【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】

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67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:17:53.67 ID:bzmO8MFY0
P(路地を歩けば涼しいかな……?)

P(よし、入社直後に開拓したルートを行くことにしよう)
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:24:41.71 ID:bzmO8MFY0
〜事務所付近のとある路地〜

P「ここを曲がって真っ直ぐ行けば……!」

ドンッ

P「うわぁっ!」

「ぴゃっ!?」

P「あ、危ない!」ガシッ

P「すみません! 大丈夫ですか? お怪我は……」

「あ、はい。だ、大丈夫で――って、プロデューサーさん?」

P「え、小糸じゃないか」

小糸「あ、はい。わたしです」

P「ごめんな。ぶつかっちゃって」

小糸「い、いえ。私も、前をよく見てませんでしたから」

P「小糸はいつもこの道を通って事務所に行くのか?」

小糸「あ、えと、普通は人通りの多いほうの道で来るんですけど」

小糸「き、気分転換が、したくて」

P「ははっ、そうか」

P「俺は涼しいかなと思ってこの道にしたんだよ」

小糸「あ、それわかります! 確かに涼しいんですよね! この道」

P「ああ、こっちのルートにして正解だった」

P「小糸にも会えたしな」

小糸「ぴゃぅっ! な、なな、何を言うんですか、もうっ」

P「よし、じゃあ事務所に向かうか」

小糸「あ、待ってくださーい!」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:29:04.96 ID:bzmO8MFY0
〜事務所〜

P「おはようございます」

小糸「お、おはようございますっ! ……あっ、円香ちゃんだ」

円香「おはよう、小糸」

円香「それに……」

円香「……ハァ」

P「さすがにひどくないか?」

円香「まだ何も言ってませんが」

P「言わずとも伝わることってあるんだぞ」

円香「そういう高度なコミュニケーションもとれたんですね。覚えておきます」

P「はいはい。よろしくな」

P「仕事はじめる前にコーヒーでも飲むか……」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:32:03.22 ID:bzmO8MFY0
P「ひ〜か〜りあつ〜めて〜ひ〜びけとお〜くへ♪」カチャカチャ

P「む〜す〜んだ〜き〜ず〜な〜し〜んじて〜♪」コポポポポ

円香「気味の悪い鼻歌を歌いながらコーヒー淹れるのやめてくれますか?」

P「気味の悪いって……お前らの歌だぞ」

円香「ええ。ですから、私たちの大切な歌に傷がつくので、やめてほしいと言ってます」

P「ひどい……その「私たち」にはプロデューサーである俺は入ってないのかよ」

円香「それは……」

P「……ははっ、そこで言い返さないあたり、円香は優しいな」

円香「なっ……!! さっきからサビの同じ箇所しか歌ってない人に言われたくありません!」

P「正直、スマンカッタ。あ、いや、歌詞とんじゃってな」

円香「最低」

P「じゃあ、今度はバッチリ歌詞覚えて歌うから、な?」

円香「結構です。これからレッスンまでの間、宿題をやるので、静かにしていてください」

P「わかった。そうするよ」


小糸「あっ、ぷ、プロデューサーさんっ。コーヒー、淹れてるんですか?」ピョコ

P「そうだぞ。飲むか?」

P「あ、でも、これブラックだし、小糸はそういうの苦手かも……?」

小糸「ひ、人を見た目で判断してもらっては困ります! わ、わわ、私は大人ですから、それぐらい余裕ですっ!」

P「はは、じゃあ、ブラックでついじまうぞ?」

小糸「望むところです!」

P(すぐに入れられるように砂糖とミルクを用意しておいてあげよう……)
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:37:36.19 ID:bzmO8MFY0
小糸「にがい〜」ウヘェ

P「知 っ て た」

P「ほら、砂糖とミルクあるから、入れとけ」

小糸「い、いえ! それには及びませんっ」グビッ

P「あ、おいそんな一気に飲んだら……」

小糸 ゴクッゴクッ

小糸 ゴクンッ

小糸「……」

小糸 サーッ

P(やばい……小糸の顔がみるみる青ざめていく)

P「大丈夫か?」

小糸「……」

小糸 フルフル

小糸「ちょっと、そこで横になってます……」

P「ああ、お大事にな……」
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 22:41:55.58 ID:bzmO8MFY0
透「あ、樋口。それに小糸ちゃんも。来てたんだ」

円香「うん……って、これから一緒にレッスンあるでしょ」

小糸「……ソウダヨ」

透「あれ、そうだったっけ」

円香「じゃああんたなんでここに来たの」

透「ふふっ、ひみつ」

円香「……何それ」

透「あ、そうだ。樋口、ちょっとそこでジャンプしてみてよ」

円香「は? なんで」

透「小銭欲しくて」

円香「最初からお金貸してっていいなさいよ……」

円香「いくら必要なの?」

透「あ、くれるんだね」

円香「あげるんじゃない、貸すの。で、いくら?」

透「150円」

円香「ジュース1本ぶんくらいだけど」

透「うん。それでいい」

透「さっき飲み物買いにコンビニ入ったんだけどさ」

透「財布、忘れちゃってて」

円香「いい加減学びなさいよ」

透「コーヒーの匂いがする。もしかして、プロデューサーいる?」

円香「……いる」

透「うわ、樋口、すごい顔」

円香「話しかけたいならそうすれば?」

透「そうだね。そうする」


透「プロデューサー、おはよ」

P「お、透か。おはよう」

透「コーヒー、淹れてるんだね」

P「ああ、見ての通りな」

P「飲むか?」

透「いや、いらない。熱いの苦手っていったでしょ」

P「はは、そうだったかもな」

透「プロデューサーって、記憶力あんまりよくなかったりする?」

P「いや、そんなことはないと思うけど」

透「……」

P「透?」


1.もしかして、怒ってるのか?
2.俺の顔に何かついてるか?
3.アイスコーヒーなら好きなのか?

選択肢↓2
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 22:51:56.98 ID:ar3jQIoYo
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 22:54:22.07 ID:xur/1qVco
1
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 23:20:27.99 ID:bzmO8MFY0
P「もしかして、怒ってるのか?」

透「!」

透「うん。そう。激おこ、かな」

P「激おこって今日日聞かないな……」

透「ふふっ、そうかも」

P「って、怒ってないだろ、透」

透「それは、ほら。笑いながら怒る人的な」

P「おもしろおじさん路線でいくのか……」

透「コーヒーさ」

透「アイスで飲みたいから、貰っておく。で、冷蔵庫で冷やす」

P「レッスン開始までに冷えるか?」

透「うーん。氷入れまくればいいかな」

P「薄まっちまうぞ」

透「確かに。じゃあ、レッスン終わった後に飲むね」

P「そうしときな」

透「間違って飲んじゃ駄目だよ」

P「間違えないって、俺は。まあ、事務所の冷蔵庫だからみんな使うし、心配ならラップに名前かいておけばいいんじゃないか?」

透「わかった。そうする」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 23:23:23.75 ID:bzmO8MFY0
円香「何話してたの?」

透「うん。まあね」

円香「楽しそうな顔」

透「楽しかったからね」

円香「……飲み物」

透「?」

円香「飲み物、買いに行くんじゃなかったの」

透「あ」

透「ふふっ、忘れてた」

円香「もう」

透「じゃ、買ってくる」

円香「いってらっしゃい」


P「よ〜し、じゃあ仕事すっか」

円香「いちいち報告しなくていいので。どうかご静粛に」

P「わ、わかったよ。ごめんな」

円香「……」

小糸「プロデューサーサンガンバッテクダサイ」コゴエ
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 23:25:00.20 ID:bzmO8MFY0
ガチャ

タ、タ、タ、タ

雛菜「やは〜おはようございます〜」

小糸「ひ、雛菜ちゃ……ヴッ、お、おはようっ」

円香「……」

P「おはよう雛菜。よし、これでnoctchillの全員が揃ったな」

雛菜「プロデューサーに小糸ちゃん、それに円香先輩も〜」

雛菜「プロデューサーは、今日もお仕事?」

P「ああ、もちろん。アイドルのプロデュースに精を出してるところだ」

円香「まだ働いてないでしょ」ボソッ

P「そ、それは言うなって……」

雛菜「あは〜プロデューサーと円香先輩、なかよし〜って感じ〜?」

雛菜「じゃあ、雛菜もプロデューサーと仲良し〜ってする〜」

P「ひ、雛菜、近いって……」

円香「仕事、しなくていいんですか。ミスター・社会人(仮)」

P「そ、そうだな。悪いな雛菜、また後でな」

雛菜「うんっ、またあとでね〜プロデュ〜サ〜」

円香「……」ムスッ

小糸「……ま、円香ちゃん?」

円香「なあに?」ナデナデ

小糸「アッ、ううぅ〜いまは触らないで……」

円香「えっ……触らないでって言われた……?」

雛菜「みんなたのしそ〜」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/09(木) 23:26:21.44 ID:bzmO8MFY0
数時間後

P(今日のnoctchillはレッスン漬けだったよな)

P(あいつらのことだから心配しなくてもいいかもしれないけど……)


1.まあでも、様子を見に行くか!
2.仕事で疲れたし昼寝でもしよう。
3.休憩がてらはづきさんと話すか。

選択肢↓2
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 23:26:46.03 ID:/3RPBhDO0
1
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/09(木) 23:28:14.57 ID:V8Wc7ZIN0
1
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 00:14:33.74 ID:jN173XsT0
P(まあでも、様子を見に行くか!)

P(いま向かえば、ちょうどあいつらも昼休みだろう)
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 00:27:41.00 ID:jN173XsT0
〜レッスン場〜

P「お、やってるな」

ワンツーワンツー

P(なんていうんだろうな……授業参観にきた親の気持ちっていうのが、わかったような気がする)

ジャアキュウケイニシマショー

アリガトウゴザイマス!!

P「午前の部は終わったみたいだな」


P「よう、お疲れ様」

小糸「あっ、プロデューサーさん!」

透「来てくれたんだ」

雛菜「やは〜、またプロデューサーに会えた〜。しあわせ〜」

円香「……」

P「午前にやる分の仕事を片付けて、見に来たんだよ。レッスンの様子が気になってな」

P「これから昼休みだろう? みんな飯はどうするんだ?」

小糸「わ、わたしはお弁当持って来てますよ」

雛菜「雛菜も〜」

円香「……」

透「……あ、昼ごはん、ないわ。ふふっ」

透「お弁当、お弁当、1人飛ばして、ご飯抜き」

P「いやいや、あれだけ動いたんだから、きちんと食べなきゃ駄目だぞ?」

透「じゃあ、奢ってよ、プロデューサー」

P「それでたかるのかよ……まあいいけどさ」

雛菜「え〜透先輩ずる〜い。雛菜もプロデューサーとご飯食べた〜い」

小糸「雛菜ちゃん……それだとお弁当が無駄になっちゃうよ」

雛菜「う〜」

透「二人で抜けちゃおっか。プロデューサー」

P「さすがにこの状況で透一人をひいきすることはできないよ」

透「えー」

円香「……」

P「円香は、昼飯どうするんだ?」

円香「……チッ」

P「し、舌打ち……」

小糸「円香ちゃん……えと、その、プロデューサーさん」

小糸「円香ちゃんは、今日お弁当を持ってくるの忘れちゃったみたいなんです」

P「そうだったのか」

円香「……」

P「……」

円香「……」グー

円香「!」

円香「っ///」

P「はは、黙ってても答えは出たな」

P「よし、じゃあ俺の分も含めて、テイクアウトで調達してこよう」

P「みんなは休憩スペースで待っててくれ」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 00:33:59.25 ID:jN173XsT0
〜休憩スペース〜

P(さて、と)

P(どこに座ろうかな)

P(テーブルが小さいのばかりだから2:2にわかれちゃってるな)


1.透と円香が座っているところ。
2.小糸と雛菜が座っているところ。
3.あえてぼっちを選択。
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 00:34:31.61 ID:jN173XsT0
安価指定忘れました

選択肢↓2
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 00:45:25.78 ID:hxHQHjlq0
2
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:10:10.42 ID:jN173XsT0
あ、83で書く予定だった安価指定を84に書いたってことになってますかね。時間かかってもアレなんで、とりあえず>>85を採用します。
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:18:21.98 ID:jN173XsT0
P「よいしょっと」

雛菜「やは〜プロデューサー来てくれた〜」

雛菜「一緒にご飯食べよ〜」

P「ああ、そうだな」

P「2人は弁当か。いいな、そういうの。懐かしい感じがするよ」

雛菜「プロデューサー、なんだかそれ、おじさんみた〜い」

小糸「ちょっと雛菜ちゃん!」

P「あはは……まあ、お前たちにとっては、俺はおじさんかもな」

小糸「わ、私は、まだまだ若いと思いますよ!」

小糸「それに……」

小糸「うう、な、なんでもありません……」

P「? そうか」

雛菜「プロデューサーは雛菜たちくらいの頃ってどんなだったの〜?」

ガタッ!

雛菜「ん〜?」

P「特にこれといって話すようなエピソードはないな

雛菜「え〜」

エッ

P「そうだな……あの頃は……」


P「いまに比べると旧世代って感じがするな。今思えば、だけどさ」

P「スマホはまだ出始めで全然流行ってなかったし、雛菜たちみたいな女子高生はみんなガラケーにたくさんのストラップをぶら下げてたよ」

P「LINEじゃなくてメールだしな。早いんだぞー、打つのが。タッチパネルじゃなくてボタンだから、押す回数だって結構あるのに、こう、カチカチカチってな」

88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:22:53.98 ID:jN173XsT0
雛菜「そうなんだ〜。全然わからな〜い」

P「まあ、そうだよな。いまどき、小学生でもスマホ持ってる子いるもんな」

小糸「あ、あの!」

P「どうした? 小糸」

小糸「プロデューサーさんは、高校生の頃……好きな人とかいたんですか?」

雛菜「やは〜それ気になる〜」

小糸「もしかして、か、かかっ、彼女、とか、いました?」

P「それは……」


1.彼女がいたと答える。
2.彼女がいなかったと答える。
3.気になってる子はいたと答える。

選択肢↓1
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 01:23:57.08 ID:ht50ho6Ro
3
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:49:52.72 ID:jN173XsT0
P「気になってる子は、いたよ」

小糸「ど、どんな子か、聞いてもいいですか」

P「うーん、そうだなぁ」

P「というか、あまり思い出せないんだよな。これが」

小糸「そ、そうですか……」

P「どうも高校時代とかその辺がな……」

雛菜「ガラケーの話とか、あんなに覚えてたのに〜?」

P「あ、確かに。それもそうだな」

P「余計に不思議だ……」

小糸「いえ、無理に聞こうってわけじゃないですし、わたしこそ変なこと聞いちゃってごめんなさい」

P「いや、いいんだよ。こうして楽しく話せてるわけだからな」

P「逆に聞くけど、小糸や雛菜はどうなんだ? その、学校で、異性とかいるだろうけど」

小糸「ぴゃっ!? わ、わわ、わたしですか……?」

P「やっぱりそういうお年頃なのかなって」

小糸「そもそも、アイドルに恋愛はご法度じゃないですかっ」

P「まあ、そうだけどさ」

P「それこそ、気にするのは自由なわけだし、何も好きな人がいちゃいけないなんて言ってないぞ?」

P「付き合うのは、確かにアイドルとしては問題あるけどな」

雛菜「雛菜はそういうの、よくわかんな〜い」

P「そうなのか?」

雛菜「雛菜は雛菜がしあわせ〜であればいいの」

P「はは、雛菜らしいな」

小糸「わ、わたしは……」

小糸「き、ききき、きっ、気になる、人、なら、います……//////」

小糸「あ、あうっ……」

雛菜「やは〜小糸ちゃん顔真っ赤だね〜。かわい〜」

P「どんな人なんだ?」

小糸「そっ、それは秘密ですよ!」

P「お、そうか。まあ、無理に聞こうってんじゃないからさ」

P「みんな楽しそうな高校生活ってとこなのかね」

雛菜「だね〜」

小糸「うぅ……」
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:52:05.60 ID:jN173XsT0
P「おっ、やべっ、もうこんな時間か」

P「それじゃあ、俺は戻るから。お前ら午後も頑張れよ!」

雛菜「うん、がんばるね〜」

小糸「お仕事頑張ってくださいね!」

透「あ、行っちゃった……」

円香「……」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:53:32.49 ID:jN173XsT0
P(昼休みはnoctchillのレッスンを観に行って、小糸と雛菜と一緒に昼飯を食べた)

P(高校時代に思いを馳せるなんて、それこそ思いもしなかったな)

P(……よし、楽しく過ごせたぞ)

P(って、俺に言ってどうするんだろうな)

P(……仕事するか)
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 01:56:58.05 ID:jN173XsT0
P(もう少しであいつらも帰って来る頃だな)

ヴーッヴーッ

P「……? LINEか」

P「透から、だな」


透『いまそっちに向かうとこ』

透『このあと』

透『みんなが解散したあと、時間ある?』

透『よかったら、話したい』

透『他のみんなには内緒で』


P(何か込み入った事情があるのか?)

P(他のみんな……っていうのはnoctchillのメンバーのこと、だよな)

P(どう返信したものか……)

P(あの3人を撒くんだよな)

P「……」

ガチャ

P(え、もう来たのか?)

P(ど、どうしよう)

小糸「お疲れ様です!」

P「あ、あぁ、小糸か……お疲れ」

小糸「プロデューサーさん、もしかして疲れてますか?」

P「え? あ、いや、そういうわけじゃないぞ。気にしないでくれ」

小糸「それならいいんですけど……」

小糸「あ、あの!」

小糸「このあと、時間、ありますか?」

P「へ?」

小糸「プロデューサーさんに……その、相談したいことがあるんです」

P(こ、これは……)


1.透に応える。
2.小糸に応える。
3.2人とも断る。

選択肢↓3

(とりあえずここまで)
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 02:22:53.88 ID:B0JhdQqDO
2

小糸ルートですな
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 02:59:06.98 ID:LoD+LTrEo
2
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 06:47:36.16 ID:lOi7bHqz0
2
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 11:51:51.04 ID:iv8a+1sQO
P(透には悪いが、ここは小糸に応えることにしよう)

P「ああ、時間ならあるぞ」

小糸「わ、わかりました。それじゃ、わたしは事務所に残りますね」

P(透に連絡しておこう)

P『すまない。別件があるから、今日は無理だ』

P『またの機会に埋め合わせするから、堪忍な』

P(これで、よし……)
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 11:57:28.64 ID:iv8a+1sQO
P(その後、noctchillの全員が事務所に帰ってきて――)


透「プロデューサー」

P「あ、ああ、おかえり、透」

透「また今度、ね」

P「すまん。頼む」

透「……うん。いいよ、別に」

透「それじゃ、私は帰るから」

円香「では、私もこれで」

雛菜「やは〜私も透先輩と帰る〜」

雛菜「あれ〜? 小糸ちゃんは帰らないの〜?」

小糸「う、うん! わたしは用事があるから、ここに残るね」

雛菜「そっか〜、じゃあね〜。ばいば〜い」フリフリ

小糸「みんな! ……ま、まま、またね!」

透「もしかして別件って……」ボソッ

小糸「透ちゃん……?」

透「ううん。なんでもない。帰ろ」

雛菜「うん〜〜〜〜???」
円香「……」


P(――という感じで、今に至る)

P(今は、事務所には俺と小糸の2人だけだ。はづきさんはもうあがっているし)

P(社長は、今日一日仕事で席を外している)

P(さて……)

小糸「プロデューサーさん!」

P「うぉわっ!」

小糸「ぴゃぅ!! ご、ごめんなさい。驚きましたか?」

P「いや……大丈夫」

小糸「それで……あの……」

P「そうだ、話があるんだよな」

P「遠慮せずに言ってくれ」
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:11:18.68 ID:iv8a+1sQO
P「え? 俺のオフ?」

小糸「は、はいっ。次はいつなのかなって」

P(小糸の相談……なんだよな?)

P「次の日曜とかは休みだけど」

小糸「それなら……」

小糸「わ、わわ、わたしと……!」

小糸「でっ、で、で……」

P「?」

小糸「でー、……〜〜ディズニーランドに!」

小糸「……行って、欲しいなって」

P「お、おう……」

小糸「ごめんなさい。迷惑ですよね」

小糸「プロデューサーさんだって、疲れてるのに」

小糸「連れ回すようなこと……」

P「い、いや、迷惑なんてことはないぞ」

P「小糸がわがまま言うのは珍しいと思ってな」

小糸「ぴゃっ、や、やっぱりわがまま……ですよね」

P「はは、いつも人一倍努力して頑張ってるんだ。それくらいいいよ」

P「むしろ、小糸のそういう一面がわかって安心した」

P「俺の方こそ、小糸には無理をさせてないか心配があったからな」
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:18:23.04 ID:iv8a+1sQO
P「……行こうか。じゃあ」

小糸「えっ、いいんですか?」パァッ

P「普段頑張ってる小糸へのご褒美だ」

小糸「や、やった! ありがとうございます! プロデューサーさん」

小糸「で、でも、あれですよね。もうアイドルだし、変装とかしないと駄目ですよね! 任せてください!」

P「いや、小糸はちっちゃいしわからないだろ」

小糸「〜〜〜っ! もう!」

小糸「そんなこと言うプロデューサーさんなんて嫌いです!」

P「ははっ、小糸に嫌われるのは辛いな」

小糸「えっ……いや」

小糸「……うそだもん」ボソッ
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:26:17.36 ID:iv8a+1sQO
〜夢と魔法の王国〜

P「いやぁ、久しぶりすぎるな」

P「学生の時以来……いや、それも高校の時か?」

小糸「わたしも久しぶりです。ずっとお勉強ばっかりだったから」

P「そうか。じゃあ、今日は楽しまないとな」

小糸「は、はい! よろしくお願いしますね、プロデューサーさん!」
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:30:47.34 ID:iv8a+1sQO
P「ファストパスとかうまくやれば結構乗れるもんだな」

P「感覚を取り戻してきた」

小糸「プロデューサーさんは、結構ここには来てたんですか?」

P「小さい頃はしょっちゅう来てた気がするけど……成長するとともに頻度が、な」

P「ずっと好きで通い続けてるような人もいるらしいけどな」

小糸「そ、そうなんですか」

小糸「あ、そろそろお昼ご飯食べませんか? あそことかで」

P「そうだな。そうしようか」
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:34:54.97 ID:iv8a+1sQO
P「お、小糸の頼んだやつ、うまそうだな」

小糸「食べたいんですか?」

P「え? いや、悪いよ。俺なんかより成長期の小糸が食べた方が良いだろ」

小糸「成長期……」

小糸「……」

小糸 チンマリ

小糸「ぴゃぅ」

P「わ、わるい、下手すりゃセクハラだよな今のは」

P「すまん」

小糸「い、いいんです……」
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:42:10.76 ID:iv8a+1sQO
小糸「……あ」

小糸「でも……あげちゃいます!」

小糸「はいっ、プロデューサーさん」

P(こ、これは……)

P(いわゆる、「あーん」というやつ!)

P「あ、あーん」パクッ

小糸「あ、食べてくれた……」

P「うん」モキュモキュ

P「……」ゴクッ

P「うまい」

小糸「えへへ」

小糸「プロデューサーさんはわたしがいないとだめだめですもん!」

小糸「だから食べさせてあげますね」

P「全部そうする気か!?」

P(小糸に飼われるという生活……)

P(あ、アリ……なのか?)
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:48:08.87 ID:iv8a+1sQO
P「食った食った」

小糸「そうですね! わたしもおなかいっぱいです」

P「あ」

小糸「?」

P「あそこのカップル、キスしてんなって」

小糸「ぴゃ!? き、きき、キスですかぁ?」

P「ほら、あそこ」

小糸「み、見ちゃだめですって」

P「それもそうか」

P「高校生くらいかなあの子たちは」

P「はは、青春ってやつだ」

小糸「……」
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 12:52:48.59 ID:iv8a+1sQO
小糸「プロデューサーさんは」

P「?」

小糸「いま、彼女さんとか……いるんですか?」

P「え? いないよ。仕事が恋人になりつつあるな」

P「まあ、その仕事が楽しいから、いいんだけどさ」

小糸「じゃあ、いない……んですよね?」

P「そうだよ」

小糸「……、よかった」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:10:32.90 ID:iv8a+1sQO
小糸「わあっ! パレード!」

小糸「綺麗ですね! プロデューサーさん!」

P「そうだな。小さい頃は見るの好きだったけど、いつのまにかパレードの時間はアトラクションが空く時間っていう認識になっちゃったしな」

小糸「むっ!」

小糸「それって、わたしが小さい子みたいってことですか?」

P「あ、いや、そういうつもりじゃないよ」

小糸「えへへ、冗談ですっ」

小糸「……」

P「……」

P「綺麗、だな」

小糸「はい」

P「夢と魔法とは……あながち嘘じゃないのかもな」

小糸「プロデューサーさんは」

P「?」

小糸「プロデューサーさんは、わたしに……わたしたちに、夢を見せてくれました」

小糸「アイドルという夢」

小糸「こんなに楽しくていいのかなって、なっちゃうくらい」

小糸「でも……夢は、いつか覚めちゃいますよね」

小糸「プロデューサーさんの、プロデュースっていう魔法が解けたらやだな……」

小糸「って思っちゃいました」

108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:13:35.07 ID:iv8a+1sQO
ミナサマ、トーキョーディズニーランドハヘイエンジカントナリマシタ

P「もうそんな時間か」

小糸「すっかり遅くなっちゃいましたね」

小糸「でも、最後まで楽しめました!」

P「ああ、そうだな」

P「……帰ろうか」

小糸「っ、そうですね」
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:18:57.25 ID:iv8a+1sQO
P「……」トコトコ

小糸「……」テテテテ

P「……」トコトコ

小糸「……」テテテテ

P(か、会話が……)

P(閉園時間になると知るやいなや、小糸のテンションは下がっていく一方のように思える)

P(もっとここにいたかったのかな)

小糸「ぷ、プロデューサーさん、歩くの、ちょっと早いです」

P「あ、すまん。早歩きになっちまってたか」ピタッ

小糸 テテテテ

小糸「えいっ、へへ、追いつきました」

小糸「……」

小糸「もうすぐ出口ですね」

P「あ、ああ……」

小糸「……」

小糸「しゃ、写真!」

小糸「写真撮りましょう! プロデューサーさん」
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:26:09.45 ID:iv8a+1sQO
小糸「ここがいいです!」

P「お、いい感じだな」

小糸「ここに乗れば……っしょっと!」

小糸「えへへ、プロデューサーさんと同じ目線です」

P「小糸が急に大きくなった」

小糸「これで小さい子とは言わせませんよ!」

P「それはごめんって、ほんと」

小糸「撮りましょうか」

カシャ

小糸「……グスッ」

小糸「プロデューサーさんっ、ちょっとこっち向いてください!」

P「え?」クルッ


チュッ


P「」

小糸「グズッ……夢なら、覚めないでほしいなって」

小糸「魔法なら、とけないでほしいなって」

小糸「こ、こうすれば、大丈夫かなって」

小糸「……」

小糸「わたしは……」

小糸「うっ…… グズッ、ぷ、プロデューサーさんのことが」

小糸「だいすきです」
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:31:54.40 ID:iv8a+1sQO
P(あれから……)


小糸『お返事は、いまはいいです』

小糸『アイドルにこんなこと……許されませんよね』

小糸『だから、いまはいいです』

小糸『……』

小糸『嘘です。本当は……』

小糸『本当は、プロデューサーさんの返事を聞くのが怖いだけ』

小糸『でも、いま聞いたら、だめになっちゃうかもしれないから』

小糸『……』

小糸『気持ちを伝えられてよかったです』


P(というわけで、小糸の気持ちを知ったまま、保留ということになった)
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:34:36.16 ID:iv8a+1sQO
〜某市街地、雑誌の撮影〜

P「透は雑誌の仕事増えたよなー」

透「ふふっ、イェーイ」

P「俺が仕事とって来なくてもオファーくるんだもんなぁ」

透「ねえ、プロデューサー」

P「なんだ?」

透「撮影終わったらさ、あそこ、いきたい」

P「あそこって?」

透「ほら、さっき通りすがりに見かけた公園」

P「あぁ、ジャングルジムのあったところな」

透「……そう。行きたいな」

P「わかった。じゃあ、撮影が終わったら行こう」

透「うん」
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:37:07.41 ID:iv8a+1sQO
撮影後。

P「ジャングルジムは……」

透「……使用禁止、って書いてあるね」

P「危険だから撤去するってことなのかな」

透「……」

P「登りたかったか?」

透「うん……」

P「それは、残念だったな」

P「まあ、でも、せっかく来たんだ。いい天気だし、そこのベンチに座ってゆっくり休まないか?」

P「あれなら、アイス買ってこようか? すぐそこにコンビニあるし」

透「……一番美味しそうなやつ」

P「え?」

透「アイス。そのコンビニで一番美味しそうなやつ買ってきて。それ食べたい」

P「……俺の感覚で選んじゃっていいのか?」

透「いいから。早く買ってきて」

P「わかった」
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:40:26.75 ID:iv8a+1sQO
P「おまたせ」

透「一番美味しそうなやつは?」

P「お望みどおり、ほれ」

透「……ハーゲンダッツ」

P「これなら喜ぶかなって」

P「安直かとも思ったんだがな」

透「ううん。ありがと、プロデューサー」

透「プロデューサーに感謝しながら食べる」

P「俺が作ったわけじゃないけどな」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/10(金) 13:48:31.93 ID:iv8a+1sQO
透「小糸ちゃん」

P「?」

透「小糸ちゃん、最近いきいきしてる」

P「それは透もだろう」

透「そういうことじゃなくて、さ」

透「前は無理してるって感じ、あったけど。いまは楽しそう」

P「……」

P「小糸は……頑張りすぎているほどに頑張ってるんだよ」

P「他の3人の実力を知ってるから。仲間外れにならないようにってさ」

P「でも、いまは、迷いなく自分が上を目指すために頑張れてる。良い傾向だよ」

透「なんていうか」

透「なんで小糸ちゃんは変われたのかなって」

透「まるで、見てほしい人がいるみたいな」

P「それは……、noctchillのファンとかか?」

透「それもそうだけど」

透「他にいる気がする」

P「……そう、なのか?」

透「うん。私の勘」

P「……」

P「お前ら4人は付き合い長いから……妙に信憑性があるなそれは」
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 14:07:26.98 ID:jN173XsT0
透「はあ……」

P「どうした。でっかいため息なんてついて」

透「んー」

透「ジャングルジム、登りたいなって」

P「使用禁止だしそれは……」

透「でも登っちゃう」

透「よいしょっと」

P「……」

透「……」

透「「てっぺん」、目指したくて」

透「今はまだ、登ってる途中だけど」

透「目が覚めないうちに、登りたい」

透「それで、もう一度一緒に……」

P「透?」

透「ねえ、プロデューサー」

P「なんだ?」

P(壊れるかもしれないし危ないぞ――)

P(――と心のなかでは思ったが、なぜかそれが口に出せない)

P(透の綺麗な顔立ちから、目が離せない。透の視線から、逃れられない)

P(捕獲されたような、そんな感じ)

透「思い出して欲しいんだ」

P(切望するような眼差しに釘付けになる)

透「一緒に、登ってくれる?」

P「俺みたいな大人が登るのは……」

透「そういうことじゃなくて、ね?」

透「……答えて」

P「……」


1.「それはできない。できないよ、透」
2.「……もう撤去されちゃうし、登るか」
3.沈黙。

選択肢↓2
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 14:22:38.16 ID:cRsK0vQMO
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 14:44:24.09 ID:9qoAu7YZo
2
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 18:44:41.24 ID:jN173XsT0
P「……もう撤去されちゃうし、登るか」

P「遊具も遊んでもらったほうが嬉しいだろ」

透「……やった」

P「近くで見ると結構大きいんだな、このジャングルジム」

P「てっぺんでの景色には期待できそうだ」

P「よい、しょっと……」

透「……」

P「どうした? やっぱり登るのやめるか?」

透 フルフル

P「ま、俺は登っちまうけどな」

P「透が登らないとしても、代わりに景色を見てきてやる」


P『俺が、行くからさ!』


P「っ!」

P「……いまのって」

カンッカンッ

P「あ、おい、透!」

透「なにしてるの、プロデューサー」

透「登らないなんて、言ってないから」

透「置いていっちゃうよ」

P「……ははっ」

P「待てよ、俺も行くからさ」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 18:54:52.75 ID:jN173XsT0
P「ふぅ」

透「なんか」

透「普通だね。景色」

P「まったくな」

P「確かに普段とは違う目線の高さだけど、まあ、それだけって感じだ」

P「……まあ、でも」

P「登ってよかった」

透「!」

透「うん。私も、そう思う」

透「これが、てっぺんなんだ」

透「登れたんだ、私」

P「でも、夢なんかじゃないぞ」

P「夢はいつか覚めるものだけど」

P「これは現実だ。俺たちが生きてる人生なんだよ」

P「だから、消えてなくなりなんてしないさ」

P「透、言ってたよな」

P「登っても登ってもてっぺんに着かないって」

透「……!」

P「人生でもさ、登り続けるジャングルジムはあるんだよ」

P「でもそれは、てっぺんがないんじゃなくて」

P「てっぺんがたくさんあるだけなんだ」

P「1つてっぺんにたどり着けば、そこをスタートにした別のてっぺんがある」

P「WINGはゴールであると同時にスタートでもある」

P「目的はあるところから先で手段にもなる」

P「そういうことなんだ」

透「プロデューサー……」

P「俺は、そんなジャングルジムを登るお前らについて行って、支えてやるのが仕事なんだよ」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 18:59:51.71 ID:jN173XsT0
P「あのときから何も変わってないさ」

P「一緒に登っていこう」

透「うん……、グスッ」

透「思い出してくれたんだ」

P「少し時間がかかっちまったけどな」

透「グスッ……ほんと、待たせすぎ」

透「でも、嬉しいな――」


透「――僕」


P「そうだよな。あのときはそうやって言ってた」

透「こういうキャラでいってみる?」

P「そうしたいのか?」

透「……いや、いいよ」

透「大切にしておきたいんだ」

透「僕と、プロデューサーの、2人だけの秘密ってことで」

P「はは、そうか」

P「じゃあ、そういうことで」

透「うん」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:02:10.30 ID:jN173XsT0
透「でも、あれだね」

透「プロデューサーは、私1人と登ってくれるわけじゃないんだよね」

P「?」

透「いいよ、別に」

透「まあ、そういうこともあるか」

透「これからも、noctchillをよろしくね」

P「おう、任せとけ」
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:06:17.68 ID:jN173XsT0
数年後。

P(noctchillは、グループとしての活動を継続しているものの、高校卒業を期に各々がソロで動くことが増えていった)

P(皆、大学に進学した)

P(特に、小糸は芸能活動と勉強を両立して、都内の有名な大学に進学できた)

P(いまは、クイズ番組に出ないことはないくらいの、インテリ系アイドルとして、小糸はテレビに出演している)

P(そして……)
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:13:13.39 ID:jN173XsT0
〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」カチッ

P「……」

P「……まだ5分寝れるだろ」

P「zzzZZZ」


「――て、あ――すよ!」

P「んぅぅ、うるさい……」

「おこ――すよ! も――」

バサアッ

P「うわっ!」

「もう! 二度寝しちゃ駄目です! 朝なんですから――」

小糸「――起きてください! Pさん!」

P「布団はがさないでくれよ〜」

小糸「布団返しちゃったらまた寝ちゃうじゃないですか〜!」

小糸「朝ごはん、せっかく作ったのに冷めちゃいます!」

P「わ、わかった……起きるよ」

小糸「そ、それでいいんです!」

小糸「わたしがいないとだめだめですね! Pさんは」
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:16:56.84 ID:jN173XsT0
P「……」モキュモキュ

P「……」ゴクッ

P「……」

P「小糸もそろそろ4年生か」

小糸「そ、そうですけど……」

P「進路はどうするんだ?」

小糸「Pさん……な、なんだかお父さんみたいです」

P「まあおじさんではあるからな」

小糸「……まだまだかっこいいですよ」ボソッ

P「ありがとう」

小糸「ぴゃっ!? そそ、そこは聞き流してくれればいいんです!」

P「そういうもんか」

小糸「そうですよ」
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:23:45.31 ID:jN173XsT0
小糸「とりあえず……いまのお仕事が続けられたらなって」

P「そうか」

P「それなら、いままでどおり俺も小糸のプロデューサーとして頑張るよ」

小糸「そ、それから……」

小糸「うぅ」

P「どうした? 腹でも痛いか?」

小糸「ち、違います!」

P「体調管理には気をつけろよ」

小糸「わかってますよ。Pさんこそ、外食は控えてください!」

小糸「Pさんの体に何かあったら……わ、わたし……泣いちゃいますよ!」

P「ごめんって。気をつけるから。な?」ナデナデ

小糸「ふわぁっ……って、ごまかされませんよ!」

小糸「この前Pさんのお財布にラーメン屋さんのレシートがたくさん入ってました!」

小糸「ご、ごはんならわたしが頑張って作りますから……その」

小糸「もう少し、わたしのことも考えてください」

P「小糸をないがしろにしてたわけじゃないんだ」

P「ごめん。ちゃんと気をつける」

P「その代わり、小糸に何か作ってもらおうかな」

小糸「!」パァッ

小糸「ま、任せてください! 余裕です!」

P「ありがとう、小糸」
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:33:16.78 ID:jN173XsT0
P「ごちそうさまでした」

小糸「ごちそうさまでした!」

小糸「わたし食器洗っちゃうので、Pさんはお仕度しててください」

P「あ、ああ……」

P(テキパキと家事をこなす小糸を見て)

P(なぜか、自然と言葉に出た)

P「結婚しようか」

小糸「ぴゃい!? い、いま、なんて」

P「え、あ」

P「本音がつい、な?」

小糸「も、もも、もう一度お願いします」

P「ああ」

P「結婚してくれ、小糸」

小糸「っ!!」

小糸「Pさんっ!」ダキッ

P「うおっ」

小糸「わたし……わたし……」グスッ

小糸「……い、いいんですね? もう逃げられませんよ!」

P「逃げないよ」

P「ずっと、小糸のそばにいるさ」

小糸「わたし、ずっと不安だったんです」

小糸「プロデューサーさんには……Pさんには気持ちを伝えたけど、それでよかったのかなって」

小糸「でも、Pさんが好きで好きで仕方なくて……!」

小糸「こんな、お家に通っちゃったりなんかして……」

小糸「都合のっ、ズビッ……良い、おんなだって……思われたらどうしようって……」

小糸「ずっと泣いてて……」

小糸「もう、安心していいんですよね」

P「もちろんだ」

P「小糸は普段から言ってるだろう? 俺は小糸がいないとだめだめだって」

P「その通りだよ」

P「俺には、小糸がいないと駄目なんだ」

小糸「〜〜〜〜!」

小糸「かっ、顔!」

小糸「いまわたしの顔見ちゃ駄目です!」

P「な、なんでだよ」

小糸「嬉しすぎて変な顔してます!」

P「余計に見たくなってきたんだが」

小糸「だ、駄目ですってば〜!」
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:40:27.47 ID:jN173XsT0
小糸「あ、でも」

小糸「アイドル、引退しないといけないんですかね」

P「あ、その辺考えてなかった……」

小糸「もうっ、嬉しいですけど、そこは考えてくださいよ! ……えへへっ」

小糸「“プロデューサーさん!”」


P「それじゃ、仕事行ってくるから」

小糸「はい! わたしは2限があるので、合鍵で閉めておきますね」

P「ああ、頼んだ」

小糸 ニコニコ

P「はは、嬉しそうだな、小糸」ナデナデ

小糸「こ、子ども扱いしないでください!」

P「いいじゃないか。俺は嬉しいよ、そういう小糸がそばにいてくれて」

小糸「あぅ……そういうことを言うのは反則だと思います……」

P「じゃ、行ってきます」

小糸「……」

小糸「ま、待って!」

P「え?」クルッ


チュッ


小糸「えへへ、いってらっしゃいってことです!」

小糸「それから……」

小糸「……帰ってきたら、つづき、しましょう」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:41:06.83 ID:jN173XsT0
END.
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:42:31.95 ID:jN173XsT0
福丸小糸のエンディングが1つクリアされました。

市川雛菜に関するエンディングに行くための条件が1つクリアされました(残り2つ)。

冒頭に戻ります。
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/10(金) 19:43:24.96 ID:jN173XsT0
〜Pの自宅〜

ピピピピッ、ピピピピッ、ピピピピ……

P「……っ」

P「……朝か」


P「いってきます。……って、まあ一人暮らしなんだけどな」

P「よし! 今日も一日頑張るか!」


〜駅前〜

P(事務所まであと少しだが……)

P「っ、暑いな、まったく……」

P「そうだ」


1.我慢できん……とりあえずコンビニに入ろう。
2.急いで事務所に行けばクーラーの効いた部屋が待っている!
3. 路地を歩けば涼しいかな……?

選択肢↓2

(一旦ここまで)
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 19:45:55.25 ID:+cWtowAK0
たんおつ

kskst
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 19:47:24.29 ID:9qoAu7YZo
1
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 20:51:12.16 ID:LoD+LTrEo
一旦乙ー
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/10(金) 20:55:57.43 ID:+cWtowAK0
おつ
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/11(土) 01:30:42.06 ID:4hSbKonO0
P(我慢できん……とりあえずコンビニに入ろう)

P(飲み物買いたいしな)
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/11(土) 01:34:19.29 ID:4hSbKonO0
〜駅前のコンビニ〜

P「ふぃ〜〜〜」

P(き、キンキンに冷えてやがるっ・・・・・・・・!)

P(コンビニは都会の避暑地だよなぁ)

P(まあ、長居すると体調が悪くなりそうな、それくらいの寒さだ)

P(さて……飲み物飲み物っと……)

「あ」

P「あ」

透「プロデューサーだ」

P「透もコンビニに来てたのか」

透「うん。飲み物、買いたくてさ」

P「奇遇だな。俺もなんだよ」

透「気が合うね」

P「だな」
138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/11(土) 01:46:07.72 ID:4hSbKonO0
P「よし、特茶……君に決めた!」パシッ

透「おじさんくさいね」

P「健康を大切にしてると言ってくれ」

P「こんな暑い日には、なんか燃える気がするんだよ」

透「燃えるの?」

P「ああ、脂肪とかな」

透「ふふっ、なんかプロデューサー、車みたい」

P「車?」

透「だって、油燃やして動いてるじゃん」

P「いや、どちらかと言えば動いてるから油が燃えてる感じなんだがな」

P「……透は何を買うんだ?」

透「私はね、これ」

P「アイスコーヒー?」

透「アイドルデビューの次は、コーヒーデビュー」

P「コーヒーなら事務所で淹れてやるのに」

透「熱いの、苦手なんだ」

P「あ……だから、アイスコーヒーなのか」

透「そういうこと」

P「よし、じゃあ買うか」

透「……」

P「どうした?」

透「奢って」

P「……まさか」

透「そ」

透「財布、ないから」

P「前科持ちじゃねーか」

P「それとも、キャッシュレスデビューもしたっていうのか?」

透「んー、そういうのはよくわかんないや」

P「はあ……」

P「まあ、奢ってやるけどさ」

P「渡せよ。買ってくる」

透「ありがと」
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/11(土) 01:51:09.69 ID:4hSbKonO0
P「ほれ、望みの品だ」

透「どうも」

P「お前……俺がコンビニ来なかったらどうするつもりだったんだよ」

透「……」

透「……考えてなかった」

P「マジかよ」

透「プロデューサーが来ると思ってた」

透「それを信じて待ってたとしたら、どう?」

P「……ロマンチックだと?」

透「悪くないでしょ」

P「そういう問題かなぁ」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/11(土) 01:57:25.00 ID:4hSbKonO0
〜事務所〜

P「おはようございます」

透「私が来た」

小糸「あ、おはようございますっ! プロデューサーさんに、透ちゃん!」

円香「おはよう、小糸」

円香「それに……」

円香「……ハァ」

P「さすがにひどくないか?」

円香「まだ何も言ってませんが」

P「言わずとも伝わることってあるんだぞ」

円香「そういう高度なコミュニケーションもとれたんですね。覚えておきます」

P「はいはい。よろしくな」

雛菜「ふわ〜〜、ちょっと寝ちゃってた〜〜〜〜」ムクッ

雛菜「あ! プロデューサーだ〜。おはよ〜」

P「おはよう、雛菜」

雛菜「目が覚めたらプロデューサーに会えるとか、雛菜しあわせ〜」

P「ありがとな」

雛菜「ん〜〜」ゴシゴシ

雛菜「! プロデューサーのとなりに透先輩だ〜」

雛菜「しあわせ〜」

P「……雛菜」

雛菜「な〜に〜?」

P「その、しあわせ〜、に、だな〜、ってつけて言ってみてくれ」

雛菜「しあわせだな〜」

P「……くくっ、よしっ」グッ

透「ふふっ、なにそれ」

P「若大将だよ」

P「さて、特茶飲んで仕事すっか」
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/11(土) 02:03:36.04 ID:4hSbKonO0
透「う〜ん」

P「どうした透。スマホいじりながらうなったりして。ゲームでもしてるのか?」

透「そんなとこ。あっ……」

透「えいっ」

透「ふふっ。まだ、勝負はこれから」

P「なんのゲームか気になるな」

雛菜「マリカーってやつじゃな〜い?」

P「ああ……そういえば流行ってるらしいな」

透「2周目まではあんまりだったけど」

透「ここで……よっ、と。巻き返す」

P「ははっ、白熱してるな」

P「ゲームか……久しくやってないな……」

P「……」

P「……仕事すっか」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/07/11(土) 02:06:32.34 ID:4hSbKonO0
数時間後

P(今日のnoctchillはレッスン漬けだったよな)

P(あいつらのことだから心配しなくてもいいかもしれないけど……)


1.まあでも、様子を見に行くか!
2.仕事で疲れたし昼寝でもしよう。
3.休憩がてらはづきさんと話すか。

選択肢↓2
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/11(土) 02:19:32.71 ID:rgJc7SUyo
2
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/11(土) 02:30:10.65 ID:eUcmsE3t0
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 02:34:01.47 ID:lS5Tx4/IO
P(仕事で疲れたし昼寝でもしよう)

P(体力回復に努めるんだ)

P「……」

P「zzzZZZ」
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 02:45:54.05 ID:lS5Tx4/IO
P「……」ウトウト

P「……はっ!」

P「こっ、ここは……どこだ?」

P「俺は……283プロの事務所で、昼休みだから寝てて……」

P「けど、ここって……」

「のぼってものぼっても……」

P「?」

P「誰か……いるのか?」

「へんなジャングルジム」

「降りれないし、終わらないし」

「長いなーって」

P「君……は?」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 02:55:51.15 ID:lS5Tx4/IO
「……でも、気付いたんだ。『向こう側に誰かいる』って」

「誰かがいて、一緒にのぼってくれる」

「それはねーー」

P「な、なぁ! おい」

「……」

「思い出した?」

P「だ、だからなんの話だって……」

P「ここはどこなんだ?」

P「いや、違うな。場所だけなら覚えてる」

P「たしか……この前透と出会ったバス停……」

P「……」

P「……この前?」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 03:02:41.39 ID:lS5Tx4/IO
P「君……誰なんだ」

P「なんで、君を見ながらここにいると」

P「懐かしい感じがするんだ……?」

「……ついてきて」タタタッ

P「あっ! 待ってくれ」


P「はあっ、はあっ……」

P「こ、ここって……」

P「……公園?」

「あのジャングルジム」

「あれにのぼりたいんだ」

P「ジャングルジム……」

「「てっぺん」目指したいんだ」

「一緒に行ってくれる?」

P「……わかった」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 03:11:15.17 ID:lS5Tx4/IO
P「っしょ、よっ、と」

「んしょ、んしょ……」

P(なんだこのジャングルジム……本当に変だぞ?)

P(なんで登り続けてるのに、一番上に着かないんだ?)

「やっぱり、だめなのかな」

「……」

P「どうなってるんだよ、これ」

P「君の言ってたのってこれのことなのか?」

P「降りた方がいいかもな、もう」

「無駄だよ」

「降りれないって、言ったでしょ」

P「……そうだったな」

「ざんねん」

「僕ね、思うんだ」

「このジャングルジムは、2人一緒じゃないとのぼれないって」

P「だから、こうして2人で登ってるだろう」

「ううん。違うよ」

「いまは、各々が1人でのぼってるだけ」

「一緒じゃ、ないから」

「……また、だめなのかな」

「まあ、まだわからないよね」

P「?」

「僕、待ってるから」

「またね」

P「え、あっ、ちょっとーー」
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 03:15:30.27 ID:lS5Tx4/IO
P「ーーまだ話はっ!!」ガバッ

はづき「きゃっ」

はづき「ぷ、プロデューサーさん?」

P「え? あ、……あれ」

P(ゆ、夢か……いや、そりゃそうだよな)

はづき「夢でも見てたんですかー?」

P「ええ、まあ……お恥ずかしい」

はづき「なんか汗かいてますし、悪い夢だったんでしょうか」

P「悪夢ってわけじゃないんですけど……」

P「……」

P「あの子は……」
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 03:21:58.06 ID:lS5Tx4/IO
P(ふらふらと事務所の冷蔵庫の前まで来てしまった)

P(なんとなく何かから逃げたい時とか、気分転換したい時とかに、冷蔵庫を開けに来てしまうのはなんでなんだろう)ガチャ

P(うーん、開けたはいいものの……)


1.冷やされたコーヒーを飲む。
2.プリンを食べる。
3.何もせずにデスクに戻る。

選択肢↓1

(とりあえずここまで)
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/11(土) 03:22:29.88 ID:mMSqbQwzo
2
おつ
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/11(土) 03:53:17.79 ID:LQbp90rDO
プリンに「透」と書いてあるかな?




「智代子」や「甜花」だったりして
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 14:26:08.13 ID:lS5Tx4/IO
P(お、プリンがあるな)

P(疲れた時の糖分補給……仕事の効率も上がるかな)

P(よし、プリンを食べよう)

P モグモグ

P「……」

P「……う、うまいな」

P(高いんじゃないのか? これ)
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 14:33:35.25 ID:lS5Tx4/IO
P(その後、noctchillの全員が事務所に帰ってきて――)


雛菜「あ〜〜〜〜っ!!」

雛菜「ない〜!」

円香「雛菜うるさい。どうしたの」

雛菜「雛菜のプリンが消えちゃった〜」

円香「ああ……あのちょっとお高いやつ」

雛菜「レッスンのあとの楽しみにしてたのに〜」

P(ま、まさか……)

雛菜 グスッ

円香「明日一緒に買いに行ってあげるから」

雛菜「こんなの……しあわせ〜じゃない〜……」

P「……」
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/11(土) 14:37:59.49 ID:nMH5QpQFo
さあどうする
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 14:45:24.17 ID:lS5Tx4/IO
透「プロデューサー」

P「あ、ああ、透か」

透「この後、時間ある?」

透「2人で、話したい」

透「他のみんなには内緒で」

P「この後か……」

P(もう少しで仕事は片付くが……)


1.「わかった。あと少しで仕事終わるから、ちょっと待ってて」(透の誘いに乗る)
2.プリンの恨みが怖いのでこっそり買いに行って今度差し入れる(透の誘いを断る)。
3.透にプリンを食べてしまったことを打ち明けて一緒に買いに行こうと提案する。

選択肢↓2
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/11(土) 15:04:14.69 ID:nMH5QpQFo
3
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/07/11(土) 15:09:11.35 ID:/uOJAJNR0
3
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 15:18:57.01 ID:lS5Tx4/IO
P 「わかった。あと少しで仕事終わるから、ちょっと待っててくれ」

P(透にはプリンの件を打ち明けよう……)

透「うん。わかった」

透「ありがとね」

P「ああ……」
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 15:24:23.57 ID:lS5Tx4/IO
円香「それでは、私は帰りますので」

雛菜「プリン〜……」

円香「それはわかったから。明日ね」

小糸「わ、わたしも帰りますね!」

小糸「あれ? 透ちゃんは帰らないの?」

透「うん。 わたしは用事があるから、ここに残る」

小糸「そ、そっか、じゃあね、透ちゃん」フリフリ

透「またね」

円香「……」

小糸「円香ちゃん……?」

円香「ううん。なんでもない。帰ろ」

P(――という感じで、今に至る)

P(今は、事務所には俺と透の2人だけだ。はづきさんはもうあがっているし)

P(社長は、今日一日仕事で席を外している)

P(さて……)
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 15:29:55.83 ID:lS5Tx4/IO
透「え、雛菜のプリンを?」

P「そうなんだ……」

P「おやつ代わりにな、冷蔵庫にあったから、つい……」

透「名前とか、書いてなかったの」

P「書いてなかった……と思う」

透「そっか」

P「そ、それでな? このままだと悪いと思って……」

透「プロデューサーが買ってあげる、ってこと?」

P「ああ……」

P「それで、一緒に買いに行ってほしいんだ」

P「店がどこかも知らないし、何より俺の感覚で選んで雛菜を余計に悲しませたくないしさ」

透「……」

透「……はあ」

透「もう、プロデューサーはだめだめだね」

P「返す言葉もない……」

透「いいよ、買いに行ってあげる」

P「ほ、本当か!?」

透「でも、忘れてないよね」

透「先約」

P「透は何か話したいことがあるんだよな」

P「わかってる。そのあとでいいんだ」

透「おーけー。プロデューサーがそう言うなら」
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 15:37:01.78 ID:lS5Tx4/IO
P「で、話ってなんなんだ? 透」

透「うん、えっとね」

透「ちょっと、ソロでも活動したいなって、思えてきて」

P「具体的にどういうことをしたいとかってあるのか?」

透「あー……」

透「いや、考えてなかった」

P「それじゃ俺としてもどうしたらいいのかわからないんだが……」

P「もしかして、noctchillのメンバーや仕事に不満があるのか?」

P「あれば遠慮なく言ってくれ」

透「不満……はないと思う」

透「……」

透「「てっぺん」目指したくて」

透「何が大切なのかって、自分なりに考えた」

透「それで、うん」

透「noctchillの目指すてっぺんと、私が目指す「てっぺん」は少し違うなって」

透「もちろん、noctchillが嫌だってわけじゃないんだけど」

透「それ以外の環境が、欲しい」

P「透にとってそれは、ソロでの活動って言うんだな?」

透「そういうこと」
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 15:44:51.48 ID:lS5Tx4/IO
P「……モデル、とかはどうだ?」

P「透はスタイルもいいし、オーラもある。顔立ちも綺麗だし透明感があって惹きつけられる」

P「そういう透の魅力は、静止画で最も発揮されるんじゃないかと思うんだ」

透「私は喋らない方がいいってこと?」

P「わ、悪く捉えればそうなる……」

P(鋭いな、透)

透「んー」

透「プロデューサーは、私がそれで「てっぺん」目指せるって思う?」

P「モデルの頂点か……それははっきり言えば相当険しい道のりだな」

P「やるならタレントとしての要素も込みで売り出していきたいと思う」

P「そこにギャップが生まれるからな。透の場合、良い方向に働くだろう」

P「どうだ?」

透「プロデューサーがそう言うなら、それを信じる」

P「透がどうしたいかも重要なんだぞ? 遠慮しなくていいから、何かあれば言ってくれ」

透「ううん。大丈夫。プロデューサーがそれが良いっていうなら、多分それで正解だから」

透「私はそれで、プロデューサーと目指したい」

透「私たちの「てっぺん」を」

P「? ……まあ、透が良いっていうならそうするんだが」

P「じゃあ、俺もその方向で営業することにするよ」

P「頑張ろうな、透」

透「うんっ」
165 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 15:47:44.51 ID:lS5Tx4/IO
透「あ、それじゃあ後は」

透「プリン、だね」

P「ああ……本当に申し訳ないことをしたよ……」

透「直接謝ればいいんじゃないの?」

P「ぐっ……正論だ」

P「なんていうか、年頃の女の子は何でキレらかわからなくてさ」

P「怖くてその勇気が出ないんだ」

P「ははっ……、情けないおじさんさ、俺は」

透「ふふっ、仕方ないプロデューサー」

透「でも、プロデューサーがそう思うなら、私は黙ってるよ」

透「2人だけの、秘密ね」
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/07/11(土) 16:35:09.27 ID:lS5Tx4/IO
翌朝。

〜事務所〜

P(よし、noctchill全員揃ってるな)

P「お前ら〜、冷蔵庫にプリンあるから、食べていいぞ〜」

雛菜「プリン〜!」テテテテ

雛菜「あ、プロデューサー、もしかして〜」

P ギクッ

雛菜「プリン食べられちゃった雛菜のために買ってきてくれたの〜〜?」

P「っ、そ、そうだよ」

雛菜「あは〜プロデューサーやさし〜」

雛菜「ますます好きになっちゃうかも〜」

P「みんなで仲良く食べてくれ」

円香「……」ジーッ

P ダラダラ

円香「……はぁ」

P「ま、円香も食べていいんだぞ?」

円香「ええ、そうさせてもらいます。ミスター・シーフ」

P(バレてる……)
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