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カルネアデス・プリズム(名探偵コナン×竜とそばかすの姫)
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201 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/05/11(日) 02:19:50.11 ID:uHTIRPEk0
それでは今回の投下、入ります。
==============================
>>200
ーーーーーーーー
「ノーコメント」
西多摩市北部住民センター傷害事件の翌日早朝、
江戸川コナンは野山をウォーキングで散策しながら
隣を歩く美女からの返答を聞いていた。
「何かあの界隈で事件があって、
警察がごそごそ動いてるって事は私の所にも届いてる。
その程度の事は言ってあげるけど」
「警察、来たの?」
「どうかしらね。君の事だから遊びじゃないのは解る。
だけど、こっちも遊びじゃないの。勿論私も、それにベルも」
「ベルの事、知ってるの?」
「知っていたとしても言わない。ベルは『U』の歌姫。
アンベイルされたとしても、彼女がその心算でいる以上、
私としては何か知ってても言える事は無いわね。
だって、『U』と言う仮面舞踏会が彼女の真剣勝負のステージなんだもの」
「そう。じゃあ質問を変えるね。又、ベルとハモりたい?」
「ノーコメント」
「じゃあ、ベルとハモりたい?」
「勿論」
202 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/05/11(日) 02:21:39.62 ID:uHTIRPEk0
ーーーーーーーー
高知県警の所轄警察署に出頭した別役弘香は、
取調室で型通りの人定質問を受けていた。
身元を確認する質問に一つ一つ返答しながら、
目の前で質問する刑事に就いて思考を巡らせる。
弘香から見たら中年おじさんの範疇に入るが、
警視庁捜査一課の刑事である事を考えると若手の部類に入るのだろう。
弘香は最初に辛うじて警察手帳の提示を求め、
相手の高木巡査部長も快くそれに応じていた。
高木は弘香から見ても強面と言うタイプではない、
こちらが無理を言わなければ大体言う事を聞いてくれそうな、
穏やかで優しい先生と言った雰囲気すらある。
それが高木の強味なのだろう、と、弘香は値踏みをする。
警視庁本部の捜査一課と言えば一課の中の一課。
弘香が読み齧った範囲でも、
日本全国の範囲で現場刑事ヒエラルキーの頂点と言うべき部署であり、
並みの警察官が配属される部署ではない。
弘香に丁寧に対応する高木は、
流石に取り調べに入るときちんとした大人であるが、
一見すると子どもにすら侮られかねないお人好しな雰囲気が漂っている。
自分が被疑者であれば、そうやって油断させて心を開かせた所で
がぶりと噛みに来る、なら未だいい。
知らず知らずに調子に乗った自分の言葉に外堀を埋められて、
落とされている事すら知らずに落とされる事になりかねない。
その様に、心の針鼠を尖らせながら、
弘香は高木の質問に言葉を選んで返答する。
203 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/05/11(日) 02:23:46.92 ID:uHTIRPEk0
「昨日の事件の際には、東京の捜査一課に連絡を頂いて、
色々と情報を提供してくれましたね」
「はい、ルカちゃん、
渡辺さんから事件に巻き込まれたと言う連絡を受けまして。
差し出た事ではないかとも考えましたが、
丁重に話を聞いて下さって有難うございます」
「いや、こちらこそ、ご協力感謝します。
では、早速ですが、その事で詳しく確認させて下さい」
「はい」
相手は狸か自分は狐が務まっているのだろうか。
そんな事を考えながら、弘香は、
自分の重大な準備不足の結果が着々と進行している事を理解する。
弘香は、下を向いて小さく挙手する。
ーーーーーーーー
「警視庁捜査一課の佐藤です。内藤鈴さんですね?」
「はい」
「本日はご協力感謝します」
内藤鈴が出頭した警察署の取調室で、
佐藤美和子は調べ官として内藤鈴と対峙する。
先ずは身元を確認する人定質問を行い、
蚊の鳴くような声で応じる鈴に幾度が聞き返す。
「それでは、今回の事件で被害に遭った渡辺瑠果さんに就いて伺います。
内藤さんと渡辺さんは………」
佐藤は、先程鈴が自己紹介を行った学校のクラスを確認する。
「同じクラスの同級生と言う事ですね?」
「はい」
それは、今迄の質疑の中では比較的しっかりした返答に聞こえた。
204 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/05/11(日) 02:25:20.19 ID:uHTIRPEk0
「所属は解りました。では、あなたから見た
あなたと渡辺瑠果さんとの関係を教えて下さい」
「はい。ルカちゃん、渡辺さんは、私の友達です」
「親しい間柄なのですか?」
「はい。昔からの付き合いで、親しい関係………」
「すいません、もう一度お願いします」
「親しい、はい、
昔からの付き合いで親しい関係。そうだと思います」
「成程、親しい関係なのですね?」
「だと、思います」
「昔からの付き合いで親しい関係ですか。
内藤さん、あなたにとって渡辺瑠果さんは身近な存在なのですか?」
「身近。ええ、最近は一緒に、ルカちゃんが私の身近………だから………」
「内藤さん?ごめんなさい、よく聞こえないんですけど」
「ルカちゃんが、私の身近、親しい間柄、だから………」
「内藤さん?」
「ルカちゃん、私が、だから………」
佐藤は、するりと中腰で後退して前を見る。
次の瞬間、ばっ、と、机の前方に回り込んだ。
205 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/05/11(日) 02:30:51.19 ID:uHTIRPEk0
「警察医と救急要請、それから掃除機持って来て」
取調室のモニタリングに聞こえる様に告げた佐藤は、
一度俯いた後、喉を掴む様にして立ち上がった鈴の背後に回り、
左腕を鈴の胸に回す様にしながら右の掌底を鈴の背中に叩き付ける。
「何を飲み込んだのっ?」
「まさか、毒物っ?」
佐藤の詰問を聞き、同室していた刑事課の巡査部長が息を飲む。
「違う。出せるもの全部出して、まず、咳しましょう、
咳して全部出すの」
佐藤は、押し込む様に言いながら、
体勢を変えて自分の両手の甲側で鈴の鳩尾を突き上げた。
ーーーーーーーー
「あんた、鈴に何したのよっ!?」
警察署の廊下で佐藤が視線を向けると、
お手洗いから取調室に戻る途中だった別役弘香が、
少年係の女性係員に羽交い絞めにされている所だった。
弘香は、つかつかと歩み寄る佐藤を見上げる。
「落ち着いて下さい」
佐藤は、弘香の目を見て静かに言った。
「内藤鈴さんは、事情聴取中に嘔吐を起こして一時呼吸困難になりました。
呼吸は回復した様ですが、念のために病院で検査を行います」
佐藤の言葉を聞き、弘香は肩で息をして下を向く。
206 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/05/11(日) 02:33:43.79 ID:uHTIRPEk0
「彼女と話をしますか?」
佐藤のアイコンタクトで拘束を解かれ、
弘香が、やはり視線を向けていたストレッチャーの鈴に近づく。
「鈴、あんた………」
「刑事さん、悪くないから。
私、ちょっと緊張し過ぎただけで。もう大丈夫」
「うん」
「病院に付き添いますか?」
「………はい………」
「あなたも同行して下さい」
「解りました」
佐藤の指示を受け、弘香と少年係の係員が救急隊に同行する。
「高木君」
弘香が去った後で、佐藤は高木に声を掛ける。
「病院に向かって。医者の許可が出次第高木君が内藤鈴の聴取を」
「僕がですか?」
「種は蒔いた。内藤鈴が黒ならそれで落ちる」
「大丈夫………あ、いえ、失礼しました」
内藤鈴の出頭に彼女の自宅から付き添って来た女性警察官が、
思わず口を突いて出た自分の言葉の後に頭を下げる。
207 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/05/11(日) 02:36:15.17 ID:uHTIRPEk0
「いいわ、心配するのも当然よ。
内藤鈴。非常に繊細で脆い所があるのも確か。
それも事前に把握されていた事でもあるけど、
それでもやらないといけない。
高木君なら大丈夫、責任は私が取ります」
佐藤が言い、呟きを漏らした女性警察官がもう一度頭を下げる。
「私は別役弘香に当たる。私が出ないと収まり付きそうにないから。
問題は、これで別役家が動くかだけど」
「別役の弁護士が来るなら、まずはこちらで対応しましょう」
言ったのは刑事課長だった。
「あちらの弁護士とは、ベルのトラブルでもそれ以前の仕事絡みでも、
こちらが告訴を受理した事も含めて色々関わりがありますきに。
こちらで出来る限り聴取の妨げにならない様に対処しましょう」
「お願いします。あなたは内藤鈴の父親に連絡して下さい」
佐藤が、先程の女性警察官に要請する。
「流石に病院送りになった事を親権者に隠す訳にはいかないから。
そんな事をして事情聴取を続けたらデュー・プロセスの問題になる。
敢えてこちらの都合を言うなら、父親と連絡を取って、
出来ればこちらから車で迎えに行く事を持ちかける形で、
言い訳が通る範囲で父親がこちらに来るまでの時間を引き延ばして欲しい」
「分かりました」
「小細工をしても余り時間が無いわ。元々が未成年者相手の任意の取り調べ、
親権者が聴取の継続を強く拒否したら、法的には応じざるを得ない。
最低でも取り調べへの保護者立ち会いは規定上避けられない」
「無知に付け込む訳ではありませんが、
こちらが内藤鈴の父親を丸め込もうとして向こうが別役家に相談したら、
事情聴取が完全に詰みになりかねませんからね」
佐藤の言葉に高木が言った。
208 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/05/11(日) 02:37:42.51 ID:uHTIRPEk0
「現に事件が起きた以上、白でも黒でも、真実からしか先に進めない。
それが一課の仕事だから。
では、それぞれお願いします」
佐藤が頭を下げ、返答と共に各自が動き出す。
「高木君、行くわよ」
「はい」
高木が車の支度の為に駆け出す。
「………あなたは何を飲み込んだ?
あなたが飲み込んだ言葉は何?」
==============================
今回はここまでです
>>201-1000
続きは折を見て。
209 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[sage]:2025/05/27(火) 01:39:14.19 ID:RWz9ZJlW0
調整的生存報告です
210 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/06/03(火) 22:29:48.57 ID:a51+AsHv0
それでは今回の投下、入ります。
==============================
>>208
ーーーーーーーー
喫茶店「ポアロ」の店員安室透は、
店内で一人、客待ちの支度を進めていた。
「いらっしゃい」
そして、ドアを開けて入って来た、
現在同店と同じビルに住まう江戸川コナンの来訪を愛想よく迎える。
「安室さん、昨日は有難う」
テーブル席の一つに着席したコナンが、
注文のアイスコーヒーを差し出す安室に言った。
「こちらこそ、毛利先生には上手く執り成してくれたんだね」
「うん」
愛想よく笑う安室に、コナンはにっこり笑って答えた。
「事件の事をすごーく早く知ってたのはいいとしても、
あっちの高校の内情、随分詳しかったね。
ボクからの依頼で、たまたま手が空いてた安室さんが
大急ぎであの学校関連のネット情報を検索した、って事になってるけど、
あそこまで詳しいとちょっと厳しいかなその言い訳」
「手厳しいなぁ、ギリギリ言い訳出来る範囲にしておいたんだけどね」
「うん。前から調べてたとしても、特定の高校の生徒の世論や人間関係。
実際にあそこまで詳しく調べるってなると、
少なくとも生徒同士で使ってるグループSNSを
横から把握する為の協力者が必要になるかな。
それだけじゃ足りないよね。
やっぱりベルの事かな?お得意の」
211 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/06/03(火) 22:33:10.21 ID:a51+AsHv0
「コナン君は、ベルの影響力を知ってるかい?」
「『U』で活動してる人気歌手だよね」
安室の問いにコナンが答える。
「CMにも出てたし、すごーく人気があるのは知ってるけど」
「三千万」
コナンの答えに安室が続けた。
「『U』の中で、ベルの誕生と歌唱、歌はほぼ同時に始まっている。
当初は文字通り鳴かず飛ばずだったけど、
ある日突然賛否真っ二つの有名歌手の仲間入りを果たした。
その時跳ね上がったフォロワー数が一日で三千万を超えて四捨五入で四千万」
「凄い、ね」
淡々と述べる安室の言葉に、コナンが言葉少なに言った。
「初の大型ライブの視聴者は二億を超えたと言われる」
「大型ライブって、もしかして竜に潰されたって言う」
「正解だよコナン君。やはりよく調べてる」
「えへへー」
コナンの発言の正否を告げた時、
安室はカウンターでサンドイッチナイフを掲げている所だった。
「いただきまーす」
そうして、テーブルに置かれたハムサンドの試作品をコナンが口にした。
212 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/06/03(火) 22:36:55.43 ID:a51+AsHv0
「『U』のアカウント数は五十億。ベルは事実上三千万四千万のスタートで
数カ月で二億からの視聴者を呼び寄せた。その数字は今でも微増を続けている。
世界規模の『U』では貨幣価値が全く違う国もあるけど、
例えば、一億が一人頭百円を出したとしても百億円に到達する」
「百億の女、か」
言いながら、コナンはポケットからスマホを取り出した。
「ちょっとごめん。もしもし灰原どうした?ああ、それ、和葉ちゃんのだ。
ほら、こないだ由衣刑事から電話があってこっちで合流した時の。
帰りに探してたから、ちょっと預かっててくれ。すぐこっちで預かるから」
一旦席を立ち、すすすとガラス壁近くに移動していたコナンが、
通話を終えて電話を切る。
「お願い出来るかな?」
安室が言い、コナンがその視線を追ってガラス壁の向こうを見る。
そのままコナンは表に出て、
ドアに掛かっていた準備中の札を引っ繰り返した。
「いらっしゃい」
「あっつー、残暑が厳しいざんしょー。アイスコーヒーちょうだい」
「私も同じものを」
ドアを開けて店内に現れたのは、
店内にいた二人も顔見知りのミニパト交通取締担当女性警察官
宮本由美警部補と三池苗子巡査部長だった。
「コナン君、昨日も西多摩で事件だったって?
それで千葉君が出張出ちゃってるから、
三池がもう夜になると寂しいとか
あっちでハチキン美女と浮気してるんじゃないかとか、もー大変なの」
「もーっ、やですよ先輩。たった一日の出張くらいでそんな、
丸で私が束縛強めのストーカーとかヤンデレとか愛が重過ぎるとか
危ない人みたいにあらぬ誤解を招くじゃないですかオホホホホ」
由美の言葉に、苗子はにこにこ応じてストローを吸う。
213 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/06/03(火) 22:41:12.43 ID:a51+AsHv0
「ああそうそう、美和子が高木君から押収したってんだけどこれ、
厄介ファンに絡まれてる所にたまたま千葉君と通りかかって追っ払ったとかで、
テレビドラマのロケに来てた
ハチキンヒロイン以下三姉妹役の女優さんとファンサ写真撮らせてもらったって」
「………」ミシッ
「苗子さん、千葉刑事ってベルのファンなの?
詳しかったみたいだけど」
由美から渡されたスマホを手にしたスー○ーサ○ヤナエコの鎮静化を待って、
安室共々笑顔を張り付かせていたコナンが尋ねる。
「凄く熱心、って感じじゃないけど好きなシンガーだと思う」
「ベルと言うのは、『U』のシンガーですね」
答える苗子に安室が口を挟む。
「そ。だから、昨日の事件の後で三池が千葉君に聞いたら、
『U』の歌は世界を変えるかも知れない、って真顔で言われたって。
いや、アニメじゃないんだからさ。
いい歌だしそんだけの数字持ってるってのは解るけど」
アハハハと笑って言う由美の前で、苗子も苦笑いする。
「由美さんも『U』を使ってるの?」
「まあー、使ってはいるけどね。
『U』ってサブアカとか作れないでしょ?変な事する気は無いけど、
私達仕事柄プライバシー的な拒否権がゼロに等しいから、
必要最低限以上の事には使い難いわぁね」
由美が苦笑気味に言った。
「確か警察官は色々と届出や同意書があるんでしたっけ?
警察が所属する警察官に対して何時でも内部調査が出来る様に」
「ま、そんなトコ」
安室の言葉に由美が応じる。
214 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/06/03(火) 22:43:03.01 ID:a51+AsHv0
「それで、『U』のアカウントは生体認証で一人一つだけ。
ちょっと躊躇しちゃうよね」
「しかも、どういう仕組みなのか、
あの機械は外見だけじゃない要素まで読み取ってAsを生成してるって言うから、
怪盗キッドとか整形そっくりさんとかが探偵に化けて事件現場に現れたり
歌手に化けてステージして勝手にイメチェンしたり、
なんて事はリアルでは出来ても『U』だと却って難しくなるって千葉君が」
由美に続けて苗子が言う。
「だから、アニメじゃないんだからさ、
そんな簡単に探偵やら歌手やらに化けられるかっつーの。
コナン君だって、事件が関わった歌手のコンサートで
声がそっくりだからってちょっと代役やろうとして
非難囂々だったとか聞いてるわよ」
「は、ははは」
由美の言葉に、探偵に化けた怪盗キッドとか整形そっくりさんには
心当たりのある小さな名探偵が乾いた笑いで応じる。
「只、ベルはそんだけの影響力はあるし、
竜の時やアンベイルの時もネットで相当騒ぎになってたからね。
捜査一課もかなりナーバスになってるみたい」
「今の所、マスコミでも大きく取り上げられてはいないよね」
由美の言葉にコナンが言う、
「そう。特にベル関係の事件って事は表になってないから
その辺結構きつく保秘かかってるわね。
だから、私から話振っといてなんだけど、
コナン君も安室さんもその辺の事は気を付けて」
「ええ、分かっています」
「はーい」
段々と真面目な口調になった由美に安室とコナンが答えた。
215 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/06/03(火) 22:46:49.39 ID:a51+AsHv0
「『U』の歌は世界を変えるかも知れない」
女性警察官二人が休憩を済ませて出て行った後、コナンが呟く。
「前々から、お得意のやり方を使ってでもマークしてた理由はそれだね。
ベルはそれまでの業界の外から出て来た謎の歌姫、
それも、蓋を開けて見たら一介の女子高校生だった。
アジテーション、プロパガンダ、何に利用されるか解らないし、
それだけの影響力があって間違った誘導をしたら大変だよね。
それが脅威になるだけの数字も持ってる」
「コナン君」
推測を述べたコナンに、安室が呼びかける。
「ベルを、聞いた事はあるかい?」
「あるよ。当たり前に掛かってるし、今回の事件の後も聞いてみたけど」
「どうだった?」
「いいと思う。人気が出るのも解るし」
「脅威になるたけの数字を持ってる。
確かにね。人数、金額、記録されている数字を見ても」
そう言った安室とコナンの目が合った。
216 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/06/03(火) 22:49:50.54 ID:a51+AsHv0
「戻りましたー」
玄関ドアから、ウエイトレスの榎本梓が紙袋を抱えて入って来た。
「お帰りなさい、梓さん」
「コナン君、例の試食?」
「うん」
「さっき、由美さん達のパトカーとすれ違ったけど」
「ええ、さっきまでここで休憩してましたよ」
「ごめんなさい、買い物の追加、ちょっと遅くなっちゃって」
217 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[saga]:2025/06/03(火) 22:55:46.47 ID:a51+AsHv0
「いえいえ。ところでコナン君」
「何?安室さん」
「昨日は蘭さん達とカヌー大会を見に行って、
蘭さん達のお友達とも待ち合わせて一緒だったとか」
「うん、ミチル姉ちゃんと」
「その人もカヌーを?それとも応援?」
「応援。ミチル姉ちゃん港南高校の空手部で蘭姉ちゃんの友達なんだけど、
黒い学生服着て応援団もやってるから」
「へえー、空手部で学ランの応援団の女の子?
なんかカッコ良さそう」
安室とコナンのやり取りに梓も食いついて来た。
「うん、凄く格好いいよミチル姉ちゃん。園子姉ちゃんもそう言ってる」
「港南高校の応援団って、確か野球部が今年甲子園も行ってたね」
「うん。ミチル姉ちゃんも格好良かったけど、
港南高校の野球部、甲子園の決勝戦で
四番サードが九回裏ツーアウトからの同点ホームランとか、
もう漫画みたいに凄い試合だったから」
「あーそれ、お店でも盛り上がってたなぁ」
後の映像の記憶も交えて安室に答えるコナンの言葉に、
梓も明るく思い出し笑いする。
==============================
2025年令和7年6月3日 投下了
今回はここまでです
>>210-1000
続きは折を見て。
218 :
探竜唱
◆2k5pFFm6nI
[sage]:2025/06/25(水) 02:46:58.31 ID:nEs+LRRQ0
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