開拓者「安価で町などを作る」

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490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/09(日) 01:45:00.07 ID:XoH3CGj/o
牛舎(乳搾り体験やチーズ原料用)
491 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 02:00:21.13 ID:MR/BjfJxo
ひつじ「めぇ〜♪」

開拓者「……もこもこの羊だな」

写真家「そうですね」

開拓者「もこもこの毛を狩り、製品に加工して売るか」

ひつじ「めぇっ!?」

写真家「可愛い羊のトレードマークが!!」

開拓者「また生えてくるとは言え、観光資源か……」

開拓者「仕方ない。羊の数も増やそう」


コック「工場に保管されているチーズを分けてくれませんか?」

開拓者「構わんが、使ったら買い足さなければいけないぞ」

コック「チーズ工場なのに、チーズは作っていないんですか!?」

開拓者「元々は写真撮影用のセットとして建てたものだからな」

コック「あるものを使わないなんてもったいない!」

コック「牛を買いましょう! 買うべきです!」

開拓者「まあ、確かにな……」

開拓者「で、チーズは何に使うんだ?」

コック「魚介青汁に混ぜてみようと思います!」

開拓者「待て。他にあるだろ!」
492 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 02:13:35.73 ID:MR/BjfJxo
●開拓地
・牛舎……乳牛を飼育している。乳しぼり体験やチーズ作り体験もできる。
・ウール工場……羊から刈り取った毛を加工し、毛糸や織物を生産する。

●ステータス
第一次産業Lv.3
第二次産業Lv.3
牧場Lv.4


開拓者「羊と牛を大量に購入し、工場を建てたぞ」

開拓者「金が飛んでいく……」

コック「も、もう無理しないでください! 僕も牛代くらいは出します!」

開拓者「開拓には、金がかかるものだな……。フリーになって改めてスポンサーの重要性を知った」

開拓者「仕事を増やすか……。金払いのいい日雇いの仕事を……」

写真家「今、いくつ仕事してるんですか?」

開拓者「亜熱帯の町に大学を作りながら、湖畔の屋敷の警備をする人員を集めて、弟子の指導を行って、お前達と町を作っている」

開拓者「帰る先は花畑島の近くだ。そこで住み込みの開拓の仕事をしている」

写真家「家に帰っても仕事ですか!?」

コック「開拓者さんが死んでしまう!」

フォロワー「亜熱帯の町から湖畔って……移動距離やっば」

開拓者「今週末にその二つは終わるんだ。だから大丈夫だ」

開拓者「俺は王国一タフな男、開拓者だぞ」

富裕フォロワー「お金なら支援しましょうか?」

富裕フォロワー「もし独立できず、大会に出場できなくても、この町なら一定の利益は見込めるでしょう」

富裕フォロワー「親しい投資家にも話をしてみます。誰か一人くらい興味を持つかもしれません」

開拓者「な、なんと! お前は神か!?」

コック「ほら、やっぱり無理してました」
493 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 02:35:03.69 ID:MR/BjfJxo
6週目、週末。

パシャッ ジー

写真家「うん。建物が増えて、町の風景も撮りがいが出てきた」

写真家「でも観光客が増えたから、人の写らない写真を撮りづらくなっちゃったなー」

カメラ片手にぶらぶらと歩く写真家の前に、気になる観光客がいた。

写真家「あれ? 絵を描いてる人がいる。写真の方が早いのに」

画家「……」ピクッ

写真家(ん? 隣の人は……)

写真家「あっ、開拓者さん! 来るのが早かったですね」

開拓者「いや、今日は開拓に来たわけじゃないんだ」

二人はデートで開拓途中の町を訪れていた。

この時、写真家は不用意な発言で画家の不興を買ってしまい、口喧嘩に発展してしまったが、開拓者の機転によって画家の実力を認めるに至った。

写真家「認めましょう……。絵には絵の良さがあります!」

画家「やったっ……」

写真家「でも、絵を描くだけじゃつまらなくないですか?」

写真家「この町では、乗馬体験も乳しぼり体験もチーズ作り体験も射撃体験もできますよ!」

開拓者「……。見事に全部、画家の苦手な分野じゃないか」

画家「ごめんなさい……」
494 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 02:40:54.19 ID:MR/BjfJxo
画家「でも、素敵な町だと思います」

開拓者「体験型の観光をしなくても、見て回るだけでも楽しい町だということだな」

開拓者「お前も悪い気はしないだろ?」

写真家「そうですね」

画家「あ、それと……」

画家「ここの牧場っぷりに比べると、私達の島って全然、牧場島じゃないですよね……」

開拓者「……俺もうっすら思っていた」



6週目終了

〜住民の声〜
写真家「アタシは絵心もあるんですよ! 写真の方が好きなだけで」
富裕フォロワー「結構な額が集まりそうですよ。なんだかんだで開拓者さんの過去の業績は知られているようです」

〜来訪者の声〜
画家「毛織物を買おうかと思ったんですけど、地元も牧場島も暖かいから使う機会がなさそうです……」
写真好きの観光客「張りぼてみたいな頃も、俺は嫌いじゃなかったよ」
495 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 02:47:05.77 ID:MR/BjfJxo
7週目

称号:カウボーイ・ビレッジ
ランク:田舎町

●開拓地
・野原村……都市の郊外にある田園の村。草花が揺れ、小川が流れる。
・田園……見渡す限りの緑の畑。野菜が植えられている。
・貯水池……主に農業用の用水を貯めておく場所。
・風車小屋……素朴な風車。中は空っぽであり、あくまで観光資源。
・羊牧場……ふわふわでもこもこの白いひつじ達とふれあえる。
・牛舎……乳牛を飼育している。乳しぼり体験やチーズ作り体験もできる。
・ふれあい広場……かわいらしい小動物とふれあえる。
・乗馬場……馬小屋で馬を飼育しており、乗馬体験ができる。
・チーズ工場……チーズを熟成している。
・ウール工場……羊から刈り取った毛を加工し、毛糸や織物を生産する。
・教会……落ち着いた佇まいで、観光客に人気。
・鐘楼……教会には大きな鐘が備えられている。
・射撃場……的撃ちの訓練ができる。木立の中にあり、雨の日はお休み。
・工廠……軍用品の製造・修理を行う施設。
・レストラン……城塞の都の一般的な料理が食べられる。
・ホテル……高級でも格安でもない、普通の宿泊施設。
・屋台……コックの作る不思議な料理をテイクアウトできる。

●住民
・写真家U……困難な状況でもインスタントカメラでエモーショナルな写真を撮ることができる。
・コック……どんな食材を使っても味を上手く調えられるのが特技。地元の再興を夢見る。
・フォロワー……写真家の撮った写真を評価している人々。労働者のように働いてくれるが、学習速度は速くない。
・ガンスミス……銃を作り、メンテナンスする職人。
・竜騎兵……馬に乗り銃を扱う騎兵。高速で移動しながら同じく動く標的に銃弾を命中させる腕を持つ。

●ステータス
第一次産業Lv.3
第二次産業Lv.3
第三次産業Lv.5
牧場Lv.4


写真家「どことなくワイルドな雰囲気の町に変わってきてます」

開拓者「家畜を育てる人間は、優しいだけではなく、力強さを備えているんだ」

開拓者「銃を持った客が増えたのも影響しているな」

写真家「あのおじさん、なかなか有名なガンスミスだったらしいですね。遠くの町から訪ねてくる人もいました」
496 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 02:56:16.89 ID:MR/BjfJxo
開拓者「……」

パシャッ ジー

写真家「見たことない表情してたので、つい撮っちゃいましたよ」

写真家「疲れ顔なのに妙に落ち着いてるというか……一仕事終えた顔にしてはまだ気が抜けてないような」

開拓者(地底都市と魔界林をはしごして、武装集団と戦った後に、のどかな町での開拓に帰ってきたからな……)


安価↓1、2 施設を作ります(用地・店舗・公共施設ほか、今ある施設のLVを上げることも可能)
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/09(日) 02:58:40.58 ID:N7fMtV2+o
作業具生産用の鍛冶屋
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/09(日) 03:44:39.99 ID:Ba3D19ODO
魚の養殖施設
499 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 20:40:08.18 ID:MR/BjfJxo
●開拓地
・養殖場……食用の淡水魚を育てる。
・鍛冶屋……町で使用される金物を製造する。


開拓者「産業の種類を増やすため、マスの養殖を始め、鍛冶屋を建てた」

開拓者「鍛冶屋で作られた道具は、工廠や各種工場などで使用される予定だが……」

開拓者「これは失敗したかもしれんな……」

写真家「あれ? 産業Lvの更新を忘れてますよ」

開拓者「いや……これで正しいんだ」

開拓者「この町で魚を育てても、道具を作ってもあまり儲からない」

開拓者「数字で表すと3.5といったところか」

写真家「目標はLv.5でしたよね」

開拓者「ああ。来週までに間に合うかどうか、分からなくなった」

フォロワーA「開拓者さん、大変だ!」

フォロワーA「マスの注文が大量に入った!」

開拓者「何!?」

フォロワーB「鍛冶屋もだ。城塞の都の会社やギルドから、相談が来てる」

開拓者「すぐそこに大都市があることで、魚の消費量と金属加工の需要が増えたのか!」

開拓者「いつもの開拓とは違う、まさかのメリットだ……!」


●ステータス
第一次産業Lv.4
第二次産業Lv.4
500 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 20:44:32.02 ID:MR/BjfJxo
コック「いらっしゃいませー!!」

コック「チーズ魚団子はいかがですかー!!」

開拓者「また珍妙な料理を作ったな……。魚の身の原型が残っていないじゃないか」

コック「味見どうぞ!」

開拓者「これは……酒のつまみにぴったりだ!」



7週目終了

〜住民の声〜
コック「この調子で名産品ができたら嬉しいですが、流石に難しいでしょうか」
ガンスミス「金属加工は専門じゃないんだ。すまないね」

〜来訪者の声〜
カバン職人「もう少し安く請けてくれないか?」
観光客「銃声が最悪! 動物とのふれあいが台無し!」
ライフル選手「射撃場のお客さんが増えてきて、今日はついに順番待ちになってしまいました」
501 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 20:45:24.25 ID:MR/BjfJxo
8週目

称号:城塞の都を支える村
ランク:田舎町

●開拓地
・野原村……都市の郊外にある田園の村。草花が揺れ、小川が流れる。
・田園……見渡す限りの緑の畑。野菜が植えられている。
・貯水池……主に農業用の用水を貯めておく場所。
・風車小屋……素朴な風車。中は空っぽであり、あくまで観光資源。
・羊牧場……ふわふわでもこもこの白いひつじ達とふれあえる。
・牛舎……乳牛を飼育している。乳しぼり体験やチーズ作り体験もできる。
・ふれあい広場……かわいらしい小動物とふれあえる。
・乗馬場……馬小屋で馬を飼育しており、乗馬体験ができる。
・チーズ工場……チーズを熟成している。
・ウール工場……羊から刈り取った毛を加工し、毛糸や織物を生産する。
・養殖場……食用の淡水魚を育てる。
・教会……落ち着いた佇まいで、観光客に人気。
・鐘楼……教会には大きな鐘が備えられている。
・射撃場……的撃ちの訓練ができる。木立の中にあり、雨の日はお休み。
・工廠……軍用品の製造・修理を行う施設。
・鍛冶屋……町で使用される金物を製造する。
・レストラン……城塞の都の一般的な料理が食べられる。
・ホテル……高級でも格安でもない、普通の宿泊施設。
・屋台……コックの作る不思議な料理をテイクアウトできる。

●住民
・写真家U……困難な状況でもインスタントカメラでエモーショナルな写真を撮ることができる。
・コック……どんな食材を使っても味を上手く調えられるのが特技。地元の再興を夢見る。
・フォロワー……写真家の撮った写真を評価している人々。労働者のように働いてくれるが、学習速度は速くない。
・ガンスミス……銃を作り、メンテナンスする職人。
・竜騎兵……馬に乗り銃を扱う騎兵。高速で移動しながら同じく動く標的に銃弾を命中させる腕を持つ。

●ステータス
第一次産業Lv.4
第二次産業Lv.4
第三次産業Lv.5
牧場Lv.4


コック「町の人の声を集めてきたんですが、」

コック「フォトジェニックな町への印象がかなり良くなっているみたいです!」

開拓者「いい事なんだろうが、複雑だな……」

写真家「独立しようとしてるのを知ったら、反動でかなり印象悪くなりますね……」
502 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 20:48:12.54 ID:MR/BjfJxo
開拓者「あと少し、第一次産業か第二次産業を育てれば、独立した町として認められる可能性が生まれる」

写真家「頑張ったけれどあくまで可能性止まりですか……大都市を相手にするのは大変です」

開拓者「他に決め手があればいいんだがな」


安価↓1、2 施設を作ります(用地・店舗・公共施設ほか、今ある施設のLVを上げることも可能)
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/09(日) 20:48:56.15 ID:N7fMtV2+0
豚舎
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/09(日) 20:49:28.79 ID:i5Bxre9u0
品種改良の研究所
505 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 21:29:22.85 ID:MR/BjfJxo
開拓者「しまった。今週は弟子の最後の調整に集中しすぎて、開拓に来るのが遅れた……」

フォロワー「役に立ちそうな施設、我々が作っておきましたよ!」

開拓者「何? まさか写真映えを狙ってないだろうな」

写真家「もうぜんっぜん写真に撮りたくないくらい、牧場のことだけを考えました!」

開拓者「いや、そこまで徹底しなくてもいいが……」


●開拓地
・牧場……町一番の名所。
 ・豚舎……豚を飼育している。
・品種改良研究所……作物や家畜の品種改良をしたい。研究者がいない。

●ステータス
牧場Lv.5


写真家「どうですか!」

コック「名産品を生み出す準備もしておきましたよ!」

開拓者「……終わった」ガクリ

フォロワー「開拓者さん!? なぜ膝を折るんですか!?」

開拓者「……小規模な牧場において、豚を育てるのはやや効率が劣るんだ」

開拓者「牛乳や羊毛などの畜産物が手に入らないからな」

開拓者「一定以上の頭数を安定して育てられるならば、他の家畜に劣らないのだが……」

コック「研究所は悪くないんじゃないですか!?」

開拓者「なお悪い」

開拓者「品種改良というものは、通常なら数年単位で時間のかかる研究だ」

開拓者「その分野の第一人者がどんなに急いでも2週間はかかる」

開拓者「今週中に間に合わないんだ……!」
506 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 21:30:52.55 ID:MR/BjfJxo
コック「な、何とかなりませんか!?」

開拓者「豚が生きたまま体から豚肉を生み出せるように、一瞬で品種改良を施すことができれば……」

写真家「現実逃避してる!」

開拓者「どこかにいないだろうか……そんな能力を持った人間が……」

写真家「正気に戻って下さい! この世界にそんな恐ろしい人いませんよ!」


開拓者(……この研究所の建屋をどうにかこうにかして、)

開拓者(第一次産業に関係する施設にすれば、豚舎と合わせてLv.5には届くかもしれない)

開拓者(しかしこの方法は、良かれと思って品種改良研究所を作った住民たちに失礼だ)


開拓者「……よし」

開拓者「研究所は後々使うかもしれないから置いておこう」

開拓者「第一次産業を伸ばすだけなら……俺が全力を出せばいい」


安価↓2 屋外施設を作るまたは拡張します(建物は作れません)
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/09(日) 21:36:30.23 ID:N7fMtV2+o
田園拡張
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/09(日) 21:37:38.28 ID:Ba3D19ODO
田園拡張
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/09(日) 21:43:38.54 ID:8oO1K+yyO
生きたままの豚から豚肉を生み出す…うっ頭が
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/09(日) 22:53:49.06 ID:OYd2juC/o
別の世界線の記憶で草
511 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/09(日) 23:05:01.59 ID:MR/BjfJxo
開拓者はクワを握った。

開拓者「一時間で、田園を二倍に拡張する! うおおおおおおお!!!」

パシャッ ジー

写真家「あまりの速さにブレて写真に撮れません!」

コック「速いだけじゃない! 土が柔らかくて、石や根っこも取り除かれてる……!」

写真家「目に焼き付けよう……あれが開拓者さんの真骨頂!」


●開拓地
・田園U……一枚の写真には収まらないほど広大な緑の畑。野菜や飼料作物が植えられている。

●ステータス
第一次産業Lv.5


耕し終えた開拓者は引き続き、開拓用の肥料を混ぜ、野菜や豆の種をまいた。

開拓者「……こんなものだろう」

写真家「すごい……。町を作るより農家の方が向いてるんじゃないですか?」

開拓者「失礼な。農作物を丁寧に育てるのは農家にしかできない仕事だぞ」

写真家「あっ、農家の方をかばうんですか」

開拓者「とにかく、豚舎と、この広大な畑があれば十分に交渉できるだろう」

フォロワー「目標達成ですね!」

開拓者「ああ。皆、俺の勝手な開拓に協力してくれて感謝する」

コック「どういたしまして!」

写真家「コックさんは何かしましたっけ……?」

フォロワー「建築作業中に昼食を無料で提供してくれましたよ」

開拓者「写真家こそ、何もしていないんじゃないか?」

写真家「えっ、そ、そんなことないでしょ!?」



8週目終了

〜住民の声〜
写真家「冷静になって町を見てみると、独立した町には見えないような……?」
竜騎兵「町の宣伝に、我も協力させてもらおう!」

〜来訪者の声〜
市職員「新しい観光地がいつの間にか牧場地区になっていた」
弟子「この町を背負って戦うのか……。オレには似合わないんじゃないか?」
生産者「わたしを呼んでくれればよかったのに〜」
512 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 20:48:49.17 ID:FpblGUspo
王「久しいな、開拓者よ」

使者「王様、まだ2か月しか経っていませんよ」

開拓者「王様本人にいらっしゃっていただけるとは……」

使者「あなたって本当に根っからの開拓者なんですね」

使者「放っておくと勝手に町を作ってしまう」

開拓者「俺にはこれしかできることはないからな」

王「それで良い」

王「国民の意思を汲み、公式に開拓は終了せざるを得なかったが……」

王「開拓こそ王国の発展につながると、余は今でも信じている」

開拓者「ありがたきお言葉」

使者「王様。こちら、観測者さんの報告書です」

王「うむ。城塞の都の牧場区と見なすこともできる」

王「しかし、開拓者よ。此度はそなたの働きに応えよう」

王「牧場の町を、王国の新たな町と認定する!」

王「ただし、町長は城塞の都との協議の上で、余が選ぶこととする。良いな?」

開拓者「ははっ」
513 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 20:53:08.75 ID:FpblGUspo
町が完成!

称号:観光牧場の町
ランク:町

●開拓地
・野原……草花が揺れ、小川が流れる、のどかな風景。
・田園U……一枚の写真には収まらないほど広大な緑の畑。野菜や飼料作物が植えられている。
・貯水池……主に農業用の用水を貯めておく場所。
・風車小屋……素朴な風車。中は空っぽであり、あくまで観光資源。
・牧場……町一番の名所。
 ・羊牧場……ふわふわでもこもこの白いひつじ達とふれあえる。
 ・牛舎……乳牛を飼育している。乳しぼり体験やチーズ作り体験もできる。
 ・豚舎……豚を飼育している。
 ・ふれあい広場……かわいらしい小動物とふれあえる。
 ・乗馬場……馬小屋で馬を飼育しており、乗馬体験ができる。
 ・チーズ工場……チーズを熟成している。
 ・ウール工場……羊から刈り取った毛を加工し、毛糸や織物を生産する。
・養殖場……食用の淡水魚を育てる。
・教会……落ち着いた佇まいで、観光客に人気。
・鐘楼……教会には大きな鐘が備えられている。
・射撃場……的撃ちの訓練ができる。木立の中にあり、雨の日はお休み。
・工廠……軍用品の製造・修理を行う施設。
・鍛冶屋……町で使用される金物を製造する。
・レストラン……城塞の都の一般的な料理が食べられる。
・ホテル……高級でも格安でもない、普通の宿泊施設。
・屋台……コックの作る不思議な料理をテイクアウトできる。
・品種改良研究所……作物や家畜の品種改良をしたい。研究者がいない。

●住民
・写真家U……困難な状況でもインスタントカメラでエモーショナルな写真を撮ることができる。
・コック……どんな食材を使っても味を上手く調えられるのが特技。地元の再興を夢見る。
・フォロワー……この町に住む労働者のほとんどは、写真家の撮った写真を評価している。
・ガンスミス……銃を作り、メンテナンスする職人。
・竜騎兵……馬に乗り銃を扱う騎兵。高速で移動しながら同じく動く標的に銃弾を命中させる腕を持つ。

●ステータス
第一次産業Lv.5
第二次産業Lv.4
第三次産業Lv.5
牧場Lv.5
514 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 20:59:08.14 ID:FpblGUspo
弟子「町が王様に認められたのか!」

開拓者「意外だったか?」

弟子「いいや。見れば分かるよ、オレが住んでた村の十倍は発展してる」

生産者「特に口出しするところは無さそうかな〜」

開拓者「俺が気候や土壌に合わない作物を植えるようなミスを犯すと思ったか」

生産者「ううん〜。あ、でも一つだけ気になったんだけど」

生産者「開拓者って、町を作るとき必ず守備隊を作らないと気が済まないの?」

開拓者「違うんだ。その気はないが結果的にガンマンが集まってきただけだ」

開拓者「高原の開拓では忍者の方からやってきて、砂漠の開拓では防衛力を上げるよう指示されていたんだ」

生産者「ふーん」

弟子「師匠、この人誰なんだ?」

開拓者「……同業者だ」

開拓者(今のこいつに妹の話はマズいだろう……)

生産者「ん〜。開拓者はわたしの先輩だよ」

開拓者(空気を呼んでくれた。以心伝心だ)
515 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 20:59:38.48 ID:FpblGUspo
牧場の町 町長「開拓者くん、ご苦労だったね」

牧場の町 町長「君のおかげで、区長になるはずだった私が町長になってしまったよ」

開拓者「そうだな。俺の力だ」

開拓者「そこで町長。俺から一つ頼みがある」

開拓者「数日後に迫った王国戦闘大会の件なのだが、」

牧場の町 町長「ああ! もちろん出場する予定だよ!」

牧場の町 町長「代表は竜騎兵君だ」

竜騎兵「町の代表として、一戦でも多く勝ち抜く所存!」

開拓者「待ってくれ。代表にはあそこに立っている青年を推薦する」

牧場の町 町長「彼が? 冗談言っちゃいけない」

牧場の町 町長「機動力、射程ともに竜騎兵君と比較にならないではないか」

牧場の町 町長「何より、動物と銃の町の代表として彼ほどふさわしい男はいない」

開拓者「た、たしかにそれはそうだが……」

牧場の町 町長「私は竜騎兵殿が決勝に進出することを確信している」

牧場の町 町長「彼を選ぶ理由などないのだよ」

竜騎兵「ご安心召されよ!」

竜騎兵「貴君の作り上げた素晴らしき町は、我がしっかりと宣伝して参ろう!」


開拓者「と、いうわけでお前は出場できなくなった」

弟子「この1か月の特訓は何だったんだよ!!」

開拓者「俺の1か月の開拓も何だったんだろうな!!」
516 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 21:00:43.74 ID:FpblGUspo
〜依頼E+〜

開拓者「安価で王国最強の男を作る」
517 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 21:52:47.01 ID:FpblGUspo
生産者「開拓者。すごくいい話があるんだけど」

開拓者「ここまで来たんだ。まだ諦めるものか」

弟子「ああ。乱入でも何でもして出場してやる!」

生産者「今ね、ちょうど戦える人を探してる町があって」

開拓者「弟子よ。乱入するなら当日ではなく、今じゃないか?」

弟子「同じこと考えてたぜ。オレがあいつより強いって証明すりゃいいんだろ?」

生産者「わたしがお世話になってる町長さんが、機会があるならぜひ大会に出場したいって」

開拓者「しかし、竜騎兵に無傷で勝つのは難しい」

開拓者「ケガをした状態で大会に出場するのは避けたいところだが……」

弟子「でも他に方法はないんだろ? だったら挑むしかねぇ!」

生産者「ね〜、わたしの話聞いてる〜?」


※これで本当に最後の4ターンです
518 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 21:58:21.42 ID:FpblGUspo
弟子「あいつを倒して、絶対に大会に出る!」

生産者「そんなことしなくても出れるのにな〜」


1.生産者の話を聞く
2.竜騎兵に挑む

↓1から 先に2票入ったもの
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 22:00:49.23 ID:VjQoh+dD0
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 22:00:59.60 ID:ia4MQp9S0
1
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 22:01:41.18 ID:VjQoh+dDo
1
522 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 22:22:49.42 ID:FpblGUspo
開拓者「待て。生産者が何か言っている」

生産者「やっと聞いてくれた〜」

弟子「なんだよ。ゆっくり話してると、あいつ行っちまうぞ!」

生産者「追いかけなくていいんだよ」

生産者「今ね。ちょうど戦える人を探してる町があるの」

生産者「わたしがお世話になってる町長さんが、機会があるならぜひ大会に出場したいって言ってたんだよ」

開拓者「どこの町だ?」

生産者「緑の町」

開拓者「そうか。あの町には農業局があったな」

生産者「そうそう。物資や品種の提供から、流通と広報までいろいろお世話になってるんだよ〜」

開拓者「俺にとっての王家と同じだな」

弟子「つまり、オレは緑の町の代表として出場できるんだな?」

生産者「知らない町でも大丈夫?」

弟子「別にどこの代表でもいいんだ。大会に出られさえすれば」

弟子「でも、師匠はそれでいいのか? せっかく町を作ったのによ」

開拓者「構わん。牧場の町の出来には納得しているからな」

開拓者「お前と竜騎兵がともにファイナルまで進んでくれたら俺としては申し分ない」
523 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 22:26:40.39 ID:FpblGUspo
そして、王国戦闘大会、予選当日。

弟子「ついにこの日が来たんだな」

開拓者「ああ。お前は厳しい特訓によく耐えた」

開拓者「この大会に、鍛えたすべてをぶつけて来い」

開拓者「そして……目的を果たせ」

弟子「言われるまでもないさ!」


開拓者「お、家政婦。お前も出場するのか?」

家政婦「あたしは出たくなかったんですけど、市長がどうしてもというので……」

家政婦「女騎士か諜報員に頼めばいいのに……」

開拓者「湖畔の楽園は観光地だからな。全国中継での宣伝はぜひやりたいのだろう」

家政婦「ファイナルトーナメントって、宣伝が終わったあとに試合するんですよね」

家政婦「あたし、もし予選を突破できたら、一回戦で降参しようと思います」

弟子「なんて消極的なんだ……」
524 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 22:27:18.21 ID:FpblGUspo
近衛兵隊長「開拓者殿。貴方も来ていたか」

開拓者「ああ」

近衛兵隊長「後ろにいる男は出場者か?」

開拓者「そうだ。序盤でお前と当たらないことを願うばかりだ」

開拓者「今大会もお前が優勝だろうな」

近衛兵隊長「それはまだ分からん。今大会から新しく出場する町は、どこも強者ぞろいだと聞く」

近衛兵隊長「予選を勝ち抜く強者たちは、これまでとは違う顔ぶれになるだろう……」

近衛兵隊長「ところで、姫様を見ていないか?」

開拓者「……見ていないな」

近衛兵隊長「そうか……ご協力感謝する」

近衛兵隊長「では、また会場で会おう」


弟子「今のは……」

開拓者「王族を守る盾である近衛兵たちの隊長だ」

開拓者「今までの王国戦闘大会では毎回、隊長が優勝している」

開拓者「彼こそ、王国最強の男で間違いない」

開拓者「お前の仇も、先に隊長が倒してしまうかもしれないな」

弟子「確かに……そうなってもおかしくないと思えるほど、凄まじい気の量だった」
525 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 22:29:18.41 ID:FpblGUspo
開拓者「王国戦闘大会、ファイナルトーナメントでは、16の町の代表がしのぎを削る」

開拓者「その内8枠は、州都予選で優勝した面々ですでに確定している」

開拓者「予選では残りの8枠を争うことになる」

弟子「AからHのブロックがあって、オレはEブロック予選か」

開拓者「予選は4ブロックずつ行われる。お前の出番は後だな」

開拓者「俺の知り合いが多いDブロックを見に行こう」


予選Dブロック

1試合目 家政婦(湖畔の楽園) VS 二刀剣士(癒しの花園)


最新の人気観光地同士の激突となったDブロック一戦目。

両手に剣を持った二刀剣士は、癒しが売りの町の代表とは思えない、まるで悪党か怪人のような風貌の男であった。

そんな彼だが、愛する町を外敵から守ろうとする信念は本物であり、住民からの評判は決して悪くない。

癒しの花園はまだまだできたばかりで伸び盛りの町。アピールしたいスポットが山ほどある。

市長と住民たちの期待を背負って、町の戦闘員たちを代表し、二刀剣士はファイナルトーナメントを目指す。
526 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 22:39:03.94 ID:FpblGUspo
二刀剣士「降参してくれないか?」

二刀剣士「俺はこんなナリだが、女の子に暴力をふるう趣味はないんだ」

家政婦「お気持ちはありがたいんですけれど、あたしはファイナルトーナメントの一回戦まで進むことを依頼されているので、退けません」

二刀剣士「でもなあ……治療班がいるとはいえ、攻撃できねぇよ……」

家政婦「では、こういうのはどうでしょうか?」

家政婦「相手に、勝てないと思わせたら勝ち」

二刀剣士「寸止めルールか……。難しいけど、やってみるか」

しぶしぶ仕掛けた左右の連続攻撃は、寸止めするまでもなく空を切った。

二刀剣士「お?」

家政婦「今の、本気ですか? でしたら降参してくれませんか?」

二刀剣士「……悪いけど、俺もやすやすと譲ってやることはできないんだよ」

二刀剣士「ペース上げていくぞ!」

しかし、まるで攻撃が当たらない。

二刀剣士「えいっ! このっ!」ブンッ ブンッ

二刀剣士(おかしい! 俺はすでに当てるつもりで振っている!)

二刀剣士「おりゃああ!」

二本の剣で挟み込むように攻撃するも、頭上を跳び越えられて避けられる。

しかも、跳ぶ寸前、二刀剣士はアゴを撫でられた。

これが打撃だったならば……。
527 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 22:39:32.73 ID:FpblGUspo
二刀剣士「……まいった」

家政婦「ふう……。ありがとうございます」

二刀剣士「俺は狭い町の中で最強だとうぬぼれていた……」

二刀剣士「俺は弱かったんだな……。女の子に一回も当てることすらできないなんて」

家政婦「弱くはなかったと思いますけど……」

二刀剣士「残念だ……。船員さんに約束したのにな、牧場島の宣伝は任せろって」

家政婦「えっ、牧場島を?」

二刀剣士「知ってるのか?」

家政婦「知ってるも何も……。あの、もしよろしければ、あたしが代わりに宣伝してきましょうか?」

二刀剣士「い、いや、それは駄目だろう? 湖畔の宣伝はどうするんだよ」

家政婦「一回戦の分しか用意してないと聞いているので、きっと大丈夫です」

湖畔の楽園 市長「別にいいですよー!」

家政婦「ほら、市長もああ言ってます」

二刀剣士「ありがてぇ……ありがてぇよ……」

二刀剣士「あなたは女神か!?」

家政婦「いえ、ただのメイドです」


開拓者「お人よしめ……。家政婦は結局、ファイナルで二回戦まで進まないといけなくなってしまったな」

開拓者「まあしかし、俺たちの作った村の宣伝のためだ。ぜひ勝ち抜いてくれ」
528 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 22:50:00.27 ID:FpblGUspo
予選Dブロック

2試合目 提督(チョコレート・ハーバー) VS 警察戦闘指南役(亜熱帯の町)


Dブロック二戦目は、無名の町と王国定番の観光地との一戦。

だが、対戦相手にとっては、知らない名ではなかったようだ。

港町 市長「亜熱帯の町だと? 外人がなぜ戦闘大会に出てきている?」

提督「市長、お言葉ですが外人ではございません。すでに王国に併合されているため、王国人です」

指南役「おや、本土の方は想像以上に差別的ですね」

亜熱帯の町 町長「いえ、ここまで露骨なのは珍しいことです」

亜熱帯の町 町長「チョコレート・ハーバーは植民地からの商品の運搬で栄えた町ですから」

指南役「ならば、亜熱帯の町に感謝するのが筋ではないですか?」

提督「何を言うか。お前ら亜熱帯地方はサトウキビ栽培が無ければ、産業も文化も何もない土地だったじゃないか」

港町 市長「我々が栄えさせてやったも同然」

提督「感謝しろだと? この恥知らずが」

指南役「町長。やりすぎて構いませんね?」

亜熱帯の町 町長「いけません。目をつけられてしまうと困ります」

亜熱帯の町 町長「できるだけ穏便に……勝ってください」

指南役「了解!」


弟子「なんであんなに殺伐としてるんだ?」

開拓者「あの港町はチョコレートが名物でな。その材料はカカオ豆と砂糖だ」

開拓者「その砂糖は、亜熱帯の町で作られているサトウキビが原料だ」

開拓者「亜熱帯の町は、サトウキビ栽培以外の選択肢を奪われ、経済的に支配下におかれた過去がある」

開拓者「国民の知らないチョコレートの裏側だ……」
529 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 22:53:45.03 ID:FpblGUspo
チョコレート・ハーバーの海軍基地のトップである提督は、類まれな巨漢であることで知られる。

鍛え抜かれた肉体を持つ彼と同じ訓練メニューを部下にも課すことから、海兵たちからはひどく恐れられている。


開拓者「前大会ではファイナルに進出した強者だ」

開拓者「だが、俺は指南役が勝つと思っている」

弟子「オレもそう思う。気の量を見ればわかる」


提督は鎖のついた錨を持ち、砲丸投げのように回転しながらじわじわと指南役に接近する。

並みの戦士ならば、成すすべなく弾き飛ばされてしまうだろう。

だが、指南役の身体能力は並みではない。

跳躍し、回転の中心にいる提督の頭部を蹴りぬいた。

指南役「よっ、と!」スタッ

提督「まだだ!」

土煙の中から姿を現した提督は、いつの間にか大砲を構えている。

指南役「…っ!」

次の瞬間、提督が爆発に巻き込まれた。

港町 市長「な、何ーっ!! 提督ぅー!」

治療班「死亡を確認!」


弟子「おい、殺しちまったぞ!」

開拓者「問題ない」

開拓者「治療班は、時間を戻す魔法を使用し、選手を試合開始前の状態に戻すことができる」

弟子「もうそいつらが最強だろ」

開拓者「そうでもない。戻す時間の長さと範囲の広さに応じて、必要な魔力の量が莫大になっていくため、多用はできないらしい」

開拓者「また、蘇生には条件がある。全身の部位が揃っている事と、魂が体を離れていない事だ」
530 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 23:14:25.81 ID:FpblGUspo

開拓者「さっきは何が起きたんだ?」

弟子「オレ、見たよ」

弟子「港町の代表が大砲を撃って、それを亜熱帯の代表が蹴り返したのを」

開拓者「まったく見えなかったが、そんなことをしていたのか……」



予選Dブロック

決勝 家政婦(湖畔の楽園) VS 警察戦闘指南役(亜熱帯の町)


この二か月で開拓者が関係を持った町・人物によるDブロック決勝である。

開拓者「二人とも、異常に強い事は知っているが、どちらが強いかは分からん」

開拓者「どちらが勝っても俺が作った施設が紹介されるのか……」

開拓者「残念だ……。両方に勝ってほしい」


指南役「おやおや、お久しぶりですね」

家政婦「あっ……奇遇ですね」

家政婦「あなたも出場なさっていたんですか……」

指南役「気持ち悪いですね、君の敬語は」

家政婦「別にいいじゃないですか」

家政婦「もう傭兵は辞めたんですから……」


開拓者「ん? あいつら知り合いか?」

開拓者「小さな声で何を話しているんだ?」


家政婦「……たとえあなたが相手でも、あたしは戦いますよ」

家政婦「先生と市長、エソラさん達のため、あたしは勝たないといけないんです」

指南役「なるほど。いい表情をするようになりましたね」
531 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 23:26:04.45 ID:FpblGUspo
指南役「では、僕は棄権しましょう」

家政婦「えっ……!?」

指南役「その対価として、亜熱帯の町の宣伝をよろしくお願いします」

家政婦「ちょっと、それは困ります!」

家政婦「あたしはすでに牧場島の宣伝も任されているんですよ……!?」

指南役「だからこそ依頼したんです。条件は同じじゃないですか?」

家政婦「で、でもあたしが3回戦まで進めるとは限らないし……」

指南役「この大会のレベルなら、あなたが3回戦まで進むことはたやすいことでしょう」

家政婦「現役のころより腕は落ちてますから……あ、あなたが代わりに、宣伝してくればいいんじゃないですか!?」

指南役「そうできれば良かったんですが」

指南役「亜熱帯の町がこれ以上戦闘で目立つと、王国を警戒させてしまいます」

指南役「独立運動を起こそうとしていると思われると、亜熱帯の町にとって困ったことになる……」

家政婦「あたしだって、目立ちすぎると今後の仕事に響きます……!」


指南役「審判の人! 僕は棄権します」

審判「了承した」

審判「Dブロック勝ち抜きは、湖畔の楽園代表、家政婦!!」

指南役「じゃ、後は頼みましたよ」

家政婦「そんなぁ……」


開拓者「なぜ家政婦は勝ったのに落ち込んでいるんだ?」
532 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 23:34:50.97 ID:FpblGUspo
Aブロック決勝 忍者教官(高原の環境都市) VS 暗殺者(金融都市)


忍者教官「……Dブロックの勝者は家政婦殿でござるか」

家政婦「不戦勝ですけどね……」

忍者教官「……一回戦の動きは見事でござった。拙者といい勝負ができるやもしれぬ」

家政婦「……? あなた、あたしと会ったことありましたっけ?」

忍者教官「……見ず知らずの婦人に親しげに話しかけてしまうとは、まるで拙者は不審者でござる」

忍者教官「……さらば!」シュタタタ

開拓者「Aブロックは忍者教官が勝ち抜いたか。やはり出てきたな……」

開拓者「Bブロックは……リゾートの町」

開拓者「Cブロックは、おおっ!」

弟子「写真と牧場の町、ってあそこだよな?」

開拓者「竜騎兵は勝ち抜いたようだな。お前も負けていられないぞ」

弟子「ああ! そろそろ移動しようか」
533 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/11(火) 23:42:29.29 ID:FpblGUspo
予選Eブロック

1試合目 ??(??の町) VS ??(??の町)

2試合目 気功槍術家(弟子) (緑の町) VS ??(??の町)



・重装騎士……敵のターゲットを自分に向ける術を極めた鎧の戦士。攻められるのは大好きだが、攻めるのは得意ではない。

・ゲリラ……フードで頭部を覆い隠した、元ゲリラ戦のプロのトラップマスター。一体何者なんだ…?

・ガンマン……トリガーハッピーな連射フリーク。機銃と散弾銃を装備している。


最初の対戦相手は

1.重装騎士(滝の町)
2.ゲリラ(深緑の町)
3.ガンマン(金鉱山の町)

↓2
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 23:43:15.36 ID:TmRbr2HnO
kskst
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/11(火) 23:48:20.47 ID:ia4MQp9S0
3
536 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/12(水) 00:28:11.93 ID:ToqHael6o
初戦はガンマンに決定



力士……横綱。短期決戦においては最強とも称される。スタミナが切れやすく長期戦に向かないと言われるが…?

テコンドー……世界チャンプ。長い脚で多彩な蹴り技を繰り出してくる。下段蹴りが無いため軸足を攻められると弱いと言われるが…?

カンフースター……耐久力お化け。爆発や電流などの演出にも耐える。あくまで俳優であり実戦では強くないとも言われるが…?


予選決勝の対戦相手は

A.力士(岩塩の町)
B.テコンドー(瓦の町)
C.カンフースター(俳優学校の町)

↓2選択
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 00:29:42.31 ID:+ULwWuu5o
kskst
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 00:30:34.78 ID:Ec81/ZVxo
C
539 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/12(水) 00:56:56.21 ID:ToqHael6o
予選Eブロック

1試合目 カンフースター(俳優学校の町) VS テコンドー(瓦の町)



テコンドー「まさか一試合目でカンフースターさんに会ってしまうとは運が無い……」

カンフースター「お互い様ですよ……。雇われておいて初戦負けでは面子が立ちません」


弟子「あれ? あの人たち、なんで他の町から出てるんだ?」

開拓者「緑の町代表が言うことじゃないだろ」

弟子「そうだった」

開拓者「一応、関係なくもない町から出ているしな」

弟子「横綱は来てないのか?」

開拓者「Gブロックに名前があった。あのブロックには図書の町がいるから勝ち上がりは厳しいかもな」


テコンドー(一発二発叩き込む程度じゃカンフースターさんは倒せない。長期戦にはしたくない)

カンフースター(彼は蹴り技が主体で、どこからでも飛んでくる……。距離を取るべきではないですね)

二人(取るべき作戦は、猛攻!!)


ガンマン「俺様の出番はまだか。早く撃ちまくりたいぜェ……!」

弟子(試合を始める二人)

弟子(その姿を見ながら、オレは1か月間の厳しいトレーニングを思い返していた……)
540 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/12(水) 00:58:07.62 ID:ToqHael6o
5週目

●スキル
筋力T……全力で殴れば大人を気絶させることができる。
フットワークU……狼の群れも突破できる緩急自在な機動力。
体幹T……同世代の男性に比べて明らかに筋肉質。
精神力U……精神攻撃に強い耐性を持つ。
動体視力V……集中すれば銃弾もスローモーションに見える。
反射神経T……見えさえすれば大抵の攻撃は余裕で避けられる。
気功U……体内の『気』を操り戦う。気は武器にも伝播する。
槍術T……標準的な王国兵と遜色なく槍を使いこなせる。
柔道T……投げ技、絞め技に特化した武道。東洋のレスリング。
高跳び……槍を支えに棒高跳びの要領で跳びあがり、短時間だけ滞空できる。

●ステータス
攻撃力Lv.3
耐久力Lv.3
リーチLv.3

●総評
気功槍術家U。
卓越した動体視力で素早い相手をも捉え、気功で強化された槍の一撃を放つ。
仮に槍を手放しても、隙をついて絞め落とす戦法で勝利を狙える。



開拓者「王国戦闘大会に向けた強化訓練を始める」

弟子「おう!」

開拓者「まず今のお前に必要なのは、遠距離攻撃への対策だ」

開拓者「逃げ回って遠くから攻撃される戦法の厄介さは、食の都の予選で身に染みただろう?」

弟子「ああ……追いつけない限り絶対に勝てないからどうしようもなかった」

弟子「避けるだけならできると思うんだけどな」

開拓者「点や線ではなく、面の攻撃だと厳しいぞ。例えば矢の雨が降り注げば、見えていても避けきれないはずだ」

弟子「個人で矢の雨を降らせる奴がいるのかよ」

開拓者「いるぞ」
541 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/12(水) 01:01:58.26 ID:ToqHael6o
開拓者「気功を無効化してくる相手も難敵だ」

弟子「そんなのいるのか?」

開拓者「老師から気功を学んだ者はお前だけじゃないだろうし、独学でその領域に至った者もいるだろう」

開拓者「優れた気功の使い手にとって、お前は目がいいだけの普通の槍使いだ」


※トーナメント編では、修行回想システムを採用しています。

※現在の時間軸で戦う相手を見てから対策できます。ずるい。


安価↓1、2、3 特訓内容を指示します(上げる能力を直接指定してもOK)
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 01:04:39.91 ID:OweoI3jb0
人体の全ての急所の位置を暗記させる
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 01:08:10.62 ID:OweoI3jbo
純粋に槍術の研鑚を積ませる
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/12(水) 01:19:02.64 ID:uqUGPVbH0
投げ槍の特訓
545 :ファイナル前まで、投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:05:07.07 ID:u+LzMlN+o
>>533 大したミスではないですが 重装騎士 → 重装戦士



開拓者「まず、お前にはこの本を読破してもらう」

弟子「なんか、小難しそうな本だな」

開拓者「図書の町で買ってきた、医学の入門書だ」

開拓者「あの町の本は値が張るが、特殊な加工が施されていて、学習効率が非常に高い」

開拓者「難しそうに見えるが、読んでいればスイスイ頭に入ってくるはずだ」

弟子「分かった。特訓の合間に読んでおくよ」


城塞の都の隣町、中心の通りから細い路地に入った先に、その槍術教室はあった。

開拓者「邪魔するぞ」

ガラリ

門下生「何者だ!」

槍英雄「彼は開拓者だ」

開拓者「まだ指導を続けていたか」

槍英雄「体が動かなくなるまで引退はしないさ」

弟子「この爺さんは?」

開拓者「お前が生まれる前の戦争で活躍した元王国兵だ」

開拓者「あらゆる槍の扱いに精通し、食の都の竹槍術を実戦レベルまで改良したのも彼だ」

槍英雄「槍英雄と呼ばれている。よろしく」

弟子「よろしくお願いします! 師匠、オレは槍英雄さんに鍛えてもらえばいいんだな?」

開拓者「ああ。しばらく師匠交代だ」
546 :ファイナル前まで、投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:09:07.78 ID:u+LzMlN+o
弟子と槍英雄は軽く槍を打ち合った。

槍英雄「君は、不思議な技を持っているな?」

弟子「気功のことか?」

槍英雄「時たま見た目より攻撃が重くなる。有効な技だが、しばらく封印して欲しい」

槍英雄「純粋な槍の腕を磨くにはその方が好都合だ」

弟子「分かった。そうする」

槍英雄「もう一つ、開拓者から君に教えるよう頼まれた技がある」

弟子「槍投げだな」

槍英雄「私は使いにくい技だと思っているが、開拓者には考えがあるんだろう」

弟子「さっき試しに投げてみたんだけど、意外とまっすぐ飛ばないんだよな」

槍英雄「これは練習でも危険な技だ。門下生がいないときに練習しよう」


弟子は1週間のあいだ、槍術教室の門下生との槍の特訓に明け暮れた。

休憩時間には医学書を読み、人体の急所について暗記した。

弟子「……肝臓……腎臓……心臓への突き」

門下生「おい、休憩時間終わったぞ」

弟子「おっと、悪い! 集中してた!」

門下生「すげぇ恐いこと呟いてたけど、練習で急所は狙うなよ……」
547 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:11:01.63 ID:u+LzMlN+o
●スキル
筋力T……全力で殴れば大人を気絶させることができる。
フットワークU……狼の群れも突破できる緩急自在な機動力。
体幹T……同世代の男性に比べて明らかに筋肉質。
精神力U……精神攻撃に強い耐性を持つ。
動体視力V……集中すれば銃弾もスローモーションに見える。
反射神経T……見えさえすれば大抵の攻撃は余裕で避けられる。
★NEW!! 急所攻撃T……人体の急所となる部位と、それぞれの部位にダメージを受けたらどうなるかについて理解している。
気功U……体内の『気』を操り戦う。気は武器にも伝播する。
★LVUP!! 槍術U……槍を自分の体の一部のように使いこなせる。突きは素早く、戻すのも素早い。
柔道T……投げ技、絞め技に特化した武道。東洋のレスリング。
高跳び……槍を支えに棒高跳びの要領で跳びあがり、短時間だけ滞空できる。
★NEW!! 槍投げ……槍を遠くまでまっすぐ投げる技。事前動作が大きく、使用すると武器を手放してしまうため、慎重に使う必要がある。

●ステータス
攻撃力Lv.4
耐久力Lv.3
リーチLv.3〜5
スピードLv.3

●総評
気功槍術家V。
巧みな槍術に気功を組み合わせて威力を増幅している武術家。
卓越した動体視力で、いかなる時も相手の隙を見つけ出す。
548 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:17:30.90 ID:u+LzMlN+o
弟子(オレはしっかりと遠距離攻撃を覚えた。ガンマンとの試合は大丈夫だ)

弟子(問題は予選決勝。何をしてくるのか見極めておこう)



武道家同士の戦いは佳境に入っていた。

テコンドー家は唇が切れ出血しており、ダメージは大きそうに見える。

一方でカンフースターも防御の上から効かされ、腕と脚が悲鳴をあげつつあった。

だが、テコンドー家はそれに気づかず、自身が一方的に押されていると錯覚していた。

彼は俳優。痛みを表情に出すことなどない。

カンフースター「次で決めます……!」ダッ

テコンドー(まずい……!)

上半身に素早い連撃を浴びせるカンフースターの体が、ふいに傾いた。

カンフースター「ぐっ……!?」

テコンドー(解禁するしかなかった……拳法家流 下段蹴り!)

〜〜〜〜〜〜〜〜

テコンドー「おい、本当に行かないのか!?」

拳法家「会議で、最後まで皇国に抵抗すると決まったんだ。俺だけ逃げるわけにいかない……」

拳法家「……お前にこれを預けておく」

テコンドー「それは武道家の魂だ。預かれない!」

拳法家「もしも俺たちが全滅した時は、その書物だけが俺たちの技を伝える最後の希望になる」

拳法家「無事に王国についたら、拳法を広めておいてくれよ!」

〜〜〜〜〜〜〜〜

テコンドー(まだ他人に技を教えられるほど、俺も拳法を使いこなせている自信はない)

テコンドー(だからこそ、今こそ試すとき! 拳法家流 正拳突き!)
549 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:19:03.33 ID:u+LzMlN+o
腰を落とし、気を込めて打った突きは、軽く弾き落された。

テコンドー(は……?)

体勢を崩していたはずのカンフースターはすでに万全の構えを取っている。

テコンドー(拳法家流 回し受け――)

防御は間に合わず、怒涛の連撃ががら空きの急所に打ち込まれる。

カンフースター「……技の引き出しが多いのは結構」

カンフースター「身についていない技を使うより、得意の脚技で押し切るべきでしたね」

審判「勝者、俳優学校の町!」

治療班「治療を始めます、こちらへどうぞ」


開拓者「あれだな。先に回想に入った方が負ける、というやつだ」

開拓者「終わってみればカンフースターの圧勝か」

弟子「いや……あれ、脚をやられてる。気を操って立ってる感じだ」

弟子「パワーは大したことなさそうだけど、連続攻撃は全部が急所に入ってた」

開拓者「お前と似たタイプか。武器を持っている分お前の方が有利だな」
550 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:20:03.96 ID:u+LzMlN+o
予選Eブロック

2試合目 気功槍術家(弟子)(緑の町) VS ガンマン(金鉱山の町)



観客A「緑の町が出てくるのって初めてだよな」

観客B「相手は、ファイナルトーナメント1回戦負け常連の金鉱山の町か」

観客A「銃の性能も向上してるし、今回は2回戦まで行けるんじゃないか?」


ガンマン「……開始の合図はまだか」

弟子「マズい、始まった瞬間撃つ気だ……」

弟子(相手は間違いなく距離を取りたがる。とにもかくにも接近しないと始まらない!)

ガンマンは機銃を構えて銃口を向け、弟子は腰を落として突進の構えで待つ。

審判「……開始!!」

ガンマン「ヒィーハァーッ!!」ドガガガガガッ

弟子「痛ッ……!」

開拓者(肩に被弾した! 大丈夫か!?)

左肩に激痛を感じながらも、弟子は精神力でこらえて、身をかがめたまま走り続けた。

狙いは武器。

銃を槍で叩き落とせば、ガンマンは降参するほかない。
551 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:21:47.23 ID:u+LzMlN+o
ガンマン「チィっ!」ガチャッ

当然、相手が何を狙ってくるかはガンマンにも分かっていた。

バックステップしながら、機銃から散弾銃に持ち帰る。

弟子(あれは、正面の広範囲に弾をばら撒くタイプの銃……!)

弟子(今度こそ避けられない!)

ガンマン「ハチの巣だァ!!」

弟子(一か八か……!!)

ブンッ

開拓者(投げた!!)

ガンマン「ぐふッ……」

弟子(刺さった……けど浅い!)

銃での闘いに慣れているガンマンは、相手の動きに対して咄嗟に体が動く。

槍は急所を外れた。しかし同時に、弟子も銃の射線から外れた。

弟子(まだか……!!)

ガンマンが銃を構えなおす一瞬で、弟子は背後に回り込み、寝技を仕掛ける。

弟子(落ちろ……落ちろ……!!)

武器に頼った男の身体能力が、鍛えた弟子にかなうわけもなく。

ガンマン「参、った、ぜ……俺様の、負けだ」

審判「勝者、緑の町!」

わずか十数秒の死闘であった。
552 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:23:23.71 ID:u+LzMlN+o
治療班「治療が完了しました」

弟子「完全に治ってる。傷なんてなかったみたいだ」

開拓者「この大会は治療班がいるからこそ成り立っている」

弟子「選手がどんどん死にまくって、瀕死の二人で決勝戦なんて誰も見たくないよな……」

開拓者「強豪を倒すとは、本当に成長したな」

弟子「相手の機動力が無くて助かった。追いつけなかったらどうしようもなかったよ」


弟子「もう次の試合なのか」

開拓者「精神は落ち着かせたか?」

弟子「問題ないよ」

柔道家「カンフースターさんとの試合ですか」

柔道家「彼は想像以上に間合いを詰めてきます。お気をつけて」

弟子「柔道家さんは出場しなかったのか?」

柔道家「自分はどこからもお声がかからなかったもので」

弟子「もったいないな」
553 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:29:21.29 ID:u+LzMlN+o
予選Eブロック

決勝 気功槍術家(弟子)(緑の町) VS カンフースター(俳優学校の町)



カンフースター「もう気づいているでしょうが……」

カンフースター「気功を使えるのはあなただけではありません」

弟子(師匠の読みが当たった!)

カンフースター「老師には遠く及びませんがね」

弟子「オレからは特に言うことはない。始めようぜ」

審判「……開始!!」

次は、弟子が距離を取る番だった。

懐に入られると槍での攻撃が難しくなる。

後退しながら槍を突き、前進しながら槍を払い、二人は試合場をくるくると周る。

弟子(気を抜くともぐりこまれる!)

至近距離での戦闘を許せば、先ほどのテコンドー家のように、急所への連撃を浴びせられてしまうだろう。


開拓者「動き回っているが、戦局は停滞している」

ガンマン「さっきみてぇに槍を投げつけちまえばいいだろ」

テコンドー「そんなことしたら弾かれて一瞬で終わるぞ」

ガンマン「弾が一発しかねぇってのは不便なこったな」
554 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:30:36.43 ID:u+LzMlN+o
ついに戦局が動いた。

カンフースターが槍を払いのけずに、柄を掴んだのだ。

弟子「離せ……っ」グッ

カンフースター「……」ググッ

一見お互いに動いていないように見えるが、その実、槍を介して、気功による激しい力の駆け引きが行われている。

ふいにカンフースターは槍を離し、半歩前進。懐に潜り込む。

気功対決においてはカンフースターに軍配が上がったようだ。

怒涛の連続攻撃が弟子を襲う。


柔道家「やられた……!」

開拓者「いや、まだだ! 何が起きたかは分からんが……」

テコンドー「背負い投げか? でもノーダメージだ」


仰向けに倒れていたのはカンフースターの方だった。

連続攻撃の一瞬、弟子はその高速の拳技を見ていた。

そしてわずかに動き、急所ではない位置で攻撃を受け、そのまま腕を取り、背負い投げを決めたのだ。

カンフースター「……ふっ」スタッ

弟子(平気そうに見えるけど……気が乱れてるぜ、俳優!)

再び拮抗。

しかし少しずつ、槍の穂先が当たりはじめる。

そして、カンフースターは突如、後ろに跳びのいた。

カンフースター「……参りました」

弟子「えっ……」

審判「勝者、緑の町!!」

審判「Eブロック勝ち抜きは、緑の町代表、気功槍術家!!」
555 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:32:20.66 ID:u+LzMlN+o
弟子「なんでだ? まだいけただろ?」

カンフースター「負けを悟ったんです」

カンフースター「あのままでは、すぐに槍が直撃し、大量出血は免れなかった」

カンフースター「命がかかっているわけでもなし。潮時でしょう」

弟子「そうか」

弟子「でも、耐久力がすごいって言われてたのに、普通に槍でケガするんだな」

カンフースター「打たれ強いとよく言われますが……ただ我慢強いだけですよ」


開拓者「よくやった!」

ガンマン「やったぜ! 俺様を倒した男が決勝に進んだ!」

テコンドー「俺を倒したカンフースターさんをよく倒せたな!」

カンフースター「優勝目指して頑張ってください。同じ気功使いとして応援しています」

弟子「同じブロックの全員に見送られるの、なんだか照れるな」


柔道家「力士さんが初戦で負けた……!?」

力士「何が起きたのか全く分からず……。情けない!」

開拓者「Gブロックだろ。あそこには図書の町の代表がいるからな」

開拓者「戦闘に関するあらゆる知識を暗記し、人間離れした反射神経で戦う、ファイナル常連だ」

柔道家「いえ、図書の町の代表も、力士さんと同じ相手に倒されて敗退したようです」

弟子「一体どんな技を使う奴なんだ?」

力士「すまない。何も覚えていない……」

開拓者「負けた後、治療班に時間を戻されていたら覚えていなくて当然だ」
556 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:34:25.69 ID:u+LzMlN+o
Fブロック決勝 魔物ハンター(湾岸要塞) VS 聖人(聖堂都市)

ざわざわ

魔物ハンター「…………」スタスタ

シスター「聖人様あああ!!」

神父「おお、主よ……。これが貴方の意思なのですか……」

観客A「なんだあいつ、光弾を全部食らってたのにびくともしねぇ」

観客B「要塞の代表選では一人で戦艦を撃沈したらしいわよ……」

観客C「戦艦が勝ってたらどうやって会場に来てたんだよ」


Gブロック決勝 ダンサー(芸能の島) VS クイズ王(図書の町)

クイズ王「うえぇ〜ん!! うえぇ〜ん!!」

審判「図書の町代表、幼児退行により、戦闘継続不能!」

審判「Gブロック勝ち抜きは、芸能の島代表、ダンサー!!」

ダンサー「私は証明する。人を無力化するために武力は不要なのだと」

観客D「ただ踊っているだけで……あのクイズ王がみるみる動けなくなっていった」


Hブロック決勝 達人(カジノシティ) VS 看守(監獄の町)

観客E「おいおい! 看守が素手の相手に負けるのは初めてじゃないか!?」

観客F「あの男が犯罪で捕まっても逃げ放題ってことだろ……」

観客G「監獄の町の信用にかかわる大事件です……!」

達人「脱獄が不安ならば、この我と、我らの町の武道家が助太刀しよう」

達人「悪のはびこる世の中であってはならない。武は正義のためにある!」
557 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:38:20.13 ID:u+LzMlN+o
観客A「おい、今回の予選は大荒れだぞ」

観客B「FからHのブロックでファイナル常連のメンツが全滅してるし、Bブロック以外どこの町も初出場だ!」

観客C「でもさ……結局、優勝は無いだろ」

観客D「だな。王国のトップ4は揺るがない」


家政婦「あ、開拓者さん。ファイナル進出おめでとうございます」

開拓者「いや、出てるのは俺じゃないんだけどな」

家政婦「あの。いつも出てる人たちに比べて、あたしたちって知ってる情報が少ないじゃないですか」

開拓者「そうだな。こんなことなら今までの大会もしっかり見に来ておくべきだった」

家政婦「実は、あたしの町の諜報員たちが、他の出場者のデータを分かる範囲で集めてきてくれたんです」

開拓者「おお、町単位だとそういう戦術も使えるのか」

家政婦「そこで相談なんですけど、お互いの知ってる情報を共有できませんか?」

開拓者「それはお前にメリットが無いんじゃないか?」

家政婦「町を作った開拓者さんだからこそ分かることもあると思うんです」

開拓者「どういう労働者教育をしたかくらいしか思い出せないぞ?」

家政婦「それ、すごく大事な情報です!」

開拓者「確かに……俺は多くの町の手の内を知っているのか」


開拓者と家政婦は出場者の情報を共有した。

家政婦は、各町の住民の構成、有名な出場者の経歴を。

開拓者は、出場者たちの予選での戦いぶりについての情報を、それぞれ手に入れた。
558 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 00:40:39.64 ID:u+LzMlN+o
ファイナルトーナメントの舞台は、海辺に作られた広大な闘技場である。

この闘技場は、海岸線と観客席を合わせると、ちょうどOの形になるように作られている。

観客席が舞台を囲っていないのはなぜか。

それは、観客を巻き込む可能性がある形状では、王国最強を競う者たちが全力を出せないから。


集うのは16の、人間を超えた者達。

王国戦闘大会ファイナルトーナメント、開幕――!!



※ファイナルトーナメント進出おめでとうございます。

※開拓者シリーズで今まで登場した強い町・強い人のオールスターでお送りします。

※対戦相手は、シナリオ上で、あるいは安価で強さを盛られた人々。人間をやめたレベルの人も多くいます。

※作者はできるだけ弟子を勝たせようとしますが、スキルを見て勝ち方が思いつかない場合、一回戦負けもあり得ます。
559 :投下のみ ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 01:14:26.74 ID:u+LzMlN+o
王「これより―――」

王「使者よ。第何回だ?」

使者「分かりません。手元の資料にもないですね」

王「―――王国戦闘大会を開催する!!!!」

わあああああああ


使者「実況はこの私、使者と!」

代理人「解説代理人だぜヨロシクゥ!」

使者「ご来場の皆様、一回戦の組み合わせが決まるまでしばらくお待ちください!」


開拓者「対戦の組み合わせはくじ引きで決まる」

開拓者「くじには1から13の番号が振られている。数字が小さいほど当たりだ」

弟子「どういうことだ? トーナメント表に番号が振ってあるわけじゃないのかよ」

開拓者「くじの番号が小さい順に、戦う相手を指名するんだ。運も実力のうちだな」

弟子「なんで13番までしかないんだ?」

開拓者「14番以降は何があっても指名権は回ってこないだろう」


使者「全員くじを引きましたね」

使者「番号を確認してください」

弟子「よっしゃ、5番!」

開拓者「1番から4番の誰かに指名されない限り、こちらから相手を指名できる」
560 :今夜の投下はここまで ◆CpUz7d.S3o [saga sage]:2020/08/14(金) 01:16:12.35 ID:u+LzMlN+o
使者「1番の方は」

忍者教官「……拙者でござる」

使者「では、1回戦の相手を指名してください。迷う時間は3分以内でお願いします」

忍者教官「……初めから決めていたでござる」

忍者教官「……隊長殿。勝負を挑ませていただく」

近衛兵隊長「いいだろう」

操縦士「いきなり隊長に行くのか……!」

超能力者「やるなあ」

忍者教官「……拙者の実力を示し、姫様の護衛に近衛兵は不要であると認めさせるでござる」

開拓者(本気で姫を守るなら近衛兵と忍者で協力すればいいだろうに、そんなに独り占めしたいのか……)

 忍者教官(高原の環境都市) VS 近衛兵隊長(王都)

※近衛兵隊長と忍者教官が登場する高原編は http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1476533102/


戦術魔導士「2番は私だね」

弟子「なんでおばあさんがここにいるんだ?」

開拓者「お、おい!」

戦術魔導士「私は魔女だよ……最強の魔女さ」

戦術魔導士「失礼な若造だ……最初の相手はお前にしてやろうか」

戦術魔導士「と、思ったがまずはお前だ」

黒装束「……老人をいたぶる趣味はないのだが」

戦術魔導士「お前、魂を集めているね?」

戦術魔導士「倒した相手を蘇生できなくするような不届き者は、先に追い出しておかないと皆が迷惑するだろう……」

開拓者(危うく一回戦で魔法の町の最強ばあさんと当たるところだった……)

開拓者(相手は端っこの都の代表か。布でくるまれているが、でかい武器を持っているな)

 戦術魔導士(学問の都) VS 黒装束(端っこの都)

※魔法の町は孤島編・山林編などで登場

※黒装束はこのスレで初登場 端っこの都は凍原編で登場
561 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/14(金) 18:33:53.65 ID:u+LzMlN+o
騎士「俺が3番だ」

騎士「初戦の相手はこのメイドにする」

騎士「予選でもまともに戦ってねえし、一番弱そうだ」

達人「女性に武器を向けるとは……!」

竜騎兵「騎士にあるまじき行為である!」

騎士「うるせぇ! 戦闘大会に出た時点で男も女もあるか!」

騎士「何者だろうと関係ねぇ、戦場では強い奴が勝つ! それが気に入らないなら戦場に出てくんじゃねぇ!」

戦術魔導士「ウフフ……その通りだね」

家政婦「うう……」

騎士「チッ。怖くなったんならとっととお屋敷に帰りな」

家政婦「せっかく4番を引いたのに……」

立役者「そっちですか」

エージェント「お気の毒に」

 騎士(城塞の都) VS 家政婦(湖畔の楽園)

※家政婦と騎士はこのスレで初登場

※湖畔編は http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1486966618/


弟子「4番が飛ぶから、次はオレの番か」

弟子「師匠? どうする?」

開拓者「少し待て。今考えている」

開拓者(まずは消去法で、常春の都の超能力者、リゾートの町のエージェントは外せる。どちらも準決勝常連だ)

開拓者(予選の戦績から判断して、達人、魔物ハンターも駄目だ。少なくとも初戦で選ぶにはリスクが高すぎる)

開拓者(残りは、竹槍戦士、立役者、操縦士、竜騎兵、ダンサーの5名)

開拓者(順にプロフィールを思い出そう)
562 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/14(金) 18:45:52.91 ID:u+LzMlN+o
食の都代表:竹槍戦士
攻5/耐3/リーチ5/速5
情報:素早い連続突き、突きの衝撃を遠くへ飛ばすことができる、棒高跳びと槍投げの技を持つ
予選:攻撃力と耐久力の高い筋肉戦士を撃破

※竹槍戦士の登場する竹林編は、http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1507454884/

開拓者(槍使いとは思えない身軽さ、速さ、そしてリーチ)

開拓者(食の都の予選を見に行った時点では、弟子の上位互換と言って差し支えなかった)

開拓者(果たして今はどうかな?)


鋼鉄の都代表:立役者
攻3/耐3/リーチ2/速2
情報:王国の人気アクション俳優、刀を使う
予選:ロケ地の村の細剣使いに圧勝

※鋼鉄の都が作られる山林編は、http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1590055886/

開拓者(映画が人気の州都、鋼鉄の都からは人気役者が参戦だ)

開拓者(ステータスは高くないが……技巧派なんだろうな)


地衣の都代表:操縦士
攻8/耐8/リーチ3/速8
情報:大きい、速い、重機
予選:爆弾を使う土木作業員に勝利

※地衣の都が作られる凍原編は、https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1591173292/

開拓者(一方こちらはステータスが高すぎる。これは乗り物の強さだな)

開拓者(予選ではほとんどの相手を正面衝突で倒したようだ。小回りが効くのか?)
563 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/14(金) 18:49:25.88 ID:u+LzMlN+o
フォトジェニックな牧場町代表:竜騎兵
攻5/耐3/リーチ5/速7
情報:馬を走らせながら正確に的を撃つ、馬も強い、馬が傷つくとすごく怒る
予選:レスラーの眉間を撃ちぬいた

※竜騎兵はこのスレで初登場

開拓者(因縁の相手だな……)

開拓者(銃の腕に加えて、馬の脚の速さが厄介だ。馬に蹴られるだけでもかなり危険だ)


芸能の島代表:ダンサー
攻0/耐0/リーチ1/速3
情報:踊る、相手の様子がおかしくなる
予選:無敵の横綱と理論上最強の格闘家に、何もさせずに判定勝ち

※芸能の島が作られる南国編は、http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1462605431/

開拓者(嘘だろ? まともなパンチも打てないのか。よく戦いに来る気になったな)

開拓者(俺の記憶だと、この町を開拓した時に踊りと学問、そして魔法をいくつか教えていた)

開拓者(つまり魔法を使うのか? しかしどういう魔法なのかが分からない)
564 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/14(金) 19:03:37.49 ID:u+LzMlN+o
開拓者「……ところで、征服者はいるか?」ボソッ

弟子「分からない。一人怪しい奴はいるけど、あんな感じだったか……?」

開拓者「あの黒装束か。だがすでに学問の都代表との試合が決まっているから選べない」

開拓者「挑めるとしたら二回戦だな」

開拓者「まずは勝てそうな相手を狙って、二回戦進出を目指すぞ」

弟子「で、誰を選ぶんだ?」

開拓者「速くてリーチのある竹槍戦士……」

開拓者「おそらく凄腕の剣士、立役者……」

開拓者「でかい重機に乗った操縦士……」

開拓者「因縁のある竜騎兵……」

開拓者「何をしてくるのかが謎のダンサー……」

開拓者「この中から選ぶ。お前は誰に勝てそうだ?」
565 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/14(金) 19:05:12.31 ID:u+LzMlN+o
1回戦の相手は

1.竹槍戦士

2.立役者

3.操縦士

4.竜騎兵

5.ダンサー

↓1から 先に2票入ったもの
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/14(金) 19:05:56.97 ID:oQj7e4hPo
2
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/14(金) 19:06:12.72 ID:s2MM5fXJO
竹槍戦士
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/14(金) 19:06:27.37 ID:3liHk5ar0
2
569 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/14(金) 19:43:40.73 ID:u+LzMlN+o
弟子「この中だと……立役者だな」

弟子「いくら強い剣士って言っても、槍のリーチがある分オレの方が有利なはず」

開拓者「大丈夫か? 一般的な職業以外で○○者と呼ばれている者は、その分野の超人ばかりだ」

弟子「そうだとしても、とてつもなくすごい役者ってだけだろ?」

使者「残り30秒です」

開拓者「時間が無い。もうそれで決めよう」

弟子「よし。オレは立役者を指名する!」

立役者「受けて立ちます」

立役者「私達の都市は二百年戦争を生き抜いた鋼鉄の都。あなたは私を選んだことを後悔するでしょう」

開拓者(すごく美しい横顔だ。男か? 女にも見えるが)

開拓者(まあ、弟子はそれで集中を乱すことはないだろう。心配はいらないな)

 気功槍術家(弟子)(緑の町) VS 立役者(鋼鉄の都)


その他の面々も順番に相手を選んでいった。

ダンサー「私は彼を選ぶ。肉体の強さなど無意味なのだから」

達人「言ってくれるな。力無き者よ」

超能力者「地衣の都で。あんたみたいな奴はやりやすいんだ」

操縦士「げっ。飛べる奴に指名されてしまった……」

リゾート神「竜騎兵クンと戦ってくれ」

竜騎兵「良かろう! 相手に不足なし!」

竹槍戦士「じゃ、あまりもの同士よろしくな」

魔物ハンター「…………」
570 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 00:13:37.33 ID:QgwLo/SCo
決勝トーナメント一回戦

1試合目 超能力者(常春の都) VS 操縦士(地衣の都)

2試合目 騎士(城塞の都) VS 家政婦(湖畔の楽園)

3試合目 弟子(緑の町) VS 立役者(鋼鉄の都)

4試合目 魔物ハンター(湾岸要塞) VS 竹槍戦士(食の都)

5試合目 エージェント(リゾートの町) VS 竜騎兵(牧場の町)

6試合目 ダンサー(芸能の島) VS 達人(砂漠のカジノシティ)

7試合目 戦術魔導士(魔法研究都市) VS 黒装束(端っこの都)

8試合目 忍者教官(高原の観光農園の町) VS 近衛兵隊長(王都)
571 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 00:14:07.64 ID:QgwLo/SCo
1試合目 超能力者(常春の都) VS 操縦士(地衣の都)


使者「大変長らくお待たせしました!」

使者「王国戦闘大会! 一回戦をただいまより開始します!」

わああああああ

使者「それでは、選手入場! の前に、映像をご覧ください!」

もしもの時のため、客席と闘技場の間には魔法で見えないバリアが張られている。

そのバリアに、映像が投影される。

この映像は王国各地の中継映像でも見ることができるものだ。

ナレーション「冷え固まった大地。野菜の育たない土。凍り付いた川」

トナカイを連れた先住民の映像とともに、バラライカのどこか切ない音色が流れ始める。

ナレーション「人が定住できないかに思われた凍った平原に、都市が誕生した」

何もない広大な凍原にぽつんと位置する大都市の空撮映像に移り変わった。

ナレーション「都市の名は、地衣の都。王国の未来を背負うエネルギー都市である」

短い映像で、石油製品、発電所の外観、長距離列車が紹介され、映像は終わった。


使者「最強の馬力を生み出すのは人間の叡智、工業技術だ!!」

使者「ツンドラ工務社が送り出す最高性能の重機は、あらゆる人間を、轢く、はねる、追い抜いていく!!」

使者「凍原州 最強の男! 地衣の都代表、操縦士ィィィイイイ!!」

ガガガガガガガガ!!

観客A「でっか……!!」

轟音を上げて現れたのは牽引・地ならしなどに使用する車両を戦闘用に改造した、動く建築と言っていい代物。

一般的な王国人の知る車とはあまりにもスケールが違った。

観客B「あんなものにぶつかられたら、兵器の町の戦車でも吹っ飛ぶんじゃないの……?」
572 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 00:16:40.39 ID:QgwLo/SCo
スピーカーから、ラテン調の陽気な音楽が流れ始めた。

マンドリンの軽快な音色に耳をすませていると、暖かい風が頬を撫でる。

ぶわっ

観客C「なんだ? 急に気持ちいい風が」

観客D「見て! 闘技場に花が咲いてる!」

超能力者「穏やかな日差し、心地よい春の風、そして満開の花畑」

超能力者「常春の都へようこそ!」

わあああああ

開拓者「映像を使わずに町を紹介したか!」

弟子「急に気温が変わったぞ。どうなってるんだ?」

開拓者「あいつは超能力で気候を変えることができる」


使者「人知を超えたサイコパワーに、不可能などない!」

使者「王国で5本の指に入る実力者は、今回こそ優勝を果たせるか!?」

使者「日光林州 最強の男! 天文の町出身、常春の都代表! 超能力者ッッッッ!!!」


※超能力者が登場する雪山編は、http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1492415481/
573 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 00:18:34.68 ID:QgwLo/SCo
審判「試合開始!」

操縦士「アクセル全開! トップスピードで加速してぶち当たる!」

猛スピードで迫る巨大な鉄の塊の持つエネルギーは、もはや大砲と大差ない。

超能力者(念動力で止まらない……!? だったら、上だ!)


使者「な、なんと超能力者! 地衣の都の重機を浮かせたー!?」

代理人「あのスピードを受け止めるより、重力に逆らう方が楽だったようだな」


しかし浮き上がる直前、重機から分離したいくつかのパーツが小さな車になり、超能力者に向かって走り出す。

操縦士「リモコン式爆弾だ!」

超能力者「こりゃまずい。飛ぶか」

宙に浮いて爆弾を避けた超能力者は、重機をさらに高く持ち上げて、落下させた。


使者「とんでもない爆風と爆炎です! 果たして操縦士は無事なのでしょうか!」

代理人「普通の人間なら生きていないはずだが……」


超能力者はゆっくりと地面に降り立つ。超能力者といえども空を飛ぶのは疲れるのだ。

超能力者「よし、一瞬焦ったけど楽勝だった」

重機の残骸を覆う黒煙の中から、多数の犬が飛び出してきた。

サモエド「……!」

ハスキー「バウッ!」

超能力者「危ないっ!」

犬たちの決死の特攻は、テレポートであっさりとかわされた。

超能力者「重機だけじゃなく犬も操れるのか。やるな」

操縦士「でもやりつくした……ここまでか。負けた!」

審判「勝者! 常春の都代表!」
574 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 00:20:06.22 ID:QgwLo/SCo
2試合目 騎士(城塞の都) VS 家政婦(湖畔の楽園)


アナウンス「王国最古の都市、城塞の都」

アナウンス「いつ来ても変わりばえのない町だと思っているそこのアナタ! 城塞の都の最新グルメをご存じですか?」

アナウンス「レッドナン、イチジクココア、納豆とドングリとタコのサンドイッチほか、観客用ロビーで好評発売中!」

アナウンス「英雄の孫、行きつけの店の味! 勇気を出してぜひ一度めしあがれ!」

ざわざわ

観客「城塞の都らしくない宣伝だったな?」

開拓者(騎士のやつ、行きつけの店だからと無理やり宣伝をねじ込んだな。よくやった)

使者「最強の騎士の血族が、ついに世代交代!」

使者「槍英雄の孫にして、前大会決勝を戦った男の息子! 重いプレッシャーを跳ね除けて、勝利を掴めるか!?」

使者「西洋林州 最強の男! 城塞の都代表、騎士ィィイイイ!!」


揺れるビデオカメラが一人の美形の青年を写し、別の男の声がする。

船員「花畑島渡し舟協会プレゼンツ」

船員「……癒しの花園から船で10分。新たな癒しを求めて、彼は画廊島へやってきました」

映像が飛び、島に上陸する。

船員「のどかな画廊島には宿泊所を完備。小さな料理店も併設されています」

青年が画廊の中に入る。

船員「画廊では王国各地の町と村を描いた絵画がずらりと並びます」

おぉー

観客「あれ、俺が昔住んでた村だ!」

開拓者(観客の反応は上々だ。俺と生産者の知る情報と、大学生が各地で撮ってきた写真をもとに、画家が描いた絵画だ)

開拓者(そう。実はだらだらと共同生活していたわけじゃない。俺たち7人は協力して島の名所を作り上げていたのだ)

大学生「……」

開拓者(それにしてもこいつは顎に手を当てて絵を見ているだけで様になるな。モデルをしているだけのことはある)

船員「ひときわ大きな絵画を押すと……なんと、回転扉になっています」

船員「この先は秘密! 他にも仕掛けがいっぱい! からくり画廊島へぜひ遊びに来てください!」
575 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 00:21:46.56 ID:QgwLo/SCo
使者「ファイナルトーナメントに久しぶりの女性が登場!」

使者「果たしてどんな戦法で屈強な男たちに挑むのか!? 魔法か!? はたまた筋力かぁ!?」

使者「湖畔の楽園 最強のメイド! 家政婦ゥ!」


家政婦は普段の長袖長ズボンの作業着ではなく、ロング丈のエプロンドレスで登場した。湖畔の町のメイドの正装だ。

家政婦「お手柔らかにお願いします」

騎士「てめえ……さっきの宣伝は何のつもりだ」

家政婦「実は、予選で癒しの花園の代表の方に頼まれまして」

騎士「他の町の宣伝を先にしやがったな」

家政婦「はい。市長が画廊島を優先していいとおっしゃってくださいました」

騎士「つまり俺には楽に勝てるから湖畔の宣伝は後ですればいいって、そう言いたいんだな」

家政婦「いえそんなことは」

騎士「クソが。この大舞台でわけの分からねぇ施設を紹介しやがって。からくりに頼るくらい絵に自信がねぇんなら画家やめちまえ」

家政婦「……タコ納豆には言われたくないですね」ムッ

騎士「あぁ!? うめぇんだぞタコ納豆!」

家政婦「食材で遊んでいるようにしか思えませんが」


開拓者「やめてくれお前達。その言い争いは俺に効く……!」

開拓者「しかし、騎士には悪いが惨敗だろうな」

弟子「どうだろうな……」

弟子「槍英雄さんのところで修行してた時に何回か戦ったんだ。あいつ、気功を使わずに相手すると結構強かったぞ」
576 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 00:22:30.37 ID:QgwLo/SCo
審判「試合開始!」

騎士は鎧を着用し、右手に槍、左手に盾を持った伝統の騎士スタイルで勝負に挑む。

家政婦(さて、さっさと武器を奪って降参を促しましょうか)

家政婦が回り込もうとすると、それに合わせて騎士は体の向きを変える。

踏み込むと、後退しながら槍を振り、けん制する。

素早く踏み込み、裏拳で攻撃を加えるが、盾できっちり防がれるとともに反撃される。

家政婦は身をひるがえして反撃の突きから逃れた。

家政婦(あれ……? この人、中々やりますね。ちゃんとした装備してくればよかった……)

距離を取ろうとすると重い鎧を着ているとは思えない速さでついてくる。

騎士(地味だが堅実。この戦い方で祖父も父も上り詰めたんだ)

家政婦「……ごめんなさい。あなたの強さを見くびってました」

家政婦「ここからは……少しだけ本気で相手をします」

そう言うと、入口横に用意しておいたモップを掴んで、家政婦は戻ってきた。

騎士「ふざけてんのかテメエ!」

怒りながらも正しい位置取りは崩さない。あくまで騎士は冷静だった。

家政婦「えいっ、たあっ」キンッ ドスッ

騎士「ぐっ、ぎっ……!」

騎士(おかしい。盾の防御が間に合わない! なぜモップがこれほど重い! あり得ねぇ!)

家政婦「あたし、武器の中で槍が一番得意なんです」ドスッ

騎士「グエッ……!」

家政婦「そろそろ降参してくれませんか?」

騎士「はあ、はあ……き、騎士に……降参は無い!」

家政婦「仕方ないですね……。それでは強めに……えいやっ!」


審判「勝者、湖畔の楽園!」

観客A「メイドにモップで倒される騎士がいるのかよ。笑える」

観客B「弱すぎる……本当に英雄の血を引いてるのか?」
577 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 00:26:37.98 ID:QgwLo/SCo
3試合目 弟子(緑の町) VS 立役者(鋼鉄の都)


使者「出演した演劇、映画はすべて大ヒット! 州都予選でも全戦圧勝のトップスター!」

使者「歴史もので当時の王国になかった武器を使うのはいかがなものかと思います! でもアクションがカッコいいから許されてしまう!」

使者「海峡州 最強のアクター! 鋼鉄の都代表、立役者ァァァアアア!!」


わああああ キャアアアア

ユニコーンに乗って登場した立役者が笑顔で客席に手を振っている。

宣伝パートは、鋼鉄の都の近くに作られたばかりの、海峡都市の紹介映像だった。

開拓者「海峡都市か……王国の開拓、最後の大仕事だったか」

家政婦「先生の作った町ですね……」

開拓者「お、もう治療は終わったのか」

家政婦「あたしはノーダメージですよ」

弟子「なあ騎士、大丈夫か? 試合のこと覚えてるか?」

騎士「気ぃ失ってただけだ。時間は戻されちゃいねえよ」

騎士「てめえの相手は……立役者か。あいつの試合は生で見たことある」

騎士「俺の戦い方とそっくりだ。きっちり間合いを維持してくる」

騎士「生半可な技量じゃじわじわ追い詰められるぜ」

家政婦「少し魔力を感じますね」

家政婦「ただの剣士じゃないと思います」

開拓者「情報が今一つ足りないな」

開拓者「俺が分かるのは、ユニコーンに乗っているから立役者は女だということだ。あいつは男装している」

開拓者「試合の役に立つ情報じゃなくてすまん……」


続いて始まった農業局の広報映像を眺めながら、弟子は厳しい特訓を思い返していた。
578 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 01:21:02.35 ID:QgwLo/SCo
6週目

●スキル
筋力T……全力で殴れば大人を気絶させることができる。
フットワークU……狼の群れも突破できる緩急自在な機動力。
体幹T……同世代の男性に比べて明らかに筋肉質。
精神力U……精神攻撃に強い耐性を持つ。
動体視力V……集中すれば銃弾もスローモーションに見える。
反射神経T……見えさえすれば大抵の攻撃は余裕で避けられる。
急所攻撃T……人体の急所となる部位と、それぞれの部位にダメージを受けたらどうなるかについて理解している。
気功U……体内の『気』を操り戦う。気は武器にも伝播する。
槍術U……槍を自分の体の一部のように使いこなせる。突きは素早く、戻すのも素早い。
柔道T……投げ技、絞め技に特化した武道。東洋のレスリング。
高跳び……槍を支えに棒高跳びの要領で跳びあがり、短時間だけ滞空できる。
槍投げ……槍を遠くまでまっすぐ投げる技。事前動作が大きく、使用すると武器を手放してしまうため、慎重に使う必要がある。

●ステータス
攻撃力Lv.4
耐久力Lv.3
リーチLv.3〜5
スピードLv.3

●総評
気功槍術家V。
巧みな槍術に気功を組み合わせて威力を増幅している武術家。
卓越した動体視力で、いかなる時も相手の隙を見つけ出す。


弟子「とうっ!」ブンッ

開拓者「的の中央に命中。素晴らしい槍投げの腕だ」

槍英雄「彼はとても筋がいい。とても槍を使い始めて一か月とは思えなかった」

槍英雄「開拓者、このまま私に弟子を預けてくれないか?」

開拓者「あいにく、弟子に教えているのは槍術だけじゃないんだ」

開拓者「機会があったらまた連れてくる。その時はみっちり仕込んでやってくれ」

槍英雄「残念だ」
579 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 01:25:23.56 ID:QgwLo/SCo
弟子「師匠、世の中には魔法を使う奴がいるんだろ?」

開拓者「ああ。才能のある一部の者しか使えないがな」

弟子「もしオレの気功みたいに、武器に魔法をかけて戦う奴がいるとしたらどんな魔法を使ってくるかな?」

開拓者「筋力では代わりにならない、炎や電気、冷気、精神干渉……。当たらない方がいいものばかりだろうな……」


安価↓1、2、3 特訓内容を指示します(上げる能力を直接指定してもOK)
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/15(土) 01:27:30.53 ID:1pXsDwYzo
魔法についての知識(対抗策の為に)
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/15(土) 01:31:10.70 ID:claIXyqQo
フットワーク(可能ならチーム解散後の獣人達とスパーリング)
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/15(土) 01:37:38.80 ID:claIXyqQ0
生育の異様に早い蔓植物を操ろ方法を身に付けさせる
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/15(土) 01:39:42.97 ID:claIXyqQo
次に備えて書いてたら投稿してしまった安価下
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/15(土) 01:48:14.34 ID:9hbyJITvo
相手の装備を外す技術
585 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 20:02:31.81 ID:QgwLo/SCo
開拓者「どんな魔法があるのか知っておくために、この本を読んでおくといい」

弟子「最近の師匠、本に頼りすぎじゃないか?」

開拓者「仕方ないだろ。魔法学の講師に呼べる知り合いがいないんだ」

開拓者「俺は最近まで魔法の存在を知らなかったからな」

弟子「嘘だろ? 王都の魔法街とか魔法の町があるのに」

開拓者「まさか本当に使えるとは思ってなくてな。オカルトだと思っていた」

弟子「貧民街に住んでるオレですら知ってたぞ」

弟子「師匠って案外常識がないのか? いつも開拓地にいるから」


弟子「なあ師匠、戦闘大会ではみんな武器を使うんだろ?」

開拓者「俺が調べた限りでは、今までの決勝では武器か特殊能力を使う者ばかりだったな」

弟子「調べた、って師匠、戦闘大会のことあまり知らない?」

開拓者「ああ。実際に見に行ったことはない」

弟子「まあいいや」

弟子「相手が武器を使ってくるなら、装備を破壊したり弾き飛ばしたりする技が必要だと思うんだ」

弟子「前言ってなかったか? 武器を破壊するのが得意な人もいるって」

開拓者「俺があの時意識していたのは、ハンマーや斧、あるいは腕力で、物理的に武器を折るような連中のことだった」

開拓者「お前が今から武器や戦法を変えるのは間に合わないかもしれん」

開拓者「だが、装備を外させることができればかなり有利になるな」
586 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/15(土) 20:06:27.14 ID:QgwLo/SCo
開拓者「柔道の技で押さえ込めばできるんじゃないか?」

弟子「武器を奪える体勢になったら、そのまま絞めた方が早いよ」

開拓者「どんな方法を使えばいいものか……」

開拓者(武器を落とさせればいいのか、鎧まで奪いたいのか、それでも話が変わってくる)

開拓者(考えつかないなら誰かに相談しに行くか?)

※実はトーナメントにも装備外しを狙ってくる参加者が4人いるが、全員違う方法を使う


↓2まで 装備の外し方(↓1が最優先、↓1が難しい場合↓2採用)
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/15(土) 20:11:00.38 ID:KGZro0vxo
気功で相手の体の中心から外側に向かう気の流れをつくり、相手の装備を弾き飛ばす
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/08/15(土) 20:13:09.03 ID:dBuu9fte0
鎧や衣服の構造を知り弱い部分を狙う
589 : ◆CpUz7d.S3o [saga]:2020/08/18(火) 18:56:07.99 ID:s3g0Vkofo
開拓者「今のお前なら気功を使えたら効率がいいな。老師に会いに行こう」

弟子「その前に、ちょっと師匠に見てもらいたいものがある」

弟子「たしかあっちに……あった」

弟子「これってさ、戦いに使えないかな?」

道端に生えている雑草に弟子が手をかざすと、茎がうねうねと伸び始めた。

開拓者「……驚いたな」

開拓者「もっとブワーッと一気に伸ばせないか?」

弟子「いや、これが限界だ。だから今まで言うまでもないかと思ったんだけど」

開拓者「こんなことができる人間は普通いないぞ。誰でも使えるなら開拓地で重宝する能力だ」

弟子「そんなにすごいのか。昔からできたから、大したことじゃないと思ってたよ」

開拓者「これは一体何に分類される能力だ?」

開拓者「お前にも分かるわけないな。専門家に見せに行くぞ」
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