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【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 7巡目
	- 1 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/05/31(日) 20:33:55.35 ID:UWkI0tnc0
 - 安価とコンマでハーピーが自分の命を犠牲にしてビームを放ちます。 
 亀更新。行き当たりばったりですが、宜しくお願いします。 
 連投禁止。決まったコンマや安価に文句は言わない。場合によっては安価方法を変更します。ルールも増えます。 
 十分経っても安価が来なかった場合、その時点での安価を採用します。 
 荒れたり空気が悪くなったら皆でお嬢様になります。意味が分からない? 心で理解してください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1590924835
 
	- 2 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/05/31(日) 20:35:49.53 ID:UWkI0tnc0
 -  過去スレ 
  
 最初の 
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1585048039/ 
  
 2巡目 
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1586270665/ 
  
 3巡目 
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1587562789/ 
  
 3巡目……違う、4巡目だ! 
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1588339110/ 
  
 5巡目 
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1588942071/ 
  
 6巡目 
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1590150603/ 
  
  
 有志の方が作ってくださった募集キャラまとめ 
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1587776655/ 
  
 R-18板 
 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1589112382/  
	- 3 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/05/31(日) 20:36:50.10 ID:UWkI0tnc0
 -  新スレです。コテハン記録です。 
 
	- 4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/31(日) 21:01:12.46 ID:rfS/mdKVO
 -  立て乙 
 
	- 5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/31(日) 21:02:50.14 ID:vZzFAv2do
 -  ワイズくんがセブンスアビス級になるのはいつかな 
 
	- 6 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/05/31(日) 21:06:11.27 ID:UWkI0tnc0
 -  >>5 なるとしたら物語の最後の最後かな……。 
 
	- 7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/31(日) 21:08:17.58 ID:hBr2yxLtO
 -  その頃にはワイズ君の人格も崩壊してそう 
 
	- 8 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/05/31(日) 21:14:45.69 ID:UWkI0tnc0
 -  >>7 悲しいなぁ…… 
  
 すみません、今日どうするか決めたいと思います。耳かき全部消えて悲しいので。 
  
 1 耳かき部分を今から書いていく。多分それだけで今日の更新は終わる。 
 2 耳かきを全部書いてから更新する。今日明日は更新できないと思う。 
 3 耳かき? あとで良いよ。キンクリして本編やろう。 
 4 小ネタ……したくない? 
  
 どれがいいか送ってくれると嬉しいです。多数決じゃないです。  
	- 9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/31(日) 21:15:44.07 ID:jvS/8LD50
 -  2 
 
	- 10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/31(日) 21:16:11.39 ID:vZzFAv2do
 -  3 
 
	- 11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/31(日) 21:16:21.02 ID:MjSlPTzgo
 -  2 
 
	- 12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/31(日) 21:17:50.81 ID:Pgs1u5N70
 -  2 
 
	- 13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/31(日) 21:18:16.80 ID:SR2Kd0+DO
 -  2かな 
 
	- 14 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/05/31(日) 21:22:41.63 ID:UWkI0tnc0
 -  じゃあ耳かきを全部書いてから更新しますね。けど過度な期待をされると、その、困る(予防線) 
  
 じゃあ今日の更新はこれで終わりにしたいと思います。お疲れさまでしたー! 別に何もやってないけどね!  
	- 15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/05/31(日) 21:24:31.98 ID:MjSlPTzgo
 -  おつおつ 
 ゆっくりでいいのです 
 良いものまってます(ワクワク)  
	- 16 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/05/31(日) 22:24:21.11 ID:UWkI0tnc0
 -  滅茶苦茶ユウナがカリカリとかフワフワとか擬音言うかもしんないけどその辺りは許容してくれな。好きやねん。 
 
	- 17 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/01(月) 22:43:32.75 ID:VWBljBrE0
 -  なんか思ってたんとちゃうねんなー、うーん。って感じで理想と現実にあーだこーだされているので今日はお休みです。すみません。 
  
 もしかしたら0時超えた辺りにいきなり耳かきパートを投下したりするかもしれませんが、期待しないでください。  
	- 18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/01(月) 23:04:43.50 ID:fo+ptE1WO
 -  気体化して待ってます 
 
	- 19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/06/01(月) 23:05:59.42 ID:sGEG3spao
 -  全裸待機 
 
	- 20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/06/01(月) 23:37:16.70 ID:e0eUl7qi0
 -  https://ura22.sakura.ne.jp/image/MYr8j9F7a2P9.jpg 
 
	- 21 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:07:21.21 ID:cdSYijSj0
 -  3時ですね。じゃあ掻き終わったのでいきなり投下しますね!!! 
  
 ※ 
  
 ―――― 
  
 ―― 
  
 ― 
  
 「はい、じゃあおいで?」 
  
 耳かきを保健室の棚から見つけ出したユウナは、それを持ってベッドに腰を掛けるとぽふぽふと優しく膝を叩いた。 
  
 ……妹メイド喫茶で見た光景だ。 
  
 「ひ、膝枕?」 
  
 「んー? いやなら別に良いんだけどー? じゃあクッション――」 
  
 「ユウナの膝枕が良いです……っ!」 
  
 僕の思わず言ってしまった言葉に、してやったぞー。みたいな感じで彼女はけらけらと笑う。その笑顔に僕は不覚にもドキッとしてしまし、からかわれたというのに不思議とあんまり嫌な感情は抱かなかった。 
  
 それはユウナが彼女だから許せてしまうのか、それとも僕がそんな扱いを――。 
  
 ……これ以上考えると何か色々と負けを認めてしまう気がするので。何時ものようにスルーをする。 
  
 「あーもー、良いから早く早く。先生、来ちゃうよ?」 
  
 「あ、それは不味いね。じゃあ、失礼します……」 
  
 普通の先生ならば、こう何とか見逃してくれたりちょっとした注意? で済むかもしれないけどユレイ先生は……不味いな。 
  
 と、何やかんや考えながら僕はユウナに対して垂直ではなく水平な形で膝の上に頭を乗っける。耳かきをするので右の耳を上に向けて、左の耳をユウナの左膝の上に乗っける形だ。 
  
 「んっ……」 
  
 「!?」 
  
 な、何でそんな声を上げるの!? 
  
 「あ、ごめんごめん。ほら、今ぼくミニスカじゃん? だからこう太ももに直でワイズの頭が乗っかって髪の毛がチクチクして擽ったいというか――ん? 直じゃないね、ストッキング履いてるし」 
  
 間違えた間違えた、と彼女は変わらず笑う。 
  
 ……うんそうだ。今僕の左耳は、と言うより顔の左半分はユウナのストッキング越しの体温を実感している。 
  
 シュリシュリとしたストッキングの感触が、心地よい。 
  
 「……」 
   
	- 22 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:07:53.56 ID:cdSYijSj0
 -  「……………ふーっ」 
  
 「っぅあ!?」 
  
 突然、右耳に息を吹きかけられて変な声を上げながら僕は身体をビクンと振るわせてしまう。 
  
 「ぷっ……ぼくに息をふーふーってされるのそんなに気持ちいいんだー? っぅあ! って……ワイズ、変な声出して……」 
  
 「ひ、卑怯! いきなり耳に息を吹きかけるのは卑怯でしょ!」 
  
 「はい聞こえませーん。ワイズがぼくの太ももでエッチなことを考えていたので、そのお仕置きでーす」 
  
 「はぁ……!?」 
  
 「そういう顔してたもーん。ほら、じゃあ右耳を耳かきで綺麗にしていくから大人しくしててー」 
  
 そう言いながら僕の耳を左手で抑え、中をよく見るために耳穴をグイグイと指で広げる。正直、それだけでも結構気持ちが良い。 
  
 「……んー、結構汚れてるねーワイズ。耳掃除、あんまりやってないでしょ」 
  
 「んぅ……? あ、んー……確かに、耳掃除とか、あんまりやってない……かなぁ?」 
  
 てか、耳掃除なんてやったことないかもしれない。 
  
 「確かにさー、耳掃除ってあんまりやっちゃいけないって聞いたことがあるけど、それでもやらないのはダメだよー。汚いし、耳聞こえなくなっちゃう」 
  
 「聞こえなくなるって……」 
  
 「あ、信じてない。酷いなー、誰でもない……か、彼女の言うことだよ? 信じなさい信じなさい」 
  
 「じゃあ、信じる」 
  
 「……なんか安っぽい気がする」 
  
 ひっどい。 
  
 「まぁ良いんだけどー。んじゃ、本当の本当に耳かきを始めていくよー……あと、ぼく人に耳かきするの初めてだから、その。痛かったらごめんね?」 
  
 「え? あ、初めてなんだ」 
  
 「ぅ……わ、ワイズだって人に耳かきしたことないでしょ! 全く、ぼくが誰に耳かきをしたことあると思うのか……膝枕だって、ワイズ以外にしたことないのに」 
  
 「…………」 
  
 何か、滅茶苦茶恥ずかしくなってきた。  
	- 23 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:08:23.70 ID:cdSYijSj0
 -  ――――――――すりすり、すりすりすり。 
  
 「ふっ……ぁ……」 
  
 耳かき棒の先がちょっとだけ曲がっている所が、耳の中――ではなくて、周りをすりすりとマッサージをするように掻いていく。 
  
 何で中をやんないの? と訊いたところ。や、なんか周りもやったほうが良い感じしない? ほら、中はデザートだから。と滅茶苦茶感覚派な答えが返ってきて大丈夫かな……とか考えていたが。これは、良い。全然大丈夫だった。 
  
 耳穴の周りのぐにゃぐにゃした部分から一番上の外側の部分まで、挙句耳朶や耳の裏側にまで耳かき棒の先が優しく動いていく。 
  
 「どーう? 気持ち良い?」 
  
 「うん、僕これ好きぃ……何か、耳がポカポカして……ぁ……」 
  
 「なら良かった。じゃあ、もう少し続けていくよ? すりすり、すりすりすりー」 
  
 良かった良かったと彼女は口で擬音を交えながら、耳周りのマッサージ耳かきを続けていく。 
  
 ……静かな保健室。その中で聞こえるのは彼女の吐息と彼女の口から出てくるオノマトペ。肌で感じるのは彼女の安心する体温に、鼻孔を刺激するのはシャンプーの良い匂い……。 
  
 そして、本来なら主役級に最高なそれらの刺激をバックに置いてしまうほどの。耳かきの先が耳を撫でる気持ち良さ。耳がポカポカしてきたからか、よりそれを気持ちよく感じてしまう。 
  
 ………ユウナ、滅茶苦茶上手いじゃん。耳かき……。 
  
 「……はい、じゃあ周りはおーわり。ふっ」 
  
 その気持ち良さで気が抜けていたその瞬間。彼女は耳周りの耳かき終わりの宣言とともに、何かを吹き飛ばすように強く短く息を吹きかけた。 
  
 「んにゃぁあ……! ふ、不意打ちだめぇ……! 本当にだめぇ……!」 
  
 僕のそんなだらしのない声に、合わせて彼女はくすくすと笑う。 
  
 「はいはい、分かってる分かってる。じゃあ、耳の中に入って行くよー」  
	- 24 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:08:56.95 ID:cdSYijSj0
 -  ……耳の中。 
  
 耳の周りだけで、外側だけであんなにも気持ちよかったのに中を弄られたら一体――。 
  
 ――――かりっ。 
  
 「ふぁあああああ……っ!」 
  
 「え?」 
  
 一回。たった一回耳の中を、しかもかなり手前の方を掻かれただけで。僕の口から気持ち良さに押し出されて声が飛び出してきた。 
  
 ……う、嘘で、しょ? 
  
 「だ、大丈夫? ワイズ」 
  
 「大丈夫、大丈夫だからぁ……もっと、もっとやってそれぇ……」 
  
 自分の声がふにゃけているのがこれでもかと分かるが、そんなことよりも。 
  
 もっと、もっと耳かきをして欲しい……! 
  
 「なら良いんだけど……じゃあ、手前の小さいカスみたいなやつからちょっとずつ取っていくね?」 
  
 ――――かきかきかき。 
  
 「っ……ぁ……」 
  
 手前を撫でるように掻かれ、掻かれて。耳かき棒が外に出て、僕の耳垢が付いた先がティッシュに吸い込まれていく。 
  
 耳の中、ティッシュ。耳の中、ティッシュ。耳の中、ティッシュ。と、耳かき棒が往復する。そのたびに、ティッシュの中に垢が溜まっていく。 
  
 「…………」 
  
 「ふぁ、ぁああ……」 
  
 声を押させることが、もう出来ない。 
  
 そのはっきりとした気持ち良さを、彼女にアピールすることしか僕は出来ない……。 
  
 「……かりかりかりかり」 
  
 「ふっ、ぅあ……あ、あぁあああああああああ………」 
  
 僕の情けない声を無視して、ユウナはかりかりとまた耳かき棒を動かして――。 
  
 「あの……ワイズ? 今、ぼく耳かき動かしてないよ」  
	- 25 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:09:25.67 ID:cdSYijSj0
 -  「…………?」 
  
 …………ぇ? 
  
 「いや、最初に耳かき棒動かしたらすっごく気持ちよさそうな声出してたから、その。ちょっと悪戯に言ってみたら……ねぇ?」 
  
 「ぁ、ま、待って。今のなし、今のなしぃ……!」 
  
 意味分かんない、意味分かんない、意味分かんない! 
  
 いや、だって! 今かりかりって、ユウナの声が聞こえてきて、それで耳かき棒が――。 
  
 「かきかきかき」 
  
 「んにゃぁあああ…………」 
  
 声が、漏れ出す。 
  
 「……ぅ」 
  
 「へー? ワイズって、こうやって擬音を言われるのが好きなんだ。耳を掻いてもないのに、声で言われるだけで、同じくらい声漏らしちゃって。何か、良いことしちゃった」 
  
 「……っ!」 
  
 ポカポカとしていた耳が、ボンッっと熱くなる。恥ずかしさが一気に耳を含む顔全体を支配し、熱暴走を起こしそうだ。 
  
 「……へーんたい」 
  
 「んにゃっ!? ち、ちがっ……!」 
  
 流石に、これは否定しないといけない――。 
  
 「まっ、ぼくはそんなワイズも好きだけどねー」 
  
 「……あ、ぅ」 
  
 ……一瞬で丸め込まれてしまった。それを言われたら、もう……。 
  
 と、僕が恥ずかしさにどもってしまっていると。彼女はまた何か悪戯を思いついたようにくすくすと笑い始めた。 
  
 「ふふふ、じゃーあー……」 
  
 その瞬間、彼女はぐいっと上体を屈め。その口を僕の耳まで近づけて――。 
  
 「――――こうすれば、もっとぼくの声が聞こえるでしょ?」  
	- 26 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:09:53.05 ID:cdSYijSj0
 -  「っ…………!?」 
  
 彼女の声が、囁きとなって僕の鼓膜を刺激する。ユウナの何時も元気で明るい声が、細められてひそひそとした声に変って――その変化に、僕は興奮にも似た何かを感じずには居られなかった。 
  
 「ワイズこれ……って。好きかどうか聞くまでもない、ね。目がトロトロだよー?」 
  
 「ふぇ……?」 
  
 「さっきも声トロトロだったけど、もっとトロトロになっちゃったねー……ふふ、じゃあ囁きながらもっと耳かきしていくね? 手前から、クルクル壁を回るみたいに奥に入って行く、そんな感じで?」 
  
 「あ、やぁ……声と耳かき一緒何て――」 
  
 それをされてしまうと、もう戻れなくなってしまうんじゃないかと。危惧してしまう。 
  
 だから僕は、そのふにゃふにゃになった声を何とか絞り出してそれは片っぽだけで良いと――。 
  
 「――かりかりかり」 
  
 ――かりかりかり。 
  
 「んにゃあああああ…………」 
  
 ダメだった。 
  
 耳かき棒の刺激とユウナの囁き声というラスボス級の敵が二人同時に攻めてきたみたいな感じだった。 
  
 当然、僕はそんな敵に勝てる訳もなく――一瞬で敗北した。完膚なきまでに、叩きのめされた。 
  
 「――すりすりすりすり。くるくるくる。かきかきかき」 
  
 ――かきかきかきかき……ぺりぺりぺり……がさ……すすーっ……。 
  
 「あ、あ、あぁ……ぁ……」 
  
 耳の中を掃除されるたびに、その気持ち良さに身体がよじれそうになる。しかしそれを何とか我慢しようとして、身体がぴくんぴくんと震えてしまう。 
  
 「……うーごーかーなーいーでー。だーめっ。今、へばりついてる奴をぺりぺりぺりってしてるから」 
  
 「ご、ごめんっ……ぅ……ぃ………!」 
  
 ――ぺりぺり、ごそっ…………かきかき。 
  
 「くりくりくりくり……ねぇ、ワイズ?」 
  
 「ぅ…………」 
  
 「囁き声と耳かき、好き?」 
  
 かりかりくりくりと耳かきは続けながら彼女は訊ねてくる、そんなこともう分かり切っているはずなのに……当然、僕はふにゃふにゃと答える。  
	- 27 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:11:03.95 ID:cdSYijSj0
 -  「しゅき……これ、しゅきぃ……」 
  
 「…………ふーん。じゃあ、ぼくの耳かき以外でも良いんだ。誰にでも、こんな風にトロトロになっちゃうんだ……」 
  
 「ふぇ……?」 
  
 違う、違う。そういう意味ではない、僕は、僕は――。 
  
 「僕は、ユウナの耳かきが良い……この耳かきが良いんだぁ……ぅ。ユウナの声がしゅきなのぉ……」 
  
 「…………っ! だ、だよねー。そうだよねー……んもう、可愛いなぁワイズは」 
  
 一瞬でユウナがこの問いかけをした理由をぽやぽやと理解して、可愛いのはユウナだよぉ。と突っ込みたくなるが、堪える。というか堪えさせられている。 
  
 絶対僕にユウナの耳かきが良いって、声が良いって言わせたかっただけだよ。 
  
 「……えへへ、じゃあ。この奥にある一番でっかい奴取るから、絶対に動いちゃだめだよ?」 
  
 「うん、うん……頑張る」 
  
 頑張る、と。僕が言うと、偉いぞーって彼女が僕の頭を優しく撫でる。どれだけ彼女は僕を癒すのかと思うと、少しだけ怖くなる。 
  
 ……あぅ。 
  
 ――――かき、かき……ごそごそごそっ! ばり、ばり、ぱりっ……。 
  
 「――かきかきかきかき、くりくりっ……かきかきかきかき」 
  
 「あ、あ、あ、あぁあああああ…………っ」 
  
 彼女の囁くオノマトペが早くなるのと同時に、耳かき棒の動き方も少しだけ早くなる。そして、ごそごそと耳垢が取れていく音が大きくなる。 
  
 静かに囁かれる彼女の声が堪らない、耳かき棒が優しく優しくかりかりと耳の奥を引っ掻く刺激が溜まらない、触れる吐息が、感じる体温が、鼻孔を刺激させる匂いが。ユウナから貰っている何もかもが重なり合って混ざり合って、快楽という名前の液体を製作して僕の脳みそを浸していく。 
  
 ああ、至福のひと時とはこういう状況を言うのだと理解されられ――いや。 
  
 「ぅあ…………しゅきぃ…………」 
  
 もう、何も考えられない…………。  
	- 28 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:11:34.30 ID:cdSYijSj0
 -  ――がさごそ、ごそごそごそ……っ! すすーっ、すー……すすすっすー……。 
  
 「――おっ……! かりかりかりかり……すすすーい、すー……い」 
  
 「ぁ…………」 
  
 ――取れた。 
  
 ごそごそと大きく響いていた耳垢を取ろうと耳かき棒が動いていた音が消え、耳かき棒の先が耳の中の壁を伝うように外に向かって行く音が代わりに聞こえてくる。 
  
 じんわりと、大きな耳垢があった部分に空気が触れて温かくなってくる。 
  
 そして、取れたその耳垢をティッシュで取って。彼女は満足そうに宣言する。 
  
 「はーい、じゃあ耳垢は全部取れた……かな? うん、取れた取れた取れた」 
  
 「……ぇ?」 
  
 そう、悲しい宣言を。 
  
 全部取れた、ということは。もうこの至福の時間は終わりということで――。 
  
 「……もう、終わり、なの?」 
  
 「んもう、そんなに悲しそうな声出さなくていいのワーイーズー。じゃーん! まだ白いモフモフが残ってまーす!」 
  
 「!」 
  
 「おっ、パーッと嬉しそうになったね! ……んでも、ぼくこのモフモフの使い方分かんないんだよね。ワイズ分かる?」 
  
 残ってまーす、とか言ってたのにごめんね? と、彼女は謝るが。気にしない、僕は今――その、白いモフモフを想像しているのだ。 
  
 ――白いモフモフ。耳かき棒の後ろのあれ。もしあれを――。 
  
 「……い、入れて」 
  
 「え?」 
  
 「僕の耳に入れてぇ……ね、ね? 早く早くぅ……」 
  
 ――耳の中に入れたら、どれだけ気持ちが良いだろうか。 
  
 「ん、そんな風におねだりされたらそうするしかないなぁ。じゃあ、ゆっくりずぼっと行っちゃうね……あ、勿論囁きも忘れてないよ?」 
  
 白いモフモフが耳に近づいてくる、少しずつ少しづつ接近してくる。耳穴に入る、入る、早く早く早く早く――。  
	- 29 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:12:07.09 ID:cdSYijSj0
 -  ――――ふわふわふわふわ。 
  
 「ふにゃぁあああああああああ…………っ!」 
  
 「――――もふもふもふもふ、ふわふわふわふわー……もふふわー……ふわっふわっふわっふわー……」 
  
 白いモフモフが先程まで弄られまくっていた耳に入って行く。その刺激は、先ほどまでの刺激とは何もかもが違った。 
  
 ――甘い。 
  
 優しいとか、気持ちが良いとかそうじゃない。蕩けるように甘い、モフモフの刺激。 
  
 耳穴の穴と言う穴を蕩けさせてくる愛撫――ずぼずぼとモフモフが出し入れされる度に身体中の力が吸い取られていく。 
  
 「――――もふもふふわふわー……あっ、そうだ――くるくるくるくるくるー」 
  
 ――くるくるくるくる。 
  
 「んぁ……!? あっ、あっ、うっ……ぁ……!」 
  
 出し入れ出し入れと繰り返されていた動きの中で――いきなりクルクルとモフモフが回転する動きが加わる。突如として変化した撫で方に、思わずユウナのストッキングに包まれた膝をぎゅうと掴んでしまう。 
  
 「――ふふっ。くるくるくるー……」 
  
 場合が場合だったら怒られている気がするこの行動も、彼女は優しく微笑んで許容してくれる。僕が膝を触ろうが、僕が情けなく喘いでいようが、彼女は僕を癒すためにモフモフを動かし続ける。 
  
 …………ぅ…………んぁ…………。 
  
 「――――眠いなら、寝て良いんだよー」 
  
 「うぇ……?」 
  
 「だってワイズ凄い眠そうだもん。えへへ、ぼくも耳かきで癒されて喜んで、気持ちよさそうにしてくれて――しかも眠くなっちゃうなんて。ぼくも耳かきした甲斐があったものってねー……」 
  
 「…………ふぁ」 
  
 眠っていいと言われた瞬間、どっと眠気が押し寄せてくる。 
  
 開放された眠気にうとうととしていると、彼女ははいおしまい。と言って、モフモフを耳からずぼっと抜いて――。 
  
  
 「ふー…………っ」 
  
  
 掃除終了を耳全体に知らせる様に、息を吹きかけた。 
   
	- 30 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:12:36.20 ID:cdSYijSj0
 -  「んー、じゃあ右耳終わったから次は左耳ねー」 
  
 そう言って、もう全身の力が抜けて殆ど寝ているみたいな僕を寝返りみたいにごろんと転がして。左耳を上に向ける。 
  
 顔がユウナのお腹に埋めるみたいに形になって、ユウナの匂いがより一層強くなる。 
  
 「んっ……ぅ……はんたい……?」 
  
 「うん、けど寝てていいよワイズ?」 
  
 ……瞼が重い。意識が何処かに行ってしまいそうだ。 
  
 もう寝よう、寝てしまおうと思うが――左耳の快楽を起きている間に感じたいと思う僕の感情が邪魔をして、瞼が閉じないように、意識が何処にも行かないように睡眠へのバリケードを設置する。 
  
 「ほら、ぼくが頭撫でてあげるから」 
  
 「ぁ――――」 
  
 今日何度目かの頭なでなで。 
  
 それが与える最高の安心感が、バリケードを一瞬で拭き飛ばして、僕の意識は――――。 
  
 「…………うん。お休み、ワイズ――大好きだよ」 
  
 左耳に、温かくて柔らかい何かが押し当てるように一瞬触れて。彼女の声がずっと囁かれた。 
  
  
 ――――かりかり、かりかりかりかり……。 
  
 ――――くりくり、かきかきかき……こりこりこりこり……。 
  
 ――――ふわふわふわー、もふもふもふもふ……。 
  
 ――――くるくるくるくる………。 
  
 ――――ふー……………っ。  
	- 31 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/06/02(火) 03:13:35.51 ID:cdSYijSj0
 -  ユウナの好感度が5上がった! (160) 
  
 おっと、ユウナの様子が――。 
 1〜5 何もないやろ 
 5〜8 母性がきゅんきゅんしてきた。 
 9〜0 いやその紛れもなく母性なんだけどね? その、ワイズがトロトロになってるの見てゾクゾクして――。 
  
 コンマ一桁直下 
  
  
 書き直したらだいぶワイズ君がやべー奴になったけど満足したから良し! じゃあ寝ます! お休み!  
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