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【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】

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1 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/27(土) 20:58:17.12 ID:wsdCZq+f0
‣前スレ
【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1613563407/#footer

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※注意

・本作は「ダンガンロンパ」のコロシアイ学園生活をシャニマスのアイドルで行うSSです。
 その特性上アイドルがアイドルを殺す描写などが登場します。苦手な方はブラウザバックを推奨します。
・キャラ崩壊注意です。
・ダンガンロンパシリーズ(1,2,3,v3,絶対絶望少女等)のネタバレを一部含みます。
・舞台は初代ダンガンロンパの希望ヶ峰学園となっております。マップ・校則も原則共有しております。
・越境会話の呼称などにミスが含まれる場合は指摘いただけると助かります。修正いたします。

以上のほどよろしくお願いいたします。

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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1616846296
2 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/27(土) 21:00:24.46 ID:wsdCZq+f0
【3章現在での主人公の情報】

【超高校級の占い師】風野灯織

・習得スキル

【一番星の魔法】
〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕

【ポシェットの中には】
〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕

【意地っ張りサンセット】
〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕

・現在のモノクマメダル…75枚

・所持アイテム
【色恋沙汰リング】
【スカラベのブローチ】
【新品のサラシ】
【斬鉄剣】
【昭和ラジオ】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【ジャスティスV変身ベルト】
3 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/27(土) 21:01:30.26 ID:wsdCZq+f0
【校則】

【1】生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。
【2】夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。
【3】就寝は寄宿舎エリアに設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。
【4】希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。
【5】学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。
【6】仲間の誰かを殺したクロは"卒業"となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。
【7】生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、生徒全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。
【8】学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます。
【9】学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロだけが卒業となり、残りの生徒は全員処刑です。
【10】コロシアイ合宿生活で同一のクロが殺せるのは、2人までとします。
4 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/27(土) 21:02:41.35 ID:wsdCZq+f0
【通信簿および親愛度】

・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】
・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)
・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0

・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0
・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……0
・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……1.5

・【超高校級の幸運】園田智代子……1.0
・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】
・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……0

・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……0
・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0

・【超高校級のギャル】和泉愛依……0

・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】
・【超高校級のディベート部】樋口円香……0
・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……1.0
・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】
5 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/27(土) 21:06:57.66 ID:wsdCZq+f0

ひとまず今回はスレ立てだけ。
校則などシナリオと同時に変動していた部分、個人的メモの意味合いもかねてまとめさせていただきました。
2章最後の円香との会話で校則には【10】の条項が追加されたことになります。

後日Chapter3冒頭部より再開予定です。
前スレの余剰分は別途シナリオに関与しないネタや雑談などで埋める予定です。

本日もわずかながら前スレの埋めネタの方ご用意いたしましたので、よろしければご覧になってください。
6 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 22:03:30.38 ID:tCjji0x70
昨日前スレの方で22:00〜と予告していましたが
急ぎの用事が入ったので更新は23:00にさせてください、すみません…
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 22:04:02.45 ID:jrepNfB90
了解です
8 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 22:58:51.75 ID:tCjji0x70





_______あなたたちの言う絆なんて嘘っぱち。





9 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:00:52.93 ID:tCjji0x70

死を超えた人と人との繋がり?
想いの継承?

そんなの自分の感情に対するただの逃避行動。
本当にその人のことを思うなら、仇はとって然りでしょ。

憎しみは何も生まないだなんて偽善者がよく口にする論調があるけど、あんなの欺瞞。
憎しむことで救われる想いもあるのに、清廉潔白という理想を追うがために蔑ろにしているだけ。

_______私は、憎しみ続ける。

精神の支柱とも言うべき幼なじみを、強引に、乱暴に、理不尽に奪い去ったあなた達を絶対に許さない。
悪いのはこんな状況に陥れた黒幕。
それはそうかもしれないけど、私の憎しみのベクトルは同じだけの尺度であなた方にも向けられていることをお忘れなく。

10 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:02:12.80 ID:tCjji0x70

感情はそんな簡単に割り切れるものじゃない。
あなた方はそれをわかってて見過ごしているだけ。
だから私が教えてあげる。


_______あなた達の【絆】をめちゃくちゃにして、


_______生きる希望を奪って、


_______仲間との別れに絶望させて、


_______憎しみの種を植え付けて、
11 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:03:31.29 ID:tCjji0x70





それでもあなたたちは今の【絆】を追い続けるの?





12 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:04:01.47 ID:tCjji0x70
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CHAPTER03

部屋とオーパーツとワタシ

(非)日常編


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13 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:05:07.43 ID:tCjji0x70
【食堂】

樹里と小糸の事件の翌日。
朝礼にいつも早めに集まるメンバーも歯抜けになってしまい、すこし寂しい雰囲気が漂っていた。


咲耶「やあ、灯織。よく眠れたかい?」

灯織「……ほどほど、ですね」

咲耶「いや、すまない……不躾な質問だったね」

灯織「いえ!お気遣いなく!あ、あの……凛世は?」


やはりこのメンバー内に気にかかるのは凛世。
放クラのメンバーであった樹里があんな感じで抜けてしまったからには凛世の心中も穏やかではないはず。


咲耶「今日も変わらず出席しているよ。……声をかけてやってくれるかい?」

灯織「は、はい!……もちろん!」


14 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:06:05.25 ID:tCjji0x70
【食堂 厨房】

凛世は厨房でテキパキと朝ごはんを拵えていた。
咲耶さんは自分が代わろうかと申し出たらしいけど、凛世はそれを断ったらしい。


灯織「凛世……おはよう」

凛世「灯織さん、おはようございます……」

灯織「その、凛世……大丈夫?無理はしてない?」

凛世「いえ、無理などは……ただ、凛世はこちらに来てから毎朝樹里さんと朝食を作っていたので……」


凛世がちらりと視線を寄せた先には生前樹里が使っていたエプロン。
樹里のことに気持ちの整理をつけるためにも、体を動かしていたいようだ。


灯織「……凛世、今日も変わらず美味しいご飯をお願いできるかな」

凛世「はい、お任せを……!」


そう言って腕まくりする凛世の姿には樹里の姿がどこか重なって。
……私がわざわざ心配しなくても凛世なら大丈夫そう。
凛世も二回の事件を経て大きく変わろうとしているんだ。
15 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:06:40.14 ID:tCjji0x70

私は厨房を後にすると徐々にみんなが集まり出していた。
8時にもなれば、ほぼ全員が集まり、朝礼が始まった。
________ただやはり、樋口さんの姿だけはそこになかった。


咲耶「みんな、集まってくれてありがとう。昨日の今日で色々と割り切れないものもあると思うけど、少しずつでも前に進んで行こう」

めぐる「うん、まだまだ頑張るからね!」

智代子「……絶対、生きて帰ろうね!」

摩美々「で、また事件が一つ終わったわけだからもしかして新しいエリアが解放されたりするんじゃないのー?」

甘奈「あ、確かに!」

甜花「浅倉さんの事件の後に、二階が開いたんだよね……」

霧子「それじゃあ、今回は3階……?」

モノクマ「その通りー!」

智代子「わああああああ?!?!」

雛菜「どこから湧いてきたんですか〜?」
16 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:10:41.35 ID:tCjji0x70

モノクマ「オマエラのご期待に応えてアナウンスだよ!」

モノクマ「こんぐらっちゅれーしょん!福丸さんと西城さんの尊い犠牲のおかげで学校エリアを一部新たに解禁いたしましたー!」

愛依「犠牲って……今更言ってもしゃーないけど……マジにムカつく系」

摩美々「なんか周りくどい言い方ですねー」

灯織「え?」

摩美々「ただ三階を開けるだけならそう言えばいいですよねー?」

モノクマ「いい質問ですねぇ!その通り!今回は新たに一階の保健室もオープンいたします!」

霧子「保健室……!」

モノクマ「簡単な薬なら倉庫にも入れておいたけど、こっちの方が本格的な治療は行えるからね!興味があったら覗いてみてね!」

めぐる「うんうん、何をするにも怪我はつきものだからね!」

雛菜「保健室ならベッドもあるんですかー?」

モノクマ「もちろん!……あ!保健室でも居眠りは禁止だからね!」

モノクマ「病気の治療で泊まる必要があるとかじゃない限り保健室登校は許可しませんので、悪しからず!」

雛菜「ちぇ〜」

(い、市川さんに対するツッコミ役が不足している……)

咲耶「よし、それじゃあ今日は三階の調査からだね」

愛依「おっし、絶対手がかり見つけるかんね!」

めぐる「灯織!」

灯織「うん、めぐる……行こう、私たちも」

(今度こそ、脱出の糸口を見つけないと……!)

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【探索について】
場所指定の安価と同時にコンマを判定し、末尾の数字と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます。
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めぐる「灯織、どこから探索する?」

灯織「えーっと……そうだね」

-------------------------------------------------
1.【学校エリア3F】娯楽室
2.【学校エリア3F】美術室
3.【学校エリア3F】物理室
4.【学校エリア1F】保健室

↓1
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 23:12:39.47 ID:jrepNfB90
4
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 23:12:43.76 ID:FoOVCUpe0
4
19 :そういえば昨日前スレで購買パートをやったのでメダル枚数が変動してます、悪しからず ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:15:26.19 ID:tCjji0x70
4選択

【保健室】

これがモノクマの言っていた保健室らしい。学校エリア一階で唯一閉鎖されていた部屋。この部屋が……もしも小糸の事件の段階で開いていたらもしかして……
いや、こんなことを考えても仕方ない……

霧子「うん、大体の怪我は治療ができそう……輸血パックもあるから、緊急時にも使えるかも……」

灯織「アンティーカの皆さん……どうでしょうか、設備は使えそうですか?」

咲耶「ああ、霧子に見てもらっているけど今のところは実用的みたいだ」

摩美々「うっかり灯織が階段から落ちてもヘーキだねー」

灯織「お、落ちませんよ!」

霧子「ふふ、病気になっても安心だね……!」

めぐる「霧子がいれば看病もしてもらえるもんね!」

摩美々「ただ設備が充実してるってことはその分警戒もした方がいいかもねー」

灯織「え……?」

摩美々「医療の現場にあるものって大体悪用できそうじゃない?ほら、注射器とかー、チューブとかー」

咲耶「……大丈夫、考えすぎさ」

摩美々「だといいですケド」

(……これからお世話になりそうな部屋だけど、扱いは慎重にした方がいいかも)

【コンマ47】

【モノクマメダル7枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…52枚】

-------------------------------------------------
1.【学校エリア3F】娯楽室
2.【学校エリア3F】美術室
3.【学校エリア3F】物理室

↓1
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 23:25:27.16 ID:FoOVCUpe0
3
21 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:28:19.00 ID:tCjji0x70
3 選択

【物理室】

……なんだこれ。
部屋に入るなり仰々しい装置が目につく。
よくテレビなんかで静電気発生マシーンをやっているけれど、あれによく似た形状の半透明な装置……何に使うんだろうか。


モノクマ「キミは今!因果律の歴史を作り替える装置に向かって一歩踏み出した!」

めぐる「わぁっ?!モノクマ?!」

灯織「な、何の用ですか……?」

モノクマ「忠告しにきたんだよ、このまま放っておいたら風野さんが危ないところだったからね!」

灯織「こ、この装置危ないものだったんですか?」

モノクマ「ああ、うっかり触れちまうと因果律の彼方、全ての物理が起する前段階に戻されるんだ!」

めぐる「んー?」

モノクマ「要は過去に戻るってことだね!」

灯織「た、タイムマシーン?!」

モノクマ「そういうこと、超高校級の物理学者が残した遺産さ。いつでもどこでも2秒前の世界に戻ることができる優れもの!」

灯織「……え?に、2秒?」

モノクマ「2秒」

(つ、使えない……!!)

めぐる「2秒じゃ意味ないよ……もっと一ヶ月ぐらい戻れたら真乃にもう一回会えたのに!」

モノクマ「……ぶひゃひゃひゃひゃ!嘘だよ嘘!タイムマシーンなんかじゃないよ、現代の人間の力じゃ2秒どころか0.000000001秒戻ることも不可能だからね!」

灯織「……は?」

モノクマ「これは空気清浄機!オマエラがこの学園で澄んだ空気を吸えるのはこいつのおかげ!だからくれぐれも壊さない様に!」

めぐる「……行っちゃった」


何やらくどくどと話していたけど……
要は空気清浄機には近づくな、ってことらしい。
こんなに大層な装置が必要なのかはわからないけど従っておいた方が良さそう。

【コンマ16】

【モノクマメダル6枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…58枚】

22 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:29:57.32 ID:tCjji0x70
【物理準備室】

物理室の奥の空間には実験器具などが並べられた倉庫の様な空間がある。
至って事務的で無機質な空間だ。

その空間の中央にポツリと置かれているのは……今度はカメラ?


めぐる「デジカメ……みたいだね?」

灯織「このカメラ……なんだか見たことがあるような……」

めぐる「え?……誰かが持ってたやつ?」

灯織「……これ、結華さんが持ってたカメラと同じ型じゃないかな」

めぐる「確かに、そうかも……!前に一度猫のスナップを見せてもらったよ!」

灯織「そっくりだよね……いや、流石に結華さん自身のものってことはないと思うけど……」

(でもアンティーカの皆さんに一度見てもらった方がいいかもしれない……)

灯織「これ、預かっててもいいかな?」

めぐる「えっ?うん……壊さないように気を付けてね!」

-------------------------------------------------
1.【学校エリア3F】娯楽室
2.【学校エリア3F】美術室

↓1
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 23:30:33.91 ID:jrepNfB90
1
24 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:33:28.21 ID:tCjji0x70
1 選択

【娯楽室】

ここは……学校には珍しいスペースだ。
ビリヤード台やダーツスペース、漫画雑誌まで置いてある。


雛菜「あ〜、これ読みたかったやつ〜!」

めぐる「なんか本当にここが学校なのか自信を失っちゃいそうな空間だね……」

灯織「うん、うちの学校にはこんなのなかったよ」

めぐる「うーん……ビリヤードとかって知ってはいるけどルールがわかんないよね」

灯織「そうだね、プレイしてる人とかすごく大人でカッコいいなって思うんだけど……実際プレイするとなるとね」

甜花「甜花、ルールぐらいなら大体わかるよ……?」

灯織「甜花さん?!」

甜花「ビリヤードなら簡単なナインボール、ダーツならカウントアップかな……?どれもヤクザ屋さんのゲームで、ミニゲームにあったから……」

(どんなゲームなんだろう……)

甘奈「甜花ちゃんさっすが!せっかくだしみんなでやってみようよ☆」

雛菜「いいですね〜、雛菜はオセロがいいかも〜」

灯織「うん、また今度。甜花さん……私にもルールを教えてもらってもいいでしょうか?」

甜花「に、にへへ……うん!甜花、遊びの先生だから……」

【コンマ91】

【モノクマメダル1枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…59枚】

-------------------------------------------------

(よし、あとはあそこだけだね……)

【選択肢が最後の一つとなったので、残った探索先の美術室へ向かいます】

【コンマ判定でモノクマメダル獲得枚数の判定を行います】

↓1
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/30(火) 23:36:03.42 ID:FoOVCUpe0
ほい
26 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:38:02.29 ID:tCjji0x70
【美術室】

ここは美術室、みたい。
石膏像やキャンバスがこれ見よがしに並べられてるし……壁はステンドグラス。
どこからこんなに予算を回してきたんだか。


灯織「彫刻刀とか絵具とか……設備も充実してるんだね」

めぐる「みたいだね、なんだか事務所でペンキを塗ったの思い出すなー」

灯織「流石にここで作品を作る気には、ならないかも……」

愛依「あれ……墨汁なんかもあるんだ……」

灯織「愛依さん?それは?」

愛依「あー灯織ちゃん!これ、墨汁っぽいんだよね。書道教室は流石に単体じゃ無いかー」

灯織「そういえば愛依さんは書道がお得意でしたよね」

愛依「んー?まあ、ボチボチ?昔っからおばあちゃんに教えてもらってたからねー」

愛依「あーなんかあさひちゃんのこと思い出しちゃうわ〜、あさひちゃんの書いた字も味があっていいんだよね!」

めぐる「灯織灯織!こっち、もう一つ部屋があるよ?」

灯織「えっ……?」

(美術倉庫……ここの扉は鍵付きだ、内側からかけるタイプみたいだけど……)

【コンマ42】

【モノクマメダル2枚を獲得しました!】

【現在のモノクマメダル…61枚】
27 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:40:31.25 ID:tCjji0x70
【美術倉庫】

美術倉庫の名前の通り、美術の授業で使うような用具がこちらにもゴロゴロと転がっている。
中でも目につくのは大きなハンマーの数々かな?
壁にかけられたハンマーは石膏像を作るときに使うんだろう。

だけど、一番目を引いたのは部屋の隅に落ちていた一枚の写真。


灯織「写真……?誰が撮ったんだろう……?」


そう、純粋な興味で私はその写真を手に取った。
この学校に関係するものだろうか、外の世界に関係するものだろうか。ただそれだけの興味だった。
でも、そこに残されていたのは。

(……え?)




_______真乃と小糸が二人で料理をしている写真だった。


(……な、なんで?)

めぐる「こ、これって……?」

モノクマ「わーーーーー!!なに見てるのさーーーー!!」


思わずめぐるも私もたじろいでいると、どこからともなくモノクマが現れて、手に持っていた写真を引ったくってしまった!


モノクマ「プライバシーもあったもんじゃないね!この野郎!……いや、野郎じゃないか」

灯織「も、モノクマ?!今のは?!」

モノクマ「あー、あー!知りませーん!ボクはなにも知りませんよーだ!」


私の質問になにも答えることもなくそのまま逃げてしまった。


めぐる「い、今の写真……」

灯織「小糸と真乃ってそんなに仲良かったのかな……あの写真、背景から見てどこかのキャンプ場だったよね……?」

めぐる「ずるいなー真乃!わたしももっと小糸と仲良くなりたかったのにー!」

(なんだろうこの違和感……二人とも知り合いだったわけだし、あんな写真があったとしてもおかしくはないんだけど……)

(なにか、重大な見落としが……?)

28 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:42:14.20 ID:tCjji0x70
【空き教室】

学校という施設である以上当然ながら教室も存在する。
三階にもこれまでの階と同様にいくつかの教室があり、その中の一つを何気なく開いてみた。


円香「……」

灯織「ひ、樋口さん?!どうしてここに……?」

円香「どうしても何も無いでしょ、私も灯織達と同じ生徒。モノクマがお節介焼いただけだから」


乱暴な口調で樋口さんは私に言い訳をするとそそくさと部屋を後にしようとドアノブに手をかける。


めぐる「待って!」

灯織「めぐる……?」

円香「……何?」

めぐる「円香は今何を考えてるの?」

円香「……は?」

めぐる「お願い……教えてもらえないかな。わたしね、ここにいる皆で協力すれば絶対モノクマに負けないって思うんだ」

めぐる「円香は透と小糸が死んじゃって……わたしたちのことを信じられないのもわかる……わかるけど!」

めぐる「円香も一緒に帰らないと意味がないから!円香だってわたしの友達だと思ってるから!」

円香「……お生憎様、私に協力の意思はない」

めぐる「……円香」

円香「変に期待を持たれても困るから先に言っておく」
29 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:43:30.47 ID:tCjji0x70





円香「私は必ず誰かを殺す」




30 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:45:06.47 ID:tCjji0x70

灯織「……!?」

めぐる「……え?」

円香「灯織とめぐるが真乃にほだされて見出した【絆】……そんなのただの綺麗事。向き合うべき感情に対する逃避行動でしかない」

めぐる「ち、違うよ!真乃に透に樹里に小糸!四人の思いを引き継いで……」

円香「勝手に透と小糸を入れないで」

めぐる「……っ!」

円香「あんたに死んだ人間の何が分かるっていうの?透も小糸も……私の方が分かってる」

灯織「そ、それは……」

円香「なかよしごっこするならご自由にどうぞ。私は知ったこっちゃないから」


樋口さんが去り際に吐き捨てるように残した言葉がしばらく胸に刺さっていた。何も言い返せなかった。
幼なじみを立て続けの失った樋口さんの心境なんか私たちにわかるはずもないし、分かろうとすることすら樋口さんは嫌がるはずだ。


めぐる「灯織……」

灯織「……」


でも、だからといってここで折れるわけにはいかない。
それこそ絆を樋口さんの言うように独りよがりなものだと認めたことになるから。
背負って生きると決めた以上、止まるわけにはいかない。


灯織「めぐる、行こう」

めぐる「……うん」


絶対に皆で生きて帰るんだ……!!
31 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:46:59.16 ID:tCjji0x70
【食堂】

新しく広がったエリアの探索を終え、食堂に戻るとすぐに報告会が始まった。


咲耶「さて、みんな一通り探索を終えたところで今回も報告会と行こうか」

甘奈「甘奈と甜花ちゃんと雛菜ちゃんは娯楽室を色々と調べてたんだけど、沢山ゲームがあって楽しそうだったよ!」

甜花「ダーツにビリヤード……ゲームとして申し分なし……!」

雛菜「漫画雑誌も読みたい奴がありましたよ〜」

摩美々「オセロなんかもあったし今度灯織一緒にやろうよー」

灯織「……お、お手柔らかにお願いします」

愛依「美術室は画材?とかもめっちゃあって色々できそうだったよ!」

咲耶「彫刻造りの材料もひとしきり揃っていたね、芸術をするにはうってつけな環境のようだ」

智代子「うんうん、しかも愛依ちゃんの得意な書道セットもあったよね!」

愛依「マジマジ!久しぶりに一筆、書いてみますかー!」

凛世「物理室には、かなり仰々しい装置がございました……」

智代子「モノクマが言うには空気清浄機、らしいね!」

灯織「私は初め、タイムマシーンだとからかわれました……」

摩美々「確かにそう見えなくてもないケド、信じたのー?」

灯織「し、信じてません!」

霧子「保健室には、倉庫以上の設備が充実してたよ……」

霧子「怪我をしちゃっても、これで安心できる……かな……」

咲耶「私たちには白衣の天使がいるからね、もしもの時には頼らせてもらおうか」

霧子「さ、咲耶さん……」

32 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:49:41.78 ID:tCjji0x70

報告がひと段落したので、私たちはずっと気になっていた話題を持ち出した。


灯織「その……私とめぐるから一ついいでしょうか」

咲耶「なんだい?聞かせて欲しいな」

めぐる「あの写真のことだよね?」

甜花「しゃ、写真……?」

灯織「はい……モノクマに回収されたので手元には残っていないんですが、美術準備室に入った際に一枚の写真を拾ったんです」

愛依「あー、あん時?写真なんかあったんだ!」

めぐる「愛依は美術準備室には入らなかったの?」

愛依「うん、うちはさらっと美術室の方しか見てなかったカンジ」

灯織「その、写真には……真乃と小糸が写っていて」

雛菜「……小糸ちゃんが?」

灯織「は、はい……二人で屋外で料理をしていて……まるでキャンプの様でした」

摩美々「それ、この合宿よりも前に撮られたやつってコトだよねー?」
33 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:50:49.99 ID:tCjji0x70

雛菜「……」

咲耶「どうだろう、雛菜。何か心当たりはないかな?」

雛菜「……小糸ちゃんはアンティーカの人とは仲良かったみたいですけど、他のアイドルとは別に聞いてないですね〜」

霧子「わたしのことかな……?」

灯織「真乃は誰とも打ち解けやすいとは思いますが……小糸と特別仲が良かったとかはイルミネも聴いてないですね……」

甘奈「二人が実は生きてて、キャンプの真っ最中とか?」

摩美々「流石にないでしょー……真乃に至っては、私たちが目の前で死んだのを確認してるんだしー……」

(そうだ……真乃は間違いなく、モノクマのおしおきで命を落とした)

(それをここにいる全員が目撃している)

愛依「うーん、現物見てないしなんとも言えんカンジだね」

めぐる「ほ、ホントなんだよ?!」

咲耶「大丈夫さ、疑ってるわけじゃない」

摩美々「……」
34 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:52:50.51 ID:tCjji0x70

摩美々「一旦考えても仕方ない謎は置いとこうよー」

灯織「あ、それでしたらこちらのカメラの話をしませんか?」

凛世「カメラ、ですか……」

灯織「はい……こちらは物理準備室で拾ったものなんですが」

智代子「すごいね灯織ちゃん……いろいろ見つけたんだね!」

めぐる「このカメラ、アンティーカのみんなは見覚えないかなー?」

咲耶「……おや?これは結華の持っていたものと同じ型のカメラかい?」

摩美々「まさかそっくりそのまま同じやつー?」

霧子「結華ちゃんのカメラさん、なのかな……」

灯織「どうでしょう、何かわかりませんか……?」

咲耶「うーん、データは残っていないみたいだね」

摩美々「似てはいるけど、これだけじゃ判別つかないですねー」

凛世「……」

智代子「凛世ちゃん?」


35 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:53:27.44 ID:tCjji0x70

凛世「いえ、その……カメラと聞いて、プロデューサーさまのことを思い出してしまいました……」

咲耶「……そうか、凛世はこの前のクリスマスにプロデューサーにインスタントカメラを渡したんだったね」

凛世「はい……」

智代子「凛世ちゃん……」

凛世「夏には、プロデューサーさまに随伴して海に行ってお写真を撮ったこともありました……」

凛世「凛世にとってカメラにはプロデューサーさまとの思い出が、忘れ難く……」

摩美々「……」

摩美々「……凛世、このカメラ使うー?」

凛世「摩美々さん……?!」

霧子「摩美々ちゃん……ふふっ、うん……♪」

霧子「凛世ちゃんが持ってた方がカメラさんも嬉しいかもしれないね……!」

凛世「で、ですが……」

摩美々「正直私たちが持ってても仕方ないし凛世が持っててよー」

咲耶「カメラを見て、元気を取り戻せるなら持っておくべきは私たちじゃないさ」

凛世「皆さん、ありがとうございます……」


こうしてカメラは凛世の元へと渡った。
カメラから手がかりを得ることはできなかったけど、結果として誰かの支えになったのならそれは成功だよね。
36 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:55:23.59 ID:tCjji0x70

咲耶「報告会はこれで終わりだけど……円香は結局来なかったね」

雛菜「円香先輩朝から見てないですし、もうほっといていいんじゃないですか〜?」

愛依「うーん、やっぱり気になんだよね……小糸ちゃんのことで相当うちらに恨みをもっちゃってるみたいだし……」

灯織「樋口さんのことなんですが……探索中に一度お会いしました」

摩美々「そうなのー?」

灯織「は、はい……しかし、取りつく島もないといった感じでして……」

智代子「そうだろうね……うーん、困り物ですな」

-------------------------------------------------

円香「私は必ず誰かを殺す」

灯織「……!?」

めぐる「……え?」

-------------------------------------------------

(流石に……あれは黙っておいたほうがいいよね)

めぐる「……でも、円香の協力なしにはモノクマには勝てないよ!」

咲耶「……そうだね、円香も含めて一丸とならないと私たちに希望はない」

咲耶「何かしらの手は講ずるべきだろう」

摩美々「お人好しですねー」

雛菜「雛菜はもう円香先輩ほっといていいと思う〜」


樋口さんという大きな懸念材料を残し、その日の報告会は終わった。
37 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:56:45.72 ID:tCjji0x70
【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま〜す』

モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』

(……夜時間)

新しいエリアが増えたからといって手がかりが増えるわけでもない。
もちろん脱出口なんてものもない。
……私たちはまだ、モノクマの手の上で踊っているだけなんだろう。

……だから何?
私は樹里の姿から何を学んだ?
どんなに苦しくたって立ち向かっていく勇気じゃないの……!?

そう、これまでに二度の裁判を終えてきた……
弱音を吐くような自分じゃ、その二度を無駄にしてしまうだけ。

大丈夫、樋口さんのこともきっとどうにかなる。
それに、必ず活路は見出せる……!

無理やりにでもポジティブにならなきゃ、
蟠りを見ないようにして、私は無理やり眠りについた。
38 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/30(火) 23:59:19.70 ID:tCjji0x70
予定より開始が遅れてしまったのもあり、今回の更新はここまでです。
ちょっとしか進めれませんでしたね。申し訳ない。
次回更新分から自由行動も進めていきます。

次回更新は4/1か4/2に22:00〜になると思います。
それでは次回もよろしくお願いします。
おやすみなさい…
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/03/31(水) 00:00:14.97 ID:qTEWShnw0
乙です
次の自由行動は誰でも良さそうだろうか
40 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/03/31(水) 00:01:52.83 ID:1lzqO7fE0
最後に前スレで購買パートをやった後の結果をこちらのスレにもコピペしておきます。
次回自由行動の際の生徒選びにお役立てください。

-------------------------------------------------
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【ブルベリの香水】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【高級チンチラシート】
【残鉄剣】
【むらまさ】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【水晶のドクロ】
【黄金のスペースシャトル】
【月の石】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】
【冬優子ちゃん育成キット】
41 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:02:08.41 ID:hCqXwXeT0

3章続きより少し更新します
42 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:03:25.88 ID:hCqXwXeT0

【灯織の部屋】

キーン、コーン…カーン、コーン

モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ〜!さぁて、今日も張り切っていきましょう〜!』

灯織「よし!」


決意を新たに顔を叩いて無理やり奮い立たせる。
落ち込んでいる時間なんかない……

さあ、今日もがんばろう!

-------------------------------------------------
43 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:05:46.69 ID:hCqXwXeT0

【食堂】


寝ぼけ眼をこすりながら扉を開けると、出迎えたのは意外な人物だった。


円香「……灯織」

灯織「ひ、樋口さん……!?」


昨日は探索途中に一度鉢合わせただけで、以後姿を見せていなかった樋口さんが食堂の椅子に堂々と腰かけていた。


灯織「ど、どうしてここに……?」

円香「どうして?……私も灯織たちと同じく283プロダクション所属のアイドルなんだけど」

灯織「そ、それはそうですが……」


つい昨日まで私たちを避けて行動していた人とは思えないほどに冷静な様子でいるのがかえって不気味。
何か腹に抱えたものがありそうな気配を感じる……


咲耶「円香はどうやら何か話があるみたいだよ」

灯織「は、話……ですか?」

霧子「うん……みんなが来てから、話すらしいんだ……」

めぐる「だからみんなを待ってたんだよー」

円香「そう、これは全員が聞くべき話」

円香「……特に、今のあなたたちの中心核である灯織にこそ聞いてほしい話」

灯織「……私に?」


樋口さんは冷たい視線を真っすぐに私に向けていた。
樋口さんは宣言通り、それ以降は食事に手を付けることもなく静かに全員が揃う時を待っていた。


雛菜「……円香先輩、なんでここにいるわけ〜?」

円香「……」


前回の裁判で仲たがいした二人も会話はそれだけ。
樋口さんは最後の一人が食堂の席に着いたのを確認して、ようやくしゃべり始めた。
44 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:07:22.50 ID:hCqXwXeT0

円香「……全員揃った」

甜花「ひ、樋口さん……どうしたの……?」

甘奈「甘奈たちに話って何?もしかして、脱出の方法が分かったとか☆」

円香「……」

摩美々「否定するときぐらい喋りなよー」

愛依「で、話ってなんなん?めっちゃ重要な話なんだよね?」

円香「……まあ、私からすればどうでもいい話なんですが」

雛菜「え〜?どうでもいい話ならいいじゃ〜ん、引っ込んでてよ〜」

智代子「し、辛辣すぎるよ雛菜ちゃん?!」

円香「あなた方は知っておくべき事実だと思いまして」

(わ、私たちが知っておくべき事実……?)

灯織「ど、どういう意味でしょう……」

凛世「円香さんにとっては無価値でも、凛世たちは知るべき情報……」

凛世「先の裁判での発言を顧みると……コロシアイ、これを防ぐための有効な情報なのではないでしょうか……」

めぐる「えっ?!それだったらすっごく助かるよ?!」

甘奈「うんうん!甘奈たちが何よりも一番望んでることなんだし!」

甜花「樋口さん、お手柄……!」

円香「……」


いや、違う……
そんな私たちにとって助けになる情報なら、樋口さんはあんな表情をしない……
45 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:08:37.16 ID:hCqXwXeT0

円香「私は小糸の裁判以降、あなた方に非協力的な姿勢を貫いてきた」

円香「……まあ、それは別に変らないんだけど」

円香「昨日、ひとつ面白いものを見たから」

霧子「面白いもの……?」


霧子さんの問いかけに樋口さんは不敵に微笑むと、私の正面に向き直った。


円香「このコロシアイ……私たちが戦うべき相手は誰だと思う?」

(私たちが戦うべき相手……?そんなの、決まってる)

灯織「モノクマ……このコロシアイをけしかけた首謀者、黒幕ですよ!」

円香「そう、ゲームに乗らないなら戦うべきはモノクマ。当然じゃない?」

円香「コロシアイのルール自体に抗わなきゃいけない……最終的に行き着くのは黒幕との直接対決かもね」
46 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:10:06.50 ID:hCqXwXeT0

霧子「コロシアイなんて、だめだよ……」

霧子「でも、そうなると黒幕さんと戦わなくちゃ、ダメなんだよね……」

愛依「戦う……そっか、そうだよね……」

愛依「モノクマが途中でコロシアイを投げ出すなんて、そんなんありえないか……」

咲耶「要領を得ないね、円香が見たという面白いものの正体を早く聞かせてもらえないかい?」

円香「……せっかちですね」

凛世「モノクマさんと、円香さんのお話に何か関連があるのでしょうか……」

めぐる「もー、早く本題に入ってよ!」


樋口さんの話にやきもきする私たちの様子を見ると、
樋口さんは満足したのか、また元の無表情に戻って冷たい口調で言い放った。


円香「結論から言う」
47 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:12:36.91 ID:hCqXwXeT0





円香「私たちの中に、黒幕側の人間がいる」





48 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:14:17.76 ID:hCqXwXeT0

(……!?)

灯織「……え?」


樋口さんの発した言葉の意味が暫く分からなかった。


円香「もう一度言う?」

円香「私たちの中に、黒幕側の人間がいる」


急激に火照る肌を、汗が撫でた。
樋口さんが口にしたのは、これまで考えもしなかった事実。
いや、あってはならない事実だからこそ……
考えようとする気もわかなかったというべきか……
それだけ、根底を覆すような一言だった。


めぐる「ま、待ってよ……何を言ってるの、円香?」

凛世「あ、ありえません……そのような、ことなど……」

円香「……説明、いる?」

めぐる「いるよ!いるいる!そんなの……円香の言葉だけじゃ信じられないって!」
49 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:16:37.12 ID:hCqXwXeT0

円香「オッケー。それじゃあ全部話す、それで決めて」

円香「昨日の夜時間、私は美術室で物色中でした」

咲耶「……物色とはね」

摩美々「何をしてたか……いや、やっぱいいや」

円香「お察しの通り」

円香「あの部屋には彫刻刀やハンマーなど、使えそうなものがたくさんありますから」

霧子「円香ちゃん……何か、作品を作りたかったのかな……?」

愛依「そんな隠れて作らなくてもうちら馬鹿になんかしないよ!?」

摩美々「……」

円香「……で、あらかた目を付けたので美術室を出ようとしたとき。美術倉庫の方から話声が聞こえて来たんです」

灯織「……話し声、ですか?」
50 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:17:49.60 ID:hCqXwXeT0
-------------------------------------------------

モノクマ「はーいお疲れさーん、どうだった?西城さんの処刑の後のみんなは?」

???「…………」

モノクマ「ふーん、別にみんな凹んでなかったしそんなもんか」

???「…………」

モノクマ「やっぱり彼女の活躍が大きいんだね。ボクもみんなも予想外だったわけだけど、すごくいい感じだ。彼女のおかげだよね」

???「…………」

モノクマ「次の動機?それはまだ言えないよ!大丈夫大丈夫、絶対コロシアイはまた起こるんだからさ、心配する必要はないよ!」

???「…………」

モノクマ「そうそう、とっておきのやつが残ってるからね!」

-------------------------------------------------
51 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:19:03.11 ID:hCqXwXeT0

智代子「ちょ、ちょっと待ってよ!な、なにこの会話……」

智代子「モノクマは誰と話してるの?!」

円香「……さあ?」

灯織「……え?」

円香「生憎だけどモノクマが話してた相手までは。モノクマは特徴的なダミ声だから聞こえただけ、ドア越しなら会話なんて聞こえない」

甘奈「え、で、でも……今の話って……」

甘奈「モノクマと同じ、コロシアイの黒幕側の人間だよね……?」

円香「さっきも言ったでしょ?あなたたちの中に黒幕側の人間がいるって」

灯織「違う……!そんな、私たちの中にいるかどうかなんてまだわからないですよ……!」

めぐる「そうだよ、今の話じゃ……!」

円香「話はまだ終わってない」

灯織「……え?」
52 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:21:00.39 ID:hCqXwXeT0

-------------------------------------------------

モノクマ「にしてもキミがいてくれて本当助かるよ!ボクの視力はマサイ族並みとはいえ、限界があるからね」

???「…………」

モノクマ「ん?ああ、そうだよ。キミにはこの調子でお願いするから……その調子でみんなの様子をボクに伝えてよね」

モノクマ「やっぱコロシアイを主催する側として、活かせる情報を見逃すわけにはいかないからね、逐一教えてもらわないと!」

???「…………」

モノクマ「うんうん、頼んだよ。それじゃあ早いとこ戻ってくれる?夜時間とはいえ、不在でバレる可能性もあるしさ」

???「…………」

モノクマ「はーい、お疲れー。ほんじゃ、またねー」

-------------------------------------------------
53 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:22:16.63 ID:hCqXwXeT0

(……は?)

円香「わかったでしょ?モノクマと話してた相手……黒幕側の協力者」

円香「いわば裏切り者はあなた方の中に紛れ込んでいる」


違う。そんなわけない。
だって、私たちは既に二度のコロシアイを生き抜いてきた仲間なんだ。


甘奈「嘘、だよね……?」

愛依「ないない……そんなん、うちは……信じないから……」

めぐる「うらぎり、もの……?」


それなのに、黒幕と同じ……
コロシアイを企んでいる人間がこの中にいるわけ……


円香「灯織」

灯織「……な、なんですか」

円香「どう?この場にいるお仲間のうち一人は……灯織の言う【絆】を前提から否定するような存在みたいだけど?」

灯織「……!?」

円香「……笑える。どれだけ灯織がお仲間を信じようともそのお仲間ははなっから協力する気がないなんて」
54 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:23:30.49 ID:hCqXwXeT0





摩美々「はいストップー」





55 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:25:22.23 ID:hCqXwXeT0

灯織「ま、摩美々さん……?」

摩美々「みんな学級裁判で何を学んだんですかー?」

摩美々「この学園で生き残っていくために必要なのは、真実を見つけ出すことですよねー?」

円香「……は?」

摩美々「円香の話しか根拠はないのに、鵜吞みにする必要ありますー?」

(……!!)

円香「……まあ、好きにすればいいですが」

摩美々「お言葉に甘えて好きにさせてもらっちゃいまーす、ねー、灯織―」

(ま、摩美々さん……)

(……そうだ。ここで私が認めてしまうわけには、いかない)

(私は、自分のためにも……みなさんのためにも、否定をしなければ……!)

灯織「そうですね……私も摩美々さんと同じく、信憑性には欠けると思います」

智代子「そ、そうだよね……裏切り者なんか、いるわけないよね……」
56 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:27:28.34 ID:hCqXwXeT0

灯織「だって考えてもみてください……裏切り者が本当に要るのなら、私たちの結束をもっと邪魔するはずじゃないですか?」

めぐる「そ、そうだよ!コロシアイをさせたいんだったら、こんな風に集まるのだって妨害するはずだよ!」

灯織「大体あのモノクマに協力するメリットがないですよ」

灯織「モノクマのようにコロシアイを心から熱望するような人……私たちの中にはいないですよ!」


そう、私たちには283プロで共に過ごした歴史の積み重ねがある。実感がある。
一緒に夢を追った仲間たちなんだ……その内面だって知り尽くしている。
そんな裏切りなんて、ありえない!


雛菜「まあ円香先輩って、雛菜たちと敵対してるみたいなものだから〜、不安を掻き立てるためだけの作り話って可能性もありますもんね〜」

円香「……雛菜、あんたは」

雛菜「べ〜!!!雛菜は円香先輩と話す時間なんてありませ〜ん!」

摩美々「よくできた話だよねー、円香小説家でも目指したらー?」

円香「……それが、あなたたちの選択?」

凛世「円香さん、凛世たちは……仲間を信じます」

凛世「凛世たちは、揺らぎません……!」

霧子「そうだよ……わたしたちは、裏切ったりなんか……しないよ……」
57 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:29:06.75 ID:hCqXwXeT0

円香「……はぁ」


樋口さんは私たちに辟易とした様子でため息を一つつくと、食堂から姿を消した。


(作り話、そう思うしかない……)

(でも、樋口さんの語り口は、妙なリアリティがあった……)

(……ダメ、考えちゃダメ)


摩美々「……さ、円香も帰ったし解散しますかー」

愛依「今の話、ウソ……なんだよね」

咲耶「……ああ、当然さ」

甜花「甜花……甜花は、信じない……」

摩美々「考えるだけ無駄だってー」


全員、信じないという言葉を別れの言葉にそれぞれへの個室へと戻った。

……私も、信じない。裏切り者なんて、そんなの……あってはならないんだから。
58 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:31:41.57 ID:hCqXwXeT0

【灯織の部屋】

裏切り者……あの話は嘘なんだ。
間違いない。樋口さんの、私たちをばらばらにするための策略。

……それなら、私たちはより結束を強固にして立ち向かわないと。

今の私にできることは、これだ。


【自由行動開始】

灯織「さて、どうしようかな」

-------------------------------------------------
1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…61枚)
2.交流 (人物指定安価)
3.休憩

↓1
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/04/01(木) 22:32:08.67 ID:Py3cVXuo0
2雛菜
60 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:37:35.91 ID:hCqXwXeT0
2 雛菜選択

【娯楽室】

灯織「市川さん……今、お暇ですか?」

雛菜「ん〜?あ〜、こんにちは〜」

雛菜「雛菜に何か用ですか〜?」

灯織「も、もしよろしければ一緒に過ごさせていただいても……?」

雛菜「え〜?う〜ん……」

(……な、何を悩むことがあるんだろう)

(も、もしかしてなにか失礼をしてしまった?!だとしたら?!)

雛菜「オセロでもやります〜?」

(よ、よかった……ただゲームで悩んでいただけだった……)


市川さんとオセロで遊ばせていただいた……

-------------------------------------------------
プレゼントを渡しますか?
・現在の所持品
【ミネラルウォーター】
【ルアックコーヒー】
【ローズヒップコーヒー】
【虹色の乾パン】
【色恋沙汰リング】×2
【ツルカメダイヤモンド】
【ブルベリの香水】
【スカラベのブローチ】×3
【あしたのグローブ】
【おでこのメガネ】×2
【新品のサラシ】
【もちプリのフィギュア】
【高級チンチラシート】
【残鉄剣】
【むらまさ】
【狂戦士の鎧】
【昭和ラジオ】
【水晶のドクロ】
【黄金のスペースシャトル】
【月の石】
【携帯ゲーム機】
【超技林】
【蝶ネクタイの変声機】
【古代ツアーチケット】×2
【もしもFAX】
【キャットドッグプレス】
【隕石の矢】
【アゴドリル】
【みどりの着ぐるみ】
【あかの着ぐるみ】
【EYE GRASS】
【ジャスティスV変身ベルト】
【ダンベル君主論】
【冬優子ちゃん育成キット】

1.渡す(プレゼントを一つ選択)
2.渡さない

↓1
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/04/01(木) 22:46:22.58 ID:3G/t8N8Q0
1.ブルベリの香水
62 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 22:55:04.08 ID:hCqXwXeT0

【ブルベリの香水】を渡した…

灯織「い、市川さん……どうでしょう、香水なんですが」

雛菜「あ〜、ありがとうございます〜」

雛菜「確かにいい匂いですね〜」

灯織「で、ですよね!清涼感がある香りで、爽やかな印象……」

雛菜「でもこれ、パパの香水にそっくりな匂いですね〜」

灯織「……え?」

雛菜「これ、男性用香水じゃないですか〜?」

灯織「えっ?!?!?し、失礼しました!!」

-------------------------------------------------

灯織「い、市川さん……あの、この前の裁判では」

雛菜「ん〜?」

灯織「そ、その……樋口さんとは、結局どういう状態になられたのでしょうか」

雛菜「……」

灯織「樋口さんと、その……仲たがいしたような形に、見受けられましたので……」

雛菜「……」

灯織「し、失礼しました……!差し出がましい真似を……!」

雛菜「言う通りですよ〜、そのまま〜」

雛菜「雛菜は円香先輩と文字通り絶交したので〜」

灯織「ぜ、絶交?!」

雛菜「当たり前でしょ〜?だって円香先輩は透先輩と小糸ちゃんの気持ちを……理解しようともしてなかったんですから〜」


1.本当にそうでしょうか……?
2.仲直りする気はないんですか?
3.自由安価

↓1
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/04/01(木) 22:58:31.32 ID:Py3cVXuo0
2
64 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/04/01(木) 23:09:16.65 ID:hCqXwXeT0
2 選択

灯織「その……市川さんは仲直りをする気はないんでしょうか……?」

雛菜「仲直りですか〜?」

灯織「市川さんと樋口さんの関係性って……ここにいる誰よりも深い関係性、だと思うんです」

灯織「幼馴染として積み重ねた時間は……私たちユニット同士のつながりよりも濃い、と思うのですが」

雛菜「まぁそれはそうですけど」

灯織「い、市川さん……?」

雛菜「だからこそ、この前の事件での円香先輩は許せないんですよ」

灯織「……そう、ですよね」

雛菜「透先輩の気持ちも、小糸ちゃんの気持ちもわかってない……むしろそれを踏みにじってましたよね?」

灯織「……い、いえ……その……」

雛菜「雛菜には、今の円香先輩がわからないんですよね〜」

雛菜「それと雛菜自身のことも」

灯織「……え?」

雛菜「雛菜は、円香先輩のことどうしたいんですかね〜」

灯織「え、あっ!ちょっと……!」


市川さんは機嫌を悪くしたのか、その場を離れてしまった……
絶対に、市川さんと樋口さんの関係性も今のままじゃいけない……
それは、そうなんだけど……

私に何かできるのかな……?


【親愛度が上昇しました!】

【福丸小糸の現在の親愛度…2.5】
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