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ダイヤ「吸血鬼の噂」
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302 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/07/06(土) 23:52:48.33 ID:ZRnZyA2Z0
* * *
* * *
303 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/07/06(土) 23:53:57.89 ID:ZRnZyA2Z0
──8月も終わりに近付いて来て、蝉の声が五月蝿い今日この頃。
夏休みも終盤に差し掛かっている中でも、Aqoursは練習を続けています。
ただ、午前中だと言うのに、このうだるような暑さ……。
さすがに今日は皆さん、朝の自由参加はパスしているかもしれませんわね。
わたくしはお気に入りの日傘の影から、晴天を見上げて──
ダイヤ「──本当に……今日もいい天気ですわね」
そうぼやきながら、バス停から学校への長い坂道を歩く。
…………。
浦の星女学院に着いて、一先ず屋上へと足を運ぶと……ガラガラの屋上の中に先着が居た。
ダイヤ「今日もやっているのですか?」
軽く呆れながら、声を掛ける。
屋上の床に大の字になって寝ている、貴女に。
千歌「んー……だって、気持ち良いんだもん」
ダイヤ「いや……なんか、この季節にやられると、干からびて引っくり返ったカエルを見ている気分になるのですけれど……」
千歌「えー、酷いなー」
千歌さんはぷくーっと頬を膨らませる。
千歌「だってさ……お日様がこんなに元気に輝いてるんだよ? いっぱい浴びないと損じゃん」
ダイヤ「……ふふ、そうですか」
千歌「ダイヤさんもやらない?」
ダイヤ「……そうねぇ」
以前だったら、日焼けしたくないので、絶対断っていましたが……。
ダイヤ「少しだけよ?」
まあ、たまにはいいでしょう。
千歌「やった! 横にどうぞ!」
そう言って、千歌さんの横にごろんと転がる。
全く、他の人が居たら、はしたなくて、こんな姿見せられませんわね。
──寝転がると、空からご機嫌な太陽の光が降り注いでくる。
確かに気持ち良いけれど……暑い。
千歌「……えへへー、ダイヤさーんっ♪」
何故か、横で一緒に転がっている千歌さんが抱き付いてくる。
304 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/07/06(土) 23:54:37.89 ID:ZRnZyA2Z0
ダイヤ「……暑いですわ……」
千歌「イヤ?」
ダイヤ「……半々くらい」
千歌「そこはイヤじゃないって言ってよー」
ダイヤ「……千歌さん、汗すごいではないですか」
千歌「あははー……仕方ない。人間だから」
ダイヤ「もう……」
千歌「……すんすん……ダイヤさんも汗かいてるね」
ダイヤ「人間ですからね。……というか、ニオイを嗅がないでください」
千歌「ダイヤさんは人の汗のニオイ嗅ぐくせに」
ダイヤ「……意外と根に持つタイプなのですわね?」
千歌「ねーねー」
ダイヤ「もう、今度は何?」
千歌「……ちゅーしよ」
ダイヤ「……晴天の下で?」
千歌「うん」
ダイヤ「真剣な目ね」
千歌「ダイヤさんとお日様の下に居られることは……絶対幸せなことだから」
ダイヤ「幸せ繋がりということ?」
千歌「うん」
ダイヤ「……じゃあ、仕方ないわね」
横に居る千歌さんに手を添えて──
ダイヤ「ん……」
千歌「ん……」
軽くキスをした。
千歌「……えへへ」
ダイヤ「……それでは、練習しましょうか」
そう言って、起き上がる。
千歌「って、えー!! それだけ!? 余韻的なのないの!?」
千歌さんも釣られるように起き上がりながら文句を言ってくる。
305 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/07/06(土) 23:55:33.03 ID:ZRnZyA2Z0
ダイヤ「余韻も良いですけれど……」
千歌「?」
ダイヤ「千歌さんと二人で練習する幸せも……わたくしは欲しいですわ」
千歌「わっ何その殺し文句……めちゃくちゃ嬉しい……」
ダイヤ「千歌さんと、二人で喋って、二人で手を繋いで、二人でご飯を食べて、二人で一緒に笑い合って、たまに二人でケンカして、二人で泣きながら仲直りして……」
千歌「えへへ……ダイヤさん」
ダイヤ「なんですか」
千歌「チカも同じ気持ちだよ」
ダイヤ「ふふ、知ってますわ」
不意に、千歌さんに顔を近付けて、もう一度軽くキスをした。
ダイヤ「それでは……始めましょうか」
千歌「はーい!」
──晴天の中、千歌さんと二人で踊っていると、やっぱりあのときの出来事は、夢物語だったんじゃないかと思うときが今でもあって。
だけれど、今千歌さんの隣に居られるのは、あの夢物語が実際にあったからに他ならなくて。
……いや、どうなのでしょう。
もしかしたら、そんなことがなくても、今は当たり前のように隣に居てくれる貴女と、どこかで結ばれていたのでしょうか。
それがどうだったのか確かめる術はないけれど……。
きっと、大事なことは……歩いてきた道の先で、乗り越えてきた壁の向こうで、今貴女とこうして一緒に、貴女の隣で踊っていることなのでしょう。
だから、そんな当たり前の幸せを噛み締めながら……わたくしたちは、太陽の下で、今日も笑い合うのですわ──
306 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/07/06(土) 23:57:19.57 ID:ZRnZyA2Z0
* * *
我らが学び舎、浦の星女学院──この学校には、こんな噂があります。
深夜の校舎内、場所は保健室。
そこから、夜な夜な、『血……血……』……と、血に餓えた呻き声が聞こえてくるそうです。
そう、これは、もしかしたら、実はアナタの隣で何食わぬ顔をして紛れ込んでいるかもしれない。
そんな──────吸血鬼の噂、ですわ。
<終>
307 :
◆tdNJrUZxQg
[saga]:2019/07/06(土) 23:59:03.37 ID:ZRnZyA2Z0
終わりです。お目汚し失礼しました。
明けて七夕なので、もしよかったら、夜空を見上げて天の川と夏の大三角を探してみてください。
ここまで読んで頂き有難う御座いました。
また書きたくなったら来ます。
よしなに。
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/07(日) 18:52:21.70 ID:VerAi3frO
乙です!
めちゃめちゃ好みの話でした
また次の話も楽しみにしてます!
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/07/09(火) 00:22:03.79 ID:v+gkbmxY0
乙
途中の吸血鬼化が進んでいく過程に緊迫感と焦燥感あって良かった
あと深く事情を聞かない鞠莉ちゃんいい子
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2019/07/10(水) 04:46:19.18 ID:AnmgRPZMo
急にバトル展開になって笑った
銀刀とか持ち出すかと
311 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/08/05(月) 00:11:05.95 ID:LkpKfY4R0
元ネタまったく知らないけど読んでよかった。
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