勇者「魔王封印するつもりがミスって殺してしまった。俺はもうダメかもしれない」

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135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 23:13:15.08 ID:TFUrk6BD0
>>134
そして一か月
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/23(日) 00:10:04.02 ID:7eMyjlX7o
>>135
一ヶ月で催促とか早漏過ぎだろ
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/02/24(月) 00:03:04.78 ID:sutk+66DO
まあ生存報告くらいはして欲しいけどな
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/10(火) 15:48:39.67 ID:0MgrOKubO
魔法使い「…勇者の船、沈没を確認しました」

姫「ご苦労様です。素晴らしいメイルストロムでした。流石は魔法使い様です」

姫「商人様も、よくぞ勇者様の船を捕捉していてくれました。おかげで迅速に事を為せました」

商人「恐悦至極でございます」

魔法使い「…どうも」

姫「あとは王都の教会で蘇生すれば勇者様は私のもの…僧侶様といえどもう手出し出来ないでしょう」

魔法使い「…」

姫「不服そうですね、魔法使い様。やはりかつての仲間を陥れるのは抵抗がありますか?」

魔法使い「…別に。あんなの仲間でもなんでもなかったので」

姫「それは良かったです。魔法使い様と争うのはとても大変そうですから」

魔法使い「…」

姫「さぁ、王都に帰りましょう。あまり勇者様を待たせてはいけませんからね」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/10(火) 16:18:21.23 ID:0MgrOKubO
勇者「」

勇者「」

「世界樹の葉」

勇者「」ゲボッ

勇者「はッ!?」

勇者「…い、生きてる…?」

戦士「ああ。生き返ったな」

勇者「ゲッ!?(戦士!?)」

戦士「一日ぶりだが、まさか死体になって戻ってくるとは思わなかったぞ」

勇者「あの、つかぬことをお聞きしますが、ここは…?」

戦士「どこも何も最前線の街だ。元こそつくがな」

勇者「(んなこたお前がいる時点で分かってんだよボケ!)えっと、そうじゃなくてですね…」

戦士「魔王城から帰った時、僧侶が教会に出掛けて行っただろう?その時お前の蘇生先をここに設定したらしくてな」

戦士「たまたま教会の掃除を手伝っていたところ、お前の死体が飛んできたわけだ」

勇者「はぁ…?」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 16:21:29.17 ID:Pvv1LLv3o
来た!!
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/10(火) 16:32:03.86 ID:0MgrOKubO
勇者(つまり、じゃあ何か?)

勇者(僧侶は俺が王都に戻ってからどっかで死ぬ流れを予期してて?)

勇者(蘇生設定を自動から手動に変更して?こんな王国も教国も影響力の薄い街に飛ぶようにしてて?)

勇者(…苦肉の策?だよな多分。ルーラで帰る都合上教国には寄れないから、せめて王都から一番遠い街にしたってことか?)

勇者(いや…えぇ…?わっかんねえ…)

勇者「とりあえず…ありがとうございました戦士さん。これで貸しはチャラですね」

戦士「何があった?闇討ちでもされたか?」

勇者「いや普通に乗ってた船が転覆しまして」

戦士「何をやっているんだお前は…?」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 18:38:54.71 ID:hVwbqPiw0
今更だけど>>1が書き込んでるって確定なんかね
こんなスレ乗っ取る価値があるとは思わんけど
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 19:36:03.58 ID:QMowCRRQo
乗っ取りでも面白ければええわ
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 20:24:43.66 ID:2ttK/WS30
板ルール上は乗っ取り禁止されてるけどほぼ管理が放棄されてる現状ではそんなの意味無いしな
酉付けて自衛もしてないんだから乗っ取られたところで文句なんて言えない
まあそもそも乗っ取り疑う要素が特に無いんだけど
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/10(火) 20:26:12.63 ID:6TEg6Si5O
最初からsageとか使ってないし>1本人だと思ってる
乙ー
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 22:01:22.18 ID:ptTGybKFo
おつ
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/10(火) 22:52:13.86 ID:rTbRyXjoo

魔王倒したら身内にデスルーラされるとかそら人間不信になるわ
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/11(水) 02:15:09.01 ID:m6F8qSoDO
まあ何はともあれ乙
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/11(水) 12:37:08.24 ID:TnhfAZSvO
乙したー
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/12(木) 23:24:46.88 ID:BrVZt30C0
こうなったら世界樹の葉なり蘇生呪文使って魔王を復活させよう(錯乱)
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/13(金) 23:35:40.60 ID:V0x+OtuvO
勇者(ちょっと整理しよう)

勇者(あの天候の崩れ方はおかしかった。海ったって流石に急すぎる)

勇者(あんだけでかい津波だ。四天王が全滅した今あれ起こせんのは魔法使いくらいだろ。あいつに俺を[ピーーー]旨味はもうあんまりないはずだから、多分姫の命令)

勇者(いくら姫でもこの街での蘇生は読めていないはず。いずれ伝わるだろうが、少なくとも今はまだ)

勇者(僧侶にはバレてるが、ここから更に逃げればアイツすら分からなくなるはず)

勇者(そしてここは旧魔王領の目と鼻の先。人の目がない場所なんてごまんとある)

勇者(…あれ?状況めちゃくちゃよくね?)

戦士「何か訳ありなら家で話を聞くが…」

勇者「いえいえいえお構いなく!急ぎの用があるんで俺はこれで!ご家族にもよろしく伝えてさようなら!」

戦士「…あ、ああ
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/13(金) 23:36:09.61 ID:V0x+OtuvO
途中送信

勇者(ちょっと整理しよう)

勇者(あの天候の崩れ方はおかしかった。海ったって流石に急すぎる)

勇者(あんだけでかい津波だ。四天王が全滅した今あれ起こせんのは魔法使いくらいだろ。あいつに俺を[ピーーー]旨味はもうあんまりないはずだから、多分姫の命令)

勇者(いくら姫でもこの街での蘇生は読めていないはず。いずれ伝わるだろうが、少なくとも今はまだ)

勇者(僧侶にはバレてるが、ここから更に逃げればアイツすら分からなくなるはず)

勇者(そしてここは旧魔王領の目と鼻の先。人の目がない場所なんてごまんとある)

勇者(…あれ?状況めちゃくちゃよくね?)

戦士「何か訳ありなら家で話を聞くが…」

勇者「いえいえいえお構いなく!急ぎの用があるんで俺はこれで!ご家族にもよろしく伝えてさようなら!」

戦士「…あ、ああ…?」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/13(金) 23:59:28.49 ID:V0x+OtuvO
戦士「…行ったか。勇者のやつ、一体何をあんなに急いで…?」

兵士A「あっ隊長ここにいた!報告です!」

戦士「どうした?」

兵士A「教国から手配書です!それも、ゆ、勇者様の!」

戦士「な…!?」

兵士A「名目上は保護とのことですが…」

戦士(…これが理由か?)

兵士B「報告です!王都より軍令と勇者様の手配書とが届きました!見つけたらどんな手を使っても拘束しろとのことです!」

戦士「あいつ何をやらかしたんだ…!?」
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/14(土) 02:38:50.58 ID:Ifb0A9CkO
勇者「やってきました旧魔王領!人間のいない土地!」

勇者「誰の目もない!誰に裏切られる心配もない!飯は魔物食えばオーケー!」

勇者「持っててよかった聖剣!何匹切っても錆びない欠けない!調理も戦闘もこれ一本で無問題!」

勇者「いやぁ最っ高!俺のための土地!もう終生ここで生きていきます!」

勇者「とはいえ寝る場所が全然ないんだよな。一生野宿ってのは流石にきつい。お風呂入りたいし布団で寝たい!」

勇者「でもね、心当たりあります。勇者だから!」

勇者「レッツゴー魔王城!魔王城でおやすみ!おすすめ!」
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/14(土) 02:39:18.95 ID:Ifb0A9CkO
ここまで
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 04:55:24.14 ID:t4fhCTvV0

更に事態が悪化しそうな空気
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 05:13:03.04 ID:gantsPq80
>勇者「レッツゴー魔王城!魔王城でおやすみ!おすすめ!」
ダイマ乙w
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 05:25:57.84 ID:KuNZZexq0
最後既視感あったけどそれか
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/14(土) 06:29:05.52 ID:ORqAx08zo
乙ー
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 18:37:51.07 ID:tK9HKleA0
魔物を喰らい生きるって既に人間辞めてるのでは?
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 21:54:47.61 ID:jHWWLS7n0
>>144-145

書き込んだ時にちゃおラジってパクリスレが上がってたからふと思いついた
あっちもこっちも惰性で続いてるスレだし共通点は多いかなと
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 22:22:48.06 ID:t4fhCTvV0
>>161
流石にアレと共通点多いとか言っちゃうのはちょっと…
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 23:18:50.37 ID:f4TJ7curO
>>161
こいつなんなの
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 23:36:58.14 ID:tK9HKleA0
>>163
全く関係ないスレに自身が粘着してるスレのことを語りに来る基地外アンチ
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/15(日) 18:26:54.06 ID:2iaYuBNQO
勇者「…」

勇者「あの」

勇者「なんか魔王城明かりついてるんだけど」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/03/15(日) 18:28:22.29 ID:2iaYuBNQO
ここまで
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 18:30:54.25 ID:4dMR1lJ1o
おつおつ
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 21:38:08.29 ID:yX7TQOqio
お手本のような亡命
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/03/15(日) 22:25:46.24 ID:ye32SwDjO
乙ー
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/15(水) 23:33:16.66 ID:2gua9BTm0
体調崩してないか心配だな...
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/17(金) 10:14:50.29 ID:bvhkqttJ0
エタった?
172 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/17(金) 14:51:40.12 ID:FMvXjuixo
流石に1ヶ月でエタスレ認定は早過ぎない?
2、3ヶ月は待ってやろうぜ
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/24(金) 22:46:36.11 ID:CwWDwu0Q0
こんな情勢やから生存報告くらいはして欲しいけどね
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/26(日) 04:15:22.13 ID:GnKs08jj0
ガチの生存報告が必要な世の中になるとはね...
175 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 19:19:53.26 ID:vUd+jHo+O
勇者(城内には誰もいなかった…)

勇者(残すところはこの玉座の間だけ。気配もある)

勇者(魔王死んだのに生き残りの魔物が?そりゃあんだけいたら例外いてもおかしくないけど…)

勇者(嫌だなぁ。怖いなぁ)

勇者「…」

勇者「お、お邪魔しまーす…」

大魔王「え…」

勇者「えっ…」

大魔王「……」

勇者「……」

大魔王「……うおおおおおおおおおおお!?」

勇者「うわあああああああああああああ!?」

大魔王「うおおおおおおおおおおおおお!!」

勇者「うわあああああああああああああ!!」
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 21:39:19.74 ID:cWFJBfUF0


僧侶「果ての街からの返答はどうでしたか?」

枢機卿「勇者様の姿は見ていないとのこと。ですが庇っている可能性も考えられます」

僧侶「戦士様ならあり得るでしょうね。王国の動向は?」

教皇「貿易街の近海から引き上げたらしい。同時に奇妙な嵐も収まったようだ」

枢機卿「狙いは勇者様だったと見て間違いないでしょうな」

僧侶「私の細工で蘇生先は果ての街になっています。戦士様たちが庇っていたとしても同じ場所に留まっているとは思えません」

教皇「近隣の街道から発見の知らせは届いていないが…」

僧侶「…恐らく魔王領に逃れたのでしょう。今はもう魔王軍もいませんから、むしら人間界にいるより安全なはずです」

教皇「それは良かった。我が国にも捜索隊を出すだけの余裕はない」

枢機卿「では…勇者様のことはしばらく様子見ということでよろしいですかな、聖女様」

僧侶「ええ。王国は勇者様の居場所を掴んでいません。今は国内の立て直しに力を入れましょう」

僧侶「…本当は直接私が迎えに行けたらいいのですが…」

教皇「済まないがようやく帰ってきた我が国の象徴を外に出せない」

教皇「お前が象徴として在ることで国民の士気が上がる。彼らによる迅速な国力の充実が勇者を迎える何よりの近道だと思ってくれ」

僧侶「…ええ。弁えています」
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 21:58:28.26 ID:cWFJBfUF0


姫「これは…一本取られたようですね」

魔法使い「…勇者が死んでいなかった、とは考えられませんか」

姫「これだけ時間が経ってどこにも打ち上がっておらず、誰もお姿を見ていないとは考え難いですね」

姫「蘇生先を誰かが意図的に変更したか、王国以外の場所に匿われているか…そんなところでしょう」

魔法使い「僧侶…教国が絡んでいる、と?」

姫「もしくは旧魔王領付近の王国の支配が届きづらい辺境かもしれません。どうにせよ怪しいのは一時でも仲間だった方々ですね。魔法使い様はご心当たりございませんか?」

魔法使い「…いえ」

姫「ひとまず今は国力の拡充こうも手がかりがないのでは捜索のしようがありませんね。
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 22:04:04.35 ID:cWFJBfUF0
>>177はミス

【王国】

姫「これは…一本取られたようですね」

魔法使い「…勇者が死んでいなかった、とは考えられませんか」

姫「これだけ時間が経ってどこにも打ち上がっておらず、誰もお姿を見ていないとは考え難いですね」

姫「蘇生先を誰かが意図的に変更したか、王国以外の場所に匿われているか…そんなところでしょう」

魔法使い「僧侶…教国が絡んでいる、と?」

姫「もしくは旧魔王領付近の王国の支配が届きづらい辺境かもしれません。どうにせよ怪しいのは一時でも仲間だった方々ですね。魔法使い様はご心当たりございませんか?」

魔法使い「…いえ。何も」

姫「ひとまず今は国家の安定化に努めましょう。こうも手がかりがないのでは捜索しようにも非効率ですから。魔法使い様、ご苦労様でした」

魔法使い「…はい。また何かあれば呼んでください」
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 22:25:05.68 ID:cWFJBfUF0


勇者「ひいっ…ひいぃ…」

大魔王「」

勇者「強っ…オエッ…ひぃ…なんなのこいつ…」

勇者「いきなり…はあっ…し、しんどっ…」

勇者(開幕滑って転ばなきゃ…運が…運がなかったら…こ、殺されてた…)

大魔王「」

勇者「…ま、魔王に似てる…?」

勇者「魔王の…先祖とか…?」

勇者(他にも…魔王ファミリーが来る可能性…?)

勇者(こ、こんなのが…もっとたくさん?)

勇者「――嫌ァァァァアーーーーーー!!!!!!」

勇者はにげだした!
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 22:25:53.15 ID:cWFJBfUF0
ここまで
生きてるけど超忙しいです
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/08(金) 22:28:10.84 ID:833e7qnGo
おつおつ
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/08(金) 22:36:40.68 ID:kwYkp5VTo
生きてたか乙
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/09(土) 02:52:42.46 ID:sO8Ra42zO

仕方なかったとは言え折角生きてた(?)魔王をまた殺っちまっとる…
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/09(土) 03:12:24.10 ID:F/WdKV04o
乙ー
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/21(木) 20:14:08.39 ID:9Vcn4K9FO
続きマダー?
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/21(木) 22:37:50.03 ID:SPNPMrig0
まあ気長に待とう
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 00:34:05.58 ID:C3LYRWwy0
2ヶ月...
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/17(金) 10:45:09.50 ID:8tU+X14b0
【魔王城】

魔法使い「…」

魔法使い「勇者はいないか」

魔法使い「来てない?ううん、いたけど勘づかれた…」

大魔王の死体「」

魔法使い「これは…!?」

魔法使い「魔王…じゃない。でも、かなり似ている」

魔法使い「…この残留魔翌力…」

魔法使い「使える、かも」
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 10:46:19.36 ID:jtkr5icJo
おほー来たぁ!
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/17(金) 11:16:53.40 ID:8tU+X14b0
一ヶ月後

【旧魔王領国境】

勇者「ズルッ!ズルルルルルッ!うまっ!スライムうまうま!」

勇者「ゴーレムクッキー!バキバキ!バキバキバキバキ!」

勇者「エヘッ!エヘヘヘヘヘヘヘッ!」

勇者「…」

勇者(死んだら蘇生される死んだら蘇生される死んだら蘇生される)

勇者「だれかころして…」

勇者「…」

勇者「やっぱ嫌ァーーーーー!!!死にたくなーーーい!!!!!」
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/17(金) 11:55:44.36 ID:0KdXtT6TO
【王都】

勇者(やってきました王都!久しぶり文明!)

勇者(いや、ほら、ここ一ヶ月超安全だったじゃん。もう姫たち俺のこと忘れてるかもじゃん)

勇者(情報収集は大事だよね?ね!)

勇者「お酒!肉!ください!」

店員「…お客さん、悪いこと言わないから水浴びてきな?うちの二階貸すからさ」

勇者「はい」
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/17(金) 12:12:12.03 ID:0KdXtT6TO
勇者「お世話になりました…ご迷惑おかけしてマジすんませんでした…」

店員「いいよ、いいよ。助け合いだよ」

勇者(泣きそう)

店員「あれ?でもお客さん、なんか見覚えが」

勇者「それはそうとですね!最近の新聞とかってありますか?あったらちょっと見せて欲しいな〜って」

店員「はいよ。んで、注文は酒と肉だったね。すぐ持ってくるから座って待ってな」

勇者(…もしかして指名手配とかされてる?うわ、普通にありそう)

勇者(顔隠しとこ)

店員「お待たせしましたっと。あれ?お客さんなんで仮面なんか」

勇者「呪いです」

店員「えぇ…それ食べづらくない?」

勇者「慣れてるので余裕です」

店員「不憫な…」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/17(金) 12:27:58.30 ID:0KdXtT6TO
勇者(どれどれ、最近のニュースは)

勇者「えッ戦争!?」

店員「あーね。教国と戦うんだよ」

勇者「いやいや魔族との戦争終わったばっかじゃないですか!嘘でしょ!?」

店員「まあ正直辛いけどね。でも教国は勇者様を誘拐したんだろう?助けられといてこっちは見捨てるなんて王国民の誇りが廃るってもんだ」

勇者「誘拐?」

店員「凱旋式のドサクサでね。旅が終わってやっと一息ってところを狙うなんて卑怯な連中だよ」

勇者(…そういうことになってるのか…)

店員「この国にも女神様を崇める信者は多いし、勇者様だって女神様の眷属みたいなものだからあまり悪くは言いたくないんだけどね。だからってこんなの許しちゃいけないよ」

勇者「…僧侶さまは?」

店員「お客さん、その名前はあんまり口に出さない方がいいよ。あの方こそが誘拐の主犯だ。凱旋式にも出ずに国に逃げたのがその証拠さ」

勇者「それはお姫様が仰ってた感じですかね…?」

店員「お姫様って…いつの話してるんだか。今はもう女王様だよ」

勇者「そ(れは)マ(ジですか)?」
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 12:41:45.88 ID:jtkr5icJo
大事になっとる…
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/17(金) 13:35:49.24 ID:0KdXtT6TO
勇者(姫改め女王は今回の戦争を自ら取り仕切っているらしい)

勇者(国王は戦争に反対したが、民意を煽って味方につけた姫を止めることはできず、敗れ去るように退位したとか)

勇者(あの日逃げたのがマジの大事になってて笑う。笑えねえよ[ピーーー]ぞ)

勇者(いや、流石にアカンでしょ。人と人との戦争はさぁ)

勇者(やっていいことと悪いことがあるって)

勇者(魔王と何の違いがある)

勇者「…………」

196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 14:38:56.55 ID:4fRe+VREO
慎重すぎる勇者の杞憂を笑う話だと思ったら全部あたりでヤベーことになってる
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/17(金) 17:04:31.59 ID:8tU+X14b0
ひとまずここまで
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 17:13:44.42 ID:jtkr5icJo
おつです
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 17:13:57.85 ID:rkyjKk2DO
今更勇者が出ていって誤解を解いても戦争仕掛けた女王は詰むでしょうな
間違いでしたテヘペロで済む問題じゃないww
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 23:37:46.73 ID:QVe4pahu0
>>199
勇者囲っちまったらこっちのもんで教国から逃亡してきたとかで更に戦争煽るよ...
今後勇者が教国に(僧侶の元に)訪れることもこの状態じゃ油注ぐことになるからできなくしてるしヤバいなこの女王...
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 23:44:31.00 ID:t/3v1fC4o
策謀張るのうまいな…胸は多分萎んでそうだけど
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/17(金) 23:50:58.39 ID:dNgwYBzmo
乙ー
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 00:08:23.80 ID:S3tvgyZ90
たぶん姫が先に勇者捕らえたら一回ズタボロにして上下関係叩き込みつつ教国のせいにして英雄を傷つける邪教って貶めるんだろうな…
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/20(月) 02:25:38.52 ID:SVcQ7S7bO
勇者(王国だって疲弊している。だが戦争が可能な程度には回復した)

勇者(教国も回復はしているが、その幅は王国よりずっと小さい。だから戦争は王国が勝つ)

勇者(教国は抵抗しないで白旗を上げるだろう。僧侶は勝てる見込みのない戦で無駄に犠牲を出す奴じゃない)

勇者(…本当にそうか?枢機卿や教皇が指揮を取ったら?)

勇者(宗教家の頭の固さは旅に出る前の僧侶さんのお墨付きだ。開戦の可能性は十分にある)

勇者(奴らの教義として、女神の意思は何者にも侵されてはならない。王国に負ければ教団の求心力は著しく下がる。幹部の糞豚共が既得権益を手放すことを呑む?んなわけねえだろ)

勇者(しかし王国に勝てないのは事実。周辺国に助けを呼ぼうにも開戦までそう時間がない。国力で負けてる以上撃てる手は限られる)

勇者(例えば…)

「やべえ、大通りで暴動が起きた!ここもすぐ巻き込まれるぞ!みんな逃げろォ!」

店員「なんだって!?」

勇者「…王国内の信徒をゲリラ運用して厭戦感情を煽る、とかな」

店員「は!?」

勇者「いろいろありがとうございました。お会計置いときます。縁があればまた」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/20(月) 02:47:30.99 ID:SVcQ7S7bO
【大通り】

勇者「うっわ、グロッ…」

勇者(グチャグチャにされた死体がそこらに吊るされてる。見せしめだなこりゃ)

勇者(肝心の暴動を起こした連中は…あ、この死体とかそうっぽい。なんか宗教くせえし)

勇者(でもほとんどはもう逃げたみたいだな。手際すげえな。熟練の盗賊も真っ青だよ)

勇者(このやり口は…流石に僧侶じゃないだろ。うん。こんな惨い真似に耐えられる奴じゃない)

勇者(こういう暴動や自爆テロが繰り返されると国民は疑心暗鬼になる。それが狙いだな)

勇者「とはいえそれだけで王国に勝てるとも思えねえけど…っと」

勇者(やべ、騎士来た。逃げよ)

勇者「…ん?」

勇者「この井戸…血が中に…?」

勇者「もしかして…」
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/20(月) 03:01:35.43 ID:SVcQ7S7bO
勇者(暗い。怖い。寒い)

勇者(この井戸やたら深いし長いしぐねぐねしてるし)

勇者(水のせいで血痕とかなんもわからんから来た意味ないし)

勇者(ぼくはどうしてこんなところを歩いているのでしょう…?)

勇者(ひっく…ぐすっ…ううっ…)

勇者「あれ?光…?」

勇者「…出口か!あー良かったぁ…助かったぁ…!」

勇者「しかしこれ、どこに繋がって」

盗賊「シッ!」

勇者「あぶなっ!?」
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/20(月) 03:46:48.13 ID:SVcQ7S7bO
ここまで
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/20(月) 03:46:59.04 ID:eO42WilMO
乙ー
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/20(月) 03:54:56.68 ID:ZSVJiD5no
逃げてもダメ捕まってもダメ死んでもダメ
詰みゲーすぎる……
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/20(月) 12:51:51.10 ID:TGYNIWHSO
さっさと余所に逃げればいいだろうに何故余計なことに首を突っ込むんだ
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/20(月) 23:55:39.57 ID:0hzXmT7So
逃亡先があるならやってるってのがこれまでの話だろ
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/21(火) 22:36:19.45 ID:I6xdVx2C0
勇者「えっなになに!?誰!?怖い!」

盗賊「…」

盗賊「はっ!」

勇者「盗賊さん!?ナンデ!?」

盗賊「逃げんなっ――」

勇者「ヒィイやめてぇ!こっちこないでぇ!」

盗賊「貰ったァ!」

勇者「魔神斬り」ゾン

勇者「あっ」

勇者「…」

勇者「オーッ、ヒューマン…」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/21(火) 22:39:51.20 ID:I6xdVx2C0
盗賊「勇者が普通[ピーーー]か?」

勇者「ごめんなさい。マジごめんなさい。峰打ちだったんです」

勇者(蘇生間に合って良かったぁ)

盗賊「いやまぁ襲いかかった俺が言うことじゃねえけどよ」

盗賊「あーもうウンザリだ。だいたい俺なんかが勝てるわけねえっつの」

勇者「というかどうして俺殺そうとしたんです?お姫様関係じゃないですよね」

盗賊「分かってて聞くのは趣味か?言うまでもねえだろ」

勇者(ここに来たのは逃げたゲリラ共を追ってのこと。そんで逃げ込んだ先と思しき場所の目前で盗賊に襲われた)

勇者(え?じゃあ)

勇者「まさかあのゲリラ、盗賊さんの部下?」

盗賊「ハズレ。連中はちゃんと教国の信徒だよ。俺がやってるのはそいつらの指揮とケツ持ちだけ」

勇者「そうですか」

盗賊「…俺をまた[ピーーー]か?言っとくがそれほど意味はねえぞ。次の担当が送られてくるだけだ」

勇者「…」

盗賊「ま、その時間差が生じる以上無意味とは言わねえよ。[ピーーー]なら殺れ。どっちでも好きにしろよ。俺はもう疲れた」

勇者「…何故こんなことを?あんただって仮にも王国民だろうが。利敵行為をして何になる」

盗賊「ああ、そいつは俺が答えてやってもいいが…」

商人「いえ、私の受け持ちでしょう。人の仕事を盗る商売人は嫌われますぞ、盗賊さん」

盗賊「…とのことだ。後は旦那から聞いてくれや」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/21(火) 22:41:30.31 ID:I6xdVx2C0
勇者「商人さんが依頼人ってことですか?」

商人「ええ、まあ。この老いぼれにも夢がありましてな。その達成のために必要だった故、彼らに手を貸しとります」

勇者「夢?」

商人「貿易街の国家としての独立」

勇者(はっ…?)

商人「そうですな、ここでは仮に商国とでも呼びましょうか」

商人「王国の支配から逃れ、都市国家として独立し、私がその国の首長となる。そんな夢ですとも」

勇者「…」

勇者「えっと、教国に与して王国の国力を落とそうってことです?」

商人「ええ。無血で終戦などもってのほか。両国とももっと疲弊して貰わねば」

勇者「そんなの…魔王との戦争ん時にでもやりゃ良かったでしょう。なんで今更」

商人「あの時に内輪で割れれば人類そのものが滅亡していましたからな」

商人「今ならばそこまで酷いことにはなりますまい。せいぜいが疲弊した国二つで済むでしょうな」

勇者「じゃあここでアンタを殺します。お覚悟」
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/21(火) 22:43:11.15 ID:I6xdVx2C0
商人「どうぞ好きにすればよろしい。ですがその剣を振って一番に損をするのは私で、次が貴方だ」

勇者「何…?」

商人「考えてみるといい。私は教国の者の手引きをしただけです。信徒に命令を下している者はまた別にいる」

商人「さて勇者様。たった首一つで、そこへと繋がる線を切ってもいいと?」

商人「本当に?」

勇者(…商人を動かせるってなれば相当の大金持ち。大司祭以上の大物だ)

勇者(だが、大司祭だけでも十数人はいる。そいつらを一人一人洗うだけの時間は恐らくない)

勇者(そして、商人の代わりも多分用意されている。王都への手引きなんて一定以上の商人なら誰でもできるからな)

勇者(…チッ)
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 22:44:22.99 ID:5IWe8gueO
やっと追いついた、面白い
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 22:57:15.31 ID:v1LnAAWJ0
魔物の描写が無いからかもしれんが人間のが魔物より醜いって最高だなww
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 23:49:20.53 ID:Ka1A1zjAo
パーティ組むならこっちだったな…戦闘力がないか…
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 00:35:25.22 ID:o3RvdVIg0
>>218
勇者のみで大魔王倒せてるし戦闘力無くても問題ないんじゃね
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/22(水) 00:53:35.65 ID:qvOM0bjZo
乙ー
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 01:56:05.91 ID:Leh6EFO2O


勇者「…そこまで言うなら、依頼人が誰か教えてくれるんですね?」

商人「無論。私も命は惜しいので」

勇者「誰」

商人「直接的な上は中央教区長。ですが命令の元を辿れば首席枢機卿…教皇の補佐を務める司教枢機卿でしょうな」

商人「この先は商業街に繋がっとります。一晩休んで行かれるといいでしょう」

勇者「いや寝首掻く気でしょ?結構です」

商人「では陰ながら応援するに留めておきましょう。ああ、討つのですか?」

勇者「まずは話を聞いてみます。商人さんこそこんなこと話して良かったんですか?」

商人「何の何の。命あっての物種ですからな。勇者様こそご武運を」

勇者(うるせえ[ピーーー])

……

盗賊「いいのか?もっと王国を弱らせなきゃいけないんだろ?止められちまうぜ」

商人「はて…?確かに私は『王国の国力を削ぐためにゲリラに手を貸している』とは言いましたが」

商人「ゲリラ活動で国力を削ぐなどと言った覚えはありませんな…?」
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 02:07:45.98 ID:Leh6EFO2O
【教国】

神殿騎士A「…」

神殿騎士B「…」

勇者「」コソッ

勇者(内哨の数がやべえ…王国の工作員対策か?姫の性格知ってたらそりゃ立てるか)

勇者(しかも全員士気が異様に高い。敗色濃厚な戦争の前とは思えねえ)

勇者(…何か勝つための秘策があるって思った方がいいな、こりゃ)

勇者(さてどうするか…)
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 02:42:26.32 ID:Leh6EFO2O
勇者(枢機卿は実質的な国政のトップだ。奴さえどうにかできれば今度こそ教国に手はなくなるはず。血は流れずに済む)

勇者(いるとすれば間違いなく中央神殿。潜り込む必要がある)

勇者(だけどこの監視の厳しさはマジで異常だ。何なら国境の哨戒すら国内に回している。他を捨てても神殿だけは守り通すってくらいに硬い)

勇者(…正面突破?いやぁ無理でしょ。死んじゃう)

勇者「困った…」

「何が?」

勇者「どうやって神殿に入ろうかなって…」

勇者「え?」

賢者「あそこに入ろう、ねえ。また無謀なことに挑んでるんだな君は」

勇者「け、…賢者さん?」

賢者「やあ、久しぶり勇者。封印の塔以来だね」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 03:03:20.71 ID:Leh6EFO2O
勇者「あっはい、その説は本当にお世話になりました」

賢者「でも結局封印魔法使わないで魔王倒したんでしょ?あれをネタに勇者に恩を売るつもりだったのにな〜」

勇者「その、それより賢者さんこそ何でここに?」

勇者(世捨て人とか言ってたじゃんお前。え、あ)

勇者「まさか教国に雇われてるとか…」

賢者「普通に旅行だよ。ついでに君や僧侶や魔法使いに会えたらいいなってね。そしたらまた戦争が始まりそうとかで足止め。全く、これだから人間は」

賢者「で、撹乱魔法の気配がしたから王国のスパイかと思ってさ。ストレス解消にいたぶって殺そうと思って来たんだけど…ふふ、まさか勇者だったなんてね」

勇者「あ、あはは…」

賢者「勇者こそどうしたの?なんか王国に囚われたって聞いてたよ。今回の戦争もそれが理由だって」

勇者(こっちの国も似たようなことしてんなぁ…)
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 03:18:40.38 ID:Leh6EFO2O
賢者「あ、もしかして自力で脱出したとか?」

勇者「いやあの…話せば長くなるんで…」

賢者「ああ、神殿に入りたいんだっけ。協力してあげよっか」

勇者「…見返りは?」

賢者「暇だから別にいいよ。あ、でも後でお礼言ってね」

勇者「助かります。何か方法あります?」

賢者「ざっと二つ。一つは僕開発の強化薬(無認可)を君が飲んで特攻する。もう一つは僕がその辺爆破して気を引いてる隙に君がこっそり忍び込む」

勇者(今度からコイツのこと愚者って呼ぼう)
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 03:19:12.47 ID:Leh6EFO2O
ここまで
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 03:31:40.64 ID:ilLJCGTho

賢者とは……
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/22(水) 07:58:56.79 ID:TihRxEcFo
乙ー
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 13:22:32.90 ID:o3RvdVIg0
>>227
聖者って書かれてないし外道にだって賢(い)者はいるんじゃない?
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 13:53:30.43 ID:teh3XUBEo
インテリヤクザのファンタジー版
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/23(木) 02:41:26.80 ID:ernYLvKlO
勇者(しかし二人いるってのはアドだな。やれることも増える)

勇者(それなら…でもこいつアホだし…いや…うーん)

賢者「あれ、勇者考え込んじゃった」

賢者「こうなると長いんだよなあ。もういいや、やっちゃえ」

賢者「イオ」

ドォン!!

勇者「えッえッ!?」

賢者「あっ、こういう時に言ってみたい台詞があったんだよね」

賢者「ここは任せて先に行け!」

勇者「嘘でしょアンタ…!?」
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/23(木) 02:55:06.92 ID:ernYLvKlO
【神殿】

勇者「いや確かに入れたよ?」

勇者「だからって馬鹿じゃんこれは」

勇者「も〜〜やだ〜〜〜!」

勇者「元仲間がみんなクズかアホなのほんとやだ〜〜〜〜〜!」

勇者「…」

勇者「あれ?この気配、なんか奥の方で儀式やってる?」

勇者(これが王国に勝つための秘策か…?)

勇者「…入っちゃった以上進むしかないもんな」

勇者「行こう」
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/23(木) 05:18:26.19 ID:yGtowGCdo
乙ー
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 06:53:20.10 ID:DW8JGz/g0

最近更新多くて嬉しい
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 14:15:16.62 ID:Nc4hrhzc0

(私にかまわず先に逝って)とか心の中で考えてそうな賢者...

236 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/24(金) 00:48:28.91 ID:z69A34BDO
家では稀によく使う台詞だな(主にG出現時)
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/24(金) 01:57:08.42 ID:EyJDsvnmO
枢機卿「ようこそお越し下さいました、勇者様」

勇者「…これは…」

勇者(神殿の最奥。光を放つ巨大な扉の前に枢機卿が立っていた)

勇者「バレてたんですか」

枢機卿「いえ?ですが勇者様ならきっとこの場に辿り着くだろうと思っておりました。むしろ遅かったくらいでしょう」

枢機卿「なにせ、他ならぬ僧侶様に関わることなのですから」

勇者(
238 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/24(金) 02:16:39.22 ID:EyJDsvnmO
>>237はミス

枢機卿「ようこそお越し下さいました、勇者様」

勇者「…これは…」

勇者(神殿の最奥。光を放つ巨大な扉の前に枢機卿が立っていた)

勇者「バレてたんですか」

枢機卿「いえ?ですが話は僧侶様に関わることなのですからな」

枢機卿「他ならぬ勇者様であれば、きっと道理など飛び越えてこの場所に辿り着くと信じておりました」
勇者(…えっ僧侶?いや知らんが)

勇者「その、とりあえず王国へのテロやめてください。そして王国に無条件降伏を。条件が軽くなるように俺も協力しますから」

枢機卿「ふむ、それが勇者様のお望みですか?」

勇者「え?ええ、はい」

枢機卿「ではそのように。金輪際信徒を使った王国への襲撃はしないと約束しましょう」

勇者「口約束ならどうとでも言えます」

枢機卿「信用出来ないならば魔法を使った契約でも構いませんよ」

勇者(…?随分あっさりしてやがる…)

枢機卿「別に大したことはありませんよ。我々はもうそれを行う必要がないというだけのこと」

枢機卿「――王国軍の編成が数日遅れた。これより多くを望んでは罰が当たりましょうな」

勇者「なにがッ…!?」
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/24(金) 02:37:25.98 ID:EyJDsvnmO
勇者「眩しっ…!」

枢機卿「おや、これは失礼を。儀式の作用とのことです。しばし我慢いただけますか?」

勇者(扉から光が溢れ出てる。それと…は!?なんだこの馬鹿げた量の魔力!?)

勇者(しかもこれ、ただの魔力じゃない!)

勇者「女神様の…!?」

枢機卿「流石は勇者様。その通り、これなるは我らが崇め奉る女神の力です」

勇者「女神はこの世界に干渉できないはずだ!だからクソみたいや苦労をして俺が…!」

枢機卿「ええ。ですから女神は依代を必要とするでしょう?」

枢機卿「例えばそう、かつての貴方のように。力を容れられるだけの資質と精神を持つ者に女神は力を与えます。人類の文明が始まって以来幾度となく繰り返されてきたことです」

枢機卿「それだけの観測例があれば、いかに奇跡的な現象だろうが原理を分析し、応用することは充分に可能でした」
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/24(金) 06:42:42.99 ID:zB4gXHyxo
乙ー
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/24(金) 13:31:04.34 ID:T/mDScsFO

僧侶さんはアウトオブ眼中w
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/24(金) 14:12:20.77 ID:cLFR5Thx0
>力を容れられるだけの資質と精神を持つ者に
ってなんか女神も勇者みたいに人間に対して疑心暗鬼にに陥ってそう...
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 00:30:52.13 ID:Mp9ZdBjuo
やはり人類の敵は人類
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 01:31:28.12 ID:qEWWFK4Q0
乙 最近更新多くてうれしい
しかしこの枢機卿「我らが崇め奉る女神の力です」とか言ってるけど崇め奉ってる存在の力を勝手に使おうとしてるとか碌な奴じゃないな…
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 02:44:11.56 ID:YL6bMQkKO
勇者「まさか…僧侶に女神の力を…!?」

枢機卿「正確には女神そのものを僧侶様の身に降ろし、顕現させます。彼女は元々そのために生み出された人間ですからな」

勇者「元々…」

勇者(何のために…なんて聞くまでもないか)

勇者「魔王への対抗策ですか」

枢機卿「ええ。勇者は加護により不死と聖剣を与えられますが、言ってしまえばそれだけですからな。失敗して囚われてもなんら不思議ではない」

枢機卿「そのように万一勇者が失敗した場合、女神を降臨させ魔王を滅ぼす。聖女とはそういう存在なのですよ」

枢機卿「だからこそ僧侶様が貴方に付いて行くと仰られた時は国中が騒然としたものです。あの数の反対勢力を鎮めるのは中々に骨が折れましたよ」

勇者(…ゲロ吐きそうだ)
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 03:03:27.68 ID:YL6bMQkKO
勇者(でも、確かにここまで強い魔翌力…)

勇者(そして僧侶の魔法)

勇者(兵を強化しながら前線に出れば…)

勇者(…でも)

勇者「この国、滅びますよ」

枢機卿「そうですかな」

勇者「簡単には負けない。勝てるかもしれない。でもそこ止まりです。こんな戦争は何にもならない」

勇者「教国なんて結局のところ女神信仰の結実です。それがなくならない限り滅びることは決してない」

勇者「降伏するべき、じゃない。降伏しなきゃならないんだ」

枢機卿「ふむ。では滅びれば良いのでは?」

勇者(…)

勇者「は?」

枢機卿「言葉の通りですよ。滅びるなら滅びてしまえばいい…ああ、伝え忘れていましたか」

枢機卿「この戦争は僧侶様のご意思によるものですよ」

勇者「意味が…意味が分からない」

枢機卿「この国を、世界を救ったのは女神でも信仰でもない。勇者様、貴方たちと僧侶様だ」

枢機卿「その僧侶様が決断され、決意されたのです。女神を降ろして王国と戦うと」

枢機卿「ならば我々は彼女に付き従うのみ。いや、そうでなくてはならない!」

枢機卿「彼女に救われた我々が、彼女に代わりに戦わせた我々が、彼女を信じることしか出来なかった我々が!」

枢機卿「この期に及んで彼女の意思に背くなど!許されるわけがない!!」
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 03:06:05.04 ID:mr50fj4ro
狂信者……
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 03:09:55.43 ID:Mp9ZdBjuo
お気持ちヤクザが権力を握ると恐ろしい
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 03:16:02.30 ID:YL6bMQkKO
勇者「……」

枢機卿「…失礼。お見苦しい姿をお見せしました」

勇者(狂信者)

枢機卿「勇者様。ここに来られたということは僧侶様が気掛かりなのでしょう?」

枢機卿「是非とも僧侶様の力となって欲しい。僧侶様が真に求めているのは貴方ただ一人なのだから」

枢機卿「いや、この戦争に直接手を貸さずとも構いません。機を見て必ずや僧侶様を逃します。その先の未来で彼女の力となってくだされば、それだけで」

勇者「…」

勇者「すみません。駄目です」

勇者「俺は戦争を止めます」

勇者「勇者として」

枢機卿「…さようでございますか。残念です」

枢機卿「ではご退場願いましょう」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 03:33:19.08 ID:YL6bMQkKO
教皇「ご苦労だった、枢機卿殿」

枢機卿「猊下。ご準備の程は?」

教皇「五割といったところだ」

枢機卿「それだけ進行していれば充分でしょう」

教皇「ああ…」

勇者(…教皇まで出てきたか)

勇者「まさか…あなた達が俺の相手になるつもりですか?」

教皇「いいや。勇者殿、君の相手は他にいる」

教皇「こちらへ、僧侶…」

教皇「…いえ、女神様」

僧侶「……」

勇者(うっ…?)

僧侶「……」

僧侶「お久しぶりですね、勇者様」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 03:38:00.81 ID:YL6bMQkKO
ここまで
クズばっかで草
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/25(土) 09:17:33.38 ID:azOvQ+Tlo
乙ー
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 12:43:26.71 ID:ipSRmJUE0

書いてる本人がクズばっかって言ってるのがまた笑いを誘うというか草
枢機卿は僧侶の本当の望みが勇者って所はちゃんと分かってるんだな
僧侶≒女神の意志だから戦争するしかないって言うのはおためごかしにしか聞こえんけど
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 13:42:03.25 ID:qEWWFK4Q0
乙 まあ少しは生み出してしまった僧侶に対する贖罪もあるんじゃないか...あったらないいな...と思う
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 23:11:07.88 ID:4eaG1MMDO
どんどん滅びに向かって進んでいる…
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/27(月) 00:07:41.05 ID:qALvDyMc0
「勇者よ! 何ゆえもがき 生きるのか?
 滅びこそ我が喜び。死にゆく者こそ美しい。
 さあ、わが腕の中で息絶えるがよい!」
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/27(月) 09:25:19.86 ID:aJFt4nu5O
勇者「言っても一ヶ月でしょ。そんな久しぶりってほどじゃない…」

僧侶「いいえ、十分に久しぶりですよ。私にとっては万を越す日数にも等しいのですから」

僧侶「そして私だけの言葉ではありません。こう言い直せば分かりやすいでしょうか?」

僧侶「――お久しぶりですね。勇者」

勇者「いやクッソ分かりづらいです。かっこつけてるとこ悪いけど滑ってますよ、女神様」

僧侶「わ、分かっているではないですか」

勇者「言語は文明の結晶です。アンタがサボるのは違うでしょう」

勇者(やばい怖いやばい怖いやばい怖い。これマジで強い)

勇者(下手しなくても魔王とタメ張ってやがる)

勇者(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ)
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/27(月) 10:02:59.26 ID:aJFt4nu5O
勇者「…本当に女神だってんならそこの二人に戦争やめるよう言ってください。アンタの言うことなら聞くでしょ流石に」

僧侶「無意味ですよ。今代の教皇はともかく、もう一人は私のことなど全く信奉していないようですし」

僧侶「なにより、これはこの子自身の」

僧侶「私自身の意思です。誰かにそそのかされたわけじゃありません」

勇者(わっかりづらいんだよどっちがどっちか)

僧侶「ですので、勇者様こそ退いてください。この力があれば王国に勝てます。少なくともあの姫の首だけは獲れるはずです」

勇者「どんだけ嫌いなんですか…」

僧侶「個人としてはそうでも。けれど、あの人は必ずいつか勇者様に害を為します。今の騒動がいい例です」

勇者(いくらなんでも俺のためだけにここまで大事にするほどトチ狂ってないと思うけど)

僧侶「…勇者様には分からなくても私には分かります。姫がどうして女王になって、どうしてこんな戦争を起こしたのか」

勇者「あ?理由?」

僧侶「勇者様。きっと私は生きて戻ります。その時は約束を…」

勇者「うるせえ黙れ。殺人鬼との約束なんて無効に決まってるでしょうが」

僧侶「…そうですよね」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/27(月) 10:31:29.73 ID:M/nztfcMo
乙ー
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/27(月) 10:36:17.03 ID:f91m/Wcx0
僧侶「…本当に良いのですか?」

僧侶「ええ。これで迷いはなくなりました」

勇者「先制ブレイブ足払い!」

勇者(コ・ローベ僧侶!魔王パパの如く!)

僧侶「分かりました。私も覚悟を決めましょう」ヒョイッ

勇者「あっ」スカッ

僧侶「勇者の加護を没収します」

僧侶「これからは一人の人間として生き、死になさい」

勇者「えっ」パリンッ

勇者「アッ聖剣が折れた!?」

僧侶「貴方は死にたくないのでしょう?ならば戦争になど来てはいけませんよ」

僧侶「さようなら勇者。もう会うこともないでしょう」

勇者「おい待てふざけ――」

カッ!
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/27(月) 11:02:39.57 ID:f91m/Wcx0
ここまで
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/27(月) 12:15:27.91 ID:fOq/uZTw0

>>256見ていや死にたくても[ピーーー]ないでしょと思ってたら本当に[ピーーー]るようになってしまったか…
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/27(月) 14:11:44.96 ID:i/NhD/Odo
乙ー
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/27(月) 15:38:07.00 ID:qALvDyMc0
乙 >>256 たった数レスで僧侶の台詞みたいになるとか恐ろしいな...
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/27(月) 15:51:09.55 ID:jA7Ckv6qO
まさに四面楚歌
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 04:08:53.80 ID:8P8muosZO
勇者「…」

勇者「ここは…」

戦士「目を覚ましたか」

勇者「戦士さん…」

戦士「一ヶ月ぶりだな。突然飛んで来たから驚いたぞ?」

戦士「しかし王国か教国のどちらかに捕らえられていると思っていたが…」

勇者「…どっちも嘘ですよ。戦争の口実です」

戦士「そうか。それで逃げてきたのか」

勇者「ここは?」

戦士「俺の家だ。今妻が食事の準備をしている。丸一日も寝ていたんだ、まずは食べて行くといい」

勇者(…毒を盛ったりは…)

勇者(…いや…)
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 04:10:06.13 ID:8P8muosZO

勇者「ご馳走様でした」

戦士「お粗末様だ」

勇者「それで、丸一日って本当ですか?」

戦士「ああ。昨日の未明からずっとだ。何があった?」

勇者(…僧侶、いや女神の言葉を信じるなら)

勇者(多分一番安全で信頼できる奴のところに飛ばしたんだろう)

勇者(話すべきか…?)

戦士「言い難いようなら質問を変えよう」

戦士「勇者、聖剣と加護はどうした?」

勇者「…」

勇者「女神様直々に没収されました」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 04:15:19.65 ID:8P8muosZO

勇者(いざとなったら妻子を人質にとって…)

勇者(…)

戦士「…そうか」

勇者「ええ、そうなんです」

戦士「ならば…」

戦士「今[ピーーー]ば、お前はもう蘇らないということか」

勇者「…」

勇者「それが?」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 04:17:49.72 ID:8P8muosZO
ここまで
ここから少し語彙が全体的に物騒気味になりそうです
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/31(金) 06:01:38.10 ID:WfwWiznVo
乙ー
あと、目欄にsaga入れると良い事有るよ
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 06:53:13.61 ID:J/6EwuaEo
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 13:05:10.84 ID:7LPeQ5540

>>270 多分理解した上で入れてないんじゃないかなと...そして無いのが>>1って言う判断基準にもうなっちゃってるからな...
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 14:38:27.02 ID:wt9/2StI0

戦士「…」

勇者「…」

戦士「…ふう。それは困ったな」

勇者「?」

戦士「お前に頼もうと思っていたことがあったんだが、どうにも危険を伴う」

戦士「不死の加護がなくなったのなら無理に頼むわけにもいかないと思ってな…」

勇者「…俺を殺そうとしないんですか?」

戦士「?何の話だ?」

勇者「いえ…」

勇者(…やっぱり…)
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 14:40:30.73 ID:wt9/2StI0
勇者「…頼みたいことって?」

戦士「俺が今指揮しているレジスタンスの旗頭になって欲しい」

勇者「レジスタンス、ですか」

戦士「ああ。戦争を止めるためにな。ここと周辺の街の兵士が中心の組織だ」

勇者(…ああ。だから戦争始まるってのに真っ先に召集されるはずの戦士がこの街にいたのか)

勇者(となると軍令を無視してるわけだから、女王にはバレてるって考えた方がいいな)

勇者(そんな組織が目標を遂げられる確率は…)

戦士「この戦争の発端はお前だ。そのお前が姿を見せれば両軍の兵士は士気を失う…」

勇者「いやそんなわけないでしょ。どーせ偽物だのなんだの難癖つけられて殺されて終わりですよ。今は聖剣も持ってないんですし」

戦士「…否定はしない。だが死者を出さずに場を収めるにはもうそれしかないだろう。あとは兵士達の、人間の良心を信じるしかない」

勇者「だったら始まる前に失敗してますよ。誰かの命を奪うことにポジティブな奴らが良心なんて持ってるわけないでしょう」

戦士「それは違う」

勇者「あ?」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 14:41:55.22 ID:wt9/2StI0
戦士「女王も、僧侶も、兵士達も、命を平気で奪おうとしているわけじゃない」

戦士「ただそれに代えても成し遂げたいことがあるだけだ」

戦士「そこに命を奪う以上の価値を見出している。だから戦う。決して良心がないわけじゃないのだと俺は信じている」

勇者「…価値…」

戦士「ああ。人は誰しもそうして生きているものだろう」

勇者「……」

戦士「…まさか勇者に二度も説教する機会が訪れるとはな」

戦士「とにかく頼みたいことは伝えた。安心しろ、ここで決めろとは言わない。だが、時間がそうあるわけでもない。もう戦争が始まる」

戦士「俺はもう発つ。戦場となる国境線から少し離れた場所に陣を敷くつもりだ。もし協力してくれるならそこに来てくれ。地図を渡しておく」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 14:43:33.93 ID:wt9/2StI0
勇者(戦う理由。生きる意味、か)

勇者「馬鹿じゃねえの。さっぱり分かんねえよ」

勇者(命より大事なものなんかあるか。平和に生きること以上の幸せなんてあるわけがない)

勇者(だから戦争を止める。勇者なんだからそうしなきゃならない…)

勇者(…勇者として?)

勇者(魔王は死んで、聖剣と加護を失った)

勇者(名実共に俺はもう勇者じゃない。勇者じゃないんだ)

勇者「だったら…戦争なんて止めなくても…」

勇者(俺が危険を犯してまで止める理由なんて…ないのか…?)
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 14:44:46.22 ID:wt9/2StI0
勇者(仮に俺がここで介入をやめたらどうなる)

勇者(王国と教国の戦争は泥沼化する。女王のあの性格だ。教国がそうだったように、何かしらの切り札は持ってるはず)

勇者(戦争が長引くほど人が死んで…国が荒れて…周辺国も攻めたり離れたりしていく)

勇者(そうして商人や一部のクズだけが甘い汁を啜る)

勇者(最後に焦土となった国土で、屍の山の上で、姫様と僧侶さんのどっちかが死ぬ)

勇者(そんなのは許せない…と思う。だが、何故?ただの一般人の俺には関係ないはずだろ)

勇者(どうして俺はそれを許せないと思うんだ?)

勇者「…どうして、か」
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 14:47:15.68 ID:wt9/2StI0
勇者「なぁ俺」

勇者「どうして枢機卿は俺に僧侶さんのことを頼んだ?」

勇者「どうして女神様は俺にあんなことを言った?」

勇者「どうして戦士さんは俺を問答無用で従わせなかった?」

勇者「どうして僧侶さんは俺を殺さなかった?」

勇者「どうして俺は、みんなが俺のことを殺そうとしてるって思ったんだ?」

勇者「もういいよ。認めよう」

勇者「全部とは言わない。でもほとんどが勘違いだった」

勇者「俺がみんなを信じていればこんなことにはなっていなかったんだ」

勇者「そりゃ無理だよ。出来ねえよ。俺にはそうとしか思えなかったんだから」

勇者「じゃあ、もう分かってんだろ」

勇者「なぁ俺」

勇者「一番悪いのは誰だ?」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 14:49:21.30 ID:wt9/2StI0
ここまで
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 15:02:25.13 ID:YkySQWgN0
ってsaga入れんのかーい
熱い展開になりそうでわくわくする反面そこも含めて本当に>>1なのか不安になってきたww
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/31(金) 15:06:51.47 ID:wt9/2StI0
擁護して頂けるのはとても嬉しいのですが、流石に死ねと殺すが頻出すると読みづらくなると思い入れさせていただきました。
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 16:30:19.74 ID:jwE9weZOO
おつおつ
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 19:09:41.23 ID:gbP1wa6Oo

魔法使いさん忘れられてるw
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 19:32:18.16 ID:7LPeQ5540
>>283
>>188
忘れさられた魔法使いさんの逆襲が始まる...
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/31(金) 19:56:20.98 ID:ChNKB6zeO
乙ー
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 23:03:21.12 ID:xgljrtw+0
一週間後

【野営地】

兵士A「設陣終わりました!」

商人「おお。即席ですがなんとか間に合ったようですな」

戦士「ああ。商人殿の手腕のおかげだ。感謝している」

商人「なんの。代金分の仕事をしたまでです」

商人「しかし、ふむ…勇者様はまだ来ませんか」

戦士「心配せずとも来る。信じて待つのみだ」

商人「ですが間に合わない可能性もある。もしそうなったらどうするおつもりで?」

戦士「その場合は両軍に妨害を仕掛ける。兵糧に火をつけるなり夜襲をかけるなり、敗勢の方に加勢するなり…とにかく時間を稼ぐつもりだ」

商人「そうして勇者様の到着を待つと…よろしい。ならば微力ながら我々も力になりましょう」

盗賊「――商人の旦那に戦士の旦那!偵察に遣ってた部下が戻ってきた!今にもおっ始まりそうだってよ!」

商人「戦士様」

戦士「…行くしかないだろう」

戦士「総員、出るぞ!」
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 23:04:02.44 ID:xgljrtw+0
【国境線・戦場】

騎士「…」

神殿騎士「…」


僧侶(…数の比にして1対4。世界最大の国は伊達じゃありませんか)

女王(僧侶様のあのご様子。単純な戦力比で考えては足元を掬われそうですね。こちらも切り札を切るべきでしょうか?)

僧侶(あの人は勇者様を手に入れるためには手段を選ばない。…少しだけ羨ましくて、けれど私には決して真似できませんでした)

女王(あの方は誰よりも勇者様と近しい間柄。…どんなに望んでも、私では決して到ることのできない距離だった)

僧侶「だから殺します」

女王「故に排除します」


「「全軍前進」」
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 23:05:30.69 ID:xgljrtw+0
女王「…」

女王「とはいえ、まさか真っ先に私の首を獲りに来るとは」

女王「嫌われたものですね。僧侶様?」

僧侶「それが一番の近道ですから」

僧侶「あなたの首一つでこの戦争を終わらせます。覚悟してください」

女王「できるとでも?この場には王国最精鋭の護衛が10人ほどいるのですが」

僧侶「逆に、その程度の護衛で今の私を止められるとでも?」

女王「…そうですね。女神様の力を降ろした今のあなたに10人程度では力不足。認めましょう」

女王「でも…1万人ならどうでしょう?」

僧侶「!」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 23:08:52.32 ID:xgljrtw+0
女王「教国の聖女計画には王国も少なからず出資していました。であれば今日までの間に対策を練らないわけがない」

女王「そして対魔王の最終手段を用意しているのが貴女方だけだと思ったら大間違いですよ」

僧侶「…なんて力…!」

女王「人類の一番の力は数です。そして我が王国は人類最大の生存圏として、どんな苦境にあっても人が集まる」

女王「これは王に忠誠を誓った全ての兵の力を私と繋げる魔法。同時接続可能な最大数は一万。王家の血にのみ伝わる秘術です」

僧侶「…そんな魔法が」

女王「長い歴史の産物ですよ」

女王「さて、一騎当千という言葉をご存知ですか?」

女王「我が国の騎士を表す言葉としてこれほど相応しいものもありません」

女王「よって、ここに在るのは1千万と1人と心得なさい」

女王「行きますよ」

僧侶「手加減は不要そうですね…!」
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/31(金) 23:10:20.40 ID:xgljrtw+0
戦士「始まったか…!」

戦士(戦場の中心で戦っているのは…僧侶と女王か…?)

兵士A「隊長!我々も!」

戦士「…両軍に側面から射掛ける!注意を引いたら散開、距離を取って分隊単位で独立行動!再び妨害工作にあたれ!」

戦士「いいか、絶対に死ぬな!傷を恐れ、死を恐れ、しかし殺しを恐れるな!それが平和に繋がると信じて戦え!」

兵士「「「イエス・サー!」」」

戦士「よし、戦闘開始!」
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 23:11:19.31 ID:xgljrtw+0
「ギガデイン」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/31(金) 23:12:00.00 ID:xgljrtw+0
ここまで
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/31(金) 23:16:25.02 ID:Bybo6n+Eo
おつおつ
さす勇者と言わせてくれ…!
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 00:02:25.21 ID:aP5YvHm7O
魔法使いが最早蚊帳の外
哀れ
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/01(土) 11:05:07.48 ID:8rwMDyqCo
乙ー
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/01(土) 20:31:12.01 ID:ZM/Tthte0
騎士「……」

神殿騎士「……」

兵士A「……」

兵士B「……」

商人「……」

盗賊「……」

戦士「来たか…!」


勇者「…………」


女王「今の雷は…」

僧侶「…勇者様」

僧侶「なぜ来たのです…!」


勇者「…ふぅ」

勇者「…………」スゥ

勇者「――革命じゃあぁぁぁああああっ!!」
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/01(土) 20:50:31.53 ID:ZM/Tthte0

女王「!?」

僧侶「か、かく…?」

勇者「生きる意味?平和より大事なもの?バーカ!バカバカブゥアァーーーカッ!!人が必死こいて守った世界で舐めたこと抜かしてんじゃねえぞボンクラ共が!!!」

勇者「特にそこのクソアマ二人!!命あっての物種って言葉を知らんのか!!産んでくれた親にごめんなさいしろ今すぐここで!!」

勇者「ハイッ、いっせーのでごめんなさい!!!」

女王「これは…」

僧侶「ゆ、勇者様が壊れた…」

勇者「僧侶ォ!」

僧侶「はっ、はい!」

勇者「答えろっ、お前は俺を殺すつもりだったか!?」

僧侶「えっ、えっ?なんの話ですか…!?」

勇者「ならばよォし!次、女王ッ!」

女王「な、なんでしょう…?」

勇者「お前は俺を殺すつもりなんてなかったんだろ!?」

女王「ええ、それはもちろん…」

勇者「――そう、俺は勘違いをしていた!」

勇者「お前たちが邪魔な俺を殺したいだろうと!危害を与えてくるだろうと!!まぁそっちは正直その通りだったが!」

勇者「何故か!?お前らと俺は物事の考え方が全く違ったからだ!!」

勇者「ならば悪いのは誰だ!?答えろ戦士ィイッ!!」

戦士「いや、それは…お前なのでは…?」

勇者「は!?ンなわけねえだろ!!!ブッ殺すぞこの糞野郎ッ!!!」

戦士「お、おお…?」


商人「絶好調ですな」

盗賊「というかアレが素なんじゃねえか?」
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/01(土) 20:51:29.24 ID:ZM/Tthte0
勇者「命より大事なものなんてない!平和より優先することなんぞない!俺の言ってることが間違ってるか!?あァン!?」

勇者「俺は正しい!!そして俺が正しいならばお前たちは間違っている!!」

僧侶「あ、あの、勇者?それは流石に無理やりなんじゃ…」

勇者「うっせぇぞボケ女神!!誰がいつ発言を許可しましたか!?」

僧侶「ひいっ…!?」

勇者「話を戻すぞ。そうだ、俺は間違っていない。なら一番悪いのは誰だ?」

勇者「決まっている!お前たち全員の、いや、この世界の価値観そのものだ!!」

勇者「お前らが俺と同じように考えるようになれば!もうこんな勘違いも戦争も起きずに済む!」

勇者「だったらやってやる!勇者としてじゃねえ!平和を愛する一般的人類として!」

勇者「命に替えても成し遂げるなんてゴミみたいな価値観を!!命があればそれだけで幸せっていう価値観に!!」

勇者「俺色に、塗り替えてやる!!!」

勇者「オラこの戦場にいる世界で一番のボケナス共!!今からもう一回宣言してやるから耳かっぽじってよーーーく聞け!!」


勇者「――革命じゃあぁぁぁぁぁぁぁあッ!!!」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/01(土) 20:52:00.87 ID:ZM/Tthte0
ここまで
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 21:17:06.36 ID:zoeTzmdko

面白い展開
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 21:26:16.50 ID:VdH6LtI20
乙 全員が全員勇者みたいになったらそれはそれで混沌としそう...
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/01(土) 22:08:45.46 ID:CuDCd4Zzo

全員引いてて草
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/01(土) 22:08:58.90 ID:ZM/Tthte0
よく考えたらこれ勇者も生きるために戦ってね?
まあいっか
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/01(土) 22:41:31.62 ID:M7KdTREMo
乙ー
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/02(日) 11:21:57.23 ID:Xpu4098r0
勇者「メラゾオォォォマ!!」

騎士「ぎゃあああっ!!」

勇者「大地斬ッ!!」

神殿騎士「ぎいっ!?」

勇者「ザオラルゥゥゥゥゥゥ!!!」

騎士「…ぐ」神殿騎士「うう…」

勇者「っしゃあ!絶好調!ヒャッホウ!」

勇者「見てたかお前ら!!邪魔する奴はこうやって、ぶっ殺してから蘇生して生の喜び感じさせてやるからなァ!!」

勇者「行くぜオラァ!!全員ぶった斬ってやるからそこに直れぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


女王(…勇者様と僧侶様を同時に相手には出来ませんね)

僧侶(まず女王様を殺して、勇者様と戦うのはそれから)

女王「全軍、勇者様を抑えなさい!僧侶様を討つまでの間、教国の軍勢は無視して構いません!」

僧侶「こちらもまず勇者様を!私が女王様を殺したら王国軍の制圧に移ってください!」
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/02(日) 11:24:06.32 ID:Xpu4098r0
騎士「勇者様がご乱心だ!!女王様を守れえええ!!」

神殿騎士「怯むな!勇者様があんな汚い言葉を使うはずがない!偽物だ!」

勇者「マヒャデドス!!ザオラル!!」

騎士「覚悟!」

勇者「っ、後ろ――!」

騎士「ガッ!?」

勇者「!?」

戦士「フォローする!お前は思うように突っ込め!」

勇者「ザラキ!!!」

戦士「うおおおおおおお!?」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/02(日) 11:25:28.25 ID:Xpu4098r0
勇者「は!?オイ避けんじゃねえ!!」

戦士「避けるだろう即死呪文撃たれたら!!」

勇者「仲間でもねえんだから即死呪文撃つのは当たり前だろうが!!」

戦士「こ、こいつ…!」

騎士「今だ――!」

神殿騎士「オオオッ!」

戦士「…ええい、ひとまず後だ!協力して奴らを倒すぞ勇」

勇者「全員消し飛べッ、イオナズンンンンン!!」

戦士「おまっ」
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/02(日) 11:32:47.16 ID:UO2aq5jCO
徹頭徹尾勇者の味方になろうとしてるのにこの扱いwww
とても良いと思います
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/02(日) 12:02:11.30 ID:Xpu4098r0
ここまで
夜にまた更新します
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/02(日) 13:44:18.28 ID:BWHMX7n2o
乙ー
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/02(日) 14:27:57.34 ID:G7Qs0oiD0

>>308
作中でちゃんと描写されたうえで真っ当に善人やってる唯一の人なのにね...
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/02(日) 15:23:20.26 ID:HwJooW0u0
勇者という職業の孤独がよく分かるな
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/02(日) 20:09:33.33 ID:LWOUPtbV0
勇者「ザオラル!」

戦士「…はっ」

戦士「お前っ…!今のはないだろう!人として!」

勇者(えっ、もう動けるの?一回死んだんだよ?)

戦士「チッ…ああクソ、遺憾ながら少しだけ理解した!成る程これが生の安堵か!凄まじいな!」

勇者「…分かったなら手伝えや!俺がこの世界を薔薇色の理想郷に変えるのをな!!」

戦士「それただの屍山血河だろうッ」

勇者「ああ゛!?」

戦士「とにかく戦争を止めるのが俺の目的だ!道は開けてやるからとっとと僧侶と女王を止めてこい!」

勇者「言われずともやるっつーの!昔っから小うるっさいんだよ戦士さんは!」
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/02(日) 20:13:11.85 ID:LWOUPtbV0
盗賊「っはっはっは!お前最高だよ!面白え!面白えってのは大事だぜ勇者サマよぉ!」

勇者「るっせえ!戦争が面白いわけあるかヴォケ!テメエももっかい死んどくか!?」

盗賊「そりゃ勘弁!それに――よっ!」

神殿騎士「ぐぶ…」

勇者(…撹乱魔法か!気づかなかった)

盗賊「俺が死んでたらこういう真似も出来ねえからな!」

勇者「ザオラル!チッ、恩着せがまうぜえ!」

盗賊「それとこれは商人の旦那からだ!受け取れ!」

勇者「!」パシッ

勇者(剣、それもすげえ業物…!)

盗賊「聖剣ないんだろ?そんな安物じゃかっこつかないぜ!」

勇者「商人に伝えとけ!媚びても後でぶっ殺すってな!」

盗賊「悪いがそいつぁ労働規格外だ!生きて帰って自分で伝えるこった!」
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/02(日) 20:15:48.15 ID:LWOUPtbV0
勇者「ザオラル!…はあっ、次ぃ!」

「勇者!新しい顔よ!」

勇者「ゴボォ!?」

勇者「オエッ…んだこれ、聖水!?」

賢者「入り用かと思ってさ。賢者の聖水。魔法の聖水じゃ回復追いつかないでしょ」

賢者「実は僕作れちゃうんだよね。なんたって賢者だから」

勇者(愚物がなんか言ってる)

賢者「さて勇者、聞いてたんだけどさ。さっきの演説は本気なの?」

勇者「当然。邪魔するならお前も斬るぞ」

賢者「いや逆逆。むしろいたく感心したんだ」

賢者「君のいう理想郷。つまり縋り付く他人を蹴っ飛ばしてでも自分の身を守るってことでしょ?」

勇者「ああ。自分の命より優先するものはない」

賢者「だよね!やった、ようやく僕の時代が来た!」

賢者「これでもう世界なんかのために封印の塔の維持管理なんてしないで済む…!」

賢者「豪邸で食っちゃ寝して下民を指差して笑いながら生きていける!!」

賢者「ああ今日はなんていい日だろう!感謝するよぉ勇者!ハレルヤ!!」

勇者(うわぁ。屑だ)

賢者「自由と平和を今こそ我が手に!!バギクロス!!」
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/02(日) 20:16:30.21 ID:LWOUPtbV0
ここまで
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/02(日) 20:17:49.29 ID:G7Qs0oiD0
乙 
この賢者って性別どっちだろ?
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/02(日) 22:44:11.94 ID:KID2OE7/O
乙ー
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 00:10:49.02 ID:iDwau//80
>>317 「僕」って言ってるから男と考えてたがボクっ娘の可能性もあるのか...
Vの女賢者がこの人格破綻者ってそれはそれでありだ
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 01:46:56.87 ID:7oJTrSutO
今気づいたけどザオリクとザオラル間違えてたんでニュアンスでお願いします
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 02:28:20.56 ID:iDwau//80
乙? まあザオラルのが運よく生き返れて良かったな感があるがね
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 04:15:16.39 ID:2qAJkK4nO
HPも削れた状態で復活するしなあ
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/03(月) 11:44:26.51 ID:7oJTrSutO
>>321
>>322
天才か?
それでいきます
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/03(月) 11:45:01.78 ID:7oJTrSutO
騎士「ぐうっ、本当に一般兵かお前…!」

兵士A「伊達に最前線で戦ってたわけじゃねえんで…!」

騎士「我らとて戦っていたのは同じ!ならばこそ負けるわけにはいかないな…!」

神殿騎士「何故だ!何故貴様らはあの者に味方する!?加護を失い、もはや勇者でないというのに!」

兵士B「関係ない!たとえ彼の職業が勇者でなくなっても、経歴は紛れもなく勇者のままだ!我々を救ったことに変わりはない!」

神殿騎士「でもアレ明らかにさっきから言ってることおかしいだろう!?後でアンタも殺されるんだぞ!!」

兵士B「…うおおおおおっ!!」

神殿騎士「叫んで誤魔化すなァ―――!」
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/08/03(月) 11:46:11.73 ID:7oJTrSutO
盗賊「三倍煙幕だ!戦士の旦那、賢者の嬢ちゃん、今のうちだぜ!」

戦士「まとめて薙ぎ払う――五月雨剣!」

賢者「じゃあ取りこぼしは僕が。それ、ベギラゴン!」


騎士「決して休ませるな!数で殺せ!!」

神殿騎士「魔法は我々が防ぐぞ!」


戦士「次から次へと…」

盗賊「はっ、はあっ!流石に疲れてくるな畜生!」

賢者「おーい勇者ぁ!そっちどう!?」


勇者「――ライデインザオラルライデインザオラルライデインザオラルライデインザオラルゥッ!」

騎士「お、ややめください勇者様!」

神殿騎士「俺、まだ死にたくなッ――」

勇者「ウケケケケケケケケッ!!いいいいいのちをだいじにぃぃぃいいいい!!」

勇者「天ェェェェン誅ゥゥゥゥゥゥ!!!」

「「ギャアアアアアアア!!」」


盗賊「うわっ、エキサイトしてんなぁ…」

戦士(…もしなして俺のせいなのか…?)

賢者「あはははははは!!ひー!!」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/08/03(月) 11:46:55.64 ID:7oJTrSutO
短いけどここまで
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 11:48:56.77 ID:TpcFY7W50
贔屓目に見てサムライ8くらいグダグダ
さっさと終わらせたら?
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 12:04:05.90 ID:oF9u5tTxO
おつー
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 12:10:59.54 ID:iDwau//80
>>327 真面目にあんな作品読んでた奴の評があてになると思えんがね
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/03(月) 13:02:39.30 ID:m79wAu6I0

嬢ちゃんだったか
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/08/03(月) 16:24:35.60 ID:lUHYNCgho
乙ー
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/04(火) 07:24:55.22 ID:/XUmXtTjO
僕っ娘カワイイヤッター!
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/02(金) 03:14:07.85 ID:jB/fBy7X0
二ヶ月間近か...
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 02:42:52.69 ID:bOMmzNXMO
勇者(ようやく…)

勇者「ようやく、辿り着いた!」

勇者「僧侶ッ、女王ォ!」

女王「やはり来ましたか…!」

僧侶「…勇者様…」

勇者「挨拶代わりに死んどけ!ギガスラッシュ!!」

女王「いきなりですか!」

僧侶「っ!!」
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 02:43:19.17 ID:bOMmzNXMO
女王「ふふふふふっ!加護も聖剣も失った身で、まさか本当に来るなんて!」

勇者「ったり前だろうが!つーか女王テメェ、お前が戦争起こしたのが一番でかい原因だからな!お前だけは絶対に許さん!」

勇者「ついでに僧侶、応じやがったお前も同罪だ!二人まとめてボコってやるよッ、バイキルト!」

女王「っ…!僧侶様!」ミシッ

僧侶「弾きます、合わせて!」

ギィン!

勇者「うおっ…!」

勇者(チッ、協力しやがるか!うざってえ)

勇者「つーかそういうのはボス敵がやっちゃダメだろうがよ。魔王といいお前らは本当にさあ…!」
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 02:43:55.89 ID:bOMmzNXMO
僧侶「バギクロス――いくら勇者様でも」

女王「私たち二人が相手では手が足りないでしょう?風神斬り!」

勇者「ライデイン、煉獄斬り!」

女王「今です!」僧侶「っ、いけない!」

勇者「――からのッ、イオナズン!」

女王「な!?」
僧侶「三回行動…!!」

勇者「魔王は三回行動!じゃあ勇者が出来ておかしくないやろがい!」

女王「しまっ…!」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 02:48:11.13 ID:bOMmzNXMO

僧侶「やらせません。バギクロス!」

勇者「二人まとめて死ね!ギガデイン!!」

カッ!!

僧侶「…相殺ですか、今の私と…!」

勇者「相変わらず硬ったいなお前!だが!」

勇者「俺は勇ましき者!諦めません勝つまでは!そらもういっちょ!」

僧侶「嘘っ…!?」

女王「僧侶様!百烈斬り!」

勇者「チッ!」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 02:49:19.36 ID:bOMmzNXMO
女王「無事ですか?」

僧侶「ええ…」

女王「まずは勇者様を」

僧侶「…そうするほかないようですね」

勇者「クソが…」

勇者(僧侶の魔法は強力だ。喰らったらワンパンで消し飛ぶ)

勇者(女王のパワーとスピードも厄介極まりない。ミスったら首がオサラバだ)

勇者(そんな二人が連携組んでやがるんだ。今行けそうな雰囲気出てるのは奴らがビックリしてるだけ。冷静になられたら苦しいか)

勇者(…仕方ねえ)

勇者「オラ、手伝えクズ共!」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 02:50:33.74 ID:bOMmzNXMO
賢者「ピオリム」

盗賊「シャアッ!」

女王「っ!?」

ギンッ!

盗賊「浅いかっ」

賢者「ちょっと。ちゃんと決めてよね」

盗賊「いや無茶言うなよ…完璧な不意打ちでこれだぜ。化け物だ」

女王「あなたたちは…!」

勇者「おいお前ら、俺は僧侶を殺ってくる。それまで女王の相手頼むぞ」

賢者「オッケー。王家にはゴミみたいな仕事あてがわれた恨み辛みが山ほどあるからね。任せてよ」

盗賊「やれるだけはやってやる。そんな長くは保たないからな」
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 02:51:50.63 ID:bOMmzNXMO
女王「…勇者様ならいざ知らず。あなた方程度が私を止められるとお思いで?」

賢者「あはは。無理に決まってるでしょそんなの。こちとら賢いだけの賢者と薄汚いドブネズミだよ」

盗賊「あ?おい」

賢者「そこらの兵隊よりは強い自信あるけど、魔王級の相手ともなると流石にね。無謀だ」

女王「では…」

賢者「あくまでも僕達二人は、ね。はいバイキルト」

戦士「――ギガブレイク!」

女王「!!」

女王「貴方、は……ッ!」

戦士「やっとあいつらが二人になれたんだ。貴女には悪いが、少しの間付き合っていただこう…!」

女王「目障りなっ…!」
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 02:55:42.36 ID:bOMmzNXMO
勇者「これで二人っきりだ。僧侶」

僧侶「…力を隠していたんですね」

勇者「隠す?馬鹿言えよ。必要なかっただけだ。お前らパーティメンバーが優秀だったからな」

勇者「俺は歴代の勇者共と違って封印魔法の才能がなかったからな。隙を作るために仲間が必要だったんだよ」

勇者(まぁそれはアイツが封印耐性つけてたせいでオシャカになったわけだが)

僧侶「私たちは…保険だったということですか」

勇者「力が足りなかったのか、何か理由があったのかは知らねえ。だが歴代勇者は代々魔王を封印してきた」

勇者「俺よりよほど立派な心根の連中がそうしてきたんだ。なら俺もそれに倣うと決めた」

勇者「だが、そもそも勇者の役目は魔王を倒すこと。封印は手段で目的じゃない。なら封印の才能がなかった時点で次善の手段を用意するのは当然だ」

勇者「殺すなら一人で事足りる。それくらいまで強くなる」

勇者「他人を信じられないビビリな俺にとって、それだけが唯一確実と思えた手段だったんだよ」

勇者「実際にそこまで強くなれたのは、まぁラッキーってやつだな」

僧侶「簡単に言ってくれますね…」
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 03:01:33.70 ID:bOMmzNXMO
僧侶「勇者様…私は…!」

勇者「ああ、いい、いい。そういうのはもういらん」

僧侶「っ…」

勇者「俺達にはきっと話し合う時間が根本的に足りていない。こんなところでちょっと話しただけじゃ何も変わらん」

勇者「お前が思ったこと、俺に言いたいこと。帰ってからいくらでも聞いてやる。許すのも怒るのも、全部それからだ。だから…」

勇者「…だから、一回ここで死んでいけ」

僧侶「…」

勇者「後のことは俺が自分で何とかしてみせるからさ。信じてくれよ」

僧侶「…」

僧侶「…はい。勇者様」

僧侶「今度こそ、約束ですよ?」
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/10/11(日) 03:02:19.96 ID:bOMmzNXMO
勇者「ギガスラッシュ」

僧侶「グランドクロス」
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/10/11(日) 03:41:30.22 ID:QqIt5TFAo
乙ー
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 03:57:38.82 ID:bOMmzNXMO
女王「剣の舞」

盗賊「ぐあっ!」

賢者「づっ!」

女王「覇王斬!」

戦士「ギガブレイク…!」

戦士「…がッ!」

女王「はあっ…流石は戦士様。今の私を相手にここまで粘るとは思いませんでした。ですが、貴方では勝てませんよ」

戦士「…百も承知のこと。俺は魔王に勝てなかったのだから」

戦士「だが…それでもいい。十分だ。あの時同様、最低限の役目は果たした」

女王「なにを…」

戦士「気付かなかったか?…あちらは終わったようだぞ」

女王「あちら…?…はっ!!」

勇者「オラァ!待たせたなぁ、女王!!」
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 03:58:52.02 ID:bOMmzNXMO
女王「勇者様…!僧侶様、はッ…!」

勇者「ぶっ殺してやったよ!そんで生き返した!」

勇者「あぁ…最悪の気分だクソッタレ!死ね!」

女王「くっ!」

女王「っ!はぁっ…!」

女王「か、体が重い…!?」

盗賊「…へっ、ざまあみろ…」

女王「っ、そうか、あの一瞬、掠った時に…!」
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/11(日) 03:59:25.85 ID:bOMmzNXMO
賢者「勇…者ァ!ありったけ強化してやる!そのアマをブッ殺せッ!」

勇者「応とも!吹っ飛べ、ギガスラッシュ!」

女王「ぐうううぅっ…!!ま、まだ…!!」

女王「覇王、斬!!」

勇者「!」

ズドォン!!!!!

女王「やっ…!?」

戦士「…!!」

女王「う、嘘…!」

戦士「…っ、行けっ!勇者っっ!!」

勇者「ああ!!」

勇者「――ギガ、デインッ!!!」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/10/11(日) 03:59:51.01 ID:bOMmzNXMO
ここまで
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 05:43:19.68 ID:Z/FffSoko
つづいた
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/10/11(日) 08:52:35.88 ID:QqIt5TFAo
乙ー
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 13:05:13.71 ID:ZnkaAB1wo
おつおつ
おかえり…!!
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/11(日) 14:38:24.13 ID:gU4l0nLo0

いまだに姿見せない魔法使いが怖い...
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/12(月) 04:30:36.72 ID:VLzTmiTDO
乙乙
待ってたでー!
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/10/16(金) 02:17:19.82 ID:sWzhz9ZSO
……

勇者「ザオラル」

女王「…う…」

女王「…ここは…」

勇者「よう。起きたか」

女王「…」

女王「戦争は…どうなりましたか…?」

勇者「お前が寝ている間に終わったよ。安心しろ、全員生き返してある。流石にしんどかったがな…」

女王「そう…」

勇者「…言い訳するなら聞いてやる。なんでこんなことをした」

女王「…ふふ。なんで、ですか」

女王「…」

女王「だって勇者様、私が追ったら逃げたじゃないですか」
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/10/16(金) 02:20:56.22 ID:sWzhz9ZSO
勇者「は…?」

女王「貴方にとって、私はどうでもいい類の人間ですから」

女王「僧侶様や魔法使い様、戦士様…商人様に盗賊様に賢者様。彼らよりもずっとずっと、私の優先度はずっと低い」

勇者「…かもな。で?」

女王「だから、少し考えたのです。勇者様に求めてもらえるようになるには、どうしたらいいのかと」

女王「答えはすぐに見つかりました。だって勇者様には、まさにそのような存在がいて、そしてそれを失ったばかりでしたから」

勇者「…」

『…勇者様には分からなくても私には分かります。姫がどうして女王になって、どうしてこんな戦争を起こしたのか』

勇者(そうか)

勇者(そういうことかよ)

女王「私の知る勇者様は『勇者』ですから」

女王「であれば、私が世に戦乱をもたらす『魔王』になれば、ちょうどいいと思ったんですよ」
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/10/16(金) 04:15:45.16 ID:sWzhz9ZSO
勇者「…狂ってやがる」

勇者「なんて前の俺なら言ったんだろうがな。今は違え」

勇者「俺もお前も自分のやりたいことをやっただけだ。狂ってなんていないんだろうよ」

勇者「だが…それにしては、随分お粗末な結果だな。仮にも魔王がこの程度で終わりだなんて」

女王「ええ…所詮私は弱者ですから。人間一つ捨て切れず、戦争一つ起こし切れず、最後まで中途半端…」

女王「でも…それでもよかった。今、こうして勇者様が私を見てくれているから…」

勇者(…コイツがやらかしたのも結局は俺が原因か)

勇者「だとしても、悪いのはお前だ。一人で暴走して、一人でやらかした。そんなお前の罰に俺まで巻き込まれちゃ堪ったもんじゃねえ」

勇者「だから償うなら独りで償えよ。それがお前におあつらえ向きの罰だろうさ」

女王「ふふ…」

勇者「…はぁ…とりあえず、どうにか終わったか…」

勇者(さ、流石に疲れた…もう無理、マジで限界…つらたん…)

勇者(帰って…そんで死ぬほど寝よう…そうしよううん…)
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/10/16(金) 04:21:32.89 ID:sWzhz9ZSO
「どこに行くのかしら、勇者様。エンディングはまだ先よ」
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/10/16(金) 04:23:53.85 ID:sWzhz9ZSO
ここまで
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/16(金) 04:35:21.07 ID:burfU7qho
(アカン)
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/16(金) 08:18:11.50 ID:LGECn02so
おつー
ラスボス来ちゃった…
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/16(金) 12:45:22.77 ID:f4VEtIvA0
乙 今回女王が言ってた2/3のことが当てはまる人来ちゃった...
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/10/16(金) 17:53:58.11 ID:7hMwjAqUO
乙ー
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 00:13:26.08 ID:P67Z6vJh0
>>361
魔法使いに当てはまる
「だって勇者様、私が追ったら逃げたじゃないですか」
「貴方にとって、私はどうでもいい類の人間ですから」
「僧侶や女王、戦士…商人に盗賊に賢者。彼らよりもずっとずっと、私の優先度はずっと低い」
「だから、少し考えたのです。勇者様に求めてもらえるようになるには、どうしたらいいのかと」
「答えはすぐに見つかりました。だって勇者様には、まさにそのような存在がいて、そしてそれを失ったばかりでしたから」
「私の知る勇者様は『勇者』ですから」
「であれば、私が世に戦乱をもたらす『魔王』になれば、ちょうどいいと思ったんですよ」

魔法使いに当てはまらない
「ええ…所詮私は弱者ですから。人間一つ捨て切れず、戦争一つ起こし切れず、最後まで中途半端…」
「でも…それでもよかった。今、こうして勇者様が私を見てくれているから…」

一部人物は変わるがこれはアカン…
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/07(土) 23:25:42.48 ID:gx6Sl8OiO
女王「…まさか…魔法使い様…?」

魔王「ええそうよ。姫…ああ、もう女王様だったかしら」

魔王「ご褒美あげる。ドルマドン」

女王「ごぶっ…!?」

勇者「女王!?おい!」

魔王「ふふ、何を慌てているの?らしくもない」

勇者「うるせえっ、コイツが死んだらせっかく殺して生き返らせた意味がなくなるだろうが!」

勇者「何が魔法使いだ!その牙と爪と肌の色のブスが人間様名乗ってんじゃねえぞ!」

勇者「正体現したらどうだ、クソ魔王!」

魔王「…。流石は勇者。見破られたなら仕方ない――」

魔王「なんてね。嘘よ。あなたがどう思おうと、正真正銘私は魔法使い」

勇者「テメェ…」

魔王「あはは。怒らないで。でも本当なのよ。信じて?」

魔王「大魔王の死骸から魔力を抜き取り、一ヶ月を掛けて自分の体に馴染ませた。そうして生まれたのがこの私」

魔王「だから元こそつくけれど、私が魔法使いであるのは真実。そして勇者、貴方が言ったように今の私が魔王であることもまた真実」

勇者「ギガスラッシュ!!」
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/07(土) 23:26:36.23 ID:gx6Sl8OiO
勇者(直撃!これなら…!)

魔王「あはははは。なぁに勇者、その軟弱な一撃は。それじゃ私は殺せないわ」

勇者「…ほざけブスが。魔王ってんなら今日で二人相当ぶっ殺してんだ。三人目になるとは考えなかったのか?」

魔王「ええ、ええ。もしも貴方が万全の体調で、聖剣を持っていれば、勝負は分からなかったでしょうね」

魔王「こんな風に剣が折れてしまわなければ、もしかしたらまだ何とかなったのかも」

勇者「…チッ…」

バキンッ…

勇者(…魔王の魔力結界…普通の武器じゃ腐食して壊れちまうのも変わらずか)

魔王「勝ち目がないのは理解した?だから私は今こそ来たの」

魔王「貴方が限界で、他の人も限界で、我を止められる者が誰一人いない今だからこそ」

勇者「はっ、魔王になってまでやることが火事場泥棒かよ…」

魔王「…勇者、僧侶、戦士。貴方たちはハーフだからと迫害され続けてきた私にとって初めて出来た大切な仲間よ」

魔王「特に勇者、貴方は私にとって紛れもなく勇者だった。女神の加護がなくなろうが、狂った理想を掲げようが何も変わらない」

魔王「そんな貴方を倒して我が物にするのは魔王にのみ許されし御業に違いない。だから私はなった。…なるしかなかった」

魔王「もう二度と独りにならないために…」

勇者(な!?なんつー魔力…)

魔王「…貴方たち以外の人間をどけてしまえば、もう私が蔑ろにされることもなくなる」

魔王「さ…スッキリしたところでそろそろ始めましょうか」

魔王「勇者よ。我が腕の中で眠りなさい」

勇者「っ!」

僧侶「結界!!」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/07(土) 23:27:27.61 ID:gx6Sl8OiO
魔王「…へぇ。まだ動けたの、僧侶」

僧侶「はあっ、はあっ!はぁっ…!」

勇者「僧侶…」

僧侶「勇者、様…私が、援護を…」

勇者「…」

勇者「いや、駄目だ。そんな瀕死の奴が一人増えたところで倒せる相手じゃない」

僧侶「それはっ…でも…!」

勇者「その代わり…そこに倒れてる女王の治療を頼む。そのままにしてたら死んじまう」

女王「……」

僧侶「…で、でも!それじゃあ勇者様は…まさか、一人で…?」

勇者「……さっき、約束したよな」

勇者「悪いな。あの約束はなしだ」

僧侶「…!」
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/07(土) 23:28:58.50 ID:gx6Sl8OiO
勇者「おい女神様。俺のやろうとしてること分かるだろ。力を貸してくれ」

女神「…いいでしょう。この場で加護を結び直せるならそれが一番ですが…」

勇者「ないものねだりしても仕方ないでしょ。充分ですよ。それがなかったら話にならないんだから」

女神「御武運を」

勇者「ええ」

勇者(そうだ。戦ったら勝てない。今の俺じゃ絶対に)

勇者(だとしても、引けない。周りの連中を殺させないために)

勇者「…フゥゥゥ…」

勇者(…たった一つ。方法はある)

勇者(そのためには時間が必要だ。力を溜めるだけの時間が。コイツを倒せるほどの…)

勇者(それぞれ合わせて、およそ4ターン)

勇者「当然…待っちゃくれねえよな」

魔王「もちろん。勇者を侮った魔王は皆滅んだのだから。同じ轍を踏む気はないわ」

魔王「燃え尽きなさい。カイザーフェニックス」

勇者「ぐうあああ…っ!!」

勇者(…耐えろ!何度攻撃を喰らってもいい!全部受けてやれ!)

勇者(何が起きようと意識を揺らさず…蓄積を続けるんだ)

魔王「…!そうか…!」

魔王「それだけはさせない。メドローア!」

勇者「…かはッ…!」

勇者(…腹が…)

勇者(…構う、ものか。今は限界まで力を溜め続けて…解き放つのみ)

勇者(それまで…保てよ。俺の体…)

――1ターン。
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/07(土) 23:30:57.59 ID:gx6Sl8OiO
一旦ここまで
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/07(土) 23:51:33.33 ID:e9uRqVoV0
乙 これで勇者が魔法使い選んでもまた開戦なんじゃ...
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/07(土) 23:58:23.14 ID:nn2vyEugo
おつおつ
このやる時はやる熱さに皆惹かれたんでしょうね
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/08(日) 01:09:02.56 ID:V8pRM1Kz0

この魔王サラッとメドローア使ってる怖っ
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/08(日) 01:20:37.59 ID:XjI18SDYo
乙ー
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 01:51:38.06 ID:0WLVFLUwO
魔王「アビスハンド、イオグランデ!」

勇者「ガッ!ごぶっ、があっ……!」

――2ターン。

魔王「…凄まじいタフネス。そしてかつてない魔力と生命力の胎動を感じる…」

魔王「けれど間に合わない。貴方の体はもう限界だから。そして…」

魔王「気付いている?私がさっきと今、一行動ずつ魔力のチャージに回していることに」

魔王「次の一撃は…絶対に耐えられない。たとえ貴方が万全の体勢だったとしても」

勇者「…ハッ…」

勇者(その通りだよ…クソッタレ…)

勇者(ただでさえ限界なんだ…その上にあんなの…もう保たない)

勇者(…チクショウ…)

僧侶「…勇者様っ…!」

女神「勇者…!」

ポツ…ポツ…

ザァァァァァ…

魔王「…雨?雲もないのに」

勇者 「…雨…」

勇者(…いいや…)

勇者「…全く。美味しいところを持っていくのが本当に上手い…」

勇者「…なぁ、商人さん」

勇者のキズが完全に回復した!
勇者のMPが完全に回復した!

魔王「なっ…!?」
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 01:53:54.72 ID:0WLVFLUwO
私兵「支援砲撃、狙い通りに勇者様の直上で散裂させました」

商人「ご苦労様です」

私兵「…良かったのですか?あれだけの世界樹の雫にエルフの飲み薬、何億という価値が…」

商人「魔王の世では無価値となるもの。使うべき時に使ったまでのことですとも」

商人「何より漁夫の利を掠め取るのは我ら商人の専売特許。魔法使い如きに真似られては堪ったものではありません」

商人「さ、後は勇者様に任せて急ぎ撤退を。こちらに目をつけられては敵わない。あんな戦い、命がいくつあっても足りませんからな」
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 01:56:26.61 ID:0WLVFLUwO
勇者(とか何とか言ってるんだろうな。あの人、あれで負けず嫌いだから…)

魔王「…それでも!魔王の渾身の一撃、人間である限り決して耐えられはしない!」

魔王「喰らいなさい!!神の裁き!!!」

勇者(……まだ足りないが、仕方ねえ)

勇者「いいぜ、勝負――」

「いいや、下がれ勇者。それは俺の役目だ」

勇者「…戦士さん…?待てよアンタ、もう限界だろ!」

戦士「それはお前もだろうが。心配するな。弱い俺だが…攻撃の前に立ち塞がるくらいはできる」

戦士「じゃあな。魔法使いは任せた」

勇者「待っ、戦士さ…!」

戦士「――仁王立ち」

カッ!!!!!
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 01:59:11.98 ID:0WLVFLUwO
――3ターン。

勇者「僧侶っ、戦士さんの蘇生を――!」

魔王「ウォォォォォォォォオッ!!!」

勇者「っ!?」ガキィン

魔王「させないっ!それだけは、絶対に、させない……!」

魔王「私が勝ったら戦士も貴方もちゃんとすぐに生き返らせる!私が死ぬなら、最悪それでもいい!」

魔王「でも、だから、その方法だけは駄目!だって、私が死んで、貴方も死んだら、もう誰も貴方を生き返らせることは出来ないのよ!?」

魔王「やめて勇者!それだけは!!お願いだからっ!!」

勇者(…こんな時に、他人の心配かよ…)

勇者「あいにく…魔王に逆らって生きるが俺の趣味なんでな」

勇者「……安心しろよ。大丈夫だ」

勇者「今度はミスらない」

魔王「ッッッ!」

魔王「カラミティ、エンド!!!」

ゾブッ!!!!

勇者「……ご、ぼッ……」

勇者「……」

魔王「死んで…死んでよ…!お願いだから…ここで、今すぐ…!!」

勇者「……」

勇者「……」

勇者「…」


勇者「……4、ターン」
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 02:11:29.27 ID:0WLVFLUwO
魔王「…ぁ…!」

魔王「…あぁぁぁ…!!」

勇者「…泣くなよ。仮にも魔王がさ」

魔王「だって…私、こんな結末は望んでないのに…!」

魔王「私は…ただ…みんなと…」

魔王「…みんなに…」

勇者「…だとしたら、お前やり方ミスってるよ。たったそれだけのことに魔王の力なんて必要ねえ」

勇者「そういうのはひたすら誠実に口に出していくしかないんだ。まぁ、俺も最近知ったばっかなんだけどさ…」

魔王「……」

勇者「今回は俺のせいだから仕方ないけどな。次からはもうちょっとお手柔らかに頼むわ」

魔王「…次?」

勇者「言ったろ。安心しろって」

勇者「お前は生きて帰れるよ。多分な」

魔王「…!!」

勇者「さぁ女神様…魔力を」

女神「ええ」

魔王「勇者、待って…!」

勇者「……じゃあな、魔王」

勇者「マダンテ」

勇者「メガンテ」

勇者は己の全ての魔力を解き放った!
魔王の結界に壊滅的なダメージ!
勇者は己の全ての生命力を解き放った!
魔王の肉体に壊滅的なダメージ!

魔王を倒した!
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/08(日) 02:11:57.73 ID:0WLVFLUwO
ここまで
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/08(日) 03:16:11.65 ID:XjI18SDYo
乙ー
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/08(日) 03:30:41.20 ID:5qclDCeC0

めっちゃ続き気になる
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/08(日) 08:45:44.49 ID:P64WO/eAo
あつ!
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 16:35:39.93 ID:0WLVFLUwO
……王国と教国の国境線で起きたこの戦争は、その実態と異なり最後に現れた魔王の存在から第八次魔王戦役と称されることとなった。
この戦役は第七次の終結からおよそ一ヶ月という非常に短い間隔で起きたものであり、それに比例するかのように歴代でも最短の魔王事変とされている。

これは第七次の折に勇者が魔王を封印せずに討滅したことが原因ではないかと考えられているが、真相は不明である。
またこの戦役の特異さを際立たせる逸話として、戦役の規模と負傷者の数に比して死者が確認されていない点が挙げられる。

当事者である筆者自身あまりに信じがたい話であるから、後世に伝わるにつれておよそおとぎ話の一種とされるようになるのではないだろうか。
そうなるまで少しでも長く時が掛かるよう、可能な限り詳細な情報を残すことが、我々当事者のせめてもの責務であると考え、ここに筆をとる――。
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 16:36:25.93 ID:0WLVFLUwO
【王国城内・病室】

賢者「もしもーし。ご飯持ってきたよ。入るよ戦士…ってあ、寝てなきゃ駄目じゃない。僧侶に言いつけるよ」

戦士「賢者か…そうは言っても暇を持て余していてな。ペンを動かすくらいは許して欲しい」

賢者「ふーん、何書いてるのっと。ふーむ、手記?ふんふん……うん、30点」

戦士「…そんなに駄目か?」

賢者「ポエミーすぎ。あと面白みがない。もっと勇者魔改造しようぜ。目からビーム出すとかさ」

戦士「おい…」

賢者「あははは。まぁ冗談は嘘にしてもちゃんと寝なきゃ駄目だよ。蘇生受付ギリギリだったから後遺症すごかったんでしょ?」

戦士「目が覚めてから三ヶ月は指一本動かせなかったからな。とはいえいい加減もう治ったと思うんだが」

賢者「そういう野蛮人特有の素人判断はだーめ。いいからお医者様の言うことを聞く。お嫁さんとお子さん泣かせるのが癖になったってんなら止めないけどね」

戦士「…分かったよ。大人しくしておく」

賢者「よろしい。ご飯ここに置いてくね。それじゃ僕はこれで」

戦士「僧侶によろしく伝えておいてくれ」

賢者「はいはーい」
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 16:37:21.65 ID:0WLVFLUwO
商人「おや」

盗賊「あん?ゲッ…」

賢者「お。クズと外道だ」

商人「これは賢者様。ご機嫌麗しゅう」

賢者「そういうのいいから。なんか機嫌良さそうだね。いいことでもあった?」

商人「いいえ?貴女に取り立ててお聞かせ出来るようなことは何も」

賢者「ふうん。あ、話は変わるけど貿易街の特別勅任官に任命されたんだってね。おめでとう」

商人「幸運に恵まれた結果ですな」

賢者「裁量権の拡大に合わせて治安維持の名目で一個連隊の保有が認められたんでしょ?すごいね。もはやあなたの王国と言っても過言じゃない」

商人「そういった暴走の抑止のための王国軍です。彼らが監視の目となる以上心配はご無用」

賢者「あはは。そんなのお金でいくらでも緩むでしょ?政治上の勢力争いをしない…聞こえはいいけど彼らにも既得権益をかじらせてるって言ってるようなものじゃない」

商人「滅多なことを言わないでいただきたい。私はあくまで自分の手の及ぶ範囲で最善を尽くしているに過ぎませんぞ?」

賢者「ふふふふふ、わざと曖昧な言い方して、もしかして煽ってる?」

商人「はっはっは。いやいや、滅相もない」

盗賊(…帰りてえ…)
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 16:38:36.01 ID:0WLVFLUwO
僧侶「ああ忙しい忙しい…!」

女王「まあまあ僧侶様、そんなに肩肘張らないで。今日の分のノルマは終わったんですから少し休憩にしましょう?」

僧侶「そうは言っても、王国と教国の垣根を払う初めての試みです。両国民を安心させるためにも一刻も早い法制度の整備が…」

女王「根拠法と書類の作成は目下最優先で行っています。すぐまた忙しくなるのですから休める時に休んでおかないと。これも為政者の務めですよ」

女王「さあさ、お茶を入れてきましょう。熱いの?冷たいの?」

僧侶「……熱いので」


法皇「ふむ。なんだかんだ仲良くやれているようだな」

前国王「結局は似たもの同士よ。競うでもなく同じ目標を目指すならああもなる」

法皇「…言い方は悪いが、まさかご息女が王を続けることになるとはな。こう言ってはなんだが、貴方が復座すると思っていた」

前国王「余を玉座から引きずり下ろした手管からして、あれが余より優れた為政者であることは間違いない。国民もそう理解しているのだろう」

女王「なにより、為政者としての過ちは為政者として正しく民を導くことでしか償えませんから」

法皇「むぅ…」

女王「そういうわけで、お二方も暇でしたらこっちを手伝ってくださいね。目下人手不足で各所が悲鳴を上げている真っ最中なので」

女王「適材適所。しっかり働いて美味しくご飯を食べましょう。ね?」

前国王「う、うむ…」

女王「…あと、それはそれとして」

女王「私は王様を続けるつもりなんてありませんよ?」
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 16:39:21.64 ID:0WLVFLUwO
女王『せっかくですので大休止にしましょう。僧侶様は魔法使い様の様子を見に行ってみては?』

僧侶「……ふぅ」

僧侶「僧侶です。魔法使い様、入りますよ」

魔法使い「ああ、僧侶。いらっしゃい」

魔法使い「…疲れてるわね。仕事は片付いたの?」

僧侶「今できる一通りは。といっても次から次へと増えているので戻ったらまた山積みでしょうけどね」

魔法使い「そう。何かあったら言ってね。私に助けられることは少ないけど、きっと力になるわ」

僧侶「ありがとうございます。それで…その、お体の方は…?」
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 16:41:00.39 ID:0WLVFLUwO
魔法使い「…だめね。体内から一切魔力を感じない」

魔法使い「これが女神の封印魔法、か。確かにこんな風になるなら魔王でもどうしようもないわね」

僧侶「…でも、そのおかげで魔法使い様は人間に戻れたと聞きました」

魔法使い「ええ。角も牙も消えて、肌の色も戻った。今の私は何の力もないただの人間でしかない」

魔法使い「本当に…優しい結末だわ」

僧侶「魔法使い様…」

魔法使い「そんな顔しないで。あなたが思っているほど落ち込んでないのよ。魔王だった者への罰としては軽すぎるくらい」

僧侶「……」

魔法使い「ああ…でも、そうね。これから先魔法がもう使えないなら、魔法使いはもう名乗れなくなるのかしら」

魔法使い「そのあたりはどうなのか、ぜひ先達としての意見を聞かせて欲しいかな」

魔法使い「ね、勇者」

「……んだよ。気付いてたのかよ」
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/08(日) 16:41:36.53 ID:0WLVFLUwO
19時ごろ更新
それで完結
多分
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/08(日) 16:45:04.41 ID:P64WO/eAo
たんおつー
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/08(日) 19:04:10.29 ID:0WLVFLUwO
勇者「うーっす。見舞いに来たぞ魔法使い…ってあれ、僧侶もいたのか」

僧侶「あ、先に休憩いただいています。すみません、忙しいのは分かっているんですけど、女王に休憩をとるよう言われてしまって…」

勇者「俺も似たようなもんだから気にすんな。違いがあるとすれば自発的に休憩してるところだけだな」

魔法使い「ふふ、それサボりって言うのよ」

勇者「あーあー聞こえん聞こえん。そもそも何で俺に法律なんて関わらせるんだっつの。こちとらただの戦闘屋だぞ。しかも用済み」

魔法使い「これからは剣なんかよりずっと関わることになるんだから仕方ないでしょ」

魔法使い「なんたって、次の王様になるんだから」

勇者「……ほんとどこで人生間違っちゃったんだろうなぁ……」

僧侶「で、でも適任だと思いますよ。今の世情で勇者様より大衆人気のある人はいません。諸々の覚えもとても早いですし」

勇者「嬉しくねえよう…」
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 19:05:35.90 ID:0WLVFLUwO
勇者「はい、気の滅入る話はやめやめ。何の話してたんだ?」

魔法使い「私の魔力の話よ」

勇者「ああそれか。ふっふーん、さては俺の華麗なる魔法捌きを褒めてたんだろ?いいんだぜ褒めても」

魔法使い「華麗というかキモいわね」

僧侶「…その、すみません。最初話を聞いた時はちょっと引きました」

勇者「えっ」

魔法使い「いやだって…あの局面で四つの魔法を並立して使うとか…」

僧侶「正直同じ人間とは思えないというか…」

勇者「えっえっ」
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 19:11:34.01 ID:0WLVFLUwO
勇者(あの最後の瞬間)

勇者(メガンテで四散した瞬間、俺は装備していたメガザルの腕輪――死んだ瞬間蘇生魔法が発動する腕輪で生き返った)

勇者(で、即時女神から魔力を受け取って、魔法使いにザオリク使って、弱りに弱った魔王の魔力を封印したのである)

勇者「……そんな誰もが賞賛すべき神業が……き、きもい……?」

魔法使い「というかあなたいつからメガザルの腕輪なんて持ってたのよ。冒険中なかったでしょあんなの」

勇者「普通に魔物殺しまくってそいつらの核を集めて作ったんだよ。300体くらい狩ってようやく作れるもんだからな。本当に時間かかった…」

勇者「戦士から戦争の話聞いてからは一週間ずーっとそれやってた。そのせいで到着がかなりギリギリになっちまったが」

僧侶「そう…ですよね。あの時の勇者様、武器もまともに用意してませんでしたから。いつも用心深いのに珍しいなと思ってました」

勇者「俺は絶対に死にたくなかったんだよ。特にあの時は加護消えて道歩くのも怖かったくらいだ。代わりの手段も用意しないで戦争なんかやってられるかってんだ」

勇者「だからあんな使い方するとは思ってもなかったよ。残っていて本当に運が良かった。それに尽きる」

僧侶「…じゃあ聞きますけど、あの死ぬ死ぬ詐欺なんだったんですか?約束を守れそうにないとか。あれ言ってる時命のストックあったってことですよね」

僧侶「あれ私がどんな気持ちで聞いていたか分かりますか…?」

勇者「……め、メガザルの腕輪使うの初めてで…効果を信頼してなかったから……?」

魔法使い「なんで疑問系なのよ…」

勇者「あ、あははは…」

勇者(あの場のノリで死んだことにしていろいろ有耶無耶にしようとしてたとか言ったら…お、怒られますかね…?)
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/08(日) 19:13:25.66 ID:0WLVFLUwO
補足
メガザルの腕輪はモンスタードロップの装飾品
確率は一番いいので1/250?くらいだったはず
作品によってはなんかカジノだったかコインだったかで手に入るけどここではそれはなし
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 19:14:53.88 ID:0WLVFLUwO



勇者「ごほん。うん、まぁ、なんだ。俺が封印魔法が下手くそなせいでお前の魔力ごと封印しちまった。それだけは悪いと思ってるよ」

魔法使い「別にいいわよ。もし私が自由に魔法を使えたら、今頃晒し首にしなきゃ収集つかなくなってるところでしょ。今ですら一悶着あったのに」

勇者「当然っちゃ当然だけどな。なにせ魔王だ…」

勇者「まぁその辺りは女王が上手くやってくれた。もう心配しなくてもいいだろ」

僧侶「あの人本当に優秀ですよね。暴走さえしなければ…」

魔法使い「そのお目付役がこれからのあなたのお仕事なんでしょ?がんばれ王様」

勇者「オエッ」

魔法使い「あ、そうなると正妻はやっぱり女王様になるのかしら。ねえねえ勇者、どうなの?」

勇者「ゲロッ」

僧侶「…言っておきますけど、籍を入れるわけじゃないですからね。あの人はただの補佐官、副王です。魔法使い様もそこを誤解しないように」

魔法使い「はいはい。ごめんってば」

僧侶「そもそもですね、勇者様は一応王国民なわけですから、王国と教国が対等な合併を迎える以上王妃は教国の人間であるべきなんです」

僧侶「確かにあの人は優秀ですし勇者様は政治畑の人間じゃありませんから補佐は必要ですよ?でもまたやらかさないとは限らない以上お目付役との距離が必要以上に近くなるのは避けるべきではないでしょうか」

僧侶「それに政治の補佐であれば私もできます。あの人よりは劣るかもしれませんけど見方を変えれば王を傀儡にする危険性が低いとも言えますしなにより両国のバランスを考えれば王妃とするべきはやはり」

魔法使い「あー、うん。うんそうね。ところで僧侶」

僧侶「はい?」

魔法使い「勇者ならとっくに逃げたわよ」

僧侶「…あ、あ!?勇者様!?」
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 19:15:23.08 ID:0WLVFLUwO
…………

勇者「あ…あの女、目がマジだった…やばかった…」

勇者「……」

勇者「いや成長しても怖いものは怖いよ。しょうがないじゃん。それはもうさ」

勇者「ねえ戦士さんもそう思うでしょ?」

戦士「何故お前らはノックをしないんだ…?」

勇者「お、書きかけの…何だこれ。手記…じゃなくて小説…?」

勇者「…えっ、俺って目からビームとか出たの…?やば…クッソ面白い…」

戦士「そして何故揃って勝手に読んだ上に文句をつけていく…?」

勇者「だってこれ途中からまるきりフィクションになってるじゃないですか。特に何ですかこの最後。勝手に人の人生決めつけんでください」

戦士「そうか?そう悪い終わり方ではないと思うが」

勇者「そりゃそうですけど…でも、一つのミスで駄目になるかもしれないのが人生ってやつじゃないですか。どう終わるかなんて分かりませんよ」

戦士「そうでもないさ。ミスした取り返せばいい。お前たちならきっと取り返せるよ」

勇者「……じゃあ、望んでもねえ人生の墓場がダッシュでお迎えに来た場合はどうすればいいですか?それも複数」

戦士「ああ、それはミスじゃないから無理だな。運命と思って諦めろ」

勇者「そんなァ…」
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/11/08(日) 19:16:13.58 ID:0WLVFLUwO
……以上が、この騒動において当事者として記せる全てである。
もっとも勇者の命が続く限りまた同じようなことが起こるに違いない。

全てを記したい気持ちは山々だが、あくまで俺は戦士だ。ペンを取るのはこれで終わりにして、もっと適した者に任せるとしよう。
最後に区切りとして、一番大事なことのみ記そうと思う――。

勇者「『彼らはいつまでも幸せに暮らした』」

勇者「……」

勇者「はっ…ポエミーすぎるっつの」

勇者「……王様ねえ」

勇者「俺の価値観でこの世界を染めてやるって野望にはうってつけだ。やる気がでるってもんさ」

勇者「ご要望どおりいつまでも幸せに生きてやろうじゃねえか」

勇者(そのためには…)

女王「ご機嫌よう、見つけましたわ勇者様。戴冠式の日取りとその後について少しお話が…」

僧侶「あ、いました、勇者様…と女王!?あ、こら、離れてください今すぐに!」

女王「あら僧侶様。今は私が先ですのでお控えくださいな。終わりましたら僧侶様にお貸ししますから。ね?」

僧侶「ね?じゃないです!大体借りるのはあなたの方でしょうが!」

女王「んー、そうですね。確かに過ごした時間の長さとして胸はお借りしたいところですが…」

僧侶「ちょっと。どこを見て…」

女王「…うーん。借りたらご破産してしまいそうですし、遠慮いたします。お気持ちだけいただいておきますね?」

僧侶「…あ?上等です表出ろッ!!」

勇者「あ、じゃあ俺はこの辺で…」

女王「嫌ですわ。勇者様も来てくださいな。このままだと私僧侶様に殺されてしまいそう」

僧侶「誰がしますかそんなこと!…勇者様もに来てください。私まだあの約束が無効になったなんて認めてないんですからね!」

勇者「……はぁ」

勇者(そのためには、まずこの二人と白黒つけなきゃな)

勇者「はいはい。いくらでも付き合いますよ」

勇者「今度こそ逃げずに、さ」
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/08(日) 19:16:58.73 ID:0WLVFLUwO
おしまい
完結させた俺超偉い!
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/08(日) 19:20:35.54 ID:V8pRM1Kz0
乙 一年近く連載が続いてたのか楽しかったよ
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/08(日) 19:29:38.70 ID:9VqcJzjDO
>>397
乙乙
逃げずによく完結させたww
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/08(日) 19:47:08.40 ID:P64WO/eAo
乙!
本当に完結おめ!!

ありがとうございました!!!
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/08(日) 19:48:58.33 ID:0WLVFLUwO
そうだごめん、無理矢理最後までドラクエの呪文とか特技でゴリ押ししたけど、これ正直分かりづらいと思うし実際の強さより技名的な分かりやすさを優先してるから「それそんな強くなくね?」「その職業ってその技覚えなくね?」って思ってもフィーリングで読み飛ばしてくれると嬉しい

ダラダラしてると思ったらそれは俺の実力不足なので本当にごめん。次書くときはもっとコンパクトにまとめるように意識する

一年間近く読んでくれた人いたらありがとう
こんな長編になると思わなかったけどキャラに愛着湧いたし書いてて楽しかったわ

あと展開予想マンは絶対に許さない
絶対にだ
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/08(日) 19:50:44.89 ID:VqSxweo5o

展開よまれてたってこと?
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/08(日) 19:52:47.05 ID:0WLVFLUwO
>>402
最初書き始めたときはなーんも考えず「実はそんなことなかったよー。勇者くん考えすぎだよー」的なオチにしようと思ってた
確か100レス目くらいでバレたから路線変更した
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/08(日) 20:06:32.73 ID:iCKv9dqrO
乙乙
終わりよければ全てよし(責任転嫁)
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/11/08(日) 22:51:31.11 ID:1P1V1zgGo
乙ーまた書いてくれよなー!!
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/09(月) 00:08:04.68 ID:dSi1Moa1o
展開予想なんて気にする必要はないよ
言い方悪いけど読まれたからって変えるならそれはその程度の自信しかなかったってことになる
展開が読めても面白い話なんてたくさんあるしなんだかんだで王道は人気あるもの
予想を裏切ることばっかり考えてるとびっくり箱しか出来なくなっちゃう
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/09(月) 01:07:20.18 ID:jRtzB5MA0
>>406
ごめん
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/09(月) 01:23:33.78 ID:t3qB/Htc0
乙 次作も期待してます
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/09(月) 02:44:33.61 ID:ILJU2jmJO
>>357>>364の間に抜け確認

勇者「…?空が暗く…」

勇者「…え?」

勇者(この魔翌力、は)

「良かったわ。今度は私も仲間に入れてもらえそう」

勇者「…お前は…」

魔王「ご機嫌よう、勇者。なんだかとても久しぶりね」

勇者「…」

勇者「誰だお前」
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/09(月) 06:36:46.30 ID:YQoAZ7WRO
おつかれさまでした
なんだかんだ最後まで付き合って楽しませてもらいました
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/09(月) 22:01:11.60 ID:7ERe41Zx0

面白かったで
序盤は、勇者の心中の口調がくっそ寒いとか思ってたけど
一貫してやられると個性として受け入れてしまったわ
姫登場からの不穏な転回は、予想外でそこから一気に引き込まれたで
登場人物たちの語彙力も豊富で、普段小説とか読む人なんやろうな
ぜひトリップつけて、いろんな勇者魔王SS書いて欲しい
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/11(水) 07:28:29.33 ID:r4cn7a0m0
>>1乙、まとめで読んできたけど、令和にもなってこんな読み応えのあるssをみるとは思わなんだ。ぶっちゃけ2015年くらいのssかと思ったわ
1年近くの連載お疲れ様でした!また楽しみにしてるよ
413 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2020/11/11(水) 14:15:33.47 ID:56XvyhM60
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414 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/11(水) 20:27:01.17 ID:2e5y2jrEO
>>413
終わった後に荒らしに来る低能負け犬www
ぶゎーかwwwwww
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/15(日) 14:36:57.57 ID:tgLlDK+Bo
>>401
酉付けろや
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/11/15(日) 18:57:08.39 ID:5NR3FeTAO
>>415
なんでお前そんな偉そうなの?
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名前: E-mail(省略可)

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