【かぐや様は告らせたい】小野寺麗の日常

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 20:44:17.82 ID:A7D5HKzzO
@石上優は気付かない


体育祭の数日前
1ーB教室

ガヤガヤ
アハハハハハ


石上「…」

小野寺「石上」


石上「あ…小野寺さん?」

小野寺「今日の放課後は応援団で練習あるからちゃんと来なよ」

石上「う…うん、わかってるけど」

小野寺「そ、じゃまた放課後ね」

ザッザッザッ…



女子A「ねえ小野寺さん。あいつまだ応援団に居るの?」ヒソヒソ

小野寺「うん。そだけど」

女子B「大丈夫?応援団の女子に手ぇだしたりしてない?小野寺さんも気を付けなよ」

小野寺「…」

女子A「てかあいつ女子の制服誰から借りたんだろ?」

女子B「もしかして盗んだんじゃないの?」

女子A「うわ、キッモイ。でもあいつならやりそー」

小野寺「いや、普通に生徒会の先輩から借りたって言ってたけど」

女子A「えー、本当に?」

女子B「まずあいつが生徒会に居るのがマジイミフだよね」

女子A「絶対女子狙いで入ったんだよ、キッモイ」

小野寺「…やめなよ」

女子A「え?」

小野寺「あいつはそういう奴じゃないよ」

女子B「ちょっと小野寺さん?何か最近やけにあいつに甘くない?」

小野寺「…」

石上は1年の間では「嫉妬から暴行事件を起こしカップルを別れさせたストーカー」と噂されていた。
小野寺麗もずっとそれを信じ彼を毛嫌いしていた…が、応援団で一緒に過ごすうちに分かったのだ。
石上優は根暗でオタクで何で応援団入ったのか分からないような男であるが、そんな悪行をやるような人間ではない。
応援団で石上なりに真面目に取り組む姿を見て、彼女は噂に疑問を抱くようになったのだ。



(僕は今でも小野寺さん達が怖いよ)

(怖くても戦えるやつに、僕もなりたい)


小野寺(…ただの悪人があんな台詞を吐くだろうか、私にはとてもそうは思えない)

小野寺(あれは真剣に頑張ろうとする人間の言葉だった)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1588938257
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 20:45:15.61 ID:A7D5HKzzO
放課後


風野「今日は男女入れ替わった服装で練習するぞー!!」

つばめ「ちゃんとみんな着ててきたかな〜?」

部員「キャー、団長も副団長も可愛いーっ!」

小野寺「二人とも写真撮っていいですか?」

つばめ「うん、いいよー」

風野「俺も可愛く撮ってくれよ!」

ワイワイ


石上「…」ポツン


つばめ「わー、優くんその格好可愛いね!」

石上「え!?」

風野「だな、俺より可愛いぞ石上!」アハハッ

石上「ど…どもっす」


小野寺「…」

小野寺(団長も副団長も石上の事を気に掛けてくれている…けど、石上はまだ応援団の皆と接することに怯えている感じだ)


小野寺(少なくとも、ここにいる皆はもうあんたのこと認めてるんだよ)


ザッザッザッ…


小野寺「石上」

石上「え、なに?」

小野寺「石上の写真も撮らせてよ」

石上「い、いいけど…」


パシャッ!


小野寺「見て見て撮った写真、石上の格好も結構いいんじゃない?」

石上「あ…そ、そうかな…」


つばめ「小野寺さーん、ちょっと来てー」

小野寺「あ、はーい」


タッタッタ…



石上「…」


小野寺麗はまだ周りに遠慮し距離を置く石上を気遣い絡んだ


…しかし……




石上(え、なに!?まさかさっきの写真SNSに晒されて笑い者にされたりすんの!?)ビクビク


この時の石上はまだ真意に気付けていなかった。


@おしまい
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 20:46:56.05 ID:A7D5HKzzO
A石上優は歌いたい


体育祭終了後、打ち上げとして応援団メンバーはカラオケに来ていた


部員「団長超歌うまかったーっ!」

部員「マジアガるーっ☆」

風野「ふう…よし次だ!」

つばめ「は〜い、次は私が歌っちゃうよー♪」


石上「…」

風野「お、石上。歌う曲は決まったか?」

石上「あ、すみません、まだっす…」

風野「そうか、まあ焦らず決めればいいからな!」ポンッ

石上「は、はい」

小野寺「…」

石上「…」ウーン

小野寺「そんな難しい顔しなくても好きなの歌えばいいよ」

石上「わかってるけどさ…」

この時、石上はオタク特有の壁にぶち当たっていた。そう…

流行りの曲が歌えないのである!!


4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 20:47:52.08 ID:A7D5HKzzO
石上(最初はカラオケに呼ばれて嬉しかった…だがここにきて冷静になったら、俺、アニソンしかろくに歌えなかった!!)ゴーンッ

石上とて流行りの曲を知らないわけでも嫌いな訳でもない。むしろいい曲なら聴くことは好きである。
しかし、『歌う』となれば話は別!!!

サビだけなら歌えるけど全体を完璧に歌うとなれば一気に自信はなくなる!!

石上(どうする、普通に流行の歌を選んで分からないとこは素直に聞くか?でもそんなことしたら空気を悪くしないだろうか…)

石上(…!)ハッ

石上(前前前世!!!)


石上(そうだ、これならこのリア充集団の中で歌っても恥ずかしくないし違和感もない!!)


小野寺「…」

小野寺(石上、見るからにオタクっぽいしアニメの曲しか歌えないとかなのかな…)

小野寺「…あの、歌う曲変えたいんすけど」

風野「おう、全然構わんぞ!」



小野寺「やっぱ私、前前前世歌います」

石上に気を使ってアニソンを選んだ結果


石上(あ……取られた………)


このあと、石上は流行の歌を選んだ。
素直に分からないところは聞いたら普通にノリノリで教えてくれた。

Aおしまい
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 20:49:57.86 ID:A7D5HKzzO
B小野寺麗は確かめたい


TG部部室

藤原「ふう…今日はマッキーちゃんもメガ子先輩も居ないし、一人で作業は大変ですね」


コンコンッ

藤原「はい、どうぞー」

ガララ

小野寺「おじゃまします…藤原先輩」


藤原「あら、貴女は石上くんと同じクラスの…どうしましたか?」

小野寺「実は…気になってて聞きたいことがあって」



小野寺「石上の噂って…やっぱり嘘なんですか?」

藤原「…」

藤原「…何故それを私に聞くんですか?」

小野寺「いえ、生徒会の方なら…真実を知っているんじゃないかと」

藤原「……座ってください、小野寺さん」

小野寺「あ、はい。座らせてもらいます」ガタッ


藤原「つまり貴女は…石上くんの噂に疑問を持っていると」

小野寺「はい…私も最初は噂を信じて、酷く当たってた時もあったんです」

小野寺「けど…実際接してみた彼は、大人しいけど意外と真面目で、根は真っ直ぐな奴だと思ったんです」

小野寺「とても噂通りの事をやる人間には思えなくて…何故こんな噂が広まったのか気になって」

藤原「…小野寺さんは、ちゃんと人を見て素直に考えを改められるいい子なんですね」

藤原「こうして誰もいないときに来るのも小野寺さんなりの気遣いを感じますよ」

小野寺「いえ、そんな…」

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 20:50:38.17 ID:A7D5HKzzO
藤原「…小野寺さんになら真実を聞かせても良さそうですが…」

藤原「ごめんね。こればっかりは私だけの判断で勝手に話すわけにはいかないから…まだ話せません」

小野寺「そう…ですか」

藤原「けど、もう貴女は分かっているでしょう。噂が本当なのか嘘なのかは」

小野寺「はい」

藤原「…」フッ


藤原「きっといずれは石上君も再びこの問題と向き合うときが来るでしょう…その時は小野寺さんもあの子の味方で居てあげてください」

小野寺「もちろん、そのつもりです」

小野寺「どう考えたっておかしいですよ、あんな噂…石上は他人を平気で傷つけるような奴じゃないのに…」

藤原「そうですね、石上くんはそんなことやりません。他人を傷つけるような事は………」


藤原「…」



藤原「なのにですよ!?」ガタッ

小野寺「わっ!?」ビクッ


藤原「私には、私には酷いんですよあの子!私には容赦なく殴ってきてDVかますんですよ!!」

小野寺「え、な、殴るんですか!?」

藤原「正論という名の言葉のボディーブローで!!」

小野寺「あ、ああ…そういう意味っすか」

藤原「ゲームで勝つためにちょっとズルしたりするだけで!」ブワッ

小野寺「え、それ先輩が悪くないっすか?」

藤原「会長やかぐやさんには礼儀正しいのに何で私にはあんな生意気なんでしょう!!」

小野寺「えっと……それだけ藤原先輩が素直に話しやすいって事じゃないですか?」

藤原「なんて優しい解釈!!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 20:51:11.95 ID:A7D5HKzzO
藤原「例えばですよ!今私が作ってるのも石上くんからダメだしされて作り直してる奴なんですが…」

小野寺「はあ」

藤原「特に作り直すべきって言われたイベント関係を手直しして昨日みせたんです。なのにまたダメだししたんですよあの子は!鬼ですか!自信あったのに!」

小野寺「そうなんですか…」

藤原「そうだ、小野寺さんにも見てもらいましょう。これ私の考えたゲーム内でのイベント案のリストなんですけど…」ピラッ

小野寺「へえ…見せてもらいますね」ピラッ



イベント案
@美容師に行くも失敗し全てのカットに失敗し毛がなくなる。五千円支払う。ゲーム中プレイヤーはハゲカツラを頭に被る。
A自宅にUFOが直撃し家が無くなるもUFOの破片を売り1億円入手。
B隣のプレイヤーから怪しい商品を売り付けられる。一千万円を隣のプレイヤーに支払う。


藤原「どうですか!?」ニコニコ

小野寺「…あの、藤原先輩…」

藤原「はい♪」

小野寺「さすがにこれは意味不明だしプレイヤーに喧嘩を売ってるようにしか思えないんですけど…何ですか?これ」

藤原「この子も結構切れ味鋭い発言する!!」

Bおしまい
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 20:54:08.03 ID:A7D5HKzzO
C伊井野ミコは断れない

それはキャンプファイヤーの許可を得るため周辺の住宅を回っていた日のこと


小野寺「ふー、やっとこれで終わりだね」

伊井野「うん………小野寺さん、ありがとう」

小野寺「いいよ、私もキャンプファイヤーやりたいし」ニッ

ギュルルルルル…

伊井野「…っ!!//」

小野寺「はは、伊井野お腹へったの?」

伊井野「う、うん…」

小野寺「…帰る前に二人でマックでも行かない?」

伊井野「え…うん」



そして、二人でマックへ


ガヤガヤ

小野寺「伊井野それ頼みすぎじゃない?」

伊井野「え、そ、そうかな!?」

小野寺「ハンバーガー3つとか」

伊井野「お、お腹空いてたから…」

小野寺「まあ、いいけどね。ほら食べよ」

伊井野「うん」



男1「お、君達可愛いね〜」

男2「ねえ暇なら一緒に遊ぼうよ」


伊井野「!?」ビクッ

小野寺(げ…ナンパかウザいなぁ。こんな店の中で平気でやってくる時点でろくなのじゃ無さそうだな)

小野寺「すみません、今友達と食ってるんで」プイッ

伊井野(と、友達っ!?)ドキーンッ


9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 20:54:49.01 ID:A7D5HKzzO
男2「えー、いいじゃんいいじゃん」

男1「君みたいな大人しくて可愛い子好みなんだよなぁ」

伊井野「あ、あの…やめてください、迷惑ですっ」

男2「いやでも本当に可愛いよ」

男1「そうそう、化粧なしでその可愛いさはヤバイよ」

伊井野「い、今、と…友達と食べているのでっ!」

小野寺(大人しい伊井野にターゲット絞ったか…)

小野寺(まあ伊井野は真面目ちゃんだしあんなナンパには引っ掛からないでしょ。私よりキツいこと言い返すだろうし心配しなくても大丈夫…)


男1「じゃあさ、ラインだけでも、ね?本当一目惚れレベルで可愛いから」

男2「そうそう、ラインだけでいいから。本当見逃したら損するレベルの美少女」

伊井野「………」



伊井野「ライン………だけなら//」

小野寺「チョッッッロ!!?」ガタッ


これ以降、小野寺さんは伊井野の友達兼保護者になることになる。

Cおしまい
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/08(金) 20:55:22.01 ID:A7D5HKzzO
思い付いたらまた投下します
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/09(土) 00:45:40.91 ID:6W6Qo5qPo
待ってるで
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/09(土) 19:33:48.02 ID:WnXqHQEQO
D小野寺麗は聞いてみたい

日曜日

小野寺と伊井野はCDを買い向かっていた。


小野寺「欲しいCDが今日発売日なんだよね。伊井野って結構CD聞いてるっしょ?あんたもああいうとこ好きそうだから呼んだの」

伊井野「うん、ありがとう」

小野寺「いつも何聞いてんの?」

伊井野「え、えーと!」

伊井野「…ジャニーズ系とか…」

イケメンから褒められる癒し音声を聞いていることはさすがに言えなかった


小野寺「へー。確かに伊井野そういうの好きそう」

伊井野「うん。麗ちゃんはどういうのが好きなの?」

小野寺「私はねー…」


二人は雑談しながらCDを物色していた。

小野寺麗はもう伊井野を一人の友人として見てくれている。
彼女と居ることに安心感を覚え、伊井野の緊張の糸が少しずつほぐれていき……その時

小野寺「私はとりあえずこの欲しかったやつ買お。伊井野はほしいのあった?」

伊井野「うーん、欲しいのはだいたい買っちゃってるから…」チラッ

伊井野「!!」


伊井野の目にあるものが飛び込んできた。


「癒しの大きな動物鳴き声集」


伊井野(大きな動物!?ほ、ほしい!!)

伊井野は大きな動物が好きだった

小野寺「ん?どした?何見てんの?」

伊井野「あ…えっと…」チラッ


伊井野(だ、大丈夫だよね……イケメン音声なら恥ずかしいけど、動物の鳴き声だし!!)

自分を受け入れてくれる小野寺の優しさに緊張がほぐれてきた伊井野はだいぶガードが甘くなっていた


伊井野「こ、これが…欲しいなって」スッ


小野寺「…」

伊井野「…」



小野寺「え、動物?鳴き声?」

伊井野「う、うん…」
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/09(土) 19:35:02.19 ID:WnXqHQEQO
小野寺「え、音楽とかじゃなくて?これ聞くの?」

伊井野「動物好きだから…」

小野寺「…へ、へえ…」

小野寺(癒し音声て……まあ伊井野、成績トップのプレッシャーとか風紀委員と生徒会の掛け持ちとかでストレス溜まってそうだし…動物の鳴き声で癒されるってなら、まあ…個人の趣味だしね……)

小野寺「あー、犬とか猫とか可愛いし癒されるよね」

伊井野「え?いや、ゾウとかキリンとか…」

小野寺「ゾウ!?キリン!?」

伊井野「ロバの鳴き声のやつも私持っててね…」

小野寺「ロバっ!?」

伊井野「え、変…?」

小野寺「いや、まあ…いいんだけどさ。それが好きなら別に…」

小野寺「でも、ロバの鳴き声とかどんななのか逆にちょっと興味あるな」

伊井野「え!興味あるの!?」キラキラ

小野寺「いや、そんな目え輝かせないでよ、ただのちょっとした好奇心だから…」

伊井野「き、聞いてみる?」スッ
(スマホに繋がれたイヤホン渡し)

小野寺「ん、ちょっとだけね」スッ


小野寺「…」


『大丈夫…怖くないよ。君は一人じゃない』

『君はよく頑張ってるね』


小野寺「…」



小野寺「え?」

伊井野「ん?」



伊井野「…!!!」ハッ


「イケメンが優しく褒めてくれる音声」



伊井野(しまった、再生するやつ間違えたあぁっ!!)

14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/09(土) 19:35:34.40 ID:WnXqHQEQO
『あぁ可愛い…君は本当にキュートだ……』

『皆君にメロメロだよ……』



小野寺「………」(正気かよという顔)



伊井野「うわあああ!わあああぁぁ!///」バッ

伊井野はとっさにイヤホンを取り上げる
しかしもう時は既に遅し


伊井野「はあ…はあ……っ///」うるうる

小野寺「…」


小野寺「伊井野、さすがにこれだけはない」(真顔)


伊井野「うわあああぁぁん!///」

ダッダッダッ


小野寺「あっ!ちょっと、待って伊井野!!」

ウイーンッ

アリガトーゴザイマシター


小野寺「……逃げちゃった…」

小野寺(良かった、人に聞かれたら恥ずかしいって考えはあったんだ…)

小野寺さんは変なところに安心感を覚えていた

小野寺「…」チラッ

小野寺「この動物のCD買ってってあげよ」スッ
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/09(土) 19:36:55.13 ID:WnXqHQEQO
ーーーーーー

伊井野「…ごめん、麗ちゃん…取り乱して、つい…」

小野寺「いいよ、まあ逃げるくらい恥ずかしいのが普通っしょ」

小野寺「はい、伊井野が欲しいって言ってたやつ。買わずに出ていっちゃったからさ…代わりに買っといた」スッ

伊井野「…!」

伊井野「ありがとう!麗ちゃん!ごめん、ごめんね!」

小野寺「はいはい、いいって。まあ私も対応がちょっとキツかったかもね…」

伊井野「私……嫌われるかもって怖かった…」

小野寺「あれくらいで嫌いはしないよ。一人で楽しんでるだけならただの趣味だし」

伊井野「ありがとう…」ウルッ

小野寺「…」


小野寺「けどこれだけは言わせて。あの音声だけは絶対簡単に人にバラしちゃだめだからね。マジで聞かれたらヤバイからそれ」

伊井野「あ、はい」

Dおしまい
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/12(火) 09:44:15.13 ID:sJIbksG7O
E藤原千花は遊びたい


その日、1年B組は作業の進んでいない「お化け屋敷」を文化祭当日までに完成させようとしていた…


コンコンッ

石上「おーい、作業の調子はどうだ…」ガチャ



チョキッ……チョキッ………


伊井野「いやあああ!怖い、怖い!キャアアアッ!!」ギシッギシッ

小野寺「頑張れ伊井野、声抑えて」

槇原「そうやって怖がるフリしちゃってさ…本当は身体縛られて色々されて嬉しいんでしょう?」ニヤニヤ

伊井野「ち、ちが……っ、私…そんな子じゃ……」

藤原「あははー☆」コチョコチョ

伊井野「ひゃあっ!くすぐったぁいっ!!」

大仏「うーん……またリテイクかなこりゃ」



石上「え、何これ。イジメの現場?」

藤原「どうしたんですか石上くん。女子の秘密の集りに混ざりたいんですか?」

石上「悪魔の集りの間違いでは?」


小野寺「ほら、教室で話し合ってるときに出た案のやつを進めてるんだけどさ…」

石上「うん、まあそれは分かるんだけどな」


伊井野「うわあああん、麗ちゃん!怖いよー!」ギュッ

小野寺「うん、そうだね。でももうちょいだから頑張ろうね」ポンポン

石上「お前も結構鬼だよな」


槇原「でもこのままじゃ伊井野ちゃんが叫んでまたリテイクの繰り返しだね」

藤原「そうですねえ、ミコちゃんにはもう少し静かにしてもらわないと…このままじゃ完成できません」

石上「何しれっと1年の中に混ざってるんですか藤原先輩」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/12(火) 09:44:46.22 ID:sJIbksG7O
小野寺「何回もやってちゃ伊井野が可哀想だしもう終わらせなきゃ」

伊井野「私の声だけ消すとかは無理なの…?」

大仏「無理だよ。ミコちゃんだって分かってるでしょ」

槇原「もう声も出せなくなるレベルに本気で怖がらせるしかないのかな?」

伊井野「えっ!?」ビクッ

小野寺「トラウマでも植え付ける気なの?」

石上「趣旨を間違えんなよ」

藤原「じゃあ声を出したらお昼ご飯禁止とかは?」

伊井野「それだけは!!それだけはやだっ!!!」

小野寺「リテイク食らったときと同じレベルの絶望顔だね」

石上「うーん………」



石上「じゃあもう物理的に声出せなくしたらいいんじゃない?」スッ←ガムテープ

小野寺「石上も人のこと言えないね…」

藤原「あはは、石上くんは鬼ですねー」ニコニコ

石上「なに笑ってんすか、あんたももっと先輩らしくしてくださいよ」

大仏「でも小野寺さんの言う通りあまら繰り返してもミコちゃんが可哀想だし…石上くんの案が一番だと思うよ」

伊井野「え…やだ……」ビクビク

槇原「声を聞けなくなるのは残念だけど…」

石上「よし、伊井野…ガムテープ付けるからじっとしてろよ」ペリペリ

小野寺「今更だけどなんか絵面がヤバイね」

伊井野「ふーっ!ふーっ!!」ギロリッ

石上「って、なんだその狂暴な小型犬みたいな目つき!!」

伊井野「やだ!石上最低っ!!この変態っ!!」ギャンギャン

石上「ちょっとの間だから我慢しろよ、ほらガムテープ付けれないだろ!!」

伊井野「がぶっ!」

石上「痛いっ!!」


小野寺「伊井野、おちついてほら」ポンポン

伊井野「ふー、ふー!」ギラッ

石上「だ、だめだ…俺じゃ伊井野は手に負えない」

藤原「まったくもう石上くんは…私にガムテープ貸してください」

藤原「ほーら、ミコちゃん。怖くないですよ〜」ペリペリ

伊井野「ひえっ」ビクッ

藤原「大丈夫ですよ〜、すぐ終わりますからね?怖くない怖くなーい」ナデナデ

伊井野「こ…怖いですよ…」

藤原「大丈夫、ミコちゃんならやれますよ。だから少しだけいいこにしてましょうね?」ナデナデ

伊井野「でも…」

藤原「文化祭で色んな屋台の食べ物奢ってあげますから!」ニパァッ

伊井野「えっ!!」パァッ

藤原「私は可愛いミコちゃんをここから解放させてあげたいんです。だから、ね?ガムテープ付けて早く終わらせちゃいましょ?」ニコニコ

伊井野「はい、わかりました…もう少しだけ、頑張ります」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/12(火) 09:45:20.29 ID:sJIbksG7O
大仏「それではアイマスクも付けて、次こそ成功させよミコちゃん」

伊井野「…」コクッ

槇原「さて、と…じゃあ私と楽しもっか」チョキッ、チョキッ

藤原「ミコちゃんファイトっ☆」アハハー



小野寺「槇原さんは遊びながらも完成を目指してるのは伝わるんだけど……藤原先輩からは遊びたいという目的しか伝わってこないのは気のせいかな」

石上「ああ、たぶん気のせいではないな」


このあと、伊井野に身体を動かせず目の前は真っ暗…そして声を出すことのできない恐怖が襲いかかることになることは皆が容易に想像できていた。



大仏「…うん、OK。これならいけるよ。お疲れ様ミコちゃん」ナデナデ

伊井野「はあ、はあ………」ガタガタ

石上「これは酷い…」

伊井野「ねえ、大丈夫だよね?またやり直ししないよね?」ガタガタ

小野寺「もう大丈夫だよ、 頑張ったね伊井野」ポン

伊井野「うぅぅ…」ギュッ

槇原「伊井野ちゃん」

伊井野「ひっ!?」ビクッ

槇原「頑張ったご褒美のイチゴミルクだよ☆」スッ

伊井野(えっ、槇原さん実はいい人!?)キューンッ



藤原「あはは、ミコちゃんはすぐ御機嫌になりますね〜♪あー面白かった」

石上「あんたは何しに来たんですか…」

小野寺「そのうち伊井野からの信頼失っちゃいますよ?」


Eおしまい
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/12(火) 12:47:02.85 ID:O8CuDfbYo
おつおつ
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/13(水) 19:27:19.66 ID:yU3YREvHO
F小野寺麗は愚痴りたい


ある日、早坂愛はベンチに座り暗い顔をする小野寺を見つけた


小野寺「はあ〜………」



早坂(あの子は確か1年のリア充グループの子だ。あんな暗い顔して一人でいるなんて珍しいな、どうしたんだろ…)

早坂(生徒会の伊井野ちゃんや石上くんと最近仲良しらしいし、私も近付いとけば後々有利な場面ができるかもしれないな)

ザッザッ


早坂「ん〜?そこの1年ちゃん、暗い顔してどしたし〜?」(ギャルモード)

小野寺「…えっと、先輩の方ですか?」

早坂「そだよ〜☆早坂愛っていうの、君は?」

小野寺「小野寺麗っす」

早坂「小野寺さんかあ、ほら元気出してアゲてこ!マジ卍〜♪」

小野寺「ありがとうございます、でもすいません、今ちょっとテンション上がらなくて…」

小野寺「あとそれもうオッサンしか使ってないですよ」

早坂「うっっ!?」グサッ

早坂「で〜…いったい小野寺さんはどうしたのかなー?聞いてあげるよ」ニコニコ

小野寺「はい………」


ーー以下は朝からの小野寺の回想である

オハヨー
オハヨー

小野寺(昨日はお化け屋敷の準備どうなることかと思ったけど、石上や伊井野や槇原さんのお陰でなんとかなりそうだ)

小野寺(あまりにうちのクラスの作業速度が遅くて内心ハラハラしてたからな。胸のつっかえはひとまず取れた…)

女子A「小野寺さんおはよー!」

小野寺「ん、おはよ」

女子A「ね、ねえ、石上くんまだかな?」キョロキョロ

小野寺「まだじゃない?てかそんなキョロキョロ気にしてついこの間まで石上を毛嫌いしてた子とは思えないね…」

女子A「だって、体育祭の時の汗流しながら必死に走ってた姿が!そんでその後の悔しそうな真剣な顔に!キュンと来ちゃったの!!」

女子A「私頑張るスポーツマンに弱いの!!」

小野寺「いや、スポーツマンではないけどね石上」


女子B「小野寺さーん!」

小野寺「おはよー」

女子B「た、大変だよぉ!」

小野寺「ん?どした?」

女子B「お、落ち着いて聞いてね…」

小野寺「うん」



女子B「石上が伊井野を拐ってロープやガムテープで縛り上げていかがわしい映像を撮影したって噂が広まってるんだけど!!」

小野寺「どこから何が漏れてどうなったらそんな噂が広まるの?」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/13(水) 19:27:50.91 ID:yU3YREvHO
女子B「ま、まさか本当じゃないよね!?石上やらかしてないよね!?」

小野寺「石上がそんなことするわけないでしょ!てか私も居たし!」

女子A「そうだよ、石上くんはそんなことしないよ!ちょっとおとなしいけど頑張り屋さんな爽やかスポーツマンなんだよ!!」

小野寺「あんたはあんたで美化しすぎだけど!」

女子B「何かC組を中心に、もう結構な人に回ってるっぽいよこの噂…」

女子B「C組の子が昨日たまたま石上と伊井野が縛るだのガムテープだの変態だの大声で言い合ってる声を聞いたんだって」

小野寺「えぇ…マジでぇ?」

小野寺「はあ……わかったよ、私が何とする」ポリポリ


小野寺(こんな噂が石上や伊井野の耳に届くまでに止めないと…絶対不快な気持ちになるだろう)



C組教室


小野寺「ちょいと失礼ー」ガラガラ

生徒「あ!小野寺さん!ちょっと聞いて、昨日から流れてる石上の噂なんだけど!」

小野寺「あー、早速それか…そのことで話があるんだけど」

生徒「石上が伊井野と小野寺さんを拐ってロープやガムテープや手錠で縛り上げて耳やら何やら身体中舐め回したり槇原さんに撮影させながらいかがわしいことをやりまくったって本当!?」

小野寺「なんか噂の内容がレベルアップしてる!!?」

生徒「ねえ、小野寺さんは大丈夫なの!?」

小野寺「私はこの学校が大丈夫なのか不安だよ…」

生徒「え?」

小野寺「あのね、それは昨日単にうちのクラスの出し物作ってて、それの作業中の声をよく知らないC組の子が勘違いしただけで…!」

生徒「え、いかがわしいことやった映像を文化祭で公開するの!?」

小野寺「だーーもう!最後まで聞いて!」

生徒2「おい聞いたかよ!」

生徒3「石上が撮影した伊井野と小野寺のいかがわしい映像が文化祭で公開されるって!?ラインで全員に伝えろ、大ニュースだ!!」

小野寺「早速広めようとしないでーー!!」

??「お困りのようですね、小野寺さん!!」ガララッ

小野寺「え!?」



藤原「あとは私にお任せくださいっ!☆」


小野寺「ふ…藤原せんぱぁいっ!!
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/13(水) 19:28:34.53 ID:yU3YREvHO
生徒「え、藤原先輩?」

生徒2「なんでここに先輩が?」


藤原「はいはい、皆さん静粛に。生徒会の書記の藤原さんですよ〜」パンパン

小野寺(クラスが静かになった…藤原先輩が来てくれて助かった…)


藤原「この1年C組を中心に広まっている噂ですが、あれはですね、ただの勘違いです!真っ赤な嘘なんですよ!!」

生徒「え、嘘なの!?」

藤原「はい…そうなんです」

小野寺(変な面も色々見てきたけど、藤原先輩もやっぱり頼れる先輩なんだな…これで…)



藤原「私とTG部が1年の子を拐い、新しいゲームを作るため様々な実験を行った!それが真実です!!」バーンっ


小野寺(んんんんんっ!?)


生徒「え、TG部が…?」

生徒2「マジかよ…」


藤原「世界最恐のホラーゲームを作っていまして〜、小野寺さんや石上くんやミコちゃんには実験台になってもらいました♪」ニパァッ

生徒2「じゃあ、伊井野と石上が変態とか言い合ってたのは…」

藤原「あれは〜、私が『おとなしくしないと罰として耳たぶペロペロの刑をする』と脅していまして、私達に対し変態と言いながら暴れるミコちゃんを罰から守るため石上君が必死になだめていたんですよー☆」ニコニコ

小野寺(え、笑顔でなに言ってんのこの人!?)

藤原「ね!?小野寺さん!?」グルンッ

小野寺「!?」


小野寺「…そ……そうっす……」


藤原「と、言うわけなので!被害者である石上くんを悪く言ったりミコちゃんを傷付けるような噂話はやめてくださーい」

生徒2「そうか…TG部が諸悪の根源だったのか…」

生徒「恐ろしい…」
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/13(水) 19:30:16.42 ID:yU3YREvHO
藤原「ふー…なんとか収まりましたね。こうやって私に興味の矛先を向けさせれば、変な噂が石上くん達に行くことはないでしょう」

小野寺「助けてくれてありがとうございます」

藤原「いいんですよ〜、可愛い後輩達を悪く言われちゃ我慢なりませんから!」エッヘン

藤原「でも、C組の外にまで漏れた噂はまだ止まっていませんからね。もし噂流してる人を見つけたらTG部のせいにしておいてくださいね☆」

小野寺「…けど、本当に良いんですか?今度は藤原先輩達のヤバイ噂が流れたりとかしますよ…そんなのは」

藤原「あー、それなら全然気にしなくていいですよ!元々TG部はヤバイ噂がいっぱいあるんで今更1つや2つ増えたところで私達は痛くも痒くもありませんから!!」アハハー

小野寺「藤原先輩のその図太さは本当に尊敬しますよ」


24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/13(水) 19:30:58.52 ID:yU3YREvHO
小野寺(…さて、次は私の番だ。噂が広がってないか空いた時間に1年の全クラスを回って調べていこう…)

小野寺(石上や伊井野の耳には入らないように)


そして、授業と授業の空き時間、移動教室の時などに小野寺は1年の生徒達に遠回しに聞き込みしたり噂話をしてるっぽいグループに混ざり噂をしているようなら否定しに入る…
と「カースト上位のリア充」という立ち位置と広い人脈を生かし少しずつ噂を止めていった。



昼休憩


小野寺「はあ………」ガクッ

女子A「小野寺さん大丈夫?めちゃくちゃ疲れてるけど」

小野寺「授業の合間に噂話止めるために走り回ったり周囲に神経使ったりして休む暇がないんだよ…」

女子B「まあ昼休憩なら休めるっしょ。外でうちらと弁当食べよ」

小野寺「そだね」


ザッザッザッ…


小野寺「…ん?」チラッ


男子「おい石上てめえ聞いたぞオラ!昨日…」
石上「え、なに!?」ビクッ


小野寺「石上、つばめ先輩にこの書類持ってって!文化祭のやつ!!」バッ

石上「え、つばめ先輩!?よし、任せろ!」グッ

ダダダッ!!


男子「あ、おい待てよコラ!」

小野寺「あー、ごめんね。私が変わりに聞くよ。なに?」

男子「噂で聞いたんだけどよぉ、昨日あいつ伊井野を…」



女子A「小野寺さん…昼休憩でも休む暇が無いの……」

女子B「神は居ないのか…」


男子「…そうだったのか、じゃあ噂は嘘なのか…」

小野寺「そうなんだよねぇ…あはは〜…じゃねぇ…」


小野寺「…はー……さてご飯食べよ……」クルッ

伊井野「ねえ、麗ちゃん」
小野寺「わ、伊井野!?」

伊井野「あのね…その、私…」モジモジ

小野寺「!! 」

小野寺「何かあったの?聞かせて」

伊井野「…私…ね…」



伊井野「モテ期来たかもしれない」

小野寺「どしたお前」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/13(水) 19:32:43.96 ID:yU3YREvHO
伊井野「あのね!今日知らない男子から何人もすごいジロジロ見られてね!私に気があるのかな…って」

小野寺「あー………」

伊井野「これがモテ期…なのかな//」テレッ

小野寺「気のせいだよ。モテ期じゃないよ。そんなことよりさ」

伊井野「そんなこと!?」

小野寺「今日大仏さんと食べるんでしょ?早く行きなよ、待ってるよ」

伊井野「そ、そうだね、うん!じゃあね!」

小野寺「うんまたねー。モテ期がどうのって話は他の人にはしちゃダメだよー」

女子A「大変だね、小野寺さん…」

小野寺「まあ伊井野はあの噂を聞いた訳じゃなくて安心したよ…」ホッ

女子B「やっと落ち着いて食えるね」

小野寺「うん。ちょっとジュース買ってくる」タッタッ

26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/13(水) 19:33:18.02 ID:yU3YREvHO
ピッ
ゴトン

小野寺「さて〜…イチゴオレ飲んで一息つこ」グビッ

石上「おい、小野寺ー。つばめ先輩に書類渡してきといたぞ」

小野寺「ん、ごめんねー。ありがと」


ダダダダダッ!!

石上「ん?」

男子「あははははは!」ダダダッ
男子2「待てよぉ、はははっ!!」ダダダッ

ドンッ!!!

石上「おうふっ!!」

小野寺「きゃっ!?」ドカッ


石上「おい、コラ!廊下走んなお前らああぁ!!!」

石上「…ったく、小野寺!大丈夫か!?」クルッ


小野寺「………」ポタッ ポタッ

ぶつかった衝撃でイチゴオレが服にかかった

石上「あ、ご…ごめん。マジでごめん……」アワワ

小野寺「……石上が謝る必要はないっしょ…走ってた奴等が原因だし……」

石上「ティッシュ…」スッ

小野寺「ん、ありがと…」



伊井野「麗ちゃーん!」ダキッ
小野寺「おうふっ!?」

伊井野「あ!イチゴオレこぼれてる!私のせい!?ごめんなさい!!ハンカチで拭くね!?」

小野寺「いや、これは別の原因だから大丈夫だけど……てか大仏さんのとこ行ったんじゃないの!?」

伊井野「えへへー、あのね!今日はすっごくいい日なの!!」

小野寺「へー…どうしたの?」

伊井野「あのね、さっきチョコボール開けたら!金のエンゼル当たったの!!」パアァッ

小野寺「ふーん、すごいじゃーん」

石上「小野寺、なんか今日はあまり元気なくないか?」

伊井野「だよね…大丈夫?」

小野寺「え〜、そんなことないよー…」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/13(水) 19:33:54.75 ID:yU3YREvHO

ダダダッ!!

「小野寺さん!!」

小野寺「!!?」ビクッ

カレン「1年B組の小野寺さんですね!?実は今、文化祭の出し物について全クラスの代表者にそれぞれインタビューを行っているところでして!!」

エリカ「なんでもいいのでどうぞ!あ、1分くらい話してもらえるとありがたいです!!」

小野寺「え、あの…今はちょっと待ってくだ…」



「小野寺さん!!」


つばめ「ちょっと来てー!話があるのーー!」タッタッ

小野寺「え!?」バッ




「小野寺さーん!!」

藤原「ちょうどいいところに居ましたー!今、製作中のゲームのお手伝いしてくれる人を探していたんですが〜、小野寺さんどうですかー?☆」ニパァッ

小野寺「…!!?」バッ



ピロンッ

小野寺母からのライン
『今日の帰りに玉ねぎとニンジン買ってきて』



小野寺「…………………………………………」

伊井野「れ、麗ちゃん…?」

石上「おい、大丈夫か…?」





小野寺「まずはお昼ご飯食べさせてください!!!」



小野寺は本気で泣きそうだった
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/13(水) 19:34:46.01 ID:yU3YREvHO
ーーーーーーーーーーー




小野寺「…噂の内容とか詳しい話は伏せますが、そんな感じのことがありまして……」

早坂「………」


小野寺「なんかもう本当、めっちゃ疲れたんで………皆には私をしばらくそっとしておいて欲しいんです……」

早坂「あー…うん…詳しいことは分かんないけど、なんか……分かるよ………」

この時、早坂は普段仕事やかぐやのワガママで動き回り疲れ果てた後の自分と小野寺を重ね、妙な共感を覚えていた。


Fおしまい
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/13(水) 19:39:31.58 ID:Ax0PbhN4O
保護者はつらいよ
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/14(木) 00:52:46.75 ID:cMHEdYvzO
G伊井野ミコを探したい

文化祭当日

眞妃「それでね、優。カレンがね〜」

石上「あはは、ツンデレ先輩は友達も愉快っすね〜」


ザッザッザッ!


小野寺「石上!」

石上「ん?どうした小野寺」

小野寺「大変だよ、目を離した隙に伊井野がスマホ忘れて居なくなっちゃった!」

石上「な…」

眞妃「はん。ちょっと君さぁ、大袈裟じゃない?そんな焦らなくたって校内には居るんでしょ?幼稚園児じゃないんだから…」

石上「大事件じゃねえか!!!」

眞妃「えぇ!?」ビクッ

小野寺「どうしよう…どっかで屋台の食べ物食べてるだけなら良いんだけど、知らない人から声掛けられてどっか連れていかれたりしてたら…」ハラハラ

眞妃「え、待って。その伊井野って子、高校生よね?」

小野寺「はい」
石上「タメっす」

眞妃「えぇ…」

石上「ツンデレ先輩、そりゃ普段ならさすがにこんなおかしな心配はしませんよ……でも今は状況が違います」

石上「文化祭…校外からやってくる多くの生徒以外の人間達、そして祭り効果によるハイテンション化」

石上「それらの要素が合わさった場所に伊井野なんかを無防備で放り込んだら危ないったらありゃしないですよ!」

小野寺「ナンパなんかされたら絶対引っ掛かる…」

眞妃「ねえ、その伊井野って子大丈夫なの?なんか私まで心配になってきたわよ」

石上「なんか行き先に心当たりはないか?」

小野寺「ん〜…」

小野寺「フランクフルトが食べたいって言ってた」

石上「食べ物かよ…」

眞妃「まあ、それならそこに行ってみればいいじゃない。フランクフルトの屋台なら向こうにあったわ。まあついでに私もついていってあげてもいいけれど!」グウゥゥ~

石上「先輩、お腹鳴ってますよ」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/14(木) 00:53:13.25 ID:cMHEdYvzO

ザッザッザッ…

石上「フランクフルト屋で聞いてみたけど情報は得られなかったっすね」モグモグ

眞妃「ええ、困ったわね…小野寺さん、他に心当たりはある?」モグモグ

小野寺「あとは…たい焼きが食べたいと言ってました、四条先輩」

石上「たい焼きて…」

眞妃「マキ先輩でいいわよ」モグモグ

小野寺「うす、マキ先輩」

眞妃「じゃあ次はたい焼き屋に行こうかしら」ゴクンッ

石上「まさかとは思いますが先輩が食べたいだけじゃないですよね?」

眞妃「そ、そんな訳ないでしょー!」グウゥゥ~

小野寺「マキ先輩は面白いっすね」


柏木「あ、マキちゃーん!何してるの〜?」タッタッタッ


石上「あ…」

小野寺「?」

眞妃「あら、渚、どうしたの?私は今1年の相手をしてあげていたのよ!」

柏木「ふーん。ねえ、私達と回ろうよ、マキちゃん!」

翼「一緒にいこー」アハハ

眞妃「あ…翼くん……」キュンッ

眞妃「…」

眞妃「いや、私1年の子達の人探しを手伝ってて〜」

柏木「へえ、誰探してたの?」

小野寺「伊井野って子です」

柏木「あ、生徒会の伊井野さん?あの子ならさっきあっちに歩いて行ったよ」

石上「マジですか!」

小野寺「ありがとうございます」

眞妃「…んじゃ私も一緒に伊井野のとこに」

渚「マキちゃんは私達とこっちいこー」グイグイ

眞妃「………優〜、小野寺さ〜ん、楽しかったよ〜じゃあね〜」ズルズルズル

石上「はーい、ツンデレ先輩もまた会いましょ〜」

小野寺「マキ先輩もありがとうございました〜」


眞妃「うーん、二年のとこにも〜遊びに来てね〜〜〜またね〜〜〜」ズルズルズル




石上「…ツンデレ先輩…」

小野寺「ねえ、石上…マキ先輩ってさ。もしかして柏木先輩の彼氏のこと…」

石上「気付いたか…お察しの通りだよ……」

小野寺「…面白くていい人なのにね……マキ先輩……」

石上「ああ、運命はあの人に酷い試練を与える…」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/14(木) 00:53:45.74 ID:cMHEdYvzO
石上「さて、気を取り直して伊井野のとこへ向かうか」

小野寺「何事もなければいいけど…」

ザッザッザッ


「ねえ、化粧なしでその可愛さヤバイっしょ」
「休憩時間はいつ?」

伊井野「…まあもうすぐ休憩ですが!」



小野寺「既にナンパされてたしっ!」

石上「はあ…おい、伊井野…」ザッ



「じゃあ一緒に遊ぼうよ!」

伊井野「………」





伊井野「ちょっとだけなら//」
石上「…」スパアアァンッ!!

小野寺「あーもう、ほらぁー!!」

原作の「子安つばめは断りたい」に続く

Gおしまい
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/15(金) 22:41:13.14 ID:1uPRDq8NO
H小野寺麗は見届けたい


小野寺「キャンプファイヤー楽しみだね〜、今から気分アガるよ」

伊井野「うん、楽しみ!あがる♪」

小野寺「もうちょい休憩時間あるし他にどっか寄りたいとこある?」

伊井野「喫茶店は行ったし〜…」

伊井野「あ、バルーンアート行きたい!」

小野寺「私も気になってたんよね、行く?」

伊井野「うん!」


2ーB教室


小野寺「着い…」

かぐや「わあああん!//」ダダダッ

小野寺「たああっ!?」ビクッ

伊井野「四宮先輩!?」

小野寺「え、いったい何が…」

ガラッ

柏木「あー、気にしないでいいからね。入る?」
(さっき会長に追い詰められて金に逃げようとしたなんて言えない)

小野寺「そっすか…」

伊井野「じゃあ失礼します」ガラッ

34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/15(金) 22:42:02.64 ID:1uPRDq8NO
白銀「お、伊井野か。どうだ、俺が何でも作ってやろう」←後輩に先輩らしいところを見せたい

伊井野「会長!お願いします」タッタッ

白銀「さあ、この中から選んでくれ」

小野寺「へー、すごい。どれも可愛いですね」

伊井野「花がいいです!」

白銀「花か、ちなみに色も選べるんだが…」

伊井野「んー…青でお願いします」

白銀「青な。少し待ってろよ」

伊井野「…会長、青って良いですよね」

白銀「ん?」

伊井野「海や青空のような広い希望の青…癒しの青、そして悲しみの青……様々な側面を見せる美しい色なんですよ」

白銀「え、何?何の話?」

小野寺「気にしないであげてください…」





伊井野「わー!可愛い♪ありがとうございます!」

白銀(まあ嬉しそうだし良しとするか…)フッ


眞妃「御行ー、そろそろ交代だから休憩行っていいよ」

白銀「おう、もうそんな時間か。じゃあ後は頼んだぞ」

眞妃「OK」ニッ


眞妃「さて、次は麗ね。ほら座って座って」

小野寺「はい、マキ先輩」
(いつの間にか麗呼びになってる…)
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/15(金) 22:43:03.96 ID:1uPRDq8NO
眞妃「さて、どれにする?」

小野寺「そっすねぇ…動物系かな、犬がいいです」

伊井野「あ〜、犬もいいなー!」

眞妃「OKよ、このマキ先輩に任せなさい」バッ


眞妃「…ん?」ピクッ



柏木「〜」ウフフ
翼「〜」アハハ


眞妃(あ、あの二人!廊下でイチャイチャしてえ!私にわざと見せ付けてるのっ!?)プルプル

小野寺「ん?」

伊井野「私も作ってもらおうかな〜」キラキラ

小野寺(マキ先輩、何を見て…)チラッ



柏木「アハハ」
翼「フフフ」



小野寺(あれかあっ!!)

眞妃(あー、タコ焼きアーンしてる!あの二人タコ焼きアーンしてる!!)

眞妃(しかもあれハート入りの奴じゃないの!)プルプルプルプル


小野寺「ま、マキ先輩!早く犬作ってほしいな〜☆うち超楽しみテンションアゲアゲ〜☆」
↑眞妃の気をそらしてあげようとしている

眞妃「ふっ…」

小野寺(ダメだ届かない!)



伊井野「先輩、私もこれ欲しいんですけど!二個目作ってもらうって出来ますか!?」バッ

眞妃「!!」ハッ

その時、伊井野は眞妃の目の前に自分の作ってほしいものを見せた。
それにより視界を一時的に奪われ意識が柏木カップルから離れ正気に戻る。

眞妃(しまった、私ったら何を…いけない!後輩が待ってるのに!)
眞妃(伊井野のお陰ね…)チラッ

眞妃「いいわよ。何なら特別にもうひとつサービスしてあげてもいいくらいだわ……貴女は恩人だから」

伊井野「え、何の話ですか?」

小野寺(よくやった伊井野)ナデナデワシャワシャ

伊井野「え、なに!?何!?」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/15(金) 22:44:00.41 ID:1uPRDq8NO
そして時間は経過し…

ーーーーーーー

ーーー

キャンプファイヤー開始


小野寺「本当にいいの?あんたも見れる時間作れるように私も手伝うよ」

大仏「そうだよ、頑張ったミコちゃんはちゃんとキャンプファイヤー見るべきだよ」

伊井野「皆が楽しんでくれるなら私はそれでいいの。企画した私が責任持って最後までやらなきゃ」

大仏「…そっか、ごめんね」

小野寺「ごめん、私達だけ楽しむなんて…」

伊井野「いいよ謝らなくたって、やりたくてやってるんだし」

伊井野「それに私は二人が楽しんでくれるならそれだけで嬉しいよ、だから暗い顔しないで!」

小野寺「…わかったよ、伊井野。ありがとね」

大仏「ミコちゃんの為にも私達はちゃんとこっちを楽しむよ」

伊井野「うん、二人とも楽しんでね。じゃ!」

タッタッタッ…




大仏「…」

小野寺「…」


大仏「じゃあ…私は風野先輩のとこに行くよ」

小野寺「うん」



小野寺(伊井野の頑張りが無駄にならないように…私はこのキャンプファイヤーを楽しんで、最後まで見届けよう)



パチパチパチ…
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/15(金) 22:44:44.05 ID:1uPRDq8NO

ダダダッ!!


小野寺「ん?」

藤原「図書室!きっと図書室です!あっ、キャンプファイヤー綺麗!」クルッ

カレン「本当にそうなんですの!?あっ、綺麗ですわ!」クルッ

エリカ「ねえもう謎解きとかどうでもよくない?」


小野寺「何してるんですか?」

藤原「あ、小野寺さん!見てくださいこれ、風船泥棒からの挑戦状なんです!」

小野寺「あー、なんか話は聞きました」

藤原「小野寺さん…あなたはこの暗号を何だと思われますか?」ペラッ

小野寺「はあ………特に意味ないんじゃないですかね?それ」

藤原「なんて夢のないことを言うんですか!」

カレン「私も不安になって来ましたわ…」

エリカ「藤原さん適当に言ってそうだもん」

藤原「いいえ、私が必ず解き明かしてみせます!行きますよ、図書室へ!!」


小野寺「まあ頑張ってください」



タッタッタッ…


女子A「小野寺さーん」
女子B「伊井野と一緒じゃなかったの?」

小野寺「うん。あの子一人でやるから私は楽しんでって言われてね」

女子B「そうなんだ…」
女子A「がんばるねー」

小野寺「二人は何してたの?」

女子A「…ねえ小野寺さん、実は私ね」

小野寺「ん?」

女子A「彼氏できたの//」キャーッ

小野寺「え、あんた石上に気があったんじゃなかったの?」

女子A「うん…だけど何て言うのかな。石上くんはあれだよ、多くの生徒達から見た白銀会長とか四宮副会長的な憧れの存在なんだよ…」

女子A「私みたいな凡人が石上くんの様なイケメンに手を出すなんて『おこがましい』というかね、私には石上くんは勿体無いから………高望みはやめたんだ」

小野寺「あんたの中の石上のイメージは美化どころか神格化の領域に達してたんだね」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/15(金) 22:45:20.89 ID:1uPRDq8NO
女子A「じゃねー」
女子B「私達はあっち行っとくよ」

小野寺「はいよ」

フワッ…

小野寺「…!」

その時、小野寺の顔に何かが当たる

小野寺「わ!?なんだ?」


小野寺「…これは…ハートの風船?」ガシッ

小野寺「!!」



彼女が空を見上げるとそこには、大量のハート風船が舞っていた


小野寺「すごい…何これ…」


男「ロマンチックだね…実は俺、君が好きなんだ」

女「わ、私もよ…!」


小野寺「…」

そして隣では何かどさくさに紛れて新たなカップルが誕生していた



タッタッタッ…

早坂「恥ずい…マジ恥ずい……」(顔真っ赤)

小野寺(早坂先輩どうしたんだろ)

早坂は、槇原こずえのウルトラロマンティック推理が的中しまくっていたことに赤面し耐えきれず逃げていた

39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/15(金) 22:46:57.88 ID:1uPRDq8NO


「小野寺さん…君の持っているその風船……」

小野寺「!」



槇原「私に…くれないか?君のハートを」キラーン

小野寺「え、なんかやだ」


槇原「ふん。くれないならいいよケチ!」

小野寺「いやまあ欲しいならあげるけど」スッ

槇原「本当!?やったー!」


槇原「よーしこれ家に持ち帰って指紋調べて犯人特定しよ☆」

小野寺「やめようよそういうの」

槇原「大丈夫大丈夫、ちゃんと空気は読むから。犯人わかっても言わないから」

小野寺「まず指紋調べようとするのが怖いよ」

40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/15(金) 22:48:34.36 ID:1uPRDq8NO

ワイワイ

パチパチパチ…


石上「…」

ザッザッザッ

小野寺「石上、キャンプファイヤー撮ってんの?」

石上「ああ。動画撮ってる…こんなみんな楽しそうにやってんだ」

石上「伊井野もちゃんとこれを見るべきだろ」

小野寺「うん。そう思う」

石上「あいつはバカみたいに真面目だからな…自分が一番見たかっただろうに自分から貧乏くじを引くんだ」

小野寺「何だかんだ石上はちゃんと伊井野のことを見てるんだね」

石上「ん…別に、あいつがほっとけない奴ってだけだ」

小野寺「…私も写真撮って後で見せてあげよ」

石上「おう、あいつ喜ぶぞ」


小野寺(みんなが笑顔だ…これは、あんたの頑張りがあったからだよ。伊井野)



Hおしまい

41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/16(土) 22:27:32.93 ID:VAhv0d5UO
I小野寺麗のクリスマス


ザッザッザッ…

小野寺(つばめ先輩のとこに着いたぞー)ウキウキ

小野寺はつばめ先輩から招待されたクリパにウキウキしていた



小野寺「…ん?」


伊井野「何よ石上のバカ!!」ポカポカ

石上「バカっていうやつがバカだ!このバカ!!」ギャイギャイ


小野寺「ちょいちょい、何うちの弟と妹みたいな喧嘩してんの」


石上「あ、小野寺!お前からもこいつになんか言ってやってくれよ!」

伊井野「麗ちゃん、石上が私の化粧に文句言うんだよ!酷くない!?」クルッ

小野寺「あー…早くそれ落としてきな伊井野」

伊井野「え!?」

小野寺「ほら行くよ、化粧落としに」グイッ

伊井野「そ、そんなぁっ!(泣)」

石上「ったく、だから言っただろ伊井野」

小野寺「石上ももうちょい言い方優しくした方がいいよ」

石上「え、うん…ごめん……」



以下、割愛
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/16(土) 22:28:19.32 ID:VAhv0d5UO
ーーーーーーー

ーーーーー

そして解散

ワイワイ

男1「あー楽しかった」

女1「伊井野さん大丈夫かな…帰り変な男に引っ掛かったりとかしないかな…」

小野寺「まあ石上居るし大丈夫っしょ」


女2「じゃあまた学校でね!」

男2「おー、またー!」

小野寺「またね〜」





小野寺「ふー…終わった…」ンー



クリスマスの夜
多くのカップルや明るく光る装飾の数々でまだ街は賑やかである
彼女は楽しい気持ちでその光景を眺めながら自宅へ向かう


小野寺(まだ眠くないなぁ…家帰ったら何しよ)

ナンパ男「ねえ君一人〜?」

小野寺「いえ彼氏と待ち合わせしてるんで」


嘘である


小野寺の自宅


小野寺「ただーいま」



弟「お姉ちゃんのバカバカ!」
妹「バカって言う方がバカなんですー!」


小野寺「ちょいちょい、なに石上と伊井野みたいな喧嘩してんの」


弟「姉ちゃんのケーキ僕よりちょっと大きかった!!」
妹「あんたの私より苺1個多かったんだからいいじゃん!」

小野寺「…」



小野寺「ねえ、今日つばめ先輩の超可愛い写メ撮ったんだけど」スッ


弟「え、子安つばめさん!?」バッ
妹「見たい!!」バッ

二人は子安つばめのファンである

43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/16(土) 22:28:45.92 ID:VAhv0d5UO

小野寺の部屋


小野寺「ん〜…まだ眠くないなぁ〜」ボフッ

ゴロゴロ

小野寺「誰かとビデオ通話しよっかなぁ……」スッ


小野寺「あ、やべっ」ピクッ





藤原『はい、もしもし〜小野寺さん?珍しいねー、どうしたんですかぁ?』ニッコォ

小野寺「…!!!!」

小野寺、痛恨の操作ミス。藤原千花にビデオ通話を繋いでしまった!


小野寺「すみません、間違えました!」


藤原『そんな照れ隠しはいいですから♪私と話したかったんですよね小野寺さん☆』アハハ

藤原『光輝くクリスマスの夜…同性の先輩後輩で語り合うのもまた一興ではありませんか』

小野寺「先輩酔っぱらってます?」

藤原『お酒なんか飲んでませんよ失礼ですね〜』

かぐや『あれ〜、早坂じゃないの、どうしたの〜?』フラフラ

藤原『この子は小野寺さんですよ、なんで早坂さんが出てくるんですか』

小野寺「隣にいるのは四宮先輩ですか?」

藤原『はい、今日はうちでクリスマスパーティーやってまして。かぐやさんはお泊まりしてるんです!眠くなるとこのように更に可愛くなっちゃうんですよー』

かぐや『よろしくお願いします〜』フラフラ

小野寺「雰囲気が学校と全然違う…」

藤原『何だか今日は幸せそうですねかぐやさん』

かぐや『ん〜…うふふふ、えへへへ〜〜//』

萌葉『お姉ちゃん誰と話してるの?…わ、綺麗な人!目付きもクール!』

小野寺「え、ども…」

藤原『この子は後輩の小野寺さんって子です』

萌葉『ふーん、小野寺さんかぁ…』

萌葉『いいなぁ、監禁してみたいかも』チラッ

小野寺「…!!?」ゾワワッ

小野寺は萌葉に対し強い危機感を覚えた

藤原『あ、そういえばそっちのクリパ、石上くんとミコちゃんはどうでした?』

小野寺「石上は楽しんでましたよ。…伊井野はちょっと拗ねちゃってましたけど」

藤原『ミコちゃん誰かにお持ち帰りされたりしてない?』ハラハラ

小野寺「心配しなくても、声かける人は居てもいかがわしい考えの人は居なかったっすから」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/17(日) 09:36:27.07 ID:7vKIcMvmO



小野寺「…それで、伊井野は石上に任せてうちらは先に解散したんです」

藤原『つまり、つばめ先輩とミコちゃんと石上の3人が残った…』

かぐや『石上く〜〜ん、がんばれ〜』フラフラ

藤原『なに言ってるんですか、かぐやさんは』

小野寺「まあ、もう終電の時間は過ぎてるんで石上と伊井野も帰ったと思いますけど」

藤原『………』



藤原『男女三人屋根の下…何も起きない筈もなく……』

小野寺「はい?」


藤原『いいですか?どんなに根が真面目な男でも下半身には獣を持つんです…もしかしたら何か間違いが起きている可能性だって……例えば寝ているミコちゃんにあれやこれや……』

小野寺「いや、まさかそんなことしないっしょ」

藤原『はっ!まさか石上くんがミコちゃんをお持ち帰り!?全く大人しい顔してあの子は!!』ハウアッ

小野寺「やっぱ先輩酔っぱらってます?」

藤原『もしくは寝ぼけたミコちゃんがつばめ先輩を押し倒して…!?』

小野寺「石上とつばめ先輩の間に何か起こる可能性は考えないんですね…」

藤原『あははは、まさかそれはあり得ないでしょー!!☆』

小野寺「んな笑って否定しなくても」

かぐや『酷いですよ〜藤原さん!むむ〜!』

藤原『横から何か可愛い子が睨んでますが…まあ真面目な話をすると、石上くんがつばめ先輩を本気で好きなのは分かってます。それを茶化すのは流石にあれですから言わなかっただけですよ。あの子は付き合ってもない子に手を出すことはしません』

小野寺「あぁ、そうなんすか…やっぱ根はいい人ですね」

藤原『何だかんだで私も石上くんの恋は応援しているんですよ。まあさすがに今日一日で恋人寸前まで進展するとは思いませんが…』


その頃、石上はベッドの上で子安つばめに抱きつかれていた


藤原『あ、今から電話して聞いてみましょうか!つばめ先輩とどこまで進展したか!』

小野寺「え!?いや今はやめときましょうよ!」

藤原『大丈夫ですって、まさか石上くんがお泊まりしてることはないと思いますし今日は楽しんでたんでしょう?だから今頃は家でウキウキ気分で暇してるはずですよ☆』

その頃、石上はベッドの上で子安つばめに告白していた



小野寺「いやでも…」

藤原『小野寺は心配症ですねー大丈夫ですから、私を信じてください☆』

小野寺(ダメだこの人、深夜のテンションMAXになってる)

藤原『かぐやさん今から石上くんに電話できます?』

かぐや『もしもし〜?石上く〜〜ん?』フラフラ

藤原『かぐやさん、それテレビのリモコンです!!』
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/17(日) 09:37:12.57 ID:7vKIcMvmO
かぐや『ねぇ藤原さ〜ん、電話したらテレビがついた〜不思議〜』フラフラ

藤原『ああもう、この子眠気で完全にボケちゃってるじゃないですか!』

小野寺「もう寝かせてあげましょうよ、その人…」

藤原『仕方ないですね……このまま私の通話切ったら寂しくて小野寺さん泣いちゃうかも知れないから石上くんへの電話は諦めましょう』

小野寺「いや泣きはしないっすけど」

藤原『それに石上くん一人で「ピー」やってたらいけないですしね…男の子ですから(照)』

小野寺「藤原先輩、例え深夜のテンションでもそういう発言をすることにもう少し抵抗を感じてください」


一方、石上達はとても茶化せない状況になっていた



藤原『ミコちゃんも今頃はお家でぐっすり寝ているでしょうし…クリパの感想を聞くのは明日にしておきましょうか』

小野寺「そうですね」

藤原『あ、そういえば今日面白いことがあったんですが!』

小野寺(まだ話続くの!?)


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ーーーーーーーー


ーーーーー


翌日


小野寺「ん…」パチ



小野寺「あー…もう昼前か……ちょっと寝過ぎたかな」

小野寺「…ん?伊井野からライン来てる……なんだろ」スッ


伊井野からのライン
『うでがおれた』


小野寺「何があった!?」


Iおしまい
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/05/17(日) 21:52:17.00 ID:kVjtwjRzO

見てみたいシチュエーションとか、何かのエピソードの裏話的などがあればリクエストしてくれてもいいですよ
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/18(月) 09:24:08.01 ID:Stlbav0XO
見たいものってこの先原作でやりそうだしなあ
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