女「選ばれた能力は、綾鷹でした」

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1 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:08:50.41 ID:Ah/etRVG0

帰り道


友(♀)「え…」

女「ですから、私に適合した能力。綾鷹なんです」

女「効果は…ほら」ガコンッ

女「今、ミネラルウォーターを買った筈なのに綾鷹が出てきたでしょう?」

女「100円払って160円の綾鷹が買える能力なんです」

女「正しくは、"人生の様々な選択において綾鷹が選ばれる"という能力なのですが…」

友「そ、それで最近やけに綾鷹ばっか飲んでたんだ…!」

女「綾鷹を飲んでいたのは普通に美味しいからという理由なのですが…」

友「いっ…」

女「でも、面白いですよね」

女「一見得したように見えるでしょう?でも、しっかりお財布からは60円無くなっているので笑っちゃいます」

友「………元気だしなよっ!」

女「友さんの超能力は確か聖なる光でしたよね」

女「ゾンビを始めとするアンデッドモンスターに有効な希少能力…」

女「その源流は勇者の血筋だと授業で先生が仰っていました」

友「うっ………で、でもあんまり凄く無いんじゃないかなぁ。だって、…な、なんか熱いだけだよっ!?」

女「そうですか」

女「でも、祝わせてください」

女「…おめでとうございます」ムスッ

友「う、うぅ…」



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2 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:12:16.92 ID:Ah/etRVG0

友「で、でもさっ!超能力なんて無くてもは問題無いくらい女ちゃんは強いじゃない!」

女「……それは、私の家が伝説の勇者の血筋だからですね」

友「あっ…」

女「強くならなくては良い暮らしは出来ない。…幼い頃から教え込まされてきました」

女「今までの条件は平等。差をつけるのは個人の努力のみ。ただし、そこまでの段階だけならば勇者とは呼ばれない」

女「…その血筋故に手に入る、勇者の力の断片を超能力として継ぐ。それが私の、」

友「も、もういいよ!もういいからっ!」

女「…………ぶぅ」ムスッ

友「…そんな顔されても、どうすればいいのさ……」

女「貴女、私と亡命しましょう」

友「えぇっ!?無理だよぅ!あたし鈍臭いしぃ…」

女「でも、このままでは私はお見合いという名の交配で人生が終わってしまいます」

友「…あ………」

女「勇者の家に女として生まれた時点で、不幸だったのかもしれませんが」

女「選ばれたのが急須で入れられたような私では、外部もそう簡単に私を選ぶ事は無いでしょう」

女「そうなれば最悪、この前の授業の大盗賊のような筋肉まみれのおじ様と結構する事になるやもしれません」

友「やっ、やだよそんなの!そんなの女ちゃんが可哀想だよぉ!」

3 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:12:55.32 ID:Ah/etRVG0

女「………ふふ。冗談ですわ。真に受けないでください」

友「えっ?」

女「少し貴女をからかってみたくて。私が知らないおじ様と添い遂げている様子は、怖かったですか?」

友「こ、怖かったよ〜!」

女「貴女のそういう素直な態度、癒やされます」

友「なはは…」

友「でも冗談ならさ、本当の超能力はなんだったの?」

女「いえ。超能力は綾鷹でした。そこは本当です」

友「えぇ!?それじゃあ、どうするの、ヤバいじゃんっ!」

女「ふふ。ご心配なさらないで」

女「綾鷹は、本来選ばれるもの」

女「そんな綾鷹に選ばれたのですよ?」




女「─この程度、他愛もないです」ニコッ

4 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:13:27.16 ID:Ah/etRVG0

屋敷

妹「私の能力は氷花!」

妹「下らない魔物ならなんでも私におまかせよっ!大半の相手ならきっと怖くて逃げてしまうでしょうね!!」

妹「あーっはっはっはー!!」

父「はぁ。…よし。了解した」

妹「ふふんっ♪」

父「では…次」

弟「はいッ!!」

弟「僕の能力は爆雷ですっ!」

弟「爆破と雷撃…2種類の能力が混ざった混合能力で、破壊に関しては家族…いや、歴代の中でも一番の自信があります!!」ピシッ

ザワザワ…

父「ほう、頼もしいな。期待しておるぞ」

弟「はいっ!!」

父「……して、後はお前だけだが…」

女「先程も申し上げた通り、私の超能力はその辺の超能力とは格が違いますわ」

女「格…ではなく領域、という表現が正しいかもしれませんね…?」

弟「…………」ゴクリ

妹「…っ」ゾワッ

女「あ、綾鷹どうぞ」サッ

父「えっ?今?…まぁいいか……」

父「……それで。口に出す事すら出来んのか?その力は……」

女「えぇ。なんせこの能力は…」

女「おっと。危ない危ない…思わず"選ばれた力"を発動させてしまうところでした」

女(言葉にするだけでも何かしらの選択肢が綾鷹になるんですから、迂闊には使えませんね)

父「……なに?選ばれた力だと?」

女「えぇ」

妹「…ふん!どうせ、弱すぎて言えないような能力なんじゃないの!?」

女「…弱すぎて言えない…ですか」

女「それはいいある意味、良い表現ですね」ムスッ

妹「っ…!」ビクッ

妹(何なのよこの威圧感!)

妹「な、なによ!やろうっての!?」

弟「止せ妹!お前じゃあいつは早すぎる!」ガッ

妹「止めないでよ兄さんッ!剣技で勝てなくても能力さえあれば…!」

弟「その能力がわからないからヤバいんだろ!」

妹「くっ…!」

ダンッ!!
5 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:14:18.15 ID:Ah/etRVG0

弟「っ!」

妹「!!」

父「…………どうした?」

女「……」

女「これ以上は不毛だと思いまして。失礼させていただきますわ」

父「…ふむぅ……そうか…」

妹「なっ、なによ!逃げるっての!?」

女「…逃げる?」ピクッ

弟「っ…!やべぇ…!」

妹「そうよ!…私が怖いんでしょ!だから、」

女「逃してやってるんですよ。そんな事もわからないんですか?」ムスッ

妹「ひっ……!」ビクッ

女「…いつでも挑戦は受けますよ」スタスタ

弟「………っ!」

妹「あ…あっ……」ブルブル

妹「………っ」ヘタァ

弟「!大丈夫か!?」

妹「う、うるさいわねっ!触らないでよ!!」ウルウル

妹「ぐすっ…私も部屋に戻るから!!」ダッ

弟「おい…!」

妹「……!」スタスタ

父「……」

弟「はぁ……なんだよ…」

父「………なんで似たかなぁ…」ブルブル

弟「えっ?」

父「いやなんでもないさ」ブルブル

6 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:15:00.29 ID:Ah/etRVG0

次の日 学園


女「おはようございます。友さん」

友「あっ、おはよう〜!」

友「…どうだった?」

女「なんとかなりそうですね。流石は急須でいれたようなにごりの旨味です」

友「あはは…ならよかった…」

女「あ、綾鷹どうぞ」

友「ありがとう!…っていいの?160円払うよ?」

女「気にしないでくださいな。買いすぎてしまっただけですし」

友「それって、制御出来ないって事?」

女「そうみたいです」

女「今朝も乗る電車を何となく選んでいたら、頭からそれが落ちてきました」

友「なはは…大変だね……」

友「…もしかして、電車を綾鷹にしちゃったとか!?」

女「あら、よくわかりましたね。花丸あげちゃいます」

友「はっ…!?そ、それ!かなりヤバい能力なんじゃっ、」

女「嘘です。からかっちゃいました?」ニコッ

友「えー!なんだよもぅ…!本気にしちゃったよー!」

女「ふふふ」

7 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:16:02.68 ID:Ah/etRVG0

友「…、そうえば今日は超能力を実際に使用しての対戦を実技するんだって…」

女「…………………」

女「…そうですか」ムスッ

友「…!ご、ごめん、悪気は無かったんだよぉ〜!」

女「…」

友「あうあう〜…」

女「…撫でてくれたら許しますっ」

友「え?」

女「な、なんでもありません。…頑張りましょうね」

友「うんっ!そうだね!お互いファイト!!」

女「ふふふ。友さんならきっと1位になれますわ」

友「えっ!?そうかなぁ〜!そんな事無いと思うけど〜…」

女「いいえ。その力は理論上は自分以外の人間にも有効です」

女「近づくだけで相手をバッサバッサ薙ぎ払えるでしょうね」

友「ふえっ!?そんなに強いのこれ!?」

女「少なくとも、私の家にある文献にはそうありました」

友「そっか…そっか〜!よぉし、私張り切っちゃうぞ〜!!」

「無駄だと思うけどね。私は」

友「えっ…?」

女「………………」ムスッ
8 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:16:39.69 ID:Ah/etRVG0

女「それはどういう事ですか。不良さん」

不良(♀)「あんたらの能力は知らないけどさ。私は自分の力に絶対の自信があるんだ」

不良「この実技、どうやら能力によっては模擬武装も使っていいらしいじゃん」

女「……ほう」

不良「うん。あんたのお察しの通りさ」

友「え…?」キョトン

不良「─能力に甘えてるようなカス共、力を使う前に叩き潰す」

友「…っ!」

女「……それは、扱いが慣れないうちを狙う、という事ですか?」

不良「あぁ、その通りだ」

不良「この実技はな、建前上は能力の試運転って事になってる。だが実際は見せしめの場でもあるんだ」

不良「でもだからといってやられるだけでいいはずがねぇ」

不良「そこで私は考えた。…逆に、見せしめにしてやればいいってな…!」ニヤァ

不良「…私はさ、所謂"外れ"だったんだよ。あんたらいいとこのお嬢様にはわかんないと思うだろうが」

女「……」

女(彼女は、超能力者になれなかったんでしょうか)

不良「特にそこの小さいの。さっき、凄い力を持ってるって言ってたじゃん?」ギロッ

友「ひっ…」ビクッ

不良「……覚悟しとけよな」ガタッ

友「あわわわわっ」プルプル

女「…………」
9 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:17:14.52 ID:Ah/etRVG0

友「ど、どうしよう〜!あたし狩られちゃうよ〜!!」

女「それは無いと思いますけどね」

友「そんな事無いよ!あの子…不良ちゃんってたしか、元盗賊の家の子なんでしょ?」

友「力は強いし足は速いし背は高いし……身体能力の暴力だよ〜!」

女「ふむ……」

女(…何故でしょう。先程のやり取りでしょうか。なんだか、もやもやします)

女(それはともかく…さて、どういう言葉をかけましょうか)ヒューン

女「んべっ!?」ガコンッ

友「うわわっ!?さっそく不意打ち!?」ピシッ

女「……違います。私の綾鷹です…」

友「あえっ!?…なんだそっか〜あたし驚いちゃったよ〜」

女「…なるほど!」

女「友さん」ギュッ

友「わっ!…い、いきなりどうしたの?手なんか握っちゃって……」

女「綾鷹です」

友「えっ…?」

女「友さんはさっき、あの人に直々に選ばれましたよね?」

友「そ、そうだけど…」

女「ならば、友さんもまた綾鷹であると言えるでしょう」

友「え…??」

女「そして、綾鷹ならば私に選ばれるという事です」

友「…!!」

女「………貴女は私が守ります。大丈夫、心配しないでください」

女「──あの人には、精々にごりの旨味でも味わって貰いましょう…!」ムスッ

10 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:18:18.40 ID:Ah/etRVG0


「……………」

「なーにがにごりの旨味なのかな〜?お馬鹿可愛い〜!!」

「まぁ、そんな事どうでもいいけど〜」

「それより〜」

「……あの娘に危害を加えようとしてるのは、気に入らないなぁ〜」

「合流する前に、片付けなきゃね〜!」

「ふんふ〜ん♪」

「…ここから叫んだら、聴こえちゃうかな?」

「……」スウッ

「やっぱり無理…無理〜?」

11 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:18:55.29 ID:Ah/etRVG0



実技授業

友「だ、大丈夫かなー!大丈夫かなー!?」プルプル

女「大丈夫ですよ。貴女は能力を発動させたまま立っているだけで」

女(実際、それで大半の超能力は無効化出来ますし)

女「それより友さん。作戦、覚えてますよね?」

友「う、うん…!」

友「不良ちゃんが暴れ回り出したら、叩くんだよね!それまではここで隠れとく!」

女「えぇ。あの娘、いつかは友さんを狙いに来る筈。そこを正当防衛的に倒してしまえば、能力を使わなくとも私達は責められないという訳です」

友「…倒せるのかなぁ…?」

女「…問題ありませんよ。例え超能力者相手だろうと、私が倒しますから」ギュッ

女(友さんの能力は強い。しかし、使い慣れていないうちにトラウマを植え付けられる訳にはいきません)

友「女ちゃん…!」ギュッ

女(…それに、私ならば"氷花"相手でも無傷でしたしね)

友「わっ、私頑張るね!いっぱい光出して女ちゃんを守るよ!」

女「ふふ。頼りにしてますから」

「3!」

友「うんっ!!…始まるね…!」

「2!」

女「えぇ」

「1!」

女「始まりますわ」

「スタートー!」

12 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:19:34.04 ID:Ah/etRVG0


モブA「ギャハハハハハwwww芸術は爆発だ!wwwwおらァッ!!!」ドカーン

モブB「黙れwwww食らえ火炎球wwwwwwww」ゴオッ

不良「…………ッ!!」ザシュッ

モブA「ぐわっ!?」グサッ

モブB「は…?おまっ!!」ズシュッ

不良「へへっ…!」

教師A「なっ…!お前!何をして─」

不良「おらおら!!どこ見てんだぁ!?」ダッ

キャー ウワーッ!




女「…ふむ。あちらは動き出したようですね」ギュッ

友「ふえぇ…女ちゃん!あんまりしがみつかれるとあたし恥ずかしいよ…///」

女「む、ですけれど、しがみついていないと能力範囲に入れないみたいですし…」

友「そうだけどさぁ!」

女「………良い匂いですよ?」キョトン

友「あわわっ!嗅がないでよぉ…///」

ドカーン

女「…ふむ。なるほど。お腹が気になっていたんですね?」サワッ

女「ですが気にする必要はありません。良いお腹です」

友「さ、触らないでよーっ!」アタフタ

ズガーン

13 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:20:11.75 ID:Ah/etRVG0

モブC「……なんなんだあいつら…いくら当てても無傷だぞ……」

モブD「チッ!折角俺様の晴れ舞台だってのに!!」

モブC「気に入らねぇぜ。こっちにはまるで興味が無いみてぇだ…」

モブD「全くだ。畜生、ガキ共の癖にッ!」

「ガキは誰かな〜」シュンッ

モブC「えっ…」スイーッ

モブC「ってうわぁっ!?俺、浮いてる!?」

「にしても、やっと見つけた〜?」

モブC「くそ、どうなってやがる……おい!相棒、大丈夫か!!」

モブD「」ドサッ

モブC「あ、相棒ーッ!??」

「君達、うるさいんだよね〜」スッ

モブC「ッ!?お、堕とされる…!」

モブC「ぐわあああああ!?!?!?」ヒューン


ドサドサドサッ


モブC「ぐっ…ぐおぉ……いてぇ……」

「馬鹿なこと言うからこうなるんだよ〜」

モブC「ぐっ…ぐうぅ…!」チャキッ

モブC「……舐めやがって!うおおおおお!!」

「だからさー…」

モブC「がっ!?畜生…っ!浮くっ…!?」スイーッ

「うるっさいの、邪魔なんだよね〜」

モブC「がああ…ああああああああああ!!!」ヒューン


グチャッ


「あーあ。おーい、生きてますか〜?」

「……やっちゃったか〜?」

モブD「あ、あぁ……!」ガクブル

「あれ、君のほうは生きてたんだ〜」

モブD「くそ…っ!お前、一体何者なんだ…!」

「私?そうだね〜」




「ただの、清涼飲料水かな〜」グビッ

14 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:20:51.50 ID:Ah/etRVG0


友「はぁっ…はぁっ…」

女「大丈夫ですか、友さん」

友「大丈夫…!けど、ちょっと喉乾いたかなっ…」

女(ふむ…大分消耗させてしまいましたね…。これ以上は友さんが厳しい…)

女(こちらから攻める作戦にシフトしましょうか…)ヒューン

女「んべっ!?」ガコンッ

友「あわわっ!バリアきれてたぁっ!?」

女「すみません、私の綾鷹です」

友「なんだぁ、驚いたよぉ〜」

友「……にしてもそのお茶、私のバリアも貫通出来るんだね…」

女「愛の力でしょうか」

友「はわっ…!ば、馬鹿な事言わないでよぉ!恥ずかしいでしょっ…///」

女「…私と一緒に居ると、恥ずかしいですか………」ムスッ

友「…!恥ずかしくないっ!恥ずかしいよ!!」

友「…むしろ、私が釣り合わないかな〜、みたいな…」

女「………そんな事はありませんよ」ギュッ

友「あっ………」

女「友さん………」

友「女ちゃん……///」

スッ…
15 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:21:45.14 ID:Ah/etRVG0


友「はぁっ…はぁっ…」

女「大丈夫ですか、友さん」

友「大丈夫…!けど、ちょっと喉乾いたかなっ…」

女(ふむ…大分消耗させてしまいましたね…。これ以上は友さんが厳しい…)

女(こちらから攻める作戦にシフトしましょうか…)ヒューン

女「んべっ!?」ガコンッ

友「あわわっ!バリアきれてたぁっ!?」

女「すみません、私の綾鷹です」

友「なんだぁ、驚いたよぉ〜」

友「……にしてもそのお茶、私のバリアも貫通出来るんだね…」

女「愛の力でしょうか」

友「はわっ…!ば、馬鹿な事言わないでよぉ!恥ずかしいでしょっ…///」

女「…私と一緒に居ると、恥ずかしいですか………」ムスッ

友「…!恥ずかしくないっ!恥ずかしいよ!!」

友「…むしろ、私が釣り合わないかな〜、みたいな…」

女「………そんな事はありませんよ」ギュッ

友「あっ………」

女「友さん………」

友「女ちゃん……///」

スッ…
16 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:22:30.05 ID:Ah/etRVG0

魔法使い(♀)「よっしゃ!!生きてる奴見っけ!」

友「はええっ!?///」バッ

女「…あっ……」

女「………………………………」ムスッ

魔法使い「食らえ!僕様のブレイズ…」

友「あ、危ない女ちゃ…」

友「女ちゃんっ!?」

女「ふんッ!!!!」ザンッ

魔法使い「ぐわああああ!!???わ、僕様のブレイズデストロイストロングがあっ!?」

女「その魔法は二度と見せないで。潔く眠りなさい」ザンッザンッ

魔法使い「んあー!!やめて、許してー!!」

友「あはは……なんだぁ…戦ってたんだ…」


ヒュンッ


女「…っ!?友さんっ!!」ブンッ

魔法使い「ぐはっ!?」

友「……え?」

友「きゃっ!!」ドサッ

魔法使い「いてて…投げる事無いじゃん……」グサッ

魔法使い「あえっ」バタンッ

女「ふうっ…間に合った……」

不良「やるじゃねぇか。まさか人をその速さで投げるなんて」

友「…っ!」

不良「肉体強化系か?まぁいい。私の相手じゃない」
17 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:23:01.45 ID:Ah/etRVG0


女「…ふむ、来ましたか」

不良「こんなとこに隠れてやがるとは。私が疲れんのでも待ってたか?」

女「いえ。周りが減るのを待っていました。貴女を潰すのを邪魔されたくはありませんから」

不良「へぇ。その割に攻めてこなかったが、そこはどうなんだい?」

女「信じていました」

不良「はっ、信じていました、だと…?」

女「えぇ」

女「…選ばれた私が選んだのですから。そう簡単にやられる筈がありません」

友「女ちゃん…!」

不良「チッ……"選ばれた"とか、気に入らねぇなァ!」チャキッ

女「………すみません、お喋りが過ぎました」

女「……来なさい」

不良「言われなくても…ッ!」
18 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:23:44.65 ID:Ah/etRVG0

ガキンッ ダンッ

友「ひえぇっ…始まった…!」

魔法使い「んはっ!!」

友「あわわっ!生きてたの!?」

魔法使い「なっ!あんなので僕様が死ぬ訳無いじゃない!」

魔法使い「っていたたた!!おでこが…」

友「む、無理しちゃ駄目だよ!」

魔法使い「大丈夫、この程度…」

魔法使い「…あれ?回復してる?」

友「あっ…凄い!回復能力の使い手なんだぁ〜!」

魔法使い「え?違うわよ!僕様は"魔法使い"の能力よ!馬鹿にしないでくれるっ!!」プンスコ

友「魔法使い…?」

魔法使い「えぇ!魔法使いよ!」

友「聞いた事無いや…ごめん……」

魔法使い「そんなぁっ!?」ガビーン

友「えへへ…あたし馬鹿だから…」

魔法使い「………!なら、貴女には特別に僕様のスゴイ魔法を見せてあげましょう!いくぞぉ〜!」ヒュンッ

魔法使い「あえっ」グサッ

友「わーっ!?また刺さったーっ!?」アタフタ
19 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:24:36.00 ID:Ah/etRVG0

不良「おらぁっ!」

女「………っ」ガキンッ

不良「チッ…!…なかなかやるじゃねぇかっ。私と戦って息が切れないなんて…」

女「貴女こそ」

女(こちらから攻撃したら正当防衛にはなりませんし)

不良「…いくぞっ…!」

女「…!」

不良「…やめた。あんた、手加減してるだろ」

女「む」

不良「わかるんだよ。私の斧で斬った感じがおかしい。それに、能力使わないしな」

不良「正直気持ち悪ぃ。…だけどいいよ、そのままで居てくれて結構だッ!」ヒュンッ

女「……!」

女(狙いを友さんに変えますか。もう正当防衛なんて気にしていられませんね)ムスッ

不良「へ…やっぱりな。あんた、あいつを狙われるとマジになるんだ」

不良「いいぜ、だったらあいつを狙ってやるよ…!」

女「行かせません」スッ

不良「っ!??」

不良(なんだ今の動き…っ!?)

不良「ぐああっ!!」


ドサッ
ボトッ
コロコロ…


女「…………?午後の紅茶?」

不良「!!み、見るんじゃねぇ!!!」バッ

20 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:25:09.63 ID:Ah/etRVG0

女「……………」

不良「チッ……!」ギロッ

女「……………」

不良「お、おいっ!!」

女「…」ジュルッ

不良「ふえっ!?」ビクッ

女「…………………」

女(最近綾鷹ばかりでもうめっきり飲んでいませんね…午後ティー…)

女(あの風味と香り…。市販品ながら、そのクオリティは悪くないもの)

女(…そそります。戦利品として奪い取ってしまいましょうか……)

不良「……バレちまったってわけか…!」

女「え?」

不良「チッ、知ってるんだろ!私の超能力!下らない力だって、馬鹿にすればいいさ!!」

不良「学校に入学して、最初からずっとそうだったよ…!」ウルウル

女(な、何か始まりました……)

不良「こいつのせいでついた渾名は!"昼休み過ぎだけお姫様"-ジ・アフタヌーン・プリンセス!!」ウルウル

不良「略してジフヌン!!!」ウルウル

女「じふぬん」

友「じ、じふぬん…!」

魔法使い「ダサいわね!!!!!」ムクッ

不良「テメェにだけは言われたく無かったよ!」ブンッ

魔法使い「それ程でも!」グサッ

魔法使い「あえっ」バタンッ
21 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:25:41.98 ID:Ah/etRVG0

友「お、女ちゃんっ…!」タッタッタ

女「!?友さんっ!?来ないでください!」

女(不味いっ…!どうすれば…!)

不良「ふうぅ…っ!」ウルウル

友「大変だよ!その子は…!」

不良「おらァッ!!二人纏めてッ!」ダッ

女「くっ…!」ヒューン

女「……んべっ!?」ガコンッ

不良「っ!?」

不良「な、なんだ!?」

女「………綾鷹です。…今回はトクホの奴ですね………」ムスッ

不良「えっ?」

友「女ちゃん!こんな時に綾鷹出さないでよ!!」モー!

女「す、すみません……」シュンッ

ヒューン

不良「……っ!?なんだテメェは!!」チャキッ

女「!?友さん!危ないっ」ガバッ

友「え、ふわっ!?」ドサッ

ドサドサドサッ

友「人が降ってきたぁっ!?」
22 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:26:25.34 ID:Ah/etRVG0

小さい女の子「あぁ、避けられちゃった〜」

不良「…っ!?」

友「今度は子供!?」

女「…貴女、何者ですか?」ムスッ

友「え…駄目だよ女ちゃん!子供相手にそんな顔しちゃ!」

女「そ、そんなに怖かったですか……」シュンッ

友「あ、いや、そうじゃなくてね?相手は小学生だからっていうか」アタフタ

小さい女の子「……チッ」

友「っ!?」

小さい女の子「私、小学生じゃないんですけど〜。それと目の前でイチャつかないでくれます〜?」

小さい女の子「…叩き潰すよ?」

友「あわわわわっ!?地雷踏んじゃった!!」プルプル

不良「………っ」

女「…………」

女(超能力者の手練特有の間合い、気配の無さ、それでいて放つオーラの強さ…)

女(……危険ですね…)ムスッ

女「答えなさい。貴女は一体何者ですか?」

小さい女の子「答える義務、無いと思うんだけど〜?」

女「ですが、」
23 : ◆X0lVDgvcQ2 [sage saga]:2020/05/31(日) 17:27:16.75 ID:Ah/etRVG0


不良「……………オイっ!!!」ダンッ!!

女「っ」

友「あわっ!」ビクッ

小さい女の子「………っ!」

不良「……前に言わなかったか?私のとこには来るなって…!」ギロッ

小さい女の子「………お姉ちゃん……」

友「お姉ちゃん…?」

不良「……私は言ったよな?もう絶対に来るなって…!」

小さい女の子「…………」

不良「………っ!」ギリッ

小さい女の子「…うるさいなぁ」

不良「なっ…!?」

小さい女の子「…お姉ちゃんが悪いんだよ。いっつもいっつも可愛くってさ」

小さい女の子「超能力まで可愛いもんだから、みんなの人気になっちゃうんだもん」

不良「…お前、妹だからっていい加減にしないと」

小さい女の子「だからさァッ!!!」

不良「っ!」

小さい女の子「前に周りの奴をゴミ屑にした時、私言ったよね?お姉ちゃんは周りの奴に馬鹿にされるくらいなら学園行かなくていいって!」

小さい女の子「それなのにまた学園行って、また馬鹿にされそうになって、気が付いたらボロボロになって」

小さい女の子「……もうそんなの、一生私がお世話してあげるしか無いよね…?」

小さい女の子「うんっ!それがいいや〜!お姉ちゃんは、私が助けてあげないとね〜!」スッ

不良「お、お前、何を…」

女「ッ!」ダッ

不良「うわっ!?」

小さい女の子「…は…?……」

ゴッ…!
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