勇者「魔王は一体どこにいる?」続編のつづき

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553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/19(金) 19:27:22.90 ID:pYa2Z27w0
『荒野』


ダダダ ブン! ザクリ


オーガ「ガウ!!ウオォォォォ!!」ドスドス ブン!

女オーク「フン!」ガガッ

剣士「リリース!」スゥ ザクリ


オーガ「ウガ…」パクパク


女オーク「剣士強い」

剣士「牙採取しておくからあそこの馬車見て来て」

女オーク「馬車持って行くか?」

剣士「うん…使えるならね…解体は直ぐに終わるから先行ってて」

女オーク「分かった…」タッタッタ


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『馬車』


ゴソゴソ ドサリ


剣士「何か使えそうな物は?」

女オーク「傷んだ樽と箱…汚れた布だ」

剣士「車輪が一つ無いなぁ…何処行っちゃったんだろう?」

女オーク「使えないか?」

剣士「うーん…2輪に改造すればなんとかなる…1輪予備にしよう」

女オーク「馬車横に倒す…」グググ ドサ

剣士「ハハ君は力持ちだ…すごいな」

女オーク「車輪外す」グイ ガコン!

剣士「その金属の留め具無くさない様に…」

女オーク「ヤクの毛皮と骨落ちてる…これ使う」

剣士「毛皮を切りそろえてなめしておいて?…骨は後で道具作る」

女オーク「任せろ…」ザクザク

剣士「フフもう少し話し方が女らしくなれば満点だ」

女オーク「女らしく…分からない」

剣士「えとね?語尾に…わ…とか…ね…を付けるんだよ」

女オーク「やってみる…わ?」

剣士「そうそう!そんな感じ…続けて言って見て」

女オーク「やってみるわ…」

剣士「まぁ…ちょっと不自然だけど慣れれば良いと思う」

女オーク「おっけ…やってみるわ」

剣士「おおおお!!今の感じ!!」

女オーク「フフ…」


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554 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/19(金) 19:28:05.53 ID:pYa2Z27w0
トンテンカン


剣士「よっし!!2輪馬車完成!!フンッ」グググ ドサ

女オーク「剣士も力強いわね」

剣士「これくらいはね…その毛皮乗せよう」

女オーク「乗せるね?」ドサ

剣士「樽と箱も持って行こう…よっこら!」ドスン

女オーク「水を汲みたいわ…」

剣士「休憩所が何処にあるか分からないんだよね…アロエの種が有ったらなぁ…」

女オーク「私は水浴びもしたい」

剣士「そうだよね?宿屋で水浴び出来なかったし…海まで行くのもなぁ…」

女オーク「日が落ちる前に休憩所あれば良いね」

剣士「ヤク繋いで移動しよっか」

女オーク「ヤクの鞍に馬車の柄を乗せるので良い?」

剣士「うん…僕達が乗るよりよっぽど軽い筈だからヤクも疲れないと思う」

女オーク「おっけ!」

剣士「フフ僕の真似?」

女オーク「おかしい?」

剣士「まぁね?でもそのままで良いよ…ヘンテコな話し方も良い感じさ」

女オーク「私ヘンテコか?」

剣士「いや…多分僕の話し方がヘンテコなんだ」

女オーク「ヘンテコ…」

剣士「アハハハヘンテコだなぁ…」


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555 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/19(金) 19:28:41.58 ID:pYa2Z27w0
『休憩所』


ブモモー ガタゴト ガタゴト


剣士「やっと見つけたぁ!!今日はここで寝よう」

女オーク「古いキャンプ跡があるわ?」

剣士「あんまり人が通らないんだね…まぁ誰も居ないなら水場も使い放題じゃない?」

女オーク「私水浴びしたい」

剣士「うん…僕は周りにどんぐり植えて虫除けの方陣貼って来る」

女オーク「虫除け?」

剣士「そうだよ…安心して寝られる様に虫に守らせるんだ」

女オーク「今日はゆっくりして良いの?」

剣士「でもね?クヌギの木の皮剥いで馬車を補強した後ね…オーツ麦の種も収穫したい」

女オーク「分かったわ…毛皮は私が洗う…その後ゆっくりする」

剣士「じゃ水浴び行っておいで」


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556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/19(金) 19:29:16.20 ID:pYa2Z27w0
『1時間後』


トンテンカン トンテンカン


剣士「よっこら…せと!!」ドサリ ガサガサ

剣士「これで寝床は快適だ…布がもう少しあったらなぁ…」

女オーク「水浴び終わった…毛皮乾かす…火を焚いて良い?」

剣士「おっけ!!って…なんで全裸なの?」

女オーク「着る物全部洗った…誰も見る人居ない」

剣士「いや…僕が居るじゃ無いか」

女オーク「剣士には見られても良い…剣士私の体全部知ってる」

剣士「ちょちょ…焚火は僕が焚くから馬車の中に入っててよ」

女オーク「私隠れる?」

剣士「裸でウロウロするのは良くない…隠れてて」

女オーク「剣士は水浴びしないの?」

剣士「後で行くよ…僕も灰で真っ黒だし」

女オーク「ここの水場は湧き水だから綺麗…とても気持ち良い」

剣士「それは楽しみだ」

女オーク「剣士も着てる物全部洗うと良い」

剣士「うんそうする」


チッチッ シュボ モクモク


女オーク「剣士は炎の魔法は使わないの?」

剣士「触媒が無いのさ…まぁ火を起こすのは拾った火打石で十分だよ」

女オーク「綺麗な水ある…オーツ麦を葉に包んで蒸すおいしい」

剣士「お!?良いね…作ってくれる?」

女オーク「私やる…剣士水浴び行って良い」

剣士「わかった!!行って来る…楽しみだなぁひゃっほーい」シュタタ

女オーク「ウフフ…」
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2021/11/19(金) 19:29:50.86 ID:pYa2Z27w0
『焚火』


メラメラ モクモクモク


女オーク「オーツ麦出来てる…食べる?」

剣士「うん…君は味見した?」

女オーク「まだ…」

剣士「待っててくれたか」

女オーク「ウフフ…剣士も裸」

剣士「全部洗って来たよ…真っ黒だった」モジ

女オーク「恥ずかしいか?」

剣士「そりゃ恥ずかしいさ…なんかこんな荒野で2人裸なのは変だよ」

女オーク「これ食べて…」スッ

剣士「おぉ!!ホクホクだぁ」モグ

女オーク「美味しい?」

剣士「すごい久しぶりに調理した物を食べる…美味しい!」モグ

女オーク「焼いたどんぐりもある」スッ

剣士「殻も剥いたんだ?」ホクホク

女オーク「…」ニコニコ

剣士「君も食べたら?」

女オーク「うん…」パク ハムハム

剣士「む…牙が無いと食べ辛い?」

女オーク「少し…」ハムハム

剣士「知らなかった…オークは租借が苦手なのか」

女オーク「普通は牙で砕いて食べる…牙無いから食べ方分からない」

剣士「そう言えば硬いクルミとか食べるんだっけ…犬に似た感じなんだ」

女オーク「でも大丈夫…ちゃんと食べられる」ハムハム

剣士「フフ原始時代はこんな感じで木の実を食べていたんだろうなぁ…」モグ

女オーク「美味しいね」モグ



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558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:30:24.66 ID:pYa2Z27w0
ズズーン


女オーク「え!?何?」スック

剣士「あぁ心配無い…遠くでワームが動いたんだ」

女オーク「ワーム?」

剣士「地生昆虫だよ…ワームに守られてるから僕達は安全だよ」

女オーク「ふぅ…そういう事ね」

剣士「毛皮なかなか乾かないね…今日はもうダメかな…」

女オーク「剣士?来て…」

剣士「んん?馬車?寝る?」

女オーク「ウフフ…」グイ

剣士「おととと…こりゃ葉っぱで隠さないと恥ずかしくてさ」

女オーク「私剣士と繋がるとき一番幸せ…他に何も要らない」

剣士「まいったな…ハハ」

女オーク「繋がるする私何回も気持ち良い…もっともっとしたい」

剣士「馬車で?」

女オーク「うん…」ニコ

剣士「まぁ良っか!このまま寝るか!!」グイ

女オーク「朝までずっと繋がってて良い…」

剣士「寝ない気?」

女オーク「冗談ウフフ…行こ」グイ


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559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:30:56.20 ID:pYa2Z27w0
『翌朝』


ヒュゥゥゥ サラサラ


剣士「朝日登っちゃった…ゆっくりし過ぎたか」

女オーク「剣士!着る物渇いてるよ」ポイ

剣士「あぁありがとう」パス

女オーク「毛皮も乾いてる…」ドサリ

剣士「あれれ?暗くて気付かなかった…君髪の色も薄くなってる…茶色だと思ってたけど赤毛なんだ…」

女オーク「昨日洗ったから…」

剣士「荷物は全部積んでくれたんだね?」

女オーク「水も汲んだ」

剣士「やる気満々だね」

女オーク「昨夜癒されたから…」

剣士「癒された?」

女オーク「剣士の満足そうな顔で癒された…私も満足した」

剣士「ハハぐっすり寝たよ…そんなので癒されるんだ」

女オーク「ウフフ…もう行く?」

剣士「あ…着替えたら行く…ちょっと待って」ゴソゴソ

女オーク「ヤク繋ぐね」タッタ

剣士「…」---大分人間らしくなってきた---

女オーク「揺れるよ?」グイ

剣士「どわぁ!!」ヨロ ドスン

女オーク「あ…」

剣士「2輪の馬車だから持ち上げ過ぎに注意して…ててて」
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:31:31.72 ID:pYa2Z27w0
『数日後_商隊』


ガヤガヤ ガヤガヤ

あのデカイ女中々良さそうじゃんか

2人で旅してんだありゃ相当やり手だぞ?

ダメだ手ぇ出したら反撃食らうぞ?


剣士「…休憩所に丁度商隊が居て良かった…種無いか見て来る」

女オーク「お金は?」

剣士「オーガの牙が売れるんだ…そのお金で欲しい物買える」

女オーク「私も行く…キノコとか食材あるともっと美味しい料理作れる」

剣士「じゃぁ一緒に行こうか…おいで」グイ


旅商人「旦那ぁ!!2人で旅してんのかい?スゲーな?」

剣士「ハハまぁね?」

旅商人「何か欲しい物があるなら馬車覗いて行ってくれ」

剣士「このオーガの牙買い取って貰えるかな?」

旅商人「うお!!牙10本!!旦那達が狩ったんか?」

剣士「まぁね…」

旅商人「10本も買い取るだけ持ち合わせが無い…2本で40銀貨…どうよ?」

剣士「おけおけ…それで良い」ポイ

旅商人「がはは言って見るもんだな…こりゃキ・カイで高値で売れるんだ」ジャラリ

剣士「よーし…馬車には何があるのかな」

旅商人「雑貨だな…まぁ見てってくれ」


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旅商人「…硫黄に砂鉄…種と油に布…旦那は錬金術師かい?」

剣士「シン・リーンの魔術師だよ…触媒が無くてね」

旅商人「ほええ…てことはもう一人の大きな女は戦士って訳か…そりゃオーガも狩れるわな」

剣士「これ全部でいくら?」

旅商人「銀貨30でどうよ?」

剣士「おけおけ!!」ジャラリ

旅商人「毎度ぉ!!いやぁぁ今日は儲かるな…なんならオーガの牙もう一本買い取っても良いぜ?」

剣士「アハ…お願い」ポイ

旅商人「ほい!銀貨20」ジャラリ

剣士「まだ買い物出来るな…他の馬車も見て来る」

旅商人「おう!!旦那みたいな客を皆待ってるぜ?ウヒヒ」
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:32:01.42 ID:pYa2Z27w0
『武器屋』


武器商人「らっしゃい…あんたはこのべっぴんさんの連れかい?」

剣士「うん…女オーク?何か良い物ある?」

女オーク「私ナイフ欲しい…ナイフあれば調理ラクになる」

剣士「僕も欲しいな…そうだハンマーも欲しい」

武器商人「あるよ〜ホレ?炭素鋼のナイフだ買っていくかい?」

剣士「このナイフ2本と鉄のハンマーでいくらになる?」

武器商人「ナイフ一本銀貨5枚…ハンマーが10枚…合わせて20枚だ」

剣士「おっけ!!」ジャラリ

武器商人「おぉぉこんな所で商売出来るとは思わんかった…持って行きな」ポイ

女オーク「あと食材買う…お金あるか?」

剣士「あと銀貨10枚…十分だよね?」

女オーク「私に任せて…銀貨頂戴」

剣士「うん…」ジャラリ

女オーク「買い物フィン・イッシュでやった事有る…今もっと話せるから試したい」

剣士「イイね…見ててあげる」

女オーク「ウフフ…」



『食材屋』


食材商人「ういぃぃ…この馬車は食い物積んでんだ…買うんか?」

女オーク「中を見て良いか?」

食材商人「欲しい物あるなら籠ん中入れてくれ…秤り売りだでな?」

女オーク「芋と人参…乾しキノコ」

食材商人「ニンニク買って行かんか?沢山あるで安いぞ」

女オーク「じゃぁニンニクも…それから…む?この実は何の実」

食材商人「あぁそれはケシの実だ…そいつはちっと高いぞ」

女オーク「剣士!ケシの実ある…要るか?」

剣士「ケシの実かぁ…錬金術の材料になるけど僕には必要無いなぁ…」

女オーク「分かった…後は木の根…何の根?」

食材商人「そりゃゴボウだ…あんたら肉は要らんのか?」

女オーク「肉は食べない」

食材商人「けっ…何だよ根菜ばかりか…えーと全部で銀貨4枚」

女オーク「はい…」ジャラリ

食材商人「あんたらデカイ体してベジタリアンかよ…てっきり肉をがっつり買っていくと思ったわ」

女オーク「これで十分!ありがとう」


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562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:32:33.19 ID:pYa2Z27w0
『馬車』


タッタッタ


剣士「残りの銀貨で布のローブ買って来た…これで灰で汚れない」ファサ

女オーク「お揃いね?」

剣士「フード被って見て?」

女オーク「…」ファサ

剣士「…」ファサ

女オーク「思い出したわ…こんな格好してキ・カイで買い物した」

剣士「そう!!それが言いたかった…あとマスクがあったら昔と一緒!もう一回キ・カイで買い物しよう!!」

女オーク「剣士目がキラキラしてる…」

剣士「分かる?なんでだろう?君と居るとすごく楽しい」

女オーク「私も嬉しいわ」ニコ

剣士「僕さぁずっと魔術の修行してて色んな事忘れてた…失った時間を今取り戻してる」

女オーク「良かった…本当に剣士を見つけられて良かった」

剣士「ずっとこんな生活でも良い気がしてきたよ」

女オーク「…」ジー

剣士「あれ?どうしたの?何かおかしい?」

女オーク「剣士昔と同じ…かわいい」

剣士「ちょっと止めてよ…かわいいって男に対しておかしいよ」

女オーク「かわいい…撫でたい」ナデナデ

剣士「ちょちょちょちょちょ…」

女オーク「ウフフ…」ムギューーー

剣士「ちょい暑苦しいって…」ジタバタ



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563 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:33:02.27 ID:pYa2Z27w0
【古都キ・カイ】


ザブン ガコン ギギギー


おーし!!下船準備だぁ

船乗りは荷下ろしを始めてくれぇ

ヤードに降ろしたら解散して良い


僧侶「よっこら…よっこら…」ノソノソ

盗賊「はぁぁぁ…とうとう傭兵の仕事終わっちまったな?お前等どうする?お宝売るなら買い取れる奴紹介するぜ?」

ハンター「お願いしようかな?特に宛てがなくて一先ず宿屋に行こうと思って居たんだ」

盗賊「おぉ!!宿なら心配要ら無ぇぜ?」

ハンター「それは助かる…持ち合わせも少なかったし」

魔法使い「またこき使われないでしょうね?」ジロ

盗賊「ヌハハ訓練はもう無しだ…いやしかしお前等のお陰で楽しい航海だったわ」

魔法使い「もう帆の出し入れは懲り懲り…」

盗賊「大分スマートになったじゃ無ぇか!手ぇ抜くとまたブタに戻るぞ?」

魔法使い「ブタ!?ちょっと失礼よ!!」

ハンター「まぁまぁ無事に航海が済んだんだから良いじゃない?」

魔法使い「僧侶聞いた?私達の事ブタだって!!」

僧侶「ブヒ…」

盗賊「荷馬車用意させっから荷物はそこに積んでくれ…寝泊まり出来る所まで運んでやる」

ハンター「魔法使いは荷物が多いから早く運ぼうか」

魔法使い「あ!!ポーションは売り物だから気を付けて」

ハンター「分かったよ」
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:33:32.90 ID:pYa2Z27w0
『荷馬車』


ドサ ゴソゴソ


魔法使い「これで最後よ…よいしょ!」シュタ

ハンター「お?やっぱり訓練のお陰で足取り軽そうだね?」

魔法使い「ロープ撒くのに比べたら随分軽作業ね」

僧侶「ほっ!!」ピョン クルリン シュタ

盗賊「ようし!乗ったな?出すぞ…」グイ


ヒヒ〜ン ガタゴト ガタゴト


盗賊「僧侶は体が小さいから訓練で見違える効果が出たな?」

僧侶「分かるですか?」

盗賊「脚力が付いて体重絞られてんだ…そら早くなるわ」

僧侶「私は小さくても戦士出来るですかね?」

盗賊「速さ生かせば良い…ガチンコじゃ当たり負けするが…小さい分ちょこまかとな?」

ハンター「僧侶はレイピアが合ってるね」

盗賊「うむ…教えたエペギャルドをしっかり反復しとけよ?」

僧侶「蝶の様に舞って…蜂のように刺す!!でしゅね?」

盗賊「ヌハハまぁそれで良い…しかしまぁキ・カイは本当埃っぽい街だな…空気が悪りぃ」

魔法使い「火山灰がねぇ…」

盗賊「大分マシにはなったんだがどうもここに住む気にはならん」

ハンター「地下の方は?」

盗賊「お前下水道に住みたいと思うか?」

ハンター「なるほど…海の方がマシか」

盗賊「うむ…お天道様の下のが気持ち良いだろ?そう思ってる奴が船買うんだ」

ハンター「…という事は船は高いって言う事かな?」

盗賊「お前等の持ってるお宝で買えん事も無いが時期を待った方が良いだろうな」

ハンター「気球を買うのが先かぁ…」

盗賊「気球はよ…置き場所に困るんだ…買うなら大型のやつ買って住める様にするだな」

魔法使い「住めた方が良いわ?ハテノ村行っても初めは済む場所に困るでしょう?」

盗賊「お?お前等ハテノ村行くんか…昔行った事あんぞ」

ハンター「僕達はハテノ村の出身なんだ…故郷に帰るっていう感じだよ」

盗賊「あそこは火山が近い…今どうなってんだろうな…」

ハンター「このお宝で復興させようと思ってる」

盗賊「おぉそりゃ良い目標だ!酒場出来たら飲みに行ってやる」

僧侶「私が酒場の店長やるです」

盗賊「ほーう?楽しみだ」
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:34:00.46 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド』


ワイワイ ガヤガヤ

買い取りあっち!商隊こっち!

競売の受付は向こうね!


盗賊「よう娘達!帰って来たぜ?」

受付「あ!!盗賊…良かった物資少なくなってたんだ…商船の荷物上げてる?」

盗賊「ヤードに上げた…予定通り品目揃ってる」

受付「よしよし…若い衆に取りに行かせる」イソイソ

盗賊「ところで客を3人連れて来たんだ…上の部屋空いてるか?」

受付「ガラガラだから好きにして」

盗賊「あとよ?商人どうしてる?下に居んのか?」

受付「相変わらず籠りっきり…呼んでも出てこないよ」

盗賊「ちっとな…超高額取引があんのよ…上で待ってるから取り次いでくれ」

受付「超高額ってどんくらい?」

盗賊「んんんん…ハッキリ言って分からん…ただな超古代の品物だ」

受付「アハハ商人の動かし方分かってるね?」

盗賊「頼むわ…俺は3人を上に案内してくる」
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:34:44.69 ID:pYa2Z27w0
『大部屋』


ガチャリ バタン


盗賊「この部屋使って良いぞ…て散らかってんな」

ハンター「こんな良い部屋を自由にして良いの?」

盗賊「ここは取引待ちの商人達が使う部屋なんだ…んぁぁ食いカスが散らばってんなアイツも使ってんのか」

ハンター「アイツ?」

盗賊「お前等のお宝を買い取れる奴だ…名前は商人て言う」

僧侶「片づけるでし…」スタタ

魔法使い「あれ?この薬品って…」

盗賊「それは残しておいてくれ…多分エリクサーだ」

魔法使い「ええ?スゴイ…ここでエリクサーの調合を?」

盗賊「お前錬金術師だったな?エリクサーの作り方教えてやるか?」

魔法使い「あなた知ってるの?」

盗賊「まぁな?昔大量に作らされた」

魔法使い「知りたい!!」

盗賊「ようし…いくらで買う?」

魔法使い「うっ…」

盗賊「俺と一晩付き合うか?」

魔法使い「ムリ!!爺はムリ!!」

盗賊「ケッ…尻の青い女なんざ興味無ぇ!!そうだな…もうしばらく傭兵ってのはどうだ?」

魔法使い「う…うむむむ」

僧侶「商談成立〜♪」

盗賊「ヌハハ訓練楽しみだな?」

魔法使い「ぐぬぬぬ…早く教えて」

盗賊「材料がだな?クヌギの樹液と松脂…ほんで蒸留酒…あと添加物にアレとコレと…」


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567 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:35:18.78 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「…フムフム…全部の工程を蒸留して作るのね?」

盗賊「只な?クヌギの樹液が入手しづらい上に大量に必要になるんだ」

魔法使い「クヌギ以外で試したことは?」

盗賊「俺ら素人だからよ…言われた通りにしか作った事無ぇ」

魔法使い「応用が利きそう…代替品で似た効果を持たせる事が出来るかもしれない…」

盗賊「まぁそっから先はお前の仕事だ」

魔法使い「…そうか蒸留で不要な成分を分けて反応させるのね…毒と毒を打ち消すのも割合の問題かぁ…」


ガチャリ バタン


商人「やぁ!!話し聞いて飛んできたよ」

盗賊「おぉ商人!!相変わらずだな?」

商人「この3人がお客さんかい?」

盗賊「まぁフードで顔隠さんでも良いぞ?あやしい奴らでは無い」

商人「一応用心しているのさ…それで取引したい物はどれかな?」

盗賊「まぁ慌てんな…紹介する…こいつがハンター…職業は俺と同じお宝ハンターだ」

ハンター「どうも…」ペコリ

盗賊「ほんでこっちの2人が魔法使いと僧侶…俺のペットだ」

魔法使い「ペット!?え…なんでそうなってるの?」

商人「ハハよろしく…僕はオーナーの商人さ」

僧侶「商人さんは極悪闇商人なのですか?」

商人「極悪とはヒドイなぁ…まぁでも闇ルートの取引が専門だよ」

盗賊「お前等…例のトレジャーボックス見せてやれ」

ハンター「あ…うん…ちょっと待って」ダダ

商人「そうそう…紹介忘れてた…この子が僕の相棒さ…ラヴって言うんだ」

機械の犬「ワン…」フリフリ

魔法使い「機械の犬…ね」

商人「馬鹿にしないでね?僕達の誰よりも賢いから」

僧侶「かわいいですぅ〜触っても良いでしゅか?」

商人「構わないよ…悪戯しないでね」

機械の犬「クゥ〜ン」トコトコ

ハンター「持ってきたよ…」ガチャガチャ カチャリ

盗賊「驚くなよ?この若さでがっつり宝持っていやがる」


パカッ 
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:36:28.45 ID:pYa2Z27w0
商人「へぇ?魔石が沢山あるじゃ無いか…スゴイね」

盗賊「それじゃ無ぇ…金貨あんだろ…4枚」

商人「…これか」スッ

盗賊「何だか分かるか?」

商人「ラヴおいで…この金貨いつの時代の金貨か分かる?」

盗賊「お?会話出来るんか?」

商人「イエスかノーの2択だけだけどちゃんと意思は通じるんだよ…ラヴ?この金貨は価値有りそうかな?」

機械の犬「ワン!」

商人「おぉ!!ちょっと一枚貸しておいてもらって良いかい?」

ハンター「うん…構わないよ」

商人「調べるのに少し時間が掛かるだろうからゆっくりしておいて」

盗賊「商人!それとよ?このお宝で気球が買いたいんだとよ」

商人「ええと…こういうのはどうかな?魔石は全部僕が買い取る…その代わり気球を手配してあげる」

盗賊「大型の気球が良いらしい」

商人「ハハそれなら問題無い…魔石が不足してて大型の気球は運用しにくいから安くなってる」

盗賊「木材の不足か?」

商人「そうだね…木材が無いから魔石で代替してるんだけど絶対量が足りてないんだよ」

ハンター「気球買っても飛べない?」

商人「石炭はあるから心配しなくて良い…買える場所が限定されるだけだよ」

ハンター「なるほど…長距離飛行が出来ない感じか」

商人「そう」

魔法使い「ハテノ村は石炭も採れるから大丈夫」

商人「君たちはハテノ村に行きたいんだ?」

ハンター「うん」

商人「ちょうど良いな…硫黄の取引相手が増えそうだ」

ハンター「硫黄?」

商人「硫黄を流通してくれたら生活の保障はしてあげるよ」

ハンター「おぉぉ!!石炭で気球動かして硫黄を運ぶ…その代わり食料を貰う」

商人「そうそう…そういう感じ」

僧侶「復興出来るでし!!」

商人「話は纏まったね…まぁゆっくりしておいて良いよ…じゃぁ後で」スタ



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569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:37:00.98 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「私はポーションと岩塩を売ってお金を稼いでくる」

僧侶「盗賊さん…酒場に遊びに行きませんか?」

盗賊「おお?そりゃ願っても無い話だ…ちっと行くか?」

ハンター「僕は荷物の整理しておくから行って来て良いよ」

盗賊「よっし!肩車してやる…乗れ」グイ

僧侶「はいなー」ピョン シュタ

盗賊「揺れるぜ?しっかり掴まっとけ!!」ダダ

僧侶「うほほーい」

魔法使い「あの2人…酒好きの親子みたい」ボソ

ハンター「相性良いんだろうね?立ち合いも良くやってたし」

魔法使い「さてと!!ポーションいくらで売れるか楽しみ♪」

ハンター「もう持ち合わせ無いから君の稼ぎが頼りだよ」

魔法使い「任せて!!今度のポーションは自信あるから」

ハンター「疾病予防だっけ?」

魔法使い「疾病遅延効果も乗せたの…黒死病に効く筈」
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:37:33.12 ID:pYa2Z27w0
『酒場』


ドゥルルン〜♪

…月の裏側を夢て彷徨う僕らは〜♪

黄昏の向こう側にある暁を探す夢の旅人〜♪

この星のこの僻地で君を呼ぶ…風に乗せ〜♪


盗賊「はぁぁぁやっぱこの雰囲気よ…」

僧侶「降ろしてくだしゃい!」

盗賊「おぉ悪い悪い…」

店主「いらっしゃいませ盗賊さん」

盗賊「景気良さそうだな?」

店主「お陰様で…ハチミツ酒入荷しました…盗賊さんが運んでくださったのですね?」

盗賊「ヌハハバレたか…」

店主「飲んで行かれますか?」

盗賊「ハチミツ酒はたらふく飲んで来た…そうだな芋で作ったアレくれ」

店主「かしこまりました芋酒をご用意致します」

盗賊「僧侶!お前は何飲む?」

僧侶「同じで良いでし」

店主「お若いですね?お子様でしたか?」

盗賊「そんな様なもんだ…中々酒に強くてな見所がある」

店主「それはそれは…」

盗賊「ところで何か面白い話聞けて無いか?」

店主「キ・カイ近隣に新しく古代遺跡が発見されたくらいですかね?」

盗賊「ほう?10年前から調査されてるやつの関係だな?」

店主「そうです…その付近の調査で傭兵の募集もありますよ」

盗賊「ミサイルっつったけな?クソでかい砲弾が北の大陸まですっ飛んでったんだよな?」

店主「キ・カイの地下ではそういう遺物の探索で盛り上がっていますね…ただオークが襲ってきて危ないとか」

盗賊「ちっと俺も稼ぎに行きてぇな」

店主「チカテツ街道は全部封鎖されていますが1番街道だけ抜け道があるらしいです」

盗賊「おぉ!!そういう情報はありがてぇ」

店主「一番街道のアクセサリー商人にお金渡せば教えてくれるとの事」

盗賊「聞いたか?僧侶!ワクワクしてくんな」

僧侶「はひー」グビ プハァ



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571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:38:05.89 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「居た居た…もう!探したんだから!!」

盗賊「おぉお前も飲みに来たんか?」

魔法使い「商人が僧侶を呼んで居るのよ…」

僧侶「ほえ?私に何の御用でしゅかね?」

魔法使い「なんかね?あの金貨と宝石を入手した経緯を詳しく記したいみたい」

盗賊「ほう?やっぱ何かありそうだな?」

魔法使い「どうも金貨自体の価値は重さに比例するだけだけど…どうやって保存されていたかの情報の方が価値が高いみたい」

僧侶「金貨は私が拾ったです」

魔法使い「うん…詳細の地図と記録を書いて欲しいだって」

僧侶「わかったです」

盗賊「そういう事なら戻って良いぞ?ただな?明日はお宝探しに行くからそのつもりでいろ」

魔法使い「え!?どういう話?」

盗賊「まぁ明日話す…先に商人の件を片付けて来い」

魔法使い「そう…僧侶いくわよ」グイ

僧侶「はいなー」スタタ
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:38:53.37 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド_大部屋』


ガチャリ バタン


商人「あー戻って来たね…お楽しみの所済まないね」

魔法使い「ハンターは地図と遺跡の見取り図書けた?」

ハンター「うん…あとは石棺の位置と…覚えて居る限りの宝石の場所…それから金貨の場所」

僧侶「覚えてるですー…えーと」カキカキ

魔法使い「私も拾った分書き加えるわ…ハンターちょっと宝石並べて」

ハンター「うん…」ゴソゴソ



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ここの部屋に壁画があったんだね?

そうだよ…こんな感じの画だった

出来る限り詳しく書いて

フムフム…よしこれは高値で取引できる

宝石を一つづつ見取り図に接着しよう…これ使って

樹脂でしゅか?

うん…それで石棺の位置に宝石を固定して


商人「僕はその見取り図を羊皮紙に書き写すから気付いた事をどんどん書き足して」

ハンター「そうだ!天井は全部岩塩だった…」

商人「そういう気付きだよ…高さとか温度とか…何でも良い…兎に角情報があればあるだけ良い」

僧侶「小人のミイラも居たですね」

商人「小人?どれくらいの?」

ハンター「手のひらに乗るくらいだよ…」

商人「ノームか…」

魔法使い「オークのミイラもあったわよ?」

商人「どういう事だ?接点が無い筈なのに…まさかノアの箱舟じゃないよな?…イヴ!どう思う?」

機械の犬「クゥ〜ン」

商人「分かんないか」
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:39:24.47 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「この見取り図をどうするつもり?」

商人「この原本は誰にも渡す気は無いよ…僕が写してる写本を使ってキ・カイ国と取引きさ」

魔法使い「取引き?何と?」

商人「キ・カイではね新しい遺跡がいくつか発見されてるんだ…そこに立ち入って有利に事を進めたい」

僧侶「お宝さがしでしゅね?」

商人「そういう事になるかな…」

ハンター「この金貨はどうするの?換金できない?」

商人「うーんまず買い取れる人が居ないんだ…かと言って安く売るのは勿体なさ過ぎる」

ハンター「取引で見せる為に使う…そういう事だね?」

商人「それが一番良い使い方だね…1つは貸しておいて欲しい…あと3つは3人で分けてお守りにでもしたら良い」

僧侶「この金貨はどう珍しいですか?」

商人「約6000年前に流通していた金貨だよ…それがどうして北の大陸に有ったのかという情報に価値がある」

ハンター「なるほど…欲しい人に情報を売るのか」

商人「でもね?情報を売ったとしてもカードはここに在る…この宝石だよ…だからこれは絶対に売らない方が良い」

ハンター「危なかったね…売っちゃう所だった」

僧侶「装飾品は一つ売っちゃったですね…金貨10枚でした」

商人「どんな装飾品?もしかして指輪?」---まさか祈りの指輪じゃないよな---

僧侶「首飾りでし…宝石は付いて居なかったでしゅ」

商人「まぁ売った物はしょうがない…多分歴史的価値が相当高い物だよ」

ハンター「ドーーーン…うぅぅ」

魔法使い「あぁぁケチケチ病が始まった…」
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:39:53.14 ID:pYa2Z27w0
『夜』


ガチャリ バタン


盗賊「うぃぃぃ帰ったぞ…」ヨロヨロ ドタ

魔法使い「あら?同じ部屋?」

盗賊「俺の寝床確保すんの忘れてたんだ…細かい事は言いっこ無しなヌハハ」

僧侶「お酒臭いですぅ」

盗賊「お前が居無ぇから酒がマズくなった」

僧侶「私は酒の肴でしゅか?」

盗賊「娘と酒を飲む楽しみってのがだなムニャ…てかまだ地図書いてんのか?」

僧侶「もうすぐ終わるです」

盗賊「商人何処行った?」

魔法使い「下に戻って行ったわ…遺跡の見取り図の写し作るって」

盗賊「今書いてんのは何だよ?」

魔法使い「暁の遺跡周辺の詳細地図よ…壊れた馬車の位置とか…休憩できる場所の位置とか」

盗賊「なるほどな…全部情報を売り物にする訳だ」

ハンター「商人はそういう情報を売る商人なの?」

盗賊「おう…だから闇商人と言われてる…他にも色々知ってんぞ?」

魔法使い「最後まで顔を見せてくれなかった」

盗賊「気にすんない!そういう奴だ」
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:40:32.83 ID:pYa2Z27w0
『翌朝』


んがががが ぐぅ


魔法使い「…」ジョロジョロ

盗賊「がらがら…げふげふっ…ふごーー」

魔法使い「どうする?このジジイ…」

僧侶「ウルサイですねぇ…目覚め草無いですか?」

魔法使い「全部使った」


ガチャリ バタン


ハンター「食事買って来たよ!パンとチーズ…それから燻した魚」ポイ

魔法使い「放っといて食べよ」モグ

ハンター「今日お宝さがし行くって言ってたよね?」

僧侶「はいー…でも盗賊さんが起きないと」

ハンター「宝石が売れないって分かったからお宝ハント行きたいなぁ」

魔法使い「ちょっと資金が心許ないね…」

ハンター「うん…君のポーションはどれくらいで売れた?」

魔法使い「岩塩と合わせて全部で金貨8枚…まぁまぁ」

ハンター「稼ぎは君頼りになっちゃうなぁ」

僧侶「ハテノ村に戻る前に100枚くらい稼ぎたいですね」

ハンター「そうだね…他の物資も必要になりそうだし」

魔法使い「ここに居れば寝泊まりタダだからポーション売って稼げば少しづつ溜まるけど…」

僧侶「チカテツ街道1番の奥に抜け道があるって言ってたです」

ハンター「その情報だけじゃ街道の奥を彷徨っちゃうな…オークも居るだろうし危ない」

魔法使い「ジジイ起こそう…」ユサユサ

盗賊「ふご?んががが…」


ガバッ!!
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:41:05.09 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「うわ!!」

盗賊「…」キョロ

僧侶「やったぁ!!起きたです」

盗賊「今何処だ?バリケードは作り終わったか?」

魔法使い「え!?何の話?」

盗賊「夢か…お前等…ハテノ村の子供達だな?」

ハンター「え?そうだけど…寝ぼけてる?」

盗賊「あぁぁ悪い…混乱してる…えーとここはキ・カイだな」ブツブツ

魔法使い「食事あるよ?要る?」

盗賊「水くれぇ…喉がカラカラだ」

僧侶「いびきがウルサイかったです」

盗賊「悪りぃな…すっかり寝過ごした」---何だったんだ?---


俺らはハテノ村で最後まで生き残った

バリケード作って魔物の攻撃に耐え抜いた

だが病気が蔓延した

赤毛のソバカス娘…お前覚えてるぞ

俺を庇って死んじまった


魔法使い「はい水!!」

盗賊「おぅ…ごくっごくっ」グビグビ


まだ終わって無ぇ…

まだ生き残りが掛かってる

そうだ薬だ…薬を埋めた


僧侶「どうしたですか?固まってるです…」

盗賊「お前!!生きてるな?」ユサユサ

僧侶「盗賊さん変です〜あわわ」

盗賊「生きてりゃ良い!!俺より先に死ぬのは禁止だ」

僧侶「何の事だか分からないでしゅ…お宝さがしはどうするですか?」

盗賊「おう!そうだったな!!今から行くぞ…まず地下に降りて物資調達だ」

僧侶「ほい来た!!」
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:41:37.96 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド』


ワイワイ ガヤガヤ

商隊受付けてまーす!並んで並んでー

商船に乗る人は向こうで受け付けて


盗賊「娘!ちっと俺ら2〜3日留守にする」

受付「ええ?もう行くの?」

盗賊「商人に伝えといてくれ」

受付「何処行くの?」

盗賊「地下に降りて遺跡探索だ…お宝探しよ」

受付「あっそ…ほんで気球の買い付けは進めてて良いんだね?」

盗賊「おう!でかい奴な?」

受付「しばらく掛かると思うからそのつもりで居て」

盗賊「わーってるわーってる…じゃ行って来るな?」ノシ


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578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:42:08.27 ID:pYa2Z27w0
盗賊「お前等金どれぐらい持ってる?」

ハンター「僕と魔法使いの金貨合わせて10枚くらいだよ」

僧侶「私も豪族から取った金貨5枚あるです」

盗賊「ふむ…俺のと合わせて全部で20枚か」

魔法使い「どうする気?」

盗賊「ちっと情報持ってる奴に金を渡さにゃならんのだが…」

魔法使い「えええ…そんなのに使うのイヤ」

僧侶「盗賊さんあまりお金持って無いのでしゅね」

盗賊「俺は全部使っちまう性分でな」

魔法使い「ハンターとは逆ね」

ハンター「ハハ倹約家と言って欲しい」

魔法使い「あなたはケチなの!どケチ!」

盗賊「まぁなんだ…傭兵契約は解除すっから金貨5枚ほど工面してくれ…金はエリクサー作って稼げな?」

魔法使い「う…人の弱みを…」チャリン

盗賊「ようし!金貨10枚も握らせりゃ抜け道はなんとかなる…後は2〜3日分の食料と物資だ」

ハンター「行く場所は分かってる?」

盗賊「おう!チカテツ街道の地図持ってんだ…見ろ…1番の奥のこの区画に開かない扉があるらしい」

ハンター「おぉ!!」

盗賊「そこまで行くのにトロッコを使う…片道5時間だな」

魔法使い「オークは出ない?」

盗賊「ゾンビの巣窟なんだとよ…20年前の闇の時に死んだ連中がその辺で彷徨ってる」

僧侶「ゾンビなら自信あるです」ズイ

盗賊「俺はもう歳だから宛てにすんなよ?お前等がメイン戦力だ」

魔法使い「あーーなんかやる気出て来た」

盗賊「ほーう?お前は期待されると力出すタイプか…槍術を発揮してみろ」

ハンター「久しぶりのお宝ハント…楽しみだ」

盗賊「俺もだ…よし地下に降りてチカテツ街道1番に集合な?物資調達は各自…昼過ぎには出発するぞ」

僧侶「はいなー」

盗賊「じゃ…後で」ノシ


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579 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:42:36.99 ID:pYa2Z27w0
『チカテツ街道』


ガヤガヤ ガヤガヤ


盗賊「しかし良くこんな所に住んでんな」

僧侶「外より埃っぽく無いでし」

盗賊「見て見ろ…ゴミがそこら中にあんだろ…本当下水だわ」

僧侶「ハンターさんと魔法使いさん遅いでしゅねぇ」

盗賊「ハンターはケチな分買い物が遅い…魔法使いは無駄使いが多い…こんな感じだろ」

僧侶「当たりです」

盗賊「お前は食料ちゃんと買ったか?」

僧侶「種でし!!」ビシ

盗賊「種食うんか?」

僧侶「成長魔法で育てるです」

盗賊「おぉ!!そりゃ良いな…肉は育たんか?」

僧侶「大豆が肉の代わりです…上手に焼けば肉の味がするです」

盗賊「こりゃお前と2人でも行けたかも知れんな」

僧侶「戦いは苦手なのでハンターさんと魔法使いさんが必要でし」

盗賊「教えたエペギャルド…しっかりやれな?」

僧侶「私強くなってるですかね?」

盗賊「お楽しみにだ」


タッタッタ


魔法使い「居た居た…ゴメン遅くなったぁぁ」

ハンター「待って…ハァハァ」ヨッコラ ヨッコラ

盗賊「んあ?そりゃお宝持ち帰る用の袋か?」

ハンター「そうだよ…皆の分も」ドサ

盗賊「有って困る事は無いが…又しっかりとした革袋だな?」

ハンター「前のお宝ハントの反省だよ…袋が小さくて十分持ち帰れなかった…はい」

盗賊「お…重いな?何入ってる?」

魔法使い「水を多めに汲んであるの…これも前の反省から」

盗賊「なるほど…死戦を抜けて来た経験か…俺は酒しか持って来て無かったわヌハハ」

魔法使い「…それで抜け道の情報屋さんは?」

盗賊「話は付いてる…抜け道通るのに一人金貨2枚で済んだ」

魔法使い「もう行ける?」

盗賊「そうだな…こんな臭い場所早い所おさらばしてぇ」

僧侶「こっちでし〜」ノシ

580 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:43:09.25 ID:pYa2Z27w0
『抜け道』


ピチョン ピチョン


盗賊「ようし!人数揃ったから通らせてもらうぜ?」

アクセサリー商人「キシシシシ…こっから帰って来れんですぜ?」

盗賊「構わん…表から堂々と帰って来る」

ハンター「抜け道って何処に?」

アクセサリー商人「あちしのお尻の下でござんす」

盗賊「早く蓋を開けてくれぃ…この匂いにウンザリなんだ」

アクセサリー商人「ではお気を付けて…キシシシシシシ」


パカ ギギギギギ


魔法使い「鉄の蓋…この梯子の下?」

盗賊「そうだ…降りろ!」

魔法使い「下が見えない…なんか怖いんだけど」

盗賊「ぬぁぁぁじゃぁ俺が先に降りるから付いて来い」ピョン スルスル

魔法使い「ちょっと早いって…」ピョン ヨイショ ヨイショ

盗賊「真っ暗だな…」ピカー

魔法使い「あ…見えた」

盗賊「お前魔法使いだろうが…照明魔法とか上手く使えよ…梯子が途中で切れてるからそこで飛び降りろ」

魔法使い「わぁぁぁぁ」ドスン

盗賊「だから言っただろ…怪我して無ぇか?」

魔法使い「あたたたた…」スリスリ

盗賊「照明魔法を頼む」

魔法使い「照明魔法!」ピカー

盗賊「おぉ!!槍の先っぽ光らせるんか…良いじゃ無ぇか」

僧侶「降りるでし〜!!」スルスル シュタ

ハンター「僕も降りるよ〜」スルスル シュタ
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:43:36.76 ID:pYa2Z27w0
『地下通路』


ピチョン ピチョン


盗賊「ここは何用の通路なのか…」

僧侶「ずっと続いてるですね?」

盗賊「1時間ほど歩いたら上に登る梯子が在るんだとよ」

ハンター「こんな深い洞窟始めてた…これ全部人工だよね?」

盗賊「だろうな?どうやって作ったんだか…」

僧侶「骨が落ちてるでし…」

盗賊「そりゃ人骨じゃ無ぇ…多分ネズミか何かだな」

魔法使い「風が流れてる…何処かに繋がってるのかしら…」

盗賊「むむ!…そうかここは換気用の通路か…そうだな換気しないと洞窟で窒息しちまう」

ハンター「…という事はチカテツ街道の奥には全部こういう通路があるんだろうね?」

盗賊「ハハーン…大きな通路と小さな通路…この差で風起こしてんだ…スゲェ」

盗賊「まてよ…オークがいきなり侵入してくるのはこういう通路使ってんのか?」

ハンター「え…注意した方が良さそう?」

盗賊「オークが居るとは聞いて居ないが…隠れてる可能性はある…気を付けて歩け」

582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:44:09.99 ID:pYa2Z27w0
『チカテツ街道_奥』


ゴーーー カタタン カタタン


盗賊「引っ張るぞ!よいしょぉぉ!!」グイ

魔法使い「はぁはぁ…荷物背負って梯子登るの結構キツイ」

盗賊「訓練だと思えばラクだろ?」

魔法使い「まぁね…」ハァハァ

盗賊「次!!」グイ

僧侶「はいやー!」クルリン シュタ

ハンター「僕は大丈夫!」ピョン シュタ

魔法使い「遠くで聞こえるのは…トロッコの音ね?」

盗賊「他の街道でトロッコ動いてんだろ…俺らも探すぞ」

僧侶「倒れてるトロッコあるですね?あれそうですよね?」

盗賊「おぉ!!こりゃツイてるぞ?」

ハンター「どうやって使うの?」

盗賊「足元見ろ…鉄の棒がずっと連なってるだろ…ここに乗せて使うんだ」

僧侶「そこまで運ぶですか?」

盗賊「そうだな…押すぞ!」

魔法使い「ちょっと待って!!何か来る!!」


ヴヴヴヴヴヴ ズリズリ
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:44:41.58 ID:pYa2Z27w0
ハンター「ゾンビの声だ…気を付けて」

盗賊「んぁぁ俺がトロッコ引きずるからお前等でゾンビ処理しろ」ダダ

ハンター「多い…10体以上居る」

僧侶「いつも通りで行くでしゅ…」スタタ

ハンター「分かった!僕が足止めする…魔法使いが止めを」

魔法使い「大きいゾンビも居るわ…アレは…」

ハンター「オークだ!!オークもゾンビになってる!!」

僧侶「援護お願いでし!盲目魔法!!」モクモク

ハンター「今のは!?」

僧侶「ゾンビは目が見えてないでし…一体づつ倒すです」

ハンター「おっけ!!僕は他のゾンビの足止めする」ギリリ シュン

魔法使い「このぉ!!」タタタ ブスリ

僧侶「私も!!」スタタ ブスリ


オークゾンビ「ウゴゴゴゴゴ…ウガァァ」ブンブン!!ドガ


僧侶「でし!!」ゴロゴロ

ハンター「気を付けて!!」ギリリ シュン

僧侶「あたたた…回復魔法!」ボワー

魔法使い「ハアッ!!」クルクル ブスリ


オークゾンビ「ウゴ…」ドタリ


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----------------

----------------



盗賊「お前等ぁ!!ゾンビはキリが無ぇ!!乗れ」

ハンター「矢を回収してから行く!先に乗って」タッタ

魔法使い「急いで」ダダ ピョン

僧侶「乗るです…」スタタ ピョン

盗賊「動かし始めるぞ?ハンターは飛び乗れ!!」ガコン シュコ

ハンター「間に合う!!」タッタッタ ピョン シュタ
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:45:20.14 ID:pYa2Z27w0
『トロッコ』


ゴーーーー カタタン カタタン


盗賊「荷物はトロッコに入れとけ…背負ったまま戦うのは危ねぇ」

僧侶「はいです…」ヨッコラ

盗賊「オークゾンビの攻撃は見えてただろ?」

僧侶「はい…」

盗賊「あーいう時はな…荷物全部捨てて構わん…兎に角身の安全が最優先だ」

ハンター「思ってたよりゾンビが多い」

盗賊「うむ…俺も聞いてた話と違うからちぃと困惑しとる」

魔法使い「オークのゾンビって…聞いた事無い」

盗賊「だな?オークは病気の耐性を持ってんだ…感染でゾンビ化した訳じゃ無ぇ」

魔法使い「死霊術…もしかしてオークシャーマン?」

盗賊「お?何か知って居そうだな?」

魔法使い「暁の遺跡に居た筈のグールが全部ゾンビにされてた…多分オークシャーマンのせい」

盗賊「ほう?てことはこの辺で何かしようってんだな?」

僧侶「さっきのオークゾンビは体が腐敗してたです…」

ハンター「グールの時とは事情が違いそうだ…もしかすると事が済んだ後かもね」

盗賊「ふむぅ…ゾンビが多い様じゃキャンプすんのも厳しいかもな」

ハンター「ゾンビは階段とか高い所に登れない…そういう場所を探せば良い」

盗賊「高い所がありゃ良いんだが…」

魔法使い「ハンターの罠で何とかならない?」

ハンター「足止め程度だね…ここじゃ穴も掘れないし」

盗賊「交代で休むぐらいしか手が無ぇ…まぁ訓練の一つだと思え…それより」

魔法使い「それより?」

盗賊「トロッコ動かすの交代しろ…中々シンドイ」

魔法使い「ええ!?又訓練?」
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:45:55.45 ID:pYa2Z27w0
『4時間後』


カタコン カタコン


盗賊「おい!!ちょっと止まれ…なんだこの広い空間は」

ハンター「沢山キラーマシンが倒れてる…骨も一杯散らばってるよ」

盗賊「戦場跡か…ここはちょっとした拠点だったんだな?」

ハンター「見て行こうか…」

盗賊「おう!!キラーマシンは中に魔石が入ってる…回収して行くぞ」

僧侶「ゾンビの声が聞こえるです」

盗賊「僧侶と魔法使いはトロッコを守ってろ…戦利品回収して直ぐに戻る」ダダ

ハンター「僕は見える位置に居るから心配しないで」タッタ

僧侶「私が足止めするんで止めお願いでし」

魔法使い「うん…魔法も使って行くから大丈夫!」



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盗賊「ハンター!!そっちのキラーマシンから戦利品回収しろ…武器も持って帰れ」

ハンター「うん…」ガチャ ガチャ

盗賊「おお!!魔石3つも入ってんじゃねぇか!!」ガチャ ガチャ

ハンター「こっちも3つ…結構大きい」

盗賊「こりゃもう元取れたぜ?」

ハンター「あっちにもキラーマシン倒れてる…行って来る」タッタ


ゴゥ ドーン


盗賊「ウハハ魔法使いの魔法だな?やっと本領出しやがった…それで良いんだゾンビ焼き尽くせ」

ハンター「任せておいて良いかな?」

盗賊「大丈夫だ…あいつら気付いて無いがゾンビ100匹来てもこなせるだけ腕上がってる」

ハンター「ハハ…さすが魔法使い」

盗賊「盲目魔法使うだけであとはチクチク刺し殺すだけなんだよ…あいつら割とポテンシャル高けぇ」

ハンター「僕は出番無いなぁ…」

盗賊「お前は鍵開けでお宝ハントすれば良いんだ…役割ってのがそれぞれあんのよ」

ハンター「うん…よし!これで魔石6個目!!」

盗賊「使える武器も拾っとけ?クロスボウは何個あっても使える!次行くぞ」ダダ



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586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:46:33.53 ID:pYa2Z27w0
僧侶「ほい!!」スパ スパ ブスリ


ゾンビ「ヴヴヴヴヴ…」ドタリ


魔法使い「へぇ?様になってるじゃない…それがエペギャルド?」

僧侶「そうでしゅ…カッコ良いですか?」

魔法使い「もう魔術師じゃないわね」

僧侶「本業は僧侶なのです」

魔法使い「あ…帰って来た」


タッタッタ


盗賊「お宝ごっそりだぜ?」ガラガラ

ハンター「魔石が全部で21個!!」ガラガラ

盗賊「奥に休憩出来そうな小部屋を見つけた…今日はそこでキャンプだ」

僧侶「トロッコここに置いとくですか?」

盗賊「戦利品の武器だけ乗せとく…どうせ誰も来んだろう」

魔法使い「クロスボウばっかり…」

盗賊「これが中々に便利なんだ…威力高いわ罠作れるわでな?」

ハンター「まだ全部探索しきれて居ないから他にもお宝期待出来る」

盗賊「だな?荷物持って行くぞ…」タッタッタ
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:47:07.09 ID:pYa2Z27w0
『小部屋』


ピチョン ピチョン


魔法使い「ここは何?」

盗賊「多分兵隊の詰め所だ…何年も前に使われなくなったんだろう」

ハンター「向こうの大部屋は奴隷の収容部屋だったみたい…オークの骨がいくつか転がってた」

僧侶「なんか気持ち悪いですねぇ〜」ブルブル

盗賊「まぁここなら安全だ…ゾンビは扉を開けらんねぇから」

ハンター「僕はもう少し戦利品漁って来る」

盗賊「おう!ムリすんな?」

ハンター「魔法使い?もう一回照明魔法お願い」

魔法使い「照明魔法!」ピカー

ハンター「行って来る!!」ガチャリ バタン

盗賊「じゃぁ火を起こすか…」ドガ バキ メリメリ

僧侶「机と椅子を燃やすですね…」

盗賊「魔法使い!火魔法頼む」

魔法使い「火炎魔法!」ボボボ メラ

盗賊「その辺の燃える物全部突っ込んでくれ」

僧侶「はいなー!!」ポイポイ

盗賊「地下は底冷えするから火があると大分良い…」スリスリ

魔法使い「そろそろ日暮れ時期かな?」

盗賊「うむ…あと1時間程トロッコで行けば目的地の筈だから今日はここで休む…ちっと早いんだが」

魔法使い「トロッコ動かすので疲れたから丁度良いわ」

盗賊「結構堪えるだろ?多分傾斜が付いてんだよ…そん代わり帰りはラクだ」

僧侶「今居るのは地図でどの辺りなんでしゅか?」

盗賊「見るか?」バサ

盗賊「この辺りの筈だ」

魔法使い「これ何処まで続いてるんだろう?」

盗賊「さぁな?誰も知らんらしい…それよりもどうやってこんなに穴掘ったのか想像出来ん」

僧侶「大きなモグラが居たんですね…」

盗賊「土じゃ無ぇぞ?石を掘ってんだ…この真上は山岳地帯だ」

魔法使い「それでこんなに冷える訳か…」

盗賊「どっかに布か毛皮無ぇかな…」ゴソゴソ

僧侶「ご安心くだしゃい!成長魔法!」ザワザワ シュルリ

盗賊「お!!麦じゃねぇか」ワサワサ

僧侶「収穫してください…もっと育てるです…成長魔法!」ザワザワ シュルリ
588 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:47:37.88 ID:pYa2Z27w0
『1時間後』


メラメラ パチ


盗賊「ハンター遅せぇな…大丈夫かあいつ」

魔法使い「見て来る…あ」ガチャリ

盗賊「んん?」

魔法使い「光が見えてる…」

盗賊「そうか…無事なら良いんだ」

魔法使い「ハンターは戦利品収集が念入りなのよ…」

盗賊「骨までしゃぶるってか?ヌハハ良い事だ…俺も戦利品はごっそり持って帰る主義だ」

魔法使い「ここから見えるから扉開けておくわ」

僧侶「食事出来たです…」ズイ

盗賊「お?何作った?」

僧侶「小麦で作ったパンでしゅ…食べて良いです」ポイ

盗賊「こりゃまたグズグズだが…」モグモグ

僧侶「どうでしか?」

盗賊「まぁまぁだ…干し肉と一緒に食えばイケる」モグモグ


タッタッタ


ハンター「ふぅ…また魔石を6個見つけた」

盗賊「おぉやるな?…これで合わせて27個…金貨にすると300枚は行く」

僧侶「おおおおおおおお!!スゴイでし」

ハンター「戦利品のナイフも持ってきた…皆持っといて」ポイ

盗賊「見せてみろ…フム…どこに落ちてた?こりゃコバルト製だ一生使える」

ハンター「キラーマシンに張り付いてた…それ磁石みたいに鉄に張り付く」

盗賊「めちゃくちゃ便利じゃねぇか…沢山あるんか?」

ハンター「残りはトロッコに積んだよ」

盗賊「ほーーーベルトの金属部分に張り付くな…こりゃ良い」カチ

ハンター「見て?僕はブーツに張り付けた…隠し武器になるね」

盗賊「誰がこんなレアな物使うんだろうな?」

ハンター「キラーマシンに射出用の穴が空いてる…それだよ」

盗賊「なるほど…」

ハンター「他にも探したけど見つからなかった」

盗賊「それで遅かった訳か」

ハンター「心配したかな?」

盗賊「魔法使いがな?」

魔法使い「ちょ!?遠くから見てただけよ!!…パン焼けてる…居る?」

ハンター「ちょうどお腹が減ってた」

魔法使い「はい!!割と美味しいよ」ポイ

ハンター「ありがとう」モグモグ



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589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:48:18.86 ID:pYa2Z27w0
盗賊「ふぅ…」グビ

僧侶「今日は静かですね?」

盗賊「んん?俺か?」

僧侶「はい…」

盗賊「俺はいつも騒がしいんか?」

僧侶「そうですね…」

盗賊「ヌハハそうか…静かにしてると気持ち悪いか」

僧侶「考え事の顔してるです」

盗賊「分かるか?ちっと昔の事を思い出してな」

僧侶「暇なので聞くです」

盗賊「まぁ大した話じゃ無ぇ…夢の話なんだけどよ…あんま記憶に無いんだがハッキリ覚えてる事が一つあるんだ」


夢ではな?俺は多分ハテノ村に居んのよ

そこで子供達を育てたんだ

魔物から村を守る為に要塞作ったりしてたと思う

ほんでな?最後の最後に薬作って木の下に埋めたんだ…どーもそれが気になってよ


僧侶「先生…」

盗賊「む!!お前まさか夢幻を知って居るのか?」

僧侶「ご馳走食べたです…薬草拾ったです…硫黄集めたです」

魔法使い「ねぇ!!その話…」

ハンター「僕達がハテノ村に帰る理由だよ…どうにかして再建したいんだ」

盗賊「これは導きか?…いやまてまてそれはどうでも良い…他の子供たちはどうしてる?」

僧侶「連絡出来るのはこの3人だけでし」

盗賊「そうか…まぁその少しだけ残ってる夢幻の記憶がどうも気になってんだよ」

僧侶「病気の事でしゅか?」

魔法使い「アヘン酒と麻薬の事…アレは子供を産めなくする病気だと思う」

盗賊「お前気付いてたんだな?」

魔法使い「僧侶とよくそういう話をするのよ」

僧侶「あと10年子供が生まれないのが続けば人類は滅亡するです」

魔法使い「元気な子供が産めるのは30歳くらいまでね」

盗賊「う〜む…やっぱ俺もハテノ村行って薬探さんとイカンかもな…船乗りやってる場合じゃ無ぇ気がして来た」

ハンター「盗賊さんが一緒なら心強い!」

僧侶「ごちそう食べたいでしゅ」

盗賊「そうだな…俺も大したやる事無ぇしいっちょ行ってみるか」


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590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:48:50.08 ID:pYa2Z27w0
ピチョン ピチョン


盗賊「…」グビ


勇者2人が居なくなってからこっち…

平和になったは良いがどうやら問題はまだ解決してねぇ

静かに…そして確実に人類を滅ぼしに掛かっていやがる

俺は子供達を守るのが役目だ

どうする?敵は何処だ?どうすれば救われる?


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『翌日』


ガサゴソ


盗賊「起きろ!行くぞ…」グイ

魔法使い「う…いたたた!引っ張らないで」

僧侶「ほえ?…」パチ

ハンター「う〜ん…」パチ

盗賊「お宝ゲットしたらまたここに戻る…要らんものは置いて行け…行くぞ」

僧侶「あわわ…」イソイソ

魔法使い「どうしたの?そんなに急いで…」

盗賊「ちっと本気モードに入っただけだ…1分で準備しろ」ファサ

ハンター「フード?」

盗賊「無駄口叩いて無ぇで急げ!!」タッタッタ

ハンター「あぁぁ待って待って…」


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591 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:49:23.93 ID:pYa2Z27w0
『トロッコ』


ガチャガチャ ガコン


盗賊「トロッコはお前等が動かせ…俺はクロスボウ準備する」

ハンター「トロッコに装着?」

盗賊「ボルトもあるな?よし…」ガチャガチャ

魔法使い「動かすよ?…う〜ん!!」グイ


カタコン カタコン


盗賊「照明魔法で前方を見える様にしろ!」

僧侶「はいな!!照明魔法!」ピカー

ハンター「念入りだね?」

盗賊「オークが居るかもしれん…数が多い場合は逃げになるからその準備だ」ガチャガチャ

魔法使い「ちょっとハンター!!あなたもトロッコ漕いでよ!!」

ハンター「ごめんごめん…」グイ

僧侶「あわわ…ゾンビが居るです!」


ドン!! ビチャーーー


盗賊「うはぁ…魔法使い!ちょっと焼いてくれぇ…臭せぇ!!」

魔法使い「火炎魔法!」ボボボ


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592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:50:00.32 ID:pYa2Z27w0
『一時間後』


ゴーーーー カタタン カタタン


僧侶「広間が見えたです!!」

盗賊「ようし!!情報通りだ」

ハンター「ハァハァ…と止めるよ」ゼェゼェ

盗賊「ゾンビの姿が見えんな?」

魔法使い「骨が散らばってる…」

盗賊「ここも戦場跡か…いや?誰か来て掃除したな?」

ハンター「昨夜キャンプした所と同じ構造だよ…ここに開かない扉が?」

盗賊「トロッコ置いて全員で行くぞ…降りろ」ピョン スタ

魔法使い「キラーマシンは無い様ね?」

盗賊「俺が先頭行く…ハンターは最後から付いて来い」

ハンター「うん…」

盗賊「どっから敵が来るか分からんから適宜照明魔法置いてくれ」

僧侶「はいな!!照明魔法!」ピカー

盗賊「行くぞ…」スタ



『開かずの扉』


タッタッタ


盗賊「これだ!!キ・カイの扉と同じだ…ようし!!」

ハンター「開けようとした痕跡が沢山ある」

盗賊「開け方見てろ…こいつは特殊な扉なんだ」ゴソゴソ

僧侶「盗賊さん…オークが使う斧が落ちてるです」

盗賊「オークもここを開けようとして諦めたんだろ…この扉は普通じゃ開か無ぇんだ」ギリリ

ハンター「特殊な道具か…この扉専用なんだ…へぇ?」

盗賊「魔法使いと僧侶は周りを見張っててくれ…オークが来たらダッシュで逃げだ」

魔法使い「オークに警戒してるんだ…」

盗賊「俺らと同じぐらい賢いんだ…しかも単独じゃ無くてつるんで行動する…頭部に矢を当てても死な無ぇ」

魔法使い「そんなに強いの?」

盗賊「エルフ並みにな?…よし!後1時間ぐらいで扉が開く筈」


ギギギギ ガコン! モクモク


盗賊「あれ?おかしいな…もう開いた」

僧侶「げふっげふっ…灰が一杯でし…」

盗賊「ぬぁぁぁどっか穴開いてたんだな…こりゃハズレかも知れん」

ハンター「中に入っても良い?」

盗賊「待て!俺が先に安全確認する…ちっと待機だ」ダダ
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:50:55.25 ID:pYa2Z27w0
『謎の遺物』


ゲフゲフ ゴホッ


盗賊「灰が積もってやがる…入って良いぞ!!」

ハンター「うわぁ…広そうだな」

魔法使い「天井に穴が…」

僧侶「何でしゅかねこの塔みたいな物は…」

盗賊「さぁな?ハンター!!入り口に罠張れるか?」

ハンター「うん…どうして?」

盗賊「手分けして探索したい…後ろから襲われたく無いだろ?」

ハンター「分かったベアトラップ仕掛ける…」タッタ

盗賊「二手に分かれる!僧侶は俺と来い…魔法使いはハンターと一緒だ」

僧侶「ほほ〜い!!」

盗賊「そうだな…1時間を目途にここに戻れ」

魔法使い「ハンター!?早くして…行くわよ」

ハンター「もう出来た!!行こう」タッタッタ


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594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:51:26.30 ID:pYa2Z27w0
盗賊「俺はこの塔に登って何なのか調べる…僧侶はその辺に埋もれてる物調べてくれ」

僧侶「はいな!!」ガサガサ

盗賊「うし!!」ピョン ピョン

僧侶「盗賊さん!!この塔はロープで繋がってるです」

盗賊「ロープ?」

僧侶「あれれ?ロープじゃないなぁ…なんだろ?」グイグイ

盗賊「何処に繋がってるか調べろ…しかし何だこりゃ?材質は鉄だな…」コンコン

僧侶「ロープが何かの機械に繋がってるですぅ!!」

盗賊「その辺でお宝探せ!!」

僧侶「小さな謎の機械があるです」

盗賊「おぉぉソレだそういう物を片っ端から袋に入れて持って帰る」

僧侶「なんかいっぱいあるですね…」ガチャ ガチャ

盗賊「この塔はハズレだな…先っぽにも何も無ぇ」ピョン シュタ

僧侶「この大きな機械は何でしゅかねぇ?」

盗賊「…おかしいな」

僧侶「何ですか?」

盗賊「鉄のクセに錆び付き具合が軽度だ…こりゃ割と新しい…なんでだ?」

僧侶「こっちにも色々有るです」

盗賊「おう!!」ダダ ガッサガッサ

僧侶「良い物ですかね?」

盗賊「んんん…なんじゃこりゃ?まぁ一応持って帰るか」ガチャ ガチャ

僧侶「石板ですかねぇ?」

盗賊「石じゃ無ぇな…鉄でも無い…樹脂か?それにしちゃ複雑だな」

僧侶「全部持って帰るのは大変でし」

盗賊「同じ物は省こう…なんつーか金になりそうな物が無ぇな」

僧侶「向こうも探してくるです」スタタ


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595 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:52:04.31 ID:pYa2Z27w0
『1時間後』


ガチャガチャ


盗賊「んぁぁ一杯有るがみんなガラクタだな…」ポイ


ドコーーーン!!


盗賊「何だぁ!!」

僧侶「あそこでしゅ!!煙が舞ってるです」


ガガーーン ビリビリ


盗賊「魔法撃ってんな?行くぞ!!」ダダ

僧侶「あわわわ…」スタタ


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ハンター「盗賊さん!!ワームが居る!!」ギリリ シュン

魔法使い「ダメ…ハンターの麻痺矢が効いてない!!」タッタッタ

盗賊「一匹か!?」

ハンター「3匹!!大きい!!」

盗賊「魔法使い!雷魔法で動き止めろ!」

魔法使い「雷魔法!」ガガーン ビリビリ

盗賊「よし!今の内に入り口に向かって逃げろ…俺が時間を稼ぐ」スチャ

魔法使い「1人じゃムリ…」

盗賊「良いから行け!!」

ハンター「魔法使い!言う事聞こう」グイ


ワーム「シャァァァァ…」ピクピク


盗賊「お前の弱点知ってんぞ!?ケツの穴だ」ダダダ ザクリ

僧侶「盗賊さん…」

盗賊「早く行けって…俺も危無ぇんだから!!」

僧侶「ほぃ…」スタタ

盗賊「これでも食らえ!!」チリチリ ポイ


ドーン!! ベチャ


ワーム「プギャァァァ…」グネグネ バタバタ

盗賊「うっし!今の内…」ダダ



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596 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:52:44.23 ID:pYa2Z27w0
『入り口』


タッタッタ


盗賊「急いでトロッコに戻るぞ」

ハンター「ベアトラップに気を付けて…ここ踏まないで」

魔法使い「先に出るわ…よいしょ」

僧侶「あわわ…」ピョン

盗賊「ワームが追いかけて来なきゃ良いが…」ピョン

ハンター「トロッコに戻る…ちょ…ちょっと待った!!」

盗賊「ん?」

ハンター「トロッコの場所が変わってる…誰か居るぞ?」

盗賊「何だとぅ!?」

魔法使い「音に気付いて隠れたのね?」

盗賊「ちぃぃぃマズイな挟まれてる」

ハンター「何処だ?」キョロ

魔法使い「きっと通路の奥よ…暗くて見えない」

盗賊「俺が囮に出る…相手が仕掛けて来たら盲目魔法を使え」

ハンター「大丈夫?」

盗賊「まぁ見てろ…援護頼む」タッタッタ

僧侶「はぁぁドキドキするでし…」



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597 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:53:50.05 ID:pYa2Z27w0
ハンター「トロッコに付いた…何も起きない」

僧侶「盗賊さんどうするつもり…あっ!!消えた」

魔法使い「え?なんで?」スック

ハンター「待って…動かないで…策があるんだ」

魔法使い「…」ジー

僧侶「…」タラリ

ハンター「足音…」ヒソ


ペタペタ ドタドタ


ハンター「3人以上居る…」ヒソ

僧侶「盗賊さん出て来た!…どうなってるの?」ヒソ

ハンター「まだ待って…」ヒソ


シュンシュン カンカン!


魔法使い「又消えた…」ヒソ

ハンター「射手2人…通路の奥だ」ヒソ

僧侶「大きなオークが一人来たです」ヒソ

ハンター「あのオークは僕が麻痺矢当てる…君は奥の射手に盲目魔法を」ヒソ

僧侶「はい…」ドキドキ

ハンター「撃つよ…」ギリリ シュン グサ!

僧侶「盲目魔法!」モクモク

ハンター「行く!!」ダダ


オークファイター「ウゴ!?」


ハンター「もう一発!!」ギリリ シュン グサ!


オークファイター「ウガァァァァ!!」ブン ブン


僧侶「うわぁ大っきい…」タジ

魔法使い「ハンター!!ダメ麻痺効いてない…火炎魔法!」ゴウ ボボボボ

僧侶「下がるです…もう一回盲目魔法使うです」

ハンター「分かった」ダダ

僧侶「盲目魔法!」モクモク


オークファイター「ウゴ?ウゴ?」キョロ


盗賊「リリース!」スゥ

盗賊「どわぁ!!でけぇ…」
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:54:22.19 ID:pYa2Z27w0
僧侶「盗賊さん!!盲目魔法使ったです…目が見えてないしゅ」

オークファイター「ウガァァァ!!」ダダダ ブン

盗賊「危無ぇ!!」ガキーン ゴロゴロ

魔法使い「盲目効いてない?」

盗賊「こいつらエルフだと思え!!耳で場所把握してる」


シュンシュン カランカラン


盗賊「不利だ!!トロッコ乗れ!!」

ハンター「動かす!!飛び乗って!!」ピョン

盗賊「魔法使い!魔法撃ちまくれ!」

魔法使い「火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ゴゥ ドカーン


ゴゥ ボボボボボ


盗賊「乗れ乗れぇ!!」ピョン

僧侶「はわわわ…」ピョン

魔法使い「えいっ…」ピョン


カタコン カタコン ゴーーーーー


僧侶「追って来るです…」

盗賊「構わず魔法撃ちまくれ…」ガチャコン バシュ


オークファイター「ウガァァァ!!」ドスドス


魔法使い「火炎魔法!」ゴゥ ドーン


ガチャコン バシュン

ガチャコン バシュン


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599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:55:13.05 ID:pYa2Z27w0
『トロッコ』


ゴーーーーー カタタン カタタン


盗賊「ふぅぅぅぅ危なかったなぁ…」

ハンター「4対3でもまともに戦ったら全然勝てる気しない」

魔法使い「麻痺も盲目も効かないなんて…」

盗賊「相手が3人だけだったから助かった様なもんだ」

僧侶「魔法もあんまり効いて無かったですね?」

魔法使い「呪術で強化されてるんだと思うわ…魔法に耐性ありそう」

盗賊「ちっと予定変更だな…キャンプに戻るのは止めだ…あそこに何か荷物置いてるか?」

僧侶「水と食べ物置いて来たです」

魔法使い「私も…」

盗賊「よし…スルーして戻るぞ…オークが危なすぎる」

僧侶「ハンターさんは何も残して無いですか?」

魔法使い「全部持って来てるに決まってるじゃない」

ハンター「こんな事もあろうかと…」

盗賊「ヌハハケチが良い方に転んだ様だ…とりあえず水には困らんな?」

ハンター「ハハ…」

盗賊「しかしオーク相手じゃこっちもキラーマシン居無ぇとどうにもならんな」

僧侶「オークは抵抗しない人間には何もしないのです」

盗賊「なぬ?」

ハンター「それは本当だよ…連れて行かれちゃうけど」

盗賊「そりゃ知らんかった」

僧侶「掴まると奴隷にされるです」

盗賊「なるほどな…人間の女が好みだとは聞いた事がある…掴まえて奴隷か」

魔法使い「人間も昔は女のエルフを狩って奴隷に…」

盗賊「実は俺も一回あやかった事が有る」

魔法使い「うわ!!最低…ゲスオヤジ」

盗賊「若気の至りだヌハハ」
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:55:51.92 ID:pYa2Z27w0
『4時間後』


カタンカタン カタンカタン


盗賊「さて…どうやって戻るかなんだが…」

魔法使い「強行突破?」

盗賊「うーーーん…どうせキラーマシンが封鎖してる…どーっすかなぁ」

ハンター「戦利品は4人で手分けすれば持てるから…突破して人に紛れるでどう?」

盗賊「僧侶の盲目魔法使って行くか?」

僧侶「お?」

盗賊「突破する時に盲目魔法撃ちまくって逃げちまう…ほんで人込みに紛れる」

魔法使い「良さそうね?」

盗賊「さっさと地下を出て商人ギルドで落ち合う…行けるな?」

僧侶「私の出番でし!!」ズイ

盗賊「期待してるぜ?」




『チカテツ街道1番』


ゴーーーーー スタタン スタタン


ハンター「衛兵10人くらいと動いてないキラーマシン2台」

盗賊「衛兵気付いたな?魔法撃て!!」

僧侶「盲目魔法!!」モクモク

盗賊「行けるところまで突っ込むぞ…魔法はどんどん撃てよ?」

僧侶「はいな!!盲目魔法!!」モクモク


衛兵1「なんだぁ?誰だ明かり消した奴は!!」

衛兵2「常備用の松明あるだろ…早く点けろ」

衛兵1「トロッコ近づいて来る音だ…衝突するぞ!?」

衛兵2「止まれ止まれぇぇ!!」


魔法使い「ウフフ…馬鹿ねぶつかる物何も無いのに」

僧侶「盲目魔法!!」モクモク


衛兵1「あぁぁ見えない…松明何処だ?」

衛兵2「だめだぁこっちも見えない」ウロウロ


ハンター「止まるよ!?作戦通り人込みに入って!!」ピョン タッタッタ

盗賊「行くぞ!遅れるな?」ダダ

魔法使い「ウフフ…なんか楽しい」タッタッタ

僧侶「ほいさっさぁ!!」スタタ


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601 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:56:27.49 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド_大部屋』


ガチャリ バタン


盗賊「お?遅かったな?…水浴びして来い!真っ黒だぞ」

魔法使い「ハンターと僧侶はまだ?」

盗賊「もう水浴びしてどっか行った…」ガチャガチャ

魔法使い「ええ!?私が最後か…じゃぁ水浴びしてくる」ドサリ

盗賊「今日はもうやる事無いから自由にして良いぞ」

魔法使い「寝る…魔力使い過ぎて頭痛い」

盗賊「ヌハハ頑張り過ぎだな?」


--------------


僧侶「ただいま〜」ガチャリ

盗賊「シーーーーッ」

ハンター「ん?魔法使いは?…あぁ寝たのか」

僧侶「戦利品の整理終わったですか?」

盗賊「おう!!使えそうな物はコレだな…ペン型のライトだ」

ハンター「何それ?」

盗賊「照明魔法みたいなもんだ…ホレ?」ピカー

ハンター「おぉ!!」

盗賊「これはお前が使え…俺は同じ様な物持ってっからな」ポイ

僧侶「他には無いですか?」

盗賊「今分解してるんだけどよ…このランタンみたいな奴の中にウラン結晶らしいものが入ってんだ」ガチャ ガチャ

僧侶「ウラン結晶?」

盗賊「まぁ魔石のお化けだ…小さいがこいつが高く売れる」

ハンター「エネルギー元なんだ」

盗賊「多分な?これこのまま落ちてたんか?」

ハンター「大きな機械から外したんだ」

盗賊「てことはやっぱエネルギー元だな…もっと他に在ったのかもしれんな」

ハンター「そうだね…でももう行く気になれない」

盗賊「行くなら戦力揃えんとな」

ハンター「ワームがね…見えてたのが3匹だけどもっと居ると思うんだよ」

盗賊「まぁ生きて帰れて良かった…ちっと甘く見過ぎてた」

ハンター「オークもさ…たまたま射手2人を無効化出来たから逃げれたけどさ…本当危なかったと思う」

盗賊「うむ…んん?なんだ僧侶も寝たのか」

僧侶「…」スヤ

ハンター「結構魔法連発してたしね…頑張ったね」

盗賊「まぁお前もこのクソ重いランタンずっと背負ってたんだろ?」

ハンター「ハハハ重たかったよ…途中で捨てようかと思ったさ」

盗賊「お宝ハントはとりあえず大成功だ…大の字で寝ろ」

ハンター「そうする…おやすみ」
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:57:26.68 ID:pYa2Z27w0
『翌日』


ガチャガチャ


魔法使い「ふぁぁ…」ノビー

盗賊「お?起きたな?頭痛は良くなったか?」

魔法使い「ん?」キョロ

盗賊「まだ休んでて良いぞ…」

魔法使い「何してるの?」

盗賊「ガラクタを下に運んでるんだ…商人に鑑定してもらう」

魔法使い「ハンターと僧侶は?」

盗賊「商人の所に行った…どうする?お前も来るか?」

魔法使い「私だけ寝てる訳に行かないでしょ?」

盗賊「下よりこっちのが環境良いけどな…商人の部屋はガラクタとゴミの山だ」

魔法使い「どんな人なのか気になるから行って見たい」

盗賊「そうか…じゃぁ付いて来い」スタ



『商人ギルド地下』


ヨッコラ ヨッコラ


盗賊「商人!持って来たぜ?…これで最後だ」

商人「奥に…」

魔法使い「何此処…研究室?」

商人「本当は誰も入れないんだけど…君達は特別なお客さんさ」

魔法使い「特別?」

商人「取引がしたい…今運んできたガラクタだよ…譲って欲しいんだ」

魔法使い「譲るって…ハンター!?どういう話になってるの?」

ハンター「金額の交渉をされてるんだ」

僧侶「いくら欲しいか聞かれてるです」

盗賊「俺らじゃ価値が分かん無ぇ…商人はいくら出す?」

商人「君達には只のガラクタだよ…」

盗賊「答えになって無い」

商人「ズバリ言うよ…頂戴」

魔法使い「ぷっ…面白い人ね」

盗賊「おいおいお前が欲しがる理由くらい聞かせろや」

商人「盗賊…この3人は信用しても良いのかい?誰なんだよ…」

盗賊「疑り深けぇな…こう言えば信用出来るか?夢幻を知ってる…」

商人「…」ジロリ

僧侶「なんか怖いです」

商人「盗賊…ちゃんと鍵は掛けたかな?」
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:58:05.96 ID:pYa2Z27w0
盗賊「あぁ掛けた掛けた…どうしたんだお前」


???「アーッハハごめんごめん…ソレは影武者さ」


盗賊「なぬ!?」


ガコン ギギギー


盗賊「なんだ本棚の裏にさらに隠し部屋があるんか…」

商人「影武者ごくろうさん…どうやら信用できそうだ」

影武者「誘導出来ませんでした…すみません」

商人「まぁ又練習しよう…休憩してて良いよ」

影武者「はい…」スタ

商人「その遺物持って奥に入って来て」

盗賊「お…おう」ガチャガチャ

604 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 19:58:32.56 ID:pYa2Z27w0
『隠し部屋』


盗賊「おま…これ俺にずっと秘密にしてたんか?」

商人「言う必要が無かっただけさ」

盗賊「あの影武者はいつから?」

商人「もう5年くらいになるかな…ほとんどの事は彼女がやってる」

盗賊「なぬ!?女だと?」

商人「僕と同じ体格なのは子供か女の子だけさ…声は良く似てたよね?」

盗賊「道理でフード脱がない訳だ…」

商人「さて?夢幻を知って居る君達3人は誰なんだい?」

ハンター「え…えーと」

盗賊「ハテノ村の子供達だ…どうやら俺を覚えてる」

商人「なるほどね…」

盗賊「それでお前はこんな隠し部屋に籠って…ホムンクルス作ろうとしてんだな?こりゃ…」

商人「そうだよ…それで古代の遺物を調べたいんだ」

魔法使い「この器具は錬金術?」

商人「うん…今は生体を産む研究をしてる」

魔法使い「スゴイ…」

僧侶「この絵の女の人は精霊でしゅか?」

盗賊「ホムンクルスだ…良く描けてる」

魔法使い「シン・リーンの精霊の像にそっくり…」

盗賊「まぁ色々あんのよ」

商人「それであの遺物の事だけど譲って欲しいのは本当なんだよ…僕もそんなにお金持ちじゃない」

盗賊「俺らにはガラクタっちゃぁガラクタなんだがよ…ちっと小遣いくらい欲しい訳よ」

商人「じゃぁ金貨100でどう?」

盗賊「金持ってんじゃ無ぇか!!」

商人「それくらいならギルド運営に影響は出ない」

盗賊「お前等金貨100で良いな?」

ハンター「うん…どうせ要らない物だし逆になんか悪いかな」

盗賊「お前らしく無ぇぞ?」

ハンター「ハハ…」

商人「じゃぁ商談成立という事で…」



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605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:00:53.35 ID:pYa2Z27w0
盗賊「ところであのガラクタは一体何なんだ?」

商人「これからラヴと一緒に調べるけど…多分古代文明の兵器を操る物だと思う」

盗賊「兵器?インドラの矢とかか?」

商人「10年前の大陸間弾道ミサイル…隕石だと言われてる奴だ」

盗賊「そういや遺跡に塔みたいな物が立ってたな…ソレだな?」

商人「あーー他に発掘されてる物と同じ証言だ」


覚えてるかな?10年前に飛んできたミサイル…

本当は何百発も落ちて来る筈だったのに4発しか落ちなかった

それはホムンクルスが止めたんだよ

その内のいくつかがキ・カイで発掘されてるんだ


盗賊「そうか…それで灰に埋もれてたんか…」

商人「僕もその現場に行きたいんだけど国と折り合いが付かなくてね…丁度君達が持って帰ってきてくれた訳だ」

盗賊「お前が古代の遺物を欲しがる理由はホムンクルスか?」

商人「うん…もしかすると他にもホムンクルスが眠って居るかもしれないと言う事と…」

商人「あと数年でラヴの中にある超高度AIのエネルギーが枯渇するからそれを何とかしたい」

機械の犬「ワン!」フリフリ

盗賊「数年…何でそんな事分かるんだ?」

商人「ラヴとは意思疎通が出来るんだよ…イエスかノーの2択だけど」

機械の犬「ワン!」

盗賊「そういう事か…」

商人「それで?久しぶりに夢幻の事を聞いたけど…どういうつもりなんだい?」

盗賊「ちっと話が長くなるんだが…」


お前ここ10年…子供の数が減少しているのは知って居るか?

どうやらな?麻薬とアヘン酒が蔓延しているのが出産率を下げて居る可能性があるんだ

ほんで材料になるケシの実がどこから産出されているかと言うと

エルフの森全域に出現するようになったスプリガンが原因らしい

勇者2人が魔王を封じてからこっち平和になった様に見えるが

その実…人間の出生率を下げる病気が蔓延して子供が生まれ無くなってる訳だ

あと10年もすりゃ子供産める女はほぼ居なくなる…静かに滅亡へ向かってる訳よ

夢幻の記憶を思い出してみると俺らはハテノ村で最後まで戦った記憶が在る

その最後の最後に薬を作って木の下に埋めたんだよ…それがどうしても気になるんだ
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:01:28.62 ID:pYa2Z27w0
商人「…」

盗賊「お前はなにか気付かんか?お前の方が夢幻を覚えてるんじゃ無いのか?」

商人「錬金術にかまけて大事な事を忘れて居たかもしれない…そうだ僕らは病気と闘った」

盗賊「夢幻での導きはまだ終わって居ない様に思わ無ぇか?」

商人「ラヴ…今の話を聞いてどう思った?」

機械の犬「キャンキャン!」

商人「その反応は知らない…何か思う事があるんだね?」

機械の犬「ワン!」

商人「イエス…このままでは僕達は滅亡する?」

機械の犬「ワン!」

盗賊「おい…この反応はイエスだな?」

商人「やっぱり急がないといけないな…もうちょっとラヴと会話してみる…お金は影武者から貰っておいて」

盗賊「お…おう…お前の邪魔はしない方が良さそうだな?」

商人「うん…考え纏まったらまた教えるよ…今は出て行って」

盗賊「ヌハハはっきり言う奴だ…じゃぁ金は貰って行くぜ?」スタ
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:01:55.09 ID:pYa2Z27w0
『大部屋』


ガチャリ バタン


僧侶「商人さんは結局顔を見せてくれなかったでしゅね」

盗賊「気にすんな!…でだ金貨100枚と魔石27個…ほんでウラン結晶が残った」

ハンター「クロスボウ9台もお忘れなく」

盗賊「魔石とウラン結晶は売らんで残しといた方が良い…とりあえず金貨25枚づつ山分けな?」ジャラリ

僧侶「儲かったですねぇ…むふふ」

盗賊「こんだけありゃ物資調達は問題無いだろう」

ハンター「気球はいつ手に入るかな?」

盗賊「2〜3日か?とりあえず俺は船乗り達に商船の指示して来にゃならん…俺の船で又荷物運ぶからな」

ハンター「今度は何処へ?」

盗賊「予定ではフィン・イッシュに物資運ぶんだ…俺は行か無ぇから船乗りに任せる」

魔法使い「私達どうする?」

ハンター「物資買い入れても置き場がねぇ…」

盗賊「買い取り品目だけ商人ギルドの受付に言っておけば物資は揃うぞ?…置き場もでかい倉庫がある」

ハンター「へぇ?そうだったんだ」

盗賊「商人ギルドは伊達じゃ無ぇぞ?商船20隻は動かしてるからな」

魔法使い「すご…でも商人はお金無いって…」

盗賊「そら個人的な小遣いだ…ギルド運営で金貨10万くらいは動かしてる」

ハンター「ええええええええ!!?そんなに…」

盗賊「国相手に取引してんだからそんくらいはな?」

魔法使い「しばらく暇になりそうだからエリクサーでも作ってみようかな…」

盗賊「それが良い…高く売れるぞ?」

ハンター「じゃぁ僕は買い取る品を考えておこうかな」

僧侶「私は酒場で遊んで来るです」

盗賊「お?後で俺も行くから飲み過ぎんなよ?」

僧侶「は〜い」ビシ
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:02:38.90 ID:pYa2Z27w0
『数日後_商人ギルド周辺』


ガヤガヤ ガヤガヤ

へいらっしゃい!!フィン・イッシュ産の装飾品買って行かないかい?

シーサーの肉!それから毛皮お値打ち品だぁ!!買った買ったぁ!!

セントラル直送!肝油に樹液!松脂!!錬金術素材何でもあるぞぉ!!


魔法使い「…」キョロ キョロ

盗賊「おう!!魔法使い…ここん所ずっと露店うろついてんな?何か探してんのか?」

魔法使い「関係無いでしょ!?」

盗賊「機嫌悪そうだな…お前等の気球買い付け決まったんだ…ハンターと僧侶は見に行ってるが…お前も行くか?」

魔法使い「私は忙しいから良い…」キョロ

盗賊「そうか?俺も見に行って来るが…スリに気を付けろ?」

魔法使い「分かってるわ…私の事は放って置いて」

盗賊「へいへい…じゃぁな!!」ノシ
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:03:09.53 ID:pYa2Z27w0
『気球発着場』

…球皮に損傷はありません

船体の木材部分がすこし傷んでいますが一応は使えます

木材がある様でしたら修繕した方が良いですね

炉は魔石が無くてしばらく使用していませんでしたので少し錆びついております


盗賊「ほ〜う…こりゃキ・カイの輸送用気球だな?」

ハンター「あ!!盗賊さん…助かった気球の事が全然分からなくてさ」

売人「説明は以上になりますがご質問は?」

盗賊「船尾に付いてるプロペラは何だ?こんなん初めて見たぞ?」

売人「炉に連動して回る仕組みになって居ます…風の魔石を使わない工夫です」

盗賊「なるほどな…球皮は畳んである様だがどんくらい膨らむ?」

売人「帆の揚力で浮くタイプですので大きな球皮ではありません」

盗賊「じゃぁ発着に滑走が居るんか…ちっと不便だな」

売人「荷が空の場合はそのまま浮くことが出来ます」

盗賊「大体分かったぞ」

僧侶「引き取って大丈夫でしゅか?」

盗賊「まぁ任せろ」

売人「それでは譲渡完了という事で商人ギルドの方へ代金を引き取りに行きます…ここにサインを」パサ

ハンター「あ…はい!」スラスラ

売人「ではごきげんよう」ペコリ


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ハンター「随分律儀な売人だったね…」

盗賊「ありゃ多分キ・カイの役人だ…旧式の気球を手放したんだろうな」

ハンター「これ乗ってみて良い?」

盗賊「お前等の物だ…好きにしろ…てか俺にも見せろ」

僧侶「うほほ〜い!!」スタタ

610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:03:44.17 ID:pYa2Z27w0
『輸送用気球』


ギシギシ ドタドタ


盗賊「こりゃ軽量化してて床板踏み抜きそうだ…」ギシギシ

ハンター「下の荷室は割と丈夫そうだよ」

盗賊「ほーーう!炉に機械の細工がしてある…これでプロペラ回すんか」

ハンター「操作方法分かる?」

盗賊「こりゃ小回り効かんが操作はえらく簡単だぞ?このレバーが横帆に連動…ほんでこっちのレバーがプロペラに連動」

ハンター「僕にも出来るか試してみたい」

盗賊「石炭買ってあるな?」

ハンター「うん…でも倉庫が何処にあるのか?」

盗賊「よっし!ちっと試すぞ…倉庫は船着き場のヤードにある…行くぞ!!」

僧侶「わたし今日ここで寝るです…荷物持ってくるでし」

盗賊「ヌハハ気に入ったか?お泊りセット持って来い」
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:04:16.24 ID:pYa2Z27w0
『1時間後』


ボボボ メラ


盗賊「このフイゴを足で踏んで風を送るんだ」シュゴー シュゴー

ハンター「球皮が膨らんで来た」

僧侶「ワクワク…」

盗賊「なるほど…船体の割に小さい球皮だな…本当に浮くんかいな」


グラリ


盗賊「お?早い…」

ハンター「これ地面に結んであるロープ外した方が良いよね?」

盗賊「おう!!ロープ抜いてくれ」

ハンター「よいしょ!!」グイ スルスル


フワフワ


ハンター「浮いた…すげぇ!」

盗賊「なんでこんな簡単に浮く?船体が軽いって事か?」

ハンター「この木材は船みたいに頑丈な木じゃなくて薄い樹脂だね…錬金術で変えてるんじゃないかな」

盗賊「錬金術か…なるほどな…俺らの知ってる気球はもう古いのか」

ハンター「僕が操作してみて良い?」

盗賊「おう!フイゴは休まずに踏め…ほんでこのレバーで多分プロペラが回り出す…やってみろ」

ハンター「うん!!」グイ


パタパタ パタパタ


僧侶「動いたですぅ!!」

盗賊「横帆の操作は勘で覚えろ…このレバーだ」

ハンター「…」グイ

盗賊「なかなか良い気球じゃ無ぇか!スピードは無いが動きが確実だ」

僧侶「デッキに上がって外見て来るでし!!」スタタ

盗賊「落ちんなよ!?」

僧侶「うわぁ…景色汚い…ドブの中にキ・カイの街があるです」

盗賊「とりあえず海の上一回りすっぞ!」

ハンター「うん!!」グイ


パタパタ パタパタ
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:04:50.76 ID:pYa2Z27w0
『気球発着場』


フワフワ ドッスン


ハンター「よし!着陸成功…球皮畳んでくる」ダダ

盗賊「う〜む…ちっと問題ありだ…気球が遅すぎる」

僧侶「そうなんでしゅか?」

盗賊「プロペラじゃ逆風で全然速度が出ん…高高度だと尚更風に流されるんだ」

僧侶「低空専用ですかね?」

盗賊「だな?短距離の低空飛行専用だろう…ちょいと改造が必要だ」

僧侶「盗賊さん出来るですか?」

盗賊「木材が無ぇんだよなぁ…う〜む」

僧侶「木なら成長魔法で育てられるです…あんまり大きく出来ないですが…」

盗賊「あんまり改造し過ぎて重くなっても意味が無い…どうすっかなぁ」

僧侶「私の使っていない槍はどうですか?2メートルくらいあるです」

盗賊「お?そいつを支柱に縦帆2枚…そうだな木材加工するよりずっと精度の良い棒だな」


支持部は金属でこさえるとして…

金属糸で支柱を支える

帆はデッキの左右に2枚…

まてよ…それだと船体が傾いちまう

反力起こすのに横帆を使うか

ちっと張り方変えんとイカン


盗賊「あーでもない…こーでもない…」ブツブツ

僧侶「私槍を持って来るです」スタタ

盗賊「お…おう!そうだな…改造と調整でもうしばらく掛かりそうだわ…これは」

ハンター「まぁそんなに急いで無いし…必要な物があったら買って来るよ」

盗賊「帆を張るのに大き目の布とロープだな…あと金属糸も欲しい」

ハンター「分かった仕入れて来る」タッタッタ
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:05:29.69 ID:pYa2Z27w0
『露店』


ワイワイ ガヤガヤ


魔法使い「…」キョロ

ハンター「魔法使い!もしかして剣士を探してる?」

魔法使い「そうよ…いつ現れるか分からないから」

ハンター「来るかどうかも分からないよ…休んだら?」

魔法使い「そうね…」

ハンター「今気球に乗ってみたよ」

魔法使い「どう?」

ハンター「操作は簡単…でもね?盗賊さんが言うには速度が遅すぎるって」

魔法使い「しょぼい気球掴まされた感じ?」

ハンター「そうじゃない…物はすごく良い…短距離の輸送専用気球だったみたい」

魔法使い「どういう事?」

ハンター「ハテノ村まで行くのは長距離用に改造が必要なのさ」

魔法使い「そうなんだ…じゃぁ改造でもう少し掛かりそうなのね?」

ハンター「うん…帆を張るのに布とロープが必要だって」

魔法使い「沢山売ってるよ…この辺の露店は全部見たから安い所知ってる」

ハンター「おー!!案内して」

魔法使い「こっちよ」グイ


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614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:05:56.28 ID:pYa2Z27w0
『気球』


トンテンカン トンテンカン


ハンター「盗賊さん…布とロープ仕入れて来たよ」ドサリ

盗賊「早かったな?」

ハンター「魔法使いが安く売ってる所知っててさ…」

盗賊「今気球に槍を取り付けた所だ…金属糸あるか?」

ハンター「うん…」ポイ

盗賊「ようし!!こいつを張るから手伝ってくれ」

魔法使い「私は何かやる事ある?」

盗賊「布を縫い合わせて縦帆に出来るくらいの大きさにしてほしい」

魔法使い「…という事は針と糸も必要ね」

盗賊「言うの忘れてた…まぁそんなに急がんでも良いぞ?まだしっかり設計も纏まって無ぇんだ」

ハンター「そんなに難しい設計なの?」

盗賊「まぁな?下手すると気球が空でひっくり返る」

ハンター「うわ…それはマズイ」

盗賊「船の技師と相談しながら作るから…そうだな…まだ2〜3日は飛べん」

ハンター「何か手伝える?」

盗賊「いや素人は触らん方が良いな…暇ならアレだ…オーガの討伐隊にでも行って来たらどうだ?」

魔法使い「あ!!聞いた…高額報酬出るって」

盗賊「うむ…衛兵が地下遺跡に行ってるから戦力不足なんだとよ…お前等3人なら余裕だろ」

ハンター「オーガか…牙が高く売れるんだったね?」

盗賊「1本金貨1枚が相場だ…小遣い稼ぎにゃ丁度良い」

ハンター「行って見ようか?僕の麻痺矢で足止めして魔法使いが焼く」

盗賊「ほんで僧侶が止めな?」

ハンター「僧侶は何処に?」

盗賊「お泊りセット取りに商人ギルドに戻ったがそろそろ戻って来る」

魔法使い「お泊り?…まさか気球で寝泊まりするつもり?」

盗賊「おいおい!お前等の初めての気球なんだぞ?愛着持てや」

ハンター「中に入って見たら?結構しっかり作ってあるんだよ」

盗賊「うむ…触って分かったがこの樹脂って奴はかなり丈夫で気密性が良い…住んでも良さそうだ」

魔法使い「へぇ?見て見る…」スタスタ
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:06:26.11 ID:pYa2Z27w0
『居室』


魔法使い「あら?もうハンモックが…」

ハンター「僧侶だねw」

魔法使い「これが炉ね?煙突は外に出てるんだ…へぇ?」

ハンター「石炭燃やしても煙には蒔かれないよ」

魔法使い「下が荷室?」

ハンター「うん…荷室の方が頑丈に出来てる」

魔法使い「荷室も合わせたら15人くらい乗れそう」

ハンター「そうだね…どれくらい荷物載せられるのかもテストしないと…」


スタタ ドタドタ


僧侶「あ!!ここに居たですね?皆さんもお泊りするですか?」

魔法使い「何持って来たの?」

僧侶「食べ物とお酒でし」ドサリ

ハンター「アハハここでくつろぐつもりだ」

僧侶「ランタンも完備でし」ビシ

ハンター「オーガ討伐に行こうかなと思ってるんだけどさ」

僧侶「お?何処まで行くですか?」

魔法使い「東にちょっと行った所で馬車が襲われたらしいわ…その辺りに何匹か居るみたい」

ハンター「まだ日暮れまで時間があるからちょっと行って見よう」

僧侶「はいなー!!」
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:07:12.64 ID:pYa2Z27w0
『日暮れ』


…プロペラが一定の推進力を生んでるならセンターボードの変わりはその前に置けば良いっすね

この大きさで行けると思うか?

やって見ん事には何とも…やっぱりセールを立てられないのは制限がキツイっすわ

縦帆を斜めに張ったとしてセンターボードと連動して無いとどうしても横に流れる

もういっその事センターボードは止めて尾翼を作ったらどうですか?

材料が無いんだ…下手な木材使っても折れるだけだしな

もう一本同じ槍があればなんとかなるんじゃないすか?

ううむ…有るにはあるが

尾翼さえ作ってしまえばあとは縦帆2枚でコントロール出来ますよ


ハンター「ただいまー…なんか忙しそうだ」

盗賊「おぉ!!丁度良かった…魔法使いが持ってる槍を貰えんか?」

魔法使い「え?私武器無くなっちゃうけど…」

盗賊「後で代わりの武器用意してやる…ミスリルのスピアヘッドが俺の船に積んであるんだ」

魔法使い「ミスリル?良いのそんな良い素材を貰って」

盗賊「俺が今欲しいのはその槍の柄の部分なんだ…その柄は長くて質が良い」

魔法使い「じゃぁ使って…」

盗賊「代わりの武器はまた明日用意してやる…ちっと短くなるけど良いな?」

魔法使い「まぁ…杖替わりだし…程ほどの長さの方が良いかもね」

盗賊「悪いな?せっかく槍に慣れた所なのによ」

魔法使い「ミスリルの槍が貰えるなら良し…」

盗賊「ヌハハそれで?オーガ狩りはどうだったんだ?」

ハンター「オーガ3体狩って牙6本…それから報酬金貨2枚」

盗賊「儲かったな?」

ハンター「うん…オーガは盲目も麻痺も効いたから余裕だった」

盗賊「どうやって止め刺したんだ?そう簡単に死なんだろ?」

魔法使い「私が槍を刺して直接体の中に魔法を撃った」

盗賊「ほーう?そんな荒業があるんか」

魔法使い「銀の槍が上手く雷を通すの…一発でショック死」

僧侶「私出番無かったです」

魔法使い「ミスリル銀ならどうなるのか試してみたい」

ハンター「新しい槍がもらえたらもう一回行って見ようか」

盗賊「分かった分かった…明日の朝一でなんとかしてやる」

魔法使い「楽しみが増えたわ…フフ」

617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:08:24.47 ID:pYa2Z27w0
『数日後_飛行船』


フワフワ


ハンター「…これで樽15個」ドスン

盗賊「ふむ…まだ乗せられそうだ」

ハンター「もう樽が無いよ…荷物も全部積んだ」

僧侶「乗って良いでしゅか?」

盗賊「おぉ乗れ乗れ」

ハンター「そろそろ出発?」

盗賊「あと大工と工夫を乗せる事になってる…そいつらが来たら出発だ」

ハンター「じゃぁ魔法使い呼んでくる」

盗賊「また露店でウロウロしてんのか?」

ハンター「うん…」

盗賊「お前等誰か探してんな?」

ハンター「ハテノ村の仲間が来ないかと思ってね…」

盗賊「そうか…商人ギルドの娘達に人相書き渡しときゃ良かったな」

ハンター「そんな手も有ったのか」

盗賊「又戻って来るからそん時までに用意しとけ」

ハンター「分かった…じゃぁ魔法使い呼んでくる」タッタッタ


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618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:08:55.35 ID:pYa2Z27w0
魔法使い「遅くなったわ…ハンター荷物入れて」

ハンター「荷物あるならもっと早く言ってよ…」ヨッコラ

僧侶「はぁぁ…いつもの事ですねぇ…」

盗賊「ようし!!乗ったら上昇すんぞ?」

ハンター「よいしょ!!」ドスン


フワフワ 


盗賊「ハンター!!飛行船の操作はお前がヤレ…俺は縦帆張る」ダダ

ハンター「南東だね?」

盗賊「そうだ!!操作しながら覚えろ」

ハンター「おっけ!!」グイ シュゴー シュゴー


パタパタ パタパタ


ハンター「おぉぉ!!早い…」

盗賊「大まかな方向は縦帆の調整次第だ…後は横帆と尾翼で上手く方向定めろ」

ハンター「うん…スゴイ!どんどんキ・カイから離れて行く」


ビョーーーウ パタパタ


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619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:09:49.73 ID:pYa2Z27w0
『荷馬車』


ブモモー ガタゴト ガタゴト


剣士「やっとキ・カイに到着だ…長かったね」

女オーク「門の所にキラーマシンが居るわ?あと衛兵も2人」

剣士「このまま入れるんじゃないかな?荷物も大したもの載せて無いし」

女オーク「私オーク臭くない?」

剣士「大丈夫だって」


衛兵「止まれぇ!!」


剣士「…」グイ ブモモー

衛兵「お前達は行商人か?2人で移動してくるとは…」

キラーマシン「…」ウィーン ガチャ ウイーン

剣士「東の方にある地床炉村から来たんだ…あやしい物は積んで居ないよ」

衛兵「一応荷を確認する…」スタ

衛兵「これは又大きな骨だ…どうした?コレを売るつもりなのか?」

剣士「それは途中の海岸に落ちてたクジラの骨だよ…何かの材料にならないかと思ってね」

衛兵「ふむ…あとは木の実と食料…大量のオーガの牙と角」

剣士「何もあやしい物は無いでしょ?」

衛兵「まぁ通っても良いが質問だ…お前達は旅の戦士なのか?2人で地床炉村から来るのは怪しいと言わざるを得ん」

剣士「僕は魔術師…彼女は見ての通り大剣を使う戦士だよ」

衛兵「そうか…魔物ハンターという事か」

剣士「あぁその説明の方が早いね」

衛兵「地下で傭兵を募集していてな?興味があったら行って見るが良い」

剣士「へぇ?情報ありがとう」

衛兵「うむ…通って良いぞ…ご安全に!!」


ガタゴト ガタゴト
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:10:34.48 ID:pYa2Z27w0
『古都キ・カイ』


ワイワイ ガヤガヤ


剣士「久しぶりだぁ…前と全然変わって無い」

女オーク「…」キョロ キョロ

剣士「確か…広場のちょっと先に商人ギルドがあった…その裏手に馬宿もあった筈」

女オーク「今日も馬車で寝るの?」

剣士「宿屋が良いね…水浴びもしたいし…酒場にも行って見たいよね?」

女オーク「フフ…」

剣士「まず馬車置いてオーガの牙と角を売っちゃおう…買い物もしたい」

女オーク「おっけ!」

剣士「ちょっと僕の真似やめてよ…君には似合わない」

女オーク「そう?」

剣士「よ〜し!今晩は酒場に行って会話に慣れよう」


---------------


『商人ギルド裏』


タッタッタ


剣士「ヤクを預けて来た…荷物の準備良い?」

女オーク「クジラの骨はどうするの?」

剣士「それは何かの材料に残しておこう…売るのは牙と角だけで良いと思う」

女オーク「うん…」

剣士「よーし!!フード被って」ファサ

女オーク「…」ファサ

剣士「行こうか!!手を」グイ

女オーク「…」ギュ
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:11:22.28 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド』


ガヤガヤ ガヤガヤ

はい!商船の窓口はこっち…商隊はあっちね!!

買い取りの品目と相場は入り口で確認して!!


剣士「ええと…オーガの牙は一つ銀貨80枚か…角は安いなぁ」

女オーク「牙は全部で30本…角は15本」

剣士「面倒だから全部売っちゃおう」

女オーク「これは何の材料になるの?」

剣士「錬金術でポーションの材料とかだよ…牙は武器に加工される事もあるね」

女オーク「剣士は使わない?」

剣士「道具が有ったら加工しても良いけど面倒くさい…全部売る」


受付「買い取り?それとも商談?」

剣士「あぁ…この牙と角を買い取って欲しい」ドサドサ

受付「うはぁぁ…又一杯持って来たね…ええと牙30角15で金貨25枚と銀貨50枚」

剣士「うんそれで良い」

受付「それにしてもこれ全部自前で狩って集めたの?」

剣士「そうだよ…」

受付「ふ〜ん…盗品じゃないよね?てか名前書いてる訳じゃ無いし盗品でも良いか」ジャラリ

剣士「こんなに沢山持ってくるのは変かな?」

受付「一気に持ってくるのは珍しいね」

剣士「そうだったんだ…でも買い取りありがとう」

受付「はいはい…又のお越しを〜」ノシ


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622 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:11:58.39 ID:pYa2Z27w0
『雑貨屋』


店主「らっしゃい!!」

剣士「換金して来たよ…何か欲しい物ある?」

女オーク「ゴーグル付きのマスク」

剣士「お!?良いね…どれ?」

店主「お客さんお目が高いねぇ…このマスクは灰を防ぐだけじゃなくて黒死病の予防にも良いんだ…買って行くかい?」

剣士「じゃぁそれ2つと…そうだフードとマントも買い替えよう」

女オーク「うん!」

剣士「これと…これと…あ!!ブーツも買い替えよう」

女オーク「私コレが良い」

剣士「おけおけ…ああああ!!金属糸のインナーが有る…これ君にピッタリだ」

女オーク「剣士は要らないの?」

剣士「僕は魔法に干渉しちゃうから要らない…でも君は魔法使わないから絶対着ていた方が良い」

店主「お客さんの場合体が大きいから男用だね」

剣士「それ買って行こう…後でサイズ調整してあげる」

剣士「ええと…これ全部でいくら?」

店主「金貨7枚だ!払えるかい?」

剣士「おけおけ!!」ジャラリ

店主「ほーーーこりゃ良いお客さんだ」

剣士「もっと買い物しよう!」グイ


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623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:13:03.46 ID:pYa2Z27w0
『宿屋』


ワイワイ ガヤガヤ


店主「…あいにくお部屋が一杯でして」

剣士「ここもかぁ…」

店主「申し訳ありません…水浴びだけでしたらご自由にお使いください」

剣士「女オーク?水浴びは自由だってさ?浴びて行く?」

女オーク「うん…」

剣士「じゃぁそこの酒場で待ってるから行って来て良いよ」

女オーク「直ぐに浴びて来る」

剣士「ゆっくりで良いさ…今日は酒場で食事したら馬車に戻ろう」

女オーク「分かったわ…じゃぁ行って来る」スタ



624 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:13:33.96 ID:pYa2Z27w0
『酒場』


ワイワイ ガヤガヤ

どうも蛮族たちの戦争が激化してるんだってよ

また略奪が増えそうだなぁ

蛮族たちに通貨がありゃ特需でぼろ儲けなんだがなぁ…

あいつら何か良い物持って無ぇのかなぁ

噂では古代の遺物を沢山持ってるらしいが…そんなん使ってるの聞いた事無いんだよなぁ


店主「いらっしゃいませ…お一人様ですか?」

剣士「後でもう一人来る…席空いてるかな?」

店主「カウンターでお待ちください…席が空き次第ご案内出来ます」

剣士「まぁあんまり長く居るつもりは無いからカウンターで良いや」

店主「では…どうぞ…お飲み物は如何いたしますか?」

剣士「何があるの?」

店主「おすすめはハチミツ酒ですが値が張ります…安値のお酒でしたらアヘン酒が御座います」

剣士「フフフお金は持ってるんだ…ハチミツ酒2杯お願い」

店主「銀貨20枚頂きます」

剣士「おけおけ!」ジャラリ

店主「お食事はどうしましょう?バイキングでしたらお一人銀貨5枚ですが」

剣士「じゃぁ2人分で銀貨10枚だね」ジャラリ

店主「景気がよろしい様で?」

剣士「まぁね?久しぶりの酒場で気分が良いんだ…ケチケチすると気分も悪くなる」

店主「冒険者様なのでしょうか?」

剣士「うん…魔物ハンターと言えば早いかな」

店主「そうでしたか…どうぞハチミツ酒になります」コトリ

剣士「ありがとう…」グビ

剣士「あれ?この味…シン・リーン産のハチミツ酒だね?」

店主「お分かりで?先立入荷したのですがお高いので売れ行きはいまいちなのです」

剣士「そうなんだ…おいしいのにね」グビ

店主「お連れ様とは待ち合わせでしょうか?」

剣士「宿屋で水浴びしてから来る…まぁゆっくり待つよ」


スタスタ
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:14:07.12 ID:pYa2Z27w0
剣士「あれ?女オーク…水浴びは?」

女オーク「水浴び場に他の男達が居たから軽く洗って出て来たわ」

剣士「なんだ…水場も人が一杯なのか」

店主「今は豪族達の船が入船していますのでどこも一杯ですね」

剣士「豪族?」

店主「ご存じ無い様ですね?お金持ちと言う所でしょうか…どうぞハチミツ酒になります」

女オーク「これ…私?」

剣士「うん…先に飲んでるけど乾杯しようか」

女オーク「初めて飲む…」チーン グビ

剣士「どう?シン・リーン産のハチミツ酒だよ」

女オーク「甘い…」グビ

店主「お二人は体格が良い様なので手慣れの魔物ハンターとお見受けします」

剣士「あー体格でバレちゃうかぁ…」

店主「商人ギルドの方で高額報酬の傭兵を募集していますよ?」

剣士「お金はもう要らないかなー」グビ

女オーク「剣士?船に乗って北の大陸に戻るならお金が必要なのでは?」

剣士「これからどうするのかあんまり考えて無いんだけどさ…急ぎじゃ無いから明日考えよう」

女オーク「フフそうね?」

剣士「今考えてもストレスになるだけだ…明日の事は明日考える!お金は持ってるだけ全部使う!」

店主「ハチミツ酒の次はフィン・イッシュ産の白酒でもどうでしょう?」

剣士「良いね!それも飲んでみたい」


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626 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:15:25.71 ID:pYa2Z27w0
ドヤドヤ ドヤドヤ

さっきの女何処行ったか探せ…赤毛だ

居た!あそこだ…ちぃぃ連れの男が居やがる

はぁぁぁ海から上がって女神が現れたと思ったのによぅ

どうも俺はあれ以来ツキに見放されちまった…もう豪族の下働きなんざ真っ平だ…せめて良い女抱ければ

又お前は女女女女…お前のせいで俺はガッポリ稼ぐ予定が全部水の泡なんだ!いい加減にしろ


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剣士「フフ…なんか君の事付け狙ってる2人組が居るね?」

女オーク「知ってる…水場に居たの」

剣士「あれで聞こえないと思ってるんだろうか?」

女オーク「関わらない様にしましょう」グビ

剣士「そうだね…」

店主「お気を付けください?豪族の手下は節度の無い方が多いですから」

剣士「気にしないで何か食べようか?」

女オーク「うん…」

剣士「食事はバイキングなんだ…良さそうなものを持って来るよ」

女オーク「私肉は要らない」

剣士「分かってるって…ちょっと待ってて」タッタ


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野郎1「おい見ろ…男がどっか行くぞ」

野郎2「俺が欲しいのは金だ…女は買えば良い」

野郎1「じゃぁ俺は女頂く…お前は男から金取り上げりゃ良いだろ」

野郎2「おいおいあんな貧相な格好の奴が金を持ってる訳…むむ!!ハチミツ酒の空き瓶…」

野郎1「ほら見ろ…高い酒飲めるぐらいの金は持ってそうだぞ?」

野郎2「いつもの麻痺毒使うか?」

野郎1「俺はあの女を襲う…お前は男に行け…いつも通り吹き矢でこっそりな?」

野郎2「おい待て…男が戻ってきやがった」

野郎1「うむむ…チャンスを待つ」


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627 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:16:01.39 ID:pYa2Z27w0
剣士「ナッツにクルミ…それからこれオリーブだ」

女オーク「オリーブ!食べたい」

剣士「種は残して」

女オーク「種が美味しいのに…」モグ

剣士「ナツメヤシの実もある」ガリ モグ

女オーク「白酒に合うわね…」グビ

剣士「君はお酒は大丈夫みたいだね?」

女オーク「オークは毒に耐性があるのよ?」

剣士「あーそういう事か…じゃぁ全然酔わないんだ」

女オーク「気分は良くなるわ」

剣士「良い効果だけ残るんだ…その体良いね」

女オーク「オークの弱点は呪術…呪いに弱い」

剣士「君は陰口にも弱いよね?」

女オーク「そう…そういう呪いに弱いのよ」



『街道』


テクテク


剣士「…まだあの2人付けて来るね」

女オーク「困った人間…」

剣士「なんか麻痺毒を使うつもりな様だけど…どうするかなぁ」


シュン! チクリ


剣士「あ…線虫!」ザワザワ ニョロ

女オーク「剣士?どうする?」

剣士「君は麻痺毒平気だね?」

女オーク「平気…」

剣士「飛蚊!行け」プーン

女オーク「蚊?」

剣士「彼らには蚊で十分さ…無視して行こう」グイ

女オーク「ウフフ…」タッタッタ
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:16:45.07 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド裏』


メラメラ パチ


剣士「よし!焚火はこれで朝まで持つ」

女オーク「けっこう馬車で寝泊まりしている人居るのね?」

剣士「荷物の置き場が無いからきっとそうするしかないんだよ」

女オーク「ここの匂い覚えてる…」

剣士「色んな匂いが混ざって表現しにくい」

女オーク「剣士はもう寝る?」

剣士「いや…ちょっと作り物をやる」

女オーク「これね?クロスボウ…」ガチャ

剣士「そうそう…君の分も作る予定だよ」

女オーク「これで弓を?」

剣士「うん…硬さが丁度良いんだ…多分君も行ける」

女オーク「弓は使った事無いの」

剣士「教えてあげる…弓があるのと無いのとでは戦いの幅が全然違うから」

女オーク「クロスボウのままじゃダメ?」

剣士「弓の方が手軽に撃てる…それから矢の方が安いし簡単に作れる」

女オーク「そうなんだ」

剣士「君は休んでて良いよ…」

女オーク「ううん?見てるから気にしないで」

剣士「そっか…じゃぁ見てて」ガリガリ


トンテンカン トンテンカン


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629 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:17:30.58 ID:pYa2Z27w0
『茂み』


ブ〜ン バチン!!


野郎1「ちくしょう麻痺毒が効かねぇ…パチ物を掴まされた」ボリボリ

野郎2「虫が多い…俺ら酒飲んでるから刺されまくりだ」バチン!ボリボリ

野郎1「とことんツキが無ぇな…あのゴツイ体格の中身がどうなってるのか知りてぇ…」ウズウズ

野郎2「もう諦めろ…今は兎に角金だ!金がありゃ女なんかいくらでも買える」

野郎1「くそぅ!!ぬあ!!酒場に金置いて来ちまった…又かよ」

野郎2「お前は何回金無くすんだ?もう俺の金はやらんぞ」

野郎1「戻るぞ!!酒場でもう一回カモを探す」ドタドタ

野郎2「はぁぁぁぁ俺らいつになったら報われるんだ?ガッポリ稼ぐ山はもう無いのか?」

野郎1「うるせぇ!早く行くぞ」


ドタドタ ドタドタ



『翌朝』


チュン チュン


剣士「…」パラパラ

女オーク「また鳥達とお話?」

剣士「そうだよ…噂を聞いてる」

女オーク「何か?」

剣士「ここから東に2日くらい行った所に海賊の隠れ家があった筈なんだけど…もう無くなったらしい」

女オーク「海賊の隠れ家になんかどうして?」

剣士「ビッグママに会えると思ってたんだけどさ」

女オーク「ビッグママってあの時の大人の人?」

剣士「そうだよ…君知ってるよね」

女オーク「剣士はそこに行くつもりだったの?」

剣士「行けば会えると思ってた…でももう隠れ家は無い…宛てが無くなっちゃたよ」

女オーク「やっぱり船に乗るお金が必要ね」

剣士「う〜ん…北の大陸に戻るかぁ」

女オーク「今お金はいくらあるの?」

剣士「あと金貨4枚」

女オーク「ウフフまた稼がなきゃ」

剣士「ちょっと船に乗るのにどのくらい掛かるのか聞いて来る」

女オーク「じゃぁ私は火を起こして食事作っておくわ」

剣士「任せた!!ちょい行って来る」シュタタ



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630 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:18:01.68 ID:pYa2Z27w0
『30分後』


メラメラ パチ


女オーク「遅かったわね?船はいくらだった?」

剣士「一人金貨10枚」

女オーク「またオーガ狩らないと…」

剣士「傭兵の話も少し聞いてきた…そっちの方が良いかもしれない」

女オーク「何の傭兵?」

剣士「地下にある古代遺跡までの安全確保らしい」

女オーク「行くの?」

剣士「気乗りしないけど何処に居るか分からないオーガ探すよりは良いかなと…」

女オーク「弓の撃ち方教えてくれるのでしょう?」

剣士「あぁそうだったね…弓の練習のつもりで良っか」

女オーク「弓使ってみて良い?」

剣士「うん…硬さの調整は任せて」ポイ

女オーク「…」ギリリ ブン

剣士「どう?」

女オーク「ちょっと硬い…剣士にはコレが丁度良いの?」

剣士「そうだよ?」

女オーク「え…私より腕力有る?」ギリリ ブン

剣士「さぁ?使って見てどうしても硬いなら調整するよ」

女オーク「分かったわ」ギリリ ブン
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:19:34.91 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド』


ワイワイ ガヤガヤ


受付「はいあんたね?こっちの人がもう一人の傭兵ね?」

剣士「うん…どうすれば良いのかな?」

受付「ちょい奥に案内するから付いて来て…」スタ


ガチャリ バタン


受付「商人!さっき話した傭兵連れて来たヨ」

商人「待ってたよ…2人顔を見せてくれるかな?マスク外して」

剣士「あ…うん」---あれ?この人…商人さんか?---

女オーク「…」ガサリ

商人「君は?顔を見せられないの?」

剣士「いや…」ガサリ

商人「ふむ人相書きの人物じゃ無いね…体格も十分…戦闘に自信は?」

剣士「相手によるんだけど…」

商人「あぁゴメンゴメン何も話して無かったね…魔物の殆どはゾンビさ…オークも居るかな」

女オーク「オーク?オークと戦うの?」

商人「殺す必要は無い…追い返せば良い」

女オーク「剣士…オークが相手だと危ないわ」

商人「こっちも戦うつもりは無いんだよ…今回はどんぐりを沢山持って行く…取引がしたいのさ」

女オーク「どんぐりで?」

商人「うん…僕らは遺跡の調査がしたいだけなんだよ…終わったら直ぐに引き上げる」

剣士「オークと話せる人は居るの?」

商人「居ない…でもね?オークは賢いから察すると思ってる…オークの何かを奪いに行く訳じゃ無いからね」

女オーク「そう…それなら良いわ」

商人「なんか君詳しそうだね?」

女オーク「別にそれほど詳しくは…」

剣士「地下の遺跡にはどれくらいの人数で?」

商人「キ・カイの衛兵4人とキラーマシン2台…それから君達合わせて全部で4人」

剣士「僕達の仕事は?」

商人「主に僕の護衛だよ…万一の時は僕を逃がしてくれれば良い…謝礼は保障する」

女オーク「剣士どうする?良いの?」

商人「ここまで話を聞いてしまったからには行かないという選択はもう無い…良いね?」

剣士「分かった…いつ出立?」

商人「今日の昼…チカテツ街道の1番…そこで衛兵達が待ってる」

剣士「準備して行く」

商人「期待しているよ…じゃぁ」ノシ

剣士「…」---違う…この人は女だ…僕の知ってる商人さんじゃない---
632 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:20:19.72 ID:pYa2Z27w0
『商人ギルド裏』


ガサゴソ


剣士「よし荷物はここに置いて居ても良さそうかな」

女オーク「貴重品は全部持ったわ」

剣士「どんぐりと松ぼっくりしか乗って無い馬車なんか誰も興味無いよねw」

女オーク「フフフそうね…」

剣士「あと矢を途中で買って行こう…あ!そうだ」

女オーク「うん?」

剣士「君のコバルトの剣を貸して…」

女オーク「どうするの?」スラーン

剣士「切っ先だけ銀に変性させておく…これでゾンビも倒せる…変性魔法!」シュワ

女オーク「突いて使う?」

剣士「そうだよ…銀になってるのはほんのちょっとだから重さは変わってない」

女オーク「ふん!」ブン ブン

剣士「その剣ならゾンビは簡単に真っ二つに出来るだろうし無理して突きじゃなくて良いと思う」

女オーク「そうね…」スチャ

剣士「じゃ行こうか」グイ スタタ


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633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:21:12.23 ID:pYa2Z27w0
『チカテツ街道1番』


ガヤガヤ ガヤガヤ


剣士「矢筒は40本まで入る…腰に提げておいて」ガサリ

女オーク「この矢尻は全部銀に変性させた?」

剣士「うん…一番安い矢を変性させたんだ…品質は良くないけどゾンビには十分」

女オーク「あなたの変性魔法は本当に便利ね」

剣士「悪い魔術師はこの魔法でお金稼ぎをするんだよ…それをやると魔女って言う人が制裁に来る」

女オーク「へぇ?」

剣士「私利私欲で使うのは禁じられてる…良い事の為だけに使う魔法」


スタスタ


商人「やぁ待ってたよ…君達2人は体格が良いから良く目立つ」

剣士「もう行く準備は出来て居るの?」

商人「もうすぐ終わる…ちょっと説明するよ」


トロッコ2台で目的地まで行く…所要時間は大体5時間

それぞれのトロッコにキラーマシンが1台づつ乗ってトロッコを動かす

先頭のトロッコには衛兵4人が乗る

後続するトロッコには僕達4人が乗る

どんぐりは先頭のトロッコに積んであるからそれを目的地周辺で降ろす

その間僕達は遺跡の探索だ…しっかり僕を守ってね?


剣士「あと一人は何処?」

商人「もうトロッコに乗って居るよ…君達も行くかい?」

剣士「そうだね…待たせちゃいけない」

商人「じゃぁ行こうか」スタ
634 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:21:52.80 ID:pYa2Z27w0
『トロッコ』


キラーマシン「…」ウィーン プシュー

剣士「へぇ…間近でみるとやっぱりスゴイな」

商人「乗って」ピョン スタ

剣士「どうも…よろしく」ピョン

アーチャー「…」ペコリ

機械の犬「ワン!」フリフリ

剣士「機械の犬…」

商人「気にしないで良いよ…おまけだから」

女オーク「乗るわ?」ピョン ドサ

剣士「君達2人の武器はクロスボウなんだ?2連装だね…良いなぁ」ジロジロ

商人「珍しいかい?」

剣士「仕組みに興味があるんだ…あーこうなってたのか」フムフム

商人「そちらは普段どんな魔物を狩るのかな?」

剣士「う〜ん…何でも狩るけど…悪い魔物だけかな」

商人「答えになって居ないなぁ」

剣士「オーガとかシーサーペントも狩ったな」

商人「2人で?」

剣士「そうだよ…こっちの女オークなんかオーガを真っ二つに切るよ」

商人「それは頼もしい…君達が傭兵で良かった」


キラーマシン「…」ウィーン ガチャコン ガチャコン


商人「お!?予定通り動き始めた…」

剣士「このトロッコっていう奴に乗るのは初めてだ…馬より早そうだ」

商人「キラーマシンのお陰だね」

剣士「すごいなぁ…ワクワクする」キラキラ


ゴーーーーーー カタタン カタタン


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635 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:22:46.10 ID:pYa2Z27w0
『5時間後』


商人「そろそろ目的地だよ…ゾンビに警戒して」

剣士「…」クンクン

女オーク「匂う?」

剣士「何処かに居る」


キラーマシン「…」ウィーン プシュー


剣士「止まった…」

商人「降りようか」ピョン スタ

剣士「…」ピョン シュタ

女オーク「…」ピョン ズダ

商人「先頭車両と少し話してくる…ここで待ってて」タッタッタ

アーチャー「…」ヨッコラ ノソ

剣士「暗いな…女オークは大丈夫?」

女オーク「夜目は利くから大丈夫」

剣士「ここで戦闘跡がある」

女オーク「倒れて居るのは皆ゾンビね…燃やされた跡もあるわ」


タッタッタ


商人「予定通り!!衛兵とキラーマシンでトロッコを守る…僕達は遺跡の調査だよ…しっかり守ってね」

剣士「うん…」

商人「僕が先導する…付いて来て」

剣士「暗くない?明かりを付けられるけど…」

商人「え!?本当に?」

剣士「付けて良いなら照明魔法を使う」

商人「おおおお!!魔法も使えるのか…先に言って欲しかった」

剣士「照明魔法!」ピカー

商人「トロッコの周りにもお願い…松明じゃ遠くまで見えない」

剣士「おっけ!!照明魔法!照明魔法!照明魔法!」ピカー

商人「…なんだ君が先頭の方が良さそうだ」

剣士「じゃぁ僕が先頭を行く…女オークは最後に」

女オーク「うん…」

剣士「行こう…」スタ
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:23:26.41 ID:pYa2Z27w0
『大扉』


ギーーーー


女オーク「待って!通路の奥にゾンビが居る」

商人「あ…大きい」

女オーク「なんてことなの…オークがゾンビにされてる」

剣士「倒せる?」

女オーク「私が倒す…」ギリリ シュン ドス!


オークゾンビ「ウゴ…ウゴゴ」ドタリ


女オーク「こんな所にオークシャーマンが来てるなんて…」

剣士「オークシャーマン?」

女オーク「オークをゾンビにして使うのはオークシャーマンなの…呪術で死体を操る」

剣士「死霊術だね…僕もやろうと思えば出来るんだよ」

女オーク「そうなの?」

剣士「蟲を使役するのとほとんど同じなんだ…蟲を使うか死体を使うかの差だけだよ」

商人「もう良いかい?ここに来たのは遺跡の調査だ…戦闘は必要が無いなら控えて欲しい」

剣士「ゴメン分かった…先に進もう」
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:24:19.39 ID:pYa2Z27w0
『古代遺跡』


モクモク


剣士「マスク買っておいて良かった…灰がスゴイね」

商人「僕達が調査している間の安全をよろしく」

剣士「あ!!ちょっと待って…ワームが沢山居る」

商人「ワーム?」

剣士「大きなイモムシだよ…命令して灰をすこし掃除させる」

商人「それは良い」

剣士「ちょっと待ってね…蠕虫!従え…灰を食らえ」


ゴゴゴゴゴ ドスーン


商人「うわ!!」タジ

剣士「ワームに守られてるからこの辺は完全に安全だよ…好きなように調査して良い」

アーチャー「…」タッタッタ

機械の犬「ワンワン!」トコトコ

商人「助かる」タッタッタ

女オーク「剣士…私トロッコの方が心配」

剣士「ん?オークが来るかもしれない?」

女オーク「そう…向こうを援護してくるわ」

剣士「おっけ!!こっちはワームが居るから絶対大丈夫…君は気を付けて」

女オーク「うん…」タッタッタ
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:25:09.74 ID:pYa2Z27w0
『30分後』


商人「よいしょ…重い…」

剣士「何か見つけた?」

商人「これを持って欲しい」

剣士「結構重いね…何だろうコレ」

商人「それを探しに来たんだよ…今他にも無いか探してるからもう少し待って」

剣士「分かった…先にトロッコに運んでも良いかな?」

商人「僕達の安全が確保出来て居るなら良いよ」

剣士「こっちはワームが居るからよほど大丈夫」

商人「じゃぁ任せる」

剣士「直ぐに戻るよ」


--------------


『トロッコ』


ヴヴヴヴヴ ガァァァ


剣士「ゾンビ…」ギリリ シュン グサ

衛兵「遺跡の調査はまだ掛かりそうか?」

剣士「分からない…ゾンビの数は!?」

衛兵「囲まれている…少し引いて守備する」

キラーマシン「…」ウィーン ブン ザクリ

ゾンビ「ガァァァ」ズル ズル

女オーク「オーク達も何処かに居る筈…警戒して様子を見てるわ」

衛兵「右手にゾンビ3体!!」

女オーク「少しづつ下がって…」ギリリ シュン グサ

剣士「商人達に急がせる!」ギリリ シュン

衛兵「私達は撤収の準備を始める…急いでくれ」

剣士「分かった」シュタタ



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639 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:26:16.59 ID:pYa2Z27w0
『古代遺跡』


ドドドド ドコーン


剣士「何だぁ!?上か!!」

商人「あぁ!!戻って来たんだね…」

剣士「何が居る?」

商人「ガーゴイルだよ10体くらい飛んでる」

剣士「引いた方が良い」

商人「その様だ…」ヨッコラ ヨッコラ

剣士「僕が後方から援護する…トロッコに向かって」

商人「敵は任せる…戻ろう!!」

アーチャー「…」ノソノソ

機械の犬「ワン!」トコトコ

剣士「来る!早くトロッコへ!!」


ガーゴイル「グェェェェ…」ビュゥゥゥ バッサ バッサ


剣士「早いな…」ギリリ シュン

剣士「蜻蛉!従え…敵を食らえ」ザワザワ バサバサ

商人「虫の大群…君は一体何者なんだい…」

アーチャー「…」ジロ

剣士「蟲使いの得意な只の魔術師さ…足を止めないで早くトロッコへ」

商人「う…うん行こう!」ヨッコラ


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640 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:27:19.55 ID:pYa2Z27w0
『トロッコ』


ヴヴヴヴヴ ガァァァァ

正面8体!右手4体!

後ろにも4体居るわ

キラーマシンはトロッコを動かすから宛てにするな


女オーク「私が処理するから作業急いで!」ギリリ シュン

商人「戻った!ゾンビに囲まれてる?」

衛兵「よし!!撤収出来るな?」

商人「報告より敵が多かった…キ・カイに戻ろう」

衛兵「そちらは後続のトロッコで追っ手を処理してくれ」

商人「分かった…皆乗って!」ヨッコラ

アーチャー「…」ノソノソ

女オーク「私達は飛び乗るから早くトロッコを動かして」ギリリ シュン

剣士「火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ゴウ ゴウ ゴウ


ボボボボ メラ


剣士「僕が引き付ける…」シュタタ ギリリ シュン

衛兵「助かる…」ダダダ

女オーク「火炎でゾンビの動きが遅く…」ギリリ シュン

剣士「どんどん撃って!」ギリリ シュン

商人「スゴイな…手慣れてる」

剣士「火炎魔法!火炎魔法!火炎魔法!」ゴウ ゴウ ゴウ


ボボボボ メラ


女オーク「…」ギリリ シュン

キラーマシン「…」ウィーン ガチャコン ガチャコン

女オーク「トロッコが動き始めた!剣士乗って!!」ピョン ドスン

剣士「おっけ!!」ピョン クルクル シュタ


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641 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:28:53.31 ID:pYa2Z27w0
『帰路』


ゴーーーーー カタタン カタタン


商人「ふぅぅ…ここまで来ればもう安心」

剣士「もう調査は終わり?」

商人「目的の物が3つも手に入った…十分さ」

剣士「良かった…これで一人金貨20枚づつだね」

商人「ハハハガメツイな…ちゃんと帰ったら報酬は支払うよ」

剣士「なかなか楽しかったよ…弓の練習にもなったね?女オーク…」

女オーク「フフ剣士には負けたわ…魔法と併用するなんて反則よ」

剣士「魔法も教えてあげようか?」

アーチャー「…君達…何者?」ジロ

剣士「見ての通り魔術師と戦士さ」

アーチャー「マスクを外して顔を見せてくれないかい?」

剣士「また?良いけど…」ズルリ

女オーク「私も?」ズルリ

アーチャー「良く見せて…」ジロ

剣士「人相書きにはなって無いと思うけどなぁ…」

アーチャー「君…未来君だね?その目は未来君だ」

剣士「ええ!!?どうして…もしかして商人さん?」

アーチャー「アハハ…大きくなったねぇ…全然気が付かなかったよ」

女オーク「え?剣士どういう事?知り合い?」

アーチャー「そうか剣士って名乗ってるいるのか」

剣士「商人さんの方こそどうしてアーチャーに…」

アーチャー「身を隠して居るんだよ…僕が商人でもう一人の方は僕の影武者なのさ」

剣士「え!?」キョロ

影武者「…」ジー

剣士「道理で…この人女の人だよね」

商人「分かってたんだね」

剣士「まぁ匂いでね」
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:29:48.13 ID:pYa2Z27w0
商人「君の連れの戦士とはどういう関係なんだい?」

剣士「女オークは信用しても良い…えーと僕のパートナー?」

女オーク「剣士は私の奴隷よ」

商人「ハハハ未来君は奴隷なのか…まぁ良いや未来君は家族みたいなものだ信用しよう」

剣士「あのさ…お金はちゃんと貰うよ?」

影武者「ぷっ…」

商人「分かってるよちゃんと支払うよ…いやぁそれにしても君はお父さんにそっくりになったね」

剣士「そう?」

商人「性格はお母さんにそっくりだ…良く目を見せて?」

剣士「…」ジー

商人「そんな目をしてイタズラばっかりしてたんだよ…懐かしい目だ」

剣士「商人さんは遺跡の調査で何を探して?」

商人「まぁ色々有ってね…そうだ!おいでラヴ!」

機械の犬「ワン!」フリフリ

剣士「機械の犬?」

商人「驚くなよ?この機械の犬は君がよく甘えていたホムンクルスだよ」

剣士「えええええええええええええ!!?ホム姉ちゃんは死んだんじゃ無かったの?」

商人「僕が蘇らせた…そして遺跡の調査はホムンクルスをちゃんと蘇らせる為なんだ」

剣士「ホム姉ちゃん…信じられない…この中にホム姉ちゃんが?」

機械の犬「ワン!」フリフリ

剣士「そうだったのか…」ナデナデ

機械の犬「クゥ〜ン」フリフリ

剣士「商人さんはどうしてずっと顔を隠して居るの?」

商人「身を隠して居るのもあるけど…僕はもう人間ではなくなってしまって居てね」

剣士「どういうこと?アサシンさんと同じ不死者になったとか?」

商人「う〜ん…それに近いかな…皮膚を見てみるかい」グイ

剣士「え?…ウロコ?」

商人「僕はねどうも皮膚の再生があまり良く無くて全身のウロコが隠せなくなったんだよ」

剣士「そんなの変性魔法でどうにでもなるよ…治してあげようか?」

商人「あぁこれはこれで良いんだ…普通の皮膚よりも硬いしなにより火傷に強い」

剣士「そっか…でもどうしてウロコなんか…」

商人「僕は何も知らずドラドンの涙を飲んだんだよ…心臓が弱いのに中々死ななくてね…気付いたらこうなってた」

剣士「アハハドラゴンになったんだね?」
643 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:30:36.26 ID:pYa2Z27w0
商人「そういう事になるのかな?いやぁ…なんか話すことが一杯あるね」

剣士「僕も聞きたい事が沢山あるんだ…どうしよう?どっちから話そう?ジャンケンで決める?」

商人「ジャンケンって何だい?」

剣士「これがグー…これがチョキ…そしてこれがパーでね?」


グーはチョキに勝ち

チョキはパーに勝ち

パーはグーに勝ち


商人「おお!!そう言うのはラヴが大好きなんだ…やってみて」

剣士「え…じゃぁグーは?」

機械の犬「ワン!」

剣士「チョキは?」

機械の犬「キャン!」

剣士「パーは?」

機械の犬「クゥ〜ン」

剣士「アハハハ行けるね…じゃぁせーの!!」ポイ

機械の犬「ワン!」

剣士「ちょちょちょ…見てから鳴いてるよね?もう一回!せーの!!」ポイ

機械の犬「クゥ〜ン」

剣士「ちょちょちょ…ダメだってズルいから」


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644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:31:35.86 ID:pYa2Z27w0
『数時間後』


カクカク シカジカ…


商人「…通りで人並み外れた戦い方をする訳だ…オークがこんなに人間と慣れあうなんて」

剣士「それでずっと一緒にキ・カイまで一緒に旅して来たんだよ」

商人「言葉も君が教えたんだね?」

剣士「最近はすごく上手になったよ…ね?」

女オーク「ウフフ…」

商人「君に教えておかないといけない事が有る…さっき話してた君の3人の仲間」

剣士「うん…」

商人「この間まで商人ギルドまで来てたんだ…今は気球を買ってハテノ村まで飛んで行った」

剣士「そうだったんだ…安心したよ」

商人「本当は遺跡の護衛を彼らにお願いしようと思って居たんだけどね…タイミングが悪かった」

剣士「それで傭兵を募集してたんだね」

商人「君で良かったよ…あんなにワームが居たんじゃどうにもならなかった」

剣士「金貨20枚の働きはしたでしょ?」

商人「アハハ抜け目が無いのはお母さんと一緒だ」

剣士「やっぱり似てる?」

商人「何て言うのかなぁマイペースな所?きっと他に夢中になる事が出来たら金貨20枚の事も忘れるよ」

剣士「いやいや…ちゃんと貰うから」

商人「遺跡から発掘した謎の機械が一杯あるんだよ…見たくないかい?」

剣士「おぉ!!見たい見たい…」

商人「よし!帰ったら僕の秘密の部屋に案内してあげる…他の人は誰も入れないんだ」

剣士「どんな機械?」

商人「君のお母さんがデリンジャーっていう武器を持って居たよね?そんな感じの奴さ」

剣士「おおおおおお!!」キラキラ

女オーク「ウフフ…剣士かわいい」

商人「君は剣士君の保護者みたいだね」

剣士「どっちかって言うと僕の方が保護者なんだけどさ…なんか逆に見られるんだ」

商人「じゃぁどうしてずっと膝の上に乗って居るんだい?」

剣士「座るのに丁度良いだけだよ…商人さんも座ってみる?暖かいんだ」

商人「ええ!?いや僕は遠慮する…それで君が聞きたい話って何なのかな?」

剣士「あーまた今度で良い…なんかデリンジャーの事で頭が一杯でどうでも良くなった」

商人「ほらね?お母さんにそっくりだ…飽きっぽいと言うか」

剣士「このトロッコもすごく改造したくなる…多分もっと早く出来る」

645 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:32:18.07 ID:pYa2Z27w0
『チカテツ街道1番』


ガヤガヤ


剣士「影武者さん…置いて行って良いの?」

商人「交渉事は全部任せて良い…僕達は先に戻るよ…収穫した物を無くさない様に?」

剣士「これ重いね…何なの?」

商人「古代のエネルギーユニットさ…」

剣士「へぇ?何が入ってるんだろ」

商人「帰ってからのお楽しみに」

剣士「女オーク?迷わない様について来てね」

女オーク「ウフフ…」ニッコリ



『商人ギルド地下』


ドタドタ


剣士「…こんな所に地下があったのか」

商人「ふぅぅぅ無事に持って帰って来られた」

剣士「謎の機械は?」

商人「奥にある…おいで」


ギギーー


剣士「うは!今度は本棚の中か…念入りに隠してあるんだw」

商人「こっちだよ…」スタスタ


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646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:34:04.25 ID:pYa2Z27w0
剣士「おぉぉぉ沢山ある!!見て良い?」

商人「どうぞ好きな様に…でも壊さないでね」

女オーク「…この絵」

商人「あーそれね…僕が描いたんだよ」

女オーク「精霊ウンディーネ…東オークの守る神様」

商人「え…ちょっと待った…どういう事だい?」

女オーク「東オークは精霊ウンディーネを信仰しているの…ずっと昔から眠るウンディーネを守って居るわ」

女オーク「西オークは呪術信仰で…オークに伝わる予言を守って居る」

商人「まさか…君達が情報を持って居たとは…」


西オークのオークシャーマンは予言に従いウンディーネを目覚めさせようとしている

でも東オークはウンディーネを手放さない

だからオーク達は争い合ってる

オークシャーマンは戦いに勝つために暁の使徒の力を求めた


商人「そこで剣士君が捕らえられた?そういう事か…」

女オーク「でもオークシャーマンは悪いオーク…沢山のオーク達に呪いを掛ける」

商人「呪い?」

女オーク「従わせる呪いやゾンビになる呪い…グールやオーガ達と同じ…」

商人「そうやって言う事を効かせて居るんだね…戦争に勝つための選択か」

女オーク「オーク達は本当は戦いたくないの」

剣士「ねぇ今の話…呪いって何だと思う?」

女オーク「呪いは呪い…呪怨って呼ばれてる」

剣士「僕が思うにそれはただの病気だと思うな…ゾンビ化する病気」

女オーク「剣士は虫の力で治せる?」

剣士「多分ね…」

剣士「そしてオークシャーマンの力…それは多分僕と同じ蟲使いだよ…使う術がほとんど同じだ」

女オーク「虫を…」

剣士「使役しているのが虫か死体かの違いだけだ」
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:34:34.67 ID:pYa2Z27w0
女オーク「オークシャーマンは治癒の虫を使った事無い」

剣士「知らないだけじゃない?僕は蟲を良く知ってる…オークシャーマンは死体を良く知ってる…そんだけの差」

女オーク「言われてみれば…剣士は死体を使ったの見た事無い」

剣士「そうそう…得意なのがちょっと違うだけ」

商人「フムフム…今の話から察するにウンディーネが目覚めれば解決する話だね」

女オーク「そんな事が出来る?」

商人「手はある…只ちょっとリスクが高い…僕はもうミスを犯したくない」

剣士「ミス?」

商人「ホムンクルスを2度も失ってるんだ…この機械の犬の中に居る君まで失いたくないんだ」

機械の犬「クゥ〜ン」

商人「もう一枚外部メモリが有ったらなぁ…」

剣士「ホム姉ちゃんが見つかったハテノ村に残って無いかな?」

商人「…」


”私が眠っていた場所にならもしかしたら合ったのかもしれません”


商人「そうだ…心当たりが2つ有る…探しに行くか」

剣士「ハテノ村?」

商人「いやそっちは灰で埋まって居る…先に行くのなら名も無き島…君が生まれた場所さ」

剣士「おぉ!!爺いじにずっと会って無い…行きたい」

商人「ちょっと考えさせてくれ…部屋は好きに使って良い」ブツブツ



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648 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:35:08.88 ID:pYa2Z27w0
カチャカチャ シュコシュコ


商人「使えそうかい?」

剣士「うん!掃除して組み立ててる…」

商人「それは良かった…僕はそれのメンテナンスが良く分からなくてね」

剣士「多分ママが持って居たのと同じさ…錆びついて居たけどこれで大丈夫」カチャカチャ

商人「火薬は有るのかい?」

剣士「勿論!!…よっし!出来た…」シャキーン

商人「んん?砲弾じゃなくてどんぐり?」

剣士「あぁコレね…どんぐりを変性させて鉛に変える事もできる…普段はどんぐりで十分かな」

商人「どんぐりを撃つのかw」

剣士「ちょっと試し撃ちして良い?」

商人「部屋を壊さないで欲しいな…」

剣士「撃つのはどんぐりだよ…石壁なら大丈夫でしょ?」

商人「壊さないでよ?」

剣士「うん…」チャキリ ターン


バチン! バラバラ


商人「おぉ!!結構威力がある」

剣士「線虫!」ザワザワ ニョロ

商人「え…今の撃ったどんぐりから虫が?」

剣士「こういう使い方がしたいんだ…どんぐりからワームも産めるし木に成長させる事も出来る」

商人「鉛を撃つより汎用性がある?」

剣士「うん!気に入った…もう僕弓要らない」

商人「ハハ喜んで貰えて良かった」

剣士「ねぇ女オーク!!ちょっとオーガ探しに行こうよ」

女オーク「いま夜よ?」

剣士「んあぁぁ…寝て待つかぁ…」ショボン

商人「この建屋の上の部屋なら好きに使っても良いよ…受付には話しておくから」

女オーク「あ…水浴びしたい」

剣士「おっけ!今日は我慢する…一緒に水浴びしよう」

商人「一緒に?ハハ…まぁ好きにしなよ」

剣士「じゃぁ行こ!!」グイ
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:35:44.54 ID:pYa2Z27w0
『客室』


ガチャリ


受付「ふぁ〜むにゃ…こんな夜遅くに」ブツブツ

剣士「ここ使って良いんだね?ありがとう」

受付「もう起こさないで…じゃ」バタン

剣士「やっとベッドに横になれる」ドスン ギシギシ

女オーク「こんな良いお部屋初めて…」

剣士「あぁそうか…君は人間の街で生活するの初めてだったね」

女オーク「窓から外が見える…」スタ

剣士「ちょっと狭いけど落ち着くね」

女オーク「ねぇ今日は満月よ?」

剣士「今見える?灰で曇って無い?」

女オーク「丁度見えてるわ?」

剣士「…思い出した…そういえば昔ママが言ってた…あの月に絶対何かあるって」

女オーク「何か?」

剣士「ママは月に行こうと真剣に考えてたんだよ…夜の闇を明るく照らす月に絶対秘密があるってさ」

女オーク「ウフフ…本当かしら?」

剣士「そうだ望遠鏡買わなきゃ…ママと月を見る約束したまんま見ていない」

女オーク「じゃ明日望遠鏡買いに行かなきゃ…」

剣士「まてよ!?海賊の隠れ家に置いてあったな…ビッグママの望遠鏡…倍率の高い奴」

女オーク「やる事が尽きないわね?」

剣士「そうだそうだ…そうしよう」キラキラ

女オーク「剣士かわいい…」ギュゥ

剣士「ちょちょちょ…」

女オーク「ウフフ」

650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:36:23.74 ID:pYa2Z27w0
『翌朝』


トントン


剣士「う〜ん…」パチリ

女オーク「剣士起きて?誰かノックしてる…」ゴソゴソ

剣士「だれ〜?」ゴソゴソ

商人「起きて居るかい?開けて良いかな?」

剣士「うん…」アセアセ


ガチャリ ギー


商人「君にお願いが有ってね…」

剣士「どうしたのさ?」

商人「ズバリ言う…木材が欲しい」

剣士「なんだ…そんな事か…簡単だよ」

商人「そう言ってくれると思って居た…実はね…急にお金が必要になったんだ」

剣士「木材とどんな関係があるの?」


新しく気球を買いたいんだけどもう僕が自由に出来るお金が少ししか無くてね

木材は高く取引できるから欲しいんだよ…剣士君なら出来ると思った


剣士「あんまり派手にやると魔女が怒るなぁ…」

商人「クヌギの木だったかな?10本もあれば十分さ」

剣士「なんだそれくらいで良いのか…直ぐに出来るよ」

商人「よし!付いて来てくれないか?指定の場所に生やしたいんだ」

剣士「おけおけ!」

商人「散歩みたいな物だから女オークも一緒においで」

女オーク「はい…」
651 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:37:37.28 ID:pYa2Z27w0
『街道』


ガヤガヤ


商人「よし!人が居なくなった…そこの庭に3本…こっちの庭にも3本」

剣士「成長魔法!」ザワザワ

商人「…これで終わりだよ」

剣士「ハハ簡単だ」

商人「今植えた物件はね…売り屋なんだ…これで高く売れる」

剣士「なんかお金儲けなのに良い事した気分だ」

商人「さぁ戻ろうか」

剣士「商人さんは気球持って無かったの?」

商人「僕の気球は今頃セントラルの港にあるよ…船に乗せっぱなしさ」

剣士「じゃぁ新しく気球を買うって言うのは?」

商人「名も無き島に行くためには普通の気球じゃ行けない…帆付きの気球を買うんだ」

剣士「なるほど…じゃぁアダマンタイトも欲しいね」

商人「そんなレアな物は持って居ないし市場にも出ないかな」

剣士「採ってこようか?」

商人「ハハそんな簡単に手に入るのかい?」

剣士「ここから東にある海賊の隠れ家覚えてる?」

商人「君のママに連れて行かれた場所だね?あそこは何度も探索したけど見つけられなかった」

剣士「行き方があるんだよ…多分アダマンタイトもそのままあるんじゃないかな?」

商人「そうか…取りに行きたいけどちょっと僕はやる事が有るなぁ…」

剣士「僕と女オークで取りに行って来るよ…それでさぁ?」

商人「何だい?」

剣士「あそこにあった隠れ家にはもう誰も居ない様なんだけどなんで?」

商人「あぁ…君は知らなかったんだね…」


資金が潤沢になった海賊達は

女戦士率いる派閥とそうでない派閥に分かれてしまって離別したんだよ

その結果あそこにあった隠れ家は放棄された…というか女戦士が海賊を追いだした


剣士「ママが居なくなったからかな?」

商人「さぁね?海賊達の事情は良く知らない」

剣士「離別した海賊達が豪族になった感じ?」

商人「そうだね…資金を全部奪って豪族になったんだよ…その後女戦士は何処に行ったのか分からない」

剣士「ビッグママは何度か僕に会いに来てくれてた…最後に会ったのは3年前だったかな」

商人「まぁ元気にして居れば良いさ」

剣士「この後直ぐに隠れ家に向かうよ」

商人「そんなに慌てなくても良いけどね」

剣士「う〜ん…はやくデリンジャーの使い勝手を試したいんだ」

商人「ハハそうかフフフお母さんにそっくりだねぇ…まぁ気球を買い付けておくから又戻っておいで」

剣士「うん!!女オーク!!行こう!!」グイ


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652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2021/11/19(金) 20:38:04.06 ID:pYa2Z27w0
『荷馬車』


ブモモ〜 ガタゴト ガタゴト


女オーク「ねぇ剣士?行き場所は分かって居るの?」

剣士「大体ね…この道は通った事ある」

女オーク「地図とか買った方が良かったんじゃない?」

剣士「アハハすっかり忘れてた…まぁきっと大丈夫だよ」

女オーク「それから報酬の金貨20枚は貰った?」

剣士「ああ!!忘れてた…デリンジャーで頭が一杯だった…」

女オーク「剣士の弓も忘れて来たわね」

剣士「弓はもう良いや…しまったなぁ…悪いクセが出た」

女オーク「ウフフ…」

剣士「馬車に入れてた種とかは無事だね?ふぅ…まぁ良いや!水もちゃんとあるし何とかなる」

女オーク「これから何をしに行くか覚えて居る?」

剣士「望遠鏡だよ!!それからアダマンタイト…あと何だっけ?」

女オーク「デリンジャーのテスト?」

剣士「そうそう…それだ!的は…う〜ん別にオーガじゃなくても良いか」

女オーク「適当に撃って木に育ててみては?」

剣士「そうだね…それで調整してみる…もう少しキ・カイから離れてからやろう」


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