目が覚めるとあなたは今までの記憶を失っていた

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61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 21:10:09.83 ID:DUIz2U340
あなたは盗賊に判断を委ねることにした

盗賊の今まで培ってきた勘や経験がきっとあなたのピンチとかあと諸々を救ってくれることを信じて


盗賊「いや俺もこんな謎の施設からの脱出みたいなスリリングな経験なんてねえんだけど」


……救うと信じて


盗賊「丸投げじゃねーか……まあいいや、とりあえず逃げるぞ」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 21:10:50.28 ID:DUIz2U340
盗賊「確か右側に行きゃ実験室に着く前に何個か扉があった筈……そこが無人なら少しの間隠れてやり過ごすくらいできるだろ」


もし無人じゃなかったら?


盗賊「そん時考えるしかねえだろ」


つまり今はとくに考えていないということらしかった

あなたは盗賊のガバガバプランにため息をついた


盗賊「お前あとで覚えとけよ」


タタタッ
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 21:44:20.69 ID:DUIz2U340
あなたは盗賊の先導に従い右の通路へと走った

緊張と急な運動により心音がやけに耳に響いた

後ろから看守と女性らしき声が言い合っているのが聞こえたが、聞こえなかったことにしてあなたは黙って足を動かした
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 21:49:52.46 ID:DUIz2U340
あなたと盗賊は走ってる最中目についた小部屋に一目散に飛び込んだ

幸い無人の部屋のようであなたはホッと胸を撫で下ろした


盗賊「……」


盗賊がジェスチャーであなたに静かに伏せるように伝えてきた

あなたは静かに、盗賊の隣にしゃがみ込んで時が過ぎるのを待った
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 22:02:44.00 ID:DUIz2U340
あなた達の潜んでいる部屋の傍にコツコツと足音が近づいてくる

それに伴い、何やら男女の言い争う声があなたの耳にも聞こえてきた


女の声「この施設はいったい何をしようとしているのですか」

看守の声「貴様に答えることなど何もない。黙って歩け」

女の声「……わたしは他国の騎士で────。正当な理由もなく────というのなら国際問題に────ますよ」

看守の声「黙って歩けと───筈だ」

「…………────、──」

「────……」


離れていく足音とともに二人の声も聞こえなくなっていった
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 22:09:51.30 ID:DUIz2U340
あなたはもう少し話を聞こうと、扉に耳を近づけようと動こうとした

が、その肩を盗賊に掴まれた

盗賊は小声で話しかけてくる


盗賊「まさか助けに行こうなんて思っちゃいないよな」


あなたは首を振った

外の話を聞き取ろうと動いただけだったからだ
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 22:10:39.84 ID:DUIz2U340
盗賊「そりゃ良かった。女の声だからってすぐに情に絆されたりするような奴じゃなくて安心したよ」

盗賊「どの道、今回俺に判断を任したのはアンタだからな。今の間だけは不服でも俺の指示に従ってもらうぜ」

盗賊「奴らの気配が完全に無くなるまで身を伏せて待機だ」


あなたは頷いた
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 22:11:39.94 ID:DUIz2U340
※盗賊に判断を任せたため安価は発生しませんでした
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 22:20:11.28 ID:DUIz2U340
盗賊「……そろそろ大丈夫そうだな」


身を伏せてしばらくして、盗賊はそう言って立ち上がった

あなたも倣って立ち上がり、緊張に強張った身体を解していく


盗賊「……にしても、なんだこの部屋は。人が居ねえのはいいんだが」


あなたは改めて、あなたたちが飛び込んだ部屋の中を見回した

部屋の中は大量の本が棚に、机にと所狭しと並んでいた
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 22:28:30.21 ID:DUIz2U340
盗賊「資料室か何かか? うまく調べればこの施設が何をしようとしてる所なのか探れそうだが」


あなたは手元にある本を一冊手に取ってみた

相当な年季を感じさせる本だった

タイトルを見るに、何やら民間の伝承にまつわる本のようだった


盗賊「じっくり調べるのも良いが、この部屋もいつ誰かが入って来るかもわからねえ」

盗賊「俺としちゃあこの施設が何をしようとしてるかなんてのよりも脱出の方を優先させてぇと思うけど。アンタはどうだ?」


あなたは……

>>72
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/06(日) 22:29:43.88 ID:gh5qmkk4o
脱出優先に
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/06(日) 22:43:27.64 ID:aW5nJl9K0
脱出しよう
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/06(日) 23:33:37.52 ID:DUIz2U340
あなたは盗賊に異論は無かった

兎にも角にも脱出を優先するべきだと思っていたからだ

あなたは賢い。好奇心は猫を[ピーーー]ということを知っている

余計なことに首を突っ込むことがどれほど自分の身を危険に晒すかを知っていた


盗賊「意見は一致したみたいだな。俺としてもその方がやりやすくて助かる」

盗賊「……じゃあ、行くぞ」


あなたは盗賊について行った
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2020/12/07(月) 00:15:14.34 ID:xdMgd4LA0
施設の警備は驚くほどに厳重な物だった

脱出を目指すあなたと盗賊の前には様々な障害、困難、試練が立ちはだかった

そのたびにあなたと盗賊は力を合わせ、知恵と勇気を振り絞り、何とかそれを乗り越えて行った

途中、気になる物や施設の謎に迫る物、或いは助けを求める声が聞こえて来た気がしたが、全て無視した

とにかく脱出のみを優先としたあなたたちは徹底したリスク管理により、危うきに近づかず、時には何かに気付いても目を逸らすということを第一とした

そして……
75 : ◆cA33JjfKio :2020/12/07(月) 00:16:15.09 ID:xdMgd4LA0
盗賊「おい、出口だ! 気付かれる前に走って突っ切るぞ!」


あなたは走った。ここまで何も触らず、とにかく目立たず、息を潜め、求めてきた出口に辿り着くことが出来たのだ


盗賊「気付かれてないみたいだな……外に出ちまえばこっちのモンだ! 近くの街まで急ぐぞ」


あなたは謎の施設からの脱出に成功した!
76 : ◆cA33JjfKio [saga]:2020/12/07(月) 00:17:43.00 ID:xdMgd4LA0
翌日

騎士「ふむ……事情は把握した。前々から怪しいとは思っていたが、まさかあそこでそんなことが行われていたとは」

騎士「情報提供、感謝する。近いうちに国から監査官と兵士達が派遣されるだろう」

騎士「そして……確か、君は記憶を失っているのだったな。この街の病院で治療を受けると良い」

騎士「我々も君の治療に最大限の協力をさせてもらうとしよう」
77 : ◆cA33JjfKio [saga]:2020/12/07(月) 00:18:22.41 ID:xdMgd4LA0
数ヶ月後…

あなたは街のパン屋で住み込みで働いていた

結局、病院の治療ではあなたの記憶を取り戻すのはかなわなかったのだ

過去も、行くあてもないあなたに、街の住民はとても優しかった

右も左もわからないあなたの面倒を見てくれて、おかげで今のあなたは街の住民として溶け込むことができていた
78 : ◆cA33JjfKio [saga]:2020/12/07(月) 00:19:14.67 ID:xdMgd4LA0
盗賊はどこかへ行ってしまった

まあ彼ならばそこらで適当に元気にやっていることだろうとあなたは特に心配はしていなかった
79 : ◆cA33JjfKio [saga]:2020/12/07(月) 00:20:28.22 ID:xdMgd4LA0
あなたは時々、かつてあなたが囚われていた施設の方向をぼうっと眺めることがある

何かやり残したことがあったような、気になる事があるような、行かなきゃいけないような

何か、言い表し難い感覚だった

そう言えば、派遣された調査隊とやらは結局どうなんだろう……

しかしそんな疑問や感覚も、毎日の仕事をこなし、飯を食い、隣人と語らうことであなたの中から段々と薄れて行った
80 : ◆cA33JjfKio [saga]:2020/12/07(月) 00:21:47.93 ID:xdMgd4LA0
ある日の夜のこと

あなたは夕食を終え、明日の仕事に備えて眠りについていた

パン屋の朝は早い。まだ見習いだが、朝に遅れることだけは避けなければとあなたは早寝を心がけていたのだ


……あなたは、何か地鳴りのような物音で目を覚ます

目を擦り、窓の外にはまだ日が上っていないことを確認したあなたはもう一度ベッドに潜り込む


……轟音とともに、あなたの部屋の天井が崩れ落ちてくる

飛び起きたあなたは、自身を埋める瓦礫の隙間からどうにか外に出ようともがき続けた
81 : ◆cA33JjfKio [saga]:2020/12/07(月) 00:22:40.92 ID:xdMgd4LA0
どうにか瓦礫を押し退けて、あなたは外の空気を目一杯吸い込んだ

夜のひんやりとした空気が、汗と埃にまみれたあなたの肌を冷まして行く


……不意に、月明かりが陰る

あなたは何事かと空を見上げた
82 : ◆cA33JjfKio [saga]:2020/12/07(月) 00:23:53.67 ID:xdMgd4LA0
そこには大きな口があった

あなたを喰らわんとする大きな口と牙が、涎を垂らし、唸り声を上げながらあなたを捉えていたのだった

あなたの視界が真っ暗になる

どうやらあなたの上半身は喰い千切られてしまったらしかった

あなたはもう、自身が咀嚼される感覚に身を委ねることしかできなかった


あなたは死んでしまった……
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2020/12/07(月) 00:29:07.72 ID:xdMgd4LA0

※残念ながら、あなたの冒険はここで終わってしまった!

※もしかしたら何かの選択を間違えてしまったのかも知れないし、正しい選択をしたのに死んでしまったのかも知れない

※しかし、もしあなたにもう一度冒険をやり直す勇気があるのならば、>>87にて好きな安価を選んでその選択をやり直すことができる(例:>>3 うんこを漏らす)

※もしもあなたが冒険を続けるというのであれば、私もあなたの幸運を最大限、祈らせてもらうことにしよう
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/07(月) 03:24:54.84 ID:sUD87unwo
なんかヤバい実験してて、解決しないとゲームオーバーなのか

戻るなら>>60で待ち伏せして看守倒す
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/07(月) 04:52:36.73 ID:6mYVtHmA0
この時間に読むんじゃなかった
実験体で作ったキメラとか魂こねこねしてできたナマモノとかそんな感じかね
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/07(月) 10:34:35.66 ID:X0hIYmuqO
周回前提と考えていく

>>72で情報収集する
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/08(火) 11:33:06.36 ID:b3aT5ucnO
>>84
88 : ◆cA33JjfKio :2020/12/10(木) 05:27:11.97 ID:NvumUyXQ0
>>57より


あなたは数秒悩んだ末、足音の主を待ち伏せすることにした


盗賊「おいおい正気かよ……」


やや呆れたような目で見てくる盗賊を尻目に、あなたは壁に背を張り付けて息を潜める

足音の主が階段を上り切った所を陰から奇襲する作戦だった
89 : ◆cA33JjfKio :2020/12/10(木) 05:33:39.21 ID:NvumUyXQ0
盗賊「あのなぁ、看守の野郎は武装してんだぜ。丸腰でノせるほどアンタ腕っぷしに自信があるのかよ」


あなたはあなたのあんまり逞しくなさそうな二の腕を見つめて沈黙した

しばらく考えた後、あなたに天啓がひらめいた

腕に自信が無いから今から武器を奪うのだ


盗賊「……いや、あのさぁ」
90 : ◆cA33JjfKio :2020/12/10(木) 05:38:43.65 ID:NvumUyXQ0
そんなことより、足音がどんどん近づいてきていた

あなたは自分の張り付いている壁と向かい側の壁を指差した

盗賊に向けて、お前も早く位置に付けというジェスチャーだった

武器持ち相手に奇襲を掛けるのなら一人より二人の方が良いとあなたは考えた。これは名案だと思った


盗賊「…………」
91 : ◆cA33JjfKio :2020/12/10(木) 05:39:43.09 ID:NvumUyXQ0
中々位置につかない盗賊に、あなたは壁をトントンと指で叩き催促をする

あなたは若干イラついていた


盗賊「……ああくそっ、今さら逃げるのはもう遅えし……アンタが捕まっちまったら俺が抜け出してんのもバレて警備も強化されるだろうし……こういう冒険はあんましたくねえんだけどなぁ!」


盗賊は文句を言いながら渋々壁に張り付いた
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/12/10(木) 17:03:02.53 ID:iZWvzoQJ0
イナズマイレブンの安価SSもあるので読者はどんどん参加してくださいね
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