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【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】  
	- 771 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:49:06.24 ID:/fY6YMbW0
-  2 選択 
 
 【コンマ判定90】
 
 【モノクマメダル10枚を獲得しました!】
 
 【現在のモノクマメダル枚数…90枚】
 
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 【学園長室】
 
 おしおきメンテナンスルームを調べた時から気になっていた。
 なぜモノクマは回りくどい動機を渡してコロシアイを強いるんだろうか。
 人の生き死にが見たいだけなら、いくらでももっと強制する方法はある。
 あくまで私たちが自分の手で殺害を選ぶことに意味があるといわんばかりの動機の数々……
 改めて検討して、モノクマの真意を探らないと……!
 
 ショーケースを開けて、そのファイルを手に取った。
 『コロシアイ合宿生活動機概要』、モノクマがわたしたちにぶつけてきた動機のその全てが収められている一冊だ。
 
 
 『一つ目の動機は【疑心暗鬼】、あえて黒幕との接点を公開することにより必要のない疑いあいに持ち込む。お互いがお互いを信じ合えない状況下でアイドルたちは信頼をどんな形で発揮してくれるのか』
 
 『二つ目の動機は【焦燥】、フェイク映像による近縁者の危機を告示する。この学園から出たいという意思を一層駆り立てた上で、真のアイドルになるための決断力を養成する』
 
 『三つ目の動機は【才能】、各人の才能を伸ばすためのヒントを授ける。柔軟な思考力のもと、与えられた道具をどう活用するかに着目したい。
 備考:当初の予定と異なり、コロシアイがそこまで精力的に行われなかったため一部変更。後の計画の予備実験としての役割も兼ね、被験体αに人格の移植を行う』
 
 『4つ目の動機は【犠牲】、集団としての生存のために1人を切り捨てる決断を迫る。損得勘定と個人の感情との間のすり合わせを適正化し、これから先生き残っていく上での野心を研ぎ澄ますのも狙いの一つである』
 
 
 こうやって改めて見直すとやはり殺意を抱かせる動機としては異質なものを感じる。
 動機にそれぞれ題されたものはもちろんのこと、文章の結びにあるのは黒幕から私たちに対する期待や狙いといった記述なのである。
 まるでこの合宿生活で私たち自身に成長を促しているかのような、教育者ぶった顔がよぎってしまうような書き方だ。
 
 (……もしかして、このコロシアイって……)
 
 いや、さすがに考えすぎだ……
 このコロシアイで私たちはあまりにも多くのものを失いすぎている。その失ったものと引き換えに、何かを手にするなんて……そんな……
 
 黒幕は、私たちに何をさせたいの……?
 
 
 コトダマゲット!【コロシアイの動機】
 〔これまでの事件の引き金となったモノクマ提供の動機の数々。
 @【疑心暗鬼】黒幕が事務所の仲間内にいるという情報
 A【焦燥】身近な人物の身に危険が及ぶフェイク映像
 B【才能】それぞれに与えられたさいのうにかんれんする物品
 C【犠牲】裏切り者の暴露
 そのいずれにおいても黒幕には何かしらの期待や狙いが存在していると思われる〕
 
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 1.寄宿舎エリア2F
 2.図書室 書庫
 
 ↓1
- 772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:51:43.89 ID:unkD6adb0
-  1 
- 773 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:53:41.68 ID:/fY6YMbW0
-  【コンマ判定89】 
 
 【モノクマメダル9枚を獲得しました!】
 
 【現在のモノクマメダル枚数…99枚】
 
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 【寄宿舎エリア 2F】
 
 「……っ!?」
 
 踏み入れた瞬間に言葉を失った。学園内の他のエリアの中でも異質……このエリアは、荒らされている?
 壁面は崩れかけ、鉄筋は剥き出し。床にはそこら中にコンクリ片が落ちている。
 倒壊寸前だと聞いても信じてしまうだろう。
 
 下手に捜査を行ってケガをしないようにしないと。
 慎重な足取りで捜査へと向かった。
 
 どこから調べようかな……?
 
 1.ロッカールーム
 2.学園長の個人部屋
 
 ↓1
 
- 774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:54:07.27 ID:unkD6adb0
-  1 
- 775 :これいる? ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 22:57:32.26 ID:/fY6YMbW0
-  1 選択 
 
 【コンマ判定27】
 
 【モノクマメダル7枚を獲得しました!】
 
 【現在のモノクマメダル枚数…106枚】
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 【ロッカールーム】
 
 壮観な光景だ。部屋の右から左、所狭しと配置されているのは金属製のロッカー。
 見上げるばかりの背丈のロッカーにはそれぞれカードリーダーが備え付けられていて、セキュリティも万全といった感じ。
 
 ……誰かのこじ開けようとした痕がなければ。
 しかし、人の力でこんなことになるだろうか。
 まるで鉄球をぶつけられたように歪曲した鉄の箱は言い知れぬ不気味さをにじませる。
 まるで人よりもはるか大きな怪物が暴れたような……そんなことはあり得ないんだけども。
 
 
 入室時にも確認したとおり、この部屋のロッカーにはすべてカードキーがついている。
 つまりは持ち主本人でなくては開錠できない仕組み。
 
 
 ……【今の私では調べることは出来なさそうだ】。
 
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 【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
 
 【モノクマメダル獲得のためのコンマ判定を行います】
 
 【直下レスのコンマ末尾と同じ枚数だけ獲得できます】
 
 ↓1
- 776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 22:59:15.39 ID:unkD6adb0
-  むんっ 
- 777 :そろそろ終了します…… ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:01:42.38 ID:/fY6YMbW0
-  【コンマ判定39】 
 
 【モノクマメダル9枚を獲得しました!】
 
 【現在のモノクマメダル枚数…115枚】
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 【学園長の個人部屋】
 
 寄宿舎エリアの二階ということもあり、誰かの部屋がまた存在していることはある程度予想していた。
 ただ、まさかここまでの部屋があるとは……
 私たちの部屋とは大違い、部屋のサイズも倍以上で家具も一通りは整っている。
 部屋の雰囲気もあの悪趣味な目につく刺激的な配色ではなく、落ち着いた大人な雰囲気すら漂っている。
 
 
 摩美々「まるでホテルの一室だよねー……」
 
 灯織「摩美々さん……いらっしゃってたんですね」
 
 摩美々「寄宿舎エリアの2Fで一番目に付くのはここだからねー……ったく、私たちにあんなタコ部屋押し付けておいてこんな部屋にいた人間って何様なんでしょうねー」
 
 灯織「タコ……?」
 
 摩美々「……なんでもなーい」
 
 
 さて、この部屋にも手掛かりは結構ありそうだ。
 念入りに調べることにしよう。
 
 1.パソコン
 2.デスクの引き出し
 3.ブックラック
 
 ↓1
 
- 778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 23:03:20.45 ID:unkD6adb0
-  3 
- 779 :もうちょっとだけ… ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:06:22.71 ID:/fY6YMbW0
-  3 選択 
 
 【ブックラック】
 
 木造シックなブックラックにはギチギチに教育書やビジネス書といった書類が詰め込まれている。
 『経営者目線の学園運営』『褒めちぎり教育』……どれも字が小さくて、挿絵や図も見当たらない。読んでいたらかなりの時間がかかりそうだ。
 
 摩美々「灯織、そんなの読んでても仕方ないでしょー? 将来の夢学校の先生だったりした感じー?」
 
 灯織「あ、いえ……すみません」
 
 摩美々「んー……ぱっと見重要そうなのは、これですかねー……」
 
 私の脇から顔をのぞかせた摩美々さんが手に取ったのは白いファイル。ほかのファイルとは違って、ラベリングやタイトル付けがされていない。
 
 摩美々「露骨に怪しいですねー」
 
 パラパラとめくっていくと、目についたのは数々のスライドが小分けに収録されたページ。
 わかりやすく大きな文字のタイトル付けで、文字の説明は最小限。何かの発表で使う、プレゼン用のスライドだろう。
 
 
 『新時代のアイドルを生み出す革新的発想』
 『希望を新たに生み出す新・希望ヶ峰的アプローチ』
 『成功すればどんなに凡庸なアイドルでもトップアイドルへ』
 『見違えるような成果』
 『無から有を生み出す発想』
 『アイドル…新しい自分との出会い』
 『すべてのアイドルを過去にするアイドルの創造』
 
 
 灯織「新時代の、アイドル……」
 
 摩美々「希望ヶ峰学園といえば才能の研究……それを利用してアイドルの育成を行うってのはありそうな話ですよねー」
 
- 780 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:07:05.19 ID:/fY6YMbW0
-   
 灯織「摩美々さん、これって……前に話した『希望ヶ峰学園歌姫計画』の話なんじゃ……」
 
 摩美々「え、それって確か男子トイレ奥のファイルで見たやつー?」
 
 灯織「はい……あのファイルは、樋口さんによって回収されてしまったんですが……」
 
 摩美々「ふーん、その計画に希望ヶ峰学園の学園長も絡んでたんだったら、やっぱり歌姫計画ってのは公認だったのかなぁ……」
 
 灯織「……あれ? 摩美々さん、これって少し変じゃないですか?」
 
 摩美々「んー?」
 
 灯織「希望ヶ峰歌姫計画とこのプレゼン資料……似てるようで、矛盾があるような気が……」
 
 摩美々「摩美々はそっちの計画のファイルを見たわけじゃないから滅多なことは言えないなぁ……」
 
 (そうだ……実際にあのファイルを自分の目で確認した私だから気づいた違和感)
 
 (これは、改めて確認しておくべきかもしれない……)
 
 (いけるタイミングがあれば【樋口さんの部屋】を改めて調査しよう……!)
 
 
 コトダマゲット!【プレゼン資料】
 〔寄宿舎2Fの学園長の個室にあったプレゼン資料。新時代のアイドルを作り出すための計画について、プレゼンのスライドがまとめられている〕
 
 -------------------------------------------------
 【捜査パートの行先に円香の部屋が追加されました!】
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 1.パソコン
 2.デスクの引き出し
 
 ↓1
- 781 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 23:07:12.07 ID:W3yST3ds0
-  >これから先生き残って 
 きのこる先生!きのこる先生じゃ…ないなお前誰だお前
 
 メダルコンマがさっきからずっと高いな
 これはちょっとした小金持ちですよ
- 782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 23:08:31.73 ID:unkD6adb0
-  2 
 にへへ、甜花、お金好き……
- 783 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:10:22.34 ID:/fY6YMbW0
-  2 選択 
 
 【デスクの引き出し】
 
 デスク脇には私の腰よりすこし低いぐらいのキャビネットが備え付けられている。
 実際にここで過ごしていた人間がいるのなら、何かしらの痕跡が残っているだろう。
 一番上の引き出しから慎重に見ていくことにした……
 
 
 うーん、一番上の段にあったのは【娘さんとの家族写真】、ぐらい?
 紫髪の女の子が嬉しそうに高い高いをされている。
 ほほえましい一枚だけど、手掛かりにはならなそうかな……?
 合宿生活の黒幕はあくまで私たちと同じ事務所の人間だったはずだ。
 こんな親族がいるなんて話は聞いたこともない。
 
 続いての段は……黒いノート?
 でも、特に何も書いてないな、人の名前ぐらい?
 どれも見たことも聞いたこともないような名前……『渋井丸』……?
 変わった苗字だな……
 
 最後の段にようやく一定の成果が出た。
 これはカードキーだろうか。私たちの電子生徒手帳によく似ている。
 
 
 摩美々「……それって、マスターキーなんじゃないー?」
 
 灯織「マスターキー、ですか!?」
 
 摩美々「学園長の部屋に意味ありげに保管されていたあたり、重要なものっぽいし……これなら今までにいけなかった部屋とか、閉まってる部屋とかにも入れるんじゃないかなぁ」
 
 灯織「寄宿舎のそれぞれの個室なども調べられそうですね……」
 
 摩美々「うわぁ……プライバシーゼロ発言、今言質とったからねー」
 
 灯織「え、ええっ?!」
 
 摩美々「冗談ですよー、多分灯織の言った通り……誰かの部屋を調べたりするのも重要、今回ばかりは手段も選んでられないでしょー」
 
 (こんなところで思わぬ武器を手に入れちゃったな……)
 
 (この学園の真実に近づく重要なカギだ、大切に扱おう)
 
 (これがあれば、【ロッカールーム】も調べられるかな……?)
 
 -------------------------------------------------
 
 【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
 
- 784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/01(金) 23:11:29.16 ID:unkD6adb0
-  さ 
- 785 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:13:47.68 ID:/fY6YMbW0
-  ------------------------------------------------- 
 【パソコン】
 
 やはり調べるべきはパソコンだろう。
 この部屋の持ち主が希望ヶ峰学園の学園長だというなら、それ相応の価値ある情報がこのパソコンには入っているはず……!
 そう思ってキーを押したけど……だめだ、パスワードロックがかかっている。
 
 
 摩美々「まぁ、そりゃそうだよねー……今時そんなセキュリティが甘いことなんてないかぁ……」
 
 灯織「【7文字のパスワード入力】……」
 
 摩美々「はぁ……しょうがない、ここはいったん諦め……」
 
 灯織「……いえ、摩美々さん、やりましょう」
 
 摩美々「えぇー?」
 
 灯織「パスワードの解除、そのための糸口はどこかにあるはずです……ここで立ち止まるわけにはいきません!」
 
 摩美々「……なぁんかカロリー使いそう……」
 
 (つい先ほど地下階を解放するためのパスワードを私は明らかにしたばかり……)
 
 (このパソコンのロックだって……なんとかなるはずだ……!)
 
- 786 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/01(金) 23:17:38.49 ID:/fY6YMbW0
-   
 というわけで次回は二つ目のパスワード解除の謎解きより再開いたします。
 今からやるとさすがに遅くなりそうなのでここで今日は終わらせていただきますね。
 
 謎解きパート、回答がしにくいなどあれば安価の方法を変えたほうがいいですかね。
 暗号など考えたのも初めてのことで難易度調整などよくわからず手探りでやってるので……
 
 今回の捜査パートでだいぶんお話としては進んだ気がしますね、次回で非日常編の捜査パートも終われるかな……
 次回更新は10/2 21:00〜予定です。またよろしくお願いします。
- 787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/01(金) 23:19:05.57 ID:wmokhvKR0
-  お疲れさまでした 
- 788 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 20:48:57.25 ID:6uSYVKAc0
-   
 再開少し遅れます。
- 789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 21:00:27.07 ID:PI3NxXyx0
-  了解です 
- 790 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:19:48.09 ID:6uSYVKAc0
-  所用で少し遅れてしまって申し訳ありません。 
 学園長の個人部屋、パソコンのパスワードキー開錠謎解きパートより再開いたします。
- 791 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:20:30.69 ID:6uSYVKAc0
-   
 【パスワードロック開錠】
 
 摩美々「じゃあまずは状況の確認からしようかー、このパスワードは【7文字】入力するシステムになってるみたいだねー」
 
 灯織「アルファベットか……数字でしょうか?」
 
 摩美々「何か手掛かりが少しでもあるといいんだケド……」
 
 (摩美々さんはガサゴソのデスクの上を漁っている……)
 
 摩美々「あ、これっぽいねー。パソコンの裏側に貼ってあったよー」
 
 灯織「パスワードを示したメモ……でしょうか?」
 
 『たえそふえちく』
 
 摩美々「うーん……これだけじゃ意味はわかんないかなぁ……」
 
 灯織「何かの言葉なのでしょうか……?」
 
 摩美々「机の上には他にも気になるものがあるし、それを踏まえて検討したほうがいいかもねー」
 
 (これ一つで完結しない謎の可能性もあるってことか……)
 
 摩美々「謎解きはここからって感じだねー、基本は灯織にお任せするケド、私も私なりに考えてはみるからぁ……相談したければ声をかけてよねー」
 
 (なんとしてもこのパスコードロック……開錠して見せるぞ……!)
 
 -------------------------------------------------
 【開錠開始】
 
 『たえそふえちく』
 
 1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
 2.パソコンを調べる
 3.カレンダーを調べる
 4.机の上を片付ける
 5.摩美々に相談する
 
 ↓1
 
- 792 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 21:22:09.00 ID:PI3NxXyx0
-  2 
- 793 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:24:11.75 ID:6uSYVKAc0
-  2 選択 
 
 【パソコン】
 
 さっき摩美々さんがこのメモ用紙を見つけてくれたんだし、何か他にも隠されたヒントがあるかも!
 
 そう思って自分でもあちこち見てみたけど……特に変わった様子はないかな。
 普通のノートパソコンで、モニターと【キーボード】があるだけ。
 外付けの設備なんかもない、ごく最低限のものだ。
 
 うーん……
 最終的にはこのパソコンでパスワードを入力するんだけど、新しい手掛かりはなさそうかな……
 
 『たえそふえちく』
 
 1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
 2.パソコンを調べる(済)
 3.カレンダーを調べる
 4.机の上を片付ける
 5.摩美々に相談する
 
 ↓1
- 794 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 21:35:34.32 ID:PI3NxXyx0
-  3 
- 795 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:37:29.91 ID:6uSYVKAc0
-  3 選択 
 
 【カレンダー】
 
 卓上カレンダーだ。月が替わるごとにめくる形式のものらしいけど、これも特に変わった様子はない。
 日付が一定の区間ごとに区切られて色が変わっているけど、これは【12星座】に基づく色分けみたいだ。私の誕生日は3月4日でうお座。
 ……うん、2月19日から3月20日の区間で着色されているあたり間違いない。
 
 他には特定の日付にマークがされているような様子もないし、特に予定表なんかも書き込まれていない。
 
 うーん、ここにヒントは特にないのかな?
 
 -------------------------------------------------
 『たえそふえちく』
 
 1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
 2.パソコンを調べる(済)
 3.カレンダーを調べる
 4.机の上を片付ける
 5.摩美々に相談する
 
 ↓1
- 796 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:38:16.81 ID:6uSYVKAc0
-  別に大きな意味で違いはないですが…… 
 一応誤解を生まないように修正して再安価
 
 -------------------------------------------------
 『たえそふえちく』
 
 1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
 2.パソコンを調べる(済)
 3.カレンダーを調べる(済)
 4.机の上を片付ける
 5.摩美々に相談する
 
 ↓1
- 797 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 21:43:22.11 ID:PI3NxXyx0
-  4 
- 798 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:44:20.24 ID:6uSYVKAc0
-  4 選択 
 
 【机の上】
 
 さっきからなんだか気になっていたけど、この机はなんだかごちゃついている。
 ペンやメモが出しっぱなしだし、紙がくしゃくしゃに丸められたまんまなのも目につく。
 
 ……仕方ないので整理することにした。
 ゴミを除けて、鉛筆やペンはあるべき場所へ。
 よし、これでパソコン周りもきれいに……あれ?
 
 さっきは気づかなかったけど、ペンケースの中に押し込められたぐしゃぐしゃの紙がある。
 急いで取り出してその場に広げると……
 
 『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』
 
 こ、これって……何かしらのメッセージだよね……?
 パスワードを読み解くうえで必要になるものに違いない……ちゃんと覚えておかないと……!
 
 -------------------------------------------------
 『たえそふえちく』
 
 『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』
 
 1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
 2.パソコンを調べる(済)
 3.カレンダーを調べる(済)
 4.机の上を片付ける(済)
 5.摩美々に相談する(ヒント)
 
 ↓1
- 799 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 21:50:16.87 ID:PI3NxXyx0
-  5 
- 800 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 21:56:31.98 ID:6uSYVKAc0
-  5 選択 
 
 灯織「摩美々さん……とりあえず材料はそろったみたいですが何か思いついたことなどは……」
 
 摩美々「えー、さっそく摩美々頼りですかぁ……?」
 
 灯織「す、すみません……摩美々さんの頭脳が必要なんです……!」
 
 摩美々「……まあ、一つ言えるのはあのカレンダーもこの意味深な暗号も全部全部無関係なはずはないってコトだよねー」
 
 灯織「ええ、おそらくは……特にこちらの暗号はパスワードを求めるうえでは大きな役割を果たすのではないでしょうか……」
 
 『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』
 
 摩美々「……この左辺の二文字と繋がれた右辺の【数字と矢印】には何かしらの意味があるよねー、となるとこの左辺の二文字が何を指すのかを考えたほうがいいカモ……?」
 
 灯織「確かに、クイズ番組などでもありがちですよね……意味不明に見える文字列が実は何かの頭文字だった、のように……」
 
 摩美々「NEWSで北東西南……みたいなことだねー」
 
 (……なにか『しか』『ふさ』『てい』が頭文字になるような組み合わせはあるだろうか……)
 
 1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
 2.パソコンを調べる(済)
 3.カレンダーを調べる(済)
 4.机の上を片付ける(済)
 5.摩美々に相談する(ヒント)
 
 ↓1
- 801 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 22:13:42.54 ID:PI3NxXyx0
-  5 
- 802 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 22:20:53.94 ID:6uSYVKAc0
-  5 選択 
 
 摩美々「……灯織、わかったかも」
 
 灯織「摩美々さん、本当ですか?!」
 
 摩美々「今摩美々たちの身近にあるキーワードで、ちょうどこの二文字ずつが頭文字になる組み合わせ……それって12星座なんじゃないかなー」
 
 灯織「……!」
 
 摩美々「わざわざこんな予定も空白な卓上カレンダーおいてる辺り妙だと思ってたんだよねー。このカレンダーの特徴ってば12星座ごとに色塗りされてることぐらいのものだしー」
 
 灯織「となると……『しか』は『しし座』と『かに座』。『ふさ』は『ふたご座』と『さそり座』。『てい』は『てんびん座』と『いて座』……ですか?」
 
 摩美々「多分ねー。で、そうなると、右辺の数字と矢印の意味も見えてこないー?」
 
 灯織「……! もしかして、関係性、ですか……?!」
 
 摩美々「そういうコト、かに座はしし座の一つ後。さそり座はふたご座の5つ前。……ほら、右辺の数字と矢印、それに一致するでしょー?」
 
 灯織「となると『てい』の右辺に来るのは……二つ前、つまり『2←』なんですね!」
 
 摩美々「……でも、問題はそれが何を意味するかってこと……この暗号の答えを、どこかで使うとは思うんだケド……」
 
 -------------------------------------------------
 『たえそふえちく』
 
 『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』
 
 1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
 2.パソコンを調べる(済)
 3.カレンダーを調べる(済)
 4.机の上を片付ける(済)
 5.摩美々に相談する(ヒント)
 
 ↓1
 
- 803 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 22:37:03.84 ID:PI3NxXyx0
-  5 
- 804 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 22:40:54.72 ID:6uSYVKAc0
-  5 選択 
 
 灯織「うーん……」
 
 摩美々「……灯織、何を迷ってるのー?」
 
 灯織「え? いや、先ほどの暗号の答えはわかっても、それを当てはめる先が……」
 
 摩美々「シーザー暗号」
 
 灯織「え?」
 
 摩美々「シーザー暗号、聞いたことないー? 意味不明の文章でも、ある一定の文字数前または後ろにずらすと意味のある文章になるっていうやつだよー」
 
 灯織「は、はぁ……」
 
 摩美々「いま、摩美々たちの前には謎の暗号がひとつありますよねー?」
 
 灯織「……!!」
 
 摩美々「それを二つ前にずらす、ただそれだけの簡単なことじゃないかなぁ」
 
 灯織「な、なるほど……」
 
 摩美々「……まあ、それがパスワードとして正しいかは別として、ねー」
 
 (……え?)
 
 -------------------------------------------------
 『たえそふえちく』
 
 『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』
 
 1.パスワードを入力する【パスワード7文字指定】
 2.パソコンを調べる(済)
 3.カレンダーを調べる(済)
 4.机の上を片付ける(済)
 5.摩美々に相談する(自動進行)
 
 ↓1
- 805 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 22:53:51.90 ID:PI3NxXyx0
-  1   せいすはいそか 
- 806 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:03:09.55 ID:6uSYVKAc0
-  正確には微妙に正解ではないのですが、時間の都合もあるので正解ということにします。 
 
 -------------------------------------------------
 
 私は一文字一文字、丁寧に丁寧に入力していく。
 先の暗号二つで明らかになった、『せいすはいそか』
 
 これは、これこそが、本当のパスワード……
 
 
 
 ……を入力するための手順だ。
 
 
 『PERECT』
 
 
 灯織「いけました……!」
 
 摩美々「ナイス灯織ー、よくできましたー」
 
 灯織「いえ、ほとんど摩美々さんのおかげですよ……摩美々さんの言う通りに暗号を解いていっただけですから」
 
 『しか…1→
 ふさ…5←
 てい…□□』
 
 灯織「12星座の二つを取り出した組み合わせ、その頭文字から関係性を割り出して……」
 
 『たえそふえちく』
 ↓
 『せいすはいそか』
 
 灯織「それをそのままシーザー暗号の解法として適用する。でもこれだけではまだ、意味として通りませんから」
 
 摩美々「あとはその平仮名に合わせて【キーボード入力】ってことなんだねー」
 
 灯織「はい、パソコンのキーボードのかな入力でこの七文字を入力する際に経由するアルファベットキー。それが一つの単語になるんです」
 
 摩美々「【PERFECT】……随分なメッセージだねー」
 
 【開錠成功】
- 807 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:04:17.02 ID:6uSYVKAc0
-   
 暗号化されたパスワードに隠していた情報、そこには何かしら重要な意味があるのは間違いないはず。
 宝物を見つけた冒険家のように、モニターに飛びついて一つ一つ入念に確認していく。
 
 
 灯織「……どうやら、このパソコンの持ち主はこの学園の学園長のようですね」
 
 摩美々「みたいだねー、摩美々たちがこの学園に来る前に見ていた【希望ヶ峰学園第78期生】についての情報もあるしー」
 
 灯織「……これ、なんでしょう……【絶望の残党】……?」
 
 摩美々「あんまり聞きなじみがない言葉……ちょっと開いてみてー」
 
 灯織「は、はい……」
 
 『絶望の残党と呼ばれる人間たちがついに我が希望ヶ峰学園への襲撃を始めた。絶望に心酔する彼らが希望の象徴を憎しみ目の敵にする道理はわかる。だが、なんとしてもこの一線を彼らに譲るわけにはいかない。希望を守り、はぐくむ者の宿命として、この身を賭してでも、なんとしても彼らを守ってみせる』
 
 摩美々「いや、結局何にもわからないんですケドー……」
 
 灯織「でも、どうやらこの絶望の残党と呼ばれる人たちは希望ヶ峰学園を襲っていた……それって私たちの状況と何か関係があるのではないでしょうか……?」
 
 摩美々「うーん……そもそも【絶望】って何―? なんだか抽象的な話ばっかりでつかめない感じー……」
 
 (……まるで具体的な情報はないけれど、見過ごしていい情報ではない気がする……)
 
 
 コトダマゲット!【絶望の残党】
 〔希望ヶ峰学園を襲っていたとされる集団の俗称。正体素性に関する情報はまるでない〕
 
- 808 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:07:00.70 ID:6uSYVKAc0
-   
 摩美々「それと見逃せないのがメールだよねー、そっちのアイコンクリックしてよー」
 
 灯織「は、はい……!」
 
 摩美々「……結構数あるねー、全部見てる時間はなさそうだケド……」
 
 
 摩美々さんに促されるままクリックするとメールリストがポップアップ。
 上から下までずらりと表示され、私たちはそれを流し流しで確認していく。
 その一つ一つに目を通すことは難しかったけど、俯瞰的にとらえていると一つ感じるところがあった。
 ____それは明確な違和感。
 
 
 灯織「……摩美々さん、これ、少し変じゃないですか?」
 
 摩美々「灯織も気づいたー? このメールのやり取り……全部一方的なんだよねー」
 
 
 メールは特定の相手とばかり為されている様子で、しかもこちらからはほとんど返信がされていない。
 一方的に向こうが送り付けている様子、このコンピュータの持ち主はものぐさな人物なのだろうか。
 
 こちらにメールを送り付けている何かプロジェクトに携わっているかのように見えるその人物は、
 はじめは穏やかな口調の文面だったが、一向に返信しないとみるやその様子は変わっていく。
 最終的には、かなり冷淡な口調となってしまっていた。
 
 
- 809 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:11:14.83 ID:6uSYVKAc0
-   
 『A、君のこれまでの功績は評価に値する。我々は実際君に高い期待を寄せていた。だからこそ、今回の独断での行動は看過することはできない。即座に計画を打ち切ってほしい、我々の要求に応じない場合立場を追われることも覚悟しておいてくれ。理解ある行動を我々は望む』
 
 摩美々「これ、どういう関係性なんだろうねー」
 
 灯織「どうなんでしょう……これだけでは見えてきませんが、『これまでの功績』『立場』などといった言葉からしても同一の組織に属する人間であることは間違いなさそうに思います」
 
 摩美々「……希望ヶ峰学園の管理者団体……?」
 
 灯織「にしては文面に違和感を感じてしまいますね……」
 
 
 まるで明確な情報はそこにはない。
 だけど、何か不吉な空気が漂っているという確信だけは抱かせるような不気味な違和感が声高々に主張しているのだ。
 
 ……これは、一体……?
 
 コトダマゲット!【Aへのメール】
 〔A、君のこれまでの功績は評価に値する。我々は実際君に高い期待を寄せていた。だからこそ、今回の独断での行動は看過することはできない。即座に計画を打ち切ってほしい、我々の要求に応じない場合立場を追われることも覚悟しておいてくれ。理解ある行動を我々は望む〕
 
 -------------------------------------------------
 
 この部屋で調べられるのはこれくらいかな。
 結局、この部屋の持ち主は本当に希望ヶ峰学園の学園長、だったのかな……?
 
 でも、収穫は大きい。
 何よりこの【マスターキー】だ。これがあれば、今まで行けなかったところもいけるようになるし、開けられなかったところも開けられるようになる!
 まずは【ロッカールーム】の調査のやり直しだけど……ほかにも使えそう!
 
 樋口さんの部屋を見るのもそうだし……
 
 なにより、これまで一度も踏み入れることのなかった、【あの部屋】だ……!
 
 
 【捜査パートの行先に情報処理室が追加されました!】
 
 
- 810 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:12:30.14 ID:6uSYVKAc0
-  ------------------------------------------------- 
 【ロッカールーム】
 
 壮観な光景だ。部屋の右から左、所狭しと配置されているのは金属製のロッカー。
 見上げるばかりの背丈のロッカーにはそれぞれカードリーダーが備え付けられていて、セキュリティも万全といった感じ。
 
 ……誰かのこじ開けようとした痕がなければ。
 しかし、人の力でこんなことになるだろうか。まるで鉄球をぶつけられたように歪曲した鉄の箱は言い知れぬ不気味さをにじませる。
 まるで人よりもはるか大きな怪物が暴れたような……そんなことはあり得ないんだけども。
 
 入室時にも確認したとおり、この部屋のロッカーにはすべてカードキーがついている。
 つまりは持ち主本人でなくては開錠できない仕組み。本来なら捜査なんて全くできないんだけど……
 
 
 つい先ほど学園長室で手に入れた【マスターキー】。
 これならすべてのロッカーを開けられるはず!
 私は目につくロッカーを片っ端から開けていくことにした……
 
 
- 811 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:13:56.03 ID:6uSYVKAc0
-  ___ 
 ____
 _____
 
 いくつかの収穫はあったな。
 どうやらこのロッカーはこの学園の生徒のもの……だけではないらしい。
 科学の実験に使うような白衣、しかも着古されたような痕跡のあるものがいくつも入っていた。学園の職員の備品なのだろうか?
 
 白衣の入っていたロッカーには他にも興味深いものが入っていた。
 【候補者リスト】と題されたノートだ。複数人で使いまわされている様子で、筆跡も異なる記述がいくつも入っている。
 そして何より重要なのが、その記述は【私たちの名前】であることだ。
 
 
 『櫻木真乃:【超高校級の飼育委員】【超高校級の調教師】【超高校級の獣医】
 風野灯織:【超高校級の占い師】【超高校級のうたのおねえさん】【超高校級の料理人】
 八宮めぐる:【超高級の助っ人】【超高校級のチアリーダー】【超高校級のバスケ部】』
 
 
 この合宿生活に参加している16名全員の名前、その横には【超高校級の才能】が書き添えられている。
 今現在割り当てられている、才能の他にもいくつか。
 もとより身に覚えがない才能では有るけども、こうも沢山書かれているとどうしても気になってしまう。
 
 そして、一番気になったのは……浅倉さんの記述だ。
 
 『浅倉透:【超高校級のカリスマ】【超高校級のクライマー】【超高校級の■■】→風野灯織』
 
 才能のうち一つが黒塗りされて、そこから延ばされた矢印の先には私の名前があるのだ。
 学園長室で浅倉さんの才能は確認した、あの時は確か【超高校級のカリスマ】だったはずだ。
 なのに、なぜ……割り当てられていない才能をわざわざ隠すような工作が?
 
 何が意味があるのは間違いない。
 このリストは後に何か重要な意味を持つはずだ……!
 
 
 コトダマゲット!【候補者リスト】
 〔灯織たちコロシアイの参加者全員の名前と共に、謎の候補が書き添えられている。なぜか透の候補だけ黒塗りされ、矢印で灯織にその候補が切り替えられた旨が記されている〕
 
- 812 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:15:25.56 ID:6uSYVKAc0
-   
 そして、それとは別に気になるものがもう一つ。
 これは学園の関係者のロッカーとはまた別のロッカーのようだ。
 ほかのロッカーとは異なり、それ以外のものが何も置いていない。あったのは【手帳】ただ一つだけ。
 人の目をはばかるように置かれたその手帳には、どこか見覚えがあり、親しみすら覚えるほどだ。
 
 思わず手に取り、手帳を開いた。
 ページの上から下まで隅々に至るまで緻密な記述がある、書きなぐった様子でもなく、整然とした字体だ。
 誰かに見せるもの、といった様子ではないし、持ち主は余程几帳面な人間だったのだろう。
 そんな持ち主の方にはすこし申し訳ないけど、今は手掛かりが少しでもほしい。遠慮がちに目を落とした。
 
 
 『灯織とともにここまで歩んできて、彼女自身の変化を時折感じることがある。はじめはアイドルとしての自分自身に対するとらえ方も定まっていなかったけど、自分に向けられる行為と興味のベクトルをしっかりと受け止めらるようになった。自分自身の力で、ファンの期待に応えるような発信をできるようになったことを、彼女自身はまだ気づいていないのかもしれないが確かな成長だ。しっかりと伸ばしていけられるように、俺がそのすぐ側で見守っていきたい』
 
 
 ……これって。
 そこに書いてあったのは疑いようもない私の話、しかもそれは私をプロデュースする側の、目線から書いてある話だ。
 間違いない、この手帳の持ち主は……『プロデューサー』だ。
 
 
 コトダマゲット!【プロデューサーの手記】
 〔プロデューサーによる灯織を始めとした283プロのアイドルのプロデュース録。出会ってから今日に至るまでの記録に加え、これからの方針まで書き漏らしなく彼の所感と共に記されている〕
 
- 813 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:17:00.19 ID:6uSYVKAc0
-   
 寄宿舎エリアの2階はこれで調査し終えたかな……?
 ひとまずの大きな収穫としてマスターキーがある、これを使えば今まで入れなかった部屋にも入れるようになるはずだ。
 【樋口さんの部屋】にも一度入っておきたいな、私が二階男子トイレ奥の空間で見つけたファイルを樋口さんが持ち出していたはず。
 再度そのファイルの検討はしておくべきだ。
 そして何より【情報処理室】。学校エリアで唯一いまだに入ることができなかった部屋、黒幕にとっても重要な意味を持つ部屋だろう。
 これから先は、その二部屋も捜索の対象に入れておくべきかな。
 
 -------------------------------------------------
 
 1.図書室 書庫
 2.円香の部屋
 3.情報処理室
 
 ↓1
- 814 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/02(土) 23:19:23.40 ID:bUoQR+Y90
-  情報処理室 
- 815 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:23:16.26 ID:6uSYVKAc0
-  【コンマ判定 40】 
 
 【モノクマメダル10枚を獲得しました!】
 
 【現在のモノクマメダル枚数…125枚】
 
 -------------------------------------------------
 【情報処理室前】
 
 ……いよいよといった感じだ。
 この部屋はやはり異質。今までずっと開かなかったその扉は見た目以上の威圧感を感じるというか、何もしていないのに心臓の音がうるさくなってしまう。
 一応は学園の見取り図で中を確認はしている。
 電気設備が充実しているいわゆる情報教室なのだけど、
 黒幕がここまでひた隠しにしてきた部屋ということもあって嫌な予感というものを色濃く感じてしまうのだ。
 
 流石に一人で入る勇気は持てず、皆さんに声をかけて回った。
 調査中でいらっしゃったのにすぐに皆さんは首を縦に振ってくださり、全員が集まった。本当に快い方々ばかりだ。
 
 
 愛依「だ、大丈夫かな……バクハツとかしないよね?!」
 
 智代子「め、愛依ちゃん……怖いこと言わないでぇ……」
 
 摩美々「そんな心配しなくてもー、部屋の扉を開けるのは灯織なんだしー」
 
 灯織「わ、私ですか?!」
 
 雛菜「がんばれ〜! 灯織ちゃん〜〜〜〜!」
 
 (うう……そんな殺生な……)
 
- 816 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:26:18.73 ID:6uSYVKAc0
-   
 皆さんは廊下に散り散りになって私だけが扉の前に。
 ……うう、これでは皆さんを招集した意味が……
 
 ピピッ
 
 意を決して、開錠。
 爆発は……起きなかった。
 
 
 灯織「……はぁ」
 
 ほっと胸をなでおろす。
 こんなところで私たちをみすみす爆殺するようなことはないとは頭ではわかっているものの、
 この学園で過ごしているとどんな行動にもリスクが付きまとって感じられてしまうのが嫌なところ。
 
 
 摩美々「それじゃあ探検開始―」
 
 灯織「少しくらいねぎらいの言葉をかけていただいても……」
 
 摩美々「……そうだねー、灯織の尊い犠牲のおかげで私たちは前に進めるわけだし、敬礼ぐらいしとくー?」
 
 灯織「この学園だと笑えませんよ……」
 
 (うぅ……世知辛い……)
 
 
- 817 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:26:55.19 ID:6uSYVKAc0
-  ------------------------------------------------- 
 【情報処理室内部】
 
 実際に踏み込んだ情報処理室は、思っていたよりもさらに近未来的な空間だった。
 壁面一帯はモニターで覆い尽くされ、テレビの報道で目にするようなスーパーコンピューターが我が物顔で部屋の一角を占拠している。
 デスクトップパソコン……なんだろうか、やたらと厚みあるモニターにはよくわからない設備も付属している。
 
 
 智代子「いかにも飲食厳禁って感じの部屋だね……」
 
 愛依「やば……ウカツに触れないカンジ……?」
 
 摩美々「まぁ専門的な話はわからないケドさぁ、手掛かりになりそうなものだらけじゃーん?」
 
 
 情報機器がこれだけ多いというのは文字通りそれだけの情報があるということ。どこまで引き出せるかはわからないけど、調べないことには始まらない……!
 
- 818 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:27:37.25 ID:6uSYVKAc0
-  ------------------------------------------------- 
 【テレビ】
 
 部屋には薄型の大きめなテレビが置いてある……
 とくにテレビ自体に変わったところはない、よくある市販品のものだ。
 
 
 摩美々「電源にもつながってるし、スイッチを押せば見られそうだねー」
 
 愛依「こっちにリモコンもあるし、押してみる?」
 
 雛菜「もしかして、外の世界のニュースとかも見られるかも〜〜〜〜!」
 
 ……と、思ったのだけど。
 
 智代子「あれ……?! 電源を入れてもつかないね?!」
 
 灯織「……うーん、アンテナと繋がってないのかな……?」
 
 摩美々「……ただの電源コードであくまでここら辺のパソコンと同期するためだけのものって感じだねー」
 
 雛菜「なーんだ……テレビが見れればいろんな情報が手に入ると思ったのになぁ……」
 
 (そう易々とは情報はつかませてはくれないか……)
 
- 819 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:28:27.32 ID:6uSYVKAc0
-  ------------------------------------------------- 
 【モニター】
 
 壁面には無数のモニターが取り付けられており、その全てが異なる映像を流している。
 だが、そのいずれにも見覚えがある……というよりもむしろ。
 
 
 摩美々「この学園の監視カメラ映像だよね、明らかにー」
 
 
 脱衣所などを除いたほぼすべての部屋と廊下の監視カメラ映像がライブ映像で流れている。
 それは勿論私たちの今いる情報処理室も含めて。
 
 
 愛依「これって……黒幕はこの部屋でうちらを監視してたってことなん?!」
 
 雛菜「なるほど〜、これだけたくさんのモニターがあればどこで誰が何をしてたかもすぐにわかっちゃうね〜!」
 
 智代子「だからモノクマは事件の犯人もそのトリックもわかってたんだ……」
 
 
 思わず歯ぎしりしてしまう。黒幕はこの部屋からすべてを見ていた。
 それはつまり、すべての事件について被害者を見殺しにしていたことに他ならないのである。
 
 ……コロシアイ合宿生活の黒幕に人の心を求めるなんてお門違いなことだとはわかっている。
 ただ、私の中の良心が叫びだしそうになってしまうのは止めることもできやしない。
 
 
 摩美々「でも、あくまで黒幕にわかるのはこのモニターに映る範囲のことだけ……なら、灯織を救い出す道はまだあることの証明でもあるよねー」
 
 灯織「……摩美々さん」
 
 摩美々「めぐるの体は覆面にタオルに凛世の左手にいろいろと工作がされていたからねー、こんな俯瞰視点だけじゃ全部は把握しきれないでしょー」
 
 愛依「あっ、それじゃあうちらで円香ちゃんが事件を起こした時の映像を見るのはどう?! そしたらこれまでの調査で分からなかったことも見えたりするかもしんないじゃん!?」
 
 摩美々「このモニターの操作方法もわからないしー、その映像は黒幕もしっかりと調べてはいるだろうし……あんまり新しい情報のあてにはならなそうじゃないー?」
 
 愛依「そ、そっか……」
 
 (うーん……このモニター映像、手掛かりの一歩手前までは迫れそうなんだけど……)
 
- 820 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:29:42.66 ID:6uSYVKAc0
-  ___ 
 ____
 _____
 
 しばらく調査をしたものの、目立った成果としては上げることはできなかった。
 ここは黒幕にとって重要な部屋であることこそ間違いないが、この学園の核心に迫るものとはまた別だ。
 実際操作の仕方もわからない機器を前にして攻めあぐねているところもあり、無為な時間ばかりが流れてしまった。
 
 せっかくこれまで開かなかった部屋に入れたのに……その焦りの念ばかりが押し寄せる。
 ここまでの努力が徒労に終わる、そう思いかけた時だった。
 
 
 『……ザザ……ザ……』
 
 智代子「……あれ?」
 
 雛菜「チョコちゃんどうしたの〜?」
 
 智代子「……今、そこのパソコンから何か音がしたような……」
 
 
 すぐにチョコの指摘の下にパソコンモニターの前に集まる。
 つい先ほどはファイルを開こうとしてもパスワードに阻まれ匙を投げたのだが、改めて向き直ると何か通話アプリのようなものが起動している。
 暗闇の中に白い線が不規則に流れていく砂嵐。
 
 ____画面の向こうに、何者かの存在が感じ取れた。
 
- 821 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:30:24.15 ID:6uSYVKAc0
-   
 『……ザ……ザザ……るか……聞こ……か……』
 
 
 音声は乱れていて、声の持ち主はだれかはっきりとわからない。
 だが、その何者かは間違いなく、リアルタイムで私たちに呼びかけている。
 
 
 灯織「あの……! もしかしてこの学園の外の方ですか……!?」
 
 『……りか……ザザ……無事……ザザ……』
 
 摩美々「……電波障害が激しくて、何言ってるかはほとんどわからないねー」
 
 『……す……ザザ……もっと……けに……行……な……ザザ……』
 
 智代子「だ、だとしてもこっちからの声は聞こえてるかもだよ! た、助けを呼ぼうよ、この人が助けてくれるかも!」
 
 愛依「そ、そうじゃん! あの、ケーサツ! ケーサツに電話して!」
 
 『……でに……ごい……ザザ……る……ザザ……』
 
 雛菜「うーん……こっちの声が届いてるのかどうかも怪しそうだけどな〜」
 
 『……す……ザザ……ん……ザザ……』
 
 
 画面の向こうの人物の声のトーンが少し下がったような気がする。
 おそらく私たちの状況をある程度分かった上の通信なんだろう、私たちを救出できないことに責任を感じているような、そんなニュアンスを感じ取れる。
 しばらくこちらとの通信を取り図ろうと四苦八苦している様子だったが、砂嵐はやむこともなく、むしろ一層激しくなろうかという勢いだった。
 
 
 摩美々「うーん……せっかくチャンスだと思ったんだケド……」
 
- 822 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:32:07.43 ID:6uSYVKAc0
-   
 ____と、その時。
 
 
 智代子「……あ、あれ!」
 
 灯織「チョコ? どうかした……?」
 
 智代子「あのモニター、見て! なんか、変だよ……!?」
 
 
 今度は壁のモニターに異変が起きたのだ。
 学園内の監視カメラ映像をリアルタイムで映しているはずのモニター、その一つが突然に急速巻き戻り始めた。
 その映像は……寄宿舎エリアの【大浴場前】の監視カメラ映像だ。
 
 
 『……れでは……ザザ……で精……ザザ……』
 
 灯織「こ、これはもしかしてあなたが……!?」
 
 『……ザザ……ああ……』
 
 
 画面の向こうの人物は確かに肯定した。
 首を縦に振るのが見えたわけでも、まして『ああ』の二文字以上の言葉が聞こえたわけでもない。
 だが、意思伝達というのはそれ以上を必要としないこともある。
 私たちには、このモニターの巻き戻りがこの人物によってもたらされた千載一遇のチャンスであることが、即座に確信できた。
 そこに理由はない、本能にも近しい“勘”というやつだ。
 
 摩美々さんもその勘に従ってすぐに動いた。近くにあったメモリーカードをすぐにつかみ取り、コンピューターにつないだ。
 
- 823 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:34:11.27 ID:6uSYVKAc0
-   
 摩美々「もしもしー? あのモニター映像、何か意味があるのならこっちに移してもらえますー?」
 
 (す、すごい……摩美々さん、即座に反応したぞ……)
 
 『……ザザ……』
 
 
 パソコンの画面にはまた別のウィンドウがポップアップ。
 データの授受が行われている表示だ、どうやら画面の向こうの人物もまた摩美々さんの行動を“勘”で理解したらしい。
 
 
 摩美々「とりあえずデータはこれで手に入る、その内容は自分の目でも見ておくべきだよー」
 
 
 摩美々さんは迅速に対応したかと思うと、これまた迅速に私たちに指示を出した。
 モニターを注視しろ、その指示通りにすぐに私たちはかじりついた。
 映像はなおも巻き戻り続け、数時間、数日前……めぐるが命を落とした事件の前夜にまで戻ると、再生を始めた。
 
 
 愛依「こ、これってうちらが円香ちゃんに監禁されてた時の映像……?」
 
 雛菜「し〜〜〜! だれか出てきたよ〜?」
 
 
 画面の手前側の死角から歩いて出てきたのは……【樋口さん】そして【めぐる】の二人だ。
 事件の首謀者と被害者その関係性は明らか……なのに、だからこその違和感を感じる光景だ。
 
 めぐるの歩き方があまりにも自然すぎるのだ。自分の意志で歩いていて、迷いがない。
 今命の危機にさらされている状態のはずなのに、怯えたり不安に駆られたりしているときの体の揺らぎのようなものもほとんどない。
 加えて、樋口さんも何も脅しているような素振りすらない。
 武器を手に持っているわけでもない、めぐるの手は拘束されてはいるものの、足は全くの手付かず。
 突然走り去って逃げてしまうリスクもありそうな状態なのに、樋口さんは何も手を打つ様子がない。
 
 そんな不自然な散歩をしている二人は、そのまま脱衣所へと入ってしまった。
 
- 824 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:36:04.96 ID:6uSYVKAc0
-   
 灯織「こ、この映像は……?」
 
 摩美々「めぐるが命を落とす直前の映像……二人が大浴場に入った映像……」
 
 愛依「こ、これがうちらにとって重要な意味を持つの?」
 
 智代子「最期の晩餐ならぬ最期の入浴……なわけ、ないよね……?」
 
 雛菜「わざわざ雛菜のためにこの映像を見せてくれてることを考えても、二人でお風呂に行った以上の意味があるのは間違いないよね〜」
 
 摩美々「まあ、お風呂に入ったんじゃないみたいだよー?」
 
 
 摩美々さんの指摘通り、映像の中の二人は大浴場からものの数分で出てきてしまった。
 衣服が乱れた様子も特になく、何事もなかったようにそのままスタスタと歩いて学校エリアへとその姿は消えていった。
 
 
 灯織「……行ってしまいましたね」
 
 智代子「……行っちゃったね」
 
 
 正直、これだけでは何が何だかわからないといったところだ。
 目に見えて大きな何かが起きたわけでも、新しい登場人物が出てきたわけでもない。
 
 
 『……きっと……ザザ……くも……ザザ……らな……』
 
 
 ただ、この映像を私たちに見せるために動いてくれた人物がいるという事実がある以上、これは黙って見過ごせるものでないのも事実。
 きっとこの謎が私たちを真相に近づけさせる大きな一手になるはず……
 
 
 コトダマゲット!【脱衣所前の監視カメラ映像】
 〔めぐる殺害の事件の発生前夜のカメラ映像。円香とめぐるが二人で脱衣所に入り、物の数分で退室、学校エリアに向かうまでが記録されている〕
 
- 825 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:38:32.85 ID:6uSYVKAc0
-   
 摩美々さんはメモリーカードにデータを移し終えたことを確認すると、丁重にポケットにしまい込んだ。
 
 
 摩美々「とりあえず、ありがとうございましたー。あとは私たちでまた調べてみますー」
 
 灯織「あ、ありがとうございました!」
 
 
 満足に意思疎通が取れている相手ではないにしろ、この人物が私たちのために動いてくれたのも事実。
 それに対するお礼はしっかりと自分の口で述べておきたい。私は摩美々さんに続いて慌てて頭を下げた。
 
 
 『……ザザ……らこそ……ザザ……ない……』
 
 
 私たちのお礼を受け取るような拒むようなそぶりをしたかと思うと、砂嵐はにわかにその勢いを増した。
 どうやら電波障害がさらに激しくなってきたようで、これ以上の通信は難しくなりそうだ。
 
 
 『……ザザ……れ……たすザザ……』
 
 
 声はどんどん雑音に飲み込まれていき、もうほとんど聞き取れない。
 
 
 『……ザザ……ひお……ザザ……』
 
 
 だが、その断片的に聞こえてくる声を拾い集めていくと、何か意味のある言葉のようにも聞こえてくるのだ。
 
 
- 826 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:39:18.47 ID:6uSYVKAc0
-   
 『待……ザザ……れ……ザザ……』
 
 灯織「あ、あの……!!なんとお礼を申し上げたらいいか……!!私の命を救ってもらっただけでなく、裁判に挑む準備まで手伝ってもらって……」
 
 『ザザ……おをあげ……くれ……俺は……ザザ……無事なら……れでいい……ザザ……大丈……対助け……るからな……ザザ』
 
 灯織「あの……あなたは……もしかして……」
 
 
 完全に通信が途絶えるその僅か数コンマの時間。一瞬にも満たないその刹那に、言葉と思いとが通った瞬間があった。
 
 
 『灯織、待っててくれ』
 
 
 それが聞こえたわけではない。画面の中でうねる人影と砂嵐に飲み込まれた音と声とが織りなした奇跡ともいうべきか。文章を読んでいるかのように鮮明に脳内にそのメッセージが浮かび上がったのだ。
 
 ____プツン!
 
 その浮上とともに、通信は途絶えた。
 
 
 愛依「切れちゃった……ね」
 
 雛菜「う〜ん、結局何言ってるのかは全然わかんなかったね〜」
 
 智代子「それでも何かしら意味のある情報が得られたのは事実だよね!? 大浴場に入っていく二人、これまでになかった情報だもん!」
 
 摩美々「だねー、今はその意味は分からないケド、調査していけばモノクマののどに突き付けるナイフになるかもしれないしー……」
 
 灯織「そうですね……後であの監視カメラ映像に映っていた脱衣所は調査しておくべきかもしれません……」
 
 -------------------------------------------------
 
 【捜査パートの行先に脱衣所が追加されました!】
- 827 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/02(土) 23:41:07.44 ID:6uSYVKAc0
-   
 というわけで少しキリが悪いですが今回はここまで。
 もうパスワードの謎解きも無いので次回更新で今度こそ捜査パートは終われるかなと思います。
 
 次回更新は10/3 21:00〜を予定しています。
 またよろしくお願いします、それではお疲れさまでした。
- 828 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/02(土) 23:45:47.49 ID:PI3NxXyx0
-  お疲れさまでした 
- 829 :少し早いですが再開します ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 20:51:53.93 ID:aL/1oNSF0
-   
 突然の外部との通信をし終えた私たちは情報処理室の調査にひと段落をつけた。
 自分たちの手でできることには限界もある、そろそろ先に進めないとだめだろう。
 
 ……ともなると、いよいよここを調べるタイミング。
 この部屋に踏み入れた瞬間から目についていた扉。
 監視カメラモニターと同じ壁面に取り付けられた扉には、なぜかモノクマの顔がそっくりそのまま描かれている。
 
 これは学園の見取り図でもその存在を確認していた【奥の部屋】の扉だと思われる。特に鍵のかかっている様子もない。
 
 
 雛菜「悪趣味な扉だね〜〜〜〜!」
 
 摩美々「この学園でモノクマの顔を模した扉ってだけでその部屋の持つ重要さが隠せてないよねー……この部屋、絶対やばいでしょー」
 
 愛依「こ、今度こそバクハツとかすんのかな?!」
 
 摩美々「じゃあ灯織の出番だぁ」
 
 灯織「ま、またですか?! というか私はいつから爆発物担当になったんですか!?」
 
 智代子「ふ、ファイトだよ灯織ちゃん!」
 
 (うぅ……世知辛い……)
 
 
 すぐに皆さんは部屋の隅へと引っ込んでしまった。残された私は一人で扉を開けるしかない。
 ……意を決して開錠。
 
 ガチャ
 
 扉は意外なほどにすんなりと何事もなく開いてしまった。
 
- 830 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 20:54:23.24 ID:aL/1oNSF0
-  ------------------------------------------------- 
 【???】
 
 手前の部屋である情報処理室も大概なフィクションだったけど、この部屋においてはレベルが違う。
 ロボットアニメでしか見ないような立体的な360度にも近しいモニター、
 それと接続しているのはこれまたロボットアニメでしか見ないようなレバーとボタンの並んだ操縦桿。
 そう、一言で言うならそこにあったのは【コックピット】だ。果穂やあさひがここにいたら目を輝かせていただろうな。
 
 
 愛依「すっご〜〜〜! マジでかっこいい〜〜〜〜!」
 
 摩美々「えー? そうー?」
 
 愛依「うちの弟がこういうのマジで好きでよくアニメとか見てんの! 銀河で撃ち合ったりするやつとか、ダンボールの中で戦ったりするやつとか!」
 
 智代子「スケールの差が激しいね……」
 
 雛菜「でも、何を動かす設備なのかな〜? ロボットなんかこの学園にいたっけ〜?」
 
 愛依「もしかして、学校が変形してロボットになるんじゃ……!?」
 
 智代子「変形ボタンがどこかにあるのかな!?」
 
 摩美々「自爆ボタンもあったりしてー」
 
 
 皆興味津々といった様子でコックピットへと駆け寄る。
 まるで操作方法のわからないそれを嘗め回すように見つめてはああでもないこうでもないと首をかしげる人もいれば、
 手当たり次第にボタンを押そうとする人もいて、さすがに止めようとしたんだけど……
 
- 831 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 20:55:22.32 ID:aL/1oNSF0
-   
 灯織「ちょ、ちょっと皆さん……あんまり下手に触らない方が……」
 
 雛菜「へ〜〜〜〜?」
 
 
 ポチッ
 
 ____間に合わず。
 
 
 灯織「ひ、雛菜……今何か押した?」
 
 雛菜「あは〜?」
 
 智代子「……な、何も起きないね?」
 
 
 とりあえず自爆ボタンなんかではなかったと胸をなでおろした、その瞬間。
 背後からなんだか妙な音が聞こえてきた。何かが勢いよく射出されたような音ののちに、クッションのように柔らかいものが落下したような音。
 
 
 灯織「い、今のは……?」
 
 愛依「なんか……情報処理室から聞こえたよね?」
 
 雛菜「そう〜? 雛菜気づかなかったな〜」
 
 摩美々「灯織、出番だよー」
 
 灯織「わ、私ですか!?」
 
 摩美々「だってホラ、爆発するかもしれないしー」
 
 灯織「だからいつから私は爆発物担当になったんですか!?」
 
 (うぅ……世知辛い……)
 
 
 やたら非情な摩美々さんに押し切られるままに、不安を抱いたまま私は一人情報処理室に戻ることになった……
 
 
- 832 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 20:56:31.09 ID:aL/1oNSF0
-  ------------------------------------------------- 
 【情報処理室】
 
 摩美々さんの意地悪さと世間の世知辛さとを噛みしめている私を待ち受けていたのは、爆発物なんかよりよっぽど危険で凶悪なものだった。
 
 
 モノクマ「……」
 
 灯織「も、モノクマ……!?」
 
 
 堂々たる態度で無駄に姿勢よく仁王立ちして部屋の中央に立ち尽くすモノクマ。
 この学園で嫌というほど見てきた絶望の象徴が突然に姿を現したのである。
 
 
 (……しまった、この部屋を調べていることをかぎつけて姿を現したんだ!)
 
 
 最初に考えたのはそのリスク。
 私たちが今踏み入っているのは黒幕がひた隠しにしていた暗部ともいうべき一室。私たちを部屋から追い出すためにやってきたのだと思った。
 だけど、モノクマが口にしたのは驚くべき一言だった。
 
 
 モノクマ「ガオー! お菓子よこせー!」
 
 灯織「……え?」
 
 モノクマ「お菓子くれなきゃロボットパンチをお見舞いするぞー!」
 
 灯織「……チョコ?」
 
 モノクマ「ええっ!? なんでわかったの!?」
 
- 833 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 20:57:42.17 ID:aL/1oNSF0
-   
 これまで私たちが接してきたモノクマとは全くの別物。
 いや、正確にはガワは同じだ。モノクマの中にいる人、操縦している人間が違うんだ。
 あの聞き覚えのある濁声でチョコのかわいらしいお菓子のおねだりが為されているのがなんとも素っ頓狂。
 ともなると、さっきの部屋は……
 
 
 モノクマ「モノクマのコックピットだったってワケだねー」
 
 灯織「摩美々さん……そのようです、学園内に姿を見せていたモノクマはおそらくその部屋から操縦していたものかと」
 
 モノクマ「マジで!?キョーダイもとぐらしってやつ!?」
 
 灯織「新しい都のほうですね……」
 
 モノクマ「ここからモノクマが出る部屋とかも選べるみたいだね〜、灯織ちゃんの部屋にも出したげよっか〜?」
 
 灯織「……なんとなく遠慮しておこうかな」
 
 
 やっぱりこの情報処理室とその奥の部屋は黒幕にとって要ともいうべき部屋だったんだ。
 モノクマの操作を行う部屋なら私たちの侵入をこれまで拒み続けたのも納得がいく。
 
 この部屋は、実質的にコロシアイの運営部屋なんだから。
 
- 834 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:00:06.47 ID:aL/1oNSF0
-   
 灯織「とりあえずは何の部屋かはわかりましたね……私もそちらに戻りますので調査を再開しましょう」
 
 モノクマ「おいで〜! モノクマの操作、難しいけど楽しいよ〜!」
 
 灯織「い、一応モノクマの体には爆弾も入ってるし気を付けてね……」
 
 
 モノクマ越しに通信し終えた私が部屋に戻ろうとしたその瞬間だった。
 
 
 『ブー!!ブー!!』
 
 
 モノクマのスピーカー越しに聞こえてきたのは耳鳴りがするほどのブザー音。さらには皆さんの慌てふためく声もそれに交じる。
 
 
 灯織「な、なにが起きてるんですか!?」
 
 モノクマ「ひ、灯織ちゃん! 逃げて! こ、この部屋……バクハツするって!」
 
 灯織「え、えええええっ!?」
 
 モノクマ「自爆ボタンとか押しちゃったんじゃないのー?」
 
 モノクマ「雛菜何にも触ってないよ〜?」
 
 モノクマ「そ、それどころじゃないよ二人とも!?」
 
 モノクマ「へ、部屋がブザーとランプでめちゃくちゃなんだけど!?」
 
 灯織「み、皆さん落ち着いて……ひとまず身の安全の確保を……近くに机などは……!?」
 
 
 突然の出来事にパニックになるばかり、事態を冷静に見極める余裕などあるはずもなく、
 私たちは全員で警告に従うままに情報処理室から急いで逃げ出してしまった……
 
- 835 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:01:40.51 ID:aL/1oNSF0
-  ------------------------------------------------- 
 【情報処理室前】
 
 愛依「はぁ……はぁ……なんとか、間に合った……?」
 
 雛菜「も〜、嫌な汗かいちゃった〜……」
 
 灯織「ひ、ひとまずは全員無事でよかったです……」
 
 摩美々「……慌てて全員出てきちゃったケドさぁ……」
 
 ガチャン
 
 摩美々「……だよねー」
 
 灯織「……!? こ、これって……」
 
 
 慌てて教室から飛び出した私たちを待っていたのは爆発の轟音ではなく、背後の扉の鍵が閉めなおされる小さな音。
 慌ててマスターキーをかざしなおすも無反応。だめだ、設定から変えられている。
 
 
 摩美々「黒幕にとってあのコックピットは行動拠点、なんとしても摩美々たちを追い出したかったんだろうねー……」
 
 智代子「じゃ、じゃああのブザーは全部嘘だったの!?」
 
 モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ! 引っかかってやんのー!」
 
 
 そして私たちを嘲笑いながらモノクマはその姿を現した。
 今度はその中身も元通り、私たちが散々かき乱され、憎しみをぶつけてきた黒幕そのもの。
 
- 836 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:03:17.06 ID:aL/1oNSF0
-   
 摩美々「はぁ……やっぱりモノクマの仕業だったんだー」
 
 モノクマ「そりゃあね、ボクの灰色の脳細胞をフル稼働させてオマエラを追い出しましたとも!」
 
 智代子「すっかり騙されちゃった……」
 
 モノクマ「しっかし惜しかったね! 僅か数メートルの距離までボクに近づいちゃってたっていうのに、オマエラったらあんなフェイクに踊らされちゃってさ! ケッサクだよ、ケッサク!」
 
 雛菜「へ〜?」
 
 モノクマ「だから、あのコックピットにはボクもいたんだよ! オマエラの足元にね!」
 
 (……!?)
 
 
 そういえば、床があのコックピットだけ他と少し違っていた。
 鉄製の金具で固定されていたけど、あれってもしかして床下空間に通じる扉だったの……?
 
 
 モノクマ「せっかくボクの正体を見る大チャンスだったのにね! 真実は案外すぐそばにあったんだね!」
 
 愛依「まさにキューダイもと暗しだったんだ……」
 
 灯織「なんだかさっきより西に行ってませんか……?」
 
 雛菜「む〜〜〜〜! せっかくのチャンスだったのに〜〜〜〜!」
 
 モノクマ「まあこればっかりはしょうがないね! 時間というのは不可逆ですから! せいぜい電子レンジでもこねくり回すこったね!」
 
 智代子「行っちゃった……」
 
- 837 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:05:38.43 ID:aL/1oNSF0
-   
 真実まで一歩手前というところでとんだ邪魔が入ってしまった。
 知らなかったとはいえ黒幕をあと少しのところで取り逃すとはなんとも歯がゆい。
 思わず地団太を踏みそうになったが、摩美々さんはこの状況でも冷静だった。
 
 
 摩美々「ま、いいんじゃないですかぁ? 黒幕の弱点を掴んだのは間違いないんだしー」
 
 愛依「へ……? ジャクテン……?」
 
 摩美々「脱衣所前のカメラ映像、あれはこれ以上ない手掛かりでしょー」
 
 灯織「そ、そうですね……脱衣所を改めて調べると何かわかるかも……」
 
 摩美々「それに加えて、外部の人間と連絡が取れた。これだけで大きなアドバンテージじゃーん」
 
 雛菜「でもまともにお話しできなかったよ〜?」
 
 摩美々「でも意思疎通は出来た、おそらくあっちは摩美々たちの状況もある程度わかってるはずだし……プラスに働くとみていいんじゃないかなぁ」
 
 (……!!)
 
 『灯織、待っててくれ』
 
 
 あの時浮かび上がってきたメッセージ。
 何か確証があるわけでもない、状況から証明するなんてたいそうなことをしたわけでもない。
 
- 838 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:07:20.32 ID:aL/1oNSF0
-   
 でも、それとは無関係に確信を抱いていた。
 私たちのために動いてくれる人が、あの方が私たちのために動いてくれている。
 いつだって私たちのそばで、誰よりも私たちのことを考えてくれた【あの人】が、今も。
 
 それなら……信じる以外の道はない。
 
 
 灯織「……状況は大きく好転したと私も思います。モノクマが私たちを慌てて締め出したのもその証拠です。黒幕も焦っているんですよ、私たちが真実に迫りつつあることに」
 
 愛依「そ、それはそーかも……」
 
 雛菜「まぁ雛菜たちはもう立ち止まってる時間もないしね〜!」
 
 摩美々「よくわかってるじゃーん、この部屋がだめならまた別のとこ、それもだめならまた別のとこ……その繰り返しだよー」
 
 智代子「そっか、そうだよね! コツコツは勝つコツ!」
 
 灯織「うん、何か別のアプローチを模索しよう。絶対に黒幕の正体を暴いてやろう!」
 
 
 摩美々さんの言うとおりだ、私たちは一歩ずつ着実に真実に迫っているのは間違いない。
 それならこの足が疲れ果てようとも、千切れようとも、歩み続けるのみ……!
 
 
 【捜査パートの行先に脱衣所が追加されました!】
 
 -------------------------------------------------
 
 1.図書室 書庫
 2.円香の部屋
 3.脱衣所
 
 ↓1
- 839 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 21:08:15.06 ID:ZZYsxayY0
-  3 
- 840 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:12:43.17 ID:aL/1oNSF0
-  【コンマ判定06】 
 
 【モノクマメダル6枚を獲得しました!】
 
 【現在のモノクマメダル枚数…131枚】
 
 -------------------------------------------------
 【大浴場前】
 
 私たちが調査の中で手に入れた新事実。
 『めぐると樋口さんは事件の前夜に一緒に大浴場に向かっていた』
 あの監視カメラ映像に隠された本当の意味合いは今の私にはまだわからない。
 ただ、あの映像を手に入れさせてくれた、あの人物の思い。そしてあの映像の中にいためぐるの振る舞い。
 
 ……それらを含めると、見過ごすわけにはいかない重要なパーツとなる確信があった。
 
 
 愛依「あ、灯織ちゃん! やっぱ気になっちゃったカンジ?」
 
 灯織「愛依さん……ええ、あの映像に隠された事実……自分の目で確かめなくてはいけませんから」
 
 
 めぐると樋口さんの行動、その全てを明らかにしないことには私の判定は覆らない。
 皆さんが私の無実を信じてくださるというのなら、それを現実にすべく私も尽力しないと……!
 
- 841 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:13:59.65 ID:aL/1oNSF0
-  ------------------------------------------------- 
 【脱衣所】
 
 愛依「……とくに、なんもないね」
 
 
 だけど、脱衣所の中自体に違和感は特にない。
 大きく何かが乱れたり、新しいものがあったりといったこともない。それもそのはず、あの動画でも二人はものの数分で退室していたのだから。
 
 
 灯織「……二人がここに立ち寄ったこと自体は間違いないはずなんですが」
 
 
 二人がこの脱衣所で何をしたのかを明らかにする手掛かり、どんな些細なものでもいいんだ……!なんとしても見つけ出さないと……!
 
 
 愛依「……ありゃ?」
 
 灯織「愛依さん、どうかしましたか?!」
 
 愛依「灯織ちゃん……何か踏んでない?」
 
 灯織「えっ」
 
 
 愛依さんに促されるまま元居た場所、【簀子】の上から降りるとそれは姿を現した。
 
 灯織「こ、このシミは……!?」
 
 
 簀子にはこれまでに見たことのない青紫色の変色痕が浮き上がっていたのである。
 人の血ではこうはならない、何かしらの成分が木目に作用しない限りはこんな色には変わらない。
 
 (……!?)
 
 そんな特殊な成分のものなんて限られている。まして私たちの知る中でとなると、もはや可能性は一つに帰結するだろう。
 
 
 灯織「なにか、化学薬品がここで使われたのではないでしょうか……科学室から持ち出された薬、それこそ毒薬かもしれません……」
 
 愛依「ど、毒薬!?」
 
 
 ……そういえば、ずっと所在が分からなくなっている薬品があったんだっけ。
 頭の中で点と点とが結びつき、線になろうとしている。一直線にひかれたこのラインの行きつく先、それはきっと……
 
 
 コトダマゲット!【変色した簀子】
 〔事件前夜、めぐると円香が寄っていた脱衣所では簀子の一部が変色していた。何かしらの液体がそこにこぼれたことを意味しているようだ〕
 
 -------------------------------------------------
 
 1.図書室 書庫
 2.円香の部屋
 
 ↓1
- 842 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2021/10/03(日) 21:14:46.16 ID:F5koFPG20
-  2 
- 843 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:18:37.30 ID:aL/1oNSF0
-   
 【コンマ判定16】
 
 【モノクマメダル6枚を獲得しました!】
 
 【現在のモノクマメダル枚数…137枚】
 
 -------------------------------------------------
 
 【円香の部屋前】
 
 雛菜「あ、灯織ちゃんだ〜〜〜!」
 
 灯織「雛菜……捜査はどう? 進んでる?」
 
 雛菜「ん〜、ぼちぼちかな〜。それより、今から円香先輩の部屋に入るんだよね〜? 雛菜も一緒に行ってもいい〜?」
 
 (なるほど、摩美々さんから話を聞いてきたのか……)
 
 (そうだよね、幼馴染なんだもん……雛菜からすればもう一度彼女のいた部屋には立ち入りたいよね……)
 
 灯織「うん、それじゃあ捜査を手伝ってもらえるかな?」
 
 雛菜「やは〜〜〜〜〜♡ うん、雛菜も頑張るね〜〜〜〜〜!」
 
 
 私は雛菜を連れて樋口さんの部屋に改めて踏み込んだ……
 
- 844 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:22:03.94 ID:aL/1oNSF0
-  【円香の部屋】 
 
 樋口さんの部屋は相変わらず必要最低限のものしか置いていない。
 なのに、ここで感じるのは彼女自身の敵意と殺意。それが立っているだけの私の肌をひりつかせる。
 ただ、それに臆しているような時間はモチロンない。
 私は雛菜と顔を見合わせ、再度彼女の敵意の中へと進んでいく。
 
 調べなおすべきなのは、私が男子トイレ奥の空間で目撃したファイルの数々。
 たしかそれらはすべて、デスクの中だったっけ……
 
 
 灯織「雛菜、デスクを開けてもいいかな?」
 
 雛菜「ん〜? ……あ〜、灯織ちゃん、別に遠慮するコトなんかないのに〜。円香先輩だって、変に気使われるほうが嫌だったりすると思うよ〜」
 
 灯織「そ、そっか……」
 
 
 雛菜に促されるままにデスクを開けた。といっても前回の事件でも一度改めたものになる。
 相変わらず一段目には薬品A・Bの空き瓶が鎮座。人の体に害性を持つ薬品のお出迎えは否が応でも身構えてしまうな。
 
 
 雛菜「ホントこの前の事件の時は大変だったよね〜、確かこの薬品Aを使ってめぐるちゃんを昏倒させてたんだよね〜?」
 
 (そうだ……それで身動きの取れなかっためぐるを、私は……)
 
 (いや、違う……雛菜たちも、みんな……今は私がクロじゃない可能性を探ってくれてる、その本人の私がここで立ち止まるわけにはいかない……!)
 
 雛菜「この二つの薬品を調合すると強い毒性を持つ気体が発生しちゃうから、それを円香先輩は身に着けて自己防衛に使ってたんだよね〜」
 
- 845 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:23:39.61 ID:aL/1oNSF0
-  ------------------------------------------------- 
 
 円香「……どうしました?私をここで止めるのでは?」
 
 めぐる「ど、どうしたの摩美々…………って!?」
 
 雛菜「ま、円香先輩その薬……!!」
 
 円香「持ってきて正解でしたね、この前の事件でも使われた薬品A・B。既にこのボトルの中で調合済み。私は刺された瞬間ここでこれを開封しますよ」
 
 摩美々「……」
 
 円香「私の邪魔をすれば、即座に全員が共倒れ。さて、どうしますか?」
 
 -------------------------------------------------
 
 
 灯織「さらにその前の事件、凛世が咲耶さんを殺害した事件にもこの薬品は絡んでいた……樋口さんはそれにも関与していた」
 
 雛菜「その時からこの薬を持ち出していたんだよね〜?」
 
 (……あれ?)
 
 雛菜「ん〜? 灯織ちゃん、どうしたの〜?」
 
 灯織「いや……ごめん、雛菜。そういえば咲耶さんの事件の時って、使われた薬品はこのA・Bだけだったけど……もう一つ持ち出されてた薬があったよね?」
 
 雛菜「……そういえばあったような気がする〜、確か【コトキレルX】だったっけ〜?」
 
 
 -------------------------------------------------
 
 灯織「そして、個数が合わないものがもう一つ。毒薬の『コトキレルX』、これが無くなってるよ」
 
 めぐる「備品リストによると、コトキレルXは液体の薬みたいだね」
 
 灯織「犯人が持ち出したものとみて良さそうだけど……どうなんだろう」
 
 めぐる「うーん、やっぱり事件に関係はあるよね……」
 
 灯織「うん、しっかり覚えておこう」
 
 -------------------------------------------------
 
 
 灯織「飲用の毒薬が科学室の薬品棚からなくなってたんだよ。でも実際に事件には使われていない、咲耶さんは感電して亡くなったからね。ともすれば……」
 
 雛菜「そのお薬が行方不明なままなんだ〜〜〜!」
 
 (そういうことになる……事件の流れからして樋口さんが薬を持ち出していたとみて間違いはないはず。ただここにもその【コトキレルX】は存在していない)
 
 (一体、この薬はいまどこにあるんだろう……)
 
 
 コトダマゲット!【コトキレルX】
 〔液体型の遅効性の毒薬。咲耶と凛世の事件以降その所在がわからなくなっており、化学室に補充されることもなかった〕
 
- 846 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:27:41.71 ID:aL/1oNSF0
-   
 続いて二段目の引き出しを開けた。確かここにあのファイルたちは収められていたはず。
 内容をしっかりと検討しなおさないと。
 
 雛菜「こっちが希望ヶ峰学園歌姫計画で〜、こっちが学園の見取り図だね〜?」
 
 灯織「まずは希望ヶ峰学園歌姫計画から見てみようか……」
 
 (つい先ほど学園長の個人部屋でみたプレゼン資料。そこに感じた違和感を確認しておきたい……)
 
 (きっと希望ヶ峰学園歌姫計画と決定的な矛盾が存在するはずだ……!)
 
 
 『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画』
 『人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする』
 『計画には現役のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定』
 
 
 雛菜「へ〜、こんな計画があったんだ〜」
 
 灯織「……やっぱり」
 
 雛菜「灯織ちゃん〜? どうかしたの〜?」
 
 灯織「……! ご、ごめん雛菜……こっちの話」
 
 雛菜「む〜、仲間に隠し事は無しでしょ〜?」
 
 灯織「い、いやその……ちゃんと確証を持ってから話したいことだから……後でちゃんと話すよ」
 
 雛菜「……灯織ちゃんがそういうなら、雛菜は信じるけど〜……」
 
 (……うん、間違いない。あのプレゼン資料と希望ヶ峰学園歌姫計画は……同じものじゃなりえない)
 
 (こんなに大きな矛盾を抱えているんだもん)
 
 (……なら、あのプレゼン資料は一体……?)
 
 
 コトダマゲット!【希望ヶ峰歌姫計画】
 〔二階男子トイレ奥の空間に隠されていたファイルに記されていた、希望ヶ峰学園のシステムを利用したアイドル育成計画。『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画。人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする。計画には現役のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定。』〕
 
- 847 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:30:52.72 ID:aL/1oNSF0
-   
 雛菜「じゃあもう一個のファイルを見ておこっか〜、学園内の見取り図〜!」
 
 
 雛菜は目の前でパラパラと図を確かめる。
 特にこの前確認したのと相違点はない。この学園内のほぼすべての部屋と廊下とが三次元的な図で詳細に示されている。
 
 
 灯織「……相変わらず情報処理室の奥の部屋の情報はないね」
 
 
 これは自分の手と足で調べないといけなさそうだ。幸い私の手にはマスターキーがある。部屋に入ること自体はたやすいだろう。
 そして、これまで入ることができなかった寄宿舎エリア2Fと学校地下室の情報も仕入れておきたい。……そう思って、隅々まで読み込んだのだけど。
 
 
 雛菜「情報ないね〜……」
 
 灯織「うん……どうやら意図的に秘匿されているみたい。これ以上これを調べても新しい情報はなさそうかな」
 
 
 実際、このファイル自体は早い段階から入手は可能だった資料。
 モノクマもそれを認識していたのなら、みすみす重要な情報を渡すことはしないだろう。
 新しい収穫はなかったけど、これもどこかで使う機会があるかもしれない。
 しっかり情報として押さえておこう。
 
 
 コトダマゲット!【学園内の見取り図】
 〔二階男子トイレ奥の空間に隠されていたファイルに記されていた、希望ヶ峰学園内における見取り図。寄宿舎エリア2Fと学校エリア地下1Fの情報はない〕
 
 
- 848 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:34:37.39 ID:aL/1oNSF0
-   
 そして最後の引き出し。ここにあるのは、彼女の日記だ。
 私たちに敵意と殺意とを抱くようになった心中の変化、そしてどんどんと煮詰まっていく憎悪の念とが克明に残されている。
 流石にこの日記を再度検証するのは心にずっしりとのしかかるものがあった。
 彼女から向けられる敵意だけじゃない、彼女がここでの生活で感じていた悲嘆と重責ともすべてがないまぜになった感情が私に伝播するのだ。
 
 
 灯織「……」
 
 雛菜「……」
 
 
 気づけば言葉を失っていた。
 私も真乃とめぐるという心のよりどころを失っては来たものの、幼馴染を失うという感覚のその全てを理解は出来ていない。
 心臓を握りつぶされる感覚、そう形容せざるを得ないだけの衝動が押し寄せる。
 
 胸にこみあげるものをぐっと押し込んで沈黙の中文字を送った。
 きっとこの中にも手掛かりがあるはず。私たちは彼女のことを信じたのだ。
 そしてその信用は、ある種実を結んだ。
 
 『意味が分からない』
 
 彼女自身の考え、思いはその一言で完結していた。ただ、その字の乱れとうねりとが雄弁に彼女自身の動揺を現してならなかった。
 この記述のその真上、そこには一枚のメモが貼付してあったのだ。
 
 『このコロシアイは浅倉透のため』
 
 ……男子トイレ奥の空間で私が目撃した、あのメモだった。
 
 
 雛菜「……これ、前に灯織ちゃんが教えてくれたやつだよね〜」
 
 灯織「うん……雛菜にも心当たりはないんだよね?」
 
 雛菜「だよ〜……円香先輩と全く同じだな〜、意味が分からないって感じ〜」
 
 (やっぱり、この謎に帰結するのか……)
 
 (私たちがこの学園でコロシアイをしている理由、その謎の答えは、いったい……)
 
 
 コトダマゲット!【2F男子トイレ奥の空間に存在したメモ】
 〔このコロシアイは浅倉透のため〕
 
- 849 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:36:27.95 ID:aL/1oNSF0
-   
 樋口さんの部屋の調査を一通りし終えて私は立ち上がった。
 かがみこんでいただけに少しだけ腰が痛み、思わず弱弱しい声を上げる。
 ただ、雛菜はそんな私の声にピクリとも反応はしなかった。
 
 真剣に、改めて樋口さんの日記を読み込んでいる。
 
 ……邪魔をすべきじゃないな。
 私は雛菜の集中を乱さないように、慎重に、静かに部屋を後にした。
 
 -------------------------------------------------
 
 【選択肢が残り一つになったので自動進行します】
 
 【モノクマメダル獲得のためのコンマ判定を行います】
 
 【直下レスのコンマ末尾と同じ枚数だけ獲得できます】
 
 ↓1
- 850 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 21:37:23.81 ID:ZZYsxayY0
-  あ 
- 851 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:40:35.10 ID:aL/1oNSF0
-   
 【コンマ判定81】
 
 【モノクマメダル1枚を獲得しました!】
 
 【現在のモノクマメダル枚数…138枚】
 
 -------------------------------------------------
 
 【図書室 書庫】
 
 相変わらずの萎びた空間だ。長く収められた本のカビたような匂いが鼻を刺す。
 ぎゅうぎゅうに押し込まれた本は埃をかぶって、誰かが取り出したような痕跡すらない。
 おそらく凛世が亡くなってからはこの部屋に立ち入る人間もほとんどいないんだろう。
 
 ……口元をハンカチで抑えるようにしながら捜査を開始した。
 
 -------------------------------------------------
 
 【書架】
 
 モノクマが調べるように言っていたのはやっぱりここに並べられている本のこと、だよね……?
 書架にはどこかで聞いたことのあるような事件の名前がずらりと並ぶ。
 『連続殺人』やら『強盗致傷』やら物騒な響きの言葉ばかりだ。小糸の事件で登場した『日本殺人鬼大観』と『世界殺人鬼名鑑』も変わらず。
 手掛かりを探して気分が沈むような背表紙の文字列を右から左へどんどん送っていく。私たちが今ここにいる理由、コロシアイをさせられることになった理由。その答えを求めて流す視線は、ある一点で止まった。
 
 『人類史上最大最悪の絶望的事件』
 
 それはあまりにも大げさすぎて、馬鹿馬鹿しくて、フィクションか何かと疑ってしまうような文字列。
 子供が考えってひねり出したような響きの文言、これだけを見るときっと笑ってしまう人だっているだろう。
 
 ……でも、私はこの事件の名前を見て笑うことは出来ず、むしろ押し黙ってしまった。
 荒唐無稽で非実在的な名前なのに、その一冊はほかのどの事件よりも分厚くて、存在を否定させないだけの威圧感があったから。
 
- 852 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:42:31.34 ID:aL/1oNSF0
-   
 『人類史上最大最悪の絶望的事件とは、超高校級の絶望が引き起こした同時多発的世界規模のテロリズム行為およびそれに感化された人間たちが引き起こした各種事件を総称した呼称である。まさに人類史に類を見ない規模の事件であり、犠牲となった人間の数は正確に観測することは適わず、一国二国の総人口は優に超すとみられている』
 
 
 『どこか発端だったのかは研究者たちでも把握しておらず、超高校級の絶望・江ノ島盾子は超高校級のギャルとして入学する前からその工作を行っていたとみられる。学園の内部崩壊を起こしたかと思うと政府要人を巻き込んだテロリズム的な事件を起こし、この国の実ならず世界中を震撼させた。コロシアイ学園生活が起こるまでの二年のうちに、既に絶望の伝播はその土台を盤石なものにしていたのである』
 
 
 『大きく事件が動く契機となったのは超高校級の絶望自身の引き起こした【コロシアイ学園生活】である。世界中から才能ある高校生を集めていた研究学園施設・希望ヶ峰学園の第78期生を監禁して仲間同士でのコロシアイを強要。その一部始終を世界中にリアルタイム配信した。超高校級の絶望はこのコロシアイの最後に自死したが、希望の象徴である彼らがコロシアイを行う様子は人々を絶望させる材料としては十分であり、彼女の目論見は成功したといえる』
 
 
 『もはや政治の力でかじ取りをすることもかなわない状況に陥ったことにより、事件の連鎖は加速した。警察という組織は機能しなくなり、防衛のための武力もいつしか暴力のための道具として使われるようになり、人々の倫理観というものはほとんどその意味をなさなくなった。抑止力を失った暴走はとどまるところを知らず、事件は終結を見ないままに人類の文明そのものを壊滅させるほどになった』
 
 
 『超高校級の絶望というシンボルを失った今現在でも、彼女を信仰するものは後を絶たない。鎮圧のために動く未来機関との間の抗争は激化するばかりである。絶望の残党と呼ばれる彼ら崇拝者は、仲間を増やすことに躍起になっており拉致監禁および洗脳行為を行っていることも確認されている。彼らには単一の指導者は存在しておらず、それぞれが江ノ島盾子の意志を継ぐものとして行動している。それゆえに叩く拠点も存在しないため未来機関の対滅作戦は難航しているというのが実情だ』
 
 
- 853 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:45:41.83 ID:aL/1oNSF0
-   
 そして最終的に行きついたのは、先の記述でもあった世界に絶望が伝播する発端、『コロシアイ学園生活』であった。超高校級の絶望が引き起こしたとされるそれは後のページでもっと事細かに描かれており、その当事者の名前と顔写真、さらにはだれが命を落として、だれが生き残ったかまでが詳細に書かれていた。
 
 『コロシアイ学園生活の参加者に選ばれたのは希望ヶ峰学園第78期生の15名。超高校級の絶望・江ノ島盾子とは同期に当たる面々である。コロシアイの舞台となったのは彼らの通っていた希望ヶ峰学園そのもの。かつて机を並べてともに学んだ学友たちはペンを凶器に持ち替えて、己のエゴイズムのために次々と仲間内でコロシアイを始めた』
 
 ……一気に血の気が引いた。
 今の私たちの状況は、あまりにもこれに酷似しすぎている。
 コロシアイに参加している人間の数、コロシアイの舞台……そして、参加者の間柄。学園に通う生徒ではないにせよ私たちは長い時を共に過ごした仲間同士。
 私には偶然の符合には思えなかった。何かしらの意図がこの合致を引き起こして、それを私に噛みしめさせている。この学園裏で回る歯車機構がミシミシと耳元で軋んでいるようだ。
 
 嫌なもの同士が、がっちりと嚙み合った。
 
 
 コトダマゲット!【人類史上最大最悪の絶望的事件】
 〔超高校級の絶望が引き起こした、彼女と彼女に魅せられた者たちによる世界的なテロリズム事件。世界の文明は彼女らによって一度崩壊したと書いてある。代表者たる超高校級の絶望は既に死亡したが、彼女を崇拝する絶望の残党はなおも仲間を増やそうと暗躍しているらしい〕
 
 コトダマゲット!【コロシアイ学園生活】
 〔希望ヶ峰学園第78期生を集めてのコロシアイ。開催場所、参加人数はどちらも灯織たちの今参加しているコロシアイ合宿生活と一致している〕
 
- 854 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:48:43.05 ID:aL/1oNSF0
-  ------------------------------------------------- 
 【新聞】
 
 書庫には各社新聞を保管しているラックも収められている。
 といっても私たちがこの学園に来てからは更新されていない。一番新しい日にちで私たちが合宿に出る当日の分までだ。
 
 もうこの学園に来てから一か月ほどの日にちが経つ、情勢も随分と変わってしまっているだろう。
 大した期待もせずに一部を手に取った。見開きで大々的に報じられているのはどこかの国で行われた首脳会談。
 関税やら協定やら……重要な話であるのは間違いないんだけど、今の私たちにとっては必要な情報ではない。
 やっぱり期待するだけ無駄か、そう呟きながらも淡い期待はやっぱり持っていて。漫然と一面、二面、三面とめくった。
 
 「……ん?」
 
 隅っこにあった、大して大きく取り扱われてもいない記事。刺身のツマのように、ほかの記事に添えられていたその記事が妙に目についた。
 
 『未成年者失踪再び』
 
 どことなくその事件は自分たちと重なっているように思えた。
 この学園に集まっているのも未成年者だし、外の世界では今頃私たちも失踪者として同じように記事になっているかもしれない。
 
 でも、この記事と私たちとでは決定的ともいえる相違点がある。
 それは、この記事で失踪している人たちは全員その直前にある【闇サイト】とやらにアクセスした痕跡があるらしいのだ。
 インターネットの深層で、通常ではたどり着けないようなサイトのことをそういった呼び方をすると以前聞いたことがある。
 勿論私はそんなサイトにアクセスした覚えもないし、かかわったことすらない。
 
 ……流石に私たちとは関係なさそうかな。
 
 
 コトダマゲット!【新聞記事】
 〔未成年の連続失踪事件を取材した記事。全国的に発生している事件であり、犠牲となった人数も少なくない。失踪者の全員が直前に闇サイトにアクセスしていた痕跡がある〕
 
 
- 855 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:50:21.06 ID:aL/1oNSF0
-  ___ 
 _____
 _______
 
 
 キーンコーンカーンコーン……
 
 『ラストエリクサー病って知ってる? RPGとかで道中手に入る一品限りのアイテムを大事にしすぎるあまり最後まで使えないおまぬけさんのことを指した言葉なんだけどさ』
 
 『それって本当にもったいないことだよね! どうせゲームなんて一回やったらそれっきり、だったら一回のプレイで100%、いや300%は堪能しないと元が取れないと思わない?』
 
 『だからさ、オマエラにもそういう気分でいてもらいたいって思うんだよね。この学園にやってきて、せっかくコロシアイをしてるんだから……』
 
 『人生のラストエリクサー病にかかってもらって、真実を知ることなく無駄死にしてもらいたいんだよねー! ぶひゃひゃひゃひゃ!』
 
 『最後の戦いでも舞台は同じだよー! 裁判場ですべての決着つけちゃいましょうね! 学校エリア一階の赤い扉の向こう側に全員集合〜〜〜〜!』
 
 
 ________プツン
 
 
 大きく深呼吸した。
 ついに、その時が来てしまった。もう泣いても笑っても、生きても死んでも……これが最後。
 今モノクマが言った通り、この裁判で真実を解き明かさないことには、待っているのは……破滅。
 それもこれまでにない最低最悪の絶望的な破滅だ。
 
 ……毎回、裁判の前になると逃げだしたくなる気持ちだ。
 クロとシロとでお互いの命をかけて騙しあい、裏切りあい、暴きあう。
 自分の命を懸けていることもそうだけど、なにより仲間内で疑心暗鬼に陥らざるを得ないその状況が嫌だった。
 何度経験しても、胸からこみあげてくる胃酸のようなものが不快だった。
 
 でも、今回は違う。
 私たちは全員仲間で、モノクマという共通の敵に立ち向かう。黒幕が隠し続けた真実を暴くための戦いだから。
 
 もう逃げ出したいなんて弱音は吐かない。むしろ、今は戦いたい。戦って、勝って、証明したい。
 私たちの絆はそんな絶望なんかには引き裂けない、負けないんだとその鼻を明かしてやりたい。
 
 ピンチの時ほど笑ってみせろ。
 昔そんなことを言っていた人がいたような気がする。
 
 ……本当に、その通りだ。
 
- 856 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:52:40.21 ID:aL/1oNSF0
-  【エレベーターホール】 
 
 これから始まる戦いを前に、その表情がこわばるのは当然のことだった。
 口元には力がこもり、背筋も妙に張ってしまう。それは私だけではなく、その場に居合わせた全員がそうだった。
 
 
 愛依「すぅ…………はぁ…………」
 
 智代子「すぅ……………はぁ……………」
 
 摩美々「深呼吸はいいケド、あんまりやりすぎると逆効果だよー?」
 
 智代子「うぅ……そうはいっても心臓がバクバクうるさいんだよぉ……」
 
 雛菜「さすがに緊張しちゃうよね〜……これで全部決まっちゃうんだし〜」
 
 摩美々「まぁ、無理もないケドさぁ……」
 
 (呆れたふりをしているけど、摩美々さんの声もいつもみたいな余裕はなさそうだな……)
 
 モノクマ「お集まりですね!」
 
 灯織「モノクマ……」
 
 モノクマ「どうよ、オマエラ! めぐるさん殺しの真犯人とやらは見つかったのかな?」
 
 摩美々「……ノーコメント」
 
 モノクマ「学園の真実とやらはわかったのかな?」
 
 灯織「……ノーコメントです」
 
 モノクマ「うぷぷぷ……いいよいいよ、そんななれない真似しなくてもさ! 表情を見ればまるっとすりっとお見通しだからね!」
 
 
- 857 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:54:21.43 ID:aL/1oNSF0
-   
 正直なところ、そのどちらも現段階では明確な回答は持ち合わせてはいない。
 でも大丈夫、回答にたどり着くための証拠品……その道筋は見えているはずだ。
 あとはそれを繋いでいくだけ、この工程はこれまでの学級裁判でも何度もやってきた推理という工程。
 仲間と協力して成し遂げてきた工程だから、きっと今回も。
 
 
 灯織「モノクマ、その調子でいられるのも今のうちだけです」
 
 モノクマ「お、言うねぇ……まぁ楽しみにはしておくよ、結果がどうあれこれが文字通りの最後なんだからね。せいぜい楽しませてちょ!」
 
 雛菜「あは〜? むしろこっちのセリフだよね〜!」
 
 愛依「あはは、雛菜ちゃん頼もしすぎ〜!」
 
 
 私たちはエレベーターに乗り込む。
 
 黒幕に対する絶対的な憎しみをもって。
 真実への絶対的な渇望をもって。
 仲間たちへの絶対的な信頼をもって。
 
 
 勝利に対する絶対的な確信をもって。
 
 
 ____その一歩を、踏み出した。
 
- 858 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:56:10.80 ID:aL/1oNSF0
-  ------------------------------------------------- 
 【エレベーター】
 
 ゴウンゴウンと音を立てて下っていくエレベーター。
 ズッシリと響く低音が臓器を揺さぶるこの感覚にももう慣れてしまった。
 ただ慣れないのはこのエレベーターの中の空白。
 かつてぎゅうぎゅうに乗り込んでいたこの部屋も、もはやそれぞれが隅に立つのみ。
 随分と広くなってしまったものだ。
 
 この裁判が終わるころ、このエレベーターはどうなっているのだろう。
 同じ頭数でまた地上に上っていけるだろうか。二度と上がらないなんてことは起こりはしないだろうか。
 そんなどうしようもない思考が浮かんでは消え、浮かんでは消え。
 
 「……ねぇ」
 
 口を開いたのは誰だったか。
 エレベーターの轟音は不思議とその刹那に聞こえなくなり、やけに通った彼女の声だけが響いた。
 カクテルパーティ効果という奴だろうか、私の耳は自然と音を瞬時に取捨選択して、絶望ではなく希望を拾い上げたのである。
 
 「絶対、生きて帰ろうね」
 
 急激に代謝が激しくなるのを感じた。血液が循環し熱を帯びていき、鼓動が激しくなる。
 これは緊張とはまた別、鼓舞のためにおこった作用だ。
 「生きて帰る」それだけの言葉なのに、仲間の口から発せられた音として聞くとすさまじい効用を発揮した。
 
 「生きて帰ろう」
 
 そして、代謝はなにも私だけに起こったものではなかったらしい。
 また別のところからその声が上がった。そしてまたそれに呼応するように声が上がる。
 生還を誓う宣誓がそこら中から上がりだし、いつしか私も口を開いてその言葉を口にしていた。
 
 「生きて帰ろう」
 
 気づけばエレベーターの駆動音は大合唱にかき消され、
 
 チーン!
 
 あっという間にその終着駅にたどり着いた。
 
- 859 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:57:34.60 ID:aL/1oNSF0
-  ------------------------------------------------- 
 【地下裁判場】
 
 モノクマ「ようこそいらっしゃい! ここが天下分け目の関ケ原、希望と絶望の裁判場でございますよー!」
 
 智代子「なんかこれまた仰々しい内装……コンクリートが打ちっぱなしだよ……」
 
 雛菜「無機質な感じがなんだか冷たいね〜」
 
 灯織「大丈夫、こんな冷たさなんかに私たちの熱は負けないから」
 
 摩美々「ふふー、熱血プレイって感じかなぁ」
 
 愛依「絶対、生きて帰ろうね!」
 
 
 私たちはすぐにそれぞれの証言台へと立つ。
 
 
 ……この期に及んで体が震える自分が嫌いだ。
 不安を感じているのなんか自分だけじゃない、何を一人だけ被害者ぶっているんだ。
 摩美々さんも、愛依さんも、チョコも、雛菜も……みんなみんなこの不安と緊張とを必死に抑えて立ち向かっているというのに。
 
 でも、ここで体が震えなきゃ自分じゃないと思う。
 自分の命を危険にさらす、そのことに恐怖する気持ちが自分自身の生を証明している。
 その弱さを持っている自分だからこそ、皆さんとの間に絆を築くことができた。
 
 
- 860 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:58:17.91 ID:aL/1oNSF0
-   
 ……だから。
 
 パァンッ!
 
 自分の頬を両手でたたいた。
 気合を入れろ……歯を食いしばれ……!
 
 震えながらでも泣きながらでも、どれほど惨めになったっていい。
 それでも、進むことだけは絶対に止めちゃだめだ。皆さんとの間にあるこの絆を裏切るような真似だけはしちゃいけない……!
 
 私たちは絶対にこの裁判ですべての真実を暴き出す。
 そのうえで黒幕を引っ張り出して、思いのたけのダンガンをすべてぶつけて、思惑を正面からロンパしてやるんだ。
 その末にある勝利、希望の行く道、私たちの絆が目指す未来を絶対につかみ取って見せる……!
 
- 861 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 21:59:03.79 ID:aL/1oNSF0
-   
 
 
 
 
 この、最後の【学級裁判】で______!
 
 
 
 
 
 
 
 
- 862 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 22:02:21.21 ID:aL/1oNSF0
-   
 というわけで最終章・捜査パートはここまでになります。
 次回よりとうとう最後の学級裁判に移ります。
 めぐるの死、灯織のクロ判定の逆転に始まり、学園の真相を明らかにするまでの最後の戦いを描きます。
 どうかご期待ください。
 
 裁判が始まるに先立って購買購入パートを後でコピペしますので、次回更新までにメダルの使用先など書いていただけると次回反映してから再開いたします。
 今回は前回の裁判で獲得したスキルと合わせて使用量などお考え下さい。
 
 今週中に本SSは最後まで駆け抜けるつもりです、
 次回更新は10/4 21:00〜より、どうかよろしくお願いします。
 それではお疲れさまでした。
 
- 863 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/03(日) 22:05:05.38 ID:s5XIiYsw0
-  お疲れさまでした 
- 864 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/03(日) 22:09:39.89 ID:aL/1oNSF0
-  ------------------------------------------------- 
 【購買】
 
 灯織「さて……せっかくだし何か買っておこうかな?」
 
 -------------------------------------------------
 【自動販売機】
 
 【お役立ち品】
 
 ・ロボット掃除機 30枚…生活が豊かなものになるかも?
 ・283プロのタオル 30枚…裁判で有利に働くかも?
 ・サイリウムブレード 40枚…裁判で有利に働くかも?
 ・はじまりのメッセージカード 50枚…裁判で有利に働くかも?
 ・敏腕記者の名刺 60枚…交流がやりやすくなるかも?
 ・※アイドルコミュの鍵 60枚…新しい力が手に入るかも?
 
 -------------------------------------------------
 
 【現在のモノクマメダル枚数…138枚】
 
 【購入したい品物があれば次回までに書き込んでください、相談などもご自由にどうぞ】
 
 【複数購入可能なものは※がついています】
 
 
 ※前回裁判で習得したスキル
 【アップ・トゥ・ユー】
 〔学級裁判中任意のタイミングで発動可能。モノクマメダルを消費することで回答を導く。要求枚数は回数ごとに増加(5→10→15→...)〕
 
 
- 865 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 00:18:28.01 ID:E/p55OsC0
-  鍵とサイリウムとタオル辺りかな・・・? 
- 866 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/04(月) 17:55:59.03 ID:mxYXoMoI0
-   
 今晩の更新に備えて早めに購買の購入指定を確定させておこうと思います。
 特になにも無ければこのまま鍵とサイリウムとタオルを購入する形になりますがよろしいでしょうか。
 
 なお、鍵は追加で安価指定が必要になるアイテムですのでまた八時ごろにその安価も取らせていただきます。
- 867 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/04(月) 20:11:03.97 ID:mxYXoMoI0
-   
 【283プロのタオル・サイリウムブレード・アイドルコミュの鍵を手に入れました!】
 
 【283プロのタオル】
 〔ライブで流した汗は宝石の輝き。アイドルを応援する気持ちを吸ったタオルはそれだけ重くなる。反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+10される〕
 
 
 【サイリウムブレード】
 〔二つに折れば開戦の合図。アイドル各色の明かりは星々の輝き。反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+20される〕
 
 
 【アイドルコミュの鍵】
 〔あるかもしれなかった未来への分岐をこじ開ける不思議な鍵。アイドルを一人指定することで、そのアイドルから本来手に入るはずだったスキルを獲得できる〕
 
 
 灯織「ふぅ……結構色々買っちゃったな。これで裁判がうまくいけばいいけど……」
 
 
 【アイドルコミュの鍵の使用先の指定に移ります】
 
 【これまでで親愛度がマックスになっていないアイドルを指定することでスキルを獲得できます】
 
 
 真乃・めぐる・霧子・咲耶・智代子・樹里・凛世・甜花・甘奈・愛依・透・円香から一人選んで指定
 
- 868 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2021/10/04(月) 20:47:48.75 ID:E/p55OsC0
-  円香 
- 869 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/04(月) 21:00:37.62 ID:mxYXoMoI0
-  円香選択 
 
 【アイドルコミュの鍵が光り輝く……!】
 
 【樋口円香の閉ざされたロックが解放されたようだ……】
 
 -------------------------------------------------
 
 【アイテム:髪留めを手に入れました!】
 〔円香にもらった髪留め。飾りっ気のないシンプルなデザイン、それ以上のものは必要ないでしょ?〕
 
 【スキル:ギンコ・ビローバを習得しました!】
 〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕
 
 
- 870 : ◆zbOQ645F4s [saga]:2021/10/04(月) 21:03:50.15 ID:mxYXoMoI0
-  【スキル】 
 
 【意地っ張りサンセット】
 〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕
 
 【摩的・アンチテーゼ】
 〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕
 
 【スキル:ギンコ・ビローバを習得しました!】
 〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕
 
 【アイテム】
 
 【283プロのタオル】
 〔ライブで流した汗は宝石の輝き。アイドルを応援する気持ちを吸ったタオルはそれだけ重くなる。反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+10される〕
 
 【サイリウムブレード】
 〔二つに折れば開戦の合図。アイドル各色の明かりは星々の輝き。反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+20される〕
 
 
 以上合算して今後コンマ判定では+70されます……なんだこのインフレ
 それではコトダマの羅列より裁判開始いたします。
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