ボーンゴーレム娘「人間の子供拾ったっす」ドラゴン「お前ざっけんなよマジで」

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385 : ◆eUwxvhsdPM [saga sage]:2020/06/27(土) 19:50:18.22 ID:dXX8Pb+so
>>384
話が赤ん坊時代から少し飛びますので、名前が赤子だと読んでる方が混乱するかと思いますので……
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 16:13:25.56 ID:HLFi1nu90
ますは名前からってことでマオーとかどう?
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/28(日) 20:22:47.40 ID:D2OlSQVWO
>>386
だったらマオとかのが良さそう
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/30(火) 02:40:32.19 ID:s0NB/naD0
>>387
マオイイじゃん!
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/30(火) 08:56:34.00 ID:tDN8+yh/O
娘で私はいいかな
ありがちな名前つけるより
390 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:03:45.92 ID:dDKgJ/YH0
>>386
>>387
ボンゴレとドラゴンがそんな会話してそうで面白いのでマオ採用します

>>383
>>389
ご意見ありがとうございます。まあボンゴレももうオリジナルの名前みたいなもんなので、ご理解いただければと
391 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:25:18.98 ID:dDKgJ/YH0
……………………

…………

……

392 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:26:42.57 ID:dDKgJ/YH0
……それから、七年の月日が流れました。

赤ちゃんが二本足で立ったり、色々な言葉を喋れるようになるたびに。
ドラゴンとボーンゴーレムは喜び。

元気に走り回って怪我をしたり、ちょっとしたワガママを言うたびに。
ドラゴンとボーンゴーレムは悲しみ、怒って、心配なんかをしました。
393 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:32:12.07 ID:dDKgJ/YH0
そうやって、うだるように暑い夏を越えて。

凍えるような冬を越えて。

赤ちゃんはすくすく大きくなり、もう赤ちゃんとは言えないくらいになり。
クイーンスライムの所から離れて、元々住んでいた洞窟に戻り。

三人で……ドラゴン一頭とボーンゴーレム一体、人間一人で仲良く暮らして。



……七年という月日が流れました。



…………
394 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:35:32.28 ID:dDKgJ/YH0
…………



とある森の中――……



少女「――……ハァ、ハァ……!!」ガサガサッ!

「ブヒー!待てー!」

「ついに追い詰めたぞー!」

「プギプギー!」ドドドドッ!

大変です!
女の子が、オークに追い回されています!
395 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:39:55.16 ID:dDKgJ/YH0
少女「くっ……ハァ、ハァ……!」ザッ!

「逃げ回るのも終わりだブヒー!」

「これで終わりだ!プギー!」

「終わらせて飯にすんぞー!!」

グ オ ッ ・ ・ ・

少女「――……い……い――……!!」
396 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:44:19.91 ID:dDKgJ/YH0
少女「ィヤア――ッ!!!」ヒュン!

ドバキイッ!!

「ブヒー!?」ドサッ!

「ああっ!おにーやーん!」

少女「たぁ――っ!!」

ドカアッ!

「プギャー!?」

少女「とぉ――っ!!」

ドッカァン!

「「「やられたブヒー!」」」ドサアッ!

…………
397 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:48:55.12 ID:dDKgJ/YH0
…………

姉オーク「……はーい、今日もマオちゃんの勝ちー」

マオ「えへへ……」テレテレ

妹オーク「マオちゃん、すごい……!」キラキラ

姉オーク「……っていうか、アンタ達弱すぎでしょ……三人がかりで何で負けてるの?」

少年オーク1「違ぇーってねーちゃん!マオが強すぎるんだよ!」

少年オーク2「剣術じゃ勝てなくなったなー……昔は圧勝だったのにー」

少年オーク3「もう半年くらい負けまくってるよね……腹減ったぁ」
398 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:52:33.41 ID:dDKgJ/YH0
マオ「ミノタウロスさんに色々教えてもらってるからねー。剣術の他にも斧とか槍の使い方とか」

少年オーク2「うーん、今日は追い詰めたと思ったんだけどなー……」

マオ「あ、ゴメンね。追い詰めたように思わせたら、隙が出来ると思ってー」

少年オーク1「演技かよチクショー。なんだよこいつー」
399 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:55:56.44 ID:dDKgJ/YH0
姉オーク「ねえ、マオちゃん。今日はもう乱暴なことやめて、妹と一緒におままごとでもしない?」

妹オーク「うん……」モジモジ

マオ「あ、ごめん姉オークちゃん……あたし今からお野菜もらいに行かないといけなくて」

少年オーク1「えー!勝ち逃げかよー!?」

少年オーク2「おにーやん、最近ずっとそうだよ」

少年オーク1「うるさいんだよお前はっ!」グリグリ

少年オーク2「うわー!おねーやーんおにーやんがイジメるよー!!」バタバタ

少年オーク3「もういいからご飯食べに帰らない?」
400 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 19:59:26.39 ID:dDKgJ/YH0
姉オーク「妹ちゃん、下のお兄ちゃん三人見て育ったらダメだからね」

少年オーク1「ねーちゃんヒドくね?」

妹オーク「あたし、おにーちゃん達好きだよ?」

少年オーク2「妹ぉ……」キュン

妹オーク「ちょっぴり弱い所とか、ぼせーほんのーがくすぐられるよね!」ニパッ

少年オーク1「妹が一番ひどい気がする」

マオ「ねー妹オークちゃん、ぼせーほんのーって?」

妹オーク「なんかね、アルラウネさん達が言ってた」

姉オーク「今度あいつら叱っとかないとなー……」
401 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 20:03:54.75 ID:dDKgJ/YH0
マオ「じゃ、そろそろ行ってくるねーみんなー」

姉オーク「気をつけてねー」

少年オーク1「帰ったらもう一回戦えよ、マオっ!」

少年オーク2「そんな時間ないと思うよ、おにーやん」

少年オーク3「お土産は食べ物でよろしくー」

妹オーク「ばいばい、いってらっしゃーい」フリフリ

マオ「うん!いってきまーす!明日はいっしょに遊ぼーね!姉オークちゃん、妹オークちゃん!」

タタタッ……

…………
402 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 20:06:32.82 ID:dDKgJ/YH0
…………

テコテコ……

マオ「ふー、ちょっと走り疲れたなー」テコテコ

ガサガサッ!

エルフ「止まれ!何者だ!?」ガサッ!

マオ「あたしだよっ」ブイッ

エルフ「む?……何だ、マオか。よく来たな。歓迎する……野菜か?」

マオ「うん。キャベツが欲しいっておかーさん言ってたー」

エルフ「すぐ用意しよう。その間、主様の所にいると良い」

マオ「はーい。お邪魔しまーす」ペコリ
403 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 20:09:44.77 ID:dDKgJ/YH0
ガサガサガサ……

ドライアド「ふぁー……」ゴロゴロ

エルフ「失礼します、主様」ガサッ

ドライアド「ふえっ!?えっ、あっ、なんでしょうか!?」ワタワタ

エルフ「マオが来ましたので、野菜を用意する間ご一緒に、と思いまして」

マオ「こんにちは、ドライアドさん」ペコリ

ドライアド「わあぁ……!よく来ましたね、マオさん!お久しぶりですっ!」パァァッ

マオ「あぱー、先週も来たと思いますけどー」
404 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 20:14:44.12 ID:dDKgJ/YH0
ドライアド「さあさあさあさあそんな所に立ってないで、ここに入って下さい」

マオ「なんですかこれ?机に葉っぱがかかってますけど……」

ドライアド「東の小国に伝わる家具で、『コタツ』というものがあるのですが、それを真似て作ってみました」

マオ「ここに足を入れるんですか?」

ドライアド「はい!どうぞ!」

マオ「よいしょっ……おお?なんかひんやりしてるー」
405 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 20:18:50.47 ID:dDKgJ/YH0
ドライアド「この家具は厳しい冬の寒さを超すためのものらしいのですが、それを夏用にアレンジしてみまして。……こうして氷で中を冷やすのも中々良いものでしょう?」ニコニコ

マオ「わー、なんか良いですねこれー」キャッキャッ

ドライアド「最近はこれに入って一人チェスをするのがマイブームなのです」

マオ「ドライアドさん、外出しないと身体にわるいよー?」

ドライアド「大丈夫ですよぉ。私植物ですしぃ」ゴロゴロ
406 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 20:24:15.53 ID:dDKgJ/YH0
ドライアド「はい、マオさん。夏みかん剥きましたよー」

マオ「ありがとうございます。んっ、あまーい!」

ドライアド「ふふふ……さあ、私と一緒にゴロゴロ引きこもりライフを楽しみましょう!ここでずーっと!」

マオ「ええー?この後もあたし予定あるしなー」

ドライアド「いいじゃないですか!予定なんてちょっとくらい無視しても問題ないですよぉ」

エルフ「……あのー、野菜の収穫終わりましたけど……」ガサッ
407 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 20:29:03.27 ID:dDKgJ/YH0
マオ「あ、はい。ありがとうございますエルフさん」ペコリ

エルフ「量多いが、持てるか?マオ」

マオ「大丈夫です。おかーさんも喜ぶと思いますー」

ドライアド「ほら、マオさん。おせんべいでも食べませんか?ゴロゴロしながら食べるおせんべいは最高ですよぉー」ダラダラ

マオ「えーっと……ごめんなさいドライアドさん。あたしやっぱり予定があるんで」

ドライアド「」ガーン!
408 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/06/30(火) 20:35:32.90 ID:dDKgJ/YH0
ドライアド「いや!待って!行かないで!!私をひとりぼっちにしないでぇぇぇ……!」エッグエッグ

エルフ「泣かないで下さい主様……毎週こんなやり取りしてるじゃないですか」

ドライアド「引きこもりの私にとって、どもらず話せるのは貴女だけなのぉ……」ヒッグヒッグ

エルフ「社会復帰して下さい」

マオ「ごめんなさいドライアドさん。また来ますねー」フリフリ

ドライアド「うん!待ってますわ!」ニッコー!

エルフ(主様の今後が心配だなぁ……)

…………
409 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/06/30(火) 20:36:58.52 ID:dDKgJ/YH0
今回はここまでです

オーク姉弟は全員序盤の子供オークの成長した姿です。赤子オークは妹オーク
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/01(水) 12:33:16.47 ID:ysSVh+V9O
合計14年後か
411 : ◆eUwxvhsdPM [sage]:2020/07/01(水) 16:25:04.71 ID:SF7Dw/2Co
>>410
ごめんなさい七年後です
わかりづらかったっすね
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/04(土) 22:39:01.29 ID:1TLkvEXno
みんなかわいいなあ
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/05(日) 16:04:08.99 ID:b9Uum7Lc0
ドラゴニュート娘〜ドラゴンの過去あたりから無難なバトルものにシフトしそうな気がしてたが、可愛い日常がやっぱりいいよ
414 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:17:20.79 ID:bX15iyJy0
…………

生命の湖、畔――……

タッタッタッタ……

マオ「はあ、はあ……遅くなっちゃった。ごめんなさーいせんせー!遅れましたー!」

ボコボコボコ……

クイーンスライム「……3分の遅刻よ。マオちゃん」ザパーッ

マオ「あぱー……言い訳はしません。あたしの足が遅いのがいけませんでしたっ」ペコリッ
415 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:22:54.48 ID:bX15iyJy0
クイスラ(……まあ、大の大人が半日かかる道のりを、一時間そこらで走ってくるのだから……本当なら褒めてあげる所なんだけど)

クイスラ「反省しているようだし、許してあげるわ。ただし、私の3分を無駄にした罪は重いわよ」ギロリ

マオ「はい。ごめんなさい先生」ペコリ

クイスラ(……私は心を鬼にしてこの子を教育する!それがこの子のためになるのよ!)キリッ
416 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:27:32.00 ID:bX15iyJy0
クイスラ「じゃあ、今日の勉強会を始めるわよ。宿題はやってきた?簡単な掛け算の問題をいくつか出してたけど……」

マオ「はい。しっかり持ってきましたー」サッ

クイスラ「……その前に、マオちゃん」

マオ「はい?先生」

クイスラ「……貴女、汗臭いわよ。どれだけ必死に走ってきたの……」

マオ「あ、あぱー……ちょっと、来るときこけちゃいまして……すごく急いじゃいました……」

クイスラ「何!?傷を見せなさい!早く!!」

マオ「えっ、あ、いやー、そんな大した怪我じゃないですけどー」イソイソ
417 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:33:53.19 ID:bX15iyJy0
クイスラ「ああもう、消毒消毒……濃いお酒がどこかにあったはずだけど……マオちゃん、大丈夫なの?痛くない?」バタバタ

マオ「ちょっとウルッてきましたけど……おとーさんはこんな怪我じゃ泣かないと思ったので」ハイ

クイスラ「あのバカは別よ。何百本の矢が突き刺さってもうめき声一つあげないんだから……まあ、見た目はひどいけどかすり傷みたいね。すぐ白魔法で治してあげるから、湖で傷口を洗うついでに汗も流しちゃいなさい」

マオ「はーい」

クイスラ「あーあー、服も土で汚れてるじゃないの。洗って乾かしといてあげるから、替えの服着ときなさい。人間の服の一枚くらいあったでしょ」バタバタ

マオ(……クイーンスライムの先生はいつも優しいなぁ……)
418 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:38:14.25 ID:bX15iyJy0
ザパザパ

マオ「うーっ、冷たくて気持ちいーっ」バシャバシャ

クイスラ「ほら、身体洗っている間も勉強よ。今日の予定は割り算!来週には分数まで行くわよ」

マオ「わ、わりざん?ぶんすー?」アパ?

クイスラ「掛け算が出来るんなら割り算も出来るわよ。その前に復習ー。1✕1から20✕20まで全部言いなさい」

マオ「せんせー、10の上くらいからすごく難しいんですけどー……」

クイスラ「こんなの微分積分に比べたらフェアリーの鱗粉みたいなもんよ。ほらほらさっさと言う」

マオ「あ、あぱー……」

…………
419 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:41:01.26 ID:bX15iyJy0
…………

カァーカァー……

クイスラ「……つまりまあ簡単に言うと、二乗するとその数になるのを平方根と言ってー……」カリカリカリ

マオ「せんせー、なんかもうすでにむずかしいですー……」

クイスラ「だらしないわね。今の魔王様はこんなの3秒で理解したわよ」

マオ「むー……じゃあ頑張らないとですね」カキカキ

クイスラ(……あれ?人間の7歳って平方根とか習うのかしら?……まあ、いいわよね)
420 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:44:38.21 ID:bX15iyJy0
クイスラ「じゃあ次……と思ったけれど、もう時間ね。日が傾いてるわ」

マオ「ありがとうございました、先生」ペコリ

クイスラ「……しまったわ。結局割り算あまり勉強出来なかったわね……」

マオ「いえ、だいたいわかりましたから。あとはお家で復習します」

クイスラ「そう?ならいいけど……明日はお休み。明後日は国語の勉強するわよ」

マオ「はーい」

クイスラ「最終的には古代禁忌呪文書くらいは読めるようにならないとね。あとエルフ文字とノーム文字も読めるようにして……あーゴブリン語も話せるようにするべきかしら……けどあの言語は『くたばれ!』だけで42個もあるしなぁ……」ブツブツ

マオ「よくわかりませんけど、頑張りまーす」
421 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:48:00.96 ID:bX15iyJy0
クイスラ「帰り道気をつけなさいよ。怪我しないように!」

マオ「はーい。それではさよーならー先生」ペコリ

クイスラ「はいさようなら」

マオ「よーし……」ググッ……

ダッ!

タタタタ……

…………
422 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:51:37.44 ID:bX15iyJy0
…………

洞窟――……

……タタタ……

マオ「ただいまー、おとーさん!おかーさん!」ザッ!
423 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:55:14.41 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「おー、おかえりー」

ボンゴレ「おかえりなさーい!ごはんもうすぐ出来ますよー」ニコニコ

マオ「わーい!」
424 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 20:59:02.53 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「今日はどうだった?」

マオ「あのねー、オークのみんなと遊んでねー、ドライアドさん所でお野菜もらってー、先生のお勉強むずかしかったー」

ドラゴン「そうか。……怪我はしてないか?」

マオ「ちょっとこけちゃったけど、クイーンスライムの先生に治してもらったよー」

ドラゴン「ん、そうか。……ちょっと見せてみろ。痛くないか?」

マオ「だいじょーぶ。おとーさんだったらこんな怪我、痛くもかゆくもないもん!」

ドラゴン「いやまあお父さんはそうだけどさぁ……うん、綺麗に治ってるな。気をつけろよマオ。怪我をするな、とは言わないが……森の中で大怪我して動けなくなったりでもしたら、大変だぞ」

マオ「うん。気をつけるー」
425 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:03:45.48 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「そうですよー。お母さんなんか昔、崖から落ちて全身の骨がバラバラになった事ありますし」

マオ「えー!?おかーさんそれ大丈夫だったのー?」

ボンゴレ「全部繋げるのに一週間かかりましたねぇ……首だけで転がりまわってパーツ集めて……」シミジミ

ドラゴン「マオ、お前はそーいう事にならないようにな。死ぬから」

マオ「?……けど、おかーさんが大丈夫だったらあたしも……」

ドラゴン「お前はダメなのっ」
426 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:07:20.98 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「ほらほら、お話もいいけど晩御飯にしましょっ」

ドラゴン「ああ……」

マオ「おかーさん、これもらってきたお野菜ー」ガサッ

ボンゴレ「おー!ありがとうねーマオちゃん!じゃあこのお野菜でサラダも作りますか!」

マオ「うんっ!今日の晩御飯はなにー?」

ボンゴレ「クジラの唐揚げです!今日お父さんが取ってきてくれたんですよー!」イソイソ

ドラゴン「海まで遠かったわ」
427 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:09:51.65 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「じゃあ……」

「「「いっただっきまーす」」」

モグモグ……

マオ「そういえばおとーさーん、へーほーこんってわかるー?」

ドラゴン「……一応わかるけど……え?マオ、それどこで聞いた?」

マオ「クイーンスライムの先生から今日習ってー。それと割り算予習しないといけないのー」

ドラゴン「勉強方法おかしいだろあいつ」

ボンゴレ「……ドラゴンさん、へーほーこんってなんですか?」ヒソヒソ

ドラゴン「生活には全く必要ないから、お前は知らんでも問題ないぞ……」
428 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:14:42.21 ID:bX15iyJy0
マオ「なんかねー先生がねー。魔王様はすぐ理解したって言ってたからー。がんばらないといけないのー」

ドラゴン「とはいえ詰め込みすぎだ。今習ってるのは掛け算なんだろ?それと割り算しっかり勉強してからじゃあないとわからんぞそんなもん……」

マオ「そうなの?」

ボンゴレ「そうっすよー。お母さんなんか掛け算ですらビミョーです!」エッヘン

ドラゴン「胸を張るな。……いやまあ文字書けるヤツがそんないない中頑張ってる方だけどさ」

カチャカチャ

モグモグ……
429 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:17:59.07 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「ご馳走さまでした」ペコリ

マオ「ごちそうさまでしたー」ペコリ

ボンゴレ「おそまつさまでした」ペコリ

マオ「美味しかったー。あ、おかーさんお皿洗うよーあたし」

ボンゴレ「いいのいいの!今日はたーっぷり遊んで勉強して疲れたでしょー?お父さんと川で身体洗ってきなさいなー」

マオ「そう?ありがとーおかーさん!」ニコッ

ボンゴレ「あぱぱー」ニッコリ

マオ「あぱぱぱー」ニコニコ

ドラゴン「何なのそのコミュニケーション……マオー行くぞー」

マオ「はーい」テコテコ

…………
430 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:20:41.31 ID:bX15iyJy0
…………

ゴシゴシ

マオ「気持ちいいー?おとーさん」

ドラゴン「あーいい気持ちだ……ん、交代。背中向けなー」

マオ「はーい。けどあたし、お昼も先生の所で汗流したんだけどー」

ドラゴン「そっから走って帰って来たんだから汗かいてるだろ。ほらほら背中むけろ」

マオ「はーい」クルリ

ドラゴン「……『風精シルフィードよ。我の下に集いて奇跡を呼び起こしたまえ』……」ブツブツ 

フワッ
431 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:23:20.30 ID:bX15iyJy0
ゴシゴシ……

マオ「……そういえばおとーさんって、どうやってタオルとか食器とか浮かしてるのー?あたしもやりたーいっ!」

ドラゴン「これは魔法だよ。自分の魔力とマナを練って呪文で精霊の力を借りて……話すとややこしいな。んー、まだお前には早い」

マオ「えー」

ドラゴン「また今度な。今度……もうちょっと大きくなったら教えてやる」

マオ「あぱー……絶対だよ?」

ドラゴン「ああ。約束するよ」

ゴシゴシ……

…………
432 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:26:31.02 ID:bX15iyJy0
…………

ドラゴン「――……でな?エルフ文字っていうのは読み方にクセがあって……マオも文字を書いてる時、こういう記号があったの見ただろ?」カキカキ

マオ「うんー」

ドラゴン「これがあるのは口を閉じて言葉を発さないといけなくてだな……口語と文語がエルフ文字は一部一緒になってて――……」

ボンゴレ「ドラゴンさんーマオちゃんー。汗流して帰ってきてからずーっとお勉強してますけど、疲れますよー?そろそろ寝ましょうー」

マオ「えー?おかーさん、今とっても面白いのにー」

ボンゴレ「ダーメーでーすーっ。もうお月さまがあんな所にありますし、ランプの燃料だってタダじゃあないんですよー?そろそろ寝ますよー」

ドラゴン「……ランプは俺の魔法で灯してるんだけど」

ボンゴレ「お父さんは黙っててください」
433 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:30:29.63 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「んじゃあ後は今度な、マオ。……というか、勉強疲れただろ?」

マオ「んーんっ。クイーンスライムの先生もおとーさんも、それぞれ教え方に違いが合って面白いしー。たまーにオークのみんなとか迷いの森のエルフさんとかがあたしのわからない言葉しゃべってる事あるんだけど、こーやって教えてもらったら、それがわかるからおもしろいよー!」ニコッ

ドラゴン「ん、そうか。……とはいえ詰め込みすぎてもダメだ。今日はゆっくり休んで、明日はしっかり遊びなさい。……クイーンスライムの勉強会、休みだろ?明日」

マオ「うん!明日はおままごとするー!」

ボンゴレ「お、いいですねーおままごと!じゃあお母さんはお弁当持っていってあげますねー」

マオ「やったー!」ニコッ
434 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:34:09.49 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「じゃあ、おやすみなさい。マオちゃん」

マオ「うん!おやすみなさい。おかーさん、おとーさん!」

ドラゴン「おやすみ。身体冷やさないように、布団しっかりかぶっとけよー」

ボンゴレ「お父さんとお母さんは後でお布団入りますから!少しだけ先におやすみしてくださいねーっ」

マオ「はーい」

テコテコ……

ボンゴレ「…………」

ドラゴン「…………」
435 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:37:32.58 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「……クイーンスライムさんはあたしが思ってる以上に色々教えてるみたいですねえ。ありがたいことです。……へーほーこんってマジでなんなんすか?」コポコポ

ドラゴン「知らなくていいって。人間の数学者とかが習うやつだし。……マオの小ささで覚える事ではないと思う」

ボンゴレ「んま、しかしそこまで習っているのなら、そろそろ魔法とか本格的な武術も教えてあげたほうがいいかもしれませんねえ。はいドラゴンさん。お茶入りましたよ」スッ

ドラゴン「ん、ありがとう」
436 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:40:33.42 ID:bX15iyJy0
ボンゴレ「戦い方はミノタウロスさんに教えてもらっているし、ほぼ毎日オークさん所の下の息子さんたちと遊んでもらっていますけど、やっぱり四天王クラスの方に教えてもらいたいっすよねー」

ドラゴン「……」ズズッ

ボンゴレ「それに、魔法!クイーンスライムさんはそういうの教えてくれないらしいですし、ドラゴンさんは全部の魔法使えますもんねー。あの娘もいい子に育って手がかからなくなってきましたし、そろそろそーいうのも教えてあげていいと思うんすよー。やっぱり魔王になるには、幼い時から教えるべきっすよねえ」
437 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:43:18.68 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「……いや、けどさあ、ボンゴレ……」

ボンゴレ「はい?なんすか?」
438 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/05(日) 21:45:06.52 ID:bX15iyJy0
ドラゴン「……そーいうの教えて……怪我したら、イヤじゃん?」

ボンゴレ「……あたしもドラゴンさんのこと言えませんけど……子煩悩っすよねえ……」

…………
439 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/07/05(日) 21:46:21.81 ID:bX15iyJy0
今回はここまでです
440 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 19:08:29.87 ID:Tso8GVWZ0
…………

妹オーク「はい。おとーさんごはんが出来ましたよー」クイクイ

姉オーク「ありがとうおかーさん。うん、おいしいごはんだー」クイクイ

少年オーク1「……ねーちゃん達、人形動かしてたのしーい?」

少年オーク2「マオー。人形でおままごとしてないでおいらたちと遊ばねー?」

マオ「今日はおままごとするって決めてたからー」クイクイ

姉オーク「アンタ達はお兄ちゃんとこ行っときなよ」

少年オーク3「……なあ、マオはなんの役なの?これ」
441 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 19:36:15.47 ID:Tso8GVWZ0
マオ「え?これはねー。魔王」

姉オーク「…………ん?」
442 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 19:40:49.64 ID:Tso8GVWZ0
マオ「ふははははー!あたしは魔王さまだぞー!つよくてやさしくてつよいんだぞー!」クイクイッ!

妹オーク「ああっ!たすけてー魔王さまー!晩ごはんをわるいゴブリンに盗まれちゃいましたー!」

マオ「くらえー!なんかすっごい魔法!どかーんばきーんずどーん!」バタバタ

姉オーク「…………」
443 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 19:43:23.18 ID:Tso8GVWZ0
マオ「ふっ、ゴブリンも食べるのに大変だろうけど、他の人からとっちゃだめだよ。狩りとかワナとかがいいよ」

妹オーク「ありがとうございますー魔王さまー」ペコリ

マオ「ふはははは!みんなの幸せこそが魔王の喜びなのだー!むっ、誰かの悲しむ声がする!さらばだ!とうっ!」ビシッ

妹オーク「きゃーかっこいいー魔王さまー」

姉オーク「違う。これ、おままごとと違う……」

…………
444 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 19:49:56.01 ID:Tso8GVWZ0
…………

ボンゴレ「マオちゃーん。お弁当持ってきましたよー」フリフリ

マオ「あ、おかーさんだー。ありがとー」

姉オーク「なんか久々だね。ボーンゴーレムのおねーさん」

妹オーク「マオちゃんのおかーさんー」

ボンゴレ「ミノタウロスさんから小麦をもらったので、パンを焼いてサンドイッチにしましたよー。みんなも食べましょう」

マオ「わーい!」

姉オーク「おねーさん料理うまくなった?」

ボンゴレ「ふふん、ダテに主婦やってませんからね!」ドヤッ

姉オーク「昔はおむつ替えるのもヘタだったのに……」

ボンゴレ「あぱー。昔の話はやめましょーよぉ」
445 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 19:53:42.82 ID:Tso8GVWZ0
ボンゴレ「あれ?弟ちゃんたちは?」

姉オーク「おままごと見てるのに飽きて、向こうの丘でお兄ちゃん達と遊んでる」

ボンゴレ「みんなの分もたっぷり作ってきたんで、マオちゃんちょっとみんな呼んできてもらえます?」

マオ「はーい」

姉オーク「あーいや、たぶんあたし達のお家帰ったらみんな戻ってると思う。お昼時だし」

ボンゴレ「あぱー、そういえばお弁当持ってくるってこと、母オークさんに伝えるの忘れてましたね……持ってきすぎちゃったかも」
446 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 19:58:45.84 ID:Tso8GVWZ0
妹オーク「大丈夫だとおもうよー?おにーちゃん達いっつもいっぱい食べてもお腹すいたーって言ってるし」

姉オーク「そのサンドイッチだけだとおやつくらいにしかならないかなあ……」

ボンゴレ「育ち盛りの食欲なめてたなあ」
447 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:11:34.46 ID:Tso8GVWZ0
姉オーク「あたし達のお家でみんなで食べよう。お母さんも喜ぶと思う」

ボンゴレ「いやーすみませんねえ。お世話になります」

マオ「おかーさん、あたし持つよーお弁当」

ボンゴレ「あらそうですか?ではお願いしましょうかね」

マオ「うんっ!……そういえばおとーさんは?」

ボンゴレ「まだちょーっと狩りがかかるみたいです。お昼は狩り場で食べるって」

マオ「むー、そっか。おとーさん、ごはんのために頑張ってるんだね。ありがとー」

ボンゴレ「ふふ。お家帰ったらお父さんに言ってあげてくださいね?」

マオ「うん!そーするー!」

…………
448 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:16:13.77 ID:Tso8GVWZ0
…………

カァーカァー……

マオ「あーよく遊んだねー」

妹オーク「ありがとうマオちゃんー楽しかったー」ニコニコ

姉オーク「……まあ、二人が良かったならいいんだけど……」

マオ「もうお日さまがオレンジ色になっちゃってるねー。あたし、そろそろ帰らないと」

姉オーク「うん、気をつけてねマオちゃん。先に帰ったボーンゴーレムのお姉さんにありがとうって伝えておいて」

妹オーク「ばいばーい、マオちゃん」

マオ「うん。ばいばーいまた明日ねー」フリフリ

テクテクテク……
449 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:20:30.50 ID:Tso8GVWZ0
マオ「きょーうのばんごはんはなーにっかなー♪シカ肉シチューならうれしいなー♪」

テクテクテク……

マオ「……あぱ?」
450 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:24:21.12 ID:Tso8GVWZ0
少女「…………うう……」グッタリ

マオ「……あぱー、誰か倒れてる。……エルフ族かな?大変……」

タタッ
451 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:29:39.69 ID:Tso8GVWZ0
マオ「もしもーし。大丈夫ー?」ツンツン

少女「う……あ、アンタ誰……?町の子……?」

マオ「あたしはマオだよー。あなたは?」

少女「……あたしは少女だけど……別に名前聞いた訳じゃないのよ。あイタタ……あー、ちょっとボーっとしてたみたい……」ムクリ

マオ「大丈夫?動けるー?」

少女「なんでもないわよ。ちょっとクラっとしただけ……」

グゥー……
452 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:34:25.80 ID:Tso8GVWZ0
マオ「……おなか、空いてるの?」

少女「空いてないわよ!ししし、失礼ね!今のは……そう!オナラ!オナラだから!」

マオ「それ逆に恥ずかしくない?」

少女「うるさいっての。あたしはね、空腹で倒れるような、そんな恥ずかしい血族の者じゃあないのよっ!」ビシッ

マオ「けつぞく?って?」
453 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:38:34.66 ID:Tso8GVWZ0
少女「あたしのお母さんのお母さんの、そのまたお母さんはスゴイ人なのよ!もう町でも有名で――……って、アンタ」

マオ「あぱ?」

少女「…………あたしのこと、知らないの?」

マオ「え?うん。……初めて会ったよね?」

少女「……そうだけど……」
454 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:41:27.13 ID:Tso8GVWZ0
少女(なにこの子……あたしの事知らないワケ?服もボロっちいし……町の子じゃなくって、このあたりに住んでるの?)

マオ(あれ、この子耳短いなー。エルフじゃないのかな。手も骨じゃないし、なんかあたしに似てるー)
455 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:44:56.14 ID:Tso8GVWZ0
少女「ま、まあいいわ。あたしそろそろ行くから……」

マオ「どこ行くのー?」

少女「……今夜寝るとこ探すのよ。ごはんも探さないと……」ヨロッ

マオ「そんなフラフラの状態じゃ無理だよー。それにもう暗くなってきてるし、森に入るのあぶないよー?」

少女「うるさいなあ。仕方ないでしょ。今夜はここで過ごすんだから」
456 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:49:39.38 ID:Tso8GVWZ0
マオ「狩りするのなら道具もいるよ?ウサギならいけるかもだけど、それでも弓矢でもないと……」

少女「い、いや……木の実探すつもりだったんだけど……」
457 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:54:49.82 ID:Tso8GVWZ0
マオ「そうだ。ウチ来なよ。おかーさんがごはん作ってくれてるし」

少女「…………アンタん家?」

マオ「うん。一人くらい増えても大丈夫だよ」

少女「あたし、町に戻るつもりはないわよ」

マオ「まちってどこ?」

少女「え?」

マオ「あぱ?」
458 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/08(水) 20:58:35.18 ID:Tso8GVWZ0
マオ「あたしの住んでるのはこっちだよー。来て来て」

少女(……ついていって大丈夫かしら。けどメッチャお腹空いてるのも事実だし……)

マオ「どうしたのー?こっちこっち!」

少女「……ハア。わかったわよ……変な物食わせたら承知しないわよ?」

マオ「おかーさんのごはんはいつも美味しいよー大丈夫大丈夫」テクテク

少女(……心配だわ……)テクテク

…………
459 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/07/08(水) 20:59:11.23 ID:Tso8GVWZ0
今回はここまでです
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/13(月) 23:13:27.99 ID:xwqVRNzjO
人間の町あるんだっけか
461 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 19:29:15.35 ID:aXP8cLpr0
…………

タタタッ……

マオ「おとーさんおかーさん、ただいまー」タタッ

ドラゴン「おーおかえりー」

ボンゴレ「おかえりなさーい。遅かったですねー」

マオ「ごめんね遅くなって。あのねあのね、おかーさん」

ボンゴレ「はい?なんでしょう」
462 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 19:34:43.17 ID:aXP8cLpr0
マオ「友達をね、そこで待たしてるんだけど……おなか、空いてるみたいなの」

ボンゴレ「ほう、お友達」

ドラゴン「オークさん所のか?」

マオ「ううん。さっき知り合ったの」

ドラゴン「……友達か?それ」
463 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 19:39:02.13 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「迷いの森の人っすかねえ?種族は?」

マオ「わかんない……あたしに似てるよ」

ボンゴレ「ならエルフ族かなー。お野菜準備しないといけませんかね」

マオ「んー、耳は短かったけど」

ボンゴレ「あぱー?じゃあなんでしょ。ドワーフかノームか……ハーフリングはこのあたりじゃ見ないし……」

ドラゴン「まあ、待たしたまんまのも悪い。とりあえず連れてきなさい」

マオ「はーい」テコテコ
464 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 19:47:24.22 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「ええと、食器食器……お肉食べられる種族の方だったらいいんですけど」イソイソ

ドラゴン「……」

ボンゴレ「ほえ?どうかしましたかードラゴンさん。こわーい顔になってますよ?」

ドラゴン「いや……」
465 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 19:50:01.95 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン(娘に似ていて耳が短い?ドワーフもノームも町に住んでるのが大半だし、もしかして……)

マオ「ほら、こっちこっちー」

少女「こっちって、家もなんもないけ、ど……」ピタリ
466 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 19:53:48.47 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン「…………」

少女「…………」

マオ「紹介するねー。この子少女ちゃん!あ、少女ちゃん。あたしのおとーさんとおかーさんだよ」

ドラゴン「……」

少女「……」
467 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 19:59:26.76 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン(うえええええええええ!!!?人間じゃねえかあああああああ!!!?)ガビーン!

少女(ぎゃああああああああああ!!!!!どどど、ドラゴンだあああああああ!!!?)ズガーン!
468 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 20:05:36.81 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「いらっしゃーい。マオちゃんのお母さんでーす。……あぱー、なんだかあたしに似てますねえ。ボーンゴーレム仲間ですかね?」

ドラゴン「いや違ェよ!人間だ人間!」

ボンゴレ「あぱ?にんげ……え、マジすか」

少女「あばばばばばば……どどど、どら、どら……」ガタガタ

マオ「?……どうかした?少女ちゃん」

少女「どうしたもこうしたも!!あ、アンタ、一体……?」
469 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 20:14:48.91 ID:aXP8cLpr0
少女「もしかしてアンタ、魔物!?」

マオ「うん。魔物だよー」

少女「あ、あたしを罠にハメて食べようっていう気!?ドラゴンが親って……アンタもしかしてドラゴン、いや竜人族なの!?」

マオ「種族はニンゲンだよ?」

少女「どういう事なの!?」
470 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 20:18:51.19 ID:aXP8cLpr0
少女「はっ!……わかったわ!そこのドラゴンがそのお姉さんやこの子に洗脳魔法をかけているのねっ!?」

ドラゴン「おおう……なんかすげえ悪者にされてる」

ボンゴレ「まーまーまーまー落ち着いて。ええと、少女ちゃんですっけ?」

少女「は、はい……」ガタガタ

ボンゴレ「そんなに怖がることないですよー。ドラゴンさん見た目は怖いっすけど、いい人っすからねー」

少女「そんな事言われても――……ん?」

ボンゴレ「はい?」
471 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 20:25:52.96 ID:aXP8cLpr0
少女「ちょ、貴女……手、手……!!」

ボンゴレ「手?」ガチャガチャ

少女「イヤアアアア!!手がほ、骨ェ――ッ!」

ボンゴレ「あぱー、なんか新鮮な反応」ガチャリ

ドラゴン(いやこれマジでどうすんだ)
472 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 20:31:27.75 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン(どうしよ。人間にマオの事バレるのは面倒だぞ……町で言いふらされたりでもしたら……)

少女「食べたの!?ドラゴンに食べられたの!?はっ!……骨を魔法で動かしてるってワケ!?あ、アンデット……スケルトン……」

ボンゴレ「そんな低級種族じゃありませんよ。シッケイな」

マオ「おかーさんはボーンゴーレムだよ?」

少女「何それゴーレム!?生き物ですりゃないじゃん!!」

ボンゴレ「生きてますよぉ何てこと言うんですかー」
473 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 20:40:21.11 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン(マオを保護するとか言って人間が押し寄せてくるか?魔物狩りが来たら迷いの森や生命の湖に迷惑が――……)

ボンゴレ「はい!首すぽーん!」ガチャーン!

少女「ぎゃあああああああああああ!!!!」

マオ「あははっ!おかーさんすごーい!」キャッキャッ

ボンゴレ「いやー反応面白いっすねー」

ドラゴン「俺今真剣に考えてるんだけど」
474 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 20:44:32.15 ID:aXP8cLpr0
少女「あ……ああ……」

ヘタリッ

少女(もうダメだあ……お腹空いたし驚きすぎたしで、力が……)

ドラゴン「!……ったく……おい、もういいだろボンゴレ」

ボンゴレ「ちぇーっ。もう少し遊びたかったのにー」

ドラゴン「状況を見ろ、状況を」
475 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 20:50:09.06 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「はいはい。すぐ準備しますからー」パタパタ

カチャカチャ……

少女(準備……あたしを料理する準備かな……うう、せめてもう少し長生きしたかった……)

マオ「おかーさん、あたしなにすればいいー?」

ボンゴレ「ではこのスプーンを運んでもらいましょうかね」

マオ「はーい」

ガチャガチャ

少女(スプーン?……何に使うんだろ……)
476 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 20:57:22.50 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「さーて、ではお皿に取り分けて、と……」

マオ「おかーさん、今日のごはんはなーにー?」

ボンゴレ「ふふふ、今日はですねー」

少女(あたしの丸焼き?あたしのカツレツ?なんだろ……)
477 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 21:11:44.94 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「シカ肉のシチューとカモ肉ステーキ、それにパンとサラダに、デザートにはオレンジを用意しましたよーっ」

バーン

マオ「わーいシチューだー!」

ボンゴレ「ふふふ、マオちゃんはシカ肉シチュー大好きですもんねー?」

マオ「うんー!」ニパー

少女「…………へ?」パチリ
478 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 21:16:19.56 ID:aXP8cLpr0
ボンゴレ「はい、少女ちゃんの分」スッ

少女「う……ええ……?」

マオ「おかーさんの料理はすっごくおいしんだよー!?」

ボンゴレ「あぱぱー、テレますねえ」

ドラゴン「……シカ肉シチューはミノタウロス娘からレシピ教えてもらったんだろ」

ボンゴレ「アタシがアレンジしたのでアタシのレシピっすよっ!」
479 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 21:22:05.30 ID:aXP8cLpr0
ドラゴン「じゃあ……」

「「「いっただっきまーす」」」

少女「…………ます……?」
480 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 21:26:20.36 ID:aXP8cLpr0
マオ「んー!今日もおかーさんのごはんはおいしいー!」モグモグ

ドラゴン「うん、うまいな。パンも綺麗に焼けてるよ、ボンゴ――……お母さん」パクパク

ボンゴレ「んふふっ、おかわりもたーんとありますからねーっ」イソイソ

少女「…………」

ボンゴレ「さ、さ。どうぞどうぞ少女ちゃんも食べてくださいな。一気に食べるとお腹にワルいかもしれませんから、ゆっくりシチューをのんでみてください」

少女「……」
481 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 21:30:14.13 ID:aXP8cLpr0
少女「……あ……あたしを……」

ドラゴン「?……」

ボンゴレ「はい?」
482 : ◆eUwxvhsdPM [saga]:2020/07/16(木) 21:34:26.04 ID:aXP8cLpr0
少女「……あたしを太らせてから食べる気……?」ビクビク

ドラゴン「……疑り深いやつだなーコイツ……」

ボンゴレ「そんなことしませんってぇ……」
483 : ◆eUwxvhsdPM [sage saga]:2020/07/16(木) 21:35:15.59 ID:aXP8cLpr0
今回はここまでです
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/19(日) 01:53:39.50 ID:4iLgp91Co
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