艦隊管理職トネガワ

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 13:54:38.61 ID:3RUrQINv0
中間管理職トネガワ×艦これのSSです。
一話形式でネタが尽きるまでやっていくつもり。
よろしくお願いします。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1589259278
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 13:56:27.10 ID:3RUrQINv0
利根川「会長、お呼びでしょうか?」

兵藤「来たか利根川。知っておるか?何やら最近、物騒な輩が海で暴れておるらしい・・・・」

利根川「はっ!存じ上げております・・・・!世間では深海棲艦と言われており、艦娘という生物兵器でなければ対処ができないとか・・・・・・」

兵藤「うむ・・・・。我が帝愛傘下、黒金海運の船もいくつかやられておるらしい・・・・!全く、気に食わん輩だ・・・・・・!」ギリギリ

兵藤「利根川、ワシがこう言えば、後は解るな?」

利根川「はっ!直ちに極秘裏に海軍と連携を取り、安全な航海を」

兵藤「艦娘だ!直ちにワシらも艦娘、及び鎮守府の用意をするぞ・・・・・・!」

利根川(えっ・・・・!?鎮・・・・守・・・・府・・・・?)

兵藤「お前にはしばらく、帝愛直属の艦娘の指揮をとってもらう・・・・・・!世では提督と言われてるらしいが、まあそのポジションじゃな・・・・!」

利根川「て、提督!?わ、私がですか・・・・!?」

兵藤「んん・・・・?まさか・・・・嫌なのか・・・・?」

利根川「め、滅相もございません・・・・!ありがたきお言葉・・・・!」

兵藤「カカカッ!頼んだぞ、利根川提督・・・・!」バニッ・・ バニッ・・

利根川(ぐ・・・・!また妙な事に・・・・・・!)
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 13:58:05.89 ID:3RUrQINv0
―数週間後・とある県境の鎮守府―

利根川「ふう、やっと到着したか‥‥」

山崎「ここが帝愛の鎮守府ですか。前に潰された億兆荘にどこか似てますね」

利根川「うむ‥‥。思えばあれもなぜ取り壊したのか‥‥。会長の行動は解せぬことが多い‥‥‥」

山崎「しかし、凄いですね会長は。海軍保有の艦娘を帝愛の私兵として用意するなんて‥‥」

利根川「会長は、軍や政治家にも顔が利くからな‥‥。海軍からそのような施設や兵器を極秘裏で取引するのも容易なのだろう‥‥‥」

利根川(しかし、なぜワシが鎮守府にいる提督達の真似事など‥‥。まあ、会長の無茶な命令は今に始まったことではないが‥‥‥)

山崎「では行きましょうか。既に艦娘は用意されているんでしたよね?」スタスタ

利根川「ああ。と言っても、殆どが駆逐艦らしいがな‥‥」スタスタ
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:00:02.20 ID:3RUrQINv0
―執務室―


大淀「お待ちしておりました、利根川提督」

山崎「えっと、利根川先生、この方は?」

利根川「大淀型、1番艦の軽巡洋艦、大淀だ。しばらく秘書艦として動いてもらうことになった」

大淀「よろしくお願いします」

山崎「あ、どうも。利根川先生の部下の山崎と申します。しばらくは先生のサポートとして、ここで働きます‥‥!」ペコリ

山崎(艦娘は生物兵器って聞いてたけど、こうしてみると普通の女の子って感じだなぁ‥‥)

利根川「クク‥‥驚いたか‥‥?そう、艦娘と言っても見た目はそこらの少女と変わらん‥‥‥!」

大淀「ふふ、もっと禍々しい物を想像してましたか?」

山崎「い、いやいや!そんな事はありません‥‥!」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:01:39.47 ID:3RUrQINv0
利根川「さて、早速だがこの鎮守府にいる艦娘を会議室に集めてくれ。お互い自己紹介が必要だからな‥‥」

大淀「了解しました。会議の開始時刻はどうしますか?今からですと、ヒトヒトマルマルがよさそうですが‥‥」

利根川「15分後が11時‥‥いや、ヒトヒトマルマルか。ああ、それでいい‥‥‥!」

大淀「了解しました。では私は皆さんに声をかけてきますね」バタン

山崎「あの、利根川先生‥‥。ヒトヒトマルマルといのは‥‥?」

利根川「海軍では時刻を伝えるときに0をマル。1をヒト。2をフタ‥‥というように言い換えて伝えるのだ‥‥」

山崎「はぁ〜!だから11時がヒトヒトマルマルってことですか。しかしまた何故‥‥‥?」

利根川「周りが騒がしい時や無線が傍受し難い時があるだろう?その時に、聞き間違えないためだ。まあ、ワシも使うのはこれが初めてだがな‥‥」

山崎「ああ、そういえば飛行機とかも聞き間違えで事故が起きたとかで、言い方のマニュアルがあるんでしたっけ。なるほどなぁ‥‥!」

利根川「関心しとらんで、ワシらも会議室に行くぞ。荷物はここに置いといていい。それと山崎、お前も時刻の伝え方はちゃんと覚えておけ‥‥!」

山崎「あ、そうですね‥‥」

6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:04:57.32 ID:3RUrQINv0

―第1会議室―

山崎「と、利根川先生‥‥!ひょっとして彼女達が駆逐艦ですか?」

利根川「ああ‥‥。話には聞いていたが、本当に小学生のようだな‥‥」

明石「あ、提督。お疲れ様です!」

利根川「ん?ああ、明石か」

山崎「この方は‥‥?」

利根川「明石型1番艦、工作艦の明石だ。こいつと大淀だけは、先に帝愛で顔を合わせている」

明石「さっそく作戦会議ですか?」

利根川「いや、まずは自己紹介だ。ワシは覚えなければならんからな‥‥!全ての艦娘、その型式や名前を‥‥!」

山崎「‥‥」

利根川「ん‥‥?どうした山崎」

山崎「い、いえ、その‥‥」

山崎(自己紹介、そして名前の記憶‥‥。利根川先生、大丈夫か‥‥?)
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:06:57.70 ID:3RUrQINv0
利根川「‥‥なるほど、お前の心配もわかる。自己紹介‥‥名前‥‥」

利根川「この二つの符号が意味するものは、とどのつまり‥‥『この先困難が待ち受けている‥‥!』そう言いたいんだろう‥‥?」

山崎「は、はい‥‥!」

利根川「しかし、今回は問題あるまい‥‥!画一的で無個性な黒服達と違い、艦娘は個性に溢れているそうだからな‥‥!」

山崎「は、はぁ‥‥」

利根川「現に、明石や大淀の名前はすぐに覚えられた。名前が覚えやすく、かつ個性に溢れてる‥‥!クク‥‥心配あるまい‥‥!」

山崎「しかし、その‥‥水を差すわけではありませんが、服装とか似てませんか‥‥?」

利根川「あっ‥‥‥?」


山崎の指摘通り、会議室に集められた艦娘達の服装は、酷似している‥‥!

しかし、それも当然‥‥!
利根川の鎮守府に集められた艦娘は姉妹艦が多かった‥‥。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:08:29.94 ID:3RUrQINv0
艦娘は、姉妹艦同士では、服装や艤装が酷似している事もあり、
それはつまり、帝愛の規定である黒服のスーツに近いものがあった‥‥!
実際には黒服のスーツとは似ても似つかないが、利根川の目にはそう映る。
映ってしまう‥‥!悪魔の如く‥‥!


利根川(うっ‥‥‥!た、確かに似ている‥‥‥!)ゾッ


立ち込める暗雲‥‥!
あろう事か、利根川は気づいてしまった‥‥!
いや、山崎によって気づかされてしまった‥‥!


利根川(ぐっ‥‥!バカ‥‥!言わなければ、気づかなかったものを‥‥!山崎め、余計な事を‥‥!)

大淀「提督、そろそろヒトヒトマルマルです。鎮守府にいる艦娘は全員揃いました」

利根川「あ、ああ‥‥。ご苦労‥‥!」

利根川(と、とにかく記憶‥‥!記憶だ‥‥‥!艦娘をぞんざいに扱うことなどできんからな‥‥!)
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:11:26.17 ID:3RUrQINv0
―ヒトヒトマルマル 第1会議室―

利根川「えー‥‥。と‥‥言うわけでワシがお前達の提督となった利根川だ‥‥!」

利根川「お前らの役目は、民間船を襲っている深海棲艦を退治する事が主となるだろう‥‥‥」

利根川「本来、この会議室は作戦会議に使うものだが、今日はまず自己紹介からだ‥‥・!」

利根川「言うまでもなく、お前らは深海棲艦を倒すための重要な鍵だ‥‥。よってぞんざいな扱いはできん‥‥」

利根川「故に、ワシは覚えなければならん‥‥‥!お前らの艦名、及び型式等々を‥‥‥!」

利根川「そのための自己紹介‥‥‥!さあ、始めろ!まずは、お前からだ!型式や艦名、趣味などを順ぐりに‥‥‥!」

朝潮「は、はい!」ガタッ

朝潮「朝潮型、1番艦の朝潮です!趣味は釣りです!よろしくお願いします、司令官!」ビシッ

山崎(真面目そうな子だなぁ‥‥‥)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:14:09.13 ID:3RUrQINv0
利根川「お前は朝潮型。それも1番艦の朝潮だな」

朝潮「い、以上でよろしいでしょうか‥‥?」

利根川「ああ、構わん。よし、次‥‥!」

大潮「朝潮型駆逐艦の2番艦、大潮です!」

山崎(ぐっ‥‥。やはり来た‥‥!今回は『潮』被りか‥‥!)

利根川「よし、お前は朝潮型2番艦の大潮だな‥‥!」

大潮「はい!趣味は朝潮姉さんと同じく釣りです!アゲアゲで参ります!」

山崎「し、しかも同じ趣味‥‥!」ガタッ

大潮「わぁっ!?」ビクッ

利根川「山崎‥‥!」

山崎「す、すみません‥‥!」

利根川「驚かせてすまんな。お前は大潮。趣味は釣りだな‥‥?」

大潮「は、はい」

山崎(す、凄い‥‥!利根川先生、全く動揺していない‥‥!これは今回、いけるかも‥‥!)
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:17:59.74 ID:3RUrQINv0
否‥‥!
一見、余裕綽々に見えるが‥‥利根川苦しんでいた‥‥‥!
今回も‥‥!

名前で苦しむのは、利根川の宿命なのか‥‥!
余裕の表情の裏で苦痛に満ちていた‥‥‥!


利根川(ぐっ‥‥!またこのパターンか!なぜワシはいつも名前で悩まされる事が多い‥‥!)

利根川(朝潮ときて大潮‥‥!紛らわしい‥‥!というか‥‥アゲアゲってなんだ、アゲアゲって‥‥!)

利根川(ただでさえ色々と覚えなければならんと言うのに、余計な情報を付け足すな‥‥‥!)

利根川(いや、落ち着け‥‥。こいつらは黒服と違って容姿が異なる‥‥。その点では同じような名前でも、黒服よりは覚えやすかろう‥‥‥)

利根川(服装は似たり寄ったりだが、ストレートの黒髪が朝潮‥‥!髪を縛ってる藤色っぽい方が大潮‥‥!いけるっ‥‥!)

利根川「よし、次っ‥‥!」

荒潮「朝潮型、4番艦の荒潮です〜。趣味は釣りよぉ〜。よろしくね?うふふっ」

山崎(ぐっ‥‥‥また『潮』被りか‥‥!しかもまた釣り‥‥‥!)

山崎(しかし、今回の利根川先生なら‥‥!)チラッ

利根川「あ、荒潮‥‥ぐぐっ‥‥荒潮‥‥‥!」ブツブツ

山崎(あ‥‥‥)

利根川「お、お前は、朝潮型4番艦の荒潮だな!しゅ、趣味は釣り‥‥!」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:21:24.38 ID:3RUrQINv0

山崎「と、利根川先生‥‥だ、大丈夫ですか‥‥‥?」

利根川「クク‥‥どうやら自己紹介で楽はさせてもらえんらしい‥‥。が‥‥!大丈夫だ‥‥‥」ギリギリ

利根川(くそっ‥‥!どいつもこいつも潮、潮、潮っ‥‥!まるで潮干狩り‥‥!潮干狩りに来た小学生っ‥‥‥!)

利根川(まあいい‥‥少し茶色がかったロングヘアが荒潮‥‥!)

満潮「私は朝潮型、3番艦の満潮よ。趣味は釣り。以上」

利根川「がっ‥‥!」ビクッ

山崎(あちゃ‥‥‥)

利根川「えーと、み、満潮‥‥満潮だな‥‥?お前は‥‥‥!」

満潮「何度も言わせないで!朝潮型、3番艦の満潮よ!ふんっ!」

山崎(うわっ、凄いはねっかえり娘って感じだな‥‥‥。大丈夫か、利根川先生‥‥‥?)

利根川(ぐっ‥‥!何だこいつの態度は‥‥!仮にもワシは上司‥‥とどのつまり上官だというのに‥‥‥!)

利根川(いや、落ち着け‥‥‥!今は覚えることに集中するんだ‥‥‥!)

利根川「満潮‥‥。朝潮型の3番艦‥‥趣味は釣り‥‥よし‥‥‥!」

利根川「少し茶色がかったロングヘアが荒潮‥‥!フレンチクルーラーが満潮‥‥!」ブツ‥ブツ‥

山崎「フ、フレンチクルーラー‥‥!」ププ
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:24:44.12 ID:3RUrQINv0
満潮「ちょっと!フレンチクルーラーってどういう意味よ!」バンッ

利根川「がっ‥‥・!バ、バカ‥‥!急に大声を出すな‥‥‥!」

朝潮「満潮、だめよ」

満潮「ぐぬぬ‥‥‥!」

利根川(くそ、フレンチクルーラーめ‥‥!奴の態度はどうにかさせんとな‥‥‥!)

利根川「フレンチ‥‥フレンチクルーラー‥‥」ブツブツ

山崎「利根川先生、満潮です‥‥!み・ち・し・お‥‥‥!」ヒソヒソ

利根川「よし、次‥‥!」

浦風「うちの番じゃね。陽炎型、11番艦の浦風じゃ!趣味は‥‥‥す、すまんのう、うちも釣りじゃ」

利根川「!!」パァァ

利根川「浦風!お前は陽炎型11番艦の浦風だな!浦風‥‥よしっ!」ビシッ

浦風「や、やけに嬉しそうじゃねえ‥‥」

利根川(よしっ‥‥!よしっ‥‥!どうやら、ややこしいのは朝潮型だけのようだ‥‥!)

利根川(確か陽炎型の1番艦が陽炎、2番艦が不知火だったはず‥‥!これなら覚えやすい‥‥!)
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:26:36.07 ID:3RUrQINv0
利根川(全ての艦を調べたわけじゃないが、いくらなんでも朝潮型ほどややこしくはあるまい‥‥!)

利根川「よし、次だ‥‥!」ビクッ

利根川(あ‥‥?なんだ今の悪寒‥‥‥!?まさか‥‥!)

谷風「がってん!陽炎型、14番艦の谷風さんだよ〜!趣味は釣り‥‥」

利根川「ああ〜!?」ガタッ

谷風「ア゛ッ!?」ビクッ

山崎「と、利根川先生‥‥!落ち着いてください‥‥‥!」

利根川「ぐぐっ‥‥!い、いや‥‥た、谷‥‥風‥‥谷風だな!」ギリギリ

谷風「あ、あい‥‥」

谷風(なんか谷風さん、めっちゃ睨まれてるんですけど!?)

利根川「いるのか‥‥?」

谷風「ふぇ?」

利根川「他に『風』のつく艦娘がいるのかと聞いている!」バンッ

谷風「ひえっ!?」
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:29:31.84 ID:3RUrQINv0
利根川「他に『風』のつく艦娘はいるのか‥‥!今すぐ名乗り出ろ‥‥‥!」

浜風「す、すみません!私も『風』がつきます。陽炎型、13番艦の浜風です‥‥!しゅ、趣味はえっと‥‥つ、釣り‥‥です‥‥」

利根川「ぐっ‥‥!」

磯風「私も『風』がつく。陽炎型駆逐艦12番艦、磯風だ。趣味は釣りだ」

利根川「んがっ‥‥!?」

雪風「し、しれえ‥‥実は私も『風』が‥‥。陽炎型、8番艦の雪風です‥‥。趣味は‥‥釣りです」

利根川「そ、そうか‥‥ふ、ふふ‥‥ほ、ほ、他にはいるか‥‥?」ガタガタ

萩風「は、萩風です。陽炎型の17番艦です。趣味はつ、釣りです!ご、ごめんなさい!!」

利根川「ほ、ほう‥‥」ガタガタ

舞風「陽炎型、18番艦の舞風よ。趣味は‥‥お、怒らないでね?あたしも釣りだよ!」

利根川「は、はは‥‥」ガタガタ

山風「あ、あたしは山風‥‥。釣り‥‥大好き‥‥‥」

利根川「」クラッ

山崎「と、利根川先生‥‥!どうしましょう?今日はもう止めておきますか‥‥!?」ユサユサ
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:35:11.95 ID:3RUrQINv0
利根川「い、いや‥‥。だ、大丈夫‥‥大丈夫だ‥‥‥!」

山崎「し、しかし‥‥!こうも『風』が被っては‥‥!」

利根川「なめるなっ‥‥‥!山崎っ‥‥‥!」

山崎「ひえっ‥‥!」ビクッ

利根川「ここに居る艦娘は、明石と大淀を抜かせばたかが13人‥‥!」ギリギリ

利根川「艦の型、艦名、そして何番艦か‥‥!その程度だ‥‥!今日で全て覚えてみせる‥‥!」ギリギリギリ

利根川「それにワシは、あの時の山田ラッシュを乗り越えた‥‥!この程度、へでもない‥‥‥!」ギリギリギリギリギリギリ

山崎(でもその代わり、一時期、オレ達の名前を忘れてたよなぁ‥‥)

利根川「それに、幸い今のラッシュで残り一人だ‥‥!」

利根川(浦風が青いフレンチクルーラー‥‥。トイレの花子さんのようなおかっぱが谷風‥‥)ブツ‥ブツ‥

利根川(浜風は目が片方隠れている‥‥!磯風は黒髪ロングヘアー‥‥!)ブツ‥ブツ‥
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:40:32.80 ID:3RUrQINv0
利根川(荻風が紫色のサイドテール‥‥!舞風は派手な金髪‥‥!こいつはポニーテールか‥‥?)ブツ‥ブツ‥

利根川(ビーバーみたいなのが雪風‥‥こいつはわかりやすい‥‥!緑髪でリボンをしているのが山風‥‥!)ブツ‥ブツ‥

利根川「よし、無個性の黒服よりよっぽど個性があるぞ‥‥!クク‥‥!大丈夫だ、大丈夫‥‥‥!」ゼェゼェ

利根川「よ、よし、最後はお前だ!」ゼェゼェ

黒潮「は、はい。えっと‥‥。ウチは『風』はつかんのやけど‥‥」

利根川「!!」パァァ

山崎「おお‥‥!それならば覚えやすそうだ!」

黒潮「えっと、黒『潮』って名前で‥‥。ははは‥‥」

利根川「あ‥‥?」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:43:10.99 ID:3RUrQINv0
ざわ‥ ざわ‥

黒潮「『陽炎型』3番艦の黒『潮』や」

利根川「」

黒潮「趣味は‥‥ご、ごめんなぁ〜?ウチ、釣り好きやねん」

利根川「か‥‥」

黒潮「し、司令はん‥‥?」

利根川「か・げ・ろ・う・が・たぁ〜〜〜!?」ガタッ

黒潮「ひえっ!」ビクッ

利根川「どういう事だ!?なんで陽炎型なのに黒潮って名前なんだ‥‥‥!」バンッ

黒潮「え、えっと‥‥」

利根川「黒『潮』なのになんで朝潮型じゃないんだ!おかしいだろ‥‥‥!!」バンッ

黒潮「えぇ‥‥。ウチに言われても困るぅ‥‥」

山風「あ、あの‥‥・」ビクビク

利根川「今度は何だ‥‥!?」

山風「あたし‥‥山『風』だけど‥‥陽炎型じゃなくて‥‥白露型で8番艦‥‥。ごめん‥‥言うの忘れてた‥‥」ビクビク
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:46:13.00 ID:3RUrQINv0
利根川「お前もかぁっ」バンッ

山風「ひっ!」ビクッ

利根川「何で陽炎型じゃないのに山崎って名前なんだ!」バンッ

山崎「利根川先生、落ち着いて下さい!山崎は私です‥‥!あの子は山風‥‥!」

山風「う、うん‥‥。あたしは山風‥‥‥」ビクビク

山崎「確かに山が被ってますけど、違います‥‥‥!私が『山』崎であの子が『山』風です!」

利根川「余計な事を言うな山風‥‥!間違えるだろ‥‥!」

山崎「ですから私が山崎で‥‥!あの子が山風‥‥!」

山風「あ、それと‥‥改白露型だと‥‥2番艦になるんだ‥‥‥あたし‥‥‥」

利根川「言わなくていい!そういう余計な情報は‥‥!」バンッ

山風「ひっ!」ビクッ

利根川「大体、どいつもこいつも趣味が釣り、釣り、釣りって‥‥!」ギリギリ

利根川「釣りバカ日誌かっ‥‥・!お前らはっ‥‥‥!」バンッ

大潮「釣りバカ日誌?」キョトン

利根川「バカっ‥‥!釣りが趣味なら知っとけ‥‥!釣りバカ日誌くらい‥‥!映画でやってるだろうっ‥‥!漫画版もある‥‥‥!」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/12(火) 14:51:10.83 ID:imGhimTO0
利根川先生…!漫画が原作です…!釣りバカ日誌の原作は漫画…っ!
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 14:51:25.99 ID:3RUrQINv0
谷風「そういえば、谷風さん見たことあるかも!合体!ってやつだよね!」

浜風「合体?ロボットが出てくるのでしょうか?」キョトン

利根川「違うっ‥‥!ロボの合体ではないっ‥‥‥!」

山崎「利根川先生落ち着いてください!釣りバカは今はどうでもいいです‥‥‥!」

利根川「ぐぐぐっ‥‥‥!朝潮型と陽炎型ばかりで、一人は陽炎型なのに満潮‥‥!」ブツブツ

満潮「違うわよ、陽炎型は黒潮!まったく、なんでこんな部隊に配属されたのかしら‥‥」

山風「私は‥‥白露型‥‥‥」プクー

利根川「があっ‥‥‥!なんでこうもややこしいんだ‥‥‥!」

利根川「言っておくが、釣りに例えればお前ら全員、ボウズだ‥‥!釣果0匹‥‥‥!」ギリギリ

山崎「よし、休憩しましょう‥‥!10分休憩‥‥!休憩ならいいですよね?利根川先生‥‥‥!」

利根川「あ‥‥‥ああ‥‥‥そうだな‥‥‥」ゼェゼェ

大淀「で、ではこれより休憩時間をとりますね!」


利根川、一時は取り乱すも何とか艦娘の名前を覚えた。
暁の水平線に勝利を刻むまで、頑張れ利根川‥‥!

―続く―
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/05/12(火) 14:59:25.22 ID:9o7oVNlF0
駆逐艦はしゃーない

なお半分以上が駆逐艦のもよう
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 18:38:47.96 ID:3RUrQINv0
佐衛門「利根川先生!」

利根川「おお、来たか佐衛門‥‥‥!」

山崎「あれ?佐衛門も呼んだのですか?」

利根川「ああ。お前だけでは、ワシが会長に呼び出しを受けた時に困るだろう」

山崎「ああ、確かに‥‥‥私だけでは回らなくなりますね」

佐衛門「いやー、艦娘の方々を見ましたけど、普通の少女と変わらないんですね‥‥‥!」

山崎「ああ、オレも驚いた‥‥‥!」

佐衛門「ところで、これからどこに向かうんですか?」

利根川「工廠だ。艦娘を建造するために‥‥‥な!」

24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 18:43:28.29 ID:3RUrQINv0
―ヒトサンマルマル 工廠―

佐衛門「ここが艦を製造してる工廠ですか。凄い大きいですね‥‥」

利根川「戦艦ともなると、全長263m程になる艦もあるみたいだからな‥‥。無論、それは本物の戦艦だった頃の話だが‥‥」

明石「あ、提督。お疲れ様です!」

山崎「あ、どうも明石さん」

明石「それで提督、早速建造に入るんですか?

利根川「ああ。ワシの部隊‥‥いや、兵藤会長の部隊となる艦隊が駆逐艦だけでは話にならんからな‥‥!」

山崎「戦艦などがいなければ、強力な艦隊は作れませんからね‥‥」

佐衛門「そういえば、ここって今どれくらいの戦力があるんですか‥‥?」

利根川「今いる艦は、朝潮型駆逐艦4人と陽炎型駆逐艦8人、そして白露型駆逐艦1人の計13名だ」

山崎「なんというか‥‥見事に朝潮型と陽炎型に偏りましたね‥‥」
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 18:47:24.53 ID:3RUrQINv0
利根川「まあ、それは海軍が姉妹艦ごと我々に寄越したと考えれば仕方のない事だがな‥‥」

山崎「あれ?でも大淀さんと明石さんも艦娘なんですよね‥‥?」

明石「うーん、大淀はともかく私は‥‥」

利根川「大淀は軽巡洋艦だが、秘書艦としての仕事がある」

佐衛門「それに明石さんは、工作艦だから戦闘には向いてないと思いますよ」

山崎「ああ、なるほど‥‥‥。佐衛門、お前詳しいなぁ‥‥‥!」

佐衛門「戦艦などの歴史について、色々と勉強してきましたからね」

明石「私も本当はカッコよく戦ってみたいんですけどね〜。戦艦や空母みたいに」

利根川「気持ちはわからんでもないが、工作艦には工作艦の役目がある‥‥。お前はそのままでも充分役立つだろう‥‥」

明石「わっ!なんか、かっこいい台詞!ちょっとドキっとしましたよ!」

山崎「利根川先生っていう事がいちいちかっこいいんですよね」

利根川「ちっ‥‥!おい、下らん事を言っとらんでさっさと建造だ‥‥!」
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 18:50:04.89 ID:3RUrQINv0
山崎「建造するなら、やはり軽巡洋艦‥‥できれば重巡洋艦や戦艦ってところですかね‥‥?」

利根川「いや、ここは空母にしようと思う」

佐衛門「なるほど、空母ですか‥‥。確かにそれが一番効果的かもしれませんね」

山崎「何で空母が一番効果的なんです‥‥?」

利根川「ワシは艦娘と深海棲艦の戦闘を映像で見た。その時の映像を見て、ワシはすぐに気がついた‥‥」

利根川「深海棲艦との戦いは、まず制空権を奪う事が何よりも重要‥‥!肝心要‥‥!」

山崎「はぁ‥‥?制空権‥‥ですか?」

利根川「制空権を奪えば、相手の動きに合わせて砲撃の修正を行える。弾着観測射撃というやつだ‥‥」

利根川「もっともこれは、水上偵察機、あるいは水上爆撃機を積める艦でしか行えんようだがな‥‥」

山崎「はぁ、なるほど‥‥。しかしそれならば、水上機を積める艦を先に作った方がよいのでは‥‥?」

利根川「空母の仕事はそれだけではない。偵察、開幕航空攻撃、敵に空母がいれば、対空砲火による航空機の撃墜も行う‥‥!」

利根川「つまり、空母は艦隊のキーパーソンと言っても過言ではないのだ‥‥!」

山崎「なるほど‥‥!それなら空母を量産しましょうよ!」

佐衛門「いやいや、そういうわけにも行かないんですよ」
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 18:53:32.24 ID:3RUrQINv0
利根川「空母の存在は確かにメリットが大きい‥‥!だがデメリットがないわけでもない。そうだな、明石‥‥!」

明石「そうですねー。空母がいればボーキをそれなりに使いますし、特別な装備がないと、空母は夜戦に参加できませんから‥‥」

明石「それに、装甲空母以外は中破すると何も出来なくなってしまうんですよ」

利根川「数が多い事に越した事はないが、資源にも限りがある。メリットが大きいからといって、そう易々と量産はできん‥‥‥!」

山崎「なるほど‥‥バランスが重要ってことですね」

利根川「うむ。ともかく、重巡洋艦や戦艦は後回しでも問題ない。まずは空母だ‥‥!」

明石「空母のレシピはこちらになりますね」

利根川「ふむ‥‥弾薬以外は軒並み300超えか‥‥」

明石「そっちは軽空母寄りのレシピですね。ボーキと鋼材の数をその倍くらいにすれば、正規空母が出来る割合が高くなるみたいですよ」

佐衛門「今、我々の鎮守府にある資源は、各3000くらいですか。無駄使いはできませんね」

利根川「うむ‥‥。やはり燃費の軽い軽空母を狙ってみるのが妥当か‥‥!」

山崎「ではこのレシピを試してみましょうか‥‥?」

利根川「そうだな。それで明石、建造はどうやってやるんだ‥‥?」
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 18:56:14.76 ID:3RUrQINv0
明石「この装置に各資材の分量を入力するパネルがあります!」

利根川「おお、これか‥‥‥!」ポチポチ

明石「それで、このボタンを押せば妖精さんが出てきて、艦を作ってくれる仕組みなんです!」

利根川「ほう、妖精か‥‥‥」

佐衛門「え‥‥?」

山崎「は‥‥?」

利根川「ん‥‥?おい、何が出てくるって‥‥?」

明石「妖精です」

利根川「‥‥‥?」

山崎「‥‥‥?」

佐衛門「‥‥‥?」

明石「‥‥‥?」

29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 19:01:45.82 ID:3RUrQINv0
利根川「あー‥‥‥その‥‥‥聞き間違えでなければ‥‥今‥‥‥妖精‥‥‥!」

利根川「妖精‥‥‥と言ったような気がしたのだが‥‥‥?」

明石「言いましたけど‥‥それがどうかしました?」

利根川「‥‥‥?‥‥‥?‥‥‥?」

佐衛門「いやいやいや‥‥‥!」

山崎「インポッシブル‥‥!どう考えてもインポッシブル‥‥‥!」

明石「いやいや、本当に出てくるんですよ、妖精が!」

佐衛門「いやいやいや‥‥‥!だから、いやいやいや‥‥‥!」

山崎「いくらなんでも妖精って‥‥ねえ、利根川先生‥‥?」ハハハッ

利根川「あー‥‥まあ‥‥その‥‥なんだ‥‥?ともかくスイッチを押してみよう。それでわかる‥‥‥!」カチッ

キュイーン ポコッ

妖精1「しごとだー!」トテトテ

妖精2「ちょっとごめんねー」トテトテ

利根川「‥‥‥!?」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 19:07:17.79 ID:3RUrQINv0
山崎「うわっ‥‥!なんか小さい人間が出てきた‥‥‥!」

明石「ね?本当だったでしょう?」

佐衛門「と、利根川先生〜〜〜〜!これってもしかしてシンギュラリティですか‥‥‥!?」バンバン

明石「妖精さんです!ですから、シンギュラリティではありませんよ、もう!」

利根川「あ‥‥‥?あ‥‥‥?」ポカーン

妖精1「てーとくのためならエンヤコーラ‥‥!」カンカン

妖精2「あーいそがしい、いそがしい」トコトコ

山崎「ほ、本物だ‥‥!小さい人間が鋼材を叩いている‥‥‥!こっちはダンボール箱を持っている‥‥‥!」

明石「だから言ったじゃないですかー!」

佐衛門「シンギュラリティ〜〜〜〜!!利根川先生!シンギュラリティですよ‥‥‥!」グイグイグイグイ

明石「だから違いますって!」

山崎「いや‥‥‥しかし‥‥‥妖精って‥‥‥」

明石「あんまり細かい事を気にしてると、将来ハゲちゃいますよ」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/05/12(火) 19:10:49.32 ID:3RUrQINv0
利根川「‥‥‥」ポカーン

明石「それはともかく、建造時間が2時間40分って出てましたよ。やりましたね!」

利根川「あ、ああ‥‥‥」ポカーン

山崎「建造時間で何が出来るか分かるんですか‥‥?」

明石「はい。この時間だと祥鳳型の軽空母ができると思います!」

利根川「そ、そうか‥‥‥」ポカーン

明石「あれ、嬉しくないんですか?望みの空母ですよ、空母!」

利根川「も、勿論嬉しいに決まっている‥‥‥!はは‥‥‥」カタカタカタ

明石「ですよね!あ、良かったら高速建造材を使いますか?」

利根川「こ‥‥高速建造材‥‥‥?」

明石「はい。それを使えば一瞬で艦娘が出来上がりますよ!」

山崎「一瞬で出来上がるって‥‥‥どんな風になるんですか?」

明石「こう、火炎放射器みたいな奴で」

利根川「は‥‥‥?火炎放射器‥‥‥?」
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