このスレッドはSS速報VIPの過去ログ倉庫に格納されています。もう書き込みできません。。
もし、このスレッドをネット上以外の媒体で転載や引用をされる場合は管理人までご一報ください。
またネット上での引用掲載、またはまとめサイトなどでの紹介をされる際はこのページへのリンクを必ず掲載してください。

「The Last Page」「Record your memory」(オリジナル) - SS速報VIP 過去ログ倉庫

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/01/20(月) 00:40:19.69 ID:7ZuZWGnL0

「見ない顔だなぁ、アンタ」

雨のスラム街。
前歯のない老人がイヒヒと笑うと、ロボットは静かに首を傾げた。

『勿忘(わすれな)の国』、季節は雨期の中盤である。

錆と黒い油の混じった液体をぶちまけた路地裏には、霧のように雨のにおいが立ち込めていた。
半分以上廃屋の住宅の山は、幾重ものパイクの束とともに堆(うずたか)く積み上げられて、
灰色の空を小さく切り取っていた。

一体何を作っていてそんなに頑張るんだろう、という位に大量の煙を吐き出す煙突は、遠くのほうに
霞んで今日はほとんど見えない。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1579448419
【 このスレッドはHTML化(過去ログ化)されています 】

ごめんなさい、このSS速報VIP板のスレッドは1000に到達したか、若しくは著しい過疎のため、お役を果たし過去ログ倉庫へご隠居されました。
このスレッドを閲覧することはできますが書き込むことはできませんです。
もし、探しているスレッドがパートスレッドの場合は次スレが建ってるかもしれないですよ。

全レスする(´;ω;`)part56 ばばあ化気味 @ 2024/04/24(水) 20:10:08.44 ID:eOA82Cc3o
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/part4vip/1713957007/

君が望む永遠〜Latest Edition〜 @ 2024/04/24(水) 00:17:25.03 ID:IOyaeVgN0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713885444/

笑えるな 君のせいだ @ 2024/04/23(火) 19:59:42.67 ID:pUs63Qd+0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/aa/1713869982/

【GANTZ】俺「安価で星人達と戦う」part10 @ 2024/04/23(火) 17:32:44.44 ID:ScfdjHEC0
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713861164/

トーチャーさん「超A級スナイパーが魔王様を狙ってる?」〈ゴルゴ13inひめごう〉 @ 2024/04/23(火) 00:13:09.65 ID:NAWvVgn00
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713798788/

【安価】貴方は女子小学生に転生するようです @ 2024/04/22(月) 21:13:39.04 ID:ghfRO9bho
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713788018/

ハルヒ「綱島アンカー」梓「2号線」【コンマ判定新鉄・関東】 @ 2024/04/22(月) 06:56:06.00 ID:hV886QI5O
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713736565/

【安価】少女だらけのゾンビパニック @ 2024/04/20(土) 20:42:14.43 ID:wSnpVNpyo
  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1713613334/

2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/01/20(月) 00:41:11.32 ID:7ZuZWGnL0
「見ない顔だなぁ、アンタ」

冒頭の発言に戻る。
ウィイ、と小さな駆動音がして、ロボットの顔は老人のほうへ向いた。

それは強いて挙げるならば、小さな宇宙飛行士に似た姿をしている。
顔と思われる正面のヘルメットは、黒い球面ガラスで覆われていて中が見えない。

ヘルメットの横面の耳にあたる部分には、円盤状に青く光るアクリルが取り付けられていた。
左側のアクリルの上部には、何かを受信するように小さなアンテナが付属しており、
時折縮んだり伸びたりを繰り返している。

向き合った一人と一体の映像は奇妙な魅力があり、何かのメッセージ性を持った絵のようにも見えた。
テレビの砂嵐のような、静かな雑音だけが絵の中に響いていた。

雨足が少し強まる。

「これ、要るか? もう古くなってまともに使えたもんじゃねえが」

老人は、何とか雨風を凌げる程度の自宅によたよたと入ると、小さな瓶をロボットに見せた。
着用しているずぶ濡れの布でそれを拭うと、「ウィイ」とロボットが口を開いた。

口を開いた、と表現したのは、顔の黒いガラス窓がスライドして中の空間が見える様が、老人の目に
そのように映ったためである。

老人はロボットに小瓶を渡した。
ロボットは掴む・離す以外の動作のできそうにない二本指のアームでそれを受け取ると、開いた口の中に
瓶ごと放り込んだ。
2.16 KB   
VIP Service SS速報VIP 専用ブラウザ 検索 Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)