【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

525 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/16(土) 18:30:26.11 ID:qD0HS0+AO
>>524
すみれはさすがに本店まで行けないので、再指定します。申し訳ありません。
店指定は基本本店が都内にあるものとさせて下さい。
(あと実食経験がある場合、独断と偏見で弾く可能性があります)
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 18:33:28.43 ID:VqkHXhMeo
銀笹
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 18:37:04.16 ID:b0cB+38P0
山頭火
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 18:38:05.04 ID:5XtRkIY0o

(鮎まるごとラーメン)
529 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/16(土) 18:52:25.51 ID:qD0HS0+AO
>>522で決定します。
有力候補がありますが、さて果たして行けるかどうか……
いかにもラーメンハゲが推しそうな店です。
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 18:56:16.48 ID:m203BpP3o
ええね
531 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/16(土) 19:00:43.95 ID:qD0HS0+AO
少し考えましたが、改めての実食は難しいかもです。昼しかやってない上に、結構な遠方なので……
ただ、実食経験はあるので書けます。明日か来週土曜には更新します。
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 19:06:54.31 ID:pbK1NigcO
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/16(土) 19:17:10.06 ID:5XtRkIY0o
おつー
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2022/04/17(日) 13:41:45.41 ID:6Kl0jMqGo
『競馬予想・410万円回収放送in皐月賞編』
(12:31〜放送開始)

ttps://youtu.be/jOJLODnxxl0
535 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/17(日) 18:03:55.33 ID:GkaU9sIrO



第11R「インディアン」



536 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/17(日) 18:09:28.83 ID:GkaU9sIrO


「私たちだけでいいんですか」

駐車場に向けて歩く芹沢さんに言う。彼は不思議そうにこちらを振り返った。

「あ?担当のウマ娘も連れて行きたいのか?」

「いや、ブリュスクマン……あの娘に声はかけなくても」

「ああ、あいつはあまりラーメンが好きじゃなくてな。食事は徹底して管理しないと気が済まんらしい。
チートデイにしても、バランスをやけに重視したがる。困ったもんだ」

芹沢さんは肩をすくめた。

※70以上で誰かと遭遇
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 18:16:03.52 ID:6sGVCI0Ro
誰か
538 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/17(日) 18:35:44.31 ID:GkaU9sIrO
※特になし

「で、どこに?」

「お前、カレーは好きか」

「あ、まあ人並みには。カレーラーメン、ですか」

はあ、と芹沢さんはわざとらしい溜め息をついた。

「相変わらず考えが堅いな。そもそも俺がカレーラーメン屋に連れて行くと思ったか?」

「……まあ、確かに」

カレーラーメンを出す店は、最近それなりには増えてきた。「豚星。」のように本格的なエスニックと二郎系を融合させた斬新な一杯を出す店もある。
ただ、カレーラーメンには大きな弱点がある。それは……

「天王寺トレーナー、どういうことなんですか?」

「カレーにラーメンを合わせる必然性……ですね?」

芹沢さんが頷いた。

「そう。麺を中華麺にする意味がない。うどんは分かる。より厚みがあり、小麦の味も強く出るからな。
だから、巣鴨の『古奈屋』のようなベクトルでの進化があり得た。だが、ラーメンでやると『1+1=2』にしかならない。それ以上にできる店は、極々限られてる」

「二郎系と絡める店は出てきましたよ」

「だが、少ない。相当な技量が要るからな。
そもそも俺が連れて行くのはカレーラーメンの店じゃない。『カレーとラーメン』の店だ。『インディアン』は知ってるか?」

私は首を振った。芹沢さんが「使えない」と言わんばかりにまた溜め息をつく。

「ラーメンばかり詳しくなって視野が狭まってるな、お前。俺はガッカリだ」

「……」

別にラーメンばかり食べているわけではない、と反論しようとしてやめた。視野が狭いという言葉に、いささか思い当たるフシがあったからだ。

芹沢さんが嘲り笑うようにして続ける。

「そもそも『旨いもの』じゃなきゃ意味がないと思い込んでないか?違う、違うね。
行く前に言っておく。これから行く店は『マズい店』だ。ラーメンもカレーも、正直旨くない。だが、食う価値が大いにある」

「どういう……?」

「食えば分かる。そして、お前に何が欠けてるかも分かるはずだ」
539 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/17(日) 19:00:41.94 ID:GkaU9sIrO
一時中断します。
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 20:16:15.08 ID:xB17fq9zo
たんおつ
541 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/17(日) 20:36:53.03 ID:OOeTViQHO


芹沢さんのヤリスクロスは首都高に入った。どうにも空気が重い。それを察したか、サトノダイヤモンドが切り出した。

「芹沢トレーナーって、香港にいたんですよね。クラちゃん……サトノクラウンとも面識が?」

「ああ。里見家の分家の娘か。あれはなかなかだったな。ブリュスクマンがいなければ、香港でも名を馳せてただろう」

「ブリュスクマンさんって、どんな人なんですか」

芹沢さんが少し顔をしかめた。

「それを聞いてどうする」

「これからトレセン学園で過ごす仲間ですから。少しでも知りたいなと」

「ハハハハハ!!!面白いな、『仲間』と来たか!里見家の御令嬢、随分能天気だな。札束で殴るのを好むあの親父にしては平和主義な娘だ。
それとも何か、情報を聞き出すことで弱点でも探ろうと?そんなに俺は甘くない」

「……そういうわけでは」

「冗談だ。まあ堅物だよ。勝利こそ至高というのは俺の教えでもあるが、あの女の影響が大きいようだな」

「ダイナカールさん、ですか」

ニヤリ、と芹沢さんが笑う。

「本格デビュー前の、小学校低学年専門に指導している理由は俺にも分からんがね。
俺はまだ会ったことがないが、あいつの娘もあんなキャラクターなんだろ。どこか飄々としていて、掴み所がない奴だ」

エアグルーヴの性格とは随分離れているようだが、それは言わないことにしておいた。



車は蓮沼駅前のパーキングに停められた。すぐに何人かの列が店の前にできているのが見えた。

「『武田流古式カレーライス 支那そば』……武田流とは」

「ここの創業者の名字だよ。資生堂パーラーの出身だったらしいが、故人でもう今はいない。何せ創業70年近いからな」

70年……一線級のラーメン店としては最古の部類に入る。なぜ知らなかった?

「セットメニューは食べ方があるんですね。『最初に支那そばを出して、頃合いを見てカレーをお出しします』……同時に出るわけじゃないんですね」

「そこが肝だ」

支那そばとカレーのセットを注文する。客はほぼ全員がこれか、半カレーのセットを頼んでいるようだった。
542 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/17(日) 20:55:41.74 ID:OOeTViQHO

しばらくすると、透明に近いスープのラーメンの丼が、私たちの前に置かれた。見た目はクラシカルな塩ラーメンだ。
具もほうれん草にバラ肉のチャーシュー、ネギにメンマ、ゆで卵と珍しいものはない。

サトノダイヤモンドも少し拍子抜けしたようだった。

「……塩、ですか」

「まあ食え、俺たちは情報を食いに来たわけじゃない」

芹沢さんに促され、レンゲでスープを口にする。
塩ベースで鰹節の旨味がじんわりと口内に広がった。焦がしネギの風味がアクセントにもなっている。なるほど、丁寧な味だ。


だが、これは……


「味、薄いですね」

サトノダイヤモンドが呟いた。そう、薄い。淡いと言ってもいい。
芹沢さんの「清流房」の「淡口らあめん」も、旨味が玄妙で食べ手の舌を問うような繊細な味だった。

だが、これは……それにしても薄い。麺と食べれば味の骨格は少しはっきりするが、物足りなさは否めない。

「……店内で批判はご法度だぞ」

「すみません!つい……」

私とサトノダイヤモンドのやり取りを見た芹沢さんがニタリと口の端を上げた。

「いや、その反応は正しい。まさか天王寺、お前は味がしっかりしているとか言わないよな?」

「……!!いや、その……」

「まあいい。で、カレーが来たぞ」

皿に盛られたカレールーは、かなり黒っぽい。本格的な欧風カレーのようだが……

スプーンで一匙食べる。……今度は濃い。というより少し苦い。
スパイスや果物の複雑な味わいはある。だが、それを苦味が覆い隠してしまっていて、どこかぼんやりとしている。
まずくはないし、手間のかかったものだというのは分かる。だが、メニューにある「このカレーより美味しいカレーがあったら教えて下さい」という店主の自負は、明らかに言い過ぎだ。

芹沢さんはというと、ニヤニヤしながらこちらを見ている。これを食べさせることの意図は、どこかにあるはずだ。

そう思い、スプーンを箸に持ち替えて、ラーメンの麺を啜る。


……



…………



パシーンッッッ!!!



543 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/17(日) 21:09:01.67 ID:OOeTViQHO


「うおっっ!!?」


「えっ!!?」


これは……何だ!?まるで、全く違うラーメンではないかっ!!


口の中の苦味が、淡いラーメンのスープで洗い流され、複雑なスパイスと野菜、果物の旨味が顔を出す。
それだけではない。スープの魚介系の旨味がそれを補強し、数段グレードアップした味へと変化している……!?

芹沢さんは麺を啜りながら、なおもニヤニヤ笑っている。

「どうだ?『不味いラーメンとカレー』の味は」

私はもう一度カレーを口にする。確かに苦く、癖がある。
しかしその後にラーメンを食べることで、その真価は発揮される。そういう設計のセットなのだ。
ラーメンの薄い味に舌を慣らさせておいて、その後で苦いカレー。そしてもう一度ラーメンに戻ることで、「1+1」は5にも10にもなる。


カレーラーメンの多くが実現し得ないシナジーが、ここでは実現していると言えた。


……シナジー……そういうことか!!


芹沢さんに視線を戻す。皮肉めいた笑みが、普通の微笑みに変わった。


「気付いたな」


私は頷く。芹沢さんは立ち上がった。

「俺が塩を送るのはここまでだ。あとは自力で俺の域まで上がってこい、天王寺。
車はお前がトレセン学園まで運転して帰れ。俺には寄る所がある」

「え」

「じゃあ、また学園で、だ」

544 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/17(日) 21:29:28.35 ID:OOeTViQHO


「さっきの芹沢トレーナーの台詞、どういうことだったんでしょうか」

助手席のサトノダイヤモンドが呟く。

「思い込みに囚われるなということ、そして勝ちパターンは一つじゃないってことだな」

「……というと?」

「マズいと思っているものでも、組み合わせ次第で一線級の味になる。正面突破だけが、勝ち筋じゃないってわけだ」

「でも、それをどうやって」

私は彼女の顔を見た。確か、彼女はステイヤー寄りと聞いている。キタサンブラックもそうだ。
どちらも、マイルや短距離中心の私の育成方針とは噛み合わない。


……だが、協力すれば?彼女たちに恐らくは足りない、勝負所でのスパート力を身に着けさせることはできるのでは?
その逆もしかりだ。バクシンオーやカレンに持久力を付けさせる可能性を、私は排除していなかったか。


そうなると、手としては……


※90以上で次回登場キャラが1人固定
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 21:34:26.50 ID:ZHcqOQgNo
546 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/17(日) 21:43:37.15 ID:OOeTViQHO
※通常ルート

今後の展開を以下のうちから決めます。

1 三田村トレーナーと協力してキタサンブラックを育てる
2 沖野トレーナーと協力してサトノダイヤモンドを育てる
3 誰かと協力してカレンチャンを育てる
4 その他

3票先取多数決です。
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 21:59:31.20 ID:U2EMtp3O0
3
カレンチャンカワイイ
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 22:12:49.15 ID:xB17fq9zo
香港のリベンジといこうぜ3
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 22:16:40.45 ID:I4EGpbRjO
2
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 22:26:21.13 ID:I4EGpbRjO
埋まらなそうだし3に変更で
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 22:32:19.77 ID:E3Bux2Vfo
3
552 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/17(日) 23:13:26.78 ID:OOeTViQHO
では3で決定します。

次回更新は週末予定です。
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 23:21:15.21 ID:xB17fq9zo
おつー
554 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/23(土) 19:52:22.10 ID:E72VjbcHO



第12R



555 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/23(土) 20:16:50.21 ID:E72VjbcHO


「えっ?カレンが中距離を?冗談でしょ、お兄ちゃん」

翌日、カレンにブリュスクマンの話をすると引きつった顔で返された。

「冗談じゃない。私も考えに考えた結果だ」

「でも、カレンは1400までしか走れないよ?マイルだとすぐバテちゃうし。
そもそも、キタちゃんとかじゃダメなの?同じ中等部1年だし」

「ブリュスクマンという子は、相当な猛者らしい。今年のダービーはもう決まりだと言われてる。何なら凱旋門賞も。
だから、一芸に秀でたタイプのウマ娘が、奇襲をかけて勝つしかない。瞬間の加速力ならお前は誰にも負けない。
中等部1年の時、去年卒業したあの『史上最強スプリンター』にも勝ってみせたじゃないか」

「あれはたまたまだし……それに、2400を走るなんて絶対に無理だよ」

カレンは困惑を隠せない様子だ。それはとてもよく分かる。だが、これが最適解である予感はあった。
私の速筋中心の瞬発力トレーニングに、誰かの持久力トレーニングを組み合わせれば……スプリンターも2000程度なら走れる可能性がある。

前例はある。かつて、私は一人のウマ娘を育て上げたことがある。私がトレーナーになりたての頃に担当した娘だ。
今は主婦となって一般人として生きていると聞くが、その栄光はいまだ色褪せない。


史上唯一、天皇賞春とスプリンターズステークスの両方を制したウマ娘。その名は……


01〜85 何もなし
86〜95 あっ、知ってます!
96〜00 電話がかかってくる(オリキャラ登場注意)
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/23(土) 20:27:44.32 ID:SAVD8Fuo0
せいや
557 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/23(土) 20:36:05.14 ID:E72VjbcHO
※特になし

「そもそもどうやって2400を走らせるの?そんな無茶なこと言ってると、お兄ちゃんのことキライになっちゃうよ?」

私は腕を組んだ。かつて担当していた「彼女」は天才だった。そして、元がステイヤー寄りだったから速筋トレーニングが機能した。
カレンは違う。瞬発力は身内ながら目を見張るものがある。だが、「彼女」ほどの天賦の才はない。どちらかといえば、努力型なのだ。

だから、誰かに力を借りる必要がある。心当たりはもちろんあるが、さて……

1 三田村トレーナーを呼ぶ
2 塩田トレーナーを呼ぶ
3 アリームトレーナーを呼ぶ
4 その他(自由に書いてください)

※3票先取
※なお「彼女」の連絡先は知らないものとします
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/23(土) 20:38:28.53 ID:bkYi74Xyo
上から
ライス
パーマー
マックイーン
の友情トレ相手選択か……
3で
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/23(土) 20:47:46.05 ID:XxHr+Rm1o
1
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/23(土) 20:47:50.97 ID:f6kAoegkO
3
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/23(土) 20:49:05.02 ID:O3Kdw2Suo
1
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/23(土) 20:58:01.97 ID:GATcEozY0
コンマ奇数なら1偶数なら3
563 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/23(土) 21:03:28.00 ID:E72VjbcHO
では1とします。少々お待ち下さい。

というか、八五潰れたのはショック……
564 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/04/24(日) 17:45:00.41 ID:o+bRoEjwO
家元も引退のようです……寂しくなりますね。
今日は急遽仕事のため多分お休みです。
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/04/24(日) 20:36:36.76 ID:N7fUDhvWo
お疲れ様です
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [age]:2022/05/01(日) 11:34:01.49 ID:Dxofc2f6o
『逆神加藤純一の競馬配信
絶対に勝つ。4戦目・天皇賞(春)編』
(3連敗中/収支−460万)
(13:00〜放送開始)

https://youtube.com/watch?v=MwGUJiaY3OQ
567 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/01(日) 21:56:18.67 ID:n1nbGtiAO


「えっ?私にカレンチャンのトレーニングを?」

三田村嬢は目を丸くした。後ろでストレッチをしていたライスシャワーやキタサンブラックも、驚きを隠せない様子だ。

「はい。無茶な話とは思ってます。ですが、あなたしか私には思いつかなかった」

私は芹沢さんとの約束と、ビュルスクマンに勝つためにカレンを鍛え直す話をした。
半年という短い期間で1から正攻法でやっても勝てる望みは薄いこと、
そのためには瞬発力という一芸で既に彼女を明らかに上回っているカレンを中距離仕様にすることが必要なことも話した。

一通り説明が終わると、「うーん……」と三田村嬢が唸った。

「……事情は分かりました。でも、何故私に?塩田さんの方が経験はあるでしょう」

「ライスを育て上げた実績を買いました。あなたのトレーナー歴で長距離G1を複数勝つのは並大抵じゃない。
無論、ライスにそれだけの才能があったのは知ってます。ただ、決してトッププロスペクトじゃなかった彼女の才能を開花させたのは、間違いなくあなたの手腕だ」

「……カレンチャンは何と?」

「正直、渋ってます。気持ちは分かるし、私の中にも迷いはある。……行けそうですか?」

※三田村トレーナーの反応
01〜40 考えさせて下さい
41〜80 手はあります
81〜95 ライス、いい考えがあるよ
96〜00 ……実は
568 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/01(日) 21:56:46.17 ID:n1nbGtiAO
コンマ下です。
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/01(日) 21:56:46.57 ID:78PruUIj0
570 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/01(日) 22:11:39.33 ID:n1nbGtiAO

「……手はあります。ただ、自信があるわけじゃないですが」

「手、ですか」

「ええ。持久系のトレーニングは、天王寺トレーナーの速筋中心のトレーニングとは違います。重要なのは、リカバリーなんです。
地道な走り込みに酸素カプセルによる休養を組み合わせ、超回復を促す。野球選手がよく使っている手法を、私も採用してます」

後ろのライスシャワーが頷いた。

「うん、ライス、三田村さんのおかげで強くなったよ。息切れもしなくなったし」

「なるほど。ただ、自信がないとは」

「スプリンターの娘に同じ手法が通用するか分からないというのが一つです。私にとっても、初めての取り組みですから……。
もう一つは、ブリュスクマンという子が突き抜けた化け物かもしれないということ。それでもやるなら、是非とも協力させて下さい」

眼鏡の奥から、強い意志が見えた。私も首を縦に振る。

「ありがとうございます。後はカレンの意思ですね」

※カレンチャンの反応
01〜35 ……三田村さん、かあ……別の人いないの?
36〜70 うーん、やってみるかなあ
71〜90 うん、分かった。いいよ
91〜00 ふふふ〜ん♪
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/01(日) 22:16:30.20 ID:8Htbn4vPo
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/01(日) 22:18:36.75 ID:tTDJ3KZXo
ほい
573 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/01(日) 22:30:03.48 ID:n1nbGtiAO


三田村嬢と部屋に入ると、カレンの表情が曇った。

「何お兄ちゃん?三田村さんと一緒に」

「いや、例の中距離を走るって話だが……」

「だからカレンには無理!というかなんで三田村さんなの?別の人はいないの?」

私は三田村嬢と顔を見合わせた。こんな刺々しい対応をされるとは、予想外だ。

「……私なりに考えた結果なんだが」

「嫌なものは嫌なの!この話はおしまいっ!」

カレンはプイと立ち去ろうとする。……これは参った。


そこに、甲高い声が響いた。

「待つのです!」

「……バクちゃん?」

「学級委員長として、ちゃんと話は最後まで聞くべきだと思います!トレーナーさんにも考えがあるはずです!」

珍しく厳しい表情で言うバクシンオーの気迫に圧されたのか、カレンが席に戻った。

「……分かった。で、どういうことなの」

私は三田村嬢との共同トレーニングを説明し始めた。カレンは一応聞いているが、不満そうな気配は消えていない。

「……というわけだが」

「話は分かったよ、お兄ちゃん。でも、嫌なものは嫌。せめて、三田村さん以外に……」

※3人の反応
01〜30 特になし
31〜75 三田村トレーナー、何かに気付く
76〜95 天王寺も何かに気付く
96〜00 ややっ、そういうことでしたか!
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/01(日) 22:35:06.93 ID:78PruUIj0
えい
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/01(日) 22:45:13.37 ID:aBrYUwQHo
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
576 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/01(日) 22:51:18.96 ID:n1nbGtiAO

「あっ」

三田村嬢が声を上げた。一瞬ちらりと私を見る。それでようやく私も理解した。


……なるほど、そういうことか。


「少し、席を外していいか?三田村トレーナーと相談したい」

「……!?いいけど」

トレーナー室を出て、空いていた実習室に入った。ここなら、誰にも聞かれない。

「カレンの件ですが」

「ええ。嫉妬、ですよね。彼女、天王寺トレーナーを『お兄ちゃん』と呼ぶほど慕ってますし……」

「いや、実は……実妹なんです。母を早いうちに亡くして、私が育てたという事情が」

「……!!そういうことでしたか、なおさら納得が行きました。……なるほど」

基本人には猫を被るカレンが、いきなり敵意剥き出しにするというのはとても珍しい。その時点で、私も気付くべきだった。
つまり、私を取られると思っているのだ。それは考えすぎなのだが。

「ええ。だからちゃんと説明すれば……」

三田村嬢は難しい顔をしている。何を考えているのだろう。

※天王寺と三田村トレーナーの反応
01〜75 何も起きない
76〜95 ……あ
96〜00 天王寺トレーナー、大事なお話が
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/01(日) 22:53:22.85 ID:0Ii85YRsO
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/01(日) 22:57:09.41 ID:tTDJ3KZXo
コンマいい流れきてる!
579 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/01(日) 23:24:39.33 ID:n1nbGtiAO

一瞬、またちらりと三田村嬢が私を見た。眼鏡の奥に見えるその瞳が、わずかに熱を帯びているように見える。


……あ。


いや、そんなはずはない。この34年、女性とはほぼ無縁で生きてきたからだ。
だが、この向けられている感情は……覚えがないわけじゃない。


これは、恋愛感情だ。


大学時代に、一度だけだが交際経験はある。一応それなりのこともしたが、「堅物で面白くない」と半年で別れた。
だから、私に恋愛は向いていないと思っていたし、実際それっきりだった。そして、そういうものだろうとも思っていた。

ウマ娘のトレーナーになってからもそうだ。担当のウマ娘とは、常に一線を引くよう心掛けてきた。
トレーナーと結ばれるウマ娘は決して少なくはないが、私にはそういうのは合わない。あくまで一指導者として在るべきだと思うようにしていたし、それは正しかった。
公平に、そして的確に。それが今の私の地位を作り上げたのは、疑いない。


だから、きっとこのまま独りで生きていくのだろうと思っていた。それが嫌だというわけじゃないし、寂しいわけでもない。
だが、人に異性として好意を向けられることはあるとは……正直、想定の外にあった。


そして、三田村嬢の感情を理解した瞬間、カレンの心情も推察できた。


……カレンは、三田村嬢の私への感情を理解しているのではないか?
思えば、そういうフシはあった。豚星。に行った時も、牽制するようなことを確か言っていた気がする。


「……三田村トレーナー」

「えっ!?はいっ、な、何でしょう?」

自分の彼女に対する感情は、決して悪いものではない。ただ、恋愛感情かと言えばまだそうでもない。
そうである以上は、ここでカレンの感情を伝えることは、あまり望ましくないように思えた。


とすると……


「……一度、三田村トレーナーからカレンをご飯に誘ってみてくれませんか?」

「え?」

「私は抜きです。こういうのは、女性同士の方が上手くいく。あと、もちろんお礼もします」

「でも、どこに連れていけばいいか……」

私はニコリと笑った。


「もちろん、心当たりはあります」


580 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/01(日) 23:33:41.29 ID:n1nbGtiAO
※今回のテーマを決めますが、今回は自由安価ではなく選択式です。
店の特徴だけ書いておきます。

1 じっくり話せる、夜は居酒屋バーのラーメン
2 六本木にある最先端スープのラーメン
3 ミシュラン掲載の都内トップレベルの名店

3票先取です。
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/01(日) 23:50:06.77 ID:ipIKA6H3o
1
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/01(日) 23:53:30.56 ID:0Ii85YRsO
2
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/01(日) 23:54:53.13 ID:78PruUIj0
1
後5分で決まらなかったら日付変わるし仕切り直した方が良さそうかな
584 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/02(月) 00:00:32.74 ID:GEI2HZj9O
日付が変わったので仕切り直します。申し訳ありません。
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/02(月) 00:01:48.09 ID:nbPpD1sS0
改めて1
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/02(月) 00:05:26.22 ID:pvpmS4T2o
1
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/02(月) 00:10:17.94 ID:9/UVx3dt0
1
588 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/02(月) 00:23:11.05 ID:I+VZ4YI5O
了解です。少々お待ち下さい。
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/02(月) 00:50:43.78 ID:pvpmS4T2o
かかりカレンチャン……イイ…
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/06(金) 17:46:29.74 ID:rYV+b3N9O
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
591 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/07(土) 17:20:58.86 ID:0ktTnQHXO
更新始めますが、どちら視点か決めます。3票先取です。

1 カレンチャン視点
2 三田村視点
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/07(土) 17:31:58.75 ID:U8/9RbiK0
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/07(土) 17:49:00.82 ID:tXnwbPaI0
2
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/07(土) 17:50:06.08 ID:ookNP2sDO
2
595 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/07(土) 18:13:32.74 ID:DL8oELkfO



第12R 「神田とりそば なな蓮」



596 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/07(土) 18:30:27.28 ID:DL8oELkfO


「天王寺トレーナー、遅くなるって」

そう告げると、カレンチャンの表情が明らかに不機嫌そうになった。

「……どのくらいですか?」

「分からないわ、急用が入ったって」

「……そうですか」

分かりやすく塩対応だ。そもそもここに来るまでも、彼女は終始無言でスマホを弄るだけだった。
それはそうだろう。彼女にとって私は天王寺トレーナーを奪う「敵」なのだ。
3人で食事という体で(もちろん天王寺トレーナーの協力も得て)彼女を誘ったのだけど、「どうしてもというなら」と反応は極めて芳しくないものだった。


……本当に上手く行くのかしら……


もちろん、天王寺トレーナーに急用が入ったというのは嘘だ。あくまで私たち2人で話し合うのが狙いだ。
確かに、腹を割って話した方が上手くいくかもしれない。だけど、失敗したら……

私は一度胸に手を当て、大きく深呼吸した。

なぜ天王寺トレーナーが、こんな提案をしたのか。それは私を信頼してくれているからに他ならない。
……でも、何を言えばいいんだろう。「お兄さんのために協力して」?それとも、芹沢トレーナーのことを、洗いざらい話す?

どちらも、多分上手くはいかない。カレンチャンは頭がいいだけじゃなく、我も強い子だ。あまりそうは見せないだけで。
取り繕った言葉はすぐに見透かされる。綺麗事を言っても、きっと「カレンには関係ない」と一蹴されるだろう。


……とすると。


「三田村さん?」

カレンチャンが訝しげに訊いてきた。そう、これしかない。

「いえ、何でも。予約していたお店に、先に行きましょうか」
597 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/07(土) 19:32:18.81 ID:DL8oELkfO


「……まさか、居酒屋ですか?」

「ラーメン屋って聞いてたけど……」

店構えは少し渋めの居酒屋バーに近い感じだ。店選びは天王寺トレーナーがしてくれたわけだけど……大丈夫かしら。

店内に入ると、炭火焼鳥の香ばしい香りが広がっていた。ジャズが流れていて、小洒落た雰囲気ではある。

「予約していた天王寺ですが……」

「お待ちしておりました、どうぞこちらへ」

小上がりに通され、カレンチャンと向かい合う。彼女はいよいよ機嫌が悪い。

「本当にお兄ちゃん来るんですよね?来ないなら帰りますよ」

「ちょっと待って。……とりあえず、軽く注文だけしましょうか」

なるほど、ちゃんとラーメンもある。しかも、麺は国産ブランド粉と本格的だ。
ただ、いきなりラーメンというのも変だろう。ここはちゃんと頼んでおこう。

「ご注文は?」

「えっと……皮にねぎま、それにトマトを。あと……この『ちゃざく』というのもお願いします。飲み物は……ウーロン茶をふた……」

……ノンアルで、素面のままでやれるのだろうかと、ふと思った。未成年者の前でお酒は教育者としてマズい。


でも、本音をぶちまけるには、これだ。


「ウーロン茶と、『黒龍』をお願いします」

「かしこまりました」

店員が厨房に入っていくなり、カレンチャンが私を睨んだ。

「今頼んだの、まさかお酒ですか?」

「ええ。お兄さんが来る前で悪いけど」

「……信じられない。そんな常識のない人だとは思いませんでした」

「そうね、でも常識を超えないと、仕方のないこともあるわ」

やがて、お通しとウーロン茶、そして日本酒の入ったグラスと枡がテーブルに運ばれてきた。

私はそれを、一気に飲み干す。

「えっ??」

喉を熱い液体が流れていく。芳醇な香りと甘みが口の中に広がり、体温が一気に上がっていった。

「……ぷは」

「ちょっと……」

「ごめんなさい〜、今のと同じの、もう一つで」

カレンチャンが、唖然とした様子で私を見ている。そんな彼女に、私は微笑んだ。

「ふふ。ちょっとテンション、上がっちゃった。ごめんなさいね、お酒の力を借りたかったの」

「……は?」

「知ってるの。あなたと天王寺トレーナーが、実の兄妹ということ。知ったのは、ここ最近だけど」

「まさか、お兄ちゃんが?」

「ええ。それで色々納得が行ったの。なんで私のことを、あなたが拒否したのか。
私はあなたにとって『泥棒猫』。そうじゃない?」
598 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/07(土) 19:33:09.45 ID:DL8oELkfO

「……呆れた。そんなの、意識しすぎ……」

「でもないわ。確かに、私は天王寺さんが好き。だから、あなたが私を敵視するのも正しい」

カレンチャンは黙って私を見ていた。そして、絞り出すように呟く。

「……まさか、もうお兄ちゃんと」

「いいえ。今は完全な片想い。あなたが心配することは、何にもないわ」

運ばれてきたお酒を、一口口にする。

「でも、片想いのままいるつもりもない。だからこれは、一種の『宣戦布告』ってわけ」

彼女が歪んだ笑みを浮かべた。

「思ったより全然いい性格してますね。優等生キャラだと思ってました」

「あなたもね。『カワイイカレンチャン』は、あくまで余所行きの演技。そっちの辛辣な方が素でしょ?」

「お兄ちゃんから聞いたんですか」

「いいえ、単なる推察」

焼き鳥を口にすると、炭火の香りとともに豊かな肉汁が溢れた。ラーメン屋のレベルじゃない、本格的な地鶏の焼き鳥だ。

「……猫を被るのが上手いあなたには、こうやって本音で話した方がいいと思ったの。そうじゃないと、きっと信用してもらえない」

「本音を言ったところで、信用するとでも思いました?」

「いえ、思わないわ。でも、私にはこれしか思い付かなかった」
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/07(土) 19:40:59.89 ID:U8/9RbiK0
この「天王寺」て璃奈なのかな?
「りなりーボード」の変化に注目!
600 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/07(土) 20:00:36.81 ID:DL8oELkfO

「なら話はこれでおしまい、ですね」

「そうね。でも、お兄さんはどうするの?」

「勝手に2人で仲良くやってて」

カレンチャンが立ち上がった。


……ダメだったか。賭けは失敗、か……


その刹那、彼女の顔が青くなった。


「……ってまさか、お兄ちゃんはあなたの気持ちを?」

「……分からない。嫌われてはないと思うけど、ただの同僚にしか思われてないかも」

カレンチャンは立ち上がったまま、身動き一つしない。どういうことだろう?

10秒ぐらいして大きな溜め息をつくと、彼女は再び座った。

「……参ったなあ。お兄ちゃんに一本取られちゃった」

「え?」

「とぼけないで。お兄ちゃん、来ないんでしょ?初めからお兄ちゃんの掌の上だった、そういうこと」

「……どういうこと?」

「お兄ちゃんの性格、知ってるでしょ?真面目な堅物で、ボディービルとトレーナー業、それとラーメンをはじめとしたグルメ以外に興味なし。
自分のプライベートのことなんて、絶対に話さない。もちろん、カレンが本当の妹なんて、多分同僚の誰も知らない」

彼女は串焼きのトマトを口にする。

「そんなお兄ちゃんが、カレンのことを話したということは……少なくとも、お兄ちゃんはあなたにはそれだけ心を許してる。恋愛的な好きかどうかは分からないけど。
多分、三田村さんがお兄ちゃんを好きだというのも、察してると思う」

顔が一気に熱くなった。これは多分、酔いのせいじゃない。

「えっ?ちょっと……」

「わっかりやすいなあ。カレンぐらいの年齢でもそんなウブな反応しないよ?
とにかく、お兄ちゃんがお膳立てをしたというのは、こうなることも予想済みってこと。
どうなるか分からないけど、三田村さんとはそれなりに長い付き合いになるかもだし。
嫌でも付き合わないといけないなら、ここでゴネててもしょうがないでしょ」

天王寺トレーナーが私を?いや、まだそういう関係になるとは分からない。
でも、そこまで好意がバレバレだったなんて……どういう顔で会えばいいんだろう。

ヤレヤレと彼女が苦笑した。

「言っとくけどお兄ちゃんはカレンのだからね?そこだけは譲らないから、覚えておいて。
というか、結構ウマスタ映えするお店だなあ。どんどん頼んじゃお♪三田村さんのおごりでしょ?」
601 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/07(土) 20:12:38.74 ID:DL8oELkfO


それからカレンチャンとは色々なことを話した。ウマスタ映えする写真のコツや、題材の選び方。どこがいいお店なのかを見分けるポイントも教えてもらった。
ライスたちがよくカフェに行っているのも思い出した。あまり休日を一緒に過ごすことはないのだけど、一度誘ってみるのもいいかもしれない。

そうしているうちに結構な時間になった。ウマ娘としては少食と聞いていたけど、それでもカレンチャンの前には焼鳥の皿がうず高く積まれていた。……お金、大丈夫かな。

「じゃあ、そろそろ締めにしよ♪やっぱりラーメンだよねえ」

「え、まだ入るんだ……」

「ラーメンは別腹♪ってね。三田村さんもお酒強いね」

「ははは……そうかしら」

メニューには塩そばと醤油そば、それに新潟風煮干しそばもあるらしい。つけ麺まで含めると結構種類があるけど……

※コンマ下
6の倍数 塩そば
6の倍数+1 醤油そば
6の倍数+2 塩つけそば
6の倍数+3 醤油つけそば
6の倍数+4 鴨そば
6の倍数+5 新潟風煮干しそば
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/07(土) 20:14:09.59 ID:KSUDeVO2o
603 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/07(土) 20:15:26.49 ID:DL8oELkfO
新潟風煮干しそばで決定しました。少々お待ち下さい。
604 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/07(土) 21:15:44.82 ID:DL8oELkfO
更新は明日にします。
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/07(土) 21:57:18.53 ID:NPMLb+U3o
おつおつ
これの度量はボスウマですわ
606 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/08(日) 20:19:49.81 ID:SAgt1fn3O

「じゃあこの『新潟風煮干しそば』にしようかな。新潟風ってよく分からないけど」

天王寺トレーナーなら知ってるのだろうか。そもそも新潟ってそんなにラーメンがあるところだっけ。

「あ、じゃあカレンもそれで。東京で新潟ラーメンって、そこそこ珍しいよね♪どれかなー」

「新潟ラーメンっていうのがあるんだ」

フフン、と得意そうにカレンチャンが鼻を鳴らした。

「新潟って御当地ラーメンがいくつもあるんですよ〜。まず、新潟市中心のあっさり煮干しラーメン。青森のとは違って昔ながらの中華そばみたいな感じです。
新潟市には味噌ラーメンもあって、割りスープがついてくるのが特徴ですね。
で、長岡市のが生姜醤油ラーメン。これは秋葉原の『青島食堂』が代表格で、かなり濃い醤油味。
そして、多分一番メジャーなのが、燕市や三条市の『燕三条ラーメン』ですかね」

「さすが天王寺トレーナーの妹さんだけあって、詳しいのね……」

「全部お兄ちゃんからの受け売りですけど。実際に食べたのは、青島食堂と燕三条ラーメンの『潤』ぐらいですね。
ここのはどれなんだろ、煮干しってあるから燕三条かな?」

「どういうのなの、それ」

「見てのお楽しみ♪ウマスタ映えするかなー」

どういうラーメンなんだろう。ウマスタに載せるとなると、インパクトがあるんだろうか。

しばらくすると、店員が丼を持ってきた。……これって。

「スープの上に大量の脂??」

「あ、やっぱり燕三条系だ」

そう言うなり、カレンチャンは器用にラーメンと自分とが両方入るポジションを確保し、パシャリと自撮り写真を撮った。

「ん〜、ちゃんとカワイク撮れてるね♪後でアップしよ」

「え、これって脂っこくはないの?」

「食べてみれば分かりますよー。というか、本家に比べるとビジュアルは大分上品かも。とにかく、いただきまーす」

疑心暗鬼で麺を箸で持ち上げる。少し太目で楕円っぽい変わった麺だけど……


……ズズッ


……!!


「美味しいっ……!!思ってたよりずっと上品で、煮干しの味もしっかり出てる……!」

「ですね♪本家燕三条のをもっと洗練させて、キレを良くした感じ。
荒々しさを抑えてる分より煮干しが強調されてて、これはこれでアリですね♪」

タマネギや三つ葉の味がアクセントになっていて、しつこさはまるで感じない。むしろマイルドで、飲みやすくすらある。
2種類のチャーシューも、柔らかくて美味しい。特に炭火で焼いた方のは、相当ハイレベルなのが私でも分かった。

「それにこの麺……とてもスープと絡む。スープも煮干しだけじゃないのかしら」

「多分。鶏のスープが混じってるのかな?だから濃厚だけど飲みやすいですね」

アルコールを入れた胃には、とても優しい味だ。カレンチャンにつられてそこそこ焼鳥も食べたけど、すんなり完食できてしまった。
607 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/08(日) 20:34:53.96 ID:SAgt1fn3O


「ふー、お腹いっぱい♪ごちそうさまでしたー」

「はは……こちらこそ」

出費はまあまあな値段になった。食べている最中に天王寺トレーナーから連絡が入り、「今日のは私が後で建て替えます」とあったけど、それはそれで申し訳なく思った。
あるいはそれも織り込んでて、カレンチャンはあれだけ食べたのかもしれない。

「……で、トレーニングの件。受けてくれるかしら?」

店を出て切り出すと、カレンチャンはうーんと唸った。

「……正直、自信はないです。1400までしか持たないのは、自覚してますし。
三田村さんのことがなくても、多分悩んでたと思います。……策、本当にあるんですよね?」

「一応。基礎的なスタミナを付けさせるために、うちでは酸素カプセルを使った超回復法を導入してるの。それである程度は距離がもつようになると思う。
問題は、それだけじゃ多分足りないということ。距離をもたせるためには、あなた一人じゃ足りない」

「それってどういう」


「『ラビット』を使ったペース破壊。それで2400mを1800に『短縮』するの」


608 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/08(日) 20:41:40.07 ID:SAgt1fn3O

そう、逃げウマ娘を使ってペースをかき乱してもらう。超スローで走るなら、カレンチャンが使う本気の脚は短くて済むからだ。


だけど、問題は2つある。まず、ラビットが最初からスローで逃げても、それはたちまちブリュスクマンをはじめとした他のウマ娘に看破される。あっさり抜かれ、普通のペースにされるのがオチだ。
余程絶妙なペースで逃げないと、本質的にスローだと分かっているカレンチャンは、脚を温存できない。

そしてもう一つ。誰にラビット役を任せるか、だ。恐らく、ラビット役がブリュスクマンに勝ち切ることはない。負けるために走るのを、誰が快く受け入れてくれるのだろうか。


……その時、あるウマ娘の顔が浮かんだ。それは……



第12話 完
609 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/08(日) 20:42:48.46 ID:SAgt1fn3O
次回登場ウマ娘を決めます。3票先取です。

1 キタサンブラック
2 セイウンスカイ
3 ツインターボ
4 マヤノトップガン
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 20:44:40.72 ID:zGER7aVFo
3
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 20:45:25.49 ID:WlsFkp+20
4
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 20:48:28.91 ID:5CENdabx0
2
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 20:48:55.44 ID:paxhXFZ6o
3
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 20:51:20.98 ID:aFD1m/DDO
2
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 20:53:04.88 ID:VCctxTh3O
2
616 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/08(日) 20:54:55.39 ID:SAgt1fn3O
セイウンスカイで決定します。続いてジャンルを決めます。
安価下1〜5で、コンマが最も大きいものとします。
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 21:07:31.19 ID:paxhXFZ6o
冷やしラーメン
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 21:08:55.10 ID:WlsFkp+20
チャーシューメン
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 21:11:17.05 ID:9Emq1voXO
鶏白湯
620 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 21:12:28.90 ID:cC4AmMHcO
本格派豚骨ラーメン
621 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 21:35:21.17 ID:kOEzcYYW0
二郎系
622 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/08(日) 21:56:32.15 ID:SAgt1fn3O
豚骨ラーメンで決定します。少しリサーチに時間がかかるかもしれません。
623 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/08(日) 22:04:59.57 ID:paxhXFZ6o
おつー
624 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/11(水) 12:51:11.39 ID:aRZi1Zy3O
今週の更新は厳しそうです。申し訳ございません。
625 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/11(水) 12:54:19.53 ID:p2aZAmiso
お疲れ様です、
626 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/21(土) 16:54:46.22 ID:G6JDJff3O



第13R



627 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/21(土) 17:14:05.15 ID:G6JDJff3O

「天王寺トレーナー、お話が」

授業終わりの私を、三田村嬢が呼び止めた。確か、この前のカレンとの話し合いは上手く行ったとは聞いていたが……

「カレンの件ですね」

彼女は少し辺りを気にすると、小声で告げた。

「天王寺トレーナーのトレーナー室で。カレンチャンも交えて話した方が良さそうです」

すぐに部屋に戻り、カレンに声をかける。話の内容を知っているからなのか、「ああ、あの件」と言ってきた。

「あの件?」

「うん、すぐに分かるよ。でも、カレンも詳しくは知らないの」

ノックの音がして、三田村嬢を招き入れる。コーヒーメーカーのスイッチを入れ、休憩用のソファーに座らせた。

「で、何かお考えが」

「はい。『ラビット』を使うことにします」

「ラビット?」

三田村嬢が頷いた。

「はい。カレンチャンの脚を2400まで保たせるには、スローペースが不可欠です。それも、超スロー。
そして、それを作り出し、かつブリュスクマンに気付かれないようにさせるには、ペースを作る『ラビット』が必要なんです」

なるほど、一理はある。しかし、そこには重大な問題がある。

「マラソンで使われる手法ですね。だが、それは自分が負けることを前提に動かないといけない。何より、そういう絶妙なペースの逃げを打てるウマ娘なんてそうそう……」

「一人、心当たりがいます。これから彼女に交渉に行こうかと」

「誰ですか」

「……セイウンスカイです」

※コンマ下
5の倍数 三田村トレーナーが担当
それ以外 男性トレーナーが担当
ゾロ目 ???
55 ??????
628 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/21(土) 17:16:39.91 ID:DbrdvmkP0
629 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/21(土) 17:49:00.34 ID:G6JDJff3O


「え、私に用ですか?しかも天王寺さんと三田村さんの二人で」

風祭トレーナーの部屋を訪れると、セイウンスカイはじゃがりこを食べながらダラダラしているところだった。

「ああ。風祭君は?」

「あー……フラワーの練習を見に行ってます。用があるのはトレーナーさんじゃなくて、私になんですよね。これからお昼寝タイムだったんですけど」

「すまん。風祭君にも話を通した方がいい話だから、出直した方がよさそうだな」

「んー、困っちゃいましたねえ。セイちゃんモテモテ!なーんちゃって。
とりあえず、そうしてもらえます?私はのんびり寝たい……」

その時、不意にドアが開いた。小柄な少女の隣に、少し不機嫌そうな顔の体格のいい青年がいる。

「またサボりか」

「ゲゲッ、聞かれちゃってました?」

「あとで校庭3周だな。……と、天王寺さんと三田村さんじゃないですか。どうしたんです急に」

「ええ、折り入って話が。セイウンスカイにあるお願いをしようかと」

「お願い、ですか」

風祭トレーナーが怪訝そうな顔になる。彼は有能で熱心な男だが、やや融通の効かない所がある。
セイウンスカイにラビットをやってもらうことを、すんなり受けてもらえるとは考えにくい。もちろん、彼女の説得も重要になるが。

「ええ。本当に心苦しいお願いですが」


私はブリュスクマンと、対ブリュスクマンに向けた作戦を話し始めた。一通り説明し終わると、苦々しげな表情で風祭トレーナーが首を振る。

「論外です。そもそもそれは一種の八百長行為だ。お二人ともに優秀なトレーナーだと思っていただけに心底残念ですよ、お引き取りを」

まあ、そう来るだろうと思っていた。この件、何のメリットも彼らにはない。
無論、それに対する反駁の準備はしている。

「お待ち下さい。これはあなた、そしてセイウンスカイが勝つ有力な手段でもある。
レースは大体半年後、東京2400にて行われると聞いてます。『スペシャルチャンピオンズミーティング』として、ダービー以上の規模で行われるものです。
無論、あなたとセイウンスカイは出るつもりのはずだ。そして昨年の菊花賞の再現を狙っている、そうでしょう?」

「……それが何か?」

「セイウンスカイの逃げは警戒されている。だから、単騎逃げは期待できない。ただ、そこにもう一人の逃げがいたら?
そして、その存在がペースの把握を困難にさせるのなら、どうなると思いますか」

「話が見えないんですが」

私は身を乗り出した。


「フェイク『馬鹿逃げコンビ』を作るんですよ。セイウンスカイと、私のカレンチャンの2人で」

630 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/21(土) 18:28:00.14 ID:ePWkp5uMO

「フェイク『馬鹿逃げコンビ』?」

「ええ。2年前にパーマーがダイタクヘリオスと宝塚・有馬とグランプリ連覇した時の手法です。
ハイペースのように見せかけて2人で大逃げ、しかしその実は息を入れてドスロー。
直線に入った時には脚がたっぷりと残っている。そういう理屈です。
2人で馬鹿みたいに逃げるから、捕まえたくても警戒からそう前には行けない。それを再現させます。セイウンスカイとカレンチャンの2人で。
多分どちらかは潰れるでしょう。しかし、スタミナのあるセイウンスカイは生き残る可能性が高い。そのまま粘り込めるとしたら……」

風祭トレーナーがふうと溜め息をついた。

「なるほど。それでわざわざカレンチャンの作戦を教えにきたと?」

「ええ。悪い話じゃない。あなたとセイウンスカイに片八百をやってもらうわけでもない。普段通りやって、こちらがそれをアシストする。それだけのことです」

「……スカイ、どう思う?」

※コンマ下
01〜30 気が進みませんね
31〜90 ちょっとトレーナーさん、席外してもらえます?
91〜99 いいですよー
00 ?????
631 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/21(土) 18:30:08.48 ID:ZbEBl1/S0
せいや
632 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/21(土) 18:44:44.13 ID:ePWkp5uMO
少し休憩します。
633 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/21(土) 18:45:00.50 ID:TMtSJX4yo
たんおつ
634 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/21(土) 21:24:50.14 ID:inDY2dvrO

セイウンスカイは少し下を向いて考える素振りをした後、「トレーナーさん、ちょっと席を外してもらえます?」と切り出した。

「え」

「いや、ちょいとお二人に相談事があって。トレーナーさんのことは信頼してますけど、女の子同士でないと言えない話もあるんですよー」

「……そうか。三田村さん、いいですか?」

「あっ、はい」

どうにも男性陣はお邪魔のようだと思い席を立ちかけると、「天王寺トレーナーも残って下さい」と言われた。どういうことだろう。
風祭トレーナーが部屋を出るのを確認すると、セイウンスカイが「はあぁ」と溜め息をついた。

「何か風祭君とあったのか?」

「いえ、何も。……何もないから困ってるんですよこっちは」

私は三田村嬢と顔を見合わせた。

「どういう意味?」

「まあその説明は後で。お二人の意見、よく分かりました。私もブリュスクマンっていう新入生の話は聞いてます。
『史上最強、世界最強の新入生』で、トレーナーが胡散臭いハゲメガネ。実力は間違いないってのも知ってます。
で、お二人の作戦も理解しました。でもそれ、多分私に負けろっていうことですよね?」

「……そうとは言ってないが」

「にゃはは、このセイちゃんにはお見通しですよ?私が逃げ粘るような展開になるなら、スピードで勝るカレンチャンが多分差せるって。
確かに私の勝ち筋はそれしかないし、私が勝つならその作戦しかない。でも、多分カレンチャンに負ける。スタミナが保つなら」

さすが、中等部でもトップレベルの頭脳があるとされる彼女だ。学力テストの結果はグラスワンダーほどではないが、それでも科目によっては学年1位になることも少なくない。

「こちらの狙いはお見通しだったというわけか……。すまないが、そういうことだ。
だが、今のところこれが打倒ブリュスクマンには一番近い。受けてはくれないか」

「このままだと私に得は何一つないですよね?だから、取り引きといきませんか?」

「取り引き?」

セイウンスカイが頷く。心なしか、顔が赤くなっているように思えた。

「あのー……ですね。私、トレーナーさんのことが好きなんです。ウマ娘としてじゃなく、女の子として。
でも、距離を詰めようと思ってもどうしたらいいか分からなくて。いつもついついごまかしちゃって。
そうしてる間にフラワーとどんどん仲良くなっちゃって。いや、そういうことにならないとは思ってますよ?
フラワーはまだ12だし。それに、私の幼馴染ですっごくいい子だから彼女を取られるのもやだし。
あーもうとにかく!お二人にはトレーナーさんと私をくっつけるお手伝いを……してもらえないかなぁって」

私は細い目を見開いた。……そう来るとは思わなかった。
三田村嬢も驚いた様子だったが、すぐに微笑んで話しかける。

「まずはお食事とか誘えばいいんじゃないかな?練習終わりとかなら、ある程度聞いてもらえるかも」

「……それができたら苦労しないですよ。理屈がないと……」

理屈、か。


……これだ。


「『チートデイ』を口実にするのはどうだ」


635 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/21(土) 21:35:51.70 ID:inDY2dvrO

「『チートデイ』?」

私は定期的にバクシンオーやカレンチャンをチートデイに誘っていることを明かした。
筋力の効率良い増強に繋がる方法であることを説明すれば、風祭トレーナーも納得はするだろう。

説明が一通り終わると、「うーん……」とセイウンスカイが唸った。

「まだ質問が?」

「いや、どこに連れていけば喜ぶんだろうなって。というか、フラワーを仲間外れにするのもどうかと思っちゃって……」

「ニシノフラワーのことなら、歳の近いカレンチャンが何とかするだろう。路線が同じこともあって、仲も確か良かったはずだ」

「あとは風祭君の好みよね。いきなり高級店は無理があるし……」

「……あ」

パン、とセイウンスカイが手を叩いた。

「確か、トレーナーさんは福岡出身だって言ってました。で、こっちにはちゃんとした豚骨ラーメンがないってぼやいてたような」

「豚骨、か」

「心当たりあるんですか?」

「……まあなくはない。ただ、ちょっと女性にはキツい店だが、それでもいいか?」

「はい!それで距離が詰められるなら!」

そういうことなら店は決まりだ。あとは、我々も同行するかだが……

1 同行する(その後のデート?は結果のみ)
2 2人だけにさせる(セイウンスカイ1人称)

※3票先取です
636 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/21(土) 21:37:03.42 ID:yC9Mm88k0
2
637 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/21(土) 21:38:20.58 ID:DbrdvmkP0
2
638 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/21(土) 21:38:40.76 ID:8pwW1puOo
2
639 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/21(土) 21:39:58.71 ID:inDY2dvrO



第13R 高円寺「健太」



640 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/21(土) 21:40:25.95 ID:inDY2dvrO
では2とします。少々お待ちを。
641 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/22(日) 23:58:30.15 ID:BWh7lUcpO


「……遅いなあ」

私は腕時計を見た。時刻は9時45分。まだ待ち合わせには15分も時間がある。
でも、私は30分前に来てしまった。まさに入れ込みだ。自分が悲しくなる。

コーディネートはバッチリだ。普段のオーバーオールじゃなく、キングに頼んで女の子っぽいワンピースを見立ててもらった。ズボンじゃないから下がすーすーして落ち着かない。

これはデートじゃない。あくまで「チートデイ」というトレーニングの一環。それは分かってる。
でも、やっと来たこの千載一遇の機会、モノにしないわけにはいかない。そう、いかないのだ。

天王寺トレーナーは「案内ぐらいはしておこうか?」と申し出てくれたけど、丁重に断った。他の子たちもいる中で、私たちだけ離脱というのは流石に難度が高過ぎる。
皆一緒にご飯というのも悪くはない。そもそも、そんな機会すら作れていなかったのだから。
だけど、多分この機会を逃したら、私は一生風祭さんとの距離を詰められないままだ。私はそう直感していた。

「……早いな」

驚いたような声が不意に聞こえた。思わず顔が綻びそうになるのを強引に抑える。

「ト、トレーナーさんこそ、遅かったじゃないですか」

「むう、大分前に着いたつもりだったんだがな。まあいいか」

渋い表情で風祭さんが言う。ダメだダメだ、何で素直になれないかなあ……

「そ、そんなことより、チートデイですねえ。セイちゃん、初めてなんですよー」

「む、そうだな。フラワーも一緒のほうがよかったんだが、天王寺トレーナー及びカレンチャンとの合同トレーニングじゃ仕方ない」

「やり方はバッチシ天王寺トレーナーから聞きましたよー。好きなものをお腹いっぱい食べる!それだけでトレーニング効率が上がるなんて、素敵ですねえ」

「俺も半信半疑だが、天王寺さんの実績は凄いからな。何より、ボディービルダーとしても著名だ。うちでも試してみる価値はある。
にしても、なぜ俺より先にスカイに説明したんだろうな?」

ギクッと一瞬なった。そこを突っ込まれると具合が悪い。

「さ、さぁ??と、とにかく行きましょうよー。場所は高円寺!……高円寺?」

「いや、スカイが店を選んだんじゃないのか?」

「あ、はは……そうでしたね」

自慢じゃないけど、私は地理に疎い。高円寺なんて、今まで行ったこともない。大丈夫かなあ……

「そもそも何を食べるつもりなんだ」

「あ、えっと、豚骨ラーメンにしようかなと。トレーナーさん、福岡の出身でしたよね?だからせっかくなんで、トレーナーさんにも楽しんでもらえないかなーって」

※風祭の反応
01〜30 東京で豚骨?
31〜70 ほう、それは楽しみだな
71〜95 君もラーメンが好きなのか
95〜00 ほう……
642 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/23(月) 00:00:07.01 ID:6vCv4Bq6o
それ
643 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/23(月) 00:11:18.14 ID:Mbucx0MWO

「東京で豚骨?」

トレーナーさんが怪訝そうになった。というより、嫌そうな表情だ。

「え?」

「いや、俺に気を遣ってくれたのは分かるが、東京でマトモな豚骨ラーメンはまず食べられないぞ。というより、俺は知らない。
だからこっちに来てからラーメンは食べないようにしてるぐらいだ。悪いが、別の店にしないか」

「……そうなんですか」

「本場の豚骨は大体が臭い。だから異臭騒ぎが起きかねない東京じゃ、ちゃんとした豚骨ラーメンは出せないと聞いたことがある。
だから、連れて行ってもらって不機嫌になるなら、行かない方がいいってことだ。すまないが」

……こんな展開は想定外だ。顔面が蒼白になるのが自分でも分かる。
ただ、天王寺トレーナーはラーメンにおいては絶対の知識がある人であるらしい。風の噂でそう聞いていた。
だから、多分このお店は大丈夫のはずだ。……うん、きっとそうだ。

※コンマ下
01〜70 通常進行
71〜80 ????登場
81〜00 ??登場
644 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/23(月) 00:13:19.68 ID:q1F6RthQ0
645 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/23(月) 00:15:25.40 ID:Mbucx0MWO
続きは週内に。いきなり前途多難な幕開けですが……?
646 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/23(月) 00:24:04.86 ID:3x0XEqTvo
あっコイツ……
647 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/23(月) 00:24:38.27 ID:3x0XEqTvo
おつおつ
セイちゃんがんばえー
648 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/28(土) 21:26:36.33 ID:u/Usl88AO

私は勇気を振り絞って何とか声を出した。

「あっ、でもでも、ほんっとうにセイちゃんお墨付きのとこなんですよー?だからねっ、行きましょうよ」

「……まあ、スカイがそこまで言うのなら」

風祭さんは微笑んだ。だけど、ほんのわずかに溜め息をついたのを聞き逃す私じゃない。
この人は嘘がつけない、不器用な性格だ。だから、たまに他のトレーナーと衝突することもある。
そういう曲げない生き方を好きになったのだけど、こういう時ぐらいは見せないでほしかったな。

でも、美味しいと分かればきっと機嫌も直してくれるはずだ。そして、そうなれば……うん、きっと上手く行く。……多分。



総武線から中央線に乗り継ぎ、私たちは高円寺に着いた。
電車の中では、どうにもギクシャクした感じになってしまった。またいつものように天気の話だけで終わっては話にならない。ムードをなんとか変えなきゃ。

場所は天王寺トレーナーから聞いている。この商店街を突っ切って行くんだっけ。

※道中で……

01〜50 誰かに会う
51〜70 誰とも会わない
71〜95 行列に誰か並んでいる
96〜00 ……あれは?
649 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/28(土) 21:27:40.35 ID:xuTTR5Hz0
650 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/28(土) 21:28:21.61 ID:K3Ip5naeo
651 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/28(土) 21:30:55.93 ID:u/Usl88AO
※出会ったのは……
01〜35 ネイチャ(風祭トレーナーが担当)
36〜70 ネイチャ(別のトレーナーが担当)
71〜85 ネイチャ(三田村トレーナーが担当)
86〜00 再判定
652 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/28(土) 21:32:32.74 ID:K3Ip5naeo
うい
653 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/28(土) 21:54:51.13 ID:u/Usl88AO

商店街に入った時、どこかで見たツインテールの少女が八百屋のおばちゃんと歓談していた。


……ゲゲッ、マズい!


「トレーナーさん、この道はやめときましょうよ」

「え、何でだ?」

「何でもかんでもですよ!ほらっ、行きまし」

「あれ?そこにいるのはひょっとして!?」

あー、もう……気付かれた。何で私っていつもこうなんだろう……思わず天を仰ぐ。

「ん、ナイスネイチャか?」

「あー、やっぱり。セイちゃんおいっすー。風祭トレーナーもご一緒で、どうしたんですか」

「ああ。ちょっと所用でね。君こそ奇遇だな」

「あー、ここアタシの地元なんですよー。おばちゃん、この人がトレセン学園のトレーナーさん。アタシの担当じゃないけど」

八百屋のおばちゃんと風祭さんが話し始めた。ネイチャは落胆している私に気付いたのか、申し訳無さそうに耳打ちする。

(ごめん、邪魔するつもりはなかったんだけどさ)

(あー……いいよ。何かこんなことになる気はしてた)

(デートでしょ?三田村さんから話は聞いてる)

私は目を丸くした。そうか、彼女は三田村トレーナーの担当なのだった。ここに私たちが来る可能性も聞いていたんだろう。

「そうなの?」

「しっ、声が大きい。どこのお店に行くかも大体聞いてる。あそこでしょ?」

彼女の視線の少し先には、数名の行列ができていた。どうやらあそこが目的地らしい。

「あー、うん。でもあんまり空気がよくなくてさ。ちょっと自信ないんだ……」

「まあそこはこのネイチャさんに任せなさい!ご飯食べた後にもう一度ここに来てもらえば、ばっちしデートルートを紹介してあげる」

「本当に!?」

「どうかしたのか、スカイ」

風祭さんが振り向いた。私は慌てて「な、何でもないです」と返す。

「じゃ、そういうことで。あそこマジで美味しいから、きっと気に入ると思うよー」

「ん?ナイスネイチャは誘わなくていいのか?」

「あー、アタシはもうご飯食べちゃったんで。また後でー」

そう言うと何事もなかったかのように、ネイチャはおばちゃんとの会話に戻っていった。
デートコース……最初は新宿でお買い物とか考えてたけど、高円寺で何かあるのかな。

※行列には……
01〜85 誰もいない
86〜95 誰かいる(再判定)
96〜00 ん?あんたは……
654 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/28(土) 22:05:29.75 ID:u/Usl88AO
上の判定を修整します。
96以上は特に何もなしです。
655 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/28(土) 22:05:57.54 ID:u/Usl88AO
96以上以外は、の間違いでした。
656 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/28(土) 22:15:44.39 ID:vd9bX2uxo
657 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/28(土) 22:41:51.34 ID:u/Usl88AO


行列に近付くと、何か異臭がし始めた。……何だろう、これ。獣の臭いというか、なんというか……
しかし、いい匂いとは到底呼べない。……これは大変な選択ミスをしちゃったのかも……

「トレーナーさ……」

「……この臭いは」

風祭さんが驚いたように鼻をうごめかした。

「え?」

「いや、間違いない。これが本物の豚骨の臭いだ。しかし、よく都内で……」

「これが豚骨ラーメンの臭いなんですか?」

「ああ。しっかりと骨から煮出しているとこういう臭いになる。ただ、下処理を中途半端にやった豚骨でスープを取った場合でも似た臭いになることはある。
本当にしっかりした豚骨ラーメンの店は、実は本場でもそう多くはないんだよ」

「そうなんですか」

「ああ。だから最近は福岡でもマトモな豚骨ラーメンを出す店は限られてる。東京で出会えるとは思ってなかったが……」

店には外との敷居がなく、まるで半分屋台みたいな感じだ。「中洲長浜屋台ラーメン初代 健太」とある。
店の中には「極悪スメルを味わってください」とある。なるほど、確かに強烈な臭いかも。

少し並んで食券機でラーメンを2枚買う。メニューは基本「豚骨ラーメン」だけ。ご主人一人で切り盛りしているらしい。

「福岡といえば、屋台ですよね」

「屋台のラーメンは大体観光客用の出来合いのスープを使ってるから、こんな臭いはさせてないんだ。
あと、スープを継ぎ足す『呼び戻し』は屋台でやるには難しいとも聞いてる。スープを使い切る『切り取り』が殆どだが、それでも長時間煮込まないから意外と味は薄い」

「そんなもんなんですかね」

「イメージと現実は、悲しいかな大分違うんだよ。……ここのが本物ならいいが」

風祭さんが少し寂しそうに言った。ひょっとしたら、向こうでも豚骨ラーメンは絶滅危惧種になりつつあるんだろうか。

そうしていると、「お待ち」との声と共に丼が2つ、私たちの前に置かれた。
スープの表面には油の膜が張っていて、スープは思っていたほどクリーミーな感じじゃない。むしろサラッとした感じだ。

※80以上で?
658 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/28(土) 22:42:09.19 ID:Cnf9ZMgf0
659 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/28(土) 22:54:00.01 ID:u/Usl88AO
※特になし
(追加情報なし)

続きは明日です。
660 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/28(土) 22:55:58.58 ID:Cnf9ZMgf0
乙です
661 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/28(土) 22:57:16.66 ID:K3Ip5naeo
おつつ
662 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/29(日) 18:48:36.46 ID:Ei6SN/jaO

「スープの匂いは……普通ですね」

麺を持ち上げると、極細麺にスープの脂が絡んでいた。思い切って啜ると……


「んっ!!?」


濃厚な豚骨の旨味がダイレクトに舌を刺激した。そして、何より……熱いっ!

「……違う」

レンゲでスープを味わいながら、風祭さんが呟く。しかし、表情には驚きはあっても、落胆はない。

「えっ、それってどういう……」

「俺の知っている長浜ラーメンとは違う。だが、紛れもなくこれは豚骨だ。
濃厚な久留米でも、ライトな長浜でもない。こんな豚骨ラーメンがあったなんて……」

そう言いながら、風祭さんは麺を啜った。そして小さく頷く。

「東京風にアレンジしたわけでもない。……何だろう、これは……」

よく分からないけど、美味しいのは確かだ。もう一度私は麺を味わった。パツパツとした歯応えが、サラッとしたスープにとても合っている。
スープは脂っこいかと思いきや、意外と後味はサッパリしている。濃厚だけどクドくない、それでいて薄くもなく濃厚。
矛盾したものが両立している、そんな不思議なスープだ。そしてスープをよく見ると、何か細かい粉みたいなものが沈んでいる。……骨の粉末?っぽい。

ゴマと辛子高菜、そして紅生姜はカウンターから入れ放題らしい。辛子高菜を一欠片入れると、味が一気に引き締まった。
何より、このスープを覆う油膜だ。スープが冷めにくいから、味がしっかりしたままでボヤけない。これが本場の豚骨ラーメンなんだろうか。

ふと横を見ると、風祭さんが「替え玉頼めますか」と訊いていた。あ、そういえばそんなのもあるんだっけ。

「トレーナーさん、どうです?」

「旨い。ただ、このスープの正体は何だ……?」

ご主人が替え玉を持ってきたタイミングで、風祭さんが切り出した。

「すみません、こちらどこで修行を?」

「あー、うちは『博多シャバ系』の『駒や』なんです。割と新しい系列なんで、知らない福岡の人も多いかもですね」

「『博多シャバ系』」

「ええ。スープの取り方も普通のお店と大分違うんです。というか、大昔のやり方に近いのかな。
だから、『古いけど新しい』豚骨ラーメンなんです」

豚骨ラーメンにも派閥みたいなのがあるんだ。全然知らなかった。

ご主人が厨房へと去ると、風祭さんはぼーっとしていた。

「古くて新しい、か……固定観念に囚われていたのかな」

そう言うと、替え玉の麺を啜り、また「……うん、旨い」と彼は呟いたのだった。

663 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/29(日) 18:53:23.57 ID:Ei6SN/jaO


「いやー、美味しかったですねえ。……満足、していただけました?」

風祭さんはボーッとした様子だったが、しばらくしてビクッと反応した。

「あっ、ああ。旨かった。間違いなく旨かった。だが、何だろうなあのラーメン……俺の知る豚骨ラーメンじゃないのに、何か懐かしかった。あれは一体……」

視線の向こうにネイチャがいた。まだ八百屋のおばちゃんと話していたらしい。

「おいっすー。どう、美味しかった?」

「美味しかったよー。でもトレーナーさんが何か悩んでいるみたいで」

「へ?」

風祭さんが一歩前に出た。

「ネイチャ、『博多シャバ系』って何か知ってるか?」

※75以上で知っている
※00で??
664 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 18:55:54.12 ID:QSNqEgMr0
665 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 18:56:42.76 ID:h01gk7Cso
おなじみ
666 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/29(日) 19:16:42.79 ID:Ei6SN/jaO

「ほえ?いやー、ネイチャさんにはラーメンのことはさっぱり。うちのトレーナーさんが最近一生懸命勉強してるみたいだけど」

「三田村トレーナーが?まあ、天王寺トレーナーなら知ってるだろうが……」

「まあ、美味しければなんだっていいじゃないですか。で、セイちゃんちょっとちょっと」

ネイチャが私を呼んで耳打ちした。

(2つ候補があるんだけど)

(へ?どういうこと?)

(いやさ、高円寺って結構カフェあるのよ。で、メルヘンな方とシックな方とどっちがいい?)

何かいきなり二択を迫られた。うーん、ここは……

1 メルヘンな方
2 シックな方

※3票先取
667 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 19:17:07.03 ID:y8qoDJquo
1
668 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 19:23:17.26 ID:qDkf9ijj0
669 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 19:23:24.19 ID:AfpmbJjrO
1
メルヒェン
670 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 19:38:41.02 ID:QSNqEgMr0
2
671 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 19:39:10.34 ID:Oa6WsEyDO
2
672 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/29(日) 20:55:32.96 ID:Ei6SN/jaO

(じゃ、じゃあシックな方で)

(了解っと。線路を挟んで向こう側の商店街にあるとこだよ。場所は後でLINEしとくね。あと、そこ2階は私語禁止エリアだから)

(え、ええーっ!?)

なんかとんでもない選択をしてしまったようだ。いや、落ち着いたとこの方がいいかなって思ってたけど……

「ん、どうした?」

「あっ、いやっ、その……まだ帰るには早いから、お茶でもどうかなって……」

「喫茶店か。俺は構わないが」

チラッとネイチャを見ると、サムズアップしながらウインクされた。いやいや、ただでさえ会話が続かないのに私語禁止カフェって……
でも、このまま何もなしってのは困る。もうこうなったら行くしかない。

「じゃ、じゃあ本屋に寄ってから行きますかー……ハハハ……」

「本屋?何か買いたい本でもあるのか」

※安価下自由安価
(余程変なものでなければ採用します)
673 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 20:58:37.02 ID:h01gk7Cso
博多の旅行ガイドブック
674 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/29(日) 21:24:02.46 ID:Ei6SN/jaO

「あ、旅行のガイドブックでも買おっかなって……」

「旅行か。遠征ついでにというのも悪くないな。考えておくよ」

「やった!」と声に出かかって、それを必死に押し留めた。フラワーとかチームメイトも一緒に決まってるじゃないか、私……
そもそもどこのガイドブックにしよう。……そう言えば、今まで一回も博多に行ったことがないんだよね。
小倉遠征ついでに風祭さんのご実家へ……って何考えてるんだ私は。思いっきりかかってるじゃん。

「……何顔を赤くしてるんだ」

「い、いえっ?な、なんでもないですよぉ?」

思い切り声が裏返っている。どうしてこう素直になれないんだかなあ……
一度恋愛強者の誰かに相談した方がいいかもしれない。誰かはさっぱり思い付かないけど。



「ここ、かあ……」

ビルの2階に登る階段の前に、「アール座読書館」という看板があった。読書用のカフェ、ってことなんだろうか。
よく考えれば、普通のカフェに行っても会話が続かないことは簡単に想像できた。ネイチャなりに考えてここを紹介してくれたのかもしれない。

「そうみたいだな」

「トレーナーさんは本屋で何を買ったんです?」

「ああ。博多ラーメンの最新ガイドブック、それと栄養学の本だな」

「栄養学、ですか」

「ああ。恥ずかしながら、チートデイのことも知らなかったからな。天王寺トレーナーはこの道のプロだが、少し俺も学んだほうがいいと思ってね」

真面目だなあ。こういう所は本当に尊敬できる。これでもう少し女心を察してくれればいいんだけど。

階段を上がり、扉を開けると……


……


…………


静かだ。あまりに静か過ぎる。なるほど、会話なんてできる感じじゃない。


「お客様、2名様ですか」

小声で女性の店員が言った。

「ええ」

「会話されたいなら、3階もありますが」

風祭さんがチラッと私を見た。

※6の倍数で3階に
※66か00でイベント
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 21:24:23.92 ID:y8qoDJquo
ヌッ
676 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/29(日) 21:47:43.00 ID:Ei6SN/jaO

お喋りもしたいけど、正直に言って自信がない。私は「ここでいいです」と頷いた。

「じゃあここで」

「承りました。どうぞこちらへ」

コポコポと水槽のポンプの音だけが響いている。店内にはそこそこ人がいるけど、皆読書をしていた。やっぱりそういうお店らしい。

メニューはコーヒーが中心で、かなりこだわっているらしかった。ただこの手のお店には珍しく、ケーキ類はやたらと安い。

(コーヒーは飲めたよな)

(はい、お任せします)

小声で風祭さんがブラジルとブラウニーを2人分注文した。しばらくすると、ポットごと店員さんがコーヒーを運んでくる。なるほど、長時間粘れるように最初からしてるわけか。
コーヒーをカップに注ぐと、風祭さんは無言でラーメンの本を読み始めた。余程「シャバ系」が気になったらしい。
私もガイドブックを開く。博多のだと知られないよう、一応カバーは付けておいた。

博多というと、今は再開発の真っ盛りらしい。特に天神は色々変わりつつあるらしい。
ガイドブック曰く、このエリアは博多ではなく「福岡」であるそうだ。なんか違いがサッパリ分からないけど、福岡の人にとっては全然違うらしい。
ラーメン店の紹介も書いてあった。あのミシュランにも博多ラーメンは紹介されているらしい。
「元気一杯」は何かで見たことがある。「来来」……透明な豚骨ラーメンもあるんだ。知らなかった。

ただ、ここを読んでも「シャバ系」の説明は書いていない。まあ、そうだよね。

福岡は釣りも盛んらしい。そう言えば、野球選手の……誰だっけ、ジョージなんとかという人が釣り人になったって話も書いてあったけど。
じいちゃんを連れてきたら喜ぶだろうなあ。そういうチャンスが来るのかは、さっぱり分からないけど。


どれぐらい時間が経ったのか。本から目を離し、コーヒーを口にする。少し冷めちゃってたけど、しっかりとした豆を使っていると、私にもすぐ分かった。
ふと風祭さんを見ると、栄養学の本を真剣に読んでいた。私のことはちっとも目に入ってないみたいだ。
でも、その真剣な表情がとても愛おしく思えて。途中から私の目は本ではなく、本を読む彼の姿に向いていたのだった。



「……そろそろ引き上げるか」

「ひゃいっ!?」

声が裏返ってしまった。静かな店内では目立つと、慌てて口を抑える。
そのまま逃げるように、私は店を出た。というか、ずっと見てたの気付かれてないよね……

※90以上で気付かれてる
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 21:49:43.00 ID:9HmrcTJE0
678 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/29(日) 21:52:17.06 ID:Ei6SN/jaO
※特殊イベント発生

せっかくなので、もう一度判定します。

奇数→90以上イベント消化後○○登場
偶数→???
679 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 21:52:49.15 ID:/XsgisAhO
ここまで00は全部奇数だがさて
680 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/05/29(日) 21:55:30.65 ID:Ei6SN/jaO
想定外のため今日はここまで。
空気を読まず奴が来ます。
681 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/05/29(日) 22:17:35.01 ID:h01gk7Cso
おつおつ
セイちゃん、恋愛でも大駆けか?
682 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/04(土) 21:22:43.85 ID:dgiPYCkQ0
支援
683 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/05(日) 18:06:13.35 ID:paLchLasO
今週はお休みの可能性大です。申し訳ありません。
684 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/05(日) 18:16:46.78 ID:Xsqi0Ey1o
ゆっくりと休むがよいぞ
685 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/05(日) 18:22:37.37 ID:lXFwyt5Ro
報告お疲れ様
686 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/05(日) 19:17:47.98 ID:cvRxNodZ0
はい
687 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/11(土) 17:56:31.28 ID:gSjxs612O


「なかなか良い雰囲気の店だったな。落ち着いて過ごせた」

「で、ですねえ……」

風祭さんは外に出ると軽く伸びをした。涼しいそよ風が彼の髪を揺らす。

「じゃ、じゃあ、トレセン学園に戻りますか」

「ん?何か言いたいことがあるんじゃないのか」

「うぇっ!!?」

急に話を振られて腰が抜けそうになった。

「ど、どうしてそんな!?」

「いや、途中から俺の方をじっと見てただろう。決して不快じゃなかったが、話でもしたいのかと思ってた。
あそこだと会話できる空気じゃなかったしな。場所を変えて、話せる場所に移動しようかと、な」

顔が真っ赤になって茹で上がりそうになる。……見つめてたの、気付かれてたんだ。

「い、いやっ、本当に、何もないんですヨ?……本当に……」

このまま消えてしまいたくなる。あー、本当に私ってダメだ……。なんでここで誤魔化そうとしちゃうんだろう。


ふと、風祭さんとの距離が近くなったのに気付いた。頭をわしゃわしゃとやられている。


「……何もないわけがないだろう。鈍感な俺でも、さすがに気付く」


「……え?」


少しだけ、彼が息をついた。


「まず、最初に言っておく。俺とスカイとは大分歳が離れている。ちょうど一回りぐらいか。
だから、すぐにそういう関係にはなれない。そもそも、色恋よりもまずレースだ。俺にはお前を日本一のウマ娘にする責務がある」

「……はい」

分かっていた。風祭さんの性格上、私の気持ちが知られたらそういうことを言うであろうことは。
私はまだ中等部だ。大人の彼とは、大分年齢も違う。私のこの感情だって、ただの憧れに過ぎない。そんなのも分かってる。


でも、こうやって面と向かって言われると……さすがに凹むなあ……


目から熱いものが込み上げてきた。……だから知られたくなかったんだ、この気持ちは。

688 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/11(土) 18:00:36.53 ID:gSjxs612O

「泣くな。俺の話はまだ終わってない」


「……え」


また、頭をわしゃわしゃとされた。顔を上げると、彼は微笑んでる。


「だが……お前が日本一のウマ娘になったら。そしてもう少し大人になって、その気持ちが変わっていなかったら……もう一度、ここに来よう。
トレーナーとウマ娘ではなく、男と女として」


「……それって!?」


頬に、軽く柔らかい感触がした。風祭さんの顔も、少し赤くなっている。

「……ここから先は、数年待ってくれ」

「……!!?」


……え?ちょっと待って、今私何されたの?というか、待つって何を??


混乱で頭がくらくらする。えっと、これって、つまり……


「ト、トレーナーさんっ!!」


私は彼の胸に飛び込んだ。



……いや、飛び込もうとした。



その時、風祭さんの顔色がサッと変わったのに気付いた。



689 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/11(土) 18:03:57.62 ID:gSjxs612O



「な……何であなたがここに」



視線は私を見ていない。その先の誰かを見ている。



思わず振り返ると、そこには……



「トレーナーとウマ娘の交際は、学園規則で禁じられているはずですがなあ」



眼鏡の禿頭が、ニヤニヤと笑いながら10mほど先にいた。


※75以上で一人ではない
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 18:04:49.84 ID:msBXTUF7o
このハゲー!
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 18:35:52.28 ID:qOGgkhVNo
https://i.imgur.com/Ws7lyy2.jpg
692 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/11(土) 18:39:22.18 ID:6vdyD1i9O

「芹沢トレーナーっ……!?」

彼の後ろには、少し日に焼けた肌の、ゆるいTシャツ姿の少女がいた。……ウマ娘?

「いやいや、無粋だったな。俺も連れがいる」

彼女は私をじっと見ている。噂には聞いたことがある。褐色の肌にツリ目気味の目。短めの黒髪。全ての特徴が噂通りだ。


多分彼女が、ブリュスクマンだ。


「……どうしてここに」

「いや、ゆっくり読書でもしようかとな。実は家がこの近所でね。そうしたら、お熱いシーンを見てしまったというわけだ。
まあ、俺も客観的には未成年者を連れ歩く怪しげな中年だからな。脅せる立場にはない」

「彼女がブリュスクマン、か」

「……Sir, can I speak to them?」

「いや、いい。お前は日本語まだ慣れてないだろ」

「……Yes, sir」

風祭さんは芹沢トレーナーをじっと見ている。芹沢トレーナーは余裕の笑みだ。

「彼女は寮に入ってるはずでは」

「いや、特例で俺が面倒を見ている。まあ見ての通り、会話もまだ不自由だからな。
もちろん、お前らのようないかがわしい関係じゃないから安心しろ」

「……俺たちもまだそういう関係では」

クククッと芹沢トレーナーが嗤う。

「あー、みなまで言うなよ。甘酸っぱすぎて胸焼けしそうになったからな。
まあ、俺とコイツが一緒に住んでいるのは秋川の若作りババアとURAの最上級幹部しか知らない。お互いに秘密を抱えた、というわけだ」

「……互いに黙っていろ、というわけか」

「その通り。まあ、俺の方は探られて困ることは何一つないがな。面倒は嫌なんでね」

彼らがこちらに近付いてくる。妙な緊張感で、私はその場から動けなくなった。


その緊張感の源は……ブリュスクマン。とてつもない圧迫感と威圧感。
こんなウマ娘なんて……初めて見た。


すれ違うその時、芹沢トレーナーが真顔で告げた。


「……『健太』に行ったな?」

「……!!?何でそれを」

「時間は経ってもあそこの臭いは強烈だからな、服にその残滓が僅かに残ってる。
女連れで豚骨、それも『シャバ系』に行くのはまず考えにくい。……天王寺が『チートデイ』の先として紹介したか」

「……そこまで分かるのか」

「あいつの手口は分かりやすいんだよ。そして、天王寺と組んだということは、お前らの手口も見えた。『逃げる』つもりだな?
だが、コイツに小手先の細工は通用しない。ま、精々頑張ることだな」

ポン、と芹沢トレーナーが風祭さんの肩を叩いた。


そしてブリュスクマンは……


「I`ll divestate you」


それだけ言って、カフェへと消えていったのだった。



第13話 完
693 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/11(土) 18:40:56.81 ID:6vdyD1i9O
次回のウマ娘を決めます。以前登場したキャラでも可です。

安価下1〜5で、コンマの最も大きいものとします。
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 18:45:06.58 ID:qOGgkhVNo
サクラチヨノオー
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 18:47:32.60 ID:DSRecOt/o
マチカネフクキタル
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 18:52:23.60 ID:MpNGeI5ao
ナイスネイチャ
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 19:05:51.96 ID:Va4b22BWo
にしのふらわー
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 19:06:45.61 ID:g3Rd3HG30
ゼンノロブロイ
699 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/11(土) 20:00:16.53 ID:6vdyD1i9O
ニシノフラワーとします。いい繋がりですね。

続いてテーマを決めます。安価下1〜5、コンマの最も大きいものとします。
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 20:04:51.56 ID:1diDc8Zqo
二郎系
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 20:11:29.50 ID:qOGgkhVNo
トマト系
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 20:14:11.21 ID:xBrW527SO
鶏白湯
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 20:15:30.85 ID:rmx9MiQ70
塩ラーメン
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 20:19:50.87 ID:KFPQ/B2NO
TOKYO UNDER GROUND RAMEN 頑者
705 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/11(土) 20:24:54.28 ID:6vdyD1i9O
>>704
池袋の方はそこまでではないので、本店でいいですか?

ただ、実食がまず不可能なので思い出しながらになりますが。
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 20:33:44.49 ID:onw+KdxkO
いいよ
707 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/11(土) 21:32:26.72 ID:6vdyD1i9O
では後日更新します。
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 21:35:59.83 ID:mUw6qnSpo
おつおつー
同棲ハゲ……!
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/11(土) 23:28:16.31 ID:PMP2bX410
おつ
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/12(日) 18:52:04.82 ID:wPWqRmtIo
皆よくラーメン店の名前がポンポンでてくるな
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/12(日) 20:52:45.98 ID:E0mmOC950
というか全部「あーあそこですね」って知ってそうな>>1がすごい
712 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/19(日) 16:11:02.14 ID:S21Gz6OyO
今週はお休みです。
仕事が多忙となりなかなか余裕ができず……
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/19(日) 16:18:48.36 ID:0O5nhnEIo
報告ありがとう
お仕事お疲れ様です……
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/21(火) 17:09:26.02 ID:UhtnPau90
支援
715 : ◆/4adlfiarI [saga]:2022/06/26(日) 17:03:17.59 ID:tRO6V8PSO
今週もお休みです。
来週になれば多分精神的に余裕が出るのでなんとか。
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/06/26(日) 17:07:48.39 ID:SZTOlQY/o
お疲れ様です
体調等お気をつけて
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2022/08/28(日) 09:40:35.05 ID:DXwxt+1Go
保守
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2022/09/19(月) 20:34:28.84 ID:MQpCUk8h0
もうダメかなあ
329.31 KB Speed:0.7   VIP Service SS速報VIP 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)