主人公「安価とコンマで武装探偵社の一員として活動する」【文豪ストレイドッグス】

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127 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 15:24:44.26 ID:b04RdqGBO
お久しぶりです。それでは始めます。
128 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 15:25:25.46 ID:b04RdqGBO





第三話【いのちいっぱい】




129 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 15:33:05.69 ID:b04RdqGBO
司馬「うーむ……」

西尾「……どうしたんだい先刻(さっき)から。何やらずっと資料を見て唸っているようだけど」

司馬「推理ですよ」

西尾「推理?」

司馬「先日の宮部さんの活躍を見て、俺も探偵みたいに推理したいなと思いまして」

西尾「成程ねぇ……。で、その結果は?」

司馬「何にも判りません……」

西尾「だろうね……」

宮部「あ! お前が持ち出してたのか司馬!」ボコッ!!

司馬「あ痛ッ!」

宮部「人の机から勝手に資料持ち出すんじゃないよ! これはアタシの仕事なんだから!」

西尾「勝手に持ち出したのか。司馬君も中々やるね」

二葉亭「そんな事を褒めるな」ビシッ!!
130 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 15:40:58.76 ID:b04RdqGBO
宮部「まったく……」ハァ……

宮部「アンタが探偵として自分に何か出来る事が無いか模索するのは悪いとは思わないよ」

宮部「けどね、闇雲に真似すりゃ良いってモンじゃないよ」

司馬「うっ……そ、それは確かにそうなんですけど……」

司馬「でも俺、早く一人前になりたくて……」

西尾「司馬君……!」



西尾「それは思い上がりも甚だしいね!」

司馬「暴言!?」ガーン!!

鎌池「テメーは新人なんだからよォ……他の奴等がどんな仕事してンのか見て、それから自分がどんな事すればいいのか考えりゃいいじゃねェか」

鎌池「そう言いたいンだろ? 司馬」

西尾「まーそんな感じそんな感じ」ケラケラ

二葉亭「相変わらず適当な……!」



相田「では……私の仕事に同行しますか?」


全員「「「!?」」」
131 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 15:53:23.91 ID:b04RdqGBO
司馬「い……いいんですか?」

相田「ええ、私なんかの仕事が参考になるかは判りませんが」

相田「二葉亭さん、構いませんよね?」

二葉亭「えっ!?」

二葉亭「あ、ああ……い、いいんじゃないか?」

司馬「本当ですか! ありがとう御座います!」

相田「それでは早速向かいましょうか。現場は此処から近い場所です」

司馬「はい! よろしくお願いします!」


タッタッタッ……


鎌池「……オイ二葉亭。ホントにイイのかよ?」

二葉亭「良い訳無かろう……。相田さんの捜査方法は特殊だ、新人の司馬には少々刺激が強い」

二葉亭「しかし……相田さんの提案を無碍には出来ん」

宮部「相田……怒らせると怖いからな」

二葉亭「うむ……」

西尾「ふふふ……相田君と一緒にお仕事なんて、司馬君どうなっちゃうんだろうねぇ……」

鎌池「楽しそうに笑いやがッて……」
132 : ◆WlXBYBXWS3zL [sage]:2020/06/07(日) 15:55:29.34 ID:b04RdqGBO
[場面転換中───]


相田「今日は殺人事件について調べます。頑張りましょうね」

司馬「はい!」

相田「と云っても、犯人は既に捕まっているんですよね」

司馬「えっ、それじゃあ……一体何を調べるんですか?」

相田「犯人は薬物によって錯乱状態でした。その薬物の販売元を突き止めてくれという依頼です」

相田「市警も当然頑張っていますが、矢張り限界がありますからね。そこを補うのが我々探偵社です」

司馬「成程……」

司馬「では、早速何を?」

相田「そうですね……聞き込みをしたいのですが……」

相田「おや、丁度良い人を見つけました。彼にしましょう」スタスタ……

司馬「……?」
133 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 15:57:36.92 ID:b04RdqGBO
相田「やぁ、どうも。お加減の方は如何です?」

チンピラ「!?」ビクッ!!

チンピラ「よ、よよよよぉ! あ、ああ、げ、元気だぜ!」

司馬(? 何でこの人そんなに怯えてるんだ……?)

司馬(探偵社って結構恐れられているのかな……)

相田「少し質問よろしいでしょうか?」

チンピラ「お、おう! 何でも聞いてくれ!」

相田「最近この辺りで殺人事件がありましたよね?」

チンピラ「ああ……あの事件か」

相田「その犯人が使用していた薬物について調べているのですが、何か知りませんか?」

チンピラ「知っている……と云えば知ってるけどよ……」

相田「教えて下さい」ずいっ

チンピラ「うおっ!? た、大した事は知らねぇぞ!?」

チンピラ「ここらであの薬物売ってる奴らっつったら、工場区の裏通りで屯(たむろ)してる互助青年会しかいねぇ」

チンピラ「そこに寄合所があんだよ。販売もそこらでしてるだろうさ」

司馬「青年会?」

司馬(懐かしい……俺も参加してたなぁ……)

相田「都会風に云うと……えーと……何でしたっけ?」

チンピラ「『ギャング』だな」

司馬「えっ」

司馬(都会じゃあ青年会ってギャングの事なの!?)ガーン!!

余談だが、司馬の参加していた互助青年会は断じてギャングではない。村の平和を守る自治組織である。
134 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 16:07:15.89 ID:b04RdqGBO
相田「判りました。ありがとう御座います」

チンピラ「お、おう! また何でも聞いてくれよな!」タッタッタッ……

司馬(足早に去って行った……)

相田「では、行きましょうか」

司馬「? 何処に?」

相田「その青年会が居る場所にです」

司馬「えっ!? い、いきなりですか!?」

司馬「だ、大丈夫なんでしょうか……?」

相田「ふふ……大丈夫ですよ。見ていて下さい」

相田「私の捜査のやり方を……ね」


[場面転換中───]


相田「失礼します」ガララ……

ギャング1「!? 何だテメェは!?」

相田「いえ……少し聞きたい事がありまして」

相田「ここ最近で殺人事件がありましたね? その犯人はとある薬物を使用していたのですが……」

相田「その薬物が此処で販売されていると聞きまして……」

ギャング2「……何だ? 欲しいのか?」

相田「いや、そういう訳では」

ギャング1「んだとォ!? じゃあ何で来やがった!」

ギャング3「……警察か何かか? 残念だったな。此処にはそんな薬物は無い」

ギャング4「まっ……というより見つけられねェって話だがな! ブツが見つからなければ捕まらねェんだわ! ギャハハハハハ!」

ギャング5「帰れや莫迦が! テメェなんかの相手してる暇はねェんだよ!」

相田「そうですか……」

相田「……仕方ありませんね」スッ……

そう云って、相田が取り出したのは……
135 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 16:09:09.28 ID:b04RdqGBO



司馬「……何ですかそれ」

相田「これですか? 短機関銃(サブマシンガン)です」

司馬「えっと……銃、ですかね?」

相田「おや、ご存知無い?」

司馬「すいません……おれ、田舎育ちなんで……」

相田「成程……では見ていて下さい」

相田「───こう使うんですよ」カチッ


バババババババ───ッ!!!


ギャング達「「「ぎゃああああああ───っ!!?」」」


司馬「……!?」

136 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 16:11:54.39 ID:b04RdqGBO
ギャング達に、銃弾の雨が炸裂する。それは正確にギャングの腕を、足を、腹を貫いていく。


最初は抵抗しようとしていた彼らだが、次第に一人ずつ動かなくなり……


相田「ふう……こんなものでしょうか」

相田「さて……では、そこの貴方」

ギャング1「あ……ああ……!」

相田「痛いですか?」

ギャング1「ああ、ああ……!」コクコク!!





相田「───治してあげましょうか?」





ギャング1「……!?」

相田「貴方達の長を教えて下さい。そうしたら助けてあげましょう」

ギャング1「あ、あああ……!」

相田「……彼ですか」

相田「教えて頂きありがとう御座います。では……」


相田(───『にんげんだもの』!)パアア……!!


ギャング1「……!?」

ギャング1「あ……ああ…………」

ギャング1「……あれ? 傷が……無い?」

相田「はい、治しておきました」

ギャング1「あ、アンタ……能力者か……!」

相田「他の皆さんも治しておきます。その代わり、貴方は直ぐに警察の処に行って自首しなさい。ここの場所も教える事。判りましたね?」

ギャング1「あ……あああ……!」コクコクコクコク!!

ギャング1「ひ……ひいいいいいっ!」ダダッ!!

相田「……では他の人達にも……」パアア……!!
137 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 16:15:59.46 ID:b04RdqGBO
司馬(こ、これが……相田さんの捜査方法……!?)

司馬(……怖ッ!!)ガガーン!!

司馬「……あのー……」

相田「? どうしました?」

司馬「……普段からこういう捜査を?」

相田「ええ、そうですね」

司馬「……先刻(さっき)の男にも?」

相田「はい、よく判りましたね。彼は以前の事件で私が撃って治した相手です」

司馬(だからさっきの男は怯えていたのか……殺されかけた事があるから……)



相田「さて……」

ギャング3「チッ……!」

相田「貴方が長ですね? 少々お話し宜しいですか?」

ギャング3「お前……何者だ!?」

相田「私は武装探偵社の者です。市警の依頼で貴方達を調べに来ました」

ギャング3「“調べ”に!? “殺し”に間違いじゃないのか!?」

相田「? 何を云うんですか。ちゃんと治してあげたでしょう」

相田「薬物で数多の人生を壊してきた貴方達には何も云う権利はありませんよ」

ギャング3「クッ……!」


ギャング3「クソッ!」ブンッ!!


相田「うわっ!?」バキッ!!


司馬「相田さん!」


ギャング3「……!」ダッ……!!


相田「イタタ……」

司馬「大丈夫ですか!?」

相田「ええ、私は大丈夫です。少し痛いですが治せますからね」

相田「それより、今の人を追って下さい! 私はあまり体力には自信が無いので……!」

司馬「判りました!」ダダッ!!
138 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 16:19:52.18 ID:b04RdqGBO
[場面転換中───]


ギャング3「ハァ……ハァ……!」

ギャング3「クソ、しくじった……! 何処かに逃げないと……!」



???「───おい」



ギャング3「!?」

???「お前か? この辺りで違法に薬物売買してるってのは」

ギャング3「チッ! お前も武装探偵社か!?」

???「……あ?」

???「テメェ……今何つった?」

ギャング3「……!」ゾクッ……!!

ギャング3(何だこの威圧感……!)

???「オレを武装探偵社みてぇな奴等と一緒にすんじゃねぇよ」

???「……まぁ、あの人の予測が外れる訳ねぇし、此奴でいいか」

ギャング3「な、何の話だ……!?」

???「ウチのシマ荒らした奴には制裁加えねぇといけねぇんだ。悪く思うなよ」チャキ……

ギャング3「! お前、まさかポート───!」


バァン!!!


ドサッ……


???「……ガタガタうるせぇな」

黒服1「馳さん!」

???→馳「何だ」

黒服1「ウチに許可取らずに勝手に売っていた薬物を発見しました」

黒服2「ですが……他のギャング達は駄目です。武装探偵社に先を越され、全員警察に……」

馳「ウチの方でブチ殺したかったが……まぁいい。薬物は手に入ったしな。ずらかるぞ」

馳(……毎度毎度邪魔してくれやがって。武装探偵社さんよォ……!)
139 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 16:27:05.61 ID:b04RdqGBO
[場面転換中───]


司馬(その後、市警の働きでギャング達は逮捕された)

司馬(そのギャング達のトップは俺が見つけた時には既に殺されていた……犯人はまだ捕まっていない。候補が多過ぎるのだそうだ)

司馬(薬物もすっかり無くなっていたらしい。が、薬物売買のルートを示す書類はいくつか残っていたらしく、それに基づいて市警が捜査をするようだ)

司馬(完全に達成とは云えないが、相田さんはかなりの仕事をしたと云える)

司馬(……云えるけど……)



司馬「はぁ……」ぐったり……

西尾「おやおや、どうしたんだい?」ニタニタ

司馬「西尾さん……判ってましたね? 相田さんの捜査方法!」

西尾「探偵社は皆知っているよ」

司馬「どうして話してくれなかったんですか!」ガタッ!!

西尾「直接見た方が良いと思ってね。相田さんの捜査は勉強になったでしょ?」

司馬「参考になんかできませんよ! あの人は特別でしょ!」

二葉亭「其処に気付けただけ良い」

宮部「違いないねぇ」
140 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 16:29:26.80 ID:b04RdqGBO
相田「戻りました」ガチャ

司馬「!」ビクッ!!

相田「? どうしました? 怪我でもしましたか?」

司馬「い、いえいえ!」

相田「何故逃げるんですか? ねぇ、司馬さん」

司馬「何でもありません! 何でもないので大丈夫です!」

相田「逃げないで下さいよぉ……司馬さぁん……」

司馬「ごめんなさい!ごめんなさい!」うわああああっ……!

西尾「あっはっはっはっ!」ゲラゲラ!!

宮部「まったく……笑ってんじゃないよ西尾」

鎌池「……いいのかよアレ」

二葉亭「放っておけ。その内司馬も慣れるだろう」

西尾「あっはっはっはっはっはっはっ!」ゲラゲラ!!

二葉亭「貴様は黙れ!」グワッ!!





第三話【いのちいっぱい】了



【次に交流する登場人物(キャラクター)を選択して下さい。選択した安価のコンマが50以上だと、新しい登場人物(キャラクター)が現れます。】

壱.西尾維新
弐.宮部みゆき
参.相田みつを
肆.鎌池和馬
伍.二葉亭四迷

↓1
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 16:29:36.19 ID:lWAVzDM40
4
142 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/07(日) 16:37:45.63 ID:b04RdqGBO
4選択で本日は此処まで。次回は鎌池和馬との交流になります。お疲れ様でした。


では、登場人物(キャラクター)の安価です。時代も国籍も問いません。誰かしらの文豪を基にした登場人物(キャラクター)をお願いします。

尚、登場人物(キャラクター)の安価は今回で一区切りとします。今後は展開が進む毎に「もうちょいキャラクター欲しいな……」と>>1が判断した場合に行います。

名前:
性別:
能力名:
容姿:
性格:
喋り方:
備考:

↓10くらいまで。上記のテンプレをご利用ください
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 16:43:08.88 ID:lWAVzDM40
昨日に引き続き乙

名前:J・K・ローリング
性別:女
能力名:ハリー・ポッター
容姿:スタイル抜群の金髪ブロンド美人
性格:異能力者至上主義であり非能力者を穢れた血と呼び蔑む
喋り方:高圧的
備考:スラム街出身
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 16:44:27.12 ID:PhU0gUkX0
 名前:新橋遊吉
  性別:男
能力名:競馬必勝法
  容姿:目鼻立ちはいいが出っ歯で薄気味悪い
  性格:芸人のようにおちゃらけている
喋り方:上方弁を使う。パーマン4号みたいな感じ
  備考:ギャンブルでトラブルは起こさない
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 16:57:11.95 ID:z/1RBZil0
名前:アーサー・C・クラーク
性別:男
能力名:幼年期の終わり
容姿:銀の髪と瞳、シックなスーツ
性格:思慮深いがややロマンチストな面がある
喋り方:技術者めいた実直な話し方
備考:バイセクシャル
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 17:07:27.24 ID:PhU0gUkX0
  名前:アーサー・C・ドイル
 性別:男
能力名:緋色の研究
  容姿:角刈りの赤毛でちょび髭。常に
      返り血だらけの白衣をまとう
  性格:冷静沈着
喋り方:ツッコミが強烈。相手には常に君付け
  備考:医術も使えるが相田のせいで出番なし
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 17:13:26.68 ID:20KHzY4qO
名前:伊坂 幸太郎
性別:男
能力名:魔王
容姿:父親ゆずりの目つきの悪さに、母親ゆずりの赤髪を持つ学ランの高校生
性格:小さな不正や悪でも見逃せない正義感のため周囲から疎まれる。両親は精神障害により無罪となった犯罪者に殺され、友達も理解者もおらず、常に孤独感に苛まれている
喋り方:なし
備考:裁かれない悪人に私刑を加えるダークヒーロー
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 17:28:47.12 ID:kDDReCP40
名前: 吾峠 呼世晴(ごとうげ よしはる)
性別:女
能力名:『鬼滅の刃』
容姿:ピンクの着物に若草色の行燈袴を着用した女学生のような格好、黒髪ロング
性格:普段はお淑やかで清楚だが、戦闘時は恐ろしく冷静・冷酷かつ残忍、根っからの戦闘狂
喋り方:丁寧な敬語
備考: 元々は良家のお嬢様で、一子相伝の剣術を獲得している
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 17:34:53.18 ID:SxwtM6LrO
名前:鶴見済
性別:男
能力名:完全自殺マニュアル
容姿:紺色の帽子、紺色の甚平、赤紐の下駄を履いた無精髭のおじさん
性格:皮肉屋、死こそ救済であるという思想を持つ
喋り方:胡散臭い喋りで、一人称はあっしで二人称はお前さん
備考:通り名は『自殺屋』
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 17:50:42.11 ID:O9lqV3dTO
名前:ウォルト・ディズニー
性別:女
能力名:4つのC
容姿:どこにでもいるような少女
性格:明るく快活、諦めることを知らない
喋り方:大げさなくらいリアクションをとる
備考:感情が高ぶるといきなり歌い出す
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 18:05:23.70 ID:fDi9IiU90
名前:トマス・ハリス
性別:男
能力名:羊たちの沈黙
容姿:10代前半くらいの金髪で端正な顔立ちを持つ異国の少年。服装は白いシャツにサスペンダーで吊るした半ズボン
性格:いわゆるサイコパスでIQも非常に高い。
喋り方:無邪気な少年らしい口調だがどこか普通とは違う
備考:孤児院育ちだが、自分以外の人間を皆殺しにして逃亡している(警察などには強盗に入られたように見せかけ、自分も攫われたように工作している)
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 18:33:21.94 ID:P4FqWPROo
名前:平沢進
性別:男
能力名:救済の技法
容姿:年齢不詳、黒のズボンに黒のコート
性格:独特の感性を持っていて頑固でマイペース
喋り方:一人称はヒラサワ、難解でこねくり回した話し方
備考:本人の意図から逸れて祭り上げられがち
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/07(日) 18:42:11.75 ID:dExWPqmT0
乙!次回も楽しみにしています

名前:吉本 ばなな(よしもと ー)
性別:女
能力名:『キッチン』
容姿:黄色いワンピースを纏った小学校低学年くらいの可愛らしい少女
性格:天真爛漫で無邪気。食べることが大好き
喋り方:一人称は「ばなな」。ひらがな多めで喋る。たまに大人みたいな語彙が飛び出すことがある
備考:基本的にバナナやキャンディなど何かしらの食べ物を持っている。かなりの量を食べるがさほど太らない
154 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/21(日) 23:11:56.68 ID:BHtf04LXO
二週間経ったので生存報告です。もう二週間は空かないと思います。よろしくお願いします。
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/21(日) 23:28:50.47 ID:2PgRIKiI0
了解
楽しみに待ってます!
156 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 11:54:33.82 ID:5L45g3BIO
まだ昼ですが始めます。
157 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 11:56:38.97 ID:5L45g3BIO
司馬「おはよう御座いまー……」

司馬「あれ?」

鎌池「よォ司馬。相変わらず朝早ェな」

司馬「鎌池さん一人ですか?」

鎌池「アァ。今日は偶々オレだけ暇なンだわ」

鎌池「宮部は相田と仕事で昨日からいねェし、二葉亭は大手の依頼人(クライアント)の処だし、他の奴等も出払ってンだよ」

司馬「……一応聞いておきますけど、西尾さんは?」

鎌池「……さっき土手に埋まッてたぞ」

司馬「……想定内ですね」

司馬「そうなると、今日は仕事無いのか……」

鎌池「いいンじゃねェの、そういう日が有っても。ウダウダ出来る時間も貴重だぜ」

鎌池「オレも今日は当直だけだしな。やる事ねェから昼寝でもするか」

司馬「まだ朝ですよ……」


ガチャ


少女「すいませーん」

司馬「?」

鎌池「あ?」

少女「こんにちは! 武装探偵社の人ですか?」

司馬「うん、そうだよ。どうしたの?」



少女「迷子になったの! 助けて!」


司馬・鎌池「「迷子ォ?」」
158 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 11:57:23.33 ID:5L45g3BIO





第四話【とある二人の連続不幸(アンラッキー)】





159 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 12:00:36.79 ID:5L45g3BIO
司馬「じゃあ御嬢ちゃん、名前は?」

少女→ゆーか「わたしはね、えっと……ゆーか! ゆーかです!」

司馬「ゆーかちゃんね。名字は判るかな?」

ゆーか「うーん……何だっけ……」

鎌池「…………オイ」

司馬「どうしました?」

鎌池「……確かに、迷子を送り届けるのだッて立派な依頼だよ。それは認める」

鎌池「だけど、何でオレまで行かなきゃならねェンだよ」

司馬「仕方ないじゃないですか。俺はヨコハマに来たばかりで、此処ら辺の地理知らないんですから」

鎌池「そンな状態で安請け合いすンなよ!」

司馬「いいじゃないですか! 手伝って下さいよ!」

鎌池「手伝わねェとは云ッてねェだろ!」

鎌池「ッたく……ンでテメー、親は何処に居ンだよ」

司馬(ガラが悪いなぁ……)
160 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 12:34:53.77 ID:5L45g3BIO
ゆーか「んとね、おとーさんは家に居ないの。病院にいるの」

ゆーか「そしたら判んなくなっちゃった」

鎌池「病院だァ?」

司馬「つまり……お父さんの御見舞いをしようと家を出たけど、道に迷っちゃったんだね?」

ゆーか「うん! そう!」

鎌池「良く判るなオマエ……」

司馬「じゃあ、お父さんの居る病院に行こうか。名前は判るかな?」

ゆーか「判んない……」

司馬「そっか……」

鎌池「……オヤジがいる病院はデケェか?」

ゆーか「うーん……多分おっきいと思う」

司馬「大きさに何か関係が……?」

鎌池「此処ら辺でデカい病院つッたら一つしかねェンだよ」

鎌池「取り敢えず其処に行ッてみるぞ。テメーのオヤジがいるかもしれねェ」

鎌池「ホラ、ついてこいガキ」

ゆーか「!」

ゆーか「うん! ありがと、おじちゃん!」

鎌池「おじちゃんじゃねェ! どう見てもオニイサンだろうが!」ビシッ!!

司馬「ふふっ……」

鎌池「あ……? テメー笑ったな?」

司馬「わ、笑ってないですよ」プルプル……

鎌池「肩震わせてンじゃねェか!」

鎌池「ッたく……フザケやがッて……」

鎌池「……あ?」

司馬「? 如何(どう)しました?」

鎌池「……彼処にいる黒服の奴等、オレ達の方に走ッて来てねェか?」

司馬「えっ……?」



黒服1「居たぞ! 彼処だ!」タッタッタッ!!

黒服2「捕まえろッ!」タッタッタッ!!

黒服3「絶対に逃がすんじゃないぞ!」タッタッタッ!!
161 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 12:39:58.97 ID:5L45g3BIO
司馬「お、俺達が標的(ターゲット)みたいですね……!?」

鎌池「敵かァ? 確かに武装探偵社は裏の奴等から恨みを買う事はあるけどよ……」

ゆーか「……!」

ゆーか「おじちゃん! 司馬! 逃げよう!」

鎌池「だからおじちゃんじゃねェ!」

司馬「というか、俺、呼び捨て……?」

ゆーか「早く! 早くしないと捕まっちゃう!」

鎌池「チッ……! 仕方ねェ、捕まってろよガキ!」ガシッ!!

ゆーか「きゃっ……!」

鎌池「司馬! お前も早く来い! 逃げンぞ!」タタタッ……!!

司馬「は……はい!」タタッ!!


黒服4「逃げたぞ! 捕まえろ!」タタタッ!!

黒服5「待て───っ!」タタタッ!!
162 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 12:49:19.68 ID:5L45g3BIO
鎌池「クソッ……! 何なンだよアイツらは……!」

鎌池「おいガキ! 何でテメーが追われてンだよ!?」

ゆーか「うーん、わかんない!」

鎌池「少しは考えろッ!」

ゆーか「それよりも早くおとーさんの処に連れてって!」

鎌池「テメーなァ……!」


バキュン!!


三人「「「!?」」」

司馬「は、発砲して来ましたよ!?」

鎌池「マズいな……! オレの異能は戦闘向きじゃねェンだよな……!」

司馬「俺もまだ異能力は使わないでおきたいです……!」

鎌池「じゃあ、どうすッかな……!」


ブロロ……!!


鎌池「!」

鎌池「司馬! あの貨物自動車(トラック)に乗ンぞ! 荷台に飛び込め!」

司馬「!? 走ってる貨物自動車(トラック)にですか!?」

鎌池「先ずはテメーが飛び込め! その後にこのガキ連れてオレが行くから手伝え!」

司馬「わ……判りました!」
163 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 13:09:59.75 ID:5L45g3BIO
司馬「行くぞ……!」ググッ……!!


タンッ……!!


司馬「うわッ!?」ドサッ!!

司馬「ぎ、ギリギリ乗れた……!」

司馬「鎌池さん! 来て下さい!」

鎌池「おっしゃあ……! 気合入れンぞ……!」

鎌池「うらああああ───っ!」タンッ……!!



ドサッ!!

鎌池「……あ、危ねェ。マジでギリギリだった……」

司馬「良かった……」ホッ……

ゆーか「面白かった! もう一回もう一回!」キャッキャッ!!

鎌池「ざけンな! 二度とやるかよ!」グワッ!!

鎌池「ハァ……まァ兎に角、追手は撒けそうだな」

司馬「そうですね」


ガタン!!


鎌池「うおッ!?」

鎌池「危ねェな! 落ちるじゃねェか!」

鎌池「オイ運転手(ドライバー)! 安全運転で頼むぜ!」

司馬「乗せて貰ってるのにそんな勝手な……」

司馬「すいません、ちょっとだけ荷台を貸して貰いたいんですけど……」

司馬「……!?」



運転手「」ぐー……

司馬「ね、寝てる!?」ガーン!!

鎌池「何ィ!? 居眠り運転かよ!?」ガガーン!!

鎌池「オイ起きろクソ運転手(ドライバー)! テメーの身が危ねェだろうが!」


ガタンガタンッ!!


司馬「! 危ない……! 電柱に飛び込みますよ!」

鎌池「クッ……! 仕方ねェ、飛び降りるぞ!」

鎌池「ガキ! それに司馬! しっかり掴まれよ!」

司馬「は、はい……!」

ゆーか「いっけー!」
164 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 13:11:06.07 ID:5L45g3BIO


バッ……!!


ドサッ!!


鎌池「グッ……!」

鎌池「痛ェなクソがよ……!」

鎌池「ッたく……大丈夫かよテメーらは」

司馬「ええ、俺は大丈夫です。ゆーかちゃんは?」

ゆーか「楽しかったー!」

鎌池「楽しかっただァ?」

ゆーか「もう一回やってー!」

鎌池「遊具(アトラクション)か何かと勘違いしてやがンなテメーは……」

鎌池「ッたくよォ……不幸だぜ……」
165 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 13:12:58.43 ID:5L45g3BIO
司馬「でも取り敢えず……撒けたのかな?」

鎌池「かもな……」

ゆーか「あっ!」

司馬「!?」

司馬「どうしたの!? 追手!?」

ゆーか「思い出した!」

司馬「何を!?」

ゆーか「名字!」

鎌池「ンだよ、名字かよ……」

ゆーか「ゆーかはね、じゅーもんじだよ! じゅーもんじゆーか!」

司馬「じゅうもんじ……? 珍しい名字だね」

鎌池「じゅ、十文字だァ……!?」ゾッ……!!

司馬「知ってるんですか?」

鎌池「莫迦……! 十文字ッて云ッたらヨコハマでも有数の極道の家だぞ!」

司馬「えっ……!? じゃ、じゃあ……!」

鎌池「ああ……! このガキは極道の一人娘ッて事だよ……!」

司馬「な、何だって……!?」
166 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 13:17:37.78 ID:5L45g3BIO
鎌池「成程な……! だからテメーは追われてンだな? 組長の娘だから……!」

ゆーか「?」

司馬「じゃあ見舞いに行こうとしている“おとーさん”って……」

鎌池「ああ……十文字組の組長だな……」


黒服1「居たぞ! 彼処だ!」

黒服2「今度こそ捕まえろ!」

黒服3「もう逃がさねェぞ……!」


鎌池「クソッ……! 追い付かれたか……!」

司馬「何処か……逃げられる場所は……!」

司馬「……いや」

鎌池「あ!? 如何(どう)した!?」

司馬「……こっちです! おいでゆーかちゃん!」ダッ……!!

ゆーか「うん!」

鎌池「オイ! ま……待てッて!」ダダッ!!


[場面転換中───]


司馬「よし……此処なら……!」

鎌池「オイ司馬、此処じゃあ逃げ場がねェぞ」

司馬「はい、もう逃げませんから」



司馬「……迎え打ちましょう」

鎌池「!?」
167 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 13:21:54.76 ID:5L45g3BIO
鎌池「な、何云ってンだよ! 相手は銃持ッてンだぞ!?」

司馬「このまま逃げ続けたら、ゆーかちゃんのお父さんの処にまで奴等は来てしまうかもしれません」

司馬「そうしたら皆が危険に晒されます。此処で決着を付けましょう」

鎌池「そ、其れはそうかもしれねェけど……」

司馬「それに……俺、逃げるのは性に合わないんですよね」ニヤリ

鎌池「お前なァ……!」


黒服4「見付けたぞ!」

黒服5「観念しろ……!」

黒服6「もう逃がさねぇからな……!」


鎌池「黒服の野郎共は十人、か……」

黒服7「おい! 銃は止めろよ! こんな狭い処じゃ危ねぇからな!」

司馬「あ、銃は使わないみたいですね……。なら俺も異能は止めるか」

司馬「鎌池さんも戦えますよね?」ニヤ……

鎌池「チッ……生意気な新人だなァ……」ニッ……!!

鎌池「オレの異能は戦闘向きじゃねェけどよ───異能なンて無くても闘(や)れるに決まッてンだろ!」

鎌池「行くぞ───!」
168 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 13:30:57.61 ID:5L45g3BIO
[場面転換中───]


司馬「ふう……」

司馬「何とか勝てましたね……!」

鎌池「ヘッ、大した事無かっただろ」

司馬「いやいや、鎌池さん、結構傷あるじゃないですか……」

鎌池「ン? ああ……覚えておけ、新人」

鎌池「探偵社ではな───瀕死までは無傷だ。相田さんが居る限りはな」

司馬「な、成程……」

黒服1「く、クソ……! こんな奴等に敗けるとは……!」

鎌池「オレ達は武装探偵社だ。今度から喧嘩を売る相手は選ぶンだな」

司馬(不良みたいだ……)

司馬(……俺も人の事は云えないか)

司馬「それじゃあゆーかちゃん、行こうか」

ゆーか「ありゃりゃ……」

司馬「? 如何(どう)かした?」


ゆーか「うーん……情けないなぁ、みんな」


司馬「……え?」


黒服2「こ、このままじゃあ組長に何と云えば……!」


鎌池「……ハ?」


司馬「え? く、組長?」


黒服3「そうだ! テメェら、その御嬢様を十文字組の組長・十文字捨三郎の一人娘と知っての狼藉か!?」

司馬「……えっと、もしかして……」

司馬「……皆さん、十文字組の方々?」

黒服4「ああそうだ! 俺達は組員だ!」

黒服5「ずっと意識不明だった組長が目覚められたんだ! だから御嬢を連れて行かなきゃならねぇ……!」

黒服6「例え死んでもな……!」

ゆーか「えっ! おとーさん起きたの!?」

ゆーか「やったー! じゃあ早く連れてってよ、おじちゃん!」

鎌池「だからオレはおじちゃんじゃねェッ!」

黒服7「……ん!?」

黒服8「お、おい、ちょっと待て……!」

黒服9「お前ら、誘拐犯じゃないのか!?」

司馬「あー……これは説明が必要な感じだな……」
169 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 13:39:14.88 ID:5L45g3BIO
[場面転換中───]


黒服1「何!? お、お前ら……御嬢に云われて動いていたのか!?」

鎌池「アァそうだよ! このガキの依頼で病院に行こうとしてンだよ!」

黒服2「は、早く云えよ! 俺達は御嬢様が居なくなったから探して、お前らと一緒に居るのを見つけたから誘拐したのかと……!」

鎌池「ンな訳ねェだろうが!」

鎌池「つーかガキ! テメーが説明すれば良かったじゃねェか!」

ゆーか「だってみんな、おとーさんのとこに連れてってくれないんだもん!」

黒服3「そ、それは組長が起きてから連れて行こうと思っていただけで……!」

ゆーか「もういいよ、いいから早くおとーさんのとこ行こ!」

司馬「そうだな。誤解も解けた事だし……」



別の黒服1「見つけたぞコラァ!」ガララ!!


全員「「「!?」」」


別の黒服2「十文字組の奴等だよなァ? 俺達は一里塚組だ!」

別の黒服3「組長が倒れている今……お前らを攻め落とす絶好の機会(タイミング)だぜ!」

別の黒服4「覚悟しやがれお前ら!」

鎌池「ハァ!? この忙しい時に極道共の抗争かよ……!?」

司馬「ま、不味いですね……! どうすればいいんだ……!?」





西尾「簡単だよ。君達が彼女を送り届ければ良いだろう?」


司馬・鎌池「「うわあああ───っ!?」」ビクゥ!!
170 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 13:46:35.64 ID:5L45g3BIO
司馬「い、いつから此処に!?」

西尾「今先刻(さっき)だよ」

西尾「土手から這い出してとぼとぼ歩いていた処に、電柱にぶつかった貨物自動車(トラック)を見つけてね」

司馬「ああ……そう云えば、あの人大丈夫でしたか?」

西尾「うん、無事だよ。一応救急車は呼んでおいた」

西尾「そうだ! 鎌池君、先程土手で僕を無視したよねぇ?」

鎌池「何でテメーなンか相手にしなきゃなンねェンだよ」

西尾「辛辣だね!」

西尾「それより、君達早くその子を連れて行きなよ。親父さんの居る病院に、ね」

西尾「で、君達はその何とか塚達と戦って来なさい」

黒服1「何でお前にそんな事言われなきゃならねぇんだよ!」

黒服2「……でも、此奴の云う通りだ」

黒服2「お前ら! この人達に御嬢を預け、俺達は一里塚組をぶっ潰すぞ!」


黒服達「「「うおおおおおお───っ!!」」」


ドォッ……!!!


西尾「よしよし、始まったね」

西尾「さぁ、行きたまえ司馬君! 鎌池君! その少女を送り届けるのだ!」

鎌池「いやテメーも来いよ!」ガーン!!

司馬「ゆーかちゃん! こっちだ! ついておいで!」

ゆーか「うん!」

鎌池「莫迦! そッちじゃねェよ!」ガガーン!!

鎌池「ハァ……良いからオレについてきてくれ!」


鎌池「チクショウ……今日は非番だッてのによォ……」



鎌池「不幸だァ───!」

171 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 13:53:01.13 ID:5L45g3BIO
[場面転換中───]


ガララ

西尾「おや、出て来たね司馬君。如何(どう)だった?」

司馬「あ、西尾さん……」

司馬「はい、ゆーかちゃんは御父さんに会う事が出来ました。ゆーかちゃんは嬉しそうだし、御父さんにも感謝されて……ホッと一息です」

司馬「……鎌池さんは?」

西尾「彼なら帰ったよ」

司馬「ええっ!?」

西尾「彼は英雄(ヒーロー)になる事を嫌うからねぇ……。感謝されるのがこそばゆくて帰ってしまったんだよ、きっと」

司馬「そうですか……」

西尾「……司馬君、今日鎌池君と一緒に居て如何(どう)思った?」

司馬「え? そうですね……」

司馬「鎌池さんは……少し口が悪いけど、何事にも一所懸命で、周りの事を良く見ていると思います」

司馬「何だかんだでその人の事を助けようというか、そう云う言動をしていますよね」

司馬「……あと、ちょっと不幸?」

西尾「……はははっ! 流石だね司馬君、其処まで見抜いたか」

西尾「そう、鎌池君はね、とっても不幸なんだよ。まるで異能力では無いかと思ってしまうくらいにね」

西尾「彼は日頃今日みたいな不幸に巻き込まれ、その先々で誰かを助け、ボロボロになって相田さんに治療されるという毎日を過ごしているんだ」

西尾「だから今日はマシな方かもね。あんまり怪我してないし」

司馬「……異能じゃないんですよね?」

西尾「断じて違う」

司馬「な、成程……」
172 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 13:58:03.47 ID:5L45g3BIO
司馬「じゃあ……俺は帰りますね」

西尾「おや、帰っちゃうのかい?」

司馬「はい、依頼もこなしましたし。というか西尾さんはまだ帰らないんですか……?」

西尾「ふふふ……この病院にはね……良い看護師(ナース)が揃っているのだよ……」

司馬「……」スッ……

西尾「ぼ、木刀を取り出すなよ! まだ何もやってないだろ!」

司馬「……何もしちゃ駄目ですよ?」

西尾「大丈夫大丈夫。信用し給えよ」

司馬「信用ならないなぁ……」

司馬「じゃあ……まぁ、それでは。お疲れ様でした」


タッタッタッ……


西尾「……そう。鎌池君は不幸なんだよねぇ。例えば……」ガタン!!



ドサッ……!!





西尾「こうやって縛り上げられてロッカーに閉じ込められてしまうくらいには不幸なんだよねぇ……」



鎌池「───! ───!?」ジタバタ……!!

173 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 14:01:08.93 ID:5L45g3BIO
西尾「そうジタバタするなよ。世紀末が来ちゃうだろ」

西尾「待ってて、今助けるから」ビリリ……

鎌池「───はぁっ!!」ゲホ、ゲホッ!!

鎌池「い、今助けるだァ!? テメェが縛ッたンだろうが!?」

西尾「そうとも云うね」

鎌池「そうとしか云わねェよ!」

鎌池「……つーかよォ、もしかして……今日オレだけ非番にしたのはテメーの差し金か?」

鎌池「オレが普段どんな風に探偵活動しているか……それを教えようとしたのかよ?」

西尾「おおっ……流石鎌池君、微妙に鈍いね」

鎌池「ンだと!?」

西尾「それを理由の一つではある。でも、もっと大切な……というより探偵的理由があるのさ」ガララ!

鎌池「! 其処は……!」



西尾「やぁ、御機嫌如何かな? 十文字捨三郎さん」

捨三郎「……お前らが、娘を送ってくれた探偵社か?」

捨三郎「娘の我儘を聞いてくれた事、感謝する」

鎌池「いや……大した事はしてねェよ……」

西尾「何を云っているんだい鎌池君! とっても大変だったろう!?」

西尾「これはもう依頼料を払って貰わねば困るよねぇ!」

鎌池「アァ!? テメー何云ってんだ!?」

捨三郎「……確かにそうだな」

捨三郎「だが……少し静かにしてくれないか。娘は今眠った処なんだ……」ゴゴゴ……!!

西尾「ふふふ……其れしきで僕がビビるとでも? 舐めてもらっちゃあ困るね」

捨三郎「…………」

西尾「だが勿論、お金を請求しようって訳じゃない。少し聞きたい事があってね、それを教えてくれれば良い」

捨三郎「……聞きたい事?」





西尾「───十文字組が取り扱っていた薬物について」


捨三郎「───!」
174 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 14:04:09.08 ID:5L45g3BIO
捨三郎「…………何の話だ」

西尾「おっと、そうはいかないよ。こっちはもう判っているんだからね」

西尾「鎌池君、頼むよ」

鎌池「……!」

鎌池「……成程な。この為にオレを此処に連れて来る必要があッたのか」

鎌池「……つまり、このガキが探偵社に来たのもお前の差し金か?」

西尾「ノーコメント」

鎌池「チッ……! テメーと出会った事が最大の不幸だぜ……!」ズズズ……!!

捨三郎「!? 何も無い空間から本が……!」

捨三郎「……異能力か……!」

西尾「その通り。鎌池君の異能力───『とある魔術の禁書目録(インデックス)』は世界中のありとあらゆる情報を検索出来る能力でね。さながら此れは“世界の辞書”と云う訳だ」

西尾「ほら、貸した給えよ」

鎌池「テメーが捲るのかよ? まァ別にイイけどよ……ほい」

西尾「さてさて……」ペラペラ……

西尾「……矢張りね」

西尾「此処に書いてあるよ───“十文字捨三郎、精神刺激薬『モンド』を海外から輸入”……ってね」

捨三郎「……!」

鎌池「オイ……それッて、宮部が解決したあの錯乱ジジイの事件の……」

西尾「御名答」

西尾「さて……十文字さん家の捨三郎くん、答えてくれるよね?」

捨三郎「…………」





西尾「───貴方を襲ったのは、どんな人物だった?」


捨三郎「……何?」


鎌池「ハ?」

175 : ◆WlXBYBXWS3zL :2020/06/28(日) 14:06:32.05 ID:5L45g3BIO
西尾「貴方は誰かに襲われて重体になっていた筈だ。貴方を襲った誰かを僕は知りたいんだよ」

鎌池「て、テメー先刻(さっき)クスリの事聞かせろッて云ッてたじゃねェか!」

西尾「?」

鎌池「“?”じゃねェ!」

西尾「薬を売っていた事は調べがついているんだよ。君の辞書にも書いてあるし」

西尾「でも僕の知りたい“誰に襲われたのか?”は書いていないんだ。襲われたと云う事実は書いてあるんだけど……使えないなぁ……」

鎌池「……もう言い返す気力もねェわ」

西尾「さてさて、教えてよ捨三郎さん。誰に襲われたんだい?」

捨三郎「……判らん」

西尾「えっ」

捨三郎「ただ……女であったのは間違いない。あの格好にあの髪型……恐らく少女だ」

捨三郎「腐っても俺は十文字組三代目組長だ。其処らの雑兵に負けるような事は無い」

捨三郎「しかし……奴には敵わなかった。気が付いたら目の前に居て、気が付いたら体を切り刻まれていた……」

鎌池「なンだよそりゃァ……」ゾッ……

西尾「……成程」



西尾「それじゃあ、僕は帰るね!」

捨三郎「!?」

捨三郎「な……何だと?」
176 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 14:08:23.84 ID:5L45g3BIO
西尾「行こうか鎌池君」

鎌池「テメーはそう何で突然なんだよ……」

捨三郎「……お前は、俺を咎めないのか? 俺は、人間の心を壊す薬物を取り扱っていたんだぞ?」

西尾「別にぃ? 僕には関係ナッシングだしぃ」

西尾「それに……この本にはこうも書いてある」

西尾「───十文字捨三郎、『モンド』を取り扱ってから三年後、突如薬物販売を中止……ってね」

捨三郎「!」

西尾「反省して行動を改めているなら、僕から何も云う事は無いよ」

西尾「んじゃ〜ねぇ〜」ヒラヒラ……

鎌池「アッ、西尾待てコラ!」

鎌池「……まァその、何だ……」

鎌池「……娘さん、大事にな」タッタッタッ……

捨三郎「…………」

捨三郎「……武装探偵社、か」


[場面転換中───]


西尾「『彼女』が動いているって事は……『彼』が動き出したって訳だね」

西尾「ふふふ……果たしてこれからどう展開するのか……」

西尾「楽しみだね!」


[転換中───]


司馬「へっくしょん!」

司馬「……風邪かなぁ?」
177 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 14:09:05.39 ID:5L45g3BIO





第四話【とある二人の連続不幸(アンラッキー)】了








【次に交流する登場人物(キャラクター)を選択して下さい。選択した安価のコンマが50以上だと、新しい登場人物(キャラクター)が現れます。】

壱.西尾維新
弐.宮部みゆき
参.相田みつを
肆.鎌池和馬
伍.二葉亭四迷

↓1
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 14:09:33.29 ID:jJkraU1X0
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 14:09:33.96 ID:sfM7Aajp0
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 14:09:56.83 ID:1O0Utgl50
5
181 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/06/28(日) 14:13:49.99 ID:5L45g3BIO
二葉亭四迷選択で本日はここまで。お疲れ様でした。


ちなみに、十文字ゆーかの元ネタは『とある魔術の禁書目録』の“インデックス”という登場人物(キャラクター)です。まぁ参考程度と云う感じですが。


前回、キャラ安価は一旦終了とか云ったんですが、今日も登場人物(キャラクター)の安価を行います。今回はヨーロッパの文豪を基にした登場人物(キャラクター)をお願いします。

名前:
性別:
能力名:
容姿:
性格:
喋り方:
備考:

↓10くらいまで。上記のテンプレをご利用ください
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 14:26:08.79 ID:sfM7Aajp0
乙です
名前: ダレン・オショーネシー
性別: 男
能力名: 『ダレン・シャン』
容姿:シルクハットに片眼鏡、マントにステッキをもつ紳士然とした男
性格:喜劇と悲劇を愛する『物語愛好家』であり、『面白い物語』を作る為には手段を選ばない
喋り方:常に芝居がかった口調で仰々しく話す、素の時は落ち着いたジェントルマン的敬語
備考:スーツも武器も『オーダーメイド』に拘りを見せる
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 14:30:11.68 ID:kFcNnKzKO

ヨーロッパの文豪ね

名前:ブラム・ストーカー
性別:男
能力名:ドラキュラ
容姿:日傘を差している眉目秀麗な紳士
性格:紳士として振る舞い、レディを丁重に扱う
喋り方:なし
備考:日の光に弱い体質
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 14:41:11.41 ID:enWvE+Db0
 名前:セルマ=オッティリアーナ=
     ルイーザ=ラーゲルレーヴ
 性別:女
能力名:ニルスのふしぎな旅
 容姿:おかっぱ頭が特徴的な
     金髪美人。セクシー系
 性格:誰にでも優しいおっとりタイプ
喋り方:常に一歩引き、相手の心を
     読みながら語りかけていく
 備考:動物と心を通わすのが得意
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 14:45:01.02 ID:1O0Utgl50
名前:ジョナサン・スウィフト
性別:男
能力名:『ガリヴァー旅行記』
容姿:金髪で額にゴーグルつけている。リュックを背負っている。探検隊が着ていそう服を着ている青年。
性格:マイペースで自由奔放な性格。冒険についてロマンを感じている。戦闘になると性格が変わり戦闘狂になる。
話し方:誰にでも敬語で話し語尾を伸ばした話し方をする。
備考:リュックの中には色んな道具や武器が入っている。

186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 14:52:46.66 ID:enWvE+Db0
  名前:ヴィクトル=ユーゴー
  性別:男
能力名:ああ無情
  容姿:スキンヘッドで若ハゲを隠している
  性格:部下をビシビシ鍛える鬼軍曹タイプ
喋り方:野太い声で怒鳴りつける
  備考:何につけても簡潔に済ましたがる
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 15:01:58.85 ID:0zPI1VKA0
名前:ドン・キホーテ(本名:ミゲル・デ・セルバンテス)
性別:男
能力名:ドン・キホーテ
容姿:騎士の格好をした青年
性格:騎士道物語の読み過ぎで現実と物語の区別がつかなくなった。自らを遍歴の騎士と思い込み、騎士の名の元に正義を振りかざす。自己中心的で人の話を聞かない
喋り方:一人称=我輩 二人称=貴様
備考:ドン・キホーテと名乗る
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 15:10:24.63 ID:dZC/v60io
名前:レオナルド・ダ・ヴィンチ
性別:女
能力名:「手稿」
容姿:ひげを蓄えてベレー帽を被ったおじさんっぽい格好をした女性
性格:何事も論理的に解明することを楽しむ。時には相手が嫌がることでも。
喋り方:気さくなおじさんっぽい喋り方。時折毒がたっぷり含まれるけど。
備考:変人扱いされてる
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 15:23:19.69 ID:wvfOWaWT0
名前:ヘルマン・ヘッセ
性別:男
能力名:車輪の下
容姿:エリート感漂う身なりの良い少年
性格:頭脳明晰だがそれ故に周りの人間を見下す傾向がある
喋り方:生意気な少年風の口調
備考:本当は皆と仲良くしたいのだが素直になれない
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 15:26:47.05 ID:GUX7ATh90
乙!それぞれのキャラがハッキリしてて面白い!

名前:フランツ・カフカ
性別:女
能力名:変身
容姿:ボサボサの長髪とギョロギョロとした目が印象的。身なりをちゃんとすれば美人だが常にだらしない服装
性格:予定調和を嫌い、不条理や予測不能な展開を愛する。基本的にだるそうな態度だが、不条理な展開を見るとテンションが上がる
喋り方:普段の一人称は「私」で語尾は「〜っす」、テンションが上がると一人称は「オレ」で男勝りな口調になる
備考:虫などゲテモノが大好き
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 15:51:43.12 ID:hyxc5kN7O
名前:ヴァージニア・ウルフ
性別:男
能力名:『オーランドー』
容姿:ロングコートを着た茶髪の男性。犬の口に似たマスクをつけている。
性格:クールな戦闘だが冷酷なところがある。
喋り方:基本無口
備考:他の人の前でマスクを外したことがない。
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 16:06:19.80 ID:7afEYeRCO
名前:アレクサンドル・デュマ
性別:男
能力名:『三銃士』
容姿:お洒落な帽子を被り、カールした金色の髭で、剣と銃を腰に差している
性格:理知的で誠実、おしゃべりで見栄っ張り、女好きで好戦的な3つの人格を持つ多重人格者
喋り方:人格によって一人称・二人称・喋り方がまるっきり変わる
備考:剣と銃の達人だが、おしゃべりで見栄っ張りな人格時は弱くなる。女好きで好戦的な性格が最も強い
193 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/12(日) 22:31:37.46 ID:EMqzj7dXO
二週間経ったので生存報告です。近い内に更新するので宜しくお願いします。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/13(月) 00:17:59.36 ID:zPqydUVg0
了解です、楽しみにしています!
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/13(月) 00:25:34.81 ID:S57dO3NO0
名前: スティーグ・ラーソン
性別: 男
能力名: ドラゴンタトゥーの女
容姿: 長身の筋肉質。ガスの火のような青髪
性格: 病的なまでに慎重かつ臆病、常に安心を求めている。
喋り方: 人を絶対に呼び捨てにしない。口数は少ないが心では饒舌。
備考: 女に対するトラウマがある。
196 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 13:11:31.63 ID:pVCaO1n8O
それでは始めます。第五話からです。
197 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 13:12:05.50 ID:pVCaO1n8O





第五話【探偵総論】





198 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 13:14:04.00 ID:pVCaO1n8O
司馬「や……止めて下さい、宮部さん……!」


宮部「止める訳無いだろう……アンタはここで死ぬんだよ」


鎌池「さッさと死ンでラクになれよ、司馬ァ」


西尾「そうだよ司馬君。往生際が悪いなぁ」


司馬「そ、そんな……!」


宮部「そら!」ピッ!!



司馬「うわああああああっ───!」



西尾「決まったね」





西尾「───今回のババ抜きも司馬君の負けだ!」



司馬「そんなあああああ!」

199 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 13:23:07.57 ID:pVCaO1n8O
相田「司馬さん……弱いですね」

司馬「うぐっ!」グサッ!!

鎌池「追い討ち掛けてやンなよ。自分が一番判ッてンだろ、弱ェッて」

司馬「うぐぐっ!」グサグサッ!!

司馬「ち、違いますよ! 宮部さんと西尾さんが強過ぎるんです! その所為で俺が負けるんですよ!」

相田「宮部さんは強いですもんねぇ」

宮部「割と遊戯(ゲェム)は得意な方でね」

司馬「と云うか西尾さん! 俺の事狙い撃ちしてませんか!?」

西尾「な、何を云うんだ司馬君! 酷いよ! 何で判るんだい!?」

司馬「やっぱりか!」

鎌池「何で其れは判ンのに毎回負けンだよ……」

司馬「むう……悔しいなぁ……」

司馬「もう一回やりましょう、もう一回!」

鎌池「またやンのかよ! どうせ負けンだろ!」

司馬「次は負けません!」

相田「その台詞先刻(さっき)も云ってましたよねぇ」

宮部「仕方ない、また叩きのめしてやるか……」

西尾「ふふふ……覚悟しておくんだね司馬君……」





二葉亭「コラァ───ッ!!」



全員「「「!!?」」」ビクッ!!!
200 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 13:30:26.55 ID:pVCaO1n8O
二葉亭「何をやって居るッ!」

西尾「何って……ババ抜きだけど」

二葉亭「そんな事は見れば判るッ!」

二葉亭「仕事をせずにウダウダするなと言っている! さっさと職務に戻れッ!」

二葉亭「宮部! 貴様は殺人事件の再調査の依頼を受けているだろう! 早く取り掛かれッ!」

宮部「わ、判ったよ……」

二葉亭「相田さん! 貴方もです! 宮部の手伝いが貴方の今日の仕事でしょう!?」

相田「いやぁ……皆が楽しそうにババ抜きしていたもので……」

二葉亭「言い訳無用!」

二葉亭「鎌池! 貴様はこの書類をこの紙に書かれている会社に届けて来い! 大至急だ!」

鎌池「……オイオイ、紙に十個以上の名前が書かれているンですが……?」

二葉亭「だから其処に書類を持っていけと云う事だろうッ! グズグズするなッ!」

鎌池「マジかよ……!?」

二葉亭「司馬!」

司馬「は、はい!」

二葉亭「今日は俺の仕事を貴様に教える。ついて来い!」

司馬「は……はい!」

西尾「二葉亭君! 僕は何をすればいいのかな!?」

二葉亭「貴様は大人しくしていろッ! 絶対に動くなッ!」

西尾「……」ピタッ……

二葉亭「……よし、其れで善い」

司馬(いいのか?)
201 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 13:43:28.85 ID:pVCaO1n8O
[場面転換中───]


二葉亭「全く……少し気を抜くとコレだ。俺達は武装探偵社だぞ」

二葉亭「司馬、お前もあいつらに感化される事の無いようにな」

司馬「は、はい……」

司馬(俺からトランプ持ち掛けたのは黙っておこう……)

司馬「で、でも、如何(どう)して急に厳しくなったんですか? 今までは何も言わなかったような……」

二葉亭「今迄はきちんとやるべき仕事をこなしていたからだ。働いているなら、自由時間に何をしようと勝手だからな」

二葉亭「……ただし、西尾は別だ。あいつは自由時間でも監視しておく必要がある」

二葉亭「昨日も近くの銭湯から苦情が来てな……。女湯を覗こうとしていたそうだ。破廉恥な奴め……!」

司馬(相変わらずだな……)

二葉亭「しかし、今日はどいつもこいつも仕事が残っている。働かざる者休むべからず、だッ!」

二葉亭「そういう訳だから、今日は貴様に武装探偵社の正しい仕事振りを見せる」

二葉亭「あいつらは結果は出しているが、その過程が滅茶苦茶だからな。参考にならんだろう」

司馬「……確かに、そうかもしれません」

二葉亭「先ずは……此処だな」

司馬「此処は……?」

二葉亭「ヨコハマでも有名な外食チェーン店の本社だ。貴様も食べた事があるのでは無いか?」

司馬「がいしょく……? ちぇーん……?」

二葉亭「……仕事には関係無いから後で説明するぞ」

二葉亭「依頼主は此処のライバル会社だ。今から此処に入って五名の人物に接触する」

司馬「何の為にですか?」

二葉亭「ヘッドハンティングだ」

司馬「へっど……何?」

二葉亭「其れも知らんか……」

二葉亭「ヘッドハンティングとは、簡単に云えば引き抜きだ。他の会社から優秀な人材を勧誘(スカウト)し、今居る会社より高条件で働いて貰う」

二葉亭「ライバル会社は此の会社から五人程引き抜く積もりらしい。その前にその面々の素行調査を探偵社が請け負ったという訳だ」

司馬「はぁ……何と無く判りました」

二葉亭「貴様が経験した案件と比べれば地味かもしれん。だが、こう云う依頼が稼ぎになり、武装探偵社の安定に繋がる」

二葉亭「そして其れはヨコハマ全体を守る為に行動する自由を得る事に繋がるのだ」

司馬「成程……」

司馬(二葉亭さんは今までの人達とは違う視点で武装探偵社の事を考えているんだな……)
202 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 13:57:22.54 ID:pVCaO1n8O
二葉亭「では向かうか───」



ドォン!!!



司馬・二葉亭「「!?」」


二葉亭「な、何だ!?」


司馬「く……車が会社に突っ込みました!」


二葉亭「何だと……!?」


ギュルルルル……!!


司馬「うわっ!? 出て来た!」


二葉亭「待て貴様……!」


キキーッ!!


ブゥン……!!!


二葉亭「!? 何だあの出鱈目な運転は……!」


ウー……ウー……!!


司馬「! 二葉亭さん、市警です!」


数台のパトカーが暴走車の行方を追う。

すると、一台が止まり、助手席から壮年の男が現れた。

刑事「お前、確か武装探偵社の……」

二葉亭「はい、二葉亭四迷です」

刑事「ここで何をしている? アイツを追っていたのか?」

二葉亭「いえ、自分達は他の仕事で偶然……」

若い警官「先輩、身元紹介出来ました!」ダダッ!!

若い警官「名前は粶河太郎(はぜかわ たろう)! 麻薬の売人(ディーラー)で以前から監視(マーク)されています!」

刑事「売り物に手ェ出したって事か……!」

司馬「な、何があったんですか?」

刑事「見ての通りだ! 莫迦が薬物キメて暴れ回ってる!」

刑事「既に何人か負傷者が出ている! 此の儘では死亡者が出かねんぞ……!」

二葉亭「……!」
203 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 14:06:51.38 ID:pVCaO1n8O
二葉亭「……司馬」

司馬「は、はい!」

二葉亭「此れが今日の依頼の資料だ。大事に持っていろ」

二葉亭「───後は頼んだぞ!」

司馬「えっ……!?」



二葉亭(『浮雲』───!)



ビュン……!!!



司馬「!?」


司馬「あ、あれ!? 二葉亭さん……!?」


司馬「二葉亭さんがいなくなった……!」


刑事「そうか、アイツの異能力なら……!」


司馬「刑事さん、二葉亭さんの異能力を知っているんですか!?」


刑事「ああ、武装探偵社には時折手を貸して貰っているからな」


刑事「二葉亭の異能力───『浮雲』は、奴の体重を零にする異能力だ」


刑事「体の重さは零になろうとも、体の動かし方が変わる訳では無い。つまり……」


刑事「アイツは常人に考えられない速度(スピード)で走る事が出来る───!」

204 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 14:11:32.54 ID:pVCaO1n8O
[場面転換中───]


ブーン……!!!


粶河太郎「ヘヘヘ……!」

粶河太郎「オラオラ! ドウした!? 無能な警察共がヨォ!」

粶河太郎「誰にも俺は捕まえらんネーンだ! あははははは!」


コンコン


粶河太郎「アン? 誰だ車の窓ガラス叩くのは……傷が付くだろ!」

粶河太郎「…………ン?」

粶河太郎「窓ガラスを……コンコン?」

粶河太郎「……俺、走ってる、よ、な……?」





二葉亭「貴様───! 何をしているッ!」


粶河太郎「ギャアアアアア───!?」


二葉亭「喧しいッ! さっさと止まらんかッ!」


キキィー……!!


粶河太郎「な、な、な、な、な……!」


二葉亭「降りろ!」グイッ!!


粶河太郎「な、何なんだよオマエ!」


二葉亭「俺は武装探偵社の人間だ! 貴様のような悪辣な男を放って置く訳にはいかん!」


二葉亭「貴様、自分が何をやったか判っているのか……!? こんな街中を爆走したらどのくらい危険なのか、少し想像すれば判るだろうがッ!!」


二葉亭「さっさと来いッ! 貴様は司法で裁かれなければならないんだ!」


粶河太郎「ひ、ヒイ……!」
205 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 14:17:37.32 ID:pVCaO1n8O
[場面転換中───]


司馬「二葉亭さん……大丈夫かな……」



西尾「安心し給えよ、ババ抜き弱男君」

司馬「うわァ───っ!」ビクゥ!!

司馬「と、突然現れるの止めて下さいよ!」

司馬「……ババ抜き弱男君って俺の事ですか?」

西尾「勿論」

刑事「ほう、ババ抜き弱いのか」

若い警官「ババ抜き弱いんですね……」

司馬「そんな云わないで!」

司馬「……と云うか、安心って……?」

西尾「そう慌てる事無いって事さ」

西尾「二葉亭君はね、とっても生真面目なんだ。武装探偵社の理念……このヨコハマの街を守る活動に従事し過ぎる程に従事している」

西尾「だから問題ない……ほら、見給え」



二葉亭「待たせたな司馬! では早く仕事に戻るぞ!」

二葉亭「是が粶河太郎だな? 警察に連れて行け、其れは貴様等の仕事だ」ポイッ!!

粶河太郎「ウゲッ!」ビタン!!

刑事「おう、助かるよ」

二葉亭「頼むぞ」
206 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 14:19:22.91 ID:pVCaO1n8O
司馬「二葉亭さん……!」

二葉亭「……何をグズグズしている司馬! さっさと来い───」

二葉亭「ぬおっ!? 何故西尾がいるッ!?」ガーン!!

西尾「やあ」

二葉亭「やあ、じゃないッ! じっとしていろと云っただろうッ!?」

西尾「?」

二葉亭「? じゃないッ!」

西尾「まあまあ……僕は其処の男に用があるんだ」

刑事「粶河にか?」

二葉亭「貴様……遂に薬物に手を……!」

西尾「ご、誤解だよ! 僕を何だと思っているんだ!」

西尾「この男に少し聞きたい事があるんだよ」

若い警官「聞きたい事……ですか?」

西尾「最近宮部さんが解決した資産家の事件……あの犯人が服用していた精神刺激薬を彼が取り扱っていたらしい」

西尾「彼は組織に属していない売人(ディーラー)……そんな彼がどんな風に薬を手に入れたのか気になってね」

西尾「……なってるんだけどねぇ」ジー……

刑事「……武装探偵社には世話になってるからな。少しくらいなら尋問を許可する」

西尾「ええっ!? 何て寛大な! 流石はヨコハマ市警だね!」

司馬(白々しいな……)
207 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 14:28:37.36 ID:pVCaO1n8O
二葉亭「……おい、何だその話は。俺は聞いていないぞ」

西尾「……あ」

二葉亭「あ、じゃないッ! 調査内容はしっかりと報告しろッ!」

二葉亭「探偵社内で情報共有出来ていない事がどれだけ危険か……!」

西尾「あーはいはい御免御免」

二葉亭「貴様ァ……!」

二葉亭「くっ……まぁ良い。此奴を叱るのは後だ。先ずは仕事を為ねば───」



───ドォン!!!



全員「「「!!?」」」

刑事「今度は何だ……!?」

若い警官「───はい、此方A班!」ガチャ!!

若い警官「はい……了解、直ぐ向かいます!」

若い警官「近くのビルヂングが爆発した模様! 多数の負傷者が居るそうです!」

刑事「チッ、次から次へと……!」

刑事「粶河に手錠を掛けろ! それから現場だ!」

二葉亭「……司馬!」

二葉亭「───仕事は一旦中止だ! 救助に向かうぞ!」

司馬「……!」

司馬「はい!!」


タッタッタッ……!!!


西尾「……やれやれ。熱心なのは良い事だけど、忙しい男だね」

西尾「さて、それじゃあ僕も“仕事”をしようかな」

西尾「話を聞かせてくれるよね、粶河太郎くぅん?」ニヤリ……

粶河「……!」ゾクッ……!!





……破壊されたビルヂングから十数名の人間を救助した司馬と二葉亭は、その足で当初の仕事に向かった。徹夜になってしまったが無事完遂し、依頼主へと報告した。

余談だが、仕事を終えた司馬の顔は疲れ切ってまるで死人の様だったと云う。


208 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 14:47:13.79 ID:pVCaO1n8O





ガチャ



西尾「ふう〜……ただいまただいま。まぁ誰もいないだろうけど……」



二葉亭「…………」

西尾「ありゃま。まだ居たの二葉亭君。残業?」

二葉亭「貴様と一緒にするな。俺の仕事は既に業務時間内に終えている」

二葉亭「貴様が何を調べているのか……それを報告して貰わねばならんだろう。だからこうして貴様を待っていた」

西尾「めんど……真面目だなぁ」

二葉亭「聴こえたぞ」

西尾「ハァ……判った判った。判り過ぎる程判ったよ。説明すれば良いんでしょ」
209 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 14:53:12.57 ID:pVCaO1n8O
西尾「事の発端は、宮部さんからの依頼だ。二週間程前に解決した殺人事件の犯人である老人が乱用していた薬物について調べてくれってね」

二葉亭「貴様に頼むという事は……異能力で足取りが掴めなくなっている可能性が高いな」

西尾「そういう事。んで、僕の愛しの『怪異』達を使って調べた処、十文字組に辿り着いた」

二葉亭「先程資料を読んだが、老人に売り付けていた薬物と同じ物を販売していたんだったな……其奴等が黒幕か?」

西尾「いや、彼等は販売を行っていただけだよ」

西尾「だけど、今問題なのは───十文字捨三郎を襲った女の存在だ」

二葉亭「? 何故其処で十文字捨三郎を襲った人間の話に……」

二葉亭「……! 真逆(まさか)……!?」

西尾「君の考えている通りさ。十文字捨三郎は粛清されそうになったんだよ」



西尾「───ポート・マフィアにね」



二葉亭「た、確かにポートマフィアは自分達に断り無く薬物を販売される事を嫌う……! 最近でも相田さんの関わった事件でチンピラのリーダー格が殺された……!」

二葉亭「だが……何故今なんだ? 十文字組が『モンド』を販売していたのは三年も前の話だった筈だぞ……?」

西尾「さぁねぇ……」

西尾「ただ、この一件で『モンド』を売り付けている奴等はポートマフィアでは無いって事が判った」

西尾「粶河からも薬キマッててあまり有益な情報は得られなかったけど、ポートマフィアから売られた訳では無さそうだよ」
210 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 14:56:13.60 ID:pVCaO1n8O
西尾「僕が今の処調べたのは此処ら辺まで。判ってくれたかな?」

二葉亭「ポートマフィアをも敵に回し、薬物を販売している輩か……。想像以上に大きな問題だ」

二葉亭「……何故もっと早く説明しなかったんだ」

西尾「別に黙っていた訳じゃないよ。正直此処まで大事になるとは思っていなかったんだ」

西尾「真逆(まさか)ポートマフィアまでが出張って来る案件になるとはね……」

西尾「……それで、どうします?」



西尾「───北原社長」



二葉亭「……!?」

二葉亭「しゃ、社長……!? 何時からいらして……!」

北原「最初の方からだね!」

北原「……二葉亭四迷」

二葉亭「はっ……!」

北原「精神刺激薬『モンド』の調査……社を挙げて行いなさい」

北原「ポートマフィアが介入しているという事は大きな案件となる……心して掛かるんだね!」

二葉亭「……!」

二葉亭「了解致しました……!」



西尾「……ふふふ」



西尾「久しぶりに……面白い事になりそうだ……!」

211 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 14:57:20.25 ID:pVCaO1n8O





第五話【探偵総論】了








【条件「安価で選択出来る武装探偵社の登場人物(キャラクター)とそれぞれ一回交流する」を満たした為、次に進みます。】


212 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 15:14:41.76 ID:pVCaO1n8O
[後日───武装探偵社・会議室]


司馬「『モンド』……?」

二葉亭「そうだ。精神刺激薬『モンド』……覚醒剤のような効果を持ち、既存の薬物よりも強く人間の精神に異常を発生させる薬だ」

二葉亭「市警からの情報だが、この『モンド』による影響が考えられる事件がここ半年多発している」

二葉亭「これは由々しき事態だ! 早急に我々武装探偵社で解決すべきであるッ!!」

西尾「気合入ってんねぇ〜」

宮部「真逆(まさか)こんなデカイ事件になるとは……西尾以外にも話しておくべきだったかねぇ」

相田「過ぎた事を云っても仕方ありませんよ。それより……鎌池さんの姿が見えないようですが?」

宮部「相変わらずチクリと刺して来るねアンタ……」

西尾「鎌池君は『モンド』についての情報を異能で検索しているよ。中々見つからないみたいで頭を抱えている」


フコウダーッ!!


西尾「ほら、何か聴こえたでしょ」

宮部「鎌池が簡単に見つけられないってのは困ったね。それだけ秘匿された情報って事だ」

二葉亭「幸い『モンド』による精神への影響は調べが付いたらしいがな」

二葉亭「他の社員には通常業務を任せてある。だから、取り敢えず基本的には調査は俺達のみで行う」

二葉亭「勿論場合によっては人員を増やすから、遠慮無く述べるように」

西尾「じゃあ女性社員を僕の周りに!」

二葉亭「貴様がそんな事ばかり云うから女の社員が辞めて行くんだよ……!」

宮部「じゃあ、アタシが側に居てあげようか?」ジロ……

西尾「話を進めてよ、二葉亭君」

司馬「何事も無かったように……!?」

二葉亭「……莫迦は放っておいて話を進めよう」
213 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 15:16:11.17 ID:pVCaO1n8O
二葉亭「鎌池と俺は探偵社に残って調査を行う。西尾、司馬、宮部、相田さんには二人一組になって調査を行って貰う」

西尾「二人一組?」

二葉亭「この事件にはポートマフィアが介入しているからな。念には念をだ」

司馬「ぽーと……まふぃあ?」

西尾「ヨコハマの港を縄張りにするマフィアの事さ」

西尾「只のマフィアとは違い、このヨコハマを裏で牛耳っている組織でね。正にヨコハマの暗部と云えよう」

西尾「裏で様々な事を画策している人間はこの魔都(ヨコハマ)には大量にいるけど、ポートマフィアを無視して悪事を働く事はほぼ不可能だろうね。それくらいの存在だ」

西尾「勝手にヨコハマを荒らすと粛清されてしまうし……」

司馬「……!」

司馬「もしかして……相田さんの時の事件の……」

西尾「御名答。あのチンピラ達は粛清されてしまったんだろう。勝手に薬物を販売した罪でね」

司馬「そんな組織が……」

二葉亭「そう云う訳だから貴様等には出来るだけ単独行動を避けて貰う」

二葉亭「……怯え過ぎかもしれんが、用心に越した事は無いからな」

二葉亭「さて、では───」



【司馬は誰と調査をするのか。選択して下さい。】

壱.西尾維新
弐.宮部みゆき
参.相田みつを

↓1
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 15:16:28.17 ID:XLYgPmiy0
215 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/07/23(木) 15:33:50.67 ID:pVCaO1n8O
壱選択で本日はここまで。お疲れ様でした。次回から『モンド』とポートマフィアを巡る事件に関わっていきます。ありがとうございました。
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 16:03:17.81 ID:XLYgPmiy0
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/23(木) 18:15:41.98 ID:il+mNe1dO
乙!
そろそろ安価キャラ達もたくさん出てきそうで楽しみ
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/26(日) 22:32:48.75 ID:+RS3MUfF0
うんうん、僕も川端康成と、さいとうたかおが出てくるのを待ってる
219 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/08/06(木) 11:00:57.50 ID:ynjNiGQqO
それでは始めます。ちょっと時間が早いかもしれない。
220 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/08/06(木) 11:06:24.97 ID:ynjNiGQqO
>>214選択:壱.西尾維新



二葉亭「宮部は相田さんと、西尾は司馬と組め。良いな?」

西尾「え、ええっ!? 二葉亭君、正気かい?」

二葉亭「何だ……不服か?」

西尾「いや全然」

二葉亭「ならばいちいち云うんじゃない……!」

宮部「よし、じゃあ行くよ相田。ビシバシ使ってやるからね」

相田「あはは、お手柔らかに」

西尾「あ、宮部さん。そっちは何調べるの?」

宮部「そうだねぇ……『モンド』が関係していると思われる事件の中で、気になる物を取り上げて調べてみるよ」

宮部「アンタは?」

西尾「うーん……手掛かりが少ないからねぇ……」



西尾「久し振りに『西尾ボックス』使ってみようかなーって」


全員「「「!?」」」



宮部「あ……アンタ、マジで云ってんのかい……!?」

鎌池「オイ! 何だか『西尾ボックス』とか云う不吉な単語が聞こえてきた気がするンですが!?」ガララ!!

西尾「鎌池君まで……そんなに焦らなくても良いじゃあないか」

二葉亭「焦るに決まっているだろう……!」

司馬「……?」
221 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/08/06(木) 11:09:28.33 ID:ynjNiGQqO
西尾「大丈夫だよ。選ぶのは司馬君だから」

二葉亭「司馬……!」ガシッ!!

司馬「は、はい!」

二葉亭「良いか……! 絶対に正しい物を選べよ……!」

相田「まぁ、なるようになりますよ」

二葉亭「駄目だ! あの箱だけは危険が伴う……!」

二葉亭「と云うより西尾維新には常に危険が伴う……!」

西尾「中々云うね」

二葉亭「良いか……! 絶対に正しい選択をしろ……! 判ったな……!?」

司馬「は、はぁ……」

司馬(一体……『西尾ボックス』って何なんだ……?)
222 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/08/06(木) 11:13:13.60 ID:ynjNiGQqO





第六話【西尾ボックスの正しい使い方】




223 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/08/06(木) 11:18:03.53 ID:ynjNiGQqO
[───探偵社の近く、周りには雑踏]


西尾「さてさて、そういう訳だから……」

西尾「選びたまえ」

司馬「何を!?」ガーン!!

西尾「決まっているだろう。『西尾ボックス』さ」ズズズ……

そう云うと、西尾は虚空から幾つかの箱を取り出した。大小様々で、色もそれぞれ違う。

西尾「これは僕の持つ『怪異』の一つでね。この箱の中には、僕がこれからどんな行動をすれば良いのか、その指針が入っている」

西尾「この中には誰に会って何をすればどんな事が起こるのか≠ニいう情報が入っているんだよ」

西尾「今回は『モンド』の調査をする為には何をすれば良いのかに絞って箱を取り出した」

西尾「さぁ、選びたまえ司馬君。どれを選ぶかによって今後の展開が変わる箱だ。慎重に選んでも良いし、適当に選んで良い」

西尾「ちゃんと外れも入っているから気を付けてね」

司馬「……外れを引くと、どうなるんですか?」

西尾「参考までに鎌池君の例を云うと、最終的に彼は異国の革命騒ぎに巻き込まれ、半年くらい帰って来なかったね」

司馬「そんな奇想天外な事が起こるんですか……!」

司馬(ぜ、絶対に外れは引けないな……!)



【『西尾ボックス』から一つ選んで下さい。外れもありますが、死んでしまう事は無いのでご安心を。】

壱.ルービックキューブのような見た目の大きな箱
弐.真っ赤で小さな箱
参.鉄製で重厚な平均的サイズの箱
肆.良い香りのする中くらいの箱
伍.寄木細工の小さな箱
陸.グニャグニャとした紫色の小さな箱
漆.仄かに赤く点滅している中くらいの箱
捌.大きいが軽い灰色の箱
玖.雑貨屋で売っているような普通の大きさの箱
拾.白くて洗練されたデザインの平均的な箱

↓1
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/06(木) 11:20:04.56 ID:DlF1A1r4O
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/06(木) 11:20:41.56 ID:+L6088QiO
226 : ◆WlXBYBXWS3zL [saga]:2020/08/06(木) 13:20:07.45 ID:ynjNiGQqO
>>224選択:伍.寄木細工の小さな箱……割と当たり



司馬「じゃあ……此れで」

西尾「ほうほう……それでは開けてみようか」カチャリ……

西尾「えーなになに……?」

司馬「何が入っていたんですか?」

西尾「メモ書きだよ。良かったね、二葉亭君は箱を開けたら大蛇が出て来た事があるよ」

司馬(恐ろしいな……)

西尾「ふむふむ……」

西尾「うん、なかなかどうして無難な選択だったようだね。君も読むかい?」

司馬「はい、えっと……」

司馬「……『知っているかい? 京都の墨染には桜が咲いているが、それはヨコハマでも見る事が出来るんだよ。ヨコハマと京都は桜の視点で考えれば対等(イコール)だと、そう云う訳だね』……」」

司馬「……何ですかこれ。全然意味判んないですけど」

西尾「決まっているじゃん。情報を得たければ会いに行けと云う事だよ」

西尾「───異能力を持つ情報屋の処にね」
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