【安価コンマ】転生させてみたらこうなった

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23 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/14(月) 23:59:29.23 ID:/RSm/jtY0
>>21
>>2で転生前と表記している。
確認していただこう。

>>22
否、転生後でも記憶は引き継いでいる。
記憶を引き継ぐということは名前、性格、年齢、その他諸々を覚えているということ。
無意味というわけではない。


…どうやら彼は『彼女』に転生したようだ。
『彼女』のことは両親に任せるとして、他にすることはなにがある?
そうだ、あれだ。能力を授けるというやつだ。

しかし魔法の潜在能力値は高い。高すぎるといってもいい。
与えなくても良い気がしてきた。

安価下3まで 何を採用するか不明
1:与えない
2:与える(どんな能力かを表記してほしい)
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 00:02:03.78 ID:dKtbxKjd0
2幸運(コンマ判定等でプラス補正)
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 00:02:39.15 ID:2CmQ7GfT0
2身体能力向上や自己回復能力
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 00:15:11.17 ID:mFKRq9dpO
2
魅力(美貌や他人を惹き付けるオーラ)
27 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 00:47:04.23 ID:ZlucngcM0
幸運、強化&再生、魅力。
……ふむ、なかなか面白いのが揃った。
幸運は先の展開でずっと働くと思うと面白味がなくなりそうだ。
強化&再生は魔法でなんとか出来そうな気がしないでもない。
魅力は女性には嬉しいな。それが原因で何かが起こるかもしれない。


能力:【幸運】
効果:アンラッキー要素を減少させ、ラッキー要素を増大させる。…主人公補正とはこのこと。

能力:【強化&再生】
効果:魔法に頼らずとも物理にも強くなり怪我も一人で治せる。…実質戦闘狂といってもいい。

能力:【魅了】
効果:『彼女』の意志に関わらず誰でも惹き付ける。…家族には効かないなど例外があるとかしないと危険。


書き出してみるとどれも違う意味ですごい。
だからこそ悩ましい。

なので、ここのコンマで決める。
01〜32:幸運
34〜65:強化&再生
67〜98:魅了
ゾロ目:全部のせ
28 : ◆vmfmKqFvN2 [sage saga]:2020/09/15(火) 01:23:23.27 ID:ZlucngcM0
一旦さげ。

主人公補正というのはやっぱりあると思った今日この頃。
では【幸運】を授けよう。
…あと一歩で全部のせだったのか。恐ろしい。

そろそろ『宮前秋人』に視点を移そう。
29 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 01:46:56.83 ID:ZlucngcM0
―― 日本 某病院 ――

僕の人生がそろそろ終わる。
ここに運び込まれてすぐに思ったことだ。

それでも数年は病院で過ごせた。
とても退屈な数年。早く自由に遊びたい。はしゃいでいる子供の声は聞きたくない。
初めの頃は数少ない友人が来てくれた。今はもう来る気配すらない。

親は仕事で来ない。来たとしてもほんの数十分しかいない。
話し相手がいない。僕はますます塞ぎこんだ。

そしてやってきた手術の日。

僕は医師の打つ睡眠薬に身を任せて意識を手放した……。


―― ??? ――

身体が、軽い。嘘のように軽い。
こんなに軽いと自分が自分じゃないみたいだ。

「元気な女の子ですよ、よかったですね」

この口調からすると出産が成功したらしい。

? でもなんで僕は出産の現場にいるんだ?
目を開こうにも瞼が重い。しょうがない。僕の手術はどうなったのか聞いてみよう。

「おぎゃぁ、おぎゃぁ」

……。

「おぎゃぁ、おぎゃぁ」
「とても元気が良い女の子ですね」

……僕、宮前秋人16歳。何故か赤ん坊の声を発しています。
そしてさらに女の子になっていました。意味が分からない。
30 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 01:50:10.38 ID:ZlucngcM0
転生後の家族

安価下3まで
高コンマ:母親の名前、職業
低コンマ:父親の名前、職業
中コンマ:姓
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 01:59:20.27 ID:2CmQ7GfT0
母親:リアナ 賢者
父親:ロウ 魔法剣士
姓:ハイレン
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 02:08:26.89 ID:GtMtTQhqo
母親:マリア 魔法の研究者
父親:ハイネ 聖職者
姓:フレストン
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 05:04:14.03 ID:Hobz6a0b0
母親:ディアーネ、薬草摘み
父親:グスタフ、木こり
姓:スノーフィールド
34 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 12:37:49.53 ID:ZlucngcM0
母親:マリア・ハイレン 魔法の研究者
父親:グスタフ・ハイレン 木こり

二人の魔力値により
!研究者ボーナス発生!
!木こりボーナス発生!

・研究により異世界に影響したもの
全属性魔法の研究は完成済。魔法学園の発達に貢献した。
武具強化の魔法の実用化。

・ハイレン家で管理しているもの
禁忌魔法の研究(ほぼ完成している)。
魔木の取り扱い。
35 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 12:48:37.73 ID:ZlucngcM0
マリア「この子が私たちの……」
「はい。おめでとうございます」

僕を包み込む手は暖かく、心地良い。
たとえ夢だとしても忘れたくない感覚だ。

マリア「産まれる前は人体実験なんて考えてたけど、出来そうにないわ」
「そ、そうしてください!」

…夢であっても母親に言われたくない言葉を聞いてしまった。


―― 数日後 ――

グスタフ「よく頑張った、マリア。俺たちの子を産んでくれてありがとう!」
マリア「どういたしまして。それで? ちゃんと狩ってきてくれた?」
グスタフ「大量だよ! ほらこの魔木(まぎ)! これで娘の寝台を作ると思うと腕が鳴るね!」
マリア「私の設計図通りにしてね。私みたいに魔力暴走なんてのを経験させたくないから」

会話は聞くことしか出来ないけど、僕はとても愛されている。そう感じた。
いつまでもこの夢が続くといいな。
36 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 12:57:57.67 ID:ZlucngcM0
―― さらに数日後 ――

どうやらこれは手術中に見ている夢でなく、現実のようだ。
いつまで経っても僕は赤ん坊のまま。
言葉は話せず、ひたすら泣いて寝る毎日が続いている。

身動きが不自由すぎるから何がどうなっているか分からない。

が、今日、マリア母さんとグスタフ父さんによる娘(僕)の名付けが始まるのは知っている。


安価下3まで
娘(宮前秋人の転生後)の名前案(複数案でも可)
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 13:08:28.17 ID:Nji16kVM0
タリア
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 13:08:32.40 ID:MtpmRN4i0
コスモス
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 13:09:37.81 ID:8egode5DO
エルラ
ルーシー
40 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 13:36:32.70 ID:ZlucngcM0
マリア「タリアなんてどう?」

グスタフ「うーん。コスモスなんてどうだ?」

マリア「それならエルラとか?」

グスタフ「ルーシーもいいな」

長い長い話し合いが続き、最後まで残ったのは…

----
17+40+81 = 138 = 2*3*23
2+3=5 23/3=7...2
----

マリア「タリアとエルラ、どっちが良いかしら」
グスタフ「ここは娘に決めてもらおう。どっちかに反応すれば、それが名前。いい?」
マリア「ええ」

二人は交互に名前を呼び、僕の反応を待っている。

僕が呼びかけに応えたのは…、
安価多数決 先に2票
1:タリア
2:エルラ
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 13:42:55.76 ID:yo8ax5B9O
1

もうちょいサクサク進めていかないとダレそう
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 13:50:35.69 ID:8egode5DO
1
43 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 14:56:08.58 ID:ZlucngcM0
マリア「タリアに反応したわ!」
グスタフ「よし、今からタリア・ハイレンだ!」

こうして僕はタリアとして生きていくことになった。

マリア「成長促進魔法でも使っちゃおうかしら」
グスタフ「それは一応禁忌魔法だろう。タリアを成長させるのは俺たちの使命だ」
マリア「冗談よ」


―― 5年後 ――

言葉の読み書きと発声が出来るようになって確信したことがある。

魔法があるということ。
それだけで僕の心はウキウキだった。退屈な病院で漫画を読んで魔法が使えたらと思ったことが何度もある。

そしたら両親は魔法適正がとてもあると評判高いときた。僕は二人の子供として注目されている。
嬉しいことだけど、正直恥ずかしいし目立ちたくない。

話は変わるが、ハイレン家は山の中にある豪邸で周囲を結界で護っているらしい。
マリア母さんは禁忌とされる魔法の研究資料を保管しているらしく、奪われないようにするためだとか。

グスタフ父さんは『魔木』と呼ばれる魔力を宿した木の伐採免許を持っている。
魔木の生態は未だに謎が多く、人を襲ったという事例もある。
それにより、勝手に魔木を伐採することは禁止されている。何もしなければ無害らしい。
44 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 15:01:40.43 ID:ZlucngcM0
マリア「ちょっときて〜」
タリア「はーい」

母さんに呼ばれてリビングに行く。
魔法関連の道具がたくさんある。むやみに触ると怒られるので見るだけにしている。
そんな魔道具がひとつ、母さんのそばに置いてある。水晶玉だ。

マリア「タリアももう五歳。魔法学園入学の際に魔力の測定をするのだけど、待ちきれないのよね」
グスタフ「俺もだ。可愛いタリアの素質を誰よりも早く知る権利は俺たちにある」
タリア「で、でもパパ、ボクだけ先に知るのは不公平じゃないかな…」

話から察するにあの水晶は魔力を測定する道具らしい。
手をかざせば、とかそういうのだろう。
ちなみにグスタフ父さんをパパと呼んでいるのは、それが夢、と聞いたから。

マリア「ね、お願い」
グスタフ「そこに手を置くだけでいいんだ」

僕の言うことなどお構いなしに促してくる。

タリア「ダメだよ。ちゃんと入学式に来て」
グスタフ「タリア……お願い」
タリア「はぁ。ダメだったら」
45 :夜まで落ちます ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 15:06:12.64 ID:ZlucngcM0
魔法学園、この世界の子供は一度はこの入学式に参加することになっている。

魔力適正が無い、もしくは低すぎる子供は普通の学園(僕の世界でいう学校)に通うことになる。

適正のある子供は魔法学園か学校かどちらかを選ぶことができる。
大半は魔法学園を選ぶと聞いた。僕もそうする。

タリア「ボクにも適正あるのかな」
マリア「私たちのタリアなのよ。あるに決まってるわ。魔法の特訓一緒にする?」
グスタフ「いやいや、魔法を使うには健全な肉体が必要だ。特訓なら身体から!」


安価下2
1:マリア母さんから魔法の特訓
2:グスタフ父さんから武術の特訓
3:二人に隠れて水晶に触る
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 15:10:09.31 ID:X6o9COl+O
1
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 15:12:47.13 ID:r1D5UYoU0
1
48 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 21:08:20.12 ID:ZlucngcM0
タリア「魔法に興味あるから、マリア母さんお願い」
マリア「任せなさい」
グスタフ「むぅ。ちゃんと基礎の基礎から教えるんだぞ」
マリア「言われなくても。そこが出来ないと応用なんて無理だもの」

グスタフ父さんは庭に出ると斧を取り出して素振りをし始めた。

マリア「さて、実際は健全な肉体じゃなくても魔法は使えるわ」

唐突に説明が始まるった。
マリア母さんは研究者の立場上、こういうのが上手だと僕は思う。

マリア「病弱な人たちと健康な人たちの魔力値測定をしたところ、大きな差はなかった。このことから健全な身体イコール魔法使いにはなりません」

しかし脱線するのが悪いクセだと思う。

マリア「病弱な人でも魔力が高い人はいるし、健康な人でも魔力がない人はいます。いいですか?」
タリア「うん。でも聞きたいのはそういうことじゃなくて…」
マリア「…パパが筋トレをする理由ですか?」
タリア「気になるけど、今は魔法のことを教えて…」
49 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 21:10:01.51 ID:ZlucngcM0
マリア「そうですね。教えるにはタリアの魔力がどれほどなものかを知っておきたいのですが」
タリア「学園で結果を見てみたいから、簡単な魔法を教えて!」

マリア「うーん。それなら『術式魔法』にしましょう」
タリア「術式?」
マリア「分かりやすく言うなら魔法陣を描いて任意のタイミングで発動させる魔法です」

マリア母さんが席を離れる。戻ってきたときには折り紙とペンを持っていた。

マリア「これで実践します。よく見ててくださいね」

言葉通り、折り紙に注目する。何を描くのかしっかりと見ておきたい。
紙に円が描かれる。直径10センチぐらいの円だ。

マリア「先にみっつ教えておきます。まず、円の大きさはさほど重要ではありません。円の中心から線までが魔法の発動箇所と考えればいいでしょう」
タリア「なるほど?」
マリア「次に、使う魔法をしっかりとイメージできれば陣は省略も可能です。極限まで省略されたのがこの形です。要は円さえあれば発動可能です」
タリア「え」

マリア「よく見ててね、タリア」
50 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 21:13:29.19 ID:ZlucngcM0
折り紙に注目していると、たちまち湿っていく。最後には溶けてなくなってしまった。

タリア「待って待って。省略された形で教えられても困るよ」
マリア「大丈夫。初級も初級の術式ならちゃんと復習して覚えてるから」

…今のは初級じゃない魔法だったのかな。

マリア「最後に、得意属性の魔法だと魔力消費を抑える効果もあります。少ない魔力で大魔法を使える感じね」
タリア「逆は?」
マリア「不得意属性はもちろん魔力消費が激しくなります。はっきり言って魔力の無駄遣いです」

ふむふむ。

タリア「じゃあ魔力の回復は?」
マリア「良い質問。素質が高いほど回復に必要な時間は少ないですよ。私の魔力を全部使い切ったとしても一日あれば全快です」

普段は魔法を使わない母さんだ。魔力は有り余ってるんだろう。…だから結界が途切れないのか。

マリア「何属性からやってみようかしら。要望はある? 基本は火・水・風・土・雷とあるわ」
51 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 21:14:16.07 ID:ZlucngcM0
安価下2まで
火・水・風・土・雷 から選択。
順にチャレンジ
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 21:20:22.57 ID:JINxCoT8O
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 21:20:56.54 ID:0auW8r3q0
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 21:21:24.33 ID:2CmQ7GfT0
55 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 21:38:01.31 ID:ZlucngcM0
タリア「じゃあ雷! 電気の魔法やってみたい!」
マリア「いきなりそれは…。いや、魔法の危険性を教えるのも親の務め。やってみましょう」

マリア母さんの描く通りに術式を折り紙に描き写す。
円を描いてヘンテコな図形を描いて……。

マリア「これが雷魔法初級の術式です。力を抑えた術式にしてるとはいえ危ないと思ったらすぐに逃げてください」
タリア「そんな大げさな」
マリア「…自身の魔力を超える魔法を扱うと術者に反動がきます。魔法は便利な反面、きちんと制御しないといけない代物です」

かなり真剣な眼で僕を見つめている。

マリア「雷魔法は攻撃を主にする危険な属性です。その反動の威力は言うまでもありません」
タリア「……取り扱い注意?」
マリア「えぇ。でも今は私がいます。多少無茶をしてでも必ず成功しますよ」


安価下1コンマ 幸運発動
偶数:成功
奇数:大成功
ゾロ目:極大成功
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 21:39:08.84 ID:MtpmRN4i0
57 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 21:58:06.28 ID:ZlucngcM0
マリア「手に力を込めて紙に魔力を送るような感じで」

言われた通りにやってみる。

ピリリ、と紙に電流が走ったような音が聞こえた。

タリア「…どう?」
マリア「可もなく不可もなく。身体の調子は?」
タリア「普通だよ」
マリア「よかったぁ。少なくとも初級魔法は使えることが分かったわ。私の子なら当然ね」

肩をなで下ろすかのように息を吐くマリア母さん。

マリア「雷魔法は不得意でも得意でもなさそうね。でも、だからといって調子にのらないように」
タリア「はーい。練習すればいずれ得意になるの?」
マリア「それこそ人によるわ。素質が高い私でも魔力の質を変えないといけないし……あ」
タリア「?」
マリア「なんでもないなんでもない。次はどの属性にする?」

タリア「じゃあ水! 溶けたのも水属性でしょ?」
マリア「そうよ。でもいいところ見せたくてやりすぎたわ」
58 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 22:03:49.40 ID:ZlucngcM0
タリア「水属性の注意することは?」
マリア「特にないわ。強いて言うならイメージする水の量ね」

イメージした水量が術式の水量限界値を超えると反動となり発動しないという。

マリア「この術式ならコップ一杯分ってとこかしら」
タリア「分かった。やってみる!」


安価下1コンマ 幸運発動
偶数:成功
奇数:大成功
ゾロ目:極大成功
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 22:05:00.84 ID:8egode5DO
はい
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 22:06:48.20 ID:MtpmRN4i0
さりげなく同コンマという
61 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 22:28:47.20 ID:ZlucngcM0
折り紙が少しずつ湿っていく。
じわじわゆっくりと。

タリア「これはどう?」
マリア「驚いた。術式とはいえ、まさか二つの属性をあっさりと使えるなんて…」
タリア「? マリア母さん?」
マリア「しかも水属性も得意じゃなさそう。タリアの得意属性は何かしら…」

マリア「貴女は天才だわ。魔力の素質は充分にある。確信した」

何故かいきなり褒められた。

マリア「……タリア、少し血液を採らせてくれる?」
タリア「え?」
マリア「ごめんなさい。研究魂が燃えてきたの。」

グスタフ「何を言ってるんだマリア。タリアは研究対象にしないと決めただろう」

素振りを終えた父さんが戻ってきた。

マリア「そ、そうね。そうだったわ。多属性使いは希少だから興奮しちゃって」
グスタフ「なに!? 多属性!? すごいぞタリア!!」
マリア「でしょー!!」
タリア「えと、どういうことか教えて…」

二人はとてもはしゃいで僕の話を聞いていない。
でもなんとなく察しはつく。どうやら僕は魔法使いとして希少な存在ということだ。
入学式まで残り6日。
62 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 22:32:56.72 ID:ZlucngcM0
タリア・ハイレン
使用属性魔法:水、雷、その他?


安価下3まで多数決
1:二人の特訓(説明)パートを続ける
2:入学式前日までワープ(説明パートは学園になる)
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 22:38:06.85 ID:MtpmRN4i0
1
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 22:38:16.44 ID:2CmQ7GfT0
1
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 22:38:35.76 ID:0auW8r3q0
1
66 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 23:26:16.14 ID:ZlucngcM0
―― 翌日 ――


タリア「ねぇマリア母さん。ひとつ気になったことがあるんだけど」

昨日のことを思い出して疑問点がひとつ出てきたのだ。

マリア「なぁに?」
タリア「ボクは水と雷の属性魔法が使えるけど、一人ひとつの属性魔法しか使えないの?」

得意魔法と不得意魔法、それがあるなら二つ以上使えても問題ないはず。
多属性使いは希少じゃないのか、と思った。

マリア「…基本は一人ひとつよ。それが不得意属性だったらその人は魔法使いを諦めるしかないわ」
グスタフ「俺がそれだぞ」
タリア「パパが?」
グスタフ「あぁ。俺の属性は風。しかしだな、残念なことに不得意だ。『ここぞ!』という場面でしか使えない」
タリア「そうなんだ。確かにパパが魔法使ってるとこ見たことないかも」
グスタフ「魔法に頼らず己の力でやり遂げる。そのための素振りを俺は一日たりとも怠らない」

恰好いい。初めてグスタフ父さんをそう思った。

タリア「……魔法を使うには健全な肉体が必要、だっけ?」
グスタフ「うぐ。健全でなければ『ここぞ!』という場面に立ち会えないから、間違ってはないぞ」
マリア「物は言いようね」
67 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 23:27:44.22 ID:ZlucngcM0
今日の特訓はどっちと?
安価下2
1:マリア母さんから魔法の特訓
2:グスタフ父さんから武術の特訓
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 23:28:26.39 ID:2CmQ7GfT0
2
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 23:33:45.52 ID:8egode5DO
2
70 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 23:56:18.31 ID:ZlucngcM0
タリア「パパの話聞いてたら魔法以外の道にも興味出てきた」
グスタフ「そうかそうか! なら今日は一緒に素振りするかぁ!」

高笑いして庭に向かう父さん。

マリア「ご機嫌ね。タリアと一緒にやれると思うと気持ちは分かるわ」

寂しそうな声を出す母さん。

タリア「えっと、ほら、昨日は一緒に魔法の勉強したし、魔力回復を兼ねて今日は素振りってことに…」
マリア「私のことは気にしなくていいから、早く行きなさい。待ってるわよ」
タリア「は、はーい…」

庭へ逃げるようにして行くと、既に斧を持ってブンブンと素振りをしている後ろ姿が見えた。

グスタフ「来たな、タリア。子供用の軽い模擬刀をいくつか作ってあるから好きなの取りなさい」

地面に転がってるそれらを手に取ってみると魔木製の物と分かった。
僕の使う木製の物は全部この材質と決まっている。
理由は聞いたことないから分からない。素振りが終わったら聞いてみよう。

まずは模擬刀選びだ。模擬『刀』といってるけど多くは『斧』だ。『刀』はちらほらある。
71 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/15(火) 23:57:18.54 ID:ZlucngcM0
選んだのは…
安価下1 コンマ
00〜79:模擬斧
80〜99:模擬刀
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/15(火) 23:59:25.36 ID:2CmQ7GfT0
73 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 00:27:28.68 ID:daT+a4EN0
斧の形をした模擬刀を選んだ。
不思議と手に馴染むような感覚がする。

グスタフ「いいのを選んだな」
タリア「パパのを真似るのがいいと思って」

グスタフ「よぉし、いいか? 斧というのは力任せに振り回してはダメだ」
タリア「ただ振ってるだけじゃダメなの?」
グスタフ「ああ。腰を使うんだ。腰の捻りで勢いをつける。それが大切だ」

斧を振り回してるようにしか見えない…。

グスタフ「そして同じところに何度も当てるようにするには腕の筋肉が必要だ。振ってるうちに腕が下がると狙いが外れるからな」
タリア「腕の筋肉…。どうすればいい?」
グスタフ「毎日のトレーニングが実を結ぶ! タリアもこれから毎日少しずつすれば筋肉がつくぞ!」

親心で言ってるんだろうけど、娘に筋肉つけろって父親が言うか?
……ここにいた。
74 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 00:30:20.33 ID:daT+a4EN0
父さんの真似をして斧を振り続けること十数分。

グスタフ「一旦休憩だ。休んでよし!」

その瞬間、糸の切れた人形のように膝から倒れ込んだ。
キツい。キツすぎる。
魔力回復より体力回復に時間を費やしたい…。

マリア「やりすぎよ。可愛いタリアをイジメないで」
グスタフ「イジメじゃない、特訓だ。入学式まで時間がない。せめて今のうちに俺たちが教えられることを…」
マリア「分かってるわ。今まで甘やかしすぎたのは私たちのせいだけど、だからって無理させていい理由じゃない」
グスタフ「……すまない」

タリア「だ、だいじょうぶ…。ボクは平気だから。それより休憩中に聞きたいことがあるんだ」


安価下1
1:どうして魔木製のものばかりなの?
2:ここぞ!という時になんで魔法を使うの?
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 00:48:35.14 ID:rALyakxDO
2
76 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 01:24:32.15 ID:daT+a4EN0
タリア「『ここぞ!』という時になんで魔法を使うの? 最初に使っちゃえばいいのに」

グスタフ「さっきも言ったが、俺の魔法は不得意なんだ。そのせいで魔力消費が半端ない」
タリア「魔力消費は昨日聞いた話だ。余計に消費するんだっけ」
グスタフ「あぁ。たった一回の魔法で一気に魔力を消費して倒れたこともある」
マリア「パパは素質あるくせに不器用だからねぇ。0か100か。術式なんて暴走が当たり前だし」

脳筋魔法使い。ふとそんな言葉がよぎった。
というかマリア母さん、話を脱線させないで。

グスタフ「とまぁ、確実に狩るためには最後の一振りで魔法を使う。隙を晒さずに済むというのも一因だな」
タリア「そっかぁ。ただ斧を振り回す木こりじゃないんだ」
グスタフ「俺のことを今までどんな目で見てたかよく分かった」

タリア「……あれ、術式を暴走させてるならパパの魔法ってどう使うの?」
マリア「いいとこに気が付いたね」
グスタフ「おいおい、今日は俺の番だろ。その説明はまたにしてくれ」
マリア「ちぇ」

グスタフ「休憩終わり! 次行くぞぉ!」
タリア「え、もう!?」
77 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 01:26:15.23 ID:daT+a4EN0
グスタフ「次は模擬刀を使って俺に攻撃してみろ。遠慮はいらんぞ!」
タリア「えぇ!?」
グスタフ「大丈夫だ。所詮模擬刀。怪我しないさ。それに、タリアの太刀筋を見るには間近で見た方がいい」

間近すぎませんか…? 力加減が難しいよ。

グスタフ「さぁこい!!」


安価下1コンマ 初期武力測定のため幸運なし
00〜09:失敗
10〜59:成功
60〜89:大成功
90〜99:極大成功
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 01:27:22.92 ID:xILVNfcQ0
ゾロ目
79 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 01:52:44.78 ID:daT+a4EN0
初期武力:92


タリア「で、でりゃー!!」

父さんの真似をしてたった一日。それでも見える時はいつも見ていた後ろ姿。

グスタフ「こ、これは……!!」

見ていたから分かる。父さんの長年の努力が実を結んだことに。

マリア「……面白い。可愛いタリア。どこまで研究魂をくすぐればいいの…?」

タリア「はぁぁぁああああ!!」

グスタフ「太刀筋、威力、申し分ない。まさか五歳の娘がここまでやれるなんて…」

手が熱い。いや、今はそんなことより父さんに全力をぶつける!!

グスタフ「……そろそろか。タリアっ! そこまで!!」
タリア「まだまだ!!」
グスタフ「ダメだっ! それ以上は魔木で抑えられん!! 暴走するぞ!! マリア!!」
マリア「は〜い」

後ろから突然現れた何かに斧を奪われた。
ダメ。返して。まだ父さんに!!

マリア「おやすみ、タリア」


……。
…………。
80 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 02:37:40.77 ID:daT+a4EN0
……。

タリア「あ、れ?」

ここ、僕の部屋だ。

グスタフ「目が覚めたか。気分はどうだ?」
タリア「なんか、変な感じ。ボク、風邪でもひいたの?」
グスタフ「そうだな。近いような近くないような」
マリア「貴女は魔力暴走の一歩手前までいってたの。まさか魔法以外での時になると思わなかったわ」

魔力、暴走?

マリア「でもこれでようやくタリアの素質が分かったわ。普段から魔木の生活でよかった」
グスタフ「俺もマリアも魔力の素質は人並み以上だから苦労したもんだ」
タリア「どういう、こと?」

マリア「簡単に言えば、タリアは私たちの高すぎる魔力素質を受け継いだの。そしてパパの身体能力も」
グスタフ「魔力だけなら魔木で抑えられる。魔木は元々魔力で育つ植物だ。…吸収しきれない程の魔力がタリアにあることが分かった」
タリア「よく分かんないけど、なんで魔法を使ってないのに魔力暴走なの?」

グスタフ「集中していたからだろうな」
マリア「魔法はイメージが大切ってことは分かってるよね。そのイメージに大切なのは集中すること」
グスタフ「集中している時は魔力が高まってると言っていい。高まった魔力を模擬刀が吸い取っていた」
マリア「パパは模擬刀が折れかけてるのに気付いて魔木の吸収容量を超えたと判断したのよ」
81 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 02:38:30.67 ID:daT+a4EN0
ところどころは理解できるけど、とても五歳が理解できる内容じゃないのはよく分かる。

タリア「あのまま続けてたらどうなるの?」
マリア「魔力が尽きるまで暴走よ。その間のことは覚えてないから詳しくは言えないけど、最悪って気持ちだけは残るわ」

それが聞けただけで暴走はしたくない。そう思うには充分だ。

グスタフ「とにかく今日はもう休みなさい。いいね?」
タリア「うん…、分かった」

無理をして二人に心配かけたくない。
おとなしく僕は眠りについた。

……。
入学式まで残り5日。
82 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 02:42:05.85 ID:daT+a4EN0
タリア・ハイレン
使用属性魔法:水、雷、その他?

武力値:92
武器:斧


最後にこれを。
安価下4まで多数決
1:二人の特訓(説明)パートを続ける
2:入学式前日までワープ(説明パートは学園になる)
3:二人の特訓を最終日まで続ける
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 03:02:31.73 ID:LJAbjp7EO
1
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 04:22:25.68 ID:iR760fzeo
1
おつ
きたい
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 04:36:12.76 ID:KS1t3Xg0O
がんばえー
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 04:54:12.35 ID:bou2/aSvo
2
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 05:13:24.99 ID:KS1t3Xg0O
おっとそろそろ2
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 06:39:27.25 ID:oUzclHug0
同数みたいだし、1
89 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 16:17:58.92 ID:daT+a4EN0
―― 翌日 ――

マリア「調子はどう?」

目が覚めると隣にマリア母さんがいた。
ずっと看ていてくれたのかな。

タリア「よくなったよ。…ごめんなさい」
マリア「いいのよ。貴女の眠ってた力を見れて嬉しいの」
タリア「……うん」

リビングへ行くと既に父さんは素振りをしていた。

マリア「昨日のタリアがすごかったから『パパも頑張るぞ!』って今朝から張り切ってるわ」
タリア「あはは。でも少ししか覚えてないんだよね」
マリア「暴走の手前までいった影響かしら。本当に何ともない?」
タリア「平気だってば」
マリア「それならいいわ。…私、やることがあるの。悪いけれど今日はパパと稽古か、術式の初級魔法の練習でもしてて」

タリア「でもまた魔力暴走したら?」
マリア「大丈夫。貴女は不器用じゃないし素質がある。初級じゃ暴走しないわ。それじゃね」

そう言って母さんは術式の描かれた紙とペンと折り紙を置いて離れてしまった。
90 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 16:20:52.54 ID:daT+a4EN0
水と雷はもちろんのこと、火に土に風、まだやってない属性の術式もある。
それぞれ注意事項が小さくまとめてある。こういうとこ感心する。

それとも魔法は母さんの居る時にして、父さんの素振りでも見学? 行くと稽古になるかも。
声には出さないけど、斧振りの音が気持ちいいんだ。

うーん。

安価下2
1:初級魔法の練習
2:武術の稽古
3:筋トレ
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 16:23:06.37 ID:6TIfpe9E0
2
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 16:23:22.44 ID:rALyakxDO
1
93 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 16:50:56.16 ID:daT+a4EN0
せっかく母さんが用意してくれたし、今日は魔法の練習をしよう。

とりあえずやったこともあるのとそうじゃないのに分けてっと。

まずは復習から始めよう。雷の術式を描いて…慎重に魔力を送って…。

……よし、僅かだけど電流のような光が見えた。

次は水の術式だ。イメージはコップ一杯分の水。

それを折り紙に垂らすような感じで…。

おぉ、バッチリだ。ちゃんと湿った。

それじゃ次は……、

安価下1 コンマ
00〜32:火
33〜65:土
66〜98:風
99:イベント
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 16:52:22.17 ID:T/ORIwEzO
95 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 17:07:49.08 ID:daT+a4EN0
火をやってみよう。
……念のため水の近くでやろう。

えっと母さんの説明書によるとこんな感じ。

『火属性は雷と同じように反動の怖い属性です』
『ちなみに私の属性魔法でもあります』
『既に雷の素質を持つタリアには出来れば発動させたくありません』

…脱線部分は飛ばそう。

『もし発動しても慌てず消火のイメージをしてください。水をかけてもいいです』

なるほど。火を消すイメージでいいのか。便利だ。


安価下1 コンマ
安価下1コンマ 幸運発動&母親遺伝ボーナス
偶数:大成功
奇数:極大成功
ゾロ目:イベント
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 17:08:47.08 ID:6TIfpe9E0
97 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 17:17:57.81 ID:daT+a4EN0
折り紙がよく燃えている。少し魔力を送っただけなのに……。

雷と水とは違った結果だ。
身体の調子は何ともない。もしかして火が得意属性なのかな。

タリア「ってそんなことより! 火! 消さないと!」

でも消火のイメージってどうすればいいんだ? あぁもう分かんないから水かけちゃえ!

……。
…………。

この辺拭かないと。びしょ濡れだ。
98 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 17:20:41.99 ID:daT+a4EN0
ようやく拭き終わった!

グスタフ「騒がしいけどどうした?」
タリア「何でもないよ! 素振り続けてて!!」

危うく火事になりかけたなんて言えないよね。
…次はどっちにしようかな。

安価下2
1:土
2:風
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 17:22:40.20 ID:0rMs6zj4o
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 17:23:03.99 ID:rALyakxDO
1
101 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 17:37:44.53 ID:daT+a4EN0
土にしてみよう。
母さんの説明書は燃えてないよね? よかった。大丈夫だ。

『土属性は主に感知魔法です』
『反動は五感にダメージがくるので気をつけましょう』

『初級の土魔法はいわゆるセンサーです。目を閉じてもどこに何があるか分かります』
『ただし空中にあるものは別なので注意するように』

土魔法だから地面と接触してないものは無理ってことかな。

『使えると中々便利ですよ』
『なお、術式の仕様上、効果時間は短いです』

とりあえずやってみよう。


安価下1コンマ 幸運発動
偶数:成功
奇数:大成功
ゾロ目:極大成功
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 17:39:05.17 ID:ONhevinGO
!?
103 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 17:52:00.61 ID:daT+a4EN0
目を閉じてみる。

……。

おぉすごい。普通なら真っ暗だけど、なんて言うんだろう、暗視ゴーグルっていうのかな?
それを付けた感じってこういうのをいうんだろうなぁ。

試しに家の中をこのまま歩いてみる。
障害物を避けて、庭に行って……。

グスタフ「タリア? なんで目を閉じて歩いてるんだ?」
タリア「魔法の練習中」

父さんを避けて近くに置いてある模擬斧を選び、手に取る。

グスタフ「そこにあるってよく分かったな。土魔法か? なかなかの精度じゃないか」

……だんだんと暗くなるのが分かる。効果が切れたのか。

タリア「終わっちゃった」
グスタフ「初めてにしては素晴らしい感知だったぞ。土が得意魔法かもな」


安価下2
1:このままグスタフ父さんに風魔法を教わる
2:戻って母さんの説明書で風魔法を勉強
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 18:19:39.16 ID:mN4hvA1Eo
1
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 18:20:17.94 ID:6TIfpe9E0
1
106 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 19:01:02.05 ID:daT+a4EN0
タリア「確かパパの魔法って風だったよね。教えてほしいんだけど」
グスタフ「俺にか? そこまで力になれるか分からんが…娘の頼みだ」

グスタフ「今タリアが手にしているのは何だ?」
タリア「え? 模擬斧…いや、模擬刀です」
グスタフ「風属性は強化魔法に使う。それは自身にも他者にも武器にも使える」
タリア「そうなの?」
グスタフ「あぁ。風の力で素早い一撃を放つ。俺が使うのはそういう魔法だ」

なるほど。

グスタフ「上手く扱えないと風圧で皮膚が裂けることもあるから注意が必要だぞ」
タリア「それって大丈夫なの? パパって術式で暴走したんでしょ?」
グスタフ「その度にマリアの回復魔法の世話になったもんだ。はっはっは」
タリア「えぇ…」
グスタフ「知っての通り、俺は術式魔法は使えん。教えることができるのは『詠唱魔法』だ」
タリア「詠唱?」
グスタフ「分かりやすく言うなら、イメージした魔法を言葉にし魔力にのせて放つ魔法、って感じか?」

タリア「分かるような、分からないような」
グスタフ「まぁ俺もずっと無詠唱でやってるし、こういう説明はマリアが上手いんだ」
107 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 19:09:09.69 ID:daT+a4EN0
タリア「とにかくどんな感じか見せてほしいな」
グスタフ「簡単に言うが、使ったらしばらく動けなくなるぞ」
タリア「でも見てみたい」

グスタフ「よぉし! そこまで言われてやらないのは俺じゃない!」

そう言って父さんは斧を模擬斧に持ち替える。

グスタフ「これが魔木製の斧ってことは知ってるな? これでは普通の斧に比べて木を伐るには不自由だ」

グスタフ「しかし風魔法を使えば切れ味抜群とまではいかないが、木を伐るには充分な威力をもつ」

タリア「でも魔木って魔力を吸うんでしょ? 意味ないんじゃない?」
グスタフ「鋭い指摘だ。魔木が好むのは純粋な魔力。魔法に変換された魔力も吸収するが、そこまでじゃない」
タリア「うーん?」
グスタフ「伐採する前の魔木こそどんな魔力でも吸収するが、こうやって加工すれば魔法は吸わないんだ」
タリア「なんか難しい話だぁ」

グスタフ「…じゃあやってみるぞ」
108 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 19:18:01.00 ID:daT+a4EN0
グスタフ「風よ、身体を支えてほしい。娘に恰好良いところを見させてくれ! 【武具強化(エンチャント)】!!」

素振りと同じ動作、なのにいつもより心なしか動作が速い。
……なんか地味。

グスタフ「ただ素振りをしてるだけに見えるか? 注意して先の木を見てみろ」
マリア「え?」

素振りをしている一歩先には木がある。それを見ればいいのかな。
あれ、切れ込みがある。前もって入れてた?
……あ、違う。

タリア「切れ込みがどんどん増えてる」
グスタフ「そう。風魔法のおかげだ。風を斧の刃の形状にまとわせている。攻撃範囲の増えた斧と思えばいい」

やがて木は斧に触れることなく伐れた。
109 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 19:20:11.61 ID:daT+a4EN0
グスタフ「これが風魔法だ。分かったか?」
タリア「なんとなく?」
グスタフ「コツは風をどういう感じで動かし、たい、か、だな……」

父さんが尻もちをついた。

グスタフ「すまん。かなり抑えたつもりだったんだが、立てそうにない」
タリア「わ、分かった…。ちょっと見てて」


安価下1コンマ 幸運発動&父親遺伝ボーナス
偶数:大成功
奇数:極大成功
ゾロ目:イベント
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 19:20:59.88 ID:tSeZtEjy0
いよっ
111 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 19:48:59.37 ID:daT+a4EN0
風魔法は強化の力……。

自分に風をまとわせて、斧にもやれば効果は跳ね上がるのでは?

イメージを言葉にすればいいんだよね。なら考えたことをそのまま口に出す。
邪魔な思考は一切排除して…目を閉じて『集中』…。

タリア「風よ、全てにまといて力を貸して。【全強化(オールエンチャント)】」

……感じる。風が渦巻いてるのが分かる。
その中心に僕がいる。これを、ぶつける。

グスタフ「これは……マリアは何してる」

タリア「今だぁっ!!」

斧を振る。たったそれだけ。それだけ、だったのに……。
112 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 20:23:15.46 ID:daT+a4EN0
目の前には何もなかった。
そこにあったはずのたくさんの木が全て切り刻まれて倒れていた。

手に持っていた模擬斧は砕けて落ちた。

しばらくするとマリア母さんが血相を変えて飛び出してきた。

マリア「ちょっと大丈夫!? 結界に異常があったからきたけど何があったの!?」

座り込んだ父さんと庭の惨状を見てさらに顔色が悪くなる。

マリア「本当に何があったの!?」
グスタフ「マリアこそ何してた! タリアの風魔法はすごいぞ!!」
マリア「もしかして、これ、タリアがやったの?」
タリア「そうみたい」

グスタフ「俺の力を濃く受け継いだみたいだ! タリアは俺の誇りだ!」
タリア「大げさだよ…」
マリア「これだけの力を使って疲労を見せないなんて…。天才すぎるわ」

今夜は盛大なパーティが行われた。
…こういうのは初めてだからとても嬉しい。けど恥ずかしい…。

入学式まで残り4日。
113 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 20:28:32.80 ID:daT+a4EN0
タリア・ハイレン
使用魔法:水、雷
得意魔法:火、土
大得意魔法:風

武力値:92
武器:斧


安価下3まで多数決
1:二人の特訓(説明)パートを続ける
2:入学式前日までワープ(説明パートは学園になる)
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/09/16(水) 20:30:54.67 ID:LkwLpHrHO
1
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 20:31:32.99 ID:xILVNfcQ0
1
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 20:33:58.08 ID:H4NAHoWy0
1
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 20:47:28.79 ID:0rMs6zj4o
グスタフ父ちゃんかわいいな
118 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 20:57:11.66 ID:daT+a4EN0
―― 翌日 ――

マリア「結界の修復も終わったし、今日はタリアに大事な話があります」
タリア「うん」

リビングに行くといきなり研究者モードの母さんがいた。

マリア「まさか基本属性全部を使えるとは思わなかった。百年、いや千年に一人の天才よ。それが我が子なんて…」

マリア「貴女を研究対象にしないと決めていたけど、もう我慢できないの。血液だけでいいからサンプルを頂戴」
タリア「えぇ!?」
マリア「不得意属性がないどころか得意魔法が三種類。しかも私のいないところでの発覚なんて!」
グスタフ「落ち着けマリア。お前の気持ちも分かるがタリアの意見も聞いてやれ」

マリア「…そうね。でもこれだけは言わせて。貴女に詠唱魔法は危険すぎる…違う、集中するのが危険」
タリア「集中が危険ってどういうこと?」
マリア「貴女は集中する際に魔力を高めすぎてる。魔木がなければ暴走が確実に起こるわ。そういう意味では貴女もパパ同様、魔法使いに向いてない」
グスタフ「だが俺と違ってタリアは! 制御さえ出来れば素晴らしい魔法使いになる!」
119 : ◆vmfmKqFvN2 [saga]:2020/09/16(水) 21:00:06.39 ID:daT+a4EN0
マリア「そう、制御さえ出来れば、ね」
グスタフ「マリア、まさか」
マリア「そのために血液サンプルが必要なの。貴女に合う魔道具を入学式前に急いで作るわ」

タリア「……」


安価下3まで多数決
1:自力で制御する
2:血液を渡す
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 21:01:04.21 ID:tSeZtEjy0
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 21:03:25.88 ID:M3Vnel0K0
2
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/16(水) 21:05:23.40 ID:H4NAHoWy0
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