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高森藍子「加蓮ちゃんと」北条加蓮「のんびり気分のカフェで」
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24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:34:48.95 ID:0/LxNCzG0
藍子「あはは……。別のなら……。暖炉ストーブ、暖かいなぁ……とか?」
加蓮「ふふっ。暖かいよねー」
藍子「暖かいですよね……」
加蓮「……ふわ……」
藍子「あふ……。少しだけ、眠っちゃいますか?」
加蓮「まだ大丈夫」
藍子「は〜い」
加蓮「……あ。そういえば来てから何も注文してないじゃん。私達」
藍子「そういえば……? ずっとお話したままでしたよね」
加蓮「店員さんも裏で怒ってるよ。あいつらいつ注文するんだ! みたいに」
藍子「うう。そう考えると、呼ぶのが少し怖くなってきたかも……」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:35:18.30 ID:0/LxNCzG0
藍子「……ううんっ。もし本当に怒っていたら……注文してほしいって思っているなら、店員さんだって、話しかけに来てくれますよね」
加蓮「あははっ。真面目に怯えさせるつもりはなかったんだけど……。ごめんね?」
藍子「もうっ。分かって言ってたんですか?」
加蓮「すみませーんっ」
藍子「あっ……もうっ」
藍子「こんにちは、店員さん。……ずっと注文しないで居座っちゃってごめんなさいっ」
加蓮「……あー、これは怒ってたっていうより待ち遠しかったって顔かな? 藍子、ここにも犬がいたよ」
藍子「こら、加蓮ちゃんっ」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:35:48.69 ID:0/LxNCzG0
藍子「ええとっ、サンドイッチを2人分と、その後でコーヒー。お願いします」
加蓮「お願いね。……店員さん、注文を聞く時にわざわざ膝を折って屈んでくれたね」
藍子「目線を合わせてくれましたね。私たちが座っているから」
加蓮「サンドイッチなんだ」
藍子「はい。もこもこのシートとふわふわのクッションに、サンドイッチ。暖炉の前ですけれど、なんだかピクニックみたいじゃありませんか?」
加蓮「……カフェでピクニック?」
藍子「カフェでピクニック!」
加蓮「カフェって、ピクニックもできる場所なんだ」
藍子「ピクニックもできる場所ですよ〜」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:36:18.83 ID:0/LxNCzG0
加蓮「逆に何ならカフェでできないのよ」
藍子「……、……?」
加蓮「LIVEは前に別の場所でしたし」
藍子「撮影も、公式な撮影会ではありませんけれど、ここで似たことをしましたよね」
加蓮「やったやった。他のお客さんから撮影会って思われちゃったヤツっ」
加蓮「他はなんだろ。……討論会とか? そんなのいっつもやってるよね、私達」
藍子「学校の宿題も、よくやります。それにテスト勉強も」
加蓮「あ、待って藍子。あるよ。できないこと。身体を動かす、運動とかレッスンとか!」
藍子「ふふふ――」
加蓮「えっ」
藍子「加蓮ちゃん。実は……最近、それができるカフェも増えてきているんですよ」
加蓮「……マジで?」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:36:48.77 ID:0/LxNCzG0
藍子「と言っても、もちろん店内で体を動かすことはできませんけれど……」
藍子「最近は、カフェの敷地内、お店の外の庭や道が、遊歩道になっていたり、体を動かすスペースになっている……そんなカフェが増えてきているんです」
藍子「ほら、カフェのメニューって、場所によりますけれど量が結構ありますよね?」
加蓮「確かに……。ファミレスみたいな定食を出す場所って結構あるよね」
藍子「はい。それを食べた後に、体を動かしたい方もいらっしゃるみたいで」
加蓮「それで運動スペース?」
藍子「さすがに、アイドルのレッスンをされている方は見たことありませんけれど……やろうと思えば、できると思いますよ?」
加蓮「へぇー……」
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:37:19.14 ID:0/LxNCzG0
藍子「……くすっ♪」
加蓮「?」
藍子「加蓮ちゃん。今、加蓮ちゃんが考えていること、当ててみますね」
藍子「"そのカフェに行ってみたいなぁ"、ですよねっ?」
加蓮「いや別に?」
藍子「えっ」
加蓮「藍子が行ったカフェの話は面白いけど、行きたいって思うかどうかはまた別だよ。それに、今はここでのんびりしたいから……。どこかに行きたいって気持ちとか、全然浮かばないんだよね」
藍子「そんなぁ……。暖炉ストーブのぬくもりに負けちゃいました」
加蓮「藍子の負けー」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:37:48.78 ID:0/LxNCzG0
加蓮「身体も動かせるってなると……どうしよ藍子。マジで思いつかないよ。カフェでできないこと」
藍子「それだけカフェは、すてきな場所だってことです♪」
加蓮「いや、絶対見つけてやる……! カフェにできないことを……!」
藍子「どういう意地の張り方ですか……。――あっ、店員さんっ」
加蓮「ありがとー。わ。バスケットに入れてきてくれたんだ」
藍子「ここに座っているお客さまへのサービス、ですか? そうだったんですね♪」
加蓮「ホントにピクニック気分じゃん。いただきます」パン
藍子「いただきますっ」パン
加蓮「あむっ」
藍子「あむあむ……」
加蓮「……ん、美味し」
藍子「はい。とっても美味しいです♪」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:38:18.64 ID:0/LxNCzG0
加蓮「いつものサンドイッチだけど、暖炉の前で座って食べると……なんか、ほっとする。ぬくもりを感じるね」
藍子「ほら、加蓮ちゃん。暖炉を見ると、かっこん、かっこん、って揺れる椅子に座った、おじいさんやおばあさんが思い浮かぶから……ってお話、したじゃないですか」
藍子「あれが残っていて、おばあちゃんの味が、みたいな感じではないでしょうか?」
加蓮「……、」メヲオトス
加蓮「そこまでは考えてなかったな……。でも、そうかも?」
藍子「いろいろ思い浮かべると、いつものサンドイッチも味が変わって……また、違う楽しみ方が増えますから」
加蓮「そっか。……あむ……」
藍子「あむ、あむ……♪」
加蓮「……あったかい」
藍子「うん。とっても、あったかい」
加蓮「あむ……」
藍子「あむ、あむ……」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:38:50.67 ID:0/LxNCzG0
……。
…………。
「「ごちそうさまでした。」」
加蓮「ずず……」
藍子「ずず……♪」
加蓮「ふー」
藍子「ふうっ」
加蓮「……何か食べてコーヒーも飲んだら目が覚めるかなって思ったけど、逆にもっと眠くなってきちゃった」
藍子「うつらうつら……」
加蓮「うたたねするならさすがにいつもの場所に移ろっか」
藍子「……ううん。ここで横になっても大丈夫だって、店員さんが」
加蓮「さすがにそれは遠慮しとくよ? 横になって寝てるとこ、来た人に見られるの恥ずかしいし」
藍子「それは……。確かに」
加蓮「でしょ? ……ふわ……でも、もうちょっと起きていたいかな……」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:39:19.01 ID:0/LxNCzG0
藍子「寝たくなったらいつでも言ってくださいね。膝、お貸しします♪」ポンポン
加蓮「藍子がやってほしい側じゃなかったの?」
藍子「やってほしくて、やりたくもありますからっ」
加蓮「なるほどね。でも駄目。今日は甘えたい気分じゃないから」
藍子「残念」
加蓮「最近、LIVEとか色々あって忙しくて、事務所でも喋ってばっかりなんだけど……」
加蓮「ここに来たら、また喋りたくなることが増えるんだよね。眠るなんてもったいないっ」
藍子「もう、加蓮ちゃん……。そんなことを言われたら、私も起きていたくなっちゃうじゃないですか。ふふ」
加蓮「あははっ。あ、でも気遣ってくれなくていいよ? 藍子が寝たら寝たで……別の楽しみがあるし?」ククッ
藍子「……ぜ、ぜったい寝ません。もし私が眠りそうならたたいてでも起こしてくださいっ」
加蓮「いつまで持つかなー? ……ほら、暖炉のパチパチって音が流れ出した」
藍子「…………」ウツラウツラ
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:40:50.03 ID:0/LxNCzG0
>>33
申し訳ございません。2行目の加蓮のセリフを一部修正させてください。
誤:加蓮「藍子がやってほしい側じゃなかったの?」
正:加蓮「藍子がやってほしいんじゃなかったの?」
加蓮「今は他のお客さんもぜんぜんいないね。ここ、すっごく暖かいね?」
藍子「……はっ」
加蓮「ね? 藍子。眠っても大丈夫だよ。ほら、目を瞑って……?」
藍子「…………」ウツラウツラ
藍子「……はっ」
藍子「私っ、私だって加蓮ちゃんと喋りたいこといっぱいあるもんっ――あ、ありますから」
藍子「やっぱりいつもの席に行きましょうっ。ほら、ほらっ!」グイグイ
加蓮「……ふふっ。しょうがないなぁ。今日は私の負け。藍子についてってあげる」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2019/12/02(月) 19:41:47.50 ID:0/LxNCzG0
藍子「靴をちゃんと履いて、……うぅ、体がちょっぴり寒く……」チラ
藍子「ううん。ほらほら、加蓮ちゃんも。あっ、クッションはそこに置いてあったので戻してくださいね」
藍子「サンドイッチの入っていたバスケットは店員さんにお渡しするので持っていきましょうっ」パタパタ
<店員さ〜んっ。バスケット、ありがとうございますっ
加蓮「藍子がてきぱき動いてる。珍しー。そんなに焦らなくてもいいのにね」
加蓮「甘えたい気分じゃないけど……甘やかしたい気分はあった、かな?」
加蓮「やり方間違っちゃったみたい。残念。でも、悪戯させたくなる藍子が悪いんだからねー?」テクテク
<それと店員さん、すっごく苦くて眠ってしまっても起きられるようなコーヒーをもう1杯お願いしますっ
<藍子? それ、飲めないってなって私が押し付けられるの目に見えてるんだけど?
【おしまい】
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