【安価】ダーウィンズゲーム

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312 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/16(月) 23:15:45.76 ID:k67MsawoO
>>311 「8」「もう十分よ。あなたの覚悟は伝わった」】

────あと、少しッ!

僅かな間に死線を二回潜り抜ければ、無事彼らの元へと辿り着くことができる。

ただし辿り着いたところで二人は足を怪我しているのみ。素手の取っ組み合いでは分が悪いかもしれない。

それでも、まずは彼らの元に辿り着かなければ何も始まらなかった。拳銃は勢い余って走り出しと同時に捨てている。トウカに出来ることは持ち前の身体能力と動体視力を活かした技しかない。

こんなことなら拳闘倶楽部の中をもっと視察していれば良かった、と後悔を抱きながら一歩一歩を強く踏みしめる。

「おい、早く撃てッ!」

「あぁっ、くそ、ちょこまかと……!」

二人の声がはっきりと聞こえるところまで来た。
313 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/16(月) 23:16:11.30 ID:k67MsawoO

あと七、八歩で辿り着く。

しかし拳銃を持った男は生け捕りを諦めたのか、大まかに狙いを定めて引き金を引こうとする。

「死ねッ、くそ野郎……!」

発砲音が鳴ることはなかった。

トウカの後ろから幾つかの光の筋が彼らの四肢を目にも留まらぬ速さで撃ち抜いたからだった。

「がッ……これ、はァ……ッ?」

光の筋は肉と骨を突き抜け、向こうへと消える。両肩と両足に極小の風穴が開き、彼らは悶え苦しむ。

表紙に拳銃を落とし、溜めていた火球は霧散する。

何が起こったのかはトウカにも分からず、立ち止まって振り返ろうとしたとき、

「もう十分よ。あなたの覚悟は伝わった」

隣から声をかけられ、ビクッと身体を震わせる。

「はや」

「言ったでしょう。私も運動神経には自身があるって」

「それにしても……」

トウカは走り出してから後ろを振り返っていない。確かなことは言えないが、声をかけられるまでは拳銃を捨ててきたところに残っていると思っていた。
314 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/16(月) 23:16:37.51 ID:k67MsawoO

「足音もしなかったような…」

「言ってなかったけれど、ウチって忍者の家系だから。忍び足とかしちゃうのよね」

「ほんと?」

「嘘に決まってるじゃない」

真面目ね、と苦笑したヤヨイは先導して地に膝をついて悶える彼らの元へと辿り着く。

痛みに耐えながらも、その眼だけは確かなものだった。ギラギラとした眼で少女二人を睨む彼らに、ヤヨイはふっと笑う。

「リングを出しなさい。あとついでに貴方達のリーダーが何をしようとしているのかも」

「誰が喋るかよ……。リングはやらねぇ。喋らねぇ。さっさと失せろッ!」

「残念だけれど、私の主義は生易しいものじゃないの」

「あぁ?」

「テイクアンド……ギブ? もう一回テイクだったかしら。ほら、貴方達のリーダーが日頃から言っているアレよ」

「ふざけッ!」

腕の痛みを耐えて右手を大きく振りかぶるが、腕は伸び切らず、苦笑しながら見下ろす彼女に触れることも無かった。
315 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/16(月) 23:17:13.27 ID:k67MsawoO

振りかぶる直前で男の腕の半分程度の細い手によって制止されていたからだ。

「リングを渡して」

「……殺さないでくれ」

「約束する」

トウカの真摯な一言に、男はまともに動かせない左手でズボンのポケットの中を探る。数秒後に二つのリングが地に転がったのをヤヨイが拾う。

「……お前も出せ」

「……チッ」

皮肉のつもりか、トウカらに聞こえる舌打ちをして、もう二つのリングが足元に転がる。トウカは一瞬躊躇った後に、拾い上げる。

「さて。これで用済みね」

「……行こう」

「えぇ。そうね」

追ってきたら殺す、と言わんばかりの眼で彼らを一瞥したヤヨイの足取りは軽く、来た道を戻る。

トウカはその場の立ち止まり、申し訳なさそうに頭を下げてその後を追う。

取り残された二人は、暫く動けそうになかった。


【安価です。
奇数:「なに、この数字」
偶数:狙撃
ゾロ目:???
下1のコンマ1桁でお願い致します。】
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/16(月) 23:18:09.04 ID:IQsOdQ120
317 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/18(水) 22:28:31.26 ID:/hGS2DuoO

>>316 「4」狙撃
数字に気がつく前に強制イベントです
申し訳ありませんが、ヤヨイ編を導入だけです】

「これでリングが四つになった訳だけれど───」

よほど機嫌が良いのか、二つのリングをファッションの一部として右の細腕に通したヤヨイは、金属が擦り合う音を立てながら振り向く。

これからどうしよう、と尋ねるつもりだったのか。あるいは振り返った前方、トウカの後ろに残るエイスのメンバーに敵意が無いことを念のため確認しようとしたのかもしれない。

それが功を奏し、一瞬だけ判断が早まる。

「ごめんッ!」

力強い一歩を踏み出し、ヤヨイはその場でトウカを押し倒し、自分もその上にうつ伏せる。唐突にコンクリートに背を打ち付けたトウカは呻き声を上げ、そんなつもりは無くても睨むような視線を向けてしまう。

「な、」

なんで、なぜ、どうして。

そんな言葉が口から出る前に、一発の銃声が響く。

ほんの少し離れた距離で男の呻き声が聞こえたかと思ったら、ばたりと膝立ちしていたおよそ男性程度の体重が地に伏せる音が聞こえる。
318 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/18(水) 22:29:04.41 ID:/hGS2DuoO

その直後、再び全く同じ音がする。

「な、に……?」

「押し倒しておいてアレだけれど、一瞬だけ目を瞑ってて。めちゃくちゃ光るよっ!」

「ひっ…」

言われた通りトウカは目を瞑り、ヤヨイは密着していた身体を少し起こして光を纏った右手を振るう。

光は塊となって三メートルほど前方へと放たれ、強烈な閃光を辺りに撒き散らす。

「早く、今のうちに」

起き上がったヤヨイはトウカの手を引き、無理にでも狙撃の無い路地裏へと引き寄せる。

目眩しの時間は極わずかで、距離は稼げなかったものの、なんとか路地裏に身を隠したヤヨイは安堵をつく。

「も、もういい?」

「ん。ああ、うん。いいよ目を開けて」

目をゆっくり開けたトウカは何度か瞬きをした後、なにが起こったのかを尋ねる。
319 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/18(水) 22:29:32.61 ID:/hGS2DuoO

「狙撃。最初に狙われたのはさっきの人たちね。私たちも危なかったのよ? どうして先に手負いじゃない方を残したのかは分からないけれど」

「……さっきの人」

「もうダメ。諦めて」

複雑な表情をして俯くトウカの背を叩き、ヤヨイは改めて手を引き、入ってきた方とは別の表通り付近で様子を伺う。

「角度的にこっちに出ればすぐ狙撃されることは無いはず。さっさと逃げましょう。せっかく手掛かりが見つかったんだから、クリアを目指さないと」

「そう、だね。……うん」

頭を二、三振って、頬を両手で二回叩く。

深呼吸をした後に、持っていたリング二個を見る。

「でも、これ───いッ!」

人差し指と親指で摘んでいたリングが弾き飛ばされる。極々細いリングに、弾が当たったのだと理解するまでそう時間は要さなかった。

「はやくっ!」

リングがある限り位置は特定され続ける。
320 : ◆yOpAIxq5hk [saga]:2020/03/18(水) 22:30:35.59 ID:/hGS2DuoO

ヤヨイはその場にリングを捨て、来た方とは逆の表通りへと足を急ぐ。

「(さっき撃ってきた方向とは別……!? 射撃手は二人か、それ以上か。まずいわね)」

トウカの手を引きながら表通りに出て、とにかく遮蔽物に囲まれた道を通るように言いつけて走らせる。

次の射撃が来るまでの間に周囲を見渡し光源を探す。

表通りだけあってお店はずっと先の交差点まで軒並んでいて、ほとんどのお店から照明が溢れている。街灯もすべて正常に眩い光を灯していた。

「(光はある。あとは何処から……)」

最寄りの街灯に両手が触れると、手の周りに光が集まる。触れ続けるほどその光は大きくなる。

ある程度の光を集めた後、お店を背にして敵の狙撃を待つ。敵の位置を知る方法は狙撃された方向から逆探知しかない。

ただ、一度目と二度目の狙撃されたであろう位置が違いすぎるのが引っかかる。敵の数が分からない以上、強気な行動は憚られた。

「(ターゲットが私になっていてくれればいいけれど。あの子は……)」

先に見せた射撃センスと思い切り、動体視力を鑑みるにそう簡単にやられるような人じゃない。

そう理解していても、やはり攻撃系のシギルが無いとこの先の戦闘が思いやられた。


【ひとまずここまでです。】
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/03/18(水) 22:32:42.62 ID:fUtVmw2e0
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