【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】

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241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:14:39.64 ID:2b5HVxQF0
透「うう゛〜」

透「あ゛〜」

P「どうした?」

透「飽きた……」

P「まあ、あれだけ塩むすび食い続けたらな……」

P「体調崩さないか心配だ」

透「そのときはプロデューサーに看病してもらう」

P「えっ」

透「してくれないの?」

P「……透が、それでいいのなら」

透「ふふ、変なの。私がお願いしてるのに」

P「わかった。じゃあ、つらくなったら言ってくれ」

透「うん、そうする」
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:16:55.85 ID:2b5HVxQF0
透「……樋口」

P「?」

透「樋口、最近ソロでの仕事増えたよね」

P「それは透もだろう」

透「でも、樋口が一番ソロで仕事してる」

透「テレビでも時々見るようになった」

P「まあ、まだまだ駆け出しとはいえ役者もやってるわけだからな」

P「そのために個別にそのためのレッスンやオーディションを受けてるよ」

P「あいつも成長したよ……あ、こう言ってたって円香には言うなよ。何言われるかわかったもんじゃないし」

透「ふふっ……言わないよ」

透「いや、なんていうか」

透「プロデューサーはさ」

透「樋口が自分からソロで仕事するようになったのかな、って、思わない?」

透「樋口って、私が心配でアイドルになったようなものでしょ」

P「それは……、あいつもこの世界の仕事が楽しくなってきたとかじゃないのか?」

透「それがないとは言えないけど、でもどうかな」

透「他に理由があるんじゃないかな」

P「そう、なのか?」

透「うん。私の勘」

P「透と円香は付き合い長いから妙に信憑性があるなそれは」
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/15(水) 02:20:51.62 ID:2b5HVxQF0
透「あーあ」

P「どうした」

透「んー」

透「ジャングルジム、登りたいなって」

P「使用禁止だしそれは……」

透「「てっぺん」、目指したくて」

P「……」

透「今はまだ、登ってる途中だけど」

透「また、一緒に登りたい」

P「透?」

透「ねえ、プロデューサー」グイィッ

P「う、うわぁっ」ヨロッ

P(って、近っ!)

P(透に胸倉を掴まれるような形でひっぱられ、いまにも唇が触れてしまいそうなくらいに顔が向き合っている)

P(透の綺麗な顔立ちから、目が離せない。透の視線から、逃れられない)

P(捕獲されたような、そんな感じ)

透「プロデューサーは、さ」

P(透の吐息を感じる。声に熱を感じる)

透「いま、目の前に誰が見えてる?」

P「そんなの、透に決まって……」

透「そういうことじゃなくて、ね?」

透「……答えて」

P「……」


1.「円香が見えてる」
2.「透が見えてる」
3.黙秘する。(既読)

※以降、既に見たルートへの分岐には「(既読)」が付きます。

選択肢↓2

(とりあえずここまで)
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 05:30:54.88 ID:O8LwXTwx0
2
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 05:31:27.13 ID:7P7XEGa7O
2
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/15(水) 09:41:04.19 ID:y4kDakYDO
むしろ樋口が見えていたらどうなるんだ?
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 01:46:41.46 ID:mwxwaOIe0
P「透が見えてる」

P「俺には、透が見えてるよ」

透「……」

P「……」

透 ジッ

P ゴクリ

透「……もう」

透「嘘つき」

P「えっ?」

P(そう言うと、透はもとの体勢に戻った)

透「違うでしょ。プロデューサーの目に映ってるのは」

透「心の中では、私じゃない誰かを見てる」

P「透……」

透「でも、やばかった」

透「私が見えてるって言ってくれたとき」

透「刺さったかも」

透「……っ」

透「でも、でも、駄目だよ」ポロ

透「うっ……」グスッ

P「と、透……大丈夫か?」

透「だめ!」

P ビクッ

透「いまきちゃ、だめ」

透「……」

透「本当に、好きになっちゃうからさ」

P「……」
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 01:58:14.50 ID:mwxwaOIe0
透「ごめんね。急に泣いたりして」

透「登ろ、ジャングルジム」

透「これで、最後だから」


P「よいしょっと」

P「ふぅ。久々に登ると運動不足を実感するな……」

透「ふふっ、プロデューサー、遅すぎ」

透「……あのときとは、順番が逆だね」ボソッ

P「え?」

透「なんでもない」

P「景色」

P「確かに普段とは違う目線の高さだけど、まあ、それだけって感じもする」

P「だけど、なんだろうな、この感じは」

P「無性に懐かしい気がするよ」

透「っ」

P「……昔さ」

P「男の子とジャングルジムに登ったんだ」

P「その子はさ、言うんだよ」

P「のぼってものぼっててっぺんに着かない、へんなジャングルジムがあるって」

P「たしか、そんなことを言ってたと思う」
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 02:03:04.22 ID:mwxwaOIe0
P「もう古い記憶で、あんまりちゃんと思い出せなかったり、あいまいなところがあったりするけど」

P「なんだかとても大切な記憶な気がするんだよ」

P「って、変な話してごめんな。おっさんのよくわからない昔話とその感想なんて聞いてもしょうがないよな」

透「……ううん」

透「そんなことない」

透「きっと、喜んでるんじゃないかな」

透「その男の子も」

P「喜んでる?」

透「プロデューサーがそうやって、覚えていてくれて」

透「何気ない思い出だったとしても、その男の子にとっては、プロデューサーとジャングルジムを登れたことが、大きな一歩になってるかもしれないでしょ」

P「そういうものか?」

透「そういうものだよ」

P「じゃあ、そういうことにしておくか」

透「そういうことにしておいて」
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 02:07:17.85 ID:mwxwaOIe0
透「そろそろ降りる」

P「満足したのか?」

透「あー」

透「うん、まあまあ、ね」

透「いまはいいかなって、思えたから」

P「?」

透「なんでもない」

透「よっと」

P「あ、透、待ってくれ」


P「っしょっと」

透「プロデューサー、降りる姿が頼りなかった」

P「そこは大目に見てくれ……」

透「もうちょっとかっこよくいて欲しかったかも」

透「んーっ」ノビーッ

透「はあっ。うん、スッキリした」

透「じゃ、帰ろ」

P「ああ」

透「あ、そうだ」

透「樋口と、仲良くね」
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 02:21:23.42 ID:mwxwaOIe0
1ヵ月後。

〜ドラマの撮影所〜

P(よし、今日の撮影もうまくいったな)

P(ドラマの脇役の仕事――予想以上にうまくいってる)

P(自然体だが確かに演技はしていて、視聴者が日常とのギャップを感じずに入り込めるような、そういうスタイルなんだ、円香は)

P(円香の知名度もかなり上がっているし、次はメインキャラの仕事を取ってくることだってできるかもしれないぞ!)

円香「ふぅ」

円香「撮影、終わりました」

円香「……プロデューサー」

P「お、円香! お疲れ様」

P「今日の撮影もうまくいったな! プロデューサーとして鼻が高いよ」

P「お前は、俺の自慢のアイドルだ」

円香「っ/// そういう安直なコメントしかないんですか、ミスター・テンプレート」

P「と、とにかく、褒めてるってことだけは伝わってくれ……!」

円香「まあ、嬉しくないわけじゃないので」ボソッ

P「円香もとうとう俺に素直になってくれるようになったのか」

円香「……しくった。やっぱり今のナシで」

円香「というか、聞いてないフリするところなんじゃないですか? いまのは」

円香「あなたが困っているからと言って、優しくするようなことを言ったのを全力で後悔しています」

P「はは、円香は優しいよな」

円香「っっ!///」

円香「……うっさい! もう」

円香「ばか」

P「さ、じゃあ、帰るか。円香はもう家に直帰か?」

円香「……それもいいですが」

円香「スタジオで息がつまりそうなんで、どっか連れてってください」

P「どこか、ね。希望はあるか?」

円香「……」

円香「そうですね」

円香「遠くがいいです」

円香「ずっとずっと、遠いところ」
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/16(木) 02:21:58.73 ID:mwxwaOIe0
眠すぎるので寝ます。一旦ここまで。
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/16(木) 06:58:47.25 ID:QktL+d8go
おつ!
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 00:44:03.74 ID:eeV2iR6H0
P「なあ、円香」

円香「……なに」

P「遠くって、どこまで行けばいいんだよ」

P「ひたすら北上してるが……このままだと関東出ちまうぞ」

円香「わかってる。でも、もう少し進んで」

円香「あと二つ先で一般道に下りて」

P「……わかった」

円香「ふん……」


円香「そこ、左折して。あとはしばらく道なりだから」

P「了解した」

P「そろそろ目的地を聞いてもいいか?」

円香「そうやって急かすことしかできないんですか? ミスター・ハリー」

P「いや、でもな……目的地もわからずに運転させられてるっていうのは、こう、結構不安になるもんだぞ?」

P「円香にハイジャックされた気分だ」

円香「……ふふっ、なにそれ」

円香「私にハイジャックされるプロデューサー」

円香「……」

P「だから、な? 教えてくれよ」

円香「嫌です」

P「え?」

円香「嫌です」

円香「あなたをハイジャックできて、とても気分がいいので」
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 00:51:54.28 ID:eeV2iR6H0
円香「はい、そこ、脇道に入っていって」

円香「行き止まりになったところが、目的地です」

P「はいよ。もう何も聞かないさ」


P「到着……か? ここって……」

P「温泉宿……いや、旅館か?」

P「幻想的な雰囲気だな。なんだか、非日常との邂逅という感じがする」

円香「一人思いにふけっているところ悪いですが、そろそろ降りませんか」

P「あ、そうだな。すまん」


P「案内されるままに来ちまったけど……」

P「え、その、泊まる、のか?」

円香「旅館って何のためにあるかご存じないんですか?」

P「泊まるため……」

円香「はい、正解」

P「予約とか必要なんじゃ……?」

円香「そんなあなたに、はい」

P「スマホの画面? ……予約済、か」

P「料金はどうしたんだよ」

円香「いま出演しているドラマのギャラで払いました」

円香「さ、入り口の前でたむろしてても迷惑でしょうし、早く入りましょう」

P「ま、円香……!」

円香「もう、なんなんです?」

P「円香は、俺と、泊まるってことで、いいのか?」

円香「っ///」

円香「……言わせないで、ばか」
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 00:59:22.94 ID:eeV2iR6H0
〜某温泉旅館〜

――の1室。

P「ですよね――……」

円香「何か?」

P「いや、もうつっこまないぞ」

円香「出口の前に立ち尽くされたら目立つので、早く中に入ってきてください」

P「あ、ああ……」


P「ふぃー」ドカッ

円香「運転お疲れ様です。お茶淹れますね」

P「ありがとう」

P(円香……やっぱ変わったよな)

P(……変わりすぎなまである)

円香「どうぞ」コトッ

P「いただくよ」

P ズズズッ

P「はぁ〜」

円香「……」

円香「どうですか、少しは気が休まりましたか」

P「ああ、これで温泉に入れば完璧だよ」

P「……もしかして」

円香「それ、あなたが言うとかっこ悪くなるやつですよ」

円香「だから――」

円香「――私に言わせて」ダキッ

円香「……」ギュッ
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:06:14.76 ID:eeV2iR6H0
円香「ここに連れてきたのは、あなたを過労死させないためでもあるんです」ギュゥッ

P「そ、そんなに働いてるのか? 俺って」

円香「……いまにも倒れそうですよ」

P「それは大変だ……」

円香「運転、ずっとさせてしまってごめんなさい」

円香「私は、運転できないから」

P「高校生なんだ、仕方ないよ」

P「ん? 「あなたを過労死させないためで“も”ある」って、他に目的があるのか?」

円香「まあ……」

円香「……」

P「円香?」

円香「あっ、あなたと」

円香「っ……2人になりたくて!」

円香「一緒に、過ごしたくて」

P「円香……」

円香「いまの私の顔、見ないでください」

円香「見ないで……」

P「そもそも、円香が強く抱きしめてくるから、顔が埋もれちゃって見えないよ」

円香「ねえ」

P「なんだ?」

円香「もうしばらく、こうさせて」

円香「このままで……」
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:17:57.70 ID:eeV2iR6H0
円香「……もう、大丈夫」

P「別に、遠慮しなくてもいいんだぞ?」

円香「遠慮なんてしていません」

円香「ふふっ、普段の態度から分かるんじゃないですか?」

P「確かに……」

円香「仕事」

円香「いま、順調です」

円香「おかげさまで」

円香「WINGにつづいて、またしてもあなたの力なしにはなし得ないことを、私はしてる」

円香「このままだと有名人ですね、私」

P「いいことじゃないか」

円香「ええ、仕事ではいいかもしれません」

円香「けど、有名になれば、それだけ世間の目を気にしないといけなくなる」

円香「そうなる前に、あなたとこうして旅をしたかった」

円香「そういうことです」

P「……また」

P「いや、いつだって、円香が臨むなら、俺は」

P「お前を連れて行くよ」

P「WINGの舞台に連れて行ったように、女優としてのステージに連れて行ったように」

P「どこにだって」

P「一緒に、歩んでいこう」

P「円k……ムグッ」

チュ

円香「んちゅ、はむっ……」

P「フグッ……ハフッ」

カツッ

円香「っ、いた……」

P「……」

P「歯、当たっちまったな」

円香「う、うっさい!」

円香「やっぱ……慣れないことなんてするんじゃなかった」ボソッ

円香「……」

P「……」

円香「//////」
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:25:35.31 ID:eeV2iR6H0
P「ふぅ……」ポカポカ

P「いい湯だった」

P(家族用の貸し切り風呂も、混浴風呂もあったが)

P(円香はいなかったな)

P(さすがに欲しがりすぎか)

P「……」

P(何考えてるんだろうな、俺)


〜部屋〜

P「円香……遅いな」

ガチャ

円香「あ、もう来てたんですね」

P「円香こそ、ずいぶん長風呂だったみたいじゃないか」

円香「そうですか? 女子の風呂なんて、こんなもんでしょ」

P「そういうものかなぁ」

円香「そういうのに慣れてないプロデューサーには、わからないかもしれないですね」

P「あ、いまバカにされた気がするぞ」

円香「よくわかりましたね。日に日に知恵をつけているようで何よりです」

円香「がんばって知的生命体を目指してくださいね」

P「さらにバカにされた……」

円香 ニコニコ
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:32:46.11 ID:eeV2iR6H0
P「飯も食ったし、もういい時間だよな」

円香「なんですか?」

P「いや、なんですか、って……」

P「もう寝ようかなって」

円香「随分と下手な誘い方ですね」

P「……別に、そんなんじゃないぞ?」

円香「まあ、でも――」

円香「――私はそのつもり」シュル

円香 ガバッ

P「え……うわっ」ドサッ

円香「……」

円香「あなたが、欲しいから」
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:38:04.48 ID:eeV2iR6H0
P(それから、円香は役者として成長を続けた。一流の女優といっても良いくらいだ)

P(もちろん、アイドルとしてのnoctchillも健在だ。依然として人気は高い)

P(283プロには、事務員が数名新たに雇用されるようになった。まあ、事務所としてもお金を持つようになってきたから、ブラック同然の体制を変えようとしてのことだろう)

P(俺は、円香の専属プロデューサーになることを決めた。noctchillのプロデューサーには、人員補填で少しばかり暇になったはづきさんが就くこととなった)

P(最近は、デスクワーク以外の時間のほとんどは円香と過ごしている)

P(……もちろん、プライベートも含めて)

P(あれから、俺と円香は恋人同士になった)

P(円香がいつもあんな感じだから、あまり喧嘩というものがない気がする)

P(お互い遠慮してないような、そんな感じ)

P(仲睦まじく過ごしていた)
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:48:25.18 ID:eeV2iR6H0
数年後。

〜283プロが購入したプライベートビーチ〜

円香「ここが」

P「あの社長、実はこういうのに憧れてたんじゃ……」

円香「いいの? 私たちが使っちゃって」

P「社長も円香が事務所の看板だからって、利用者第1号の座を譲ってくれたんだ。まあ、遠慮しなくていいんじゃないか?」

円香「そう」

円香「まあ、静かでいいかもね」

円香「この子はそういうところのほうが好きだと思うし」ナデナデ

「……んっ」

P「はは、そうだな」

P「かわいいなー、俺も撫でちゃう」ナデナデ

「や」

P「えっ」

「……や」

P「拒否された……」

円香「私に似てよくわかってるみたい」

円香「あなたの安直さが」

P「えぇ」

P「でも、ほら、このつぶらな瞳とか、俺に似てるんじゃないか……?」

「わたし、ぱぱににてるの?」

円香「安心して、あなたはママ似だから」

「よかったー」

P「この母にしてこの子ありだ!」

P「俺はいま、妻と子にいじめられている!」

円香「でもそれが?」

P「幸せだ!! ……って、言わせるなよ」

円香「なに照れてるんだか」

円香「……」

円香「……ふふっ」

円香「私も、幸せよ!」

END.
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:49:12.67 ID:eeV2iR6H0
樋口円香のエンディングが1つクリアされました(2つめ)。

市川雛菜に関するエンディングに行くための条件が1つクリアされました(残り1つ)。

冒頭に戻ります。
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/17(金) 01:51:11.81 ID:eeV2iR6H0
〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」


〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


1.我慢できん……とりあえずコンビニに入ろう。
2.急いで事務所に行けばクーラーの効いた部屋が待っている!(既読)
3. 路地を歩けば涼しいかな……?

選択肢↓2

(とりあえずここまで)
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 02:23:46.95 ID:MqB7j8mDO
3
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/17(金) 07:11:38.08 ID:SnRSI5b5o
3
おつ
そっちがトゥルーとは
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 01:30:30.36 ID:OjAESxwq0
P(路地を歩けば涼しいかな……?)

P(よし、入社直後に開拓したルートを行くことにしよう)


〜事務所付近のとある路地〜

P「ここを曲がって真っ直ぐ行けば……!」

ドンッ

P「うわぁっ!」

「ぴゃっ!?」

P「あ、危ない!」ガシッ

P「すみません! 大丈夫ですか? お怪我は……」

「あ、はい。だ、大丈夫で――って、プロデューサーさん?」

P「え、小糸じゃないか」

小糸「あ、はい。わたしです」

P「ごめんな。ぶつかっちゃって」

小糸「い、いえ。私も、前をよく見てませんでしたから」

P「小糸はいつもこの道を通って事務所に行くのか?」

小糸「あ、えと、普通は人通りの多いほうの道で来るんですけど」

小糸「き、気分転換が、したくて」

P「ははっ、そうか」

P「俺は涼しいかなと思ってこの道にしたんだよ」

小糸「あ、それわかります! 確かに涼しいんですよね! この道」

P「ああ、こっちのルートにして正解だった」

P「小糸にも会えたしな」

小糸「ぴゃぅっ! な、なな、何を言うんですか、もうっ」

P「よし、じゃあ事務所に向かうか」

小糸「あ、待ってくださーい!」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 01:31:36.65 ID:OjAESxwq0
〜事務所〜

P「おはようございます」

小糸「お、おはようございますっ! ……あっ、円香ちゃんだ」

円香「おはよう、小糸」

円香「それに……」

円香「……ハァ」

P「さすがにひどくないか?」

円香「まだ何も言ってませんが」

P「言わずとも伝わることってあるんだぞ」

円香「そういう高度なコミュニケーションもとれたんですね。覚えておきます」

P「はいはい。よろしくな」

P「仕事はじめる前にコーヒーでも飲むか……」
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 01:34:14.04 ID:OjAESxwq0
P「ひ〜か〜りあつ〜めて〜ひ〜びけとお〜くへ♪」カチャカチャ

P「む〜す〜んだ〜き〜ず〜な〜し〜んじて〜♪」コポポポポ

円香「気味の悪い鼻歌を歌いながらコーヒー淹れるのやめてくれますか?」

P「気味の悪いって……お前らの歌だぞ」

円香「ええ。ですから、私たちの大切な歌に傷がつくので、やめてほしいと言ってます」

P「ひどい……その「私たち」にはプロデューサーである俺は入ってないのかよ」

円香「それは……」

P「……ははっ、そこで言い返さないあたり、円香は優しいな」

円香「なっ……!! さっきからサビの同じ箇所しか歌ってない人に言われたくありません!」

P「正直、スマンカッタ。あ、いや、歌詞とんじゃってな」

円香「最低」

P「じゃあ、今度はバッチリ歌詞覚えて歌うから、な?」

円香「結構です。これからレッスンまでの間、宿題をやるので、静かにしていてください」

P「わかった。そうするよ」


小糸「あっ、ぷ、プロデューサーさんっ。コーヒー、淹れてるんですか?」ピョコ

P「そうだぞ。飲むか?」

P(あ、でも、これブラックだし、小糸はそういうの苦手かも……?)

P(しかし、何もあげないってのもな……)

P(小糸の視線がアツい――気がする)

P(よし)

P「ほら、飴をあげよう」つ飴

小糸「ぴゃ! い、いいんですか?」

P「口が寂しいっていったところだろ」

小糸「ま、まあ、そうかもしれません」

小糸「ありがとうございます! プロデューサーさん」
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 01:35:55.75 ID:OjAESxwq0
タッタッタッ

透「あ、樋口。それに小糸ちゃんも。来てたんだ」

円香「うん……って、これから一緒にレッスンあるでしょ」

小糸「そうだよ、透ちゃん!」

透「あれ、そうだったっけ」

円香「じゃああんたなんでここに来たの」

透「まあ、いつもの?」

円香「何それ」

透「あ、そうだ。樋口、ちょっとそこでジャンプしてみてよ」

円香「は? なんで」

透「小銭欲しくて」

円香「最初からお金貸してっていいなさいよ……」

円香「いくら必要なの?」

透「あ、くれるんだね」

円香「あげるんじゃない、貸すの。で、いくら?」

透「150円」

円香「ジュース1本ぶんくらいだけど」

透「うん。それでいい」

透「さっき飲み物買いにコンビニ入ったんだけどさ」

透「財布、忘れちゃってて」

円香「いい加減学びなさいよ」

透「コーヒーの匂いがする。もしかして、プロデューサーいる?」

円香「……いる」

透「うわ、樋口、すごい顔」

円香「話しかけたいならそうすれば?」

透「そうだね。そうする」


透「プロデューサー、おはよ」

P「お、透か。おはよう」

透「コーヒー、淹れてるんだね」

P「ああ、見ての通りな」

P「飲むか?」

透「いや、いらない。熱いの苦手っていったでしょ」

P「はは、そうだったかもな」

透「プロデューサーって、記憶力あんまりよくなかったりする?」

P「いや、そんなことはないと思うけど」

透「……」

P「透?」


1.もしかして、怒ってるのか?
2.俺の顔に何かついてるか?
3.アイスコーヒーなら好きなのか?

選択肢↓1
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/18(土) 01:47:55.70 ID:gr1SRWg50
2
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/18(土) 01:48:49.78 ID:gr1SRWg50
2
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 01:57:07.29 ID:OjAESxwq0
P「俺の顔に何かついてるか?」

透「んー」

透「まあ、顔がついてるけど」

P「ははっ、なんだよそれ」

透「記憶力の良くなさそうな顔がついてる」

P「それは……困ったな」

P「印象が悪そうだ」

透「ほんと、困ってるよ」

透「私が」

P「透が困ることあるのか?」

透「うん」

透「ちゃんと、思い出してね」ボソッ

P「え?」

透「あっちでスマホいじってくる」

P「あ、ああ……」
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:01:11.82 ID:OjAESxwq0
円香「何話してたの?」

透「うん。まあね」

円香「……何かいいことでもあった?」

透「?」

透「んー」

透「まあまあ、かな」

円香「あ、飲み物」

透「?」

円香「飲み物、買いに行くんじゃなかったの」

透「……」

透「ふふっ、忘れてた」

円香「もう」

透「ま、いいや」

透「プロデューサーが淹れてたコーヒー、氷り入れて飲む」

円香「……そ」


P「よいしょっと」ギィ

P「よ〜し、じゃあ仕事すっか」

円香「いちいち報告しなくていいので」

P「わ、わかったよ。ごめんな」
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:05:39.83 ID:OjAESxwq0
透「う〜ん」

P「どうした透。スマホいじりながらうなったりして。ゲームでもしてるのか?」

透「まあ、そんなとこ。あっ……」

透「はぁ」

透「まだ一回しか勝ててないや」

透「何周しても微妙」

P「なんのゲームなんだ?」

雛菜「マリカーってやつ〜」

雛菜「レーシングゲームってつい熱中しちゃうよね〜」

P「ああ……そういえば流行ってるらしいな」

透「あーあ」

透「難しいね」

P「ははっ、苦戦してるみたいだな」

雛菜「透せんぱ〜い、がんばれ〜」

透「ふふっ、ありがと、雛菜」

P「ゲームか……久しくやってないな……」

P「……」

P「……仕事すっか」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:07:52.86 ID:OjAESxwq0
P(そういえば、気づかないうちに雛菜も来てたんだな)

P(noctchill全員集合、か)

P(今日も、がんばれ……!)

P(あいつらのためにも、仕事頑張らないとな)カタカタ


数時間後。

P(今日のnoctchillはレッスン漬けだったよな)

P(あいつらのことだから心配しなくてもいいかもしれないけど……)


1.まあでも、様子を見に行くか!
2.仕事で疲れたし昼寝でもしよう。
3.休憩がてらはづきさんと話すか。

選択肢↓1
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/18(土) 02:12:38.59 ID:gr1SRWg50
2
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:15:42.72 ID:OjAESxwq0
P(仕事で疲れたし昼寝でもしよう)

P(体力回復に努めるんだ)

P「……」

P「zzzZZZ」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:34:43.27 ID:OjAESxwq0
「――サーさん」

「おー――う。お昼――は――したよ」

P「っ!!」ガバッ

「きゃっ」

P「い、いけない……つい爆睡してしまった……」

「もう――」

はづき「――いきなり飛び起きるからびっくりしちゃいましたよ」

P「あ、はづきさん」

はづき「おはようございます、プロデューサーさん」

P「ご、ごめんなさい。もう昼休み終わってますよね」

はづき「今終わったところなので、まだ大丈夫ですよ」

はづき「あと、お願いがあるんですけど」

はづき「先日メールで送ってもらった企画書、紙媒体でファイリングしたいので、コピーいただけますかー?」

P「わかりました。ちょっと待っててくださいね」

はづき「はーい。私のデスクで待ってますね」

P「はい。印刷が終わったら持っていきます」

はづき「ではでは」タタタ

P「えーっと」

P「確か……企画書が入ったUSBはデスクの引き出しの一番上に……」ガララ

P「……?」

P(なんだこれ)

P(手紙、だよな)

P「……」

P(中高生のときならラブレターかと思ってはしゃいでたかもしれないが……)

ペラッ

P(表には『あなたへ』とある)

P(裏には……『あけなきゃだめ』か)

P(とりあえず俺宛……ってことでいいのか?)

P(まあ、開けろって言われてるんだから、開ければいいんだろう)ペリペリ

P(えーと、なになに?)


『間違えないでね』


P「???」

P「一体何のことだ?」

はづき「プロデューサーさん? どうしました?」

P「い、いえ。企画書のコピーですよね!」

P カタカタ

P タンッ

P「はい、いま印刷機から出てきますので、もうちょっと待ってください」

はづき「はーい」

P「……」

P(俺は、手紙を元あった場所に戻した)
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/18(土) 02:36:36.22 ID:OjAESxwq0
それからさらに数時間後。

P(もう少しであいつらも帰って来る頃だな)

ヴーッヴーッ

P「……? LINEか」

P「透から、だな」


透『いまそっちに向かうとこ』

透『このあと』

透『みんなが解散したあと、時間ある?』

透『よかったら、話したい』

透『他のみんなには内緒で』


P(何か込み入った事情があるのか?)

P(他のみんな……っていうのはnoctchillのメンバーのこと、だよな)

P(どう返信したものか……)

P(あの3人を撒くんだよな)

P「……」

ガチャ

P(え、もう来たのか?)

P(ど、どうしよう)

小糸「お疲れ様です!」

P「あ、あぁ、小糸か……お疲れ」

小糸「プロデューサーさん、もしかして疲れてますか?」

P「え? あ、いや、そういうわけじゃないぞ。気にしないでくれ」

小糸「それならいいんですけど……」

小糸「あ、あの!」

小糸「このあと、時間、ありますか?」

P「へ?」

小糸「プロデューサーさんに……その、相談したいことがあるんです」

P(こ、これは……)


1.小糸に応える。
2.透に応える。
3.2人とも断る。

選択肢↓2

(とりあえずここまで)
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/18(土) 02:38:24.47 ID:gr1SRWg50
3
おつ
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/18(土) 02:44:32.26 ID:i2Q/q+W2o
1
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/19(日) 01:06:08.18 ID:fxOGDdjq0
P(透には悪いが、ここは小糸に応えることにしよう)

P「ああ、時間ならあるぞ」

小糸「わ、わかりました。それじゃ、わたしは事務所に残りますね」

P(透に連絡しておこう)

P『すまない。別件があるから、今日は無理だ』

P『またの機会に埋め合わせするから、堪忍な』

P(これで、よし……)
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/19(日) 01:14:12.87 ID:fxOGDdjq0
P(その後、noctchillの全員が事務所に帰ってきて――)


透「プロデューサー」

P「あ、ああ、おかえり、透」

透「また今度、ね」

P「すまん。頼む」

透「……」

透「帰るね」

円香「では、私もこれで」

雛菜「やは〜私も透先輩と帰る〜」

雛菜「あれ〜? 小糸ちゃんは帰らないの〜?」

小糸「う、うん! わたしは用事があるから、ここに残るね」

雛菜「そっか〜、じゃあね〜。ばいば〜い」フリフリ

小糸「みんな! ……ま、まま、またね!」

透「別件……」ボソッ

小糸「透ちゃん……?」

透「ううん。なんでもない。帰ろ」

雛菜「うん〜〜〜〜???」

円香「……」


P(――という感じで、今に至る)

P(今は、事務所には俺と小糸の2人だけだ。はづきさんはもうあがっているし)

P(社長は、今日一日仕事で席を外している)

P(さて……)

小糸「プロデューサーさん!」

P「うぉわっ!」

小糸「ぴゃぅ!! ご、ごめんなさい。驚きましたか?」

P「いや……大丈夫」

小糸「それで……あの……」

P「そうだ、話があるんだよな」

P「遠慮せずに言ってくれ」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/19(日) 01:28:41.23 ID:fxOGDdjq0
P「え? 俺のオフ?」

小糸「は、はいっ。次はいつなのかなって」

P(小糸の相談……なんだよな?)

P「次の日曜とかは休みだけど」

小糸「それなら……」

小糸「わ、わわ、わたしと……!」

小糸「でっ、で、で……」

P「?」

小糸「でー、……」

小糸「……っ」

小糸「はぁ」

小糸「……一緒に、次のお仕事の下見に行って欲しいなって」

P「そういえば、今度街歩き系の番組に小糸1人でゲストとして呼ばれてたよな」

P(小糸にいろいろと餌付けしたら視聴者が癒される映像を流せる――ってのが制作側の魂胆ではあるが、これは黙っておこう)

P「確かにそろそろ収録の時期ではある」

小糸「ごめんなさい。迷惑ですよね」

小糸「プロデューサーさんだって、疲れてるのに」

小糸「連れ回すようなこと……」

P「いや、迷惑なんてことはないぞ」

P「小糸が仕事に対して真剣になっていると実感できて俺は嬉しいよ」

P「あ、いままでが真剣にやってきてなかったってわけじゃないからな」

P「改めてそう思ったってことだ」

小糸「は、はい……あ、いえ!」

小糸「このくらい余裕だし当然のことです! 私はプロなんですよ!」

P「はは、いつもだって人一倍努力して頑張ってるのに、小糸は偉いな」

P「よし、そういうことならこの俺が、全力で小糸に同伴しよう!」
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/19(日) 01:30:51.33 ID:fxOGDdjq0
(選択肢の前ですが多忙と眠気につき一旦ここまで)
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/19(日) 02:01:31.92 ID:SsV7dn+ho
おつおつゆっくりおやすみ
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 01:55:03.43 ID:Mf3ovw750
数日後。

〜ロケ予定地〜

P「田舎ではあるけど、ほどよく活気があって、いい街だな」

P「番組で回る予定のコースでいけばいいか?」

小糸「は、はい! それでお願いします」

P「よし、じゃあ、せっかくだし楽しもうな」

小糸「っ! そ、それはそうですね……!」


〜街の某食堂〜

P「ここ、創業60年以上の食堂だってよ」

小糸「ろ、60年……!」

P「俺が生まれる何十年も前だ」

小糸「想像つかないですね」

小糸「あ、プロデューサーさんは、何を頼むんですか?」

P「そうだなぁ。俺はガッツリいきたいし、このカツカレーにしようかな」

小糸「いいですね! おいしそうです」

小糸「うぅん……、でも量が多いです」

P「ははっ、確かにな。俺が腹いっぱいになるくらいの量だ」

小糸「今日は暑いので、わたしはこのおそばにしますね!」

P「おっ、いいね。涼しげだ」

小糸「カツカレーも魅力的だったんですけどね……えへへ」
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 02:05:44.91 ID:Mf3ovw750
店員「はい、こちらカツカレーになります」

P「おうふ……空腹にトドメを刺された……」

店員「ふふ……、あ、はい、こちら、くるみそばですね」

小糸「あ、ありがとうございます」

小糸「わぁ……おいしそう」

P「じゃあさっそく」

P・小糸「「いただきます」」


P(小糸はうまそうにそばを食ってはいるが……)

P(チラチラと俺のカツカレーに熱い視線をよこしてるな)

P「……少し食べるか?」

小糸「ぴゃ!? い、いえ! プロデューサーさんのですし、そんな悪いですよ!」

P「でも、さっきから見てただろ?」

小糸「うぅ……ば、ばれてたんですか」

P「バレバレだったな」

P「いいよ、結構量あるし、全部食うのはしんどくても、シェアするくらいならちょうどいいんじゃないか?」

小糸「で、でも……」

P「まあ、無理にとは言わないけど」

小糸「そうじゃなくて……ですね」

小糸「プロデューサーさんからもらうと、その……」

小糸「か、かかか――」

小糸「――間接キスに……! ……なっちゃいます///」

P「あ、はは、そ、それもそうだな……」

P(なんかこっちまで照れてくるな)

P「そういうことなら、このカレーは俺が全部食うよ」

小糸「待ってください……!」

小糸「い、いやだなんて……その、言ってませんよ」

小糸「ください……プロデューサーさんのが食べたいです」

P「お、おう……ほれ、あーん」

小糸「あむっ」パクッ

小糸「! お、おいしい……!」

小糸「も、もっとください!」

P「ほい」

小糸 ハムッ

小糸「〜〜〜!」

P(癒されるな……これは)

P(いい番組になりそうだ)

P(なにより、小糸が幸せそうなのがいい)

P(この笑顔は、守りたいな)
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 02:22:21.45 ID:Mf3ovw750
小糸「じゃあ、わたしからも、はいっ!」

小糸「お返しです!」ニパッ

P「お、あぁ……ありがとう」

P(そばはビジュアル的にあーんの難易度が高そうだが)

P(……なんとかなったな)チュル

P「甘みと塩気が香りとともに引き立てられている……うまいな、これ」

小糸「えへへ……プロデューサーさんが食レポを始めてしまいました」

P「えぇ? いやいや、そんな大したことないって」

P(そうか、そうだったな)

P(これ、仕事の下見に来てるんだった)

P(でも……なんだかそういうの抜きで)

P(楽しいんだよな)
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 02:42:13.68 ID:Mf3ovw750
P(その後も、小糸とロケ地となる店や施設を回った)

P(もちろん、仕事の準備として来てはいるが)

P(それとは別に、純粋に小糸との時間が楽しかった)

P(そして、楽しい時間というのは、早く過ぎるものだ)


小糸「これで全部……ですね」

P「そうだな。結構楽しかったな」

小糸「! は、はい! わたしも……楽しかったです」

小糸「あっという間でした」

P「はは、奇遇だな、俺もだ」

小糸「……お、お仕事の」

小糸「下見で来ましたけど」

小糸「……っ、わ、わたしは!」

小糸「プロデューサーさんとの、このお出かけを」

小糸「でっ、で、で……」

P「?」

小糸「でー、……」

小糸「……ふぅ。っ――」

小糸「――デートだって、思いました!」

P「小糸……」

小糸「えへへ、言えちゃいました」

小糸「最後の最後で出した勇気です」ポロ

小糸「あ、あれ……」ツー

小糸「わたし……」ポロポロ

小糸「なんで、泣いてるんだろ」

小糸「ご、ごめんなさい。今日の私、なんだか変ですね!」

小糸「帰りましょう……もう暗くなってきましたし」

P「……小糸!」

小糸「ぴゃ!? な、なな、なんですか?」

P「また行こう」

P「また、俺は小糸とデートがしたい!」

P「ははっ、こんなこと、俺みたいな歳のやつが言うのは変だろうけどな」

P「さ、さあ! 車に乗ってくれ。小糸の言うとおりもう暗く――」

ギュッ

P「――なって……」

小糸「えへへ……私もそう思います」

小糸「プロデューサーさんと、もっと一緒にいたいです」
292 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 02:48:43.81 ID:Mf3ovw750
数年後。

P(noctchillは、グループとしての活動を継続しているものの、高校卒業を期に各々がソロで動くことが増えていった)

P(皆、大学に進学した)

P(特に、小糸は芸能活動と勉強を両立して、都内の有名な大学に進学できた)

P(いまは、クイズ番組に出ないことはないくらいの、インテリ系アイドルとして、小糸はテレビに出演している)

P(そして……)
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 02:59:30.11 ID:Mf3ovw750
〜283プロ・カリフォルニア支部〜

小糸「ぴゃぅ!? た、高すぎますよこれ!」

P「ガラス張りの超高層ビルのオフィス……なんだか落ち着かないな」

P(俺は、アメリカの大学院に進学することになった小糸と、社長が新たに設けた海外支部を見に来ていた)

P(いまはエンターテイメントもオンラインの時代だからといって、IT業界で知らない者はいないシリコンバレーのあるこの地に居を構えたらしいが……)

P「あの社長、実はこういうのに憧れてたんじゃ……」

小糸「わたしがこっちに来たら、ここでお仕事を続けるんですよね」

P「ああ、しばらくは現地のテレビ番組やショーにコンスタントに出つつ、平行して動画配信サイトで知名度を上げていく方針だ」

P「もちろん、小糸の勉強に支障のないように配慮はするからな」

小糸「あ、はい。ありがとうございます」

小糸「でも、わたしが気になるのはそこじゃなくて……」ボソボソ

P「?」

小糸「だ、だって……! わたしがアメリカに来ちゃったら、もうプロデューサーさんとは……」

P「ああ、そのことなら気にしなくていいぞ」

P「ほら、これが俺の新しい名刺だ」

小糸「……! これって」

P「そうだ。今日から俺は――」

P「小糸担当、小糸専属のプロデューサーだ」

P「だから、俺も小糸と同じ時期からアメリカ暮らしさ」

P「うちの事務所も最近人員補填をしてな。noctchillのプロデューサーははづきさんが引き継いでくれるから心配しなくていいぞ」

小糸 パァァ

P(あ、嬉しそう)

小糸「に、にやけてなんてませんよ!」

P「別に言ってないが……」

小糸「でも……良かった」

小糸「これからもよろしくお願いしますね! プロデューサーさん!」


END.
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 03:00:18.15 ID:Mf3ovw750
福丸小糸のエンディングが1つクリアされました。

市川雛菜に関するエンディングに行くための条件のクリア状況には変化が起こりませんでした(条件は残り1つ)。

冒頭に戻ります。
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/20(月) 03:00:50.36 ID:Mf3ovw750
〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」


〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


1.我慢できん……とりあえずコンビニに入ろう。
2.急いで事務所に行けばクーラーの効いた部屋が待っている!(既読)
3. 路地を歩けば涼しいかな……?(既読)

選択肢↓2

(とりあえずここまで)
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/20(月) 04:27:11.98 ID:k5msxqYDO
1



誰か既読で、別ルートへの未読とか調べてないかな
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/20(月) 07:40:29.10 ID:ctIzZ9TQo
1
おつ!
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 00:52:27.05 ID:qRX3ud1y0
〜駅前のコンビニ〜

P「ふぃ〜〜〜」

P(き、キンキンに冷えてやがるっ・・・・・・・・!)

P(コンビニは都会の避暑地だよなぁ)

P(まあ、長居すると体調が悪くなりそうな、それくらいの寒さだ)

P(さて……飲み物飲み物っと……)

「ふふっ」

P「あ」

透「待ってた」

透「プロデューサー」

P「透もコンビニに来てたのか」

透「うん。飲み物、買いたくてさ」

P「奇遇だな。俺もなんだよ」

P「……ん? いや、さっき待ってたって言ったか? 透」

透「言った」

透「プロデューサーがここに来ると思ったから」

P「はは、そうか」

透「気が合うね。私たち」

P「だな」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:02:34.93 ID:qRX3ud1y0
P「よし、特茶……君に決めた!」パシッ

透「おじさんくさいね」

P「健康を大切にしてると言ってくれ」

P「こんな暑い日には、なんか燃える気がするんだよ」

透「燃えるの?」

P「ああ、脂肪とかな」

透「ふふっ、なんかプロデューサー、車みたい」

P「車?」

透「だって、油燃やして動いてるじゃん」

P「いや、どちらかと言えば動いてるから油が燃えてる感じなんだがな」

P「……透は何を買うんだ?」

透「私はね、これ」

P「アイスコーヒー?」

透「アイドルデビューの次は、コーヒーデビュー」

P「コーヒーなら事務所で淹れてやるのに」

透「熱いの、苦手なんだ」

P「あ……だから、アイスコーヒーなのか」

透「そういうこと」

P「よし、じゃあ買うか」

透「……」

P「どうした?」

透「奢って」

P「……まさか」

透「そ」

透「財布、ないから」

P「前科持ちじゃねーか」

P「それとも、キャッシュレスデビューもしたっていうのか?」

透「んー、そういうのはよくわかんないや」

P「はあ……」

P「まあ、奢ってやるけどさ」

P「渡せよ。買ってくる」

透「ありがと」
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:06:43.45 ID:qRX3ud1y0
P「ほれ、望みの品だ」

透「どうも」

P「お前……俺がコンビニ来なかったらどうするつもりだったんだよ」

透「え? 言ったじゃん」

透「待ってたって」

P「……マジかよ」

透「プロデューサーを信じてたから」

透「こういう一途なのって、どう?」

P「……切ない、か?」

透「えー、そうなるの?」

P「いや、わからんが……」

P「最初からたかるつもりってことだろ」

透「イェーイ」

透「あ、「僕はキメ顔でそう言った」って付け加えとく?」

P「怒られそうだからやめとけ」

透「僕……」ボソッ

P「透?」

透「ううん。なんでもない」

透「行こ」

P「ああ」
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:10:55.27 ID:qRX3ud1y0
〜事務所〜

P「おはようございます」

透「ふふっ、……私が来た」

小糸「あ、おはようございますっ! プロデューサーさんに、透ちゃん!」

円香「おはよう、小糸」

円香「それに……」

円香「……ハァ」

P「さすがにひどくないか?」

円香「まだ何も言ってませんが」

P「言わずとも伝わることってあるんだぞ」

円香「そういう高度なコミュニケーションもとれたんですね。覚えておきます」

P「はいはい。よろしくな」

雛菜「ふわ〜〜、ちょっと寝ちゃってた〜〜〜〜」ムクッ

雛菜「あ! プロデューサーだ〜。おはよ〜」

P「おはよう、雛菜」

雛菜「目が覚めたらプロデューサーに会えるとか、雛菜しあわせ〜」

P「ありがとな」

雛菜「ん〜〜」ゴシゴシ

雛菜「! プロデューサーのとなりに透先輩だ〜」

雛菜「しあわせ〜」

P「……雛菜」

雛菜「な〜に〜?」

P「その、しあわせ〜、に、だな〜、ってつけて言ってみてくれ」

雛菜「しあわせだな〜」

P「……くくっ、よしっ」グッ

透「あ、なんだっけ、それ」

P「若大将だよ」

透「それそれ」

P「よく知ってたな」

P「……さてっ、特茶飲んで仕事すっか」
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:13:48.84 ID:qRX3ud1y0
透「う〜ん」

P「どうした透。スマホいじりながらうなったりして。ゲームでもしてるのか?」

透「そんなとこ。ふふっ」

透「いまいいところなんだ。勝てるかも」

P「なんのゲームか気になるな」

雛菜「マリカ〜」

P「ああ……そういえば流行ってるらしいな」

透「……まだまだわからない」

P「ははっ、白熱してるな」

P「ゲームか……久しくやってないな……」

P「……」

P「……仕事すっか」
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:16:12.22 ID:qRX3ud1y0
数時間後

P(今日のnoctchillはレッスン漬けだったよな)

P(あいつらのことだから心配しなくてもいいかもしれないけど……)


1.まあでも、様子を見に行くか!
2.仕事で疲れたし昼寝でもしよう。(既読)
3.休憩がてらはづきさんと話すか。

選択肢↓1
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 01:24:36.10 ID:Ka1A1zjAo
1
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:29:47.34 ID:qRX3ud1y0
P(まあでも、様子を見に行くか!)

P(いま向かえば、ちょうどあいつらも昼休みだろう)


〜レッスン場〜

P「お、やってるな」

ワンツーワンツー

P(なんていうんだろうな……授業参観にきた親の気持ちっていうのが、わかったような気がする)

ジャアキュウケイニシマショー

アリガトウゴザイマス!!

P「午前の部は終わったみたいだな」


P「よう、お疲れ様」

透「あ、来てくれたんだね」

小糸「あっ、プロデューサーさん!」

雛菜「やは〜、またプロデューサーに会えた〜。しあわせ〜」

円香「……」

P「午前にやる分の仕事を片付けて、見に来たんだよ。レッスンの様子が気になってな」

P「これから昼休みだろう? みんな飯はどうするんだ?」

小糸「わ、わたしはお弁当持って来てますよ」

雛菜「雛菜も〜」

円香「……」

透「……あ、昼ごはん、ないわ。ふふっ」

透「お弁当、お弁当、1人飛ばして、ご飯抜き」

P「いやいや、あれだけ動いたんだから、きちんと食べなきゃ駄目だぞ?」

透「じゃあ、奢ってよ、プロデューサー」

P「それでたかるのかよ……まあいいけどさ」

雛菜「え〜透先輩ずる〜い。雛菜もプロデューサーとご飯食べた〜い」

小糸「雛菜ちゃん……それだとお弁当が無駄になっちゃうよ」

雛菜「う〜」
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:30:15.02 ID:qRX3ud1y0
透「二人で抜けちゃおっか。プロデューサー」

P「さすがにこの状況で透一人をひいきすることはできないよ」

透「えー」

円香「……」

P「円香は、昼飯どうするんだ?」

円香「……っ」

P「?」

小糸「円香ちゃん……えと、その、プロデューサーさん」

小糸「円香ちゃんは、今日お弁当を持ってくるの忘れちゃったみたいなんです」

P「そうだったのか」

円香「……」

P「……」

円香「……」グー

円香「!」

P「はは、黙ってても答えは出たな」

P「よし、じゃあ俺の分も含めて、テイクアウトで調達してこよう」

P「みんなは休憩スペースで待っててくれ」
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/21(火) 01:32:36.42 ID:qRX3ud1y0
〜休憩スペース〜

P(さて、と)

P(どこに座ろうかな)

P(テーブルが小さいのばかりだから2:2にわかれちゃってるな)


1.透と円香が座っているところ。
2.小糸と雛菜が座っているところ。(既読)
3.あえてぼっちを選択。

選択肢↓1
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 06:22:25.85 ID:biEhBjrDO
1
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/21(火) 10:39:16.54 ID:PblC2WywO
P「よいしょっと」

透「プロデューサー」

透「いらっしゃい」

円香「……」

P「失礼するぞ」

透「……」モグモグ

円香「……」モキュモキュ

P「……」

P(か、会話が続かないな……)

P「き、今日のレッスンさ」

P「1日中だけど、どうだ? 負担にはなってないか?」

円香「……無理してる」

P「え?」

円香「無理に女子高生と話そうとしてると言ってるんです」

円香「アイドルのプロデューサーともあろう方が女子に不慣れな様子を晒している……プロデュースされるアイドルとして、穴があったら入りたい」

P「うう……すまん」

透「まあまあ」

透「せっかくこっちの席に来てくれたんだしさ」

透「いてくれるだけでもいいよ、プロデューサー」

透「樋口も、そうだよね」

円香「私はそんなわけ……」

P「はは、ありがとうな」

P「悪い、空回りしてたよな……」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/21(火) 10:58:37.76 ID:PblC2WywO
P「なんだか、高校の時を思い出したよ」

P「こうやって席を寄せて昼飯食うなんてさ」

P「……俺もおじさんだな」

透「高校のときに女子と食べてたの?」

P「え? あ、いや、そういうわけじゃないけど……」

P「まあ、雰囲気的な話……かな」

透「……そっか」

透「高校生のときのプロデューサー……」

透「……っ」

P「?」

透「思い出話」

透「聞かせてよ、プロデューサーが高校生のときのこと」

P「俺が高校生のときか……」


1.「そういえば……小さい男の子とジャングルジムに登ったな」
2.「バス停……」
3.「うーん、たいした話はないよ」

選択肢↓2
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 11:45:22.06 ID:OTKBP4ONO
2
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/21(火) 13:24:39.60 ID:biEhBjrDO
1
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/22(水) 01:16:16.71 ID:in1ZJBHbO
P「そういえば……小さい男の子とジャングルジムに登ったな」

透「!」

P「まあ、高校だったか……ひょっとしたら中学のときかもしれないけど」

P「とにかく、中高生のとき、だな」

P「バス停にさ、男の子がいて……」

P「……歩いたほうが早いよって、教えてくれた」

P「けど、時間もあったし、俺は待つことにして」

P「そうしたら、その子も一緒に待つって言うんだ」

P「けどさ、ジャングルジムを凝視してるんだよ、その男の子」

P「だから、俺は言ったんだ。行ってきていいよって」

P「その子は自分から行こうとはしなかった」

P「なんでだったんだろうな、あれは」

透「……怖かったんじゃないかな」

P「ジャングルジムが高いからか?」

透「ううん。そうじゃなくて」

透「ほら、てっぺんってさ――」

P「――のぼってものぼっても……たどり着かない」

P「あ、あれ……なに言ってるんだろ、俺」

P「でもそうだ。確かにその子はそう言ってた」

P「夢の話だと聞いたけど」

P「ただの夢以上の意味があったんだと思う」

P「俺は、自分が登りに行くことで、その子がジャングルジムに登ってくれるような気がした」

P「登って欲しかったんだ――あの子に」
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/22(水) 01:20:26.71 ID:in1ZJBHbO
P「おっ、やべっ、もうこんな時間か」

P「それじゃあ、俺は戻るから。お前ら午後も頑張れよ!」

透「うんっ。頑張れ頑張れ」

円香「はぁ……」

雛菜「あ、プロデューサー行っちゃった〜〜……。待って〜」

小糸「ひ、雛菜ちゃん……! プロデューサーさんにもお仕事があるし、仕方ないよ」


〜事務所〜

P(昼休みはnoctchillのレッスンを観に行って、透と円香と一緒に昼飯を食べた)

P(高校時代に思いを馳せるなんて、それこそ思いもしなかったな)

P(それに……あの記憶)

P「……」

P(……仕事するか)
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/22(水) 01:23:16.21 ID:in1ZJBHbO
数時間後。

P「……うーん」

P(集中が切れてきた……)


P(ふらふらと事務所の冷蔵庫の前まで来てしまった)

P(なんとなく何かから逃げたい時とか、気分転換したい時とかに、冷蔵庫を開けに来てしまうのはなんでなんだろう)ガチャ

P(うーん、開けたはいいものの……)


1.冷やされたコーヒーを飲む。
2.プリンを食べる。
3.何もせずにデスクに戻る。

選択肢↓1
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 01:42:28.65 ID:GcO2Fuzdo
3
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/22(水) 01:52:28.63 ID:in1ZJBHbO
P「……」

P(いや、あいつらがレッスン頑張ってるのに、俺がこんなんでどうするんだ)

P(しっかりしろ、俺)

P パシン

P「よしっ……」

P(仕事仕事っと)
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/22(水) 01:59:10.91 ID:in1ZJBHbO
P(もう少しであいつらも帰って来る頃だな)

ヴーッヴーッ

P「……? LINEか」

P「透から、だな」


透『いまそっちに向かうとこ』

透『このあと』

透『みんなが解散したあと、時間ある?』

透『よかったら、話したい』

透『他のみんなには内緒で』


P(何か込み入った事情があるのか?)

P(他のみんな……っていうのはnoctchillのメンバーのこと、だよな)

P(どう返信したものか……)

P(あの3人を撒くんだよな)

P「……」

ガチャ

P(え、もう来たのか?)

P(ど、どうしよう)

透「プロデューサー」

P「あ、ああ、透か」

透「この後、時間ある?」

透「2人で、話したい」

透「他のみんなには内緒で」

P「この後か……」

P(もう少しで仕事は片付くが……)


1.「わかった。あと少しで仕事終わるから、ちょっと待ってて」(透の誘いに乗る)
2.「仕事が終わらないんだ、すまない」(透の誘いを断る)
3.――この選択肢はロックされています―― 


選択肢↓2(いま選べるのは1.か2.です)

(とりあえずここまで)
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/22(水) 02:15:31.55 ID:Vu1NCxSDO
1
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/22(水) 02:18:58.38 ID:vSA1VA8R0
1
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/24(金) 01:45:22.08 ID:lkC6i5rzO
P「わかった。あと少しで仕事終わるから、ちょっと待ってて」

透「うん。ありがと」

P(その後、noctchillの全員が事務所に帰ってきた)

P(事務所から帰ろうとしない透に対して円香が声をかけて)

透「あ、ちょっと、あるから。ここに残る」

P(透がそう言った。俺は円香に睨まれた)

P(しかし、結局透以外は皆帰って言った)

P(何か事情があると悟ったのだろうか)

P(俺は……透に何を聞かされるのだろう)
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/24(金) 02:02:42.39 ID:lkC6i5rzO
P「で、話ってなんなんだ? 透」

透「うん、えっとね」

透「ちょっと、ソロでも活動したいなって、思えてきて」

P「具体的にどういうことをしたいとかってあるのか?」

透「モデルがいいな」

P「モデルか……いいかもしれないな」

P「透はスタイルもいいし、オーラもある。顔立ちも綺麗だし透明感があって惹きつけられる」

P「そういう透の魅力は、静止画で最も発揮されるんじゃないかと思うんだ」

透「ふふっ……それ、私は喋らない方がいいってことじゃん」

P「え、あ、いや、そういうわけでは……」

透「いいよ、始末書も書いたことあるし」

透「わかってる」

透「で、プロデューサーは、私がそれで「てっぺん」目指せるって思うんだ」

P「モデルの頂点か……いや、それははっきり言えば相当険しい道のりだな」

P「やるならタレントとしての要素も込みで売り出していきたいと思う」

P「そこにギャップが生まれるからな。透の場合、良い方向に働くだろう」

P「どうだ?」

透「プロデューサーがそう言うなら、それを信じる」

P「透がどうしたいかも重要なんだぞ? 遠慮しなくていいから、何かあれば言ってくれ」

透「ううん。大丈夫。プロデューサーがそれが良いっていうなら、それで正解だから」

透「私はそれで、プロデューサーと目指したい」

透「私たちの「てっぺん」を」

P「? ……まあ、透が良いっていうならそうするんだが」

P「じゃあ、俺もその方向で営業することにするよ」

P「頑張ろうな、透」

透「うん」
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/24(金) 02:22:58.05 ID:lkC6i5rzO
>>1です。

>>286でも言ったように忙しいので、文章化と打ち込みにかかる時間を踏まえると、これからしばらくは更新の頻度が下がります。
したがって、選択肢の前じゃなくても一時停止することがあります(前例あり)。
なお、(お話は出来上がっていて)完結させる予定ですので、読み続けてくれるという方は、これからもよろしく、です。

では。とりあえずここまで。
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/24(金) 02:25:40.17 ID:LVzOaOVco
おつ
お身体大事にお願いします
こちらこそよろしくお願いします
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/25(土) 12:05:47.53 ID:RedHeFYxO
P「あとは、何かあるか?」

P「この際だし、話したいことがあれば遠慮なく言ってくれ」

透「あー……、うん」

透「……」

P「?」

透「プロデューサーってさ」

透「好きな人、いる?」

P「えっ?」

P「い、いきなりだな……」

透「ごめんごめん」

透「でも、それ聞いてみたくて」

P「いや……いないよ」

P「仕事もあるし、そういう余裕がないな」

P「俺にとっては、お前たちをプロデュースできれば、いまはそれでいいかもな」

透「彼女とかもいないんだよね?」

P「そりゃ、好きな人がいないからな……十分条件だろ」

透「そっか」

透「愛を誓ったことも?」

P「ないよ……好き以上のやつじゃないか、それは」

透「うん……」

透「わかった。うん、ならいい」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/25(土) 12:11:39.25 ID:RedHeFYxO
透「そろそろ帰る」

P「そ、そうか。よし、送っていくよ」

透「いまはいいかな」

P「?」

透「1人で帰りたい気分」

P「まあ、まだ外も真っ暗ってわけじゃないが……」

透「ふふっ……そういうこと」

P「なんか、機嫌いいな、透」

透「そう?」

透「……そうかも」

透「だから、あんまり見られたくない」ボソボソ

透「……恥ずかしいし」ボソッ

P「ニコニコしてるな」

透「うるさい」

透「ばーか、なんて……ふふっ」
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/25(土) 12:22:19.19 ID:RedHeFYxO
翌朝。

〜事務所〜

P(よし、noctchill全員揃ってるな)

透「プロデューサー」

P「透か。どうした?」

透「イェーイ」

P「?」

透「写真」

透「ツーショット」

透「撮ろう?」

P「え、いや、あの……」アセアセ

パシャッ

透「ふふっ、撮れた」

透「変な顔してるね、プロデューサー」

P「ほ、ほっとけ……」

雛菜「あ〜〜、プロデューサー、いいな〜〜〜」

雛菜「雛菜も透先輩と写真撮る〜〜」

透「イェーイ」

雛菜「いぇ〜い」

雛菜「やは〜〜、やった〜〜〜!」

円香「はしゃいじゃって……もう」

小糸「た、楽しそうだね……」

P(和むな……)
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/25(土) 12:31:32.75 ID:RedHeFYxO
P「いつも以上に機嫌がいいじゃないか、透」

透「うん、まあね」

透「順調だから」

P「?」

雛菜「ゲームの話だよね〜〜」

P「そういえばマリカーやってたな」

P「あ、そろそろだな。仕事だ仕事」

P「よし、じゃあ局に行くぞ」

P「頑張ろうな」
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/25(土) 16:20:22.20 ID:RedHeFYxO
〜テレビ局〜

P(内心やらかさないかと心配だが……)

P(それがあいつらに伝わらないように気をつけないとな)

P ズズズ

透「ねえ」

P「お、透か」

透「緊張してきたかも」

P「透もそう感じるか」

P(緊張かどうかわからないが、俺もドキドキだ)

P(……いろんな意味で)

透「それ飲ませて」

P「これか……?」

透「そう、プロデューサーが飲んでたそのお茶」

P「別に同じやつを買ってやるけど」

透「それがいいの」

P「……まあ、透がそう言うなら。ほれ」

透「ありがと。んっ……」

透「ぷはっ……よし」

透「充電完了」

P「気にしないのか?」

透「え、何を?」

P「何をって……それ、俺が飲んだやつだぞ」

透「うん、知ってる」

透「だから飲んだ」

透「……」

透「関節で……すれば、もっとやる気出るかなって思った」

ソロソロジカンデスー

透「あ、行かなきゃ」

透「行ってくるね」

P「あ、ああ……」
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 16:47:16.11 ID:436fhj8DO
間接な
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/25(土) 18:24:09.00 ID:RedHeFYxO
とりあえずここまで。
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/25(土) 18:25:38.58 ID:RedHeFYxO
>>330 ご指摘ありがとうございます。

>>329訂正
透「関節で……すれば、もっとやる気出るかなって思った」
→ 透「間接で……すれば、もっとやる気出るかなって思った」
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/25(土) 18:30:14.79 ID:mr50fj4ro
おつー
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/27(月) 16:33:48.13 ID:FyeZQWdD0
待ってるぞー
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/28(火) 16:19:30.20 ID:jhwlMXcf0
>>1 です。

>>334 ありがとうございます。しばらくは書き込める余裕のあるときに少しずつ進めていきます。


少しだけ投下しますね。
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/28(火) 16:23:44.31 ID:jhwlMXcf0
収録後。


P「みんなお疲れ様。大成功だったな。良かったぞ今日のは」

円香「はいはい。わざわざ楽屋までどうも」

円香「やらかさないかどうか、内心不安だったくせに」ボソッ

P「ははっ……」

P(まあ、その通りなんだけど、円香には隠せなかったか)

P「それでも、信じて仕事を託すのが、プロデューサーだよ」

小糸「あ! プロデューサーさん! お疲れ様です」

雛菜「やは〜、プロデューサー、お疲れ〜」

P「おう、お疲れ」

P「……あれ、透はいないのか?」

円香「……」

小糸「と、透ちゃんなら、収録が終わってここで着替えるやいなや、どっかいっちゃいました」

雛菜「プロデューサーを探してたのかもね〜」

円香「あいつ……」

P「そ、そうか。わかった」

P(透を探しに行こう)
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/28(火) 16:29:38.76 ID:jhwlMXcf0
〜テレビ局、ロビー〜

P「はぁっ、はぁっ……」

P「どこ行ったんだ、透……」

P「! あ、いた」

タッタッタッタッ

P「……さ、探したぞ」

透「あ」

透「お疲れ様、プロデューサー」

P「え? あ、ああ……お疲れ様」

P「収録、良かったよ」

P「今日は大成功だな」

透「イェーイ、だね」

P「なんで楽屋で待機してなかったんだ?」

透「飲み物、欲しくてさ」

P「飲み物なら楽屋にあっただろ」

透「気分じゃなかった」

P「お前な……」

透「これ、買いたくて探してた」

P「それって」

透「そ。プロデューサーが買ってたやつ」

パキュ

透「喉渇いた……んっ」

透「……ぷはっ」

透「……にが」

P「そういうお茶だからな」

透「でも、嫌じゃない」

透「プロデューサーも、飲む?」

P「……そうだな。俺も買うか」

透「買わなくていいよ」

P「?」

透「ここに、あるからさ」

P「いや、それは」

透「さっきもらったの、そのお礼」

透「ね?」
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/28(火) 16:32:12.99 ID:jhwlMXcf0
P「……」

P「透がそう言うなら……じゃあ、もらうよ」

P「んっ」

P「……」

P「……ほら、返すよ」

透「どういたしまして」

透「これでよし、なんて」ボソッ

P「さ、楽屋に3人が待ってる。戻るぞ、透」

透「うん」
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/28(火) 16:37:18.23 ID:jhwlMXcf0
数時間後。

〜事務所〜


P(あいつらを家に送り届けてきたし、あと少し仕事片付けたら俺も帰宅だな)

はづき「プロデューサーさ〜ん」

P「あ、はづきさん。なんでしょう」

はづき「領収書くださ〜い」フリフリ

P「わかりました。ちょっと待っててくださいね」

P「確か……デスクの引き出しの上から2番目に……」ガララ

P「……?」

P(なんだこれ)

P(手紙、だよな)

はづき「? どうかしましたか? プロデューサーさん」

P「い、いえ。領収書でしたね。はい、どうぞ」

はづき「ありがとうございます〜」

P「……」

P(中高生のときならラブレターかと思ってはしゃいでたかもしれないが……)

ペラッ

P(反対側には『あなたへ』とある)

P(俺宛……ってことでいいのか?)


1.手紙を開封して中身をあらためる。(既読)
2.得体が知れないので引き出しの奥に封印する。
3.――この選択肢はロックされています―― 

選択肢↓2(いま選べるのは1.か2.です)

(とりあえずここまで)
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/28(火) 17:12:23.78 ID:inmMcehCO
2
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