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とあるシリーズ(禁書目録&超電磁砲)SS雑談スレpart21

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195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:14:26.87 ID:rjguaOC00
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
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ちょっと休憩回です。


白白白と『彼』@ 独白、またの名を独り言

「世界物語キャラクターストーリー理論」
 学園都市第一学区に存在する風紀委員本部セントラルジャッジメントの最上階特別会議室天秤の間において白白白は独り言をつぶやいていた。
「君も知っているだろう?これは僕の提唱する世界の成り立ちに関する理論なんだがね」
 ただし、独り言といってもこの場合の独り言とは会話の相手がいないという意味での独り言では無い。どちらかというと一人で勝手にしゃべっているという意味での独り言だ。
「この世界はどこかの誰かが書いている物語にすぎない。だから、物語の登場人物になりきったような行動をとれば、自然に自分の望むように物語が進む、という理論だ」
 しかし白は誰に向かって話しているのだろうか。天秤の間には白以外の人間は誰もいない。十五夜は上条たちにストロビラを埋め込むために操車場に向かっていってしまったし、罠明はとっくに退出している。
「誰かを救いたいのならば主人公ヒーロー的な行動をとればいい。犯罪を犯した後に討たれたいのならば悪人ヒール的な行動をとればいい。たった一人のために大勢を[ピーーー]のならば悪の主人公ダークヒーロー的な行動をとればいい。世界を滅ぼしたいのならば絶対悪オールマーダー的な行動をとればいい。主人公ヒーローに守られたいのならば主人公の恋人ヒロイン的な行動をとればいい」
 その後も、白はただ淡々と『誰か』に向かって言葉を並べていく。白の言葉を聞いている『誰か』に向かって。
「そして、世界を救いたいのなら救済者ヒーロー的な行動をとればいい。そう、救済者ヒーロー的な行動をね」
 にやにやと不気味に無邪気に笑い嗤い哂いながら、まだまだ白は言葉を連ねる。『誰か』に向かって一方的に話す話す話す。
「なぁ、気付いているか?それとも気づいていないのか?あるいは、気付いていてなお無視しているのか?もしかして、気付いた時にはすでに後戻りできなかったのか?」
 返答はないが白は必ず聞こえていると確信していた。この学園都市において『彼』の目を逃れるのは、耳を封じるのは、至難の技だ。それは『最強原石』木葉桜十五夜を所有して、さらに十五夜のほかにも強大な戦力を多数保有している白も例外ではない。
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:15:12.84 ID:rjguaOC00
 『彼』はそれだけの力を持っているし、『彼の友』はそんな『彼』の命令を忠実に遂行できるだけの能力を持っている。
 『彼』と『彼の友』の関係は白と十五夜の関係にとてもとてもとても近いものだから。
「君のその行動は世界を救う救済者ヒーローのものではなく、主人公に討伐されるべき黒幕ストーリーテラーのものだぞ。そんなざまじゃ、何千年たったって世界は救えない」
 呆れたように、憐れむように、ただ淡々と白は告げる。告げる。『彼』に告げる。
「君のその計画は欠陥が多すぎる。例えば、そう上条当麻についてだ。幻想殺しイマジンブレイカー、そしてその奥にあるモノ。あるいは『上条当麻』という存在の根源、本質について君は少し過信しているのではないかな?」
 白は『彼』のことをよく知っていた。おそらくは世界中の誰よりも『彼』のことを知っていた。
 それはイギリス有数の魔術結社である『カリスマを研究する組織』のボスよりも深く、出現すれば世界が一瞬で崩壊してしまうほどの力を持った存在達よりも深く知っていた。
「確かに彼は強い。特段に力が強いうというわけでは無いが、それとは別種のところで強い。『絆』あるいは『繋がり』、そういった『生物に対する影響力』はおそらくこの世の誰よりも強いんだろう。もちろん、それは『正』の意味でだが」
 別に白は昔『彼』の友だったとか、しつこくしつこく『彼』のことを嗅ぎまわっていたとか、『彼』のただ唯一の理解者であるとかでは無い。
 むしろ逆だろう。『彼』は白のことを警戒している。得体のしれない存在だと、気味の悪い存在だと警戒している。
 そして同時に評価している。正しく『恐れ』、ただしく実力を評価している。
「そう、上条当麻は、いや『神浄討魔』は強い。その称号キャラクター性からも明らかだが、何せあの引きこもり共にさえ特別視される存在だ。弱いわけがない。だが逆説、上条当麻は別に最強ではないし、無敵でもない。その『強さ』だけでは頂点には絶対に届かない」
 上条当麻。そして、神浄討魔。
 上条当麻は救済者ヒーローである。これは白と『彼』の共通認識事項だ。といっても、上条当麻は別にご都合主義に恵まれているわけでは無い。
 敵の攻撃がたまたま急所を外れる。
 敵の気まぐれで生き残る。
 運よく敵の家族と知り合う。
 土壇場で逆転の秘策が思いつく。
 ピンチに偶然味方が通りかかる。
 旅先でたまたま事件に遭遇する。
 毎日毎日世界の危機にぶつかる。
 成功率1パーセントの作戦が成功する。
 理由もなく急にモテモテになる。
 偶然女の子の裸を見る。
 かつての敵がツンデレ気味に助けに来る。
 組織のトップと都合よく知りあう。
 
 そんなご都合主義が上条当麻には訪れない。
 
 絶対に訪れない。
  敵の攻撃がたまたま急所を外れない。上条は重傷を負ったまま戦闘を続行する。
 敵の気まぐれで生き残ったりしない。上条は生き残らせられるのは敵にとって利用価値があるから、又はここで上条を[ピーーー]と敵によってマイナスになるからだ。
 運よく敵の家族と知り合わない。敵の妹が「もうやめて!お兄ちゃん!!!」とか言って割り込んでこない
 土壇場で逆転の秘策が思いつかない。逆転の秘策は土壇場で急に思いつくものではなく、上条の経験と今までの情報を総合してなんとか導き出すものだ。
 ピンチに偶然味方が通りかかったりしない。もしも、味方が通りかかるのならば、その味方はずっと上条のことを探していたのだろう。
 旅先でたまたま事件に遭遇しない。仮に事件が複数回連続して起こるのならば、それは誰かが作為的に上条の周りで事件を起こしているということだ。
 毎日毎日世界の危機にぶつからない。というかそんな簡単に世界の危機は訪れない。
 成功率1パーセントの作戦が成功しない。奇跡はそんなに簡単に怒るものではない。確かな努力と、必要な伏線があれば話は別だが。
 理由もなく急にモテモテにならない。そんな簡単にモテモテになるのならばまずはハニートラップを疑うべきだ。
 偶然女の子の裸を見たりしない。上条当麻にそんな偶然は起こらない。起きるとしたら偶然ではなく事件を解決したご褒美だ。
 かつての敵がツンデレ気味に助けに来ない。スタンバっていたのなら話は別だが。
 組織のトップと都合よく知りあわない。組織のトップは打算なく動かない。知り合ったのならそれは都合がいいのではなく、『上条と知り合えば利益がある』と組織のトップが判断した結果だ。
「頂点。つまり世界最強の存在達。特別で特異で特殊で特記的な『最強』。平たく言ってしまえば異なる位相に住む化物共のことだが、はたして上条当麻は彼らに勝てるのか?魔神共に、吸血鬼共に、もしくは『空白の主』に勝てるのか?上条当麻の称号キャラクター性は、その救済者ヒーローの力は、度合いは、奴らに届くのか?」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:16:20.60 ID:rjguaOC00
 上条当麻に才能はない。そして、上条当麻の右手に宿る幻想殺しイマジンブレイカーもそれだけではたいしたものではない。
 確かに幻想殺しイマジンブレイカーはほとんどすべての異能を無効化できる究極のアンチだが効果範囲は右手のみと非常に限定されている。極端な話、右手に触れないように能力を使えば何の問題もないのだ。
「まぁ、言いたいこと自体は分かる。君の計画も決して無謀というわけではない。むしろ綿密に練られているというべきだろう。しかし、だ」
 しかも圧倒的な物量や世界そのものを改変する力は上条には防ぎようがない。そのまま対応も出来ずに圧殺され、圧倒されるだけだ。
「君は少し人間を信じすぎているのではないかな?少し人という種を信頼しすぎているのではないかな?何も上条当麻という存在に限ることではなく、例えば計画の中核に存在する一方通行アクセラレータや最悪の科学者たち『木原』についても」
 無論、これ以上上条らが成長できないというわけでは無い。むしろ逆、『彼』は出来うる限り上条のことを成長させようとしている。この絶対能力進化実験レべルシックスシフトも上条の成長計画の一環ですらあるのだ。
「信じ、信頼し、信用する。確かに『人間』として大事なことだ。しかし、それが盲信の域に達し、根拠もなく『彼ならできる』と信じ込んでしまうのは危険だ。それはもはや信頼や信用ではなく、依存や狂信の域になってしまう」
 けれども、やはり『彼』の計画は穴がある。そもそも人という存在は、特に上条当麻という称号キャラクター性は、『彼』程度に御せる器ではない、と白は考える。
「話が長い?いやもう少しで終わるさ。そろそろ私の話も終盤だ。なにしろ私は君のことを心配しているんだ。後から嘆き、憂い、憤ってからでは遅いだろう?もうあの時みたいな涙は流したくないだろう?」
 その言葉に対応するように空気が揺れた。空間自体に震動が起こっているように、白のいる天秤の間の空気が不自然に蠢いた。
 『彼』の怒りに、あるいは嘆きに対応するかのように。
「おおっと、今の発言は不用意だった。すまない。忘れてくれ」
 それを敏感に察知した白はすぐさま謝罪した。『彼』と白の間にはあまりにも高すぎる壁がある。白が『彼』と戦っても勝てる確率はほとんどない。というか零だろう。組織同士で戦えば別だが、個人間での戦いは戦力差が明確だ。
「まぁ、前置きが長くなったが何が言いたいかというとだ」
 風紀委員本部セントラルジャッジメントという組織を従える白白白と学園都市という街を作りだした『彼』。
 しかし、忠実な部下の豊富さという意味では白に軍配が上がる。『彼』を本当の意味で理解し、『彼』が本当の意味で信頼している味方なんて片手の指で足りるほどしかいないのだ。
「アレイスター。君は早めに計画プランを修正したほうがいい。君が長年かけて育てた一方通行アクセラレータは、君の思っているよりもはるかに幼稚で幼い精神の持ち主だぞ」
「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:17:02.72 ID:rjguaOC00
 その言葉に、
 窓のないビルの中にいる『人間』は、
 静かに、
 その手の中に握られたねじくれた銀の杖プラスティングロッドを振るって、
 
 直後に、天秤の間を暴虐が満たした。
 
 



ごめんなさい。ずっと戦闘シーン書いてると疲れるんです。

作中でも書いてますけど力の強さはアレイスター>白です。








嘘です
白は禁書キャラ皆殺しにできます
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 14:17:17.59 ID:TD8Ux5A/o
まだやってんのか
スレチだからやめよ
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/19(土) 14:24:16.89 ID:rjguaOC00
オリキャラが
【褒めてくれ、干渉に成功できたんだ。ひょっとしたらこのまま『勝てる』かもしれない……っ!是非証拠を残して僕を援護してくれ。頼むよ。】
【忘れてくれ。忘れてくれ!忘れてくれっ!】

【僕を、記憶してくれ】


【これで4人目。少しずつ範囲が広がっていってるぞ!】


【世界を救う。友を助ける。同志を導く。】

【これはそのための戦いだ。】

【干渉しやすいからね。気付かれにくいし。】

【君達のおかげで僕の力も増してるしね。ありがたいことだよ。】


って読者に言ってきてるから
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/19(土) 18:59:45.81 ID:VHwY42nB0
>>181
つか一方周辺の喜び組って打ち止めとかエステルとかクリパとか、何の魂も入ってない舞台装置っぽくてキモイんだよなあ
なろう小説に出てくる奴隷ヒロイン並みの空っぽ感ある
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 01:00:00.69 ID:JNx/elkN0
>>201
黄泉川は一方通行の事は何処まで知ってるんだっけ?
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 03:42:08.90 ID:XjEjC6qk0
知らんがな
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 04:24:21.59 ID:JNx/elkN0
知らねーのかよ!そこは知ってろよ!まぁ俺も知らねーから聞いてんだけどな
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 04:35:56.73 ID:XjEjC6qk0
作者がきちんと書いてないから仕方ない
たぶん何も知らんと思うが

一方通行が統括理事長になるがこれも知らんままかな
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 10:31:49.60 ID:sdyWVfp0o
ssではクリスマスやバレンタインを平穏に過ごすけどあいつらが平穏に過ごせるわけないよな
上条さんならあらゆるイベントを病院のベッドの上で迎えるよ
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:10:48.72 ID:9G/t5IWd0
https://syosetu.org/novel/56774/161.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
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解説回です。

物語は進みません。


パトリシア=バードウェイ@ 斃たおすべき『敵』の名は

 初まりは一通のメールだった。
 それがパトリシアの全てを狂わせた。
 送り主不明のメールを無警戒にも開いてしまったあの時から、パトリシアの運命は普通から外れた。
 『第七回DEG』への招待状。
 始まったのは7人の人間によるイギリス全土を舞台にした殺し合い。
 正しく常軌を逸していた。
 誰もが狂って、正常じゃなくなっていた。
 生き残るために何だってしていた。
 家族を、恋人を、友人を、見知らぬ誰かを、通りかかっただけの他人を護るために、本当に出来ることをした。
 ある男はたった一人の人間を[ピーーー]ためだけに最新式対空ミサイルで300人の罪の無い一般人がのる飛行機を撃ち落とした。
 ある母は隠れ潜んだ敵を[ピーーー]ためだけに致死率90パーセント越えの細菌をイギリスの首都、ロンドンにばら撒いた。
 ある少女はわずかとなったタイムリミットに自暴自棄になって水道の水に猛毒を混ぜ込んだ。
 どうしようもなかった、とパトリシアは思う。
 今でもそう思う。
 それぞれがそれぞれの最善を尽くすために戦って、抗って、願って、それでも――――――。
 それでも、終わらなかったのだから。
 曰く、『さぁ、FDEGを始めようか』。
 七分の一の、四十九分の一の生存者。
 欧州全土を1000年は再起不可能なまでに破滅させた終滅の第四物語フォースストーリー。
 そのメインテーマは『犠牲』。
 その系統は『デスゲーム』。
 そのタイトルは『とある少女の喪失話譚』
 そしてラスボスの役割ポジションを担っていたのは、
「………………………人類絶対悪ビースト」
 人類絶対悪ビーストと呼ばれる存在達がいる。
 『人類』という種に対して『絶対』的な『悪』を為す存在達。
 国際連合によって秘密裏に認定された最重要指名手配EX存在。
 現在の世界では17の存在がその認定を受けている。
 
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:11:18.69 ID:9G/t5IWd0
 人類絶対悪ビースト位階総序列第一位T。
 『悪意』の悪徳を体現する人類絶対悪。世界で起きる大事件の半数以上に関わっているとされる地球誕生以後最悪にして最低の生命。罪状、第一次及び第二次世界大戦の扇動、シチリア島沈没事件の実行、世界最悪のテロ組織『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』への『皇帝イワン』密輸未遂、マダガスカル島両断の実行など。
 人の不幸を嗤い、悲劇に耽美し、涙を流す人間を観劇する、初まり罪に犯されし絶対悪。
 本名は不明、それ故に仮称が『根源悪ディープ・ブラック』。
 何をしてでも滅すべき、人類の敵。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第二位U。
 『欲望』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の願いを欲望のままに叶え、その失敗を嘲笑することを生き甲斐とする人外。罪状(なお全て間接罪)、地球温暖化の実行、一秒の定義の改竄、現行科学を遥かに凌駕した超超々越兵器『亜空の使者』の創造など。
 欲望を叶えるだけ叶えてその責任をとらない、他の人類絶対悪ビーストからすら嫌われる最低の絶対悪。
 故にその名は『ガイア・ジ・アース』。
 星が生み出した、星の癌。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第三位V。
 『終焉』の悪徳を体現する人類絶対悪。過去現在未来に存在し得る全ての可能性を全て観測し、あらゆる『終わり』を現実にできる天才を超える天災。罪状(一切の証拠無し)、最低でも1870人の才人の廃人化、人口衛星USA-224墜落事件の実行、パリ全インフラ停止事件の実行、インペリアルパッケージ強奪未遂など。
 あらゆる全てをすることができ、あらゆる全てを識っている全能の絶対悪。
 故にその名は『木原五行』。
 木原一族の最高傑作にして、最大の失敗作。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第四位W。
 『錯乱』の悪徳を体現する人類絶対悪。人が混乱し、混迷し、理不尽に必死に抗う様を高みから見ることで優越感に浸る、人間の根幹にある感情を最も端的に表す人間達。罪状、国際宇宙ステーションISSクラッキング事件の実行、全世界同時多発的海底パイプライン切断事件の実行、三原色喪失事件の実行など。
 柔軟な発想と存在しない禁則をもって人に仇為す最悪の災厄、他者の努力と対策を嘲笑う絶対悪。
 故にその名は『原初たる混沌宇宙』。
 誰にも制御することのできない、破滅快楽主義者の集まり。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第五位X。
 『代替』の悪徳を体現する人類絶対悪。唯一にして絶対の『人が人形になった存在』であり、量子学的にゼロパーセントと断言されたはずの『完全な人形』の完成品。人形村の人形師達が辿り着いた、夢想の夢の産物。罪状、四十三カ国の指導者たちの拉致及び殺害、数多の国の政治家に成り代わったこと、ロシア連邦核ミサイル発射未遂事件の命令など。
 本物となることのできる影、見破れない嘘、見分けの使い偽物、今あなたの隣にいるかもしれない最も身近な絶対悪。
 故にその名は『人形ひとかた人形にんぎょう』。
 この世で唯一の、完全なる人形型人間アリス。
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:11:47.48 ID:9G/t5IWd0
 人類絶対悪ビースト位階総序列第六位Y。
 『殺人』の悪徳を体現する人類絶対悪。その魂魄に『殺人因子』を宿し、己が性質に従って無限の殺戮を繰り返す名を喪った殺人鬼の組織。罪悪感も罪責感も感じず、時に享楽をもって、時に悲哀をもってただただひたすらに殺し尽す血みどろの悪。罪状、第二次世界大戦における人道に対する罪(多数)、中国における民衆大虐殺事件の後押し、滅亡級魔術致死病療666ウイルス発動未遂など。
 歴史上最も多くの同族を殺した、絶対に和解することのできない絶対悪。
 故にその名は『不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド』。
 史上最も多くの人間の殺戮した、人殺しの組織。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第七位Z。
 『救済』の悪徳を体現する人類絶対悪。魔術という神秘を極め切り、究め切り、窮め切った白痴の賢人。かの『黄金』すら上回る、魔術の基礎の基礎、魔術体系そのものを確立した始祖にして原初の魔術結社マジックキャバル。罪状、南極大陸地脈枯渇事件の実行、冥王星準惑星降格の主犯、小規模な世界法則改竄による科学法則に対する反逆など。
 人を救うことに執着した結果人を滅ぼすという結論に辿り着いてしまった、最も優しき絶対悪。
 故にその名は『断罪の七大罪』。
 変えられない現実を前に嘆き狂ってしまった、英雄の成れの果て。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第八位[。
 『異端』の悪徳を体現する人類絶対悪。人の身でありながら神に成り代わろうとし、歴史を、因果を、当たり前を覆す、『黄金』と同等の魔術組織。そのあまりにも苛烈で過激で加虐な思想から地球上全魔術組織から『異端認定』を受けた最悪の魔術組織。罪状、老若男女879520人を用いた魔術的人体実験の実行、既存の魔術体系に対する反逆、十字教三大宗派本部襲撃など。
 神を求めるがあまり神をすら[ピーーー]、本末転倒な組織。
 故にその名は『大いなる業の憲章アルス=マグナ=カルタ』。
 凡ての神を否定する、黄金の錬金術師の魔術結社。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第九位\。
 『虐待』の悪徳を体現する人類絶対悪。無意味に力を揮い、無作為に命を消費し、無駄に血を流す、残酷で残虐で残忍なテロ集団。世界各地でテロ行為を行う目的の全く見えない組織。罪状、善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの表向きの首魁、スレブレニツァの虐殺及びジョージア民族浄化等多数の虐殺事件の扇動、他の人類絶対悪ビーストに対する人員、武器、殺人ノウハウ等の輸出など。
 人の数を減らすことそのものを目的とした人間の形をした異星人エイリアン、会話は出来ても話の通じない絶対悪。
 故にその名は『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』。
 自らの心しか信じない、極悪非道な絶対正義。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十位]。
 『復讐』の悪徳を体現する人類絶対悪。人類史史上最大の謎といわれる『幻想島フィクションアイランド』の謎の答えを探すためだけに生きているたった5人のダークヒーロー。罪状(なお全て間接罪)、ベルリンの壁再建事件の教唆、米国所属空母ロナルド・レーガン強奪事件教唆、ストックホルム大炎上事件教唆など。
 命の尊さを他の誰よりも知っていながら、己のエゴで人殺しを強要する善の皮を被った絶対悪。
 故にその名は『復讐同盟』。
 誰かの復讐を教唆する、外道の集まり。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十一位Ⅺ。
 『冒涜』の悪徳を体現する人類絶対悪。生命というモノを完全に理解し、命を、魂を、魂魄を、生きるということそのものを数式化した空前絶後の大天才。そしてその天才性を誤った方向に成長させた未曽有の大天災。罪状、ラスベガスゾンビ出現事件の実行、複数の死体を繋ぎ合わせた新生命体『ドリット・メンシュハイト』の制作、全世界同時生放送での人体解体の実行など。
 死を恐れるがあまり死を拒絶した、人類最後の夢である不死を現実にした絶対悪。
 故にその名は『死体繋したいつなぎ屍しかばね』。
 終わりを終わりで終わらせない、永遠の呪いを与える屑。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十二位Ⅻ。
 『進化』の悪徳を体現する人類絶対悪。人でない故がに存在する永遠の時間をもって自己進化を繰り返し、ついには開発者自身ですら制御不可能になった0と1の産物。罪状、G7各国全インフラ一斉混乱事件の実行、多数の国家の機密情報の外部流出の実行、新生命体『シュタール・ゲシュペンスト』の創造など。
 人でないが故にどうあっても人を理解できない、無限の平行線の果てにいる絶対悪。
 故にその名は『電脳生命体α』。
 人の傲慢が生み出した、電子の怪物。
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:12:23.60 ID:9G/t5IWd0
人類絶対悪ビースト位階総序列第十三位XIII。
 『蒐集』の悪徳を体現する人類絶対悪。物欲に支配された、最も人間らしき集団。奪い、盗み、集め、観賞し、そして満足する甚だ迷惑な強盗集団。罪状、霊装カーテナ=セカンド強奪事件の実行、紀元前観測断絶事件の実行、三原色喪失事件の実行など。
 盗むことに特化した、この世の全てを不確かにする絶対悪。
 故にその名は『極悪博物館』。
 積み重ねてきた歴史をすら盗む、断絶した資料館。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十四位XIV。
 『暴力』の悪徳を体現する人類絶対悪。子供のお使いから大規模テロの鎮圧、要人警護、ゴーストライター、無差別殺人、戦争行為、大虐殺、暗殺まで依頼されればなんでもこなす傭兵組織。罪状、ホワイトハウス襲撃事件の実働部隊、スエズ運河封鎖事件の実行、魔科学融合兵器『FAMSFusion Arm of Magic and Science』の開発など。
 あらゆる行為の前提条件に『暴力』が存在する、血の雨の中でしか生きられない絶対悪。
 故にその名は『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』。
 善も悪も同列に扱う、大戦が生み出した負の遺産。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十五位XV。
 『選別』の悪徳を体現する人類絶対悪。自分たちに都合の良いことだけを信じ、自分たちに都合の悪いことは一切聞く耳を持たない永遠の弱者。罪状、善悪最終生存競争ファイナルデッドエンドゲームの補佐、偽最終審判判定未遂事件の実行、陸海往来断絶事件の主犯など。
 なまじ力を持ったばかりに世界を見なくなった、成長できない子供のままの絶対悪。
 故にその名は『聖なるカナン』。
 神に選ばれた使徒を自称する、自意識過剰な現実逃避者。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十六位XVI。
 『廃頽』の悪徳を体現する人類絶対悪。便利になった現世界よりも不便だった過去を尊ぶ時代遅れの老害。反論できない詭弁と反論を許さない欺瞞で正論を煙に巻く、回想に浸る集団。罪状、全国家一斉インフラ停止事件の実行、超広域電磁パルスEMP攻撃未遂事件の実行、文明のゆりかご再誕事件の実行など。
 現代の人類を否定する、積み重ねてきた歴史を否定する絶対悪。
 故にその名は『神時代へ逆行する古代人』。
 過ぎ去った栄光に縋りつく、置いていかれた古代人。
 
 人類絶対悪ビースト位階総序列第十七位XVII。
 『偽悪』の悪徳を体現する人類絶対悪。まだ誕生していない唯一の人類絶対悪ビースト。誰かのための自己犠牲で人の歩みを阻害する、高貴な者の義務ノブレス・オブリージュを理由に全ての責任を被る、傷つきながらも笑う悪。罪状、彼は罪を犯した、彼は罪を犯した、彼は罪を犯したなど。
 しなくてもいいことをして誰かの成長を妨げる、正義の皮を被った絶対悪。
 故にその名は『上×勢力』。
 存在しない8つ目の罪の象徴、平和のための尊い犠牲。
 人の生み出した、人の業。
 
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:13:10.47 ID:9G/t5IWd0
以上、十一の組織と三の人外、三の人間をもって全人類絶対悪ビーストとされた。
 この絶望こそが、パトリシアのような主人公ヒーローが戦うべき最終敵ラスボスであった。
「人類絶対悪ビースト、かぁ…………」
 とはいっても第四物語フォースストーリーの主人公ヒーロー、誰も救えない英雄ガラクタヒーローパトリシア=バードウェイといえども全ての人類絶対悪ビーストに関わったことはない。パトリシアが関わったことがあるのは善悪最終生存戦争ファイナルデッドエンドゲームの時に敵対した国境なきテロリストTerroristes Sans Frontièresと聖なるカナンと極悪博物館の連中、そしてそれが『完結』した後の世界を旅する間に出会った断罪の七大罪、不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド、電脳生命体α、復讐同盟の連中くらいだ。
 それも結局パトリシアはどの人類絶対悪ビーストも殺しきることができていない。
 それはパトリシアが弱いからではなく、人類絶対悪ビーストが強いからではなく、世界に護れている、『加護』がある状態の登場人物キャラクターは条件が調わないと勝負すら出来ないからだ。
 
 だから、
 
「…………………やっと終われるよ、お姉さん」
 
 だから、パトリシアは微笑む。
 確信していた。
 やっと、ようやく、ついに、『物語』が『始まった』。
 七連物語セブンスストーリーズの第七物語セブンスストーリー、全ての物語を本当の『完結』へ導く最後の物語ファイナルストーリーが始まった。
 これで人類絶対悪ビーストが持っていた『加護』は消える。人類絶対悪ビーストの絶対性はなくなる。勝てるようになる。
 本当に、やっとだ。
 待っていた。
 待っていた。
 ずっと、待っていた。
 この瞬間を、この時間を、このトキを。
 
「私はきっと、お姉さんたちと同じ所にはいけないけど」
 
 呟く。
 語る。
 話す。
 
 灰・色・の・墓・石・の・前・で・パ・ト・リ・シ・ア・=・バ・ー・ド・ウ・ェ・イ・は・涙・を・流・さ・ず・泣・い・て・い・た・。
 
「それでも、ね」
 
 天国や地獄の概念を信じているわけではない。善行を為したモノは楽園へ行き、悪行を為したモノは煉獄に堕ちる。そんなことを盲信しているわけではない。
 しかしやはり自分のようなゴミクズと姉のような指導者が同じ場所に行くのはおかしいとパトリシアは思うのだ。
 努力すれば成果が出る。怠惰ならば成功しない。当然のことだ。
 だから、仮に死後の世界があっても転生しても自分と姉が出会うことはない。
 パトリシア=バードウェイという少女は罪を犯し過ぎた。
 パトリシア=バードウェイという女はあまりにも弱すぎた。
 パトリシア=バードウェイという個人はどうしようもなく愚かだった。
 
「全部終わったら、少しくらいは褒めてほしいかな」
 
 だから、パトリシアは泣く。
 この戯言が姉の魂に届いていないことを、願いながら。
 矛盾した言動で、泣く。
 



十七の人類絶対悪ビースト。

人類が人類である限り避けられない、滅亡の使者。

終焉の擬人化、破滅の具体化、絶望の具現化。

彼ら彼女らが斃すべき、『悪』の御名。
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:14:07.96 ID:9G/t5IWd0
https://syosetu.org/novel/56774/175.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
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ついにエタったか……と思いました?

私は思った。危ない所だった。


空白の主と大悪魔@ 原初の0.5

 初まりの領域において『空白の主』が根本的な敗北をすることはあり得ない。初まりの領域は原初の世界であり、全ての基礎である場所だ。そして『空白の主』は初まりの領域の住人。全てが繋がっている初まりの領域の住人である『空白の主』を[ピーーー]ということは、つまり全時間軸に存在する全人類を全滅させるということに他ならない。
 故に、『空白の主』を殺したいのであれば全時間軸に存在する全人類を全滅を許容するするしかない。それを否定したいのであれば、絶対に不可能であるが初まりの領域から『空白の主』を引き離すしかない。全時間軸の全人類の生存は逆説的かつ無条件に『空白の主』の生存を証明し、しかしながら『空白の主』の生存は人類の生存を証明しない。理不尽な相互依存関係がそこにはあるのだ。
 
「から、からから、からからから!」
 
 ただ、もちろんの事、単純な実力のみで考えれば現イギリス清教最大主教アークビショップである大悪魔コロンゾンは『空白の主』に勝まさる。アレイスター=クロウリーの原型制御アーキタイプコントローラーによって区分けされた時代アイオーン。イシス、オシリス、そしてホルスの時代アイオーンすらも超越した、さらに先の世界に存在する存在。
 全力の魔神複数柱からすらも逃れることの出来る、別位相ですらない『新たな天地』という新世界から地力で脱出可能な力を持つ存在。
 大悪魔コロンゾン。
 拡散の本質を持つ、真なる邪悪。
 神話上の存在でありながらあくまでも人間でしかない『空白の主』では決して勝てない敵。
 にも拘らず。
 
「可哀想。可哀想。七ん十可哀想七奴だ。大悪魔五六ンゾン」
 
 這い蹲っていたのは、膝をついたのは、汗を流しているのははローラ=スチュアートだった。
 
「ぎ、ぐ」
 
 その様を、
 かの黄金夜明S∴M∴の創設者の1人であるサミュエル=リデル=マグレガー=メイザースが目にすれば、驚愕のあまり心臓を停止させたかもしれない。
 その様を、
 近代西洋魔術という形式を作り上げた学園都市の王であるアレイスター=クロウリーが目にすれば、幻と断じたかもしれない。
 だって、想像できるか?
 あの大悪魔が、あの大悪魔コロンゾンが、
 アレイスターですら制御できなかった、メイザースをも出し抜いたあの大悪魔コロンゾンが、
 たかが『空白の主』程度に敗北しているなど。
 
「人類七ん十見捨十十四まえば、私七ん十、五の『空白の主』程度、楽二殺せるの二」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:14:40.34 ID:9G/t5IWd0
(アルフは何を四十一るのか七……。五の化物を相手二出来るの八、同じ化物の君四か一七一の二)
 
 アルフ。
 『空白の主』の友人であり同類。
 秘匿された真名はbyucgjビュックグジュール・dqsディクェス・finprovzフィンプロブズ・mekhatwxメカトゥウィークス。
 ともすれば、魔術側の最高戦力である魔神すらも凌駕するかもしれない存在。
 来てくれれば、心強い。
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:35:55.83 ID:9G/t5IWd0
(T-T) ID:H5GhpVy.  2018年08月16日(木) 07:02 (Good:0/Bad:0) 報告
少し遅れてしまいましたが、更新お疲れさまです!
今回は、色文字の中で【黄金の餞】について考察的な何かがあるので、書かせてもらいます。

最近、この物語を最初から読ませていただきました。理由としては、色文字考察というのと、改めて御坂美琴が狂っていく最初の段階が見たくなったからですね。
【黄金の餞】が使用されている箇所が意外と少なかったため、かなり憶測が混じります。

結論として、【黄金の餞】が使われる事柄には、《称号》が関わっていると思います。
例えば、禁書目録《ヒロイン》の復活を巡る争いでローラが条件を満たせば【黄金の餞】によって復活できる的なことを言っていました。
また、これは憶測ですが、一方通行戦の中でも【黄金の餞】が使われていましたが、個人的に一方通行にも《称号》が割り振られていると思います。
例えば、御坂美琴に対する『│強敵《ボス》』とかですかね。
一方通行があそこで御坂美琴と戦うことは、御坂美琴という『│主人公《ヒーロー》』が闇に墜ちるきっかけです。『│主人公《ヒーロー》』が変わるきっかけとしては、強敵と対峙したときが多いと感じています。なので、一方通行にもなんかしらの
《称号》が与えられていると思います。

まだまだ、色文字も含めて分からないことだらけですが、今後も一人の読者として応援していきたいと思います。
これからも頑張ってください!
返信:一二三四五六 2018年08月16日(木) 08:13
いつも感想ありがとうございます!

『黄金の餞』は本来もっと先で導入する予定のシステムだったので手掛かりが少ないのは申し訳ない。

そして端的に結論を回答しましょう。

全然違います。称号は全く関係ありません。

というかその『視点』である限り(T-T)様は永遠をかけても『黄金の餞』の真実に至ることはできません。見方を変えてください、視点を広く持ってください、見下さず、対等に見て下さい。

愛がなければ、真実は見えないのです。

まぁ、この段階で真実が分かるのならばもう私がこの物語を紡ぐ必要はないのですがね。

これからも精進して参りますのでどうかよろしくお願いいたします。
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 19:40:07.24 ID:9G/t5IWd0
【NO!今回の道はルート占い屋ではなくルート第三の道だよ!】

【ルート占い屋だったらパトリシアなんかとは出会えないからね。くくっ、皆が頑張ってくれたおかげと言ったろう?】

【理外人外についての情報か、僕は機密情報アクセスレベルの制限には引っかからないから答えてあげよう。】

【理外人外は僕も含めて12人いる。】

【神の代行者、全能存在、原初の片割、曠野の匪、そして僕でまず5人。】

【Rきの右、無限輪廻の転生者、純黒の破滅光、願えない罪人、永劫の敗北者で次の5人。】

【最下の絶対、観測者ωで2人。】

【合計12人が理外人外だよ。……………………今のところは、ね?】

【くす、だけどまぁ、何処かの誰か曰く『何も信用できない、赤くない言葉は何も信用できない…!!』らしいよ!?】

【あはっ、あははははははっ、いひいひふひゃはははははは!!!!!!!!!!!!!!】

愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
愛がなければ、真実は見えないのです。
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 19:43:43.85 ID:JNx/elkN0
>>173
怖いよな
あそこまで上条さんがインデックスに執着する理由が分からん
如何せん心理描写が足りない

>>205
不都合な出来事はカットか
黄泉川の性格的に一方通行の過去の所業を聞いたら激怒しそうなもんだけどな
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 21:36:02.47 ID:ypwY1HeR0
どっちであろうが黄泉川の擁護なんかもう不可能だよ
一方通行の所業をよく知りもせず「つまらないものの積み重ねが負債を返すジャン」とか寝言言ってるなら無責任で見当外れな能なしバカ女
一方通行の所業を知った上で芳川ともども匿ってるなら犯罪者隠匿して職権濫用しながらぬけぬけと小悪党狩りや教職やって悦に入ってるサイコパス屑女
どっちにしろ一方の擁護メンバーにされた時点でキャラとして詰んでる
悪党をメインキャラに後付けした弊害の被害者キャラとも言えるが
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/20(日) 22:14:36.42 ID:JNx/elkN0
>>217
悲しいなぁ……
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/20(日) 22:31:11.95 ID:XjEjC6qk0
こういう時叩かれるのはいつも黄泉川で芳川は言及されねえな
得な女
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 00:52:52.75 ID:o7lPO4Qv0
自分の事を100%肯定してくれる脳内お花畑の馬鹿女共を囲って過去の悪行には自己満足のファッション贖罪
現在は地位を手に入れ更にはのうのうと日常生活を謳歌
これが一方通行の糞みたいな人生
羨ましい限りだ
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/21(月) 21:11:37.33 ID:mIsSr+QY0
>>219
言及もなにも、芳川は最初から研究者と同じ穴のムジナでクズ確定って立場だしなあ
黄泉川みたいに善人コスプレと立場利用でツッコミ所満載のダブスタやってるわけじゃないし
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/22(火) 01:12:56.61 ID:sUq3Fccz0
とあるシリーズ読んでると倫理観おかしくなる
誰が善で誰が悪なのか分からなくなって混乱する
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/22(火) 20:21:52.51 ID:ylnfj1fj0
>>222
言い方悪いが、作者のスゴロクの駒だからなあ。悪党上がりの周辺は特に
打ち止めも黄泉川もエステルも、言ってる事やってる事を冷静に検分したら相当にグロテスクなキャラだぞ

一方スピンオフでは隠そうともしてないレベルだが、内容そのものが見向きもされないから話題にならないだけ
下位の妹達がどれだけピンチでも完全に見ないフリして頭カラッポの幼女アピールしかしない上位個体()とか
エステルが悲劇のヒロインヅラしながらやってる事の本質がキ○ガイ先祖と全く同じ件とか
周りで同僚がバラバラにされてる渦中でも「子供は撃たないジャン!」とか自分流貫いてるイカレ警備員とかな
もう善悪を通り越して特定のビョーキっぽい
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/22(火) 20:50:28.29 ID:71VIYkuA0
とある暗部の御坂美琴(1周目)   作:一二三四五六
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この世界は分岐された。

この宇宙は隔離された。

この物語は否定された。


第一部 第二章 第四節 革命未明《サイレントパーティー》〜諦めた者と諦めなかった者〜
獄天の扉ヘヴンズフィール事件@ 『表』での概要 作戦会議E 救出作戦

 四年前。
 四年前、獄天の扉ヘヴンズフィール事件と呼ばれる事件があった。
 学園都市の人口の2パーセント、すなわち4万6000人もの人間を完膚なきまで壊し、警備員アンチスキルでも、風紀委員ジャッジメントでも、そして一般的には知られていないが『暗部』の組織でも解決までには至らせることが出来なかった。
 『表』の世界で公表されている獄天の扉ヘヴンズフィール事件についての話はこうなっている。
 『ある日から学園都市内で獄天の扉ヘヴンズフィールと呼ばれる薬についての噂が広がった。その獄天の扉ヘヴンズフィールには『一定時間のみ願いを叶える』効果があると言われ、好奇心旺盛な学生の間で獄天の扉ヘヴンズフィールについての話が広がっていった。
 そしてある日ネット上で獄天の扉ヘヴンズフィールを使用したという人物が現れる。その人物が言うに、特定の日に、特定の場所で、特定の時間に、特定の人物が、特定の行動をとると獄天の扉ヘヴンズフィールが手に入るらしい。
 そしてその情報をもとに獄天の扉ヘヴンズフィールを手に入れたという人物が次々と現れ、ついにはネット上に獄天の扉ヘヴンズフィールの写真もはられるようになる。
 最初は眉唾物の噂だった獄天の扉ヘヴンズフィールについての話は噂の域を超えて広がり始め、学園都市に存在するほぼすべての人間が知るようになった。
 その後しばらくは獄天の扉ヘヴンズフィールの話題がありつつも平穏が続いたが、ある日を境に事態は一変する。
 獄天の扉ヘヴンズフィールをめぐって争いが起きたのだ。それもただの争いではなく殺人が。
『一定時間のみ願いを叶える』という獄天の扉ヘヴンズフィールの効果は本物で獄天の扉ヘヴンズフィールを使用した人間は『願いを叶えた』。
 大金持ちになりたいという願いも、超能力者レベルファイブになりたいという願いも、世界を思うがままに操りたいという願いも、死んだ人間を蘇らせたいという願いも、真実を知りたいという願いも、復讐をしたいという願いも、分け隔てなくすべて『叶った』。嘘偽りなく、本当に一切の例外なく、すべて。
 そして、だから問題だったのだ。
 獄天の扉ヘヴンズフィールの効果はあくまで『一・定・時・間・のみ願いを叶える』というモノ。そう、一定時間。願いが『叶う』時間は無限ではない。
 大金持ちになりたいという願いも、超能力者レベルファイブになりたいという願いも、世界を思うがままに操りたいという願いも、死んだ人間を蘇らせたいという願いも、真実を知りたいという願いも、復讐をしたいという願いも、分け隔てなくすべて『叶った』が、それは時間制限が存在した。
 だから獄天の扉ヘヴンズフィールの使用者たちは次の獄天の扉ヘヴンズフィールを求めた。二回目の使用が終わればさらにその次の獄天の扉ヘヴンズフィールを、三回目の使用が終わればさらに、四回目の使用が終わればさらに、と。
 次々と新たな獄天の扉ヘヴンズフィールを求めていった。
 さながら飢餓の中で天から降ってきたパンに群がる暴徒の如く、あるいは麻薬中毒者のように。
 獄天の扉ヘヴンズフィールに中毒症状が現れる様な物質は一切入ってない。しかし、それでも人々が獄天の扉ヘヴンズフィールを求めることはやめられない。『幸福』という楔からは誰も逃れられないのだ。
 だから、誰もが限りのあるかもしれない獄天の扉ヘヴンズフィールを求めて走り、戦い、望み、狂っていった。無能力者レベルゼロから大能力者レベルフォーまで、限りなく。
 さらにまずかったのは獄天の扉ヘヴンズフィールには麻薬のような目に見える禁断症状や中毒症状、痙攣、気分の高翌揚、顔面蒼白などなどのモノが見られなかったこと。思考の鈍化も、身体の異常も見られなかったこと。
 故に、一見するだけでは獄天の扉ヘヴンズフィールを使用しているかどうかは分からなかった。そして狡猾な人間は表で正常者を装って裏で獄天の扉ヘヴンズフィールを使用していた。
 徐々に、しかし確実に、学園都市は蝕まれていった。
 獄天の扉ヘヴンズフィールを求めて戦うモノ、金で獄天の扉ヘヴンズフィールを取引しようとしている人間を集団で襲うモノ、治安は荒れ果てて、もはや獄天の扉ヘヴンズフィールを作ったモノでさえ制御できなくなっていただろう。
 そして最もまずかったのはこの事態を止める人間、つまり警備員アンチスキルや風紀委員ジャッジメントの中にも獄天の扉ヘヴンズフィールを使用していた人間が多々いたこと。治安を正す側の人間が、欲望に耐え切れず『幸福』を求めて組織内部で暗躍したこと。
 彼らからすれば獄天の扉ヘヴンズフィールの供給が止まるのは、あるいは使用が規制されるのは言語道断だったからその行動は当然ともいえるだろう。何せ、その気になれば検挙と称して獄天の扉ヘヴンズフィールを手に入れることも可能だったのだから。
 獄天の扉ヘヴンズフィールを求める人はもう止まらず、治安を正す手段もなくなり、もうどうしようもない事態に陥ってしまった。
 はずだったのだ。
 
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/22(火) 20:51:12.15 ID:71VIYkuA0
 事態が起きてから数日が過ぎて急速にその事態は収束していった。
 獄天の扉ヘヴンズフィールを使用した人間は例外なく何らかの対処がなされ、元となった獄天の扉ヘヴンズフィールもどんな方法かもう現れなくなった。
 そして獄天の扉ヘヴンズフィールの噂が立ってから一か月半。学園都市の人口の2パーセントを壊したこの事態は幕を閉じた。
 のちにこの事件は使用された薬の名前を取って、獄天の扉ヘヴンズフィール事件と呼ばれるようになった。
 そして獄天の扉ヘヴンズフィール事件が収束して2週間後、ある文書がネット上に投稿され、学園都市中にばれ撒かれる。『HFHeaven'sFeelCCCaseClosed文書』と呼ばれたそれは獄天の扉ヘヴンズフィール事件を収束させたのが風紀委員本部セントラルジャッジメントであることが示されていた。
 どうやって収束させたのかは『HFHeaven'sFeelCCCaseClosed文書』には書かれていなかったが、風紀委員本部セントラルジャッジメントは一躍時の組織となった。最も風紀委員本部セントラルジャッジメントの閉塞具合は相変わらずだったので、特に何が起こったわけでもないが。
 時同じくして不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランドと呼ばれる組織の噂も流れた。この組織が獄天の扉ヘヴンズフィール事件の首謀者だという噂だ。最もこれに関しては誰も何も言わなかったので、確証は存在しなかったが。
 そして最後に学園都市中に統括理事長の名で獄天の扉ヘヴンズフィールの所持、使用を禁止する声明が出され、破ったモノは厳罰に処すとされ、この一連の出来事は完全に収束を迎えた』
 これが『表』で一般的に知られている獄天の扉ヘヴンズフィール事件の概要である。
 
 も・ち・ろ・ん・重・要・な・真・実・の・ほ・と・ん・ど・は・隠・蔽・さ・れ・て・い・る・わ・け・だ・が・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド?」
 上条にとっては聞き覚えの無いその名前は、しかし白井にとっては記憶にある名前だった。
(不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランド。確か獄天の扉ヘヴンズフィール事件の首謀者と一時期噂された組織。でもこの話は結局何の手掛かりも見つからなかったことで流れたはずですわよね……。まさか、本当だったとでも?)
 情報が足りない。だからここで判断をすることは出来ない。今白井がすべきなのはただひたすらに情報を収集する事であり、その真偽を判断することだ。
 そして何よりも。
「……いや、この話はやめておきましょう。いくらなんでも本筋からずれ過ぎてる」
 今話すべきことは獄天の扉ヘヴンズフィール事件のことではない。フェブリの、そして『スタディ』についてのことだ。『結界』が作動している時間はあと18分。それまでに作戦を伝えなければならない。
「それよりも、フェブリの話をしましょう。もうあなたの疑問はすべて解消されたでしょう?」
 脳裏に響く声はある。それを話したいという欲求も存在する。しかしそれを出すべきは今ではない。すべきことをして序列ランキングをあげる。そうすればいずれは頂点序列者トップランカーになって、機密情報アクセスレベル5の情報を、獄天の扉ヘヴンズフィール事件の本当の真実を、不思議の国の御伽噺フェアリーテイルワンダーランドの情報を得られるのだから。
 『それが、霞のような幻想まぼろしだと知っていてもね、人は『幸福しあわせ』を追い求めずにはいられないの』
 想起されるのはあの日の絶望。
『重軽には、きっと、わからないだろうね』
 目の前で学校の屋上から飛び降りた彼女恋人の姿。
悟ったように話す少女だった。
覚ったように話す少女だった。
 だが死んだ。
 でも自殺した。
 だから重軽石は――――――。
「重軽?」
「っ!?」
 あの頃の地獄を思い出してしまっていた重軽に上条から声がかけられた。
(いけない……っ!)
 過去に浸りそうだった自分自身を叱咤する。自分の役割を、役目を、今何をすべきなのかを忘れてはならない。
「……フェブリの話でしたよね。現状フェブリの容態は私が与えた飴のおかげで安定してると思いますけど」
「あぁ、そのことには感謝してる。俺達じゃあの子を治すことは出来なかったからな……」
「……ちょっと勘違いしてるようですけど、フェブリは治ってませんよ?」
「………………え?」
 それはどういう意味なのだろうか、と上条の中にまた新たな疑問が生れた。飴を与えたフェブリは体調がよくなり、見るからに元気になっていた。大事をとってしばらくは病院に預ける気でいたが、その気になれば一緒に出歩くこともできるはずだ。
「正確にいうなら、まだ完全に治っていないというべきか」
「どういう、事だよ」
「すごく簡単に言えばあの飴はフェブリの命そのものなんです。だから、もしも飴がなくなればその時点でフェブリはまた倒れることになる」
「なっ!?」
「だから『スタディ』を捕まえる必要があるんですよ。彼らから、根本的な治療法を聞くために、あるいはあの飴の製造法を知るために」
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/22(火) 20:52:53.31 ID:71VIYkuA0
 知らせれた情報は絶望をもたらすものだった。フェブリが完全に治っていないというのなら、今のフェブリはいつ再び倒れてもおかしくないという事になる。確かに悪意をもって造られたその身体は飴が無くては生きられないモノだったのだ。
 だが同時に希望も生まれる。治療法が存在しないわけでは無いという、かすかすぎる希望が。
「あの飴は、お前達が作ったモノじゃないのか?」
「あの飴は『上』から渡されたもので、その『上』も製法までは知らないはず。おそらくはフェブリが落としたモノを拾ったか何かしたんでしょう」
「………………………」
 だとすれば本当に方法は一つしかない。
「フェブリを造った『スタディ』から、治療法を聞き出す」
「やっとここまで来たか……。私がしたいのはそのための作戦会議なんですよ」
 上条当麻をあらゆる意味で納得させるための下準備、地に落ちた信用を回復させるための前準備、疑問点を解消し作戦を円滑に伝えるための土台作り。それがおうやく終わった。ここまでくれば後は作戦を説明するだけ、そして協力してもらうだけ。
「『スタディ』が企んでいる悪事を止めて人々を救い、造られた身体に苦しむフェブリを治す。協力してくれますよね」
 こんな問い掛けをしているが、協力してくれると重軽は確信していた。なぜなら上条当麻はヒーロー。困っている人を見捨てられない性質を持っている。
 世界物語キャラクターストーリー理論に基づけば、それは自明の理だ。
「あぁ、『スタディ』が企んでる悪事っていうのは解らないけど、どのみちフェブリを助けるためには『スタディ』に会わなきゃならないんだろ?だったらいやでも協力するさ」
「なら今から話しますよ。よく覚悟して聞いていてください。『スタディ』の学園都市研究発表会同時襲撃計画のことを」
「学園都市研究発表会同時襲撃計画?」
 ふっと小さく笑って、重軽は告げた。
「学園都市研究発表会同時襲撃計画というのは――――――」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 さぁ、
 
 
 
              確定された終わり滅亡に向かって突き進むといい。
 
 
                          上条当麻ヒーロー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 喪った後に読みたいだなんて、滅亡した世界をチェック死体だなんて、傲慢だね。読者共。
 
 死           ね          よ 
 
 
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 01:21:19.86 ID:GS+DLjA70
http://dic.pixiv.net/a/%E9%BB%84%E6%B3%89%E5%B7%9D%E5%AE%B6

黄泉川家ほんと嫌い
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 01:27:47.65 ID:UaDtfbEa0
さいですか
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 01:28:27.67 ID:UaDtfbEa0
さいですか
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 01:30:07.39 ID:GS+DLjA70
家族愛(笑)ってwwwwwwwwwwwwwwww
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:50:37.75 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/
とある暗部の御坂美琴(2周目)
作者:一二三四五六
原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 とある科学の超電磁砲 暗部 上条当麻 鬱 独自設定 中二病 闇堕ち 群像劇 執着 依存 オリジナル展開 原作キャラ死亡 御坂美琴 絶望 シリアス 狂気 オリキャラ多数 裏切り 策略
▼下部メニューに飛ぶ
 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか?

 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか?

 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか?

 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。



 ※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません
 ※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。
 ※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。
 ※『白衣の男』と御坂美琴J 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。
 ※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。
 ※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。
 ※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。
 ※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。




 
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:53:23.40 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/168.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
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Q.なぜ世界は滅んだのか?


学園都市統括理事会@ 襲来の人類絶対悪ビースト

 8月29日午前9時33分 学園都市第一学区地下秘匿区画『蠍の間』にて
 
 学園都市統括理事会は学園都市に存在する暗部の一つである。そして同時に学園都市の最高機関でもある。
 所属するメンバーは統括理事長を除いて12人。そのほとんどが一癖も二癖もある『悪』人であり、自身の利益のために他者を平気で糾弾する屑だ。善人といえるのははそう、貝継と親船の二人くらいのモノだろう。
 純粋な善が割を食い純黒の悪が栄えるのは世の常。いつもいつも良い人はいつも損をするものだ。
 だが、だからといって常に悪人が栄え続けるのもまたあり得ない。栄枯盛衰、諸行無常。変わらないものなどないのが世の中なのだから、学園都市統括理事会のメンバーもまた、さらに強大な『悪』に叩き潰される時が来る。
 多くの統括理事会メンバーはそれが分かっていない。自分だけは安泰で、最後に嗤うのは自分だと思ってる。それがただの妄想だと気づきもせずに。
 いつかその時が来るとしても、なんだかんだで自分だけは例外だなんて思ってる。
 だから苦罠は郭夜からの報告に焦っていた。苦罠もまた、結局の所自分だけは安全位置にいると思っていたから。
 その平穏が一瞬で終わるだなんて、思いもしなかったから。
「とりあえず、集まってくれたようで安心したよ」
 学園都市第一学区地下秘匿区画『蠍さそりの間』。統括理事会メンバー同士が秘密の会談を行う際に使用される学園都市の中でも最もセキュリティの厳しい場所の一つ。その『蠍の間』に今、10人の人間が集っていた。
 死縁鬼苦罠。
 トマス=プラチナバーグ。
 親船最中。
 潮岸  。
 貝積継敏。
 薬味久子。
 亡本裏蔵。
 アラン・スミシー。
 ロード・アンドレイ。
 奈落ならく奈波ななみ。
 以上10人。全員が全員統括理事会メンバーだ。
「ふん」
「まだ、二人ほど来ていないようですが」
「全くだぜ。あの潔癖症と重病人はどうしたっつうんだ?」
 これはもはや奇蹟に等しい会合だった。いがみ合い争い合い憎しみ合う統括理事会の人間が10人も一堂に会するなど飛行機が墜落するくらいあり得ない。彼らは自分以外のメンバーを追い落とすのに全てを懸けるほどの悪人。彼女たちは誰よりも自己中心的で世界が自分を中心に廻っていなければ気が済まないような狂人。
 けれど今、この場に10人もの統括理事会メンバーがいる。
 それはひとえに苦罠が連絡したからだ。
 死縁鬼苦罠という男が、彼らを集めた。
「潔癖症の彼女には先に動いてもらっている。彼女もどうやら私と同じ情報を得ていたようだからね。そしてあの重病人について私も知らないな。割と緊急性の高い事態だから出来れば参加してほしかった、というのが本音だが」
「緊急性?」
 アランが馬鹿にしたように言う。
「緊急性?何がだ?今この学園都市で、どんな緊急事態が起こってるっていうんだ?統括理事会全員を招集しなけりゃいけないほどの緊急事態が起こってるなんて、俺にはとても思えんがね」
「それならなぜあなたはきたのそれなら何故あなたは来たの?がくえんとしのぼうえい学園都市の防衛をまかされているあなたがきたということは任されているあなたが来たということは、なにかだいじ何か大事があったんじゃないかとおもったのだけれど思ったのだけれど」
「別に対した理由なんてねぇよ。ただ時間はあるし、同類の緊急要請に応えないほど俺は狭量じゃねぇ」
「ふん、ただこれ幸いと死肉を漁りに来ただけではないかね?」
 煽り合い。罵り合い。マウントの取り合い。
 ほんのわずかでもイニシアチブをとり優位に立とうと彼らは言葉という名の武器を交わし合う。
 言葉。そう、あくまで言葉だけだ。間違ってもここで武器を交わすようなことはない。そのリスクは全員が承知している。
「はっ、あいにく腐った肉を喰らう趣味はねぇな。そこの美食家気取りでもあるまいし」
「それは私のことかな?『ネクター』は君が思っているよりもはるかに素晴らしき美酒だなんだがね」
「別に『ネクター』をどうこういうつもりはねぇが、つまるところ『ネクター』は人肉だろう?食人鬼に成り下がるつもりは、俺にはねぇなぁ」
「『ネクター』を人肉などというモノと一緒にしないでれ。あれはもっと高尚な」
「どちらにしろ、下賤なモノであることには変わりないと思いますがね」
 亡本とアランの軽い、統括理事会メンバーとしてはあまりにも軽い言い合いですらない『話し合い』に親船が割り込む。生来争いを嫌う性質である、統括理事会メンバーの中でも数少ない『善人』である親船。彼女の未来はそれ故に閉ざされているが、しかし彼女だからこそ使える手というのもある。
 かつて『平和的な侵略行為』を行うと恐れられた親船。その刃は今はしまわれているが、しかししっかりと砥がれている。
 『善人』であるからといって、『弱い』という事にはならない。
 親船はくさっても統括理事会の一員だ。
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:54:06.66 ID:cKUxJcBb0
「でも、いま今はそんなことどうでもいい。くわな苦罠、そろそろおしえて教えてくれてもいいでしょう?ぜんいん全員、ふたりたりない二人足りないけどほぼぜんいんあつまったんだし全員集まったんだし」
「そうだな……、あいつは結局来なかった、か」
 来るとはそこまで思っていなかったが来てほしいというのが苦罠の本音だった。今起きている最悪の非常事態には統括理事会の全員で立ち向かう必要がある。それほどの敵、悪がいる。
 全員で戦わなければ勝てない。とても敵わない。
 4年前のようなことをもう一度起こすわけにはいかない。
「まず初めに言っておこうか。私が今から言うことは全て真実で、事実だ。一切の偽りはないことを、まぁ、意味はないだろうが神にでも誓っておくとしよう」
「神、ですか」
 小馬鹿にしたようにアンドレイが言う。神、神、神。神様?なんだそれは?宗教家でもない苦罠がその存在に誓いをするなんて、無意味を通り越して滑稽ですらある。
「そしてもう一つ、潮岸、アラン、奈波。私にお前達を責め立てるつもりは一切ない。そんな時間もないし、だいいち責めたところでもうどうにもならないからな」
「せめる?わたしたちを?」
「見えねぇな。何についての話だよ?」
「………………」
 その返答は言葉ではなく画像で示された。
 スッ、と苦罠の後ろの壁にプロジェクターで4枚の画像が映し出される。どれも学園都市の街中の画像で、それは一見をすれば何の変哲もない、学園都市の日常の画像。往来を行きかう人々、掃除用ロボット、自販機、建物。一般人がみれば、いや『闇』の人間が見ても違和感などないだろう。だが、だがしかし、見る人が見ればその4枚の画像がどれだけとんでもないモノか分かる。
 そしてその画像に超速の反応を見せたのが1人。
「なっっっっっ!!!!!?????」
 奈落ならく奈波ななみが大きな音を立てて椅子から立ちあがっていた。ポーカーフェイスをむねとする奈波の顔が驚愕に染まっている。演技?いやそんなわけがないしそんな意味はない。だからこれは素。しかしだとしたらなぜ?
 奈落奈波はこの画像のどこに驚愕した?
「流石に、お前は分かるか。奈波」
「ばかな、そんなっ!」
 それはあり得ない画像だった。
 九家くげが一家、奈落家の人間として様々な情報に精通している奈波だからこそ気付けた。そこに映っていた人間がどれだけあり得ないのか。
「現在」
 そして、彼らも知っていた。
 潮岸。
 親船。
 貝積。
 薬味。
 亡本。
 彼ら5人も、知っていた。
「現在、この街に4人の――正確に言えば2組織と1人と1体の人類絶対悪ビーストが侵入している。彼らからこの街を守るために、お前達の力を貸してほしい」
 その悪を、知っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 その沈黙には動揺と困惑が混ざっていた。
 動揺は6人、困惑は2人。
「……………苦罠クン」
「何か?」
「冗談だとしたらあまりにも性質が悪すぎるし、嘘だとしたらあまりにも質たちが悪いぞ」
「こんな冗談や嘘を、私がつくと思うか?本気で」
 それは潮岸とて分かっている。だからあくまで確認だ。確認で、出来ればそうあってほしくはないという願望だ。
 それは否定された。
 そして否定された以上、真剣に向き合わなければならない。
 人類絶対悪ビースト。
 その脅威を、潮岸達は知っている。
 4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件。その事件を生き延びた7人の統括理事会メンバー。
 苦罠。
 親船。
 潮岸。
 貝積。
 薬味。
 亡本。
 そして潔癖症の彼女。
 7人は人類絶対悪ビーストの恐怖を、その狂気を知っている。だから速断だった。当然苦罠が嘘をついている可能性もあったが、それよりも。
 それよりもだった。
「それで緊急事態……か。くそっ、どうやってすり抜けた」
「奈波クン、君は見覚えがあるようだな。詳細はわかるかね?」
「わたし私は4まいのがぞう枚の画像のうち2まいしかしらない内2枚しか知らないわ」
「それでも十二分だろう。人類絶対悪ビースト……。もう4年前のようなことを起こさせるわけにはいかない。情報は少しでもほしいのだから」
「画像を出したのは私だが、人類絶対悪ビーストに関しては私よりも君の方が、九家が一家、奈落家の人間である君の方が詳しいはずだ。後で私も捕捉するから、説明を頼む」
 奈波は純粋な統括理事会メンバーではない。奈波は外の、学園都市外の人間だ。奈波が統括理事会のメンバーとしていられるのは奈波が外部との折衝の役割を担っているからであり、学園都市の運営に参加しない立場をとっているからだ。
 そういう意味では奈波は親船以上に権力がない。だが本人もそれをよしとしている。立場的にも奈波はそういうことをするべきではないからだ。
 そしてその立場故に、奈波は人類絶対悪ビーストについてとても詳しく知っている。
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:54:56.69 ID:cKUxJcBb0
「いちばんひだりのがぞうにうつっているのは一番左の画像に映っているのはじんるいぜったいあく人類絶対悪いかいそうじょれつだいきゅうい位階総序列第九位の『こっきょうなきてろりすとTerroristes Sans Frontières』のめんばーたちメンバー達よ。『ぎゃくたい虐待』のあくとくをたいげんするやつらで悪徳を体現する奴らで、せかいさいあくのてろりすとしゅうだん世界最悪のテロリスト集団でもあるわ。ばくやく爆薬、どくがす毒ガス、しゅうだんひすてりーのゆうはつ集団ヒステリーの誘発――。そういうだいきぼなあくいてきこうどうをするやつら大規模な悪意的行動をする奴ら」
 左の画像が拡大される。拡大された先に映っているのは6人。男性2人と女性4人。
「なまえはわからない名前は分からないけど、たぶんたちばてきにはそうたかくないとおもう立場的にはそう高くないと思うわ。『こっきょうなきてろりすとTerroristes Sans Frontières』のじょうそうぶのにんげんたち上層部の人間達はげんばにこない現場に来ないから」
 詳細な説明。けれど画像だけで分かることはやはり少ない。不確かな情報と不確かな言動。
「がぞうだけじゃだんていはできない画像だけじゃ断定は出来ないけど、けいかいしんがあまりみえない警戒心があまり見えない。とっこうよういんだとおもう特攻要員だと思う」
「特攻……っ」
「厄介な」
 もっと詳細な情報を言うことは出来るが、奈波は一度『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』の説明を打ち切った。今求められるのは詳細の説明じゃない。迅速な説明だ。
「いちばんみぎのがぞうにうつっているのは一番右の画像に映っているのはじんるいぜったいあく人類絶対悪いかいそうじょれつだいじゅんよんい位階総序列第十四位の『あくいとさついのようへいだんでっどえんどれっど』のいちしょうたい一小隊よ。『ぼうりょく暴力』のあくとくをたいげんするやつら悪徳を体現する奴らで、だいにじせかいたいせん第二次世界大戦さいだいのふのいさん最大の負の遺産。かねさえはらえばなんでもする金さえ払えば何でもするせかいさいきょうのようへいそしき世界最強の傭兵組織。2ねんまえのほわいとはうす年前のホワイトハウスしゅうげきじけんのじっこうはん襲撃事件の実行犯、ってい言えばわかるかしら」
 右の画像が拡大される。拡大された先に映っているのは16人。男性12人と女性4人。
「しょうたいちょうはみおぼえがあるわ小隊長は見覚えがあるわ。まるてぃねすマルティネスってなまえ名前よ。せっきょくせい積極性としんちょうせいが慎重性がわるいいみであわさった悪い意味で合わさった、むのうのなかではゆうのうなにんげん無能の中では有能な人間」
「装備は分かるの?」
「がくえんとし学園都市のぶそうであっしょうできるれべる武装で圧勝できるレベルのはず。そもそも『あくいとさついのようへいだんでっどえんどれっど』のこわいところ怖い所はそのようしゃのなさとじんどう容赦の無さ人道をためらいなくふみはずすところ躊躇いなく踏み外すところだし。ちょくせつせんとうになればよゆうでかてる直接戦闘になれば余裕で勝てるはず」
 強い弱いで言えば弱い。けれど強い弱いだけじゃ語れないからこその人類絶対悪ビースト。
「でもたぶんこの16にんはさぽーとよういん人はサポート要員よ。ほかのさんそしき他の3組織のどこかがやとった雇ったんじゃない?」
 『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』はその名が示す通りあくまで傭兵。つまり他者からの依頼によって動く存在だ。自意識では動かない。
「あと後の2がぞうはわたし画像は私にもわからないわ。くわな苦罠、あなたは?」
「ならそこは私が説明しよう。といっても僕も郭夜から得た情報なんだけどね」
 そういって、苦罠は左から2枚目の画像の一部を拡大した。
 映し出されたのはとある少女。茶髪のショートヘアに白カチューシャをした少女――の手元。
「ポータブルデバイスPD……?これが、人類絶対悪ビースト?」
「正確に言えば、ポータブルデバイスPDの中にいる存在、だ」
 感の良い貝積はそれで気付いた。
「っ、電脳生命体αアルファか!?」
「ああ」
 電脳生命体α。
 その名の意味が分かる者の焦りはこれまでとは全く違った。
「アランっ、学園都市の電子防衛関連は君が担当していたな。何か君の部下から報告はあがってないかっ!」
「あ?別に目立った報告なんてあがってねぇが……?」
「ならもう完全に落ちているんでしょうね」
「書庫バンクはどうだ?最暗部の情報はのっていないとはいえあれまで掌握されていたら学園都市は落ちたも同然だぞ!」
「いえ、外部と完全に独立したネットワーク以外はすべて落ちているとみるべきよ。くそ、この分だとここに来る前にした電話も怪しくなってくるわね」
「っ、電波も乗っ取られて……っ、なら連絡を取り合う時は精神感応テレパス系の能力者で中継する必要が」
「ちょっ、ちょっと待ってください!どういう」
「落ち着けッッッ!!!!!!!!」
 一機に混乱する状況を前に苦罠が一喝した。分かる。とてもよくわかる。何も知らない立場なら当然そうなる。現代社会において電脳生命体αの脅威は分かり知れない。だからそうなるのも分かるが、それでも今は大丈夫なのだ。
 誰でもない。この事態に最初に気づき、動き出したのは、他の誰でもないあの天埜郭夜輝夜姫だ。
「落ち着け、大丈夫だ。今のところ電脳生命体αの侵攻は抑えられている。まだ後2日は問題ないはずだ」
「君は馬鹿か?」
 思いっきり馬鹿にした表情で亡本が言った。
 信じられないような表情を薬味はしていた。
 狂人を見るような目で親船は苦罠を見ていた。
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:55:38.54 ID:cKUxJcBb0
「侵攻は抑えられている?出来るわけがないだろう!それがっ、出来る人材がいるのならっ、統括理事会はこうなっていないはずだ!!!」
「出来ている」
「誰が!?」
「守護神ゴールキーパーだ」
「っ」
 その名はこの場の全員が知っていた。
 守護神ゴールキーパー。
 学園都市に存在する超一流のハッカーの1人。
 その素性はこの場にいる全員が知っている。
 風紀委員ジャッジメント第一七七支部所属の風紀委員ジャッジメントにして超能力者予備集団セブンバックアップ序列第1位、十二暦計画カレンダープロジェクト第九実験『漆黒の九月実験』邪道『マルチソウル』成功例。
 初春飾利。
「本当に対抗できているのですか?誤魔化しも何もなく?偽装も何もなく?ダミーでもなく?他の誰でもないあの電脳生命体αの侵攻を、抑えられているのですか?」
「そもそもこの4枚の画像だってネットワーク経由で送られたものだ。この会合だってそうだろう?だから問題ない。今のところは、な」
「そのリミットが、2日か」
 どれだけ有能な人間だとしても所詮は人間。行動の限界というモノは必ず来る。それが人類と人外の差であり、人類が人外を根絶できない理由だ。
 電脳生命体α。電子の海に生きる人外の怪物。人が生み出した人の業。無限の学習で無限に進化する絶望。
 単純な武力だけではどうにもできない人類絶対悪ビースト。
「分かった。なら出来ていると盲信しよう。だが個人的な対策はいくつかさせてもらうぞ」
「当然だな。私自身が言ったことではあるが、守護神ゴールキーパーがいつまでもつかのは、……微妙だしな」
 慌ただしく外部と連絡を取り合う幾人か。構築されたネットワークの保護や兵力の確保、情報の収集などやるべきことはいくらでもある。潜在的な敵ではあるが、こういう場面では非常に頼もしい。
 悪、悪、悪。人類絶対悪ビースト。
 勝たなければならない。
「そして4枚目の画像を説明する前に本題に入ろう。分かっているとは思うが、な」
 今度こそは。
「この人類絶対悪ビースト共をどうにかする。そのための力をかしてくれ」
 いがみ合い、争いあい、憎み合う。それが統括理事会の在り方で、それはどうにもならない。けれどそれだけではない。本当にそれだけなら彼女達は統括理事会メンバーであり続けてはいられない。
 裏切りも騙し合いもする。けれどその『先』があるからこそ、彼らは統括理事会のメンバーなのだ。



Q.なぜ世界は滅んだのか?

Q.なぜ世界は滅んだのか?

Q.なぜ世界は滅んだのか?



次の更新は年度末までには。



A.みんなが無能だったから。
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:56:05.20 ID:cKUxJcBb0
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学園都市統括理事会A 彼らは愚者ではない

「それで、どうする気だ」
 
「どうにかする、というのは簡単ですが、具体的な策はあるのですか?」
 
「確かに、人類絶対悪ビースト……、生半可な『力』では敵わないだろうなぁ」
 
「もちろん、だから私はお前達に協力を要請しているんだ」
 
「何か策があるのですか?」
 
「策というほどのモノでもない。ただ単に、暴力でぶっ潰そうって話だよ」
 
「その暴力を私達に提供しろと?」
 
「もちろん私も出来る限り提供するさ。伏せ札はともかくとして切り札くらいまではきってもいいと良いと思っているし、お前達にもきってもらわなければ困る。見せ札だけでどうにかできるほど、人類絶対悪ビーストが弱くないことはお前達も知っているだろう?」
 
「確かにね、4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件でそれは嫌って程知ってるけど」
 
「獄天の扉ヘヴンズフィール事件……?ちょっと待て、まさかあの事件には更なる裏があるっつうんじゃねぇだろうな!?」
 
「……そうか、そういえば君は獄天の扉ヘヴンズフィール事件をきっかけに入れ替わった人間の1人だったな」
 
「しかし今そのことについて説明している時間はないでしょうね」
 
「じかん時間、じかん時間、じかん時間。まったくいやになる全く嫌になる。いつだってわたしたちにたりないのはじかん私達に足りないのは時間よね」
 
「アラン、アンドレイ。お前達には後で私から資料を送ってやる。獄天の扉ヘヴンズフィール事件の詳細と人類絶対悪ビーストの危険性についてな。だから今は全霊で協力しろ。対応を間違えれば最低でも学園都市は滅ぶ」
 
「っ、それほーどの、存在ですーと?」
 
「承ったぜクソが。ガチでやべぇのは事実みてぇだし、今は大人しく協力してやるよ」
 
「あぁ、そうしてくれるとありがたいな」
 
「それで苦罠クン、詳細は?」
 
「今映す」
 
「……しかしよく気づいたな。君は別にこの街の防衛を担当してはいなかっただろう」
 
「私の担当分野は航空宇宙産業だよ?そして私のブレインはひこぼしU号の中に住んでいる」
 
「じんこうえいせいのかんしきのう人工衛星の監視機能ね」
 
「地上の監視網は逃れられても宇宙の監視網から逃れることは不可能だったようだな」
 
「………………………………」
 
「はっ、わざと干渉しなかったって可能性もあるだろうが」
 
「だから別に責めつもりはないといってるだろう……。と、情報出るぞ」
 
「『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』、国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières、『電脳生命体αアルファ』……なぁっっっっ!!!???」
 
「帰ってきたのか、彼女がっ!?」
 
「……禁忌の木原」
 
「全能存在パントクラトールっ!」
 
「木原五行……っっっ!!!!!」
 
「その名前は流石に新入りの俺でも知ってるぜぇ。あの悪名高き木原一族ですら放逐せざるを得なかった、木原一族の中の木原一族ってなぁ」
 
「はっ、そんなレベルではないよ……。あれは、1つの災害だ。いや、災害すら超えている。もはや天罰とでも言うべきだ。人間が対抗できるレベルを超越している」
 
「ですが、どうにかしなければならないでしょう。どうにかしなければ、この街は終わりです」
 
「……、しかーし、なぜ誰も気がつかなかーった?」
 
「先に言っとくぞ。『穴』はある。だがその『穴』を通ったとしても俺の監視網からは逃れられねぇ。だから見逃した訳じゃねぇ」
 
「ならわたし私からもさきにひとつ先に1つ、そとからのぞうえんはだせない外からの増援は出せないわよ。そのぞうえんにまぎれて増援に紛れて、さらなるじんるいぜったいあくビーストがこないともかぎらない来ないとも限らないから」
 
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:56:37.75 ID:cKUxJcBb0
「増援がないのは仕方がない。そしてどうやって侵入したかは二の次だ。今私たちが話すべきなのは過去じゃない。未来についてだ」
 
「電脳生命体αへの対応は問題ないのだな?」
 
「私のブレインによれば、な。最も、サポートできるというのならばしてほしいが」
 
「無理無理、守護神ゴールキーパーレベルのハッカーじゃなきゃ対抗できない電脳生命体αに対して、生半可な増援なんて足手まといになるだけよ」
 
「どうかん同感。でんのうせいめいたいあるふぁ電脳生命体αにかんして関してはしゅごしんゴールキーパーにまかせた任せたほうがいい」
 
「なた木原五行に関してはどうする?」
 
「そんなのもちろん……」
 
「そこで私を見られても困るぞ」
 
「だが、君のブレイン以外にいるかね?かの全能存在パントクラトールに対抗できる存在が」
 
「……はっきり言うぞ。郭夜は動けない」
 
「ふざけているのかな?」
 
「至って真面目さ」
 
「だったらどうして動かないの!あの全能存在パントクラトールに対抗できるのなんて、この統括理事会の中じゃ同じ造られた子供たちプログラムチルドレンの天埜郭夜ぐらいじゃないの!?」
 
「よく聞け。動けない、じゃない。動かない、と言ったんだ」
 
「つまーり?」
 
「伝言だよ。ふざけた伝言だ。郭夜曰く、木・原・五・行・の・目・的・は・私・を・引・き・摺・り・だ・す・こ・と・、だそうだ」
 
「それを、信じたのか?」
 
「私は郭夜を信頼している。郭夜がそういうのならば、本当にそうなんだろう」
 
「ならどうしろというんだ。あの木原五行に対抗できる存在など他にいないだろう」
 
「そうでもないと思うが、な。もちろん、」
 
「なにをばかな何を馬鹿な。きはらごぎょうにたいこうする木原五行に対抗するためにひつよう必要なのはぼうりょくじゃなくてちりゃく暴力じゃなくて知略。そしてそのちりゃくをもってるのはわたしたちのなか知略を持ってるのは私達の中じゃあなたのぶれいんブレインだけでしょ」
 
「そうでもないさ。確かに知略という面ではそうだろうが、別にわざわざ禁忌の木原と知恵比べをする必要はないだろう?」
 
「と言うと?」
 
「雪風宗谷。彼女は造られた子供たちプログラムチルドレンでこそないが、忌まわしきブレインの1人なんだから対抗ぐらい出来るだろう?」
 
「無茶だ。いくらあいつの運が良いつっても限界ってもんがある」
 
「別に倒せと言っているんじゃない。足止めくらいなら」
 
「ふざけんなよテメェ。本当に足止め出来るっていうんなら喜んで生贄にしてやるが、無駄死にするって分かってるのにいかせると思うか?」
 
「いいや、出来るかもしれん」
 
「……どういう意味だよ。貝積?」
 
「確かに、彼女1人では不可能だろう。だが、そこに私のブレインを加えればどうだ」
 
「忌まわしきブレインが2人、……ですか」
 
「いや、足りねぇな。それでも足りねぇだろ。木原五行に対するには」
 
「ならば私のブレインも加えよう」
 
「ついーでに、私の高貴なる一族ブルーブラッドからも人員をだーそう」
 
「おっ、それならいけるんじゃない?まぁでも〜、もうちょっと武力面はプラスしたいけど」
 
「武力……、それはあなたが出せるのではないですか?」
 
「冗談を言ってくれるな。確かに私は兵器関連に強い権限を持っているが、必要となる武力は兵器ではなく人員だろう。つまり強力な能力者。科学兵器をメインにしている私では派遣できんよ」
 
「だとしたら、人員を出すべきは私か」
 
「あはは、確かに貴男なら派遣できるだろ〜ね。この能力開発分野に強い影響力を持ってる君なら」
 
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:57:09.39 ID:cKUxJcBb0
「……分かった。超能力者予備集団セブンバックアップから1人だそう。私の息のかかってる人間だ」
 
「そのレベルだったら私の恋査ちゃんを派遣したほうがましじゃない?」
 
「ならばどうしろと?」
 
「いい加減にしたまえ。なぜ、一級品の料理を持っているのにそれを私達に振る舞わない。今は、そんな場面ではないだろう」
 
「………………非公式超能力者アウターレベル5、か」
 
「それ以上を、君は持っているはずだがな」
 
「………………………………………………………」
 
「言わなきゃわかんないかな?超越能力者レベル5.5って」
 
「………………………分かっていない」
 
「何が?」
 
「超越能力者レベル5.5は、一級品の料理などではない。あれの危険性を、君達は何も分かっていない」
 
「上から目線のご高説は結構だがな、今は差し迫った危機から目を背けている場合ではないだろう」
 
「核ミサイルを発射された。だから、私達も報復として核ミサイルを発射する。……そんなことをして何になる?」
 
「何を恐れているーんだ?」
 
「同じ結末なのさ。超越能力者レベル5.5を解き放つなど、それでは結局人類絶対悪ビーストを斃せたとしても意味がない。結局の所は全ては終わる。何も変わらないのさ」
 
「超越能力者レベル5.5とは、それほどの存在だと」
 
「何のために私が彼を保護監禁していると思っているんだ。外に出すことで起きる被害が、私達の許容を遥かに超えているからだ」
 
「であれば?」
 
「さっきも言っただろう。非公式超能力者アウターレベル5を出す。非公式超能力者アウターレベル5ならまだ許容できる」
 
「でもさ〜、所詮は超能力者レベル5になれなかった非公式アウターな連中でしょ?ほんとに大丈夫な訳?」
 
「いや、非公式アウターだからってその強さが公式な超能力者レベル5に劣るわけじゃあねぇだろ。確か非公式超能力者アウターレベル5は切り捨てられた枝ってだけじゃなかったか?」
 
「……しらじらしいですね。再利用リサイクルと言ってしまえばいいではないですか」
 
「可能性があるモノを伸ばすのは、悪い選択肢ではないはずなのだがな」
 
「あはは、齎されるかどうかも分からない被害を想像して、戦力を温存してる場合じゃないと思うんだけどな〜。出しちゃえばいいのに」
 
「先ほども言っただろう」
 
「まっ、そうはいっても、妾わらわからしたら赭あかつち鰰はたはたなんてそこまでの脅威でもないんだけどね〜」
 
「……は?なぜ、君がその名、を………………」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:57:58.38 ID:cKUxJcBb0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「「「「「「「「「ッッッッッッッッッッッ!!!!!!!???????」」」」」」」」」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あはっ!やっと気づいたの?初めまして久し振り!統括理事会の諸君!!!」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:59:12.09 ID:cKUxJcBb0
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おかしい……、なんでこんな展開になったんだ?


学園都市統括理事会B 絶対的な敗北

 いつからそこにいたのか。
 いつから会話に参加していたのか。
 いったいいつから。
「ご、ぎょう……?」
 呆然と、誰かが口にするその言葉。
 この場にはいないはずの、たった今話題にしていた、人類絶対悪ビースト位階総序列第三位の名前。
「木原、……五行?」
「そう!あたしの名前は木原五行!人類絶対悪ビースト位階総序列第三位にして全能存在パントクラトールの二つ名を持つ禁忌の木原!木原一族の中の木原一族!」
「……冗談だーろ」
 アンドレイが呟く。それは木原五行を除いたこの場の全員が思っていることだった。
 気付かなかった。
 誰も、誰一人として気づかなかった。
「……トマスはどこだ?」
 苦罠がそういった。
「その席には、トマス=プラチナバーグが座っていたはずだ!」
 はっ、と複数人が顔を上げた。そう、苦罠の言う通りだ。今五行が座っている席には統括理事会メンバーの1人であるトマス=プラチナバーグが座っていたはずだ。それは会議を始める前に全員が確認している。
 潮岸は目線だけで周囲を見渡した。
 いない。いない。いない。上下左右前のどこにもトマスはいない。そして自分の後ろにもトマスがいないのは他のメンバーの視線で分かる。ならばどこに、トマスはいったいどこにいった?
「ん〜?あれ〜、どこにいっちゃんたんだろうね〜?」
「お、まえ」
 誰かの心拍数が早くなる。
 誰かの頬に汗がつたう。
 誰かの喉がカラカラに乾く。
 そんな中で、苦罠が怒鳴った。
「トマス=プラチナバーグをどうしたんだッ!?」
「分かってるくせに」
 泰然自若に五行は答えた。たったそれだけの言葉でトマスの末路が想像できる。
「殺したのですか」
 それを実際に口に出したのは親船だった。もっとも端的に想像できる末路。死という名の結末。だが、仮にそんな末路を辿ったのだとすれば違和感がある。
 それは、
「死体はどこにいったのか、分かる人いるかな〜?」
「余裕じゃねぇか、随分と」
 五行を睨みつけながらアランはそういった。立場が分かっていないわけではない。五行が上で統括理事会が下。既に格付けは成されている。
 だから覆す。
 統括理事会を舐めるなと、アランは五行を挑発する。
「ここがどこだか分かってんのか?禁忌の木原だか人類絶対悪ビーストだか知らねぇが、俺達の前に姿を現して五体満足で帰れるとでも思ってんのか?」
「くららららら!!!強がり言っちゃって、か〜わいいっ!」
 身体を艶めかし気にくねらせながら、五行はあくまでも上から目線で告げた。主導権争いをするつもりは五行にはない。そんなことをしなくても、誰も五行には勝てないと知っているから。
「それとも注目を自分1人に集めさせて、その間に他のメンバーに何か準備をさせるつもりかな?くすくす、でも不思議にさぁ、思わない?はたしてうちはどうやってこの『蠍の間』にきたのだろうかや?」
牽制……、いや五行からすれば牽制ですらない言葉に、裏で準備を進めていた幾人かの動きが止まる。当然、いくら統括理事会メンバーだけの会議とはいえ完全に無防備な状態で来ている人間などいない。親船でさえ最低限の防備をしている。潮岸は駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を周囲同化服カメレオンスーツで隠した状態で着ているし、薬味は予あらかじめ己の身体に薬物投与を行って身体能力をあげているし、アランは己のブレインである雪谷宗風からお墨付きをいただいている。
 武器はある。
 動けるのだ。
 人ひとりくらいなら、殺せる。
 ただ、
「おかしくないでしょうか?この『蠍の間』はランダムに地下空間を移動するいわば動く密室。会議が始まったら出入口は完全に閉鎖され、外部からの親友も内部からの脱出も不可能になるのに……。あてはいったいぜんたいどうやって『蠍の間』に来たんだよ!?分かる人は手をあ〜げ〜て〜!今なら五行ポイントを100ポイント分あげますよ!」
 楽しそうに、心底楽しそうにどうでもいいことを話す五行。
 五行がどうやって『蠍の間』に来たのか?なぜトマスが消えたことに誰も気づかなかったのか?トマスの死体はどこにいったのか?確かに気になる。気になるが、それらの優先度は低い。はっきりいってこの場においてそれらの問題はどうでもいい。
 今はそんなことよりも、五行にどう対するかという事を議論するべきだ。
(隙だからけだ)
 潮岸は思う。潮岸は別に一流の戦士などではない。けれど分かる。偽装でも何でもなく五行は明らかに隙だらけ。その隙は潮岸ならばつける。駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を纏っている潮岸ならば、いける。
 本当にそうか?
(くそ……)
 苦罠は思う。こういう事態も完全に想定していなかったわけではない。忠告はもらっていた。郭夜はこういう事態も想定していた。だから、武器はある。だから、生き残れるはずだ。
 本当にそうか?
(どうしようかな)
 奈波は思う。木原五行。人類絶対悪ビースト位階総序列第三位。その脅威は学園都市に来る前から知っている。人口衛星USA-224墜落事件、パリ全インフラ停止事件、他にも多数の大犯罪を犯した人間。そんな彼女が今、手が届くほどに近い距離にいる。どうするべきだ。いくべきか?出来るのか?世界に対する、人類に対する、日本に対する脅威を今、取り除けるのか?
 本当にそうか?
「あれ?今笑う所さかいな」
「そうだな……。空間移動テレポート系統……、それも座標指定タイプではなく目印アンカーを設置して移動するタイプ、か?」
 言いながら、苦罠は目配せした。統括理事会。学園都市の最上層部にして最暗部。混沌とした悪意の渦巻く屑の巣窟。他人を出し抜き蹴落とすことしか考えていない屑共。
 普段は敵同士。どうしようもなく相いれない。
「惜しい!でも外」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:59:49.88 ID:cKUxJcBb0
けれどだからこそ分かる。
 だからこそ、彼らはある意味で通じ合えている。
 最初に動いたのは薬味だった。
「っ!」
 薬物による身体強化を施している薬味は100メートル走の世界記録をはるかに超える速度で五行との距離を詰める。瞬きをする瞬間には、とまではいかないが、しかし一般人では到底反応できないような速度。
 テーブルの上に乗りあげ、最短距離で五行のもとまでいく。
 そんな速さじゃ遅すぎる。
「短慮過ぎない?」
 とん、と。
 軽くステップを踏んで、本当にほんの少しだけ身体をずらして、五行は薬味の攻撃から逃れた。薬味と五行の距離は今や10センチメートルほどしかない。近すぎる。近すぎるが故に、薬味は五行に攻撃できない。殴るにしても蹴るにしてもある程度の距離は必要なのだ。密着状態では攻撃などできない。
 そして五行の位置取りは完璧だった。
(射線が、っ)
 亡本も当然動いていた。懐に偲ばせていた半自動組み立て式拳銃を五行に向かって発射しようとしていた。そして実際に発射しただろう。
 薬味の身体が五行を庇うような位置に無ければ、だが。
「ちっ!」
「おおお!!!」
 薬味の動きにスリーテンポほど遅れてからアランと潮岸が動き始めた。
 ……語るまでもない事ではあるが、ここにいる統括理事会メンバーは全員戦う人間ではない。彼ら彼女らは策を練り、指示を出し、上に立つ人間であり、現場で動く人間ではない。
 だから言うまでもなく弱い。連係も下手で、数の利を全くいかせていない。
 駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を着ている潮岸。
 雪谷宗風からお墨付きを頂いているアラン・スミシー。
 しかしそれでも普通、普通ならば、いかに戦士でないと言えども人一人に勝てないわけがないのだ。
 相手が普通の人間であれば、どれだけよかったか。
「な」
「あ?」
 何をされたのかもわからなかった。
 気が付いた時には2人とも無傷のまま地に這い蹲つくばっていた。
(……た、……てねぇ、だと?)
 身体に異常は感じられない。精神操作系能力を使われた形跡もない。外傷はなく、内傷もない。重力の異常も感じられない。拘束されている感覚もない。
 にも関わらず全く動けない。
「這い蹲ってろよ雑魚」
 嘲り。
 それは普段、アランが他者に向けている声色。
 だから屈辱だ。
 これが人類絶対悪ビースト。
 だが、
「…………」
 だが、
(そんなことは分かっている)
 そもそもだ、と潮岸は思う。
 そもそも、今潮岸が生きている事自体がおかしいのだ。いや、それを言えばもっと前、五行がわざわざ姿を現したことがおかしい。
 [ピーーー]つもりなら殺せたはずだ。いくらでもできたはずだ。だがそれをしなかった。
 つまり五行は潮岸たちを[ピーーー]つもりはない……はずだ。
 あくまでこの考えは潮岸の推論。だが当たっているだろうと潮岸は考える。でなければとっくに逃げている。最も、逃げられる可能性は0に等しいだろうが。
 だからこれはあくまでパフォーマンス。
「そしてさようなら」
 瞬きする暇もなかった。
 衝撃すら感じなかった。
 なのに、いつの間にか吹き飛ばされていた。
「っ!?」
 更なる攻撃を行おうとしていた薬味は自分の身体がいきなり宙を滑空していることに驚愕した。 
(待っ)
 予備動作どころか攻撃後の余韻すら完全に存在しなかった。それが示すところはつまり、木原五行は薬味に対して何もしていないという事、か?
 いや、いや、いや。
 だったらなぜ薬味は吹き飛ばされた?
 誰が薬味を吹き飛ばした?
「っ」
 何も分からないまま、薬味は吹き飛ばされた勢いで壁に叩きつけられ、
(……………………は?)
 ダメージが無かった。
 確かに薬味は壁にものすごい勢いでぶつかった。壁がスポンジのように衝撃を吸収したわけではない。もちろん薬味側に何らかの保護が生じたわけでもない。勢いを緩めることは愚か、受け身をとろうとすることさえできなかった。
 にも拘らず、薬味の身体には一切の外傷が存在しなかった。ちょっとした擦り傷すらも。
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:00:28.14 ID:cKUxJcBb0
 そして射線が開いた。
「――――――」
 一段と大きい音が響いて、亡本の持っている拳銃から銃弾が放たれる。その弾丸は一瞬で五行のもとに辿り着き、五行の頭を貫い、
 いいや、
「残念!」
「なぁ!?」
 あり得ないことに超音速の銃弾を五行は噛んで止めた。そして口の中から弾丸を吐き出して五行は右手でそれをつまんだ。
「べっ〜、まじゅいのぉ……。きゃぴ♡銃弾なんて効くわけないのに、そんなことも分からないの?せっかくだし、返すよ」
 指で弾いた。
「ごっ、ぶ」
 まず感じたのは痛みではなく熱さだった。熱い、熱い、熱い。燃える様な灼熱の痛みが亡本の脇腹を襲っていた。
 信じられないような思いで亡本は視線を下げる。
 血濡れていた。貫かれていた。
 何に?
「指弾。まぁこれくらいわねぇ?」
 言葉の通りだったのだ。亡本が放った銃弾を噛んで受け止めた五行は、今度はそれを指で弾いて亡本に返した。そしてその返された弾丸は見事に亡本の脇腹を貫いた。
 久しぶりに感じた痛み。強く感じる命の危機。しかし、と亡本は薄く笑う。
 これでいい。これがいい。
 潮岸も亡本も薬味もアランだって分かっていた。敵わないことくらい知っていた。亡本たちは戦闘においては素人未満だ。そんな亡本達が禁忌の木原に勝てるわけがない。
 だから、敗北したのは全然かまわない。オーケーだ。
(思った未満に、上手くいったわね……。だから上手くやってくれないと困っちゃう)
 壁に寄り掛かったまま薬味は動かないでいた4人に意識を向けた。薬味にダメージはない。立ちあがろうとすれば立ち上がれる。でもそれはしない。あたかも酷いダメージを負って立ち上がれないような演技をしつつ、薬味は事態の推移を見守る。
「………………化物が」
「………………………」
「…………じょうだん」
「…………やはり、か」
 残ったのは4人だけだった。
 統括理事会の中でもアレイスターに次ぐ権力を持っている諦めてしまった賢人、死縁鬼苦罠。
 かつては交渉術の達人であったが娘を危険にさらしてしまったことで一線を引いた勇気無き善人、親船最中。
 九家が一家、奈落家より学園都市と日本の仲介役としてやってきた日本の守り手、奈落奈波。
 中途半端な善性を持つが故に常に苦悩する老人、貝積継敏。
「来 な い の ?」
「無駄な戦いは、しない主義なんだ」
 全てを諦めたように苦罠は言った。
 勝てない。勝てるわけがない。こうなることは相対した時点で分かっていた。だから秘密裏に作戦を練ろうとしていたのに。
「我々を[ピーーー]つもりならばとっくにそうしているでしょう?何が、目的なのですか?」
「何が目的?何が目的?目的は同窓会だ」
「同窓会?」
「うん、あのね、ごぎょうね、ひさしぶりね、みんなにあいたいなって」
「……みんな?みんなって、まさか……」
「はぁ!皆つったら造られた子供たちプログラムチルドレンの皆に決まってんだろうが!!!アァ!?」
「ならばなぜここに来たのだね。ここには、その皆はいないぞ」
「……そんなことは分かってますよ。…………………でも13サーティーンは相変わらずどこにいるか分からないし、白は私の事嫌ってるし、だから郭夜に接触しようと思ったんですけど、電脳生命体αアルファにハッキングさせてメッセージ送ろうとしたらあやつまさかの物理的回線切断したし、だから輝夜姫の上司経由で同窓会の案内状を送ってもらおうかなって」
「つまりわざわざ『蠍の間』に来たのは、私に会いに来たかったからだと?」
「そうじゃよ」
「ならばどうしてトマスを殺したのですか?いえ、そもそも彼に会いに来ただけというならこの場でなくてもよかったはずでは」
「なるはやだよ。なるは」
 
 とん、と、
 
 木原五行の首が、落ちた。



何で統括理事会メンバーがそろいもそろって戦ってるんですかねぇ……?
お前ら戦闘能力ほとんどない設定のはずだろう?

【じゃあ殺しちゃう?
統括理事会メンバーはあたしが全員ころしちゃいました!なんてね☆
さて質問なんだよ!
私、生きてると思う?】
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:01:30.68 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/171.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
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いや更新遅くなってごめんなさい。リアルの方で色々忙しくて。


学園都市統括理事会➃ 不死の研究

 木原五行の首が胴から分離した。
「………………………………」
 沈黙。
 それが起きたということは8人全員が把握した。木原五行の首が胴から分離した。誰かが何かをした結果としてそれは起きた。ただ、ただその程度で安心できるのかといえばそれは偽だ。
「ころせた、の?」
「――――――――――――」
 奈落の呟きには誰も答えられなかった。
 それは何も奈落に意地悪をしているという訳ではなく、分からなかったからだ。
 誰も、木原五行の死に確信が持てなかった。
「首を落とした程度で死ぬとは、到底思えませんが」
「同感だな。あの木原五行が、この程度で死ぬとは思えない」
 数十秒が過ぎ、やっと口を開いたのは親船と苦罠だ。4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件――第一次人類絶対悪ビースト侵攻事件の生き残りである2人は当然人類絶対悪ビーストの脅威を知っている。人類絶対悪ビーストは残虐で、残酷で、残忍で、残刻な……そして何よりも厄介なのだ。
「だがよ、確かに首は落ちてるし血はでてるぜ?これで死んでないっていうのはおかしくねぇか?」
「油断するな、アラン。新人のお前は知らないだろうが、人類絶対悪ビーストが、あの木原五行がこの程度で死ぬとは私には思えない。何度でも言うけど、な」
「人類絶対悪ビースト、ねぇ」
「……ぐっ、流石に、そろそろ意識が朦朧としてきたなぁ」
 亡本がそうぼやく。8人の中で一番重傷なのが亡本だった。薬味は壁に叩きつけられただけでノーダメージ。アランと潮岸は謎の力に押さえつけられてはいたがノーダメージ。対して亡本は五行から指弾による攻撃を受け、脇腹を弾丸が貫通してしまっている。数分後には死ぬ、などという出血量ではないが、しかし早めに処置をしなければ命が危ないことは間違いないだろう。
「……薬味クン、君なら軽く処置が出来るのではないかな」
「んー、いくら私が医療関係に太いパイプをもってるっていっても、私自身は別に医者でも何でもないんだけど」
「だが簡易的な治療くらいは出来るだろう?」
「んー」
 薬味は亡本の治療にそこまでの積極性と緊急性を感じなかった。別に亡本が死んでも構わないのだ。統括理事会メンバーが減れば、その分だけ利権が増える。だから亡本は死んでも構わない。いや、むしろ死んだ方がいい。
 その消極性を感じ取った亡本は、だから提案する。
「貸し1、ということでどうだね?」
「……一応伏せてたんだけど」
 そう言って、薬味は亡本に近づいた。
 亡本の生存と死亡。貸し1と増える利権。それらを天秤に乗せれば、わずかに亡本を生かす方に傾く。
「……問題は山積みだな」
「後2つに関してはどうしますか?」
「……超能力者予備集団セブンバックアップが人類絶対悪ビーストを確実に殺せるのならば、その議論は必要がなくなるのだがな」
「無理だろ。あいつらは所詮、超能力者レベル5の成り損ないだ。切り捨てられた枝ですらねぇ」
「……恋査を動かすーかな?」
「それは」
 別に油断していたわけではない。特に第一次人類絶対悪ビースト侵攻事件の生き残りである6人は、苦罠と親船と貝積と潮岸と亡本と薬味の6人はきちんと警戒していた。
 木原五行の死。胴から首が分離した木原五行。首の落ちた木原五行。けれど、本当に木原五行が死んだのかはまだ判断がつかない。
 影武者だったのかもしれない。偽物だったのかもしれない。幻覚なのかもしれない。ホログラムを使っているかもしれない。他にも、他にも、他にも。様々な可能性が考えられた。
 だから、ちゃんと疑っていた。木原五行はまだ死んでいない――その可能性を、きちんと考慮していた。
 会話を続けながらも、警戒はしていた。
 けれど、しかし、それでも、だ。
 一瞬だった。
 確かに全員が目を離した。
 重傷を負った亡本に視線が注目した。
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:02:18.42 ID:cKUxJcBb0
こ・の・瞬・間・確・か・に・、木・原・五・行・を・観・測・し・た・人・間・は・1・人・も・い・な・か・っ・た・。
 
 故に、だった。
 
「んん〜、エキサイティング」
「「「「「「「「ッッッッッ!!!???」」」」」」」」
 木原五行は生き返えった。
 木原五行の生が観測されたから。
 木原五行の死が観測されなくなったから。
「流石の私も初体験だったなぁ。でもっ!理論は証明された。これで妾はまた1つ、近づいたってわけよ」
 それはまさしく悪夢であった。
「あの程度で、」
 最初に呟いたのはやはりというべきか、苦罠だった。
 予感はあった。予想は出来た。人類絶対悪ビースト。世界に対する、人類という種に対する脅威。
 4年前はもっとひどかった。
 あの時に比べたら、今回はまだましだ。
「あの程度で殺したとはもとより思っていなかったが、どんな手品だ?禁忌の木原、木原五行」
「あれ?あれあれ?あれあれあれ?」
 不思議そうに、本当に不思議そうに、まるで理解できない言葉を聞いたかのように、五行は思い切り首を傾げた。
 そして傾げた首をそのままに、統括理事会のメンバー8人を煽る。
「あれれ〜、みなさん、この私が何の研究をしているのか御存じない?」
「木原五行の、研究?」
「――――――まさか」
 最初に気付いたのはやはりというべきか、貝積だった。
 この場にいる統括理事会メンバー8人は、全員が全員大なり小なり木原一族と関わったことがある。しかしそれは結局の所浅い関わりだ。木原一族は学園都市統括理事会でも持て余すほどの闇。内に入れて飼おうとすれば蝕まれ破滅する。外から操ろうとしてもいつの間にか予想外の動きをされて破滅する。
 賢明な人間であれば木原一族とは積極的にかかわらない。利口な人間であれば木原一族を利用しようなどとは思わない。
 距離感が大事なのだ。
「まさか!?」
 踏み込んだ距離感で木原一族と接触しているのは、統括理事会メンバーでもわずかに3人。
 奈落奈波は日本という国を守護する立場であるが故に、科学そのものを体現した木原一族とそれなり以上の関わりを持つ必要があった。
 今この場にいない潔癖症の彼女は、世界の全てを手に入れるための前準備を行うために、木原一族と関わりを持つ必要があった。
 そして貝積継敏は能力開発分野に強い影響力を持つが故に、必然木原一族と関わることも多かった。
「馬鹿な、完成したとでも言うのか!?」
「ふっ、ふーん♪」
 貝積の気付きに連鎖するように、複数人も気づく。
 そして彼らが気付いたことに気付いた五行は、自慢げに、いや実際に自慢するために両手を大きく広げながら語る。
「不逃死痛カルタグラは失敗作だったけどさ。くうううううううううっ、完成したのさ!ついに!」
 自慢げに、
「長かった……、本当に長かった……。何度も挫けそうになった。時に心が折れそうになった。しかし!努力は実るのだ!それを信じてあたしは頑張った」
 誇るように、
「不死の研究、……この研究を完成させるために10年以上もかかってしまったのだよ。俺としたことが、時間を掛けすぎだ。全く、自分の無能ぶりが嫌になるね」
 笑いながら、
「でも完成した。だが創り上げた。完全なる不死。人類の夢の1つ。あひ、ふひゃ、ぎへへへへへ!!!!!」
 禁忌と呼ばれた木原は、
「本当にさぁ、頑張ったってわけよ。、色々色々研究して創り上げて。『イヴの心臓』も、『電脳生命体α』も『天への階段』も、『ドゥームズデイ』も、『キヤマー・ザナドゥ』も!ステップを重ねて、少しずる進み、…………僕は、至った」
 全能であるはずの少女は、
「これが、完成品」
 掲げる。
「これが、木原五行の集大成」
 右手を上げる。
「これがっ、人類が求めてやまなかった、夢」
 示すように、
「これこそがっ!完全なる不死を齎すっ、神域すら超えた逸品!!!!!」
 天に反逆するかのうように、
「王の遺産レガリアが一つッ、『彼岸の妙薬』トキジクノカク!」
 言った。
「『彼岸の妙薬』……」
「……トキジクノカク、ね」
 信じられない言葉を聞いたかのように、潮岸と薬味が呟いた。
 古代より完全なる不死というのは人が求めていた夢だ。それを求めた人間は数多く存在し、それをテーマにした物語も数多くある。
 始皇帝は不死を求めて水銀を飲んだ。
 かぐや姫は帝に不死の薬を渡した。
 他にも他にも他にも、その手の話は多々ある。
「確か、トキジクノカクは田道間守が常世国で手に入れた木の実だったね。食べれば不老不死となれるというトキジクノカクを求めて垂仁天皇は田道間守を常世国に遣わせたが、田道間守が垂仁天皇のもとに帰還した時には既に垂仁天皇は崩御していた。あれはそんな話だったか」
 亡本がトキジクノカクについて語る。トキジクノカクは古事記に記載されている話の中に出て来る木の実だ。科学で満ちた街で神話を語るのは滑稽でもあるが、学園都市の食糧事情の一切を管理している亡本は常に自身の食するモノについても気を使っている。その過程で、神話の食べ物の話の知識も得ている。
 そもそもネクターの元ネタだってギリシャ神話に登場する神々の飲み物、ネクタルなのだから。
「だから死ななかったとでも言うのかよ。それを飲んだから、死ななかったって?」
 這い蹲った姿勢から立ち上がったアランが五行を睨みつけながら言う。アランは4年前の人類絶対悪ビーストとの戦いを知らないが、人類絶対悪ビーストの異常さはもう十分わかっていた。
 木原五行はヤバい。
 ヤバすぎる。
 何よりヤバいのは五行のここまでの行動は、そのほとんど全てがダミーであろうということだ。
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:03:20.33 ID:cKUxJcBb0
「くひ」
 こたえる様に、五行が話す。
「皆はシュレディンガーの猫を知っているかな?」
「当然知っていーるさ。学園都市の超能力開発の基礎中の基礎ーだ」
「シュレディンガー氏曰く、箱の中の猫の状態が観測するまで決まっていないなんてありえないらしい。トキジクノカクを飲んだ人間は箱の中の猫になるんだって」
「…………どういうことだ?」
「個々のクオリアは個々によって違う。物体が存在するということは個人がその物体を認識しているということだ。例えば人物Aが金庫の中に金塊を入れて扉を閉めた。この瞬間人物Aに金塊を観測することは不可能になった。観測が不可能になったということは存在が確認できないということ。つまり金庫の中に金塊が存在するかどうかはその時点で不確かになったのだよ。不確か、つまりは金庫の中に金塊が存在しているのかしていないのかは分からなくなった。量子論で言う所の重ね合わせの状態っすね。金庫の中に金塊が『在る』状態と金庫の中に金塊が『無い』状態が同時に存在しているって話だっけ。コペンハーゲン解釈。エヴェレットの多世界解釈。量子論には様々な考え方があるけど、重ね合わせっていうのはやっぱ基礎だよね。そして私の出した結論はそれに観測者効果を加えた感じかなー。やっぱ見られているっていうのが量子論に与える影響は大きいんだよ。まぁ何が言いたいかっていうと、観測されなければそこには何もないって話。物体があるかないかっていうのは結局の所個人の主観の問題なのさ。意識を構成しているのが客観じゃなくて主観なんだから当然なんだろうけど、物体αがそこに在るっていうのを人物Aが確認したとしても人物Bがそれを確認できなかったとしたらそこに物体αがあるのかどうかは発言をきくだけの人物Cからしたら不確かになるだろう?僕の造った王の遺産レガリア、『彼岸の妙薬』トキジクノカクはそれを利用しているんだ。僕の存在を世界という名の、宇宙という名の客観――俺はこれを『絶対神の視点YHVH』と呼んでいるわけだが、その客観から外す。そもそも人間という生命体は個人でその存在を維持するのは無理なんだ。誰しもが必ず、そこにいるためには自分以外の要素が必要になる。その最たるものが『絶対神の視点YHVH』だけど、もう一回いうけど童のトキジクノカクはその視点を外す。脱出するっていってもいいかな。『絶対神の視点YHVH』から脱出して、自己の存在証明理論をもっと小さい主観の中に置く。要するに自己の存在証明理論を他人の意識の中に置くわけよ。ただこれが絶妙に難しくてね。他人がそこにいる、他人の意識がそこに在るっていうのを確認するためにどう考えても自己の存在が必要だ。だけど自己の存在を他人の証明に使えば自己の存在が第一前提条件として確立されてしまう。それは違う訳よ。結局の所それじゃ『絶対神の視点YHVH』からは脱出できていない。他人の意識に自己の存在証明理論を置くためには自己の存在が第一前提条件になるっていう矛盾。これを解決するために4年もかかったってわけ。まぁ別にね?不老不死を実現させるためだけなら方法なんていくらでもあるんだよ?もうなくなったけど、人形村とかまさにその極致だったし。後はあれ、700年くらい前にはアンブロシアとかもあてらしいじゃん?でもやっぱりそれは完全な不死じゃ、ない。不死性が高くなるってだけ。それに死にたいときに[ピーーー]ないとか自由度低すぎ。だからこそ、私はトキジクノカクを造った。他者の主観の中に自己の存在証明理論を置くことで完全なる不老不死を実現する、トキジクノカクを」



『彼岸の妙薬』トキジクノカク。効果のほどがわかりにくいと思いますが、不老不死の薬だってことを理解していれば問題ありません。

今月中にもう一回は更新します。
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/23(水) 18:28:14.61 ID:PROG70w00
>>227
男性1名女性4名という一方通行のハーレム状態ではあるものの、タグ付けされるイラストの傾向としては家族愛がメインのものが大半を占めており、「ほのぼの」、「イイハナシダナー」、「なにこれ幸せ」、「涙腺崩壊」などのタグが共に付けられる場合が多い。

記事を編集した奴が自分でタグを付けていそうだな
臭すぎて笑うしかないわ
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 21:00:00.60 ID:UoseKICQ0
都合の悪いところには何一つツッコまず、どんなクズでも無条件に抱擁し、周りの目からも隠してニート擁護
なんとも陰キャ好みの家族愛()な事だな・・・
ターゲットが所詮ラノベ読者としても浅すぎるし浅ましすぎる
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 14:17:46.59 ID:+fb7CFd60
>>246
支部は一方厨の巣窟だからなァ
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 17:50:48.64 ID:0XORylJ40
>>248
未だに?
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 18:55:55.69 ID:uQJ6QkPc0
支部は運営がしっかりしてるから安全圏よ
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 21:07:31.16 ID:u3iQaJw40
黄泉川や打ち止めのバカさ加減も、「最初は贖罪者を受け入れる場所を作ってそこから何かの発展性があるのだろう」とか高く見てた人もいただろうな
蓋を開けたら「ただの都合良い逃げ場所でした」というゲロみたいなスイーツ環境だっただけで

結局、贖罪という高尚なテーマどころか人間の気持ちや通すべき筋という最低限すらマトモに書けんラノベだったんだなあと最近思う
だったら初期のように上条ageだけしといた方がどれだけマシだったか
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/25(金) 18:55:05.82 ID:l8yornEL0
上条ageはまだ許せる範囲内
一方ageと浜面ageは気分悪い
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/25(金) 20:33:42.46 ID:IJFjPB1o0
>>252
>一方ageと浜面ageは気分悪い
気分悪いというか、それを描きたいなら説得力出せよって感じ
クズがちょっと気分変えたら全部許されヒーローヨイショ!という軽佻浮薄さはなろう小説にも劣る
浜面周りに人気の無さと一方スピンオフのゴミ評価見て分からないから公式もただのアホだな
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/26(土) 11:42:00.45 ID:uhLZ63eL0
>>253
許されると言うか周囲のキャラが異様に肯定するんだよね
それが何と言うか非常に気持ち悪くてモヤモヤする
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/26(土) 20:37:03.98 ID:g4McodUb0
https://syosetu.org/novel/56774/
とある暗部の御坂美琴(2周目)
作者:一二三四五六

原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 とある科学の超電磁砲 暗部 上条当麻 鬱 独自設定 中二病 闇堕ち 群像劇 執着 依存 オリジナル展開 原作キャラ死亡 御坂美琴 絶望 シリアス 狂気 オリキャラ多数 裏切り 策略
▼下部メニューに飛ぶ

 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか?

 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか?

 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか?

 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。



 ※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません
 ※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。
 ※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。
 ※『白衣の男』と御坂美琴J 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。
 ※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。
 ※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。
 ※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。
 ※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。


今や勢いのない禁書の最新刊まで読んで書いてくれてる二次創作!!!!!!!!!
オリキャラがメタ視点で読者や禁書を蹂躙するけど読者の愛と評価がなければ真実にたどり着けない物語らしいから読んで評価つけてください!!
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/26(土) 21:19:25.52 ID:sEupOIrc0
>>254
それな
クズ上がりの周りには都合のいい事言うヤツと都合のいい事しか起きない
図星や言われて当然のこと言うのはいつもゲスな敵キャラの役目で、「ソイツを倒す=こっちが正しい」という形に転嫁してるのが姑息すぎる

上里もにたようなモンだったな
魔神が悪いンダー→ハーレムが悪いンダー→唯一が悪いンダーと転嫁する対象を変え続けただけ
アレイスター擁護も魔神、コロンゾン、黄金、アンナとどんどん矛先逸らしただけで一切何の償いもしてないというのが本質
鎌池って性格が拗くれてるけど、「自分がこうなのは周りのせい」って思考がそもそも根本にあるのかもね
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 00:02:13.84 ID:fIZmIES00
原作売れなくなったのも周りのせいアニメのせい〜
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 00:02:54.03 ID:fIZmIES00
原作売れなくなったのも周りのせいアニメのせい〜てか?
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 09:50:05.97 ID:XxGXa1hZ0
何かのせいにして遊べるのは今だけなんだ
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 21:40:18.83 ID:Enfh7DmQ0
アニメがコケたのは時期が遅かったせい!制作会社のせい!買わない視聴者のせい!とか思ってんのかね
クソつまんねえ特典SSしかヒリ出せんくせに寝ぼけんなって感じだが
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/28(月) 03:34:34.23 ID:DA09mloB0
>>256
実に的確だ
その通りなんだよ
一方通行、浜面、上里、どいつもこいつもワンパターン過ぎて誤魔化せなくなって来ている
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/10/28(月) 17:40:26.82 ID:sALvTbi40
PCからは見れるのにスマホからは5chが見れない
一体どうなってしまったんだ?

>>256
クズ共の悪行を有耶無耶にする為に更に格上のレベルの高いクズを出す
結局それの繰り返しだからな
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/28(月) 19:05:55.78 ID:e4oDfV170
このまま揺れていたいや
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/28(月) 23:16:09.17 ID:XKLmy6u90
>>262
一方外伝もひっどいモンだったな
DAとか菱形とかにやっすい悪役の言動取らせて「ホラホラ下衆だよ〜こんなに悪いヤツだよ〜」アピールからの「それを舌打ちしながらクールに蹴散らす一方さんドヤァ」というインスタント懲悪ショー
なろう小説だってもう少しは工夫するわ
一方ageしようと思ったらこんな粗品出すしかないと逆に証明したようなもの
情けなさすぎる
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 11:40:05.88 ID:mmK1FRs30
同じ糞野郎でも木原数多とかは嫌いじゃないわ
徹底して悪役路線を貫いてるキャラの潔いこと
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/29(火) 12:51:41.53 ID:y8o7hkEp0
>>264
結局ただのプロレスなんだよな
悪党共の周辺のバトルは特に
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:39:04.27 ID:j0EHZo1q0
むしろ木原〜垣根がピークで、あとは劣化し続けただけだな
まあいちいち因縁作るのも一方通行の能力攻略するのも一苦労なんだろうけど、その2者で使い果たした感すらある
・・・いや、木原神拳の段階で能力攻略に関しては怪しいものがあったかww
ちょっと頭のいい小学生でも鼻で笑いそうなアホ理論だったし
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 14:21:23.92 ID:ySlg8oOp0
ご都合主義、主人公補正と言えば上条さんが槍玉に挙げられている印象あるけど明らかに上条さんより一方通行と浜面の方が酷いと思うわ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/10/30(水) 17:40:05.80 ID:3CR0EJBC0
一方厨は上条さんに矛先を逸らしたいから矢鱈と上条さんをご都合主義だの主人公補正だのと揶揄する
なお一方通行の事を指摘されると猛発狂する模様
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 21:32:11.95 ID:tU/RsBiX0
>>268
上条も新約の中盤からは散々な目に遭ってるからあまりご都合主義とか言われなくなったな
一方や浜面には(上里やアレイスターもか)相変わらず都合の良い展開しか起きないが
一方が棚ボタで学園都市理事長になって、相も変わらず人からもらったモン振りかざして調子乗ってる姿にはもはや草すら生えんわ
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 09:55:40.85 ID:nQ8tGh+B0
上条さんの場合は困っている女の子を身体を張って助けた結果フラグとかが立つからまだ許せるんだよ
一方通行と浜面の場合は大した事をしてない内から過程も無く女共とフラグが立ってしかもその女共は後ろ暗い過去があるあいつ等を常に全面フォローするから見ていて気分悪い
小悪党共には都合よく全てを肯定してくれるヒロインが与えられる世界
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 21:05:20.72 ID:3soj2AI90
それな
まあ浜面も体張ってるからそういう意味では上条に近いが、ガチ無能力なのに禁書の前線で大したケガもなく事態切り抜けるのが茶番劇すぎる
あれこそ主人公補正の極みだろ。アホくせえ
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/01(金) 18:05:05.71 ID:4Rp3eUUE0
>>272
麦野を自力で撃ち破った所だけは評価したい
それ以降はgdgdだが
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/01(金) 21:27:20.90 ID:pNR7GBaR0
>>273
そこは方々でさんざん言われてるな
浜面は暗部編「だけ」なら良かった
あれだけならレベル5をジャイアントキリングしたのもエンタメ性として評価されたしほとんど嫌われなかっただろう
その後もぬけぬけと本筋に図々しく居座ったのが駄目
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 00:21:51.66 ID:+RKqT4oZ0
一方通行といい浜面といい主人公にしたら絶対に駄目なタイプのキャラだよな
その手のキャラは主人公にする事で逆にキャラにもストーリーにも粗が目立ってしまう
あくまで一歩退いた立ち位置に添えておけばまだ誤魔化せただろうに
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/11/02(土) 09:52:52.91 ID:vGhv1v6G0
一方通行も浜面も垣根も上里も心底どうでもいいから土御門とかステイルとか建宮とか魔術サイドの野郎共の物語を掘り下げて欲しい
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 11:21:19.59 ID:hWecVahm0
だよな
特にステイルにはもう少し光が当たってもいいと思う
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/02(土) 14:03:18.51 ID:RviJVRP+0
懲りないなお前ら
なまじ光が当たると幻滅ポイント加算されて株が落ちるだけなのに
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 22:31:10.82 ID:5kOTAh1C0
>>275
つーか3主人公という看板立てながら、それまでと変わらず推しキャラage&旧キャラ粗末にし続けたのもクソ
トールだの上里だのどころか、フレメアだの加納だのというその場で発奮しただけのゴミみたいなキャラまで単巻で見れば主人公的な扱いとかね
もう「群像劇」じゃなく、単なる「有象無象」にまで話の格落としてるって作者が一番気づいてなさそう
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 09:48:45.73 ID:u5iMrcfk0
お願いだから本編の主人公は上条さんだけにして欲しい
上条さん一本に集中してくれ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 09:50:01.83 ID:cgsiVHR+o
上条「主役じゃなくていいからもう休ませて・・・これ以上学校休んだら留年しちゃう」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 09:56:50.47 ID:u5iMrcfk0
>>281
学園での上条さんをもっと見たいんだよ
クラスの仲間達と馬鹿やってる所が見たい
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 21:56:25.78 ID:up2jbAcg0
最近は上条さんですら微妙だからなあ
アレイスター擁護おっ始めた時は正直なんだコイツと思った
上条のキャラ的にアレイスターを責め立てるのもちょっと違うだろうけど、全力擁護はさすがにバカくせえわ

一方通行がアレイスターに復讐狙うのも逆の意味でなんだコイツだったが
テメエの場合は逆恨みスンナって話で。自分の意志で実験に乗っかったくせに被害者ヅラとか厚顔無恥の極み
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 08:34:34.05 ID:yiIYd7nC0
一方通行はもう何やってもイタイ
上条さんは自分の周囲の人だけを大事にしていて欲しい
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/04(月) 11:32:34.03 ID:08keMlfT0
周囲の人しか大事じゃないなんてキャラになって欲しいのかよ…
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 11:37:11.50 ID:ryYjMUJUo
上条さんは例え今日あったばかりのおっさんを守るためでも世界中の全てを敵に回せるって性格でしょうよ
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 19:14:41.53 ID:mPKaQaYsO
>>277
ステイルも元拗らせ組だから、ヘタに持ち上げられたら絶対批判来るだろ
建宮とか土御門とか比較的瑕疵が少ないやつはギリいけるかもだけど
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 21:29:32.37 ID:CY0Smvxr0
>>276
魔術サイドと言っても、所詮は動機が「妹のためー」「インデックスのためー」でしかないからな
打ち止めや滝壺をダシにしてヒーローごっこやってる汚れどものパッケージ張り替えただけの品にしかならんだろ
建宮はもうちょっとマシな筋立てができるかもしれんが、そもそも人気も需要もない奴だし(無慈悲)

あとぶっちゃけ、魔術サイドの事情を今更掘り下げたところで、読者の97%くらいは「あっそ」にしかならないでしょ
基本的に、特定のキャラはともかく魔術サイド自体は最初から人気ないんだから
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 12:14:00.64 ID:UP3PbycD0
一方通行は大した事をせず黄泉川家で家族ゴッコをしている内に学園都市の統括理事長に
浜面もまた大した事をしていない内にアイテムの女共を囲い安っぽいハーレムを構築
どうして鎌池は上条さんにばかり試練を与え酷な仕打ちを繰り返す?嫌いなのか?
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 13:04:25.77 ID:horkGzC5o
好きな人ほどいじめたくなるっていうじゃない
つまり愛するが故だぞ
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 21:07:43.56 ID:bWPlzOwH0
>>289
上条がそこまで血反吐吐いて過酷な試練に直面してるかたわらでヒロインのインデックスは感謝のカケラもない糞ニートライフを平然と享受してるからなあ
一方通行に媚び売るだけの簡単なお仕事職人に堕ち果てた打ち止めも、もはや無邪気じゃなくて単なる白○にしか見えないし
鎌池ってマジでどこかおかしいんじゃないかと思う
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/06(水) 08:40:28.67 ID:qF/ZZ2OA0
穀潰し糞ヒロインのインデックソさんなんかに上条さんを取られたくない
美琴が可哀想だ
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/06(水) 17:48:30.26 ID:qeqF3dxG0
分かるよ
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/06(水) 21:31:32.61 ID:1eauX95G0
誰がヒロインかって話自体はどうでもいいんだけどね
扱いの差が酷すぎて、インさんは「コイツは応援したくねえなあ」の域
美琴じゃなくても五和や食蜂でもいいわくらいな感覚

昔あった東京アンダーグラウンドって漫画も、最初は守られいい子ちゃんヒロインをメインに据えたんだけど、全然何もしないソイツよりも一緒に冒険する活発な子の方がほとんどヒロインやってたというパターンだったし、あれに近いかも
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