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とあるシリーズ(禁書目録&超電磁砲)SS雑談スレpart21

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231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:50:37.75 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/
とある暗部の御坂美琴(2周目)
作者:一二三四五六
原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 とある科学の超電磁砲 暗部 上条当麻 鬱 独自設定 中二病 闇堕ち 群像劇 執着 依存 オリジナル展開 原作キャラ死亡 御坂美琴 絶望 シリアス 狂気 オリキャラ多数 裏切り 策略
▼下部メニューに飛ぶ
 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか?

 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか?

 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか?

 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。



 ※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません
 ※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。
 ※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。
 ※『白衣の男』と御坂美琴J 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。
 ※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。
 ※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。
 ※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。
 ※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。




 
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:53:23.40 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/168.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
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Q.なぜ世界は滅んだのか?


学園都市統括理事会@ 襲来の人類絶対悪ビースト

 8月29日午前9時33分 学園都市第一学区地下秘匿区画『蠍の間』にて
 
 学園都市統括理事会は学園都市に存在する暗部の一つである。そして同時に学園都市の最高機関でもある。
 所属するメンバーは統括理事長を除いて12人。そのほとんどが一癖も二癖もある『悪』人であり、自身の利益のために他者を平気で糾弾する屑だ。善人といえるのははそう、貝継と親船の二人くらいのモノだろう。
 純粋な善が割を食い純黒の悪が栄えるのは世の常。いつもいつも良い人はいつも損をするものだ。
 だが、だからといって常に悪人が栄え続けるのもまたあり得ない。栄枯盛衰、諸行無常。変わらないものなどないのが世の中なのだから、学園都市統括理事会のメンバーもまた、さらに強大な『悪』に叩き潰される時が来る。
 多くの統括理事会メンバーはそれが分かっていない。自分だけは安泰で、最後に嗤うのは自分だと思ってる。それがただの妄想だと気づきもせずに。
 いつかその時が来るとしても、なんだかんだで自分だけは例外だなんて思ってる。
 だから苦罠は郭夜からの報告に焦っていた。苦罠もまた、結局の所自分だけは安全位置にいると思っていたから。
 その平穏が一瞬で終わるだなんて、思いもしなかったから。
「とりあえず、集まってくれたようで安心したよ」
 学園都市第一学区地下秘匿区画『蠍さそりの間』。統括理事会メンバー同士が秘密の会談を行う際に使用される学園都市の中でも最もセキュリティの厳しい場所の一つ。その『蠍の間』に今、10人の人間が集っていた。
 死縁鬼苦罠。
 トマス=プラチナバーグ。
 親船最中。
 潮岸  。
 貝積継敏。
 薬味久子。
 亡本裏蔵。
 アラン・スミシー。
 ロード・アンドレイ。
 奈落ならく奈波ななみ。
 以上10人。全員が全員統括理事会メンバーだ。
「ふん」
「まだ、二人ほど来ていないようですが」
「全くだぜ。あの潔癖症と重病人はどうしたっつうんだ?」
 これはもはや奇蹟に等しい会合だった。いがみ合い争い合い憎しみ合う統括理事会の人間が10人も一堂に会するなど飛行機が墜落するくらいあり得ない。彼らは自分以外のメンバーを追い落とすのに全てを懸けるほどの悪人。彼女たちは誰よりも自己中心的で世界が自分を中心に廻っていなければ気が済まないような狂人。
 けれど今、この場に10人もの統括理事会メンバーがいる。
 それはひとえに苦罠が連絡したからだ。
 死縁鬼苦罠という男が、彼らを集めた。
「潔癖症の彼女には先に動いてもらっている。彼女もどうやら私と同じ情報を得ていたようだからね。そしてあの重病人について私も知らないな。割と緊急性の高い事態だから出来れば参加してほしかった、というのが本音だが」
「緊急性?」
 アランが馬鹿にしたように言う。
「緊急性?何がだ?今この学園都市で、どんな緊急事態が起こってるっていうんだ?統括理事会全員を招集しなけりゃいけないほどの緊急事態が起こってるなんて、俺にはとても思えんがね」
「それならなぜあなたはきたのそれなら何故あなたは来たの?がくえんとしのぼうえい学園都市の防衛をまかされているあなたがきたということは任されているあなたが来たということは、なにかだいじ何か大事があったんじゃないかとおもったのだけれど思ったのだけれど」
「別に対した理由なんてねぇよ。ただ時間はあるし、同類の緊急要請に応えないほど俺は狭量じゃねぇ」
「ふん、ただこれ幸いと死肉を漁りに来ただけではないかね?」
 煽り合い。罵り合い。マウントの取り合い。
 ほんのわずかでもイニシアチブをとり優位に立とうと彼らは言葉という名の武器を交わし合う。
 言葉。そう、あくまで言葉だけだ。間違ってもここで武器を交わすようなことはない。そのリスクは全員が承知している。
「はっ、あいにく腐った肉を喰らう趣味はねぇな。そこの美食家気取りでもあるまいし」
「それは私のことかな?『ネクター』は君が思っているよりもはるかに素晴らしき美酒だなんだがね」
「別に『ネクター』をどうこういうつもりはねぇが、つまるところ『ネクター』は人肉だろう?食人鬼に成り下がるつもりは、俺にはねぇなぁ」
「『ネクター』を人肉などというモノと一緒にしないでれ。あれはもっと高尚な」
「どちらにしろ、下賤なモノであることには変わりないと思いますがね」
 亡本とアランの軽い、統括理事会メンバーとしてはあまりにも軽い言い合いですらない『話し合い』に親船が割り込む。生来争いを嫌う性質である、統括理事会メンバーの中でも数少ない『善人』である親船。彼女の未来はそれ故に閉ざされているが、しかし彼女だからこそ使える手というのもある。
 かつて『平和的な侵略行為』を行うと恐れられた親船。その刃は今はしまわれているが、しかししっかりと砥がれている。
 『善人』であるからといって、『弱い』という事にはならない。
 親船はくさっても統括理事会の一員だ。
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:54:06.66 ID:cKUxJcBb0
「でも、いま今はそんなことどうでもいい。くわな苦罠、そろそろおしえて教えてくれてもいいでしょう?ぜんいん全員、ふたりたりない二人足りないけどほぼぜんいんあつまったんだし全員集まったんだし」
「そうだな……、あいつは結局来なかった、か」
 来るとはそこまで思っていなかったが来てほしいというのが苦罠の本音だった。今起きている最悪の非常事態には統括理事会の全員で立ち向かう必要がある。それほどの敵、悪がいる。
 全員で戦わなければ勝てない。とても敵わない。
 4年前のようなことをもう一度起こすわけにはいかない。
「まず初めに言っておこうか。私が今から言うことは全て真実で、事実だ。一切の偽りはないことを、まぁ、意味はないだろうが神にでも誓っておくとしよう」
「神、ですか」
 小馬鹿にしたようにアンドレイが言う。神、神、神。神様?なんだそれは?宗教家でもない苦罠がその存在に誓いをするなんて、無意味を通り越して滑稽ですらある。
「そしてもう一つ、潮岸、アラン、奈波。私にお前達を責め立てるつもりは一切ない。そんな時間もないし、だいいち責めたところでもうどうにもならないからな」
「せめる?わたしたちを?」
「見えねぇな。何についての話だよ?」
「………………」
 その返答は言葉ではなく画像で示された。
 スッ、と苦罠の後ろの壁にプロジェクターで4枚の画像が映し出される。どれも学園都市の街中の画像で、それは一見をすれば何の変哲もない、学園都市の日常の画像。往来を行きかう人々、掃除用ロボット、自販機、建物。一般人がみれば、いや『闇』の人間が見ても違和感などないだろう。だが、だがしかし、見る人が見ればその4枚の画像がどれだけとんでもないモノか分かる。
 そしてその画像に超速の反応を見せたのが1人。
「なっっっっっ!!!!!?????」
 奈落ならく奈波ななみが大きな音を立てて椅子から立ちあがっていた。ポーカーフェイスをむねとする奈波の顔が驚愕に染まっている。演技?いやそんなわけがないしそんな意味はない。だからこれは素。しかしだとしたらなぜ?
 奈落奈波はこの画像のどこに驚愕した?
「流石に、お前は分かるか。奈波」
「ばかな、そんなっ!」
 それはあり得ない画像だった。
 九家くげが一家、奈落家の人間として様々な情報に精通している奈波だからこそ気付けた。そこに映っていた人間がどれだけあり得ないのか。
「現在」
 そして、彼らも知っていた。
 潮岸。
 親船。
 貝積。
 薬味。
 亡本。
 彼ら5人も、知っていた。
「現在、この街に4人の――正確に言えば2組織と1人と1体の人類絶対悪ビーストが侵入している。彼らからこの街を守るために、お前達の力を貸してほしい」
 その悪を、知っていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 その沈黙には動揺と困惑が混ざっていた。
 動揺は6人、困惑は2人。
「……………苦罠クン」
「何か?」
「冗談だとしたらあまりにも性質が悪すぎるし、嘘だとしたらあまりにも質たちが悪いぞ」
「こんな冗談や嘘を、私がつくと思うか?本気で」
 それは潮岸とて分かっている。だからあくまで確認だ。確認で、出来ればそうあってほしくはないという願望だ。
 それは否定された。
 そして否定された以上、真剣に向き合わなければならない。
 人類絶対悪ビースト。
 その脅威を、潮岸達は知っている。
 4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件。その事件を生き延びた7人の統括理事会メンバー。
 苦罠。
 親船。
 潮岸。
 貝積。
 薬味。
 亡本。
 そして潔癖症の彼女。
 7人は人類絶対悪ビーストの恐怖を、その狂気を知っている。だから速断だった。当然苦罠が嘘をついている可能性もあったが、それよりも。
 それよりもだった。
「それで緊急事態……か。くそっ、どうやってすり抜けた」
「奈波クン、君は見覚えがあるようだな。詳細はわかるかね?」
「わたし私は4まいのがぞう枚の画像のうち2まいしかしらない内2枚しか知らないわ」
「それでも十二分だろう。人類絶対悪ビースト……。もう4年前のようなことを起こさせるわけにはいかない。情報は少しでもほしいのだから」
「画像を出したのは私だが、人類絶対悪ビーストに関しては私よりも君の方が、九家が一家、奈落家の人間である君の方が詳しいはずだ。後で私も捕捉するから、説明を頼む」
 奈波は純粋な統括理事会メンバーではない。奈波は外の、学園都市外の人間だ。奈波が統括理事会のメンバーとしていられるのは奈波が外部との折衝の役割を担っているからであり、学園都市の運営に参加しない立場をとっているからだ。
 そういう意味では奈波は親船以上に権力がない。だが本人もそれをよしとしている。立場的にも奈波はそういうことをするべきではないからだ。
 そしてその立場故に、奈波は人類絶対悪ビーストについてとても詳しく知っている。
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:54:56.69 ID:cKUxJcBb0
「いちばんひだりのがぞうにうつっているのは一番左の画像に映っているのはじんるいぜったいあく人類絶対悪いかいそうじょれつだいきゅうい位階総序列第九位の『こっきょうなきてろりすとTerroristes Sans Frontières』のめんばーたちメンバー達よ。『ぎゃくたい虐待』のあくとくをたいげんするやつらで悪徳を体現する奴らで、せかいさいあくのてろりすとしゅうだん世界最悪のテロリスト集団でもあるわ。ばくやく爆薬、どくがす毒ガス、しゅうだんひすてりーのゆうはつ集団ヒステリーの誘発――。そういうだいきぼなあくいてきこうどうをするやつら大規模な悪意的行動をする奴ら」
 左の画像が拡大される。拡大された先に映っているのは6人。男性2人と女性4人。
「なまえはわからない名前は分からないけど、たぶんたちばてきにはそうたかくないとおもう立場的にはそう高くないと思うわ。『こっきょうなきてろりすとTerroristes Sans Frontières』のじょうそうぶのにんげんたち上層部の人間達はげんばにこない現場に来ないから」
 詳細な説明。けれど画像だけで分かることはやはり少ない。不確かな情報と不確かな言動。
「がぞうだけじゃだんていはできない画像だけじゃ断定は出来ないけど、けいかいしんがあまりみえない警戒心があまり見えない。とっこうよういんだとおもう特攻要員だと思う」
「特攻……っ」
「厄介な」
 もっと詳細な情報を言うことは出来るが、奈波は一度『国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières』の説明を打ち切った。今求められるのは詳細の説明じゃない。迅速な説明だ。
「いちばんみぎのがぞうにうつっているのは一番右の画像に映っているのはじんるいぜったいあく人類絶対悪いかいそうじょれつだいじゅんよんい位階総序列第十四位の『あくいとさついのようへいだんでっどえんどれっど』のいちしょうたい一小隊よ。『ぼうりょく暴力』のあくとくをたいげんするやつら悪徳を体現する奴らで、だいにじせかいたいせん第二次世界大戦さいだいのふのいさん最大の負の遺産。かねさえはらえばなんでもする金さえ払えば何でもするせかいさいきょうのようへいそしき世界最強の傭兵組織。2ねんまえのほわいとはうす年前のホワイトハウスしゅうげきじけんのじっこうはん襲撃事件の実行犯、ってい言えばわかるかしら」
 右の画像が拡大される。拡大された先に映っているのは16人。男性12人と女性4人。
「しょうたいちょうはみおぼえがあるわ小隊長は見覚えがあるわ。まるてぃねすマルティネスってなまえ名前よ。せっきょくせい積極性としんちょうせいが慎重性がわるいいみであわさった悪い意味で合わさった、むのうのなかではゆうのうなにんげん無能の中では有能な人間」
「装備は分かるの?」
「がくえんとし学園都市のぶそうであっしょうできるれべる武装で圧勝できるレベルのはず。そもそも『あくいとさついのようへいだんでっどえんどれっど』のこわいところ怖い所はそのようしゃのなさとじんどう容赦の無さ人道をためらいなくふみはずすところ躊躇いなく踏み外すところだし。ちょくせつせんとうになればよゆうでかてる直接戦闘になれば余裕で勝てるはず」
 強い弱いで言えば弱い。けれど強い弱いだけじゃ語れないからこその人類絶対悪ビースト。
「でもたぶんこの16にんはさぽーとよういん人はサポート要員よ。ほかのさんそしき他の3組織のどこかがやとった雇ったんじゃない?」
 『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』はその名が示す通りあくまで傭兵。つまり他者からの依頼によって動く存在だ。自意識では動かない。
「あと後の2がぞうはわたし画像は私にもわからないわ。くわな苦罠、あなたは?」
「ならそこは私が説明しよう。といっても僕も郭夜から得た情報なんだけどね」
 そういって、苦罠は左から2枚目の画像の一部を拡大した。
 映し出されたのはとある少女。茶髪のショートヘアに白カチューシャをした少女――の手元。
「ポータブルデバイスPD……?これが、人類絶対悪ビースト?」
「正確に言えば、ポータブルデバイスPDの中にいる存在、だ」
 感の良い貝積はそれで気付いた。
「っ、電脳生命体αアルファか!?」
「ああ」
 電脳生命体α。
 その名の意味が分かる者の焦りはこれまでとは全く違った。
「アランっ、学園都市の電子防衛関連は君が担当していたな。何か君の部下から報告はあがってないかっ!」
「あ?別に目立った報告なんてあがってねぇが……?」
「ならもう完全に落ちているんでしょうね」
「書庫バンクはどうだ?最暗部の情報はのっていないとはいえあれまで掌握されていたら学園都市は落ちたも同然だぞ!」
「いえ、外部と完全に独立したネットワーク以外はすべて落ちているとみるべきよ。くそ、この分だとここに来る前にした電話も怪しくなってくるわね」
「っ、電波も乗っ取られて……っ、なら連絡を取り合う時は精神感応テレパス系の能力者で中継する必要が」
「ちょっ、ちょっと待ってください!どういう」
「落ち着けッッッ!!!!!!!!」
 一機に混乱する状況を前に苦罠が一喝した。分かる。とてもよくわかる。何も知らない立場なら当然そうなる。現代社会において電脳生命体αの脅威は分かり知れない。だからそうなるのも分かるが、それでも今は大丈夫なのだ。
 誰でもない。この事態に最初に気づき、動き出したのは、他の誰でもないあの天埜郭夜輝夜姫だ。
「落ち着け、大丈夫だ。今のところ電脳生命体αの侵攻は抑えられている。まだ後2日は問題ないはずだ」
「君は馬鹿か?」
 思いっきり馬鹿にした表情で亡本が言った。
 信じられないような表情を薬味はしていた。
 狂人を見るような目で親船は苦罠を見ていた。
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:55:38.54 ID:cKUxJcBb0
「侵攻は抑えられている?出来るわけがないだろう!それがっ、出来る人材がいるのならっ、統括理事会はこうなっていないはずだ!!!」
「出来ている」
「誰が!?」
「守護神ゴールキーパーだ」
「っ」
 その名はこの場の全員が知っていた。
 守護神ゴールキーパー。
 学園都市に存在する超一流のハッカーの1人。
 その素性はこの場にいる全員が知っている。
 風紀委員ジャッジメント第一七七支部所属の風紀委員ジャッジメントにして超能力者予備集団セブンバックアップ序列第1位、十二暦計画カレンダープロジェクト第九実験『漆黒の九月実験』邪道『マルチソウル』成功例。
 初春飾利。
「本当に対抗できているのですか?誤魔化しも何もなく?偽装も何もなく?ダミーでもなく?他の誰でもないあの電脳生命体αの侵攻を、抑えられているのですか?」
「そもそもこの4枚の画像だってネットワーク経由で送られたものだ。この会合だってそうだろう?だから問題ない。今のところは、な」
「そのリミットが、2日か」
 どれだけ有能な人間だとしても所詮は人間。行動の限界というモノは必ず来る。それが人類と人外の差であり、人類が人外を根絶できない理由だ。
 電脳生命体α。電子の海に生きる人外の怪物。人が生み出した人の業。無限の学習で無限に進化する絶望。
 単純な武力だけではどうにもできない人類絶対悪ビースト。
「分かった。なら出来ていると盲信しよう。だが個人的な対策はいくつかさせてもらうぞ」
「当然だな。私自身が言ったことではあるが、守護神ゴールキーパーがいつまでもつかのは、……微妙だしな」
 慌ただしく外部と連絡を取り合う幾人か。構築されたネットワークの保護や兵力の確保、情報の収集などやるべきことはいくらでもある。潜在的な敵ではあるが、こういう場面では非常に頼もしい。
 悪、悪、悪。人類絶対悪ビースト。
 勝たなければならない。
「そして4枚目の画像を説明する前に本題に入ろう。分かっているとは思うが、な」
 今度こそは。
「この人類絶対悪ビースト共をどうにかする。そのための力をかしてくれ」
 いがみ合い、争いあい、憎み合う。それが統括理事会の在り方で、それはどうにもならない。けれどそれだけではない。本当にそれだけなら彼女達は統括理事会メンバーであり続けてはいられない。
 裏切りも騙し合いもする。けれどその『先』があるからこそ、彼らは統括理事会のメンバーなのだ。



Q.なぜ世界は滅んだのか?

Q.なぜ世界は滅んだのか?

Q.なぜ世界は滅んだのか?



次の更新は年度末までには。



A.みんなが無能だったから。
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:56:05.20 ID:cKUxJcBb0
https://syosetu.org/novel/56774/169.html
とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
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学園都市統括理事会A 彼らは愚者ではない

「それで、どうする気だ」
 
「どうにかする、というのは簡単ですが、具体的な策はあるのですか?」
 
「確かに、人類絶対悪ビースト……、生半可な『力』では敵わないだろうなぁ」
 
「もちろん、だから私はお前達に協力を要請しているんだ」
 
「何か策があるのですか?」
 
「策というほどのモノでもない。ただ単に、暴力でぶっ潰そうって話だよ」
 
「その暴力を私達に提供しろと?」
 
「もちろん私も出来る限り提供するさ。伏せ札はともかくとして切り札くらいまではきってもいいと良いと思っているし、お前達にもきってもらわなければ困る。見せ札だけでどうにかできるほど、人類絶対悪ビーストが弱くないことはお前達も知っているだろう?」
 
「確かにね、4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件でそれは嫌って程知ってるけど」
 
「獄天の扉ヘヴンズフィール事件……?ちょっと待て、まさかあの事件には更なる裏があるっつうんじゃねぇだろうな!?」
 
「……そうか、そういえば君は獄天の扉ヘヴンズフィール事件をきっかけに入れ替わった人間の1人だったな」
 
「しかし今そのことについて説明している時間はないでしょうね」
 
「じかん時間、じかん時間、じかん時間。まったくいやになる全く嫌になる。いつだってわたしたちにたりないのはじかん私達に足りないのは時間よね」
 
「アラン、アンドレイ。お前達には後で私から資料を送ってやる。獄天の扉ヘヴンズフィール事件の詳細と人類絶対悪ビーストの危険性についてな。だから今は全霊で協力しろ。対応を間違えれば最低でも学園都市は滅ぶ」
 
「っ、それほーどの、存在ですーと?」
 
「承ったぜクソが。ガチでやべぇのは事実みてぇだし、今は大人しく協力してやるよ」
 
「あぁ、そうしてくれるとありがたいな」
 
「それで苦罠クン、詳細は?」
 
「今映す」
 
「……しかしよく気づいたな。君は別にこの街の防衛を担当してはいなかっただろう」
 
「私の担当分野は航空宇宙産業だよ?そして私のブレインはひこぼしU号の中に住んでいる」
 
「じんこうえいせいのかんしきのう人工衛星の監視機能ね」
 
「地上の監視網は逃れられても宇宙の監視網から逃れることは不可能だったようだな」
 
「………………………………」
 
「はっ、わざと干渉しなかったって可能性もあるだろうが」
 
「だから別に責めつもりはないといってるだろう……。と、情報出るぞ」
 
「『悪意と殺意の傭兵団デッドエンドレッド』、国境なきテロリストTerroristes Sans Frontières、『電脳生命体αアルファ』……なぁっっっっ!!!???」
 
「帰ってきたのか、彼女がっ!?」
 
「……禁忌の木原」
 
「全能存在パントクラトールっ!」
 
「木原五行……っっっ!!!!!」
 
「その名前は流石に新入りの俺でも知ってるぜぇ。あの悪名高き木原一族ですら放逐せざるを得なかった、木原一族の中の木原一族ってなぁ」
 
「はっ、そんなレベルではないよ……。あれは、1つの災害だ。いや、災害すら超えている。もはや天罰とでも言うべきだ。人間が対抗できるレベルを超越している」
 
「ですが、どうにかしなければならないでしょう。どうにかしなければ、この街は終わりです」
 
「……、しかーし、なぜ誰も気がつかなかーった?」
 
「先に言っとくぞ。『穴』はある。だがその『穴』を通ったとしても俺の監視網からは逃れられねぇ。だから見逃した訳じゃねぇ」
 
「ならわたし私からもさきにひとつ先に1つ、そとからのぞうえんはだせない外からの増援は出せないわよ。そのぞうえんにまぎれて増援に紛れて、さらなるじんるいぜったいあくビーストがこないともかぎらない来ないとも限らないから」
 
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:56:37.75 ID:cKUxJcBb0
「増援がないのは仕方がない。そしてどうやって侵入したかは二の次だ。今私たちが話すべきなのは過去じゃない。未来についてだ」
 
「電脳生命体αへの対応は問題ないのだな?」
 
「私のブレインによれば、な。最も、サポートできるというのならばしてほしいが」
 
「無理無理、守護神ゴールキーパーレベルのハッカーじゃなきゃ対抗できない電脳生命体αに対して、生半可な増援なんて足手まといになるだけよ」
 
「どうかん同感。でんのうせいめいたいあるふぁ電脳生命体αにかんして関してはしゅごしんゴールキーパーにまかせた任せたほうがいい」
 
「なた木原五行に関してはどうする?」
 
「そんなのもちろん……」
 
「そこで私を見られても困るぞ」
 
「だが、君のブレイン以外にいるかね?かの全能存在パントクラトールに対抗できる存在が」
 
「……はっきり言うぞ。郭夜は動けない」
 
「ふざけているのかな?」
 
「至って真面目さ」
 
「だったらどうして動かないの!あの全能存在パントクラトールに対抗できるのなんて、この統括理事会の中じゃ同じ造られた子供たちプログラムチルドレンの天埜郭夜ぐらいじゃないの!?」
 
「よく聞け。動けない、じゃない。動かない、と言ったんだ」
 
「つまーり?」
 
「伝言だよ。ふざけた伝言だ。郭夜曰く、木・原・五・行・の・目・的・は・私・を・引・き・摺・り・だ・す・こ・と・、だそうだ」
 
「それを、信じたのか?」
 
「私は郭夜を信頼している。郭夜がそういうのならば、本当にそうなんだろう」
 
「ならどうしろというんだ。あの木原五行に対抗できる存在など他にいないだろう」
 
「そうでもないと思うが、な。もちろん、」
 
「なにをばかな何を馬鹿な。きはらごぎょうにたいこうする木原五行に対抗するためにひつよう必要なのはぼうりょくじゃなくてちりゃく暴力じゃなくて知略。そしてそのちりゃくをもってるのはわたしたちのなか知略を持ってるのは私達の中じゃあなたのぶれいんブレインだけでしょ」
 
「そうでもないさ。確かに知略という面ではそうだろうが、別にわざわざ禁忌の木原と知恵比べをする必要はないだろう?」
 
「と言うと?」
 
「雪風宗谷。彼女は造られた子供たちプログラムチルドレンでこそないが、忌まわしきブレインの1人なんだから対抗ぐらい出来るだろう?」
 
「無茶だ。いくらあいつの運が良いつっても限界ってもんがある」
 
「別に倒せと言っているんじゃない。足止めくらいなら」
 
「ふざけんなよテメェ。本当に足止め出来るっていうんなら喜んで生贄にしてやるが、無駄死にするって分かってるのにいかせると思うか?」
 
「いいや、出来るかもしれん」
 
「……どういう意味だよ。貝積?」
 
「確かに、彼女1人では不可能だろう。だが、そこに私のブレインを加えればどうだ」
 
「忌まわしきブレインが2人、……ですか」
 
「いや、足りねぇな。それでも足りねぇだろ。木原五行に対するには」
 
「ならば私のブレインも加えよう」
 
「ついーでに、私の高貴なる一族ブルーブラッドからも人員をだーそう」
 
「おっ、それならいけるんじゃない?まぁでも〜、もうちょっと武力面はプラスしたいけど」
 
「武力……、それはあなたが出せるのではないですか?」
 
「冗談を言ってくれるな。確かに私は兵器関連に強い権限を持っているが、必要となる武力は兵器ではなく人員だろう。つまり強力な能力者。科学兵器をメインにしている私では派遣できんよ」
 
「だとしたら、人員を出すべきは私か」
 
「あはは、確かに貴男なら派遣できるだろ〜ね。この能力開発分野に強い影響力を持ってる君なら」
 
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:57:09.39 ID:cKUxJcBb0
「……分かった。超能力者予備集団セブンバックアップから1人だそう。私の息のかかってる人間だ」
 
「そのレベルだったら私の恋査ちゃんを派遣したほうがましじゃない?」
 
「ならばどうしろと?」
 
「いい加減にしたまえ。なぜ、一級品の料理を持っているのにそれを私達に振る舞わない。今は、そんな場面ではないだろう」
 
「………………非公式超能力者アウターレベル5、か」
 
「それ以上を、君は持っているはずだがな」
 
「………………………………………………………」
 
「言わなきゃわかんないかな?超越能力者レベル5.5って」
 
「………………………分かっていない」
 
「何が?」
 
「超越能力者レベル5.5は、一級品の料理などではない。あれの危険性を、君達は何も分かっていない」
 
「上から目線のご高説は結構だがな、今は差し迫った危機から目を背けている場合ではないだろう」
 
「核ミサイルを発射された。だから、私達も報復として核ミサイルを発射する。……そんなことをして何になる?」
 
「何を恐れているーんだ?」
 
「同じ結末なのさ。超越能力者レベル5.5を解き放つなど、それでは結局人類絶対悪ビーストを斃せたとしても意味がない。結局の所は全ては終わる。何も変わらないのさ」
 
「超越能力者レベル5.5とは、それほどの存在だと」
 
「何のために私が彼を保護監禁していると思っているんだ。外に出すことで起きる被害が、私達の許容を遥かに超えているからだ」
 
「であれば?」
 
「さっきも言っただろう。非公式超能力者アウターレベル5を出す。非公式超能力者アウターレベル5ならまだ許容できる」
 
「でもさ〜、所詮は超能力者レベル5になれなかった非公式アウターな連中でしょ?ほんとに大丈夫な訳?」
 
「いや、非公式アウターだからってその強さが公式な超能力者レベル5に劣るわけじゃあねぇだろ。確か非公式超能力者アウターレベル5は切り捨てられた枝ってだけじゃなかったか?」
 
「……しらじらしいですね。再利用リサイクルと言ってしまえばいいではないですか」
 
「可能性があるモノを伸ばすのは、悪い選択肢ではないはずなのだがな」
 
「あはは、齎されるかどうかも分からない被害を想像して、戦力を温存してる場合じゃないと思うんだけどな〜。出しちゃえばいいのに」
 
「先ほども言っただろう」
 
「まっ、そうはいっても、妾わらわからしたら赭あかつち鰰はたはたなんてそこまでの脅威でもないんだけどね〜」
 
「……は?なぜ、君がその名、を………………」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:57:58.38 ID:cKUxJcBb0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「「「「「「「「「ッッッッッッッッッッッ!!!!!!!???????」」」」」」」」」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あはっ!やっと気づいたの?初めまして久し振り!統括理事会の諸君!!!」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:59:12.09 ID:cKUxJcBb0
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とある暗部の御坂美琴(2周目)   作:一二三四五六
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おかしい……、なんでこんな展開になったんだ?


学園都市統括理事会B 絶対的な敗北

 いつからそこにいたのか。
 いつから会話に参加していたのか。
 いったいいつから。
「ご、ぎょう……?」
 呆然と、誰かが口にするその言葉。
 この場にはいないはずの、たった今話題にしていた、人類絶対悪ビースト位階総序列第三位の名前。
「木原、……五行?」
「そう!あたしの名前は木原五行!人類絶対悪ビースト位階総序列第三位にして全能存在パントクラトールの二つ名を持つ禁忌の木原!木原一族の中の木原一族!」
「……冗談だーろ」
 アンドレイが呟く。それは木原五行を除いたこの場の全員が思っていることだった。
 気付かなかった。
 誰も、誰一人として気づかなかった。
「……トマスはどこだ?」
 苦罠がそういった。
「その席には、トマス=プラチナバーグが座っていたはずだ!」
 はっ、と複数人が顔を上げた。そう、苦罠の言う通りだ。今五行が座っている席には統括理事会メンバーの1人であるトマス=プラチナバーグが座っていたはずだ。それは会議を始める前に全員が確認している。
 潮岸は目線だけで周囲を見渡した。
 いない。いない。いない。上下左右前のどこにもトマスはいない。そして自分の後ろにもトマスがいないのは他のメンバーの視線で分かる。ならばどこに、トマスはいったいどこにいった?
「ん〜?あれ〜、どこにいっちゃんたんだろうね〜?」
「お、まえ」
 誰かの心拍数が早くなる。
 誰かの頬に汗がつたう。
 誰かの喉がカラカラに乾く。
 そんな中で、苦罠が怒鳴った。
「トマス=プラチナバーグをどうしたんだッ!?」
「分かってるくせに」
 泰然自若に五行は答えた。たったそれだけの言葉でトマスの末路が想像できる。
「殺したのですか」
 それを実際に口に出したのは親船だった。もっとも端的に想像できる末路。死という名の結末。だが、仮にそんな末路を辿ったのだとすれば違和感がある。
 それは、
「死体はどこにいったのか、分かる人いるかな〜?」
「余裕じゃねぇか、随分と」
 五行を睨みつけながらアランはそういった。立場が分かっていないわけではない。五行が上で統括理事会が下。既に格付けは成されている。
 だから覆す。
 統括理事会を舐めるなと、アランは五行を挑発する。
「ここがどこだか分かってんのか?禁忌の木原だか人類絶対悪ビーストだか知らねぇが、俺達の前に姿を現して五体満足で帰れるとでも思ってんのか?」
「くららららら!!!強がり言っちゃって、か〜わいいっ!」
 身体を艶めかし気にくねらせながら、五行はあくまでも上から目線で告げた。主導権争いをするつもりは五行にはない。そんなことをしなくても、誰も五行には勝てないと知っているから。
「それとも注目を自分1人に集めさせて、その間に他のメンバーに何か準備をさせるつもりかな?くすくす、でも不思議にさぁ、思わない?はたしてうちはどうやってこの『蠍の間』にきたのだろうかや?」
牽制……、いや五行からすれば牽制ですらない言葉に、裏で準備を進めていた幾人かの動きが止まる。当然、いくら統括理事会メンバーだけの会議とはいえ完全に無防備な状態で来ている人間などいない。親船でさえ最低限の防備をしている。潮岸は駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を周囲同化服カメレオンスーツで隠した状態で着ているし、薬味は予あらかじめ己の身体に薬物投与を行って身体能力をあげているし、アランは己のブレインである雪谷宗風からお墨付きをいただいている。
 武器はある。
 動けるのだ。
 人ひとりくらいなら、殺せる。
 ただ、
「おかしくないでしょうか?この『蠍の間』はランダムに地下空間を移動するいわば動く密室。会議が始まったら出入口は完全に閉鎖され、外部からの親友も内部からの脱出も不可能になるのに……。あてはいったいぜんたいどうやって『蠍の間』に来たんだよ!?分かる人は手をあ〜げ〜て〜!今なら五行ポイントを100ポイント分あげますよ!」
 楽しそうに、心底楽しそうにどうでもいいことを話す五行。
 五行がどうやって『蠍の間』に来たのか?なぜトマスが消えたことに誰も気づかなかったのか?トマスの死体はどこにいったのか?確かに気になる。気になるが、それらの優先度は低い。はっきりいってこの場においてそれらの問題はどうでもいい。
 今はそんなことよりも、五行にどう対するかという事を議論するべきだ。
(隙だからけだ)
 潮岸は思う。潮岸は別に一流の戦士などではない。けれど分かる。偽装でも何でもなく五行は明らかに隙だらけ。その隙は潮岸ならばつける。駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を纏っている潮岸ならば、いける。
 本当にそうか?
(くそ……)
 苦罠は思う。こういう事態も完全に想定していなかったわけではない。忠告はもらっていた。郭夜はこういう事態も想定していた。だから、武器はある。だから、生き残れるはずだ。
 本当にそうか?
(どうしようかな)
 奈波は思う。木原五行。人類絶対悪ビースト位階総序列第三位。その脅威は学園都市に来る前から知っている。人口衛星USA-224墜落事件、パリ全インフラ停止事件、他にも多数の大犯罪を犯した人間。そんな彼女が今、手が届くほどに近い距離にいる。どうするべきだ。いくべきか?出来るのか?世界に対する、人類に対する、日本に対する脅威を今、取り除けるのか?
 本当にそうか?
「あれ?今笑う所さかいな」
「そうだな……。空間移動テレポート系統……、それも座標指定タイプではなく目印アンカーを設置して移動するタイプ、か?」
 言いながら、苦罠は目配せした。統括理事会。学園都市の最上層部にして最暗部。混沌とした悪意の渦巻く屑の巣窟。他人を出し抜き蹴落とすことしか考えていない屑共。
 普段は敵同士。どうしようもなく相いれない。
「惜しい!でも外」
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 12:59:49.88 ID:cKUxJcBb0
けれどだからこそ分かる。
 だからこそ、彼らはある意味で通じ合えている。
 最初に動いたのは薬味だった。
「っ!」
 薬物による身体強化を施している薬味は100メートル走の世界記録をはるかに超える速度で五行との距離を詰める。瞬きをする瞬間には、とまではいかないが、しかし一般人では到底反応できないような速度。
 テーブルの上に乗りあげ、最短距離で五行のもとまでいく。
 そんな速さじゃ遅すぎる。
「短慮過ぎない?」
 とん、と。
 軽くステップを踏んで、本当にほんの少しだけ身体をずらして、五行は薬味の攻撃から逃れた。薬味と五行の距離は今や10センチメートルほどしかない。近すぎる。近すぎるが故に、薬味は五行に攻撃できない。殴るにしても蹴るにしてもある程度の距離は必要なのだ。密着状態では攻撃などできない。
 そして五行の位置取りは完璧だった。
(射線が、っ)
 亡本も当然動いていた。懐に偲ばせていた半自動組み立て式拳銃を五行に向かって発射しようとしていた。そして実際に発射しただろう。
 薬味の身体が五行を庇うような位置に無ければ、だが。
「ちっ!」
「おおお!!!」
 薬味の動きにスリーテンポほど遅れてからアランと潮岸が動き始めた。
 ……語るまでもない事ではあるが、ここにいる統括理事会メンバーは全員戦う人間ではない。彼ら彼女らは策を練り、指示を出し、上に立つ人間であり、現場で動く人間ではない。
 だから言うまでもなく弱い。連係も下手で、数の利を全くいかせていない。
 駆動鎧パワードスーツ『シェルター』を着ている潮岸。
 雪谷宗風からお墨付きを頂いているアラン・スミシー。
 しかしそれでも普通、普通ならば、いかに戦士でないと言えども人一人に勝てないわけがないのだ。
 相手が普通の人間であれば、どれだけよかったか。
「な」
「あ?」
 何をされたのかもわからなかった。
 気が付いた時には2人とも無傷のまま地に這い蹲つくばっていた。
(……た、……てねぇ、だと?)
 身体に異常は感じられない。精神操作系能力を使われた形跡もない。外傷はなく、内傷もない。重力の異常も感じられない。拘束されている感覚もない。
 にも関わらず全く動けない。
「這い蹲ってろよ雑魚」
 嘲り。
 それは普段、アランが他者に向けている声色。
 だから屈辱だ。
 これが人類絶対悪ビースト。
 だが、
「…………」
 だが、
(そんなことは分かっている)
 そもそもだ、と潮岸は思う。
 そもそも、今潮岸が生きている事自体がおかしいのだ。いや、それを言えばもっと前、五行がわざわざ姿を現したことがおかしい。
 [ピーーー]つもりなら殺せたはずだ。いくらでもできたはずだ。だがそれをしなかった。
 つまり五行は潮岸たちを[ピーーー]つもりはない……はずだ。
 あくまでこの考えは潮岸の推論。だが当たっているだろうと潮岸は考える。でなければとっくに逃げている。最も、逃げられる可能性は0に等しいだろうが。
 だからこれはあくまでパフォーマンス。
「そしてさようなら」
 瞬きする暇もなかった。
 衝撃すら感じなかった。
 なのに、いつの間にか吹き飛ばされていた。
「っ!?」
 更なる攻撃を行おうとしていた薬味は自分の身体がいきなり宙を滑空していることに驚愕した。 
(待っ)
 予備動作どころか攻撃後の余韻すら完全に存在しなかった。それが示すところはつまり、木原五行は薬味に対して何もしていないという事、か?
 いや、いや、いや。
 だったらなぜ薬味は吹き飛ばされた?
 誰が薬味を吹き飛ばした?
「っ」
 何も分からないまま、薬味は吹き飛ばされた勢いで壁に叩きつけられ、
(……………………は?)
 ダメージが無かった。
 確かに薬味は壁にものすごい勢いでぶつかった。壁がスポンジのように衝撃を吸収したわけではない。もちろん薬味側に何らかの保護が生じたわけでもない。勢いを緩めることは愚か、受け身をとろうとすることさえできなかった。
 にも拘らず、薬味の身体には一切の外傷が存在しなかった。ちょっとした擦り傷すらも。
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:00:28.14 ID:cKUxJcBb0
 そして射線が開いた。
「――――――」
 一段と大きい音が響いて、亡本の持っている拳銃から銃弾が放たれる。その弾丸は一瞬で五行のもとに辿り着き、五行の頭を貫い、
 いいや、
「残念!」
「なぁ!?」
 あり得ないことに超音速の銃弾を五行は噛んで止めた。そして口の中から弾丸を吐き出して五行は右手でそれをつまんだ。
「べっ〜、まじゅいのぉ……。きゃぴ♡銃弾なんて効くわけないのに、そんなことも分からないの?せっかくだし、返すよ」
 指で弾いた。
「ごっ、ぶ」
 まず感じたのは痛みではなく熱さだった。熱い、熱い、熱い。燃える様な灼熱の痛みが亡本の脇腹を襲っていた。
 信じられないような思いで亡本は視線を下げる。
 血濡れていた。貫かれていた。
 何に?
「指弾。まぁこれくらいわねぇ?」
 言葉の通りだったのだ。亡本が放った銃弾を噛んで受け止めた五行は、今度はそれを指で弾いて亡本に返した。そしてその返された弾丸は見事に亡本の脇腹を貫いた。
 久しぶりに感じた痛み。強く感じる命の危機。しかし、と亡本は薄く笑う。
 これでいい。これがいい。
 潮岸も亡本も薬味もアランだって分かっていた。敵わないことくらい知っていた。亡本たちは戦闘においては素人未満だ。そんな亡本達が禁忌の木原に勝てるわけがない。
 だから、敗北したのは全然かまわない。オーケーだ。
(思った未満に、上手くいったわね……。だから上手くやってくれないと困っちゃう)
 壁に寄り掛かったまま薬味は動かないでいた4人に意識を向けた。薬味にダメージはない。立ちあがろうとすれば立ち上がれる。でもそれはしない。あたかも酷いダメージを負って立ち上がれないような演技をしつつ、薬味は事態の推移を見守る。
「………………化物が」
「………………………」
「…………じょうだん」
「…………やはり、か」
 残ったのは4人だけだった。
 統括理事会の中でもアレイスターに次ぐ権力を持っている諦めてしまった賢人、死縁鬼苦罠。
 かつては交渉術の達人であったが娘を危険にさらしてしまったことで一線を引いた勇気無き善人、親船最中。
 九家が一家、奈落家より学園都市と日本の仲介役としてやってきた日本の守り手、奈落奈波。
 中途半端な善性を持つが故に常に苦悩する老人、貝積継敏。
「来 な い の ?」
「無駄な戦いは、しない主義なんだ」
 全てを諦めたように苦罠は言った。
 勝てない。勝てるわけがない。こうなることは相対した時点で分かっていた。だから秘密裏に作戦を練ろうとしていたのに。
「我々を[ピーーー]つもりならばとっくにそうしているでしょう?何が、目的なのですか?」
「何が目的?何が目的?目的は同窓会だ」
「同窓会?」
「うん、あのね、ごぎょうね、ひさしぶりね、みんなにあいたいなって」
「……みんな?みんなって、まさか……」
「はぁ!皆つったら造られた子供たちプログラムチルドレンの皆に決まってんだろうが!!!アァ!?」
「ならばなぜここに来たのだね。ここには、その皆はいないぞ」
「……そんなことは分かってますよ。…………………でも13サーティーンは相変わらずどこにいるか分からないし、白は私の事嫌ってるし、だから郭夜に接触しようと思ったんですけど、電脳生命体αアルファにハッキングさせてメッセージ送ろうとしたらあやつまさかの物理的回線切断したし、だから輝夜姫の上司経由で同窓会の案内状を送ってもらおうかなって」
「つまりわざわざ『蠍の間』に来たのは、私に会いに来たかったからだと?」
「そうじゃよ」
「ならばどうしてトマスを殺したのですか?いえ、そもそも彼に会いに来ただけというならこの場でなくてもよかったはずでは」
「なるはやだよ。なるは」
 
 とん、と、
 
 木原五行の首が、落ちた。



何で統括理事会メンバーがそろいもそろって戦ってるんですかねぇ……?
お前ら戦闘能力ほとんどない設定のはずだろう?

【じゃあ殺しちゃう?
統括理事会メンバーはあたしが全員ころしちゃいました!なんてね☆
さて質問なんだよ!
私、生きてると思う?】
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:01:30.68 ID:cKUxJcBb0
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いや更新遅くなってごめんなさい。リアルの方で色々忙しくて。


学園都市統括理事会➃ 不死の研究

 木原五行の首が胴から分離した。
「………………………………」
 沈黙。
 それが起きたということは8人全員が把握した。木原五行の首が胴から分離した。誰かが何かをした結果としてそれは起きた。ただ、ただその程度で安心できるのかといえばそれは偽だ。
「ころせた、の?」
「――――――――――――」
 奈落の呟きには誰も答えられなかった。
 それは何も奈落に意地悪をしているという訳ではなく、分からなかったからだ。
 誰も、木原五行の死に確信が持てなかった。
「首を落とした程度で死ぬとは、到底思えませんが」
「同感だな。あの木原五行が、この程度で死ぬとは思えない」
 数十秒が過ぎ、やっと口を開いたのは親船と苦罠だ。4年前の獄天の扉ヘヴンズフィール事件――第一次人類絶対悪ビースト侵攻事件の生き残りである2人は当然人類絶対悪ビーストの脅威を知っている。人類絶対悪ビーストは残虐で、残酷で、残忍で、残刻な……そして何よりも厄介なのだ。
「だがよ、確かに首は落ちてるし血はでてるぜ?これで死んでないっていうのはおかしくねぇか?」
「油断するな、アラン。新人のお前は知らないだろうが、人類絶対悪ビーストが、あの木原五行がこの程度で死ぬとは私には思えない。何度でも言うけど、な」
「人類絶対悪ビースト、ねぇ」
「……ぐっ、流石に、そろそろ意識が朦朧としてきたなぁ」
 亡本がそうぼやく。8人の中で一番重傷なのが亡本だった。薬味は壁に叩きつけられただけでノーダメージ。アランと潮岸は謎の力に押さえつけられてはいたがノーダメージ。対して亡本は五行から指弾による攻撃を受け、脇腹を弾丸が貫通してしまっている。数分後には死ぬ、などという出血量ではないが、しかし早めに処置をしなければ命が危ないことは間違いないだろう。
「……薬味クン、君なら軽く処置が出来るのではないかな」
「んー、いくら私が医療関係に太いパイプをもってるっていっても、私自身は別に医者でも何でもないんだけど」
「だが簡易的な治療くらいは出来るだろう?」
「んー」
 薬味は亡本の治療にそこまでの積極性と緊急性を感じなかった。別に亡本が死んでも構わないのだ。統括理事会メンバーが減れば、その分だけ利権が増える。だから亡本は死んでも構わない。いや、むしろ死んだ方がいい。
 その消極性を感じ取った亡本は、だから提案する。
「貸し1、ということでどうだね?」
「……一応伏せてたんだけど」
 そう言って、薬味は亡本に近づいた。
 亡本の生存と死亡。貸し1と増える利権。それらを天秤に乗せれば、わずかに亡本を生かす方に傾く。
「……問題は山積みだな」
「後2つに関してはどうしますか?」
「……超能力者予備集団セブンバックアップが人類絶対悪ビーストを確実に殺せるのならば、その議論は必要がなくなるのだがな」
「無理だろ。あいつらは所詮、超能力者レベル5の成り損ないだ。切り捨てられた枝ですらねぇ」
「……恋査を動かすーかな?」
「それは」
 別に油断していたわけではない。特に第一次人類絶対悪ビースト侵攻事件の生き残りである6人は、苦罠と親船と貝積と潮岸と亡本と薬味の6人はきちんと警戒していた。
 木原五行の死。胴から首が分離した木原五行。首の落ちた木原五行。けれど、本当に木原五行が死んだのかはまだ判断がつかない。
 影武者だったのかもしれない。偽物だったのかもしれない。幻覚なのかもしれない。ホログラムを使っているかもしれない。他にも、他にも、他にも。様々な可能性が考えられた。
 だから、ちゃんと疑っていた。木原五行はまだ死んでいない――その可能性を、きちんと考慮していた。
 会話を続けながらも、警戒はしていた。
 けれど、しかし、それでも、だ。
 一瞬だった。
 確かに全員が目を離した。
 重傷を負った亡本に視線が注目した。
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:02:18.42 ID:cKUxJcBb0
こ・の・瞬・間・確・か・に・、木・原・五・行・を・観・測・し・た・人・間・は・1・人・も・い・な・か・っ・た・。
 
 故に、だった。
 
「んん〜、エキサイティング」
「「「「「「「「ッッッッッ!!!???」」」」」」」」
 木原五行は生き返えった。
 木原五行の生が観測されたから。
 木原五行の死が観測されなくなったから。
「流石の私も初体験だったなぁ。でもっ!理論は証明された。これで妾はまた1つ、近づいたってわけよ」
 それはまさしく悪夢であった。
「あの程度で、」
 最初に呟いたのはやはりというべきか、苦罠だった。
 予感はあった。予想は出来た。人類絶対悪ビースト。世界に対する、人類という種に対する脅威。
 4年前はもっとひどかった。
 あの時に比べたら、今回はまだましだ。
「あの程度で殺したとはもとより思っていなかったが、どんな手品だ?禁忌の木原、木原五行」
「あれ?あれあれ?あれあれあれ?」
 不思議そうに、本当に不思議そうに、まるで理解できない言葉を聞いたかのように、五行は思い切り首を傾げた。
 そして傾げた首をそのままに、統括理事会のメンバー8人を煽る。
「あれれ〜、みなさん、この私が何の研究をしているのか御存じない?」
「木原五行の、研究?」
「――――――まさか」
 最初に気付いたのはやはりというべきか、貝積だった。
 この場にいる統括理事会メンバー8人は、全員が全員大なり小なり木原一族と関わったことがある。しかしそれは結局の所浅い関わりだ。木原一族は学園都市統括理事会でも持て余すほどの闇。内に入れて飼おうとすれば蝕まれ破滅する。外から操ろうとしてもいつの間にか予想外の動きをされて破滅する。
 賢明な人間であれば木原一族とは積極的にかかわらない。利口な人間であれば木原一族を利用しようなどとは思わない。
 距離感が大事なのだ。
「まさか!?」
 踏み込んだ距離感で木原一族と接触しているのは、統括理事会メンバーでもわずかに3人。
 奈落奈波は日本という国を守護する立場であるが故に、科学そのものを体現した木原一族とそれなり以上の関わりを持つ必要があった。
 今この場にいない潔癖症の彼女は、世界の全てを手に入れるための前準備を行うために、木原一族と関わりを持つ必要があった。
 そして貝積継敏は能力開発分野に強い影響力を持つが故に、必然木原一族と関わることも多かった。
「馬鹿な、完成したとでも言うのか!?」
「ふっ、ふーん♪」
 貝積の気付きに連鎖するように、複数人も気づく。
 そして彼らが気付いたことに気付いた五行は、自慢げに、いや実際に自慢するために両手を大きく広げながら語る。
「不逃死痛カルタグラは失敗作だったけどさ。くうううううううううっ、完成したのさ!ついに!」
 自慢げに、
「長かった……、本当に長かった……。何度も挫けそうになった。時に心が折れそうになった。しかし!努力は実るのだ!それを信じてあたしは頑張った」
 誇るように、
「不死の研究、……この研究を完成させるために10年以上もかかってしまったのだよ。俺としたことが、時間を掛けすぎだ。全く、自分の無能ぶりが嫌になるね」
 笑いながら、
「でも完成した。だが創り上げた。完全なる不死。人類の夢の1つ。あひ、ふひゃ、ぎへへへへへ!!!!!」
 禁忌と呼ばれた木原は、
「本当にさぁ、頑張ったってわけよ。、色々色々研究して創り上げて。『イヴの心臓』も、『電脳生命体α』も『天への階段』も、『ドゥームズデイ』も、『キヤマー・ザナドゥ』も!ステップを重ねて、少しずる進み、…………僕は、至った」
 全能であるはずの少女は、
「これが、完成品」
 掲げる。
「これが、木原五行の集大成」
 右手を上げる。
「これがっ、人類が求めてやまなかった、夢」
 示すように、
「これこそがっ!完全なる不死を齎すっ、神域すら超えた逸品!!!!!」
 天に反逆するかのうように、
「王の遺産レガリアが一つッ、『彼岸の妙薬』トキジクノカク!」
 言った。
「『彼岸の妙薬』……」
「……トキジクノカク、ね」
 信じられない言葉を聞いたかのように、潮岸と薬味が呟いた。
 古代より完全なる不死というのは人が求めていた夢だ。それを求めた人間は数多く存在し、それをテーマにした物語も数多くある。
 始皇帝は不死を求めて水銀を飲んだ。
 かぐや姫は帝に不死の薬を渡した。
 他にも他にも他にも、その手の話は多々ある。
「確か、トキジクノカクは田道間守が常世国で手に入れた木の実だったね。食べれば不老不死となれるというトキジクノカクを求めて垂仁天皇は田道間守を常世国に遣わせたが、田道間守が垂仁天皇のもとに帰還した時には既に垂仁天皇は崩御していた。あれはそんな話だったか」
 亡本がトキジクノカクについて語る。トキジクノカクは古事記に記載されている話の中に出て来る木の実だ。科学で満ちた街で神話を語るのは滑稽でもあるが、学園都市の食糧事情の一切を管理している亡本は常に自身の食するモノについても気を使っている。その過程で、神話の食べ物の話の知識も得ている。
 そもそもネクターの元ネタだってギリシャ神話に登場する神々の飲み物、ネクタルなのだから。
「だから死ななかったとでも言うのかよ。それを飲んだから、死ななかったって?」
 這い蹲った姿勢から立ち上がったアランが五行を睨みつけながら言う。アランは4年前の人類絶対悪ビーストとの戦いを知らないが、人類絶対悪ビーストの異常さはもう十分わかっていた。
 木原五行はヤバい。
 ヤバすぎる。
 何よりヤバいのは五行のここまでの行動は、そのほとんど全てがダミーであろうということだ。
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/23(水) 13:03:20.33 ID:cKUxJcBb0
「くひ」
 こたえる様に、五行が話す。
「皆はシュレディンガーの猫を知っているかな?」
「当然知っていーるさ。学園都市の超能力開発の基礎中の基礎ーだ」
「シュレディンガー氏曰く、箱の中の猫の状態が観測するまで決まっていないなんてありえないらしい。トキジクノカクを飲んだ人間は箱の中の猫になるんだって」
「…………どういうことだ?」
「個々のクオリアは個々によって違う。物体が存在するということは個人がその物体を認識しているということだ。例えば人物Aが金庫の中に金塊を入れて扉を閉めた。この瞬間人物Aに金塊を観測することは不可能になった。観測が不可能になったということは存在が確認できないということ。つまり金庫の中に金塊が存在するかどうかはその時点で不確かになったのだよ。不確か、つまりは金庫の中に金塊が存在しているのかしていないのかは分からなくなった。量子論で言う所の重ね合わせの状態っすね。金庫の中に金塊が『在る』状態と金庫の中に金塊が『無い』状態が同時に存在しているって話だっけ。コペンハーゲン解釈。エヴェレットの多世界解釈。量子論には様々な考え方があるけど、重ね合わせっていうのはやっぱ基礎だよね。そして私の出した結論はそれに観測者効果を加えた感じかなー。やっぱ見られているっていうのが量子論に与える影響は大きいんだよ。まぁ何が言いたいかっていうと、観測されなければそこには何もないって話。物体があるかないかっていうのは結局の所個人の主観の問題なのさ。意識を構成しているのが客観じゃなくて主観なんだから当然なんだろうけど、物体αがそこに在るっていうのを人物Aが確認したとしても人物Bがそれを確認できなかったとしたらそこに物体αがあるのかどうかは発言をきくだけの人物Cからしたら不確かになるだろう?僕の造った王の遺産レガリア、『彼岸の妙薬』トキジクノカクはそれを利用しているんだ。僕の存在を世界という名の、宇宙という名の客観――俺はこれを『絶対神の視点YHVH』と呼んでいるわけだが、その客観から外す。そもそも人間という生命体は個人でその存在を維持するのは無理なんだ。誰しもが必ず、そこにいるためには自分以外の要素が必要になる。その最たるものが『絶対神の視点YHVH』だけど、もう一回いうけど童のトキジクノカクはその視点を外す。脱出するっていってもいいかな。『絶対神の視点YHVH』から脱出して、自己の存在証明理論をもっと小さい主観の中に置く。要するに自己の存在証明理論を他人の意識の中に置くわけよ。ただこれが絶妙に難しくてね。他人がそこにいる、他人の意識がそこに在るっていうのを確認するためにどう考えても自己の存在が必要だ。だけど自己の存在を他人の証明に使えば自己の存在が第一前提条件として確立されてしまう。それは違う訳よ。結局の所それじゃ『絶対神の視点YHVH』からは脱出できていない。他人の意識に自己の存在証明理論を置くためには自己の存在が第一前提条件になるっていう矛盾。これを解決するために4年もかかったってわけ。まぁ別にね?不老不死を実現させるためだけなら方法なんていくらでもあるんだよ?もうなくなったけど、人形村とかまさにその極致だったし。後はあれ、700年くらい前にはアンブロシアとかもあてらしいじゃん?でもやっぱりそれは完全な不死じゃ、ない。不死性が高くなるってだけ。それに死にたいときに[ピーーー]ないとか自由度低すぎ。だからこそ、私はトキジクノカクを造った。他者の主観の中に自己の存在証明理論を置くことで完全なる不老不死を実現する、トキジクノカクを」



『彼岸の妙薬』トキジクノカク。効果のほどがわかりにくいと思いますが、不老不死の薬だってことを理解していれば問題ありません。

今月中にもう一回は更新します。
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/23(水) 18:28:14.61 ID:PROG70w00
>>227
男性1名女性4名という一方通行のハーレム状態ではあるものの、タグ付けされるイラストの傾向としては家族愛がメインのものが大半を占めており、「ほのぼの」、「イイハナシダナー」、「なにこれ幸せ」、「涙腺崩壊」などのタグが共に付けられる場合が多い。

記事を編集した奴が自分でタグを付けていそうだな
臭すぎて笑うしかないわ
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/23(水) 21:00:00.60 ID:UoseKICQ0
都合の悪いところには何一つツッコまず、どんなクズでも無条件に抱擁し、周りの目からも隠してニート擁護
なんとも陰キャ好みの家族愛()な事だな・・・
ターゲットが所詮ラノベ読者としても浅すぎるし浅ましすぎる
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 14:17:46.59 ID:+fb7CFd60
>>246
支部は一方厨の巣窟だからなァ
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 17:50:48.64 ID:0XORylJ40
>>248
未だに?
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 18:55:55.69 ID:uQJ6QkPc0
支部は運営がしっかりしてるから安全圏よ
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/24(木) 21:07:31.16 ID:u3iQaJw40
黄泉川や打ち止めのバカさ加減も、「最初は贖罪者を受け入れる場所を作ってそこから何かの発展性があるのだろう」とか高く見てた人もいただろうな
蓋を開けたら「ただの都合良い逃げ場所でした」というゲロみたいなスイーツ環境だっただけで

結局、贖罪という高尚なテーマどころか人間の気持ちや通すべき筋という最低限すらマトモに書けんラノベだったんだなあと最近思う
だったら初期のように上条ageだけしといた方がどれだけマシだったか
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/25(金) 18:55:05.82 ID:l8yornEL0
上条ageはまだ許せる範囲内
一方ageと浜面ageは気分悪い
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/25(金) 20:33:42.46 ID:IJFjPB1o0
>>252
>一方ageと浜面ageは気分悪い
気分悪いというか、それを描きたいなら説得力出せよって感じ
クズがちょっと気分変えたら全部許されヒーローヨイショ!という軽佻浮薄さはなろう小説にも劣る
浜面周りに人気の無さと一方スピンオフのゴミ評価見て分からないから公式もただのアホだな
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/26(土) 11:42:00.45 ID:uhLZ63eL0
>>253
許されると言うか周囲のキャラが異様に肯定するんだよね
それが何と言うか非常に気持ち悪くてモヤモヤする
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/26(土) 20:37:03.98 ID:g4McodUb0
https://syosetu.org/novel/56774/
とある暗部の御坂美琴(2周目)
作者:一二三四五六

原作:とある魔術の禁書目録
タグ:R-15 残酷な描写 とある科学の超電磁砲 暗部 上条当麻 鬱 独自設定 中二病 闇堕ち 群像劇 執着 依存 オリジナル展開 原作キャラ死亡 御坂美琴 絶望 シリアス 狂気 オリキャラ多数 裏切り 策略
▼下部メニューに飛ぶ

 大切なモノを護るために、あなたは何処どこまで捨てられますか?

 大切な人を助けるために、あなたは己の命身体を棄すてられますか?

 自分の魂魄凡てを捧げても喪うしないたくないモノ、ありますか?

 無明の闇に堕おちていけ。罪に穢けがれし気高き魂よ、汝なんじが生に幾多の禍難かなんが在あらんことを希こいねがって。



 ※亀の歩みよりも展開が遅いです。スピーディーな展開を求める人には確実に合いません
 ※多数の視点で物語が進むため展開が非常に遅いです。
 ※この小説は本編最新刊はもとより超電磁砲最新話、マンガ一方通行最新話、超電磁砲PSP、蛇足またはとある事件の終幕 、クロスオーバー小説、偽典・超電磁砲 、アニメ超電磁砲一期二期オリジナルエピソード、エンデュミオン、頂点決戦、群奏活劇、バーチャロン、とある魔術の禁書目録SP、一番くじ限定電撃鎌池和馬10周年文庫、学芸都市SS、能力実演旅行SS、とある魔術の禁書目録PSP、画集小説、下敷き小説、コールドゲーム、アストラル・バディの設定が入り混じっています。
 ※『白衣の男』と御坂美琴J 脅迫までは一話2500文字それ以降は一話5000文字になっております。
 ※あらすじがver5になりました。前のあらすじが見たい人は活動報告の方へどうぞ。
 ※題名を『とある闇の中の超能力者』から『とある暗部の御坂美琴』に変更しました。
 ※ネット小説だからこそ出来るギミックを各所に取り込んでいます。
 ※前書きとあとがきには重要な伏線を仕込んでいます。必ず表示させてください。


今や勢いのない禁書の最新刊まで読んで書いてくれてる二次創作!!!!!!!!!
オリキャラがメタ視点で読者や禁書を蹂躙するけど読者の愛と評価がなければ真実にたどり着けない物語らしいから読んで評価つけてください!!
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/26(土) 21:19:25.52 ID:sEupOIrc0
>>254
それな
クズ上がりの周りには都合のいい事言うヤツと都合のいい事しか起きない
図星や言われて当然のこと言うのはいつもゲスな敵キャラの役目で、「ソイツを倒す=こっちが正しい」という形に転嫁してるのが姑息すぎる

上里もにたようなモンだったな
魔神が悪いンダー→ハーレムが悪いンダー→唯一が悪いンダーと転嫁する対象を変え続けただけ
アレイスター擁護も魔神、コロンゾン、黄金、アンナとどんどん矛先逸らしただけで一切何の償いもしてないというのが本質
鎌池って性格が拗くれてるけど、「自分がこうなのは周りのせい」って思考がそもそも根本にあるのかもね
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 00:02:13.84 ID:fIZmIES00
原作売れなくなったのも周りのせいアニメのせい〜
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/27(日) 00:02:54.03 ID:fIZmIES00
原作売れなくなったのも周りのせいアニメのせい〜てか?
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 09:50:05.97 ID:XxGXa1hZ0
何かのせいにして遊べるのは今だけなんだ
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/27(日) 21:40:18.83 ID:Enfh7DmQ0
アニメがコケたのは時期が遅かったせい!制作会社のせい!買わない視聴者のせい!とか思ってんのかね
クソつまんねえ特典SSしかヒリ出せんくせに寝ぼけんなって感じだが
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/28(月) 03:34:34.23 ID:DA09mloB0
>>256
実に的確だ
その通りなんだよ
一方通行、浜面、上里、どいつもこいつもワンパターン過ぎて誤魔化せなくなって来ている
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/10/28(月) 17:40:26.82 ID:sALvTbi40
PCからは見れるのにスマホからは5chが見れない
一体どうなってしまったんだ?

>>256
クズ共の悪行を有耶無耶にする為に更に格上のレベルの高いクズを出す
結局それの繰り返しだからな
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/28(月) 19:05:55.78 ID:e4oDfV170
このまま揺れていたいや
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/10/28(月) 23:16:09.17 ID:XKLmy6u90
>>262
一方外伝もひっどいモンだったな
DAとか菱形とかにやっすい悪役の言動取らせて「ホラホラ下衆だよ〜こんなに悪いヤツだよ〜」アピールからの「それを舌打ちしながらクールに蹴散らす一方さんドヤァ」というインスタント懲悪ショー
なろう小説だってもう少しは工夫するわ
一方ageしようと思ったらこんな粗品出すしかないと逆に証明したようなもの
情けなさすぎる
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 11:40:05.88 ID:mmK1FRs30
同じ糞野郎でも木原数多とかは嫌いじゃないわ
徹底して悪役路線を貫いてるキャラの潔いこと
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/10/29(火) 12:51:41.53 ID:y8o7hkEp0
>>264
結局ただのプロレスなんだよな
悪党共の周辺のバトルは特に
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 20:39:04.27 ID:j0EHZo1q0
むしろ木原〜垣根がピークで、あとは劣化し続けただけだな
まあいちいち因縁作るのも一方通行の能力攻略するのも一苦労なんだろうけど、その2者で使い果たした感すらある
・・・いや、木原神拳の段階で能力攻略に関しては怪しいものがあったかww
ちょっと頭のいい小学生でも鼻で笑いそうなアホ理論だったし
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 14:21:23.92 ID:ySlg8oOp0
ご都合主義、主人公補正と言えば上条さんが槍玉に挙げられている印象あるけど明らかに上条さんより一方通行と浜面の方が酷いと思うわ
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/10/30(水) 17:40:05.80 ID:3CR0EJBC0
一方厨は上条さんに矛先を逸らしたいから矢鱈と上条さんをご都合主義だの主人公補正だのと揶揄する
なお一方通行の事を指摘されると猛発狂する模様
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/30(水) 21:32:11.95 ID:tU/RsBiX0
>>268
上条も新約の中盤からは散々な目に遭ってるからあまりご都合主義とか言われなくなったな
一方や浜面には(上里やアレイスターもか)相変わらず都合の良い展開しか起きないが
一方が棚ボタで学園都市理事長になって、相も変わらず人からもらったモン振りかざして調子乗ってる姿にはもはや草すら生えんわ
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 09:55:40.85 ID:nQ8tGh+B0
上条さんの場合は困っている女の子を身体を張って助けた結果フラグとかが立つからまだ許せるんだよ
一方通行と浜面の場合は大した事をしてない内から過程も無く女共とフラグが立ってしかもその女共は後ろ暗い過去があるあいつ等を常に全面フォローするから見ていて気分悪い
小悪党共には都合よく全てを肯定してくれるヒロインが与えられる世界
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/10/31(木) 21:05:20.72 ID:3soj2AI90
それな
まあ浜面も体張ってるからそういう意味では上条に近いが、ガチ無能力なのに禁書の前線で大したケガもなく事態切り抜けるのが茶番劇すぎる
あれこそ主人公補正の極みだろ。アホくせえ
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/01(金) 18:05:05.71 ID:4Rp3eUUE0
>>272
麦野を自力で撃ち破った所だけは評価したい
それ以降はgdgdだが
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/01(金) 21:27:20.90 ID:pNR7GBaR0
>>273
そこは方々でさんざん言われてるな
浜面は暗部編「だけ」なら良かった
あれだけならレベル5をジャイアントキリングしたのもエンタメ性として評価されたしほとんど嫌われなかっただろう
その後もぬけぬけと本筋に図々しく居座ったのが駄目
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 00:21:51.66 ID:+RKqT4oZ0
一方通行といい浜面といい主人公にしたら絶対に駄目なタイプのキャラだよな
その手のキャラは主人公にする事で逆にキャラにもストーリーにも粗が目立ってしまう
あくまで一歩退いた立ち位置に添えておけばまだ誤魔化せただろうに
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/11/02(土) 09:52:52.91 ID:vGhv1v6G0
一方通行も浜面も垣根も上里も心底どうでもいいから土御門とかステイルとか建宮とか魔術サイドの野郎共の物語を掘り下げて欲しい
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 11:21:19.59 ID:hWecVahm0
だよな
特にステイルにはもう少し光が当たってもいいと思う
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/02(土) 14:03:18.51 ID:RviJVRP+0
懲りないなお前ら
なまじ光が当たると幻滅ポイント加算されて株が落ちるだけなのに
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/02(土) 22:31:10.82 ID:5kOTAh1C0
>>275
つーか3主人公という看板立てながら、それまでと変わらず推しキャラage&旧キャラ粗末にし続けたのもクソ
トールだの上里だのどころか、フレメアだの加納だのというその場で発奮しただけのゴミみたいなキャラまで単巻で見れば主人公的な扱いとかね
もう「群像劇」じゃなく、単なる「有象無象」にまで話の格落としてるって作者が一番気づいてなさそう
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 09:48:45.73 ID:u5iMrcfk0
お願いだから本編の主人公は上条さんだけにして欲しい
上条さん一本に集中してくれ
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 09:50:01.83 ID:cgsiVHR+o
上条「主役じゃなくていいからもう休ませて・・・これ以上学校休んだら留年しちゃう」
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 09:56:50.47 ID:u5iMrcfk0
>>281
学園での上条さんをもっと見たいんだよ
クラスの仲間達と馬鹿やってる所が見たい
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/03(日) 21:56:25.78 ID:up2jbAcg0
最近は上条さんですら微妙だからなあ
アレイスター擁護おっ始めた時は正直なんだコイツと思った
上条のキャラ的にアレイスターを責め立てるのもちょっと違うだろうけど、全力擁護はさすがにバカくせえわ

一方通行がアレイスターに復讐狙うのも逆の意味でなんだコイツだったが
テメエの場合は逆恨みスンナって話で。自分の意志で実験に乗っかったくせに被害者ヅラとか厚顔無恥の極み
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 08:34:34.05 ID:yiIYd7nC0
一方通行はもう何やってもイタイ
上条さんは自分の周囲の人だけを大事にしていて欲しい
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2019/11/04(月) 11:32:34.03 ID:08keMlfT0
周囲の人しか大事じゃないなんてキャラになって欲しいのかよ…
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 11:37:11.50 ID:ryYjMUJUo
上条さんは例え今日あったばかりのおっさんを守るためでも世界中の全てを敵に回せるって性格でしょうよ
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 19:14:41.53 ID:mPKaQaYsO
>>277
ステイルも元拗らせ組だから、ヘタに持ち上げられたら絶対批判来るだろ
建宮とか土御門とか比較的瑕疵が少ないやつはギリいけるかもだけど
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/04(月) 21:29:32.37 ID:CY0Smvxr0
>>276
魔術サイドと言っても、所詮は動機が「妹のためー」「インデックスのためー」でしかないからな
打ち止めや滝壺をダシにしてヒーローごっこやってる汚れどものパッケージ張り替えただけの品にしかならんだろ
建宮はもうちょっとマシな筋立てができるかもしれんが、そもそも人気も需要もない奴だし(無慈悲)

あとぶっちゃけ、魔術サイドの事情を今更掘り下げたところで、読者の97%くらいは「あっそ」にしかならないでしょ
基本的に、特定のキャラはともかく魔術サイド自体は最初から人気ないんだから
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 12:14:00.64 ID:UP3PbycD0
一方通行は大した事をせず黄泉川家で家族ゴッコをしている内に学園都市の統括理事長に
浜面もまた大した事をしていない内にアイテムの女共を囲い安っぽいハーレムを構築
どうして鎌池は上条さんにばかり試練を与え酷な仕打ちを繰り返す?嫌いなのか?
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 13:04:25.77 ID:horkGzC5o
好きな人ほどいじめたくなるっていうじゃない
つまり愛するが故だぞ
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/05(火) 21:07:43.56 ID:bWPlzOwH0
>>289
上条がそこまで血反吐吐いて過酷な試練に直面してるかたわらでヒロインのインデックスは感謝のカケラもない糞ニートライフを平然と享受してるからなあ
一方通行に媚び売るだけの簡単なお仕事職人に堕ち果てた打ち止めも、もはや無邪気じゃなくて単なる白○にしか見えないし
鎌池ってマジでどこかおかしいんじゃないかと思う
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/06(水) 08:40:28.67 ID:qF/ZZ2OA0
穀潰し糞ヒロインのインデックソさんなんかに上条さんを取られたくない
美琴が可哀想だ
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/06(水) 17:48:30.26 ID:qeqF3dxG0
分かるよ
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/06(水) 21:31:32.61 ID:1eauX95G0
誰がヒロインかって話自体はどうでもいいんだけどね
扱いの差が酷すぎて、インさんは「コイツは応援したくねえなあ」の域
美琴じゃなくても五和や食蜂でもいいわくらいな感覚

昔あった東京アンダーグラウンドって漫画も、最初は守られいい子ちゃんヒロインをメインに据えたんだけど、全然何もしないソイツよりも一緒に冒険する活発な子の方がほとんどヒロインやってたというパターンだったし、あれに近いかも
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/06(水) 22:00:08.28 ID:DD8flUoj0
言いたい事は分かるぞ
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 00:19:53.77 ID:MN5Zr5pl0
>>293
>>295
何が分かるっつーんだよwwwwwwwwww
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 18:08:56.43 ID:BC+1q2j+0
考えるな
感じろ
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/07(木) 19:41:35.67 ID:Tqg/JYxm0
インデックスの問題点って、突き詰めるとあの無神経さだと思う
神裂やステイルに対してノーリアクション
前条に対してもノーリアクション
ただただ与えられた物に胡座かいてヘラヘラしてるだけ
美琴好きは分かる。五和好きも分かる。オティヌス好きも分かる。食蜂好きも分かる
インデックス好きは分からん。好きって言ってる人ってどこが好きなのか真面目に答えられる奴いるのか
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/08(金) 00:02:50.15 ID:IjF6cNiX0
ただの禁書アンチスレになってて草
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/08(金) 00:04:58.34 ID:YQcZagZMO
穀潰しとかインなんとかとか馬鹿にし腐ってたゴミアニメの制作レベルのこと言うのはやめて欲しい…
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/08(金) 12:24:12.88 ID:mIQWWRqj0
>>299
どうか誤解しないで欲しい
最近は特に不満な点が多いだけで元々は大好きなんだよ
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/08(金) 17:41:52.00 ID:Eo/WXxfT0
つーか禁書って「不満点もいつかは解消される」と期待したり待ってたモノが、投げっぱなしだったり余計酷くなったりするだけとバレて読者に見限られた感あるわ
短所が長所を上回ったんだよ結局
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/08(金) 23:52:56.95 ID:lS8nxhLiO
アンチじゃないなってレスもあるけど元から好きでもなんでもねえってレスも多いからなんとも言えないかな…
アンチみたいなレスは口調とか使ってるも酷すぎてわざとアンチってキチガイって思わせたいのかなって
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sega]:2019/11/09(土) 05:33:43.77 ID:dERSHAOk0
とあるシリーズは具体的にどのキャラクターを好きになるかで見え方が変わって来ると思うのよ
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 16:33:27.79 ID:tib2N1lU0
>>304
うん。SS見ればお察しだね
どういうキャラを好きになる奴がどういう思考回路してるのか、ある意味率直に描かれてるわけだし
具体的には一方SSとかを悪い意味でお勧めする
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 19:08:37.51 ID:dERSHAOk0
>>305
ああ、うん……
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/09(土) 19:14:53.24 ID:3vwvVNQdO
なんでも一方一方って一方大好きかよ
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 10:58:55.92 ID:VqSpPDn60
嫌われているからこそ槍玉に挙げられるんだぞ
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 18:39:16.32 ID:ud2fw77V0
皮肉が通じていないようで
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 18:50:05.88 ID:VqSpPDn60
皮肉への最上級のカウンターは通じていないフリをする事だ
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 20:15:10.06 ID:ESwLYS+j0
フリしてる事バラしたらあんまり意味なくね?
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 21:21:29.16 ID:DHflkOtH0
まあ一方厨や一方SSは話の締めや槍玉に最適だからねー
あんなキチ○イじみた文章をわざわざ残して記録として残すとか、今となっては1周回ってマゾなんじゃないかとすら思うわ
いつかすっかり禁書熱なんか冷めてから自分の書いたあの内容を思い返してどう感じるのやら
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 21:31:49.49 ID:ESwLYS+j0
過去の行いを恥じれるような真人間になってりゃいいんだけど、その手の輩って作品とキャラ変えて同じもの書き続けるイメージが強いんだよな
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/10(日) 22:32:41.75 ID:wzgv6QL10
ここのスレ民は一方通行大好きだから隙あらば一方通行のことを話したがるんだよ
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 09:06:06.78 ID:g6L25sqR0
一方通行は別に嫌いではない(好きでもないが)
一方通行の信者が糞ばっかりで腹立つ
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 09:28:52.41 ID:IiF7zv+H0
わかる
あと一方好きだったけど新約三巻の例の発言で嫌いになった人も多そうやね
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2019/11/11(月) 13:51:51.61 ID:nS2ftXLr0
もともと大嫌いだった
あんなのが何故に持て囃されているのか本気で理解する事が出来なかった
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 15:33:04.66 ID:L/xIvCnz0
容姿が整っていて能力がオサレなら過去にどれ程の前科があろうとも馬鹿が勝手に持ち上げてくれる
結構な事だ
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 19:02:45.26 ID:lJ2LgFMt0
sagaの人とか元々一方嫌いなのに一方SSわりと読んでいるのが不思議だった
ほとんど苦行では…
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/11(月) 22:38:33.77 ID:MiiBQG/n0
>>316
一方通行がなんとなく好き、程度のファンは「お前も加害者」に引いてたな
「一方さん、さすがにそれは無いよ・・・」的なリアクション多かった
「一方さんは過去にやらかしちゃったけど、今は反省して学園都市に対抗してる」とまあ表面的な部分で信じてた層だな

ガチの一方信者は「ホラ見ろ! 一方さんが謝る必要なんて無かったんダ!! 御坂も加害者ァ!!!」とどっかの半島人レベルの地金を晒してたが
御坂の「償うのは当たり前」「お前にだけは言われたくない」という冷めた対応は見えない振りする部分も含めてな
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/12(火) 14:41:14.89 ID:8psezfiZ0
一方厨って上条さんへのコンプ半端ないよな
そんなに羨ましいのかね
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/12(火) 15:41:59.44 ID:Jpi0EBuQ0
当然羨ましいんだろう
あと美琴もね
妹達編で単なる悪役として消費された屈辱(笑)がキャラの前提にあるから、常に歪んだ劣等感を根底に持ってる
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/12(火) 18:00:11.79 ID:8psezfiZ0
>>322
例の実験で一番悪いのは一方さんではなく美琴!一方さんは上条よりもモテモテで人気者!こういう思考の奴ばっかりだから本気で辟易
指摘すると猛発狂するし
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/12(火) 21:32:20.43 ID:3z9xkyMDO
そんな読解力皆無のキチガイは流石に見たことないわ
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/13(水) 10:48:12.84 ID:jJo294W+0
悲しい事に一方通行の信者はそんな基地外ばっかりだぞ
だから周りはさんざん迷惑な思いをさせられて来たんじゃないか
二次SSの設定をソースに一方マンセーをしている連中しかいないから話が通じない
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/13(水) 20:22:26.36 ID:m0kMYITMO
そんな奴らももういなくなったんだがな…
居なくなったら寂しい…
なんてことは無いわ普通に嬉しいわ
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/13(水) 20:25:57.30 ID:XpTrqFBT0
>>324
一方SS書いてる奴&読んでる奴にはわんさかいるんだよなあ、そいうの
嘘だと思うなら過去ログから漁ってみ?
さすがにスレタイまでは思い出せんが、探せば割とすぐ見つかると思うよ
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/13(水) 22:04:53.77 ID:nxIxcZd60
今は一方厨どころか禁書ファンすらあんまり見ないし今現在の一方厨がどうこう言ってる人はもう一方厨愛好家とかの域だわ
不快なものをわざわざ探し出してスレで教えてくれるとかむしろ尊敬する
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/14(木) 00:43:33.72 ID:9YxcPJnq0
糞一方厨共の黒歴史を穿り返してやってるだけだ
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/11/14(木) 00:53:44.78 ID:r25MReqI0
不快のお裾分けとかしなくていいから…(良心)
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