このスレッドは1000レスを超えています。もう書き込みはできません。次スレを建ててください

タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/02(月) 22:37:14.80 ID:aqd9Fm/30
>>166「笑う男」

「眠いんですか?」と、黒ずくめのスーツに山高帽の男が話しかけてきた。うさん臭さを何度も何度も濾して蒸留までし、そうして取り出した液体が人間になったような男だった。これ以上ない怪しさじゃないか? 彼は警戒しようとしつつも、実際彼の言う通り眠かったから、不完全な拒み方をしてしまった。男はそれを都合よく解釈し、勝手に彼の斜め前の椅子に腰かけた。

「すみませんね、みんな立て込んでいるようでして、声がかけられなくてワタクシ悲しかったんですよ」
 男はわかりやすい軽薄さを隠しもしないでニタニタ笑っていた。両手が机の上に出て、彼が手袋までしていたことを知った。
「そこで発見しましたのがアナタ! たった一人でうとうとしてるなんて、なんて好都合な! すばらしいですよ、ホント。ありがたやありがたや」

 男は彼をあからさまに見下して堂々とのたまう。しかも肘を机について頬杖をし、足まで組んで体は斜めだ。態度も、発言も余すところなく失礼なのだが、何となくその雰囲気がごまかされているのは、不自然なほど執拗にニタニタ笑っていて、それが延々変わらないせいだろう。

 彼は睡魔のせいで男を追い払うことはできないのだった。奇妙で嫌な感じだったがどうにもできない。

 男はニタニタしながらタバコまで吸い始めた。鷹揚とした動作がここでは尋常でない腹立たしさを覚えさせる。
「あーねえ、とりあえずお伝えしましょうか――何を、というのはなしですよ。ワタクシはこれを誰かに伝えなきゃやっていけないんですから」先制して男は、勝手に滔々と話した。
320.18 KB Speed:0.5   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む

スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)