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武内P「ラッキースケベです」 - SS速報VIP 過去ログ倉庫

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 13:45:18.50 ID:2DoMVe9Vo
未央「えっ?」

卯月「へっ?」

凛「今、何て?」


武内P「今朝、社内メールで通達がありました」

武内P「……皆さん」

武内P「本日は、ラッキースケベに注意してください」


未央・卯月「……」

凛「……ごめん、ちょっと意味がわからない」

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諸君、狂いたまえ。 @ 2024/04/26(金) 22:00:04.52 ID:pApquyFx0
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少し暑くて少し寒くて @ 2024/04/25(木) 23:19:25.34 ID:dTqYP2V2O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1714054765/

渾沌ゴア「それでもボクはアイツを殺す」 @ 2024/04/25(木) 22:46:29.10 ID:7GVnel7qo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714052788/

二次小説の面白そうなクロス設定 @ 2024/04/25(木) 21:47:22.48 ID:xRQGcEnv0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1714049241/

佐久間まゆ「犬系彼女を目指しますよぉ」 @ 2024/04/24(水) 22:44:08.58 ID:gulbWFtS0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713966248/

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 13:50:24.10 ID:2DoMVe9Vo
未央「注意しろ、って言われたって……ねえ?」

卯月「ら、ラッキースケベって……エッチな事ですよね?///」

凛「そもそも、そんなの会社で把握出来るものなの?」


武内P「346プロダクションは、老舗の芸能プロダクションです」

武内P「生放送での、所謂『ポロリ』には注意していますから……」

武内P「……兎に角、十分に気をつけていきましょう」


未央・卯月「あ、はい」

凛「……えっ? 今のが答えなの!?」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 13:55:02.81 ID:2DoMVe9Vo
未央「でも、注意するってどうやって?」

武内P「今日は、私の半径3メートルには近づかないでください」

卯月「は、半径3メートル? 随分具体的なんですね……」

武内P「はい。それが、ラッキースケベの射程距離です」

凛「ふーん……近づかないようにすれば良いんだ」

武内P「ええ、そういう事になります」


武内P「……皆さん」

武内P「くれぐれも、今日は私に近づかないで下さい」


卯月「はいっ! 島村卯月、頑張ります!」

凛「まあ、それ位なら別に良いんじゃない?」

未央「……んっふっふ!」ニンマリ!
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 13:59:37.35 ID:2DoMVe9Vo
未央「いやー、なんだか面白そうじゃん!」

卯月・凛「えっ?」

未央「……ラッキースケベで、プロデューサーがどんな反応するか」

卯月・凛「……」

未央「二人共、気にならない?」

卯月・凛「…………」…チラッ!


武内P「ほ、本田さん? 何を言って……」

武内P「島村さん、渋谷さん? 何故、私を見て……」


未央・卯月・凛「……」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 14:07:24.82 ID:2DoMVe9Vo
未央「……ここから一歩踏み出せば、3メートルの内だね」

卯月「……え、エッチな事が起きちゃうんですよね///」

凛「っ! 二人共、やめなって! って言うか、良いの!?」

未央「ままま、細かいことは言いっこなし!」

卯月「わ、私は……プロデューサーさんになら……///」

凛「……!?」


武内P「ま、待ってください!」

武内P「くっ……部屋の隅に追い詰められ……!」

武内P「皆さん! どうか、私の話を聞いて下さい!」


未央・卯月「……」

凛「アンタも! 逃げ方がヘタクソすぎるでしょ!」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 14:15:15.96 ID:2DoMVe9Vo
未央「――本田未央! 行っきまーす!」ニコッ!

武内P「っ!? 良い、笑顔です……!」

未央「ジャンプで、よっ――」

ぴょんっ!

未央「っととっ!? あっ、わっ!?」

…ふらふらっ

武内P「っ!? 本田さん!」


―がしっ!


未央「こ、転ぶ所だった……せ、セーフ!」

ぎゅうっ!

武内P「ほ、本田さん……そんなに強く胸を……!」ビクビクッ!



卯月・凛「そっち!!?」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 14:20:13.76 ID:2DoMVe9Vo
未央「えっ? 胸?」

ぎゅむうっ!

武内P「は、はい……くぅっ……!」ビクビクッ!

未央「わわわっ! ごっ、ごめん!」

ぱっ!

武内P「い、いえ……お気になさらず……」

未央「結構強く掴んじゃってたし、ホントごめんね……」

武内P「……本田さんに怪我が無くて、何よりです」

未央「……う、うん///」


卯月・凛「……」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 14:31:54.99 ID:2DoMVe9Vo
卯月「――島村卯月、頑張ります♪」ニコッ!

武内P「島村さん!? 良い、笑顔です……!」

卯月「私も、ジャンプで! えいっ――」

ぴょーんっ!

武内P「ダイビングジャンプ!? まずい――」

だっ!

卯月「あっ、あわわわっ!?」


―がしっ!


卯月「あ……あれ? 何か、下敷きになって……」

もみもみっ!

武内P「し、島村さん……そんなに強く尻を……!」ビクビクッ!


凛「……」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 14:35:50.98 ID:2DoMVe9Vo
卯月「へっ? お尻?」

ぐむっ、ぐむっ!

武内P「は、はい……っぁ……!」ビクビクッ!

卯月「すっ、すみません!/// すみません!///」

ぱっ!

武内P「い、いえ……お気になさらず……」

卯月「えっと、その、あの……あうぅ……///」

武内P「……島村さん、お怪我はありませんか?」

卯月「……は、はい///」


凛「…………」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 14:40:59.43 ID:2DoMVe9Vo
未央「し、しまむー……ほら、離れて……///」

卯月「は、はい……そうですね……///」


武内P「……今ので、おわかりになったと思います」

武内P「なので、どうかお願いします」

武内P「今日は、私に近づかないようにしてください」


未央・卯月「……///」コクリ!


凛「………………」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 14:47:16.56 ID:2DoMVe9Vo
凛「――渋谷凛、15歳。高校一年生」キリッ!


未央「いやー、まさか本当にああなるとはだよ」

卯月「思ってたのとは、ちょっと違いましたけど……えへへ///」


凛「い、行くよ! 蒼い風が……駆け抜けるように!」キリリッ!


未央「しまむーや、お尻の触り心地はどうだったかね?」ニヤニヤ!

卯月「みっ、未央ちゃん!/// そういう聞き方は……!///」アワアワ!


凛「……ねえ、ちょっと……未央? 卯月?」


未央・卯月「?」キョトン!


凛「……!?」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 14:54:24.92 ID:2DoMVe9Vo
凛「二人共、なんで話は終わった感出してるの!?」

未央「えっ? なんで、って……」

卯月「どうなるか、わかりましたし……」

凛「っ! いや、それはそうだけど!」

未央・卯月「……」


未央・卯月「触りたいの……?」


凛「!?」


武内P「し、渋谷さん……?」


凛「!?」

凛「待って! おかしい! はっ!? 何なの!?」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 15:01:30.11 ID:2DoMVe9Vo
未央「……しぶりん、そういうの良くないよ」

凛「何が!?」

卯月「……凛ちゃん、えっと……ねっ?」

凛「だから、何が!?」

武内P「……」

凛「何か言ってよ! ちょっと!」


武内P・未央・卯月「……」


凛「……ふっ」

凛「ふざけないでよ! はぁ!?」

凛「触りたいとか……そんなのある筈無いでしょ!!」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 15:10:28.59 ID:2DoMVe9Vo
未央「だよね! ごめんごめん、勘違いする所だったよ!」ニコッ!

卯月「今の私達を見てたら、いけない事だってわかりますもんね♪」ニコッ!

凛「……うん、そうだね」

未央「あんまりプロデューサーを困らせるのも悪いしね〜」

卯月「ふふっ♪ 凛ちゃんったら……ビックリさせないでください♪」

凛「……うん、ごめん」


武内P「それでは、皆さん」

武内P「今日も一日、笑顔で頑張って下さい」


未央・卯月「はいっ!」ニコッ!

凛「…………うん」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 15:13:19.99 ID:5kdNX4WAo
おーきたか!まってた
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 15:16:20.30 ID:2DoMVe9Vo
未央「さーて! それじゃあ張り切ってレッスン行きますかー!」

卯月「はいっ! 島村卯月、レッスン頑張ります♪」

凛「あっ、ちょっと先に行ってて」

未央・卯月「?」

凛「プロデューサーに、聞きたい事があるから」

未央「なーんだ! その位なら、待ってるって!」

卯月「はいっ♪ 一緒に行きましょう♪」

凛「……」


武内P「渋谷さん? 何でしょうか?」


凛「…………」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 15:20:30.62 ID:2DoMVe9Vo
未央「? しぶりん、どしたの?」

凛「いや、先に行ってて良いって……」

卯月「大丈夫ですよ? まだ、時間はありますし」

凛「うん、そういう事じゃなくて……本当、良いって……」

―がしっ!

未央「おっとと、セーフ! しぶりん、それ以上は!」

卯月「ふ〜っ! 気づかない内に、近寄っちゃってましたよ♪」

凛「……」


武内P「本田さん、島村さん……」

武内P「……良い、フォローです」


凛「…………」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 15:27:40.45 ID:2DoMVe9Vo
凛「いや、本当……うん……」

ぐいぐいっ!

未央「しぶりん?」

卯月「凛ちゃん?」

がしぃっ!

凛「大丈夫……平気だから……!」

ぐいぐいぐいぐいっ!

未央「しっ、しぶりん!? どうしたの!?」

卯月「りっ、凛ちゃん!? 凛ちゃん!?」

がっしぃっ!

凛「…………ふ」


凛「ふうううぅぅぅん!! ふうううぅぅぅん!!」ジタバタ!


未央・卯月「!?」

武内P「し、渋谷さん……!?」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 15:36:17.91 ID:2DoMVe9Vo
未央「うわっ!? なんで暴れて……しぶりん!?」

凛「別に良いでしょ!? 何で私だけ!」

卯月「何がですか!? 凛ちゃん、どうしたんですか!?」

凛「どうもしてない! 私だけ、どうもしてない!」

未央「ぷっ、プロデューサー! とりあえず逃げて!」

卯月「私達が凛ちゃんを抑えてる内に、早く!」

凛「逃げないでよ! アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」


武内P「――っ!?」

武内P「い、勢いに押されて……部屋の隅に……!?」


未央・卯月「……」

未央・卯月「逃げ方ヘタクソすぎ!!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 15:47:29.75 ID:2DoMVe9Vo
凛「ふっ……うううぅぅぅんん……!」

ぐ、ぐぐっ……!

未央「そんなっ!? 二人がかりなのに!?」

卯月「このままじゃ、三人一緒に……!」


未央・卯月「……」


未央「もう駄目! 私達じゃ、しぶりんを抑えていられない!」

卯月「う、うーわー! すみませんー、プロデューサーさーんー!」

凛「!? なんで急に力が――」

だだだだだっ!


武内P「!?」


―どんっ!
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 15:55:21.18 ID:2DoMVe9Vo
未央「あ……あいたたた……!」

卯月「お、思いっきりぶつかちゃいました……!」

未央「プロデューサー……は、下敷きになってるね」

卯月「……凛ちゃんは?」


凛「……ねえ、何も見えないんだけど」

凛「なんか、変な感触が……」

武内P「」


未央・卯月「っ!?」

未央・卯月「こ……股間に顔を……!?」


凛「…………嘘でしょ?」

武内P「」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 16:00:23.77 ID:2DoMVe9Vo
  ・  ・  ・

武内P「……――待ってください!」

武内P「……?」

武内P「いつの間に、気を失って……痛っ!?」

武内P「何故、股間に痛みが……!?」


ちひろ「あっ、気が付きましたか?」


武内P「……」

武内P「千川さん?」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 16:04:53.29 ID:2DoMVe9Vo
武内P「あの……一体、何が……」

ちひろ「ビックリしました。だって、部屋の隅で倒れてたんですよ?」

武内P「……そう、でしたか」

ちひろ「何があったんですか?」

武内P「……」


武内P「……すみません」

武内P「何か、とても恐ろしい目にあった気がするのですが……」

武内P「……よく、覚えていなくて」


ちひろ「……そうですか」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 16:14:57.17 ID:2DoMVe9Vo
ちひろ「兎に角、今日は十分に注意してくださいね!」

武内P「はい……すみません」

ちひろ「社内メールで、通達があったんですよね?」

武内P「……ええ、その通りです」

ちひろ「もうっ! ソファーまで運ぶの、大変だったんですから!」

武内P「あの……千川さん?」

ちひろ「はい、何ですか?」


武内P「服が脱げかかっているのですが……これは、一体?」


ちひろ「……」


ちひろ「ラッキースケベです」




おわり
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/29(土) 16:15:46.98 ID:2DoMVe9Vo
続けて書きます
載せないで下さい
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 16:18:55.93 ID:GrV8lfOco
さすがのキレ
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 17:46:50.27 ID:2AmOoBqso
きたか!
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 17:59:49.93 ID:c4DVjbtmO
前回のスレからそんなに間が空いてないのにもう我慢出来なくなったのか!堪え性のない>>1め!
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 18:09:34.04 ID:A/fx2Isdo
待ってたぜェ!!この瞬間をよぉ!!
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 18:31:57.75 ID:uTQD02030
乙!
待ってました!
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 18:39:09.18 ID:ovBaRRNRo
お前のスレが好きだったんだよ!!!
乙!
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 18:58:38.51 ID:hlixEXe90
おつ
そういや武内くんピエールの後釜でディズニー声優になったな
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 21:16:34.18 ID:OAfxEA0qO
めずらしくしぶりん勝利じゃん
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 22:05:44.86 ID:ncUTPw6O0
凸レーションとディズニー取材と言う名目でデートするP君をください!
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/29(土) 22:09:32.65 ID:B4r9Zer1O
くっ、スレタイだけでこんな!もう笑うしかないじゃないか!
それにしても皆、武内P好き過ぎィ!
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 01:49:04.46 ID:ZAI7pyHvo
ラッキースケベは意識が無いと発動しないのか
それともちっひは対象外なのか
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 05:09:07.80 ID:0Kfc0Hz0o
我らは篝火を求める羽虫のごとく煌々と揺らめく武Pssから逃れる術を知らない
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 05:35:16.23 ID:peF7oZyn0
>>32
ピエールの後釜でカエールになる武内Pかと思ったがすでにカエルさんやってたな
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 08:54:51.68 ID:kvbvk7C0o
毎日「武内」でスレ内検索してたかいがあったぜ
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 17:14:35.64 ID:Z8cU1pnOo
なんだか人妻の風格が出てきた輿水幸子お願いします
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 20:14:14.41 ID:CGIx7p1Co
書きます


武内P「大人のおしゃぶり、ですか」
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 20:17:44.14 ID:CGIx7p1Co
みりあ「うんっ♪」ニコッ!

美嘉「みっ、みりあちゃん!? みみみりあちゃん!?」ワタワタ!

みりあ「? 美嘉ちゃん、どうしたの?」

武内P「赤城さん……何故、そのような言葉を……?」


みりあ「あのねあのね、赤ちゃん用のおしゃぶり、ってあるでしょ?」

みりあ「それで、どんなのがあるか調べてたら見つけたの!」

みりあ「大人の人でも、おしゃぶりを咥えると落ち着くんだって!」ニコッ!


武内P・美嘉「……」

武内P・美嘉「……!」ホッ!
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 20:21:24.57 ID:CGIx7p1Co
みりあ「? 二人とも、どうしたの?」

美嘉「うっ、ううん! 何でも無いよ!」

みりあ「えっと、それでね……」

武内P「……まさか、後ろに持っているのは」


みりあ「ジャジャーン♪」

みりあ「大人用のおしゃぶり、持ってきたよ!」

みりあ「えへへ、注文したのが昨日届いたの〜♪」ニコッ!


武内P・美嘉「……」

武内P・美嘉「!?」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 20:25:58.62 ID:CGIx7p1Co
みりあ「これを咥えて、リラックスして貰おうと思って♪」ニコニコ!

美嘉「そ、そっか……あ、アハハハ……」

みりあ「美嘉ちゃん……?」

武内P「私と、城ヶ崎さんの分……ですか」


みりあ「……えっ、と」

みりあ「もしかして……その……」

みりあ「……いらなかった……かな……?」


武内P・美嘉「……」


武内P「――赤城さん、ありがとうございます」ニコリ!

美嘉「ヤバーイ★ 丁度欲しかったんだよね、こういうの★」ニコッ!
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 20:30:25.62 ID:CGIx7p1Co
みりあ「ほんと……?」

美嘉「ホントホント★ チョーリラックスしたかったし★」

みりあ「! うんうん! 絶対リラックス出来るよ!」

武内P「……」


武内P「――すみません、赤城さん」

武内P「お気持ちは大変嬉しいのですが、今は仕事中ですから」

武内P「……使用するのは、持ち帰ってにします」


みりあ「あっ、そうだよね! プロデューサーは仕事中だもんね!」


美嘉「……」

美嘉「っ!?」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 20:34:14.07 ID:CGIx7p1Co
みりあ「美嘉ちゃんは、もう帰るだけだよね?」

美嘉「えっ!? そ、そんなカンジなみたいな……だ、だったっけ!?」

みりあ「うんうん! だから、早速使ってみてよ!」

武内P「……」グッ!


みりあ「それじゃあ……」

みりあ「美嘉ちゃんが――赤ちゃん役!」ニコッ!

みりあ「プロデューサーが――赤ちゃんをあやしてあげる役ね!」ニコニコ!


武内P・美嘉「……」

武内P・美嘉「!?」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 20:38:45.50 ID:CGIx7p1Co
みりあ「それじゃあ、二人共ソファーに座って〜♪」

美嘉「まっ、待って待って!? ホントにやるの!?」

みりあ「えっ? やらないの?」

武内P「で、ですが……!」


みりあ「……お姉ちゃんからの、アドバイスです!」

みりあ「お母さん、お父さんになった時……」

みりあ「こうやって、練習しておかないと困っちゃうよ!」ビシッ!


武内P・美嘉「……」

武内P・美嘉「…………」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 20:43:18.98 ID:CGIx7p1Co
  ・  ・  ・

武内P・美嘉「……」

武内P「……あの」

美嘉「何も言わないで」

武内P「……すみません」


みりあ「わーっ! 美嘉ちゃん、赤ちゃんのマネ上手〜!」

みりあ「もう、すぐにでも泣き出しそうな感じ出てる! すごいすごい!」


武内P「……あの」

美嘉「言わないで」

武内P「……すみません」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 20:50:51.35 ID:CGIx7p1Co
みりあ「それじゃあ、私が箱から出してあげるね!」

ガサゴソッ…

みりあ「えへへ♪ 美嘉ちゃんのは、髪の毛の色と同じピンク!」ニコッ!

…コトッ


美嘉「わ、わあっ……すっごいピンクじゃん★」

美嘉「もう、マジピンクで……えっ、咥える所大きくない!?」


みりあ「なんかね、この大きさが落ち着くんだって!」

みりあ「プロデューサーのはブラック!」

みりあ「えへへ♪ スーツの色と一緒で、きっとカッコイイよ♪」ニコッ!


武内P「あ……ありがとう、ございます」

武内P「しかし、カッコイイとは……すみません、何でもありません」
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 20:55:55.32 ID:CGIx7p1Co
みりあ「それじゃあ、プロデューサー!」

みりあ「美嘉ちゃんをリラックスさせてあげて♪」


武内P「……」

美嘉「……」

…スッ

武内P「あの……何故、ファイティングポーズを?」

美嘉「心が折れないように」

武内P「……」


みりあ「美嘉ちゃんって、やっぱり凄いな〜!」

みりあ「そのポーズ、妹もたまにしてるもん!」


美嘉「でしょ★」ポキンッ!

武内P「……」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 21:00:36.70 ID:CGIx7p1Co
武内P「……城ヶ崎さん」

美嘉「……っ!」ウルウルッ!

武内P「すみません、失礼します……」

スッ―…


美嘉「……っ!」ウルウルッ!

美嘉(アタシ……カリスマなのに、JKなのに)

美嘉(この歳になって、おしゃぶりを咥える事になるなんて……)

美嘉(……頑張ろう)

美嘉(これを乗り切ったら、帰って熱いシャワー浴びて寝よ……)


…―ぱくっ!
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 21:04:42.83 ID:CGIx7p1Co
美嘉「……」モゴモゴ…

みりあ「わ〜っ! 美嘉ちゃん、すっごく可愛い〜♪」

武内P「……城ヶ崎さん、笑顔です」


美嘉「……」モゴモゴ…

美嘉(……あれっ? あれあれあれっ?)

美嘉(えっ? ヤダ、コレ……ヤバ、コレ……)

美嘉(待って、何? 何か、何だか……)


美嘉「……」モゴモゴ…


武内P「……」

武内P「城ヶ崎さん?」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 21:09:24.25 ID:CGIx7p1Co
美嘉「……」モゴモゴ…

武内P「あの、城ヶ崎さん?」

―ちゅぽんっ!

美嘉「!?」ビクッ!

美嘉「あっ、あっ……!」パクパク!

武内P「……えっ?」



みりあ「ああっ、駄目だよプロデューサー!」

みりあ「美嘉ちゃん、まだおしゃぶり咥えたがってるのに!」


武内P「えっ!? す、すみません……!?」

スッ―ぱくっ!

美嘉「……」モゴモゴ…
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 21:15:21.92 ID:CGIx7p1Co
  ・  ・  ・

美嘉「……」モゴモゴ…

美嘉(アレ……? アタシ、何してたんだっけ……?)

美嘉(あ、ヤバ……舌でコロコロするの……チョー落ち着く)

美嘉(いや、でも……このままじゃマジでダメな気が……)


みりあ「――うんうん! ミルク、人肌まで冷めたね!」

武内P「――あ、あの……本当に、ミルクを……!?」


美嘉「っ!?」ビクッ!

美嘉(えっ!? ミルク!? どういうコト!?)

美嘉「……!」モゴモゴ…

美嘉(あー……ホンット落ち着くわ、コレ……冷静になるー……★)
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 21:15:59.50 ID:bO2nxuzAo
ちょっと内容がハイレベルすぎませんかねえ……
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 21:23:47.68 ID:CGIx7p1Co
みりあ「それじゃあ、横抱きの体勢……は、大丈夫だね!」

みりあ「ソファーに深く座ってるから、そのままで大丈夫!」

武内P「じょ、城ヶ崎さん! 城ヶ崎さん!?」

武内P「あの……良いのですか!? 城ヶ崎さん!」


美嘉「……」モゴモゴ…

美嘉(んー……何がー……?)

美嘉(まあ、オッケーなんじゃない? オッケー★)

美嘉(あ、ヤバ……これ流行るカンジするわー……)


武内P「城ヶ崎さん……!」

武内P(まさか……赤城さんの気持ちに応えるため、そこまで……!)
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 21:30:34.42 ID:CGIx7p1Co
みりあ「はいっ、持ってプロデューサー! 哺乳瓶☆」

武内P「……はい、わかりました」

みりあ「頑張って! お姉ちゃん、応援してるから!」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


美嘉「……」モゴモゴ…


武内P「……城ヶ崎さん、失礼します」

―ちゅぽんっ!

美嘉「っ!? あっ、あっ……!」パクパク!

武内P「……」

スッ―ぱくっ!

美嘉「……ん……んっ……」ンクッ!ンクッ!


みりあ「わ〜っ、飲んでる飲んでる!」

みりあ「美嘉ちゃん、お腹空いてたみたいだね♪」ニコッ!
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 21:38:15.08 ID:CGIx7p1Co
  ・  ・  ・

美嘉「――えっ?」

美嘉「最近、チョーシが良い秘訣?」


凛「――うん」

凛「なんか、前よりもリラックスしてる気がする」


美嘉「やっぱ、アレがきいたのかなー……」

美嘉「……アレ以降、アタシ自身変わったカンジがするもん」


凛「……」

凛「……何があったの?」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 21:45:00.46 ID:CGIx7p1Co
美嘉「……誰にも言わないって約束出来る?」

凛「別に、言いふらしたりしないってば」

美嘉「まっ、アイツも関係してる話だしねー」

凛「アイツ……って、プロデューサー?」

美嘉「そっ★」


美嘉「リラックス出来るとか、ジョーダンかと思ってたんだケドさ?」

美嘉「こう、口に咥えてしゃぶってみると……んー」

美嘉「……何も考えずに、舌の上で転がしたくなっちゃった★」


凛「……」

凛「ごめん、意味がわからない」
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/06/30(日) 21:53:15.89 ID:CGIx7p1Co
美嘉「へっ?」

凛「……とりあえず、続けて」

美嘉「んー? まあ、続けるケド……」

凛「うん」

美嘉「気づいたら、時間が経っててさー★」


美嘉「その後、ミルクを飲ませて貰ったんだよねー」

美嘉「あっ! 勿論、アタシはそんな気全然無かったんだケドね!?」

美嘉「……でもホラ、ミルクって栄養あるって言うじゃん?」

美嘉「もしかしたら、それもカンケーしてるのカモ★」


凛「ねえ、待って! やっぱり、ちょっと待って!」

凛「美嘉は、何の話をしてるの!?」

凛「くっ、くわっ、咥えた……って……!?」


美嘉「……ん?」


美嘉「大人のおしゃぶりだよ★」ニコッ!




おわり
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:10:51.28 ID:ejWcjVJ0o
次回は凛も参戦か
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 22:22:51.58 ID:43mco3fy0
お、おう
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/06/30(日) 23:40:50.42 ID:CT2vxUVm0
乙!
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 02:11:34.95 ID:YgoZbodSO
また股間にダイブか。

ふと思ったけど射程距離3mのラッキースケベってなんかスタンド能力みたいだな
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 04:06:03.98 ID:YuuHY+1co
乙いいねじ曲がり具合だ
性癖の
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 06:32:06.16 ID:wdssiWTDO
舞ちゃんと雪美ちゃんもおしゃぶりに挑戦だ!
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 11:27:41.42 ID:VPEmDNw6O
話した相手が凛でよかった
別の身長165cmロングヘア美人に話してたならどうなったやら
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 13:54:29.01 ID:HckSOrPLo
最近美嘉が勝ち越してる気がする
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 18:57:49.26 ID:ziTD6pTOo
大人のおしゃぶり参考画像
https://i.imgur.com/h6hOYbk.jpg
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 19:36:27.33 ID:xRTXbpWIo
シェパードンセイバー並みのサイズだと思ってたわ
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 21:35:49.79 ID:yF+658nxo
>>69
この番組は面白いのでおすすめです
書きます


武内P「餃子パーティー、ですか」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 21:41:26.93 ID:yF+658nxo
早苗「そう! 皆で集まって、昼間っから飲むの!」

武内P「それは……」

瑞樹「楽しそうでしょ? わかるわ」

武内P「えっ? ええ……」

楓「ふふっ! 餃子をぎょうさん食べましょう、うふふっ♪」

武内P「えっ?」


早苗・瑞樹・楓「「「宜しくお願いしま〜す♪」」」ペコリ!


武内P「……」

武内P「えっ?」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 21:44:54.14 ID:yF+658nxo
  ・  ・  ・

ガチャッ!

早苗「ルービー買ってきたわよ! ルービー!」

友紀「やっぱり、餃子と言ったらビールだよねー!」

瑞樹「ちょっと! 振り回さないでって……もう!」

楓「ふふっ! 今日は、ビールを浴びーる程飲みましょう♪」


大人組「もちろん♪」ニコッ!


武内P「……」

武内P「笑顔ですね」
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 21:50:10.00 ID:yF+658nxo
菜々「うわっ、お酒以外にも随分色々買ってきたんですね」

心「餃子だけだと寂しいからな☆ はぁと、寂しいのは耐えられない☆」

亜季「ホットプレートも用意したでありますから! 今日は、存分に!」

美優「うふふ……外じゃないから、ゆっくりも出来ますしね」


大人組「ねー♪」ニコッ!


武内P「……」

武内P「良い、笑顔ですね」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 21:56:44.94 ID:yF+658nxo
ちひろ「どうしたんですか? プロデューサーさん」

早苗「大丈夫よ! キミの分のお酒もあるからさ!」

瑞樹「食には関心があるんでしょ? 餃子、好きよね?」

楓「ふふっ! 自宅だから、身支度はいらない……うふふっ♪」

武内P「……」


武内P「……皆さん」


大人組「はい?」


武内P「…………笑顔で、楽しんで下さい」


大人組「は〜い♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 22:00:26.32 ID:yF+658nxo
ちひろ「……すみません、私までお邪魔しちゃって」

武内P「千川さん?」

ちひろ「私が居ると、お仕事を思い出しちゃいませんか?」

武内P「いえ、それは……」


大人組「〜♪」キャキャッ!


武内P「……大丈夫です」

武内P「千川さんが居る、居ないに関わらず……」

武内P「……大丈夫です」

ちひろ「ふふっ♪ ありがとうございます♪」ニコッ!

武内P「……いえ、お礼は結構ですから」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 22:09:01.56 ID:yF+658nxo
早苗「さて、と……それじゃあ仕込み始めますか〜」

瑞樹「そうねぇ、この人数だと結構な量を焼くわ」

楓「だけど、皆で包むのは楽しそうですよね♪」

菜々「ナナ、マイ包丁持ってきましたよ! マイ包丁!」

心「うおっ、パイセンやるぅ! 全部任せた☆ よろー☆」

友紀「ねーねー! 待ってる間昼寝しても良いー?」

友紀「成る程! 戦いに備え、英気を養うという訳ですな!」

美優「お台所の広さ的にも、二人位……ですかね?」

ちひろ「あっ、このテーブルの上で野菜を切っても?」


武内P「……」

武内P「……ご自由にどうぞ
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 22:16:59.79 ID:yF+658nxo
誤)>友紀「成る程! 戦いに備え、英気を養うという訳ですな!」

正)>亜季「成る程! 戦いに備え、英気を養うという訳ですな!」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 22:20:16.33 ID:yF+658nxo
早苗「もー、ひき肉こねる位はしてくれても良いんだからね?」

瑞樹「そうだわ。量も多いし、お願いしちゃいましょ!」

楓「ふふっ! ひき肉をこねる仕事からは、ひきにくい……うふふっ♪」

菜々「はぁとちゃんも野菜切りましょうよ! 出来るんだし!」

心「はぁ……しょうがない☆ はぁとの腕前、見せちゃうかー☆」

友紀「あっ! やっぱりブルーレイ見よ! ブルーレイ!」

亜季「ほうほう……むむっ、これは中々渋い映画が……!」

美優「臭いがつかないよう、脱いだ服を避難させておきましょうか」

ちひろ「そうですね……向こうの部屋を使っても良いですか?」


武内P「……」

武内P「はい、わかりました」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 22:24:32.06 ID:yF+658nxo
武内P「すみません……少し、席を外します」


大人組「は〜い♪」ニコッ!


武内P「では、失礼します……」


ガチャッ…バタンッ


武内P「……」


武内P「……」

…ガクッ!


武内P「何故……私の家で……!」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 22:33:49.66 ID:yF+658nxo
武内P「……!」

武内P(――私の家で餃子パーティーを行う)

武内P(そこまでは……百歩譲ります)

武内P(――家主であるのに、アウェー感)

武内P(はい、そこまで……もう百歩譲ります)

武内P(――来て早々、姫川さんが靴下を脱ぐ等の諸々)

武内P(ええ、そこまでも……百歩譲りましょう、はい)


武内P「どうして……!」


武内P(――一緒にパーッと楽しみましょう♪)

武内P(そんな優しさは……要りませんから……!)

武内P(せめて、終わるまで外出していたいのに、何故……!)
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 22:39:56.36 ID:yF+658nxo
ガチャッ…バタンッ

武内P「……すみません、お待たせしました」


大人組「カンパ〜イ♪」ニコニコ!


武内P「はい、毛程も待っていませんね」


大人組「えっ?」キョトン


武内P「……いえ、何でもありません」

武内P「それに、野菜を刻むと言っていた方達まで……」

武内P「……一杯程度では大丈夫とは思いますが」


大人組「……?」


武内P「……――わかりました」

武内P「頑張ります」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 22:43:07.32 ID:yF+658nxo
  ・  ・  ・

武内P「……ふぅ」

武内P「とりあえずは、この位で……」


「アハハハハッ!」


武内P「……」

ガチャッ…

武内P「……皆さん、少し質問が」


大人組「質問?」


武内P「ニンニクはどうしますか?」


大人組「……」


武内P「……あの、皆さん?」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 22:50:26.93 ID:yF+658nxo
早苗「いや、ニンニクは……瑞樹ちゃん、どう?」

瑞樹「そうねぇ……楓ちゃんに任せるわ」

楓「そうですね……それじゃあ、菜々さんはどう思います?」

菜々「えっ? えーっと……はぁとちゃん次第ですね!」

心「はぁと的にはー……ここは四番の出番だ☆ 任せた☆」

友紀「どうしますか? って、どういう事?」キョトン

亜季「私も質問の意味が……どういう意味でありましょうか?」キョトン

美優「何て説明したら良いのかしら……どうですか?」

ちひろ「うーん、これは……プロデューサーさんに説明して貰いましょう」


武内P「……」

武内P「えっ?」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 22:54:32.28 ID:yF+658nxo
武内P「あの……み、皆さん?」

大人組「……」

武内P「まさかとは、思いますが……!」

大人組「……」

武内P「っ……!?」


武内P「皆さん、事此処に至って……!?」

武内P「――口臭に気を遣っている」

武内P「……という体でいようと考えているのですか……!?」


大人組「……」

友紀・亜季「……?」


武内P「……二名ほどは違うようですが」

武内P「しかし、それはあまりにも……!」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 23:03:01.82 ID:yF+658nxo
友紀「えー? あたし、にんにくたっぷりが良い!」

大人組「!」

亜季「これから夏ですから、スタミナを付けておくべきですな!」

大人組「!」ウンウン!

友紀「若者だったら、ちょっとニンニク臭くても元気な方が良い!」

大人組「若者!?」

亜季「大人の女性であれば気にするのでしょうが……私は気にしません」

大人組「大人の女性!?」


菜々「ななは、じゅうななさい、りあるじぇいけー」

菜々「にんにくたっぷり、おいしい、うれしい」


大人組「…………」


菜々「……何でもないです」


武内P「……」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 23:12:16.20 ID:yF+658nxo
武内P「ですが……わかりました」

大人組「……」


武内P「――姫川さんと大和さん」

武内P「お二人の分の餡には、にんにくをたっぷりと」


友紀・亜季「はーいっ!」ニコッ!


武内P「――他の方の分の餡」

武内P「そちらには、にんにくを入れないようにします」


大人組「!?」


武内P「きちんと分けますので、安心してください」
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 23:21:48.87 ID:yF+658nxo
早苗「ちょっと!? それ、どういう事!?」

武内P「そのままの意味です」


瑞樹「卑劣だわ! もう、わかってるくせに!」

武内P「入れるのなら、焼く時間もあるので十秒以内に決めてください」


楓「……!」

バシバシ!

武内P「叩かないで下さい。どうしますか?」


菜々「いーれーてっ♪ キャハッ!」キャルンッ!

武内P「はい、安部さんの分には入れます」


心「ウサミンパイセン軽っ!? 17歳キャラ、ずるくない!?」

武内P「5……4……」


大人組「……!?」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 23:26:35.75 ID:yF+658nxo
美優「あっ、あっ、5! 6! 7!」

武内P「3……2……」


ちひろ「嘘ですよね!? プロデューサーさんっ!」

武内P「積もり積もって本気です……1……」


武内P「……0」


大人組「っ……!?」


武内P「では、焼いてきます」


大人組「…………」


友紀「あれー? なんか、皆落ち込んでる?」

亜季「断腸の思いでニンニクを我慢するという、意志の現れでしょうなぁ……」
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 23:30:14.22 ID:yF+658nxo
  ・  ・  ・

武内P「――お待たせしました」


大人組「……」


友紀「早く早くぅー! もう、舌が餃子になってる!」

亜季「当方に迎撃の用意あり! ニンニク、覚悟完了!」


大人組「…………」


武内P「……すみません」

武内P「間違って、全ての餡にニンニクを入れてしまいました」


大人組「……」

大人組「!?」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/01(月) 23:44:14.08 ID:yF+658nxo
早苗「まっ、間違っちゃったならしょうがないわよ! ねっ!?」

瑞樹「そうだわ! 誰にだって、そういう事はあるもの!」

楓「ふふっ! あっ、ビールビール……うふっ、ふふふっ♪」

菜々「は、はぁとちゃん? なっ、何ですか?」

心「ううん? ただ、ちょっと覚えておくだけ☆ 忘れないぞ?」

友紀「……ん〜っ♪ あっはは! クッサイなーもーっ!」

亜季「食欲をそそる香り! 焼き加減もお見事であります!」

美優「ふふっ! アイドルだと、外でこれは食べにくいですからね」

ちひろ「……もうっ! 意地悪なんて、似合いませんよ?」


大人組「あはははっ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「そう、ですね……」



武内P「パーティーなので、ちょっとしたサプライズです」




おわり
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/01(月) 23:53:43.43 ID:6AcE1ify0
まさか武内Pがこの状況で一矢報いるとは
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/01(月) 23:55:48.11 ID:jdBQJQ+p0
慣れてるなぁ…
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 00:25:57.90 ID:EbLk+L9/o
武内P間島P赤羽Pが入れ替わった世界とかみてみたい
いやバネPというよりマジPがデレの世界にきたらどうなるか気になる
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 00:51:40.33 ID:7NpBTrHX0
いつものごとく文香をを勧めてるのにいつのまにかありすに積極的になってる武内Pが見たいです
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 01:03:04.23 ID:AjmbaldSO
餃子と言ったらりあむ
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 01:22:06.10 ID:D3bu2uQ1O
ニンニクとニラと酒と化粧の臭いが部屋に染み込みそうだ
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 01:26:17.37 ID:6MyvoerJ0
ニンニクのとこで二郎が思い浮かんだ
346で二郎通いそうなアイドルって居るんだろうか
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 02:57:29.82 ID:lVL+80Pjo
一切過ちがなさそうなんである意味武Pも安全
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 03:06:47.65 ID:aie5m/iTo
>>98
「これが都会のラーメン?!行列がすごい、流行ってるんご!」
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 10:57:57.07 ID:ED1N0muwO
>>99
にんにくと酒入れば過ちおかすよ
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 13:58:11.99 ID:NAj8ZUwRo
アイドルと過ちを犯すことがあっても確実に大人組はその候補から外れるじゃろ……
むしろ積極的な年少組が勝利者になる
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 17:13:06.60 ID:kcc4jgLQO
年少組が勝利すると、手を出した側は敗北者になる件について
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 17:18:18.08 ID:OOeF1eLLO
年少組でも千枝ちゃんは合法だから大丈夫さ
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 18:10:19.18 ID:62Oxdyd5O
武内Pの作った餃子、美味そうだな
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 18:11:51.46 ID:ZFjvnRsxo
>>100
なんJ民声つかなくて可哀想ンゴねえ……
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 21:39:15.54 ID:aNN5XuEfo
>>95
書きます


武内P「鷺沢さんの良い所、ですか」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 21:44:35.98 ID:aNN5XuEfo
ありす「はい、一緒に考えて貰えませんか?」

武内P「私が、ですか?」

ありす「はい、そうです。お願い出来ますか?」

武内P「それは、構いませんが……」


ありす「ありがとうございます」

ありす「プロデューサーという立場の人の意見は、大事ですから」

ありす「それを聞けば、文香さんの自信にも繋がると思います」


武内P「成る程……そういう事でしたか」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 21:48:55.58 ID:aNN5XuEfo
武内P「橘さんは、鷺沢さんのために?」

ありす「それもありますが……私自身のためでもあります」

武内P「橘さん自身の?」

ありす「はい」


ありす「私は、文香さんの事をよく見ているつもりです」

ありす「でも、どうしても見えない部分というものがあると思います」

ありす「貴方の意見で、それに気付ければきっと今後のプラスになる、と」


武内P「成る程……」

武内P「本当に……よく、考えていらっしゃいますね」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 21:53:34.31 ID:aNN5XuEfo
武内P「では、その方向性で話を進めていきましょう」

ありす「ありがとうございます」

武内P「そう、ですね……では、少し質問させてください」

ありす「質問ですか? 私に?」


武内P「橘さんから見て、鷺沢さんはどういった方でしょうか?」

武内P「まず、貴女の考えを聞かせて頂き……」

武内P「その意見の中には無い部分を挙げていこう、と」

武内P「……そう思うのですが、どうでしょうか?」


ありす「成る程……!」

ありす「確かに、それなら効率が良いですね!」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 21:59:07.85 ID:aNN5XuEfo
武内P「では……橘さんから見た鷺沢さん、とは?」

ありす「それは、女性としてですか? アイドルとしてですか?」

武内P「どちらでも構いませんし、どちらも、でも」

ありす「そうですね……では、まず女性として」


ありす「文香さんは、落ち着いた大人の女性です」

ありす「そして、儚げで繊細なようでいて、しっかりと自分を持っている」

ありす「本を読んでいる時の文香さんは……ステキです」

ありす「私も、大人になったら‘ああ’なれればと思っています」


武内P「……成る程」
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 22:05:40.73 ID:aNN5XuEfo
武内P「落ち着いている、というのは橘さんとの共通点でもありますね」

ありす「いえ、私は……文香さんに比べれば、まだまだ子供です」

武内P「その点を考慮しても、十分かと」

ありす「そんな……」


武内P「ここまでのお話の中でも、十分にそれは感じられました」

武内P「一つ一つ理由を挙げると、長くなってしまいますが……」

武内P「私は、橘さんとお話している時、『子供と話している』とは思いませんでした」

武内P「立派なアイドルの一人として……堂々とした振る舞いが出来ています」


ありす「そ、そんな……えと……」

ありす「……ありがとう、ございます///」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 22:11:57.51 ID:aNN5XuEfo
武内P「そう、ですね……他には?」

ありす「えっ? ええ、と……」

武内P「ゆっくりでも構いませんので」

ありす「そうですね……」


ありす「とても、真面目な所です」

ありす「レッスンに真剣に取り組む姿勢は、言うまでもありません」

ありす「他の人が悪ふざけをしている時も、決してそれに流されません」

ありす「それは、ノリが悪いとか、そういうのじゃなくて……」


武内P「美徳、ですね」


ありす「! そう! 私は、それは美徳だと思っています!」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 22:17:24.42 ID:aNN5XuEfo
ありす「……なのに、文香さんはそれを」

武内P「それを?」

ありす「……『つまらない人間』って言うんです」

武内P「成る程」


武内P「私個人としましては……」

武内P「先程も言った様に、それは鷺沢さんの美徳だと考えています」

武内P「そう、ですね……」

武内P「視点を変えてみる、というのはどうでしょうか?」


ありす「視点を……?」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 22:26:10.27 ID:aNN5XuEfo
武内P「鷺沢さんは、悪い部分だと思っているのに対して」

武内P「橘さんは、良い部分だと思っている訳です」

ありす「はい、そうですね……」

武内P「これは、お二人の視点が違うからに他なりません」


武内P「鷺沢さんは――面白い・つまらない」

武内P「橘さんは――正しい・正しくない」

武内P「……この、全く違った視点からの考え方」

武内P「それでは、意見が割れてしまうのも仕方ない事かと」


ありす「! 成る程……!」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 22:32:43.24 ID:aNN5XuEfo
武内P「ふざけてしまうのは、人間である以上仕方の無い事もあります」

ありす「それはっ……そう、かも知れません」

武内P「しかし、橘さんは『悪ふざけ』と言われましたね?」

ありす「はい……」


武内P「鷺沢さんは、橘さんから見たら大人の女性でしょう」

武内P「ですが、私から見ればまだ十代と、年若い方でもあります」

武内P「……若い方の中には、『少し悪いこと』に憧れる方も珍しくありません」

武内P「彼女のネガティブな発言は……そういった所から来るのかと」


ありす「! 成る程、確かにそうかも知れません!」
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 22:41:35.84 ID:aNN5XuEfo
ありす「でも、それじゃあ……仕方無いんでしょうか」

武内P「いえ、そんな事は……決して」

ありす「えっ?」

武内P「『悪い事』は、あくまでも『悪い事』ですから」


武内P「……私は、鷺沢さんの担当ではなく、見え方は遠いと言えます」

武内P「しかし、橘さんは同じクローネに所属し、ユニットも組まれています」

武内P「遠くから……そして、近くから見て」

武内P「正しい振る舞いをしている、それは美徳だ、と……そう思われる」

武内P「……これは、自信を持っても良いのではないでしょうか?」


ありす「……!」
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 22:50:12.81 ID:aNN5XuEfo
ありす「その通りです! 文香さんは、もっと自信を持って良いんです!」

武内P「はい、私もそう思います」

ありす「でも、何度言っても……困った様な顔で笑われちゃって」

武内P「……」


武内P「橘さんの意見だけでなく、私の意見も含めたら……」

武内P「……二対一、ですね」


ありす「え、ええっ?」

ありす「それは……なんだか、ズルい様な気がします」


武内P「すみません……私も、もうこの歳ですから」

武内P「……どうしても、悪い部分は出てきてしまって」


ありす「……」

ありす「ふ、ふふっ! それなら、仕方ありませんね!」クスクスッ!
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 22:59:21.20 ID:aNN5XuEfo
武内P「正しい事を正しい、と……真っ直ぐ、素敵だと思える」

武内P「それは、橘さんの美徳だと思います」

ありす「えっ? それって、当たり前の事だと思いますけど」

武内P「はい、当たり前の事です」


武内P「……ですが、そうではない方も居らっしゃいます」

武内P「今の橘さんの様に、当たり前だと思えない方も、少なくありません」

武内P「……正しい事を当たり前に、真っ直ぐ素敵だと思う」

武内P「そして、自身も‘そう’であろう、‘そう’なりたいと考えるのは……」

武内P「……橘さん、貴女の大きな魅力の一つでもあります」


ありす「えっ、その……///」

ありす「あぅ、ありがとう……ございます……///」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 23:08:03.81 ID:aNN5XuEfo
ありす「……でも」

武内P「? どうかしましたか?」

ありす「同級生の男子には、真面目でつまらない……って言われます」

武内P「そう、ですか……」

ありす「……」


武内P「私は、橘さんとお話させて頂いて……はい」

武内P「……楽しい、と」

武内P「思っていたのですが……」


ありす「っ……!?///」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 23:11:53.94 ID:aNN5XuEfo
武内P「すみません……同級生の方の意見は、私には……」

ありす「あっ、も、もう良いです!///」

武内P「えっ?」

ありす「えっと……もう、大丈夫です!///」

武内P「いえ、しかし……」


ありす「いっ、今は!/// 私の事よりも文香さんの話をしましょう!///」

ありす「私の方はもう……えっと……兎に角、大丈夫ですから!///」


武内P「は、はあ……そう、ですか」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 23:18:55.48 ID:aNN5XuEfo
ありす「すぅ……ふぅ……!」

武内P「橘さん?」

ありす「……はい、もう平気です。クールタチバナです」

武内P「は、はあ……」


ありす「……ひとまず、私の意見はこれ位で」

ありす「ここまでで、何か気づいたことはありますか?」

ありす「あれば、遠慮なく言って下さい」


武内P「……」

武内P「はい、わかりました」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 23:25:05.24 ID:aNN5XuEfo
武内P「恐らく、橘さんが気づいていない……鷺沢さんの良い所」

ありす「! 今の話だけで、わかったんですか!?」

武内P「貴女だからこそ、気付けない事……ですね」

ありす「なっ、何ですか!? 教えて下さい!」


武内P「――橘さんです」


ありす「えっ?」


武内P「年下の友人に憧れられる……」

武内P「……そして、力になりたいと思われる事」

武内P「それは、とてもキラキラした、かけがえのないものだと思います」


ありす「……」

ありす「っ……!///」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 23:31:44.19 ID:aNN5XuEfo
武内P「ん、そう言えば……時間は大丈夫ですか?」

ありす「ふぇっ!? じ、時間……?」

武内P「確か、レッスンがこの後ある、と」

ありす「あっ、そうですね……そろそろ、行かないと」

武内P「何か、参考になりましたか?」

ありす「……えっ、と」


ありす「……もう少し、お話を聞いてみたいと思いました」

ありす「だから……また来ても、良いですか?」


武内P「はい、勿論です」ニコリ


ありす「……!」パアッ!

ありす「はい、ありがとうございます!」ニコッ!
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/02(火) 23:38:37.01 ID:aNN5XuEfo
  ・  ・  ・

武内P「――最近、ため息をついている?」


文香「――はい、とても心配で……」


武内P「ええ、確かにそれは……」

文香「私みたいな子供じゃ、と……呟いていたのです」

武内P「……成る程」

文香「何があったのか聞いてみても……答えてはくれなくて」

武内P「……」


文香「……なので、少しでも元気付けられる様に」

文香「私と一緒に……考えては貰えないでしょうか?」



武内P「橘さんの良い所、ですか」




おわり
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/02(火) 23:43:20.63 ID:VPSMiSS30
以下無限ループ
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 00:09:18.53 ID:2LVEDKgNo
ありすと文香が互いに気持ちに気づいてひと悶着起きるだろうね
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 00:23:43.53 ID:YtAgD5UUO
この橘はチョロい橘だな、自分の想いが止められないとこまでいってから気づかせて文香との関係で曇らせたい…
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 03:09:36.84 ID:GTakwwy2o
男と友情、どちらを取るか……
歩くセックスはどちらも取ると言い切るほどに偉大
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 03:38:05.36 ID:2JLnFymWo
年齢と友情だとどちらを取るべきか
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 03:39:05.93 ID:2JLnFymWo
あ、乙した難しいお題でもさすがの構成力すね
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 06:06:16.21 ID:ELl429vxo
よいところでおっぱいを上げないとはどういうことだ!
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 09:42:23.21 ID:KEISVZKMo
今デレステでイベントやってるけど
同時進行の場合、武内Pならどのブースに見に行くんだろう
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 09:56:45.01 ID:nlKoC9g8O
HPとMPがフル状態かつスタドリでブーストかければ分身出来そうなイメージあるしそんな感じで増えて対応するんだろ
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 11:00:59.72 ID:dOZZXnseO
孫悟空バリに髪の毛を吹けば分身できそう

…どの孫悟空が頭に思い浮かぶか世代格差ありそうだな
堺正章は剽軽で好き
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 13:22:13.32 ID:3Fvnd1Y20
パワー・オブ・スマイル(ニンジツ)を使えば分身くらいニチジョウ・チャメシゴトなのである!
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 18:28:19.06 ID:DIxroKzco
闇営業と聞いて厨二的発送が捗るアイドルどもお願いします
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 18:42:57.96 ID:DgpAt/gko
>>137
×発送
○発想
です
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 20:44:11.52 ID:ygLERfBYo
闇営業ってアレだろ?事務所を通さない仕事
声優の人なら別の名義で受ける仕事

つまり響子とかみくとか小梅とか
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:02:44.44 ID:Vij3R391o
書きます


武内P「理由あって、LIVECarnival」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:05:39.79 ID:Vij3R391o
武内P「皆さん、大変申し訳ありません」

アイドル達「……」

武内P「私は、皆さんのBOOTHに行く事が出来ません」

アイドル達「……」


武内P「……LIVECarnivalは、今回が初めての大きなイベントです」

武内P「なので――」

武内P「――笑顔で楽しめるよう、頑張って行きましょう」


アイドル達「……」

アイドル達「はい……」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:08:39.28 ID:Vij3R391o
  ・  ・  ・

未央「やー……ちょっと残念だよねぇ」

卯月「はい……で、でも! 一生懸命、頑張ります!」

凛「っていうか、理由位話してくれても良いんじゃないの」

未央「お、おおう? しぶりん、なんだかご立腹?」

凛「……別に、そんなんじゃないけど」


卯月「……でも、私も気になります」

卯月「プロデューサーさん、どうしてBOOTHに来られないんでしょうか……?」


未央・凛「……」
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:14:54.47 ID:Vij3R391o
  ・  ・  ・

駅前


アーニャ「アー、ランコ? 元気を、出してください!」

蘭子「……待ち遠しいはずの宴が、輝きを鈍らせたわ」

アーニャ「プロデューサーが、来ないから、ですね?」

蘭子「何故、我が友は魂の饗宴を……」



武内P「……」



アーニャ「! プロデューサー、です!」

蘭子「ぴっ!?」

ささっ!

アーニャ「ランコ? どうして、隠れたのですか?」

蘭子「い、今は……魂の繋がりに歪みが生じている……」コソコソッ!
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:21:33.38 ID:Vij3R391o
蘭子「我が言の葉を伝える術が……混沌たる思考に飲まれている」

アーニャ「ンー……難しい言葉、ですね」

蘭子「……どう声をかければ良いものか、わからないわ」

アーニャ「ランコ……」



薫「――すまない、待たせてしまったようだな」

翼「――Pさん、遅れてすみません!」


武内P「いえ……私も、今来た所ですから」



蘭子・アーニャ「……あの人達」

蘭子・アーニャ「315プロダクションの……?」
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:29:36.27 ID:Vij3R391o
  ・  ・  ・

喫茶店


武内P「――それでは……LIVECarnival」

武内P「――346プロダクションと、315プロダクションの合同企画」

武内P「――EXTRA BOOTHの打ち合わせを始めたいと思います」


薫「――ああ、よろしく頼む」

薫「――今日は、うちのプロデューサーは別の仕事が来られないが……」

翼「――俺たちが、しっかりと代理を努めてみせます!」

翼「――輝さんも、別の仕事で来られなかったんですけど……」

薫「――あのダジャレ製造機なら、居ない方が話が進むだろう」

翼「――か、薫さ〜ん! そんな事言っちゃダメですって!」



蘭子・アーニャ「……!」コソコソッ!
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:36:08.78 ID:Vij3R391o
薫「しかし……随分と挑戦的な企画をするな」

武内P「挑戦的?」

翼「えっ? 俺、一緒に盛大にLIVEをしよー、って企画だと……」

薫「表向きはそうだろう。だが――」

武内P「……」


薫「これは……Carnivalと言う体の――Battleだ」

薫「346プロ側は、僕たち315プロ側の主なファン層……女性ファン」

薫「女性ファンをこの機会にいかに取り込めるか」

薫「……という目的がある……そうだろう?」キラーンッ!


翼「え、ええっ!? そうだったんですか!?」



アーニャ・蘭子「……!」コソコソッ!
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:41:08.37 ID:Vij3R391o
武内P「……はい、そういった面も当然あります」

翼「とっ、当然!?」

薫「だろうな。でなければ、メリットが少なすぎる」

武内P「……ですが、それ以上の目的も」

薫「ほう? ビジネスパートナーとして、聞かせて貰おうか」

武内P「はい」


武内P「――笑顔です」

武内P「男性、女性に限った話ではなく……ファンの方の、笑顔」

武内P「ファンの方をより多く、良い笑顔にするためには――」

武内P「女性アイドルだけでなく、男性アイドルのパフォーマンスも必要だ、と」

武内P「……そう、考えたからです」


薫・翼「……」



蘭子・アーニャ「……」コソコソッ!
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:48:16.14 ID:Vij3R391o
薫「……君は、自分の所のアイドルを信じていないのか?」

武内P「いえ、そういう訳ではありません」

翼「かっ、薫さん! ちょっと冷静になってくださいって!」

薫「何を言っている。僕は、常に冷静だ」

武内P「……」


武内P「――事務所の垣根を超えて」

武内P「より多くの方を楽しませるための、第一歩」

武内P「その一歩を踏み出すために、最適なパートナー」

武内P「……それが、貴方達だと思ったからです」


薫・翼「……」



蘭子・アーニャ「……」コソコソッ!
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:53:42.14 ID:Vij3R391o
薫「……ふぅ、そこまで言われたら仕方ない」

翼「おっ、俺! 精一杯頑張って、絶対に高く飛んでみせます!」

薫「うわっ!? 急に大きな声を出すな、柏木!」

翼「す、すみません……話を聞いてたら、テンション上がっちゃって……」

薫「……まあ、気持ちはわかないでもない」


武内P「……桜庭さん、柏木さん」

武内P「笑顔のために……頑張りましょう」


薫「……笑顔のために、か」フッ!

翼「良いですね! 笑顔のために!」ニコッ!



蘭子・アーニャ「……!」ウンウン!
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 21:58:33.75 ID:Vij3R391o
薫「しかし……この事は、まだ346プロのアイドルには?」

武内P「いえ、通達はまだです」

翼「えっ? そうなんですか?」

武内P「……皆さん、公式発表の前に……言ってしまいそうですから」

翼「あはは! 確かに、女の子だったらそうかも知れませんね!」

薫「ふむ……成る程な」


薫「――では、あそこに隠れている子達」

薫「――あの子達は、招かれざる客という訳か」


蘭子・アーニャ「っ!?」ビクッ!


武内P「か、神崎さんにアナスタシアさん……!?」

翼「ええっ!? 俺、全然気づきませんでした!」

薫「……あの目立つ二人に気づいていなかったのか」
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 22:07:23.94 ID:Vij3R391o
アーニャ「イズヴィニーチェ……すみません、プロデューサー……」

蘭子「フ……フッフッフ! 我が魔力の波動に気付くとは!」


武内P「お二人とも、どうして此処に……?」

薫「君が、僕達と居るのを見て気になった……という所だろう」

翼「って、EXTRA BOOTHの話、聞かれちゃいましたよ!?」

武内P「すみません……」


蘭子・アーニャ「……ご、ごめんなさい」


薫「……いや、これは良い機会かも知れない」

翼「薫さん?」

薫「柏木。今日、僕達が彼に提案しようと思っていた企画を思い出せ」

翼「企画って……ああ! 成る程!」


武内P・蘭子・アーニャ「……企画?」
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 22:14:55.74 ID:Vij3R391o
武内P「あの……その企画とは、一体?」


薫「LIVECarnivalが開催される日……」

翼「……輝さん、以前から入っていた仕事が夕方からあるんです」


武内P「はい、それはお聞きしていましたが……」


薫「その時は、僕達DRAMATIC STARSの抜けた穴は……」

翼「……315プロの他のアイドルが代理で、って話でしたよね?」


武内P「え、ええ……」

武内P「あの……何か、他に問題でも?」


薫「――だが、せっかくの合同企画だ」

翼「――Pさん! 俺達と一緒に、ステージに立ちませんか!?」


武内P「……」

武内P「えっ!!?」

蘭子・アーニャ「……!」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 22:18:42.65 ID:2JLnFymWo
冷静に考えて相手のブース何もかもぶんどる一手
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 22:22:59.10 ID:Vij3R391o
武内P「いえ、しかし……!」


蘭子「雄馬! 姉さんに、詳しく!」

薫「……僕は、桜庭薫だ。今は仕事中……桜庭、薫、だ」

アーニャ「プロデューサーが……歌って、踊りますか?」

翼「そうだよ! 一緒に、会場を盛り上げるんだ!」


蘭子・アーニャ「……!」


武内P「ま、待ってください!」

武内P「それは、315プロのプロデューサーさんと……」

武内P「……それに、天堂さんも納得されているのですか!?」


薫「納得? 何を言うかと思えば……」

翼「これ、元々プロデューサーと輝さんが考えたんですよ!」


武内P「……!?」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 22:32:26.85 ID:Vij3R391o
アーニャ「ハラショー! とても、素晴らしい企画、です!」

武内P「あ、アナスタシアさん!?」

アーニャ「プロデューサー! LIVE、頑張りましょう!」

武内P「し、しかし……!」


武内P「私に、天道さんの代わりは、とても――」


アーニャ「――ニェート、違います」

アーニャ「確かに……アー、出演するのは、代わり、です」

アーニャ「でも、それぞれ……個性がありますね?」

アーニャ「プロデューサーの、個性、ンー、良さ?」

アーニャ「……良さを出して、新しいユニットだと、思いましょう!」


武内P「……!?」


薫「成る程……確かに、二人は似ても似つかないからな」

翼「良いですね! 合同企画の……限定ユニット!」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 22:38:38.51 ID:Vij3R391o
アーニャ「プロデューサー」

武内P「は、はい……!?」

アーニャ「サマーフェス、美波が倒れて、ランコが一緒に歌ってくれましたね?」

武内P「ええ……」


アーニャ「私は、とても楽しかった、です」

アーニャ「……美波と歌えなくて、アー、残念、でした」

アーニャ「でも、ランコと歌えて、良かったと思いました」

アーニャ「ランコは、ただの代わりでは……ありませんでしたね?」


武内P「それは……はい、その通りだと思います」


薫「倒れたと言うのは……少し、耳に痛いな」

翼「あ、あはははは……」
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 22:41:45.03 ID:Vij3R391o
アーニャ「プロデューサー、頑張りましょう♪」

薫・翼「……」


武内P「……ま、待ってください!」

武内P「あの時、一緒に歌えたのは!」

武内P「神崎さんが、素晴らしいアイドルだったからです!」

武内P「日頃の、神崎さんの努力があったからこそ――」


蘭子「――フッフッフ!」

蘭子「アァ――ッハッハッハ!」


武内P「か、神崎さん……?」
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 22:49:16.60 ID:Vij3R391o
蘭子「我が友よ、覚醒の時は来た!」ビシッ!

蘭子「今こそ、我がグリモワールに刻まれし禁忌の封印を開放せし時!」ビシッ!

蘭子「……深い闇の底で、眠り続けると思っていたわ」スン…

蘭子「だが!」ビシッ!

蘭子「真紅に染まりし、夜の眷属の羽ばたきを!」

ごそごそっ…!

蘭子「……んふー♪」ニコッ!


武内P「神崎さん? あの、何を……」

アーニャ「アー……スケッチブック、ですね?」


蘭子「――さあ! とくと見るが良い!」ビシッ!

蘭子「あっ、あっ、そっちのページじゃなくて……そう、そこ!」

蘭子「それこそが、我が友の真なる姿! 魔王の降臨!」ビシィッ!


薫・翼「ふむふむ……?」
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 22:58:57.18 ID:XBeZiX0K0
蘭子カワイイかよ
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 23:02:46.20 ID:Vij3R391o
薫「これは……吸血鬼を意識しているのか?」

蘭子「うん!」フンス!

翼「へええ! この長いのがマイク……かな?」

蘭子「これは剣! 格好良い! 凄く!」フンスフンス!

薫「マントは良いが、剣はどうだろうな……振り付け的に」

翼「あっ、ステッキみたいにしたらどうかな?」

蘭子「………」


蘭子「……漆黒の杖を振りかざし、王の様に振る舞う――」

ほわほわ〜ん!

https://www.youtube.com/watch?v=XOSPmoDjegg

蘭子「――……わ」

蘭子「我が友――っ! 我が友――っ!」オロオロ!


武内P「……!?」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 23:12:36.47 ID:Vij3R391o
アーニャ「ランコ、シーッ、です」シーッ!

蘭子「あ、あわ……すまない……」

薫「他に客が居ないとは言え、さすがに迷惑がかかるな」

蘭子「……雄馬うるさい」

薫「仕事中だ。僕は桜庭薫……本当に、あまり言わせないでくれ」

翼「と、とにかく! 場所を移動しませんか?」


武内P「い、移動? どこへ……ですか?」


薫・翼「――カラオケ」ニヤリ!

薫「まさかとは思うが、プロデューサーの立場の君が……」

翼「……担当の子達の前で、わざと下手に歌ったりしません、よね?」


蘭子「うん! わがとも、そんなことしない!」ニコッ!

アーニャ「ダー♪ プロデューサーの歌、聞きたい、です♪」ニコッ!


武内P「……い」

武内P「良い……笑顔です……」
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/03(水) 23:21:04.76 ID:H8HAwW8DO
おい、声優ネタ
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/03(水) 23:24:39.50 ID:Vij3R391o
  ・  ・  ・

後日


武内P「皆さん、大変申し訳ありません」

アイドル達「……」

武内P「理由があるとは言え、出来るだけ予定を調整するべきでした」

アイドル達「……」


武内P「……LIVECarnivalは、今回が初めての大きなイベントです」

武内P「なので――……昼間は、どうしても難しいですが」

武内P「夕方からは、皆さんのBOOTHを回りたい、と」

武内P「……そう、考えています」


アイドル達「来なくて良いで〜す♪」ニッコォ〜ッ!


武内P「っ!?」



アイドル達「笑顔で楽しみましょう、プロデューサー♪」ニッコニコ!



武内P「…………良い、笑顔です」




おわり
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 03:16:49.15 ID:p/oKQpmw0
なるほど、蘭子ニッコニコの企画だ…
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 08:13:29.40 ID:/Upd0UqTo
>蘭子「……雄馬うるさい」
おい中の人漏れてるぞw
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 08:51:11.34 ID:reVGb0BCo
>>165
読んでいて意味がわからなかったがそういうことか!
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 14:06:20.86 ID:XqH9X3enO
常識的に考えてそんな事したら武内pが訳あってアイドルに転職しちゃうからダメだろ
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 16:50:08.44 ID:0O4MOtM7O
>>160
これ何のライブ?
169 :sage [sage]:2019/07/04(木) 19:04:45.86 ID:rGulH94QO
この武内pは腹筋でステージを壊しかねないな
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 20:44:17.18 ID:F02Ikp8N0
フリスク内でぴにゃこら太に似てると話題になる武内Pください
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 20:53:01.67 ID:I9nfocbSO
黒いピニャコラ太「ぴにゃぴっぴ」

カラーリングはちひろさんなんだよねピニャコラーダ
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 20:56:58.15 ID:I9nfocbSO
アニメでホワイトボードに描かれたぴにゃこら太に矢印してPくん?書いてあったね。

ぴにゃの中身は卯月なんだっけ?
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/04(木) 21:16:38.86 ID:KWl78bHp0
ウルトラマンの最新作で薫と蘭子出るのか
あれ作品が作品だからとあるOPが2つほど流れそう
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/04(木) 22:24:49.37 ID:p2LgoCs2o
今日は眠いので寝ます、申し訳ない
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/05(金) 00:07:38.56 ID:5b7cRROCO
義務なんてないし、のんびりやっていただけるだけでありがたいですよ
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/05(金) 01:52:27.08 ID:csrp+Dmxo
ゆるーくいこうぜ
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/05(金) 02:10:02.81 ID:aI01/sKMo
>>172
ぴにゃ:卯月
黒ぴにゃ:武内P
桃ぴにゃ:川島さん
だったはず
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 20:44:50.16 ID:CTgrNMTTo
書きます


武内P「LiPPSの質問コーナー」
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 20:48:58.70 ID:CTgrNMTTo
奏「ふふっ、そんなに警戒しないでも大丈夫よ」

フレデリカ「うんうん! ふわっと軽〜く答えてね♪」

志希「フレちゃんフレちゃん、それじゃ軽快だよ〜!」

周子「まあ、答えるのはあたし達じゃなくてね?」

美嘉「答えるのはアンタ★ そこんトコよろしく★」


武内P「……一つ、質問が」

武内P「私に、拒否権はありますか?」


LiPPS「?」キョトン


武内P「……すみません、何でもありません」
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 20:52:50.79 ID:CTgrNMTTo
奏「言っておくけど、誤魔化すのは無し。良い?」

フレデリカ「ゴマは体に良いけどね! セサミン!」

志希「植物由来の化学物質で、老化防止にどうぞどうぞ〜♪」

周子「ちゃんと答えてくれないと、どうなるんだろうねー?」

美嘉「アハハ……まあ、うん。ねっ★」


武内P「……あの」


LiPPS「それじゃあ、いってみよ〜♪」


武内P「……」

武内P「はい、わかりました」
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 20:58:53.78 ID:CTgrNMTTo
武内P「……」


LiPPS「……」


奏(……彼には言ってないけど、裏のルール)

フレデリカ(んふふ! どんな質問をしようかな〜!)

志希(自分が、一番だと言わせるようにシツモ〜ン♪)

周子(……でも、それだけだと簡単過ぎるから)

美嘉(一番と言われて……その上で、一番攻めた質問をする!)


LiPPS「……!」フンス!

LiPPS(一番駄目だった人が、罰ゲーム!)


武内P「……妙に、気合が入っていますね……?」
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 21:02:32.40 ID:CTgrNMTTo
奏「――それじゃあ、私から質問させて貰おうかな」

武内P「はい、わかりました」

奏「答えなかったら、承知しないんだから」

武内P「……はい」

奏「それじゃあ、質問」


奏「――LiPPSで、誰か一人とキスをしなければいけないとしたら」

奏「チャーミングな貴方は、誰を選ぶのかしら?」ニコッ!


武内P「……えっ!?」


フレデリカ・志希・周子・美嘉「……!」

フレデリカ・志希・周子・美嘉(せ……攻めてるぅ〜〜っ!)
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 21:06:59.38 ID:CTgrNMTTo
奏「さあ、答えて貰うわよ」

武内P「み、皆さんの中で……ですか!?」

奏「ええ、そうよ。答えて頂戴」

武内P「し、しかし……!?」


奏「……もし、答えてくれないのなら」

奏「無理矢理にでも、その唇に聞いちゃおうかな」ニコッ!


武内P「っ!?」

武内P「みっ――宮本さんです!」


志希・周子・美嘉「えっ?」

フレデリカ「……ほえっ?」


奏「……」

奏「んっ?」
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 21:14:34.46 ID:CTgrNMTTo
奏「……どういう事? フレデリカ?」

武内P「その、皆さんの中で……ですね」

奏「うん」

武内P「一番、社会的に問題が無いのに加え……」

奏「それで?」

武内P「性格的にも、今後の影響が最も少ないだろう、と……」

奏「なるほどね」ニコッ!


フレデリカ・志希・周子・美嘉「……」


奏「…………はい、次の人質問どうぞ」…ボソッ


フレデリカ・志希・周子・美嘉「……」
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 21:19:40.80 ID:CTgrNMTTo
フレデリカ「――はいは〜い! はい、宮本さん質問どうぞ!」

武内P「……あの、答えやすい質問でお願いします」

フレデリカ「うんうん♪ 高いのよりも、安い方が嬉しいもんね♪」

武内P「え、ええ……」

フレデリカ「ピンポンんピンポーン! 正解です! いえ、質問です!」


フレデリカ「――LiPPSで、誰か一人と一緒に映画を見るとしたら」

フレデリカ「フンフンフフーン♪ 誰と見る〜? それとも、見られちゃう?」ニコッ!


奏「!」


武内P「そう、ですね……」


志希・周子・美嘉「……!」

志希・周子・美嘉(フレちゃんが……空気を読んだ!?)
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 21:24:40.55 ID:CTgrNMTTo
志希(……つまり、これはもうサイアクの事態の一歩手前)

周子(……シューコちゃん的にもギリギリだと思ってたからねー)

美嘉(……ホント、たまにこうやってお姉ちゃんするんだから★)


奏「……」ソワソワ!


フレデリカ「さあさあ! 答えた答えた! 答えは答えは?」ニコニコ!


武内P「もし、二人で映画を見るとしたら……」

武内P「……一ノ瀬さん、でしょうか?」


フレデリカ・周子・美嘉「!?」


志希「……!?」


奏「……」スン…
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 21:31:38.73 ID:CTgrNMTTo
フレデリカ「……わ、わ〜お! そう、なんだ〜!」

武内P「はい、一ノ瀬さんですね」

フレデリカ「どうしてか、聞いても良いかな? いいとも〜!」

武内P「英語が非常に堪能なようなので……」

フレデリカ「そうだね! ペラペラ! ノートの束みたい!」

武内P「字幕映画を見ながら、訳に関して色々と聞ければ……」

フレデリカ「あっ、それ楽しそう! 今度かいつかやってみよ〜♪」ニコッ!


周子・美嘉「……」


フレデリカ「……はい、次はお任せ! シェフの気まぐれランチ!」


志希「……!」


奏「…………」
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 21:37:49.95 ID:CTgrNMTTo
志希(……にゃはは、セキニンじゅうだ〜い♪)

志希(もしコレで駄目だったら、残されたチャンスは半分!)

志希(でも、フレちゃんに任されたからね〜♪)

志希(……実験じゃなく、ただの結果発表〜♪ どんどんぱふぱふ〜♪)


奏「…………」ジッ…


志希「……う、お……」

志希「りっ……り……」

志希「……LiPPSで、一番髪が短いのは?」


武内P「? 塩見さん……でしょうか?」


フレデリカ・周子・美嘉「ちょっと待って」


奏「…………」スン…
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 21:47:13.89 ID:CTgrNMTTo
フレデリカ(シキちゃん!? それは三択、サンタクロースだよ!)

志希(だって! すっごい見てくるんだも〜ん!)

周子(って言うか、一番でも……髪が短いから何? ってなったなー)

志希(あ……アメリカじゃ褒め言葉! イエ〜イ!)

美嘉(どうしたのギフテッド!? ギフト、どっかに置き忘れてきた!?)

志希(はいはい、ソーリーソーリー! ごめんなさ〜いね〜!)


奏「…………」


フレデリカ・志希・周子・美嘉「……」

フレデリカ・志希・周子・美嘉(……うん、本気でやろう)


武内P「……皆さん?」
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 21:54:23.99 ID:CTgrNMTTo
周子「――それじゃ、次はあたしが質問するよー」

武内P「はい、わかりました」

周子「そうだねー、これは答えやすいと思うな」

武内P「それは……助かります」

周子「じゃあ、聞いちゃおうかなー」


周子「――LiPPSで、もしも誰かを頼るとしたら」

周子「真っ先に……誰を頼る? 気楽に答えてね〜」ニコッ!


奏「!!」


武内P「そう、ですね……」


フレデリカ・志希・美嘉「……!」

フレデリカ・志希・美嘉(……これはもう、いったでしょ!!)
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 22:00:19.08 ID:CTgrNMTTo
周子「なーに? 迷う必要なんて無いんじゃなーい?」

武内P「真っ先に、と言われたら……」


奏「……」ソワソワソワソワ!

奏「……」サッ、サッ…

奏「……」…ニコッ!


フレデリカ・志希・美嘉「……」

フレデリカ・志希・美嘉(髪まで整えて……すっごい良い笑顔)


武内P「……城ヶ崎さん、ですね」


美嘉「……ぅえっ!?」ビクッ!


フレデリカ・志希・周子「……」


奏「…………」スン…
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 22:06:04.94 ID:CTgrNMTTo
美嘉「あっ、アタシ!? マジで!?」

武内P「えっ? ええ……城ヶ崎さんです」

美嘉「ちょっ、待っ……ええ〜っ?///」

武内P「シンデレラプロジェクト始動前から、面識がありましたし……」

美嘉「あっ、うん……そうだよね」

武内P「それに、何度も協力して頂いているので……」

美嘉「まっ、まーね! 先輩として、トーゼンっしょ★」

武内P「これからも、ご迷惑をおかけするかも知れませんが……」

美嘉「困った時はお互い様、ってね★」


美嘉「カリスマJKアイドル、城ヶ崎美嘉を頼りにしといて★★★」ニッコニコ!


武内P「はい、ありがとうございます」


フレデリカ・志希・周子「ちょっと待って」


奏「…………」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 22:11:52.38 ID:CTgrNMTTo
美嘉(聞いた?★ ねえ皆、今の聞いた〜?★)

フレデリカ(ミカちゃん! あとは、ミカちゃんに託された!)

美嘉(はっ? 何が? もー、な〜に〜が〜?★)

志希(にゃはは、ゴキゲ〜ン♪ だ・け・ど、フキゲ〜ン♪)

美嘉(…………んああああ!? )

周子(コレで失敗したら、どうなるんだろうねー……)

美嘉(プレッシャーかけないで!? ホント、マジで!)


奏「…………」

奏「……っふ」…ヘラヘラッ


フレデリカ・志希・周子・美嘉「っ……!」

フレデリカ・志希・周子・美嘉(変な……笑顔です……!)


武内P「……?」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 22:19:26.46 ID:CTgrNMTTo
美嘉「――じゃ、じゃあ次の質問はアタシが……!」

武内P「……はい、どうぞ」

美嘉「えっ、と……その……」

武内P「……」


奏「…………ふふっ」…ヘラヘラッ


フレデリカ・志希・周子「……!」ジーッ…!


美嘉「りっ、ぷー、うー……すー、うー……」

美嘉「…………」

美嘉「……待って待ってヤバイヤバイ! ヤバイって!」

美嘉「何か変な汗出てきたんだケド! マジヤバイってこのカンジ!」
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 22:27:25.96 ID:CTgrNMTTo
フレデリカ(ミカちゃん、ファイトだよ! 一発しか残ってないけど!)

志希(カリスマのお手並みはいけ〜ん♪ や〜ん道連れになっちゃ〜う♪)

周子(まー、美嘉ちゃんだからねぇ。緊張せず、楽にいこー)

美嘉(……アンタら、あんまり期待してなくない!?)


武内P「……」

武内P「すみません、待ってください」


美嘉「なっ……何?」


武内P「速水さん」

武内P「今すぐに、医務室に行きましょう」


奏「…………」

奏「えっ? 私? い……医務室?」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 22:33:24.48 ID:CTgrNMTTo
奏「何? どうしたの、急に……」

武内P「顔色が優れないように見えましたので」

奏「別に……医務室に行くほどじゃないわ」

武内P「速水さん……」

奏「……」


武内P「……笑顔です」

武内P「いつもの貴女の笑顔は、夜空に輝く月のように輝いています」

武内P「ですが、今は分厚い雲に覆われている……」

武内P「……私は、それを見過ごすことが出来ません」


奏「……」


フレデリカ・志希・周子・美嘉「……!」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 22:37:28.32 ID:CTgrNMTTo
奏「……ふぅん、そうなんだ?」

武内P「はい」

奏「医務室まで、エスコートしてくれるのかな?」

武内P「当然です」

奏「……」


奏「……ふふっ!」ニコッ!

奏「ベッドのある場所へ、弱った女を連れて行こうだなんて……」

奏「……貴方って、そういう人だったのね?」ニコリ!


武内P「えっ!?」

武内P「いえ、決して……そういう意味では!」


フレデリカ・志希・周子・美嘉「……!」ホッ!
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/05(金) 22:50:13.64 ID:CTgrNMTTo
奏「美嘉、困った狼さんに質問したら?」

美嘉「えっ!? あっ、うん! そうだね!★」

フレデリカ「んふふー♪ どんな事を聞くんだろうね!」

志希「きっと、あたし達が想像もしてないようなすっごい事だよ〜!」

周子「ハードル上げるなー。ま、気が楽になったからしょーがないか」


美嘉「――LiPPSで、一番カリスマを感じるのは?」

美嘉「アハッ★ これなら、ヨユーで答えられるでしょ★」ニコッ!


奏・フレデリカ・志希・周子「……ズルっ!?」



武内P「……速水さん、ですね」



美嘉「……」

美嘉「えっ?」





おわり
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/05(金) 23:03:44.75 ID:96/zLg3LO

どうしてここのアイドルは定期的に誰も得しない不幸になるだけの時間を作ってしまうのか
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/05(金) 23:27:06.29 ID:pINzfcBC0
攻めるか保身に走ったものから死ぬ
わかりやすいね
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 01:27:39.52 ID:31/268OOO
保身に走ったくせに自爆したカリスマ流石だな
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 02:34:41.03 ID:h+gKTCfgo
志希ちゃんポンコツすぎひん?
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 04:29:41.80 ID:kv8QGHHQo
もみやで可愛すぎて草
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 06:22:54.92 ID:aeKD6tCSO
LIPPSの陰でクローネが泣いている
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 10:48:26.57 ID:kdmGpx/Jo
目の調整力低下に悩む安部菜々さんお願いします
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 11:01:08.12 ID:DO1s85Jqo
クロスやってほしいが作者の守備範囲どのくらいなんだろうか
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 11:07:46.05 ID:eBLngQox0
ゲームも守備範囲ならアリスカレンアナスタシアが居るシャドハのクロスとか見たい
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 13:56:38.92 ID:vFzSNMBzO
>>205
ブルーベリーアイを愛用する安倍さんじゅうななさい
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 15:36:39.24 ID:PzPjhezlO
つまり調整力が落ちて目からビームが暴走してしまうアイドルという地獄絵図か…デ・ジ・キャラットが懐かしいわい
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 22:29:07.58 ID:A6Ze97g3o
正直に白状しますと、書きたいクロスネタは20本くらいあります
が、書ける程には覚えてないのでインプットしなおさないとなぁ、と
アニデレ全台詞書き出しもしたいし、迷った挙げ句何もしてないのが現状ですね!
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 22:30:37.43 ID:A6Ze97g3o
>>205
書きます
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 22:31:17.39 ID:A6Ze97g3o
武内P「目に異常、ですか?」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 22:34:44.97 ID:A6Ze97g3o
菜々「……はい」

武内P「病院には、もう行きましたか?」

菜々「……いえ」

武内P「すぐ、病院に行ったほうが……」


菜々「……症状を聞かれた時!」

菜々「ナナは、どう答えれば良いんですか!?」

菜々「――エッチな所に勝手に目がいくんです」

菜々「……って!? そんなの無理です!」


武内P「……」

武内P「はい?」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 22:37:31.49 ID:A6Ze97g3o
菜々「だから、こうやって相談してるんです……!」

武内P「あの、安部さん?」

菜々「……ほら! 今も、喉仏に目が行きました!」

武内P「……」


菜々「男の人の喉仏って、なんかエッチなんですよ!」

菜々「目を見て話そうとしても……ほら、また喉仏!」


武内P「……」

武内P「安部さん、病院に行きましょう」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 22:42:49.51 ID:A6Ze97g3o
菜々「無理です! 恥ずかしくて死んじゃいます!」

武内P「……お医者様には、守秘義務がありますから」

菜々「でも……!」

武内P「現状、それしか手は無いかと」


菜々「……ナナは、アイドルなんです!」

菜々「診察中、右足と左足の真ん中をしちゃうかもなんですよ!?」

菜々「……いえ、絶対します! ガン見しちゃいます!」


武内P「……」

武内P「安部さん、アイドルなので発言には注意しましょう」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 22:46:18.59 ID:A6Ze97g3o
菜々「かすみ目とか、疲れ目ならまだ良かったですよ……!」

武内P「……」

菜々「こうしてる間にも、目線が移動して……!」

武内P「……」


菜々「もおおおお! どうしてなんですかあああ!」

菜々「股間に目が行っちゃって行っちゃって! んんんんっ!」

菜々「……」ジーッ!


武内P「……」

武内P「すみません、デスクの方に移動させて貰います」
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 22:49:54.69 ID:A6Ze97g3o
菜々「……男の人のお尻も、なんかエッチですよね」ジーッ!

武内P「……」

菜々「すみません、見たくて見てる訳じゃないんです」ジーッ!

武内P「……」


菜々「……わかって貰えましたか?」ジーッ!

菜々「今も、やっぱり喉仏から目が離せないんです」ジーッ!

菜々「……ナナの目に、異常が起きてるんですよ!」ジーッ!


武内P「……」

武内P「異常が起きているのは、脳では?」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 22:54:12.80 ID:A6Ze97g3o
菜々「脳? 目じゃなくて、ですか?」

武内P「はい」

菜々「いや、でも……勝手な事するのは、目ですよ?」

武内P「目に指令を送っているのは、脳です」


菜々「……まっ、待ってください!」

菜々「も、もしかしてですけど……」

菜々「……ナナが、欲求不満だって言いたいんですか!?///」


武内P「……」

武内P「どう捉えるかは、安倍さん自身で判断してください」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 22:58:22.00 ID:A6Ze97g3o
菜々「違います!/// これは、そういうんじゃなくて!///」

武内P「安部さん、病院に行きましょう」

菜々「良いですか!? よく聞いて下さい!」

武内P「すみません……あまり、聞きたくありません」


菜々「目が勝手な事をするのは、男の人だけじゃありません!」

菜々「女の子相手だって、エッチな所に目がいきますから!」

菜々「みくちゃんの胸とかガン見ですよ、ガン見!」


武内P「……」

武内P「それは……守備範囲が広がったのでは?」
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/06(土) 23:01:21.35 ID:bfpzG7NXo
>>210
まずはアニデレからだ
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:03:21.06 ID:A6Ze97g3o
菜々「ちーがーいーまぁーすぅ〜〜っ!!」ジタバタ!

武内P「とにかく、病院に行きましょう」

菜々「ナナに、看護師さんを見ろって言うんですか!?」

武内P「何一つそんな事は言っていません」


菜々「お願いします! ナナ、諦めたくないんです!」

菜々「あっ、指がゴツゴツしてるのもなんかエッチ……」ジーッ!

菜々「……こんなナナを放り出すんですかぁ!?」ジーッ!


武内P「……すみません」

武内P「出来るだけ関わりたくない、と……そう思っています」
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:09:39.88 ID:A6Ze97g3o
菜々「こうやって目があっちこっちに行くから、疲れて疲れて……!」

武内P「今、私の疲労度も溜まっていっています」

菜々「カフェのバイトの休憩中、やっとの思いで此処まで来たんですよ!?」

武内P「……成る程」


菜々「エレベーターの中では……!」

菜々「目線に気づかれないように、奥側に行ったりして!」

菜々「そうしたら、早苗さんのお尻がプリプリで! プリっててぇ!」


武内P「……」

武内P「目を閉じていれば良かったのでは?」
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:14:37.78 ID:A6Ze97g3o
菜々「出来たら、ここまで苦労はしてませんよ!」

武内P「……目を閉じることが出来ない、と?」

菜々「勝手に瞼が開くんです! パチーンって!」

武内P「……成る程」


武内P「では……一旦、目隠しをしましょう」

武内P「そうすれば、目と……心が落ち着くのでは?」


菜々「!」

菜々「成る程、その手が!」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:21:05.02 ID:A6Ze97g3o
菜々「ハンドタオルで……よし、これで!」

武内P「どうですか?」

菜々「……凄い」

武内P「凄い?」


菜々「凄い凄い! 目隠しをしたら、大丈夫です!」

菜々「エッチなものに、勝手に目が行か無いんです!」

菜々「……お先真っ暗だったのに、視界が開けましたよ!」ニコッ!


武内P「……」

武内P「視界は、ゼロになったのでは?」
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:25:14.22 ID:A6Ze97g3o
菜々「……ナナの目に、何が起こったんでしょうか」

武内P「検査するため、病院に行きましょう」

菜々「……ちょっと待ってください」

武内P「どうかしましたか?」


菜々「……メイド服で、目隠しをされてるって」

菜々「えっ、ええっと……ですね?」

菜々「……なんだか、いかがわしくないですかね?///」


武内P「……」

武内P「やはり、欲求不満では?」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:31:21.66 ID:A6Ze97g3o
菜々「いっ、今のは違いますからね!?///」

武内P「……すみません、違いがわかりません」

菜々「この状況を見られたら大変ですよね、って意味です!」

武内P「……はあ」


菜々「目隠しをされたメイドですよ!?」

菜々「これから何が起こるかなんて、エッチな事しかありませんもん!」

菜々「――っ!?」

菜々「く……口が勝手に……!?」


武内P「……」
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:35:28.23 ID:A6Ze97g3o
菜々「聞きましたか!? 今の、ナナの言葉!」

武内P「……聞きたくはありませんでしたが、聞こえました」

菜々「……まさか!? 目隠しをしたから!?」

武内P「……」


菜々「目隠しをして、エッチな所が見られなくなった分……」

菜々「……口から、エッチな言葉が出るように!?」

菜々「ちっ、違いますからね! ナナは、エッチな子じゃありません!」

菜々「……ああっ!? 今の台詞も、なんかエッチ!」


武内P「……」
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:40:51.98 ID:A6Ze97g3o
菜々「お願いします! ナナのお口を塞いで下さい!」

武内P「……わかりました。ハンドタオルで、猿轡を」

菜々「何か、お口って言ってるぅ! 早く! 早くぅっ!」

武内P「……失礼します」


菜々「……むごっ」

菜々「もはっ☆ ももはま、もふまふもうふっ♪」ビシッ!

菜々「……」

菜々「もおおおおおおお!/// んむもおおおおおお!///」ジタバタ!


武内P「…………」

武内P「やはり、病院に行くしかないと思います」
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:47:55.04 ID:A6Ze97g3o
菜々「もっほ! もっほむほほん!」

武内P「安部さん、少しだけお話させて下さい」

菜々「……」コクリ

武内P「ありがとうございます」


武内P「……安部さんの今までの行動を見て、ですが」

武内P「私を騙そうとしている、ドッキリの類ではなく……」

武内P「……貴女が、真剣に悩んでいるのが伝わってきました」


菜々「!」コクコク!


武内P「……すみません」

武内P「あまりにもあんまりだったので……疑ってしまって、はい」
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:53:55.25 ID:A6Ze97g3o
武内P「……体が、勝手にいやらしい事をしてしまう」

菜々「……」

武内P「これは、放っておくとどうなるかわかりません」

菜々「……」


武内P「……病院に行くまでに、念の為」

武内P「両手も拘束しておくべきだ、と」

武内P「……そう、考えているのですが」

武内P「安部さんは、どう思いますか?」


菜々「……」
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/06(土) 23:58:43.88 ID:A6Ze97g3o
菜々「……」コクリ!

武内P「わかりました。では、私が」

菜々「……」

武内P「手を後ろに回して、縛りやすいようにしてください」

菜々「……」コクリ!


武内P「跡が残らないように、あまりきつくは縛りません」

武内P「なので、出来るだけ自分の意志で」

武内P「両手が自由にならないよう、頑張って下さい」


菜々「……」

菜々「……!」プルッ…!
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 00:10:45.18 ID:HjrFtuEpo
武内P「……はい、そうです。後ろで両手首をクロスさせてください」

菜々「……!」プルプルッ…!


武内P「――怖がる必要はありません」

武内P「――私に、全て任せて下さい」


菜々「――っ!?///」ビクゥッ!

ポタッ…ポタッ…!


武内P「? 床に、何かが垂れて……」


菜々「〜〜――!///」

…ブバシュゥ――ッ!!


武内P「!? は、鼻血が! 待ってください!」

武内P「その量は命に関わ……う、おおおっ!?」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 00:17:57.91 ID:HjrFtuEpo
  ・  ・  ・

菜々「……本当に、ご迷惑をかけしました」

武内P「もう、調子は戻られましたか?」

菜々「は、はいっ! バッチリです☆ キャハッ!」ビシッ!

武内P「……正直、もう駄目かと思いました」


菜々「きっと……目と口を塞いで」

菜々「鼻から、エッチなのが鼻血と一緒に出たんだと思います!」

菜々「だからもう、エッチな所に勝手に目がいかなくなりましたよ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「私が心配していたのは……命の危険に関してですが」
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 00:31:59.92 ID:HjrFtuEpo
菜々「それで……お願いがあるんです、けど」

武内P「はい、何でしょうか?」


菜々「もし、またこの間みたいな症状が出た時に……ですね?」

菜々「め、目隠しをして……猿轡をして……///」モジモジ!

菜々「両手の自由を奪った後……その……///」オズオズ!

菜々「……ナナに、エッチな事を言ってくれませんか?///」…チラッ!


武内P「…………すみません、お断りします」


菜々「そんなっ!? どうしてですか!?」

菜々「エッチな声じゃないと、鼻血が出ないかも知れないのに!」



武内P「……今の発言は、目をつぶります」



おわり
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 00:34:04.14 ID:XmJAy7lSO
やはり兎か
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 00:39:18.89 ID:3z6KdJu20
誰にも見つからなくて良かったな
絵面的にアウト過ぎる
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 00:57:34.75 ID:aeeXJA8Do
これが発情期・・・
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 01:03:37.52 ID:v7uRQ34Xo
美波が見てたらおぞましい事になってたな
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 06:02:46.83 ID:m4TWU8RVo
絶対誰かが乱入してくると思った
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 06:37:11.62 ID:vlkspbDDO
押し絵は村上水軍ですな
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 07:47:01.37 ID:437aMzSto
とりあえず清良さん呼ぼう
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 08:41:31.08 ID:IyXgZZcWo
読み始めて最初に思ったこと

菜々さんが老眼じゃなくてよかった
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 10:58:02.05 ID:FolTrU4io
やっぱこの武内君インポですわ……
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 22:02:54.72 ID:HjrFtuEpo
書きます


武内P「花の話、ですか」
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 22:07:55.15 ID:HjrFtuEpo
凛「うん、ちょっとここで話してても良い」

武内P「はい、勿論です」

まゆ「うふ、それじゃあちょっとの間お邪魔しますね」

武内P「どうぞ、ごゆっくりなさってください」


夕美「ありがとうございます、お言葉に甘えちゃいますね♪」

夕美「話を聞きたいって言うから、どこで話そうか、って迷ってたんです」


武内P「ここは、アイドルの方のための部屋ですから」

武内P「私のことは気にせず、どうぞお話を続けて下さい」
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 22:12:00.63 ID:HjrFtuEpo
凛「……それで、続きだけど」

夕美「えっと、どこまで話したっけ?」

まゆ「虫に関して、ですよ」

夕美「あっ、そうだったね!」


夕美「さっきも言ったけど、一応最初から」

夕美「――私、悪い虫じゃなきゃ見逃してあげる主義なの♪」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 22:15:29.12 ID:HjrFtuEpo
凛「……でも、虫は虫じゃない?」

夕美「あはは、まあ……そうなんだけどね?」

まゆ「虫は、寄せ付けないに限りません?」

夕美「それがね、そうでも無いんだよ」


夕美「虫にも、良い虫が居るのは知ってるよね?」

夕美「お花のためになったり、悪い虫をやっつけてくれたり♪」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 22:20:08.10 ID:HjrFtuEpo
凛「……まあ、それはわかるけど」

夕美「凛ちゃんはご実家がお花屋さんだし、詳しいもんね♪」

まゆ「良い虫の分まで、お世話してあげれば良いんじゃ?」

夕美「でも、ずっとは見てられないでしょ?」


夕美「自分が見てない時に、お花の世話をしてくれる仲間」

夕美「……そう考えると、見逃してあげる気にならないかな?」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 22:28:08.29 ID:HjrFtuEpo
凛「お花の世話をする仲間……ね」

夕美「そう考えたら、ちょっと可愛く思えるの♪」

まゆ「……虫が、ですかぁ?」

夕美「あはは、私も最初は苦手だったんだけどね?」


夕美「お花につく虫を全部やっつけるよりも」

夕美「良いか悪いかを判断して、ってした方がお花のためになるから♪」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 22:32:22.42 ID:HjrFtuEpo
凛「良い虫か悪い虫かは、自分で調べるの?」

夕美「うん、見つけたらすぐに調べちゃうなぁ」

まゆ「それって、すぐに調べられるものなんですかぁ?」

夕美「そうだねぇ、大体はすぐわかるかなっ♪」


夕美「……でも、わからない時もあるから」

夕美「そういう時はすぐ、バイバーイ、って私はしちゃうなぁ」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 22:38:20.80 ID:HjrFtuEpo
凛「バイバーイ、って……どうするの?」

夕美「うーん、状況にもよるかな?」

まゆ「……例えば、室内だったら?」

夕美「室内だったら? うーん、そうだねぇ……」


夕美「捕まえて、窓からパッと外に出しちゃうかな」

夕美「それでも戻って来ちゃうなら、可哀想だけど……ねっ?」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 22:44:24.79 ID:HjrFtuEpo
凛「……ああ、室外だとそうも行かないから」

夕美「そうそう♪」

まゆ「虫事態を寄せ付けなくする方法もありますよね?」

夕美「あるけど、そういうのって良くなかったりするんだよね」


夕美「効果が強すぎて、お花の元気が無くなっちゃったりするの」

夕美「……やっぱり、お花は元気で居て貰わないと、ね?」

凛・まゆ「……」コクリ



武内P「……」
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 22:54:03.51 ID:HjrFtuEpo
凛「そうだね……うん、私もそう思う」

夕美「でしょ? お花が元気だと、私も元気になっちゃう♪」

まゆ「うふふ……まゆも、お花が元気だと嬉しいです」

夕美「あはっ、そうだよね♪」


夕美「――良い虫を見逃すのは、お花のため」

夕美「そう考えたら、許してあげる気になれるよね?」

凛・まゆ「……」コクリ



武内P「……」
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 23:05:56.72 ID:HjrFtuEpo
凛「でも、頭ではわかってるんだけど……」

夕美「凛ちゃんは、環境的に難しいかも知れないかな?」

まゆ「まゆは……良い虫にも嫉妬しちゃうかも」

夕美「もー、そんなの全然心配する必要無いよ!」


夕美「お水をやったり、肥料をあげたり……一番、大事に思ってる人」

夕美「お花だって、絶対その事はわかってくれてるから♪」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/07(日) 23:15:52.72 ID:oZ7u6STio
今すぐ窓をぶち破って逃げ出すんだ!
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 23:18:43.67 ID:HjrFtuEpo
凛「そう、だね……きっと、わかってくれてる」

夕美「言葉は無くても、そういうのって伝わるものだから♪」

まゆ「うふ♪ まゆは、お花によく言ってますよ」

夕美「お花に話しかけるのも、実際に効果があるんだよね♪」


夕美「……あっ、でも!」

夕美「お花を綺麗に咲かせるためには、芽かき、も大事だね♪」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 23:23:20.02 ID:HjrFtuEpo
凛「芽かき……一番先端のつぼみだけを残して――」

夕美「――葉と茎の付け根の脇の、花芽を摘み取る事だね」

まゆ「そうすると、どんな効果があるんですか?」

夕美「花が充実したり、果実が大きくなったりするんだよ♪」


夕美「……大事だから、ハサミでカットするのは最初は戸惑うけど」

夕美「後々、やっておいて良かったって絶対思うから♪」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 23:30:17.62 ID:HjrFtuEpo
凛「ベランダでのガーデニングには必須だよね」

夕美「色々と制約が多いから、出来ることはしておかないと♪」

まゆ「はい……本当に、制約が多いですからねぇ」

夕美「だから、しっかり毎日ケアしてあげるのが大事!」


夕美「お水をあげない日でも、一日一度は様子を見てあげるの」

夕美「ちゃんと見てなくて何かあったら……困るもんね?」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 23:37:37.47 ID:HjrFtuEpo
凛「……やっぱり、毎日だよね」

夕美「お仕事で仕方ない時もあるから、難しいんだけどね」

まゆ「そうですね……まゆは、どうしても不安になります」

夕美「そこは、今までのお花との日々を信じる!」


夕美「……信じるためにも、やれる事はやっておくの♪」

夕美「見られない時は、予め多くお水をあげたりして、ね♪」

凛・まゆ「……」



武内P「……」
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 23:46:31.78 ID:HjrFtuEpo
凛「水やりは、ちょっと注意が必要だよね」

夕美「あげすぎても、駄目になっちゃうからねぇ」

まゆ「必要な時に、必要なだけ……うふふ」

夕美「お花によって違うから、付き合い方は考えないとね♪」


夕美「――……あっ、もうこんな時間?」

夕美「色々話したけど……参考になったかな?」


凛「……うん。やっぱり話を聞いてみて、色々再確認出来た」

まゆ「はい、これで真っ赤で綺麗な花が咲かせそうです♪」



武内P「……」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 23:54:42.83 ID:HjrFtuEpo
凛「それじゃ、片付けてレッスンに行こうか」

夕美「あっ、私はこの後予定が無いからやっておくよ」

まゆ「そんな、悪いです」

夕美「良いの良いの♪ お姉さんに任せてっ♪」

夕美「……次にお話するのは、いつにする?」

まゆ「出来るだけ、近い内だとまゆは嬉しいです」

凛「そうだね。今度も良い話、聞かせて貰うから」

夕美「あははっ♪」


夕美「それじゃあ今度は――まゆちゃんの所にお邪魔しちゃおうかなっ♪」


まゆ「はい♪」

凛「私も、楽しみにしてる」



武内P「……」
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/07(日) 23:58:24.18 ID:HjrFtuEpo
凛「――それじゃあ、プロデューサー」


武内P「……はい」


凛「レッスン、行ってくるから」

武内P「……はい、わかりました」

凛「もうっ……それだけ?」

武内P「……」


武内P「レッスン、頑張って下さい」


凛「……うん、頑張る」ニコッ!


武内P「……」

武内P「……良い、笑顔です」
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 00:11:12.54 ID:XBbzVS4bo
  ・  ・  ・

夕美「――それじゃあ、私も失礼しますね♪」

武内P「あの……一つ、質問があるのですが」

夕美「はい、何でも聞いて下さい♪」

武内P「……」


武内P「皆さんがしていたのは……何の話ですか?」


夕美「……ライラックの花言葉には『友情』があるんです♪」

夕美「二人共、最近ちょっと悩んでたみたいで……」

夕美「それで、話を聞いてる内にいつの間にか……フフっ♪」



夕美「話に花が咲いちゃいました♪」




おわり
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 00:59:17.50 ID:5CqvQs+fO
なんか不穏だった気もしなくもないけどただのガールズトークだった!
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 02:06:23.73 ID:fYTpOEW7o

Pがプリザーブドフラワーになりそうw
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 03:00:07.65 ID:SIWeI+i7o
花が花であることを許容してくれる分有情なのか?
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 09:11:50.37 ID:NeLqbjU3O
ちょっとお花が好き(意味深)なアイドル達の、他愛のないガールズトークじゃないですかー(棒)。
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 16:17:27.97 ID:BOLgMIx/O
菊の花はみんな好きだじぇ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 20:17:45.17 ID:oscgSA9Jo
茄子さんの幸運ネタで一本読みたいですね
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 20:20:46.18 ID:y9OiD1cao
担当Pにマジギレされて落ち込むまゆと武内Pとか
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 21:16:07.00 ID:IA71B5Z4o
書きます


武内P「カナヅチ、ですか」
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 21:19:21.20 ID:IA71B5Z4o
拓海「……んだよ、悪ぃか?」

武内P「いえ、そういう訳では……」

拓海「チッ! ああもう、まどろっこしいのはやめだ、やめ!」

武内P「あ、あの……」


拓海「アンタに頼みがある!」

拓海「アタシを……泳げるようにしてくれ!!」ペコリ!


武内P「!?」

武内P「む、向井さん! 顔を上げて下さい!」
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 21:24:10.45 ID:IA71B5Z4o
拓海「良いって言うまで、この頭は上げねえ!」ペコリ!

武内P「向井さん!?」

拓海「アンタ位にしか、頼めるヤツがいねぇんだ!」

武内P「ま、まずは詳しいお話を……!」


拓海「プール関係の仕事が来た時!!」

拓海「ヤンキーとして……――いや!!」

拓海「アイドルとして、みっともねえ姿は晒せねえんだよ!!」ペコリ!


武内P「!!」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 21:30:04.97 ID:IA71B5Z4o
拓海「……どうか、頼む!!」ペコリ!

武内P「先ずは、顔をあげて下さい」

拓海「だから――」

武内P「向井さん」


武内P「――私は、貴女が泳げるようになるサポートを全力でします」

武内P「なので、スケジュールの調整等の話し合いをしたい、と」

武内P「……そう、考えています」


拓海「!」

拓海「お、おぉ……マジでか! ハッ、ハハハッ!」パアッ!
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 21:36:17.12 ID:IA71B5Z4o
拓海「マジで助かる! 恩に着るぜ!」

武内P「いえ、当然の事です」

拓海「良いんだよ! 礼は素直に受け取っとけ!」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


武内P「――では、こちらの用紙に向井さんのスケジュールを」

武内P「可能な限りで構わないので、詳細にお願いします」

武内P「……向井さん、頑張って泳げるようになりましょう」


拓海「……!」

拓海「おう! 棲威魅運愚上等だコラァ!!」ニコッ!
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 21:42:09.12 ID:IA71B5Z4o
  ・  ・  ・

同日、夕刻、水泳専門店


拓海「――って、その日いきなり買い物に行くか!?」

武内P「すみません、仕事が終わるまでお待たせしてしまって」

拓海「そういう事を言ってんじゃねえよ!」

武内P「……申し訳ありません」


武内P「アイドル活動のために苦手を克服しよう、と」

武内P「……その熱意に当てられてしまって、つい」


拓海「……ま」

拓海「まあ……そういう事なら、仕方ねぇか」
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 21:45:11.57 ID:4xsrLd/Uo
(ナチュラルにエロ水着選ぶんだろうなぁ)
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 21:50:45.84 ID:IA71B5Z4o
拓海「しっかし、よくもまあ水着ばっかりあるもんだな……」

武内P「この店は、水泳用具の専門店ですから」

拓海「……オイ」

武内P「はい?」


拓海「上手い事言って、アタシに変な水着を着せる気じゃねえだろうな!?」


武内P「それは……わかりません」


拓海「あぁ!?」


武内P「水着選びは、プロの――お店の方にお任せするつもりです」

武内P「私が選ぶ物よりも、確実でしょうから」


拓海「……悪ぃ、アンタはそういうヤツだったわ」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 21:57:55.50 ID:IA71B5Z4o
  ・  ・  ・

「……一応、試着した」


武内P「着心地はどうですか?」

武内P「何か、気になった点はありますか?」


「つーかよ、ちょっと見て欲しいんだが」

―シャッ!

拓海「……コレ、本当に水着なのか?」


武内P「所謂、フィットネス水着、ですね」

武内P「見た目的には、カットソーのTシャツとスパッツに近いタイプ……」

武内P「……カラーは、パープルでよろしかったですか?」


拓海「お、おう……」
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 22:05:01.17 ID:IA71B5Z4o
拓海「もっと、仕事の時みたいなのを想像してたぜ……」

武内P「そういうタイプの物もありますが、そちらの方が?」

拓海「ああ、いや! そうじゃなくてだな!」

武内P「……一応、このタイプにした理由が」


武内P「向井さんは、バストのサイズが他の方に比べ大きいです」

武内P「なので、一般的な競泳水着だとどうしても胸が締め付けられます」

武内P「このタイプならば、その心配はありません」

武内P「そして、全く泳げない状態からの練習の場合……」

武内P「……どうしても、視線を集めてしまう事になります」

武内P「それを抑えるため、肌の露出も少ない方が」


拓海「わ、わかった! わかったから!」

拓海「これにする! これにするから、ちょっと落ち着け!」
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 22:11:56.41 ID:IA71B5Z4o
拓海「っつーかよ!? そんな喋るヤツだったのか!?」

武内P「いえ、その……すみません」

拓海「べ、別に責めてる訳じゃねえよ」

武内P「……」


武内P「アイドルの方が、階段を上っていく……」

武内P「……その手助けをするのが、プロデューサーの務めです」

武内P「ですから、この状況がとても喜ばしく思えて……」

武内P「……すみません、自分でも……よく」


拓海「ハァ……ったく!」

拓海「頼んでるのはアタシなんだ!」

拓海「今度謝ったりしたらボコる! 良いな!?」


武内P「……はい、わかりました」ニコリ
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 22:18:36.21 ID:IA71B5Z4o
  ・  ・  ・

翌日、夕刻、フィットネスクラブ内・プールサイド


拓海「……」

拓海(車で遠出するっつーから、何かと思えば……)

拓海(……施設が新しい割には、人があんまり居ねえな)

拓海(……)

拓海(チッ! あのヤロウ、余計な気を遣いやがって!)


拓海「――!」

パシッ!

拓海「ここまでされちゃあ、泳げる様になるしかねぇなぁ!」


拓海「……っつーか」

拓海「アイツ、なんでこんなに来るのが遅えんだ……?」
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 22:24:47.01 ID:fYTpOEW7o
露出が低い=全身タイツ状態で体のラインが出まくるなんだが逆にやべえんじゃw
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 22:24:51.21 ID:IA71B5Z4o
「――お待たせしました」


拓海「オイ、女のアタシより着替えに時間かかっ――」


武内P「――すみません」

ムキムキッ!

武内P「プールのレーンを一つお借り出来ないか、と」

もっこり!

武内P「クラブの方に交渉していて……」

…ムッワァァァ!


拓海「オラアアアア!/// やんのかコラアアアア!///」

シュッシュッ!


武内P「えっ?」

武内P「あの……何故、シャドーボクシングを?」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 22:33:02.99 ID:IA71B5Z4o
拓海「て、テメェ……!/// んだよ、その格好……!?///」

武内P「? 普通の競泳水着ですが……?」

拓海「もっと、こう……ズボンみたいなのがあんだろ!?///」

武内P「動きやすさ重視、ですね」

拓海「海パンっつーか、ひじきみてぇじゃねえか!///」



武内P「あの……」

ムキムキッ!

武内P「……向井さんが、気になるようでしたら」

もっこり!

武内P「レンタルで、別の物を着用してきますが……」

…ムッワァァァ!


拓海「あ……あぁ!?///」

拓海「このアタシが、んな細けぇ事気にすると思ってんのか!?///」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 22:39:06.34 ID:IA71B5Z4o
武内P「いえ、しかし……」

拓海「良いっつってんだろ!?///」

武内P「は、はあ……わかりました」

拓海「……で!?///」

武内P「えっ?……あ、はい」


武内P「幸い、第一レーンをお借りすることが出来ました」

武内P「……なので、慌てる事なく」

武内P「泳げるようになるため、頑張って練習しましょう」


拓海「……おう!」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 22:46:52.24 ID:IA71B5Z4o
  ・  ・  ・

プール内


武内P「――向井さんは、水に顔をつける事が出来ますか?」

拓海「あぁ、ナメんなよ? それ位は余裕だぜ!」

武内P「では、まず最初に……」

拓海「……」


武内P「水の中に、頭までしっかり潜って十秒キープ」

武内P「勿論、ゴーグルを着用して構いません」

武内P「……これをお願いできますか?」


拓海「あぁ!? 余裕だって言って……」

拓海「……いや、わかった」

拓海「調子こいてる時間はねぇからな!」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 22:52:00.99 ID:IA71B5Z4o
武内P「足は着くので、決して焦らず……」

拓海「へへっ、わかってるっての! 今、立ってんだろ!」

武内P「……では、向井さんのタイミングで始めて下さい」

拓海「おう! 十秒カウント、夜露士苦ぅ!」


拓海「す〜〜っ……」

拓海「!」

ジャボッ―!

拓海「……!」


―もっこり!


拓海「!?///」ブボフッ!

拓海「!? ガーボガボガボガボ!?」

バッチャバッチャ!


武内P「二……む、向井さん!? 向井さん!?」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 22:56:33.92 ID:IA71B5Z4o
  ・  ・  ・

拓海「ゲヘッ! ガハッ! ゴッホッ!」

武内P「だ……大丈夫ですか?」

拓海「思いっきり水飲んじまった……ゴホッ!」

武内P「……」


武内P「……今日は、予定を変更しましょう」

武内P「泳ぐために欠かせない――」

武内P「――水に浮く事を覚えましょう」


拓海「……」

拓海「……おう」
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 23:06:38.62 ID:IA71B5Z4o
拓海「……アタシ、水に浮かねぇんだよな」

武内P「……」

拓海「筋肉があって、その分重いからか?」

武内P「そう、ですね……」


武内P「……恐らく、余分な力が入っているからかと」

武内P「女性は男性より脂肪が多いので……」

武内P「……向井さんの場合でしたら、特に胸が浮いてしまって」

武内P「それもあって、バランスも取りにくくなっているのかも知れません」


拓海「……」

拓海「オイ……サラッと言うなよ、そういう事は」
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 23:17:04.32 ID:IA71B5Z4o
武内P「なので、そうですね……」

拓海「……」

武内P「仰向けの状態で、水に浮いてみましょうか」

拓海「仰向け?」

武内P「はい」


武内P「プールサイドの端を右手で掴み」

武内P「私の右肩を左手で掴んで下さい」

武内P「その状態から――私が、腰と脚を持ち上げます」

武内P「……補助有りの状態なので、安心して下さい」ニコリ


拓海「腰と脚を……って……!///」

拓海「いや、もう……四の五の言ってられる場合じゃねえ!」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 23:23:00.69 ID:RZ+PfIUDO
射撃は苦手だが、四の五の言ってられんな
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/08(月) 23:25:14.20 ID:8F3dS0OAO
今だけ武内Pが野田サトル作画になってる気がしてならない
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 23:27:13.29 ID:IA71B5Z4o
拓海「っしゃあ!」

がしっ!

武内P「では……失礼します」

拓海「かかって来いオラァ!」

武内P「……」

…ぐっ

武内P「このまま持ち上げていきますので、決して暴れずに」

拓海「お、おう……!」


武内P「……」

ぐぐっ…


拓海「お、お、お、お……!?」

…がっしいぃっ!
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 23:35:20.80 ID:IA71B5Z4o
武内P「……はい、これで体の前半分は水面から出ています」

拓海「あ、足……足の先、出てる……!」

武内P「そのまま、体の力を抜いて下さい」

拓海「む、無理! 無理、怖い!」

武内P「……では、目を閉じて下さい」

拓海「や、ヤダヤダ! だって! ここ、水!」

武内P「……」


武内P「拳を繰り出す前の、脱力した状態……」

武内P「……今、それが出来ますか?」


拓海「そ、それなら……出来る……!」


武内P「……」

武内P(……何故?)
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 23:43:33.32 ID:IA71B5Z4o
拓海「すーっ……ふーっ……」

武内P「……」


拓海「すーっ……ふーっ……」

ぷかぁっ…


武内P「良い感じですね」

拓海「……なあ、もしかして」

武内P「はい」

拓海「……マジでか?」

武内P「ええ」

拓海「……!」


拓海「気持ちいい……チョー気持ちいい……!」ニッコニコ!

ぷかぁっ…


武内P「……北島康介、ですか?」
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/08(月) 23:52:05.54 ID:IA71B5Z4o
  ・  ・  ・

フィットネスクラブ内・ロビー


拓海「――おうっ! 待たせちまったな!」

武内P「いえ、お気になさらず」

拓海「メシ行こうぜ、メシ! 当然、焼き肉だ!」

武内P「えっ?」


拓海「次に来た時は、バタ足の特訓をすんだろ?」ニヤリ!

拓海「だったらよぉ、力をつけとかねえとな!」ニコッ!

拓海「上華瑠火だ、上華瑠火! 夜露士苦ぅ!」ニッコニコ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「ですが……焼き肉に関しては、くれぐれも内密に」
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 00:01:28.54 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

武内P「――と言った次第で」

ちひろ「……」

武内P「本格的な夏に向けて、プールに通い」

ちひろ「……」

武内P「その帰りに、栄養補給も兼ねて食事を」

ちひろ「……」


武内P「なので、今年の夏は」

武内P「とても、素晴らしい輝きを見せて頂けると思います」


ちひろ「……ええ、本当に」


ちひろ「ハンマーで頭を殴られた気分ですよ」




おわり
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 00:59:32.44 ID:eGUm4tRSo
もっこり連発ってどこの冴羽リョウだ
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 01:03:04.19 ID:Yl7MQRfSO
水着彼女かな?
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/09(火) 01:20:02.52 ID:UN3001/Io
なんか安心できる組み合わせ
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 01:54:47.46 ID:/LFGlD9mO
CP&クローネ「ウホッ、いい男…」
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 02:37:47.48 ID:1VVGTPSwo
セクハラ拒否勢にセクハラを要求されるけど絶対従わないマン
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 08:33:22.57 ID:kwnFHmfso
これはスキャンダルですね
346って自前の温泉旅館とかホテル持ってないんだろうか
あったらごく一部の層が延々と使うか
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/09(火) 10:03:07.08 ID:MjSCC23/O
このP……すけべ過ぎる!!
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 11:49:22.64 ID:uCDKcMPYo
書きます


志希「宇宙最高の頭脳にして超天才!」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 11:54:23.68 ID:uCDKcMPYo
志希「……ん?」

志希「自分の事をそこまで言うのはおかしい、って?」

志希「……」

志希「にゃははは♪ そうだよね、おっかしいよねぇ!」

志希「あたしだって、多少のケンキョさは持ち合わせてるもん。あれ、意外?」

志希「……だから、これはあたしの話じゃない」


志希「超天才、アル・ボーエンのお話」


https://www.youtube.com/watch?v=w3PhuNEzUDA
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 11:58:42.70 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

n年前、アメリカ、大通り


志希「……」

トボトボ…

志希「……」

トボトボ…


ドンッ!


通行人「うおっと!?」

通行人「おい、ちゃんと前見て歩け!」


志希「……」ジーッ…


通行人「な、なんだこのガキ?」

通行人「薄気味悪いヤツだな……」


志希「…………」

志希「……」

トボトボ…
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 12:03:47.40 ID:uCDKcMPYo
志希「……」

トボトボ…


女性「見て、このバッグ素敵だと思わない?」

男性「キミの方が素敵だから、俺はそうは思わないな」

女性「なら、私がこのバッグを持ってたら?」

男性「勿論、素敵さ。ああもう、わかったよ!」

女性「ふふっ! ありがとう♪」


志希「……」

トボトボ…



「――パパ! ママ!」



志希「っ!」ビクッ!

…ピタッ
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 12:11:05.96 ID:uCDKcMPYo
志希「……」ジッ…


子供「どうしたの!? 迎えに来てくれるなんて!」

父親「ヒント、今日は何の日だったっけ?」

子供「……私の誕生日!」

母親「うふふ、プレゼントに何をお願いしてた?」

子供「弟か妹が欲しい、って……」

父親「うおっと、そっちを思い出したか!」

母親「あら、ある意味じゃ合ってるじゃないの」

子供「……もしかして、犬!?」

父親・母親「「正解♪」」

子供「ワオ! 信じられない! 本当に!?」

父親「おいおい、パパが嘘をついた事なんてあったかい?」

母親「さあ、早く新しい家族を一緒に迎えに行きましょう」

子供「うんっ!」


子供「パパ、ママ!」

子供「二人共、せかいで一番愛してるわ!」ニコッ!



志希「……」

志希「…………」

トボトボ…
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 12:19:13.70 ID:uCDKcMPYo
志希「……」

トボトボ…


??「――やっと見つけたぞ」


志希「……」

トボトボ…


??「こ、コラ! 止まれ!」

??「僕を無視して行こうとするんじゃない!」


志希「……何?」ジッ…


??「……フン!」

??「まさか、この僕の顔を知らないとはな」


志希「……」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 12:25:49.18 ID:uCDKcMPYo
志希「……」

トボトボ…


??「だから、行くなと言ってるだろう!」

??「僕は、話を聞かないガキが嫌いなんだ!」


志希「……ママに」


??「ん?」


志希「ママに……変な人に話しかけられても」

志希「関わっちゃいけない、って教わったから」


??「それは……ママの言う事が正しいな」

??「だがな! 僕は、決して怪しい者じゃないぞ!」

??「‘この世界’に関わってるなら、名前位は聞いたことがあるだろう?」


アル「この僕――アル・ボーエンの名前は」


志希「……アル・ボーエン」
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 12:37:55.63 ID:uCDKcMPYo
志希「……ナノテク医療の第一人者で、天才的な心臓外科医」

志希「物理学と遺伝子工学の博士号まで持つ、世界最高の頭脳……」


アル「……何だ、知っていたのか」


志希「大企業や有名研究機関からの誘いを全部断って、藍空医大に」

志希「理由は、臨床の現場を離れたくないから」


アル「そこまで知っているなら、話は早い」

アル「僕は、お前が先日発表した論文が気になって、ここまで来た」

アル「光栄に思って良いぞ?」

アル「何せ、超天才であるこのアル・ボーエンの興味を引いたんだからな!」


志希「……変な人」

トボトボ…


アル「行くなと言ってるだろうが!」

アル「この――」


アル「――凡人が!!」


ゴンッ!
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 12:40:48.58 ID:jKx6714do
力が欲しい武内Pの話か
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 12:45:38.04 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

現在、某所


志希「――そう! ゴンッ、て!」

志希「頭のテッペンを殴られたの!」

志希「そんな事されるなんて予想してなかったから、ビックリしたよ〜!」

志希「小さい女の子……それも、ギフテッドと言われてるあたしの頭」

志希「フツーだったら、殴ったりなんかしないよねぇ♪」

志希「にゃはははは! 目から、火花が出たもん!」


志希「だから、最初のインショーはサイアク」


志希「すっ、ごく! 嫌な人だと思ったよね〜♪」
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 12:46:12.17 ID:XSbYwef8o
もう黒アリスは眠ってるのか
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 12:54:32.74 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

n年前、アメリカ、大学構内


アル「全く……最初から、素直に着いて来い!」

アル「僕は、無駄なおしゃべりに費やす暇なんかないんだぞ!」


志希「……」


アル「それで?」

アル「お前の研究室はどこにある?」


志希「……」


アル「おい、まただんまりか?」



志希「…………行きたくない」



アル「……ふむ」
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 13:02:03.72 ID:uCDKcMPYo
アル「研究室に行かなければ、資料が無いだろう」

志希「……」

アル「おい、お前――」



研究員「――アル・ボーエン!?」



アル「んっ?」

研究員「どうしてこんな所に!」

研究員「お会い出来て光栄です!」

アル「ああ、そうだろうとも」

研究員「ハハハ! まさか、ウチの研究に興味がおありで?」

アル「まあ、そんな所だ」

研究員「成る程! しかし、後ろに居るのは……」


志希「…………」


研究員「……」


アル「……」
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 13:15:11.05 ID:uCDKcMPYo
研究員「……興味がある研究というのは、彼女の?」

アル「ああ、そうだ」

研究員「ハハハ、それはそれは……」

アル「何だ? 何か言いたげじゃないか」

研究員「いえいえ! 私のような者が、考える事など……」


志希「…………」


アル「……」

研究員「宜しければ、研究室までご案内しますが?」

アル「いや、良い」

研究員「えっ?」

アル「気が変わった」



アル「――コイツは借りていくぞ」

アル「その方が、データが揃っているよりも有意義な時間が過ごせそうだ」



志希「……えっ?」


研究員「み、ミスター・ボーエン!?」



アル「僕を呼ぶ時は、ミスターじゃない」

アル「ドクター・ボーエンと呼ぶ事だ」

アル「勿論、この最高の頭脳への敬意を込めてな!」
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 13:32:31.09 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

現在、某所


志希「あたしが、研究室に行きたくなかった理由?」

志希「うんうん、やっぱり気になっちゃうよね〜♪」


志希「――嫌がらせ」


志希「研究室に居た、他のメンバーに嫌がらせを受けてたからで〜す!」

志希「うん……ダッドは、気付いてなかった」

志希「メーワクをかけないように、頑張ったもん」

志希「メーワクだと思われたら、もっと壊れちゃうんじゃないかと思って」

志希「……やーん! 小さい頃のあたしって健気〜♪」


志希「うん、怖かったよ」


志希「怖いと思う程度には、あたしはフツーの女の子だったの」
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 13:41:01.61 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

n年前、アメリカ、ハーレム


アル「――フン! 下らない!」

アル「何の能力も無い奴らは、少しでも秀でた能力の持ち主を見ると!」

アル「……群れをなして潰しにかかる!」

アル「二級品にも劣る、三級品の頭脳の持ち主はこれだから困る!」


志希「……ねえ」


アル「……何だ」


志希「…………」

志希「今、どこへ向かってるの?」


アル「何だ、そんな事か」

アル「……僕が、世話になった事のある人」

アル「その人のセーフハウスの一つが、このハーレムにある」


志希「……」
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 13:51:10.22 ID:uCDKcMPYo
アル「そこには、ある程度の設備が揃っている」

アル「……まあ、僕のラボのようなものだ」

志希「……」



女性「――あら、ドクター! 久しぶりじゃない!」

男性「――そのお嬢ちゃんは、どこでさらって来たんだい?」



アル「必要だと思ったから、連れて来たまでだ!」

アル「久々に会ったと思えば、随分な挨拶だな!」

志希「……」



少年「――ドクター! 道場には来るの!?」

老婆「――ドクター、また足を診てもらえるかしら?」



アル「明日には顔を見せるから、大人しく待っていろ!」

アル「……全く、凡人共は天才の多忙さをまるで理解していない」

志希「……」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 14:00:45.75 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

現在、某所


志希「あれは……フシギだったなぁ」

志希「だって、あたしたちが居たのはハーレムのダウンタウンだったんだから」

志希「……あれ? ピンと来てない」

志希「話しかけてきた人達、全員ブラックだったんだよ?」

志希「……あ、日本じゃあまり無いか」


志希「ハーレムのダウンタウンは、ブラックの街」

志希「ホワイトとイエローの二人組が、ああまで歓迎される」

志希「……そんなの、アリエナイんだよね」

志希「にゃはは、あたし自身はオマケだったんだけど♪」


志希「でも、あたしはそこでキョーミを持った」
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 14:10:31.27 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

n年前、アメリカ、ハーレム、セーフハウス前


――ガチャッ!


アル「ふぅ……やっと落ち着けるな」

…ゴソゴソッ!

志希「……」

アル「ああ、ここでは玄関で靴を脱いで貰う」

アル「日本人なら、別に抵抗は無いだろ?」

志希「……うん」

…ゴソゴソッ


アル「こっちだ、着いてこい」

志希「……」

トタトタトタ…


ガチャッ!


志希「……」

志希「畳……?」
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 14:20:31.50 ID:uCDKcMPYo
アル「畳ぐらい、見た事はあるだろう」

志希「うん……おじいちゃんとおばあちゃんの家で」

アル「なら、そこで少し待ってろ。僕は、少しやる事がある」

志希「……」チラッ!

アル「何だ、言いたい事があるならハッキリ言え」

志希「……」


志希「……寝っ転がっても、良い?」


アル「……フン!」

アル「それは構わないが、絶対に寝るなよ?」

アル「夕飯の時間まで、多少は時間があるからな」

アル「その時間にも、やれる事はある」


志希「……うんっ」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 14:27:07.29 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

翌朝


チュン……チュンチュン……


志希「……ん」

志希「……」

志希「お布団……?」



アル「――起きたか」



志希「……」

志希「あっ……」



アル「寝ぼけてないで、さっさと顔を洗って来い」

アル「洗面所は、そこのドアを開けてすぐ右だ」

アル「……どうした、グズグズするな」

アル「朝の時間は、天才にも凡人にも等しく貴重なんだぞ」



志希「……」
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 14:34:59.34 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

志希「……」


アル「どうした、食わないのか?」

アル「この卵焼き、不格好に見えて味は中々だぞ?」


志希「……何で?」


アル「朝飯は一日のエネルギー源だ」

アル「育ち盛りなんだから、食わないと大きくなれないぞ」

アル「まさかとは思うが……」

アル「箸の使い方を知らない訳じゃないだろうな?」



志希「……何で、優しくしてくれるの?」



アル「……ふん、バカめ」

アル「僕は、長期的な戦略で行動してるんだ」

アル「ほれ、食え!!」



志希「……食べる」
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 14:46:31.17 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

現在、某所


志希「ゴハンに、お味噌汁、卵焼きに、海苔」

志希「ゴハンは、炊くのに失敗したのか、ちょっぴりかたくて」

志希「お味噌汁は、お出汁が薄かったよね」

志希「それに、卵焼きは好みなのか、あたしにはしょっぱかった」

志希「フツーだったのって、海苔くらい?」


志希「だけど、すっごく美味しかった」


志希「おかわりをしよー、なんて思ったの久しぶりだった」

志希「食べすぎて、苦しくなっちゃった位!」

志希「にゃははは♪ 食いしん坊みたいだよね!」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 14:56:05.02 ID:AIjfx1BDO
ARMSか・・・・なつい
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 14:57:18.76 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

n年前、ハーレム、ダウンタウン、一室


アル「……」

カチッ!


『ザザッ――それでは、ニュースをお伝えします』


老婆「ああ、さすがドクター!」

アル「……なあ、ばあさん」

老婆「ありがとう! 私、夜はテレビを見ないと駄目なのよ!」

アル「僕は、足を診て欲しいと言われて来たんだが?」

老婆「あら! テレビを見てリフレッシュして、外出する元気を貰うのよ?」

アル「成る程……そういう考え方もあるから」

老婆「うふふふふっ♪」



志希「……」
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 15:08:24.42 ID:uCDKcMPYo
老婆「それに、今日は可愛らしいレディーまで一緒で♪」


志希「えっ、あっ」


老婆「ごめんなさいね、何かお菓子があれば良かったんだけど……」

アル「そこまで気を遣う必要なんて無いさ」

老婆「そりゃあ、男の子にはしないわよ」

アル「……それなら、何とも言えないな」

老婆「そうだ! 確か、引き出しにキャンディーが……」

アル「……」


アル「おい、この人はお前にキャンディーをくれるそうだ」

アル「だったら、お前は何をしてあげられる?」


志希「……」

志希「えっ?」
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 15:15:07.69 ID:uCDKcMPYo
志希「何を……って……」


アル「どうした、何も思いつかないのか?」


志希「今は、何も持ってない……し……」



アル「……」

老婆「そんな、気にしなくても良いのよ」

アル「それじゃあ、何かして欲しい事はあるか?」

老婆「そうねぇ……あぁ、だったら!」

アル「何だ?」


老婆「昨日の夜、毎週楽しみにしてる音楽番組があったの」

老婆「それを見逃しちゃったから……」

老婆「良ければ、日本の歌を聞かせてくれないかしら?」ニコッ!


アル「……だとさ」


志希「う、歌……?」
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 15:23:56.79 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

現在、某所


志希「もう、すっごくキンチョーしたよ〜!」

志希「今みたいに、大勢のファンの人の前でもない」

志希「会場だって、小さなアパートメントの一室」

志希「下手だって、失敗したって、誰にも怒られない」

志希「だけど、心臓はバックバク! 体もガッチガチ!」


志希「……歌ったのは、ママがよく歌ってくれてた歌」


志希「ジョーズに出来てたかは、わかんないにゃ〜」

志希「……でもね?」

志希「歌い終わったら、パチパチ手を叩いて喜んでくれてた」

志希「キャンディーは、とっても甘かった」
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 15:35:40.22 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

n年前、ハーレム、ダウンタウン、ストリート


アル「――やれば出来るじゃないか」

志希「……恥ずかしかった」

アル「あそこで何もせずに足踏みするよりは良かっただろ?」

志希「……うん」

アル「何かをしろと言われて歌うなんて、馬鹿みたいじゃないか!」

志希「……」

アル「――だが!!」


アル「考えるだけの天才より、行動する馬鹿が勝つって事だ!!」


志希「……」


アル「勿論、僕は別格だぞ!! 僕は、行動する天才だからな!!」


志希「…………ふふっ」クスッ!
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 15:42:57.43 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

道場


アル「うおおおおっ!?」

…ズダァンッ!

アル「き、貴様……思いっきり投げ飛ばしやがって……!」


男性「ハッハッハ!」

男性「ドクター、シュギョーが足りないんじゃないか?」


アル「僕は本来、頭脳労働派なんだ!」

男性「そんな事を言ってるから、“ツイスター”にしてやられるんだ」

アル「なっ!? 今、アイツの事は関係ないだろう!?」

男性「どうする? 腕っぷしで黙らせてみるかい?」ニヤリ!

アル「……ふん、今日はこのくらいで勘弁しておいてやる」

男性「まあまあ、遠慮するなって!」

がしっ!

アル「!? おい、離せ!」

男性「ドクターに久々に会えたんだ、もっと遊んでくれよ」

ずりずりずりっ…

アル「嫌だああああああ!!」



志希「ふ……ふふっ……!」クスクスッ!
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 15:54:02.22 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

車内


アル「痛つつ……! まだ背中がヒリヒリする……!」

志希「……ねえ」

アル「……言っておくが、僕が弱っちい訳じゃないぞ」

志希「あたし……論文の話、何もしてない」

アル「ああ、そうだな」


志希「……良いの?」


アル「良いも何も、僕は夜の飛行機で日本に戻らなきゃ行けない」

アル「とにかく、凡人には間抜けが多いからな!」

アル「超天才であるこの僕が居ないと、話が進む所か戻る時すらある」


志希「……」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 16:03:19.18 ID:uCDKcMPYo
志希「……聞いても良い?」

アル「何だ」

志希「……」


志希「長期的な戦略、って何?」


アル「……ふむ、そこに気付いていたか」

志希「……」

アル「どうやら、うじうじしてるだけの、おマメじゃなかったらしい」

志希「お、おマメ……!?」

アル「良いだろう、教えてやる」



アル「――地球外生命体だ」



志希「ち……地球外生命体……?」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 16:12:06.78 ID:uCDKcMPYo
アル「お前は知らないだろうが、地球外生命体は存在する」

志希「……そうなの?」

アル「実際に、僕はこの目で見て、研究をした事もある」

志希「……!」

アル「……そして、いつまたこの星に来訪してくるかはわからない」

志希「……」


アル「その時にコンタクトを取るのは、天才の役目だ」

アル「僕は、お前の論文を読み、その役目を果たす見込みがあると思った」

アル「……だが、出迎えの者がつまらなさそうな顔をしてたら、どう思う?」

アル「ムカつくだろ?」

アル「ああ、この星の人間はつまらなさそうなヤツだな、って思われたら!」


志希「……」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 16:24:33.30 ID:uCDKcMPYo
アル「凡人からすれば、今日の行動は無意味に見えるだろう」

アル「だが、凡人ほど結論を急ぎすぎるものなのさ」


志希「……」


アル「今日、お前は人間と触れた」

アル「自分のカラに閉じこもって何も受け付けようとしない、臆病者でいるか」

アル「“諦観(あきらめ)”て、足を止めるか」

アル「……それとも、“意志”の力で前に進むか」

アル「それは、お前次第だ」


志希「あたしは……」


アル「凡人は、天才のやる事にいちいち干渉してくる」

アル「天才がつかむ真実に、どれほどの価値があるのか、思いもせずにね」


志希「…………」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 16:35:12.79 ID:uCDKcMPYo
  ・  ・  ・

現在、某所


志希「――この話は、これでオシマイ」

志希「車を降りて、ハイ、さよ〜なら〜♪……って、あっさり」

志希「その後?」

志希「真っ直ぐ、研究室に行ったよん♪」

志希「途中で止まってた研究もあったし、そんな気分だったし」


志希「――宇宙人に、最初に嗅いで貰う香り」

志希「出来るだけ、良い匂いな方が素敵じゃない?」


志希「嫌がらせ?」

志希「そんなのを気にするヨユウなんか、ぶっ飛んじゃってた!」
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/09(火) 16:42:41.04 ID:uCDKcMPYo
志希「……さ・て・と!」

志希「そろそろ、イイ時間かにゃ〜」

志希「せっかくだもん! 最前列〜♪」

志希「……う〜ん?」

志希「キンチョーと言うか、ワクワク? ドキドキ?」

志希「……今日のシキちゃんは、おふざけナーシ!」

志希「だって、頭を殴られると痛いから!」

志希「にゃはははは♪」

志希「それじゃあ――」


志希「超天才! アル・ボーエンの講義を受けよ〜う♪」




おわり
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 16:59:53.41 ID:XSbYwef8o
乙 昔話に出た方のアルは17歳前後で現代が丁度終了後エピソード辺りなのかしら
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/09(火) 19:17:39.81 ID:Ns1p5ebyo
半年前に読んだからタイムリーだわ
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 13:22:43.25 ID:Ao6UJ6kso
書きます


白坂小梅「フォフォフォフォフォ……えへへ……」
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 13:28:08.05 ID:Ao6UJ6kso
ちひろ「小梅ちゃん?」

小梅「も、モノマネ……上手く、出来た……」

ちひろ「今のって、何のモノマネ?」

小梅「最近……よく居る子の、だよ?」

ちひろ「……随分、変わった笑い方をするのね」

小梅「う、うん」


小梅「顔も、ホラー映画に出てきそうで……」

小梅「す……凄く、可愛いんだ……えへへ」


https://www.youtube.com/watch?v=UTSEe0NiWSs
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 13:33:56.77 ID:+IRsctri0
ARMS好きだったなぁ
アルがめっちゃアルしてて最高だわ
晴とか白兎に会ったら大喜びだろうな
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 13:34:36.33 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

小梅「ちひろさん、どうしたんだろ……」

小梅「な、なんだか……変な顔、してた……よね?」

あの子『――――』

小梅「ふ、ふふふ……! どうしたんだろう、ね?」

あの子『――――』

小梅「うん……早く帰って、い、一緒に映画を見よっか」

あの子『――――――』

小梅「とびきり怖いやつを……ふ、ふふっ!」ニコッ!

あの子『――』




悪霊『OOOOOO…………!』
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 13:42:34.07 ID:Ao6UJ6kso
悪霊『OOOOOO……!』



???????『また、ワラワラと集まってくれたものだな!』

???????『現世を彷徨う、肉体を持たぬ悪霊たちよ!』



悪霊達『OOOOOO!!』



???????『ほう? この私に勝てる気でいるのか?』

???????『フォーフォフォフォッ!!』


ジ・オメガマン『……甘いわ――ッ!』

ジ・オメガマン『貴様らまとめて、この私の餌食にしてくれるぜ――ッ!』



悪霊達『OOOOOO!!』
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 13:51:49.21 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン『フォ――ッ!』

バッ!


悪霊『OOOOOO!!』


ジ・オメガマン『そうらっ! 技の練習台になって貰おうか!』

ジ・オメガマン『先ずは、オメガハンドによる攻撃!』

ジ・オメガマン『フィンガーストライク!!』

ズドシュウッ!

悪霊『OOOOO……』シュウウッ…

ジ・オメガマン『フォーフォフォフォフォ!』パアアッ!



ジ・オメガマン『……人間の亡霊とは言え、エネルギーを持っている』

ジ・オメガマン『そのエネルギーをこうして吸収し――』

ジ・オメガマン『――再び、命ある超人として蘇ってくれる!!』

ジ・オメガマン『この私の役に立てる事を光栄に思うが良い!!』

ジ・オメガマン『フォフォフォフォフォッ! フォーフォフォフォッ!!』



悪霊達『OOOOOO……!』
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 14:01:33.45 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン『……さあ、どうした?』

ジ・オメガマン『まさか、亡霊が怖気づいたとでも言うのかなぁ〜っ?』

ジ・オメガマン『フォフォフォフォフォッ!!』


悪霊達『OOOOOO……!』


ジ・オメガマン『ならば! こちらから行かせてもらうぜー!』

バッ!

ジ・オメガマン『フォ――ッ!!』


悪霊達『OOOOOO……!?』


―ガシイッ!


ジ・オメガマン『足掻いても無駄だ!』

ジ・オメガマン『最早、このオメガハンドより逃れる術は無い!』

ジ・オメガマン『観念して、私の復活エネルギーになるが良い!』

トンッ――


ジ・オメガマン『喰らえいっ!!』

悪霊達『OOOOOO!?』

ゴォォォォ…!



ジ・オメガマン『Ωアポカリプスクラッシュ!!』

ガガァンッ!!

悪霊達『O……OOOOOO……』シュウウッ…
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 14:09:42.82 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン『フォフォフォフォフォッ!!』パアアッ!

ジ・オメガマン『この調子でいけば、復活まで遠くはない……!』



小梅「あ……あのっ……!」



ジ・オメガマン『……何だ、小娘か』

ジ・オメガマン『また、私に霊達に手を出すなと言うつもりか?』

ジ・オメガマン『……フォフォフォフォフォッ!!』

ジ・オメガマン『ヤツらは所詮悪霊! 話し合いの通じる相手ではない!』



小梅「え、えっ……と……!」



ジ・オメガマン『むしろ、お前に群がってくる悪霊どもを片付けている!』

ジ・オメガマン『その事に対し、報酬を頂いても良いくらいだぜ!』

ジ・オメガマン『フォーフォフォッフォッ!!』



小梅「い、いい、一緒に! ほっ、ホラー映画……見たいな、って……!」



ジ・オメガマン『……何?』
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 14:20:43.80 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン『小娘、何を言っている?』


小梅「ほ、ホラー映画は……一人で見るのも、楽しい……けど」

小梅「皆で見たほうが、も、もっと……楽しい……」


ジ・オメガマン『……フン、そんなものに興味は無い』

ジ・オメガマン『私は、来る日に備え技の研鑽を積む必要があるのだ』


小梅「……じゃ、じゃあ」

小梅「その日の後なら……どう……?」


ジ・オメガマン『……』


小梅「?」

小梅「どうしたの……?」


ジ・オメガマン『……小娘、お前には関係の無い事だ』

ジ・オメガマン『話は終わりだ!』

ジ・オメガマン『誘うのならば、他を当たるんだな!』


小梅「……う、うん……」ションボリ…


ジ・オメガマン『……』
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 14:29:14.22 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

キン肉星


ちひろ『すみません、急に連絡をして……』


ミート「良いんですよ、謝らないで下さい!」

ミート「それより、何かあったんですか?」

ミート「僕に連絡してくるなんて……何か、まずい事でも?」


ちひろ『……お話が早くて助かります』

ちひろ『実は、うちのアイドルの子の一人が……』

ちひろ『……ある超人の霊と、接触があるみたいなんです』


ミート「ある超人?」


ちひろ『はい』

ちひろ『ホラー映画に出てきそうな顔……そして』

ちひろ『フォフォフォ……という笑い方をする』


ミート「そ、それはまさか!?」

ミート「王位争奪戦において、フェニックス・チームの副将を勤めていた……」


ミート「――オメガマン・ディクシア!!?」
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 14:40:56.42 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

ミート「どうしよう……困ったぞ……!」

ミート「今は、サタンの結界で自由に動ける超人は居ない……!」

ミート「……でも、あのオメガマン・ディクシアの事だ」

ミート「きっと、何かの意図があるに違いない……!」


ミート「何か、結界を出られる手段……」


ミート「……そう、すり抜けるような方法が」


ミート「……」


ミート「――そうだ! すり抜ければ良いんだ!」


ミート「今は肉体を持たず、けれど、揺るがない意志を持つ超人!」

ミート「あの人……いや、あの方なら!」


ミート「絶対に、何とかしてくれるに違いない!!」
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 14:59:05.38 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

キン肉大神殿


ミート「――ご無礼をお許し下さい!」

ミート「今、地球で一人の少女に危機が迫っています!」

ミート「しかし、我々は手も足も出せない状況……!」

ミート「そこで! 貴方様のお力をお借りしたく、此処へ参りました!」


ミート「――これは、超人カプセル!」

スッ!

ミート「この中には、このキン肉星に居る超人より集めた――」

ミート「――高純度の、超人エネルギーが込められています!」

ミート「これを使えば、一戦を戦い抜くだけのパワーは戻る筈……」


ミート「どうか、今一度!」

ミート「蘇り……正義のため、リングにお立ち下さい!」



…パアアアッ!!



ミート「あ、ああっ……! この、神々しい光は……!」



?????『――顔を上げなさい』

?????『この、友が残してくれた命……』



銀のマスク『未来のために闘うため、存分にふるいましょう』
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 15:09:16.55 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

ジ・オメガマン『フォ――ッ!!』

ガガァンッ!

悪霊達『OOOOO……』シュウウッ…

ジ・オメガマン『……』パアアッ!


あの子『――――』


ジ・オメガマン『……何だ、今度はお前か』


あの子『――――』


ジ・オメガマン『礼を言われる筋合いなど無い』

ジ・オメガマン『私は、私のためにこうしているに過ぎん』


あの子『――――』


ジ・オメガマン『勘違いはやめて貰おうか!』

ジ・オメガマン『守るだと?』

ジ・オメガマン『フォーッフォッフォッフォッ!』

ジ・オメガマン『この私は超人ハンター!』

ジ・オメガマン『守る側ではなく、狩る側に立つ者だ!!』


あの子『…………』
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 15:20:07.40 ID:Ao6UJ6kso
あの子『――――』


ジ・オメガマン『あの小娘の周りに居る者達も同じよ……!』

ジ・オメガマン『私にとっては、撒き餌の一つ!』


あの子『……』

あの子『――――』


ジ・オメガマン『フォフォフォフォフォッ!』

ジ・オメガマン『ありがとうとは、ちゃんちゃらおかしいぜ!』

ジ・オメガマン『フォ――フォフォフォッ!!』


あの子『……』

あの子『!』

あの子『――――』


ジ・オメガマン『……ほう、悪霊どもがまた集まりだしたか』

ジ・オメガマン『やはり、LIVEの時の輝きは亡霊共を引き寄せる……!』

ジ・オメガマン『フォフォフォフォフォッ! フォーフォフォフォッ!!』


あの子『…………』
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 15:36:11.78 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

LIVE会場、控室


小梅「そう、なんだ……」ショボン…


蘭子「我が友よ、汝の瞳の奥に見えるものは、一体……」

涼「最近、LIVE前になるとその調子じゃないか」


小梅「あ、う、うん……」

小梅「忙しく、て……また、見て貰えないから……」


蘭子・涼「……?」


小梅「…………」

小梅「でも……聞いては、くれてる……」

小梅「……そう、あの子が言ってるから……ふ、ふふふ」


蘭子「えっ、と……」

涼「……誰のことを言ってるんだ?」
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 15:47:44.45 ID:Ao6UJ6kso
小梅「あ、あのね……」

小梅「一生懸命歌えば……歌は、外にも届くでしょ……?」

小梅「……それを聞いてる、みたい……えへへ」ニコッ!


蘭子「ふむ……我らの歌声も響いているか」

涼「だったら、やる事は一つしか無いな」


小梅「えっ……?」


蘭子「我が友が望みしは、宴の高まりを彼の地へ届ける事!」ビッ!

蘭子「ならば、我も饗宴を担う者として、存分に魂を輝かせようぞ!」ビシッ!

涼「小梅にばっかり頑張らせちゃ、バランスが悪いだろ?」

涼「せっかくなら、気合入れて盛り上げた方がクールじゃないか!」


小梅「ふ、二人共……」

小梅「えへへ……ありがとう……!」ニコッ!


蘭子・涼「……ふふふっ!」ニコッ!
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 16:01:27.54 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

LIVE会場、外


ガガァンッ!

悪霊『OOOOOO……』シュウウッ…

ジ・オメガマン『……』パアアッ!



ジ・オメガマン『……フン、中々の盛り上がりを見せているようだな』

ジ・オメガマン『今日は、いつにも増して歓声が多い……』

ジ・オメガマン『それ故、集まってくる亡霊の数も多く……』



ジ・オメガマン『今日は、とんだ大物が引き寄せられてきたようだなぁ〜〜っ!』



シルバーマン『……』



ジ・オメガマン『まさか、こんな所で!』

ジ・オメガマン『我がオメガの民の宿敵、完璧超人始祖の一人!』

ジ・オメガマン『シルバーマンと相まみえるとは、思ってもみなかったぜ――ッ!』



シルバーマン『……』
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 16:13:05.64 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン『だが、丁度良い!』

ジ・オメガマン『私も貴様も、今は肉体を持たぬ亡霊超人!』

ジ・オメガマン『闘うには、むしろ好都合と言うものよ!』

ジ・オメガマン『フォフォフォフォフォッ!!』


シルバーマン『――待ちなさい』

シルバーマン『私は、君と闘うつもりはありません』


ジ・オメガマン『何っ!?』


シルバーマン『私は、君が己の欲望のために動いていると思っていました』

シルバーマン『しかし、それだけでは説明がつきません』

シルバーマン『……現に、今こうして私を目の前にしても』

シルバーマン『会場の中の人間を狙う悪霊への警戒をやめていませんから』


ジ・オメガマン『……それがどうした!』

ジ・オメガマン『私の目的は、あくまでも復活する事!』


シルバーマン『……ならば』



シルバーマン『あの少女の近くに居る、亡霊の少女をどうして手にかけないのですか?』



ジ・オメガマン『…………』
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 16:14:13.44 ID:QOy/cYRo0
オメガマン対オリジンとは因縁の対決だな
そしてキン肉マン現行のもしっかり読んでいるな
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 16:26:18.53 ID:Ao6UJ6kso
シルバーマン『私の見た所、あの子の持つエネルギーは大きい』

シルバーマン『それこそ、復活するには十分な程にね』


ジ・オメガマン『……貴様には関係ない!』

ジ・オメガマン『私は、私のやり方でやっている!』


シルバーマン『……ならば』



シルバーマン『――私が、君に代わってあの子を手に掛けましょう』



ジ・オメガマン『な、何っ!?』

ジ・オメガマン『貴様ッ! 何を言っている!』



シルバーマン『悪霊が引き寄せられてくるのは――』

シルバーマン『――アイドルの子達が放っている、輝きだけが原因ではなく』

シルバーマン『その輝き……エネルギーを間近で受け続けている――』



シルバーマン『あの子の存在こそが、亡霊を引き付けているからです!』




ジ・オメガマン『……!』
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 16:34:53.24 ID:Ao6UJ6kso
シルバーマン『それこそ、超人の亡霊すら引き寄せる程に……』


ジ・オメガマン『…………』


シルバーマン『私の見た所、アイドルの子達の成長に比例して』

シルバーマン『あの子のエネルギーも増して行っている』

シルバーマン『……違いますか?』


ジ・オメガマン『…………』


シルバーマン『このままでは、最悪の事態が起こる可能性もあります』

シルバーマン『……ならば、その前に』

シルバーマン『彼女達の友情が、悲劇を迎えてしまう前に』

シルバーマン『……行くべき所へと、送り届ける』



シルバーマン『――それが、慈悲というものでしょう』



ジ・オメガマン『…………』
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 16:44:54.09 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン『……そうやって!』

ジ・オメガマン『己の正義を押し付けて!』

ジ・オメガマン『我らがオメガの民を虐殺していったのか――ッ!』


シルバーマン『……それに関しては、何も言いません』

シルバーマン『しかし、これが最善の方法です』


ジ・オメガマン『私の復活の邪魔をすると言うのなら――』


シルバーマン『――むしろ、その逆』

シルバーマン『私と共に地球に来た、超人カプセル』

シルバーマン『超人エネルギーの詰まったそれを差し上げましょう』

シルバーマン『それがあれば、君の復活は果たされるでしょう』


ジ・オメガマン『ば、馬鹿なっ!?』

ジ・オメガマン『そんなデタラメに惑わされるか!』


シルバーマン『いいえ、嘘偽りはありません』

シルバーマン『……こうやって、直接対峙して目を見てわかりました』

シルバーマン『君の復活の目的は、復讐などではなく――』



シルバーマン『――キン肉マンに託した、オメガの民の未来』

シルバーマン『それを……自らの手でも救うためだ、と』



ジ・オメガマン『っ…………!!』
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 16:52:28.38 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

ジ・オメガマン『…………』



小梅「あ……此処に居たんだ、ね……」



ジ・オメガマン『……私に何の用だ』



小梅「きょ、今日のLIVEの歌声……が、あの……」

小梅「……き、聞こえたかな……と思って……」



ジ・オメガマン『それを聞いて何になる?』



小梅「あの子が、教えてくれたから……」

小梅「私達が、歌ってるのを聞いてる時……その……」

小梅「ちょっとだけ……た、楽しそうにしてる、って……えへへ」



ジ・オメガマン『……』
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 17:02:55.60 ID:Ao6UJ6kso
小梅「そ、それで……ね?」

小梅「私も……涼さんも、蘭子ちゃんも……」

小梅「明日の、LIVE二日目は……もっと、頑張る……から」


ジ・オメガマン『…………』


小梅「あの子と一緒に、き、聞いてくれると……」

小梅「……う、嬉しい……な」


ジ・オメガマン『……』


小梅「ま、守ってくれてるんだもん……ね」

小梅「だから……だから、頑張って大きな声で……!」

小梅「聞こえるように、歌う……!」ニコッ!



ジ・オメガマン『……』

ジ・オメガマン『……フン、好きにするが良い』



小梅「えへへ……うん、そうするね……」ニコッ!



ジ・オメガマン『…………』
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 17:12:36.98 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・




シルバーマン『……』


あの子『……!』


シルバーマン『大丈夫、怖がることはないよ』

シルバーマン『痛みなんかは、決して無い』

シルバーマン『……肉体を失った者が、行くべき場所へ行く』

シルバーマン『それは、当然の事で……温かみすら感じるから』


あの子『……!』


シルバーマン『だから、手遅れになる前に――』



『フォ――――ッ!!』

ヒュッ―



シルバーマン『!?』



―パキィンッ!


パアアアッ…!

シルバーマン『こ、これは……!」ゴワゴワゴワ…!

シルバーマン「超人カプセルに込められていた、超人パワー!?」
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 17:26:22.97 ID:Ao6UJ6kso
シルバーマン「これでは、霊体に手を出す事は出来ない……!」

シルバーマン「何故、こんな真似を!?」



ジ・オメガマン『フォーフォフォフォフォフォッ!』

ジ・オメガマン『完璧超人始祖の描いた計画!』

ジ・オメガマン『くだらんそいつを狂わせるためよ――ッ!』



シルバーマン「君は……!」

シルバーマン「そんな事のために、復活の機会を無駄にしたのか!?」

シルバーマン「僕が渡した、超人カプセルを使ってまで……!」



ジ・オメガマン『そんな事? フォーフォフォフォッ!』

ジ・オメガマン『……この私が!』

ジ・オメガマン『お前なんぞの手の平の上で踊ると思ったか――ッ!』


ジ・オメガマン『フォ――ッ!!』

トンッ―


―スタッ!

ジ・オメガマン「――ジ・オメガマン!!」


ジ・オメガマン「私は、私のやり方で目的を果たす!!」

ジ・オメガマン「だが、その前に……」



ジ・オメガマン「“完璧・弐式(パーフェクト・セカンド)”シルバーマン!!」

ジ・オメガマン「貴様を血祭りに上げてやるぜぇ――ッ!!」



シルバーマン「オメガマン、君は……!」
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 17:41:10.40 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

346プロダクション前


ジ・オメガマン「……ほう、この場所を選ぶとは」

シルバーマン「オメガマン、考え直す気は無いのかい?」

ジ・オメガマン「くどい!」

シルバーマン「……そうか、残念だ」



シルバーマン「……まずは、リングの用意をしよう」



ゴゴゴゴゴゴゴッ…!



シルバーマン「346プロダクションは、芸能プロダクションとして存在してはいなかった」


シルバーマン「遥か古来、僕たち完璧始祖が……掟に背いた超人を裁いて来た場所!」


シルバーマン「その本来の名は――Missing law(ミッシング・ロウ)プロダクション」


シルバーマン「……まさか、またあのリングに上がる日が来るとはね」


シルバーマン「すまないが――あのリングでは、手加減が出来ない」シャキン!




ジ・オメガマン「フォ――ッフォフォフォッ!!」


ジ・オメガマン「その上から目線、マスクごとぶち砕いてくれるぜ――ッ!」
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 18:45:49.17 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

吉貝「さあて! 突如開始されることとなった、因縁のビッグ・マッチ!」

中野「この試合を見るためなら、女房を質に入れても惜しくありまへんで〜!」

吉貝「実況は私、吉貝と」

中野「解説は、おまたせシマウマ〜! 世界に羽ばたくアデランスの中野さんです〜!」

吉貝「――で、お送りします!」



シルバーマン「――オメガマン」

シルバーマン「キミに勝ち目は無い」



ジ・オメガマン「フォフォフォフォッ!」

ジ・オメガマン「何を言うかと思えば、またくだらん戯言か!」



シルバーマン「いいや、事実だ」

シルバーマン「キミが、それを一番理解しているんじゃないかい?」



ジ・オメガマン「…………」
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 18:51:49.40 ID:Ao6UJ6kso
シルバーマン「僕のこの体は、カプセル内のエネルギーによって復活した」

シルバーマン「……一戦限りになるが」

シルバーマン「その一戦を戦い抜くには、十分なパワーがある」


ジ・オメガマン「……」


シルバーマン「それに対し、今のキミのその体……」

シルバーマン「その体は、悪霊を倒して得たエネルギーをかき集めたもの」

シルバーマン「当然、パワーの純度も低い」

シルバーマン「万全なコンディションとは、到底言い難い状態だ」


ジ・オメガマン「……」

ジ・オメガマン「フォ――ッフォッフォッフォッ!!」



ジ・オメガマン「それが、どうした?」



シルバーマン「……ああ、わかったよ」

シルバーマン「もう、何も言うまい」



カ――ンッ!!



吉貝「今、世紀の一戦のゴングが鳴った――っ!!」
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 19:07:34.11 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン「フォ――ッ!」

バッ!


吉貝「オメガマン、ゴングと同時に猛ダッシュ!」

吉貝「そして、ミドルキックを放つべく右足を振り上げたーっ!」


シルバーマン「ツア――ッ!!」

ブワッ!


吉貝「それに対して、シルバーマン!」

吉貝「同じく右足を振り上げ、ミドルキックでの迎撃体勢に入るーっ!」

中野「しかし、見た所シルバーマンのキックの方が威力がありそうですね〜っ!」

中野「このまま衝突すれば、オメガマンだけが吹っ飛んじゃないでしょうか!」

中野「皆さん、ファールオメガマンにご注意ください」


ジ・オメガマン「フォフォフォ! 甘いわ――ッ!」

グッ…


シルバーマン「むっ!?」


吉貝「ああ――っと!? オメガマン、キックを途中で中断!」

吉貝「そのまま体を前に倒し――」


ジ・オメガマン「くらえいっ!!」

ガシイッ!

シルバーマン「くっ!?」


吉貝「――背中のオメガハンドで、シルバーマンの右足をキャッチ!」


ジ・オメガマン「オメガハンド・スクリュ――ッ!!」

ブワアッ…ズダァンッ!

シルバーマン「グハアッ!」


吉貝「決まったーっ! オメガハンドを利用した、変形のドラゴンスクリューだーっ!」

中野「以前見た時よりも、戦い方が器用になってる気がしますね〜っ」
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 19:17:46.56 ID:Ao6UJ6kso
シルバーマン「……ツアーッ!」

バッ!


吉貝「しかし、シルバーマン!」

吉貝「ダウンした状態から腕の力だけで、強烈なドロップキックを繰り出したーっ!」


ドゴォッ!!

ジ・オメガマン「ぐふあっ!?」

ヨロヨロッ…


吉貝「クリーンヒット――っ!」

吉貝「オメガマン、体がくの字に折れ曲がり、たまらずよろめく――っ!」

中野「ひええっ!? あれは痛いですよ〜っ!」


シルバーマン「ツアッ! ツアッ! ツアッ! ツアッ!」

ドボッ! ドボッ! ドボッ! ドボッ!

ジ・オメガマン「ぐっ!? おっ!? がっ!? ぐおっ!?」


吉貝「ヒット! ヒット! ヒット! ヒット!」

吉貝「膝蹴りの連打が当たる度、オメガマンの体が一瞬宙に浮いている――っ!」


シルバーマン「ツア――ッ!!」

ドゴォッ!

ジ・オメガマン「ぐはあっ!?」


吉貝「先程のやり直しと言わんばかりの、強烈な右のミドルキックが入った――っ!」
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 19:30:06.14 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン「ぐ……おおおっ……!」

ヨロヨロッ…ガクッ!


シルバーマン「……やはり、思った通り」

シルバーマン「キミの体は、不完全も不完全」

シルバーマン「ダメージには、相当に弱いと見える」


ジ・オメガマン「フォ……フォフォフォッ!」

グ、ググッ…!

ジ・オメガマン「……だが、こちらが技を繰り出す分には問題ない!」

ジ・オメガマン「攻撃こそ、最大の防御というやつよ……!」


吉貝「オメガマン、立ち上がった!」

中野「しかし、先程の攻防でのダメージは大きいようです」

中野「これは、早々と勝負が決まってしまうかも知れませんね〜」


シルバーマン「……ならば」

シルバーマン「その攻撃、受けて立とうじゃないか」

…グッ!


吉貝「ああ――っと! あの構えは! 肉のカーテンのオリジナル!」

吉貝「シルバーマンの絶対防御の構え、パーフェクトディフェンダ――っ!」

中野「いや〜! シルバーマンは、本当に容赦があるませんね〜っ!」
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 19:44:46.73 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン「面白い! 受け切れるものなら――」

ダダダダッ!

ジ・オメガマン「――やってみるがいいーっ!」


吉貝「オメガマン、シルバーマンへと向かっていくーっ!」


ジ・オメガマン「ソラッ! ソラソラソラソラアァッ!」

シルバーマン「……!」

ガッ! ガッガッガガッ!


吉貝「しかし! パーフェクトディフェンダー中のシルバーマンは微塵も揺らがない!」


ジ・オメガマン「ええいっ! これならばどうだっ!」

ジ・オメガマン「フィンガースプラッシュ――ッ!」

グワアッ!


吉貝「ああ――っと! オメガマン、背中のオメガハンドを大きく広げたーっ!」


シルバーマン「!」

シルバーマン「ツアア――ッ!」

ダンッ!


吉貝「シルバーマン、パーフェクトディフェンダーの体勢のままミサイルの様に突進!」


―ズドォッ!

ジ・オメガマン「ぐおおああっ……!?」

シルバーマン「……」


吉貝「無防備になっていたオメガマンの上半身に強烈なタックルが決まる――っ!」
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 19:56:26.63 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

あの子『……!』


 フォーフォフォフォッ!

 勘違いをするなよ、小娘!

 私は、自らの力で復活する道を選んだに過ぎん!


あの子『……!』


 私が闘うのは、オメガの誇り!

 罪の無い者を……これから罪を犯すかも知れないと!

 そんな、傲慢な考えで動くヤツが気に食わなかっただけの事!


あの子『……!』


 ……だが、私はヤツに敗れるだろう

 しかし、私と戦っている間

 その間に、お前はどこへなりとも消え失せるが良い


あの子『……!』


 しかし、その後は注意するんだな

 モニターでLIVE中継を見て、お前の輝きが増し……

 ……逃げた先をつきとめられたら、笑い話にもならんからな!

 フォーッフォフォフォッ!


あの子『……!』
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 20:03:50.07 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

ジ・オメガマン「ぐううっ……!?」

…ガクッ!


吉貝「オメガマン、再度膝をついたーっ!」


シルバーマン「……」


ジ・オメガマン「……!」

ジ・オメガマン(つ、強い……! これが、完璧始祖……!)

ジ・オメガマン(例え、私の肉体が完全な状態であろうとも……!)

ジ・オメガマン(このシルバーマンに対しては、相当な苦戦を強いられるだろう……!)

ジ・オメガマン(ましてや、今の状態では……!)


シルバーマン「……どうやら、攻撃に関しても」

シルバーマン「キミの力は、万全ではないようだね」


ジ・オメガマン「っ!?」

ジ・オメガマン(まさか……今の攻防で!?)

ジ・オメガマン(私が、亡霊超人をオメガハンドに宿すだけの力が無い事を!?)


シルバーマン「……」


ジ・オメガマン「くっ……!」


吉貝「このまま、勝負が決まってしまうのか――っ!?」
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 20:21:13.26 ID:uNmkQYxDO
早く終われ
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 20:28:11.71 ID:zEUTt4Ao0
キン肉マンでも屈指の強面のオメガマンを怖がらないとか小梅ちゃん流石や
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 20:33:59.64 ID:Ao6UJ6kso
―パッ!


『〜♪』


シルバーマン「!」


ジ・オメガマン「あれは……」


吉貝「な、何でしょうか!?」

吉貝「試合場に設置されたモニターが、何かの映像を映し出しました!」

中野「ひええっ!? 誰も操作してないのに……お化けの仕業ですか!?」

中野「ハー、ナンマイダ〜ナンマイダ〜!」



『ハーッハッハ! 我が僕達よ、片時も耳を離してはならないわ!』



吉貝「あれは……LIVEの映像でしょうか?」

吉貝「いや、しかし……映像は、今日の昼間のもののようですが……!」

中野「あっ、もしかして!」

中野「LIVE映像を作るために撮ったものが、映し出されてしまったんですかね!」

中野「はい! そういう事にしておきましょう、ええ!」


ジ・オメガマン「…………」
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 20:34:27.93 ID:GNbGNRc5o
ディクシアはアリステラと比べて割と柔和な感じの顔だし、それこそシルバーマンが言ったように
険が取れてる状態でもあるから怖がりはしないんじゃないかねぇ
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 20:41:23.98 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン「……フォフォフォフォフォッ!」

ジ・オメガマン「シルバーマンよ……!」

ジ・オメガマン「一気に勝負を決めておいた方が良かったなぁ〜っ!」


シルバーマン「何?」


ジ・オメガマン「フンッ!」

ダダダダッ! トンッ―

ジ・オメガマン「トアア――ッ!」

―バウンッ!


吉貝「オメガマン、ロープの反動を利用して宙高く跳び上がった――ッ!」

中野「これは、もう勝負が決まりましたかねぇ」

吉貝「中野さん、どういう事ですか?」

中野「オメガマンの対戦相手はシルバーマンですよ?」

中野「あれだけ高く跳んでしまっては、迎撃してくれと言ってるようなもんです」

中野「ベロンベロンに酔っ払って帰った時の私みたいなもんでおま」

吉貝「な、成る程……!」


シルバーマン「……」
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 20:49:51.73 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン「フォ――ッ!」

グワアア…!


シルバーマン「……!」

…グッ!


吉貝「シルバーマン、完璧に迎撃体勢を整えている――っ!」

中野「こうなってしまっては、オメガマンも一巻の終わりですね〜」


ジ・オメガマン「――今だッ!」

ジ・オメガマン「オメガ・メタモルフォーゼ!!」

ピカァ!


『〜♪』


吉貝「ああ――っと!? オメガマン、顔面から光線を発射!」

吉貝「モニターに映し出されている映像の――」


ジ・オメガマン「アンブレラ・オメガ――ッ!!」

バサッ! フワアァ…


吉貝「傘! 傘にオメガハンドを変身させ、落下速度を急激に変えたーっ!」


シルバーマン「ムウッ!?」

…ガクッ!


中野「完璧過ぎる迎撃体勢が、タイミングを外された事により崩れましたよ〜っ!?」
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 20:58:41.00 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン「……フォフォフォフォッ!」

―ガシィッ!

シルバーマン「ヌゥーン」


吉貝「オメガマン、体を上下反転させ逆さまの状態でシルバーマンの上に着地!」

吉貝「オメガハンドの人差し指と中指で、シルバーマンの頭を挟み込んでいる――っ!」


シルバーマン「ツア――ッ!」

ブンッ!

ジ・オメガマン「させるかーッ!」

ガシイッ!


吉貝「オメガマン、打撃で叩き落とそうとするシルバーマンの腕をロック!」

吉貝「しかし、この体勢から一体どんな技を繰り出そうと言うのか――っ!?」

中野「この状態だと、オメガマンの頭に血が昇るだけですからねぇ」


ジ・オメガマン「フォフォフォフォ! シルバーマンよ!」

ジ・オメガマン「貴様の闘っていた時代に……」

シルバーマン「……!」


ジ・オメガマン「――屋外の会場に響き渡る音響設備はあったかな?」


ジ・オメガマン「オメガ・メタモルフォーゼ――ッ!」

ピカァッ!
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 21:04:33.76 ID:GNbGNRc5o
オモチャ小僧の技だとォ―!?
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 21:06:45.73 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン「フォーフォフォフォッ!」

ゴワゴワゴワゴワ…!


吉貝「ああ――っと! シルバーマンの頭を挟んでいるオメガハンドの指が!」

吉貝「巨大なスピーカーの形に変わっていく――っ!」

中野「あ、あわわ! まさか、あの技は……あの超人の!」

中野「皆さん、急いで耳栓の準備をしてください!」スポッ!


ジ・オメガマン「どうしても音漏れはしてしまうだろうから……」

きゅむ!

ジ・オメガマン「私は、オメガハンドで耳を塞がせてもらおうか!」

シルバーマン「……!」


ジ・オメガマン「くらえいっ!!」


ジ・オメガマン「地獄のアンデッド・ダンスロック!!」

https://www.youtube.com/watch?v=Qu-w_JBNaI8


シルバーマン「!? ぐあああ〜〜っ!」


ジ・オメガマン「フォーフォフォフォッ!!」

ジ・オメガマン「貴様の苦しむ声が聞こえなくて残念だぜ〜〜ッ!!」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 21:21:17.55 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン「……トアッ!」

トンッ―スタッ!

ジ・オメガマン「フォフォフォフォ!」


シルバーマン「グ……ムウウッ!」

…ガクッ!


ジ・オメガマン「貴様ら完璧始祖の弱点!」

ジ・オメガマン「それは、己の力を過信している事よ!」


吉貝「ああ――っと! まさかの形勢逆転!」

吉貝「シルバーマン、悶絶しながらリングに膝を着いた――っ!」

中野「あの音漏れ、近所から苦情が来るんじゃないですかね〜っ!」


シルバーマン「確かに……そうかも知れない……!」

シルバーマン「だが、キミを侮ってはいなかったさ……!」

…ガランッ!


ジ・オメガマン「……!」


吉貝「これは、どういう事でしょうか!?」

吉貝「いつの間にか、シルバーマンの左手の盾が外れていますよ!?」

中野「それでは、先程の攻防をスーパースローカメラで再生してみましょう」

中野「今日のLIVE映像を流し続けると、権利関係もうるさいですから」

中野「それでは、はーポチッとな」
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 21:28:13.61 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

ジ・オメガマン『……フォフォフォフォッ!』


シルバーマン『――!』

バッ!

シルバーマン『!』

スッ!


―ガシイッ!


シルバーマン『ヌゥーン』

  ・  ・  ・


吉貝「ななな、何と! オメガハンドで頭を挟まれる刹那!」

吉貝「シルバーマン、自ら盾を外して頭の左側面をガードしていた――っ!」

中野「あれでは、技の威力は半減!」

中野「カミさんに説教される時の参考になりますです、はい」

吉貝「それは、威力が変わらないんじゃないでしょうか?」

中野「気分の問題ですよ! 気分の!」


ジ・オメガマン「クッ……!」


シルバーマン「……」
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 21:42:54.39 ID:Ao6UJ6kso
シルバーマン「……今の流れのまま、フィニッシャーに入りたかった」

シルバーマン「今のキミの考えは、そんな所だろう」


ジ・オメガマン「……!」


シルバーマン「もう、ほとんど力は残っていないようだ」

シルバーマン「変身も、あと一回が限度……」

シルバーマン「……それも、短時間だね?」


ジ・オメガマン「……フォフォフォフォフォ!」

ジ・オメガマン「それはどうかな……!?」


シルバーマン「……良いだろう」

シルバーマン「キミのそのファイトに敬意を表して――」

ダッ!


シルバーマン「ツア――ッ!」

グワァァン!

ジ・オメガマン「う、おおおおっ!?」

シルバーマン「ツア――ッ!」

ガシィーン!


吉貝「ああ――っ! シルバーマン、オメガマンの体をブリッジで跳ね上げていく――っ!」

中野「あ、あの技の仕掛けは〜っ!」
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 21:56:40.50 ID:Ao6UJ6kso
シルバーマン「ツア――ッ!」

ガシィーン!

ジ・オメガマン「おおおおっ!?」


ジ・オメガマン(こ、このままでは……!)

ジ・オメガマン(残された、最後の変身で……!)

ジ・オメガマン(しかし、この状況を返す事は――)


『――フフフフフ!』

『おヌシは、キン肉マンとの闘いで何を学んだ!』

『ヤツならば、この状況でも決して諦めることは無いぞ!』

『ネバー・ギブアップの精神こそ、ヤツの本当の強さじゃ!』


ジ・オメガマン「こ、この声は……!」


『あの時おヌシに貰ったチャンス……返しきれぬ大恩を返す時!』

『フッハハハ! それをぶつける相手が完璧始祖とは、心躍るわい!』

『さあ! ワシに変身して、おヌシの正義を貫いてみせい!』


ジ・オメガマン「……フォーフォフォフォッ!」

ジ・オメガマン「ならば、力を貸してもらおうか――」

ジ・オメガマン「――史上最強の亡霊よ!!」
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 22:09:54.33 ID:Ao6UJ6kso
シルバーマン「ツア――ッ!」

ガシィーン!

ジ・オメガマン「おおおおっ!」


シルバーマン「ツァリャァァ――ッ!!」

ギュワアア!


ジ・オメガマン「Ωメタモルフォーゼ、ラスト変身!!」

ジ・オメガマン「プリンス・カメハメ――ッ!!」

ピカァァ!


シルバーマン「ヌウッ!?」


プリンス・カメハメ「ソリャアア――ッ!!」

ガシッ! ガシッ ガキィッ!

シルバーマン「くっ!?」


吉貝「ああ――っと!? 技のセットアップの直前でオメガマン変身!」

吉貝「変身したのは、キン肉マンの師匠である――」

中野「――プリンス・カメハメ! そして、あの技は!」


プリンス・カメハメ「カメハメ仏壇落としぃ――ッ!!」

ガガァンッ!!

シルバーマン「……!」

シルバーマン「グハアッ!?」
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 22:22:19.25 ID:Ao6UJ6kso
ゴワゴワゴワゴワ…!

ジ・オメガマン「……フォフォフォフォ!」

ジ・オメガマン「いかに完璧始祖と言えども……」

ジ・オメガマン「……一瞬に、全てを懸けたカメハメのテクニック!」

ジ・オメガマン「それを防ぐことは出来なかったようだな――ッ!」


シルバーマン「クッ……!」

ググッ…ヨロヨロッ…!


吉貝「シルバーマン、かろうじて立ち上がった!」

吉貝「しかし、その足元はふらついている――っ!」

中野「全く予想していなかった反撃でしょうからね〜っ!」

中野「それも、‘あの’プリンス・カメハメの技を食らったわけですから!」


ジ・オメガマン「さあて、そろそろ――」

ガシッ!

ジ・オメガマン「トドメを刺させて貰うぜ――ッ! フォ――ッ!」

トンッ―

シルバーマン「う、おおおっ……!?」


吉貝「オメガマン、シルバーマンを抱えて高く跳び上がった――っ!!」
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 22:33:08.33 ID:Ao6UJ6kso
シルバーマン「き、キミはわかっているのか……!」

シルバーマン「変身も使い切り、残された力もわずか……」

シルバーマン「……その状態で、大技をうてば――」


ジ・オメガマン「――フォフォフォフォフォッ!」

ジ・オメガマン「私は、仮初めの肉体で蘇っているだけ」

ジ・オメガマン「最悪の場合、消滅するかも知れんなぁ〜っ」


シルバーマン「今すぐ、技を中止するんだ!」

シルバーマン「キミは、今ここで消滅するには惜しい超人だ!」


ジ・オメガマン「――それは、私自身が決める事!」

ジ・オメガマン「オメガの民の未来は……既に、キン肉マンに託している!」

ジ・オメガマン「ヤツならば、我が兄アリステラと手を取り……」

ジ・オメガマン「未来を切り開いて行く事だろうぜ――ッ!」


ガキィッ!


吉貝「オメガマン、自身のフェイバリットであるΩ・カタストロフ・ドロップの体勢に入った――っ!」

中野「カタストロフとは破局、悲劇的結末という意味ですが……」

中野「オメガマンは、自身の消滅と引き換えに技を放とうとしているようですよ〜っ!」
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 22:42:24.91 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン「ここで、特大のダメージを与えておけば……」

ジ・オメガマン「……再び肉体を失ったとて、しばらくは動けまい!」

シルバーマン「……!」

ジ・オメガマン「フォ――ッフォフォフォフォッ!」

ジ・オメガマン「磨き抜いたこの技、受けてみるが良いッ!!」

シルバーマン「オメガマン……!」


ジ・オメガマン「…………」


ジ・オメガマン「――さらばだッ!!」


ガァキィッ!!


吉貝「オメガハンドが閉じ、二重ロックが完璧に決まった――っ!!」



ジ・オメガマン「Ω・カタストロフ・ドロップ!!」



ガガァンンッ!!



吉貝「も、もの凄い衝撃です! リングが衝撃で揺れています!」

中野「これは……決着がつきましたね」
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 22:49:50.34 ID:Ao6UJ6kso
グワァァ…


吉貝「さあ、オメガハンドがゆっくりと開いていきます……!」

中野「オメガマンの不気味な笑い声が聞こえて……」


シルバーマン「……!」

シルバーマン「ガハッ!?」

…ドサッ!


吉貝「こ、これは!?」

吉貝「姿が見えるのは、シルバーマンただ一人!」

吉貝「オメガマンの姿は、どこにも見当たりません!」


カンカンカンカンカ――ンッ!!


吉貝「ここで、試合終了のゴングが鳴った!」

吉貝「勝者は……シルバーマン!」

吉貝「試合放棄とみなし、オメガマンの敗北が決定致しました!」

中野「断片的なやり取りを聞いただけですが……」

中野「……オメガマンは、試合には負けても勝負に勝つことを選んだようですね」
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 22:59:21.91 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

ジ・オメガマン『……』

ジ・オメガマン『――ハッ!?』

ジ・オメガマン『私は……消滅した筈では……!?』


シルバーマン『――キミは、勝負に勝った』


ジ・オメガマン『……シルバーマン!』

ジ・オメガマン『貴様、私に何をした!?』


シルバーマン『簡単な事さ』

シルバーマン『キミの技、Ω・カタストロフ・ドロップ』

シルバーマン『……それを一切抵抗する事なく受け入れ』

シルバーマン『抑え込みに使う力をキミに残したんだ』


ジ・オメガマン『しかし、それだけでは……』


シルバーマン『消滅を回避するだけの力は残らない』

シルバーマン『そこで――あの子の力を借りた』



あの子『…………』



ジ・オメガマン『……!』
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/10(水) 22:59:58.65 ID:jzTru/MXO
すげえな
オメガマンの引き出し全部出し切ったんじゃね
火事場覚醒は流石になかったか
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 23:07:49.89 ID:Ao6UJ6kso
ジ・オメガマン『お前! ここを離れろと言っただろうが!』

あの子『っ!?』


シルバーマン『今の所、その必要は無いよ』

シルバーマン『その子が蓄えていたエネルギーは――』

シルバーマン『――キミの消滅を回避するために使われたんだから』


ジ・オメガマン『馬鹿なッ! またそんな事を!』

ジ・オメガマン『そんな事……』

ジ・オメガマン『できるわけないだろ――っ!!!』


シルバーマン『その、不可能とも言える事を可能にする力』

シルバーマン『それが――』


ジ・オメガマン『……!』



シルバーマン『――友情さ』



ジ・オメガマン『…………』

あの子『……』
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 23:28:32.01 ID:Ao6UJ6kso
あの子『――――』

ジ・オメガマン『な、何っ?』


シルバーマン『ハハハ、そうだね!』

シルバーマン『今なら、一緒にLIVEを見ることも出来る!』

シルバーマン『……だけど』

シルバーマン『まだまだ、悪霊は寄ってくるだろう』


ジ・オメガマン『っ!』

バッ!


シルバーマン『――ジ・オメガマンよ』

シルバーマン『“完璧・弐式(パーフェクト・セカンド)”、シルバーマンとしてでなく』

シルバーマン『――正義超人の始祖として』

シルバーマン『キン肉マンに託した、生ける超人の未来を担う役目』

シルバーマン『その代わりの……新たな使命を授けます』


ジ・オメガマン『――!』


シルバーマン『罪なき者を守り、悪に立ち向かいなさい』

シルバーマン『私の理想の正義の――その先を……想像出来なかった未来を』

シルバーマン『貴方の行動によって、私に示しなさい』

シルバーマン『……それに』

シルバーマン『この日本じゃ、ハンターがボディーガードをするのも珍しくないからね』ニコッ!


ジ・オメガマン『……は』

ジ・オメガマン『ハハーッ!』

ジ・オメガマン『その使命……謹んでお受け致します!』
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 23:37:42.49 ID:Ao6UJ6kso
  ・  ・  ・

LIVE会場、控室


小梅「そう、なんだ……!」ニコッ!


蘭子「我が友よ、汝の瞳の奥に見えるものは、一体……」

涼「今日は、随分とご機嫌そうじゃないか」


小梅「あ、う、うん……」

小梅「今日は、LIVE……見てくれるらしいから……」ニコニコ!


蘭子・涼「……なるほど!」ニコッ!


小梅「笑顔がね、とっても可愛い子なの……ふ、ふふふ」ニコニコ!

小梅「ホラー映画で、チェーンソー持ってる感じで……!」ニッコニコ!


蘭子・涼「か、可愛い……?」


小梅「い、今も……笑ってる、よ?」



小梅「フォフォフォフォフォ……えへへ……!」ニコッ!




おわり
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 00:17:17.25 ID:YyybK4nSO

シルバーマンと言えばシルバーマンジム。かな子はダンベル何キロ持てる?
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 00:20:46.14 ID:cZRSakXX0
笑い方で一瞬FNAFかと思った
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 00:20:48.71 ID:7yucmdzmo
乙、超人とアイドルシリーズほんとすき
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 00:30:24.84 ID:RFGerwNJo
何故かミートが結界の中にいるとか無粋な事は言うまい
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 04:08:53.99 ID:SVkTQ/3YO
試合実況の脳内再生余裕…なんだけど、吉貝アナもアデランス中野さんも中の人はお亡くなりなんだよな…。

それはともかく、『釣りキチ三平』とか『バーサス魚紳さん!』とのクロスとかどうでしょう。
ジャンプ系クロスは多いけど、マガジン系はほとんどなかった気が…。
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 04:40:05.54 ID:fOUvSYBMo
どんな漫画であっても対応できそうなアイドルがいそうなアイドル事務所って…w
釣りアイドルだけでも二人いるしw
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 06:20:58.81 ID:9hy6n5bDO
……プラモスキーなアイドルっていないよなぁ
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 06:39:33.74 ID:9K8oVKN7o
ハンターがボディガードってシティ的なそれか
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 07:42:33.19 ID:IxSa+Pk4o
キン肉マン「駅の伝言板にXYZって書いてくれればオメガなんかよりかっこいいボディーガードに守ってもらえるぞ」
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 07:52:49.11 ID:nJqYUzvPo
>>408
武内Pが好きって言ったら次の日にはみんなパテ盛ってるよ
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 08:03:29.68 ID:ydOCOKQV0
この1と恐ろしく趣味がかぶる
最近の作品でお勧めがあったらダイマしてくれ
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 08:05:43.91 ID:jDC9LNumO
FAガールとのクロスが待たれるな
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 09:24:38.36 ID:gBoNaWkoo
シンフォギアとのクロスってもうやったっけ
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 17:31:16.18 ID:82gSr4cpo
シンフォギアは別の武内P書きの人がメインじゃなかっただろうか
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 20:15:42.93 ID:K4WTjJRJo
>>402
書きます


武内P「シルバーマンジム、ですか」
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 20:22:09.70 ID:K4WTjJRJo
出入「そう! 最近ジム通いにハマっててね〜!」

出入「ちゃんPも、体鍛えたりしてるんじゃないの〜?」

武内P「はい、不足がない程度には……ですが」

出入「ひゅー! それじゃあ、話は決まったね!」

武内P「えっ?」


かな子「マシュマロ美味しい〜♪」ニコニコ!

もっちり!


出入「ドラマの撮影があるのに、ちゃんかな……ヘビーすぎるでしょ」

武内P「……すみません」


https://www.youtube.com/watch?v=mgympfbOgqw
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 20:29:55.40 ID:K4WTjJRJo
  ・  ・  ・

シルバーマンジム


出入「――と言う訳で、二人を連れてきたってワケ!」バチコン!


かな子「はじめまして、三村かな子です〜♪」ニコッ!


ひびき・朱美「お〜っ!」パチパチパチパチ!

ひびき「これが本物のアイドルってやつかー!」

朱美「もう、ひびきったら!」

ひびき「ん?」

朱美「アイドルだったら、いつも会ってるじゃない!」

ひびき「いや、結局私達アイドルになるの流れただろ?」


めい「お〜っと、いきなりケンカ売られてるぞ〜?」ニコニコ!
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 20:35:52.53 ID:K4WTjJRJo
ひびき「あっ……居たんだ?」

めい「最初から居たわよ!」

朱美「…………そうよ、ひびき!」

めい「今の間は何!? あんたも今気付いたの!?」


ひびき・朱美「……」


めい「静まるのやめてくれる!?」


ひびき「もー! 冗談だってー!」

朱美「ちょっとした筋肉ジョークですよ♪」

めい「私の心が筋肉痛になるだけだろ!」


武内P「……良い、ツッコミです」


めい「あっ ♥ プロデューサーさぁ〜〜ん ♥」


ひびき・朱美「……ぷ」

ひびき・朱美「プロデューサー……?
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 20:39:10.33 ID:BKsl9B5BO
武内Pの鋼鉄の6Pack-Core Wonder!が火を噴く時が来たか…!
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 20:44:46.33 ID:K4WTjJRJo
めい「どうですかぁ? ♥ 今の感じ ♥」ニコッ!

めい「めい、バラエティもいけるんですよ〜 ♥」ニッコニコ!

武内P「はい、良い感じだと思います」

めい「や〜ん ♥ めい、嬉しい〜〜っ ♥」ペカーッ!



ひびき「み、見た事も無い営業スマイルだ……!?」

朱美「ええ、間違いなく只者じゃないわね……!」

ひびき「いや、そこまで言う程の人でもないだろ」

朱美「……ひびき、見てわからない?」

ひびき「?」



武内P「……良い、笑顔です」

めい「めい、笑顔には自信があるんですよ――っ ♥」ニコッ!



朱美「プロデューサーさんの筋肉……!」

朱美「常人では有り得ない程、鍛え上げられてるわ……!」

朱美「くっ……! ジャージ越しに、筋肉圧がこっちまで……!」


ひびき「只者じゃないってそっちかよ!?」

ひびき「っていうか、筋肉圧って何!?」
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 20:54:40.41 ID:K4WTjJRJo
街雄「――やっぱりわかるかい?」


ひびき・朱美「街雄さん!」

朱美「はい、この距離でも筋肉が悲鳴を上げてます!」

ひびき「すみません、全然わかりません」


街雄「……説明しておいた方が良いだろうね」

街雄「知っておくべき……マスト……モスト……」


街雄「はいッッッ!!!」

ビリィッ!!

街雄「モスト・マスキュラー!!!!!」ビシイッ!


朱美「あの人と知り合いなんですか?」

ひびき「知っておくべきって言う位だから、友達とか?」


街雄「ははは、慌てない慌てない」

街雄「上腕二頭筋と僧帽筋に注目しながら、落ち着いて聞いてね」ニコッ!
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 21:05:54.73 ID:K4WTjJRJo
街雄「彼は、346プロダクションのプロデューサー」ムキッ!

街雄「つい近年新設された、アイドル部門の人なんだ」ムキムキッ!


ひびき「へー! なんか凄い人なんだ!」

朱美「でも、それじゃああの筋肉の説明がつきません!」

ひびき「いや、確かにそれはそうなんだけど……」


街雄「それが、大いに関係あるんだよ」グッ…!

街雄「元々大手芸能プロダクションとは言え、アイドル部門は新設……」ムキッ!

街雄「それなのに、346プロのアイドルを良く見かけるよね?」ググッ…!

街雄「それこそ、一日にするサイド・チェストの回数の半分も」ムキィッ!


朱美「ええ、言われてみればそうかも……!」

ひびき「基準が街雄さんじゃ、多いか少ないかわからないって……」


街雄「その理由が――」ググッ…!


街雄「――拳願仕合さ」

街雄「ハイッッッ!!! ダブルバイセップス・フロント!!!!!」ムキィッ!!
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 21:17:50.70 ID:K4WTjJRJo
街雄「……表ではない、裏の世界の格闘界」グ…!

街雄「各企業が、その代表となる闘技者同士を闘わせ……」グッ…!

街雄「話し合いでは決着のつかない案件の権利を争う……」ググッ…!

街雄「それが――拳願仕合だよ」ムッキィッ!


ひびき・朱美「……」


街雄「彼は、346プロダクションの闘技者……」グッ…!

街雄「……いや、プロデューサーの一人!」ムキイッ!

街雄「笑顔の力、パワー・オブ・スマイルを源とした……」グッ…!

街雄「鋼の6packの鉄壁の防御と、そこから繰り出される爆撃!」ムキムキッ!


ひびき・朱美「……」


街雄「それにより、他アイドルプロダクションの闘技者を全て笑顔にし……」グッ…!

街雄「346プロダクションの地位を確固たるものにしたんだ」ムッキィッ!



街雄「わかったかな?」ニコッ!



ひびき・朱美「漫画が違う!!!!!!!」
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 21:32:15.59 ID:K4WTjJRJo
街雄「あれ? 彩也香ちゃんのボクシングジムにも居るの、知らなかったかな?」

朱美「えっ!? まさか、“タイの闘神”ガオラン・ウォンサワット選手も!?」

街雄「そうだよ、彼も闘技者の一人なんだ」

ひびき「あの〜……裏の世界とか言ってたけど、聞いて大丈夫なんですか?」

街雄「う〜ん、そうだなぁ……」


街雄「今の話は、大胸筋の奥にしまっておいてね!」ニコッ!


ひびき・朱美「……!?」


かな子「あの〜……」


ひびき「えっ?」

朱美「? どうかしましたか?」


かな子「プロデューサーさんが、ちょっと……」


武内P「事務所を移籍、ですか……?」

めい「めい、プロデューサーさんみたいな人の所でアイドルしたいな〜、って ♥」

めい(このチャンス、逃してなるものかってんだよぉ〜〜〜ッ!!)


ひびき・朱美「あー……」

かな子「手が、離せなくなっちゃってて……あはは」
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 21:40:32.82 ID:K4WTjJRJo
かな子「私、こういう本格的なジムに来るの初めてなんです」

かな子「二人共、さっきトレーナーの人と親しげにしてたから……」

かな子「このジムには、よく来てるのかな〜、って」


朱美「はい、私は以前から通ってますよ♪」

ひびき「パンツ一丁の街雄さんを見て、よくトレーナーってわかるなぁ……」


かな子「……良ければ、なんですけど」

かな子「今日だけでも、一緒にトレーニングをしてくれませんか?」


ひびき・朱美「えっ?」


かな子「あ、あ、いきなりすみません!」ペコペコ!

かな子「だけど、私が他に話しかけられそうな人が居なくって……」


モブマッチョ達「フンッッッ!!」ムキッ!

街雄「アイドルの子が来てるからかな? 皆、キレッキレだね!」ムキイッ!

モブマッチョ達「ハイッッッ!!///」ムキムキッ!


ひびき・朱美「あ、あははは……」
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/11(木) 21:44:03.04 ID:82gSr4cpo
ケンガンアシュラも混じってきやがったww
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 21:53:40.96 ID:K4WTjJRJo
朱美「そういう事だったら、喜んで!」

ひびき「歳はいくつ? 私達は、17歳の高校二年生!」

かな子「あっ、一緒です〜!」

ひびき「なーんだ! それなら、敬語なんて良いって!」ニコッ!

朱美「そうね、緊張して固くなるのは筋肉だけにしましょ♪」ニコッ!

かな子「……ふふっ♪ それじゃあ、お言葉に甘えちゃう♪」ニコッ!


ひびき「あっ、と……自己紹介!」

ひびき「私は紗倉ひびき! ひびきで良いよ!」


朱美「私は、奏流院朱美」

朱美「トレーニングの事だったら、何でも聞いてね!」


かな子「それじゃあ、改めて……三村かな子です♪」

かな子「ひびきちゃん、朱美ちゃん、今日はよろしくね♪」ニコッ!


ひびき・朱美「おー、良い笑顔!」

パチパチパチパチッ!


かな子「もっ、もー!///」

かな子「二人共、さっそくからかわないでよ〜!///」


かな子・ひびき・朱美「……あははははっ!」ニコニコッ!
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 22:04:13.09 ID:K4WTjJRJo
ひびき「今日は、何のトレーニングをしに来たんだ?」

かな子「えーっと……ダイエットで、体重を落としたくって……」

朱美「体重を落とすなら――」


ひびき「――大きい部位の筋肉を鍛えれば良い!」


かな子「大きい部位の筋肉……?」


朱美「ひびき、私の台詞を取らないでよ!」

ひびき「ンヒヒ! こういうのは早いもの勝ち!」

朱美「む〜っ!」ムスーッ!


かな子「朱美ちゃん、大きい部位の筋肉ってどこなのかな?」


朱美「! ええ! 私が! ちゃんと! 説明するわね!」 パアッ!


ひびき「……でも……なんだろ?」

ひびき「なんだか、ジムに来た理由に聞き覚えが……?」
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 22:14:32.87 ID:K4WTjJRJo
朱美「大きい筋肉――ベスト5!」


かな子「い、5つもあるの!?」

ひびき「うえ〜! それじゃあ、鍛えるの大変じゃん!」

朱美「ふふっ、そう思うわよね?」

かな子・ひびき「?」

朱美「大きい筋肉は――」


@大腿四頭筋


朱美「これは、太ももの表にある筋肉」

朱美「筋肉の中で最も大きく、一番パワーがあるの!」

ひびき「へ〜! この筋肉があるから、手より足の力の方が強いのか!」


A下腿三頭筋


朱美「次は、ふくらはぎにある筋肉」

朱美「足首を動かすのに必要で、ジャンプやつま先立ちをする時にも活躍するわ!」

かな子「あっ! 確かに……つまさき立ちすると力が入る!」
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 22:25:06.39 ID:K4WTjJRJo
Bハムストリングス


朱美「今度は、太ももの――裏側の筋肉」

朱美「下半身を動かす時に必要なんだけど、肉離れを起こしやすいから気をつけて!」

ひびき「ふむふむ、注意しながらトレーニングしないと行けないんだな……」


C大殿筋


朱美「これは、お尻の筋肉ね。臀部、って言うでしょ?」

朱美「股関節を動かす働きのある、日常的な動作にも重要な筋肉の一つなの」

かな子「鍛えたら、ステップが踏みやすくなったり?」

朱美「ええ! それに、お尻のラインも綺麗になるわ!」


D三角筋


朱美「最後に紹介するのは、上半身で最も大きな筋肉」

朱美「肩を覆っている筋肉で、腕を使った動きにも――」



ひびき「うー……勉強したら、なんだか疲れた……!」

かな子「それなら、あっちのバスケットにカップケーキが♪」

ひびき「マジで!? かな子、愛してるぅ〜っ!」

かな子「手作りだから、ひびきちゃんの口に合えば良いんだけど……」



朱美「――って、ちょっとちょっと!?」
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 22:33:55.21 ID:K4WTjJRJo
朱美「もうっ! 食べるのは、トレーニングの30分後!」

かな子「美味しいから大丈夫だよ〜♪」

ひびき「……」

ひびき「聞いたか!? 美味しいから大丈夫だぞ!?」

朱美「ひびき?」

ひびき「……うい、サーセン」

朱美「……ゴホンッ!」


朱美「……今、挙げた5つの筋肉」

朱美「ねえ、何か気付いたことはない?」


ひびき「太ももの表、ふくらはぎ、太ももの裏、お尻、肩……」

かな子「……あっ! 5つの内4つが、下半身の筋肉?」


朱美「ピンポーン! かな子ちゃん、正解ー♪」


ひびき「くっ!? ポイントがリードされた!」

かな子「えへへっ♪ 言ってくれたから、わかっちゃった〜♪」


朱美「……いや、別にポイント制じゃないわよ?」
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 22:45:03.47 ID:K4WTjJRJo
朱美「痩せるなら、下半身から!」

朱美「だけど、トレーニングをする時はバランスに気をつけて」

朱美「下半身の筋肉ばっかり鍛えて、上半身がおそろかになると……」


ひびき「逆三角形というより、三角形になるなぁ」

かな子「ふふっ! おにぎりみたいに?」

ひびき「おっ、良いね! どうせなら、でっかいの!」

かな子「大きいおにぎり……おむすびころりん……」

かな子・ひびき「……美味しいから、大丈夫?」


朱美「待って! ツッコミが追いつかなくなるから!」

朱美「それに、よっぽどの事が無い限り三角形になんてならないって!」


ひびき「とりあえず、良いトレーニング方法を教えてくれよ」

かな子「うん、頼りにしてまーす♪」


朱美「……何かしら、このアウェー感」
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 22:51:19.52 ID:K4WTjJRJo
朱美「私のオススメするトレーニングは、ズバリ!」


朱美「水泳よ!」


かな子・ひびき「水泳?」

朱美「そう、水泳が全身運動だってアニメでやったばかりでしょ?」

ひびき「でしょ? って聞くな、メタい」

かな子「だけど、沢山トレーニング器具があるのに……」

朱美「私の見た所――」


朱美「――かな子ちゃん!」

朱美「貴女の体重が落ちない原因は……」

朱美「……カロリーの取りすぎよ!」


かな子「っ!?」

かな子「ど、どうしてそれを……!?」


ひびき「あはは!」

ひびき「なんか、どこかで聞いた話だなー!」
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 23:00:51.03 ID:K4WTjJRJo
朱美「トレーニングウェアの上から見た感じだけど……」

朱美「……もう、痩せるのに十分な筋肉はあるわ」



武内P「――はい、確かにその通りです」



かな子・ひびき・朱美「!」



武内P「ボイスレッスンでは――腹筋群が」

武内P「ダンスレッスンでは――各部位の筋肉が」

武内P「それぞれ鍛えられ……痩せるには、十分な基礎代謝があります」

武内P「ですが、それ以上のカロリーをとっているので……はい」



朱美「はい! だから、水泳を――」



武内P「――待ってください」

武内P「その話、お受けできません」



朱美「なっ……何ですって!?」
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 23:09:05.25 ID:K4WTjJRJo
朱美「水泳は全身運動!」

朱美「特に、クロールは挙げた5つの筋肉を使うんですよ!?」

朱美「バタ足は、挙げた下半身に筋肉の4つを!」

朱美「手のかきは、肩の筋肉を鍛えられます!」

朱美「それに、水中での運動だから故障率も低く……」

朱美「……肺活量まで鍛えられて、歌も歌いやすくなります!」


ひびき「うおっ!? なんだ、その早口!?」


武内P「……確かに、貴女の言う通りです」


朱美「だったら!」


武内P「ですが、三村さんはまだ17歳」

武内P「成長が止まっていると判断するには、まだ早いと言えます」

武内P「そして――」


武内P「――三村さんは、和服の仕事も多いですから」


朱美「!」



武内P「……」朱美「っ……!」

ゴゴゴゴゴゴ…!



かな子「えっ!? えっ!?」

ひびき「シリアス展開!?」
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 23:17:53.32 ID:K4WTjJRJo
朱美「……すみません、お仕事を考慮してませんでした」

武内P「いえ、お気になさらず」


かな子「あの……どういう事ですか?」

ひびき「出来るだけ、わかりやすく説明してくれ!」



朱美「水泳……特にクロールは、大きく肩を回すでしょ?」

武内P「それによって、肩の関節が刺激され……」

朱美「成長途中の体だと、肩幅が広くなっちゃうの」

武内P「三村さんの身長を考慮すると、その場合どうしても目立ってしまいます」

朱美「背の高い人だったら、むしろオススメなんだけどね」



かな子・ひびき「へ〜!」



朱美「水泳選手は肩幅が広いでしょ?」

武内P「子供の内から、関節を刺激していたからですね」

朱美「バスケットボール選手の背が高いのも、同じ理由」

武内P「個人差はありますが、動作が膝の軟骨を刺激するため、ですね」



かな子・ひびき(……仲良いな)
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 23:25:54.55 ID:K4WTjJRJo
武内P「和服は、肩幅があまり広く無い方が好ましいですから」

朱美「……すみません、もう一度チャンスを頂いても?」

武内P「えっ?」

朱美「……名誉挽回のチャンスを!」


朱美「個人に合わせたトレーニング!」

朱美「私に、かな子ちゃんの運動方法を決めさせてください!」


武内P「……はい、わかりました」


朱美「! 良いんですか!?」


武内P「筋肉は……負荷によって傷付き」

武内P「そして、次はその負荷に耐えようと、より大きくなって帰ってくる」

武内P「――超回復です」


朱美「……!」

朱美「はいっ! プロテインも忘れません!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」



かな子・ひびき(何か、話がまとまったー!?)
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 23:37:31.73 ID:K4WTjJRJo
朱美「――私がオススメするのは、コレ!」


バーン!


朱美「クロストレーナー!」


ひびき「おっ! アレか!」

朱美「あら? ひびきは使った事あったかしら?」

ひびき「ん? 無かったっけ?」

かな子「あ、でも……私がわからないから……」

朱美「なら、オッケーが出たら最初から説明するわね!」

ひびき「モノは、テキトーにググってくれって誰かの声が聞こえるな」


朱美「……プロデューサーさん」

朱美「どう、ですか?」


武内P「はい」

武内P「……良い、選択です」
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/11(木) 23:55:02.85 ID:K4WTjJRJo
ダイエットのためのトレーニング


今回紹介するのは、クロストレーナーを使用したトレーニング


@ペダルの上に自然な姿勢で立ちます。

Aハンドルを左右の手で握ります。

B左右の足を前後に動かしていきます。

Cこの時、左右の手も前後に押す・引くという動作をします。

D両手両足を前後に継続的に動かします。


クロストレーナーは、膝や足首にかかる負担が少ないトレーニング器具です。

まずは、無理の無い時間で使用していき、有酸素運動で脂肪が燃焼される20分以上を目指しましょう。

また、後ろ歩きの動作をする事により前歩きとは違う筋肉が鍛えられます。

心拍数の管理によって、トレーニングの効果はより高まります。

クロストレーナーをジムで使用する場合、トレーナーの方に相談すると良いでしょう。



武内P「はぁ……はぁ……!」ムッワァァ!



さあ、クロストレーナーでアナタもステキな下半身に!



かな子・ひびき・朱美「サービスになってない!!!!!!」
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 00:01:08.58 ID:SF8WKowDo
かな子「うわ〜……これ、ずっと続けるのは大変そう〜」

グッ、グッ…

ひびき「でも、映画を見ながらとかだと良さそうじゃない?」

グッ、グッ…


朱美「他に利用したい人が居ない場合は、それもアリよね」

朱美「ちなみに、このクロストレーナーのクロス」

朱美「これは、クロスカントリーのクロスから取られてるの」

朱美「ほら、動きがストックを持ってスキー板を付けて歩いてるみたいでしょ?」


かな子・ひびき「なるほど〜!」…ゴクンッ!


朱美「ん?」

朱美「今、何か飲み込んだ?」


かな子・ひびき「……」


朱美「……ねえ」

朱美「足元に、マシュマロの袋が落ちてるんだけど……」


かな子・ひびき「……」

かな子・ひびき「美味しいから大丈夫だよ〜♪」ニコッ!
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 00:07:51.57 ID:SF8WKowDo
  ・  ・  ・

めい「……」

めい「――はっ!?」

ガバッ!

めい「あ、あれ……プロデューサーさんは!?」


出入「あっ、ダ〜メだよちゃんめい! 寝てなくちゃ!」

出入「ちゃんめい、トレーニング中に貧血で倒れたんだよ!?」

出入「ふふっ、おかげで可愛い寝顔が見られたけどね」バチコンッ!


めい「……もー、ヤダー ♥」

めい(キモッ!!!)
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 00:22:16.11 ID:SF8WKowDo
めい「えっと、確か……」

めい(色仕掛けでスキンシップをしようとして……)

めい(何か、ガッチガチの所に触ったら……)


出入「なんか、ちゃんPが謝ってたよ?」

出入「触らせてはいけない所を触らせちゃった、って」


めい「……」

めい(は……はぁ〜〜〜っ!?)

めい(小娘じゃあるまいし、そんな事で気を失うわけないでしょ!)


出入「ちゃんPが言うには、成人男性でも危険らしいんだ」


めい「えっ!?」

めい(そんなに凄いの!? 嘘だろオイ!)


出入「……ちゃんPの、どこ触ったの?」


めい「えっ!?」

めい「ええっと……その……」


めい「……ゴールドなマンかな ♥」


このアクシデントが、めいの人脈が広がる第一歩になるのだが、
それはまた別のお話。





おわり
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 01:37:05.22 ID:mJzMi/ip0
感想を聞きにきたんだろうなあ
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 01:47:26.67 ID:DeKbg9WSO
春男とか鬼王山とか出なくてよかったなかな子
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 02:15:02.54 ID:pFZKrBnJo
スレ主結構「やる」方だね。筋体積や水泳とか突っ込もうかと読み進めてたら見事に躱された感がある

447 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 03:24:09.69 ID:tSeicQSeo
シルバーマンが鍛えてくれるわけではないのか
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 03:40:40.00 ID:+WH63Lhy0
いたたたた
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 03:49:24.56 ID:ZNbfNpGtO
もしかして、シルバーマン繋がり?
そういえば昔、『武内P「筋肉モリモリマッチョマン」』というSSがあったなぁ…。

それはともかく、バンダイ繋がりでビルドダイバーズとのクロスとかどうでしょう(無理矢理)。
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 05:18:00.63 ID:CLQE39ieo
>>446
うっわ
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 06:10:49.11 ID:8yH4ludAo
で、結局かな子のダイエットは成功したのかな(してない)
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 13:20:23.89 ID:jssnho2bO

最近の武内Pは腹筋だけじゃなく背筋も凄い事になってて隙がなくなりつつあるんだよな
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 13:47:42.41 ID:lKn/F7wzO
宇崎ちゃんとかクロス書きそうな人が多そうだと思ったが、意外にいないな
下手すると公式が先にやりそうw
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 21:48:25.23 ID:W7lhLzOuo
お腹が空いたので書きます


武内P「鍋にしましょう」
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 21:53:40.08 ID:W7lhLzOuo
早苗「鍋? 確かに、最近涼しいけど……」

瑞樹「それにしても、自分から言い出すなんて珍しいわ」

楓「ふふっ! 夜なべしないよう、手早く料理……うふふっ!」

武内P「はい、そうですね」


武内P「せめて今日は、自分が食べたいものを……と」

武内P「皆さんの姿を確認した時、思いましたから」


早苗・瑞樹・楓「?」キョトン!


武内P「……」

武内P「いえ、何でもありません」
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 21:59:35.34 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

早苗「ピピーッ! 立ち入り捜査よ!」

瑞樹「今日は人数が少ないからって、変にテンション上げなくても」

楓「うふふ、皆の分まで飲まないといけませんからね」

武内P「……」


武内P「すみません、ズボンのポケットに鍵が入っています」

武内P「なので、少しの間……」


早苗・瑞樹・楓「はーい、待ちまーす♪」ニコッ!


武内P「スーパーの袋を一つでも……」

武内P「……」

武内P「いえ、何でもありません」
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 22:05:04.64 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

早苗「やっぱり、大画面だと迫力が違うわよね〜」

瑞樹「わかるわ。この前映画を見た時も、凄かったもの」

楓「あっ、この温泉……今度行ってみませんか?」

武内P「……」


武内P「何でもありません」


早苗・瑞樹・楓「?」キョトン!


武内P「それでは、鍋の準備をしてきます」

武内P「ガスコンロは……後で持って行きますので」

武内P「テーブルの上は、空けておいてください」
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 22:07:57.17 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

武内P「……」

パリッ…パリッ…


ガチャッ!

早苗「おっ、やってるわねー!」


武内P「片桐さん」

武内P「どうかされましたか?」


早苗「やーねぇ! ツマミよ、ツ・マ・ミ!」

早苗「冷蔵庫に明太子があるって、ネタはあがってるんだから!」


武内P「……」

武内P「はい、そうですね」
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 22:10:59.77 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

武内P「……」

スッ…スッ…


ガチャッ!

瑞樹「さすが、手際が良いわ」


武内P「川島さん」

武内P「どうかされましたか?」


瑞樹「氷が欲しくなっちゃって」

瑞樹「あら、丁度良さそうなグラスがあるわ」


武内P「……」

武内P「はい、そうですね」
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 22:13:26.56 ID:DeKbg9WSO
ラッコの肉は?
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 22:15:24.17 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

武内P「……」

ザクッ、ザクッ、ザクッ…


ガチャッ!

楓「まだ、かかりそうですか?」


武内P「高垣さん……いえ、他のお二方もですが」

武内P「何鍋を作っているかに、興味はありませんか?」


楓「ふふっ♪ お鍋は、おしなべて美味しいですから……うふふっ♪」

楓「だから……一緒に、お鍋を囲みたいんです」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「お願いします、向こうで待っていて下さい」
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 22:21:20.32 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

武内P「……」

ガシュガシュガシュガシュッ!


ガチャッ!

早苗「あっ、大根おろしと言う事は……ホッケね!」

瑞樹「わかるわ。もしくは、卵焼きね」

楓「ふふっ! 大根おろしが、幕を下ろした……うふふっ!」


武内P「皆さん、お願いがあります」

武内P「食器を……運んで頂けますか?」


早苗・瑞樹・楓「…………」


武内P「……」

武内P「いえ、何でもありません」
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 22:25:20.49 ID:BPDqMc+ho
こいつら……
いくら美人でも一緒に飲みたくねえw
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 22:26:50.81 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

武内P「――お待たせしました」

早苗「ホント、待ちくたびれたわ!」

武内P「皆さん、既に二缶は空けていますね」

瑞樹「もう、お腹ペコペコだわ!」

武内P「すみません、急いだつもりだったのですが」

楓「大丈夫ですよ、怒ってなんかいませんから」

武内P「それは助かります、本当に」


武内P「本日の料理は――」

カポッ!

武内P「――豚肉と白菜のミルフィーユ鍋です」


早苗・瑞樹・楓「お〜っ♪」ニコニコッ!

パチパチパチパチッ!


武内P「……」

武内P「良い、笑顔ですね」
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 22:39:41.24 ID:W7lhLzOuo
早苗「ん〜っ! お野菜の良い香り!」

瑞樹「ええ、大根と白菜の甘さを感じるわ」

楓「こんな短い時間で、ここまで野菜のお出汁が出るものなんですか?」


武内P「水を一切使っていませんから」

武内P「おろした時に出た、大根の水分」

武内P「蒸し煮にして出た、白菜の水分」

武内P「それだけで、料理用の出汁は使っていません」


早苗「今日は良い豚バラ肉を使ったからね!」

瑞樹「素材の味を楽しむためシンプルにしたのね、わかるわ」

楓「これにポン酢をかけてサッパリと……ふふっ、お酒が進みそうです♪」


武内P「……」

武内P「食レポは……職業病のようなもの、ですね」
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 22:45:32.45 ID:W7lhLzOuo
早苗「それじゃあ、取り分けてカンパイしましょ!」

武内P「ええ、そうですね」

瑞樹「楽しみだわ。このお鍋、御飯と一緒でも美味しいのよね」

武内P「成る程、私が取り分けます」

楓「大根おろしをたっぷり……お願いできますか?」

武内P「はい、わかりました」


早苗・瑞樹・楓「……」


武内P「? 皆さん、どうしましたか?」


早苗・瑞樹・楓「……そのお酒」


武内P「ストロング系のチューハイですが……?」


早苗・瑞樹・楓「…………」


武内P「……皆さん?」
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 22:50:07.13 ID:W7lhLzOuo
早苗「今日のお鍋に合いそうね」

武内P「はい、とても」

瑞樹「私達が手に持ってるお酒は?」

武内P「ビール、ですね」

楓「一緒に、階段を上っていきたいんです」

武内P「一滴も飲んでいない私は、既に出遅れています」


早苗・瑞樹・楓「…………」


武内P「……」

武内P「冷蔵庫に、冷えたロング缶が入っています」


早苗・瑞樹・楓「は〜い♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「わかりました、取って来ます」
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 23:00:47.51 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

早苗「あっ、ウマっ ♡ ウマ〜っ ♡」ホフホフ!

瑞樹「美味しいわ〜 ♡ 日本人は、やっぱり鍋だわ ♡」ホフホフ!

楓「お肉にも、野菜の旨味がギュッと染みてて……ん〜っ ♡」ホフホフ!


武内P「今日のポン酢」

武内P「こちらは――平兵衛酢ポン酢、ですね」

武内P「香りが爽やかで、酸味も穏やかなポン酢になります」


早苗「だから、御飯が無くてもパクパク食べられて……ングッ!」ゴクッ!

瑞樹「お酒のお供に、丁度いい塩梅なのね……ングッ!」ゴクッ!

楓「少しだけ口に残る大根おろしを流すように……ングッ!」ゴクッ!


早苗・瑞樹・楓「……は〜っ ♡ 美味しい ♡」ニコニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 23:07:37.70 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

早苗・瑞樹・楓「足りない」


武内P「待ってください」


早苗「御飯も食べてないし、鍋の中を見てみなさいよ」

瑞樹「寂しいわ。シメの雑炊も出来ないじゃない」

楓「お酒はまだまだあるのに……どう、しましょうか?」


武内P「……」


早苗・瑞樹・楓「…………」ジーッ…!


武内P「……」

武内P「はい、わかりました」
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 23:13:55.06 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

武内P「私も少し酔っているので、簡単なもので」


早苗「悪いわね〜、気を遣わせちゃって!……ングッ!」ゴクッ!

瑞樹「本当、簡単なもので良いからね……ングッ!」ゴクッ!

楓「ふふっ! 飲みながらお料理だなんて……ングッ!」ゴクッ!


早苗・瑞樹・楓「はーっ……幸せ ♡」ホッコリ!


武内P「皆さん」

武内P「あちらで待って頂くことは、出来ませんか?」


早苗・瑞樹・楓「えっ?」キョトン!


武内P「……」

武内P「いえ、何でもありません」
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 23:19:00.89 ID:8yH4ludAo
つまみを出すよりつまみ出したい
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 23:21:05.27 ID:OhSd6c+uO
>471
誰が巧いこと言えと…(笑)。
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 23:23:56.03 ID:W7lhLzOuo
武内P「まずは、ストロングチューハイの……」

武内P「……これは、リンゴですね」

プシィッ!


早苗「リンゴのチューハイ、甘くてパカパカいっちゃうのよね〜!」

瑞樹「ほとんどジュース感覚だものね、わかるわ」

楓「ふふっ! リンゴお酒、あっ、プルが開いた……うふふっ♪」


武内P「これを適当なだけ、フライパンに入れ」

タパタパッ!

武内P「醤油を適当なだけ、加えていき」

トポポッ!

武内P「チューブのおろしショウガをたっぷりと加えます」

ニュ〜ッ!


早苗・瑞樹・楓「……かなり、酔ってる?」


武内P「いえ、酔っていません」
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 23:31:13.59 ID:W7lhLzOuo
武内P「……ん、この位で良いと思います」

武内P「後は、残っていた豚バラ肉を適当な大きさに切り」

スッ、スッ!

武内P「同様に、白菜も適当な大きさに切って」

ザクッ、ザクッ!

武内P「フライパンに入れ」

ドジャッ!

武内P「ほぐしながら、なじませます」


早苗・瑞樹・楓「……」


武内P「……はい」

武内P「後は、適当に炒めれば――生姜焼きの完成です」


早苗・瑞樹・楓「……」


武内P「御飯は、どうしますか?」
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/12(金) 23:39:25.74 ID:mJzMi/ip0
お腹減ってきた
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 23:39:54.17 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

早苗「やっだもー、美味しいじゃないのー ♡」モグモグ!

瑞樹「白菜のシャキシャキ感が良いわ〜 ♡」モグモグ!

楓「生姜焼きは食べすぎても、しょうがない……うふふっ ♡」モグモグ!


武内P「少し……甘かったでしょうか?」

…ゴソゴソッ


早苗・瑞樹・楓「それは?」


武内P「マヨネーズです」

武内P「生姜焼きにはマヨネーズが合う、と」

武内P「……そう、思っています」


早苗・瑞樹・楓「…………」ジーッ…!


武内P「……」

武内P「はい、わかりました」
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/12(金) 23:50:40.49 ID:W7lhLzOuo
  ・  ・  ・

早苗「ふーっ! もう、お腹いっぱい!」

瑞樹「そうねぇ、ちょっと食べ過ぎちゃったかも」

楓「お酒も、今日は大分進みましたもんね」


早苗・瑞樹・楓「満・足 ♡」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「今日は、簡単なものでしたが……」

武内P「……そう言って頂けると、作った甲斐がありますね」


早苗・瑞樹・楓「ふふっ♪」ニコニコ!


武内P「……」

武内P「皆さん、片付けは大丈夫ですから……」

武内P「……そろそろ、お帰り願えますか?」
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 00:06:33.87 ID:uNR1xDDao
早苗「そうねぇ……明日も仕事だし!」ノビーッ!

瑞樹「あんまり長居しちゃ悪いものね」ヨッコイショ!

楓「今日は、本当にありがとうございました」ペコリ!


早苗・瑞樹・楓「――ご馳走様でした♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


早苗「やっぱり、自炊しないと体に良くないからね!」

瑞樹「わかるわ。どうしても、塩分を取り過ぎちゃうのよねぇ」

楓「居酒屋も良いけれど、お家でゴハンを頂かないと」


武内P「……はい、そうですね」

武内P「私も、今は満腹になっているので……」


武内P「どうか、腹の虫が治まっている内に」




おわり
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 01:12:01.29 ID:PlXsVCW2O

今回の醜態を未成年組に見せて必要な時に何も出来ない大人はこれだけ酷く見えるんだぞと教えてあげたい
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 01:28:22.20 ID:4ZYQKCDo0
これはひどい
いつまでたっても独身から抜け出せませんねこれは
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 02:04:56.96 ID:WfRySNUdo

菜々さん、美優さん、しゅがはとチェンジで
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 04:24:20.61 ID:H3CAVLYTo
これはもうセクハラと言って過言ではないと思う
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 05:00:19.14 ID:cAKBEW/O0
ただ単にわちゃわちゃ一緒に飯食ってくれるだけでも良かった
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 05:37:56.10 ID:kF6At8GDO
みじゅきは一応、家事が趣味だったような



とりあえずSAN値が危ない方向へ行くのだけはわかった
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 09:43:19.01 ID:FK9bfBnaO
晩飯ミルフィーユ鍋にしようかな…あれめちゃくちゃ美味いよね
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 10:56:47.63 ID:P9gXI0Bko
お姉さん連中が単純に面倒で関わり合いになりたくない人達になってて草も生えない
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 10:58:17.10 ID:Igc4x1C/o
これが美人なお姉様達じゃなくておっさんだったら流石の武内Pもキレそう
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 13:30:13.57 ID:5nkyZhDvO
この生姜焼きホントに美味いの?
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 13:54:50.74 ID:JBAUtfSAo
キュート、クール、パッションの3タイプのうち同タイプの3人が一列に並ぶのを必死に防ごうとするアイドル事務所お願いします
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 17:14:29.96 ID:2x8vB/Plo
武内Pが童貞だって噂が社内で広まったらアイドルたちどうするんやろ
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 17:36:37.10 ID:YFFfyS+rO
こいつら誰一人として嫁には要らねえ…
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/13(土) 17:44:51.70 ID:vkDdjyz70
このアイドル達の主夫になれるなら私は一向に構わん!
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 17:56:51.25 ID:kF6At8GDO
これと前川被害(ry のSSを読むとA20の連中がますます嫌いになってしまったよ
(中の人、温泉はないけど智絵里P)
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 18:48:04.12 ID:XT3TalY1o
カラダの相性は良さそう:たくみん
献身的というか、狂おしい程可愛い:小梅ちゃん
ごく普通にチョロ可愛い:美嘉ァ!

武内P自身がお空の騎空士になった場合、属性は闇か光かどれになるだろうか
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 20:19:12.93 ID:iRp7QgMP0
武内PがTSで女性になってもアイドル達は変わらずにいられるかどうか(顔や体格や身長は変わらず髪がロングの巨乳)。
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 20:20:41.05 ID:OFq4m/6/o
武内PがEDになったという噂を聞いたらアイドル達はどう思うんだろうか
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 20:57:20.73 ID:fNj+QU6j0
あま〜い武楓をおねしゃす!
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 21:08:07.31 ID:WfRySNUdo
武内Pがすでに一般人と結婚してて子供もできた事を知ってショックを受けるアイドルたちとか

米内Pはちょっとビックリした
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 21:31:11.44 ID:uNR1xDDao
>>493
裏返すように>>481を書きます


武内P「ハンバーグは、お好きですか?」
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 21:34:26.53 ID:uNR1xDDao
菜々「はい、好きですけど……?」

心「おいおい、いきなりどうしたー?」

美優「今の話と、何か関係が……?」

武内P「ああ、いえ」


武内P「安部さんと佐藤さんの、台本の読み合わせ」

武内P「その場所に、お困りのようでしたので……」


菜々・心・美優「……?」キョトン!


武内P「……」

武内P「宜しければ、ですが――」
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 21:38:02.10 ID:uNR1xDDao
  ・  ・  ・

菜々・心「お邪魔しまーす」

武内P「はい、どうぞ」

美優「あの……私も来て、良かったんですか?」

武内P「ええ、勿論です」


武内P「今日は、いつもよりひと手間かけよう、と」

武内P「……そう、思ったので」


菜々・心・美優「ひと手間?」


武内P「はい」

武内P「なので……せっかくですから」

武内P「食べて頂く人は多い方が良い、と」
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 21:44:47.21 ID:uNR1xDDao
菜々「あっ、クッションが増えてますね!」

心「いつ来ても片付いてるよな☆ えらいぞ☆」

美優「想像するような男性の一人暮らしとは……違いますよね」

武内P「そう、でしょうか?」


武内P「……いえ、確かに仰る通りかも知れません」

武内P「以前よりも、物が増え」

武内P「来客もあるので、掃除の頻度は上がりましたね」

武内P「昔は……最低限の物しか、ありませんでしたから」


菜々・心・美優「はー……」


武内P「どうぞ、ご自由にくつろいでいてください」

武内P「安部さんと佐藤さんが、台本の読み合わせをしている間」

武内P「その間に、夕食の準備をしてきます」
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 21:49:47.11 ID:uNR1xDDao
  ・  ・  ・

武内P「……」

タンタカタンタンタンタカタカタカ!


ガチャッ!

美優「あの〜……」


武内P「三船さん」

武内P「どうかされましたか?」


美優「二人の邪魔をしないようにと思ったら……」

美優「……ちょっと、手持ち無沙汰になってしまって」


武内P「……成る程」

武内P「確かに……それは、考えていませんでした」
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 21:54:35.93 ID:uNR1xDDao
美優「えっと、それは今……」

美優「もしかして、ひき肉を作ってるんですか?」


武内P「はい」

タカタカタカタカタンタカタンタン!

武内P「今日は、肉々しいハンバーグにしよう、と」

サッ!

武内P「……そう、思ったので」


美優「お料理、本当にお好きなんですね……」


武内P「食には関心があります」

武内P「……しかし、そうは言っても」

武内P「自分一人のためでしたら、ここまではしませんが」
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 22:00:38.61 ID:uNR1xDDao
美優「包丁二本で……フードプロセッサーは?」

武内P「確かに、その方が楽ですが……」

美優「?」

武内P「……この方が、洗い物が楽で」

美優「……」

武内P「三船さん?」


美優「ふふっ! 面倒臭がること、あるんですね!」

美優「いつも真面目だから……なんだか、意外でした」


武内P「そう、ですか?」

武内P「……」

武内P「言われてみて……気づくこともありますね」
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 22:05:11.92 ID:uNR1xDDao
武内P「それに、不揃いの方が食感が楽しいですから」

美優「あっ、それはわかります」


チーンッ!


美優「っ!?」ビクッ!

武内P「ああ、すみません」

美優「電子レンジで……何を?」


武内P「洗って皮を剥いたジャガイモ、ですね」

武内P「良い感じになっていたら、スプーンで潰し」

武内P「牛乳、バター、生クリームを加えて、ブラックペッパー」

武内P「よく混ぜれば、マッシュポテトの完成です」


美優「……」

美優「せっかくですから、私がやりますね」
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 22:10:57.40 ID:uNR1xDDao
  ・  ・  ・

美優「あの……」

マッシュマッシュマッシュ…


武内P「はい」

武内P「こちらは、付け合せの人参のグラッセです」

武内P「味付けは、女性が多いので少し砂糖多めで甘く」

武内P「後は、緑が欲しいのでブロッコリーを……」


美優「ああ、いえ! そうじゃなくて!」

美優「……」

美優「お付き合いされてる女性とか、居ないんですか?」


武内P「……」

武内P「えっ?」
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 22:15:23.82 ID:uNR1xDDao
武内P「三船さん?」

美優「すみません、ちょっと気になったものですから」

武内P「……今は、仕事が恋人と言った感じですね」

美優「そうなんですか?」

武内P「はい」


武内P「仕事では、女性と関わる機会が多いので……」

武内P「……プライベートでは」

武内P「反動か、同性と飲みに行く事がほとんどでしたから」

武内P「その……とても、気楽で」


美優「……」

美優「あー……成る程」
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 22:19:35.71 ID:uNR1xDDao
美優「でも、今はこうしてますよね?」

武内P「えっ?」

美優「女性三人を自宅に招いてるじゃないですか」

武内P「……」

美優「プライベートでも、女性と……どうしました?」

武内P「あ、ああ、いえ……」


武内P「同じ会社の方達で……それも、アイドルの方ですから」

武内P「プライベートと言う感覚は、あまり無く……」

武内P「……ほとんど、仕事の感覚で居た事に気付きました」


美優「えっ?」

美優「そ、そういうものでしょうか……?」
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 22:26:34.42 ID:uNR1xDDao
美優「会社の人以外……女性を招くことは?」

武内P「ありません……ね」

美優「それじゃあ、‘こう’なる前って……」

武内P「そう、ですね……」


武内P「仕事を残業して、家に帰って……」

武内P「最低限の家事をして、明日の準備をし……」

武内P「……寝て、起きて、出勤」

武内P「休日は、たまった洗濯物等を片付け……」


美優「……」


武内P「……」

武内P「とても、充実していました」
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 22:34:01.83 ID:uNR1xDDao
美優「そ、それって……充実してるんでしょうか?」

武内P「私は、仕事が趣味のようなものですし……」

美優「か、彼女とか欲しくなったりしなかったんですか?」

武内P「そう、ですね……」


武内P「……仕事が、とても楽しく」

武内P「……それに、なんと言いますか」

武内P「あまりにも……一人の状態で、完結してしまっていて」

武内P「それに、お付き合いしても、他の女性と多く関わる仕事ですし……」

武内P「……あまり、考えたことはありませんでした」


美優「……」

美優「なる……ほど……」
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 22:42:19.28 ID:uNR1xDDao
美優「……そういう事だったんですね」

武内P「三船さんの担当も、似たような事を言っていませんでしたか?」

美優「えっ?」

武内P「ああ、いえ……」


武内P「皆さんが、来るようになる以前」

武内P「――たまには手料理が食べたい、と」

武内P「……そう、言って」

武内P「食材を持って来て、ここで飲んでいる時」

武内P「酔って、そう言っていた覚えがあるので」


美優「……」

美優「そうなんですか?」
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 22:48:36.67 ID:uNR1xDDao
美優「……と言うか、そんな事が?」

武内P「? はい」

美優「もしかして……他にも?」

武内P「ええ」


武内P「他の同期や先輩……後輩も、ですね」

武内P「――とても居心地が良い、と」

武内P「……良い、笑顔で」

武内P「それでは、ハンバーグを焼いていきます」

…ジュウウウ!


美優「……!」

美優「しょ、諸悪の根源……!?」


武内P「つなぎ無しの、牛肉のみで……」

武内P「……えっ?」
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 22:59:19.35 ID:uNR1xDDao
  ・  ・  ・

菜々「ん〜っ ♡ お肉、って感じですね〜っ ♡」モグモグ!

心「は〜っ ♡ 肉汁、染み渡るわ〜っ ♡」モグモグ!

美優「くっ……お、美味しい……!」ヌググ…!


武内P「ソースは、簡単なものですが」

武内P「フライパンに残った肉汁に、刻んだニンニクを入れて香りを」

武内P「そこに、ワインを入れ……ソースとケチャップ」

武内P「所謂、家庭の味ですね」


菜々「小さい頃、よく食べてた味ですよ ♡ 懐かしい〜 ♡」モグモグ!

心「思い出補正ってやつだな ♡ 子供になっちゃうわ〜 ♡」モグモグ!

美優「か……家庭の味だなんて……!」ムググ…!


武内P「店で食べるハンバーグも良いですが……」アーン!

武内P「……」モグモグ!

武内P「……この味は、外れないですから」
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 23:08:57.08 ID:uNR1xDDao
菜々「ピピッ! 人参のグラッセ……甘ぁ〜い ♡」ニヘラッ!

心「パイセン、ウサミン星人的には平凡……シュガーきいてるぅ〜 ♡」ニヘラッ!

美優「うぅ……これも、懐かしい……!」ヌググ…!


武内P「子供時代、人参が嫌いだったという方」

武内P「人参のグラッセがきっかけで、食べられるようになった、と」

武内P「……そういう方も、珍しく無いかと」


菜々・心「ん〜っ ♡」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


美優「……!」

美優(……間違いない)

美優(この人、同僚プロデューサーの胃袋を掴んでる……!)
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 23:15:48.28 ID:uNR1xDDao
武内P「マッシュポテトは、かなりなめらかにしてあります」

武内P「人参のグラッセにも使うので、良いバターを買ったので……」

武内P「そのまま、パンにつけて食べても美味しいですよ」


菜々「どれどれ……あっ、美味しっ ♡」パッ!

心「コショウでパンチもきいてて……いけてるわぁ〜 ♡」パッ!


武内P「ソースが残ったら、一緒に付けて食べると良いかと」

武内P「緑の付け合せがブロッコリーなのは、それもあります」

武内P「栄養価も高く、ソースと絡めやすいですから」


菜々・心「幸せ〜 ♡」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


美優「…………」

美優「もう……美味しい……! ♡」…ニヘラッ!
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/13(土) 23:21:39.51 ID:WfRySNUdo
堕ちたw
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 23:23:17.20 ID:uNR1xDDao
  ・  ・  ・

菜々・心・美優「ご馳走様でした〜 ♡」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


菜々「キャハッ! 今日はラッキーでしたね☆」

心「困ってたら、助けがあるもんだな☆ オイシイ展開ってやつ☆」

菜々「でも、こういう風にお呼ばれする事になるなんて!」

心「ホントホント、男同士でばっかりつるんでたからな〜」

菜々「ふっふっふ! ナナ達の、プロデュースの成果ですね☆」

心「ちょっと強引に誘ってきた甲斐があったわ〜☆ イエーイ☆」


武内P「は、はあ……」


美優「!」
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 23:33:08.14 ID:uNR1xDDao
武内P「確かに……最近は、あまり男同士では」

菜々「良いじゃないですか、女の子と飲むのも♪ ナナは17歳ですけど!」

心「‘うちの’の相手は、はぁとに任せとけ! 任せろ! 任せて!?」


美優「!!」


武内P「しかし……そろそろ、カレーが食べたい、と」

菜々「良いですねぇ、カレー! 夏野菜カレーですか?」

心「どんなカレーが食べたいって!? おい、教えろ!」


美優「!!!」


武内P「以前、作った……ひき肉のカレー、ですね」


美優「あ、あのっ!」

美優「レシピ……教えてもらっても、良いですか!?」
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 23:41:44.51 ID:uNR1xDDao
  ・  ・  ・

菜々「それじゃあ、ナナはあっちなので……」

菜々「お疲れ様でした、おやすみなさ〜い!」ブンブン!


心「おつかれ☆ おやすみー☆」

美優「お疲れ様でしたー」


心・美優「……」


心「パイセンは17歳だから、しょうがない☆ ねっ?」

美優「はい……美味しそうに食べてましたから」

心「男を落とすには、まず胃袋からって言うけどさ」

美優「……もう、掴まれてたんですね」


心・美優「はぁ……」
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 23:49:30.96 ID:uNR1xDDao
心「スウィーティーなシチュで落ちない理由がわかった? よね?」

美優「はい……あんなに、積極的に行ってるのに」

心「だから、ひっぺがす☆ 良い感じになってきたぞ☆」

美優「でも……男性向けの料理は、同じ男性の方が……」

心「っつーわけでさ? さっき聞いたレシピ、はぁとにもヨロー☆」

美優「! なるほど……!」


心「敵を知り己を知れば、百戦危うからず☆ ってな☆」

心「……まあ、相手は男だけどさ」


美優「……私達、勝ててませんからね」

美優「勉強だと思って、今後も頑張りましょう!」


心・美優「おー!」
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/13(土) 23:56:56.40 ID:uNR1xDDao
  ・  ・  ・

武内P「……」

武内P(プライベートで女性と……か)

武内P(立場上、意識して来なかったが……)

武内P(……彼女達のおかげかも知れない)

武内P(独り身でも、悪くないと思っていたが――)


  ・  ・  ・


菜々「〜♪」ニコニコ!

菜々(カレーは何口だろう? 楽しみだなー! キャハッ!)


  ・  ・  ・


武内P「子供が居る生活も、悪くなさそうだ」




おわり
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 00:14:34.97 ID:A9+fNtzN0
嫁よりも先に子供を考えたかw
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/14(日) 00:17:24.45 ID:rrrJR14vo
>>412
こんな、あったけぇ独身の泥沼にハマっていると自称する声優、安元洋貴
その安元洋貴と江口拓也がパーソナリティを務める、AbemaTVで配信中のバラエティ番組


『声優と夜あそび』(月曜日)


今、俺がダイマするとしたらコレです
是非、ご覧あれ
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 06:09:35.58 ID:8TNXiAAYo
武内Pを美優Pや佐藤Pから剥がすには、ちょうどいい嫁をあてがうのが一番なんだろうが
あの3人がくっついてたらどうしようもなさそうだなw

いっそ薫ちゃんとかが嫁になってしまった方が皆幸せになりそうだ
法律?知らん
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 08:42:36.77 ID:dvtm8XTso
クール橘と武内Pのカップリングって少女漫画臭がして良いと思うんだ
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 09:59:13.78 ID:P80zSH9C0
乙。いつもながら素晴らしきSSの数々よ。
この武内P、主夫すぎる……!
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 10:08:32.51 ID:arg3PlPno
ちょっと見ない間にグルメSSに……
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 10:20:27.41 ID:RNgBQ0AOO

アイドル達は意中のPを射止めるには武内Pと言う高過ぎる壁を越えなきゃならんのか
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 14:07:58.49 ID:8j8+d/8v0
職業上アイドルとの交際が駄目ならトレーナー姉妹とくっつけば波風立たないのでは
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 14:13:43.60 ID:KKykP2uTo
まゆPとくっつけば丸く収まる
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 14:38:14.38 ID:CKu5fZV8o
担当Pが既にいると明言されてるのはどのアイドルだったかな?
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 16:04:59.70 ID:wq5s/Oybo
食べたら出さないとね

アイドルの家のトイレを評価してまわるビッグベンとリトルベンお願いします

TOTO CM 「ネオレスト」60秒CM - YouTube
https://m.youtube.com/watch?v=GLj4ZxBgJRI
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 18:42:48.59 ID:ZmKd/5RSO
こんだけ料理できるならどっかのイチゴ狂いをなんとかしてやれないものか…
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 20:49:32.33 ID:8TNXiAAYo
>>534
イチゴ狂いは料理の腕は悪くないんだよ…
ただ発想がおかしいだけなんだよ…

何とかするには歯に衣着せない人間がビシッと言わないとダメだから、武内Pじゃ無理
そして信頼関係がある相手からの忠告じゃないと、多分意固地になる
となるとアインフェリアの誰かが言ってあげるのがベストだけど…こりゃ無理ゲーだな
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/14(日) 22:31:29.99 ID:rrrJR14vo

「……」


 学校から帰って、仕事用のバッグに持ち替えて。
 玄関で靴を履き、視線が止まる。
 止まったその先は、傘立て。
 今日の予報では、夕方から雨が降るらしかったからです。


「……」


 傘立てには、何本もの傘が立てられています。
 お父さんもお母さんの、少し困った癖。
 予想していない雨に降られた時、ビニール傘じゃなく、ちょっと良い傘を買うんです。
 結果、我が家の傘立ては……とても、賑やかになっています。


「……」


 折り畳みの傘だと濡れてしまう程降ったから、だとは思います。
 大人にとっては、確かに手狭に感じるサイズですから。
 だけど、やっぱり使われない傘が出てきてしまっています。
 私は、そんな傘達から、目を離せずにいました。


「……」


 最初に手にとったのは、いつも私が使っている傘。
 水色の、子供用。
 だけど、私が傘立てから引き抜いたのは、別の傘。
 ネイビーブルーの、大人用。
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/14(日) 22:53:01.59 ID:rrrJR14vo

「……よし、と」


 玄関を出て、しっかりと鍵をかけたか確認します。
 これをやるのは、朝学校へ行く時と、夕方プロダクションへ行く時の二回。
 当然、それ以外にもありますが、基本的にはその二回です。
 小学生とアイドルの、切り替えをしている気分ですね。


「あ」


 学校から帰る時から、もう曇り空ではありました。
 地面を見ると、水滴がポツポツとアスファルトを濡らしていっています。
 雨が、降り出しました。
 私が駅のホームにつくまで待ってくれたら、なんて言っても仕方ありませんね。


「ん」


 傘を開くべく、バンドの部分に手をやって、一瞬。
 指先に触れた茶色いボタンを見て、この傘を選んで正解だったと思いました。
 マジックテープも、とっても便利だとは思います。
 だけど、こういう小さな所に、私は「大人」を感じます。


「よいしょ」


 開く時も、ワンタッチではありません。
 大きな傘の持ち手を左手で抑え、右手をグッと押し込んで傘を広げます。
 開いた傘を手に持って――わ、重い……これで良し。
 傘を肩に担ぐのは少し子供っぽいですが、アンブレラタチバナ、出勤します。
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/14(日) 22:58:17.96 ID:TuttMu25o
どう話が転がるのかドキドキするわ
うんこ漏らすのか心配や
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/14(日) 23:09:40.43 ID:rrrJR14vo
  ・  ・  ・

「……ふぅ」


 駅の構内、雨が降り込んで来ない所まで進み、一息つきます。
 始めは、とても良い感じでした。
 何せ、いつも使ってる傘よりもかなり大きい訳ですから。
 雨の日にちょっとやそっとじゃ濡れないというのは、それだけで快適だと思います。


「……」


 失敗の原因は、私自身にあります。
 傘を真っ直ぐ立てて持つのが、大人っぽくて格好良い。
 そんな風には、いつも思っていました。
 なので、挑戦し……あえなく返り討ちにあいました。


「……よい、しょ」


 バランスをとって、このまま行けると思った時、風が吹きました。
 肩に担いでいたら、なんてことはなかった風。
 でも、そんな風にすら負けてしまう程度には、この傘は私の手に余る物でした。
 現に、今もこうして畳むだけでも大変な思いをしています。


「ん……これ、で……」


 よし。
 畳んだ傘のバンドのボタンを留めただけだと、傘の真ん中が膨らんでいました。
 だから、指で引っ張ってピシッと綺麗に形を整えました。
 アイドルなら、持ち物の細かい部分の見た目にも気を遣えないと。
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/14(日) 23:27:11.80 ID:rrrJR14vo
  ・  ・  ・

「……」


 改札をくぐり、エスカレーターに乗って駅のホームへ。
 雨だから滑らないよう、しっかりと手すりを掴んで。
 傘が大きくてどうしようと思いましたが、持ち手のもっと先を掴む事にしました。
 落っことしたら危ないですし……手が、ビショビショになりましたけど。


「……」


 電車を待ってる間に、ハンカチで手を拭きたいと思いました。
 でも、どうしても傘がその存在を主張してきます。
 腕に引っ掛けておくのは名案だと思いましたが、
ハンカチを出す時にどうしても床に触れてしまってカチャカチャ音が出るので、却下。


「……」


 私が尊敬する人達だったら、そうはしないと思ったからです。
 だって、変に音を出すのは格好悪いですし、それに、
動く腕に合わせて傘が動いて危ないじゃないですか。
 そうして迷っている間に、電車が来て……良いです、どうせ乾きますから。



「――あっ」



 ホームに停車するため、ゆっくり走っている電車の窓から。
 私の知っている人の姿が見えました。
 その人が乗っている車両は、私が乗り込む予定だった車両の、一つ隣。
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/14(日) 23:40:02.51 ID:rrrJR14vo

「……」


 見間違え無いと思います。
 でも、どうしよう。
 ……なんて、考えているのも束の間。
 停車した電車のドアが、プシュウと音を立てて開きました。


「……」


 私は、あの人に気付きました。
 だけど、あの人が私に気付いていたとは限りません。


「……」


 考えた結果、私はほんのちょっとだけ早歩きをして、隣の車両のドアへ。
 電車に乗り込む時、気づかない内に引きずっていた傘が、
電車とホームの隙間に当たってパチンと音を立てて跳ねました。
 ちょっとビックリしましたが、落としたりなんかはしません。



「おはようございます」



 電車内だからか、頷くような仕草をしながら、挨拶をされました。
 だから私も、



「おはようございます」



 それを真似て、しっかりと挨拶を返しました。
 ……気付いてて、くれたみたいです。
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/15(月) 00:01:58.00 ID:FEMhkyywo

「もう、降り出しましたか」


 電車の座席と座席の間にある、高い吊り革。
 私では手の届かないそれに手をかけなおしながら、言われました。
 多分、これは私に気を遣ってくれているんだと思います。
 電車の中からでも、雨が降っているのはわかっていたでしょうから。


「はい。でも、あまり強くは無いです」


 この人は、あまりコミュニケーションが得意では無い、らしいです。
 お仕事で一緒になった時、この人が担当しているアイドルの人に色々聞きました。
 でも、優しい人だ、って。
 ……その前に、顔は怖いけど、って前置きがあったのは、内緒です。



「……――どうぞ、使って下さい」



 上着のポケットから取り出された、水色のハンカチ。
 低い声と一緒に差し出されたそれを見ながら、私は困ってしまいました。
 一方の手は入り口横のバー、反対の手は傘を持っていたからです。
 これじゃ、受け取るに受け取れません。


「傘は、私が持っていますから」


 そう言いながら突き出されたのは、薬指と小指。
 ハンカチは、残った三本の指に収まっていました。
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 00:03:51.00 ID:fubfxopOo
やだなにこのイケメン
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/15(月) 00:20:51.22 ID:FEMhkyywo

「あ、はい……!」


 ガタンゴトンと揺れる、雨で床が濡れた電車内。
 片手には鞄を持っているので、反対の手はどこかを掴まないと危ないです。
 だから、すぐに傘を渡してハンカチを受け取らなきゃと思い、傘を差し出しました。
 すると、


「お預かりしておきます」


 大きな手の薬指と小指だけで、軽々と傘を。
 私が指の全部を使って持つのよりも、安定しているように見えました。
 それにちょっと驚きながら、ハンカチを受け取ります。
 これも、普段私が使っているのよりも、ずっと大きいハンカチです。


「……」


 渡した傘は、そのまま右手に居続ける事無く、左手に。
 鞄の持ち手と一緒に、危なげなく収まりました。
 私の手だと、どっちかを持つだけで精一杯だと思います。
 そうして、役目を果たしたと言わんばかりに、右手は吊り革に帰っていきました。


「あ……ありがとう、ございます」


 その動作は、とても自然で……大人っぽく見えて。
 ハッキリと言いたかった感謝の言葉が、どうしても小さくなってしまいました。
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/15(月) 00:37:56.41 ID:FEMhkyywo
  ・  ・  ・

「あの……」


 手と――軽く髪を拭き終わったハンカチ。
 私は大丈夫だと言ったんです。
 それなのに、風邪をひくといけないから、って……受け取ってくれなくて。
 兎に角、借りたハンカチを返すべく、差し出しました。


「すみません、降りてからでも?」


 言われて、目線の先を追ってみると、次の停車駅が表示されていました。
 次の駅は、346プロダクションの最寄り駅。
 気づかない内に、もうすぐ着く所まで来てたなんて。


「停車近くになると、危ないですから」


 ほんの少しだけ、吊り革を揺らして。
 そう言われてしまったら、私からは、何も言えなくなってしまいます。
 電車内ですから、他の乗客の人も居ます。
 私に出来る事と言ったら、


「はい……」


 電車を降りた後。
 ハンカチを貸してくれたお礼と、ずっと傘を持っていてくれたお礼。
 どっちを先に言うべきかを考えること位でした。
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 00:43:10.80 ID:7eMMrU0S0
クロス物一つもわからないから書くときに言って欲しい
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 00:48:34.72 ID:Jbj2YhBLo
>>546
お前みたいなワガママな読者がいるから書くのが嫌になるんだよなあ
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/15(月) 01:01:58.95 ID:FEMhkyywo
  ・  ・  ・

「まだ……・降っていますね」


 電車から駅のホームに降りて、空を見上げて。
 私が何かを言う前に、低い声が雨音に消される事なく届いてきました。
 そこで、ふと気付きました。


「傘、持ってないんですか?」


 そんな私の、口をついて出た質問。


「いえ、大丈夫です」


 右手を首筋にやって、一旦言葉が途切れました。
 その言葉の続きを待っている間に、鞄の横から取り出されたのは――折り畳み傘。
 広げたらどの位の大きさになるのかわかりません。
 でも、大人でも大柄なこの人にとっては、ちょっと頼りなさげに見えます。


「……」


 左手に鞄と一緒に持たれている、ネイビーブルーの大きな傘。
 右手に持たれている、黒い小さな折り畳み傘。



「あの……良ければ――!」



 傘を持ってくれたお礼は、傘で。
 ハンカチを貸してくれたお礼は、この人が濡れないように。
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/15(月) 01:30:28.89 ID:FEMhkyywo
  ・  ・  ・

「……」


 手に持っている傘は、とっても軽いです。
 大きさも、この位の雨だったら全然濡れずに済む位はあります。
 私にとっては、丁度良いです。
 それに、


「……」


 私が持っていた傘は、この人には丁度良かったみたいです。
 隣を歩く姿を傘をちょっと傾け、見上げて確認。
 折り畳み傘だと、傘を手に持ってるのと反対の肩が濡れてたかも。
 我ながら、良い提案だったと思います。


「……〜♪」


 それに機嫌を良くして、傘をクルッと回し――そうになったけど、我慢。
 あまりにも子供っぽいし、水しぶきが飛んじゃいますから。


「……」


 無理に背伸びをするのは、良い事じゃないと思ってました。
 でも、背伸びをしてなきゃ、こうはなってませんでした。


「〜♪」


 パチャン、と。
 長靴で水たまりを渡っていく、私の足取り。
 それは、大人の女性には無い。
 子供ならではの軽やかさがあるって思える、雨の日でした。



おわり
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 01:37:31.68 ID:fubfxopOo
乙でした
こうしてちょっとずつ背伸びをしながら大人になっていくんだなあ
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 03:26:54.21 ID:S9GBbDfk0
季節的にもあって良きものを読ませてもらいました
しかし小学生の成人男性観になんて酷いことをするんだ
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 04:13:05.47 ID:1Uc42taPo
あれを一般男性像にしたら高確率で売れ残る感
にしても視点がどっからでも書けるんだな凄えや
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 04:39:50.57 ID:q0ShoO1oO
文香にあんちょこ作って諭させる武内P
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 05:26:29.89 ID:YLmrgUmDO
響子やまゆ、かな子や愛梨、さらに瑞樹や葵にまでパーフェクトなスイーツ(志保「パフェですね!」)を作って、今まで作ってきたのは何だったんだ……

と意図はなくても挫折させる武内Pとかも見たいな
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 08:27:19.22 ID:vTPNBUdCO
>>1以外の書き込みもあるとは言えスレが折り返しにきても未だ汚い話がきていない…だと?
もしやこの>>1は偽者ではなかろうか
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 10:56:47.56 ID:GCmHkJrxO
汚いのが足りねえよ
頼むよ汚いのをくれよ
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 11:05:44.38 ID:E3sQ7CrJO
汚いのより最近活きの良いしぶりんが足りないと思うの
茜ちゃんのタックルに怯えるしぶりんは傑作だと思う
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 12:30:02.11 ID:nzrsoOH7o
つまり間を取って活きの良い汚いしぶりん?
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 12:54:34.16 ID:YLmrgUmDO
乃々を非難させないと……
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 13:18:37.96 ID:Q+dkExtH0
読者のレス増えたよなぁ
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 22:00:59.69 ID:1Uc42taPo
臍の人も新作出したからそれ読んで読者様は一旦落ち着け
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 22:20:42.13 ID:Jbj2YhBLo
臍の人と同一人物だと思ってた
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/15(月) 22:23:38.75 ID:FEMhkyywo

「っしゃあ! いくぞオラァ!」


 腕相撲。
 腕の力を競う遊びの一種であるが、互いの力を確かめ合うための儀式にも用いられる。
 私の眼前で瞳を爛々と輝かせている彼女が求めているのは、後者。
 何度も丁重にお断りしたのだが、結局聞き入れては貰えなかった。


「……はい」


 彼女が促すまま立ち上がり、右の肘をデスクに着け、構えた。
 それを見て、口の端を釣り上げて獰猛な笑みを浮かべる彼女は、何を思っているのだろうか。
 勝利への絶対の自信か、はたまた、勝負するという行為自体への喜びか。
 いずれにせよ、早々に決着をつけなければ、業務に支障が出てしまう。


「わざと負けるような真似したら……わかってんだろうな?」


 見透かされ、一瞬、体を強張らせてしまった。
 硬直したままの右の手の平が、戒められるかの如く、強く握り締められた。
 しかし、私と彼女は体格にかなりの違いがある。
 当然、手の大きさも差があるため、収まりの良い握り方を探すためか、
拘束は時間にするとほんの僅かの間だった。


「本気を出さねぇと、承知しねえ」


 グッ、グッ、と二回。
 やっとしっくり来る場所を見つけたのか、彼女は私の手の平をしっかりと握り締めた。
 顎を引き、射抜くような視線を向けてくる彼女に対して、私が出来る事。
 それは、彼女の想いに全力で応える事しか無い、と……そう、思います。


「はい、わかりました」


 私の返事を聞いた彼女は、


「へへっ! そうこなくっちゃな!」


 満面の笑みを浮かべた。


「……良い、笑顔です」


 これから行うのは、力と力の真剣勝負。
 真剣勝負の前に、これ以上の言葉は不要。


「……いくぜ」


 不覚にも、緊張し……勝負が楽しみになっている自分が居る事に気付いた。
 脇を締め、引き寄せるようにし、腕が鋼鉄の塊になったイメージで、そのまま――倒し切る。


「レディー……!」


 緊張の、一瞬。



「ゴ――ッ!」



 ――ブボウッ!



 ……どこへ?
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/15(月) 22:57:58.05 ID:FEMhkyywo

「……」


 一瞬だけ、彼女の手には力が込められてはいた。
 だが、爆発音にかき消される様にして、雲散霧消。
 そのまま、何の抵抗もなく傾いた天秤は、勝敗の行方をハッキリと見せつけていた。
 私は、勝ったのだ。


「あの……」


 しかし、勝利の代償はあまりにも大きかった……らしい。
 敗者の表情を窺うのは、失礼に当たるのは理解している。


「……大丈夫ですか?」


 額を机にこすりつけている上に、
長い黒髪がカーテンの様になって、彼女の顔を隠している。
 両肩は震え、アイドリング中のバイクを彷彿とさせる。
 右手はテーブルに磔になったままで、左手は……私の視線の届かないテーブルの下で、
暴走してしまった何かを必死に抑えつけている様だった。


「あの……」


 返事が、無い。
 私は、彼女の異常を察知し、そのままになっていた右手を離そうとした。
 離れそうになる、手の平と手の平。
 引き上げた右手に……ピッタリと着いて来る、感触。


「えっ?」


 弱々しくだが、しっかりと。
 傾いていた天秤は、元の位置に戻り……勝負が始まる前の場所へ。
 振りほどこうと思えば、いとも容易くそれは完了するだろう。
 そうしなかった……いや、出来なかったのは、
掴んでいる手が、すがる様に震えていたからだ。


「あの……」


 ……まさか。



「へへっ……そうこなくっちゃな……!」



 つい先程も聞いた言葉。
 同じ台詞ではあるが、本当に楽しげだった初回に比べ、
今の声は負け戦に挑んでいく戦士の悲痛な叫び声の様だった。
 ……あの、まさかとは思いますが、



「へへっ! そうこなくっちゃなぁっ!」



 私に、何事も無かったかの様に振る舞え、と?


「……」


 すみません、貴女の想いに応えたいとは思います。
 ですが、今は悠長にしている場合では無い、と……そう、考えています。
 先程から漂って来ている、異臭。
 その問題を片付けるのが、重要な事だと思うのですが……。
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 23:05:25.21 ID:upXzkdSzo
汚いのが来た
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 23:16:36.96 ID:ZJjuKQHvo
ブボボ(`;ω;´)モワッ

↑まさに今こんな表情なのだろう
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/15(月) 23:33:29.27 ID:FEMhkyywo

「……」


 全力を出そうとした結果の、不幸な事故。
 不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった……と、言っていましたか。
 不良は不良でも、素行ではなく体調の方が不良だったのかも知れません。
 なので、どうか、


「〜〜っ!」


 涙を溜めた状態で、笑顔を向けないでください。
 既に、貴女の特攻は成功しています。


「あっ、おっ!?」


 癖で、右手を首筋にやろうとしたが、その場に留められた。
 だが、その時咄嗟に力が入ってしまったのか、はたまた、偶然か。
 彼女は再び額をテーブルにこすりつけ、黒髪が波打つ。
 肩の震えは今までよりも大きく、原動機付自転車と大型二輪程のパワーの違いを感じさせた。


「……!……!」


 永遠とも思える、十数秒間。
 私は、ただ無言でその様子を見守る事しか出来なかった。
 そして遂に、震えは止まった。
 ゆっくりと上げられる、彼女の顔には、



「へへっ! そうこなくっちゃな!」



 何とも形容し難い、様々な感情を煮詰めて大量のミントを加えた様な、
どす黒い爽やかな笑顔が張り付いていた。
 瞳の奥に揺れる炎は、何を燃料として燃え盛っている華なのだろうか。
 ……願わくば、私に対しての恨み節では、ありませんように。
 私は、追突された被害者の側の人間だと……そう、思いますから。


「……良い、笑顔です」


 言いながら、右手に力を込めた。


「……夜露士苦」


 開始のコールをする気力は、無いらしい。


「レディー……」


 私のコールを聞いて、彼女がはほんの僅かにだが、右手に力を込めた。


 ――プッ!


「……ゴー」


 決着は、一瞬。
 地面に突き立てた棒が重力によって倒れる様にして、パタリと。
 空虚な勝利の味を噛み締めながら、三度突っ伏している彼女の後頭部を眺めた。
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 00:09:14.97 ID:sR3swdC7o

「……」


 力の緩んだ右手から、そっと自らの手を離す。
 そして、彼女に背を向け、一直線に窓へと行き、可能な限り開け放つ。
 排気ガスによって汚染された空気の、なんと美味い事か。
 通りを行き交う車のドライバーに、感謝の言葉を述べても良い。


「……」


 さて、これからどうしたものか。
 心の準備と今後のスケジュールの調整をしながら、背後にチラリと視線を向けた。


「えっ?」


 誰も、居ない。
 確かに、すぐ先程まで彼女はそこに居た筈だ。
 夢や幻で無い事は、未だ手の平に残る彼女の手のぬくもりと、
全開バリバリで私の嗅覚を痛めつけてくる臭いが、その証拠。


「……!?」


 まさか。


「っ……!」


 慌てて、彼女が居た場所へと走り寄った。


「……」


 ……良かった。
 体調不良で倒れている訳では、無かったようですね。


「……」


 落とした視線の先には、彼女が脱ぎ捨てていった衣類がまとめて置いてあった。
 残されているソレから察するに、彼女は今、下半身に何も纏っていない状態。
 誰にも見つからずに、走り切る事が出来るだろうか。
 ……いや、心配する必要は無いだろう。


「……」


 そんな義理は、無いと思います。


「……」


 茶色い線で書かれた、『夜露士苦』の四文字。
 画数が多い『露』を判別させるためか、大きく書かれていた。


「……」


 腕相撲には勝ったが、私が得たものは何一つ無かった。
 タイマンが決闘罪とされるのは、こういった理由があるのかも知れない。
 そんな考えても詮無い事を悲しみの栓としながら、掃除をするべく行動を開始した。
 鼻栓はもう不要だと思う程、私の鼻は曲がっていた。



おわり
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 00:15:39.44 ID:kiOsC+IDo
いい加減げんこつの一つや二つくれてやってもいいのでは?
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 00:21:13.98 ID:bIvjhW110
なに文字なんか残してんだw
あと夜遊び見たよ、面白かった
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 00:37:56.27 ID:vKTcGkB5O

アイドル達は武内Pがいない所では粗相しないのか
それとも特異点じみた何かと化した武内Pの前だからこそ粗相してしまうのか
武内P不在でもやらかしていたとしてその場合どう切り抜けてきたのか
>>1の書く汚い話には人類ではまだ解明出来ない謎に満ち溢れているな
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 13:46:54.83 ID:sR3swdC7o
書きます


武内P「ぱふぱふ、ですか」
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 13:49:42.95 ID:sR3swdC7o
ありす「はい。ぱふぱふ、って何ですか?」

武内P「あの……何故、それを?」

ありす「タブレットでゲームをしてた時に、出てきたんです」

武内P「……成る程」


美波「プロデューサーさん、詳しく教えて下さい♪」ニコッ!

文香「あ……あの……!///」オロオロ!


武内P「……」

武内P「待ってください」
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 13:56:17.80 ID:sR3swdC7o
武内P「橘さんを誘導しましたか?」

文香「す、すみません……止める事が、出来ませんでした……///」ペコペコ!

武内P「ええ、鷺沢さんの事は信じていました」

美波「誘導だなんて、そんな……」


美波「――弟がこのゲームが面白い……って言ってた、って伝えて」

美波「――プレイしてわからない事がある……って相談を受けて」

美波「――じゃあ、聞いてみましょ……って此処に来ただけです!」


武内P「……」

武内P「誘導と言うよりも、レールを敷いていますね」
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 14:01:49.75 ID:sR3swdC7o
ありす「ぱふぱふ、って一体何なんですか?」

武内P「すみません、説明するのは難しく……」

ありす「えっ? そうなんですか?」

武内P「……はい、すみません」


美波「それって、つまり……」

美波「……――実際に、やってみせるって事ですか?」キランッ!

文香「っ!?///」ビクッ!


武内P「違います」

武内P「お願いします、そんな目で見ないでください」
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 14:07:32.54 ID:sR3swdC7o
ありす「ぱふぱふ、ここでも出来る事なんですね」

武内P「察しが早くて、助けてください」

ありす「私にも出来ますか?」

武内P「駄目です、いけません」


美波「それじゃあ、私と文香さんなら?」

美波「プロデューサーさんは、どっちとぱふぱふしたいですか?」

文香「えっ、ええっ!?///」オロオロ!


武内P「……」

武内P「新田さん、後で話があります」
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 14:12:39.98 ID:sR3swdC7o
美波「えっと……ぱふぱふしたいのは、私って事でしょうか?」

武内P「違います。そういう意味ではありません」

文香「そ、そんな……その、困ってしまいます……!///」チラッチラッ!

武内P「この場で一番困っているのは、間違いなく私です」


ありす「ぱふぱふって……困る様な事なんですか?」

美波「どうなんだろう……何となく、良い事な気がするんだけど」

文香「……!///」プシューッ!


武内P「……」

武内P「待ってください」
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 14:18:37.91 ID:sR3swdC7o
武内P「新田さんは、ぱふぱふをご存知無いのですか?」

美波「? はい」

武内P「……本当ですか?」

美波「もうっ! だから、聞きに来たんじゃないですか!」

武内P「……」


美波「プロデューサーさん、ぱふぱふって何ですか?」

美波「わからない事をそのままにしておくのって……」

美波「……お姉さんとして、良くないなと思ったんです」ニコッ!


武内P「……」

武内P「良い、笑顔です……」
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 14:25:52.49 ID:sR3swdC7o
武内P「鷺沢さんは、ご存知なのでしょうか?」

文香「えっ!?/// いえ、私は……その……!///」オロオロ!

武内P「その反応を見るに……」

文香「は……はい……///」コクリ


文香「じ、実際に……やってみた事は、ありません……///」モジモジ!

文香「ですが、どのような行為かは、わかっているつもりです……///」ソワソワ!

文香「書から学んだ知識ではありますが、ええと……その……///」オズオズ!


武内P「それ以上の説明は待ってください」

武内P「今の時点で、かなり赤裸々すぎます」
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 14:31:14.47 ID:sR3swdC7o
ありす「凄いです! さすが、文香さんです!」

美波「もうっ、文香さんはぱふぱふが何か知ってたのね!」

文香「えっ!? あっ……!」チラッ!

武内P「待ってください! 今、助けを求める視線を向けられては――」


美波「ありすちゃん、知ってて黙ってたオシオキが必要じゃない?」

ありす「オシオキって……文香さんにですか?」

美波「そうよ、だって内緒にしてたなんてひどいじゃない」

ありす「でも……」

美波「だから、ぱふぱふをここでやって見せて貰いましょ♪」ニコッ!

ありす「成る程! それは、とってもいい考えだと思います!」ニコッ!


武内P「――こうなります」

文香「……!?///」
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 14:38:43.10 ID:sR3swdC7o
美波「そういう訳で、お願いね文香さん♪」ニコッ!

文香「あの、私は……!///」ワタワタ!

ありす「文香さんのぱふぱふ、楽しみです!」ニコッ!

文香「あ、ありすちゃん……!?///」オロオロ!


文香「っ……///」チラッ!


武内P「鷺沢さん?」


文香「明るいと、恥ずかしさで上手く出来そうにないので……///」モジモジ!

文香「……で……電気を消しても良ければ……///」カァァ!


武内P「鷺沢さん!?」
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 14:43:47.64 ID:kiOsC+IDo
文香ァがミナミィかありすに実行すればいいんじゃ?
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 14:46:30.40 ID:sR3swdC7o
武内P「待ってください、その覚悟はあまりにも!」

文香「書の、知識の世界から……踏み出そうと思うのです」

武内P「状況を考えれば、踏み外すと言った方が正しいです!」

文香「道の脇に咲く花に目を奪われるのは……いけない事なのでしょうか」

武内P「側溝に足を奪われ、とても危険です!」

文香「そうならないよう……私の手を引いて頂けますか……?」ジッ…!

武内P「手を引きたいのは、この一件からです!」


美波「見逃さないように、動画を撮っておきましょ♪」ニコッ!

ありす「はい! 視点を変えて、二箇所から撮影しましょう!」ニコッ!


武内P「っ……!?」
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 14:48:29.74 ID:zM0qpVT7o
なんて適格に追い詰めやがるんだ
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 14:55:47.63 ID:sR3swdC7o
武内P「――!」

武内P「鷺沢さんが、新田さんか橘さんにする……というのは!?」


美波・ありす「えっ?」

美波「そういうのも……アリなんですか?」

ありす「アリなら、その方がわかりやすいかも……」


文香「――いえ、それでは駄目だと思います」

文香「本当のぱふぱふは、男性と女性が行ってこそ……」

文香「だから……が……頑張ります……!///」


武内P「鷺沢さん!?」

武内P「貴女の決意を無駄にはしたくない、とは思いますが!」

武内P「どうか、無駄な決意をしないでください!」
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 15:03:19.06 ID:sR3swdC7o
ありす「男性と女性が行ってこそ……」

美波「……それが、本当のぱふぱふ」

ありす「一体、どんな行為なんでしょうか?」

美波「これまでの情報と、言葉の響きから察するに――」


美波「――男性と女性が触れ合うようなものね」

美波「それに、ぱふぱふという言葉」

美波「――これは、ぱふりぱふり、って音から来てると思うの」

美波「ありすちゃんは、弟がやるゲームにも出てくるから――」

美波「――エッチそうでエッチくない少しエッチい行為」

美波「……だと思うけど、合ってますか?」


武内P「新田さんは、本当に知らないのですか!?」
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 15:04:04.83 ID:sR3swdC7o
誤)美波「ありすちゃんは、弟がやるゲームにも出てくるから――」

正)美波「ありすちゃんや、弟がやるゲームにも出てくるから――」
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 15:12:42.30 ID:sR3swdC7o
ありす「え、エッチな事だなんて……文香さんは良いんですか!?」

文香「ありすちゃん……」

ありす「駄目です! 文香さんに、そんな事させられません!」


武内P「! 橘さん、その意気です!」


文香「……でもね、ありすちゃん」

文香「遅かれ早かれ、いずれは経験する事なの」

文香「その時に、上手く出来ないと……困ってしまうでしょう?」

文香「だから、今、この時……」

文香「見守って貰えていたら、とても心強いという……私の、ワガママ」

文香「ありすちゃんは……聞いてくれる?」


ありす「聞きます!」


武内P「待ってください!」

武内P「一分も保たないのは、あまりにも!」
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 15:18:46.08 ID:sR3swdC7o
美波「プロデューサーさん、私達に見せてください!」

ありす「ぱふぱふ、しっかり見届けます!」

文香「よ……宜しくお願いします……///」モジモジ!


武内P「…………」

武内P「……」

武内P「わかりました」


美波・ありす「!」パアッ!

文香「っ!///」ドキッ!

文香「……!///」ドッキドキドキソワソワソワ!


武内P「逃げようとしても……回り込まれてしまうでしょうから」

武内P「……」

武内P「ぱふぱふ、お見せします」
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 15:25:25.96 ID:sR3swdC7o
武内P「今までの皆さんの発言は、全て正しいです」

武内P「……なので、動画撮影は控えて下さい」

武内P「鷺沢さんは、アイドルです」

武内P「万が一の場合を考えると、映像が残るのは危険ですから」


美波・ありす「はいっ!」ニコッ!

文香「……!///……!///」ソワソワソワソワ!


武内P「有難うございます」

武内P「では……」

武内P「……鷺沢さんは、こちらの方へ」


文香「はっ、はひ!///」ビクッ!


武内P「……」
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 15:30:39.71 ID:sR3swdC7o
武内P「では、準備をしますので少々お待ち下さい」

文香「じゅっ、準備……?///」ドキドキ!

武内P「はい」

…バサッ!

文香「!?///」


美波「プロデューサーさんが上着を脱いだ……?」

ありす「それが、ぱふぱふの準備なんですか?」


武内P「ええ」

…シュルッ!…プチリ、プチリ


ありす「ネクタイも外して、シャツのボタンを……」

美波「ヤダ…… ♡ なんだか、す……凄くセクシー…… ♡」


文香「……!?///……!?///」
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 15:36:41.71 ID:sR3swdC7o
武内P「ぱふぱふ」

武内P「それは、胸で相手の顔をぱふりぱふりとする行為、です」

武内P「なので……」


美波・ありす「……!」ゴクリ!


武内P「……僭越ながら、私が」

武内P「鷺沢さんをぱふぱふしよう、と」

武内P「……そう、思います」


文香「……」

文香「!!?///」
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 15:41:46.14 ID:sR3swdC7o
文香「いえ、あの……!?///」

武内P「どうぞ、鷺沢さん」

文香「でも、それは……!?///」

武内P「これが、限界ギリギリ笑顔です」

文香「だけど、そんな……!?///」

武内P「どうぞ」

文香「けれど、その……!?///」

武内P「鷺沢さん」

文香「は、はい……///」


文香「ふ……不束者ではありますが……///」

文香「よっ、よろしくお願い致します……///」ペコリ


武内P「……」

武内P「はい」
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 15:47:18.81 ID:sR3swdC7o
文香「し……失礼します……///」

武内P「はい」

文香「っ……!///」

…ぱふっ

文香「〜〜っ!///」

武内P「この状態から、相手の頭を抱え」

…きゅっ

文香「〜〜っ!/// 〜〜っ!///」

武内P「ぱふぱふします」


ぱふぱふぱふぱふぱふぱふぱふっ ♡


ありす「……!///」

美波「も、もう……見てるだけで…… ♡」ビクビクッ!

美波「美波、イキますっ ♡」ビクーンッ!
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 15:55:04.95 ID:sR3swdC7o
武内P「……ぱふぱふは、以上になります」

ぱっ!


ありす「た、確かに……ちょっとエッチですね……///」

美波「はぁ……はぁ…… ♡ ええ、本当に…… ♡」


文香「…… ♡…… ♡」ボーッ…

フラフラっ…


ありす「ふ……文香さん?」

美波「? なんだか、目線が定まってないような……」


文香「…… ♡…… ♡」ボーッ…

…トスン


ありす・美波「座って」


文香「……っぶふっ ♡」キュルンッ!

ブバァッ!


ありす「文香さん!? 文香さーんっ!?」

美波「白目を剥いて……は、鼻血が! 鼻血がっ!」
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 16:04:37.28 ID:sR3swdC7o
  ・  ・  ・

武内P「――この様に、ぱふぱふは非常に危険な行為です」

武内P「皆さん……おわかり頂けましたか?」


ありす「はい……よく、わかりました」

美波「文香さん、もう大丈夫?」

文香「はい……すみません、ご迷惑をおかして……」


武内P「いえ、お気になさらず」

武内P「……皆さん」

武内P「ぱふぱふの説明は、もう十分ですか?」


美波・文香・ありす「……はいっ!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「そして……良い、返事です」
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 16:23:26.67 ID:sR3swdC7o
  ・  ・  ・

ちひろ「……成る程、そんな事が」

武内P「すみません、鼻血の拭き残しがあったようで」

ちひろ「ああ、いえ……それは大丈夫です……」

武内P「では、私は会議がありますので……」

ちひろ「あ……あのっ!」

武内P「? はい」


ちひろ「……プロデューサーさん」

ちひろ「ぱふぱふ、していきませんか?」


武内P「…………」

→NO

 いいえ


ちひろ「……何回でも聞きますからね?」




おわり
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 16:40:28.82 ID:kiOsC+IDo
ちっひにしてあげればええやん(そして事務所内に大量の血痕)
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 16:47:28.89 ID:pmWLxxSAO
乙!
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 17:53:29.10 ID:KOGe5MlDO
こずえや雪美や悠貴にぱふはふされたい
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 20:15:14.39 ID:sR3swdC7o
書きます


武内P「大ファンです」
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 20:18:28.75 ID:sR3swdC7o
小鳥「ピヨッ!?」

武内P「すっ、すみません、驚かせてしまった様で……」

小鳥「ええと、貴方は……」

武内P「わ、私は……こういう者で――」

ポロッ!

武内P「あっ、すっ、すみません、名刺が――」

小鳥「あっ、私が拾い――」


――そっ


小鳥「あっ」

武内P「っ!? す、すみません! すみません!」



未央・卯月・凛「……!?」
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 20:22:18.72 ID:ixr6V6z8o
ファッ!?
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 20:22:54.35 ID:sR3swdC7o
小鳥「えっと……はい、どうぞ」

武内P「す、すみません、お手数をおかけしまして……」

小鳥「ふふっ、そんなに謝らないで下さい」クスクスッ!

武内P「いっ、いえ、ですが……」

小鳥「346プロのプロデューサーさん、ですよね?」

武内P「はっ、はい!」


小鳥「ご存知みたいですけど……765プロの、音無小鳥です」

小鳥「この番組、一緒に盛り上げていきましょう♪」ニコッ!


武内P「はいっ!」



未央・卯月・凛「……!?」
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 20:26:37.79 ID:sR3swdC7o
  ・  ・  ・

未央「――第28回チキチキ!」

未央「ニュージェネ、緊急会議〜!」

未央「イエーイ! 盛り上がっていこー!」


卯月・凛「……」


未央「ほら、テンション上げてこう!?」

未央「しまむー、しぶりん! 笑顔だよ、笑顔!」


卯月・凛「……」


未央「……!」
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 20:31:30.91 ID:sR3swdC7o
未央「どうしたの、しまむー! 元気無いじゃん!」

卯月「いえ……私には、何にもありませんから……」

未央「笑顔! キラキラ輝く、笑顔があるよ!」

卯月「笑顔なんて……誰でも出来るもん……!」

未央「出来てないよ! 出来ないよ!」


未央「しぶりん! 今日は、クールな感じはやめとこ! ねっ!?」

凛「…………なんで?」

未央「元気出してこう、って事! オッケー?」

凛「…………うん、オッケー」

未央「ノー! しぶりんが出してるの負のオーラだよ!?」


卯月・凛「…………」


未央「……!」
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 20:35:02.52 ID:sR3swdC7o
未央「二人共、元気無さ過ぎだってば!」

未央「この間の、765プロさんとのお仕事から!」


卯月・凛「っ!?」ビクッ!


未央「あああ、ごめんごめん!」

未央「怖いこと言ってごめんね、言ってないけど!」

未央「……とにかく、話し合お!? ねっ!?」

未央「このままじゃダメだって! マジで!」


卯月・凛「…………」…コクリ


未央「返事をする元気すら無いの!?」
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 20:41:20.10 ID:sR3swdC7o
未央「しょうが無いじゃん、私ら以外のファンだって!」

未央「そもそもさ、良い?」

未央「346プロのアイドル部門が出来たの、数年前だよ?」

未央「プロデューサーが進路を決める時にさ?」

未央「……346プロ、無かったんだもん!」

未央「他プロダクションの人のファンだって、しょうがないって!」


卯月「そんな事で悩んでるんじゃないもん!!」


未央「うっわ!? ビックリした!」


凛「ビックリしたのはこっち! 何、あの取り乱し方!?」


未央「私に聞かれても困るけど……オッケー!」

未央「良いよ、二人共! 声出てきた! 良いよ良いよー!」
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 20:49:32.45 ID:sR3swdC7o
未央「……しまむーは、何で悩んでるの?」


卯月「あんなの、絶対好きじゃないですか!」

卯月「……好きじゃないですか」

卯月「好きじゃないですか――っ!!」


未央「よく言ってくれたね、しまむー!」

未央「直球過ぎて、ビリビリしびれたよ!」

未央「……しぶりん、取り乱し方って?」


凛「名刺入れを落としたり! 手が触れて飛び退いたり!」

凛「何なの!? 相手は、事務員の人でしょ!? はぁ!?」

凛「握手してくだ、くだ、くださいっ!? ふざっ、ふざけないでよ!!」


未央「オッケー! オッケー、しぶりん!」

未央「しぶりんの怒り、伝わってきてるよ! すっげ怖い!」
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 20:56:16.42 ID:sR3swdC7o
未央「わかった! 二人の気持ち、よ〜っくわかりました!」

卯月「わかったからって、何だって言うんですか!」

未央「しまむー、言葉のトゲが槍みたいだよ!」

凛「全然わかってない! アイドル辞める!?」

未央「今、アイドルの話は関係ないから! ノー、八つ当たり!」


未央「――敵を知り、己を知れば百戦危うからず!」

未央「この未央ちゃんの特技は?」

未央「さあ、しまむー、しぶりん! 答えてどうぞ!」


卯月・凛「うるさい!」


未央「ぶっとばすぞ!」

未央「あー、あー! せっかくなー! 765のアイドルさん達になー!」

未央「音無小鳥さんの事、色々聞いてきたのになー!」


卯月・凛「!!」
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 21:01:29.63 ID:sR3swdC7o
卯月「み……未央ちゃん……?」

未央「私の特技は、誰とでも仲良くなれる事です」

凛「ほ……本田さん……?」

未央「尊敬するのは良いよ。でも、その呼び方は距離を感じるよ」


未央「――敵を知り、己を知れば百戦危うからず」

未央「私が聞いてきた、音無小鳥さんの情報を元に!」

未央「緊急対策会議をする人!」

未央「この指止ーまれっ♪」ニコッ!


卯月・凛「……!」

バッ!


未央「あはは、よーしよしよ――よくない! よくない!」

未央「イタタタ! 折れる折れる! 指、指が折れるってぇ!!」
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 21:07:47.53 ID:sR3swdC7o
未央「う……おおおらあっ!」

未央「はぁ……! はぁ……!」

未央「落ち着いて! まず、二人共そこ座って!」


卯月・凛「はいっ、リーダー!」

ストンッ!


未央「……ゴホンッ!」

未央「――第29回チキチキ!」

未央「ニュージェネ、緊急会議〜!」


卯月・凛「イエェェ――イッ!!」ゴァァ!


未央「圧が凄い!!」

未央「もうちょっとだけ盛り上がりを抑えて!?」
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 21:11:17.17 ID:sR3swdC7o
未央「では、どんどん説明していきます」

卯月・凛「……!」コクリ!


未央「音無小鳥さん……可愛い人だったよね?」


卯月「でも、わた……凛ちゃんの方が可愛いです」

凛「いや、わた……卯月の方が可愛いと思うけど」


未央「せめて、どっちかは私の名前を挙げなさいよ」

未央「そういう時こそ、リーダーに忖度してこうよ」

未央「……まあ、それは置いておいて」


未央「音無小鳥さん、彼氏募集中だそうです」


卯月・凛「…………」


未央「何か言ってよ」
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 21:19:15.07 ID:sR3swdC7o
未央「ねえ、二人共?」

卯月「凛ちゃん、接着剤持ってますか?」

未央「ん? どうしたの?」

凛「無いけど、針と糸ならあるかな」

未央「おやおや、そんな口の閉じさせ方ある?」


未央「付け加えておくとだね」

未央「彼氏居ない歴=年齢」

未央「……みたいだよ?」


卯月・凛「……」

卯月・凛「な〜んだ!」ニコッ!


未央「もんの凄い笑顔だね、二人共」

未央「そんな心の底からの笑顔、今見たくなかったよ」
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 21:26:26.90 ID:sR3swdC7o
卯月「ふふっ! でも、安心しました♪」ニコニコッ!

未央「その笑顔、誰にでも出来る笑顔じゃないね!」

凛「ふふっ! 心配して損しちゃった♪」ニコニコッ!

未央「誰? いや、しぶりんだけど……ねえ、誰?」


卯月「だって、あんな素敵そうな人なんですよ?」

卯月「それなのに、彼氏居ない歴=年齢、って言う事は……」

卯月「きっと、何か致命的な欠点があるに違いないです♪」ニコッ!


未央「ふむふむ」


凛「かなり若く見えたけど、二十代の後半じゃないかな」

凛「それで、ずっと彼氏募集中だった訳でしょ?」

凛「条件が厳しすぎるんじゃないの、知らないけど♪」ニコッ!


未央「なるほどぉ」

未央「とりあえず、二人共一回笑顔は引っ込めようか」
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 21:35:15.35 ID:sR3swdC7o
未央「まず、しまむーの方からね」

卯月「はい?」

未央「欠点は、確かにあるみたい」

卯月「あっ、やっぱり♪」ニコッ!

未央「うっかりさんだったり、妄想癖があったりするらしいよ」

卯月「はい♪ それで?」

未央「それだけ」

卯月「……それだけ?」

未央「そう、それだけ」


卯月「そっ……そんなの!!」

卯月「346プロダクションじゃ、個性の一言で済むじゃないですか!!」


未央「はい、その通り」
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 21:40:07.52 ID:sR3swdC7o
未央「そして、しぶりんの方ね」

凛「へっ?」

未央「条件が厳しい、との事だけどさ」

凛「うん」

未央「例えば、高い条件ってどんなのがある?」

凛「えっ?」

未央「高学歴、高収入、高身長とかさ」

凛「……!?」

未央「もう、気付いたみたいだね」


凛「たっ、確かにプロデューサーは格好良いかも知れないけど!」

凛「でも、最初は怖く見えるっていうか、徐々に可愛い所もあるんだな、って!」

凛「ふっ、ふざけないでよ! 優しい笑顔もするって、知らないでしょ!?」


未央「何言ってんの?」
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 21:47:45.01 ID:sR3swdC7o
未央「とまぁ、現状はそんな感じ」

卯月・凛「……!」

未央「オッケー?」

卯月・凛「の……ノー!」

未央「二人共、その拒否には何の効力も無いからね?」

卯月・凛「い……イエス!」

未央「わかってるなら、最初からイエスって言いなさいよ」


未央「――しかぁしぃ!!」


卯月・凛「っ!?」ビクッ!


未央「これまで、彼氏が居なかった音無小鳥さん」

未央「相手の方が緊張してるから、自分はそんなに緊張しない相手でも……」

未央「……自分から、動き出せる方ではございません!」


卯月・凛「!!」
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 21:53:06.61 ID:sR3swdC7o
卯月「みっ……未央ちゃん!?」

未央「マジです! ピヨピヨ妄想して終わりらしいです!」

凛「だっ……だっさん!?」

未央「本田さんのあだ名バージョン? お願い、それはやめて」


未央「――そして!」

未央「私達のプロデューサーも、仕事が恋人という仕事人間!」

未央「いくら、相手が彼氏募集中の大ファンだったとしても!」

未央「……自分から、動き出せる方ではございません!」


卯月・凛「うんうんっ!!」パアッ!


未央「――何か無い限りは!!」


卯月・凛「……」

卯月・凛「うんっ?」
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 21:58:46.97 ID:sR3swdC7o
卯月「何か?」

未央「無い限りは!!」

凛「どういう事?」

未央「そういう事!!」


未央「いやー、何て言うかさ?」

未央「あんなに慌ててるプロデューサー見てたら、面白くなっちゃって」

未央「765プロのアイドルさん達と協力してさ?」


卯月・凛「……」


未央「連絡先、交換させちゃいましたとさ♪」テヘペロ!


卯月・凛「本田ぁ――ーっ!!」


未央「良かれと思って! 良かれと思って!」

未央「……はーい! 悪ぅござんした、とぅいまてんでしたー!」
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 22:06:57.07 ID:sR3swdC7o
未央「だぁって! お似合いに見えたんだってぇ!」

卯月「ふふっ♪ 未央ちゃん、目を食いしばって下さい♪」

未央「目を!? 私、目ぇ潰されるの!?」

凛「ふーん、それが嫌なら一機失う事になるけど」

未央「人間は残機無いよ! 一度きりだから、一生懸命生きるんだよ!」


未央「待って! 落ち着いて!」

未央「話には、まだ続きがあるから!」

未央「良いの!?……良いの!?」


卯月・凛「…………」クイッ!


未央「……ふーっ、とんだじゃじゃ馬だね!」

未央「顎で話の続きを促すなんて、珍しいものが見られてラッキー☆」

未央「……あっ、すみません! 今、話します!」
622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 22:14:32.50 ID:sR3swdC7o
未央「良いニュースと、悪いニュース」

未央「……どっちを先に聞きたい?」


卯月・凛「……悪いニュース」


未央「はい、かしこまり」

未央「悪いニュースは――ピアノバー『「Unamela」』」

未央「そこで、音無小鳥さんが時々歌ってるらしく……」

未央「……今度歌う時、プロデューサーも見に行くみたいです」


卯月・凛「…………良いニュースは?」


未央「悪いニュースが、一つしか無い事です」


卯月・凛「…………」


未央「何か言ってよ」
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 22:28:27.96 ID:sR3swdC7o
卯月「……何かの間違いじゃ?」

未央「情報の出所は確かなんだよね」

凛「……それ、どこ情報?」

未央「ジュンジュン。765プロの社長さん」

卯月「ええっ!? そんな人と、知り合いに?」

未央「すっごいノリがいい人でさ〜」

凛「あだ名で呼ぶなんて、未央らしいけど」

未央「でしょ? そこが私の良い所♪」


卯月「ガチの話じゃないですか――っ!」

卯月「バーって、オシャレな所ですよね!?」


凛「ふーん、そうなんだ」

凛「ふっ、ふっふ――ふうううぅぅぅんんんあぁ!?」


未央「ごめんて! だから、ごめんって!」
624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 22:36:14.03 ID:sR3swdC7o
卯月「それ、いつの話ですか!?」

未央「なんと、今晩の話」

凛「どうして今まで黙ってたの!?」

未央「怒ると思って」

卯月「怒るわけないじゃないですか! 怒りますよ!?」

未央「どっち?」

凛「止める方法は!? 何か、考えがあるんでしょ!?」

未央「それじゃあ、このホワイトボードを使って」


未央「――第30回チキチキ!」

未央「ニュージェネ、緊急会議〜!」

未央「議題は……」キュキュッ!


『プロデューサーの恋路を邪魔する方法』


卯月「いや、その書き方……」

凛「もうちょっと……何とかならない?」


未央「……今更格好つけようとしないでよ」
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 22:42:03.03 ID:sR3swdC7o
卯月「はいっ!」


未央「はい、しまむー!」


卯月「いっ、行かないで下さい!……って!」

卯月「プロデューサーさんに言います!」


未央「うん、良い案だと思う!」

未央「でもねぇ、今日はプロデューサーは出先から直帰」

未央「今日は、ここに来る予定はございません!」


凛「だっ、だったら!」

凛「その『「Unamela」』ってバーに、私達が乗り込めば!」


未央「おっと、こりゃまた大胆な案!」

未央「でもねぇ、予定では22時以降の話らしいんだよね」

未央「つまり、その案は私達には実行不可能でございます!」


卯月・凛「……!?」
626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 22:53:46.70 ID:sR3swdC7o
卯月「もう……未央ちゃんは、どうしたんですか!?」

未央「幸せになりたいかなぁ」

凛「ふざけないでよ! 私が、未央の不幸になるよ!?」

未央「どゆこと?」


卯月「未央ちゃんには、何か良い案は無いんですか!?」

凛「未央の胸は、ただの飾りなの!? ねえ、どうなの!」


未央「いやね、しまむー。無い事も無いんだよ?」

未央「あとね、しぶりん。別に飾ってはいないよ?」

未央「……ゴホンッ!」

未央「とりあえず、今日を乗り切る事なら出来r」


卯月・凛「名案!!」


未央「言わせてよ」
627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 22:59:30.42 ID:sR3swdC7o
未央「でもさ……ちょっと危険が伴うんだよね」

卯月「それでも! 明日を笑顔で迎えられるなら!」

未央「ものすごいヒロイン力だ」

凛「誰かの幸せが、私の幸せになると思ったら大間違いだから!」

未央「どこの小悪党?」


未央「良いんだね? 後悔しないね?」

未央「プロデューサーと、音無小鳥さんの仲……」

未央「それを邪魔するためなら、危ない橋も渡る」

未央「……その覚悟が、二人にはあるんだよね?」


卯月・凛「……!」ニコッ!


未央「……やー、良い笑顔だね」
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 23:05:04.77 ID:sR3swdC7o
未央「でも! 二人なら、そう言うと思ったよ!」ニコッ!

未央「――と、言う訳で!」

卯月・凛「?」

未央「ゲストを呼んであります」

卯月・凛「ゲスト?」

未央「うん、そろそろ来るはずなんだけど……」


コン、コン


未央「あっ、来た来た」

未央「はーい! 今開けまーすっ!」


卯月・凛「……誰?」


カチャリ

未央「はい、お待たせしました!」

ガチャッ!

未央「本日の、特別ゲストの――」


卯月・凛「……」

卯月・凛「……!?」
629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 23:13:57.95 ID:sR3swdC7o
  ・  ・  ・

「Unamela」前


武内P「……!」ドキドキ!

武内P(このドアの向こうに、音無小鳥さんが……!)

武内P(……今日は、何を歌うのだろうか)

武内P(やはり、『空』を歌って頂けると――)


とんとんっ


武内P「あっ、ドアの前ですみません」

武内P「今――……」


楓「ふふっ! バーで、ばぁ……うふふっ♪」ニコッ!


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「えっ?」
630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 23:19:08.41 ID:tk1puvK6O
毒をもって毒を制したか…
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/16(火) 23:27:33.40 ID:sR3swdC7o
  ・  ・  ・

未央「――計画通り!」

未央「昨日の夜は、何事も無く終わったそうだよ!」

未央「やったね、しまむー! しぶりん!」


卯月・凛「……」


未央「おおっと、待って待ってちょっと待って」

未央「その視線は、人に向けていいやつじゃないって」

未央「ましてや、私ら友達じゃん!」


卯月「昨日の夜は、不安で眠れませんでしたよ!」

凛「おかげで寝不足だから! 未央、代わりに寝る!?」


未央「あっはっは!」

未央「しまむーもしぶりんも、元気いっぱいじゃーん!」

未央「これも、私のリーダーとしての活躍のおかげだね!」ニコッ!



卯月・凛「もっと不安になっただけだから!」




おわり
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 23:40:25.99 ID:CUz4GHaro

羊が狼に食われそうだからとライオンをけしかけてどうするw

それはそうとこんな人が彼氏いない歴=年齢とかありえないと思います
https://i.imgur.com/2eA359W.jpg
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/16(火) 23:51:18.13 ID:RX9rUyY0O
なんだかんだで良い大人の時間だったろうと信じてる
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/17(水) 01:43:13.71 ID:HTO1l+Ubo

てか、アイマス世界だとピヨちゃんぐらいの年代のアイドルってオーガに焼き尽くされてた時代だったんだよなぁ
635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/17(水) 01:59:38.25 ID:1M7MlZKno
ええとこの新田は一体…疲れてぶっ倒れてしおらしくなった新田?

あ、後半も面白かったです。だっとさんはまだ恋を知らない感じかあ
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/17(水) 06:14:39.32 ID:+Hrwc6UWo
ぴよちゃんすこすこのすこ
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/17(水) 09:18:19.14 ID:NwpogsLxo
モバマスは小学生ガチ勢という魔境があるから
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/17(水) 14:27:09.21 ID:g1vugySKo
やっぱ小鳥さんがアイマスアーケード時代から不変のナンバーワンなんだよなぁ……
639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/17(水) 17:14:57.25 ID:oiFCSa3E0
まゆP以外のPと絡む武内Pが見たい
640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/17(水) 19:39:03.92 ID:SNcoIw2Jo
千川とは格が違いますよ格が
641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 22:05:49.05 ID:usN7Uy9eo
>>639
では、担当Pが居るだろうなと思うポジに


武内P「日野さんの担当プロデューサー、ですか?」
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 22:09:52.80 ID:usN7Uy9eo
未央「どんな人か気になってさ〜」

武内P「……と、言われましても」

未央「プロデューサーと同期なんだよね?」

武内P「同期は、同期ですが……」

未央「ん?」


武内P「――日野さんの担当プロデューサー」

武内P「その方は、他の事務所からヘッドハンティングで来られた方で……」

武内P「……この業界では、先輩にあたります」


未央「えっ!? そうなの!?」
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 22:16:52.85 ID:usN7Uy9eo
未央「うっわ、全然知らなかった……!」

武内P「346プロダクションのアイドル部門は、新規に立ち上がったばかりです」

未央「まあ、確かにそうだね」

武内P「なので、新人プロデューサーだけと言う訳にも……はい」

未央「あー……確かに、言われてみればそうかも」


武内P「部長と、その方が中心となって」

武内P「立ち上げ時に起こった問題や、今後の方針」

武内P「更に、新人プロデューサーの育成等の多岐に渡って……」

武内P「……とても、ご活躍されていました」


未央「ええっ!? ねえ、どんな人なの!?」


武内P「……」

武内P「そう、ですね――」
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 22:22:58.26 ID:usN7Uy9eo
  ・  ・  ・

n年前


先輩P「――日野をスカウトした理由?」


武内P「はい」


先輩P「ままま、とりあえずカンパイしましょ」

武内P「あっ、はい」

先輩P「それじゃ、今日もお疲れ様」

武内P「お疲れ様でした」


先輩P・武内P「カンパイ」


先輩P「いやぁ、カンパイの時にこうスッとグラスを下に持っていくなんてね!」

先輩P「僕は良く出来た同期が居て幸せ者ですなぁ」


武内P「い、いえ……同期と言うよりも、先輩で……!」


先輩P「幸せ者ですなぁ〜!」


武内P「……!」


先輩P「ハッハッハ! ま、飲みましょ飲みましょ! ん、美味い!」
645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 22:30:45.63 ID:usN7Uy9eo
先輩P「やっぱり、仕事の後にはビールが合う!」

武内P「……はい、とても美味しいです」

先輩P「それで、何だっけ? 日野をスカウトした理由だっけ?」

武内P「はい」

先輩P「そうだねぇ、その時の話はしたっけ?」

武内P「いえ」

先輩P「まあ、一言で言っちゃうと――」


先輩P「――やべぇヤツが居る」


先輩P「と、こうなるんだけどね」

武内P「は、はあ……」

先輩P「はい、それじゃあ次の話題に移りましょうかね」

武内P「えっ!?」

先輩P「慌てなさんなって! もう、本当真面目なんだから!」

武内P「……」
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 22:37:13.36 ID:usN7Uy9eo
先輩P「そういう真面目なヤツ程、アッチの方はヴィーストなんだよなぁ」

先輩P「どうなの? ヴィーストなの? ん?」

武内P「い、いえ……!」

先輩P「まあ、からかうのはこの位にしといてあげましょ」

武内P「あ……ありがとうございます……?」

先輩P「あっはっは! お礼はおかしいでしょ!」

武内P「……」


先輩P「僕が日野を最初に見た時はねぇ……」

先輩P「海岸沿いの道をですよ」

先輩P「もう、Bボタン潰れんじゃねえかって位の勢いで走ってたの」

先輩P「……」

先輩P「まずいな、ちょっと言葉が多くなったけど……」

先輩P「やべぇヤツの、やべぇ具合の説明が増えただけだ、あっはっは!」


武内P「……」
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 22:42:40.64 ID:usN7Uy9eo
先輩P「まあ、それであんまりにもやべぇと思ったから声をかけて」

武内P「えっ?」

先輩P「ん?」

武内P「顔は……確認しなかったのですか?」

先輩P「してないね」

武内P「……?」


先輩P「だって、やべぇヤツだと思っただけだから」

先輩P「何なら、声をかけた後に自分にパンチしたくなった位」

先輩P「だって、今どき夕日に向かってフルパワーで走ってんだぜ?」

先輩P「どう考えたってまともじゃねぇし!」


武内P「は、はあ……」
648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 22:50:29.60 ID:usN7Uy9eo
先輩P「あ、ちなみに」

武内P「?」

先輩P「夕日に向かって走るの元ネタってご存知?」

武内P「えっ? 昔の、青春ドラマでは……」

先輩P「無いんですよ」


先輩P「1970だったか……いや、確か69だな!」

先輩P「ふぅー! シックスティーナイン!」

先輩P「ちょっとティーを外したら、楽しい事になっちゃうね?」

先輩P「そんな、ゴキゲンな1969年の映画『夕陽に向かって走れ』」

先輩P「あ、邦題だと陽は陰陽の陽の字ね」

先輩P「内容は、まあ痴情のもつれで撃った撃たれたの話ですわ!」

先輩P「爽やかさなんか、一切ないドロッドロの内容です!」


武内P「成る程……」メモメモ!


先輩P「あっはっは! 良いよ、メモなんか取らなくて!」
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 22:59:16.39 ID:usN7Uy9eo
先輩P「それでまあ、話を戻しますと」

武内P「……声をかけて?」

先輩P「そしたら、何でしょうかって言いながら!」

先輩P「ま〜たフルパワーで戻ってくんだもん!」

先輩P「その時点で、超やべぇヤツじゃん!」

武内P「……」


先輩P「そんなのもう、スカウトするしか無いでしょ!」


武内P「えっ?」


先輩P「その時の返しもまたぶっとんでてさ!」

先輩P「アイドルぅ〜? それは何者ですかぁ〜?」

先輩P「……だよ!? あっはっはっはっは!」

先輩P「アイドルを知らないって、いつの時代から走ってきたんだよ!」

先輩P「デロリアンだって乗らなきゃ時を超えられねえって!」


武内P「あっ、あの……!」


先輩P「ん? どしたの?」
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 23:05:53.26 ID:usN7Uy9eo
武内P「日野さんのルックスを見て……では?」

先輩P「おいお〜い! 女の子を顔で判断するのか〜!」

武内P「えっ!?」

先輩P「まあ、俺も病気かっつう位女好きだけど、まずはおっぱいじゃね? じゃね?」

武内P「か、体を見て……ですか?」

先輩P「言い方がいやらしい! ぃやらしい! あっははは!」

武内P「……」


先輩P「……まあ、あの時はドすっぴんだったしねぇ」

先輩P「可愛くなるだろうとは思ったけど、そこよりも」

先輩P「――ぶっとんでやべぇヤツ」

先輩P「っていうのが、やっぱりスカウトしたきっかけかなぁ」


武内P「……」
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 23:15:27.28 ID:usN7Uy9eo
武内P「……何故、それが決め手に?」

先輩P「そうだねぇ、詳しく話すと長くなるからサクッとね」

武内P「はい」

先輩P「アイドル業界って、日高舞が一回焼け野原にした業界じゃん?」

武内P「……はい」

先輩P「まあ、それはそれで……765さんが、また業界を盛り上げてきた」

武内P「ええ」

先輩P「だけど――765さんすみませ〜ん――個性の面では、少し弱い」

武内P「そう、でしょうか……?」

先輩P「でも、あそこのアイドル達は力をつけてる、凄いよねぇ」

武内P「……はい」


先輩P「――じゃあ、新規でアイドル部門を立ち上げたとして」

先輩P「そのすぐ後に、またあんなのが出てきたらですよ」

先輩P「アイドル業界は、核の炎に包まれる!」

先輩P「世紀末はまだまだ先なのに! ふざけんなー!」


武内P「……」
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 23:24:00.53 ID:usN7Uy9eo
先輩P「だから、核の炎に包まれても生き残れる子を選ぶ」

先輩P「『TOUGH BOY』、タッポイじゃなく、TOUGH GIRLをね」

武内P「経験の少なさを……個性でカバーする、と言う事でしょうか?」

先輩P「そゆこと! 良いねぇ、話が早い! ん、美味い!」ゴクッ!

武内P「確かに……日野さんは、個性的ですね」

先輩P「やべぇでしょ?」

武内P「いえ、その……」


先輩P「まあ、小日向の私服のセンスの方がやべぇんだけど」


武内P「っく……!」

先輩P「はい、今笑ったのは小日向に報告しておきま〜す」

武内P「!? ま、待ってください!」

先輩P「あっはっは!」

武内P「……」
653 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 23:32:00.54 ID:usN7Uy9eo
先輩P「でもさぁ、日野のヤツ!」

先輩P「走り込み途中だったので失礼しますっつって行こうとすんの!」

先輩P「後から聞いたんだけど、アイツマネージャーじゃん?」

先輩P「意味がワカラナーイ! なんで一人で走ってんだって言うね!」

武内P「あの……」

先輩P「ん?」

武内P「走り去る日野さんを呼び止められたのですか?」

先輩P「全力ラーンとか言ってたけど……」


先輩P「トップを目指す仕事です!!!」


先輩P「……って言って呼び止めたね」

先輩P「急にでけぇ声出さなきゃいけなかったから、きちぃきちぃ!」


武内P「トップ……」

武内P「……アイドルのトップ、ですか」


先輩P「いや、違うんじゃない?」


武内P「……」

武内P「えっ?」
654 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 23:41:02.07 ID:usN7Uy9eo
武内P「な、なら……何のトップを……?」


先輩P「まあ、トップにも色々ありますよ」

先輩P「大体は、そのジャンルに置いての一番の事を言いますね?」

先輩P「他には、宇宙怪獣と戦ったりするのだったり」

先輩P「洗剤だったり、メガネトップ――あ、こちらは静岡のメガネサービス業ですね」

先輩P「などなど、色々なトップが世の中にはあんのよ」


武内P「……日野さんが目指した、トップとは?」


先輩P「これはズバリ、ラグビーです」


武内P「えっ!?」


先輩P「日本の社会人ラグビーの全国リーグ」

先輩P「こいつはですね、ジャパンラグビー・トップリーグって言うんですよ」

先輩P「それじゃ長いってんで、トップリーグとか言うんです、が」

先輩P「やべぇヤツだったら、トップって言ったら連想するかも知れませんなぁ!」

先輩P「あっはっはっはっは!」


武内P「……!?」
655 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/17(水) 23:52:06.37 ID:usN7Uy9eo
先輩P「ラガーシャツ着て、夕日に向かって走っていたぁ!」

先輩P「そして、何と言っても声がでかぁい!」

先輩P「試しにジャブ打ったつもりが、完全ノックアウト!」

先輩P「野球だったら、打順グぅリングリン回ってっから!」


武内P「そ、それは……」


先輩P「それで、事務所の方に自分から来てだ」

先輩P「何故か! 門を動かそうと!……ップハー!」ゴクッ!

先輩P「超やべぇでしょそんなん!」

先輩P「この時点で、やべぇヤツからやべぇバカに進化を遂げまして」

先輩P「何だこのやべぇバカ、くっそ面白ぇじゃねえか、となってからの――」

先輩P「――監督ではなくて、プロデューサーだ!」

先輩P「と、サラッと自己紹介をして」


武内P「……!?」
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 00:06:58.46 ID:AVlgjCYHo
先輩P「なんやかんやあり、ゴキゲンでアイドルやってんね」

武内P「日野さんは……それで、納得されたのですか!?」

先輩P「ど〜だろうなぁ〜! わかってない可能性も、まだ捨てきれない!」

武内P「……!?」

先輩P「でもま、お仕事って事は理解してるから大丈夫でしょ」

武内P「そ、そう……でしょうか……?」

先輩P「何だかんだ楽しそうにやってっから……うん、美味い!」ゴクッ!

武内P「……」


先輩P「ま、辞めるって言ったらその時はその時」

先輩P「代わりはいくらでも居る、って言ったらアレだけどさ」

先輩P「どっかでちゃんと切り替えないと、お仕事なんだから」


武内P「っ……!」


先輩P「ま、今日は飲みましょ!」

先輩P「長い人生、思い通りにならない事なんていっくらでもあんだから!」

先輩P「じゃなきゃ、むっさい男二人のサシ飲みなんて許されるわけがない!」

先輩P「……これはこれで楽しいと思っちゃうから結婚できな――ヤメロォ!!」


武内P「……」
657 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 00:11:32.50 ID:AVlgjCYHo
  ・  ・  ・

武内P「――……」


未央「? プロデューサー?」


武内P「っ、すみません……少し、考え事を」

未央「もしかして、あかねちんの担当プロデューサーの事?」

武内P「はい、とてもお世話になった方ですから」

未央「へえぇ……!」

武内P「そう、ですね……」


武内P「教師の様な方、ですね」



おわり
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 00:29:23.40 ID:t9mSIsQ6O
『夕陽に向って走れ』の話なんかされたら100パー好きになるわ。ロバート・レッドフォードもロバート・ブレイクも監督脚本のエイブラハム・ポロンスキーも超好き。
659 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sahe]:2019/07/18(木) 00:57:27.82 ID:va72WYTm0
隙あらば
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 02:05:44.69 ID:DeT+yfKTo
うん、やはり明言されてるまゆPだけで十分だな
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 07:10:02.91 ID:FjpBj3zto
不通にまゆP以外もでとったやん
662 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 07:15:25.30 ID:WZJY5QkA0
先輩Pはなんか話し方がイライラしてくる
なんでだろ
663 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 19:18:59.43 ID:AVlgjCYHo
書きます


武内P「センブリ茶、ですか」
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 19:21:19.85 ID:AVlgjCYHo
みく「そうにゃ! Pチャン、用意出来る?」

武内P「はい、それは可能ですが……」

李衣菜「えっ!? 本当ですか!?」

武内P「? はい」


みく「Pチャン、お願いにゃ!」

みく「みく達がもっと活躍するためには――」

みく「――センブリ茶を飲む練習が必要なの!」


武内P「センブリ茶を飲む……」

武内P「……練習、ですか?」
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 19:25:12.84 ID:AVlgjCYHo
李衣菜「センブリ茶って、よくバラエティで罰ゲームに使われますよね?」

武内P「ええ、そうですね」

みく「だから、ちゃんと練習しておきたいの!」

武内P「すみません、練習の意味が……よく」


李衣菜「もし、番組で罰ゲームでセンブリ茶を飲む時」

李衣菜「私はロック、みくちゃんはネコキャラなリアクションをすれば――」

李衣菜「――人気アップ、間違いないと思うんです!」


武内P「……成る程」

武内P「罰ゲームを受けた時の練習は……考えていませんでした」
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 19:30:21.71 ID:AVlgjCYHo
みく「どう? 名案でしょー!」

武内P「ええ、ですが……宜しいのですか?」

李衣菜「覚悟の上です!」

武内P「前川さん、多田さん……」


みく「あ! ナナチャンと夏樹チャンも誘ってあるにゃ!」

李衣菜「だから、用意するのは四杯で!」

みく「そう、四杯! センブリ茶、四杯!」

李衣菜「四杯、宜しくお願いします!」


武内P「……!」

武内P「……わかりました」


武内P「四倍で、四杯……用意させて頂きます」
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 19:36:42.94 ID:AVlgjCYHo
  ・  ・  ・

菜々・夏樹「で」


みく「ジャーン! 用意されたのは、こちらになりまーす!」

李衣菜「ありがとうございます、プロデューサー!」

武内P「いえ、当然の事です」


菜々・夏樹「何て?」


みく「みく達と一緒に、センブリ茶を飲む練習するにゃ〜!」ニコッ!

李衣菜「四人一緒だったら、色んな事に気づけそうだもんね!」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


菜々・夏樹「……」

菜々・夏樹「何で?」
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 19:42:46.48 ID:AVlgjCYHo
菜々「いっ、嫌ですよ!? すっごく苦いんですよね、それ!?」

みく「だからこそ! 収録中に、変な顔出来ないでしょー?」ニコニコ!

菜々「確かに、それはそうかも知れませんけど……!」


夏樹「おいおい、だりー? なんでアタシを呼んだんだ?」

李衣菜「なつきちだったら、ロックな上に良いリアクションをすると思って!」ニコニコ!

夏樹「「ははっ、だりー? ロックと笑いの神様は別人なんだぜ?」


武内P「……練習、という事なので」

武内P「まずは、飲む順番を決めてはどうでしょうか?」

武内P「先の方は、後の方のリアクションを見て反省が」

武内P「後の方は、先の方のリアクションを参考に臨めますから」


みく・李衣菜「賛成ー!」


菜々・夏樹「待った待ったちょっと待った!?」
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 19:49:11.68 ID:AVlgjCYHo
菜々「本当に、ナナ達もやらなきゃ駄目ですか!?」

夏樹「飲むのは、年齢順っていうのはどうだい?」

菜々「!?」

夏樹「言い出しっぺのみくが最初で……」

菜々「あっ、あのっ!?」

夏樹「……とりあえず、そこで様子見しようじゃないか」

菜々「……!」ホッ!


みく「そうだね……確かに、夏樹チャンの言う通りにゃ!」

みく「最初は、みくがセンブリ茶を飲むね!」


夏樹「みくとだりーに先に飲ませて……」ボソボソ…!

菜々「! 成る程……なあなあで、終わらせるんですね……!」ボソボソ…!


李衣菜「? どうしたの、二人共?」


菜々・夏樹「……いや、何でも!」
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 19:54:00.40 ID:AVlgjCYHo
みく「初めて飲むから、ちょっとドキドキするかも……!」

李衣菜「みくちゃんは、どんなリアクションをする気なの?」

みく「勿論、決まってるにゃ!」


みく「最初はね、うえぇ、って顔をするの!」

みく「そうじゃないと、罰ゲームになってないもんね」

みく「……それで、目をウルウルっとさせて」

みく「――美味しいにゃん♪」ニャンッ♪

みく「って、可愛くネコチャンポーズ! どう?」


武内P「良い感じですね」

武内P「撮れ高としては、少し物足りない部分もありますが……」

武内P「前川さんの魅力が、十分に伝わる反応だと思います」


みく「えへへ、でしょー!」ニコッ!
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 19:58:54.04 ID:AVlgjCYHo
みく「それじゃあ……飲むにゃ!」


李衣菜「みくちゃん、頑張れー!」

菜々「飲んだら、味の感想を聞きますね! キャハッ!」

夏樹「ハハッ、なんだかちょっとワクワクしてきたな!」

武内P「水は用意してありますので、ご安心ください」


みく「水なんかに頼らないにゃ!」

みく「キュートなネコチャンは、センブリ茶には負けない!」

みく「――みくは、自分を曲げないよ!」


李衣菜・菜々・夏樹「お〜っ!」


みく「いくにゃ〜っ!」…ゴクッ!


菜々「みくちゃん、味h」



みく「――ごっふぅうああああああああ!?」



李衣菜・菜々・夏樹「!!?」
672 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 20:07:30.85 ID:AVlgjCYHo
李衣菜「みくちゃん!? それ、ネコチャン!?」

菜々「おかしくないですか!? えっ、そんなに!?」

夏樹「あの様子……演技にしちゃ、迫真すぎる!」


みく「あー! あー! あー!」ニャガア゙ア゙!

フラフラッ…!

武内P「! 前川さん、お水を……!」

みく「あ゙ー! あ゙ー! あ゙ーっ゙!」ニャガア゙ア゙!

ざりっ、ざりっ

武内P「!? な、何故私の上着を舐め……前川さん!?」


夏樹「おい、あれ……舌を拭いてるんじゃないか!?」

李衣菜「! きっとそうだよ! みくちゃん、すっごくネコっぽい!」

菜々「あんな苦しそうなネコ、電波に乗せられませんよ!」
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 20:14:19.84 ID:AVlgjCYHo
武内P「前川さん、お水です!」

みく「あ゙ー! ぅあ゙ーっ゙!」ニャガア゙ア゙!

武内P「どうぞ……!」

みく「ンッ! ングッ、ングッ、ングッ!」ゴクゴク!

武内P「大丈夫です、ゆっくり、落ち着いて……」

みく「……プハッ!」


みく「さいっ……あく! 最悪や!」

みく「何なん!? このセンブリ茶言うやつ、頭おかしいやろ!」


武内P「待ってください!」

武内P「今の前川さんは、ネコを通り越して……虎に!」
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 20:17:31.13 ID:AVlgjCYHo
みく「えっ?……あっ!」

武内P「前川さん」

みく「あっ、と……」


李衣菜・菜々・夏樹「……」


みく「……」

みく「――美味しいにゃん♪」ニャンッ♪


武内P「……良い、リアクションです」


李衣菜・菜々・夏樹「……」
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 20:25:18.57 ID:AVlgjCYHo
みく「……はい、それじゃあ次の人は」


菜々「嘘ですよね!? 今のを見て、続けろって!?」

李衣菜「17歳同士だから、私か菜々ちゃんだね」

夏樹「だりーは何で乗り気なんだ!? どうした!?」


みく「みくは、前からずっと思ってたの……」

みく「……ナナチャンみたいなアイドルになりたい、って!」

みく「という訳で、二番手はナナチャン!」


菜々「違いますよ♪ ナナは、27歳です♪ キャハッ!」

李衣菜「さっきのみくちゃんを見て、どうリアクションを変えてくるのかな?」

夏樹「だりー、目を覚ませ! クールが過ぎる!」
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 20:31:43.75 ID:AVlgjCYHo
  ・  ・  ・

菜々「――あんまああああああああ!?」

ゴロンッ!


李衣菜「! みくちゃんと違って、床に転がった!?」


菜々「んむにゅうううううううう!?」

ゴロゴロゴロゴロッ…


みく「口を抑えて転がりながら……叫び声がキュートにゃ!」


…ゴンッ!

菜々「〜〜っ!? あ゙ー! あ゙ー! 痛っ、苦ぁ〜〜っ!!」


みく・李衣菜「頭をぶつけて……て、天才!?」

夏樹「言ってる場合じゃないだろ!?」
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 20:40:49.21 ID:AVlgjCYHo
武内P「安部さん、大丈夫ですか!?」

菜々「水水水水みぃーず水水水ぅっ!」ササササッ!

武内P「はい、こちらに――」

菜々「――あったぁっ!」ゴクッ!

武内P「待ってください! そのコップの中身は――」


菜々「――うぶっふあああっ!」ブッフゥッ〜!


みく「凄いにゃ……! これが、ナナチャンのリアクション……!」

李衣菜「こんなの、計算して出来る事じゃないよ! ロックだね、なつきち!」

夏樹「感心してる場合じゃないぞ!? ある意味、ロックではあるけど!」
678 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 20:58:53.48 ID:AVlgjCYHo
  ・  ・  ・

菜々「――ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な〜♪」


夏樹「おい!? まだ続けるのか!?」

みく「もーっ! ナナチャンが二杯飲んじゃったけど……」

李衣菜「……センブリ茶は、まだもう一杯残ってるんだから!」

夏樹「そりゃあそうだが――」


夏樹「――!」


菜々「飲みたいのは、どっちですかぁ〜っ?」

菜々『道連れ……あともう一人だけでも、道連れを……!』


みく「練習は大事だからねっ! さっ、決めちゃうにゃ!」

みく『どっちでも良い……味わえ……味わえ……!』


夏樹「……!?」
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 21:03:47.69 ID:AVlgjCYHo
夏樹「おい、だりー……」

夏樹「……!?」


李衣菜「ん? なつきち、どうしたの?」

李衣菜『絶対! ぜっ……たいに嫌だ! 飲みたくない!』

李衣菜『二人のリアクション、明らかにおかしいもん!』

李衣菜『……だけど、センブリ茶はあと一杯!』

李衣菜『出来るだけ平静を装って、なつきちに任せる!』

李衣菜『……ごめん、なつきち!』


夏樹「だりー、ごめんじゃないだろ!」


李衣菜「えっ? 何が?」

李衣菜『まさか……心を読まれた!?』


夏樹「心というか、顔に書いてあるんだよ!」
680 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 21:09:24.89 ID:AVlgjCYHo
李衣菜「顔? あっ、顔と言えば……」

李衣菜「……なつきち、センブリ茶飲んだらどんな顔するんだろ?」


夏樹「!?」

夏樹(こっ、コイツ……!)


みく・菜々「……確かに、気になるかも」


夏樹「……は、ハハッ! 案外、平気だったりしてな!」

夏樹(アタシに飲ませるための、プレゼンを始めやがった!)


李衣菜「えーっ? もしかして、なつきちって苦いの平気?」

李衣菜「苦いの平気だったら――」

李衣菜「――二人みたいに、良いリアクション出来ないかも知れないね」


夏樹「……! ああ、残念な事にな」

夏樹(ハッ! そんな煽りをしても無駄だぜ、ぜりー!)
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 21:13:10.05 ID:AVlgjCYHo
李衣菜「だったら、やっぱり練習だから私が飲んだ方が――」


夏樹「ああ、その方が良いかもな!」ニコッ!

夏樹(……甘いぜ、だりー!)

夏樹(アタシは、そんな煽りなんかじゃ満足できn)


みく・菜々「――いやいや」

みく・菜々「いやいやいやいや!」


李衣菜「えっ?」

李衣菜「みくちゃん、菜々ちゃん……どうしたの?」…ニイッ!


夏樹「!?」

夏樹(まさか、さっきの煽りは――)
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 21:18:44.54 ID:AVlgjCYHo
  ・  ・  ・

夏樹「……」


みく「夏樹チャンでも、絶対良いリアクションするにゃ!」

菜々「その通りです! えへへ、楽しみですね〜っ!」


夏樹「……ハハッ、あんまり期待しないでくれよ?」

夏樹(だりーのヤツ……)

夏樹(……アタシじゃなく、この二人を煽ってたんだな)

夏樹(良いぜ……今回はアタシの負けだ)


李衣菜「なつきちのリアクション、参考にさせて貰うね!」

李衣菜「熱いロックな魂が、センブリ茶に勝つ所を見せてよ!」


夏樹「……ああ、まあ見とけ」

夏樹(やっぱりお前はクールだよ、だりー)
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 21:24:25.10 ID:AVlgjCYHo
武内P「木村さん、どうぞ」

夏樹「すぐ水を飲むかもしれないから、近くに居てくれよ?」

武内P「はい、わかりました」

夏樹「……よし、覚悟は決まったぜ」


夏樹「皆、ロックな生き様――見せてやるぜ!」


みく・菜々「お〜っ♪」ニッコニコ!

李衣菜「なつきち、ファイトー!」ニコッ!


夏樹「まっ、とりあえず……どんな味か見てみるか」

夏樹「ぁ……ぁ……ん〜っ……」…ペロッ!

夏樹「〜〜っ!? 苦いっ!」

夏樹「苦い苦い……! うぅ、苦ぁ〜い!」


みく・菜々「……」

李衣菜「…………なつきち?」
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 21:34:26.57 ID:AVlgjCYHo
夏樹「はい、水! 飲んだから、水水っ!」ネエネエ!

武内P「いえ、あの……」

夏樹「〜〜っ! ぁ……ぁ……」…ペロッ!

武内P「き、木村さん?」

夏樹「あぁ、もう、苦ぁ〜い! みぃ〜ずぅ〜っ!」ネエネエ!

武内P「し、しかし……」


みく・菜々「かっ、可愛い……!」


李衣菜「な――つき――ちっ!?」

李衣菜「嘘でしょ!? それが、ロックなりアクション!?」

李衣菜「そんなの……!」

李衣菜「そんなの、アイドルのリアクションだよ!」
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 21:44:02.59 ID:AVlgjCYHo
夏樹「でもな、だりー……凄く、苦いんだ」

李衣菜「だからって!」

夏樹「試しに飲んでみろって、ロックが壊れる」

李衣菜「そんな筈ない!……貸して!」

夏樹「無理すんなって!」


李衣菜「無理なんかじゃない!」

李衣菜「私の、ロックに対する熱い想いは――」

李衣菜「――苦さなんて、ぶっとばすんだから!」


夏樹「……ああ、そうだな!」

夏樹「だりー! 後は任せたぜ……!」…ニヤッ!


李衣菜「!?」…ゴクッ!



李衣菜「――かっふぁあああああああああ!?」
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 21:49:46.23 ID:AVlgjCYHo
  ・  ・  ・

夏樹「――アッハッハ! 良いリアクションだったぜ、だりー!」


李衣菜「うぅっ……! まだ、舌が苦い……!」

みく「李衣菜ちゃん、舌を拭くと良いにゃ」

菜々「……上手く切り抜けましたね」

夏樹「ハハッ、何のことだい?」


武内P「――皆さん」

武内P「練習は、以上で宜しいですか?」


夏樹「全員やったから、今日はもう良いだろ」

夏樹「なっ、皆?」


みく・李衣菜・菜々「……」
687 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 21:55:29.21 ID:AVlgjCYHo
武内P「……これは、私の感想ですが」

武内P「先程の、皆さんのリアクション」

武内P「どれも、あまりに動きが大きすぎて……」

武内P「……アイドルとしては、事務所NGが出るでしょう」

武内P「なので、宜しければ……ですが」


みく・李衣菜・菜々・夏樹「?」


武内P「まだ、センブリ茶は用意出来ますが……」

武内P「……どう、されますか?」


みく・李衣菜・菜々「!」

夏樹「!?」
688 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/18(木) 22:08:40.00 ID:AVlgjCYHo
みく「持ってきて欲しいにゃ! センブリ茶、一杯!」

菜々「お願いします! 一杯で良いので!」

李衣菜「プロデューサー! 私、まだ納得出来てません!」

夏樹「おっ、おい! 本気で言ってるのか!?」


武内P「……いっぱい?」

武内P「あの……それで、本当に良いのですか?」


みく・菜々・李衣菜「勿論!」

夏樹「っ……!」

夏樹「ああもう、わかったよ! 飲むよ、飲む!」


武内P「……わかりました。少々お待ち下さい」


武内P「いっぱい、持ってきます」



おわり
689 :sage [sage]:2019/07/18(木) 22:13:39.34 ID:Az2v8mixO
どう考えてもいっぱい持ってきたら
武内pも巻き込まれると思うのですが、それは
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 22:22:24.32 ID:4k7Ll9ywo
その後実際に番組に出たら、アイドルに対する忖度でセンブリ茶に見せかけたただの緑茶を出されたりしてなw
「ふざけるにゃ!芸をなんだと思ってるのにゃ!」
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 22:51:33.80 ID:ET+3yMaDO
センブリ茶に見せかけた、サルミアッキとかポッカレモン100%とかいちごパスタだったりして
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/18(木) 23:48:24.11 ID:ZOMmXy+kO
ドクペはまだ甘いから飲めるが…ルートビア、テメーはダムだ。なんで湿布が飲み物になってんだよ…
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 00:45:14.41 ID:/AUUI/p40
ぐぐったらセンブリ茶でアンチエイジングとか出たので、積極的に飲むべき人はいると思う
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 01:40:49.03 ID:zRXfzYpSO
ソウナンですか!?
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 04:32:11.10 ID:I+iYw3bBo
前回の先輩PがアベマTV見てたせいで安元さんにしか見えない
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 06:14:50.33 ID:FPcccF6r0
水着の仕事を入れられて意外と恥ずかしがる杏をください!
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/07/19(金) 12:21:18.69 ID:nf3rb2R6o
女性アイドルの味がする


お向かいのこのみさんか
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 14:32:37.17 ID:Hc0/pjhDO
実はL.M.B.Gの大半を仕入れた……もといスカウトしたのは武内Pとか
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 19:14:09.41 ID:NXEsiB7yo
夏なので小梅
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/19(金) 20:14:21.24 ID:PnMDZ/oPo
年少組と結婚する夢?
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/19(金) 21:51:37.33 ID:3RXlrxHpo
>>696書きます
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/19(金) 22:04:57.14 ID:3RXlrxHpo

「もうすぐ夏だから、ダイエットしなきゃ〜!」
「うん……水着のグラビア撮影もあるしね」


 シンデレラプロジェクトのプロジェクトルーム。
 ソファーに座りながら、かな子ちゃんと智絵里ちゃんが真面目にお話中。
 レッスンまでの空き時間にまでお仕事の話なんて、頭が下がるよ。
 お給料も出ない時間だし、頭のついでに瞼も下げちゃおうかな。


「……」


 全身の力を抜いて、大きなクッションに沈み込む。
 なんて、体重が軽いからほとんど沈まないんだけどさ。
 食べても太らない体質で、ほんと助かったよ〜。
 じゃなかったら、コーラもポテチも好きなタイミングで食べられないんだから。


「……」


 それにしても、水着のグラビア撮影か〜。
 ユニット単位でのお仕事だから、二人のおかげって感じだよね。
 需要が無い事も無いんだろうけど、さすがに杏一人で水着のお仕事は厳しいんじゃないかな〜。
 抱き合わせ商法、ウマー!


「……」


 ま、水着を着て写真を撮るだけだし、美味しい仕事だよね。
 上手くポーズを決めるのが大変?
 ダンスを踊るよりは、動かないから楽ちんだよ〜。
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/19(金) 22:18:29.27 ID:3RXlrxHpo
  ・  ・  ・

「うぇ〜? 面倒臭いなぁ〜……」


 レッスンが終わって、クッションの上でゆっくりしてたらさ。
 この夏の水着グラビアの撮影に関して聞きたいことがあります、って。
 窓から差し込んでくる光が遮られて寝やすくなったー、と思ったらこれだよ。
 全くもう、何て答えるかはわかってる癖に〜。


「プロデューサーが決めて良いよ」


 聞かれたのは、どんな水着が着たいか。
 何でも、『私が選んだ水着』がコンセプトなんだってさ。
 でも、ファンの人が何を求めてるかは、杏もわかってるつもりだよ。
 だから、いつも通りな感じので良いじゃん。


「いえ、しかし……」


 ほらほら、右手を首筋にやって困ったりしないで。
 杏に似合ってる、ピンクのフリフリが着いた可愛いのから見繕ってよ。
 杏はアイドル、プロデュースするのはそっちのお仕事だって。
 それとも、「プロデューサーが選んだのが着たいな」とでも言えば良かったかな〜?


「……せめて、サンプルに目を通すだけでも」


 ……はぁ、しょうがないなぁ。
 そんな困った顔されちゃったら、杏が悪者みたいじゃんね?
 怠け者は、迷惑がかからないから怠け続けていられるのです。
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/19(金) 22:37:09.21 ID:3RXlrxHpo

「頭を使うから、アメが欲しいなぁ〜」


 そう言って、ニヤリとプロデューサーに笑いかける。
 すると、ホッした顔をして、上着のポケットからアメが登場!
 大きな手に載せられているのは、クリアーレッドの包み紙。
 良いね、丁度甘酸っぱい苺味の気分だったんだよね〜。


「両手に力が入りませ〜ん」


 目を閉じて、はよはよ、とアピール。
 すると、微かに聞こえてくる包みを開ける音が。
 さすがに、プロデューサーも慣れてきたみたいだね。
 時間って言うのは、無駄遣いする位なら、ちょっとした遊び心に使った方が良い、って。


「……はい、どうぞ」


 舌の上に、アメがそっと乗せられた。
 指まで食べないように、少し待つ。
 ……ん、もう良いかな。
 ん〜っ! やっぱり、アメは最高だよ〜!


「さ〜て、それじゃあサンプルを見ますか〜」


 ほっぺたの横にアメを避難させながら、言う。
 寝たいという体にムチ打つなんて、杏は働き者だよね〜。
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/19(金) 22:53:03.03 ID:3RXlrxHpo
  ・  ・  ・

「……」


 うつぶせに寝っ転がりながら、タブレットを操作して画像を見ていく。
 杏が選んでる間、プロデュサーは少し席を外します、って出ていった。
 ふっふっふ! これは、サボるチャ〜ンス!……とも思ったけどさ?
 どうせ後でやらなきゃなら、パッとやって、スッと寝た方が良いっしょ。


「……」


 あ、この水着は、かな子ちゃんに似合うんじゃないかな。
 お腹を気にしてるけど、メリハリがきいてるから余裕余裕。
 むしろ、これくらい派手じゃないと! 水着が負けちゃうって!
 ダイエットは……ま、何とかなるんじゃないかな〜。


「……」


 お、これは智絵里ちゃんにピッタリなんじゃない?
 大きなリボンがついてて、可愛い雰囲気に合ってると思うな〜。
 コンセプトは、守ってあげたくなっちゃう可愛さ! どや!
 選ぶのに困ってるようだったら、教えてあげよっかな。


「……」


 ん〜……ピンと来るのが無いなぁ。
 サクッと決めて寝たいのに、困るじゃんか。
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/19(金) 23:08:31.77 ID:3RXlrxHpo

「……」


 スッ、スッと、画像をスライドさせていく。
 自分が着た時に、似合う水着。
 それはいつもの、似通った格好。
 ファンシーで、この見た目に合った――


「……」


 ――……合わない。
 杏には、この水着は似合わない。
 リボンも何もついてなくて、凄くシンプル。
 カラフルなんてもんじゃない、真っ黒のビキニ。


「……」


 こういう水着が似合うのは、誰かな。
 頭の中に、どんどん候補が浮かんでくる。
 だけど、その中には杏の姿なんかは欠片も出てはこない。
 ……ま、当然だよね。



「――その水着、ですか?」



 突然かけられた、低い声。
 アメは、いつの間にか溶けて無くなってた。
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/19(金) 23:27:09.20 ID:3RXlrxHpo

「……違〜うよ〜」


 声のした方を見ずに、驚いてない風を装って平然と言う。
 追求されても面倒だから、スッと次の画像へと切替える。
 そもそも、プロデューサーは杏があの水着を選ぶと思う?
 ファンの人はさ、ああいうのを着た杏を求めてないって。


「ですが……」


 アイドルは、ファンの期待に応えなきゃ。
 それが仕事で、お金を稼ぐ一番の近道。
 稼いだ分だけ、休める時間も増えるわけだしさ。
 休みながらお金が入ってくるなら、それが最高だよね〜。


「誰に似合うかな〜……って、何となく考えてただけだよ」


 言いながら、見繕っていた内の一つを表示させて、タブレットを差し出す。
 映し出されてるのは、ピンクのフリルがついた淡い色の水着。
 これだったら、誰もが納得するんじゃないかな。
 どう? この水着、杏に似合うと思うっしょ?


「……そう、ですか」


 そうですよ。
 それじゃあ、決め終わったから……ふわぁ、おやすみ〜……。
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/19(金) 23:50:01.96 ID:3RXlrxHpo
  ・  ・  ・

「……やってくれるじゃんか」


 スケジュールでは、ダンスレッスンだったんだよね。
 だけど、レッスンルームに行ったら、トレーナーさんから包みを渡されたんだ。
 最初はさ、「おっ、この包みに反応してればダンスの時間が減る!」と思ったよ。
 でも、杏がそういう反応をするって見越して、渡すタイミングを今にしたんだろうね〜……。


「わっ! これが、杏ちゃんが選んだ水着?」
「す……凄く大人っぽい……」


 かな子ちゃんと智絵里ちゃんが、マジマジと見ている。
 何をかは、言うまでも無いよね?
 杏の顔と、手の中に収まってる黒いビキニだよ。
 ……そんな杏達の様子を見ているトレーナーさんの口元は、



「どうする? 今、着てみるか?」



 この事態を引き起こした犯人の一人だと、推理するまでもなく告げていた。
 ちなみにだけど、実行犯はこれから現れるかな。



「「杏ちゃんっ!」」



 はぁ〜……やれやれ、だよ。
 体を動かさないのに、踊る羽目になるだなんて。
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 00:10:14.15 ID:h+W9Smybo
  ・  ・  ・

「……」


 少しでも時間を使うために、レッスンルームで着替える振りをしたり。
 更衣室に移動してからも、ゆ〜っくり着替えたり。
 どうせ見せるにしても、時間はたっぷり使ったほう良いからね。
 そうしたら、ダンスレッスンがサボれるし。


「……」


 鏡の前に立って、自分の姿を確認してみる。
 ……うへぇ〜、わかってはいたけど、全然似合ってないなぁ。
 無理をしてるって言うか、これじゃない感が凄い。
 ひどすぎて、さすがの杏も笑えないよ、こりゃ。


「ん〜、髪型かな〜」


 試しにヘアゴムを外し、髪を下ろす。
 くしくしと、癖がついていた髪を手櫛で梳いて整える。
 お、さっきよりは大分マシに見えるようになったんじゃない?


「……」


 ……危ない危ない。
 これじゃ、杏がこの水着を着たかったみたいに思われる。
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 00:24:27.76 ID:h+W9Smybo

「……」


 ちゃんと着替え終わってから見たい、って言われたから。
 かな子ちゃんと智絵里ちゃんは、更衣室の外で待ってるんだよね。
 さすがの杏も、待ちぼうけさせちゃうのは気が引ける。
 こんな所で、お披露目といきますか〜。


「着替え終わったよ〜」


 コンコン、と更衣室のドアを中からノックして、声をかけた。
 ドアが開いても大丈夫な様に、数歩後ろに下がって待つ。
 ゆっくりと開いて行くドアの隙間から、ひょこっと顔が差し込まれた。
 も〜、そんな事してないで、普通に入ってくれば良いのに〜。



「ふっふっふ! どや!」



 相手がかな子ちゃんと智絵里ちゃんだから、大サービスだよ!
 両脚を開いて立ち、右手でピース!
 どう? 決まってるっしょ〜!


「「あ、あはは……」」


 格好とポーズが合ってない、って?
 合ってないのを合わせてみました〜!
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 00:35:53.71 ID:h+W9Smybo

「まぁ、似合ってないよね〜」


 肩をすくめて、笑いながら言う。
 二人は優しいから、似合わないとはハッキリ言えないだろうけど。
 だから、そういう時は自分で言っちゃうのが楽だし早いよね。
 はぁ……全くもう、


「こんなのさ、誰が見たいと思うんだろうね?」


 しっかりしてよ、プロデューサー。


「「えっ?」」


 ん?


「どうしたの? かな子ちゃん、智絵里ちゃん」


 向けられてるのは、疑問の視線。
 二人は、顔を見合わせて……そして、杏を見た。



「プロデューサーさんが見たいから……」
「その水着にしたんじゃ……無かったの?」



 ……えっ?
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 00:54:29.65 ID:h+W9Smybo

「杏ちゃんが更衣室に行ってから、プロデューサーさんが来て……」


 確かに、この水着は杏が選んだんじゃない。
 プロデューサーが勝手にやった、って感じだけどさ。
 それを説明したんだとしたら、あんまり良い判断とは言えないよ。
 杏はそのへんはわかってるけど、やっぱり印象が良くないもん。


「うん……言ってたよね?」


 はぁ〜……何て言ったんだろ。
 一応、フォローはしておくけどさ。
 あんまり、こういう余計な仕事はさせないで欲しいな〜。
 サービスじゃないよ、休みっていう形で請求させて貰うから!



「「双葉さんに似合うと思いました、って」」



 ……は〜? もう、何言ってるのさ。
 どこからどう見たって、似合ってなんかないっしょ。
 こういう水着はもっと、それこそ……きらりみたいにスタイルが良い子とかさ。
 ああ、杏はあんまり外に出なくて肌が白いから、その点では黒は――


「……」


 ――あ〜……今の、ナシ。
 鏡でもう一回確認してみたら、もっと似合わなくなっちゃってた。
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 01:14:13.24 ID:h+W9Smybo
  ・  ・  ・

「――どう、でしたか?」


 クッションの上に寝転がってる杏に、低い声がかけられた。
 閉じていた瞼をゆっくり開けて、


「全然ダメだね、いつもの感じでヨロシク〜……おやすみ〜……」


 と言って、また瞼を閉じた。
 杏は、アイドルだからね。
 今後の活動にも影響が出かねないもん。
 それじゃあ困る!


「しかし、三村さんと緒方さんが言うには……」


 プロデューサーは言葉を続けていたけど、聞いてない振りをする。
 横になって、背中を向けて、顔を背けて。
 全くもう……しっかりしてよ、プロデューサー。
 似合わない事は、するもんじゃないってば。



「……!」



 暑くなったら、グッスリ眠れなくなるんだからさ。
 お陰様で、熱くって寝られないじゃん。




おわり
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 01:40:38.27 ID:WcpR4QNjo
2828してきた
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 04:44:23.22 ID:NGsuj2lRo
武杏はじっくり煮込むのが合うな
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 04:54:48.54 ID:eD7NsDYDO
これはいい身長差カップル
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 04:59:40.15 ID:/54WGp/cO
武杏はいいのだがはたして武内pのPを杏が耐えられるのかどうか…
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 06:33:41.42 ID:abYOGkMTo
余裕だろ、赤ちゃんでてくるんやで
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 11:35:17.06 ID:h+W9Smybo
書きます


武内P「バウリンガル、ですか」
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 11:38:58.83 ID:h+W9Smybo
凛「うん、番組の収録の時に貰って」

加蓮「凛だけズルいよねー?」

奈緒「いや、あたし達が貰っても意味ないだろ?」

加蓮「んー……」


加蓮「あ、そうだ!」

加蓮「バウリンガル、試しに使ってみない?」

加蓮「ね、良いでしょ?」


凛・奈緒「はいっ?」

武内P「……今、ですか?」
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 11:46:01.63 ID:h+W9Smybo
凛「でも、犬なんてどこにも居ないでしょ」

加蓮「これって要は、犬とコミュニケーションを取るための物だよね?」

武内P「……成る程、そういう事ですか」

奈緒「どういう事だ? なあおい、説明しろって」


加蓮「アタシ達で、犬の鳴き声をやってみてさ」

加蓮「バウリンガルが、正しく判定してくれるか」

加蓮「……どう? 面白そうじゃない?」


凛「それは……確かに、ちょっと面白いかも」

奈緒「そうかぁ? 上手く出来ても、なんか複雑じゃないか?」

武内P「……此処で、ですか?」
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 11:53:05.71 ID:h+W9Smybo
凛「プロデューサーって、よく犬に吠えられてるもんね」クスッ!

武内P「ええ、まあ……」

加蓮「アハッ! じゃあ、吠えられる役やってよ!」クスクスッ!

武内P「私が、ですか?」

奈緒「なんかごめんな? 二人、盛り上がってるし……良い?」

武内P「いえ、そうですね……」


武内P「……わかりました」

武内P「上手くいけば、何かの企画に使えるかも知れません」

武内P「皆さんの、バウリンガルを使用しての――相手役」

武内P「私が、勤めさせて頂きます」


凛「……いや、そんなに気合入れなくても良いってば」

加蓮「ちょっとした遊びだって、ねっ?」

奈緒「でもまあ、そう言われたら……頑張ってみるか!」
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 11:58:41.92 ID:h+W9Smybo
  ・  ・  ・

武内P「――では、私がバウリンガルを持ち」

武内P「皆さんの犬の鳴き真似を判定していこうと思います」


加蓮「とりあえず、最初は凛からで」

奈緒「だな、上手く出来そうだし」

凛「私から? まあ、良いけど」


加蓮「――何かの意図を込めて、鳴き真似をして」

奈緒「――バウリンガルに、判定して貰う」

凛「――それで、意図を発表して……答え合わせ、ね」


武内P「了解しました」

武内P「では……いつでもどうぞ」
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 12:03:32.50 ID:h+W9Smybo
凛「……なんか、ちょっと緊張するかも」

武内P「少し、リラックスした方が良いかも知れませんね」

凛「何で?」

武内P「緊張が乗って、判定結果が違ってしまう場合も」

凛「あ、そっか」


凛「すぅ……ふぅ……」

凛「……ん、もう大丈夫」

凛「いくよ?」


武内P「はい」


凛「――わんっ」


武内P「……」

判定中…
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 12:08:40.12 ID:h+W9Smybo
加蓮「ふふっ! 凛、犬の鳴き真似上手いじゃん!」クスクスッ!

奈緒「くくっ! まさか、あんな真面目にやるなんて!」クスクスッ!

凛「いや、だって! 付き合って貰ってるんだし!」

加蓮「それで、今のってどんな鳴き声?」

奈緒「お腹が空いた、とかか?」

凛「違うから」


凛「――信頼してる、かな」


加蓮・奈緒「おー!」


凛「ちょっと! そういう反応やめてくれる!?」


武内P「判定結果は――」



『好き』



武内P「……」

武内P「えっ?」
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 12:13:41.80 ID:h+W9Smybo
凛「? どうしたの?」

武内P「あ、いえ……」

凛「もしかして、エラーとか出た?」

武内P「! はい、すみません……」

凛「じゃあ、今度は大きな声でやってみるから」

武内P「……はい、お願いします」


凛「――わんっ!」


加蓮「う〜ん、ちゃんとやってよ、とか?」

奈緒「声が大きくなっただけで、信頼してる、のままだろ?」

凛「奈緒が正解」



武内P「……」


『大好き!』


武内P「…………」
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 12:15:02.81 ID:eD7NsDYDO
聖來と優もお願いしまむら
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 12:20:33.05 ID:h+W9Smybo
凛「どうだった?」


武内P「あ、いえ!」

武内P「どうしても、犬用なので細かいニュアンスは違いますが……」

武内P「同じ意味の言葉が出てきました……その、概ね」


凛「? なんか、ひっかかる言い方だけど……」

加蓮「へー! 凛、凄いじゃん!」

凛「え、あ、うん……そう、なのかな」

奈緒「ハナコに話しかける時は、犬語でも良いんじゃないか?」

加蓮「でも、信頼してる、だなんて……ふふっ! 凛〜?」

凛「っ!?/// いや、今のは……!///」

奈緒「あはは! 照れるなって〜!」


武内P「……!」ホッ!
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 12:25:21.69 ID:h+W9Smybo
加蓮「それじゃあ、もう一言だけやっとこっか!」ニコニコ!

奈緒「だな! 信頼してるプロデューサーさんに!」ニコニコ!

凛「私は、もう良いってば!///」

加蓮・奈緒「まあまあ!」


武内P「……」


凛「〜〜っ!///」

凛「――わんっ!」


加蓮「ねね、今のはどんな意味?」ニヤニヤ!

奈緒「なあ、早く教えろよ! り〜ん〜!」ニヤニヤ!

凛「……こういう時はフォローして、って意味!」


武内P「……」


『もっと構って〜!』


武内P「…………はい、合っています」
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 12:34:44.27 ID:h+W9Smybo
凛「もう……! ほら、次は加蓮!」

加蓮「私? えー、キャラじゃなくない?」

奈緒「お前、その逃げ方はズルいだろ!?」

凛「加蓮?」

加蓮「あははっ、ジョーダンだって!」


加蓮「ん〜……どんなのにしよっかな」

加蓮「……」

加蓮「よし、決めた。準備オッケー?」


武内P「……はい」

武内P「いつでもどうぞ……」
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 12:42:38.56 ID:h+W9Smybo
加蓮「それじゃ、いくよ〜……」

武内P「……はい」


加蓮「――わんっ♪」


凛「ちょっと……それ、なんか違わない?」

奈緒「犬っていうか、思いっきり加蓮だろそれ」

加蓮「どう? 可愛かったでしょ?」ニコッ!

凛「加蓮……?」

加蓮「アハハッ! 今のは練習だって!」

奈緒「次は、真面目にやれよな〜?」


武内P「っ……!」


『可愛いでしょ?』


武内P「……!!」
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 12:49:09.42 ID:h+W9Smybo
加蓮「それじゃ、本番ね!」ニコッ!

武内P「……あっ、あの――」


加蓮「――わんわんっ」


『もっと見て』


武内P「っ!?」


加蓮「――わんわーんっ」


『もっと知って』


武内P「ほ、北條さん……!?」


加蓮「――わぉ〜んっ」


『好きになって』


武内P「……!?……!?」
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 12:50:49.49 ID:XI2H6Bp7O
犬語に変換できるだけの表現力があるアイドルが凄いのか
それともアイドルの本心を的確に捉える機械が凄いのか
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 12:57:56.99 ID:h+W9Smybo
加蓮「どう? ポン、ポン、ポンッ、ってやってみたんだけど」


武内P「え、ええ……」


凛「ねえ、今のってもしかして……長文?」

加蓮「そっ! 長い文章も出来るのかな〜、って!」

奈緒「ちなみに、どんな意味だったんだ?」

加蓮「んー?」


加蓮「――担当じゃないけれど」

加蓮「――お仕事で絡むこともあるし」

加蓮「――宜しくお願いしま〜す」


加蓮「って意味!」

凛「そんなの、犬が言う筈ないでしょ!」

奈緒「真面目なフリして、それはズルくないか!?」


武内P「……!」
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 13:05:17.70 ID:h+W9Smybo
加蓮「それで、判定の結果はどうだったの?」


武内P「あ、いえ!」

武内P「仕事等の単語は出てはきませんでしたが……」

武内P「似たような言葉が出てきて、はい……宜しくお願いします」


加蓮「えーっ! バウリンガル、超凄くない?」

凛「ふーん、よく出来てるね」

奈緒「気持ちを込めたら、言葉って通じるもんなんだな」

加蓮「私の犬の鳴き真似が上手かったのもあるんじゃない?」

凛「確かに、結構本格的だったかも」

奈緒「やめろよ〜! なんかプレッシャーを感じるだろ〜!」


武内P「……!」
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 13:11:03.89 ID:h+W9Smybo
凛「ふふっ! 奈緒、期待してるから」ニコッ!

加蓮「奈緒〜? 手を抜いたりはしないよね〜?」ニヤニヤ!

奈緒「ぐっ!? にっ、逃げ道を塞ぐなぁ!」


武内P「……!」


奈緒「っ……!」

奈緒「――こんにちは!」

奈緒「――ワンッ!」


凛「えっ? 先に、答えを言うの?」

加蓮「それにしたって、こんにちは、って……」

奈緒「しょ、しょうがないだろ!? 思いつかなかったんだから!」


武内P「……」


『お腹空いた〜!』


武内P「……成る程」
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 13:17:42.15 ID:h+W9Smybo
奈緒「なあ、どんな判定が出た? 合ってたか?」

武内P「あの……神谷さん、お聞きしても?」

奈緒「うん?」

武内P「……お腹は、空いていますか?」

奈緒「へっ?」

武内P「……」

奈緒「……」


凛・加蓮「……ぷっ!」

凛「なっ、奈緒……帰りにどっか寄ってこうか……ふっ、ふふふっ!」

加蓮「うっくくく……! あー、ダメ……お腹痛い、あははっ!」


奈緒「〜〜っ!///」

奈緒「お前ら、笑いすぎだろぉっ!?///」
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 13:23:51.98 ID:h+W9Smybo
奈緒「バウリンガルが間違ってるだけだって!///」

武内P「す、すみません……」

奈緒「謝るなってぇ!///」


凛・加蓮「あははははっ!」

凛「なっ、奈緒……もう一回、やってみたら?……ふふっ!」

加蓮「そ、そうだね……! そしたら、わかる……あーダメ、おっかしっ!」


奈緒「〜〜っ!///」

奈緒「――ワァンッ!」


『ゴハンちょうだい〜!』


武内P「…………笑顔です」


奈緒「なんで申し訳なさそうに言ってるんだよぉっ!?///」

凛・加蓮「あはっ、あははははっ!」
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 13:28:16.37 ID:h+W9Smybo
  ・  ・  ・

その夜


奈緒「……くっそ〜っ!」

奈緒「凛も加蓮も、散々笑いやがって……!」


奈緒「……」


奈緒「でも、まあ……」

奈緒「あの後、ゴハン連れてって貰えたし……」

奈緒「……結果的にはアリ、か?」


奈緒「…………」


奈緒「いや、なんか納得出来ない!」

奈緒「次の機会があったら、今度は絶対上手くやってやる!」
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 13:32:11.20 ID:h+W9Smybo
  ・  ・  ・

加蓮「何々〜?」

加蓮「……へぇ、バウリンガルってよく出来てるんだ」

加蓮「……」

加蓮「ん? アプリもあるんだ」


加蓮「……」


加蓮「面白そうだし、入れてみようかな」

加蓮「犬の言葉で、ドキッとするような事言ってみたり?」

加蓮「……マズったら、翻訳がおかしいって言えるし」


加蓮「…………」


加蓮「ん、オッケ」

加蓮「それじゃ、寝る前にちょっと遊んでみよっかな〜」
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/20(土) 13:38:55.67 ID:h+W9Smybo
  ・  ・  ・

凛「設定は……うん、これで良いかな」

凛「ハナコを驚かせないように、小さな声でやらないと」

凛「……でも、どうしようかな」

凛「最初は、どんな言葉を練習しようか……」


凛「……」


凛「……ありがとう、かな」

凛「今までもそうだし、それに今日だって……」

凛「……いや、プロデューサーは関係無いから」


凛「――わんっ」


凛「…………」



凛「嘘でしょ?」




おわり
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 13:58:23.41 ID:eD7NsDYDO
あー、明日から加蓮も増えるのか

743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 14:24:34.05 ID:NGsuj2lRo
ミナミィにやらせたら綺麗な美波に戻ってくれる…?
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 15:01:24.41 ID:i/H5BnR8o
アプリ探してみたらiPhone版しか無かった
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 16:15:27.84 ID:DcMoFiUZo
奈緒はほんと可愛いなぁ!
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 19:07:01.11 ID:hlLXqJzVo
さすが凛わんわん
顔赤くしてそっぽ向きつつシッポは激しくフリフリしてる
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 22:56:34.78 ID:grJJoayNo
自虐的なことを言ってから「チクショー!!」と叫ぶ白坂小梅お願いします
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 23:13:12.13 ID:RzIS52sjo
武内PとまゆPが入れ替わる話はどうかな?
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/20(土) 23:41:43.58 ID:XI2H6Bp7O
武内Pって色々なプロデュース力(ちから)を披露してきたけど一体どれだけの技があるんだろうか
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 00:29:34.76 ID:Ab56xINRo
ショタや赤ちゃんになる話はよくある
逆に爺さんになった話を作ればいいん
もしくは未来に飛ばされる
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 00:34:19.86 ID:2JtnefFv0
タイムトラベル物だったら未来から武Pの娘やって来る話が見たい
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 00:47:12.76 ID:Liz6Va/Jo
>>749
2000の技を持つ男で1番目の技は笑顔なんですねわかります
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 03:40:20.95 ID:J1L0vzs70
信頼してるを堂々言える凛ちゃんも内心どストレートな凛ちゃんもめっちゃ可愛いし加蓮もあざといし奈緒は和むなぁ
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 08:15:51.66 ID:wW7gNuD6o
武内PのTSverってどんな感じになるんだろうな
体つきは逆にスラッとしそうだが

無表情で、食に関心があって…ってまさか
755 :sage [sage]:2019/07/21(日) 17:35:40.80 ID:39aFcBzeO
そして彼女の趣味は天体観測
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 19:39:00.21 ID:CWgkgv7Vo
武内Pって黒ピニャの中の人だけど
ガチャピンチャレンジの中の人のにおいがする
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 20:36:02.52 ID:iGJ+U9/To
書きます


武内P「私の娘、ですか?」
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 20:39:44.42 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「ダー……間違いない、です」

武内P「いえ、ですが」

アーニャ「シトー?」

武内P「……」


のあ「真実は一つでも、見えているとは限らない」

のあ「……つまりは、そういう事よ」


CPアイドル達「…………」


武内P「……すみません」

武内P「高峯さん、話に乗らないで下さい」
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 20:44:25.35 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「プロデューサーとノアは……静かな人、ですね?」

武内P「いえ、ですが」

アーニャ「シトー?」

武内P「……」


のあ「思考を止めているのではないわ」

のあ「……ただ、それを全て伝達する術は、言葉だけに限らない」


CPアイドル達「…………」


武内P「……高峯さん」

武内P「アナスタシアさんの、話に乗るのは、やめてください」
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 20:48:42.10 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「プロデューサーとノアは……食べるのが好き、ですね?」

武内P「いえ、ですが」

アーニャ「シトー?」

武内P「……」


のあ「人が己の欲を満たそうとするのは、当然の行為」

のあ「食事というのは、当然、必要……そして、娯楽でもあるわ」


CPアイドル達「…………」


武内P「確かに」

武内P「……待ってください、食事に関して同意しただけです」
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 20:51:55.31 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「プロデューサーとノアが……好きな食べ物は、何ですか?」

武内P「えっ?」

アーニャ「トゥリー♪ ドヴァー♪ アジーン♪」

武内P「えっ、あっ」


武内P・のあ「ハンバーグ」


アーニャ「……ハラショー♪」


CPアイドル達「…………」


武内P「まっ、待ってください!」

武内P「咄嗟に出たのがハンバーグなだけであって……!」
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 20:59:17.94 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「プロデューサー、アーニャの趣味、知っていますね?」

武内P「天体観測、ですね」

アーニャ「ダー♪ ズヴィズダー、星を見るのが好き、です♪」

武内P「……」


のあ「私達の目に映る星の輝きは、遥か過去のもの」

のあ「けれど、それを見ている瞬間は、現在と過去が繋がっている」


CPアイドル達「……」


武内P「……いえ、確かに」

武内P「高峯さんの趣味も、天体観測ですが……」
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 21:09:13.74 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「オイ シトー ジェーラチ? ンー?」キョロキョロ!

アーニャ「あれ、どうしましょう? ンーッ?」キョロキョロ!

アーニャ「プロデューサー、大変、です!」

武内P「……何が、ですか?」


アーニャ「プロデューサーの子供が、ノアですね?」

アーニャ「アーニャとノアの趣味が、一緒ですね?」

アーニャ「オイ シトー ジィィェ〜〜ラチ?」ニコッ!


のあ「夜空に無数に存在する星を一人で見るのは、むしろ強欲」

のあ「でも、誰かと分け合う事が出来るのなら、より価値のあるものになるわ」


CPアイドル達「…………」


武内P「……すみません」

武内P「皆さん、何か言って下さい……!」
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 21:21:34.41 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「オーッ! アー! 大変、です!」ペチンッ!

武内P「……どうしましたか?」

アーニャ「ニェート! 言えない、です! ニェ〜〜ット!」フルフル!

武内P「は、はあ……」


アーニャ「アーニャ、ハンバーグを作る練習、しています!」

アーニャ「プロデューサーとノアが好きな、ハンバーグ!」

アーニャ「ニェート! ニェニェニェニェ――〜〜ット!」アチャー!


のあ「誰のためかは、さほど重要ではないわ」

のあ「重要なのは、貴女の感情が、どれだけ込められているかよ」


CPアイドル達「…………」


武内P「はい、料理は愛情と言いますから」

武内P「……」

武内P「……待ってください、今のは……待ってください」
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 21:33:07.50 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「ニェート……! そんな、まさか……!」

武内P「いえ、ですが」

アーニャ「ニェッ!」シ〜ッ!

武内P「……」


のあ「……三人で、囲む食卓」

のあ「そこにハンバーグがあるのなら、私にとってはパーティーに等しい」

のあ「……ええ、味わい深い時間になりそうね」


アーニャ「ニェ〜〜〜〜ット!///」クネクネッ!

アーニャ「アーニャは、ホームパーティーが趣味、です!///」イヤンイヤン!


CPアイドル達「……」


武内P「まっ、待ってください!」

武内P「そこに、私の意見は何も反映されていません!」
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 21:42:26.46 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「シトー?」

アーニャ「プロデューサー、ハンバーグが好き、ですね?」

武内P「それは……ええ、まあ」


アーニャ「シトシトー?」

アーニャ「ノア、ハンバーグが好き、ですね?」

のあ「ええ、ハンバーグの持つ引力は、私を惹きつけてやまない」


アーニャ「シトシトシトー? ンー……パーティーは?」

武内P「……」


アーニャ「………………嫌、ですか?」ウルッ!


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「嫌だとは、決して思いません」


CPアイドル達「プロデューサー!!!」


武内P「はい、土下座する心の準備は出来ています」
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 21:53:31.67 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「アー、家族水入らず、ですね?」

武内P「待って下さい、アナスタシアさん」

アーニャ「ニェート、時計の針、動き始めました」

武内P「その時計は修理に出してください」


武内P「パーティーならば……」

武内P「……三人である必要は、無いとは思いませんか?」


アーニャ「っ……!」


智絵里「でも……お父さんとお母さんと、三人でテーブル囲んで」

智絵里「美味しいご飯があって、会話が弾んで……笑顔があって」

智絵里「それだけじゃ……ダメ、ですか?」

智絵里「あったかい食卓なだけで……わたしは、幸せだと思うんです」


武内P「待ってください!」

武内P「緒方さん、その……待ってください!」
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 22:00:33.16 ID:sVy99lNDO
重いよ、ちえりん!
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 22:07:36.55 ID:iGJ+U9/To
CPアイドル達「……」スンッ…


武内P「皆さん! えっ、笑顔です!」

武内P「くっ……緒方さんの奇襲は、あまりにも……!」


アーニャ「オー! 今、気付きました!」

アーニャ「アーニャと、ノアの、髪の色!」

アーニャ「ハラショー♪ とっても、似ています♪」ニコッ!


のあ「似ているけれど、同じでは無い……」

のあ「混じり合い、溶け合って生まれた、新たな色」


アーニャ「ニェート/// ノア、いけません///」テレテレ!

アーニャ「プロデューサー、頑張りますか?///」チラッ!


武内P「何をですか!?」

武内P「……待ってください、言わないでください!」
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 22:22:00.03 ID:iGJ+U9/To
アーニャ「でも……アーニャはアイドル、です」

武内P「! はい!」

アーニャ「プロデューサーが……皆が、困ってしまいますね?」

武内P「はい、その通りです!」


のあ「困難や苦難は、どの道にも待ち受けているものよ」

のあ「しかし、それは実像ではなく、虚像の時もある」

のあ「実像だとしても、それを乗り越えていけるのが……アイドル」

のあ「歌と踊りは、それを助ける神と呼ばれる存在へ、奉納へされていたもの」


CPアイドル達「……!」


武内P「……」

武内P「待ってください」
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 22:27:14.72 ID:iGJ+U9/To
武内P「高峯さんは……この状況を楽しんでいませんか?」

のあ「私が? 楽しんでいる?」

武内P「はい」

のあ「どうかしら。判明している……三つの要素」

武内P「……それは、一体?」


のあ「――ハラハラ」

のあ「――ドキドキ」

のあ「――ワクワク」


のあ「……これらが、私の中で高まり、上手く感情を言葉に出来ないわね」


武内P「……成る程」

武内P「高峯さんが、私の想像以上に楽しんでいるのがわかりました」
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 22:42:10.42 ID:iGJ+U9/To
CPアイドル達「困難を……乗り越える……!」


武内P「み、皆さん!?」

武内P「何故、噛みしめるように……その言葉を!?」


アーニャ「ニェ――ット! ダメ、です! ムリ、です!」

アーニャ「プロデューサーは、子供が、います!」

アーニャ「アーニャが、お腹を痛めて、生みました!」

アーニャ「星の! 綺麗な! 夜でした!」


武内P「何故、そんなわかりきった嘘を!?」


のあ「世界には、無限の可能性が溢れているわ」

のあ「有り得ないという言葉は……」

のあ「……有り得ない事が起きた時にも、使われる」

のあ「なら、全ては有り得る、起こり得るのではないかしら?」


武内P「まず、貴女はアナスタシアさんより歳上です!」
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/21(日) 23:07:25.50 ID:iGJ+U9/To
  ・  ・  ・

のあ「――労いの言葉は、必要かしら?」


武内P「いえ、大丈夫です……」


のあ「貴方なら、そう言うとわかっていたわ」

武内P「……」

のあ「けれど、聞きたかった。いえ、聞いてみたかったのかも知れない」

武内P「何を……ですか?」

のあ「貴方が、自分から労って欲しい時は、何と言うのかを」

武内P「……」


のあ「――肩を揉ませて頂戴」

のあ「まだ、今の貴方には必要ないかも知れないけれど」

のあ「……これは、とても重要なコミュニケーションだから」


武内P「? はあ……いえ、しかし」



のあ「時を超えても、変わる事は無いわ」

のあ「そして……真実は、闇の中」




おわり
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/21(日) 23:09:04.27 ID:gJZgH8Qi0
おや・・・?
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 00:37:54.68 ID:xObBiqjSo
第四の壁を超える系アイドルがここにも
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 01:16:10.60 ID:6bjV083SO
飛鳥「ゼロが過去で一が未来、今は何処にも無い、背くことのできぬロジック」

シンデレラガールズプロジェクト二期生の飛鳥くんも忘れずに、よろしくお願いしまあああす!!
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 01:39:24.13 ID:4CL/2FEjo
急に出て来て空気をどん底まで重くするちえりん好き
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 03:08:05.69 ID:O/RgyAS5o
タイムマシンにおねがい
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 04:14:07.04 ID:5qPGmgGFo
困難て言うけど別にアイドル側には困難でもないよね
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 12:37:47.72 ID:yU191iwYO
武内(仮称)Pではなく、高峯Pの可能性が微粒子レベルで存在する…?
781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 12:52:09.69 ID:F3atyHRW0
実は孫
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 17:26:49.09 ID:cx5jarX4o
もう一度タイムワープを
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 17:48:31.54 ID:gJ/hg4tDO
心斜め15度に♪
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 20:59:32.87 ID:VR1Mx8qmo
書きます


武内P「リップクリーム、ですか」
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 21:04:56.11 ID:VR1Mx8qmo
奏「そうなの。色々な所で貰って、余っちゃって」

武内P「それを頂ける……と?」

奏「ええ。使用期限もあるし、捨てるのも勿体無いでしょ?」

武内P「そう、ですね……」

奏「シンデレラプロジェクトの子に、渡してあげて」

武内P「はい、ありがとうございます」


奏「貴方には、使用済みのリップクリームを」

奏「すぐにでもわけてあげられるけど……どうする?」

奏「……ふふっ! なんて、ね」


武内P「は、はあ……」
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 21:10:57.80 ID:VR1Mx8qmo
  ・  ・  ・

フレデリカ「凄い数だね! 唇、プルプルで溶けちゃうね!」

志希「にゃはは! 使い切ろうとするだけで大変だよ〜!」

周子「それにしても、二人共話し込んでるみたいだねー」

美嘉「クローネのリーダーでもあるし、色々あるんじゃない?」


フレデリカ「はい! フレちゃん、気になっちゃいました!」


志希・周子・美嘉「何が?」


フレデリカ「リップクリームの使い道です!」


志希・周子・美嘉「……」

志希・周子・美嘉「うん?」
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 21:13:09.78 ID:xhXliWnmo
アナルに入れたりしはるんやろなあ
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 21:16:58.15 ID:VR1Mx8qmo
志希「フレちゃんや、どういう事だね?」

フレデリカ「志希ちゃんや、そういう事だよ」

周子「余ったからあげる、で良いんじゃないの?」

フレデリカ「シューコちゃんや、そういう事じゃなくてだね」

美嘉「……唇に塗る以外の使い道、ってコト?」

フレデリカ「ピンポーン! 正解した美嘉ちゃんには、リップ一本!」

美嘉「いや、もうかなり余ってるし……」


フレデリカ「アタシ達が貰ったものだしさ」

フレデリカ「出来るだけ、アタシ達で使った方が良いと思うのです!」

フレデリカ「どうですか! フレちゃん、良い事言ってます!」


志希・周子・美嘉「おー……!」
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 21:22:07.82 ID:VR1Mx8qmo
志希「リップクリームの成分次第では、色々出来そ〜!」

フレデリカ「さすがシキちゃん! リップで○を描いてあげましょう!」

周子「それは無駄遣いだから、ちょっと違うんじゃないかなー」

美嘉「ちょっと待ってねー★ 今、ケータイで調べてみるから★」


美嘉「えっと、何々〜……?」


フレデリカ・志希・周子「あった?」


美嘉「…………乳首に塗る?」


フレデリカ・志希・周子「……」

フレデリカ・志希・周子「そっかー」
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 21:26:12.92 ID:VR1Mx8qmo
美嘉「いや、マジで書いてあるんだって!」

美嘉「なんか、塗ると乳首が瑞々しく……いや、わかんないケド!」

美嘉「ホント、書いてあるの!」


フレデリカ「シキちゃん? 判定や、いかに! たこに!」

志希「乾燥を抑える成分が入ってるから、効果はあるだろうね〜」

周子「そっか……それじゃ、本当に書いてあったんだねー」


美嘉「変な疑いかけるのやめてくれる!?」

美嘉「マジで書いてあっ」


フレデリカ・志希・周子「誰から塗る?」


美嘉「マジで言ってるの!?」
791 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 21:35:23.61 ID:VR1Mx8qmo
フレデリカ「ミカちゃん! 今日のアタシ達は? そう、オシャレ!」

美嘉「オシャレと乳首に何のカンケーが!?」

志希「すっごいグーゼンだよねぇ! 確率的にも低いし♪」

美嘉「えっ!? 何!? どういうコト!?」

周子「ほら、美嘉ちゃん。今日のあたし達の格好ってさ?」


フレデリカ「――キャミのレース!」キャルンッ♪

志希「――タンクトップ〜♪」ニャンッ♪

周子「――シャツと見せかけての袖あり〜」コンコンッ♪


美嘉「えっ? えーっと……キャミタイプッ★」ビシィッ♪


フレデリカ・志希・周子「ねっ?」


美嘉「うん」

美嘉「全員ブラトップだからって、何!?」
792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 21:47:30.94 ID:VR1Mx8qmo
フレデリカ「普通のブラと違って、サッと塗ってサッと着られるよ!」

美嘉「待って待って! ここで塗るの!?」

志希「タイム・イズ・マネー! 皆でプルプルになろ〜う♪」

美嘉「アタシらはLiPPS! NiPPLESじゃないから!」

周子「でもさ、どんな感じになるかちょっと気にならない?」

美嘉「実はケッコー気になってる! でも、ここで!?」


フレデリカ・志希・周子「――出さなきゃ負っけよ」


美嘉「!?」


フレデリカ・志希・周子「最初はグー♪」

美嘉「う、おおおっ!?」

グー!
793 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 21:53:17.49 ID:VR1Mx8qmo
美嘉「……!」

美嘉(ここで負けたら……!)

美嘉(絶対、アタシだけ塗るコトになる!)

美嘉(負けられない! このジャンケン、絶対に負けられない!)


美嘉「――!」カッ!

美嘉(唸れ★★★★ アタシのカリスマ★★★★★★)


フレデリカ・志希・周子「ジャンケン、ポン!」

パー!

美嘉「!」

チョキ!


美嘉「っ……しゃあいっ!」グッ!


フレデリカ・志希・周子「あー……」


美嘉「ホラ! アンタ達の、その反応! ホラ! ホーラね!」
794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 21:58:48.50 ID:VR1Mx8qmo
  ・  ・  ・

フレデリカ「それじゃ、アタシから塗っちゃうねん♪」


志希「フレちゃんファイト〜♪」

周子「応援するのも、なんかおかしい気がするなー」

美嘉「いや……てか、マジでやるんだ……」


フレデリカ「よいしょっ、と……」

ごそごそっ…

フレデリカ「まずはこっちで……」

もそもそっ…

フレデリカ「片方だけプルプルでも変だから……」

もそもそっ…


志希・周子・美嘉「……どう?」
795 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 22:01:35.48 ID:VR1Mx8qmo
フレデリカ「ん? んー……」

フレデリカ「……」

フレデリカ「シキちゃん、塗ってみて」


志希「あたし? はいは〜い♪」

ごそごそっ…

志希「とりあえず左で……」

もそもそっ…

志希「次は、右〜♪」

もそもそっ…


周子・美嘉「……」
796 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 22:04:23.39 ID:VR1Mx8qmo
志希「う〜ん……ん〜っ?」

志希「……」

志希「はい、周子ちゃん」


周子「使い回しって、どうなん?」

ごそごそっ…

周子「んー、こっちはこんな感じかなー」

もそもそっ…

周子「で、反対……と」

もそもそっ…


美嘉「……ど、どうなの?」
797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 22:07:39.96 ID:VR1Mx8qmo
周子「どう、って聞かれもねー……」

周子「……」

周子「美嘉ちゃん、ほいっ」


美嘉「まあ、塗ればわかるか……」

ごそごそっ…

美嘉「んー、あ、ここで……うん」

もそもそっ…

美嘉「それで……こんなカンジ?」

もそもそっ…


フレデリカ・志希・周子「……」


美嘉「……?」

美嘉「どうしたの……?」
798 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 22:12:18.23 ID:VR1Mx8qmo
フレデリカ・志希・周子「どう?」

美嘉「いや、どう……って……」


美嘉「――っ!?」パプリ!

美嘉「あっ……はっ、ほわあっ!?」

美嘉「スースーする! あっ、スーッて! スーッて!」

美嘉「すっごいスースーする! スースーするんだケド!?」


フレデリカ・志希・周子「だよね!!」


美嘉「アンタ達! アタシだけ違うのを渡s」


フレデリカ・志希・周子「ひゅぐうぅ〜っ……!」

フレデリカ・志希・周子「スースーするぅっ……!」


美嘉「アンタ達もスースーしてたの!?」
799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 22:21:55.03 ID:VR1Mx8qmo
ガチャッ!


フレデリカ・志希・周子・美嘉「!?」


奏「……貴女達、何を騒いでるの?」

武内P「……スースー、と聞こえてきましたが」


フレデリカ・志希・周子・美嘉「ううん?」フルフル!

フレデリカ「リップクリームを使ってただけだよん♪」イヤンッ!

志希「そうそう! 何にも悪いコトなんてしてな〜い♪」イヤンッ!

周子「せっかく貰ったものだし、暇だったしねー」イヤンッ!

美嘉「出来るだけアタシ達で使おうかなって★」イヤンッ!


奏「それは良いんだけど……何で、胸を抑えてるの?」

武内P「ええ……」
800 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 22:36:18.38 ID:VR1Mx8qmo
美嘉「ぶっ……ブラトップと手ブラが今年の流行り★ みたいな!?」イヤンッ!

周子「あたし達がやったら、本当に流行りそうだよねー」イヤンッ!

志希「んふっ♪ ど〜う? セクシーでしょ〜?」イヤンッ!

フレデリカ「セクシーだね! なんだか、ヒリヒリしてきちゃったね!」イヤンッ!


奏「何……?」

武内P「そのポーズは……少し刺激的すぎる、と」

武内P「……そう、思います」


フレデリカ・志希・周子・美嘉「はぁ〜い……!」イヤンッ!


奏「……? 皆、やけに素直じゃない」

武内P「イメージに関する事ですから……はい」
801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 22:41:37.59 ID:VR1Mx8qmo
奏「使ってみたリップって……コレかな?」

ひょいっ


フレデリカ・志希・周子・美嘉「はぁい……!」イヤンッ!


奏「ふふっ! 貴女達、いつまでやってるのよ?」クスッ!

武内P「……しかし、皆さんいつもより」

奏「ええ、大人しいわね。一体、どうしたのかしら」

武内P「ですが……私としては、助かります」

奏「……ふぅん?」


奏「貴方って、素直で大人しい子が好みなのかしら?」


武内P「いっ、いえ! 決して、そういう意味では!」


フレデリカ・志希・周子・美嘉「〜〜っ……!」イヤンッ!
802 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 22:47:12.59 ID:VR1Mx8qmo
奏「でも、助かるんでしょう?」

武内P「それは……」

奏「良いわ、私も貴方好みの女になってあげる」

武内P「えっ?」


奏「あの四人と同じ、このリップを塗って……」

キュ、ウッ…

奏「……唇に魔法をかけて、ね」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


奏「ふふっ! どんな魔法か、キスして確かめてみる?」ニコリ!


フレデリカ・志希・周子・美嘉「な……なんかごめぇん……!」イヤンッ!


奏「……何が?」
803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 22:59:50.61 ID:VR1Mx8qmo
奏「……でも、キスをしたら魔法が解けてしまう」

奏「それじゃあ、どんな魔法か確かめられない」

奏「だから――」


―スッ


奏「――私達、五人の唇に魔法をかけたこのリップ」

奏「どうするかは、貴方に任せるわ」

奏「……だけど、気をつけてね」

奏「逆に、貴方に魔法がかかるかも知れないから」クスッ!


武内P「……」


フレデリカ・志希・周子・美嘉「ほんとごめぇん……!」イヤンッ!


奏「……だから、何が?」
804 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/22(月) 23:08:38.76 ID:VR1Mx8qmo
奏「……まあ、良いわ。皆、行きましょ」

フレデリカ・志希・周子・美嘉「はい……」

奏「それじゃ、お邪魔したわね」


武内P「いえ、こちらこそありがとうございました」

武内P「この後も、お仕事頑張って下さい」


奏「ふふっ、ありがと」ニコッ!

奏「……でも、全員で来て良かったわ」

奏「貴方ったら、二人きりでも表情を変えないんだもの」

奏「……本当、つれない人」

奏「でも……かなり慌てた顔が見られたし、ね」


武内P「……そう、ですね」



奏「本当、スーッとしたわ♪」ニコッ!





おわり
805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 23:35:19.38 ID:6bjV083SO
ムヒとかウナクールがヤバイあそこに塗ると超ヤバイ

塗るなよ絶対塗るなよ良いか絶対だぞ
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 23:42:57.13 ID:gFVEeNQqo
昔キンカン塗って死にかけたわ
807 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/23(火) 00:11:37.26 ID:BvOZwWSAO
やめろよ…めっちゃヒリヒリするじゃないか…これもう寝れないよ…
808 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/23(火) 00:21:35.11 ID:D5mEhxqwo
>>805
太ももに塗るといいよな
809 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/23(火) 00:35:16.86 ID:FzDCKT+No
ラスボスはタイガーバームだな
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/23(火) 01:06:17.14 ID:HT4tNSNKo
全然関係ないんだけど、アナルケアで新時代の幕開けを見るスレ思い出した
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/23(火) 03:47:30.48 ID:VZUtyutco
普通にド直球のエロで困惑する
唯は…まあいいか
812 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 20:45:37.82 ID:5wzv9qGHo
テスト
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 20:49:18.82 ID:5wzv9qGHo
書きます


武内P「新田さん、道具を購入しましょう」
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 20:51:50.54 ID:5wzv9qGHo
美波「えっ? 道具……?」

武内P「はい」

美波「えっと、アイドル活動に必要なもの……ですか?」

武内P「いえ、違います」


武内P「新田さんが、プライベートで使用して頂くための道具です」

武内P「快適なプレーをするために、必須だと判断しました」


美波「……」

美波「えっ、ええっ!?///」
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 20:55:43.87 ID:5wzv9qGHo
美波「どっ、どうしたんですか!?///」

武内P「? 何が、ですか?」

美波「ぷっ、プライベートで……快適なプレーって、その……///」

武内P「はい」


武内P「――私は、新田さんのプロデューサーです」

武内P「貴女に、そういった指導をする義務があります」


美波「……そっ」

美波「そんな義務がっ!?///」
816 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 20:59:44.72 ID:5wzv9qGHo
美波「でも……そんな、お仕事なんて……///」

武内P「仕事だけでなく、私個人としてもです」

美波「えっ!?///」ドキッ!

武内P「……笑顔です」


武内P「――新田さんの、輝くような笑顔」

武内P「そのためのお手伝いが出来れば、と」

武内P「……そう、思っています」


美波「……にっ」

美波「ニヤニヤは!/// しちゃうと思いますけど!///」
817 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 21:03:55.34 ID:5wzv9qGHo
美波「でも、いきなり道具だなんて……!///」

武内P「新田さん、とても重要な事です」

美波「だけど、そんなっ……!///」

武内P「……宜しければ、ですが」


武内P「私も、購入の際は同行します」

武内P「一応ですが、一通り目は通しましたし……」

武内P「……購入した道具は、経費で落とせますので安心してください」


美波「一緒に選っ……!?///」

美波「……えっ!? ええっ、経費で落ちるんですか!?///」
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/24(水) 21:12:40.46 ID:cUPPLkcUo
○クロスの道具やろなあ
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 21:13:17.40 ID:5wzv9qGHo
美波「346プロ……す、凄いですね……?///」

武内P「アイドルの皆さんの事は、第一に考えていますから」

美波「でも、そんな所までケアするなんて……///」

武内P「……新田さん、申し訳ありません」


武内P「本当ならば、もっと早く気付くべきでした」

武内P「……取り返しのつかない事になる前で、良かったです」


美波「取り返しのつかない事!?」

美波「どっ……道具を使わないだけで!?///」
820 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 21:17:20.66 ID:5wzv9qGHo
美波「どう、取り返しがつかなくなるんですか!?」


武内P「そうですね……指の骨折や」


美波「骨折!? えっ、ええと……疲労骨折……とか?」

美波「……いや、有り得ないです!///」

美波「そんなに激しくしたりしません!///」


武内P「プレー中によくある怪我の内の一つ、らしいです」


美波「よくある!?///」

美波「そんな……皆、どんな風にしてるの……!?///」
821 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 21:24:46.49 ID:5wzv9qGHo
美波「ほっ……他には!? 他に、どんな怪我が!?」


武内P「最も恐ろしいのは、失明ですね」


美波「失明!?」

美波「失明って……えっ、冗談ですよね!?」

美波「はっ、激しいプレーだからって……そんな事には!///」


武内P「その油断が命取りです」

武内P「常に集中し続けていても、危険はつきまといます」


美波「そんな……!?///」

美波「目を閉じてても、駄目なの……!?///」
822 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 21:31:40.86 ID:5wzv9qGHo
美波「……おっ、お言葉ですけど!///」

武内P「? はい」

美波「――お互い、立場と言うものがあると思うんです!」

武内P「だからこそ、です」


武内P「新田さんは、シンデレラプロジェクトのリーダーとして……」

武内P「……今まで、色々な場面で他のメンバーの方を助けてきました」

武内P「私は、そんな貴女の助けになりたい、と」

武内P「……そう、思っています」


美波「〜〜っ!///」キュンッ!

美波「そっ、そんな言い方……ズルいです……!///」
823 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 21:38:36.34 ID:5wzv9qGHo
美波「ちなみに……お聞きしますけど……///」

武内P「はい」

美波「プロデューサーさんが調べた道具、って……?///」

武内P「主には、二つですね」

美波「二つ!?/// どっ、どど、どんな道具ですか!?///」

武内P「はい」


武内P「先ず、欠かせないのは――アイガードです」

武内P「これは、頭に装着するものなので……」

武内P「購入の際に色々試し、新田さんに最も合うものにしましょう」

武内P「ビジュアル面はさておき、機能性を重視します」


美波「……れっ」

美波「レベルが高ぁい!!///」
824 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 21:45:48.70 ID:5wzv9qGHo
美波「もっと、こう……ぽっ、ポピュラーなものじゃ!?///」

武内P「えっ?」

美波「いえ、ですから……!///」

武内P「……?」


武内P「アイガードは、とても重要だとありましたが……」

武内P「……ああ、成る程」

武内P「ストラップは、イメージカラーのブルー系統にしよう、と」

武内P「……そういう事でしょうか?」


美波「……とっ」

美波「とても重要……!?///」
825 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 21:53:07.12 ID:5wzv9qGHo
美波「……あっ、アイガードはわかりました!///」

武内P「はい、デザインも色々あるようです」

美波「もっ、もう一つ!/// もう一つは!?///」

武内P「はい」


武内P「――グローブです」

武内P「フィット感が高く、シリコン製の滑り止めがついているものを」

武内P「指の付け根をしっかりとガードするのは、重要です」


美波「……」

美波「あれっ?」
826 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 21:59:00.71 ID:5wzv9qGHo
美波「プロデューサーさんが言ってる道具、って……」

武内P「? はい」

美波「もしかして……ラクロスの道具、ですか?」

武内P「? ええ」


武内P「ラクロスには必要だ、と」

武内P「……そう、思ったのですが」


美波「……ふふっ! もう、プロデューサーさんったら♪」ニコッ!

美波(……言えない)
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 22:06:23.58 ID:5wzv9qGHo
武内P「新田さん?」

美波「いいえ、何でもありません♪」ニコッ!

武内P「?……良い、笑顔です」


美波「うふふっ♪」ニコッ!

美波(……さっきまでの私の勘違いは、さておき)

美波(私が所属してるのが、和気藹々のラクロスサークルなんて!)

美波(……と、言うか)

美波(レッスンもお仕事もあって、ほとんど行けてないの!)


武内P「新田さん、貴女のやりたい事を――全面的にサポートします」


美波「プロデューサーさん……!」キュンッ!

美波(ごめんなさい……!)

美波(美波、ラクロスサークルの事、忘れてました……!)
828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 22:17:28.27 ID:5wzv9qGHo
武内P「他に、何か必要だと思うものはありますか?」

美波「えっ、ええっと……その……」

武内P「遠慮せず、おっしゃって下さい」


美波「あの、ですね……!」

美波(プロデューサーさんに、言わなきゃ!)

美波(こんなに、私のためを思って言ってくれてるのに……!)

美波(水泳や、最近はゴルフとかにも――)


武内P「私に出来る事でしたら、何でも」


美波「…………」

美波「……」


美波「何でも?」
829 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 22:23:33.61 ID:5wzv9qGHo
美波「……」

武内P「新田さん?」

美波「あっ、すみません! ちょっと考え事してて……」

武内P「いえ、お気になさらず」


美波「――プロデューサーさん♪」

美波「私、新しい事にチャレンジするの……大好きです!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」

武内P「……」

武内P「新しい事……ですか?」
830 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 22:36:08.16 ID:5wzv9qGHo
美波「それで……プロデューサーさん」

武内P「はい」

美波「……手伝って、くれるんですか?///」モジモジ!

武内P「新田さん……」


武内P「――はい、勿論です」

武内P「見た事の無い景色を見ようと、一歩踏み出そうとして」

武内P「……もしも、誰かの助けが必要だと思った時」

武内P「私が、その役目を担えるのは……プロデューサー冥利に尽きます」


美波「……!///」

美波「プロデューサーさん……!///」ジュンッ!
831 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 22:43:37.01 ID:5wzv9qGHo
美波「良いんですか……?///」

武内P「当然です」

美波「……ふふっ♪ 美波、とっても嬉しいです♪」ニコッ!

武内P「……良い、笑顔です」


武内P「それで……新田さん?」

武内P「貴女が、必要だと思うものは何ですか?」


美波「プロデューサーさんが協力してくれるなら――」

美波「――他に、必要なものなんてありません♪」ニコッ!


武内P「えっ?」


美波「新しいことにチャレンジするんですから♪」

美波「だから、まずは――」



美波「プロデューサーさん、道具は使わずしましょう」




おわり
832 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/24(水) 22:50:34.21 ID:wxctV+XDO
?「所謂、卑し烏の代表みたいな雌です。容赦はいりません。論破です」

?「千枝、この尻軽女には貞操帯をつけ悶えさせるのが一番だと思います」

?「あら、私もそう思いますわ。どうせなら前後の敏感な穴に入るよう、腕ぐらいある太いモノをつけて」

?「リモコン付きでいつでもイカせることができるのがいいです〜」

?「イキそうになったら止めるのですね」

?「これは……お仕置き……決して……快楽ではない」
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/24(水) 23:07:13.38 ID:5wzv9qGHo
また板に不具合が出て止まった時のために、一応

俺はコテ酉を持たないので、たまに間違われる方とは別人です
元々10年以上昔のVIPで書いてたので、つける事自体に抵抗があります
なので、ご不便をおかけする場合があります、申し訳ない

いつ終わるかわかりませんが、お付き合い頂けると幸いです
おやすみなさい
834 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/24(水) 23:11:07.72 ID:AMjiI5J0o
ラクロスも○クロスも一字違いで似たようなもんだろ
835 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/24(水) 23:16:39.46 ID:7SkOSeEro
あの自己主張の激しい輩と間違われるのは不幸だな
836 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 00:00:00.44 ID:DTrV8bi+o
地の文つきで汚い話かけば一発でわかるから大丈夫
837 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 00:10:26.21 ID:l+1HY4l8o
そろそろトランスフォーマーのクロス書かないかな
スタスクさんがニュージェネのニューリーダーになったり
838 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 00:40:35.99 ID:uwpc/DJSO
アーニャがバス停の苔に話しかけるのか
839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 02:45:49.03 ID:pd5kFfu5o
おつかれ〜
責められると弱いなあ。いや強いのか
840 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/25(木) 12:05:18.66 ID:JEe9Z49r0
また不具合起きてたのか
アイドルのレッスン仕事やっててガチガチの部活には入れんわな
841 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 20:54:52.90 ID:65btjDTyo
書きます


武内P「昔からガイル使いです」
842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 21:00:11.37 ID:65btjDTyo
杏(――ある、TV番組の収録で)

杏(杏達、『CANDY ISLAND』はゲームをする事になった)

杏(それまではさ、体を使ったゲームだったんだよ?)

杏(なのに、急に普通のゲームをやれって言うんだもん)

杏(智絵里ちゃんとかな子ちゃんが笑ってるのを見て、わかったね)


杏(――ゲームが好きな杏への、ちょっとしたドッキリ)


杏(本当、困っちゃうよね〜)

杏(だから、それを仕組んだプロデューサーに意地悪するつもりで言ったのさ)


杏「え〜っ? 杏、このゲームやった事ないから出来な〜い」

杏「プロデューサー、代わりに戦って〜」ニコッ!


杏(……なんてね)
843 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 21:06:34.61 ID:65btjDTyo
杏(そしたらさ、番組スタッフさん達も盛り上がったよねぇ〜)

杏(智絵里ちゃんもかな子ちゃんも、何かを期待してる感じだった)

杏(杏?)

杏(そりゃあ勿論、笑顔でお願いしたよ〜!)

杏(……それで、プロデューサーのさっきの言葉)

杏(そこから、あれよあれよと、プロデューサーがPのマスクを被って――)

杏(あ、そうしないと画面が怖くなるから、って話らしいよ)

杏(――いざ、ゲームスタート)

杏(からの……)


武内P「……すみません」


杏(ま、結果はボッコボコだった訳さ!)

杏(しょうがないよね、相手が男だからって接待無しっぽかったもん)

杏(それでまぁ、笑いが起きつつ収録終わり!)

杏(これで、帰ってゆっくり寝られるよ〜)



杏(……なんて、思ってたんだけどね)
844 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 21:14:50.90 ID:65btjDTyo
杏「……」

杏(……あ〜あ、ついてないなぁ〜)

杏(うさぎを忘れたから、ちょっと戻っただけなのに)

杏(共演した人達が向こうから来るんだもん、とほほ)

杏(あの人達、な〜んかやらしい目で杏を見てたしねぇ)

杏(……よし、隠れてやり過ごそう!)

杏(カメラが回ってないから、仕事中じゃありませーん!)



「――それにしても、アイツ弱かったよなぁ!」

「昔からガイル使いです……」

「ぶっは! 声低っ! 似てる! あっははは!」



杏「……」
845 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 21:19:54.15 ID:65btjDTyo
「アイツのせいで可愛い子と対戦出来なかったわー!」

「でも、強ーい、って褒められただろ?」

「当然! オッサンなんかに負けるかっつーの」

「知識がUで止まってんじゃね? あの雑魚」



杏「…………」



「おかげであの子達に良い所見せられたから、感謝感謝」

「どっちだよ! あっはははは!」

「また収録一緒にならねえかなぁ」

「それで、またあのオッサン処るんだろ?」

「「あっはははははは!」」



杏「………………」…ビカ!
846 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 21:24:21.01 ID:65btjDTyo
  ・  ・  ・

杏「ごめんごめん、お待たせ〜」


かな子「杏ちゃん、遅かったね?」

智絵里「うさぎは見つかっ……あっ、手が……」


杏「手?」

杏「……あちゃ〜、破けちゃってるね」


武内P「あの……双葉さん?」


杏「ん〜? どうしたの〜?」


武内P「何か、ありましたか?」


杏「……」

杏「いいや、別になーんにも」

杏「強いて言えば、早く事務所に帰ってゴロゴロしたい位かな〜」
847 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 21:31:06.33 ID:65btjDTyo
武内P「いえ、ですが……」


杏「ふわ〜ぁ! 早く車で寝た〜い!」


武内P「……」


かな子「今日の収録は、体を動かしたもんね〜」

智絵里「でも……最後のは、プロデューサーが」

武内P「いえ、番組のスタッフさんからの提案とは言え――」

武内P「――双葉さんに黙っていた、私の責任ですから」

かな子「でも、一緒にお仕事出来て嬉しかったです♪」

武内P「えっ?」

智絵里「わたしも、プロデューサーと……お、同じユニットみたいで……///」


武内P「三村さん、緒方さん……」


かな子・智絵里「えへへっ♪」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


杏「…………」
848 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 21:36:35.81 ID:65btjDTyo
武内P「ですが、アッサリと負けてしまって……すみません」

かな子「それでも良いんです! だって――」

智絵里「――わたし達のために、頑張ってくれたんだから♪」

武内P「……はい、ありがとうございます」


杏「………………」


武内P「……ですが、一つだけ付け加えさせてください」

かな子・智絵里「えっ?」

武内P「私が、あのゲームをプレイしていたのは、大分昔の話で……」

武内P「……それに、簡単に負けてしまいましたが」

かな子・智絵里「……はい」

武内P「久々に、対戦が出来て――」


武内P「――私も、楽しかったですから」ニコリ


かな子・智絵里「……はいっ♪」ニコッ!


杏「……………………」
849 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 21:47:14.87 ID:65btjDTyo
  ・  ・  ・

杏「……」


紗南「う〜ん、やっぱり地道に対戦とかトレモを繰り返すしか無いよ!」

紗南「簡単に強くなる方法なんて無いって!」

紗南「……あたしが練習相手になっても良いんだけどさ〜」

紗南「格ゲーのメインは、鉄拳とかバーチャの3Dなんだよね」

紗南「2Dは、どっちかと言うとSNK派だし」

紗南「……」

紗南「でも、そんなエンジョイな感じじゃないんだよね?」


杏「うん」


紗南「……ん〜、どうしたら良いんだろ」

紗南「ゲームに関して、的確なアドバイスが出来ないなんて!」

紗南「……」

紗南「あっ」


杏「?」


紗南「もしかしたら、だけど……」
850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 22:00:10.64 ID:65btjDTyo
杏「何か、良い方法思いついたの?」


紗南「ほら、あたしってゲーマーアイドルでしょ?」

紗南「だから、ゲーマーの人たちのTwitterもチェックしてるんだ」

紗南「……というか、フォローしてるよね!」

紗南「その中には、プロの人も居て……」

紗南「……その人達の中には、当然さ?」


杏「……うん、わかった」

杏「ありがとね、あとは杏が自分で何とかしてみるよ〜」


紗南「いや、でも!」

紗南「相手はプロだし! ゲームで忙しいだろうし!」

紗南「あたしも、何となく思っただけで……!」


杏「も〜、何言ってるのさ〜!」

杏「杏達も、アイドルに関してはプロだって忘れてない?」

杏「……ま、ちょっと表に出したくないから、こっそりやるつもりだけどね」


紗南「……やっ」

紗南「闇営業……!?」
851 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 22:12:07.00 ID:65btjDTyo
  ・  ・  ・

『――成る程』

『でもさ、それだとこっち側にメリットが無いんだ』

『――ゲームを教えるなら、それなりの利があるべき』

『じゃなきゃ、こっちが時間を使うだけ無駄になる訳だから』

『何かメリットがあるなら、考えない事も無い』


杏「……面白いと思わな〜い?」

杏「杏みたいなのがさ、大の男をボッコボコにしたら!」

杏「……それを録画して見せるってのじゃ駄目〜?」


『うん、それはそれでアリだと思う』

『だけど、それだけじゃ何かをするには足りないんだ』

『申し訳ないけど、こっちもゲームでメシを食ってる訳だから』

『……そもそもさ?』

『何で、こんな風に無理に連絡を取ったりしてまで強くなりたいのかがわからない』


杏「……」

杏「この通話、録音とかしてないよね〜?」


『いやー! それはどうだろう!』
852 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 22:23:09.74 ID:65btjDTyo
『……まあ、それは冗談だけど』

『本音じゃないな、って思ったらこの話はもう終わり』

『やるってなった場合は、こっちも本気でやる訳だから』

『そこが釣り合ってないなら、断るのはわかるよね?』


杏「……杏はさ」

杏「このゲームが特に好きでも無いし、別に強くなりたい訳じゃない」

杏「ま、たまたまこのゲームだった、っていうのが本音かな〜」


『うん。それで?』


杏「でもさ、杏の……お世話になってる人が、バカにされたんだよね」

杏「……そういうのって、ムカつくじゃんか」

杏「だから、バカにしたヤツをボッコボコにしたい」


『オッケー、引き受けましょう』


杏「へっ?」


『二度と格ゲーが出来ない体にするまである』
853 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 22:33:15.50 ID:65btjDTyo
杏「……今ので良いの?」


『良い理由か悪い理由かで言ったら、間違いなく悪い理由だと思う』

『誰かに憧れて〜、とかが……まあ、良い理由の例えの一つかな?』

『だけど、悪い理由でも、その内容が強ければアリだと思うんだ』

『元々格ゲーなんて、‘相手より俺の方が強い’ってゲームなんだから』


杏「じゃあ……」


『さっきも言った通り、引き受けるよ』

『キミがどれだけ出来るかとか、俺も海外行くとかあるけど』

『ちなみに、どの位までやる予定?』

『話を聞いた感じだと、勝つだけならそんなにガチじゃなくて済む』


杏「そりゃあ、勿論!」

杏「二度と格ゲーが出来ない体にするまで!」

杏「ご指導、宜しくお願いしま〜す♪」


『あっははは! オッケー、良いでしょう!』

『――ちょっと、乗りそうなのに連絡とかしてみるわ』
854 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 22:47:02.35 ID:65btjDTyo
  ・  ・  ・

杏「――はじめまして、宜しくお願いします」


「あぁ、どうも……はじめまして」

「えっ? そんなテンション?」

「いや、まさかマジだとは思わなかったからさぁ」

「マジに決まってるじゃないスか〜!」

「それにしたって、普通急には来ないだろ」

「どうせ暇だったでしょ?」

「まあ、どちらかと言えば暇だった」


杏「……」


「あぁ、ごめんごめん」

「アイドルが居るのに野郎同士で盛り上がるってヤバいっスよ」

「ヤバいね。っていうか、お前が変に話振ってきたんだろ!」
855 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 22:55:14.03 ID:65btjDTyo
「それじゃあ、どの位やれるのか見たいから……」


杏「あっ、コントローラーは持ってきました!」


「あ、コントローラー派か」

「ちょっと待って。おかしくない?」

「何が」

「俺にはタメ語なんスよ?」

「さすがに?」

「いやいやいや!」

「まあ、俺にも敬語いらないけどね」

「えっ? じゃあ俺には使ってくれても良いよ」

「それはそれで話変わって来るだろ」

「まあ、そうですね!」

「「あっはははは!」」


杏「はぁ〜……」

杏「杏、なんだか不安になってきたよ……」
856 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 23:07:06.94 ID:65btjDTyo
  ・  ・  ・

杏「……」

くっ……くっ、くっ……くっ、くっ……


きらり「? 杏ちゃん、指を動かして何してるのぉ〜?」

杏「ん〜、イメトレ〜」

きらり「にょっわー☆ お仕事のイメトレなんて、とぉっても偉いにぃ〜☆」

杏「残念だけど、違うんだなぁ」

きらり「にょわっ!? じゃあ、なんのイメトレなのぉ〜?」

杏「ゲームだよ、ゲーム」

きらり「でもでも〜、すっ・ごく! 真剣な顔してたゆ?」

杏「何言ってるのさ、遊びは真剣にやるものだよ?」

きらり「もぉ〜! お仕事も真面目にやろうにぃ!」


杏「はいはい、気が向いたら頑張りま〜す」

くっ……くっ、くっ……くっ、くっ……くっ、くっ……



『ソニックブーム! ソニックブーム! ソニックブーム! ソニックブーム!』
857 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 23:20:19.70 ID:65btjDTyo
  ・  ・  ・

「なんで! 俺には! 内緒にしてたの!」

「いや、ちゃんとお前の動画見て対策とかしてたから」

「おかしくない!?」


杏「ソニックモードって、いつなれば良いの?」


「それはですねぇ! ズバリ、相手がビビってる時です!」

「じゃあ、ちなみにどんな時にビビる?」

「跳びをしっかり落とされたり、地上戦が動き辛い時ですね!」

「おー、なるほど」

「そこで怖がらなくなるために! 空手やろう! 空手!」

「こういう事言い出すから黙ってたんだよなぁ〜」

「ええっ!? でも、マジで効果あるから!」


杏「あ、ちょっと試してみたいから対戦して貰って良い?」


「オッケー、2先とかで良いかな?」

「いや、俺! ここに、豪鬼使いが居ますから!」

「お前の豪鬼と今やったって何の練習にもなんねえから」
858 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 23:30:23.01 ID:65btjDTyo
  ・  ・  ・

かな子「今日は、クッキーを焼いてきたよ〜♪」

智絵里「うわ〜、美味しそう〜♪」ニコニコッ!

杏「お〜、さすがかな子ちゃんだね〜」

かな子「ふふっ♪」ニコッ!


かな子・智絵里「いただきま〜す♪」ニコッ!


杏「……」


かな子「……って、どうしたの杏ちゃん?」

智絵里「あれ? 何か、指に……」


杏「あ〜、これ?」

杏「ちょっと、ゲームのしすぎて親指が痛くなっちゃってさー」

杏「……本当、くだらない理由だよねぇ」

杏「でも、どうでもよくはないから、しょうがないか……って感じ?」


かな子「う〜ん……えっ、と……」

智絵里「指が痛いなら……」


かな子・智絵里「あ〜ん♪」ニコッ!


杏「……」

杏「それじゃ、お言葉に甘えちゃおうかな〜」ニコッ!
859 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 23:40:26.62 ID:65btjDTyo
  ・  ・  ・

杏「……どうかな?」


「細かい部分を挙げるとキリが無いけど……」

「ガツンと言っちゃって下さいよ!」

「待てって、これから言おうとしてるんだから」

「はい、サーセン」


「ぶっちゃけ、思ってた以上に仕上がってビビってます」

「デスヨネー。それ、俺も思ってました」


杏「……!」


「何? アイドルやると、格ゲー上手くなりやすいの?」

「可能性としては相当低いけど、有り得なくは無い」

「これは俺もアイドルなった方が良いかな?」

「まず痩せましょ」

「お前に言われたくねえよ。つか、俺大分痩せてない!?」

「気のせいじゃないスか?」
860 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/25(木) 23:49:00.64 ID:65btjDTyo
  ・  ・  ・

コンコン


かな子・智絵里・杏「は〜い、どうぞ〜」


ガチャッ

武内P「――失礼します」

武内P「皆さん、準備の方は大丈夫ですか?」


かな子「はいっ! 今日は、前よりも良い結果を出しますね!」

智絵里「はい。プロデューサー、ちゃんと見てて下さいね」


武内P「ええ、勿論です」

武内P「双葉さんは、まだ準備が整っていませんか?」


杏「何言ってるのさ、プロデューサー」


杏「ちゃんとキメるために、杏が準備を怠る筈無いじゃん?」
861 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 00:04:49.43 ID:ltQKQvsfo
  ・  ・  ・

杏「今日は、杏が頑張りま〜す♪」ニコッ!


かな子・智絵里「杏ちゃん、頑張って〜!」


「杏ちゃんみたいに可愛い子が相手だと、本気出せるかな〜!」


杏「えへへ、お手柔らかにお願いしま〜す♪」ニコッ!


「お前、ちゃんと真面目にやれよー?」

「わかってるって! あー、でもなぁ!」

「おいおーい! お前も一応ゲーム好きで通ってるんだから!」

「一応ってなんだよ、一応って! 一応だけど!」


杏「…………」


ガイル『――御託はいい、始めよう』
862 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 00:21:49.09 ID:ltQKQvsfo
  ・  ・  ・

杏「――お疲れ様〜」


『う〜い、お疲れぃ』

『もう収録終わった感じ?』


杏「終わったよー」

杏「かな子ちゃんや智絵里ちゃん、プロデューサーは勿論だけど――」

杏「――スタジオの全員驚いてたし、本放送も盛り上がるんじゃないかな〜」

杏「……ま、本当に一部の人は、だろうけどね」


『こちとらそういう業界ですから、しゃあない』

『どんな試合だったかは、放送楽しみにしときますよ』


杏「そういう意味じゃあ、悪い事しちゃったかな〜」


『ん?』



杏「格ゲー人口が一人減ったからね」ニヤリ!




おわり
863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 01:40:37.70 ID:8B0GBRxjo
ゲーセン通いの格ゲーマー界隈の闇はそれはもう深いからな
ゲームでぼこされるだけですんでよかったな
864 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 08:07:43.72 ID:7t/0fscJO
灰皿飛んでくるもんな
865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 08:17:01.95 ID:9yBXhpk6o
令和キッズ「格ゲー…?? ガイル…???」
866 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 10:14:33.99 ID:4ym0V1YHO
近所のゲーセンも一部の格ゲーマー達が変な縄張り意識持っちゃったせいで店の一角を半ば占拠する様な状況になってたなぁ
それはそれとして乙
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/07/26(金) 10:34:42.13 ID:mDVr56Vk0
いやそんなことせんでもマスクペロってめくってフェイスフラッシュならぬ
武内Pがジロリって見つめれば相手はタヒんでは?ガチころされっるすよ〜とか
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 11:32:34.28 ID:4Y0aOdYu0
プロゲーマーで出てきた人はウメハラとときどかな?
どんな人脈なんだ…
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 18:59:41.87 ID:9+pEdHHGo
台風が来ると聞いていろいろ「準備」を始めるアイドルお願いします
870 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 21:16:41.67 ID:ZoDJLIG2o
台風で脱糞を流して完全犯罪を狙う?
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 21:31:04.68 ID:OAMFRbZYo
言うほど脱糞って犯罪か?
872 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 22:07:03.48 ID:ltQKQvsfo
書きます


武内P「台風の予報です」
873 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 22:14:30.22 ID:ltQKQvsfo
武内P「……なので、早目に帰った方が」

莉嘉「えーっ? もうちょっとだけ〜!」

みりあ「お願い、プロデューサー!」

武内P「……」

美嘉「コラコラ〜! あんまりワガママ言うんじゃないの!」


莉嘉「明日と明後日は、Pくんが仕事について来てくれるんだもん!」

みりあ「だから、晴れにするため頑張ってるの〜!」

莉嘉・みりあ「――てるてる坊主作り!」


武内P「……」

美嘉「はぁ……しょーがないなぁ」
874 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 22:19:40.99 ID:ltQKQvsfo
美嘉「アタシも手伝うから、ちゃっちゃと終わらせちゃお★」

莉嘉「良いの!? お姉ちゃん、アリガトー!」

みりあ「美嘉ちゃんが作るなら……ギャルギャル坊主?」

莉嘉「お姉ちゃんなら、やっぱりぃ……カリスマ坊主☆」

美嘉「アハハ……坊主なのは変わらないんだ」


prrrr!prrrr!


武内P「……すみません、電話が」


美嘉「オッケー。それじゃ、静かに作ってよっか」ヒソヒソ

莉嘉・みりあ「はーいっ」ヒソヒソ!
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 22:24:23.11 ID:ltQKQvsfo
莉嘉「見て見て、このてるてる坊主チョーカワイイでしょ!」ヒソヒソ!

美嘉「まつ毛長っ! アハッ★ ギャルじゃん!」ヒソヒソ!

莉嘉「どーお? イケてるっしょ☆」ヒソヒソ!

みりあ「みりあも! みりあも〜!」ヒソヒソ!

美嘉「みりあちゃんのは〜……あっ、パンダ?」ヒソヒソ!

みりあ「ピンポンピンポ〜ン♪」ヒソヒソ!


武内P「――えっ?」

武内P「私の明日の予定……ですか?」


莉嘉・みりあ「?」

美嘉「……あー、もしかして」ボソッ!
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 22:29:26.56 ID:ltQKQvsfo
武内P「担当アイドルに付き添う予定でしたが……はい」

武内P「はい……はい……」

武内P「……そう、ですか」


莉嘉「もしかして、って……何?」ヒソヒソ!

みりあ「美嘉ちゃん、何か知ってるの?」ヒソヒソ!

美嘉「ホラ、ちょっと前に新しい子が入ってきたでしょ?」ヒソヒソ!


武内P「――私が担当、ですか」


莉嘉・みりあ「……」

美嘉「……あー、やっぱりか」ボソッ!
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 22:36:58.14 ID:ltQKQvsfo
武内P「……明日から、ですか?」

武内P「はあ、挨拶に来る……と」


美嘉「それで、本格的にデビューするために」ヒソヒソ!

美嘉「担当をどうしようかー、って部長さんが言ってたんだよね」ヒソヒソ!

莉嘉・みりあ「そうなんだー」

…カキカキ!

美嘉「ん? てるてる坊主の顔が、二人共同じ……」


莉嘉・みりあ「似てる?」


美嘉「えっ? 誰に?」


莉嘉・みりあ「部長に」


美嘉「っ!?」パプッ!
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 22:41:06.62 ID:ltQKQvsfo
武内P「……すみません」

武内P「大事な話なので、あちらで話してきます」


莉嘉・みりあ「はーいっ♪」ヒソッ!


武内P「では、また後ほど……」

ガチャッ、バタンッ


莉嘉・みりあ「……」


美嘉「……!?」


莉嘉・みりあ「……さ、続き続き〜♪」ニコッ!


美嘉「……まっ」

美嘉「待って待って! ちょっとストップ! タンマ!」
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 22:46:17.94 ID:ltQKQvsfo
美嘉「なんで部長さんの顔にしたの!?」

莉嘉「えーっ? 話が出たから、何となく!」

みりあ「うんうん! 美嘉ちゃん、どうしたの?」

美嘉「いや、何かタイミングが……!」


莉嘉「あーあ、Pくんと一緒だと思ってたのにな〜!」

…カキカキ!

みりあ「でも、急な話みたいだからしょうがないよ!」

…カキカキ!

莉嘉・みりあ「……出来た〜!」ニコッ!


美嘉「ソレ、また部長さんの顔だよね!?」

美嘉「明らかに意図を感じるんだケド!?」
880 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 22:51:18.54 ID:ltQKQvsfo
莉嘉「部長さんだったら、天気も何とかしてくれそうじゃん☆」

美嘉「そこまでの権限は無いから!」

みりあ「でも、みりあの明日の心は雨マークだよ?」

美嘉「そんなコト言われたら、お姉ちゃんじゃなくても辛いよ!」


美嘉「〜〜とにかく!」

美嘉「もう、部長さんの顔を書くのは禁止! 良い!?」


莉嘉・みりあ「……は〜い」


美嘉「はぁ……」

美嘉「この4つのてるてる坊主、どうするの……」
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 23:03:14.40 ID:ltQKQvsfo
莉嘉「ぶぅ〜! Pくんをノーサツする準備してたのに〜!」

美嘉「アンタ、何考えてんの……」

みりあ「邪魔されないように、てるてる坊主も作ってたのに〜!」

美嘉「台風にだよね? てるてる坊主、他に意味無いよね?」


莉嘉・みりあ「……えへへ♪」ニコッ!


美嘉「良い、笑顔じゃん★」ニコッ!

美嘉「……うん」

美嘉「二人共、ちょっとそこ座りなー」


莉嘉・みりあ「座ってるよ?」


美嘉「知ってるケド!」

美嘉「言わなきゃいけないカンジだったの!」
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 23:07:44.85 ID:ltQKQvsfo
ガチャッ!


武内P「――あの、城ヶ崎さん」


莉嘉「! 何、Pくん?」ニコッ!


武内P「あ、いえ……」


美嘉「アタシ?」


武内P「はい。城ヶ崎さんが、問題無いようでしたら……」

武内P明日、新人の方に城ヶ崎さんの仕事を――」

武内P「――見学させて頂いても、宜しいでしょうか?」


美嘉「へっ?」


莉嘉・みりあ「……」
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 23:12:07.86 ID:ltQKQvsfo
美嘉「そりゃ、別に構わないケド……」

武内P「ありがとうございます」

美嘉「でも、なんでアタシなワケ?」

武内P「えっ?」


武内P「それは……城ヶ崎さん、貴女が」

武内P「キラキラと輝く、とても素晴らしいアイドルで……」

武内P「……参考とするに相応しい、と」

武内P「……そう、思ったからです」


美嘉「……」

美嘉「そっ……そう?/// アンタ、そう思ってるんだ……///」

美嘉「まあ、アタシ……カリスマJKアイドルだし、トーゼンかな★」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


莉嘉・みりあ「……」
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 23:16:27.28 ID:ltQKQvsfo
武内P「では、詳細はまた後ほど……」

美嘉「うん、オッケー★」ビシッ!


武内P「それでは、また席を外します」

ガチャッ、バタンッ


美嘉「……」

美嘉「アハハ★ アイツったら、急に何を言い出す――」


…カキカキ!

莉嘉・みりあ「……出来た〜★」


美嘉「うっ、おおおおっ!?」ビクッ!

美嘉「ねえ! てるてる坊主の目が、全部★になってるんだケド!?」
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 23:24:04.03 ID:ltQKQvsfo
莉嘉「姉さんのカリスマなら、台風なんてぶっとんじゃうって☆」ニコッ!

美嘉「姉さん!? 心の距離が開く程の風が吹いたの!?」

みりあ「見て見て〜! み〜んな、顔を描き直したんだよ♪」ニコッ!

美嘉「元部長のてるてる坊主とか、愉快なサングラスみたいじゃん!」


美嘉「莉嘉もみりあちゃんも、そんなに残念!?」


莉嘉「残念だケドぉ〜、ワガママ言ってPくんを困らせたくないもん」

みりあ「だから、みりあ達は出来る事を頑張るんだ〜!」

莉嘉・みりあ「ねー♪」ニコッ!


美嘉「あっ、ん、んんっ……! んんんっ! 呪いじゃん!!」

美嘉「言いたくなかったケド、呪ってんじゃん!」
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 23:33:06.92 ID:ltQKQvsfo
莉嘉「も〜っ! そんなんじゃないって〜!」ケラケラッ!

美嘉「ホントだね!? マジ、嘘じゃないよね!?」

みりあ「美嘉ちゃん、信じる者は救われるんだよ?」ニコニコッ!

美嘉「救いを求める状況になった時点で、信じられないから!」


莉嘉「……だって! お姉ちゃん、明日はPくんと一緒なんでしょ!?」

莉嘉「台風が来るんだったらノーサツし放題じゃん!」

莉嘉「お姉ちゃんばっかり、ズルイ!」


美嘉「っ!?」

美嘉「どうノーサツし放題か、詳しく言ってみな!」

美嘉「……言ってみな!」


みりあ「みりあ……すっごく楽しみにしてたのに……」…ウルッ!


美嘉「あああ、みりあちゃん泣かないで……!」

美嘉「莉嘉、帰ったら詳しく……!」
887 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/26(金) 23:41:34.53 ID:8B0GBRxjo
妹に男の落とし方をせがむカリスマJKである
888 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 23:42:04.79 ID:ltQKQvsfo
みりあ「朝からお仕事に一緒に行って……!」ウルウルッ!

美嘉「うん……うん」

みりあ「お昼ゴハンの時も、あーん、とかしたりして……!」ウルウルッ!

美嘉「うん……うん?」


みりあ「午後に、みりあ達がやろうとしてた事とかも!」ウルウルッ!

みりあ「美嘉ちゃん、全部やっちゃうんでしょ!」ウルウルッ!


美嘉「まっ、待って待ってみりあちゃん!」

美嘉「確かに、アタシはカリスマだケド!」

美嘉「そこまで期待される様なコトは、さすがn」


莉嘉「大人の階段上っちゃうんでしょ!? 夏だもん!」

莉嘉「……お姉ちゃんなんか知らない!」


美嘉「知らない知らない!」

美嘉「その階段の上り方、お姉ちゃんも知らないって!」
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/26(金) 23:51:56.82 ID:ltQKQvsfo
ガチャッ!

武内P「あの……何か、騒がしいようですが」


莉嘉・みりあ「……」

莉嘉「Pくぅ〜ん……!」ウルウルッ!

みりあ「プロデューサ〜……!」ウルウルッ!


武内P「!?」

武内P「一体、何が――」


美嘉「えっ、ええ〜っ……!?」ブツブツ…!

美嘉「台風が来たらノーサツし放題で……でも、てるてる坊主を……」ブツブツ…!

美嘉「つまり、晴れた方が良いんだから……ほっ、ほあぁ……!?」ブツブツ…!


武内P「――……何が?」
890 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 00:00:07.21 ID:3agrlnsvo
莉嘉「……明日は、新人の子が挨拶に来るんでしょ?」ウルウルッ!

武内P「えっ? ええ……」

みりあ「……みりあ達と一緒にお仕事に行くって約束したのに」ウルウルッ!

武内P「えっ?」


武内P「当然、そのつもりですが……」


莉嘉・みりあ「……えっ?」


武内P「新人の方は、夕方に挨拶に来られるそうなので……」

武内P「……お二人の仕事の間は、問題ないかと」


莉嘉・みりあ「……」

莉嘉・みりあ「えっ?」
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 00:09:20.68 ID:3agrlnsvo
武内P「スケジュール的には、午前中から夕方にかけて」

武内P「そこまでは、お二人と行動し……」

莉嘉・みりあ「うん」

武内P「一度、社に戻って……新人の方とお会いし」

莉嘉・みりあ「はい」

武内P「城ヶ崎さんの、写真集の撮影の見学に行く、と」

莉嘉・みりあ「そっかー」


武内P「晴れた場合は、買い物に……との事でしたが」

武内P「……予報では、台風ですし」


莉嘉・みりあ「うんうん」
892 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 00:16:08.10 ID:3agrlnsvo
莉嘉「はーい! アタシも、お姉ちゃんの仕事の見学したーい!」

みりあ「みりあも! みりあも! サンコーにしたーい!」

武内P「えっ?」

莉嘉・みりあ「良いでしょ〜?」

武内P「……」


武内P「……との事ですが、どうでしょうか?」


美嘉「…………」ブツブツ…

美嘉「……えっ? なっ、何が?」


武内P「帰りは、私がお送りしますので……」


美嘉「なっ……何!?///」

美嘉「わかんないわかんない!/// どういうコト!?///」ワタワタ!
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 00:26:32.96 ID:3agrlnsvo
莉嘉「やったじゃん、姉ちゃん☆」

美嘉「まだだケド!?///」

みりあ「ねえねえ、晩ゴハンも一緒に食べたりする?」

武内P「はい、宜しければ……ですが」

美嘉「よっ、よろしいです!/// うふぃー、何コレぇ!?///」


莉嘉「明日、チョー楽しみだねっ☆」ニコッ!

みりあ「うん! ステキな夏のはじまりになると良いな〜!」ニコッ!


武内P「……良い、笑顔です」


美嘉「……たっ、楽しみ!///」

美嘉「夏はこれからだし……さっ、サイコー!///」

美嘉「あ、アハ、アハハ……えー、マジでぇ……?///」
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 00:36:16.64 ID:3agrlnsvo
  ・  ・  ・

武内P「あの……」

美嘉「……」

武内P「お伝えしていた通り、撮影の見学に……」

美嘉「……」

武内P「城ヶ崎さん?」

美嘉「……」

武内P「皆さん、撮影前に挨拶をしたい……と」

美嘉「……」


美嘉「いっぱい居たケド?」


武内P「はい、先程早目の夕食をとったのですが……」

武内P「……その時も、とても大変でした」



美嘉「…………すぅ……っ――」



武内P「? 何故、息を吸い込んで――」




おわり
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 09:14:50.40 ID:9FDilQDdo
夏はカリスマニウムとかドスケベニウムがあふれるからしかたがないね
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 11:57:33.48 ID:3agrlnsvo
書きます


早苗「シンデレラ達の」瑞樹「飲み会」
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 12:05:10.87 ID:3agrlnsvo
早苗・瑞樹「『MAGIC DRINK』の飲み会へ、ようこそ♪」

早苗「は〜い皆、こんばんはー!」

瑞樹「真夜中の飲み会へ、ようこそお越しくださいました」

早苗「このラジオは、346プロダクションのプロデューサーの家から」

瑞樹「その場で飲んでるメンバーで、楽しいお喋りをお送りするわ」


早苗「今日のパーソナリティは、あたし! 片桐早苗と」

瑞樹「川島瑞樹で、お送りさせて貰うわ」


早苗「夜はまだまだこれから! 飲むわよ〜!」

瑞樹「皆さんも、グラス片手に楽しんで頂けたら嬉しいわ」



武内P「あの……何を始めて……?」

楓「ふふっ♪ トークをとーくと聞きましょう……うふふっ♪」
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 12:13:47.29 ID:3agrlnsvo
瑞樹「それじゃ、『MAGIC DRINK』メール、略して――」

早苗「――LINEが来てるから、読んでみるわね!」

瑞樹「えーっと、ラジオネーム……どうする?」

早苗「Pラブさん、で良いんじゃない?」

瑞樹「そうね、Pラブさんにしておくわ」

早苗「さっ、どんどん読んで行きましょ!」


瑞樹「――お仕事、お疲れ様です」


早苗・瑞樹「お疲れ様で〜す♪」


瑞樹「――今晩は、予定が入ってしまい行けそうにありません」

瑞樹「――せっかく以前からお誘い頂いたのに、すみません」


早苗「良いのよぉ、気にしなくても!」

瑞樹「担当と飲みに行くのよね、わかるわ」



武内P「あの……誰のLINE、ですか?」

楓「えーっと……あ、美優さんですね」
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 12:24:22.22 ID:3agrlnsvo
瑞樹「――次の機会には、参加したいと思います」

瑞樹「――皆さん、今日は楽しんで下さい」


早苗「そんな事言っちゃって、ねぇ?」

瑞樹「自分はお楽しみする気ね、わかるわ」

早苗「でも、み……Pラブさん、お酒弱いのよね〜!」

瑞樹「ちょっとずつ慣れてきてはいるんだけどね」


早苗「そういえば――」

早苗「瑞樹ちゃんは、お酒で失敗した事とかある?」


瑞樹「――あるわ」

瑞樹「と言うか、お酒を飲む人だったら一度はあるんじゃない?」

瑞樹「一度失敗して、そこから失敗しないよう気をつけるようになったり、ね」


早苗「あたし、失敗した事無いのよね〜」

早苗「もし失敗しても、失敗する位飲んでるから忘れちゃう、って感じ!」


瑞樹「ふふっ、早苗ちゃんらしいわ」



武内P「……放送は、していないのでしょうか?」

楓「ほう、そういうの気になっちゃいますか?」
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 12:34:49.03 ID:3agrlnsvo
早苗「でもね、Pラブさんは間違ってる!」

瑞樹「あら、どこが?」

早苗「お酒弱いのに、二人で飲みに行くのよね」

瑞樹「そうは言ってないけど、そうでしょうね」


早苗「あ〜ん、今日は酔っちゃった〜 ♡」

早苗「って、毎回言ってるんだろうけどね」

早苗「次の飲みの時、毎回――何もありませんでした――って!」

早苗「この流れ、何度あった事か!」


瑞樹「何度もあったわ」

瑞樹「Pラブさんの担当って、Pラブさんの事を大事にしてるもの」

瑞樹「お酒に弱い貴女が、酔って弱っている所……」

瑞樹「……そこにつけ込む様な人じゃないわよね? Pラブさん」



武内P「あの……本当に、放送していませんよね!?」

楓「今は、プライベートですから♪」
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 12:47:57.73 ID:3agrlnsvo
早苗「そんなPラブさんに〜、バキューン!」

瑞樹「はーい、バキューン入りました〜♪」


早苗「酔って弱った所を見せて、待つ」

早苗「それじゃ、進展なんかしない!」


瑞樹「でも、二人でお酒を飲みに行くのはアリよね」

瑞樹「時間帯的にも、シチュエーション的にも」

瑞樹「早苗ちゃんとしては、どうしたら良いと思うのかしら?」

瑞樹「Pラブさんが、担当さんと良い仲になる方法は?」


早苗「ズバリ!」

早苗「酒は飲んでも飲まれるな!」

早苗「飲まれてしまうなら、それを逆に利用するのよ!」

早苗「お酒の力を利用して、自分からいくの!」



武内P「あの、本当に危険なので……!」

楓「ふふっ♪ 危険で、聞けん?……うふふっ♪」
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 13:01:54.66 ID:3agrlnsvo
瑞樹「でも、それが出来たら苦労はしないわ」

早苗「と、思ってるシンデレラに紹介するのが――」


早苗「――『ドランクモンキー 酔拳』」

早苗「ジャッキー・チェン主演の、香港映画よ!」


瑞樹「ジャッキー・チェンは、アクションスターよね?」

瑞樹「その映画が、どう役に立つのかわからないわ」


早苗「酔拳はね、酔えば酔う程強くなるの」

早苗「お酒をいっぱい飲んで、足元がフラフラになってもね」

早苗「……あたし、酔って有香ちゃんに負けたことがあるのよ」

早苗「次はそうならないよう、この映画から学んだの!」


瑞樹「お酒を飲まない、って選択肢はないのね、わかるわ」



武内P「待ってください! そもそも、戦うのは!」

楓「ふふっ♪ 階段を上ったんですね」
903 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 13:11:54.97 ID:3agrlnsvo
早苗「気になる内容は、是非見て確かめて!」

早苗「この映画を見ると、体を動かしたくなるから!」


瑞樹「『酔拳』、実は2は見た事あるわ」

瑞樹「ほら、前はテレビでよくやってたじゃない?」

早苗「でもさ、2は敵役の方が印象に残ってるでしょ」

瑞樹「あ、確かにそうかもしれないわ」

早苗「スーツ姿で、もうすっごい足技で!」

瑞樹「早苗ちゃん、パンツ見えてるから」

早苗「ラジオだからへーきよ! へーき!」

瑞樹「それもそうね」


瑞樹「キックをする時、スーツの太ももがピチッとなるのよね」

瑞樹「あれ、すっごくセクシーだと思ったわ〜」


早苗「わかるわかる〜!」



楓「…………見ました?」

武内P「み、見ていません! 見ていませんから……!」
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 13:20:52.91 ID:3agrlnsvo
早苗「Pラブさんは、『酔拳』を見て」

早苗「それで、今度担当と飲みに行った時」

早苗「酔ったら、この曲を頭で再生すると良いわよ!」


瑞樹「その曲は?」


早苗「『ドランクモンキー 酔拳』の挿入歌」

早苗「――酔八仙」


https://www.youtube.com/watch?v=tCVOkMSK5W8


瑞樹「本当、中国〜って感じの曲ね」

早苗「途中で急に音が大きくなるから、注意してね!」

瑞樹「それじゃ、しばしの間静かに……」

早苗「この音に、酔っちゃいましょ」



武内P「……」

楓「……」
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 13:35:23.18 ID:3agrlnsvo
  ・  ・  ・

早苗・瑞樹「カンパーイ♪」

早苗「あーっ、なんだか酔って来ちゃった〜 ♡」

瑞樹「嘘ばっかり」

早苗「女の嘘は、甘い罠」

瑞樹「酔ってる?」

早苗「全然! まだまだ、夜はこれからじゃない!」

瑞樹「ビックリしたわ。急に、早苗ちゃんらしくない事言い出すんだもの」

早苗「あたし、嘘はつかないからね〜」

瑞樹「試しに、今ちょっと嘘ついてみて」

早苗「へっ? う〜ん……」


早苗「あたし少食だから、もうお腹いっぱいになっちゃった」


瑞樹「おつまみ追加お願い出来る?」



武内P「はい、少し待ってください」

楓「ふふっ♪ きちんと、キッチンで作るんですね!……うふふっ♪」
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 13:57:18.02 ID:3agrlnsvo
早苗「それじゃ、『MAGIC DRINK』メール、略して――」

瑞樹「――LINE、って……このくだり、要る?」

早苗「まあ良いじゃない、なんかノリで」

瑞樹「それもそうだわ」

早苗「沢山貰った質問の中で、一番多かったものに答えていくわね!」

瑞樹「その中で、一番誰かわからないのを読むのね、わかるわ」


早苗「――急な相談で、すみません」


瑞樹「良いのよ、気にしないで」

瑞樹「相談をされる程頼られるのは、特権みたいなものだわ」


早苗「――気がつけば、目で追ってしまう人がいます」

早苗「――だけど、私はアイドルです」

早苗「――どうしたら良いのか、わからないんです」


瑞樹「成る程ね〜」


早苗「瑞樹ちゃん、コイバナよ! コイバナ!」


瑞樹「早苗ちゃん、そのテンションの上がり方はどうなの?」
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 14:06:07.38 ID:3agrlnsvo
早苗「アイドルの恋愛って、難しいわよね〜」

瑞樹「お仕事でアイドル、プライベートで恋愛」

早苗「って、切り離せるものじゃないもんね」

瑞樹「それじゃ、私の意見を言わせて貰うわね」

早苗「オッケー、どんと来い!」

瑞樹「早苗ちゃん?」

早苗「うん? あっ、ダジャレじゃないわよ!?」

瑞樹「良かったわ」

早苗「ほら、早く続き! アイドルの恋愛は?」


瑞樹「悪い影響が出るなら、すっぱりやめるべきね」


早苗「おおう!? 瑞樹ちゃん、バッサリいくわね!?」

瑞樹「お茶を濁すと思ってたんでしょ? わかるわ」

早苗「あ、次は緑茶ハイにしよっかなー」

瑞樹「ちょっと、聞きなさいよ」
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 14:15:35.88 ID:3agrlnsvo
早苗「悪い影響って、例えばどんな?」

瑞樹「ファンの人をガッカリさせる事ね」

早苗「おー! わかりやすい!」

瑞樹「相手が居るお仕事なんだもの、当然でしょう」

早苗「それじゃあ、恋はしたら駄目って事?」

瑞樹「早苗ちゃん、それは違うわ」

早苗「その心は?」


瑞樹「恋は、するものじゃなくて、落ちるものでしょ」


早苗「酔ってる?」

瑞樹「割と」

早苗「ごめんごめん! 続けて!」


瑞樹「例えば、その恋を無理やり諦めて!」

瑞樹「その結果、笑顔が出来なくなってしまうのなら……」

瑞樹「それは、悪い影響と言えるんじゃないかしら!」


早苗「はー! 成る程成る程、そういう事ね!」
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 14:24:07.26 ID:3agrlnsvo
瑞樹「何事も、うまくやりなさい、って事よ」

早苗「でもさ、うまくいかない時もあるでしょ?」

瑞樹「まあね、でもそれは仕方ないんじゃない?」

早苗「そういう時は?」

瑞樹「飲んで忘れる」

早苗「わかるわ」

瑞樹「ちょっと」

早苗「あっははは!」


瑞樹「でも、飲んでも忘れられない事ってあるわよね〜」

瑞樹「そういった、色々な経験があったからこそ、今の自分がある」

瑞樹「……なんて、格好つけすぎかしらね?」


早苗「それが、歳を重ねる、って事で良いんじゃない」

早苗「溢れ出る大人の魅力、セクシーさの源よ!」
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 14:35:22.52 ID:3agrlnsvo
瑞樹「そんな恋をしている貴女、わかるわ」

早苗「はーい、わかるわ入り……まくってたわね」


瑞樹「恋をすると女は綺麗になる、って言うでしょう?」

瑞樹「だから、無理に答えを出す必要は無いと思うの」


早苗「無理に答えを出して、間違ってたら大変だしね!」

早苗「ちゃんと証拠を揃えてから、タイホする!」

早苗「誤認逮捕なんかした日には、目もあてられないもの!」

早苗「そうならないためには?」


瑞樹「ズバリ」

瑞樹「自分を見つめ直す事ね」

瑞樹「だって、生きているのは自分の人生なんだもの」

瑞樹「答えはきっと、自分の中にあると思わない?」


早苗「……あたしの時に比べて、なんかかっこよくない?」
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 14:47:13.24 ID:3agrlnsvo
早苗「まあ、相手だけじゃなく自分も見ろ、って事ね!」

瑞樹「そんな、悩めるシンデレラに紹介するのが――」


瑞樹「――『千年女優』」

瑞樹「今敏監督の、アニメ映画ね」


早苗「え〜っ、アニメ〜?」

早苗「もうちょっとさぁ、大人っぽい恋愛映画が良いんじゃない?」


瑞樹「早苗ちゃん」

瑞樹「恋愛は、子供も大人も、年を取ったって関係無いでしょ?」

瑞樹「この映画は、それを教えてくれるわ」

瑞樹「大事なものを学ぶのに、教材は関係ないわよ」


早苗「そうねぇ……確かに、その通りかも」

早苗「それじゃ、早速内容の紹介に移りましょ!」
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 14:57:16.82 ID:3agrlnsvo
瑞樹「内容の紹介は、ネタバレになるから出来ないわ!」

瑞樹「予備知識無しで見て欲しい映画だから!」


早苗「ちょっと! 少し位は良いじゃないの!」

瑞樹「それじゃあ、ヒロインの特徴を」

早苗「んー、まあ、とりあえずはそれで良いから!」

瑞樹「『千年女優』のタイトルの通り、主人公は女性なんだけどね」

早苗「うんうん」

瑞樹「左目の下に、泣きぼくろがあってそれがセクシーなの」

早苗「はー、どこかの誰かさんみたいね」


早苗「なんだっけ、左目の下の泣きぼくろの意味……」

早苗「……自分の魅力をわかってるとか、ダメ男を放っておけない、とかよね?」


瑞樹「誰かさんが、担当にストライキされた時とかね」

瑞樹「頼りにされたりするのも、特徴だわ」


早苗・瑞樹「……続けましょ!」
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 15:08:32.87 ID:3agrlnsvo
瑞樹「……と、思ったけど」

早苗「そろそろオツマミが来そうなのよね〜」

瑞樹「さすがに、食べながらの放送とはいかないわ」


瑞樹「だから」

瑞樹「恋に関する悩みを抱える貴女には」

瑞樹「壮大な曲を聞いて、自分を見つめ直して貰いながら」

瑞樹「エンディングにしましょう」


早苗「シンデレラ達の飲み会、『MAGIC DRINK』」

早苗「パーソナリティは、あたし――片桐早苗と」


瑞樹「私、川島瑞樹でお送りしました」


早苗「聞いて頂くのは」


瑞樹「『千年女優』から」

瑞樹「平沢進さんの――『ロタティオン(Lotus-2)』で」


早苗・瑞樹「バイバ〜イ♪」


https://www.youtube.com/watch?v=8rNUPVWPquE
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 15:15:18.68 ID:apWBAOQn0
もう諦めてるのか自分の家で飲み会することに文句すらないの草
915 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 15:18:09.06 ID:AsNNtdS0o
これもう歯ブラシやらタオルやらの私物置かれてるだろ
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 15:20:33.18 ID:3agrlnsvo
  ・  ・  ・

楓「――ふふっ♪ とっても美味しそうです♪」

武内P「えっ? ええ……」

楓「今、一口頂いても?」

武内P「それは、構いませんが」

楓「あっ、お箸が向こうに……」

武内P「そう、ですね」

楓「んー……」


楓「あーん♪」


武内P「えっ?」


楓「熱々が、良いと思いませんか?」ニコッ!


武内P「……火傷をしないよう、少し待って冷ました方が」


楓「……」…プクッ!

…パシッ!




おわり
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 16:20:27.37 ID:annho/9CO
裏で存分にいちゃつきやがってけしからんもっとやれ
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 17:27:18.77 ID:xzCdczk0O

武内Pたちはいいとして他が相変わらずいい年齢してみっともなさすぎるよ…
919 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 18:53:53.58 ID:pFMRhdvbO
飲み会じゃなくて、コレは酒盛りだ(笑)。

じゃあ順当に、武内P・楓さん・川島さん・早苗さん達が下着姿で朝チュンパニックする話とかいかがですかね?(でも未遂)
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 19:21:59.85 ID:N2QhRuGDO
>>左目の下の泣きぼくろ

成宮由愛「えっと……私も…です」
921 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/27(土) 20:49:24.63 ID:s4M/UiUk0
武内Pにラッキースケベな目に遭わされたアイドルは凄い幸運が舞い込む都市伝説があってもおかしくない。
922 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 21:23:30.76 ID:3agrlnsvo

「おはようございます」


 真っ直ぐ姿勢を正して、お辞儀。
 今までと変わる事の無い、朝の挨拶。
 表情は、勿論――笑顔で。
 一日の始まりがそれ以外だと、何だか勿体無いですから。


「おはよう、ございます」


 彼も、真っ直ぐこちらを見て、低い声で挨拶。
 今までと違うのは、その表情。
 シンデレラプロジェクトを担当してからの彼は、表情が柔らかくなった。
 無表情と言うよりも、とても静かで、穏やか。


「……あの、何か?」


 そんな彼を見つめ続ける私へと、疑問が投げかけられる。
 けれど、聞かれても、答える事は出来ない。
 だって、私自身、どうしてそうしていたかわからないんですから。
 わかるのは……ただ、何となく、


「いいえ、何でもありません」


 寂しいと感じるだけ。
 でも、それを言っても仕方ありませんから。


「本当に、何でも無いんです」


 ……良い事を寂しいと思うなんて、どうしちゃったのかしら。
923 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 21:33:45.90 ID:3agrlnsvo

「そう、ですか……」


 彼が、右手を首筋にやって、困った顔をした。
 相変わらずのその仕草に、どうしても口元が綻んでしまう。
 ああ、変わってないんだな、って。


「ふふっ!」


 困らせておいて笑っちゃうだなんて、失礼ですよね。
 けれど、おかしくって。
 もしかして、頭の寝癖もそのままなんじゃないかしら。
 笑いを隠すために口元に運んだ左手が、その言葉を通せんぼ。



「プロデューサー」



 後ろから、声が聞こえた。
 プロダクションの玄関口から聞こえたその声の主は、
磨き抜かれた床をカツカツと音を立てながら、こっちへ向かってくる。
 彼の視線が、その子の方へと向く。
 私も、振り返ろうとした、その時、



「おはよう、ございます」



 笑顔。
 とても優しい笑顔が目に映り、振り返るのがちょっと遅れてしまった。
924 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 21:46:57.64 ID:3agrlnsvo
  ・  ・  ・

「……」


 午前中のボイスレッスンは、何故かあまり集中出来なかった。
 何かを言われるような事は無かったけれど。
 自分では、わかる。
 午後のダンスレッスンは、しっかり集中して臨まなくっちゃ。


「……」


 そのために、気分転換。
 ちょっとだけ、プロダクションの敷地内を散歩して。
 それから、カフェで美味しい紅茶を頂こうかしら。
 頑張るって決めたから、先にご褒美として甘いケーキも……ううん、迷う。


「あっ」


 少し離れた所に、背の高い、見覚えのある人影。
 この距離だと、頭の後ろに寝癖があるかは見えないけれど。
 でも、間違いなく、あの後ろ姿は彼だと思うの。
 どこかに向かってるようで、こっちには……気付いてない。


「……ふふっ!」


 こっそり、こっそり。
 サンダルだから、足音を立てないように。
 ふふっ! 忍者みたいに近づいて、驚かせても、堪忍じゃ……うふふっ!
925 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 21:59:26.71 ID:3agrlnsvo

「……」


 私が、声を掛ける前に。
 彼は、目的の場所に辿り着いていた。
 敷地内にある、芝生の上。
 その上に広げられたシートの上が、彼の居る所。


「……」


 まだまだ、お日様の見えない天気が続くらしい。
 その合間の、ぽかぽかした陽気の良い日。
 ちょっと、照りつける日が暑く、眩しいけれど。
 今日は、とっても良い日ですものね。


「……」


 シートの上には、彼と……彼の担当する、アイドルの子達が。
 皆、とっても良い笑顔で。
 そんな笑顔を向けられたら……ええ、そうでしょうとも。
 貴方も、そんな顔、しちゃいますよね。


「……」


 その場で、クルリと踵を返す。
 お邪魔しちゃ、悪いですから。


「……」


 ……なんだか、カフェに行く気分じゃなくなっちゃった。
 自販機でコーヒーを買って、一息つこう。
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 22:17:42.22 ID:3agrlnsvo
  ・  ・  ・

「私が、ですか?」


 紅茶を一口飲んだ後、カップとソーサーが小さく音を立てた。
 ダンスレッスンが終わった後、早苗さんと瑞樹さんに連れられて来た、カフェ。
 そこで、二人に言われた一言。


 ――今日は何だか、様子が変。


「何よ、自分で気付いてなかったの?」


 そう言って、早苗さんはストローでアイスティーを一口飲む。
 私の答えが意外だったのか、大きな目をいつもよりちょっと見開いている。
 冷えたグラスの表面には、オープン・カフェ特有の温度差で、水滴がいっぱい。
 落ちそう……あ、落ちた。


「何かあったの?」


 瑞樹さんが、小さなフォークをスッとチーズケーキの表面に突き入れる。
 小さく分けられたそれを……パクリ。
 今日のダンスレッスンは激しかったから、そのご褒美だと言っていた。
 ブルーベリーのソースが、キラキラと輝いている。



「「誤魔化すのは無しね」」



 私が口を開く前に、二つの声が重なった。


「はあ……」


 そう言われても……どうしたら良いのかしら。
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 22:32:00.13 ID:3agrlnsvo

「でも……特に、思い当たる理由が無くて」


 正直に答える。
 本当に、何も無かったんだから。
 強いて言うなら、久々に暑い日だった位。
 今までが涼しかった分、焼かれてしまうような、そんな暑さ。


「シロね」
「わかるわ」


 二人は、そう言ってため息をついた。
 早苗さんは、両腕を組み、人差し指で二の腕をトントンと叩いてる。
 瑞樹さんは、右の手で口元を隠し、私を見つめながら考え事をしてる。
 そして、私は、



「――まっ、待ってください!」



 こっちへ向かってくる、彼に気付いた。


「……」


 担当のアイドルの子達に、両手を握りしめられて。
 急かされるようにして、楽しそうに、騒がしく。
 それは、とてもキラキラと輝いて見えて。
 まるで、手の届かないパレードみたい、なんて感想が浮かんでいた。
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 22:44:55.67 ID:3agrlnsvo

「……」


 彼の手を引く子達は、無邪気な、とびっきりの笑顔。
 あっ、手じゃなくて、腕を。
 彼も、それには驚いて声をあげるが、聞き入れて貰えない。
 あの子達には、そうしても良いと思えるだけの、信頼関係があるのだろう。


「……」


 本当に、楽しそう。
 見ているこっちまで、笑顔になっちゃう。


「……」


 ……でも。
 あぁ、どうしてなのかしら。



「「――見てられないわ」」



 私が答えを出す前に、また二つの声が重なった。


「えっ?」


 早苗さんと瑞樹さんの視線は、私を捉えていた。
 二人は、私の反応を見てため息をついた。
929 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 23:01:15.42 ID:3agrlnsvo

「氷が溶ける前に、ちゃっちゃと済ませましょ」


 クルリと体を横に向けて、早苗さんはパッと立ち上がった。
 そのまま腕を前にし、両手を組んで指の関節を伸ばす。
 あの……何か、するんですか?
 なんて、問いかける間も無く、


「ここの支払い、任せるわ」


 瑞樹さんは、そう言って伝票をツイとこちらへ寄越してきた。
 それは構いませんけれど……どうして?
 まだ、ケーキもほとんど残ってるんですけど……。
 どうして、瑞樹さんも立ち上がってるんですか?


「え〜っ? 瑞樹ちゃんだけケーキ頼んで、ずるいじゃないの!」
「美味しかったわ〜! 奢りだと思うと、また格別」


 そんなやり取りをしながら、二人は向かっていく。


「……」


 私が、見ているだけだった光景に。
 堂々と、颯爽と、遠慮なんて欠片もなく、踏み入っていく。



「はーい、そこまで!」


「何やってるの! タイホよ、タイホ!」



 私には、絶対に出来ないだろう事。
 それを二人は、いともアッサリとやってのけた。
930 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 23:19:26.02 ID:3agrlnsvo
  ・  ・  ・

「はー……どっこいしょ」
「早苗ちゃん、オヤジ臭いわ」


 戻ってきた二人が、再び席についた。
 その表情は、いつも通りで、何一つ変わることは無い。
 当たり前の事を当たり前にしてきた。
 早苗さんと瑞樹さんにとっては、それだけの事なのかも知れません。


「……」


 過度なスキンシップをするアイドルに、注意。
 それを止められなかったプロデューサーに、叱責。


「「何?」」


 私は、二人をじいっと見つめ続けていた。
 だって、


「格好良いな、って」


 そう、思ったんです。
 私は、あの子達よりも歳上だけど。
 嫌われちゃうかも知れないって思うと、そういう事が出来なくて。
 だから、二人をとっても格好良いと思ったんです。


「なーによ、知ってた癖に」
「友達でしょ、当然よ」


 そう言って、二人は照れくさそうに笑った。
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 23:33:03.71 ID:3agrlnsvo
  ・  ・  ・

「……」


 今晩は、飲みに行く。
 早苗さんと瑞樹さんにそう言われ、二つ返事で頷いて。
 プロダクションの玄関で三人揃った段階で、いざ出発……とは、いかなくて。
 もう一人来るからと、お喋りしながら笑っていたら、



「――すみません、お待たせしました」



 慌てた様子で、彼が来た。


「遅い! 女を待たせるなんて、ギルティよ! ギルティ!」
「待たせた分、何かしてくれるのよね? わかるわ」
「えっ?」


 上手く事態が飲み込めないでいる私を置いて、会話がどんどん進んでいく。
 どうやら、二人から、彼にお説教があるらしい。
 もしかして、カフェでの事かしら?
 けれど、せっかくなんだから――



「ふふっ! 遅れないでおくれ……うふふっ!」



 楽しく、飲みたい。
932 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/27(土) 23:48:53.40 ID:3agrlnsvo

「は、はあ……」


 彼が、右手を首筋にやって、困った顔をした。
 相変わらずのその仕草に、どうしても口元が緩んでしまう。
 けれど、違いを発見。
 よっぽど急いで来たって、わかっちゃった。


「ふふっ!」


 つい、と一歩踏み出し、彼の近くに寄る。
 背の高い彼の視線が、私の頭上から降り注いでいるのがわかる。
 寝癖は、立って無いでしょう?
 あっ、これが終わったら、彼に寝癖があるか確認しなきゃ。


「ネクタイ、曲がってますよ」


 身だしなみには、気をつけないと。
 真っ直ぐ、体に対して一直線に。
 ちょっぴり緩んでる?……はい、これで良し。
 最後に、ネクタイの上から彼の胸をポンッと叩いて、


「はい、完成」


 笑顔。



「あーっ、もう! 今日は飲むわよ!」
「そうね、でなきゃやってられないわ」



 何か言いかけた彼に、クルリと背を向けて、言う。



「はーい♪ ビールを浴びーる程飲みたいでーす♪」



 ……もうっ!
 貴方に照れくさそうにされたら、私まで恥ずかしくなっちゃうじゃないですか!




おわり
933 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 00:03:15.64 ID:cJtYBlRYo
これまでさんざっぱらだらしない姿見せてきた大人組のフォローエピソード入って笑った
934 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 00:58:11.64 ID:gh7WdLAy0
直前と同じ面子とは思えない綺麗さ
こういうのたまに書いてくれるから好き
935 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 03:07:30.82 ID:hHTA5Peoo
今回の話「いい大人だなあ」
前回までの話「いい大人が…」
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 06:35:12.22 ID:tPDjfUKDo
よかった、最後まで警戒してしまったけどらよかった
937 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 07:10:21.38 ID:mFfqaNEPo
今敏生き返れ深刻な人材不足なんだよ
938 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 10:38:31.86 ID:i9MWHlbco
平沢繋がりでベルセルクとのコラボが読みたいな
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 10:58:44.35 ID:G/+oSTY2O

でも>>1の文章とフォローが素晴らしくてもこれまで見せてきた醜態がチャラになるには罪を重ね過ぎたと思うんだ
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 14:14:58.87 ID:l2HLmM+1O
一度25歳児とお見合いさせて見てはどうか
もしくは大天使チヒロエルと
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 18:28:12.12 ID:dzU9oeBso
急に蒸し暑くなったので「蒸しちひろ」は本当に効果があるのかどうか検証するアイドルお願いします
942 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 19:45:57.40 ID:O/dXKFBDO
ちひろ無視?
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 20:18:11.43 ID:hHTA5Peoo
虫ちひろ?
カブトムシとかクワガタとかに集られるのか
944 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 21:22:00.72 ID:32d3Pj760
お金になりそうな虫は好きそうだよな
945 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 21:25:08.48 ID:OKjoyjRGo
オオクワガタの繁殖に勤しむちひろさん?
946 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 21:28:56.48 ID:hHTA5Peoo
コバエ退治のためにバルサン焚くのか
947 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 21:50:52.96 ID:ax9yaK6jo
>>941
書きます


武内P「アロマディフューザー、ですか」
948 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 21:55:19.21 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「はい、そろそろ必要な時期かと思って」

武内P「はい、そうですね」

ちひろ「蒸し暑いのに加湿器だなんて、皆ビックリしますかね?」

武内P「……かも、知れませんね」


ちひろ「夏でも、冷房のせいで空気が乾燥しますもんね」

ちひろ「……乾燥すると、夏風邪を引きやすいですから」

ちひろ「元気で、頑張ってお仕事して貰わないと!」

ちひろ「ねっ♪ プロデューサーさん♪」ニコッ!


武内P「え、ええ……そう、ですね……」
949 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:03:31.07 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「んー……オイルは何にしようかしら」

武内P「千川さんにお任せします」

ちひろ「そうですか? それじゃあ……コレに!」

武内P「……」


…フオオォォ


武内P「……この香りは」


ちひろ「バニラの香りがするオイルにしてみました♪」


武内P「……良い、香りです」

武内P「これは、仕事が捗りそうですね」
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:07:34.71 ID:ax9yaK6jo
ガチャッ!

未央「おっはようございまーす!」

凛「……暑いのに元気だね。おはよう」


武内P「本田さん、渋谷さん、おはようございます」

ちひろ「おはようございます♪」ニコッ!


未央・凛「? この匂い……」


武内P・ちひろ「?」


凛「もしかして、さっきまでかな子が居た?」

未央「私達の食べる分とか、あったりしないの?」


武内P・ちひろ「……」

武内P・ちひろ「えっ?」
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:12:26.29 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「えっと……どうしてそう思ったの?」

未央「へっ? だって、お菓子の匂いがするし」

武内P「アロマディフューザーで使用しているオイルがバニラだから、ですね」

凛「んっ? あ……」


…フオオォォ


未央・凛「あ……あははは……!」

ちひろ「ふふっ! 二人ったら、もう!」クスクスッ!

武内P「……」


武内P「しかし……言われてみれば」

武内P「この香りは、三村さんを思い起こさせますね」


ちひろ・未央・凛「……」

ちひろ・未央・凛「えっ?」
952 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:18:11.93 ID:ax9yaK6jo
未央「プロデューサー、どういう事?」

武内P「三村さんの最近作ってくるお菓子は、バニラの香りが……はい」

凛「それで、バニラの香りを嗅いだだけで?」

武内P「……そう、なりますね」


武内P「三村さんは、まだ来ていませんが」

武内P「この、バニラの香りに包まれていると――」


…フオオォォ


武内P「――まるで、彼女がこの部屋に居るようだ、と」

武内P「……そう、思えてきます」


ちひろ・未央・凛「……」
953 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:23:21.01 ID:ax9yaK6jo
  ・  ・  ・

未央「……な〜んて事をプロデューサーが言っててさ」

凛「かな子はどう思う? ちょっと失礼じゃない?」


かな子「えっ!?///」


CPアイドル達「……?」


かな子「あっ、ええっと……全然、嫌じゃないよ?///」

かな子「むしろ、一緒に居ると思って貰えるのは、その……///」

かな子「あ、あはは……まっ、マシュマロ美味しい〜!///」


CPアイドル達「……」
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:28:24.82 ID:ax9yaK6jo
  ・  ・  ・

武内P「……すみません」

ちひろ「もうっ、あんまり迂闊な事を言わないで下さい!」

武内P「……はい」

ちひろ「どうするんですか?」


ちひろ「……この、沢山のアロマオイル」


ドッサリ!


ちひろ「全部使い切るのに、どれだけかかるか……」

武内P「……申し訳、ありません」
955 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:32:58.11 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「しかも、プロダクション内で流行っちゃったみたいですよ」

武内P「えっ?」

ちひろ「担当プロデューサーに、自分のイメージに合ったオイルを贈るのが」

武内P「そ、それは……」


ちひろ「ふふっ、凄いですね! プロデューサーさん!」

ちひろ「女の子の気持ち、バッチリ掴んじゃうなんて!」

ちひろ「アロマディフューザーの効果、早速出ましたね♪」ニコッ!


武内P「っ……!」

武内P「本当に、申し訳ありません……」
956 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:43:08.02 ID:ax9yaK6jo
武内P「ですが……本当に、そこまで……?」

ちひろ「聞きますか?」

武内P「えっ?」

ちひろ「これは、ある子と……ある担当の話です」


ちひろ「アイドルに、香水を選んで欲しいと言われたみたいなんです」

ちひろ「……担当プロデューサーは、その位ならお安い御用、って」

ちひろ「選ばれた香水を手にとったアイドルは、笑いながら言いました」


ちひろ「――うふ……これが、まゆにつけさせたい香水なんですねぇ」

ちひろ「――この香りのアロマで、離れていてもず〜っと一緒……うふふ」


武内P「あ……ある子とある担当、と」

武内P「ぼかして言った意味が……なくなっていますね……!」
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:48:52.15 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「他にも、似たような話が沢山」

武内P「た、沢山……ですか」

ちひろ「楽しんで、ならまだ良いとは思うんです」

武内P「……はい」


ちひろ「プロデューサーさん」

ちひろ「――明日は、絶対このオイルを使って欲しい」

ちひろ「なんて、恥ずかしがりながらオイルを差し出されたんです」


ドッサリ!


ちひろ「私、どうしたら良いと思いますか?」ニコッ!


武内P「……え」

武内P「笑顔以外の……その、何かでお願いします……」
958 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 22:57:21.72 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「プロデューサーさん、責任を持って決めて下さい」

武内P「えっ!?」

ちひろ「驚いてないで、ちゃんと選んで下さい」

武内P「し、しかし……!」


ちひろ「安心して下さい」

ちひろ「誰が、どのオイルを持ってきたか、名前は書いてませんから」

ちひろ「パッケージを見て、パッと選べば良いんです」

ちひろ「ねっ、簡単な話でしょう?」ニコッ!


武内P「……!」

武内P「わ……わかり、ました……」
959 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 23:00:30.10 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「そうと決まったら、早くしましょう」

武内P「ええ、そうですね……」

ちひろ「仕事が捗る所か、滞っちゃってますから」

武内P「……面目ありません」


武内P「しかし、パッケージで選ぶとなると……」

スッ…


『カリスマ★』


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「待ってください」
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/28(日) 23:04:07.85 ID:OKjoyjRGo
スベってるぞカリスマぁ!
961 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 23:06:45.62 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「? どうかしましたか?」

武内P「このパッケージは、あまりにも」

ちひろ「これ……手作りシールですね」

武内P「中身も、オリジナルなのでしょうか……?」

ちひろ「これは……よく見てませんでした」


武内P「まさかとは思いますが、他の物も……」

スッ…


『○クロス大好き女子大生のイケナイ香り』


武内P「…………」

武内P「……」


武内P「とりあえず、候補は一つ減りました」
962 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 23:12:30.17 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「……よく見れば、これ全部」

武内P「同じ様に、手作りのシールが貼られていますね」


ちひろ「……」

スッ…


『プリンセスブルー』


…トンッ

ちひろ「選んで下さい♪」ニコッ!


武内P「待ってください!」

武内P「あの……どう考えても、角が立つのでは!?」
963 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 23:19:37.74 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「大丈夫ですよ、プロデューサーさん!」

武内P「何がですか!?」

ちひろ「アロマテラピーで、リラックス出来ますから♪」

武内P「正に、それがストレスになっている状況です!」


ちひろ「もうっ! じゃあ、コレにしましょう!」

スッ!


『カブトムシ☆』


ちひろ「…………」

…トンッ

ちひろ「どうして私も巻き込まれなきゃいけないんですか!?」カーッ!


武内P「すっ、すみません! すみません!」
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 23:32:39.34 ID:ax9yaK6jo
武内P「! 複数のオイルを使用する、というのは!?」

ちひろ「アロマディフューザーに垂らすのは数滴で良いんです!」


ドッサリ!


ちひろ「ブレンド、ってレベルじゃありません!」

武内P「待ってください……現在、企画中です」

ちひろ「……何をですか」


武内P「どんなに長く、暗いトンネルでも……出口は、きっとあります」

武内P「夜空に輝く星を隠す雲が、いつか晴れるように……」

武内P「……信じていれば、きっと道は開けるはずです」


ちひろ「プロデューサーさん……」

ちひろ「すみません、叩いて良いですか?」
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 23:39:51.68 ID:ax9yaK6jo
武内P「そもそも、アロマディフューザーを使用する目的」

武内P「それは、冷房による乾燥を抑えるため……ですね?」


ちひろ「でも、冷房を切ることは出来ませんよ」

ちひろ「暑さで体調を崩したら、元も子もありませんから」

ちひろ「……こんなにややこしくなる方がおかしいんです!」


武内P「……はい」

武内P「同僚プロデューサー達にも、迷惑をかけてしまいました」

武内P「なので……」


ちひろ「……?」


武内P「……すみません、千川さん」

武内P「全ての責任を取ろうと思います」
966 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 23:46:16.50 ID:ax9yaK6jo
  ・  ・  ・

ガチャッ!

CPアイドル達「おはようござ――」


ムワッ!


CPアイドル達「――蒸し暑っ!?」


武内P「皆さん、おはようございます」


ちひろ「……おはようございます」

ズラアア〜ッ!


CPアイドル達「……それって」

CPアイドル達「全部、アロマディフューザー!?」
967 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 23:52:23.69 ID:ax9yaK6jo
武内P「……皆さん、すみません」

武内P「頂いたオイルを全て使用しよう、と」

武内P「……そう、考えたですが」


CPアイドル達「全て!?」


武内P「はい」

武内P「一人一人、違う個性を持つ皆さんが集まった時の……大きな輝き」

武内P「それをイメージした時、全て使用するべきだ、と」

武内P「……そう、思ったのですが」


CPアイドル達「……」


武内P「……湿度が上がりすぎてしまい、はい」

武内P「今、こうして換気をしている所です」
968 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/28(日) 23:58:28.47 ID:ax9yaK6jo
ちひろ「ごめんね、皆。暑いでしょう?」

CPアイドル達「あ、いや……」

武内P「素晴らしい香りでしたが、短時間で換気をする必要が」

CPアイドル達「……」


CPアイドル達「……ぷっ!」

CPアイドル達「あはははっ!」


未央「それでこんなに暑くなっちゃうなら、やめとこうよ!」

凛「そうだね。これじゃ、汗の匂いの方が気になっちゃう」


「えー!? ヤダー!」

「暑いのより、涼しい方が良いー!」


武内P・ちひろ「…………」

武内P・ちひろ「……!」グッ!
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 00:09:22.27 ID:aAY9Mg7Uo
  ・  ・  ・

ちひろ「……一件落着、ですね!」

武内P「一時は、どうなることかと思いましたが……はい」

ちひろ「もう、発言には気をつけてくださいね?」

武内P「はい、肝に銘じておきます」


ちひろ「アロマディフューザーに囲まれた甲斐がありました」

ちひろ「……ただ、囲まれただけですけど、ね」


武内P「夏で、外の湿度も高いので何とかなりましたが……」

武内P「……秋から冬にかけての乾燥した時期でなく、良かったです」


ちひろ「オイル、どうしますか?」


武内P「……皆さん、気が済んでいた様子だったので」



武内P「蓋をして、しまっておきましょう」





おわり
970 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 01:13:03.43 ID:aAY9Mg7Uo
生活リズムが変わるので、このスレが埋まったらどうするかは未定です
加齢による体力、集中力の衰えと相談して決めようと思っています
書くのは楽しいので何かしらやりたいとは思ってるんですが、歳は取りたくないですね!
971 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 02:19:29.49 ID:CTKirgAT0

武内Pssの数少ない供給だから立てたいときにふらっとスレ立ててくれると嬉しいな
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 02:26:45.03 ID:FrLFplCyO

とかなんとか言ってすぐ我慢出来なくなってスレ立てると思う
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 03:30:53.63 ID:8HGR0Y9ko
おーけー健康は大事だ
でも武ss読みたいから害さない程度に投稿してくださいな
ほんといつもありがとうございます
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 03:54:26.75 ID:NpsLMIhzo
乙です
アロマと言えば、あんさんぶるでは志希がPの香りを作ってたな

自分のペースで書いてくれたら嬉しい
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 11:34:39.69 ID:wXJHrxFOo
パッケージに書いてありそうな文言

四月の風
フライドチキン
図書館の静けさ



あとは任せたぞ
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 16:45:04.82 ID:mJDAU6a7O

無理せずこれからも武内PのSSを書いてくれ
977 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 20:15:57.86 ID:e2n27/nPO
義務なんかじゃないから疲れたらやめてもいいんだよ
978 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/29(月) 20:24:35.61 ID:HsYqmpr6o
無理することはない
ゴールしてもいいんだよ?
979 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 22:31:53.03 ID:aAY9Mg7Uo

「すみません……お手数をおかけしてしまって」


 夏合宿に向けて、プロジェクトクローネのメンバーで話し合いがありました。
 皆、それぞれ意見を出し合い、とても充実した合宿になるだろうと、
他人事の様にその光景を見ていた私に……声がかけられたのです。
 ニコニコと、照りつける太陽の様に眩しいその笑顔の方は、


 ――課題、一緒にやろー♪


 と、私がアイドルである以前に、大学生だったという事を思い出させました。
 ……忘れていた訳では無かったのです。
 ただ、日々の過ごしている時間が、今までの私が歩んできた人生と、
あまりに違いすぎるため、その刺激の前に霞んでしまっていたのでしょう。


「いえ、お気になさらず」


 通っている大学が違うので、彼女の申し出は丁重にお断り……出来ず、
合宿中の空き時間に、同じ机を囲むという約束が、
結ばれ、揺れた右の小指に、感触として未だ残っています。


「重要な事だと思いましたので」


 コミュニケーションを取る事はとても大切だと知り、
それ自体は問題なかったのですが……。


「……そう言って頂けると……」


 私は今、大学へと車で向かっています。
 助手席に座り、視線を彷徨わせながら。
980 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 22:48:51.93 ID:aAY9Mg7Uo

「もう、夏季休業に入っているのでしょうか?」


 恐縮している私に、気を遣ってくれているのでしょう。
 あまり、こういった世間話をするイメージではありませんし、
私が言うのも何なのですが、どことなく、ぎこちなさを感じるからです。
 けれど、そうした気遣いには報いるべきだと思うので、
なけなしの社交性を振り絞り、会話を成立させるべく、言葉を紡ぎます。


「はい……私は、授業の関係上、もう……はい」


 ……何と、そっけない言葉でしょうか。
 紡ごうと思った筈の言葉は、がさつな少女が始めて編み上げたマフラーの様に、
穴が開き、段違いで不格好なものにしかなりませんでした。
 視線は膝の上に落ち、羞恥に頬が熱を帯びていくのがわかってしまいます。


「大学では、どの様な事を学んでいるのですか?」


 ……運転に集中しているからでしょうか。
 私のたどたどしい答えを意に介した様子は見られず、
続けて、次の質問が低い声で投げかけられました。
 それが、メンバーの方に聞いていた、ある場面の様で思わず、


「……オーディション、でしょうか?」


 と、自然と聞き返してしまっていました。
 ……後悔したのは、言うまでもありませんね。
981 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 23:00:45.86 ID:aAY9Mg7Uo

「……」


 車が、その速度を落とし、ゆっくりと止まりました。
 それ程までの不興を買ってしまったのかと、恐る恐る、
下から覗き込むようにして様子を伺うと、


「っ!?」


 少し見開かれた目が、私へと向けられいたのです。


「す……すみません……」


 謝罪の言葉は、とても小さく、弱々しいものでした。
 ボイスレッスンの時、トレーナーの方にもしばしば注意されているのですが……。
 どうして、よりによって今……その失敗をしてしまうのか。
 変わりたいと思ったのに、これでは結局何も変わっていないのと同じ事です……。


「あ、いえ……こちらこそ、驚いてしまってすみません」


 えっ?


「驚いて……?」


 謝っていた筈なのに、逆に謝られてしまって。
 その驚きが、私に鸚鵡返ししか選ぶ事を許してはくれませんでした。
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 23:20:51.49 ID:aAY9Mg7Uo

「はい」


 ゆっくりと、車が動き始めました。
 運転席側の窓からは、同じ様にゆっくりと動き出す別の車の姿が見て取れます。
 ……ただ、信号が赤だっただけ。
 そんな事にも気が付かない程、私は周りが見えなくなってしまっていたのですね……。



「まさか、冗談を言われるとは思っていなかったので」



 反省と、思考の海に潜ろうとしていた私の意識は、
予想していなかった言葉に、空中へと放り出されました。
 くるくると回転し、上下左右を確かめるのも困難な状態で、
助けを求められるものは何一つ、誰一人此処には存在していません。


「あ、いえ……」


 こういった誤解を解く時に、書の世界ではどんな会話があったか。
 考え、考え、考えていると……シートベルトの締め付けが、
私の体の向きが、いつの間にか前から横へとなっていたのを告げていました。
 慌てて、離れていた左肩をシートに付け、首だけを横に向けたのですが……。


「……」


 とても穏やかな、優しい笑みが目に飛び込んできたのです。
 それは、否定の言葉を紡ぐのを躊躇ってしまう程の衝撃で、
私をシートに深く座り直させる程のものでした。
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/29(月) 23:37:40.78 ID:aAY9Mg7Uo

「……とても、真面目な方だと思っていましたが」


 この言葉が、続きのあるものだとはわかっているのです。
 けれど、それを聞きたくないと思ってしまうのは、
ページをめくったその先に、悲劇が待ち受けている時の感覚に似ているかも知れませんね。
 書ならば、手を止め、心を落ち着かせる事も出来ます。


「……!」


 しかし、会話はそうはいきません。
 心の準備をする暇も、それを要求するだけの勇気も無いのですから。
 ただ、唇を引き締め、待つ。
 私に許された、出来るだけの行動は、他にはありませんでした。



「お茶目な面もあるのか、と……そう、思いました」



 放たれた言葉が、意外すぎて、



「ん゙っ゙!?」



 私の肺は悲鳴をあげ、空気が砲弾の様に打ち出され、



「だっ、大丈夫ですか?」



 引き締めていた唇に阻まれ、鼻腔に少し抜け……大きく、むせてしまいました。
984 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 00:04:46.01 ID:IM/mAzJHo
  ・  ・  ・

「……落ち着かれましたか?」


 とても心配そうな声を聞いて、
先程のような失敗は、もう二度と繰り返すまいと心に誓いました。
 大きく息を吸って、吐き……呼吸をしっかりと整えます。
 そして、慌てることなく、ゆっくりと口を開きます。


「はい……ご心配をおかけしました」


 それが功を奏し、普段通りの調子で答えることが出来ました。
 本来ならば、何と言う事の無い、簡単なやり取りなのでしょうね。
 なのに、あんな失態を演じてしまったのは――


「もう、大丈夫です」


 ――申し訳なさが、重い枷となって身動きを取れなくしていたからでしょう。


「すぅ……ふぅ……」


 だから、今、ここで。
 その枷を外し……変わろうと思うのです。



「……オーディションなら、失格だったでしょうね」



 嘘から出た真……フィクションをノンフィクションに。
 事実は小説より奇なりと言いますが、
これは、私にとって……どんなファンタジーよりも信じられない冒険なのです。
985 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 00:36:12.24 ID:IM/mAzJHo
  ・  ・  ・

「……」


 学内で、最も落ち着ける場所。
 沢山の書に囲まれ、喧騒とは切り離された静謐な空間。
 学ぶ、という目的のために存在する此処は、どこか厳かに感じられます。
 夏季休業に入り始めていて、人も普段より多くありません。


「……」


 目的の書架へと向かう足取りが軽いのは、自分でもわかっています。
 絨毯が、トス、トスと音を立てているのは、足がいつもより上がっているから。
 勿論、レッスンで鍛えられてきたから……という理由もあります。


「……」


 ……帰りは、どんなお話をしよう。
 さっき話した書の話の続き……?
 けれど、もしかしたら……他にも、同じ書を読んでいるかも知れないから……。
 ……早く、本を借りて戻ろう。


「〜♪」


 合宿で練習する予定のクローネの全体曲が、自然と零れ出ていました。



「……」



 ……俯きながら、通路を引き返します。
 目的の書架を通り過ぎているのに……気付きませんでした……。
 出来るだけ体を小さくして……心の中で、謝罪を繰り返しているのですが。
 図書館の静けさは……しんっ、と私を叱りつけているようでした……。




おわり
 
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 01:42:29.88 ID:1vuatnT7o
武内Pとふみふみ…ありがとうございます!ありがとうございます!
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 01:53:35.18 ID:Ljp+lgsSO
ふみふみがふみふみしたうどん食べたい。

丑の日に食べたらさらに元気になる
988 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 03:33:06.83 ID:iB9JHJmto
オーデション?って聞いて皮肉かと思ってしまうから俺はダメなんだろうなあ
乙した
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/07/30(火) 04:17:28.71 ID:j9M7vPiLo
クローネで大学生と言えば他はフレちゃんか
他はJK多数にJS一人、ニー・・家事手伝い一人か
990 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 15:22:16.73 ID:IM/mAzJHo

「本当、最悪……!」


 梅雨も明けたって言うのに、突然のにわか雨。
 もうすぐ事務所に着く、と思ってた所へのどしゃ降り。
 逃げ込むようにして玄関ホールへと駆け込んだら、
それまで雨が降ってたなんて信じられない位、陽の光が照っていた。


「……何なの、もうっ!」


 ホールに他に誰も居ないのがわかり、悪態をつきながら鞄からタオルを取り出す。
 とりあえず、髪を拭かないと。
 外と違って、社内は全館冷房がきいてるから。
 こんなんで夏風邪を引くなんて、馬鹿みたいだし。


「……!」


 不機嫌で、指に力が入りそうになるのをこらえる。
 指の腹を使って、マッサージするように。
 ……とりあえず、これで平気かな。
 体を右に傾けて髪をまとめ、タオルで挟んで毛先の水分を吸収させていく。



「――渋谷さん?」



 遠くの方から、低い声。
 ちょっと驚くようにして調子が跳ねてたのは、何で?
 私が、ずぶ濡れだったから?
 それとも、こんな所で髪を拭いてるから?


「……おはよ」


 どっちにせよ、どうでも良いかな。
 今は、そんな事よりも濡れて貼り付いたシャツが気持ち悪い。
991 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 15:43:55.67 ID:IM/mAzJHo

「おはようございます……」


 革靴と床が立てる音が、少し早足なのを教えてくれる。
 ……ちょっと、拭きにくい。
 左肩にかけた鞄が、今にもずり落ちそう。
 床に置けば良いんだろうけど、ここまで来てそうするのは、なんか負けた気分だし。


「ごめん、ちょっと持ってて」


 左手で鞄を持ち、前に差し出す。
 それに対する返事は無かったけど、すぐに左手が軽くなった。


「ありがと」


 ちょっと素っ気無かったかな、なんて思ったけど。
 別に、それでも良いかと思い直し、髪を拭くのを再開する。


「丁度、降られてしまいましたか……」


 ほら、ね?
 プロデューサーは、そういう細かい事、あまり気にしないから。
 それよりも、担当するアイドルの状態を気にするタイプ。
 だから私が今するべきなのは、髪を拭く事。


「……走ったんだけど、雨宿りすれば良かった」


 何て、ちょっと後悔はするけどね。
 この位の愚痴だったら、聞いてくれても良いと思う。
 だって、アンタ私のプロデューサーでしょ?


「……」


 鞄を持ってるから、右手を首筋にやれずに困ってる。
 ……別に良いでしょ、他の子には言わないから。
992 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 16:02:34.06 ID:IM/mAzJHo

「あの……すぐに着替えた方が、良いのでは……」


 何だか、妙に歯切れが悪く言われた。
 そりゃ、確かにかなり濡れたけど……そこまでする必要ある?
 レッスンまでは、まだ時間があるし。
 着ておいて、ちょっとは乾かしたいんだけど。


「……いや、何?」


 なんて言おうと、プロデューサーの方を見ると。
 視線は合わず、どこか、違う所を見ているのがわかった。
 何を見ているのかと、その視線の先を追ってみても、何も無い。


「……?」


 ……意味がわからないけど、とりあえず他の場所を拭こうかな。
 髪を拭く時にタオルが当たってたけど、腕もしっかり。
 うわ、シャツの袖とか、絞れそうじゃない?
 プロデューサーの言う通り、レッスン着に着替えて、これは乾かして貰おう。


「うん、ちょっと先に着替えてくる」


 ネックレスが絡まない様に、首の後から沿うようにして首筋、鎖骨――



「――っ!?」



 プロデューサーを見る。
 その視線は、逸らされたまま。
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 16:21:12.73 ID:IM/mAzJHo

「……鞄、ありがと」


 左手を差し出しながら、じいっと見つめる。
 相変わらず、こっちを見ようとはしない。


「い、いえ……当然の事です」


 それが、


「うん」


 なんだか、面白くなくて。



「――黒って、大人っぽすぎるかな?」



 ちょっと、からかってやろうと思った。


「えっ?」


 プロデューサーが、こっちを見る。
 そしてすぐに、慌てて横を向く。



「スケベ」



 ……まあ、そうだよね。
 だって、黒じゃないし。
 ひったくるようにして鞄を受け取り、早足でその場を立ち去る。


「……」


 振り返られないのは、その必要が無いから。
 「見なくて良い」とか、「目を離さないで」とか……その、何て言うか。


「……!」


 ……そんなの、どっちだって良いでしょ!




おわり
994 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 16:21:58.21 ID:IM/mAzJHo
埋めます
995 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 16:22:39.96 ID:IM/mAzJHo
埋め
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 16:23:07.83 ID:IM/mAzJHo
埋め
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 16:23:35.62 ID:IM/mAzJHo
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998 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 16:24:02.85 ID:IM/mAzJHo
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999 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 16:24:30.09 ID:IM/mAzJHo
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1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2019/07/30(火) 16:24:57.10 ID:IM/mAzJHo
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