アスカ「最近、シンジの様子がおかしい」

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19 : ◆gOTpx3aFsM :2020/10/16(金) 23:06:32.25 ID:WiVwwXwo0
続きです。

ゲンドウ「ユイは天才だった。理解できないほどに。何度心臓が止まったかわからん。」

シンジ「他にも色々あったってこと?」

ゲンドウ「そうだ。ダイビングで遭遇したジンベエザメに飲まれようとする、自分が宙に浮くまで風船を貰い続ける、噛んだ米が口の中で発酵して酒になるまで一切の食事を拒むなど、この手のユイの奇行は枚挙にいとまがない。」

シンジ「完全なヤバいじゃないか…良くそれで結婚したよね。まぁその結果僕ははここいるわけだけど」

ゲンドウ「むしろそれが決定打だった。私はユイを深く愛していたが、この時から私は『目を離すとこの女は死んでしまう』と思うようになり、それが結婚における1番強い動機になった。」

シンジ「よくそれで父さんと出会うまで生きてこれたね…」

ゲンドウ「そうだ、そこが問題だ」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/10/16(金) 23:29:20.05 ID:WiVwwXwo0
>>18
21 : ◆gOTpx3aFsM :2020/10/16(金) 23:31:19.13 ID:WiVwwXwo0
ミス
>>18
その一言で生きていけるよ

シンジ「問題?」

ゲンドウ「ユイは常識外れに破天荒だったが、常識が無いわけではなかった。アレは時と場所、相手を選んだ上でタガを外す。さもなくば高校卒業も危うかっただろう。」

シンジ「なんだ。じゃあ何も問題は無いじゃないか。ある意味父さんへの信頼の証なわけだし。」

ゲンドウ「ユイはな。だが、レイは?」

シンジ「綾波は、って…どういう意味?」

ゲンドウ「私はレイに常識を教えてはいない。今だからこそ言えるが、アレが外で普通の少女として自由に生きることは全くの予定外だった。レイがネルフの外でも問題が起きないよう、とるべき行動は学ばせたが、その前提にあたる社会通念、即ち常識は欠落している。」

シンジ「…!」
22 : ◆gOTpx3aFsM :2020/10/17(土) 13:46:18.46 ID:/em6sh0h0
昨日上げ切るつもりが寝ちまった
続きです

ゲンドウ「14年間、ネルフで実験動物のように飼われてきたレイは全くの無垢だった。行動の良し悪しの判断基準どころか、何かをしたいという欲求自体が無い。自発的な行動が無いのだから、教えるべきは『すべきこと』だけだった。しかしそのペルソナはオリジナルであるユイと同一、これの意味することがわかるな?」

シンジ「ま、待ってよ!確かに綾波は最初自分の感情もわからないって感じだったけど、今ではちゃんとコミュニケーションも出来てて、常識だってこれからその中で…」

ゲンドウ「無理だ。人間の常識というのは、10歳前後には概ね形成が完了する。常識とは共通認識だ。その多くは親や教師からだけではなく、常識が未形成のもの同士の社会の中でそれを獲得する。だが中学生2年生ともなれば、もはやそれは『あるもの』として互いに認識するために常識が表立って出てくることは無い。文字通り暗黙の了解だ。」

シンジ「………」
23 : ◆gOTpx3aFsM :2020/10/17(土) 13:58:56.17 ID:/em6sh0h0
ゲンドウ「レイは最低限の振る舞い自体は知っているために、その暗黙の了解に不和を生まない。しかしそれは、自発的な行動が少なかったこれまでの
話だ。これからは違う。」

シンジ「それは、つまり…」

ゲンドウ「そうだ。レイはもはや語られることのない常識が抜けたまま、中学生が好き好む娯楽、文化、その他あらゆるに触れることになる。私はレイに街中で大声を出してはいけないと教えていない。レイが大声を出す理由を持たなかったからだ。だがその理由をレイが獲得するまでに、そう長くはかかるまい」

シンジ「例えば、海に潜りたいと思ったら」

ゲンドウ「躊躇なく着の身着のまま一目散に突っ込んでいくだろうな、ユイがそうしたように。ユイと違うのは、そばに私やお前がいてもいなくてもそれをするだろうということだ。」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 15:17:24.73 ID:7t16UtF2o
楽しみ
25 : ◆gOTpx3aFsM :2020/10/17(土) 15:45:00.63 ID:/em6sh0h0
>>24
ありがとう、でも今回のはもう少しで終わるよ

シンジ「なるほどね…よく分かった。綾波のことは気にかけておくようにするよ」

ゲンドウ「ん、くれぐれも気をつけることだ」

シンジ「…最後に、一つだけいい?」

ゲンドウ「なんだ」












シンジ「なんてことをしてくれたんだよアンタは!!!」
26 : ◆gOTpx3aFsM :2020/10/17(土) 15:51:07.21 ID:/em6sh0h0
ーーーーーーーーーー
シンジ「とまぁ、そういう訳なんだよ」

アスカ「……………なかった」

シンジ「だから綾波が何かしてたら話しかけに言ったり、校外でも何かしらの理由をつけてそばで目を光らせていようかと…アスカ?」

アスカ「聞きたく……なかったわよ……!」

シンジ「うん、そうだよね。わかる。凄いわかる。でも『関係ない』って言ったのに聞いてきたのはアスカだからね?」

アスカ「信じらんない…何死ぬほど面倒なことに自分から首突っ込んでんのよこのバカアスカ…!こんなに自分を恨めしいと思ったのはこれが初めてよ」
27 : ◆gOTpx3aFsM :2020/10/17(土) 16:06:14.55 ID:/em6sh0h0
シンジ「ちなみにこの話の後『綾波を生んだのも育てたのも外に出したのも父さんなんだから全ての元凶として責任とれよ!』ってドヤしたら、『こんなシナリオじゃなかった』『ユイがいなくて寂しかった』『ユイのせいで寿命縮まくったからこれ以上は許して』とか、見たこともないほどしどろもどろにみっともない言い訳始めて閉口したよ」

アスカ「司令をそこまで崩壊させるほどの問題児ってわけね…」

シンジ「曰く、体の運動機能が年齢相応な分、乳幼児より遥かに目が離せないってさ」

アスカ「それ学校通わせちゃダメじゃない?」
28 : ◆gOTpx3aFsM :2020/10/17(土) 16:18:38.56 ID:/em6sh0h0
シンジ「そういうわけだから、アスカもちょっと気にかけといてよ。本当に何するかわからないってことはその影響はアスカも受けるかもしれないわけだし、自分の身のためと思ってさ?」

アスカ「分かってるわよ…でもまあ今のところいつも通りじゃない?今日の休み時間も大人しく本とか読んでたし、そんなすぐヤバい方向に走り出すとは思えないんだけど」

シンジ「…その、本なんだけどね」

アスカ「なによ?」

シンジ「ケンスケから借りたらしくてさ、『僕がずっと探してた本で、どうしても今すぐ読みたいから』って言って、さっき読んでる途中なのを強引に借りてきたんだ…これ…」

【部外秘】爆発物製造マニュアル〜ダイナマイトからC4プラスチック爆弾まで

アスカ「頭が痛い!!」

                    糸冬 劇
29 : ◆gOTpx3aFsM :2020/10/17(土) 16:26:52.77 ID:/em6sh0h0
おしまいです。
初めて書いたSSだからあんま自信ないけど、ちょっとでも楽しんでもらえたなら。

また同じ舞台設定でこの続き書くかも。

そんじゃHTML化依頼?ってのをしてきます。
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/17(土) 20:37:31.38 ID:n1YJFZaFo
乙ー
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/10/18(日) 12:30:22.94 ID:4zv9FFRqo
おつおつ
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