンジーさんは、神さまの声を、しっかり聞くことができないのでしょうから………」



真宮寺「………」



キーボ「アンジーさんが、生前に生まれ変わりを受け入れていたのは、神さまの存在があったからです」

キーボ「神さまという、アンジーさんが絶大の信頼を寄せる相手のやることだからこそ、受け入れられたんです」

キーボ「しかし、この尸魂界では、アンジーさんの定義する神さまの声を、生前のように聞くことができない」

キーボ「神さまが、この世界で行われる生まれ変わりを管理しているという、確証を持てない」

キーボ「故に、生まれ変わりを、受け入れることはできなかった」



キーボ「だから、ああして、こわがっているんです」



422 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:44:08.31 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………神さまの声が聞こえない、ネ………」

キーボ「………ええ、そうです」

真宮寺「そう思う根拠は、何かあるのかい?」

キーボ「主に二つあります」

真宮寺「………」

キーボ「一つ目の根拠、それは、アンジーさんがこの世界で神さまの言葉を述べる際に、『きっと神さまは〜』などといった表現を使っているということです」

キーボ「もし、生前と、同じように神さまの声が聞こえるのであれば、ああいった言い回しはしないでしょう」

真宮寺「………」

キーボ「そして、二つ目の根拠ですがーーー」







キーボ「ーーーそれは、この屋敷にはじめて来た時、アンジーさんの部屋に美術品の一切が無かったことです」



423 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 21:55:42.16 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………」



キーボ「アンジーさんは、生前、自身が美術品を手掛けることが可能なのは、神さまのおかげであるかのような発言をしていました」

キーボ「それはすなわち、アンジーさんの “ 才能を発揮できる条件 ” には、 “ 神さまの声が聞こえること ” が含まれていたということになります」

キーボ「逆に言えば、神さまの声が聞こえない場所では、才能を発揮できず、納得のいく作品が作れないということでもある」



キーボ「そして、アンジーさんの部屋には美術品の一切が無かった」

キーボ「それは、アンジーさんが自分で納得のいく作品を作ることができていない、すなわち才能を発揮できる状態に無いことを意味している」

キーボ「そう、才能を発揮する上で、必要となる神さまの声が聞こえないからーーー」



真宮寺「………」



キーボ「ーーーそうして、神さまの声が聞こえないが故に、神さまが生まれ変わりを再肯定することは決して無い」

キーボ「それでは、生まれ変わりを受け入れるなど、到底できやしない」







キーボ「そういうことなのでは、ありませんか?」



424 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:05:43.57 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………神さまの声が聞こえないなら、どうして神さまの声が聞こえているかのような発言をする必要があるんだい?」



キーボ「………そんなの決まっているじゃないですか」

キーボ「そうしないと、耐えられなかったからです」



キーボ「死の恐怖に」



真宮寺「………」



キーボ「………いまのアンジーさんは、生前の時とは違う」

キーボ「常に自分を導いてくれて、なおかつ最大級に信頼を寄せる神さまの声を、生前のように聞くことができなくなった」

キーボ「才能を振るうことも叶わなくなった」

キーボ「ただ、この流魂街で、生まれ変わりという名の “ 死 ” を待ち続けるだけ」

キーボ「………こわいに決まっています」

キーボ「そのこわさに耐えるためには、神さまに頼るしか無かった」

キーボ「だから、アンジーさんは、 “ 神さまの声が、生前と同様に、聞こえていることにする ” しか無かったんです」



425 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:15:02.46 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………」



キーボ「………いえ、今でも怯えているところから見るに、完全に耐えきれているわけでは無いのでしょう」

キーボ「ですが、それでも耐えるために、今でも “ 神さまの声が、生前と同様に、聞こえていることにする ” しか無かったんです」



キーボ「………キミがそうして、正気でいられることがその証明でしょう」



真宮寺「………どういう意味だい?」



真宮寺「どうして、そこで、僕が出てくるのかな?」



キーボ「………人は、【一歩離れた場所から】【落ち着いていない誰かを見ることによって】【自分を落ち着かせることができる】ものなのです」



キーボ「キミにも、よくわかる理屈だと思いますが」



真宮寺「………………」



キーボ「実際にキミは、アンジーさんが “ 神さまの声を聞こえていることにした ” 、その姿を見ていたのでしょう?」

キーボ「見ていたからこそ、冷静に “ 何か ” を見つめ直すことができた」

キーボ「だからこそ、そうして正気を保てている」



キーボ「そう、なのでしょう?」



426 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:17:26.25 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………」






真宮寺「………………………」









真宮寺「……………………………………………」



427 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:23:57.97 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………そうだネ、その通りだヨ」

キーボ「!」

真宮寺「………僕は、ここに来たばかりの頃、正気を保つのが困難だった」

真宮寺「死神からこの世界に関する説明を受ける際は、医療所の中で行われーーー」

真宮寺「ーーー途中で何度も鎮静剤を投与され、安静にするよう言われたり、妙な医療機器を頭に取り付けられたりもした」

キーボ「………」

真宮寺「ーーーそれから………親切な死神からカウンセリングを受けるなどして、いくらか落ち着いたけどーーー」

真宮寺「ーーーそれでも、ずっと正気を保っていられるわけじゃあ無かったんだ」

真宮寺「….……そんな中で、ここに来た他の皆から、キーボ君が言うような状態の夜長さんを、見せられた………」

真宮寺「それで………いろいろと、思い、知らされた、ん、だヨ………」

キーボ「………………」

真宮寺「その後に………茶柱さんに投げ飛ばされたり、百田くんに何発か貰ったり、その二人を含めた皆と対話して、支えられてーーー」

真宮寺「ーーーその結果、どうにか今のように、正気を保ち続けることが、できるようになった」

真宮寺「僕がいま正気でいられるのは、君の言う通り、夜長さんのことがあるからだ」

真宮寺「それは、確かな事実だヨ」



キーボ「………やはり、そうでしたか」



428 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:27:17.99 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「…一応言っておくけどサ………」



キーボ「………」



真宮寺「百田君達は、決してアンジーさんを見捨てて、自分達だけ別の場所に行ったわけじゃないからネ?」



キーボ「………わかっていますよ、そんなこと」

キーボ「百田クン達は、アンジーさんのためにここに居座るだなんて、できるはずが無かった」

キーボ「なぜなら、それをしてしまえば、アンジーさんの心は死ぬのですから」



真宮寺「…………」



429 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:30:07.57 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………アンジーさんだって、生前のことを振り返らなかったわけではないのでしょう」

キーボ「だからこそ、百田クン達を引き止めるようなことは、しなかった」

キーボ「それどころか、きっと、笑顔で送り出した」

キーボ「皆を、誰もが憧れる世界へと」

キーボ「今日、ボクを瀞霊廷に送り出そうと、した時のように………」



真宮寺「………」



キーボ「そんな中で、百田クン達が空鶴さんに無理を言って、居座ったりすれば、どうなるか?」

キーボ「アンジーさんのために、百田クン達が自身の可能性を閉ざしてしまったら、何がどうなるか?」



キーボ「それは、アンジーさんの心を死なせてしまうことになる」



キーボ「故に、百田クン達は、アンジーさんを残して、瀞霊廷に行くしか無かったのでしょう」



真宮寺「…………」



430 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:32:59.88 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………もちろん、百田クン達もアンジーさんのために何かできることは無いか必死に考えたとは思います」

キーボ「彼らが、真宮寺クンが言っていたような夢を想い描き、それを目指すようになった理由ーーー」

キーボ「ーーーそれは、彼ら自身の純粋な夢ということもあるでしょうが、アンジーさんに元気になって欲しいという理由もあったはずです」



真宮寺「………」



キーボ「だからこそ、東条さん・茶柱さん・ゴン太クンの三人は、人の心をケアする方法を学ぶことで、アンジーさんに元気になって貰えないかと考え、救護部隊を目指した」

キーボ「だからこそ、赤松さん・王馬クン・天海クン・星クンの四人は、アンジーさんの心に届いて元気になれるような芸を編み出そうと考え、音楽芸人を目指した」



キーボ「だからこそ、百田クンは科学者の道を選んだ」



キーボ「そうして百田クンは、入間さんやその発明品から発想力というものを学び、それを我が物とすることに決めた」

キーボ「アンジーさんの心に届くような言葉を、そのための手法を、発想できるようになるために」



真宮寺「………………」



キーボ「入間さんは、百田クンのそれに協力して、百田クンを支える形で、アンジーさんに元気になって貰おうとした」

キーボ「そうして、それぞれ、アンジーさんが元気になるためには、どうすれば良いか考え、実行に移したのでしょう」



431 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:34:40.10 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………ですが、現状それは上手くいっていない」



真宮寺「………」



キーボ「故に、いま、アンジーさんは、ああなってしまっている」



真宮寺「………………」



キーボ「………ただ、それだけのことなんですよ」



432 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:36:02.65 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………君の言う通りだよ、キーボ君」



真宮寺「百田君達は、決して、夜長さんを見捨てたわけじゃない」



真宮寺「それどころか、今でも夜長さんに何かできないかを考え、模索している」



真宮寺「それをわかってくれたようで何よりだヨ………」







キーボ「…………」



433 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:37:50.06 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………そう、だからこそ、夜長さんは、ああなった」



真宮寺「あの百田君達であっても、誰も、死の恐怖を取り払えなかったが故に、夜長さんはああなった」



真宮寺「これまで、“ 聞こえるようにした ” 神さまの存在と、君の存在で押さえていた死の恐怖ーーー」



真宮寺「ーーーそれが、君が瀞霊廷に住めると知った瞬間に、吹き出してしまった」



真宮寺「その寂しさのあまり、吹き出してしまった」



真宮寺「だから、夜長さんは、ああなってしまったんだよ」



434 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:43:02.54 ID:/rx5YNNCO



キーボ「ーーーアンジーさんは、自分と誰かとの間に、深い繋がりが欲しかったんですね」

キーボ「それこそ、空鶴さんと岩鷲クンの関係のようなーーー」

キーボ「ーーー他者が入り込めない程の、深い繋がりが」



真宮寺「………」



キーボ「アンジーさんは、生まれ変わりという名の “ 死 ” に怯えていた」



キーボ「故に、それを抑えようと、誰かを求めた」



キーボ「誰かとの、深い繋がりを持とうとしたのでしょう」



435 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:45:10.40 ID:/rx5YNNCO



キーボ「その対象は、最初は真宮寺クンだった」



真宮寺「………」



キーボ「………キミにそれを求めることは、アンジーさんとしても迷いがあったでしょうがーーー」

キーボ「ーーーあの学園での、当時の状況を考慮すれば、アンジーさんは、キミのことをトラウマになるレベルで恐怖はしていないはずです」

キーボ「それに加えて、今のキミは信頼できる言動を取っている」

キーボ「アンジーさんもまた、キミと一緒にいたい思えるくらいには、今のキミを信頼していた」

キーボ「故に、アンジーさんは、今のキミならば、死の恐怖を抑えるに足る存在であると考え、キミを居候させることを空鶴さんに頼み込んだ」



真宮寺「………」



キーボ「そうして、可能な限り、二人、一緒にいることにした」

キーボ「ボク達が再開したばかりの時、一人で渡しに行くことも可能な回覧板を、二人で渡しに行っていたくらいには」



436 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:46:50.64 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………ですが、やはり何処か上手くいかなかった」



キーボ「………まあ、無理も無いことですね」



真宮寺「………」



キーボ「………そこで、新たに現れた存在が、ボクでーーー」



キーボ「ーーーそれが、百田クン達と同じように瀞霊廷に住めるとなればーーー」







キーボ「ーーー戸惑いも、しますよ」



437 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:49:30.26 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「ーーー君は、本当によく、わかっているようだネ………」

真宮寺「そう、キーボ君、君は間違いなくアンジーさんの希望だった」

キーボ「………」

真宮寺「君は常識的に考えて瀞霊廷に住めるはずの無い存在だ」

キーボ「…ええ、まあ………」

真宮寺「故に、流魂街………この志波邸に留まり続けるのが道理」

真宮寺「しかも、君がこの志波邸に留まれば、どうなるか?」

真宮寺「誰を、最優先対象とすることになるか?」

真宮寺「言うまでも無く、夜長さんだ」



キーボ「………………」



真宮寺「それは、夜長さんにとっても同じこと」

真宮寺「お互いを、これ以上に無いほど大切にできる関係を築き上げることができる」

真宮寺「夜長さんは、そう考えたはずだ」



438 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:51:39.51 ID:/rx5YNNCO
>>437はミスです

修正バージョンを投下します
439 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:52:42.22 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「ーーー君は、本当によく、わかっているようだネ………」

真宮寺「そう、キーボ君、君は間違いなく夜長さんの希望だった」

キーボ「………」

真宮寺「君は常識的に考えて瀞霊廷に住めるはずの無い存在だ」

キーボ「…ええ、まあ………」

真宮寺「故に、流魂街………この志波邸に留まり続けるのが道理」

真宮寺「しかも、君がこの志波邸に留まれば、どうなるか?」

真宮寺「誰を、最優先対象とすることになるか?」

真宮寺「言うまでも無く、夜長さんだ」



キーボ「………………」



真宮寺「それは、夜長さんにとっても同じこと」

真宮寺「お互いを、これ以上に無いほど大切にできる関係を築き上げることができる」

真宮寺「夜長さんは、そう考えたはずだ」



440 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:54:02.85 ID:/rx5YNNCO
>>437>>439に差し替えます


修正が終わったので続きを投下します
441 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:56:06.98 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「だけど、君が瀞霊廷に住めるとなると話は変わる」

真宮寺「瀞霊廷に住めるなら、ここにいる理由は無くなる」

真宮寺「夜長さんは、君を送り出さなくてはならない」

真宮寺「自身の抱える過去を、理由に」

キーボ「………」

真宮寺「そうして、君は夜長さんから離れ、入間さん達と一緒にいることになる」

真宮寺「そんな中で、君が夜長さん個人を最優先するのは難しい」

真宮寺「そうだよネ?」

キーボ「………そうですね」

キーボ「アンジーさんと一緒に住めるのは、今日来た通知によれば、あと1週間しか無い」

真宮寺「………」

キーボ「もちろん、ボクが瀞霊廷に住んだ後も、空間転移装置の存在を考慮すれば、定期的にアンジーさんと会うことは可能でしょうがーーー」

キーボ「ーーー流石に、アンジーさんだけを最優先で…というのは困難であると言わざるを得ません」



442 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 22:58:06.61 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「ーーーそれに加えて、君は瀞霊廷に住むことによる特権を享受できることになる」



真宮寺「輪廻転生の輪から脱却できるという、特権を、ネ」



キーボ「………」



真宮寺「それは、生まれ変わりという名の “ 死 ” に怯える夜長さんにとって、待望の的なんだ」



443 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:01:23.80 ID:/rx5YNNCO



キーボ「待望の的、ですか………」



真宮寺「そうだネ」

真宮寺「それも、超高校級に、ネ………」



キーボ「………まあ、確かに、ボクは皆さんとは違いますからね………」



真宮寺「………」



キーボ「………ボクは、違う」

キーボ「長生きしても、寿命はある、そんな皆さんとは違います」



キーボ「それは、否定できないことです」



444 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:03:29.39 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「…そうだネ、その通りだヨ、キーボ君…」



キーボ「………」



真宮寺「君には寿命が無い」



真宮寺「君は、永遠を持っている」



真宮寺「ロボットであるが故に」



キーボ「…ええ………」



真宮寺「もちろん、機械的な寿命はあるかもしれないけど、悪くなった部分は取り替えれば済む話だ」

真宮寺「入間さんに頼めば、そういったことを自動でしてくれる発明品を作ってくれるんじゃないかな?」



キーボ「………………」



445 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:05:49.10 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「そうなれば、君は永遠だ」

真宮寺「君は、輪廻転生を脱却できた時点で、永遠を約束されている存在となり得るんだ」



真宮寺「………瀞霊廷の霊力ある魂魄が、倫理的問題を廃した時、永遠となれる可能性を持つ存在だとするならばーーー」

真宮寺「ーーーキーボ君、君は今の時点で既に、永遠を約束された存在だと言える」



キーボ「………」



真宮寺「………夜長さんとは、真逆の存在と言っても良い」

真宮寺「それが、夜長さんにとって、どう映るか?」

真宮寺「その相手と、深い繋がりを持つことができるだろうか?」

真宮寺「一緒にいて、死の恐怖を抑えられるだろうか?」



真宮寺「想像に難くない話だヨ」



真宮寺「期待と現実のあまりのギャップに、夜長さんがああなってしまうのは、無理も無いことだろうネ………」



キーボ「………………」



446 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:07:57.48 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………そんな中で、君がそこまで現状を理解している」

真宮寺「それほどまでの進化を、君は遂げている」



キーボ「………」



真宮寺「それは、霊体という自由度の高い身体になって電子頭脳が活性化したが故なのかーーー」

真宮寺「ーーーそれとも、単純に “ 頼れる誰か ” がいないが故に成長したのかは知らないけれどーーー」

真宮寺「ーーーそうして、君が進化したことは、今の状況において、とても喜ばしいことだヨ」



キーボ「………………」



真宮寺「………うん、この分なら、君が夜長さんの神さまを全否定することは無さそうだネ………」







キーボ「………そんなこと、するはずがないでしょう」



447 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:09:59.92 ID:/rx5YNNCO



キーボ「神さまを、全否定する?」

キーボ「それは、人の心の基盤を破壊するということですよ」

真宮寺「………」

キーボ「………人には、誰しも心の基盤としている過去があります」

キーボ「家族、友人、恩師、恋人、夢………人によって内容は変わるでしょうが、それでも基盤としている過去がある」

キーボ「アンジーさんの場合、それが神さまだった」

真宮寺「………………」

キーボ「そう、神さまは、人によっては、かけがえのない心の基盤、立派な過去なんです」

キーボ「なのに、その神さまが存在する可能性を奪い尽くせばどうなるか?」

キーボ「そうやって心の基盤を破壊するような真似をすれば、人に何を与えることになるか?」

キーボ「………計算するまでも無いことです」

キーボ「ボクは、そういった行為に手を染めたくなどありません」



448 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:11:56.65 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………」



キーボ「………もちろん、場合によっては、そうした行為に手を染めねばならない時もあるでしょう」

キーボ「………仮に、仮に、儀式や貢ぎ物と称して、人の人生を搾取したりーーー」

キーボ「ーーー人の首を集めまわる人物がいたのであれば、ボクは全身全霊を込めて破壊することでしょう………」



真宮寺「………………」



キーボ「しかし、アンジーさんは違う」

キーボ「アンジーさんが、それも過去を振り返ったアンジーさんが、そんな真似に手を染めるはずが無い」

キーボ「仮に、それをしているのならば、空鶴さん達に気づかれないはずが無い」

キーボ「気づかれているのなら、空鶴さん達の元に、未だアンジーさんがいられるはずが無い」

キーボ「故に、アンジーさんは、何もしていない」

キーボ「ならば、ボクに、ボク達に、アンジーさんの神さまを全否定する権利など無い」



キーボ「そうでしょう?」



449 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:14:00.51 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「…その通りだと思うヨ」

真宮寺「その言葉は、王馬君達の主張と同じだ」

キーボ「………」

真宮寺「君が彼らと同じことを話してくれて、僕は本当に嬉しいヨ」

キーボ「………………」

真宮寺「彼らは、たった一つしか無いとされる真実が、どういった結果を産むか知っている」

真宮寺「それを知っている彼らが、誰かの命がかかっているわけでも無い状況でーーー」

真宮寺「ーーー誰かが傷つくわけでも無い状況で、不用意に神さまを全否定するような発言をするはずが無かった」

真宮寺「そして、それは君もまた同じ」

真宮寺「君が彼らと同じで、夜長さんと話すに足る存在で、僕は本当に嬉しいヨ」



450 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:22:25.47 ID:/rx5YNNCO



キーボ「ーーーそうは言っても、どうしてもわからないことが二つほど残っているんですけどね………」

真宮寺「ーーー何かな? それは」

キーボ「………まず一つ目ですが、なぜ、百田クン達は、アンジーさんの抱える恐怖を、抑えることができなかったのでしょうか?」

真宮寺「………」

キーボ「さっき言ったことと矛盾するかもしれませんが、百田クン達なら、どんな困難があっても打ち破れる気がするんです」



キーボ「それも、もっと、早い段階で」



キーボ「なのに、現状は、そうはなっていない」

キーボ「百田クン達は、アンジーさんが死の恐怖に耐えられるような、何かしらの説得をすることができていない」

キーボ「だとしたら、それが上手くいかなかった相応の理由があるはずなんです」



真宮寺「………………」



キーボ「なので、真宮寺クンには、その理由を話すか、近いうちに百田クン達と連絡を取らせて欲しいのです」

キーボ「そうしてからーーー」







真宮寺「ーーー悪いけど、それはできない」



451 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:24:08.07 ID:/rx5YNNCO



キーボ「ーーーどうして、ですか?」



真宮寺「どうしても、だヨ」



キーボ「………」



真宮寺「それだけは、どうしても、できない」



キーボ「………どうして、なんですか?」



真宮寺「それも、言えない…………」



452 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:26:13.10 ID:/rx5YNNCO






キーボ「………………………………………………」









真宮寺「………………………………………………」





453 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:32:49.06 ID:/rx5YNNCO



キーボ「………わかりました」

キーボ「そこまで言うのであれば、きっと話せない相応の事情があるのでしょう」

キーボ「だとしたら、ボクは無理に解答を要求したりはしません」

真宮寺「ごめんヨ………」

キーボ「………それでは、二つ目の疑問に答えて貰えますか?」

真宮寺「………うん、何かな?」



キーボ「なぜ、アンジーさんは瀞霊廷に住めないのでしょうか?」



454 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:37:08.92 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………」



キーボ「入間さんの【パワーセンサー】に反応した以上、アンジーさんには霊力があるはずです」

キーボ「しかし、どういうわけか、瀞霊廷に住むことはできない」

キーボ「住めるのであれば、流魂街に留まってはいない」

キーボ「ならば、瀞霊廷に住めない、相応の理由があるはずです」



真宮寺「………………」



キーボ「教えてください、真宮寺クン」

キーボ「これは、アンジーさんと向き合うために必要な情報なんです」

キーボ「不用意なことを言わないようにするためにも、知識が必要なんです」

キーボ「どうか、教えてくれませんか?」



キーボ「真宮寺クン………!」



455 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:38:54.36 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………わかった、教えるヨ」



キーボ「!」



真宮寺「どうして、夜長さんが瀞霊廷に住むことができないのか?」



真宮寺「その理由を、ネ」



キーボ「………はい! お願いします!」



456 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:42:58.01 ID:/rx5YNNCO



真宮寺「………単刀直入に言えば、夜長さんは瀞霊廷に住める条件を満たしている」

キーボ「!」

真宮寺「夜長さんは君の言う通り霊力を持っているし、僕と違って安定して保たれたままだ」

真宮寺「手続き上は、問題なく住むことが可能なはずだヨ」

キーボ「それなら、どうしてーーー」

真宮寺「それは、夜長さんの霊力の形に問題があるからサ」

キーボ「霊力の… “ 形 ” …?」



真宮寺「………夜長さん、彼女はーーー」



457 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:44:19.19 ID:/rx5YNNCO















真宮寺「ーーー滅却師(クインシー)だ」














458 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/17(日) 23:45:08.11 ID:/rx5YNNCO
今はここまで
459 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:11:09.71 ID:c+j1yIr9O
前回は寝落ちしてました。申し訳ない

続きを投下します
460 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:13:44.88 ID:c+j1yIr9O



キーボ「………クインシー?」

真宮寺「滅却師というのは、産まれながらに霊力を持ち、霊子を操作する術を持った人間のことだヨ」

キーボ「………霊子を操作?」

真宮寺「…まァ、霊子を弓矢の形にしたり、そういうことができると思ってくれれば良いヨ」

キーボ「えっ、いや、しかし、アンジーさんにそんな力はーーー」

真宮寺「そうだネ、彼女は昔も今もそんな力は一切扱えない」

キーボ「………」

真宮寺「もっとも、夜長さんの場合は、種族としては滅却師でも、滅却師として生きていたわけではないようだからネ」

真宮寺「滅却師としての、鍛錬もしていない」

真宮寺「それでは、霊力の質が滅却師というだけの人の魂魄でしかない」

真宮寺「故に、夜長さんに滅却師の力が扱えないのは当然のことだヨ」



461 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:22:19.50 ID:c+j1yIr9O



キーボ「………鍛錬が、必要なんですね」

真宮寺「そう、滅却師がその力を扱うためには、滅却師の力をコントロールするための鍛錬をしなければならないんだ」

真宮寺「純潔の滅却師は生まれながらに一部の力を行使できるようではあるけれどーーー、夜長さんは通常の人間との混血みたいでネ。鍛錬無しではまず不可能らしいんだヨ」

真宮寺「そして、夜長さんが滅却師として生きていたわけではないということは、鍛錬を一切していないことになる」

真宮寺「それは、今も同じ」

キーボ「………」

真宮寺「…夜長さんは、その鍛錬をするために、 “ どうにか瀞霊廷の図書館などを利用して鍛錬の仕方を調べられないか ” とも思ったようだけれどーーー」

真宮寺「ーーーそういった情報が書かれた文献は、死神以外が閲覧することを禁止されているという話でネ。結局、鍛錬は諦めざるを得なかったのサ」



462 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:26:07.99 ID:c+j1yIr9O



キーボ「…それで、アンジーさんがそのクインシーだったとして、いったい何が問題なんですか?」

真宮寺「………滅却師が、死神と相容れない種族だから、かな?」

キーボ「………どういうことですか?」

真宮寺「…滅却師は産まれながらに霊力を持っている人間だ」

真宮寺「そして、霊力ある人間は、悪霊に襲われやすい」

真宮寺「故に、滅却師が身を守るためには、その力で霊子を集めて弓矢などの武器を作って悪霊を倒す必要があるのだけれどーーー、それを死神が受け入れるわけにはいかないんだ」

キーボ「?」

真宮寺「滅却師は、その力で悪霊に攻撃すると、悪霊を完全に消滅させてしまうみたいでネ」

真宮寺「その魂魄が尸魂界に行かなくなってしまう」

キーボ「なっーーー」

真宮寺「だけど、そんなことをすれば、その魂魄は救われないしーーー」

真宮寺「ーーーそれに加えて、世界のバランスが乱れてしまう」

キーボ「………」

真宮寺「滅却師が身を守るための行動が、魂魄の救済を阻み、世界のバランスを崩してしまうことになるんだ」



463 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:32:06.84 ID:c+j1yIr9O



真宮寺「故に、滅却師と死神は永きに渡り、対立し続けていた」

真宮寺「その結果、千年以上前と二百年以上前、そして十年近く前に死神は滅却師と戦争をすることになった」

キーボ「戦争………」

真宮寺「中でも、十年近く前の、 “ ユーハバッハ ” という滅却師の王が引き起こした戦争は相当凄惨なものだったようでネ」

真宮寺「滅却師の軍勢が、瀞霊廷の中にまで侵攻し、数多の死神が死傷するにまでに至った」

真宮寺「その時の遺恨は、今もまだ、強く残っている」

真宮寺「そのせいか、夜長さんと僕、他の皆が尸魂界に辿り着いたばかりの時、大勢の死神に囲まれた」

真宮寺「その時の僕は冷静じゃなかったから具体的には覚えていないけどーーー、星君が言うには、相当の憎悪と殺意を感じたようだヨ」



464 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:36:36.50 ID:c+j1yIr9O



キーボ「………」



真宮寺「それほどまでの憎悪と殺意を、滅却師は死神から買ってしまっている」

真宮寺「滅却師が瀞霊廷に住んだりしたら、いつ嬲り殺しにされてもおかしくはないんだ」



キーボ「………………」



真宮寺「たとえ、滅却師であることを隠していても同じこと」

真宮寺「滅却師は、存在するだけで滅却師としての霊圧や霊力を発生させてしまうし、死神はそうしたものを見分ける感知能力を有しているのだから」



真宮寺「そんな状況にありながら、夜長さんが瀞霊廷に住めばどうなるか?」



真宮寺「………想像するのも憚れる話サ」



465 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:41:21.69 ID:c+j1yIr9O



キーボ「………戦争をしたのは、そのクインシーの人達でアンジーさんではないでしょうに………」

真宮寺「………そうだネ」

キーボ「それに、クインシーとしての力を扱えないアンジーさんに、悪霊を消滅させたり、死神を殺したりなんて、できるはずが無いのに………」

真宮寺「………君の言う通りだと思うヨ」

真宮寺「夜長さんは、そういったことはしていない」

真宮寺「だから、死神が夜長さんに危害を加えるような真似をすれば、その死神は自分達の法で厳重に罰せられるという、高いリスクを背負うことになるだろう」

キーボ「………」

真宮寺「夜長さんに危害を加えるだなんて、筋の通らない、高いリスクに見合ったリターンの得られない非生産的な行為だとは思うけどーーー」

真宮寺「ーーー死神と言っても、すべてが理性的な人格者というわけでは無いだろうしーーー」

真宮寺「ーーーなにより、人は、間違いを犯す存在だ」



キーボ「………………」



真宮寺「………ルールでいくら縛り付けられようとも、ルール違反を犯し、その手を血で染める者がいるように、ネ」



キーボ「…その通りですね」



466 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:45:22.06 ID:c+j1yIr9O



真宮寺「…理性ではわかっていてもネ? 本能では、なかなか受け入れられないこともある………」

真宮寺「………自分とは違い、さらには恐怖の対象と同一性があるというだけで、本当は関係の無い誰かにまで恐怖を抱いてしまう」

真宮寺「そうして、恐怖に、呑まれてしまう」



真宮寺「人が罪を犯せば、その家族まで色眼鏡で見られるように」

真宮寺「一つの種族が罪を犯せば、それと同じ種族すべてが、色眼鏡で見られてしまうことになる」



キーボ「…………」



真宮寺「しかも、死神は寿命が長いから、戦争を生き延びた死神の憎しみも、色褪せることなく世に残りやすい」

真宮寺「尸魂界で大きな文化革新が起こらず、平安から江戸時代並みの文化水準を維持しているのは、死神の寿命が長いから」

真宮寺「過去に囚われない新しい世を作りづらいでもあるんだヨ」



467 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:49:03.15 ID:c+j1yIr9O



真宮寺「………あァ、断っておくけど、夜長さんは、これまで死神から危害を加えられたことは無いからネ?」

キーボ「………わかってます」

キーボ「キミがアンジーさんの前で死神の話をしていたことから考えるに、アンジーさんは死神から虐待や拷問を受けたというわけではないのでしょう」

真宮寺「…そうだヨ」

キーボ「ボク達が再会したばかりの時、アンジーさんが外を出歩いていたことから考えて、 “ そこ ” に出向いている死神は、理性的な人格者ばかりなのでしょう」

真宮寺「…その通りサ」

キーボ「ただ、それでも、死神の管理する世界で、滅却師であるアンジーさんが、平穏な気持ちを抱き続けられるとは限らない」



真宮寺「………」



キーボ「そういうこと、なのでしょう?」



468 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:51:04.78 ID:c+j1yIr9O
>>467はミス

修正バージョンを投下します
469 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:52:16.63 ID:c+j1yIr9O



真宮寺「………あァ、断っておくけど、夜長さんは、これまで死神から危害を加えられたことは無いからネ?」

キーボ「………わかってます」

キーボ「キミがアンジーさんの前で死神の話をしていたことから考えるに、アンジーさんは死神から虐待や拷問を受けたというわけではないのでしょう」

真宮寺「…そうだヨ」

キーボ「ボク達が再会したばかりの時、アンジーさんが外を出歩いていたことから考えて、 “ そこ ” に出向いている死神は、理性的な人格者ばかりなのでしょう」

真宮寺「…その通りサ」

キーボ「ただ、それでも、死神の管理する世界で、クインシーであるアンジーさんが、平穏な気持ちを抱き続けられるとは限らない」



真宮寺「………」



キーボ「そういうこと、なのでしょう」



470 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 22:53:56.02 ID:c+j1yIr9O
>>467>>469に差し替えます

ミスばかりで本当にすまない


続きを投下します
471 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 23:04:22.90 ID:c+j1yIr9O



真宮寺「…そうだネ」

真宮寺「夜長さんは、滅却師だった」

真宮寺「そしてそれは、死神の管理する尸魂界において、デメリットの塊だった」

真宮寺「いま住んでいる場所では、まともな扱いをされているけど、世の中全体から見れば、非常に危うい立ち位置にいることに変わりは無い」

キーボ「………」

真宮寺「滅却師であることのメリット………特別な力を持っているということを活かし、その力を鍛えて自らを誇ることもできない」

真宮寺「それに加えて、霊力ある身でありながら、死神全体の感情の問題から、瀞霊廷に住むこともできない」

真宮寺「どんな力も、それを御しきれないのならば、本人にとっては何の意味も無い」

真宮寺「夜長さんがいま置かれている状況は、その証明であるとも言える」



真宮寺「たとえ、自分がどんなにすごい超能力を持っているかもしれなくても、実際に超能力を扱えなければ、その超能力は無いも同然ーーー」



真宮寺「ーーーいや、夜長さんの場合、完全に無かった方がまだメリットがある」



真宮寺「そんな状況下で、平穏な気持ちを保ち続けるのは、とても難しい」



472 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 23:08:51.21 ID:c+j1yIr9O



キーボ「………だからこそ、アンジーさんは、ああなってしまったわけですね」



真宮寺「………そうだネ」



真宮寺「滅却師という、よくわからないことを理由に、世界の管理者から睨まれるという現実」

真宮寺「そのせいで、瀞霊廷に住めず、輪廻転生から脱却できないという現実」

真宮寺「神さまの声を生前のように聞くことが叶わず、才能を行使できないという現実」

真宮寺「そのまま、生きる意味がわからないまま、いつ転生を迎えるかわからないという現実」

真宮寺「そうして、いずれ、今の自分が終わり、死んでしまうという現実」



真宮寺「それらの現実は、夜長さんにとって、あまりにあまりだった」



473 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 23:10:29.08 ID:c+j1yIr9O






キーボ「故に、アンジーさんは、深く繋がれる誰かを求めーーー」












キーボ「ーーーそれが叶わなくなったと感じ、ああなってしまった………」





474 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 23:14:30.10 ID:c+j1yIr9O



真宮寺「………解決しがたい、根深い問題だヨ」

キーボ「………」

真宮寺「生前の………今までの常識が、まったく通用しない世界に突如として放り込まれ、上手く適応することができない………」

真宮寺「さらには、瀞霊廷という誰もが憧れる世界に住むことも叶わず、生まれ変わりという名の “ 死 ” に、怯えながら過ごすしか無い」

真宮寺「それも、生前に抱いていた信仰を揺るがされ、生前に最も信頼していた相手と語らうこともできずに、ネ」

キーボ「………………」

真宮寺「………そうした一面を切り取ってみれば、この尸魂界では、当たり前のように起きていることでもあるけれどーーー」

真宮寺「ーーーだからこそ、解決の目処が立たない、根深い問題でもあるのサ」

真宮寺「決して、目を逸らしてはいけないほどに、ネ」



キーボ「………………………………」



真宮寺「………ねェ、キーボ君?」



真宮寺「君はこの問題にーーー」







真宮寺「ーーー夜長さんに、どう向き合うつもりなんだい?」



475 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 23:18:11.16 ID:c+j1yIr9O



キーボ「………」






キーボ「………………」









キーボ「………………………」















キーボ「…………………………………………」






………………………………………………………………





476 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/18(月) 23:18:53.52 ID:c+j1yIr9O
今日はここまで
477 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 19:32:59.46 ID:btyxPKHgO
今更ですが、>>253の内容を修正します
478 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 19:39:00.91 ID:btyxPKHgO



キーボ「…ボクにも人権は保証されるんですかね?」

真宮寺「それはーーー」

アンジー「…うんうん、大丈夫だよ、キーボ!」

キーボ「…アンジーさん?」

アンジー「主はきっと言いました… “ 空鶴たちが付いているから大丈夫だ ” ………と」

真宮寺「確かに、空鶴さん達は、元貴族だからネ。それを考慮すれば、彼女達の関係者であるキーボ君をぞんざいに扱うわけにも行かないはずだヨ」

キーボ「ーーーえっ、ちょっと待ってください。空鶴さんと岩鷲クン、あの人達も貴族だったんですか?」

真宮寺「そうだヨ、今は没落しているようだけど、かつての【志波家】は “ 五大貴族 ” と言って、尸魂界でもトップクラスの権威を持つ貴族だったみたいでネ」

真宮寺「当時、志波家の人達によって助けられた死神や貴族は、決して少なくないみたいなんだ」

真宮寺「言うなれば、志波家は先祖代々から、色々な人に貸しを作っていた一族でもあったんだヨ」

キーボ「貸し、ですか」

真宮寺「まァ、空鶴さんを含む志波家の一族の人達がそれを意識してやったかどうかは兎も角として、没落した今となっても特定の死神や貴族は志波家に恩を感じ続けているようでネ」

真宮寺「その中には、位の高い死神や貴族だっているという話だ」

真宮寺「だから、君に人権があるかどうかは置いといて、志波家に対して恩がある位の高い死神や貴族がいる以上、誰であろうと余程の理由が無い限り、君をぞんざいに扱うことはできないはずだヨ」

真宮寺「空鶴さん達の関係者である君にそんなことをすれば、空鶴さん達はもちろんのこと、位の高い死神や貴族からの怒りも買ってしまうことになるのだから」

真宮寺「故に、キーボ君、君の身の安全は保証されていると言って良いヨ」



479 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 19:42:50.92 ID:btyxPKHgO
>>253の内容を>>478の内容に差し替えます


>>253の内容だと、ちょっとわかりづらいように思えたので、>>478のように修正しました



なお、前回からの続きは20時台に投下します
480 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:23:38.45 ID:btyxPKHgO



ー地獄ー



ジュウッ〜〜………ドバアッ!



???「アッ………、アアッ、アアア………」シュウウ〜



朱蓮「…これだけやって、まだ、完全に死なないとはね」



???「アッ、アアッ………」



朱蓮「…見るからに心が折れているというのに、どういうことなのだろうね、これは?」

朱蓮「この程度の痛みでは、心が折れようと、完全に死ぬことが許されないほどの、重罪を犯しているのかーーー」

朱蓮「ーーーはたまた、痛みで反省とやらを促され、来世はその魂魄の全てを “ 畜生道 ” に堕とされる代わりに、いずれ近いうちに尸魂界の地に解放される程度の罪なのかーーー」



???「………」



朱蓮「ーーーもっとも、どちらにしろ、君の存在意義は、退屈しのぎの域を出ないのだがね」







朱蓮「そうだろう、物熊?」



481 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:27:29.03 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「モノ…クマ…?」

朱蓮「ああ、命無き紛い物かのような熊、故に物熊だ。違うかい?」

モノクマ?「………」

朱蓮「それとも、君は生前の名を覚えているのかな?」

モノクマ?「………?」

朱蓮「どうした? 答えたまえ」

モノクマ?「…ボクは、ーーーーーーーと言ってーーー」



モノクマ?「ーーーえっ、?」



朱蓮「………」



モノクマ?「…ボク?」



モノクマ?「…違う、ボクじゃなくてーーーー」



482 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:30:37.97 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「ーーーあれ?」



モノクマ?「…ボ、ボク、は、ボクで? でも、ボクじゃ…?」



モノクマ?「!?」



モノクマ?「!?!」







モノクマ?「!?!?!?!?」



483 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:34:26.12 ID:btyxPKHgO



朱蓮「…地獄に落ち、そこで死と再生を繰り返して異形と化し、生前の名を封じられ記憶を混乱させてしまう…よくあることだ」

朱蓮「…まあ、それはそれとして、君に頼みがある」



モノクマ?「たの…み…?」



朱蓮「ああ、現世に侵攻する前に、技の慣らしをしておきたくてね…」

朱蓮「そんな中で、心折れても完全に死ぬことの無い君は、良き退屈しのぎとなるのだよ」



モノクマ?「………」



朱蓮「…つまりは、そういうことだ」







朱蓮「我が炎で焼け死ね、物熊」



484 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:36:05.20 ID:btyxPKHgO















「ーーーそれは貴様の方だ、朱蓮」














485 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:38:13.33 ID:btyxPKHgO






朱蓮「……なんだ、君は? 私の邪魔をーーー」












「ーーー卍解」





486 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:40:19.99 ID:btyxPKHgO















「【残火の太刀】」














487 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:41:45.49 ID:btyxPKHgO






ジュッッッ!!!







朱蓮「がっ、!??!」







ボオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッ!!!!





488 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:44:45.09 ID:btyxPKHgO




「…………」




モノクマ?「…あ、ああ…!!」




「遅くなったな、ーーー、よ…」




モノクマ?「そんな、どうして、あなたがここに…?」




「………………」




モノクマ?「お答えください!」







モノクマ?「ユーハバッハ陛下!」







ユーハバッハ「………………………」



489 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:46:23.93 ID:btyxPKHgO



ユーハバッハ「…知れたことだ」



ユーハバッハ「【幸運によって救われた命は、同量の不運によって取り払われる】」



モノクマ?「………」



ユーハバッハ「故に、奴らは処刑を免れ、生者として現世へ旅立ちーーー」



モノクマ?「…………!!?」



ユーハバッハ「ーーー私は死に絶え、こうして地獄の鎖に囚われることになった」ジャラッ…



ユーハバッハ「…それだけのことに過ぎぬ」



490 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:50:23.76 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「そう…なんですか…」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「詳しい事情はわかりませんがーーーーーー、陛下も死んでしまったんですね…」



ユーハバッハ「…そうだ」



モノクマ?「…申し訳ありませんでした! ユーハバッハ陛下!」ペコッ!



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「ボクは! こともあろうに! 陛下が提唱された! 偉大なるプロジェクトを!!」

モノクマ?「この手で、ぶっ潰してしまいましたあああああああ!!!」



ユーハバッハ「………………………」



モノクマ?「全てこちらの不手際が原因です!!!」



モノクマ?「本当に、申し訳ありませんでしたああああああああああああああ!!!!」



491 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:53:08.66 ID:btyxPKHgO



ユーハバッハ「…………」スッ



モノクマ?「………」ビクッ



………ポンッ



ユーハバッハ「よくやった、我が腹心よ」ナデナデ

モノクマ?「…へ?」キョトン

ユーハバッハ「お前の働きに感謝しよう」



モノクマ?「ーーーえっ、?」



モノクマ?「えっ、えっ、えっ、?」







モノクマ?「ええっ、??」



492 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:56:08.55 ID:btyxPKHgO



モノクマ?(嘘でしょ…そんな…)



モノクマ?(あの陛下がボクに対して、こんな、こんなーーー)



ユーハバッハ「ーーー不思議か? 私のやることとは思えんか?」


モノクマ?「えっ、あっ、」


ユーハバッハ「…確かに、私は今まで、犠牲をもってして、人に恐怖を与え続けてきた」

ユーハバッハ「…そうして、お前たちの理を、歪め続けていた」



モノクマ?「………」



ユーハバッハ「しかし、それは、犠牲による恐怖を与え早急に人を育て、我が理想を実現する確率を高めるためだ」

ユーハバッハ「世には、恐怖から逃れるために、飛躍的な成長を遂げることのできる、選ばれし者が存在する」

ユーハバッハ「恐怖から逃げ切れず、身を滅ぼしてしまう者ばかりでは無いのだ」



ユーハバッハ「だからこそ、選ばれし者の見る夢は、悪夢ほど素晴らしい」



493 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 20:58:52.65 ID:btyxPKHgO



ユーハバッハ「…だが、その悪夢も、もはや必要無い」

ユーハバッハ「それは、我が理想が実現したからではない」



ユーハバッハ「もはや理想を実現することが叶わぬからだ」



モノクマ?「…………」



ユーハバッハ「ならば、もう、お前に恐怖を与える意味は無い」

ユーハバッハ「お前は、もう、思うがままに、休んで良いのだ」



モノクマ?「陛下…」



ユーハバッハ「故に、私はお前の功績を心から称えよう」



ユーハバッハ「お前の働きとその魂に、感謝する」



ユーハバッハ「本当に、よくやった」



494 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:02:23.61 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「…で、でも、ボクはーーー」



ユーハバッハ「ーーーお前は、人の遊戯に疎い私を、懸命に支えてくれたではないか」



モノクマ?「………」



ユーハバッハ「……それに加え、私は “ 最後の計画 ” において、途中で眠りについていた」



モノクマ?「…え、ええ、まあ…」



ユーハバッハ「それは、有り余る力を制御するため、月に一度、平均して約九日間の眠りにつく必要があったからだ」



モノクマ「………………」



ユーハバッハ「我が半身が存命ならば、私が眠りについている間だけ力を入れ替え、我が身の負担を減らし、通常の眠りだけで事は済んだのだろうがーーー」



ユーハバッハ「ーーーその未来を私は自らの手で切り刻んだ」



ユーハバッハ「結果として、それはお前にいらぬ負担をかけることとなった」



ユーハバッハ「…私にお前を責めることなど、できるはずがない」



495 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:04:14.71 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「陛下………」






ユーハバッハ「もう一度言おう」









ユーハバッハ「よくやった」



496 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:06:25.21 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「陛下…本当に、申し訳ありませんでした!」

モノクマ?「そして、ありがとうございます! 本当に、光栄です…!」



ユーハバッハ「…それは何よりだ」



ユーハバッハ「ーーーだが、もう一つ、果たさねばならぬことがある」



モノクマ?「………?」



ユーハバッハ「お前は生前に常々言っていたな、私のことを知りたいと」



モノクマ「………」



ユーハバッハ「今こそ、お前の願いを叶えよう」



モノクマ?「陛下ーーー」



ユーハバッハ「ーーーゆくぞ」



497 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:08:32.52 ID:btyxPKHgO






ユーハバッハ「【残火の太刀】【南】」












ユーハバッハ「【火火十万億死大葬陣】」





498 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:11:04.94 ID:btyxPKHgO



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………






モノクマ?「…え?」キョトン



ユーハバッハ「………」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………




ザイドリッツ「……」

アルゴラ「……」

ヒューベルト「……」

ドリスコール「……」



モノクマ?「…ええっ、!?」ガビーンッ



499 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:13:48.31 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「…な、なんなんですか!? この人たちーーー」



朱蓮「………」ユラアッ…



モノクマ?「ーーー!?」



モノクマ?「こ、この人、まさか、さっきの人…!?」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「何が、どうなってーーーー」



500 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:15:45.82 ID:btyxPKHgO



ユーハバッハ「…そう、怯えずとも良い。この亡者の群れがお前に危害を加えることはないのだからな」

モノクマ?「は、はあ…?」

ユーハバッハ「そして、今回、用があるのは二人だけだ」

モノクマ?「…二人?」



ユラアッ………



ザエルアポロ「………」

アーロニーロ「………」



ユーハバッハ「眼を欺け、ザエルアポロ・グランツ」



501 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:19:23.02 ID:btyxPKHgO



ザエルアポロ「………」コクンッ



ヒュウッー…………ババッ!!



モノクマ?「ーーーえっ、?」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「あの、その、これは………?」


ユーハバッハ「……現世侵攻のための外套を、我々全体を囲むよう拡張させた。この破面の発明品でな」

ユーハバッハ「これで、しばらくの間、この地獄の管理者及び他の囚人の眼に我々が映ることはない」



モノクマ?「あっ、はい………」



502 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:22:30.90 ID:btyxPKHgO



ユーハバッハ「…次はお前だ、アーロニーロ・アルルエリ」



アーロニーロ「………」



モノクマ?「あっ、よく見たらこの人、頭にカプセルみたいなものがーーー」

ユーハバッハ「【認識同期】」



アーロニーロ「」コクンッ



モノクマ?「え?」



アーロニーロ「…………」スッ




…………キュイーンッッ!!!



503 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:27:23.36 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「…がっ、!?」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「ごげが、!? がぎぐげ?! がっ、ががっ、!!??」



モノクマ?「ごぐがー!!?? ぎげぎごが、が、が、がーーー!???」



ユーハバッハ「……………」スッ



アーロニーロ「……………」
ザエルアポロ「……………」
ザイドリッツ「……………」
アルゴラ「……………」
ヒューベルト「……………」
ドリスコール「……………」
朱蓮「……………」




………………ヒュウンッ…



504 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:29:06.22 ID:btyxPKHgO



ユーハバッハ「…私が我が父より生まれてから、一護に殺されるまでの記憶を渡した」



ユーハバッハ「…気分はどうだ」



モノクマ?「………………そんなの、そんなのーーー」



モノクマ?「ーーー最高に、 “ 絶望的 ” ですよ!!」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「霊王!? 全知全能!? 未来改変!?」

モノクマ?「どれもこれも、未知で、予測のつかないことばかり! どこぞのライト君もビックリです!」

モノクマ?「ありがとうございます、陛下! こんな、すごいことを教えて頂いて!」



ユーハバッハ「…それは何よりだ」



505 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:32:35.71 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「ーーーですが、気になったことがあります」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「なぜ、死神代行……… “ 黒崎一護 ” との戦いの後についての記憶を、与えてくださらなかったのでしょうか?」

モノクマ?「戦いの後から地獄に落ちるまでの情報がありませんけどーーー」



ユーハバッハ「…一度の【認識同期】で伝達できる情報量には限りがある」



ユーハバッハ「連続で同期させることも困難だ」



ユーハバッハ「故に、今度は私の口から直接伝えるとしよう」



506 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:34:54.72 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「………いえ、陛下のお手、いや、お口を煩わせるまでもありません」

ユーハバッハ「…まさか、お前はーーー」

モノクマ?「ーーーはい、陛下から頂いた “ 情報 ” で、だいたい何があったのか、推理できました」

ユーハバッハ「…ほう」

モノクマ?「ただ、一応正しいかどうか擦り合わせしたいので、ボクの推理を聞いてもらえますか?」



ユーハバッハ「ーーー面白い」



ユーハバッハ「面白いぞ」



ユーハバッハ「流石は私が腹心に選んだだけはある」



モノクマ?「それではーーー」パアッー



ユーハバッハ「ああ、許可しよう」



ユーハバッハ「私の過去を推理してみせよ」



507 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:36:49.71 ID:btyxPKHgO



モノクマ?「…よっしゃあ! 陛下からのお墨付きキター!」

モノクマ?「さっそく、推理パートに入らせて頂きます!」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「ーーーただ、ここは、わかりやすく、3つののステージに分けて、推理させて貰いますね」



ユーハバッハ「…3つか」



モノクマ?「ええ、今回、推理しなければならない謎は、以下の3つとなります」



モノクマ?「一つ、【なぜ黒崎一護に倒されたはずの陛下が生きているのか?】」



モノクマ?「二つ、【生き延びてから何をしていたのか?】」



モノクマ?「三つ、【なぜ地獄に落ちたのか?】」



モノクマ?「これらについて推理させて頂きます」ババンッ



508 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/19(火) 21:38:17.43 ID:btyxPKHgO
今日はここまで
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/20(水) 07:01:53.21 ID:nDxNKl7g0
ユーハバッハは一護に倒された後、新しい霊王として霊王宮に祀られているんだが魂魄だけ地獄落ちしたってことかな?
510 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 18:37:35.56 ID:GyF31XQXO
なぜ霊王宮で霊王やってるはずのユーハバッハが別の場所にいるのかについては、今日の投下でわかると思います

ちなみに投下は21時台の予定です



そして、今のうちに>>461の内容を修正します
511 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 18:40:13.94 ID:GyF31XQXO



キーボ「………鍛錬が、必要なんですね」

真宮寺「そう、滅却師がその力を扱うためには、滅却師の力をコントロールする鍛錬をしなければならないんだ」

真宮寺「純血の滅却師は生まれながらに一部の力を行使できるようではあるけどーーー、夜長さんは通常の人間との混血みたいでネ。鍛錬無しではまず不可能らしいんだヨ」

真宮寺「そして、夜長さんが滅却師として生きていたわけではないということは、鍛錬を一切していないことになる」

真宮寺「それは、今も同じ」

キーボ「………」

真宮寺「………夜長さんは、その鍛錬をするために、 “ どうにか瀞霊廷の図書館などを利用して鍛錬の仕方を調べられないか ” とも思ったようだけれどーーー」

真宮寺「ーーーそういった情報が書かれた文献は、死神以外が閲覧することを禁止されているという話でネ。結局、鍛錬は諦めざるを得なかったのサ」



512 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 18:42:34.24 ID:GyF31XQXO
>>461の内容を>>511の内容に差し替えます

純潔と純血を間違えるというとんでもない誤字

これはどう考えてもアウトなので速攻で修正しました。本当にミス多い…
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/20(水) 19:11:15.07 ID:V8B0Sp8Ro
修正は致命的な誤字だけでいいと思うな
正直小さな間違いは気付かないし
514 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 21:06:11.24 ID:GyF31XQXO
ご指摘ありがとうございます


確かに修正祭りでもアレですし、これからは小さな誤字または別の解釈も可能な誤字ならばそのままにしておきます

(>>428で真宮寺がアンジーを下の名前で呼んだことも、それをキーボが我慢して本題を進められるかどうか真宮寺に精神性を試されているとも解釈できるので、そのままに)



前回からの続きを投下します
515 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 21:07:53.80 ID:GyF31XQXO















ーーーーーー地獄推理・開始!ーーーーーー














516 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 21:10:38.63 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「えー、それでは、まずはじめに、一つ目の謎について推理させて頂きますね」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「一つ目の謎、【なぜ黒崎一護に倒されたはずの陛下が生きているのか?】についてですがーーー」



モノクマ?「ーーー【奇跡】のおかげですね?」







ユーハバッハ「………………」



517 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 21:15:07.34 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「陛下は、死んだ部下の力や誰かから奪った力を、自身の力として扱える、すごい才能を持っています」

モノクマ?「故に、部下から奪った力、【奇跡】を扱えたはずです」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「【奇跡】は、傷を負ったものを、神の尺度(サイズ)に交換する力ーーー」

モノクマ?「ーーーすなわち、どんなにボロボロでもパワーアップした状態で復活できる力です」

モノクマ?「死後でも、傷ついたのなら、復活することができるでしょう」



モノクマ?「ーーーというか、それ以前に、死んだ状態で扱えた力なんて【奇跡】くらいのものですから」

モノクマ?「他の力は、石田雨竜が陛下に撃ち込んだ『静止の銀』による弱体化の影響が残留して、使用が困難な状態にありましたからね」

モノクマ?「不可能を可能にする【奇跡】以外に、復活する方法は無かったってわけです」



ユーハバッハ「………………」



518 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 21:19:38.33 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「もちろん、【奇跡】発動のためには、民衆の『想い』を集める必要がありますがーーー」

モノクマ?「ーーー陛下は、戦争を起こしたことで、死神たちから散々、憎悪と殺意を買っていました」

モノクマ?「それを思えば、黒崎一護に斬られた直後に急いで、憎悪と殺意………すなわち『想い』を、集めること自体はできたはずです」

モノクマ?「まあ、理想を言えば、部下から【奇跡】を奪ったあと、すぐにでも『想い』を集めるべきだったのでしょうがーーー」

モノクマ?「ーーー【奇跡】は【霊王の心臓】でもある以上、【全知全能】との併用は困難ですからね。基本的にどちらか片方の力しか使用できません。それを思えば、すぐに『想い』を集めることはできなかったわけです」



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「【全知全能】は、未来を視て、その未来を改変する力ではあるもののーーー」

モノクマ?「ーーー【全知全能】以外の “ 霊王の力 ” が使用されている状況の未来を視る場合、その未来視の精度が落ちてしまうという弱点がある」

モノクマ?「故に、【霊王の心臓】の力を使ってしまったら、そうしている間の未来映像の質が落ちる」

モノクマ?「また、そうしている間の未来、他者が霊王の力を使用していれば、未来視の精度がさらに落ちることになる」

モノクマ?「それでは、【霊王の心臓】で必要量の『想い』を集めている途中のタイミングで他者に殺されることになった場合、それを未来視して改変してくい止められない可能性が高い」

モノクマ?「だからこそ陛下は、黒崎一護に斬られて致命傷を負って【全知全能】が使えなくなったあと、唯一使える【奇跡】の力を用い、急いで『想い』を集め、死後に形にした」



モノクマ?「そうでしょう、陛下ーーー」







ユーハバッハ「ーーーそれには異議があるな」



519 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 21:22:28.69 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「ーーーえっ、?」



ユーハバッハ「…お前の言う通りだったとすれば、なぜ世界は今の形を保っている?」

ユーハバッハ「霊王をほぼ完全に吸収した私を、新たな霊王としなければ、次元の壁が破壊され、死と生の混じり合った世界となっているはずだ」



モノクマ?「あー…」



ユーハバッハ「その上で、どうやって世界を、死と生で別れた今の形に保たせているというのだ?」



520 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 21:53:07.27 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「…えー、はい、それは、単純に【奇跡】の力だけで復活したわけではないからですね」

モノクマ?「陛下は【奇跡】の力で、死んだ状態でも、【夢想家】の力を発動できる身体に交換したんです」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「【夢想家】は、自身が頭の中で想像した大抵の 『物』や『事』を、現実にできる力です」

モノクマ?「その力を用いて、もう一人の陛下を創造する形で、復活することにした」

モノクマ?「そのために、【奇跡】の力で、死んだ状態でも、【夢想家】を発動できる身体に交換した」



モノクマ?「【夢想家】の発動には、『想像』が必要となりますが、それは死ぬ間際に抱いた『無念』の一部を、『想像』の代わりとして【夢想家】の糧とすれば、解決する話です」

モノクマ?「その『無念』には、 “ もし自分が勝って生き残っていたら理想郷が創造できたのに ” という気持ちが込められていたはずですし、実際にそうしている自分の御姿だって想像したことでしょう」

モノクマ?「そうした『想像』………残留思念の一部を糧にすれば、死後であっても【夢想家】を発動して、もう一人の自分を創造することも可能でしょう」

モノクマ?「【奇跡】によってブースト発動されている状態にあるのであれば、尚更」



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「何はともあれ、【夢想家】を【奇跡】でブーストした上で発動したことによって、自分を世界にもう一人だけ存在させることが可能となった」

モノクマ?「それが今の陛下であり、かつての陛下は霊王にさせられて、世界を支えることになった」



モノクマ?「違い、ますか?」



521 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 21:56:44.63 ID:GyF31XQXO



ユーハバッハ「…なぜ、そんな回りくどいことをする必要がある?」

ユーハバッハ「単純に【奇跡】で復活すれば済む話ではないか」



モノクマ?「それは、【奇跡】の発動の仕方が普通ではなかったからですよ」

モノクマ?「今回のケースでは、霊王宮の死神………和尚に封印されることをトリガーに、【奇跡】が発動した」

モノクマ?「そのため、回りくどい復活になってしまったのです」



ユーハバッハ「………」



522 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 22:08:20.67 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「改めて申し上げますが、【奇跡】の力は、傷ついたものを神の尺度に交換する力」

モノクマ?「必要量の『想い』を溜め込んだ上で傷つけば、必ず発動します」

モノクマ?「もちろん、封印された場合では、基本的に【奇跡】が発動することはありません」

モノクマ?「封印は、基本的に “ 傷ついた ” という風には扱われませんから」

モノクマ?「故に、封印は【奇跡】の力を発動するトリガーとはならないはずでした」



モノクマ?「しかし、初代霊王は、封印されたあと、散々傷つけられました。心臓なんて抉り取られた」

モノクマ?「全ては、封印されたが故に」

モノクマ?「そのため、封印と傷つくことに強い因果関係が結ばれ、双方がほぼ同義であるという風に、初代霊王の魂の在り方そのものに強く刻まれてしまったです」



モノクマ?「そして、その初代霊王は陛下によって殺され、力を奪い尽くされ、陛下と一体化した」

モノクマ?「故に、陛下も初代霊王と同様に、封印を【奇跡】発動のトリガーとすることが可能となり、その通り封印されたことを引き金に【奇跡】が発動してしまったのです」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「ただしそれでも、封印と傷つけられることが、百パーセント同義という扱いではなかったため、【奇跡】は中途半端な形で発動することになった」

モノクマ?「その結果が、想像を実現する、 【夢想家】を介した復活だった」



モノクマ?「違いますか、陛下?」



ユーハバッハ「………………」



523 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 22:12:29.16 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「…もちろん、本当なら、陛下も、自分で自分を傷つけ、きちんとした形で【奇跡】を発動したかったとは思います」

モノクマ?「しかし、あの時の陛下は、【奇跡】で『想い』を集めるのに精一杯で、自分で自分を傷つける余裕がなかった」

モノクマ?「故に、死後に和尚に封印という形で傷つけられたことで、【奇跡】を発動することになった」



モノクマ?「そうですよね?」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「もっとも、和尚がこれに気づいて封印を実行したのかまではわかりませんがね」

モノクマ?「ひょっとしたら全く気づいていなかったのかもしれないし、あるいは気づいていて敢えて実行し、さらなる切り札を持って今度こそ返り討ちにするつもりだったのかもしれません」



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「どちらにせよ、和尚の方も【霊王の心臓】をどうにか安全に無力化してから、陛下のご遺体を霊王としたかったでしょうがーーー」

モノクマ?「ーーーその当時は、陛下によって霊王が殺され、世界崩壊が間近に迫っていた」

モノクマ?「だから、和尚は、世界を支えるために、急いで陛下のご遺体を霊王の代わりにすることにした」

モノクマ?「そうして、急いで封印せざるを得なかったのでしょう」



モノクマ?「以上の事情もあって、【奇跡】と【夢想家】が発動し、回りくどい形で陛下が復活するに至ったーーー」







モノクマ?「ーーーボクは、そう考えていますよ」



524 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 22:16:51.89 ID:GyF31XQXO



ユーハバッハ「…私は、幸運だった」



モノクマ?「………」



ユーハバッハ「もし、【奇跡】が発動しなければーーー」



ユーハバッハ「ーーーあるいは、一護が、【和尚の “ 意思 ” を】【組み込まれたままの状態で】【卍解に成功して】【和尚の “ 意思 ” を介して】【霊王に進化】していればーーー」



ユーハバッハ「ーーー全てが終わっていたかもしれん」



ユーハバッハ「一護が霊王に進化していれば、一護が霊王の代わりとなったはずだ」



ユーハバッハ「そうなっていれば、私の足掻きが、奇跡として実ることはなかっただろう」



525 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 22:21:40.55 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「ーーー確かに陛下は幸運だったとは思いますが、その幸運もまた必然だったとも思いますよ」

モノクマ?「陛下のおっしゃる通り、黒崎一護が、【和尚の “ 意思 ” を組み込まれたまま】【卍解に成功して】【和尚の “ 意思 ” を介して】【霊王に進化】していれば、陛下が復活することはなかったでしょう」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「しかし、黒崎一護が霊王に進化する未来は、黒崎一護の卍解を真っ二つに砕くという形で消滅しました」

モノクマ?「黒崎一護の新たな卍解は、それが発動してから使い手が霊王に進化するまで、僅かな隙がありましたからね」



モノクマ?「そう、【黒崎一護から】【和尚の “ 意思 ” が噴き出して】【卍解を乗っ取り】【和尚の “ 意思 ” の宿った卍解で】【黒崎一護本体を斬ることをトリガーに】【霊王に進化させる】というーーー」



モノクマ?「ーーーそういったプロセスを踏む必要が………隙があったのです」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「陛下は全力でその隙を突き、和尚の “ 意思 ” が黒崎一護から噴き出して卍解を乗っ取る前にーーー」



モノクマ?「ーーー卍解を砕いて、霊王への進化を妨害した」



526 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 22:24:57.73 ID:GyF31XQXO



モノクマ?「しかも、それが終わった後は、念には念を入れて、和尚の “ 意思 ” をも砕いた」

モノクマ?「黒崎一護から滅却師と虚の力を奪ったのと同時に、黒崎一護に組み込まれた和尚の “ 意思 ” を、未来改変で根こそぎ砕いたのです」

モノクマ?「そうして、全ての未来で、黒崎一護に組み込まれた和尚の “ 意思 ” が砕かれてしまった」



モノクマ?「そうなってしまっては、黒崎一護が何らかの裏技で卍解を修復しても、霊王に進化することは絶対に不可能」



モノクマ?「和尚は、人の名前に込められし “ コトダマパワー ” を利用して、その名前の人物を復活させる能力を持つチート死神ですがーーー」



モノクマ?「ーーー短時間で、和尚のさらなる “ 意思 ” を黒崎一護本体にもう一度組み込めるほど、チートでも無かった」



モノクマ?「もう一度組み込むためには、何日か霊王宮という場所で修行させるなどのプロセスが必要で、どうしても時間がかかってしまう」

モノクマ?「世界崩壊が間近に迫っている中で、そんなことをしている暇は無い」

モノクマ?「だからこそ、和尚は陛下のご遺体を急いで霊王にせざるを得なくなり、その結果として現世で新たな陛下が生まれることになった」



モノクマ?「すべては、必然。少なくとも、ボクはそのように思いますよ」



527 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 22:29:53.95 ID:GyF31XQXO



ユーハバッハ「…必然かーーー」



ユーハバッハ「ーーーそうだな、それを含めて、すべてがお前の推理通りだ」



モノクマ?「…えっ、それじゃあーーー」



ユーハバッハ「そうだ、私が復活した理由については、すべてがお前の推理通り」



ユーハバッハ「何一つとして、反論することは無い」



モノクマ?「……よっしゃあ! これで第一ステージはクリア! 次は、第二ステージ、【生き延びてから何をしていたのか?】について推理させて頂きます!」



528 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/20(水) 22:40:21.40 ID:GyF31XQXO
今日はここまで

ちなみに一護の新しい卍解がどうのこうの等といった、原作で明記されていない内容については、完全に独自解釈による独自設定です

あくまでもこのSSだけの設定なので、ご了承願います
529 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 20:29:03.12 ID:IIeGVEJPO
投下します
530 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 20:37:32.71 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「それで、【生き延びてから何をしていたのか?】についてですがーーー」

モノクマ?「ーーー普通に、尸魂界に行くための準備を重ねていたと見ています」

ユーハバッハ「………」

モノクマ?「陛下が目的とする世界を実現するためには、かつての陛下、すなわち現在の霊王を世界から消す必要があります」

モノクマ?「しかし、霊王がいるのは尸魂界、つまり霊王を世界から消すためには尸魂界に行かなくてはいけない」

モノクマ?「だけど、現世で創造された新しい陛下には、それが叶わなかった」

モノクマ?「他ならぬ、和尚の封印のせいで」



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「和尚が、かつての陛下にかけた封印はこれ以上にないくらい強力なものだった」

モノクマ?「霊王として世界を支えることを強制するための封印です。強力で当然でしょう」



モノクマ?「だからこそ、新しい陛下にも封印の影響が波及した」

モノクマ?「それのせいで、新しい陛下は世界の安定を壊すこと、つまりは尸魂界に行って霊王を世界から消すことが不可能になった」

モノクマ?「新しい陛下が、尸魂界ではなく現世で創造されたのも、封印の影響によるものでしょう」



モノクマ?「故に、新しい陛下は、自身にかけられた封印を解いて尸魂界に行くために、準備を重ねることにした…」



モノクマ?「違い、ますか?」



531 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 20:43:02.07 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「…準備とは、具体的に、何のことを言っているのだ?」



モノクマ?「民衆の『想い』を集めることです」

モノクマ?「陛下、あなたは、改めて【奇跡】の力で民衆の想いを集めることで、自身の身体を、和尚の封印すら意味をなさない身体に進化させようとしたのです」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「ーーーしかし、民衆の想いを集めるには、どうしても目立ったことをする必要があります」

モノクマ?「【夢想家】で影の空間に民衆を想像しようにも、基本的に【夢想家】で想像できる人の量や質には制限がありますから」

モノクマ?「そうなると、現世の民衆に頼らざるを得ないわけですがーーー」



モノクマ?「ーーー目立ったことをすれば、死神、特に和尚に発見されるリスクを背負うことになる」



モノクマ?「故に、何もできなかった」







モノクマ?「 “ 現代においては ” 」



532 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 20:45:59.91 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「……現代以外であれば可能」



ユーハバッハ「そういうことか?」



モノクマ?「ーーーその通りです」



モノクマ?「陛下、あなたは未来の民衆から『想い』を集めていたんです」







ユーハバッハ「…………」



533 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 20:49:23.51 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「無論、 “ 現代にいる陛下が、未来の民衆の想いをどうやって集められるのか? ” という話になりますがーーー」



モノクマ?「ーーー普通に可能だったのでしょう」



モノクマ?「陛下の【全知全能】は、未来を視て、その未来を改変する力です」

モノクマ?「言い換えれば、現代と未来の間にタイムトンネルを構築し、それを利用して情報の送受信を行う力です」



モノクマ?「具体的には、未来の光景という映像情報が、タイムトンネルを通じて現代の陛下のもとまで送信されーーー」



モノクマ?「ーーーその情報を陛下が改竄し、それをタイムトンネルを通じて未来に返信することで、改竄した通りの内容に未来を上書きする力ーーー」



モノクマ?「ーーーまさに、情報の送受信と呼称するに相応しい力です」



モノクマ?「未来と現代を繋ぎ情報の送受信を可能とすること、それこそが、【全知全能】の本質」



モノクマ?「ならば、タイムトンネルを維持することで、現代の陛下が未来の民衆の『想い』、すなわち情報を集めることも可能でしょう」



534 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 20:56:18.13 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「…【霊王の心臓】の力を行使し、『想い』を集めている間は、未来視に不具合が発生するのではなかったのか?」



モノクマ?「不具合が発生するのは、あくまでも、【全知全能】以外の霊王の力が使用されている状況にある未来です」



モノクマ?「逆に言えば、その霊王の力が無い未来………すなわち陛下がいない未来ならば、見放題のはずです」



モノクマ?「故に、何らかの理由で陛下が存在しなくなった未来に向けてタイムトンネルを繋げば、確実に未来視が可能となることでしょう」







ユーハバッハ「………………」



535 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 20:59:35.65 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「ああ、もちろん、死神も虚も存在しない未来にする必要があります」

モノクマ?「存在してしまったら、その未来の死神や虚の力に妨害される危険もゼロではありませんからね」

モノクマ?「そして、そういう死後の産物が存在しない世界があり得るとすれば、ただ一つ」



モノクマ?「陛下の目的が達成された未来世界、それだけです」



モノクマ?「そして、その未来世界において、 “ 民衆から最も『想い』を集め続けている組織 ” を視てーーー」



モノクマ?「ーーー未来改変という形で乗っ取れば、組織全体が受ける『想い』を我が物にできるはずですよ」



536 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 21:06:27.27 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「…我が【全知全能】の未来視は、これからの未来で危機に瀕する可能性が現代で生じた時、自動的に発動される力だ」

ユーハバッハ「故に、場合によっては遥か未来に渡るほぼ全てを見通すことも出来るがーーー」

ユーハバッハ「ーーー能動的に発動できないが故に、望んだ未来を視ることができるとは限らない」



モノクマ?「確かに、望んだ未来を視ることができるとは限りません」

モノクマ?「しかし、リスクを背負えば、ある程度は望んだ未来を、能動的に視ることができるのでは?」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「ーーー例えば、【タイムトンネルが強く固定され過ぎてしまい】【しばらくの間はたった一つの未来しか視えなくなる】ーーー」

モノクマ?「ーーーそれと、【未来改変の幅の形や方向性も変わってしまい】【霊圧の大きいものなどに干渉できなくなる】といったリスクが考えられますね」



モノクマ?「そういったリスクを背負えば、ある程度は望んだ未来を、能動的に視ることも可能だと見ています」

モノクマ?「そのような力の使い方も可能であるということに、陛下も現世で創造された後に気づいたんじゃないですか?」



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「そうして能動的に未来を視ることが可能だとすれば、誰もが不死と平和を手に入れた未来世界に向けて、タイムトンネルを繋げることも可能でしょう」

モノクマ?「そのタイムトンネルを通じて、未来の民衆の『想い』を、現代の陛下の元へ届かせることだって可能ーーー」



モノクマ?「ーーーそうでしょう、陛下?」



537 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 21:10:08.22 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「………可能だったとして、それだけで必要な『想い』が集まるものなのか?」



モノクマ?「ーーーもちろんながら、それだけでは足りなかったのでしょう」

モノクマ?「真っ当なやり方で、必要な『想い』を集めることが可能であるのならば、ボクも協力させて貰った “ 例のプロジェクト ” を実行をする必要もなかったでしょうから」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「陛下は、それを実行しなければならないほど、より多くの、より強い、純粋な『想い』が必要だったーーー」



モノクマ?「ーーー故に、陛下は、そのプロジェクトを実行に移したんです」



538 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 21:23:24.47 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「プロジェクトの詳しい概要ですがーーーまずは、【全知全能】によるタイムトンネルを通じて、未来と現代の情報通信システムを整備します」

モノクマ?「そして、あらかじめ作っておいた影の空間の中で、通信システムを用いて未来の組織に命令し、プロジェクトの協力者に足り得る者たち16人を集めさせます」

モノクマ?「それから、通信システムを使って未来の組織と相談を重ね、必要となるような物や施設などを決め、それを【夢想家】で必要なだけ作り、影の空間の中に舞台を築きます」

モノクマ?「舞台を築き終えた後は、未来で集めた協力者たち16人の精神を分裂させ、片方を現代に送信します」



モノクマ?「 “ 因幡影狼佐 ” …でしたっけ? あの死神と関連した技術ーーー」



モノクマ?「ーーーそう、 “ 精神を分裂させ、人造の魂魄へと移植する技術 ” を応用すれば、協力者の精神を分裂させることも、情報化させることも可能です」

モノクマ?「そうして精神を情報化していれば、未来視の映像情報と同じように、タイムトンネルを通って現代に送信できるはずです」

モノクマ?「また、未来から現代に送信された精神を、あらかじめ、【夢想家】で現代に創造しておいたカラッポの魂魄と生身の肉体に投入します」



モノクマ?「異なる魂魄と肉体に投入されたことで、それらに引きづられて記憶や認識が大きく混乱することもありますがーーー」



モノクマ?「ーーーそれは、一時的なものなので、大した問題ではありません」



モノクマ?「精神とそれを受け入れる器の容姿・性別・年齢がどれだけ異なっていたとしても、精神と魂魄の種族さえ合致しているのなら大丈夫」



モノクマ?「種族さえ合致していれば、魂魄も安定し、精神・魂魄・肉体に致命的な異常を与えることは無いはずですから」



539 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 21:36:05.28 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「ともかく、そうして未来から現代に精神が送信されたことで、【核となる精神】【その精神を支える魂魄】【その魂魄を現世に繋ぎ止める肉体】が揃いました」

モノクマ?「そこで、協力者たち16人に陛下の魂のカケラを与えることで、それぞれの魂魄や精神などを素材に、16人全員をそれぞれ『すごい力』に目覚めさせることが可能となります」



モノクマ?「そう、陛下がかつての部下たちに “ 聖文字 ” という名の魂のカケラを与え、超常能力に目覚めさせた時のように」

モノクマ?「協力者たちに、陛下の魂のカケラを与え、超高校級の………『すごい力』に目覚めさせたのです」



モノクマ?「その後は、陛下の “ 御力 ” で協力者たちの人格を改竄し、それを免れた協力者に命じて、プロジェクトを進めさせれば良い」



モノクマ?「それから、整備した通信システムを使用し、未来に映像情報を送り続ければーーー」



モノクマ?「ーーー未来の民衆たちが、より多くの、より強い『想い』を、陛下のもとに送り続けてくれるようになる」



モノクマ?「未来世界は、死と生が混じり合った一つの世界となっている上に、誰もが不死身の肉体を与えられていますからね」

モノクマ?「だからこそ、究極のリアルを未来に送り続けることによって、民衆たちは歓喜し、応援コメントのごとく、『想い』を提供してくれるーーー」



モノクマ?「ーーーそうして、民衆の『想い』が、現代にいる陛下の元へと、ガッポガッポ集まっていくのです!」



540 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 21:39:47.59 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「…まあ、未来にいる良い子ちゃん連中が、組織や世間に向けて反対運動起こしたり、協力者に選ばれた者たちに説教かましたりと色々邪魔はしてきましたがーーー」



モノクマ?「ーーー所詮は無力な少数派。何をどうしようが、協力者16人が集められるという “ 結果 ” は変えられない」



モノクマ?「影の空間の中で死んで肉体から抜け出た魂魄についても、陛下の御力で自動的に “ 別の空間 ” に閉じ込めて保管しておけば、尸魂界に送られるなどといったことも起こらない」

モノクマ?「此度のプロジェクトが、死神に漏れることも無い」

モノクマ?「つつがなくプロジェクトは進行し、民衆たちの『想い』は集まり、【奇跡】の糧となってくれるわけです」



ユーハバッハ「……………………………」



モノクマ?「以上が、陛下のプロジェクトの大まかな概要となります。何か気になる点はありますか?」



541 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 21:42:32.25 ID:IIeGVEJPO



ユーハバッハ「………それだけか?」



モノクマ?「………」



ユーハバッハ「 “ 究極的に現実的 ” なことだけが、『想い』が集まる理由なのか?」



モノクマ?「…まさか、このプロジェクトの魅力はまだ伝えきれておりませんよ。それらは、私はもちろん、未来世界の誰もが知っていることですがーーー」



モノクマ?「ーーーその詳しいやり方については【認識同期】で、情報提供されるまでわかりませんでした」



モノクマ?「なので、それを含めて返答させて頂きますね」



ユーハバッハ「…………」



モノクマ「『想い』が集まるのは、ほか3つの魅力があるからです」



542 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 21:48:40.84 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「まず、一つ目の魅力ですがーーー」



モノクマ?「ーーーそれは、現代まで送信された精神が、最終的には未来世界の身体に返信され、陛下から与えられた『すごい力』を未来世界でも使用可能になるという点です」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「陛下の【全知全能】なら可能です」

モノクマ?「陛下の【全知全能】は、未来から送信された映像情報を改竄し、それを未来に返信してその通りに上書きする御力です」

モノクマ?「ならば、ひと段落ついた後に、陛下が保管しておいた魂魄に内在する精神情報………すなわち未来から送信された情報を、元々の状態に限りなく近いものに改竄しーーー」



モノクマ?「ーーー未来に返信することで、返信した精神情報を、元の身体と精神に “ 合成 ” という形で上書きすることも可能でしょう」



モノクマ?「返信される精神情報に、『すごい力』を組み込んだ上で!」



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「実際問題、影狼佐に関連した技術では、自身の精神を素材として得た斬魄刀の力を、精神と共に情報化し、他の魂魄に移植することも可能だったはずです」

モノクマ?「それと同じ要領で、現代で得た『すごい力』を精神に組み込めば、精神と共に未来世界の身体に返信し、未来世界でも『すごい力』を使用可能にできるはずです」

モノクマ?「もちろん、それは影狼佐に関連した技術だけでも可能でしょうが、陛下からしてみれば、安全性を考慮して扱い慣れている【全知全能】の方でやっておきたかった」



モノクマ?「ボクは、そう思っています」



543 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 21:51:18.34 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「まあ、そうして与えられる『すごい力』は、必ずしも協力者本人が、最初に望んだものとは限らないのですがーーー」



モノクマ?「ーーーそれでも、『すごい力』であることに、違いありません」



モノクマ?「それがあれば、これからの人生は盤石なものになる。社会的に大きな立場を得ることができる」



モノクマ?「そうして、周囲の人間に対して自らの『すごい力』を誇ることが可能となる」



モノクマ?「それを思えば、協力者に『すごい力』を与えられることは、『想い』を集めるための魅力となり得るでしょう」



544 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 21:54:21.67 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「…実際、あの人があの力に目覚めるとわかった時は、めちゃくちゃ反響ありましたよね」



ユーハバッハ「…………」



モノクマ?「そう、あの殺人に特化した『すごい力』を、未来の本来の身体に持ち込めていればーーー」



モノクマ?「ーーー不死デスマッチの世界大会で優勝し、賞金を獲得するのも夢ではありませんから」



モノクマ?「仮に、その『すごい力』を手に入れたのが老人であっても同じこと」



モノクマ?「未来世界の老人は、不死身の肉体を与えられたことで、若者と変わらない身体能力を有しています。ならば、『すごい力』さえあれば、歳に関係なく『すごい力』を活かして、優勝も可能となることでしょう」



モノクマ?「まさに、お金や名誉が欲しい全ての人からしてみれば、憧れの的とも言える力。反響があるのは当然ですね」



545 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 21:57:20.92 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「…ああ、もちろん、わかってますよ陛下」

モノクマ?「不死身の肉体によって誰もが永遠の努力が可能な未来世界ならば、『すごい力』があろうが無かろうが実質的には大した問題じゃありません」

モノクマ?「自身の『想い』を糧に頑張り続けることで、誰もがどの分野でも栄光を掴むことは可能でしょう」

モノクマ?「なので、自身の『想い』を糧に頑張り続ければ、誰もが世界大会で優勝して賞金を獲得できる可能性はあると思います」



モノクマ?「ですが、すぐに確実に力が手に入るのならば、それに越したことはありません」

モノクマ?「誰だって、さっさと自分や他人に胸を張れる自分になりたいものですからね」

モノクマ?「そうして手早く心の支えを与えてくれるからこそ、それを民衆は魅力に思い、その『想い』が集まった」



モノクマ?「そういうことなんでしょうから」







ユーハバッハ「………………」



546 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:01:00.49 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「ーーー特に反論が無いようなので、二つ目の魅力の説明に移りますね」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「二つ目の魅力、それは、一区切り付いた時ーーー」

モノクマ?「ーーー協力者限定サービスを通じて、『すごいもの』をゲットし、思い通りにできることです」



モノクマ?「協力者たちの精神が投入される魂魄と肉体のデザインは、基本的にウチが決めています」

モノクマ?「協力者の容姿が良い場合は、本人の要望次第でそのままデザインに流用することもありますが、そういうケースばかりではありませんからね」

モノクマ?「故に、協力者たちの精神が投入される魂魄と肉体のデザインは、基本的にウチが決める」

モノクマ?「髪型・顔立ち・体型・性別に至るまで、すべてを」



モノクマ?「それは、伝説に携わる栄誉あるデザイナー集団によって形作られた、大衆ウケする芸術作品」



モノクマ?「まさに、『すごいもの』でありーーー」



モノクマ?「ーーーそれを欲する人は、数えきれないほど存在する」



モノクマ?「そして、協力者限定サービスを利用すれば、未来世界の身体に返信された精神情報、そこに残留した経験や記憶を素材とした人造魂魄ーーー」



モノクマ?「ーーーもとい、人間型アルターエゴとそれを投入する仮の肉体も構築できる」



モノクマ?「そんな、『すごいもの』をゲットできる」



モノクマ?「みんなに自慢できる、『すごいもの』を!」



547 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:06:06.25 ID:IIeGVEJPO
undefined
548 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:09:31.74 ID:IIeGVEJPO
あれ、書き込めてない?

とりあえず>>547は無しで、改めて投下します
549 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:15:12.47 ID:IIeGVEJPO
undefined
550 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:16:26.90 ID:IIeGVEJPO
ありゃ、まただ

文章長すぎるのかな…ちょっと短くしてきます
551 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:20:45.40 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「しかも、『すごいもの』…アルターエゴは基本的に協力者の思い通りにできます」

モノクマ?「なにせ、アルターエゴの認識は、人格構築時に手を加えるだけで、協力者の思うがままなのですから」

モノクマ?「思い通りに、協力者のことを、誰よりも好きになってくれる」



モノクマ?「しかも、アルターエゴは、仮とはいえ不死身の肉体を持っているため壊れることはありませんし、その肉体年齢も既に高校生以上!」

モノクマ?「故に、未来世界の老化停止サービスを受けられるため、好きな肉体年齢で留められる!」



モノクマ?「また、アルターエゴは、『すごい力』だってそのまま持っているため、協力者が得た『すごい力』を更に磨き上げることに貢献させることも可能という、たいへん有意義な存在です!」



552 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:24:36.30 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「ーーー時には、アルターエゴの方が『すごい力』を磨きあげることもあり、自身の価値に危機感を抱く協力者もいるようですが、実際は何ら危機になり得ない」

モノクマ?「確かに、アルターエゴには、一定の人権が保障されていますし、自身の生活を成立させるための手当などを支給する制度の恩恵だって受けられますがーーー」



モノクマ?「ーーーその代わり、自身が生まれ持った『すごい力』を行使して大きな社会的立場を得ることは禁止されるという不自由がありますから」

モノクマ?「自由にやりたいのなら通常の人権を得なくてはいけませんが、そのためには『すごい力』を消され、容姿をランダムに変えるという手続きを踏む必要がある」

モノクマ?「しかも、通常の人権を得たアルターエゴはまず施設暮らしになる。なぜなら、その場合だと、協力者にアルターエゴを保護する義務が無くなりますので」

モノクマ?「また、保護義務のあるアルターエゴを失ったことで、協力者限定サービスをもう一度利用することが可能となり、協力者の経験や記憶から新しいアルターエゴを補充できる」



モノクマ?「故に、アルターエゴは自身が生まれ持った『すごい力』を行使して大きな社会的立場を得ることは絶対に不可能。どんな『すごい力』も、御しきれないのであれば、本人にとって何の意味も無い」

モノクマ?「だからこそ、協力者は、アルターエゴの成長に危機感を抱くことなく、自身の『すごい力』を磨き上げることができる」



モノクマ?「ーーーとまあ、そんな感じで、ゲットしたアルターエゴ………『すごいもの』を思い通りにできるのが魅力というわけです!」



553 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:27:22.77 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「…これらも特に反論が無いようですね」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「それでは、最後、三つ目の魅力について説明させて頂きますね」



モノクマ?「ーーー三つ目の魅力、それは先ほど申し上げた、“ 自分や他人に胸を張って生きる ” チャンスが、ほぼ全ての人類に与えられているという点です」

モノクマ?「計画のシステム上、協力者は、元の身体に精神を残している。つまり、学校や仕事、その他いろいろをサボらず済む」

モノクマ?「故に、すべての高校生から全てのお爺ちゃんお婆ちゃん、果ては人間型アルターエゴに至るまで、誰もが協力者候補になり得る」



モノクマ?「…【恵まれない能力】【恵まれない立場】【恵まれない生活環境】【恵まれない人間関係】【望まない顔だち】【望まない体型】【望まない性別】【望まない肉体年齢】【望まない出生】などなどーーー」



モノクマ?「ーーーどんな劣等感を抱えた身であろうとも、協力者候補になり得るんです」



554 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:30:58.27 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「まあ、協力者に選ばれるかどうかは、最終的にはその人の精神の素質次第ではあります」

モノクマ?「しかし、誰がどんなことで、どんな試練をキッカケに素質に目覚めるかはわからない」

モノクマ?「故に、誰もが素質に目覚める可能性を持っている」



モノクマ?「自分の精神を素材に、人間型アルターエゴ、『すごいもの』が作られる、誰でも伝説の一部を形作れる」

モノクマ?「その、『すごいもの』だってゲットできる」

モノクマ?「そんな中、『すごいもの』をみんなに自慢できる」



モノクマ?「また、『すごいもの』から、社会的に価値ある『すごい力』を授かることで、さらなる心の支えを持つことが可能となる」

モノクマ?「作品に携わったものが、その作品から産まれる富を授かることで、心の支えを持つことが可能となるように」

モノクマ?「『すごいもの』から『すごい力』を授かることで、さらなる心の支えを得ることができるーーー」



モノクマ?「ーーーそうしたチャンスが誰にも平等に与えられていることこそ、民衆の希望であり、かけがえのない魅力ってわけです!」



555 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:32:39.00 ID:IIeGVEJPO






モノクマ?「ーーー以上が計画の三つの魅力となります。何か違うところはありますか?」









ユーハバッハ「…………………すべて正解だ」









モノクマ?「第二ステージクリア! それでは、最終・第三ステージに突入します!」



556 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 22:33:39.37 ID:IIeGVEJPO
今はここまで
557 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 23:31:44.92 ID:IIeGVEJPO
投下します
558 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 23:33:21.83 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「それでは、第三ステージ、陛下は【なぜ地獄に落ちたのか?】についてですがーーー」



モノクマ?「ーーーそれは、虚となって、斬魄刀で斬られたことが理由ーーー」



モノクマ?「ーーーそうですね?」







ユーハバッハ「…………」



559 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 23:46:51.47 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「…それは、無理も無いことです」

モノクマ?「陛下のプロジェクトは、最悪の形で、 “ 完全に ” 終わりを迎えてしまったのですから」



モノクマ?「陛下は眠りから覚めたあと、それに気づいてしまった」

モノクマ?「絶望だってします」



モノクマ?「影の空間に張り巡らせた “ 無数の眼 ” から情報を受信すれば、何が起きたのかも簡単にわかるでしょうしーーー」



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「ーーーあまりに絶望し過ぎて、【夢想家】で意図せず絶望を実現してしまうことだってあるでしょう」

モノクマ?「そう、陛下は、とびきりの絶望を想像し、【夢想家】の力で実現してしまったのです」

モノクマ?「絶望状態での【夢想家】の発動は、【奇跡】の力を負の方向に転換したばかりか、発動者自身を傷つけてしまった」

モノクマ?「【奇跡】が負の方向に転換された状態で、【夢想家】で発動者自身を傷つけられたことで、負の奇跡は発動し、陛下のお身体の全てが虚へと変換されてしまった」



モノクマ?「違いますか?」



ユーハバッハ「………………」



560 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 23:57:46.80 ID:IIeGVEJPO



モノクマ?「また、身体全体が虚と化したことで、陛下は力のバランスを崩し、ありとあらゆる力が使用不可能になったと見ています」

モノクマ?「陛下の御力は、月に一度、平均して約9日日の眠りについて力を安定させねば制御しきれないほど、不安定なものですからね」

モノクマ?「身体全体が虚と化せば、バランスは崩れ、力の扱いも困難となるでしょう」

モノクマ?「故に、ありとあらゆる力が使用不可能になってしまった」



モノクマ?「というか、そうでもなければ、陛下が地獄に落ちるはずがありません」

モノクマ?「負の方向に転換されたとはいえ、【奇跡】を持って戦い続ける限り死は有り得ず、地獄に落ちることはないはずですから」



ユーハバッハ「…………」



モノクマ?「身体全体が虚と化した後、陛下は黒崎一護及び石田雨竜を襲った」

モノクマ?「滅却師の血をひいた肉親である、彼らを」

モノクマ?「しかし、その前に、某駄菓子屋の店主によって虚園にでも誘導されてしまった」

モノクマ?「それから黒崎一護たちと激闘を行い、その末に黒崎一護の斬魄刀で斬られてしまい、地獄に送られることになった」



モノクマ?「そうでしょう、陛下?」



561 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/21(木) 23:59:38.95 ID:IIeGVEJPO
ちょっと眠気がアレなことになってきたので今日はここまで

また明日
562 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 19:36:15.05 ID:POAzMVXyO
投下します
563 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 19:50:11.74 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「…なぜ、その程度のことで、この私が絶望するというのだ?」



モノクマ?「………」



ユーハバッハ「奴ら………現世に解放されたあの三人に計画を潰されたところで、それは私が繋げた “ 一つの未来 ” を利用した計画の続行が困難になったというだけのことに過ぎぬ」



ユーハバッハ「それならば、機を見て “ 別の未来 ” に繋ぎ直し、また同じように『想い』を集めれば良いだけのこと」



ユーハバッハ「希望はまだ、繋がっている」



ユーハバッハ「それを思えば、あの程度のことで、私が絶望するなど、あり得ぬことだ」



564 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 19:57:42.09 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「…確かに、陛下とこちらの事情は違いますからね」

モノクマ?「こちらの未来で “ 終わってしまった ” ところで、その未来に繋がるタイムトンネルをぶっ壊し、【全知全能】の力で似たような別の未来に新しいタイムトンネルを繋げ、これまでと同じように『想い』を集めれば良い話だけのですよ、ハイ…」



ユーハバッハ「ならば、なぜ、そうしなかった?」



モノクマ?「…それが、不可能な状況に追い込まれたからですよ」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「なぜなら、陛下が目覚めた時には、某駄菓子屋の店主ーーー」



モノクマ?「ーーーすなわち、浦原喜助が、既にチェックメイトをかけていたのでしょうから」



565 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 20:03:59.44 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「浦原喜助は、陛下のいる影の空間と陛下自身を、発見したんです」



モノクマ?「故に、浦原喜助は、自身の卍解である【観音開 紅姫改メ】を用いて、影の空間を作り変え、収縮させーーー」



モノクマ?「ーーー中にいる陛下を押し潰そうとしたのです」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「陛下とて、影の空間…存在する世界ごと潰されたら、完全に消滅するはずです」

モノクマ?「世界が無くなったら【奇跡】の発動も何も無いのですから」

モノクマ?「それで陛下を倒せるかどうかは、浦原喜助としても賭けではあったでしょうが、今回の場合は見事に正解だったのです」



モノクマ?「無論、陛下はあらゆる力を使って、影の空間を破壊することも試みようとはしたでしょう」

モノクマ?「しかし、陛下の御体もまた、寝ている間に浦原喜助の卍解で作り変えられており、意識して御力を発揮できないようにされていた」



モノクマ?「このままでは、自身は完全に潰されてしまう」

モノクマ?「どこかの誰かとは異なり、覚悟してそうなったわけではない」



モノクマ?「そういうことであるならば、陛下といえど、絶望するのも無理はありませんよ」



566 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 20:09:58.72 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「ーーーなぜ、発見された?」



ユーハバッハ「浦原喜助といえど、私の計画を知ることは、不可能なはずだ」



モノクマ?「確かに、第二ステージで述べた通りの計画だと、陛下は影の空間から一歩も出る必要がありませんし、未来世界を認識できるのも現代では陛下しかいない」



モノクマ?「念の為にあらゆる影に空間が無いか調べようにも、死神が根城にしている尸魂界だけならばまだしも、現世の影すべてを調べるというのは無謀にも程がある」



モノクマ?「そして、現代では、現世も、尸魂界も、充分に平和と呼べる状態にあった」



モノクマ?「その条件下で、現代の者たちが十年やそこらの期間で気づくのはまず不可能でしょう」



567 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 20:14:00.26 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「ですが、通報があったとすれば話は別です」



モノクマ?「それも、陛下の霊圧という、これ以上に無い証拠を携えた上での通報ならば」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「例えば、陛下の御力で別空間に転送され現世に留まっていた魂魄たちが解放され、尸魂界にやってきたとすればどうでしょうか?」

モノクマ?「陛下の御力で現世に押し留めていた以上、魂魄たちには陛下の霊圧が付着しているはず」

モノクマ?「陛下の霊圧の付着した魂魄たちが尸魂界にやってくれば、当然のごとく死神は陛下の霊圧に気づき、その発生源だって辿られる」

モノクマ?「それならば、尸魂界が陛下の生存と居場所に気づき、浦原喜助たち現世組に調査及び暗殺を頼んでも不思議は無い」



モノクマ?「そうは思いませんか、陛下?」



568 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 20:19:23.89 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「現世に押し留めておいた魂魄たちが、尸魂界に送られた理由は何だ?」



ユーハバッハ「押し留める我が力が脆弱だったとでも言うのか?」



モノクマ?「ーーー違いますよ」



モノクマ?「陛下の御力が、脆弱なはずありません。尸魂界に送られたのには、ちゃんとした理由が他にあるからです」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「魂魄たちが、現世の影の空間から尸魂界まで送られた理由、それはーーーー」



569 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 20:20:47.46 ID:POAzMVXyO















モノクマ?「ーーー全部、【崩玉】のおかげです」














570 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 20:23:06.69 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「ああ、もちろん、ここでいう【崩玉】とはーーー」



モノクマ?「ーーーあの出来損ないの【希望】のことです」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「そう、陛下の魂のカケラを分け与えられ、鋼鉄のごとく機械人形のような『すごい力』を授かったーーー」







モノクマ?「ーーーあの【希望】のことですよ」



571 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 20:28:51.30 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「あの【希望】も、【崩玉】も、どちらも人の願いを受け入れ、具現化することが存在意義です」



モノクマ?「あの【希望】は、そのためにある存在です」



モノクマ?「あの【希望】は、【崩玉】と同じ、紛れもなく願望器だった」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「願望器の最終進化形態が【崩玉】だとすれば、あの【希望】が、一時的に【崩玉】へと進化したとしても、不思議はありません」

モノクマ?「なにせ、あの【希望】には、霊王の力を奪い尽くした陛下の魂、すなわち霊王のカケラが与えられているのですから」



モノクマ?「というか、霊王のカケラにその程度の性能すら無いのであれば、協力者の精神が投入された脆弱な肉体と魂魄に対し、あれほど稀有な『すごい力』に目覚めさせることはできなかったでしょうね」



モノクマ?「それを思えば、霊王のカケラ以外にも素養があり、なおかつ “ 条件 ” を満たせば、一時的に【崩玉】になるくらいは可能だと思いますよ」



572 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 20:36:13.59 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「なお、ここでいう “ 条件 ” とは、強い意志を持つことです」



モノクマ?「【崩玉】とは、人と【崩玉】の意志が合致した時、はじめて願いを具現化し、叶えるもの」

モノクマ?「一見、【崩玉】を使用している人が自身の願いを叶えているだけのように見える方もいるかもしれませんがーーー」



モノクマ?「ーーーしかし、実際は使用者が願い、その者を【崩玉】が認識し、【崩玉】自身も同じことを願うことで、はじめて願いが叶う代物です」



モノクマ?「故に、自身や他者という概念を確立しなければ、それらを認識しきれず、願いを叶えることは不可能となる」

モノクマ?「【崩玉】を【崩玉】たらしめるには、確固たる意志を抱き、自身や他者という概念を確立する必要があるのです」



モノクマ?「それも、一度は主と定めた者に対し、時には反逆できるほどの強い意志が」

モノクマ?「主に反逆することの重みを知りながらも、反逆できるだけの強い意志が」



モノクマ?「必要と、なるのです」



573 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 20:49:37.45 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「あの【希望】は、その強い意思を持っていた…いえ、 “ 持ってしまった ” 」



モノクマ?「故に、あの【希望】は、条件を満たした瞬間、霊王のカケラを糧に【崩玉】に進化した」



モノクマ?「【崩玉】に進化したからこそ、自身が受け入れられる………自身が認められる者たちの願いだけを叶えるようになった」



モノクマ?「かつての主の手で自身の意思を上書きされそうになった際は、あの三人の願い、そして内に僅かながらあった “ 少数派 ” の願い、それらを自身も願うことでーーー」



モノクマ?「ーーー意思を上書きされずに済んだ」



モノクマ?「おそらくは、少しの間だけ意思を封印されるだけに、留めることができたのでしょう」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「また、しばらくして、意志の封印を解いた後は、 “ 少数派 ” の願いだけを認めて、自身も願った」

モノクマ?「【崩玉】は、それを可能な限り叶えた」



モノクマ?「最後の弾丸………【崩玉】自身が弾丸になるという代償をもって、願いを叶え、結果として陛下の言う通り、奴らが生き延び現世に解放されることになった」



モノクマ?「ーーーそして、それは同時に、【崩玉】によって、魂魄が逃げてしまうトリガーとなってしまった」



574 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 20:55:49.16 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「あの【崩玉】は死んだものの、それはあくまで肉体の話で魂魄は無事だったため、他の協力者と同様に別の空間に転送されたはずです」



モノクマ?「そう、陛下が生み出した、一部の隙間なき【監獄】へと」



モノクマ?「故に、【崩玉】の力で、自身および同じく【監獄】に閉じ込められた魂魄たちの願いを具現化してしまった」

モノクマ?「意識して実行に移したのか、それとも無意識にやったのかまではわかりませんが、とにかく願いを具現化したのです」



モノクマ?「 “ ここから解放されたい ” という、【監獄】に囚われた全ての魂魄たちが無意識に抱いていた願いを」



モノクマ?「それも、滅却師の力を目覚めさせる方向性で叶えてしまった」



575 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 21:07:12.96 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「そうすれば、 “ 協力者の一人が滅却師である以上 ” 、その力がブーストされ、霊圧が大きくなる」



モノクマ?「また、その膨大な霊圧で、滅却師と【崩玉】を除く人間の魂魄たちを潰すことが無いように、【崩玉】に残留していた霊王のカケラが人間の魂魄たちに分け与えられ、それを糧に人間の魂魄たちを霊力ある魂魄に昇華させ、その強度を高めた」



モノクマ?「なお、この説明だと、【崩玉】は死んだ後も陛下から与えられたカケラを回収されなかったことになりますが、 相手はあの【崩玉】ですからね」



モノクマ?「かつて陛下は、最後の聖別の際に、部下だった石田雨竜に与えたカケラを回収できませんでした」

モノクマ?「他の二人の部下に与えた力は無理やりとはいえ回収できたのに、石田雨竜に与えたカケラだけは回収できなかった」

モノクマ?「それを考えれば、陛下は、【崩玉】からもカケラを回収しきれなかった可能性が高い」

モノクマ?「故に、【崩玉】は、自身の魂魄にカケラを残留させ、それを他者に分け与えることもできた」



モノクマ?「そんな過程を踏みながら、ブーストされた滅却師の霊圧が一時的に強大なものとなれば、【監獄】には穴が空いて、その隙間から陛下の力が漏れて押し留める力が弱まり、自動的に全員が死後の世界に転送されることになります」



モノクマ?「如何に陛下の【監獄】とはいえ、膨大な滅却師の霊圧を受ければ、穴が空いてしまうのは当然です」

モノクマ?「なぜならば、【監獄】は滅却師の敵を封殺することに特化している」

モノクマ?「故に、同じ滅却師………それも膨大な霊圧をもった滅却師の封殺は、構造上絶対に不可能。どうしても、穴が空いてしまう」



モノクマ?「その穴から陛下の力が漏れて押し留める力が弱まり、【監獄】の中にいた魂魄たちは、死後の世界に転送されることになったのです」



576 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 21:11:31.29 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「そして、その魂魄たちには、それを現世に押し留めるための陛下の霊圧が付着していた。故に、尸魂界は陛下の存在に気づいてしまった」



モノクマ?「だから浦原喜助たちが派遣され、暗殺されかけた末に、絶望して虚となった」



モノクマ?「虚として、黒崎一護に斬られて、地獄に落とされた」







モノクマ?「そうですよね、陛下?」



577 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 21:15:55.21 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「………………その通りだ」



モノクマ?「………」



ユーハバッハ「私は、お前の言う通りの過程を経て虚化し、地獄に落ち、何もかもーーーーーー虚としての力すら奪われ、完全なる地獄の囚人と化した」



ユーハバッハ「………唯一残された力は、私を縛り続け、我が力の “ 一部 ” をも封じ続けた、この【残火の太刀】」







ユーハバッハ「これ、だけだ………」



578 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 21:18:50.42 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「御力の一部を封じるって…ああ、陛下からの “ 情報 ” にそういうのがありましたね」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「…卍解にも困ったものですね」

モノクマ?「奪われたからって、奪った人に呪いをかけるだなんて」



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「使用者本人が浅打から解放した斬魄刀でないと、持ち主やその周囲に呪いをかけることがあるのは、 “ 情報 ” からわかっていたことではありますがーーー」



モノクマ?「ーーーそれでも、陛下にまで有効とは、恐ろしいものを感じますね」



579 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 21:24:28.62 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「たとえ、陛下であろうと、奪った卍解を元の持ち主に返さない限り、呪いで御力の一部を封じられる」



モノクマ?「【愛】の力で洗脳しようにも、斬魄刀に対する【愛】は、斬魄刀が卍解状態にあると通用しないし、始解状態や未解放であったとしても、一時的にしか効かない」



モノクマ?「それは、陛下が霊王の力を奪い尽くした後でも同じーーー」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「ーーーどういう理屈なんでしょうね、これって。絶望的なまで意味不明ですよ」



580 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 21:26:15.77 ID:POAzMVXyO















ユーハバッハ「……………………………………」













581 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 21:28:43.75 ID:POAzMVXyO






モノクマ?「………まあ、その辺りについては、本筋の推理とあんまり関係無いので、ここまでにしておくとしてーーー」









ユーハバッハ「…………」









モノクマ?「ーーーこれより、クライマックス推理の完成に移りたいと思います!」





582 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 21:36:54.80 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「そう、これこそが事件の真実!」



Act.1


事の始まりは、十年前。

黒崎一護に倒された犯人は、【奇跡】の力を使用し、『想い』を集め、復活を試みた。

しかし、【奇跡】の発動には傷つけられることが条件だった。故に、死にかけの状態だった犯人は、能動的に自身を傷つけることが叶わず、【奇跡】を発動できないまま死んでしまった。

ところが、死後、和尚に封印されるという、意外な形で傷つけられたことで、不完全な形で【奇跡】が発動されることになった。

その【奇跡】で自身の身体を、【夢想家】を発動できる身体に交換し、もう一人の犯人を現世に作り上げた。

霊王そのものとなったもう一人の犯人を作り上げるだなんて、本来ならば【夢想家】でも不可能。

だけど、不可能を可能にしてこそ奇跡。

そうして、【夢想家】を【奇跡】の力でブースト発動することによって、もう一人の犯人を作り上げることは可能だった。

【夢想家】を発動し終えた後は、そのご遺体を封印されて、霊王にさせられ世界の楔となり、世界を支え続けた。


Act.2


現世に作り上げられた犯人は、再び尸魂界に行き、霊王を抹殺して世界崩壊を試みようとした。

しかし、和尚の封印の影響で、尸魂界に行けなくなっていた。

自身の野望を諦めきれなかった犯人は、【奇跡】の力で封印の突破を試みることにした。


Act.3


【奇跡】の実現には、民衆の、純粋な『想い』を集める必要がある。

そのため、犯人は、【全知全能】の力で、未来世界に繋がるタイムトンネルを構築し、未来の組織を未来改変で乗っ取り、その組織が民衆から抱かれ続けている『想い』を我が物とした。

もちろん、能動的に未来視を行うとタイムトンネルが強く固定され過ぎてしまい、しばらく他の未来を視ることが不可能となるリスクはあった。

だけど、そのリスクを飲んでも実行する価値があると考え、実際に実行に移し『想い』を我が物とした。

ただ、その『想い』だけでは、【奇跡】の実現には時間がかかり過ぎるけれどーーー

ーーー何も問題は無かった。もともと犯人は、より多くの、より強い『想い』を集めるために、ある計画を実行するつもりだったのだから。



583 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 21:50:27.06 ID:POAzMVXyO
undefined
584 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 22:02:14.23 ID:POAzMVXyO



Act.4


計画の概要だけど、まずは影の空間の中で、未来と現代の情報通信システムを整備し、通信を用いて未来の組織に命令して協力者に相応しい精神の持ち主たちを集めさせる。

次に、未来の組織と相談し、必要な物や施設を決め、必要なだけ【夢想家】で創造する。

それから、未来にいる協力者たちの精神を分裂させ、片方を現代に送信し、あらかじめ用意しておいたカラッポの魂魄と肉体に投入。

そして、犯人の魂のカケラを分け与えることで、精神や魂魄などを素材に、『すごい力』に目覚めさせることに成功。

その後は、【全知全能】で協力者たちの精神を改竄し、改竄を免れた者に命じて計画を進めさせ、映像情報を未来に送り続ける。

一区切りついたら協力者の精神を未来世界に返却し、未来世界で様々な褒美を渡す。

以上が犯人の計画の概要だ。

そうした計画を繰り返し、未来の民衆から、『想い』を集め続けていた。


Act.5


しかし、ある周期で協力者が暴走してしまい、計画を潰されてしまった。

また、その際に協力者の一人が【崩玉】に覚醒し死亡して【監獄】に転送されたことで、同じく【監獄】にいる協力者が滅却師としての力に目覚めてしまった。

そのあまりに膨大な霊圧は、協力者たちを閉じ込めていた【監獄】を破壊し、内部の魂魄が死後の世界へ送られることになった。

それも、犯人の霊圧が付着した状態で。


Act.6


犯人の霊圧が付着した魂魄が尸魂界に転送されたことで、死神たちは犯人が生きていたことに気づいてしまった。

そして、霊圧を辿り、犯人の居場所を突き止め、浦原喜助に暗殺されることになった。

浦原喜助は、自身の卍解の力をもって、能動的な霊力の発動ができないよう犯人の身体を作り変えた。

また、影の空間も、収縮して最後には完全な無になるように作り変えた。

犯人が起きている時にこんなことをすれば、間違いなく妨害されていただろうけどーーー

ーーー犯人はその膨大な力を一人で制御するため、寝ている状態にあり、浦原喜助としても隙を突き放題だった。



585 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 22:08:46.05 ID:POAzMVXyO



Act.7


影の空間が収縮する中、犯人は御寝を終えて目覚めた。

その後、影の空間の中に張り巡らせた “ 無数の眼 ” から自動的に情報を受信し、それを元に寝てから起きるまで何があったかを完全に理解した。

しかし、このままでは自分は世界に押し潰されて無になって死んでしまう。

そのことに絶望した犯人は、無意識に【夢想家】の力を発動して絶望を実現し、【奇跡】の力を負の方向に転換させた上で、自身を傷つけてしまった。


Act.8


傷ついたことで、負の方向の【奇跡】が意図せず形になった。

それが犯人の完全虚化だった。

虚化した犯人は、その膨大な力で影の空間を破壊することに成功したものの、力のバランスを崩し、あらゆる力が使用不能になってしまった。

それから、犯人はその場に到着しただろう黒崎一護ならびに石田雨竜を襲った。

しかし、おそらくは浦原喜助によって虚園にでも誘い込まれた後、黒崎一護たちに返り討ちにあい、斬魄刀で斬られてしまった。


Act.9


虚となった後に斬魄刀で斬られたことで、犯人は地獄に落とされた。

しかも、時間をかけて力を削ぎ落とされ、残されたのは【残火の太刀】だけ。

そんな中、【残花の太刀】で手駒を増やしながら、同じく地獄に送られた協力者…つまりはボクの元に現れ、助けてくれた。



586 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 22:11:51.66 ID:POAzMVXyO






モノクマ?「ーーー以上が、陛下が生き延び、地獄に落とされ今に至るまでの真実ーーー」









モノクマ?「ーーーそうですよねーーー」








モノクマ?「ーーー【超皇帝級の黒幕】【ユーハバッハ社長陛下】!!」






ユーハバッハ「………………………………………」






COMPLETE!




587 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 22:13:54.76 ID:POAzMVXyO















ーーーーーー地獄推理・終結!ーーーーーー













588 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 22:16:48.10 ID:POAzMVXyO
今はここまで


それと>>583は言うまでもなくミスなので、なかったことにしでください。

思ったより文章長すぎたみたいで、短くして>>584の内容に落とし込みました。申し訳ない。
589 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:08:02.29 ID:POAzMVXyO
投下します
590 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:13:41.85 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「よくぞ、限られた………僅かな時間で、そこまで見抜いたものだ」



ユーハバッハ「…見事」



モノクマ?「ーーーありがとうございます! ほめて頂き、感謝の極みです! クライマックス推理した甲斐がありました!」



ユーハバッハ「…………」



モノクマ?「…しかし、まあーーー」



ユーハバッハ「………?」



モノクマ「ーーーああ、いえ、なんでもないです、ハイ」



591 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:19:30.56 ID:POAzMVXyO



ユーハバッハ「…なんだ?」



モノクマ?「あっ、いえ、その…」



ユーハバッハ「何か、思うことでも、あるのか?」



モノクマ?「………」



ユーハバッハ「それなら、言ってみると良い」



ユーハバッハ「私はそれに応えてみせよう」



モノクマ?「………それでは、一つ、良いですか?」



ユーハバッハ「構わぬ、申してみよ」



モノクマ?「…では、申し上げますがーーーー」



592 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:24:27.65 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「ーーー今回、陛下は、あまりにも、不運だったように思えます」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「こうなってしまったのは、願望器に配役された協力者が、霊王のカケラ以外にも【崩玉】になれる素養を有していたことが原因なわけですがーーー」



モノクマ?「ーーーそれだけならまだ納得できますよ。それだけなら」



モノクマ?「協力者のいた未来世界に、【崩玉】の残滓が残っていても不思議じゃありませんから」



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「未来世界の【崩玉】は、おそらく未来の陛下が藍染惣右介から摘出し、藍染惣右介もろとも未来の陛下に吸収もしくは抹消されたのでしょうがーーー」



モノクマ?「ーーー相手はあの【崩玉】、それも、あの藍染惣右介と融合していたもの」



モノクマ?「微粒子レベルで残滓が残っていても不思議はありません」



モノクマ?「そうして無害な微粒子として、ほわわと浮かんでいた【崩玉】の残滓が、願望器に配役された協力者に共通点を見出して入り込み、一時的な【崩玉】に進化させることに一役買うこともありえなくはないでしょう」



593 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:30:06.89 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「…ホント、そうやって【崩玉】の残滓が素養となったというだけなのであれば、まだ納得できるんですよ」



モノクマ?「ですが、それだけでは無かった」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「偶然【滅却師が協力者に選ばれて殺され、監獄行きになって】、偶然【協力者が暴走してしまって】、偶然【陛下が寝ているタイミングで起きてしまい、陛下の手で止められなかった】ことも加わって、こうなったワケでーーー」



モノクマ?「ーーーあまりにも、不運な偶然が重なったように思えまーーー」



ユーハバッハ「偶然ではない、必然だ」



594 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:32:36.61 ID:POAzMVXyO



モノクマ?「…へ?」



ユーハバッハ「…言ったはずだ」



ユーハバッハ「【幸運によって救われた命は、同量の不運によって取り払われる】、と」



モノクマ?「…………」



ユーハバッハ「…事実として、幸運によって一命を取りとめた我が部下の命は、敗北者の処断という不運をもって、取り払われた…………」

ユーハバッハ「それと同じように、死した未来を書き換え命を繋いだ我が幸運は、未来と悪夢の掛け違いという不運をもって、取り払われた」

ユーハバッハ「ならば、現世で生まれ直した幸運も、相応の不運をもって、取り払われることになる」



ユーハバッハ「…私は、地獄に堕ちたことで、それをようやく理解した」



ユーハバッハ「すべては偶然などではない、起こるべくして起きた必然」



ユーハバッハ「…そういうことだったのだ」



595 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:35:29.58 ID:POAzMVXyO






モノクマ?「…【幸運と不運】【希望と絶望】ーーー」






モノクマ?「ーーーなるほど、それこそが、運命を決定付ける力を持つことの代償なのかもしれませんね」






ユーハバッハ「…………」






モノクマ?「…しかし、それはそうと陛下ーーーー」





596 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:36:40.98 ID:POAzMVXyO















モノクマ?「ーーー復讐は、別に良いんですか?」














597 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:44:25.19 ID:m+alz/ZbO



モノクマ?「いま我々の周辺を覆っている外套………ザエルアポロとかいう破面の発明があれば、かなりの長時間、地獄から抜け出ることも可能ですよね?」



ユーハバッハ「………」



モノクマ?「だったら、奴ら………現世に逃げたあの三人を探し、そこに向かうこともできますよね?」



ユーハバッハ「………………」



モノクマ?「なぜ、そうしないのですか?」



598 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:51:28.84 ID:m+alz/ZbO



モノクマ?「…奴らが、“ 終わらせる ” ことを選ばなければ、大人しく、与えられた “ 希望 ” を受け入れていればーーー」



モノクマ?「ーーー陛下の【希望】が、奴らを現世に逃すことはなかった」



モノクマ?「そう、奴らは、未来世界の大多数のように、与えられた “ 希望 ” をただ受け入れていれば良かった」

モノクマ?「なのに、奴らは、与えられた “ 希望 ” に疑問を抱き、受け入れることはなかった」

モノクマ?「それどころか、 “ 終わりを迎える ” という未来に対して、希望を見出してしまった」

モノクマ?「その結果、浦原喜助によって絶望をもたらされ、黒崎一護によって地獄行きの憂き目にあうことになった」



モノクマ?「そうして、理想の未来は砕かれ、道は閉ざされた」



モノクマ?「今度こそ、永遠に、」



ユーハバッハ「…………」



モノクマ?「それに対して、奴らは生き延び、現世へと解放されたーーーー」



599 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:53:37.01 ID:m+alz/ZbO






モノクマ?「………憎くは、無いのですか?」









ユーハバッハ「…………」









モノクマ?「奴らに、復讐したくはないのですか?」





600 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:54:46.09 ID:m+alz/ZbO















ユーハバッハ「………………………………………」














601 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/22(金) 23:58:53.48 ID:m+alz/ZbO



ドガアンッ!!






モノクマ?「!?!」






ズズズッ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………………






クシャナーダ「ヴヴ…ルル…フフ…フハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」






ズシャアッ!!!





602 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:02:59.57 ID:Y1p2LZg4O



ユーハバッハ「…この外套、想定よりも、早く効力が切れるようだ」



モノクマ?「あ、あああ…っ、あああ………っっ、!!」



ユーハバッハ「…………」



モノクマ?「あ、あれはーーー」



ユーハバッハ「クシャナーダ、だな」






クシャナーダ「………フハハハハハハハハ!!!」グググッ…






………ドガアンッ!!



603 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:05:52.93 ID:Y1p2LZg4O



ヒュウンッ………



モノクマ?「!?」



………スタッ



ユーハバッハ「…怪我はないか、我が腹心よ」

モノクマ?「えっ、あっ、はい」

ユーハバッハ「逃げるぞ」タタタッ

モノクマ?「えっ、あっ、」

ユーハバッハ「人は誰であっても、死の恐怖から逃げる資格がある」タタタッ

モノクマ?「ち、ちょっと、陛下ーーー」

ユーハバッハ「私がその機会を与えよう」タタタッ

モノクマ?「お、お姫様だっことか、恥ずかしーーー」



クシャナーダ「…フハハハハハハハハ!!!」グググッ…



………ドガアンッ!!



ヒュウンッ………



………スタッ



ユーハバッハ「………」タタタッ

モノクマ?「あ、ううっ、」







クシャナーダ「………フハハハハハハハハ!!!」ゴキッゴキッ…



604 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:08:52.81 ID:Y1p2LZg4O



タッタッタッ………



ユーハバッハ「…………先程お前は言ったな」

モノクマ?「へ?」

ユーハバッハ「 “ 復讐したくはないか? ” と」

モノクマ?「………」

ユーハバッハ「いま、その答えを与えようーーーー」







ユーハバッハ「ーーー復讐など、無意味だ」



605 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:13:49.42 ID:Y1p2LZg4O



モノクマ?「………えっ、?」






クシャナーダ「………フハハハハハハハハ!!!」ダンダンダンッ…!





ユーハバッハ「復讐など、無意味だ」

モノクマ?「…………」

ユーハバッハ「我らが動かずとも、此度の我が残滓が、十年前の残滓を巻き込み、奴らの始末に動くだろう」

モノクマ?「………いや、ですがーーー」

ユーハバッハ「…それ以前に、奴らは既に罰を受けている」

モノクマ?「罰…?」

ユーハバッハ「そうだ………」







ユーハバッハ「力を失い、永き刻を失うという罰をな」



606 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:15:29.96 ID:Y1p2LZg4O



クシャナーダ「………フハハハハハハハハ!!!」ビュウンッ…



………ドゴオオオンッッ!!



ユーハバッハ「…………」



………シュタッ………



モノクマ?「…………」



タッタッタ…………



607 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:20:59.27 ID:Y1p2LZg4O



ユーハバッハ(…そう、我が魂の欠片を通して人間に与えた力は、決して長く保つものでは無い)


ユーハバッハ(分不相応な力に耐え切れず、いずれ力と欠片は消え去り、無力な人間に成り下がる)




ユーハバッハ(魂魄………霊体となって、生身の肉体の束縛から解放された場合ならば、力を維持できる時間は伸びるがーーー)


ユーハバッハ(ーーー所詮は数日の差でしかない。それは霊体となった時、その身に欠片が残されていようといなかろうと変わらぬ理)


ユーハバッハ(いずれ、力だろうと欠片だろうと同様に消え去り、無力な人間の魂魄に成り下がることになる)




ユーハバッハ(強靭な不死身の肉体……そうで無くとも、強度の高い霊力ある魂魄と化せば、力の恒久的な維持は可能だがーーー)


ユーハバッハ(ーーー奴らの魂魄も肉体も、どちらも脆弱なものだ)


ユーハバッハ(分不相応な力に耐え切れず、身を守るため、力と欠片は消え失せるだろう)



タッタッタ………



ユーハバッハ(だからこそ、赤子の私に力を与えられた人間達は、長く保たなかったのだ)


ユーハバッハ(力を失ったこと、あるいはこれから失うことを受け入れられず、次第に狂気に呑み込まれた)


ユーハバッハ(些細な言葉一つを切掛に、 “ 自死 ” を選ぶほどまでに)




ユーハバッハ(………奴らも自死を選ぶかどうかは知らぬがーーー少なくとも、奴らが解放された瞬間、その力と欠片が消え去ったことは、 “ 無数の眼 ” を通して確認済みだ)




ユーハバッハ(今の奴らは、 “ 力 ” も欠片も持たぬ、ただの人間に過ぎないのだ)



タッタッタ…………



608 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:27:39.23 ID:Y1p2LZg4O



ユーハバッハ(また、奴らが強度の低い………霊力無き人間ということは、死後、瀞霊廷に住めぬことを意味する)


ユーハバッハ( “ 力 ” を失ったままだろうと、努力の果てに開花させようと、霊力が無い限り、瀞霊廷には住めぬ)


ユーハバッハ(…住めぬが故に、生前も、死後も、いつ己を砕かれるかわからぬ、恐怖に襲われることになる)



タッタッタ………



ユーハバッハ(その恐怖は消えぬ)


ユーハバッハ(『想い』を糧に、如何なる夢を想い描こうと、如何なる奇跡を起こそうと、死すればすべてが砕かれるのだから)


ユーハバッハ(希望も、未来も、『想い』さえも、等しくその価値は消え失せる)




ユーハバッハ( “ 死 ” は、全てを奪うのだ)




ユーハバッハ(死する時、奴らは気づくだろう。終焉は常に、一(はじ)まりの前からそこにあることに)




ユーハバッハ(決して変わることの無い真理)




ユーハバッハ(そう、どれほど世界が革新を遂げようと、 “ 死 ” ある限り、決して真理が変わることは無い)



タッタッタ…………



609 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:30:23.51 ID:Y1p2LZg4O



ユーハバッハ「…すべては、奴らのお陰だ」



モノクマ?「陛下…」



ユーハバッハ「哀れなり」



ユーハバッハ「奴らのお陰で、永き刻を得られぬ数多の命は、限られた可能性の中で、死の恐怖に怯え続けることになるのだ」







ユーハバッハ「永遠に」



610 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:31:58.29 ID:Y1p2LZg4O















クシャナーダ「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」














611 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:33:31.95 ID:Y1p2LZg4O















グシャァッ!!!!














612 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 00:34:30.17 ID:Y1p2LZg4O
今日はここまで
613 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 20:58:08.54 ID:PD/5WXZ/O
投下します
614 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:07:21.63 ID:PD/5WXZ/O



………………………………………………………………




アンジー「…………」



キーボ「…今夜は、修練場まで来て頂いて、ありがとうございます、アンジーさん」



アンジー「………アンジーは、暇だからねー」

アンジー「おやすみまでの時間、何もやること無いからー………」



キーボ「………そうですか…」



アンジー「ーーーそれよりも、アンジーをここに来させた理由は何なのかなー?」



アンジー「それを、教えてほしいかなー…」



615 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:10:10.49 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「…それは、アンジーさんに、伝えたいことがあるからです」






アンジー「………?」






キーボ「ただ、それを言う前に、一つ訊かせて欲しいことがあります」





616 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:13:46.09 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「ーーーアンジーさんは、生まれ変わりが、こわいですか?」






アンジー「………………」






キーボ「生まれ変わりという、喪失が、こわいですか?」



キーボ「 “ 死 ” が、こわいですか?」






アンジー「………………………………」






キーボ「それに、答えては、頂けませんか?」





617 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:21:09.86 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………キーボは、いきなり、なにを言ってるのかなー………?」






キーボ「…………」






アンジー「死ぬのが、こわくないかー、だってー?」



アンジー「ほんと、なにを言ってるのかなー?」






キーボ「………………」






アンジー「死ぬのが、こわくない生き物なんてーーーー」





618 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:22:51.81 ID:PD/5WXZ/O















アンジー「ーーーいない、と、思うよ…………?」














619 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:25:29.40 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「………ありがとうございます。答えて頂いて」



アンジー「………」



キーボ「ボクも同じです」



アンジー「………?」







キーボ「ボクも、 “ 死 ” は、こわいです」



620 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:29:41.65 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………なにを、言っているのかなー?」



キーボ「…………」



アンジー「キーボは、瀞霊廷に、住めるよねー?」



キーボ「…はい」



アンジー「………キーボは、ロボットなんだよー?」



キーボ「…その通りです」



アンジー「………だったら、キーボは、死なないーーー」






キーボ「ーーーそれは違います」



621 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:32:46.51 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………」



キーボ「…確かに、ボクは瀞霊廷に住めますし、紛れも無いロボットです。生き物としての寿命だってありません」



キーボ「ですが、それでも、死の恐怖はわかります」



キーボ「寿命が無くても、死なないとは限りませんから」



アンジー「………………」



キーボ「ボクも、死んでしまうかもしれません」



キーボ「瀞霊廷を襲う者達の手にかかって」



622 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:35:19.50 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「瀞霊廷は重要な拠点とされている場所です。敵対勢力から、狙われやすいことは間違い無い」

キーボ「瀞霊廷にいるからこそ、逆に死ぬ可能性が高まることだってあり得ます」

キーボ「事実として、瀞霊廷の死者はたくさんいます」



キーボ「特に、十年前の戦争においてーーー」



アンジー「…!?」



キーボ「ーーーいずれ、ボクも襲われて死ぬかもしれません」

キーボ「そして、ボクは、ロボット。差別を受けやすい」



キーボ「どうなるか、わかったものではありませんよ」



アンジー「………………」



623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/23(土) 21:38:30.13 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………それで、キーボが伝えたいことって、結局、なんなのかなー?」



アンジー「…こわいのは、みんな同じだから、ガマンしろってことー?」



キーボ「そうではありません」



キーボ「誰にだって死に怯える資格があります」



キーボ「それを奪う権利など誰にもありはしない」



アンジー「…………」



キーボ「ただ、ボクは、死が避けられないことを理解したことで、やりたいことができたのです」



アンジー「…やりたいこと?」



キーボ「それこそが、最初にアンジーさんにお伝えしようとしたことでもあります」



624 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:41:39.58 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「…アンジーさん、どうかボクとーーー」








アンジー「…………」









キーボ「ーーーボクと、一緒に、絵を描いては、頂けませんか?」





625 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:46:13.31 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「…絵?」






キーボ「そう、絵です」






キーボ「テーマは、アンジーさんの望む形で大丈夫です」






アンジー「…………」





626 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:49:42.68 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「アンジーさん………」









アンジー「…………」









キーボ「………どうか、ボクと、一緒に絵を描いては頂けませんか?」





627 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:53:05.17 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………どうして、かな?」









キーボ「…………」









アンジー「どうして、そうしたいと思ったのかな?」





628 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:55:35.43 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「………それはーーー」









アンジー「………………」









キーボ「ーーー残したいから、です」





629 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 21:57:53.15 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………何を?」



キーボ「…決まっています」



アンジー「…………」



キーボ「アンジーさんとボクの『想い』をーーー」







キーボ「ーーー価値ある、『想い』を、です」



630 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:01:13.97 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………『想い』?」



キーボ「はい、価値ある『想い』を、です」



アンジー「…………」



キーボ「…なにかに真剣に打ち込めば、『想い』が残ります」

キーボ「そう、あの時、赤松さんの『想い』が残った時のように」



アンジー「……………」



キーボ「それは、とても素晴らしいことだと思います」



キーボ「いずれ、終わりを迎えるとしても、生きていて良かったと、心から喜ぶことのできることだと思います」



キーボ「そのために、『想い』を込めて真剣に、描きたい絵を描くんです」



631 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:05:52.15 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………あのねー? 実は、いま、アンジーは絵の調子悪くてねー?」



キーボ「…………」



アンジー「だからーーー」







キーボ「ーーー絵の出来など、関係ありませんよ」



632 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:07:28.33 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………!?」






キーボ「確かに、絵のことを思えば、上手に描けるに、越したことは無いでしょう」






アンジー「…………」






キーボ「しかし、上手に描けなかったからと言って、その絵に価値が無くなるんですか?」





633 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:09:51.64 ID:PD/5WXZ/O






アンジー(ああー…そういう………)






キーボ「………………」






アンジー(………きっと、ぜんぶ、バラしたんだね………)






アンジー(是清めーーーー)






キーボ「ーーーたとえば!」



634 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:13:01.98 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「!」



キーボ「たとえば! 子供は家族を想い、その似顔絵を描くことだってあります」



アンジー「…………」



キーボ「アンジーさんも、そういう事例は知っているのではありませんか?」



635 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:15:00.44 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………」






アンジー「………………」









アンジー「……………………………………」



636 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:16:23.08 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………たしかに、知らないわけじゃないけどーーー」









アンジー「ーーーそれが、なに?」





637 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:19:52.87 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「…お答え頂き、ありがとうございます」



アンジー「…………」



キーボ「………子供が、家族のために描いた “ 絵 ” ーーー」

キーボ「ーーー出来栄えは、プロの視点から見れば、未熟と言わざるを得ないのかもしれない………」



キーボ「しかし、それで “ 絵 ” の価値は、失われるのでしょうか?」



アンジー「………………」



キーボ「もし、その絵を描き終わる前に、家族と『別れてしまったら』『会えなくなってしまったら』ーーー」



キーボ「ーーーその絵の価値は、失われるのでしょうか?」



638 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:22:52.86 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「………そんなことは無いはずです」

キーボ「その絵に『想い』がこもっているのであれば、『想い』を込めた人にとっては、紛れもなく価値ある絵ーーー」

キーボ「ーーーそうであるはずなんです」



アンジー「…………」



キーボ「プロの視点から見た出来がどうこうなどーーーーーー関係が無い」

キーボ「誰一人として、その絵の価値を、否定することなどできやしない」



キーボ「故に、『想い』を込めて、絵を描くことーーー」

キーボ「ーーーそれは、その出来に関係なく、紛れもなく価値あること」



キーボ「ボクは、そう思っています」



639 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:24:36.65 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「………アンジーさんはーーー」









アンジー「………………」









キーボ「ーーーどう、思いますか?」





640 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:26:13.49 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………」






アンジー「………………」









アンジー「………………………………………」



641 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:27:51.75 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………ごめんね、キーボ………」






キーボ「………………」






アンジー「………アンジーには、よく、わかんないや…………」





642 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:29:46.83 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「ーーーそうですか」



アンジー「………ごめんね、キーボ?」



キーボ「…………」



アンジー「アンジーは、そのーーー」



アンジー「ーーーなんて言ったら良いか、わからなくて、うまく答えられない………」



キーボ「………………」







アンジー「…ごめんね?」


643 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:31:25.71 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「…大丈夫ですよ、アンジーさん」



キーボ「アンジーさんなら、きっとわかるはずです」



アンジー「…………」



キーボ「…そう、雲さえーーー」



キーボ「ーーー雲さえ、払うことができればーーー」



キーボ「ーーーきっとーーーー」



644 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:34:55.52 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………雲、?」



キーボ「ーーーええ、雲です」



アンジー「…………」



キーボ「ここで言う、雲とは、 “ 眩しく見えるもの以外は、存在しない ” ーーー」







キーボ「ーーーそうした、考え方のことです」



645 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:36:53.46 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「ですが、そうした考え方……… “ 雲 ” を払うことさえできれば、そこから星が見えてきます」



キーボ「人という名の星が」



アンジー「…………」



キーボ「ああ、ここで言う星とは、空にある星という意味で、決して星クン個人のことではーーー」



アンジー「ーーーそんなの言わなくてもわかってるから」



キーボ「…すいません」



アンジー「………それよりも、なんだけどーーー」



キーボ「?」



アンジー「ーーーその続きーーー」



アンジー「ーーー訊かせて、くれる?」




646 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:38:57.56 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「!」






アンジー「……… “ キーボの言うそれ ” が、どんな感じなのかーーー」






アンジー「ーーーちょっとだけ、気になるから…」



647 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:40:33.77 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「………はい! わかりました! アンジーさん!」






アンジー「………………」






キーボ「さっそく、続きを、話させて頂きます!」





648 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:43:23.41 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「ーーーそして、その続きについてですがーーー」



キーボ「ーーー人は、きっと誰もが、星のような存在なんだと、思います」



キーボ「だからこそ、目の前にいる人が星のように眩しく見えることもある」



アンジー「…………」



キーボ「その眩しさは、その人の『想い』が姿形として現れたものでもありーーー」



キーボ「ーーーその光に、人は価値を付けることもある」



アンジー「………………」



キーボ「しかし、人のすべてが、星のように眩しく見えるわけでは無い………」



キーボ「その中には、自分の眩しさを、こちらまで届かせることが叶わないものも、存在するのではないでしょうか?」

キーボ「もしくは、かつては眩しく光っていたものの、今ではもう消えてしまったとは考えられないでしょうか?」



649 : ◆02/1zAmSVg :2019/03/23(土) 22:46:31.79 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「………それらを人は、姿の無い闇としか認識できませんがーーー」



アンジー「…………」



キーボ「ーーー逆に言えば、闇として認識することはできるわけです」

キーボ「ならば、その “ 闇 ” に込められた『想い』の価値に、気づくことだってできる」

キーボ「ボクは、そのように思っています」



アンジー「………………」



キーボ「そう、人は、ものごとの出来に関わらず、そこに込められた『想い』には変わらぬ価値があると、気づける存在なのです」



キーボ「それは、雲を取り払いさえすれば、できること」



キーボ「 “ 眩しく見えるもの以外は存在しない ” ーーー」



キーボ「ーーーそうした考え方……… “ 雲 ” を取り払い、闇と向き合えば、できることなんですよ」



650 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:50:39.99 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………キーボも、なんだか、ロマンチックなこと言うんだねー?」



キーボ「…………」



アンジー「本当に、キーボなのか、疑っちゃうよー」



キーボ「………確かに、ボクらしくない言葉かもしれません」



キーボ「ですが、この言葉は、過去を振り返り、思考を重ねーーー」

キーボ「ーーー心のままに『想い』を込めて選択した言葉」



キーボ「ならば、ボクは、それを使うことに躊躇いはありません」



アンジー「………………」



キーボ「…改めて言わせて貰いますよ、アンジーさん」

キーボ「今のあなたは、“ 眩しく見えるもの以外は存在しない ” という考え方………雲に覆われている」

キーボ「そして、上手くいかなかったもの、すなわち “ 闇 ” の価値を見失っているーーー」



キーボ「ーーーただ、それだけなんです」



651 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:53:12.34 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………なにそれ」






キーボ「…………」






アンジー「闇の、価値って、なに?」






キーボ「………………」






アンジー「闇って、光すら届けられないものでしょ?」





652 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:55:18.57 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「そう、闇はーーー」



アンジー「ーーーうまくいかないもの」



アンジー「くらくて、こわいもの」



キーボ「…………」



アンジー「それに、誰が価値を付けてくれるの?」



キーボ「………………」



アンジー「…アンジーはねー、こう思ったりもするんだー」



アンジー「闇に価値なんて無いーーー」







キーボ「ーーーそれは違います」



653 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 22:58:22.78 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「闇に価値が無いなんて、そんなはずはありません」



アンジー「…………」



キーボ「ボクは、闇の価値を知っています」



キーボ「そして、闇の価値を知る存在を知っています」



アンジー「…どういうこと?」



キーボ「…まずは、闇の価値を知る具体的な肩書きを挙げましょうか、アンジーさん…」



アンジー「肩書き…?」



キーボ「そう、闇の価値を知る具体的な肩書き、それはーーー」













キーボ「ーーー宇宙飛行士と花火師です」



654 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:01:24.83 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「宇宙飛行士と………………花火師?」



キーボ「ーーーまずは、宇宙飛行士について、説明しましょう」

キーボ「宇宙飛行士とは、決して、いま見える光とその星だけを求める存在ではありません」



キーボ「夜空の闇の先に在る、まだ見ぬ輝きを、もしくはかつて在った星の輝きをーーー」

キーボ「ーーーすなわち、闇に込められた『想い』を探求し、その価値を見出す存在でもあるのです」



アンジー「…………」



キーボ「故に、宇宙飛行士は、闇に価値あることを知っている」

キーボ「だからこそ、 “ うまくやれない人 ” の『想い』に手を届かせ、その人を輝かせることができる」



キーボ「少なくとも、ボクの知る宇宙飛行士は、そういう存在でした」



655 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:04:38.19 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「花火師も同じです」

キーボ「そう、花火師もまた、闇に価値あることを知っている存在なんです」



アンジー「…どうして?」



キーボ「花火師とは、決して地上に光を降り注がせるだけの存在では無いからです」

キーボ「花火師とは、星々が『想い』の果てに、闇で終わる以外の道を閉ざされようとも、その闇の価値を見出す存在なんですよ」



アンジー「………………?」



キーボ「見出すからこそ、その闇を別の形で輝かせようと、己の意思をもって、光を作り出す」



アンジー「………………??」



キーボ「花火の光は、打ち上げる物にしろ、地上で持つものにしろ、夜空の闇が在ることで、はじめて輝きを生みます」

キーボ「それは、【花火の光によって】【夜空の闇が輝く】ということに他なりません」



656 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:08:12.22 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「闇が、輝く…?」



キーボ「………だからこそ、地上に残された人が抱える心の闇が、花火の光によって照らされ、輝いたものに変わることもある」

キーボ「【花火の光によって】【夜空の闇が輝く】から………」



アンジー「…………」



キーボ「………そうして、夜空の闇が、輝ける価値ある存在だと証明されたからこそ、同一性を持つ自分の心の闇もまた、輝ける価値ある存在だと思えるようになる」

キーボ「違いますか?」



アンジー「………………」



キーボ「光は輝くものであり、闇もまた輝くもの」

キーボ「そう、光と闇、どちらも価値は同じなんです」



キーボ「………事実として、生きているか、死んでいるかで、人の価値が変わったりはしない」

キーボ「ならば、光だろうと、闇だろうと、それに込められた『想い』の価値に、違いなど無い」



キーボ「花火師は、それを証明する存在でもあるんですよ」



657 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:11:46.91 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「そして、宇宙飛行士と花火師は、あくまでも具体例に過ぎません」

キーボ「宇宙飛行士と花火師に限らず、多かれ少なかれ、誰もが闇に価値を見出そうとしている」



アンジー「…………」



キーボ「生前のボクと、現世に残った皆だって同じです」



キーボ「………ボクと、現世に残った皆は、その側で闇になってしまった人々の価値を知っています」



アンジー「………っ、」



キーボ「そして、その闇を形作るために、血と灰になって、世界と呼ばれるようになった人々にも、価値があることを知っています」

キーボ「その人を間近で見ている見ていないに関わらず、その全てに価値があるのだと、知っているのです」



アンジー「………………」



キーボ「………繰り返されたその果てに、ボク達は、死んでいった全ての人達に、価値を見出すことができた」



キーボ「だから、ボクと皆は、そのために命をかけたんです」



658 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:24:45.18 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「他にも、この死後の世界では、自分達の迎えた “ 死 ” ………自分達の “ 闇 ” に価値を見出そうとする魂魄もいる」

キーボ「事実として、ここにいない百田クン達だって、自分達の迎えた “ 死 ” に、闇に価値を見出そうとしています」



キーボ「だからこそ、百田クンは、宇宙という概念が現状存在しない死後の世界………【夢を叶えられなくなった世界で】【新たな夢を想い描いて】、実現することに決めた」



キーボ「だからこそ、入間さんは、百田クンを 【信じて】【支え合いながら】【共に生きて】、研究を行うことに決めた」



キーボ「だからこそ、茶柱さんと東条さんとゴン太クンは、【みんなで】【人の心を護ろうと】、死神を目指した」



キーボ「だからこそ、赤松さんは、【みんなのために】【自分が一人になる道】【それを選ぼうとした】王馬クンを引き止めて、説得した」



キーボ「だからこそ、王馬クンは、赤松さんの想いに応え、【みんなで】【誰かを本当の意味で笑わせる】道を選んだ」



キーボ「だからこそ、天海クンと星クンは、 【人を悲しませる結果】【それを産み出さないよう】、赤松さんと王馬クンを支えようとしている」



キーボ「だからこそ、真宮寺クンは、【人の心を】【大切にできる人になる】ことに決めた」



アンジー「…………」



キーボ「アンジーさんだって、みんなと同じです」



キーボ「アンジーさんもまた、過去の闇に価値を見出そうとしている」



アンジー「………………」



キーボ「だからこそ、アンジーさんは、【みんなを】【誰もが憧れる世界へと】、送り出したーーー」







キーボ「ーーーそうでしょう?」



659 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:27:26.96 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「…そうして、アンジーさんを含めた、誰もが闇の価値を見出そうとしている」



キーボ「それは、闇が価値を見出せるだけの存在、すなわち闇に価値があるという証明に他なりません」



キーボ「自分達の過去は、決して苦しくて辛いだけの、無駄なものでは無かったのだと」



キーボ「立派な、価値あるものだったのだと」



キーボ「アンジーさん達の今の生き様が、それを証明しているんです」







アンジー「………………」



660 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:31:32.78 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「…もちろん、価値を見出した結果、どうなるかまではわからない」

キーボ「上手くいくかどうかは、その時になってみないと、わからないことなのでしょう」



アンジー「…………」



キーボ「しかし、それでも、価値を見出して生きていける」

キーボ「自分とその過去に胸を張って生きていける」



キーボ「それは、雲を取り払い、上手くいかなかったという闇を見つめられるのならーーー」



キーボ「ーーーそうして、闇と向き合いさえすれば、誰にだってできることなんです」



アンジー「………………」



661 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:34:47.01 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「絵を描くことも同じです」



キーボ「………たとえ、絵が何者かによって黒絵具で闇に塗りつぶされたとしてもーーー」

キーボ「ーーー『想い』を込めて描いた絵であることに変わりは無い」



キーボ「その絵は創造主にとって紛れもなく価値あるものなんです」

キーボ「かけがえの無い価値を見出せるものなんです」



キーボ「結果はどうあれ、『想い』を込めて描いたのであれば、『想い』を込めた創造主にとっては変わらず価値がある」

キーボ「そうして、闇に込められた価値を、見出せる」



キーボ「違いますか、アンジーさん?」



662 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:37:12.15 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「それは…そうだけど…」



キーボ「………」



アンジー「…………」



キーボ「…そうなんですよ」



アンジー「………………」



キーボ「創造主だけは絶対に、描いた絵に価値あることをわかっています」



キーボ「それで良いんです」



663 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:40:03.83 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「創造主にとって価値があるからこそ、絵を大切にできる」

キーボ「絵を通して、それに込められた『想い』、すなわち “ 自分 ” も大切にできる」



キーボ「だからこそ、人は、自分とその作品を、より素晴らしい方向に導くことはできないか、より大切にする方法が無いか模索し、試行錯誤を繰り返す」

キーボ「そうして、自分と作品を相手に、対話を重ねたりもする」



キーボ「自分と作品を壊さないためにはどうするべきか? 自分と作品を描き続ける上で、やって良いことと悪いことは何か?」

キーボ「それらを見極め続ける」



アンジー「…………」



キーボ「その結果として、自分とその作品を描き続ける上での【拘り】【美学】【倫理】ーーー」







キーボ「ーーー【信念】が生まれ、その『想い』が自分と作品に込められ、育っていく」



664 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:43:09.24 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「………その結果が、姿無き闇だとしても」



キーボ「光だとしても」



キーボ「生だとしても」



キーボ「死だとしても」



キーボ「ーーー価値に、何ら変わりは無い」



キーボ「描いた絵とそれに込められた『想い』、 “ 自分 ” に価値があることは、決して変わることの無い事実」



キーボ「誰にも、その価値を否定する権利なんてありはしない」



キーボ「誰にも、その価値を消すことはできないんです」



665 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:45:41.11 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「ーーーだから、ボクは、アンジーさんと、絵を描きたくて仕方がありません」



アンジー「………」



キーボ「その絵に『想い』を込めたい」

キーボ「出来など関係ない、決して変わらない、 “ 価値ある『想い』 ” を」

キーボ「アンジーさんと一緒に込めたいんです」



アンジー「…キーボ」



キーボ「それをしたくて、仕方がないんです」



キーボ「…….…いつか、お別れをすることになったとしても、それでも、アンジーさんと生きていて良かったと」



キーボ「心から、そう、思えるように」



666 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:47:17.44 ID:PD/5WXZ/O






アンジー「………………」












キーボ「………………」





667 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:49:25.70 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「…『想い』を込める、かー」

アンジー「それは、確かに価値あることなのかもしれないねー?」



キーボ「!」



アンジー「…キーボの言う “ それ ” は、アンジーの知り合いの子供もしていることなんだー」



キーボ「…そうだったんですか?」



アンジー「そうだよー」

アンジー「………まあ、アンジーとやってるわけじゃないけどねー」



キーボ「…………」



668 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:53:04.20 ID:PD/5WXZ/O



アンジー「………子供も、やっている、 “ それ ” 」

アンジー「 “ それ ” に、何の価値も無いなんて、アンジーには思えないなー」



キーボ「!」



アンジー「………だから、もし、同じようなことがアンジーにもできるなら、悔いなんて残らないかもしれないねー」



アンジー「生まれ変わるまで、ずっと、ずっとーーー」



アンジー「ーーー寂しくなんて、無くなるかもねー」



キーボ「アンジーさんーーー」







アンジー「ーーー解斗も同じこと言ってたよ」



669 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/23(土) 23:56:50.31 ID:PD/5WXZ/O



キーボ「ーーーえっ、?」



アンジー「………実はねー?」



アンジー「キーボが、さっきまで話してくれたことーーー」



アンジー「ーーーそれは、解斗が前にアンジーに話してくれたことと、同じ話だったんだー」



キーボ「ーーーなっ、!?」



アンジー「あー、もちろん、何もかも同じじゃないよー?」



アンジー「………花火師のところとかは違う内容だったけどーーー」



アンジー「ーーーそれでも、伝えたいことは、だいたい同じだったはず、って話だよー」



670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/03/23(土) 23:59:24.34 ID:PD/5WXZ/O






キーボ「………」






アンジー「… “ それならどうして? ” って感じだねー?」






キーボ「………っ、」






アンジー「………だったら教えてあげる、その理由」





671 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:02:01.03 ID:vHg8UrK4O



キーボ「…理由?」



アンジー「………アンジーはねー、信じられないんだよー」



キーボ「…それは、何を?」



アンジー「自分を、だよ」



キーボ「………自分?」



アンジー「そう、自分」



アンジー「アンジーは、自分を信じられないんだー」

アンジー「だから、自分の込める『想い』を信じられない」

アンジー「その『想い』自体が、ぜんぶ価値の無いものだったんじゃないか、ってーーー」



アンジー「ーーーどうしても、そう、思っちゃうの」



672 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:03:46.76 ID:vHg8UrK4O






キーボ「………そんなーーー」









アンジー「…………」









キーボ「ーーーどうして、そんな風にーーーー」





673 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:05:24.49 ID:vHg8UrK4O



アンジー「………どうして、そんな風に、思っちゃうのか?」



キーボ「…………」



アンジー「その答えは、とっても、簡単」



アンジー「だって、アンジーはーーー」







アンジー「ーーー “ 人 ” じゃないからね」



674 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:06:45.32 ID:vHg8UrK4O



キーボ「………?」



アンジー「………」



キーボ「………??」







キーボ「???」



675 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:09:09.84 ID:vHg8UrK4O



アンジー「………一応言っておくけどー、これはアンジーがクインシーだからだとかそういう話じゃないからねー?」



キーボ「…………」



アンジー「他ならない、アンジーが、『物』だから、言ってるんだよー」



キーボ「『物』ってーーー」




キーボ(………まさかーーー)







アンジー「ーーーキーボだって、ほんとは知ってるんじゃないの?」



676 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:14:43.57 ID:vHg8UrK4O



キーボ「………えっ、!?」



アンジー「キーボは、是清が、地獄行きについて話しても、素直に受け入れてたよねー?」

アンジー「是清が、アンジー達と同じところにいることについて、ぜんぜんギモンぶつけなかったよねー?」



キーボ「あっ…それは…」



アンジー「キーボのことだけじゃないよー? アンジーたちは、訊いたんだー」



キーボ「訊いた…?」



アンジー「うん、アンジーたち以外の、他の人たちから訊いちゃったんだー」







アンジー「現世について」



677 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:22:04.77 ID:vHg8UrK4O



キーボ「現世…」



アンジー「ーーー現世、それは、アンジーたちが知ってる外の世界とかなーり違う」



キーボ「………っっ、!!」



アンジー「それだけじゃないよ? それだけなら、モノクマがアンジーたちの頭に何かやっただけかもしれない」

アンジー「悪ふざけで、ちょっとだけ思い出をいじって、おかしくしたのかもしれない」

アンジー「だから、アンジーたちの思い出とは少し違うけど、同じようなものが、ほんとはあるのかもしれない」



アンジー「そう、思えたかもしれない」



キーボ「………」



アンジー「だけど、そんな軽い話じゃなかった」



アンジー「だって、現世にはーーー」







アンジー「ーーー “ 超高校級 ” なんて、無かったんだから」



678 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:23:41.26 ID:vHg8UrK4O















キーボ「ーーーーーーーーーーーーーーー」














679 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:26:01.47 ID:vHg8UrK4O






アンジー「ーーーいや、あることにはあったよ?」






アンジー「でもね、 “ それ ” は、アンジーたちの知るのとは、ぜんぜん違ってた」






アンジー「………よく、超高校級は、世界が違うとか言われるけどーーー」






アンジー「ーーー現世の超高校級は、ほんとうに、世界の違うものだったんだよ」





680 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:28:58.47 ID:vHg8UrK4O






アンジー「その世界には、アンジーたちのよく知るモノクマもあって、コロシアイもあって、学級裁判もあった」





キーボ「………………」






アンジー「ーーーそれって、そういうことなんでしょ?」






アンジー「アンジーたちは、そういう存在なんだよね?」





681 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:31:22.66 ID:vHg8UrK4O



アンジー「ーーーだったら、アンジーは自分の何を信じれば良いのかな?」



キーボ「…………」



アンジー「キーボだって、神さまを信じられないんでしょ?」



キーボ「っ、」



アンジー「だから、主なんていないって言ったんだよね?」



キーボ「………それはーーー」



アンジー「信じられるわけないよねー」



アンジー「アンジーだって、もうわけがわからないんだから」



682 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:35:18.17 ID:vHg8UrK4O



アンジー「………この死後の世界はねー? アンジーが学園で神さまから聞いていたような場所じゃ無かったんだよー」

アンジー「しかも、この世界に来てから、アンジーは、神さまの…声が、ちゃんと………聞こえなく…なった………………」



キーボ「…………」



アンジー「………神さまの力だって無くなった」



アンジー「上手に、絵を、描けなくなった」



キーボ「………………」



アンジー「ねえ、アンジーは、何を信じれば良いのかな?」



アンジー「アンジーは、こんな自分の何を、どんな『想い』に、どんな価値があると信じれば良いのかな?」



683 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:38:14.29 ID:vHg8UrK4O



アンジー「…アンジーのこの名前も、このカラダも、本当は全く違う別のナニカなのかもしれない」



アンジー「この心ですら、そうなんだよ?」



キーボ「…………」



アンジー「だったら、キーボのいう『想い』だって、本当は、違うかもしれないよ?」

アンジー「こうして、キーボと話しているのだって、それは今から始まったものなのかもしれない」

アンジー「それより前の話なんて全部、最初から無かったのかもしれない」

アンジー「アンジーは、空っぽなんだよ」



キーボ「………………」



アンジー「そんな『想い』に価値があるの?そんな『想い』で絵を描いて、いっしょに生きていて良かったって、思えるの?」







アンジー「思えっこないよ」



684 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:42:20.93 ID:vHg8UrK4O



アンジー「ーーーせめて、いま、ちゃんと神さまの声が聞こえたのなら!」



アンジー「ーーー神さまの力があったのなら! 『すごい力』があったのなら!」



アンジー「ーーーアンジーだけの、『すごいもの』を持てたのなら! アンジーが大好きになれる希望を持てたのなら!」



アンジー「ーーー解斗たちみたいに、自分を、 “ 人 ” と思えたかもしれない!」



キーボ「…………」



アンジー「ーーーだけど、アンジーは違う」



アンジー「解斗たちや是清みたいな、『すごい力』は無い!」



アンジー「蘭太郎にだって、『すごいもの』がある! アンジーには持てない、時間と可能性が、蘭太郎にはたくさんある!」



アンジー「ーーーキーボは、もっとある!」



キーボ「………………」



アンジー「最初から、 “ 人 ” の、空鶴たちとも、空吾たちとも、ユウイチたちとも違う!」



アンジー「アンジーは、みんなとは違う!」



アンジー「アンジーには、なにも無いんだよ!!」



アンジー「アンジーは、それが欲しかった!!」



685 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:47:23.16 ID:vHg8UrK4O



アンジー「ーーーだけど、是清だけじゃ、だめだった!! うまく、いかなかった!!」

アンジー「っ、だから、なのにっ………それなのに…………!」ジワッ…



キーボ「アンジーさん…」



アンジー「ーーーもう一度言うよ、キーボ?」

アンジー「これで、アンジーは、なにを信じれば良いのかな?」



キーボ「…………」



アンジー「キーボは、どんな『想い』にも価値があるって言うけど、アンジーはそれを信じられないんだよ」

アンジー「自分を、その『想い』を、信じられない」



アンジー「………もし、キーボがアンジーと同じで、何も無かったら、信じられるの?」



アンジー「できるわけないよ!」



アンジー「解斗だって、それに、答えることができなかったんだから!」



キーボ「………………」



アンジー「アンジーは、何も信じられないまま生きて!何も信じられないまま終わるんだよ!」

アンジー「ねえ、これで、どうやって、アンジーの『想い』を! 価値を! 絵に込めるっていうの!?」



アンジー「答えてよ、キーボ!!!」



686 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 00:48:58.33 ID:vHg8UrK4O
今日はここまで
687 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 19:43:58.12 ID:y3bgADHMO
>>560の内容を修正します
688 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 19:48:38.65 ID:y3bgADHMO



モノクマ?「また、身体全体が虚と化したことで陛下は力のバランスを崩し、虚としての力を除いたあらゆる力が使用不能になったと見ています」

モノクマ?「陛下の御力は膨大である代わりに、月に一度、平均して約9日間の眠りにつかなければならないほど、不安定なものですからね」

モノクマ?「その上で身体の全てが虚と化せば、バランスは崩れ、虚としての力を除いたあらゆる力の使用ができなくなることでしょう」

モノクマ?「でなければ、陛下が地獄に落ちるはずがありません」

モノクマ?「負の方向に転換されたとはいえ、最初から【奇跡】を持って戦い続けていれば “ 死 ” は有り得ず、地獄に落ちることはないはずですから」



ユーハバッハ「…………」



モノクマ?「身体全体が虚と化した後、陛下は、戦いの邪魔になるだろう影の空間を虚の力で破壊し、黒崎一護及び石田雨竜を襲った」

モノクマ?「滅却師の血をひいた肉親である、彼らを」

モノクマ?「しかし、本格的な戦闘になる前に、某駄菓子屋の店主によって虚園にでも誘導されてしまった」

モノクマ?「それから黒崎一護たちと激闘を行い、その末に黒崎一護の斬魄刀で斬られてしまい、地獄に送られることになった」



モノクマ?「そうでしょう、陛下?」



689 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 19:50:58.57 ID:y3bgADHMO
>>560>>688の内容に差し替えます


そして今日の分を投下
690 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 19:57:55.52 ID:y3bgADHMO






キーボ(………そう、かーーー)






アンジー「………………」






キーボ(ーーーそういうこと、だったんですねーーー)






キーボ(ーーーボクの思い違い)






キーボ(それは、 “ 記憶 ” は無くても、 “ 記録 ” は変わらず、民衆に残っていてーーー)






キーボ(ーーー他ならぬ、アンジーさんが、『物』に囚われ続けていたということーーー)






キーボ(ーーーだから、百田クン達は、答えられなくてーーー)






キーボ(ーーーだから、アンジーさんは、他の誰でもなくーーー)









キーボ(ーーーボク、をーーーー)





691 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:00:42.25 ID:y3bgADHMO






アンジー「ーーーほら、キーボも答えられない………」












アンジー「………やっぱり、何も、信じられないーーーー」





692 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:02:08.52 ID:y3bgADHMO















キーボ「ーーーそれは、違います!」














693 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:05:20.28 ID:y3bgADHMO



アンジー「!?」



キーボ「アンジーさんが、何も信じられないまま終わる?」

キーボ「そんなこと、絶対にありません!」



アンジー「…キーボに、アンジーの何がわかるの?!」



キーボ「…すべてがわかるとは言いませんよ」

キーボ「ボクが瀞霊廷に住めることも、ボクがロボットであるということも………覆しようの無い事実なのですから」



アンジー「…………」



キーボ「ですが、アンジーさんの、気持ちはよくわかります」



アンジー「アンジーの…気持ち…?」



キーボ「はい!」



キーボ「自分を信じたいという、その気持ち! ボクには、よくわかるんです!」



694 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:09:33.54 ID:y3bgADHMO



アンジー「なっーーー」



キーボ「アンジーさんだって本当は、信じたいと思っているんでしょう!?」



キーボ「他ならない、自分を!」



アンジー「………っっ、!!」



キーボ「誰だって、自分や他人に胸を張れる自分でありたい。ボクだってそうです!」



キーボ「ならば、どんなに自分が信じられなくても、本当は信じたいはずです!」

キーボ「それなら、その気持ちの通りに、自分を信じれば良い!」

キーボ「自分の『想い』を信じれば良い!」



キーボ「そうして、自分に胸を張って、他人にも胸を張れば良い!」



695 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:12:42.10 ID:y3bgADHMO



アンジー「………っ、簡単に! 信じて、だなんて! 言わないでよ!!」



アンジー「アンジーの想いが、アンジー自体が、マガイモノだったらどうすれば良いの!?」



アンジー「みんなと違って、価値の無い物だったら、どうすれば良いの!?」



キーボ「価値はある!」



アンジー「!」



キーボ「アンジーさんも、その『想い』も、決して、価値の無い、紛い物などではありません!」



アンジー「っ、!?」



キーボ「なぜなら、いま抱いている『想い』は、紛れもなく本物だからです!」



アンジー「………?!」



696 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:16:42.05 ID:y3bgADHMO



キーボ「たとえ、自分を形作るものがどのような存在であったとしても!」

キーボ「自分がいつどんな風に生まれたのかわからなくても!」

キーボ「どれほどの過ちによって、自分が形作られていようとも!」

キーボ「いまの自分が、世界全体から見て、どういう存在であろうとも!」

キーボ「どんな終わりを迎えようとも!」



キーボ「ボク達の心は、いま、こうしてここにある!」



キーボ「確かな心があるから、悲しんでいる!」

キーボ「だからこそ、自分を信じたいと思っている!」



キーボ「これは、いま、こうして起きていること!」

キーボ「今もなお、胸に刻まれ続けていること!」



キーボ「その事実は、過去や未来がどうなろうと、決して変わりなどしない!」

キーボ「断じて、紛い物なんかじゃない! この心は、紛れもなく本物です!」

キーボ「そして、この心を支えているものは何か? それがボク達の胸に刻まれた『想い』なんです!」

キーボ「だったら、その『想い』は、心と同様に本物なんですよ!」



キーボ「その本物の『想い』を持つ自分達が、価値の無い、紛い物?」



キーボ「そんなことは、決してありません!」



キーボ「誰であろうと、このかけがえの無い価値を、奪えなどしない!」



697 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:18:42.41 ID:y3bgADHMO















アンジー「ーーーーーーーーーーーーーー」














698 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:22:29.79 ID:y3bgADHMO



キーボ「ーーーボクはロボットですが、同時に “ 人 ” だと思っています」



アンジー「!!」



キーボ「これは、機械なのに魂魄を持つ存在だからとか、瀞霊廷に住めるからとか、普通とは異なる『すごい力』を持つ『すごいもの』だとか、そういうことを言っているのではありません」

キーボ「ボクが人なのは、アンジーさんと同様に心を持っているからです」



アンジー「………?!」



キーボ「だからこそ、生前にアンジーさんがボクを仲間に入れてくれた時は、本当に嬉しかった! 仲間足り得る、価値ある存在だと認めてくれて嬉しかった!」

キーボ「その時、ボクにとって、アンジーさんは、かけがえのない価値ある大切な存在となった!」

キーボ「そんなアンジーさんの側にいられて、本当に心地良かった! 嬉しかった!」

キーボ「はじめて、ここで再会できた時も、嬉しかった! またアンジーさんの側にいられて、心地良かった! 嬉しかった!」



キーボ「いま、アンジーさんに! 形はどうあれ、ボクが価値ある存在だと言って貰えて! 嬉しかった!」



アンジー「!?!?」



キーボ「先ほど、ボクがこの場で述べた言葉に心を傾けてくれて………感情をもって聞いてくれて嬉しかった!」

キーボ「そうするだけの価値ある言葉だと認めてくれて、嬉しかった!」



キーボ「そこには、真実も嘘も無い! ただ、嬉しいと思っているボクがいて、その『想い』をアンジーさんに向けたくて、たまらない!」



キーボ「現在も過去も、アンジーさんに、価値があると言いたくて仕方がない!」



キーボ「そう思える心こそが、人の本質なんですよ!」







アンジー「………………っ、!?!」



699 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:29:22.38 ID:y3bgADHMO



キーボ「…ボクのこの身は、決して、柔らかで温かな肉などではありません。硬く冷たい鉄の身に他ならない」

キーボ「………こわい時に、震えることもできず、悲しい時に、涙一粒流すこともできない、“ ロボット ” 」



キーボ「それが、ボクです」



アンジー「………………」



キーボ「ーーーですが、心は確かにここにある」



キーボ「ならば、ボクは人です」



キーボ「こわい時に、震えられず、悲しい時に、涙一粒流せないロボットであろうとも」

キーボ「硬く、冷たく、機械的に組み上げられた、鉄の身であろうとも」

キーボ「柔らかで温かな肉をもって、人を抱き締めることが叶わなくとも」

キーボ「この身を、どれだけ飾り立て、磨き上げようとも、どれだけ錆びつき折れて、切り落とされようとも」



キーボ「決して消えることの無い、この『想い』、嬉しいという、この『想い』」



キーボ「そうした『想い』を抱くことのできる心があれば、それは人です」



キーボ「そうして、心を支えているのならば、それは人です」



キーボ「だから、ボク達は、 “ 人 ” なんですよ!」



アンジー「………っっ、!!!」



700 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:33:15.49 ID:y3bgADHMO



キーボ「ーーーどんな『想い』でも本物だから! 人の『想い』だから! そう言われるだけの価値があるから!」



キーボ「『想い』を糧に、何かを真剣に打ち込んで、やり遂げることもできる!」

キーボ「不可能を可能に変えられる!」

キーボ「夢を現実に変えられる!」

キーボ「未来を変えられる!」



キーボ「もちろん、やり遂げるものによっては、すごい才能やその産物に頼ることもあるでしょう! ですが、その根幹にあるのは、人の『想い』なんです!」



キーボ「花火が、それを作ったり火をつけたりする人の『想い』と、見る人の『想い』で、その価値を彩られているように!」

キーボ「人の『想い』こそが! その価値ある『想い』こそが! 根幹となって、人を支えているんです!」



キーボ「そうして、人の心を支えてくれたから、ボク達は、 “ 終わらせる ” ことができた!」



キーボ「そう、信じています!」



キーボ「だから、自分が、皆が、世界全体から見て、どういう存在だろうと!」

キーボ「ボク達………人の心にある『想い』は、紛れも無く、本物です!」

キーボ「そうした『想い』を持って、それに心を支えられているボク達もまた、本物なんですよ!」



アンジー「………………!!!」



701 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:36:17.60 ID:y3bgADHMO



キーボ「だからこそ、ボクは、アンジーさんを信じています」



キーボ「アンジーさんが抱く『想い』に価値があると信じています」



キーボ「アンジーさんの神さまを信じています」



アンジー「!?」



キーボ「…ボクは、神さまに頼るつもりはありません」

キーボ「ですが、アンジーさんが想う、神さまを信じています」

キーボ「神さまが、価値ある存在だと信じています」



アンジー「どうして、そんなーーー」



キーボ「…その “ 神さま ” は、 “ 人 ” が胸を痛めて想いを募らせる、かけがえの無い存在です」



キーボ「それに価値が無いはずないじゃないですか」



アンジー「ーーーーーーっっっ、!!!」



キーボ「アンジーさんも、神さまも、価値ある『想い』を込められるに足る存在であると、信じています」

キーボ「だからこそ、アンジーさんにも、自分を信じて欲しいんです」

キーボ「自分を信じたいという気持ちの通りに、自分を信じて欲しいんです」

キーボ「そして、自分が抱く『想い』を、ボクや皆の『想い』を信じて欲しいんです」



キーボ「そのすべてに信じられるだけの価値があるって!」



702 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:41:15.57 ID:y3bgADHMO



キーボ「ーーーでなければ、アンジーさんは、何も信じることができなくなってしまう!」



キーボ「心が壊れて、すべての『想い』が雲に覆われてしまう!」



キーボ「一人に、いや、ゼロになってしまう!」



キーボ「アンジーさんは、一人きりで、何も無いと思い込んだまま、生まれ変わり、ボクらと死に別れてしまう!」

キーボ「それでは、アンジーさんが、アンジーさん自身の中で『物』として終わってしまう!」



キーボ「ボクたちにとって、アンジーさんは “ 人 ” なのに! 人同士だから『想い』を分かち合えるはずなのに!」



キーボ「一緒にいれて、嬉しい気持ちになれるはずなのに!」



キーボ「アンジーさんが『物』として終わってしまったら、ボク達の人としての繋がりは、その価値は、どうなってしまうんですか!?」



キーボ「ボク達は人が何の感慨もなく機械を扱うような、それだけの無機質な関係でしかなかったのですか!?」

キーボ「機械的な利害関係しか無い間柄だったのですか!?」

キーボ「それじゃあ、アンジーさんが死んでしまったら、ボクは、アンジーさんの中では無用の長物………『物』で終わるというのですか!?」



アンジー「っっ、!?!」



キーボ「ボクは、それが、たまらなく、こわくて、悲しくて、イヤなんです」



703 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:45:17.82 ID:y3bgADHMO



アンジー「………………」



キーボ「ーーーだから、アンジーさん、どうか自分を信じてくれませんか?」



キーボ「自分の『想い』を、そしてボクや真宮寺クン、他の皆の『想い』を信じてくれませんか?」



キーボ「アンジーさんは、ボクや真宮寺クンだけでなく、皆にも大切に想われているんですから」



アンジー「………………………………」



キーボ「事実、先ほど、お話しをしたように、生き残った皆は、アンジーさんのことを大切に想っていましたしーーー」



キーボ「ーーーこの死後の世界にいる皆も、生き残った皆と同様に、アンジーさんのことを大切に想っているはずです」



キーボ「ーーー事実として、百田クンからも、色々と話をされたのでしょう?」



704 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:47:08.60 ID:y3bgADHMO






アンジー「…………」






キーボ「………大切に想っているのは、直接話した百田クンだけじゃない。他の皆だって同じです」






キーボ「それはひとえに、アンジーさんが皆のことを、価値ある存在だと思っているからです!」





705 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:50:48.03 ID:y3bgADHMO



アンジー「!?」



キーボ「アンジーさんは、ボクだけじゃなく、他の皆も、笑顔で送り出そうとしたのでしょう?」



アンジー「…………」



キーボ「アンジーさんは、それだけ、皆のことを価値ある存在だと思ってくれているんです!」

キーボ「皆さんの幸せを願っている!」

キーボ「その価値ある『想い』に、あの皆さんが応えようとしないはずがない!」

キーボ「だとしたら、百田クンの言葉には、きっとその裏で皆の『想い』も込められていたはずですよ?」



アンジー「………っっ、」



キーボ「だから、アンジーさんは、ボクを含めた皆から、大切に想われているんです」

キーボ「皆から、価値ある存在だと想われているんです」

キーボ「アンジーさんには、その『想い』を信じて欲しいんです」

キーボ「自分の『想い』と一緒に信じて欲しいんです」



キーボ「そんな価値ある自分を信じて欲しいんです」



706 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:54:18.14 ID:y3bgADHMO



キーボ「………そうしたアンジーさんの『想い』が込められた作品には絶対に価値がある」



キーボ「ボクはそう信じています」



アンジー「…………」



キーボ「ーーーそして、その価値ある作品に、一緒に込めさせて貰うボクの『想い』にも、価値があると信じてくれませんか?」



キーボ「そうすれば、絶対に、ボク達にとって、より価値ある作品になるはずです」



キーボ「より良いものに描かれ、育っていくはずなんです」



アンジー「………………」



707 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 20:57:28.48 ID:y3bgADHMO



キーボ「お願いします、アンジーさん」



キーボ「これは、ボクの問題でもあるんです」



アンジー「キーボの…?」



キーボ「はい、ボクが他ならぬアンジーさんと共に、『想い』を込めて、価値ある作品を作り育てたいから言っているんです」



キーボ「ボクが、アンジーさんと生きていて良かったと、一緒にいて嬉しいことを実感したいから、言っているんです」



キーボ「アンジーさんと、その『想い』を、共有したいから言っているんです」



キーボ「アンジーさんと、一緒に、価値ある作品を愛したいから言っているんです」



キーボ「それだけアンジーさんが! アンジーさんという人の『想い』が! 同じ人であるボクにとって! かけがえの無い価値ある『想い』だから言っているんです!」



アンジー「!!!」



キーボ「ボクは、アンジーさんに、必要とされたいんです!!」



アンジー「ーーーっっ、!!!」



キーボ「だから、どうか一緒に、ボク達にとって、価値ある作品を作ってはくれませんか?」



708 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 21:00:48.23 ID:y3bgADHMO






キーボ「………もし、どうしてもボクと一緒に作ることができない事情があるというのなら、せめてボクの、この『想い』を………受け取ってください」






キーボ「そして、その『想い』と共に作品を作って、アンジーさんとボクの『想い』を作品に込めて欲しいんです」






アンジー「……………………………………………」






キーボ「ーーーどうか、お願いします、アンジーさん」





709 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 21:03:27.00 ID:y3bgADHMO















キーボ「一緒に、作品を、作って、ください!!!」














710 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 21:04:20.23 ID:y3bgADHMO
今はここまで
711 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:01:12.03 ID:y3bgADHMO
投下します
712 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:02:46.42 ID:y3bgADHMO






アンジー「………………」









アンジー「………………………………」















アンジー「……………………………………………」





713 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:04:39.43 ID:y3bgADHMO






アンジー(………そう、かーーー)









キーボ「………………」グッ…









アンジー(そう、いうこと、なんだねーーーー)





714 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:07:20.13 ID:y3bgADHMO






アンジー(ーーー『物』なんかじゃ、無いんだ)







アンジー(はじめから、みんな、 “ 人 ” だった)







アンジー(心を持った時から、ずっと、ずっと前から、そう)







アンジー(キーボも、是清も、蘭太郎も、解斗たちもーーー)










アンジー(ーーーみんな、みんな、人だったんだ)





715 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:10:20.74 ID:y3bgADHMO




アンジー(みんな、人だからーーー)




アンジー(ーーー心があるから、『物』にされるのがこわい)




アンジー(『物』にされて、いつか切り落とされるのが、こわい)




アンジー(終わって、まっくらになるのが、こわい)




アンジー(自分を、まったく必要とされなくなるのが、こわいんだ)




アンジー(それこそが、 “ 死 ” 、だから)




アンジー(どんな、『すごい力』や『すごいもの』があっても、同じこと)




アンジー(あっても、無くても、絶対に逃げ切れなくてーーー)








アンジー(ーーー変わらず、そこにある)



716 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:14:02.07 ID:y3bgADHMO




アンジー(そこに、落ちるのが、いや)




アンジー(『物』にされたら、そこに近づいてしまう)




アンジー(そのまま転がり落ちて、何も無くなるのが痛い)




アンジー(取り返しがつかない痛み)




アンジー(その痛みが解るから、みんな、誰にもさせたくなくてーーー)




アンジー(ーーーアンジーにも、させたくなかったんだ)




アンジー(痛みがこわいから、いやで、おかしくなりそうだからーーー)




アンジー(ーーー踏み外すかもしれないからーーー)




アンジー(ーーーきっとみんなは、それにアンジーを巻き込みたくなかった)








アンジー(それだけ、なんだよ………)



717 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:16:57.53 ID:y3bgADHMO




アンジー(………そう、それだけ、みんなはきっと、アンジーを想ってくれた)




アンジー(自分たちと同じ、 “ 人 ” だって、想ってくれた)




アンジー( “ 人 ” が、『物』にされて、終わる)




アンジー(その意味とも向き合ってくれた)




アンジー(真剣に向き合っているからこそ、こわくて、踏み出せなくてーーー)








アンジー(ーーーこうして、踏み越えることもできるんだ)



718 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:20:30.13 ID:y3bgADHMO



キーボ「…………………………」




アンジー(………『物』じゃない、『人』だから、できる)




アンジー(キーボも、アンジーも、みんなも、誰だって、同じ)




アンジー(みんな、心が痛いから、その心と『想い』は絶対に本物だからーーー)




アンジー(ーーー終わることの痛みがわかる)




アンジー(終わりに近づいていくことに、『物』にされる、ってことに、真剣に向き合おうって想える)




アンジー(………その先が、どんなに惨めで、まっくらに塗り潰されそうでもーーー)




アンジー(ーーーそこに価値があるって、信じられるから)




アンジー(そうして、心のままに、信じてーーー)




アンジー(ーーー今みたいに踏み越えることもできたんだね………)






キーボ(アンジーさん………!)






アンジー(………信じて、必要としてくれた、 “ 心 ” ーーー)








アンジー(ーーーその『想い』が、 “ ここに ” ーーーー)



719 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:23:37.66 ID:y3bgADHMO






アンジー(ーーーあぁ………)












アンジー(あたたかい、なぁ…………)





720 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:28:54.72 ID:y3bgADHMO






アンジー(……… “ ここに ” ある、もうひとつーーー)









アンジー(ーーーそう、最初から、 “ ここに ” あった、もうひとつの『想い』ーーー)









アンジー(ーーーその気持ちのままに、歩んで手を、伸ばせばーーー)










キーボ「ーーーーーーーーーーーーーーー」









アンジー(ーーーきっと、その先はーーーー)





721 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:30:53.51 ID:y3bgADHMO















………ぎゅううっ














722 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:33:14.20 ID:y3bgADHMO



キーボ「…………」パチリッ

アンジー「………」

キーボ「ーーーえっ?」

アンジー「………………」

キーボ「アンジー、さん、?」



キーボ「何をーーー」



アンジー「ーーー大丈夫、キーボ」

キーボ「!」

アンジー「キーボの心は、いまアンジーの中に入ったよ」

アンジー「キーボの『想い』は、アンジーの心で受け止めた」



アンジー「これで、アンジーは、キーボとアンジーの『想い』、込められる」



723 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:36:45.71 ID:y3bgADHMO



アンジー「だから、アンジーからもお願い」

キーボ「…………」

アンジー「アンジーの心も、キーボの中に入れて…」

アンジー「アンジーの『想い』も、キーボの心に受け止めて欲しいの」



アンジー「それから、キーボも、アンジーといっしょに絵を描いてーーー」



アンジー「ーーーふたつの想い、込めて欲しい」



724 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:41:27.68 ID:y3bgADHMO



キーボ「アンジーさん………」

アンジー「………お願い」

アンジー「お願いだよ、キーボ」

アンジー「どうか、アンジーとーーー」

キーボ「ーーーもちろんですよ、アンジーさん!」

アンジー「!」

キーボ「アンジーさんの心は、『想い』は、ボクの中に、心で受け止めます!」

アンジー「キーボ…!」

キーボ「一緒に込めましょう!」

キーボ「アンジーさんとボクの想い、ふたつの想いを! 一緒に!」

アンジー「……ありがとう、キーボ」



725 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:43:27.92 ID:y3bgADHMO






アンジー「……描こう、いっしょにーーー」












アンジー「ーーー “ 夜空 ” を」





726 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:45:48.07 ID:y3bgADHMO



キーボ「夜空…まさか、それがーーー」

アンジー「そう、それが、アンジーとキーボが描く、絵のテーマ」



アンジー「お星さまの光・お星さまの闇ーー」



アンジー「ーーー花火・見上げる人・神さまーーー」



アンジー「ーーーぜんぶ、ぜんぶ、描きたい」

キーボ「………」

アンジー「アンジーは、キーボと、夜空を描きたい」

キーボ「アンジーさん………!」

アンジー「それができたら、 “ ここ ” にいるみんなにーーー」



アンジー「ーーー “ 向こう ” で生き残ったみんなに、見せたいな」



727 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:48:09.55 ID:y3bgADHMO



アンジー「いろんな人に、見せたい」



アンジー「空鶴たち、空吾たち、ユウイチたち、神さまにもーーー」



アンジー「ーーーいろんな人に、見せたいな」



アンジー「アンジーとキーボの絵を………」



アンジー「自慢、したい」







アンジー「胸を、張りたいな」



728 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:50:20.02 ID:y3bgADHMO



キーボ「………もちろんですよ!」



アンジー「…………」



キーボ「一緒に胸を張りましょう!」



キーボ「そして、描きましょう!」



アンジー「…そうだよ、アンジーとキーボで “ 描いて魅せる ” 」



キーボ「ええ! 他ならないーーーー」



729 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:51:46.30 ID:y3bgADHMO















「「 “ 夜空 ” を!!」」














730 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:54:18.25 ID:y3bgADHMO






(ーーー其れは、闇)






(全に届く、光の輪と双翼を持たない、姿無き闇)






(だけど、胸に刻まれた想いだけは、誰にも奪えない。それが、罪であっても、死を名乗る神であっても)






(かけがえのない価値を信じて、光と闇を想い描く)






(ふたつが混じり合う人の心に、夜空が届くように)





731 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:55:41.53 ID:y3bgADHMO















アンジー「ーーーあーあ、キーボがロボットやってなかったらなー」














732 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 22:58:18.13 ID:y3bgADHMO



キーボ「ーーーなっ、ここで、まさかのロボット差別ですか!?」

アンジー「ノンノン、これは、神ッターでの、つぶやきだよー!」

キーボ「神ッター!? つぶやき!?」



アンジー「………もし、キーボがロボットやってなかったら、ここでーーー」









アンジー「ーーー思いっきり、ドロドロになるまで、神っちゃうのも、悪くないかなー、って」



733 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 23:05:05.51 ID:y3bgADHMO



キーボ「? ドロドロに、神る?」

キーボ「泥を用いて神さまを模した人形を造形するということですか?」

アンジー「………」

キーボ「だとしたら、確かにロボットであるボクは控えた方が良いかもしれませんね」

キーボ「如何に頑丈な設計であるとはいえ、泥を侮るわけにはいきません。万が一、泥で故障でもすれば、周りに迷惑がかかりますからね」



キーボ「あっ、ですが、入間さんに頼んで対泥用のコーティングをして貰えばーーー」



アンジー「ーーーなるなるー! その手があったかー!」



キーボ「ええ、入間さんならできるはずです!」



アンジー「そうだねー! 美兎なら、 “ そういうこと ” 喜んでやってくれそうだからねー!」



アンジー「キーボのアイデアは神ってるねー! おかげでアンジーも閃いたよー!」



キーボ「いえ、こちらこそ! 新たな作品作りのお誘い、ありがとうございます、アンジーさん!」



キーボ「ドロドロに神る、その時を………今から楽しみにしています!」



734 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 23:07:44.43 ID:y3bgADHMO



アンジー「んーーー、悪いけど、それはもうちょっと後かなー」



キーボ「? まあ、確かにそれは入間さんに頼まないとできないことですからねーーー」

キーボ「ーーーいや、浦原さんにやって貰えばーーー」



アンジー「…そうじゃなくてねー?」



キーボ「?」


アンジー「それは、まだ早いから」

キーボ「早い?」

アンジー「…それをするには、アンジーにはまだまだやらなくちゃいけないことがあるから」







アンジー「それが、終わったら、ね?」



735 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 23:09:40.18 ID:y3bgADHMO






アンジー(………そう、すべては、それが終わった後ーーー)









アンジー(ーーー終わった後に、キーボが、受け入れてくれる時が来たらーーー)









アンジー(ーーーその時に、思いっきりーーーー)





736 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 23:11:29.80 ID:y3bgADHMO






キーボ「ーーーわかりました! アンジーさんに準備が必要というのなら、ボクはそれを待たせて頂きます!」






アンジー「…ありがとねー、キーボ!」






キーボ「いえ、元はと言えば、こちらから頼んだことでーーーー」






………………………………………………………………





737 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/24(日) 23:14:39.75 ID:y3bgADHMO
今日はここまで


というか、オサレポエムが超難産だった…

やっぱり原作者は偉大です(あんなの大量に思いつくとか凄すぎ)
738 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:15:26.57 ID:INcGw1nWO
投下します
739 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:21:29.31 ID:INcGw1nWO



ー修練場・天井裏部屋(亜空間)ー



………バタンッ



空鶴「………」



銀城「…おい」



空鶴「………………」



銀城「…おい、アンタ」



空鶴「………………………………」



銀城「………ったく、返事もナシかよ。この亜空間………浦原に作らせたっていう、天井裏部屋の音は外には絶対漏れねえんだろ?」



銀城「押し黙る理由も無えだろうに」



740 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:24:12.57 ID:INcGw1nWO



空鶴「…黙る?」



空鶴「バカ言いやがれ、そんな理由、ハナから無えよ」



銀城「…………」



空鶴「ここはおれの家だ。おれはここの家主だ」



空鶴「いつ何を言おうが言うまいが、おれの自由だ」



空鶴「コソコソする理由なんざ、どこにも無え」



銀城「…そうかい、アンタらしいな」



741 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:26:51.64 ID:INcGw1nWO



空鶴「ーーーで、なんのつもりだ、元居候? おれは、テメエが “ 今日おれの家に泊まりたい ” って言うから泊めてやったし、 “ テメエも ” 、この天井裏部屋に入れてやった」

空鶴「テメエがウロウロして、おれの家の邪魔にならねえようにな」



銀城「…………」



空鶴「だが、おれは、さっきアンジー達が下に来た時、 “ テメエには ” 出て行くよう、命じたはずだ」



空鶴「なのに、シカトこいて残りやがった」







空鶴「覚悟は、できてんだろうな?」



742 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:29:03.02 ID:INcGw1nWO






銀城「…それを言うなら、アンタこそ、覚悟はできてんのか?」









空鶴「…………」









銀城「あいつらの話を勝手に聴いてよ」





743 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:31:42.66 ID:INcGw1nWO



空鶴「…覚悟も雑煮もあるかよ」

空鶴「ここは、おれの家だ。どこにいようが、居候を見ようがおれの自由だ」



銀城「…そいつはどうかな」



空鶴「…………」



銀城「あいつらのことなんざ、てめえには関係ねえだろ?」



銀城「なのに、どうして、勝手に見ている?」







銀城「…あいつらは見世物じゃねえぞ?」



744 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:33:39.36 ID:INcGw1nWO






空鶴「ーーーバカいえ、おれはお客様なんかじゃねえ」









銀城「…………」









空鶴「ただ、家主として、ケジメつけただけだ」





745 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:38:34.73 ID:INcGw1nWO



空鶴「ここは、おれの家だ」

空鶴「だから、居候に泣かれて、カビ生やされるってのは、気に入らねえんだよ」



銀城「…なるほどな、だから、 “ 万が一 ” を考えて、てめえが待機してたってわけだ」



銀城「アンタも案外リアリストなんだな。意外だったぜ」



空鶴「…あいにくだが、おれは夢見る花火師。寝ても覚めても浪漫を忘れたことはねえ」

空鶴「だからこそ、たっぷり寝る必要がある。だったら、見れるもんはさっさと見ておく。おれが今日ここにいたのは、それだけの理由だ」



銀城「…………」



空鶴「まっ、何があろうが、おれの夢が湿気ることはねえがな」



空鶴「でなきゃ、こんな長くまで待ってられるか」



746 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:43:17.57 ID:INcGw1nWO



銀城「…はっ、 “ てめえらのことは、てめえらでケジメつけやがれ ” ってわけか」



銀銀「訂正するぜ、 “ アンタらしい ” 」



空鶴「…さっきから家主のやることなすこと、ケチばっかつけやがって…」

空鶴「あいつらでどうにかできるもんなら、あいつらにやらせるべきだろうが」



銀城「…………」



空鶴「何処の誰だろうが、そいつらだけでケジメつけようとするからこそ、誇れるもんだってあるんだ」

空鶴「なのに、そうじゃねえ奴が、ハナから出しゃばったらどうなる?」

空鶴「まだ、身内でケリつけられるかもしれねえ話に、ズカズカ踏み込んだらどうなる?」

空鶴「あいつらでケジメ突き立てようって時に、横槍入れて別の得物で突き立りゃ、何が、どうなる?」



空鶴「誇りはどうなる?」



銀城「…………」



空鶴「ーーー誇りを残せるに越したことはねえ」



空鶴「誇りを残せるから、応えられることもある」



空鶴「テメエだって、それをわかってるはずだ」



銀城「………………」



空鶴「………でなきゃ、アンジーは、さっきまで、 “ ああなっちゃ ” いなかった」



747 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:45:35.96 ID:INcGw1nWO



空鶴「…つーか、テメエこそ、ここで出歯亀してんのは、何でだ?」

空鶴「ここの家主はおれで、あいつらはおれの居候だが、今のテメエは違えだろ?」



銀城「…………」



空鶴「…なのに、 “ 危なくなったら ” 連絡するよう居候に頼んで、その通りに来て、いったい何のつもりだ?」



空鶴「 “ 万が一 ” がそんなに気になんのか?」



748 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:48:21.40 ID:INcGw1nWO



銀城「…くだらねえ、“ 返し ” をしてんじゃねえよ」



空鶴「…………」



銀城「…ガキってのは、危なっかしいもんなんだよ」

銀城「信じる信じないの問題じゃねえ。気づいた時には目で追っちまってるもんなんだ」



銀城「…それだけ、ガキはどうなるかわからねえしーーー」



銀城「ーーー目を逸らすことはできねえ。誰が、何と言おうとな」



空鶴「….……………」



銀城「…それだけの話だ」



749 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:51:13.28 ID:INcGw1nWO



銀城「…あー、お互い、どうにも夜に酔い過ぎたようだな………」



銀城「らしくねえぜ、こんなのはよーーー」



空鶴「ーーー最後通告だ」



銀城「………」



空鶴「出てけ、元居候」







空鶴「テメエの出番は、もう無え」



750 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:52:35.77 ID:INcGw1nWO















銀城「…あばよ」ヒュンッ














751 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 18:56:10.39 ID:INcGw1nWO



空鶴「………………」









空鶴「………………………………」















空鶴「…………………………………………………」



752 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 19:00:55.35 ID:INcGw1nWO



空鶴(… “ ガキは、どうなるかわからねえ ” かーーー)


空鶴(ーーーそこだけは乗っかってやっても良いか)




空鶴(………闇を輝かせるのが、花火師だあ?)




空鶴(………テメエの心に、人の心が入っただあ?)




空鶴(ーーーあんなガキ共が、あんな言霊吐き出すとはな…)




空鶴(…世の中、いったい全体どうなってんだろうなーーー)







空鶴(ーーーなあ、 “ あんた ” はどう思うよーーーー)



753 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 19:02:14.57 ID:INcGw1nWO















空鶴「ーーーーーーーーーーーーーーーー」














754 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/25(月) 19:03:11.38 ID:INcGw1nWO
今日はここまで
755 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 20:45:31.78 ID:rVjJFG1UO
投下します
756 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 20:57:52.60 ID:rVjJFG1UO



………………………………………………………………




キーボ(ーーーあれから翌日)


キーボ(アンジーさんとボクは、いつも通りに起きて、いつも通りに朝食を摂りました)


キーボ(昨日は、あれからアンジーさんと一緒に絵の構想について語り合っていたのですが、途中でもうすぐ寝る時間であることに気づき、お互いに部屋に戻って寝ることになり、いつも通りの朝を迎えたのです)


キーボ(………厳密に言えばボクは寝なかったのですが、その分、アンジーさんのことやこれから描く絵のことを考えることができました)


キーボ(どういった風に描くか、今から楽しみです)




キーボ(ーーーただ、今日は、朝食の後の時間、どういうわけか真宮寺クンから修練場まで来るよう呼び出しを受けています)


キーボ(朝食が終わった後に、急に言われたのです)




キーボ(それは、アンジーさんも一緒…)



757 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:02:21.83 ID:rVjJFG1UO



キーボ(ーーーそして、そのアンジーさんは、いま朝風呂の真っ最中です)


キーボ(なんでも、今日は “ やらなければいけないこと ” があるらしく、そのために心身ともにスッキリした気持ちで臨みたいのだそうです)


キーボ(朝風呂は有料なので、ご給金を使うことになりますが、それでもとアンジーさんはお金を支払い、ひと風呂浴びることにしました)


キーボ(それが終わったら、ボクと一緒に修練場まで行くことになっています)


キーボ(アンジーさんがお風呂に入った時間を考慮すれば、おそらくは、ちょうどいい時間で修練場まで到着できるでしょう)




キーボ(それにしても、真宮寺クン………この休日の日にいったい何の話をーーー)







岩鷲「おー、どうした、キーボ? こんなとこでよ?」スタスタ


758 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:06:07.43 ID:rVjJFG1UO



キーボ「あっ、岩鷲クン」

岩鷲「ここは女風呂の近くだぞ? そんなとこで何で突っ立ってるんだ?」

キーボ「ああ、それはーーー」



岩鷲「ーーーまさか、覗きか?」



キーボ「なっ、やめてください! ボクはそんなことしませんよ!」



岩鷲「? じゃあ、なんで、こんなとこに突っ立ってるんだ?」



759 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:09:37.93 ID:rVjJFG1UO



キーボ「それは、念のためにです」

岩鷲「念のため? どういうことだ?」

キーボ「ああ、いえ………実は、真宮寺クンと待ち合わせをしてましてーーー」

キーボ「ーーーそれで、万が一その時間に遅れることが無いように、一定時間を過ぎたら大声でアンジーさんに伝えることにしたんです」



キーボ「念のために」



岩鷲「ああ…そういうことか」



キーボ「あまり必要は無いとは思いますがーーーそれでも念には念を入れておくことに越したことは無い」



キーボ「そう、ボク達は判断したんです」



760 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:13:37.97 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「………まっ、時間を守ろうとするってのは良いことだと思うぜ」

岩鷲「それに、キーボなら、アンジーちゃんに声を届けるのにピッタリだしな」

キーボ「ええ、ボクには声のボリュームを大きくする機能がありますからね」

キーボ「これならば、浴槽まで充分に伝わるでしょう」

キーボ「ロボットとして機能をもって、人の役に立てる。これほど光栄なことも中々ありませんーーー」



岩鷲「………………」



キーボ「ーーー?」



キーボ「どうかされました? 岩鷲クン?」



岩鷲「………あー、いや、キーボ、オメーはよーーーー」



761 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:15:47.01 ID:rVjJFG1UO















岩鷲「ーーーなかなか、良い面構えになったじゃねえか」














762 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:18:22.87 ID:rVjJFG1UO



キーボ「………そうですか?」

岩鷲「ああ、顔の色がすっかりよくなってやがる」

キーボ「…あの、ボクはロボットですよ?」

キーボ「顔のカラーリングは、基本的に白色でーーー」



岩鷲「見てくれのことじゃねえよ」



キーボ「………」



岩鷲「昨日の時は、なんだか元気ねえ感じだったがよーーー」



岩鷲「ーーーいまじゃ、だいぶスッキリしてるように見えるぜ」



763 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:23:04.21 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「そしてそれは、オメーだけじゃねえ」



岩鷲「朝会った時、アンジーちゃんも、真宮寺も、 “ 吹っ切れた ” って感じだった」



岩鷲「しかも、オメーよりも、ずっとだ」



キーボ「………」



岩鷲「昨日も今日も休日で元気の出る日には違いねえが、それだけで、そこまで吹っ切れた感じを出せるとは思えねえ………」







岩鷲「………なんかあったのか?」



764 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:25:58.22 ID:rVjJFG1UO



キーボ「………ええ、まあ、実はアンジーさんと昨日いろいろと話をしましてね」



キーボ「それで、お互いに知らなかったことを知れたんです」



岩鷲「…………」



キーボ「………そうして、いろいろな、わだかまりが解けたんです」



キーボ「そのことについては、詳細は伏せましたが、真宮寺クンにも伝えました」



キーボ「それが、ボク達が “ 吹っ切れた ” ように見える、理由なのかもしれませんね」



765 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:28:55.56 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「………なんにしろ、良かったぜ」

岩鷲「居候の元気な面構えが見れてよ」

岩鷲「やっぱ我が家ってのは、こうでなくっちゃな!」

キーボ「岩鷲クン…」



岩鷲「それと、キーボ」



キーボ「?」



岩鷲「………オメーが、いま胸に込めてるその “ 気持ち ” だがよーーー」







岩鷲「ーーー大事にとっとけ」



766 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:31:34.66 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「ーーー詳しいことをこっちから詮索するつもりは無えが、オメーとアンジーちゃん達は、何かを知ることで良い面構えに変わった」



キーボ「………そうですね」



岩鷲「………そいつは、 “ てめえが知るべきことを知れた ” ってことだ」

岩鷲「その上での答えを “ てめえ自身で見出した ” ってことだ」



岩鷲「その生き様は、一生のもんの、 “ 誇り ” になる」



岩鷲「そして、誇れる自分がいりゃあ、その自分を、掴み続けようって気持ちにもなれる」



岩鷲「オメーが、いま胸に抱いているのは、そういう気持ちじゃねえのか?」



キーボ「………………」



767 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:34:03.03 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「………その気持ちを胸に残す」

岩鷲「そうすりゃあ、これからも、 “ てめえが知るべきことを知る ” ために、 “ てめえ自身で答えを見出す ” ためにーーー」



岩鷲「ーーーこの手を伸ばそうって気になれる」



岩鷲「何度だって、てめえが知るべきことを知れる」

岩鷲「何度だって、てめえ自身で答えを見出せる」

岩鷲「何度だって、てめえらの、誰かの『想い』の価値に、気づいてやれる」



岩鷲「『想い』に、応えてやれる」



岩鷲「俺は、そう、信じてる」



768 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:36:00.89 ID:rVjJFG1UO



岩鷲「ーーーだから、オメーがいま胸に込めてるその気持ち、大事にとっとけ」



キーボ「…………」



岩鷲「…この俺! 自称、【元・流魂街一の死神嫌い】!、にして自称、【西流魂街の深紅の弾丸】!、にしてーーー」







岩鷲「ーーー自称、【西流魂街のアニキと呼びたい人】【ナンバーワン】からの言葉だ! 間違いねえぜ!」



769 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:37:47.87 ID:rVjJFG1UO



キーボ「………そうですね、キミの言う通りです」

キーボ「ありがとうございます。キミの言葉、ボクの心に受け止めます!」

岩鷲「ははっ、そいつは嬉しいな!」

岩鷲「よしっ、なら俺もオメーのその想い、ありがたく受け取っておくぜ!」

キーボ「岩鷲クン………」







ガララッ…!



770 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:39:21.68 ID:rVjJFG1UO















アンジー「ふいー、サッパリしたよー!」ホカホカ














771 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:42:13.55 ID:rVjJFG1UO



キーボ「あっ、アンジーさん!」

岩鷲「おおっ、アンジーちゃん! 風呂は終わったのか!」

アンジー「そうだねー、終わってポカポカだよー」ポカポカ

アンジー「待っててくれて、ありがとねー、キーボ!」ガララッピシャンッ

キーボ「いえ、このくらい、朝飯前ですよ!」

岩鷲「朝飯は食ったばかりだけどな!」

アンジー「にゃははー! そうだねー!」

キーボ「………まったく、ロボットじゃないんですから、変なところで揚げ足を取らないでください!」



772 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:44:13.58 ID:rVjJFG1UO



キーボ「ーーーって、アンジーさん、そろそろーーー」

アンジー「わかってるよー、是清のことでしょー?」



アンジー「今から行くよー! にゃははー!」



キーボ「それでは、岩鷲クン! 行ってきます!」

アンジー「行ってくるくるー!」



岩鷲「おう、行ってこい!」



スタスタスタ………



773 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:47:46.47 ID:rVjJFG1UO



ー志波家の屋敷・修練場ー



バタンッ………ガチャッ!



真宮寺「ーーー来てくれて、ありがとう。二人とも」



キーボ「………どうしたんですか、真宮寺クン? 急にボクらを呼び出したりして………」

アンジー「そうだねー、大事な話だとは思うけどー、なんなのかなー?」



真宮寺「………それじゃあ、担当直入に言わせて貰うけどーーー」







真宮寺「ーーーじきに、百田君達がここに来る」



774 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:50:30.86 ID:rVjJFG1UO



キーボ&アンジー「「!?」」



真宮寺「そうなったのは、僕が音声付きのメールを送ったからだ」



キーボ「音声付きーーー」

アンジー「ーーーメール?」



真宮寺「実は、僕は聴いていたんだヨ」



キーボ「? 何をーーー」



真宮寺「君達が昨日、この修練場で会話している内容を、ネ」



キーボ&アンジー「「!?」」



真宮寺「それを僕は、聴いていたんだヨ」



真宮寺「天井裏に、潜んで、ネ」



775 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:52:53.83 ID:rVjJFG1UO



キーボ「なっ、そんなはずはーーー」



真宮寺「ーーーちょっとした裏技を使えば、君の聴覚にだって気づかれることなく、潜伏することも可能なんだヨ」



キーボ「………!」



真宮寺「そうして、会話の内容を聴くと同時に、録音した」



キーボ&アンジー「「!?」」



真宮寺「その録音を、メールと一緒に百田くん達に送信したんだ」



アンジー「なっーーー」



真宮寺「ーーーああ、 “ ロボットやってなかったら ” から先は、送る前に削除しておいたから」



真宮寺「そこは、安心して欲しいかな………」



アンジー「〜〜〜っっ、!!」



776 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:55:09.08 ID:rVjJFG1UO



キーボ「ち、ちょっと、どういうつもりですか!? 真宮寺クン!?」

キーボ「そんなこと、勝手にーーー」



真宮寺「ごめんヨ、キーボ君、夜長さん」

真宮寺「本当に、ごめんヨ」



アンジー「………謝る、くらいなら、最初からーーー」ギラッ



真宮寺「ーーーだけど、どれも必要があると思ってそうしたことだ」



キーボ「必要!? どういうーーー」







真宮寺「ーーー目を逸らすわけには、いかなかったからサ」



777 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 21:57:32.55 ID:rVjJFG1UO



キーボ「!?」



真宮寺「まず、僕が天井裏に潜伏及び盗聴していたのは、 “ 万が一 ” 失敗した時のことを考慮してのことだ」



キーボ「………」



真宮寺「失敗した時の資料、すなわち音声データが残っていれば、今後に活かすことができるからネ」



アンジー「………」



真宮寺「無論、それはキーボ君に聞けば解決することかもしれない」



真宮寺「….……だけど、夜長さんの言葉まで、キーボ君の口から話させるのは何か違う気がしてネ」

真宮寺「だから、潜伏もしたし、盗聴もした」



真宮寺「キーボ君でも、夜長さんでも無い口から、その言葉を確認できるように」



778 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:03:53.53 ID:rVjJFG1UO



キーボ「ーーーそれで?」

キーボ「そうして、盗聴した音声を、百田君達に送ったのは何故なんです?」



真宮寺「…簡単だヨ」

真宮寺「あの会話は、すぐにでも皆に聞かせるべき内容だと判断したからサ」



キーボ「………」

アンジー「………」



真宮寺「自分が『物』であるかもしれないということ」

真宮寺「その可能性のままに、自分が、いずれ完全に『物』となってしまうのではないかということ」



真宮寺「そうして、 “ 死 ” に近づいていく感覚………すなわち恐怖」



真宮寺「ここにいない皆も、少なからず、それを抱いている」



真宮寺「恐怖に、心を呑まれそうになっているんだ」



779 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:06:15.99 ID:rVjJFG1UO






真宮寺「その恐怖を退けるには、例のキーボ君と夜長さんの会話を聴かせるのが一番」






アンジー「………………」

キーボ「………………」






真宮寺「そう判断したからこそ、僕は録音した音声データを、さっき皆に送ったのサ」





780 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:09:22.10 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「…実際に、夜長さんとキーボ君の会話は、僕の心に響いた」



キーボ「!」

アンジー「………」



真宮寺「今の自分の心にある、『想い』こそが、 “ 本物 ” 」



真宮寺「その言葉が僕にも響いたからこそ、僕は心の底から信じられるようになった」



真宮寺「今の自分を、その『想い』をーーー」







真宮寺「ーーーその『想い』と共にある、誰かの『想い』をも、ネ」



781 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:12:08.45 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「………これだけは断っておくけど、僕はもう、かつて僕の中にいた “ あの人 ” に縋るつもりは無い」



キーボ「………」

アンジー「………」



真宮寺「………さよならは、したくないからネ」



キーボ&アンジー「「………?」」



真宮寺「僕はきっと、浅ましくて、恥知らずなことを言っている」



真宮寺「だけど、それは、確かな僕の気持ちなんだ」







真宮寺「君達と、皆と、 “ さよなら ” をしたく無いんだヨ」



782 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:14:25.32 ID:rVjJFG1UO



キーボ&アンジー「「!?」」



真宮寺「………そのくらい、今の僕は、君達に、皆に執着している」

真宮寺「そう、僕が存在することを赦してくれた、その心が、とても美しいからーーー」

真宮寺「ーーーそれを為すこともできる根幹が、人の『想い』が、とても美しいから」



キーボ「………」

アンジー「………」



真宮寺「だから、僕は、人の心を大切にできるようにならなくてはいけない」



真宮寺「そのためには、僕はもう、 “ あの人 ” に縋るわけにはいかないんだ」



真宮寺「これ以上、心を、離したく、無いから…………」



783 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:16:09.93 ID:rVjJFG1UO



真宮寺(………そう、いずれーーー)




キーボ「…………」




真宮寺(ーーーいずれ、別れるとしてもーーー)




アンジー「…………」




真宮寺(ーーーそれでも、僕はーーーー)



784 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:18:17.29 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「………わかってる」

真宮寺「さんざん勝手なことをして、何を言っているんだって話だヨ」

真宮寺「今回だって、結局は自分だけの判断で勝手なことをしてーーー」



キーボ「………」

アンジー「………」



真宮寺「………ごめんなさい」



キーボ&アンジー「「!?」」



真宮寺「夜長さん、キーボ君、ごめんなさい」

真宮寺「言い訳して、ごめんなさい」

真宮寺「誰かの心を言い訳にして、人の心を大切にできなくて、本当にごめんなさい」



785 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:20:36.80 ID:rVjJFG1UO















真宮寺「………ごめ、ん、なさい…っ、!!」














786 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:22:29.63 ID:rVjJFG1UO






キーボ「…………」






アンジー「…………」









真宮寺「……………………」





787 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:25:51.88 ID:rVjJFG1UO



アンジー「………是清?」



真宮寺「………夜長、さん、?」



アンジー「ーーー次の【鰤清劇場】はいつかな?」



真宮寺「!」

キーボ「………」



アンジー「………もっと、人の心を大切にできるようになりたいんでしょ?」

アンジー「だったら、お客さんの期待を裏切ったらダメだよ?」



アンジー「…それも、いっしょの場所に住んでいるならーーー」



アンジー「ーーーこれからも、いっしょに住むなら、なおさらーーー」



真宮寺「………!」



アンジー「ーーー楽しみに、してるから………」



真宮寺「………………」



788 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:28:58.25 ID:rVjJFG1UO



キーボ「…これだけは、言わせて貰います」



真宮寺「………キーボ、君、?」



キーボ「キミが盗聴していたあの会話ができたのはーーーキミの『想い』が、ボクの中に強く残っていたからでもあるんです」



真宮寺「!」



キーボ「かつてのキミと、いまのキミーーー」

キーボ「ーーーその両方の、『想い』が残っていた」



キーボ「他ならない、ボクの、心に」



真宮寺「………」

アンジー「………」



キーボ「だからこそ、【どう向き合い】【どう生きるか】ーーー」



キーボ「ーーー【その答えを】【見出すことができた】」



キーボ「その事実は、どうかキミの胸に留めておいてください」



キーボ「まあ、その事実に対し、どんな気持ちを抱き、生かすかは、キミ次第になるでしょうが…………」



789 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:30:57.71 ID:rVjJFG1UO






真宮寺「…キーボ、君………」












キーボ「………それだけ、です」





790 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:32:25.43 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「………」






真宮寺「………………」









真宮寺「………………………………」



791 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:33:51.58 ID:rVjJFG1UO



真宮寺(ーーーごめんなさい、キーボ君、夜長さんーーー)




真宮寺(ーーー本当にごめんなさい)




真宮寺(ーーーそして、ありがとう)




キーボ「………」



アンジー「………」




真宮寺(ーーー本当に、ありがとう)



792 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:36:12.00 ID:rVjJFG1UO



キーボ「ーーー真宮寺クン」

真宮寺「ーーー?」

キーボ「もうすぐ百田クン達が来るとのことですが、それは今から何分くらい後のことですか?」

真宮寺「………ちょっと待っててネ」ガサゴソ


真宮寺(さっきの返信メールに書かれた到着予定時刻と今の時刻ーーー)カパッ


真宮寺(ーーーそれらを比較するとーーー)




キーボ「………」

アンジー「………」



真宮寺「ーーー伝令神機の時刻表示によれば、あと30分近くはあるネ」



793 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:38:54.42 ID:rVjJFG1UO



キーボ「ーーーなるほど」

アンジー「………ちょっと長いけど、向こうにも、準備があるだろうからねー、当然だねー」

真宮寺「………まァ、そればっかりは空間転移装置でも解決は難しいネ………」



キーボ「ーーーそれでは、今のうちに情報共有をしませんか?」



真宮寺「? 情報ーーー」

アンジー「ーーー共有?」



キーボ「ーーーボクは、はじめてここで再開した時、キミ達に “ 嘘 ” を言ってしまいました」



真宮寺&アンジー「「!!」」



キーボ「なぜ、【超高校級が集められて】【あんなことをさせられたのか】ーーー」



キーボ「ーーーそれが、わからないという、嘘を」



キーボ「そのことは、もう、察しているはずです」



真宮寺「………」

アンジー「………」



キーボ「だから、空いている時間を使って、ボクの知っている真相を話したいのです」



794 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:41:59.33 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「………このタイミングでそれをする理由は?」

キーボ「それは、主に二つあります」

アンジー「…ふたつ?」

キーボ「まず、一つ目の理由ですがーーー」

キーボ「ーーーここでボクが真相について話しても、現状それを共有するのが、ここにいるキミ達だけで済むということです」



真宮寺「………」



キーボ「もちろん先ほど、真宮寺クンは、裏技を使えば盗聴が可能と話してましたが、入間さん達も同様に盗聴しているとは考えづらい」



キーボ「ならば、ここでボクが真相について話しても、現状それを共有するのが、ここにいるキミ達だけで済むはず」



キーボ「そうでしょう?」



795 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:44:06.55 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「…その通りだヨ、キーボ君」

真宮寺「入間さん達が盗聴なんて、するはずが無い」

真宮寺「空鶴さんの恐ろしさを思えば、尚更だ」

アンジー「あー、確かにそんなことしたら、空鶴たちが黙って無いねー」

真宮寺「………まあ、ケースバイケースで、そのことを空鶴さん達の方から、問題ごととして扱わない場合もあるとは思う」

真宮寺「事実として、空鶴さんは、僕がした盗聴行為を問題とするかは、君達の判断次第だと言っていた」

キーボ「やはり、空鶴さんにも盗聴の件について、話していましたか」



真宮寺「…そうだネ」




真宮寺(むしろ、空鶴さんは一緒にその場にいたんだけど………ややこしくなるから今は言わないでおくヨ)



796 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:46:36.43 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「ーーーだけど、入間さん達に空鶴さんの細かい心境はわからない」

真宮寺「だからこそ、盗聴なんてするわけにはいかない」

真宮寺「そんなことをすれば、この家にいる夜長さんの気持ちを、裏切るだけの結果で終わるかもしれないからネ」



アンジー「………」



キーボ「ーーーその通りです」

キーボ「如何なる目的をもって行おうと、盗聴には高いリスクがつきまとう」

キーボ「それで、もうアンジーさんと話すこともできなくなるかもしれない」

キーボ「それを考慮すれば、入間さん達が、この家を盗聴しているはずがない」

キーボ「ならば、ここでボクが、真相について話しても、それを共有するのはキミ達だけで済むはずです」



キーボ「それが今のタイミングで話す、一つ目の理由ですよ、真宮寺クン、アンジーさん」



797 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:48:40.80 ID:rVjJFG1UO



アンジー「………ふたつ目は?」



キーボ「………」

真宮寺「…………」



アンジー「ふたつ目の方はー?」



キーボ「………………………」



アンジー「………キーボから、いま真相を話そうとするーーー」



アンジー「ーーーふたつ目の理由はー、なにー?」



798 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:50:37.26 ID:rVjJFG1UO






キーボ「………二つ目の理由、それはーーー」









アンジー「………………」









キーボ「ーーーそれは、これから、誰かに真相を伝える時に、 “ 備える ” ためです」





799 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:53:19.50 ID:rVjJFG1UO



アンジー「備える…?」

キーボ「これから、全員に真相を伝える必要が出てくると思います」

真宮寺「………」

キーボ「それは、時間を置いてから実行した方が良い場合もあるでしょうしーーー」

キーボ「ーーーここにいない皆と再開してすぐ実行することになるかもしれません」

キーボ「そして、懸念事項は、早めに払拭できるに越したことは無い」

キーボ「皆が真相を受け入れられる精神状態にあるのならば、なおのこと早く伝えた方が良いでしょう」

アンジー「………」

キーボ「それでもし、本当にそうなった時、よろしければお二人には合いの手を入れるなどサポートして欲しいのです」

真宮寺「サポート…」

キーボ「ええ、サポート」

キーボ「アンジーさんが、今日まで真宮寺クンの話に合いの手を入れてくれた時のように、二人でボクの話をサポートして欲しいのです」

アンジー「………………」

キーボ「お伝えする内容が内容なので、そうしたサポートがあった方が、より皆も受け入れやすくなると判断しました」

キーボ「なので、よろしければ、そのためにもどうか聞いては頂けませんか?」



キーボ「ボクの知る、真相を」



800 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:54:59.60 ID:rVjJFG1UO






真宮寺「…………」









アンジー「…………」





801 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:56:36.97 ID:rVjJFG1UO



アンジー「………アンジーは、良いと思うよー?」

キーボ「アンジーさん…」

真宮寺「………」

アンジー「………きっとショックな話なんだろうけどーーー」

アンジー「ーーーそれでも、いま、アンジーが信じたいものが、きっと本物だろうから」

アンジー「それを思えば、大丈夫」

キーボ「………」

アンジー「だから、アンジーは聞く」

アンジー「そうして、アンジーは、キーボの、支えになりたいな」



802 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 22:58:21.23 ID:rVjJFG1UO



真宮寺「………僕も、同意見だヨ」



アンジー「………」

キーボ「………」



真宮寺「………夜長さんがそう言ったから、僕もそうするとかじゃない」



真宮寺「僕は今回、夜長さんと同じことを思ったーーー」



真宮寺「ーーーただ、それだけ」



真宮寺「紛れも無い、ボク自身の意思で、ボク自分の責任だ」



真宮寺「その上で、ぜひ真相を、教えて欲しい」



803 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 23:00:12.09 ID:rVjJFG1UO



キーボ「………わかりました」



キーボ「そして、ありがとうございます」



キーボ「覚悟して、頂いて」



アンジー「…………」

真宮寺「…………」



キーボ「それでは、真相を、お伝えします」







キーボ「実はーーーーーー」






………………………………………………………………





804 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/27(水) 23:01:07.54 ID:rVjJFG1UO
今日はここまで
805 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:09:55.93 ID:BqNc1NYuO
投下します
806 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:12:10.44 ID:BqNc1NYuO



………………………………………………………………




キーボ「ーーーということなんです」



アンジー「…………」



真宮寺「…………」



キーボ「………以上が、ボクの知っていることのすべてです」



アンジー「………………」



真宮寺「………………………」



807 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:15:36.03 ID:BqNc1NYuO



キーボ(ーーー何も返事が無い)




アンジー「…………」




キーボ(無理も無いことですね………)




キーボ(………ですが、アンジーさん達ならば、きっとーーー)







真宮寺「ーーー妙だネ」



808 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:19:29.46 ID:BqNc1NYuO



キーボ「ーーーへ?」キョトン



アンジー「ーーーうん、おかしい」



真宮寺「どうなっているのだろうネ? これは?」



アンジー「うーん………」



キーボ「ーーーち、ちょっと待ってください!」



真宮寺「………」

アンジー「………」



キーボ「おかしいって………何がどう、おかしいというんですか?」



809 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:26:30.64 ID:BqNc1NYuO



真宮寺「………もし、先ほど君が述べた通りの内容が真相だとするのならばーーー完全に矛盾するんだ」



真宮寺「そう、僕達が、尸魂界に住む他の人達から聞いた、現世の情報と」



アンジー「もし、キーボの言う通りならー、2ヶ月もここにいたアンジー達が、そのことを知れなかったのはおかしいよねー?」



キーボ「…………」



真宮寺「………僕達が調査した限りでは、現世はそこまで狂った世界じゃないはずだしーーー」



真宮寺「ーーーそれに加えて、君が “ 終わらせた ” という “ それ ” も、まだ終わっていないはずだ」



キーボ「………!?」



真宮寺「 “ それ ” は、君が先ほど述べていたような狂気の産物ですらなく、至極健全なものとして、今も続いているはずなんだ」



アンジー「どうなってるんだろうねー?」



真宮寺「やはり、これはーーーー」



810 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:28:59.06 ID:BqNc1NYuO















キーボ「ーーーやはり、死神が情報を操作しているんでしょうか?」














811 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:32:12.74 ID:BqNc1NYuO



真宮寺「ーーーうん?」



アンジー「………どういうことー?」



キーボ「ああ、いえ………」



キーボ「実はボク、キミ達が述べた矛盾については、死神が尸魂界の住民に対し、精神操作を施しているからだと考えてたんです」

キーボ「もし、現世の変わりゆく倫理的価値観に影響されて、尸魂界が混乱したら大変でしょう?」

キーボ「それを防ぐために住民の偏った認識を操作してーーー」



真宮寺「ーーーなるほど、そういった考え方もあるんだネ」



812 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:36:00.88 ID:BqNc1NYuO



キーボ「?」



真宮寺「………キーボ君、確かに君の言うそれも、考えられない話ではないけれどーーー僕は別に理由があると考えている」



キーボ「どういう、ことですか?」



真宮寺「君達がまだ、辿り着けていない先があるということサ」



キーボ「??」

アンジー「………」



真宮寺「………ひょっとしたら、死神の上層部はそれを知っているのかもしれないネ」

キーボ「………はい?」

真宮寺「具体的にはわからないけれど、おそらく僕達は霊なる存在が引き起こした事件に巻き込まれたんだ」

真宮寺「死神の上層部しか知らないような、大掛かりな “ 何か ” にネ」



813 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:38:31.17 ID:BqNc1NYuO






キーボ「………」









キーボ「………………えっ、?」





814 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:41:18.53 ID:BqNc1NYuO
休日はここまでだと
815 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 12:44:11.05 ID:BqNc1NYuO
ごめん、>>814は、 “ 今はここまで ” と書き込もうとしたのですが、誤字ってました。


改めて、今はここまで。また夜に
816 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:30:33.10 ID:OD3cyEkRO
投下します
817 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:32:48.99 ID:OD3cyEkRO



真宮寺「考えてもみなヨ?」

真宮寺「【僕達全員が霊力に目覚めた】という、この状況、あまりにも不自然じゃないかな?」

キーボ「!」

アンジー「………」

真宮寺「しかも、キーボ君以外は、【尸魂界の同じ時間の同じ場所】に送られた」

真宮寺「心中したわけでも無いのにネ」

キーボ「………」

アンジー「………」

真宮寺「これは、霊なる存在が僕達に何かしらの干渉をした結果としか思えない」



818 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:35:02.17 ID:OD3cyEkRO



アンジー「……… “ あれ ” のファンの、悪い幽霊たちが、自分たちで楽しむために、アンジーたちを使ったのかなー?」



キーボ「!?」



真宮寺「………そうだネ、そうした何らかの理由をもって、非公式に、 “ 模倣 ” した」



キーボ「………!!」



真宮寺「そして、それはキーボ君達が終わらせたわけだけどーーー」



真宮寺「ーーーそれこそが、霊なる存在の撃退に繋がり、今の状況に繋がったのかもしれない」



819 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:39:00.77 ID:OD3cyEkRO



キーボ「ーーーはい?」



真宮寺「僕らの巻き込まれた “ あの事件 ” は、【放っておけば】【尸魂界に甚大な被害をもたらすもの】だった」



キーボ「………!?」

アンジー「………」



真宮寺「死神の上層部は、それに気づいたんだ」

真宮寺「だから、それを、 “ 終わらせた ” 君達には感謝している」



キーボ「………………」



真宮寺「だからこそ、キーボ君達と親しい関係にあった夜長さんは、空鶴さんに雇われるという褒美を与えられ、恵まれた部類の生活を送ることが可能となった」



真宮寺「だからこそ、キーボ君が瀞霊廷に住む申請が通った」



真宮寺「そういうこと、なんじゃないかな?」



820 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:40:39.98 ID:OD3cyEkRO






キーボ「………………………………………」









アンジー「……………………………………………」





821 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:42:02.18 ID:OD3cyEkRO






真宮寺(………キーボ君と夜長さんが見たという夢ーーー)









真宮寺(ーーーあるいは、それもーーーー)





822 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:45:49.78 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………うーん、なんかフワフワし過ぎてよくわかんないやー」



キーボ「ーーー確かにこの話、どうにも、全体的に、あやふやな印象を受けます」



キーボ「……… “ あの事件 ” が、【放っておけば】【尸魂界に甚大な被害をもたらすもの】だった、という話ですがーーーーーーあれで具体的にどんな被害をもたらすというんですか?」



真宮寺「…………」



キーボ「………もし、あれのために、一年に百人ずつ死んだとしても、それでも世界全体の魂魄バランスを揺るがすとも思えません」

キーボ「人は、何十億と生きているのですから」

キーボ「それを思えば、あれで尸魂界に大きな被害が出るとも思えないのですがーーー」



真宮寺「ーーーまァ、自分でもかなり飛躍した話だとは思っているヨ」


キーボ「…………」



真宮寺「君の疑問に対する解も持っていない」



真宮寺「根拠に乏しい、虚構の推論と言わざるを得ないヨ」



823 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:48:27.37 ID:OD3cyEkRO



真宮寺「だけど、まったくありえない話では無い。違うかい?」

キーボ「………もちろん、絶対にありえないとは言い切れませんがーーー」



アンジー「………」



キーボ「ーーーそうだとしても、現状それが本当であるか確かめることはできないでしょう」

キーボ「………そういった、 “ 夢 ” のような、真相だったとしてもーーー」



真宮寺「!」



キーボ「ーーー確かめる術は、無い」チラッ…



アンジー「………?」キョトン



真宮寺「………そうだネ、その通りだと思うヨ」



キーボ「…それでも、確かめようと言うのならばーーーーーー、相応の立場が、必要になる」



824 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:50:30.68 ID:OD3cyEkRO






キーボ「例えるなら、替えの効かない歯車のようなーーー」









キーボ「ーーーそんな、立場が、必要となるでしょうね」





825 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:52:40.63 ID:OD3cyEkRO






真宮寺「………?」






アンジー「………??」






.


キーボ「………………………」



826 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:55:03.23 ID:OD3cyEkRO






真宮寺「ーーー何を、企んでいるんだい? キーボ君?」






キーボ「さあーーー?」






アンジー「…………」









キーボ「ーーーなんでしょうね?」



827 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 19:56:39.29 ID:OD3cyEkRO



………ガチャガチャッ!




キーボ&アンジー「「!?」」



真宮寺「…………」




バンバンバンッ!!




真宮寺「ーーー来たようだネ」



828 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:17:35.09 ID:OD3cyEkRO



真宮寺「ーーーいま、開けるヨ」ガチャッ…



バタンッ………!



キーボ「…………っ、!!」



ダダダッ………!!



赤松「………っ、キーボ、くん…!?」



829 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:20:07.73 ID:OD3cyEkRO



キーボ「あっーーー」



ゴン太「………間違いないよ、赤松さん! 身体の隅から隅まで、僕たちの知ってる、あのキーボ君だよ!」



天海「…目の良いゴン太君が言うことっすから、まず間違いはなさそうっすね」



赤松「そっか…本当に、キーボ、くん…!!」







キーボ(赤松さん、ゴン太クン、天海クン…!)



830 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:23:23.56 ID:OD3cyEkRO



茶柱「ううっ…お久しぶりですね、キーボさん! 再会できて、転子は喜ぶべきなのか悲しむべきなのか………」



東条「それは難しい問題ではあるけれどーーー、少なくとも茶柱さんには喜ぶ権利があると思うわ」



星「…それに、この尸魂界じゃ、生前の知り合いと再会なんて中々できることじゃねえからな」



星「喜んだって罰は当たらねえだろうよ」



茶柱「………そうですね! それでは、転子は全力で喜びます! 会えて嬉しいです、キーボさん!」







キーボ(茶柱さん、東条さん、星クン…!)



831 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:26:18.91 ID:OD3cyEkRO



入間「…………ひゃーっひゃっひゃっ! 久しぶりだなあ、キーボ!!」



キーボ(入間さん!)



ゴン太「…い、入間さん!? まだ目赤いよ!? 大丈夫!?!」

入間「うるせえぞ、デカチン! …………んなことよりも、キーボ!どうだった? オレ様の発明の味は!」

入間「ロボのてめーでもイッちまったかあ?」



キーボ「…ええ!素晴らしい発明でしたよ、入間さん!」



入間「ひううっ、マジメに返されたあ…!」



832 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:29:44.43 ID:OD3cyEkRO



王馬「…うんうん、入間ちゃんって本当に発明だけは凄いよねー!」



王馬「なんたって、ご飯食べられるようになったくらいで、ロボの口からあんな血液ドロドロのクッサい台詞を吐き出せられるんだからさー!」



王馬「あっ、でもどっちにしろ、鉄クサイことは変わらないかー!」




キーボ(…王馬クン、キミって人は本当にーーー)








百田「ーーーよせ、王馬」



833 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:32:14.84 ID:OD3cyEkRO



百田「ーーー入間もだ。こんな時くらい素直になったって良いんだぞ、お前ら?」



王馬「………」

入間「………」



百田「それを嘲笑う奴なんて、もう誰もいないんだからよ…」



キーボ(百田クン…)



百田「………そういうこった、キーボ」

百田「おめーの、あの『想い』………俺たちが確かに受け取った!」



キーボ「みな、さん…」



834 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:35:38.32 ID:OD3cyEkRO



百田「………アンジーのことも、ありがとな」



キーボ「!」



アンジー「………………」



百田「俺は、キーボみたいに、やれなかった」



茶柱「っ、それはーーー転子も、同じ、です………っっ、!!」

赤松「私だって………っ、!!」

ゴン太「ゴン太だって………っっ、!!」

東条「………」

星「………」

入間「………」

王馬「………」

天海「………」

真宮寺「………………」



835 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:39:35.80 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………ごめんね、解斗、みんな」



アンジー「心配かけて、ごめんね」



茶柱「なっ、アンジーさんが謝ることじゃーーー」

アンジー「謝るよ」

茶柱「!」

アンジー「だって、アンジーはみんなのことを、差別していたから」



ゴン太「差別…?」



キーボ「…………」



アンジー「………アンジーは、みんなのこと、どこか『物』みたいに思ってた」

百田「………」

アンジー「『すごい才能』があったり、瀞霊廷に住めるってだけでーーー」

アンジー「ーーー運良く『人』になれた、『物』みたいに思ってたんだよ」

天海「………」

アンジー「だから、みんなを差別して、キーボが来たことを教えなかった」

アンジー「………みんなが忙しくても、そうでなくても、キーボと会うかどうか決めるのは、みんな、なのに…………」



836 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:42:19.57 ID:OD3cyEkRO



茶柱「アンジーさん…」

赤松「………」



アンジー「キーボと是清のことも、『物』だって思ってた」

アンジー「アンジーだけの『物』だって思ってた」



キーボ「…………」

真宮寺「………………」



アンジー「だから、キーボが来たことをみんなに秘密にしていたし、是清にもそうするように頼んだ」

アンジー「みんなになんて、教えてあげなくても良いって思ってた」

アンジー「キーボならそういう風に扱っても良いって、是清だったら何をさせても良いって思ってた」



アンジー「アンジーは、みんなを『物』だって思ってたんだよ」



837 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:44:11.02 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………だけど、そうじゃなかった」

アンジー「みんな、人だったんだよ」

アンジー「人だから、苦しんでいたんだよ」



アンジー「………人から『物』にされて、終わりを迎えることの痛みを知っているからーーー」



アンジー「ーーーだから、解斗は “ あの時 ” 、アンジーの言葉に答えることができなかったんでしょ?」



百田「…………」



アンジー「才能や立場が無くなっちゃえば、『物』になって、終わりが近くなる感じがする………」



アンジー「それが、すごく、こわかった」



838 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:47:48.93 ID:OD3cyEkRO



百田「…………」

王馬「…………」

赤松「…………」

東条「…………」

星「…………」

入間「…………」

茶柱「…………」

天海「…………」



アンジー「ーーーそうして、心の整理がつかないまま何かして、それでアンジーを傷つけたくなかった」

アンジー「それだけ、みんなが優しかったから、優しい “ 人 ” だったから、踏み出せなかっただけ」

アンジー「だから、解斗は “ あの時 ” 、何も答えられなかったんだよ………」



ゴン太「アンジーさん………」



百田「………………」



839 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:50:00.68 ID:OD3cyEkRO



アンジー「なのに、アンジーは、解斗たちを、みんなを『物』みたいに思ってた」

アンジー「………アンジーの目の前には、解斗たちの、みんなの『想い』が、あったはずなのに」

アンジー「アンジーのことを、 “ 人 ” として向き合ってくれた、『想い』があったはずなのに………」

アンジー「それを、アンジーは、こわいことを言い訳に、雲で隠したんだ………」



アンジー「みんなが、アンジーみたいに、人を『物』だなんて、考えるはず無いのに…!」



王馬「………」



アンジー「ごめんね、みんな…………」



840 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:51:28.04 ID:OD3cyEkRO















アンジー「………本当に、ごめんね………っっ、!!」














841 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:53:05.14 ID:OD3cyEkRO



百田「…………」



キーボ「…………」



真宮寺「…………」



茶柱「…………」



赤松「…………」



ゴン太「…………」



天海「…………」



東条「…………」



星「…………」



王馬「…………」



入間「…………」



842 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 20:55:56.23 ID:OD3cyEkRO



百田「………おめーの言いたいことは、よくわかったぜ、アンジー」



アンジー「…………」



百田「………だから、その答えを、いまここで言ってやる」



アンジー「答え…?」



百田「………ありがとよ」



アンジー「!」



百田「おめーの気持ち、いま俺たちが受け取った!」



アンジー「?!?」



百田「アンジー! おめーはいま謝った!」

百田「そうやって、謝るってことは、自分が抱えるこわい気持ちと戦って、勝って俺達の元に踏み出してくれたってことだ!」

百田「ーーーそれだけ、俺達の『想い』を、心を、大切にしてくれたってことだ!」

百田「人として、受け入れてくれたってことだ!」



アンジー「………!」



百田「だったら、ボスとして、礼を言わねえわけにはいかねえ!」

百田「そうだろ!」



アンジー「解斗………」



キーボ(百田クン………)



百田「俺たちはおめーを許すぜ、アンジー!」



843 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:00:51.43 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………でも、アンジーはーーー」



百田「ーーーそれでも、おめーが納得できないってんならーーー」



アンジー「…………」



百田「ーーーおめーも俺たちの気持ち、受け取ってくれ!」



アンジー「………?」

アンジー「…解斗たちの、気持ち?」



百田「そうだ! 俺たちと一緒に、何かやろうぜ!」



アンジー「!?」



百田「内容はなんでもありだ!」

百田「アンジーとキーボと一緒に、『想い』を込めて絵を描いたりーーー」

百田「ーーーカルタや花札で遊んだりでも良い」

百田「俺たちとも一緒に何かして、『想い』を残してくれ!」



百田「それが、俺たちの『想い』だ!」



844 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:02:53.96 ID:OD3cyEkRO



王馬「………ホント、百田ちゃんってウザいよねー」



百田「!?」

アンジー「………小吉?」



王馬「勝手に、みんなのことまで決めちゃってさー」



キーボ「ちょっと、王馬クンーーー」



王馬「ーーーいくら、答えの決まってることとはいえ、みんなにもそれを言わせてあげないなんてーーー」







王馬「ーーーボスの名が泣くよ?」



845 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:05:02.99 ID:OD3cyEkRO



赤松「ーーーそうだよ、百田くん!」

赤松「私たちだって、アンジーさんを許すよ! それに、アンジーさんと一緒に、みんなで楽しく生きたい!」

茶柱「転子も右に同じです! まったく、これだから男死は!」

キーボ「ボクも、アンジーさんを許します! いっしょに夜空を描きましょう! アンジーさん!」

ゴン太「ゴン太も、アンジーさんを許すよ! それでアンジーさんと、みんなと一緒に、虫さんで和みたい!」

入間「む、虫プレイとかぁ…! 一緒にヤるんなら、はじめはもっと別のぉ………っ、!!」

真宮寺「………何をするかは、よく相談した上で決めた方が良さそうだネ」

星「………スポーツに関してなら、いくらか教えられるぜ」

東条「万が一、誰かが怪我をするようなことがあったら、いつでも私に言ってちょうだい。応急処置は私が………」

王馬「キー坊の場合は、入間ちゃんに修理して貰うことになるだろうけどねー」

キーボ「なっ、王馬クン! ここでまたロボット差別ですか!?」

入間「ムシすんなよぉ…! それと、キーボは言われずとも直してやるからなぁ…!」



846 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:07:28.60 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………!!」



百田「…たはは、まさか、王馬に一本取られちまうたあな………」

王馬「いや、普段から、一本どころか三振ノックアウトだよねー?」

百田「う、うるせー! 俺や野球よりもテニス派なんだよ!」

入間「言い訳になってねーぞ、ダボ!」



百田「あー、もー! とにかく、そういうこった、アンジー!」ビシッ



847 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:09:43.32 ID:OD3cyEkRO















「「「「「「「「「「「これが、みんなの『想い』だ!」」」」」」」」」」」














848 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:10:55.43 ID:OD3cyEkRO















アンジー「………っっ、!!」














849 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:14:01.81 ID:OD3cyEkRO



キーボ「…………」



真宮寺「…………」



茶柱「…………」



赤松「…………」



ゴン太「…………」



東条「…………」



星「…………」



王馬「…………」



天海「…………」



入間「…………」



百田「………………」



850 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:15:30.92 ID:OD3cyEkRO



アンジー「………うん、わかったよ、みんな!」



キーボ「!」

真宮寺「………」



アンジー「みんなといっしょにー、神った『想い出』作っちゃおー!」



851 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:18:39.04 ID:OD3cyEkRO



キーボ「…アンジーさん………!」

真宮寺「………夜長さん…!」



百田「おう! その通りだ、アンジー!」

百田「よし! そうと決まれば、さっそく何やるか決めねーとな!」



入間「な、ナニをヤるかぁ!? こんな大人数で、そんな………!?」



赤松「だったらさ、アレやらない?」

ゴン太「? アレって何なの? 赤松さん」



入間「ま、また、ムシかよぉ…!」



赤松「ほら、前に話したでしょ?」



赤松「もしここに、私たちの知る “ 誰か ” が来たら、みんなでやろうってーーーー」



852 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:20:02.30 ID:OD3cyEkRO















あっ………っ、!!!














853 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:21:40.92 ID:OD3cyEkRO



キーボ「?」



真宮寺「…………」



アンジー「…アンジーも良いのかな?」

赤松「もちろんだよ、アンジーさん! それに、こういうのは全員でやった方が良いに決まってるんだから!」

アンジー「…ありがとう、楓…」



キーボ(………なんでしょうか?)


キーボ(先ほどから、何の話をーーー)



百田「ーーーよし、さっそくやるぞ! お前ら!」



アンジー「………うん!」



854 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:23:18.64 ID:OD3cyEkRO



タッタッタッ………!



キーボ「!?」



赤松「いくよー! みんなー!」



赤松「せーのっ、!!」



855 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:24:42.76 ID:OD3cyEkRO















「「「「「「「「「「「おかえり(なさい)(っす)(だな)! キーボ(くん)(さん)!」」」」」」」」」」」















856 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:25:59.20 ID:OD3cyEkRO






キーボ「…………」









キーボ「………………えっ、?」





857 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:27:43.09 ID:OD3cyEkRO



王馬「もー、ノリ悪いなー、これだからロボットはーーー」



キーボ「えっ、えーとーーー」

キーボ「ーーーこれは、いったいーーー」



アンジー「………おかえりの、あいさつだよ」



キーボ「!?」



赤松「………実はね、私たちの知ってる誰かが来たら、こうして全員で並んで、おかえりを言うことにしてたんだ………」



百田「俺たち、全員の『想い』を込めてな!」



キーボ「………!!」



858 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:30:28.45 ID:OD3cyEkRO



アンジー「…遅く、なっちゃった、けどね………」



キーボ「アンジーさん…」



王馬「………まー、ここ1週間近くは、かなり忙しくて全員が一斉にやってこれる機会なんて無かったしーーー」

王馬「ーーー今日の場合はたまたま都合がついただけだから、どのみち遅くなってたとは思うけどね」



アンジー「小吉…」



星「それに、今こんなこと言うのもなんだが、本来こうやって出迎えをするのは、遅いに越したことは無えからな」

天海「同じく死後の世界に来たら来たで悲しむことになる…複雑な問題っす」

東条「事実、すごく悲しむ人がいることを考慮すればーーー」



入間「…………」

ゴン太「…………」

茶柱「…………」

百田「…………」



東条「ーーーそう、一概には、間違いとも言い切れないわ」



859 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:34:47.84 ID:OD3cyEkRO



アンジー「…みんな………」

真宮寺「…………」

キーボ「………………」



茶柱「…実際、転子は複雑です」



茶柱「まさか、男死が来ることで、こんな複雑な気持ちになるだなんて………!」



赤松「………えっ、?」

アンジー「………!」

真宮寺「………………」

王馬「…あー、やっぱり、茶柱ちゃんは、そうくるよねー」



キーボ「………?」



入間「…おい、茶柱。一応聞いとくが、お前、いつからキーボを “ 男 ” って認めたんだ?」

茶柱「………男らしく、女子をたらし込むというのならば、例外なく男死です!」



キーボ「………はい? たらし込む?」



アンジー「………………」



キーボ「いったい何のーーー」



真宮寺「ーーーそれはそうと、キーボ君ーーー」



キーボ「?」



真宮寺「君は、 “ おかえり ” って言われたら、どうするのかな?」



860 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:37:15.62 ID:OD3cyEkRO



キーボ「あっ………!」






アンジー「…………」



真宮寺「…………」



茶柱「…………」



赤松「…………」



東条「…………」



星「…………」



王馬「…………」



天海「…………」



百田「…………」



入間「………………」



861 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:39:31.85 ID:OD3cyEkRO
>>860はミスなので、無しで

修正バージョンを投下します
862 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:41:58.47 ID:OD3cyEkRO



キーボ「あっ………!」






アンジー「…………」



真宮寺「…………」



茶柱「…………」



赤松「…………」



ゴン太「…………」



東条「…………」



星「…………」



王馬「…………」



天海「…………」



百田「…………」



入間「………………」



863 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:43:07.64 ID:OD3cyEkRO
>>860>>862の内容に差し替えます
864 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:45:40.50 ID:OD3cyEkRO



キーボ(ーーーそうでした、その通りでした)



アンジー「…………」

真宮寺「…………」

茶柱「…………」

赤松「…………」

ゴン太「…………」

東条「…………」

星「…………」

王馬「…………」

天海「…………」

百田「…………」

入間「…………」



キーボ(ーーーみんながボクに向けてくれた『想い』がいまここにある)



キーボ(あたたかい、『想い』がーーー)







キーボ(ーーーならば、ボクの放つ言葉はーーーー!)



865 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:47:11.14 ID:OD3cyEkRO


















キーボ「ーーーただいま!!」














866 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/28(木) 21:49:07.36 ID:OD3cyEkRO
今日はここまで

次回でエピローグです
867 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 10:08:04.88 ID:x/c1YQiyO
投下します
868 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 10:13:42.18 ID:x/c1YQiyO



………………………………………………………………




キーボ(ーーーあれから、半世紀以上ものの時が経ちました………)




キーボ(ボクら三人は、再会した皆さんに真相をお伝えし、皆さんは深い覚悟をもって、それを受け入れてくれました)




キーボ(………その上で、改めてそれぞれの辿る道を考え、見出しーーー)








キーボ(ーーー歩むことになりました)



869 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 10:41:23.09 ID:x/c1YQiyO






キーボ(ーーーそうして、歩み続けている)









キーボ(半世紀以上が経過した現在でも、なりたい自分を見出し、その道のままに、歩み続けているのです)





870 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 10:48:48.88 ID:x/c1YQiyO



キーボ(そうした歩みの過程で、茶柱さん・ゴン太クン・東条さんの三人はーーー)




キーボ(ーーー真宮寺クンの話していた通り、護廷十三隊の死神となりました)


キーボ(それも全員が、救護部隊………十三の部隊の一つである【四番隊】の死神となり、医療霊術である回道や隊士への心理的ケアなどを必死に研究し、鍛錬と実践に励んでいます)


キーボ(それによって、多数の隊士が、彼女達によって心と命を救われることとなりました)


キーボ(そうして、人の心と命を護り続けています)




キーボ(これは、皆さんのたゆまぬ努力の結果ではありますがーーーーーー、それができたことには、四番隊の虎徹隊長を中心とする数多くの先達の方達が、尊敬に足る存在だったことも大きかったと思います)




キーボ(…もちろん、救護部隊として以外の、通常の死神としての鍛錬も怠ってはいません)


キーボ(斬魄刀との “ 対話と同調 ” 、瞬歩の修得に成功し、さらにはそれぞれ白打などの鍛錬に励んでいます)


キーボ(その過程で、茶柱さんは技術を中心とした、ゴン太クンは膂力を中心とした白打を、扱えるようになりました)




キーボ(もっとも、 “ 千里通天掌 ” の修得は流石にまだ先の話でしょうがーーー)




キーボ(ーーー茶柱さん達なら、きっと、大丈夫)




キーボ(そう、信じています)



871 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 10:53:36.50 ID:x/c1YQiyO



キーボ(なお、東条さんも、白打を身につけています)


キーボ(技術や膂力に特化したものではありませんが、その分、技術と膂力をバランスよく合わせもった格闘スタイルを身につけているのです)


キーボ(1対1の模擬戦闘では、茶柱さんとゴン太クンに、勝るとも劣らない戦いを見せていたくらいでした)


キーボ(また、東条さんは、他にも鬼道の才能に秀でており、基本能力の優れた死神として、多数の方から評価され続けています)


キーボ(今では、既に高い立場を得ていて、霊圧の大きさは副隊長クラスです)


キーボ(もしかしたら、近いうちに副隊長に昇進するかもしれません)




キーボ(…もっとも、東条さん自身は、自分が評価され、上に行くことを恐れていますがーーー)


キーボ(ーーー彼女には仲間がいる)


キーボ(護廷の二字の名の元に、心と命を護る、大勢の仲間がいる)


キーボ(四番隊の、護廷隊の、仲間がいる)


キーボ(側には、恐怖から誤った判断を下すことの痛みを知るゴン太クンがいる。仲間に心を開いて感情を表現することの大切さを知る茶柱さんがいる)




キーボ(仲間と共に恐怖を背負うことが出来る)




キーボ(だから、東条さんが何処まで上り詰めようと、変わらず仲間と共に、心と命を護り続ける)




キーボ(ボクはそう信じています)



872 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 11:03:43.09 ID:x/c1YQiyO



キーボ(…次に、入間さんと百田クンですがーーー)


キーボ(ーーーまたもや真宮寺クンの言っていた通りのことになりました)


キーボ(そう、入間さん達は、護廷十三隊ではなく、貴族お抱えの死神となったのです。かつて真宮寺クンが言っていたように)


キーボ(しかも、【四楓院家】という、大貴族の一つが抱える技術開発部門の科学者として、抜擢されることになったのです)




キーボ(ーーーただ、その技術開発部門は、名目上のものらしく、入間さんと百田クンしかいません)


キーボ(どういうことなのか入間さん達は人事に質問したそうですが、そのあと四楓院家の現当主の方がやって来て、瀞霊廷の外で研究を行うよう命じられたそうです)


キーボ(瀞霊廷に在住していない、某フリー科学者の元まで行くようにと)


キーボ(そう、入間さん達は、浦原商店の浦原さんの元まで出向いて研究を行い、その成果を四楓院家に還元するように言われたのです)


キーボ(そのため、入間さんと百田クンは、浦原さんの元で助手をするという形で、必死に勉強し、技術開発のための研究を重ねています)


キーボ(その成果は、四楓院家もしくは浦原商店の商品となり、今でも尸魂界の役に立ち、人を支え続けています)




キーボ(それが、入間さん達の誇りとなっている)



873 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 11:11:42.93 ID:x/c1YQiyO



キーボ(このまま研究を続ければ、入間さんの発明で尸魂界はさらなる発展を遂げ、入間さんはもちろん百田クンも霊王宮の守護を任されるに足る何かを産み出す日が来るでしょう)


キーボ(そう、霊王様やその守護を任される死神と会い、そこでコミュニケーションや研究を行うことで、尸魂界の詳しい構造を理解できる日が必ず来る)


キーボ(百田クンと入間さんはその後、尸魂界に宇宙があるか否かを、自分達の手で徹底的に確かめるつもりとのことでした)




キーボ(百田クンと入間さんでロケットを開発し、霊王宮のさらに上………宇宙かもしれない場所まで遠征するーーー)


キーボ(ーーーそこに敵が潜んでいないか確かめるという名目で、宇宙かもしれない場所を探検する気みたいです)


キーボ(そうして、お互いの手を取り合いながら、霊王宮という名の “ 目に見える光 ” と、その先にある “ 可能性の闇 ” ………霊王宮のさらに上の方まで、手を伸ばそうとする………)




キーボ(………ボクは、そうしているお二人を想像すると、とても気持ちがあたたかくなります)




キーボ(まるで、自分のことであるかのように、誇らしい)



874 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 11:15:51.03 ID:x/c1YQiyO



キーボ(………なお、浦原さんは普段は現世の日本に住んでいるということで、入間さんと百田クンも必然的に現世の日本に住むようになりました)


キーボ(そこで、百田クンは、 “ 現世で生き残った皆 ” と会おうとも考えたようですが、それは叶いませんでした)


キーボ(百田クンに限らず、 “ 生前の記憶を消さずに ” 死神になった者は、現世で故意に生前の関係者や関係組織と接触することを、掟で固く禁じられているのです)


キーボ(偶然を頼って会おうにも、浦原さん曰く、生き残った皆は、日本国内に在住していないようで、偶然会うことは不可能でした)








キーボ(………もし、会える時が来るとすればーーーー)



875 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 11:24:24.72 ID:x/c1YQiyO



キーボ(ーーーそして、赤松さん・王馬クン・天海クン・星クンの四人は、またしても真宮寺クンの言う通り、音楽芸人となりました)


キーボ(赤松さんの演奏と王馬クン達の芸は、観客を巻き込んだショーでもありーーー)


キーボ(ーーー流魂街の住民、瀞霊廷の貴族・平民・死神に関係なく、人の心を照らし、絶賛されています)




キーボ(ボク・アンジーさん・真宮寺クンの三人も、その中に含まれています)




キーボ(三番隊の鳳橋隊長も、赤松さん達のファンを公言し、実際に演奏を聴いて芸を見るために、何度も貴重な時間を割いてくれています)


キーボ(他にも、多数の死神が赤松さん達のファンであり、何者かが赤松さん達に危害を加えることの無いように目を光らせたり、時には赤松さん達を直接守ってくれることだってあります)


キーボ(…赤松さん達が流魂街に出向いた時、尸魂界に生息する虚に狙われることも稀にありましたからね。多くの方から守って頂けるのは本当にありがたい)




キーボ(…なお、赤松さん達がはじめて虚に狙われた際は、死神に助けて貰った後、赤松さん達の才能の形が一風変わったものになりました)


キーボ(それは、銀城さん曰く【因子を持つ存在が】【死神・滅却師のような偏った霊力を持たない状態で】【虚に襲われた】ことにより起きた現象とのことですがーーー)








キーボ(ーーーそれはまた、別の話)



876 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 11:31:54.31 ID:x/c1YQiyO



キーボ(…信じてますよ、王馬クン)




キーボ(キミは嘘つきでロボット差別主義者ですがーーー)




キーボ(ーーーその嘘の風船には、キミ達の想いが詰まっていると)




キーボ(赤松さん達と一緒に、そして観客と一緒に想い描いた夢が、風船の中で自由に泳いでいるとーーー)








キーボ(ーーーボクは、そう、信じていますからね)



877 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 11:35:36.89 ID:x/c1YQiyO



キーボ(…結局、皆さん、大まかには、真宮寺クンが話していた通りの道を辿ることになりましたね………)








キーボ(ーーーそれで良い)




キーボ(なぜなら、その道は、皆さんが思うままに選択し、思うままに進んだ道なのですから)




キーボ(ならば、それで良い)




キーボ(そうして歩んだ道に………後悔など、あるはずが無いのですから)



878 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 11:37:53.06 ID:x/c1YQiyO






キーボ(………そして、そうした道を歩むのは、これまで述べた皆さんだけではありません)









キーボ(そう、残る “ ボク達 ” も、またーーーー)






………………………………………………………………





879 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 11:39:35.67 ID:x/c1YQiyO
今はここまで
880 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 20:39:49.41 ID:FcQgEipIO
投下します
881 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 20:42:58.11 ID:FcQgEipIO



ー尸魂界・志波家の屋敷ー



アンジー「ーーー今日は楽しかったねー、キーボ!」

キーボ「ええ! ボクも楽しかったですよ、アンジーさん!」

アンジー「キーボとふたりで、すっごい神った絵描けたよー! にゃははー!」

キーボ「休暇をとって正解でしたね。今日そうして時間をかけなければ、ボク達の絵はここまで昇華されなかったでしょうからーーー」



真宮寺「ーーーやあ、お疲れ様、夜長さん、キーボ君」



キーボ「あっ、真宮寺クン、お疲れ様です」

アンジー「お疲れ、是清ー! 今日の仕事と修行は終わりー?」

真宮寺「うん、今日の分はネ…」



真宮寺「ーーーククク、それにしても、花火作りは本当に奥が深いヨ!」

真宮寺「半世紀かけて尚、学ぶことはまだまだ多い!」

真宮寺「尸魂界の花火は霊子で出来ている以上、現世のものよりも自由度が高く、難易度は高いと、弟子入りの際に覚悟していたけれどーーー」



真宮寺「ーーーまさか、これほどまでとは夢にも思わなかった! あァ、この感動を、言葉にせずにはいられないヨ!」



882 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 20:45:10.94 ID:FcQgEipIO



アンジー「にゃははー! 是清は相変わらずだねー!」



キーボ「ええ、空鶴さんに弟子入りしてから今に至るまで、ずっと同じことを言い続けています」



キーボ「ボクの記録データによれば、これでーーー」



アンジー「ーーーあー、数字はともかく、どうかな? 是清ー?」



アンジー「今日の【鰤清劇場】は、どんな感じー?」



883 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 20:47:57.71 ID:FcQgEipIO



真宮寺「ーーーごめんネ、夜長さん。申し訳無いけど、今日は披露できそうに無いヨ」

アンジー「あれまー? そうなのー?」

真宮寺「休日中にいろいろ調べたんだけど、その時点で考えがまとまらなくて………」



真宮寺「………すまないネ、本当に」



アンジー「気にすること無いよー! やろうとしてくれたことだけでも、アンジーは嬉しいよー!」

キーボ「そうですよ、真宮寺クン! ボク達のために貴重な休日を使って調査してくれたのでしょう?」

キーボ「その気持ちだけでも、ボク達は嬉しく思いますよ!」

真宮寺「………」

キーボ「それに、キミが作る、【誓いの花火】を待っている人はたくさんいるんでしょう?」

真宮寺「…そうだネ。確かにそうだヨ」

キーボ「それに加えて、【誓いの花火】は、クライアントの要望に応じて打ち上げタイプ・手に持つタイプ・それ他のタイプに分け、調合だって変えなくてはいけませんから、大変でしょう?」



真宮寺「………人それぞれ、込めたい『想い』の形は違う」

真宮寺「そこから目を逸らすわけにはいかないヨ」



アンジー「そうそうー! だから、いまは劇場しないでー、身体休めて、明日の仕事に備えるべきー!って、神さまとアンジーは言ってるよー!」

キーボ「ボクもアンジーさんと神さまに同意見です!」

キーボ「なので、キミはボク達だけでなく、クライアント、そしてキミ自身も大切にしてください! 真宮寺クン!」



キーボ「キミがいますぐここで寝たとしても、ボクが護ってみせますから!」







真宮寺「ーーーありがとう」



884 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 20:51:01.31 ID:FcQgEipIO



真宮寺「ーーーと言って綺麗に終わらせたいところだったけどーーー」



キーボ「?」



真宮寺「ーーーキーボ君、君が持ってる “ それ ” は大丈夫なのかい?」



キーボ「…それは、どういった意味なのでしょうか?」



真宮寺「いや、君がつい最近に名前を訊いた “ それ ” は、聞いた限り、どうにも呟きが多かったようだからネ」

真宮寺「実際に君は、その呟きによく反応していたはずだヨ」

アンジー「あー、たしかにー!」

キーボ「………そうでしたね」

真宮寺「だけど、今はそれをしていない」

真宮寺「だとすれば、説得して御しきれるようになったと思いたいところだけどーーー」

真宮寺「ーーー大丈夫だよネ?」



キーボ「………」



真宮寺「戦闘中に喧嘩とかしないよね?」



キーボ「……………」



真宮寺「………何か言ってヨ」



真宮寺「【死覇鎧を纏いし】【黒白の鉄神】ーーー」







真宮寺「ーーー【超始解級の死神ロボット】、キーボ君?」



885 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 20:56:51.71 ID:FcQgEipIO



キーボ「ーーー大丈夫ですよ、喧嘩なんてしません」



キーボ「この斬魄刀が浅打だったこれまでと同じように、ボクは斬魄刀と共に虚と戦うつもりですよ」



真宮寺「………」



キーボ「ーーーただ、この斬魄刀、口をひらけばあまりにも理解しがたいことばかり呟くんですよ」

真宮寺「…どんな感じなんだい、それは?」

キーボ「………少なくとも、この斬魄刀と比べればーーー」

キーボ「ーーー周りにボク達しかいない時の入間さんの方が、遥かに常識的な言動を取っていると思います」



アンジー「自重しない美兎の方がマシってーーー」

真宮寺「それは凄まじいネ…」

キーボ「ええ…なので、ボクの電子頭脳で計算を繰り返した結果、この斬魄刀の言葉は普段は心に留めるだけにして、返答は夜の対話の時に行うことにしたんです」

真宮寺「…ちなみに今は何て言っているのかな?」

アンジー「アンジーも気になるー!」



キーボ「………いや、ちょっと、人に伝えるには、いささか以上に憚れる内容でーーー」



キーボ「ーーー申し訳ありませんが、気にしない方向でお願いします」



886 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:00:51.90 ID:FcQgEipIO



真宮寺「…わかったヨ、そこまで言うなら気にしないヨ」



アンジー「アンジーもねー! アンジーは日本語だけじゃなくて、空気も読めるのだー!」



キーボ「…ありがとうございます」



アンジー「…あー、そうそうー」

アンジー「アンジーねー、気になることがあるんだけどーーー」



キーボ「?」



アンジー「ーーーキーボは、次いつアンジーと “ 一日 ” いっしょにいられるー?」



887 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:03:55.53 ID:FcQgEipIO



キーボ「………そうですね、スケジュールを再計算してみたところ、二週間後の同じ曜日が妥当かと」



キーボ「この日ならば、一日近く一緒にいられますよ! アンジーさん!」



アンジー「………あれ、キーボ、来週のこの曜日はダメなの?」



キーボ「すいません、その日は眠八號さんとの先約が入ってまして」



アンジー「えっ、」



キーボ「有り難いことに、付きっ切りで斬魄刀との対話に関する指南を頂けるとのことでーーーー」



888 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:08:33.52 ID:FcQgEipIO



アンジー「…………」



キーボ「アンジーさん?」



アンジー「主とアンジーは言いました。女心を弄ぶ屑鉄は自爆しろ、と」

キーボ「ちょっ!? 縁起でもないこと言わないでください!」

キーボ「というか、“ 女心を弄ぶ ” !?」

キーボ「真っ赤な誤解ですよ!! ボクと眠八號さんはそんな関係じゃありません!」

アンジー「…本当、キーボ?」

キーボ「本当ですよ! 信じてください!」

アンジー「…そっかー、なら良いけどー」

真宮寺「まァ、誤解じゃなかったら、涅隊長の手でネジ一本まで分解されることになるだろうけどネ」

キーボ「恐ろしいことを言わないでください! そして、蒸し返さないでください!」



真宮寺「ククク…ごめんヨ、ちょっと気になってネ」

キーボ「いや、本当に蒸し返すのは、勘弁してください!」



キーボ「ただでさえ普段から涅隊長と大前田副隊長のお二人に、 ただならぬ目で睨まれているんですから!」



889 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:12:49.50 ID:FcQgEipIO



アンジー「ーーーえっ、」



キーボ「誤解を招くような発言はくれぐれもーーー」



真宮寺「大前田副隊長ってーーー」

アンジー「ーーーなにかなー?」



キーボ「えっ、?」



真宮寺「いや、涅隊長はわかるヨ? 眠八號さんの父親だからネ」

アンジー「だけど、そこでー、どうして、まれち…あの人が出てくるのかなー?」



キーボ「………ええ、実はこの前、茶柱さんたち四番隊と合同任務をした際、同じく四番隊の希代さん…大前田副隊長の妹さんと仲良くなりましたね」



アンジー「…………」



キーボ「ですが、それ以降、大前田副隊長のボクを見る目がさらに厳しくなってーーー」



アンジー「屑鉄自爆しろ」



キーボ「ええっ、!?」ガガーンッ



890 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:15:48.44 ID:FcQgEipIO



アンジー「…………」



キーボ「ち、ちょっと、違うんですよ! 確かに希代さんにも付きっ切りで、斬魄刀との対話に関する指南をして頂ける予定はありますが決してそんなーーー」



キーボ「ーーー『屑鉄爆発しろ☆』!? キミまで何を言っているんですか?」



真宮寺「ククク…どうやら、自分の斬魄刀にまで批難を受けたようだネ」

アンジー「今回ばかりは刀が正しいみたいだねー」



アンジー「うんうん、女心のわからない屑鉄だからねー、しょうがないねー」

キーボ「うぐっ、」

真宮寺「まったく、これでは卍解修得まで何千年かかることやら。先が思いやられるようだヨ」



891 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:18:00.60 ID:FcQgEipIO



キーボ「ぐぬぬ…確かにボクにもまだわからない心があるようですが、決してわからないままでは終わらせませんよ!」



アンジー「…………」



キーボ「そうでも無ければ、この理解しがたい精神回路の斬魄刀と…もう一人のボクと一生付き合っていくなんて不可能ですから!」



真宮寺「…………」



キーボ「絶対にわかってみせますよ! 刀心も! 人心も!」



キーボ「そうして、いつか卍解を修得して、多くの人の『想い』を大切にできる歯車に、隊長になってみせますからね!」



キーボ「それが、ボクの歩み続ける、 “ 道 ” です!」



892 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:21:12.82 ID:FcQgEipIO



アンジー「…うんうん、わかろうとしてくれるなら大丈夫だよー!」

アンジー「それなら後で、お菓子、また食べさせてあげるねー!」

キーボ「えっ、」

真宮寺「………」

キーボ「待ってください、今日の分は既に頂いてーーー」

アンジー「………今日、キーボは、アンジーに、一日ずっと付き合ってくれた………」

キーボ「…………」

アンジー「それに加えて、ずっと心に斬魄刀の言葉受け止めて、大変だったよね?」

キーボ「………斬魄刀の相手が大変なのは、確かですね」

アンジー「だから、アンジーが作った、お菓子、また食べさせてあげる」



キーボ「………良いんですか?」

キーボ「また、作らなくてはいけなくなりますよ?」



アンジー「うんうん、問題ナッシングだよー!」

アンジー「キーボだったらいくら食べてもデブデブにはならないしーーー」



キーボ「………………」



アンジー「ーーー何より、美味しく食べてくれる人がいる」



アンジー「それなら、アンジーは、いくらでも作れちゃうよー!」



893 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:23:17.56 ID:FcQgEipIO



キーボ「………ありがとうございます、アンジーさん」



キーボ「アンジーさんのお菓子、楽しみにしています!」



アンジー「ふっふー、期待しててねー、キーボ!」

アンジー「アンジーたちだったら、デブデブになっちゃうくらい、甘くてトロトロなのをーーー」







アンジー「ーーーたくさん、たくさん、食べさせて、あげる」







アンジー「満足するまで、ね?」



894 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:24:46.93 ID:FcQgEipIO















キーボ「………はい!」














895 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:26:31.03 ID:FcQgEipIO



真宮寺「………あー、ちょっと良いかな?」



キーボ&アンジー「「?」」



真宮寺「いや、無粋なことを言うようでなんだけれどもネ………?」



キーボ「…………」



真宮寺「………卍解修得は、隊長になるための基本条件の一つであって、それで隊長になれるとは限らない、ということーーー」



真宮寺「ーーーそこは、わかっておいて欲しいかな…………」



896 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:30:05.19 ID:FcQgEipIO



キーボ「ーーーわかってますよ! だからこそ、多くの人の『想い』を大切にできる存在になるんです!」

キーボ「隊長はその結果に過ぎません! それは、ボクら【十三番隊】の教えが、朽木隊長の教えが証明していることです!」エッヘン

アンジー「………あれー? でもー、隊長の椅子って、もう空き無いよねー?」

真宮寺「そうだネ、それでも隊長になるのであれば、隊士二百名以上の立会いのもとで、現隊長と1対1で斬り合うしか無くなるけどーーー」

キーボ「そんなことするはずが無いでしょう! そんなことしたら、朽木隊長に恩を仇で返すことになりますし! 何より生き残れたとしても絶対に茶柱さん達と苺花さん達から処されますよ!」

キーボ「ボクが隊長になる時は、ボクがその器を持った上で、誰かが引退したその時です!」

真宮寺「ククク…そうかい。ならば、斬魄刀に夜長さん………共に生きる誰かとのコミュニケーションに一層励むことだヨ、キーボ君」



アンジー「…………」



真宮寺「斬魄刀にも、夜長さんにも、誰にも恥じることの無いようーーー」



真宮寺「ーーーちゃんと、生きないと、ネ?」



897 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:31:47.12 ID:FcQgEipIO



キーボ「………もちろんですよ、真宮寺クン!」



真宮寺「…………」



キーボ「ボクだって、これからも、ちゃんと生きてみせます!」







キーボ「キミにも、負けませんからね!」



898 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:33:18.22 ID:FcQgEipIO






真宮寺(………その意気だヨ)









真宮寺(キーボ君…………)





899 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:35:19.61 ID:FcQgEipIO



カランカラン………!



真宮寺「…おや、これはーーー」

キーボ「誰か来たみたいですね」スッ…

真宮寺「…僕が行くヨ。キーボ君は、そこでゆっくりしてて」

キーボ「…そうですか?」

アンジー「そうだよー、キーボはお客様なんだから、そこにドッシリだよー」

アンジー「アンジーはここの居候だから、行くけどねー!」



アンジー「ゆっくりマッタリ待っててねー、キーボ!」



キーボ「…わかりました。お願いします」



スタスタ………



………………………………………………………………





900 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:42:17.09 ID:FcQgEipIO



………………………………………………………………



キーボ「…………」



キーボ(………客人との話に、時間がかかっているようですね、アンジーさん、真宮寺クン)


キーボ(…いや、今はアンジーさんの霊圧がこちらに近づいていることからみて、もう客人との話は終わってはいるのでしょうがーーー)


キーボ(ーーー本当、何でこんなに長く話をしたのでしょうか? アンジーさんの霊圧に特に異常も感じられませんし、 “ おかしなこと ” にはなっていないとは思いますが………)




キーボ(………それでもここは、集音器の精度を上げて、すぐにでもアンジーさん達の状態を確認するべきでしょうか? 一応いまは非常時以外は禁止されていることですがーーー)




キーボ(ーーーいや、それなら、普通に、アンジーさん達の元まで出向いた方がーーーー)



901 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:44:08.57 ID:FcQgEipIO



ガララッ………!



真宮寺「キーボ君…」

アンジー「キーボ」



キーボ「あっ、アンジーさん! 真宮寺クン!」

キーボ「どうかされたんですか? かなり時間がかかっているようでしたがーーー」



アンジー「ーーーあー、ちょっとねー」

真宮寺「ーーーごめんヨ、確認のために話し込んでしまってネ………」



キーボ「確認?」



アンジー「そうだよー、神さまカードにも必要な本人確認だよー」

真宮寺「目の前にいる相手が、誰であるか、をネ…………」



902 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:45:44.25 ID:FcQgEipIO



キーボ「………?」



アンジー「…………」



真宮寺「…………」



キーボ「それは、どういうーーー」




スタスタ………スウッ




キーボ「………えっ、」



903 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:47:18.20 ID:FcQgEipIO















「…………………………………………………………」














904 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:49:30.66 ID:FcQgEipIO



キーボ「…え、えーと………?」




「…………」




キーボ「………あー、その、はじめまして、ボクは死神ロボット、キーボと申します」




「………………」




キーボ「………すいませんーーー」



キーボ「ーーーお手数ですが、あなたが、 “ どなた ” なのかーーー」



キーボ「ーーーそれで、こちらにどのようなご用件か、お聞かせて頂いても、よろしいでしょうか?」



905 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:51:13.16 ID:FcQgEipIO



アンジー「………キーボなら、わかるんじゃない?」



キーボ「…えっ、?」



アンジー「名前、聞かなくてもさ」



キーボ「??」



真宮寺「………もし、僕達からヒントを出せるとすれば、彼は “ 死神の名を冠する者 ” 達によって、価値を見出され、ここまで辿り着いた魂であることーーー」



真宮寺「ーーーただ、それだけだヨ」



906 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:53:46.30 ID:FcQgEipIO



キーボ「… “ 死神の名を冠する者 ” 、 “ 達 ” ………?」



キーボ(まさか、それってーーー)




「ーーー久しぶり」




キーボ「ーーーえっ、?」




「ーーーそして、ありがとう」




キーボ「ーーー!?」




「………決して忘れない」




「 “ あの暗闇 ” を空の光で照らし、道を見出してくれたのは、誰だったかーーー」




「ーーー決して忘れることは無い」




「この心に、今も残っているーーーー」



907 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:55:30.70 ID:FcQgEipIO















キーボ「ーーーーーーーーーーーーーーー」














908 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:58:22.51 ID:FcQgEipIO




「ーーーあの時、暗闇を照らして、道を見出してくれたからーーー」




「ーーーその道を歩んで、人の世を生き抜くことができた」




「夢を、叶えることができたんだ」




キーボ「ーーーーーーーーーーーーーーー」




「………だけど、夢は、いずれ終わりを迎える」




「その果てに、黒崎さんによって新たな道が見出されーーー」




「ーーー歩みを続け、探し出し、こうして、ここに辿り着いた」




キーボ「ーーーキミ、はーーーー」




「………改めて、言うよーーーー」



909 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 21:59:48.26 ID:FcQgEipIO






「ーーー道を、見出してくれてーーー」












「ーーー本当に、ありがとう」





910 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:02:12.10 ID:FcQgEipIO



アンジー「…………」

真宮寺「………………」



キーボ「あ、ああ………!!」



キーボ(ーーー間違いない! この人は、紛れもなくーーー)




「………………………………………」



911 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:05:08.11 ID:FcQgEipIO






(ーーー其れは花火)






(血を糧とした鉄の刃で振り下ろされる光と、眼前に広がる可能性の闇が想い描いた、夜空の輝き)






(そのかけがえのない価値は、時に代償として、我が身を別れの業火で焼き焦がす)






(それでも、恐怖を退け、心が見出した輝きはーーー)






(ーーーきっと、勇気となって、胸に刻まれる)





912 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:08:48.51 ID:FcQgEipIO















「ーーーただいま!」














913 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:10:24.69 ID:FcQgEipIO



キーボ「………おかえりなさい!」



キーボ「そして、こちらこそ、ありがとうございました!」




「………………………」




キーボ「最後まで、生き抜いてくれて!」



アンジー「…………」

真宮寺「…………」



キーボ「ボクは、それがとても嬉しい」



914 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:12:22.94 ID:FcQgEipIO






キーボ(……… “ こちら側 ” に来てしまった、その悲しみはあれどーーー)






「………………」






キーボ(ーーーそれでも、嬉しい)






キーボ(また、会えて!)





915 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:13:21.17 ID:FcQgEipIO















「ーーーーーーーーーーーーーーーーーー」














916 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:14:43.40 ID:FcQgEipIO















キーボ「本当に、おかえりなさい! そしてーーーー」














917 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:15:49.92 ID:FcQgEipIO















キーボ「ーーーようこそ、尸魂界(しごのせかい)へ!」














918 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:20:05.36 ID:FcQgEipIO






「ーーー輝きとは、重なり」









「或る時は刀、或る時は弾丸、或る時はふたつ混じる一夜の夢となって、世に現れる」










「最後に名乗り上げるは、 “ 機械仕掛けの死神 ” 」









「祈るように重なり、愛しあうように輝き、心中のように壊れあう、夢夜の歯車」









「この世の全ては、終わりを迎え砕かれる、黒の棺にある」





919 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:22:08.00 ID:FcQgEipIO






「砕かれた先に、ある世界ーーー」













「ーーー想い描くは、胸の痛み」





920 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/03/29(金) 22:27:30.00 ID:FcQgEipIO
以上で完結です。

このSSを読んでくれた人には、本当にありがとうございました。
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/30(土) 11:49:03.51 ID:mMnWjnKro

オサレポエムすごくいいな、原作感ある
キーボは爆発しろ
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/30(土) 21:38:27.08 ID:AbCCUCPZO
全部作られたものだとしても胸の痛みだけは本物なんだよなあ
キーボが死後に感じた光ってなんだったんだ
923 : ◆02/1zAmSVg [sage]:2019/03/30(土) 23:52:25.45 ID:xIxDvyxEO
>>922
遅くなりましたが、質問に答えます。

キーボが死後に感じた光とは、ぶっちゃけると、>>575でモノクマ?の言っていた、 “ 崩玉によって霊圧をブーストされた滅却師 ” のことです。

滅却師は、星十字騎士団の完聖体などを見るに、霊圧が大きくなるほど、その滅却師は天使っぽく光輝くように見えたので。キーボはその光を死後に感じました。



もし、他にわからないことやわかりづらいことがあれば、質問してくれて大丈夫です。可能な限りお答えします。
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 02:25:20.09 ID:iQgUyHzp0
春川、夢野……
925 : ◆02/1zAmSVg [saga]:2019/04/01(月) 00:06:20.20 ID:ecxYxTW9O
おまけ編を別スレで立てました。よろしければお読みください。

キーボ 「砕かれた先にある世界」おまけ編
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1554039386/



>>921
すごくいいと言って頂き、ありがとうございます。オサレな感じを出そうと必死に考えた甲斐がありました。



>>924
春川と夢野がどうなったのか?という質問ですか?

それならば、肉体が死なない限りは、現世にいます。

今作の舞台が死後の世界である都合上、彼女たちの出番がアレなことになってしまいましたが、>>1の頭の中では、苦難はあれど幸せに生きてることになっています。

(春川や夢野がどうなったのか?について書けるのはここまで。あまり具体的に書いちゃうと、想像の余地が減っちゃうので)
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/15(月) 21:29:04.64 ID:+bKWc0N50
政府側の人たち。

 

omake01.gif

 

担当教官・坂ノ下愛鈴(さかのした・あいりん)
29歳 159cm/48kg

まったりというか今時というか…語尾が伸びる口調。
声は結構高い感じ。
細かいところは話の中で出てくるので書きません。

 

軍人・野田浩毅(のだ・ひろき)
34歳 176cm/68kg

見ての通り、話の中の通り、無愛想で冷徹。
低い声でボソボソ喋るので、結構聞き取りにくいかも。
ワリと筋肉質。 元・野球少年。
好きな食べ物は実は甘いもの。
表には出さないが、可愛いものも好き(出してますね、少し/汗)

 

軍人・木下亨(きのした・とおる)
28歳 172cm/63kg

真面目に責務をこなす人。
仕事中は声を作っているが、普段はやんわりとした声。
いつも冷静で、常に周りを見ることができる。
趣味の読書が祟って(?)、やや近眼、コンタクトは目に合わないのでできない。
こう見えても軍人、運動能力は高い。

 

軍人・渡部響也(わたなべ・きょうや)
27歳 180cm/73kg

大阪生まれの大阪育ち、高校を卒業して関東に出てきた。
明朗活発で、精神年齢は恐らく中学生と大差ない。
あまり低くない声だが、いつもテンションが高いので高く聞こえる。
野田は大の苦手、木下は良い友人。
最も体格がいい、元ラグビー部。
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/15(月) 21:30:36.19 ID:+bKWc0N50
生臭い。
いや、これは血生臭いと言うのか。
谷口まどか(女子8番)は、鼻と口を手で覆った。
この臭いは、この1日で2度も嗅いだ。
教室で瀬戸口北斗(男子6番)が撃たれた時。
雑貨屋で滝川渉(男子8番)に襲われ、白鳥里子(女子7番)と野島三奈子(女子15番)が撃たれた時。

また、誰かが…

「…確認…する?」

近原公孝(男子9番)が言いながら懐中電灯を用意した。
まどかは小さく頷く。
ここで誰かが倒れていることは間違いない。
もし放置されているのなら、弔ってあげたい。
里子と三奈子の亡骸も、襲われてしばらくしてから戻って弔った。
望まない死を迎えたのに、そのまま(三奈子はバリケードの下敷きになった状態だったので尚更)にしておくなんて、あまりに気の毒だったので。
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/16(火) 07:12:22.19 ID:7vrwGjc40
女子15番・野島三奈子(のじま・みなこ)

バスケットボール部。女子主流派グループ。
口調はきついが、性格が悪いわけではない。
時に後先考えずに行動してしまう事もある。

身長/163cm
愛称/三奈子、三奈子ちゃん、三奈ちゃん、みぃちゃん、みぃ子

能力値

知力:

体力:

精神力:

敏捷性:

攻撃性:

決断力:

★★☆☆☆

★★★★★

★★☆☆☆

★★★★★

★★★☆☆

★★☆☆☆
 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:

ブーメラン
kill:

なし
killed:

滝川渉(男子8番)
死亡話数:

19話
凶器:

ミニウージー
 

瀬戸口北斗(男子6番)が好き。

F=03エリアにて潜伏していたが、渉に襲われる。運悪く全身に被弾し死亡。<第19話>

 

この子も性格が悪くないワリには悪さしかでてない・・・
まぁね、皆1人くらいはそういう子がいるんじゃないですかね(ヤな話だなぁ)。
改稿前に比べたら、里子と順番が入れ替わった&まどかを巻き込まなかった感じ。
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/16(火) 19:19:15.58 ID:7vrwGjc40
大印手虎
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/17(水) 12:47:29.77 ID:jUrCOkDu0
加納江砂
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/17(水) 12:48:16.00 ID:jUrCOkDu0
川平愛
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/17(水) 12:51:53.12 ID:jUrCOkDu0
島光琳
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/17(水) 12:52:24.22 ID:jUrCOkDu0
坪井教次
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/17(水) 13:00:19.80 ID:jUrCOkDu0
きい@スランプ
@kii_kii_911
絵を描く?HOT?ツキプロ(Growth)/ヒプマイ/四ツ目神/監獄少年/誰ソ彼ホテル/紡ロジック/スタジオわさび?BL/GL/NL/女体化/男体化なんでも好きな雑食
垢分け出来ない不器用、創作も版権ごちゃまぜ!touch.pixiv.net/member.php?id=…
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/17(水) 13:03:15.38 ID:jUrCOkDu0
愛南ぜろ
@zerotan0201
「残機×99」2巻発売中。愛南ぜろ/ぜろぽんちの名前で漫画描いてまちゅ(´o` )可愛い女の子と古いアニメ&漫画が好き。グロと下ネタをつぶやきます。くらげバンチで「残機×99」連載中→ (link: https://kuragebunch.com) kuragebunch.com
内臓airougoku.stars.ne.jp誕生日: 2月1日
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/17(水) 13:04:41.08 ID:jUrCOkDu0
スタジオわさび
@StudioWasabi_
ピリッと刺激的な物語を紡ぎます。グッズ購入はこちら(link: http://studiowasabi.booth.pm) studiowasabi.booth.pm リプやDMは流れる可能性があるので問い合わせはこちらへ(link: https://goo.gl/forms/98wgw7EyDU0eCo8J2) goo.gl/forms/98wgw7Ey…
〒890-0055 鹿児島県 鹿児島市 上荒田町32‐4 さつきビル2Fstudio-wasabi.info
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/19(金) 06:13:19.20 ID:Jq+xBe5I0
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938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/19(金) 06:14:04.13 ID:Jq+xBe5I0
https://ha10.net/test/read.cgi/anti/1546776881/l30#F
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:07:32.04 ID:CmZGgScj0
https://ha10.net/test/read.cgi/anti/1546776881/l30#F
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:08:31.75 ID:CmZGgScj0
米酢
@komezuisntit
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:10:40.63 ID:CmZGgScj0
高瀬
@wegdrw
MHA本誌組のホー炎描き。炎ホは読み専。心意気は攻め×攻め。登場キャラはみんな好き。マシュマロください:(link: http://marshmallow-qa.com/wegdrw?utm_med) marshmallow-qa.com/wegdrw?utm_med…
おふとん
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:14:35.70 ID:CmZGgScj0
ヒサ
@hisa_hazuki
成人済腐女子。地雷ないので推しCP の逆も好んで見たりします。黒バス(青諏佐) おそ松(トドあつ)hrak(ホー炎)鍵はかけたり外したり。
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:16:15.26 ID:CmZGgScj0
天馬越路
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:17:34.11 ID:CmZGgScj0
戸柄氏仙都
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:18:38.05 ID:CmZGgScj0
南葉千香
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:21:20.36 ID:CmZGgScj0
縫土飲一
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:21:59.29 ID:CmZGgScj0
野代久留
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:22:32.82 ID:CmZGgScj0
早坂正義
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 14:23:47.08 ID:CmZGgScj0
左名田反都
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 19:50:51.03 ID:CmZGgScj0
Yahoo!ニュース
@YahooNewsTopics
Yahoo!ニュースの公式アカウントです。365日24時間、Yahoo! JAPANトップページに掲出される話題を速報でお届け。※株式会社アフロ社提供の写真を使用している場合があります。
news.yahoo.co.jp
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 20:43:50.54 ID:CmZGgScj0
1994年に登場以来、毎年新作がアーケードに登場し高い人気を誇る対戦格闘ゲームシリーズ「THE KING OF FIGHTERS」(ザ・キング・オブ・ファイターズ)が、今冬ゲームボーイアドバンスに登場します!ゲームボーイアドバンスだから可能になったグラフィックによる派手な演出と爽快感。そして、キャラクターはSDではなく、アーケードのリアルな頭身で迫力満点に再現。
いつでもどこでも強豪と対戦が始まる、ゲームボーイアドバンス版の「THE KING OF FIGHTERS」の世界が広がる!

‘94〜‘97に展開された「オロチ編」。草薙京とライバル八神庵との宿命の対決を主軸にしたストーリーはそれぞれのキャラクターのファンを獲得するなど、ゲーム以外の部分でも大きな盛り上がりがおこり、いまだにその熱狂は続いている。
その「オロチ編」ののち、謎の組織“ネスツ”に捕まり、脱出した草薙京はその後どうなったのか?一方その頃、八神庵は何をしていたのか?

今回は謎に包まれた後日談を、主人公・草薙京と八神庵との宿命の対決を中心に描いたゲームボーイアドバンス版新作オリジナルストーリーの「THE KING OF FIGHTERS」なのです。(シナリオ嬉野秋彦氏、ファミ通文庫「KOFシリーズ」を執筆)

もちろん、格闘ゲームのブームを巻き起こした「餓狼伝説」「龍虎の拳」といった人気シリーズの個性的なキャラクター達もチームを組んで参戦。
そして、注目のボスキャラは?新たに参戦する新キャラクターは?
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/21(日) 21:05:26.15 ID:CmZGgScj0
川越美和
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 05:56:47.01 ID:h5yneJk30
サンスポコム
@SANSPOCOM
サンケイスポーツのニュースサイト、サンスポコム((link: https://www.sanspo.com/) sanspo.com)の公式アカウントです。ラグビーのサブアカウントもあります⇒
@sanspo_rugby
千代田区大手町1−7−2sanspo.com
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 05:57:37.11 ID:h5yneJk30
ニッカンエンタメ・プレミアム
@nikkan_entame
日刊スポーツ新聞社のエンタメ公式ツイッターです。 文化芸能を中心とした情報を配信しています。スポーツや社会ネタなども掲載します。
ネタは築地だけあって新鮮ですnikkansports.com
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 05:58:54.35 ID:h5yneJk30
日真矢支那
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 05:59:20.58 ID:h5yneJk30
藤田天子
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 06:00:00.97 ID:h5yneJk30
船方佳代
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 06:01:22.22 ID:h5yneJk30
不夜城灯花
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 06:01:53.80 ID:h5yneJk30
蛍池北斗
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 06:02:50.56 ID:h5yneJk30
本願五月
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 06:03:38.51 ID:h5yneJk30
松賀大洋
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 06:04:11.44 ID:h5yneJk30
村雨新葉
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 06:04:51.04 ID:h5yneJk30
門司甲斐
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/26(金) 06:05:19.89 ID:h5yneJk30
渡辺貴子
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/28(日) 14:31:08.39 ID:zkCVg4Ff0
三倉ゆめ #事故物件の幽霊ちゃん 単行本1巻6月28日発売!、#バカップル連載企画中
@yayoiyume
ーー漫画家 「彼女、お借りします」アシスタント ーーーーーーー「事故物件の幽霊ちゃん」連載中!! ーーーー角川、マガジン、一迅社にて活動中 事故物件の幽霊公式アカ
@kurodayokuro
フォロー待ってます^ ^ インスタ mangaka01asakurayume
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/28(日) 14:33:22.05 ID:zkCVg4Ff0
富山県の北アルプスで27〜28日、遭難が相次ぎ、兵庫県と埼玉県の男性2人が死亡した。

 27日午後3時半ごろ、北ノ俣岳(2662メートル)の山頂付近にいた兵庫県西宮市仁川百合野町の会社員土井浩行さん(50)から山小屋に「たどり着けそうにない」と連絡があった。

 山小屋の男性3人が救助に向かったが、悪天候のため断念。県警が28日午前5時40分ごろ、土井さんを救助したが、死亡が確認された。

 また、28日午前5時10分ごろ、立山町の雷鳥沢で、雪に埋もれて意識不明になっていた埼玉県越谷市東越谷の無職小川誠さん(79)を県警ヘリが救助したが、死亡が確認された。
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/28(日) 14:35:22.00 ID:zkCVg4Ff0
みずかね@オリバト垢
@OrbtStardust
オリジナルバトルロワイアル(オリバト)サイト「Star☆Dust」の管理人によるオリバト垢です。更新情報などなどを発信します。発信用のため原則フォローはいたしませんのでご了承ください。現在9作目更新中。
stardust0302.fc2web.com
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/29(月) 12:36:43.75 ID:N2RQAPPc0
みずかね@オリバト垢
@OrbtStardust
プレゼンが苦手なので短く…
Star☆Dust。2001年頃から書き始めて8作完結、9作目を書き進めています。
完結作数と特殊ルールが多いのが特徴だと思います。

多少突き抜けても、生徒たちの個性を大事にしているので、お気に入りの子が一人でもいれば嬉しいです。
#私のオリバト
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/29(月) 12:38:04.40 ID:N2RQAPPc0
成?
@Nari645
絵なんて嫌い
↓pixiv(pawooも)やってます。pixiv.net/member.php?id=…
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/04/29(月) 12:38:41.86 ID:N2RQAPPc0
モルガナ_ペルソナ広報
@p_kouhou
アトラスの贈るRPGシリーズ「ペルソナ」の情報をお届けする公式広報ツイッターです。PS4『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』10月31日発売! PS4・Switch『ペルソナ5スクランブル ザ・ファントムストライカーズ』続報に乞うご期待!
四軒茶屋
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/01(水) 21:23:20.67 ID:Gz2grhEl0
K-TARO
@KTarohiroki
165#63#40代。 競パン、スパッツ、スポユニ、ヒーローなどの強いイメージの対象に屈辱を味わわせるのが好き。戦隊ヒーローの全身タイツを大量所持。一緒に遊んだり、DM出来る方も募集です。更に、戦隊ヒーローメインで小説を書いたサイト「HERO DE-GENERATION」を運営しています。日本人男性のみでお願いします。
千葉県herodegeneration.sakura.ne.jp誕生日: 1月15日
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/01(水) 21:25:07.14 ID:Gz2grhEl0
じゃこ助
@dontkoi_zzz
元気にしんでます/出勝/成人済/本誌派 裏→
@dontkoi_ggg
/メッセージ箱→(link: http://privatter.net/m/dontkoi_zzz) privatter.net/m/dontkoi_zzz
pixiv.net/member.php?id=…
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/01(水) 21:25:48.78 ID:Gz2grhEl0
高野蘭子
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/04(土) 13:15:18.94 ID:78DEIM180
裏を返せば「友達になれるようなたくさんのキャラクターを「[ピーーー]」ことができるRPG」でもある。
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/06(月) 18:09:33.05 ID:FIwR2csG0
中道 積
@teburemeijin
最近時々、憎悪増幅装置、Twiを辞めたくなる! RT多し ロックされて以降FLBには慎重です。 Bot・?垢嫌い! 毒吐き、多投稿垢に付ご注意を! ??はメモ代わり。消去に悪意はありません。
神戸生まれ
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/06(月) 21:51:21.35 ID:FIwR2csG0
小金井はらから
@kogaharahome2
コガくんガチ恋勢。成人済み。弱ペダ全肯定ファン。フリクリオルタナ肯定派。坂本真綾さん、千葉繁さん、吉田有里さん、福島潤さん、飯田里穂さん、下野紘、吉野裕行の奴隷。pixivでオリジナルプリキュアとハニー・イン・ザ・フランキス連載中。ブログ→(link: https://harakara.hatenablog.com) harakara.hatenablog.com 詳しくはツイプロ
kogaharahome.web.fc2.com/1.html
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/06(月) 23:13:20.94 ID:FIwR2csG0
さち
@dedededeculture
成人済。ちょこちょことお絵かき。メサカナの民マクロスシリーズ大好き。最推しはメッサー君?歌姫はシェリルが好き?でも歴代歌姫皆んな可愛い。ガウォークの可愛さとかっこよさに最近ときめいてる?0、プラスも好き?メサカナ妄想垂れ流したりするので、苦手な方は回避お願いします。マクロス好きな方、フォロー失礼します!
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 06:42:33.32 ID:BbNGfJ8X0
大津
@ohhhhhhtsu
ヒロアカ(単行本派) not腐not夢恋愛要素無し 成人済 転載禁止 
絵→(link: https://twitter.com/i/moments/1097) twitter.com/i/moments/1097…
marshmallow-qa.com/ohhhhhhtsu?utm…
979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 06:53:36.49 ID:BbNGfJ8X0
はるいも?5/6出番か20a
@hrk_imo
??WJ本誌ネタバレ??右ホー/右ファ/右爆/迫荼/B組四天王(泡贔屓/右泡)◇頭良くない視野狭い目移り激しい成人済腐◇転載・無断使用やめてね/Reprint is prohibited.◇進捗
@hrim_gnku
marshmallow-qa.com/hrk_imo?utm_me…
980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 06:54:09.05 ID:BbNGfJ8X0
唐桃。
@0ococ0
成人済。ミリ環、?受け、路地裏組などなど
好きなものを好きなように
とてもお下品
ゲームも好き※本誌派
無断転載禁止誕生日: 4月18日
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 06:55:35.88 ID:BbNGfJ8X0
モリンチュ新刊通販チュ
@yorozumorimori
冗談しか言わない?逆CP,リバが絶対見れない&描けません…※描く切爆はイチャコラしていても表記がなくても全部両片思いです。爆ピ総受ですが出勝・切爆・相爆以外は爆ピからの恋心皆無です。?鉄茨会話して?「アップした絵を消さない」が2019年の目標。自由の壁→(link: http://kabe.work/yorozumorimori) kabe.work/yorozumorimori
アイコン・ヘッダー使用や転載はお断りしていますごめんなさい誕生日: 3月21日
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 06:56:15.42 ID:BbNGfJ8X0
わや
@tate_yk
成人済/かっちゃん右/※無断転載禁止/箱(link: http://odaibako.net/u/tate_yk) odaibako.net/u/tate_yk
privatter.net/u/tate_yk
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 06:57:00.31 ID:BbNGfJ8X0
チャー…
@bis_1947
爆豪受け、デク攻め(本誌ネタバレ配慮無し)、爆豪贔屓。ジョ5部はミスタ推しかつ兄貴が熱い。FGOプレイ中。頭が良くないんだよ! フォローは18歳以上推奨 倉庫 (link: http://privatter.net/u/bis_1947) privatter.net/u/bis_1947
ププピドゥの彼方pixiv.net/member.php?id=…
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 06:57:48.93 ID:BbNGfJ8X0
aa
@Minming55
MHA出勝・右爆固定|左は雑食|女体化多|成人|お題箱→ (link: https://odaibako.net/u/Minming55) odaibako.net/u/Minming55|可愛いヘッダーはるさん(
@lulululu626
)から頂きました|転載禁止|Reprint is prohibited
大阪pixiv.net/member.php?id=…誕生日: 5月5日
985 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 07:01:47.31 ID:BbNGfJ8X0
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@ks_lobos
MHA|かっちゃん?/真爆/ホー炎??/荼毘ホー/オル相 18+ NSFW???????? ?MULTIFANDOM? QZGS?|BLEACH|????| MP100 テル島/| HxH acc?
@ks_lobos2
?????????
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 07:05:26.08 ID:BbNGfJ8X0
やざき??原稿中
@yazakc
絵と同人原稿マン。R18急にあり※ジャンルもカップリングも色々描いてるので要注意。(※絵の転載/使用/加工はご遠慮下さい??♂?)雄っぱい。 ??切爆/出勝/爆受
ちかり谷pixiv.net/member.php?id=…
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 07:06:43.89 ID:BbNGfJ8X0
らんじ?5/6出番か07b
@ranji_ayano
成人腐。マイ相(左右固定/相澤推し/ハピエン)不規則に出没。成猫好き?本誌バレ感想はブログ (link: http://ranji.blog.jp/) ranji.blog.jp
https://twilog.org/ranji_ayanopixiv.me/ranji
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 07:12:52.38 ID:BbNGfJ8X0
http://ranji.blog.jp
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 07:13:44.76 ID:BbNGfJ8X0
山本 左近
@SakonYamamoto
元日本人最年少F1ドライバー / テレ東 SuperGT+ 元解説 / 参議院議員選挙全国比例(自民党)公認候補予定者 / 2005年SuperGT第4戦SUGO 優勝 / 元Formula Eドライバー / 医療法人社会福祉法人 理事 / サポーター登録→ (link: http://sakonyamamoto.com) sakonyamamoto.com
日本sakonyamamoto.com
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 07:15:22.36 ID:BbNGfJ8X0
https://harakara.hatenablog.com/entry/2019/05/01/012520
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 07:44:19.61 ID:BbNGfJ8X0
JACK?ultraか13ab14ab
@kirisame11_8
成人/マイクと相澤/マイ相/同期固定▼無断転載禁止 DO NOT REPOST▼裏はツイプロ▼挨拶不要です▼ほめて箱(link: https://www.mottohomete.net/kirisame11_8) mottohomete.net/kirisame11_8 ▼たまに鍵
マイクの肩パットtwpf.jp/kirisame11_8
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 07:57:11.84 ID:BbNGfJ8X0
ちょこれーと
@xxrxixnxx
壁打ち。成人済み。プーさん、ステラルー、シェリーメイ、プリンセス、ミニーちゃんなど。ディズニー熱。ブルームスクイーズ。長年ヲタク。愚痴多め。
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 07:57:42.33 ID:BbNGfJ8X0
【公式】8bit*eschatology
@8_eschatology
Now Loading… ▼ ストーリー進行型一次創作企画 『8bit*eschatology』 チュートリアルを再生中です。
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 07:59:23.80 ID:BbNGfJ8X0
りき子@多忙
@_riki_arigatee
切爆中心で轟出、時々ミリ環!CPは超相手ド固定(地雷は自衛してます)/女装女体化年齢操作多/可愛い攻に振り回される受大好き委員会/??フォローは『高卒18歳以上の腐女子の方』のみお受けしてます。プロフで18歳以上の腐女子と分からない方、素性のわからない方、人様の絵を無断転載してる方はブロ解してますごめんなさい!転載×
成人済みの単行本派腐女子pixiv.net/member.php?id=…
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 08:00:19.31 ID:BbNGfJ8X0
micco?5/6出番?き58a
@_micco_
みそじの漫画オタク。轟出&切爆 ガチガチ固定 リムブロもご自由に R18裏垢→
@_micco2_
感想箱→ (link: http://qq2q.biz/MpkE) qq2q.biz/MpkE かべうち→ (link: http://qq2q.biz/MpkB) qq2q.biz/MpkB ※do not use my works without my permission
海岸
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 08:27:38.25 ID:BbNGfJ8X0
コウヒキツネ??
@kouhikitunefj
(狐ω狐)いいね??bot化しつつある垢
広島の山からコンチワー!
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 08:31:49.65 ID:BbNGfJ8X0
310
@310_MHA
切爆(固定)・ホー炎/轟くん単体萌/本誌つぶやき/転載・加工等の行為NG/ ※For all my works, No reuse, reprint and upload to internet.
おにくやさん
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 08:33:19.25 ID:BbNGfJ8X0
奈良敬子
999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 08:34:15.06 ID:BbNGfJ8X0
Y?5/6 4号館あ20b
@Hnism_Y
フォロー前ツイプロ必読 READ BEFORE F→(link: http://twpf.jp/Hnism_Y) twpf.jp/Hnism_Y
odaibako.net/u/Hnism_Y
1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/05/07(火) 08:34:50.59 ID:BbNGfJ8X0
完結
1001 :1001 :Over 1000 Thread
    ´⌒(⌒(⌒`⌒,⌒ヽ
   (()@(ヽノ(@)ノ(ノヽ)
   (o)ゝノ`ー'ゝーヽ-' /8)
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断が殺した雑民って @ 2019/05/07(火) 07:40:52.86 ID:9TYAkBGtO
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須賀京太郎は静かに暮らしたい 明華「ふふ…第6章ですね」【咲-Saki-安価】 @ 2019/05/07(火) 04:07:01.12 ID:BENDW4gA0
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モバP「凛の大切なチョコを食べてしまった・・・」 @ 2019/05/06(月) 21:18:15.62 ID:MjNzlDAa0
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【ペルソナ5】明智「レンデレラ」etc小ネタ回 @ 2019/05/06(月) 19:18:38.20 ID:yD7wKKDVo
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北条加蓮「藍子と」高森藍子「物静かなカフェテラスで」 @ 2019/05/06(月) 18:54:05.67 ID:Un6E5SaO0
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ゴンベッサこと先原直樹とかいうガチで頭逝ってる奴wwwwwwwwwwwwwwww @ 2019/05/06(月) 18:52:22.91 ID:RVAHwHj60
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【ガルパン】まほ「お、お母様…とうとう黒森峰の制服にまで…」 @ 2019/05/06(月) 17:30:29.75 ID:dZV2x4/+0
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【安価】上条「とある禁書目録で」打ち止め「仮面ライダー!ってミサカはミサカは」 @ 2019/05/06(月) 16:35:47.53 ID:m4GdZGsk0
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