【異種族レビュアーズ】レギュラーモブDT「ネクロワイフ異聞」【レビュー付】

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1 : ◆K1k1KYRick [saga]:2020/04/22(水) 07:33:13.08 ID:7XcOdoZk0
※アニメ終了時系列です
※アンソロジー本「異種族レビュアーズ〜ダークネス〜」の田倉まひろ先生作品のネタあり





スタンク「メイドリー、酒のおかわりくれ」

夜の食酒亭でスタンク・ゼル・ブルースは駄弁っていた。

メイドリー「またぁ? もうそろそろ休んだらスタンク」

スタンク「かてぇ事言うなよ。この前新作レビュー貼って繁盛させたじゃねえか」

メイドリー「アンタたちのレビュー目当てで来る客はろくでもな……チュピィッ……」

メイドリーは急にどこか虚ろな目になり、立ったまま動かなくなった。

スタンク「……? どうしたメイドリ―」

彼女は心ここに在らずという様子でテーブルに備え付けていた羽ペンを持つ。

いや、持つというよりそれは彼女の手の平に吸い付いたまま勝手に紙の上を踊り始めた。

それはやがて文章となっていく。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1587508392
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/22(水) 07:33:49.38 ID:7XcOdoZk0
ゼル
「なになに……『拙者はカゲと申す忍び。
 霊体の身ながらこの給仕の体を借りて皆様方に物を申し上げたき次第』」

ブルース「シノビ……東方の暗殺者だな。やけに堅苦しい言葉遣いだが」

ゼル
「『はばかりながら、さきゅばす店ねくろわいふの批評を再考し
 拙者の一筆も加えていただけぬか』……だと」

スタンク「あー言っておくが、ギルドと連携している俺らと同じ事したら料金取るからな」

更にペンは紙の上を滑るように走っていった。

ゼル
「『元より承知の上。路銀その他はさる場所に用意済み。
 拙者の望むはあくまでただ一つ。嬢と店への正当なる評価のみ』……だとさ」

スタンク「……インキュバスの奴が来てからこういう手合が増えたな……」

ブルース
「まあ、分からんでもない。良い嬢の評価が低いと、評価した側の評価まで
 下げられた気もする奴だっているもんだ」
3 : ◆K1k1KYRick [saga]:2020/04/22(水) 07:34:48.98 ID:7XcOdoZk0
スタンク「しっかし公爵領か……遠いんだよなあそこ……」

ゼル「まあ最近、直通の馬車が出ているらしいがな」

スタンク「はぁ? あんな過疎地に誰が行くんだよ?」

ゼル
「知らねぇのか、『ホネミ〜ランド』って遊園地が出来て
 知育を兼ねた客が増えているらしいぜ」

ブルース「ホネミーって……あのスケルトンのサキュ嬢か……」

ゼル「ああ。まあ流石にサキュバス店まで寄る親子連れはいないがな」

スタンク
「ふむ、そこまで言うなら暇だしもう一度行ってみるか。
 メンバーはどうする? 天使のクリムはアウトだから……」

ブルース「わしは降りるぞ」

隣にいたブルースが早々に席を立って店を出ていった。

ゼル「『拙者の所望するは霊体種の評価。彼にこそ再評価を願いたいのだが』か……」

ゼル「まあ仕方がない。あいつはあそこで大ハズレ引いたからな。トラウマなんだろうよ」

スタンク
「そもそも鼻の良過ぎる獣人にはあの店自体キツいだろう。
 霊体種中心のレビュー、か……となると……」
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