【安価】ダーウィンズゲーム

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291 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/13(金) 08:16:33.80 ID:gyKXN509O
>>290 「1」リングを二つずつ持った二人組(4個) 】

交渉の余地。もし戦闘になった場合。

二つの情報を加味して、トウカは決断する。

「二人組じゃないかな。あっちもリングが足りなくて焦っているだろうけど、……もし戦うことになっても可能性がありそうなのは二人組」

「三個持った一人じゃなくて?」

「一人で三個集めるのって結構大変じゃない? それを成し遂げているから、たぶん強い人」

「三人は論外として、まぁ妥当ね。二人で四個。一個ずつでも分けて貰えれば、私たちに必要なリングは残り四個。全部を奪う気はない。これでいい?」

「もちろん」

特別、二人はDゲームに対して特権を求めるつもりは無い。しかしクリアまでの糸口が見つかった今、クリアまでの手掛かりは揃えたい。

極論リングは分けて貰えなくても、リングに隠されているであろうヒントを入手できればいい。

二人の意見は一致し、二人組の方へと足を進める。


【安価です。
3・6・9:エイスの二人組(交渉の余地なし)
1・5・8:大学生(男)二人組(交渉の余地弱)
4・0:男子高校生の二人組(交渉の余地中)
2・7:ダンジョウ拳闘倶楽部の二人組(リング獲得)
ゾロ目:カナメ
下1でお願い致します。】
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 08:23:28.13 ID:HZxMCEo40
293 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/13(金) 23:21:22.33 ID:4YQFS/6+O

>>292 「3」エイスの二人組(交渉の余地なし)】

街灯の下を歩くこと十五分程度。標的に決めた二人組の近くまでやってきたトウカらは、ここでようやく建物の影を歩き始める。

「さぁーて。どんな人なのかなっと」

異次元カメラでリングの保持数を確認すると、今度は間違いなく二個ずつ。二人合わせて四個。

先の王ほどの危険は感じず、路地裏から相手の様子を伺う。

背中に「8」と書かれたジャケットを着た厳つそうな男性が二人。それ以上を確認する前に、トウカの隣でヤヨイが「あー、ダメなやつね」と呟く。

「エイス?」

「そ。エイスのメンバー」

端的にヤヨイが言うと、ヤヨイも路地裏に引っ込む。

「別のところ行く?」

「見た感じそこまで強くは無さそう。私とアナタで一人ずつ。それでも十分に勝機はあるでしょう」

一戦力として数えられることに文句は言えない。

心の何処かで戦力として数えないで、と思ってしまっている自分に苛立ちを覚える。

────これは、当たり前のことなんだから。

表情には一切出さず、自分に言い聞かせる。

「どうするかはアナタに任せるわ。なんとなくだけれど、アナタに着いていけば大丈夫な気がするから」

「過信しすぎ…」

普通な意見だけを述べているはずだが、こうも信用されているのはどうしてか。

その期待に応えられるか不安を感じながら、ヤヨイは決断する。


【安価です。
1.戦闘
2.逃げる(ターン消化で強制イベント)
下1でお願い致します。
また、下1のコンマ一桁が4・9で敵に見つかって強制で戦闘です。】
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 23:22:29.68 ID:65rqyV3xO
1
295 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/14(土) 22:12:40.05 ID:eVzA27Nx0

>>294 「1」戦闘
コンマ一桁「8」のため敵にはバレませんでした
>>293の最後ですが、
×ヤヨイは決断する
○トウカは決断する
でした。失礼致しました。】

「行こう」

「えぇ、わかったわ。その上で、単純な興味なのだけれど、理由を訊いておいてもいいかしら」

「いつまで経っても拉致があかないから。以上」

「まったくもってその通り。同感だわ」

ゲーム開始から五時間程度が経つにも関わらず、未だにリングを所有していないのは二人を除いて何人か。

そして他のプレイヤーがゲームクリアに向けて動いているのはどれくらいいるのか。

リングをあれだけ持っていても尚、積極的にイベントに参加している王の狙いは掴みきれない。単純に換金アイテムであるリングを貪欲に探し求めているだけなのかもしれない。

「捕まえてリングを奪うわよ」

「あと、可能ならあの人の狙いも聞き出そう」

「末端のメンバーにまで伝わってるか分からないけれどね」

標的の二人組はスマホを片手に、背を向けている。
296 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/14(土) 22:13:16.40 ID:eVzA27Nx0

路地裏から飛び出して、トウカの脚なら十秒かからない。しかし確実に気が付かれるだろう。およそ五秒もの間に、敵が反撃しないとも限らない。

一度、至近距離からの銃弾は避けたことあるが、あれは本当に奇跡に等しかった。

この距離から腰の銃を引くか。当たる可能性は低く、当たったら有利に事が運ぶだろう。しかし外れればこの有利な状況を白紙に戻すことになる。

それとも、

「……あぁ、やっぱりね」

ぐい、と顔を大通りに出していたトウカは袖を引っ張られ、路地裏に引っ込む。

「な、なに?」

「このまま走り出すつもりだったでしょう?」

「……もしくは銃を使うか。迷ってた」

「攻撃系のシギルじゃない訳ね。銃の腕は?」

「たぶん、……あんまり」

ダンジョウ拳闘倶楽部での療養期間、利き手を怪我していた関係で一度も射撃練習が出来なかった。

初戦にて偶然手にした拳銃だが、結局一度も使用した経験がない。打ち方だけは教わったものの、やはり自信は持てない。

「私がやろうか?」

とても魅力的な申し出に、トウカは迷う。

【安価です。
1.「ううん。わたしが決意したところ、見てて」
2.「……お願いしてもいい?」
下1でお願い致します。】
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 22:14:35.87 ID:wc0fz9pn0
1
298 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/14(土) 22:42:17.46 ID:eVzA27Nx0

>>297 「1」「ううん。わたしが決意したところ、見てて」
トウカの一人称です。】

────この申し出を受けたら。

この申し出を受けたらわたしはいつまで経っても前に進めず、大事なときに迷って致命的なミスをする。

それならいい。

自分の判断で自分の身体が傷付くのは。

けれど、あなたのことを守れないのは絶対に嫌。

シギルの後押しを前提としたDゲームの中で、未だに異能の力を発揮させていない自分にできることは数少ない。

運動神経には自信があっても、敵は女性とは限らない。力勝負ではまず勝ち目がなく、格闘技にも疎い。

シギルが使えたら。

呼吸をするのと同じような感覚でシギルを発揮できると聞くが、出来る気がしない。

呼吸をするように手から炎を出す。物を動かす。人を操る。色々やったが、何もできなかった。
299 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/14(土) 22:42:45.63 ID:eVzA27Nx0

もし力を存分に発揮できたらあなたのことを救えるかもしれない。必ず約束を果たして、対等になりたい。

そのためには、前に進まなければならない。

「……やってやる」

言い聞かせるようにして、あなたの制止を振り切ってわたしは表通りに出る。変わらず、あの人たちはわたしに気付いている様子はない。

直線距離で百メートル弱。呼吸ひとつ乱さずに到達できる自信はある。体育で計測した五十メートル走のペースを維持して到達できる自信もある。

だいたい十秒。気付かれるまで五秒、気付かれてから五秒。

シギルを、銃弾を、肉体を。

わたしは避けて、……それから。

倒す術を実行できるのか。

ううん、考えていても仕方がない。

何も考えず走り出すか、銃で狙うか。

決めないと。


【安価です。
1.何も考えず走り出す
2.銃を使う(決意したことにより命中率+1→4割)
下1でお願い致します。
また、下1のコンマが奇数:「力を抜いて。一緒にやりましょう。大丈夫。一緒なら」
ゾロ目:「わ、王さんっ! お疲れ様っすっ!」】
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/14(土) 22:54:37.13 ID:1ZVOz1MDO
2
301 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/14(土) 23:37:53.77 ID:eVzA27Nx0

>>300 「2」銃を使う
コンマ一桁が「3」だったためヤヨイの手助けありです】

やっぱり走るのは危ない。

取っ組み合いになったら勝てる自信は無いし、そこに至るまでも不安ばかり。

なら、銃を使うしかない。

命はとらないように。足を撃ち抜く。

腰に下げたホルダーから拳銃を取り出す。

重い。どっしりと、腰に下げていたときよりもずっと重く感じる。それにグリップの部分はとても冷たく、わたしの手を震えさせる。

カタカタ、カタカタと。

夏場の夕方から夜へと移り変わるタイミングだというのに、身体が冷たい。嫌な汗が滲む。

あぁ、嫌だ。怖い。でも、やらないと。

大丈夫。引き金を引くだけ。わたしの腕なら一発で心臓に命中とか、そういうのは無いはず。
302 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/14(土) 23:38:29.08 ID:eVzA27Nx0

深呼吸をして、拳銃を構える。ドラマの見よう見まねだけれど、サマにはなっている……と思いたい。

「はぁ………ふぅ」

風が止むまでの間に呼吸を整える。

こういうときに限って風がとても強い。安物の傘なら一瞬で裏返ってしまいそうになるくらい。

目を閉じて、集中する。

風は、弱まった。手の震えも止まりつつある。

まずは右のスマホを持っている方。そしてその次に、左のリングを弄っている人。

一発目の発砲音が彼らに届くまでに、二発打ち切らなければ負けなのかもしれない。

でも、これしか────

「力を抜いて。一緒にやりましょう。大丈夫。一緒なら」

銃を持つ方の方にポン、と優しい手が乗せられる。

「最初から二人でやる予定だったでしょう? 前に進むための決心をしているようだったからここまでは茶々を入れなかったけれど、決心はついたのよね?」

「……うん。わたし、やるよ」

「そ。ならいいわ。打ってみなさい。外しても私がフォローしてあげる。大丈夫、私のはアナタのそれより速いから。反撃される前に戦闘不能にするわよ」

街灯近くに寄った彼女は、照らされる光の膜に右手を潜らせる。周囲の光が彼女の右手に纏う。

あれが、シギル。

じゃなくて、今は。前を見よう。

まずは右の人。太ももを撃ち抜く。体勢を崩した瞬間にもう一人の足を撃ち抜き、両者が膝をついたところで直接組み伏せる。

フォローがどの程度のものか分からないけれど、あくまでそれは念のため。私が済ませる。

もう一度深呼吸そして、狙いを定めて引き金を引く。


【安価です。
下1のコンマ一桁が2・5・8・0の場合は命中
下2のコンマ一桁が1・4・7・9の場合は命中
1人目が下1のコンマ一桁、
2人目が下2のコンマ一桁です。
上記それぞれの一桁の他にゾロ目の場合も命中です。
下1と下2のコンマ一桁でお願い致します。】
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 00:03:40.18 ID:rAZp8/GDO
はい
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 00:07:54.41 ID:564uLD/f0
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 07:45:41.08 ID:tUCvAEzKO
ナイスショット
306 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/15(日) 22:14:33.24 ID:D4TficHx0

>>303 「8」一人目 命中
>>304 「1」二人目 命中】

発砲音が辺りに響くのとほぼ同時に、彼らは足を撃ち抜かれて体勢を崩す。片方は地に膝をつき、もう片方はなんとか地に足をつけているが、竦んでいる。

今しかない、とトウカは走り出す。

ヤヨイの制止を振り切って、彼らのもとへと。

「ッ、くそ……!」

発砲音と向きで発砲した者の位置を掴んでいた男が、走ってくるトウカに銃口を向ける。距離はまだ五十はある。狙いが定まらず、引き金を引くのに躊躇する。

「チッ……っ!」

もう片方の男が、膝をつきながら右手を平を向ける。

第三者からも視認できる淡い赤色の光が彼の手に集まり、それは球型に構築される。

────あれは、炎っ?

シギルによって何もない場所から造られた火の球は、


【安価です。
奇数:「死ねッ! くそアマッ……!」
偶数:「私を助けるまでは、死なないでよね」
ゾロ目:第三者
下1でお願い致します。】
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 22:16:46.91 ID:rAZp8/GDO
はい
308 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/15(日) 22:49:41.54 ID:D4TficHx0
>>307 「1」「死ねッ! くそアマッ……!」】

「死ねッ! くそアマッ……!」

火の球は、火力を増して放たれた。

およそ四十メートルの距離。

「ッ……!」

当たるよりも避けるよりも前に、その熱さにトウカの脚が竦む。

当たったらどうなるのか。

制服が焼ける、燃える。その先は。肌が露出する。

それどころでは済まされるはずがない。肌に大きな火傷の跡が残るか。それはカエデのシギルで跡を残さず治せるのか。

火傷で済まされず、勢いからして火の球は腹を貫通する恐れがある。そうなったら生き残るのは絶望的だろう。

リングを一つも集められないまま、家族にお別れを告げるよりも前に、友達を助けるよりも前に。

────いや、そうだ。ササキの最後だ。アイツは最後にお前に対して『生きて』って言ってたな。

Dゲームを始めるきっかけにもなった、イトウの一言。それはトウカの友達が遺した言葉であり、同じ言葉をイトウも遺した。

絶対に死ねない、とトウカは眼前に迫る炎から逃れようとする。


【安価です。
1・4・6・8で命中(怪我の具合についてはこの後)
その他およびゾロ目で避ける
下1でお願い致します。】
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 22:53:57.93 ID:n6yF0iqy0
避けて
310 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/15(日) 23:17:40.50 ID:D4TficHx0

>>309 「3」回避】

「これくらいッ!」

すぐ眼前にまで迫った命の危機を、左に跳躍することで回避する。ただまともな着地を想定した動きは取れず、受け身を取れるような状況でもなかった。

コンクリートの上に転がる形で、危機を逃れる。

「……無事?」

腹に手を当て、自分が無事であることを確認する。一瞬でも判断が遅れていた場合、今ごろは痛々しい火傷の痛みに耐えかねて意識を失っていたかもしれない。

「ッ……」

それどころか死んでいたかもしれない、と思い至るよりも前にトウカは立ち上がり、彼らに向かって走り出す。結局のところ、まだ目標は達成できていない。

炎のシギルにはリロード時間が必要らしく、連発はしてこない。ただし着々と手元に赤い光が集まっているところから察するに、残りの三十メートル弱を走り切るのと同時くらいだろう。

もう片方の拳銃を手にした男は、再度走り出したトウカに照準を合わせている。一発避けても二発目が。二発目を避けるのはもっと難しい。

それでも走り切らなければならない理由があった。


【安価です。
奇数:回避判定
偶数:「もう十分よ。あなたの覚悟は伝わった」
ゾロ目:第三者
下1でお願い致します。】
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/15(日) 23:22:34.48 ID:4aicS5y90
s
312 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/16(月) 23:15:45.76 ID:k67MsawoO
>>311 「8」「もう十分よ。あなたの覚悟は伝わった」】

────あと、少しッ!

僅かな間に死線を二回潜り抜ければ、無事彼らの元へと辿り着くことができる。

ただし辿り着いたところで二人は足を怪我しているのみ。素手の取っ組み合いでは分が悪いかもしれない。

それでも、まずは彼らの元に辿り着かなければ何も始まらなかった。拳銃は勢い余って走り出しと同時に捨てている。トウカに出来ることは持ち前の身体能力と動体視力を活かした技しかない。

こんなことなら拳闘倶楽部の中をもっと視察していれば良かった、と後悔を抱きながら一歩一歩を強く踏みしめる。

「おい、早く撃てッ!」

「あぁっ、くそ、ちょこまかと……!」

二人の声がはっきりと聞こえるところまで来た。
313 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/16(月) 23:16:11.30 ID:k67MsawoO

あと七、八歩で辿り着く。

しかし拳銃を持った男は生け捕りを諦めたのか、大まかに狙いを定めて引き金を引こうとする。

「死ねッ、くそ野郎……!」

発砲音が鳴ることはなかった。

トウカの後ろから幾つかの光の筋が彼らの四肢を目にも留まらぬ速さで撃ち抜いたからだった。

「がッ……これ、はァ……ッ?」

光の筋は肉と骨を突き抜け、向こうへと消える。両肩と両足に極小の風穴が開き、彼らは悶え苦しむ。

表紙に拳銃を落とし、溜めていた火球は霧散する。

何が起こったのかはトウカにも分からず、立ち止まって振り返ろうとしたとき、

「もう十分よ。あなたの覚悟は伝わった」

隣から声をかけられ、ビクッと身体を震わせる。

「はや」

「言ったでしょう。私も運動神経には自身があるって」

「それにしても……」

トウカは走り出してから後ろを振り返っていない。確かなことは言えないが、声をかけられるまでは拳銃を捨ててきたところに残っていると思っていた。
314 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/16(月) 23:16:37.51 ID:k67MsawoO

「足音もしなかったような…」

「言ってなかったけれど、ウチって忍者の家系だから。忍び足とかしちゃうのよね」

「ほんと?」

「嘘に決まってるじゃない」

真面目ね、と苦笑したヤヨイは先導して地に膝をついて悶える彼らの元へと辿り着く。

痛みに耐えながらも、その眼だけは確かなものだった。ギラギラとした眼で少女二人を睨む彼らに、ヤヨイはふっと笑う。

「リングを出しなさい。あとついでに貴方達のリーダーが何をしようとしているのかも」

「誰が喋るかよ……。リングはやらねぇ。喋らねぇ。さっさと失せろッ!」

「残念だけれど、私の主義は生易しいものじゃないの」

「あぁ?」

「テイクアンド……ギブ? もう一回テイクだったかしら。ほら、貴方達のリーダーが日頃から言っているアレよ」

「ふざけッ!」

腕の痛みを耐えて右手を大きく振りかぶるが、腕は伸び切らず、苦笑しながら見下ろす彼女に触れることも無かった。
315 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/16(月) 23:17:13.27 ID:k67MsawoO

振りかぶる直前で男の腕の半分程度の細い手によって制止されていたからだ。

「リングを渡して」

「……殺さないでくれ」

「約束する」

トウカの真摯な一言に、男はまともに動かせない左手でズボンのポケットの中を探る。数秒後に二つのリングが地に転がったのをヤヨイが拾う。

「……お前も出せ」

「……チッ」

皮肉のつもりか、トウカらに聞こえる舌打ちをして、もう二つのリングが足元に転がる。トウカは一瞬躊躇った後に、拾い上げる。

「さて。これで用済みね」

「……行こう」

「えぇ。そうね」

追ってきたら殺す、と言わんばかりの眼で彼らを一瞥したヤヨイの足取りは軽く、来た道を戻る。

トウカはその場の立ち止まり、申し訳なさそうに頭を下げてその後を追う。

取り残された二人は、暫く動けそうになかった。


【安価です。
奇数:「なに、この数字」
偶数:狙撃
ゾロ目:???
下1のコンマ1桁でお願い致します。】
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 23:18:09.04 ID:IQsOdQ120
317 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/18(水) 22:28:31.26 ID:/hGS2DuoO

>>316 「4」狙撃
数字に気がつく前に強制イベントです
申し訳ありませんが、ヤヨイ編を導入だけです】

「これでリングが四つになった訳だけれど───」

よほど機嫌が良いのか、二つのリングをファッションの一部として右の細腕に通したヤヨイは、金属が擦り合う音を立てながら振り向く。

これからどうしよう、と尋ねるつもりだったのか。あるいは振り返った前方、トウカの後ろに残るエイスのメンバーに敵意が無いことを念のため確認しようとしたのかもしれない。

それが功を奏し、一瞬だけ判断が早まる。

「ごめんッ!」

力強い一歩を踏み出し、ヤヨイはその場でトウカを押し倒し、自分もその上にうつ伏せる。唐突にコンクリートに背を打ち付けたトウカは呻き声を上げ、そんなつもりは無くても睨むような視線を向けてしまう。

「な、」

なんで、なぜ、どうして。

そんな言葉が口から出る前に、一発の銃声が響く。

ほんの少し離れた距離で男の呻き声が聞こえたかと思ったら、ばたりと膝立ちしていたおよそ男性程度の体重が地に伏せる音が聞こえる。
318 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/18(水) 22:29:04.41 ID:/hGS2DuoO

その直後、再び全く同じ音がする。

「な、に……?」

「押し倒しておいてアレだけれど、一瞬だけ目を瞑ってて。めちゃくちゃ光るよっ!」

「ひっ…」

言われた通りトウカは目を瞑り、ヤヨイは密着していた身体を少し起こして光を纏った右手を振るう。

光は塊となって三メートルほど前方へと放たれ、強烈な閃光を辺りに撒き散らす。

「早く、今のうちに」

起き上がったヤヨイはトウカの手を引き、無理にでも狙撃の無い路地裏へと引き寄せる。

目眩しの時間は極わずかで、距離は稼げなかったものの、なんとか路地裏に身を隠したヤヨイは安堵をつく。

「も、もういい?」

「ん。ああ、うん。いいよ目を開けて」

目をゆっくり開けたトウカは何度か瞬きをした後、なにが起こったのかを尋ねる。
319 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/18(水) 22:29:32.61 ID:/hGS2DuoO

「狙撃。最初に狙われたのはさっきの人たちね。私たちも危なかったのよ? どうして先に手負いじゃない方を残したのかは分からないけれど」

「……さっきの人」

「もうダメ。諦めて」

複雑な表情をして俯くトウカの背を叩き、ヤヨイは改めて手を引き、入ってきた方とは別の表通り付近で様子を伺う。

「角度的にこっちに出ればすぐ狙撃されることは無いはず。さっさと逃げましょう。せっかく手掛かりが見つかったんだから、クリアを目指さないと」

「そう、だね。……うん」

頭を二、三振って、頬を両手で二回叩く。

深呼吸をした後に、持っていたリング二個を見る。

「でも、これ───いッ!」

人差し指と親指で摘んでいたリングが弾き飛ばされる。極々細いリングに、弾が当たったのだと理解するまでそう時間は要さなかった。

「はやくっ!」

リングがある限り位置は特定され続ける。
320 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/18(水) 22:30:35.59 ID:/hGS2DuoO

ヤヨイはその場にリングを捨て、来た方とは逆の表通りへと足を急ぐ。

「(さっき撃ってきた方向とは別……!? 射撃手は二人か、それ以上か。まずいわね)」

トウカの手を引きながら表通りに出て、とにかく遮蔽物に囲まれた道を通るように言いつけて走らせる。

次の射撃が来るまでの間に周囲を見渡し光源を探す。

表通りだけあってお店はずっと先の交差点まで軒並んでいて、ほとんどのお店から照明が溢れている。街灯もすべて正常に眩い光を灯していた。

「(光はある。あとは何処から……)」

最寄りの街灯に両手が触れると、手の周りに光が集まる。触れ続けるほどその光は大きくなる。

ある程度の光を集めた後、お店を背にして敵の狙撃を待つ。敵の位置を知る方法は狙撃された方向から逆探知しかない。

ただ、一度目と二度目の狙撃されたであろう位置が違いすぎるのが引っかかる。敵の数が分からない以上、強気な行動は憚られた。

「(ターゲットが私になっていてくれればいいけれど。あの子は……)」

先に見せた射撃センスと思い切り、動体視力を鑑みるにそう簡単にやられるような人じゃない。

そう理解していても、やはり攻撃系のシギルが無いとこの先の戦闘が思いやられた。


【ひとまずここまでです。】
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/18(水) 22:32:42.62 ID:fUtVmw2e0
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/09/15(火) 12:37:53.20 ID:mdqlYmx/O
当然のように依頼も出さずに放置か
板のルールも守れない奴はSS書くなよ
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 12:54:17.94 ID:yo8ax5B9O
新規はこの板にルールがある事自体知らないんじゃねえの
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