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タイトルを書くと誰かがストーリーを書いてくれるスレ part7

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353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/10(火) 20:49:35.50 ID:EN0fctM+0
>>166「半透明人間」

 明らかにおかしかった。

 まるで交差点を行き交う人々が、ぼくをじろじろ、敵意を持った瞳で睨みつけてくるのだ。離れたところからでも、こちらをわざわざ見つけて、ぎょっとしたように厭な目をする。

 どうして、こんなに見られるのだろう? たまたますぐわきを通り抜けようとした人に手を伸ばすと、素早く身を引かれて速足で去っていってしまった。
そんなに汚いか! 怒りがふつふつと湧き立ってくる。ずんずんと、人波を突き進んで、あえてぶつかるくらいの気持ちで分け入ってやると、人々はさーっと道を開けた。
ある意味、モーセみたいだ。

 信号機のたもとに、足の止まっている若い女性が一人。竦んで、身動きが取れないだろうことがわかった。
 彼女なら、ぼくを避けることはできやしない。つかつかと歩み寄っていく。

 彼女を助ける正義漢はいなかった。みんな、自分を優先して距離を取る。女性が一人、哀れにも取り残された。鞄を盾みたいに胸の前に構えて怯えている。
 
 その姿がとても健気で好感が持てた。そして手が届く距離にまで詰めた。手を伸ばした。肩をむんずとつかんだ。女性に緊張が走る。より小さく縮こまる。

 一拍おいて、みんなが避ける理由を問い詰めようと口を開く。

 そこで女性が先制して言った。「離れてください、気持ち悪い、気味悪い、キモい、幽霊!」
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