勇者「この物語の結末は、ここにいるみんなが見たいんだ」

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1 :9-twilight [saga]:2020/08/23(日) 20:09:14.79 ID:OZ3j0KHT0
国王「勇者よ、この世界が今どのような状況にあるかは知っておるな?」

勇者「はっ、魔王の脅威に晒されております」

国王「ふむ、そのとおりじゃ。魔王がこの世界を我が物にしようと、多くの魔物を送り込んできておるのじゃ」

勇者「北の方には、魔物の群れに滅ぼされた国もあると聞いています」

国王「そこで、じゃ」

勇者「はっ」

国王「そなたには魔王討伐に向かってほしい」

勇者「陛下のご意向とあらばすぐに出立いたしますが……」

勇者「既に国王軍が魔族と戦ってるのではありませんか?」

国王「それはもちろんじゃ」

国王「しかし、国王軍は国内にいる魔物の群れの相手をするのに手一杯で、魔界に向かう余裕がない」

国王「仮にその余裕があったとしても、国王軍のような大群では、すぐに魔王に発見されてしまう」

国王「勝手の分からぬ魔界で、そのような行軍はあまりに危険が大きいのじゃ」

勇者「なるほど」

国王「そこで、そなたには魔王の討伐に特化した少数精鋭の“暗殺部隊”として魔界に向かってほしいのじゃ」

勇者「お話はよくわかりました。それでは早速出立いたします」

国王「まあ待て」

国王「少数精鋭と言ったであろう。まずは酒場に行って仲間を探すとよい」

勇者「はっ!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1598180954
2 : ◆B6Um3JY876 [saga]:2020/08/23(日) 20:14:45.61 ID:OZ3j0KHT0
やべー久しぶりすぎてトリップの付け方ミスったわ
こうだっけ?
3 : ◆B6Um3JY876 [saga]:2020/08/23(日) 20:16:34.59 ID:OZ3j0KHT0
おお上手くいったかな
続き続き
4 : ◆B6Um3JY876 [saga]:2020/08/23(日) 20:22:26.49 ID:OZ3j0KHT0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

男「どう?」

友「『どう?』と言われてもな。何だこの珍妙な台本は」

男「SSを書いてみたんだ」

友「えすえす? ナチスの親衛隊か何かか?」

男「いや、台本形式の物語でさ……」

男「文芸部所属という陰キャ道まっしぐらの友の忌憚ない感想を聞きたいんだ」

友「何か引っかかる言い方だけど……」

男「まあまあ、細かいことは置いといてさ」

友「文章的には大きく破綻していないと思う」

男「おっ、なかなか好意的だな」

友「ただ、続きを読みたいかといわれれば、完全に“No”だ」

男「あれ? 上げて落とすスタイルですか?」
5 : ◆B6Um3JY876 [saga]:2020/08/23(日) 20:23:48.38 ID:OZ3j0KHT0
友「何が駄目かというと、物語としての力だ」

男「すいません、よくわからないんですが」

友「つまり、この出だしに引き込まれる奴がいるのかという話だ」

男「お、あれですね。『つまり』といっておきながら、要約するどころか長く説明しちゃうタイプですね」

友「そこまで要領を得ない説明をしてないだろうが!」

友「この80年代のRPGの出来損ないみたいな出だしを見せられて、お前は続きを読みたいと思うのか?」

男「これから面白くなる予定なんだってば」

友「それを出だしから読者に伝えなきゃ意味がないんだよ」

男「だけどこれ、勇者が魔王を討伐する物語なんだぞ。国王から依頼を受けるところからはじめないと……」

友「そう思うのは、物語が出来上がっていないからなんだよ」

友「物語の骨格を作ったうえで、『ここは!』というところを序章に持ってくるんだ」

男「でも『ここは!』ってところがどこか分からないぞ」

友「それが原因だよ。まずプロットを作れよ」

男「プロット?」

友「骨格だよ。あらすじだよ。概要だよ」
6 : ◆B6Um3JY876 [saga]:2020/08/23(日) 20:26:48.27 ID:OZ3j0KHT0
(数日後)

男「本日はお忙しい中、SSのプロット説明会にお集まりいただきありがとうございます」

友「……はあ。できたのか?」

男「それでは早速ではありますが、お手元の資料に基き、プロットの説明をさせていただきたいと思います」

友「お、おう」

男「申し遅れましたが私、男と申します。どうぞ宜しくお願い申し上げます」

友「知ってるよ馬鹿!」

男「まず主要登場人物については、1枚目にまとめております。まずは勇者……」

男「さて、物語の概要については、2枚目のA3の資料にまとめております」

友「何だ、この縦軸と横軸に文字がびっしりと書き込まれた表は!?」

男「横軸は時間の経過を表しています。即ち、勇者が魔王討伐の依頼を受ける時点が左端、勇者が魔王を討伐するのが右端となります」

友(お前だって『即ち』といっておきながら、要約するどころか長く説明するタイプじゃねーか)

男「対する縦軸は、主人公である勇者を取り巻く人々の、勇者に対する心情を表しています」
7 : ◆B6Um3JY876 [saga]:2020/08/23(日) 20:27:53.36 ID:OZ3j0KHT0
友「勇者そのものの心ではなく……?」

男「そこです!」

友「???」

男「一般的に、物語は主人公視点で語られがちです」

友「だけどこれ台本形式だろ?」

男「そうです。台本形式だからこそ、主人公以外の登場人物の心情を明確にし、それらと主人公を対比する中で、新たな形の群像劇を描いていくのです」

男「この物語のコンセプトは、通常の物語では曖昧になってしまうところにスポットライトを当て、主人公たちの成長に説得力を与えることにあります」

友「う〜ん……」

男「この物語の概要は以上になりますが、何かご質問等はありますでしょうか?」

友「コンセプトはいいと思うけどさ……」

男「なんか歯切れが悪いけど、問題があれば教えてほしい」

友「……いや、ま、SSの続きを書いてみなよ」
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