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【モバマス×ポケモン】藍子「めざせポケモンマスター! …ポケモン、マスター?」

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297 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:09:02.00 ID:BpcqB9Hd0

美波「これがZリングっていうものなんだけど、この中にZクリスタルっていう結晶があるの」

美波「ポケモンにもこれと同じZクリスタルを持たせることで、その二つを共鳴させて技を繰り出すんだ。トレーナーの負担が大きいから、そう何度も出せはしないけれど」

藍子「へえ……ガラルにはダイマックスがあるみたいに、アローラにもそんな文化があるんですね」

美波「私が持っているZクリスタルはアシレーヌZっていうんだけど、これ、元々はパパが持っていたものなんだ」

美波「パパは海洋学者なんだけど、私と歳が近かった頃はアローラでしまめぐりをしていたんだって。――あ、しまめぐりっていうのは、若いトレーナーがZクリスタルを手に入れるためにアローラ中を巡るっていう風習なんだけど」

藍子「ジムチャレンジのようなものですか?」

美波「そうそう! それで私がジムリーダーを目指すって決めた時に、しまめぐりで手に入れたZクリスタルを譲ってくれたんだ」
298 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:10:26.61 ID:BpcqB9Hd0

美波「ただ、本来はガラルでZワザを使うことはできないみたいで。最初はお守りとして大事に持っていたんだけど……ある日突然、私も使うことができるようになったんだ」

美波「『もしかしたら『かがやきさま』がガラルを訪ねて来られたのかも』ってパパは言っていたんだけど」

藍子「かがやきさま……?」

美波「あ、気にしないで。でもこの力を使えるようになってから、ジムリーダーとしてどんどんいろんな人から認められていった気がするなあ」

美波「アローラではメジャーな存在だけど、どうやらガラル地方でZワザを使えるのは私以外には誰もいないみたい。だからいろんな人に珍しがられるんだ」

藍子「美波さんだけが……ということは、美波さんはアローラ地方からやって来られたんですか?」

美波「ううん。私、生まれも育ちもガラル地方なの。アローラにはまだ行ったことがないんだ」
299 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:11:16.36 ID:BpcqB9Hd0

美波「……憧れだったジムリーダーになれた。唯一のZワザ使いとして持て囃されて、最強だなんて持ち上げられるようになった。そんな時に、珠美ちゃんが現れたんだ」

藍子「……! 私も一度、バトルを見たことがあります。最強のジムリーダー、なんですよね」

美波「うん。……私は珠美ちゃんに二度も負けたの。それまで慢心していたわけではなかったんだけどね、改めて自分の実力を思い知った。どう足掻いても越えられない壁を感じたんだ」

藍子「……美波さんも充分強かったのに、そんなに力の差があったんですね」

美波「ちょうど珠美ちゃんに負けて落ち込んでいた時だったかな、灯織ちゃんが道場破りに来たのは」
300 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:12:06.88 ID:BpcqB9Hd0

藍子「そうなんですか……ど、道場破り!?」

美波「ふふ、嘘だと思うでしょ? あの子、最初は本気で私を倒してジムを乗っ取ろうとして押しかけてきたんだよ」

藍子「全然想像がつかないです……すごく大人しそうな子だったのに」

美波「……だけど、灯織ちゃんのギラギラした目を見た時に、私には一つの目標ができたんだ」

藍子「目標、ですか?」

美波「うん。灯織ちゃんを次期ジムリーダーに育てて、立派に自立させられたら――私、アローラに行ってみたいんだ」

藍子「!」
301 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:12:34.78 ID:BpcqB9Hd0


5番道路

凛「はい、灯織」

灯織「ありがとうございます。これは……凛さんの手作りですか?」

凛「うん。今日はシーフードピラフを作ってみたんだ。灯織、好きかなって思って」

灯織「ありがとうございます。もちろん海の幸は大好物です。いただきます」

灯織「! すごくおいしいです……!」

凛「口に合ってくれたなら嬉しいよ」
302 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:13:28.82 ID:BpcqB9Hd0

凛「そういえば、美波が使っていた技……Zワザだっけ。あれってどういうものなの?」

灯織「あれはガラル地方では美波さんだけが使えると言われている、アローラ地方に伝わる技のことです。……・私も詳しくは知らないのですが」

凛「アローラ地方……」

灯織「なんでもトレーナーとポケモンのゼンリョクをぶつけて繰り出すんだそうです。美波さんが持っているZリングというアクセサリーの中に、そういうポケモンの力を引き出す何かがあるみたいですね」

灯織「きっとダイマックスのようなものなんでしょう。ただ、ガラル地方ではあまり使っているトレーナーは見かけないですね。美波さんくらいなのではないでしょうか」

凛(……もしかしたら、モバPもこうしてZワザに触れたりしているのかな)

凛「ってことは、美波はアローラ地方出身なの?」

灯織「いえ、両親はアローラ地方出身だそうですが、美波さん自身はガラルで生まれ育ったんだそうです」

凛「そうなんだ」
303 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:14:53.49 ID:BpcqB9Hd0

凛「ねえ、灯織ってどういうきっかけで美波に弟子入りしたの?」

灯織「……」

凛「? もしかして私、変なこと聞いちゃった?」

灯織「い、いえ。……その……」

灯織「今となっては恥ずかしい話なんですが……もともとバウタウンには、道場破りのつもりで来たんです」

凛「道場破り?」

灯織「私はツバサ諸島というガラルから少し離れた島の出身なんですが、そこでは皆、バトルで強くなることにあまりこだわりがないみたいで……気づいたら私は、島の中で最強のトレーナーになっていたんです」

灯織「なので正直、島での暮らしには飽き飽きしていました。それで刺激を求めて島を出て、ガラルにやって来たんです」

灯織「そして手始めに、バウタウンにあるジムで自分の実力を示すことにしたんです。その時は、美波さんがガラル最強のジムリーダーだということも知らずに……」

凛「……」
304 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:15:38.05 ID:BpcqB9Hd0

灯織「あっけなく返り討ちにされて、私は自分の世間知らずを恥じました。自分が見ていた世界はちっぽけだったんだと実感して」

灯織「そして一から自分を鍛え直すつもりで島に帰ろうとしたのですが、美波さんに呼び止められてしまいまして……」

灯織「それからは、流れのままにと言いましょうか。どのみち寄る辺のなかった私は、美波さんのお世話になることになりました」

凛「……そんなことがあったんだ。思い出したくないこと、引っ張り出しちゃってたらごめんね」

灯織「いえ、いいんです。ただ……一つ、わからないことがあって」

凛「わからないこと?」
305 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/13(金) 21:16:06.58 ID:BpcqB9Hd0
続きはまた明日
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/13(金) 21:25:04.38 ID:fZs5QEOZ0
一旦乙 灯織自身の元々の手持ちって何だったんだろう?
307 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:35:50.51 ID:rDoczpC70

美波「私はガラルから出たことはないし、ジムリーダーになってからはバウタウンの外に出ることもほとんどなくなった。そんな縮こまった生き方をしていても、珠美ちゃんには勝てないって気づいていたけど、知らないふりをしていたんだ」

美波「今までは、ジムリーダーという立場が言い訳になっていた。でも灯織ちゃんと出会ったことで、やっと自分の心に素直になれたの」

美波「アローラに行って、自分を磨き直したい。アシレーヌZが生まれたいきさつも学んで、Zワザにももっと詳しくなりたい。それで、いつか珠美ちゃんにリベンジしたい」

美波「それが、今の私の目標。ふふっ、こうして言葉にしてみると、ちょっと恥ずかしいな」

藍子「……素敵ですね。美波さんの考え方、すごく尊敬できます」

美波「そ、そう?」
308 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:36:37.30 ID:rDoczpC70

藍子「はい。たくさん努力して、憧れだったジムリーダーになれたのに、それでもゼロから新しいことに挑戦しようとする……それって、すごく素敵なことだと思います」

美波「ふふっ、ありがとう。面と向かって言われると照れちゃうね」

美波「……ただね。気持ち的にはすぐにでもアローラに行きたいんだけど……やっぱり灯織ちゃんのことが気がかりなの」

藍子「気がかり……昨日も話されてましたけど、それは灯織ちゃんが伸び悩んでいるからですか?」

美波「それもあるけど……私は一人前になったと思っていても、灯織ちゃんはどう思っているのか、とか、私がいなくなっても本当に一人でうまくやっていけるのか、とか、本当に考え出したらキリがなくて」
309 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:37:21.54 ID:rDoczpC70

美波「うまく言葉にできないけど、とにかく不安なんだ。灯織ちゃんを置いていけないって気持ちが、日に日にどんどん強くなってきていて。私の決意、押しつぶされちゃいそうなんだ」

藍子「……」

藍子「それはきっと、美波さんが灯織ちゃんとずっと一緒にいたいと思っているから……じゃないでしょうか」

美波「え……?」

藍子「美波さん、昨日も灯織ちゃんのお話をするとき、すごく楽しそうにしていましたよね。きっと、自分が思っている以上に、美波さんにとって灯織ちゃんの存在は大きいんだと思うんです」

美波「……」

美波「……そうなのかも。私ね、あの子の目を見たら色んなことを思い出すんだ。ジムリーダーになるために必死でバトルに励んだことや、ジムリーダーになってから負けが続いて、悔しくて寝る間も惜しんで猛特訓したこと――」

美波「昔の自分を思い出して、原点に戻してくれるっていうのかな。……うん、灯織ちゃんは、私にとってそういう存在」

美波「灯織ちゃんとずっと一緒にいたい自分と、それでもアローラに行きたいって自分が両方いて……」

美波「やっぱり私、まだ迷っているのかな」

藍子「……」

スッ
310 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:38:03.82 ID:rDoczpC70

美波「……ありがとう、藍子ちゃん」

藍子「え、いや、私はそんな大したことは……」

美波「ううん、藍子ちゃんに言い当てられたことで、なんだかモヤモヤが晴れた気がする!」

美波「今はまだ答えを出せないけど……いつか、ちゃんと納得できる道を選べたらいいな」

美波「ねえ、藍子ちゃん。藍子ちゃんにとって、凛ちゃんはどういう存在なの?」

藍子「り、凛さんですか?」

藍子「……私にとっても、凛さんはかけがえのない人です。私を変えてくれた、憧れの存在。ずっと一緒にいたいし、凛さんもそう思っていてほしいです」

藍子「思っていてほしい、ですけど……」

藍子「……美波さん。今からする話は、凛さんにはしないで下さいね?」

美波「え? う、うん」
311 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:38:39.58 ID:rDoczpC70

藍子「私、ずっと凛さんに聞きたくて、聞けないことがあるんです。『ジムチャレンジが終わって、トーナメントも終わったら、凛さんはどうするんですか』って」

美波「……どういうこと?」

藍子「凛さんは、アイマス地方からガラルに来られたんです。それも、本当はポケモンの調査のために。なのに私が勝手にコーチになってほしい、ってお願いして……それでずっと一緒に旅をしてきたんです」

藍子「もちろん、凛さんは凛さんの意思で私と過ごしてくれていると思うんですけど……調査のために、ということは、ゆくゆくはアイマスへ帰られるんだと思うんです」

藍子「でも凛さんと別れることになるなんて想像もしたくなくて、もし聞いちゃったら、明日にでも凛さんが私の前からいなくなってしまう気がして……」

美波「そうだったんだ……私も藍子ちゃんの立場だったら、怖くてとても聞き出せないと思う」
312 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:39:33.39 ID:rDoczpC70

藍子「……いつかは凛さんの元を離れなくちゃいけないってわかっていても、ずっと一緒にいたくて。ふとした瞬間に、すごく不安になるんです」

藍子「トレーナーとしては、ちょっと自信がついてきたと思っていたんですけど。やっぱり私、まだまだ弱いなあって……・」

美波「そっか……」

美波「でも、藍子ちゃんの思い、伝わったよ。凛ちゃんは幸せ者だね」

美波「それに、藍子ちゃんは弱くないよ。一人で生きていける人なんて、世界中のどこにもいないんだから」

藍子「ありがとうございます。……ごめんなさい、なんだか湿っぽくなっちゃいましたね」

美波「ううん、気にしないで。さ、そろそろ再開しよっか!」
313 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:40:13.64 ID:rDoczpC70


灯織「どうして美波さんは、私なんかを後任候補に選んだのか、ということです。何の取り柄もない、世間知らずで意地っ張りな私を」

凛「美波は教えてくれないの?」

灯織「はい。何度か聞いてみたのですが、それっぽい言葉ではぐらかされてしましました」

灯織「……正直、私は自分のことがあまり好きではありません。何もするにも自分がやっていることは正しいことなのか迷ってしまって、結局中途半端になってしまう。そんな自分が嫌なんです」

灯織「それに、バウジムはガラルでもトップクラスのジムです。もちろん求められるレベルも高いので、すごくプレッシャーを感じていたりもします」

凛「理想と現実のギャップが苦しいんだね」

灯織「……はい」
314 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:40:41.80 ID:rDoczpC70

灯織「本当は美波さんのように、誰に対しても物怖じせずに堂々と振る舞えるトレーナーになりたいんです。きっと美波さんが求める次期ジムリーダーって、そういう人のことだと思うから」

凛「……灯織、それは違うんじゃないかな」

灯織「えっ?」

凛「美波のようになる必要なんてないと思うな。灯織は灯織らしくあるべきだし、美波もきっとそう望んでいるよ」

凛「たしかに美波の後を継ぐことには責任を感じるかもしれない。私にはそれがどれだけの大きさなのかは想像もつかないけど……」

凛「何があっても、灯織らしさは失くしたらダメだと思う。美波はきっと、灯織自身がまだ気づいていない自分らしさを見出して、灯織を選んだんだよ」
315 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:41:40.94 ID:rDoczpC70

灯織「……私らしさ……」

灯織「私らしさって、何なんでしょうか」

灯織「今はわからないですけど……もし見つかるのなら、見つけてみたいです」

凛「そうだね……私から言えるのは、とにかく歩き続けていないと見つからないってことぐらいかな」

凛「でも、それで見つけたものがどれだけ美波とかけ離れていても、きっとみんな受け入れてくれるよ」

灯織「……」

灯織「ありがとうございます。少し、心が軽くなった気がします。いつか私らしさを見つけられるまで、腐らずに前を向いていこうと思います」

凛「うん。灯織なら、きっと見つけられるよ」
316 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:42:25.73 ID:rDoczpC70

凛(……口に出してから気づいた。こんなこと、藍子には言ったことはなかった、って)

凛(藍子は私を慕ってくれている。私のようになりたいと、何度も私の前で夢を語ってくれている)

凛(今まではそれを否定しなかった。憧れられるのも悪い気はしなかったし、藍子がそうしたいならそうすべきだと思っていたから)

凛(……でも、それで本当にいいんだろうか。このまま私のようなトレーナーになることが、藍子らしさに繋がるのだろうか)

凛(それは、藍子にとって幸せなことなんだろうか)
317 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:43:01.97 ID:rDoczpC70

…………………………

凛「もう夕方か。じゃあ、今日はここまでにしようか」

灯織「はい。今日は本当にありがとうございました。……なんだか、いろいろと吹っ切れた気がします」

凛「私の力じゃないよ。灯織自身が変わりたいと思ったから、そう思えたんだ」

凛「次に会う時は、もっと自分のことを好きになれていたらいいね」

灯織「……はい。ありがとう、ございます」

灯織「お礼と言ってはなんですが、凛さんに見せたい景色があるんです。一緒に見に行きませんか?」

凛「へえ、どんな景色?」

灯織「バウタウンの景色です。一度、町に戻りましょうか」
318 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:44:03.13 ID:rDoczpC70

バウタウン

灯織「……ちょうといい時間帯ですね」

凛「……!」

凛「夕焼け……太陽が水面に反射して、すごくきれいだ」

灯織「……私、この港から見える夕焼けが大好きなんです。いつも一日の終わりに見に来ているんですけど、その度に心が洗われるというか……」

凛「うん、言いたいこと、わかるよ」

灯織「……凛さん。私は、町の皆が誇れるようなジムリーダーになれるでしょうか」

凛「きっとなれるよ。灯織なら」
319 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:44:42.58 ID:rDoczpC70

美波「ふふっ、仲良く黄昏ているみたいだね」

凛「あ、美波、藍子」

藍子「わあ、きれいな夕日ですね!」

凛「灯織に教えてもらったんだ。本当にきれいだよね、いつまでも見ていたくなる」

灯織「この景色が、お二人の心にずっと残っていてくれたら嬉しいです」

美波(……でも、夕焼けは永遠じゃない。いつかは日が落ちて、夜が来る……)

美波(……)

美波「灯織ちゃん、そろそろ晩御飯にしよっか」
320 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:45:16.96 ID:rDoczpC70

灯織「はい。凛さん、お世話になりました」

藍子「美波さん、ありがとうございました!」

美波「こちらこそ、ありがとう! 藍子ちゃんのおかげで、自分がどうしたいのかわかったよ」

灯織「……なんの話ですか?」

美波「ふふっ、なんでも。じゃ、またね!」

凛「元気でね」

藍子「また会いましょうね!」

ザッザッザッ……
321 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:45:45.80 ID:rDoczpC70

凛「どうだった? 美波との特訓は」

藍子「美波さん、すごく厳しかったです……でも、本当に勉強になりました」

藍子「いろんなことを学んで、結局うまくいかずじまいで終わっちゃったこともあるんですけど……それも含めて、私はまだまだ強くなれるんだって実感しました!」

凛「それはよかった。ところで美波、なんだかすごく晴れやかな顔してたけど」

藍子「ああ。実は、美波さんのお悩みを聞いていたんです」

藍子「凛さんも、灯織ちゃんと仲良くなれたみたいですね!」

凛「そうだね。私もバトルだけじゃなくて、お互いのこととか、いろんな話をしたよ」

凛(……)
322 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:46:36.12 ID:rDoczpC70

凛(藍子が美波の悩みを解決した、そのことを聞いて、私はとても嬉しくなった)

凛(最初は右も左もわからなかった藍子が、誰かの助けになったなんて。私が思っている以上に、藍子はもう自己を確立しているんだ。バトルの腕前も、精神的にも)

凛(つまりそれは……)

凛(私の役目も、いよいよ終わりに近づいているということなのかもしれない)


※美波との特訓により、藍子の手持ちがさらに強くなりました!
323 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/14(土) 19:52:54.33 ID:rDoczpC70
バウタウン編 終幕
次回>>>ナックルシティ、の、その前に。。。

今回は以上です。デレステのコミュっぽさを意識しました
いよいよ残すはナックルジムのみ

次回は凛たちがナックルシティに向かうまでの閑話休題、サイドストーリーをお送りします
凛たちの活躍の裏で、ついにあの二人が動き出す……?

お疲れさまでした
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/14(土) 20:16:23.32 ID:tKLOkDgl0
乙 まあ凛は求道者タイプだから離れ離れになっても戦い続ける生き方を選べば再会可能だろうなと
このSSだと飛鳥も求道者タイプなんだっけ?
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/15(日) 11:57:00.46 ID:h7dmLSVv0
乙 外伝のアローラ編も期待できそうだな
326 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:16:52.90 ID:LD075bso0
求道者タイプってどういう人物を指すのかよくわかってないですけど多分そうじゃないですかね
あとアローラ編はありきたりな展開しか思いつかないんで今のところ書く予定はないです。。。

前回のコミュのミュージカルといい今回の演劇といい、今年のしぶりんは演技の試練がよく訪れますね
そんなしぶりんにエールを送るべくあの二人が立ち上がる。時系列はエンジンシティで何やかんやしてる前後くらいです
327 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:18:28.17 ID:LD075bso0


「カメラ、ピンボケしてないかな? 音声も……うん、大丈夫そう!」

未央「……というわけで! しまむーとちゃんみおがお送りするドキュメンタリー番組、『卯月と未央の』……せーの!」

未央「グレートジャーニー!」

卯月「グ、グレートジャーニー……」


サブストーリー『卯月と未央のグレートジャーニー!』

328 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:19:17.96 ID:LD075bso0

未央「やー、いよいよ始まったねー。あ、どうもどうも! メインMCの未央ちゃんだよ!」

未央「ほらしまむーも挨拶して! もうカメラ回ってるよ!」

卯月「は、はい〜。皆さんこんにちは、卯月です!」

卯月「あの未央ちゃん、本当にここから全部自撮りで録画していくの……?」

未央「もっちろん! さすがにバトル中は他の人に預けるけど、今日の模様は全部ライブ配信するよ! なんてったって密着ドキュメンタリーなんだもん!」

卯月「これってドキュメンタリーと呼べるのかな……」

未央「そりゃあもう、私としまむーの息の合ったコンビネーションに熱い絆、そしてバトルの強さ……全部を余すところなく見せるなんて、これぞ正真正銘ドキュメンタリーでしょ!」
329 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:20:34.61 ID:LD075bso0

未央「そう、この動画は私たち二人が色んな場所に旅立って、すっごい冒険をしちゃおう! という内容の動画なのだ!」

未央「というわけで、私たちは今、この場所の前に立っていまーす! どどん!」

卯月「アイマス地方、シジョウシティにあるバトルライブの会場ですね。今日もたくさんの人で賑わっています!」

未央「お、しまむーもノッてきたねー。じゃあ改めて、企画説明をしちゃおうかな!」

未央「コホン。しまむー、前に私たち、この施設のマルチバトルに一緒に挑んだよね?」

卯月「う、うん」

未央「そして幾多の困難を潜り抜け、バトルライブが誇る最強のトレーナー、ライブアイドルの二人に辛くも勝利した――あ、これ、その時にもらったコインね!」キラキラ
330 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:21:12.95 ID:LD075bso0

未央「だがしかぁし! あの時二人が言った衝撃の言葉、しまむーは覚えているかい?」

卯月「うん。たしか……」


莉嘉『良かったら、また挑戦してねっ! 『金』のコインもあるから!』


卯月「って言ってたよね」

未央「そうだよね。……というわけで!」

未央「私たち、これからゴールドコイン目指して、再びバトルライブに挑戦していきまーすっ!」
331 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:23:41.82 ID:LD075bso0


少し前

未央「しまむー、久しぶりだね!」

卯月「未央ちゃん! こちらこそ、久しぶり!」

未央「いやー、キミのウワサはかねがね聞いてるよー。P.C.S、テレビにコンテストに出ずっぱりじゃん!」

卯月「い、いやいや……」

未央「前にコメンテーターの人が言ってたんだけどね、もはやP.C.Sはチャンピオンに次ぐくらいの知名度と人気があるんじゃないかってさ!」

卯月「そんな、大袈裟だよ〜、チャンピオンなんて……」


※補足…現在のアイマス地方の正式なチャンピオンは不在。凛は期間を設けずにアイマスを旅立ってしまい、蘭子も繰り上げでの昇格を拒否したため
332 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:24:47.96 ID:LD075bso0

卯月「未央ちゃんは、今もチャンピオンを目指して特訓を続けているの?」

未央「うん! 今年こそはアイマスのテッペン、獲りたいからね!」

卯月「そっかあ、すごいなあ」

卯月「……チャンピオン、か。そういえば、凛ちゃんは元気にしてるかなあ」

未央「……」コホンッ

未央「ねえしまむー、実はちょっと聞いてほしい話があって……」

卯月「? どうしたの、急に改まって」

卯月「もしかしてヘレンさんのこと?」

未央「いや……ていうかアイツ最近私の前に現れないんだよなあ……ってそうじゃなくて」

未央「しまむー。もう一回、一緒にバトルライブ、出ないかな?」
333 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:25:39.80 ID:LD075bso0

卯月「え、バトルライブ? ポケモンリーグの前に挑戦した施設だよね」

卯月「私は構わないけど……突然どうしたの?」

未央「いやあ……前にライブアイドルを倒したときにさ、こんなこと言ってたじゃん」


莉嘉『良かったら、また挑戦してねっ! 『金』のコインもあるから!』


未央「あんなこと言われたら、俄然やる気になっちゃうじゃん! だから私、ずっと再挑戦したいなって思ってたんだ」

卯月「……そっか。たしかに私もあの言葉は気になっていたし」

卯月「私も、未央ちゃんがいれば百人力だよ。こちらこそ、また一緒に頑張ろう!」

未央「しまむーならそう言ってくれると思ったよ! でさ、ライブって言葉でひとつ提案があるんだけど」
334 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:26:57.46 ID:LD075bso0

未央「今度は私たちがバトルライブに挑んでいるところを、動画サイトでライブ配信しようと思うんだ」

卯月「ライブ配信……?」

未央「うん。ほら、動画サイトを使ったらさ、世界中のどこからでも私たちを見れちゃうわけじゃん。つまり私たちの名コンビっぷりを、全世界にアピールできるってわけ!」

卯月「あ、あはは……」

未央「――っていうのは建前でさ」
335 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:27:51.65 ID:LD075bso0

未央「しぶりんに見せてあげたいんだ。私たちも頑張ってるんだよって所を」

卯月「!」

未央「しぶりん、あの時勇気を出して一歩踏み出して、新しい世界で頑張ってるはずだよね。だから私たちもさ、負けてられないじゃん?」

未央「気軽に写真やメールを送ったりはできないけど、インターネットを使えばしぶりんにも私たちの姿を届けられるはず」

未央「だから……なんていうのかな。今回の挑戦は、しぶりんに向けたプレゼントにしたいと思うんだ」

卯月「未央ちゃん……」
336 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:28:29.80 ID:LD075bso0

未央「そういうわけで、協力してくれないかな?」

卯月「……もちろん。私も頑張って……凛ちゃんに届くように、精一杯頑張るっ!」

未央「あはは、頑張るって二回言っちゃってるよ」

卯月「あっ……」カァッ

未央「……ありがと、しまむー。それじゃ、よろしくね!」
337 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:29:15.90 ID:LD075bso0

バトルライブ会場

ワァァァァァァァァ……

卯月「わあ……相変わらずすごい盛り上がりだね!」

未央「……」

卯月「未央ちゃん、どうかした?」

未央「へ? い、いや……しまむー、成長したなあって」

未央「初めて挑んだときはあんなにキンチョーしてたのに」

卯月「そ、そうだった……たしかにあの時はすごく緊張したけど、でもコンテスト会場だと思えば全然へっちゃらだよ!」
338 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:29:51.81 ID:LD075bso0

卯月「それに今日は美穂ちゃんや響子ちゃんの代わりに……未央ちゃんが隣にいてくれてるから!」

未央「……へへ、そっか」

未央「でもねしまむー、私はしまむーだけが隣にいるんじゃないと思うんだ」

卯月「?」

未央「なんでかはよくわからないけど……感じるんだ。しぶりんが、そばにいてくれてるって」

卯月「凛ちゃんが……」

卯月「……私も、凛ちゃんが応援してくれているって思いながら、頑張るね!」
339 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:30:48.59 ID:LD075bso0

美穂・響子「卯月ちゃーん、頑張れー!」

ザワザワザワ

『あれってもしかしてP.C.Sの美穂ちゃんと響子ちゃんじゃね……?』

ザワザワザワ

??(……変装もせず白昼堂々と人前に現れるなんて、あの娘たち、なかなか肝が据わっているわね)

??(さあ未央、私の好敵手(リバル)として恥ずかしくないバトルを見せて頂戴)

茜「卯月ちゃーん! 未央ちゃーん! カメラはバッチリ任せてくださーい!!」
340 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:31:53.53 ID:LD075bso0

『さあ始まりました! バトルライブマルチコース!』

恵磨『実況は恵磨が!』

瑞樹『解説は私、瑞樹がお送りするわ。久しぶりね、みんな』

恵磨『今回挑戦するのは……なんと! ポケモンリーグ出場経験もありながら、いまやP.C.Sとして不動の人気を誇る卯月選手と!』

瑞樹『四天王の一角であるアイマス最強格のトレーナー、未央ちゃんのコンビね。二人とも、前回の挑戦からすごく顔つきが凛々しくなったわね』

恵磨『まさに黄金コンビですね! さぁ、そんな二人の相手をするのはー!?』

未央「よし……いくよ、しまむー!」

卯月「うんっ!」
341 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:32:59.05 ID:LD075bso0


………………………………………………

ファイアロー「アロー」バタンキュー

颯「ああっ、ファイアロー!」

チルタリス「チル……」バタンキュー

凪「ミロワール、力及ばず。残念でしたね」

恵磨『勝負ありィィ!! 卯月・未央ペア、新進気鋭の凪・颯ペアを見事撃破ー!!』

ワァァァァァァァァ

未央「ふうっ……」

恵磨『……おおっとぉ!? これで卯月・未央ペアは現在46連勝!』

恵磨『次のバトルに勝利すれば、いよいよライブアイドルへの挑戦権が得られるぞ!』

恵磨『さあ、47戦目の相手はぁー!?』
342 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:33:40.45 ID:LD075bso0

ドンッ

ちとせ「フフン。ま、せいぜい楽しもーよ」

千夜「……悪気はありませんが、これもお嬢様のためです。お前たちにはこの場でご退場いただきます」

瑞樹『こちらも今絶好調のちとせちゃん&千夜ちゃんペア――通称ヴェルベット・ローズね』

卯月「未央ちゃん、あと一息だよ!」

未央「よーしっ! ちゃんみお、頑張りまーすっ!」
343 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:34:16.37 ID:LD075bso0


……………………………………………

クロバット「クロ……」

サーナイト「サナ……」

恵磨『決まったぁぁーー!! クロバット、サーナイト同時ダウーン!!』

恵磨『卯月・未央ペア、これで前人未到の47連勝だぁぁー!!』

ウワァァァァァァァァァァ

瑞樹『……ということは、とうとう彼女たちの出番ね』

恵磨『そう! 次の48戦目に待ち構えるのは……バトルライブ最強トレーナーであるライブアイドル!』
344 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:35:06.07 ID:LD075bso0

恵磨『今までとは比較にならないほどの強さを誇る相手ですが、チャレンジャーの2人!  ここで一度出場ポケモンの再選定を行えますが大丈夫でしょうかっ!?』

未央「私は大丈夫!」

卯月「私は……」チャキッ

卯月「……はい、大丈夫です!」

恵磨『いい返事だね! それじゃあ登場してもらおう! ライブアイドルの2人だァァァ!!』

ウォォォォオオオオオオオオ

未央「いよいよだね、しまむー……!」

卯月「うん……!」
345 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:35:33.35 ID:LD075bso0

ボッ

ワァァァァァァァァァァァァァァ

「みんなーっ! ポケモンバトル、楽しんでるー!?」

イェェェェェェェェェェェェ

「いいねっ! それじゃ、今度はアタシ達のバトル、思いっきり楽しんでいってねー!!」

ドンッ

美嘉「美嘉だよーっ!」

莉嘉「莉嘉だよーっ!」
346 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:36:07.67 ID:LD075bso0

ウオオオオオオオオオオ

莉嘉「二人とも……ついにここまでたどり着いたんだね!」

美嘉「私たちを倒せば晴れてバトルライブ完全制覇、ゴールドコインもあげちゃうよ。だけど……」

バッ

美嘉「本気で挑ませてもらうから……カクゴしててね」

未央「……いくよ、しまむー!」

卯月「うんっ!」
347 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/20(金) 20:41:02.69 ID:LD075bso0

to be continued...

というわけで懐かしい人達がたくさん出てきましたね
個人的に最も大きな存在は恵磨と瑞樹さん。この二人がいるだけでバトルの描写すっごい書きやすい
なにかと理由つけてガラルにも来てもらおうかな…

やっぱりニュージェネを書くってなると気合いが入ってしまうのか、けっこう長いサイドストーリーになりそうです
しばらくお付き合いください。お疲れさまでした
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/20(金) 20:43:35.60 ID:uW0aGJzk0
乙 分かりにくくてすいません自分が思うのはチャンピオンとかの地位に固執せず強さを求め続けてるレッドさんみたいなタイプの事かなと
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/22(日) 13:04:01.89 ID:YQmwPygy0


ポケスペには色んな地方の大会で司会者を務めているチェア太郎さんがいるし恵磨と瑞樹さんの出張ありじゃない?
最悪下のポケモン連れてりゃどこいてもOKでしょ
カイリュー:最も速く飛べる (約2500km/h)

※他に記録があるのは
ピジョット (約2450km/h)
ゴルーグ (1225km/h以上)
ガブリアス (1225km/h以上)
ポケモンずかんの説明ではないがオメガルビー・アルファサファイアの公式サイトでは
メガラティアスとメガラティオスがマッハ4(約4900km/h)で飛ぶと説明されている。
350 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:40:03.56 ID:jbUvCAmo0
>>349
そんなポケモンを普通の服装のまま乗り回すORASの主人公っていったい…

では投下していきます
351 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:40:33.38 ID:jbUvCAmo0

恵磨『いよーし、それじゃいってみよー! バトル・スタァートォ!!』

卯月「行きます! バシャーモ!」ポンッ

バシャーモ「バシャ!」

未央「行っくよー、ゲンガー!」ポンッ

ゲンガー「ゲンガー!」
352 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:41:04.91 ID:jbUvCAmo0

莉嘉「行っけー! カエンジシ!」ポンッ

カエンジシ「カエン!」

美嘉「ラプラス、GO!」ポンッ

ラプラス「ラプ」

カエンジシ おうじゃポケモン ほのお・ノーマルタイプ
群れの中で一番大きなたてがみを持つオスが、リーダーとして仲間を率いる
摂氏6000度の息を吐き出し相手を威嚇する

ラプラス のりものポケモン みず・こおりタイプ
海の上を人を乗せて進むのが好き
機嫌がいいときれいな鳴き声で歌うこともあるらしい
353 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:41:36.76 ID:jbUvCAmo0

未央「カエンジシとラプラス……どっちにも弱点をつけるしまむーが先制のカギだね」

卯月「未央ちゃん、まずはどっちから攻める!?」

未央「うーん、じゃあラプラスかな!」

卯月「わかった! バシャーモ、スカイアッパー!」

バシャーモ「バシャ!」

恵磨『おおっと、まず動き出したのは卯月選手!』

美嘉「そうはさせないよ、ラプラス!」

ラプラス「ラプ!」
354 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:42:09.06 ID:jbUvCAmo0

美嘉「うたかたのアリ――」

未央「後ろががら空きだよっ!」

ゲンガー「ゲゲーン」ヌッ

美嘉「!?」

恵磨『なんと、ゲンガーが突然ラプラスの背後に現れたぁっ!?』

瑞樹『ゲンガーは影の中を自在に移動できるポケモンよ。バシャーモに気を取られて気づかなかったのね』

未央「あやしいひかり!」
355 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:42:43.42 ID:jbUvCAmo0

ゲンガー「ゲゲーン」ピカッ

ラプラス「ラプッ……」

恵磨『超至近距離からのあやしいひかりで混乱と同時にラプラスの目を眩ませたぞ!』

恵磨『そしてそこへ……』

バシャーモ「バシャ!」ドガァッ

恵磨『スカイアッパーが命中だぁぁ!!』

ウワァァァァァァ

未央「へへん、どんなもんだい!」
356 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:43:48.17 ID:jbUvCAmo0

卯月「――はっ、未央ちゃんっ!」

未央「え?」

ボッ

ゲンガー「!?」ボォォォォォ

未央「ええっ!? ゲンガーが燃えてる!?」

莉嘉「アタシのことも忘れないでよねー!」

恵磨『ゲンガーが突然現れた青白い炎に包まれています! これはいったい……』

瑞樹『『おにび』ね。あやしいひかりが点滅している間にゲンガーに近づいていたんだわ』

恵磨『ということは……』バッ
357 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:44:30.55 ID:jbUvCAmo0

カエンジシ「カエン!」

卯月「カエンジシが空中に!?」

莉嘉「へへ、ここからじゃ攻撃は避けれないでしょ!」

莉嘉、「カエンジシ、ハイパーボイス!」

カエンジシ「カエーン!」オォォン

バシャーモ「バシャ……!」ドドド

卯月「バシャーモ!」

ゲンガー「ゲゲーン……」ドサッ

未央「ゲンガー!」
358 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:45:22.01 ID:jbUvCAmo0

恵磨『ゲンガーもようやくおにびから解放されましたが、やけどを負ってしまったようです!』

瑞樹『一匹が大ダメージを与えられた上に混乱させられたライブアイドル達と、二匹が等しくダメージを受けた卯月ちゃん、未央ちゃんペア……一進一退の攻防ね』

未央「うーん……さすがライブアイドル、簡単には勝たせてくれないか」

未央「しまむー、引き続きラプラス狙いで行くよ! ゲンガー、シャドーボール!」

卯月「バシャーモ、スカイアッパー!」

ゲンガー「ゲゲーン!」ボッ

バシャーモ「バシャ!」バッ
359 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:46:09.23 ID:jbUvCAmo0

莉嘉「お姉ちゃん!」

美嘉「わかってる! ラプラス、いのちのしずく!」

ラプラス「ラプ」パァァァ

ドンッ ドゴォッ

恵磨『ラプラス、攻撃を受けると同時に体力を回復させました!』

未央「そんなっ、与えたダメージと同じくらい回復してる!?」

莉嘉「よーし、お姉ちゃん、伏せて!」

莉嘉「カエンジシ、ねっぷう!」

カエンジシ「カエーン!!」ブォォォォォ
360 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:47:05.83 ID:jbUvCAmo0

バシャーモ「バシャ……!」

ゲンガー「ゲゲーン……!」

恵磨『ラプラスの後ろに隠れていたカエンジシがすかさず攻撃! 二体同時ヒットだー!!』

瑞樹『……ライブアイドルの戦法が徐々に明らかになってきたわね』

瑞樹『耐久力の高いラプラスに攻撃を受けてもらって、カエンジシで遊撃する。簡単に言えばそんなところかしら。シンプルだけど強力なコンビね』

卯月「っ……」

未央「くーっ、あのラプラス、固すぎるよ!」

未央(最初にラプラスを狙ったのは間違いだったかなあ……でもカエンジシ狙いでもどっちみちラプラスの後ろに逃げ込まれていたかも)

未央(とにかく、あのラプラスを攻略しないと始まらないね……)
361 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:47:50.17 ID:jbUvCAmo0

ラプラス「ラプー」ピヨピヨ

未央「幸いラプラスはまだ混乱している……今のうちに突破するよ、しまむー!」

卯月「うん! でもどうやって……」

未央「まずはねっぷうを誘き出すね! ゲンガー、シャドーボール!」

ゲンガー「ゲゲーン!」ボッ

莉嘉「効かないよー、カエンジシ!」

カエンジシ「カエン!」ドガッ
362 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:48:28.73 ID:jbUvCAmo0

カエンジシ「カエン」ケロッ

莉嘉「焦ってタイプ相性のこと、考えてなかったのかなっ?」

莉嘉「カエンジシ、ねっぷう!」

カエンジシ「カエーン!!」ボォォォ

未央(やっぱり……さっき一度だけハイパーボイスを使ったけど、あれはゲンガーには効かないから撃ってこないと思ってた)

未央「ゲンガー、影に逃げて!」

ゲンガー「ゲーン」ヌッ

未央「しまむー、押し切れる!?」

卯月「えっ、押し切るってどういう――」

未央「」ニコッ

卯月「……! わかった、やってみる!」
363 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:49:02.95 ID:jbUvCAmo0

卯月「バシャーモ!」

バシャーモ「バシャ!」

ボォォォォォォ

恵磨『ねっぷうがバシャーモを襲います!』

卯月「バシャーモ、ねっぷうを振り切って!」

バシャーモ「バ……バシャ……」

ググッ

バシャーモ「バシャ……!!」

ダッ
364 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:49:58.22 ID:jbUvCAmo0

莉嘉「ええっ!?」

恵磨『な、なんとっ!? バシャーモがねっぷうの中を突っ切ってきている!?』

瑞樹『同じほのおタイプのバシャーモだからこそなせる技……いわば疑似『フレアドライブ』といったところかしら』

美嘉「ヤバイ、ラプラス! うたかたのアリア!」

ラプラス「ラプー」ピヨピヨ

バシィ

恵磨『ああっと、ラプラス混乱して自分を攻撃してしまっている!』
365 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:50:46.93 ID:jbUvCAmo0

恵磨『その間にもバシャーモはどんどんカエンジシに近づいていきます!』

莉嘉「くっ……!」

卯月「そのままスカイアッパー!!」

バシャーモ「バシャ!!」

ドゴォッ

恵磨『こ、これは……』

恵磨『炎を纏ったバシャーモが、天高くカエンジシを突き上げたァァ!!』
366 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:51:57.22 ID:jbUvCAmo0

美穂「! あれは……コンテストでも使ってる卯月ちゃんの得意技!」

響子「フレアドライブとスカイアッパーのコンボ技……それを相手を利用して発動するなんて!」

莉嘉「カエンジシ!」

美嘉「ラプラス、援護するよ! カエンジシにいのちのしずく!」

未央「させるかー! ゲンガー、サイコキネシス!」

ゲンガー「ゲーン」ヌンッ

ゲンガー「ゲゲーン!」グワッ
367 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:52:31.50 ID:jbUvCAmo0

ラプラス「ラプッ……」

恵磨『ラプラス、ゲンガーのサイコキネシスに捕まってしまった!』

ゲンガー「ゲゲーン!」ブゥンッ

ラプラス「ラプッ……!」

恵磨『続けざまにラプラスも空中に放り出されました!』

未央「よーし、決めるよしまむー!」

卯月「うんっ!」
368 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:53:04.02 ID:jbUvCAmo0

卯月「バシャーモ、ブラストバーン!!」

未央「ゲンガー、ヘドロばくだん!!」

バシャーモ「バシャ!!」

ゲンガー「ゲゲーン!!」

ドガァァァン

莉嘉「ああっ、カエンジシー!」

美嘉「ラプラスッ!」

ドサッ

カエンジシ「カエン」バタンキュー

ラプラス「ラプ……」バタンキュー

恵磨『なんとなんと! ライブアイドル、まさかの二体同時ダウーン!!』

ウワァァァァァァァァ
369 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:54:06.42 ID:jbUvCAmo0

瑞樹『やるわね。本気のライブアイドルを相手に鮮やかすぎる立ち回りだわ』

瑞樹『それに、ただ勝っただけじゃない』

ワァァァァァァァ

『卯月ちゃんのポケモン、ただ戦ってるだけでもすげえキマッてるぜ……』

『ああ、バトルライブなのにコンテストを見てるみたいだ!』

瑞樹『コンテスト譲りの卯月ちゃんのポケモンの魅力も、観客にバッチリ伝わっているみたいね』

卯月「やった!」

未央「へへん、どーよ! 今の私たちに死角はないっ!」

莉嘉・美嘉「……」

未央「……あれ?」
370 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:54:58.31 ID:jbUvCAmo0

莉嘉「お姉ちゃん」

美嘉「うん。わかってる、莉嘉」

チャキッ

美嘉「……アンタ達、よくアタシたちを本気にしてくれたね」

未央「えっ……今まで本気じゃなかったの?」

莉嘉「違うよ、本気中の本気って意味ー!」

卯月「ほ、本気中の本気……?」

美嘉「みんな、よく見ててね!」グルッ

美嘉「ここからアタシたちのカレイな逆転劇……見せてあげるから★」

莉嘉「えへへ、やっぱりアタシたちが一番って思わせちゃうもんねー!」

ウオオオォォォォォォォ

371 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:56:10.33 ID:jbUvCAmo0

莉嘉「いっけー、ラティアス!」

美嘉「いくよ、ラティオス!」

ポンッ ポンッ

ラティアス「ティア」

ラティオス「ティオ」

卯月・未央「!?」

恵磨『で、出たァァァ!! ライブアイドル、ここでエースである夢幻ポケモンを送り出しました!!』
372 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/11/27(金) 20:59:58.01 ID:jbUvCAmo0
to be continued…

バシャーモの疑似フレドラからのスカイアッパーは絵面的にまんま神龍拳です。スマブラやってたら思いつきました
そして明日は9周年生放送ですね!楽しみ

次でサイドストーリーはおしまいです。ではまた来週

373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/27(金) 21:28:19.97 ID:/3VHe5lF0
乙 流石バトル施設のトップだ...
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/11/29(日) 11:38:33.90 ID:UVzA632t0

冠の雪原でけっこう強化されたラティ兄妹来たなこころのしずくは持ってるんだろうか?持ってるなら何時の仕様なのか...
375 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:41:24.59 ID:Q/K2NaoQ0
投下します
376 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:42:07.39 ID:Q/K2NaoQ0

卯月「あ、あの二匹は……」

ラティアス むげんポケモン ドラゴン・エスパータイプ
ガラスのような羽毛で体を包み込み、光を屈折させて姿を変える
テレパシーで人間と気持ちを通わせることもできる

ラティオス むげんポケモン ドラゴン・エスパータイプ
見たものや考えたイメージを相手に映像として見せる能力を持つ
腕を折りたたんで飛べばジェット機を追い越すスピードだ

美嘉「アタシたちの本気……見せてあげるよ」

ラティオス「ティオ!」ギュンッ

未央「は、速い!?」
377 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:43:05.46 ID:Q/K2NaoQ0

ガシッ

バシャーモ「バシャ……!?」

恵磨『目にもとまらぬ速さでバシャーモを捕まえた!?』

ラティオス「ティオ」ブゥン

瑞樹『バトルステージ中央に放り出したわね』

美嘉「さっきのお返しだよ……ラティオス! はがねのつばさ!」

ラティオス「ティオ!」シャキンッ

バシャーモ「バシャ――」

ズバババババババ

バシャーモ「バシャァ……!!」

恵磨『な……なんとラティオス、空中を縦横無尽に飛び回ってバシャーモを切りつけています!』

恵磨『速すぎて……目視できません!!』
378 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:43:54.90 ID:Q/K2NaoQ0

卯月「バシャーモ!」

未央「ダメだ、一発一発のダメージは小さいけど、あれじゃやられっぱなし……!」

未央「ゲンガー、バシャーモを助けにいくよ!」

ゲンガー「ゲゲーン――」

ゲンガー「!?」ピタッ

未央「ゲンガーどうしたの――」

未央「ってええっ!? 女の子!?」

恵磨『どういうことだ、ステージ上に謎の少女が現れたぞ!? まさか乱入者か!?』

未央「ちょっと、近くでバトルを見たい気持ちはわかるけどこんなところにまで……!」
379 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:44:27.18 ID:Q/K2NaoQ0

ボッ

ゲンガー「!?」ドゴォッ

未央「お、女の子が攻撃してきたあ!?」

卯月「未央ちゃん! あれはラティアスの能力だよ!」

莉嘉「そーいうこと! じゃ、ゲンガーちゃんバイバーイ☆」

ゲンガー「ゲゲーン」バタンキュー

恵磨『ここでゲンガーがダウーン!!』

ワァァァァァァ
380 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:45:16.14 ID:Q/K2NaoQ0

バシャーモ「バシャ……」ドサッ

瑞樹『バシャーモはラティオスの連続攻撃を耐えきったみたいね』

美嘉「トドメだよ、ラスターパージ!」

ラティオス「ティオ!」

卯月「躱して!」

バシャーモ「バシャ……!」バッ

恵磨『なんとか攻撃を躱しましたが……』

瑞樹『でももう体力も残りわずかね。この先の展開は未央ちゃんの二匹目次第かしら』

未央「くっそー、相性は悪いけど……やるしかない!」

未央「お願い、ジュカイン!」ポン

ジュカイン「ジュカ!」
381 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:45:54.54 ID:Q/K2NaoQ0

茜「むむむ……未央ちゃんの二匹目はジュカインですか……!」

未央(まだ戦い始めて少ししか経ってないけど、印象としては……)

未央(ラティオスがしぶりんみたいに豪快に攻めてくるタイプで、ラティアスはおそらくトリッキーな攻め方をしてくるか、あるいはさっきのラプラスみたいなサポート型……)

未央(となると、まずはラティアス狙いかな)

未央「しまむー、まずはラティアスから攻撃していくよ!」

莉嘉「そう簡単にいくかなー?」

未央「いけばわかるさ! ジュカイン、リーフブレード!」
382 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:46:38.33 ID:Q/K2NaoQ0

ジュカイン「ジュカ!」バッ

ラティアス「ティア」ヒョイ

恵磨『ラティアス、ジュカインの攻撃をするりと回避!』

未央「やっぱ正面からじゃダメか……!」

卯月「こっちもいくよ! バシャーモ、ブレイブバード!」

バシャーモ「バシャ!」ゴォォ

ラティアス「ティア」ユラリ

恵磨『これも余裕のある動きで躱したー!』
383 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:47:19.22 ID:Q/K2NaoQ0

卯月「く……」

未央「……! しまむー、上!」

卯月「えっ」

ヒュルルルル……

恵磨『こ……これは』

恵磨『りゅうせいぐんだァァァァ!!』

未央「わわっ、ジュカイン避けてー!」

卯月「バシャーモ!」
384 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:48:01.80 ID:Q/K2NaoQ0

ジュカイン「ジュカッ……!」ヒョイヒョイ

バシャーモ「バシャッ……!」ドゴォォォォ

瑞樹『ジュカインは何とか躱せたけど、バシャーモはそうもいかなかったみたいね』

卯月「い、いつの間にあんな大技を……」

未央「ラティアスに気を取られてる間に準備していたんだ……!」

美嘉「どーしたの。死角はなかったんじゃないの?」

未央「うぐっ……」

莉嘉「今度はアタシの番だよ☆ ラティアス、バシャーモにりゅうのはどう!」

ラティアス「ティア!」ボッ
385 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:48:58.91 ID:Q/K2NaoQ0

未央「ジュカイン、庇って!」

ジュカイン「ジュカ!」

ドゴォッ

恵磨『卯月・未央ペア、防戦一方です! まともにダメージを与えられません!』

瑞樹『これがライブアイドルの本気……ね』

未央「つ、強い……!」

卯月「これじゃ……勝てない……!」

莉嘉「ま、アタシとお姉ちゃんにかかればこんなところかなー♪」

美嘉「莉嘉、まだ油断しないで。確実にバシャーモから倒していくよ」

莉嘉「オッケー! ラティアス、ミストボール!」

ラティアス「ティア!」ボッ
386 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:49:37.19 ID:Q/K2NaoQ0

卯月「まだ……倒れるわけにはいきません! バシャーモ!」

バシャーモ「バシャ……!」メラメラ

恵磨『おお、あれはバシャーモの『もうか』ですね!』

卯月「ブレイズキック!!」

バシャーモ「バシャ!!」ゴォォォ

バシィッ

莉嘉「お、なかなかやるじゃーん」

未央「……」
387 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:50:15.82 ID:Q/K2NaoQ0

未央(バシャーモはもう限界が近い……あれを出すチャンスは、今しかない!)

未央「しまむー、次にラティオスの攻撃が来る! それもバシャーモで対処してほしいんだ!」

未央「その後は……たぶん見てたらわかる!」

卯月「未央ちゃん……わかった!」

美嘉「ラティオス、ラスターパージ!」

ラティオス「ティオ!」バッ

卯月「後ろに向かってブレイブバード!」

バシャーモ「バシャ!」ダッッ
388 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:51:55.14 ID:Q/K2NaoQ0

恵磨『おっと、ブレイブバードの勢いを利用したバックステップだ!』

瑞樹『あの大技を回避に使うなんて、ナイスアイデアね』

未央「ありがと、しまむー! これで準備ができた!」

未央「ジュカイン……最大パワーで決めるよ!」

未央「ハードプラント!!」
389 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:52:36.71 ID:Q/K2NaoQ0

ジュカイン「ジュカ!!」ドドドドド

ラティアス・ラティオス「!?」

恵磨『ジュカインの必殺技、ハードプラントが炸裂ゥ! 巨大なツタがラティアスたちを絡め捕ったぞ!!』

莉嘉「ま、またこの技……!」

ラティアス「ティ、ティア……!」

美嘉「ラティオス! 振り切って!」

ラティオス「ティ、ティオ!」グググ

ミシミシ
390 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:53:24.34 ID:Q/K2NaoQ0

未央「まずい、早くしないとラティオスに脱出されちゃう!」

未央「しまむー!」

卯月「こっちも準備完了だよ! バシャーモ!」

卯月「ブラストバーン!!」

バシャーモ「バシャ……!!」ゴゴゴゴゴゴゴ

卯月・未央「いっ――けえええええ!!」
391 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:54:42.21 ID:Q/K2NaoQ0

ドォォォォォォォォォォォォォォン

恵磨『決まったァァァーー!! 前回のライブアイドルも下した、ハードプラントとブラストバーンのコンビネーションだーー!!』

美穂「うわっ……!」

響子「す、すごい……客席まで熱が……!」

??(……なるほど)

??(ただでさえ強力な、しかも『もうか』で上乗せされたブラストバーンでハードプラントごと燃やすことで、さらに威力を増したのね)

??(やるじゃない。さすが私の好敵手(リヴァーレ)だわ、未央)
392 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:55:41.87 ID:Q/K2NaoQ0

バシャーモ「バシャ……」ガクッ

恵磨『全精力を使い果たしたバシャーモ、ここでダウンです!』

瑞樹『ラティアスとラティオスはどうなったかしら……?』

シュゥゥゥゥゥ

未央「……!」

未央「……うそ……」

美嘉「ラスターパージ!」

バッ

ドゴォッ

ジュカイン「ジュカ……」バタッ
393 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:56:31.38 ID:Q/K2NaoQ0

恵磨『!! なんと……バシャーモだけでなく、ジュカインも倒されてしまったァァ!!』

恵磨『し、しかも……』

莉嘉「ラティアス、いやしのはどう!」

ラティアス「ティア」ポワワー

美嘉「莉嘉、回復ありがと」

莉嘉「へへ、これで二体同時ダウンのお返しもできたね!」

恵磨『に……二体とも、耐えているーー!?』
394 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/04(金) 21:57:50.07 ID:Q/K2NaoQ0
いったん寝ます。続きはまた明日
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/04(金) 22:07:13.08 ID:U2ETlQfD0
一旦乙 今回は決まらなかったがやっぱり究極技は熱いな
396 : ◆7P/ioTJZG. [saga]:2020/12/05(土) 13:12:52.19 ID:mFTTOmlO0
続きです


瑞樹『あの大技を受けても倒れないなんて、凄まじい耐久力ね……!』

未央「……!」

未央(倒しきれなかった……それだけじゃない。ジュカインも倒された)

未央(あと残っているのはしまむーの一匹だけ。でも相手は回復手段まで持ってる……)

未央(……)

未央「……ごめん、しまむー。私がもっとちゃんとしてれば」

未央「今回はダメだったけど、また次、気を取り直して――」
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