【安価・コンマ】ファンタジーな異世界に異物が紛れ込むお話

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179 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/21(月) 23:11:24.58 ID:6RoxAznD0
3
180 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/21(月) 23:28:12.51 ID:TuWYvT/zo

選択:1 共同墓地


お嬢様に連れられてたどり着いた先は、教会の共同墓地。
その場所にはよく見覚えがあった。
お嬢様がこの場所に来た理由についてもすぐに得心がいった。

アイリス「来たよ、じいや」

一つの墓石の前に立ち、穏やかで優しい声色でお嬢様は物言わぬそれに話しかける。
教会の神父から貰った花を墓石の前へ備え、お嬢様はその場に膝をつき祈りを捧げるように手を合わせ目を瞑っている。
膝が汚れることも厭わず、スカートが大地に触れることも意に介さず、ただ無言で手を合わせていた。

『ゴーギュスト』

家名もなく、ただその名前だけが墓石には刻まれていた。
その墓石の下には、とある老人の亡骸が眠っていた。
かつてお嬢様のお付きの執事でもあり、オレをあの場所から拾いあげた人物。そして……オレを獣から人へと育て上げた恩師でもある。

お嬢様はただ黙々と祈りを捧げている。
お嬢様はどんな事を思っているのだろうか?
神というあるかどうかも分からない存在の事を思っているのだろうか?
それとも、死した相手に言葉を届けようと思っているのだろうか?

或いは、過去を思い出しているのかもしれない。
その過去は、ありし日の思い出だろうか?
それとも……未だに癒えぬ傷を想起しているのかもしれない。

オレは、お嬢様のように目に何かに祈りを捧げるという行為を理解できない。
だからただ、お嬢様が何物にも邪魔をされないように、オレは周囲への警戒を強く意識していた。

181 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/21(月) 23:39:40.71 ID:TuWYvT/zo




一通りの職務を終え、終身までの自由の時間が与えられる。
堅苦しい礼服は脱ぎ去り、ラフな格好へと着替える。

お嬢様は屋敷に戻って夕食の後、その日の事をエレノア様に報告していた。
『よくやったわ』と簡素ながらお褒めの言葉を頂き、お嬢様はとても嬉しそうにしていた。

やや失礼ながら、その結果は意外だった。
お嬢様が褒められたことではなく、この件に対して多少なりともやる気を出していたことに、だ。
てっきりあのお嬢様の事だから、手伝っているふりだけしてエレノア様に全てお任せするものとばかり思っていた。
何かお嬢様なりに思うところがあったのかもしれない。
とはいえ、何かにやる気を出すというのは良い事だ。『目標を持つことは成長につながる』なんて事を爺様も言っていた気もするし。

さて、このまま眠ってもいいのだが……


1、お嬢様に会いに行く
2、エレノア様が訪ねてくる
3、ジョシュア(エレノアの付き人)と話す
4、イザベラ(メイド長)に会いに行く
5、一人で過ごす
6、誰かが訪ねてきた……
7、自由安価(内容も書いてね)

安価↓3までで最もコンマの高いものを採用

182 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/21(月) 23:40:42.47 ID:93isCNsS0
3
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/21(月) 23:40:53.86 ID:6gtZDwPVO
3
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/21(月) 23:44:59.58 ID:6RoxAznD0
1
185 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/21(月) 23:47:41.29 ID:TuWYvT/zo

選択:3  



ジョシュアとの親密度
直下コンマ(00〜99で判定。高いほど仲が良い、00or99のみ特殊判定)
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/21(月) 23:48:21.36 ID:6RoxAznD0
187 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 00:04:51.22 ID:nQaK4OBNo

コンマ判定:36  普通に会話はする程度



何となく思い立ち、隣のジョシュアの部屋へと赴く。
ジョシュアはこの屋敷の主人であるエレノア様の付き人。主人は違えど、オレと同じような立場。
とはいえ、オレの先輩にあたる人物でもあるし、オレなんかよりも余程仕事が出来るため周囲からの信頼も厚い。
特に、エレノア様の無茶ぶりに常日頃から付き合っているという事からも、その有能さが伺える。
毎日あの人の傍に居るというのに、辟易としている様子は見たこともない。

ジョシュア「何だ?私に用か?」

眉を顰め、いかにも不機嫌だといった様子で対応される。
剣呑とした雰囲気を隠そうともしない。
とはいえ、この男はエレノア様以外の誰に対してもそんな感じだ。さして気にせず会話を続ける。



1、そっちは今日一日どんな様子だったか聞く
2、息抜きの組手に誘う
3、自由安価(内容も書いてね)

安価↓1
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 00:05:58.67 ID:yBOCsJbH0
189 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 00:20:33.02 ID:nQaK4OBNo

選択:2


ジョシュア「外に行くというから何処へ連れ出すかと思えば、夜遊びでも覚えたのかと思ったぞ」
エルグラッド「俺がそんな事をして楽しむ奴だと思うか?」
ジョシュア「いや、思えないな。娯楽を楽しむ知能があるとは思えん」
エルグラッド「オレにとってはこれが娯楽さ。たまのガス抜きをせんと爆発してしまいそうでな」

俺たちがやってきたのは、屋敷裏の森。
周囲は木々に生い茂る葉がこすれあう音ばかりが鳴り、近くに人が居る様子は感じられない。

ジョシュア「…昔を思い出すな。ゴーギュストもとんだ猛獣を連れ込んだものだと思っていたよ。変わるものだな、お嬢様方の前では随分お行儀がいい」
エルグラッド「ああ。……まだ慣れんよ。肩が凝る」
ジョシュア「はっ、だろうな。今ではお前に構ってくれる飼い主もおらんしな」
エルグラッド「だから代わりにお前に頼んでいるんだろう?」

何をするかを即座に理解したジョシュアと向かい合い、軽く体を動かしコリをほぐしながら会話をする。
お嬢様の元で執事としての務めを果たす事は、俺自身が望んだ使命のようなモノ。辞めたいとは片時も思ってはいないが、それはそれとして自分に合わないことをし続けるとストレスが溜まる。
その為の所謂ガス抜きだ。
偶には力を発散しなければ、この心臓から無尽蔵に溢れる魔力がはち切れそうでイライラしてしまう。

エルグラッド「魔法は使うか?手加減してやってもいいぞ」
ジョシュア「舐めた口をきいてくれる。お前の好きにしろ、合わせてやる」
エルグラッド「じゃあ……」


1、魔法抜きでの組手
2、魔法有りでの組手

安価↓1
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 00:23:16.15 ID:roM9Nac+0
2
191 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 00:27:32.18 ID:nQaK4OBNo

選択:2魔法有りでの組手



模擬戦ルール
二つのコンマ判定を振って、数値が大きい方が判定に勝利する。
本来は体力の数値を削りあいますが、模擬戦の為3回判定を行った時点で終了とします。


エルグラッド
身体能力:74
魔法適性:97

スキル

【拳闘術】
戦闘時の−補正を2まで軽減。
奇襲されたときの−補正を2軽減。
戦闘勝利時に、捕縛に移行できるようになります。

【魔法:天才型(竜の心臓)】
魔法の使用制限を無視する。
あらゆる魔法を使った行動に対してコンマ+1の補正を得る。

【固有魔法:破壊】
奇襲時+5の補正を得る。
戦闘時常に+3の補正。
戦闘時にゾロ目を出すと特殊判定に移行し、成功すると戦闘に勝利する。
192 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 00:35:53.48 ID:nQaK4OBNo

ジョシュア
身体能力:95
魔法適性:88

スキル

【武具術(ナイフ)】
戦闘時、判定に勝利した場合に相手に『負傷』を付与する。(負傷はターンを経過するごとに−1の補正が加算される(最大−3))

【魔法:天才型】
戦闘判定時+1の補正を得る。
−の補正を1まで無効にする。
ファンブル(00)時に一度だけコンマを振り直す。

【固有魔法:切断】
戦闘判定時+2の補正を得る。
相手の魔法適性が80以下の場合、判定勝利時に特殊判定に移行。特殊判定に成功すると相手は死亡する。
戦闘時にゾロ目を出すと相手のスキルを2ターンの間無効化する。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 00:39:24.39 ID:imFW9xoI0
ジョシュアさりげに物騒なスキル持ってるな、敵としては恐ろしそう
194 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 00:39:53.57 ID:nQaK4OBNo

戦闘判定(0〜9で判定。00の場合ファンブル。99の場合クリティカル)

直下コンマ:エルグラッドの判定
魔法(天才型)  +1
固有魔法(破壊)+3


↓2コンマ:ジョシュア判定
魔法(天才型) +1
固有魔法(切断)+2
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 00:41:29.09 ID:u0CUsn0wO
kill
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 00:41:56.90 ID:imFW9xoI0
がんばえー
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 00:43:26.32 ID:u0CUsn0wO
やったか?
198 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 00:45:03.59 ID:nQaK4OBNo

コンマ判定:(9+1+3)−(0+1+2)  エルグラッド判定勝利


エルグラッド:〇
ジョシュア :×


判定差7以上により、エルグラッドが有利状態に移行
199 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 00:53:24.60 ID:nQaK4OBNo

戦いが始まると同時に薄く鋭い風切り音が鳴る。
ジョシュアはその手に持っていたナイフを一切の躊躇いなくエルグラッドに向けて投擲していた。

だが、その鋭い一閃は指鳴りと共に爆散する。

ナイフは空中に居ながら、何かに接触するまでもなくその姿を灰に帰した。

エルグラッドが獣のような雄たけびを上げる。
地の底から空気を震わせるその音は、木々をなぎ倒し目の前の敵を圧倒する。
強烈な重圧にジョシュアが思わず膝をついたその瞬間、彼のその頭に向けてエルグラッドの渾身の蹴りが放たれる。

それは正に生半可な相手であったなら必殺ともなりうる一撃――


直下コンマ:エルグラッドの判定
魔法(天才型)  +1
固有魔法(破壊)+3
有利        +1

↓2コンマ:ジョシュア判定
魔法(天才型) +1
固有魔法(切断)+2
不利(魔法により無効)
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 00:58:22.81 ID:swOy9NHDO
はい
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 00:59:37.51 ID:u0CUsn0wO
202 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 01:01:58.17 ID:nQaK4OBNo

コンマ判定:(1+1+3+1)−(1+1+2)  エルグラッド判定勝利


エルグラッド:〇〇
ジョシュア :××

有利状態継続
203 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 01:10:40.78 ID:nQaK4OBNo


頭に向けられた蹴りに対し、ジョシュアはとっさに反応し手で防御の姿勢を取る。
それと同時に、向かい来る蹴りに対して切断の魔法を行使していた。
空間に歪みを作り、断層を作り出すことによる切断。刃物を用いたものとはわけが違う。
絶対にして不可避の切断魔法。

だがしかし、それが魔力という媒体を通して起こる現象であるならば。
魔力を通して彼に触れる。その工程を経てしまう。

ありとあらゆるもの活動を停止させる『破壊』の魔力は、魔法の発動というプロセスすらも破壊し貫く。

エルグラッドの蹴りはジョシュアの手の上から彼の頭を蹴り抜く……寸前で止められる。


エルグラッド「今ので一殺。もっと魔法を使ってこい、その程度だとガス抜きにもならんぞ」
ジョシュア「チッ…言わなくとも!!」


直下コンマ:エルグラッドの判定
魔法(天才型)  +1
固有魔法(破壊)+3
有利        +1

↓2コンマ:ジョシュア判定
魔法(天才型) +1
固有魔法(切断)+2
不利(魔法により無効)

204 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 01:14:16.25 ID:lDx41H3K0
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 01:14:54.64 ID:u0CUsn0wO
206 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 01:16:22.26 ID:nQaK4OBNo

コンマ判定:(5+1+3+1)−(4+1+2)  エルグラッド判定勝利

エルグラッド:〇〇〇
ジョシュア :×××


エルグラッド完全勝利
模擬戦を終了します
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 01:17:21.91 ID:imFW9xoI0
戦闘は余程トリッキーな相手じゃない限りは心配いらなさそうだな…問題は推理とか捜査の方だけど
208 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 01:34:23.34 ID:nQaK4OBNo

ジョシュア「ハァ…ハァ……」

肩で息をしながら、玉のような汗を流し地面に腰をつくジョシュア。
その一方で、エルグラッドは気持ちよさそうな表情で伸びをしていた。

エルクラッド「こんなに思いっきり魔法を使ったのは久々だ。いい気分転換になった」
ジョシュア「チッ……くそ、今日はコンディションが悪かっただけだ」
エルクラッド「そう悔しがることは無い。ここまで俺が本気で魔法を使って五体無事なんだ、大したもんだよ」
ジョシュア「嫌味は結構だ……」

忌々しいといった様子でジョシュアは吐き捨て、上着を脱ぎその汗を絞り出す。

エルクラッド「オレが嫌味なんかを言える質か?」
ジョシュア「ええい五月蠅い。はぁ……まったく忌々しいよ。竜との混血という怪物とは、これほどまでに力に差があるか」
エルクラッド「オレと戦って戦意喪失せず悔しがれるのはお前くらいのものだ。おかげで随分助かっている」
ジョシュア「……ふん、まあお前が暴走しては堪らんからな。今はゴーギュストも居ない。私の屈辱でお嬢様の身の安全が買えるなら安い物だ。お前も、精々これで大人しくしていてくれ」
エルグラッド「…ああ、分かってる」

ジョシュアは搾り上げてよれよれになった服を肩に羽織り、立ち上がる。
つい先ほどまで随分と息が上がっていた様子だったはずなのに、もうすでにその立ち振る舞いに疲れはない。
彼もまた、伊達にあのエレノアの守を務められているわけではないという事だろう。

ジョシュア「もう一本といいたいところだが、今あまり屋敷を離れるのは得策ではない。そろそろ戻るぞ」
エルグラッド「ああ、そうだな」
ジョシュア「ったく、お前のせいでまた水浴びをせんとならん」
エルグラッド「一緒に入るか?」
ジョシュア「次同じことを言えばその首を切り飛ばすぞ」

そんな軽口を言い合いながら、二人は屋敷に帰って行った。



親密度上昇判定
直下コンマ(00〜99÷3で判定。端数切捨て)
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 01:43:07.94 ID:lDx41H3K0
ほい
210 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/22(火) 01:44:56.46 ID:nQaK4OBNo


コンマ判定:94÷3=31


ジョシュア親密度:36+31 【友情】


というわけで一日終了で今日の更新は終わりです。
元々ジョシュアは戦闘が出来ない主人公のお助けキャラとして用意したため、戦闘特化でとんでもなく強いです。
作中に出てくる大抵の奴らを軽く倒せるくらいの強さですげー!と思わせるつもりだったんですが、今回は明らかに主人公の方がオーバースペックですね。

次の課題はもうちょっと戦闘をコンパクトに纏めたいですね。

というわけで、随分遅くまでお付き合いいただきありがとうございました。

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 08:57:30.04 ID:swOy9NHDO
乙です
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/22(火) 09:14:08.66 ID:imFW9xoI0
乙、いい感じにあっさりしてて良いと思う
213 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 20:44:31.58 ID:U+Q+rPvTo

ぼちぼち更新再開です



名前:ジョシュア(ジョシュア・フレッツェル・アルバース)
性別:男性
種族:ハーフエルフ?
役職:ペット(エレノアの付き人)

身体能力:95  生身の戦闘で無類の強さを誇る
知力:40    無駄な知恵は不要と考えている
精神力:90   ある種狂人にもほど近い精神性
魔法適性:88  特別な血統に生まれた天性の魔法使い
得意適性:80  その血に特異なモノを抱えている


【外見】
長めの黒髪に、金色の瞳を持つハーフエルフ。
エルフ特有の尖った耳は髪の毛の長さで隠しているが、少しはみ出ている。
非常に身長が高く細身に見えるが、全身筋肉の塊。耳長ゴリラ。


【内面】
エレノアに仕える冷徹な男。
エレノア以外の人間と慣れあうことは基本的に無く、常に剣呑とした表情を崩さない。
元は高名な騎士家系の出身だったが、今では実家とは絶縁状態にある。
性格は冷徹且つ自信過剰で傲慢。敵と断定した相手には一切の容赦がない。
エレノアに心酔しており、彼女に対して絶対的な忠誠を誓っている。
非常に特殊なその生い立ちから、歪んだ欲望を抱えている。


スキル

【武具術(ナイフ)】
戦闘時、判定に勝利した場合に相手に『負傷』を付与する。(負傷はターンを経過するごとに−1の補正が加算される(最大−3))

【魔法:天才型】
戦闘判定時+1の補正を得る。
−の補正を1まで無効にする。
ファンブル(00)時に一度だけコンマを振り直す。

【固有魔法:切断】
戦闘判定時+2の補正を得る。
相手の魔法適性が80以下の場合、判定勝利時に特殊判定に移行。特殊判定に成功すると相手は死亡する。
戦闘時にゾロ目を出すと相手のスキルを2ターンの間無効化する。

214 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 20:47:38.36 ID:U+Q+rPvTo

特殊な判定
1−4 light
6−9 chaos
0,5  neutral

直下コンマ
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 20:49:14.40 ID:C7ZUB88DO
はい
216 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 20:56:45.12 ID:U+Q+rPvTo

コンマ判定:0  neutral





いつも通りのルーティンを済ませ、お嬢様をお迎えに行く。

エルクラッド「おはようございます、お嬢様」
アイリス「う、うん。おはよう、エルクラッド」

その日はキチンと着替えも済ませていたお嬢様と共に、食堂へと向かう。
朝食を食べるお嬢様の傍に控えていた時

エレノア「ふぁ〜……おはよう」
アイリス「お、おはようお姉ちゃん」

エレノア様も食堂にやってきた。
普段ならばもっと早い時間に起きて食事も済ませてどこかへ行っているというのに、その日は何処か眠たげな様子だった。


イベント判定
4以上で発生

直下コンマ

217 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 20:57:11.55 ID:fPY6GvjW0
218 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 21:10:59.33 ID:U+Q+rPvTo

コンマ判定:5


エレノア「……ん?」

食事をしながら新聞を読んでいたエレノア様が、記事の内容に眉を顰める。
本来なら食事中に食事以外の事をするのは行儀が悪いことではあるが、この屋敷でそれをこの相手に言える人間はいない。

エレノア「ねえアイリス」
アイリス「は、はい」
エレノア「貴女昨日、事件現場からは大きな音が聞こえたみたいな話してたわよね」
アイリス「うん。直接その音を聞いたわけじゃないけど…」
エレノア「……今日も学校に行くのよね」
アイリス「う、うん。そのつもりだけど」
エレノア「今日は私の馬車を出してあげるから、それで向かいなさい。帰りも送ってあげるわ」
アイリス「ええ?嬉しいけど、その…えと……め、珍しいね」
エレノア「あら、私の優しさが怖い?」

ニヤリと妖しい笑みを浮かべるエレノアに、アイリスは激しく首を横に振っていた。

確かに、何の打算もなく自分の物を貸し出すエレノア様という姿は非常に珍しく映る。
とはいえ、何か考えあってのことなのだろう。
オレが何か口を出すことは無い。


219 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 21:19:01.50 ID:U+Q+rPvTo

エルクラッド「では、いってらっしゃいませ」
アイリス「うん。またね」

いつも通り、というわけではなく馬車での送迎だったが、特に問題もなくお嬢様を学校へと見送る。
出立前にエレノア様から『今日は特に気をつけて護衛なさい』と耳打ちされたが、道中に何か変わりがあったようには思えなかった。
とはいえ、あのエレノア様の事だオレには及びもつかない考えを持っていらっしゃったのだろう。

さて、これからどうするかだが……


1、視点変更(アイリス)
2、護衛も兼ねて校内に足を踏み入れる
3、エレノア様に用があると言われていた

安価↓1
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 21:19:48.29 ID:fPY6GvjW0
1
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 21:20:08.05 ID:C7ZUB88DO
2
222 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 21:28:12.92 ID:U+Q+rPvTo

選択:1、視点変更



エルクラッドと別れ、学校の廊下を歩く。
先ほどまで馬車に揺られていたせいか、自分の足で歩くことに奇妙な浮遊感のような物を感じる。
馬車、もう少し揺れが少なければ好きなんだけどな。

そんな事を思いながら、自分の席に腰を下ろす。

……気のせいか、周囲が少しざわざわしているような気がする。
何かあったのかな?……いやでもいつもこんな感じのような気もする。
校内で何かあったって感じではなさそうだけど。

いつもと少し違う空気を感じながら私は……


1、新聞を広げた
2、周りの声に耳を傾けた
3、自由安価

安価↓1
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 21:33:13.72 ID:gmtKfgOy0
2
224 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 21:46:30.72 ID:U+Q+rPvTo

選択:2


周囲のざわめきに耳を傾ける。


「聞いたか?昨日の話」
「え、何かあったのか?」
「また人が死んだってよ」
「マジかよ!いよいよもってどっかが手引きしてんのか…」
「いや、そういう感じじゃなくてよ。大衆の酒場で殺しがあったとさ」
「酒場で殺しって……酔っ払いの乱痴気騒ぎじゃなくてか?」
「いやそれがさ、昨日のアイツの話覚えてるか?越境術の研究者が死んだとか殺されたとかの話」
「あー……なんか、デカい音が鳴ってたとかいう」
「正にそれ、酒場で騒いでる中で回りが静まり返るくらいデカい音がして、男が頭から血を流して死んだらしい」
「うえっ…じゃああれって事故じゃなくてマジの殺しだったのかよ」
「その音マジですごいらしくて、暫く耳鳴りが止まなかったとかって話だぜ」
「こえー、犯人はどうなったんだよ?」
「周りが呆気にとられているうちに姿を晦ましたってよ。噂によると、目深に帽子をかぶった髪の長い男だったって話だ」
「勘弁してくれよ。騎士隊の連中は何してんだよ」


そんな会話が聞こえてくる。
また誰かが死んだ。それも、あの事件と同じく大きな音と共に頭から血を流して誰かが死んだ。
……これは本格的に、殺人鬼がこの辺りに潜んでいるという事になるのかな?
もしかして今日の馬車って、お姉ちゃんがこのことを心配に思ってしてくれてたのかもしれない。
225 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 21:51:24.64 ID:U+Q+rPvTo

昼休み


今朝噂話で聞いた、事件からか何名かの生徒が欠席しているようだった。
とはいえそれでも人は多い。
昼休みと同時に人波は分かれ、各々が顔見知りと共に昼食をとる準備を始めている。

そんな中で、今日も今日とて私は一人でお弁当だ。

さて……


1、すぐに食事を済ませ、校内をうろつく
2、また昨日のように食堂に足を運ぶ
3、校内に居たエルクラッドと共に昼食

安価↓1
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 21:52:47.04 ID:C7ZUB88DO
3
227 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 22:05:44.90 ID:U+Q+rPvTo

選択:3



中庭の花壇近くの長いすに腰を掛ける。
私の隣には、エルクラッドが座っていた。
何でも、今日は護衛も兼ねて校内で不審な人物が居ないか見回っていたらしい。
今朝お姉ちゃんから何か耳打ちされていたし、警戒するように言われていたんだと思う。
馬車の事もそうだけど、それを直接私に言わないのは……私を不安にさせないように、かな?……お姉ちゃんがそんな気遣いをする人だとはあんまり思えないけど。

いつも一緒に居るけれど、こうして校内でエルクラッドと一緒に居ると言うのは珍しい。
しかも、一緒にご飯を食べるのなんて何時ぶりだろう?
主従という関係になってから、すっかり食事を共にするという事も少なくなっていたように思う。
昔はもっと……友達というか、お嬢様なんて呼ばれることなんてなくって、名前で呼び合っていたのにな。

そこまで遠い昔の事じゃない筈なのに、何だか懐かしく思ってしまう。

アイリス「じゃ、じゃあ。いただきます」
エルクラッド「どうぞ、ごゆっくり」
アイリス「あれ?エルグラッドは食べないの?」
エルクラッド「はい。ですが、お気になさらず」

平然とした顔でエルクラッドは言う。
自分だけ食べるという事に何だか居心地の悪さを感じながらも、お弁当を食べることにした。


1、何か変わったことは無かった聞く
2、パンを一つあげる
3、昔話をする
4、自由安価

安価↓2
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 22:08:24.16 ID:C7ZUB88DO
ksk
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 22:10:12.95 ID:AAX3VUYFO
3
230 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 22:32:28.44 ID:U+Q+rPvTo

選択:3


パンを一切れ口に運びながら、チラリと隣に目を向ける。
私の事を意に介す様子はなく、周囲へと気を配っている。
その涼しい顔つきは、どこか冷たくも思ってしまう。

アイリス「パン、本当に要らない?」
エルクラッド「はい、不要です。お気遣いなさらず」
アイリス「…会ったばかりのころは、私からパンを奪ってじいやに怒られてたよね」
エルクラッド「む、昔の話です」

私の言葉に表情を崩し、取り繕うように咳払いをする。
そう言う人間らしい仕草さえ、昔の事を思い出すとなんだかおかしく思えてしまい、思わず笑ってしまう。

エルクラッド「忘れてください。あの頃はオレの汚点です」
アイリス「そうなの?」
エルクラッド「あの頃のオレは、躾けのなっていない獣と同じでしたから。どうぞ、野良犬の相手をしていたとでも思っていてください」
エルクラッド「今の俺は、お嬢様の執事ですから。……至らぬ点も多いかと思いますが」

そう言ったエルクラッドは、どこか遠くを見ていた。

エルクラッドは昔と比べて随分と変わった。
確かに本人の言っている通り、昔の彼は野良犬と大差ない振る舞いだったと言っても過言ではない。
言葉も殆ど分からないし、粗野で野蛮で、肉を生で食べてたりしてた。
そんな彼の事を怖いと思うところは確かにあったけど、外でじいやと三人で森で遊んでいたことは今でも思い出せる。

今のエルクラッドに昔の面影は殆どない。
そんな彼の事を……

1−3  少し恐ろしく思う
4−6  これでいいんだと納得する
7−9  少し寂しく思う
0    ???

直下コンマ
231 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 22:33:35.85 ID:f82Wq+hBO
んん
232 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 22:34:06.98 ID:UURdDyPc0
233 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 22:45:53.56 ID:U+Q+rPvTo

コンマ判定:5


アイリス「エルクラッドは、また昔に戻りたいって思う?」
エルクラッド「いいえ全く。ほんの一欠けらも、あの森に戻りたいとは思いません」
エルクラッド「お嬢様に執事として仕えること。オレにとって必要なことはそれだけです」
アイリス「そっか……」

ならそれでいいんだよね、と納得する。

今と昔、何もかもが変わってしまったエルクラッドの姿。
何が良いとか、悪いとか、私が決めることじゃない。
本人がそう言うのなら、私もそれを受け止めるべきだ。

それからあまり会話が思い浮かばず、黙々と食事をした。
その間もエルクラッドは張り詰めた雰囲気で、周囲に気を張っているようだった。
234 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 22:47:56.78 ID:U+Q+rPvTo

放課後


授業を終えて、軽く伸びをする。
今日はお姉ちゃんの馬車が迎えに来るから、すぐに帰るというわけにはいかない。

どうやって時間を潰そうか?


1、適当に校内を散歩する
2、図書館に足を運ぶ
3、エルクラッドと町の方に足を運んでみる
4、自由安価

安価↓1
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 22:53:12.69 ID:fPY6GvjW0
3
236 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 23:03:19.19 ID:U+Q+rPvTo

選択:3


待っている間、特にすることもない。
ここ数日ちょっと怖い事件があったばかりだけど、エルクラッドが傍に居れば大抵のことはどうにかなるだろう。
そう思い、私はエルクラッドと共に町に足を運ぶことにした。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
視点変更:エルクラッド


お嬢様に連れられて町へと足を運ぶ。
都市をとり囲む町の一つという事もあってか、人通りも非常に多い。
人種さえもばらばらで、オレの角もそこまで目立つほどではないのはありがたかった。

お嬢様がどこに向かっているかは聞かされていない。
今日は確か学校に迎えの馬車が来るはずだ、それまでには校門の前に帰らないといけない。

オレは時計を気にしながら、お嬢様のすぐ後ろをついて行った。


イベント判定

1−3   誰かとぶつかる
4−6   声をかけられる
7−9   エレノア様
0、ゾロ目 大きな音

直下コンマ    
237 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 23:06:15.28 ID:UURdDyPc0
238 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 23:08:14.01 ID:U+Q+rPvTo

ごめんなさい!選択しミスってたのでもう一回!

イベント判定

1−3   誰かとぶつかる
4−6   声をかけられる
7−9   何かに気付く
0、ゾロ目 大きな音

直下コンマ
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 23:10:50.66 ID:f82Wq+hBO
ぬ!
240 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 23:21:13.45 ID:U+Q+rPvTo

コンマ判定:ゾロ目


それは、あまりにも突然の出来事だった。
空気を劈く様な強烈な破裂音が鳴り響く。

アイリス「ひゃっ!?」
エルクラッド「お嬢様!」

即座にお嬢様の体を引き寄せ、周囲に目を配る。

余りにも強烈なその音に耳鳴りがし、周囲の音が上手く拾えない。
頭に響き渡る耳鳴りの遠くの方で、人々の悲鳴のような声が聞こえてくる。
そう把握した時には、ごった返した人の波が自分が向いている方から逆走して雪崩れ込んでくる。

エルクラッド「クソ、何がどうなってる」

人波にお嬢様が押しつぶされないよう守ることに必死で、周りの状況が上手く把握できない。

アイリス「あ、あ、あ…あれ……」

腕に掻き抱いていたお嬢様が何かを見つけ、指をさしている。
その震える指の先には……人が仰向けに倒れ伏し、その頭から血を流していた。


行動安価
安価↓1
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 23:33:51.01 ID:C7ZUB88DO
まずはアイリスを守ることを優先して流れに逆らわずに避難しつつ人波を避けられる所を探す
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/23(水) 23:34:07.91 ID:UURdDyPc0
自由安価か?
姉貴が言ってた現場
> 事件現場は彼の研究室。被害者は頭から血を流している状態で発見された」事件現場は彼の研究室。被害者は頭から血を流している状態で発見された
とそっくりだな

お嬢に手伝って貰って現場をなるべく保全し、自分は逃げる人の中に怪しそうな人物がいたら顔をおぼえておいて、被害者に息がありそうなら救命活動ってかんじかな?
243 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 23:48:06.62 ID:U+Q+rPvTo

>>241採用
※自由安価のつもりでした。分かりづらくてごめんね!次からは気をつけます!!


血の匂いが鼻を衝く。
長らく忘れていた死の匂いが、目と鼻の先に無造作に転がっている。

混乱を覚えながらも、何より優先すべきことを思い出す。

エルクラッド「失礼します!」

お嬢様の体を抱きかかえ、人波に逆らわずその場を離れる。
何があったのかは分からんが、危険であるという事だけははっきりと理解できる。
相手が魔法使いかどうかすら分からないが、お嬢様の安全の確保が何よりも優先されると考えた。

口々に悲鳴を上げる人波に呑まれるように動きながら、何とかその波から抜け出し路地裏へと出ることに成功した。
人周りに人はいない。路地裏の先の大戸通りからはまだ騒ぎが続いていることが確認できる。

エルクラッド「怪我はありませんか?」
アイリス「う、うん。あ、あの…あれって……」
エルクラッド「心当たりがあるのですか?もしや、お知り合いだとか」
アイリス「そ、そうじゃなくて…えと、あのお姉ちゃんに調べろって言われてた事件の…犯人……かも」
エルクラッド「なるほど、アレがお嬢様の仰っていた音」
アイリス「う、うん。でも、聞いたのは初めて。む、胸がまだバクバクしてる」

とはいえ、衝撃的な現場に遭遇した割にはお嬢様はパニックにはなっていない様子だった。
お嬢様のみの安全を最優先にしたおかげかもしれない。
244 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/23(水) 23:59:32.63 ID:U+Q+rPvTo


アイリス「あのね、えっと……実は今日噂を耳にしてたの。あの事件の犯人かもしれない人が、酒場でまた人を殺したかもって」
アイリス「状況も似てるし、多分…間違いないと思う」
エルクラッド「顔は見ましたか?」
アイリス「ご、ごめん。それは分からなかった」
エルクラッド「仕方ありません、あの混乱でしたから」

かくいうオレも、死体にばかり目が行って犯人の顔は分からなかった。

さて、どうするべきだろうか?
お嬢様をここで一人で残すのは危険かもしれない。とはいえ、あんなごった返した通りに置き去りにするよりは随分と安全だろう。
直ぐ近くに件の犯人が近くに居るかもしれない事を考えれば、顔を見るなりして情報を得ておば後々必ず役に立つだろう。
あわよくば取り押さえられれば、それこそ万事解決する。
放っておいても騎士隊が来るとは思う。……しかし、魔法使いも殺した相手がたかが騎士連中にどうにかなるかといえば、少々疑問に思う。

どうする?
どうすることが最善だ?
こんな時、爺さんならどうする?

オレは……


1、お嬢様に指示を仰ぐ
2、自由安価

安価↓1
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 00:09:25.92 ID:vwy8ua+F0
1
246 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 00:21:04.62 ID:iHo2G7FEo

選択:1


エルクラッド「お嬢様、オレに命令を下さい」
アイリス「え、ええ!?」
エルクラッド「オレは頭が悪い。自分一人だと何が正しいかも決められない。だから、オレに命じてください」
アイリス「で、でも私だってその……何をするのが正しいかなんて分かんないよ」
エルクラッド「ですが、オレにとって最も正しいことはお嬢様の言葉に従う事です」
アイリス「そ、そんなこと言われたって…」
エルクラッド「安心してください。オレには力があります。不可能なんてありません、だから自信を持って」
アイリス「う、うぅ……」

お嬢様はたじろぎ、狼狽えるようにうめき声を出す。
しかし、一頻り逡巡したような姿を見せた後、深く息を吐く。

お嬢様はもう一度顔を上げ、オレに命令をする。


コンマ判定

1−3  「この場から逃げよう」
4−6  「逃げられる前に、顔だけでも見ておこう」
7−9  「やっつけてきて」
0    バッドラック

直下コンマ
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 00:21:46.03 ID:xS3YoUfM0
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 00:25:16.73 ID:Csx/fFDF0
存在を確かめたうえでちゃんと対策練った方がよさそうだしな(アイリス嬢がそこまで考えているかはともかく)
249 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 00:31:56.94 ID:iHo2G7FEo

コンマ判定:3


アイリス「に、逃げよう」

震える手でオレの服を掴む。
大通りの方向からは、さらなる混乱と悲鳴が響く。

アイリス「今すぐここから逃げたいよ…!」
エルクラッド「…かしこました。では、失礼します」

お嬢様の体を抱え上げ、足に力を込める。
地面がひび割れるほどの力を込めて、その場から飛び上がる。
飛翔ではなく跳躍。純粋な人間ではない身だからこそできる、最も安全な逃走経路。

エルクラッド「ちゃんと掴まっていてくださいね」
アイリス「う、うん」

お嬢様の両腕が首に回され、ギュッと力が込められていることを感じる。
屋根伝いに跳躍を続け、直ぐに人々の声は遠くなっていく。

その場から逃げることを選択したお嬢様は、どこか後ろ髪を引かれているような表情で、小さくなっていく喧騒の人波をずっと目で追っていた。
250 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 00:33:19.41 ID:iHo2G7FEo

被害判定(00〜99で判定。高いほど大きな被害)

直下コンマ
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 00:33:48.22 ID:nz/FNOpDO
はい
252 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 00:42:38.29 ID:iHo2G7FEo

コンマ判定:22 それ以上の大きな被害は出なかった





無事に屋敷に戻ったお嬢様は、あの大通りで起きた事件の事をエレノア様に話していた。
エレノア様はただ一言『そう』とだけ答え、それ以上は何も言わなかった。
オレにエレノア様が何を考えていたかなんて、知る由もない。だが、あの苛烈な性格のエレノア様が、叱責も罵倒もなくお嬢様の報告をあしらった姿は何処か普段とは違う含みを持たせているように感じた。

お嬢様は屋敷に帰って以来、部屋に閉じこもっている。
食事まで自分の部屋で食べていた。
あんな事件に立ち会った後だ、臆病で怖がりなお嬢様なら酷いショックを受けていても仕方がない。

一日の職務から解放され、ラフな格好に着替えたオレは……


1、お嬢様の部屋を訪ねる
2、エレノア様の部屋を訪ねる
3、ジョシュアに会いに行く
4、夜の街に向かう
5、自由安価

安価↓1
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 00:43:05.10 ID:vwy8ua+F0
1
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 00:43:23.58 ID:nz/FNOpDO
1
255 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 00:52:04.74 ID:iHo2G7FEo

選択:1


あんなことがあったばかりだ、オレは心配になりお嬢様の部屋を訪ねる。
トントンと、軽く扉をノックする。

アイリス「だ、だれ…?」

扉越しからお嬢様の声が聞こえてくる。
酷く憔悴している様子が声からも伝わってくる。

エルクラッド「オレです。ご様子を窺いにまいりました」
アイリス「………うん、大丈夫だよ」

どう聴いても大丈夫そうだとは思えない。

エルクラッド「お食事は済まされましたか?皿をお下げしましょうか?」
アイリス「あ……えと、あとで自分で片付けるよ」
エルクラッド「左様ですか」
アイリス「うん……」

そこで会話が止まってしまう。


1、扉を開けて中に入る
2、扉越しで会話を続ける
3、チャムを連れてくる

安価↓1
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 00:57:41.75 ID:nz/FNOpDO
3
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 00:58:46.77 ID:Csx/fFDF0
アニマルセラピーかな?
258 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 01:08:40.20 ID:iHo2G7FEo

選択:3


廊下でふてぶてしくも職務を果たさず眠っていた怠惰なネズミ捕りの首根っこを捕まえ、もう一度お嬢様の部屋をノックする。

エルクラッド「お嬢様、必要な物を持ってまいりました」

そう声をかけると、やがて恐る恐るゆっくりと扉が少し隙間を開けて開かれる。

アイリス「ひ、必要な物って…私何か頼んで――」

言い終える前に、隙間から中にチャムを放り込む。

アイリス「ぴゃっ!?って、チャム?」
エルクラッド「お嬢様にいま必要な物です。お嬢様が何に心を痛めているのか、オレには計り知れません」
エルクラッド「ですが分かることはあります。お嬢様は何一つ間違ったことはなさっていません。それだけは間違いなく真実です」
エルクラッド「…一人でふさぎ込んでいては、気も暗くなる一方でしょう」
エルクラッド「そいつは鼠一匹捕まえられない愚図ですが、気を紛らわせるには丁度良いかと」
アイリス「エルクラッド……」
エルクラッド「では、オレはこれで」
アイリス「あ、ありが―――あ!チャム、私の夕ご飯食べないで!!こらっ!」

ほんの少し開けられた扉の隙間から、そんな声が聞こえてくる。
お嬢様の声に元気が戻ったような気がするのも、気のせいではないだろう。

オレはそっと扉を閉め、その場を立ち去った。



親密度上昇判定
(00〜99÷3で判定。端数切捨て)

直下コンマ
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 01:09:49.53 ID:3O2MLfWs0
高く
260 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 01:14:05.62 ID:iHo2G7FEo

コンマ判定:53÷3=17


アイリス:11+17 【信頼?】


というわけで今日の更新はここまでです。
お付き合いいただきありがとうございました。明日も21時頃には更新できると思います。
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 01:17:50.52 ID:nz/FNOpDO
乙でした
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 07:26:21.81 ID:3O2MLfWs0
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 08:32:03.66 ID:Csx/fFDF0
264 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 23:49:58.00 ID:iHo2G7FEo

更新予告詐欺をしてごめんなさい!!!
そのお詫びという形になってしまいましたが、以前言っていた安価取らない過去の話の短編を投下します。
265 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 23:50:56.09 ID:iHo2G7FEo

『獣と人を隔てるものT』


獅子は兄弟と戯れる中で力の加減を覚え、親と遊び戯れる中で狩りの方法を学ぶのだという。
人は己を世話する人たちの声を聴き言葉を覚え、人の姿を見て学び歩き方を知るのだという。

ならば親兄弟の居ない獣はどうなるのだろう?
周りに人が居ない世界で育った人はどうなるのだろう?

単純な理屈で考えるのならば、狩りもできない社会も知らない獣と人は、生きる術を持たない事と同義だ。
そもそも生まれたばかりの赤子というのは、己一人の力で生きていけるように作られていない。
ともすれば、その末路は容易に想像がつく。

とある世界に一つの国。
広大なその国の領地でありながら人の営みがある場所から遠く離れた、滅多に人が足を踏み入れることがない森。
そんな地に、一人の赤子が産声を上げた。
その命を守る筈の親姿は周囲には無く、ただあるがままにその赤子は大きな声で鳴いていた。
本来なら助けを求める意味を持つそれは、親が近くに居ないその赤子にとっては、外敵を引き寄せるための誘蛾灯になり果てる。
ほんの数分の内に、赤子の周りにはその命を糧とせんとする獣が集う。

生まれたばかりの幼い命が無情にも散る。
266 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 23:51:24.43 ID:iHo2G7FEo

自然の摂理に則るのなら、そこで話は終わる。
だが、終わらなかった。
そんな絶対の窮地にありながら、その幼子は命を長らえた。

つまりはそう、その命は余りにも――『不自然』な存在だったのだ。

その幼子に近づいた獣は、その牙を柔肌に突き立てるよりも早く、その身が弾け飛んだ。
まるで空気の入った風船に針で穴をあけたかのように、血と肉と骨の詰まったそれが弾けて砕けた。

赤子の鳴き声が大きくなるとともに、草花は枯れ落ち、木々は首を垂れるようにその巨体を横たわらせる。
その赤子の鳴き声に誘われ近寄った獣、その悉く体が弾け命を散らした。
悲鳴を上げるように大地は沈み、やがて赤子は散らした命の海にその身を浴する。
人も獣も、母親の乳を飲み命を繋ぐが、その赤子は獣の血を飲み命を繋いだ。

やがて、その赤子は齢5つにして森の王に君臨する。
親もなく、言葉も知らず、狩りをする知恵すらもない。だがしかし、その森に存在するどんな獣よりも、命を壊す術に長けていた。
何一つ、何者からすらも学びを得ることなく、その怪物は生き延びてしまった。

いつしかその森には『生命を殺す吐息を吐く怪物が居る』そんな噂が流れるようになった。

267 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 23:52:10.77 ID:iHo2G7FEo

そんな森の王であった彼に、唐突な終わりがやってくる。
その森に外から何者かが足を踏み入れてきた。
それだけならば、それほど不思議な話ではない。
縄張りを広げようとする相手の侵略行為であっても、彼はその悉くを破壊し続けていた。
だがしかし、その時来訪した相手は、彼が今まで一度も目にしたことの無い目的を持った相手だった。

「ほう、困った害獣が湧いたと噂を聞きつけて調査にやってきたが、まさかコレが件の怪物か」

立派な顎髭を蓄えた老人が、かの森の王の姿に目を丸くする。
威嚇の唸り声を上げ、敵意をむき出しでにらみつける彼に対し老人はたじろぐ様子はない。

「言葉は分かるか?」

老人は臆せず彼に語り掛ける。
ずっと森の中で暮らし、彼を保護する者もおらず、森に住まう獣を殺して生き延びてきた彼にとって、言語というモノは未知の文化にも等しい。
狼の遠吠えのような雄たけびと共に、彼の踏みしめる大地から波紋を広げるように草木の命が枯れていく。

「成程、人の手には持て余すわけだ。その齢で怪物と呼ばれるだけはあるか」

彼の力の片鱗を目にしても尚、老人は不敵な笑みを崩さない。

「旦那様のご命令は、森に住まう怪物の速やかな排除。………となれば、やることは一つしかあるまいな」

老人は一歩を踏み出す。
命を枯らし、形あるものを地理に帰す魔力を前にしても尚、その力の源へと向けて歩みを止めない。
そんな存在を目にしたのは、彼にとって初めてのことだった。
その老人の姿、未知なる者の不可解な行い、それは正に今まで外敵と呼べる存在と相対したことの無かった、その狭き世界の食物連鎖の頂点に立つ彼に初めて恐怖という感情を与えた。

老人は一歩踏み出す。
彼は一歩退く。

「決めたぞ、小僧。私がお前を『人間』にしてやる」

老人は笑い、手を差し伸べる。
彼は吠え、その手に食らいつかんと飛び上がった。
268 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/24(木) 23:54:45.23 ID:iHo2G7FEo

この過去話、後2話ほど続く予定です。
書きあがり次第投下するつもりです。

ではでは、次回更新をお待ちいただければと思います。
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 23:56:20.14 ID:nz/FNOpDO
乙です
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/24(木) 23:58:59.98 ID:Csx/fFDF0

ゴーギュストっょぃ
271 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/25(金) 20:54:11.31 ID:F4TSm+cro

そろそろ再開です。
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 21:06:56.31 ID:hwwyhihDO
待機
273 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/25(金) 21:09:59.98 ID:F4TSm+cro




お嬢様が朝食を終えた直ぐ後、どういうわけかオレはエレノア様の部屋まで来るように命じられた。
普段なら近づくことすらもないその扉を前にし、ほんの少し心に躊躇いが生まれる。

コンコン

扉をノックすると『入りなさい』と即座に言葉が返ってくる。

エルクラッド「失礼します」
エレノア「待っていたわよトカゲちゃん」

豪奢な椅子に座ったエレノア様に迎えられる。
その姿からはえも言えぬ圧力のような物を感じる。
こうして声をかけられる事なんて非常に珍しく、同じ屋敷に住んでいるとはいえまともな会話を交わしたこともほとんどない相手だ。

エルクラッド「して、オレにどんなご用事ですか」
エレノア「謂わなくとも察して欲しいわね。……なんて、貴方相手に皮肉やイビリなんて効果ないか。それはそれで退屈ね」
エルクラッド「はぁ…」
エレノア「昨日、貴方達に調べろと言っていた事件。それが目の前で起きたのにも拘らず、逃げ出したそうね?」
エレノア「あの場で殺害された男以外に大した被害は出ていなかったとはいえ、あの場の判断は褒められたものではないわ」
エルクラッド「ですが、お嬢様のみを守ることが何よりの大事であったかと」
エレノア「あら?もしかして貴方の独断だった?まあどっちでもいいわ、そもそもあの子に対して期待はしていなかったし」
274 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/25(金) 21:27:24.36 ID:F4TSm+cro

エレノア「とはいえ、この私の命令に背き逃げ出した臆病者には、相応の罰が必要だと思うのよね」
エルクラッド「なっ!」

オレのその様子を見て、エレノア様はニタリと口元を歪ませる。

エレノア「どうしましょうね?臆病で従順な振りをして、ただ怠惰なだけの子豚ちゃんには少しくらい痛い目を見て貰った方がいいかしら?」

そう言いながら、いつの間にか手に持っていた鞭で見せつけるように手遊びしている。
思わず拳に力がこもる。
相手がエレノア様でさえなければ、迷わずその拳を振るっていただろう。

エルクラッド「…恐れながら、あの場のお嬢様の判断は最善の物であったかと」
エレノア「あら、やっぱりあの子が逃げようって言いたのね。まあ貴方なら大抵の相手を熨してしまえるでしょうし、あの子に判断を任せたんだろうとは思っていたわ」
エレノア「自分一人では何も決められないモノね。人のフリをしているようでも、アナタは猟犬と大差ないわ」
エレノア「折角の力を持っているのに、勿体ない」
エルクラッド「…っ…ですが、あれ以上の被害は出なかったのですから。それでいいではありませんか」
エレノア「あの場では、ね」

エレノア様に何かを投げつけられる。
咄嗟に体が反応しそれを掴むと、それは新聞であった。

275 : ◆7m3grp2dM2 [saga]:2020/09/25(金) 21:46:16.31 ID:F4TSm+cro

エレノア「昨晩また死者が出たわ。今度は一度に3人。無辜の民がまたその命を散らしたのよ」
エレノア「この私の領地で。この私の財産が、誰とも知れぬ下郎に踏みにじられたのよ」
エレノア「貴方とアイリスは、その犯人を捕らえる好機と直面していながら、すごすごと逃げ去った。己が身の可愛さに」

エレノア様が椅子から立ち上がり、此方へ一歩歩みよる。
身長はアイリスお嬢様とそれ程変わりはない。自分と比べて胸ほどの大きさほどしかない少女。
自分よりも圧倒的に弱く、触れるだけで壊すことさえできるであろうその少女の言葉に、振る舞いに、強烈なまでのプレッシャーに気圧される。
オレは、思わずその場に膝をついてしまっていた。

エレノア「貴族が何故貴族足り得るか、貴族を貴族たらしめる物は何か。貴方に分かる?」
エルクラッド「……分かりません」
エレノア「力よ。あらゆる脅威悪意をねじ伏せるだけの力」
エレノア「それがあってこそ、莫大な富に浴し、享楽に耽ることを許される」
エレノア「あの子がいくら何も望まなかろうと関係ない。支配者の血筋として産まれ、その富によって生かされてきたのならば、責務を果たさなければならないわ」
エレノア「まあ私は、あの子がポンコツだって知ってるし、何もできなくたってなーんにも思わないけど」

エレノア「でも、民は違うわ」

エレノア「彼らにとって、あの子は貴族なの。脅威を前にして逃げ出したなんて許されない」
エレノア「今回は、偶然にも運よく逃げ出したことが知られていないようだけれど、敵前逃亡したことを新聞社にすっぱ抜かれでもしてみなさい」
エレノア「……あの子、今以上に肩身の狭い思いをすることになるわ」
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 21:52:36.34 ID:m/xVedJb0
エレノアに判断を委ねすぎるとこういうリスクもあるか
安価下
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 21:53:58.09 ID:m/xVedJb0
あ、アイリスだった…
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/09/25(金) 21:57:02.59 ID:iwAhu5f70
姉上の人物説明あれだけど言ってること貴族としても姉としてもまともだな
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