【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―7―

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143 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:41:13.49 ID:+9HC/zcb0
サクラ「エリーゼさんもレオンさんも中央の援護に向かわれます。私もそれに付いて行ってしまったら、ここで戦う人たちを手当てできる人がいなくなります。それは絶対に避けるべきです。だから……、私はここに残ります」

レオン「……わかった。サクラ王女、ここを任せたよ」

サクラ「レオンさん……、はい、一生懸命頑張ります!」

リンカ「なら、サクラも動き回れる方がいいはずだ。あたしの後ろに乗りな」

サクラ「え、いいんですか?」

リンカ「ああ、その方が柔軟に対応できるだろ? 上から状況を見つつ、サクラを負傷者の元に運んで手当するって感じでさ」

サクラ「ありがとうございます、リンカさん。すみませんが、お願いします。それじゃレオンさん、行ってきます」

レオン「気を付けて」

 バサバサッ

エリーゼ「やっぱり、サクラってすごいね」

レオン「本当にね。僕らも負けていられないよ」

エリーゼ「うん!」

新生暗夜軍ダークナイト「レオン様、後方から迫るノスフェラトゥの軍勢ですが、家屋を破壊しながら進み続けているようです」

レオン「お前達には奴らの足止めと誘導を頼みたい。できるか?」

新生暗夜軍ダークナイト「わかりました。二部隊ほど、戦力をお借りしますがよろしいですか?」

レオン「ああ、出来る限りでいい後方からの脅威を遠ざけるんだ」

新生暗夜軍ダークナイト「はっ!」パカラパカラッ

レオン「残りの者たちは僕に続け――」

「兄さんたちを助けに行くよ」
144 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/04/13(月) 21:46:32.80 ID:+9HC/zcb0
今日はここまで

 マクベスと共に戦う兵士たちも勝利を信じる様に、カムイもまた勝利のために仲間を信じ続ける。


 FEHに念願のリリスが来て、すぐにピエリと支援を結ばせました。
 宿屋の中をビュンビュンと飛び回ってて可愛い。

 そして、まさかのマクベスまで実装されるという、最高の出来事が重なって幸せだ。
 
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/15(水) 18:46:53.74 ID:pdKcYWPDO

fehいろいろおめでとう
146 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:06:07.03 ID:YwcXU6C50
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷入り口の村『中央区域』―

旧暗夜軍ソーサラーA「敵、こちらの攻撃を退けたようです」

マクベス「さすがに防戦では耐え抜けないと判断しましたか。他の部隊は?」

旧暗夜軍ソーサラーA「はっ、西部の部隊は中央の弓砲台近辺へ撤退を終えました。部隊の再編が終了次第攻撃に加われるでしょう。ボウナイト隊は敵先発隊への攻撃を切り上げ、敵本隊への攻撃に向かっていると」

マクベス「敵の動きは?」

旧暗夜軍ソーサラーA「東部にて待機していた敵部隊が隊を分けたようです。そのうち一つが中央の援護に向かっていると」

マクベス「ふむ、東の敵戦力が全て中央へと合流してくれれば包囲殲滅も出来ましたが、まぁいいでしょう」

 ザッ

マクベス「どちらにせよ、この機を逃しはしません。三カ所同時に仕掛けることとしましょう。あなたは西方面をボウナイト部隊と連携を取りつつ攻撃しなさい」

旧暗夜軍ソーサラーA「はっ」

マクベス「私たちが中央に進撃します。それを見て、残りの部隊は東方面への攻撃を開始するように。敵の目がこちらに向いている内に敵戦線に肉薄し端から切り取ってやりなさい」

旧暗夜軍ソーサラーB「お任せください、マクベス様」

マクベス「では、行動を開始しなさい」

 オーーーーーッ!
147 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:36:45.86 ID:YwcXU6C50
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  ドドドドドドッ

新生暗夜軍パラディンA「敵増援、展開していきます」

マークス「敵は魔法戦力が中心だ、距離を取りつつ隙を突いて攻撃せよ。レオンたちが到着するまでの辛抱だ」

新生暗夜軍パラディンA「わかりました、マークス様。各自、敵の動きを見極めろ、下手に動けば命は無いぞ、わかったか!」

新生暗夜軍兵士「はっ!」

マークス「突破を図ろうとする敵を出来る限り喰い止める、行くぞ!」

新生暗夜軍パラディンB「はっ! マークス様に続け!」

 オーーーーーッ!
  ドドドドドドドッ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カムイ「はっ! てやああっ!!!」ザンッ!

旧暗夜軍兵士「ぐあああっ」ドササッ

旧暗夜軍兵士「ひるむな! すでに援軍は到着している! このまま一気に押し潰せ!!!」

カムイ「はぁはぁ……」

カムイ(くっ、敵の士気が下がる気配はありません。むしろ、援軍の到着が彼らを奮い立たせている)

旧暗夜軍兵士「そこだ!」チャキッ ブンッ!

 ザシュッ

カムイ「っ!」ポタタッ

旧暗夜軍兵士「もらった!」チャキッ ブンッ

 ガキィンッ!
148 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:47:33.97 ID:YwcXU6C50
旧暗夜軍兵士「なっ!?」

アクア「そこまでよ」グッ ブンッ

 ドゴンッ

旧暗夜軍兵士「がっ!!! この――」グッ

アクア「!」

フェリシア「ええい!!」チャキッ シュパッ!

 ザシュッ

旧暗夜軍兵士「かはっ……」ドササッ

アクア「ありがとう、フェリシア」

フェリシア「いいえ、そんなお礼なんていいですよ。カムイ様、すぐに治療しますね。それっ!」シャランッ

カムイ「ふぅ、ありがとうございます、フェリシアさん。それにアクアさんも、おかげで助かりました」

アクア「気にしないで。それよりも敵の士気が上がっているわ。さっきよりも勢いを増しているみたい」

カムイ「ここで戦う人たちはマクベスさんのことを信頼しているようですから」

フェリシア「それに、こっちよりも兵の数は多いです。このままじゃ、飲み込まれちゃいますよぉ」

アクア「最初は五分五分と思っていたけれど、今の状況は向こうに分があるわね」

カムイ「ええ、マクベスさんが陣地をすぐに放棄できたのも、こうして攻勢を掛けるためだったのでしょう」

カムイ(こちらが部隊を三つに分けることもすでに織り込んでいたのでしょう。どう戦況が動いても大丈夫なように策を巡らせていたはずです)

カムイ「思った以上に強いですね、マクベスさんは」

アクア「ええ、本当にね。マークスは敵の援軍に攻撃を仕掛けるみたい。レオン達がこちらに向かっているから、到着までの間を繋ごうとしているようね」

カムイ「魔法部隊に距離を詰められれば、戦線は崩壊してしまいますからね。私たちは向かってくる敵の迎撃を続けましょう、レオンさん達が到着するまでの辛抱です」

フェリシア「わかりました。カムイ様」

アクア「右翼側も大丈夫だといいのだけど」

カムイ「大丈夫です、あそこにはブノワさんとフローラさんがいますし、抜けられる敵もそう多くは無いはずですから」

カムイ(きっと、大丈夫……)
149 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:50:14.78 ID:YwcXU6C50
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新生暗夜軍ジェネラルB「新たな敵を確認!」

フローラ「敵の増援が来たみたいね……。ブノワ、あなたは下がって」

ブノワ「しかし……」

フローラ「敵は魔法を中心としているわ。流石のあなたでもあれを耐えきるのは困難よ」

ブノワ「だが、それではフローラが……」

フローラ「そういう方面の攻撃には耐えられるつもりよ。それに遠距離ならそれだけで私に分があるわ」

ブノワ「……わかった。だが、危険だと判断したらすぐにサポートする」

フローラ「ええ、お願い」チャキッ

 ドドドドドドッ!

旧暗夜軍兵士「現状、ここまで来れたのは我々だけの様です」

旧暗夜軍ソーサラーB「上出来です。さすがにすべてを止めることは、かのマークス王子でも不可能というもの。このまま、敵戦線を端から刈り取っていくとしましょう。行きますよ!」

旧暗夜軍兵士「はっ! 掛かれ!!!」

旧暗夜軍兵士たち『おーーーっ!』

 タタタタタッ

フローラ「どうにかして敵の足を止めてください」

新生暗夜軍ジェネラルB「はっ! 各自攻撃を開始せよ!」

新生暗夜軍兵士「はい! これでもくらえ!!!」ググッ ブンッ

新生暗夜軍弓兵「我々も援護に入ります!」

フローラ「助かります」

フローラ(これで少しは数を減らせる。あとは奴らの魔法に注意さえすれば……)
150 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:55:04.89 ID:YwcXU6C50
旧暗夜軍ソーサラーB「火力は落ちますが、まずは手始めに攻撃と行きましょう。一斉攻撃!」バッ

フローラ「攻撃が来ます、備えて!」

新生暗夜軍ジェネラルB「くっ!」ググッ

旧暗夜軍ソーサラーB「ライナロック!」シュオンッ

 ドゴンッ‼‼‼

フローラ「っ‼‼‼」グググッ

フローラ(さすがの威力です。ですが……)スッ

 シュオンッ

旧暗夜軍魔法兵「よし、あともう一撃で――!」

 ドクンッ!

旧暗夜軍魔法兵「がっ!!! ううっ、ぐ、ぐる、くるしい……」

旧暗夜軍魔法兵「ど、どうした!?」

旧暗夜軍魔法兵「さ、寒い、なんで、こんな――」

フローラ「そこ!」チャキッ ブンッ

 ザシュッ!

旧暗夜軍魔法兵「かはっ………」ドササッ!

旧暗夜軍魔法兵「こ、これは……」

旧暗夜軍ソーサラーB「落ち着きなさい。見たところ、魔法反射の施しではありません。おそらく、何かしらの呪いを駆使する者がいるのでしょう。ですが、この程度の呪いなど恐れることはありません」

旧暗夜軍ソーサラーB(この呪いはとても強力なようですが、そんな相手に怯える必要がどこにもない。このまま、物量で押し切ってしまえばいいだけなのですから)

旧暗夜軍ソーサラーB「さて、次の手は果たして耐えられるか、見せてもらうとしましょう」
151 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:57:26.28 ID:YwcXU6C50
新生暗夜軍ジェネラルB「攻撃の手を休めるな、攻撃し続けるんだ!」

新生暗夜軍弓兵「はっ、攻撃開始!」

 ヒュンヒュンッ!

旧暗夜軍ソーサラーB「白兵部隊は正面へ攻撃を、奴らの注意を逸らすのです」

旧暗夜軍兵士「はっ!」タタタタッ!

新生暗夜軍ジェネラルB「くっ、近接戦も仕掛けるつもりか」

フローラ「向かってくるのなら相手をするまでです」グッ

旧暗夜軍兵士「へっ、そんなてめえから、始末してや――」

フローラ「はあああっ」チャキッ ズシャシャッ!‼

旧暗夜軍兵士「ぐえっ……」ドササッ

フローラ「まずは一人、次!」チャキッ

旧暗夜軍兵士「くらえ!」ブンッ

フローラ「ふんっ!」ガキィンッ

旧暗夜軍兵士「くそっ、固い!」サッ

フローラ「逃がしませんよ」ググッ

旧暗夜軍兵士「この構え!? 盾で吹き飛ばす気か!?」

フローラ「はああっ!」ダッ

 ドゴンッ

旧暗夜軍兵士「ぐへぁ!」ドサッ ゴロゴロンッ……

ブノワ「しかし、すごい勢いで飛んでいった…」

フローラ「はぁはぁ、貧弱な方ですね。この程度、全員返り討ちにして差し上げましょう」チャキッ
152 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/10(日) 23:59:55.20 ID:YwcXU6C50
フローラ(このまま耐え抜ければ……)

旧暗夜軍兵士「はああっ!」ブンッ

新生暗夜軍ジェネラルB「ふっ、その程度の攻撃!」チャキッ

旧暗夜軍兵士「おっと!」ササッ

新生暗夜軍ジェネラルB「ちっ、ちょこまかと」

旧暗夜軍弓兵「おら、後方ががら空きだ!」チャキッ パシュッ!

新生暗夜軍弓兵「がっ、くそ!」チャキッ パシュッ

フローラ(敵は一箇所に攻撃が集中しているけど、この攻撃の規模なら受け切れる。だけど、そこに敵魔法部隊の援護がないのはなぜ?)

フローラ「魔法部隊は?」

フローラ(さっきと変わらない。攻撃の準備をしてゆっくり前進してきている。だけど、多くの場所がこちらからの攻撃にさらされて攻勢に出られていない。敵の攻勢は弱まっている……)

フローラ「この攻勢部隊を抑え込めれば、ここは守り切れ――」

ブノワ「フローラ、まずい!」

フローラ「え?」

ブノワ「敵白兵部隊の後方だ…」

フローラ「後方?」

旧暗夜軍魔法兵部隊「……」

フローラ「魔法部隊!」
153 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/11(月) 00:04:19.73 ID:itidMmvi0
旧暗夜軍兵士「白兵部隊の損耗がこれ以上無視できないところまで来ています」

旧暗夜軍ソーサラーB「ええ、ですがもう大丈夫です。さぁ、報いる時が来ましたよ。皆さん、攻撃の準備は整っていますね?」

旧暗夜軍魔法兵「はい」

旧暗夜軍ソーサラーB「よし、敵戦列に攻撃を仕掛けている兵に射線確保の合図を出しなさい」

旧暗夜軍兵士「はっ! 合図を出します」チャキッ パシュンッ

 ヒュィィィィンッ!

フローラ「この音は……」

新生暗夜軍ジェネラルB「な、なんだ!?」

旧暗夜軍兵士「ようやくか! おらっ!!!」ドゴンッ

新生暗夜軍ジェネラルB「はっ、その様な攻撃が何度来ようとも意味など――」

旧暗夜軍兵士「全員射線を通せ!!! 消耗してるいい的を教えてやるんだ!」

 タタタタタタッ!

フローラ「!!」

新生暗夜軍ジェネラルB「こ、これは……」

旧暗夜軍兵士「視界開けます!」

旧暗夜軍ソーサラーB「ふっ、とても狙いやすい的が揃いましたねぇ」

旧暗夜軍兵士「射線通りました」

旧暗夜軍ソーサラーB「さぁ、マクベス様に立て付く愚かな敵を蹴散らすのです!」

新生暗夜軍ジェネラルB「か、各員、防御し――」

旧暗夜軍ソーサラーB「ライナロック!!!」シュオンッ!

フローラ「!!!!」

ブノワ「!!!」ダッ

 シュオンッ
  ドゴオオオオオオォォォン!‼‼‼
154 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/11(月) 00:09:21.70 ID:itidMmvi0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

カムイ「な、なんですか、この音は!?」

アクア「右翼最奥の方からよ」

カムイ「ブノワさんとフローラさんがいる所じゃないですか!?」

フェリシア「そ、そんな……」

カムイ「っ、すぐ援護に――」

新生暗夜軍兵士「正面、敵魔法部隊、接近して来ます。さらに西方向からも来ます!」

 タタタタタタッ

旧暗夜軍ボウナイトA「どうやらうまくタイミングを合わせられたようだ」

旧暗夜軍ソーサラーA「よし、西部の部隊と合流できたようだな。このまま敵陣を叩く! 全員進め!」

 ウオオオオオオオーーーーッ!

カムイ「っ、こんな時に!!!」チャキッ

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

新生暗夜軍パラディンA「右翼最奥が攻撃を受けたようです、被害の状況はわかりませんが、かなりの被害が予想されます」

マークス「くっ」

マークス(中央と西側に注意を逸らしつつ、隙を突いたということか。くそっ!)

マークス「お前たちは攻撃された箇所へ援護に向かえ。攻撃を加えた者たちを背後から強襲せよ。私はここに残り指揮を続ける」

新生暗夜軍パラディンA「わかりました。援護に向かう、行くぞ!」

 パカラパカラッ

マークス「……む?」

 ジャリッ シュオンッ

マークス「!」サッ

 バシュンッ

マークス(魔法攻撃か……)

???「おやおや、避けられてしまいましたか。次期王の肩書はお飾りではないようですね、マークス王子」

マークス「貴様も父上の下で動いていただけはあるようだな。マクベス」

マクベス「ふっ、お褒めの言葉と受け取っておきましょう。こうして戦うのはいつ以来のことでしょうか?」

マークス「テンジン砦以来だろうか。だが、あの時とは違うぞ」チャキッ

マクベス「それはこちらの台詞です。ですが、あの時に比べれば優しいものですねよ、なにせ……」

 シュオンッ パラパラッ

マクベス「直撃を受ければ、痛み無く死ぬことが出来るのですから。これは最大級の慈悲と思っていただきたいくらいですよ」

マークス「ふっ、ならばその慈悲が私に通じるか試してみるといい」チャキッ

マクベス「いいでしょう、私もあなたがガロン王様の後を継ぐのにふさわしかったのかどうか――」

「試させていただきましょう、マークス王子」ニヤッ
155 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/05/11(月) 00:09:56.28 ID:itidMmvi0
今日はここまで
156 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:22:26.00 ID:Ud7W8enI0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・新生暗夜軍戦線右側』―

フローラ「……」

ブノワ「フローラ、大丈夫か!?」

フローラ「………うっ、ううっ……ブノワ?」

ブノワ「ほっ、無事でよかった……」

フローラ「ええ……! ブノワ、その傷は」

ブノワ「大丈夫だ、大したことは無い……。攻撃が俺たちに直撃したわけではないからな……」

フローラ「駄目よ、すぐに治療するわ」

ブノワ「……すまない」

フローラ「いいえ、私の方こそごめんなさい。敵の動きに気づけていれば……」

フローラ(そう、気づけていれば、きっと……)

 ウウッ……
 ダレカ……テヲカシテクレ…
 
フローラ(こんな被害が出る事なんてなかった……)

フローラ「………」
157 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:31:50.02 ID:Ud7W8enI0
ブノワ「フローラ、大丈夫だ……」

フローラ「だめよ、まだ治療は済んで――」

ブノワ「違う、俺のことじゃない。フローラのことだ」

フローラ「私のこと?」

ブノワ「ああ、この被害はお前の所為じゃない。俺も敵の狙いに気づけなかったし、ここにいる全員も気づいていなかった……」

フローラ「……」

ブノワ「だから、その、なんだ……」

フローラ「大丈夫、言いたいことはわかるわ。ありがとうブノワ、気遣ってくれて」

ブノワ「う、うむ……」

フローラ「なら、さっさとこの状況をどうにかしないといけないわ。はい、これでいけるわよね?」ポンポン

ブノワ「ああ、問題ない。それでどうする……」

フローラ「空いた穴を塞いで、次の攻撃に備えないと。あれほどの魔法を次々に繰り出せるほど敵も余裕があるとも思えないわ。まずは負傷者を下げて陣形を再構築しないと……」

フローラ(だけど、敵の突撃部隊はすぐにでも再侵攻してくるはず。このわずかな間に負傷者を下げる方法なんて……)

ブノワ「フローラ、負傷者のことなんだが……」

フローラ「ええ、仕方ないけれど下げられるだけになってしまうわね……」

ブノワ「いや、一つだけ考えた手があるのだが……」

フローラ「とりあえず説明して、今はどんな手でも使えるなら使わないといけないから」

ブノワ「ああ、わかった。その手だが――」
158 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:37:41.22 ID:Ud7W8enI0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍ソーサラーB「ふむ、攻撃を収束させすぎましたか」

旧暗夜軍兵士「ですが、敵の隊列には穴が開いています。突入部隊は指示があり次第、攻撃に移れます」

旧暗夜軍ソーサラーB「よろしい。再攻撃に入るように指示を出しなさい」

旧暗夜軍ソーラサーB(しかし、思ったよりも混乱はありませんか。流石に敵の練度も筋金入りでしょう。ですが、これほどに穴だらけになった陣形を維持することは困難、もうこちらの勝利は確実でしょう)

 ガシャンガシャンッ

旧暗夜軍兵士「敵に動きあり!」

旧暗夜軍ソーサラーB「この期に及んでまた陣を組み直すつもりですか。さて、穴だらけの陣をどう埋めるつもりでしょうか?」

旧暗夜軍兵士「それが、敵は前進しています!」

旧暗夜軍ソーサラーB「前進!?」



新生暗夜軍ジェネラルB「突撃してくる者たちの攻撃を恐れることは無い! 前進し陣を再構築するんだ」

新生暗夜軍兵士「側面、弓兵隊で固めました」

新生暗夜軍ジェネラルB「よし、弓兵隊は側面から迫る敵の迎撃に努めよ。手の空いている者はこの内に負傷者を後方へ下げるのだ」

新生暗夜軍兵士「はっ!」タタタタッ

フローラ「一時的に前進して負傷者を後方へ下げるための陣を作るっていう案だけど、うまく行きそうね」

ブノワ「ああ、よかった。だが、その分、敵の攻撃は激しくなる……」

フローラ「それは覚悟の内よ。少なくとも、これで穴は埋められたわ」

フローラ(あとは耐えるだけよ)
159 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:41:28.75 ID:Ud7W8enI0
旧暗夜軍ソーサラーB「敵は前進しつつ被害範囲から負傷者の退避を行うつもりですか」

旧暗夜軍兵士「どうしますか?」

旧暗夜軍ソーサラーB「敵は負傷者の退避が終わり次第、防御を密にするはずです。そうなれば……」

旧暗夜軍ソーサラーB(すでに突撃部隊の過半数を失い、こちらの攻撃魔法の手は見せてしまいました。次からこちらへの妨害は激しくなるはずです。そして、敵にもう一度強固な陣形を作り上げられてしまえば、この戦力で崩しきることは不可能でしょう)

旧暗夜軍ソーサラーB「私たちも覚悟を決めなくてはいけないようですね」スッ

旧暗夜軍ソーサラーB(こちらの攻撃は戦場全体に響いています。敵は間違いなく援軍を向かわせているはず。ならば、それが来るよりも前に……)

旧暗夜軍ソーサラーB「前方の敵陣に全員で攻撃を仕掛けます」

旧暗夜軍兵士「はっ! 各員、白兵戦闘準備」

旧暗夜軍ソーサラーB「進軍するのです!」

 オーーーーーーッ!‼‼
  ドドドドドドドッ

新生暗夜軍兵士「後方の敵魔法部隊、前進を開始!」

フローラ「さすがにこちらの狙いを読んできましたね」

ブノワ「ああ、だがやるべきことは変わらない…」

フローラ「ええ、迎撃するだけよ。負傷者の退避状況は?」

新生暗夜軍兵士「現在全体の四割ほどが後方に下がりました」

フローラ「わかりました。引き続き退避作業を続けてください」

新生暗夜軍兵士「はっ!」

新生暗夜軍ジェネラルB「残りの者たちは接近してくる敵に注意しつつ、後方から迫る魔法部隊に攻撃を集中するのだ」

一同『はっ!』
160 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:45:03.32 ID:Ud7W8enI0
旧暗夜軍ソーサラーB「っ、前進しつつ被害範囲から負傷者の退避を行うつもりですか」

旧暗夜軍兵士「どうしますか?」

旧暗夜軍ソーサラーB「敵は負傷者の退避が終わり次第、防御を密にするはずです。そうなれば……」

旧暗夜軍ソーサラーB(すでに突撃部隊の過半数を失い、こちらの攻撃魔法の手は見せてしまいました。次からこちらへの妨害は激しくなるはずです。そして、敵にもう一度強固な陣形を作り上げられてしまえば、この戦力で崩しきることは不可能でしょう)

旧暗夜軍ソーサラーB「私たちも覚悟を決めなくてはいけないようですね」スッ

旧暗夜軍ソーサラーB(こちらの攻撃は戦場全体に響いています。敵は間違いなく援軍を向かわせているはず。ならば、それが来るよりも前に……)

旧暗夜軍ソーサラーB「前方の敵陣に全員で攻撃を仕掛けます」

旧暗夜軍兵士「はっ! 各員、白兵戦闘準備」

旧暗夜軍ソーサラーB「進軍するのです!」

 オーーーーーーッ!‼‼
  ドドドドドドドッ

新生暗夜軍兵士「後方の敵魔法部隊、前進を開始!」

フローラ「さすがにこちらの狙いを読んできましたね」

ブノワ「ああ、だがやるべきことは変わらない…」

フローラ「ええ、迎撃するだけよ。負傷者の退避状況は?」

新生暗夜軍兵士「現在全体の四割ほどが後方に下がりました」

フローラ「わかりました。引き続き退避作業を続けてください」

新生暗夜軍兵士「はっ!」

新生暗夜軍ジェネラルB「残りの者たちは接近してくる敵に注意しつつ、後方から迫る魔法部隊に攻撃を集中するのだ」

一同『はっ!』
161 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:47:53.32 ID:Ud7W8enI0
旧暗夜軍ソーサラーB「……この距離、先制させていただきましょう、ギンヌンガガプ!」シュオンッ

新生暗夜軍兵士「ぎゃあああっ!!!」ドサッ

新生暗夜軍ジェネラルB「ちっ、魔法部隊がもう来たか」

フローラ「だけど、敵の射程はこちらの射程でもあるわ」

フローラ(注意深く見ていれば……)

旧暗夜軍魔法兵「……」スッ

フローラ「そこ!」チャキッ ブンッ

 ザシュリッ

旧暗夜軍魔法兵「がっ……」ドササッ

ブノワ「すごい……む!」グッ カキィンッ

旧暗夜軍兵士「くそっ、もう一度――」

ブノワ「はああああっ!!!」ググッ ブンッ

 ドゴンッ‼‼‼

旧暗夜軍兵士「ぐえっ!」ドサッ ドサササッ……

フローラ「その調子でお願いね」

ブノワ「ああ、善処する……」

新生暗夜軍兵士「負傷者の退避、全体の七割終わりました」

フローラ(あと少し……)

新生暗夜軍兵士「敵の魔法攻撃が来ます!」

新生暗夜軍ジェネラルB「近くの者と連携を取り、何としても耐え抜け!」

ブノワ「フローラ支える!」

フローラ「お願い!」ザッ
162 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:52:16.58 ID:Ud7W8enI0
旧暗夜軍魔法兵「くらえ!!!」シュオンッ ボッ

旧暗夜軍ソーサラーB「はあああっ!」シュオンッ

 ドゴンッ‼‼‼

フローラ「っ!」バシュンッ!

ブノワ「ぐっ、そこだ!」チャキッ ブンッ

 ヒューンッ ズシャリッ!‼‼

旧暗夜軍魔法兵「ぐっ、くそぉ……」ドササッ

旧暗夜軍兵士「敵に耐え切られました。どうしますか」

旧暗夜軍ソーサラーB「このまま敵陣に肉薄し、陣を……ううっ」

 ポタタタッ

旧暗夜軍兵士「た、隊長、その傷は……」

旧暗夜軍ソーサラーB「ふっ、例の呪いです。実際貰ってみるとこれは強力だ。ですが、こうして生き残れましたからね、元が誰なのかはわかりました」ポタタタタッ

旧暗夜軍兵士「すぐに治療を……」

旧暗夜軍ソーサラーB「薬など持っていませんよ。それに、この場には傷を癒せる者もいません」

旧暗夜軍ソーサラーB(そして、この傷では動き続けることも難しくなる。弓砲台まで退避することは難しいでしょう。ならば、最後に一矢でも報いてみせるまで……)

旧暗夜軍ソーサラーB「まだ、こちらの戦力は残っています。このまま、敵陣に肉薄し崩しきる事は可能です。そこに賭けなくては、戦うことを許して下さったマクベス様に失礼というもの、あの方を裏切るわけにはいきません」

旧暗夜軍兵士「わかりました。私も共に戦いましょう」

旧暗夜軍ソーサラーB「ええ、お願いします。攻撃を継続、さらに接近し敵に集中攻撃するのです!」

163 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:55:39.07 ID:Ud7W8enI0
新生暗夜軍ジェネラルB「ちっ、敵の勢いは止まらないか」

ブノワ「向こうもここを落とすことに賭けている……。退くことは無いということか……」

フローラ「それはこちらも同じよ。ここを崩させるつもりはないわ」チャキッ

新生暗夜軍兵士「負傷者の退避が完了しました!」

フローラ(負傷者の退避は無事に済んだようですね。ですが、死にもの狂いで崩しに来る以上、陣形を動かすことは出来ない)

新生暗夜軍ジェネラルB「上出来だ。あとはこの敵の攻撃を受け止めるだけだ! 各自、最後の踏ん張りだ、根性を見せろ!」

 オーーー!‼‼

 ドドドドドドドッ

新生暗夜軍兵士「敵、横一列に展開しつつ接近!」

ブノワ「面で攻めてくるつもりのようだ……」

フローラ「ええ、勝負ね」チャキッ

 タタタタタッ

旧暗夜軍ソーサラーB「あの兵士ですか、見つけましたよ」スッ

フローラ「そこ!」ググッ

旧暗夜軍ソーサラーB(この距離、敵の攻撃は止められません。ですが、それはこちらも同じこと!)シュオオオオンッ

フローラ「はああっ!!!」ブンッ

旧暗夜軍ソーサラーB「くらえ、ギンヌンガガプ!!!!」シュオオオンッ

 ヒューーンッ!‼ ザシュンッ
  ゴゴゴゴッ ドゴンッ‼‼‼

フローラ「きゃああああっ!!!」バチンッ ガシャシャンッ

旧暗夜軍ソーサラーB「………ぐっ」

旧暗夜軍ソーサラーB(奴の攻撃は喰らいましたが、まだ大丈夫。どうにか奴を仕留められた。私の――)

 ビシャアアッ……ビチャッ……
164 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 14:57:26.16 ID:Ud7W8enI0
旧暗夜軍ソーサラーB「こふっ……」ビチャッ……

旧暗夜軍ソーサラーB(ああ、呪いの感触が体に広がっている……。どうやら仕留め損ねてしまったよう…です…。マクベス様……)

旧暗夜軍ソーサラーB「」ドサリッ

フローラ「っ、はぁ、はぁ……ううっ……」

ブノワ「フローラ!」

フローラ「ブノワ……」

ブノワ「はやく、俺の後ろに!」

旧暗夜軍兵士「逃がすか!」ダッ!

ブノワ「っ、うおおおおおっ!!!!」グッ ブンッ!!!

旧暗夜軍兵士「!」サッ

ブノワ「!」

ブノワ(しまった!)

フローラ「っ」ガシャンッ

旧暗夜軍兵士「隊長の仇、死ねえええ!!!!」グッ バッ

フローラ「!!!」




???「ライナロック! いっけええええ!」シュオンッ ボオオオッ

 ドゴォンッ!‼‼

旧暗夜軍兵士「がはっ!!!」ドササッ

フローラ「え……。私、生きて……」

エリーゼ「何とか間に合ったみたいだね」パカラパカラッ
165 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 15:02:07.27 ID:Ud7W8enI0
ブノワ「……エリーゼ王女」

フローラ「エリーゼ様……」

エリーゼ「もう大丈夫だから。よぉし、みんなで敵を追い返しちゃえ!」

新生暗夜軍ダークナイトA「はっ、敵をここから一掃する。脅威を取り除くのだ!」

 ドドドドドドドドッ

フローラ「はぁはぁ……、エリーゼ様。ありがとうございます、おかげで助かりました」

エリーゼ「ううん、こっちこそごめんね。来るのが遅くなっちゃって」

フローラ「いいえ、そんなことはありません。現に私はこうして生きているのですから」

ブノワ「フローラ、肩を貸そう」

フローラ「ありがとう……、っ、中々体に響くわね。鎧が重たいわ」

ブノワ「そうだな。今日はいつも以上にそう感じるかもしれない……」

フローラ「今日だけにしてもらいたいわ。エリーゼ様、今の状況はどうなっていますか?」

エリーゼ「えっとね、左側が一番攻撃を受けてるから、そっちの援護にレオンおにいちゃんが向かってる。こっちにはあたしが行くことになったの。間に合ってよかった」

ブノワ「む、敵が退いて行く……」

フローラ「どうしたのかしら?」

エリーゼ「あ、あれ見て!」

 ドドドドドドッ

ブノワ「あれはパラディンか……」

フローラ「応援を送ってくれたのね。中央も大変だというのに……」

新生暗夜軍ダークナイトA「エリーゼ王女。中央からのパラディン部隊合流もあり、ここ一帯の敵は撤退を開始しました。これより、陣の再編成を行います」

エリーゼ「うん、お願い」

新生暗夜軍ダークナイトA「はっ!」パカラパカラッ

エリーゼ(あとは反対側を立て直せれば、きっと大丈夫……)

エリーゼ「マークスおにいちゃん、カムイおねえちゃん。信じてるからからね」
166 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 15:05:21.72 ID:Ud7W8enI0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・新生暗夜軍戦線左側』―

旧暗夜軍ボウナイトA「そこだ!」シュパッ

新生暗夜軍兵士「ひっ!」グッ

カムイ「はあああっ!」チャキッ カキィンッ

 カランカランッ……

旧暗夜軍ボウナイトA「ちっ」パカラパカラッ

フェリシア「逃がしませんよぉ。これで――」チャキッ

旧暗夜軍ソーサラーA「させはしません。はああっ!」シュオンッ! バシュッ!

アクア「フェリシア、伏せなさい」

フェリシア「は、はい!」サッ

旧暗夜軍ソーサラーA「うまく避けましたか、ですが今はこれでいいでしょう」

旧暗夜軍ボウナイトA「助かった、乗れ」

旧暗夜軍ソーサラーA「助かります。っと」ボフンッ

 パカラパカラッ

アクア「っ、逃げられたわね」

カムイ「フェリシアさん、大丈夫ですか?」

フェイシア「は、はい。アクア様のおかげで助かりましたぁ」

アクア「気にしないで。それにしても、予想以上に敵の攻撃が激しいわね」

カムイ「ええ……」

カムイ(フローラさんたちが守っている反対側の状況が気になりますが、今はここを守ることに集中しないといけません。ですが……)

カムイ「敵はなかなか尻尾を掴ませてはくれませんね」

アクア「ええ、攻撃したらすぐに距離を取られる。このサイクルを続けられたら、こちらが不利になっていくばかりよ」

カムイ「ですが、相手の機動力の高さの前では前に出る事も叶いません。攻勢に出るにはこちらの戦力では追いつく間もなく包囲殲滅されるだけですから」

カムイ(歩兵中心のこちらとは違い、向こうは騎馬を用いた機動戦を主体、真正面から攻勢に出ても勝ち目はありません)

アクア「援軍と到着を待つしかないということね」

カムイ「はい、でもその時はもうそこまで近づいているはずです。だから、もうひと頑張りです」

フェリシア「わ、わかりましたぁ」

カムイ(きっと、それはすぐそこまで来てくれているはずですから)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 パカラパカラッ

新生暗夜軍ダークナイトB「敵、左翼と中央部に確認。最も戦力が集中しているのは左翼部の様です」

レオン「右翼への攻撃から察していたけれど、端から陣を削り切るのが狙いか」

新生暗夜軍ダークナイトB「中央部ではマークス様、左翼部ではカムイ様がそれぞれ奮戦されているようです。如何します?」

レオン(西砲台の敵守備隊が侵攻に合流していると考えれば、今一番敵戦力が多いのは左翼部に違いない。中央部はこちらの騎馬戦力がまだ残っているから、まだ持ち堪えられるはずだ)

レオン「まずは左翼部の敵を片付ける。各自、すぐにでも攻撃に移れるように準備、左翼に向け前進――」

「カムイ姉さんの援護に向かう!」
167 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/06/07(日) 15:06:50.99 ID:Ud7W8enI0
今日はここまで

 途中同じものの連投もうしわけない。
 レオンはなんだかんだでカムイを優先して助けに行くと思う。
168 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:06:35.28 ID:TzD1n5DC0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・新生暗夜戦線左側』―

新生暗夜軍ジェネラルD「敵の第二波が来ます!」

カムイ「負傷した方々の退避を優先、ジェネラル隊の皆さんは弓の攻撃への対処を」

新生暗夜軍ジェネラルD「わかりました。弓兵隊、攻撃隊は我々を盾にして待機せよ!」

カムイ(先手ボウナイトへの対処はこれで大丈夫です。問題はソーサラーを主力とした魔法部隊の攻撃ですね)

 タタタタタタッ

アクア「カムイ、みんながジェネラルの陰に入ったわ」

フェリシア「負傷した方々の退避も終わりました」

カムイ「わかりました。さて、ここからどうしましょうか」

アクア「ボウナイトの攻撃はなんとかなるけれど、ソーサラーの魔法は脅威よ。一点に攻撃を集中されることは避けないといけないわ」

カムイ「敵は面攻撃に徹しているようですから、今のうちに何かしら手を打たないといけませんね」

カムイ(といっても、敵がこちらの攻撃範囲に入り込んでくるのを待っているわけにはいきません。こちらの弓兵の数ではソーサラー部隊を倒すことも叶いません。となれば……)

カムイ「こちらから強襲する以外の手はありませんか……」

アクア「打って出るつもり?」

フェリシア「だ、大丈夫なんですか?」
169 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:11:32.63 ID:TzD1n5DC0
カムイ「危険ですが敵と同じように攻撃をして退くだけです。ただ、向こうは飛び道具ですがこちらは近接戦ですので、タイミングを見て攻撃に打って出ないといけません」

カムイ(敵はボウナイトで攻撃後に乗せてきた部隊を降ろして、一度散開します。敵部隊は陣を形成後に攻撃を行うようですから、その合間を突ければ……)

フェリシア「だ、大丈夫でしょうか」

カムイ「こちらが防御に徹していると敵が思いこんでいる今なら上手く行くはずです。ボウナイトは攻撃後に兵を降ろす時間があります。その隙に距離を詰め、敵ソーサラー部隊を攻撃、敵の後続が動き次第退却といったところでしょうか」

アクア「苦肉の策ね」

カムイ「ええ、でも重要なのは援軍が来た時にこの陣が健在していることです。なら、そのためにやるべきことをやるしかありません」

アクア「……そうね、わかったわ。他の皆にも伝えておくわね」

カムイ「はい、お願いします。フェリシアさんも私と一緒に来てください。その、少々無茶をしてしまうと思うので……」

フェリシア「わかりました、怪我をしたらすぐに治療します。でも、あまり無茶しないでくださいね。カムイ様に万が一のことがあったら、みんな悲しんじゃいますから」

カムイ「はい」

アクア「カムイ、みんなに作戦のことを伝えたわ」

カムイ「ありがとうございます。あとは――」

新生暗夜軍ジェネラルD「敵、ボウナイトが接近! 各自、弓攻撃に備えよ!」

フェリシア「はわわ、カムイ様、隠れましょう」

カムイ「はい。アクアさん、攻撃を仕掛けるタイミングをお願いできますか?」

アクア「ええ、任せてちょうだい」
170 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:16:01.55 ID:TzD1n5DC0
旧暗夜軍ボウナイトB「全騎弓を構え。今だ、放て!」

 パシュシュシュッ
  キキキィンッ!

旧暗夜軍ソーサラーA「さすがに矢ではビクともしませんか」

旧暗夜軍ボウナイトB「ああ、すまないが攻撃を頼む」

旧暗夜軍ソーサラーA「任せなさい」ダッ

旧暗夜軍ソーサラーA(敵はジェネラルを盾に防戦の構え。ですがそれは物理に対しての城壁、そんなもの魔法の前では木壁に過ぎません)

旧暗夜軍ソーサラーA「各自、配置に付きなさい。敵の城壁を崩しますよ」

旧暗夜軍魔法兵「はっ!」タタッ

新生暗夜軍ジェネラルD「敵、ソーサラー部隊展開、ボウナイト隊が離れます!」

アクア「今よ、カムイ」

カムイ「はい、歩兵隊の皆さんは敵ソーサラー部隊へ攻撃を開始してください! 大丈夫です、道は私が作ります!」チャキッ

 シュオオオオンッ

竜化カムイ『グオオオオオオオッ!!!』ダッ

新生暗夜軍兵士「よし、カムイ様の後に続け!!!」

 ウオオオオオオオッ!!!!
  ドドドドドドッ

旧暗夜軍魔法兵「敵歩兵隊、前進してきます!」

旧暗夜軍ソーサラーA「ほう……」

旧暗夜軍ソーサラーA(ボウナイト隊が離れた隙を狙われましたか。敵は防御一辺倒だと思っていましたが……)

旧暗夜軍ソーサラーA「中々厄介なものですね。各自、迎撃するのです」

旧暗夜軍魔法兵「はっ!」シュオンッ

旧暗夜軍ソーサラーA(それに、どうやらこちらが狙うべき相手も向かってきているようですからね……)

旧暗夜軍ソーサラーA「先頭を行くあの竜、ここで仕留めてみせましょう」
171 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:19:10.52 ID:TzD1n5DC0
旧暗夜軍魔法兵「このっ、くらえええ!」シュオンッ!

竜化カムイ『はあっ!!!』シュッ ブンッ

 ドゴンッ

旧暗夜軍魔法兵「ぐへっ!」ドササッ!

旧暗夜軍兵士「くそ、竜がなんだってんだ! これで切り殺してやる!!!」チャキッ ダッ

旧暗夜軍兵士(よし、あいつは気づいてねえ。もらっ――)

 ザザッ

アクア「どこに行くつもりか知らないけれど、私が相手よ」チャキッ ダッ

旧暗夜軍兵士「邪魔するな!」ブンッ

アクア「それはこちらの言葉よ。はああっ!!!」ググッ シュパッ

 ドスリッ!

旧暗夜軍兵士「がはっ……」ドササッ

アクア「ふぅ……」

フェリシア「ア、アクア様、待ってください。あっ、そこです!」シュパッ

 ヒュンッ ザシュッ!

旧暗夜軍魔法兵「がっ……」ドサッ

フェリシア「あたりました!」

アクア「やはりだけど、やっぱりあなたは奉仕職ではなくて戦闘職になった方がいいと思うわ」

フェリシア「ア、アクア様まで……ひどいです」

竜化カムイ『でも実際フェリシアさんの戦闘技術は見事な物ですからね。そう言われるのも仕方ないことですよ』

フェリシア「ううっ、カムイ様まで……」

竜化カムイ『ふふっ……』

旧暗夜軍ソーサラーA「このような場所で談笑とは、気が抜けていますね」

三人『!』

旧暗夜軍ソーサラーA「ライナロック!!!」シュオンッ
172 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:24:33.92 ID:TzD1n5DC0
竜化カムイ『二人とも、避けてください!』サッ

 ドゴンッ!!!

竜化カムイ『アクアさん、フェリシアさん、無事ですか!』

アクア「私は大丈夫よ」

フェリシア「大丈夫です!」

竜化カムイ『よかった……』

旧暗夜軍ソーサラーA「ふん、隙だらけだと思いましたがそうでは無いようですね……」

竜化カムイ『気を抜いているつもりはありませんよ』

旧暗夜軍ソーサラーA「そうですか。ならば、それどこまで維持できるのか試させてもらうとしましょう」スッ

 タタタタタッ

旧暗夜軍魔法兵たち『……』

旧暗夜軍ソーサラーA「狙うのは王女だけで構いません、各自放て!」

竜化カムイ『アクアさん、フェリシアさんは離れていてください!』ダッ!

アクア「カムイ!」

フェリシア「カムイ様!」

竜化カムイ(気配だけでも十人弱。ですが、何とかしないと!)タタタタッ

旧暗夜軍ソーサラーA「そこです」シュオンッ ボオオッ!

旧暗夜軍魔法兵「くらえ!!!」シュオンッ

 ドゴンッ!
  ザシュッ バシュンッ!

竜化カムイ『グオオッ』クラッ

竜化カムイ(ぐっ、魔法の気配が多すぎて、とても避け切れない!)

アクア「っ、このままじゃ……。フェリシア、付いて来て」

フェリシア「は、はい! ど、どうするんですか?」チャキッ

アクア「敵はカムイだけを狙うことに集中しているわ。なら、今私達は意識されていないはず。なら、横合いから殴りかかるだけよ」

 タタタタタタッ
173 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:26:36.52 ID:TzD1n5DC0
暗夜軍魔法兵「ちっ、あの体躯のくせにすばしっこい」

旧暗夜軍魔法兵「大丈夫だ、着実に動きは弱まっている。このままなら直撃も時間の問題だ」

旧暗夜軍魔法兵「おら、もっと動きまわらないと当たっちまうぞ!」シュオンッ

 バシュッ

竜化カムイ『グオオオオッ!!』

竜化(このままでは……)

旧暗夜軍魔法兵「これで終わりにしてやる! 死ねぇ!」

 ヒュンッ ザシュシュッ!!

旧暗夜軍魔法兵「ぐあ……、うううっ、こ、これは暗器!?」ポタタタッ

アクア「フェリシア、その調子でお願い。倒さなくてもいいわ、奴らの詠唱を阻止しつづけて」

フェリシア「わかりました。カムイ様に手出しはさせません! はああっ!」チャキッ シュパパッ

 ザシュッ ザシュシュッ!

旧暗夜軍魔法兵「っ、くそ、腕が……」

旧暗夜軍魔法兵「なら、変わりに俺が仕留めてやる!」スッ

アクア「させない!」ダッ

 タタタタッ スタッ

アクア「……」
174 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:29:49.14 ID:TzD1n5DC0
旧暗夜軍魔法兵「つ、突っ込んで来やがった」

アクア「眠ってなさい」ドゴンッ

旧暗夜軍魔法兵「ぐへっ!!!」ドササッ

アクア「次は誰に子守唄を歌ってあげようかしら?」チャキッ

アクア(こうして懐に入られたのならば、さすがに無視はできないでしょう)

旧暗夜軍魔法兵「ちっ、ならお前から始末してや――」スッ

アクア「はあっ!!!」チャキッ ドゴンッ!!!

旧暗夜軍魔法兵「ごはっ……」ドササッ

旧暗夜軍ソーサラーA「まさか接近を許すことになるとは、思ったよりもカムイ王女は頑丈なようだ」

アクア「あなた達の魔法の腕が悪いのも理由の一つよ」

旧暗夜軍ソーサラーA「ふん、その華奢な体で私の魔法を果たして受け止められるとは到底思えませんが、試して差し上げましょう。なに、あなたの言う通りならば当ることもないでしょうから」シュオンッ

アクア「……」チャキ

フェリシア「アクア様! 今助けます!」チャキッ

旧暗夜軍兵士「そうはさせるか!」チャキッ ダッ

フェリシア「!」スッ

 ブンッ

フェリシア「あ、あぶなかったです」チャキッ

旧暗夜軍兵士「ちっ、避けやがったか。まあいい、一対一だ。安心しろ、痛みがないように一撃でその可愛い顔を体から切り離してやるよ」

フェリシア(何とかしないとアクア様の援護にも、カムイ様の御手当にも行けません)

フェリシア「わかりました、お相手します」チャキッ

旧暗夜軍兵士「ほう、一人になったところで命乞いしてくるかと思ったが、可愛い顔して中々肝が据わってるじゃねえか。おらああ!」ダッ!

フェリシア「はあああっ!」ダッ
175 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:31:52.17 ID:TzD1n5DC0
竜化カムイ『アクアさん、フェリシアさん』

竜化カムイ(二人のおかげでどうにか危機を脱せました。なら、今度はこちらの番ですよ)

 タタッ

旧暗夜軍魔法兵「隊長、王女は我々にお任せを! くらえ!」シュオンッ

竜化カムイ(先ほどの数ではありません。気配もきちんと把握できます。これなら!)

 サッ
  ササッ

旧暗夜軍魔法兵「ちっ、器用に避けやがって」

旧暗夜軍魔法兵「一点にしなければいい、面で攻めるぞ!」

旧暗夜軍魔法兵「ああ、わかった。これでどうだ!」シュオンッ

竜化カムイ(一点ではない広範囲攻撃。なら、その火力が薄くなる場所もあります。そこなら!)

 ボオオオッ

竜化カムイ『はあああっ』ダッ

 バチンッ!

旧暗夜軍魔法兵「よし、当たった!!! って、あれ?」

竜化カムイ『退いてください!!!』ググッ ト

゙ゴンッ‼‼

旧暗夜軍魔法兵「がへっ!!!」ドサササッ

旧暗夜軍魔法兵「くそ、浅かったか。ならもう一撃――」

竜化カムイ『ふん!!!』クル 

旧暗夜軍魔法兵「尻尾!?」

 バシンッ ドササッ

旧暗夜軍魔法兵「がっ……」

竜化カムイ『アクアさん、今向かいます!!』
176 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:43:50.28 ID:TzD1n5DC0
 キィンッ
  カキィンッ!

旧暗夜軍兵士「はっ、そら!!!」

フェリシア「っ! はっ、そこです!」キィンッ!

旧暗夜軍兵士「はは、これはすげえ。そんな暗器だけで剣に渡り合ってくるなんて思いもしなかったぜ。だが、さすがに息が上がってきたか?」

フェリシア「はぁはぁ……。まだまだ、戦えますよ」

旧暗夜軍兵士「見た目にそぐわずタフな女だ。どこまでやれるか確かめてやる!」チャキッ

 ダッ

フェリシア(……剣を下に構えています。そのまま上に切り上げるつもりでしょうか。ううん、違います。見るべきは相手の視線の先です)

旧暗夜軍兵士「……」ググッ

フェリシア(このまま斬って――)

旧暗夜軍兵士「……」フッ

 スッ

フェリシア「!!!」ザッ チャキッ

旧暗夜軍兵士「そらっ!!!」シュパッ!‼‼

 キィンッ!‼‼

旧暗夜軍兵士「なに!?」

旧暗夜軍兵士(この状況でこいつ、俺がダガーを投げることに感付きやがったのか!?)

フェリシア(今です!)

旧暗夜軍兵士「っ、うおおおおおっ!」チャキッ

 ブンッ

フェリシア「!」サッ

  ドゴンッ!

旧暗夜軍兵士(しまった、勢いよく振り下ろした所為で剣が地面に!)

フェリシア「はああああああっ!!!!」チャキッ

 ザシュッ
  ビシャアアアアアアア……

旧暗夜軍兵士「かっ……」ポタタタッ

フェリシア「……」

旧暗夜軍兵士「く……そ……。強いじゃねえか……」

フェリシア「……敏腕メイドですから」

旧暗夜軍兵士「ははっ……違い……ねぇ……」ドサッ

フェリシア「……」
177 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:46:06.28 ID:TzD1n5DC0
 タタタタタッ

フェリシア「? あ、カムイ様!」

竜化カムイ『フェリシアさん、無事だったのですね。アクアさんは?』

フェリシア「まだ、向こうで戦っています。まずはカムイ様すぐにお怪我を治しますね。それっ!」シャラランッ

竜化カムイ『ありがとうございます。すぐにアクアさんを助けに行きましょう。フェリシアさんも付いて来て下さい』

フェリシア「わかりました」

竜化カムイ『……フェリシアさんはすごいですね』

フェリシア「えっと、何がでしょうか?」

竜化カムイ『さきほど戦っていた時と、今の雰囲気がまるで違うんですから』

フェリシア「そ、そんなに違いますか?」

竜化カムイ『はい、とても違いますよ。なんていうかそれはそれ、これはこれっていう感じでさっぱりしてると言いますか』

フェリシア「……そうかもしれません。でも、それでいいんです。私はカムイ様に仕えるメイドである自分が一番好きですから。こうしていつもの自分に戻れるのはうれしいことなんですよ」

竜化カムイ『フェリシアさん』

フェリシア「援護は私に任せてください。カムイ様は早くアクア様の下に」

竜化カムイ『はい、よろしくお願いします』

 タタタタタッ
178 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:47:21.92 ID:TzD1n5DC0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

アクア「はっ、せいっ!!!」ブンブンッ

旧暗夜軍ソーサラーA「っ。まったく、その様な姿で繰り出されると思えない連撃ですね」

アクア「伊達にここまで戦い続けてきたわけじゃないのよ。そこ!!!」ブンッ

 ドゴンッ

旧暗夜軍ソーサラーA「っ!!!」ズササッ

アクア(決まった!)

旧暗夜軍ソーサラーA「ふっ、そこです。ギンヌンガガプ!」シュオンッ

アクア「この程度!」サッ

旧暗夜軍魔法兵「逃がすか!!! サンダー!!!」シュオンッ

アクア「!!!!」

アクア(回避先を予想された!?)

 バチンッ!‼‼

アクア「きゃああああ!!!」

 ドサッ

アクア「ううっ、まだまだ……」ググッ

旧暗夜軍ソーサラーA「立ち上がらせると思っていましたか。王女を守るための行動とはいえ、少々軽率でしたな」

アクア「っ!」

旧暗夜軍ソーサラーA「それも、これで終わりです!」スッ

 タタタタタッ

竜化カムイ『そうはさせません!!!』ダッ

アクア「えっ!?」

旧暗夜軍ソーサラーA「カムイ王女!? くらえっ!!」シュオンッ

 ゴオオオッ

竜化カムイ『この程度の攻撃なら!!!』ダッ
 
 ドゴンッ‼‼

竜化カムイ『!!!!』ググッ

旧暗夜軍ソーサラーA「ちっ」

旧暗夜軍ソーサラーA(死にかけの処理にと、ファイアーを使おうとしたのが裏目に出ましたか)

旧暗夜軍魔法兵「へっ、どちらにしても的が増えただけだ。ここで燃やし尽くしてや――」

フェリシア「はっ、それっ!!!」シュパッ!

 ザシュ

旧暗夜軍魔法兵「がっ」ドサッ

フェリシア「誰も攻撃させたりしませんよ」チャキッ

旧暗夜軍ソーサラーA「っ、ですが、この一撃は外しません。カムイ王女もろとも吹き飛ばしてあげましょう!!!」スッ シュオオオオンッ
179 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:49:12.14 ID:TzD1n5DC0
竜化カムイ『すごい魔力……』

竜化カムイ(あれの直撃を受ければ一溜りもありません。ここは一度退いてもう一度機を――)

アクア「カムイ、ちょっと失礼するわね」ググッ

竜化カムイ『え、アクアさ―――』

アクア「はああああっ」ダッ!

竜化カムイ『アクアさん!?』

旧暗夜軍ソーサラーA「ほう、飛び込んでくるとは無謀な方だ。まずはあなたから消し炭にしてあげましょう」スッ

アクア(敵は一点集中で攻撃、私が飛び出して狙いを改めて定める時間があるはず。そのわずかな時間があれば)

アクア「それで十分よ」ググッ

旧暗夜軍ソーサラー「死ね、ギンヌンガ――」

アクア「それはあなたの方よ! はあああっ」ブンッ

 ドスリッ

旧暗夜軍ソーサラーA「……な」

旧暗夜軍ソーサラーA(投擲だと、飛び出して来たのは切り込んでくると見せかけるためで、本命の攻撃方法はこれだっということですか……)

旧暗夜軍ソーサラーA「ふ、ふふっ、まったく、ごふっ、こんな奇天烈な事ばかりされては、対処……するのも……」ズズッ ズズズッ

 ドサリッ
180 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:51:06.77 ID:TzD1n5DC0
旧暗夜軍魔法兵「くっ、退け! 他の部隊への合流を急ぐんだ! 隊長を運ぶぞ、全員手を貸せ!」

 タタタタタッ

アクア「はぁ、はぁ……。ここは何とかなったわね」

 タタタタタタッ

竜化カムイ『アクアさん!』

アクア「カムイ、うまく行ったわね」

竜化カムイ『うまく行ったではありません! あんな危険なことをいきなりしないでください。ただでさえ怪我をしているのに、あの攻撃を受けることがあったら……』

アクア「ご、ごめんなさい、心配を掛けてしまって」

竜化カムイ『全くですよ。でも、本当に無事でよかった。あなたに何かがあったら私は……』

アクア「カムイ……」

 タタタタタタッ

フェリシア「アクア様、大丈夫ですか! わっ、カムイ様も怪我してるじゃないですか。さっき、治療したばっかりなのに」

竜化カムイ『そ、その。アクアさんを助けるためには仕方なかったんです。さきほどフェリシアさんが治療してくれたおかげでどうにかなりましたから』

フェリシア「だとしても、本当に無茶しちゃだめですよ、すぐに治療しますね。それ!」シャラランッ

竜化カムイ『ふぅ、それで状況はどうなっているのでしょうか?』

アクア「展開していた魔法部隊に打撃を与える事には成功したみたいね。でも、こんなに派手に動いた以上、後続の敵も黙っていないわ」

竜化カムイ『でしょうね』

竜化カムイ(あとは敵の行動にあわせて陣へ戻り、どれだけ粘れるかに掛かっています。まずは敵の動きを見極めなくてはなりません)

竜化カムイ『正念場ですね、私たちもそして向う側も……』
181 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:53:43.00 ID:TzD1n5DC0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区西側・旧暗夜軍陣』―

旧暗夜軍ボウナイトA「敵が前進したか……」

旧暗夜軍兵士「はい、前衛はかなりの損害が出ているようです。どうします、隊長」

旧暗夜軍ボウナイトA「交代しつつ敵に圧力をかけて潰すつもりだったが、そうはいかないか」

旧暗夜軍兵士「どうします?」

旧暗夜軍ボウナイトA「残っている者も馬に乗れ」

旧暗夜軍兵士「前線と合流するのですね」

旧暗夜軍ボウナイトA「いや、合流に向かうのは全体の半分だ。どうせこちらが動けば敵は巣に戻るつもりだろう」

旧暗夜軍兵士「ならばなおさらです。戦線と合流し、そこから攻撃を仕掛ければ、敵の陣はこちらの総攻撃に耐えられるとは思えません」

旧暗夜軍ボウナイトA「いや、準備をしている時間はない。敵陣の後方を見てみろ」

旧暗夜軍兵士「……あれは」

旧暗夜軍ボウナイトA「南東門から侵入した敵部隊が向かっている。こっちが足並みを揃えて攻勢に出る頃には合流されているだろう」

旧暗夜軍兵士「これでは……」

旧暗夜軍ボウナイトA「あの陣を落とすことは厳しい。だが、それでも打てるものはある」

旧暗夜軍ボウナイトA(今はそれを打つ可能性に掛けるほかない)

旧暗夜軍ボウナイトA「タイミングは私が出す、今は戦線への合流を目指せ」

「行くぞ!!!」

 オオオオオーッ!
182 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/07/04(土) 11:56:06.61 ID:TzD1n5DC0
今日はここまで
 
FEif、五周年おめでとう
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/07(火) 00:14:46.22 ID:PJ6GidsS0
久々の更新うれしいです!!
184 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:24:13.02 ID:gTQT0S320
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍兵士「く、来るぞ!」

 ドドドドドドッ

竜化カムイ『はあああ!』ザッ ブンッ

 キィンッ!

旧暗夜軍兵士「ちっ、この野郎!」ダッ

旧暗夜軍ボウナイトB「待て、突出するな、それじゃ敵に囲まれるぞ。各自周囲の者と連携を取り、なんとか持ちこたえるんだ!」

アクア「カムイ、敵は防戦に切り替えつつあるわ。それに後方の敵部隊が向かっているみたい、このまま戦い続けるのは危険よ」

竜化カムイ『どうやら、ここまでのようですね。アクアさん、皆さんに撤退の指示をお願いします』

アクア「わかったわ。みんな、引き上げよ」

竜化カムイ『時間は私が稼ぎます。負傷した方々の輸送を最優先にしてください」

新生暗夜軍兵士「わかりました。全員、陣に戻るぞ!」

 タタタタタタッ

旧暗夜軍兵士「敵が退いて行きます!」

旧暗夜軍ボウナイトB「追う必要はない、今は負傷者の手当を優先しろ」

旧暗夜軍兵士「わかりました」

旧暗夜軍ボウナウイトB(ちっ、できるならば追撃に移りたいが、多くの兵が負傷している今、出来る事ではない)

アクア「……敵は追撃に移るつもりはないみたいよ」

竜化カムイ『私達は運がいいみたいですね。このまま、安全に戻らせてもらいましょう』
185 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:29:57.22 ID:gTQT0S320
竜化カムイ(敵が再度魔法攻撃を行うためにはかなりの時間を要するはずです。その準備が整うよりも前に、こちらの援軍が到着してくれれば……)

アクア「どうやら敵の援軍が到着したようね。だけど、こちらに来る気配はないみたい」

フェリシア「はい、早く退いて正解でしたね。……あれ?」

竜化カムイ『フェリシアさん、どうかしましたか?』

フェリシア「いえ、その、なんだか敵さんの数が少ない気がして……」

アクア「……確かにそうね。もう少し多い気がするけれど――」

 ヒュンッ!!!

竜化カムイ『アクアさん!』ダッ ブンッ

 キィンッ!!!

アクア「え!?」

フェリシア「こ、攻撃です! でも、一体どこから……」

 ドドドドドドドッ

旧暗夜軍ボウナイトA「どうにか側面を取れたようだ。このまま一気に攻勢に出るぞ」

 スッ

旧暗夜軍ボウナイトA「魔法兵はここで降り、敵の後方を足止めしろ。残りの者は弓を収め、剣を抜け!」

旧暗夜軍兵士「はっ!」

旧暗夜軍ボウナイトA「敵増援まであまり時間はない。一気に畳みかけ敵を殲滅する、私に続けぇ!!!」

旧暗夜軍兵士たち『おーーーーっ!』ドドドドドッ!

旧暗夜軍魔法兵「各自、後方の分断に尽力せよ。攻撃開始!」シュオンッ
186 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:36:11.90 ID:gTQT0S320
 ドゴンッ ドゴゴンッ!

新生暗夜軍兵士「ぐっ、前方に連続で魔法を放たれています! これじゃ進めません!」

アクア「西側から来たのね。どうやら、私達を分断して撃破するのが狙いみたい」

フェリシア「はわわっ、て、敵が来ますよ!」

竜化カムイ『すぐに逃げたいところですが、遠回りしている余裕はなさそうですね』

竜化カムイ(相手は騎馬兵、この魔法を迂回したところで追い着かれます。ここは魔法部隊を叩いてこの障害を排除する以外に手はありませんね)

竜化カムイ『アクアさん、敵魔法部隊までの距離は?』

アクア「それほど遠くはないけど、どうしてそんなことを……まさか」

竜化カムイ『はい、私が打って出ます。彼らは私達の足止めに意識を集中していますし、まさか、突撃してくるとは予想していないでしょう』

アクア「でも、さすがに危険すぎるわ」

竜化カムイ『だとしても、今それができるのはそれなりに早く動ける私だけです。フェリシアさんに治療してもらいましたし、攻撃を済ませたらすぐ離脱しますから大丈夫です』

アクア「何も大丈夫じゃないのだけど。仕方ないわね、私が付いて行くわ。いくら周囲を把握できると言っても、あなたは目が見えないのだから一人では厳しいでしょう?」

竜化カムイ『それはそうですが。今回は回避行動が多くなると思うので、私にしがみ付き続けるのは辛いと思いますが……』

アクア「大丈夫。この前、本気で暴れているあなたにしがみ付いていられたのだから、落ちる心配なんてしないでいいわ」

竜化カムイ『アクアさん……』

アクア「そういうわけだからフェリシア、ここはあなたに任せるわ。こっちが魔法部隊への攻撃を行って、賑やかになってきたら後退を始めてちょうだい」

フェリシア「わ、わかりました。アクア様も治療しておきますね。それっ!」シャラランッ

アクア「助かるわ」

竜化カムイ『それじゃ、アクアさん。進行方向の指示をお願いします。あなたの言う通りに激しく動いてあげますから』

アクア「ええ、行きましょう」

竜化カムイ『はい!』ダッ

新生暗夜軍兵士「あの中に飛び込むなんて……本当に大丈夫でしょうか?」

フェリシア「きっと大丈夫です。だから、私達もやられるわけにはいきませんよ」チャキッ
187 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:40:34.87 ID:gTQT0S320
旧暗夜軍ボウナイトA「よし、このまま一気に距離を詰めて敵を討つぞ」

旧暗夜軍兵士「! た、隊長、竜がこちらに向かって来ます!」

旧暗夜軍ボウナイトA「なに!?」

 ダダッ ダダッ ダダッ

旧暗夜軍ボウナイトA(まさか、包囲されかけているこの状況で打って出てくるというのか? ならば、すれ違いざまに切り殺してやる)チャキッ

アクア「カムイ、前方にボウナイトの部隊よ」

竜化カムイ『敵に止まる気配は?』

アクア「ないわね。このまま、後方の攻撃に向かうはずよ」

竜化カムイ『でしたら、このまま突破しましょう。こちらも止まって相対する暇はありませんからね』

 ダッ
  ダダッ

旧暗夜軍ボウナイトA「来たか、その首もらった!!!!」チャキッ

 ブンッ
  スカッ
   ズサササッー

旧暗夜軍ボウナイトA「滑り込まれた!?」

旧暗夜軍ボウナイトA(背後を取って、そこから攻撃をするつもりか!?)

 ダダッ ダダッ

旧暗夜軍ボウナイトA「なに!?」

竜化カムイ『残念ですが、あなたの相手をしている暇はありません』ダッ

旧暗夜軍兵士「あいつ、魔法部隊の方角に向かっています!」

旧暗夜軍ボウナイトA「ちっ、そういうことか。奴は俺が追う、残りは正面の部隊を狙え、奴の狙いが後方だろうと、敵を削れるだけ削る方針は変わらない」

旧暗夜軍兵士「わかりました!」

旧暗夜軍ボウナイトA「……大した度胸だが、敵中に一人で飛び込んできたこと、後悔させてやる!」
188 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:46:44.50 ID:gTQT0S320
 ダダッ ダダッ

竜化カムイ『……追ってきていますか?』

アクア「一人だけね。まだ距離が離れているけれど、さすがにあなたより早いわ」

竜化カムイ『この状態でも馬の脚力には敵いませんからね。でも、先に手が届くのは私達のほうです』

アクア「そうね。もうすぐよ」

竜化カムイ『はい、私も捉えられる範囲に入りました。一気に叩き潰します。アクアさんは降りずに掴まっていてください』ダッ

アクア「ええ、任せたわ」ギュッ

竜化カムイ『行きます!』ダッ!

旧暗夜軍魔法兵「よし、敵の後退を絶対に許すな。このまま――ん?」

竜化カムイ『そうはいきません!』 

旧暗夜軍魔法兵「な、竜!? なぜこのようなところに!?」

竜化カムイ『はああああっ!!!』グッ ザシュンッ!!!

旧暗夜軍魔法兵「がっ!!!」ドササッ

旧暗夜軍兵士「っ、たかが一匹で調子にのるんじゃ――」

竜化カムイ『そこ!!!』ググッ ドゴンッ

旧暗夜軍兵士「がはっ!!!」ドササー

旧暗夜軍魔法兵「っ! くそ、まずはこいつを倒せ、今ならやれる!!!」スッ

旧暗夜軍魔法兵「これでどうだ!!!」シュオンッ バシュンッ!

 ササッ

旧暗夜軍魔法兵「くそ、ちょこまかと動きやがって! 当たれ!!!」

アクア「妨害はこれで十分みたいね」

竜化カムイ『ええ、すぐに離脱します』ダッ!
189 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:48:51.15 ID:gTQT0S320
旧暗夜軍魔法兵「ちっ、奴を逃がすな!」

竜化カムイ(よし、魔法部隊は私を倒すことに躍起になっています。あとはこの間にフェリシアさんが部隊を後退させてくれれば!)

 パカラパカラッ

旧暗夜軍ボウナイトA「捉えたぞ、このまま逃げられると思うな!」チャキッ パシュッ

 ザシュッ!

竜化カムイ『っ! 追いついてきましたか』

旧暗夜軍ボウナイトA「さすがに後方を狙いに行くとは思わなかったが、あそこで私を討たなかったのが運の尽きだ。その首、落させてもらう!」チャキッ

竜化カムイ『アクアさん、しっかり掴まってください!』ググッ! ダッ

アクア「!」

旧暗夜軍ボウナイトA「逃がすか!」ブンッ

 ザシュッ!!!

竜化カムイ『っ!!!』

竜化カムイ(くっ、流石に早い!)

旧暗夜軍ボウナイトA「一人で乗り込んできたその度胸は認めるが、詰めが甘かったようだな」

旧暗夜軍魔法兵「隊長、援護します!」シュオンッ!

 ドゴゴンッ
  バシュンッ

竜化カムイ『っ!』

アクア「カムイ!」

竜化カムイ『まだ大丈夫です。向かうべき方角の指示をお願いします』

アクア「わかったわ。このまま、まっすぐ進んで、そうすればフェリシア達と合流できるはずよ」

竜化カムイ『はい』ダッ

旧暗夜軍ボウナイトA「奴の侵攻路を塞げ、奴を倒すことだけに集中せよ」ダッ

旧暗夜軍魔法兵「はっ!」シュオンッ

旧暗夜軍ボウナイトA(まだ間に合う。今ここで奴の息の根を止めてみせる)ダッ
190 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:54:22.44 ID:gTQT0S320
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍兵士「おらああああ!」ブンッ

 サッ

フェリシア「そこですっ、せやっ!」シュパッ

 ザシュシュッ

旧暗夜軍兵士「ぐあっ! くそ!」ポタタタッ

新生暗夜軍兵士「フェリシア様、敵の魔法攻撃が止みました。今ならば!」

フェリシア「わかりました。後退しましょう」

新生暗夜軍兵士「はい!」ダッ

旧暗夜軍兵士「させるか! 奴らを動けないように包囲しろ。逃げようとする奴から重点的に叩け!」ダッ

旧暗夜軍兵士「逃がすと思ってるのか、そこだ!」ググッ ブンッ!

 ザシュンッ!

新生暗夜軍兵士「ぎゃああっ!」ドサッ

 ドドドドドッ

フェリシア「っ!」ブンッ

フェリシア(まずいです、敵の動きが早くて撤退できません!)

新生暗夜軍兵士「ど、どうしましょう、フェリシア様」

フェリシア「ううっ……」

フェリシア(ど、どうすれば……)

旧暗夜軍兵士「ふん、退かないか。ならば、このまま叩きのめしてやる!」

フェリシア(どうすれば……)

旧暗夜軍兵士「一気に決めるぞ、全員で―――」

???「ライナロック!」シュオンッ

 ドゴオオンッ!!!

旧暗夜兵士「ぎゃあああっ!!!」ドササッ!

フェリシア「え、なんで敵が倒れて……」

新生暗夜軍兵士「フェリシア様、あれを!」

フェリシア「あ、あれは―――」
191 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 18:58:40.44 ID:gTQT0S320
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

竜化カムイ『はぁ……はぁ……』ダダッ ダダッ

旧暗夜軍ボウナイトA「はああっ!」チャキッ ブンッ!!!

竜化カムイ『っ!』グッ!

 サッ

アクア「っ、カムイ、大丈夫!?」

竜化カムイ『まだ、大丈夫です』

竜化カムイ(ですが、この敵の猛攻の中では……)

旧暗夜軍魔法兵「サンダー!」シュオンッ

 バチンッ

竜化カムイ『っ、まだまだっ!』ダッ

旧暗夜軍魔法兵「そこだ!!」シュオンッ

竜化カムイ『!』

 バチンッ!!!

竜化カムイ『ううっ!!!』

アクア「きゃあっ!!」

 ズササーッ

竜化カムイ『アクアさん!』サッ

旧暗夜軍ボウナイトA「もらった!」ブンッ ビシャアアッ!

竜化カムイ『ああっ!!』ヨロッ

 グッ ダンッ

旧暗夜軍ボウナイトA「トドメだ!」チャキッ

竜化カムイ『はあああっ!!!』ブンッ!

 ドゴンッ!!!

旧暗夜軍ボウナイトA「がっ」ドササーッ

旧暗夜軍魔法兵「隊長!」

旧暗夜軍ボウナイトA「だ、大丈夫だ。くそ、本当にしぶとい奴だが、それもここまでだろう」
192 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 19:04:35.03 ID:gTQT0S320
アクア「カムイ!」

竜化カムイ『だ、大丈夫です。まだ、動けますからアクアさんは私の影に……』

竜化カムイ(ですが、動けると言っても先ほどの様には行きません。仕掛けられるタイミングに賭けるしかありません)

 ザッザッ

旧暗夜軍ボウナイトA「しぶとかったがこれで終わりだ。全員、構えろ」

旧暗夜軍魔法兵「はっ」スッ

アクア「カムイ……」

竜化カムイ『アクアさん、しっかり捕まってください』

アクア「でも……」

竜化カムイ『大丈夫、きっとうまく行きます』

アクア「わかったわ……」

旧暗夜軍ボウナイトA「……」スッ

アクア「……」ギュッ

竜化カムイ『……」

旧暗夜軍ボウナイトA「やれ!!!」バッ

竜化カムイ『そこです!!!』ググッ ダッ!!!

 ドゴゴンッ!!!

旧暗夜軍ボウナイトA「な、その傷でまだ動くというのか!?」チャキッ

竜化カムイ『そう簡単に折れるわけにはいかないんですよ!!!』グググッ

旧暗夜軍ボウナイトA(攻撃が来る。くそ、間に合うか!?)

旧暗夜軍ボウナイトA「うおおおおおお!!!」グッ

 ドゴンッ!!!
  ドササッ……

旧暗夜軍ボウナイトA「ごふっ」ビチャアアッ……

旧暗夜軍ボウナイトA「く、くそ……、まだ、私は戦え……る、マクベ……ス様……」

旧暗夜軍ボウナイトA「」
193 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 19:07:50.28 ID:gTQT0S320
旧暗夜軍魔法兵「隊長! ちっ、奴を逃がすな!!! ここで――」

???「ブリュンヒルデ!!!」シュオンッ

旧暗夜軍魔法兵「があああっ!!!」ドササッ

アクア「この魔法は……」

竜化カムイ『どうやら、間に合ったようですね』

 ドドドドドドドッ

レオン「まずは姉さんたちを助け出す。攻撃開始だ」

新生暗夜軍ダークナイトA「はっ!」

旧暗夜軍魔法兵「敵の援軍だと。くそ、あと少しだというのに!」

旧暗夜軍魔法兵「今は離脱しましょう! この数を相手にはできません!」

旧暗夜軍魔法兵「くそ、後退だ!」

 タタタタタッ

アクア「なんとかなったみたいね」

竜化カムイ『はい、なんとか……。ぐっ、ううう……』ドスン シュオオン……

アクア「カムイ、大丈夫?」

カムイ「ええ、なんとか大丈夫です。アクアさんの方は?」

アクア「私の方は大丈夫、ん?」

 タタタタタッ

レオン「姉さん、アクア!」

カムイ「レオンさん」

アクア「レオン」

レオン「色々と言いたいことはあるけど、とりあえず治療するから動かないで」シャラランッ
194 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 19:16:56.63 ID:gTQT0S320
カムイ「ふぅ、レオンさんが間に合ってくれて、本当に助かりました。ありがとうございます」

レオン「ありがとうじゃないよ、敵の中に単身飛び込むなんて自殺行為にもほどがある……」

カムイ「あの状況ではこれしか方法が思いつかなかなかったんです。許してください」

レオン「はぁ、確かに敵の魔法による妨害が無いおかげでフェリシアたちの援護にすぐ取りかかれたけど、姉さんはこの軍にとって必要な人だ。それを忘れないでほしい。もちろんアクアもだ、わかった?」

アクア「ごめんなさい」

カムイ「はい。それでフェリシアさんたちは無事ですか?」

レオン「負傷者がそれなりに出ているけど大丈夫だよ。今は協力して治療に専念してもらっている」

カムイ「それはよかった。そうでした東側、フローラさん達が守っている方角で何かがあったようなのですが……」

レオン「そこにはエリーゼが向かったよ。状況から見てどうにか対処できたみたいだから、これで西と東は一安心のはずだ。後は中央の侵攻部隊を抑え込むことが出来れば、一気に勝負を決めに行ける」

カムイ「中央……、マークス兄さんは大丈夫でしょうか」

レオン「兄さんなら何とか持ちこたえてくれるはずだ。東の魔道砲台はサクラ王女を中心とした部隊が攻略を行っている。今なら敵の援軍が中央の援護に来ることはできないはずだ」

カムイ「サクラさんが?」

レオン「ああ、本当に強い人だよサクラ王女は。だから東のことは彼女達に託して、僕らはこちらの援護に回る事が出来たんだ」

カムイ「そうだったんですね……。それで、これからどうしますか?」

レオン「これから兄さんの援護に向かいつつ、敵の包囲を開始する。中央戦線の立て直しが出来る段階になってきたし、カミラ姉さんたちの部隊は西側から仕掛けられる態勢を整えている。あとは僕らが準備を整えるだけだ」

カムイ「マークス兄さんのいる中央は敵の攻撃がまだ続いているようですね」

レオン「西と東の攻撃が失敗に終わったことはマクベスに伝わっているはずだから、奴も本腰を入れてくるはずだ。姉さんも兄さんの援護に付いて来てくれるかい?」

カムイ「もちろんですよ、レオンさん」

レオン「ありがとう、僕は部隊の再編に取り掛かることにする。準備が出来次第、すぐに兄さんの援護に向かおう」タタタタタッ

カムイ(レオンさん達のおかげでどうにかここを守り切ることができました。あとは中央の攻撃を押し留め、押し返すことが出来れば勝てるはずです)

カムイ「不安要素があるとするなら、やはり東側の魔道砲台周辺の敵の動きですか……」

アクア「そこはサクラ達を信じましょう。大丈夫、あそこにはルーナもいるみたいだから、きっとなんとかしてくれるわ」

カムイ「アクアさん……。そうですね、サクラさんたちを信じて私達はマークス兄さんの援護に向かいましょう」

アクア「ええ」

カムイ(サクラさん、頼みましたよ)タタタタタタッ
195 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 19:19:41.61 ID:gTQT0S320
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◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区東・魔道砲台周辺』―

 ―少し前―

旧暗夜軍魔法兵「敵部隊の残りがこちらに向かって前進を開始しました」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「そうか、敵の全てが中央へ移動するならばこちらもマクベス様と合流するつもりだったが、そうはいかないようだ」

旧暗夜軍魔法兵「はい、いかがしますか。隊長」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「迎撃態勢を整えろ。砲手には射程に入り次第攻撃するように伝えておくんだ」

旧暗夜軍魔法兵「わかりました」

旧暗夜軍ランサー女「ようやく攻めてくるわけね」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ああ、だが中央に向かった敵もいる。向かってくる敵の掃討を終え次第、こちらも部隊を分けマクベス様の援護に向かうことになるだろう」

旧暗夜軍ランサー女「なるほどね。まぁ私としては敵を倒せればそれでいいよ。暗夜のためにも、なにより……私のためにもね」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……」

旧暗夜軍ランサー女「私が倒せば暗夜のためになる。そうすれば、あいつらの分もきっと……」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……お前がそうしたいのならばそうすればいい。だが先ほどのように助けられるかはわからん。少しは慎重に動く様にしろ」

旧暗夜軍ランサー女「わかってるよ」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「わかっているなら、それでいい」

 タタタタタタッ

旧暗夜軍兵士「隊長、準備が整いました」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「わかった」

旧暗夜軍ランサー女「そういえば、さっきの奴らはいるかな」

旧暗夜ブレイブヒーロー「さぁな。だが運が良ければいるだろう。そうなれば先ほどの借りを返さなくてはならないな、もちろん――」

「奴らの命を奪うという、最高の形でな」チャキッ
196 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/01(土) 19:20:24.72 ID:gTQT0S320
今日はここまで

 色々と更新が遅れていまして申し訳ないです。
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 11:39:48.53 ID:KlM1+RHDO


魔法壁は超竜石カムイになりがち
蛇毒+四牙は許されないんだ
198 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 21:56:12.07 ID:ZG7QJwZY0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東部魔道砲台周辺』―

新生暗夜軍ジェネラル「敵部隊、展開しました」

ルーナ「うーん、レオン様たちを追って中央の援護に向かうって動きじゃないわね」

シャーロッテ「まぁ、そうじゃないと私達がここに残った意味がないから助けるけど」

ルーナ「たしかにね。リンカ、敵は動きそう?」

リンカ「いや、向こうから動くつもりはないようだが、サクラはどう見る?」

サクラ「そうですね。砲台を中心に左右へ広がっているようですから、砲台を起点にこちらの前進を拒みつつ迎撃する作戦なのかもしれません」

ルーナ「さすがに陣地を捨てて攻めてくるなんて期待できないか。はぁ、制圧して見せるなんてレオン様に言っちゃったけど中々にきついわよ、これ」

リンカ「戦う前から負けているようでは勝つことなどできないぞ?」

ルーナ「ふん、勘違いしないで。きついって言っただけで勝つことが出来ないなんて言ってないんだから。見てなさい、あんな敵陣、あたし一人でパパっと壊してやるんだから」

サクラ「あまり無茶な事はしないでくださいね」

ルーナ「わ、わかってるわよ。今のは、……そう、景気付けに言ってみただけだから」

シャーロッテ「ルーナが一人でどうにかしてくれるなら私は楽で助かるんだけどね。でも、あんまり無茶なコトすると、サクラ様も無茶なこと始めちゃうだろうから気を付けないとね」

サクラ「私、そんな無茶なことなんてしません」
199 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 22:04:06.45 ID:ZG7QJwZY0
シャーロッテ「そう、それじゃ例えばだけど、敵陣のど真ん中で私が負傷したらサクラ様はすぐに治療しに来るでしょ?」

サクラ「当たり前です。助けに向かいます」

シャーロッテ「即答されるとなんだか照れるわ。だけど、状況を考えたらそれってすごく無茶なことだってわからない?」

サクラ「それはそうかもしれません、でも――」

シャーロッテ「放っておけない、それがサクラ様の考え。だからこそレオン様と一緒に中央戦線に行かないでこっちに残ってくれた。正直、それだけでも十分なのに更に無茶までさせちゃったら、サクラ様ばっかりに働かせているみたいで、その、ちょっと、あれよ」

サクラ「えっと、不公平……ですか?」

シャーロッテ「そう、そういうこと。サクラ様が無茶しないラインで、私たちも行動する。一人しか出来ないことがあるなら、一人で出来る範囲の状況に留めないとね」

サクラ「シャーロッテさん……」

シャーロッテ「だから、安心しなさい、さっき言ったみたいな危険な状態に陥ったりなんてしないからさ」

サクラ「はい、ありがとうございます。でも、怪我をしたらきちんと治療してあげますからね」

ルーナ「それじゃ、そろそろ仕掛けましょう。手筈通りにリンカは空から敵を監視して、攻められそうな場所があったら教えてちょうだい」

リンカ「わかった」

シャーロッテ「魔道砲台があるからジェネラル部隊は私たちが敵と交戦に入るまで待機。戦闘が始まったら各戦列の援護に回って」

新生暗夜軍ジェネラル「はっ、わかりました!」

サクラ「あの、リンカさん……」

リンカ「わかっている。空から見るのがあたしの仕事だが、同時にサクラを望む場所に連れて行くのもあたしの仕事だ。癒すべき相手を見つけたのなら言え、そこに連れて行ってやるさ」

サクラ「はい、よろしくおねがいします」

リンカ「よし、それじゃ行くぞ!」ググッ
 
 バサバサバサッ!

ルーナ「それじゃあたしたちも行くわ、みんな付いてきなさい!」

シャーロッテ「よし、行くぞ!」

新生暗夜軍兵士たち『オオーーーッ!』

 ドドドドドドッ
200 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 22:08:58.84 ID:ZG7QJwZY0
リンカ「そろそろ魔道砲台の射程だ」

サクラ「砲台に動きがありました、攻撃が来ます!」

ルーナ「みんな、攻撃が来るわ。気合で避けなさい」

新生暗夜軍兵士「了解!」

リンカ「来るぞ!」

 ゴオオオオオオッ ドゴオンッ!‼‼‼

ルーナ「うまく避けたわね。それじゃ、このまま距離を詰めるわ。シャ―ロッテ、初撃は譲ってあげるからきちんと決めなさいよ」

シャーロッテ「任せな、一気に吹き飛ばすから、そっちも援護よろしく」ググッ

ルーナ「ええ」タタタッ

旧暗夜軍兵士「来るぞ! 数はそれほど多くないが油断するな!」

 チャキキッ

シャーロッテ「見た目で甘く見てくれればこっちとしては都合がいいのに。それじゃいくわよ、はああああっ!!!」ググッ ブンッ!‼‼

 ドゴンッ‼‼‼

旧暗夜軍兵士「がっ!!!!」ドサササッ

旧暗夜軍兵士「な、何て力だ。だが、その勢いを付けての攻撃直後では、避けられまい。やああっ!!!」ダッ ブンッ

シャーロッテ「ルーナ!」

ルーナ「よっと!」サッ

 ガキィンッ!!

ルーナ「さすがにそれくらい御見通しよ。それっ!!」ブンッ

旧暗夜軍兵士「ちっ!」サッ

シャ―ロッテ「助かったけど、思ったより敵の層が厚いわ」

ルーナ「本当にね。だけど魔道砲台はあたしたちを狙ってないみたいだし、一気に穴をあけるまでよ」チャキッ

旧暗夜軍兵士「ふん、開けられるものなら開けてみせろ!」ダッ

ルーナ「ご要望通りに開けてあげるわ」ダッ

シャーロッテ「はあああああっ」ググッ!‼

 ブンッ!‼‼‼
201 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 22:11:32.24 ID:ZG7QJwZY0
 ドゴンッ‼‼‼‼‼

新生暗夜軍兵士「ぐああああっ……ぐっ、くそ……」ズズッ ズズズッ

旧暗夜軍兵士「止めだ!!!」チャキッ

新生暗夜軍兵士「!!!!」

 バサバサッ

リンカ「させるか!!!」チャキッ ブンッ

 ズビシャアアッ!‼‼

旧暗夜軍兵士「ぐあああっ!!!!」ドササッ

新生暗夜軍兵士「リ、リンカ様。ありがとうございます、助かりました。ううっ……」

リンカ「礼は不要だ、サクラ頼む」

サクラ「はい、今すぐ治療します」シャランッ

 シュオオンッ

新生暗夜軍兵士「あ、ありがとうございます、サクラ様」

サクラ「いいえ、気にしないでください。ご武運を」

新生暗夜軍兵士「はい!」タタタタッ

リンカ「ここ周辺は落ち着いて対処できているようだ」

サクラ「ええ、でも問題は東側ですね」

リンカ「ああ、魔道砲台からの攻撃が激しい。あいつら、東側から崩していくつもりみたいだからな」

サクラ「負傷者も多く出ているはずです。すぐに救援に向かいましょう。」

リンカ「よし、飛ばしていくぞ!」バサバサッ

サクラ(後方で待機していたジェネラル隊の皆さんも前進しています。どうにか、ジェネラルの皆さんが到着するまでに、負傷した方々の治療を終えて態勢を維持しないといけません)

サクラ「待っていてください、今向かいますから」
202 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 22:32:41.37 ID:ZG7QJwZY0
◆◆◆◆◆◆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍砲台兵「放て!‼‼」シュオンッ!

 ゴオオオオオッ バシュッ!!!
  ドゴンッ……

旧暗夜軍ランサー女「東側は順調って感じかな」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ああ、だが他は拮抗している。現状拮抗しているのであれば、あの後続の敵重装兵団に介入されれば崩されるのは明らかだ」

旧暗夜軍ランサー女「本当にね。それにしてもさっき白夜の王女を倒すチャンスだったのに邪魔をしてきた敵、あれだよね?」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「あれだろう。どうやら東側の援護に向かっているようだな」

旧暗夜軍ランサー女「あれ私に任せてくれる。それに、さっきブレイブは倒すのをしくじったんだから、今度は私でもいいでしょ?」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ふん、わかった。奴らはお前に任せるとしよう」

旧暗夜軍ランサー女「ありがと。ついでに東側も崩して来るから。みんな、行くよ」

旧暗夜軍兵士「わかりました、副隊長」タタタタタッ

旧暗夜軍ランサー女「それじゃ、運が良かったら戦線でね、ブレイブ」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ああ」

 タタタタタタタッ

旧暗夜軍兵士「隊長、良かったのですか。副隊長に任せて」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ああ、空からの目が厄介なのはこちらも同じだ。それをあいつが潰してくれるのならば、こちらも助かる」

旧暗夜軍兵士「ですが、その副隊長は……」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「大丈夫だ。あそこで誰が死のうとも、あいつは取り乱したりはしない。もう、あいつにとっての仲間はすでにいないのだからな」

旧暗夜軍兵士「隊長……」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「だから心配する必要は無い、ランサーがうまく戦果を挙げることを信じるだけでいい。それだけで十分だ」

旧暗夜軍兵士「わかりました。我々も出ますか、隊長」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ああ、おそらく敵重装兵と戦うことになる。対装備を忍ばせておくように他の者たちにも伝えておけ」

旧暗夜軍兵士「はっ!」タタタタタッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……」
203 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 22:51:34.94 ID:ZG7QJwZY0
旧暗夜軍ブレイブヒーロー(もう、あのようなことは起き得ない。そしてあいつがもう一度壊れることもない。なにせもう起きてしまったことだ……)

旧暗夜軍ランサー女(みんな、死んじゃった……。ブレイブさん、みんな死んじゃった、あははははは、暗夜のためにみんなで頑張ろうって、暗夜のために敵を倒していこうって決めてたのに。隊のみんな私だけ置いて死んじゃった……)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(テンジン砦での戦いで、あいつはすべての仲間を失った。あいつの所属していた部隊はテンジン砦と一緒に吹き飛んだのだから。そして壊れてしまった)

旧暗夜軍ランサー女(あははは、あはははははははっ!‼‼ でも大丈夫、私がみんなの分敵を倒せばいいんだ。暗夜のために敵を倒して、みんなの分戦えばいい。そうだよ、それでいい。だからさ、くよくよしてても仕方ない……よ。そうだ、部隊長が言ってたんだ。くよくよしてても仕方ないって。そうだよ、みんな死んじゃったけど、そんなの気にしてたら戦い続けられないよね。だから、気にしない私はみんなが死んだことなんて気にしない、ただみんなの分も私が暗夜のために戦えばいい。ねぇ、そうだろ……ブレイブ?)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(縋りつくような視線と声でそう聞いてきたから答えた。お前が望むように戦えばいいと。それでよかったのかどうかわからない。分からないからこそ、私は私の道を信じて戦う。あの日の言葉を彼女がどう思っていようとも……)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……」

旧暗夜軍兵士「隊長、準備が整いました」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「よし、砲台の防衛部隊だけを残し、俺たちも攻撃に向かう。敵の侵攻を阻止し、砲台をなにがあっても守り抜くぞ」

旧暗夜軍兵士「はっ!」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「よし、ランサーの部隊に後れを取るな!」タタタタッ

「続け!!!」
204 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/08/29(土) 22:52:28.17 ID:ZG7QJwZY0
今日はここまで
205 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/09/22(火) 17:54:25.42 ID:MTh/Lwyf0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東部魔道砲台近辺』―

ルーナ「はっ、それ!!!」チャキッ シュババッ!

 ザシュンッ ザシュンッ!

旧暗夜軍兵士「ぐえ……」ドササッ

ルーナ「ふぅ、一段落ね。さて次は――」タタタタッ

 シュオンッ

ルーナ「やば!」サッ

 ゴオオオッ ドゴンッ!!!

ルーナ「ああもう、砲台が鬱陶しい! あたしに何の恨みがあるわけ!?」

シャーロッテ「恨みとか以前に敵なんだから、狙ってくるのが当たり前でしょ」

ルーナ「そうかもしれないけど、もっと集団を狙うとかあるでしょ? ここ、あたしとあんたしかいないじゃん。絶対狙ってるわ」

シャーロッテ「まぁ、たしかにね。よっと!」ブンッ

 キィンッ

旧暗夜軍弓兵「気づかれた!?」

旧暗夜軍弓兵「ちっ、だが当てればいい、あんな軽装、一回当てるだけでも致命傷に――」

シャーロッテ「それはあんたらも同じだよ、おらあああああっ!!!」ブンッ

 ブンブンブンッ ズシャッ!!!!

旧暗夜軍弓兵「ぎゃああっ!!!」ドサリッ…

旧暗夜軍弓兵「あの女、武器を投げてきやがった!?」

シャーロッテ「ルーナ残り任せるわ」

ルーナ「はいはい」タタタタタッ
206 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/09/22(火) 18:03:06.69 ID:MTh/Lwyf0
旧暗夜軍弓兵「っ、来るな!!!」チャキッ パシュッ!!!
 
ルーナ「!」サッ

旧暗夜軍弓兵「くそっ」チャキッ

ルーナ「遅い!」チャキッ ブンッ

 ズビシャアアッ!!!

旧暗夜軍弓兵「く、くそぉ……」ドサリッ

ルーナ「これでよしっと!」

シャーロッテ「決まったみたいな言い方しているとこ悪いけど、あれの相手をしないとだめそうね」

ルーナ「あれ?」チラッ

旧暗夜軍兵士たち『……』ドドドドドドドドッ

ルーナ「はぁ、まだ来るの?」

シャーロッテ「本当、嫌になるわ……」

旧暗夜軍兵士『……』ガチャガチャ

ルーナ(うーん、対重装装備を持っているから、本当の目的は到着するジェネラル部隊の殲滅みたいね)

シャーロッテ(ジェネラルが隊列を組むところを一気に狙われると対処し辛くなるだろうから、ジェネラルが来る前にできる限り数減らすしかないか)

ルーナ「ねぇ、ちょっといい?」

シャーロッテ「あのさ、ちょっといい?」

二人『………』

シャーロッテ「それで、ルーナは何をしたいわけ?」

ルーナ「単純よ、打って出るから援護してほしいの。それで、あんたの要望は?」

シャーロッテ「こっちも打って出るから援護よろしくって感じ」

シャーロッテ「……」

ルーナ「……」
207 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/09/22(火) 18:05:07.51 ID:MTh/Lwyf0
二人『ふふっ』

ルーナ「それじゃ、方針も決まったし行くわよ」ダッ

シャーロッテ「ええ、一気に決めるわ」ダッ

旧暗夜軍兵士「敵が来ます!」

シャーロッテ「まずは挨拶だ。おらああああっ!」ググッ ブンッ!

旧暗夜軍兵士「ちっ、この程度撃ち落としてしまえば!」ブンッ

 ガキンッ ゴトンッ
  ダッ!

ルーナ「まずは一人!」ブンッ
 
 ズビシャアアッ

旧暗夜軍兵士「ぐああっ」ドサッ

旧暗夜軍兵士「この!」チャキッ

シャーロッテ「当たれ!」チャキッ ブンッ

 ヒュンヒュン ドスリッ!!!

旧暗夜軍兵士「がっ、手斧だと……」ポタタッ

シャーロッテ「邪魔よ!」ググッ ドゴンッ!!!

旧暗夜軍兵士「がはっ」ズサーーッ

旧暗夜軍兵士「っ、せめて一人だけでも! 死ねええ!!!」ダッ ググッ 

 ブンッ!
  カキィンッ!!!

旧暗夜軍兵士「っ!!!」

ルーナ「甘いわね。もう一人いることくらいちゃんと覚えておきなさい」ググッ キィンッ

 カランッ!

旧暗夜軍兵士「しまった、剣が――」

シャーロッテ「それじゃ、おやすみっと」ググッ ブンッ

 ドゴンッ!!!!

旧暗夜軍兵士「ぎゃああああっ」ドタッ……

旧暗夜軍兵士たち『……』
208 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/09/22(火) 18:08:16.72 ID:MTh/Lwyf0
シャーロッテ「ふぅ、一丁上がり!」

ルーナ「あんた、せめて武器使いなさいよ」

シャーロッテ「こっちのほうが手早いし、確実な距離だったからいいでしょ。それに、今はルーナしかいないから気にしなくてもいいわけだから」

ルーナ「まったく、でもその馬鹿力が頼りになるのは確かね」

シャーロッテ「馬鹿力っていうんじゃねえよ。これでも、か弱い乙女で通ってんだから」

ルーナ「か弱いって……ここまでの活躍を見てか弱いはないでしょ……ん?」

 タタタタタタッ

新生暗夜軍兵士「ルーナ様、シャーロッテ様。ご無事でしたか」

ルーナ「ええ、何とかね。それより、そっちの様子は?」

新生暗夜軍兵士「残炎ですが、敵の援軍に徐々にですが押されつつあります。砲台への侵攻に向けて準備していた左翼付近に攻撃が集中している状態です」

ルーナ「そう、右翼と左翼を落として、そのまま囲んで潰すつもりかも。早急にどうにかしないと……」

シャーロッテ「どうするの、ルーナ?」

ルーナ「私が援護に向かうから、シャーロッテはここで状況を見て動いてくれる」

シャーロッテ「状況を見てって」

ルーナ「そういうわけだから、援護はあたしと数名で行くから、残りのみんなはここを守って」

新生暗夜軍兵士「わかりました。ここは我々がジェネラル隊到着まで必ずや守り抜きます」

ルーナ「そういうわけだから、向こうはあたしに任せていいから。シャーロッテはあっちの万が一に備えていて。こっちのことは後回しでいいから」

シャーロッテ「わかったわ。気を付けなさいよ」

ルーナ「それじゃ、お願いね。ほら、行くわよ」タタタタタタッ

新生暗夜軍兵士「わかりました、ルーナ様」タタタタタッ

シャーロッテ「さてと、あとは向こうの様子次第ね」

シャーロッテ(まぁ、何事もなくて動かないで済めばいいけど……)

シャーロッテ「ここに私を残していった時点で、そういうわけにもいかなそうね……」チャキッ
209 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/09/22(火) 18:13:17.12 ID:MTh/Lwyf0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 シュオオオンッ

サクラ「……はぁはぁ、終わりました」

新生暗夜軍兵士「ああ、ありがとうございます。ううっ……」

サクラ「今はできる限り安静にしてください。まだ、持ちこたえられていますから」

サクラ(予想以上に負傷者が多い。下がろうにも何時後方からノスフェラトウの軍勢が来るかわかりません。砲台がこちら以外の場所を狙ってくれているのは不幸中の幸いですが、このままでは……)

リンカ「サクラ、そいつで最後のようだぞ」

サクラ「はい、状況はどうですか?」

リンカ「あまりよくはない。敵の増援が来てから目に見えて押され始めている。いよいよ、後がなくなってきた。あたしも戦闘に出るが、サクラ様はここで指揮を」

サクラ「いいえ、私も出ます。皆さんが戦っているのですから、それに今戦線にいる負傷者は後退できない状態になっているはずですから」

リンカ「わかった。それがサクラの考えなら、それに従うさ」

サクラ「はい、お願いします」

リンカ「よし、一気に前に出る。ここをどうにかしてからじゃなきゃ、いろいろと判断もできないからな」

サクラ「はい、ジェネラル隊の皆さんの到着まではどうにかして持たせましょう」

リンカ「ああ、そうだ――」

 ヒュンッ!!!

リンカ「!!!」ググッ

 ヒヒーンッ バサバサッ
  ヒュンッ!!!

サクラ「わっ、わわっ!!!」グラッ

リンカ「サクラ!」ガシッ

サクラ「あ、ありがとうございます。その、今のは一体……」

リンカ「槍だ。どうやら、あたしたちが来るのを待っていた奴がいるようだ」

サクラ「待っていたって……あ、また来ます!」

 ヒュンッ

リンカ「よっと!」ググッ

 サッ

リンカ「あいつだな……」

サクラ「……あの人は」

サクラ(先ほど戦った槍使いの人……ですよね)

リンカ「さっき、戦っていた奴だな」

サクラ「……はい」
210 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/09/22(火) 18:17:34.96 ID:MTh/Lwyf0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍ランサー女「ようやく姿を見せたから一撃で決めたかったけど、うまくいかないね」

旧暗夜軍兵士「副隊長、このまま敵を押し込みましょう。このまま押し切って瓦解させれば残りの敵を側面から攻撃することも可能になります」

旧暗夜軍ランサー女「ええ、後方から向かっているジェネラル隊のこともあるし、このまま一気に敵陣を崩しにかかろう。そのほうが、私にとっても都合がいい」

旧暗夜軍兵士「都合がいい、ですか?」

旧暗夜軍ランサー女「そうそう、都合がいいの」

旧暗夜軍ランサー女(だってそうだろう、救援のためにあいつらは来たんだから、こちらが攻勢に出れば、問答無用で前に出てくるだろうからね)

旧暗夜軍ランサー女「そういうわけだから、早速蹴散らしに行くよ」

旧暗夜軍兵士「はっ、すでに準備は整っています」

旧暗夜軍ランサー女「ふふっ、手際がいいね」

旧暗夜軍ランサー女(あいつらを殺す。殺せばそれが暗夜のためになる。みんなが成しえなかったのなら、私が載せていけばいい。それにあの日、ブレイブは言ってくれた……望むように戦えばいい、そう言ってくれた)

旧暗夜軍ランサー女「大丈夫……私はまだ戦える……」ボソッ

旧暗夜軍ランサー女(そう、国のために戦うことをまだ続けてもいい、こんな状況になって勝利が消え去っていく中であっても、私は戦ってもいいと言ってもらえた……。もっとも、ブレイブはそんなこと思ってもいないだろうけど)

旧暗夜軍ランサー女「あれがこっちに向かってきたら教えて、私が相手をするから」

旧暗夜軍兵士「はっ、わかりました」

旧暗夜軍ランサー女「ありがと。……それじゃ仕掛けるよ。みんなついてきて!」ダッ!

旧暗夜軍ランサー女(どんなに敵を倒しても暗夜の勝利はもう無い、そんなことはわかっている。だとしても私は戦う。それが――)

(あの言葉に救われた、私の唯一出せる答えなのだから……)
211 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/09/22(火) 18:18:17.47 ID:MTh/Lwyf0
今日はこれだけ
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 19:41:27.68 ID:Q2cY0ar80
213 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/10/20(火) 17:04:57.61 ID:T3ldRj+w0
◆◆◆◆◆◆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東側魔道砲台周辺』―

旧暗夜軍兵士「よし、一気に突き崩せ!」

新生暗夜軍兵士「攻撃が来るぞ、各自迎撃せよ!」

リンカ「あいつら、一気に決めに来たみたいだ。サクラ、攻撃できるか?」

サクラ「はい、この高さを維持してください」チャキッ

新生暗夜軍兵士「この、これで!!!」

旧暗夜軍兵士「そこだ! はああっ!」ググッ ブンッ!!!

 ガキィンッ!!!

新生暗夜軍兵士「あっ……しま――」

旧暗夜軍兵士「死ね!!!」チャキッ

新生暗夜軍兵士「ひっ!!!」グッ

サクラ「させません!!」パッ

 シュパッ!!!
  ドスリッ!!!

旧暗夜軍兵士「が……」ドサッ

新生暗夜軍兵士「え、俺、生きてるのか?」

新生暗夜軍兵士「おい、ぼーっとする暇があったらすぐに武器を拾え。まだまだ、敵は来るぞ!」

新生暗夜軍兵士「あ、ああ! うおおおおっ!」タタタタタッ

リンカ「よし、間に合ったぞ」

サクラ「次を狙います」チャキッ

 パシュッ!
214 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/10/20(火) 17:13:48.34 ID:T3ldRj+w0
旧暗夜軍兵士「副隊長、あそこです!」

旧暗夜軍ランサー女「どこかに逃げられるかと思ったけど、そうじゃないなら好都合だ。この距離なら届く!」グッ

リンカ「もう、追いつかれたか。サクラ、掴まれ!」ググッ

サクラ「は、はい!」ギュッ

 バサバサッ

旧暗夜軍ランサー女「喰らえ!!!」ブンッ
 
 ヒュオンッ!

リンカ「っ、どうにか避けられたか。サクラ大丈夫か」

サクラ「はい、なんとか。リンカさん、次が来ます!」

リンカ「ちっ!」ググッ

 ヒュン! ヒュンッ!

リンカ(ちっ、思ったよりも器用に狙ってくる!これじゃ、援護も偵察もできないぞ)

 バサバサッ

旧暗夜軍ランサー女「次!」ブンッ!

リンカ(回避はだめだ。なら、叩き落す!)

リンカ「はあああっ!!!」チャキッ ブンッ

 ガキィンッ!

サクラ「っ!!! リンカさん、大丈夫ですか?」

リンカ「大丈夫だ、それよりもどうする?」

サクラ「ジェネラル隊の皆さんが到着するまであと少しですから、突破されそうな箇所の援護に向かいたいところですけど……」

リンカ「どうやら、あたしたちを行かせるつもりは無いみたいだね」
215 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/10/20(火) 17:19:40.32 ID:T3ldRj+w0
旧暗夜軍兵士「敵ダークファルコンはこちらの攻撃で思うように動けなくなっているようです」

旧暗夜軍ランサー女「よし、奴がいる真下の敵陣に戦力を集中させる。奴は動けないように抑えつけておくから、存分に暴れてきて」

旧暗夜軍兵士「了解しました!」タタタタッ

旧暗夜軍ランサー女「ふふっ、もう逃がさないから!」チャキッ ブンッ

リンカ「くそっ、あいつの所為で思うように援護に入れない」

サクラ「まずいです、敵の戦力がこちらに向けて集まっています。ここを突き崩す気です」

リンカ「このままじゃ、ジェネラルが来る前にここの瓦解は避けられないぞ。どうするサクラ」

サクラ(見たところ、敵に弓兵はいないみたいです。なら、敵の頭上を通り過ぎることは難しい事じゃありません。だったら――)

サクラ「これくらいしか、ありません」

リンカ「何か思いついたか?」

サクラ「敵の隊列に攻撃を仕掛けて混乱させましょう。今の状況で行える時間稼ぎはこれくらいしかありません」
216 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/10/20(火) 17:38:50.71 ID:T3ldRj+w0
リンカ「わかった、すぐに高度を上げる。サクラは攻撃に――」

サクラ「いいえ、狙うのは正面に見えている隊列じゃありません。その後ろの隊列です」

リンカ「後ろの隊列って、まさか合流しようとしてる隊列のことか?」

サクラ「はい。敵に弓兵はいないので、投擲と魔道砲台の攻撃以外に私たちへ危害を加えることはできません。幸い、今は魔道砲台の攻撃は別の場所に集中していますし、混戦になることを予想してこちらへの攻撃は控えているのだと思います。それに、一騎で敵地に飛び込むなんて自殺行為を行ってくるとは思っていないでしょうし、だからこそ頭上を気を配っている方もいないはずです。そこを狙い打ちます」

リンカ「なるほどな」

サクラ「でも、不意を付けたとしても一瞬です。すぐに敵の多くが私たちに意識を向けて、攻撃してくると思います。ですが、それは同時に敵の隊列が乱れて前進が少し遅れるということにもなるはずです。そうなれば、ジェネラル隊の合流が間に合うかもしれません。だから、その、どうでしょうか?」

リンカ「どうでしょうかって、あたしには違う考えもなければ文句もないよ。考えることは苦手なんだ」

サクラ「でも、とても危険な作戦ですから……」
217 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/10/20(火) 17:41:36.74 ID:T3ldRj+w0
リンカ「はは、こんな危険なことを実行しようとしてるなんて知ったら、シャーロッテが飛んで来そうだ。さっきまで無茶な事はしないとか話してたのに、これだからな」

サクラ「だ、大丈夫です。無茶じゃなくて危険なだけですし、私一人じゃなくてリンカさんも一緒です。それに、これは二人で出来る範囲の行動ですから、問題ありません」

リンカ「ふふっ、確かにそうだな。あたしとサクラ、二人で出来るならシャーロッテの言う不公平じゃないのは確かだ」

サクラ「リンカさん」

リンカ「よし、そうと決まればさっさと仕掛けよう。それに一時とはいえ敵を飛び越すならついでに偵察もするぞ。勿体ないからな」ググッ

サクラ「はい。……よし」

 チャキッ

サクラ「リンカさん、次の攻撃を流したら少しだけ前に進んでください。その次の攻撃に合わせて一気に前進、敵の頭上に入り込んでください。攻撃は私が行いますから、リンカさんは飛ぶことにだけ集中してください」

リンカ「ああ、わかった」

サクラ「……」

リンカ「……」チャキッ

 ビュオオオッ!

リンカ「はああっ!」ブンッ!!!
218 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/10/20(火) 17:48:48.52 ID:T3ldRj+w0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ガキィンッ!!!

旧暗夜軍ランサー女「っ、また落された。だけど攻撃の処理に手一杯で、なにもできないみたいだね。戦列の状況は?」

旧暗夜軍兵士「はい、合流部隊が加わりました。あとはこのまま押し切るだけです」

旧暗夜軍ランサー女「よーし、一気に片を付けるよ。暗夜の敵は一人残らず殺さないといけないからね」

旧暗夜軍兵士「はっ!」タタタタッ

旧暗夜軍ランサー女(ふふ、敵陣を崩して、あいつらを仕留める。ブレイブにいい報告ができそう)

 バサバサッ

旧暗夜軍ランサー女「ん、あいつら動くつもりか? 今になって援護に出るつもりかもしれないけど、そんなことをさせるつもりなんてさらさらないよ!」グッ ブンッ!

 バササッ!

旧暗夜軍ランサー女「避けられた。ならもう一回……。え?」

 バサササッ!

旧暗夜軍ランサー女(私の投げた槍を撃ち落とさないで躱すのはいい。だけどなんで躱しながら、あいつら――)

 バサバサバサッ!

(こっちに向かって来るんだ?)
219 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/10/20(火) 17:49:31.71 ID:T3ldRj+w0
今日はここまで
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/20(火) 19:42:23.85 ID:U4SvQkwX0
221 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 18:57:09.83 ID:nXV5NvVJ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

リンカ「サクラ、しっかり掴まっていろ!」

サクラ「はい!」

 ヒュオオオオッ
  バサバサッ!

旧暗夜軍ランサー女「突破した!?」

リンカ「よし、奴らの上に出た。サクラ、任せたぞ!」

サクラ「はい!」チャキッ キリリリ……

サクラ(誰でもいいから攻撃を当てて、私たちに意識を向けさせないと!)

 バサバサッ

サクラ「はっ!」パシュンッ!

 ドスリッ!

旧暗夜軍兵士「ぐああああっ」ドササッ

旧暗夜軍兵士「なっ、うおおおあああああ」ドサササッ

旧暗夜軍兵士「どうした!?」

 ザワザワ

リンカ「よし、奴らの足が止まった。だが、まだこっちには気づいていないみたいだな」

サクラ「はい、こちらに気づくまで攻撃を続けます」チャキッ
222 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 18:58:55.65 ID:nXV5NvVJ0
旧暗夜軍兵士「くそ、いったい何が起きて……」

サクラ「……そこ!」シュパッ!

 ザシュリッ

旧暗夜軍兵士「ぎゃっ」ドサッ

旧暗夜軍兵士「あ、あそこだ。頭上だ、頭上にいるぞ!」

旧暗夜軍兵士「何時の間に!? ええい、敵は一騎だけだ、すぐに落とせ!」
 
サクラ「喰いつきました。リンカさん!」

リンカ「ああ、このまま一度敵の最後尾まで抜けるぞ」バサバサッ

サクラ「はい」
 
サクラ(あとは戻る合間に手薄な場所をつかめればいいのですが……)

 バサバサッ

リンカ「よし、最後尾まで抜けたぞ。魔道砲台はこっちを狙うつもりはないみたいだな」

サクラ「はい。砲台付近は少なからず防衛部隊がいるみたいですね」

リンカ「ああ、数はそれほど多くはないみたいだ」

サクラ「手薄というわけではありませんけど、敵陣を部隊規模で突破できれば制圧はできそうです」

サクラ(魔道砲台を制圧できれば中央の援護もできますし、敵も一度体制を立て直すために退いてくれるかもしれません)

リンカ「あとはジェネラルの合流に合わせて突き崩せそうな場所を見つけて戻るだけだ」

サクラ「はい!」
223 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 19:01:16.71 ID:nXV5NvVJ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

旧暗夜軍ランサー女「まさか、こんな風に動いて来るなんて……」

旧暗夜軍ランサー女(最前列の部隊は攻撃に入ったからまだいいけど、後続はだめか……)

旧暗夜軍兵士「副隊長、後方の部隊が奴らを追っています」

旧暗夜軍ランサー女「見事に乗せられたってわけ。ああもう、ここに来て戦列を乱しにくるなんて考えなかったよ」

旧暗夜軍兵士「どうします、奴らの狙いが砲台の方であったとするなら、彼らにそのまま追わせるのも……」

旧暗夜軍ランサー女「いや、出来る限りでいいから戻して、あんなのを追いかける必要はないし、もし本当に砲台占拠が狙いなら行かせて構わないよ。所詮、敵は一騎、防衛部隊だけでも処理できるはずだから」

旧暗夜軍兵士「わかりました、出来る限りの範囲で兵に戦列へ戻るよう指示を出します」

旧暗夜軍ランサー女「よろしく」

旧暗夜軍ランサー女(もっとも、あいつらはそんな無謀なことはしない。少なくとも、砲台占拠が目的だったら攻撃を加えずに一直線に進むよね。わざわざ自分の居場所を教えるような攻撃なんてしなくてもいいわけだし、追われるメリットなんてどこにもないはずだから)

旧暗夜軍ランサー女「となると、侵攻妨害と強行偵察が目的かな……」

旧暗夜軍ランサー女(危険を犯しても足止めに来たってことはジェネラル隊の到着はもう間近、こっちは隊列を崩されたから面倒な戦いになるのは避けられそうにない。けど、そのまま偵察までしようっていうのはちょっと欲張り過ぎたかな)

旧暗夜軍ランサー女「数人、私と一緒に来て」

旧暗夜軍兵士「はい! 奴らを追いかけて打ちますか?」

旧暗夜軍ランサー女「今さら追いかけるなんて馬鹿なことできないよ」

旧暗夜軍兵士「では、どうするのです?」

旧暗夜軍ランサー女「簡単、逆のことをするだけだよ」タタタタタッ
224 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 19:05:35.34 ID:nXV5NvVJ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ドドドドドッ

旧暗夜軍兵士「奴ら、砲台を目指しているみたいだぞ」

旧暗夜軍兵士「なら砲台の奴らと挟み撃ちにするだけだ。無謀な手に出たことを後悔させてやる」タタタタッ

 バサバサッ

リンカ「サクラ、砲台の敵も迎撃態勢に入ったぞ。後ろの連中はどうだ?」

サクラ「はい、私たちを追いかけています。後続の敵を出来る限り戦列から引き剥がせたようですから、もう大丈夫です」

リンカ「よし、反転して自陣に戻るぞ。敵の追撃も避けながら進むからな、かなり揺れるぞ。しっかり掴まっておけ」

サクラ「はい。敵陣の確認は私が行いますから、リンカさんは回避行動に集中してください」

リンカ「わかった」

旧暗夜軍兵士「よし、奴の動きが鈍くなった。これならいける!」チャキッ

旧暗夜軍兵士(その背中に刃を生やしてやる)

旧暗夜軍兵士「くらえ!!!」ググッ ブンッ

リンカ「ここだ!」ググッ!

 グオンッ
  バサバサッ!

旧暗夜軍兵士「なっ、砲台の攻撃に向かうんじゃないのか!?」

旧暗夜軍兵士「ちっ、あいつ戻っていくぞ! 何をしている、逃がすんじゃない!!」ダッ

旧暗夜軍兵士「ですが、この方角で投擲攻撃は出来ません。味方に当りかねません!」

旧暗夜軍兵士「くそ!」

 バサバサッ

リンカ「へっ、さすがにここまで来て戻るとは思ってもみなかったみたいだな。連中、攻撃も出来ずに棒立ち状態だぞ」

サクラ「私たちの進行方向に味方がいますから、投擲攻撃はできないでしょう。何はともあれ助かりました」

リンカ「まったくだ。それで攻められそうな場所は見つけられそうか?」

サクラ「確認してみますね」

サクラ(今なら、敵の後方がもっとも薄い場所が分かるはずです。そこを探し出さないと……)

 バサバサッ

サクラ(ここは駄目、あそこも駄目です。他に突き崩せそうな場所。あ、あそこなら……)

リンカ「サクラ、目星は付きそうか?」

サクラ「はい、反対側の場所。敵の後続が他よりも少ないみたいですし、一気に突き崩せれば砲台までの道を一気に抜けられるかもしれません」スッ

リンカ「よし、確認も出来た、さっさと戻るぞ」

サクラ「はい!」
225 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 19:08:01.72 ID:nXV5NvVJ0
旧暗夜軍兵士「副隊長の予想通り、こちらにやって来たぞ」

旧暗夜軍兵士「手筈はわかっているな?」

旧暗夜軍兵士「わかっている。よし、仕掛けるぞ」チャキッ

 バサバサッ

旧暗夜軍兵士「くらえっ‼」ブンッ

サクラ「リンカさん!」

リンカ「ちっ!!!」ググッ

 ヒヒーンッ!
  バサバサッ

旧暗夜軍兵士「行かせるか! そらっ!!!」ブンッ
 
リンカ(ちっ、待ち伏せされたか。くそ、見えない毒霧の所為で思った以上に高くは飛べない。どこか抜けられる場所は!)

サクラ「リンカさん、右が手薄です!」

リンカ「右だな、行くぞ!」

 バサバサッ

サクラ「はぁ、危なかったですね」

リンカ「ああ、どうにか無事に抜けられそうだ。ふっ、サクラあれを見ろ」

サクラ「え?」

 ガシャンガシャンッ!

新生暗夜軍ジェネラル「よし、各自敵の迎撃に当れ。我らが新生暗夜の頑強さを奴らに思い知らせてやるのだ」

新生暗夜軍兵士たち『おーーーっ!』

サクラ「あれはジェネラル隊の皆さん。よかった、間に合ったんですね」

リンカ「これでこちらも簡単に落ちることは無くなった。ようやく、攻勢に出られるぞ」

サクラ「ええ」

サクラ(まずは戻ってシャーロッテさんとルーナさんに報告しないといけませんね。それで、攻勢部隊を編成して一気に砲台を占拠することが出来れば、姉様たちの力にもなるはずです)

リンカ「よし、あと少しだ。なんとかなったな」

サクラ「はい、どうにかなりましたね。ふふっ」

 バサバサッ

旧暗夜軍兵士「どうだ?」

旧暗夜軍兵士「ああ、奴らは手筈通りの場所を通る。俺たちの役割はこれ終わりだ、さっさと戦列に戻ろう。あとは、副隊長に任せればいい」
226 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 19:11:55.40 ID:nXV5NvVJ0
旧暗夜軍ランサー女「ふふ、来た来た」

旧暗夜軍ランサー女(手薄な場所があったらそこに行きたくなる。そうだよね。仲間の下に帰れるっていうのは、とても安心できることだからさ。私も、そうやってみんなの下に帰れれば良かったけど……)

旧暗夜軍ランサー女「この距離なら外さない。特に背中に乗ってる奴は絶対に……」チャキッ

旧暗夜軍ランサー女(あれは白夜の王女だ。暗夜の敵、みんなが倒そうとしていた敵、そしてみんなを奪った国の人間……。容赦する必要はどこにも無い)ググッ

旧暗夜軍ランサー女「みんな、最高のお土産を送ってあげるからね。ふふふっ」

旧暗夜軍ランサー女(さぁ、殺すよ)ダッ
 タタタタッ

リンカ「ん?」

リンカ(後方から、誰かが来ている?)スッ

旧暗夜軍ランサー女「死んでね、白夜の王女!!!! はあああっ!!!!」ブンッ!

リンカ(敵!? ダメだ、手綱を緩め過ぎて、回避が間に合わない!)

リンカ「サクラ!!!」

サクラ「え?」スッ

サクラ(あ、敵が、いつの間に後ろに。ちがう、恐らく待ち伏せされた? 飛んできてる、あれは槍? リンカさんが慌てているのは、どうして? あ、間に合わないから……。そうか)

サクラ(私、無茶しちゃったんですね……)

旧暗夜軍ランサー女「ははっ、貰ったよ」

サクラ(………ごめんなさい)
227 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 19:13:59.30 ID:nXV5NvVJ0
 タタタタタッ

???「おらああああっ!!!!!!」ブンッ

 ヒュンヒュンヒュンッ
  ガキィンッ!‼‼
   カランカランッ!

旧暗夜軍ランサー女「は?」

旧暗夜軍ランサー女(なんで、私の投げた槍が落ちるの? あの王女の背中を貫くはずの槍が、なんで……)

旧暗夜軍ランサー女「もう一回――」チャキッ

???「やらせるかよ!」ブンッ!

旧暗夜軍ランサー女(トマホーク!?)グッ

 ガキィンッ!
  ズシャッ!

旧暗夜軍ランサー女「っ‼‼‼」ポタタッ

旧暗夜軍兵士「副隊長、ここは退きましょう。敵ジェネラルも迫っています」

旧暗夜軍ランサー女「くっ、ちくしょう!」タタタタタッ

旧暗夜軍ランサー女(あと、あと少しだったのに、くそ、くそぉ!!!)

???「はぁ……はぁ、まったく、無茶してんじゃねえよ、本当に」
228 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 19:15:37.40 ID:nXV5NvVJ0
 バサバサッ

サクラ「い、生きてる……私、助かったんですか」

リンカ「ああ、そうみたいだ。すまない、あたしがもっと気を配ってればこんなことには……」

サクラ「いいえ、私も注意が足りませんでした。それよりも、一体誰が助けてくれたんでしょうか……」

リンカ「あー、下を見ればわかるよ。どうやら、あたしたちの行動を見てたんだろうな。急いで来たって感じだ」

サクラ「下ですか? えっっと……あ」

シャーロッテ「サクラ様、それとリンカも無事!?」

サクラ「シャーロッテさん……。はい、二人とも大丈夫です!」

シャーロッテ「そう、無事なのね。とりあえずさっさと降りてきなさい。っていうか降りて来い! 今すぐに!」

リンカ「あれは怒ってるな」

サクラ「怒ってますね……」

リンカ「とりあえず降りよう、降りないと守ってくれたみたいにトマホークが飛んできそうだ」

サクラ「は、はい」

シャーロッテ「降りてこないなら、これぶん投げるぞ」

リンカ「わかった、わかったからちょっと待て!」

 バサバサッ 
  ドスンッ
229 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 19:17:03.75 ID:nXV5NvVJ0
シャーロッテ「……」

サクラ「あ、あの、シャーロッテさん……」

シャーロッテ「サクラ様、無茶しないって言った直後に何してんのよ。あれ、完全に無茶な行動でしょ?」

サクラ「うう、ごめんなさい」

シャーロッテ「まったく、見てたこっちは冷や汗ものよ。いきなり敵陣に突っ込んでいくなんて、無茶にもほどがあるっつーの。もう心配させんじゃないわよ、わかった?」

サクラ「は、はい、シャーロッテさん」

シャーロッテ「よし、それじゃこの話は終わりね。それで、なんであんな無茶なことをしたわけ? さすがに敵陣の中に負傷した味方が取り残されているってわけじゃなさそうだけど」

サクラ「その敵の進軍を遅らせるために攪乱を。そうしないと、ジェネラルの皆さんが到達するまで戦列を維持できないと思って……」

シャーロッテ「なるほどね。自分がやらなきゃって思うのはいいけど、少しは立場を考えてよ。こういうことがあったってレオン様やカムイ様に説明する身にもなってほしんだけど」

サクラ「ご、ごめんなさい」

シャーロッテ「でも、そのおかげでどうにかジェネラル部隊の到着は間に合ったみたいだから、まぁ結果だけは良かったからいいとして。ともかく、戦場に安全な場所はそうそうないんだから、ちゃんと注意すること、わかった?」

サクラ「はい。それと、敵の一番手薄な場所を見つけてきました。ジェネラル隊の方々も合流しましたから、こちらから仕掛ける準備はできたと思います」

シャーロッテ「いいわね。それで、その場所ってのはどこ?」

サクラ「はい、反対側です。こちらが一番圧されている場所です。けど、その所為か敵の数も他に比べると少ないようですから」

シャーロッテ「反対側ね」

サクラ「それで、出来ればこのことをルーナさんにも知らせたいのですけど、ルーナさんはどちらに……」

シャーロッテ「なるほどね。でもルーナに知らせる必要は無いわ。だってその反対側っていうのは、今ルーナが援護に向かってる場所だからね」
230 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 19:22:15.47 ID:nXV5NvVJ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東側魔道砲台周辺・左側』―

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「はっ、せいやあああっ!!!」ブンッ

 ズシャッ

新生暗夜軍兵士「ぎゃああっ!」ドサッ

新生暗夜軍兵士「くそ、こいつ強い!!」

新生暗夜軍兵士「このままじゃ押し切られちまう、どうすれば!」

 ガシャンガシャンッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「む?」

新生暗夜軍ジェネラル「ようやく合流できたな。全員、交戦準備! 敵を押し返せ!」

新生暗夜軍兵士「よし、援軍だ。これでどうにか持ち堪えられるはずだ」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ふん、ようやくお出ましか」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(敵の数はそれなりに減らせている。複数戦ならば苦戦はするが、今の状況ならば一対一で相手が出来るだろう)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「各員、装備をアーマーキラーに変更。奴らの壁、その全てを剥がし落とせ!」

旧暗夜軍兵士「はっ! よし行くぞ!」

 ドドドドドドッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(ここ一帯の敵を壊滅させ、あとは側面からやつらの戦列を圧迫する。最終的に敵を一角に抑え込めればそれで終わりだ)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ふっ、勝ったな」

ルーナ「勝利を確信するにはまだ早すぎると思うけどね」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「!」スッ

ルーナ「はあああっ!!!」ダッ

 ガキィンッ!
  ズササーーッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ほう、まさかもう一度会うことになるとはな」

ルーナ「ええ、本当にね。それじゃ、さっきの続きよ、覚悟しなさい」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ふん、覚悟をするのはお前だ。今回は守ってくれる仲間はいないぞ?」

ルーナ「それはあんたも一緒よ。さっきみたいに逃げるなんてできないと思いなさい。それにあんたがここの指揮官みたいだし、あんたを倒して一気に決めさせてもらうわ」チャキッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「いいだろう。出来るのならばやって見せることだ」チャキッ

ルーナ「ええ、見せてあげる。それじゃ――」

「行くわよ!」ダッ
231 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/11/10(火) 19:23:23.57 ID:nXV5NvVJ0
今日はここまで

 FEHに新しいカザハナが実装されましたね。
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/14(土) 13:00:46.75 ID:GLbKqaeho
乙 
ルーナでは、ルナ暗夜ブレイブヒーローにはかてなーい!!
233 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/08(火) 09:50:48.83 ID:AFh4bbG+0
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東側魔道砲台周辺・左側』―

ルーナ「はああああっ!」

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ふんっ!」

 ガキィンッ

ルーナ「っ!」

ルーナ(剣戟が予想以上に重い。純粋な力比べじゃやられる。なら!)

ルーナ「はっ! やあっ!!!!」ブンッ ブンッ

ルーナ(攻撃を加え続けて、付け入る隙を与えなければいけるはず!)

 キィン! ガキィン!

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ふん、この程度の攻撃でこちらの動きを止められるとは思わないことだ。はあああああっ!」グッ ガキィンッ!‼‼

ルーナ「や、やばっ!」フラッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「」チャキッ ブンッ

ルーナ(この構え、振り下ろしね。なら、距離を取って仕切り直しすれば――)ダッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「逃がすか!」ググッ

ルーナ(振り下ろしじゃない。この構えは、突きだ!)チャキッ

 ガキィンッ!
234 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/08(火) 09:55:15.61 ID:AFh4bbG+0
旧暗夜軍ブレイブヒーロー「防いだだと!?」

ルーナ「っ、やああっ!」ブンッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ちっ」サッ

ルーナ「はぁ……はぁ…」

ルーナ(間一髪。だけど、この次は受け切れるかわからない。少なくとも、受けに回って勝てるほど、優しい相手じゃない。なら、最初に決めた通りに攻め続けるまで)

ルーナ「はあああっ!」チャキッ ダッ

 キィン! カキィンッ!

ルーナ「っ! はああっ!」ブンッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「っ、はあっ!」キィンッ グッ 

 ガキィンッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「そこだ!」グッ ドゴンッ!!!

ルーナ「っ、まだまだっ!」ブンッ ブンッ!

 キィン ガキィンッ!

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「その程度か。はああっ!」ググッ ドゴンッ!‼‼

ルーナ「っと! 」ササッ チャキッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー(積極的に攻撃に出てきたが、この程度か。ならば次は容赦なく吹き飛ばし、その命を一撃で絶ってやるとしよう。その剣戟も次で終わりだ)

ルーナ「……」
235 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/08(火) 09:57:01.61 ID:AFh4bbG+0
旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……」チャキッ

ルーナ(なるほどね。こいつの癖、ちょっとだけわかってきた。なら、そこを突くしかないでしょ)ダッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「はああっ!」チャキッ

ルーナ「はあああっ!」ブンッ!ブンッ!

 キィン!

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「……」スッ グッ

ルーナ(待ってたわ、その構え!)スッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「!?」

ルーナ(あんたは癖でタイミングを見計らって受け止めて一気に弾いて間合いを詰めてくる。なら、その瞬間は隙が出来る!)

ルーナ「そこよ、はあああっ!」ググッ ドゴンッ!

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「ぐっ!!! 蹴り……だと!?」グラッ

ルーナ(やった、うまく入って姿勢も崩せた! このまま切り倒してあげる!)チャキッ

ルーナ「もらった!」ダッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「くっ」スッ

ルーナ「遅い!」ブンッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「!」バッ

 ガキィィィィンッ!‼‼ ザシュンッ!‼‼ ブシャアアッ!
236 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/08(火) 09:59:13.27 ID:AFh4bbG+0
ルーナ(ん、手ごたえはあったけど、なに今の音。金属に当ったみたいな音だったけど……)スッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「はぁ…はぁ…、次はこちらの番だ」チャキッ

ルーナ(嘘、生きてる!? ちゃんと首筋めがけて振り下ろしたはずなのに、なんで――)

 カランッ ガシャンッ!

ルーナ「ショルダーシールド!?」

ルーナ(受け流したんだ。ショルダーシールドを使って、あたしの攻撃を!)

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「この距離ならば、外さん!」ググッ

ルーナ「っ!」サッ

ルーナ(回避だけじゃだめ、剣で受け流さないとやられる! 間に合え!!!)スッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「はあああああああああああああっ!!!!」ブンッ!‼‼

 ガキィンッ!‼‼
   ザシュッ!‼

ルーナ「っ、痛ぁ……」ズササーーッ

ルーナ(っ、どうにか流せたけど思ったより深くもらっちゃった。だけど、敵も無事ってわけじゃなさそうね)ポタタタッ

旧暗夜軍ブレイブヒーロー「はぁはぁ……。ちっ、仕留め損ねたか」ポタタタッ

ルーナ(受け流して致命傷は免れたみたいだけど、さっきの攻撃はどうにかあいつの左腕には届いた。相手が無傷でこっちは負傷ってわけじゃない。なら――

(あたしにも、まだ勝機はある!)チャキッ
237 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/08(火) 10:00:10.80 ID:AFh4bbG+0
今日はここまで
238 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/24(木) 18:48:24.51 ID:01mrACZZ0
 今日はピエリの誕生日なので、ピエリ誕生日SSになります。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 今日はピエリさんの誕生日である。そんな当たり前のことを目覚めてすぐに思い浮かべた。いつも寝起きしている部屋とは違う城下町の小さな宿舎の一室、その部屋の隅には今日渡すプレゼントも入った小物入れが置いてある。
 ラッピングはピエリさんの好きな赤で、リボンの色は彼女のお気に入りであるリボンを思ってストライプ柄で決めている。抜かりはありません。
 今日はみんなでピエリさんにプレゼントを贈ろうという話になっていて、各自がそれぞれ贈る物が出来る限り被らない様にと事前の打ち合わせもこなしていたりと、中々に徹底していると思う。

「よし、早く行かないと」

 目的が決まっていると体はすぐ動くもので、身支度を手短に済ませて受付にあいさつをして宿を出た。
 とても冷え込むことで有名な暗夜の冬は、今日もその通りにとても冷え込んでいた。一ヶ月ほど前の初雪から断続的に降雪は続いていたこともあって、城下町全体がフリージアになってしまったかのように錯覚するほどに、一面が白い化粧で彩られている。
 化粧といえば、ピエリさんの化粧は思ったよりも濃い。そういった化粧道具というのもプレゼントとしてはとても良かった。でも、私には化粧道具の知識なんてこれっぽっちもないので、ニュクスさんとシャーロッテさんが化粧道具をプレゼントとして送ることになっている。
 そんな化粧を施された大通りを進んでいると、とても香ばしい香りが漂ってきた。視線を向けると、すでに幾つかの露店が開業の準備を始めている。パンにスライスしたチーズ、そして鉄板で焼いたブロックミートを挟んだお手軽だけどボリュームのある商品が調理されている。
 やはり、ピエリさんといえば料理で、これは多くの知人の共通見解だった。あのマークス様もピエリさんの誕生日には質のいい料理包丁を一つ送ろうと言っていたし、ラズワルドさんもそうすると言っていた。そのため料理包丁についてはお二人にお任せしたのである。
239 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/24(木) 18:51:53.23 ID:01mrACZZ0
 続いて鼻を突いてきたのは甘い香りで、視線の先にはたっぷりとはちみつを掛けて、最後にホイップクリームを乗せたパンケーキの準備が行われている。ピエリさんは甘いお菓子が好きだった。最初、そういったスイーツの詰め合わせを模索していたけれど、それを送る役目は私がしたいというカゲロウさんと、ならば私もというスズカゼさんたちに譲ることにした。なんでも、ピエリさんでもおいしくお茶が飲める和菓子を送るつもりらしい。
 そして、洋菓子はブノワさんとハロルドさんが用意することになっている。ハロルドさんはいろいろと運が悪い人だから心配だったけれど、ブノワさんと相談した結果、ブノワくんと同じ甘いお菓子を頼むことにすればきっと私の頼んだ物はしょっぱいお菓子になるはずだ。これで甘いお菓子としょっぱいお菓子、両方をピエリくんに渡すことができるぞ、と言っていた。
 お茶といえば紅茶というのもあったけれど、紅茶に関してはジョーカーさんとフェリシアさんが送ることになっていて、同時に今日一日はピエリさんの専属給仕として仕えることになっている。残念ながら、私には紅茶の葉の見分け方も、給仕としての腕もないから、あきらめるしかなかった。
 大通りをさらに進んでいくと、今度は武器防具店が目に入った。あの戦いが終わりを迎えてからこういったものの出回りは落ち着いたけれど、未だに山賊や盗賊による被害が地方の村で起きている。そういえばフランネルさんはさすがに何を送ればいいかわからないから、後日人狼を狙う狩猟団退治を正式にピエリさんの騎士団にお願いするって言っていた。フランネルさんなりに考えた結果らしい。まぁ、人それぞれですよね。
 で、そういうこともあってまだまだこういった武具に需要があるというのはなんだか複雑なものだった。そして、そんな武具を送ろうと言い出したのはオーディンさんとルーナさん、そしてベルカさんである。ルーナさんはどっちが強いのかをさらに決めるためにはいい武器でやりあわないと意味がないと言っていた。ベルカさんは贈り物がよくわからないからとルーナさんと一緒に選ぶことにするらしい。そして、オーディンさんは蒼き赤き混沌が身に纏う衣は俺が選ばなければならないとよくわからないことを言っていた。どちらにしても、ピエリさんに誕生日プレゼントを贈りたくてたまらないのだ。もちろん私もその一人です。
240 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/24(木) 18:53:50.65 ID:01mrACZZ0
 また少し進むと書店が目に入る。本というのはとてもいいものだけど、ピエリさんのイメージという点ではあまり繋がりを見出せない。だけど、料理のレシピ本はそれなりに読んでいるらしい。だからこその腕前だと思えることもある。ならと、本を送ることにしたのはエルフィさんだった。正直、エルフィさんは本を読むよりもそれで訓練をしているイメージが強いから、石のような本をプレゼントしそうな予感はあるけど、ピエリさんの作るおいしいごはんのレパートリーが増えることを期待している節もあるのではないかと思う。そういえば、レオン様も本関連で何か送ろうとか考えているらしい。特にレオン様が送る本っていうのがどういうものなのかはとても気になる。少し前に人を殺してはいけないことを他人にどう説明すればいいのかとカミラ様に相談していたようですが、カミラ様も心底悩んでいました。
 次に見えたのは調理道具の店舗。調理というのは思ったより重労働で使用する道具もできる限り重くない方が好ましい。つまり料理は運動といっても差し支えないものなのだ。だからなのか、ピエリさんの殺人衝動を運動に昇華させるなら、料理をさらに進んでできるように質のいい調理器具をプレゼントすればいいのではないかと、サイラスさんが名乗りを上げた。さすがは、ピエリさんの殺人衝動を運動で解消しようと考えた人なだけはあります。
241 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/24(木) 18:55:23.08 ID:01mrACZZ0
 さらに歩いていくと装飾品を売っている小さなお店が目に入った。いわゆる古今東西の煌びやかな装飾を取り扱っているのが売りみたいで、淡いランプの光が積もった雪と相まって、落ち着いた雰囲気を醸し出している。店先にはきらきらと揺れる花や蝶の飾り、雪にちなんで雪だるまの形をしたアクセサリーなども置かれていた。アクセサリーもプレゼントとしていいですが、それに関してはニシキさんとヒナタさんがすでにプレゼントを考えていた。ニシキさんは、ピエリは変わってるよね、芋虫はだめだけど蝶は平気なんだからさ、とすでに渡すものの形が想像できることを口にしていたし、ヒナタさんもリボンのお返しするにはいい機会だからなと張り切っているようだった。
 そして最後に通るのは衣装を扱うお店だ。ここにはいろいろな種類の服が扱われている。店頭のショーケースに並べられたドレスが目に入った。今日ピエリさんが着るドレスは私の主であるカムイ様がピエリさんと共同で制作したものだ。理由は、ピエリさんが可愛いので、私が思う最高に可愛いピエリさんがかわいいと思うドレスを作って誕生日に着てもらいたいからという欲望に忠実なもので、これにはさすが姉様だと感服してしまう。
 そして、それの完成にはあともう一つ、必要なものがあって、私はそれを届ける役目を担っていて、それが今日の朝から熟すべき私の目的だった。
 そんな時、目的地のシルエットが目に入った。
 ピエリさんのお屋敷は、この雪の中であっても、その明かりから存在を認識できる、こんな朝だけれどさすがに会場ということもあって準備に余念がないということでしょう。そう思いながら駆け足気味にお屋敷へと、私は向かった。
242 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2020/12/24(木) 18:57:15.73 ID:01mrACZZ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 今日はピエリの誕生日、そう思うとぱっちり目が覚めた。
 起き上がると、数日前に設置された大きな衣装棚が目に入る。カムイ様と一緒に一ヶ月以上前から作った今日のドレス。出来れば今すぐにでも着たいけど、まだ必要なものがそろってないから我慢する。
 部屋の外からは人が行き来する音が絶え間なく聞こえる。ピエリがベッドから降りるとその音に気づいて部屋前に待機していた使用人が入ってきた。

「おはようございます、ピエリお嬢様」
「おはようなの。うー、思ったより寒いの」
「はい、先日までの降雪の影響でかなり冷え込んでいるみたいですから、まだ休まれますか?」
「ううん、もう起きるの。誰かが訪ねてきたらすぐにお出迎えしたいから」
「かしこまりました。すぐにご準備いたしますので、少々お待ちくださいませ」

 そして、着替えを使用人二人に手伝ってもらって着替えを済ませる。専用のドレスになるのは早いけど、誕生日に来てくれる人を持てなす分には問題ない格好だった。
 それに着替え終えて一息吐こうとしたら、ドアをノックして執事が入ってきた。

「ピエリお嬢様、リリス様が到着されました」
「え、もう来たの!?」

 居ても立っても居られなくてすぐさま部屋を飛び出した。
 長い廊下を進んで、ホールの階段を下りていくとそこに黒いコートに身を包んだリリスの姿があった。使用人と談笑しているようで、まだピエリが来たことに気づいてないみたいだから、踵を返して反対側の階段から降りる。
 まだ談笑を続けているその無防備な背中を視界にとらえてじりじりとにじり寄る。リリスと話をしている使用人と目が合うと、使用人は小さく頷いたまま話を続けた。厚意に甘えてそのまま背中ににじり寄る。そして――
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