【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―7―

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271 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/08/27(金) 20:35:52.27 ID:AeJhD3hJ0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

リンカ「なに!?」

リンカ(後方の奴らが動きを変えやがった!)

リンカ「サクラ右だ!!! 奴ら右に向かってるぞ!」

サクラ「え!?」

リンカ「右に残りの敵が雪崩れてやがる。このままだとまずい!」

サクラ「! みなさん、行きましょう!」タッ!

新生暗夜軍兵士「はっ、行くぞ!」

サクラ「はぁ、はぁ!」タタタタッ

サクラ(お願い、間に合って!)

サクラ(あと少し、あと少しで魔道砲台をシャーロッテさんたちが抑えてくれるはず! だから、だから!!!)

 グアアアアアアッ‼‼‼‼

サクラ「!」
272 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/08/27(金) 20:40:25.85 ID:AeJhD3hJ0
旧暗夜軍兵士「これでどうだ!」ブンッ

 ズビシャ‼‼

新生暗夜軍兵士「ぐあああっ」ドササッ

新生暗夜軍兵士「っ、く、くそ!!! 数が多すぎる!!! このままでは――」

 タタタッ

旧暗夜軍ランサー女「邪魔だよ」チャキッ ドスンッ

新生暗夜軍兵士「がっ……」ドサリッ

新生暗夜軍重装兵「軽装のものは下がれ、ここは我々が――」

旧暗夜軍ランサー女「今だ!」

旧暗夜軍兵士「はっ!」チャキッ

新生暗夜軍重装兵「っ! アーマーキラーか!?」グッ

旧暗夜軍兵士「遅い!」ダッ ブンッ

 ガキィィィィィンッ! ズビシャアアアッ

新生暗夜軍重装兵「うぐおおおおっ」フラッ

旧暗夜軍ランサー女「死ね」ドスリッ

新生暗夜軍重装兵「……」ガシャンッ

旧暗夜軍ランサー女「ふふっ、ここは崩した。このまま一気に殲滅するよ!」

旧暗夜軍兵士「おおおおおっ!!!」

 ドドドドッ
273 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/08/27(金) 20:45:49.95 ID:AeJhD3hJ0
サクラ「……っ」

新生暗夜軍兵士「サクラ様」

サクラ「一刻も早く、皆さんの援護に向かいましょう」

新生暗夜軍兵士「はっ。孤立しかけている味方の援護に入れ! どうにかして戦線を立て直すんだ!」タタタタッ

サクラ(まだ戦いは終わっていません。突破されたことよりも、それをどうにかするために動かないと!)

サクラ「よし」タッ

旧暗夜軍ランサー女「はああっ」ブンッ!

サクラ「っ!!!」サッ

 ドスンッ‼‼‼

旧暗夜軍ランサー女「ちっ、外したか。まぁ、あっさり終わるのも味気ないからいいけどさ」グッ チャキッ

サクラ「あなたは……」

旧暗夜軍ランサー女「白夜の王女、あんたは殺せばみんな喜んでくれる。隊のみんなも、ブレイブもね」チャキッ

サクラ「……」

旧暗夜軍ランサー女「二回も見逃したけど、三度目はもうない。そうだね、無様に命乞いでもしたら、ちょっと考え直してあげてもいいけど。どうかな?」

サクラ「……そんなことはしませんし、私はあなたになんて殺されません」チャキッ

旧暗夜軍ランサー女「ははっ、この状況でも怖がらないんだね。見た目と違って強情で、心底むかつくね」ギリッ
274 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/08/27(金) 20:50:28.61 ID:AeJhD3hJ0
サクラ(この人から感じる物。ユキムラさんがカムイ姉様に向けたものと同じもの。きっと、この人も多くのものを失ってしまったのかもしれません)

サクラ(だけど、だとしても私は、そのために命を明け渡すことはできません。多くの人が私に託してくれた思いを無駄にするわけにはいかないから)

旧暗夜軍ランサー女「本当にむかつくよ。これから切り刻まれるのに、震えもしないなんてさ」

サクラ「怯えるわけにはいかないんです」

旧暗夜軍ランサー女「……なに?」

サクラ「この先、私のために命を賭してくれた方々を覚えて生きていくためにも、そしてあなたのその執念にきちんと向き合うためにも。怯えて震えているわけにはいかないんです」

旧暗夜軍ランサー女「……そうかい、なら向き合うついでに死んでよ。そうだけでこっちは満足なんだ。ああ、殺してやるよ、今回は絶対に逃さない」ググッ

サクラ「受けて立ちましょう。白夜王国の人間である私が――」

「あなたのその思いを終わらせてみせます」チャキッ
275 : ◆P2J2qxwRPm2A [saga]:2021/08/27(金) 20:52:05.65 ID:AeJhD3hJ0
 今回はこれだけ
276 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/09/25(土) 13:27:21.20 ID:md9FNWgS0
サクラ「……」

旧暗夜軍ランサー女「……そうかい、終わらせてみせるねぇ。たしかに終わらせられるよ。もちろん――」

 グッ

旧暗夜軍ランサー女「お前が死ぬっていう結果でな!」ダッ

サクラ「!」

旧暗夜軍ランサー女(奴の武器は弓、この距離ならこっちの方が早い!)

旧暗夜軍ランサー女「はあああっ!」ブンッ

サクラ「っ!」サッ

旧暗夜軍ランサー女「逃がすか!」チャキッ ブンッ

 ザシュッ!

サクラ「っ!!!!」タッ
 
旧暗夜軍ランサー女「ほら、どうした白夜の王女、さっきの言葉はどこ行ったんだい?」

サクラ「!」チャキッ

 シュパッ!

旧暗夜軍ランサー女「はっ、その程度!」ブンッ

 カキィンッ!
  カランカランッ

サクラ「はああっ」ググッ

 シュパッ!
  シュパパッ

旧暗夜軍ランサー女「っ」

 キィンカキィンッ

旧暗夜軍ランサー女(次のタイミングで一気に距離を詰めてやる)

サクラ「これで!」チャキッ

旧暗夜軍ランサー女「そこだ!」ダッ!

サクラ「!」パシュッ

 ズビシャッ!

旧暗夜軍ランサー女「っ!」

旧暗夜軍ランサー女(っ、一本もらったけど、この程度なら!)

 ググッ

旧暗夜軍ランサー女(この距離、殺せる)チャキッ ググッ!

旧暗夜軍ランサー女「死ねぇぇぇえええ!」ブンッ‼‼‼‼

サクラ「!」

 ズビシャアアアッ‼‼‼‼


277 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/10/17(日) 10:24:12.68 ID:TqeFzA9b0
サクラ「あああっ!!!!」 フラッ

サクラ(っ、だめここで体勢を崩したら!!!)

旧暗夜軍ランサー女「ふん、しぶといね。だけど――」チャキッ

 ドゴンッ

サクラ「きゃああっ!」ドササッ

旧暗夜軍ランサー女「これで終わりだ」ダッ

旧暗夜軍ランサー女(誰かわからないくらいに、その顔をぐちゃぐちゃにしてやる!)

サクラ(まだ、ここで死ぬわけにはいかないんです。私は見届けないといけない。リョウマ兄様やヒノカ姉様、そしてスズメさん達が繋げてくれた未来を見届けること、それを諦めるわけにはいかない)

 グッ

サクラ(いかないんです!)

旧暗夜軍ランサー女「死ねえええ!」スッ

 ブンッ

サクラ「!」サッ

 ズシャリッ

旧暗夜軍ランサー女「!!!!」

旧暗夜軍ランサー女(こいつ、こっちが顔を狙ってるって読んで――)

 チャキッ

サクラ(この距離、外しません!)ググッ

旧暗夜軍ランサー女「っ、この――」スッ

サクラ「……ごめんなさい」

 パシュンッ!

 ドスッ!
278 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/11/11(木) 19:52:04.76 ID:kb0nTWaU0
◆◆◆◆◆◆

旧暗夜軍ランサー女「ぐっ、あああああああっ!!!!!」ググッ

旧暗夜軍ランサー女(っ、胸が熱い! っ、なんで、なんでだよ、なんでこうなるんだよ!)

旧暗夜軍ランサー女「ぐ、うあああああっ」ブンッ

サクラ「っ!」タッ

旧暗夜軍ランサー女「っ、くそ、くそくそくそ!!!!」

旧暗夜軍ランサー女(どうして殺させてくれない、白夜の人間の一人や二人どうして殺させてくれないんだ。私には、その機会さえも与えてくれないっていうのか?)

旧暗夜軍ランサー女「っ、ううううっ」ググッ

旧暗夜軍ランサー女(大丈夫、まだ立てる。武器だって握れる、まだ、まだやれる……)

 ポタタタッ

旧暗夜軍ランサー女「はあ…、はあ…、っ、この程度でどうにかなると思ってるなら、大間違いだよ」ズズッ ズズッ

サクラ「……」

旧暗夜軍ランサー女(なんだよ、なんでそんな目をするんだよ。なんでそんな、悲しい顔をする? そうか、そうだよな。先の攻撃でこっちを殺すつもりだったからだ。それがこうして動いてるから……敵わない……って……)ズササッ

 ドサリッ

旧暗夜軍ランサー女「……え?」

旧暗夜軍ランサー女(なんでこっちが倒れてるんだ? 目の前に敵がいるのに何で倒れるんだよ。あと少しでみんなの仇も取れて、あいつにもブレイブにだって安心してもらえるのに、なんでこんな……)

旧暗夜軍ランサー女「……ごふっ」ビチャッ
279 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2021/12/05(日) 13:59:29.75 ID:T32zM8N40
旧暗夜軍ランサー女(くそ、こんな矢の一本、この程度で……)

旧暗夜軍ランサー女「こ、こんなもの、ぐううっ……」グッ

旧暗夜軍ランサー女(こんな程度で諦められるわけがない。こんな、こんなもの……)

 ググッ グッ

旧暗夜軍ランサー女「なんで、なんで……抜けないの……」

旧暗夜軍ランサー女(力が入らない、目の前に殺したい奴がいるのに……。なんで、なんで――)

サクラ「ごめんなさい」

旧暗夜軍ランサー女「?」

旧暗夜軍ランサー女(なんだよ、なんで謝るんだよ。謝るくらいなら今すぐ死んでくれてもいいだろ。私が失った分、少しでもいいから……何か……示せるものを、手に入れさせてよ)

旧暗夜軍ランサー女「ブレイブ……が、安心……できる、何か……かはっ……」ビチャチャッ

旧暗夜軍ランサー女(体が寒い、手が震えて矢を握ってられない……。ああ、死ぬんだ、私はここで……何も示せないまま)

旧暗夜軍ランサー女「う、ううううっ……」ポタ……

旧暗夜軍ランサー女(ブレイブ……私、何も得られなかった……。結局、私は救われただけで、何も返せなかった)

旧暗夜軍ランサー女「ご、めん……よ……」

 クタリッ
  カランッ……

旧暗夜軍ランサー女「」
280 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/01/01(土) 12:16:12.59 ID:lkqcOjlS0
サクラ「はぁ……はぁ……、っ」

旧暗夜軍ランサー女「」

サクラ(……)

 バサバサ

リンカ「サクラ!」

サクラ「リンカさん……」

リンカ「くそ、すぐに治療するから一度下がるぞ。誰でもいい援護してくれ!」

新生暗夜王国兵士「はっ、ここは我々に任せてください」

リンカ「ああ、任せた。サクラ歩けるか?」

サクラ「はい、大丈夫です。っ……」

リンカ「すまん、シャーロッテに任されたっていうのに、あたしは肝心な時に……」

サクラ「でもこうして一番に駆けつけてくれたじゃないですか。リンカさんが私のことを助けようとしてくれているのはわかってますから」

リンカ「だが――」

サクラ「ふふっ」

リンカ「な、何で笑うんだ」

サクラ「いいえ、リンカさんは頑固だなーって思って」

リンカ「……サクラも同じくらい頑固だと思うけどな」

サクラ「ふふっ、そうかもしれませんね」

リンカ「急いで駆け付けたっていうのに、まったく」

 ザッ ザッ

リンカ「とりあえずあれだ、無事でよかった」

サクラ「はい、リンカさん」
281 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/01/23(日) 12:28:04.70 ID:NhP3hUch0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東部』―

旧暗夜軍兵A「おい、副隊長はどうした!?」

旧暗夜軍兵B「左翼からの敵陣に入ってから姿を見ていない」

旧暗夜軍兵A「どうするんだ!? このまま押し合いへし合いしてても落とせるわけない!」

旧暗夜軍兵C「くそ、後方の砲台班は何をやってるんだ!? もう敵陣は射程に入ってるのになぜ援護しない!?」

旧暗夜軍兵A「ん、ちょっとまて」

 シュオオオオオオンッ

旧暗夜軍兵A「砲台に動きがあるぞ。敵はさすがにこの逃れるような回避行動はとれないはずだ。魔道砲台の援護射撃に合わせて一気に打ち崩す」

旧暗夜軍兵A(よし、そのまま敵陣をなぎ倒して―――)

 ヒュオオオオオオオオッ ドゴオオオオンッ

旧暗夜軍兵B「はっ?」

旧暗夜軍兵C「馬鹿、目測を誤ってどうるするんだ!? そっちには誰もいないからよかったものの、もしも部隊がいたら――」

旧暗夜軍兵A「………まて、なんだあれは?」

旧暗夜軍兵A(あれは狼煙? 狼煙の合図など聞いていない。あれは一体……)

 シュオオオオオンッ

旧暗夜軍兵C「また発射準備に入ってるが、あの狼煙はなんだ!?」

旧暗夜軍兵B「っ、おい、敵がこちらを圧し始めてるぞ!?」

旧暗夜軍兵A「なに!?」

旧暗夜軍兵C「お、おい。どういうことだ!? 今さっきまで攻勢に出られるような素振りなんてなかったはずだ。砲台のことが見えてないのか?」

旧暗夜軍兵A「……ま、まさか……」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区・東部』魔道砲台―

ルーナ「威嚇射撃はこれで終わり、次からは直接狙っていいわ」

新生暗夜軍兵A「はっ」

シャーロッテ「これで敵を撤退させればこっちの勝ちね」

ルーナ「ええ、だけどまだ戦いは終わってないから気を抜かないで行くわよ。なにせ、敵本陣はまだ生きてるんだからさ」

シャーロッテ「そうね。でもまずはサクラ様の援護からしないと」

ルーナ「ええ、かなり待たせちゃったからね。まずはサクラ様の救出に向かうわ」

シャーロッテ「わかったわ。数名を防衛に残して。残りはサクラ様を助けに行くわよ」

新生暗夜軍兵たち『はっ!』

 シュオオオオオオッ

新生暗夜軍兵A「準備整いました」

ルーナ「いいわ、始めちゃって!」

新生暗夜軍兵A「了解、砲撃開始します!」シュオンッ

 ゴオオオオオオッ!

ルーナ(東部はこれで抑えられた。あとは敵の心臓部―――)

(中央部の戦いがどう動いていくのか、それ次第ね……)
282 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/02/21(月) 19:56:08.64 ID:7goda/Av0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―白夜王国・渓谷出口の村『中央区』―
 
 パカラパカラッ!

マークス「はああああっ!」チャキッ

 ブンッ

マクベス「ふん、そこです」シュオンッ

 ヒュオオオッ

マークス(この風の流れ、まずい!)

マークス「はああっ!」ググッ‼‼‼

 ヒヒーンッ! ダッ

マクベス「エクスカリバー!!!!!」

 ヒュオオオオオオッ‼‼‼‼

マークス「っ、うおおおおおおっ」

 パカラパカラッ!

マクベス「ふん、逃げ切られましたか。さすがはマークス王子だ」

マークス「……マクベス」

マクベス「ですが、次は避けられますかな?」パラパラパラッ

マークス(っ、マクベスめ、予想以上の攻勢だ。ここまでの力を持っているとはな。だが――)

マークス「避けるか、それは貴様の方だ!」チャキッ シュオンッ

 バシュンッ!

マクベス「!」サッ

 タタタタタッ

マークス「逃がさん!」シュオンッ

 バシュ! バシッ! ヒュオンッ!

マークス(このままジークフリートで追い込めば!)

マクベス「追い込まれるつもりはありませんよ、マークス王子」ググッ

 ダッ‼‼‼

マークス「!?」

マークス(距離を詰めるか、マクベス!)チャキッ ググッ

マクベス「今です!!!」

 ザザッ

旧暗夜軍ソーサラー「いけっ、ここでマークス王子を仕留めろ!」

マークス(敵の援軍!? くっ、これが奴の狙いか)

マクベス(マークス王子、あなたは少し素直すぎます。それはある種人を惹きつけるものかもしれませんが、同時に付け入る隙でもあるのです)

マクベス「さぁ、どう動きます、マークス王子……」シュオンッ
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 21:08:20.04 ID:KfenuVEbo
マークスww
284 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/03/20(日) 09:55:30.80 ID:E5c2lRbW0
旧暗夜軍ソーサラー「この機会、絶対に逃すな。この孤立してる今が最大の勝機、マクベス様からの援護もある。行くぞ!」

旧暗夜軍兵士A「うおおおおっ!」タタタタッ

マークス「……」

マークス(マクベスがこうして私の前に現れた時点で、私を孤立させる算段をしていたことを考慮すべきだったな。だが、それが歩みを止める理由になどなりはしない)

マークス「そちらが策を弄するならば、正面からすべて切り捨てるまで。はああああっ!!!」チャキッ

マクベス「ライナロック!」シュオンッ

マークス「!」サッ

 ドゴンッ!

旧暗夜軍兵士A「そこ、もらった!」チャキッ ブンッ!

 ガキィンッ

旧暗夜軍兵士A「っ!」

マークス「狙いはいい、だがその程度で私は倒せんぞ」チャキッ

旧暗夜軍兵士「しまっ――」

マークス「はああっ」ググッ!

旧暗夜軍ソーサラー「させるか。ファイアー!」シュオンッ

マークス「!」キィン ダッ

 ボウッ

旧暗夜軍ソーサラー「未だ、距離を取れ!」

旧暗夜軍兵士A「は、はいっ、すみません」

旧暗夜軍ソーサラー「気にするな、それよりもすぐに仕掛けられるよう息を整えておけ」

マークス「……」

マークス(敵の士気、練度が今までの者たちとは桁違いに高い。……マクベス、これほどまでの者たちを従えているとはな)
285 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/04/17(日) 18:23:17.36 ID:5777HfI00
マークス(いや、この者たちが優れているだけではない。戦う意味、その力量、あらゆるものが異なる者たちをまとめ導く力があるからこそ……)

マークス「……父上はお前を軍師の席に置いていたのだろうな」チャキッ

マークス(……今ここにいるすべての敵は父上が育て上げてきた暗夜王国、その理想なのかもしれん)

マークス「だからこそ、越えねばならん。父上と異なる道を歩む以上」ダッ

旧暗夜軍ソーサラー「ライトニング!」シュオンッ

 バシュンッ! バシュンッ!

マークス(おそらく、奴の攻撃はこちらをキルゾーンに誘い込むためのもの。ならば――)ググッ

旧暗夜軍ソーサラー「今だ!」

旧暗夜軍兵士A「はい、これで!!!」チャキッ

旧暗夜軍兵士A(このまま槍を投擲して足止め、一気に距離を詰めれば!!!)

旧暗夜軍兵士A「くらえ!」ググッ ビュンッ

マークス「そう来るだろうと、思っていたぞ。はああっ!」ググッ
 
 ズササッ ダッ

旧暗夜軍ソーサラー「なに!」

旧暗夜軍ソーサラー(こちらに向かってきた!? 馬鹿な、まだこちらの放ったライトニングは生きているというのに、死ぬ気か!?)

 バチンッ

マークス「っ!!!」グラッ

旧暗夜軍ソーサラー「自棄になったみたいだな、次で終わりだ」シュオンッ

マークス(一発はもらった、だが――)

マークス「この距離はお前だけの攻撃距離ではないぞ」シュオンッ

旧暗夜軍ソーサラ―「ライトニ――」スッ

マークス「ジークフリート!」

 バシュッ! ズビシャ!!!!

旧暗夜軍ソーサラー「がっ、ぐっ、くそぉ……」ドサッ

286 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/05/15(日) 11:26:51.63 ID:EENJIum/0
マークス「はぁ……はぁ……」ポタタタッ

マークス(どうにか凌いだ。だが……)

 タタタタタタッ

旧暗夜軍兵士B「マクベス様!」

旧暗夜軍兵士C「指示をお願いいたします」

マクベス「上出来です。彼らが作ったこのチャンスを逃す手はありません」シュオンッ

旧暗夜軍兵士たち『はい!』

マクベス「あなた方は私の後ろへ、マークス王子の動きは私が止めます。そこを挟撃するのです」

旧暗夜軍兵士B「はっ!」

マクベス「行きますよ」ダッ

 タタタタッ

マクベス(先ほどの我が身を顧みない戦い方には感服いたします。ですが、この状況を覆すにはまだまだ足りませんよ、マークス王子!)

マクベス「ライトニング!」シュオンッ

 バシュンッ! バシュンッ!

マークス「はあっ!」ググッ

 サッ

旧暗夜軍兵士B「そこだ!!!!」チャキッ

 ブンッ

マークス「させん!」チャキッ

 ガキィンッ‼‼‼

旧暗夜軍兵士B「ちっ」サッ

旧暗夜軍兵士C「くらえ!!!」ブンッ

マークス「甘いぞ、はあああっ!」グググッ

 ブンッ ガキィンッ

旧暗夜軍兵士C「うおっ! くそ、届かないか」

マークス「はぁ……はぁ……はぁ……」

マクベス「ここは凌ぎますか、さすがです。ですが……もう長くは持たないようですねぇ、マークス王子」

マークス「……」
287 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/05/15(日) 11:28:53.02 ID:EENJIum/0
今回はこれだけ、更新が鈍足過ぎて申し訳ない。

闇リリスが実装されて、最高でした。
288 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/06/11(土) 10:50:52.53 ID:/LcD5X4D0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―渓谷入口の村内部『中央西区域・魔道砲台周辺』―

カザハナ「ライブ! はい、これで大丈夫だよね」シュオンッ

カミラ「ええ、ありがとう。西側の魔道砲台周辺は制圧できたみたいね」

アシュラ「ああ、何とかな。ただ、中央にある弓砲台周辺の防護は厚い。ここにたまってる竜騎兵の動きをけん制してやがる」

ニュクス「魔道砲台で援護したいところだけど射程はぎりぎり敵の弓砲台には届かないわ。きちんと計算しているみたい」

カミラ「さすがに抜け目はないということね」

ニュクス「そうね。ん?」

 タタタタタッ

旧暗夜軍兵士「失礼いたします。他戦線の情報が来ました」

カミラ「聞かせて頂戴」

旧暗夜軍兵士「はっ、中央での戦線は現在拮抗、東側魔道砲台の制圧もほぼ完了しているとのことです」

カミラ「そう、順調みたいね」

ニュクス「ええ、あとは中央の弓砲台を抑えることができれば、敵は下がるしかなくなるはずよ。ここは慎重に動いて弓砲台の制圧に向かうのが得策だと思うけれど

カミラ「確かにそうね、だけど……」

アシュラ「ん、どうした?」

カミラ「……中央の戦線は拮抗しているそうね」

旧暗夜軍兵士「は、そのように聞いております。カムイ様にマークス王子がおりますから」

カミラ「でも、同時に敵の狙いが集中する場所でもあるわけね。マクベスが前に出ていたことを士気の高揚を狙ってのことかと思っていたけれど……そういうことね」

 タッ

カミラ「マクベスはこの戦いの狙いを定めているわ。私たちにとっての暗夜王国を導く人を殺すこと、それが今のマクベスたちの狙い。こちらから攻めている状態だから勘違いしていたわ」

ベルカ「カミラ様?」

カミラ「ここの守備は最低限にして、中央の敵を強襲するわ。敵の戦力が中央に纏まりつつある以上、今マクベスはその狙いを遂行するために動いているはずよ」

ニュクス「敵の狙いはマークス王子……ということね」

カミラ「おそらくね。マクベスの狙いはこちらの殲滅でも、ここを守ることでもない。ただ一点――」

「お兄様を討つことよ」
289 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/07/10(日) 12:41:47.85 ID:uOO2z5RW0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◆◆◆◆◆◆
―渓谷入口の村内部『中央区域・弓砲台周辺』―

旧暗夜軍アドベンチャラ―「それで状況はどうなってんだ?」

旧暗夜軍兵士「はい、西区域の敵にまだ動きはありません、東区域はだんだんとですが押し込まれつつあります」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「だとしても東のことは東の奴らに任せるしかねえさ。こっちはこっちで、横やりが入らねえよう戦うだけだ」

旧暗夜軍兵士「はい。マクベス様の策、うまく行くといいのですが」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「そのために俺たちがいる。マクベス様の策がうまく行くようにフォローするためにな」チャキッ

旧暗夜軍兵士「アドベンチャラ―殿?」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「至急だ、弓砲台の奴に連絡しろ。西の奴らが動き出しそうだってな」

旧暗夜軍兵士「はっ!」タタタタタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「………」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(まったく、本当に焼きが回ったっていうのはこういうことを言うんだろうが……)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「はぁ、金銀財宝を奪うこと以外にやりがいのあることなんてないって思ってたが、悪くねえもんだな――」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(誰かのために、戦うっていうのはさ……)

 チャキッ

旧暗夜軍兵士「弓砲台に伝達完了しました。全員、戦闘準備整っています」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「よし西からくる奴らを迎え撃つ、誰一人もマクベス様の下に行かせるんじゃねえぞ!」

旧暗夜軍兵士たち『おおおおーーーーーーっ!』
290 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/08/07(日) 19:46:52.36 ID:uuRAI2j60
旧暗夜軍アドベンチャラ―「おい、伝令を一人メイドちゃんに出しておけ、こっちの敵が動き出したってな」

旧暗夜軍兵士「了解しました!」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「さてと……」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(迂回してくるつもりはないってことは、こっちの狙いがそれなりにわかってるってことか……)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「たく、簡単に勝たせてくれねえな……」

旧暗夜軍兵士「敵の竜騎兵隊を確認。こちらに向かって前進してきます」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「よし、弓砲台はまず牽制だ、奴らの隊列を崩せ。残りは当たらなくてもいい、撃ちまくって相手の動きを鈍らせろ。まずはそそれからだ」

旧暗夜軍兵士「はっ!」タタタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―(奴らの機動性は馬鹿にできねえ。だが、少しでも動きを止められれば勝機はある。マクベス様が敷いた上空の見えない毒霧の所為もあって、あいつらだって好き勝手に動ける状況じゃないはずだからな)

旧暗夜軍兵士「敵先陣、弓砲台射程に入ります!」

旧暗夜ぐアドベンチャラ―「よし、放て!」

 バシュシュッ‼‼‼‼‼
291 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/09/03(土) 10:57:50.98 ID:WrAmG3Cl0
旧暗夜軍兵士「こちらの攻撃に合わせて敵が散会します」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「上々だ、とりあえず無理やり抜けようとする奴がいたら優先的に叩き落してやれ。それと杖が仕える奴は各部隊の後方に付いて敵の妨害、奴らの機動力を奪い取る。だが、あくまでもこっちは迎撃に徹しろ、奴らの誘いに乗って前に出すぎるんじゃないぜ」

旧暗夜軍兵士「はっ!」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(頭数は向かってくる敵に仕掛けに行ってどうにかなる数じゃねえ。奴らの誘いには乗らないようにしねえと簡単に突破されちまう)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「いいか近くの仲間に意識を配って前に出そうになってる奴がいたら静止させろ。状況はギリギリ、俺たちにとって正念場だからよ」

旧暗夜軍兵士「はい!」

旧暗夜軍兵士アドベンチャラ―「よし、砲台前に展開――」

「行くぞ!」タタタタタッ
292 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/09/30(金) 19:12:21.59 ID:GzISjoTG0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 バサバサッ

新生暗夜軍ドラゴンマスターA「敵部隊、砲台前に展開していきます」

カミラ「こっちの動きはさすがに読んでいるわね。だけど、こちらも退くわけにはいかないわ。ベルカ、ニュクスと一緒に敵をかき乱しなさい。敵に隙が生まれたら一気に畳みかけるわよ」

ベルカ「わかったわ。ニュクス、かなり動きが激しくなるわ、しっかりつかまっていて」

ニュクス「ええ」

アシュラ「俺とツバキも相手の攪乱に徹する。突破は任せるぜ」

カミラ「ええ、お願いするわ」

新生暗夜軍レヴナントナイトA「カミラ様、私が先行します」

カミラ「任せたわ」

新生暗夜軍レヴナントナイトA「はっ! 行くぞ、何としてでも中央部への道を切り開くのだ!」

新生暗夜軍レヴナントナイト部隊『おーーーっ!』

 バサバサササッ!
293 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/10/29(土) 10:42:35.68 ID:WTiTtWIv0
旧暗夜軍兵士「来たか、通れるもんなら通ってみやがれ!」チャキッ パシュッ

ベルカ「ニュクス……」

ニュクス「ええ!」ギュッ

 バサバサバサッ

旧暗夜軍兵士「くそ、ちょこまか動きやがって!」チャキッ パシュ!

ベルカ「ニュクス、今よ」

ニュクス「ええ、攪乱程度ならこれで十分よ。ファイアー!」シュオンッ!

 ゴオオッ! バチンッ!

旧暗夜軍兵士「うぐっ、だがこの程度の攻撃なら!」ギリリッ パシュンッ

ベルカ「……この程度」ブンッ ガキンッ!

ニュクス「はっ」シュオンッ!

 ドゴンッ

旧暗夜軍兵士「ぐっ……この!」チャキッ

ニュクス「敵の意識がこっちに集中し始めたみたい」

ベルカ「……ここからは回避に専念する。さらに動きまわすことになるから気を付けて」

ニュクス「ええ、私は打てる隙があったら打ち込むから、ベルカは好きに動いて」

ベルカ「わかったわ」

ベルカ(ここの敵の意識はこっちに向いてる。これならアシュラたちも距離を詰められるはず。あとは、それが突破の糸口になるまで避け続けるだけ)

 バサバサッ

ベルカ(必ず、カミラ様を中央部に向かわせてみせる!)
294 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/11/28(月) 18:24:10.14 ID:Yj1x6DFi0
新生暗夜軍ドラゴンマスターA「敵の攻撃がベルカ様たちに集中し始めています。今なら距離を詰めるのも可能かと」

アシュラ「よし、この機を逃さず行くぞ。ツバキ行けるな?」

ツバキ「うん、問題ないよ。援護は任せて」

アシュラ「ああ、任せるぜ。よし、一気に距離を詰めるぞ。相手に選択の余地を与えるな」

新生暗夜軍兵士「はっ!」

 タタタタタッ
295 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2022/12/27(火) 20:11:28.53 ID:lv7iacnO0
旧暗夜軍兵士「敵、地上部隊が動きます」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「きやがったか。弓砲台に標的を変更させろ」

旧暗夜軍兵士「はっ!」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(竜騎兵での牽制からの地上部隊での強襲、手慣れた手順だ。だが、こちらもそれくらいは織り込み済みだ)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「こっちもわずかなチャンスに賭けてんだ。そう簡単に突破できるなんて思うんじゃねえぞ」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「弓部隊構え、次の次の攻撃を接近する敵地上部隊に切り替えろ。奴らの距離が迫った瞬間に一気に畳みかけるぞ」

旧暗夜軍兵士「はっ!」
296 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2023/01/24(火) 21:05:10.83 ID:vJvbWigm0
新生暗夜軍兵士「敵、弓部隊展開!」

アシュラ「展開してきやがったか。みたところ狙いは竜騎兵、一気にこのまま距離を詰めるぞ」

ツバキ「なるほどねー。だけど、少し注意した方がいいかな」

アシュラ「注意?」

ツバキ「うん、先までよく動いてた弓砲台、静かになったみたいだからね……。こっちの動きに合わせてるようにしか見えないからねー」

アシュラ「……なるほどな、ならそれも織り込んで進むまでだ。ツバキ、お前に頼みがある」

ツバキ「ん、なにかなー?」

アシュラ「何、簡単なことさ。ちょっとだけ間をあけてくれ」

ツバキ「……結構危ないと思うけど、本当にやるのかい?」

アシュラ「このくらい渡れないでどうする。相手の策は少し読めてんだ、あとはその裏を掛ければめっけもんさ」

ツバキ「はは、ぶっきらぼうな考えだねー。あんまりそういうのは好きじゃないんだけど」

ツバキ「ここは乗る以外に手はなさそうだねー」チャキッ
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2023/02/23(木) 18:19:17.10 ID:pTdfYuNh0
異界の神竜軍で戦場でのエロハンドが横行しております
298 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2023/02/26(日) 19:34:31.09 ID:LNQAM5xK0
旧暗夜軍兵士「弓砲台、敵地上部隊へ先頭への攻撃準備完了」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「よし、砲台部隊は指示まで待機。弓兵隊は引き続き竜騎兵隊に仕掛けろ」

旧暗夜軍兵士「はっ! 一番隊放て!」

 シュパパパッ!
  ヒュンッ!

旧暗夜軍アドベンチャラ―「敵の隊列は?」

旧暗夜軍兵士「はい、敵地上部隊、以前距離を詰めてきています。あと少しですべて射程に入ります」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「よし、弓砲台の攻撃が合図だ、各自敵の地上部隊を各個撃破しろ。接近してこない限りは白兵戦を仕掛けるなよ」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(敵の隊列がしっかりしてるとことを見るに、おそらく機を見て一気に飛び込んでくるつもりだろうが、そうはさせねえぞ)

旧暗夜軍兵士「二番隊に隊列入れ替え。構え!」

 チャキッ

旧暗夜軍兵士「放て!」

 シュパパパパッ!

旧暗夜軍アドベンチャラ―「ちっ、竜騎兵どもは落とせずじまいか。だが、ここからは――」

 ドドドドドドドッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「なんだ?」

旧暗夜軍兵士「敵部隊、急速に接近してきます!」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「そうかい、予想よりちょっと早いが迎え撃つまでだ。砲台で、奴らの先頭を抑えな。それに合わせて、飽和攻撃。奴らを一人として通すな!」

旧暗夜軍兵士「はっ、砲台部隊へ。攻撃を開始せよ。目標は接近中の敵地上部隊!」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(これで奴らの足が止まればそれで終いだ!)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「射て!!!!」

 バシュシュシュンッ!!!
299 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2023/03/25(土) 14:20:40.65 ID:nGTxijtr0
新生暗夜軍兵士「弓砲台からの攻撃、来ます!」

ツバキ「進軍を一度停止! 向かってくる砲台の矢に気を配っておくように」

新生暗夜軍兵士「はっ」

ツバキ「それじゃ、先人は任せるよ」

アシュラ「ああ、そのつもりだ。行くぞ、弓砲台の再装填と、敵戦線がこっちに狙いをつける前に距離を詰めろ。弓砲台のでかい矢にやられるじゃねえぞ」

新生暗夜軍兵士「了解!!!」

 ダダダダッ
 バシュシュシュッ!

アシュラ(来たな、あの角度から察するに奴らの狙いはこっちの足止め。こっちが全員足を止めたら、そのまま奴らの攻撃態勢が整っちまう。かといって、このまま全員で突撃しても面攻撃で頭を押さえられる。となれば――)

アシュラ「こういうのに賭けるしかねえってことだ」

 ドドドドドッ!
  ドスンッ!
   ドゴンッ

新生暗夜軍兵士「うお、あぶねえ!」

新生暗夜軍兵士「っ、あと少しで貫かれるところだったが、これで!」

アシュラ「全員、正面の攻撃に備えろ。ここで決めるぞ!」

新生暗夜軍兵士「おおーーーーっ!!!」チャキッ

300 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2023/04/22(土) 06:06:08.84 ID:dm0v2CBF0
旧暗夜軍アドベンチャラ―「へっ、そう簡単に前進させるか。このまま、抑えて弓砲台で一網打尽にしてやる」

旧暗夜軍兵士「敵、動きが鈍り始めています。これなら!」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「ああ、このまま抑え込め!」チャキッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―(これで決まりだな。さすがに後続は間に合わねえはず、ここは抑え込んだ!)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「……ん?」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(敵の陣形は変わってない、変わっていないはずだ。だが、何か違和感がある)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「……頭数が足りてねえ?」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(敵の先頭列は変わってねえ、だが、あの人数、想定より全然少ねえ。もっといるはずだ。少なくともまだこっちは大打撃は与えられてない。だとすれば――)

 ドドドドドッ

旧暗夜軍兵士「先陣後方より敵多数、左右に展開、急襲してきます! ど、どちらを狙いましょう」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「ちっ! これが狙いか」

新生暗夜軍兵士「ツバキ様、アシュラ様の部隊への攻撃が弱まっています」

ツバキ「アシュラたちが引っ張ってくれた分、的が増えて混乱してるみたいだね。なら、ここを突かないわけにはいかない」

「敵の陣はここで崩す」
301 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2023/05/22(月) 20:52:40.50 ID:xzBLq+tp0
旧暗夜軍兵士「て、敵軍来ます!」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「俺を中心にして左右それぞれに対処しろ。前列は白兵戦準備、後列は可能な限りでいい、敵を狙え!」

旧暗夜軍兵士「は、はい!」

 ザザザッ チャキンッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―(最初の奴らはまだここまで届かねえ。弓砲台の攻撃を今止めたらそれで終わりなら、これ以外に手はないだろうが)

新生暗夜軍兵士「はあああああっ!」ダダダダッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「さぁ、やるぞお前ら!」チャキッ

旧暗夜軍兵士「おおおおーーーー!!!!」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「全員返り討ちだ。行くぞ!!!!」ダッ

旧暗夜軍兵士「くらえっ!」パシュンッ!!!

 ヒュンヒュンッ

ツバキ「はっ!」ブンッ

 ガキィンッ カランッ

ツバキ(不意を衝けたと思ったけど、まだ完全に崩れてるってわけじゃないみたいだね)

ツバキ「でも、ここまで来たらあとは勝負するだけだね」チャキッ

旧暗夜軍兵士「ちっ、くらえっ!」チャキッ ブンッ

ツバキ「よっと」サッ

旧暗夜軍兵士「っ! この――」

ツバキ「はい!」ブンッ

 ザシュンッ ビチャアアッ!

旧暗夜軍兵士「かっ、ぐおっああああ……」ドサリッ
302 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2023/06/20(火) 20:31:22.63 ID:8QSXfwDB0
ツバキ(よし、切込みは成功した、あとはアシュラの部隊が到達するまで攪乱して――)

 チャキッ パシュンッ!

ツバキ「!」サッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「ちっ、感がいいやつだな」チャキッ パシュッ

ツバキ「ははっ、そうかもね。で、見逃してくれはしないよね」サッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「ああ」チャキッ パシュッン!

 ヒュンッ

ツバキ「!」サッ チャキッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―(敵の獲物は暗器か!)

ツバキ「それっ!」ブンッ

 ヒュンッ!

旧暗夜軍アドベンチャラ―「っ、くらえ!」チャキッ

旧暗夜軍アドベンチャラー(距離を詰めると奴に距離を詰められるが、このままじゃ奴らの後続が間に合っちまう。なら――)

 ガサゴソガサゴソ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「こっちから間合いに引き入れてやるさ」チャキッ
303 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2023/07/23(日) 10:15:55.69 ID:KA6bjIcx0
 タタタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラー「おら、おらあああ!」パシュッ パシュンッ!

ツバキ「はっ、ふんっ!」キィンキィンッ

 カランカラン……

旧暗夜軍アドベンチャラー「そこだ、ドロー!」シュオンッ!

ツバキ「!」サッ

 グオンッ……

旧暗夜軍アドベンチャラー「ちっ、避けやがったか。だが、次は同じようにいかねえぞ」

ツバキ「……」

ツバキ(今のは危なかった。アシュラが来る前に俺のことをどうにか仕留めるつもりでいるみたいだし、次も避けられるかはわからないか)

ツバキ「そうだね、でもそれは俺も同じ、次は同じようにはいかせないよ」チャキッ

旧暗夜軍アドベンチャラー「そうかい、ならみせてもらおうじゃねえか!」チャキッ パシュンッ!

ツバキ「はっ」ブンッ

 カキンッ カランッ

旧暗夜軍アドベンチャラー(矢に充ててきやがったか。やりやがる。できればすぐにでもやつを引き寄せてえところだが、今はまだだ。やつが獲物を入れ替えたとき、そのタイミングで仕掛ければ)

旧暗夜軍アドベンチャラー「おらっ、食らいやがれ!」シュパッ

ツバキ「はっ、それ!」ヒュンッ シュパッ!

 カキィンッ ザシュッ!

旧暗夜軍アドベンチャラー「ぐっ!!!」ポタタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラー(一発もらった、だがこれで奴の手はがら空き、ならこのタイミングで奴は獲物を入れ替えるはず、そこを狙えば――)

ツバキ「……」スッ 

旧暗夜軍アドベンチャラー「もらったぞ、ドロー!」チャキッ シュオンッ

ツバキ「!」

旧暗夜軍アドベンチャラー(もらった!!!!)チャキッ

 ザシュンッ!!!!
304 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2023/08/22(火) 20:54:33.34 ID:pcqCVfnY0
 ポタッ ポタタタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラー「……」

ツバキ「……」

 ポタタタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「て、てめえ……」

ツバキ「ははっ、予想はしてたけど結構痛いね。もっとも――」ポタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「ぐっ、うううううっ……」ポタタタッ

ツバキ「そっちはこっちの比じゃなさそうだけどさ」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「っ」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(くそ、こいつ、ドローでの引き寄せに合わせて暗器を……。くそ、こっちの攻撃も完全に読んでやがった。くそ、深く刺さって抜ける気がしねえ……)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「はぁはぁ……、くそが……こんな動きされるなんて想定してねえんだよ、こっちはよ」チャキッ

ツバキ「そこが唯一の隙になると思ったんだ。特に命がけで戦ってくる奴の相手をするんだからさ、こっちも命を掛けないと、割に合わないからね」チャキッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「……」

ツバキ「……」
305 : ◆P2J2qxwRPm2A [sage saga]:2023/09/24(日) 20:22:02.19 ID:9CMpKZum0
旧暗夜軍アドベンチャラ―(ちっ、退くのは無理だな。下手に動けば、それで終わりだ)

ツバキ「……」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(……割に合わねえか。ああ、そうだな、ここで逃げ切れる確率に賭けるってのは割に合わねえ)チャキッ

 ジジッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―(だからこっちも賭けるしかねえよな)

 チャキッ

旧暗夜軍アドベンチャラー「はぁはぁ……」

ツバキ「………」

旧暗夜軍アドベンチャラ―「はぁ……はぁ……」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(…………)

 ギュッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「っ!!!!」パシュンッ

 ヒュンッ
  キィン!

ツバキ「っ!」ダッ

 タタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―(投擲じゃねえ、一気に詰めてきたか!)

ツバキ「はああああっ!!!!」ググッ

 ブンッ!

旧暗夜軍アドベンチャラ―「ぬぅ!!!! 当たれるかよ!」ササッ

 チャキツ!
  グググッ
   シュパパンッ

ツバキ「はっ!」ブンブンッ

 キキィンッ!
  カランカラン……

旧暗夜軍アドベンチャラ―(ちっ、ここまで反応してくるのか……だが――)

 ズキンッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「ぐっ……」
 
 ポタッ ポタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―(動き続けてもこっちが不利になるだけ、ならこちらから!!!)ダッ!!!
306 : ◆ZRkeN8OMUxSi [sage saga]:2023/10/27(金) 23:35:10.05 ID:dlnoB9YX0
ツバキ「……」チャキッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「……」グッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―(こっちの傷の広がりようじゃ、何度もチャンスがあるわけじゃねえ……)ポタタタッ

旧暗夜軍アドベンチャラ―「まったく、本当にどうしてこんな得にもならねえ戦いに残っちまったんだろうな」

旧暗夜軍アドベンチャラ―(……まぁ、わかってはいるさ。結局のところ、俺もここに残ってる奴らと同じ。暗夜王国のためじゃない理由で戦いたくなったからだよな)

旧暗夜軍アドベンチャラ―(本当、救いようがないくらいに馬鹿野郎さ。前の自分が見たら頭でもおかしくなったのかって思うこと間違いなしだぜ)

旧暗夜軍アドベンチャラ―(たとえ、マークス王子を殺しても、新生暗夜の勢いは止まらねえ。旧暗夜が復活することはない。それはマクベス様もここにいる奴ら全員が分かってる。勝っても負けても大局に影響しない、そんな戦いだ)

旧暗夜軍アドベンチャラ―(だからこそ、だな)

旧暗夜軍アドベンチャラ―「最後くらい、おこぼれの勝利をくれたって罰は当たらないぜ、神様よぉ」チャキッ
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