【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】

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450 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 02:05:45.67 ID:S8EsyFOd0
P「……ん」パチリ

P「ここは、……事務所、だな」

P(でも、何かがおかしいということはすぐにわかった)

P(日付は平日を指していて……時計の示す時刻は昼下がり……)

P(はづきさんがいないのは、どう考えても不自然だ。出勤の記録はあるみたいだし、この曜日は終日いるはずだ)

P「とりあえず外に出てみるか……?」


P(結論から言えば、外には出れなかった)

P(物理的に外に通じるものは、扉も窓も、すべてが強力な接着剤で固定されているんじゃないかというくらいに動かなかった)

P(この空間は、明らかに異常だ)

P(一体、俺はどこにいるというのだろう)


P(何気なく、自分のデスクのPCを起動する)

P「いまのところ、いつも通りの画面だな……」

P(……と、そこで、ログインした後に、デスクトップに見知らぬアイコンがあることに気づいた)

P(ファイル名は『とおるーぷ』……わけがわからない)

P「トーループ……じゃ、ないよな。フィギュアスケートの」

P「まあ、どうせ夢か何かだろうし、開いてみるか」カチッ


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OS Version 2.8.3.2005726
[FOR T.A.]

>やりなおしログ(記録用)

>1周目:ぜんぜんだめ。今回は諦めるしかない。
>2周目:前回より良いけど、微妙。思い出せたから、まあ次回以降に期待。あと、アイスはもうちょっと面白いのを期待してた。
>3周目:及第点。でも、まだまだ。これまでの中ではいちばんだけどね、いまのところは。てっぺんとか言って空に行くとは思わなかった。
>4週目:間違えちゃったんだね。今度からは、そうならないように少し助けてあげようかな。でも、結局(Deleted)にいっちゃうんだ。あ、アイス飽きたからおにぎりをお願いしたけど、今回はまた笑ったよ。
>5周目:駄目そうだったから今回はモデルやらなかったよ。はい、次。
>6周目:ほんと、待たせすぎ。でも、待ってよかったね。これでしあわせ。それに、愛してるって言ってくれた。もう、この愛に変わりはないよね。これなら、人生なんていくらでも長くていい。ジャングルジムより高いこの場所で、そう思ってる。
>7周目:......(NOW LOADING ------ 処理に時間がかかっています)
>8周目:(待機中)
----------------------------------------------------------------------------------------


P「な、なんだ? これ」

P(ファイル名からして……まさか……)

P(『とおるーぷ』って、透とループがかかってる……のか? なんてセンスだ……)

P(いや、いまはそんなのは問題じゃない)

P(3周目と6周目の記述……俺は、“見ている”)

P(空に行ったことも、透が人生をいくら長くてもいいと言ったことも――)

P(――俺は、“知らない”けど、この目で“見た”)

P(それは、あのやけにリアルな夢の中で)

P(ここ最近の奇妙な出来事を踏まえれば、俺がいまただならぬ状況に置かれていることはわかる)

P(問題は、それが具体的にどういう状況なのか、ということだ)

P(いま開いてローディング中のファイルの上にある「やりなおし」とは、何を意味するんだろう。考えろ、俺)

P(もし、透がループしているというファイル名を信じたとすれば)

P(この「やりなおしログ」は、透が人生をやり直した記録ということになるのか……?)

P(3周目と6周目は、俺と一緒になる“エンディング”だ)

P(そして、3周目と6周目の違いは、俺と透が愛を誓ったかどうか、か)

P(俺がこれまでに夢のような形で見てきた光景とあわせれば……)

P「……」
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 02:09:58.81 ID:S8EsyFOd0
P(いまローディング中の7周目は、おそらく俺と雛菜が一緒になる結末だろう)

P(そして、待機中の8周目は、……“この俺”が過ごす時間のはずだ)

P「あ、ローディングが終わっt……」









































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OS Version 2.8.3.2005726
[FOR T.A.]

>やりなおしログ(記録用)

>1周目:ぜんぜんだめ。今回は諦めるしかない。
>2周目:前回より良いけど、微妙。思い出せたから、まあ次回以降に期待。あと、アイスはもうちょっと面白いのを期待してた。
>3周目:及第点。でも、まだまだ。これまでの中ではいちばんだけどね、いまのところは。てっぺんとか言って空に行くとは思わなかった。
>4週目:間違えちゃったんだね。今度からは、そうならないように少し助けてあげようかな。でも、結局(Deleted)にいっちゃうんだ。あ、アイス飽きたからおにぎりをお願いしたけど、今回はまた笑ったよ。
>5周目:駄目そうだったから今回はモデルやらなかったよ。はい、次。
>6周目:ほんと、待たせすぎ。でも、待ってよかったね。これでしあわせ。それに、愛してるって言ってくれた。もう、この愛に変わりはないよね。これなら、人生なんていくらでも長くていい。ジャングルジムより高いこの場所で、そう思ってる。
>7周目:なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
>8周目:......(NOW LOADING ------ 処理に時間がかかっています)
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452 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 02:12:59.16 ID:S8EsyFOd0
P「うおあぁぁぁっ!?」ビクッ

P「……び、びびった」

P(あれだけ待たせるから何が出るのかと思えば……)

P(「なんで」か……)

P(勝手な推測だが、透と愛を誓い合ったはずの俺が、次に雛菜と一緒になったことに対する「なんで」なのだろうか)

P(俺は、この想いにどうやって向き合えばいいんだ)

P(俺は“8周目の俺”だ)

P(1周目から7周目も確かに俺――俺と何もかも同じ人間だろうが……)

P「……」
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 02:18:31.86 ID:S8EsyFOd0
P「……このウィンドウ、8周目をローディングしてるみたいだけど、終わるのか?」

P「8周目っていまだよな……ゲーム風に言えば、まだ結末を迎えていないわけだし……」

P(どうする……夢なら覚めるときが来るだろうが、このやけにリアルな夢からはまだ覚めないような気がしてならなかった)

P(そもそも、これが夢なのかすら怪しいが)

P「手紙……」ボソッ

P(あぶり出しでわかった手紙のメッセージ……)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    マリカー
  ジャングルジム
     ぼく

   おもいだして

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


P「これが解決してないんだよなぁ……」

P(1行空いてからの「おもいだして」は重要なのだろうか)

P「……くそっ。こんなときに限って、7周目までの光景が見れないなんて」

P(俺の意思とは無関係に、俺ではない俺の記憶が現れる)

P(また……見ることができたなら)

P(手紙の意味がわかるかもしれないのに)
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 02:19:10.81 ID:S8EsyFOd0
(とりあえずここまで)
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 02:21:07.40 ID:HSZusgRDO
うわぁ……
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 07:40:36.65 ID:zKxc8nILo
ヒェッ
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 09:09:12.84 ID:fZdDxIyDO
えええ…
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 09:17:18.95 ID:fZdDxIyDO
円香が殺人犯に襲われたことあったけど、あれも透だったり?
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 10:28:37.36 ID:MFIcrzk/O
透は全部はっきり覚えてるのか……
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 18:31:53.06 ID:ioQAsezHO
ウィンドウ“>8周目:......(NOW LOADING ------ 処理に時間がかかっています)”

P「……」

P(ローディングを待ち続けてどのくらいの時間が経ったんだろう)

P(そもそも、この状況に時間なんて概念が意味をなすのだろうか)

P「……」

P(コーヒーとか、飲めるのかな)


P(なんとなく事務所の冷蔵庫の前まで来てしまった)ガチャ

P(おっ、冷やされたコーヒー発見)

P「……って、これ前にもあった――というか見たような」

P「まあ、いいか」ゴクゴク

P「ふぅ」

P(気分転換になるかとも思ったけど、まあ、そう簡単にはいかないか)

P グラァッ

P「うっ……」

P(し、視界が歪んでいく――……)

P(まだ、PCで調べたいことがあったんだけどな……)

P バタリ
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 18:49:03.95 ID:ioQAsezHO
P「……はっ」ガバッ

P「っ……ここは?」

P「うーん、バス停? ――だろうか」

P(さっきは事務所――の形をした謎の空間――にいたのに)

P(もしかして、夢から覚めたのか?)

P「そうだ、スマホ……」

P(しかし、スマホは圏外になっていた。圏外なんてあり得ない場所のはずなのに)

P キョロキョロ

P(というか、そう、ここは――)

P「――透と出会ったバス停だ」

P「……」


P「――のっ、乗ります……っ」

P「――――ああ……行っちゃったか…………」

P「ふぅ……」

「歩いた方が早いよ」

P「……え? あ……――」

「駅でしょ。バス、あと40分くらい来ないから」

P「ありがとう。――40分かぁ……」


P(そうだ。あのとき、俺はバスに乗り遅れて……)

P(歩いたほうが早いって、女の子に言われたんだ)

P(その子が、透だった)


P「その……アイドルに興味ないかな?」

「……え?」

P「いや……急にごめん。俺、アイドルのプロデューサーやってて」

P「向いてるんじゃないかと思うんだ、君。これ、名刺で――」

「いい。……行くね」

P「……あっ、ごめん! ごめん、待ってくれ!」

P「待って――」

「……しつこいよ。そういうのいいから」


P(ははっ、そうそう。最初は断られてさ)

P(まあ、いきなりあんなこと言われて、怪しむのも無理はないかもしれないけど)

P(これが出会い……か)


P「――いや、じゃなくて……」

P「俺が、行くからさ!」


P「うっ……」ズキィッ

P「なっ、急に……頭痛、だと?」

P(確かにあの時、俺はそう言った――「俺が、行くからさ!」と)

P(そうだ……「なんか君のことを見てつい……」とも)

P(不自然だ。何の前提もなしに出る台詞とは思えない)

P(俺は、何かを忘れている……?)
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 19:07:16.83 ID:ioQAsezHO
「歩いた方が早いよ。駅でしょ」

P「……」

「ねえ、聞いてる?」

P「え、あ、俺か?」クルッ

P(後ろから声をかけられて振り向いた)

「他に誰もいないと思う」

P(ということは、目の前にいるこの小さい男の子は、いつもの夢見たいな映像とは違って、“俺”に話しかけているのか)

P(俺はバスに乗ろうとしてる――設定?――なのかな。とりあえず、話を合わせておくか)

P「――あ……バス、まだまだか。どうもありがとう」

「……行かないの?」

P「そ、そうだな。うん。ほら、その……ここ気持ちいいし……時間あるから」

P(適当なことを言ってるけど大丈夫かな……)

P「えっと……君は?」

「僕もいい。一緒に待ってる」

P「え、あ、あはは……」

P(君は誰なのかって意味で聞いたんだけど、なんだかズレた反応が返ってきたような気がする)

P(まるで透みたいだ――……)

「……」

P(あ……ジャングルジムがあるな、あそこ)

P(この子くらいの年齢で男の子なら、ジャングルジムで遊んでたほうが楽しいんじゃないか?)

P「……」

P「……ジャングルジム、ね」

「?」

P「いや、別に」

P(あの手紙を思い出さずにはいられなかった)

P「ジャングルジム、すごい見てるでしょ。行ってきていいよ」

「……いい……」

P「そうか? 時間があるなら、別に大丈夫なんじゃないか」

「…………でも」

P(でも――とは言うけど、そんな顔をされたら連れて行ってでも遊ばせてやりたくなってしまう)

P(こんな状況で小さな男の子の世話するっていうのも変な話だが……他にすることもないしな)

P スック

「どうしたの? 急に立ち上がって」

P「――――っ、ははっ」

「え、急に笑い出した……」

P(なぜだろう――そこから口から出た言葉は、まるで用意されていたかのように、あるいは既にそういった経験があったかのように)

P(何も考えずに出てきた)

P「あーっ、いいのかなぁ?」

P(男の子は上目遣いで俺を見つめている)

P「きっと行きたくなるよ――」

「……えっ」

P「俺が、行くからさ!」

P(それは、アイドルとしてスカウトしたあの日に、俺が透に対して言った言葉と同じだった。いや、それは逆で、きっと……)
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 19:17:26.08 ID:ioQAsezHO
「…………っ」

P(そう、それで、次に俺はこう言うんだ)

P「来たくなったら、おいでよ」

「……」

P(男の子の輪郭がぶれる。一瞬、透らしき人物に見えて……また男の子に戻った)

「……行く」テテテテ

P「ジャングルジム、登ろうぜ」

「……」

P「怖いのか? 高いところがだめだとか?」

「そうじゃ……ないけど」

P「はあ、じれったいなぁ、もう」

「っ」プイッ

P(機嫌悪いのか……?)

P(まあ、いいや。このくらいの子なら片手で抱きかかえられるだろう)

P「よいしょっと」

「うわぁっ! な、なにして――」

P「てっぺんまで連れて行ってやろうと思ってさ」

「!」

P「ちゃんとつかまっててくれよ。時々抱えてる手も使うから」

P(俺は、男の子を抱えてジャングルジムに登った)

P(明日は筋肉痛だろうな……まあ、この世界での疲労なんて知ったことか)
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 19:36:54.68 ID:ioQAsezHO
P「ほら、着いたぞ」

「わぁ……」

P「ふぅ……頑張って登っただけあって、てっぺんからの景色は格別だ……なんてな」

「……ふふっ」

「登れたんだ、僕」

P「なんだ、やっぱり怖かったんじゃないか」

「そうじゃないし。……違うもん」

「ただ、夢を見て……」

P「夢?」

「へんなジャングルジムの夢」

「のぼってものぼっても……降りれないし、終わらないし」

「長いなーって」

「そういう夢」

「……でも、気付いたんだ。『向こう側に誰かいる』って」

「誰かがいて、一緒にのぼってくれる」

「それは――あなただったんだね」

P「そう……なのかな? はは……“俺”にはよくわからないよ」

「そっか」

P(この子なら……あの手紙の意味を知ってはいないだろうか)

P(「僕」――ぼく――という一人称とジャングルジムという単語から、俺はそう思った)

P「なあ、マリカーについてどう思う?」

「……とつぜんどうしたの?」

P(もっともな反応が返ってきてしまった……)

P「スマホのマリカーだよ、ほら……」

「まってまって、なに言ってるか、ぜんぜんわかんない。ていうか、スマ……ホ?」

P「スマホ知らないのか?」

「うん。なんか、名前は聞いたことがあるような気も……するけど」

P「ほら、こういうやつ」つスマホ

「画面しかないんだね」

P「それで十分なんだよ。って、本当に知らないんだな……」

P(まるで、この子と俺との間には大きなタイムラグが生じているかのような、そんな感じがした)

P「……ん? 待て」

「?」

P(なんで、“俺”はスマホのマリカーだと思ったんだ?)

P「ねえ、君。マリカーってなにで遊ぶ?」

「DSとか、Wiiとか、かな」

P「そうか……」

P(手紙には「マリカー」としか書かれていない……それなのに、俺が真っ先に思い浮かべたのはスマホのマリカーだった)

P(これは、手がかりになるんじゃないか? まあ、この子から聞ける情報はこれまでかもしれないな)

P「ちなみに、Switchってゲーム機は知ってるか?」

「知らないよ。ふふっ、なんか、未来人みたいなこと言うね」

P(未来人、か……)

P「すっげぇから楽しみにしてなよ――そのうち、買えるようになるからさ」
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 19:59:44.03 ID:CqvZg3k80
読み直したけど透のマリカー?の○周目がまんまこのSSの周回だったと
デリートは透に選択肢を消された?
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 20:29:57.70 ID:ioQAsezHO
P「……はぁ」

「どうしたの? ……元気、ないみたい」

P「元気、か」

P「いま、自分の周りで何が起きているのか、わからないんだ」

P「俺は、アイドルのプロデューサーとして283プロで働いていて、noctchillをプロデュースしてて……」

P「それ以上でもそれ以下でも、ないはずなんだけどなぁ」

「よくわかんないけど、悩んでるんだね」

P「ああ……。でも、わかってきたこともある」

P「どうやら俺は、残酷な事実をつきつけて女の子を傷つける損な役回りを演じないといけないのか、ってさ」

P「……それでも、俺はやるよ」

P「たぶん、その子のやってることは正しくないから」

P「プロデューサーとして、正しいほうに導いてやんないとな」

「かっこいいね」

P「かっこつけてるだけだよ」

「がんばってね」


チュッ


P「……」

「こ、これは、……その、お、応援っ!」モジモジ

P(男の子にキスされてしまった……)

P「お、男どうしだぞ?」

「……はぁ」

P「?」

「これは、苦労しそうだなぁ」

「ねえ、もっと近くに来てよ」

P「え、あ、いや、その……」アセアセ

「……じゃあいい」

「僕がそっちに行くから」ズイッ

「もっと、見て――」

「――私を」

P「!?」

「んちゅ」

P(その男の子――?――からの2度目のキスは、とても子どもとのそれとは思えないもので……)

P(唾液が交わる――大人の――……)

P「!!!」

P(な、流れ込んでくる――)


透「う〜ん」P「どうした透。スマホいじりながらうなったりして。ゲームでもしてるのか?」透「そんなとこ。あっ……」透「えいっ」透「ふふっ。まだ、勝負はこれから」P「なんのゲームか気になるな」雛菜「マリカーってやつじゃな〜い?」P「ああ……そういえば流行ってるらしいな」透「2周目まではあんまりだったけど」透「ここで……よっ、と。巻き返す」P「ははっ、白熱してるな」P「ゲームか……久しくやってないな……」
透「う〜ん」

P「どうした透。スマホいじりながらうなったりして。ゲームでもしてるのか?」透「まあ、そんなとこ。あっ……」透「はぁ」透「まだ一回しか勝ててないや」透「何周しても微妙」P「なんのゲームなんだ?」雛菜「マリカーってやつ〜」雛菜「レーシングゲームってつい熱中しちゃうよね〜」P「ああ……そういえば流行ってるらしいな」透「あーあ」透「難しいね」P「ははっ、苦戦してるみたいだな」雛菜「透せんぱ〜い、がんばれ〜」透「ふふっ、ありがと、雛菜」P「ゲームか……久しくやってないな……」

透「う〜ん」P「どうした透。スマホいじりながらうなったりして。ゲームでもしてるのか?」透「そんなとこ。ふふっ」透「いまいいところなんだ。勝てるかも」P「なんのゲームか気になるな」雛菜「マリカ〜」P「ああ……そういえば流行ってるらしいな」透「……まだまだわからない」P「ははっ、白熱してるな」P「ゲームか……久しくやってないな……」
P「いつも以上に機嫌がいいじゃないか、透」透「うん、まあね」透「順調だから」P「?」雛菜「ゲームの話だよね〜〜」P「そういえばマリカーやってたな」

透「……」P「どうした透。スマホみながら険しい表情で」透「えっ……いや、別に」透「いらないアプリとか、消してた」P「スマホって、あんまり考えないで入れたアプリとかゲームを使いもせず放置しがちだよな」P「ゲームか……久しくやってないな……」


P(――俺の知らない、俺の記憶が……)
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 20:43:58.56 ID:ioQAsezHO
「ぷはっ」

P ボーッ

「ゆ、勇気――出してみた///」

「……どう、だった?」

P「ど、どうと言われても……」

「えーっ。……もっと、感想とか、あってもいいんじゃないかな」プクッ

P「はは……」

P「そ、そろそろ別の遊具で遊ぼうぜ! な?」

「……うん。そうする」


P「ふう。公園で遊ぶのなんて久しぶりだ……」

「おじさんみたいなこと言うんだね」

P「まあ、君にとってはおじさんだろ、俺は」

「そう、かな?」

P「あ、そうだ。公園で遊んだ後は、ちゃんと手洗わないとな」

P「トイレ行こうぜ」


P「おーい、そっちは女子トイレだぞ」

「もう! 怒るよ、いいかげん」

P「?」

「僕は! 女の子! だよ!」

「……もう」

「ばか」ボソッ

P「……」

P「……手、洗うか」


P「この網に入れられた石鹸も久々に見たな……衛生的にどうなんだよ、これ――って今だから思うが」

P ジャブジャブ

P「よし、これで――」

P(手を洗って、何気なく顔を上げて鏡をしっかり見た)

P「――え、お、俺?」

P(鏡には、中高生くらいのときの俺の顔が映っていた)

P「……そうか」

P「……」
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 20:49:16.69 ID:ioQAsezHO
「……」ツーン

P「な、なあ、機嫌直してくれよ。悪かったって」

「……アイス、買ってきて」

「一番高いやつ」

P「え?」

「コンビニで一番高いやつ買ってきて。それ食べたい」

P「……本当にいいのか?」

「いいから! 早く」

P「わかった」


P「おまたせ」

「一番高いやつは?」

P「お望みどおり、ほれ」ドカッ

「……」

「……ふふふふっ、な、なにこれ……」プルプル

P「だから、一番高いのを買ってきたんだ」

P「1リットルアイスな」

「あははははっ、や、やられた……」

P「ああ、正直、俺も笑いをこらえるのが大変だった」

P(でも、何故だろうか)

P(一番高いアイスを買ってきてとこの子に言われて、これを買うしかないと思ったんだよな)

P「どうする? 食うか? 一応普通のアイスも買ってきたけど」

「ううん、いい」

「一緒にたべよ」
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 20:56:20.92 ID:ioQAsezHO
「なかなか減らないね」

P「だ、だな……」

P「無理せずこっちのカップアイス食べてもいいんだぞ?」

「でも……その大きなアイスはどうするの?」

P「……こうする!」ガツガツ

「あ……」

P ガツガツ

P「ぐっ……頭痛ぇえっ」

「あはは、それはそうだよ」

P「は、ははっ……うっ!?」ズキン

P(あ、あれ……やばい、シャレにならないほど痛い)

P「うぐぐぐぐ……」

「だ、大丈夫?」

P(この頭痛は――もしや……)

P「あ゛あっ! ……くそっ」

P(駄目だ。もがいてももがいても……頭痛はひどくなるばかり)

P「と……お、る……」

P(苦しみながら口から出たのは、透の名前だった)

P(何故透の名前を口にしたのかはわからない)

「……」

P(男の子――もとい女の子は、途中から冷静にこちらを眺めている。地面でじたばたする俺を)

「……」ジーッ

「……」ニイッ

P「っ!?」

P(わ、笑った……よな、いま)

P(あ、もう、意識が……)スゥーッ

P(消えゆく意識の中、最後の一瞬では――)

P(――その子の姿はなく、同じ場所は透がいて、こちらを見ていた……)
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 21:08:32.13 ID:ioQAsezHO
〜病院 病室(個室)〜

P「……」

P「……っ、んん」

はづき「! プロデューサーさん……!」

P「ん……はづき、さん……?」

はづき「はい……はいっ、私ですよ、プロデューサーさん」

P「俺は……」

P(長い夢を見ていた――のか?)

P「……っ! そ、そうだ、あいつらの仕事……!」

P「テレビ局での仕事があって、円香が透を連れ出しに行って、それで俺は……っ!」ガバッ

はづき「あっ、落ち着いてないとだめですよー!」

はづき「お仕事なら、無事に終わりましたよ。透さんの元気がなかったのは気になりましたけど、なんとかなりました」

P「そ、そうでしたか……よかった……」

はづき「円香さんが透さんを連れてきてくれたんです……テレビ局のロビーまで連れて行ったところで、倒れたプロデューサーさんを見つけたそうですよ」

P(ということは、あそこが現実と夢が切り替わったポイントだったのか)

はづき「アイドルの子たちもお見舞いに来てたんですよ」

はづき「なかなか目を覚まさないプロデューサーさんが心配だったんでしょうね」

はづき「社長もさっきまでいたんですけど、お仕事があって帰られて……いまは私だけです」

P「……あれから――俺が倒れてから、どれくらい経ちましたか」

はづき「今日で3日目、ですかねー」

P「そうですか……」

P(思ったよりも経ってたな)
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 21:11:18.68 ID:ioQAsezHO
一旦ここまで。
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 21:17:17.62 ID:zKxc8nILo
たんおつ
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/03(木) 21:17:26.23 ID:HSZusgRDO
たんおつ



最後まで道案内よろ
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 23:43:12.73 ID:ioQAsezHO
P「あれから、透はどうですか」

はづき「どう……ですか。まあ、いつもより元気がないのかなーというくらいで、みんなと一緒にお仕事してるのには変わりありませんけど……」

P「そうですか……」

P「俺、もう退院できるんですかね」

はづき「お医者様曰く過労とのことですし、もう目が覚めたってことは、すぐに退院できるんじゃないでしょうか」

はづき「あ、そうだ。私、看護師さん呼んできますねー」

ガラララ バタン

P「病院、か」

P「ここも、はじめてな気がしないな」

P「なんでなんだろうな……ははっ」

P(乾いた笑いしか出てこない)

P(俺が置かれている状況の異常さは、俺の肉体と精神の両方を蝕んでいる)

P(良くない連鎖があるはずなんだ)

P(俺は、それを断ち切ろう)
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/03(木) 23:54:57.00 ID:ioQAsezHO
翌々日。

P(俺はすぐに退院した)

P(検査でも特に異常は見られなかったらしい。いま俺の身に起こってることは、医者にはわからない何か、ということなのだろう)

P(そして、いつも通り――?――に、出勤した)


〜事務所〜

P「おはようございます」

小糸「ぷ、プロデューサーさんっ!!」

雛菜「やは〜プロデューサーだ〜!」

P「ああ、2人とも、おはよう」

小糸「も、もう、大丈夫……なんですか?」

P「もちろん、この通り元気だよ」

円香「はぁ……さんざん人に心配させておいて……その顔」

P「おっ、円香もいたのか。おはよう」

円香「あなたに影が薄いみたいに言われると無性に腹が立ちますね」

P「す、すまん……別にそういう意味で言ったわけじゃないぞ」

雛菜「円香先輩、血相変えて心配してたくせに〜」

円香「ばっ……言うなっての……」

小糸「でも、復帰できて良かったですよ! ほんとに」

P「心配かけたな。これからも仕事頑張るから、よろしくな」

小糸「も、もうっ、頑張っちゃだめです!」ウルウル

雛菜「あは〜ジレンマだね〜」

円香「過労死したら、承知しないから」

P「あ、あはは……」

P「じゃあ、まあ、ほどほどに、な」

P「……そういえば、透はいないのか?」

小糸「今日はお休みするって、LINEのグループで言ってましたよ」

雛菜「透先輩、最近元気なさそうだよね〜」

円香「……」

P「……そうか」

P「まあ、今日はレッスンしかないし、透も体調が悪いなら無理に来る必要もないよ」

P「来れるメンバーだけで頑張ろう、な」
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 00:04:56.66 ID:I7a/QxssO
P(……とは言ったものの)

P(透に会わなければならない)

P(そうだ、お見舞いと称して家に上がらせてもらうか)

P(いや、そもそも俺に会ってくれるのかという問題もある)

P「……」ジーッ

円香「……あの」

P「なんだ?」

円香「あんまり見つめられると、困るのですが」

P「あ、ああ……すまん」

円香「何か用でも? なければレッスンに向かいます」

P「……!」

P「そうだ、1つ、頼まれてくれないか!」


円香「浅倉のお見舞い?」

P「そ、そうだ」

円香「それに私がついていけと」

P「正確には、円香がお見舞いに行って、俺はサプライズ登場だ」

円香「なんでそんな回りくどいことを……まさか、あんた透に何かしたんじゃ……!」

P「え? あ、ち、違う! そういうんじゃない!」

P(いや、まあ、少し嘘だが)

P「気を遣わせたくないんだ。円香なら透と遠慮しない仲だろうし、プロデューサーとして透を心配して訪ねてくるのは変じゃないだろう?」

P(ちょっと苦しいか……? 無理やりに思えるだろうか……)

円香「……」

P「……」

円香「……はあ。まあ、わかりました」

P「本当か!?」

円香「うわ……まぶしい視線。はいはい、本当ですよ。嘘ついてどうするんです」

P「ありがとう! 恩に着る!」

円香「そ、そこまで……? おかしな人ですね、まったく」

円香「じゃあ、レッスンが終わったら一緒に行きましょう」

円香「あ、小糸と雛菜に変な想像されたくないんで、一旦別々に移動して、集合場所決めて会いましょう」

円香「一緒に帰っていろいろと詮索されても嫌だし……」

P「わ、わかった。そうしよう」

P(やってること自体はそっちのほうがやましい気分になりそうだけど……)
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 00:25:33.16 ID:I7a/QxssO
夕方。

〜透の家の最寄り駅〜


円香「……遅い」

P「わ、悪い……。片付けなきゃいけない仕事を1つ忘れててさ」

円香「はぁ……まあいいです。行きましょう」

P「お、おう」


P「つ、着いたな……」ゴクリ

円香「あまり挙動不審に見られないようにしてください」

P「気をつける……」

円香「先に私が話をつけてくるので、そこで待っていてください」

円香「何の前触れもなしにプロデューサーが来たら、おばさんびっくりするだろうし」

P「よし、頼んだぞ……!」


P(それから、円香は透の家にあがっていった)

P(玄関でのやり取りが、俺にも少し聞こえた。おそらく、透のお母さんと円香が話しているのだろう)

P(そして、円香が出てきた)

円香「おばさんに事情は話したから、ほら、あがりますよ」

P(俺は透のお母さんに挨拶をし、家にあげてもらった)

P(お母さんは用事があるらしく、留守を円香に託して出かけて行った)

P(信頼されてるんだな……円香)


コンコン

円香「浅倉。私だよ」

円香「おばさんに聞いてるでしょ。様子見に来たって」

「……」

円香「いいね? 入るよ」

円香「……あとは、あなたの仕事です」ヒソヒソ

P「ああ。ありがとうな、円香」ヒソヒソ

円香「別に、お礼を言われることなんて……」ヒソヒソ

円香「は、早く行って……。私は、廊下にいますので」ヒソヒソ

P「おう」

478 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 00:27:53.75 ID:I7a/QxssO
>>477 訂正:
P「つ、着いたな……」ゴクリ

円香「あまり挙動不審に見られないようにしてください」


〜透の自宅〜

P「つ、着いたな……」ゴクリ

円香「あまり挙動不審に見られないようにしてください」
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 00:29:27.73 ID:I7a/QxssO
>>445で行った訂正に参照先がありませんでした。すみません。これは>>428における訂正でした。
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 00:45:53.38 ID:I7a/QxssO
ガチャ

「……っ!?!?」

P「よ、よお。透……」

バタン

透「ど、どうして……」

P「そりゃ、透が心配だからだよ」

P(すまん。それだけじゃあないんだ)

透「……帰って」

P「まあまあ、そう言わず……」

透「帰ってよ!」

P「……」

透「……っ」

透「もう、だめなんだ」

透「ぜんぶ……ぜんぶ……」

P「透……」

透「どこまで知ってるの?」

P「え?」

透「あの紙を私にわざわざ見せてきて、つまりはそういうことなんじゃないの?」

P「……っ」

透「全部……知ってるの?」

P「……」

P「……やりなおし」

透 ビクッ

P「透は……何度もやり直してきたんじゃないか?」

P「俺が思い出せるまで……いや、それだけじゃなく、俺が透と愛を誓うまで」

P「俺は、そのプロセスを知らない――“この俺”は」

P「でも、確かに透は何度も俺と――みんなと過ごしてきたんだろう? そして、長い道のりを経て、望む結末にたどり着いた」

透「……」

透「欲張りすぎたのかな」

透「焦りすぎたのかな」

透「ちゃんと、待っていればよかったのかな……」

P「……」

透「そうだよ、プロデューサー」

透「私は、何度もやり直してきた」

透「あなたと……一緒になりたくて」

透「こうなってほしいなーって人生になるまで、何度も、何度も」

透「そうだよ。私は、思い出して欲しかった」

透「ううん。それだけじゃなくて、愛して欲しかった」

透「やり直していくうちに、なんとなく仕組みがわかってきて」

透「6周目で、たどり着いた」

P「……」

透「ははっ……母子手帳、見せたかったな」

透「……なのに」
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 00:57:52.73 ID:I7a/QxssO
透「ゴールだった、はずなのに」

透「てっぺんだった、はずなのに」

透「いつもみたいに、リセットされちゃった」

透「なんでって思った。おかしいって感じた」

透「それでも、私には繰り返すことしかできなくて……」

透「もう一度同じように過ごせば良いと思った」

透「でも、7周目のプロデューサーは、私の想像とは全く違う行動をとって……」

透「なんで……」

透「ねえ、なんで!?」ガシッ

P「ぐっ」

透「私じゃ、だめだったの……!? あのまま……あのまま2人で……」

透「なんでっ……」

透「あの雛菜の立ち位置は……私のっ……」

P「お、俺は、この8周目の俺でしかない」

P「他の俺のことなんて、わからない」

P「俺には、どうしてやることもできないよ……」

透「うっ……ぐすっ……」

透「うわぁぁぁぁぁぁ」ポロポロ

P(辛い……透のしてきたことはそう簡単に許されることじゃないんだろうが、それでも……)

P(想いを無下にしなければならないなんて……)

P(……この連鎖は、俺が断ち切る)

P(すべて突きつけて、解決して、連鎖を断ち切って)

P(そうしたら、俺が透に想いを伝えよう)

P(透を辛いままにしてなんて、おけない)

P(もう、前みたいな意味で、透に「人生は長い」だなんて言わせたくないから)

P(だから、これは、俺と透が再び一緒に歩むために、必要なことなんだ)

透「うっ……ん……」グスッ
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 01:11:03.67 ID:I7a/QxssO
P「ジャングルジム、一緒に登ったよな」

透「!」

P「あのバス停で、透と出会ったこと。もう忘れないよ」

P「もちろん、アイドルにスカウトしたときのことじゃなくて――」

P「俺は中高生で、透はもっと小さかったときのことだぞ」

P「あの時、俺は男の子だと勘違いしてた」

P「なかなか思い出せなかったのは、それもあるのかもしれない」

P「でも、もう“思い出してる”」

透「っ……そっか。そっか」

透「えへへ、……それは、嬉しい」

P「一人称が僕なんだもんな……ただの美少年としか思わなかったよ」

P「まあ、それはともかく」

P「これまでの――7周目までの俺がどうだったかなんて知らない。どうでもいい」

P「8周目だろうとなんだろうと、俺は俺だよ」

P「そして……この俺は、透の望む俺だよ」

P「だからさ、こんな連鎖断ち切って、また、幸せな――いくら長くてもいいと思えるような人生に、してみないか?」

透「ぷ、プロデューサー……」

透「いいの、かな……」

透「私に、そんな資格なんて――」

P「――なければ俺が与えてやる!」

透「っ!」

P「俺が、透が望む人生を透が過ごしてもいいって資格……与えてやるよ!」

P「他の誰でもない……俺が!」

透「……Pさん!」ダキッ

透「私……僕……ずっと怖かった……!」ポロポロ

透「思い通りに、ならないことが」ポロポロ

透「もう、そんな風に気にしなくても……いいんだよね?」ポロポロ

P「ああ……! そうだ」

P「お前には、俺が着いてるよ」ナデナデ
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 01:12:19.85 ID:keZ/LIVM0
4周目で円香を襲ったのも透?
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 01:19:15.96 ID:I7a/QxssO
透「ねえ、私のこと、見て」

P「ああ――」

――ハムッ チュッ...

透「んっ……ぷぁっ」

P「と、透……」

透「わがままで、何度も繰り返してきた私だけど……」

透「もう、世界にはわがまま言わないから――」

透「――Pさんには、わがまま言ってもいいかな」

P「お、俺に応えられることなら……」

透「なら、受け止めて」シュル...

P「いきなり……脱いで何してるんだよ……」

透「言わせるの?」

P「いや、いい。言わなくてもわかったから」

透「ありがと」

透「愛してる……」


透「思ったよりも早かったね」

P「うるせ」

透「だって、前より早かったし」

P「……他の男とのことか?」

透「違うよ。6周目のときのこと」

P「複雑な気分だな……自分と比べられるとは」

透「ふふっ、そうだね、確かに変な話かも」
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 01:22:29.97 ID:saYkx+cfO
精神年齢何歳や…
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 01:30:13.15 ID:I7a/QxssO
P「……あ」

透「どうしたの?」

P「円香が外にいるんだった……」

透「あちゃー……だね」

P「あいつに殺されるかもしれん」

透「ふふっ、大丈夫。私が守るよ」

P「どちらかと言えば俺が透を守ってやりたい立場なんだが……」

透「でも、うん……さすがに樋口をずっと待たせるのも悪いかも」

P「そうだな」

P(よし、それじゃあ、話に決着をつけないとな)

P(透が繰り返してきた連鎖を断ち切るには、あの『とおるーぷ』とかいうアレな名前のファイルが鍵になるはずだ)

P(それと、マリカー――おそらく、マリカーというのは隠語だろう)

P(『とおるーぷ』はコンピューター上のファイルだった。あれが透の行っている“繰り返し”に関連しているのは間違いない。と、すれば……)

P(それか、それに類似したシステムがスマホで開けてもいいはずだ)

P(そもそもがおかしかったんだ)

P(スマホのマリカーは、2周目までしかないはず)

P(2周目以降に巻き返すという透の発言は、矛盾している)

P(やってなかったから調べたけど、たぶんそういうことだろう)

P(だから、あのマリカーとその周回というのは、透が繰り返してきた軌跡のことだ)

P(調子の良し悪しというのは、たぶん透の思い通りになってるかどうかということだろう)

P(その辺は徹底して追及しないといけない……連鎖を断ち切る鍵になるはずだ)

P(そうして、俺と透は、6周目のような――いや、もっと幸せな人生を送ろう)

P(そう、決めたんだ)
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 01:46:23.10 ID:I7a/QxssO
P「なあ、透……」

透「? なに?」

P「スマホに、あるんだろう? 繰り返しに関する何かが」

透「っ。……うん」

P「あ、いや、そんな緊張しないでくれ。別に何か怒ろうっていうんじゃないだ」

P「この連鎖を断ち切るためなんだよ」

P「その……マリカー、だろ?」

P「気づかなかったよ。スマホのマリカーのこと、よく知らなくてさ」

P「あれが、透の周回を意味してたって気づいた頃には、もういろいろと遅かったのかもしれないけど……」

P「確かに、俺は8周目だし丸腰というか何も記憶がない状態だったけど」

P「何度か夢で見たんだ。ひどい頭痛と一緒に」

P「これまでの……記憶を」

P「そして、この手紙だよ」ピラッ

P「あぶりだしとはまた……透も洒落たことをしたよな」

P「いろんなことがあった」

P「まあ、だからこそ、これまでに得た情報を組み合わせて、ちゃんと結論にたどり着いたわけだけど」

P「だからさ、その辺のことは、ちゃんと教えて欲しいんだ」

P「透、頼む」

透「プロデューサー……」

P「あ、別に、言いたくなってからでいいけど……いや、でも早いほうがいいし……」

透「ちょっと、落ち着いてってば」

P「はっ……す、すまん。変にテンションがあがっちまってた」

P「すぅー……はぁー……」

P「……よし、落ち着いたぞ」

透「もう……」

透「あのね……まずはさ、プロデューサー――」



透「――私、手紙なんてあげてないよ?」






P「…………は?」






ガチャ キィィィィ



パタン



「や
   は
     〜
      ふ
        せ
         い
           か
            い
             〜」
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 01:50:19.55 ID:keZ/LIVM0
ぎゃあああああ
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 01:51:28.14 ID:tNCdj3wgo
アワワワワワ
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 02:03:25.04 ID:I7a/QxssO
P(それは、聞き覚えのありすぎる声で)

P(この場で聞くはずのない声で)

P(でも、確かにその声で)

P(背後から聞こえたその声に、思わず俺は振り向く)


雛菜「あは〜、おどろいた〜?」

P(驚いて声もでない――なんて、まさかこんな平凡な日常の1コマみたいな場所で経験すると思わなかった)

P(「?」が脳内を埋め尽くす)

P「え? いや、……え?」

雛菜「プロデューサーめっちゃおどろいてる〜!」

P ハァッハァッハァッハァッ

P(だめだ……呼吸が荒くなりすぎて声が出せない)

P(いや、そもそも声に出す言葉もうまく紡がれない)

P(何が起きている? 何が起きて何が何が何が何が何が何が何が)

雛菜「あ〜……制服汚れちゃったな〜」

P「せ、せせせ、せいふっふっふふうふふふく??????」ハァッ...ハァッ

P(雛菜の姿をよく見てみる――刹那、後悔する)

P(雛菜の服装はいつもと一緒だった――服装、は)

P(リボンのついた白のワイシャツに、胸に可愛らしいワッペンのついた薄黄色のカーディガン)

P(少しでも汚れがついたら目立ってしまいそうなその服は……)

P(赤く、黒く、赤黒く……)

P(いや、茶色? 赤、黒、赤、黒、赤赤赤赤茶黒赤赤茶黒赤赤茶黒赤赤茶黒……)

P「くはぁっ……はあ、はあ……」

P(なんとか息を整える)

P(……そうだ! と、透は……!?)クルッ

透「……」ボーッ

P(透は、放心状態でいる。い、いまは目の前の事実に向き合うしかない……!)

P「ひ、雛菜? どうしてここに……」

雛菜「どうしてもこうしてもないよ〜。透先輩がわがまますぎるんだもん」

雛菜「あと、ついでに〜……、ミステリーごっこみたいにしてるプロデューサーが、ちゃんと答えにたどり着けたのかな〜って思った〜!」

雛菜「まあ、だめだったみたいだけどね〜」

P「だ、だめって、どういうことだ……!」

雛菜「え〜、言葉の通りなのに〜」

P「だって、俺は……!」

P(ん? いま、俺は何か大事なことを忘れてないだろうか)

P(……そうだ。手紙!)

P「と、透!」

P「手紙を書いたのがお前じゃないって、……一体どういうことなんだよ!?」ユサユサ

透「ぁ……」

P「透なんだろ……!? この繰り返しの何もかもを動かしてて、時にはやばいことまでして……!!」

P「手紙をよこしたのも、8周目の俺に7周目までの記憶を見せたのも……!!!!」

透「……」

P「なあ答えてくれよ!!!! 透ッ……!!」
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 02:09:51.60 ID:keZ/LIVM0
何故雛菜は円香を○すのか…
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 02:13:28.93 ID:I7a/QxssO
雛菜「も〜……雛菜、ちょっとがっかり〜」

雛菜「プロデューサー、ほら、みてみて〜」

P「へ?」

ドサッ

雛菜「いろいろと思い出したところまではよかったのにね〜」

雛菜「これ、忘れてない〜?」

P「こ、こここ、こっ、これって……お前っ……」

P(知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない!!!!!!!)

P(俺は知らない!!)

P(俺は……知ら……な……)

雛菜「知らない……けど、見たよね〜」

P「う゛っ……ああっ!!」ズキッ

P「はあっ……はあっ……」

P「……っ!?」


P『っ!! 円香っ!!!』ガシッ

円香『……』クルッ

P『……ぁ』

P『――っ! はぁっ、はぁっ、……』

デロッ...パサッ

P「……』

P『『あなたへ』』

P ペリペリペリペリ

P ペラッ

『最近物騒。この辺で1人の女の子をねらった事件が起きてる。
 この子である必要はなかった。たまたま、1人で、ここに、あ
 の時間に、来たから。それだけ。

 それだけ』

P『アッ、エ、エエッ』

P『……』

P『??? ! !?!?』

P『――あぁあああぁぁぁああぁぁあぁああアァッ』


P「――あぁあああぁぁぁああぁぁあぁああアァッ」

P(思い出した思い出した思い出した思い出した思い出した思い出した思い出した)

P(いいいやちちち違う違う違うそうじゃないないないないないないないないない)

P(これは……俺じゃない俺の……)

雛菜「やは〜、もしかして、これだけは“見なかった”んだ〜」

雛菜「じゃあしょうがないかもね〜」

雛菜「でも〜……透先輩が円香先輩を殺すなんて、天地がひっくりかえってもありえなさそ〜」

P(俺の目の前に、雛菜に投げ捨てられたそれは――)

P(――“見たことのある”致命傷を負った円香だった)
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 02:22:27.53 ID:/tox7uzDO
雛菜が怪しいと思ったらそう来たか
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 02:27:00.49 ID:keZ/LIVM0
そういえば雛菜だけエンディング到達に条件が必要だったな
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 02:30:19.90 ID:I7a/QxssO
P「な、ななっ、なんで、雛菜が円香を……!?」

雛菜「え〜? なんでって……」

雛菜「こうすれば、もうそんな選択肢選ばないかなって思った〜」

P「は? そ、それだけ?」

雛菜「それだけだよ?」

P(嘘だろ……という言葉すら出てこなかった)

雛菜「あ、それは4周目の話ね〜。いまのは〜……まあ、再確認用〜って感じ〜」

P(雛菜からは、何の悪意も感じ取れない)

P(子どもが蟻を踏み潰すのを怒られてきょとんとしているくらいの感情しか伝わってこない)

P(恐ろしさのあまり、俺は立っていられなくなった)

透「……そっか」ボソッ

P「……え?」

透「電話、かけてきたの……雛菜だったんだ」

雛菜「あ〜! それ正解〜!」

P「で、電話?」

透「繰り返しの最初……私はずっと記憶を持ってるわけじゃないんだ」

透「事務所に行く途中に電話がかかってきて、それで全部思い出す」

透「繰り返しに関すること、なにもかも」

雛菜「そうするとね〜、やりなおしログってのが更新され始めるんだ〜すごいよね〜」

P「……!」

P(やりなおしログ……『とおるーぷ』っていうあのファイルか!)

雛菜「あ〜、もしかしてプロデューサー、やりなおしログを書いてるのが透先輩だって思ったの〜?」

雛菜「やは〜それも違う〜。あれ書いたの雛菜だもん」

雛菜「[FOR T.A.]っていうのは透先輩のログだからってことで外せなかったけど〜……」

雛菜「文面は透先輩っぽく書いてみた〜。雛菜、透先輩好きだも〜ん。それくらいできるよ〜」

P「じゃ、じゃあ透は……透は繰り返しについては……!」

雛菜「使ってるだけで他は何も知らないよ〜。ね〜、透せんぱ〜い」

P「そ、そうなのか……?」

透「……うん」

透「私はただ、電話をもらって」

透「しあわせになるための手助けって言われて」

透「プロデューサーと……Pさんと……」

P「そんな……」

P(透に電話……一体誰g――っ!)
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 02:40:41.04 ID:keZ/LIVM0
七週目のなんでは何なんだろう?
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 02:44:25.90 ID:I7a/QxssO
P(なんで……忘れてたんだ、俺は……!!)

P(こんなの、“俺でも知ってる”のに……!)


P『ん?』

雛菜『〜〜〜(スマホを片手に会話中)』

雛菜『!』

雛菜 ポチッ

雛菜『……プロデューサーだ〜おはよ〜』

P『お、おう、雛菜か。こんな朝から、偶然だな』

雛菜『そうだね〜』

雛菜『雛菜はプロデューサーに会えてしあわせ〜』

P『ああ、俺も嬉しいよ』

雛菜『やは〜プロデューサーもそうなんだ〜!』

P『でも、悪いことしちゃったよな。電話の邪魔だっただろ、俺』

雛菜『あ〜……電話ね〜……。うーん、まあ、いいよ〜』


P「……っ!」

雛菜「透先輩がまだしあわせ〜じゃない〜って言うから……雛菜、毎回電話かけて教えてあげてたんだよ〜?」

透「でも……それならどうして……7周目からは……」

雛菜「それは透先輩が悪いんだよ……6周目でしあわせ〜ってなったはずなのに、また、なんて……」

雛菜「雛菜の目的には、それ以上いらな〜いって感じだったからね〜」

雛菜「だから〜、7周目と8周目には、“嘘”を教えたんだ〜」

透「!」

雛菜「嘘っていうのは正確じゃなくて〜、本当は……まあ、いいや〜。とにかく〜」

雛菜「ね〜? だから思い通りにならなかったでしょ〜?」

P「ぐっ……雛菜、お前はどうして……ここまでして何がしたいんだ……!」

雛菜「いつも言ってるけど〜」

雛菜「しあわせ〜になるためだよ」

P「そんなんじゃわからねぇよ! 雛菜のしあわせって、なんなんだよ!!」

雛菜「それは雛菜にもわからな〜い」

雛菜「わからないから、こうしたっていうのが、答えかな〜」

P「……何言って」

雛菜「雛菜ね〜、プロデューサーに出会って考えるようになったの」

雛菜「雛菜以外のしあわせ〜って、自分じゃないほかの人のしあわせ〜って、なんなんだろ〜って」

雛菜「プロデューサーは、プロデューサーのしあわせじゃなくて、雛菜とかのアイドルのしあわせのために生きてるでしょ〜?」

雛菜「だから〜……雛菜もやってみようと思ったんだ〜」

雛菜「他の人をしあわせにしてみよ〜って」

雛菜「そうすれば、何かがわかるのかな〜ってね〜」

雛菜「6回かかったけど、雛菜、ちゃ〜んと透先輩たちのしあわせ〜を見れたよ」

雛菜「だから、もういいや〜ってなっただけ〜」

雛菜「う〜ん、まだわからないことだらけだけどね〜」
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 03:00:39.96 ID:I7a/QxssO
P「なんで……透に記憶を持続させたんだ……?」

P「透に繰り返させた……透に目をつけたのは、なんでだ?」

雛菜「円香先輩と小糸ちゃんはプロデューサーと一緒になるためだけにそんな必死にならないも〜ん」

雛菜「でも〜……透先輩だけは、違うよね〜?」

雛菜「アイドルになってからの透先輩見てればわかるよ〜。幼馴染でもあるし〜」

P(一番動かしやすい奴に目をつけたってだけ、か……)

P「お前な……お前みたいなやつが透の幼馴染名乗っていいと思うのかよ……」キッ

雛菜「……その顔こわ〜い……きらい〜」

雛菜「名乗っていいかどうか、なんて知らないよ〜。雛菜は雛菜のことしか知らないよ〜……」

P(話になると思わないほうがいいな……これは……)

雛菜「まあ、雛菜としては〜……プロデューサーと幸せ〜になれた7回目を続けてもよかったんだけど〜」

雛菜「繰り返しを切り忘れてまた戻っちゃった〜! やは〜、雛菜、ドジだよね〜」

雛菜「まあ、別にいいけど〜……」

雛菜「それこそ〜、好きなだけ繰り返してしあわせ〜がわかるまで考えればいいかな〜って思う〜」

雛菜「あ、透先輩にはもう記憶あげなくていいよね〜」

雛菜「これ以上面白くならなそ〜だし〜」

P「……聞きたいことはまだ山ほどあるが」

P「逃げるぞ、透」

透「ふぇ?」

P「俺がおぶるから、ほら」

雛菜「え〜、これからどうするの〜?」スタスタ

P「ほら、早く!」

透「う、うん」

雛菜「どっから逃げるのかな〜……って、あ〜!」

ガララララ

P「透、つかまれ――」ダッ

ドサァッ

グッ...

タッタッタッタッ

雛菜「窓からとか〜……」

雛菜「……」ニパァッ

雛菜「じゃあ、雛菜ももうちょっと遊ぶ〜!」テテテテ
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 03:18:38.12 ID:I7a/QxssO
P「はぁっ……はぁっ……」ドタドタ

透「プロデューサー……もう……」

P「い、いいや! 逃げるんだ、透!」ドタドタ

透「そんなんじゃもうもたないよ……!」

P「いいから……しっかりつかまっとけ!」ドタドタ

透「かっこつけてる場合じゃないでしょ。私、もう立てるから……ね?」

P(透を背負って走るのは想像以上に体力を奪われた……見栄張ってる場合じゃない、か)

P「わかった……、一緒に走ろう」

透「……うん」


P ゼェゼェ

透「さすがに休んだほうがいいよ、ほら、こことか……」

P「路地……か……」

P(さすがに、これ以上走り続けるのは不可能だった――俺の体力的に)

P「……」

透「……」

P「……くっ、はははははは」

P「まったく、どうなってやがる……」

透「……」

P「俺は、とんだ道化師だな」

P「誰もが、雛菜の思うとおりだったというわけか」

透「7周目のとき……」

P「……?」

透「私に記憶と繰り返しを教える電話には、いつもすぐ後にメールが来るんだ」

透「そこで、必要な情報とか、アプリとかを知るんだけど」

透「せっかくたどり着いたのを無駄にされたから……」

透「ccのアドレスも含めて全部に送ってやった」

透「「なんで」って、いっぱい」

透「意味があったのかは知らないけど、さすがに頭にきて、何かしてやらないと気がすまなかったから」

P「……そうか」

透「8周目――今回は、メールもアプリも全部消した」

透「まあ、それも意味ないのかもしれないけど」

P「……っ、そうか」

透「ねえ、プロデューサー……」

透「……ううん、Pさん、私は――」


雛菜「ごろ〜ん♡」ズバァァァッ


透 バサッ

P「と、透……?」

雛菜「んしょっと……呼ばれて飛び出て〜ってやってみた〜!」

雛菜「あ、呼んでなかった〜?」

P(透の中から……雛菜が出てきた……?)
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 03:28:16.49 ID:I7a/QxssO
P「ひ、ひぃっ!」ダッ

雛菜「まだ追いかけっこするの〜?」

P ダダダダダ

雛菜「あは〜、まあ、いっか〜」テテテテ


P(走った。走った。走った)

P(逃げることに意味があるかなんてわからない)

P(それでも、本能的にこうせざるを得なかった)

P「はぁっ、はぁっ……くそっ、はあ……っ」


〜公園〜

P「はぁ、はぁ、はぁ……」

P(み、水……! 水を飲みたい……!)

P(公園にある蛇口をひねり、水をこれでもかというくらい飲む)

P「ぶはぁっ、……んぐっ、んぐっ」

P「……っ、ふぅ……」

P「……」

P フラフラ

P ペタン

P(何やってるんだろう、俺)

P(まあ、でも、こんな世界じゃ、どうしようもないか)

P「……」

「ねえ、だいじょうぶ?」

P「あ?」

「顔色……わるいよ」

P(とうとう幻覚が見えるようになってきたか……やばいな)

P「いや、駄目そうだ――」

P「――透」

とおる「……そっか」

とおる「僕になにかできることはある?」

P「そうだなぁ……じゃあ」

P「そばにいてくれよ」

とおる「うんっ。わかった」
501 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 03:39:12.43 ID:I7a/QxssO
P「しあわせって、なんだと思う?」

とおる「……そんなの、わかんない」

P「ははっ……そうか」

P「俺もなぁ……わかんないんだ」

P「なあ、お前……好きな人、いるか?」

とおる「……ひみつ」

P「……そうか」

P「俺が当ててやろう。片思いだろ?」

とおる「っ!」

P「しかも、相手は年上」

とおる「ひょっとして……エスパー……!」

P「まあ、そんなとこかな」

とおる「なんか、くやしい」

P「いいじゃないか、女の子が恋する様は可愛いだろ」

とおる「女の子って、わかるんだ」

P「どうみたって女の子だよ」

とおる「……どう、だろ」

とおる「かわいい……とか思う?」

P「最高に可愛い」

とおる「んなっ!?」

P「アイドルにしちゃいたいくらいだ」

とおる「アイドルになんて、ならないよ」

P「わからないぞ? 運命、ってあるもんだからな」

とおる「?」

P「いや、いいんだ。忘れてくれ」

P「……あ、この公園、ジャングルジムあるな」

P「……また、登らないか?」

とおる「!」

とおる「……のぼる」

P「よし、決まりだ。また抱えて登ってやるよ」


P ゼェゼェ

とおる「お、重かった……?」

P「なんのこれしき……ってやつだ。気にするなよ」

P「てっぺん、また着いたな」

とおる「そうだね」

P「後でアイス食おうか。また奢るよ」

とおる「おっきいのは、やだよ?」

P「ははっ、あれは冗談だから」

P「今度はハーゲンダッツ、買ってきてやる」

とおる「……やたっ」

P「……」
502 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 03:56:53.96 ID:I7a/QxssO
P「このまま、どこかに飛んでいけないかな……」

とおる「……何言ってるの?」

P「いや、もっと遠くに逃げたいんだよ」

P「……そう、逃げなきゃ、いけない」

P「それ以外、どうしようもないんだ」

とおる「そっか」

P「だから、飛べたらっt――ぐぶふっ!?」

ズブズブ

ズシャァッ

とおる「……やはっ」ニイッ

P「え……」ドクドク

とおる(?)「……もう逃げなくていいよ〜」

P(俺を見つめる笑顔は……既に一度見たことのあるものだった)

P(そして、目の前の幼い頃の透の姿がぶれる)

P(次の瞬間、俺を見ていたのは――)

雛菜「あは〜、小さい頃の透先輩がいまいるわけないって〜」

雛菜「2回透先輩になってみたけど、小さい頃の透先輩も好き〜かわいいよね〜」

雛菜「やは〜、プロデューサー、とにかくお疲れ様です〜」

雛菜「これ以上プロデューサーにできることはないよ〜」

P「ひ……な、な……」

P「……ま、だ……」

雛菜「は〜い、おやすみなさ〜い」

P グッタリ

雛菜「は〜……」

雛菜「noctchillのみんなをしあわせ〜にして、雛菜もプロデューサーと一緒になってみて……」

雛菜「……でも〜、まだわかんないな〜」

雛菜 ポチポチ

雛菜「もう、安価はいらないよね〜」

雛菜「次からはどういう風にしたらいいんだろ〜」

雛菜「まあ、とりあえず、また繰り返すことには変わりないか〜」

雛菜「enzaから入ってもいいし〜、スマホかタブレットのシャニマスアイコンを押してもいいし〜」

雛菜「じゃ、またね〜」ピッ


――――――――---……---―――――――― ブツンッ
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/04(金) 03:57:45.18 ID:I7a/QxssO
とりあえずここまで(まだ続きます)。
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 07:46:40.93 ID:tNCdj3wgo
おつおつ
雛菜怖
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 08:52:12.17 ID:V03+dVvMo
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 00:09:11.20 ID:yE2bjcx6O
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507 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 00:12:36.29 ID:yE2bjcx6O
起動しました。

>読み込み終了

冒頭に戻ります。
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 00:13:13.10 ID:yE2bjcx6O
ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 00:17:37.83 ID:yE2bjcx6O
〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


/*
1.(Deleted)
2.(Deleted)
3. (Deleted)
4.(Deleted)

(Deleted)
*/
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 00:26:38.25 ID:yE2bjcx6O
P「……ん?」

P(何かが一瞬頭をよぎったような……)

P(気のせいか?)

ヴーッ

P「LINE? ……いや、メールだな、これ」


『FROM:-----------------------------
件名 :走って家に戻れ。いつもの道で。
本文 :(本文はありません)     』


P「なんだ? これ」

P「差出人のところ、なんで書いてないんだよ」

P「ったく……スパムか何かか」

P「とにかく事務所に行って一息つこう。早くこの暑さから逃れたい」
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 00:38:34.06 ID:yE2bjcx6O
〜事務所〜

P「おはようございます」

P「……って、誰もいないのか」

P「とりあえず涼むか」


P(今日は――っと)

P(担当アイドルは一日中レッスン、俺は事務仕事だな)

P「ははっ」

P(アイドルのプロデューサーなんてやってるけど、随分と地味な日だな、今日は)

P(まあ、それもあいつらのため……)

P(……ん?)

P(まあ、いいか)


雛菜「やは〜、おはようございます〜!」

P「お、雛菜か。おはよう」

雛菜「朝からプロデューサーに会えて雛菜しあわせ〜」

P「はは……ありがとな」

雛菜「……プロデューサー、元気ないの〜?」

P「いや? そんなことないぞ?」

P「でもまあ、そうだな。もう少し人がいてくれると、この事務所もにぎやかだと思ったんだ」

雛菜「……たしかにね〜」

P「雛菜が頑張ってくれてるとはいえ、アイドル1人だと今の時代なかなかなぁ……」

P「ユニットとか、組めるくらい人がいればいいんだけどな」

雛菜「プロデューサーはそれがいいの〜?」

P「雛菜はいやか?」

雛菜「ううん〜、そんなことないよ〜」

雛菜「雛菜、レッスンまでそこでスマホいじってるね〜」

P「ああ。遅刻はするなよ」

雛菜「わかってま〜す」

雛菜「と、いうわけで〜〜……ソファーに……」

雛菜「ごろ〜ん♡」ボフッ

P ビクッ

雛菜「? どうしたの〜?」

P「い、いや、なんでもない……」

P(急に寒気が……風邪でもひいたか?)

雛菜 ポチポチ

雛菜「は〜」

P「あ、そうだ、雛菜――」

雛菜 ピッ


――――――――---……---―――――――― ブツンッ
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 00:40:33.71 ID:yE2bjcx6O
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OS Version 2.8.3.2008228
[THE REMADE FILE]

>修正を反映しました。
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513 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 00:41:59.88 ID:yE2bjcx6O
ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」


〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


/*
1.(Deleted)
2.(Deleted)
3. (Deleted)
4.(Deleted)

(Deleted)
*/
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 00:45:19.39 ID:yE2bjcx6O
P「……ん?」

P(何かが一瞬頭をよぎったような……)

P(気のせいか?)

ヴーッ

P「LINE? ……いや、メールだな、これ」


『FROM :-----------------------------
 件名 :走って家に戻れ。いつもの道で。
 本文 :スマホを奪ってお前が出ろ  』


P「なんだ? これ」

P「わけわからんな」

P「……」

P「ったく……スパムか何かか」

P「とにかく事務所に行って一息つこう。早くこの暑さから逃れたい」
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/05(土) 01:00:14.18 ID:RCoEqf2r0
所属アイドルが雛菜一人にされたのか…
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:02:52.18 ID:yE2bjcx6O
〜事務所〜

P「おはようございます」

円香「やは〜、おはようございます〜」

P「ああ、――……」

P(あれ、名前が……)

P「と、とにかく、おはよう」

円香「元気ないんですか〜?」

P「そ、そんなことはないぞ! 今日も仕事頑張るからな」

円香「●●もレッスン頑張る〜!」

P「頑張れよ」

P(耳の調子でも悪いのかな……)

タ タ タ タ

透「あ、●●〜。来てたんだね〜」

円香「うん〜……っていうか〜、これから一緒にレッスンでしょ〜?」

透「あれ〜? そうだったっけ〜〜」

円香「じゃあなんでここに来たの〜?」

透「ふふっ、ひみつだよ〜」

円香「何それ〜」

P「まったく、お前らは仲が良いな」

P「同じ口調にする必要はないと思うが……まあ、いつものことだな――」

P「――ん?」

P(何か……)

タタタタタ

小糸「おはようございます〜」

P「――……おはよう」

P(また名前が……)

円香「おはよ〜」

小糸「プロデューサーさんおはよう〜」

小糸「あ〜、●●先輩もう来てたんだ〜」

円香「○○ももう来てるよ〜」

小糸「そうなんだね〜」

ガチャ

タ、タ、タ、タ

雛菜「やは〜おはようございます〜」

小糸「雛菜だ〜おはよ〜」

円香「おはよ〜!」

P「おはよう雛菜。よし、これで――……」

P「……っ、と、とにかく、全員揃ったわけだ」

P「よし、じゃあお前ら、レッスン頑張ってこいよ」

円香透小糸雛菜「やは〜、「やは〜、「やは〜、「やは〜、がんばりま〜す」がんばりま〜す」がんばりま〜す」がんばりま〜す」

P「っ、ひ、ひぃっ!?」

円香透小糸雛菜「どう「どう「どう「どうしたの〜?」したの〜?」したの〜?」したの〜?」

P「い、いや、お前ら息ぴったりだと思ってさ、あ、はは……」ビクビク
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:06:05.03 ID:yE2bjcx6O
4人「ん〜?」

P(目の前にいる4人は同時に声を発して顔を見合わせる)

P(すると、雛菜と呼ばれる子だけがこちらを向いて……)

雛菜「あ〜、なんかしっぱいしちゃったかも〜」

P(そういう子以外の3人は、固まって石像のように動かない)

P「はぁっ、はぁっ……ぐっ」

雛菜「そんな顔しないで〜……」

雛菜「ん〜、どうしたら〜……」ポチポチ

雛菜 ピッ


――――――――---……---―――――――― ブツンッ
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:10:13.40 ID:yE2bjcx6O
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OS Version 2.8.3.2009219
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>修正を反映します。
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>復元を行います。
>参照先のファイルに欠損が見られる箇所があります。処理を続行しますか? Y/N
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>処理を続行します。
>Now Loading...
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519 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:11:39.79 ID:yE2bjcx6O
起動しました。

>Now Loading...(時間がかかっています)
>読み込み終了

冒頭に戻ります。
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:14:59.79 ID:yE2bjcx6O
ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」


〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


/*
1.(Deleted)
2.(Deleted)
3. (Deleted)
4.(Deleted)

(Deleted)
*/

P「……ん?」

P(何かが一瞬頭をよぎったような……)

P(気のせいか?)

ヴーッ

P「LINE? ……いや、メールだな、これ」

P「2件か」


『FROM :-----------------------------
 件名 :走って家に戻れ。いつもの道で。
 本文 :スマホを奪ってお前が出ろ  』

『FROM :-----------------------------
 件名 :家の鍵は閉めたのか?
 本文 :急げ            』


P「……」

P ダッ
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:17:55.37 ID:yE2bjcx6O
P タッタッタッタッ

P(何故だろう……)

P(家の鍵なんて、習慣的には閉めてるはずだし、そんなこと気にしないのに)

P(確認に向かわないといけない気がする)

P(それに――)

P(――急がなきゃいけない理由が、ある気がしてならない)

P「はぁ、はぁ、……くそっ」タッタッタッタッ

P(運動不足か……世話ないな)

P(でも、急がないと……)
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:22:21.06 ID:yE2bjcx6O
〜Pの自宅の近所〜

P(ここを曲がれば……いた)

P(あそこにいるのは、雛菜だ)


雛菜「〜♪」


P(鼻歌を歌いながら歩いてるな……)

雛菜「!」ガサゴソ

雛菜「電話〜? う〜ん」

P(スマホを取り出した……!)


――――スマホを奪ってお前が出ろ――――


P「ええい! いくしかない!!」ダッ

雛菜「誰だろ〜。まあ、いいか〜。出ちゃお〜」

P「押すなぁぁぁっ!!」

雛菜「え? プロデューサー?」

P「えいッ!」

P(俺は、雛菜のスマホをひったくり――)

雛菜「あ〜〜〜〜!! なにするの〜〜!?」

P ポチッ

P「……」

P(――電話に、出た)
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:38:13.25 ID:yE2bjcx6O
「――――」ジジジジジーッ

「――――」ピーッ

P「……」

「これは、電話をとった者に送られています」

「(Pのフルネーム)に無条件で権限の88%を付与します」

「次に鳴る発信音の後に、指定されたメッセージを、電話に向かって自分の声で喋ってください」

P(根拠はないけど、確信していることがある)

「指定されたメッセージは、パスの役割を果たします。一言一句違わず、日本語で送信されたもののみ受け付けます」

「メッセージのヒントとして、現在、「シャイニーカラーズ」・「プロデューサー」の2つの単語が登録されています」

「メッセージのヒントの変更は、管理者権限でのみ実行できます」

P(俺は、俺として在ればいい)

「まもなく、発信音が流れます」

「メッセージがパスとして承認された場合、管理者権限に移行します」

「メッセージが間違っている場合、管理者権限には移行しません」

P(俺だから……言えること……)

「――――」ピーッ

「メッセージをどうぞ」

P「……」

P「よし、楽しく話せたな」
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:44:49.09 ID:yE2bjcx6O
「――――」ジジジジ......

「承認されました」

「前回の承認から長い時間が経過しています。処理には時間がかかります。そのままお待ちください」

「――――」ジジジジ......

「――――」ジジジジ......

「引継プログラム実行」

P「!!?!?!?!?!!?!?!??!??!?!?!??????!!!!!!!!!?!?!?!?!?!?!?!??!?!!?!!!!!?!?!?!?!?!?!!!?!??!?!」

P(記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正修正記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元復元記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶履歴履歴履歴履歴履歴履歴履歴履歴履歴履歴履歴履歴履歴履歴履歴履歴記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶記憶)

P「……」

「――再起動します」
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:52:39.98 ID:yE2bjcx6O
----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2009219
[THE REMADE FILE]

>ようこそ。管理者。
>音声であなたの構想を反映します。
>半角英数字でRを入力してEnterキーを押し、できるだけ具体的に述べてください。終了するには、半角英数字でEを入力してEnterキーを押してください。
>R
>…………
>…………
>…………
>…………
>…………
>…………
>…………
>E
>データの処理を行います。しばらくお待ちください。
>処理が完了しました。
>音声は問題なく認識されました。情報の追加を希望するにはHを入力してEnterキーを押してください。以上で終了ならば、何も入力せずにEnterキーを押してください。
>
>実行しますか? Y/N
>Y
>承知しました。新しいシステムに移行します。なお、このプログラムは一定時間後に破棄されます。
>Now Loading...
----------------------------------------------------------------------------------------
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:54:37.15 ID:yE2bjcx6O
再起動します。

――――――――---……---――――――――

>Now Loading...(時間がかかっています)
>読み込み終了
>表示を通常モードに移行

起動しました。
プログラムを実行します。
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 01:58:24.47 ID:yE2bjcx6O
----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2018424
[FILE : STABLE]

>自動診断ツール起動。
>......
>エラーは見つかりませんでした。正常と判断されます。
>ようこそ。管理者。
>スタートします。
----------------------------------------------------------------------------------------
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 02:26:51.15 ID:yE2bjcx6O
THE IDOLM@STER SHINY COLORS

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P(283プロダクションに入社して数か月……いよいよ俺が、アイドルをプロデュースする時が来た)

P(ずっと憧れていた仕事をようやく任されたんだ、これから精一杯頑張るぞ!)

P「……」

P「……なんてな」ボソッ

P「おはようございます! って、天井社長……?」

社長「おはよう、お前を待っていたぞ――」


はづき「――……ふわぁ〜? なんですか〜急に大きな声出して〜……」

社長「は、はづき……なぜ床で寝ているんだ」

はづき「すみません、ソファへ着く前に、眠気に負けてしまいまして〜……」

P(はは、そうだったそうだった。相変わらずだ)

社長「せっかくまじめな雰囲気を出したというのに……――」


はづき「――ですので、精一杯頑張っていきましょ〜! 私もたくさんサポートさせていただきますね〜」

社長「……少しアドバイスしておくが、お前は、283プロダクションのプロデューサーだ」

P「担当アイドルと他のアイドルたちを交流させることも重要になってくる、ですよね?」

社長「む、ま、まあ、そうだが……。わかっていればよろしい」

はづき「では、そろそろお仕事に移ってもらいましょうか」

はづき「今回プロデュースするアイドルは――」


P(アイドルのプロデュースは、あらかじめ決められた選択肢から選んでするものじゃない)

P(それに、他の可能性を探ってみたかったり都合が悪かったりで何度も繰り返すものじゃない)

P(俺は俺が思うように、1度きりのプロデュースで、アイドルを輝かせるために全力を尽くす)

P(これが、俺の望んだ“世界”――選択肢と繰り返しの生むものを知り、それを拒否して、俺の知る悲劇の可能性を排除した環境)

P(この“世界”で全力を尽くしてこそ、俺は心からこう言えるんじゃないか――)

P(――よし、楽しく話せたな。と)


-noctchill編- END.
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/05(土) 02:27:22.96 ID:RCoEqf2r0
ドキドキ文芸部が元ネタなんだろうか
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/05(土) 02:28:24.29 ID:RCoEqf2r0
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 02:32:06.13 ID:yE2bjcx6O
noctchill編はこれにて終了です。ありがとうございました。
追加要素があるので、もう少しここで投下していく予定です。

また、このSSとは関係ありませんが、私のアイマスのSSの過去作には以下のようなものがあります。
・【デレマス(デレステ)】黒埼ちとせ「私の望みは――」
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1558883455/
・【デレマス(デレステ)】久川颯「はーはPちゃんが好きなの」(←SS速報Rで書いたものなので注意)
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1554736389/
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 02:33:03.01 ID:yE2bjcx6O
とりあえずここまで。
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 02:36:00.96 ID:yE2bjcx6O
>>529 タイトルは知ってるんですが、プレイしたことはないんですよね。いろんな噂は耳にしましたけど。
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/05(土) 02:43:09.66 ID:aXFfzdNvo
お疲れ様でした!
安価のコントロール、見事でございました
透ハッピーエンド後も構わずループされる仕掛け上手かったなあ
>円香「おはよ〜!」
ここだけは絶対に記憶記録して保存しなきゃ

ありがとうございました!
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/05(土) 04:12:49.66 ID:JjXnfZ/DO
はーは……ってあの壊れたこっひの??

なんか納得。そして乙
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 14:26:31.28 ID:TUxOY/VZ0
>>523 訂正:

「これは、電話をとった者に送られています」

「(Pのフルネーム)に無条件で権限の88%を付与します」



「これは、電話をとった者に送られています」

「受信者を読み込んでいます」

「完了。受信者、(Pのフルネーム)」

「(Pのフルネーム)に無条件で権限の88%を付与します」
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 14:32:59.48 ID:TUxOY/VZ0
―おまけ1―

〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

透「おはよ、プロデューサー」

P「……浅――倉か」

透「ふふっ」

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OS Version 2.8.3.2019313
[THE ADDITIONAL FILE]

>カーット!!!
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透「怒られちゃった」

P「そりゃそうだろ」

P「……」

P「いや、なんでうちにいるんだよ」

透「来ちゃった……」

透「……それじゃ、だめかな」

P「……」

P「可愛いからOK」

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OS Version 2.8.3.2019313
[THE ADDITIONAL FILE]

>ダメデスヨ-
----------------------------------------------------------------------------------------

完。
538 :縦読み [sage]:2020/09/05(土) 14:43:44.52 ID:JjXnfZ/DO
おいおい。真の管理人は……

つか、玄関に誰か来たかな
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 14:44:38.16 ID:TUxOY/VZ0
―おまけ2―

P「1周目と4周目でさ」

P「プライベートビーチに一緒に行ったわけだけど」

円香「は? 暑さにやられて記憶までおかしくなったんですか?」

円香「あなたと一緒にビーチだなんて……行ってませんよ」

P「いや、いいんだ。とにかく聞いてくれ」

円香「はぁ……」

P「ビーチといえば水着だろ? 水着といえばこの前のコスチュームガシャだろ?」

円香「ちょっと待って……本当になにを言ってるんですか?」

P「円香――……水着姿、最高だったぞ」

円香「は、はあ? もう……ほんとなに言って……」

P「何がとは言わないけど思っていたよりいろいろと幼かった……」

P「……だが、それがいい」

円香「あなたの言ってることは一切わかりませんが、とりあえず敵意を向けないといけないということだけはわかりました」

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OS Version 2.8.3.2019313
[THE ADDITIONAL FILE]

>さすがにメタすぎ。
----------------------------------------------------------------------------------------

完。
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/05(土) 14:52:45.02 ID:RCoEqf2r0
透の中から雛菜が出てきた描写はなんだったのか?
最初に電話してきた管理人?は誰なのか?
奪え、など指示してきた相手は誰なのか?
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 14:54:54.68 ID:TUxOY/VZ0
―おまけ3―

P「小糸ってさ……」

小糸「は、はいっ。な、なんでしょうか……」

P「たまにゆっくり霊夢みたいな顔するときあるよな」

小糸「……?」キョトン

P「気のせいか?」

小糸「あの、プロデューサーさんがなにを言ってるのか、ちょっとわからないんですけど……」

P「……」

小糸「プロデューサーさん?」

P「わっ!!!」

小糸「ぴゃ!?」

P「その声は……」

P「それはよく素材になってるのにな」

小糸「??????????????」

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OS Version 2.8.3.2019313
[THE ADDITIONAL FILE]

>ゆっくり霊夢アレンジ(?)の小糸(あるいは小糸アレンジ(?)のゆっくり霊夢)描いてる人
>っているんでしょうか......
----------------------------------------------------------------------------------------

完。
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 15:04:39.24 ID:TUxOY/VZ0
―おまけ4―

〜事務所〜

P「おはようございます」

雛菜「やは〜、プロデューサーだ〜! おはよ〜」

雛菜「雛菜、朝からプロデューサーに会えてしあわせ〜」

P ナデナデ

雛菜「わぁ〜〜……なでなでされちゃった〜〜〜〜」

P「……」ナデナデ

雛菜「ん〜〜?」

雛菜「プロデューサー、あんまり楽しくなさそ〜」

雛菜「元気ないの〜?」

P「いや、そうじゃないんだ」

P(うん、そういうことではない)

P(これでいい。雛菜は無邪気で自分の信念にまっすぐだから、ただの女の子でいいんだ)

P(なんでもありの力なんて持ったら……いけない)

P「よし、雛菜。今日は一緒に昼飯食うか!」

雛菜「あは〜、それいい〜!」

P「もちろん俺のおごりだからな」

雛菜「どこに連れてってくれるの〜?」

P「ああ、最近おしゃれな喫茶店を見つけてさ。しっかり食べられるようなメニューもあるんだ」

P「そうそう、食べられる花が入ったサラダ、なんてのもあるみたいだぞ?」

雛菜「なにそれ〜! おもしろ〜い。そんなのあるんだね〜」

雛菜「はじめて聞いた〜〜」

雛菜「雛菜、楽しみにしてるね〜」

P「……ははっ」

P「っし、じゃあ午前中のレッスン頑張ってこい!」

雛菜「は〜い、行ってきま〜す!」

完。
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 15:23:19.78 ID:TUxOY/VZ0
―おまけ5―

----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2018424
[FILE : STABLE, ADMIN SETTINGS]

>ようこそ。
>ログインを音声認識で行いますか? Y/N
----------------------------------------------------------------------------------------
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 15:24:06.32 ID:TUxOY/VZ0
>>543 キー操作をミスって投下してしまったので、投下しなおします。
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 15:34:01.21 ID:TUxOY/VZ0
―おまけ5―

----------------------------------------------------------------------------------------
OS Version 2.8.3.2018424
[FILE : STABLE, ADMIN SETTINGS]

>起動しました。
>ログインを音声認識で行いますか? Y/N
>Y
>ログインに必要な情報を音声で認識します。
>お名前をどうぞ。
>
>照合中です。しばらくお待ちください。
>承認。
>パスをどうぞ。
>
>照合中です。しばらくお待ちください。
>承認。
>ようこそ。こちらは、管理者権限による設定画面です。
>最新のログインはあなたではありません。これに関して情報の開示を求めますか? Y/N
>N
>展開中です。しばらくお待ちください。
>展開完了。
>ご希望の操作は何でしょうか。
>_
>■■■■■■■■
>Now Loading...
----------------------------------------------------------------------------------------

完。
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/09/05(土) 15:45:55.93 ID:TUxOY/VZ0
おまけは以上です。

新しいSSを始めました:【シャニマス】P「よし、楽しく……」- Straylight編- 【安価】 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1599288272/
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 22:34:57.24 ID:CJ6zwEP7O

面白かった
透P故6周目の後日談見たい
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 22:37:30.26 ID:LUUczei20
面白かった!!
次のストレイライトも期待せざるをえない
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/06(日) 22:45:04.99 ID:PTdwa/n3o
おつおつ
ストレイライトも楽しみに見てます
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名前: E-mail(省略可)

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