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【艦これ】龍田「私とあの人と……愛宕と高雄、とその他」

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657 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/29(木) 21:50:27.55 ID:rMFmKRr80

< 終わり良ければ云々 >







雲龍「大体唇に触れただけでしょう? 」

江風「舌を絡ませられて吸われて口腔を舐られるのは触れただけに入るンですかね」

雲龍「せめてあなたの心に土足で入り込もうとしてから非難してほしいわ」

江風「もうそれ強姦魔とかいうレベルじゃねーじゃン」

雲龍「だってそこまで入り込める相手なら落とす自信があるもの。
惚れさせれば過程なんてどうでもいいじゃない」

江風「なンつー犯罪者思考。……まぁ、テートク見てるとマジでそうなンだろーなとは思うけど」
658 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/29(木) 21:51:51.39 ID:rMFmKRr80

< ふと冷静になることってあるよね >







漣「……………………」

提督「うん? 」

漣「…………………………………………」

提督「…………なんだ? 」

叢雲「……もう一生まともな意味での大学生活なんて送れないんだー……とか言って落ち込み始めたわ」

提督「???? 言いたかないけど当たり前じゃん? アホなの? 」

漣「」

叢雲「おいこら」

提督「???? 」
659 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/29(木) 21:52:53.64 ID:rMFmKRr80

< 渇望のズレ >







提督「何のアニメを観て感化されたんだか知らねぇが」

漣「…………」

提督「凡百のキャンパスライフとむーちゃんとのムームーライフどっちが重要? 」

漣「…………ムームーライフ」

提督「だろ? 」

叢雲「ムームーライフって何よ馬鹿じゃないの。
……ふふ、ふわふわ髪の可愛い小柄な彼女欲しくないの? 」

提督「え、いや別に」

漣「…………ほしいよぉ」

提督「???? 」
660 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/29(木) 21:58:23.04 ID:rMFmKRr80

< 飲んでいれば優しいということも無いけれど >






提督「え、いやまぁ俺も実際は欲しかったよ?
海兵という名の牢獄はキャンパスライフとかいうのとは別物だろうし」

漣「これだから持てるものは……」

提督「んなこと言われてもなぁ」

叢雲「禍福が足し算で表せるならあんたに幸せなキャンパスライフ与えるのなんて腹が立ちそうね」

提督「世の中の皆様に申し訳無くなるね。幸せ過ぎて」

叢雲「ま、私も漣も割とこちら側だと思うけど」

漣「そりゃまぁ大概の幸せはお金で買えますからなぁ……でもそうじゃなくてね?
ムームーライフとはまた別の自分がね? 」

提督「言いたいことは分からんでもないけどお前思春期でも迎えちゃったわけ? 」

叢雲「寧ろもう後戻りできない中年とかじゃないの?
駆逐艦漣は九十歳以上の老婆だから遅過ぎるかもしれないけど」

提督「なるほど」

漣「はいはい。……お酒飲んでないと嫌なところでドライなんだよなぁこの二人」
661 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/29(木) 21:59:27.63 ID:rMFmKRr80

< 見せびらかす趣味は無いが >







愛宕「え、いや普通に彼氏とか夫はアクセサリーだと思うけど」

高雄「そうね」

愛宕「私たちの場合単に好きになった男が大分凄いアクセサリーだっただけね」

高雄「その代わり至極のクズであっただけ、みたいな」

愛宕「そうね、みたいな? 」

叢雲「なるほど」

提督「…………」

葛城「そこで黙ってるから提督は提督なんだろうなー、って。良い意味でも悪い意味でも」
662 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/29(木) 22:01:30.93 ID:rMFmKRr80

< そもそも卒業資格が無い気がする >







提督「頭カラッポおっぱいアニメねぇ……」

漣「敢えて見せて差し上げたんすよ、ご主人様が大好きなクソ映画観させられた腹いせですけど。
……ご主人様ならたぶんどうやって自分好みの中二仕様にするか考えながら観てたんでしょ? 」

提督「まぁね。……でもそんなの関係無く一番強く思ったことあるんだけど、いい? 」

漣「はい? 」

提督「女子校なり男子校なりに性別偽って入学するのはまぁなんとかなるだろうさ。
本気でやろうと思えば俺がお前を今すぐ幼稚園生にすることも余裕なんだから」

漣「お、おう……」

提督「その後、どうすんだろうな。
名門女子校でヒロインと出会って結ばれて、その後って幸せになれそう……? 」

漣「え、えーと……うーん……? 」
663 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/29(木) 22:04:48.56 ID:rMFmKRr80

< ようはZ級映画を観るのとあまり違いは無い >







提督「仮に卒業しても進学なり就職なりのとき女としてやんなきゃいけないんだぜ?
履歴書に女子校の名前書く男がどこにいるよ」

漣「や、まぁ確かにそうなんですけど」

提督「やっぱ頭カラッポアニメってことはギャグ時空でなんとかすんのかな? 」

漣「そうじゃねぇです? 」

提督「そっかぁ……」

漣「……」

提督「……」

漣「…………」

提督「…………あれ、なんかこういうの観て喋るの楽しい気がしてきたぞ」

漣「あ、そう……制作者も数少ないファンもそんな楽しみ方想定してないでしょうねぇ……」
664 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/29(木) 22:06:10.62 ID:rMFmKRr80

< 雑談薮からこんにちは >







提督「や……僕女の子に火点けてもらうのあんまり好きじゃないんで」

叢雲「点けさせられた記憶大分あるんだけど」

Littorio「体だけはお願いの体ですけどね」

高雄「仕方無いな、という顔と仕草で点けてほしいわけですよ。
そういう顔にさせる遊びが好きなんです」

叢雲「なるほど」

Littorio「困ったものですね」

高雄「ええ、とても」

提督「あのさ……」
665 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/29(木) 22:06:37.99 ID:rMFmKRr80

ありがとうございました
666 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/29(木) 22:07:54.03 ID:Nol7DTCT0
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/29(木) 23:18:18.08 ID:+xYIuOzr0
668 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:04:11.37 ID:eSSwpG/Z0

< 自分さえ信じられない >







提督「朝からお勤めと朝までお勤めは全然違うんだが……」

天城「連結できる状況なら全て同じでは? 」

提督「かもね。…………あのさぁ」

明石「…………Zzz」

扶桑「…………Zzz」

提督「…………これ、どういう流れだっけ? 」

天城「さぁ……? 」
669 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:07:07.00 ID:eSSwpG/Z0

< 謎は深まるばかり >






天城「まぁ、でも……ほら、二十七日って叢雲さんの誕生日だったでしょう? 」

提督「プレゼントは渡したしくっだらない言葉遊びもしたしなんなら酒も一緒に飲んだんだけど」

天城「それでも何故か中華事件に上書きされてしまったじゃないですか」

提督「それは俺の意図するところじゃない」

天城「それを叢雲さんが斟酌する理由なんて無い

提督「けど

天城「無い、けど、違いますよね? という流れでこの三人になったのです」

提督「ん、んん……? 」
670 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:09:23.17 ID:eSSwpG/Z0

< 迷宮海入り >






叢雲「はぁ? 別に今更あんたが誰と寝ようがどうでもいいわよ馬ッ鹿じゃないの」

提督「そうだよな。いや、そうだよなとか言うのは終わってると思うが」

叢雲「本当そうね。……天城だけ起きていて扶桑と明石が熟睡している」

提督「あぁ」

叢雲「……」

提督「……」

叢雲「…………」

提督「…………」

叢雲「…………降参。それ何の謎かけ? 」

提督「ち、ちがっ」
671 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:12:20.01 ID:eSSwpG/Z0

< 鳩豆式日常 >







加賀「…………オプションがどうたらなんていう戯言は真面目に拒否しておくべきだったわ」

雲龍「ん…………そう? 」

加賀「さすがにベッドに座っていてくださいなんて言われてね、
巫女服のコスプレで出てこられるとは思わなかった」

雲龍「可愛らしくも全体的には凛としていたでしょう? 」

加賀「……否定はしないけれど」

雲龍「それともサンタの方がよかったですか? 」

加賀「季節感を考えなさい。真面目に考えられても困るけれど」

雲龍「じゃあ、浮ついてお酒に犯された頭で考える私にしてほしいコスって? 」

加賀「セーラー服 」

雲龍「あぁ、そうセー……はい? 」

加賀「ふふ……何か、問題があって? 」
672 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:14:03.23 ID:eSSwpG/Z0

< 謎はもう全てぶん投げて >







提督「ハンドポニテ……そういうのもあるのか」

愛宕「うん? 」

提督「手でこう、ポニテつくる前みたいな感じにしてこっち横目で見て? 」

愛宕「いやに具体的な注文ねぇ……ん? 」

提督「おおう……中々いいなこれ」

愛宕「あ、そう」

提督「うんうん、実に良い。良いなぁ」

愛宕「そうなの」

提督「そうなの。……あゝ……」

愛宕「うぅん……? 髪ゴムでも咥えてみましょうか? 」
673 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:18:15.08 ID:eSSwpG/Z0

< それすら遊びではあるのだけれど、けれど >






加賀「別に下に見ているわけではなくてね、それでも私にとってあなたって後輩なの」

雲龍「は、はぁ」

加賀「同じくらいの立脚点があって、それでも年経た分だけ私の方が名目上は上で。
だけど、そんな立場の違い夜露に濡れて遊べるときだけにしか使わないくらいの仲でありたい」

雲龍「……」

加賀「だから、同じ衣装を着ているのに明確に格差がある状況を擬似的につくって全部忘れたいのかもしれないわ」

雲龍「加賀さん……」

加賀「……」

雲龍「……」

加賀「…………」

雲龍「…………」

加賀「…………」

雲龍「…………あの、大分惹かれましたし嘘だとは思いませんけれどね、
たぶんさん付けで呼ばれたくないって話の延長線にある話でしょうそれ」

加賀「…………チッ……」
674 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:19:20.66 ID:eSSwpG/Z0

< 顎クイのメインは身長差だと思うなって >







提督「顎クイ」

愛宕「そう、顎クイ」

提督「……そう」

愛宕「そうなの」

提督「…………」

愛宕「…………うん? 」

提督「…………流れも無く、しかも構えられての顎クイって、恥ずくない? 」

愛宕「私は別に」

提督「そりゃあまぁそうでしょうけどねぇ……」
675 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:21:37.12 ID:eSSwpG/Z0

< もう少し気持ちが無いやつならすぐにでもできるのですが >







提督「まぁ、別に吝かではございませんが……うーん」

愛宕「顎ってね? 生物的には急所にあたるの。
そこに触れても拒まれないって深い信頼の証なのよ? 」

提督「単にパーソナルスペース入ってるだけなんじゃねぇかな……や、どうでもいいんだけど」

愛宕「どうでもいいなら、して? 」

提督「ん……ん…………うぅん……」

愛宕「雰囲気作りそんなに下手な方だった? 」

提督「そういうつもりは無ぇけど……あのね」

愛宕「うん? 」

提督「自撮り棒片手にそれはちょっと無いと思うよ。俺芸能人とかじゃねぇんだから」

愛宕「あ、っは……」
676 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:23:35.64 ID:eSSwpG/Z0

< そんな記憶 >








提督『叢雲のつくる飯やっぱ美味しいよ。愛情が溢れてるからかな? 』

叢雲『はいはいたっぷりたっぷり。……悪いけど私、愛情で料理が美味しくなるなんて有り得ないと思ってるから』

提督『ふぅん? 』

叢雲『なによ』

提督『いーえー? 』

叢雲『……』

提督『ま、美味いけど』

叢雲『…………愛情で美味しくなるっていうのが正しいのならね、
それはきっと食べる側の調味料なのよ』

提督『あん? 』

叢雲『そこらの店で食べた治部煮と、例えば愛宕がつくった治部煮、どっちが美味しいと感じるのかくらい私にも分かる。
けど、それってあんたの感情じゃない? 違う? 』

提督『かもね。……好きでいていいの? 』

叢雲『好きでいなさいよ。…………私、自分が気に入った相手に好かれてないなんてこと許容できる程強くないんだから』
677 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:25:08.90 ID:eSSwpG/Z0

< で、思ったんだけど >






提督「愛宕といえば治部煮なのか」

叢雲「あんたあの女の治部煮好きじゃない」

提督「まぁ、好きだけど……そもそも治部煮が好きだぞ」

叢雲「最近あんたの所為で治部煮顔に見えてきてんのよ。鰹のたたき顔でもいいわ」

提督「あ、そう……すまん、あーちゃん」
678 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/09/30(金) 22:25:38.29 ID:eSSwpG/Z0

ありがとうございました
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/09/30(金) 23:02:17.18 ID:vlMmkWQw0
680 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/01(土) 23:32:07.82 ID:u+7IPzjo0

< ※ 素面です >







雲龍「新しくも古くもないものが実は一番落ち着くものなの」

天城「また今度は何を唐突に」

雲龍「新しいものを買えば少しくらいはテンションが上がるものだし、
古いものは古いものでなんとなく有り難みだとかが湧いてくるものだけれど、まやかしなの」

天城「はぁ」

雲龍「気心の知れた愛する女よりも、今さっき抱いた娼婦よりもそう、何とは無しに摘めるメスを男は好むものなの」

天城「随分と都合の良いものですね」

雲龍「それが私の生きる道だから」

天城「はぁ。……もう少し冗談という逃げ道を照らしてほしいものですけれど」
681 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/01(土) 23:35:53.87 ID:u+7IPzjo0

< 特にマニュアルを逸脱しているわけではありません >







時雨「いや、まぁ、なんていうかな、僕も普通に会話を続けるつもりだったんだよ。
取り敢えず大人は偉大だし親っていうものは大切だし社会っていうものは大きくて大事な指標だとかそれっぽいこと言ってさ」

あきつ丸「それを語ってなおそんなものにはなんの意味も無いと続けるつもりだったのだろうが」

時雨「んなわけ無いでしょ。新人へのありがたーい薫陶だよ? 」

あきつ丸「自分で言うのもなんだがお前は龍田の系譜だろうが。
そんなやつに信用など置けないであります」

時雨「失礼な」

鈴谷「…………ガチ泣きしてるけどその新人さんに何言ったの?
……あと、あきつちゃんも楽しそうな顔するの、やめたら? 」
682 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/01(土) 23:37:57.80 ID:u+7IPzjo0

< 断然米派ですが何か? >







提督「ハンバーグは米だろ巫山戯んな」

加賀「やれやれ……ブラウンシチューなのだからパンが相方と決まり切っていると思ったのだけれど」

提督「有り得んわ……有り得んよ加賀くん」

加賀「有り得ないのはあなたの方ね」

提督「んぎぎぎぎ……」

加賀「…………ハンッ」

赤城「取り敢えずどちらも確保している加賀さんに何か言えることなんて無いと思いますけれど……」
683 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/01(土) 23:40:17.77 ID:u+7IPzjo0

< それでも普通は多い >







赤城「取り敢えず何か言われる前に先に言っておきますけど私はお米しか用意していませんよ」

能代「はい、三杯目どうぞ。…………どっちも楽しんで一杯と一切れの方がまだマシかなぁと思いますけど」
684 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/01(土) 23:41:19.31 ID:u+7IPzjo0

< 流転の先 >








提督「いや、もうマジで巫山戯んな、おにぎりは厳然たる料理だろうが」

加賀「本当にその通りね。おにぎりが料理ではないなんてこの世の天地がひっくり返っても有り得ないわ」

提督「だよな? あぁ、そうだ、お前は間抜けだ、馬鹿だ、クズだ」

江風「なンなのこの言われよう……」
685 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/01(土) 23:45:04.74 ID:u+7IPzjo0

< 何だ何を撮った >








雲龍「む……うん? 」

提督「うん? 」

雲龍「これ、何に見える? 」

提督「何って……もう少し寄せろ、うん……うん? 」

雲龍「…………」

提督「…………」

雲龍「…………」

提督「…………所構わず空気読まねぇで写真撮るのやめたら? 」

雲龍「そうね……」
686 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/01(土) 23:47:08.97 ID:u+7IPzjo0

< スライドトーク >







葛城「いやいやいや……サラッと流すな馬鹿二人。スマホ二人で覗いてイチャイチャすんな」

提督「はぁ」

雲龍「はぁ」

葛城「貴様ら実は兄妹か何かか息ピッタリだなもう」

雲龍「天城を媒介して兄妹ではあるかもしれないわね」

提督「それ従兄弟の類いじゃねぇの」

雲龍「そうかも」

葛城「はいはい。……で? 馬鹿の姉は何撮っちゃったのさもう……戯言で流せないことの方が世の中割と多いんだよ? 」
687 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/01(土) 23:49:53.40 ID:u+7IPzjo0

< 眺め見て >







提督「え、普通に軍機です」

雲龍「上官に従います」

葛城「あ、そう……いや、普通に今それPCに接続して……あぁもうスタンドアローンとかそういう常識的なツッコミ要らんからもうーーーー






阿賀野「苦労人ってああいうのを言うの? 」

能代「あれは戯れてるだか遊んでるだかなだけでしょ。
苦労人っていうのはね、阿賀野姉ぇ、能代みたいな可哀想な子を言うんだよ」

阿賀野「ん、んん……? 」
688 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/01(土) 23:53:43.35 ID:u+7IPzjo0

< 手を出しても溺れない自信があればまぁ楽しいのかなって >








提督「ハニトラってどうなんだろうな」

高雄「どう、とは? 」

提督「や、どういうところまで許されるんだろうねって。
勿論双方の立場と目的にもよるんだろうけど」

高雄「はぁ」

提督「クソみたいな世の中を惰性で生きてる、
みたいな内心の奴ならいっとき溺れて楽しんでもいい、そんなレベルまではいけるのかなー、って」

高雄「最後まではあまり許さないのでは?
褥を共にしないという意味ではなくその先を想像させ掻き立てるという意味で。
仕掛ける側が自分を可愛く思うというのではなく、
餌は常に目の前でぶら下げているのが最も効果的なのです」

提督「人参作戦だな。……でも」

高雄「? 」

提督「分かった上でギリギリの火遊び楽しませてくれるって素晴らしい気がするんだよな。
女の子は必死にライン見極めて頑張ってるのにこっちはライン動かして色々引き出すの」

高雄「男として最低ですね。…………あなたの方が余程トラップを仕掛ける側に聞こえますし」
689 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/01(土) 23:54:10.96 ID:u+7IPzjo0

ありがとうございました
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/01(土) 23:59:43.71 ID:6CET4MKx0
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/02(日) 00:40:42.07 ID:0/JIy+aC0
乙です
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/02(日) 01:51:34.51 ID:UhZG60wk0
乙です
693 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:30:30.76 ID:JaN/qbEy0

< お遊びと駆け引きの延長戦かつ交叉点 >







雲龍「今日……」

天城「はい? また頭のおかしいことでも言い

雲龍「今日、ステーキが食べたいわ。血の滴るやつ」

天城「……………………」






提督「いや、こえーよ……自分で滅茶苦茶心砕いて材料から色々用意して……分かったよあいつもお前も連れてってやるよ」

天城「ありがとうございます」

葛城「血涙流しそうな美人って怖いんだなーって……こんなくだらない理由で見たくなかったけど」
694 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:34:59.11 ID:JaN/qbEy0

< それは当事者しか知らない >






葛城「まぁ、でもあの辺りの察しの良さというかバランスの取り方気持ち悪いくらい上手いよね」

能代「お互いがギリギリ許せる範囲というかラインを見極めた上で知らない振りをするところですか? 」

葛城「うん。雲龍姉ぇって大概自分勝手だけど誰かの心踏み躙って大丈夫なタイプではないから。
天城姉ぇは何やらかしたんだろうね」

能代「さぁ」

葛城「ま、知らなくてもいいんだけど。……それ、その蕪は水に浸しといて」

能代「はい」

葛城「……」

能代「……」

葛城「……」

能代「……」

葛城「…………や、でも雲龍姉ぇが天城姉ぇの心踏み付けてでも二人であの人に連れてってもらうって何よ。
これ分かったら女として終わる気がするけど女としては知りたい」

能代「知らない方がまだ普通であれると思いますけど……」
695 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:36:49.30 ID:JaN/qbEy0

< だとして得られたものと得られなかったものと >







提督「で、なんで俺は姉妹引き連れて風呂入りに来てんだ? 」

雲龍「さっきのステーキ、美味しかったわ」

天城「付け合わせもよく考えられたものでした」

提督「そうだね。……ねぇ、なんで」

雲龍「愛故に? 」

提督「そりゃまぁ俺の最終的な心情考えればそこに行き着くんだろうけども」

天城「では愛故にで」

提督「そっか。…………なら肉食えばそれで終わりな、って言える男の方が幸せだったのかなぁ」
696 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:37:55.44 ID:JaN/qbEy0

< 予定的な筒抜け >







明石「で、結局最後はどこ行ったんですあの三人。突発的にも程があるお忍びですけど」

愛宕「どこぞの温泉旅館みたいね」

高雄「高級将校やってるメリットは良い店を沢山知れることといきなりの電話で予約を入れられることらしいですよ」

明石「は、はぁ」

愛宕「これで初めて浴衣でお酒注いだり障子に影つくれるって喜んでたわ」

明石「意味分かんな……」
697 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:38:34.49 ID:JaN/qbEy0

< 非日常感と言える >







明石「まぁ、でも……温泉の浴衣ってなんかいいですね」

高雄「別に普通ですよ。物によってはバスローブと然程気分も変わりません」

愛宕「帯があるか本体にくっついてるかの違いくらいよね」

高雄「寧ろ和に寄っている分だけ目の色が強調されて嫌い。
まだバスローブの方がマシな気分になれる」

愛宕「さすが自前のバスローブが部屋に三着もあるヒトは言うことが違うわねぇ〜」

高雄「それくらいあなたもあるでしょう? 」

明石「やー……えぇ……? 」
698 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:39:07.91 ID:JaN/qbEy0

< 否応無しに >








明石「つーかいつでも話の中心ですね雲龍さん」

愛宕「雲龍だから……」

高雄「雲龍さんですからね……」

明石「まぁ……」

葛城「万感……仕方無い、とも言えないようなというか言いたくないというか……うぅん? 」
699 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:39:51.19 ID:JaN/qbEy0

< 複雑なオトメゴコロ >







雲龍「あら……」

提督「大人しくLサイズ着とけ。浴衣なんだから足さえ見えなきゃ緩くても帯がある」

雲龍「んん……」

提督「んだよ」

雲龍「いえ……不覚にも思い付いてしまったのだけれど」

提督「? 」

雲龍「結構な量の罵倒は許容範囲でも“ デカ女 ”はNGみたい」

提督「はぁ……? 」
700 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:43:56.71 ID:JaN/qbEy0

< 公序良俗の敵 >






雲龍「まぁ、考察してみるにあなたのガタイでヤられたい願望が強い、ということではある気がするわ」

提督「んー……抑え付けられたいとか潰されたいとかそういうあれの延長線? 」

雲龍「たぶん。あなたより私の身体が大きければ、それで愛とプレイが今とは違っていたのなら寧ろ丈の足りない浴衣を見せ付けたかも」

提督「あ、そう……でも雲龍ちゃん」

雲龍「なぁに、__くん」

提督「たぶんそれ、女の子としては普遍的で深い意味なんて無い感情じゃねぇかな。
差別感情じゃなく女の子って大きい男に何某かの好悪の感情抱えると思うよ」

雲龍「そうね。…………ふふ、それはそうとして谷間開いて歩いてもいい? 」

提督「許可すると思ってんのかよ……」
701 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:44:43.82 ID:JaN/qbEy0

< 埋め合わせはまたいつか >







葛城「で、天城姉ぇが色々考えて用意した食材で料理させられる私は何なの」

加賀「さぁ? でもあなたの手になるものもあの子と違った味で美味しいわ」

葛城「はいはい」

赤城「三人で泊まりかつ食材放置の当番代わりってなると愛宕さんたちは誰も厨房に立ちたがりませんしねぇ。
あ、勿論私も葛城さんのお料理、好きです」

葛城「そりゃどーも。……マジで不可解かつ不愉快なんだけど何これ」
702 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:45:46.68 ID:JaN/qbEy0

< 怪異か何かかな? >







江風「ン……ン? 」

海風「あぁ、ごめん手滑ってレンチ落としちゃった」

江風「ン、気ィ付けろよ」

海風「うん。……艤装の力なのか知らないけど私たちって海の上で転倒しても沈まないじゃん」

江風「うン」

海風「でも足踏み抜こうと思えば特に何もしなくても海面貫通できるじゃん」

江風「うン」

海風「逆にあれ海中側の方でピッタリ張り付いたりできないのかな。
波に身体ピッタリ張り付く感じで」

江風「知らないけど……それ、したいか? 」

海風「出力が艤装発現させてるときのままなら物凄いスピードでサーフボードみたいになれるなって」

江風「う、うぅン……? 姉貴、飲ンでる……? 」
703 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:46:48.32 ID:JaN/qbEy0

< 誰がやりたがるかは置いておいて >







江風「つーかそれ泳ぎじゃ駄目なのか? 艤装出して身体機能異常励起したらオリンピックなンて鼻で笑えるじゃン」

海風「でも艤装の力で海上走る方が早いでしょ? だって船と同じ速度なんだから」

江風「まぁ、そうだけど……うーン」

涼風「それさ、つまり潜水艦組が滅茶苦茶海面近いとこ進んでるあれと同じじゃないの? 」

海風「あぁ、確かに。じゃあ、それに特化してる潜水艦組じゃないとできないのかなやっぱり」

涼風「じゃない? どんな線引きがあって誰が決めたのか知らないけどあたいたち割と艦種ごとみたいな制約課されてるし」

江風「なるほどなぁ」






明石「え? 普通に、って感じではないですけどできると思いますよ。
潜水艦組が本当に特化してるのは海中で呼吸も排泄も不要にできるとこですし」

海風「つまり決死の状態で意志さえ持ってればできなくはないんだね、高速サーフボード」

江風「えぇ……」
704 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:48:12.45 ID:JaN/qbEy0

< 日常的非日常 >







加賀「でもあれかなり苦しいわよ。できることならやりたくないわ」

江風「なンで経験者がいるンだよ……」

加賀「敵拠点からなるべく視認されないように逃げる必要があったの。
時々苦しくなって波間から顔を出していたけれど三十分くらいはしていたと思うわ、海中サーフボード」

涼風「あぁ、そっか。体内物質を生存特化させてしまえば海中からでも酸素くらいどうにかできるって理屈か」

加賀「私はそう聞いたわ。やってやれるものではないって言われていたけれど何とかなるものね」

海風「ふぅん……加賀さんも大概計画より勢いですよね」

加賀「勢いで抱かれるよりは楽だと思うわ、色々と」

海風「ん……ん…………うん、そうかも、しれませんね」

加賀「ええ」

涼風「何に納得してんですかねおねーちゃん様は」

江風「でも変な安心感はあるよこの流れ。……姉貴が雲龍さンみたいになっても困るけど」
705 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/05(水) 22:48:38.68 ID:JaN/qbEy0

ありがとうございました
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/06(木) 00:01:05.69 ID:P7nb2pbr0
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/06(木) 00:02:30.12 ID:6NXehBT80
乙です
708 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:35:08.99 ID:xr0KfOnY0

< 節制の果てにあるものなどよりも >








能代「よくよく考えてみると冗談みたいな大きさですよね」

雲龍「ん……? 」

能代「それ、雲龍さんのそれです」

雲龍「あぁ……でも乳肉って萎むのよね、加齢で」

能代「そんなこと考えたくないサイズですね」

雲龍「実際どうなるのかとは思うわ。勿論人間の女として老いて死にたいって願望はそれなりにはあるわけだけど」

能代「切り落とします? 」

雲龍「ことと次第によっては? まぁ、たぶん私歳取っても綺麗だし均整は割と維持している方だと思うけど」

能代「分かりませんよ。このままの暴飲を続けていたら」

雲龍「そうね。まぁ、そのときはそのときよ。
女の哀切もきっと楽しめる」

能代「はぁ」






提督「…………」

高雄「? 」

提督「や、俺がいると思ってないからなんだろうけど……淡々としてる女の子って怖いなぁ、って」
709 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:36:20.25 ID:xr0KfOnY0

< 本心を隠す体に見えるようにけれど敢えて隙を残すあざとさを意識しつつ…… >







提督「? ……なんで君ブラウスなんて着てんの? 」

雲龍「? 着たいから? 」

提督「あ、そう……ランジェ浮いてるけど当然のように意図してんだろうなお前」

雲龍「そんなわけ無いじゃない。これでも女としての矜持と見栄は最低限あるのよ。
それはそれとして舐めるように見ていいけど」

天城「……はぁ」

葛城「……嘘だけは吐かない姉上殿って素晴らしいなぁ……」

提督「???? 」
710 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:36:55.27 ID:xr0KfOnY0

< 無い用は無いという内容 >







提督「その胸元の抑え方無駄にエロいなおい。
……水色のランジェでそんなシンプルなワンポイントのあんのか」

雲龍「世の中の女用下着を把握した気になってる男って普通にキモいと思うわ」

天城「そうですね。……でもこれ、すっごい可愛いんですよ」

葛城「だねぇ。私も同じデザインの欲しいくらい」

提督「ほーん……? 」

雲龍「まぁ、無いけど」

葛城「クソガッ……」

天城「はぁ……」

提督「ほ、ほーん……」
711 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:37:34.17 ID:xr0KfOnY0

< どんな日だっていつも通りに >








雲龍「ツインテ兎狩りバックは当然大好きなのだけれど」

提督「君は意味の分からない単語を口走るのが上手いね」

雲龍「それ程でも。……ポニテを片手で掴まれてもう片方の手を腰に置かれるのは何と言えば? 」

提督「知らねぇよそんなの……」
712 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:38:05.23 ID:xr0KfOnY0

< ヒトゴロシ、と読むのです >







Littorio「“ 人間殺しバック ”? 」

雲龍「随分エッジが効いている気もするけど割と好きだわ、採用」

Littorio「実際あれって人間にしかできないでしょう? 」

雲龍「えーと……あぁ、そうね。私たちに男はいないから」

Littorio「ええ。よかったですね、特別な男で」

提督「なんなの君ら……」
713 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:41:17.02 ID:xr0KfOnY0

< 戯事 >






雲龍「まぁ、そんなことはどうでもいいのよ。……ちゃんといつも通りに仕上げておいたから、あれ」

天城「それはどうも。どこに感謝すればいいのかは分かりませんが」

Littorio「変に浮ついてデートに行くあの男なんて嫌でしょう? 」

天城「天城程度と外へ遊びに行くだけで浮つくとは思えませんが」

雲龍「そう…………馬鹿ね」

Littorio「そうですね」

天城「そうですか。…………だって、馬鹿じゃありませんか。
精一杯お粧しして、天城を一番には見てくれない男と遊びに行くなんて」
714 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:47:47.13 ID:xr0KfOnY0

< 妹として女としてあなたのモノとして >






雲龍「あら、じゃあ代わってくれる? 」

Littorio「Littorioでも構いませんよ」

天城「絶対嫌です。何があろうと今日は天城だけ、天城だけの日にするんですから」

雲龍「……そ」

Littorio「いってらっしゃい。あの人はきっと愛車にもたれ掛かって変に気取って待っていますから」

天城「でしょうね。…………姉様」

雲龍「? 」

天城「プレゼント、ありがとうございました。これ、着けていきますね」

雲龍「ん……」





Littorio「ふふ……洒落た耳飾りですね」

雲龍「天城が着こなせるだけよ。耳に着けるものを着こなすっていうのかは知らないけど」

Littorio「そうですね。…………嗚呼、Littorioがあの人と出掛けるときあんな顔をできているのなら、Littorioは十分以上に幸せなのでしょう」
715 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:49:31.33 ID:xr0KfOnY0

< ただただ本音を語っているように見える >








愛宕「まぁ……性欲処理って普通に大事なことだとは思うけど」

高雄「それを上手く隠すのが社会的動物では」

愛宕「そうねぇ……」

海風「寂しいと思う感情を処理できる一番簡単な作業ですものね」

愛宕「無駄に詩的ね」

高雄「作業、はちょっと詩的とは言えないのでは」

海風「では錯覚で」

高雄「マシになったかしら」

愛宕「そうね」







江風「やっぱおかしいよ皆」

雲龍「そうよね」

江風「うン。……雲龍さンに言われるが一番納得いかないけど」
716 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:54:31.90 ID:xr0KfOnY0

< そういうヒトたち >






海風「うん? でも、っていうことは高雄さん」

高雄「? 」

海風「高雄さんは私たちのことを社会的動物だと? 」

高雄「広義に言えば社会を構築してその中で生きる生命体は全て社会的動物なの。
自分のことを人間だとは思わないけれどこんな身勝手な思考する存在をAIだとも思えないし」

海風「なるほど? 」

明石「まぁ、群社会を形成する絶対的ボスを頂点とする強者の独裁もその範疇なんですが」

阿賀野「アリストテレスが説いた人間の定義から言うとちょっと逸脱する気もするけどね。
ほら、例の“ ポリス的動物 ”ってやつのことだけど」

愛宕「はいはい。……結局こうやって酔って自分勝手喋っているときが一番人間と見分け付かないのよね、私たちって」
717 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:57:45.40 ID:xr0KfOnY0

< また、新しいフィナーレを >







提督「おっぱいのしっとり感に勝てる男なんてこの世にいないんですが」

天城「が、じゃないんですが……なんなんですこれ」

提督「これ? 仰向けに天城の背中味わいつつおっぱいの肌感も味わってるの」

天城「ん……っ…………馬っ、鹿じゃないですか」

提督「うん。……………………なぁ、天城」

天城「…………なんです」

提督「謝んないけどさ」

天城「…………」

提督「…………うん、来年もこうやってさせてくれる? 」

天城「莫迦。……………………こうやって、逃げられないようにしたくせに」
718 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/15(土) 22:58:12.30 ID:xr0KfOnY0

ありがとうございました
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2022/10/15(土) 23:43:28.51 ID:qKyPjAjRO
乙です
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/16(日) 00:05:29.48 ID:HZ6sJPAa0
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/16(日) 06:27:36.12 ID:PFTsSXxqo
お疲れ様です
722 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:43:32.92 ID:Q+GfNp670

< 色んな意味で唯一無二のパートナー >






愛宕「ふぁ……あなたたち救世主か何か? 」

Roma「は? 」

愛宕「私はいなかったけど朝から二人でお味噌汁とご飯とシンプルな付け合わせ用意したんでしょう?
お昼にはパエリアとスープってカミサマなのかなって」

涼月「私にRomaさん以上の存在なんていませんよ」

Roma「だそうよ。私はこの子にしたいからって言われたから手伝っただけ」

愛宕「なーんだ、やっぱりカミサマじゃない」


高雄「昨日も色々とお世話になりました」






明石「おいし。……この先あの人が誰かの誕生日に出かけるたびに活躍しそうですねぇ」

雲龍「……Zzz」

瑞穂「瑞穂も明石さんが連れていかれない限りは……まぁ、その場合誰か一人は協力者が必要なんですが」
723 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:44:57.96 ID:Q+GfNp670

< 他人事 >







涼風「っても一応料理ガチ勢筆頭の一人は変な任務が無ければ残ってるだろ。
パートナーもいないしどんなときも鋼メンタルな化け物が」

赤城「んぐ、なんて絶妙な塩加げ……何か言いました? 」

涼風「別に。……こういうときの阿賀野姉妹って何故か影薄いよなって」

赤城「潜在的に惹かれていてそれを自覚しているからでしょう。
現に二人とも朝食はギリギリ間に合う時間でしたしね」

涼風「あ、そ……」
724 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:46:15.05 ID:Q+GfNp670

< 酔った戯言を逆しまに >








阿賀野「まぁ……そうだね、テンションは上がらないね」

能代「遊びに行っているボスを考えると部下が規律を守る意味って無いと思うんです」

松風「つまり僕たちメインを張れない勢がなんとかすればいいってことなんだけどね」

旗風「私はボスが真面目にやらない限りメインは張りません」

伊13「調理で、メイン、張って……差配なんて、できない」

漣「江風も無理、初月も無理、イヨも無理ってなるともうどうにもならないね」

叢雲「そうね。…………や、私も普通に思うところあったっていいじゃない。
あいつが遊び呆けている間にまともに料理なんてしたくない理由なんてヒトそれぞれでしょうが」
725 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:47:13.57 ID:Q+GfNp670

< 掻き上げたそこに、ふと >








提督「諂うと餡って似てるじゃん」

天城「んん……媚び諂うと餡子? 」

提督「ヘツラウは諛うでもいいんだけどな。……似てるじゃんか」

天城「まぁ、旁が同じですからね」

提督「そうだな。……帰りたくない」

天城「はぁ」

提督「どうしよ。ふっつーに気分乗らない、もう一泊したい。二日以上ぶん投げてるけど」

天城「天城は構いませんけれど……そんなにこのイヤリング、気に入ったんですか? 」
726 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:50:38.37 ID:Q+GfNp670

< 本当に気分が乗らないとき >







提督「そういうことに、しておきたいかな」

天城「ん……そういうことにしても、いいですけど」

提督「いい? 」

天城「あなたに抱き締められて言われれば、是非もありません」

提督「うん……うん」

天城「…………ただ」

提督「…………ん」

天城「あなたがあなたで来年も天城を天城として愛してくれることが、条件ですけれど」

提督「難しいこと言うね。……請け負いました」

天城「ならばよろしいでしょう。溺れてくださいな」

提督「ん。…………明日もこのままいられると、いいのに」
727 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:51:51.70 ID:Q+GfNp670

< 平常的異常運転 >







Roma「と、いってもさすがに私たちも夕食まで面倒は見ないわよ」

涼月「義理がありませんからね」

山城「はいはい。……豚しゃぶでいい? 」

龍田「ん……適当に煮付けとかすまし汁でも用意してあげる」

扶桑「洗い物だとかの雑事は私がやるわ」

初月「裏ボスの皆さんはさすがに手慣れているな。
……こんなものに慣れるのもどうかと思うが」
728 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:52:37.00 ID:Q+GfNp670

< そういうこと >







愛宕「どーも、こんなものにさえ永遠に慣れることのない正妻の二人でーす」

高雄「正妻の二人って言葉は中々……いえ、異論は無いけれど」

葛城「正妻だから慣れないんでしょ。愛人の皆さんにとっては所詮他の女も自分と同列だし」

愛宕「確かに」

高雄「そうですね」

葛城「うん。……これで見下してるわけでもなく仲が良い方っておかしいと思うんだよなぁ……」
729 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:53:31.47 ID:Q+GfNp670

< 拒否しようともそうであるのならば >








漣「その辺りのおかしな均衡と友好は黄金時代を築いた皆さんの関係のお陰だね」

葛城「は? 」

叢雲「あいつ、高雄、愛宕、龍田、山城、扶桑、あと……えーと、まぁ、あきつ丸ね。
その辺のクズが一番平穏に馴れ合ってた一時期のことよ」

漣「クソ暑い南方を一抜けしやがったくせにことあるごとに手紙寄越しやがったからなぁ。
如何に今が楽しいかおしえてくれちゃった時代なわけ」

葛城「ふーん……? 」

叢雲「あいつがいて、あの姉妹がいて、感性がその姉妹と似てるのにあの男だけが欲しい一番の好みがいて、
そんな馬鹿全員の思考に何故か寄り添える妹がいて、
そんな妹をどこまでも信じて一緒にいられる姉がいて、
そういうのを度外視して俯瞰できる狗がいたのよ」

漣「狗が欲しかったのは誰かの愛情だったし、
姉が本当に欲しいのは妹の視線の先にいる男だったし、
妹は最初から一人の男も姉も手に入れるつもりだったし、
馬鹿な黒金姉妹は悔恨と後ろめたさに苦しんでるけどね」

葛城「あ、そう……クソ男の一番の好みさんは? 」

漣「足踏みが趣味なんじゃないのあれ。地団駄も絵面は似てるね」

叢雲「寝取られ性癖って治らないのかもね。
あぁ、この場合の性癖は誤用だし寝取られも普通に間違いだけど」

葛城「……はぁ? 」
730 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:54:33.95 ID:Q+GfNp670

< 踊れ、と言われた気がしたのです >








漣「飄々とした雰囲気維持しつつ常に誰かしらに奪われてる現実愉しむとかさすが龍田さんってとこだね」

叢雲「化け物の精神としても破格ね。まったく恐れ入るわ」

葛城「お、おう……実はお二人は龍田が嫌いなので? 」

漣「寧ろ好きな部類だよね。親近感っていうか」

叢雲「ま、そうね」

葛城「そう……あの人早く死なないかな。
や、死んだら死んだでもう何も想像したくないとこまで堕ちそうだけど」
731 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:58:14.79 ID:Q+GfNp670

< 巫山戯た酔いにただひたすらに >







提督「あぁ……視点、定まらない」

天城「そんなものいつもでは」

提督「天城の可愛い顔はいつも見えてる筈だけど……そうかな」

天城「定まっているのならずっと天城しか見えないのでは」

提督「そう……そうかな」

天城「そうに違いありませんとも」

提督「そっか。…………明日、明日は帰るから」

天城「はい。…………だとしても、今は……今も天城に夢を見させてくださいませ、旦那様」

提督「ん…………」
732 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/17(月) 23:58:41.91 ID:Q+GfNp670

ありがとうございました
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/18(火) 00:00:54.59 ID:9PYgyCM30
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/19(水) 00:54:55.40 ID:88L2sZZUo
おつ
735 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/23(日) 23:13:44.01 ID:BDYpJRA40

< 朝食モグモグしつつ >







漣「や、この人たぶん抱いた女誰か一人でも死んだらもう再起不能になるタイプでしょ」

提督「若干褒められてる気がしないでもない」

叢雲「まぁ、ここの面子からすると、そうね」

漣「自分が死んで悲しむ相手を想像しながら死ねるなんてなんて幸せ、とか言いそう」

提督「てーか普通に言われる」

叢雲「気持ち悪い集団よね、本当」

漣「本当それ」

叢雲「不思議と嫌悪感は無いけど」

提督「そりゃむーちゃんは俺のこと好きだからな」

叢雲「ばーか」

葛城「はぁ。…………なんで料理当番切り抜けたと思ったら座ったとこがこんなのの横なんだろう私」
736 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/23(日) 23:17:15.68 ID:BDYpJRA40

< あくまで素面なのです >






叢雲「ふふ……あなた、私の隣が嫌だっていうの? 」

葛城「むーちゃんの隣に漣がいなくて目の前がこのクソ男じゃなければ嫌じゃなかったかな」

漣「それは酷い」

提督「俺も俺が俺じゃなかったら不愉快極まるね」

漣「うっせークズ」

叢雲「あなたもそろそろ慣れておきなさいな」

葛城「だって慣れたら次はこれになるじゃん……」

天城「どうも、“ これ ” です」

雲龍「よかったわね。慣れれば取り敢えず身体のバランスは大分変わるわ」

葛城「あのさぁ……」

提督「瑞鶴がちゃんと認識してくれないだろう」

叢雲「感動の再会が行方不明者の捜索に変わるわね」

葛城「あっ、のさぁっ……! 」
737 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/23(日) 23:22:41.59 ID:BDYpJRA40

< やれやれ、といったところ >







葛城「や、でもマジで酔ってない? それか二日酔いでぶっ壊れてない? 」

叢雲「生憎と昨日は報告書と提言まとめて早寝」

提督「さっきタイトルだけ見てやる気無くなったんだけど」

叢雲「私の書いたもので頭悩ませるなんて幸せね、よかったじゃない」

提督「なんかキャラおかしくなってない君」

叢雲「別に。そういえば九月の二十七日は誕生日ってやつだったなって思い出してテンションが高いだけ」

漣「ん、んん? 」

天城「……? 」

雲龍「……」

提督「分かった。……おーい、お盆くれ、そう、全部載せられればいっそ鍋の蓋でも良い」

高雄「はい。…………巫山戯た中二病に嘆けばいいのか婚約者以外との疎通に悩めばいいのか」
738 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/23(日) 23:28:01.21 ID:BDYpJRA40

< Z級のZは個人的にzombieのZにしておきたいところ >






時雨「あのさぁ……」

夕立「やっぱね、タイトルからして面白くないことが確定してるクソ映画! 」

速吸「いえね、私も色々と観てきて考えを改めたんです。
諸々の材料からして面白くなる理由が無いのに頑張っているのが良いって」

夕立「はぁ? つまんないものをつまんないものとして楽しむのがいいっぽい? 」

速吸「つまんないものなりに面白くしようという意志に共感するのがいいのでしょう? 」

夕立「グルルルルゥッ……」

速吸「…………」

あきつ丸「…………昼間から何をくだらないことを」
739 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/23(日) 23:29:27.48 ID:BDYpJRA40

< 想像という近似真実、或いは経験 >







提督「んー……紅茶」

高雄「そう。……少々、お待ちください」

提督「……ん」

高雄「はい。…………それまでに一段落、お願いしますね」

提督「あぁ」





提督「………何故あの流れでブランデーの紅茶風味になるんだ」

高雄「飲まなくても構いませんよ。……判はもう要りませんし、愛宕に投げませんか? 」





愛宕「とかいう遣り取りをしたとかしていないとか。
……ふぅ、書類の分別なんてゴミの分別と似たようなものよねぇ……」
740 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/23(日) 23:30:06.12 ID:BDYpJRA40

< 秋冬のオススメ(テキトー) >








愛宕「落ち着いた色味のイエロー……ねぇ」

Littorio「嫌味か何か? 」

愛宕「別に。私は自分のことモンキーだと思ってないし」

Littorio「ふぅ……やっぱり、嫌味なのでは? 」

愛宕「だからそんなつもり無いって。
……グロスはいいとしてアイライナーにこの色だと髪色に合わない、というか合い過ぎる気がして」

Littorio「リップならゴールドも時々使っていますしね」

愛宕「んー……」

Littorio「ふふ……見てほしい相手がいないからそんな気分なのでは? 」

愛宕「そうかもね。……誰か、殺してやりたい気分なんだけど」

Littorio「ええっ、と……」
741 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/10/23(日) 23:31:10.69 ID:BDYpJRA40

< 目に悪い程鮮やかな青色のワンピースを着て >








愛宕「はぁ……だるいわ」

初月「……身体の線、出し過ぎじゃないか」

愛宕「気にする子がいるなんて知らなかったから」

初月「それに白の短いカーディガンなんて、まるで……」

愛宕「んふ、まるで? 」

初月「その……誘っているみたいだなって」

愛宕「綺麗に見える? 」

初月「見えるよ。真実綺麗だからそう見えるんだと思うけど」

愛宕「あ、そ……はぁ」

初月「なに? 」

愛宕「いえね、今すぐ自分のじゃないベッドと出会いたいくらい、だるいなぁ、って」

初月「はぁ……やっぱり、誘ってるのかい? 」

愛宕「さぁ……? 」
742 : ◆5z7C0EoTrg [saga sage]:2022/10/23(日) 23:31:32.74 ID:BDYpJRA40

ありがとうございました
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/23(日) 23:48:27.80 ID:XfBnUP9p0
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/10/24(月) 13:01:23.45 ID:lUGWiEotO


紅茶頼んで紅茶風味のブランデーでてくるとか
どっかの不敗の魔術師さんが聞いたらすっごいうらやましがりそう
745 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:19:24.39 ID:nkUp22I40

< 朝っぱらから楽しむ >







提督「あぁもう……なんなの本当」

叢雲「自分から噛み付いておいて負け散らかした敗残者に意見言う権利なんて無いでしょ」

漣「実にご尤も」

天城「え、えーと……」

提督「まさか君もグルだったなんてね、天城ちゃん」

天城「グルというかなんというか」

叢雲「その顔その態度は擬態ってことね、つまり」

漣「愛人とはいえ卓につけばハコらせて当然でしょ? 」

提督「まぁ、そ

雲龍「普段パコらせてあげてるからいいのよね別に」

天城「そうですね。…………次、天城が親でしたか」
746 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:20:39.15 ID:nkUp22I40

< 素面であるからこそそれ以外でありたい、みたいな >







葛城「殆ど無視に近い対応って……」

涼風「勝負中だしまぁ」

初月「寧ろさっきのは漣のフリなんじゃないのか」

涼風「あの流れならまず間違い無く空気読まない話突っ込んでくるしな雲龍さん」

葛城「嫌な信頼だなぁ」

雲龍「信頼って簡単に気持ち良くなれる道具だもの」

葛城「はいはい。……私こそなんなのこれって言いたい気分だよ、提督さん」
747 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:22:37.18 ID:nkUp22I40

< 気兼ね無く語れるということ >







漣「や、お淑やかな令嬢は騎士になんかならないでしょ。
女騎士やってるってことは仮に少々見てくれが良くてもご主人様が大好きな頭中世ですよ」

提督「確かに、と言いたいところですが」

阿賀野「ジャンヌを騎士扱いするのは駄目ね」

提督「あ、そう……秦良玉は駄目? 」

阿賀野「元の身分が高過ぎる、不適」

提督「んな馬鹿な。じゃあゼノビアとかも駄目なのか」

阿賀野「君主でいいなら女傑なんて幾らでもいるし」

提督「甲斐姫」

阿賀野「だからそれ主筋でしょ」

提督「じゃあ巴御ぜ

阿賀野「却下ぁ! 」

提督「うっせぇ。…………あぁ、幸せ」

漣「???? 」
748 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:23:47.26 ID:nkUp22I40

< 話は流れて >







提督「えー、僕スフォルツァ家みたいな権謀大好きなお家はちょっとぉ……」

阿賀野「自分の言動鑑みてくれませんかね」

叢雲「ふふん、同族嫌悪じゃないの? 」

提督「や、スフォルツァ家というかあの時代のイタリア名門と比べるとか僕そんな自信家じゃないんで」

阿賀野「こんなのに同族意識持たれるとか半島貴族皆憤死しちゃうよ」

叢雲「あなたたち何なのよその息の合い具合は」

提督「歴史好き故に? 」

阿賀野「故に! 」

提督「いぇーい! 」

叢雲「はぁ……」

漣「意味分かんな。……や、本当マジでなんなのか分からん、分からん」
749 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:24:29.84 ID:nkUp22I40

< 当然の如く >







阿賀野「え、いや、悪辣さにおいても提督さんなんて三歳児の悪戯レベルでしょ。
当時の半島情勢に比べたら」

提督「せやせや」

叢雲「まぁ、たぶんあなたたちが言うんだからそうなんでしょうけども……」

漣「ご主人様がガキに見える悪辣さ、ねぇ……? 」
750 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:25:59.95 ID:nkUp22I40

< 史学に興味が無いと何の理解も共感もできない >







雲龍「いえね、あの、普通に蹂躙されるのよ。あれを本気で焚き付けて受け身になると」

阿賀野「そりゃあまぁあの体躯の、あー……性欲過多で愛の深い男に襲われるわけだから」

雲龍「襲われてるわけじゃないのよ。私はそれでも嬉しいけどそうじゃなくて」

阿賀野「あのさ……」

雲龍「そもそも焚き付けているっていうのも語弊なの。
傅いてけれど膝は付かず奉仕すれど媚びはせず、というか。
あくまで男を立てる品のある女としての節度ある吶喊というか。
もちろん負けるのは確定しているしそれが楽しいんだけど」

阿賀野「あのさぁ……ちょっと例えがとっ散らかり過ぎてよく分からない」






雲龍「考えてきたわ、というか勉強してきたわ、控えなさい」

阿賀野「あのさ……」

雲龍「なんたか島の食人鬼皇帝率いるミュラの突撃を自分でお膳立てして涙を流すようなものなのよ。
それも、全ては無謬の希望と無私の愛において」

阿賀野「なる、ほど……分かった、阿賀野が間違ってた、ごめん」

漣「なんだこれ……」
751 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:26:45.06 ID:nkUp22I40

< そこは譲れない >







雲龍「私の肉とヒダで諸々処理して終わるような男ならそもそも身体を許してはいないわけよ」

涼月「まぁ……そうでしょうね」

雲龍「でもね、愛してしまったからこそなの。
こんな境遇のこんな化け物を本心から愛してしまえるような馬鹿にはそれを許したくなったの」

涼月「はぁ」

雲龍「いえ、寧ろそうやってしてくれた方がどれだけ楽か。
道具として処理してくれた方が楽に感じるのよ。
深く心から抱き締められればられる程私の胸は愛に締め付けられて、苦しくなる」

涼月「……」

雲龍「そういう、ことなのよ」

涼月「…………」

雲龍「……………………ま、それは嗜好とはまた違った話であって、私って普通にキツめのマゾなんだけど」
752 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:27:52.26 ID:nkUp22I40

< 性欲の絡まない友情っていいよね、って >








Roma「ふぅ……やっぱりトレーニング後は秋でも暑いわね」

涼月「ん、えっと、あの……」

Roma「何? 」

涼月「え、と……その、タオル」

Roma「? ありがとう? 」

涼月「…………その、はしたないです、Romaさん」

Roma「は? 」






提督「んえ? まぁ、ノーブラで白いシャツはどうかと思うよ。
胸元も緩いやつだし」

Roma「あ、そう……特に視線も感じないんだけど? 」

提督「慣れだよ慣れ」

Roma「はぁ。あなたの精神構造ってどうなってるのかしら」

提督「さぁね。見てほしい? 」

Roma「そういうわけじゃないけど男の視点って割と大事なファクターでしょう。
私があなたに興味を持っているかどうかは別として」

提督「そうだね。…………逆に俺がお前にそういう意味で興味を持っているかどうかってことじゃねぇのかな、たぶん」

Roma「なるほど。実にあなたらしい卑怯な逃げ方ね」

提督「しっつれーな」
753 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:28:50.56 ID:nkUp22I40

< 納得がいかない >







提督「まずこう、構成が気に入らねぇんだよ」

漣「はぁ」

提督「最初はまぁ説明回でいいとは思うけどな、次はなんというか水着回的なのをやって」

漣「はぁ」

提督「微妙なシリアス挟んで」

漣「はぁ」

提督「急に現在に引き戻して、その後直近の過去回想とかそういう感じでラストに進んだらどうかねおねーさん」

漣「割とありそうですけどね。……それ、サメ映画では? 」

提督「サメ映画構成でシリアスアニメをつくってはいけない理由とは? 」

漣「んなもん売れるわけねぇでしょーが……」
754 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:29:21.95 ID:nkUp22I40

< 私は、お待ちしております、待望です >








提督「つーかそもそもサメ映画をアニメでやればいいと思うよ俺は」

漣「深夜アニメっすかね。エログロ満点で実にそれっぽい」

提督「過度なシリアスとかは勿論要らない。
なんとなくキャッキャしてそれとなく悲しんでどうということもなくハッピーエンド」

漣「うーん……」

提督「夏休みに海へ来た大学生グループとなんかよく分からないマッドな担当教官とで1クールいけるだろ」

漣「ゼミ旅行なんすかね。……無駄に若作りで到底教授に見えないエロい担当教官なんすね? 」

提督「あぁ。なんぞ意味不明なよく分からん実験の産物なわけだよ、サメちゃんは」

漣「ヒロインは? 」

提督「当然ポッと出のエロいねーちゃんだよ。社会人から高校生までどこでもいいぞ」

漣「ゼミの重要人物は教官と親友と……あぁ、アニメ業界的に不思議っ子みたいなロリくらいは」

提督「最後はトレース不能な理由の大爆発でエピローグでは軽口言い合う主人公とヒロイン」

漣「Cパートで背鰭でも見せときゃいいんすね」

提督「グッッッッドっ! 」

漣「うーん……え、いや、なんか普通に1クールの深夜アニメとしてなら……いやいや」
755 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:30:43.79 ID:nkUp22I40

< 見せたい >







提督「はぁ……なんで君この季節に水着なんて着てんの」

雲龍「? 好きでしょう? 」

提督「そりゃまぁ……そうだな。でも私室に招かれたときの普通ってあるだろう。
ネグリジェでもいいしランジェだけでもいい。
なんならパジャマでもラフな部屋着でも」

雲龍「あ、そう……それよりこれ、久々に良いと思ったデザインなの」

提督「はぁ? 」

雲龍「いい? ここ、これ、見なさい」

提督「肩胛骨も綺麗だなお前。…………あ? 」

雲龍「分からないの? 黒のビキニでゴールドのホックはまぁ普通にあるでしょう。
でもこれ、このホック、留め具が台形のやつなの。なのに丸みも帯びてて、可愛い」

提督「うん……そうだね? 」

雲龍「…………はぁ……もういいわ、抱いて」

提督「あのさ……」
756 : ◆5z7C0EoTrg [saga]:2022/11/01(火) 23:32:00.27 ID:nkUp22I40

< 男視点と女視点……とも言い切れない >







提督「でもこうなんつーの……うん、鼠蹊部殆ど見えてるハイレグみたいな三角はすげーと思う」

雲龍「そんなのはいいから、ほら、抱いて」

提督「あ、そう……なんなの君、そんなにそのホックに興味無いの気に入らないの? ねぇ……? 」
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