男「僕の生徒は亜人だらけ」ミレイア「ろっ、六回目だからって嬉しくないんだからっ」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/10(金) 23:26:13.16 ID:cbSGHs5Do
乙乙なんか面白いことになってる
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/10(金) 23:56:09.33 ID:0/a9+cb20

これ男がヒヅキ連れて帰ってきたらさらにこじれるパターンだ
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/29(水) 20:22:01.29 ID:PBoPKGbjO
待ってる
132 :亜人好き ◆HQmKQahCZs :2020/05/13(水) 21:20:07.47 ID:fYN7LOYho
長い間更新できず申し訳ありませんでした。

明日から更新再開いたしますのでお付き合いいただけると幸いです
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/13(水) 21:25:57.88 ID:lzMv65aXo
おかえり
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/13(水) 21:26:40.40 ID:MlthknH4o
おかえり楽しみ
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/13(水) 21:36:14.81 ID:IB5nqs2v0
報告乙
ルーティルート入ったっぽいけどヒヅキの行方も気になるところだな
136 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/14(木) 20:25:22.47 ID:76NfIGS30
長い列車に揺られて僕は大陸を渡っていた。

汽車の中で過ごすこと二日。やっとこの大陸の果てへとたどり着く。僕はこの地平線の果てにある東国に思いを馳せた。

男「あとは船で揺られてって半日か。本当に遠いんだな」

学園にも東国出身はいるけど、よくもまぁこんな遠いところから来たものだ。

さて船に乗ろうと港町を歩いている僕だったが周りの人が僕を怪訝な目で見ていることに気付いた。

そっか、今の僕は幽霊だもんな。気を抜くと体が透ける。気を抜かないようにしないとな。

あの学園じゃロウェナさんがいるから忘れてたけど幽霊は珍しく、人に害をなすものもいる。

受け入れられないのも当然か………。

第二種の人たちの言われない差別もこんな感じなのだろうか。

いやこんなもんじゃないか。

「そこのあんちゃん!」

このまま差別を味わっていれば少女ちゃんも僕を認めてくれるかな。どうだろう。

「冴えない顔したあんちゃん!」

こんなことを考えてる程度ってことは理解できないってことかもしれない。

「おいそこの幽霊っ!」

さっきから叫んでいる人がいるなと思ったら僕を呼んでいたのか。冴えないでうすうすとは思ってたが幽霊となると確実に僕だ。

「はぁ。なんでしょう」

「その身形は東国への旅人やな? しゃあないウチが案内したる!」

ハンチング帽を被った人間の少年だった。へへと笑いながら右手をこっちに向けている。

「………はぁ」

「だからその間の生活費はいただくよ」

目的はそれか。だろうと思ったけど。

僕は自分の財布に思いを巡らした。

余裕はあるといえばあるけど。確かに土地勘を持っている人がいた方がなにかと便利ではあるだろうけど。

僕は東国に関して知識がないわけだから。

「わかった。あまり贅沢はできないけど」

「へっ。その冴えない顔に期待はしてないって」

口が減らない子だなぁ
137 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/14(木) 20:46:56.13 ID:76NfIGS30
「うはは、美味い美味い」

少年は焼き魚を頬張って美味しそうに笑った。お腹すかないとは言えその様子を見ているとお腹がすく気がする。

食欲も睡眠欲もないというのはとても心細く、ロウェナさんはこんなことに耐えていたのか。何百年も。

「ごちそーさん。それじゃあウチに任せな」

食べ終えた少年は串をぽいと放り投げるとぴゅんと走り去っていった。

あれ、もしかして僕騙された?と不安になっているとすぐに少年は戻ってきた。

「船を安く手配しておいたで。ほれ、これ」

少年から手渡された紙には相場よりも安い値段が記されていた。二人分なので結局は相場よりも高くなるけども少年の口が立つことが分かった。

どうやらいい子のようだと安心する。

「ほんであんちゃんは東国になんの用なん?」

「人探しだよ。鬼の子なんだけど」

「鬼なら、珍しいから聞きゃあ探せるかもしれへんなぁ」

「霊山にいるらしいんだけど。場所は知ってる?」

「げっ、北のほうかいな。だったら結構時間かかるで? あと寒いから防寒具かってぇな」

どうやら霊山も知ってるらしい。この子って結構顔が広いのかな。

防寒具か。いいものは買えないけど買ってあげないとな。移動費しかかからないからあんまりお金は持ってきてないんだよな。

こんなことならもうちょっと持ってくればよかった。

「ま、長旅になるやろうけどあんじょうよろしゅうな。あんちゃん」
138 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/14(木) 21:12:05.51 ID:76NfIGS30
〜34週 月曜日〜

「ところで君の名前はなんていうの?」

船に揺られながら僕は今更名前を尋ねる。

「ひらg、やない。シライシ、シライシゆうねん」

「そっか。それじゃあよろしくね。シライシ君」

「へへんっ。大船に乗ったもんとおもってもらって構わんで」

大船? 今乗ってるのはあまり大きな船ではないけど。

「いつもこうやって案内人やってるの?」

「せやで。西の人がよう来るから話聞きとうてな。ウチめっちゃ興味あんねん。ほんでいつかお金貯めて西のほうに行くねん」

西の方といえば学園の話をすれば喜んでくれるのかな。

「なんでそんな興味あるの?」

「ウチの先祖がそっちの方で活躍してたらしゅうて。いつかウチもビッグになってやるんや。目指せ打倒レディライト!」

それは夢が大きいなぁ。しかし元気でいいことだ。

「実は僕も西の方から来たんだけど」

「んなもん見りゃわかるで。だから声かけたんやし」

「そっか。あの学園の教師…を一応やってて」

「ほんまかいな、そんな冴えん面して」

なんでみんな揃って僕を冴えないっていうのだろうか。いけてるつもりはないんだけど、口をそろえて言われるから気になる。

「ほんなら魔導とか詳しいんか?」

「僕の担当は遺伝子学だから、ある程度のことしかわかんないよ」

「ほーん。まぁならセンセとでも呼んだるわい」

疑いの視線が抜けてない。確かに幽霊が教師ってのは信じられないかもしれないけど。

っていうかこないだまで人間だったんだけどそれも信用してもらえないんだろうなぁ。

あまり不用意に怪しい発言をすべきでないから黙ってるけど。

「まー、どうでもええわ。ウチは寝るからあとは好きにしぃやセンセ。幽霊やし寝ぇへんのやろ?」

「そうだね。海でも眺めてることにするよ」

「ほなお休み。さぁて明日から大忙しやで」.

シライシ君を見送り甲板へと上がる。

すっかり夜も更け甲板に人は全然いない。

静かだ。海を進む船の音しかいない。

寂しいな。みんなに置いて行かれた気がする。

そういえばシライシくんと話すまで全然人と話していなかった。学園だとみんながいてくれるけど。

そっか。独りぼっちってこんな寂しかったんだ。忘れてたよ。

忘れたままでいれたらよかったのに。

寂しいなぁ。
139 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/14(木) 21:32:14.96 ID:76NfIGS30
〜34週 火曜日〜

シライシ「でーん! これが東国やで! は〜るばる来たで東国〜!!」

男「本当に木で家が建ってる」

シライシ「そうやけど技術が劣ってるわけやないで。魔導・工業は世界一や」

男「想像だったらもっとハイテクだったんだけど」

シライシ「ハイテクだけだと息が詰まるってのを知ってるんやウチらは。所詮亜人も人間も自然のもんやからな」

僕も自然の生き物なのかな? いや、この自虐笑えないや。

シライシ「こっからグーっと上がって北の方までいくで」

男「どれくらいかかるのかな」

シライシ「東国は山が多いから電車が通ってないところも多いんや。ま、1週間もあればつくで」

男「結構かかるなぁ」

シライシ「センセは幽霊やから疲れ知らずやん。うらやましいわぁ」

男「心は疲れるんだよ」

シライシ「そうなん? 幽霊珍しいから全然知らんわ」

男「シライシ君は幽霊見ても変な目で見ないんだね」

シライシ「そんなん当然やろ。いい人悪い人、そんなんそれぞれや。生まれや種族やない」

シライシ「ウチの先祖も亜人にはようしてもらったらしいしな。まだ人間の世界だったころに」

男「随分古い家系なんだね」

シライシ「この国の奴らは割と歴史を持ってるで。10代さかのぼれるのなんて普通や」

僕の家は平凡だから歴史なんて全然ないな。

そんな風にシライシ君から歴史なりを教えてもらっているとその違いに驚く。

僕らの方は亜人は虐げられていたけど、こっちはそうでもなかったらしい。共存も十分してたと。

話では政治に関わった亜人もいるとか。

こっちじゃありえないな。もしかしてここだったら第二種だって幸せに生きていけるのだろうか。

尋ねてみるとシライシ君は苦虫をかみつぶしたような表情をした。

シライシ「第二種は第二種や。数は少ないけどな」

シライシ「この国にも亜人をもののように扱って食いつぶしてた極悪人はいたんよ。歴史の汚点や。気にせんといて」

やはりどこの国も同じか………。

でも生まれた子供に罪はないだろうに。
140 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/14(木) 21:40:16.51 ID:76NfIGS30
シライシ「もう限界! 休憩を要求するで!!」

山道を歩いているとシライシ君が座り込んで抗議した。

男「わかったよ、ちょっと休もうか」

シライシ「西の方は汽車があって羨ましいなぁ。便利やろ」

男「便利ではあるけど、この国の自然は本当に豊かで素晴らしいじゃないか」

シライシ「まぁな! なんといっても東国には四季があるんやで!」

シライシ「やけどおかげで魔導車も普及してないし、物流は船か空がメインやからなぁ」

シライシ「空船なんてド金持ちしか乗れへんけどな」

男「空船かぁ」

名前は聞いたことある。気球の大きい奴だとかなんとか。

もっとお金持ってきていればわざわざ歩かなくても船で行けたみたいだ。シライシ君には悪いことをした。

シライシ「さて! 回復回復ぅ! それじゃあじゃんじゃん行くで!」

シライシ君はぴょんと元気に立ち上がりずんずんと進み始めた。

シライシ「ここを超えたら宿あるからそこ泊まろか」

男「了解です」
141 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/14(木) 21:53:38.47 ID:76NfIGS30
〜34週 水曜日〜

シライシ「いやぁ、らくちんらくちん」

山を越えるとしばらくは平野が続くらしく僕たちは魔導車に乗って移動していた。

こっちで魔導車は個人で使用するものではないらしく、大型のものに何人かで乗り合わせるスタイル。

いつかは汽車よりも普及するのだろうか。なんて未来に思いを馳せる。

シライシ「なぁ、センセ」

男「なに?」

シライシ「この先に知り合いがおるんやけど、泊まらせてくれんかって頼んでみるわ」

男「それは助かるよ」

宿泊費もタダではないのだから安い方がいい。慰安旅行じゃないんだから寝床にこだわる必要はないし。

シライシ「そういえばセンセが探してるのって恋人とか? 逃げられたん?」

なんてことを目をキラキラさせながら聞いてくるシライシ君。

滅相もないと事情を話すが

シライシ「わざわざこんなところまで女の子探しにくるってそれ愛やん?」

と余計に目を輝かせる。

やっぱ子供はこういう話好きなのかな。

僕に色恋沙汰に目を輝かせる時代なんてなかったけど。

う、薄暗い青春の思い出が………

シライシ「隅におけんやーん、うりうり」

なんとなくいたたまれなかったため、僕は気配を消して透明になった。

シライシ「あれセンセ? センセ? そんな照れんでもええやん」

男「だからそういうのじゃないんだって」

シライシ「しかし幽霊って面白いなぁ。こんなに透明になれるんやね」

シライシ「はっ。悪いことし放題やん。センセ実はあかん人?」

うっ。周りの人の視線を感じる。僕は体を元に戻してシライシ君がこれ以上喋らないようにと飴玉を差し出した。
142 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/14(木) 22:08:46.55 ID:76NfIGS30
シライシ「ここやここ」

シライシ君が案内してくれたのは大きな料亭だった。その堂々とした構えに面食らう。

看板にはウロコ亭? と書かれてあった。

シライシ「オイラのおっちゃん〜 おる〜?」

そんなお店に怖気づきもしないシライシ君は常連のような口ぶりで中へと入っていった。

待つこと10分

中から笑い声が聞こえる。

さらに10分

中から爆笑が聞こえる。

さらにさらに10分

息も絶え絶えな笑い声が聞こえる。

なにやら楽しそうだなぁ。

店の前で立っているのは目立つし見られるから早くしてほしいのだけれど。

と思っていると中からシライシ君が満面の笑みで出てきた。

シライシ「宿とれたで! 中に入り!」

男「ありがとうシライシ君」

入り口にある布を潜り抜けると中は調味料の匂いで溢れていた。あまりこっちの調味料に慣れてないから過敏になっているのだろうか。

そして玄関には紺色の服を着たリザードマンの男性がいた。

シライシ「おっちゃんおっちゃん。これが西からきたセンセや。ほいでセンセ、このおっちゃんがオイラのおっちゃん」

オイラ「どうも、オイラと言います。先生をやってると聞きましたが」

男「あ、学園で教師をやってます。男です」

オイラ「学園? もしかして息子が通ってる学校かもしれんなぁ」

男「かもしれませんね。かなり大きな学校ですし。リザードマンの子も何人もいますし」

オイラ「だったらそうでしょうな。これも何かの縁。今日はどうぞごゆるりとしていってください」

シライシ「おっちゃん、ご飯!」

オイラ「あいよ。先生はいかがします?」

男「あ、僕は結構です」

シライシ「センセは幽霊やからご飯食べれへんねん」

オイラ「幽霊。なるほどですなぁ」

驚いて目を細めるものの怯えたりはないようだ。どうやらいいひとらしい。

オイラ「うちに自慢できるもんは料理しかなくて申し訳ないが、どうぞゆっくりしてください」

男「どうもありがとうございます」
143 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/14(木) 22:19:23.81 ID:76NfIGS30
案内された部屋は二階にあり旅館と違い布団が敷いてあるだけの部屋だったがこれで十分だ。

窓から見下ろすと竹林が実に涼やかで風情があり、空気が良い。

人の善意は実に心地よいもので、何かお返しはできないかと思案していると

竹林に吹く風と違う、細い声のようなものが聞こえた。

………誰かを呼んでいる?

僕はその声に集中し、聞こえる方向を探った。

声は近い。竹林の中?

僕は窓から飛び降りると竹林の中を進んだ。

「かひゅぅ―――」

間違えない。こっちから聞こえる。

そのまま進んでいくと竹林の中に小さな家があった。

入っていいものかと思ったが中から苦しそうな声がする。

駄目なら謝ればいいと僕はその家の中に飛び込んだ。

「ひゅぅ、ひゅぅ」

中ではコボルトの女の子が苦しそうに息をしていた。布団に横たわり苦しそうに胸を押さえている。

大丈夫、とは思えないな。いきなり入ってきた僕に気付けないほど苦しいらしい。

なにかあるかと見回すと水差しと皿に乗った丸薬があった。

病人か。急いで薬を飲ませないと。

僕は彼女の背中に手を当て、上半身を起こさせると丸薬と水差しを口元に運んだ。

震える手でそれを飲み込むと彼女は数度咳をした。

荒かった呼吸は次第に落ち着き、彼女は大きく息を吐くとそこでようやく僕に気付いた。

「貴方、は?」

男「僕は男。今日ここにお世話になっているんだ」

「ありがとうございます。あ、わっちの名前はユナと申します」

ユナ「どうぞよしなに」
144 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/14(木) 22:19:49.54 ID:76NfIGS30
今日はここまで

一度も学園のキャラクターが出ない更新でした…
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/14(木) 22:22:54.51 ID:/C91DkW0o
乙乙
鬼って皆東国出身なのかな
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/14(木) 22:26:32.69 ID:IRow3A0jO
更新乙
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/14(木) 22:31:30.52 ID:+sNDyGSQ0
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/14(木) 22:38:14.70 ID:M83HI0cDO
乙です
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/14(木) 22:40:01.55 ID:ULFZmiCjO

シライシくん喋り方的に発明家の血筋かなんかなのかな…
150 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/15(金) 19:42:20.97 ID:Szqf4dx90
〜34週 木曜日〜

ユナ「また、お立ち寄りくださいませ。男様」

オイラ「ユナがお世話になりました。先生」

男「いえ、そんな大したことしてませんので」

シライシ「おっちゃん、弁当ありがとうな。ユナちゃんは養生しいや」

次の日、オイラさんに世話になった礼を言ったところユナちゃんに薬を飲ませたことを逆に感謝された。

そのおかげで宿泊費もかからず懐に少し余裕ができる。

ユナ「その、お姉様は西の学び舎で働いていると手紙に書いてありました。もし男さんの学び舎に、ヨダカというコボルトがいればよろしくお願いいたします」

男「わかったよ。それじゃあそろそろ失礼します」

シライシ「またなおっちゃん!」

二人に見送られながらまた二人で道中を歩く。

ヨダカという名前のコボルト、聞いたことがあるような気がする。

返ったら探してみることにしよう。でもそれより今はヒヅキさんだ。

でも………ユナちゃんの体、大丈夫だろうか。

心配で上の空で進んでいるとシライシ君に脇を小突かれた。

シライシ「ユナちゃんに手を出す気?」

男「いや、そんなことないよ。純粋に心配なだけ」

シライシ「ほんと、お人よしやなぁ。センセは。悪い人に騙されるで?」

男「シライシ君がまもってくれるんでしょ?」

シライシ「まぁね」ヘヘン

お人よしは治らないし、治すつもりもない。

そうだ、サレム君が教えてくれた薬屋に行けばいい薬が手に入るかもしれないな。
151 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/15(金) 19:57:31.52 ID:Szqf4dx90
シライシ「うわ」

男「どうしたの………っ」

そこにあったのは人間の少女の死体だった。

咄嗟にシライシ君の目を塞ぐも、シライシ君はそれをすり抜け死体に近づいた。

シライシ「………なんや第二種かいな」

男「警察呼ばないと」

シライシ「第二種やから、どうでもええわ。先に行こ」

男「そんな。人が死んでるのに」

シライシ「第二種が死んだところでなにも問題なんてあらへんで、ほれ見てみ。他の奴らも無視してるやろ」

確かに顔をしかめるものの誰も死体で騒いだりしない。ただ嫌なものをみたという感じで通り過ぎるだけだ。

そうか、やはりここも………

男「君も第二種は嫌いなのかい?」

シライシ「嫌いもなにも、第二種は第二種やんけ。死んで当然や…」

シライシ君はそう吐き捨ててさっさと進んでいく。

僕は短く少女の次の生が豊かなものであるようにと祈り、シライシ君に置いて行かれないようにと続いた。
152 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/15(金) 20:43:19.96 ID:Szqf4dx90
〜34週 金曜日〜

シライシ「うひうぃ。寒いなぁ」

シライシ君のおかげで浮いたお金でシライシ君の防寒具を買った。それでも寒いらしく手袋をはめた両手をこすり合わせている。

男「あとどれくらいかな」

シライシ「夕方には麓につくと思うで。夜は流石入山はやめといたほうがええけどな」

男「そうか。やっと」

「やいっ!」

男「!?」

いきなり目の前に三人の子供が現れた。その手に握られているのは鉄の棒。

「か、金を出せ! 金をだせヴぁっ」」パァンッ

パン

パンッ

シライシ「ふぅ。無事かいなセンセ」

………三つの死体が並んでいた。さっきまで喋っていたのにもう何も言わない。

男「撃ったの」

シライシ「大丈夫、第二種や。ほれ見てみ」

シライシ君が子供の頭を蹴って横に向ける。そこには第二種の印である焼き印があった。

第二種だとこうも躊躇なく命を奪えるのか。

確かにこの子たちは強盗をしようとしていたけど、きっとそれは生きるためで。

シライシ「センセは優しいんやなぁ」

しかしその言葉はどこか呆れたもののように聞こえた。

153 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/15(金) 20:54:22.21 ID:Szqf4dx90
死んだ三人の顔が頭の中から消えない。躊躇せず撃ち殺したシライシ君の姿も。

シライシ君が撃ったのは正当防衛だ。罪なき人を見つけ出してまで撃ち殺したわけでもない。

間違ってないはずなのに。

シライシ「センセがどんな環境で生きてきたかは知らんけど、この国ではこんなもんや」

シライシ「ただでさえ立場が低い第二種が犯罪に手を染めたら殺さへん理由はないで。治安のためにも、他の第二種のためにもな」

シライシ君が言ってることは正しいのかもしれない。

だけどそれを受け入れることは僕には無理そうだ。

シライシ「グロいもん見せて堪忍な。忘れるためにもはよ宿屋行ってすっきりしようや」」

男「うん…」
154 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/15(金) 21:13:28.11 ID:Szqf4dx90
〜34週 土曜日〜

男「ここらへんに赤い髪で角の生えた女の子いませんか? 鬼人の子なんですけど」

「さぁ、知らないねぇ」

次の日。通りかかる人に聞き込みをするものの手掛かりなし。そもそも幽霊だからか話しかけても反応してくれない人も多かった。

目立つだろうになんで誰も見てないのだろうか。

途方にくれていると

シライシ「センセ。居場所わかったで」

男「…シライシ君すごいね」

シライシ「ここは霊山やからなぁ。たぶんその鬼っこは霊媒師に用があったんやないかと思うてババどもに話聞きに行ったらビンゴや」

シライシ「穢れを落とすために禊の修行をしてるらしいで」

そうか…。霊山はそういう場所なのか。

むやみやたらと聞き込みをした僕はどうやら無駄だったらしい。

しかし霊媒師に用があるとはいったい。

男「それじゃあヒヅキさんのところへ」

シライシ「あー、無理や無理。霊山に入るためにはババから許可貰わんといけんし、禊を済ませないとあかん。それだけで何日かかるか」

シライシ「ウチもこないだ第二種やったから禊長いやろうし、センセは幽霊やからなぁ」

男「ここまで来たのに………困ったな」

シライシ「…しゃあないなセンセ。忍び込むで」

男「え?」

シライシ「ここまで来たら乗りかかった船や。協力したる」

男「でも大丈夫なの?」

シライシ「ウチを誰やと思っとるんや。ナニワの悪童と呼ばれたヒラガ・シイやで?」

そういってシライシ君はにやりと笑って懐から四角い箱を取り出した。
155 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/15(金) 21:13:54.74 ID:Szqf4dx90
今日はここまで

次回、やっとヒヅキが出せる…
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/15(金) 21:18:40.21 ID:cos1FyNwo
乙乙
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/15(金) 21:18:58.76 ID:ThimCoDn0
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/15(金) 21:22:57.44 ID:nt2Q/AeT0
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/15(金) 21:47:31.30 ID:VBiTwSnkO

さらっと第二種だったとカミングアウトしてるな
160 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/15(金) 21:59:23.84 ID:Szqf4dx90
>>159
第二種殺ったからな
です。

シライシはれっきとした第一種です
161 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/15(金) 22:00:05.63 ID:Szqf4dx90
質問箱 更新しました。

返信できますのでよろしければどしどし質問お待ちしております
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/15(金) 22:44:51.47 ID:VBiTwSnkO
ごめんそっちかww
163 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 19:46:55.36 ID:NLMA0r0A0
シライシ君がその箱を開けるといくつかのボタンがそこにはあった。

シライシ「カモン! うちの最強マシ―ンっ!!」

そう高らかに宣言し、シライシ君は勢いよくスイッチを押した

………しかし、何も起きない。

男「あの、シライシ君?」

シライシ「待って。今呼び出し中やから」

男「どれくらいでくるの、そもそも何が」

シライシ「ウチの作った機械天使。7時間くらいで来ると思うから、夜中までまちぃや」

男「………」

作った? 機械天使を?

もしかしてシライシ君って結構凄いのだろうか。いや、すごく無ければ機械天使なんて関わることもできない。

もちろんシライシ君が嘘をついてなければだけど、嘘をつく必要はないと思うんだけど。

男「………じゃあ、宿に戻ろうか」

シライシ「せやな!」
164 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 20:41:21.91 ID:NLMA0r0A0
シライシ「あー食った食った」

男「いい食べっぷりだね」

シライシ「こんなん食うことあんまないから」

宿で出されたスープ料理にはお米の練り物を焼いたやつが入っていた。僕は食べてないからわかんないけど、香ばしい匂いは確かに食欲をそそる。

ビービービー

そんな食後の休憩を満喫しているとシライシ君の懐から警戒音が鳴り始めた。

何事、と思っているとシライシ君が窓を開く。

「ょ〜〜〜〜さまぁ〜〜〜〜〜」

と何やら叫びながら部屋に飛び込んでくる一つの影。一体何事かと目をぱちくりさせながらその転がり込んできた人に警戒する。

シライシ「ウチが呼んだ機械天使や」

「わたくし、シイ様の丁稚をしております。い-68と申します。以後お見知りおきを」

すたっと立ち上がるとその男性は?雪まみれの服をはたき、胸に手を当て深々とお辞儀をした。

法衣?を着た男性の背中には一対の無機質な羽根。どうやら機械天使とは嘘ではないらしい。

シライシ「呼び出して悪いなぁ、いろは」

い68「滅相もありません。わたくしはひr「シライシ」家に仕える丁稚でございますので」

男「彼が、手助けをしてくれる?」

シライシ「ちょうど日も暮れて、忍び込みやすくなったやろ。うちといろはが注意はひいとくから忍び込み。幽霊やからできるやろ」

男「得意ってほど経験はないけど、でも姿を消せるんだからそんな大ごとにしないでも」

シライシ「ババども、幽霊とかに鋭いから、消えとっても見抜いてくると思うで」

何者なんだ、そのおばあさんたちは」

い68「潜入、工作。このわたくしにお任せでございます。えぇ」

かくして僕はシライシ君とい-68さんの手助けを得て、忍び込むことになったのだった。
165 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 20:59:53.82 ID:NLMA0r0A0
案内された場所は朱塗りの柱に白壁といったいかにも東洋じみた建物だった。

このどこかにヒヅキさんがいるのかもしれないと思い、夜の闇に眼を凝らす。

約束のタイミングはもうそろそろ………

ドンッ

夜の闇に赤い火花が咲いた。その音と光に建物の中が騒然となる。

慌てて飛び出してきた人の中にヒヅキさんはいない。警備の人たちなのだろうか。

僕は姿を透明にするとその騒ぎに乗じて中へと侵入した。

思ったより人が多いな………

中では外の騒音に怯える女性達が身を寄せ合っていた。その服装はいずれも白装束であり月の光を反射させている。

幽霊といっても夜目がべつにきくわけでもないので一人ひとり確認していくと

ヒヅキ「………」

動じもしないヒヅキさんが一人柱に背を預けて佇んでいた。

………やっと、見つけた。

男「聞こえる? ヒヅキさん」

そっと声をかけてみる。。ヒヅキさんは今の僕を知らないからびっくりするだろうなぁ

と考えてはいたのだが、ヒヅキさんは僕の声に反応もしない。

男「ヒヅキさん?」

再度声をかけてみるもののやはり反応は…いや、小声で何かつぶやいている?」

ヒヅキ「…マレ……キエロ………ウルサイ……ヤメテ…」

上手く聞き取れたわけではないけど、あまり良いことは言ってない。

どうするべきか。

1.ヒヅキに触れる

2.日を改める

>>167
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/18(月) 21:02:38.50 ID:gjzjh0xso
2
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/18(月) 21:09:09.29 ID:+g5d9mzKO
2
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/18(月) 21:09:48.98 ID:F0pgWHoz0
2
169 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 21:18:44.81 ID:NLMA0r0A0
あまりヒヅキさんの体調がよくないようだ。

出直すとしよう。

そう思って僕は建物を後にした。







ヒヅキ「あの男の幻聴すら…………なんて私は弱いんだ……」

ヒヅキ「はやく、忘れないと……いけない」
170 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 21:25:45.97 ID:NLMA0r0A0
〜34週 日曜日〜

シライシ「いや、流石にもう無理やろ」

男「えっ」

シライシ「警戒厳しくなってるやろうし、ウチかて捕まりたくはない」

男「………そっか」

シライシ「悪いこと言わんからやめとき。外人が事件なんて起こしたら問題が派手になるで」

次の日。僕はもう一度ヒヅキさんに会いに行こうとしたところ、シライシ君に止められる。

確かに、外人で、幽霊の僕が事件を起こしたら問題になるだろう。おそらく教職を退かざるをえないかもしれない。

………悔しいけど、ここまでか。

シライシ「まぁ、乗りかかった船やし、そのヒヅキっちゅう鬼っこはウチが見張っといたるさかい、今はあきらめた方がええで」

男「ありがとうシライシ君。だけど君にそんなことさせるわけには」

シライシ「うちはいつかそっちの方に行くから、そのための先行投資や。慈善事業をする気はないから、安心し」

シライシ「ちゅーことで頼んだわ、いろは」

い68「お嬢様のためとあらば!」

シライシ「声大きいわ、ど阿呆」

シライシ「センセを送り届けるまでが案内役の仕事や。帰ろか、センセ」

男「…ありがとうシライシ君。この恩は忘れないから」

シライシ「利子はたっぷり頼むで」
171 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 21:35:21.37 ID:NLMA0r0A0
〜36週〜

男「やっと戻ってこれた。遠かったなぁ」

男「…? なんか学園が変な気がする。気のせいかな」

アータル「やっと帰ってきたか小僧!」

男「わ、先輩。どうしたんですか」

アータル「どうしたもなにも、お前んとこのルーティが」

男「………番長連のトップになった!?」

男「なんて、バレバレな冗談に騙されたりしませんよ」

アータル「お前は冗談みたいな存在だけどな」

アータル「って冗談じゃねぇよ!」

男「はいはい。僕は忙しいんでもう行きますね。一週間休んだ分の仕事があるので」

アータル「………お前がいればまだマシだったのかもしれねぇんだけどなぁ」
172 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 21:41:44.08 ID:NLMA0r0A0
男「みんなおはよーって、え、ルーティさん?」

ルーティ「うふふ。二週間ぶりね先生。先生に会いたくて、ずっと待ってたんですよ?」

男「なんか雰囲気変わったね」

ルーティ「好きな人のためならいくらでも変われる」

ルーティ「それが女の強いところよ、先生」

男「でも明るくなったみたいで、そんなルーティさんも素敵だなって思うよ」

ルーティ「ふふ、うふふ、うふふふふふ」

プライヤ(ここ空気、どす黒いぞぉ)コソコソ

サレム(先生も何気に焚きつけるようなことを言ってるのですよね)コソコソ

ミレイア(あの朴念仁。絶対にわかっていってないわよ)コソコソ

ジェラ(うぅ。なんだか怖いです)

男「さてみんな! それじゃあ授業を始めるよ!!」

亜人【ベルスタシア・ジェラルド・サレム・ルーティ・プライヤ・ロウェナ・ミレイア・リリから一人】

教科【文系・理系・魔術・魔導・運動から一教科】

>>173
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/18(月) 21:44:22.93 ID:gjzjh0xso
ベル理系
174 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 22:13:27.94 ID:NLMA0r0A0
ベルスタシア 【理系 105】

ジェラルド【理系 259】

サレム【理系 553】

ルーティ【魔術 350】

プライヤ【魔導 1181】

ロウェナ【魔術 359】

ミレイア【文系 327】

リリ【魔術 563】
175 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 22:25:47.47 ID:NLMA0r0A0
〜36週 土曜日〜

アイ「悔しい、悔しいよぉ」

アイ「あんなのって、ないよぉ」

セラス「私は歌えればそれでいい。そう思ってたけど」

セラス「人に聞いてもらえない歌が、こんなに虚しいとは」

アイ「セラスちゃん。何とかならないのかな。私、もう一度ステージに立ちたい」

アイ「みんなに歌を聞いてもらいたいよぉ」

セラス「……そう、ね。あの人に口を出せる人がいればいいのだけれど」

セラス「そんな人………」
176 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 22:29:50.33 ID:NLMA0r0A0
男「これ、お土産のお皿だよ」

メイド「キレイな模様ですね。紺色が映えて美しいです」

男「飾っておくべきか使うべきか」

男「こんな皿で料理を食べれれば美味しいんだろうなぁ」

メイド「私の体をお使いくださいませ」

男「そんな。申し訳ないよ」

メイド「ですが、ご主人様に美味しい料理を味わっていただきたいのです」

メイド「そのためによりをかけて作らせていただきます」

男「ならメイドちゃんに甘えようかな」

男「さて、それじゃあ今日は」

1.誰かに勉強を教える

2.誰かに会いに行く

3.自由選択

>>178
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/18(月) 22:30:41.98 ID:+ZxKTfLDO
2ルーティ
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/18(月) 22:30:43.81 ID:F0pgWHoz0
2ルーティ
179 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 22:59:56.83 ID:NLMA0r0A0
ルーティ「先生?」

男「わっ、驚いた」

ルーティ「ふふ。びっくりしてくれた?」

男「いきなり現れたらびっくりするよ」

男「その服。エグゾセさん…っていうかアイレーンさんみたい」

ルーティ「そうですね? アイレーンちゃんと一緒に選んだから」

ルーティ「似合ってますかぁ?」

男「前のイメージとは全然違うけど、そういう服装も似合ってるよ」

エグゾ「けっ」

男「エグゾセさんもいたんだ。ってその服装」

エグゾ「今の俺はアイレーンだからな」

男「もしかしてライブ?」

ルーティ「はい? 私たち、『Witch's Bruw』のライブです?」

男「………!?」

ルーティ「私、アイドルになったんですよ?」

ルーティ「もちろん、先生は私のファン1号ですから、ちゃーんと特等席、用意してますからね」

男「あ、あはは。いきなりだなぁ」

エグゾ「なんか用事でもあんのか?」

男「ないけども」

エグゾ「だったら来い」

ルーティ「エグゾセちゃん。先生を困らせたら駄目よ?」

エグゾ「…ごめん」

男「せっかくのお誘いだから見に行くよ」

ルーティ「はーい? 迎えを行かせますから、ぜーったいに見てくださいねぇ」

男「うん」
180 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 23:03:47.28 ID:NLMA0r0A0
コンコン

男「はい」

カフカ「迎えです」

男「…そうか、君が」

カフカ「なにか」

男「いや、何でもないけど」

カフカ「それとこれ」

男「? 耳栓?」

カフカ「とある人から」

カフカ「渡せと」

男「そっか」

男(でもせっかくルーティさんがステージ立ってるんだからつけるの申し訳ないなぁ)

男(男だから配慮してくれてるのか? どうしよ)

1.耳栓をする

2.耳栓をしない

>>181
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/18(月) 23:06:31.63 ID:+ZxKTfLDO
1
182 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 23:07:32.96 ID:NLMA0r0A0
男「………」シュポッ

カフカ「案内します」

男(あ、普通に声は聞こえるんだ)

男(耳栓として大丈夫なのかな。これ)
183 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 23:32:10.63 ID:NLMA0r0A0
ザワザワ

男「結構人がいるなぁ。結成して間もないのに。アイレーンさんのファンかな?」

「お、おぬしは初参加でござるか?」

男「えっと、うん。今日が初めて」

「初参加でこんな席とは、おぬしさては大金持ちでござるか?」

男「…はい?」

「まぁまぁみなまでいうなでござるよ。では拙者がそんなおぬしにレクチャーしてやるでござる」

男「じゃあ、よろしく」

「Witch's Bruw は突如現れた巨大新星。メイレーンを中心にしたグループで、失神させるほどの蠱惑的な声色が武器でござる」

「三歌人のライブに乱入したかと思うと、その圧倒的な実力で三歌人を打ち負かし、ファンを奪い取り鮮烈にその名をとどろかせたのでござる」

「もちろんメイレーンだけでなく、ぶっとんだ歌声が特徴のアイレーン、いつも新鮮な気持ちで耳に入る歌声のノゥティと他メンバーも実力は折り紙付きでござる」

「今や、この学園の半分以上がWitch's Bruwのファンでござるよ。まさに一歌人状態でござる」

男「そっか」

男(ルーティさん………そんなことをしてたのか)

「さて、今日は互いに楽しむでござるよ えいえいおー!」

男(一体君は………)
184 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/18(月) 23:49:04.01 ID:NLMA0r0A0
ルーティ「私の歌声をみんなにあげるわ。それと引き換えに、皆の愛を私に頂戴?」

エグゾ「愚痴で蒙昧な愚民どもに、愛など価値はない。全部私たちが奪ってやるのだ!」

ノゥティ「ボクを愛してくれるのなら、見えないものを見せてあげる。ほら、もっと見てよ」

キャーッ ワーッ

ルーティ「うふふ?」パチンッ

「いま拙者にウインクをしてくれたでござる! うおーっ!!」

ルーティ「今日は特別な日だから早速歌っちゃうわ。一曲目は―――」
185 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/19(火) 00:00:43.48 ID:hsY97eLp0
「う、うぅ。幸せでござるぅ」

男「………」

男(確かにルーティさんの歌は上手だ。だけど)

バタッ

男(また一人倒れた。その表情は幸せそうだけど、このライブに漂う雰囲気)

男(これが君が望んだライブなのか?)

ルーティ「もっと、ねぇ、もっと愛を頂戴。ほしいの、あなたの愛が」

男(………わからないよ)







ルーティ「どうでしたぁ? 私たちのライブ」

男「すごい上手だったよ」

ルーティ「やっぱり幽霊には効かないのかな」ボソッ

男「なにか言った?」

ルーティ「先生にもっと褒めてほしいなって」

男「ははは。感想が長くなりそうだから家に帰ってからにするよ」

ルーティ「はーい?」

ルーティ「それじゃあ私たちはファンの皆と交流会があるから」

ルーティ「その前に」チュッ

男「!」

ルーティ「皆は握手だけど、先生は特別だから?」

男「あ、ありがとう」ハハハ

ルーティ「またあとでね!」





「……今の見たわよね」

「うん。そういえばあの人、前見たよ」

「もしかしてあの女の弱点なのかしら」

「でも、ひどいこと、したくないな」

「もし、彼が協力してくれるのならひどいことにはならないわよ」

「先生は良い人みたいだから。私たちを助けてくれるのかも。でもこんなことして、良いのかなぁ」

「………あの日、私たちが受けた仕打ちを考えたら足りないくらいよ」

「私は純粋に歌を聴いてほしい。だから歌を汚すあの人を私は許さないわ」
186 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/19(火) 00:01:45.70 ID:hsY97eLp0
ルーティの好感度【79】

ルーティへの好感度【35】
187 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/19(火) 00:02:11.77 ID:hsY97eLp0
今日はここまで

おやすみなさい
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/19(火) 00:02:48.39 ID:qKde49FXo
乙乙
不穏さしか感じない
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/19(火) 00:02:57.58 ID:9yR5v1Oj0
190 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/19(火) 00:08:45.05 ID:hsY97eLp0
ハートマークが文字化けするときってどうすればいいのでしょうか
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/19(火) 00:19:46.02 ID:qKde49FXo
❤🖤💙💜💛💓
文字化けするか?
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/19(火) 00:20:13.65 ID:qKde49FXo
したわ
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/19(火) 00:20:41.28 ID:4/9d9vyQ0

確か文字コードを打ち込めばできるって聞いたことがあるけど詳しくは覚えてない
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/19(火) 00:22:05.24 ID:ILPjhuLBO

大丈夫なのかこれは…
195 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 20:18:47.72 ID:08xzQRiF0
〜36週 日曜日〜

エリー「一体何があったっていうのよ。この私が遊びに誘っても」

ルーティ『ごめんなさい。エリー。今忙しいの』

エリー「なんてにべもなく断られるし、それにあれだけ嫌がってたのに歌ってるし」

エリー「って、別に私は寂しくないんだからねっ。ただルーティの様子が変だって思ったから…」

エリー「でもあの子があんな顔で歌うなんて知らなかった」

エリー「貴方は良い子、のはずよね。ルーティ」
196 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 20:19:30.62 ID:08xzQRiF0
男「さて今日は」

1.誰かに勉強を教える

2.誰かに会いに行く

3.自由選択

>>198
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 20:21:44.36 ID:r+XwGsfto
2ベルスタシア
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 20:22:09.91 ID:r0XfEXldO
2ロウェナ
199 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 20:31:24.77 ID:08xzQRiF0
ロウェナ「ボク。今大丈夫?」

男「どうしたの?」

ロウェナ「ううん。特に用事はないんだけど、ただ会いたかったんだ」

男「そっか。それだったらどこか食事でも行かない?」

ロウェナ「いいの? でも先生は」

男「大丈夫。それになんていうか」

男「どこか学園じゃないところで気分転換したい気分だったから」

ロウェナ「! だったらリリスちゃんから教えてもらったお店があるんだけど」

男「どんなお店?」

ロウェナ「ステーキ屋さんだよ。お肉が新鮮なんだって」

男「お肉が新鮮………リリスさん………まさか」

ロウェナ「どうしたの? 早く行こうよ」

男「わかった。それじゃあ行こうか」
200 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 20:47:19.24 ID:08xzQRiF0
リリス「いらっしゃいませ。よく来たな」

男(店員はリリスさんだった)

ロウェナ「あれぇ。なんでここにリリスちゃんが?」

リリス「ここは私の家だからな」

ロウェナ「えっ、すごい」

リリス「ふふ。表の顔は「リリスちゃんおっぱいすごい」

ロウェナ「普段の服じゃわかんなかったけど、リリスちゃんこんなにいい体してたんだね」

男(普段のすっぽり全身を覆うローブじゃわかりにくいけど確かに出るとこはでるし引っ込んでるところは引っ込んでる)

リリス「や、やめてくれ、恥ずかしい」

リリス「こほん。表の顔は屠殺業で、動物の肉を卸してるんだ」

リリス「ついでにステーキ屋もやっている」

ロウェナ「ステーキは大好きだよ。お姉さんは肉汁したたるレアで」

リリス「まずは席に案内する」

リリス「それとお前は………椅子はいるか?」

男「気分的に座らせてください」

リリス「冗談だ。幽霊が飛んでちゃ他のお客に迷惑だからな」

男「ありがとうございます」

ロウェナ「お肉〜お肉〜」
201 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 20:50:19.30 ID:08xzQRiF0
リリス「鶏や牛はもちろん、珍しい肉も揃えてるぞ。人肉は扱ってないが」

ロウェナ「ちょっと、今のお姉さんは人間なんだけど」

リリス「おっとすまない」

男「僕も元人間なんだけど」

リリス「元か…悪霊にみなせば容赦なく除霊するからな」

男「勘弁してください」

ロウェナ「よーし、牛肉ステーキ400gで! ごはん大盛!」

リリス「よし、わかった」

男「よく食べますね」

ロウェナ「せっかく食べれるようになったからね」

ロウェナ「あっ、ごめんね、ボク」

男「いえ、こうなったのはロウェナさんのせいではないですから」
202 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 20:52:37.19 ID:08xzQRiF0
ロウェナ「もぐもぐ。噛み応えがあって美味しい」

男「僕は柔らかいほうが好きですけど」

ロウェナ「この方が食べてる!って感じがするんだよね」

男(しかし美味しそうに食べるなぁ)

ロウェナ「…先生も食べる?」

男「でも僕は幽霊だし」

ロウェナ「憑りつけば食べれるよ。お姉さんが先生に体借りたときみたいに」

男「うーん」

1.ロウェナさんに憑りつく

2.断る

>>203
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 20:55:58.76 ID:6RzQmIzD0
1
204 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 21:03:37.13 ID:08xzQRiF0
男「じゃあちょっと体お借りするよ」

ロウェナ「いーよ。来て?」

ズブブ

ロウェナ「あっ、あっ、ああっ❤」

男「変な声ださないでくださいよ」

ロウェナ「にひひ」

ズブブ

男(憑りつくってこう、かな)

男(あ、あれ、体が吸い寄せられ)

僕は意識を失った。
205 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 21:10:22.46 ID:08xzQRiF0
ここは……どこだろう。

薄暗い。それに肌寒い。確か僕はロウェナさんと

「ロウェナさん?」

………僕の声ではなかった。

幼い、女の子の声。

しかし喋ったのは僕のはず。


「あ、あー、えー」

やはり声が違う。一体僕に何が。

「!!」

暗闇に目が慣れてきた。そして見えてきたものは。

木目の床と小さな机、小さなキャビネット、小さな鏡、ボロボロの人形にボール。

そしてここと外界を隔てる鉄の檻。

僕はなぜここに。それより僕はいったい。混乱しながら部屋を見渡すと

「!!」

そこにロウェナさんがいた。

小さな鏡の中に

やせ細り、薄汚れた服を身にまとったロウェナさんが

映っていた。
206 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 21:15:00.60 ID:08xzQRiF0
男「はっ!」

ロウェナ「どうしたの、先生」

男「い、いや。何でもない」

ロウェナ「私の体使わないの?」

男「勘違いされそうなセリフはやめてくれ」

ロウェナ「お姉さんの体じゃ満足できないのね。しくしく」

男「だからやめてくださいって。上手く憑りつけなかったんですよ」

ロウェナ「そっかぁ、先生幽霊初心者だもんね。えっとね、うににーって感じでいけば大丈夫だよ」

男「わかりません」

ロウェナ「結びつきたいって気持ちでぐっと行くんだよ。ほら再チャレンジカモン!」

男「いえ、やめておきます」

男(あれはただの白昼夢とは思えない。ロウェナさんの過去?)

男(だとすると、ロウェナさんにいったい何があったんだ)

男(ロウェナさんの生前にいったい何が)

ロウェナの好感度【91】

ロウェナへの好感度【50】
207 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 21:19:17.89 ID:08xzQRiF0
〜37週〜

男「そうですか。また被害者が」

テラス「君が狙われる心配はないだろうが、わが校にはまだ人間はいる」

テラス「早急に加害者を突き止めなければな」

男「リンネさん、ではないようですから」

テラス「君を襲ったものがどのようなものかわからないが」

テラス「我が学園を好きにはさせない。このことはしかと後悔させてみせよう」
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 21:20:09.86 ID:3KXouVhmO
連続殺人犯捕まえるの忘れてた
209 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 21:20:46.51 ID:08xzQRiF0
男(僕にはもうなにもできそうにないな)

男(あ、授業の準備しなくちゃ)

男(今週は)

亜人【ベルスタシア・ジェラルド・サレム・ルーティ・プライヤ・ロウェナ・ミレイア・リリから一人】

教科【文系・理系・魔術・魔導・運動から一教科】

>>210
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 21:26:18.32 ID:3KXouVhmO
リリ理系
211 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 21:31:25.12 ID:08xzQRiF0
ベルスタシア 【魔術 401】

ジェラルド【運動 381】

サレム【文系 542】

ルーティ【魔術 373】

プライヤ【魔導 1194】

ロウェナ【運動 250】

ミレイア【魔術 326】

リリ【理系 189】
212 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 21:41:44.21 ID:08xzQRiF0
〜37週 土曜日〜

オー「先代生徒会長が面白いもんつくっとるみたいやで」

「見たいね。もしかすると彼女の技術が必要になるかもしれないわ」

オー「あんたじゃ作れんのか?」

「どうかしら。可能かもしれないけど、今はそっちに割けるキャパシティがないわ」

「脳みそ増やそうかしら」

オー「あんたがいうとシャレにならんで」

「大丈夫いざってなると、あの子。貰っちゃうから」

オー「……本気かいな」

「私の可愛い娘なら可能よ。あのことっても食いしん坊だから」

オー「腐っても知り合いやろうに」

オー「しかしあないなもんどうやって作ったんや」

「私の昔の先祖が残してくれた研究資料から作ったの。もちろんこの私の体もその研究結果」

オー「恐ろしい女やで。くわばらくわばら。ワイは食べんといてくれよ」

「食べないわ。だってあなた―――じゃない」

オー「…どこで知った」

「あら、やっぱりそうだったのね。やけにあの子たちにやさしいからてっきり」

「あなたもそうなのかと」

オー「………」

「あら怖い」
213 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 21:42:33.91 ID:08xzQRiF0
男「今週はどうしようかな」

1.誰かに勉強を教える

2.誰かに会いに行く

3.自由選択

>>214
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 21:42:49.31 ID:6RzQmIzD0
2ルーティ
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 21:43:01.12 ID:3KXouVhmO
3殺人鬼をおう
216 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 21:52:05.75 ID:08xzQRiF0
男「ルーティさんのライブにまた誘われた」

男「せっかくチケット貰ったんだし、行くか」

―――

――



男「今日の会場は」

「もしもしっ、あの先生ですよねっ」

男「え? あ、君は」

アイ「この前、そのルーティちゃんといた先生だよね」

男「そうだけど。いったいどうしたの?」

アイ「先生にお話があって、聞いてほしいんだ」

男「でも今からルーティさんのライブが…」

アイ「ルーティちゃんの代わりに私がいくらでも歌ってあげるからっ」

アイ「だめ、かな」

1 ライブに遅刻するわけにはいかない

2.アイホワイトについて行く

>>217
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 21:58:09.63 ID:f89nZNCDO
正解が分からないけど2かな
218 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 22:16:26.19 ID:08xzQRiF0
男「わかった。何かあったみたいだしついて行くよ」

アイ「ほんと! ありがと先生!」ギュッ スカッ

男「ところでどこに」

アイ「こっちこっち」

―――

――



男「ここは、軽音部?」

アイ「ヨームっちに借りてるんだ。ヨームっちのファンは女性が多いからあんまり被害受けてないみたい」

アイ「だから今アイドル部あんなんになってるからって言って貸してもらってるの」

男「あんなのって?」

「メイレーンによる私有化。メイレーンたち以外のアイドルはろくな活動ができてない」

「それは私たちも同じだけど」

男「君は」

セラス「セラス。これでも『歌姫』と呼ばれていたわ」

男「三歌人の?」

アイ「いえいっ。私たち『三歌人』!」

セラス「今はそう呼ばれることはないけれど」

男「僕は詳しく知らないんだけど一体なにがあったというんだい?」

セラス「…そう、知らないのね」

セラス「あの人はこの学園の歌手やアイドルなんかをすべてつぶす気よ」

セラス「人気を独占することによって」

219 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 22:17:34.71 ID:08xzQRiF0
男「…で、でもあのルーティさんが」

セラス「そんなことするわけがない? なら私たちはなぜステージを台無しにされたのかしら」

セラス「ステージが開かれたら即座に乱入し、派手なパフォーマンスと魔法のような歌声でファンを奪い去っていく」

セラス「それだけじゃないわ。私たちが抗議しようとしても不良たちの手によってもみ消される」

男「それだったら風紀委員を頼れば」

アイ「うん、私たちも風紀委員のところには行ったんだよ」

アイ「でも今は学園が荒れてて力になれそうにないって」

セラス「きっとこれもメイレーンのせいね」

男「そんな! ルーティさんが」

セラス「番長連総長であるルーティが、不良たちをけしかけ、風紀委員の邪魔をしてるの」

アイ「確証は、ないんだけど」

男「………本当に番長連にルーティさんが?」

セラス「有名な話よ」

男「それが事実だとすると、責任は僕になるのかもしれない」

セラス「そう。だとすると話が早いわ」

男「?」

アイ「先生。私たちは歌を歌いたいだけなの。だから先生からルーティさんを説得して」

セラス「いいえ。この男を脅した方が早いわ」

アイ「そんなっ。ダメだよセラスちゃん」

セラス「私たちをあんな目に合わせておいて、卑怯もラッキョウもないわ。目には目を、歯には歯を、なのよ」

アイ「………」

男「話は分かった。ルーティさんに話をして君たちがステージに出られるように掛け合ってみるよ」

アイ「本当! ありがとう先生!!」

セラス「……本当かしら」

セラス「まぁ、私は歌が歌えればいいわ、一応信じてあげる」

男「ありがとう。約束は必ず守るから」

アイ「ありがとうっ。わーいっ! ステージに立てるかもしれないよセラスちゃんっ」ピョンッ

セラス「歌が歌える……ふふ、少しj気分が高揚してしまうわね」

男(なにが正しいのかわからないけど、この子たちに暗い表情をさせるわけにはいかないな)











ルーティ「ふぅん。やっぱり先生に接触したのね」

ルーティ「先生は誰にも渡さない。渡さないんだから」ギリッ
220 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 22:24:27.73 ID:08xzQRiF0
〜37週 日曜日〜

ベール「徹夜続きは、流石に堪えるわ」

ヴェール「夜更かしはお肌に悪いよ?」

ベール「私たちに肌の良し悪しなんてあるわけないじゃない」

ヴェール「それじゃあ目覚ましの毒、いっちゃうかい?」

ベール「自分で飲みなさい」

ヴェール「あぁん。美味しいのに」

ベール「それよりコーヒーかなんかない?」

ヴェール「ラーメンいっちょおまちぃ!」

ベール「………」ズルズル

ヴェール「それで、徹夜続きだなんて今度は何をやってるんだい?」

ベール「幽霊の研究、それにとある人の歌声の解析」

ヴェール「なんかよくわかんないね」

ベール「スポンサーがついたのよ。おかげで大忙しだわ」ズルズル

ヴェール「…はっ、コーヒーラーメンってありじゃない?」

ベール「なしね。白か黒かで言うと、ヘドロよ」

ヴェール「ヘドロ………」ジュルリ

ベール「このゲテモノぐらいが…」
221 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 22:25:42.86 ID:08xzQRiF0
男「いったい僕が知らないところで何が動いてるんだろうか」

男「さてと今日は」

1.誰かに勉強を教える

2.誰かに会いに行く

3.自由選択

>>223
222 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/05/23(土) 22:26:16.05 ID:08xzQRiF0
今日はここまで

ヴェールソフィアはベトベトン?
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 22:28:04.79 ID:3KXouVhmO
3殺人鬼を追う
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 22:35:22.99 ID:3KXouVhmO
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 22:38:58.52 ID:6RzQmIzD0
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 23:26:51.02 ID:1q0hdLV/O
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/23(土) 23:26:54.65 ID:e6O5Ci8E0
228 :亜人好き ◆HQmKQahCZs [saga]:2020/06/09(火) 20:44:33.94 ID:TgpWOcFM0
マヒロ「ずいぶんとまぁ、変わっちまったな」

男「いろいろとありまして」

マヒロ「俺の故郷じゃあもっとヘンテコなことが起きるから驚きもしねぇが」

マヒロ「人間はやわなんだからもっと気を遣えよ」

男「はい、気を付けます」

マヒロ「でも襲われることがなくなったってのは良いことかもしれないな」

マヒロ「で、お前がいない間に俺なりに調べたんだが」

・犯人は複数いる

・学内での目撃証言がある

・番長連は関与していない

・狙われるのは第一種のみ

マヒロ「まとめるとこんなもんか」

男「第一種しか狙わないのがよくわからないね」

マヒロ「第二種を殺してもスリルがないからじゃないか」

マヒロ「もしくは第一種に恨みがあるか」

男「第一種に恨みがある………」

マヒロ「単純に考えると第二種共だろうが」

男「………少女ちゃんが何か知っていそうだけど」

マヒロ「ふん縛ってお話でもするかい?」

男「それじゃいけないよ。それに僕はもう少女ちゃんに顔向けできない」

マヒロ「やけに人間にこだわるんだな」

男「だって、第一種と第二種ですら溝は深いってのに、こんな姿じゃ理解できるなんていえないよ」

マヒロ「………当人もわかってほしいなんて思ってないだろうさ」

男「それでも僕は、第一種と第二種が違う存在だなんて思えないんだよ」

マヒロ「ま、犯人は単純に考えれば第二種だ。それをどう考えるかだ」

マヒロ「スラム街にでも行くかい?」

男「そうだね………」

1.特別保護区に行く

2.少女を尋ねる

3.メイドに尋ねる

>>229
509.30 KB Speed:0.5   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)