【ラブライブ×サイコパス】凛「見てかよちん! 凛の色相イエローグリーンだって!」

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76 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [sage]:2019/05/17(金) 21:58:40.37 ID:pfgRMM5YO
>>75
コメント感謝
更新まちまちで申し訳ない
77 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 21:59:51.45 ID:pfgRMM5YO
───市街地 住宅

美佳「公安局ですっ!」バッ

市民6「ふぇあっ!? 公安!?」

『犯罪係数 オーバー150 執行対象です 執行モード ノンリーサル パラライザー』

凛「執行!」キュイン!

市民6「μ'sの凛ちゃん!? あ、あのサインをガッ!!」バタッ

弥生「各地のエリアストレス警報もかなり沈静化してきました」ピッ

美佳「もうヘトヘトなんだけど・・・」

弥生「恐らく次で最後です。エリアストレス警報はここから4q先、音乃木坂の───」

凛 (!? そこって・・・!)
78 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:02:16.71 ID:pfgRMM5YO
───音乃木坂 小泉花陽 自宅

花陽 (ど、どうしよう・・・。テレビではこの近くの住人は避難するようにって言ってるけど、お母さん達もいないし、無闇に動かない方が安全なのかな・・・?)

───ガタッ

花陽「っ!」

花陽 (今の音は・・・。お母さん、帰ってきたのかな・・・?)

───ギィ...



男「・・・」ヒタッ

花陽「ひっ!? だ、誰っ!?」ガタッ
79 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:04:05.53 ID:pfgRMM5YO
男「フフッ、本当にいたよ・・・、μ'sの花陽ちゃん♪ ドローンの映像越しに一瞬花陽ちゃんみたいな人が見えたから、もしかしてって思ったけど・・・」

花陽「えっ、あっ・・・、えぇ!?」ガタッ

男「会いたかったよ、花陽ちゃん♪ 僕のこと分かるよね? キミのライブにはいつも応援に行っていたからね!」ヒタッ

花陽「ヒッ! あ、あの・・・!」

男「あれぇ? 分からないはずないよね? ほらっ、僕だよ、僕っ!」ヒタッ ヒタッ

花陽「い、いやぁ・・・っ!」ガタガタ
80 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:05:27.86 ID:pfgRMM5YO
コラッ ダカラヒトリジャアブナイッテ!
リンッ!

───バンッ!

凛「かよちんっ!」バッ

男「っ!」ビクッ

花陽「り、凛ちゃん!」グスッ

男「おぉ♪ 凛ちゃんまでいるなんて!」

凛「こいつっ!」スチャ!

『犯罪係数 216 執行対象です 執行モード ノンリーサル パラライザー』

凛「かよちんから離れろっ!」キュイン!

男「ガッ!」ビクンッ
81 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:07:48.06 ID:pfgRMM5YO
花陽「ヒャッ!?」

凛「かよちんっ、大じょ・・・」

───ダンッ!

男「・・・ぐぅっ!」ググッ

凛「!? ・・・えぇっ!?」

男「ふぅ・・・! ふぅ・・・!」

凛「そんな・・・、パラライザーが効いてない!?」

美佳「星空執行官!」ザッ

弥生「この男、興奮剤か何かを使っているようです!」
82 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:09:56.89 ID:pfgRMM5YO
凛「くっ、だったらもう一発・・・」スチャ

男「おっと!」ガッ

花陽「きゃあっ!?」

凛「かよちんっ!」

男「ほら凛ちゃん、撃ってもいいんだよ? 僕を撃ったら花陽ちゃんに当たっちゃうかもだけど♪」

弥生「! あの子を囮に・・・!」

美佳「こいつ・・・っ!」ギリッ

花陽「り、凛ちゃん・・・」

凛「くっ・・・」スチャ
83 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:11:24.81 ID:pfgRMM5YO
『対象の脅威判定が更新されました 犯罪係数328 執行対象です 執行モード リーサル エリミネーター』

凛 (!? エリミネーター!? どうしよう、もし撃った瞬間にかよちんを盾にされたら・・・!)

弥生「凛っ、落ち着きなさい!」

美佳「潜在犯! その子を離しなさいっ!」

男「撃たないの? それじゃあ今のうちに花陽ちゃんをいただいちゃおうかな〜♪」サワッ

花陽「ひぃっ!? り、凛ちゃ・・・」ポロポロ...




凛「」ブチッ
84 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:12:39.40 ID:pfgRMM5YO
───ダッ!

凛「かよちんから離れろぉっ!」ガッ!

男「ガハッ!?」バタッ

花陽「きゃあっ!」

美佳「!? 星空執行官っ!」

弥生「! 銃身で直接・・・!?」

凛「こいつっ! こいつっ! こいつっ!!」ガッ! ガッ! ガッ!

男「がっ! ぐっ、がはっ・・・!」
85 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:14:01.01 ID:pfgRMM5YO
花陽「凛ちゃんっ!!」バッ

弥生「凛っ! やめなさいっ!」

凛「こいつがっ、こいつがかよちんをっ!」ガッ! ガッ!

男「ぐっ・・・、ぐぅ・・・!」ビクッ ビクッ

弥生 (いけない、このままじゃ凛の犯罪係数が・・・!)

花陽「凛ちゃん! もうやめてっ!!」




『犯罪係数 252 刑事課登録執行官 任意執行対象です』
86 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:14:44.64 ID:pfgRMM5YO
───キュイン!

凛「に゛ゃあ!?」ビクンッ

弥生「!?」

凛「」バタッ

花陽「り、凛ちゃん!?」バッ

美佳「・・・」

弥生「! 霜月監視官・・・!」

男「・・・ぐっ、お前らぁ!」グッ

美佳「六合塚さん、その子を!」

弥生「っ!」バッ

花陽「ヒャッ!」
87 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:16:11.15 ID:pfgRMM5YO
美佳「・・・」スチャ

『犯罪係数 349 執行対象です 執行モード リーサル エリミネーター 落ち着いて標準を合わせ 対象を排除してください』

美佳「・・・!」ドヒュン!

市民7「ぐうっ・・・!? があぁぁっ!!」

───ドチャアッ!
88 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 22:17:53.88 ID:pfgRMM5YO
美佳「・・・」

花陽「な、なにが・・・」グッ

弥生「! 見てはダメっ!」

花陽「ひっ!? 人が・・・っ、血が・・・っ」バタッ

弥生「花陽さん! くっ・・・」

美佳「・・・六合塚さん、私は星空執行官を回収します。六合塚さんはその子をお願いします」

弥生「っ! 了解しました」

弥生 (すぐにセラピーを受けさせないと。サイコハザードでこの子のサイコパスまで・・・)スチャ

『犯罪係数 アンダー20 執行対象ではありません トリガーを ロックします』

弥生 (アンダー20!? この状況で、サイコパスをクリアに保っている・・・!?)

花陽「・・・凛ちゃん」クタッ
89 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:10:44.68 ID:pfgRMM5YO
───公安局 医務室

凛「・・・んっ」パチッ

凛「・・・ここ、どこにゃ?」

美佳「起きた?」

凛「・・・! 美佳ちゃん」

美佳「大丈夫?」

凛「う、うん。大丈夫・・・、くっ!」グッ

美佳「こら、まだ寝てなさい。無理しないでいいから」

凛「かよちん・・・、かよちんは大丈夫かにゃ?」

美佳「あの子なら大丈夫よ。ケガもないし、サイコパスへの影響もなかったわ」

凛「よ、よかったにゃ・・・」
90 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:12:01.02 ID:pfgRMM5YO
美佳「まったく、人のことより自分の心配しなさいよ。あなた、下手したら犯罪係数300越えてたんだからね?」

凛「・・・ごめんなさいにゃ」

美佳「まぁ、あの時の犯罪係数の上昇は一時的だったみたいだし、もう元の数値に戻ったみたいだから、今は落ち着いて体を休めなさい」

凛「・・・なんだか美佳ちゃんが優しいにゃ」

美佳「どういう意味よ。私はもう行くから」

凛「うん・・・」




美佳「・・・いきなり撃って、ごめん」

凛「・・・!」

───ガチャ

凛 「・・・」
91 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:12:52.77 ID:pfgRMM5YO
弥生「起きたのね、凛」スッ

凛「! 弥生お姉さん」

弥生「体は大丈夫?」

凛「うん。まだ痺れた感じだけど、けっこう大丈夫にゃ」

弥生「霜月監視官に感謝しなさい。狙って脊髄を避けて撃ったみたいだから」

凛「・・・撃たれて感謝するのもどうなのにゃ?」

弥生「仕方ないでしょ? あのままだったら、あなたの犯罪係数が大変なことになってたんだから」

凛「うん、わかってるにゃ。美佳ちゃんには感謝してるにゃ」

弥生「今はゆっくり休みなさい。もうすぐ志恩も来るから」

凛「わかったにゃ」
92 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:14:04.76 ID:pfgRMM5YO
───公安局 専用宿舎 弥生自室

美佳「・・・」

弥生「・・・大丈夫?」

美佳「はい」

弥生「無理しないでいいのよ?」

美佳「・・・潜在犯を執行するのに躊躇いなんかないはずでした。実際、あの潜在犯をエリミネーターで執行するのに迷いませんでした」

弥生「・・・」

美佳「それなのに、あの子を撃ったことには、今でも罪悪感みたいなものがあって・・・」

93 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:15:41.13 ID:pfgRMM5YO
弥生「・・・」

美佳「監視官失格ですよね? あの男のことはエリミネーターで排除しても何も思わないのに、あの子を撃ったことにはこんなに・・・」

───ポンッ

美佳「・・・!」

弥生「あまり自分を責めてはダメよ?」ナデナデ

美佳「・・・」

弥生「監視官にだって心はある。迷うことは間違いではないわ」

美佳「・・・はい」

弥生「そして、それは執行官も同じ。あの子はまだ心も未成熟だし、今回の件は仕方なかったことだと思う」
94 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/17(金) 23:18:25.50 ID:pfgRMM5YO
美佳「・・・あんな無邪気な子が潜在犯になってしまった理由、わかったような気がします」

弥生「そうね。あの時の凛の様子を見たら・・・」

美佳「・・・」

弥生「あの子の愛情は、時に凶器にさえなり得るものなのかもしれないわ」

美佳「・・・私は監視官です」

弥生「・・・」

美佳「担当の執行官がこれ以上問題を起こさないよう、しっかり近くで見ていようと思います」

弥生「・・・そうね」ニコッ
95 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:07:21.36 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 専用宿舎 東金自室

東金「・・・」

ゴチャァ...

東金 (忍び込んだならもう少し片付けていけよ・・・)ハァ
96 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:08:27.89 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 フリースペース

美佳「東金執行官のパソコンからコピーしたデータ・・・、人事ファイル?」

美佳「っ! 何このデータ?今公開されてるものとはまるで別物・・・。 13年前に執行官として配属されてる。当時18歳・・・。えっ、アイツって今20代じゃないの!?」

美佳「職務中に犯罪係数が急激に悪化した担当監視官をエリミネーターで執行・・・、同じ事例が5件!?」

美佳 (なんなのコイツ!? ヤバい、コイツは本当にヤバい・・・!)
97 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:09:28.81 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 総合分析室

朱「雛河くんのお陰で、鹿矛囲が使用しているホロが15年前の航空機事故の被害者を元にしていることが判明しました」

宜野座「そしてこの事故で唯一生き残った被害者の名前が・・・」

東金「鹿矛囲桐斗・・・」

朱「私たちは、前提条件から間違っていたようね。着目すべきは被害者個人ではなかった」

凛「美佳ちゃんが雛河のお兄さんの報告書をしっかり確認しないからいけないのにゃ」ヒソヒソ

美佳「う、うるさいわねっ。進展があったんだからいいでしょ?」ヒソヒソ

弥生 (なんだか最近仲良くなってきたかしら?)ウンウン
98 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:10:59.39 ID:ANHCQ2xiO
志恩「鹿矛囲桐斗個人のデータは公安の権限でも閲覧出来ないわね。理由は医療上の機密保持のためってなってるけど」

美佳 (医療上の機密保持ということは、薬剤特許絡みかしら。そういえば、今この国でかなりの薬剤特許を抱えてる財団って確か・・・)チラッ

東金「・・・」

志恩「あら、でも当時の執刀医さんがご存命だわ。枡嵜葉平、今も現役みたい」

朱「すぐに向かいます。星空さんは同行を」

凛「了解にゃ!」

朱「他の皆さんはそれぞれ割り振らせてもらった仕事をお願いします」
99 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:32:23.28 ID:ANHCQ2xiO
───車内 枡嵜葉平確保後

凛「やっと捜査が進展した感じだにゃ。よかったね朱お姉さん!」

朱「えぇ。だけど油断は禁物よ? 枡嵜医師は鹿矛囲と今でも通じているかもしれないわ。聴取で偽りの証言をする可能性もある」

凛「なるほど〜。それじゃあ一応、鹿矛囲の治療記録も調べて裏をとっておいた方がいいかにゃ?」

朱「そうね。病み上がりのところで悪いけど、公安局に戻ったらお願いできるかしら?」

凛「任せるにゃ!」ビシッ

朱「ふふっ、よろしくね?」
100 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:33:20.42 ID:ANHCQ2xiO
───経済省 特許局 記録保管室

美佳 (東金財団の所有する薬剤特許。この中に・・・)カタカタ

『鹿矛囲桐斗』 検索結果 1件

美佳「あった・・・」

美佳 (航空機事故被害者184名の遺体を繋ぎ合わせる多体移植技術、摘出した脳を分解して繋ぎ合わせる技術。・・・あれ? このデータ、閲覧履歴がある。閲覧した人物は・・・)

美佳 (っ! 航空機事故の被害者の名前。ということは、このデータを閲覧したのは鹿矛囲!?)

美佳「鹿矛囲がここに来た。何のために・・・?」
101 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:37:04.52 ID:ANHCQ2xiO
美佳 (鹿矛囲が閲覧したデータは東金財団が特許申請したもの。これらの特許技術は鹿矛囲の多体移植手術に使用されている)

美佳「鹿矛囲は、東金財団に復讐しようとしているの・・・?」

美佳 (だけど、なんで東金財団はこんな技術を所有していたのかしら。特許出願者の名前は・・・、東金美沙子!? 東金朔夜の母親・・・)

美佳 (すでに亡くなっているみたい・・・。父親は?)

『この情報は封印措置されています』

美佳 (封印措置!? 東金朔夜の出生にも薬剤特許が絡んでるの・・・?)

美佳 (サイコパスに関わる特異体質『AA』の先天性実証例。この項目は・・・)

『この情報は封印措置されています』

美佳「あぁ、もう。イミワカンナイ・・・」
102 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:39:06.23 ID:ANHCQ2xiO
美佳 (この情報、禾生局長に伝えてみようかしら。事件に関わっている情報なら、人員増加してくれるかもしれないし・・・)

美佳 (いや、だけどこの情報を上手く使えば、東金朔夜を危険視しない先輩を更迭させることも・・・)

美佳 (だけど、先輩の行動が鹿矛囲の存在を明らかにしたのは確かだ。刑事課の人達が命を落としてもおかしくなかった現場でも、皆を統率して生存させている。あの子の機転もあったけど・・・)

美佳「・・・」




美佳「・・・先輩のことは気にくわないけど、今は事件解決が先よね」
103 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:45:29.80 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 刑事課 取調室

枡嵜「・・・」

雑賀「ふむ、嘘の証言をするつもりはなさそうだな」

枡嵜「その通りだ。私は事故被害者184名の体と7人の脳を使い鹿矛囲を治療・・・いや作り出し、今でもなお彼に手を貸している」

雑賀「手を貸すとは、具体的にどんなことだ?」

枡嵜「ドミネーターを使用許諾者以外でも使用できるよう、監視官の網膜パターンをトレースした生態コンタクトを作成した」

雑賀「酒々井監視官だな。それで鹿矛囲はドミネーターを扱えたというわけだ」

枡嵜「本来彼は先に起こした事件でドミネーターを複数手に入れているはずだった。だがどれも公安の手に阻まれ、計画は失敗に終わっている」

雑賀「・・・」

枡嵜「彼が成そうとしている革命はドミネーターなしでは実現できない。もはや、彼に出来ることは何もないはずだ」

雑賀「革命・・・。シュビラシステムの打倒か」
104 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:47:11.59 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 総合分析室

宜野座「しかし、ドミネーターを使ってシュビラシステムを倒すとは、どういった考えなんだ?」

朱 (鹿矛囲の狙いは、恐らく・・・)

弥生「鹿矛囲の目的がドミネーターなら、ドミネーターの使用は控えるべきでは?」

朱「そうね。武装が限られてしまうけど、逆に言えばこちらが動かなければ鹿矛囲は何も出来ないということになるわ」
105 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:49:35.09 ID:ANHCQ2xiO
───公安局 局長室

禾生「なるほどな。君が集めた情報はとても興味深いよ、霜月監視官」

美佳「鹿矛囲の目的は東金財団への報復と考えられます。財団の関連施設の監視を含めて、捜査人員の増強を要請します」

禾生「その前に、君はこの『AA』とは何か分かるかね?」

美佳「いえ、鹿矛囲と東金財団を結びつける何かであるとは考えていますが・・・」

禾生「この『AA』とは所謂オープンデータと言われるものだ。簡単に言えば機密情報を暴こうとする逸脱者を誘き寄せる罠だ」

美佳「えっ・・・?」

禾生「さて、その罠に掛かった逸脱者である君の処分はどうしたものか・・・」

美佳「え、ちょ・・・!?」
106 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 20:55:30.19 ID:ANHCQ2xiO
───スチャ

美佳「ひっ・・・!」

東金「ほう、この状況でもサイコパスをクリアに保つとは・・・」

美佳「あ、アンタ・・・」

東金「母さん、こいつはいずれシステムを公開する時の模範として使えます」

美佳「か、母さんって・・・、東金美沙子!?」

禾生「そうね。だけど、それは彼女がシュビラの真実を知ってなおサイコパスを保てるならばの話。・・・そうね、試してみましょうか」スッ

美佳「な、なにを・・・!?」グスッ

禾生「霜月監視官、貴女にこの世界の真実を・・・、シュビラの正体を見せて上げる」

美佳「い、いやあぁぁぁ・・・っ!」




凛 (美佳ちゃん・・・! な、なんなのこれ・・・!?)ヒソッ
107 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:01:30.94 ID:ANHCQ2xiO
───東京某所 病院

東金 (霜月監視官から聞き出した、常守朱の祖母が入院しているという病院はここか・・・)

東金 (ヤツは幼少の頃から祖母と過ごす時間が長かった。その祖母を手に掛けられれば、流石の奴のサイコパスも黒く染まるはずだ・・・)

東金 (ククッ、老いぼれ一人嬲るだけでサイコパスを濁らすことが出来るなら安いものだ・・・)

東金 (・・・ここか)

───ギィ...




凛「これがレインボーブリッジにゃ!」ビシッ!

碧「まぁまぁ、 凛ちゃんはアヤトリが上手だねぇ」ニコッ

凛「照れるにゃ!」

東金「」
108 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:04:33.37 ID:ANHCQ2xiO
凛「それじゃあ次は〜・・・」

東金「・・・星空執行官」

凛「にゃ?」

碧「おや? またアーちゃんのお仲間かい?」

東金「・・・」

凛「あっ、東金のおじさんにゃ! こんな所で奇遇だにゃ!」

東金「おじっ・・・!? 星空執行官、君は宜野座執行官のことはお兄さんと呼んでいたよな?」

凛「それがどうしたにゃ?」

東金「俺は彼と年齢は変わらない。なのに俺だけおじさんというのは失礼じゃないか?」

凛「んー・・・。でもおじさん、なんだか凛のお父さんと同じくらいな気がするんだよね。40歳くらい?」

東金 (っ! なかなか鋭いな・・・)
109 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:06:26.46 ID:ANHCQ2xiO
───ガチャ

青柳「ジュース買ってきたわよ〜・・・、って、東金執行官?」

東金「っ! 青柳監視官、なぜここに・・・?」

青柳「この子が急に常守監視官のお婆様に会いたいって言うから、当直の常守監視官の代わりに連れてきたのよ。私も久々の非番だったしね」

凛「璃彩お姉さんがいてくれて助かったにゃ。ありがとにゃ!」

青柳「ふふっ、これくらい別に構わないわよ? ほらジュース。お婆様もどうぞ」

碧「おや、わざわざありがとうね」ニコッ

東金「」
110 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:09:00.36 ID:ANHCQ2xiO
青柳「それよりも、あなたの方こそ何でここに? まさか執行官一人で来たわけじゃないんでしょ?」

凛「・・・」ジィ...

東金「え、えぇ。霜月監視官と任務でこの近くまで来ていたんですよ。常守監視官からこの病院にお婆様がいらっしゃると伺っていたので・・・」

青柳「お婆様に何か用でもあったの?」

東金「先の事件でこの病院の警備ドローンも暴走したということでしたので、その件について少しお話を聞かせてもらえればと・・・」

青柳「なるほどね。だけど同伴とは言え、監視官の監視下を離れて単独で行動するのは感心しないわね。霜月監視官は車の中?」

東金「えぇ、任務で疲弊したということでしたので、車内で待機しています」

青柳「それは監視官としても意識的な面で問題があるわね。後で常守監視官から注意してもらわないと・・・」

東金 (あの娘には後で口裏を合わせておかないとな・・・)
111 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:11:46.97 ID:ANHCQ2xiO
凛「・・・」

東金「・・・ご入用の様子ですし、私はこれで失礼させていただきます」

碧「おや、何か私に聞きたいことがあったんじゃないのかい?」

東金「事件の詳細については病院の関係者の方から先に伺いましたので・・・」

青柳「そう。それじゃあ凛ちゃん、私達もそろそろ行きましょうか? あまり長居したらお婆様が疲れてしまうかもしれないから」

凛「えぇ〜? 凛はもう少しお婆ちゃんと遊びたいにゃ」

碧「ふふっ、私は構わないよ。アーちゃん以外にこんなに可愛いお客さんが来てくれることなんて滅多にないからね」ニコッ

凛「やったにゃ!」

青柳「まったく・・・」クスッ

東金「・・・失礼します」

凛 (・・・)

───ガチャ
112 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/20(月) 21:13:45.34 ID:ANHCQ2xiO
東金 (クソッ・・・、計画は失敗か。星空執行官、あのガキが来てから予定が狂ってばかりだ・・・)

───千代田区 セントラルホール(国交省 会合場所)

鹿矛囲「・・・すまない、計画は失敗だ。これでは、シュビラシステムの位置を特定することは出来ない」

桑島「そうか・・・。俺達の望みは叶わなかった訳か」

鹿矛囲「まだ諦めたつもりはない。僕達の悲願を遂げるまでは・・・」

桑島「その気持ちがあるだけで、俺はまだ生きていける。航空機事故直前に転校して生き延び、仲間たちへの罪悪感で押し潰されそうになっていた俺を、お前は救ってくれたのだからな・・・」

鹿矛囲「国交省の役人共、今日始末するのか?」

桑島「あぁ。奴らこそが事故の元凶だ。大義を成すのは先になっても、奴らに審判を下すのは今日と決めていた。お前と違って、こんな汚れ仕事しか、俺に出来ることはないからな」

鹿矛囲「・・・君はあの日よりもずっと前から、僕達の仲間だったよ」

桑島「・・・後は頼んだぞ、桐斗」
113 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/23(木) 16:12:09.35 ID:8FHxMcueO
───公安局

朱「先日の千代田区セントラルホールでの火災で、放火を自首してきた国会議員の桑島浩一の取調べは一係が担当するようにとの通達がありました」

宜野座「桑島浩一、若手の議員としてはかなりの期待株だったらしいが、何故こんなことを・・・」

弥生「! 常守監視官、これを」

朱「どうしたの?」

弥生「この桑島という男、例の航空機事故の被害を受けた学校の児童だったようです。事故が起こる1週間前に転校していますが・・・」

宜野座「直前で事故を免れたということか。鹿矛囲との繋がりがありそうだな」

朱「雑賀先生と共に、すぐに取調べを行います」
114 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/23(木) 16:14:54.45 ID:8FHxMcueO
───取調べ室

桑島「・・・」

雑賀「ふむ、お前も偽りの証言をすることはなさそうだな」

桑島「偽りなど話す必要はない。我々は常に正義と共にある」

雑賀「ほう、国交省の高官達を一人残らず葬ったことがお前の正義であると?」

桑島「奴らはあの航空機事故を黙認し、それを利用して今の地位を手に入れていた。裁かれて当然の者達だ」

雑賀「まぁ、役人達がどうなろうと俺の知ったことではないのだが、今お前は我々と言ったな?」

桑島「・・・」

雑賀「お前は鹿矛囲と繋がりがあると判断していいかな?」

桑島「鹿矛囲は俺の・・・、俺達の希望だ。この社会を正し、新しい秩序をもたらすための」
115 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/23(木) 16:16:34.58 ID:8FHxMcueO
朱「しかし、あなた達の計画は失敗した。複数のドミネーターを手に入れない限り、あなた達の革命は起こせない」

桑島「君は、鹿矛囲の計画の全貌を暴いているのか?」

朱「予測の範囲ではあるけど、恐らくは」

桑島「・・・出来るなら、会話が外に漏れない状況で、君と二人で話をさせてもらいたい」

朱「・・・」

宜野座『常守、そんな要求を飲む必要はない。密室で何を仕出かすつもりか分からないぞ』

桑島「・・・」

朱「・・・」




朱「・・・いいでしょう」
116 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/23(木) 16:18:07.55 ID:8FHxMcueO
宜野座『常守っ!』

弥生『常守監視官、せめて私だけでも立ち会いを・・・』

朱「それは許可できません。雑賀先生も、申し訳ありませんが」

雑賀「構わんさ。こいつにお前への敵対意思はないようだし、お前に任せた方が話は進展しそうだからな。宜野座、この部屋の通信を切れ」

宜野座『先生まで何を・・・!』

朱「宜野座さん、これは命令です。この取調べ室の通信を全て切ってください」

宜野座『っ! ・・・勝手にしろ』
117 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/23(木) 16:20:15.84 ID:8FHxMcueO
朱「・・・」

桑島「要求を受け入れてくれたことに感謝する」

朱「話というのは?」

桑島「君は鹿矛囲の計画を暴いていると言うが、その内容を聞かせてもらえるか?」

朱「・・・複数のドミネーターを一気に動作させることでシュビラに膨大なデータ処理を行わせ、その処理のためにバイパス経路を使わせることでシュビラシステムの場所を特定しようとしていた」

桑島「・・・」

朱「そしてドミネーターを連続して使用するためには執行するための潜在犯が大量に必要になる。それもパラライザーの対象になる比較的軽度の潜在犯。重篤な潜在犯では弾数制限のあるエリミネーターが発動してしまうから、連続での使用が出来なくなる。恐らくは一般市民を密室空間に閉じ込めるなどして、発作的に犯罪係数を上げることで計画は実行しようとした」

桑島「流石は公安局の常守朱監視官だ。そこまで読み切っていたとはな。だが、これで確信した・・・」

朱「・・・」
118 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/23(木) 16:22:07.77 ID:8FHxMcueO
桑島「君は、シュビラの正体を知っているのだな?」

朱「・・・何の話かしら?」

桑島「隠す必要はない。システムの正確な位置の特定こそ出来ていないが、鹿矛囲もまたシュビラシステムの正体を暴いている」

朱「・・・!」

桑島「彼はそれを知った上で、システムに問おうとしている。自分の色を、そしてシュビラ自身の色を・・・。そして常守朱、少なからず君にもあるはずだ。シュビラへの疑念が」

朱「それを聞いて、あなたはどうするつもりなの?」

桑島「俺のことなどどうでもいい。頼む。鹿矛囲を・・・、桐斗をシュビラシステムのもとへ連れて行ってくれ」
119 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/23(木) 16:23:51.87 ID:8FHxMcueO
朱「そんな要求を受け入れるとでも?」

桑島「無理は承知の上だ。だが分かってほしい。桐斗は復讐のためにシュビラを裁こうとしているのではない。この社会に、人々のための新たな『法』を生み出すために自分達の存在を懸けているのだ」

朱 (『法』・・・)

桑島「もう知っているのだろう。鹿矛囲はあの航空機事故の被害者184人の身体と脳を繋ぎ合わせた、言わば集合体的な存在だ。個人を徹底的に管理するシュビラシステムでは、彼を認識することも裁くことも出来ない」

朱「・・・」

桑島「彼の存在を認めさせること、それは言い換えれば・・・」

朱「・・・集合的存在であるシュビラシステムもまた、裁きの対象になる」

桑島「頼む、君に少しでもこの社会の秩序に対する疑念があるのなら、どうが・・・!」グッ

朱 (・・・私は)
120 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 20:35:56.69 ID:u/E9yRiBO
───東京都某所 廃墟

prrrrrrr...

鹿矛囲 (・・・浩一から?)ピッ

朱『・・・鹿矛囲桐斗ね?』

鹿矛囲「っ! 君は・・・」

朱『私は公安局刑事課一係所属、常守朱』

鹿矛囲「驚いたね・・・。浩一はどうしてるかな?」

朱『彼からあなたの目的を聞きました。鹿矛囲桐斗、あなたにその覚悟があるのなら、これから指定する場所まで来なさい。この世界の真実へと案内します』

鹿矛囲「・・・君は、シュビラシステムを?」

朱『もちろん、これはあなたを逮捕するための罠という可能性もある。信じるかどうかはあなた次第よ』

鹿矛囲「いや、君を信じさせてもらうよ。どの道、もう僕達に残された手段はないからね」

朱『・・・地図のデータを送ります。その場所まで、必ず一人で来なさい』

鹿矛囲「わかった」ピッ
121 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 20:37:02.35 ID:u/E9yRiBO
酒々井「鹿矛囲・・・」

鹿矛囲「・・・君には本当に申し訳ないことをしたと思っている」

酒々井「いいえ。私の方こそ、何もあなたの役に立てなくて・・・」

鹿矛囲「それでよかったんだ。本来の君の色を、別の色に染めずに済んだと思っている」

酒々井「・・・」

鹿矛囲「僕は行くよ。この世界の真実のもとに。君も、在るべき場所へと戻るんだ」

酒々井「・・・忘れないわ、あなたのこと」

鹿矛囲「ありがとう。その言葉は、僕という存在の証になる」

酒々井「・・・さようなら」

鹿矛囲「新しい世界で、君の色が美しくあり続けることを願っているよ」
122 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 20:37:54.10 ID:u/E9yRiBO
───東京都某所 地下水路

朱「・・・!」

東金「監視官」

朱「東金さん、何故ここに?」

東金「局長からの命令です。ここに鹿矛囲が現れる可能性があると。どんな根拠からなのかは存じませんが、ここで奴を仕留めるようにと」

朱「・・・お芝居はもう止めませんか、東金さん?」

東金「っ!」
123 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 20:39:37.52 ID:u/E9yRiBO
朱「あなたが隠匿していた本当の経歴データは霜月監視官の報告書で知りました。過去に担当となった監視官の犯罪係数を意図的に悪化させ、潜在犯に陥れて執行してきたと・・・」

東金「知っていたのか」

朱「あなたは私を黒く染めるため、私の祖母を手に掛けようとした。未遂で終わったようだけど・・・」

東金「・・・」

朱「大人しく拘束されなさい。でなければ、ここであなたを執行します」

東金「馬鹿が、貴様を黒く染めるまで誰が・・・」




「───彼女は、君程度では染められないよ」
124 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 20:40:35.67 ID:u/E9yRiBO
東金「っ!」

鹿矛囲「・・・」

朱「鹿矛囲桐斗・・・」

東金「遂に現れたか。貴様の存在が、母さんを貶める。だから・・・」スッ

───ダッ!

東金「貴様は存在してはならないっ!!」

鹿矛囲「・・・」スチャ

『犯罪係数 769 執行モード リーサル エリミネーター』

執行官「散れ、執行官」グッ
125 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 20:41:56.55 ID:u/E9yRiBO
朱「っ! ダメっ!」バッ

東金「ぐっ・・・!」

鹿矛囲「っ!」

東金「離せ小娘がっ!」ガッ

朱「きゃっ!?」バタッ

東金「先ずは貴様から・・・!」




「───待つにゃ!」
126 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 20:43:15.64 ID:u/E9yRiBO
朱「えっ・・・!?」

東金「っ!?」

鹿矛囲「君は・・・」

凛「星空凛だにゃ!」

朱「星空さん!? 何故ここに・・・」

凛「話は後にゃ! このおじさんは凛に任せるにゃ!」

東金「このガキっ、また俺の邪魔を!」

朱「ダメよ星空さん! すぐに逃げて・・・」

凛「朱お姉さんこそ、早くそのお兄さんを連れて行くにゃ! 早くしないと局長が邪魔しにくるかもしれないにゃ!」
127 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 20:44:20.00 ID:u/E9yRiBO
朱「っ! 星空さん、あなた、シュビラの正体を・・・?」

東金「貴様、あの時の会話を聞いていたのか!?」

凛「急いで! 凛は大丈夫だから、お姉さんはお姉さんのお仕事をするにゃ!」

朱「っ! ・・・死んではダメよ。生きて帰って、またμ'sの皆に会いに行きましょう」

凛「当たり前にゃ!」

朱「・・・鹿矛囲、行きましょう!」ダッ

鹿矛囲「・・・」

凛「にゃ?」

鹿矛囲「美しい色だ。ドミネーターを向けずとも、君の色はハッキリと分かる」

凛「凛の色相はイエローグリーンにゃ! イエローは凛の、グリーンはかよちんの好きな色にゃ!」

鹿矛囲「ふっ、そうか・・・」ダッ
128 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 20:45:42.37 ID:u/E9yRiBO
凛「・・・」

東金「ガキが・・・。貴様程度が俺の相手になるとでも思っているのか?」スチャ

凛「凛の運動神経を舐めてもらっちゃ困るにゃ。おじさんこそ体を労った方がよくないかにゃ?」

東金「だからおじさんじゃないと言っているだろうがぁ!」キュインッ!

凛「っ!」バッ

東金「チィッ、ちょこまかと!」キュインッ!

凛「・・・!」スチャ

『犯罪係数 769 執行対象です 執行モード リーサル エリミネーター』

凛 (769・・・っ! ホントにヤバい数値にゃ。エリミネーターじゃ4発が限界。無駄撃ちはできないにゃ)ダッ
129 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:01:03.19 ID:u/E9yRiBO
東金「逃げてばかりではどうにもならんぞ!」キュインッ!

凛「くっ・・・!」ドヒュンッ!

東金「おっと!」ザッ

凛 (くっ、当たらないにゃ・・・!)

東金「執行官になって日も浅い貴様では相手にならんぞ! さっさと死ねっ!」キュインッ!

凛「ギィッ・・・!?」バタッ

凛 (やばっ・・・! 肩にかすって痺れが・・・)

東金「チッ、エリミネーターなら今ので片付いていたものを・・・。だがこれで」シャキン

凛 (っ! ナイフを・・・!)ジリッ...

東金「俺の邪魔ばかりしやがって・・・、ここでくたばれっ!」バッ

凛「っ!」ギュッ






「───凛っ!」
130 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:02:34.53 ID:u/E9yRiBO
ドヒュンッ!

東金「っ!?」バッ

凛「にゃ・・・」

美佳「っ!」ドヒュンッ!

東金「ちぃっ!」バッ

凛「美佳ちゃん・・・」

美佳「大丈夫っ?」ザッ

凛「どうしてここに・・・?」

美佳「そんなことは後よ。立てる?」

凛「・・・うん! まだまだイケるにゃ!」ザッ
131 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:04:04.91 ID:u/E9yRiBO
東金「小娘、貴様・・・! 俺がシュビラの声であることを忘れたか!? 俺に銃を向けるということは、この社会の秩序を否定するということだぞ!」

美佳「何がシュビラの声よっ! 罪のない人を黒く染めることのどこに秩序なんてあるのよっ!」

東金「なにぃ!?」

美佳「今でも自分が許せない・・・! この子がいなかったら、私は先輩のお婆さんを見殺しにしてた。サイコパスが濁るのが怖くて、シュビラの意思に従おうとしてた・・・」

凛「・・・」

東金「お前は何も間違っちゃいない。シュビラに従えばサイコパスは美しく保たれるんだ!」

美佳「違うっ! 私わかったの・・・。例えサイコパスが濁っていても、この子や六合塚さんみたいに優しい心を持ってる人がいる・・・。私の友達を奪った潜在犯は許せないけど、すべての潜在犯を恨むのは間違っているって!」
132 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:05:17.99 ID:u/E9yRiBO
凛「美佳ちゃん・・・」

東金「馬鹿が。そんな考えをしていたら、貴様のサイコパスは・・・」スチャ

『犯罪係数 オーバー140 刑事課登録監視官 執行対象です』

東金「ククッ、自ら黒く染まるとは・・・」

凛「っ! 美佳ちゃん!」

美佳「構わないわ! 私は私の意思で自分の在り方を決める。だからここで、お前を執行するっ!」スチャ

東金「調子に乗るなよ小娘がぁっ!!」スチャ

美佳「星空執行官! あなたは左からヤツを、二人掛かりで仕留めるわよっ!」ダッ

凛「了解にゃ!」ダッ
133 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:08:42.36 ID:u/E9yRiBO
東金「ちぃ・・・っ!」キュインッ!

美佳「っ!」バッ

凛「にゃっ!」ドヒュンッ!

東金「ぐっ・・・!」バッ

美佳「そこっ!」ドヒュンッ!

東金「ヂィっ! 先ずは貴様からだっ!」スチャ

美佳 (やばっ! 射線に・・・っ!)

東金「もらったぁ!!」グッ

凛「美佳ちゃんっ!」






『犯罪係数 アンダー90 刑事課登録監視官 警告 執行官による反逆行為は───』
134 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:09:37.43 ID:u/E9yRiBO
東金「なっ・・・!?」

凛「っ! トリガーにロックが・・・!」

美佳「っ!」スチャ

───ドヒュンッ!

東金「がああぁっ!!?」

───ドチャッ!

東金「ぐっ・・・、くぅぅ・・・!」バタッ

美佳「はぁ・・・、はぁ・・・」

凛「美佳ちゃん、やったにゃ・・・!」

美佳「えぇ・・・」
135 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:11:22.39 ID:u/E9yRiBO
東金「ぐぅぅっ・・・! 馬鹿な・・・。何故ヤツは白く・・・、母さんの意思は・・・!」ガハッ

美佳「その傷で、まだ生きているなんてね」

凛「・・・」

東金「ぐっ、ククッ・・・。ここで俺が死んだとしても、シュビラの・・・、母さんの意思は存在し続ける。いずれにせよお前達は、システムから逃れることは出来ない・・・」ハァ ハァ

美佳「・・・」

凛「にゃ・・・」

東金「精々、シュビラを美しく在り続けるためだけに生きるがいい・・・。自らが濁ることの恐れを抱きながらな・・・」ハァ ハァ

美佳「・・・私はもう恐れない。数値よりも大切なものを知ったから」

東金「・・・フッ」ガクッ
136 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:13:13.85 ID:u/E9yRiBO
凛「・・・」

美佳「・・・っは〜!」ヘタッ

凛「美佳ちゃん、大丈夫かにゃ!?」

美佳「腰抜けたぁ・・・」

凛「ふふっ、何だかおばさんみたいだにゃ」

美佳「なんですって!?」ガッ

凛「冗談にゃ。だけど、たんで美佳ちゃんがここに?」

美佳「先にいなくなったのはあなたでしょ? 監視官の同行もなしに行動しようとするんだから」

凛「うっ・・・、ごめんなさいにゃ」

美佳「ホントよ、もう・・・」

凛「だけど、美佳ちゃんがいなかったら凛はきっと死んでたにゃ。本当にありがとにゃ」

美佳「・・・私だって、あなたがいなかったら、取り返しのつかない罪を犯していたわ」

凛「・・・」

美佳「・・・」

凛「・・・今回はお相子ってことでいいかにゃ?」

美佳「・・・そうね」
137 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:13:57.87 ID:u/E9yRiBO
凛「そういえば美佳ちゃん」

美佳「なに?」

凛「助けに来てくれたとき、凛のこと名前で呼んでたよね?」

美佳「はぁ? 呼んでないし・・・」

凛「いやいや、絶対呼んでたにゃ!」

美佳「うるさいわね!呼んでないって言ってるでしょ!?///」

凛「照れてるにゃ! やっぱり呼んでたにゃ!」

美佳「あ〜〜ん、もぅっ!///」




「凛っ! 霜月監視官っ!」
138 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:15:13.24 ID:u/E9yRiBO
凛「! 弥生お姉さん!」

弥生「大丈夫?」

美佳「はい、なんとか・・・」

宜野座「これは・・・、東金執行官!? どうなっているんだ!?」

美佳「東金執行官は反逆行為を起こしたから、その場で執行した・・・」

弥生「えぇっ!?」

凛「本当にゃ。美佳ちゃんが来てくれてなかったら、凛はおじさんに殺されてたにゃ」

弥生「そんなことが・・・。ふたりとも、怪我はない?」

美佳「この子が少しパラライザーを食らったみたいですけど・・・」

宜野座「なにっ!?」

凛「凛は大丈夫にゃ。もうぜんぜん平気にゃ!」

宜野座「そうか。君にもしものことがあったら、俺は真姫ちゃんに顔向けすることが出来ん」

凛「ホントにお兄さんは相変わらずだにゃ」
139 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:15:52.97 ID:u/E9yRiBO
美佳「・・・六合塚さん。私のサイコパス、見てもらってもいいですか?」

弥生「えっ・・・?」

美佳「・・・」

弥生「・・・」




───スチャ

『犯罪係数 アンダー30 刑事課登録監視官 警告 執行官による反逆行為は───』

弥生「・・・キレイなものね」ニコ

美佳「・・・」フッ
140 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:17:57.24 ID:u/E9yRiBO
───公安局 局長室

禾生「・・・集合的サイコパスの認識、そして鹿矛囲の死亡。まぁ、報告書などなくても、私自身も直接見ていたことなのだがな」

朱「鹿矛囲の自害は意味のあるものだった。新たな秩序を生み出した代償に、自らの罪を清算した。復讐の念に囚われず、最後まで自分達の信念を貫いた」

禾生「そんなものは、我々には関係のない話だ。重要なのは、その新たな秩序の創造に君が大きく関与したということだ」

朱「もう私の存在は必要なくなったかしら?」

禾生「その逆だよ。我々の中に、君を迎え入れてはという意見も出ている」
141 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:19:34.68 ID:u/E9yRiBO
朱「そんな気は毛頭ないくせに。だけど、あなた達が真の意味でこの社会から必要なくなったら、その時は一緒に地獄に行ってあげるわ」

禾生「個人としてはクリアでも集団としてはクリアではない可能性、人々の疑心暗鬼が大量虐殺へと変貌を遂げるかもしれない集合的サイコパス・・・。その新たな扉を開いたのは君だ。この事を忘れるな」

朱「あなたに言われるまでもないわ」

禾生「一つだけ聞いておこう」

朱「なに?」






禾生「君はμ'sのメンバーでは誰推しかね?」

朱「・・・」

禾生「・・・」

朱「私は箱推しよ」

禾生「やはり君は優秀だよ、常守監視官」
142 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:21:18.31 ID:u/E9yRiBO
朱「話は終わりかしら?」

禾生「・・・μ'sの小泉花陽、彼女の監視を一係に命じる」

朱「? いきなり何を言っているの?」

禾生「六合塚執行官のドミネーターを介して得た情報だが、彼女は免罪体質者である可能性が高い」

朱「!?」

禾生「本当にそうであるのか判断する必要がある」

朱「待ちなさい! もし本当に彼女があなた達と同じ免罪体質者なら、システムに取り込むつもり!? そんなこと・・・」

禾生「君は何か勘違いをしているようだな」

朱「えっ?」






禾生「かよちんはこの社会に舞い降りた女神だ。彼女の存在は、民衆の標であってこそ輝きを増すというものだ」
143 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:23:29.69 ID:u/E9yRiBO
朱「・・・えーっと?」

禾生「ある都合により、かよちんの通う学院にはスキャナを設置出来ていない。よって直接彼女を監視する必要がある」

朱「・・・システムに取り込むつもりはないのね?」

禾生「無論だ。かよちんは個を失ってはいけない女神。これは我々の総意だ」

朱 (あいつら全員花陽ちゃん推しなのね・・・)
144 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:24:26.70 ID:u/E9yRiBO
朱「だけど学院で直接監視なんてどうすれば・・・」

禾生「星空執行官がいるだろう。彼女を学院に戻して監視させればいい」

朱「本気で言ってるの? 彼女は潜在犯なのよ?」

禾生「サイコパスはこちらで操作する。本来の数値は潜在犯だが、表面上はサイコパスが回復した者として振る舞ってもらう」

朱「・・・平等なシステムが聞いて呆れるわね」

禾生「全てはかよちんのためだ。手続きはこちらで済ませる。頼んだぞ、常守監視官」

朱「・・・失礼します」
145 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:26:43.77 ID:u/E9yRiBO
「───南です」

禾生「・・・入れ」

───シュンッ

理事長「随分と思い切った選択をしましたね。集合的サイコパスの認識・・・。議論が為されていた問題とはいえ、正直驚きました」

禾生「これも一つの進化と捉えたまえ。これで我々はさらに完璧なシステムとして存在し得るのだからな」

理事長「完璧であるものに進化があるという考えについては、興味深いところです」

禾生「・・・相変わらずの減らず口だな。生身の肉体を保ったままとはいえ、君もシステムの一部であることを忘れるなよ?」
146 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:28:03.82 ID:u/E9yRiBO
理事長「承知していますよ。μ'sがスクールアイドルとして審査を介さずに承認して頂けたのも、あの生徒数で学院が存続できていたのも貴方達のおかげですからね」

禾生「君の脳波はシュビラシステム、とりわけドミネーターとその使用者のリンク構築において欠かせない役割を有している。システムへの外部からの干渉を例外的に認めているのもそのためだ」

理事長「私自身、今でもよく理解出来ていないのですけどね。私としては、生活に支障をきたしている訳でもありませんし」

禾生「君はただシステムと思考を共にするだけでいい。本来ならば我々のユニットに加わるべきところなのだが・・・」

理事長「それに関しては毎回のことですが、お断りさせて頂きます。免罪体質とはいえ、私は元々サイコパスを濁らせるようなことをするつもりもありませんし、個の存在を否定される謂われはありません」

禾生「分かっているさ。言った通り君の存在は我々とって欠かせないものだ。下手に強制して君にもしものことがあればそれこそ問題だからな」

理事長「ご理解いただけているようで助かります」
147 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:30:19.50 ID:u/E9yRiBO
禾生「しかし、今回の選択で我々には多くの空席が生じた。集合的サイコパスを成立させるデータ処理には君の思考も参加してもらうことになるかも知れんが、その事は理解しておいてくれたまえ」

理事長「出来れば遠慮したいものですが、仕方ありませんね。その進化とやらでこの社会がより良いものとなることを祈ります」

禾生「恐らく、君の望みとは逆の未来がくると現状の我々は予想しているのだがな・・・。話は以上だ、下がりたまえ」

理事長「失礼します。星空さんと小泉さんのことはお任せください。二人ともこちらで責任を持って預からせていただきます。彼女達には、残りの学生生活を謳歌してもらわないと」

禾生「スキャナの設置を拒否している張本人がよく言ったものだが、よろしく頼むとしよう。あぁ、それと・・・」

理事長「?」
148 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:31:51.50 ID:u/E9yRiBO
禾生「君はμ'sのメンバーでは誰推しかね?」

理事長「私はもちろん娘推しです」

禾生「ふっ、その俯瞰とは程遠い思考を持ちながら我々と存在を共にしていることに、我々自身が理解に苦しむところだよ」

理事長「そういう貴方達だって小泉さん推しでしょう? 平等のシステムが聞いて呆れます」

禾生「聞き覚えのある言葉だが、かよちん推しは我々の総意だ。そして、かよちんの可愛さはこの世界の秩序そのもの。故に我々のシステムに何ら影響をきたすものではない」

理事長「はぁ、そうですか」

禾生「呼び止めてすまなかったな。下がりたまえ」

理事長「失礼します」
149 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:32:26.78 ID:u/E9yRiBO
───音乃木坂 星空凛自宅

凛「それじゃあお母さん、行ってくるにゃ!」

凛母「車に気をつけるのよ〜」

凛「今の時代に交通事故なんてそうそう起こらないにゃ」

凛母「それでもよ。この世界に絶対なんてものはないんだから」

凛「は〜い、わかったにゃ。それじゃ、行ってきます!」

凛母「えぇ、行ってらっしゃい」ニコ
150 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:33:11.38 ID:u/E9yRiBO
凛「かよち〜〜ん、真姫ちゃ〜〜ん!」

花陽「凛ちゃん、おはよう!」

真姫「おはよ。朝から元気ね」

凛「久々の学校だから楽しみにゃ!」

花陽「うん! 私も久しぶりに凛ちゃんと学校に行けてうれしいな。真姫ちゃんもだよね?」

真姫「ま、まぁね///」

凛「あっ、真姫ちゃん照れてるにゃ!」

真姫「て、照れてないわよっ!///」

花陽「ふふっ♪」
151 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:34:12.33 ID:u/E9yRiBO
凛「だけど本当に久しぶりにゃ。はやく穂乃果ちゃん達にも会いたいにゃ!」

花陽「絵里ちゃん達も予定合わせてくれたから、週末に会えるよ?」

凛「やったにゃ!」

真姫「けどあなた、執行官になってからも結構みんなと会ってたわよね?」

凛「・・・確かにそうにゃ。朱お姉さんにはいっぱいお世話になったにゃ」

真姫「まったく・・・。いくらいい人だからって、ちゃんと相手の迷惑も考えなくちゃダメよ?」

凛「耳が痛いにゃ」
152 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:36:32.27 ID:u/E9yRiBO
花陽「でも、執行官として会うのと学生として会うのとじゃ、やっぱり違うはずだよ!」

真姫「確かにね。実際、サイコパスが回復するなんて思ってもみなかったし。本当によかったわ」

花陽「きっと何かの間違いだったんだよ。凛ちゃんが潜在犯になるなんて、私は信じられなかったもん」

凛「・・・うん、ありがとう。真姫ちゃん、かよちん」

凛 (本当はまだ潜在犯のままだし、学院に戻ったのはかよちんの監視のため。ふたりを騙しているという事実はとても胸が苦しいにゃ。だけど・・・)

花陽「ほら凛ちゃん、もうすぐ音乃木坂学院だよ! またみんなで一緒に頑張ろうね!」

真姫「そうね。やっぱり凛がいてくれた方が、私も嬉しいから・・・」

凛「・・・うんっ!」

凛 (かよちんや真姫ちゃんのことが大好きっていう気持ちは変わらないにゃ。凛はこれからも、絶対にみんなのことを守って見せるにゃ)

凛 (そう、美佳ちゃんとも約束したから・・・)
153 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:37:23.86 ID:u/E9yRiBO
───公安局 刑事課

ダッテパーティートーマラナイー♪

宜野座「これが真姫ちゃんのセンター曲だ」

蓮池「うわっ、みんなメッチャ可愛いじゃないっすか!」

須郷「少し衣装が際どい気もしますが・・・」

宜野座「それを着こなしているのも彼女達の魅力ということだ」

須郷「なるほど・・・」
154 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:39:12.52 ID:u/E9yRiBO
須郷「! も、申し訳ありません、霜月監視官!」

蓮池「いいじゃないっすか。それに今日は俺達非番っすよ?」

美佳「だったら宿舎にいなさいよっ! ていうかアンタ達は二係でしょ! なんでウチにいるのよ!?」

蓮池「だって宜野座さんが一緒じゃないとμ'sのライブ映像見せてくれないって言うし・・・」

宜野座「俺がそれぞれのライブの見所をふたりに説明してやっているんだ。少しくらい許してやってくれ」

美佳「それならアンタの部屋で見ればいいでしょ!?」

宜野座「職務中に持ち場を離れる訳にはいかんだろう?」

美佳「アンタは非番じゃないのかよっ!?」バンッ!
155 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:40:24.86 ID:u/E9yRiBO
宜野座「朝から居ただろう・・・。っ! お前達、真姫ちゃんのソロパートだ! 集中しろっ!」

須郷「! 了解ですっ」

蓮池「スゲー歌上手いっすね〜」

宜野座「自らが紡ぎ出した曲を、その美しい歌声で奏でる・・・。やはり真姫ちゃんは女神だな」

美佳「本当にコイツは・・・」ハァ

弥生「お疲れ様です。お茶をどうぞ」コトッ

美佳「あっ、ありがとうございます六合塚さん」

弥生「宜野座さんも、凛がいなくなって少し淋しいみたいですね」

美佳「だからって、流石にあれはダメでしょ・・・」ハァ

弥生「霜月監視官は大丈夫ですか?」

美佳「私ですか?」




弥生「・・・あの子がいなくなってから、時々遠い目をしていることがあるわよ?」
156 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:41:27.37 ID:u/E9yRiBO
美佳「っ! わ、私は別にそんな・・・」

弥生「隠さなくてもいいわ。私も同じだから」

美佳「六合塚さんも?」

弥生「なんだか騒がしかった妹が急にいなくなってしまったような、そんな感じかしら」

美佳「妹、ですか・・・」

弥生「あなたの場合は、妹というよりも友達かしら?」

美佳「友達って・・・。わ、私は一応あの子の上司なんですからね?」

弥生「ふふっ、そうだったわね」

美佳「・・・でも」

弥生「?」
157 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:42:49.57 ID:u/E9yRiBO
美佳「あの子と一緒にいると、昔の友達を思い出したりします。今は天国にいってしまったけど、楽しかった時のことを思い出させてくれます・・・」

弥生「・・・そう」ニコ

──ティロン♪

美佳「んっ、メール? 誰から・・・」カタカタ

『美佳ちゃん、今日お仕事終わったらみんなでラーメン食べに行くにゃ! 凛』

美佳「・・・またアイツは」

弥生「あの子から?」

美佳「はい。まったく、あの子はホントに・・・」
158 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:43:53.41 ID:u/E9yRiBO
───ウィーンッ! ウィーンッ! ウィーンッ!

美佳「っ!」

宜野座「なんだ!?」

弥生「これは・・・」

朱「みんな、揃っているかしら?」ザッ

美佳「先輩、事件ですか?」

朱「えぇ、中野区でエリアストレス警報、規定値超過のサイコパスを計測したわ」

美佳「了解です。私が六合塚さんと雛河を連れて現場に当たります」

雛河「えっ、ぼく?」ビクッ

六合塚 (いたのね・・・)
159 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:46:35.20 ID:u/E9yRiBO
朱「大丈夫?」

美佳「この程度のエリアストレスなら、私でも対応出来ます」

朱「わかったわ。お願いね?」ニコ

美佳「はいっ」ビシッ

宜野座「仕方ない、俺の出番のようだな」ガタッ

朱「宜野座さんには、これを」バサッ

宜野座「これは?」

朱「職務怠慢に関しての反省文をお願いします。字数は8000字以上で、今日私が上がる前までに提出してください」

宜野座「」

須郷「反省文・・・」

蓮池「うひー、宜野座さんお疲れ様です」

朱「あなた達も非番なら宿舎に戻りなさい。青柳監視官と酒々井監視官に報告しますよ?」

須郷「!? そ、それだけは・・・」ダッ

蓮池「勘弁してくださいよ! すぐに戻りますからっ!」ダッ
160 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 21:49:00.29 ID:u/E9yRiBO
美佳「なにやってるんだか・・・」

弥生「行きましょう、霜月監視官」

美佳「あっ、はい。ちょっと待ってください・・・」カタカタ タンッ!

弥生「雛河も、もたもたしてないで早く準備しなさい!」

雛河「ヒイぃ・・・!」ビクッ

美佳「よしっ。それじゃあ先輩、行ってきます!」

朱「気を付けてね?」

美佳「了解っ!」ダッ





『定時に終わらせてみんな連れてくから、ちゃんと準備して待ってなさい! 美佳』

Fin
161 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [saga]:2019/05/24(金) 22:03:08.37 ID:u/E9yRiBO
これにて完結です
やっぱりちゃんと展開を決めてから書かないとダメですね
思ったよりラブライブ成分少なかったです

サイコパスの2期は自分的にあまり好きじゃなかったのですが、先日ちゃんと見直してみたら結構面白いことに気付きました(笑)
まぁ美佳ちゃんの扱いはどう見ても酷いけど・・・

読んでくださった方、コメントくださった方ありがとうございました
サイコパス好きな方、3期に期待しましょう( *・ω・)ノシ
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/24(金) 23:17:21.17 ID:dk8uP0Eao
原作と違って全てがハッピーエンドでほっこりした@ことり推し
163 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [sage]:2019/05/24(金) 23:21:35.04 ID:u/E9yRiBO
ミスありました
>>153>>154の間に美佳ちゃんのお叱りの言葉が入ります
164 :リングマ ◆MgVjNaF4Y2 [sage]:2019/05/24(金) 23:22:58.04 ID:u/E9yRiBO
>>162
コメ感謝!
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/05/28(火) 08:44:49.34 ID:71LTqAdeO
乙!
ハッピーエンドでよかった!
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