【ミリマス】真壁瑞希「瑞っ希ゅうさん」

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1 : ◆ncieeeEKk6 [sage saga]:2022/01/17(月) 00:09:34.60 ID:FVZNXAdP0
17日なのでシアター17歳組のSS

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1642345774
2 : ◆ncieeeEKk6 [sage saga]:2022/01/17(月) 00:11:54.77 ID:FVZNXAdP0
真壁瑞希「こんにちは、真壁瑞希です。巷でウワサの『瑞っ希ゅうさん』とは私のことです」

高山紗代子「瑞希ちゃん、おはよう!」

瑞希「おや、高山さんに白石さん。何かご用ですか?」

白石紬「実は横山さんが真壁さんを呼ぶようにと仰っているのです」

瑞希「横山さんというと、この辺りの庶民にも親しまれているお殿様であり、お二人が仕えているあの横山奈緒さんですか?」

紬「ええ、まさしくその横山さんです。なぜそのように具体的な説明をなさったのかはわかりませんが……」

瑞希「横山さんはなぜ私を?」

紗代子「詳しいことは私たちもわからないんだ。ただ呼んで来るように言われて……」

瑞希「そうですか。では用件は横山さんから直接聞きましょう」
3 : ◆ncieeeEKk6 [sage saga]:2022/01/17(月) 00:13:21.20 ID:FVZNXAdP0
〜奈緒の屋敷の前〜

紗代子「あれ? 橋の前に看板がある。『このはし渡るべからず。渡るなよ!? 絶対渡るなよ!?』だって」

紬「どこか傷んでいるのでしょうか。そのような話は聞いていませんが……」

瑞希「なるほど、ティンと来ました。高山さんは白石さん、この看板は──」

紗代子「わかるよ瑞希ちゃん。橋を渡るな、つまりお堀を渡れってことだよね!」

瑞希「え?」

紬「お、落ち着いてください。確かに橋が使えない以上お屋敷へ行くにはお堀を渡るしかありませんが……」

紗代子「大丈夫、私が先に泳いで行って船の代わりになりそうな物を取ってくるから。ふたりは後からそれに乗って来てね。それじゃあ行くよ!」
4 : ◆ncieeeEKk6 [sage saga]:2022/01/17(月) 00:14:20.44 ID:FVZNXAdP0
紗代子「寒い!!!」

瑞希「ああ、高山さんが寒中水泳を……」

紬「……このままではいけません。高山さん、今助けに参ります!」

瑞希「待ってください、そのまま行っては──」

紬「寒い!!!」

瑞希「遅かった……」
5 : ◆ncieeeEKk6 [sage saga]:2022/01/17(月) 00:15:38.38 ID:FVZNXAdP0
紬「た、高山さん、ご無事ですか?」

紗代子「あれ、つ、紬ちゃんも来てくれたの?」

紬「はい。高山さんにばかり負担を強いるわけには参りませんので」

紗代子「ありがとう紬ちゃん……! よーし、二人ならきっとこのお堀も乗り越えられるよ!」

瑞希「高山さん、白石さん、こっちです。手を伸ばしてください」

紗代子「あ、瑞希ちゃんも向こうから手伝ってくれてる!」

紬「……ん? 向こうから……?」
6 : ◆ncieeeEKk6 [sage saga]:2022/01/17(月) 00:17:17.04 ID:FVZNXAdP0
紗代子「はあ……はあ……根性が鍛えられたね……」

瑞希「お疲れさまです。ナイスファイトでした」

紬「それよりも、真壁さんはどうやってここに?」

瑞希「橋を渡。ました」

紗代子「ええ!? 橋を渡ったらだめだよ!」

瑞希「いいえ、だめではありません。『渡るなよ!? 絶対渡るなよ!?』とは暗号で、『渡れ』という意味なのです」

紗代子「そうだったんだ……っくしょん!」

紬「……真壁さん、まさかあなたはそれを知りながら私たちを……はくちゅっ!」

瑞希「申し訳ありません。説明するより先に飛び込んでしまったので……」
7 : ◆ncieeeEKk6 [sage saga]:2022/01/17(月) 00:18:18.93 ID:FVZNXAdP0
〜奈緒の部屋〜

瑞希「失礼します」

横山奈緒「お、来たか瑞希。いきなり呼びつけてごめんな。あれ、紬と紗代子は?」

紗代子「全身びしょ濡れになってしまったので、別の部屋で体を温めています」

奈緒「びしょ濡れ? なんで?」

瑞希「寒中水泳を少し……」

奈緒「寒中水泳!? 紗代子ならともかく紬も? 元気やなあ。後でお見舞い行ったろ」
8 : ◆ncieeeEKk6 [sage saga]:2022/01/17(月) 00:19:18.53 ID:FVZNXAdP0
瑞希「ところで、ご用はなんでしょうか」

奈緒「おっと、そうやった。今日は瑞希に見せたい物があって呼んだんや」

瑞希「見せたい物、ですか」

奈緒「そう。それがこの屏風や」

瑞希「立派な屏風ですね。描かれているのは虎ですか?」

奈緒「瑞希もそう思う? ほらエレナ、だから言うたやん。やっぱり虎やって」

島原エレナ「うーん。でも、トラじゃなくてジャガーに見えるヨ。だって模様が違うもん」
9 : ◆ncieeeEKk6 [sage saga]:2022/01/17(月) 00:21:16.07 ID:FVZNXAdP0
奈緒「っちゅうわけで、これが虎なのかジャガーなのかで意見が割れとんのや。私は虎のつもりで買ったんやけど……」

瑞希「なるほど。これがなんの動物なのかを明らかにすればいい、ということですね」

奈緒「大きくて黄色いんやし虎やろ」

エレナ「でもしましまの模様がないヨ?」

瑞希「描いた人に話を聞けない以上、話し合いの意味は薄いです。ここは動物を屏風から出して直接確認しましょう」

奈緒「え、そんなことできるん?」

瑞希「マジックを応用すればできます。屏風から出てきたら逃げられないように捕まえておいてください」

エレナ「わかったヨ!」

奈緒「どっちだったとしても結構まずいことになりそうやけどな……」
10 : ◆ncieeeEKk6 [sage saga]:2022/01/17(月) 00:21:47.67 ID:FVZNXAdP0
瑞希「それではいきます。3、2、1……はっ」

奈緒「ホンマに出てきた!」

エレナ「エーイ! ……捕まえたヨ!」

奈緒「さあ、虎か? ジャガーか? どっちや!?」

宮尾美也「にゃあ〜」

奈緒「猫や……」
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