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【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 8巡目

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173 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/07(火) 22:09:43.92 ID:l7tq+Fc90
人いますか……
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 22:11:03.86 ID:Oy46uYMWO
(*'ω'*)
175 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/07(火) 22:18:55.78 ID:l7tq+Fc90
一人しかないやん! まま、しゃあないわ……じゃあやっていきまーす




ユウナ「ジェットコースターに乗ろう!」

ワイズ「え」

あの奇妙奇怪へんてこりんなゴーカートから数分後、何に乗ろうかぶらぶら話しながら遊園地を歩いていると唐突にユウナはそう言った。

ワイズ「……ジェットコースター?」

ユウナ「うんジェットコースター! ほら遊園地って言ったらやっぱりジェットコースターじゃん?」

やっぱりジェットコースターと言われれば確かに遊園地の目玉は遊園地って感じはするけども、正直あまり乗り気はしない。

だって僕ジェットコースターより早く飛べるし、グネグネ曲がって急降下できるし。

ワイズ「えー……ジェットコースター行くんならお化け屋敷行こうよ、お化け屋敷」

ユウナ「は?」

一瞬、彼女の眼のハイライトが消えた。

…………ひえっ。

ユウナ「……ね、ね? 一回だけ! 一回だけだから一緒に乗ろ? ね、ねー?」

ワイズ「ま、まぁユウナが乗りたいんなら一緒に乗るけど」

ま、まぁ……ちょっと変にひねた考え方をしていたかな?

ジェットコースター、うん。ユウナと一緒に空を飛べる、って思えばそれはすごく楽しいだろうし――。


コンマ5以上で「そちらのハーピーの方、身長制限が……」

コンマ一桁直下
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 22:20:28.57 ID:Oy46uYMWO
ふぇぇ
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 22:21:01.15 ID:twmamnnIo
178 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/07(火) 22:33:26.07 ID:l7tq+Fc90
結果 あっ

――――

――



ワイズ「……」

もしゃもしゃもしゃもしゃ。

ユウナ「ほ、ほら! その、気にしないでワイズ! ね、ね?」

ワイズ「…………」

もぐもぐもぐもぐもぐもぐ。

ユウナ「しょ、しょうがないよ! その……し、身長制限はさ……ぼ、ぼくは本当に全然気にしてないからね!?」

ワイズ「………………んぐっ!?」

は、はちみつアップルが喉に詰まった……っ!

ユウナ「わ、わー!? だ、大丈夫ワイズ!? ワイズ!?」

ワイズ「う……うぅうううううううう……!」

なんかもう、情けなすぎて泣きそうだ。

何だよ身長制限って、この野郎! 僕はあんな鉄の塊なんかより早いし動くぞ! 心配とかないだろこの野郎!

それに僕は別に乗りたいとかそんなんじゃなかったし、別に悔しいとかそんなのないし……気にしてないし、気にしてないし……。

ワイズ「……き、気にしてないもん」

ユウナ「ああもう、そんなに泣きそうになりながら強がられても……ほ、ほら。後でぎゅっとしてあげるから、ね?」

ワイズ「…………うぅ」

死にたい。


身長制限に殺されたぁ! どうしよう!

1 近くのカフェみたいなところに行こう
2 コーヒーカップ!
3 記念撮影するぅ

安価下3までで一番コンマが大きいものを採用。反転
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 22:34:07.60 ID:Oy46uYMWO
1
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 22:34:30.41 ID:j4ntePgg0
2
181 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 22:34:42.08 ID:xnnhXs6j0
1
182 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/07(火) 22:45:48.12 ID:l7tq+Fc90
結果 カフェー

ユウナ「じゃ、じゃああれ。ちょっと軽くご飯食べに行こっか! あそこにカフェみたいなのあるし……休憩も兼ねて!」

ワイズ「ごくん……ふぅ。ん、分かった……」

ユウナ「よ、よぉし! じゃあ早速行こう今すぐ行こう! ぼく、実はワイズのチュロスを一口貰う気満々だったんだけど、無言で全部食べちゃうし」

ワイズ「……あっ!?」

ユウナ「えへへー、まぁ黙々とチュロスを齧ってるワイズも可愛かったけど!」

ニコニコと笑顔を見せながら、彼女はカフェのほうに行ってしまった。

……な、何かカフェでユウナを楽しませないと……な、情けないが続くぞ……!?
183 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/07(火) 23:00:43.59 ID:l7tq+Fc90
――――

――



〜カフェ〜

ワイズ「……」

ユウナ「……わ、ワイズ?」

テーブルの上に置かれている少し大きめの飲み物を、ユウナはぽかんと見つめている。

当然だ、カフェに入って早々パッとメニュー表を見て「らしいもの」を僕はいきなり頼んだんだから。

今思うと、焦りすぎというか。何か血迷っているというか。気持ち悪いというか、自分自身が。

ワイズ「ほ、本当にごめん……そ、その気持ち悪いよね?」

それは、二つに分かれた口のストローが付いてくる。所謂カップルが分かりやすくいちゃつくための飲み物だった。

飲むときには、お互いに顔を近づけて飲まなくてはいけない、あれだ。

何だこれは、まずなんで遊園地のカフェにこんなものがある、選んだ僕もあれだけど置いてあるここにも問題があるだろ。

校長だろ、校長が悪いだろ。

ワイズ「い、今から謝ってきて交換してもらうから――」

だけども。

ユウナ「え、なんで? 凄い、面白そうじゃん!」

ワイズ「え」

ユウナ「それとも……ワイズは嫌? ぼくと一緒に……こういうの飲むの、嫌?」

ワイズ「え、あ、いや……」

僕の自己嫌悪なんて軽く吹き飛ばしてしまうほどに、彼女は強かった。

つよつよだった。
184 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/07(火) 23:11:07.44 ID:l7tq+Fc90
ユウナ「んー、おいしー!」

ワイズ「……」

二つあるストロー口の一口を加えて、美味しそうにユウナはその飲み物を飲んでいる。

……の、飲みにいけねぇ。

ユウナ「ねーえー、何時になったら一緒にこれ飲んでくれるのー? ワイズが頼んだんでしょー」

ワイズ「そ、そうなんだけどね? ほら、これは勢いというか……」

ユウナ「ほーらー、早く早く! 早くしないとぼくが全部飲んじゃうよ!」

ワイズ「う、ううううう……」

こ、これは……ちょ、ちょっと……あ、う……。

か、顔が熱いっ! こなくそ!


話題を逸らす情けない男、ワイズ。


何か話そう!!!!!

安価下2までで一番コンマが大きいものを採用。反転
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 23:15:44.84 ID:xnnhXs6j0
元の世界に帰るかは記憶を取り戻してから考えたい
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 23:23:37.13 ID:mY0x/a3Ro
勇者の物語でも聞く
187 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/07(火) 23:27:46.68 ID:l7tq+Fc90
うーん、すみませんが今日はこれで終わりにしたいと思います……眠いで。

明日も頑張ってやりますので、宜しくお願いします。おやすみなさい。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 23:28:08.50 ID:RFc/QBxBO
おつ
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 23:29:38.51 ID:Oy46uYMWO
おつやすみ
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/07(火) 23:30:43.98 ID:twmamnnIo
おつおつお
191 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 21:21:17.76 ID:B7GDVTJB0
眠いけどやっていきますいきます。

22時くらいにやっていきますいきます。
192 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 22:09:07.24 ID:B7GDVTJB0
人いますか!!!!!!!!
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:14:25.42 ID:xQp76KL5o
うい
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:15:47.03 ID:KMG42duM0
はい
195 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 22:18:14.11 ID:B7GDVTJB0
人いてよかった……よかったぞ……。じゃあやってきまーす。

ちょっと暫くはやる前に点呼取ることが多くなると思うけど、気にしないでくれな。




元の世界に帰るかは記憶を取り戻してから考えたい

ワイズ「あ、あー……そうそう」

ユウナ「あ、話を逸らす気満々だー」

口からストローを放して、ユウナはにやにやとワイズを笑う。

ワイズ「ち、違うし? 大事なことだし? 今後の旅についての大事なことだし?」

ユウナ「ふーん……じゃあ、聞いてあげよー」

ワイズ「どうしてそんな上から目線な……こほん。えーっと、そのですね。僕、元の世界に帰るかどうかは記憶を取り戻してから考えたいなーって、最近ぼんやりと思っていまして」

ユウナ「…………え?」

ワイズ「ほら、失った記憶を取り戻して。その記憶が凄い酷いものだったり嫌なものだったりしたら……その記憶とともに、この世界に残っちゃおうかなーって」

まぁ、その失ったものがどんなものか分からないからこんなこと言えるんだと思うけど――。

ユウナ「で、でもっ!」

と、僕が話しているとき。それを遮るように彼女は身を乗り出して口を開いた。

ユウナ「……もし、その記憶がすっごい幸せで、今いるこの世界で過ごした幸せなんかよりもずっと幸せだったら……ワイズは、帰っちゃうんでしょ?」

ワイズ「…………」

何も言えなかった。

少し、無責任が過ぎたかもしれない。

だってそうだ、僕はユウナの彼女で。確かに彼女は僕の神の身体集めを手伝ってくれる。とはいえ――。

ユウナ「…………」

コンマ0以上で――。

コンマ一桁直下
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:19:39.68 ID:KMG42duM0
197 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 22:28:44.86 ID:B7GDVTJB0
結果 どっちかっていうと失敗


ユウナ「……えへへ、それじゃあワイズにはこっちの世界で沢山幸せになってもらって、失った記憶よりも今ある記憶のほうが良いって思わせないとなー、なんて」

ワイズ「え」

彼女は笑っていた。

頑張らないと、と口角を上げて。少しだけ恥ずかしそうに、頬を掻きながら。

彼女は、やる気を見せていた。

ワイズ「う、うん……?」

ユウナ「こほん、だったらその最初に一歩としてまずはこのジュースを一緒に飲もう!」

ワイズ「え、えええっ!?」

ユウナ「ほらほらー、早く飲まないと温くなっちゃうし、ぼくが本当に一人で飲んじゃうよ? カップル用のジュースを、一人で」

ワイズ「うっ」

ユウナ「あーあー、酷いなー。大事な大事な彼女にそんな酷い事させちゃうなんてー、ぼくじゃなかったら絶対に怒ってるよー」

ワイズ「……ま、マジでぇ……?」


ユウナの好感度が2上がった(164)
198 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 22:29:11.72 ID:B7GDVTJB0
コンマ5以上で一緒に飲めたよ!

コンマ一桁直下
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:30:17.33 ID:gfV8LU9S0
あい
200 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 22:33:22.94 ID:B7GDVTJB0
ヘタレやがった……
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:34:44.05 ID:kXYpLbTwo
ワイズきゅんだし…
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:36:21.97 ID:gfV8LU9S0
どん引きするレベルでへたれですね
これは荒療治が必要なレベル
203 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 22:37:35.67 ID:B7GDVTJB0
結果 草生える。

――――

――



ユウナ「ヘタレ」

ワイズ「う」

ユウナ「意気地なし」

ワイズ「う、う」

ユウナ「根性なし、よわよわメンタル、男らしさなしー」

ワイズ「そ、そこまで言うなよぉ!?」

ユウナ「ぶーぶー!」

ば、バッシングが酷い……!

あーあーあーあーあ! 聞こえない聞こえない! あーあーあーあーあーあーあーあー!!!


次のイベントぉ!
1 ヒーローユウナ
2 こいつ……彼女の前で……

下3までで一番コンマが大きいものを採用。反転
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:38:03.20 ID:KMG42duM0
2
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:38:13.81 ID:gfV8LU9S0
1
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:38:20.90 ID:NWR8FTcHO
1
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:38:28.27 ID:zyusyHpDO
2
208 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 22:45:07.00 ID:B7GDVTJB0
結果 ヒーローショー

「す、すみませんっ!」

ユウナ「ふぇ?」

ユウナからのバッシングを受けながら遊園地内を進んでいると、いきなりユウナが知らない女性に声をかけられた。

……パッと見た感じ、この遊園地の職員って感じだった。

「実は、その! お願いがありまして――――!」

209 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 22:56:33.96 ID:B7GDVTJB0
――――

――



〜ショーステージ〜

「みんなー! 今日は集まってくれて、ありがとー!」

ワイズ「お、おー」

ステージの上でマイクを持っているお姉さんがそういうと、周りにいた小さな子供たちが元気よく返事をした。

遊園地で行われる、ヒーローショー。

何で僕が子供たちに交じってそのヒーローショーを見ているかと言うと。急遽ヒーローの勇者役としてユウナが代役に選ばれたからだ。

どういうことだよって思いたくなるけど、そういうことであった。

「今日もヒーローの勇者が皆に会いに来てくれたよー! だから、みんなで勇者って大きな声で呼んであげよっか!」

……ヒーローショーってこんな感じだったっけ? なんか違う気がする。

というか、どうして僕が子供に交じっているんだ?

……ああ、後ろに行き過ぎるとユウナの勇姿が見れないからか。子供たちの親御さんまで見てるから、見えなくなっちゃうんだった。

…………くそぉ身長制限。

「はぁーはっはっはー! そうはさせんぞ!」

「だ、誰!?」

あ、怪人役の登場だ。


コンマ7以上でなんか聞いたことのある声だ

コンマ直下
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:58:20.56 ID:9rREN1oG0
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 22:59:17.44 ID:VJJab2mZo
いったい誰だったんだ聞いたことある声
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 23:02:56.15 ID:NWR8FTcHO
校長?
213 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 23:08:43.92 ID:B7GDVTJB0
結果 男性教職員からランダムだったよ。


それは黒い蟹みたいな怪人だった。両手が大きな鋏になっていて、じゃんけんだったら絶対にチョキしか出せない感じの。

「ふぅぁはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは! 今日こそはここに居る子供たちを攫い、我がアジトでむしゃむしゃと頭から食べてやろう!」

「くっ、また来たわね怪人キャンサーバブル!」

ワイズ「へー……」

こういう怪人って、もっと動きがぎこちないイメージあったけど、けっこうぐわんぐわん動くんだなー。

スーツアクターさんって凄いなって、思いました。

「ええい、言わせておけば! あの忌まわしき勇者が来る前に我が食事となる子供を攫ってしまおうではないか!」

そう叫び、その蟹怪人はステージを降りて、子供たちに近づいていく。

キャーキャーと子供たちの叫び声が響いていく。

……耳がキーンってなる――。

「よぉし! そこの平然としているお前! 今日はお前が我が食事だ!」

悲鳴を上げる子供たちの中から怪人が選んだ食事は。

ワイズ「え」

僕だった。
214 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 23:12:11.38 ID:B7GDVTJB0
なんか思いついた名前を怪人の名前にしたけど、キャンサーバブルって流星のロックマンだな……やっべぇ。
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 23:17:53.76 ID:VJJab2mZo
別にモブ怪人の名前くらいいいじゃろ
216 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 23:24:48.96 ID:B7GDVTJB0
まぁ、いっか! きにせんといてな! ついでに皆流星のロックマンやろうな! ミソラちゃん可愛いぞ!



――――

――



ユウナ「とぉ! 子供たちの声に呼ばれてヒーロー勇者参上! さぁ怪人め! 拉致した子供を開放しろ――――ぉ?」

「はーっはっはっは! また来たか勇者! しかし今日の我は一味も二味も違う――」

ワイズ「」

格好よく登場したユウナを間近で見れてやったぁ! とは、ならなかった。

消えていなくなりたかった。……ああああああああ!!! すっげぇ恥ずかしい!!!

今滅茶苦茶勇者に見られてる! なにしてんの? って目で、滅茶苦茶見られてるよ!

ユウナ「…………」

「…………ちょ、ちょっとユウナさん!」

ユウナ「は、はいっ!?」

拉致されている僕を見てポカンと固まってしまったユウナを、マイクを持ったお姉さんが再起動させる。

ユウナ「え、えーっと……そのハーピーの男の子を今すぐ開放しろ!」

「開放しろと言われて開放する奴が何処に居るか! さぁ、我がハサミギロチンで貴様を真っ二つにしてやろう!」

ユウナ「な、なにをぉ!?」


不味い! ワイズが拉致られた!(迫真)

ヒーローユウナ! これをどう対処する!


行動でもセリフでも、ワイズがキュンキュンするかっこいいやつをお願いします。

安価下3まで募集、から多数決
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2020/07/08(水) 23:27:51.29 ID:kXYpLbTwo
もう一度言う、その子を離せ
今なら半殺しですませてやる
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 23:37:18.59 ID:VJJab2mZo
その子を離せ
ただしその頃には、 あんたは八つ裂きになっているだろうけどな
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 23:37:47.61 ID:gfV8LU9S0
貴様がその子を傷つけるよりも――ぼくの剣の方が速いぞ!
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 23:38:35.10 ID:xQp76KL5o
虚刀流がいるぞ
221 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 23:45:42.81 ID:B7GDVTJB0
>>220 わい、まだ刀語読んでいない。本で読みたいけど、結構高いねんなって。



1 >>217
2 >>218
3 >>219

先に二つ取ったものを採用
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 23:48:14.93 ID:kXYpLbTwo
>>218
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 23:52:20.80 ID:JckBmAtSO
2
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/08(水) 23:52:25.39 ID:xQp76KL5o
>>219
225 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/08(水) 23:58:29.91 ID:B7GDVTJB0
結果 >>218

ユウナさんヒーローショーでぶちぎれてて草生える、なんでや!
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 00:14:40.94 ID:O0TKMvrfO
子供泣いちゃう
227 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/09(木) 00:26:39.52 ID:Z8Iex3Gq0
「さぁ、近づけるものなら近づいてみろ! 一歩でも近づいたらこの子供の首はちょん切れてるだろうがなぁ!」

ワイズ「ぐえっ」

怪人の鋏が僕の首に軽く押し当てられる。

本物の鋏なわけはなく全然痛くはなかったんだけど、いきなり首に当てられたから変な呻き声みたいなものが出てしまった。

ユウナ「――――!」

そして、その声が――彼女の逆鱗に触れた。

「ふーっはっはっはっはぁ! ふぅーっはっはっはっはっはっはっは――――」


ユウナ「その子を離せ」


「――へぇ?」

怪人の口から、ただの男性の声が聞こえてきた。

ワイズ「……ゆ、ユウナ?」

彼女が持つ勇者の剣、材質ゴムっぽいやつ。

それに――バチバチと電気が迸り、暴風が纏わりつく。

「え、え。え、え、え、え?」

「え、あ、え――ゆ、勇者さん――」

怪人とおねえさんからほぼ同じ言葉が漏れる。

いや、これヤバいって。ユウナから勇者あるまじきオーラが溢れ出てるもん。

ユウナ「ただしその頃には! お前は八つ裂きになっているだろうけどなぁ!」

うぉおおおおおおおおおおおおおお――――!!!

ワイズ「あ」

雷と暴風を纏った決死の一撃が! ヒーローショーのステージの上で無慈悲にも振り下ろされた!
228 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/09(木) 00:38:38.60 ID:Z8Iex3Gq0
――――

――



ユウナ「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!!」

ヒーローショーが終わり、ユウナはぺこぺこと怪人役のお兄さんに頭を下げまくっていた。

結局あの一撃は最後まで振り下ろされなかった――というよりも、攫われなかった他の子どもたちがマジ泣きしてしまったことにより、その泣き声でユウナがハッと商機を取り戻したからだ。

いや死ぬかと思った、本当に死ぬかと思った。

「い、いえいえ。まぁこちらも代役とはいえ素人さんを舞台にあげちゃった責任もありますし……怪我人もいませんでしたから」

と、怪人のお兄さんは優しく笑いながら言う。

優しすぎないか? いや、それは嬉しいんだけど――え、凄い良い人。

「ええ、その。それじゃあ今日はありがとうございました、本来ならこの後勇者のお姉ちゃんとの握手会がある予定だったんですけど――この空気じゃあ出来ませんし」

ユウナ「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……ごめんなさいぃ!」

ワイズ「あ、あはははは……」


コンマ0でユウナのあの雰囲気にキュンキュンしてるハーピーがいます

コンマ直下
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 00:40:06.02 ID:AE60qK1KO
きゅんきゅん
230 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/09(木) 00:49:09.92 ID:Z8Iex3Gq0
結果 ちょろいワイズなんていないんだ……!

ワイズ「そ、それじゃあご迷惑おかけしました……」

「ああうん、ワイズ君もお疲れ様――いやごめんね? その、パッと目についちゃったから君を選んじゃったけど、迷惑だったよね」

ワイズ「え、あ。そんなことは全然。僕も子供じゃないのにあんなとこに居てすみませんでした」

ユウナ「……?」

なんか首を傾げられたが、無視をする。

というか、君は反省をしたまえ。
231 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/09(木) 01:00:29.10 ID:Z8Iex3Gq0
というわけで今日はこれで終わりにしたいと思います、お疲れ様でしたー

明日もやるよぉ、お休みぃ……。

明日はペアリスライブや。
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 01:03:11.90 ID:AE60qK1KO
おつ
遊園地ではっちゃけ続けるユウナちゃん
233 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 01:07:41.27 ID:O0TKMvrfO
234 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/09(木) 01:23:19.13 ID:Z8Iex3Gq0
>>232 最初のゴーカートでワイズが取られちゃうかもって思って張り切ってるんやろうなぁ……それにしても過保護が過ぎる気もするけど。なんだあの攻撃方法、先取りしすぎやろ。

けど全部ワイズを思ってのことだろうから、セーフだな!
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 01:43:36.10 ID:AE60qK1KO
真空の刃の修行が実を結んだ
236 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/09(木) 13:22:10.36 ID:Z8Iex3Gq0
>>235 ユウナが別の形で真空の刃を使うのは最初から考えてたんだけど、別の国でやる予定だったんだよね。

どうしてこんなギャグで使ってるの……? 怒りとはっちゃけによって勇者がパワーアップしたよ……?
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 19:12:18.19 ID:39EDkY1MO
打倒セロに向けて着実にパワーアップしていく2人の主人公補正よ
238 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/09(木) 20:56:37.55 ID:Z8Iex3Gq0
すんません、今日も日付が変わるまでに来なかったら塵となったと思ってください。
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 00:00:54.38 ID:c+t88gRpO
もう…生きて…おれの…塵…。
240 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 00:01:52.59 ID:2p43stYTO
惜しいやつをなくした…
241 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 20:24:00.88 ID:lBFqS3a90
こんばんはー、復活したよー。今日は目標22時くらいからやって行けたらなーって思っていますので、宜しくお願いします。
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 20:59:26.19 ID:ht50ho6Ro
あいよ
243 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 22:04:21.95 ID:lBFqS3a90
ちょっとゆっくりになると思いますけど、やっていきたいと思います。

人いますかー
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:04:43.60 ID:fUO3tRG7o
おるよ
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:05:48.84 ID:ht50ho6Ro
ほーい
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:06:13.83 ID:n1edS+SJ0
ゆっくりしていってね!!!
247 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 22:10:54.84 ID:lBFqS3a90
じゃあやっていきますね。



――――

――



はちゃめちゃヒーローショーを終えてから、僕たちは色々なアトラクションを堪能した。

コーヒーカップにメリーゴーランド、バンジージャンプみたいなのもやった。

本当はお化け屋敷も行きたかったんだけど……うん、それは本気で止められたので行かなかった。

ジェットコースター然り、結構残念だった――いや、ジェットコースターのことなんて気にしてないですけど?

ユウナ「いやー遊んだ遊んだ……てか、もう結構な時間だよね」

ワイズ「あー、そうだね。もう空もオレンジ色になってきたし」

遊園地に入場した時の青い空はどこにもなく、今の空は風情漂う橙色になっていた。

そして今がもうそんな時間ということは、すぐにでも空は真っ暗になって門限の帰る時間となるだろう。

……けど、まだ時間はあるかな?

ユウナ「…………ね、ねぇ。そのワイズ?」

ワイズ「ん?」

先ほどまでのアトラクションにきゃーきゃー騒いでいたユウナの姿は何処に行ったのか、彼女はもじもじと恥ずかしそうに口を開いた。

ユウナ「あ、あの。えーっと……ちょ、ちょっと実はぼく、遊園地に来る前から乗ってみたいアトラクションがあって」

ワイズ「乗りたいアトラクション――」

僕がそれは何かと訊ねようとしたその瞬間。

ワイズ「……はっ!?」

僕の耳に、聞いたことのある音楽が流れ込んできた。
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:11:15.30 ID:7SH1mYLvO
サイリウム持った
249 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 22:17:26.17 ID:lBFqS3a90
――――

――



〜野外ステージ〜

ユウナ「はぁ……はぁ……ちょ、ちょっとワイズどうしたのいきなりぃ……」

ワイズ「ほ、本当にごめん! ちょ、ちょっと待ってて!」

本能的に流れる音楽の方向に走っていくと、そこはヒーローショーで使ったそれとは別の野外ステージだった。

……近くに、看板が立ててある。

ワイズ「……! ペアリスのアイドルステージ……!?」

しかも、結構すぐだ!?

ユウナ「……わ、ワイズ? え、えー……その、アイドルステージ? が見たいの――」

ワイズ「凄い見たいっ!!!」

ユウナ「え」

ワイズ「超見たい!!!!!」

自分でもわかるくらいの、目の輝き具合だった。
250 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 22:28:39.14 ID:lBFqS3a90
ワイズ「ふーんふふんふーん!」

ユウナ「……」

まず何買おうかなー!

文化祭の時は思う存分楽しめなかったからなー! えっへっへー! いやぁそれにしてもペアリスって凄いよなー!

初めて会ったときは王国の広場でライブをやっていて……次に文化祭のライブで、次は遊園地で。

グッズも結構販売されてるし……。

ワイズ「サイリウムにー、ハッピにタオルに……ハンカチ……」

ユウナ「…………あ、あのワイズ?」

ワイズ「へ? どうかした、ユウナ?」

うきうきとグッズ販売ブースを物色していると、ユウナは声をかけてきた。

ユウナ「その、ワイズは好きなの? その……その、アイドルさんのこと」

アイドルが好きか?

いやまぁ、彼女は僕の歌好き精神に一番最初に火を付けてくれた人だし……歌もダンスも魅力的だし……

ワイズ「うん、大好きだな!」

ユウナ「!!!!!」

というか、ペアリスもそうだけど歌が得意な人は大体好きだな! いやぁ、歌って良いぞ! マジで!

ユウナ「……………………」

コンマ判定
1 ぐぬぬ……
2〜9 もっとぼくを見てよぉ!
0 ライブ中に乱入してやろ!

コンマ一桁直下
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:29:43.00 ID:7oGI/o4T0
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:29:55.77 ID:n1edS+SJ0
ぐぬぬ
253 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 22:30:33.62 ID:lBFqS3a90
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:31:12.34 ID:7SH1mYLvO
これは神ライブの予感
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:31:22.34 ID:oy+VgIGLO
まーた00を出してるよ、この勇者
256 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 22:33:36.99 ID:lBFqS3a90
いや別に00でなんかあるとかじゃないんですけど、ビームの時といいこれは……えぇ?

どうすんだこれ(真顔)
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:34:26.70 ID:ht50ho6Ro
僕の歌を聞けぇ!やっちゃう?
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:36:27.97 ID:n1edS+SJ0
ユウナちゃんにアイドルの才能があったのでせう
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 22:42:17.17 ID:7SH1mYLvO
100年に1人の逸材である超時空シンデレラが2人…
世は大アイドル時代…!
260 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 22:47:05.41 ID:lBFqS3a90
結果 ライブ乱入、凄い


突然ですがぼくの彼氏は結構女の子が好きです。

前にどっかで女好きじゃなくて男嫌いだから! と叫んでいた気がするけど、どっちもあんまり変わらないと思う。

ぼくの小さくて可愛くて、それでいてちゃんと男の子らしくて。それなのにぼくがあんなにもアピールしたのにヘタレて逃げちゃって、そのくせぼくの大きなところをジーっと見つめちゃったりするそんな大事な彼氏。

ワイズ、それがぼくの彼氏です。

そして、そんな大事な彼氏が――。

ワイズ「まっだかなー、まっだかなー……!」

ユウナ「……むぅ…………」

今、僕以外の女の子にガッツリ夢中です。

いや、今まで僕以外の女の子に目を向けることなんて沢山あったけど、それでもこんなにもガッツリマジマジ求めちゃっているのは初めてだった。

正直、ものすごく焦っています。その焦りと同じくらいに嫉妬もしています。

あんなに奥手で引き気味なワイズが、あんなにぐいぐい行っちゃっているなんて、初めて見たから。

もしかしたらふとした瞬間に取られちゃうんじゃないかなって。

怖くて、なんか、凄く怖くて。

ユウナ「…………」

アイドル。

アイドルライブ。

もし、もし、もし、ワイズが。その歌って踊れるアイドル? が、好きだっていうんなら――――。

――――。

ユウナ「あ、ちょっとワイズ?」

ワイズ「ん? どうかしたユウナ?」

ユウナ「ちょっとトイレに行ってくるね」

我儘なぼくは、今日一日だけでもそんな存在になってみようと思いました。
261 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 23:04:44.09 ID:lBFqS3a90
――――

――



ワイズ「ユウナ遅いなぁ……」

ライブが始まる直前になっても、彼女は帰ってこなかった。

トイレにしては、少し長すぎる。

ワイズ「もしかして、なんか悪い人に絡まれたりしたんじゃ――」

ペアリス「みんっなー!!! 今日はペアリスのライブにこーんなに集まってくれて、ありがとー!!!」

ワイズ「んっ!?」

独り言をかき消すほどの声量で挨拶をしながら、我らがアイドルペアリスはステージに登場する。

満面の笑みが輝いて眩しい、はっきりとした声色が鼓膜に癒しを与える、フリフリとしたピンク色のアイドル衣装が、とても可愛らしい。

ペアリス「そっれじゃー! みんなー! 最初の一発目歌っていくよ! だから私の歌を――」

いつもの口上を高らかに宣言しようとした――その瞬間!


ユウナ「ちょぉおおおおおおおおおおおおおっとまったぁああああああああああああああああああっ!!!!!」


ペアリス「ふぇえっ!?」

ワイズ「ふぁっ!?」

とても見たことのあるイレギュラーが、ライブに乱入してきた。
262 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 23:18:17.34 ID:lBFqS3a90
ユウナがステージの上に現れた。

引き留めようとしたであろうライブスタッフを引きずり、突き進みながら現れた。

ワイズ「え……あ、う……ん、ん? んんんっ?」

脳みそがよく分からない挙動を示している。

何だあれは、何だあれは。今僕は夢でも見ているのか?

ユウナ「はぁ……はぁ……」

ペアリス「え、えっと……?」

当然のように本日の主役であるペアリスが、きょとんと困惑している。

僕を含めた観客席にいる観客らも、困惑している。何人かはそれが演出なのでは? と疑っただろうが、それもどうやら違うようだ。

ユウナ「…………っ! お、おいこらお前ー!」

ペアリス「は、はいっ!?」

いきなりお前を呼ばれて、あのペアリスが若干押されている。

ユウナ「お、お前が……お前がいきなりこの遊園地でライブなんかしちゃったから……ぼ、ぼくの大事な大事な彼氏がお前に取られちゃったんだよぉ! どう責任取ってくれるんだぁ!」

ワイズ「」

なにをいっているんだあのこは。

ユウナ「途中まで順調だったのにぃ……良い感じの雰囲気だったのにぃ! お前が、ライブなんかしてるからぼくの彼氏が……凄い、見たことないくらい目を輝かせて走ってぇ! ライブ観たいって言ったんだよ僕に!? デート中に、他の女の子が見たいって堂々と悪びれる様子もなく!」

ワイズ「」
263 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 23:26:03.79 ID:lBFqS3a90
ステージ上も、観客席もシーンと静まり返る。

僕はまだユウナのことを知っているけれど、他の人にとっては何を言っているんだあの女の子は状態である。

知らない女の子がいきなりアイドルに文句を言っている、そんな状況。

ユウナ「だ、だから……! ぼくは……ぼくは大事なワイズを取られたくなくてっ! だからワイズが好きだっていうアイドルに今日だけでもなりたくてっ! 勢いでなんかここまで来ちゃったけどこの気持ちは本物だから!」

僕の本名言っちゃった。

……いや、まだだ。確かのそれもちょっと大事だけど、それよりも今は――。

ユウナ「だから、だからだからだから――――自分勝手だと思うけど、今日だけはぼくもアイドルになりたい!」

歌って踊れるかは分かんないけど、精いっぱい頑張るから! ぼく以外見るなとは言わないけどさぁ! それでもぼくを沢山見て、聞いて、感じて、思って欲しいから!
264 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 23:27:22.20 ID:lBFqS3a90





「ぼくの……! ぼくの歌を聴けぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!!!!」




265 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 23:29:48.29 ID:lBFqS3a90
観客反応
1〜3 ブーイングすっごい
4〜8 ぽかーん
9〜0 熟練のペアリスファンは最強だった。

コンマ一桁直下
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 23:30:27.78 ID:Gg3Z8alDO
はい
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 23:30:34.72 ID:fUO3tRG7o
どうなる
268 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 23:40:05.40 ID:lBFqS3a90
結果 なんやあの子……


マイクを使ってないというのに、その声は観客席の端から端まではっきりと伝わった。

が、しかし。その思いに観客の皆は答えない。

静寂。ぽかーんと皆の空いた口が塞がらない。どう反応すればいいのかが分からない。

情けないことに、彼女の彼氏である僕も彼らと同じ反応だった。

ユウナ「……う、うぅ」

感情のままに叫んでしまい、この後どうしようか何も考えていなかったのが彼女は俯く。

プルプルと、ぎゅうと握りしめた拳が震えている。

――僕は、僕はそんな彼女に何も声をかけてあげられないのだろうか。

ここで声をかける事が出来ないで、僕は――――。

1〜9 ペアリス「気に入ったぁ!」
0 たまにはやるやんワイズ!

コンマ一桁直下
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 23:40:18.70 ID:+zpumiKBo
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 23:41:10.88 ID:n1edS+SJ0
やるやん!
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 23:46:16.82 ID:fUO3tRG7o
おっとぉ?
272 : ◆Nq0wl2Ysns [saga]:2020/07/10(金) 23:48:42.59 ID:lBFqS3a90
結果 やるやん!!!

ワイズ「――――ゆ、ユウナぁ!」

考える前に、口から彼女の名前が出てきてしまった。

周りの目とか気にしない、どう思われるとか気にしない。ただ――彼女があんなにもアピールをしてくれたのに、答えないのは……!

ユウナ「わ、ワイズっ!?」

最前列に居た僕に今更気づいたのか、彼女は僕の声に目をぎょっと丸くして驚いた声を放つ。

ワイズ「ぼ、僕は――!」

僕は――そこまでヘタレでありたくはないっ!!!


彼女になんて声をかけてあげよう……。

日付が変わるまでセリフ募集、そっから多数決!
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