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【モバマス】凛「ああ、あこがれのポケモンマスターに」(続)

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888 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/13(金) 23:56:56.41 ID:thEDAD/20
蘭子「汝と拳闘士との光では、我らの闇は照らせないわ」

蘭子「翼竜よ、叩き落とせ! 『ちきゅうなげ』!!」

メガリザードンX「リザァ!!」

ブゥン

ズドォン!!

恵磨『チャーレム、思いっきり地面に打ち付けられました!!』

凛「! チャーレム……!」
889 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/13(金) 23:57:26.66 ID:thEDAD/20
メガチャーレム「チャー……」グググ

蘭子「大いなる闇の炎に抱かれて消えよ!」

蘭子「『ブラスト・バーン』!!」

メガリザードンX「リザ……」グオッ

メガリザードンX「リザァァァ!!!」

ズバァァァァァン

凛「うわあっ!?」

ズドォォォォォン
890 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/13(金) 23:58:21.50 ID:thEDAD/20
恵磨『特大威力のブラストバーンが炸裂ゥー!!』

シュゥゥ……

フッ

チャーレム「チャー」バタンキュー

恵磨『チャーレム、戦闘不能ーー!!』

恵磨『チャンピオン・蘭子!! 3対1からの状況からイーブンに持ち込んだァ! 残すはゲッコウガのみぃぃ!!』

凛「な……」

凛「そんな……」

凛「メガシンカしても、敵わなかった……!?」

凛(ポケモンリーグ直前で仲間になったチャーレムと私じゃ、蘭子のリザードンには届かなかったの……?)

凛(それにあの姿は……メガシンカ?)
891 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/13(金) 23:59:13.00 ID:thEDAD/20
美玲「ああっ……!」

文香「追い詰めたつもりが、逆に追い詰められてしまいましたね」

幸子「しかし、今のはいったい……?」

晶葉「ふむ……こんなことがあり得るのかわからないが」

晶葉「まさかあのリザードンは2つの姿にメガシンカできるのだろうか……?」

志希「うーん……まだまだ未知の部分が多い生物だし、まぁあり得ない話ではないかもねぇ」

凛「お疲れ、チャーレム」

凛「……」
892 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/13(金) 23:59:48.13 ID:thEDAD/20
カチャ

凛「やっぱり最後は、アンタが出てくることになるんだね」

凛「みんなの思い……無駄にはしない! お願い、ゲッコウガ!」ポン

ゲッコウガ「ゲコ!」

恵磨『さあ! 今年のチャンピオン決定戦もいよいよ大詰め! 勝負はお互いのエース、リザードン対ゲッコウガの対決になりました!!』



真奈美「蘭子……やはり強いな」

モバP「ああ」
893 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/14(土) 00:00:26.62 ID:sUgMM+7E0
モバP「チャンピオンに君臨する者としての覚悟、そして勝利に飢えた眼。オレまで鳥肌が立ちそうだ」

モバP「それに、あの力……メガシンカ、だっけか」

モバP「原理とかはよくわからないけど、面白い要素だね。しかしまさか凛も使えるとは……」

真奈美「モバP」

真奈美「実は凛にメガシンカの力を与えたのは私なんだ」

真奈美「といっても、メガシンカに必要なキーストーンは元々ちひろの持ち物だったんだけどね。凛なら正しくその力を使ってくれると判断したんだ」

真奈美「正直、あれを使えば凛はもっと楽にチャンピオン決定戦までたどり着いていただろう。その過程でチャーレムと呼吸を合わせられるようになっていれば、もしかしたらリザードンを倒せていたかもしれない」
894 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/14(土) 00:01:27.61 ID:sUgMM+7E0
真奈美「だが彼女には彼女なりのプライドがあった。それはこれまで戦ってきた相手に誤解を生むことにも繋がりかねなかっただろう」

真奈美「特に未央……彼女のことだ、この状況をどう捉えているのだろうか」

真奈美「それでも、私は彼女にメガシンカの力を預けてよかったと思っているよ」

モバP「……そうか」

モバP「……なんだかすごく誇らしいよ。凛があんなにたくましくなって、な」



凛(チャーレムが粘ってくれたおかげで陽射しも弱まった)

凛(オボンのみがないのは不安だけど)

凛(やるしかない……ここまで来たなら)

凛「ゲッコウガ!」
895 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/14(土) 00:03:58.51 ID:sUgMM+7E0
今回はここまでです
ひっそりとTwitter始めたんでよければフォローしてください、趣味のことしかつぶやきませんが
@idonilikeYANKEE

次回、火曜日、決着
896 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/14(土) 00:05:41.27 ID:sUgMM+7E0
間違えた、@idontlikeYANKEE でした
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 23:48:33.23 ID:tK9HKleA0
乙 何というか蘭子のイメージ的にXしか当てはまらなかったと言うか...
蒼炎纏いし黒翼の竜とかね
898 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2020/03/16(月) 23:10:12.71 ID:fqq+WN/Ro
://youtu.be/rg7mSi18pfI
899 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:35:25.54 ID:79G9vuf00
投下します
蘭子戦、最終ラウンドです




凛「みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュババ

蘭子「蒼炎をもって焼き尽くせ!!」

メガリザードンX「リザァ!!」ボォォ

ジュゥゥ・・・・・・

シュー

蘭子「水蒸気……目眩ましか!」
900 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:36:14.51 ID:79G9vuf00
凛「そうだよ……つばめがえし!」

ゲッコウガ「ゲコ!」フッ

ゲッコウガ「ゲコ!」ズバッ

恵磨『ゲッコウガ、素早い身のこなしでリザードンの懐に殴り込んだァ!』

蘭子「小癪な!!」

メガリザードンX「リザ……!」バサッ

蘭子「我らの翼を奪うことはできないわ!!」

蘭子「『空気の刃』よ!!」
901 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:36:47.54 ID:79G9vuf00
メガリザードンX「リザ!」シュッ

ゲッコウガ「ゲコ!?」スパッ

瑞樹『でも切り返しを食らっちゃったわね。相変わらず隙がないわ』

ゲッコウガ「ゲコ……」ズザァ

凛(……耐えるんだ)

凛(たしかにメガリザードンは隙がない)

凛(でも一瞬……一瞬の綻びを見つけられれば)

凛(勝機はある……!)
902 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:37:16.82 ID:79G9vuf00
凛(パワーでは劣るけど、スピード勝負なら!)

凛「ゲッコウガ!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ダッ

蘭子「逃がすか!」

メガリザードンX「リザァ!!」ボォォ

凛「みがわり!」

ゲッコウガ「ゲコ」ポン

身代わり人形「」ボォォ
903 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:37:47.97 ID:79G9vuf00
蘭子「むー……!」

凛「みずしゅりけん!」

ゲッコウガ「ゲコ!」シュババ

メガリザードンX「リザァッ……」ズドン

凛「体勢を崩した……!」

凛「今だ! ハイドロカノン!!」

ゲッコウガ「ゲコ……」ゴポォ
904 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:38:36.17 ID:79G9vuf00
ゲッコウガ「ゲコォォォ!!」

ドババババ

蘭子「蒼炎の業火よ、激流を焦がせ!!」
  (かえんほうしゃで相殺します!)

メガリザードンX「リザァ!」ボォォ

ズドォォォン

恵磨『炎と水のエネルギーが激しく衝突っ……!』

シュゥゥゥゥ
905 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:39:03.98 ID:79G9vuf00
恵磨『それに伴ってフィールドは水蒸気で覆われました!!』

瑞樹『まるで『しろいきり』を使ったみたいね』

卯月「またフィールドが見えなくなった……」

未央「ゲッコウガは……?」

蘭子「……」

フッ

蘭子「そこか!!」
906 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:39:33.82 ID:79G9vuf00
メガリザードンX「リザァ!!」バシィ

ゲッコウガ「ゲコ!?」

恵磨『リザードン、シッポの一振りでゲッコウガを吹き飛ばした!!』

凛「受け身で着地!」

ゲッコウガ「ゲコ!」ドンッ

ズザァッ

凛「よし……その反動で飛びかかって!」
907 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:40:05.07 ID:79G9vuf00
ゲッコウガ「ゲコ!」バビュン

瑞樹『またリザードンに急接近……!』

凛「つばめがえし!!」

ゲッコウガ「ゲコ!!」ズバッ

メガリザードンX「リザァッ……!」

蘭子「くぅぅ……!」

恵磨『決まったーー! 攻撃の反動で切り返したゲッコウガのアッパーカットだぁぁ!!』
908 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:40:33.44 ID:79G9vuf00
ワァァァァァ

美玲「すげえ……」

幸子「息もつかないとはこういうことなのでしょうね」

乃々「お、追いつかない……」

輝子「フヒ……!」

凛「決まった……!」

蘭子「……」

蘭子「見事なカウンターだわ」
909 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:41:08.36 ID:79G9vuf00
蘭子「でも……無闇に近づいたのが仇となったわね!」

メガリザードンX「リザ」ガシッ

ゲッコウガ「!?」

蘭子「翼竜よ、蒼穹の果てまで誘え!!」

メガリザードンX「リザァッ!!」ビュン

ゲッコウガ「――――!」

凛「ゲッコウガッ!」

ゴォォォォォ
910 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:41:38.35 ID:79G9vuf00
恵磨『こ……これはまさか……』

蘭子「『ちきゅうなげ』!!」

メガリザードンX「リザァッ!」ブゥン

……………………

ヒュゥゥゥゥゥゥ

恵磨『ゲッコウガが……まるで流星のように』

ズドォォォォォン

恵磨『フィールドに落下ーー!!』
911 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:42:35.32 ID:79G9vuf00
ワァァァァァ

ゲッコウガ「……」

凛「……!」

蘭子「さあ、今度こそ! 大いなる闇の炎に跪け!!」

蘭子「そして今一度示すのだ! 魔王の威光を!!」

蘭子「『ブラスト・バーン』!!!」

メガリザードンX「……」グォッ

メガリザードンX「リザァァァァ!!!」
912 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:43:12.46 ID:79G9vuf00
ボォッ

カッ

ズドォォォォォン

凛「……」

ボォォォォ

志希「あっつぅ……!」

茜「ひええ……ここまで熱風が……!」

晶葉「これは……ひとたまりもないな……」
913 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:44:30.34 ID:79G9vuf00
シュゥゥゥゥ……

………………

ゲッコウガ「……」

卯月「……!」

未央「……そ、そんな……」

恵磨『き……決まったーーー!!』

恵磨『凛選手、善戦しましたが! チャンピオン・蘭子のリザードンが3タテ!!』

恵磨『圧倒的な強さを見せつけ……チャンピオンの座を防衛しました――』
914 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:45:15.30 ID:79G9vuf00


凛「ちょっと待って!!」



恵磨『え……?』

瑞樹『……?』

蘭子「……?」

凛「よく見てよ……まだ終わってないじゃん」

シュゥゥ……

ウニュニュニュ
915 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:46:06.97 ID:79G9vuf00
蘭子「な……!?」

パチン!

未央「え……?」

こずえ「ゲッコウガ……消えちゃった?」

文香「いえ……元からそこにいなかった……のでしょうか?」

幸子「そこにいなかった……? でもゲッコウガは確かにリザードンに掴まれていたはず――」



真奈美「まさか……あのゲッコウガはみがわり……だったのか?」

ありす「ですがみがわりとは、先ほどのように人形を差し出す技なのでは……?」
916 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:47:15.68 ID:79G9vuf00
モバP「ああ、だがあのゲッコウガは……確かにみがわりだった」

モバP「それも本物そっくりの、な」

晴「そ……そんなことができるのか!?」

モバP「……」

モバP「これはオレの仮説だが」

モバP「普通のみがわりは体力の一部を犠牲にして発動させる。そのエネルギーから生まれるのは似ても似つかない人形程度だ」

ありす「そ、そうですね」

モバP「だがもし……」


志希「『普段以上のエネルギーを使ってみがわりを作ったなら?』」
917 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:48:51.53 ID:79G9vuf00
卯月「……!」

晶葉「上だ!」

ゲッコウガ「ゲコ……」ゴゴゴゴ

美玲「なっ……あれは……」

卯月「みずしゅりけん!? でもゲッコウガの何倍も大きい……!」

輝子「で、でっかい……」

乃々「あんな大きなみずしゅりけん、どうやって……?」

志希「あれもエネルギー量うんぬんの話だねぇ」

志希「普通のみずしゅりけんはエネルギーを分散させて連続攻撃する技だけど。もしも」


モバP「『エネルギーを一点に集中させてみずしゅりけんを発動したなら?』」
918 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:49:32.52 ID:79G9vuf00

凛「いけえええぇぇぇ!!!」


ゲッコウガ「ゲコォォォ!!」ブゥン


蘭子「――!」

メガリザードンX「リザ――」

カッ

ズドォォォォォン
919 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:50:00.04 ID:79G9vuf00
『…!』

『…………!』

『………………!!』

シュゥゥ……

フッ

リザードン「リザ……」ドサッ

恵磨『……な』

恵磨『なんという……どんでん返しでしょうか』
920 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:50:34.81 ID:79G9vuf00
恵磨『リザードンが倒れ、立っているのはゲッコウガ……!』

恵磨『勝者……』

恵磨『凛選手ゥゥゥ!!!!』

ドワァァァァァァァァァァァァァ

卯月「……」

未央「……」

未央「……し、しぶりんが」

卯月・未央「「勝ったぁぁぁーーー!!!」」
921 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:51:04.14 ID:79G9vuf00
凛「や……やった……」

凛「やったんだ……!」

ガクッ

凛「……!」

バッ

凛「あ……」
922 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:51:35.84 ID:79G9vuf00
ゲッコウガ「ゲコ」

凛「ゲッコウガ……」

凛「……ふふ、前とは逆になっちゃったね」

凛「ゲッコウガ……ありがとう。本当に……ありがとう」

ゲッコウガ「ゲコ」

蘭子「……」シュゥゥ

蘭子「……見事。見事であった。我が魔力をもってしても敵わない、光の勇者よ」
923 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:53:45.14 ID:79G9vuf00
蘭子「最後の最後まで希望を捨てず、無限の可能性を願い、常識を覆さんと抗う姿……美しかったわ」

蘭子「誰もが夢に祈り、待ちわびた約束の地。己が歩んだ道の果て。いかなる光にも劣らぬ至高の玉座……その座に相応しいのは」

蘭子「凛、貴方よ」

凛「蘭子……」

蘭子「故に――誇れ、我が友よ! 己が身をこの玉座に導いた、その手腕、その頭脳!」

蘭子「そして……ポケモン達への愛を!!」
924 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:54:14.27 ID:79G9vuf00
凛「……!」

『すげええええーーーーー!!』

『新チャンピオンの誕生だーー!!!』

ドワァァァァァァ






ずっと、蘭子に憧れていた
925 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:54:53.40 ID:79G9vuf00
美玲「すげえ……かっこよすぎるぜ……!」

乃々「も、もりくぼも……あんな風になれるかな……?」

輝子「フヒ……すごいバトルだった」

幸子「ボク、このバトルはずっと忘れないと思います……!」



私もああなりたいって、ずっと思ってた



茜「凛ちゃん……凛ちゃん……えぐっえぐっ」

文香「とても、感動しました。未だに心が打ち震えています」

こずえ「……ふふ……」
926 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:56:14.57 ID:79G9vuf00

だけど今は……胸を張っていえるよ


晴「もうすげえとしか言えねえぜ!」

ありす「同感です。私……これから、凛さんを目標にしたいと思います」

真奈美「その意気だ。凛をも超えるトレーナーになってくれよ」

モバP「全く……お前は本当に凄い奴だよ」


蘭子とはちょっと違うかもしれないけど


未央「次は絶対負けないからねー!」

卯月「凛ちゃん、おめでとう!」



私は私が思う、チャンピオンになれたんだって……!
927 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/17(火) 21:58:01.89 ID:79G9vuf00
今回はここまで、次回は日曜日です
読んでいただきありがとうございました

次回、最終回
928 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 21:53:27.31 ID:WK9Szz3V0
投下します





ポケモンリーグから1ヶ月後、アマミタウン

凛「……」

未央「おっ、いたいた!」

未央「おおーーい! しぶりーん!」

卯月「凛ちゃーん!」

凛「あ、未央、卯月」

未央「いやー、こうして3人で集まるのも久しぶりだなあ!」

卯月「本当だね。1ヶ月ってこんなに長かったんだなって」

凛「ふふっ、確かにね」
929 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 21:53:57.55 ID:WK9Szz3V0
凛「みんな、元気だった?」

未央「そりゃあ、ちゃんみおのトレードマークは元気ですから!」エッヘン

卯月「私も元気だったよ!」

凛「そう、それはよかった」

未央「――で、こうやって集まろうって声をかけてくれたのはしぶりんだったわけだが」

凛「うん、なんか……皆、今何してるんだろうってふと思ってさ」

凛「近況報告、したいなって」
930 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 21:54:24.34 ID:WK9Szz3V0
未央「うんうん、私もそろそろそういうのやりたいなーって思ってた!」

未央「そう言うしぶりんは何してたの?」

凛「私は……そうだね、アイマスでまだ行けてなかった町とかを旅していたかな」

凛「そうだ、レオン島も行ってきたよ」

未央「おおー、どうだった?」

凛「寒すぎてとても耐えられなかったよ。ほのおタイプのポケモンも持っていなかったし……」
931 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 21:55:03.64 ID:WK9Szz3V0
凛「未央はあんな場所、よく行けたよね」

未央「ふっふっふ、元気があれば何でもできる、ってね!」

未央「しまむーはポケモンコンテスト、だっけ?」

卯月「うん、今はまたガナハで師匠の家に居候させてもらってるんだ」

凛「この前テレビで見たよ。『ポケモンコンテストに新星・P.C.S.現る!』って紹介されてたね」

卯月「あはは……あれ、見ててくれたんだ……」

未央「テレビに出てたんだ! しまむーすごい!」
932 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 21:55:45.58 ID:WK9Szz3V0
未央「でもピーシーエスって何の略なの?」

卯月「ピンク・チェック・スクールって言うんだけど……コンテストで仲良くなった美穂ちゃんと響子ちゃんって子がいて、その2人のコンテストでの衣装がピンクチェックのドレスなんだ」

卯月「私もその衣装が可愛いなあって思って着始めたんだけど、そのおかげで3人で一括りにされることが多くて。いつの間にかチーム名みたいに浸透しちゃってたんだ」

凛「へえ、そうだったんだ」

卯月「まあ、でも、みんな持ち上げすぎというか何というか……えへへ、恥ずかしいなあ」

未央「なんだ〜、まんざらでもなさそうじゃん」
933 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 21:56:51.57 ID:WK9Szz3V0
凛「いい友達を見つけたんだね」

卯月「うん、毎日たくさん新しい発見があるから楽しいよ!」

卯月「未央ちゃんは何してるの?」

未央「私はね、シジョウで今も特訓してるんだー。来年こそチャンピオンになりたいからね!」

未央「あと、しまむーと参加したバトルライブ、ってあったじゃん? あれのシングルバトルにも挑戦してるところ!」

卯月「へえ、そうなんだ」

凛「何というか、バトル漬けって感じだね」

未央「そうそう、そんな感じ!」
934 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 21:57:34.01 ID:WK9Szz3V0
未央「あ、でもこの前ね、シジョウにヘレンがやって来てさ」

凛「ヘレンって……シンデレラ団の幹部だった?」

未央「そうそう。『あなたは私のライバル。あなたのいる場所には常に私もいると思っておきなさい(ドヤァ)』とか言われて、ちょっと付きまとわれてるんだ……あはは」

卯月「うわあ、何というか……」

凛「大変そうだね……」

未央「まあ、もう負けることはないし、何だかんだでいい修行相手だと思ってるから、ちゃんみおは大丈夫だよ!」

凛「そっか」
935 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 21:58:11.68 ID:WK9Szz3V0
凛「……」

卯月「……どうしたの、凛ちゃん?」

凛「……あのさ」

凛「実は2人に話しておきたいことがあって……」

卯月「?」

未央「?」
936 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 21:59:01.74 ID:WK9Szz3V0

未央「ええええええええーーーーー!?」


卯月「凛ちゃん、アイマスを出ていくの…!?」

凛「うん。……あ、別にアイマスとか皆が嫌いになったわけじゃないよ」

未央「い、いやいや、それはわかっているけど!」

未央「急に言われたらそりゃビックリするよ!」

未央「それに今はしぶりんがアイマスのチャンピオンなんだし……」

卯月「ど、どうして、アイマスを出ていこうと思ったの?」

凛「うん。……さっき、行ったことのない町とかを巡っていたって言ってたけど」

凛「その時に1人のトレーナーと戦ったんだ」
937 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 21:59:38.75 ID:WK9Szz3V0
…………………………………………………

凛「……」ザッザッ

??「ねえ、そこのトレーナーさん」

凛「? ……私?」

??「ええ、そうです」

??「突然すみません。見たところ、とても強そうなトレーナーだと思って、声をかけさせてもらいました」

楓「私、楓と申します。よければ、私とポケモンバトルをいたしませんか?」
938 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:00:11.18 ID:WK9Szz3V0
凛(楓……)

凛(見ただけでもわかる。この人、かなりの腕前だ)

凛(でもポケモンリーグにはいなかったような……)

凛(いや、そもそも私のことを知らない……?)

凛「ポケモンバトルだね。うん、いいよ」

楓「では、お互いに手持ちは2匹ずつ、2匹とも倒れたら終了という形でいきましょうか」

凛「いいよ」
939 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:01:26.12 ID:WK9Szz3V0
楓「それでは……いきますよ、アーマーガア!」ポン

アーマーガア「ガァー!」

凛「!?」

凛(何……あのポケモン!?)

凛(初めて見るポケモンだ……きらりや杏みたいに、遠い地方のポケモンを使うトレーナーだろうか)

凛(……油断できないな)

凛「……ムクホーク、よろしく!」ポン
940 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:02:03.87 ID:WK9Szz3V0
ムクホーク「ムクホー!」

楓「ムクホークですか。……」

楓「ムクホークに、向くホーク……」クスッ

…………………………………………………………



凛「正直に言うとね」

凛「……全く歯が立たなかった」
941 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:02:44.78 ID:WK9Szz3V0
卯月「そ、そんな……」

未央「あのしぶりんが負けたなんて……」

未央「だ、だって、しぶりんはチャンピオンになったんだよ? そんなしぶりんより強いなんて……」

凛「うん。私も最初はすごくショックだった」

凛「……でもね、逆に嬉しかったんだ」

卯月「え? どういうこと?」
942 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:03:31.50 ID:WK9Szz3V0
凛「私、ずっと目的を失っていたから」

凛「夢に見たチャンピオンになれた。たくさんの人が私を祝福してくれた。でも私は、チャンピオンになった後のことを何も考えていなかった」

凛「このままずっとアイマスに残って、一番強いトレーナーを名乗り続けるのかなって、ぼんやり考えてたんだ」

凛「でもそんなときに、楓さんっていうトレーナーと会った」

凛「あの人、ずっと遠い地方で修行をしていて、たまたまアイマスに帰ってきていたから、私がチャンピオンだっていうことを知らなかったみたい」

凛「あの人に負けて、私が見ていた世界はまだまだ小さかったんだなって気付けた。世界にはもっと強いトレーナーがいるし、見たことのないポケモンもたくさんいる」

943 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:04:16.65 ID:WK9Szz3V0
凛「私は、もっと新しい景色を見たい。そう思えたんだ」

凛「それに見たことのないポケモンを調べるのは、モバPの手助けにもなるしね」

卯月「凛ちゃん……」

凛「チャンピオンの座がどうなるのかは、また蘭子とかに相談しないといけないけど」

凛「近いうちにアイマスを出て、楓さんが修行していた地方――ガラル地方、って言ってたっけな、そこに向かうつもり」

凛「明日からジムリーダーの皆にも挨拶しに行くんだけど、その前に2人とも会っておきたいなって思って」
944 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:05:00.59 ID:WK9Szz3V0
卯月「そういうことだったんだ」

未央「そっかー……」

未央「はあー。なんか、しぶりんがアイマスからいなくなるって、想像つかないなぁ」

卯月「そうだね。……私も正直、寂しいな」

卯月「でも凛ちゃんが決めたことだし、凛ちゃんの夢だもんね。私は応援するよ」

未央「うんうん、私も!」
945 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:05:38.23 ID:WK9Szz3V0
凛「ありがとう、2人とも」

凛「いつ帰ってこれるかもわからないけど、もう帰ってこないってわけじゃないし。帰ってきたら、また3人で集まりたいな」

卯月「うん、集まろう! お土産話、たくさん聞かせてね!」

未央「話だけじゃなくてお土産も、ね!」

凛「ふふっ」

卯月「凛ちゃん」

凛「?」
946 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:07:06.08 ID:WK9Szz3V0
卯月「例え離れ離れになっても、私たちはずっと3人で一緒だよ」

未央「そうそう、いつも心の中には私たちがいるよ!」

未央「それにしぶりんなら、きっと向こうでもすごくビッグになれるよ!」

未央「そうなったら、絶対またバトルしようね!」

凛「卯月、未央……ありがとう」

卯月「ううん、凛ちゃん、頑張ってね!」

未央「よーし! じゃあ今日はしぶりんの船出を祝ってパーティーだー!」

凛「ふふっ、未央ったら大袈裟だよ」

……………………………………………

未央「それじゃ、しぶりんの無事を祈って……」

卯月・凛・未央「「「カンパーイ!」」」
947 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:08:01.30 ID:WK9Szz3V0
キサラギシティ

凛(日菜子……いるかな?)

凛「お邪魔します」ガチャ

日菜子「あ、凛ちゃん!」

凛「日菜子、久しぶりだね」

日菜子「お久しぶりですねぇ。新チャンピオンの祝賀会以来ですか」

日菜子「まさか来るとは思ってなかったです。それで、どうかされましたか?」

凛「うん、実は……」

カクカクシカジカ

日菜子「……そうだったんですか」

日菜子「寂しいですけど、凛ちゃんの選んだ道ですもんね。日菜子も応援しています!」

凛「うん、ありがとう」
948 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:08:42.11 ID:WK9Szz3V0
凛「日菜子には家に泊めさせてもらったこともあったし、シンデレラ団の件でもお世話になりっ放しだったね」

凛「今まで本当にありがとう」ペコ

日菜子「いえいえ〜、日菜子も凛ちゃんと会えて本当によかったです!」

日菜子「ガラル地方かあ……どんなポケモンがいるんだろう……王子様みたいなトレーナーはいるかなあ……」ホワホワ

凛「あ、あはは……」

凛(相変わらずだなあ……)

凛「それじゃ、私は行くね」

日菜子「ええ、どうかお元気で!」

日菜子「またいつでも泊まりに来て下さいね〜!」
949 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:10:04.23 ID:WK9Szz3V0
キクチシティ

凛「たしか灯台の方に……」

凛「あれ、いないな。どこにいるんだろう……?」

ほたる「……もしかして、凛さん、ですか?」

凛「?」

凛「あ、ほたる!」

ほたる「お久しぶりです、凛さん」

凛「こちらこそ、久しぶり。町……随分綺麗になったね」

ほたる「はい。災害の数も、以前よりめっきり減りました」

ほたる「もし何かが起こったら、すぐに町の人も協力してくれて……。これも凛さんのおかげです」

凛「ううん、ほたるの頑張りがあってこそだよ」
950 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:10:55.55 ID:WK9Szz3V0
ヤミカラス「ヤミー!」バッサ

凛「……そのポケモンは?」

ほたる「ああ、私がこの町に来る前からパートナーだったヤミカラスです」

ほたる「一時期はいなくなっていたんですけど、凛さんとのジム戦を終えたあとに戻ってきてくれたんです」

ほたる「もしかしたら、凛さんが連れ戻してくれたのかも……」

ヤミカラス「ヤミー!」

凛「そうなんだ、それはよかったね」
951 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:11:30.18 ID:WK9Szz3V0
ほたる「ところで、今日はどうかされたのですか?」

凛「ああ、実はね」

カクカクシカジカ

ほたる「そうでしたか」

凛「うん、それでこうして挨拶に回ってるんだ」

ほたる「凛さんは本当に誠実なお人ですね」

ほたる「私自身、凛さんにお会いできたからこそ、今の私があると思っています」

ほたる「きっと凛さんだったら、遠い地方に行ってもたくさんの人を笑顔にできる……そう思います」

ほたる「だから凛さん、遠くに行っても頑張って下さいね」

凛「ほたる……ありがとう」

ほたる「凛さんが戻って来られたら、もっとキクチを自慢できるように、私も頑張ります!」

凛「うん、頑張ってね」

凛「それじゃ、そろそろ行くね」

ほたる「はい。わざわざありがとうございました。どうかお元気で……!」
952 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:12:11.04 ID:WK9Szz3V0
よみのとう

凛(ハナコにも挨拶しておかないとね……)

凛(……)

凛(よし、次はハギワラシティか)

凛(……ん? あれは……小梅?)

小梅「……」パタパタ

凛「小梅」

小梅「あ……」ハッ
953 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:13:01.92 ID:WK9Szz3V0
小梅「凛さん……お久しぶりです」

凛「こちらこそ。そっか、この塔の管理をしてるんだっけ」

小梅「はい、そうです……今はちょっと、お掃除を」

凛「ちょうどよかった。小梅にも話しておきたかったんだ」

小梅「……?」

カクカクシカジカ

小梅「なるほど……だから、お墓にも挨拶しに来られたんですね……」

凛「うん、そうなんだ」

小梅「すごいなあ……凛さんのこと、ますます尊敬しちゃいます……」

小梅「どうか気をつけて……行ってきて下さいね。……あ」

凛「?」

小梅「……お友達も、凛さんのこと応援してくれてる……」クスッ

凛(小梅って……本当に何か見えているのかな?)
954 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:13:47.84 ID:WK9Szz3V0
ミウラシティ

凛(たしかここが晶葉のラボだったはず)

凛「失礼します」ガチャ

晶葉「ん?」

晶葉「おお、凛じゃないか!」

裕子「あ、凛ちゃん! こんにちは!」

凛「あ、ユッコもいたんだ」

裕子「ええ、晶葉ちゃんに手伝ってほしいと頼まれまして!」

晶葉「ちょうどよかった。凛に伝えたいことがあったんだ」
955 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:14:58.22 ID:WK9Szz3V0
晶葉「凛、君は『ダイマックス』という現象を知っているか?」

凛「ダイマックス……? 聞いたことないな」

晶葉「ダイマックスというのは、ある地方でポケモンが超巨大化する現象を指している言葉なんだが」

晶葉「ポケモンリーグできらりが特大サイズのホエルオーを使っていただろう? 一説によると、あのぐらいのサイズまで大きくなるらしいんだ」

凛「え……ポケモンが巨大化するの?」

裕子「すごいですよねー、元々は普通のサイズなのにバトル中だけ大きくなるみたいなんです。サイキックの力なんでしょうか?」

晶葉「で、どうやらダイマックスすると特殊な姿に変化するイーブイがいるらしいんだ!」
956 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:15:45.57 ID:WK9Szz3V0
晶葉「たしか、そのダイマックスという現象が発見されたのは、ガラル地方という土地だったような……」

凛「ガラル地方!?」

晶葉「あ、ああ、そうだが。どうしたんだ、そんなに驚いて」

凛「いや、実は……」

カクカクシカジカ

晶葉「何と! ではこれからそのガラルに赴くというのか!」

凛「うん、そうなんだ」

凛「ダイマックスするポケモンがいるなんて知らなかったけど……」

957 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:17:03.16 ID:WK9Szz3V0
裕子「晶葉ちゃんの話を聞く限りだとなんかヤバそうな土地ですけど……凛ちゃん、本当に行くんですか?」

凛「……うん、そのダイマックスっていうのも気になるしね」

晶葉「もし行くなら! どうかダイマックスするイーブイを見つけて連れ帰ってきてはくれないか!?」

晶葉「い、いや、私自身が行けばいいのか! そうか! その手があったか!」

凛「え、ちょっと?」

晶葉「凛、私はたった今決めた! 私もガラルへ行く!」キラキラ

凛「ええ!?」

晶葉「ただ、ちょっと諸々の準備があるから……今すぐにとはいかないが……なるべく早急に!」

裕子「晶葉ちゃん、色めき立ってますね!」
958 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:17:49.96 ID:WK9Szz3V0
裕子「凛ちゃん。晶葉ちゃん、熱中しすぎると周りが見えなくなるから……向こうでも、ちょくちょく面倒見てくれたら嬉しいです」

裕子「あ、それと、ユッコもテレパシーで常に凛ちゃんのこと、応援していますからね!」

凛「う、うん、わかったよ……」

凛(話の展開が急すぎる……)

凛(ダイマックスか……私のポケモン達も、巨大化したりするのかな)

凛(……)

凛(なんか想像できないな……)
959 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:18:51.54 ID:WK9Szz3V0
ミナセシティ

凛「夕美、いる?」ガチャ

夕美「あっ、凛ちゃん!」

夕美「よく来たね、ちょうどお菓子を食べようと思ってたんだ。上がっていってよ!」

凛「いや、気持ちだけもらっておくよ、ありがとう」

凛「今日はちょっと、夕美に報告したいことがあって」

夕美「どうしたの?」
960 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:19:29.31 ID:WK9Szz3V0
カクカクシカジカ

夕美「……そうなんだ」

夕美「そっかあー。凛ちゃん、旅立っちゃうんだね」

夕美「ガラル地方かぁ……どんなお花が咲いてるのかな」

夕美「わざわざ知らせに来てくれたんだね、ありがとう!」

凛「いや、全然いいよ」

凛「……私がいなくなっても、お店のこと、よろしくね」

夕美「うん、もちろん!これからもお世話になります」

961 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:20:18.93 ID:WK9Szz3V0
夕美「そうだ、凛ちゃんにこれ、あげるね!」

凛はグラシデアの花飾りを手に入れた!

凛「これは……」

夕美「グラシデアの花。遠い地方に咲く花で、感謝の気持ちを表しているの」

夕美「昔、シンオウに行ったときに貰ったんだ」

夕美「もし凛ちゃんが辛くなったら……この花飾りを見て」

夕美「そして思い出してほしいの。私達と、アイマスで過ごした日々を」
962 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:21:03.14 ID:WK9Szz3V0
夕美「この花飾り、胸元に飾ってエンブレムみたいにもできるし、帽子にアクセサリーとしてつけるのもいいかもね!」

凛「夕美……ありがとう」

凛(そうだ、前にミナセで帽子を買ってたし、あれにつけてみようかな)

夕美「それとね、つい先日なんだけど、美玲ちゃんと乃々ちゃん、輝子ちゃんに幸子ちゃんが町を旅立ったんだ」

凛「そうなんだ。あの子達にも会いたかったな」

夕美「旅をしてるなら、きっとまたどこかで会えるよ!」

凛「うん、それもそうだね」
963 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:21:41.09 ID:WK9Szz3V0
フタミシティ

凛「肇、いるかな?」

ガチャ

肇「あら、凛ちゃんですか。お久しぶりですね」

凛「肇、久しぶり。今日はちょっと話があって来たんだ」

肇「あら、どうかしました?」

カクカクシカジカ

肇「ガラル地方、ですか」

肇「……あ! それなら……」ガサゴソ
964 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:23:06.49 ID:WK9Szz3V0
肇「餞別といったらなんですが、これ、よかったら使ってほしいです」

チャキ

凛「これは……スプーンとお皿?」

凛「これも肇が作ったの?」

肇「はい、そうです」

肇「以前誰かから聞いたのですが、ガラル地方はカレーが有名な地方らしいんです」

肇「なので、是非ともこのスプーンとお皿で、たくさんカレーを食べてほしいな、って思いまして」

凛「へえ……カレーかあ」

凛「でも本当にもらっていいの?」

肇「はい! 折角なので、たくさん使ってあげてください!」

凛「そういうことなら。ありがとう、肇」ペコリ

肇「いえいえ。遠くに行っても、頑張って下さいね!」
965 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:23:50.75 ID:WK9Szz3V0
ホシイシティ

菜々「あっ、凛ちゃん!」

凛「菜々、久しぶりだね」

菜々「ほんとですねー、凛ちゃん、また一回り大人になった気がします!」

凛「え、そう?」

菜々「はい、ナナも嫉妬しそうなぐらい大人びた感じがします……!」

凛「……」

菜々「……はっ! 何か変なこと言いましたか!?」

凛「い、いや、全然」
966 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:24:50.18 ID:WK9Szz3V0
凛「そうだ、菜々、実はね」

カクカクシカジカ

菜々「凛ちゃんが……そうですか」

菜々「ナナも応援しています! 頑張って下さいね!」

凛「ありがとう、菜々」

凛「そういえば、文香とかこずえとか、奈緒や加蓮は元気?」

菜々「文香ちゃんとこずえちゃんはホシイに戻って来られました。でもまた近いうちに旅に出るかもしれないですね」
967 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:25:33.78 ID:WK9Szz3V0
菜々「奈緒ちゃんと加蓮ちゃんは、今はアイマスにはいないと思います」

凛「え、そうなの?」

菜々「はい。凛ちゃん、ポケモンリーグでメガシンカを使っていたじゃないですか」

菜々「噂によると、奈緒ちゃんや加蓮ちゃんのポケモンもメガシンカする可能性があるみたいで。それを追い求めるために2人はホウエン地方へ行かれました」

凛「へぇ、ホウエン地方……」

菜々「ええ、きっと2人もホウエンで頑張ってると思います!」

菜々「凛ちゃんもいなくなるのは寂しいですけど……ナナ、いつでも待ってますからね!」

凛「うん、ありがとう」

菜々「どうかお元気で!」

凛「うん、菜々も元気でね」
968 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:26:55.64 ID:WK9Szz3V0
シジョウシティ

真奈美「そうか、ガラルへ行くのか」

凛「はい。もっと強くなりたいって思って。それに、ガラルにはまだ私の知らないポケモンもたくさんいると思います」

真奈美「うん、それはいい心構えだ」

真奈美「井の中の蛙、大海を知らず、という諺がある。きっとアイマスのチャンピオンになっただけでは、まだまだ未熟なのかもしれないな。ありす、晴」

ありす「ええ、仰る通りです」

晴「世界にはまだまだ強いトレーナーがいっぱいいそうだもんな!」
969 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:29:35.28 ID:WK9Szz3V0
真奈美「ガラルはポケモンバトルが盛んな土地だと聞いたことがある。向こうでの経験は、きっといい財産になるだろう」

真奈美「チャンピオンの座についてだが、蘭子は今アイマスにはいないらしい。私から改めて連絡を入れておくよ」

真奈美「恐らくリーグ委員会としては、繰り上げで再び蘭子をチャンピオンに、と言いそうだが、問題はそれで本人が満足するか、だな」

真奈美「まあ、この件に関しては心配はいらないよ」

凛「ありがとうございます」

真奈美「それからガラルには……」

凛「?」

真奈美「……いや、これは行ってからのお楽しみの方がいいかもな」
970 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:30:13.87 ID:WK9Szz3V0
ありす「凛さん。いつかアイマスに戻って来られたら、私ともポケモンバトルさせていただけませんか?」

晴「オレも! 是非ともバトルしたいぜ!」

凛「うん、2人ともその意気だよ。絶対、バトルしようね」

真奈美「2人とも、きっといいトレーナーになる。その時は凛、よろしく頼むよ」

凛「はい」

凛「……色々と、お世話になりました」ペコ
971 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:31:04.74 ID:WK9Szz3V0

翌日


キサラギシティ フェリー乗り場

詩織「凛さん、そろそろお時間です」

凛「あ、はい」

凛(晶葉によると、最近のモバPは学会の関係でかなり忙しいらしい)

凛(結局、モバPには挨拶できなかったな……)

凛(モバPだけじゃない。茜や志希、愛梨、蘭子にも直接伝えたかったけど……まあ仕方ないか)
972 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:31:36.86 ID:WK9Szz3V0
詩織「……あら?」

タタタタタ

モバP「凛!」

凛「……!」

凛「モバP……!!」

モバP「ふう、間に合ったよ」ゼーハー

モバP「……凛、ガラルへ行くんだってね」
973 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:32:24.10 ID:WK9Szz3V0
凛「……うん」

モバP「……そうか」

モバP「実は俺もな、この後の船でアイマスを出るつもりだったんだ」

凛「え、そうなの?」

モバP「ああ。前にアローラ地方がどうとか……って話をしただろ?」

モバP「あの後、会議でやっと皆の許可をもらえてさ、晴れて行けることになったんだよ」

凛「そうなんだ」

モバP「まあ、皆からは『せいぜいバカンスを楽しんでらっしゃい』って皮肉られっぱなしだけど……」
974 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:33:10.21 ID:WK9Szz3V0
凛「……ふふっ」

モバP「何だよ、凛まで笑うのかよ」フン

モバP「……それで、もしよかったら、凛も一緒に来ないか、って言いたかったんだけど……」

凛「……!」

凛「……バカ、遅いよ……」

モバP「ご、ごめんよ」

凛「……」

凛「……あ、あの」

モバP「?」
975 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:33:53.72 ID:WK9Szz3V0
凛「ガラルにも、見たことのないポケモンがたくさんいるんだよね」

凛「私、ガラルのポケモンの情報とか集まったら、すぐモバPに連絡するね」

モバP「本当か!? それは助かるよ!」

凛「だから、その……モバPも、アローラだっけ、遠くに行っても……頑張ってね」

モバP「凛……」

モバP「……」
976 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:34:31.34 ID:WK9Szz3V0
モバP「その帽子……似合ってるな」ポン

凛「へ!?」

モバP「……うん、俺も頑張るよ。だから凛も……元気でな」

凛「……!」カァーッ

詩織「あ、あの……」

凛「……はっ、そうだった」

凛「詩織さんごめんなさい! すぐ行きます!」
977 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:35:12.96 ID:WK9Szz3V0
凛(モバP……)

凛(私、皆が自慢できるトレーナーになりたい)

凛(皆だけじゃない、モバPにも似合うトレーナーになりたい)

凛(私、頑張るよ)

凛(だから……ずっと、見守ってて)

凛「モバP!」

モバP「……!」


凛「……またね!!」
978 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:36:17.13 ID:WK9Szz3V0


ヒダカタウン



??(1ヵ月前のあの日の事は、よく覚えている)

??(部屋の小さなテレビの中で繰り広げられる、ポケモンリーグチャンピオンと挑戦者の頂上決戦)

??(食い入るようにテレビを見ていたっけ)

??(挑戦者がチャンピオンを破って、頂点に立ったあの姿……私にはとても輝いて見えた)

??(それを見てからかな……私もポケモンを持って、旅をしたいと思うようになった)

??(そして、あの人と戦いたいと思った)
979 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:36:50.58 ID:WK9Szz3V0
??(あの人が見た景色を、私も見たいと――)

「悠貴ー、朝ごはんできたわよー」

悠貴「はーい!」

悠貴(ついに今日……)

悠貴(いよいよ始まるんだ……)

悠貴(私だけの物語が!)

980 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:37:31.10 ID:WK9Szz3V0



きらり「……ねえ、杏ちゃん」

杏「ん?」

きらり「きらりん、この大会が終わったらね――」

きらり「アローラへ行こうと思うの」

杏「……!」

きらり「杏ちゃん、ずっと行きたいって言ってたよね。でもきらりんはアイマスが好きだから……なんか、離れたくなかったんだにぃ」

きらり「でも……凛ちゃんとバトルして、きらりんもアローラに行かなきゃ、って思ったの!」
981 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:38:07.46 ID:WK9Szz3V0
きらり「アローラにはね、ジムが無いんだってー! そういうのもずっと気になってたにぃ!」

きらり「それにキテルグマちゃんやネッコアラちゃんのお友達もたくさんいるかもしれないし!」

きらり「……きらりん、もっともっと広い世界を見たいにぃ」

きらり「だから杏ちゃん……ついてっちゃ、ダメ?」

杏「……」

杏「そんな頼まれ方されたらノーって言えるわけないじゃん……」

杏「うん。行こう。その代わり――」

きらり「??」
982 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:38:44.54 ID:WK9Szz3V0
杏「大会が終わったら、じゃなくて、今すぐ出発しよう。行動は早いに越したことはないからね」

杏「あと、向こうでも移動の時は杏をおぶっていくこと。……いいね?」

きらり「……!」キラキラ

杏「……!」ビクッ

きらり「杏ちゃぁぁぁぁん!」

杏「うわぁ! う、嬉しいのはわかったからはなせー!」

きらり「にょわーっ☆」
983 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:39:25.96 ID:WK9Szz3V0



美玲「……いよいよだな」

輝子「フヒ……やっぱり、いずれはみんなバラバラに旅することになるのかね」

乃々「一人旅なんてむーりぃ……」ショボーン

美玲「ウ、ウチだって怖いし寂しいし不安だよ! でもいつまでも3人ずっとってわけにもいかないし…」

輝子「……」

乃々「……」

美玲「お、お前らもっと元気出せよ……きっとまたどこかで会えるだろうしな」

輝子「フヒ……まあそうだな」

乃々「そうだといいですけど……」
984 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:40:24.72 ID:WK9Szz3V0
輝子「なあ、そういえば幸子は?」

美玲「ああ、あいつはもう昨日に町を出たよ。『一人でも大丈夫ですもんね〜』って意地張ってたけど」

乃々「幸子ちゃんらしいというか…」

輝子「……んじゃ美玲ちゃん、私らも行こうか」

美玲「おう、そうだな」

美玲(ここから始まるんだ……ウチらと、ポケモンたちの物語が)

美玲「…………めざせ!」



「「「ポケモンマスター!!!」」」
985 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/03/22(日) 22:42:09.72 ID:WK9Szz3V0
ED曲 つぼみ



というわけでこれにて完結です

一度は打ち切られたストーリーをエンディングまで導きたかった、という理由で許可を頂き、書き始めたSSでしたが、構想含めて約半年、大変だったけれど楽しかったです

私は虎の威を借りた狐の身だったので偉そうなことは何も言えませんが、読んでいて面白かったと感じられた方、アイマスやポケモンが更に好きになった方が一人でもいてくれたら嬉しいです

もう少ししたらHTML化依頼するのでそれまで残りのレスは好きにしてください
ガラルのポケモン全然出せてないしシャニマスの子らも登場させたかったので気が向いたら続きを書くかも…ということで



それではこれにて
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/22(日) 22:52:45.41 ID:B8U9xtFk0
お疲れ様でした
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/24(火) 00:08:52.30 ID:EJtNbi+Lo
乙!
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